第4回(0617)

第4回
便利になる宅配便と
その将来
流通経済大学
増田 悦夫
公開講座第4回(0617):便利になる宅配便とその将来
流通経済大学
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(1)
宅配便とは
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1.宅配便とは
ドア・ツー・ドアで送られる小口貨物の輸送サービス。
行政上は、郵便小包、メール便などと区別される。
❒宅配便
・重量30kg以下の一口一個の貨物を特別な名称を付して運送する輸送
サービス
・物流ニ法(「貨物自動車運送事業法」と「貨物利用運送事業法」)に従う。
・監督官庁は国土交通省
※宅急便、佐川急便など
※郵便小包
・日本郵政公社が提供する小口荷物の宅配サービス。愛称「ゆうパック」
・日本郵政公社法、他関連法
・監督官庁は総務省
※メール便
・重量1kg以下の一口一冊の貨物を特別な名称を付して運送する輸送
サービスで、受取人の郵便受けなどに投函で配送行為は終了。
・国土交通省
※クロネコメール便、飛脚メール便など
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2.その仕組みは
コンビニ(24時間)、
米穀店、酒販店、
食料品店など
大型トラックなどに
よる幹線輸送
配送員
(セールスドライバ)
荷受人
荷送人
取扱店
営業所
荷送人
取扱店
トラック
ターミナル
トラック
ターミナル
仕分け
仕分け
着荷主
受注
大型トラック(11t)など
荷受人
配送員
(セールスドライバ)
小型トラック
小型トラック
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営業所
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3.取扱店数は
❒ヤマト 294,000店(うち、コンビニ取扱い店はセブンイレブンとファミリーマートの合計17,400店)
❒日 通 173,000店
❒佐川急便 59,000店
❒郵政公社 郵便局24,678局+コンビニ取扱い19,400店(ローソン、デイリーヤマザキ、
ミニストップ、am/pm、サークルKサンクス)
コンビニ窓口の争奪戦
出所 日経産業2005.8.26
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4.類似の業者など
❒赤帽
・全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会に所属、軽トラックを使った
運送業者。
・宅配便の末端配送下請け、引越し、ルート配送、緊急貨物の配送など。
❒バイク便
・大都市内、小規模輸送形態。バイク(オートバイ、自動二輪車)を利用。
・大都市内や周辺の渋滞の多い地域で、当日中(数時間以内)という配
送・配達に多く利用される。
・緊急を要する企業間の連絡や少量貨物(主に書類や情報関係機器の
保守部品など)の輸送に利用される。
・出版関係で原稿(電子原稿の記録メディアを含む)や写真フィルム等の
輸送でもよく利用される。
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(2)
宅配便
の
進展と現状
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5.宅配便の歴史
❒宅配便以前
・小さいものは郵便小包(ゆうパック)・・・郵便局で依頼、自宅で受取り
・大きいものは鉄道小荷物(チッキ)・・・駅で依頼、駅で受取り
❒宅配便の始まり
・1976年1月20日、大和運輸(現ヤマト運輸)の「宅急便」開始。
関東地方のみ、1日目は2個
❒その後
・1980年代、取扱い数量の急激な増加
←進展するコンビニ窓口の活用、対象エリアの拡大、高速道路網の拡充
・他社も同種サービスを開始。会社間の競争(いわゆる「動物戦争」)が熾烈化。
・鉄道小荷物は1986年11月に廃止。
❒以降、競争戦略として各種の配送サービスメニューが登場、今日に至っている。
・スキーやゴルフ等の配送、航空手荷物の配送、冷蔵・冷凍品の配送(クール
便)、期日時間指定配送、地域限定の即日配送、通販貨物の代金決済(コレ
クト)サービスなど
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6.取り扱い個数は増え続けている
❒平成16年度で28.7億個超
❒平成10年〜11年の1年間で
5億個を超える伸び。この時期
は、インターネットが急激に進展
した時期に当たる。
❒その後も、鈍化はしているもの
の堅実に増加。
❒インターネット利用の買い物
増に伴い、宅配便需要も拡大を
続けるものと思われる。
出典:平成18年版 数字でみる自動車
(国土交通省自動車交通局)
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7.業者別の年次推移
書籍、カタログなど
2006年5月で20億7500万。多いのは冊子小包。
増加理由
・大口割引制度導入
・コンビニ窓口の増加
