厚生科学審議会疾病対策部会第ー0回指定難病検討委員会

厚 生 科 学 審 議 会 疾 病 対 策部 会 第 10回 指 定難 病 検 討 委 員会
議 事 次 第
平 成 27年
16:00∼
3月
9日
(月 )
18:00
生労働省 専用第15、16会議室(21階
場所:厚
)
1.開
会
2.議
事
3.閉
(¬ )
個 別 疾 患 の検 討 に つ いて
(2)
今後の予定
(3)
その他
会
<配 付 資 料 >
資 料 1-1 第
1 0 回 指 定 難 病 検 討 委 員 会 に お い て 検 討 す る疾 病 リス ト
資 料 1-2 指
定 難 病 と して 検 討 す る 疾 患 ( 個票 )
資 料 1-3 指
定 難 病 又 は 個 別 に 検 討 した 疾 病 に 含 ま れ る と考 え られ る疾 病
資料 2
指
定 難 病 の 要 件 を 満 た す こ とが 明 らか で な い 疾 病
資料 3
今
後 の 予 定 ( 案)
参考資料 1 指
定 難 病 の 要 件 に つ い て ( 追記 の 案 ) ( 第
参考資料 2 指
定 難 病 と して 検 討 す る 疾 患 ( 総括 表 )
6回 資 料 2を 再 掲 )
厚 生 科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会 (第10回 )配 置図
日時 「平成 2 7 年3 月 9 日 ( 月) 1 6 : 0 0 ∼ 1 8 : 0 0
場所 : 厚 生労働省 専用第 1 5 ・1 6 会 議室 ( 2 1 階)
事務局
岩佐疾病対策課長補佐
事務局
▲
飯 野委 員
錦 織委員
▲
事務局
▲
▲
事務局
前田疾病対策課長補佐
事務局
宮坂委員
田原疾病対策課長
事務局
▲ ▲
大澤委 員
松 倉 疾 病 対 策課 長補 佐
事務 局
▲
▲ ▲
千葉委員長
▲
事務 局
水澤委 員
和 田 委員
直 江委員
▲
▲
傍 聴 席
厚 生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会委員名簿
所属 ・
役職
氏 名
飯野 ゆき子
自治医科大学総合医学第 二講座 主任教授
大澤 真木子
東京女子医科大学名誉教授
◎ 千葉 勉
京都大学大学院医学研究科消化器 内科学講座教授
直江 知樹
日立病院機構名古屋 医療 センター院長
錦織 千佳子
神戸大学大学院医学研究科教授
水澤 英洋
日立精神 ・
神経医療研究センター病院長
宮坂 信 之
東京医科歯科大学名誉教授
和田 隆志
金沢大学大学 院医薬保健学総合研究科教授
◎は委員長
第 10回指定難病検 討 委員会 において検討する疾病 リスト
番号
4-1
病名
頁
5
4-3
家族性地 中海熱
高l g D 症候 群
中條 口
西村症候群
4-4
lF■
化膿性 無 菌性 関節 炎 ・
壊 性膿 皮症 ロ
アクネ症 候群
13
4-2
4-5
4-6
4-7
4-8
4-9
4-lC
4-11
4-38
4-39
4-40
4-41
4-42
4-43
4-44
頚 書椰顔 面 口
四 肢 巨大動静脈 奇 形
ク l ッペ ル ロ
ウェー バ ー症候 群
9
17
21
27
32
37
43
48
52
57
63
67
74
ポルフィリン症
81
先 天 生葉 酸 吸収 不 全症
93
生赤血球 形成異常性貧血
特 発 生後天性赤芽球病
ブラックフアン貧血
ダイアモンド・
ニ
ファ ンコ 貧 血
云性鉄 芽球性貧血
エプスタイン症 候 群
後 天 生自己免 疫性 出血 病 XH1/13
乳幼児 巨大 肝 血 管駆
カナダ症候 群
クロンカイト・
ルソン
ウィ
病
寺異 性 多発 性 小腸潰瘍症
胆道閉鎖 症
総排泄 腔 外 反症
総排泄腔遺残症
先天性 横 隔膜 ヘ ル ニア
先天
LF
ゴプ
4-37
頚部 口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形
菫
還
4-12
4-13
4-14
4-15
4-16
4-17
4-18
4-19
4-20
4-21
4-22
4-23
4-24
4-25
4-26
4-27
4-28
4-29
4-30
4-31
4-32
4-33
4-34
4-35
4-36
慢性再発性 多発性骨髄 炎
強 直性 脊椎 炎
進行性 骨化 性 線維 異形 成症
肋骨異 常を伴う先天性側弯症
タナトフォリック骨異 形成症
骨形成 不 全 症
軟骨無形成症
リンパ 管腫 症 /ゴー ハム 病
頚 1 椰顔 面 巨大 リンパ 管奇 形
1
―
ルング病(全結腸型、小腸型に限る)
アラジー ル 症 候 群
遺伝t :膵炎
胞 :線維 症
igG4関 連 疾 患
黄斑ジストロフィ
レーベ ル遺伝 性視神経症
アッシャー 症 候 群
若年発症型両側 性感音難聴
lリンパ 水腫
副 鼻腔 炎 __
98
103
107
112
117
121
126
132
136
140
146
150
160
164
168
172
176
185
190
194
201
208
212
216
221
226
料 1-2
指定難病 と して検討す る疾患
(個票)
で
b 一
融
ヽ
か J
J 炎
熱 腔
海 鼻
中 副
地 性
性 球
族 酸
家 好
一 4
1 4
FI
4 一
F 4
4-1家
族性地中海熱
10概コ
5 診 断基準
あり(研究班作成の診断基準あり)
6 重 症度分類
下記の(1)、(2)のいずれかを満たした場合は重症例とし助成対象とする。
1 概 要
ねI Modた
or●nean fever)は
、炎症経路のひとつであるインフラマソームの働きを押
家族性地中海熱(Fam‖
(1)発作頻回例
(2)アミロイドーシス合併例
さえるパイリンの異常で発症する自己炎症性疾患である。発作性の発熱や随伴症状として漿膜炎による激
しい疼痛を特徴とする。
2原 因
MEFγ 遺伝子が疾患関連遺伝子として知られているが、その発症メカニズムは明らかになっていない。ま
た、浸透率が高くないことや典型的な家族性地中海熱の症状を呈しながらもM[FV遺 伝子に疾患関連変異
を認めない症例が少なくないことから、発症には他の因子も関与していると考えられている。
3症 状
典型例では突然高熱を認め、半日から3日 間持続する。発熱間隔は、4週 間毎が多い。随伴症状として
漿膜炎による激しい腹痛や胸背部痛を訴える。胸痛によつて呼吸が浅くなる。また、関節炎や丹毒様皮疹
を伴うことがある。非典型例は、発熱期間が 1-2週間のことが多く、上肢の間節症状などを伴いやすい。検
査所見は、発作時にCRP,血 清アミロイドAの 著明高値をllめ、間歌期にこれらは剌的に陰性化する。
4.治 療法
根治療法はなく、副腎皮質ステロイド薬は無効であり、発作の抑制にはコルヒチンが約 9眺以上の症例で
阻害剤(インフリキシマブ、エタネ
奏効する。コルヒチンの無効例では高 IL-1療法(カナキスマブ)や TNF‐・
ルセプト)、サリドマイドなどが有効であると報告されている。
5予 後
無治療で炎症が反復するとアミロイドーシスを合併することがある。
10要 件の判定に必要な事呵
1.患 者数
約300人
2 発 病の機構
不明(疾患関連遺伝子 :MEFV遺 伝子)
3 効 果的な治療方法
未確立(コルヒチンの投与で寛解状態が得られるが、継続的な治療が必要。コルヒチン無効例もある。)
4.長 期の療養
必要
10情 報提供珂
`
「自己炎症疾患とその類縁疾患に対する新規診療基盤の確立」
研究代表者 京 都大学大学院医学研究科発達小児科 教授 平家 俊男
<診 断基準 >
<重 症度分類>
臨床的 FMF典 型例、または遺伝子解析 による FMF診 断例を対象とし、FMF非 典型例は対象としない
下記の(1)、(2)のいずれかを満たした場合は重症例とし助成対象とする。
診断方法
作頻回例
(1)発
以下にて FMFの 診断を行う
1臨 床所見
該疾病が原因となる CRP上 昇を伴う38.0℃以上の発熱を発熱発作とする。
当
の際には感染症やその他の原因による発熱を除外すること。
そ
① 必須項 目:12時 間から72時 間続く38度 以上の発熱を3回 以上繰り返す。発熱時には、CRPや 血清ア
ミロイドA(SAA)などの炎症検査所見の著明な上昇を認める。発作聞歌期にはこれらが消失する。
② 補助項 目
発
と
作と発作の間には少なくとも24時 間以上の無発熱期間があるものとし、それを満たさない場合は 1連 の発作
考える。
記の定義による発熱発作を年 4回 以上認める場合を発作頻回例とする。
上
i)発 熱時の随伴症状として、以下のいずれかを認める
a非 限局性の腹膜炎による腹痛
(2)ア
b胸 膜炎による胸背部痛
当
ミロイドーシス合併例
該疾病が原因となり、アミロイドーシスを合併 した例。
・関節炎
d心 膜炎
e精 巣漿膜炎
※
f髄 膜炎による頭痛
必
‖)コルヒチンの予防内服によって発作が消失あるいは軽減する
2ル ′
EFV遺 伝子解析
1) 臨
床所見で必須項 目と、補助項 目のいずれか 1項 目以上を認める場合に、臨床的に FMF典 型例と診
断する。
2) 繰
り返す発熱のみ、あるいは補助項 目のどれか 1項 目以上を有するなど、非典型的症状を示す症例に
ついては、ME局 ′
遺伝子の解析を行い、以下の場合に FMFあ るいは FMF非 典型例と診断する
a)Exon 10の
変異(M6941,M6801,M694V,V726A)(ヘ
テロの変異を含む)を認めた場合には、FMFと 診
断する。
b) Exon 10以 外の変異(E84K,E1480,Ll10P― E148Q,P369S― R4080,R2020,G304R,S503C)(ヘ
テロ
の変異を含む) を認め、コルヒチンの診 断的投与で反応があった場合には、F M F 非 典型例とする
o ) 変 異がないが、コルヒチンの診断的投与で反応があつた場合には、F M F 非 典型例とする
なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
要な者については、医療費功成の対象 とする。
・
4-2高
5 診 断基準
lgD症 候 群
10概ヨ
あり(研究班作成の診断基準あり)
症度分類
6 重
下記の(1)、(2)、(3)のいずれかを満たした場合は重症例とし助成対象とする。
熱発作頻回例
1.概 要
(1)発
rlgD Syndromo)は
、別名メバロン酸キナーゼ欠損症(MKD:MevJonate Kinas●
高 :gD症候群(HIDS:Hyp●
D●■dency)とも言い、コレステロール生合成経路に関わるメバロン酸キナーゼ(MVK)の活性低下により発
(2)炎
症持続例
(3)合
併症併発例
症する同期性発熱症候群である。血清 igDが高値である症例が多いことで命名がなされているが、本邦で
の初診時にIgDの上昇を認めないことが多く、診断には注意を要する。
2原 因
″И 遺伝子の機能低下変異により常染色体劣性遺伝形式にて発症する。本遺伝子変異が炎症を惹起
する機序はまだ明らかになっていない。
3症 状
典型例は乳児期早期より発症し、CRP上 昇を門 、反復性あるいは遷延性の発熱発作を認める。発作時
にはしばしば皮疹、腹15症状、関節症状を認める。重症例では先天寄形や精神発達遅滞などの中枢神経
症状を伴う。
4治 療法 _
非ステロイド抗炎症剤 (NSAIDs)が発熱、落痛の緩和に一定の効果が期待されるが、発作の予防、病態
の改善にはつながらない。発作期間中のステロイド内服により発作時症状が抑えられるが、重症例では効
果不十分である。生物学的製剤の開発が進められているが、未だ確立されたものとはなっていない。
5予 後
慢性の発熱発作や関節症状によるQOLが 著しく低下し、またステロイド長期投与による合併症を伴うこと
が問題となる。最重症型とされるメバロン酸尿症においては早期の治療がなされない場合、重篤な発達発
育遅滞を来たす。
10要 件の判定に必要な事珂
1.患 者数
100人未満
2.発 病の機構
不明(Mκ 遺伝子)
3 効 果的な治療方法
未確立
4 長 期の療養
必要
10情
報提供劇
「自己炎症疾患とその類縁疾患に対する新規診療基盤の確立」
研究代表者 京 都大学大学院医学研究科発達小児科 教授 平家 俊男
<診 断基準>
,、
く重症度分類>
下記の(1)、(2)、(3)のL ずれかを満たした場合は重症例とし対象とする。
確定診断例を対象とする。
必須条件 iCRPの 上昇を伴う、6か月以上続く反復性発熱発作
補助項目:
ミ
(1)発熱発作頻回例
16歳 未満の発症
P上 昇を伴う380℃以上の発熱を発熱発作とする。
当該疾病が原因となるCI他
2有 痛性リンパ節腫脹 ・
下痢の1つ以上を認める
嘔吐・
その際には感染症やその の原因による発熱を除外すること。
とも24時間以上の無発熱期間があるものとし、それを満たきない場合は 1連の発作
発作と発作の間には少な(く
必須条件を満たし、かつ補助項目を 1つ 以上有する症例を HIDSく
MKD〉疑い例と る。疑い例では遺伝子検査
MKD〉の確定診断を行う。診断基準として以下の 3項 目のうち、どれカ
を行い、HIDSく
1、に該当すること。
と
1)MVK遺 伝子検査にて両アリルに疾患関連変異を認める。
2)MVK遺 伝子検査rこ
て片方のアリルのみに疾患関連変異をみとめ、発熱時尿中メバロン酸高値を示す。
3)MVK遺 伝子検査にて疾患関連変異を認めないがヽ発熱時尿中メバロン酸高値旦1っMK活 性が 10%未満であ
る。
考える。
記の定義による発熱発.作を年 4回 以上認める場合を発熱発作頻回例とする。
上
(2)炎症持続例
、当
ロ
す
該疾病が原因となり、りなくとも2ヶ月に 1回施行した血液検査において CRP lmノd以 上、または血清アミ
イドが 10 μg/m!以上の炎症反応陽性を常に認める。その際には感染症やその他の原因による発熱を除外
′
ること。
(3)合併症併発例
以下の合併症を併発した症例については重症とし、助成対象とする。
①活動性関節炎合併例
当該疾病が原因となり、」力所以上の関節の腫脹、圧痛を認め、関節エコーまたは MRIに おいて関節滑膜の炎
症所見を認める例
②関節拘結合併例
当該疾病が原因となり、1カ所以上の関節の拘縮を認め、身の回り以外の日常生活動作の制限を認める例
③アミロイドーシス合併例
当該疾病が原因となり、アミロイドーシスを合併した例。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象とする。
4-3中
拘縮が進行する。心肺機能が低下し酸素吸入を要する。突然死するリスク
最重症パターン:早期より要縮 ・
西村症候群
條・
がある。
10概ヨ
1 患 者数
1概 要
慢性反復性の炎症と進行性のやせ ・
消耗を特徴とする、特異な遺伝性自己炎症疾患であり、常染色体劣
性遺伝性である。1989年 の中條、1950年 の西村らの4E告以来、「
凍病を合併する骨骨膜症Jなどの病名
100人
2 発
場環贅期i]属諄鷹出競鱚
程里風i爾 号墓:¥ri、 次第に長く節く
霧f程 留蟻桜編
れ立った指、顔面と上肢を主体とする部分的脂肪筋肉姜縮が進行する。
CANDLE症 候群という
本邦特有とされたが、2010年 に本疾患と臨床的に酷似する症例が JMP症 候群。
中東から報告された。3疾 患とも、プロテアソーム複合体の誘導型サブユニットをコードする
病名で欧米 ・
PSM88遺 伝子に変異のあることが報告され、これを原因とする同一疾患と考えられている。
詈
3 効
未
4_長
未満
病の機構
、細胞内で蛋白質分解を行うプロテアソーム複合体の機能が低下することが関
伝子変異に
,り
撃∫
果的な治療方法
確立(対症療法のみである)
期の療養
必要(進行性である)
2.原 因
5 診
PS鵬 8遺 伝子の変異により、細胞内で蛋白質分解を行うプロテアソーム複合体の機能が低下することに
よつて発症すると考えられるが、詳しい効 ニズムは不明である。
断基準
ぁ
6 重
り(研究班作成)
症度分類
重症度分類にて中等症以上の症例を助成対象とする。
3.症 状
り
返
季
Iξ
∬
症
状
を
二
塁
[ξ
EII奏
与
繰
ド
〕
雪
:鴛
ず
獄
お
瀬
躍
L』
ず
署
寝
滉
Itt
うが、精神発達障害ははっきりしない。次第に特徴的な長く節くれ立つた指と、顔面と上肢を主体とする部
分的脂肪筋肉姜縮、やせが進行し、手指や肘関節の屈曲拘縮を来す場合がある。血清 LDH、CPK、CRP
や AAア ミロイド値が高く、抗核抗体が陽性になることがある。一方、ステロイド内服により逆に腹部や下半
身の肥満を来す場合もある。脂質代謝異常ははつきりしないが、恐らく呼吸障害や心機能低下のために早
世する症例がある。
4治 療法
標準的治療法はない。ステロイド内服が行われ、発熱、皮疹などの炎症の軽減には有効だが、妻縮やや
せには無効である。むしろ長期内服による成長障害、代償性肥満、緑内障、骨粗継症など弊害も多い。
5予 後
一部の軽症例を除くと、繰り返す発熱 ・
筋炎、発育障害、進行性の脂肪筋肉萎縮 ・
関節拘縮などにより
00Lが 著しく低下する。重症例では若年での突然死もありうる。
疾患の典型例においては、以下の様な進行バターンに分類できる。
軽症パターン:発違発育障害を認めず、姜縮 ・
拘縮も軽度。発作時も全身状態が良好で、発疹も非露出部
のみ。
重症パターン:低身長などの発育障害を認め、妻縮 ・
拘縮も高度。発作時に倦怠感や筋炎、肝障害などを
伴う。顔面など露出部の発疹がめだつ。
R延
の
療
基
確
立
の
に
す
る
新
規
診
盤
」
疾
患
対
簑
と
そ
類
緑
這
憲
最
塾
研
究代表者 京 都大学大学院医学研究科発達小児科 教授 平家 俊男
く診断基準>
<重 症度分類>
DOflnite、
ProbaЫ
eを対象とする。
中條 ・
西村症候群診断基準
重症度分類にて中等症以上の症例を助成対象とする。
以下にて中條―西村症候群の診断を行う
重症度分類
1.臨 床症状
以下の表を参照し、
1常 染色体劣性遺伝 (血族婚や家族内発症)
軽症 :スコアがすべて0か 1
2手 足の凍療様紫紅色斑 GL幼 児期から冬季に出現)
中等症 :1つでもスコア2が ある
3繰 り返す弛張熱 (周期熱)(必発ではない)
4強 い浸潤 ・
硬結を伴う紅斑が出没 (環状のこともある)
重症 :1つでもスコア3が ある
5進 行性の限局性脂肪筋肉萎縮 ・
やせ (顔面 ・
上肢に著明)
6手 足の長く節くれだった指、関節拘縮
7肝 膊腫
8大 脳基底核石灰化
C以 上の発熱を発熱発作とする。その際には感染症やその他
(注1)発熱発作の定義は当該疾病が原因となる380°
こ
と
とも24時 間以上の無発熱期間があるものとし、それを
発作の間には少なく
の原因による発熱を除外する 。発作と
スコア
準を満たさない場合は臨床的疑いとし、PSMBθ 遺伝子解析を行う
2)PSM8θ
遺 伝子 の双 遺 伝子 座 に疾 患関連 変異 があれ ば 、上記 5項 目以上 陽性でなくても診 断確定
(DefnitO)
3)Pttβ
θ遺伝子 の双遺伝子座に疾患関連変異がない場合でも、上記5項 目以上を認めれば臨床的診断と
皮疹
脂 肪 筋 肉 萎 縮 ・関 節 拘 縮
内臓 ( 心 ・肺 ・肝 臓 ) 病 変
( 注1 )
2 PSMB∂ 遺伝子解析
く診断のフローチャー ト>
1)臨 床症状の 5項 目以上陽性で他の疾患を除外できる場合に中條―西村症候群と臨床診断し、またこの基
発 熱発作
1
なし
なし
なし
なし
3 8 度以上の発
非露出部のみ
日常生活動作には制限なし
検査異常のみ ・自他覚症状なし
作が年3 回以
(治療を要さない)
内
3 8 度以上の発
露出部に出没
作が年4 回以
身の回り以外の 日常生活動作
自他覚症状あり
の制限
可逆性)
( 要治療 ・
身の回りの日常生活動作
機能廃絶(非可逆性)
上
o)
する(PrObaЫ
の制限
満たさない場合は 1連 の発作と考える。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象とする。
4-4化
6.重 症度分類
アクネ症候群
膿性無菌性関節炎 ・
壊疸性膿皮症 ・
10概 到
′
1概 要
下記の(1)、(2)、(3)のいずれかを満たした場合を対象とする。
動性関節炎発症例
(1)活
疸性膿皮症様病変 ・
要腫性ざ療発症例
(2)壊
併症併発例
(3)合
PSTPIPl(CD2BPl)の機能獲得型変異により発症する自己炎症性疾患である。若年で発症し、進行性の
びらん性関節炎および、難治性の皮膚症状(壊疸性臓皮症様病変、嚢胞性座療)を伴う。
2原 因
研
PSTPPl(CD2BPl)の 機能獲得型変異により常染色体優性遺伝形式にて発症するが、その詳しいメカニ
ズムは明らかになつていない。
3症 状
3歳 以下に進行性の化膿性無薗性関節炎として発症し、思春期以降に壊疸性膿皮症様病変、嚢腫性ざ
療 (膿疱が日立ちしこりを形成するざ備)を呈する。関節炎は再発性、無菌性で、関節腔内には好中球が優
位に存在する。壊疸性膿皮症様病変は、炎症性の紅色丘疹、膿疱、結節ではじまり、その後潰瘍化して急
速に拡大し、潰瘍底は壊死を起こす。漬瘍が融合し、しばしば蜂巣状または飾状の療痕を生じる。
4.治 療法
根治的治療が存在しないが、対症療法として非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド、免疫抑制剤や生物学
的製剤などが使用されている。
5.予 後
生命予後は比較的良好であるが、牌腫、溶血性貧血、血小板減少などの血液疾患、炎症性腸疾患、ブド
ウ膜炎などの炎症疾患、糸球体腎炎、糖尿病など、様々な慢性疾患の合併が報告されている。
O要
件の判定に必要な事項
1、 患者数
約 100人未満
′
2.発 病の機構
不明(PSTPIPl(CD28Pl)の
機能獲得型変異)
3 効 果的な治療方法
未確立
4 長 期の療養
必要
5 診 断基準
あり(研究班作成の診断基準あり)
10情
報提供司
`
「自己炎症疾患とその類緑疾患に対する新規診療基盤の確立」
究代表者 京 都大学大学院医学研究科発達小児科 教授 平家 俊男
<診 断基準>
<重
症度分類>
下記の(1)、(2)、(3)のいずれかを満たした場合を対象とする。
診断方法
動性関節炎発症例
(1)活
化膿性無菌性関節炎・
アクネ症候群(PAPA症 候群)の診断基準:
壊疸性膿皮症 ・
下記①、②の症状は PAPA症 候群に特徴的である。
① 幼児期に発症する反復性の化膿性無菌性関節炎°
② 思春期前後より認められる壊疸性膿皮症や重症凛腫性ざ療
節炎による疼痛の持続、または関節破壊 ・
拘縮が進行がみられる。なお、関節炎の診断は単純レントゲ
検査、関節エコーまたは MRI検 査により確認する。
関
ン
嚢腫性ざ療発症例
疸性膿皮症様病変・
(2)壊
(3)合
H
併症併発例
当該疾患が原因となり、血液疾患(膊腫、溶血性貧血、血小板減少)、炎症性疾患(炎症性腸疾患、プドウ
°
関節炎は外傷により惹起される事がある
‐
初期には、ワクチン接種等の際に注射部位に膿疱が出来る過敏反応
(pathorⅣ
)も参考になる
炎)、糸球体腎炎、糖尿病を合併した例
膜
上記①ないし②を認めた場合、PSIPIP′遺伝子解析を施行し、疾患関連変異を有する症例を化膿性無菌性関
節炎・
壊疸性膿皮症 ・
アクネ症候群と診断する。
必
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
要な者については、医療費助成の対象とする。
5 診 断基準
4-5慢
性 再 発 性 多発 性 骨髄 炎
10概 割
あり(研究班作成の診断基準あり)
症度分類
6 重
下記の(1)、また(2)を満たした場合は重症例とし助成対象とする。
髄炎持続Fll
1.概 要
(1)骨
非腫瘍性の骨・
骨髄の炎症性疾患である。病変は単発性あるいは多発性に発症し、
原因不明な。無菌性 ・
急性 ・
慢性 ・
再発性いずれの経過もとり得るが、このうち多発性に発症し慢性 ・
再発性の経過をとる病態を
慢性再発性多発性骨髄炎とよぶ。症状として骨痛および、その部位に一致した皮膚の熱感と発赤を認め
る。
「
2原 因
未解明
3.症 状
腫服などで経徐に発症する事が多い。落痛は夜問
高熱を呈する事は稀 であり、倦 意感や局所の疼痛 ・
に強く.運動や寒冷暴露により悪1し
する傾向がある。
4.治 療法
ステロイド抗炎症薬(NSAIDS)に対して 50-80%の 患者が反応すると報告されている。NSA,DSに よる
,ト
反応が不十分である場合にビスフォスホネートの追加治療が行われる。上IE治療無効例に対しては抗
TNF製 剤、抗 I■1製剤の有効例が報告されている。
5.予 後
長期的には炎症部の骨の成長障害、変形を来す。また関節炎、掌蹴膿胞症や尋常性乾癬、炎症性腸疾
患等の合併が比較的多く報告されている。その他、Swoot症 候群、壊死性膿皮症、仙陽関節炎、硬化性胆
管炎などの合併も報告されている。
0要 件の判定に必要な事刹
1.患 者数
100人 未満
2 発 病の機構
不明
3.効 果的な治瘍方法
未確立(対症療法として非ステロイド抗炎症薬、ビスフォスホネート、抗 TNF療 法、抗 lL-1療法の有効性
が報告されているが根治療法はない。)
4 長 期の療養
必要
(2)合
IQ_情
併症併発例
報提供司
自己炎症疾患とその類縁疾患に対する新規診療基盤の確立」
研究代表者 京 都大学大学院医学研究科発達小児科 教授 平家 俊男
く診断基準>
<重 症度分類 >
下記の(1)、または(2)を満たした場合は重症例とし助成対象とする。
慢性再発性多発性骨髄炎診断基準
(1)骨髄炎持続例
1)画 像検査所見 :単純レントゲン検査で骨融解と骨硬化の混在像を呈し、かつ MRI検査で骨・
骨髄浮腫の所見
骨髄 炎による落痛が持続する。なお、骨髄炎の診断は単純 レントゲン検査または MRl検 査により確認する。
を認める(T,強8R画像で低信号、T2強調およびSTIR画像で高信号)。FDG―PETや 骨・
ガリウムシンチで多発
性病変を確認してもよい。
2)組 織検査所見 :病変部位の骨・
骨髄生検で非特異的炎症像があり、生検組織の培養検査もしくはPcR法 に
より細菌 ・
真菌などの感染症が否定される。
(2)合併症併発例
当該疾病とともに、慢性関節炎、掌臓膿胞症、尋常性乾癬、炎症性腸疾患、Sw6ot症 候群、壊死性膿皮症、仙
腸関節炎、硬化性胆管炎のいずれかを認める。
3)他の 自己免疫疾患 。自己炎症性疾患、悪性腫瘍などの関節炎・
骨髄炎の原因となる他疾患を除外する。
上記の 1)∼3)のすべての項目を満たす場合、慢性再発性多発性骨髄炎と診断する。
※なお、症状め程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
4-6強
直性脊椎炎
5予
10概 J
日
1.概 要
余
多くが 30
主に書椎 ・
骨盤(仙腸関節)および四肢の大関節を侵す慢性進行性の自己免疫性疾患である。
歳前の若年者に発症し、頸∼背∼腰殿部、胸部、さらには股、膝、渭関節など全身広範囲に炎症性落痛が
拡がり、次第に各部位の拘縮 (運動制限)や強直(運動性消失)を生じる。このため、身体的のみならず心
就労の大きな障壁となる。重症例では、
理的 ・
社会的にも00Lの 著しい低下を招き、特に若年者では就学 ・
前屈)位で骨性に強直して運動性が消失し、前方を注視できな
頸椎から腰椎(骨盤)まで全脊椎が後弯〈
い`
2.発
上方を見上げられない、後ろを振り向けない、周囲を見回せない、長時間同じ
姿勢(立位・
座位・
臥位)を維
持するのが困難になるなど、多彩かつ独特の体幹機能障害が生じる。さらには、このような日常生活上の
不便にとどまらず、青椎骨折やこれに伴う寺髄損傷(麻痺)など外傷発生の危険性も高まる。
遺伝的背景により、我が国の患者数は欧米に比べ極めて少なく、医師の間でも十分に周知されていない
ため診断が遅れがちとなり、初発から診断までに平均93年 を要している。
後
病状は数十年にわたり徐々に進行し、広範囲の激しい疼痛に加え、脊椎や四肢関節の運動制限により
n●1本
常生活動作は著しく制限されるようになる。約 1/3の息者が全脊椎の強直(竹様脊椎 ba“boo s●
一般人より平均
て、
の築物治療の影響も
加わつ
の棒のようになる)に進展する。併発する臓器病変や長期
命は短い。強直した脊椎では炎症性骨粗継症とあいまって軽微な外力により容易に骨折を起こし、その
一
際には一般人に比べて脊髄麻痺の発生が数倍であることも余命短縮の 因となっている。
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
約4 5 0 0 人
病の機構
く
伝子との関連性が高 、これが遺伝的要因として関与していると推測される)
不明(HLA-327遺
3.効 果的な治療方法
未確立(対症療法のみである)
4 長 期の療養
必要(慢性進行性で完治は不可能である)
5.診 断基準
2原 因
ぁ
原因は不明であるが、HLA―B27遺 伝子との強い関連性がみられ、そのような遺伝的要因を背景に細菌
感染などの後天的要因による免疫異常が生じた結果、発症すると推測されているが、未だ研究段階であ
る。
.BASDAIス
3症 状
.書
仙腸関節炎や書椎炎による腰背部痛や殿部痛が初発症状となることが多い。疼痛が運動により軽快し、
安静や就寝により増悪するのが特徴である。アキレス腱の付着部である田部を初め身体各所の靱帯付着
部 (関節周辺の骨性突出部など)の炎症徴候(疼痛、腫服)がしばしば見られ、時に股、膝、肩など四肢の
大関節の落痛や運動制限も生じる。進行に伴い脊椎や関節の可動域が減少し、重症例では運動性が完全
に消失する。一方、胸郭の拡張制限も徐々に進み、拘束性換気障害を生じて肺合併症の危険性も高まる。
さらに、視力低下、稀に失明を招くぶどう膜炎(虹彩炎)が約1/3に 併発し、その他、消化器(炎症性腸疾
患)、循環器(弁閉鎖不全症、伝導障害)、呼吸器 (肺線維症)などの病変を合併することがある。
4.治 療法
根治療法はなく、治療は、薬物療法および各種物理療法 ・
運動療法などの対症療法に終始する。症状軽
減には非ステロイド性抗炎症薬が有効であるが、関節リウマチに汎用される抗リウマチ薬(メトトレキサート、
サラゾスルフアピリジンなど)の本疾患の主たる病態である書権炎・
仙腸関節炎に対する有効性は証明され
ていない。このように治療薬の選択肢は少ないが.近 年、生物学的製剤 (TNF α阻害剤)の適応が承認され、
約 6眺の患者でその有効性が証明されている。高度の書柱後弯変形に対しては広範囲の脊椎矯正固定術、
また関節の破壊 ・
強直に対しては人工関節置換術が施行される。
`
るニューヨーク改訂基準)
り(世界中の主要学会で汎用されてしヽ
6 重 症度分類
下記のいずれかを満たす場合を対象とする
コアが4以 上 かつ CRP が 20 mg/引以上
・
BASMIス コアが 5以 上
椎 X―P上 、2椎 間以上に強直 (竹様脊社)が認められる
・
内科的治療が無効の高度な破壊や変形を伴う末梢関節炎がある
・
反復性の前部ぶどう膜炎がある
治療抵抗性・
10情 報提供珂
「
班
HLA多 型が寄与する自己免疫疾患の発症機序の解明」
ー
プロジエクト 反 町 典子
ンタ
子炎症制御
(研究所)分
研究代表者 (日立国際医療研究セ
<診 断基準>
<重
症度基準>
鑑別診断を除外した確実例を対象とする。
(重症例判断基準)
1臨 床症状
下
a)腰背部の疼痛、Fわ ばり(3ヶ月以上持続 運動により改善し、安静により改善しない)
b)腰椎可動域制限(Schobor試 験で 5 cm以
下)
・
記のいずれかを満たす場合を重症例として対象とする。
BASDAIス コアが4以上 かつ CRPが 2.O mg/d以上
BASMIス コアが 5以 上
・
o)胸郭拡張制限(第4肋 骨レベルで最大呼気時と最大吸気時の胸囲の差が 2.5 cm以
下)
2X線 所見(仙腸聞節)
・
両側の 2度 以上の仙腸関節炎、あるいは一側の3度以上の仙腸関節炎所見
・
・
n e)が認められる
脊椎 X―P上 、2椎 間以上に強直(bamboo s口
内科的治療が無効の高度な破壊や変形を伴う末梢関節炎がある
治療抵抗性 ・
反復性もしくは視力障害を伴う急性前部ぶどう膜炎がある
0度 :正常
1度 :疑い(骨緑の不鮮明化)
な
2度 :軽度(′
卜さな限局性の骨のびらん、硬化、関節裂隙は正常)
3度 :明らかな変化(骨びらん・
硬化の進展と関節裂「
Jtの拡大、狭小化または部分的な強直)
4度 :関節裂隙全体の強直
[参
確実例
臨床症状の1、?、3の うちの 1項 目以上 十 X線 所見
疑い例
a)臨床基準 3項 目
b)臨床症状なし + X線
必
お、症状の程度が上記の重症度分類で一定以上に該当しない者であっても高額な医療を継続することが
要な者については、医療費助成の対象とする。
考]
コア
1)BASDAI(Bath Ankylosing Spondytts Disease Ac」
vity lndex)ス
以下の A ) ∼F ) について V A S ( 1 0 c m スケール) により評価し、以下の計算式で算出した値 ( 0 ∼1 0 ) と
する。
BASDAI=0.2(A+B+C+D+05(E+F))
A)疲労感の程度
B)頚 部や背部 ∼腰部または臀部の疼痛の程度
所見
C)上 記 B以 外の関節の疼痛 ・
腫脹の程度
D)触れたり押したりした時に感じる疼痛 の程度
E)朝のこわばりの程度
<鑑別診断〉
・
強直性脊椎炎以外の脊椎関節炎(乾癬性関節炎、反応性関節炎、炎症性腸疾患に伴う脊椎関節炎など)
・
SAPHO症 候群 ・
掌臓膿疱症性骨関節炎
:線維筋痛症 ・
慢性疼痛
・
関節リウマチ
・
リ
ウマチ性多発筋痛症
・
強直性脊椎骨増殖症
・
硬化性腸骨骨炎
・
変形性脊推症 ・
変形性仙腸関節症
F)朝のこわばりの継続時間 (0∼120分)
2)BASM:(Bath Anky:osing Spondy‖
tis Metrology lndex)
下記5 つの計測指標を実測値により点数化し、その合計点数にて脊桂 ・
股関節の可動性と肢位を評価す
る。
0点
A、耳珠確 距離
〈
15om
B、腰椎前屈
〉
4●
m
C、頚椎旋回
〉
70°
D、腰椎側屈
〉 100m
F り 0里百ΠttPFコ泄
ゝ
120cm
1点
15∼
2∼
2点
300m
4om
20∼
5∼
70-1000m
〉
く
70°
10om
<70cm
く
30cm
2cm
20・
〈 5om
A、日部(かかと)と背中を壁に付け、項を引いてできるだけ後田部を壁に近づける。壁と耳珠部(耳の前の
でつばり)との日の距離を測定する(2回測定し、少ない方の距離で、左右の平均をcrnで記録する)。
D、田部(かかと)
立ち、直立の状態での床から指先までの距離と左に体を曲げた時の
こと。右でも同様に調定し、
る。その際に臓を曲げたり■睦浮かせたり、肩や殿部を動かしたりしない
均値をclllで
記録する。
E、患者は横になり(A)、
、臓を伸ばしたまま足をできるだけ広げ、左右の内果(内く
床から指先ま
B、患者は■立し上部臓骨棘の高さとその 10om上の部分に印をつける。前日後 2つの印の間の距離を測
hobor l朗
定し10omからの増加分をomで記録する((S●
D。
るぶし)
C、患者は格子に座り、検者は角度計を鼻のラインに合わせる.首を左に回し、初めのラインと断しいライン
°
の角度を測定する.右も同様に行い左右の回旋角度の平均値を で記録する.
