第 11 講 生きていた証拠:化石

地学
小出良幸
第 11 講 生きていた証拠:化石
http://ext-web.edu.sgu.ac.jp/koide/chigaku/
▼ 生きていた証
例 ウェゲナー
▼ 生きているということ
1 生命と生物の定義:循環論法
生物
生命
生命現象を営むもの
生物の本質的属性
循環論法
2 私たちには、見分けられる
例 犬と机
例 寝ている犬と死んでいる犬
3 でも、不確かである
例 タバコモザイクウイルスは、結晶か生物か?
4 死が資料に
▼ 化石とは
1 化石の定義:地質学的定義
「過去の生物の遺骸(遺体)や
生活の痕跡(生痕)が残された
もの」
2 化石=過去の生物:帰納法の
限界
化石≠生物
化石=過去の生物
・形の類似性:アナロジーの拡
大
・大量の資料と傍証の蓄積:確
率の増加
▼ 化石観の変遷
1 化石の語源
中国
日本
2 ギリシア時代:正しい認識
3 間違った道へ:宗教の呪縛
造形力説 アリストテレス
神秘的な特殊な力によってつく
られたと考えた
鉱物学の父 アグリコラ
ベリンガー事件
罪深い人間の化石
E-mail:
[email protected]
4 正しい認識へ萌芽
レオナルド・ダ・ビンチ
産業革命
18~17 世紀
5 斉一説と激変説:正しい認識への闘争
・イギリス:地質学での論争
激変説(天変地異説)
斉一説:異端的考え
・フランス:キュビエとラマルクの論争:生物進化
激変説:キュビエ
斉一説:ラマルク
用不要説」の提唱。
6 ダーウィンの進化説:近代科学への道へ
▼ 化石の示すこと
1 生物個体そのもの
・古生物の一部や個体そのもの:個体
・生物がなにかした跡:生活痕
・硬組織の化石
・軟組織の化石
2 古生物の生活の様子
生痕化石
生痕化石の種類
3 古生物の生きていたい時代
示準化石
例 各時代の代表的化石
4 古生物の生活環境
示相化石
絶対条件
例 異地性
示相化石に有効なもの
5 古生物の進化
6 化石のでき方
絶対量が多い
保存されやすい場所に移動・埋没
例 魚の化石
▼ 第 3 回レポート
地球温暖化のメリットを考えなさい。
12 月 22 日 24 時(締切り厳守)
紙でのレポートは、各回の講義の最後に小出に出
してください。なおレポートには、氏名、学生番号、
テーマを忘れないようにしてください。
地学
小出良幸
第 11 講 生きていた証拠:化石
http://ext-web.edu.sgu.ac.jp/koide/chigaku/
E-mail:
[email protected]
▼ 生きていた証
「生きている証」は、現在形である。個人の生きている間だけのことである。
「生きていた証」は、過去形である。死んでからのことである。
「生きている証」は、すべては、本人の死とともに消えていく。しかし、「生きていた証」は、「生きて
いる証」、あるいは本人の意志に関わりなく、本人の関与なく、たまたま残ることがある。逆に、本人がい
くら努力しても、後の時代にそれが、残るかどうかはわからない。
例えば、ある研究、ある作品、など、「生きている証」として、提示されたものは、後の時代に、「生き
ていた証」が残るかどうかは、本人には判断できない。
現時点で、どんなに「生きている証」が評価されていても、10 年後、100 年後、1000 年後に同じ評価がさ
れているとは限らない。100 年前の研究や作品、1000 前の研究や作品で残っているのは、どれほど少ない
かを考えれば、「生きていた証」が残ることの難しさがわかる。
また、本人が生きているときに「生きていた証」としての評価が低くても、後の時代にその重要性が高
く評価され、歴史に名を残すこともある。
「生きていた証」は意図して残ることはできないが、
「生きている証」は意図して残すことはできる。生
きている人間にとって、
「生きている証」を残す努力はできる。
「生きている証」を残せないことには、「生きていた証」として残る可能性はゼロに近い。もし、「生きて
いる証」残せば、そこには、「意図しない益」が生じることもある。