・翌日配達エリアの拡大など
http://netmo.seesaa.net/article/18535846.html
http://www.yamato-hd.co.jp/kaisya/ir/zaimu/index02.html(2006.6.14)
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8.宅配便別取扱い個数(平成16年度)
❒宅配便取扱い数量のうちトラック分(≠航空)の内訳
ペリカ
ン便
フク
ツー
宅配便
カンガ
ルー便
ふるさと
名鉄 特急便・ 中越
宅配便 パンサー 宅配便
宅配便
ハート
宅配便
日本通
運㈱他
19社
福山通
運㈱他
10社
西濃運
輸㈱他
23社
名鉄運
輸㈱他
10社
岡山県
貨物運
送㈱
取扱個数
105,892 94,323 34,923 29,752 13,309
(万個)
2,162
1,255
1,197
832
148
552
284,346
0.8
0.4
0.4
0.3
0.1
0.2
100
宅配便名
宅急便
佐川
急便
取扱事業 ヤマト運輸 佐川急
者
㈱
便㈱
比率(%)
37.2
33.2
12.3
10.5
4.7
トナミ運輸 中越運
㈱他1社 送㈱
第一貨
物宅配
その他
便
(24
便)
第一貨
物㈱
合計
(34便)
全体の82.7%
全体の99.8%
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090706̲.html(2006.6.14)
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9.宅配便別取扱い個数(平成16年度)
❒宅配便取扱い数量のうちトラック分(≠航空)の内訳
カンガルー便
4.7%(13,309)
その他(29便)
2.2%(6,146)
フクツー宅配便
10.5%(29,752)
ペリカン便
12.3%(34,923)
宅急便
37.2%(105,892)
佐川急便
33.2%(94,323)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090706̲.html(2006.6.14)
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10.宅配便別取扱い個数(平成16年度)
❒宅配便取扱い数量のうち航空利用分の内訳
スーパーペリカン
飛脚航空便
便
宅急便タイム
サービス
その他
合計
取扱事業者
日本通運㈱他1社
佐川航空㈱
ヤマト運輸㈱
他1社
30便
33便
取扱個数
(万個)
1,305
860
413
479
3,058
比率(%)
42.7
28.1
13.5
15.7
100
宅配便名
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090706̲.html(2006.6.14)
http://www.nittsu.co.jp/pelican/
merchandise/super.htm
(2006.6.16)
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11.メール便取扱い個数(平成16年度)
❒メール便別の内訳
便名
クロネコメール 飛脚メール 中越メール
便
便
便
NITTSU フクツーメール
メール便
便
その他
合計
5便
10便
事業者名
ヤマト運輸 佐川急便 中越運送 日本通運 福山通運
㈱
㈱
㈱
㈱
㈱
取扱冊数
(万冊)
143,239
13,558
10,023
2,964
1,882
2,013
173,679
比率(%)
82.5
7.8
5.8
1.7
1.1
1.2
100
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090706̲.html(2006.6.14)
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12.なぜ、進展しているのか
❒郵便や鉄道よりも便利な仕組み
・ドア・ツー・ドアの配送サービス
・夜間の対応も
❒民間企業としての活力・機動力(市場競争への対応)
・ユーザ要望を睨んだ各種サービスの開発
・効率化による料金値下げ
・サービス品質の向上
❒インターネットの進展
・ネットショッピングの普及による宅配需要の拡大(次スライド)
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13.eコマースの進展と宅配需要
❒B2C取引の進展
一般消費者を対象としたB2C型のeコマース(インターネットによる買い
物)が進展。
❒インターネット利用の用途では、平成15年度総務省調査で、電子メール、
情報検索・入手に次いでおり、インターネット利用者の36.8%が利用。
例.楽天、アマゾン、・・・
❒これに伴い、宅配便の需要が拡大
仮想店舗
の登場
(実店舗)
卸売
生産者・
メーカ等
小売
宅配便
生産者・
メーカ等
物流
卸売
小売
物流
(仮想店舗)
消費者
(実店舗)
小売
小売
(仮想店舗)
