より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍

T H E L E A D E R S H I P C O M PA N Y ®
より多様性のある
職場へ
日本の成長を支える女性の
活躍
ファシリテーター:飯沼 綾 & クリストファー・ブラック
1 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
目次
はじめに
背景
03
05
問題の背後にあるもの: 経済的背景と要因
日本 vs 世界: 比較展望
07
ハイドリック・アンド・ストラグルズの調査
調査の手法
05
09
09
回答者の構成
10
目に見えない昇進の壁を突破するために
11
障壁となるもの:
• 家族への義務という重い負担
• 職場環境:男性中心の世界
• 女性の伝統的な考え方
15
18
• 変化を起こすためのノウハウ
• 魅力のない職業
解決方法を見つけるために
12
20
21
22
H&Sの調査:男性と女性で異なる意見
成功事例:多様性を推進する会社企業
22
26
まとめ: 重要な成功要因 ― Heidrick & Strugglesの結論
31
版権©2014 ハイドリック・アンド・ストラグルズ イン
ターナショナル Inc. 禁無断転載。
許可なく複製することを禁じます。商標およびロゴは
各所有者が著作権を有するものです。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
2
はじめに
高齢化社会、労働力不足、グローバル市場
における競争の激化など様々な問題に取り
組む中で、日本はようやく、長きに渡り労
働力として過小評価されていた女性に目を
向け始めている。日本では女性が労働力人
口の60%を占めており、教育水準の高い日
本女性の多くは管理職・経営層への昇進に
意欲的である。現在、日本政府はそのよう
な上昇志向の強い女性の活躍を推進する方
針を明確に打ち出している。安倍晋三首相
は日本の成長戦略の中核として、女性の職
場進出を積極的に促す計画に着手した。同
首相は2013年4月に「社会のあらゆる分野で
2020年までに指導的地位に女性が占める割
合を30%以上とする」と述べ、同年9月に「
われわれは2020年までに女性の労働参加率
を現在の68%から73%に引き上げるという
目標を定めた」と述べている。1
しかし変革はたやすいものではない。女性
の活用を推進する企業が増える一方、男性
優位の中間管理職層は変革の必要性を理解
しきれておらず、女性の職場進出や女性管
理職の登用を妨げる障壁を取り除く具体策
もまだ確立されていないのが実情である。
女性のみならず男性も、女性の昇進を妨げ
ているガラスの天井を打ち破ることの重要
性を認識している一方、女性の職場進出や
管理職者の登用を妨げている要因について
の認識は男女間で大きく異る。
1 出典: ウォール・ストリート・ジャーナル,安倍晋三の論説への寄稿,2013年9月25日
3 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
女性の立場からすれば、妻や母としての義
務を果たすことを期待する日本の社会通念
上、仕事と家庭の両立が女性の職場進出や
管理職への登用の最も大きな妨げになって
いると言うだろう。長きに渡り女性が主戦
力としてみなされてこなかったことから、
女性の管理能力や専門的能力は著しく過小
評価されていると感じ、男性優位の企業風
土を形成している男性同士の強力な社内ネ
ットワークから排除されていると考えてい
る。男性は女性が直面している問題の多く
を認識してはいるものの、女性と同じ程度
で理解しているとは言いがたい。
今後の労働力不足の解決策として、積極的
な女性の人材活用に向けた変革を力強く推
し進める事は不可欠である。ようやく日
本企業の経営上層部でも、女性の職場進出
や女性管理職の登用を妨げている障害につ
いて活発な議論が繰り広げられるように
なり、女性が経営上層部において最大限に
能力を発揮できる環境の整備と全社的な意
識改革に取り組み始めている。本書では日
本における女性管理職の現状を浮き彫りに
し、彼女たちが直面している障壁を明らか
にし、管理能力やリーダーとしての資質を
持つ女性の有効的な活用方法を提言する。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
4
背景
問題の背後にあるもの:経済的背景と要因
「日本の女性は最も活用されていない人的資源だ。」これは
日本の安倍晋三首相の言葉である。そして彼の言葉を裏付け
る統計データがある。経済大国である日本では、女性管理職
の人数があまりにも少なすぎるのだ。企業の91%には女性管
理職が一人もおらず2、女性管理職がいる企業においても、そ
れらの女性はほとんどの場合中間管理職にとどまっている。
世界経済フォーラムの2013年版の「男女格差指数」ランキン
グにおいて、日本は135カ国中105位となり、2006年以来毎年
順位を下げている。3
この「男女格差指数」は、女性の(1)経済活動への参加と機
会、(2)教育達成度、(3)健康と生存、および、(4)政治への
関与の 4つの主な分野に基づき算出されるものである。日本
は2つ目と3つ目の分野で高得点を得ており(順に91位、34位)
、政府が2つの基本指標においては正しい方向に向かってい
ることが示されたものの、1つ目(104位)および4つ目(118位)
の分野では嘆かわしい結果となった。
1986年の雇用機会均等法施行以来、日本の職場の多様化は遅
々として進まない。働く母親に対する企業のサポートは2000
年代を通して広がり、2010年以降、日本企業の海外での発展
と、それにともなう有能な人材の募集により、職場における
女性の貢献の重要性への認識は高まった。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ(H&S)のインタビューを受けたアキレス美知子(NPO法人GEWEL理事、元資生
堂執行役員)は日本におけるダイバーシティの歴史を3つの主要な段階に分けている。
第1段階:
1986年の雇用機会均等法からはじまった。有能な女性が企業に総合職(管理職への昇進の可能性
がある従業員)として就職するようになる。
第2段階:
2
2000年以降:企業の社会的責任と企業イメージに対する企業の意識が高まる。働く母親を支援す
る新制度の実施により、多くの日本企業が今日の優れた支援基盤を整備するに至る。
第3段階:
2010年~現在:より多くの日本企業が海外進出し、グローバルに事業を拡大すると同時に、人材
多様性の必要性に対する認識が高まる。女性が戦略的に重要な人材となりはじめる。
出典:国際通貨基金,「Can Women Save Japan(and Asia Too)?(女性は日本を(そしてアジアを)救えるか?)」,2012年
10月
3 出典:世界経済フォーラム,「世界男女格差レポート2013年版」
5 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
最近、政府は女性登用の目標水準を引き上げた。安倍首相
は、GDP(国内総生産)を15%上昇させることを目指して、日本
経済において必要とされている労働者を新たに820万人生み出
し、職場の男女格差を縮めることを提案している(出典:キ
ャシー松井(ゴールドマン・サックス証券株式会社),「ウー
マノミクス」)。日本経済改善のために策定された一連の政
策措置である「アベノミクス」の一部とされるこれらの的を
絞った努力は、企業においてより多くの女性指導者を生み出
し、2020年までに女性管理職の人数を30%増加させることを目
標とするものである。4
この点については明るい兆しが見られており、単なるかけ声
というわけではなさそうだ。政府は、2013年に初めて、公共
部門、政府企業、および民間企業において指導的地位にある
女性の人数に関する公式の統計を発表した。そして、政府省
庁は現在、各都道府県の官職に過去最多人数の女性を雇用し
ようとしている。政府のその他の政策には、企業の取締役会
に少なくとも1名以上の女性幹部を任命するよう企業に働きか
けることや、子供を持つ母親を雇用する企業に税制上の優遇
措置を与えることなどが含まれている。
日本の企業パイプラインにおける損失
(女性の割合(%))
49
大学
卒業者
45
初心者レベ
ルの仕事
11
中間管理職およ
び上級管理職
1
執行
委員会
<1
最高経営責
任者(CEO )
2
取締
役会
4 出典:ゴールドマン・サックスグループ,「Japan:Portfolio Strategy Womanomics 3.0:The Time Is Now(日本:ポートフ
ォリオ 戦略 ウーマノミクス 3.0: 待ったなし)by キャシー・松井」、2010年10月1日
5 出典:ジャパントゥデイ,「Women in Business Summit offers tips for success(働く女性のためのサミットが成功の秘
訣を提供)」,2013年6月20日
6 図の出典:マッキンゼー,「Women Matter–An Asian Perspective(女性問題 - アジアの観点)」
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
6
日本 VS 世界日本の女性管理職の比較展望
他のアジア諸国と比較すると、日本女性の職場参加率は68%と
相対的に高く、香港(52%)、シンガポール(60%)、または韓国
(55%)と比べても上位となっている。
日本は一般的な仕事に従事している女性人口という点におい
てはかなり健闘しているといえるが、女性を取締役会や経営
幹部レベルまで昇進させることに関しては、韓国を除き、他
のほとんどのアジア諸国に遠く及ばない。
取締役会における女性の割合は、香港で9%、シンガポールで
7%であるのに対し、日本ではわずか2%である。執行委員会
における女性の割合に至ってはわずか1%となっており、香港
の11%およびシンガポールの15%に比べはるかに少なく、韓
国の2%と比較しても下回っている。7
安部首相は日本企業により多くの女性を上級の職務に昇進さ
せるよう要請しており、すべての日本企業で少なくとも1名の
女性取締役を任命することを提言している。
取締役会レベル以下においても、あまり楽観的な状況ではな
い。女性管理職はいることはいるが、その多くが下級管理職
である課長レベルにとどまっている。上級管理職である部長
や執行役員レベルまで昇進できる女性はごく少数だ。
日本企業はダイバーシティ推進プログラムの実施計画におい
ても、より優れた業績を上げている他国のライバル企業に後
れを取っている。企業の戦略アジェンダに人材の多様性を掲
げているのは、日本企業のわずか4分の1にすぎない。一方、
韓国では、日本の2倍にあたる半数の企業が人材多様性推進プ
ログラムを計画している。また、韓国企業の3分の2にジェン
ダー・ダイバーシティ推進プログラムを促進する計画がある
のに対して、日本におけるこの数字はわずか3分の1と大きく
後れを取っている。
7 マッキンゼー,「Women Matter–An Asian Perspective(女性問題 - アジアの観点)」,2012年6月
7 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
アジア太平洋地域における人材多様性推進プログラ
ムの実施計画
企業の戦略アジェンダにおけるダイバーシティの重要性(人材
多様性をトップ10に掲げる企業の割合)
台湾
香港
21%
23%
インドネシア 日本
23%
25%
中国
インド
シンガ マレーシア オースト
ポール
ラリア
韓国
27%
36%
37%
39%
45%
48%
インド
韓国
ジェンダー・ダイバーシティ推進プログラムの促進を計画し
ている企業の割合
香港
25%
日本
中国 オーストラリア 台湾 シンガポール マレーシア インドネ
シア
32%
35%
37%
41%
42%
47%
48%
51%
66%
しかし、変化の兆しも見られ始めている。ハイドリック・ア
ンド・ストラグルズのインタビューを受けたオピニオン・リ
ーダーたちは現在、政府からのプレッシャーや、経団連(日本
経済団体連合会)、経済同友会などからの働きかけによって、
日本の大企業において女性指導者を生み出すパイプラインが
ゆっくりではあるが着実に形成されつつあるというポジティ
ブな流れを感じている。
しかし、ここで疑問に突き当たる。日本の職場にはこれほど
多くの女性がいるにもかかわらず、なぜ企業のトップに昇進
する女性がほとんどいないのだろうか?目に見えない昇進の
壁はどこにあり、どうすれば女性たちはそれを突破できるの
だろうか?また、政府が提言しているダイバーシティ推進政
策の障害となるものは何だろうか?