│
4-フ
│
10概
ヨ
進行性 骨化性線維異
形
成症
ユ
抒 後は、測 能 詢 こ徐々疇 化する。昭 班が行つた H “L A s “ s m m t Q ¨ 面¨面 " 日 相 版
HAQ)を用いた機能障害評価では、10歳 台から着衣、身繕い、衛生、リーチ動作等で障害が強く、20∼ 3
鷺
(」
9歳 ではほぼ全項目で機能障害が進み、40歳 以上ではほぼ全介助となることが判明している。
1
1概
要
命予後に関しては、胸郭の可動性低下による呼吸障害と、開口障害等による栄養障害が関与するとさ
生
進行性骨化性線維異形成症 “ brOdysphda ossttcans pro『
osJva FOP)は 、小児期から全身の骨格筋
ているが、50歳 代以降の生存者も少数確認されている。
れ
や筋膜、腱 、靭帯などの線維性組織が進行性に骨化し、このために四肢関節 の可動域低下や強直、体幹
の可動性低下や変形を生じる疾患である。先天性の母趾形態異常を伴うという特徴がある。有病率は 200
万人に1人 とされている。
件の判定 に必要な事祠
10要
1 患
者数
100人 未満
2原 因
2 発
病の機構
家系例の検索から本疾患は常染色体優性遺伝形式を取るとされている。BMP type lの 受容体である
ACVRlの 遺伝子変異 (617G〉
へ R206H)が 原因であり、日本人の罹患者でもこの変異が確認されている。
は
、
近年、common mutaJonで ある R200H以 外の ACVRl遺 伝子変異を示す非典型例も報告されている。
ACVRlの 遺伝子変異が本疾患における進行性異所性骨化をはじめとした症状にどうつながるかは十分に
解明されていない。
明(ACVRl遺 伝子の変異が判明しているが、この変異が異所性 骨化を引き起 こすメカニズムは完全 に
不
3 効
未
解明されていない)
果的な治療方法
確立 (フレアアップから骨化を予防する薬剤は提唱されているがエビデンスが無く、根本的治療法は未
立である)
確
4 長 期の療養
3症 状
要 (進行性であり、機能障害が年齢とともに進行する)
必
本疾患のキ症状である異所性骨化は、乳児期から学童期にかけて初発することが多く、皮下軟部組織に
5 診
腫脹 や腫瘤を生じ、時に熱感や疼痛を伴うことがある(フレアアップと呼ぶ):これが消退を繰り返しながら
あ
骨化が進行し、四肢では関節の拘縮、強直、体幹では可動性低下や変形につながる。骨化は体幹 (傍脊柱
6.重
や項頚部)や肩甲帯、般関節周囲から始まり、徐 々に末梢 へ進行する傾向があり、移動lL力は進行性に低
断基準
り(研究班作成の診断基準あり)
症度分類
mOdtted Rankh ScJe(mRS)、
下する。胸郭の軟部組織や咀lRに関係する組織にも可動性の低下や骨化を生じ、呼吸障害、開 口制限に
上
栄養:呼 吸のそれぞれの評価スケールを用 いて、いずれかが3以
食事 ・
を対象とする。
つながる。外傷や医療的介入 (筋肉注射や手術など)が誘因となることもある。平滑筋と心筋には骨化を生
じないとされている。
10情
異所性骨化以外の症状として、母趾の形態異常(外反を伴う短趾が多い)、
母指の短縮、小指の弯曲、長
管骨骨幹端部の外骨腫、禿頭、聴力障害を伴うことがある。
4治 療法
現時点で本疾患に対して有効性が証明された治療法はない。フレアアップを生じた際に骨化への進行を
防ぐために、ステロイド、非ステロイド性消炎鎮痛剤、ビスフォスフォネートなど様々な薬剤が試みられてい
るが、明らかな有効性が確認されたものはない。
一方、フレアアップを予防するためには、外傷を避ける必要がある。 に転
特
倒、転落はフレアアップだけで
なく、受身の姿勢を取れずに頭部外傷などにつながるので特に注意する。筋肉内注射は避けるべきである
が、皮下注射や静脈注射は問題がないといわれている。インフルエンザやインフルエンザ様のウイルス感
染もフレアアップの危険因子とされている。
「
研
報提供劇
脊柱靭帯骨化症に関する調査研究」
究代表者 東京医科歯科大学 教授 大川淳
<重 症度分類>
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケー ルを用いて、いずれかが3以 上を対
食事 ・
Omodfed Ranttn ScJo(mRS)、
<診 断基準>
D●■nh、 ProbaЫeを 対象とする。
象とする。
J o ( m R S ) 半 J 定基 準 書
日本 版 m O d l ●d R a n k h S ●
進行性骨化性線維異形成症の診断基準
参 考 にす べ き点
modttod Rankin Scal●
A症 状
●
ま つたく症候 がない
自覚症状および他覚徴候がともにない状態である
1)進 行性の異所性骨化 (以下の特徴を満たす)
・ 乳児期から学童期に初回のフレアアップ(皮下軟部組織 の炎症性腫脹)を生じ、その後引き続いて筋肉、腱、
1_
症 候 はあつても明らかな障害はない
自党症状および他覚徴候 はあるが、発症 以前から行つていた仕
事 や活動に制限はない状態である
筋膜、靭帯などの軟部組織が骨化する。フレアアップは外傷 (手術などの医療行為を含む)に引き続いて生じ
4
発症以前から行つていた仕事や活動 に制限はあるが、日常 生活
度の障害
軽
発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の は 自立している状態である
ることが多いが、先行する外傷がはつきりしないこともある。フレアアップは移動性のこともある。
・ 骨化を生じる順序は、背llllか
ら腹側 、体幹から四肢、頭側から尾側が典型的で、多くは頭部か背部に初発す
ロリのことは介助なしに行える
る。
・ 横隔膜、舌、外眼筋、心筋、平滑筋に骨化は生じない。
■
中
買い物や公共交通機関を利用した外 出などには介助を必要とす
等度の障害 :
何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
る
が 、通常歩行、食事、身だしなみ の維持 、トイレなどには介助
を必要としない状態である
2)母 趾の変形 ・
短縮 (以下の特徴を満たす)
・ 変形 ・
短縮は生下時から認める。
通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要
歩行や身体的要求には介助が必要である
・ 変形としては、外反母趾が多く、第 一 中足骨遠位関節面が傾いていることが多い。
■
・ 短縮は、基節骨、第一 中手骨に認める。
・ 年齢とともに基節骨と末節骨が癒合することがある。
■ 度の障害 :
は必要としない状態である
とするが、持続的な介I「
常に誰かの介助を必要とする状態である。
寝たきり、失繁状態、常に介護と見守りを必要とする
0_
‐
3)その他の身体的特徴
日
・生下時から認める頸部可動域制限の頻度は高い。X線 では棘突起の肥大.高い椎体高、椎間関節の癒合を
死 亡
本脳卒中学会版
認める。
・頻度は高くないが、母1 日
の短縮、斜指、太し
状 腿骨頚部、胆骨近位内側の骨突出を認めることがある。
食
事 ・栄 養 ( N )
o症 候なし。
B鑑 月1診断
以下の疾患を鑑別する。
l ACVRl遺 伝子の変異
<診 断のカテゴリー>
Deinte:Aのうち1項目以上を満たしBの 鑑別すべき疾患を除外し、Cを満たすもの
ProbaЫ
o:Aのうち1)及び2)を満たしBの 鑑別すべき疾患を除外したもの
Possue:Aの うち1項 目以上
物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
2食
外傷性骨化性筋炎、進行性骨性異形成症、Alb‖
めt遺伝性骨異栄養症
c遺伝学的検査
にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない。
1 時
3食
5 全
事・
栄養摂取に何らかの介助を要する。
4補 助的な非経 目的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。
面的に非経 目的栄養摂取に依存している。
4-8肋
呼 吸 (R)
0症 候なし。
骨異常を伴う先天性側弯症
10概到
1 肺 活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない。
2呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
3呼 吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。
4喀 痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
5 気 管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要。
1概 要
小児に発症する脊柱側弯症はその原因も様々で、その態様も個 々の患者ごとで大変大きな差がある。成長期、
特に思春期に悪化しやすいが、キ柱変形の悪化が少ないものは予後も良く00L(生 活の質)の観点からも大きな
問題にはならないことが多い。一方、新生児、早L幼児期に発症する脊柱変形の中にはその変形悪化が著しい症
例が少なからずありそれに伴い胸郭変形も高度になり、胸郭容量の減少により肺成長が阻害され呼吸機能低下
を来す。患者によつては成長に伴いさらに悪化して、最終的には拘束性換気障害、閉塞性換気障害などの病態を
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続する
ことが必要な者については、医療費助成の対象 とする。
引き起こし、慢性呼吸不全の状態となる症例も存在する。このように脊柱変形など種々の原因で小児成長期に高
度胸郭変形が発症する症例では、結果として正常な肺の成長やその呼吸機能をサポートできない病態を呈する。
その治療としてVEPTRと 呼ばれる人工肋骨が開発されている。本症候群の中で、特に一次性としてまとめられて
いるものは、椎骨と肋骨の両方の発生学的異常により形態的変化をきたし脊柱変形のみならず胸郭変形とそれ
らの成長障害を引き起こし、最終的には呼吸器系の障害から生命にも重大な影響を与える。本疾患の自然経過
や病態には未だ未解明なものが多々あるが、VEPTRを 代表とした成長温存手術治療は、本疾患に罹患した小
児患者の成長後の生活を改善させるのみならず、生命予後も改善させることが期待されている。
2原 因
重症タイプの患者が多い国もあると言われているが、いまだ、その原因は明確にされておらず、その原因
因子は不明であるが、突然変異で生じると考えられている。
3.症 状
症状は無症状から高度呼吸器障害 により死に至るものまで様 々な病態と症状を呈する。先天性脊椎奇7//
や肋骨異常は成長により悪化し脊柱側弯症や後弯症、胸郭変形を引き起 こすため、初期は軽度な側弯や
胸郭変形であることも少なくない。奇形椎のタイプや肋骨異常の範囲などによりその変形IJま大きな差があ
り、また、差が生してくる。初期は風邪を引きやすい、身体が傾〈、外見が非対称などであるが、高度になる
と呼吸障害として肺活量 の減少が生じ、肺炎を頻回に引き起 こし、努力性呼吸、呼吸数の増加、夜間無呼
吸発作などが認められるようになる。一方、体幹の変形と短縮 、一側胸郭の虚脱 、立位や座位 バランス不
良、などが生じる。
4治 療法
根治的治療は未だない。以前 は、脊柱変形の悪化に対する脊柱矯正固定術が早期より行われてきたが、
成長をも止めてしまうため、高度悪化症例においては最終的には胸郭 の発育不全から呼吸機能障害を予
防することはできなかつた。そのため、治療は対症療法としての呼吸管理であり、在宅酸素療法、BIPAP療
法 などが 小 児 科 医 師 により行 わ れ てきた 。現 在 は胸 郭 と脊 柱 変 形 の 悪 化 予 防 と変 形 矯 正 を
Rb)などのインプラントを用 いる成長温存手術が行なわれ
VEPTR(VortlcJ Expandabtt Prostheuc umTita面
てきている。しかし、この方法 は半年に一 度の追加手術が必要であり、長期にわたつて患者は入退院を繰
り返す必要がある。最終的には成長 がほぼ終了した、あるいは思春期 になつたところで脊柱固定術をおこ
なっているが、高度に変形した胸郭や脊柱の矯正には限界がある。一方、あまりに早期に高度な悪化を示
<診
す症例には時間稼ぎのために矯正ギプスや矯正装具を手術可能になるまで繰り返し行う保存的治療も行
年
われている。
断基準>
齢と変形の程度からみた基準―肋骨異常を伴う先天性(後)側弯症
あてはまるもの
像診断にて先天性脊椎奇形と肋骨異常を合併し、下記の項目!ヒ
画
ここで言う肋骨異常とは、胸郭不全に関与すると判断される肋骨の形態、あるいは数的、または量的な異常として定
5予 後
する。
義
症例により差が大きい。軽度な症例では体幹の変形が主症状であり、悪化症例では成人後に背部の疼
痛や手術における脊柱固定状態により運動制限や就業制限などが必要になるものもある。高度な胸郭変
1 0-2歳
●
形が生じた症例では、肺活量が減少し、拘束性喚起障害により慢性呼吸不全状態に陥り、体重減少、など
●
から体力低下の状態から死亡する場合もある。生命予後は呼吸機能がどれだけ維持できるかで決まること
で
が多く、たとえ重症な状態にはならなかったとしても、生活における行動制限や就業不可などの状態になり
0 側
00Lの 観点からみれば決して満足のいく状態にはならない症例も少なくない。
①
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
/ 胸
2.2歳
●
未確立(VEPTREな どの成長温存手術があるが、十分に確立されていない。)
4 長 期の療養
5 診 断基準
弯が 45度 ∼85度 の症例:
/ 立
/ 上
7 年
●
e d Ran‖
n ScJo(mRS)、食事・
ぃodl■
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上
O情 報提供元
「
平成 23年 度厚生労働省科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)事業実績報告書」
研究代表者 国家公務員共済組合連合会名城病院 院長補佐、書推書髄センター長 J‖
上紀明
記以下の側弯でもNPPVが 必要な症例 `
少 なくとも立位(座位)X線写真で側弯が 85度 以上ある痺例 :
間 10度 以上の側弯悪化が認められる
●
を対象とする。
位(または座位)X線 写真で年間 10度以上の進行が認められ、かつ SALが 70%以下の症例
以上(10歳以下)
3.6歳
あり(学会承認の診断基準あり)
6.重 症度分類
間 10度以上の側弯悪化が認められる症例
/ 年
0 側
必要(未治療では胸郭変形と書柱変形が悪化し、呼吸不全に陥り、最終的には人工呼吸管理を必要とす
る。手 術治療では半年に一度の追加手術が必要であり、成長終了まで長期の加療、療養を要する病態
となる)
年 間 20度 以上の悪化が認められた症例
以上∼6歳未満
少 なくとも立位(または座位)X線 写真で側弯が 35度 以上ある症例:
②
不明Cit伝子的要素も報告されているが、原因や発病のメカニズムは明らかでない)
3.効 果的な治療方法
下記の条件が必要、但しすべてを含む必要はない):
弯が 45度 以下の症例く
侵襲的陽圧換気)が必要で、下記のうち少な
NPPV(No市 nvaSve Poduve Prossure Ventllauon:非
5胸推での横径が第 12胸椎での胸郭横径の50%以下の胸郭形態異常
郭変形の中で」eune症候群と呼ばれるもの、または SALが 70%以下の胸郭形態異常
/ 第
2.発 病の機構
測定)
くとも二項目の特徴を有する胸郭形態異常がある
eが 90度 以上
vertebral an」
郭形態異常で両側 面b―
/ 胸
10歳 以下の小児において、およそ 2000人以下
未満
―
立 位(座位)X線 写真で側弯が 85度以上ある症例:(経過観察なしで唯 診断可能)
∼
側 弯が 45度 85度 の症例:年 間 10度以上の進行が認められた症例(原則として比較は立位か座位
/ 少
立 位(座位)X線 写真で側弯が 45γ85度の症例 :
なくとも6ヶ月以上の保存的治療 (ギプスや装具治療)でも5度 以上の悪化が認められる
●分類>
く重症I―
n ScJo(mRS)、食事 ・
Omodttod Ran‖
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対
象とする。
0症
日本版mOdied Ranttn ScJe(mRs)判
定基準書
modtted Rankn ScJ●
参
症候混い
こ ま ったく
党症状および他覚微候はあるが 、発症 以前から行つていた仕
自
日常の勤めや活動は行える
軽 度 の障害 :
考にすべき点
や浩勁鴎肥はなし
獣鮨である
事
発
吸 (R)
候なし。
活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない:
1 肺
とtlこ
状態である
覚症状および他覚散働 マ
なし
自
1 _ 症 候 はあっても明らかなJ R 3 はない
た
呼
吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
2 呼
吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。
3呼
痰 の 吸 引 あるい は 間 欠 的 な換 気 補 助 装 置 使 用 が 必 要 。
4喀
管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要。
5 気
症 以前 から行つていた仕事や活動に制限 はあるが、日常生活
発症 以前 の活動がす べ て行 えるわ けではないが 、自分 の 身の は 自立している状態である
回 りのこと│よ
介助なしに行える
3 _ 中 等度の障害:
買
い物や公共交通機関を利用した外出などl J ま
介助を必要とす
何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
る
が、通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなど: ヨよ介助
を必要としないtREで ある
4_
中 申度から■度の障害1
週
歩行や身体的要求には介助が必要である
5_
■ 度の障害:
常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を12N要
と
常
するが、持続的な介踵は必要としない状態である
に誰かの介助を必要とする状態である。
寝たきり、失彙状態、常に介讀と見守りを必要とする
∈ 死 亡
日本脳卒中学会版
栄養 ( N )
食事 ・
0症 候なし。
1 時 にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活 ・日常生活に支障ない。
2食 物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
3.食 事 ・
栄養摂取に何らかの介助を要する。
4補 助的な非経 口的栄養摂取 (経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。
5全 面的に非経目的栄養授取に依存している。
※
必
なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
要 な 者 に つ い て は 、 医 療 費 助 成 の 対 象 とす る。
4-9タ
ナトフォリック骨異形成症
10概 割
1:概 要
o dyspLshは 1967年にMarOteauxらが独立した疾患として報告
タナトフォリック骨異形成症 thanatopho‖
"thanatopho‖
c"とは death bea“
ng(致 死性)を意味するギリシヤ語である。主な特徴は長管骨(特に
した。
上腕骨と大腿骨)の著明な短縮である。線維芽細胞増殖因子3遺 伝子の点突然変異が原因で発症するこ
とが判明している。そのX線 所見から大腿骨が彎曲(受話器用変形)し、頭蓋骨の変形のない1型と、大腿
骨の彎由は少なく、頭蓋骨がクローバー葉様に変形した2型 に分類される。いずれにおいても肋骨の短縮
部の膨隆、前頭部突出が特
出生後のレントゲン診断では顔面と頭蓋底の低形成、大きな頭蓋冠とlRll頭
ベ
徴である。肋骨の短縮により胸郭は著しく低形成で、 ル型 となる。肋骨も含め長管骨は著しく弯曲してお
り、特に大腿骨は、正面像で電話の受話器様の変形を示す特徴的な所見である。また長管骨の骨幹端は
拡大し、い わゆる杯状変形や棘状変形という所見をみる。脊椎は扁平化し、正面像では逆U字 型やH字 型
を里するが、椎間腔は保たれる。鎖骨は高位で、肩甲骨は低形成で ある。骨撃は腸骨翼の垂直方向の低
形成により方形化を示し、日蓋は水平化、坐骨切痕の短縮がみられる。
ー ー
なお、2型では頭蓋の変形がより著明でいわゆるクロ バ 葉様頭蓋を示す。これは1型よりも側頭部が
より顕著に膨隆していることによる所見である。また大 腿骨の短縮の程度は1型よりは軽度で、弯曲は認
ー
めないか軽度である。ただし1型でもクローバー葉様変形を認めることもあり、明確に区別できないケ スも
ある。
による胸郭低形成で、ベル状胸郭となり、重度の呼吸障害を来す。また巨大頭蓋と前頭部突出を示し、顔
面は比較的低形成である。
4.治 療法
根治的な治療はなく、対症療法を行う。
2原 因
疾患の原因は線維芽細胞増殖因子3遺伝子の点突然変異による。1型では 複数の遺伝子変異の集中
G,370Cvs、Sor371 Cys、
Tyr3730ys)や、終上
Sor249Cys、
部位が報告され、アミノ酸の置換(Arg248Cys、
コドンのアミノ酸 へ の置換 (stop807G!y、
stop807Arg、
stop807Cys)などを引き起 こす 。日本人 では
Arg248Cysが1型の約 60∼7鰯にみられ最も多く、次いでTry3730ysが 20∼3眺に見られる。それ以外の変
異や既知の変異が検出 されないものが、∼10%程 度存在する。2型については全例で Lys650Gh変 異が
検出されている。
5 予 後
出生後す ぐに死亡す る (周産期死亡)こ とが多いが、呼吸管理 を行 えば、長期生存 した例 も報告
されている。
10要 件の判定に必要な事同
1.患 者数
100人未満
3.症 状
児は著明な四肢長管骨の短縮を認め、これは特に近位肢節に著しい。頭蓋骨は巨頭を示し、前頭部突出
と鼻根部の陥凹が顕著である。胸郭は低形成でこれによる呼吸不全症状を示す。また腹部膨満と相対的
な皮膚過剰による四肢皮膚の載壁などが特徴である。
本疾患は妊娠期間中にその可能性を疑われることも多く、胎児の段階では妊娠 16∼18担 といつた妊娠
中期から著明な四肢短縮を示す。妊娠 20週 の後半から はほとんど大腿骨の伸長はみられず、妊娠30週
頃からは羊水過多を伴うことが多い。これらの所見があれば本疾患が疑われ、先端的な医療としては羊水
細胞を 用いた FGFR3遺 伝子の変異を検出することで確定診断が可能である。ただし、遺伝子診断では本
疾患であれば診断は確定するが、他の骨系統疾患の場合には 診断は不明のままである。そこで近年は
胎児の 3次 元ヘリカル CTの 実施により確定診断にかなり迫ることができるようになり、他の骨系統疾患も
含めて診断に追ることが可能であることから、実施される頻度が増えてきている。ただしレントゲン被曝の
問題があることから適応には慎重である必要がある。胎児は児頭が大きいことから、分娩予定日前後にな
ると児頭骨盤不適合から経腟分娩が困難になりやすい。
出生後は呼吸不全のため、呼吸管理を行わない限り、早期に死亡することが多い。呼吸管理を行つた場
合には、長期生存した例が報告されているが、こうした局産期の積極的な治療に関しては、生命倫理の点
一般的ではないかと思われ
からは議論のあるところであるが、現実の対応としては個別の状況での判断力ぐ
る。胸郭低形成に伴う重症の呼吸障害がみられ、死亡の原因となる。
2.発 病の機構
不明(FGFR3遺 伝子変異により発症することは判明している)
3 効 果的な治療方法
未確立(人工呼吸)
4 長 期の療養
必要(寝たきりで会話等もまつたくできない)
5 診 断基準
あり(一般に日本整形外科学会綱 骨系統疾患マニュアルを参照)
6.重 症度分類
診断基準自体を重症度分類等とし、診断基準を満たすものをすべて対象とする。
10情 報提供劇
「
致死性骨異形成症の診断と予後に関する研究肛」研究代表者 兵庫医科大学 教授 澤井英明
「
新生児骨系統疾患の診断と予後に関する研究班」研究代表者 兵庫医科大学 教授 澤井英明
胎児・
<診 断基準>
3)巨大頭菫は頭蓋冠の巨大化によるもので、顔面中央部は比較的低形成となり、前頭部突出や鼻根部陥凹
は実際には頭蓋の大
(鞍鼻)と中央部の平坦な顔貌を示す。なお、相対的巨大頭蓋(rdaive macrocephJy)と
本診断基準によリタナトフォリック骨異形成症 1型 または 2型 の診断を確定する。それぞれの項目については
下の解説を参照すること。 ・
きさは標準値と変わらないか軽度の拡大であるが、胸郭低形成、四肢の長曽骨の著明な短縮と椎体の扁平
化により生じた低身長など、四肢体幹が小さくなるため、頭蓋が相対的に大きく見えることを意味する。
4)その他の症状としては筋緊張の低下、大泉門開大、眼球突出などがある。短管骨も短縮するので短指趾症
A.症 状
となり、三尖手Ktrident hand)を
示すこともある。また、加齢により皮膚の黒色表皮腫が出現することが多い。
1)著明な四肢の短縮
2)著 明な胸郭低形成による呼吸障害
3)巨大頭蓋(または相対的巨大頭蓋)
B出 生時の単純エックス線画像所見(正面 ・
側面)
エックス線画像では骨格異常の全体パターンの認識が重要であり、上記の個々の所見の同定にあたっては、
B.出 生時の単純エックス線画像所見(正面・
側面)
診断経験の豊富な医師の読影意見や成書の図譜等を参照し、異常所見を診断することが必須である。なお、こ
1)四肢(特に大腿骨と上腕骨)長管骨の著明な短縮と特有の骨幹端変形
2)肋 骨の短縮による胸郭低形成
れらのエックス線画像所見の診断は出生時(出生後満 28日未満の新生児期)に撮影された画像を対象とする。
3)巨 大頭蓋(または相対的巨大頭蓋)と頭蓋底短縮
1)四肢(特に大腿骨と上腕骨)長管骨は著明な短縮を示す。しかし四肢長管骨の短縮の程度を容観的に評価
するための出生後の身体計測やエックス線的計測値は報告されていない。ひとつの指標としては出生前の超
4)著 明な椎体の扁平化
5)方形骨盤 (腸骨の低形成)
音波検査の胎児大腿骨長Kfemur bngth FLl計
測値で、少なくとも妊娠 22週以降 28週未満では4SD以 上、
C遺 伝子検査
をキ
旨標としうる。
b hst grぃ
心 factor receptor 3:FGFR3)遺
線維芽細胞増殖因子受容体 3(lbr●
伝子のアミノ酸変異を生じる点突
然変異
ngま たは s口a"ng)を示し、骨幹端縁は角状突起様(spur)と
大(la‖
なる。これらの所見により近位端骨幹端に
D診 断の確定
er femur)
は骨透亮像を認める。1型では大腿骨の彎曲が著明で電話受話器様変形(French tdephone rece市
1型
2型では大
は直状で短縮の程度は
が多く
めないかきわめて
より
やや軽度のこ
と
を示す。
、彎曲は認
腿骨
妊娠 28週 以降は 6SD以 上の短縮がみられる。出生後の身体計測やエックス線的計測においてもこれらの値
次の1)と2)の両方を満たせば診断が確定する。また1)は満たすが、2)は満たさないまたは明確ではない場
合は、1)と3)の両方を満たせば診断が確定する。
1)「A症 状」の項目1)∼3)のすべてを満たすこと。
2)「 B出 生時の単純エックス線画像所見」
の項 目1)∼5)のすべてを満たすこと。
3)「 C遺 伝子検査」
でいずれかの変異が同定されること。
、軽度拡
また、特有の骨幹端変形があり、長管骨の骨幹端は軽度不整と骨幹方向への杯状陥凹(cupphυ
軽度である。
2)助骨の短縮により胸郭は低形成となリベル状胸郭となる。
3)巨大頭蓋と頭蓋底短縮のために、前頭部が突出し、顔面中央部は比較的低形成である。2型 では側頭部の
膨隆により頭蓋骨のクローパー葉様変形(dovedeaf skJ)を
認めることが多いが、これは 1型でも認めること
があり、また2型でも認めないことがあるので、1型と2型の確定には大腿骨の所見が優先される。また、大後
幹圧迫症状を星することが多い。
頭孔の狭窄による1図
4)著明な推体の扁平化により椎間腔は拡大し、椎体は正面像ではH字 またはU字 型を示し、側画像では前縁
<解 説>
A症 状
1)著明な四肢の短縮は、特に近位肢節(大腿骨や上腕骨)にみられ、低身長となるが、体絆の短縮は軽度また
はほぼ正常である。骨の短縮に対してt軟部組織は正常に発育するため、四肢で長軸と直角方向に皮膚の
餓製が生じる。
2)著明な胸郭低形成により呼吸障害や腹部膨隆を示す。胎児期には味下困難による羊水過多がほぼ必発で、
しばしば胎児水腫を呈する。多くは出生直後から呼吸管理が必要で、呼吸管理を行わない場合は、呼吸不全
により新生児死亡に至ることが多い。
がやや丸みを帯びる。正面像での腰椎椎弓根間距離の狭小化は診断のための客観的な指標であるが、在
胎週の早い例では日立たないこともある。
5)方形骨盤(腸骨の低形成)は骨盤骨の所見として重要である。腸骨は低形成で垂直方向に短縮し、横径は相
対的に拡大する。腸骨翼は正常の扇型を示さず方型である。坐骨切痕は狭く短縮し、日蓋は水平化している。
Y軟 骨部分の陥凹骨突起と組み合わせは三尖臼蓋として観察される。
C遺 伝子検査
遺伝子検査は確定診断としての意義が大きい。
brOЫ
ast grotth factor
optor
ro●3:FGFR3)遺
1)1型 :線維芽細胞増殖因子受容体 3(■
伝子の点突然変異により
T→
アミノ酸の置換や終止コドンヘの置換が生じることが原因である。アミノ酸の置換 (c.742C〉
Arg248Cys、
。1118A>G ⇒ Tyr3730ys、
●
746C〉G ⇒ Sor249Cys、●1103G〉T‐ Gly370Cys、ollllA)T → Ser371 Cys、
c1949A〉
T→
Lys650Mot)や
G→
、終止コドンのアミノ酸への置換 ( c 2 4 1 9 T 〉
o2419DA⇒
stop807Arg、c2421A〉Tま たは c2421A〉C⇒ stop807Cys、。
2420G〉T⇒
stOp807G、
″c 2 4 1 9 T 〉
C ま たは
stop807Lou、
stop807Trp)な
どが報告されている。日本人では Arg248Cysが 1型 の約 60∼70%にみられ最
も多く、次いで Try373Cysが 20∼30%に見られる。それ以外の変異や既知の変異が検出されないものが、∼
c.2421A〉
G→
10%程 度存在する。
2)2型 :全例で FGFR3遺 伝子の c.1948A〉
G⇒
Lys650G:u変異が報告されている。
3)遺 伝子変異については新たな変異が報告される可能性があるので、必ずしも前項の変異に限定されるもの
ではないが、アミノ酸変異を伴わない遺伝子変異では疾患原因とはならない。こうした遺伝子変異の情報 につ
いてはウェブ上の GenoRe宙ewsO(米 国 NCBIの サイトhtt●
//― .ncЫ‖m面 h gov/の中のデータベース)など
の記載を参考にする。
4)理 論 上は常染色体優性遺伝形式をとるが、出生後の新生児期から乳幼児期に死亡することが多く、ほとんど
は妊み性のある年齢に至らないことや、その年齢に至つたとしても妊手性は期待できないことから、実際の発
症は全例が新生突然変異である。従つて発症頻度は出生児 (死産を含む)の 1/20,000∼1/50,000程度と稀で
ある。
く重症度分類>
診断基準自体を重症度分類等とし、診断基準を満たすものをすべて対象とする。
│
4-10骨
│
10概
釘挿入、脊桂変形に対する矯工固定手術などが行われる。
形成不全症
これら以外に、歯牙(象牙質)形成不全およびこれに伴う咬合異常に対する歯科的管理、難聴 に対する内
外科的治療、心臓弁の異常による心機能低下に対する内科的 ・
科的 ・
外科的治療、などが行われる。
ヨ
1 概 要
5.予 後
骨形成不全症(OsteogeneJs imperfecta)は
、全身の骨脆弱性による易骨折性や進行性の骨変形に加え、
様々な程度の結合組織症状を示す先天性疾患である。発生頻度は約2∼3万人に 1人 とされている。2010
Pedhtr Orthop 1985】
こ
前述 のとおり臨床像が多彩なため予後も症例によってさまざまである。Sha口ro(」
よる報告では、出生前 ・
出生時に多発骨析があり、四肢に変形 ・
短縮があるとほぼ全例死亡、出生前 ・
時の
骨折があり、四肢に短縮 ・
変形がないと約 6割 が車いす生活、出生時までに骨折力`
なく歩行開始前に初回
年版の骨系統疾患国際分類では、S‖enc。
ad Sci 1988)に
(Ann N Y A●
2型 (周産期
よる1型 (非変形型)、
3型 (変形進行型)、
4型 (中等症型)に加えて、骨間膜石灰化 '過形成仮骨を伴う型(5型)、その
致死型)、
骨折があると、3分 の 1が 車 いす生活、歩行開始後に初回骨折では全例歩行可とされている。しかし、この
報告以降治療法の進歩がある一方、個 々の患者の機能は徐 々に低下するため、画― 的な予後予測は困
他の型、に分類されてもヽ
る。
難である。
2原 因
骨形成不全症の 90%以 上の症例では、結合組織の主要な成分である I型コラーゲンの遺伝子変異
スメ
(COL′
,COL Mのにより、質的あるいは量的異常が原因で発症するとされているが、I型コラーゲン遺伝
子に異常を認めない症例も存在する。近年それらの遺伝子異常が続々見つかつており、月Gtta lEPRf′,
απ〃平Pa S調 用MIsERPJNFr,BMPrな どの異常が報告されている。遺伝形式は、常染色体優性遺伝
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
約 6 0 ∞人
2 発 病 の機構
のものと常染色体劣性遺伝のものがある。
不明
3 効 果的な治療方法
3.症 状
骨形成不全症の臨床像は非常に多彩であり、生まれてすぐに死亡する周産期致死型から、生涯にわたり
未確立 (根本的治療はなし)
4 長 期の療養
必要 (中等症から重症患者では、運動制限が一生続き、長期の療養が必要である。)
明らかな症状がなく偶然発見されるものまである。
臨床症状は易骨折性、骨変形などの長管骨の骨脆弱性と脊社骨の変形に加え、成長障害、青色強膜、
歯牙(象牙質)形成不全、難聴、関節皮膚の過伸展、心臓弁の異常などである。中でも骨変形による骨痛、
脊柱変形による呼吸機能障害、難聴、心臓弁(大動脈弁、僧帽弁に多い)の異常による心不全が年長期以
5 診 断基準
あり
6.重 症度分類
降に生じることが多い。
modtted Rankn ScJo(mRS)、
呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以 上を対象とす
骨脆弱性のために運動発達が遅延する。また骨脆弱性は成人後も継続し、妊娠 ・
出産や加齢に関係した
悪化が知られるため、生涯に渡る管理 ・
治療が必要である。
る。
O情
4治 療法
報提供元
「
重症骨系統疾患の予後改善に向けての集学的研究」
内科的治療と外科的治療に大きく分けられる.
研究代表者 大 阪大学大学院医学系研究科 教授 大薗 恵―
(1)内科的治療
日本内分泌学会、日本整形外科学会
骨折頻度の減少を目的としてビスフォスフォネート製剤投与が行われる。骨析頻度の減少のみならず骨
密度の増加、骨痛の改善、脊体の圧迫骨折の改善などの効果も得られている。小児でjま
ビスフォスフォネ
ート製剤としてパミドロネートの周期的静脈内投与が行われ、2014年から日
本において保険適用となつた。
年長児や成人では、経口のビスフォ不フオネート製剤が有効であり、近年海外より、テリバラチドの有効性も
示されている。
(2)外科的治療
骨折した際に観血的骨整復術、四肢変形に対して骨切り術、長管骨の骨折変形予防を目的とした髄内
<診 断基準>
D●■n忙。を対象とする。
断のカテゴリー >
<診
Doln■e:Aの うち3項 目以上 +Bの うち3項 目以上を満たしCの 鑑別すべき疾患を除外し、Dを 満たすもの
骨形成不全症の診断基準
たは
ま
Aの うち4項 目以上十Bの うち4項 目以上を満たし、Cの 鑑別すべき疾患を除外したもの
ProbaЫe:Aの うち3項 目以上+Bの うち2項 目以上を満たし、Cの 鑑別すべき疾患を除外したもの
A症 状
1 骨 脆弱性症状 (易骨折性や進行性の骨変形など)
POSSble:Aの
2 成 長障害
3 青 色強膜
4 歯 牙 (象牙質)形成不全
5 難 聴
6 家 族性
フ.小 児期に骨折歴あり
B検 査所見 (骨レントゲン)
1.長 管骨の変形を伴う骨折および変形
2 変 形を伴う細い長管骨および変形
3 頭 壺骨の Worrnhn bono(頭蓋骨縫合線に沿つてみられる小さなモザイク状の骨)
4 椎 骨圧迫骨折
5 骨 密度低下
診断のための参考基準
脆弱性骨折、易骨折性 :軽微な外力での骨折、2回 以上の骨析歴
成長障害 :-2SD以 下の低身長
歯牙形成不全 :色調異常 (光沢のない灰色の歯)、象牙質の損傷
卜さな声の会議が聞きとりにくい程度より重度)
難聴 :30デ シベル以上の低下 (′
骨密度低下 :YAM値 または小児期の場合には同年齢の基準値の 80%未満
C鑑 別診断
以下の疾患を鑑別する。
・
虐待児症候群
・
原発性骨粗選症 、
・
低フォスファターゼ症
・多骨性線維性骨異形成症
・
E‖ers Da‖
os症 候群
D遺 伝学的検査
ハノ
1. 00ι ′
、00と ち4′、印
」、SfRP//VFノ、CR74P、 lfPRFノ 、PP/8、SERPINHノ 、Fl“引D′a sP入
B M P ′、「
M E N 3 8 B 、 N ヾ ノ遺伝子の変異
うち3項 目以上+Bの うち2項 目以上を満たしたもの
<重 症度分類>
d Ranttn ScJo(mRS)、
Omod面 ●
呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以 上を対象とする。
日本版mOdtted Ran‖
n ScJ。(mRS)判 定基準書
nlodIFed Rankh Scalo
O_
ま つたく症候がない
1_
症 候 はあつても明らかな障害はない │
日常の動めや活動は行える
と
軽
度の障害 :
発症 以前の活 動がす べ て行えるわ けではないが 、自分の身の
4-11軟
参 考 にす べ き点
自党症状および他覚徴候がともにない状態である
日覚症状および他覚徹候 はあるが、発症 以前 から行つていた仕
事 や活動に制限はない状態である
発症以前 から行つていた仕事 や活動に制限はあるが、日常生活
は 自立してぃる状態である
中 等度の障害 :
何らかの介助を必要 とす るが、歩行は介助なしに行える
買い物や公共交通機関を利用した外出などには介助を必要とす
るが、通常歩行 、食亭、身たしなみの維持 、トイレなどには介助
を必要と防 い状態である
中 等度から●●Iのl●
害:
通常歩行 、食事 、身だしなみ の維持 、トイレなどには介助を必要
■
■ 度の障害 :
常に誰かの介助を必要とする状態である。
6_
死 亡
●
とするが、持線的な介霞は必要 としない状態である
寝たきり、失鷲状態、常 に介IEと見守 りを必要とする
日本脳卒中学会版
呼 吸 (R)
0_症 候なし。
1 肺 活量の低下などの所見はあるが、社会生活 ・日常生活に支障ない。
2.呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
3呼 吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの 日常生活動作で息切れが生じる。
4喀 痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
5 気 管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
│○概刻
1概 要
軟骨無形成症 は四肢短縮型低身長症を呈する骨系統疾患の代表で、およそ 2万 出生に1人 の割合
で発生する。特徴的な身体所見 とX線 像から診断は容易であるが有効な治療法はない。成人身長は男
女性で約 125 cmと
低く著明な四肢短縮のため、患者は日常生活で様 々な制約をうける。
性で約 130 om、
脊柱管狭窄のため中高年になると両下肢麻痺を呈したり、下肢アライメントの異常による変形性関節症
回りのことは介助なしに行える
0_
骨無 形成症
を発症し歩行障害を生じたりすることが少なくない。
2原 因
原因遺伝子は染色体領域 4p163に 存在する FGFR3(線維芽細胞増殖因子受容体 3)である。遺伝様
式は常染色体優性遺伝であるが、約 9096以上は新規突然変異によるものとされ、健康な両親 から生ま
れる。患者の 95%に FGFR3の G380R点 変異 (380番目のグリシンがアルギニンに置換される変異)を
みとめる。FGFR3の 構造 は、細胞外領域、膜貫通領域、細胞内領域 (チロシンキナーゼドメインを含む)
の3つ の部分に分けられるが、本症の点変異 は膜■通領域に存在する。一方、同じ FGFR3の チロシン
キナーゼドメインに存在する点変異 (N540K点 変異が代表的)では軟骨低形成症となる。FGFR3の シグ
的に作用するが、本症の原因となる変異型 FGFR3は 受容体シグナ
ナルは軟骨細胞の増殖に対しrlp制
ルが恒常的に活性化される機能獲得型変異であり、軟骨細胞の分化が促進され内軟骨性骨化の異常
の成長障害、頭蓋底の低形成などを生じると考えられている。
A・
をきたし長管・
3症 状
出生時から四肢短縮をみとめるが、出生身長はさほど小さくはない。成長とともに低身長が 日立 つよう
になり、成長期の身長増加は小さい。成人身長は男性で約 130om、女性で約 125cmで ある。顔貌の特
徴は出生時からみられる。早L幼児期 (3歳 頃まで)に問題になるのは、大孔狭窄および頭蓋底の低形成
による症状である。大孔狭窄では延髄や上位頸髄の圧迫により、頚部の屈曲制限、後弓反張、四肢麻
痺、深部腱反射 の充進、下肢のクローヌス、中枢性無呼吸がみられる。水頭症も 2歳 までに生じる可能
性がもっとも高い。無呼吸、呼吸障害は中枢性と鼻咽頭狭窄による閉塞性の要因から生じる。胸郭の低
形成が高度な場合、拘束性肺疾患 や呼吸器感染症の反復、重症化も問題になる。中耳炎の罹患も多く、
本症の約 90%で 2歳 までに発症する。多くは慢性中耳炎に移行し、30∼40%で 伝音性難聴を伴う。脊柱
管狭窄は必発であり、小児期に症状が発現することはまれであるが、成長とともに狭窄が増強し、しび
れ、脱力、間欠性跛行、下肢麻痺、神経因性膀肌による排尿障害などを呈することが多い。側彎や亀背
などの書柱障害や、腰痛、下肢痛もしばしばみられる。乳児期に運動発達の遅延はあるが知能は正常
である。このほか、咬合不整、歯列不整がみられる。
<診 断基準>
4治 療法
本質的な治療はない。大孔狭窄による神経症状を呈したものでは減圧手術をおこなう。水頭症で明ら
かな頭蓋内圧克進症状や進行性の脳室拡大をていしたものではシャント手術をおこなう。低身長に対し
D●
lnた
oを対象とする
軟
骨無形成症の診断基準
ては成長ホルモン投与や創外固定を用いた四肢延長術などがおこなわれる。脊柱管狭窄症に対しては
外科的除圧術(椎弓形成術や固定術)がおこなわれる。
状
A症
1、近位肢節により強い四肢短縮型の著しい低身長
096の 四肢短縮)
(-3SD以下の低身長、指極/身長く
5予後
積極的な医学的評価をおこなわない場合は早L幼児期に約2∼5%の 突然死が生じる。突然死の原因
2特
はおもに無呼吸であると考えられている。大半が知lL面では正常であり、平均余命も正常であるとされ
低
る。脊柱管狭窄に伴う両下肢麻痺や下肢のアライメント異常による下肢変形が経年的に増加する。厚生
労働科学研究費補助金(難治性疾患克服研究事業)軟骨無形成症の病態解明と治療法の開発におけ
3三
明ら
る芳賀の報告によると、歩行障害が 6歳で 2%、12歳で 5%、20歳から60歳までの成人で 1796と
かに増加しており成長終了後早期からの下肢・
春権病変による歩行障害が発生する頻度が高い。
B検
10要件の判定に必要な事呵
1.患者数
単
徴的な顔貌(頭蓋が相対的に大きい、前額部の突出、鼻根部の陥凹、顔面正中部の
+lSD
形成、下顎が相対的に突出):頭 囲〉
尖手(手指を広げた時に中指と環指の間が広がる指)
査所見
純 X線 検査
1四 肢(正面)管 状骨は大く短い、長管骨の骨幹端は幅が広く不整で盃状変形(カッピング)、大腿骨
部の短縮、大腿骨近位部の帯状透亮像、大腿骨遠位骨端は特徴的な逆 V字 型、耕骨が胆骨より長
頸
い(誹骨長/胆骨長〉11、骨化が進行していないため亭L幼児期には判定困難)
10)(乳児期には目立たな
2脊 推(正面、側面)腰 椎椎弓根間距離の狭小化(椎弓根間距離 L4/Llく
(発生頻度から推定)
全国で600Cl人
い)、
腰椎椎体後方の陥凹
2発 病の機構
不明(患者の 90%以 上は正常の両親から生まれた突然変異である。)
盤 (正面)坐 骨切痕の狭小化、腸骨翼は低形成で方形あるいは円形、自蓋は水平、小骨盤腔は
ングラス様
シヤン′く
3.骨
3効 果的な治療方法
4.頭部(正面、側面)頭 蓋底の短縮、顔面骨低形成
未確立(現在のところ有効な治療法はない。)
5手 (正面)三 尖手、管状骨は太く短い
4長 期の療養
必要(脊柱管狭窄症、変形性間節症に対する予防や治療が必要である。)
5診 断基準
あり(日本小児内分泌学会によるもの)
6重 症度分類
別診断
C鑑
下の疾患を鑑別する。
以
形成症、
変容性骨異形成症、偽性軟骨無形成症など。臨床症状、X線 所見で鑑別
系統疾患(軟骨1●
骨
n ScJo(mRS)の
脊柱管狭窄症を認め、mOdtted Ran‖
評価スケールを用いて、3以上を対象とする。
10情報提供珂
「
重症骨系統疾患の予後改善に向けての集学的研究」
し
、鑑別困難な場合、遺伝子診断を行う。)
伝学的検査
D遺
線
伝子の G380R変異を認める。
維芽細胞増殖因子受容体 3型(FGFR3)遺
研究代表者 大 阪大学大学院医学系研究科 教授 大国 恵―
日本内分泌学会、日本整形外科学会
<診
断のカテゴリー>
DoinL:Aの うち3項 目+、Bのうち5項 目以上を満たしCの鑑別すべき疾患を除外したものまたは、
e、Possb腱のうちDを 満たしたもの
ProbaЫ
●
:Aのう
ち2項 目以上十、Bのうち3項 目以上を満たしCの 鑑別すべき疾患を除外したもの
ProbaЫ
e:Aのうち2項 目以上十Bのうち2項 目以上を満たしCの 鑑別すべき疾患を除外したもの
PosdЫ
4-12リ
く重症度分類>
n ScJ。
脊柱管狭窄症を認め、mOdttod Ran‖
(mRS)の評価スケールを用いて、3以上を対象とする。
lodified Rankin Scale●
日本版●
RS)半」
定基準書
参 考 にす べ き点
modified Rankin Scale
O
ま
つた く症侯 がない
自党息 代お よび他覚微候 が ともにない状態である
自党症状お よび他覚徴侯はあ るが、発症以前か ら行
1
症
侯はあって も明 らか な障害はない :
_
日
常の動めや活動は行 える
つていた仕事や活動に制限はない状態 である
2
饉
度 の障害 :
発症 以 前 か ら行 つてい た仕 事や 活動 に制限 は あ る
_
発
症以前の活動 がす べ て行 えるわけではないが、 自
が、 日常生活は 自立 してい る状態 である
分の身 の回 りの ことは介助 な しに行 える
3
中
等度の障害 :
_
何
らかの介助 を必要 とす るが、歩行 は介助な しに行
買い物や公共交通機 関 を利用 した外 出な どには介助
える
を必要 とす るが、通常歩行 、食事 、身だ しなみの維
持、ト イ レな どには介助 を必要 としない状態である
4
中
等度か ら重度の障害 :
通常歩行 、食事 、身だ しなみの維持 、ト イ レな どに
_
歩
行や身体的要求には介助 が必要で ある
は介助 を必要 とす るが、持続的な介機 は必要 としな
い状態である
5
菫
度 の障害 :
_
寝
たき り、失禁状態 、常に介護 と見守 りを必要 とす
常に誰 かの介助 を必要 とす る状態である。
死
10概到
1.概 要
中枢神経系を除く、骨や胸部(肺、縦隔、心臓)、腹部(腹腔内、牌臓)、皮膚、皮下組織など全身臓器に
びまん性に異常に拡張したリンパ管組織が浸潤する原因不明の希少性難治性疾患である。小児、若年者
に多く発症するが先天性と考えられている。症状や予後は様々であるが、胸部に病変を認める場合は予後
不良である。骨溶解を起こすゴーハム病も、骨病変だけでなく同様の内臓病変を持つ場合があるため、類
緑疾患と考えられ、現時点では1つの疾患としてとらえられている。病理学的には不規則に拡張したリンパ
管が同定されるが、内皮細胞の MIB-1は 陰性で腫瘍性の増殖は無い。また鑑別上問題となるリンパ管奇
形(リンパ管腫)は多くの場合病変の範囲拡大や離れた部位の新たな出現はなく、一方でリンパ管腫症は
びまん性(多臓器に及ぶ、リンパ液貯留や周囲の組織に浸潤傾向があるなど)である。なおリンパ
多発性 ・
スタウト症候群、大量骨溶解症と呼ばれることも
管腫症/ゴーハム病は、びまん性リンパ管腫症、ゴーハム・
ある。
2_原 因
原因は不明である。遺伝性は認められていない。
3症 状
症状は病変の浸潤部位による。
る
6
ンパ 管腫症/ゴーハム病
a)胸 水(胸腔内に液体が貯留)、早Lび胸、心襲水、縦隔浸潤、肺浸潤により、息切れ、咳、喘鳴、呼吸苦、
慢性呼吸不全、心タンポナーデ、心不全を起こす。胸部単純エックス線写真、CTで (両側肺に)びまん性
亡
に広がる肥厚した問質陰影や縦隔影拡大、胸水貯留、胸膜肥厚、心嚢水を認める。多くは致命的で、特
に小児例は予後不良である。
日本脳 卒中学会版
呼吸 ( R )
b)骨 溶解、骨欠損による疼痛や病的骨折、四肢短縮、病変周囲の浮腫、脊椎神経の障害などを起こす。
‐
0症 候なし。
1.肺 活量の低下などの所見はあるが、社会生活 ・日常生活に支障ない。
2.呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
3,呼 吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの 日常生活動作で息切れが生じる。
4喀 痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
5 気 管切開あるいは経続的な換気補助装置使用が必要。
※なお、症状の程度 が上記の重症 度分類等で一定以上に該当 しない者 であるが、高額な医療を継続
することが必要な者 については、 医療費助成 の対象 とす る。
頭蓋骨が溶解し、髄液漏や髄膜炎、脳神経麻痺などを起こす場合もある。単純 X線 写真にて骨皮質の
非薄化や欠損、骨内の多発性骨溶解病変などを認める。
c)腹 水(腹腔内に液体が貯留)や牌臓内および他の腹腔内臓器に多発性の嚢胞性リンパ管腫(リンパ管
奇形)病変を認める。また皮膚、軟部組織のリンパ浮腫、リンパ漏や、血小板減少、血液凝固異常(フィブ
リノーゲン低下、FDP、Dttimer上昇)なども起こす。
4治 療法
局所病変のコントロールロ的に外科的切除が行われるが、全身性、びまん性であるため、根治は困難で
ある。胸部病変に対して胸腔穿刺、胸膜癒着術、胸管結紫術、腹部病変に対しては腹腔穿刺、牌臓摘出な
どの外科的治療を行う。病変部位によっては放射線治療を行うこともあるが、小児例が多く推奨されない。
手術困難な病変に対しては、ステロイド、インターフェロンα、プロプラノロール、化学療法(ビンクリステン)
などが試されるが治療効果は限られる。
ゴーハム病診断基準>
<リンパ管腫症・
5.予 後
平Lび胸などの胸部病変を持つと生命予後は不良である。また病変が多臓器に渡り、様々な症状を引き起こ
し、慢性呼吸不全や運動機能障害などの永統的な障害を残す場合が多い。多くの症例が長期間に渡つて診
療が必要であり、治癒率は極めて低い。
10要 件の判定に必要な事刹
1 患 者数
約 100人 (研究班全国調査より推定)
2 発 病の機構
不明(リンパ管の発生異常と考えられている
分類診断基準を追加して
リンパ管腫症:ゴーハム病の診断は、①脈管奇形診断基準に加えて、後述する(1)細
行なう。鑑別疾患は除外する。
(1)脈
管奇形(血管奇形およびリンバ管奇形)診断基準
集族など、構造の異常から成る病変で、理学
吻合 ・
体表などの血管あるいはリンパ管の異常な拡張・
軟都 ・
的所見、画像診断あるいは病理組織にてこれを認めるもの。
・ー
本疾患には静脈奇形(海綿獣血管腫)、動静脈奇形、リンパ管奇形(リンパ管腫)、リンパ管腫症 ゴ ハム
ポートワイン母班)および混合型脈管奇形(混合型血管奇形)が含まれ
病、毛細血管奇形(単純性血管腫 ・
る。
'
3 効 果的な治療方法
未確立(根本的治療はなく、対症療法が主である)
4 長 期の療姜
必要(治癒しないため、永続的な診療が必要である)
5 診 断基準
あり(学会で承露された診断基準あり)
6.重 症度分類
mOd■od Rankn ScJo(mRS)、
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上
食事 ・
を対象とする。
O情 報提供元
「
血管奇形・
リンパ管腫 ・
難治性血管腫 ・
リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究班」
研究代表者 聖マリアンナ医科大学放射線医学講座 病院教授 三村秀文
「
リンパ管腫症の全国症例数把握及び診断・
治療法の開発に関する研究班J ′
卜関遭夫
研究代表者 岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学 助教 ′
鑑別診断
1.血管あるいはリンパ管を構成する細胞等に腫瘍性の増殖がある疾患
例)乳児血管腫(イテゴ状血管腫)、血管肉腫など
2明 らかな後天性病変
医原性動静脈慎、動脈瘤など
例)静脈瘤、リンパ浮腫、外傷性 ・
(■
)細分類 リンパ管腫症/ゴーハム病診断基準
下記(1)のa)∼c)のうち一つ以上の主要所見を満たし、(2)の病理所見を認めた場合に診断とする。病理検査
が困難な症例は、a)∼c)のうち一つ以上の主要所見を満たし、臨床的に除外疾患を全て否定できる場合に限
り、診断可能とする。
(1)主要所見
a)骨 皮質もしくは髄質が局在性もしくは散在性に溶解(全身骨に起こりうる)
b)肺 、縦隔、心臓など胸腔内臓器にびまん性にリンパ管腫様病変、またはリンパ液貯留
c)肝臓、膊臓など腹腔内臓器にびまん性にリンパ管腫様病変、または腹腔内にリンパ液貯留
(2)病理学的所見
一
組織学的には、リンパ管内皮によつて裏打ちされた不規則に拡張したリンパ管組織よりなり、 部に紡錘形
細胞の集旗を認めることがある。腫瘍性の増殖は認めない。
特記事項
・
ンパ脈管筋腫症などの他のリンパ管疾患や悪性新生物による溶骨性疾患、遺伝性先端骨溶解
除外疾患 :リ
症、特発性多中心性溶骨性腎症、遺伝性溶骨症候群などの先天性骨溶解疾患。(皮膚、皮下軟部組織、牌
臓単独のリンパ管腫症は、医療費助成の対象としない。)
・
リンパ管奇形(リンパ管腫)が明ら力ヽこ多発もしくは漫潤拡大傾向を示す場合には、リンパ管腫症と診断す
る。
呼 吸 (R)
<重 症度分類>
0症 候なし。
ゴーハム病の重症度分類
リンパ管腫症 ・
活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない。
1 肺
2.呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
modtted Ran‖
nS●Jo(mRS)、 食事 ・
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象
とする。
4喀
日本版modied Rankh Scaに(mRS)判 定基準書
mOdned Rankh SoJo
参
し ま ったく
症候がない
自
1 _ 症 候 はあっても明らかな障害 はない :
目
日常の動めや活動は行える
2_
軽 度の障害 :
発
5.気
覚症状および個鵬喉がとtlЙい状饉である
※
なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続すること
覚症状および他覚傾候 はあるが、発症 以前 から行っていた仕
が
必 要 な 者 に つ い て は 、医 療 費 助 成 の 対 象 とす る 。
症以前から行つていた仕事や活動に制限はあるが、日常生活
発症 以前 の活動がす べ て行えるわ けではないが 、自分 の身の 1,自 立してぃる状籠である
回りのことは介助なしに行える
こ
中
等度の障害 :
買
い物 や公共交通機 関を利用した外出などに1よ
介助を必要とす
何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
る
が 、通 常歩行 、食事、身だしなみの維持 、トイレなどには介助
を必要としない状態である
4
申
通
専度か ら■度 の障害:
歩行や身体的要求には介助が必要である
こ
重 度 の障害 :
常歩行、食事、身だしなみ の維 持、トイレなどには介勁を必要
と
常
するが、持親的な介韻 は必要と眈 い状 態である
に確か の介助を必要とする状態である。
寝たきり、失禁状態 、常に介置 と見守 りを必要とする
0_
吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。
痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
必要。
管切開あるいは継続的な換気補助装置使用力ぐ
考 にす べ き点
や活勲 に制限はない状態である
事
3.呼
死 亡
日本脳卒中学会版
栄養 ( N )
食事 ・
0症 候なし。
1 時 にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない。
2.食 物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
3 食 事・
栄養摂取に何らかの介助を要する。
4補 助的なjF経目的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。
5全 面的に非経目的栄養摂取に依存している。
4-13頚
部顔面巨大リンパ管奇形
10概到
1.概 要
│
口腔 ・
咽喉頭 ・
頚部に先天性に発症する巨大腫瘤性
頚部顔面巨大リンパ管奇形(リンパ管腫)は顔面。
のリンパ管形成異常であり、ゴーハム病(リンパ管腫症)とは異なる。リンパ管奇形(リンパ管腫)は大小の
5予 後
頚部顔面の巨大病変で広範囲かつ漫潤性の分布を示す場合、原疾患のみで死に至ることは稀であるが、
など)のみならず
味下障害、
視力障害、
聴覚障害、
摂食・
