エッセイ - akihata Thailand グランパの日記

3.エッセイ
1. 「タイ国の花ヨメさん」江口法子・白川書院 ¥600 '72
足の不自由な京都育ちの女性が妹の結婚式参加の為、タイに一ヵ月滞在。その間に体
験した食生活、タイ人の国民性、駐在邦人の生態等を素直に記録している。
*プロポ-ズは男の人からで、女性の家庭へ申込みに行く。結婚費用は男性持ち。式に
招ばれた人は、当日にプレゼントやお金を携えて列席。大体午前中に式を済ませ、夕
方からパ-ティというスタイル。84-5p
2. 「タイ国在住六十年-想い出すままに」波多野秀 '74
明治大正昭和三代のタイ及びタイ在住日本人の実態を知る上で貴重な資料。
3. 「沈黙の文化を訪ねて」青木保・日本経済新聞社¥1200 '76
タイにおける仏教と社会、ダ-ルマと「共存」、バンコク便り等を収録。
4. 「黄金の三角地帯」竹田遼・文遊社¥980 '77
ミャンマ-・シャン州の阿片。国民党やシャン人の武装グル-プがタイ国境まで運び
潮州シンジケ-トと呼ばれる中国人の地下組織がバンコク・香港に流す。25年前の現
地ルポ。
5. 「快適に生きるために」大山八三郎・たいまつ¥680 '77 ×
GE561,14
国
チェンマイでハンディクラフト社を設立、陶器と漆器を製造する。小田実と知り合っ
て励まされ、チェンマイでの生活振りを書く。
6. 「誰も書かなかったタイ」大貫昇・サンケイ出版¥880 '79
GE561,23
国
'73 年から 5 年間初代のサンケイ新聞バンコク支局長( 近藤紘一氏の前任) を勤め、
南洋事情をまとめた。誤解されるタイ語: 冷や= とかげ, うすのろ。モヤシ= 秘毛。
クワイ= 男性自身。マイバンタツ= 物差し。タイ人の理想とする生活とは、毎日が穏や
かで、美味しいものをたくさん食べられる生活。
7. 「外国学ことはじめ」河部利夫・玉川大学出版部¥880 '79
209p
文化交流とは、相互の社会に共通するものを探り出したり、また相違を認識するとい
うことが、本当のやり方ではなかろうか。・・
歌舞伎の中で舞台の下を「奈落」というが、これはサンスクリット語「ナロク」が仏教
の地獄を意味することと通じている。
8. 「暁の寺のある町」鶴文乃・勁草書房¥1400 '83
1975-78 年に滞在した一外交官夫人のエッセイ。
9. 「私の見たタイ国」宇田川哲・非売品 '83
1979-81 年 南タイ・ツンソン町に家畜衛生センタ-のチ-ム・リ-ダ-として赴任し
た時の記録。技術援助の他、ツンソン町の景観・人情・風俗を書いている。
10. 「現地報告・タイ最底辺」伊藤章治・勁草書房¥2200 '84
1981 年から 2 年駐在した中日新聞記者の現地報告。東北タイからの児童労働哀話、麻薬
患者の治療を行って「マグサイサイ賞」が贈られたチャムル-ン住職の話、スラムの天
使プラチティ-プ女史の教育活動、日本奉仕センタ-(JVC)の活動、そしてカンボ
ジア・ベトナムの旅。終わりに日本の援助のあり方を提言。
11. 「タイ見たまま感じたまま」高木剛・日本労働協会¥1300 '85 ×
労組出身外交官が'82-84 年にタイに滞在中見聞した記録。タイ労働組合略史と現況に
ついて触れている。
12. 「’顔’の悪い日本人」インタラタイかつ代・学生社¥1600 '85
著者は、タイ人経済学者と結婚した日本人女性。15 年の結婚生活の間に得た視点から
日常生活と国民性を述べる。タイ人から見た日本人像も変わりつつあるが、以下の点は
注意したい。①心に重きを置いていない。②形式ばっていて堅苦しい。③楽しくない。
④西洋志向とアジア蔑視。
タイ・スマイルには、他社の存在を認め他者を受け入れる証( あかし)が込められて
いる。
13. 「日本と東南アジアのあした」クントン・インタラタイ谷沢書房¥2200 '85
タイ人経済学者による日本論。
*タイ人は数人で話す時、冗談が非常に好きである。タイの諺の中に、皮肉や物を比