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
8
ハイドリック・アンド・ストラグルズの調査
調査の手法
ハイドリック・アンド・ストラグルズは世界各地域で実施し
た同様の調査や、長年にわたりリーダーシップ人材に関わる
コンサルティングを通じて得た経験から、まず最初に、構造
的な問題が日本の女性の職場進出を妨げていることに着目し
た。次に、この問題の改善方法を探るため、女性の職場進出
を妨げている障害を突き止めるべく、日本で働く女性(およよ
び男性)上級幹部の意識を調査した。
我々の調査の目的は、日本の女性指導者不足について考えう
る原因を明らかにし、この問題に対する解決策を提言するこ
とである。
女性たちが現在の職場の状況に対してどのような感情を抱い
ているかを探り、彼女たちは企業上層部で働く女性の数を増
やす上で何が役立つと考えているかを聞き出すため、Heidrick
& Strugglesは9名の女性上級管理職へのインタビューを行い、
彼女たちの職場での経験や課題について定性的な側面から意
見を求めた。
我々はまた、外資系企業および日本企業で働く女性へのオン
ライン・サーベイを実施し、彼女らの体験や意識を比較・分
析した。さらに、それらの女性に最上層部で働く意欲と、昇
進を妨げる障壁についての意識を調査した。
よりバランスの取れた総合的なビジョンを得るため、我々は
さらに、日本企業のCEOやその他の男性上級管理職を対象とし
て、女性に対して実施したものと同様のサーベイを行い、ダ
イバーシティ推進のために行う支援について、また、職場で
働く女性に対する認識と彼女たちが直面する障害ついての認
識について意識調査を行った。
この調査は959名の女性および121名の男性を含む1,080名の企
業幹部を対象として実施し、女性からの回答率は22%、男性
からの回答率は37%であった。男性幹部のサンプル数が少な
かったため、男性幹部からの回答結果は慎重に扱う必要があ
ることを補足しておく。
9 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
回答者の構成:
回答者の構成:
最高管理職 :
最高管理職 :
28%
72%
28%
72%
執行会役員:
執行会役員:
19%
91%
19%
91%
15年以上の業務経験:
15年以上の業務経験:
30%
73%
30%
73%
多量のサンプルからなるこれらの多様な情報源は、女性の最
総数:76
総数:76
総数:107
総数:107
総数:102
総数:102
高幹部不足の背景にある理由についてより多くの情報を提供
し、日本の職場における女性の地位を向上する上での貴重な
情報資源を提供するものである。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
10
目に見えない昇進の壁を突破するために
日本の女性の職業上の発展を妨げている目に見えない昇進の
壁が存在することに関しては論をまたない。我々が調査した
84%の女性が昇進の壁が存在すると考えており、78%の男性
も同じ意見である。
昇進の壁を突破する上で、そもそもなぜその壁が存在するよ
うになったのか理解することが重要である。日本における昇
進の壁は、家族への義務、男性優位の職場環境、自分の職業
的野心と専門的能力に関する女性側のためらい、そして、変
革の必要性を認識しているもののそれを成し遂げる行動につ
ながっていないことなど、幾重もの層から形成されている。
我々の調査結果は、女性管理職の進出を妨げている障害を構
成している主要な要素のいくつかを浮き彫りにしている。
女性管理職の進出を妨げる障害を構成する主要な要素
女性管理職の回答
10%
10%
そう思う
16%
2%
そう思う
そう思わない
そう思わない
どちらともいえない
24%
58%
わからない/無回答
80%
女性は家庭生活と最高管理職の職務を両立する
のが難しいと感じている。
21%
女性は男性管理職のネットワークにうまく溶け込むために必要なネ
ットワーク作りのスキルが不足している。
2%
8%
そう思う
51%
26%
どちらともいえない
そう思う
20%
そう思わない
どちらともいえない
わからない/無回答
女性はを国内転勤および海外転勤をあまり望んでいない。
11 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
そう思わない
72%
どちらともいえない
我が社には女性のロールモデルとなる人物やメン
ター(指導・助言者)が不足している。
障壁 A:家族への義務という重い負担
子供を出産するまでは、約70%の女性が仕事をする。しかし
出産後に職場に復帰する女性はわずか30%しかいない。8 これ
は50~60%の女性が職場に復帰するアメリカやヨーロッパと
著しく異なる。
我々の調査では、女性の80%が家庭生活と最高管理職の職務
を両立するのが難しいと感じており、男性回答者の51%がこ
れに同意している(H&Sの調査)。この理由としては、家事と育
児からくる物理的な負担や、結婚と同時に退職し、男性のキ
ャリアを最優先させる伝統的な社会通念が存在していること
が挙げられる。
家事と育児
日本では伝統的に、そして現在に至るまで、家事と育児は女
性の責任だとみなされている。特に、女性が育児や家事の義
務を第三者に委ねた場合、しばしばその女性は周囲から厳し
い目で見られるという社会的不名誉に耐えなければならない
ため、女性が支援を得るのは難しい。そのような社会的不名
誉に耐えることを覚悟したとしても、小さな子供を持つ母親
は、ジレンマに直面する。「自分が職場にいる間、誰がどの
ように子供たちの面倒を見るのか?」という問題である。よ
く知られているように、日本は公的保育施設の不足に悩まさ
れている。ベビーシッターやオペアは、日本で一般に受け入
れられている解決策ではない。また、たとえ十分な数のベビ
ーシッターがいるとしても、多くの日本の家族は他人が家庭
に入ってくることを好まない。つまり、近隣アジア諸国で広
く普及している住込みヘルパーの利用は、日本では実現可能
な解決策ではないのだ。香港とシンガポールでは、共稼ぎの
親は1ヶ月約500米ドルでメイド1名を雇うことができる。中国
でのこの相場は、1時間3米ドルとなっている。韓国での保育
費はより高額であるものの、日本における平均相場の1時間約
15米ドルと比較するとはるかに安い。
8
出典:Facts and Details,「Working Women in Japan:Low-status jobs,lack of opportunities,wasted education few
female executives(日本の働く女性:低い地位の仕事、機会の不足、無駄にされる教育、女性管理職の少なさ)」
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
12
星野朝子(日産自動車 常務執行役員)は、出産後職場に復帰す
る女性が極めて少ない主な理由は育児にあるとみている。女
性は保育サービスを利用するために四苦八苦し、その結果、
仕事を辞めるか、長期間仕事から離れることになり、その後
また出世街道に戻るために多くの苦労を味わうこととなる。
星野の意見では、育児休暇は(現在提唱されている最長3年間
より)もっと短期間であるべきであり、その一方で企業はより
柔軟なかたちで、早期の職場復帰を望む女性への支援を広げ
ていくことが望まれる。
中途採用を求める女性の就業支援に特化するスペシャリスト
人材派遣会社であるハーモニーレジデンスの設立者であり代
表取締役である福井真紀子は、知り合いに家族への義務のた
めに仕事を辞める女医、女性弁護士、女性会計士が数多くい
て、それは才能の無駄遣いであると語っている。福井は日本
の女性が働くことを控える主な理由は、家事からくる負担で
あると考えている。
日本の厚生労働省によるデータは、2012年に日本全国で
24,825名の子供が保育施設の利用を断られたことを示してい
る。そのようなケースは東京で7,257名にのぼり、すべての地
域で最も多くなっている。東京では私立保育施設の保育費は
非常に高く、子供二人を保育園に入れれば1ヶ月100,000円(約
$1,075米ドル)かかる場合もある。
幸運にも子供が保育施設に入れた場合にも、別の難問が出て
くる。多くの保育施設は午後7時には閉まるため、両親の一方
は「早めに」退勤し、子供を迎えに行く必要がある。日本の
ように、従業員にかなりの長時間労働が期待される状況が一
般的である国では、そのように普段から「常習早退」するこ
とは昇進の見通しにおいて悪影響を与えかねない。
13 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
社会的プレッシャー
GEWELのアキレス美知子は、家庭の管理と家族への義務に関す
る問題の捉え方は若い世代では変化がみられるが、世代を問
わず依然として変わっていないこともあるという。 日本で
は、現在も女性の70%が第1子出産時に仕事を辞める9。その後
パートタイムで仕事に復帰する場合もあるが、保育施設は不
足し、ホームヘルパーを探すことは難しい。そしてこれは、
問題の一部にすぎない。ホームヘルパーを利用できれば確か
に助けになるだろうが、同時に日本では女性が家事をするも
のである、という社会的なプレッシャーが存在するのだ。
夫の転勤に付いていく
茅野みつる(伊藤忠商事 執行役員、法務部長)も、結婚と同時
に退職する女性が非常に多いと話している。これは必ずしも
女性が希望するからではなく、日本企業でよく見られるよう
に、夫がキャリア初期に数年毎に異なる場所へ転勤になるこ
とに起因する場合も多い。このため女性が自分自身のキャリ
アを維持するのは大変困難になるのだ。
9
出典:ゴールドマン・サックス、「Womenomis3 – The Time is Now(ウーマノミクス3 – 待ったなし)」、2010年10月1日
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
14
障壁 B:職場環境 – 男性中心の世界
日本の企業社会では、最高の地位は伝統的かつ圧倒的に男性
に支配されており、そのような男性幹部は女性よりも男性の
ほうを昇進させる傾向が強い。この状況が変革を妨げる基本
的な障害となっている。
無意識の偏見
Heidrick & Strugglesがインタビューした大手金融機関のある
女性上級管理職は、社会規範と無意識の偏見が女性のキャリ
ア発展が進まない大きな原因となっていると話す。管理職の
無意識の偏見が、誰に任務を委任するか、あるいは、どの任
務を割り当てるかの決定に影響を与えており、その結果、し
ばしば女性は男性の二番手という立場に追いやられる。
その意図は時として善意からくるものであり、男性管理職が
気遣いをしているつもりで女性部下(働く母親など)にあまり
困難でない業務を与え、それが結果として女性の成長の機会
を制限してしまうことがあるということには気付いていない
場合が多い。
男性の同僚に比べ、女性は建設的な批判を受けることが少な
いことも、女性のプロフェッショナルとしての成長やキャリ
ア向上の見込みに悪影響を与えてしまう。同金融機関の女性
上級管理職は、男性の中には、女性部下が泣いてしまうこと