治療に抵抗性で持続的機能的障害(呼吸障害、
整容面(高度醜状)からも大きな障害を生じ、出生直後から生涯にわたり療養を要する。
リンパ嚢胞を中心に構成される腫瘤性病変で、多くの場合病変の範囲拡大や離れた部位の新たな出現は
治療に注意を要する。生物学的には良性であるが、特に
ない。血管病変を同時に有することもあり、診断 ・
病変が大きく広範囲に広がるものは難治性で、機能面のみならず整容面からも患者の 00Lは 著しく制限さ
れる。全身どこにでも発生しうるが、特に頭頚部や縦隔、腋嵩、腹腔 ・
後腹膜内、四肢に好発する。
哺下困難など生命に影響を及ぼし、さらに神経や他の
なかでも頚部顔面巨大病変は、気道圧迫、摂食 ・
10要 件の判定に必要な事珂
1,患 者数
約600人
主要な脈管と絡み合つて治療が困難となることから、他部位の病変とは別の疾患概念を有する。病変内の
リンパ嚢胞の大きさや発生部位により主に外科的切除と硬化療法が選択されるが、完治はほぼ不可能で、
2 発 病の機構
出生直後から生涯にわたる長期療養を必要とする。
3 効 果的な治療方法
不明 (遺伝性はなく、リンパ管の発生異常と考えられている。)
未確立
2原 因
胎生期のリンパ管形成異常により生じた病変と考えられている。発生原因は明らかでない。
4 長 期の療養効果的治療はない
必要 (療養は多くの場合出生直後から長期に波る)
5 診 断基準
3.症 状
口腔病変で中下咽頭部での上気道狭窄、縦隔病
舌・
ほとんどの場合症状は出生時から出現する。頚部 ・
口腔 ・
変で気管の狭窄による呼吸困難の症状を呈し、多くにおいて気管切開を要する。舌 ・
鼻腔・
顔面病変
では摂食・
疇下困難、上下額骨肥大、骨格性閉口不全、閉喜性睡眠時無呼吸、構音機能障害をきたす。眼
・
閉瞼不全、眼球突出 ・
眼位異常、視力低下を呈し、眼嵩内出血 ・
寓 眼瞼病変では開瞼 ・
感染などにより失
明に至ることもある。耳部病変では外耳道閉塞、中耳炎、内耳形成不全などにより聴力障害。
平衡感覚障
害などをきたす。皮膚や粘膜にリンパ管病変が及ぷ場合は集族性丘疹がカエルの卵状を呈しく
いわゆる限
局性リンパ管腫)、リンパ痙 ・
出血 ・
感染を繰り返す。顔面巨大病変では腫瘤形成・
変色 ・
変形により高度の
醜状を呈し、社会生活への適応を生涯にわたり制限される。どの部位の病変においても、経過中に内部に
感染や出血を起こし、急性の腫脹 ・
炎症を繰り返す。
4.治 療法
呼吸困難、摂食障害、感染などの各症状に対しては状態に応じて対症的に治療する。リンパ管奇形〈
リン
パ管臓)自体の治僚の柱は外科的切除と硬化療法であり、多くの場合この組み合わせで行われる。硬化療
法には OK-432、プレオマイシン、アルコール、高濃度糖水、フィブリン糊等が用いられる。一般的にリンパ
嚢胞の小さいものは硬化療法が効きにくい。抗癌剤、インターフェロン療法、ステロイド療法などの報告が
あり、プロプラノロール、mTOR阻 害剤、サリドマイド等が国外を中心として治療薬として検討されているが
効果は証明されていない。頚部顔面巨大リンパ管奇形は、現時点でいずれの治療法を用いても完治は困
難である。
あり (研究班作成、学会の承認の診断基準あり)
6 重 症度分類
①∼④のいずれかを満たすものを対象とする。
n ScJe(mRS)、
栄養、呼吸の評価スケールを用いて、いずれかが3以上
食事・
①modlod Ran‖
②聴党障害 :高度難聴以上
③視覚障害 :良好な方の眼の矯正視力が 0.3未満
ー
④以下の出血、感染に関するそれぞれの評価スケ ルを用いて、いずれかが3以上
10情 報提供利
│
リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究」
血管奇形・
リンパ管腫・
平成 26年度「
難治性血管腫・
マリ
アンナ医科大学放射線医学講座 病院教授 三村秀文
研究代表者 聖
「
平成 21-23年度 日本におけるリンパ管腫患者(特に重症患者の長期経過)の実態調査及び治療指針の
4ヽ
児期からの消化器系希少難治性疾患群の包括的
作成に関する研究」研究代表者、平 成24-25年度「
ー
小児期からの希少難治性消化管疾患の移行期
、平成 26年度「
調査研究とシ ムレスなガイドライン作成」
′
1ヽ
低形成疾患に関す
児呼吸器形成異常・
、平成26年度『
を包含するガイドラインの確立に関する研究班」
る実態調査および診療ガイドライン作成に関する研究班」研究分担者
1ヽ
児外科 講師 藤野明治)
慶應義塾大学 ′
・
結節となり、集籠しカエルの卵状を呈することがあり、ダーモスコピーにより嚢
皮膚や粘膜では丘疹・
く診断基準>
ンパ管腫)の診断は、① 脈管奇形診断基準に加えて、後述する(1)細分類診
頚部顔面巨大リンパ管奇形(リ
断基準にて頚部顔面巨大リンパ管奇形(リ
ンパ管1動と診断されたものを対象とする。鑑別疾患は除外する。
(1)脈
管奇形(血管奇形およびリンパ管奇形)診断基準
軟部 ・
体表などの血管あるいはリンパ管の異常な拡張・
吻合 ・
集旗など、構造の異常から成る病変で、理学
的所見、画像診断あるいは病理組織にてこれを認めるもの。
本疾患には静脈奇形(海綿状血管腫)、
動静脈奇形、リンパ管奇形(リ
ンパ管腫)、リンパ管腫症 ・
ゴーハム
病.毛細血管奇形 (単純性血管腫 ・
ポートワイン母班)および混合型脈管奇形(混合型血管奇形)が含まれ
る。
胞性病変を認める。
・
経過中病変の膨らみや硬度は増減することがある。
・
感染や内出血により急激な腫服や疼痛をきたすことがある。
・
病変内に毛細血管や静脈の異常拡張を認めることがある。
(b)病理学的所見
汁様内容液を有し、多嚢胞状または海綿状割面を呈する病変。組織学
肉眼的には、水様ないし手し
的には、リンパ管内皮によって裏打ちされた大小さまざまな嚢胞状もしくは不規貝明こ拡張したリンパ管
組織よりなる。腫瘍性の増殖を示す細胞を認めない。
(o)撃胞内容液所見
襲胞内に血液を混じることがある。
鑑別診断
1血 管あるいはリンパ管を構成する細胞等に腫瘍性の増殖がある疾患
例)乳児血管腫 (イテゴ状血管腫)、血管肉腫など
2明 らかな後天性病変
例)一次性静脈瘤、二次性リンパ浮腫、外傷性 ・
医原性動静脈痰、動脈瘤など
(1)細分類
①嘔部顔面巨大リンパ管奇形(リ
ンパ管腫)診 断基準
生下時から存在し、以下の1、2、3、4のすべての所見を認め、かつもの(a)または(b)または(c)を
満たす
病変。巨大の定義は患者の手掌大以上の大きさとする。手掌大とは、患者本人の指先から手関節までの手
掌の面積をさす。
1理 学的所見
頚部顔面に圧迫により変形するが縮小しない腫瘤性病変を認める。
2,画 像所見
超音波検査、CT、MRI等で、病変内に大小様々な 1つ以上の妻胞構成分が集接性もしくは散在性に
存在する腫瘤性病変として認められる。襲胞内部の血流は認めず、頚部顔面の病変が患者の手掌大
以上である。
`
3,嚢 胞内容液所見
リンパ(液)として矛盾がない。
4,除 外事項
奇形腫、静脈奇形(海綿状血管腫)、被角血管腫、他の水疱性 ・
嚢胞性疾患(ガマ腫、正中頚嚢胞)等
が否定されること。
単房性巨大優胞のみからなるものは対処から除外。
5,補 助所見
0理 学的所見
・
深部にあり外観上明らかでないことがある。
特記事項
ゴーハム
上記のリンパ管病変が明らかに多発もしくは漫潤拡大傾向を示す場合には、リンパ管腫症 ・
病と診断する。
<重 症度分類>
① ∼④のいずれかを満たすものを対象とする。
2.呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
3呼 吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。
n ScJo(mRS)、食事 ・
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対
①mod■od Ran‖
4.喀 痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
象とする。
5_気 管切開あるいは継続的な換気補助装置使用が必要。
日本版mOd■Od Rankn ScJo(mRS)判定基準書
参 考 にす べ き点
mod市 。d Rankin Scal●
●
1_
ま つたく症候力憶 い
自党症状および他覚徴候がとも│ヨおい状態である
症 候 はあつても明らかな障害はない :
日常の動めや活動は行える
2_
軽 度 の障害 :
自党症状および他覚散候 はあるが、発症 以前 から行つていた仕
1 25dBHL以上40dBHL未 満(軽度難聴)
事 や活動に制限はない状組である
2 40dBHL以 上70dBHL未 満(中等度難聴)
発症 以前から行つていた仕事 や活動に制限はあるが、日常生活
3 70dBHL以 上90dBHL未 満(高度難聴)
4 90dBHL以 上(重度難聴)
2000Hzの平均値で、聞こえが良い耳(良聴耳)の値で判断 ‐
※500、1000、
回りのことは介助なしに行える
3_
中 等度の障害 :
何らか の介助をZ・要とするが、歩行は介助なしに行える
②聴覚障害 :以下の 3高 度難聴以上
三
常)
0 25dBHL未 満(コ
買い物や公共交通機関を利用した外出などに1よ
介助を必要とす
る
が、通常歩行、食事、身だしなみ の性 持 、トイレなどには介助
③視覚障害 :良 好な方の眼の嬌正視力が 03未 満
を必要 とu丼 ヽ
状態である
t
中
諄鷹から■度の障害 :
歩行や身体的要求 には介助が必要である
ユ
菫 度 の障害 :
通常歩行.食 事 、身だ眈 みの縫縛 、トイレなどには介助を必要
常に誰かの介助を必要とする状態である。
寝たきり.矢盤状態、常に介饉と見守りを必要とする
●
ー
④以下の出血、感染に関するそれぞれの評価スケ ルを用いて、いずれかが3以上を対象とする。
とするが、持艤的な介饉は必要としない状態である
死 亡
日本脳卒中学会版
出血
:
1 と きおり出血するが日常の務めや活動は行える
2 し ばしば出血するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
3 出 血の治療ため一年間に数回程度の医療的処置を必要とし、日常生活に制限を生じるが、治療によつ
止血が得られるもの
て出血予防・
4 致 死的な出血のリスクをもつもの、または、慢性出血性貧血のため月一回程度の輸血を定期的に必要
とするもの
栄養 (N)
食事 ・
5 致 死的な出血のリスクが非常に高いもの
、
感染
0.症 候なし。
1 と きおり感染を併発するが日常の務めや活動は行える
1 時 にむせる。食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない。
2.食 物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
3.食 事 ・
栄養摂取に何らかの介助を要する。
2.し ばしば感染を併発するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
3 感 染・
蜂高織炎の治療ため一年間に数回程度の医療的処置を必要とし、日常生活に制限を生じるが、
4補 助的な非経 目的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。
4 敗 血症などの数死的な感染を合併するリスクをもつもの
5全 面的に非経口的栄養綴取に依存している。
5 敗 血症などの致死的な感染を合併するリスクが非常に高いもの
呼吸 ( R )
0.症 候なし。
1 肺 活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない。
治療によつて感染症状の進行を抑制できるもの
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象とする。
4-14頚
部口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形
10概劃
1 概 要
口腔 ・
頚部 口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形は、類部 ・
咽頭の全領域にびまん性連続性に発症する巨大
腫瘤性の静脈形成異常である。
静脈奇形は胎生期における脈管形成の異常であり、静脈類似の血管腔が増生する低流速の血液貯留
性病変である。先天異常の一種と考えられるが、学童期や成人後の後天的な発症も少なくない。従来「
海
綿状血管腫」「
筋肉内血管腫」「
静脈性血管腫」
等と呼ばれてきたが、血管腫 ・
脈管奇形の国際学会である
ISSVACntoma」
ond Sodety forthe Study ofVascubr AnomJbs)が
提唱するISSVA分 類では、F静脈奇形」
に統一されている。単一組織内で辺緑明瞭に限局するものから、辺緑不明瞭で複数臓器にびまん性に分
布するものまで様々な病変があるが、びまん性巨大病変は難治で多種の障害をひきおこす。病状は加齢、
妊娠、外傷などの要因により進行し、巨大なものでは血液凝固異常や心不全に至る。
なかでも頚部 口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形は、気道圧迫、摂食 ・
味下困難など生命に影響を及ぼし、
さらに重要な神経、血管や主要臓器と絡み合つて治療困難であり、進行に伴い血液凝固異常や心不全、致
血管拡張抑制のために弾性ストッキングなどを用いた圧迫療法があるが、頚部 口腔咽頭びまん性巨大静
咀疇 ・
疇下などの機能を阻害しかねない。また圧迫自体で落痛増悪をきたす
脈奇形では圧Ji4自
体が呼吸 ・
場合もあり、継続困難となる場合が多い。血液凝口異常に対しては抗腫瘍剤投与や放射線照射は無効と
され、低分子ヘパリンなどの投与が行われる。日常的な落痛や感染などの症状には、鎮痛剤 ・
抗薗薬など
による一般的な対症療法が行なわれる。
侵襲的治療の主なものは硬化療法と切除手術である。薬物療法や放射線照射に有効性は認められて
いない。硬化療法は多数回の治療を要し、頚部口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形では、硬化剤が頚静脈な
どを介して急速に大循環に流出するため治療効果が限定的かつ一時的で、むしろ悪化や心停止などにつ
ながる場合もある。
口腔 ・
の喪失につながりう
咽頭の重要機│ヒ
頚部 口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形での完全切除は頚部 ・
るため不可能で、部分切除は術中止血困難でかつ慢性的血液凝固障害が播種性血管内凝回症候群
(DIC)に移行するため、術中術後出血ともに致死的となる。
5予 後
頚部口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形は成長と共に病変が増大し、時間経過に伴い成人後も進行する。
死的出血などをきたすことから、他の病変とは別の疾患概念を有する。
疼痛 ・
哺下・
醜状などの重大な機能障害が進行し、高度の感染、出血、心不全は致死的
呼吸・
摂食 ・
構音 ・
静脈奇形の治療法としては主に外科的切除と硬化療法が選択されるが、頚部口腔咽頭びまん性巨大静
脈奇形では完全切除は頚部 ・口腔 ・
咽頭の重要機能の喪失につながりうるため不可能で、部分切除は致
死的大量出血につながり、硬化療法は治療効果が限定的かつ一時的で悪化につながる場合もある。頚部
口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形は、高度難治性に進行し、大量出血や心不全による致死的な病態もある
ため、対症療法も含めて生涯にわたる長期療養を必要とする。
となることなどから、社会的自立が困難となる。硬化療法、切除術などのあらゆる治療を単独もしくは複合
的に用いても完治は望めず、病状の一時的制御にとどまる。進行性かつ難治性で、生命の危険に晒されう
る疾患であり、対症療法も合めて生涯にわたる長期永統的な病状コントロールを必要とする。
2原 因
先天性病変。胎生期における脈管形成の異常とされているが、発生原因は不明である。
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
約200人
2 発 病の機構
不明(脈管の発生異常と考えられている)
3:症 状
3 効 果的な治療方法
未確立(硬化療法、切除術。効果は一時的で難治性である)
頚部 回腔咽頭びまん性巨大静脈奇形は先天性病変であることから発症は出生時から認めることが多い
が、早L児期では奇形血管の拡張度が少な〈、小児期での症状初発も稀ではない。女性では月経や妊娠に
より症状増悪を見る。自然消退はなく、男女とも成長や外的刺激などに伴って症状が進行・
悪化する。進行
4 長 期の療養
に伴い、奇形血管内結石、血液凝固障害、落痛、感染などが増悪し、高度の感染、出血、心不全は致死的
5_診 断基準
となる。気道狭窄による呼吸困難の症状を星し気管切開を要するが、前頚部に病変がある場合には気管
切開すら困難となる。摂食・
味下困難、顎骨の変形・
吸収 ・
破壊、骨格性咬合不全、閉塞性睡眠時無呼吸、
構音機能障害をきたす。皮膚や粘膜に病変が及ぶ場合は軽度の刺激で出血 ・
感染を繰り返す。顔面巨大
6 重 症度分類
病変を伴う場合には腫瘤形成 ・
変色 ・
変形が額面の広範囲にわたることにより高度の醜状を呈し、就学・
就
職。
結婚など社会生活への適応を生涯にわたり制限される。
4治 療法
静脈奇形一般の保存的治療として、血栓・
静脈石予防としてアスピリンなどの投与が行われることがある。
必要
あり(研究班作成、日本形成外科学会、日本 ⅣR学 会承認の診断基準あり。)
あり (重症度分類において、① ∼④ のいずれかを満たすものを対象とする。)
10情 報提供刑
「
血管奇形・
リンパ管腫・
リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究班」
難治性血管腫・
マ
研究代表者 聖 リアンナ医科大学放射線医学講座 病院教授 三村秀文
<重 症度分類>
<診 断基準>
)細分類診断
頚部口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形の診断は、(1)脈管奇形診断基準に加えて、後述する(■
基準にて頚部口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形と診断されたものを対象とする。鑑別疾患は除外する。
①∼④のいずれかを満たすものを対象とする。
食事 ・
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対
①mod■od Ranttn ScJo(mRS)、
象とする。
日本 版 mOdtted Ranhn ScJo(mRS)
判定 基準 書
参 考 にす べ き点
modtted Rankin Scale
(1)脈
管奇形(血管奇形およびリンパ管奇形)診断基準
吻合・
集旗など、構造の異常から成る病変で、理学
軟部・
体表などの血管あるいはリンパ管の異常な拡張・
的所見、画像診断あるいは病理組織にてこれを認めるもの。
ゴーハム
本疾患には静脈奇形(海綿状血管腫)、動静脈奇形、リンパ管奇形(リンパ管腫)、リンパ管腫症・
ポートワイン母斑)および混合型脈管奇形 (混合型血管奇形)が含まれ
病、毛細血管奇形(単純性血管腫 ・
■
ま ったく症候力彎 い
自党症状および他覚徹候がともにない状態である
1_
症 候はあつても明らかな障害はない :
自覚症状および他覚徴候 はあるが、発症 以前から行つていた仕
日常 の動めや活動は行える
と
軽 度 の障害 :
発症以前 の活動がす べて行 えるわ けではないが 、自分の身の
る。
ない状態である
事 や活動に制限 1ま
発症 以前から行つていた仕事や活動に制限はあるが、日常生活
は 自立している状態である
回りのことは介助なしに行える
鑑別診断
1 血 管あるいはリンパ管を構成する細胞等に腫瘍性の増殖がある疾患
例)乳児血管腫(イテゴ状血管腫)、血管肉腫など
2.明 らかな後天性病変
医原性動静脈療、動脈瘤など
例)一次性静脈瘤、二次性リンパ浮腫、外傷性。
(1)細分類
②頚部 口腔咽頭びまん性巨大静脈奇形診断基準
口腔 ・
咽頭のすべての領域にびまん性連続性に病変を確認することは必須である。1
画像検査上、頚部 ・
の画像検査所見のみでは質的診断が困難な場合、2あるいは3を加えて診断される。巨大の定義は患者の
手掌大以上の大きさとする。手掌大とは、患者本人の指先から手関節までの手率の面積をさす。
1 画 像検査所見
超音波検査、MRl検 査、血管造影検査(直接穿束1造影あるいは静脈造影)、造影 CT検 査のいずれか
で、頚部 ・
口腔 ・
咽頭のすべての領域にわたつてびまん性かつ連続性に、拡張または集攘した分業状、
海綿状あるいは静脈瘤状の静脈性血管腔を有する病変を認める。内部に組徐な血流がみられるが、血
栓や石灰化を伴うことがある。
2理 学的所見
腫瘤状あるいは静脈瘤状であり、表在性病変であれば青色の色調である。圧迫にて虚脱する。病変
部の下垂にて膨満し、拳上により虚脱する。血栓形成の強い症例などでは膨満や虚脱の徹候が乏しい
場合がある。
3病 理所見
拡張した血管の集族がみられ、血管の壁には弾性線維が認められる。平滑筋が存在するが壁の一部
■
中 等度の障害 :
何 らかの介助に必要とするが、歩行は介助なしに行える
買い物や公共交通機 関を利用した外出などには介助を必要とす
るが 、通常歩 行 、食事 、身だしなみの維持 、トイレなどには介助
を必要とヴ ^い状鵬である
こ
中 等魔から■度の障害 i
歩行や身体的要求 には介助が必要である
5_
■ 度の障害 :
●
死 亡
介助を必要
通常歩行 、食事 、身だしなみの維持 、トイレなどに1ま
とするが、持続 的な介護 は必要としない状態である
常に誰かの介助を必要とする状態である。
寝たきり、失禁状櫃 .喩に介順と見守りを必要とする
日本脳卒中学会版
食 事 ` 栄養 ( N )
0症 候なし。
1 時 にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活・日常生活に支障ない。
2食 物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
3 食 事・
栄養摂取に何らかの介助を要する。
4補 助的な非経目的栄養摂取(経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。
5全 面的に,卜
経目的栄養摂取に依存している。
で確認できないことも多い。成熟した血管内皮が内側を覆う。内部に血栓や石灰化を伴うことがある。
口
手嘔t(R)
0症 候なし。
1.肺 活量 の低下などの所見はあるが、社会生活 ・日常生活に支障ない。
2_呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
4-15頚
3 呼 吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの 日常生活動作で息切れが生じる。
4喀 痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
部顔面 ・四肢 巨大動静脈奇形
10概 到
5 気 管切開あるいは継統的な換気補助装置使用が必要。
1 概 要
口腔 ・
四肢巨大動静脈奇形は、顔面・
咽喉頭 ・
頚部頗面 ・
頚部または四肢のうち―肢の広範囲に発症す
②聴覚障害 :以下の 3高 度難聴以上
0 2 5 d B H L 未 満 ( 正常)
る巨大腫瘤性の動静脈形成異常である。
1 2 5 d B H L 以 上4 0 d B H L 未 満 ( 軽度難聴)
2 4 0 d B H L 以 上7 0 d B H L 未 満 ( 中等度難聴)
動静脈奇形(AVM)は胎生期における脈管形成の異常であり、病変内に動静脈短絡 (シャント)を単一あ
るいは複数有し、拡張・
蛇行した異常血管の増生を伴う高流速血管性病変である。先天異常の一種と考え
3 7 0 d B H L 以 上9 0 d B H L 未 満 ( 高度難聴)
られるが、学重期や成人後の後天的な発症も少なくない。単一組織内で辺縁明瞭に限局するものから、辺
4 90dBHL以 上 (重度難聴)
縁不明瞭で複数臓器にびまん性に分布するものまで様々な病変があるが、びまん性巨大病変は難治で多
※500、1000、2000Hzの 平均値で、聞こえが良い耳 (良聴耳)の値で判断
種の障害をひきおこす。病状は加齢、妊娠、外傷などの要因により進行し、巨大なものでは心不全に至る。
なかでも頚部顔面巨大動静脈奇形(頸部顔面の広範囲にわたる動静脈奇形)は、気道圧迫、摂食 ・
哺下
③幌覚障害 :良 好な方の眼の嬌正視力が 03未 満
困難など生命に影響を及ぼし、四肢巨大動静脈奇形(―肢のほぼ全体にわたる動静脈奇形)は、重度の持
続的疼痛、患肢の虚血壊死、四肢機能不全などをきたす。さらに両者ともに重要な神経、血管や主要臓器
④ 以下の出血、感染に関するそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以 上を対象とする。
と絡み合って治療困難であり、進行に伴い心不全、致死的出血などをきたすことから、他の病変とは別の
疾患概念を有する。
四肢巨
治療法としては主に外科的切除と血管内治療 (塞栓術、硬化療法)が選択されるが、頚部顔面 ・
出血
1 と きおり出血するが 日常の務めや活動は行える
大動静脈奇形では病変の再発進行が早く、治療効果は,時 的となり、むしろ悪化にいたる場合もある。四
2 し ばしば出血するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
肢の小病変では患肢切断により病変除去が可能となる場合もあるが、四肢巨大動静脈奇形は股関節や肩
3 出 血の治療ため一 年間に数回程度の医療的処置 を必要とし、日常生活に制限を生じるが、治療によっ
て出血予防 ・
止血が得られるもの
4 致 死的な出血のリスクをもつもの、または、慢性出血性貧血のため月一 回程度の輸血を定期的に必要
とするもの
関節付近まで病変が及ぶため患肢切断術自体に致死的大量出血の危険性があり、完治は不可能である。
鼻腔 ・
頚部顔面巨大動静脈奇形は切断不能であることは自明であり、広範囲切除は致死的出血や顔面 ・
四肢巨大動静
口腔 ・
頚部の重要機能の喪失につながりうるため、これも完治は不可能である。頚部顔面 。
脈奇形は、高度難治性に進行し、大量出血や心不全による致死的な病態もあるため、対症療法も合めて
5 致 死的な出血のリスクが非常に高いもの
生涯にわたる長期療養を必要とする。
治療法力ぐ
なお脳 ・
脊髄といつた中枢神経系が主体の動静脈奇形はそれ以外の部位とは診断・
経過 ・
異な
つており、指定難病としては頚部顔面 ・
四肢の巨大動静脈奇形を対象とする。
感染
1 と きおり感染を併発するが 日常の務めや活動は行える
2.し ばしば感染を併発するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
3 感 染・
蜂高織炎の治療ため一年間に数回程度の医療的処置を必要とし、日常生活に制限を生じるが、
2原 因
先天性病変。胎生期における脈管形成の異常とされているが、発生原因は不明である。
治療によつて感染症状の進行を抑制できるもの
4 敗 血症などの致死的な感染を合併するリスクをもつもの
3症 状
♂
勁静脈奇形は先天性病変であることから発症は出生時から認めることが多いが、幼小児期ではシャント
5 敗 血症などの致死的な感染を合併するリスクが非常に高いもの
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該 当 しない者であるが、高額な医療 を継続す る
血流が少なく、成人期での症状初発も稀ではない。女性では月経や妊娠により症状増悪を見る。自然消退
はなく、男女とも成長や外的刺激などに伴つて症状が進行・
悪化する。その進行度合いについては以下の
ことが必要な者 については、医療費助成の対象 とす る。
SchOЫn“r病 期分類が一般的に使用されている。初期(Statt Dで
は紅斑と皮膚温上昇を認め、腫服はあ
´
っても軽度である。Star Iでは腫脹の増大と拍動の触知、血管雑音の聴取などが認められる。Stage lllで
は、盗血現像による末梢のチアノーゼや姜縮、皮膚漬瘍、落痛などが現れる。巨大動静脈奇形では動静脈
)。
シャント血流増加にともなう右心負荷増大により心不全を呈する(Stage Ⅳ
軟部組織の潰瘍壊死などが難
骨・
頚部顔面 :四肢巨大動静脈奇形においては落痛、感染、出血、皮膚・
治性に進行し、高度の感染、出血、心不全は数死的となる。
口腔病変では気道狭窄による呼吸困難の症状を呈し気管切開を要するが、前頚部に病変があ
頚部 ・
舌・
口腔 ・
上顎 ・
顔面病変では、摂食 ・
鳴下困難、顔面骨・
下顎
鼻腔 ・
る場合には気管切開すら困難となる。舌 ・
醜状 ・
疼痛 ・
構音 ・
呼吸 ・
哺下 ・
摂食 ・
覚・
甲肢運動などの重大な機能障害が進行し、動脈性出血や心不全
硬化療法、切除術などのあらゆる治療を
は致死的となることなどから、社会的自立が困難となる。塞栓術・
一
単独もしくは複合的に用いても完治は望めず、病状の 時的制御にとどまる。進行性かつ難治性で、生命
ー
の危r●
tに晒されうる疾患であり、対症療法も含めて生涯にわたる長期永続的な病状コントロ ルを必要と
する。
破壊、骨格性咬合不全、閉塞性睡眠時無呼吸t構音機能障害をきたす。眼嵩・
眼瞼病変
吸収 ・
骨の変形 ・
感染などにより失明に至る。耳
では開瞼 ・
開瞼不全 、眼球突出・
眼位異常、視力低下を呈し、眼嵩内出血・
平衡感覚障
部病変では拍動音自党が常時持続し、外耳道開塞.中耳炎、内耳破壊などにより聴力障害 ・
感染を繰り返す。顔面巨大病変で
害などをきたす。皮膚や粘膜に病変が及ぷ場合は軽度の刺激で出血 ・
は腫瘤形成 ・
就職 。
変色 ・
変形が顔面の広範囲にわたることにより高度の醜状を星し、就学 ・
結婚など社会
生活への適応を生涯にわたり制限される。
四肢では盗血現象などにより手指(足■L)のチアノーゼ、知覚障害、疼痛、皮膚漬瘍、出血、感染、壊死
が多部位よりも難治性に進行する。患肢の変形、萎縮、骨融解などにより、運動機能障害を生し、進行する
と一肢機能全廃にいたる。骨盤部陰部にいたる場合には勃起障害などによる生殖機能不全や腸管・
膀眺
血尿などを認めることがある。
内漫潤による下血 ・
lo姜 件の判定に必要な事祠
1 患 者数
約 700人
2 発 病の機構
不明(脈管の発生異常と考えられている)
3 効 果的な治療方法
硬化療法、切除術。効果は一時的で難治性である)
未確立(塞栓術・
4 長 期の療養
4治 療法
必要
保存的治療として血管拡張抑制のために弾性ストッキングなどを用いた圧迫療法があるが、四肢巨大動
静脈奇形では進行をわずかに遅らせる効果にとどまり、頚部顔面巨大動静脈奇形では圧迫自体が呼吸・
5 診 断基準
咀鴫 ・
開閉瞼などの機能を阻害しかねない。また圧迫自体で疼痛増悪をきたす場合もあり、継続困難となる
抗菌薬などによる一般的な対症療法が行な
場合が多い。日常的な落痛や感染などの症状には、鎮痛剤 ・
6、重症度分類
あり(研究班作成、日本形成外科学会、日本 ⅣR学 会承認の診断基準あり。)
あり (重症度分類において、① ∼④のいずれかを満たすものを対象とする。)
われる。
優襲的治療の主なものは血管内治療(喜栓術 ・
硬化療法)と切除手術である。薬物療法や放射線照射に
四肢巨大動静脈奇形で
有効性は認められていない。塞栓術 ・
硬化療法は多数回の治療を要し、頚部顔面・
は残存病変の進行悪化が早いため、効果は一時的・
限定的である。
切除手術は、限局性病変で術後の整容 ・
機能障害が問題視されない部位には良い適応となるが、頚部
顔面巨大動静脈奇形での切除手術は大量出血などによる致死的危険性を伴い、顔面神経麻痺や高度醜
血
状などの後遺症をともない、良好な結果は得られない。四肢巨大動静脈奇形での切除手術は主要神経 ・
管の合併切除が不可避であり機能障害がほぼ必発である。四肢小病変では患肢切断により病変除去が
可能となる場合もあるが、四肢巨大動静脈奇形は股関節や肩関節付近まで病変が及ぶため患肢切断術
自体に致死的大量出血の危険があり、完治は不可能である。また病状の進行が軽度の早期症例では四肢
機能が温存されているため、患肢切断術はかえつて ADL(日 常生活動作)を損なうため適応外となる。皮膚
潰瘍に対しては有効な治療が少なく難治性 ・
易再発性で、指(趾)壊死は壊死部直近の切断術を行つてもさ
らに進行し、より中枢での切断を余儀なくされる。
5.予 後
四肢巨大動静脈奇形は成長と共に病変が増大し、時間経過に伴い成人後も進行する。視
頚部顔面 ・
0情 報提供元
「
血管奇形・
リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究班J
リンパ管腫 ・
難治性血管腫 ・
研究代表者 聖マリアンナ医科大学放射線医学講座 病院教授 三村秀文
<重 症度分類>
①∼④のいずれかを満たすものを対象とする。
d Ranttn ScJo(mRS)、
食事 ・
栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対
①mod面・
く診断基準>
四肢巨大動静脈奇形の診断は、(1)脈
頚部顔面 ・
管奇形診断基準に加えて、後述する(1)細分類診断基準に
て頚部顔面。
四肢巨大動静脈奇形と診断されたものを対象とする。館別疾患は除外する。
象とする。
Scal●
日4ヽ
版mOdilod Rankin (mRS)判定基準書
参考にすべ き点
modttod Rankin Scal●
(I)脈
管奇形(血管奇形およびリンパ管奇形)診断基準
軟部・
体表などの血管あるいはリンパ管の異常な拡張・
吻合 ・
集篠など、構造の異常から成る病変で、理学
的所見、画像診断あるいは病理組織にてこれを認めるもの。
本疾患には静脈奇形(海綿状血管腫)、
動静脈奇形、リンパ管奇形(リ
ンパ管腫)、
ゴーハム
リシパ管腫症・
● ま ったく症候力竹 い
t 症
日
病 、毛細血 管奇形 ( 単純性血管腫 ・
ポー トワイン母斑) および混合型脈 管奇形 ( 混合型血 管奇形) が含まれ
と
自党症状および他覚微候がともにないサ態である
候はあつても明らかな障害はない:
自党症状および他覚徴候 はあるが、発症 以前から行つていた仕
常の動めや活動は行える
事 や活動 に制限 はない状態である
軽 度の障害 │
る。
日常生活
症以前から行つていた仕事や活動に制限はあるが、
発
の がす べ て行えるわ けではないが、自分{
発症 以前 の活動
身の は 自立している状態である
回りのことは介助なしに行える
鏡月1診断
1 血 管あるいはリンパ管を構成する細胞等に腫瘍性の増殖がある疾患
3_
何
歩行は介助なL l 行
こえる
らかの介動を必要とするが、
る
例)乳児血管腫 (イチゴ状血管腫 )、血管肉腫など
2明 らかな後天性病変
買い物 や 公 共 交 通 機 調 を利 用 した外 出な どには介 助 を必 要 とす
が、
通常歩行、食事、
身だしなみの維持、
Mレ などには介助
を必要としない状態である
■
例)一次性静脈瘤、二次性リンパ浮腫、外傷性 ・
医原性動静脈療、動脈瘤など
中 等度から■度の障害 :
行や身体的要求には介助が必要である
歩
5_
(II)構口分 り
讀
四肢巨大動静脈奇形診断基準
②頚部顔面・
中 等 度 の 障害 :
重 度の障害 :
通常歩行 、食事 、身だ眈 みの雄持 、トイレなどには介助を必要
とするが、持続的な介農は必要としない状態である
常に誰か の介助を必要とする状亀である。
たきり、失禁状鵬 、常に介慶 と見守りを必要とする
寝
亡
Q 死
頚部顔面または四肢に画像検査上病変を確認することは必須である。2の 画像検査所見のみでは質的診
断が困難な場合、1あるいは3を加えて診断される。
巨大の定義は、頚部顔面においては患者の手掌大以上の大きさとする。手準大とは、患者本人の指先か
ら手関節までの手掌の面積をさす。四肢においては少なくとも一肢のほぼ全体にわたるものとする。
1_理 学的所見
血管の拡張や蛇行がみられ、拍動やスリル(シャントによる振動)を触知し、血管雑音を聴取する。
2画 像検査所見
1 時
超音波検査、MRI検 査、CT検 査、動脈造影検査のいずれかにて動静脈の異常な拡張や吻合
を認め、病
に
変内 動脈血流を有する。頚部顔面では少なくとも1つの病変は患者の手掌大以上である。四肢において
は少なくとも―肢のほぼ全体にわたるものである。
3病 理所見
明らかな動脈、静脈のほかに、動脈と静脈の中間的な構造を示す種 々の径の血管が不規貝1に集熊して
いる。中間的な構造を示す血管の壁では弾性板や平滑筋層の乱れがみられ、同一の血管のなかでも壁の
厚さはしばしば不均―である。また、毛細血管の介在を伴うこともある。
日本1菌
卒中学会版
食事 ・
栄養 (N)
0症
候なし。
にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活ヽ日常生活に支障ない。
、
2食 物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
3 食 事・
栄養摂取に何らかの介助を要する。
4補 助的な非経 目的栄養摂取(経管栄養、申心静脈栄養など)を必要とする。
5全 面的に非経目的栄養摂取に依存している。
n乎明2(R)
0症 候なし。
1 肺 活量の低下などの所見はあるが、社会生活 。日常生活に支障ない。
2呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
4-16ク
3呼 吸症状が睡眠の妨げになる、あるし
ヽま着普えなどの日常生活動作で息切れが生じる。
ウェーバー症候群
リッペル ・
10概ヨ
4喀 痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
5気 管切開あるいは継統的な換気補助装置使用が必要。
1概 要
②聴覚障害 :以下の 3高 度難聴以上
´
0 25dBHL未 満(正常)
1 25dBHL以 上40dBHL未 満(軽度難聴)
2 40dBHL以 上70dBHL未 満(中等度難聴)
3 70dBHL以 上90dBHL未 満〈
高度難聴)
4 90dBHL以 上(重度難聴)
―
クリッベル ウエーバー症候群は四肢のうち 肢またはそれ以上のほぼ全体にわたる混合型脈管奇形に、
片側nE大症を伴つた疾患である。
`
の異常であり
、
病変内に単一あるいは複数の脈管成分を有し、拡
生期における脈管F//成
脈管奇形は胎
・
張・
蛇行または集族した異常脈 管の増生を伴う疾患である。血 管腫 脈 管奇形 の国際学会である
体表
of VascJar An6mJLs)が
提唱するISSVA分 類では、軟部 ・
ionJ Sodoty for the Stu■
ISSVA(Intern誠
の脈管奇形の単純型の中には静脈奇形、動静脈奇形 (癌)、リンパ管奇形、毛細血管奇形が含まれ、混合
③幌覚障害 :良 好な方の眼の嬌正視力が 03未 満
型脈管奇形(混合型血管奇形)はこれらの組み合わせである。脈管奇形は自然退縮することなく進行し、疼
痛や潰瘍、患肢の成長異常、機能障害、整容上の問題等により長期にわたり患者の 00Lを 損なうことが
ある。脈管奇形には、単一組織内で辺縁明瞭に限局する病変や、多臓器にまたがり辺縁不明瞭でびまん
④以下の出血、感染に関するそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とする。
性に分布する病変など様々な病変があるが、前者と後者では病態や治療法が異なる。
ウエーバー症候群は、古典的には、四肢の片側肥大、皮膚毛細血管奇形、二次性静脈瘤、を
クリッペル・
出血
三徴とするが、近年は低流速型脈管奇形(静脈奇形、毛細血管奇形、リンパ管奇形)を主とするものをクリ
ー
トレノネー症候群、高流速病変(動静脈奇形)を主とするものをパークスウエーバ 症候群と分ける
ッペル・
2000Hzの平均値で、聞こえが良い耳(良聴耳)の値で判断
※500、1000、
1.と きおり出血するが日常の務めや活動は行える
2.し ばしば出血するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
3.出 血の治療ため一年間に数日程度の医療的処置を必要とし、日常生活に制限を生じるが、治療によつ
て出血予防・
止血が得られるもの
4.致 死的な出血のリスクをもつもの、または、慢性出血性貧血のため月一日程度の輸血を定期的に必要
とするもの
5 致 死的な出血のリスクが非常に高いもの
感染
1.と きおり感染を併発するが日常の務めや活動は行える
2 し ばしば感染を併発するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
蜂寓織炎の治療ため一年間に数回程度の医療的処置を必要とし、日常生活に制限を生じるが、
o 感 染・
ー
ー ー
場合がある。しかし、クリッペル トレノネー症候群とパ クスウエ バ 症候群を厳密に区分することは特
ー
ー症候群とする。
・
ペ
バ
ル
てはクリ
ッ
ウェ
し
に小児例では困難であり、本対象疾病と
づかれ、加齢 ・
成長に伴つて増悪する。
下時から
幼児期に気
本症候群の脈管奇形病変と片側EE大は生
ど
じ
まれに対側に生じ
る。
合指(趾)症や巨指(趾)症な
るが、
片側肥大はほとんどが脈管奇形と同側に生
きたす。
本症候
が高
になると
跛行や代償性脊椎側彎症を
度
の指趾形成異常を合併することもある。脚長差
群の脈管奇形は、多臓器にまたがり辺緑不明瞭でびまん性に分布し難治性の傾向にあり、凝固系や血行
動態にも影響を及ばし、感染t出血や心不全などにより致死的な病態に至ることもある。
・
病的過成長に対する根治的治療法は無く、骨軟部組織の肥大 過剰発育に対しては、下肢補高装具や
外科的嬌正手術(骨端線成長抑制術、骨延長術)や、病変切除などの減量手術などが行なわれる。脈管奇
・
形に対してはその構成脈管により治療は異なる。弾性ストッキングによる圧迫、切除手術、硬化療法 塞栓
こと
が多く
生涯に
、
術などが用いられるが、本症候群の巨大脈管奇形病変はこれらの治療に抵抗性である
わたる継続的管理を要する。
治療によつて感染症状の進行を抑制できるもの
4.敗 血症などの数死的な感染を合併するリスクをもつもの
5 敗 血症などの数死的な感染を合併するリスクが非常に高いもの
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続すること
が必要な者については、医療費助成の対象とする。
2原 因
脈管奇形は先天性であり、胎生期における脈管形成異常により生じた病変と考えられている。原因は明
らかでないが。その―部として遺伝子変異が発見され、遺伝子治療や分子標的倉1薬の可能性が模索され
ている。病的過成長の原因も不明で、骨軟部組織の内在的(先天的)要因によるのか、脈管奇形によるニ
次的変化なのかも不明である。
3.症 状
四肢のうち―肢またはそれ以上のほぼ全体にわたる混合型脈管奇形と片側肥大が生下時ないしは幼
児期に気づかれ、加齢 ・
成長に伴つて増悪する。片側肥大はほとんどが脈管奇形と同側に生じるが、まれ
10要 件の判定に必要な事呵
1 患 者数
約 3000人
に対側に生じる。合指(趾)症や巨指(趾)症などの指趾形成異常を合併することもある。脚長差が高度にな
ると跛行や代慣性脊椎側彎症をきたす。疼痛、腫服、潰瘍、発熱、感染、出血、変色など、各脈管奇形の症
2 発 病の機構
状を呈する。本症候群の脈管奇形は、多臓器にまたがり辺緑不明瞭でびまん性に分布し難治性であり、感
染や出血を頻繁!千
きたす。低流速型では多くの場合で血液凝固有L低下をきたし、高流速型では血行動態
にも影響を及ばして心不全などによる致死的な病態に至りやすい。
3 効 果的な治療方法
不明(脈管の発生異常と考えられている)
未確立 (硬化療法、塞栓術、切除術、骨端線成長抑制術、骨延長術などが行われることがあるが、多くの
症例で根本的治療はなく、対症療法が主である)
4 長 期の療養
4.治 療法
必要 (完治しないため、永続的な診療が必要である)
病的過成長に対する根治的治療法は無く、骨軟部組織の過剰発育に対しては、下肢補高装具や外科的
矯正手術(骨端線成長抑制術、骨延長術)が行なわれるが、治療の適応や時期などについては一定の見
5.診 断基準
解がない。軟部組織の肥大については病変切除などの減量手術などが行なわれるが、病変はび慢性であ
6 重 症度分類
り、完全切除は不可能である。脈管奇形に対してはその構成脈管により治療は異なる。弾性ストッキングに
よる圧迫、切除手術、硬化療法 ・
塞栓術、レーザー照射などが用いられるが、本症候群の巨大脈管奇形病
変はこれらの治療に抵抗性であることが多く、感染 ・
出血などに対する対症療法を含めて生涯にわたる継
あり(研究班作成。日本形成外科学会、日本 IVR学 会承認。)
①、② のいずれかを満たすものを対象とする。
①mod面ed Ranttn ScJo(mRS)を用いて、3以 上
②出血、感染に関するそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以 上
続的管理を要する。
5予 後
一般に成長と共に病変は増大する傾向にあり、 間経過に伴い成人後も
進行する。塞栓術・
時
硬化療法、
切除術により、症状が改善することもあるが、治癒することは稀である。本疾患では病変が一肢全体に及
ぶため、治療が困難で四肢などの機能 ・
形態異常が進行し、社会的自立が困難となる。皮膚潰瘍は難治性
であり、感染を繰り返す場合、動脈性出血を認める場合は数死的となる。
10情 報提供川
「
血管奇形・
リンパ管腫 ・
リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究班」
難治性血管腫 ・
研究代表者 聖マリアンナ医科大学放射線医学講座 病院教授 三村秀文
<診 断基準>
ウエーバー症候群の診断は、①脈管奇形診断基準に加えて、後述する(1)細分類診断基準にて
クリッペル ・
クリッベル ・
ウエーバー症候群と診断されたものを対象とする。鑑別疾患は除外する。
0)脈管奇形(血管奇形およびリンパ管奇形)診断基準
吻合・
集族など、構造の異常から成る病変で、理学
軟部 ・
体表などの血管あるいはリンパ管の異常な拡張・
いは
病理f10に てこれを認めるもの。
的所見、画像診断ある
ゴーハム
本疾患には静脈奇形(海綿状血管腫)、動静脈奇形、リンパ管寄形(リンパ管腫)、リンパ管腫症 ・
ポートワイン母斑)および混合型脈管奇形く
混合型血管奇形)が含まれ
病、毛細血管奇形(単純性血管腫 ・
拡張または集熊した分葉状、海綿状あるいは静脈瘤状の静脈性血管腔を有する病変を認 める。内部に
緩徐な血流がみられる。内部に血栓や石灰化を伴うことがある。
2理 学的所見
腫瘤状あるいは静脈瘤状であり、表在性病変であれば青色 の色調である。圧迫にて虚脱する。四肢
満し、拳上あるいは駆血解除により虚脱する。血栓形成の強い症例な
病変は下垂あるいは駆血にて1彰
どでは膨満や虚脱の徴候が乏しい場合がある。
3病 理所見
一
拡張した血管の集族がみられ、血管の壁には弾性線維が認められる。平滑筋が存在するが壁の
こと
部で確認できないことも多い。成熟した血管内皮が内側を覆う。内部に血栓や石灰化を伴う がある。
7.リ ンパ管奇形の診断は以下により得られる。
る。
満た
生下時から存在し、以下の1、2、3、4の す べての所見を認め、かつ5の (a)または(b)または(c)を
鑑別診断
1.血 管あるいはリンパ管を構成する細胞等にIE瘍性の増殖がある疾患
例)乳児血管腫(イテゴ状血管腫)、血管肉腫など
2.明 らかな後天性病変
医原性動静脈痙、動脈瘤など
例)一次性静脈瘤、二次性リンパ浮腫、外傷性 ・
(1)細分類
ウェーバー症候群診断基準
③クリッベル・
四肢のうち少なくとも一肢のほぼ全域にわたる混合型脈管奇形と片側肥大症を合併するもの。
必須所見
1 四 肢のうち少なくとも一肢のほぼ全域にわたる混合型脈管奇形
す病変。
1理 学的所見
圧迫により変形するが縮小しない腫瘤性病変を認める。
2,画 像所見
超音波検査 、CT、MRI等 で、病変内に大小様 々な 1つ 以上の襲胞様成分が集旗性もしくは散在性に存
在する腫瘤性病変として認められる。嚢胞内部 の血流は認めない。
3,嚢 胞内容液所見
リンパ (液)として矛盾がない。
4,除 外事項
・
奇形踵、静脈奇形(海綿状血管腫)、被角血管腫、他の水疱性 嚢胞性疾患等が否定されること。
2 混 合型脈管奇形の同肢または対側肢の骨軟部組織の片側肥大症
5,補 助所見
3.皮 膚の毛細血管奇形のみが明瞭で、深部の脈管奇形が検査(画像または病理)上不明であるものは
0理 学的所見
・
深部にあり外観上明らかでないことがある。
ー
ー
・
結節となり、集篠しカエルの卵状を呈することがあり、ダ モスコピ により
皮膚や粘膜では丘疹 ・
除外
4 深 部の脈管奇形により四肢が単純に太くなつているものは対象から除外
5 明 らかな後天性病変(一次性静脈瘤、二次性リンパ浮腫)は対象から除外
参考事項
1 毛 細血管奇形、静脈の異常(二次性静脈瘤を含む)、一肢の■・
軟部組織の片側肥大が古典的三微で
あるが、静脈異常は小児期には明らかでないことが多い。
嚢胞性病変を認める。
・
経過中病変の膨らみや硬度は増減することがある。
・
感染や内出血により急激な腫脹や疼痛をきたす ことがある。
・
病変内に毛細血管や静脈の異常拡張を認めることがある。
2 片 側肥大はほとんどが脈管奇形と同側に生じるが、まれに対側に生じる。
(b)病 理学的所見
3 合 指(趾)症や目指(趾)症などの指趾形成異常を合併することがある。
肉眼的には、水様ないし乳汁様内容液を有 し、多嚢胞状または海綿状割面を皇する病変。組織学的に
は、リンパ 管内皮によつて裏打ちされた大小さまざまな嚢胞状もしくは不規則に拡張したリンパ 管組織
4 混 合型脈管奇形とは、静脈奇形、動静脈奇形、リンパ管奇形、毛細血管奇形の 2つ 以上の脈管奇形
が同一部位に混在合併するもの。
5.動 静脈奇形の診断は四肢巨大動静脈奇形診断基準参照。
6 静 脈奇形の診断は以下により得られる。
画像検査上病変を確認することは必須である。1の画像検査所見のみでは質的診断が困難な場合、
`
2あるいは3をカロ
えて診断される。
`
1画 像検査所見
超音波検査、MRI検 査、血管造影検査(直接穿刺造影あるいは静脈造影)、造影 CTの いずれかで、
よりなる。腫瘍性 の増殖を示す細胞を認 めない。
(o)裏 胞内容液所見
嚢胞内に血液を混じることがある。
ー
8 毛 細血管奇形とは、いわゆる赤あざであり、従来単純性血管腫、ポ トワイン母斑などと呼称されて,ヽ
る病変。皮膚表在における毛細血管の先天性の増加、拡張を認め、自然消褪を認めないもの。
l│
3 感 染・
蜂寓織炎の治療ため一 年間に数回程度の医療的処置を必要とし、日常生活に制限を生じるが、
症度分類>
<重
①
、② のいずれかを満たすものを対象とする。
n Scab(mRS)の 評価スケールを用いて、3以 上を対象とする。
① modtted Ran‖
療によって感染症状の進行を抑制できるもの
治
血症などの致死的な感染を合併するリスクをもつもの
4 敗
日本版mOdttOd Ran‖
n ScJO(mRS)判 定基準書
mo“od Rankh scJo
ま ったく症候がない
∝
参
自
a
度の障害 :
軽
考にすべき点
党症状および他覚徴候がともにない状態である
1_ 症 候はあつても明らかな障害はない:
自
日常の動めや活動は行える
5 敗 血症などの致死的な感染を合併するリスクが非常に高いもの
党症状および他覚徴候はあるが、
発症以前から行つていた仕
や活動に制限はない状■である
事
発
※
必
症以前から術わ ていた仕事 や活動に制限はあるが、日常生活
発症 以前 の活動 がす べ て行 えるわけではないが 、自分の身の は 自立している状簡である
回りのことは介助なしに行える
こ 中
年度の障害 :
買
い物や公 共交通機関を利用した外出などには介助を必要とす
何 らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える
る
が、通常歩行 、食事 、身だしなみの維持 、トイレなどには介助
を必要としない状態である
■ 中
等度から■度の障害 :
通
歩行や身体的要求には介助が必要である
ュ 菫
度の障害 :
常歩行 、食事 、身だしなみの維持 、トイレなどには介助を必要
と
常
するが、持親的な介霞は,ら要としない状態である
に騰か の介助を必要とする状態である。
寝たきり、失業状態、常 に介饉 と見守りを必要とする
L
死
亡
日本脳卒中学会版
②以下の出血、感染に関するそれぞれの評価スケールを用いて、いずれかが3以上を対象とする。
出血
1 と きおり出血するが日常の務めや活動は行える
2 し ばしば出血するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
3.出 血の治療ため一年間に数回程度の医療的処置を必要とし、日常生活に制限を生じるが、治療によっ
て出血予防 ・
止血が得られるもの
4 致 死的な出血のリスクをもつもの、または、慢性出血性貧血のため月一回程度の輸血を定期的に必要
とするもの
5 致 死的な出血のリスクが非常に高いもの
感染
1 と きおり感染を併発するが日常の務めや活動は行える
2 し ばしば感染を併発するが、自分の身の周りのことは医療的処置なしに行える
なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
要 な者 につ いて は
、医療費助成の対象 とする。
4-17ポ
ルフィリン症
Ю 概到
10要 件の判定に必要な事 呵
1 患 者数
約 200人
2 発 病の機構
不明 (遺伝子変異の関与が示唆される)
1.概 要
ヘム代謝系に関わる 3つ の酵素のいずれかの活性低下により、ポルフィリン体あるいはその前駆体が蓄
積することによつて発症する、まれな遺伝性疾患である。現在 、9つ の病型に分けられる。病態の大部分が
不明であり、根治療法がない。各病型間で症状にオー バーラップがあり、診断が非常に難しく、確定診断に
は遺伝子診断が必要である。
3 効 果的な治療方法
未確立
4 長 期 の療養
必要
5.診 断基準
あり(研究班作成の診断基準はあり)
2原 因
遺伝子変異 の関与は確実であるが、病態についてはかなりの部分が未解明である。
6.重 症度分類
臨床症状のいずれか 1項 目以上を有するものを重症とし対象とする。
3.症 状
光線過敏 (日焼け、熱傷様症状)、消化器症状 (激烈な腹痛、下痢 、便秘、嘔吐、肝不全)、神経症状 (痙
摯、麻痺、意識障害)が主である。一度発症すれば、これらの症状は生涯続く。
4治 療法
光線防御、ヘミン投与など対症療法 のみである。
5予 後
・
①患者の手掌大以上の大きさの水疱 びらんを伴う日光皮膚炎がある場合
る
たはそれに準じ
障害
の機能全廃ま
②手指
1年
2回以上入院加療を
要する
程度の腹部癌痛発作がある場合
間で
③直近
1年
2回以上入院加療を
要する
程度の脱水症状を伴う下痢を認める場合
間で
④直近
1年
2回以上入院加療を
要する
程度の腸閉塞症状を呈する便秘を認める場合
近
間で
⑤直
上の肝機能障害を
認める場合
CHILD分類でC:assB以
⑥
ヘ
ロ
100g/IL未
満と
なる
溶血性貧血
モ
ビ
ン
濃度が
⑦血中 グ
′
全身熱傷様症状、消化器症状、神経症状を起こすと予後不良である。肝不全例では肝移植が必要になる。
10情 報提供司
「
平成26年度遺伝性ポルフィリン症:新しいガイドラインの確立の研究班」
研究代表者 弘前大学皮膚科 准教授 中野 創
<診 断基準>
以下の急性間欠性ボルフィリン症、遺伝性コプロポルフィリン症、異型ポルフィリン症、赤芽球性(骨髄性)プロト
ポルフィリン症、先天性■髄性ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、X連 鎖優性プロトポルフィリン症、肝
性 骨髄 性ポルフィリン症 と診断されたものを対象とする。
1 急 性ポルフィリン症 の診 断基準
1.急 性間欠性ポルフィリン症 (Acute lntermlttont Porphtta AIP)
1)臨床所見
①思春期以降に発症する。発症は急性のことが多い.
②種 々の程度の腹痛、嘔吐、便秘(消化器症状)
③四肢脱力、けいれん、精神異常(精神神経症状)
④高血圧、頻脈、発熱など(自律神経症状)
⑤他のポルフィリン症とは異なり皮膚症状(光線過敏症)はみられない
2)検査所見(発作時)
①尿中 δ―アミノレブリン酸(ALA)の著明な増加:正常値平均値の 3倍 以上(平均約 20倍)
②尿中ポルホビリノゲン(PBG)の著明な増加:正常値平均値の 10倍 以上(平均約 90倍 )
(緩解期には ALA、PBGが 高値(正常上限の 2倍 以上)を示す)
3)遺伝子検査
ポルフォビリノーゲン脱アミノ酵素遺伝子の異常を認める
4)除 外診断
①器質的病変を基盤とする急性腹症、②イレウス、③虫垂炎、④ヒステリー、⑤鉛中毒症、⑥他のポルフィリ
ン症
5)参考事項
①家族歴がある
②上記症状の既往がある。
③発作の誘因(ある種の薬物★、生理前や妊娠、出産など性ホルモンのアンバランス、タバコ、アルコール、
感染症、カロリー摂取不足、各種ストレス)がある
★代表的な発作誘発薬剤としてバルビツール系薬剤、サルファ剤、抗けいれん薬、経 口避妊薬、エストロゲン
製剤などが知られている
く
診断の判定〉
以下のいずれかを満たすもの急性間欠性ポルフィリン症とする。
Al)の 臨床所見のいずれか、および2)の①、②双方を満たし、4)の 除外診断を否定できるもの
Bl)の 臨床所見のいずれか、および3)を満たし、4)の除外診断を否定できるもの
2遺
伝 性 コプ ロ ポ ル フィリン 症 (Horodltary CoprOpo中 hyna:HcP)
1)臨床所見
①思春期以降に発症する 発症は急性のことが多い
②種 々の程度の腹痛、嘔吐、便秘(消化器症状)
③ 四肢脱力、けいれん、精神異常(精神神経症状)
④高血圧、頻脈、発熱など(自律神経症状)
⑤皮膚症状 (光線過敏症)がみられることがある
2)検査所見(発作時)
①尿中 δ―アミノレブリン酸(ALA)の著明な増加:正常値平均値の 1.5倍以上(平均約 8倍 )
ポルホビリノゲン(PBG)の著明な増加:正常値平均値の 2倍 以上(平均約 25倍 )
②尿中ウロポルフィリンの著明な増加:正常値平均値の 2倍 以上(平均約 40倍 )
コプロポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の 3借 以上(平均約 160倍)
③赤血球中プロトポルフィリンは正常
(ただし、緩解期には尿中 ALA、PBGは 正常範囲内を示す)
3)遺伝子検査
コプロポルフィリノーゲン酸化酵素遺伝子の異常を認める
4)除外診断
①器質的病変を基盤とする急性腹症(胆石発作、尿路結石など)、②イレウス、③虫垂炎
④ヒステリー、⑤鉛中毒症、⑥他のポルフィリン症
5)参考事項
①家族歴がある
②上記症状の既往がある
③発作の誘因(ある種の薬物、生理前や妊娠、出産など性ホルモンのアンバランス、タバコ、アルコール、
感染症、カロリー摂取不足、各種ストレス)がある.