例 ウェゲナー
ドイツ人の気象学者ウェゲナー(A.L. Wegener, 1880~1930)は、1912 年に、大陸漂移説を唱えた。
根拠として
大西洋両岸の海岸線の類似性
南半球の古生代末の植物化石の共通性
氷河痕跡の存在
などから、大陸が分かれて現在の位置に来たことを示した。
その説が評価されることなく、グリーンランドの 4 回目の調査中、1930 年に遭難して、50 歳で死んだ。
しかし、1950 年代、プレートテクトニクスの出現によって、ウェゲナーの大陸漂移説は復活し、評価さ
れた。
▼ 生きているということ
1 生命と生物の定義:循環論法
生命とは、生物学辞典では、
「生物の本質的属性」
とある。つまり、生命とは、すべての生物がもっている共通の性質のことといっている。
では、生物とは、生物学辞典では、
「生命現象を営むもの」
とある。この生命現象の生命とは、上の定義では、
「生物の本質的属性」となり、生命と生物の両者が循環
論法に陥っている。
生物
生命現象を営むもの
生命
循環論法
生物の本質的属性
これは生命、および生物の定義が、完全ではないことを、意味している。しかし、この問題に人類は長
く悩んできた。今、その答えを、不完全ながら、出しつつある。
2 私たちには、見分けられる
私たちは、不思議なことに、生命というものは、なんとなく見分けられる。
例 犬と机
・じっとしている茶色い犬
・机
の違いは、よく見るとわかる。
その証拠は、探せばいくらでもでてくるが、直感的にわかる。
共通性
茶色い
動かない
4 つ足
というようなものがある。
でも、犬は生きていて、机は生きていないと、わかる。
例 寝ている犬と死んでいる犬
・寝ている犬
・死んでいる犬
の違いは、よく見るとわかる。
その証拠は、探せばいくらでもでてくるが、直感的にわかる。
3 でも、不確かである
犬のように、私たちに身近な、あるいは近縁な生物の「いのち」は見分けやすいが、縁の遠いものは見
分けづらくなっている。
例 タバコモザイクウイルスは、結晶か生物か?
タバコやトマトの葉に斑点ができ、奇形でよじれ、成長が悪くなるタバコモザイク病の原因は、ウイ
ルスであった。
そのウイルスを、1935 年アメリカの生化学者スタンレーが抽出した。それは、高分子の結晶となった。
結晶とは無生物の特徴でもある。
結晶とは、そのままでは、変化しなということである。
しかし、この結晶を、タバコの葉にすりこむと、結晶であったものが、生きて、増殖していく。
4 死が資料に
今までは人間の話だったが、次は生物全般の話である。
古生物学という学問分野では、過去を探る手法として、化石を用いる。この分野は、過去の生物の一部
を「生きていた証」として用いて研究をしていく。生物の死が、科学の素材となるのである。つまり、死
が資料として、本人は「意図しない益」が生じるのである。化石を用いて、
「生きていた証」の考え方の歴
史と、研究の仕方を紹介する。
▼ 化石とは
1 化石の定義:地質学的定義
かつて、化石は、「掘り出されたもの」や「木や葉の石になったものの俗称」であった。
現在、定義は、
「過去の生物の遺骸(遺体)や生活の痕跡(生痕)が残されたもの」
である。石化しているかどうかは関係しない。また、生物体の一部でなくてもいい。生物が残した「生き
ていた証」を、化石と呼んでいることになる。
2 化石=過去の生物:帰納法の限界
過去の生物の一部や痕跡を化石と定義している。しかし、
化石≠生物
である。だから定義の上では生物ではない。
では、
化石=過去の生物
は、正しいか。かつて生きていたかどうかは、生物の定義に当てはめられるかどうかである。
少なくとも、化石のみからは、生物の定義には当てはまらない。したがって、この命題は証明できない。
現在の科学は、これを切り抜けるために、
・形の類似性:アナロジーの拡大
・大量の資料と傍証の蓄積:確率の増加
という前提を置いている。
大量の化石と、現生生物との各種の観点での比較おこない、似ている点が多数あるので、古生物であっ
たと考える。このような推定方法をアナロジー(類推)とよぶ。