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14.電子商取引(B2Ceコマース市場)の推移
❒平成15年には4.4兆円(対前年比65%増、平成12年の5.4倍)。
インターネット利用人口は更に増える方向のため、今後も当分増える。
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/h17/index.html(平成17年版情報通信白書第1章第3節)
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(3)
宅配便
の
便利なサービス
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15.基本サービス
❒最大容積、最大重量など
縦、横、高さの合計
http://www.e-taku.com/comparison/mfrm100.html(2006.6.14)
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16.配達時間指定
❒2時間〜3時間刻み。佐川はよりきめ細かな2時間刻み。
http://www.e-taku.com/comparison/mfrm100.html(2006.6.14)
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17.決済サービス
宅急便コレクト
(2005年7月開始)
日本で最初のクレジットカ-ド決済
(2000年6月開始)
http://www.e-taku.com/comparison/mfrm100.html(2006.6.14)
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18.メール便サービスの内容
http://www.e-taku.com/comparison/mfrm100.html(2006.6.14)
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19.ヤマト運輸の宅配便・新サービス
■ドライバーダイレクト
・集荷の要請や再配達時間などを直接、ドライバーの携帯電話に伝える。
■宅急便コレクト(2005年7月〜)
・ドライバーが配達時にカード決裁を受け付けるなど多様な決済を可能とする。
■電子メール通知(2005年11月〜)
・ドライバーの携帯電話番号を開示、不在時の再配達の依頼などに対応。
■宅配ロッカー(2005年11月〜)
・マンションなどに設置、24時間いつでも荷物の発送依頼が可能。
■贈答品配送サービス
・配送だけでなく包装までも一括して受託。高島屋などから引き合いあり。
■ブルートゥース採用のドライバー用端末(2005年6月〜)
・配達状況を15分置きに、本社サーバに自動送信。配達が済んだか否かを
知りたい荷主や届け先からの問合せに即答可能。
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20.Bluetoothにて4端末を連携(ヤマト)
❒複数端末を複合機
化せず、Bluetoothを
活用して連携化。
ドライバーの負担を
軽減。
携帯型POS
http://www.kddi.com/business/case̲study/
yamato̲unyu/index.html(2006.6.15)
日経産業2005.12.7
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21.荷物情報追跡サービス(佐川急便)
❒荷物状況をリアルタイムに把握
できる。
❒2005年1月からNTTドコモの
第三世代携帯電話「FOMA
(フォーマ)」の通信機能を搭載
した新しい携帯端末(PDT)を
宅配便ドライバーに配布。
❒顧客にほぼリアルタイムで貨物
追跡情報を提供できる。
❒ドライバーには電子メールで
集荷や再配達を指示できる。
❒PDTは2006年3月までに35000
人のドライバーすべてに持たせ
る。
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22.貨物追跡システム(佐川急便)
❒下記PDTは、2005年1月より、集配ドライバが携帯。
営業所、
コールセンタ
など
荷主
貨物追跡データベース
インターネット/携帯電話網
ドライバ
①集荷
荷送人
②集荷降
③積込
④到着降
集荷店
⑤持出
配達店
⑥配達完了
荷受人
:ハンディターミナル(PDT)。携帯電話機能を内蔵。メール送受信、Web閲覧可能。
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23.3社の最近のB2C戦略
❒拠点数の拡大など(ヤマト)
・現状3500(2006年3月)。2007°までに5600箇所に拡大予定。SDひとり
当たりの担当エリアを縮小し、生産性向上を狙う。❒新型集配車(「動く
営業店」)の導入(佐川急便、2006年2月〜)
・ワンボックスタイプの集配車に通信機能を持つ車載パソコン
(TOUGHBOOK)を搭載。
・また、荷物のサイズを自動計測する機器も搭載。
・SDは営業店の業務システムに車内から直接アクセス可能。