④糞便中コプロポルフィリンの増加:正常値平均値の約 360倍
〈
診断の判定〉
以下のいずれかを満たすもの遺伝性コプロポルフィリン症とする。
Al)の 臨床所見のいずれか、および2)の①から④を全て満たし、4)の除外診断を否定できるもの
Bl)の 臨床所見のいずれか、および3)を満たし、4)の 除外診断を否定できるもの
a VP)
3.異 型ポルフィリン症 (Va‖OgatO Porphy“
1)臨床所見
①思春期以降に発症する.発症は急性のことが多い
②種々の程度の腹痛、嘔吐、便秘(消化器症状)
③四肢脱力、けいれん、精神異常(精神神経症状)
④高血圧、頻脈、発熱など(自律神経症状)
⑤皮膚症状(光線過敏症)
2)検査所見(発作時)
①尿中 δ-7ミル プリン酸(ALA)の著明な増加:正常値平均値の 1.5倍以上(平均約 5倍 )
ポルホビリノゲン(PBG)の著明な増加:正常値平均値の 15倍 以上(平均約 10倍)
②尿中ウロポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の 2倍 以上(平均約 80倍)
コプロポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の 4倍 以上(平均約 25倍)
③赤血球中プロトポルフィリンは正常
(ただし、級解期には尿中 ALA、PBGは 正常範囲内を示す)
生ポルフィリン症 3型 の生化学異常
表1 急↑
3)遺伝子検査
プロトポルフィリノーゲン酸化酵素遺伝子の異常を認める
ア ミノレブ
AIA:δ ―
フィリンCPEl:コ プ ロポルフ ィリンIll、
ンフィリン
PP:プ ロ トポノ
4)除外診断
①器質的病変を基盤とする急性腹症(胆石発作、尿路結石など)、②イレウス、③虫垂炎、④ヒステリー、⑤
9hN中
毒症、⑥他のポルフィリン症
…
色性ポ , " ィ リン症疑い
'
5)参考事項
①家族歴がある
②上記症状の既往がある
③発作の誘因(ある種の薬物、生理前や妊娠、出産など性ホルモンのアンバランス、タバコ、アルコール、
感染症、カロリー摂取不足、各種ストレス)がある
④糞便中コプロポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の約 30倍
く
診断の判定〉
以下のいずれかを満たすもの異型ポルフィリン症とする。
Al)の 臨床所見のいずれか、および2)の①から④を全て満たし、4)の除外診断を否定できるもの
B.1)の 臨床所見のいずれか、および3)を満たし、4)の 除外診畦 否定できるもの
…
尿 中 BG正 常
AtAD欠 乏の原因の饉別
I Aム D=員の劇産
図 1 急 性ポルフィリン症診断 フロー
Ⅱ 皮 膚 型ポルフィリン症 の診 断基準
露光部皮膚の血管周囲におけるPAS陽 性物質の沈着
④
1赤 芽球性(骨髄性)プロトポルフィリン症 (Eり
出ropdeJc ProtOporphytta,EPP)
1)臨床症状
ゥ
光線過敏症状 :日光曝露後に露光部に疼痛を伴った発赤、腫脹を示す。症状が強い場合は水疱 ・
びらんを
呈する。
4)遺
2)臨床所見
②
①皮膚症状 :露光部の発赤、腫脹、顔面の虫食い状小療痕、色素沈着、手指関節背の苔癬化、多毛
②肝機能障害
常
3)検査所見
①赤血球中プロトポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の 15倍 以上(平均約 370倍)
②尿中ポルフィリン前駆体及びポルフィリン体は正常範囲
③赤血球蛍光が陽性
④光溶血現象が陽性
(診
⑤露光部皮膚の血管周囲におけるPAS陽 性物質の沈着
4)遺 伝子検査
フエロケラターゼ遺伝子の異常を認める
③
6)参
断の判定)
下のいずれかを満たすもの晩発性皮膚ポルフィリン症とする。
Al)の 臨床症状、および3)の①から③の全てを満たし、5)の除外診断を否定できるもの
臨床所見のいずれか、および4)を満たし、5)の除外診断を否定できるもの
以
82)の
光
(診断の判定)
以下のいずれかを満たすもの赤芽球性(骨髄性)プロトポルフィリン症とする。
Al)の 臨床症状、および3)の①、④の双方を満たし、5)の 除外診断を否定できるもの
B2〉 の臨床所見のいずれか、および4)を満たし、5)の除外診断を否定できるもの
①
②
③
2晩 発性皮膚ポルフィリン症(P9rphyna cutanea Tarda,PCT)
1)臨床症状
①
光線過敏症状:日光曝露後に露光部に痒みを伴った発赤、腫服を示す。
①皮膚症状 :露光部の発赤、水疱、びらん、露光部の療痕、色素沈着、多毛
②肝機能障害
②
④
4)遺
3先 天性骨髄性ポルフィリン症(Congenital EMhrop。
たJC PorphyrL,CEP)
床症状
線過敏症状 :出生後まもなくからみられ、短時間の日光曝露により、露光部に紅斑、水疱、びらん、漬瘍
どを生じる。
2)臨床所見
皮膚症状 :露光部の紅斑、水疱、びらん、露光部の色索沈着、色素脱失、鼻、耳柔、手指の脱落、多毛
赤色歯牙
膊腫
3)検査所見
尿中のウロポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の 35倍 以上(平均約 4200倍)
コプロポルフィリンの著明な増加:正常値平均値の 60倍 以上(平均約 700倍)
血液中のコプロポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の約 30倍
③溶血性貧血
赤血球蛍光が陽性
伝子検査
ウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素遺伝子の異常を認める
3)検査所見
①尿中ウロポルフィリンの著明な増加:正常値平均値の 6倍 以上(平均約 180倍)
ヘプタカルボキシルボルフィリンの著明な増加:正常値平均値の 10倍 以上(平均約 300倍)
②尿中ポルホビリノゲン・δ_アミル ブリン酸は正常範囲
コプロポルフィリンは正常範囲
③赤血球中プロトポルフィリン・
5)除外診断
①他の光線過敏性疾患(多形日光疹、慢性光線過敏性皮膚炎、光線過敏型薬疹など)
他のポルフィリン症
偽ポルフィリン症(臨床症状、病理所見は晩発性皮膚ポルフィリン症と類似するが、ポルフィリンの代謝異
を伴わない。)
④多ハロゲン芳香族化合物(ダイオキシン、PCB、ヘキサクロルベンゼンなど)
考事項
誘発の原因(飲酒、鉄剤、エストロゲン製剤、経口避妊薬など)
①
5)除外診断
1)臨
①鉄芽球性貧血症、②鉄欠乏性貧血、③溶血性貧血、④他のポルフィリン症、⑤他の光線過敏性疾患(種
痘様水疱症、多形日光疹、慢性光線過敏性皮膚炎など)
な
2)臨 床所見
伝子検査
ロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素遺伝子の異常を認める
5)除
①
②
外診断
光線過敏性皮膚疾患 :色素性乾皮症、種痘様水疱症など
他のポルフィリン症
ヘプタカルボキシルポルフィリンの著明な増加 : 正常値平均値 の 1 0 倍以上
アミノレブリン酸は正常範囲
②尿中ポルフオビリノーゲン・δ‐
・
コ
ロ
ン
プロポルフィリンは正常範囲
ト
ボルフ
ィ
リ
血球中プ
③赤
④露光部 皮膚の血管周囲 における P A S 陽 性物質 の沈着
(診断の判定)
以下のいずれかを満たすものを先天性骨髄性ポルフィリン症とする。
Al)の 臨床症状、および3)の①、③の双方を満たし、5)の除外診断を否定できるもの
B.2)の臨床所見のいずれか、および4)を満たし、5)の除外診断を否定できるもの
伝 子検査
ロポルフィリノーゲン脱 炭酸酵素 遺伝 子 の病 的変異 をホモ接合性 に認 める
a,XLDP)
4)遺
4.X連 鎖優性プロトポルフィリン症(XJhked domhant protoporphy‖
ウ
1)臨床症状.
びらんを呈す
光線過敏症状 :日光曝露後に露光部に疼痛を伴つた発赤、腫眼を示す。症状が強い場合は水疱 ・
る
外診 断
5)除
2)臨 床所見
②
①皮膚症状 :露光部の発赤、腫服 、顔面の虫食い状小療痕、色素沈着、手指関節背の書癬化、多毛
④
②肝機能障害
3)検 査所見
①赤血球 中プ由トポルフィリンの著明な増加 :正常値平均値の 15倍 以上
②尿中ポルフィリン前駆体及びポルフィリン体は正常範囲
'
③赤血球蛍光が陽性
④光溶血現像が陽性
⑤露光部皮膚の血管周囲におけるPAS陽 性物質の沈着
③
6)参
①
(診
以
Al)の
4)遺 伝子検査
デルタアミノレプリン酸合成酵素2型遺伝子の異常を認める
5)除外診断
①鉄芽球性貧血症、②鉄欠乏性貧血、③溶血性貧血、④他 のポルフィリン症、⑤他の光線過敏性疾患(種痘様
水疱症、多形日光疹、慢性光線過敏性皮膚炎など)
(診断の判定)
以下のいずれかを満たすものをX連 鎖優性プロトポルフイリン症とする。
A.1)の 臨床症状、および3)の①、④の双方を満たし、5)の除外診断を否定できるもの
B2)の 臨床所見のいずれか、および4)を満たし、5)の除外診断を否定できるもの
5 . 肝 性 骨髄 性ポルフィリン症 ( h e p a t o o r y t h r 6 p o i o J c p O r p h y r i a , H E P )
1 ) 臨床症 状
光線 過 敏症状 : 日光 曝露 後 に露 光部 に痒 みを伴 つた発 赤 、腫脹を示 す
2 ) 臨床 所 見
①皮 膚症 状 : 露光部 の発 赤 、水 疱 、びらん、露光部 の療疲 、色素 沈着 、多毛
②肝 機 能 障害
3 ) 検査 所見
①尿 中ウロポルフィリンの著 明な増 加 : 正常 値平 均値の 6 倍 以上
①他 の光 線過敏性疾患 (多形 日光疹 、慢性 光 線過 敏性皮 膚 炎、光線過敏 型薬疹など)
他のポルフイリン症
偽ポルフィリン症
多ハロゲン芳香族 化合物 (ダイオキシン、PCB、 ヘキサクロルベンゼンなど)
考事 項
誘発 の原 因 (飲酒 、鉄剤 、エストロゲン製剤 、経 口避 妊薬など)
断 の判 定 )
下 のいずれかを満たすものを肝性 骨髄性 ポルフィリン症 とする
臨 床症状 、および3)の ① から③ の全てを満 たし、5)の 除 外診 断を否 定 できるもの
B.2)の 臨 床所見 のいずれか、および4)を 満たし、5)の 除外診断を否 定できるもの
<重 症度分類>
皮膚光線過敏症
以下の臨床症状のいずれか 1項 目以上を有するものを重症とする。
↓
びらんを伴う日光皮膚炎がある場合
①患者の手掌大以上の大きさの水疱 ・
血中 P P
②手指の機能全廃またはそれに準じる障害
陽性(赤芽球性)
│
尿中ポルフィリン
囲
山
性
│
異性体分析
│
CEP
HEP
EPP
④直近 1年間で2回 以上入院加療を要する程度の脱水症状を伴う下痢を認める場合
陽性
│
糞中ポルフィリン
│
P II P
X V
___LIIL
I星
③直近 1年間で2回 以上入院加療を要する程度の腹部癌痛発作がある場合
陰性 ( 肝性)
│
PCT
⑤直近 1年間で2回 以上入院加療を要する程度の腸閉塞症状を呈する便秘を認める場合
⑥CHILD分 類でClassB以上の肝機能障害を認める場合
⑦血中ヘモグロピン濃度が 100g/dL未満となる溶血性貧血
、
陰性
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象とする。
│
HCP
非ポルフィリン症
図 2 皮 膚 型ポルフィリン症 の鑑男1 診断
表 2 ポ ルフィリン症 の分 類 と特 徴 的 な生 化 学 的 所 見
XP:X―porphyrin poptide,FPfrOe protopOrphyrin,ZP:zinc―
protoporphyrin
ホ1レ
フィ
リ 障害
急
分類
生
肝
臓
骨 髄 型
皮 膚 型
型
尿中ポルフィリン
赤血球中
糞便中
血漿中
滞 瘤 型
酵素
およびその前駆体
ドルフィリン
ドルフィリン
ドルフィリン
ヽ
IP
PBDD
ALA,PBG
正常範囲内
正常範囲内
ALA.PBG
ヽ
DH
ALAD
ALAUPcP Ⅲ
CP,PP
ALA,CPI.PP
/P
PPO
CPIII,UPI,ALA,PBG
正常範囲内
PP〉cP,xP
CPⅢ ,PP
lCP
'CT
CPO
CPⅢ ,ALA,PBG
正常範囲内
CPlll
CPⅢ
UROD
UP 7P
正常範囲内
CP〉PPJsoCP
UP,7P
→EP
UROD
UP,7P
PP(FP,ZP)
isoCP
UP,PP(FP)
〕EP
UROS
UP I〉CP I
CP,PP(ZP)
CPI
二PP
Fo0
ETM*I:}LJ cP I
PP(FP)
UP I,CP I
PP(FP)
4-18 先
天性葉酸吸収不全症
10概ヨ
1 患 者数
100人 未満
2 発 病の機構
1 概 要
不明
失を原因とする常染色体劣性遺伝性疾患である。腸管からの葉酸吸収不全と脈絡膜における取り込み障
3 効 果的な治療方法
確立 :葉酸非経 口投与
害により、乳児期早期から巨赤芽球性貧血、免疫不全、選延性下痢、精神発達遅滞、痙摯などをきたす。
4 長 期 の療養
cOu口od fohte transporter(PCFT)の
機能喪
先天性葉酸吸収不全症(HFM)は葉酸 の輸送体であるprOtOn―
大脳基底核に石灰化病変を認めることがある。
必要
5 診 断基準
2.原 因
P研 7遺 伝子 の両アレルに機能甕失性が存在することにより、腸管からの葉酸吸収不全と脈絡膜におけ
る取り込み障害がおこる。
3 症 状
乳児期早期 から巨赤芽球性貧血、免疫不全、通延性下痢 、精神発連遅滞、ケイレンなどをきたす。大脳墓
底核に石灰化病変を認めることがある。
4.治 療法
葉酸非経 口投与を主軸とし、そのほか随伴する症状に対して対象療法を実施
5.予 後
固定した場合には、それらによる二次的な
早期診断 ・
治療例は比較的良好。診断前 に中枢 障害が進行 ・
障害 (誤疇性肺炎など)のため不良となりうる。
あり(研究班作成の診断基準あり)
6 重 症度分類
先天性代謝異常症 の重症度評価を用いて、中等症以上を対象とする。
10情 報提供劇
「
先天性葉酸吸収不全症」
・
研究代表者 東北大学医学系研究科小児病態学分野 准教授 坂本修
く診断基準>
<重 症度分類>
乳児期早期から巨赤芽球性貧血や汎血球減少症に、免疫不全様徴候(カリニ肺炎、低ガンマグロプリン血症)、
遷延性下痢、体重増加不良、口腔粘膜病変、精神発達遅滞、痙摯などの組み合わせがある場合に以下を検討
中等症以上を対象とする。
先天性代謝異常症の■症産評価(日本先天代酎異常学会)
する。
点数
1血 清葉酸値の測定:低値
ビタミンB12欠乏症の錯別のため、血清 B12値の測定もあわせて実施する
a 治
療を要しない
2経 口葉酸負荷試験 :負荷後も血清葉酸値の有意な上昇が認められない
b 対
症療法のために何らかの薬物を用いた治療を継続している
1
o 疾
患特異的な薬物治療が中断できない
2
d 急
性発作時に呼吸管理、血液浄化を必要とする
4
3髄 液葉酸値 :低値
薬物などの治療状況(以下の中からいずれか1つを選択する )
1お よび 2が 証明されば HFMと 診断する。
0
食事業養治療の状況(以下の中からいずれか1つを選択する )
賜疾患による葉酸吸収量低下などため、経口葉酸負荷試験の判定があいまいな場合にはS鰯 "′ (PcF「
をコ
ードする遺伝子)の変異解析を考慮する。
a 食
事制限など特に必要がない
度の食事制限あるいは一時的な食事制限が必要である
0
b 軽
o 特
殊ミルクを継続して使用するなどの中程度の食事療法が必要である
2
殊ミルクを経続して使用するなどの疾患特異的な負荷の強い(厳格な)食事療法の継続
4
d 特
1
が必要である
e 経
管栄養が必要である
酵素欠損などの代謝障害に直接関連した検査(画像を含む)の所見(以下の中からいずれ
か1つを選択する)
a 特
に異常を認めない
b 軽
度の異常値が継続している
安として正常範囲から1 5SDの 逸脱)
1
o 中
年度以上の異常値が継続している (目安として 1 5SDから2 0SDの 逸脱)
2
d 高
度の異常値が持続している
0
(目
(目
安として 2.OSD以 上の逸脱)
3
現在の精神運動発達運滞、神経症状、筋力低下についての評価(以下の中からいずれか
1つを選択する)
b
異常を認めない
0
Q70未 満や補助具などを用いた自立歩行が可能な
軽度の障害を認める (目 安として、【
1
程度の障害)
d
中程度の障害を認める (目安として、lo50未 満や自立歩行が不可能な程度の障害)
2
高度の障害を認める (目 安として、:Q35未満やほぼ寝たきりの状態)
4
現在の臓器障害に関するlT価(以下の中からいずれか1つを選択する)
b
肝臓、腎臓、心臓などに機能障害がない
0
肝臓、腎臓、心臓などに軽産機能障害がある
1
(目安として、それぞれの臓器異常による検査異常を認めるもの)
肝臓、腎臓、心臓などに中等度機能障害がある
(目安として、それぞれの臓器異常による症状を認めるもの)
d 肝 臓、腎臓、心臓などに重度機能障害がある、あるいは移植医療が必要である
4
4-19先
(目安として、それぞれの臓器の機能不全を認めるもの)
天性赤血球形成異常性貧血
10概 到
Ⅵ
生
介助などの状況(以下の中からいずれか1つを選択する)
活の自立・
a 自 立した生活が可能
b 何 らかの介助が必要
0
1
胞
C DA)は 先 天 的 に赤血 球 系細
hropdetlc anemね
天性赤血球形成異常性貧血(Congenita!dyse■
ー
に7//成異 常 があり、慢 性 の不 応 性 貧 血 、無 効 造 血 および続 発 性 ヘモクロマト シスを伴 う
稀
な疾 患 群 である。
先
o 日 常生活の多くで介助が必要
d 生 命維持医療が必要
概要
1・
2
4
総合評価
2 . 原因
Iか Ⅵまでの各評価及び総合 点をもとに最終評価を決定する。
I 型 か らШ型 の 3 病 型 に分 類 され る。いずれ の 型 においても家 族 性 と孤 発 性 の両 者 が報 告 き
れている。I 型 は西 欧 か ら中 近 東 に多 くみ られ 、2 0 0 2 年 に責 任 遺 伝 子 C D A N l が 同 定 され た。
(1)4点 の項 目が 1つでもある場合
重症
(2)2点 以上の項 目があり、かつ加 点した総 点数が 6点 以上の場 合
重症
(3)加点した総点数が 3-6点 の場合
中等症
は
■型 は C D A の 中 で最 も頻 度 が高 く、2 0 0 9 年 に責 任 遺 伝 子 S E C 2 3 B が 同 定 された。I l l 型
に亜
あり、
ほか
とされるものが
K
l
F
2
3
が
型
同
定
された
。
その
2
0
1
3
年
子
に責
任
遺
伝
で、
な病
型
稀
(4)加点した総 点数が ←2点 の場合
軽症
報 告 され ている。
K L F l 異 常 とG A T A l 異 常 を有 するp l l が
注意
_
3症 状
1 診 断と治療についてはガイドラインを参考とすること
(1)慢 性 の貧 血 症 状 :蒼 自 、哺 乳 力 の低 下 など (2)黄 疸 (3)体 重 増 加 不 良
2 疾 患特異的な薬物治療はガイドラインに準拠したものとする
3 疾 患特異的な食事業養治療はガイドラインに準拠したものとする
4治 療法
一
従 来 、赤 血 球 輸 血 療 法 、膊 摘 などが 行 わ れてきた が 、いまたに 定 の 治 療 方 針 は示 されて
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一 定以上に該当 しない者であるが、高額な医療 を継続す る
ことが必 要な者 については、医療費助成 の対象 とす る。
い
ない。造 血 幹 細 胞 移 植 が行 われ ることもある。
5予 後
2006年に多賀らが行つた全国鯛査で確認されたCDAの 12例のうち5例が死亡しており(死亡時年令 8ヶ月
-15歳)、1例 は肝硬変であつたが、他はCDAと直接関連しない死因だつた。
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
100人未満
2.発 病の機構
<診
天性赤血球産生異常性貧血(CDA)の 診断基準
先
除
を
未確立(対症療 法 が中心 である)
4 長 期の療養
必要
5 診 断基準
示す。
a黄
疸がある、あるいは黄疸の既住がある
b重
度あるいは遷延性新生児黄疸
c輸
血歴、輸血依存性
d大
あり (研究班作成の診断基準あり)
6.重 症度分類
球性貧血
。
f原
Stago3以上 を対象とする。ただし、薬物療法を行つていてヘモグロビン温度 10g/dl以上の者は対
象外とする。
記 a→にあるような家族歴、既往歴、身体所見、検査所見が見られた場合は CDAを 疑い、骨髄穿刺と
外診断、遺伝子検査などを行い、診断確定する。表1に各病型の診断基準を、表2に鑑別すべき疾患
下
不明(遺伝子異常が関与している。)
3 効 果的な治療方法
断基準>
膊腫
因不明の慢性貧血の家族歴
肢、骨格奇形
g四
h赤
血球形態異常
i ttEEに
は該当しないが原因不明の貧血がある
10情 報提供川
「
先天性骨髄不全症の登録システムの構築と診療ガイドラインの作成に関する研究班」
研究代表者 弘前大学 教授 伊藤悦朗
表l CDA各 病型の診断基準
Typ●I
遺伝形式
Type II
常染色体劣性
常染色体劣性
Type]】
常染色体優性
15q151-3
20ql1 2
15q21-25
CDANl
SEC23B
KIF23
貧血の程度
軽度 ―中年度
軽度 ―重度
軽度 ―中等度
赤血球サイズ
大球性
正球性から大球性
大球性
責任遺伝子
骨髄 の赤芽球像
光顕
巨赤芽球様変化
2核 赤芽球(2-5%),
2核 ― 多核 の 赤 芽球
(1●40%)
臭型核赤芽球
多核赤芽球
巨大赤芽球(10-40%)
クロマチン橋
電顕
核膜の部分欠損
細胞膜 内周 の 二 重 膜
構造
核 質 内 へ の細 胞 質や
核膜のスポンジ様構造
核膜の亀裂や凹凸
小器官の流入
Ham試 験
陰性
陽性
陰性
抗 i抗原凝集反応
陰性
強陽性
陰性または弱陽性
表2 CDAと 鑑別を要する疾患
先天性疾患
サラセミア
く重症度分類>
Stago3以上を対象とする。ただ し.薬 物療法を行 つていてヘモグロビン濃度 10g/di以上の者は対象外と
する。
不安定ヘモグロビン症
遺伝性球状赤血球症
ピルビン酸キナーゼ欠損症
stage l
軽 症
薬
物療法を行わないでヘモグロビン濃度 10g/dl以 上
先天性骨髄異形成症候群
stage 2
中等症
薬
物療法を行わないでヘモグロビン濃度 7∼ 10g/dl
stage 3
やや重症
stage 4
重 症
薬
物療法を行 つていてヘモグロビン濃度 7g/dl未 満
stage 5
最重症
薬
物療法おょび膊摘を行つてヘモグロビン濃度 7g/d!未 満
後天性疾患
ビタミンB12欠 乏症
葉酸欠乏症
鉄欠乏性貧血
薬 物療法を行 つていてヘモグロピン濃度 7g/dl以 上
骨髄異形成症候群
飲酒過剰
急性骨髄性白血病
再生不良性貧血
,
パルボ B19ウ イルス感染
AIDS
マラリア
肝疾患
抗腫瘍剤投与後
骨髄移植後
注)CDAの 診断は高度な判断を伴うため、一施設で決定せず、学会の中央診断委員会などで酎議した後に決
がん学会では先天性骨髄不全症例の病理中央診断(セントラ
定されるべきである。例えば日本小児血液 ・
ルレビュー)を実施しているので活用可能である。
〃― jsphojp/dseaseFommittee/aa mds html
参考 URL htt口
一
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で 定以上に該当 しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費功成の対象 とする。
4-20特
発性後天性赤芽球痛
10概ヨ
10要 件の判定に必要な事呵
1 患 者数
年間新規患者発生率 :0.3人/100万人
2 発 病の機構
1 概 要
赤芽球瘍は正球性正色素性貧血と網赤血球の著減および骨髄赤芽球の著減を特徴とする症候群であ
り、病因は多様である。赤芽球瘍の病型分類として大きく、先天性と後天性に分けられ、後天性は臨床経
過から急性と慢性に区分される。
不明(発症メカニズムとして、遺伝子異常、ウイルス、自己傷害性リンパ球あるいは特異的抗体による自
己免療機序などが推定されている。)
3 効 果的な治療方法
未確立(根治可能な治療法は確立されていない。)
4 長 期の療養
2原 因
後天性慢性赤芽球窮は病因を特定できない特発性と、基礎疾患を有する続発性に分類される。統発性に
は胸腺腫、大顆粒リンパ球性白血病や悪性リンパ腫などのリンパ系腫瘍、自己免疲疾患、薬剤性、固形腫
瘍、ウイルス感染症、ABO不 適合同種造血幹細胞移植などがある。
治療奏効例においては寛解維持療法の継続が、治療不応例においては赤血球輸血が必要)
必要〈
5 診 断基準
あり(研究班作成の診断基準あり)
6 重 症度分類
自己免疫性溶血性貧血の重症度分類を用いて Star3以 上を対象とする。ただし、薬物療法を行 っ
3症 状
ていてヘモグロビン濃度 10g/d!以上の者は対象外とする。
成人の場合、赤芽球癖と診断された時点で既に重症の貧血であることが多い。自党症状は貧血に伴う全
身倦怠感、動悸、めまいなどである。
10情 報提供劇
日本血液学会
4治 療法
末梢血液学的検査および骨髄検査により赤芽球癖と診断されたら、被疑薬は中止ないし他の薬剤に変
更する。貧血が高度で日常生活に支障を来たしているときには赤血球輸血を考慮する。赤芽球瘍と診断し
てから約1ケ月間の経過観察を行い、その期間に病因診断を行う。赤芽球務と診断してから1カ月が経過し
ても貧血が自然軽快せず、かつ基礎疾患の治療を行っても貪血が改善しない場合には、免疲抑制薬の使
用を考慮する。使用される免疫抑制薬は副腎皮質ステロイド、シクロスポリン、シクロホスファミドなどである。
免疲抑制療法の目標は赤血球輸血依存の回避である。
5予 後
特発性造血障害調査研究班による疫学調査によれば、特発性赤芽球瘍の予測 10年生存率は 95%、胸
腺腫関連赤芽球痛の予測生存期間中央値は約 12年 、大顆粒リンパ球白血病に伴う赤芽球瘍の予測 10
年生存率は 86%で ある。主な死因は感染症と臓器不全である。
104
<重 症度分類>
<診 断基準>
特発性後天性赤芽球瘍の診断基準
Stage3以上を対象とする。ただし、薬物療法を行つていてヘモグロビン濃度 10g/d:以上の者は対
1)臨 床 所 見 として 、貧 血 とその 症 状 を認 め る。易 感 染 性 や 出血 傾 向を認 め ない 。先 天 発 症 として
象外とする。
Dねmond Bhckfan貧 血があり、しばしば家族内発症と先天奇形を認める。後天性病型はすべ ての年齢に発症
する。
stage l
軽 症
薬
物療法を行わないでヘモグロビン濃度 10g/dl以 上
2)以 下の検査所見を全て認める。
stage 2
中等症
薬
物療法を行わないでヘモグロピン濃度 7∼ 10g/dl
(1)血 中ヘモグロビン濃度が 10ЮノdL未 満の貪血
stage 3
(2)網赤血球 が196未満
(3)骨髄赤芽球が 5%未 満
や
や重症
stage 4
重症
stage 5
最重症
薬 物療法を行 つていてヘモグ ロ ビン濃度 7g/dl以
上
薬 物療法を行つていてヘモグロビン濃度 7g/di未 満
薬 物療法および膊摘を行つてヘモグロビン濃度 7g/dl未 満
stage5最重症 「
薬物療法を行 つていてヘモグロビン濃度 7g/dl未満かつ鉄過剰による臓器障害あ
3)基 礎疾患による場合を除き、以下の検査所見は原則として正常である。
り」
(1)自血球数
(2)血小板数
4)1)∼ 3)によって赤芽球痛と診断し、病歴と身体所見 ・
検査所見によって先天性赤芽球痛および続発性赤芽
球痛を除外する。
※
(1)先天性(Dhmon← BLckfan貧血など)を除外できる。
(少なくとも乳幼児期には貧血の所見を認めない)
(2)薬剤性を除外できる(エリスロポエチン製剤、フェニトイン、アザチオプリン、イソニアジドなど)。
(3)ウイルス感染症(ヒトパルボウイルスB19、HⅣ などなど)を除外できる。
(4)胸腺腫を除外できる。
(5)骨髄異形成症候群 ・
造血器腫瘍を除外できる。
(6)リンパ系腫瘍(慢性リンパ性 白血痛、悪性リンパ腫など)を除外できる。
(7)他の悪性腫瘍を除外せ る。
リウマチ性疾患を除外できる。
(8)膠原病 ・
(9)妊娠を除外できる。
必
一
なお、症状の程度が上記の重症度分類等で 定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
、医療費助成の対象とする。
要な者について│ま
10要 件の判定に必要な事珂
4-21 ダ イアモンド・
プラックフアン貧血
1 患 者数
10概ヨ
―
200人
約
2 発 病の機構
1.概 要
明(原因遺伝子の同定にいたらない症例が存在する)
不
赤血球造血のみが障害される先天性の造血不全症である。骨髄は赤血球系細胞のみが著減し、末梢血
3 効
では網赤血球が減少し、大球性正色素性貧血を呈する。ほとんどが乳児期に発症し、約半数に種々の奇
未
形や発育障害がみられる。悪性腫瘍の合併もみられる。
果的な治療方法
確立(ステロイド不応性あるいは依存性症例に対する薬物療法は未確立)
期の療養
4 長
必要
2原 因
5 診
リボソームの機能障害が、貪血を引き起 こす中心的なメカニズムであると考えられている。GATAl転 写因
子の遺伝子変異 以外は、これまで見つかつているダイアモンド・
プラックファン貧血の原因となる遺伝子変
異はす べてリポソームタンパク遺伝子の 変異である。本邦では約半数にリポソームタンパク遺伝子の変異
断基準
り(研究班作成の診断基準 あ り)
あ
症度分類
6 重
上 を対象とする。
Stage 2以
が同定されている。
O情
3症 状
「
新生児期から顔色不良で発見されることが多く、1歳 までに911kが
発症する。貧血の症状としては、息切れ、
動悸 、めまい、易疲労感、頭痛がある。約 50%は種々の奇形や低身長を合併する。
4治 療法
輸血とステロイド療法が基本である。治療抵抗例では、同種骨髄移植の適応がある。
5予 後
生命予後は一般的に良好であるが、ステロィド療法および輸血依存症例が約 409/0ず
つ存在しており、そ
の副作用および合併症のために、長期にわたり悩まされ、生活の質として高いと言えない。また、ファンコニ
貧血より頻度は低 いが 、悪性疾患を合併しやすい。
報提供元
遺伝性貧血の病態解明 と診 断法の確立 に関す る研究班」
研
究代表者 弘前大学大学院医学研究科 教授 伊藤悦朗
<診 断基準>
血にみられる合併奇形
1.DiamOnd-31ackfan貧
表
Dttnし、ProbabLを対象とする。
部、顔面、口蓋
頭
遺伝性貧血の病態解明と診断法の確立に関する研究班作成の診断基準
上
肢
両
拇
眼隔離症、口蓋裂、高 口蓋、小頭症、小顎症、小耳症、耳低位、
内眼角ぜい皮、眼瞼下垂など
指骨数過多症、重複拇指、拇指低形成,平坦拇指球、合指症、
撓骨動脈欠損
A診 断基準
、泌尿器
・肺
腎
1 1才 未満発症である。
2 大 球性貧血(あるいは正球性貧血)で他の 2系の血球減少を認めない。
心
そ
3 網 状赤血球減少を認める。
神経系
低
大支持基準
1 古 典的ダイアモンド・
ブラックフアン貧血に見られた遺伝子変異を有する。
2 家 族歴を有する。
小支持基準
1 赤 血球アデノシンデアミナーゼ活性(eADA)と還元型グルタチオン(oGSH)の高値
2 古 典的ダイアモンド・
プラックフアン貧血にみられる先天奇形を有する。(表1)
3 HbFの 上昇。 .
4 他 の先天性骨髄不全症候群の証拠がない。
C鑑 別診断
´
`
以下の疾患を饉":する。
Trandont enⅢ
rOЫ
aStOpe面
a ofo‖
ldhood(TEC)、
先天性角化不全症, シュワッハマン・
ダイアモンド症候群、
先天性無巨核球性血小板減少症,ピアソン症候群
D遺 伝学的検査
1.遺 伝子の変異
RPS7,RPSプ 0,RPSプ 7,RPS79,RPS2イ :RPS26,RPS27,RPS29,RPL5,RPL′
RPL3",創 TAf
<診 断のカテゴリー>
Dttn■●:Aの 4項 目をすべて満たす。
ProbaЫ●:①から③のいずれかを満たす。
① Aの うち3項 目+Bの うち1つの大あるいは2つ小支持基準
② Aの うち2項 目+Bの うち2つの大あるいは3つの小支持基準
③ 2つの大支持基準
109
′
:RPL26′RPL27,
室中隔欠損、心房中隔欠損、大動脈縮窄、複雑心奇形
短
頸、翼状頭
先
眼
B診 断を支持する基準
臓欠損、馬蹄腎、腎低形成
心
の他
部
頚
4 赤 芽球前駆細胞の消失を伴う正形成骨髄所見を有する。
腎
身長
学
天性緑内障、斜視、先天性白内障
習障害
<重 症度分類>
4-22フ
Stage2以 上 を対象 とする。
表 2 重 症度分類 (平成 26年 度作成)
Stage l
軽
症
stage2
やや軽症
stage3
中等症
アンコニ 貧 血
10概 到
輸血非依存性で薬物療法 を必要 としない
輸血非依存性だが、ステ ロイ ド以外の藁物療法 を必要 とする
1概 要
染色体の脆弱性を背景に、1)進行性汎血球減少、2)骨髄異形成症候群や自血病への移行、3)身体奇
形、4)固形がんの合併を来すことのある血液疾患である。
ステ ロイ ド依存性
2原 因
stago 4
重
症
定
期的な赤血球輸血 を必要 とする
DNAの 修復に働く16のファンコニ貧血責任遺伝子がこれまでに同定されている。1つ を除いて常染色体
劣性 の遺伝形式をとるが、発病の機構は明らかではない。本邦では約 7096に遺伝子の変異が同定されて
注1 築 物療法とは、ステロイ ドの他サイクロスポリンなどを指す。
注2 ス テ ロィ ド依存性 とは、ヘモグロビン濃度 8.0∼ 100g/dLを 維持するのにステロイ ド
の連日あるいは隔日投与が必要なときを指す。
注3 定 期的な赤血球輸血とは、ヘモグロビン濃度 80g/dし を維持するのに 2∼ 8週 毎の輸
血が必要なときを指す。
いる。
3症 状
皮膚 の色素沈着、身体奇形、低身長、性腺機能不全を伴うが、その表場型は多様である。小児期に進行
性 の汎血球減少症を発症し、思春期から成人期にかけて骨髄異形成症候群や急性骨髄性 白血病 へ の移
行がみられることが多く、成人期に頭頚部などの発癌リスクが増加する。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続する
ことが必要な者については、医療費助成の対象 とする。
4治 療法
遣血不全、造血器腫瘍に対しては造血細胞移植が唯― 治癒を期待できる治療である。国形がんの化学
療法は困難であり、手術療法が主体となる。身体奇形は外科的手術を施行する。
5予 後
10歳までに80%以 上、40歳 までに 90%以 上の患者は、再生不良性貧血を発症する。思春期から成人期
にかけて骨髄異形成症候群や急性骨髄性 白血病 への移行がみられることが多く、20歳 を超えると頭頚部
などの発癌リスクが増加し予後不良である。
10要 件 の判定に必要な事 珂
1 患 者数
約 200人
2.発 病の機構
不明 (定まった見解がなく検討中)
3.効 果的な治療方法
未確立 (造血不全、造血器腫瘍に対しては造血細胞移植。)
4.長 期の療養
必要
5.診 断基準
あり(研究班作成の診断基準あり)
6 重 症度分類
再生不良性貧血に関しては後天性再生不良性 貧血 の重症度分類を用いて、Sta“2以 上を対象とする。
10情 報提供刑
「
フアンコニ貧血」
研究代表者 東海大学医学部基盤診療学系細胞移植再生医療科 准教授 矢部普正
く診断基準>
Fancon貧 血の診断基準
A症 状
1 汎 血球減少
国際フアンコニ貪血登録の血球減少基準 に準じ、以下の基準のいずれ かを認 める。
貧血 :ヘモグロビン 10g/d未 満
:未満
好中球数 :1,000/μ
血小板 :100000/μl未満
2 皮 膚の色素沈着
3 身 体奇形 :何 らかの身体奇形は約 30%に みられるが、多様である。
尺骨の欠損
低形成、多指症、撓骨 ・
上肢 :親 指の欠損 ・
下肢 :つ ま先合指、かかとの異常、股関節脱日
・
骨格系 :1ヽ頭症、小額症、三分脊椎、側湾症、肋骨の変形 欠損
性腺 :男 性 :性器形成不全症、停留睾丸、尿道下裂、小陰茎
女性 :性器形成不全症、双角子宮、月経異常
眼 :1ヽ眼球、斜視、乱視、白内障
耳 :難 聴、外耳道閉鎖、形態異常、中耳の異常
腎 :低 形成、欠損、馬蹄腎、水腎症
消化管 :食 道閉鎖、十二指腸聞鎖、鎖肛、気管食道痙
心 :動 脈管開存、心室中隔欠損等種 々の先天性心奇形
4 低 身長 :半 数以上は年齢相応身長の-2SD以 下である。
5.性 腺機能不全
B検 査所見
1 染 色体不安定性(染色体脆弱)を示し、マイトマイシンCな どの DNA鎖 間架橋薬剤で処理をすると、業色体
の断裂の増強やラジアル構造を持つ特徴的な染色体が観察される。
C鑑 別診断
以下の疾患を鑑別する。
D hmond症 候群、ピアソン症候群、色素性乾皮症、毛細血管拡張性運動失
先天性角化不全症、Schwachman―
ー
ー
ヘ
調症、ブル ム症候群、ナイミ ン症候群
D遺 伝学的検査
1.ファンコニ貧血遺伝子の変異(現時点で DNAの 修復に働く以下の 16のファンコニ貧血責任遺伝子が報告さ
れている)
融 rvc4,MⅣca風 Ⅳθc ttNCD/ω К A22′ИⅣCa2融 憑 、融 緩 、風 ⅣθQ FANC■,FИNC」6gttPa
χa“ NOo 6κ θ秒
MA10ι ttNCM,MNCNの 4い 、躍 N00 σИD5プの MⅣ ″ `Sι
く診断のカテゴリー >
<重 症度分類>
確定例 :以下のいずれかを満たす場合を確定例とする。
2 以上を対象とする。
再生不良性貧血に関しては後天性再生不良性貧血の重症度分類を用いて評価し、Stag●
(1)Bと G,を満たし、Aの 1項 目以上を満たす場合。
(2)Aの 1項 目以上を満たし、触 JVc3を除くDの いずれかをホモ接合体で証明、あるいは ,犠 rcBの 場合は男
性でヘテロ接合体を証明された場合。
stago l
軽
stage 2
中 等症
症
下 記以外
以 下の2項 目以上を満たす
網赤血球 6Q000/μ !未満
stage 3
好中球
:,000/μ l未満
血′
卜板
50,000/μl未満
やや重症 以 下の2項 目以上を満たし、定期的な赤血球輸血を必要とする
網赤血球 60,000/μ!未満
stz9e 4
重
症
好中球
1,000/μ l未満
血小板
l未満
50,C100/μ
以下の2項 目以上を満たす
網赤血球 20,000/μ l未満
好中球
血4ヽ
板
staga 5
最重症
500/μ
l未満
20,000/μ l未満
好中球 200/μl未満に加えて、以下 の1項 目以上を満たす
網赤血球 20,000/μ l未満
血小板
20,000/μ l未満
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療 を継続す ることが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
4-23遺
10要 件の判定に必要な事 珂
伝性鉄芽球性貧血
1 患
者数
100人未満
10概 劇
2.発 病の機構
不明(原因遺伝子が同定されているものもある)
1 概 要
骨髄において、核の周囲に環状に鉄が沈着 した赤芽球 (環状鉄芽球)の 出現を認める遺伝性貧血で
ある。骨髄異形成症候群に代表される後天性鉄芽球性貧血との鑑別を必要とする。本邦においては赤
3 効
症
る
す
[8■
撃
│:書
:2:怠
:FfttFttξ
Xξ
ゴ
漂
避
層
避
≦
修
T爵、
1駈
言
量
傷
ま
具
麦
湯
未
果的な治療方法
確立(長期にわたり輸血が必要となる)
4 ]菫
の
療
養
5 診 断基準
2 原 因
赤血球 における鉄代謝 ・ヘム合成にかかわ る遺伝子の異常によ り鉄の利用が障害 され、 ミ トコン
ドリアに鉄が沈着 し発症する。 これまでに複数の種類の遺伝子変異が報告 されている。
あ
6 重
り(研究班作成の診断基準あり)
症度分類
Stage3以上 を対象とする。ただ し、薬物療法 を行 つていてヘモグ ロビン濃度 10g/dl以上の者は対
象外 とす る。
3 症 状
主たる症状は、顔色不良、息切れ、動悸、めまい、易疲労感、頭痛な どの貧血症状である。原因
?畠
習
嘗
電
I雰
[禁
監
甚
fサ
恵
、
T言
雰
喜
:瞥
鷲
験
嵯
樺
警
背
管
ア
凛
為
驚
品
喜
凛
鱈
氣
鷲
L暫
騨
塚
撃
彎
場合、心臓 ・肝臓 ・内分泌器官の機能障害が認められる。
4.治 療法
、
赤血球型ア ミノレプリン酸合成酵素の変異による X連 鎖性鉄芽球性貧血の場合は、本酵素の補酵
〉
れるが、それ外の患者に
素であるビタミン B6の 投与により、半数以上の症例で貧血の改善が認めら
対する治療法はない。世界的には数例で造血幹細胞移植が行われている。
5予 後
ビタミン36が 有効でない重症患者は、長期にわたり輸血が必要となるため、予後は不良である。
研
D電
の
立
に
研
究
と
す
る
班
」
Pの
診
断
法
確
関
病
態
解
明
当
番
罰
讐
究分担者 東北大学医学系研究科 教授 張替秀郎
<診 断基準>
<重 症度分類>
Dttnte、
ProbaЫ
oを対象とする。
Stage3以上を対象とする。ただし、薬物療法を行つていてヘモグロビン濃度 10g/dl以上の者は対象外と
遺伝性食血の病態解明と診断法の確立に関する研究班の診断基準
する。
A症 状
1貧 血(男性 Hb(13ノJ、女性 Hbく
12g/d)
2.神 経 ・
筋症状(一部の患者)
stage l
軽 症
薬
物療法を行わないでヘモグロビン濃度 10g/di以 上
3膵 外分泌障害(一部の患者)
stage 2
中等症
築
物療法を行わないでヘモグロビン濃度 7∼ 10g/dl
4肝 障害(一部の患者)
stage 3
やや重症
5心 機能障害(一部の患者)
stage 4
重 症
薬 物療法を行つていてヘモグロビン濃度 7g/dl以 上
薬
物療法を行つていてヘモグロビン濃度 7g/dl未 満
B検 査所見
1貧 血 (男性 Hb〈13ノd、女性 Hbく12ydl)
2骨 髄にて鉄芽球の出現 (15%以上)
3血 清鉄の上昇、UIBCの 低下、血清フェリチンの上 昇
C鑑 別診断
以下の疾患を鑑別する。
骨髄異形成症候群、二次性鉄芽球性貧血 (薬剤性、アルコール性など)、他の先天性貧血 (サラセミアなど)
D遺 伝学的検査
1.遺 伝子の変異
ハMS2、 SLC2“ 38、Pυ Sf、 ハBC87、 GLRX5、 SLCf9/12、PυSf,ミ トコンドリア DNA
Doflnito:Bの
3項 目を全て満たし、Dの いずれかの異常を認める場合
PrObaЫ
o小 児期に発症し、Bの 3項 目を全て満たし、Cの 鑑別する疾患を除外し、家族歴を有する場合
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
4-24エ
10要件の判定に必要な事¬
プスタイン症候群
1 患 者数
10概ヨ
200名
約
2 発 病の機構
1 概 要
エプスタイン症候群は、MYH9遺 伝子の異常による先天異常症候群 のひとつで、巨大血小板性血小板減
3 効
少症、顆粒球封 入体 、進行性腎炎(巣状糸球体硬化症)、感音性難聴 、白内障をともなう常染色体優性遺
伝疾患である。
・
明済み (MYH9遺 伝子の異常による)
解
未
果的な治療方法
確立(対症療法のみ :アンギ着 ンシン受容体拮抗薬)
期の療養
4 長
必要 (対象療法のみであるため)
2原 因
断基準
5 診
ヘテロ接合性変異により発症する。
MYH9遺 伝子 (22q13.1)の
り
あ
6.重 症度分類
3症 状
・
ー
小板減少は 「Pの 重症度分類で Stage I以上、聴覚は高度難聴以上、腎は CKD重 症度分類ヒ トマ
血
軽度の出血症状。進行性の糸球体腎炎と高音域の感青性難聴。自内障はまれにみられる。
4、治療法
対症療法である。重篤な出血や手術には血小板輸血を考慮する。腎炎にはアンギオテンシン阻害が有効
であるが、その発症をどこまで阻上できるかは以前不明である。腎炎についてはより有効な薬物適応、開
ツ
プが赤の部分のいずれかを満たす場合を対象とする。
10情 報提供劇
「
研究班(H24-難治争 一般-041)
泌尿器系の希少・
難治性疾患群に関する調査」
腎・
一
研究代表者 神戸大学大学院医学研究科内科系講座小児科学分野 教授 飯 島 誠
発が望まれる。難聴に対しては人工内耳の適応がある。
5、予後
血小板減少は生涯不変であるが、腎機能障害(巣状糸球体硬化症)は進行性であり、学童期以降に出現
することがあるため定期的経過観察が必要である。MYH9遺 伝子異常部位と腎機能障害の進展速度には
明らかなには相関がある。
122
<診 断基準>
A症 状
<童 症度分類>
血小板減少は 「Pの 重症度分類で Sta“Ⅱ以上 、聴覚は高度難聴以上、腎は CKD重 症度分類ヒー トマップが
1 巨 大血小板性血小板症
赤の部分のいずれかを満たす場合を対象とする。
2.進 行性腎障害 (FSGS)
3.感 音性難聴
(血小板)
4 自 内障
特発性血小板減少性紫斑病重症度基準
臨
注 : 巨大血小板性血小板減少症は生下から認められるが、2,3に 関しては 5歳 以降に発症する。
血小板数
B検 査所見
( x 1 0 4 / μ2 )
MYH9遺
2≦ <5
伝子 R702変 異、S96変 異
<2
伝子 Rl165変 異、D1424変 異、E1841K変 異、エクソン24変 異
膜出血曖
重症出血"
*1皮 下出血:点状出血、紫斑、斑状出血
Ⅲ2粘 膜出血:歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多など
*3重 症出血:生命を脅かす危険のある脳出血や重症消化管出血など
<診 断のカテゴリー >
D●6n■o:Aの 1及 びBの 2項 目を全て満たすもの
聴覚
0正 常
25dBjヽ満
1軽 度難聴 25dB以
上40dB未 満
2中 等度難聴 40dB以 上70dB未 満
3高 度難聴 70dB以
上9odB未 満
4重 度難聴 90dB以
上
1000 Hz、
2 000H2の平均値で、聞 こえが良い耳 (良聴耳)の値で判断
※500 Hz、
123
Ⅳ V V
中等症 Epsteh症 候群
MYH9遺
状
I Ⅳ Ⅳ
最重症型 Epstoh症 候群
症
皮下出血“ 粘
I Ⅲ Ⅳ
5≦ <10
I I Ⅲ
1 末 梢血塗抹標本染色 (myosh ilA蛋白)
2 遺 伝子解析(MYH9遺 伝子)
無 症 状
床
4 ‐ 2 5 後 天性 自己免疫性出血病 X I I 1 / 1 3
CKD重 症度分類 ヒー トマップ
董 自尿区分
Al
尿ヨ自定量
(g/日)
尿ヨ自/Cr比
(g/gCr)
A2
A3
10概ヨ
1概 要
正常
軽度董自尿
高度董 自尿
一
後天性自已免疲性出血(血友)病 XI1/13は、血が固まる(凝固)ために必要なタンパク質の つである凝
固第 Xl1/13因子が、生まれつきではない(遺伝ではない)理由で著しく少なくなるため、血を止める(止mlた
めの血の回まり(止血栓)が弱くなつて簡単に壊れやすくなり、自然にあるいは軽い打撲などできえ重い出血
0.15未 油
0.15∼ 0.49
0.50以 上
をする病気である。
Gl
正常または高
値
≧90
緑
黄
オレンジ
G2
正常または軽
度低下
60∼ 89
緑
黄
オ レンジ
軽鷹ん中等度
低下
45∼ 59
黄
オレンジ
赤
中等鷹 ∼高度
低下
30∼ 44
オレンジ
赤
赤
G4
高度低下
15∼ 29
赤
赤
赤
rなどの凝固時間〉
の値はあまり異常ではないのにも拘ら
血の日まる速さを調べる一般的な検査(PT、aPT‐
皮膚の出血が多いが、身体のどの部位にでも出血する
ず、突然出血する。体の軟らかい部分である筋肉・
G5
末期胃不全
(ESKD)
く15
赤
赤
赤
可能性がある。急に大量に出血するので貧血になり、ショック状態を起こすこともある。
出血する部位によつて様々な症状が合わさつて起こる(合併症)可能性がある。特に脳を含む頭蓋内の出
GFR区 分
G3a
(mL/分
/1.73 nl)
G3b
2.原 因
自分の凝固第Xm/13因 子に結び付く抗体(自己抗体)が作られて第 X]1/13因子が働かなくなること(インヒ
ビター)や、第 Xm/13因 子とその自己抗体が合体したもの(免疫複合体)が迅速に除去されるために第
X:I1/13因
子が失われることが、出血の原因となる場合が多いと推測される。何故、自己抗体ができるかは
不明である。
3症 状
血では脳神経系に、心臓や肺がある胸腔内の出血では循環系に重い障害を起こし、致命的となる場合も
ある。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
4治 療法
2原 因」
に書いた自
出血を止めるために濃縮第 XI1/13因子製剤を注射することが必要である。ただし、「
ー
XⅢ
く
ので、
/13因子が著し
早く
効かなく
注射し
た第
や免疲複合体除去克進がある
ンヒ
ビタ
己抗体によるイ
薬)を注射し
なるため、それだけで出血を止めることは難しい。したがって、さらに免疫を弱める薬(免疫IIp制
て自己抗体を作らせないようにする必要がある。
5予 後
出血死後に検体が届いて確定診断される例が約1割、急性期に出血死する例が約1割、年余にわたり遷
延して出血死する例が約1割 、遅延して長期療養中の症例が約 2割 、発症後1年未満で治療中の症例が
約 2割 、寛解中の症例が約 3割 である。
│
・ 見
『
1某
満
1
2 発
1
不
と
対
す
&
にProbableを
象
Dず
病の機構
/13(AHXШ
/13)の診断基準
天性自己免疫性出血病 XIⅡ
後
明(自己免疫寛容機構の破綻が推定されるが解明されていない。)
3.効 果的な治療方法
以
未確立(対症療法や免疫抑制薬を用いるが十分に確立されていない。)
イ
4 長 期の療養
●
主 に高齢者において最近発症した出血症状
必要(根治せず、寛解と再燃を繰り返す。)
●
5.診 断基準
ブユニット抗体、FXII1/13
下の項目に合う全ての症例で、抗 FXⅢ/13-Aサブユニット抗体、抗 F刈I1/13-Bサ
ンヒビターを検査する。
乏症の家族歴が無い
先 天惚 遺伝性 FXl:/13欠
0 と
あり(研究班作成の診断基準あり)
くに過去の上血負荷(手術や外傷等)に関係した出血症状の既往歴が無い
●
6 重 症度分類
抗 凝固薬や抗血小板薬などの過剰投与が無い
査上,FXⅢ/13に関するパラメーターの異常(通常活性、抗原量が 5儡以下)がある
o 検
過去 1年 間に重症出血を1回 以上起こした例を重症例とし、対象とする。
O鑑 別診断
10情 報提供月
「
診断困難な(原因不明の)出血性後天性凝固異常症の総合的診療指針の作成」
以
下の疾患を鑑別する。
遺
obrand症候群など
伝性 FXlH/13欠乏症、出血性二次性 FXⅢ/13欠 乏症、後天性血友病 A、後天性 von w‖
研究代表者 山形大学医学部 ・ 教授 ・―瀬白帝
O診 断のカテゴリー
Defnite:
抗 FXⅢ/13Aサ ブユニット抗体、抗 FXl1/13-Bサブユニット抗体が陽性 +鑑 別診断が可能なもの
、
E標
準的なアンモニア放出法やアミン取り込み法などによる正常血漿との交差混合試験(37度 Cで 2時 間加温後)
などの機能的検査で陽性]
PrObablo:
FXll1/13イ
ンヒビター陽性 +鑑 別診断が可能なもの
イムノクロマト法などの免疲学的検査で陽性)
(イムノプロット法、ELISA、
く参考 >
A症 状
AHXΠ1/13の臨床症状は,多発性の皮膚 ・
粘膜出血から致死性の体腔内出血に至るまで多彩である 症例
こ対する中和性 自己抗体′活
は,多様な合併する病態や病因機構 (例えば,活性型第 XI1/13因子[FXlν13〕
性化の阻害.FXⅢ/13-Aサ ブユニット,FXШ/13-Bサ ブユニットに結合性の自己抗体による除去克進等)を反
映して,様 々な重症度の出血症状を突然発症する
ヒ委員会の出血評価票 2010年版 (BLedng Assessmont Tod
簡略版国際血栓止血学会/科学および標準イ
ver.2010)の
ような標準化出血質問票は,AHXII1/13症
例における上述したような多様な出血症状の正確旦つ
客観的な評価 に有用であろう また,重症度分類も同時に判定して,重症例を見逃さないように努めるべきで
ある
症例の半数は特発/本 態性と報告されているが,全例で基礎疾患の検索を実施するべきである
128
│
B検 査所見
(1)一般凝固検査
出血時間 ― 殆どの症例では正常だが,基礎疾患によっては延長していることがある.