また、その比較できる資料が大量にあるので、帰納的に、正しいとする。帰納法的証明は、一見に正し
いようにみえても、それは、正しいことを証明したわけではない。今までアナロジーが成り立ったものだ
けが、正しいのであって、それは確率的には 100%に近いかもしれないが、決して 100%正しいことではな
い。
帰納的な限界をはらみながら、
「化石=過去の生物」という作業仮説に基づいて、近代の生物学、あるい
は古生物学、進化論は成立している。
しかし、現在とのアナロジーが不確かな場合(生物の起源)を考えるときは、注意が必要である。
▼ 化石観の変遷
1 化石の語源
化石は英語で fossil という。ラテン語の fossilis が語源である。Fossilis とは、「掘り出されたもの」
という意味である。
中国
顔真卿(かんしんけい、709~786)や朱子(しゅし、1130~1200)の書いた文章に化石は、過去の生物
の遺骸であるという意味の文章がある。
日本
中国の影響による本草学のなかに化石が含まれていた。しかし、化石という認識はなかった。
日本語の「化石」は、平賀源内(1728~1779)などによって用いられ、木や葉の石になったものの俗称
であった。明治初期より鉱山などで普及し、定着した。
2 ギリシア時代:正しい認識
タレス(Thales, B.C. 640~546 頃)やその弟子のアナクシマンドロス(Anaximandron, B.C. 615~547
年)は、化石が過去の生物の遺骸であるという考え方をしていた。
クセノファネス(Xenopanes, B.C. 570~475 頃)は、
山の地層から見つかった貝化石を見て、そこがかつて海であったと考えた。
3 間違った道へ:宗教の呪縛
造形力説
アリストテレス(Aristoteles, B.C. 374~322)は、
造形力説:神秘的な特殊な力によってつくられたと考えた
その他にも、化石は、
「自然のいたずら」によるという説や「神のたわむれの作品」とする説などが、中世
のヨーロッパでは主流であった。
宗教的な背景を持つ造形力説の考え方は、西洋で長く続いた。
鉱物学の父
「鉱物学の父」と呼ばれたアグリコラ(G. Agricola, 1494~1555)は、
「掘り出されたもの」ということから、鉱物も化石の一種に入れていた。
ベリンガー事件
ドイツのビュルツブルク大学の教授ベリンガー(J. B. A. Beringer, 1670
~1740)は、三畳紀の石灰岩層に含まれる化石を研究した。
嫉妬した同大学のフォン・エックハルト図書館長とローデリック教授は、
3 人の青年を使って、石灰岩を削って偽の化石をつくり、化石の産地に埋めて
おいた。その中には、普通の化石以外にも、怪獣、輝く太陽の化石、ヘブラ
イ語の文字の化石なども含まれていた。ベリンガーは、これを採集した。
しかし、ベリンガーは、
「造形力説」の信者なので、疑問をもたなかった。ベ
リンガーは研究の成果を「ビュルツブルク産化石の石版図集」を出版した。
やがて、化石の中に、自分の名前があるのを発見して、はじめて、騙されて
いることに気付いた。
罪深い人間の化石
ショイヒツァー(J. J. Scheuchzer, 1672~1733)は、写真の化石を、人
の化石と考え、
「罪深い人間の化石」として、
「ホモ・デルブィイ(洪水の人)」
と命名した。彼は、聖書のノアの洪水のときにおぼれ死んだ人と考えたので
ある。
後に、この化石はキュビエによって、オオサンショウウオの仲間の両生類
の化石と同定され、「アンドリウス・ショイヒツェリ」と名づけられた。
4 正しい認識へ萌芽
レオナルド・ダ・ビンチ
化石の見方が宗教的であった中世ヨーロッパで、化石を正しく理解したの
は、レオナルド・ダ・ビンチ(Leonardo da Vinci, 1452~1519)であった。
彼は、土木工事の経験から、化石が過去の生物であることを認識していた。
陸で発見した貝化石を、かつて海にすんでいた海生生物が地層にうまり、地