❒3PL型の受注を目指す(日通)
・自社の物流インフラにこだわらず、他社の物流機能の活用も視野に
入れた提案営業でB2C市場の開拓を進めていく。
(以上、LOGI-BIZ 2006年3月号 pp.14-17)
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24.動く営業店(佐川急便)
http://panasonic.biz/pc/solution/zirei/sagawa.html(2006.6.15)
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(4)
宅配便
の
将来
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25.今後の方向
❒B2C型の更なる進展
・可視化、配送トラブル対応
==>RFIDの活用
・不在・再配達対策
==>コンビニの活用
・競争優位対策
==>高付加価値配送
❒C2C型需要の喚起
・出先からの配送依頼対応
==>個別集荷型配送:荷主の場所を問わない
オンデマンド・リアルタイム集荷サービス
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26.可視化、配送トラブル対応
❒以下の範囲で配送されるモノについて、RFIDで履歴を管理
着目する一連の業務
製造業者
(メーカ)
発注
共同受発注
本部
①注文
②出荷指示
在庫引当
倉庫
入荷
③
顧客
(小売業店舗)
共同物流センタ
出荷指示
納品
④
⑧
⑤
ピッキング
梱包
店舗別
仕分け
⑥
⑦
積載
配送
:物の流れ
○数字:業務の流れ
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27.配送不具合とその要因の例
業務種別
受注
不具合を招く原因
不具合の種類
手書きの注文数量の読み誤り
オンラインシステムの故障
在庫引当
帳簿と実物の食い違い
出荷指示
数量・品名の誤り及び未着
ピッキング・
梱包
パレットの品名表示外れ
(1)数量
不具合
品物間違い、数量間違い
色の間違い
(2)日時
不具合
傷・汚れ
仕分け
入り数の間違いなど
店別の品物間違い
数量間違い
違う店の品物を積んだ
積載
(3)品質
不具合
積む品物の数量が間違った
無作為な積み込みによる品物
の破損
配送
道を間違えた(新人)
突発事故・渋滞に巻き込まれ
(4)届け先
不具合
商品の傷み
納品
違う店の品物を下ろした
おろした品物の数量が間違った
不注意による品物の破損
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28.ICタグとNW上の履歴情報
ネットワーク(NW)
DB
履歴情報
書き込み
リンク情報
書き込み
業務N
ICタグ
・・・
履歴情報
個体
j
業務B
業務A
ICタグ
DB:デ−タベース
リンク
リンク
業務1
業務k
日付
日付
時間帯
k個
時間帯
実施者
・・・
実施者
環境
環境
仕分先
仕分先
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29.配送不具合の解析例
顧客#iからの受注#j
顧客#iからの受注#j
NW上のメモリ(一部)
NW上のメモリ(一部)
業務1
業務2
業務3
業務4
業務5
・・
・・・
個体
合計
・・・n
・・・n
・・・n−1
・・・n−1
・・・n−1
・・
・・・
・・・
個体
数量
不具合
(a)数量不足の例:n個の注文に対しn−1個納品
業務1
業務2
業務3
業務4
業務5
・・
・・
・・・
・・・
個体
合計
・・・n
・・・n
・・・n+1
・・・n+1
・・・n+1
個体
・・・
・・・
数量
不具合
(b)数量過多の例:n個の注文に対しn+1個納品
(1)数量不具合
顧客#iからの受注#j
被疑の業務
NW上のメモリ(一部)
【数量不具合】 ある受注について、業務毎の履歴情報の合計を調べ、変化した所の
業務(業務2)が被疑となる。
【日時不具合】 遅配などの場合、履歴情報を最近から過去へ遡り、実施時間帯が標
準値(注:与えられるものと仮定)を逸脱している業務(業務3)が被疑となる。
【品質不具合】 腐敗などの場合、履歴情報を最近から過去へ遡り、業務環境が許容
値(注:与えられるものと仮定)を逸脱している業務(業務3)が被疑となる。
・・・
日時等
【届け先不具合】 誤店舗への配送などの場合、履歴情報を最近から過去へ遡り、納
不具合
個体
品先情報を変化させた業務(業務3)が被疑となる。
(2)日時不具合、品質不具合、届け先不具合
業務1
業務2
業務3
業務4
業務5
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30.不在・再配達問題への対応
❒不在・再配達の問題は、業者・荷主の双方にとって好ましく
ない。
❒現時点での対応は、携帯番号などを記述した紙をポストへ
投函==>再配達が必要。時間・費用が無駄
コンビニの活用
不在時には最寄のコンビニへ預け、
その旨をメール等で荷受人へ連絡。
荷受人はコンビニ(24時間営業)から受け取る。