PTと aP百 ¨ 殆どの症例では正常だが,先行する出血による失血量や基礎疾患によつては延長していること
がある.
血小板数 ― 殆どの症例では正常だが,先行する出血による失血量や基礎疾患によつては減少していることが
or(α2 PI)(血
aSmh hhbた
漿 α2 PIから血清α2 PIを減じる):FXl1/13活性が正常の 50%以
(3)架橋 α2 口
下に低下すると,架橋 α「PI量 と比率も低下する ただし,AHXI1/13に特異的な検査所見ではない
乏症の可能性を除外するの
4)血小板内 FX[ν13量 :正常量が検出されるので,先天性/遺 伝性 FXll1/13欠
く
に有用である
AHXI1/13を伴う基礎疾患の検索を実施することは不可欠である
ある
C遺 伝学的検査く
ただし、疾患との相関は不明)
1第 XlЦ
/13因子 Aサ ブユニツト遺伝子の変異/多 型性
(2)特異的凝固検査
2第 Xm/13因子 Bサ ブユニット遺伝子の変異/多 型性
FI例,例えば,抗 FX11/13-Bサ
FXII1/13活
性,FX:1/13抗原■ ― 通常′両者とも低下している ただし,一部の・
ブユニット自己抗体が原因の症例では,病歴全体での時期や FXE1/13製剤による治療によって両者とも正常範
3免 疫関連遺伝子の変異/多 型性
独の高度の低下はAHXⅢ/13を疑い,他の複数の凝固因子の低下を伴つて
囲に近くなることがある FXII1/13単
乏症であることが多い
軽度∼中等度に低下する場合は DIC.重度の肝障害などによる二次性 FXIl1/13欠
FX田/13比活性 ― 抗 FXll1/13-Aサ
ブユニット自己抗体が原因の殆どの症例では低下しているが,抗
FXШ/13-Bサブユニット自己抗体が原因の症例では正常である
FXIl1/13-Aサ
ブユニット,FXI1/13-Bサブユニット,FXШ/13■2B2抗原量 ― 抗 FXШ/13自己抗体のタイプ/性
状によつて,様 々な程度まで低下している
(3)確定診断的検査
,
FXI1/13インヒビターの機能的検査 ― これはアミン取込み法やアンモニア放出法などを用いた滉合検査法で
酵素活性を阻害する抗体のみを検出す
実施されるが,両者ともFXI1/13活性化や活性型関 l1/13(FXII1/13o)の
るので,注意が必要である.FXⅢ/13インヒビターを検出するスクリーニング法としては,症例の血漿と健常対熙
の血漿を用いた 1:1交差混合試験が一般的である.5段 階希釈混合試験も,FXI1/13低下が「
インヒビター型Jで
であるかを区別するのに有用である FVIn/8インヒビターの Bethesda単位のように,症例
因子欠乏型」
あるか「
の検体を段階的希釈して健常対照の検体と混合し,残存活性を測定することにより,FXE1/13インヒビターのカ
価を決定することも可能である
、
抗 FXm/13自 己抗体の免疫学的検査 ― 必ずしも全ての AHXl1/13症例の原因が中和型/阻害型抗 FXШ/13
自己抗体の産生ではないので,抗体の検出検査の実施は必須である.非中和型/非阻害型抗 FXⅢ/13自己抗
体は,EttSAが原理の方法や,イムノ/ドットプロットアッセイ,イムノクロマトグラフィ法等を用いた抗原抗体結合
乏症に偶然合併した,無害なFXII1/13結
合抗体もあ
検査法で検出されている 理論的には,二次性 FXII1/13欠
り得るが,その場合は基礎疾患の治療により,出血症状も消失する
附.治 療試験/追加検査
(1)FXll1/13製
剤投与試験 :AHX11/13の診断を,治療試験である程度明らかに‐ ることがある:AHXE1/13
の病因や抗体の性状によつては,(回収率や半減期を測定することによつて)FXl1/13を含有する濃縮血液製
剤の投与の後除去の先進が確認される これは,次回からの FXⅢ/13製 剤の投与量や投与間隔等の上血治
療計画を立てる上でも有用である
(2)フ
ィプリンγ 鎖,α 鎖の架橋結合反応:即ち,γ 鎖二量体化,α 鎖多量体化は,それぞれ通常著しく運
延しているか欠如している.
<重 症度分類>
4-26手
過去 1年間に重症出血の(1)∼(4)のいずれかを1回以上起こした例を重症例とし、対象とする。
1 重 症 出血 :
(1)致命 的 な出血
(2)重要 部位,重 要臓 器の出血 (例えば,頭 蓋内.脊 髄内.限 球 内 気 管.胸 腔 内 ,腹 腔 内.後 腹膜 .関 節
内,心 曇 内, コ ンパ ー トメ ン ト症候群 を伴 う筋 肉内出血等 )
(3)Hb値 8ノdL以 下 の 貧血 ,あ るい は 2g/dL以 上の急速 な Hb値 低下 を もた らす出血
(4)24時 間内に 2単 位 以上 の全血 あ るいは赤 血球輸血 を必要 とす る出血
・
2 軽 症 出血 :
・・
上記以外 の全 ての出血
摯:日
本語版簡略版出血評価票(JBAT)も参考にすることを推奨
・・,多
発性および有痛性の出血は,重 症に準じて止血治療を考慮すべ き
L 幼児 巨大肝 血 管腫
10概 到
1 概 要
肝血管腫は小児でもつとも頻度の高い肝腫瘍で、組織学的に血管内皮が腫瘍性に増殖した病変と、血管
形成異常の二種類の疾患群を包含すると考えられている。多くの肝血管腫は無症候性だが、新生児、乳幼
児にみられる一部の巨大な、あるいは多発性の肝血管腫は、高拍出性心不全や凝固異常、腫瘍内出血に
よるショックなどの重篤な病態を呈し、致死的経過をとる。このため近年、これらの低年齢児の難治性肝血
管腫を独立した臨床群と考える概念が海外で提唱された。平成 22年度からの厚生労働省難治性疾患克服
研究事業の調査では,本邦における新規発症例数は年間5∼ 10例 程度と推定され、明らかな男女差はな
い。多くは乳児期早期までに診断され、出生前診断例も増えている。単発性では径 00mrn以上、あるいは
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一 定以上に該当 しない者であるが、高額な医療 を継続す る
ことが必 要な者につい ては、医療費助成 の対象 とす る。
多発性の症例がしばしば症状を呈しており、呼吸循環障害、凝固障害を呈するものは重症で高リスクとさ
れる。一般的な血管腫に対する治療としてステロイドなどの築物療法、放射線照射、血管塞栓、外科手術
などが行われるが、低年齢児の難治性肝血管腫の病態は危急的であり、治療は未確立である。乳幼児期
以降に、先天性 ・
後天性の肝内門脈肝静脈シャントの流量増大から、肝硬変症、肝機能低下が進行し、肝
不全に陥る症例のあることが明らかにされており、致死的な急性期症状と慢性期の病態の双方が問題とな
っている。慢性期の病態に対しては肝移植以外に根治的な治療法がない。
2原 因
本症の病因は確定されてはいない。組織学的には血管内皮細胞の腫瘍性増殖、血管奇形のほか、その
双方の因子をもった症例もみられている。
3.症状
Morrltt症
候群)などで、
代表的な症状は、肝腫大、腹部膨満、呼吸障害、心不全、凝固障害(Kasabach―
3C140%の症例で見られる。血管床増大から、循環系負荷による高拍出性心不全や、微小血管内の凝固
血小板消費による凝固障害、血小板数減少、さらに頭蓋内出血や腹腔内出血による出血性ショック
因子 ・
など致死的病態を併発する。肝腫大による横隔膜の圧迫や静脈還流阻寄により呼吸循環障害を呈する。
そのほか甲状腺機能低下症、発育障害、腎不全、貧血、肝機能障害、高ガラクトース血症や高アンモニア
血症などの症状 ・
徴候がみられることもある。皮膚血管腫を合併する症例もみられる。出生前の症例では
胎児水腫から子宮内胎児死亡となることもある。治療に反応せずに血小板数が 10万/mm3以 下に低下す
るか、あるいはプロトロンビン時間が 20秒以上に延長している症例は高リスクとされる。
慢性期には、先天性門脈大循環シヤント症例と類似の、進行性肝不全症状、門脈異常の症状を呈する。
4治 療法
ステロイド療法、プロプラノロール療法、抗がん剤投与、血管腫塞栓療法、放射線照射、外科手術、肝移
植などが行われる。肝切除、肝動脈結紫などの外科手術のほか慢性期に肝移植も行われる。
ステロイド療法が第一選択とされるが、本邦の調査では約 20%の 症例では明らかな効果は認められず、
半数以上の症例ではステロイド療法単独で病態の制御は出来なかった。近年、β―プロツカーのプロプラノ
ロールの効果が報告され、使用頻度が増している。抗がん剤ではビンクリステンや、アクチノマイシン、サイ
<診 断基準>
クロフォスファミドを組み合わせて使用して有効であつたとする報告がみられる。そのほか塞栓療法や外科
oを 対象とする。
Do■nit、ProbaЫ
的治療も有効と考えられる。また慢性期の肝不全に対して肝移植も行われる。
このように様々な治療が報告されているが、治療抵抗性の症例に対する治療は確立されていない。
5.予 後
O乳
後 1歳未満より肝実質内を占拠する有症状性の血管性病変であり、以下の A∼C項 に該当する
生
`
幼児巨大血管腫の診断基準
平成 22-23年度の本邦の調査では、過去5年 間に生後1歳未満で治療を要した肝血管腫 19例 のうち3
例 (15,7%)が死亡していた。これらには子宮内胎児死亡となった症例は含まれず、それを含めると死亡率
はさらに高い可能性がある。早L幼児期を薬物療法などで乗り切ると症状が安定して投薬も不要になる症例
がみられる一方、乳幼児期以降の慢性期肝不全症例 1例は肝移植を要した。
A生
1 肝
後1歳未満の画像検査所見(以下に挙げるいずれかを認める)
内に単発で径 60mm以 上の血管性病変
内右外側、右内側、左内側、左外側の 4区 域のうち 2区 域以上にまたがつて連続性に及ぶびまん性、
2 肝
多発性の血管性病変
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
100人未満
2 発 病の機構
徴候 (以下に挙げる症状、徴候のうち一つ以上を呈する)
状・
B症
1 呼
吸異常
2 循
環障害
不明(血管内皮の腫瘍性増殖、血管形成異常の間与が推定されている)
固異常
3 凝
小板減少
3、効果的な治療方法
4 血
未確立(一部の症例に対してはステロイド療法、プロプラノロール療法が有効。放射線学的手技による血
管閉塞術、外科的切除なども試みられる。慢性期には肝移植が遭応される。)
4 長 期の療養
5 腎
6.肝
不全
腫大
状腺機能低下症
7 甲
必要(慢性進行性に肝機能低下が顕著となる症例があり、これらは長期の療養を要する)
8 体
重増加不良
5 診 断基準
あり(日本小児外科学会承認の診断基準あり)
6 重 症度分類
診となる症状
ガラクトース血症
C疑
1 高
肝血管腫重症度分類を用いて、中等症以上を対象とする。
2 高
アンモニア血症
3.皮 膚血管腫
10情 報提供珂
「
小児期からの消化器系希少難治性疾患群の包格的調査研究とシームレスなガイドライン作成研究班」
児外科 教授 田口 智章
研究代表者 九州大学 4ヽ
「
幼児難治性肝血管腫研究班」
亭し
児外科 教 授 黒 団 連夫
研究代表者 慶應義塾大学 Jヽ
D鑑 別診断
下の疾患を鑑別する。
以
肝
芽腫など肝原発の悪性腫瘍は除 く
上記の基準に満たない肝内の単発性、多発性の無症候性の血管性病変は含まない
<診 断のカテゴリー>
Deinte:Aのうち1項 目以上+Bの うち 1項 目以上を満たしDの 鑑別すべき疾患を除外したもの
●:Aのうち 1項 目以上+Cの うち 1項 目以上を満たしDの 鑑別すべき疾患を除外したもの
ProbaЫ
<重 症度分類>
Ⅱ
4-27ク
肝血管腫重症度分類を用いて、中等症以上を対象とする。
ロンカイト・
カナダ症 候群
10概到
新生児 ・
乳児難治性肝血管腫
重症度分類案
・重症 :生命 の危 険が差 し迫っているもの
凝固異 常 (PT20秒 以上)
血小板減少 (血小板数く10万/mm3)
Steroid投与に対してPT活 性、血小板数の 低下が
改善 しないもの
・中等症 :放置すれ ば生命の危 険があるもの
下に上 げるうち一 つ以上の徴候がみられ るもの
心機能低下
呼吸障害
肝不全微候
・
軽症 :上記 以外
1概 要
c anada)症候群は、消化管(特に胃 ・
カナダ(CrOnkhte―
大腸】こ多数の非腫瘍性ポリープが
クロンカイト・
爪甲萎縮 ・
皮膚色素沈着)を伴う特徴がある。消化吸収不
発生する非遺伝性疾患である。皮膚症状(脱毛 ・
良や蛋白漏出性 胃腸症を高率に伴う。中高年の男性に多い。世界的に希少な疾患であるが、本部での報
告は比較的多い。
2原 因
原因は不明であるが、強いストレスの後に発症することがある。
3症 状
下痢 ・
食欲低下などの消化器症状を呈する。爪の姜縮、全身の脱毛、皮膚色素沈着、味覚異常も
腹痛 ・
認めることがある。また、蛋白漏出性胃腸症を合併し、栄養不良を呈する。まれに消化管癌の合併も報告さ
れている。
4治 療法
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
副腎皮質ステロイド薬が有効である。蛋白漏出のため低栄養を伴うことが多く、中心静脈栄養を併用す
る。
5予 後
治療が奏効するとポリープは消退する。まれに癌化例が報告されている。
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
約 500人
2.発 病の機構
不明(強いストレスが発症のきつかけになることがある)
3 効 果的な治療方法
未確立 (副腎皮質ステロイド薬が主に用いられる)
4.長 期の療養
必要(ポリポーシスの改善には長期間を要する)
5 診 断基準
あり(研究班作成 の診断基準あり)
6 重 症度分類
アルブミン値 30g/dl以
診断基準 >
く
重症例を対象とする。
定診断例を対象とする。
確
下の低アルブミン血症を重症とする。
―Canada症 候群の診断基準
Cronkh化●
10情 報提供劇
「
腸管希少難病群 の度学、病態、診断、治療の相同性と相違性から見た包括的研究班J
研究代表者 Jヒ里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター 教 授 日比 紀文
要所見
主
ー
・
ー
腸管の多発性非腫瘍性ポリポ シスがみられる。とくに胃 大腸のポリポ シスがみられ 、非遺伝性 であ
1 冒
る。
2慢 性下痢を主微とする消化器症状がみられる。
3特 徴的皮膚症状 (Trhd)がみられる。
脱毛、爪甲萎縮、皮膚色素沈着
参考所見
4蛋 白漏出をともなう低蛋白血症 (低 Jb血 症)が見られる。
栄養障害がみられる。
5味 覚障害あるいは体重減少 ・
管の無茎性びまん性のポリポーシスを特徴とする
6内 視鏡的特徴 :消 1ヒ
胃では粘膜浮腫をともなう境界不鮮明な隆起
大腸ではイチゴ状の境界鮮明なポリープ様隆起
le■
k●po,ps):粘 膜固有層を主座に、腺の嚢状拡張 、粘膜 の
7 組 織学的特徴 :hamartomatous pdyps CuVe面
浮腫と炎症細胞漫酒をともなう炎症像。介在粘膜 にも炎症/浮腫を認める。
O主
要所見のうち1は 診断に必須である。
O主
要所見 の3つ が揃えば確定診断とする(1+2+3)。
01を
含む主要所見が2つ あり、4あ るいは6+7が あれば確定診断とする。(1+2+4)(1+3+4)(1+2+
6+7)(1+3+4+6+7)。
01が
あり、上記以外の組み合わせで主要所見 や参考所見のうちいくつかの項 目が見られた場合 は疑診とす
る。
│
1
く
重
重症度分類>
4-28 ウ ィリ
レソン病
症例を対象とする。
│
│
│
10概
・
到
アルブミン値 3.Og/dl以 下の低アルブミン血症を重症とする。
1 概
1
2原
因
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
1
要
ィルソン病は常染色体劣性遺伝で遺伝する胆汁中への銅排泄障害による先天性銅過剰症である。
ウ
必
要な者については、医療費助成の対象 とする。
こ
ス
IP刀 遺伝子の変臭により銅の胆汁中への排泄が阻害され全身臓器に銅が沈着して組織障害を引き起
す。
3症 状
銅 の組織沈着 により肝機能障害、様 々な神経症状、精神症状、腎障害等全身の臓器障害をきたしうる。
4治 療法
D―ペニシラミン、トリエンチンや酢酸亜鉛の内服を生涯続ける。肝不全となつた場合は肝移植の対象とな
る。
5予 後
早期に診断され、適切な治療を続けた場合は予後良好なことが多い。治療の中断は致死的である。
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
約 3000人
2 発 病の機構
未解明(スIP″ の遺伝子変異)
3 効 果的な治療方法
生涯の治療が必要である。)
未確立〈
4 長 期の療養
必要(生涯にわたる治療が必要である。)
5 診 断基準
あり(欧州肝臓病学会承認の診断基準あり)
6 重 症度分類
1)∼3)のいずれかを満たす場合を対象とする。
1〉 肝障害 を認め る場合
2)神経障害等を認める場合
3)腎機能障害を認める場合
10情 報提供元│
「日本肝臓学会J
<診
ウ
断基準>
イルソン病の診断基準(欧州肝臓病学会)
研究代表者 産業医科大学 (教授)原 田 大
A症 状
l Kayse‐日dsher角膜輸 2点
2 精 神神経症状 軽症 1点 、重症 2点
B検 査所見
1 血 清セルロプラスミン 0.lg/L以下 2点 、01-02g/Ll点
2 ク ームス陰性溶血性貧血 1点
g/日以上 2点
3 尿 中銅排泄量 4)80 μg/日 1点 、40-30 μ
4 肝 銅含量 50 μ
g/乾肝重量 1点 、250旧 /乾肝重量以上 2点
g-250 μ
5 精 神神経症状 がない場合に頭部 MRIで 銅沈着 の所見 1点
C鑑 別診断
以下の疾患を鑑別する。
全ての肝疾患や精神疾患等
D遺 伝学的検査
1ス Pお 遺伝子の変異 ひとつの 染色体 1点 、両方 の染色体 4点
<診 断のカテゴリー >
Do■nh:上 記 の点数の合計が 4以 上
lo:上記の点数の合計が 3以 上
Possわ
│
│
<重
症度分類 >
t
中
以下1)∼3)のいずれかを満たす場合を対象とするL
等度から■度の障害 :
歩行や身体的要求には介助が必要である
│
L
l)肝 障害 を認 める場合、Child―
Pugh分
類を用いて、B、Cを対象とする
菫
度の障害 :
通常歩行、食事、身だしなみの4L持、トイレなどには介助を必要
とするが、持機的な介IEは12・
い状態である
要としよ
常に推かの介助を必要とする状態である。
寝たなり、失禁状態、常に介霞 と見守りを必要とする
6_
死 亡
Child―Pugh′)美頁
ポイン ト
1点
2点
3点
日本lM卒中学会版
項目
脳症
ない
腹水
ない
少量
中等量
血清 ビリル ビン値 (mg/d!)
20未 満
2 0 ∼3 0
30超
血清アルプミン値 (ydl)
35超
28∼ 35
23未
プロ トロン ピン活性値 (%)
70超
40-70
40未 満
軽度
ときどき昏睡
栄養 ( N )
食事 ・
満
0症 候なし。
1 時 にむせる、食事動作がぎこちないなどの症候があるが、社会生活 ・日常生活に支障ない。
2食 物形態の工夫や、食事時の道具の工夫を必要とする。
3食 事 ・
栄養摂取に何らかの介助を要する。
分類
点数
A
5∼6点
B
7∼ 9点
C
10∼15点
.
4補 助的な非経 目的栄養摂取 (経管栄養、中心静脈栄養など)を必要とする。
5全 面的に非経 目的栄養摂取に依存している。
呼吸 ( R )
0症 候なし。
1 肺 活量の低下などの所見はあるが、社会生活・日常生活に支障ない。
2)神経障害等を認める場合
2呼 吸障害のために軽度の息切れなどの症状がある。
n ScJ。
Omod面 od Ran‖
(mRS)、食事 ・
栄養、呼吸のそれぞれの押価スケールを用いて、いずれかが3以 上を対
4喀 痰の吸引あるいは間欠的な換気補助装置使用が必要。
象とする。
5 気 管切開あるいは継統的な換気補助装置使用が必要。
3′呼吸症状が睡眠の妨げになる、あるいは着替えなどの日常生活動作で息切れが生じる。
日本 版 modlied Rankin Scale(mRS)半
J定 基 準 書
modttOd Rankin Scale
o
1_
参 考 にす べ き点
ま ったく症候がない
自覚症状および他覚徹候がともlJ●い状 題である
症 候はあっても明らかな暉書はない:
自党症状および他党徴候 はあるが、発症 以前から行つていた仕
日常の動めや活動は行える
事 や活動に制限はない状色である
た 軽 度の障害:
発症 以前から彿 ていた仕事 や活動に制限はあるが、日常生活
発症以前の活動がすべて行えるわけではないが、自分の身の は 自立している状態である
回りのことは介助なしに行える
こ
中
年度の障害 :
何 らかの介助を12・
要 とするが、歩行lよ
介助なしに行える
買い物 や公共交通機関を利用した外出などには介助を必要とす
る
が 、通 常歩行、食事 、身だしなみ の維持 、トイレなどには介助
を必要としない状態である
143
3)腎機能障害を認める場合
4-29非
腎 :CKD重 症度分類ヒートマップが赤の部分の場合
10概ヨ
C K D 重 症 度分 類 ヒー トマップ
1.概 要
董 自尿区分
Al
Gl
G2
G3a
G3b
正常または高
値
正常または軽
鷹低下
軽鷹 ∼ 中響度
低下
中等慶 ∼高度
低下
G4
高度低下
G5
末期腎不全
(ESKD)
A2
非特異性多発性 小腸漬瘍症は、若年時に発症する原因不明の小腸潰瘍症である。本症では、非特異的
A3
な組織像を呈する浅い漬瘍が終末回腸以外の回腸に多発する。小腸病変の肉眼所見は極 めて特徴的で
あり、輪走ないし斜走する帯状の漬瘍が枝分かれ、あるいは融合しながら多発する。臨床像としては、慢性
尿菫自定量
(g/日)
尿董自/Cr比
(g/gCr)
GFR E分
(mL/分
r)
/1.73『
特異性多発性 小腸潰瘍症
正常
軽鷹菫白尿
ることから、遺伝性疾患である可能性が示曖される。
0.15未 満
0.15∼ 0。
49
0.50以 上
≧90
緑
黄
オレンジ
60∼ 80
緑
黄
オレンジ
45∼ 59
黄
オレンジ
赤
30∼ 44
オ レンジ
赤
赤
15∼ 29
赤
赤
赤
く15
赤
赤
赤
2原 因
原因は不明であつたが、血族結婚例と家族性発症例 があり遺伝子疾患が疑われていた。近年の Whdo
s ヽによつて、プロスタグランジン輸送タンパクのひとつである SLC02Al遺 伝子の変異 による機
●xOme anaけ
能喪失による常染色体劣性遺伝病であることが示唆されている。
3症 状
・卜腸の難治性潰瘍を形成する。
若年から鉄欠乏性貧血、低蛋白血症を呈し、十 二指腸 ′
4治 療法
治療法は、鉄剤投与などの対処療法と栄養状態改善のための経腸栄養療法のみである。腸管狭窄によ
る症状がある場合は、外科手術も行われる。根治療法はない。
5予 後
低蛋白血症のため著しい QOLの 低下、低栄養 に伴う易感染性のリスクがある。また、
慢性 に続く貧血 ・
ー
腸管切除例では小腸機能不全症に至るリスクがある。生命予後に関するデ タはない。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続す ることが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
の鉄欠乏性貧血と低蛋白血症を主徴とし、炎症所見はないか軽微 にとどまる。これらの症状は中心静脈栄
養量法以外のあらゆる治療法 に抵抗性に経過する。常 ■色体劣性遺伝 の形式で発症する症例が存在す
高度壼自尿
'
約
1 患
者数
200人
2 発 病の機構
不明(SLC02A遺 伝子 の関連が示唆されている)
3.効 果的な治療方法
未確立 (対処療法のみである)
4 長 期の療養
必要 (慢性持続性に経過する)
l
1
ar朧
班作成の診断基射
琲獅首露まと為
魔
症度分類
6 重
特異性多発性小腸潰瘍症の診断基準
非
重症例を対象とする。
・
ヘモグロビン100g/di以 下の貪血、あるいはアルプミン値 3.Og/di以
症とする。
・
合併症として、腸管狭窄による腸閉塞症状を呈する場合を重症とする。
O情
下の低アルブミン血症を重
`
報提供元
「
腸 管希 少難 病群 の疫 学 、病態 、診断 、治療 の相 同性 と相違性 か ら見た包 括的研究班」
研究代表者 ヨ
ヒ里大学北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター 教 授 日比 紀文
主要所見
A臨 床的事項
1)複数回の便港血陽性
2)長期にわたる小球性低色素性貧血と低蛋白血症
B X線 ・
内視鏡所見
1)近 接、多発する非対称性狭窄、変形(X線 所見)
2)近 接多発し、境界鮮91で浅く斜走、横走する地図状、テープ状潰瘍 (内視鏡所見)
C,切 除標本上の特徴的所見
1)回 腸に近接多発する境界鮮鋭で平坦な潰瘍またはその療痕
2)潰 瘍は地図状ないしテープ状で、横走、斜走する
3)す べて UL―Ⅱまでにとどまる非特異性潰瘍
鑑別疾患
1)腸結核 〈
疑診例を含む)
2)クロ=ン 病
ー
3)腸 管ベ チェット病/単 純性潰瘍
4)薬 剤性腸炎
確診例 :
1主 要所見の A2項 目に加え、Bの 1)あるいは2)または Cが 認められるもの
2+分 に検索された標本上 Cを 満足するもの_
疑診例 :主要所見 Aが 認められるが 、Bま たは Cの 所見が明確でないもの
注)確診例、疑診例 いずれも鑑別疾患 の除外が必須である
<重 症度分類 >
'
4-30胆
道閉鎖症
重症例を対象とする。
10概 釧
・
ヘモグロビン100g/dl以 下の貧血、あるいはアルブミン値 30g/d:以
下の低アルプミン血症を重症とす
る。
・
合併症として、腸管狭窄による腸閉塞症状を星する場合を重症とする。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象とする。
1概 要
胆道聞鎖症は、新生児期から亭L児期早期に発症する難治性の胆汁うつ滞疾患である。炎症性に肝外胆
管組織の破壊が起こり、様々なレベルでの肝外胆管の閉塞が認められる。全体の約 85%が肝門部におい
て胆管の閉塞が認められる。また多くの症例で炎症性の胆管障害は肝外胆管のみならず肝内の小葉間胆
0か ら15,000出
生に 1人とされている。1989年から行われている日
管までおよんでいる。発生頻度は 10,∞
本胆道閉鎖症研究会による全国登録には 2010年までに2516例の登録が行われている。
2原 因
原因としては先天的要素、遺伝的要素、感染などの種々の説が挙げられているが未だ解明はされていな
い。海外からは新生児マウスヘのロタウイルス腹腔内投与による胆道閉鎖症類似動物モデルの報告がな
されている。しかし国内での追試は成功例の報告がない。病理組織学的検討などでは炎症性変化は Thl
ー
優位の炎症反応であることが示されている。また胆管細胞におけるアポト シスの先進などの現ネは同定
されているものの、このような現象を来す原因は未だ不明である。
3症 状
新生児期から乳児期早期に出現する便色異常、肝腫大、黄疸が主な症状である。また胆汁うつ滞に伴う
ビタミン Kの 吸収障害のために出血傾向を来す場合がある。それに付随して全体の約 弔が脳出血で発症
多牌症候群、腸回転異常症、十二指腸前門脈などがあ
することが知られている。合併奇形としては無膊・
る。外科的な治療が成功しなければ、全ての症例で胆汁性肝硬変の急速な進行から死に至る。
4.治 療法
胆道閉鎖症が疑われる症例に対して、採血検査や手術の画像検索を行う。しかし最終的な確定診断は
直接胆道造影が必要である。胆道閉鎖症の診断が確定したら、病型に応じて肝外胆管を切除して、肝管あ
るいは肝門部空腸吻合術が施行される。上記手術により黄疸消失が得られるのは全体の約 6割 程度であ
る。術後に黄疸が再発した場合や、上記合併症で著しくQOLが 障害されている場合などには最終的に肝
移植が必要となる。
5.予 後
胆道閉鎖症手術により黄疸消失が得られるのは全体の約 6割程度である。術後に発症する続発症として
は胆管炎と門脈圧充進症が代表的なものである。胆管炎は術後早期に発症すると予後に大きな影響を及
ぼし、全体の約 4096に胆管炎の発症が認められる。門脈圧克進症は、それに付随するものとして消化管に
発生する静脈瘤と膊機能克進症が代表的なものである。消化管の静脈瘤は破裂により大量の消化管出血
を来す可能性がある。膊機能克進症は血小板をはじめとする血球減少を来す。また門脈圧克進症に伴い
肺血流異常(肝肺症候群や門脈肺高血圧)が起こりうる可能性がある。全国登録の集計では 10年 自己肝
生存率が 531%、20年 自己肝生存率が 48596である。
<診
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
約 3500人
断基準>
以下のフローに従つて診断を行い、胆道閉鎖症病型分類のいずれかに当てはまる肝外胆道の閉塞を認めるも
を本症と診断する。
の
道閉鎖症の診断基準
胆
2 発 病の機構
不明(先天的要素、遺伝的要素、感染などの種々の説が挙げられているが未解明)
3 効 果的な治療方法
A症
状
疸、肝腫大、便色異常を呈することが多い。
1 黄
未確立(閉塞した肝外胆管を切除して、肝管あるいは肝門部空腸吻合を施行するが、肝病態を治癒させ
2 新
生児期から乳児期早期に症状を呈する。
ることはできず、悪化した場合には肝移植以外に救命法がない)
4 長 期の療養
B検
必要(遷延 ・
進行する肝病態により生じる種々の合併症 ・
続発症に対する治療を要するため)
5 診 断基準
あり(研究班作成の診断基準)
6 重 症度分類
査所見
生化学的検査所見:直接ビリルビン値の上昇を見ることが多い
液・
1 血
二指腸液採取検査で、胆汁の混入を認めない
2 十
3 画
像検査所見
部超音波検査では以下に示す所見を呈することが多い
nguLr cordl:肝
Ⅲ門部で門脈前方の三角形あるいは帯状高エコー。縦断像あるいは横断像で
t‖ら
1)腹
班研究による重症度分類を用いて重症度2以上を対象とする。
①
評価し、厚さが 4 mm以 上を陽性と判定
10情 報提供劇
②
「
小児期からの消化器系希少難治性疾患群の包括的調査研究とシームレスなガイドライン作成」
研究代表者 九州大学大学院医学研究院小児外科学分野 教授 田口智章
2:胆嚢は萎縮しているか、描出できないことが多い。また胆嚢が描出される場合で
胆 嚢の異常ホ
も
2)肝
授乳前後で胆嚢収縮が認められない事が多い。
胆道シンチグラフィでは肝臓への核種集積は正常であるが、肝外への核種排泄が認められない
上記Aの症状を呈し、Blか ら3の検査で本症を疑う。
4.確 定診断は手術時の肉眼的所見あるいは胆道造影像に基づいて行う。胆道閉鎖症病型分類*3(下表)に
おける基本型の3つの形態のいずれ力ヽこ当てはまるもの
…ゝ >
…牒 卜 .
…
∵
,き
C饉 別診断
以下の疾患を饉別する。
胆遺閉=を 伴わない新生児 ・
乳児期発症用=性 貴菫疾患ヽ先天性■遺拡張掟
, 卜 恥L
ゝ¨
ン ¨
ン中
¨
Υ蹄
スなガイドライン作成』
における口遺
"n● ●●●●
菫症度分用
● 軽 快者
これによる身体活動の制限や介農を
● 菫 症魔1:胆道閉餞症l
状態
必要と口“ヽ
所見のため、治療を要し、これによる身体活動の憫瞑や介饉を要
する状饉であるが、
● 菫 症魔 3:
漱 ●
もしくは著しくoOL低 下を4-tに
んでいる状麟、
菫症度分畑は、
日により判定する
より生命に危険が及
● 重 症度判定項目
1 胆 汁うっ滞の状態
1+ 過
1+ 持 続的な顕性黄疸を認めるもの
2+ 過
2_胆 道感染
3+ 過
胆嚢炎診療ガイドライン2013に準ずる)
① 胆 道感染の定義(急性胆管炎・
急性胆管炎診断基準
2● 易 出血性静脈瘤を認めるが、出血の既往がないもの。易出血性静脈瘤 ・胃静脈瘤とは
「
門脈圧克進症取り扱い規約」に基づき、cbか つ F2以 上のもの、または発赤所見を認め
3胆 汁うつ滞所見
B-1黄 疸の出現または増悪
るもの。異所性静脈瘤の場合もこれに準ずる。
出血性静脈瘤を認めるが、治療によリコントロールが可能なもの。異所性静脈瘤の場合も
B-2血 液検査 :肝機能検査異常
これに準ずる。
3+_コ ントロールできない静脈瘤出血を認める。
確診 A、 Bすべての所見を認めるもの
疑診 A、 Bのいずれかを認めるもの
A-2白
血 球 数 の異 常 、血 清 C R P l 直の 上 昇 、他 の 炎症 を示 唆 する所 見
B - 2 血 清 A L P , γ ―G T P ( G G T ) , A S T と A L T の 上 昇
―
ALP:aikaline phosphatase, γ ―GTP(GGT)γ
glutamyltransferase
AST:asparate anlinotransferase,ALT:a!anine aminotransferase
A-1:
発熱
A-2:
炎症所見
BT〉 38°C
IVBC(Xl,000/μ D
DRP(mg/dD
B-1
黄疸
B-2:
lT機能検査異常 ALP(:U)
血行異常の診断と治療のガイドライン2007に準ずる)
脈圧充進症(Fl脈
胃・
異所性静脈瘤
① 食 道・
1+ 静 脈瘤を認めるが易出血性ではない
A-1.発熱 (悪寒戦慄を伴うこともある)
A-2血 液検査 :炎症反応所見
域値
併した場合
合
3 門
ヽ全身の炎症所見
注
胆 道感染の重症度
ロ
去 1年以内に胆管炎を一回以上発症し、その入院カ
療期間が一か月未満のもの
一
1年以内に胆
か
去
管炎による入院加療期間が
月以上半年未満のもの
去 1年 以内に胆管炎による入院加療期間が半年以上のもの、あるいは重症敗血症を
②
―
γ GTP(lU)
② 肝 肺症候群
1+ Pa02が 室内気で80 mmHg未満、70 mmHg以上(参考所見 :経皮酸素飽和度では93-95%)
2+ Pa02が 室内気で70 mmHg未満、50 mmHg以上(参考所見 :経皮酸素飽和度では85-92%)
3, Pa02が 室内気で 50 mmHg未満(参考所見 :経皮酸素飽和度でlよ84%以下)
③ 門 脈肺高血圧症(肺高血圧症治療ガイドライン2012年改訂版に準ずる)
● 診 断基準(the Europ●
an RosJratOry Soc ety PJmonary Hepauc Vascdar Dttorder Tas
FOrce 2CIC14 COnsensusu Roport)
≧1
a
慢
T―Bil≧2(mg/dD
b
安
性肝疾患の有無に関わらず門脈圧克進症を認める
静時平均肺動脈圧(mPAP)>2肺rnHg
5X STD
o
平
15mmHg
均肺動脈楔入圧(cPCWP)く
.5 X STD
d
肺
血管抵抗 (PVR)〉240dyno/sOc/cm2
AST(lU)
5 X STD
2+ mPAPが
25 mmHg以上、35 mmHg未満
ALT(lU)
.5X STD
3● mPAPが
35 mmHg以 上
*STD(standard〉 各症例の平時のデ‐タ
:55
④ 症 状
1+ 出 血傾向、牌腫、貪血のうち一つもしくは複数を認めるが、治療を要しない
2+ 出 血傾向、牌腫、貪血のうち治療を必要とするものを一つもしくは複数を認める
4 関
高度異常
連する病態 :胆道閉鎖症を原因とする場合
へ系列
3系列
① 皮 膚掻痒(白取の痒み重症度基準値のスコア)
0札
1
夜間の症状
日中の 症 状
程度
まとんど、あるし
ヽま全く痒みを感じない
まとんど、あるいは全く痒みを感じない
軽度
時にムズムズするが、特に掻かなくても我慢でき 誂寝時わずかに痒いが、特に■識して掻くほどで
し
ない。よく眠れる。
る
時には手がいき、軽く掻く程度。一度おさまり、あ 多少、痒み Iまあるが、掻 けばおさまる。痒みのた
めに日が党 めることはない。
まり気にならない。
中等度
革くなり、人前でも掻く。痒みのためにイライラし、 摩くて 目が覚める。ひと描きすると一 応は眠れる
が、無意識 のうちに眠 りながら掻く
こえず掻いている。
軽微
2
4
高度
ハてもたってもいられない痒み 。掻 いてもおきまら
″ますます痒 くなり仕事も勉強も手につかない。
中くてほとんど眠れない。しょつちゆう掻いている
Oζ
、掻くとますます痒みが強くなる。
1+ 上 記の1程度の痒み
2+.上 記の 2または 3程 度の痒み
3+.上 記の4程度の痒み
② 成 長障害
1+ 身 長 SDス コアが-15 SD以下
2+ 身 長 SDス コアが-2 SD以下
5 肝
3+ 身 長 SDス コアが-2.5 SD以
下
機能障害の評価:採血データおよび CHIよPugh score
l+ 下 記表の高度異常が 2系 列以上認められるもの
1
アルブミン
2
血清総ビリルビン
C系 列
D系 列
d未 満
引以上
へST
200単 位以上
ヽLT
2CICl単
位 以上
200単位以上
3GTP
(難治性疾患克服研究事業における肝疾患 の重症患者認定か らの改変)
Pughス コア
Child―
スコア
1点
脳症
なし
腹水
なし
2点
3点
°
IIl― Ⅳ
軽度
中等度
3‖(mg/dD
へlb(g/d:)
2.8-35
DT(%)
40-70%
6 身
体活動制限:perForrnanco status
rrad€
で社会活 動ができ,制限をうけることなく,健常人と同等にふ るまえる
2+ 7∼ 9点
3+ 10点 以上
ばしば介助がいり,日
中の5096以
上は就床している
にある程度のことは‐ るが,し
キの回り
けの回りのこともできず,常に介助がいり,終日就床を必要としている
1+ PS l
2+ PS 2 or3
3+ PS 4
4-31総
● 重 症度判定
因子/ 重症 度
排泄腔外反症
10概 到
1.概 要
総排泄腔外反症は、稀少難治性 の先天性下腹壁形成異常で、腋帯ヘルニアの下方中心に外反した回盲
外性
部 が存在し、その両側に二分した膀眺が外反して存在する。鎖肛を合併し大腸 は低形成で短く、内 ・
器異常、恥骨離開を有し、多くは腎奇形、仙骨奇形、下肢奇形、業色体異常、脊髄髄膜瘤なども合併する。
生後から何回もの外科治療と長期入院が必要であるが、適切な治療方針には不明な部分が多い。女性の
場合、内性器は双角に分離し子宮腟形成が必要で、男児では、陰核形成不全のため女児として育てられ
ている例もある。成長しても、外陰形成、腟形成、膀肌拡大術、腎不全による腎移植の必要な例も多く、一
● 重 症度判定項 目の中で最 も症状の重い項 目を該当重症度 とす る。
● 胆 汁 うっ滞 については、あれば重症度 1以 上。重症度 2以 上か どうかは他の 5項 目の状態によって
決定 され 、必ず しも胆汁 うつ滞 の存在は必要 とは しない。
生涯にわたるケアが必要である。
発生頻度は、出生 15-20万 人に1人 とされ、性別では、若干女児に多い。過去 20年 間 (1976-1995)の日
本直腸肛門奇形研究会登録症例 1992例 の解析では、07%(14例 )であつた。
2原 因
※なお、症 状 の程度 が上記の重症度 分類 等で 一 定以上 に該 当 しない者 であるが、高額 な医療 を継続するこ とが
必要 な者 につい ては、医療費助成 の 対象 とす る。
胎生4週 に 4つ の戴駿が合わさつて体壁が形成されるが、この時期に腹部 から骨盤にかけての下腹壁が
形成されないために発生すると考えられ、腹壁が形成されないため回盲部の管腔形成が傷害され、腸管と
膀肱が外反した状態になると考えられている。発生には、多因子が関与すると考えられ 、ヒトにおける遺伝
子異常は明らかにされていない。疫学調査では、体外受精、喫煙、向精神薬服薬などが報告されているが、
明確な因果関係は不明である。
3症 状
腑帯ヘルニアを合併し、その下方に外反した膀脱と回盲部が存在する。鎖肛を合併し、外陰は形成不全
のため肉眼的に男女の区別が困難である。男児 の場合は性腺を鼠径部に触知することが多い。恥骨離開
を伴っているため、下肢がやや外反した位置に存在する。外反している膀肌は機能が低下し、9割 は排尿
のためにカテーテル管理が必要となる。排便機能に関しては、大腸人工肛門管理となるが、大腸が短くイ
山
骨神経機能不全を合併 している約半 数の症例 では 、肛門形成が不可能で永久人工肛門となる。肛門形成
がなされた場合でも、排便は浣陽管理となる。髄膜瘤のため、歩行障害も出現する。腎奇形や膀眺尿管逆
流により腎不全も長期的合併症として重要である。染色体男性 で外陰形成不全のために女性 として育児さ
れた場合、精巣からの男性ホルモンで脳に男性として昴1り込みがなされるため、精神的な葛藤 の原因とな
る。男児 として育てられた ν3は 、男性としての性決定に満足している。
4治 療法
新生児期は、外反回盲部門鎖、大腸人工肛門造設、外反膀肌閉鎖、恥骨閉鎖を行 い、生後 3ケ 月から 1
歳半で、外陰形成、肛門形成、膀騰形成などの手術が施行されることもある。外陰部に痕跡でも外陰を有
する場合は、男性として外陰形成を行う。現在の医療では機能的な男性外陰を作成することは不可能なた
め、外陰形成が困難と考えられる場合は、女性としての外陰形成を行う。性の決定は、将来の生殖器 形成
の必要性など両親を含めたテーム医療によるカウンセリングが前提となる。女児の場合、二次性徴初来前
に、腟形成、子宮流出路形成を行う必要がある。
5予 後
1960年に最初の手術生存例が発生するまでは死亡率が 10畔であったが、1980年代には生存率が 90%
にまで到遣した。しかし、直腸肛門機能、排尿機能、生殖機能において大きな障害を有するため、生涯にわ
たる継続的治凛や精神的カウンセリングが必要である。
<診 断基準>
外陰形成不全症で、生下時の特徴的身体所見て診断は確定する。
先天性下腹壁・
臓帯ヘルニアの下方に接して膀眺が二つに外反分裂して存在し、その間に回盲部腸管が外反して介在する。大
腸は短小で、翻転した回盲部から翻転脱出している。外陰部は、低形成で二つに分裂し、外観からは男女の区
子宮のように三分している。男性の場合、外性器は
別がつかない。恥骨は離開している。女性の場合、■槙腟 ・
三分し低形成である。その他、泌尿署奇形、書髄髄膜瘤の合齢 多い。
<身 体的所見シェーマ>
10要 件の判定に必要な事珂
1.患 者数
1 ∞ 人未満
2.発 病の機構
不明(疫学的因果関係の報告はあるが、詳細は不明である)
3.効 果的な治療方法
未確立(対症療法が中心)
4.長 期の療養
必要(排便・
排尿障害の他に、思春期における腟狭中による流血路障害や妊娠・
出産など生殖器障害に
関しても生涯にわたる治療が必要である。腎不全に伴う透析治療や腎移植、さらに書髄機能障害例では
下肢運動障害への治療が必要である。)
5.診 断基準
あり(日本小児外科学会承認の診断基準あり)
6.菫 症度分類
以下のいずれかを満たす例を重症例として対象とする。
1)直近1年間で1回 以上急性腹症により入院治療を要したことがある場合。
2)尿路感染症(U■)を繰り返す場合(直近6カ月で3回以上38℃ 以上の発熱を伴う尿路感染症を来す場
合
。 )
3)腎 メ
CKD菫 症度分類ヒートマップが赤の部分の場合
4)性 交困難な腟狭窄に対する腟形成が必要な場合
∼
10情 報提供劇
日本直腸肛円奇形研究会全国鎖肛登録事業集計
研究会代表者 東海大学医学部小児外科 教授 上野 滋
日本小児外科学会全国新生児外科全目集計
日本小児外科学会学術委員会 担当理事 久日米大学小児外科 教授 ノヽ
木 責
騰帯ヘルニア
小腸開口部
三分外反膀脱
左尿管孔
外反回盲部腸管
外翻大腸
<重 症度分類>
4-32総
以下のいずれかを満たす例を重症例として対象とする。
1)直近1年間で1回以上急性腹症により入院治療を要したことがある場合。
2)尿路感染症(UTl)を
繰り返す場合(直近6ヵ月で3回 以上38℃ 以上の発熱を伴う尿路感染症を来す場合。)
3)腎:CKD重症度分類ヒートマップが赤の部分の場合
4)性交困難な腟狭窄に対する腟形成が必要な場合
排泄腔遺残症
10概到
1 概 要
総排泄腔遺残症は、女児の直腸肛門奇形の特殊型で、尿道、腟 、直腸が総排泄腔という共通管に合流し、
共通管のみが会陰部に開口する特殊稀少難治性疾患である。総排泄腔は胎生 6週 に直腸と尿路に分離
する組織であるが、この分離過程が障害され発生する。直腸肛門形成の他に腟形成が必要で、幼少期に
手術された腟 は、長期的に狭窄や閉鎖などの問題点が 多く、思春期に入ってのブジー や腟 口形成などの
CKD重 症度分類 ヒー トマップ
ヨ自尿区分
Al
A2
A3
治療が必要となる。病型には、va‖ationが多く、適切な治療には各症例の病態理解と経験が必要である。
2原 因
尿 蛋 自定 量
)
(g/日
尿ヨ自/ C r 比
(g/gCr)
Gl
G2
GFR E分
G3a
(mL/分
/1.73 rr)
G3b
正常または高
値
正常または軽
度低下
軽度 ∼ 中等度
低下
中薔度 ∼高度
低下
G4
高度低下
G5
末期胃不全
(ESKD)
正常
軽度董自尿
高度董自尿
泌尿 生殖隔 膜が 総 排泄腔 を直腸 と尿路 に分 離するが 、魚 類 で Wtip(WT-1■nteracung proteh)を
n遺 伝子カスケー ド
outす ると、腎漂胞や総排泄腔遺残が発生し、マウスでは、Shh―
knock―
Wfl―β―cate面
に異常があると総排泄腔遺残が発生する。しかし、ヒトでの詳細な発生機序は不明である。
3症 状
0.15未 消
0.15∼ 0.49
0.50以 上
≧90
緑
黄
オレンジ
60∼ 89
緑
黄
オレンジ
45∼ 59
黄
オレンジ
赤
30∼ 44
オレンジ
赤
赤
15∼ 29
赤
赤
赤
く15
赤
赤
赤
直腸が総排泄腔に開 口するため排便ができない。そのため生下時に横行結腸を用いた人ェ肛門造設す
る。尿道も総排泄腔 に開口するが、総排泄腔を通じで排尿できる場合とできない場合があり、排尿障害が
存在する場合は、勝脱療 の造設 が必要となる。また、胎生期から排尿障害が発生すると水腟症を合併し、
胎便が腹腔に漏れ胎便性腹膜炎を合併し、腹腔ドレナー ジが生直後に必要となる。腟に関しては、放置す
腟留血腫が発生するため、早期に一期的腟形成を行うか、腟の
ると思春期に月経流出路障害から、子宮 ・
形成が不十分な場合は、思春期に直腸、小腸を用いた代用腟形成を行う。
4治 療法
肛門形成を行う。後
新生児期は、人工肛門造設する。総排泄腔が 3cm未 満の場合、幼児期に一期的腟 ・
腟形成の他に、腟の形成には sttn■apを 用いた腔形成、TUM(TotJ urogenital
矢状切開による肛門 。
moЫ‖
z調on)などがある。創排泄腔が 3cm以 上の場合は、腟が低形成の場合が多く、空腸や直腸を用いた
代用腟作成を行う。早期に腟形成を行つた場合は、腟子L狭窄予防のため継続した腟ブジーが必要である。
5予 後
本邦の全 国統計調査では、腔形成後の長期的問題点として、月経流出路狭窄が 41り に認められ、その
うち 91.4%が急性腹症、658剛こ月経困難症を呈していた。術後排便機能は比較的良好で、約 8割 で禁制が
保たれ、排尿機能も 6割 で良好な自排尿が獲得されている。
10要 件の判定に必要な事珂
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一 定以上 に該 当 しない者であるが、高額な医療を継続す る
ことが必要な者 については、医療費助成の対象 とす る。
1 患 者数
約 800人 (30年間で 500人 と推定され、全年齢では 6割 増しとした)
2 発 病の機構
不明(遺伝 子異常などの報告はあるが未解決)
3 効 果的な治療方法
未確立 (鎖肛の外科的治療 に関しては概ね満足の行く結果が得られているが、泌尿生殖器、特 に腟形成
4.
