消 費 材 キャラバン

コルザ2001年4月号∼2003年3月号連載
(ホームページ掲載にあたり、2003 年 3 月現在の情報について●印で補足修正しています。)
消 費 材
はじめまして。あたくしミセス・エス。生活クラブに入って 10 年の、普通の主婦です。「えー、
生活クラブに入ってたら、それだけでもう普通って言えないんじゃない?」
うっ、それはあるかも…。「生活クラブってなんか変な言葉、多い…」。そう思いながら必死に印刷
物の意味を読み取ろうとする新加入の組合員と、いつの間にかなじんでどこが変なのかわからなくな
っているベテラン組合員のための「ことば辞典」を作って、その辺を考えてみたいのですが、一緒に
いかがでしょう。
さて、誰もが絶対世間とは違う、と感じながら使っているのは「消費材」という言葉。辞書を引い
ても載ってません。でも私たちは卵もバナナも靴下もティッシュも消費材と呼んでます。同じように
見える街の「商品」と区別したいから、なんですって。
商品は当然、売る側の効率や利益が優先されがち。そして買う側はほとんど、素材や製造工程がわ
かりませんよね。でも我が消費材は、「ちゃんとしたものが欲しい」という使う側の意思と、「きちん
としたものを作りたい」という側の意思で生み出された品物です。素材や包材、流通も含めて、社会
に対して主張を持っている食材や日用品、それが消費材(ス、スゴイ)。
そして、これもすごいって思うのは、プロとして商品との違いを私たち以上に知っている生活クラ
ブの生産者が、会うたびに、「消費材を作っていることに誇りを持っている」と言ってくれることで
す。
キャラバン
キャラバンって「隊商」のこと。ラクダや馬に品物を山と積んで砂漠なんかを旅するイメージがあ
るけど…。
「エー! 生活クラブでそんなことしてるの?」いえ、とんでもない、まさか。生活クラブの「キ
ャラバン」とは、「消費材」をトラックに乗せ、人通りのあるところ(公園など)を何ヵ所か回って、
説明しながら展示即売をすること。「生活クラブに入りませんか?」とお誘いする一手法です。
牛乳キャラバン、すいかキャラバン、野菜キャラバン…と、品物限定で強力アピールを展開する場
合もあります。そんな時には生産者も参加してくれて、農産物を積んだ車が1∼2台増えることも。
これはもう、本当にちょっとしたキャラバンっていえるかも。
「あら、うちの近くに小さい子を連れたおかあさんがいっぱい来る公園があるわよ」とおっしゃる
あなた。支部リーダーか職員に教えてください。自慢の「消費材」、山と積んで押しかけましょう。
OCR・非OCR
世の中にアルファベットの大文字3つで略された言葉、多いですね。最近はやりのNPO、何の略
か、ちゃんと言えます? おなじみのPTA、かっこいいFBI、コワァ∼イCIA。PCBやGM
Oも怖いわね。でもみんな、どんな英語が略されているかなんて気にしないで使ってますよね。
で、わが生活クラブに燦然と輝く大文字3つのアルファベットといえば…OCR!
「OCRは来週提出です」とか、「それは班OCRに書いて」とか、みなさんやってるでしょ。申
し込む数を書き込む四角がいっぱい並んでるあの紙。オプティカル・キャラクター・リーダー(リコ
グナイズ)、「光学式文字読取装置」の略だそうです。だからほんとは、あの紙は「OCR用紙」とい
うのが正式な呼び方なわけ。大学の研究室とか、大きな電算センターなんかで使われているらしいで
す。
すっきり注文用紙、じゃだめかなぁ。でも「非OCR」っていう、光学的には読まない(つまり職
員が手で入力する)、単品単独の申し込み用紙もありますからね。区別するために「非」をつけるの
が、とっても生活クラブ的(?)。非日常的な職業用語を構わず使ってしまうのは、職員も組合員も
平等に組織の一員であるということの現れ…なぁんて考え過ぎ。注文用紙でいいんじゃない?そろそ
ろ。
余 乳
余ったお乳…この文字を見ると、産婦人科の新生児室を思い出します。出産間もないお母さんが、
看護婦さんに指導され痛そうに張った胸から母乳を絞り出す…、経験あります? あたくしの場合、
鑑賞用にも実用にも適さないオッパイでしたのでそんなことは…失礼、余計な話でした。
生活クラブの「余乳」はもっとスケールの大きく深刻な問題です。生活クラブと生産者が直接提携
して作った自前の牛乳工場、新生酪農㈱があることで、私たちは高い品質と製造法から流通まですべ
て把握できる牛乳を、安心して飲み続けることができます。でもねェ…。
皆さんの家庭では、1年で一番牛乳をたくさん飲む時期は夏でしょう。ところが牛さんたち、暑い
時は出すお乳が少ないんだそうです。で、注文の多い時の量を確保するのに必要な牛を飼ってると、
当然みんなが注文しない時期には余っちゃうわけ。そんな余乳を使った消費材が余乳物語ヨーグルト
やコンデンスミルク。「余乳を利用しています」という表示、気がついてます?