やそのことから自分が感じるであろう罪悪感を恐れ、彼女た
ちに建設的な批判や率直なフィードバックを与えることを躊
躇する者もいるという。このように女性社員はキャリア初期
から、与えられる任務の難易度が低かったり、厳しいフィー
ドバックをもらえないことが原因で、試練を通して成長する
機会が少なくなってしまうのだ。そのため同上級管理職は、
企業がこの偏見に対する認識を高めるための行動を起こす必
要があり、その一つの方法として、男性管理職たちが自ら、
管理職に昇進する可能性のある女性を発掘し、育成すること
を義務付けることを提案している。
深く根差したこのような偏見が、どのように女性に対処すべ
きかという点において、男性管理職の正しい理解を妨げるの
15 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
である。別の女性指導者は、男性はしばしば女性を対等の
同僚あるいはチームの重要なメンバーとみなしていないと話
す。それどころか、男性は「女性は出産すると長期休暇を取
る」といった危険因子ばかりがクローズアップされてしまい
がちなのだ。
Heidrick & Strugglesがインタビューした数名の女性指導者た
ちは、多くの場合、男性管理職には女性幹部を育成する備え
ができていないと感じている。女性幹部は(上層部からの指示
に対して)より多くの質問をし、自身が納得してから取り組も
うとする傾向がある一方で、男性は、(はじめからの多くの疑
問を投げかけずに)まずは指示に従って取り組もうする傾向が
強いと、アキレス美知子は示唆している。こういった問題に
対処するためには、女性管理職を育成するためのトップダウ
ンの数値目標を設定し、併せて男性管理職へのトレーニング
も行うことが有効かもしれない。
企業風土
人間関係に大きく左右される日本の企業社会において、権力
ネットワークは依然として圧倒的に男性中心のものである。
ほとんど毎晩のように深夜まで上司や同僚とたくさんの酒を
飲むといった従来の付き合いは減ってきているようだが、未
だに重要な取引や契約の合意はゴルフコースや深夜の飲み会
でなされることも多い(いわゆる「飲みニケーション」)。女
性は家庭生活との両立のために、あるいは、単にそういった
アクティビティーが男性だけのものだとみなされているため
に、しばしばそのようなアクティビティーから除外されてし
まう。
女性はネットワーク作りのスキル不足が原因でこれらのネッ
トワークから除外されていると感じているが、男性の意見は
異なる。女性の58%が、自分たちは男性管理職のネットワー
クにうまく溶け込むために必要なネットワーク作りのスキル
が不足していると感じている。しかしこれに賛成する男性は
わずか24%にすぎない。男性の49%は、女性は男性管理職の
ネットワークにうまく溶け込むために必要なスキルを備えて
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
16
いると答えている(Heidrick & Strugglesの調査から)。
別の側面として、歴史的に、成果や能率よりも自社に対する
長期間のコミットメントと職場で過ごす時間の長さを重視し
てきた日本企業において、実績主義の評価制度が不足してい
るという問題がある。
テクノロジーの急速な進化により、在宅勤務も含め、従業員
がより柔軟な形態で働くことが可能になってきているもの
の、「文化の壁、特に、実際に顔を合わせて勤務することに
大きな価値を見出す価値観が障壁になっている」と、シスコ
日本法人のインクルージョン&ダイバーシティ 担当マネー
ジャーである佐々木ジャネルは話す。
核心となる課題は日本の企業における評価制度を成果主義の
ものに変えることで、他のすべての問題は二次的なものに過
ぎないと、石倉洋子(慶応義塾大学教授、日清食品社外取締
役)は述べている。また、Heidrick & Strugglesがインタビュ
ーしたオピニオン・リーダーたちは、実際に顔を合わせて勤
務する従来のモデルを柔軟性と効率を重視したモデルに変え
る必要があると話している。
日本の伝統的なジェンダーロール(性的役割)は企業風土に深
く根付いており、重要な議論やネットワークから女性を排除
しているのは明らかである。新しく包括的な公式のビジネス
ルートを見つけるために、真剣に検討する必要がある。
17 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
障壁 C:女性の伝統的な考え方
女性がリーダーシップポジションを貪欲に目指し、前進しよ
うとするケースはあまり多くない
今の会社で最高管理職ま
で出世することを希望す
る。
49%
「いいえ」と答えた方は、
その理由に最も近いもの
を選んでください。
35%
57%
43%
16%
0%
職場風土により、
自分には指導的
最高管理職の役割に 地位に就く能力が
魅力を感じない
ないと思う
いいえ
最高管理職に就けば
家庭生活を犠牲にし
なければならない
はい
夫のキャリアのた
めに、私は融通
の利く環境を維持
する必要がある
全回答者数: 209
本調査に回答した大部分の女性(57%)がCEOレベルまで出世し
たいと希望しているものの、女性(67%)および男性(51%)と
もに半分以上が、最高管理職の地位を争うことに関しては、
女性は男性に比べキャリアに野心的でなく積極的でないと考
えている。
投資家たちは株式会社東芝の幹部にこの問題を提起したこと
がある。なぜ東芝のような大手電子機器メーカーに女性執行
役員が一人もいないのか尋ねたのだ。
東芝幹部は「女性を差別しているということは全くありませ
ん」とその質問に答えて言った。「単にまだ適切な候補者が
見つかっていないだけなのです。私どもは近い将来女性管理
職を採用するつもりです」。 10
山下美砂(GEヘルスケア取締役アジアパシフィック人事本部
長)は、女性の側に存在する以下の障害を指摘している。
「1)思考パターン– 女性は(男性ほど)出世に意欲的でな
10
出典:ウォール・ストリート・ジャーナル,「Japan Investors: Why No Women,Foreigners in the Boardroom?(日本の投
資家の疑問:なぜ企業役員室に女性や外国人がいないのか?)」,2010年6月30日
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
18
い;2)(現在よりも)大きな責任を担う任務にあたることはは
多くの困難を伴うに違いないという女性の感じ方;3)家庭と
仕事のバランスを保たなければならない、という女性の側の
先入観」。
伝統的に「正しい日本女性の振る舞い」と考えられてきた価
値観は、この問題のもう一つの要因である。 日本の女性幹
部に関する具体的な問題の一つは、社会的に受け入れられる
女性の言動が制限されていることだと、ある女性上級管理職
は述べている。男性の場合、受け入れられる言動の範囲は広
く、極めて攻撃的でタフな言動も、それほどの驚きもなく受
け止められることが多い。これに対して女性は、周囲に受け
入れられる言動の範囲が男性に比べかなり狭められている。
女性はこの「受け入れられる言動の範囲」を自分の中に取り
込み、自分がどのような印象を与えるのか、それによって自
分の評価や扱われ方がどのように変わるのかということにつ
いて常に意識する必要に迫られている。
男性幹部が女性従業員をうまく管理する能力を高める必要が
あるのと同様に、女性も男性から学び、コミュニケーション
スキルを高める余地があることを、我々のインタビューに応
じた上級管理職たちは示唆している。
19 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
障壁 D:変化を起こすためのノウハウ
女性は「女性がトップに昇進する上で障壁になっているもの
は何か、そして女性がトップに昇進するために何を変える必
要があるか」について、はっきりと認識している。 しかし、
日本の職場における抜本的改革はまだ見えてこない。より多
くの女性を上級管理職へ登用する必要性の認識と、そのため
の変化を起こすためのノウハウとの間には隔たりがある。
男性優位の中級管理職レベルにおいて明らかな障害があるの
だ。
ダイバーシティというコンセプトは十分理解されているもの
の、多くの日本企業は変化を遂げるのに苦労している。ある
女性上級管理職は、日本の多くの大企業には有能な女性を
発掘し育てるパイプラインや女性を昇進させる文化がなく、
また、勤務時間の長さが障害になっているとコメントしてい
る。中小企業はより実践が速い。中小企業にとってダイバ
ーシティは競争力を維持し、生き残るための問題となって
いる。より大きな障害を抱えていのは大企業のほうである
(Heidrick & Strugglesの調査から)。
クリスティーナ・アメージャン(一橋大学教授、三菱重工業
株式会社 社外取締役)は、企業のトップの考え方には大きな
変化が表れており、女性指導者の必要性を認識するようにな
っているという。「役員室では、女性を雇用・育成しなけれ
ば、会社に未来はないという危機感があります。指導者たち
はそれに気づいていますが、おそらく具体的に何をすべきか
わからないのでしょう。そして、中間管理職レベルが障害と
なっています。中間管理職は女性を管理・育成する能力を備
えていないのです」。日本企業の努力は、「女性にとってよ
り働きやすい職場環境を作る」など、どちらかと言えばボト
ムアップのものが多かった。しかしそのような努力は、大き
な可能性を秘めた次世代の女性指導者を生み出すことには必
ずしもつながらない。 女性指導者の育成や女性指導者を生み
出すパイプラインの形成を促進するために、ボトムアップの
取り組みに加えて、トップダウンの取り組み(CEOや上級管理
職チームの強いコミットメントに支援されるもの)も行う必要
があると、GEヘルスケアの山下美砂は話している。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
20
障壁 E:魅力のない職業
逼迫した労働市場では、魅力的なキャリアパスを用意するこ
とが、社員がその会社でのキャリアに全力を尽くすよう促す
上で重要な手段となる。日本の女性にとって多くの場合、彼
女たちに現在見えているキャリアパスは決して魅力的とは言
えないものである。
女性の約3分の2(63%)が自分の職業に満足できなかったた
め、また、49%が行き詰まりを感じたために仕事を辞めたと
話している。
「企業に柔軟性があり、女性が自分のキャリアの道を見通せ
る場合、女性はキャリアと家庭を両立する方法を見つけよう
とします」と、別の女性指導者は述べている。「女性は自分
の仕事がつまらないと感じる時にあきらめるのです」。我々
がインタビューした数名のオピニオン・リーダーは、この意
見に同調している。
日本の伝統的な職場環境はとても魅力的だとはいえない、と
クリスティーナ・アメージャンは述べている。「人々は自分
のキャリアをほとんどコントロールすることができません。
そして、長時間勤務を要求されるのです」。
別の女性指導者は、女性が自分のキャリアを思い描く手助け
をすることが重要であると考えているが、昇進に関して男性
が優遇され、女性は後回しになる、という長きにわたって継
続している実態が、日本女性にとって職場をさらに魅力のな
いものにしていると話している。