に関しては症例により重症度が異なり定型的治療は確立されていない)
<診 断基準>
長期の療養
出産など生殖器障害に
必要(排便 。
排尿障害の他に、思春期における腟狭窄による流血路障害や妊娠 ・
以下の2項 目のうち、いずれか 1項 目を満たせば確定診断とする。
一
1 手 術所見により、直腸・
肛門、腟、尿道が分離せず共通管を形成し会陰部に 孔のみみられる場合
関しても生涯にわたる治療が必要である)
診断基準
あり(日本小児外科学会承認の診断基準あり)
6 重 症度分類
以下のいずれかを満たす例を重症例として対象とする。
1)直近1年 間で1回 以上急性腹症により入院治療を要したことがある場合。
2)尿 路感染症 (UTl)を
繰り返す場合 (直近 6ヵ月で3回 以上38℃ 以上の発熱を伴う尿路感染症を来す場
合。)
3)腎 :CKD重 症度分類ヒートマップが赤 の部分の場合
4)性 交困難な腟狭窄に対する腟形成が必要な場合
10情 報提供劇
「
総排泄管残存症における生殖機能の実態調査 :生殖機能保持 ・
向上のための治療指針の作成に向けて」
研究代表者 東京大学医学部附属病院 講師 大須賀 穣
165
肛門、腟、尿道が分離せず共
2 会 陰部療孔および人工肛Flからの造影、CT、MRlなどの画像診断で、直腸 ・
通の総排泄腔を形成し会陰部に一孔のみ開口している場合。
<重 症度分類>
4-33先
以下のいずれかを満たす例を重症例として対象とする。
1)直近1年間で1回以上急性腹症により入院治療を要したことがある場合。
2)尿路感染症(UII)を
繰り返す場合(直近6カ月で3回以上38℃ 以上の発熱を伴う尿路感染症を来す場合。)
3)腎 :CKD重症度分類ヒートマップが赤の部分の場合
4)性 交困難な腟狭窄に対する腟形成が必要な場合
天性横隔膜 ヘ ルニア
10概到
1 概 要
先天性横隔膜ヘ ルニアとは、発生異常によって先天的に生じた横隔膜の欠損孔を通じて、腹腔内臓器が
胸腔内へ脱出する疾患をいう。胸腔内に脱出する腹腔 内臓器には、小腸、結腸 、肝臓 、胃、十二指腸 、膊
臓、膵臓、腎臓などがある。
C K D 重 症度 分類 ヒー トマップ
蛋 自尿区分
Al
A2
A3
2原 因
胎生初期に連続していた胸腔と腹腔は、胎生 8週 にはいくつかの駿の融合した膜により分離されるが、後
尿董自定量
(o/日)
尿ヨ自/Cr比
(g/9Cr)
Gl
G2
GFR E分
(mL/分
/1.73 nl)
G3a
G3b
中薔度 ∼高度
低下
G4
高度低下
G5
末期胃不全
(ESKD)
正常
軽度目 自尿
高度 蛋 自尿
や病因遺伝子の関与が示唆されているもののいまだ明らかな病因は解明されていない。臓器による肺の
fま、出生後に新生児遷延性肺高血圧を来しやすい。
圧迫によつて肺低形成が生じる。このようなIIFで
0.15未 満
0.15∼ 0.49
0.50以 上
≧00
緑
黄
オレンジ
60∼ 89
緑
黄
オレンジ
45∼ 59
黄
オレンジ
赤
30∼ 44
オレンジ
赤
赤
15∼ 29
赤
赤
赤
く15
赤
赤
赤
正常または高
値
正常または軽
鷹低下
軽鷹∼中等度
低下
外側から延びる胸腹裂孔膜が形成不全を起 こすと裂子し
を生じる。その原因として、レチノイン酸経路の障害
3症 状
出生直後に死亡する重症例から、新生児期を無症状で過 ごす軽症例まで非常に幅広 い。重症例の病態
と症状は、腹腔内臓器 の圧迫により生じる肺低形成と、その低形成肺に続発する新生児遷延性肺高血圧
の程度に依存している。すなわち、最も重症な例では生直後からの著明な呼吸不全 ・
循環不全により、チア
ノーゼ、徐脈、無呼吸などを呈し、しばしば蘇生処置を要する。出生直後に蘇生を要さない場合でも、大多
数 (約 90%)の 症例では生後 24時 間以内に呼吸困難症状で発症する。
4治 療法
本症は手術によって横隔膜を修復することで治療が行われる。手術は、一般に呼吸循環状態の安定化を
確認してから行う。脱出臓器を胸腔から脱転させたあと、横隔膜の修復を行う。横隔膜の欠損孔が小さけ
"genJo vetth」
on"
れば直接組合開鎖、大きければ人工布を用いてパッチ閉鎖を行う。本症の呼吸管理に
一
の概念が導入され、最小限の条件で肺の気圧外傷を回避する呼吸管理が 般的となつた。呼吸条件の設
定を抑制し、高 二酸化炭素血症や低酸素血症を容認して呼吸 管理を行う。また一酸化窒素 (NO)吸 入療法
によつて肺血管抵抗をできるだけ低下させて、右室の後負荷を軽減させるとともに、肺動脈圧が体血圧を
上回る場合には、動脈管の開存を維持して、右心不全を回選しながら心拍出量の維持に努める。
5予 後
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成 の対象 とする。
2011年 に行われた全国調査では、新生児例全体の 75%が 生存退院し、重篤な合併奇形や染色体異常
を伴わない本症単独例では、84%が 生存退院している。しかし、近年増加している重症の救命例では、反
復する呼吸器感染、気管支喘息、慢性肺機能障害、慢性肺高血圧症、胃食道逆流症、逆流性食道炎、栄
養障害 に伴う成長障害、精神運動発達遅延、聴力障害、漏斗胸 、脊椎側弯などを発症 しやすい。生存例の
15∼30%程 度にこれらの後遺症や障害を伴うことが報告されている。
│
<診 断基準 >
10要 件の判定に必要な事 珂
1 患 者数
│
先天性横隔膜ヘルニアの診断基準
´
約 5,000人
新生児期 に以下の 2項 目のうち、いずれか 1項 目を満たせば確定診断とする。
2 発 病の機構
│
不明 (一部の症例では、染色体異常やレチノール代謝に関連した遺伝子の異常が関与すると言われてい
l │cT、 MRI、超音波検査などの画像診断 (出生前検査を含む)で、腹腔内臓器が横隔膜を越えて胸腔内に脱出
る。)
│
していることが確認できた場合
3 効 果的な治療方法
未確立 (ヘルニア自体は手術的に治療されるが、本症に起因した肺低形成そのものは手術で治療するこ
とができないため、術後長期間に渡る合併症や後遺症に対する治療を継続する必要がある。)
2胸
部単純 レントゲン写真で本症が疑われ、手術所見により腹腔内臓器 が横隔膜を越えて胸腔内に脱出して
いることが確認できた場合
4.長 期の療養
必要 (本症に起因した肺低形成そのものの治療法はなく対症療法に終始するため、術後長期間に渡る合
ただし、膜状構造物 (ヘルニア義)を有した状態で腹腔内臓器 が横隔膜を越 えて胸腔内に脱出している場合(有
嚢性横隔膜ヘルニア)は、横隔膜弛緩症 との鑑別を要する。また、外傷などの後天性の原因が疑われる場合は、
併症やti■症に対する治療や療養 が必要である)
5.診 断基準
あり(研究班作成の診断基準あり)
6 重 症度分類
重症例を対象とする。
「
小児呼吸器形成異常・
低形成疾患に関する実態調査ならびに診療ガイドライン作成に関する研究班」
研究代表者 大阪府立母子保健総合医療センター小児外科 主任部長 日井規朗
′
本疾患から除外する。
│
<重 症度分類>
ヽ 4-34ヒ
重症例を対象とする。
重症例
ルシュスプルング病 (全結腸型 、小腸型に限る)
10概 到
上記の診断方法により本症の確定診断が得られたうち、以下の 9項 目のうち、少なくとも 1項 目以上に該当す
る症例
1.概 要
a)-2SDを 越える1氏身長または低体重を示す
b)精 神発育遅滞 ・
運動発達遅滞 ・
その他中枢神経障害を有する
肛門から連続する無神経節腸管のため生後数日の間に機能性の腸閉塞症状で発見される。その後ヒル
シュスプルング病と診断される。無神経節腸管の短い短域型では多くが手L児期に根治術が可能であるが、
o)難 聴のために治療を要する
長域型以上その中でも全結腸型以上の症例は重症であり長域腸管婦動不全のため人工肛門造設が必要
であり、は死亡症例も多い。特に全結腸以上の症例数は全体の 10%程度と稀であるために調査も不十分な
d)人 工呼吸管理 ・
気管切開管理を要する
酸素投与 ・
・
)経 静脈栄養 ・
経管栄養 (胃療を含む)を要する
0胃 食道逆流症のために外科的または内科的治療を要する
まま課題として残され、治療法の開発も遅れている。全結腸型以上については症例の蓄積を行い検討する
必要がある。
g)肺 高血圧治療薬の投与を要する
h)反 復する呼吸器感染のために 1年 間に 2回 以上の入院加療を要する
)経 過観察または治療が必要な漏斗胸 ・
側弯などの胸郭変形を有する
2′原因
ヒルシユスプルング病の原因遺伝子として既に 10種類以上が同定されており、遺伝子異常で発症するタ
イプもあきらかになつている。全結腸以上の症例に関しては家族発生例を認め、遺伝子異常によるものが
軽症例
上記の診断方法により本症の確定診断が得られたうち、(2)の a)∼)の いずれの項 目にも該当しない症例
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
多いという報告があるが、多くは散発性に発症すると考えられているためその多くはいまなお原因不明であ
る。
3症 状
胎便排泄遅延、腹部膨満で発症し、短域型の症例は慢性的な便秘症状で経過する場合もあるが、無神
経節腸管の長さが長くなる症例では放置すると腸炎から敗血症へと至り死亡する症例も存在する。
4治 療法
無神経節腸管の切除と肛門への吻合が根治術となる。結腸を残した吻合の場合は術後に排使回数の
増加を認める。全結腸以上にわたる症例では無神経節腸管切除による根治術後も、栄養吸収障害や水分
管理目的で埋め込み型の中心静脈カテーテルの留置が必要な場合が多い。小腸型を含む無神経節腸管
が広範囲に及ぶ症例には小腸移植あるいは多臓器移植を必要とする症例も存在する。
5予 後
1998-2002年の全国統計調査では、全症例 1103例の死亡率が 30%で あるのに対し全結腸以上の死亡
小腸型では355%と 高くなつていた。特に無神経節腸管の範囲がトライツ靭帯から75cm以 内
率は 15.8%、
の回側に及ぶ症例に関しては 333%で あり、現状の外科的治療と栄養管理だけでは救命できない症例が
ほとんどである。
く診断基準>
b要 件の判定に必要な事呵
1.患 者数
薇定診断されたもののうち全結腸型、小腸型を対象とする。
約 10000人 (全結腸型、小腸型に限ると1000人)
2.発 病の機構
診断方法
以下の項目を満たすもの
不明
3.効 果的な治療方法
―部の患者で寛解状態を得られることはあるが、経続的な治療が必要
臨床症状と病理所寛の双方を満たせば確定診断とする
ただし病理所見は1または2のいずれかを満たせばよい
4.長 期の書養
臨床症状
必要(改善が見込まれないため)
消化管に器質的閉書がなしヽこもかかわらず嘔吐,腹部膨満などの腸閉塞症状や,排便障害,頑固な
5.診 断基準
便秘 腸炎を呈する
あり〈
研究班作成の診断基準)
6.重 症度分類
研究班作成の■症度分類を用いて項目を満たすものとする。
10情 報提供劇
´
「
小児期からの希少難治性消化管疾患の移行期を包含するガイドラインの確立に関する研究』
病理所見
│
¬.直 腸粘膜生検のアセチルコリンエステラーゼ染色により神経線組の増生および神経節細胞の欠
如を認める
2.手 術により得られた消化管の全層標本で肛円から連続して腸管壁内神経節細胞の欠如を認める
研究代表者 九州大学大学院医学研究院 1ヽ
児外科学分野 教授 田口智章
無神経節腸管の長さにより以下の様に分類する。
直鵬下部型 (肛門から直腸下都まで)
S状 結腸型 (直腸下部からS状 結腸まで)
左右結腸型 (下行結腸から盲腸まで)
全結腸型 〈
回宙都から口側 30cmの 回腸まで)
小腸型 (回盲都いヽら口側 30omの 回腸を超える範囲)
173
く重症度分類>
4-35ア
経静脈栄養や経管栄養管理を必要とする症例を重症例として対象とする。
ラジー ル症候 群
10概 到
1、概要
アラジール症候群は、小葉間胆管減少症による慢性胆汁うっ滞に特徴的な肝外症状を伴う、遺伝性肝内
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成 の対象 とす る。
肝臓、顔貌、心血管、眼球、推体 の全てに異常が
胆汁うつ滞症である。従来の臨床症状による診断では、「
ー
見られる場合を完全型アラジ ル症候群、肝臓を含めて上記の 3症 状を伴う場合を不完全型アラジール症
候群」という。近年は、これらの臨床症状を全ては満たさないが、特有の遺伝子異常を伴う場合も本症とし
て報告されている。日本の全国調査では、患者数は 200∼3t10人程度と推測された。
2,原 因
原因遺伝子として」AGlが 1997年に、Notch2が 2006年に、それぞれ発見され、現在では JAGlの 異常
によるアラジール症候群 1型 と NOtch2によるアラジール症候群 2型 が区別されるようになった。」AGlと
Notch2はともに、Notchシグナル伝達系を構成し、この遺伝子異常力`
胎生期の発生過程 で何らかの影響を
きたすことが原因と考えられているが 、病態の詳細は不明である。
3症 状
乳児期から始まる黄疸が主要症状であり、しばしば胆道閉鎖症や新生児肝炎と鑑811を
要する。非典型例
では、黄疸がなく、先天性心疾患や腎障害が前景に立つ場合がある。特に、本症 2型 では重症腎障害が特
徴的とされる。心血管系の異常としては末梢性肺動脈狭窄が、椎体異常では前方 弓癒合不全が、眼球で
は後部胎生環が特徴的な異常である。さらに、発育 ・
発達障害、性腺機能不全、消化管の異常などを伴う
場合がある。
黄疸を伴う本症患者の約 3分 の 1が 幼児期以降に胆汁うっ滞性肝硬変に進行する。近年、このような場
合も肝移植によって長期生存が可能になってきた。一方、肝移植後も成長障害や頭蓋内出血をきたす可能
性が報告されている。特に、肝移植が可能になつてからは、胆汁うつ滞性肝硬変よりも血管奇形による頭蓋
内出血が重要な合併症になつている。
4治 療法
慢性の胆汁うつ滞や成長障害に対して、脂溶性ビタミンや 中鎖脂肪酸 (MOT)の補充など栄養療法を長期
に経続する。痒みや高脂血症に対して陰イオン交換樹脂や脂質降下薬 が使われる場合がある。胆汁うつ
滞性肝硬変に進行したり、痒みなどにより著しく00Lが 低下した場合には肝移植が行われる。重篤な心疾
患については外科手術が、腎不全については透析や腎移植が必要なことがある。
5予 後
症例ごとに罹患臓器の病変や重症度が大きく異なり、それぞれ予後も異なる。日本の全国調査では 24%
の症例で肝移植、4%の 症例で開心術、9%の 症例で心臓カテーテル治療が実施されていた。また、成長障
害が 49%、発達遅延が 26%に 認められ、長期 にわたる包括的な診療を求められる例が多い。
10 要 件の判定に必要な事珂
1.患 者数
約 200∼
2
要な症候
3010人
発 病の機構
断基準 >
<診
1 主
病理所見による小業間胆管の減少
(1)肝
床所見
(2)臨
①
不明 (遺伝子異常が見出されているが具体的な発病機構は未解明である)
3. 効 果的な治療方法
②
未確立 (肝臓、心臓、腎臓が主要な罹患臓器であるが、それぞれの重症度に応 じて肝移植、心臓手
術やカテーテル治療、血液浄化や腎移植を含む腎代替療法が実施される)
4
胆 汁 うつ滞
③
眼 球 の異常 (後部胎生環が特徴的所見 である)
④
特 徴的な顔貌
長 期の療養
⑤
必要 (遅延 ・進行する肝病態、循環不全、腎機能障害により生 じる種々の合併症 ・続発症に対する
治療を要するため)
の他の症候
2.そ
臓,神 経血管,膵 臓な どにアラジー ル症候群に特徴的な異常の認め
5
診
6
あり (研究班および日本小児栄養消化器肝臓学会作成の診断基準)
重 症度分類
肝疾患、心 ・血管病変、腎疾患、頭蓋内血管病変などAlagi!lo症
候群に起因する症候により重症
断基準
度を判定 し、いずれかを満たす場合を対象とする。
心 臓血管奇形 (末梢性肺動脈狭窄が最 も特徴的所見である)
骨 格 の奇形 (蝶形推体が特徴的所見である)
腎
れ る場合も本症 の診断に重要な所見である。
ら
3 参
染色体優性遺伝形式の家族歴
血族内にアラジー ル症候群 と診断 された者がお り、その遺伝形式 が
(1)常
10 情 報提供劇
常
「
A!agillo症候群など遺伝性胆汁うつ滞性疾患の診断ガイ ドライン作成、実態調査並びに生体資料の
考事項
染色体優性遺伝 に矛盾 しない。
(2)遺
伝子診断
伝子.ま たは NOTCH2遺伝子に変異 を認める。
バンク化に関する研究班」
JAGl遺
「
小児期発症の希少難治性肝胆膵疾患における包括的な診断 ・治療ガイ ドライン作成に関する研究班」
4 診 断の判定基準
ー
以下に挙げた2つ の場合のいずれか を満たす場合を、アラジ ル症 候群 と診断する。
O典 型例 :
1の (1)を 満た し,か つ,(2)の
① か ら⑤の うち, 3項 目以上 を満 たすもの。
O 非 典 型例 , ま たは変異 ア リル を有す るが症状 の乏 しい不 完全漫透 例 :
・ 1 ま たは 2 に 挙 げた ア ラジー ル症候群 に特徴 的な症候 が 、1 項 目以上見 られ る。
・常 染色体優性遺伝 に矛盾 しな い家族歴 が ある。
・遺 伝子診断 で上記 の所 見が認 め られ る。
上記の 3 項 目の うち、 2 項 目以上 を満たす もの。
b 安 静時平均肺動脈圧 (mPAP)>25mnHg
<重 症度分類>
肝疾患、心 ・血管病変、腎疾患、頭蓋内血管病変などAlagille症候群に起因する症候により重症度を判
c 平 均肺動脈楔入圧 (mPCIP)<15nllnHg
PVR)>240dyne/sec/cm2
d 肺 血管抵抗 〈
2+ mPAPが 25 mnHg以上、35 nlnHg未
満
定 し、いずれかを満たす場合を対象とする。
3+
<肝 疾患>
mPAPが35 mlnHg以
」
L
④ 症状
重症度 2以 上を対象とする。
1+ 出 血傾向、牌腫、貧血のうち一つもしくは複数を認めるが、治療を要 しない
.
2t 出 血傾向、牌腫、貧血のうち治療を必要とするものを一つもしくは複数を認める
重症度分類
● 軽 症者 :Aiagi!lo症候群に起因する臨床症状はあるが、治療を必要 としない状態
● 重 症度 1:Alagi!le症 候群に起因する町床症状があり治療を要するが、これによる日常生活の制限
や介護を必要としない状態
● 重 症度 2:Alagiile症 候群に起因する臨床症状のため、治療を要 し、これによる日常生活の制限や
介護を要する状態であるが、病状が可逆的またはその進行が緩やかで肝移植を急 ぐ必要がない状態
● 重 症度 3:Alagi Ho症 候群に起因する臨床症状、もしくは著 しく00L低下を来す続発症により生命
に危険が及んでいる状態、または早期に肝移植が必要な状態
以下の重症度判定項目により重症度を判定する。
3 関 連する病態 :A!agil!e症
候群を原因とする場合
「
(白
取の
痒みの重症度基準」)
① 皮 膚掻痒
0
まとん ど、あ るい は 全 く痒 み を感 じない
なし
軽微
2
経度
2■易 出血性静脈瘤を認めるが、出血の既往がないもの。易出血性食道 ・胃静脈瘤 とは 「
食道 ・
目静脈瘤内視鏡所見記載基準」に基づき、F2以 上のもの、または F因 子に関係なく発赤所
見を認めるもの。異所性静脈瘤の場合もこれに準ずる。
3+ 易 出血性静脈瘤を認め、出血の既往を有するもの。異所性静脈瘤の場合もこれに準 じる。
異所性静脈瘤 とは、門脈領域の中で食道 ・胃静脈瘤以外の部位、主として上 ・下腸管膜静
ヽ
′
てもたってもいられない痒み。掻いてもおさまら 申くてほとんど眠れない。しょつちゆう掻いている
ヂますます痒くなり仕事も勉強も手につかない。 0(、撮くとますます痒みが強くなる。
2+ 上 記の 2ま たは 3程 度の痒み
3+ 上 記の 4程 度の痒み
② 脂 溶性 ビタ ミン欠乏症や高 コレス テ ロー ル血症
1+ こ れ らの病態のために薬物治療 を要する場合
4 肝 機能障害の評価 :採血デー タおよび ChH■ Pugh score
l 血 液デー タ
1+ 下 記表の高度異常が 2系 列以上認め られ るもの
2
P ugh score
Child―
脈領域に生 じる静脈瘤をいう。すなわち胆管 ・十二指腸 ・空腸 ・回腸 ・結腸 ・直腸静脈瘤、
ugh score Grade B)
2 ●7 ∼ 9 点 ( C h i l dP―
及び痔などである。
3 + 1 0 点 以上 ( C h i l dP―
ugh score Crade C)
② 肝肺症候群
1+ Pa02が室内気で 80 mmHg未満、70 mnHg以上 (参考所見 :経皮酸素飽和度では 93-95%)
2+ Pa02が室内気で 70 nmHg未満、50m贈 以上 (参考所見 :経皮酸素飽和度では 85-92%)
3+ Pa02が室内気で 50 mmHg未満 (参考所見 :経皮酸素飽和度では 34%以下)
③ 門脈肺高血圧症 (肺高血圧症治療ガイ ドライン2012年改訂版に準ずる)
1+
多少、痒み はあるが 、掻 けばおさまる。痒みのた
めに目が覚めることIま
ない。
1+ 上 記の 1程 度の痒み
2 門 脈圧克進症 (門脈血行異常の診断と治療のガイ ドライン2013に準ずる)
① 食道 ・胃 ・異所性静脈瘤
1+ prr瘤 を認めるが易出血性ではない
就寝時わずかに痒いが、特に意識して掻くほどで
もない。よく眠れる。
覚める。ひと描きすると一応 は眠れる
中くな り、人 前 でも掻 く。痒 み の ため にイライラし、 痒くてロカヽ
Lえ ず 掻 いて い る。
が、無意識のうちに眠 りながら掻く
中等度
4
1+ 持 統的な顕性責疸を認めるもの
ことん ど、あ るい は 全 く痒 み を感 じない
時にムズムズするが、特に掻かなくても我慢でき
る
時には手がいき、軽く掻く
程度。一度おさまり、あ
まり気にならない。
1
高度
1 胆 汁うつ滞の状態
夜間の症状
日中 の 症 状
程度
3夕
臓
FJ自
1吉(the European RespiratOry Society Pu!monary Hepatic Vascuiar Disorder Task
Foroo 2004 0onsensus Report)
a 慢 性肝疾患の有無に関わらず門脈圧克進症を認める
高度異常
d未 満
ヽ系列
1
3系 列
2
アルブミン
血清総ビリルビン
3
AST
200単 位 以上
4
ALT
200単位 以上
5
GGTP
200単位 以上
3系 列
)系 列
d l 以上
(難治性疾患克服研究事業における肝疾患の重症患者認定からの改変)
180
● 重 症度 2:Alagillo症 候群に起因する心 ・血管病変のため、呼吸管理 または酸素療法 を行 う場合。
chnd―Pughス コア
スコア
1点
脳症
なし
複水
なし
軽度
3.5く
2.3-3.5
70%く
10-70%
もしくは NYHA心機能分類で Iま たはⅢ度の身体活動制限を認める場合。
● 重 症度 3:Alagi‖ e症 候群に起因する心 ・血管病変のため、NYHA心機能分類でⅣ度の身体活動制限
2点
中等度
31(mg/d)
へlb(g/dl)
DT(%)
を認 める場合。
NYHA心機能分類
I度 :通常の身体活動では無症状
く40%
I度 :通 常の身体活動で症状発現、身体活動がやや制限 される
Ⅲ度 :通常以下の身体活動で症状発現、身体活動が著 しく制限 される
5_身 体活動制限 :Performanco Status(PS)
Ⅳ度 :ど んな身体活動あるいは安静時でも症状発現
<腎 疾患>
ル は しは 介 助 が いり, 日中 の 5 0 % 以 上 は 賊 床 している
1+
PS gradel
2+
PS grado2ま
3+
PS grade4
重症度分類
● 軽 症者 :Alag‖le症候群に起因する腎疾患を認めない場合、または腎疾患を認めるが治療を要 きな
たは 3
い場合。
● 重 症度 1:Alagille症 候群に起因すゐ腎疾患を認め、CKD重 症度分類 ヒー トマ ップが赤の部分の場
ー
合。または Alagille症候群に起因する腎性高血圧や尿細管アシ ド シスのために治療 を要す る場合。
● 重 症度判定
因子/重 症度
重症度 1以 上を対象とする。
軽症者
重症度 1
重症度 2
重症度 3
胆 汁 うつ滞
門脈圧克進症
関連病態
肝機能障害
身体活動制限
● 重 症度判定項 目の中で最 も症状の重い項 目を該当重症度 とする。
● 胆 汁 うっ滞については、あれば重症度 1以 上。重症度 2以 上か どうかは他 の 4項 目の状態によって
決定され、必ず しも胆汁 うつ滞の存在は必要 とは しないら
<心 ・血管病変>
重症度 2以 上を対象 とする。
重症度分類
● 軽 症者 :Alagi!le症候群に起因す る心 ・血管病変 を認めな い場合、または これ を認めるが治療を要
きない場合 (外科手術後を含む)。
● 重 症度 1:心 電図 ・心 エコー ・心臓 カテー テル検査などで AIagille症候群に起因する異常所見を認
め、治療 を要する場合。
● 重 症度 2:Alagil!e症 候群に起因する腎疾患 を認め、腎代替療法を要す る場合。
GKD重 症度分類ヒー トマップ
trade
重 自尿 区分
Al
A2
A3
oerformancestatus
:状で社 会 清 助 が でき ,制限 をラlプうことな く,饉常 人 と同 辱 にふ るまえ る
るが ,歩行 ,軽労働や座葉はできる,例えば軽い家事 ,事務など
尿薔自定量
(g/日)
尿菫自/Cr比
(g/9Cr)
Gl
G2
GFR E分
(mL/分
/1.73 rr)
G3a
G3b
正常または高
値
正常または軽
度低下
軽鷹 ∼ 中薔度
低下
中等度 ∼高度
低下
G4
高度低下
G5
末期腎不全
(ESKD)
正常
軽度董自尿
高度董自尿
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続する
0.15未 満
0.15∼ 0.49
0.50以 上
≧90
緑
黄
オレンジ
60∼ 89
緑
黄
オレンジ
45∼ 59
黄
オレンジ
赤
30∼ 44
オレンジ
赤
赤
15∼ 29
赤
赤
赤
く15
赤
赤
赤
<頭 蓋内血管病変>
重症度 2以 上を対象とする。
重症度分類
0 軽
症者 :A!agi‖e症候群に起因する頭蓋内血管病変を認めない場合、またはこれを認めるが治療を
要きない場合 (外科手術後を含む)。
● 重 症度 1:Alagille症 候群に起因す る頭蓋内血管病変 を認め、治療 を要す る場合。もしくは
Porformance Statusが
grado lである場合。
● 重 症度 2:Alagille症 候群に起因する頭蓋内血管病変のため、呼吸管理、酸素療法、胃管 ・胃療に
よる経腸栄養のうち一つ以上を行う場合。もしくはPerformance Status grado
2ま 身体活
たは3の
動制限を認める場合。
● 重 症度3:Alagille症候群に起因する頭蓋内血管病変のため、Porformance Status grade
身体4の
活動制限を認める場合。
ことが必要な者については、医療費助成の対象 とする。
4-36遺
伝性膵炎
Ю 要件の判定に必要な事 同
1 患 者数
約 300-400人
10概 到
2 発 病 の機構
不活性化に関する遺伝子異常によることが想定されている。)
不明(主にトリプシンの活性化・
1.概 要
遺伝性膵炎とは、遺伝により慢性膵炎が多発する稀な疾病である。遺伝性膵炎の定義として Grossは、
①血縁者に 3人 以上の膵炎症例を認め、②若年発症、③大量飲酒など慢性膵炎の成因と考えられるもの
が認められず、④ 2世代以上で患者が発生していることを挙げている。我が国では少子化に伴い明確な家
族歴を得ることが困難なため、厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班の策定した臨床診断基準に
3 効 果的な治療方法
未確立(膵外分泌ならびに内分泌機能不全に対する対症療法にとどまる)
4 長 期の療養
必要
5 診 断基準
基づき診断される。
あり(2002年に、厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班により策定)
6 重 症度分類
2.原 因
原因遺伝子変異として、カチオニックトリプシノーゲン(PRSSl)遺 伝子変異が約 4割 、障分泌性トリプシ
ンインヒビター (SPINKl)遺 伝子変異が約 3割 、その他 ・
不明が約 3割 とされる(文献 2)。
膵炎発症の第一
ー
段階は、膵腺房細胞内でのトリプシノ ゲンの異所性活性化である。生体内には異所性のトリプシノーゲン
活性化、さらに活性化したトリプシンを介する他の消化酵素の活性化による自已消化から膵臓を守るため
の防御機構が存在している。PRSSl遺 伝子異常により、トリプシンの活性化 ・
不活性化のアンバランスが
生じるとトリプシンの持続的活性化が生じ、膵炎を発症すると考えられている。しかしながら、SPINK遺 伝
子における最多の変異(p N34S変興】こよる膵炎発症機序は解明されておらず、また 3割 の家系では原因
遺伝子異常を認めず、発病機構は明らかではない。
3.症 状
発症は 10歳 以下が多く、幼児期より腹痛、悪心、嘔吐、下痢などの急性膵炎様発作を反復し、多くは慢
性膵炎へと進行し、膵外分泌機能不全や精尿病を高率に合併する。頻回な膵炎発作のための入院や疼痛
コントロールのために膵臓手術が必要となる症例も多い。
4.治 療法
落痛のコントロールと、膵内外分泌障害に対する補充療法といつた対症療法にとどまり、根治的治療はな
い 。
5予 後
‐
一般の慢性膵炎に比べて遺伝性膵炎の発症が幼少時と若く有病期間が長いことや、炎症が反復・
持続し
高度となりやすいため、膵外分泌機能不全や糖尿病を高率に合併し、00Lは 著しく低下する。さらに遺伝
性膵炎患者の膵癌発症率は一般人口のそれと比べて、約 50倍 から90倍 と高率である。我が国における
全国調査においても、遺伝性膵炎 82家 系中 14家系(17%)に
膵癌を認めている。
185
急性膵炎発作を直近 1年に 1回 以上起こしている場合を重症とし、対象とする。
10情 報提供刑
「
難治性膵疾患に関する調査研究」
研究代表者 近畿大学 教授 竹山 宜典
<診 断基準>
注2③ または④の 1項目のみ有し早期慢性膵炎の画像所見を示す症例のうち、他の疾患が否定されるものは
早期慢性膵炎の疑いがあり、注意深い経過観察が必要である。
再発性急性膵炎 あるいは慢性膵炎(確診及び準確診)症例で,
①カチオニックトリプシノーゲン(PRSSl)遺伝子の p R122Hないしp N291変
異が認められる、②世代にかかわら
ず、膵炎患者 2人 以上の家族歴がある、③少なくとも1人の膵炎患者は、大量飲酒など慢性膵炎の成因と考え
られるものが認められない、④ 単一世代の場合、少なくとも1人の患者は40歳 以下で発症している、の4項 目
のうち①を満たす、あるしヽま②、③、④ の全てを満たす場合、遺伝性膵炎と診断される。
<そ れぞれの定義>
急性膵炎
1 上 腹部に急性腹痛発作と圧痛がある
2 血 中または尿中に水酵素の上昇がある
3.超 音波、CTまたはMRIで 膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記3項 目中2項 目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断する。
注:膵酵素は膵特異性の高いもの(膵アミラーゼ、リパーゼなど)を測定することが望ましい。
再発性急性膵炎
慢性膵炎の診断基準を満たさず、急性膵炎発作を複数回反復するものである。多くは微小胆石によるものと推
測されているが、遺伝性膵炎の一部も含まれると考えられる。
1慢
性膵炎の診断項 目
0特 徴的な画像所見
1確診所見 :以下のいずれかが認められる。
a膵 管内の結石。
b膵 全体に分布する複数ないしび漫性の石灰化。
c.ERCP像 、膵全体に見られる主膵管の不整な拡張と不均等に分布する不
・
均―」かつ不規則 2な分枝膵管の拡張。
d ERCP像 で、主膵管が膵石、蛋白栓などで開塞または狭窄している時は、
乳頭側の主膵管と分枝膵管の不規則な拡張。
1準
確診所見 :以下のいずれかが認められる。
―
I MRCPに おいて、主膵管の不整な拡張と共に膵全体に不均 に分布する
枝膵管の不規則な拡張。
1分
しERCP像 において、膵全体に分布するび漫性の分枝膵管の不規則な拡
、主膵管のみの不整な拡張、蛋白栓のいずれか。
1張
● CTに おいて、主膵管の不規則なび漫性の拡張と共に膵辺縁が不規則な │
1凹凸を示す膵の明らかな変形。
│
慢性膵炎
慢性膵炎の診断項目
Fは
を
∬』講鼻熙鎖尋誂認覇鰍誌現万
1
① 特徴的な画像所見
② 特徴的な組織所見
③ 反復する上腹部痛発作
④ 血中または尿中膵酵素値の異常
② 特徴的な組織所見
1確
診所見 :膵実質の脱落と線維化が観察される。膵線維化は主に小葉間に
⑤ 膵外分泌障害
⑥ l日 80g以上(純エタノール換算)の持続する飲酒歴
小葉内に観
準確診所見 :膵実質が脱落し、線維化が小葉間または小葉間・
慢性膵炎確診:a、bの いずれかが認められる。
●①または②の確診所見。
l① または②の準確診所見と,③Э⑤のうち2項 目以上。
性膵炎準確診:①または②の準確診所見が認められる。
1慢
1早期慢性膵炎:③∼⑥のいずれか 2項 目以上と早期慢性膵炎の画様所見力`
四 生________―
―――
――
―
――
―一―
―――
―
―
J
注 l① ,②のいずれも認めず、
③∼⑥のいずれかのみ 2項 目以上有する症例のうち、他の疾患が否定される
ものを慢性膵炎疑診例とする。疑診例には3か月以内にEUSを含む画像診断を行うことが望ましい。
観察され、小葉が結節状,いわゆる硬変様をなす。
察される。
④ 血中または尿中膵酵素値の異常
以下のいずれかが認められる。
a血 中膵酵素"が 連続して複数回にわたり正常範囲を超えて上昇あるいは
正常下限未満に低下。
b尿 中膵酵素が連続して複数回にわたり正常範囲を超えて上昇。
⑤ 膵外分泌障害
BT―PABA試 験で明らかな低下を複数回認める。
<重 症度分類>
4-3フ 嚢胞性線維症
急性膵炎発作を直近 1年 に 1回 以上起 こしている場合を重症とし、対象とする。
Ю 概ヨ
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額 な医療 を継続す るこ とが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
1概 要
ー
・
ysu。■brosお:CF、システィック フアイプロ シス)は 、cysJo■brOds
嚢胞性線維症 (膵嚢胞線維症 ●
R)を原因分子とする全身性 の疾患である。気道内液、腸管内
transmembrane conductanco regJator(CF「
液、膵液など全身の分泌液/粘 液が著 しく粘欄となり、管腔 が閉塞し感染し易くなる。典型的な症例 では、
胎便性イレウスを起こし、膵臓が萎縮 して膵外分泌不全による消化吸収不良を来たし、呼吸器感染を繰り
返して呼吸不全となる。汗中の塩化物イオン濃度の高値は特徴的な所見であり、診断 に用いられる。
2原 因
CFTR遺 伝子の変異を原因とする。CF「Rタ ンパクは全身の管腔臓器の主要な陰イオンチヤネルである。
CFで は、CF「Rの 機能低下 により、気道、腸管、膵管、胆管、汗管、輸精管の上皮膜/粘 膜を介するクロラ
イド(塩化物イオン)と水 の輸送が障害される。そのため、管腔 内の粘液/分 泌液が過度に粘欄となり、管
腔 が閉塞し感染し易くなり、多臓器の障害を来す。これまでに報告された遺伝子変異 は 1,900種類を超え、
人種や国により多様 である。同じ遺伝子変異を持 つ患者でも、障害される臓器および重症度 が異なり、病
態形成の機序には不明な部分が多い。
3症 状
1)典型的な症例では、生直後にしばしば胎便性イレウスを起 こす。その後、膵外分泌不全による消化吸収
不良を来たし、気道感染症を繰 り返して呼吸不全となる。汗腺の塩化物イオンの再吸収が障害されるため、
一
汗の塩分濃度が高くなる。障害される臓器と重症度は様 々であるが 、単 臓器のみが障害される患者もい
る。
に見られる。粘欄度の高い粘液のために胎便の排泄が
2)胎便性イレウスは、国内の CF患 者 の 40∼509/●
妨げられ、回腸末端部で通過障害が生じる。
3)呼 吸器症状 は、ほぼ全例の CF患 者 に見られる。出生後、細気管支に粘租度の高い粘液が貯留し、病
原細菌が定着すると細気管支炎や気管支炎を繰り返し、呼吸不全となる。膿性痰の喀出、咳嗽 、呼吸困難
を来す。ムコイド型緑膿菌の持続感染が特徴である。
4)膵 外分泌不全は、CF患 者の 30∼85%に 見られる。タンパク濃度の高い酸性の分泌液で小膵管が閉茎
し、次第に膵実質が脱落する。変化は胎内で始まり、典型的な症例では 2歳 頃に膵外分泌不全の状態にな
り、脂肪便、栄養不良、低体重を来す。画像所見 は、膵の萎縮あるいは脂肪置換を呈することが多い。
5)胆 汁うつ滞型肝硬変が、国内の CF患 者の 20∼25%に 見られる。
4治 療法
ー
1)現在のところ根本的な治療法は無く、呼吸器感染症と栄養状態のコントロ ルが中心となる。生涯治療
を継続する必要がある。肺移植 や肝移植が必要となる場合が多い。
2)2011年 以降、欧米で大きな治療効果があつた 3剤 、高 力価の消化酵素薬、気道内の膿性粘液を分解す
るドルナーゼアルファ吸入液、トブラマイシンの吸入薬により、予後の改善が期待されている。
断基準 >
<診
3)胎 便性イレウスに対しては、高浸透圧性造影剤の浣腸が行われるが、手術が必要となる場合も多い。
4)呼 吸器症状の治療は、肺理学療法 (体位ドレナージ、タッピング)、去痰薬、気管支拡張薬の組み合わせ
により喀痰 の排出を促進させ、呼吸器感染を早期に診断し適切な抗薗薬を使うことが基本である。ドルナー
ゼアルファは、気道内の膿性粘液中の DNAを 分解することにより喀痰を排出し易くする。高張食塩水(6∼
7%)の 吸入も喀痰を排出し易くする。緑膿菌感染を早期に検出し、早期に治療する■とが大切である。
eを 対象とする
DJnite,ProbaЫ
嚢
胞性線維症の診断基準
床症状
A臨
5)膵 外分泌不全には膵酵素補充療法を行う。気道の慢性感染症と咳そうによる消耗が加わって、栄養不
1 膵
外分泌不全
良となることが多い。充分な量の消化酵素製剤を補充 して、健常な子供よりも 30∼50%多 いカロリーを摂る
2 呼
吸器症状 (感染を繰り返し、気管支拡張症、呼吸不全をきたす。ほとんどの症例が慢性副鼻腔炎を合併
3 胎
便性イレウス
4 家
族歴
必要がある。栄養状態が良好になると肺機能が改善する。
す
6)最 近 、ヨー ロッパ 人に多い一部の遺伝子変異について、根本的な治療薬が開発され治療効果があると
報告されている。しかし、日本人の遺 伝子変異はヨー ロッパ人とは異なるので、治療薬開発のために研究
る。粘稿な腺性疾を伴う慢性咳嗽を特徴とする)
班として遺伝子解析 と変異タンパクの機能解析を進めている。
B検 査所見
5予 後
1 汗
中塩化物イオン(Cr)濃度
2014年 10月 現在までに 95症 例 (男性 46例 、女性 49例 )のデータが書積されており、平均生存期間は
約 20年 である。ただし、症例数の多い欧米で開発された治療法の発達 ・
普及により予後の改善が見込まれ、
成人症例の増加が予想される。
異
常高値 :60 mmd/L以 上
境
界領域 :40∼59nlmo1/L(6ケ 月未満では 30∼59mrnoノL)
常 :39mmd/L以 下(6ヶ月未満では 29mmd/L以
正
下)
2 BT― PABA試 験 70%以 下、または便中エラスター ゼ :200 pg/g以下を膵外分泌不全とする
10要 件の判定に必要な事 珂
1 患 者数
c鑑
別診断
100人 未満
以
下の疾患を鑑別する。
2 発 病の機構
び
ダイアモンド症候群
まん性汎細気管支炎、若年性膵炎、原発性線 毛機能不全、シュバッハマン・
不明 (CFTR遺 伝子の変異が主な原因であるが 、病態形成の機序に不明な部分が多い)
3 効 果的な治療方法
D遺
未確立 (対症療法のみである)
伝学的検査
R遺 伝子の変異
10F「
4 長 期の療養
必要 (進行性であり、生涯治療を継続する必要がある)
5 診 断基準
中 Cr濃 度の異常高値に加え、特徴的な呼吸器症状を示すもの
1)汗
中 C「濃度の異常高値に加え、膵外分泌不全、胎便性イレウス、家族歴のうち2つ 以上を示すもの
2)汗
重症度 Stage分 類を用いて StagO-3以 上を対象とする。
10情 報提供劇
「
嚢胞性線維症」 研究代表者 近畿大学医学部 主任教授 竹山宣典
雨te:
De■
あり(研究班作成の診断基準あり)
6.重 症 度分類
断のカテゴリー >
<診
床症状のうちいずれか1つを示し12つ の病的な CF「R変 異が確認されたもの
3)臨
中 C「濃度の異常高値 に加え、膵外分泌不全、胎便性イレウスのいずれか 1つ を示すもの
1)汗
2)汗
中 C「濃度が境界領域であり、特徴的な呼吸器症状を示すもの
3)汗 中 C「濃度が境界領域であり、膵外分泌不全、胎便性イレウス、家族歴のうち2つ 以上を示すもの
4)臨 床症状のうちいずれか 1つ を示し、1つ の病的な CF「R変 異が確認されたもの
<重 症度分類>
4-38 1gG4関
上を対象とする。
以下の重症度 Stago分類を用いてStage-3以
連疾患
10概 ヨ
Stage-0呼吸器異常および栄養障害が無い
Stage-1呼吸器異常が無く栄養障害が軽度
Stage-2呼吸器異常が軽度または栄養障害が中等度
Stage-3呼吸器異常が中年度または栄養障害が重度
Stage-4呼吸器異常が重度
呼吸器異常とは、以下の定義で%EFVlが 90%未 満の症例を指す。
さらに呼吸器以上の菫症度は以下のように分類する。
0/OFEVlが
3 9%,中 等症:40‐
6 9%,重 症:く40%
、正常:>90%,軽 症:70‐
FEVl予 測値は 18歳から,5歳 までは
0028X年 齢 -1178(男性)
FEVl(L)=0036×身長(cm)‐
FEVl(L)=0022×身長(cm)・
0022X年 齢 ‐0005(女性)
6歳 か ら18歳までの幼児 ・未成年者では
FEVlo)=3347-O H74X年 齢(歳)+000790X{年 齢(歳))2_4831X 身 長ぃ)+2977× {身長(m))2(男
児)
FEVI(Ll‐
1842+000161X{年 齢(歳))2_3354X 身 長ぃ )+2357X(身 長(m))2(女
児)
6歳 未満 の症例に関しては、胸部単純 レン トゲ ンや胸部 釘 などの画像所見による判定が試みられているが現
時点では確定的なものはない。
1 概 要
│
本邦より発信された新しい概念として注 目されている。免疫異常や血中 IgG4高 値に加え、リンパ球と
・
と線維化により、同時性あるいは異時性に全身諸臓器の腫大や 結 節
:gG4陽性形質細胞の著しい浸i聞
・
nE厚性病変などを認める原因不明の疾患である。罹患臓器としては膵臓、胆管、涙腺 唾液腺、中枢神経
系、甲状腺、肺、肝臓、消化管、腎臓、前立腺、後腹膜、動脈、リンパ節、皮膚、乳腺などが知られている。
一
病変が複数臓器におよび全身疾患としての特徴を有することが多いが、単 臓器病変の場合もある。自己
クリッツ病)などが典型的疾患である。特に、自己免疫性膵炎は膵癌や胆
免疫性膵炎や涙腺唾液腺炎(ミ
管癌と誤診され、外科的手術を受ける場合がある。臨床的には各臓器病変により異なつた症状を呈し、臓
に伴う臓器機能不全など時に重篇な合併症を伴
器腫大、肥厚による閉塞、圧迫症状や細胞漫潤、線維1ヒ
一
うことがある。自己免疲機序の関与が考えられており、ステロイド治療が第 選択となるが、減量、中断に
よつて多くの例で再発が見られる難治性の疾患である。
い
。
2原 因
原因は不明であるが、各種自己抗体の存在、血中ヒG4高 値、lgG4陽性形質細胞浸潤、ステロイドが有効
などより、自己免疲性疾患と考えられている。
3.症 状
障害される臓器によって、症状は異なるが、頻度の多いものとして下記のものがある。
低下するものをいう。
栄養障害と1ま
、BMI(Body mass hdox)が
a)閉 塞性黄疸
さらに栄養障害の重症度は以下のように分類する。
b)上 腹部不快感
18歳 未満(%BMl)
18歳 以上(BMI)
22以 上
o)食欲不振
正常
50%以 上
軽度
25%以 上 49%未 満
185以 上 219未 満
o)唾 液腺腫服
中等度
10%以 上 25%未 満
16以 上 185未 満
つ 水腎症
重度
10%未 満
16未 満
g)喘 息様症状(咳そう、喘鳴など)
h)糖 尿病に伴う口乾など
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
め 涙腺腫脹
4.治 療法
ステロイド投与が第一選択薬であり、比較的高容量で導入し、その後維持療法を行う。維持療法は1-3年
とし、寛解が維持されている場合は中止してもよい。しばしば再発を認めるが、再発時の治療法は確立され
ていない。
5予 後
│
│
多くの例でステロイド治療が奏功する。ただ減量、中断によって多くの例 (約半数)で再発が見られる。完
全治癒は期待しがたい。
<診
断基準>
連疾患の診断は基本的には、包括診断基準によるものとするが、以下の②∼のそれぞれの臓器別
lgG4関
診断基準により診断されたものも含めることとする。
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
約 8000人
①
<I g G4関
連疾患包括診断基準>
以
下の確定診断群、準確診群を対象とする。
2 発 病の機構
不明(自己免疫機序が考えられている)
床的に単一または複数臓器に特徴的なびまん性あるいは限局性腫大、腫瘤、結節、肥厚性病変を認
1 臨
3、 効果的な治療方法
め
る。
`
未確立(ステロイドが第一選択薬。中止についての統 ―見解は得られていなし
。再発時の治療は未確
立)
4 長 期の療養
組織所見 :著明なリンパ球、形質細胞の浸潤と線維化を認める。
lgG4陽
性形質細胞浸潤 :Ig04/:gG陽
性細胞比40%以 上、かつIg04陽
超える。
性形質細胞が10/HPFを
①
②
あり(研究班作成の診断基準あり)
記のうち,1)、 2)、 3)を 満たすものを確定診断群 (dofinite),1)、 3)を 満たすものを準確診群
上
2)の みをみたすものを疑診群 (possible)と
する
(probable),1)、
下記の重症度分類で重症例を対象とする。
軽症 :治療介入不要例
た
申等症以上:要治療例
候
重症:ステロイド治療依存性あるいは抵抗例で、治療しても臓器障害が残る
10情 報提供珂
厚生労働省難治性疾患等克服研究事業「
lgG4関連疾Jに関する調査研究班
135 mg/dl以
上)を 認める。
症 〈
液学的に高IgG4血
理組織学的に以下の2つを認める。
必要(中止によつて多くは再発する)
5 診 断基準
6 重 症度分類
2 血
3 病
だし、できる限り組織診断を加えて、各臓器の悪性腫瘍(癌、悪性リンパ腫など)や類似疾患(シェーグレン症
群、原発性硬化性胆管炎、キヤッスルマン病、二次性後腹膜線維症、多発血管炎性肉芽腫症、サルコイドー
シ
ス、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症など)と鑑別することが重要である。
た、比較的生検困難な臓器病変(膵、胆道系、中枢神経、後腹膜、血管病変など)で、充分な組織が採取でき
ま
ず
、本基準を用いて臨床的に診断困難であつても各臓器病変の診断基準を満たす場合には診断する。
研究代表者 京都大学消化器内科 教授 千葉 勉
② <自 己免疫性膵炎の診断基準>
以下の確診、準確診、疑診例を対象とする。
診断基準】
【
.