でも、帰省シーズンや寒い季節に大量発生した「余乳」は他のメーカーに委託販売されます。販売
とはいっても加工用として安く買い取られるので、原乳にするまでの費用や運賃など新生酪農が余乳
処理費用を支出している状態。しかも、せっかく餌や衛生環境に特別の配慮をしている牛乳が、スー
パーの安売りのヨーグルトになってるかと思うと…。
というわけで…さあ、私たちの牛乳の未来のため、もう1本いってみよう!
豚肉解体講習会
「豚肉の解体の講習を受けるの!?」。目の玉が飛び出しました。10 年前、年はくってても新米ママだ
ったあの日…。高校の生物の時間、カエルの解剖ができた女の子はアタクシ一人だったとはいえ、ブ
タさんは無理でしょ、一頭買い(*)ってそういう意味だったの? よくよく聞いてみれば、山形の
平田牧場から生産者が来て、実際の肉のカット作業を見ながらの交流会をこう呼んでいるとのこと。
しかも、肉はきれいに処理された半身の枝肉で、「においもないし、もちろん血なんか一滴も出ない
わよ」。じゃ初めから言ってくださいな。
豚肉のおいしさで加入したアタクシは喜び勇んで出かけました。そして、配達されるブロック肉が
どんなみごとな職人芸で切り分けられていたのかを目の当たりにし感動。食べる側には決して見えな
い苦労話や、一般の流通の裏で行われている「スーパーの特売」のカラクリなど、興味深いお話がい
っぱい聞けたのです。
あれ以来、試食のおいしさや、切りたてのブロック肉を買って帰れる楽しみで、毎年のようにこの
豚肉解体講習会に出かけてしまいます。長年来ていた屈強のオジサン達に替わって、最近はうら若き
女性解体士が登場。楽しい解説と手際のよい包丁さばきは必見です。う∼ん、時代は変わっている。
だからこの交流会のタイトルもなんとかならない?っと思っていたら、どうやらそれぞれのブロック
の消費委員会がアイデアを出しあっている、といううわさが聞こえてきました。
* 一頭を無駄なく購入するために、肉の部位バランスを考えて注文すること。
取り組み
たとえば……「冷凍カボチャの供給量が当初の計画数に満たないので、追加取り組みをします」な
あんていうチラシが入っていて、「ふぅーん、そうか。じゃ1袋注文しとこうかな」というあなたは、
生活クラブにどっぷり浸かってしまった人です。「余ってしまったから買ってね」と伝えながら、「私
たちは商売をしているのではない」ことをしっかり表現すると、前記の文章になるんです、たぶん。
共同購入の対象として扱うことを「取り組む」と表現するのは生協ならではでしょう。一般的に使
われるのは、「総理大臣が行政改革に取り組む」とか、「営業1課が新製品の開発に取り組む」とかい
う言いかた。生活クラブだって、たすけあい事業や食の安全を守る活動に取り組んでいて、それと同
じ感覚で品物と向き合っている、そんな気持ちが「消費材を取り組む」と言わせてしまうのでしょう
ねぇ。
作った生産者のこと、できるまでの組合員同士の話し合い、どの消費材にもたくさんの思い入れが
あって、「一つ一つが活動の証、売り買いじゃないのよ!」…なんて意気込むと、どこかから「だか
ら生活クラブって重たくて、しんどいのよね」という声も聞こえてきますけど−。
添 乗
はっきり言ってこれはいわゆる「ギョウカイ用語」です。どこの業界? 「生活クラブ組合員活動」
をしている人たちの(ま、それは業界とは言わないですけど)。つまり非常に専門的な言葉。ご存じ
の方、最近ブロック理事とか支部スタッフとかやりました?
