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UNITAID Information No. 8
平成 25 年 11 月 19 日
オランド大統領から安倍晋三首相あてに書簡
途上国での医療アクセス改善に貢献する財源として航空券連帯税を
ユニットエイドの主財源である航空券連帯税について、日本の同税導入に向けての前向き
な取り組みに期待する旨の書簡が、先ごろフランスのオランド大統領から安倍晋三首相宛
てに届けられました。
航空券連帯税は、革新的資金調達としての国際連帯税の具体化として、各国に先駆け 2006
年にフランスで導入され、これまでに 10 億ユーロ(1300 億円)を超える税収をもたらしてい
ます。
-------------------------H-I-S-T-O-R-I-Q-U-E------------------------国際貢献財源としての国際連帯税創設の動きは、2000 年に日本で開催のサミットに遡りま
す。同年 7 月の沖縄サミットで HIV・エイズ、結核及びマラリア等の感染症対策強化で合意
がなされ、G8 コミュニケとして発表されました。同年 9 月ニューヨーク国連ミレニアムサ
ミットではミレニアム目標が採択されました。
2002 年フランス。シラク大統領がモンテレイでの国連開発資金国際会議に出席、その後ミ
レニアム目標達成のための革新的資金調達方法の検討が開始されました。
2006 年、革新的資金調達の具体化としてフランスが航空券連帯税を開始。同年国連でユニ
ットエイド設立が調印され、航空券連帯税からの税収を活用しての三大感染症対策として、
関連医薬品や診断機器へのアクセス改善のための取り組みが始まりました。
2006 年 3 月、パリで「開発のための連帯税に関するリーディング・グループ」が結成され
ました。日本は、2008 年 11 月から正規メンバーとしてこの会議に参加していますが、それ
に先駆け、同年 2 月に国際連帯税創設を求める議員連盟が設立されています。
2009 年、外務省が平成 22 年(2010 年)度税制改正要望として国際開発連帯税の新設を提出、
以来毎年同要望が提出されています。
2011 年 2 月、ユニットエイド理事長フィリップ・ドスト=ブラジ来日。2013 年、5 月と 10
月に事務局長ドゥニ・ブルーンが来日。10 月の来日では国際連帯税創設を求める議員連盟
会長の衛藤征士郎衆議員議員を始めメンバー議員の皆様との懇談を持ちました。
-------------------------------------------------------------------------------こうしたこれまでの経緯から今回の書簡が届けられました。ユニットエイドは国際連帯税創
設を求める議員連盟、NGO の各団体の皆様との連携を続け、日本の航空券連帯税導入に向
けての動きに期待しています。
UNITAID - World Health Organization - 20, avenue Appia – CH-1211 Geneva 27 – Switzerland
参考資料 1 :
2013 年 11 月 4 日、フランスのル・モンド紙。マラリア対策への財政状況についてこの 10
年で官民双方から新たなイニシアティブが生まれ様変わりしたという記事が掲載され、ユニ
ットエイドについて大まかに次のような記載がありました。「2006 年設立のユニットエイ
ドは 2012 年には 5200 万ドルをマラリア対策に支出。医薬品市場へのアクセスと革新的助
成金メカニズム活用に重点を置き、抗マラリア薬のプライベートセクターにおける値段を
8-10 ドルから 1.5-2 ドルにまで下げた。」
参考資料 2 :
2013 年 9 月 25 日、国連総会でのオランド大統領スピーチ
フランス大使館ウェブサイト http://www.ambafrance-jp.org/article6856 で紹介されている全
文訳から UNITAID について言及部分の抜粋「我々の最良の武器、それは開発のための政策で
す。というのも貧困、失業、不平等が、暴力と不安定を最も助長する温床になるからです。
ここでもまた、フランスは国際社会に対し、必要不可欠なインフラ整備の資金を調達し、極
めて重要な公共財を利用可能にするため、新たな基金を設立するため力を合わせるよう呼び
かけます。フランスはヨーロッパとともに、革新的資金調達の導入のために闘っています。
何よりもまず、航空券税は UNITAID(国際医薬品購入ファシリティ)に財源をもたらし、
2006 年以来 10 億ユーロを生み出しています。我が国は主要感染症(エイズ、結核、マラリ
ア)と闘うために我々ができることを一層向上させようと、この税を 10%引き上げること
を決めました。」
参考資料 3:
2013 年 9 月 25 日、国連総会サイドイベント「ポスト 2015 年:保健と開発」安倍総理ステー
トメント。
外務省サイト http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/page3_000423.html より抜粋「その人間の安
全保障の理念を具現化する上で不可欠の分野が保健です。保健に関する MDGs 達成に遅れが
あり,例えば,HIV/AIDS,マラリア,結核対策に取り組む『世界基金』への継続的支援が重
要です。日本としても,来るべき第四次増資会合において,相応しい貢献をするつもりで
す。」
参考資料 4:
2009 年 5 月「開発資金のための連帯税に関するリーディング・グループ」第 6 回総会での
御法川政務官のスピーチ内容
外務省サイト http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/21/emnr_0528.html より UNITAID 言
及部分抜粋「日本国政府は、人間の安全保障に直結する問題として、保健分野を開発途上国
支援政策の柱の一つとして位置づけている。我が国は従来より国際保健の取組を重視してお
り、航空券連帯税、UNITAID、予防接種のための国際金融ファシリティ(IFFIm: International
Finance Facility for Immunization)、ワクチンの事前購入制度(AMC: Advance Market
Commitments for pneumococcal vaccines)といった他国の取組が焦点を当てている感染症対策
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を含む保健分野での協力としては、2005 年に『保健と開発』に関するイニシアティブを打
ち出した。同イニシアティブに基づき、2005 年から 5 年間で総額 50 億ドルを目処とする協
力や世界エイズ・結核・マラリア対策基金への拠出を通じ、保健分野の MDGs 達成に向けて
積極的に貢献してきている。」
参考資料 5:
2010 年度(平成 22 年度)以来毎年、外務省から税制改正要望として「国際開発連帯税」の新
設が提出されています。
財務省ウェブサイト http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2014/request/mofa/
より
平成 2 6 年度税制改正( 租税特別措置) 要望事項( 新設・拡充・延長)
制度名 /国際協力を使途とする資金を調達するための税制度の新設
税目 /国際連帯税
要望の内容/飢餓や感染症など地球規模課題への対処を始めとするミレニアム開発目標
(MDGs)の達成等,世界の開発需要に対応するためには,伝統的 ODA のみでは資金量が十
分ではないとの認識から,革新的資金調達に対する関心が高まっている。こうした革新的な
資金調達のための税制度として,既に航空券連帯税が一部の国で実施されているほか,欧州
では金融取引税による対応も検討されている。
About UNITAID
UNITAID は HIV/エイズ、マラリア、結核との闘いに継続的資金提供をすることを目的とし、
2006 年、ブラジル、チリ、フランス、ノルウェー、イギリスの各政府により発足した世界保健
衛生イニシアティブです。UNITAID の財源の約 70%は、少額を航空券に課税する航空券連帯
税からもたらされています。UNITAID はパートナーである実施機関を通じて、途上国の人々の
ために確かな品質の薬や診断器具購入に資金を投入し、その市場支配力を活用して供給拡大、
より優れた製品の開発促進、配給時間の短縮、そして価格引き下げを実現します。
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