A診 断項目
L膵 腫大 :
aび まん性腫大(dfFus●
)
b限 局性腫大(segmontJ/focJ)
‖ 主 膵管の不整狭細像 :ERP
ll 血 清学的所見
高 IgG4血症(135mg/d以上)
]V.病理所見:以下の①∼④の所見のうち,
a3つ 以上を認める
b2つ を認める
①高度のリンパ球,形質細胞の漫潤と,線維1ヒ
②強拡 1視 野当たり10個 を超える1゛4陽 性形質細胞浸潤
<IgG4関 連硬化性胆管炎の診断基準>
③
診、準確診例を対象とする。
確
③花筵状線維化(storform fbrods)
ob面s)
④閉塞性静脈 炎(oЫitoraJve p‖
臨床診断基準】
【
V 膵 外病変:硬化性胆管炎,硬化性涙腺炎・
唾液腺炎,後腹膜線維症
断項 目
A.診
肝外胆管にびまん性,あるいは限局性の特徴的な狭窄像と壁肥厚を伴う硬化性
道画像検査にて肝内・
a臨 床的病変
1.胆
臨床所見および画像所見において,膵外胆管の硬化性胆管炎,硬化性涙腺炎・
唾液腺炎(MkJたz病 )
あるいは
病
液学的に高 lgG4血 症(135mg・d以 上)を認める .
唾液腺炎,lgG4関 連後腹膜線維症のいずれかの合併を認める
己免疫性膵炎,贈G4関 連涙腺 ・
2血
後腹膜線維症と診断できる.
3自
管壁に以下の病理組織学的所見を認める
b病 理学的病変
4胆
唾液腺炎,後腹膜線維症の特徴的な病理所見を認める
硬化性胆管炎,硬化性涙腺炎・
と線維化
高度なリンパ球,形質細胞の浸,関
IgG4陽 性形買細胞浸潤
10個
1視
を超える
野あたり
②強拡
①
<オ プション>ス テロイド治療の効果
③
専門施設においては,膵癌や胆管癌を除外後に,ステロイドによる治療効果を診断項目に含むこともできる
FNA)細 胞診まで行つておくことが望ましい
悪性疾患の鑑別が難しい場合は超音波内視鏡下穿刺吸引(EU鉾 ―
が,病理学的な悪性腫瘍の除外診断なく,ステロイド投与による安易な治療的診断は避けるべきである.
B.診 断 (「
+Jは 「
かつ」
の意味)
または」
,「/」は「
I確 診
④
オ
おrm■broJs)
花筵状線維化(st翻
i“raJve p‖
ebtts)
閉震性静脈炎(oЫ
プション:ステロイド治療の効果
調on,EuS―FNA)
o ultrasound―
引法(Endoscoい
gu‖ed ine noodo aspレ
管生検や超音波内視鏡下穿All吸
を含む精密検査のできる専門施設においては,胆管癌や膵癌などの悪性腫瘍を除外後に,ステロイドによ
治療効果を診断項目に含むことができる
胆
る
断
B診
①びまん型
Ia+<IIρ 凸/V(a/b)>
②限局型
変を認める
診 :1+3,1+2+00,O②
確診 :1+2+オ プシヨン
I 確
I準
③,4ЭЭЭ
疑診 :1+2
Ⅲ
:b+1+<ll1/1Vb/V(a/b)>の 2つ 以上
または
:b+1+<:1/1Vb/V(b/b)>十 オプション
③病理組織学的確診
n′
a
だし,胆管癌や膵癌などの悪性疾患,原発性硬化性胆管炎や原因が明らかな二次性硬化性胆管炎を除外す
ことが必要である 診断基準を満たきないが,臨床的に lgG4関 連硬化性胆管炎が否定できない場合,安易
た
る
ステロイド治療を行わずに専門施設に紹介することが重要である
に
FNAで 膵癌
自己免疫性膵炎を示唆する限局性膵腫大を呈する例でERP像 が得られなかった場合,EU鉾 ―
b/Vく
a/b)の1つ 以上を満たせは,疑診とする さらに,オプション所見が追加されれば準確診
が除外され,I1/Ⅳ
とする
疑診 *:わ が国では極めてまれな 2型 の可能性もある
1涙
2血
④
A診
<:委4関連涙腺・
眼高および唾液腺病変の診断基準>
断項目
耳下腺 ・
顎下腺の持続性(3ヵ月以上)、対称性に2ペア以上の腫脹を認める。
腺・
d以 上)を認める
液学的に高 IgG4血症(135mg・
5 0%以 上)を認める。
3涙 腺 ・
性形質細胞漫潤(強拡大 5視 野でlgG41/1gG+が
唾液腺組織に著明なIgG4陽
B鑑 別疾患
シェーグレン症候群、サルコイドーシス、キャッスルマン病、多発血管炎性肉芽腫症、悪性リンパ腫、癌などを除
外する。
C診 断
<重
症度分類>
Aの 1と 2ま たは 1と 3を 認め、Bの 鑑別疾患を除外 した ものを lgG4関連涙腺 ・
眼高および唾液腺病変
症度は基本的に治療開始後 に判定し、重症以上を対象とする。
重
と診断する。
治療後 1年ではんだんする。
⑤ く贈G4関 連腎臓病の診断基準>
重
Dein■ol prObaЫ
eを 対象とする。
症 :ステロイド治療依存性、あるいは抵抗例 で1年 間治療後も臓器障害が残る
テロイド抵抗性
oス
十分量のステロイド治療を行つても寛解導入できない場合
1 尿 所見、腎機能検査に何らかの異常を認め、血液検査にて高 [gG血症 、低補体血症、高 LE血 症のいず
れかを認める。
十
分量のステロイド治療を行い、寛解導入したが、ステロイド減量や中止で再燃し、離脱できない場合
2画 像上特徴的な異常所見 (びまん性腎腫大、腎実質の多発性造影不良域、単発性腎腫瘤 (hyp・
v ascubr)、
腎孟壁肥厚病変)を認めるL
テロイド依存性
Oス
器障害
O臓
当
該疾患に罹患している各臓器固有の機能障害が残るもの
3血 液学的に高 】
gG4血 症 (135mg/dL以上)を認める。
腎
臓 :CKD重 症度分類で G3bあ るいは A3以 上
4腎 臓の病理組織学的に以下の 2つ の所見を認める。
胆
道 :閉塞性黄疸が解除できずステント挿入などが必要、
a_著 明な リンパ球、形質細胞の浸潤を認める。ただ し、lgG4/1gG陽
性細胞比40%以 上、またはlg04
陽性形質細胞が10/HPFを超える。
度の肝硬変 Ch‖ Peugh B以上
重
臓 :閉塞性黄疸が解除できずステント挿入などが必要
膵
b漫 潤細胞を取り田む特徴的な線維化を認める。
石を伴う重度の膵外分泌機能不全
膵
5腎 臓以外の臓器の病理組織学的に著明な リンパ球 、形質細胞の浸潤を認める。ただ し、lgG4/1gG陽
呼
性細胞比40%以 上、またはIgG4陽性形質細胞が10/HPFを超える。
後
吸器 :Pao2が 60Torr以下の低酸素血症が持続する
血管:尿路の閉塞が持続する、血管破裂
腹膜 ・
'
<診 断のカテゴリー >(た だし下の鑑別疾患を鑑別する)
Deflnite:
下
あ
るいはその予防のためのステンテイング
垂体 ホルモンの補償療法が必要
1)+3)+4)o、b
2)+3)+4)a、b
2)+3)+5)
o
ProbaЫ
b
※
なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当 しない者であるが、高額な医療を継続することが
2)+4)●、b
必
要な者については、医療費助成の対象 とする。
l)+4)a、
2)+5)
Possible
l)+3)
2)+3)
1)+4)a
2)+4)a
<鑑 別疾患>
1臨 床的な鑑別疾患 :多発血管炎性肉芽腫症 、好酸球性 多発血管炎性肉芽腫症、形質細胞腫など
2.画像診断上の鑑別疾患 :悪性リンパ腫、腎癌 (尿路 上皮癌など)、腎梗喜、腎孟腎炎、多発血管炎性肉芽腫
症、サルコイドーシス、癌の転移など
200
4-39黄
斑ジストロフィ
1.患
者数
1000名
10概到
2
発
病の機構
不明
1 概 要
macular dystrophy)は
眼底の黄斑部に両眼性、進行性の病変を呈する遺伝性
黄斑ジス トロフィ く
一
dystrophy)とは、非炎症性、進行性 の栄養上あるいは代
疾患の総称である。 般にジス トロフィ 〈
3
謝上の異常 を意味す る。すなわち、貴斑 ジス トロフィとは、何 らかの遺伝子異常によって黄斑部 の
機能障害 を来す ―群の疾患であると考えられて いる。黄斑 ジス トロフィの診断には、(1)基 本的に
4
両眼性である。(2)家 族性、遺伝性の疾患である。(3)な ん ら外国が加わることな しに発生する。
5
(4)他 党的検査所見、自覚的機能検査所見、 いずれか らみても徐 々に進行する。 これ らの 4つ の
項 目を満たす (厚生省特性疾患網膜脈絡膜姜縮症調査研究班 黄 斑 ジス トロフィ診断の手引きを参
照)。なお責斑ジス トロフイとは狭義には病変が責斑部に限局 した状態を指すが、多 くの病型におい
効
果的な治療方法
未確立
長
期の療養
必要 (進行性に視力低下を認める)
診
断基準
あ り (日 本眼科学会で承認予定の診断基準 あ り)
6. 重
症度分類
良好な方の眼の矯正視力が 03未 満の者 を対象 とす る。
て病変は貴斑部か ら後極部に広が り、ときに周辺部網膜まで及ぶ ことが ある。
10 情報提供ヨ
。日本眼科学会
2 原 因
黄斑 ジス トロフィの いくつかの病型については原因遺伝子が報告 されているが、原因遺伝子が不
明のものもある (表 1)。 各黄斑 ジス トロフィの詳細 な発症原因は不明のものも多い。
3.症 状
徐 々に進行する両眼の視力低下、色覚異常、中心視野異常、羞明。自党症状の出現時期は、幼児
期か ら中高年期までと幅広い。
4 治 療法
治療法はない。
5 予 後
'
次第に視力低下が進行 し、嬌正視力が 01以 下となることも多い。このため、特に書宇 ・識字に
おいて著 しい困難を生 じるが、周辺視野は保たれるため完全な失明には至らない°。
*錐 体―
拝体ジス トロフィでは進行期には著明な周辺視野狭窄がみられることがある。
<診 断基準>
Defnたoを 対象とする。
<特 異的な所見から診断が可能なもの>
A症 状
(検査所見の特徴からそれぞれ以下の要件を満たした場合に D●inteとする)
1 卵 黄様黄斑ジストロフィ (ベスト病)
BHЭ 眼底写真(必須):卵黄様病巣(図 lA)、偽蓄膿様病巣(図2A)、いり卵様病巣(図 3A)を認める。
両眼視 力低下 (急性の視力低下は除外する)
それぞれ図を参照。卵黄様物質が吸収すると非典型的な萎縮病巣になる(図 4)。
B検 査所見
①眼底写真 :両眼黄斑部 の対称性の姜縮性病変、費斑分離、あるいは沈着物
②蛍光眼底造影 (FA)または眼底 自発蛍光 :病巣に一致した異常蛍光
③電気生理学的検討 :
・
全視野 ERG(とくに錐体系)の反応減弱
・
多局所および責斑局所 ERGの 反応減弱
・
E O G O L / D 比 の低下
B―② 眼底自発蛍光 :卵黄様物質は過蛍光(図lB、図 2B、図 3B)を示す。
蛍光眼底造影(FA):卵黄様物質はプロックによる低蛍光(図lC)を示す。
B―③ 電気生理学的検討(必須):EOGは L/D比 が低下する。
B―④ OCT:卵 黄様貴斑物質は網膜下に貯留している(図lD、図 2C、図 3C)。
①眼底写真とBH②眼底自発蛍光あるいは FAと BHЭ 電気生理学的検査で双方ともに上記の特
診断は B―
徴を満たす場合に診断する。
④光干渉断層計 (OCT):病 巣部における網膜の形態異常
2 Stargardt病
C鑑 別診断
以下の疾患を鑑別する。
・ 薬 物による視 力低下
クロロキン、ハイドロオキシクロロキン、ティオリダジン、タモキシフェン等
・ 外 傷性 (あるいは近視性)網脈絡膜姜縮
・ 後天性網脈絡膜疾患 (CSC、AZ00R、 MEWSD等 )
・ 先 天性コロボーマ、先天性黄斑低形成
・ 加 齢黄斑変性姜縮型 :年齢 50歳 以上の症例において黄斑に地
図状萎縮がみられる。地図状姜縮は、
1)直 径 250μ m以 上、2)円 形、卵円形、房状または地図状の形態、3)境 界鮮明、4)綱 膜色素上皮の
低色素または脱色素変化、5)脈 絡膜中大血管が明瞭に透見可能の全てを満たし、軟性ドルーゼン、
B¬Э 眼底写真(必須):黄斑の姜縮病巣(典型的萎縮病巣は正常の中心高領域を取り囲んで輸状の脱色
metal
素帯、いわゆる標的費斑病巣を示すもの(図 5)、金属様反射を有する萎縮病巣(beaten―
atrophy))。
典型的な症例では、黄斑周囲あるいは後極部に黄色斑を伴う(図6ハ)。
BH② 眼底自発蛍光 :背景蛍光全体が増強する。黄斑の萎縮病巣は低蛍光、黄色斑は過蛍光を示す(図
ary spa百
ng(視神経乳頭周囲の網膜および色素上皮が温存される所見)も診断に
6B)。また、perpap‖
有用である。
蛍光眼底造影(FA必 須):dark chorold(背
景蛍光が暗くみえる)がみられる(図6C)
B―③ 電気生理学的検討:全視野 ERG、EOGは さまざまである。黄斑部のERGで は反応減弱が見られる。
B―
④ OCT:策 斑部は視細胞内節外節接合部(IS/OS)の消失と網膜の非薄化がみられる。黄色斑は網膜色
素上皮の瘤状隆起を示す(図6D)。
retlcJar pseudodruson、
色素沈着を伴うことがある。
・ 続 発性責斑変性 :責斑疾患の既往がある。萎縮病変は両眼非対称性。
診断は BHЭ眼底写真とB―
②蛍光眼底造影、眼底自発蛍光で双方ともに上記の特徴を満たす場合に診断
する。
D家 族歴
3 オ カルト黄斑ジストロフィ
<診 断のカテゴリー >
Deflnite:
・ A項 目+B項 目のうち3項 目以上を満たしCの 鑑別すべき疾患を除外する。
・ 特徴的な所見から 断が可能なものについてはB項 目ののう
ち2項 目以上を満たせば D●1面teとする
診
Probable:
・ B項 目のうち2項 目以上を満たしCの 鑑別すべき疾患を除外したもの
・ A項
目あるいは B項 目の 1項 目以上があり、C項 目の鑑別すべきものを除外したもの
ProbaЫeは 明らかな家族歴があれ ば Deinloに する。
BH① 眼底写真(必須):黄斑部に視力低下を説明できる検眼鏡的な異常がない。
BH② 蛍光眼底造影(FA):黄斑部に視力低下を説明できる異常がない・。
°
2。
B‐
③ 電気生理学的検討(必須):錐体と粁体を分離した全視野網膜電図は正常 黄斑局所的 ERGの 反
応が減弱、または多局所 ERGで 中心部の反応が減弱。
BH④ OGT:錐 体外節先端(00ST)の 消失、lS/OSの 不明瞭化がみられる。進行するとIS/OSラインの分断
がみられるようになり、外顆粒層も非薄化する。
診断は BЮ 眼底写真、B― ②の蛍光眼底造影、および B―③電気生理学的検討のうち全ての特徴を満た
す場合に診断する。
初
*1蛍 光眼底造影がアレルギーなどで施行困難な場合、眼底自発蛍光で代用することも可能である。眼底自
B―
中心嵩にわずかな過蛍光が見られる程度の、ごく軽度の異常である。
発蛍光は、正常か、もしく1ま
キ2錐 体応答や 30-HzフリッカERCは 軽度低下することもある。
ら
、
蛍
B‐
B―① 眼底写真(必須):ほとんど異常がないもの、黄斑部に姜縮病巣(典型病巣は標的費班病巣、網膜色
素上皮のびまん性姜縮(色素沈着を伴うことあり)(図7A))などさまざまである。
B―
よる過蛍光、脈絡
② 蛍光眼底造影(FA)、
眼底自発蛍光(AF):FAでは姜縮に一致してwhdow dofoctに
毛細血管板姜縮による低蛍光など。A"は 萎縮部位に一致して低蛍光が見られる。病変の境界部に
輸状過蛍光が見られることがある。
BHЭ 電気生理学的検討(必須):ERGで 錐体系 ERGの 反応減弱(図73)。抒体系 ERGの 振幅低下がみら
れることがある(錐体―粁体ジストロフィ)が、錐体系 ERGの 異常のほうが高度である。
消失する。IS/OSの 反射は減弱する。網膜外層の非薄化力`
みられる(図7C)。
診断はB―①眼底あるいは B-000Tと BHЭ電気生理学的検討のうちERGで 双方ともに上記の特徴を
満たす場合に診断する。
5 X連
鎖性(X染色体)若年網膜分離症
(視力:屈折値は遠視であることが多く、眼底変化が日立たない症例では屈折性弱視と誤診されることもある。)
BHЭ 眼底写真(必須):黄斑に中心自分離を呈する。進行例では網膜色素上皮の姜縮を伴う非定型的な変
性病巣になる(図8)。約半数では周辺部網膜に網膜分離症や網膜反射の異常などを伴う。
BH② 眼底自発蛍光 :中心寓の嚢胞に一致し、過蛍光がみられる。
蛍光眼底造影(FA):貴斑分離は蛍光漏出を示さない。
BH③ 電気生理学的検討(必須):フラッシュERGで はb波は著しく減弱し、一般にnegaJve typ●
を示す(図9)
が、若年例では正常型を示すこともある。
B‐
000T(必
須):中心嵩周囲の網膜内層、多くは内顆粒層と外網状層に網膜分離所見が認められる(図
10)。
診断はBHЭ眼底写真あるいはBく)CTと BЮ 電気生理学的検討のERGで いずれも上記の特徴を満
たす場合に診断する。男のみに発症することも診断の一助になる。
6 中 心性輪紋状脈絡膜ジストロフィ
′
B¬① 眼底写真(必須):地図状萎縮病巣内には脈絡膜中大血管が透見される典型病巣を認める。
205
② 眼底自発蛍光 :責斑部は脈絡膜萎縮により境界鮮明な低蛍光、その辺縁にはリング状の過蛍光がみ
れる(図 1lC)。
―
進行期には境界鮮明な低蛍光の中に
光眼底造影 (FA):初期には病変に 致してwindow defoct、
絡膜中大血管像がみられる。
脈
4 錐 体ジストロフィ、および錐体行体ジストロフィ
B―④ 00T:COSTは
期には黄斑あるいは傍黄斑に顆粒状に網膜色素上皮の萎縮病巣が出現する。進行すると網膜
素上皮姜縮病巣内に地図状萎縮病巣が出現し、拡大し、やがて地図状萎縮病巣内には脈絡膜中
大血管が透見される典型病巣になる(図 1lA、図 118)。
色
′
B―
診
③ 電気生理学的検討 :ERG.EOGは 多くの場合正常である。
④ OCT:綱 膜外層、網膜色素上皮の葬薄化がみられる(図 HD)。
断は BHЭ眼底写真とBH②蛍光眼底造影で双方ともに上記の特徴を満たす場合に診断する。
<重 症度分類 >
4-40レ
良好な方の眼の矯正視力が 03未 満の者 を対象 とする。
ー ベル遺 伝性視神経症
10 概到
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者 については、医療費助成の対象 とする。
1 概 要
ミ トコン ドリア遺伝子変異が母系遺伝形式を規定 し、他の遺伝因子、エ ピジェネテイ ック修飾、
環境因子 が発症 を制御する視神経変性疾患である。若年男性に好発するが、母系遺伝のため、罹患
男性 の子孫には患者は現れず、無兆候女性保因者の子孫に患者が現れる。一眼の視力低下、中心暗
点で始ま り、不定期間をお いて反対眼 も同様の症状 を示す。網膜神経節細胞が変性脱落 し、数ヶ月
の うちに、両眼の高度視神経萎縮にいたる (矯正視力 0.1以 下)。
2 原 因
ミ トコン ドリア遺伝子変異 (3460,11778,14484塩 基対変異が 90%)力ヽ
母系遺伝 を規定 している。
しか し、男性好発性、視神経限局性、遅発性発症等の原因は不明である。
3 症 状
両眼性である。進行は亜急性 (数週か ら数 ヶ月)で ある。
(1)視力低下
(2)中心暗点
光視症、羞明を自党することが ある。
4 治 療法
現時点では治療法が確立 されていない。
コエンザ イム 0誘 導体のイデベ ノンや EP卜743が 一定の患者に有効であった という報告がある。
その他、シク ロスポ リンなどの免疫抑制、遺伝子治療、幹細胞治療、胚細胞治療な どについて研究
が推進 されている。
5 予 後
ほとん ど全ての症例で両眼性であ り、10歳 代 ∼30歳 代と 45∼50歳 代の二峰性の発症 ピー クをも
って、視力は 01以 下となる。医学的失明 (光覚な し)に いたる割合は高 くない。青年期 ・壮年期
に中途社会的失明にいた り、読書 ・書字 ・運転 ・色識別 ・顔認識障害等のため、日常生活や就学 ・
就労に多大な支障を来たす。
│○ 要 件 の判 定に必要な事珂
1 患 者数 (平成 26年 度 日本神経眼科学会疫学 一次調査)
昨年一年間の新規発症推定患者数 161人
2_発 病の機構
不明 (遺伝子)
207
3.効 果的な治療方法
断基準 ・重症度分類>
eを対象とする。
■nite,Probabb,PosJЫ
<診
未確立 (根治的治療なし)
D●
4 長 期の療養
必要 (ほとんどが恒久的中心視機能障害)
ーベル遺伝性視神経症診断基準
レ
5 診 断基準
あり (網膜脈絡膜 ・視神経姜縮症に関する調査研究班と日本神経眼科学会合同設置基準)
6 重 症度分類
①
(1) 症
良好な方の眼の嬌正視力が 03未 満を対象とする。
片
10 情 報提供刑
近
視覚系疾患調査研究班 (網膜脈絡膜 ・視神経姜縮症)「網膜脈絡膜 ・
視神経姜縮症に関する調査研究班」
③
状
下と中心暗点を認める。両眼同時発症の場合もあるが、通常は
急性∼亜急性、両眼性、無痛性の視力1彗
眼に発症し、数週から数ヶ月を経て、対側眼も発症する。
腫脹、視神経早L頭近傍毛細血管拡張蛇行、網膜神経線維腫大、視神経乳頭
② 急性期に視神経乳頭の発赤・
傍出血などの検眼鏡的異常所見のうち一つ以上を認める。
慢性期に乳頭責斑線維束を中心とした、様 々な程度の視神経萎縮を呈する。
研究代表者 岡 山大学医学部眼科 教 授 白 神史雄
日本神経眼科学会理事長 井 上眼科病院名誉院長 若 倉雅登
同 理 事 神 戸大学医学部眼科 教 授 中 村 誠
10 付 属資州
診断基準 ・重症度分掘
(2) 検
①
た
子
査所見
特定の塩基対におけるミトコンドリア遺伝子ミスセンス変異を認める。塩基対番号 3460,11778,14484の塩
基置換が大半を占め、中でも我が国では 11778番のグアニンからアデニンヘの置換を示すものが同定され
患者の 90%の例に見られる。これら三大変異は委託検査が可能であるが、その他の変異については遺伝
解析を行つている専門施設に検査を依頼する必要がある。
② 急性期には眼寓部 CT/MRIで球後視神経に異常を認めない。
③ 急性期のフルオレセイン蛍光眼底造影検査で、拡張蛇行した視神経乳頭近傍毛細血管からの蛍光色素漏
出がない。視神経手L頭腫脹を呈する他の疾患では同検査で蛍光色素漏出を示すため、極めて特異度の高
い検査所見である。
(3)鑑別診断
る。
以下の疾患を鑑lllす
特発性視神経炎、脱髄性視神経症(多発性硬化症を含む)、視神経脊髄炎(抗アクアポリン 4抗 体陽性視神経
栄養障害性視神経症、外傷性視神経症、
炎を含む)、虚血性視神経症、圧迫性視神経症、中毒性 ・
他の遺伝性視神経症、責斑ジストロフイ
<診 断のカテゴリー>
nib LHON):1主 要項目(1)の①と②もしくは①と③を満たし、かつ(2)の①∼③の全てを満たす。
確定例(do■
2)の①と②を満たす。
確実例(prObable LHON):1主要項目(1)の①もしくは③を満たし、かつて
疑い例(poSdЫe LHON):1.主 要項目(1)の①もしくは③と(2)の②③を満たし、詳細な家族歴で母系遺伝が明
らかであるが、ミトコンドリア遺伝子変異を検出できないもの。
保因者(LHON ca面er):確定例、確実例、または疑い例の患者を母系血縁として有し、1 主 要項目(2)の①に
該当する視機能無徴候者。または、視神経炎や圧迫性視神経症など視機能障害を皇する他疾患で発症する患
者のうち(2)の①を満たすもの。この場合、(2)の②に反してもよい。
209
く重症度分類>
良好な方の眼の矯正視力が 03未 満を対象とする。
4-41ア
│
ッシャー症候群
Ю 概到
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要 な者については、医療費助成の対象 とする。
1概 要
アッシャー (Usher)症候群は、難聴に網膜色素変性症を伴う症候群性の疾患である。難聴の程度は
中等度∼重度難聴までと幅広 く、先天性に発症する例がほとんどを占める。また網膜色素変性は遅発
性に発症 し、徐々に視野狭窄が進行 して社会的失明となる例が多い。
2原 因
usher症候群は常業色体劣性遺伝形式をとる疾患である。原因遺伝子としては現在までに 9つ が同定
θであり、タイプ2は 1/Sr/24,昭
9 a〃 珈"′、
されている。タイプ 1は ″Ю″,JSIra α"狙 κ"7'」 SI′
である。
タイプ3は αPlyノ
病態に関しては感音難聴と網膜色素変性症を伴うことから、その障害部位は内耳 (特に有毛細胞)
と網膜 (特に得体細胞)の 障害であると考えられており、内耳と網膜に共通する疾患発症メカニズム
と内耳特有の疾患発症 メカニズムの組み合わせによる発症が推定されているが、その詳細は不明であ
る。
3症 状
症状の程度とその発症時期によつて3つ のタイプに分類されている。視覚症状は夜盲には じまり、
その後視野狭窄が進行 していく経過をとる例がほとんどである。
usher症候群 タイプ 1
先天性の高度∼重度難聴を皇する。両側前庭機能障害を伴 う例が多く、視覚症状は 10歳前後より生
じる。
usher症候群 タイプ2
先天性の高音障害型難聴を呈する。視覚症状は思春期以降に生 じることが多い。前庭機能は正常で
ある例が多い。
usher症候群 タイプ3
進行性の難聴を呈し、前庭機能障害の有無、および視覚症状の発症時期は様々である。
4.治 療法
難聴に対する治療法
現時点では疾患そのものを治療する有効な治療法は無い。
難聴の程度に応して、補聴器や人工内耳によって聴力を補う治療が行われている。
特に先天性の高度難聴を呈する usher症候群タイプ 1症例に対 しては補聴器での聴取は困難であリ
その効果は限定的であると考えられるため、早期からの人工内耳装用が望ましい。また、将来的に網
膜色素変性症が進行 し、社会的失明となることを予測 し、早期か らの両側人工内耳装用により聴覚情
報を担保することが 00L向上のために有用であると考えられる。
診断基準>
アッシャー症候群診断基準 (Usher症 候群に関する調査研究班による)
く
網膜色素変性症に対する治療法
網膜色素変性に対する有効な治療法も確立されていない。網膜色素変性症の進行を抑える事を期待
'
盲t視野狭窄、視力低下などの視覚障害(網膜色素変性症〉
前庭症状)
側性感音難聴、めまいなどの耳症状(蝸牛・
A.夜
眼鏡の使用が暗順応障害や進行予防に有効との報告もあるがその効果も証明されていない。
5予 後
自党症状
1、
し、ビタミン A、循環改善薬などの内服案が用いられるがその効果は肛明されていない。また、遮光
B両
臨床検査所見
2、
いずれのタイプにおいても根治的治療法が確立されておらず、重複障害により00Lが 著しく低下する。
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数(現時点での本邦報告例)
B感
(1)純
3.効 果的な治療方法
膜色素変性症に関する所見(以下のうち、網膜電図を含めて2つ 以上を満たす)
光眼底造影所見で網膜色素上皮姜縮による過蛍光または低蛍光
の
不明(複数の遺伝子の関連が明らかとなつている)
A網
(1) 眼 底所見 :網膜血管狭小、粗造胡麻塩状網膜、骨小体様色素沈着、多発する白点など
膜電位の異常(振幅低下、又は消失)
(2)網
(3)蛍
約 8160人
2 発 病の機構
´
光 干渉断層像で中心嵩におけるlS/OSの 異常(不連続または消失)
音難聴に関する所見(以下の全てを満たす)
骨導)の間値上昇
音聴力聞値検査(気導 ・
ry NourOpathy、
伝音難聴が否定できる
枢性疾患、Audた。
(2) 中
未確立(対症療法のみである)
4 長 期の療養
3、
視覚障害の改善は見込めない)
必要(聴力障害 ・
タ
5 診 断基準
あリ
研究代表者 信州大学医学部耳鼻咽喉科 教授 宇佐美真―
イプ 2:先 天性の高音障害型の難聴を呈す る。視覚症状は思春期以降に生 じる。前庭機能は正常で
る例が多い。
イプ 3:難 聴、視覚症状 とも思春期以降に生 じ、難聴は徐々に進行。
タ
あ
高度難聴以上を対象とする。
10情 報提供刑
「
Usher症候群に関する調査研究班J
後より生 じる。
前
6 重 症度分類
疾患のタイプ分類
イプ 1:先 天性の高度∼重度難聴を呈する。両側前庭機能障害を伴う例が多く、視覚症状は 10歳
タ
遺伝学的検査
4、
原
JSrrrc σ
ニ
因遺伝子としては現在までに 10遺伝子が同定されている。タイプ 1は 脚 ″,“ ‖aの ″a′切″ノ
3は
α釧
′
である。
2は
1/Srr24,GR98,D瑯3r、タイプ
′
″ でぁり、タイプ
<診 断のカテ ゴ リ>
「
1■ と2-A」 及び「1-8と 2-B」 の双方を満たす場合く若しくは「1-Aと2-A」 または「1-Bと 2-B」 のいずれ
ー
かを満たし、4遺 伝学的検査 により特異的な遺伝 子変異を認める場合にアッシャ 症候群と診断する。
<重 症度分類>
E-135若 年発症型両側性感音難聴
1 聴 覚障害
10裾到
聴党障害 :以下の 3高 度難聴以上を対象とする。
0 25dBHLオミ
満(正常)
1 概 要
1 25dBHL以 上40dBHL未 満(軽度難聴)
若年(40歳 未満)で発症する両側性感音難聴をさす。従来から原因不明の感音難聴のうち、両側性に難聴
が進行する疾患を「
特発性両側性感音難聴」としてきたが、老人性難聴との鑑別が必ずしも容易ではなか
2 40dBHL以 上70dBHL未 満(中年度難聴)
3 70dBHL以 上90dBHL未 満(高度難聴)
った。そこで正確に鑑別診断が行えるよう年齢要件が加えられた。また遅発性難聴を引き起こす原因遺伝
4 90dBHL以 上(重度難聴)
子が同定されていること、既知の外的因子、例えば騒音、外傷、薬剤、急性ウイルス感染によるものは除く
1000、
※500、
2000Hzの平均値で、聞こえが良い耳(良聴耳)の値で判断
という除外要件が加えられた。近年、遺伝子との関連が少しずつ明らかにされてきているが病態解明には
至っていない。後天的に発症、進行し両側重度難聴 ・
ろうとなる例など様々な経過をとる。本疾患は言語発
2 視 党障害
診断基準により網膜色素変性症と診断された者のうち、重症度分類の I、 III、
Ⅳ度の者を対象とする
達や教育のほか社会生活や日常生活に大きな支障をきたす。また治療法が未確立であり長期的な療養を
必要とするため、本疾患の病態の解明や治療法の開発は重要な課題である。診断基準にもとづいた患者
数は多くない。
厚労省調査研究班による網膜色素変性症の重症度分類
I度 :嬌正視力 07以 上、かつ視野狭窄なし
I度 :嬌正視力 0,7以上、視野狭窄あり
2原 因
Ш度 :矯正視力 07未 満、0.2以上
若年発症型両側性感音難聴の病態は未だ不明であるが、最近の分子遺伝学の進歩により、さまざまな遺
MPRSS3遺 伝子、
伝子(スCrcr遺 伝子、α羽″遺伝子、CO釧 遺伝子、KCJV04遺 伝子、Iθ 引 遺伝子、「
Ⅳ度 :矯正視力 02未 満
7FSノ遺伝子など)の関与が明ら力ヽこなつてきた。しかしながら発症機序に関しては必ずしも明らかになつて
注 :矯正視力、視野ともに良好な方の眼の測定値を用いる
いない。
3症 状
1)両側性の難聴
若年発症の両側性の感音難聴。難聴の程度は軽度から高度まで様 々である。軽度、中等度難聴で発症し
ろうとなる例など様々な経過をとる。
その後進行し両側重度難聴・
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
2)随伴症状
難聴の進行に伴い耳鳴、めまいなどの随伴症状を合併する例も多く、生活の質を低下させたり、うつ状態を
招くことがある。
4.治 療法
1)有効な治療法は確立されておらず、聴力に応じて補聴器あるいは人工内耳による補聴が対症的に行わ
れている。
2)急 激に進行した場合には急性感音難聴と同様に副腎皮貿ステロイド、血管拡張薬、代謝賦活薬、ビタミン
製剤などが用いられているが、その効果に関するエビデンスはなく、現時点では有効な治療法は未確立
である。
5予 後
発症時期や程度、進行の有無は症例によつて異なる。症状の改善は期待できないため長期の療養が必要
215
`
め
となり、患者 の精神的負担が大きい。また、補聴器や人工内耳の治療を行つても正常聴力にはならないた
、00Lの 低下は免れない。さらに高度難聴によるコミュニケーション障害により、就学や就労が困難な例
<診
若
断基準 >
年発症型両側性感音難聴
も認められる。
10要 件の判定に必要な事 呵
約 40110人
の3条 件を満たす感青難聴のことである
次
、
1 患 者数
発性かつ若年発症である(40歳未満の発症)
1 遅
側性である
2 両
3 運 発性難聴を引き起 こす原因遺伝子が同定されており、既知の外的因子によるものが除かれてる
2.発 病の機構
不明
説
解
3.効 果的な治療方法
未確立 (対症療法や人工内耳などの対症療法)
4.長 期の療養
必要 (長期にわたつて障害が持続、あるいは進行する)
5 診 断基準
難治性聴覚障害に関する研究班による診断基準 (2014年度)
6 重 症度分類
発性の若年発症 について
1 遅
未満での発症が標準純音聴力検査で確認されたもの。
(1)40歳
常人を対象 にした大規模調査 の結果より、加齢に伴う標準純音聴力検査 における聴覚閾値 の平 均値は
全周波数にわたり55歳 未満では 20dB未 満 で
125Hz.250Hz,500Hz,1000Hz,2CIC10Hz,4000 Hz,8000Hzの
ることが明らかとなつており、加齢に伴う聴力の悪化は55歳 以降に認められる。したがつて40歳 未満で
あ
健
聴があるとすれば医学的には加齢以外の要因によるものであると考える事が妥当である。
難
あり (日本聴覚医学会による聴カレベルに応じた重症度分類)
(2)遅発性の発症あるいは観察期間中の進行が確認できたもの。
10情 報提供司
′
「
難治性聴覚障害に関する調査研究班』
研究代表者 信州大学医学部耳鼻咽喉科学講座 教授 宇佐美=―
新生児聴覚検査、1歳半健診 、3歳 児健診、就学時健診 のいずれかあ時点において難聴 がないことが証
・
できるもの。
明
・
耳鼻咽喉科 にて標準純音聴力検査を施行 し、観察期間中に難聴 の進行があることが証明できたもの。
2 両 側性について
両側の感音難聴があり、良聴耳が中等度以上の難聴であるもの。両側性とは常に両側が同様な病態を示
一
すという意味ではなく、両側罹患という意味である。したがつて、両側性感音難聴で 側のみが進行すると
いう例も含まれる。
3.原 因について
進行性難聴を引き起こす原因遺伝子が同定されている
(1)既知の遅発性 ・
・
既知の選発性 進行性難聴を弓:き起こす原因遺伝子としては、現在までに、スCrCr遺 伝子、CDH23遺 伝子、
伝子、WFS/遺 伝子の変異が同定されてい
る。これらの遺伝子変異が同定され、かつ上記の聴力基準を満たす症例は先天性難聴 、加齢性難聴とは
異なる病態であり、本疾患であると考えることが妥当である。
MPRS"遺
COC〃 遺伝子、κOⅣOイ遺伝子、7fO瓢 遺伝子、「
なお、研究斑の実施した大規模調査より、各遺伝子変異による難聴者の占める割合は、難聴者全体(加齢
性難聴は除く)の 0.14%∼19%程度であることが明らかとなつている。
(2)既知の外的因子が除外されているもの。
<重 症度分類>
例えば純音聴力検査で 4000Hzの閾値上昇を認める両側性騒音性難聴、CT検 査で側頭骨骨折が認めら
れる両側性外傷性難聴、耳毒性薬剤の使用歴が明らかな薬剤性難聴、ウイルス IgM抗 体価上昇を伴う急
以下の重症度分類において3高 度難聴以上を対象とする
性ウイルス感染が認められる例など外的因子が明らかなものは除く。
聴覚障害 :
0 25dBHL未
満(正常)
1 25dBHL以 上40dBHL未 満 (軽度難聴)
2 4 0 d B H L 以 上7 0 d B H L 未 満 ( 中等度難聴)
3 7 0 d B H L 以 上9 0 d B H L 未 満 ( 高度難聴)
4 9 0 d B H L 以 上( 重度難聴)
1000、
20C10H2の
平均値で、聞こえが良い耳 ( 良聴耳) の値で判断
※5 0 0 、
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
必要な者については、医療費助成の対象 とする。
4-43遅
o要 件の判定 に必要な事項
発性 内リンパ 水腫
卜 概ヨ
1 患 者数
4,0∞∼5,000人
約
2 発 病の機構
1 概 要
明(長い年月を経て高度感音難聴耳の内耳に生じる内リンパ水腫によると推定されている。)
不
遅発性内リンパ水腫とは、陳旧性高度感音難聴の遅発性続発症として内耳に内リンパ水腫が生じ、めま
い発作を反復する内耳性めまい疾患である。片耳または両耳の高度感音難聴が先行し、数年から数十年
の後にめまい発作を反復するが、難聴は変動しない。
未
`
4 長
ヽ
果的な治療方法
3 効
確立(対症療法のみで、根治できる治療法はない。)
期の療養
必要(進行性で、後遺症期になると永続的な高度平衡障害と高度難聴が持続する。)
2.原 因
断基準
5 診
原因は不明である。先行した高度感音難聴の病変のため、長い年月を経て高度感音難聴耳の内耳に続
発性内リンパ水腫が生じ、内リンパ水腫によりめまい発作が発症すると推定されている。
あ
り(日本めまい平衡医学会作成の診断基準)
症度分類
6 重
重症度分類 3項 目の全てが 4点 以上を対象とする。
3症 状
先行する高度感音難聴には若年性―側聾が多いが、側頭骨骨折、ウイルス性内耳炎、実発性難聴によ
い
る難聴のこともある。数年から数十年の後に回転性めまい発作を反復する。めまいの発作期には強い回転
「
性めまいに嘔吐を伴い、安静臥床を要する。めまいは、初期には軽度の平衡障害にまで回復するが、めま
研
情報提供刑
難治性平衡機能障害に関する調査研究班」
究代表者 徳島大学大学院ヘルスパイオサイエンス研究部 教授 武田憲昭
い発作を繰り返すと平衡障害が進行して重症化し、日常生活を障害する。難聴は、陳旧性高度感音難聴の
ため不可逆性である。めまい発作を繰り返すと不可逆性の高度平衡障害が残存する。これが運発性内リン
´パ水腫の後遺症期であり、患者の QOLを 大きく障害する。
4.治 療法
`
根治できる治療方法はない。遅発性内リンパ水腫のめまい発作を予防するためには、利尿薬などの薬物
治療が行われる。発作の誘因となる患者の生活環境上の問題点を明らかにし、生活改善とストレス緩和策
を行わせる。保存的治療でめまい発作が抑制されない難治性の遅発性内リンパ水腫患者には、次第に侵
襲性の高い治療:中耳加圧療法、内リンパ理開放術、ゲンタマイシン鼓室内注入術などの選択的前庭機能
破壊術を行う。
5予 後
治療によつてもめまい発作の反復を抑作1できない難治性遅発性内リンパ水腫患者では、すでに障害され
ている蝸牛機能に加えて、前庭機能が次第に障害され重症化する。後遺症期 になると永続的な平衡障害
と高度難聴が持続し、患者の QOLも 高度に障害される。後遺症期の高齢者は平衡障害のため転倒しやす
く骨折により長期臥床から認知症に至るリスクが高まる。さらに高度難聴によるコミュニケーション障害も認
知症を増悪させる。
222
く診断基準 >
C鑑 別診断
Deintを 対象とする。
耳鼻咽喉科学的検査、純音聴力検査、平衡機能検査、神経学的検査、画像検査、生化学的検査などにより
中耳炎性内耳炎によるめまい、外リンパ療、内耳梅毒、聴神経腫瘍、神経血管圧迫症候群などの内耳 ・
後迷路
日本めまい平衡医学会作成の診断基準
性めまい疾患、小脳、脳幹を中心とした中枢性めまい疾患など原因既知のめまい疾患を除外した上で、めまい
を伴う突発性難聴、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎を鑑別する。めまいを伴う突発性難
A症
聴は、高度難聴の発症とともにめまいが発症するが、めまい発作を反復しない点で遅発性内リンパ水腫と鑑別
される。メニエール病はめまい発作に伴って聴覚症状が変動する点から遅発性内リンパ水腫と鑑別される。良
状
1 片 耳または両耳が高度難聴ないし全聾。
性発作性頭位めまい症は頭位によつて誘発される数秒∼数十秒程度のきわめて短いめまいである点、めまい
2難 聴発症より数年 ∼数 10年 経過した後に、発作性の回転性めまい(時に浮動性)を反復する。めまいは誘因
に伴つて聴覚症状が変動しない点から遅発性内リンパ水腫と鑑別される。前庭神経炎はめまい発作を反復しな
なく発症し、持続時間は 10分 程度から数時間程度。数秒 ∼数十秒程度のきわめて短いめまいや頭位によって
い点、めまい発作に伴つて聴覚症状が変動しない点から遅発性内リンパ水腫と鑑別される。
誘発されるめまいが主徴 の場合は遅発性内リンパ水腫とは診断できない。嘔気 ・
IE吐を伴うことが多い。めまい
発作の頻度は週数回の高頻度から年数回程度まで多様であるが、1日 に複数回の場合は運発性内リンパ水腫
とは診断できない。
`
3め まい発作に伴って聴覚症状が変動しない。
<診 断のカテゴリー >
Dcinlte:A症状の 4項 目+3.検査所見の 5項 目を満たしC鑑 別すべき疾患を除外したもの
4と 5を満たすが 2と 3を満たさず C鑑 別すべき疾患を除外した
Probabた
:A症 状の 4項 目+B検 査所見の 1、
もの
4第 Ⅷ 脳神経以外の神経症状がない。
B.検 査所見
1 純音聴力検査において片耳または両耳が高度感音難聴ないし全聾を認める。
2平 衡機能検査において難聴耳に半規管麻痺を認める。
3.平衡機能検査においてめまい発作に関連して水平性または水平回旋混合性眼振や体平衡障害などの内耳
前膚障害の所見を認める。
4神 経学的検査においてめまいに関連する第Ⅷ脳神経以外の障害を認めない。
5耳 鼻咽喉科学的検査、純音聴力検査t平衡機能検査、神経学的検査、画像検査、生化学的検査などにより、
運発性内リンパ水腫と同様の難聴を伴うめまいを呈する中耳炎性内耳炎によるめまい、外リンパ療、内耳梅毒、
聴神経腫瘍、神経血管圧迫症候群などの内耳・
後迷路性めまい疾患、小脳、脳幹を中心とした中枢性めまい疾
患など、原因既知のめまい疾患を除外する。具体的には、耳鼻咽喉科学的検査で中耳炎を認め画像検査で中
耳炎による内耳療孔を認める場合(中耳炎性内耳炎によるめまい)、中耳貯留液に外リンパ特異蛋白CTPが 陽
性の場合(外リンパ療)、生化学的検査で梅毒反応が陽性の場合(内耳梅毒)、画像検査で小脳橋角部の異常
を認める場合(聴神経腫瘍、神経血管圧迫症候群)、画像検査て小脳 ・
脳幹に異常を認める場合(中枢性めまい
疾患)には遅発性内リンパ水腫とは診断できない。
・
224
<重 症度分類>
4-44好
重症度分類 3項 目の全てが 4点 以上を対象とする。
酸球性副鼻腔炎
10概ヨ
A:平 衡障害・
日常生活の障害
1概 要
0点 :正常
1点 :日常活動が時に制限される(可逆性の平衡障害)
2点 :日常活動がしばしば制限される(不可逆性の軽度平衡障害)
3点 :日常活動が常に制限される(不可逆性の高度平衡障害)
4点 :日常活動が常に制限され、暗所での起立や歩行が困難(不可逆性の両側
性高度平衡障害)
注:不可逆性の両側性高度平衡障害とは、平衡機能検査で両側の半規管麻痺
を認める場合。
両側の多発性鼻茸と粘調な鼻汁により、高度の鼻閉と嗅覚障害示す、成人発症の難治性副鼻腔炎で
ある。抗菌薬は無効であり、ステ ロイ ドの内服にのみ反応する。鼻腔内に鼻茸が充満 しているため、
鼻副鼻腔手術で鼻茸の摘出を行うが、す ぐに再発する。鼻閉 と嗅上皮の障害により嗅覚は消失する。
嗅覚障害のため風味障害を含めた味覚障害をきたす。気管支喘息、アス ピリン喘息 (アスピリン不耐
症)を 伴うことが多い。鼻閉のための口呼吸が喘息発作を誘発 し、著 しい呼吸障害を起 こす。また中
耳炎を伴うこともあり、好酸球性中耳炎 と命名されている。この中耳炎は、難治性で聴力障害は進行
し、聾に至る。鼻粘膜には多数の好酸球浸潤を認めるが、中耳炎を伴 うと耳漏にも多数の好酸球浸i間
が認められる。経 ロステロイ ドは、本疾患が良性疾患のため、主治医は継続使用にためらいを感 じ、
上気道感染によつても症状が増悪するため再度経ロステ ロイ
数か月で投与を中止すると増悪をする。
ドを投与せざるを得ない状況となる。
B:聴 覚障害
0点 :正常
2原 因
1点 :可逆的(低音部に限局した難聴)
原因は不明。
2点 :不可逆的(高音部の不可逆性難聴)
3点 :高度進行(中等度以上の不可逆性難聴)
3症 状
4点 :両側性高度進行(中等度以上の両側性不可逆性難聴)
注:中等度以上の両側性不可逆性難聴とは、純音聴力検査で平均聴力が両側
40dB以 上で40dB未 満に改善しない場合
多発性鼻茸と粘調な鼻汁による高度の鼻閉と口呼吸。鼻閉と嗅上皮の障害による進行する嗅覚障害
が生じ、最終的には嗅覚は消失する。味覚障害も起こす。成人発症であり、病側は両側である。気管支喘
息を合併することが多く、口呼吸により誘発される喘息発作を起こすと、ひどい呼吸困難に陥る。粘調な耳
漏や難聴を呈する難治性中耳炎を伴うこともあり、進行すると聾に至る。
C:病 態の進行度
0点 :生活指導のみで経過観察を行う。
4.治 療法
1点 :可逆性病変に対して保存的治療を必要とする。
2点 :保存的治療によっても不可逆性病変が進行する。
一
経ロステロイドが唯―有効。手術により鼻腔に充満した鼻茸を摘出すると、鼻閉は 時的に改善するが、
すぐに再発し、鼻腔を充満する。
3点 :保存的治療に抵抗して不可逆性病変が高度に進行し、侵襲性のある治療
を検討する。
5予 後
4点 :不可逆性病変が高度に進行して後遺症を認める。
軽症から重症を含めて、内視鏡下鼻内副鼻腔手術を行つた場合、術後6年間で50%の 症例が再発する。
特にアスピリン喘息に伴う好酸球性副鼻腔炎では術後 4年 以内に、全例再発する。
※なお、症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しない者であるが、高額な医療を継続することが
経 ロステロイドの内服で軽快をみても、感染、体調変化などにより増悪し、これを生涯繰り返す。
好酸球性副鼻腔炎には、重症度が存在する。軽症では、手術で改善することもあるが、重症では、極めて
必要な者については、医療費助成の対象とする。
難治性である。
225
226
10要 件の判定に必要な事珂
1 患 者数
<診
約 20,000人
<診
2 発 病の機構
不明
断基準>
酸球性副鼻腔炎の診断基準
ESRECス コア>
断基準 :」
好
病側 :両側
①
鼻茸あり
②
3 効 果的な治療方法
cTに て飾骨洞優位の陰影あり 2点
末梢血好酸球(96)2〈 ≦ 5 4点
③
未確立(経ロステロイドにて軽快。中止すると増悪)
④
内視鏡下鼻副鼻腔手術(一時的に鼻閉が改善する)
≦ 10 8点
5〈
4 長 期の療養
10(
3点
2点
10点
必要
5 診 断基準
あり(研究班作成の診断基準あり)
6 重 症度分類
ESRECス コア合計:11点以上を示し、鼻茸組織中好酸球数(400倍視野)70個 以上存在した場合を確定診断
」
と
する。
CT所 見、末梢血好酸球率及び合併症(気管支喘息、アスピリン不耐症、NSAIDア レルギー)の有無によ
る指標
0情 報提供元
「
好酸球性副鼻腔炎の診断基準」
班
研究代表者 福井大学医学部耳鼻咽喉科・
頭頸部外科 教授 藤枝重治
228
1)CT所 見、末梢血好酸球率及び合併症の有無による指標で分類する
(1)にかわ状の中耳貯留液
(2)抗菌薬や鼓膜切開など、ステロイ ド投与以外の治療に抵抗性
A項 目 :① 末梢血好酸球が 5%以 上.