さて、添乗とはどんな組合員活動でしょう。消費材を配達するトラックに乗るんです。朝早くセン
ターで積み込みをしている職員に、「今日この配達コース、ご一緒してもよろしいかしらア」なんて
言いながら助手席に乗りこみ、配達先で出会う組合員にいろいろアピールをしてくる、という活動…。
生活クラブがここまで広がったのには、主婦仲間のクチコミの力が大きいんです。いわゆる「語る
活動」…なんていうと大袈裟だけど、「このお肉、おいしいわよオ」とか、「あの生産者ってすごいの
よオ」っていう井戸端会議。班会や地区会がそれなんだけど、忙しくて参加できない班長さんとかI
コープの組合員さんには、電話や手紙じゃなくて顔を見て話したいって時に、この活動が展開されま
す。
「牛乳もっと飲もうよ」とか「エッコロ制度知ってる?」なんてね。
添乗したことのあるスタッフの話では、一人が黙々と働いているのに(配達職員のこと)、もう一
人(本人)はおしゃべりばかりしてヘンに思われたけど、組合員だとわかったらえらく感激されたと
か。お宅の配達の時に、見知らぬ人がいきなり無洗米の登録の話を始めたら、それが支部リーダーだ
ったりするかもしれないのでよろしくね。
We・Iコープ
もう7∼8年ほど経つでしょうか、生活クラブ千葉に「We(ウィ)コープ」と「I(アイ)コー
プ」という呼び名が誕生しました(それに当時はもう一つ、デポーをコミュニティコープとしていた
のですけれど、最近は言わなくなったわね)。
これは生活クラブの共同購入の仕組みを、組合員がそれぞれの生活に合わせて選択できるようにな
った、始まりのできごとでした。
その頃、高齢や障害などで班には参加しづらい人たちのために、生活クラブの消費材や惣菜などを
宅配する福祉クラブが、一部のブロックで活動を始めていました。これを、だれにでも宅配するIコ
ープに変える時にはたくさんの論議がありました。「班が続けにくくなる」という抗議の声は、現在
Iコープ・システム使用料の廃止でもだいぶ言われていますね。
でもね、家族の成長とともにライフスタイルが変わって、このIコープに救われた人、多いと思い
ますよ。反面、品物の分け合いだけではない良い関係をやめたくなくて、班でがんばっているWeコ
ープの組合員もたくさんいますし、Iコープに入った若いママが子育て仲間を誘って班をつくるとい
う話も、この頃よく聞きます。WeとI(それにデポーも)という生活クラブの「かたち」は、どん
な人も消費材を手に入れたければ仲間になれる、最強のシステムだって思うんですけど。
デポー
「DEPOT」…初めて聞く人には不思議なこの言葉、フランス語で荷さばき所(倉庫)という意味
だそうです。前号のWe、Iに引き続き、生活クラブのもう一つの活動の形、「お店」を私たちはこ
う呼んでいます。
神奈川の生活クラブで始まったデポーが千葉にも誕生したのは 20 年ほど前。当時はデポーごとに
購入できる地域もきっちり決まっていて、近隣の班の組合員はどうしても必要な時にお願いして買わ
せていただく、という雰囲気だったような…。
それはデポーが巨大な班の共同購入の場である、という考え方の表れでした。店舗の形は取ってい
ても、仕入れた消費材はデポー組合員の責任できちんと消費する、班の組合員が届いた消費材を仕分
けするのと同じ役割をしている、だから「荷さばき所」というわけ。
時代背景の変化により、組合員の関わり方も変わり、現在はすべての組合員に開かれたお店になっ
ています。そこでこの春には、デポーという名前ももっとわかりやすく変えようと、名称変更検討委
員会なるものが組合員の皆さんに意見を聞いたところ、何と変更案は却下。すっかりなじんで、案外
愛着も持たれていたんですね、この名前。
地域に開かれた生活クラブの顔、デポーは今千葉県内に7つ。(●注:2003 年 4 月 25 日、千葉
ニュータウンに 8 つめの「木刈デポー」がオープンします。) ここを舞台にもっと素敵な暮らし方、
提案し続けたいですね。
計画購入
季節ごとの衣類や寝具など、季節品と呼ばれているものや、特別に1回だけ扱うようなもの以外の
ほとんどの消費材を計画購入品と呼びます。うーん、生活クラブらしくってものものしい呼び方…。
毎週の食材や日用品などは、きちんと計画的に買ってね…なんて大きなお世話だわ、というあなた。