「日本企業は長い間、主要業務のために男性を雇用し、補
助的な職務にのみ女性を雇用するということを続けてきま
した。そのような異なる採用の枠組みが男性と女性の社内で
の地位において、非常に大きな格差をもたらしたのです」と
市六さつき(厚生労働省雇用均等・児童家庭局職員)はウォー
ル・ストリート・ジャーナルに話している。そのような枠組み
は、1980年代以降、雇用機会均等法の改正によりいくぶん変
わった。しかし、「古い制度と考え方が生み出したそのよう
な格差を埋めるには、法律だけでは不十分です」と市六は述
べている。11
11
出典:ウォール・ストリート・ジャーナル,「Japan Investors: Why No Women, Foreigners in the Boardroom?
(日本の投資家の疑問:なぜ企業役員室に女性や外国人がいないのか?)」,2010年6月30日
21 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
解決方法を見つけるために
我々の調査では、女性のキャリアアップの道をスムーズにす
る方法について、男性と女性の意見が異なる分野と、一致し
ている分野があることが明らかになった。
男性と女性で異なる意見
家庭と上級管理職の仕事の義務を両立させることが女性にと
って難しいということに関しては、男性と女性の間で意見が
一致している。しかし、女性回答者の80%が、家庭とキャリ
アの両立を「キャリアアップにおける最大の障壁である」と
考えているのに対して、男性回答者で最大の障壁であると回
答した人は51%に過ぎず、男性回答者はこの問題を女性ほど
重く受け止めていないということがわかる。
日本の女性は、自分の職業的能力に対し男性ほど自信を持っ
ていなというはっきりした傾向がある。おそらく、長年にわ
たり女性は職場で男性の補助的な役割を担ってきた、という
観点から生じているものであろう。女性の多くがは、自分た
ちには日本の企業社会で成功するために鍵となるネットワー
クスキルが足りないとみているが、ほとんどの男性はこの意
見に賛成していない。おそらく、Heidrick & Strugglesの調査
の結果の中でも最も注目すべき点は、女性は「男性が女性の
能力を信頼していない」と感じているのに対して(59%の女性
回答者がそう考えている)、実際にそのように女性を見ている
男性はわずか9%だけであるということだろう。女性が突破す
べき最初の障害は、女性の職業的価値に対する女性自身の否
定的な見方だといえる。
男性は、ジェンダー・ダイバーシティの進展が企業価値と業
績評価にとって必要不可欠な部分となるという意識をそれほ
ど持っていないが、女性は変革を起こす上でこの点が非常に
重要であると考えている。
男性と女性で一致している意見
男女の意見が一致した調査結果の中で最も注目すべき点は、
男性と女性の両方が「目に見えない昇進の壁」が存在すると
考えており、ハイドリック・アンド・ストラグルズの調査回
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
22
答者の60%以上(男性と女性の両方を含む)が、女性を上級の
職位に昇進させる上で役立つステップについて同じ意見を持
っていることである。
• 「(子育て支援等の)職場のサービスおよびサポートは女性
が仕事と家庭での義務を両立させる上で役立つ」 ― 女性
の76%と男性の78%が「そう思う」と回答している。
• 「CEOや経営幹部がダイバーシティの推進に直接関与する
必要がある」 ―
女性の4分の3(76%)は、経営幹部がジ
ェンダー・ダイバーシティに対して積極的かつ明白な関心
を示すことを望んでおり、男性(大部分が経営幹部)の大半
(62%)も同じ考えである。
• 「企業が女性を雇用、維持、昇進、および育成する社内計
画を打ち出すことで女性社員のキャリア向上を支援でき
る」 ― 女性の67%および男性の60%が「そう思う」と回
答している。
• 「柔軟な職場環境および/または勤務地が女性のキャリア
の道にプラスになる」 ― 女性の64%および男性の67%が
「そう思う」と回答している。
• 「上級管理職が若手女性社員の指導をするなどのハンズオ
ン(現場主義)型の取り組みは女性に希望を与える上で役
立つ」 ― 女性および男性の64%が「そう思う」と回答し
ている。
• 「女性同士のネットワークおよび女性のロールモデルとな
る人物が存在すれば女性がキャリアの道を具体的に思い描
く上で役立つ」 ― 女性の62%および男性の60%がこれが
実現することを願っている。
23 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
政府施策:パイプラインにあるもの
日本政府は2020年までに、女性が職場指導者の30%を構成す
ることを望んでおり、この目的を達成するために、より家庭
に優しい職場を促進しようとしている。これには安倍首相が
2013年4月に、数千件の保育施設を新設することにより現在の
待機児童数をゼロにすることを約束したことが含まれる。同
首相はさらに、母親の育児休業期間を延長することも計画し
ている。
1990年代に成立した「育児・介護休業法」をさらに強化し
て、幼い子供を持つすべての母親がより多くの休暇を取り、
また、より短時間働くことを奨励することができるだろう。
女性はまた、1994年の閣議決定により発足した男女共同参画
推進本部をとおして政府政策への発言力を高めることもでき
る。さらに、内閣府男女共同参画局は、法改正を求めるため
に女性が利用できるもう1つのフォーラムである。
民間セクター
我々の調査により、男性の女性に対する見方を変えていく必
要があることは明白である。業務に関するディスカッション
は(夜の酒席や週末のゴルフ場ではなく)勤務時間中に、透明
性の高い形で行うことを奨励するための原動力の必要性に加
え、仕事は性別ではなく能力に基づいて割り当てられる必要
がある。意識改革の研修の実施は、女性に対するこの無意識
の偏見を克服する上で役立つだろう。
企業はその施設内に託児施設を用意するか、女性に育児補助
金を与える必要がある。企業はまた、より多くの育児休暇を
与えることもできるだろう。1995年に改正された「育児・介
護休業法」では、従業員は規定の期間、子供や近親者の世話
のために休暇を取ることができ、その場合も雇用の継続が保
障されている。しかし、そのような休暇を取る女性が差別さ
れることなく、この法律が遵守される必要がある。
公平な雇用と昇進を保証するために、各組織には1999年に改
正された雇用機会均等法をこれまで以上に遵守することが求
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
24
められる。
すべての従業員を対象にフレックスタイム制度を導入するこ
とで、企業は女性の負担を軽減し、最終的には女性の生産性
を高めることができる。
市民社会
性差別問題に取り組み、将来の上級管理職の好ましいロール
モデル像を示す組織には以下が含まれる。
NPO法人GEWEL(Global Enhancement of Women's Executive
Leadership)。2003年創設。企業との協力、ネットワーク作り
や指導教育の場の女性管理職への提供、女性起業家への支援
などを通して女性ビジネスリーダーの発展を推進している。
新日本婦人の会(New Japan Women's Association、略
称:NJWA/新婦人)。50年以上前に創立。男女平等な社会の実
現と平等の権利を勝ち取るための取り組みを行っている。会
員数15万名以上。
J-Win。2007年創立。ビジネス戦略の一環としてダイバーシテ
ィを推進することを目的としている。J-Winは企業および政府
と密接に連携し、女性リーダーの育成・促進において、会員
企業を支援する2つのプログラムを設立している。
これらの組織は、指導教育の場を提供し、将来の女性リーダ
ーのパイプラインを開発・育成し、ジェンダー・ダイバーシ
ティを支持するよう各組織に働きかけ、ジェンダー・ダイバ
ーシティの重要性を社会に広く知らせ、日本国外での実践を
伝えていくルートとしての役割を果たすための基盤と能力を
備えている。
25 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
成功事例:多様性を推進する会社
すべての日本企業が女性従業員のエンパワーメントにおいて
失敗しているわけではない。日本IBM、日産自動車、および資
生堂は、この問題におけるいくつかの明るい材料である。こ
れらの企業の示唆に富んだエピソードを紹介しよう。
日本IBMの経験は、日本経済全体が直面している課題を彷彿と
させるものである。1998年に経営状況が悪化し始めた時、日
本IBMは同社の女性管理職の割合がわずか1.8%に過ぎないこ
とに気付き、同社のビジネスの弱点を解消するため、ダイバ
ーシティの推進に重点を置き始めた。
同社は多くの女性従業員が辞職する背景には、女性のロール
モデルとなる人物が少ないこと、仕事とプライベートの両立
の難しさ、そして、男性同僚のネットワークに入り込むこと
が不可能であること、という3つの主要な理由があることが分
かった。これに対処するため、IBMは女性のための5カ年キ
ャリア計画を打ち出し、女性従業員のネットワークを構築し
た。これにより、女性は自宅勤務できるようになり、女性の
ためのメンター(指導・助言者)が配置され、日本中の女性従
業員を支援する組織が設立された。12
これらの方策は功を奏し、2013年の日経ウーマンの「企業の
女性活用度調査」において日本IBMが1位に躍り出たのであ
る。この調査は、企業が提供するワークライフバランス度や
女性管理職数などに基づくものである。13
日産自動車もまた、ビジネスルートによりダイバーシティ推
進の取り組みを始めた。自動車購入の意思決定プロセスにお
いて、3分の2は女性が決定に影響を与えていることに気付い
た日産は、同社の事業のあらゆる面において女性の参画およ
び潜在力を高めることを決めた。これにより、女性専用のキ
12
出典:東京大学,「Strategic Contribution of Gender Equality and Diversity in a Company(企業におけるジェンダー
平等とダイバーシティの戦略的貢献)」,FEMCジャーナル第6号,2012年3月,水野由香里,東北大学,ISS
13
出典: 日経BP,「Nikkei Woman announces Female Workers’ Workplace Opportunity Rankings: IBM Tops in the
Overall Best 100 Companies’(日経ウーマンが企業の女性活用度調査結果を発表:女性が活躍する会社Best100でIBMがトッ
プに)」,2013年4月8日
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
26
ャリアアドバイザーを導入し、ネットワーク作りのイベント
で女性のロールモデルを浮き彫りにし、フレックスタイムと
より長い育児休暇を導入し、残業を減らし、会社施設及び設
備をより女性に優しいものへと改良した。同社は週1日の自宅
勤務を促進し、オフィスの消灯時間を午後8時とし、以前より
も勤務時間を短縮することを奨励している。日産における女