(3)気管支喘息の合併
④ 鼻茸の合併―の4つ の項目のうち、
<重 症度分類>
②OTに て飾骨洞優位の陰影が存在する.
:①
B項 目
気管支喘息
大項目の 2項 目に小項目の 2項 目以上を満たす場合を確実例 とする。
ただし好酸球性肉芽腫性多発血管炎、好酸球増多症候群を除外する。
② アスピリン不耐症
③NSAIDア レルギー
診断基準 JESRECスコア 11点以上であり、かつ
l A項 目陽性 1項 目以下十B項 目合併なし :軽症
2 A項
一
※なお、症状 の程度 が上記の重症度分類等 で 定以上に該 当 しない者 で あるが、高額 な医療 を継続す ることが
必要な者 については 、医療費助成 の対象 とす る。
目ともに陽性十B項 目合併なし or
A項 目陽性 1項 目以下+B項 目いずれかの合併あり :中等症
3 A項 目ともに陽性十B項 目いずれかの合併あり :重症
,ESRECスコア≧11点
JESRECス コア く 11点
(0す へての国70t鵬性
末輌血好酸尊船 5 %
C T 餞影: 鰤骨濶 2 上 騒調
気 督 支 嗜 忠 の 合併
アスピリン不 耐 産 の 合併
N S A I D o ア レル ギ ー の 合併
[団
│…
2)好 酸球性中耳炎を合併している場合を重症とする
好酸球性中耳炎の診断基準
大項 目 :
中耳貯留液中に好酸球が存在す る滲出性中耳炎または慢性中耳炎
小項 目 :
1
指定難病又 は個別に検討 した疾 病 の範囲に含まれ得 る疾病
番号
病名
左記疾病が含まれ 得る疾病 (指定難病又は個別に検討した疾病)
1
紀伊 ALSPDC
筋 萎縮 性側 索硬 化症
パ ー キンソン病
2
乳児両側線 条体 壊死
ミトコンドリア病
3
ミトコンドリア遺 伝 性 難聴
ミトコンドリア病
4
単純性潰瘍 ・
腸 管ベ ーチェット病
ベーチェット病
5
周期性血小板減 少症
持発性血小板減少性紫斑病
6
毛細血管拡張性運動失調症
原発性免疫不全症候群
原発性免疫不全症候群
7
Bbom症
8
外胚葉形成不全 免疫不全症
原発性免疫不全症候群
9
分泌顆粒放 出異 常 症
原発性免疫不全症候群
Shwachman―Dぬmond症 候群
原発性免疫不全症候群
早期発症型 炎症 性腸 疾 患
潰瘍性大腸炎
クローン病
筋強直性ジストロフィー
筋ジストロフィー
10
2
候群
頼川病
遺伝性ジストニア
遺 伝 性 ジストニア
5
変形性筋ジストニー
バントテン酸キナーゼ 関連神経変性症
6
乳児神経軸 索ジストロフィー
遺 伝 性ジストニア
7
無セル ロプラスミン血 症
遺伝性ジストニア
″o!■Hirschhorn症候群
4p―症候群
小児悪性 ロー ランド・
シルビウスてんかん
限局性 皮 質異 形成
神 経細 胞移 動異 常症
先天性両側傍シルビウス裂症候群
神経細胞移動異常症
孔脳症
神経細胞移動異常症
滑脳症
神経細胞移動異常症
裂脳症
神経細胞移動異常症
レノックス ・
ガストー症候群および関連脳症
3
4
20
ウエスト症候 群
遺 伝性 ジストニ ア
早期 ミオ ク ロニ ー 脳症
レノックス・
ガストー症候群および関連脳症
レノックス・
ガストー症候群および関連脳症
遊走性焦点発作を伴う手L児てんかん
レノックス ・
ガストー症候群および関連脳症
クレフナ ー 症候 群
ランドー ・
徐波睦 眠期待続 性棘徐 波 を示 すてんかん性 脳症 および関連 症候
群
大田原症候 群
シエーグレン・
Larsson)症候群
ラルソン(筍Ogren―
先天 性魚鱗癬
先天性 自皮症
眼皮膚白皮症
ロイス ・
ディー ツ症 候 群
マル ファン症候 群
RAPADILINO症
ロスムンドトムソン症候群
候群
バレー ・
ジェロル ド症候 群
ロスム ンドトムソン症候群
無牌症候群
内臓錯位症候 群
多牌症候群
内臓錯位症候群
先天性修正大 血 管転位症
大血管転位症
左心低 形成 症候 群
単心室循環症候群
三尖弁閉鎖症
単心室循環症候群
心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症
単心室循環症候群
フォンタン(Fontan)術後症候群
単心室循環症候群
フアロー四徴症 類縁疾患群
心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症
ビング(TaussL―
Bhg)奇
両大血管右室起 始症 (タウジッヒ・
ファロー 四徴症 類縁疾患群
形を除く)
ペルオキシソーム病 (副腎白質ジストロフィーを除く)
原発性高シュウ酸尿症
トリプルA症 候群
副腎皮質刺激ホルモン不応症
Rchne「Hanha代症候群
高チロシン血症 (I型 、Ⅱ型 、Ⅲ型)
先天性全身性 リポジストロフィー
脂肪萎縮症
脂肪萎縮性糖尿 病
指肪萎縮症
1
現時点で指定難病の要件を満たすことが明らかでない疾病
資
料2
「
発病の機構が明らかでない」ことについて要件を満たすことが明らかでない疾病 (続き)
『
発病の機構が明らかでないJことについて要件を満たすことが明らかでない疾病
※他の施策体系が樹立している疾病を含む
番 号
病名
L形成性星細胞腫
A―
A-94
台児性癌
A-118
曼性移植片対宿主病
A-95
墜液腺癌
A―
晏性骨髄性 白血病
A-96
多胎 芽 腫
A―
曼性 骨 髄 単 球 性 自血 病
「髄線維症
A-97
多 発 性 内 分 泌 腫 瘍 症 1型
曼性 腎 孟 腎 炎
卜分化神経 外胚葉性腫瘍 (中枢性 のもの)
番号
3 リンパ 芽 球 性 リンパ 置
ンパ腫
トジキン(Hodgkin)リ
A-93
病名
1
A-2
3oHh症
A-48
障軟骨腫症
A-98
多発性 内分泌腫瘍症 2型
A-3
NK(ナ チユラルキラー )細 胞 自血 病
A-49
「肉田
A-99
C腸 症 候 群
A-4
T リンパ 芽 球 性 リンパ 腫
A-50
昆合性胚細胞腫瘍
A-100
時間 膜 静 脈 硬 化 症 候 群
A―
A-5
「
細胞 リンパ芽球 性 白血病
A-51
見床下部過誤腫
A-101
序発性角膜 内皮炎
A―
姜分化肉腫
A-6
′
IP産生 腱瘍
A-52
旧肪 肉 踵
A-102
欧骨募腫
A―
未分化胚細胞臓
A-103
欣骨 肉 腫
晨絡致乳頭腫
∫まん 性 塁 細 胞 腫
現細 胞 肉 腫 (腎明 細 胞 肉 踵 を除 く)
候群
A-7
悪性胸腺腫
A-53
瞥年性 骨髄単球性 自血病
A-8
腰性黒色腫
A-54
賊毛癌
A-9
ヽ分化神経 外胚葉性霞瘍 (末梢性 のtjの)
ヽ分化大細胞 リンパIE
騒性骨巨細胞腫
A-55
上衣 腫
A―
∫まん 性 汎 細 気 管 支 炎
A―
隅膜 芽 細 胞 腫
A-10
E性神経輌腫
A-56
上咽頭癌
A―
E満 低換 気症候群
A―
毛様 細胞性星細胞腫
A-11
E性 ラブ ドイド腫 瘍
A-57
松果体 EE
A-12
■型奇形腫 瘍/ラブドイド腫 痛
A-58
神経芽腫
A―
フォンウィルプランド(von w‖
obrand)病
3
尾形成性踵瘍
A-59
神経 輸腫
A-109
口腎 腺 IE
4
屁所性副 腎皮質刺激ホルモンlACTH)産 生症候群
ンスリノー マ
A-60
神経節芽腫
A―
酬腎皮質癌
A-61
神経 節膠回
A-62
神経 節腫
A―
平滑筋肉腫
A―
ランゲルハンス細胞組織球症
A―
ヘパ リン起因性血小板減少症
A―
フラウメニ病
リ
A―
A―
イルムス(Ⅷlms)腫 瘍 ・
腎芽踵
フォン ・
ヒッベ ル ・
リンドウ 病
1
貴紋筋肉踵
A-63
F細 胞癌
A―
ネ耳 中耳奇形に伴う難聰
A-64
b臓 腫瘍
ヘモクロマトーシス
『明細胞肉腫
泡巣状軟部肉腫
A-20
がストリノーマ
A-66
障芽 腫
A-21
憲族性腺■性ポリポーシス
A-67
随芽腫
A-22
旧色細胞腫
A-68
撻膜 腫
A-23
滑膜肉踵
A-69
層壺 咽 頭 E
A-24
カルシフィラキシス
A-70
腱菫内胚細胞踵痛
A-25
b ル チノイド症 候 群
A-71
室索間質性臆瘍
A-26
肝芽腫
A-72
1熟 B細 胞リンパ芽 球性 自血病
A-27
「細胞癌
A-73
ヱ熟B細 胞リンパ 踵
A-28
鷲管 支 腫 痛
A-74
i熱 を伴う急性骨髄性 白血病
A-29
年形 腫 ( 頭菫 内 及 び 脊 柱 管 内 に 限 る)
A-75
,黙を伴わない急性骨髄性白血病
A-30
慰性壊 死性脳症
A-70
成人 型 ランゲ ル ハ ンス細 胞 組 織 球 症
A-31
は性 巨核芽球性 自血 病
A-77
嘗索田
A-32
思性骨饉性 自血病 、最 小分化
A-78
瞑食障害
A-33
し性骨髄単球性白血病
A-79
限維形成性小円形細胞腫瘍
A-34
じ性赤 白血病
A-80
線維 肉腫
A-35
鳳性前 骨髄 球性 自血病
A-81
■駆B細 胞リンパ芽球性 白血病
A-36
L性単球性白血病
A-82
康E様 甲 状 腺 腫
A-37
L性 網 膜 壌 死
A-83
t天 性 フィプリノー ゲ ン欠 乏 症
A-38
陶膜肺芽腫
A-84
t天 性風疹症候 群
A-39
グルカゴ′―マ
A-85
先天性プロトロンビン欠乏症
A-40
血球貪食性 リンパ組織球症
A-86
仙尾部 奇 形 腫
A-41
肛小板減 少症 (眸機能 充進症 による)
A-87
第V 因 子 欠 乏 症
A-42
肛友病A
A-88
第Ⅵ:因子 欠乏症
A-43
肛友病B
A-89
第X園 子欠乏症
A-44
膠芽国
A-90
申X:因子 欠乏症
A-45
甲状腺癌
A-91
購Xn因 子欠乏症
A-46
躁髄異 形成症候 群
A-92
申Xlu因子欠乏症
1
A―
■―イング(Ewlng)肉
踵
ハー
乏突起神経膠lE
憂性 遺 伝 形 式 をとる遺 伝 性 難 聰
溶血性貧血 (眸機能克進症による)
喪膜偽粘 液腫
A―
下垂体腺腫
薬剤 性 過 敏 症 症 候 群
叩黄裏IE
両側性小耳症 ・
外耳道閉鎖症
A―
省性遺伝形式をとる遺伝 性難聴
「
治療法が確立していないJことについて要件を満たすことが明らかでない疾病
番号
病名
番号
「
ことについて
診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっている」
要件を満たすことが明らかでない疾病
病名
番号
病名
番号
E-48
\uditory nourcpathy spectrum disordcr
病名
クリグラー ・
ナジャー (CI」o_Nttar)症 候群
B-1
肝内結 石症
B-6
曽帽弁 閉鎖不全症
E-2
vdd症 候群
訓is―
van Cr●
E-49
グリセロール尿症
B-2
三尖弁狭窄症
B-7
k動 脈弁狭率症
E-3
ИODY5病
E-50
グルコースー6-リン酸脱水素酵素欠 乏症
B-3
三 尖弁 閉鎖 不全 症
B-8
大動脈 弁閉鎖 不全症
E-4
,luosfi
E-51
劇症 1型 精 尿 病
B-4
腎勁静脈療
B-9
柿勁脈 弁狭窄症
E二 5
'ad‖on―Lofevr●
症 候群
E-52
血 管新生貴斑症
B-5
僣帽 弁 狭 窄 症
市勁脈 弁闘餞不全症
E-6
tendred#El*
E-53
血小板放 出機構異 常症
E-7
'o中 症 候群
E-54
血小 板 無 力 症
E-8
アデ ニ ンホスホ リポ シル トラ ンス フ ェラー ゼ欠損症
E-55
原因 不 明 消 化 管 出 血
E-9
アポリポ蛋白A―l欠損症
E-56
原発 性 リンパ 浮 腫
E-10
アルカプトン尿症
E-57
日化性 晏縮性 苔癬
E-11
アル ドステ ロン 合 成 酵 素 欠 損 症
E-58
コ渇中枢障害を伴う高ナトリウム血症 (本態性高ナトリウム
i症 )
E-12
アンドロゲン過 剰症 (ゴナドトロピン依 存性思春期早発症及
びゴナドトロピン非依存性 思春期早発症を除く)
E-59
子酸球性筋膜炎
B-10
「
ことについて要件を満たすことが明らかでない疾病
長期の療養を必要とする」
番号
番号
病名
C-1
〕
ockw饉 ―Wtedomam症
C-2
0-3
病名
C-22
小眼 球 症
=EC症 候 群
C-23
進行性 心臓伝導障害
■sh“ 症候群
C-24
心室細勁
=uchG角 膜内皮変性症
C-25
成長ホル モン( G H ) 分泌不全性低身長症 ( 脳の器 質的原因
による)
c-5
W延 長症候群
C-26
先天性高インスリン血症
0-6
コT 短 縮 症 候 群
C-27
c-7
‐Russd:症候群
鶴lv●
C-28
先天性門脈欠損症
―遇性 骨籠 異 常 増 殖 症
C-29
先天 自 内 障
量伝性女性化乳房
C-30
ユ期再 分極症症候群
=伝性対側性色素異常症
c-31
ターナー
E―
わテコラミン感受性 多形性心室頻拍
がラクトキナ ー ゼ欠損症
C-32
膚14番 染色体母親性ダイツミー 症候群
C-33
●鎖アシル ●oA脱 水素 酵素欠損症
記全 房 室 プ ロック
C-34
日不全症候群
暉葉性異 形成胎盤
C-35
時発性周辺部角膜潰瘍
1性 低 ア ル ドステ ロン症
C-36
吹骨 低 形 成 症
じ性大動脈症候群
C-37
路落層 角膜 内皮症
C-38
更復胞状奇胎
C-39
卜奥型 良性 小児部分てんかん
C-40
メまん性絨 毛膜羊慎 ヘモジデロー シス
C-4
C-9
C-10
C―
C-12
C―
3
C―
C―
5
C―
C―
7
候群
E縮性甲状腺炎
t天 性胆遭拡 張症
F状 腺クリー ゼ
C-41
ブルガダ症候群
C-21
蓼様滴状角膜 ジストロフイ
c-42
,=r--rv#
C-43
M o b L ) 2 型 プ ロック
[ ビ ッツ 〈
「
患者数が本邦 において一定の人数に達しないJことについて
要件を満たすことが 明らかでない疾病
番号
病名
D-1
番号
Cdnls症 候 群
病名
D-14
「尿管結石
D-2
宙縮 型加齢貴斑 変性
D-15
ら房 細 動
D-3
■銭 角 瞑
D-16
b舅 粗勁
D-4
ま族 性 高 コレステ ロー ル 血 症 (ヘテ ロ接 合 体 )
D-17
■縦靭帯 骨化症
D-5
‖崎病
D-18
ダウン(Down)症候群
D-6
=管 支喘息
D-19
時発性正常圧水頭症
D-7
ロック
lJプ
D-20
足発性難聴
D-8
文心症
D-21
層本病
自メチオニン血症
E-64
ゴナ ドトロピン非 依 存 性 思 春 期 早 発 症
■伝性球状赤血球症
E-65
リブテ ロメア 微 細 構 造 異 常 症
E-66
自己免疫性腸症 (IPEX症 候群を含む)
E-20
E伝 性 非クロム 親和型 パ ラガングリオー マ
日伝性フルクトー ス不耐症
E-67
自己免疫性 多内分泌腺症候 群 1型
E-21
インスリン受書体異常症A型
E-68
自己免疲性 多内分泌腺症候群 2型
E-22
インスリン受容体異常舶 型
E-69
ンスチ ン尿 症
E―
C-20
宙プ ロリン血 症
E-63
7
― トナ ップ (Hartnup)病
ヽ
コ唇赤血球症
[所性甲状腺
は伝性間質性肺炎
E―
C―
8
好酸 球 性 膿 疱 性 毛 包 炎
E-61
姜縮腎 (尿路奇形が原因のものは除く)
E―
パレー症候群
ギラン・
ン
ンフ
ェルター
イ
ラ
C―
Pン ドロゲ ン不 応 症
E-23
インスリン練成長因子1 00Fl)不 応症
E-70
アフタ慎 口内炎 ・
咽頭 炎 ・
リンバ節 炎症候 群
同期性発 熙 ・
(PFAPA:pO市 Odic fove●aphthous,stom“ おs,pharyntts.
E-24
インター ロイキン1受 容体関連キナ ー ゼ4欠 損症
E-71
目産 期 心 筋 症
E-25
Eカルディーグティエー ル症候群
E-72
ヨ産期の難聴
E-26
Eストロゲン過剰症(ゴナドトロピン依存性思春期早奮症及
メゴナドトロピン非依存性思春期早発症を除く)
E-73
ジュベー ル (」
oubo“)症 候群関連疾患
E-27
た症性勁脈瘤形成症候群
E-74
1蹴角fヒ
症
E-28
E-75
中経 皮膚黒色症
E-29
EIIS毛 綱血管拡張症
ケロト酸尿症
E-76
=行性家族性肝内胆汁うつ滞症
E-30
■リンパ 寝
E-77
筐行 性 ミオ クロー ヌス てん か ん
E-31
感巨大糸球体症
E-78
暉コロポ ー マ 症 候 群
E-32
E-79
里襲性歯周 炎
E-33
角膜内皮機能不全 (水疱性角腹症 )
メリット(Kasabach―Mont)症
bサ バッハ ・
E-30
腎静脈血栓症
E-34
r族 性若年性高尿酸血症性腎症
E-81
肝生 児 小 児 特 発 性 血 栓 症
E-35
家族性動脈瘤 ・
解離
E-82
析生児糖尿病
E-36
家族性突然死症候群
E-83
『性低尿酸血症
E-37
巖状赤血球症
E-84
F無 形 成
E-38
「外円脈日塞症
E-35
随膜脳瘤
E-39
置状動脈狭窄症 (川崎病 によるものを除く)
E-86
ステロィド依存性感青難聴
E-40
「内胆管減少症
E-87
言帯 溝 症
E-41
トサ ンチ ン尿 症
E-88
i長 ホルモン(GH)不応性症候群 (インスリン様成長因子1
:GFl)不応症を除く)
候群
D-22
D-10
『発性局所多汗症
D-23
バセドウ(Basedow)病
ベルーシド角瞑辺縁変性症
E-42
め性偽性副甲状腺機能低下症
E-89
m眼 部形成異常
D-11
コレステリルエステル転送 蛋 自欠損症 (CETP)
D-24
E性 腎 不 全 (急性 尿 細 管 壊 死 また は 腎 虚 血 に よる)
E-43
Fッテルマン(GitOlman)症
候群
E… 90
曽在性HTLV-1感 染関連疾 患
D-12
b筋 梗塞
D-25
E性 腎不全(腎踵癌による)
E-44
嵐道 狭 窄
E-91
ビん ぜ ん 全 前 脳 胞 症
D-13
『血管性高血圧
D-26
邑性膵 炎
E-45
懸性 肝 不 全 (昏睡 型 )
E-92
先天性 角膜 混 濁
D-27
と
型精尿病
E-46
ヨ赤芽球性貧血
E-93
先天性角膜ジストロフィ
E-47
8+++,vfr
E-94
t天 性肝線維症
3 一
目発性アルドステロン症
D-9
「
診断に関し客観的な指標による一定の基準が定まっているJことについて
要件を満たすことが明らかでない疾病 (続き)
E-95
先天性厚硬 爪 甲症
E―
メまん性特発性骨増殖症
先天 性 水 願 症
E―
ゴル ビン酸 キ ナ ー ゼ 欠 乏 性 貧 血
E-97
先天性腸性肢端皮膚 炎
E―
下安定 ヘモグロビン症
E-98
先天性褻胞性肺疾患
E―
フィプロネクチン腎症
E-99
先天性 ヘル ペ スウイルス感染症
E―
刑甲状腺機能克進症
E-loo
先天性横軸形成不全症
E-140
刑甲状 腺 欠 損 症
E-101
先天縁 内障
E-141
Π腎皮質結節性遇 形成
E-102
僚毛機能不全症候群(カルタゲナー Karta"ner症
候群を■
b)
E-142
フルクトースー1,0-ビ スホスファター ゼ欠 損症
E-103
治児胸水
E-143
プロリダー ゼ欠損症
E-104
E-144
E-105
陰児尿路目塞性疾患
'ウンズ ・
プロックス症 候群
E-145
胴塞性尿路疾患
`ルナー ル ・
スー リエ (8omard―Sclt110r)症
候群
E-106
多嚢 胞 性 興 形 成 腎
E-146
E―
多発性肝嚢胞
済股尿 管逆流 (下部尿路の開塞性尿路疾患による場合を
除く)
トスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ欠損症
ポッター
)症候 群
またら症
―
マッキューン・
Ab"ght)症候群
オルプライト(McCun●
多発 奇 形 ・
発 達運 滞
E-148
アンデ ィー ・
ウ ォー カー (DandrWalkOr)症 候 群
E―
1枢 性塩喪失症候 群
E―
1枢 末梢連 合脱髄症
-151
曼性活動性EBV感 染症
1性 脂肪蓄積心筋血管症
-152
曼性動 脈周囲炎
E―
2
E-113
E-150
E形 成腎
E-153
曼性尿細 管間質性腎炎 (尿路奇 形が原因のものは除く)
4
Eレ ニン性低アルドステロン症
E-154
曼性肺疾患
5
戸ン ト病
E-155
曼性 肺 性 心
E―
6
時発性耳 石器障害
E-156
見かけの鉱貫コルチコイド過剰症候群 (AME症 候群)
E―
7
E―
8
侍発性ステ ロイド性骨壊死症
侍発性肺 ヘモジデ ロー シス
9
勺耳 自 己 免 疲 疾 患
E―
惟治性視神経 炎
E―
駐治性脳形成症外傷
E―
熙甲 状 腺 症
E―
ヘグリン(MarHogg h)異
メイ・
E―
メ
サンギウム増殖性糸球体腎炎ぐgA腎症を除く)
E―
メ
チルグルタコン酸尿症
事疹 ・
皮膚掻痒症
覧児特発性僣帽弁腱 索断裂
E―
3
尿細 管 性 ア シ ドー シス
E―
黒酸 トランスポ ー ター 異常症
E―
パテラ(NJlや atoma)症候 群 (爪膝蓋症候 群)
ネイル ・
E―
ネフロン療
E―
格膜 逸 脱 症 候 群
E―
市胞 微 石 症
― ター (3aは Or)症 候 群
ヾ
自質 消 失 病
E―
1
E―
ヾルデー ・
ビー ドル症候群
肥厚性硬膜 炎
非 症 候 性 頭 蓋 骨組 合 早 期 癒 合 症
E-134
=ポキサンチングアニンホスホリポシルトランスフェラー ゼ
欠損症 (レッシュ・
ナイハン Looch―Nyhan症 候群 )
常症
卵精 巣性 性 分化疾 患
卵 巣 形成 不 全
E―
リドル ( 日d d o ) 症 候 群
リポイドタンパク症
レリー ワイル症 候群
ロー 症候群
E―
フールデンブルク症候群
メチルクロトニルCoAnル ボキシラーゼ欠損症
17β―
ヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症
E-168
E―
1
16.XX性分 化疾患
ユ括病名56疾 病
資料 3
今後 の 予定 (案)
平成 2 7 年
3月 9日
第
3月 19日
第
1 0 回 指定難病検討委 員会
1 1 回 指定難病検討委 員会
第 二次実施分指定難病に関す る一 定 の整理
3月 下旬 ∼
4月 末
パ
第
ブ リック コメン ト
1 2 回 指定難病検討委 員会
第 二次実施分指定難病に関す るとりま とめ
5 月 初旬
平
成 2 7 年 度第 1 回 疾病対策部会
指定難病検討委員会の検討結果 について
7月
第
秋以降
指
二次実施分指定難病医療 費助成開始
定難病 (第二 次実施分)の 検討 に向 けて情報収集 を開始
* 情 報収集の状況によ り適宜指定難病検討委員会 で検討 を実施
_
第
10回
指定難病検討委員会資料
参考資料 1
第 6回指定難病検 討
委員会資料を再 掲
指定難病 の要件 について
(追記 の案)
平成 27年 1月 23日
難病の定 義
○発病の機構 が 明らかでなく
○治療方法が確立していない
○希少な疾病であって
○長期 の療養を必要とするもの
難病のうちt以下:の
事件の全てを満たすもあを、
患者の置かれている状況からみて
1
し
て
星
嗣
負
量戦
墨
曇
響
電
雀
曇
貫
撃
警
色
冥
籠
琵
嵩
已
庸 , ‐
ヽ
0患 者数が本邦においで二定め人数ほ)に達しなし
こと
O客 観的な診断基準(文はそれに準ずるもの)が確立していること
(注)人口のO.1燿 度以下であることを厚生労働省令において規定する予定。
〇 以下のように整理する。
① 原因が不明または病態が未解明な疾病が該当するものとする。
② 原因遺伝子などが判明している場合であつても病態の解明が不十分な場合は、①に
`
該当するものとする。
③ 外傷や薬剤の作用など、特定の外的要因によつて疾病が発症することが明確であり、
予防することにより発症させないことが可能な場合は①に該当しな
当該要因を回避・
いものとする。
④ ウイルス等の感染が原因となつて発症する疾病については、原則として① に該当し
一
ないものとする。ただし、ウイルス等の感染が契機となつて発症するものであつて、
般的に知られた感染症状と異なる発症形態を示し、症状が出現する機序が未解明
なものなどについては、個別に検討を行うものとする。
⑤ 何らかの疾病(原疾患)によつて引き起こされることが明らかな二次性の疾病は、原
則として①に該当しないものとして、原疾患によつてそれぞれ判断を行うものとする。
追 記 1「他 の施策体 系 が 樹 立 していない」ことについ て
〇 以下のように整理してはどうか。
① 難病の要件全体に含められている基本的な考え方は、他の施策体系が樹立してい
ない疾病を広く対象とするものとされている。
他の施策体系が樹立している疾病」とは、厚生労働省において難病法以外の法律
② 「
等を元に調査研究等の施策が講じられている疾病で、がんや精神疾患、感染症、ア
レルギー疾患などがこれ にあたり、難病法にいう難病として想定していない。
一
③ ただし、横断的に疾病 の症状や病態の 部 に着 日した施策が体系的に講じられて
いたとしても、疾病を単位 とした施策が講じられていない場合は、他の施策体系が樹
立しているものとして一律 には取り扱わず、個別に検討する。(例えば、小児慢性疾
病 の対象疾病 は小児期に限つて支援を行つているという観点から、他の施策体系が
樹 立しているものとして一律には取り扱わず、個別に検討する。)
3
追記 2が んにういて
○ がんについては、「
がん対策基本法」
がん登録等の推進 に関する法律」(平成28年 1月 1日
及び「
施行予定)を中心 に、難病対策とは別の施策体系が講じられている。
○ がんの定義は、学会等の統 一された見解はないが、「
がん登録等 の推進 に関する法律」
第 2条
「
1項に
第
おいて、 悪性 新 生物その他 の政令で定める疾病 」とされており、厚生科学審議会 がん登
録部会 において、以下の案で承認されたところ。(現在はパ ブリックコメント中)
(1)法第 2条 関係 (がんの定義)
「
がん」の定義として、次に掲げるものを規定すること。
・
悪性 新生物及び上皮内がん (ただし、以下に掲げるものを除く。)
・
髄膜 、脳、脊髄、脳神経及び中枢神経系のその他の部位 に発生した腫瘍
・
消化管間質腫瘍
一部 の卵巣腫瘍
・
○ このため、lcD10で
悪性 新生 物 に位置付けられている疾病など、がんに含まれる可能性のある疾
病 については、「
がん登 録等の推進 に関する法律」に付随する政省令 の策定状況等を踏まえ、指
定難病検討委員会 における検討を行うこととしてはどうか 。
○ ただし、複数 の疾病 が併存して発生する症候群についてはがんを合併するものであっても、がん
によらない他 の症状が 指定難病の要件を満たすような場合には、その症候群 について指定難病と
して取り扱うこととしてはどうか 。
4
指定難病 の要件 について<1>
追 記 3精 神疾患 について
○ 精神疾患 については 、体系的な施策として障害者総合支 援法 における精神通院医療
の制度を実施しており、その 対象範囲となる疾病はlcD10においてFでコードされている
疾病及びG40でコー ドされている疾病 (てんかん)とされている。
○ これを踏まえ、障害者総合支援法における精神通院医療の対象となる疾病は 、基本
的 に指定難病 の要件を満たさないものとしてはどうか 。
○ ただし、複数 の 疾病 が併存 して発 生する症候群については、精神症状やてんかん症
状を合併するものであっても、精神症状やてんかん症状によらない他 の症状が指定難
病 の要件を満たすような場合には、その症候群について指定難病として取り扱うこととし
てはどうか 。
5
指定難病 の要件 について<2>
(2)「 治療方法 が確立していない」ことについて
〇 以下のいずれかの場合に該当するものを対象とする。
① 治療方法が全くない。
② 対症療法や症状の進行を遅らせる治療方法はあるが、根治のための治療方法
はない。
一
③ 部の患者で寛解状態を得られることはあるが、継続的な治療が必要。
○ 治療を終了することが可能となる標準的な治療方法が存在する場合には、該当し
ないものとするが、臓器移植を含む移植医療については、機会が限定的であること
から現時点では完治することが可能な治療方法には含めないこととする。
6
指定難病 の要件 について<3>
I手
(3):.「
長期ρ療養を必要とするJ.Fと
ついて
〇 以 下の ように整 理する。
① 疾病に起因する症状が長期にわたつて継続する場合であり、基本的には発症し
てから治癒することなく生涯にわたり症状が持続もしくは潜在する場合を該当す
るものとする。
② あるT定 の期間のみ症状が出現し、その期間が終了した後は症状が出現しない
ようなもの(急性疾患等)は該当しないものとする。
③ 症状が総じて療養を必要としない程度にとどまり、生活面への支障が生じない疾
患については、該当しないものとする。
7
一定の人数」
○ 「
として示されている「
1%程 度以下」について、以下のように整理する。
人口のO。
本検討会で
①
議論を行う時点で入手可能な直近の情報に基づいて、計算する。
※本 邦 の人 口は約 1 . 2 7 億人 、そのO . 1 % は 約 1 2 . 7 万人 ( 「
人 口推 計 」( 平成2 6 年1 月確 定値 ) ( 総務省 統 計 局) より)
15%未 満を目安とすることとし、具体的には患者数が18万人(o.142%)未
② 当面の間は、O。
満で
0.1%程度以下」
あつた場合には「
に該当するものとする。
③ この基準の適用に当たつては、上記を参考にしつつ、個別具体的に判断を行うものとする。
○ 患者数の取扱いについては、以下のよう整理する。
① 希少疾患の患者数をより正確に把握するためには、{a}一
定の診断基準に基づいて診断され
た当該疾患の{b}全
い
国規模の{o全数調査と う3つの要件を満たす調査が望ましいものとする。
② 医療費助成の対象疾患については、上記3つの要件を最も満たし得る調査として、難病患者
データベース(仮称)に登録された患者数(※)をもって判断するものとする。
※ 医 療受給者 証保持者数 と、医療費 助成 の対象外だが登録されている者 の数 の合計
③ 医療費助成の対象疾患ではない場合などは、研究班や学会が収集した各種データを用いて
総合的に判断する。当該疾患が指定難病として指定された場合などには、その後、難病患者
データベースの登録状況を踏まえ、本要件を満たすかどうか、改めて判断するものとする。
指定難病の 要件 につ いて<5>
〇 以下のように整理する。
① 血液等の検体検査、画像検査t遺伝子解析検査、生理 学的検査、病理検査等
の結果とともに、視診、聴診、打診、触診等の理学的所見も、客観的な指標 とす
る。
一定の基準 」とは、以下に該当するものとする。
② 「
i.関 連学会等 (国際的な専門家の会合を含む)による承認を受けた基準や、
すでに国際的に使用されている基準等、専門家間で一定の合意 が得られて
いるもの。
‖
.iに は該当しないものの、専門家の間で一定の共通認識があり、客観的な
指標 により診断されることが明らかなもので、iの 合意を得ることを目指し
ているなど iに 相 当すると認められるもの。この場合、関連学会等 のとりま
とめ状況を適宜把握する。
9
児慢性特定疾病の診断の手引きについて
追記4ノ 1ヽ
OJヽ 児慢性特定疾病 の診断 に当たつては、日本小児科学 会が主体 となり作成 した
「
診断の手引き」の 多くは、主として小児科 の 医師
診断の手 引き」が ある。これらの 「
が t小 児を対象 として診断を可能 にするという観 点でとりまとめられたものとされ てい
る。
○ この 「
診断 の手引き」については 、成人を対象 とした診断基準を基 に小児に対する診
断基準 としての適否の検討を行 つたものや 、小児 にのみ用 いられることを前提 とした
診断基準 としてとりまとめられ たものなどがある。
○ そのため、指定難病 の要件 である診断基準 の 有無の検討 に当たり、小児慢性特定
診断の手引き」のみを根拠 とする場合 には 、成人 に
疾病 の 診断で用いられている「
を満たすかどうか 、個別 に検討を行う
認定基準 についての考え方」
適用 したならば 「
こととしてはどうか 。
10
○ 医療費助成の対象患者の認定基準については、確立された対象疾患の診断基準と
それぞれ の疾患の特性に応じた重症度分類等を組み込んで作成し、個 々の疾患ごと
に設定する。
○ これらの認定基準については、検討時点において適切と考えられる基準を設定する
とともに、医学の進歩に合わせて、必要に応じて適宜見直しを行う。
○ 診断基準の検討に当たつては、以下の事項に留意する。
① 必要な検査を列挙し、満たすべき検査値などについても具体的に記載すること。
一
② 複数の検査や症状の組み合わせを必要とする場合 は、 義的な解釈となるよう
にすること。
③ 診断基準の中に不全型、疑い例等 が含まれる場合については、それぞれの定
義を明確 にし、医学的に治療を開始することが妥当と判断されるものが認定さ
れるようにすること。
11
○ 重症度 分類等の検討に当たつては、以下の事項に留意する。
● 「日常生活又は社会生活 に支障がある者 」という考え方を、疾病の特性に応じて、医学的
な観点から反映させて定める。
● 治癒することが見込まれないが、継続的な治療により症状の改善が期待できる疾患につ
いては、その治療方法や治療効果を勘案して、重症度 を設定する。
● 疾病ごとに作成されている重症度分類等がある場合は、原則 として当該分類等を用 いる。
● 疾病 ごとに作成されている重症度分類等では 日常生活又は社会生活へ の支障の程度が
明らかではない場合、または、重症 度分類等がない場合は、以下のような対応を検討す
る。
① 臓 器領域等 ごとに作成されている重症度分類等を、疾病の特性に応じて用いる。
※例 : 心、肺 、肝 、腎、視 力、聴 力、A D L 等
② 段階的な重症度分類等の定めはないが、診断基準自体が概ね 日常生活又は社会
生活への支障の程度を表しているような疾病については、当該診断基準を重症度分
類等として用いる。
※例 :家族性高 コレステロー ル血症 (ホモ接合体 )
12
第 10回
参考資料 2
指定難病検討委 員会資料
第6 回指定難病検 討
委員会資料を再掲
指定難病 (第二次 実施分)とし
検討を行 う疾病 の一 覧
○
第二次実施分の指定難病の検討においては、検討段階において指定難病として
の要件 に関する情報収集がなされた疾 病を対象とする。
O
具体的には 、これまで難治性疾患克服 研究事業において研究されてきた疾病及
び小児慢性特定疾病の対象疾病 (平成 27年 1月 施行の新たに指定された疾病を
含む)について、研究班や 関係学会 に情報提供を求め、平成 27年 1月時点で要
件 に関する情報が得られている610疾病 +包 括病名を検討の対象とする。
○
なお、現時点で日本 において対象となる患者がいないとされている疾病 について
は検討の対象外とする。
※別表の 「
指定難病 (第二次実施分)として指定難病検討委員会で検討を行う疾病」は、今後検討を行う予定の疾病で
あり、委員会の議論の結 果、指定難病の要件を満たさないと判断される疾病が多数含まれ るものである。また、病名
については今後変更 の可 能性がある。
※56疾 病は包括病名
※今後検討を行う予定の疾病 であり、委員会の議論の結果、指定難病の要件を満たさないと判断される疾病が多数
含まれるものである。また、病名については今後変更の可能性 がある。
腎(尿路奇形 が原因のものは
ストロゲン過剰症 (ゴナドトロピン
春期早発症及びゴナドト
ン非依存性思春期早発症を除
ニンホスホリボシルトランスフェ
インスリン様成長因子1(lGFl)不
ンドロゲン過剰症 (ゴナドトロピン
ンターロイキン1
メリット(Kasabach―
カサ ′ヽ
ッハ ・
※今後検討を行う予定の疾病であり、委員会の議論の結果、指定難病の要件を満たさないと判断される疾病が多数
含まれるものである。また、病名については今後変更の可能性がある。
レステロー ル血 症 (ヘテ
奇形腫 (頭蓋内及び脊柱管内に限
クリグラー・
ナジャー (CH」er
口渇中枢障害を伴う高ナトリウム
カテコラミン感受性 多形性心室頻
グルコーストランスポーター1
炎 (グッドバス
ガラクトースー1-リン酸ウリジルトラ
‖崎病 による
動脈狭窄症 (′
※今後検討を行う予定の疾病であり、委員会の議論の結果、指定難病の要件を満たさないと判断される疾病が多数
含まれるものである。また、病名については今後変更の可能性がある。
ゴナドトロピン非 依存性 思春 期早
肇庁
コフィン ・ロー リー (C。術n―Lowry)
庁候 群
コレステリルエステル転送 蛋 白欠
目荒 (CEttP)
周期性血小板減少症
脈 管奇形
iE冨 圧 聡 利 肥 腰 揚
躍弓耳腎症候群 (30R)
左心低 形 成 症侵 群
F李
牟 関 錯 不 全 席
サブテロメア微 細構 造異 常 症
禿頭と変形性脊椎症辞 う劣性遺
腎コロボー マ症候群
伝性 白 雪 脳 庁
腎細胞癌
絨毛癌
ジュベール ( 」
o u b e t ) 症候群関連
263
疾車
262
シェーグレン・
ラルソン(SJ6gren―
上衣腫
LarssOn)症候群
上口
因頭 癌
色素性乾 皮症
266 松果体腫
自己免疫性腸症(IPEX症候群を含
Jヽ
眼球 症
247
295
小児悪性ローランド・
シルビウスて 劉
自己免疫性 多内分泌腺症候群 2
静脈奇形
劃
「
動静脈度
徐波 睡 眠 期 持 続 性 棘 徐 波 を示 すて
結 石
滉床 下 部 過 誤 腫
ス, かん 性 脳 庁 余 上パ 閣 遭 爺 櫂 饉
) 房細 動
シス チ ン 尿 椰
□
b筋 精 実
303
神経芽腫
劃
)房粗動
F無形成
305
子B R 卸 胸 肉 腫
脂肪 萎 縮 性 糖 尿 病
:隋 困 HIE
若年性 骨髄単球性 白血病
7
神経輸腫
1経節 芽 nll
B 細 胞 リン バ 葬 球 伸 白 血 績
成 熟 B 細 胞 リン パ 腫
成熱を伴う急性 骨磁性 白血病
‐
お r ■L ヽ色 性 ・
E・
賄 性 白 而 J
諄…
成長ホルモン(GH)不応性症候群
(インスリン様成長因子 1(lGFl)不
薦爺弁除《)
成長ホルモン(GH)分 泌不全性低
身侵庁 (脳の器首的原因 に上スヽ
瀬川病
3,71
「
索腫
硼 脊髄空洞症
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耐
線維 形 成 性 小 円形 細 胞 腫 瘍
瞑維 肉 膊
前眼部形成異常
■■■ 爺 田 n 釦
蘭 :1ヽ
′パ 菫 " 性
E芽腫
薔在 性 HTLV-1駆
劃
i芽腫
前縦靭帯骨化症
Ю一
神経 軸 索スフェロイド形成 を伴う遺
医伸 びまん‖ 白雪脳庁
性索間質性腫瘍
脆弱X症 候群関連疾患
尿 崩症
2 9 9 )臓腫瘍
脂肪姜縮 症
スミス ・マ ゲ ニ ス 症 候 群 ( S M S )
腎性低尿酸血症
ス,か ス′
経細 胞移 動異常症
ステロイド依存性感音難聴
斤生 児 小 児 特 発 性血 栓 症
斤生 児 麟 尿 病
型
掟斑 病 性 腎 炎
―席 候 霊
ス々 ぶ う…… ウ T― ′ヽ‐
1
艮襲性歯周炎
子
静脈血栓症
掌蹴角化症
ントステロー ル血 症
頭 署 肉 胚 翻 胞 HE農
b室 細 動
成 人 一 次 件 ネ フ ロー ギ 席 偉 難
ら室 中隔 欠損 を伴う肺動 脈 離
成人型ランゲルハンス細胞組織球
322
b室 中隔 欠損 辞 わ ない肺 動脈 閉
虚
贈庁
323 声帯溝症
: 候群 性 頭 姜 組 合 早 期 療 合 庁
自己免疫性 出血病x11
自己免疫性 多内分泌腺症候群 1
3101頭蓋咽頭腫
1進行性ミオクローヌスてんかん
罰燿 期 の 難 陳
三尖弁狭 窄庁
23g 三 尖 弁 閉 錯 爺
2791神経節膠腫
同期性 四肢 麻痺
神経節腫
口
神経皮 膚黒仁 爺
アフタ性 口内 炎 ・
周期性 発 熱 ・
因頭
神 経 フ ェ 1,手 ン 席
炎 ・リンパ 節 炎症候 群 ( P F t t A :
腎血 管 性 高 血 圧
periodic fever,aphthous,
stomatitis,pharyngtis,cervica!
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症
aden■is)
285 進行性 骨化性 銀維異 形成症
ヨ産期 心 筋症
進行性心臓伝導障害
膜腫
:rnnI
凸 而 姜
曇 閣 遭 疼 串
甲状腺腫
先天 性 フィプリノー ゲン欠 ラ 庁
髄膜脳瘤
※今後検討を行う予定の疾病であり、委員会の議論の結果、指定難病の要件を満たさないと判断される疾病が多数
含まれるものである。また、病名については今後変更の可能性がある。
内耳 自己免疫 疾患
内臓 錯 位 症 候 群
中優 ―西 村 庁 候 群
那須 ハコラ病
芽腫
f>i<-.O*-/:-(Dandv-
軟骨肉腫
難治性 巨大lT血 管腫
腱
治性視神経 炎
難治性脳形成症外傷
141
難治頻 回部分 発作 重積 型急性 脳
吝
14″
乳児神経軸素ジストロフィー
早L児両側 線 条体壊 死
14番 染色体父親性ダイソミ
L児特発性僧帽弁腱素断裂
早
尿細 管性 アシドー シス
第 14番 染色体母親性ダイソミー症
卜う シ ス ポ ー 々 ― 里 堂 爺
尿素サイクル異常症
:4ラ
ヌーナン症候 群
ネイル ・パ テラ(NJ卜Pate‖
a)症候 群
(爪膝 善 庁据 鵞)
ネフ ロン壼
粘膜逸脱症候群
悩秦 へ 毛 ラデ : J し沖 書 爺
脳腱黄色腫
症
輌一
輌
バー ター (BartLer)庁候 群
ハートナップ (Hattnup)病
弁閉鎖 不全 症
節動 脈弁狭窄症
捕胞蛋白症
l 低換 気 症 候 群
柿胞微石症
白質消失 病
※今後検討を行う予定 の疾病であり、委員会 の議論 の結 果、指定難病 の要件を満 たさないと判断される疾病が多数
含まれるものである。また、病名 については今後変更の可能性がある。
不 寄 7ヘ
大 病
バセ ドウ (Basedow)病
1651バルデ ー ・ビー ドル症候 群
166レヽレー 。
ジェロル ド症候 群
フゴニルケトン尿 症
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ワチツ o「・
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じ・:lン ドウ 病
椰梓 勧 脈 目 開 薔
慢性 尿細 管間質性 腎炎 ( 尿路奇形
ボ 盾田ハ■.∩:士「
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5 1 6 「 形 僻 筋 ジ ス トニ
片側 巨脳 症
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541 陽性 肺 疾 患
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ントテン酸キナーゼ関連神経変
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片側 けいれん片麻痺てんかん症候
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謗眺尿管逆流(下部尿路 の開塞性
ミオクロニー脱 力発 作 を伴うてんか
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ストロフィー性ミオトニー症候
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状 膜 機 能 低 下 症 ( 副 甲状 腺 欠 面
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皮質下梗塞 と自質脳症を伴う常染
邑体性優性脳動脈 症
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リカー スタツフ型 脳 幹 脳 炎
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割: 腎皮 質結 節 性 過 形 成
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砲彙 状 軟 部 肉腫
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ホスホエノールビルビン酸カルボキ
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ター (Poter)症候 群
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平滑 館 肉 腫
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カ ビオン酸血症
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円満 低 糧 気 症 候 群
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8 一
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皮 質刺激ホルモン( A C T H ) 不
ブルガダ症候群
フルクトースー1,6-ビスホスファ
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直性 鮨 殖 性 糸球 体 腎 炎
非典 型 良性 小児部 分てんかん
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状 腺機 能 克進 症
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未分 化 肉腫
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無甲状 膜庁
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無膊 症 候 群
骨 艦 当 球性 白血 病
ヘグリン(MarHOgglh)異常
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再 畢 件 多桑 梓 骨 髄 養
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慢性 腎 孟 腎 炎
明細 胞 肉 腫 ( 腎明 細 胞 肉 腫 を除 く)
慢性 腎不全(急性 尿細 管壊 死また
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メサンギウム増殖性糸球体腎炎
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メープルシロップ尿症
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メ手 ル 〃 ル 々コツ酸 展 席
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フアン コニ 含 血
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※今後検討を行う予定の疾病であり、委員会の議論の結 果、指定難病の要件を満たさないと判断される疾病が多数
含まれるものである。また、病名については今後変更の可能性がある。
メビウス症 候 群
リンパ管 膊症 ・
ゴー ハム病
毛細 血 管 拡 張 性 運 動 失 調 症
1 痴療
レー ベ ル 病
劣‖ 費 伝 形 式 をとる遺 伝 性 難 聴
う
661縄 瞳 葬 鋼 胞 籠
毛織 細胞性 星細 胞 腫
モビッッ(MObに2)2型 プロック
手い ヽ
′卜 ・め イ j l . りし 席 緯 菫
レッ齢 候 群
聾脳 爺
菫書l 伴襦 前 締 席 撮 群
ヤラ グ ・ラ し ず ノン 爺 樺 難
レノックス ・
ガストー 症候群 および
凹ヨ爺曇 避
■― イング (Ewh2)肉 腫
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ロイス ・デ イー ツ 征 候 群
日性 │ ●機 形 式 をとるi ■伝 特 齢 腋
ロー 芹 候 群
遊走 性焦 点発 作を伴う乳 児てんか
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′席 櫂 避
101 nフ ′
溶 血 性 貧 血 (牌機 能 克進 症 によ
302 ワー ルデンブル ク症候 群
300 l o 3 6 欠失 爺 候 群
575 ,1ヽ
1鋏.慮 虐 怪 澪 席
ラスム ッセン症候 群
※左記 の610疾 病 以外に、包括的な病名
として小児慢性特定疾病の中で、「1か
ら15に 掲 げるもののほかの 自血病J
(数字 は小児慢性特定疾病の表記であ
り、当該 リストの番号 とは一致しない。)
のような形で規定されている疾病 が
56疾 病ある。
3-メチルクロトニルC“山ルポキシ
505 ー
弓シ ゲ ル ハ シ ス 細 胞 鋼 鐘 政 庁
30G
印霜 奥性 性 分 化 疾 患
ロ
ロ単 形 5 1 不今
ギ々 娼 席
` D 症候 群
5 0 - 席撮 群
17β―ヒドロキシステロイド距水素
弓ン ドー ・ウ レワ十 一 庁 優 群
:lド′
じイLiddie)庁 健 群
:1つう向 メニ 稲
::ポ イ ド々`
′パ 々席
面 4 B H 仕J 、亘 滞 ・外 亘 遭 閉 錯 席
包括病名56疾 病
2型 糖 尿 病
哺昔 壺 腫
リジン尿性 蛋 自不耐症
+
餞去 を 組 爺
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r2o112&*#E#
16 xx性 イ
メ
トイ
ヒ1lE自
面個雌 特 発 性 盛 音 難 聴
589
両大 血 管右 室起 始症 (タウジッヒ・
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