聞いてください。
何年前だったか、ある生産者交流会での話が忘れられません。たしかマーガリンハードの月島食品
だったと思います。ひとしきり製品の特徴やおいしさの秘密を明かしてくれた後、こんな話に−。
「1ヵ月先を見越して注文するのは大変ですね(3年前まで消費材の注文はひと月に一度だったの
よ)。しかし生産者にとってはとてもありがたい。生活クラブに納める物は特注品ともいえるもの。
前もって数がわかると、必要なだけ無駄なく作ることができますから。そして皆さんもいつも新鮮な
ものが手に入る。お互いにリスクの少ない、良い関係ですよ」。
いま注文は2週間に一度ですが、これは組合員と生産者の話し合いでお互いに歩み寄った成果。中
身にこだわった消費材作りを要求する私たちは、購入システムも生産者に負担をかけない方法をとる
ことで、品質や価格を維持している!のだ。忘れないでね。
ワーカーズコレクティブ
略してワーコレ。今まで何度か目にしていて、なんのこと?と思っている人もいるはず。直訳する
と、「働く人の集団」ですね。…それなら会社だって、お役所だってそうじゃん? まあそうね、で
も全然違うのよ、これが。
千葉に初めてワーコレが誕生したのは 17 年前。今では 21 のワーコレ(01 年 11 月現在)が仕
事をしています。職種は惣菜や仕出し弁当、リサイクルショップ、レストラン、保育園、住まいなん
かもあります。そうだ、個人ごとに袋に入ってくる消費材、あの仕分けを請け負っているのもワーコ
レ。編集委員を助けてこのコルザの発行作業をしているのもワーコレです。
で、普通の会社と何が違うか。それは構成メンバーが自分で出資、一人ひとりが経営者であり労働
者である、というところ。社会的、経済的自立をめざす人たちが集まって、自発的に責任を持ち合い、
助け合い、地域にもしっかりと根を張った仕事をしている事業体というところでしょうか。すごいで
しょ。結婚や出産でいったん仕事から離れた人たちが、納得のいく働き方を模索して生まれてきたも
のなんですね。
生き方の一つに「仕事」を考えているあなた、こんな働き方も考えてみませんか?
(参考:「ずっと働き続けるために」ワーコレ千葉県連合会 99 年発行)
ライブリー
「え?なにそれ…」なんていう人はいないでしょうね。毎月2回、前半週と後半週に分けて届く、
消費材がいっぱい載ってるカラーカタログ。だれですか、ライブラリーってよんでるのはー。
アタクシ名前の由来を調べて参りました。まずは新宿、生活クラブ連合会の「ライブリー」編集部
をお訪ねすると…。「電話取材を中心に、ここで原稿はすべて書いてます。生産者や組合員のメッセ
ージ、お薦めメニューもあって、読み物としても楽しいでしょ。写真担当者もカメラマンと力を合わ
せてがんばってます」と答えてくれた職員Sさんは、ナント新松戸デポーの組合員でした。
…で、なんで「ライブリー」という名に? 「う∼ん、それは昔のことを知ってる人に…」と紹介
されたのは、太陽食品販売(株)専務取締役の椎名さん。15 年ほど前、
「ライブリー」誕生の時のチ
ームの一員です。注文システムを電算化し、堅いイメージも一気に新しいものに変えたいと、消費材
カタログの改革に取り組みました。
「当時注文は月 1 回だからマンスリー(月刊)という案もあったんだけど、独自性を出したかったか
らね。Live(生きている、活気がある)を意識してライブリー。生活クラブらしいでしょ」。全
国から集まったメンバーがまず埼玉で第 1 号を発行。そして今日に至っているのです。1色刷りで始
まったライブリー、ますます生き生きしてますよね。
総代会
このコーナーを受け持って早 1 年。最近「これ、解説して」なんて、いろんな生活クラブ用語のリ
クエストをいただいちゃったりします。今月の「総代会」もそんなわけで登場。
まあ早い話、議会みたいなものかな。ブロックの人数に応じた数の組合員が選挙で選ばれて総代に
なる。そして生活クラブのあれやこれやを決めるんです。総代の任期は1年。たいてい年に1度の通
常総代会だけだけど、召集されれば臨時もあり、です。
「ねえ、総代会に出てくれない?」って言われて、「はいよ」と出かけたことのあるあなた、ご存じ
でした?