殻変動で陸地にあがったという結論に達していた。しかし、当時の社会的背
景よって、公表されたのは死後 100 年もたってからであった。
産業革命
ヨーロッパでの産業革命によって、大規模な土木工事がおこなわれ、各地
で多くの化石が発見されるようになった。
18~17 世紀
地層の研究によって、化石への認識が深まった。地層の違いによって、含まれる化石も違っている、と
いうことが理解されるようになってきた。
5 斉一説と激変説:正しい認識への闘争
・イギリス:地質学での論争
激変説(天変地異説):多くの地質学者の考え方
地球の歴史で何度も大異変が起こり、そのたびごとに、以前と同じ種類の生命が新たに発生したという、
考え方をもっていた。
この考えは、中世ヨーロッパにひろくゆきわたっていた。「ノアの洪水」が最後の大洪水とされていた。
斉一説:異端的考え
過去の地質現象は、現在の自然現象と同じ作用で、一様におこなわれていた、とする考え。
「現在は過去の鍵である」
この説は、当時、空想的、宗教的自然観(激変説)が強かった時代にあって、近代的な科学、地質学の
確立に重要な役割を果たした。
18 世紀末にハットン(J. Hutton, 1726~1797)が唱えた説。ライエル(C. Lyell, 1797~1875)も、
1830 年代に、
「斉一説」を唱えた。
・フランス:キュビエとラマルクの論争:生物進化
生物進化に関する、斉一説と激変説による論争。しかし、この論争によって、古生物学の基礎が確立し
た。
激変説:キュビエ(G.D. Cuvie, 1769~1832)
激変説(天変地異説)によって古生物を説明。キュビエは、各地から産する動物化石、とくに脊椎動物
化石を研究し、「比較解剖学」の手法を確立した。そのため、脊椎動物古生物学の祖ともいわれている。
キュビエの天変地異説の根拠
生物は進化しない:何千年前にも、犬、猫、人間はいるが骨格の変異も進化もない。変種でさえ骨格は
近似している
自然の階梯論:「存在の大いなる連鎖」は否定、生物は種として分類される。
分類間の中間種は存在しない: 化石種から見られるよう絶滅種は多数存在する
生物連鎖があるなら何故絶滅種が?、連鎖が途切れている
キュビエは、多くの支持を受けたが、ラマルクやライエルに反対され、その説は、やがて消えていった。
斉一説:ラマルク(J.-B. Lamarck, 1744~1829)
フランス人自然科学者。斉一説による生物進化を考えた。
無脊椎動物化石の研究をしていた。生物は、無生物から自然発生し、単純なものから、複雑なものへと
「前進」すると考えた。その結果、自然界には、発生時期の違いによって、発展段階の違うものが階層的
に存在すると考えた。
「用不要説」の提唱。
ラマルクは晩年、失明し、無神論者の非難を受け、博物館を手探りで彷徨い歩いたと言われ不幸のうち
死んだ。
最初、ライエルは、ラマルクの進化説に反対したが、ワラス(A.R. Wallace)やダーウィンに影響され
進化説を受入れた。
6 ダーウィンの進化説:近代科学への道へ
ダーウィン(C.R. Darwin, 1809~1882)
ライエルの斉一説の影響を受けている。1859 年「種の起源」を出版した。進化論を提唱。
▼ 化石の示すこと
化石と認定された古生物が多数でてくると、量が質を生み出す。化石の研究から、さまざまな古生物の
情報を読み取ることができる。
1 生物個体そのもの
化石となった生物が、その当時、生きていたことを示している。一つの化石からも、さまざまな情報を
読み取ることができる。それは、ある化石から、過去の生物や、その生物の行動、生活、社会など「生き
ていた証」を復元することが可能である。
化石は、
・古生物の一部や個体そのもの:個体
・生物がなにかした跡(移動、住居、排泄などの生きているためにできたなんらかの跡):生活痕
とがある。
化石には、体全部が残ることは、非常に稀である。体の一部が残ることが多い。化石には、その部分や、
残りからによって、いくつかに分類できる。
・硬組織の化石
軟組織に比べれば、残りやすい。
硬く分解されにくいものは、
