Hyperion EOS firmware update 本書は、Hyperion 製充電機のファームウェアの更新方法を解説したマニュアルです。ファームウェアの更 新を始める前に、必ずこのマニュアルで説明している内容を全てお読みになり、発生し得るリスクをご理解 の上、作業を開始してください。 ※ 本マニュアルは、オリジナルの英語版マニュアルhttp://media.hyperion.hk/dn/pc/Hyperion%20Update.pdf )を、有限会社エアクラフトが国内ユーザーの皆様の補助資料としての使用を目的に、独自に翻訳し提供す るもので、その内容の正確性を保証するものではありません。翻訳にあたっては細心の注意を払っておりま すが、誤植、理解の相違などによる不適当な内容がある場合は、英語版マニュアルの内容が優先され、これ に起因する問題が発生した場合も弊社はいかなる責任を負わないことを、予めご了承の上ご利用ください。 Hyperion (c) 2011 - Update December 21, 2011 ファームウェアを更新するリスクと問題発生時の責任について Hyperion 社はファームウェア更新機能の設計にあたり、更新作業の失敗によるファームウェアファイルの 破損で、お使いの充電機が使用不能に陥らないように様々な安全対策を施しています。 V4.3 またはそれ以降のバージョンのファームウェアが動作する充電機には、ファームウェア読み込みミス、 ファイル破損等、更新作業時のエラーから復帰する安全機能が備わっています。V3.9 もしくはそれ以前の バージョンのファームウェアが動作する充電機には、この復帰機能がありませんので最悪の場合充電機が起 動しなくなる、または正常に動作しなくなることがございますので、特に注意をしながら作業にあたってく ださい。 ユーザーによるファームウェアの更新失敗に起因する充電機の損傷・不良動作は、Hyperion 社が提供す る製品保証の範囲には該当せず補償交換サービスの対象外となってしまいますので、予めご了承ください。 また、生産中止になった型番の充電機は、同製品への交換ができません。 ファームウェアの更新は必ずしも必要ではありません。新しいファームウェアは、最新の機能を既存の充電 機に追加するためのオプションとして無料で提供しており、それを必要とするユーザーの自己責任のもとで 更新作業を行っていただくことを使用条件としています。ここで説明しているリスクと責任についてご同意 いただけない場合は、ユーザー様によるファームウェアの更新はご遠慮ください。 Hyperion 代理店での有償ファームウェア更新サービスをご希望の場合は、お近くの代理店までお問い合わ せください。その場合、送料と作業費を申し受けます。 Hyperion 社日本総代理店 有限会社エアフラフト お問い合わせは TEL 050-3360-9285 V3.9 もしくはそれ以前のバージョンのファームウェアが動作する充電機をお使いの方は、 下記の4つの注意事項をお読みになってから作業を始めてください。 ■ デスクトップパソコン vs ノートパソコン デスクトップパソコン、ノートパソコンのどちらを使用しても問題はありませんが、内蔵電池が満充電でか つコンセントにAC電源プラグを挿した状態のノートパソコンの方が、急な停電が発生した場合に内蔵電池 がバックアップ電源として機能し、ファームウェアの更新を継続できるため、より安全な方法です。 ■ 天気 嵐や雷など天候が荒れていて停電が発生しやすい気象状況下での作業はお避けください。同様に、 エアコ ンやレンジなど消費電力の高い電化製品を同時に多く使用し、屋内電源に過度な負荷がかかっている状態 では、作業中に停電を招く恐れがありますのでお気をつけください。 ■ 電源 最も電源に適しているのは、停電の心配が無い満充電状態の自動車バッテリーもしくはディープサイクルバ ッテリーです。充電機の入力電圧を満たすリポバッテリーの使用も良いでしょう。 ■ USBポート 同じパソコンであっても全てのUSBポートが同等の仕様では無い場合があります。ファームウェアの更新 には、お使いのパソコンに USB2.0 もしくはそれ以降のバージョンの USB ポートが必要です。一つ目のポ ートでうまくいかなかった場合は、ドライバープログラムをアンインストールし、再度別の USB ポートに てドライバーを再インストールしてから、もう一度試してください。USB ポートによっては電源供給能力 の低いものがあり、作業に適さないものがあります。また、USB アダプターは、USB ハブなどを介さず、 直接パソコンの USB ポートに挿入してください。 動作環境 ■ ソフトウェアの対象 PC と OS のバージョン 現在提供しているファームウェア更新アプリケーションは、Windows XP、Visa、Win 7 32-bit での動作 を確認しています。