何か堅苦しい感じもする総代会ですが、行ってみるとこれが結構おもしろい。「この事業収入はこ
んなふうに使ってほしい」とか、「ひとことカードはどんな役割があるの?」とか、いろいろな意見、
提案がドンドン出てきて、「そうか、本当にみんなで相談して進めてるんだ」と感じられる場なんで
す。
低次元の問題で紛糾する国会にも、この秩序立った建設的な議事の進行を見せてあげたいわ…なあ
んちゃって。
実はこの総代会、組合員は誰でも参加OK。発言権もあります(議決権は総代のみ)。せめて傍聴
だけでもしてみると、「骨太な」活動方針の決まっていくところが目撃できるのです!
引き売り
江戸の昔、有名なところでは「きんぎょー、えー きんぎょ」なんてのがあったようですが、現代
なら「ほっかほかのやきいもぉー」でしょうか。品物を車に積んで売り歩く…それが「引き売り」。
えーっ、そんなこと生活クラブでやってるの?
はい、やってますよ。ただし、WeコープやIコープの毎週の配達のついでに、組合員に向けてで
す、あくまでも。
生活クラブの消費材はロスのない共同購入ができるように、生産者と作る量や値段を相談して決め
ていますが、調整はなかなか難しい。たとえば箱で購入する農産物は、センター全体の注文が 19 箱
でも、20 箱が効率的な配達単位だと、1箱分はばらして「引き売り」となるわけです。
今は個人申し込みが多くなり、あらかじめ一人分がセットされているけれど、ほとんどの野菜を班
で分けていた頃は、結構この引き売りが多かったわね。
Iコープの人だってたまに「お米が1袋あるんですけどいかがですか?」なんて言われたこと、あ
りません? 急なキャンセルで間に合わないと、やっぱり誰かが引き売りに出るということになるそ
うです。
必要なものを必要なだけ、が理想ですが、多少のところは顔の見える関係で微調整…というのが生
活クラブ的「引き売り」なのだと思います。
自主監査
ずばり、自分の使うものの製造過程を自分が監査する、それが生活クラブの自主監査。そんなこと
ができるの?って思うでしょ。
「生活クラブって、けっこうお役所仕事っぽいよ」と、ある消費材の生産者に笑われて、びっくりし
てしまったことがあるんですけど、「一つの消費材について、チェック項目の書類が厚さ1cm にもな
る」と聞いて、さらにびっくり。
消費材はみんな自主管理基準に基づいて、中身も包材もこういう物をこんな使い方で、と組合員と
生産者が納得した上で作られます。そのお約束が微に入り細に入り記録されていくので、分厚い書類
の束になってしまうらしい。
で、自主監査は約束どおりに消費材が作られているか、実際に組合員が生産現場でチェックします。
自主監査委員会といういかめしい名前の組合員活動も、メンバーはフツーの組合員。単なる工場見学
ではなく、在庫の保管状態や衛生管理まできちんと見せてもらうんですって。
生産者も自信があるから全部見せる。組合員も勉強してさらに良くするための提案をする。そして
使う。すべて生活クラブならではのシステムです。営利第一の市販品では絶対不可能ですよね。
最初に紹介した生産者も、「だから作っててよかったって思える品物になるんだよね」と言ってく
れてます。なんか、うれしいな。
「生活と自治」
毎月1回届く雑誌…みたいなもの。野菜や果物の花で美しく彩られていた表紙が、今月から顔写真
に。中身も新企画がいくつか始まって…もう読みました? 現在、生活クラブとその仲間の生協グル
ープで 23 万人の読者がいます。
それにしても固いタイトル。だいたい「自治」なんてお役所用語みたい。でも食物や日用品の成り