貝殻、骨、歯、鱗、木、種(たね)
、花粉
などで、化石として産出することが多い。
・軟組織の化石
軟組織の化石がのこるのは、特殊な場合である。
冷凍保存:氷づけのマンモス
乾燥保存:ミイラ化した恐竜
樹脂づけ保存:コハク中の化石
タールづけ保存
同種の個体、他種の個体などが、複数そろうことによって、より正確な古生物像
当時の環境:古環境
生物の時間的変遷:生物進化
などが、読み取れる。
2 古生物の生活の様子
生痕化石
さまざまな生活の痕跡の化石のことである。化石として、動物の命名基準に基づいて名前を付けられて
いる。
生痕化石の種類
移動:這い跡、足跡
住居:巣穴、卵と巣の化石、珪化木に残る鳥の巣穴
排泄物:糞石(コプロライト)、
捕食:噛み跡
寄生、共生:
生殖:子は苦衷から交尾状態の昆虫が発見
病気、傷:マチカネワニの右側後肢の腫瘍跡
3 古生物の生きていたい時代
示準化石
特定の時代にだけ、産出する化石のこと。
標準化石ともいう。
地層の対比、地層の区分、地層の堆積時代の決定、などに便利である。
示準化石の絶対条件
限られた時代に生存していたことが明らかこと。
示準化石に有効なもの
生存期間が短いこと
広範囲に分布していること
例 各時代の代表的化石
古生代:三葉虫、筆石、サンゴ類
中生代:アンモナイト、二枚貝類、恐竜
新生代:哺乳類
4 古生物の生活環境
示相化石
地層の堆積環境を限定して示す化石
絶対条件
現地性か異地性の区別
現地性:生物が住んでいた場所で化石になる
異地性:他の場所に住んでいたが、化石になるときは他の場所であった
生痕化石は有効な現地性化石であることが多い。
例 異地性
植物の葉の化石が、海生の貝化石とよく一緒に産出する。
葉の化石:異地性の化石である
示相化石に有効なもの
生息環境の条件が狭いものである。
5 古生物の進化
各時代を通じて多数の生物を似たものを順番に並べていくとそこに連続性が見られるのであれば、それ
は古生物の進化のプロセスをみていると考える。このよな化石を生物の進化の証拠とみなされている。
平均的な進化速度が統計的に求めることが可能である。
種の生存期間:30~40 万年
属の生存期間:100~300 万年
6 化石のでき方
化石のでき方を研究する学問をタフォノミーと呼ぶ。
化石となるのは、ある選ばれたものだけである。さまざまな条件をクリアしたものだけが、化石となる。
その条件をみていく。
絶対量が多い
生物は、基本的有機物からできている。
有機物は、軟組織でできているため、微生物や水(二酸化炭素を溶かして弱い酸性のことが多い)によっ
て、急速に分解される。
個体数の多いものが、多く残る可能性をもっている。
ある限られた時期でも、長い時期でもいいが、栄えたものが残る可能性が大きい。
保存されやすい場所に移動・埋没
遺骸は、死んだ場所で保存されることは少ない。分解されにくいところへ移動し、保存されることが多
い。
化石として残るためには、分解から逃れるために、できるだけ早く、微生物や地下水のこない場所へ、
埋没することが重要である。
特殊な条件であれば、軟組織も残ることがある。
樹脂のなか(コハク)
、タールの湖、特殊な石灰岩
例 魚の化石
魚の化石が意外に少ない。骨格があり、海底に埋没する可能性が高いのに、化石にはなりにくい。
魚のはじめ遊泳性の動物は、死後海底に沈むが、腐敗によるガスが発生して、浮上し、分解、解体さ
れる。魚の部分で、化石となっているのは、耳石(内耳にある平衡器官の石灰化した固体)と鱗である。
サメの歯。サメの歯は大型で、生え変わりが激しく、エナメル質で保存されやすい。
▼ 第 3 回レポート
地球温暖化のメリットを考えなさい。
12 月 22 日 24 時(締切り厳守)
人の考えではなく、自分で考えて、自分自身の考えを述べること。レポートは資料や参考書を見ないよ
うに!!レポートはメール(携帯の E-mail でも可)の提出でもかまいません。紙でのレポートは、各回の
講義の最後に小出に出してください。なおレポートには、氏名、学生番号、テーマを忘れないようにして
ください。