64-bit OS(XP、Vista、Win7)でも動作しますが、正しい USB ドライバーを使用して いる必要があります。 ハードウェアバージョンが3以降のファームウェア更新機能付き Hyperion 製充電機には、USB ポートが 搭載されており、専用のケーブルがお買いげ時に同梱されています(0720i-NET3, 0615i-DUO3, 0720iSDUO3 など)。これ以前のバージョンの NET および DUO シリーズ充電機 (0610iDUO, 0610iNET, 0610iDUO2, 0720iNET など)は、PC と充電機を接続するための別売りの専用ケーブル(製品コード: HP-TI-PRGUSB)が必要となります。この専用ケーブルは、Hyperion TITAN シリーズスピードコントロ ーラ(ESC)の PC 上でのプログラミングや、PC と Hyperion Emeter V1 を接続するのにも使用されます。 この専用ケーブルとは別に、延長ハーネス (製品コード: HP-EOS06-PCCBL)も必要です。 すべてのファームウェア更新機能を持つ充電機(ハードウェアバージョンが 3 の充電機を含む)は、USB アダプターに所定の Windows ドライバーがロードされている必要があります。HP-TI-PRGUSB 用ドライ バーのダウンロード、インストールおよび使用方法は、こちらのリンクをご覧ください: http://media.hyperion.hk/dn/pc/prgusb-drv.htm ■ ユーザー設定のバックアップについて ファームウェアの更新を行うと、更新前のユーザー設定を初期化してしまうことがあります。ユーザー設定 のバックアップが必要な場合は、Hyperion より提供されている PC 管理およびデータログソフトウェア EOS Control & Data Suite を使用し、ファームウェアの更新を開始する前に、すべてのデータをバック アップされることをおすすめします。 ファームウェアの更新方法 複数の Hyperion 充電機をお使いのユーザーは、必ず一度に一台ずつ更新を行ってください。まず初めに、 充電機のシリーズとバージョンに適したバージョンのファームウェアをダウンロードしてください。 DUO615+のファームウェアが DUO615 充電機では動作しないように、各シリーズとバージョン用に異な るファームウェアが用意されています。 適合するバージョンのファームウェアを含むプログラムパッケージのダウンロードが完了しましたら、フォ ルダーを解凍し EOS_FW_UP_24.exe を実行してください。上のような画面が表示されます。 この画面上の SEARCH ボタンをクリックすると、次の画面が表示されます。 表示されているデバイス一覧から、“Silicon Labs CP210x USB to UART Bridge (COMx)”を選択し、 OK ボタンをクリックしてください。同じデバイス名が複数表示されていて、これからファームウェアを更 新する充電機のデバイス名が明らかで無い場合は、この充電機以外に接続されているその他の USB デバイ スを全て取り外し、再度 SEARCH を行ってください。 次に BROWSE ボタンをクリックし、お使いの充電機のバージョンに適合するファイルを選択してください (*.bin ファイルです)。 Interface Type (インターフェイスタイプ)は、初期設定である Setting 1 のままで結構です。 ここで充電機の電源を入れ、正常に起動することを確認してください。続けて、PC 画面上の PROGRAM ボタンをクリックしますと、充電機が自動的に再起動しファームウェアの更新が始まります。 備考1:古いバージョンのファームウェアが使用されている充電機の場合、“BOOTLOADER をアップデ ートしてください“というメッセージが出ることがあります。その場合、YES をクリックしてください。 備考2:再起動機能をサポートしていない古いバージョンのファームウェアの充電機の場合、ファームウェ ア更新開始プロセスがタイムアウトしないように、手動で充電機を再起動しファームウェア更新を開始させ る必要があります。(つまり、PROGRAM ボタンを先にクリックした後に、充電器の電源を入れてくださ い。) 備考3:間違って異なるバージョンまたはシリーズのファームウェアを選択した場合、” you are trying to load a different models firmware”のメッセージとともに警告画面が表示されますので、NO を選択し 再度正しいファームウェアを選択してください。 ファームウェア更新が成功した場合 ファームウェアの更新が成功したら上のような画面が表示されます。更新が終わりましたら充電機が自動的 に再起動されます。 