性指導者の割合は依然として小さいものの、女性管理職の人
数は2004年から倍増している。14
星野朝子はこの変化をふまえて、現在の日産は、才能のある
女性によって、追加研修やメンタリング(指導・助言)を受け
られるため、有利な企業だと考えている。同社はまた、女性
のパイプラインを構築するための取り組みを行い、新卒レベ
ルにおいて、男女同数の従業員を雇用している
資生堂の日本本社は、同社のダイバーシティ推進計画の一部
として、2013年までに社内の女性管理職の割合を30%とする
目標を打ち出した。これは、女性管理職の割合が60%である
資生堂海外支店との格差を埋めるための取り組みである。資
生堂はこの目標を達成するために、キャリア進出を促進する
ための公開討論会の開催や、女性スタッフ向けの管理者教育
の強化、優秀な女性研究者の研究への出資など、女性に優し
い一連の方策を導入した。
働く両親の負担を軽減するために、資生堂は新しい法律に従
って方針を更新し、育児費用をまかなう補助金を与え、女性
の残業時間に上限を設け、父親の育児休暇を導入するなど
し、女性の勤務時間を短縮することを可能にした。同社はま
た、東京に託児所を開所し、両親が子供の近くで働くことが
できるようにした他、過度の残業を止めさせるため、オフィ
スの消灯時間を午後10時とするなど、従業員のワークライフ
バランスの向上を図っている。15
14
出典: カタリスト,「Nissan Motor Co.,Ltd – Women in the Driver's Seat:Gender Diversity as a Lever in Japan(日
産自動車株式会社– 女性を運転席に:日本におけるてことしてのジェンダー・ダイバーシティ)」,2008年1月30日
15
出典: 資生堂,「Respect Diversity(ダイバーシティの尊重)」
27 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
これらの企業から学ぶべきことは明らかである。 ダイバーシ
ティ推進の取り組みが奏功するには、それが単なる巧言や机
上の空論であってはならず、この目的を達成するために自由
に利用できる実証済みの各種の手段を企業が備えているとい
うことが重要である。日本の働く女性は、実践的手段と専門
的手段の両方を必要としている。フレックスタイムと勤務時
間の短縮は、女性が家庭と仕事の義務を両立させるために必
要な柔軟性をもたらす。経済的な援助は育児負担の軽減につ
ながる。また、全社的な消灯政策と父親の育児休暇の導入に
より、父親と母親の両方が家族と過ごす時間を増やすことが
できる。
職業的なレベルでは、女性がキャリアの道を思い描く上で手
助けとなる技能研修やメンタリング(指導・助言)、身近なロ
ールモデルの存在、さらに女性が社内での存在感を増し専門
的知識を身に付けることを可能にする女性が利用しやすいネ
ットワーク作りも必要である。
慶応義塾大学の石倉洋子は、変化が起こる可能性について肯
定的に考えている。 石倉は、国際通貨基金や世界経済フォー
ラムからの圧力、安倍政権による明確な数値目標の設定、東
京証券取引所による上場企業への情報開示要求など、各方面
からの行動の機運が確かに高まっていると言う。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
28
オピニオン・リーダーから女性管理職へのア
ドバイス
フォーカスグループへのインタビュー中、女性リーダーたち
はしきりに、日本の女性管理職に自分たちの経験を伝えたが
っていた。同じ障害を乗り越えてきた者として、彼女たちは
自分たちのアドバイスが他の女性たちが目標を達成するため
の一助となることを願っている。
指導力の確立
ローヤン・土居(プルデンシャル・ファイナンシャル コーポ
レート・チーフ・エシックス・オフィサー)は、女性管理職は
自信を持ち、指導的役割に就くことを目標とするべきだと考
えている。「社外の組織の指導的役割に関与することが、ソ
フトスキルを身に付ける上で最も有効な方法です」と土居は
言及している。「個人的に興味を持てる何かの組織でボラン
ティアをして、その組織のリーダーになるのです。失敗通し
て学習し、自分のリーダシップ・スタイルを作り上げ、その
後自分が所属する業界の組織に関与するとよいでしょう。そ
うすればやがて、自分の指導力とネットワークが育っていく
でしょう」。
思考方法からくる障害を克服し、自己の能力の開発
に集中する
スキルを身に付ければ、自信がつく。「特に35歳~45歳まで
の間に自分に投資しておきましょう」と土居は話す。例えば
プレゼンテーションスキルなど、特定のスキルを学ぶこと
に集中するとよいとシスコの佐々木ジャネルはアドバイスし
ている。「自分だけのブランドを作るのです」と佐々木は言
う。上司と率直に話すようにし、自分が困難だと感じること
についてオープンであるべきだ、と一橋大学のクリスティー
ナ・アメージャンは述べている。「助言や支援を求め、自分
が抱えている問題について話し合いましょう」とアメージャ
ンは言う。アキレス美知子は、自分に厳しすぎたり、完璧な
仕事をしようとすることは役に立たないと助言している。そ
の代わりに、家庭と職場で現実的な支援を得ることを重視
し、自分が誰なのか、そして自分は何をしたいのかについて
正直であるべきだという。「フラストレーションをため込む
よりも、問題をためになる学習経験だととらえ、楽しむよう
29 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
にしましょう」とアキレスは述べている。
ネットワーク作り
日産の星野朝子は、ネットワーク作りをより広い観点でとら
えるように助言している。「世界に目を向けるのです」と星
野は話す。クリスティーナ・アメージャンは、自分のピアグ
ループ(同輩のグループ)だけに焦点を合わせるべきでないと
言う。「年配の人たちから若い人まで、世代をまたぎたくさ
んの人と知り合いになりましょう」とアメージャンはアドバ
イスしている。
そして職場の外あるネットワーク作りの機会も探るべきだと
いう。
「一部の女性は制度化されたネットワーキングを敬遠する傾
向があります。賢明な女性は社内および社外に強力なネット
ワークを持っています」とローヤン・土居は述べている。
行動を起こす
国際的な経験を積み、優れたコミュニケーションスキルを身
に付けることを目標とし、自分を成長させるための行動に出
ること。「リーダーになるために自分を他人と差別化する上
で国際的な体験は欠かせません。そして自分を売り込むこと
が重要です」と星野朝子は言う。出世街道を歩む際には、ハ
ードスキルよりもソフトスキルに重点を置くようにするとよ
い。クリスティーナ・アメージャンは「(年配の)男性への適
切なコミュニケーションのとり方を理解しているなど、コミ
ュニケーションスキルは役立ちます」と述べている。福井真
紀子は、家庭での伝統を壊すことを恐れてはいけないと言
う。日本の女性は非常に有能で勇敢で、困難に挑むことをい
とわない。女性がそれを実現する自由を与えられれば、すば
らしいイノベーションにつながるだろう。それゆえ福井は、
より多くの人が家事と育児の外部委託を受け入れる社会を提
唱している。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
30
まとめ:前進するための重要な成功要因
女性、男性、企業、および政府の意見を聞いた結果、我々は
以下の要因が日本の働く女性に真の変化をもたらす上で重要
であると考える。
男性と女性は、見えない昇進の壁が存在することなど、いく
つかの重要な問題で意見が一致している。しかし、ネットワ
ーク作りや育児の負担など、女性が企業上層部で働く上で
の現実的な障害については、男性は女性が直面する困難を過
小評価する傾向がある。経験を共有し、これらの問題の有効
な解決策を提案するために、より率直な議論を行う必要があ
る。
日本政府は政策上の観点においても、また、この議論を支持
し、変革の必要性を説明し、企業が真のダイバーシティを達
成するための方法を提案することにおいても、正しい方向に
むかっているといえる。日本政府に今求められるのは、変革
の必要性を理解しているものの、それを実現するための支援
を必要としている企業において、有意義なダイバーシティを
実現する方法についてのより詳細な助言とケーススタディー
を提供することである。
日本の労働力不足は大きな問題で、ますます深刻化してい
る。多くの調査は女性が職場に残りキャリアを継続すること
を明白に奨励しており、女性が男性と平等に職業的な成功を
達成するのを支援している。政府、企業、非政府組織(NGO)、
男性管理職、さらには女性たち自身も責任の一端を担ってい
ることを認識する必要がある。 皆が一丸となって取り組むこ
とで、ダイバーシティの目標をより早く、よりスムーズに達
成できる。
機会や技能研修だけでなく、女性はロールモデルやメンター
(指導・助言者)も必要としている。女性リーダーの成長を促
進するネットワーク作りのイベントや社内および職能団体両
方でのメンタリング・プログラムは、ふさわしいロールモデ
ルを提示し、ベテラン管理職(男性および女性)からの助言を
提供することで、女性がそのキャリアにおいて出世の階段を
31 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
より速く上るために役立つ。
我々の調査は、日本で真のダイバーシティを実現できる可能
性が高いことを示している。男性と女性の両方がその必要性
を理解し、女性の能力に対して肯定的な態度を示している。
日本企業には、豊富な助言や経験、励ましを提供できる有力
な女性リーダーがいる。日本企業は変革を実現することに前
向きであり、欠けているのは現在の慣習に変化をもたらすた
めの専門的知識だけである。日本で最も成功している企業の
一部は、すでに変革を先導している。政府がこれらの成功事
例を前面に押しだす政策と取り組みを行えば、起こりつつあ
る変化の流れを大きなうねりへと導くのに必要な最後の弾み
をこのプロジェクトに与えることができるだろう。 ハイドリ
ック・アンド・ストラグルズは、この問題の解決の一端を担
うことができることを願っている。
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
32
協力者一覧:
アキレス美知子
NPO法人GEWEL理事
クリスティーナ・アメージャン
一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授
石倉洋子
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授
佐々木ジャネル
シスコシステムズ合同会社 インクルージョン&ダイバーシ
ティ 担当マネージャー
茅野みつる
伊藤忠商事株式会社 執行役員法務部長
福井真紀子
株式会社ハーモニーレジデンス 代表取締役
星野朝子
日産自動車株式会社 常務執行役員
山下美砂
GEヘルスケア 取締役 アジアパシフィック人事本部長
ローヤン土居
プルデンシャル・ファイナンシャル
コーポレート・チー
フ・エシックス・オフィサー
注:* 本ページに記載の女性指導者の役職名は、インタビューを終えた2013年末時点のものである。