べる冗談が多い。例えば「犬は籾( もみ)を見る」は、「犬がご飯を食べたくても、籾
の状態では食べられない。人間も同様に欲しいものがあっても、ふさわしい状態でなけ
れば役に立たない」という意味。 74p
*タイでは政治家は必ず農民を代弁しなければならない。それはタイだけでなく多く
の東南アジアの政治家についても同じであろう。将来、日本と東南アジアが友好関係を
維持するためには、東南アジアの農民の利益も配慮しなければならない。76p
14. 「日本人はアジア人か」クントン・インタラタイ・学生社¥1600 '86
日本人論。日本の人間関係及び近代化の中身、なぜアジアで日本だけが近代化できた
か、アジアから見た日本人について書いている。
*アジア人の指摘する日本人の欠点: ①日本の社会は、フレキシビリティがない。
②過剰なナショナリズム。
③自己中心の傾向が強い。
217-220p
15. 「アジアにかかる虹」スミット・ヘ-マサトン大同生命国際文化基金¥2000
プラティ-プ(ともしび)先生の生い立ちを描く。原題は「スラムの先生」。他にア
キン・ラピ-パット論文「スラム-問題の所在と解決方向」を収録しておりスラム問題
には必読。
16. 「メコンのほとりで:裏面に生きた人々」名越健郎・中公新書¥540 '87
時事通信記者が 1982-85 年にバンコク駐在中、メコン河流域を取材した報告書。チェ
ンマイ玉本事件を再考している。
17. 「オラワン家の居候」鶴田育子・文芸春秋¥1100 '87
女子大生が始めての海外旅行にタイを選ぶ。旅行会社等アルバイトを転々としてタイ
訪問三度目に下町トンブリ地区のオラワン家に居候になる。偶然、タマサ-ト大学の非
常勤日本語講師になり一年勤めあげる。駐在日本人の生態、宝クジ、王様、教育事情、
タイ男性について書いていく。
18. 「タイの花鳥風月」レヌカ-・ムシカシント-ン・めこん¥2000 '88
著者はデリ-大学留学中に出会ったタイ男性と結婚しタイに在住 10 年。本書は「バン
コク週報」に連載したものに加筆したもの。暑季(ルドゥ-・ロ-ン)雨季(ルドゥ-
・フォン)寒季(ルドゥ-・ナオ)に咲く花、鳥の声、風向き、動物、果物等の故事来
歴を記す。タイ国花ゴ-ルデン・シャワ-についても触れている。タイの微妙な季節の
変化を花鳥風月から感じとるうえでは必読。
19. 「路上のアジアにセンチメンタルな食欲」前川健一・筑摩書房¥1300 '88 ×
イサ-ンへの旅に小説「東北タイの子」を持って行き、チェンマイのナイトバザ-ル
や旅行代理店員ペンの日本旅行の印象を綴る。
20. 「タイに魅せられて」宗像醇・講談社¥1500 '88
EG224,E99 国
副題:20 年間のタイ国との医学交流から。著者は日本医科大皮膚科専攻でチェンマイ
大医学部皮膚科教授を経験している。
21. 「タイの政治文化・剛と柔」赤木功・勁草書房¥2060 '89
歴史・言語からタイ社会を論じた上で、タテ・ヨコ関係を剛・柔の面から分析する。
22. 「タイは、いま」丸紅広報部・ダイヤモンド¥1240 '89
1966 年から 3 回にわたるタイ駐在で得た商社マンの経済報告。タイ人から見た日本人
像、日本人会の役割にも触れている。外国人ビジネスマンへの教えともいうべき諺を紹
介している。
*ティカォ・ティラォ:チャンスは平等にやってくる。
*ナムクンプラ-キンモット、ナムロットモットキンオウラ-:水が溢れている時は、
魚が蟻を食う。干上がった時には蟻が魚に集まって食う。いいことばかりではない。
23. 「マイペンライ」荘司和子・筑摩書房¥1650 '89
著者は 1965 年にキリスト教系、全寮制のワタナ女学校英語教師としてタイに赴任。タ
イ語にまつわる話を生活の中からピックアップ。巻末にタイ語文法の簡単な紹介と高橋
悠治氏による楽譜が載っている。
24. 「Dearあなたへ」佐々木瑞枝・リヨン社¥1300 '90.1