立ちにこだわりを持つと、暮らし方の自立、自治がとても大切なポイントになる、そんな思いがこの
タイトルになっているんじゃないかな。
実はアタクシ、何を隠そう、この「生活と自治」の編集委員。専任の編集長と全国の読者代表の編集
委員が毎月企画を練っております。理事会は経営権を持っているけれど、編集権はこの編集委員会に。
だから読者の必要な情報をより客観的に調査、取材、公表できるユニークな存在なんです。1部 100
円を読者が負担することで財政的にも一人立ちしてるんです。情報も、消費材と同じように共同購入
してるって感じ。だからあなたにももっと意見や質問で紙面づくりに参加してほしいな。ちなみに今、
あなたが読んでるは「コルザ」。ちゃんとどっちも読んでね。
最後に、編集長U氏のメッセージをお伝えします。「マスメディアが取り上げないものの中にこそ、
真実がある! をモットーに編集しています」。きゃ∼、かっこいい!
死語の世界
―忘れられた用語たち―
夏です。お盆です。で、このところすっかり忘れられた言葉をお迎えしてみようかと…。加入間も
ない方にとっては、なんのこっちゃ、ですが、生活クラブの歴史が語れちゃう表現がいろいろあるん
ですよぉ。
何と言ってもすごいのは「ロット」。よく機械の部品なんかは製造ロット番号で1ダースとか10
0個とか梱包して一括りにしてある、そこからきていると思うんですけど。
昔、いくつかの消費材は注文のできる単位が決まってたんです。もちろん班配達しかなかった頃の
お話。納豆は5個セット、大根やキャベツは4個で配達。肉類も部位別にがっちりセットされてたし。
班会を毎月必ずやって「だれか大根1本取って。ひき肉あと一人!」なんて相談して注文。「ロット
はきちんと守って取り組もう」という、今思えば厳しいお約束も、数がまとまることで生産者が作り
やすく、コストも軽減できるなどのメリットがあったんだろうな。
その消費材、当時はなんと4種類の配達で届いていたんです。「卵便(卵となまもの以外の計画購
入品)」「冷凍冷蔵品(肉、魚とその加工品)」「野菜便(農作物)」そして今もある牛乳便。ほかの生
協に入っている友達に、「生活クラブって面倒よねぇ」と言われてたあの頃…。ついに全部いっぺん
に届くようになって「一車混載便」と読んでいたのも記憶の彼方です。
ま、そういう時代があったってことだけなんですけどね。
Sマーク
ライブリーを見てください。ずらりと並んだ消費材の名前の頭に付いている赤いS印、これがSマ
ーク。「生活クラブ消費材を代表し、社会的な優位性、材の持つ運動性を語れる消費材」というのが、
Sマークの定義です。、入ってるよねぇ。ま、生活クラブオリジナル品の極め付き優等生って感じか
な。
72 年に誕生したSマーク消費材第1号は「信州田舎みそ」。以来 30 年間に140品目を数えるほ
どになりました。本物を食べさせたい生産者と、安心して食べたい消費者の出会いが生んだ食品の傑
作…みそに限らず、すべてのSマーク品はそう言えるものばかりです。01 年に新しく仲間に加わっ
たのはプレーンヨーグルト。ン? 前からSマークだったって? そうです。でもね、実はゼラチン
を除く新製法になったため、新規認定審査をしたんですって。
毎年、連合会の職員と組合員の代表によってSマーク認定委員会が作られ、書類審査と現地調査を
経て、消費材を審査します。生産が安定しているか、情報がきちんと公開されているか、組合員の高
い支持(利用)があるかなども大切なチェックポイント。
最近、巷で話題の偽装表示や原料のすり替えなど、このシステムをお手本に改めてほしいもんだ、