33 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
付録
女性管理職の回答
今の会社で最高管理職ま
で出世することを希望す
る。
「いいえ」と答えた方は、
その理由に最も近いもの
を選んでください。
49%
35%
43%
57%
16%
0%
職場風土により、
自分には指導的
最高管理職の役割に 地位に就く能力が
魅力を感じない
ないと思う
いいえ
最高管理職に就けば
家庭生活を犠牲にし
なければならない
はい
2%
84%
2%
8%
6%
夫のキャリアのた
めに、私は融通
の利く環境を維持
する必要がある
1%
32%
45%
26%
59%
14%
21%
日本では企業上層部への出世
において、女性にとっての昇進
の壁や目に見えない障害が存
在する。
女性のための専門研修/教育
が不足している。
1%
24%
60%
67%
16%
女性の専門的能力は男性と比
較して信頼されていない。
2%
17%
15%
36%
40%
22%
最高管理職の地位を争うことに
関して、女性は男性に比べ積極
的でない。
そう思う
そう思わない
女性は男性に比べキャリアに野
心的でない。
どちらともいえない
女性は(営業職などにあるよう
な)出張の少ない仕事を好み、
これがキャリアに悪影響を与え
る場合がある。
わからない/無回答
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
34
2%
80%
10%
2%
24%
58%
10%
51%
16%
女性は家庭生活と最高管理職
の職務を両立するのが難しいと
感じている。
女性には男性管理職のネットワ
ークにうまく溶け込むために必
要なネットワーク作りのスキル
が不足している。
20%
8%
72%
我が社には女性のロールモデ
ルとなる人物やメンター(指導・
助言者)が不足している。
そう思う
そう思わない
どちらともいえない
全回答者数: 209
35 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
26%
わからない/無回答
21%
女性は国内転勤および海外転
勤をあまり望んでいない。
男性管理職の回答
男性管理職の回答
16%
16%
62%
62%
38%
38%
42%
42%
22%
22%
38%
38%
40%
40%
20%
20%
我が社においてダイバーシティ
我が社においてダイバーシティ
を推進することを支持する。
を推進することを支持する。
我が社は職場のダイバーシティ
我が社は職場のダイバーシティ
促進において成功していると思
促進において成功していると思
う。
う。
22%
22%
ダイバーシティの実現は実際
ダイバーシティの実現は実際
には容易でない。
には容易でない。
9%
9%
51%
51%
2%
2%
11%
11%
78%
78%
40%
40%
84%
84%
9%
9%
我が社のビジネスにおいてダイ
我が社のビジネスにおいてダイ
バーシティを促進すれば、
短期
バーシティを促進すれば、
短期
的に良い結果を生み出すことに
的に良い結果を生み出すことに
つながる。
つながる。
日本では企業上層部への出世
日本では企業上層部への出世
において、
女性にとっての昇進
において、
女性にとっての昇進
の壁や目に見えない障害が存
の壁や目に見えない障害が存
在する。
在する。
2%
2%
31%
31%
1%
1%
4%
4%
11%
11%
すべてのレベルで女性管理職を
すべてのレベルで女性管理職を
より多く登用することが、
我が社
より多く登用することが、
我が社
のビジネスにとって望ましい。
のビジネスにとって望ましい。
2%
2%
58%
58%
2%
2%
9%
9%
38%
38%
47%
47%
31%
31%
29%
29%
女性のための専門研修/教育
女性のための専門研修/教育
が不足している。
が不足している。
私は男性部下に比べ女性部下
私は男性部下に比べ女性部下
の専門的能力をあまり信頼し
の専門的能力をあまり信頼し
ていない。
ていない。
33%
33%
18%
18%
最高管理職の地位を争うことに
最高管理職の地位を争うことに
関して、
女性は男性に比べ積極
関して、
女性は男性に比べ積極
的でない。
的でない。
2%
2%
51%
51%
31%
31%
16%
16%
女性は男性に比べキャリアに野
女性は男性に比べキャリアに野
心的でない。
心的でない。
そう思う
そう思う
そう思わない
そう思わない
どちらともいえない
どちらともいえない
わからない/無回答
わからない/無回答
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
36
3%
33%
31%
22%
51%
24%
33%
女性は(営業職などにあるよう
な)出張の少ない仕事を好み、
これがキャリアに悪影響を与え
る場合がある。
そう思う
49%
3%
そう思わない
女性は家庭生活と最高管理職
の職務を両立させるのが難し
いと感じている。
どちらともいえない
全回答者数:45
37 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
わからない/無回答
24%
27%
女性には男性管理職のネットワ
ークにうまく溶け込むために必
要なネットワーク作りのスキル
が不足している。
男性管理職と女性管理職の回答の比較
男性管理職と女性管理職の回答の比較
以下の表は、各記述に「そう思う」と答えた回答者の割合を示している
以下の表は、各記述に「そう思う」と答えた回答者の割合を示している
日本では企業上層部への出世において、女性にとっ
日本では企業上層部への出世において、女性にとっ
ての昇進の壁や目に見えない障害が存在する。
ての昇進の壁や目に見えない障害が存在する。
84%
84%
78%
78%
女性は家庭生活と最高管理職の任務を両立するのが
女性は家庭生活と最高管理職の任務を両立するのが
難しいと感じている。
難しいと感じている。
女性は男性に比べキャリアに野心的でない。
女性は男性に比べキャリアに野心的でない。
女性管理職の回答(全回答者数:209)
女性管理職の回答(全回答者数:209)
60%
60%
47%
47%
59%
59%
9%
9%
女性には男性管理職のネットワークにうまく溶け込
女性には男性管理職のネットワークにうまく溶け込
むために必要なネットワーク作りのスキルが不足し
むために必要なネットワーク作りのスキルが不足し
ている。
ている。
女性のための専門研修/教育が不足している。
女性のための専門研修/教育が不足している。
女性は(営業職などにあるような)出張の少ない仕
女性は(営業職などにあるような)出張の少ない仕
事を好み、これがキャリアに悪影響を与える場合が
事を好み、これがキャリアに悪影響を与える場合が
ある。
ある。
0%
0%
67%
67%
51%
51%
最高管理職の地位を争うことに関して、女性は男性
最高管理職の地位を争うことに関して、女性は男性
に比べ積極的でない。
に比べ積極的でない。
女性の専門的能力は比較的信頼されていない。
女性の専門的能力は比較的信頼されていない。
80%
80%
51%
51%
58%
58%
24%
24%
31%
31%
45%
45%
40%
40%
33%
33%
20%
20%
40%
40%
60%
60%
80%
80%
100%
100%
男性管理職の回答(全回答者数:45)
男性管理職の回答(全回答者数:45)
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
38
ダイバーシティ推進プログラム
::
日本における変革の必要性
ダイバーシティ推進プログラム
日本における変革の必要性
ダイバーシティ推進プログラム:日本における変革の必要性
女性管理職の回答
女性管理職の回答
女性管理職の回答
男性管理職の回答
男性管理職の回答
男性管理職の回答
1%1%
1%
16%
16%
16%
64%
64%
64%
19%
19%
19%
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
でキャリアを追求する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
柔軟な職場環境や勤務場所は、女性が今の会社
でキャリアを追求する助けとなる。
2%2%
2%
11%
11%
11%
11%
11%
11%
76%
76%
76%
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
でキャリアを追求する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
でキャリアを追求する助けとなる。
1%1%
1%
15%
15%
15%
67%
67%
67%
17%
17%
17%
女性を雇用、
維持、
昇進、
および育成する社内計
女性を雇用、
維持、
昇進、
および育成する社内計
画は、
女性が上級職に進出する助けとなる。
画は、
女性が上級職に進出する助けとなる。
女性を雇用、
維持、昇進、および育成する社内計
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
67%
67%
67%
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
でキャリアを追求する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
柔軟な職場環境や勤務場所は、女性が今の会社
でキャリアを追求する助けとなる。
78%
78%
78%
そう思わない
どちらともいえない
39 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
2%2%
7%7%
2%
7%
13%
13%
13%
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
でキャリアを追求する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
でキャリアを追求する助けとなる。
60%
60%
60%
20%
20%
20%
20%
20%
20%
女性を雇用、
維持、
昇進、
および育成する社内計
女性を雇用、
維持、
昇進、
および育成する社内計
画は、
女性が上級職に進出する助けとなる。
画は、
女性が上級職に進出する助けとなる。
女性を雇用、
維持、昇進、および育成する社内計
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
そう思う
そう思う そう思わない
そう思わない どちらともいえない
どちらともいえない わからない/無回答
わからない/無回答
そう思う
2%2%
2%2%
2%
2%
29%
29%
29%
わからない/無回答
ダイバーシティ推進プログラム:日本における変革の必要性
女性管理職の回答
女性管理職の回答
男性管理職の回答
男性管理職の回答
1%
1%
38%
16%
64%
43%
53% 2%
2%
1%
67%
33%
29%
18% 19%
企業管理職に女性枠を設けることは、
女性が上