日本語教師の見た日本の中の「世界」。
・バンコク「夜に咲く女たち」 26-39p
×
25. 「タイ、水牛のいる風景」松村みか・勁草書房¥2300 '90 251p
22 歳の時、海外青年協力隊員として'85 年から 2 年 4 ヶ月タイに赴任、バンコクで日
本語教師を勤める。タイ生まれの瀬戸カメラマンに師事して東北タイ、カンボジア国境
アカ族等を取材する。
26. 「タマネギ畑で涙して」山下惣一・農山漁村文化協会¥1300 '90
日本製幌トラックをチャ-タ-して山形・佐賀の農民と東京の農業ジャ-ナリストが
見たタイレポ-ト。東北タイの森林伐採、チェンマイのタマネギ栽培、ホルモン剤によ
る巨大キウリ栽培、アユタヤのコメ、ラヨ-ン海岸のエビ養殖の他、チェンマイの夜や
バンコクのスラムを取材する。
27. 「ムアング・ロ-イジム」AFS 36 期タイ派遣生七人
GE561,E23 国
座談会、一年間の感想、レポ-トの他、父兄三人の文章を収録。生の高校生の声が書
かれていて面白い。
28. 「海外路上観察学」下川裕治・徳間書店¥1200 '91
著者にとって 13 年前初めての海外の都市がバンコク。以来ハルツ-ム、ヤンゴン、
ニュ-ヨ-クの街に恋をしていく。1994 年に「アジア赤貧旅行」と改題されて文庫本に
なっている。
*誰しも恋に走るときは不安がつきまとう。しかしそれを恐れていては恋はできない。
旅だって同じなのだ。 11p
*タイにはロットツア-と呼ばれる、私営の長距離冷房バスがある。このバスのサ-ビ
スぶりは、世界のトップレベルを走っていっているといっていいと思う。このバスに
は、それが夜行バスであろうと必ず若い女性の車掌が乗り込む。彼女らは、乗客にま
ずコ-ラなどの冷たいものを出してくれ、ル-トによっては、軽食まで持って来てく
れる。夜行バスなら、朝方、暖かいコ-ヒ-をつくってくれる。冷房がきつい、とい
えば、毛布をかけてくれる。要するにバスのスチュワ-デスなのだ。
このバスには、長距離になるとドライブインでの食事が出る。その料金はバス代に含
まれている。車内には、もちろんビデオも付いている。タイの漫才、ホンコン映画、
タイの映画などを映すことが多い。
といった具合なのだ。車掌ははっきりいって
JAL のスチュワ-デスよりも可愛いし、途中の食事は機内食よりもおいしい。144P
*バンコクには麻薬に対する密告制度がある。一回通報すると五百バ-ツの金がもらえ
るという。203p
29. 「微笑みの国タイにて」草原比呂志 '91
GE561,E48 国
1989 年から一年、タイ・フォン・コマ-シャル・カレッジに編入留学。ムアンポンに
滞在、タイ語やタイ文化を学ぶかたわら日本語や空手を教え、コンケンを拠点とした村
開発にもボランティアとして関わった時の便りをまとめた小冊子。
30. 「タイから来た女たち」手塚千砂子編・三一書房¥800 '92
1987 年日本でモデルの仕事があると誘われてやってきた 19 歳のノイがパスポ-トを
取り上げられ、高崎市で売春を強制させられ、名古屋で刃傷事件の加害者として逮捕さ
れて栃木刑務所に3年服役、1991 年 5 月に仮出所、強制送還でタイに帰る。著者は、
女性の人権を守る立場から外国人の差別裁判、警察の人権侵害を糾弾している。
*タイの習慣では、末娘が両親の面倒をみることになっている。必要があれば兄弟の生
活までみなければならない。33p
31. 「手さぐりのタイ」やまもとくみこ・農山漁村文化協会¥1400 '92
1986 年。目をつぶって象を触ってみると表面がヒヤットして硬く、裏面は柔らかいこ
とがわかり、部分を詳細に伝えることにも勝ちがあると気付いた文化人類学者がチェン
マイに住んで感じ、考えたことを書いている。
*モテる男の条件: ①色黒 ②ハンサム ③背が高い
88p
*男は既婚未婚を問わずにナ-イ( ミスタ) で済むが、女は結婚歴ありがナ-ン(ミセ
ス)、結婚歴なしがナ-ンサオ(ミス)と区別される。 112p