と思うのはアタクシばかりじゃありませんよね。
専 従
センジュウ…この言葉に接したことのある組合員は、少ないかもしれないけれど。
農協、漁協、生協、そして労働組合など、「組合」と名が付くところはすべて、構成メンバーは組
合員。いろんな社会生活を送りながら、共通の必要や目的のために組合に加入している中で、その組
合の活動に専門に従事して報酬をもらっている人、それが専従職員です。
アタクシたちの加入している生活クラブ生協には、消費材を配達する人、センターや本部で事務処
理や電話の応対、組合員のサポートをする人、経営全体を管理する常務理事や理事長など、122人
の専従がいます。
「どんな生協かよくわかんなくて入ったけれど、組合員のパワーには圧倒された」と言うのは入職8
年の女性。
「食べ物関係の職場で、内容を知って食べたくなくなるなんて話があるけど、ここだと組合員の話を
聞いて自分で注文したり、組合員活動の生産者交流会のお手伝いをしたりして、ドンドン消費材が好
きになっちゃうんです」
その積み重ねが、戸別訪問で加入を勧める時や、新しい組合員から質問を受けた時、役立っている
とか。「組合員がいかに生き生き活動できるか、そのフォローも大切な仕事」という職員教育もされ
る専従。あなたが生き生き働くことも組合員は嬉しいのよ。いっしょにがんばろうね!
理事と組事
組合員活動の中心で2本の柱としてがっちりと私たちを支えている存在、それが「理事」と「組事」。
千葉全体をリードしていくのは2年ごとに総代会で選挙されて任に就く理事の皆さん。ブロックで
はブロック総会で承認された支部のリーダーや消費委員長が、ブロック理事と呼ばれて活動していま
す。
で、もう一方の「組事」っていうのはまだ馴染みのない名前かも…。去年からスタートした役職で、
「組合員事務局」の略。組合員活動がスムーズに運ぶように計画を立てたり、事務的な面をサポート
するために誕生しました。
ブロックごとに2∼3人、本部には5人いて(●注:2003 年度より、各支部に「地域コーディネ
ーター」という組合員事務局が配置されます)、委員会ごとの催し物や会議の準備、連絡、記録など
を、理事、ブロック理事たちと一緒にバリバリこなしてます。ほとんどが組合員歴の長いベテランで、
知恵袋だったり大黒柱だったり、新人理事やリーダーにはありがたい存在。
アタクシの友人にも理事や組事がいっぱいいます。結構文句や愚痴を言い合ったりしてるけど、懲
りずに次の企画を練っている…。そしてその顔に書いてあるんですよね、「だって生活クラブが好き
なんだもん」って。ありがと! あなたのお陰で、アタクシも楽しい組合員生活送ってます。
代理人
アタクシの友人に二人ほど市議会議員をしている人がおりますの、なぁんていうとちょっとすご
い? そうでもない? 生活クラブの組合員てけっこう議員のお友達持ってる人多いんですよね。だ
って、同じ班で消費材分け合ってる隣の奥さんが、立候補して当選しちゃったりするんですもの。
コルザの紙面にも時々登場する生活クラブの中から生まれた政治団体、市民ネットワーク。その名
の通り、いろんな立場の市民がネットワークを作って政治に参加し、暮らしやすいまちづくりのため
に活動しています。その団体が、議会に送り込むのが代理人。代理人という呼び名は、あなたや私は
だれでも政治に参加できるし議員として発言できる、たまたま今回は私が皆の代理で議会に出てくる
よ、という意味が込められてます。
おいしいもの食べたいだけで生活クラブに入ってるのに、政治の話なんかされても…って思いま
す?