柔軟な職場環境や勤務場所は、女性が今の会社
級職に進出する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
2%
2%
11%
19%
11%
62%
76%
13%
柔軟な職場環境や勤務場所は、女性が今の会社
企業管理職に女性枠を設けることは、
女性が上
でキャリアを追求する助けとなる。
級職に進出する助けとなる。
2%
20%2%
7%
60%
78%
13%
18%
17%
女性のネッ
トワーク作りを促進し、女性のロール
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
モデルを提示するプログラムは、
女性が上級職
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
に進出する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
女性のネッ
トワーク作りを促進し、女性のロール
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
モデルを提示するプログラムは、
女性が上級職
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
に進出する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
5%
50%67%
33%1%
15%
60%
51%
17%17%
女性を雇用、維持、昇進、および育成する社内計
女性向けの技能育成プログラムは、
女性が上級
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
職に進出する助けとなる。
20%
24%
20%
20%
女性を雇用、維持、昇進、および育成する社内計
女性向けの技能育成プログラムは、
女性が上級
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
職に進出する助けとなる。
そう思う
そう思う そう思わない
そう思わない どちらともいえない
どちらともいえない わからない/無回答
わからない/無回答
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
40
ダイバーシティ推進プログラム:日本における変革の必要性
Responses
from Female Executives
女性管理職の回答
Responses
from Male Executives
男性管理職の回答
1%1%
67%
67%
64%
16%
16%
64%
64%
64%
19%
19%
Flexible
working conditions and/or locations
will
上級管理職に若手女性社員のメンタリング
(指
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
encourage
women to further their career in their
導
・
助言)を行うことを奨励または義務付けるこ
でキャリアを追求する助けとなる。
current
company.
とは、
女性が上級職に進出する助けとなる。
76%
76%
76%
9%2%2%
11%
11%
15%
11%
11%
Support
services
and facilities at work to help
ジェンダー
・ダイバーシティ推進プログラムの進
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
women
balance work and (CEO)
family life
will encourage
捗状況を最高経営責任者
と幹部チームに
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
them
to further their career in their current
より目に見える形で監視することは、
女性が上級
でキャリアを追求する助けとなる。
company.
職に進出する助けとなる。
そう思う
そう思わない
どちらともいえない
1%1%
67%
67%
15%
15%
78%
78%
62%
2%
2%
9%2%
7%7%
13%
13%
27%
Support
services
and facilities at work to help
ジェンダー
・ダイバーシティ推進プログラムの進
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
women
balance work and (CEO)
family life
will encourage
捗状況を最高経営責任者
と幹部チームに
職場の支援サービスや施設は、
女性が今の会社
them
to further their career in their current
より目に見える形で監視することは、
女性が上級
でキャリアを追求する助けとなる。
company.
職に進出する助けとなる。
わからない/無回答
60%
60%
20%
20%
20%
20%
Company
in-house
programs
to hire, retain,
女性を雇用、
維持、
昇進、および育成する社内計
promote
and develop will help women to move to
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
senior positions.
Agree
Neither Agree
Nor Disagree
Don't
Know/Can’t Say
そう思うDisagree
そう思わない
どちらともいえない
わからない/無回答
41 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
27%
29%
29%
Flexible
working conditions and/or locations
will
上級管理職に若手女性社員のメンタリング
(指
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
encourage
women to further their career in their
導
・
助言)を行うことを奨励または義務付けるこ
でキャリアを追求する助けとなる。
current
company.
とは、
女性が上級職に昇進する助けになる。
17%
17%
Company
in-house
programs
to hire, retain,
女性を雇用、
維持、
昇進、および育成する社内計
promote
and develop will help women to move to
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
senior positions.
9%2%2%
2%2%
ダイバーシティ推進プログラム:日本における変革の必要性
Responses
from Female Executives
女性管理職の回答
Responses
from Male Executives
男性管理職の回答
2%
2%2%
16%
2%2%
1%1%
65%
64%
64%
14%
16%
16%
67%
67%
49%
29%
29%
33%
21%
19%
19%
Flexible
working conditions and/or locations
will
最高幹部の人事考課にジェンダー
・
ダイバーシ
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
encourage
women to further their
career in their
ティ推進指標を含めることは、
女性が上級職に
でキャリアを追求する助けとなる。
current company.
進出する助けとなる。
2%2%
23%
11%
11%
55%
76%
76%
11%
11%
22%
Support
services and facilities at work toとも1名の
help
会社の雇用基準で各昇進枠に少なく
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
women
balance work and family life 女性が今の会社
will encourage
女性候補者を含めることを義務付けることは、
職場の支援サービスや施設は、
them
to further their career in their current
女性が上級職に進出する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
company.
そう思う
そう思わない
全回答者数:209
67%
67%
どちらともいえない
1%1%
15%
15%
Flexible
working conditions and/or locations
will
最高幹部の人事考課にジェンダー
・
ダイバーシ
柔軟な職場環境や勤務場所は、
女性が今の会社
encourage
women to further their
career in their
ティ推進指標を含めることは、
女性が上級職に
でキャリアを追求する助けとなる。
current company.
進出する助けとなる。
4%
13%
13%
18%
Support
services and facilities at work toとも1名の
help
会社の雇用基準で各昇進枠に少なく
女性が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ
women
balance work and family life 女性が今の会社
will encourage
女性候補者を含めることを義務付けることは、
職場の支援サービスや施設は、
them
to further their career in their current
女性が上級職に進出する助けとなる。
でキャリアを追求する助けとなる。
company.
わからない/無回答
全回答者数:45
60%
60%
20%
20%
20%
20%
17%
17%
Company
in-house
programs
to hire, retain,
女性を雇用、
維持、
昇進、および育成する社内計
promote
and develop will help women to move to
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
senior positions.
2%2%
7%7%
42%
36%
78%
78%
Company
in-house
programs
to hire, retain,
女性を雇用、
維持、
昇進、および育成する社内計
promote
and develop will help women to move to
画は、女性が上級職に進出する助けとなる。
senior positions.