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31.高付加価値配送の狙いと対象品
❒狙い
・お客様への質の高いサービスの提供
・競合他社との差別化(企業の今後の行き残り)
❒高付加価値配送が求められる荷物の例
・機密性の高い情報の含まれるもの:文書、雑誌、電子部品、
電子媒体(HD、CDなど)
・取替えの利かない物品:数や量が限られており代替品が手
に入りにくいもの(希少品):血液(新鮮血)
・振動を嫌う荷物:精密機械、電子機器、ワレモノ
・環境の影響で質が変わってしまうもの:生鮮食品
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32.高付加価値配送パタンの例
❒荷主間の配送を高付加価値化
・高付加価値配送が求められる荷物の配送
❒業者側の分担を多くした配送
①着荷主依頼配送
・発荷主または第三者に集荷を行って、着荷主に届ける。
②購入代行配送
・発荷主に代わって品物を購入し着荷主へ届ける。
③同じものを同じ相手に定期的に届ける。
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33.オンデマンド・リアルタイム集荷サービス
❒個人荷主間の配送(C2C)を対象
・地理上にランダムに分布する個人(宅内や出先)からの小口荷物を個人
(宅内)に配送(図)。
❒配送依頼は場所、時刻を問わず発生
・ランダムな場所から、(営業時間内の)ランダムな時刻に発生。
❒配送依頼に対しアルタイムに(即座に)集荷を行う
・発荷主の満足度を高めるため集荷はリアルタイム(ジャストインタイム)に
配送先
集荷先
行う。
物流網
出先
宅
地理上に不特定多数がランダムに分布
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34.集荷部分のイメージ
❒対象の荷物は小口のためバイクあるいは軽車両で対応。
❒バイクや軽車両は営業エリア内の予め決められた場所に待機。荷主
から依頼があった場合、そこへ直接出向き集荷。
❒配送先が営業エリア内なら直接配送し(図の破線)、遠隔地で営業
エリア外なら配送センタへ届ける。
営業エリア
×
③積み替え拠点へ
×
②集荷
配送センタ
③´配送
①受付け
★
④´戻り
④戻り
⑤遠隔地へ
★遠隔地の
配送先
×
×
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注)■:営業所(バイク等待機所)
○:依頼荷主 ×:他の一般荷主
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★:配送先
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35.全体システムと配送パタン
❒パタン1 ①:近距離配送(直送、同一営業エリア内)
❒パタン2 ②→③:中距離配送(配送センタ経由、近接営業エリア間)
❒パタン3 ②→④→⑤:遠距離配送(複数配送センタ経由、遠隔営業エリア間)
配送
センタ
配送
センタ
④
⑤
②
営業所
発荷主
①
営業エリア
③
営業所
着荷主
着荷主
営業エリア
営業所
着荷主
営業エリア
実車状態
空車状態
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流通経済大学
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36.荷主付近の空車車両が集荷する方法
❒荷主と空車車両の位置はGPS機能により管理されている。
❒荷主を中心とする同心円をあらかじめ規定する。
例.半径5km、10km、・・・など
❒GIS(地理情報システム)の機能を活用し、最小の同心円から順に
空車車両を検索していく。
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37.荷主付近の空車車両が集荷する方法
■近距離配送の場合には、小型車両のみで、
集荷・配送が可能。
■具体的な手順は以下の通り
①GPS携帯から特定サーバへ配送依頼(荷主)
②最小エリア内に空車バイクがあれば全車へ
マルチキャスト(サーバの自動処理)。
→一台のバイクと契約(例えば先着順など)
→当該バイクが集荷・配送処理(バイクドライ
バ)
③最小エリア内に空車バイクがなければ、エリア
を1ランク広げてマルチキャスト(サーバの
自動処理)。
→以下、同様の処理
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38.今後の展望
❒インターネットの進展に伴うB2C型サービスの進展
・荷受人の満足度向上にむけた各種サービス展開
・配送品質の確保
・高付加価値配送
❒郵政の民営化・海外企業(UPS、FedEx、DHL、TNTなど)
の参入による市場獲得競争の熾烈化
・国際物流へ(脱・国内宅配)
−佐川:中国、シンガポール、ベトナム、タイ、台湾などへ
−ヤマト :米国、オランダ、中国などへ
❒個を対象とする新たな需要の掘り起こしへ
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