でも食べ物の安全や子育ての不安をいろいろ考えていると、やっぱ政治を変えなくちゃね、というと
ころにたどり着く、はずなんだけど…。
いつの頃からか政治は汚いもの、特定の人の利益に結び付くものって考えられることが多くなって
いるような…。代理人はそんなイメージを取り払って、政治をフツーの生活に取り戻そうとしていま
す。
* 2002年末現在、千葉県内に市議 19 人、県議1人の代理人がいます。
生産者
Part1
例えばあの小さなフルーツキャンディ。一粒の半分近くは水飴。日本で水飴の原料といえば9割が
コーンスターチ。輸入なら国産の6分の1の値段なんですって。
生活クラブの消費材のほとんどがオリジナルで、原料も製法も組合員の望むかたちで作られている
ことは、コルザの読者はよーくご存じね。で、遺伝子組み換えの問題が起こった時、当然アタクシ達
は輸入原料はイヤ!と言ったので、生産者は真っ青になって日本中コーンスターチを使わない水飴を
探し回ったんですって。半年後に国産甘藷(●注:サツマイモ)が原料の水飴を見つけて、原価は2
倍になったけど「企業努力で値上げしてません」と二葉製菓㈱の社長さんは誇らしげ。
また、市販の冷凍食品には添加物の塊みたいなものもあるけれど、生産者㈱ニチロの担当者はこん
なこと言ってます。「遺伝子組み換え対策はやらせてもらってほんとによかった。食品を作る者とし
て原材料を知る良い勉強になったから。」
味噌や醤油から始まった本物指向の消費材は、提携生産者同士が作った組織「生活クラブ親生会」
が生まれることでさらに品目を増やし、組合員の食生活のおいしいバリエーションを広げています。
どの生産者も消費材にはすごい誇りを持っていて、交流会で話を聞くたびに消費材にも生産者にも
惚れてしまうアタクシです。
欠 品
―生産者Part2―
以前ある集会で、脱サラして実家の農業を継いだという若い夫婦に会ったことがあります(生活ク
ラブの生産者ではない)。米のほかにハウスでトマトやキュウリも作っていて、有機農法や無農薬栽
培にも関心はある。でも作物に虫の発生や病気の気配が感じられると急いで農薬を使う、と話してく
れました。「だって収入がなくなるってことですから」と、その奥さん。
実は昨年暮れ、アタクシのところに配達された農産物の中で、楽しみにしていた大葉が届かなかっ
たことがあるんです。「過度な虫食いによる品質不良のため、欠品です」とのこと。
大好物なのでいつも注文しているその大葉には、毎回、「無農薬で、虫も手で取り除いています」
という、小さいけど誇らしげな生産者カードが入っています。それを思い出し、申しわけない気持ち
で一杯になりました。「虫が食ってたって食べるのに…。無農薬で頑張ってくれてる人に、この欠品
分は補償されるのかなぁ…」
最近は県内以外のたくさんの生産者が提携してくれて、あまり頻繁には起こらない欠品。でも注意
して見ると、予定の産地で収穫できなかったというニュースが入る時も。
「○○は今週欠品です」。こんなお知らせが入っていて、「あら、今日の夕食どうしよう…」なんて
困ったこともあるかもしれないけど、作ってる人も一緒に困ってること、思い出してね。
コルザ
生活クラブで使われているおもしろい言葉、変な言葉、変わった言葉の使い方を探しては、勝手に
解説させてもらっておりましたこのコーナー。いよいよ今回が最終回。で、あと何をご紹介しようか
なーっと考えてたら、忘れてました、この機関紙「コルザ」。
別に変な言葉じゃないけどね。タイトルの下に「フランス語で菜の花のこと」って意味も書いてあ
るし、解説はいらない? いえいえ、組合員同士の会話で「コルザに出てたでしょ」「何それ、あ、
あのクリーム色のやつ?」なんてことは結構あって、認知度低いなぁっと思うことも。中には別の週
に届く「生活と自治」(48 頁の冊子で連合会発行)と、完全にゴッチャにしてる人もいるらしいわね。
隔週で届く物凄い量の印刷物の中で、キラリと光る存在だと嬉しいな、なんて思いながら毎月編集
作業に励んでいるのは、各ブロックに一人ずつの情報委員とそれをまとめる担当理事、それを支える
組合員事務局、編集ワーカーズ「くれよん」。「何か堅いのよね」というご批判を受けつつも、生活ク
ラブ千葉の今をお届けし続け早 18 年。今月は225号なんですねぇ。
ホームページもできて、紙媒体はまた少し分が悪くなるかもしれないけれど、がんばってほしい!
って思うのはアタクシだけ? 違うよね。