ファームウェアの更新により、以前のユーザー設定が初期化されていたり、新機能や新しいオプションが追 加されることがあります。ファームウェアが更新された充電機をお使いになる際には、一度各設定項目を確 認してください。 ファームウェアの更新が完了しましたら、プログラムを閉じるか、別の充電機の更新を行うことができます。 ファームウェア更新がうまくいかない時は Cannot find any SiLabs port in Search window このエラーメッセージが表示される場合、充電機のドライバーが正しくロードされているかを確認してくだ さい。最新の SiLabs 製ドライバは Hyperion のダウンロードページにあります。 Program ボタンをクリックしても何も起きない。 お使いの充電機のファームウェアのバージョンを確認してください。バージョン 4.3 以下の場合、充電機 を手動で再起動させる必要があります。つまり、Program ボタンをクリックしてから、充電機の電源を入 れます。うまくいかない場合は、以下のトラブルシューティングを行ってください。 a) 正しい COM ポートが選択されてますか? b) 他の USB プログラムが動作中ではないですか?一部の Nokia、Sony Ericsson の携帯電話用パッケー ジソフトのように、他のUSBプログラムの動作を阻害するものがあることが知られてします。 c) 他の USB ケーブルをお試しください。 d) 他の USB ポートをお試しください。 間違って異なるバージョンのファームウェアをロードしてしまった! 警告が出ているのにもかかわらず YES をクリックし、誤って異なるバージョンのファームウェアをロード してしまった場合、充電機を起動してもビープ音を鳴らす以外に動作しなくなります。この場合、再度ファ ームウェアの更新を正しいファームウェアで行ってください。この時、充電機は自動的に再起動しないので、 Program ボタンクリック後に手動で充電機の電源を入れるようにしてください。現在のファームウェアと は異なるバージョンのファームウェアを読み込もうとしていますという警告メッセージ(you are trying to load another firmware than the one present on the charger)、構わずに YES をクリックし更新 を行ってください。 PC もしくは充電機の電源が更新作業中に落ちてしまったら ファームウェアバージョンが 4.3 もしくはそれ以降の充電機の場合 ファームウェアの更新を再度はじめからやり直してください。ただし、Program ボタンをクリックしたあ とに、充電機の電源を手動で入れる必要があります。現在のファームウェアとは異なるバージョンのファー ムウェアを読み込もうとしていますという警告メッセージ(you are trying to load another firmware than the one present on the charger)、構わずに YES をクリックし更新を行ってください。 ファームウェアバージョンが 3.9 もしくはそれ以前の充電機の場合 上記の場合と同様に、ファームウェア更新をやり直してみることはできますが、充電機が正常に動作する保 証はありません。ファームウェア更新のリスクと責任のところで説明をしましたように、ファームウェア更 新を失敗したことにより、充電機を修復不可能な状態にしてしまった可能性があります。一定の条件に該当 する場合、Hyperion による新品充電機の割引交換が可能な場合がありますので、商品をご購入されたお店 にご連絡の上、状況を説明してください。 ※注意事項 充電器の電源を入れた状態で、自動で充電器が再起動する場合、つまり、バージョン 4.3 以上のファーム ウェアから更新する場合は、そのままで問題ありませんが、手動で充電器の電源を入れる場合、つまり、バ ージョン 4.3 以下のファームウェアから更新する場合は、充電器の電源の入れ方に注意が必要です。 安定化電源、バッテリーの電源端子に充電器側の接続端子、クリップを繋げて電源を入れようとするとチャ タリングという現象が起きて、更新作業が失敗する場合があります。 チャタリングとは、金属同士を接しようとすると、必ず、接した瞬間に反発して離れようとします。それを 繰り返すことをチャタリングと言います。電子機器ですので、僅かな瞬間の遮断でも回路は閉じてしまい、 作業が失敗することになります。これを回避するには、安定化電源の場合は、安定化電源機器のスイッチで 電源を入れるようにしてください。鉛バッテリーの場合は、端子も軟らかい鉛ですのでその点を留意して慎 重に接続すれば、チャタリングは起き難いと思います。
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