Agree
Neither Agree
Nor Disagree
Don't
Know/Can’t Say
そう思うDisagree
そう思わない
どちらともいえない
わからない/無回答
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
42
ダイバーシティ推進プログラム
:日本における変革の必要性
ダイバーシティ推進プログラム:日本における変革の必要性
ジェンダー・ダイバーシティ推進プログラムの進捗
状況を最高経営責任者(CEO)と幹部チームにより
目に見える形で監視することは、女性が上級職に進
出する助けとなる。
76%
15%
私が仕事と家庭生活を両立するのに役立つ職場の支
援サービスや施設は、私が今の会社でキャリアを追
求する助けとなる。
女性を雇用、維持、昇進、および育成する社内計画
は、女性が上級職に進出する助けとなる。
最高幹部の人事考課にジェンダー・ダイバーシティ
推進指標を含めることは、女性が上級職に進出する
助けとなる
上級管理職に若手女性社員のメンタリング(指導・
助言)を行うことを奨励または義務付けることは、
女性が上級職に進出する助けとなる。
28%
67%
17%
65%
10%
64%
17%
柔軟な職場環境や勤務場所は、私が今の会社でキャ
リアを追求する助けとなる。
32%
女性のネットワーク作りを促進し、女性のロールモ
デルを提示するプログラムは、女性が上級職に進出
する助けとなる。
会社の雇用基準で各昇進枠に少なくとも1名の女性
候補者を含めることを義務付けることは、女性が上
級職に進出する助けとなる。
女性向けの技能育成プログラムは、女性が上級職に
進出する助けとなる。
企業管理職に女性枠を設けることは、女性が上級職
に進出する助けとなる。
76%
25%
13%
17%
12%
64%
62%
55%
50%
43%
各ダイバーシティ推進プログラムについて「そ
う思う」と回答した日本女性の割合(%)
各ダイバーシティ推進プログラムについて「そう思う」
と回答したアジア太平洋地域の女性の割合(%)
出典:ハイドリック・アンド・ストラグルズ,
「より多様性のある職場へ」
出典:「Women Matter – An Asian Perspective(女性問題 -
アジアの観点)」,マッキンゼー&カンパニー 2012年
43 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
回答者に関する情報:
:女性回答者
女性回答者
回答者に関する情報
最終学歴
最終学歴
58%
58%
実務経験年数
実務経験年数
4%
4%
3%
3%
14%
14%
21%
21%
役職、所属部署:
役職、所属部署:
大学卒業
大学卒業
MBA
MBA
大学院卒業博
大学院卒業博
士号 (PHD)
士号 (PHD)
その他
その他
取締役
取締役
最高経営責任者(地区CEOを含む)
最高経営責任者(地区CEOを含む)
総括経営者(事業部長を含む)
総括経営者(事業部長を含む)
5 年未満
5 年未満
6~10年
6~10年
11~15年
11~15年
15 年以上
15 年以上
9%
9%
67%
67%
1%
1%
企業の執行会役員である
企業の執行会役員である
10%
10%
14%
14%
5%
5%
経理
経理
法務
法務
技術部門
技術部門
その他
その他
0%
0%
4%
4%
2%
2%
5%
5%
14%
14%
8%
8%
年以上
年以上
はい
はい
21%
21%
21%
21%
人事
人事
営業
営業
59%
59%
41%
41%
22%
22%
10%
10%
15%
15%
20%
20%
25%
25%
会社の最高管理職に昇進するまでにこれからかかる年数:
会社の最高管理職に昇進するまでにこれからかかる年数:
5 年以上
5 年以上
10%
10%
7%
7%
4年1か月~5年
4年1か月~5年
4年1ヶ月~4年
4年1ヶ月~4年
2年1ヶ月~3年
2年1ヶ月~3年
1~2年
1~2年
わからない
わからない
0%
0%
1%
1%
6%
6%
5%
5%
10%
10%
27%
27%
20%
20%
30%
30%
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
44
回答者に関する情報:女性回答者
回答者に関する情報:女性回答者
最終学歴
会社の本社所在地
4%
3%
14%
24%
58%
76%
21%
実務経験年数
企業の執行会役員である
年齢層
21%
5 年未満 12%
6~10年
6%
11~15年
59%
10% 15 年以上 12%
27%
14%
22%
大学卒業
9%
MBA
外国多国籍企業67%
大学院卒業博
日本
士号
(PHD)
その他
35 歳未満
36~40歳
41%
41~ 45歳
46 ~ 50歳
51 ~ 55歳
55 歳以
役職、所属部署:
取締役
婚姻状況
1%
57%
子供の有無
5%
最高経営責任者(地区CEOを含む)
総括経営者(事業部長を含む)
21%
人事
21%
43%
営業
既婚
独身
経理
14%
1%
1%
4%
技術部門
2%
その他
22%
全回答者数:209(すべての質問)
5%
10%
15%
20%
25%
会社の最高管理職に昇進するまでにこれからかかる年数:
5 年以上
10%
7%
4年1か月~5年
4年1ヶ月~4年
2年1ヶ月~3年
1~2年
1%
6%
5%
わからない
0%
27%
10%
45 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
20%
いない
1人
8%
法務
0%
24%
14%
60%
30%
2人
3人以上
わからない/無回答
年以上
はい
回答者に関する情報:
:男性回答者
男性回答者
回答者に関する情報
実務経験年数
実務経験年数
最終学歴
最終学歴
71%
71%
1%
1%
2%
2%
2%
2%
20%
20%
4%
4%
大学卒業
大学卒業
大学院卒業博
大学院卒業博
MBA
MBA
士号(PHD)
士号(PHD)
その他
その他
わからない
わからない
/無回答
/無回答
29%
29%
60%
60%
11%
11%
役職、所属部署:
役職、所属部署:
最高経営責任者(地区CEOを含む)
最高経営責任者(地区CEOを含む)
総括経営者(事業部長を含む)
総括経営者(事業部長を含む)
人事
人事
営業
営業
その他
その他
0%
0%
4%
4%
18%
18%
3年1ヶ月~4年
3年1ヶ月~4年
2年1ヶ月~3年
2年1ヶ月~3年
1~2年
1~2年
0%
0%
33%
33%
67%
67%
年以上
年以上
はい
はい
31%
31%
36%
36%
5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40%
5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40%
現在すでに最高管理職に就いている
現在すでに最高管理職に就いている
4年1ヶ月~5年
4年1ヶ月~5年
5 年未満
5 年未満
6~10年
6~10年
15 年以上
15 年以上
11%
11%
会社の最高管理職に昇進するまでにこれからかかる年数:
会社の最高管理職に昇進するまでにこれからかかる年数:
5 年以上
5 年以上
企業の執行会役員である
企業の執行会役員である
9%
9%
2%
2%
82%
82%
2%
2%
4%
4%
0%
0%
50%
50%
100%
100%
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
46
回答者に関する情報:男性回答者
回答者に関する情報:男性回答者
実務経験年数
最終学歴
会社の本社所在地
1%
2%
2%
20%
20%
71%
80%
4%
企業の執行会役員である
年齢層
大学卒業
40%
大学院卒業博
5 年未満
29%
MBA
外国多国籍企業60%
士号(PHD)
6~10年
15 年以上
日本
その他
11% 22%
わからない
/無回答
33%
11%
41 - 45
最高経営責任者(地区CEOを含む)
55 歳以上
27%
31%
子供の有無
36%
総括経営者(事業部長を含む)
13%
人事
18%
営業
その他
既婚
87%
独身
0%
40%
4%
いない
11%
5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40%
33%
会社の最高管理職に昇進するまでにこれからかかる年数:
現在すでに最高管理職に就いている
全回答者数:45
(すべての質問)
5 年以上
82%
9%
4年1ヶ月~5年
2%
3年1ヶ月~4年
2%
2年1ヶ月~3年
4%
0%
1~2年
0%
50%
47 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍
100%
16%
11%
はい
51 - 55
役職、所属部署:
婚姻状況
年以上
46 - 50
1人
2人
3人以上
67%
著者紹介
飯沼 綾
飯沼 綾は、ハイドリック・アンド・ストラグルズ東京オフ
ィスのマネージング・パートナーであり、日本における金融
部門、プロフェッショナル・サービス部門、ならびに、法
務、リスク、コンプライアンス・プラクティスの責任者であ
る。 企業向けの上級管理職および弁護士のリクルーティン
グに携わる。サーチ業界において10年以上の経験を有し、コ
ンプライアンス、法務、監査、リスク、財務等を中心に金融
サービスのバックオフィス分野全般を担当してきた。過去7年
間ハイドリック・アンド・ストラグルズに勤務し、頻繁にク
ロスボーダーのサーチ業務を担当し、専門分野においてクラ
イアントのニーズに応えている。また、ジェンダー・ダイバ
ーシティの推進を提唱し、さまざまな関連の取り組みを主導
している。
ハイドリック・アンド・ストラグルズへの入社以前は、東京
に本社を置くエグゼクティブ・サーチ会社で数多くの上級管
理職サーチプロジェクトを担当。最初のキャリアとしてみず
ほ信託銀行に12年間在籍し、事業法人融資、不良債権回収、
マーケティング、事業法人企画部門に携わった。津田塾大学
学芸学部 英文学科卒業。連絡先 ― 電話:+81 3 4520 7808
/メール:[email protected]
クリストファー・ブラック
クリストファー・ブラックは、ハイドリック・アンド・スト
ラグルズ東京オフィスのアソシエイトプリンシパルであり、
同社の日本における金融部門のプラクティスメンバーであ
る。アジアへの異動以前には、同社のロンドンオフィスにプ
ライベート・エクイティ・プラクティスのメンバーとして入
社。プライベートエクイティおよびその他の金融サービス業
のクライアントの経営陣サーチ案件を専門としている。
ハイドリック・アンド・ストラグルズへの入社以前は、プラ
イベートエクイティとベンチャーキャピタルビジネスの経営
陣の評価・リクルーティングを専門とするヨーロッパのプラ
イベートエクイティに特化した大手コンサルタント会社にて
コンサルタントとして従事。さらにそれ以前には、人材派遣
ビジネスを行う株式非公開グループの戦略・事業開発の責任
者として、機関、ヘッジファンド、プライベートエクイティ
投資家に対する主要リサーチユニットを立ち上げた。最初の
キャリアとしてバンク・オブ・ニューヨークに勤務。
ケンブリッジ大学(MBA)卒業。ユニヴァーシティ・カレッジ・
ロンドン(学士)卒業。連絡先 ― 電話:+81 3 4520 7834/メ
ール:[email protected]
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
48
T H E L E A D E R S H I P C O M PA N Y ®
T H E L E A D E R S H I P C O M PA N Y ®
ハイドリック・アンド・ストラグルズについて
ハイドリック・アンド・ストラグルズ
(NASDAQ:HSII)は企業経営幹部候補のエグゼクテ
ィブ・サーチ、組織風土の形成、および経営コン
サルティングサービスのリーディング・カンパニ
ーです。
過去60年間にわたり、当社は質の高いサービスの
提供に専心し、世界各地のクライアントおよび個
人とのつながりを通して強力なリーダーシップチ
ームを築いてきました。今日、ハイドリック・ア
ンド・ストラグルズのリーダーシップ・エキスパ
ートは北米、中南米、ヨーロッパ、およびアジア
太平洋地域の主要オフィスで業務にあたっていま
す。ハイドリック・アンド・ストラグルズの詳細
は www.heidrick.comをご覧ください。
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2014KMC04
49 より多様性のある職場へ:日本の成長を支える女性の活躍