*官営の放送局は、王室・首相・軍という順で毎日のように国民にその存在を印象づけ
ている。 175p
32. 「ラブ・ジャンキ-」家田荘子・集英社¥1400 '92
自らタニア街のクラブ・ホステスを体験したり、20歳前後のホステス・ゲイボ-イ
を取材する。タイ北部メ-サイ出身、11歳で売られたアイ。山口百恵に似ている小柄
な18歳。字が読めず数を数えられないので、金があればあるだけ使ってしまう。4年
間音信不通だった実家を訪ねていく。プ-ケットではリゾ・ラバ(RESORT LOVER)と
呼ばれるビ-チボ-イから日本のOLの「旅の恥のカキ捨て」事情を聞く。日本女性も、
あっけらかんと男を買い、囲うようになった。著者自身、外国人と結婚しエイズ患者の
友人もいる勇気ある女性。
33. 「タイあたりカルチャ-ショック」飯田光孝・勁草書房¥1957 '92
1956 年生まれのトヨタ自販サラリ-マンがチュラロンコン大大学院に留学。途中パ
ォン寺で僧侶体験もする。その後生産現場の運営や政府関係との交渉にあたる。1984 年
からのタイ験記。
*社会的に認められた家柄か、そうでなくてもかなり裕福な家庭の出身であることを要
求される銀行員にとって、振り込みや支払い、普通預金の引き出しなどに、自分で足
を運んで来る人間は、たとえそれが口座を持っている本人であっても、軽く見られて
しまうものらしい。 23p
*合掌礼が意味するもの
社会的身分の上下を明らかにし、弱者が強者に慈悲を求めるものである。従って、対
象は人間に限らず、神聖なるもの全てを含む。さらにこの行為は、強者に対して自分
は無抵抗であることを示すという意味において、西洋の握手(これは剣を持つ手で行
うことによって敵意のないことを示す)と根源として通じている。 43p
*タイのカルチャ-の背景にあるもの、それは微動だにしない階級、弱者の心を支える
宗教、そしてその二つをまとめる国王の存在。その枠組みの中でタイの人は、気まま
な秩序、人生を楽しむ楽天家、見事なバランス感覚を行動のパラダイムとして生きて
いる。66p
34. 「セリの熱い夏」森下ヒバリ・理論社¥1400 '92
タイフリ-ク女性による処女作。山岳民族モンの娘と日本人敗残兵の恋、その息子は
ブル-スシンガ-・イサム。主人公はその娘で祖母のル-ツ探しに出掛ける。チェンマ
イ、チェンライそしてラオスに向かうところで中断する。続編が期待出来る。雨上がりの
緑の鮮やかさ、人の笑顔、料理、メコン河に沈む夕日等に魅せられた著者の感覚が瑞々し
い。若者向き。
35. 「難民キャンプのパントマイム」矢野和貴・めこん¥1600 '92
1980 年大学在学中からカオイダンでカンボジア難民救援ボランティアに参加。以後大使
館員として働いた五年間の記録。現在著者は、マイム劇団員として活躍中。
36. 「走る馬から花を見る」橋田信介・新潮社¥1400 '93
インパ-ル作戦最後の生き残り、チェンマイ娼婦についての取材がある。
37. 「日本人ごっこ」吉岡忍・文芸春秋¥420 '93
' ユウコ' という名前でタイ駐在「日本大使の娘」になりすました少女が、日本に憧
れるタイの人達の夢を食べる。日本製品については良く知っているが、日本や日本人に
ついては知らないタイ人の裏をかいてだます。
*タイはこのままでは駄目だ、タイ人は一生懸命働いていない、日本を見習えって強く
言えば言うほど私のことを皆が信用するの。
38. 「ちょっとタマダ-」早川登編・三一書房¥1500 '93
タイ人と長く深く接してきた書き手が、暮らし振りと物の考え方を教えてくれる。
・アレマの結婚:中野穂積(リス族生徒寮長の体験記)
5-59p
・おらが村に電気がきたよ:中川かずゆき(カンボジア難民キャンプの実態) 61-117p
・ラヨンの海:斉藤百合子(NGO スタッフが観た東部臨海地帯)
119-157p
・食堂使用人たちの帰る村:早川登(東北タイ・ノンソンプン村の人々)
159-219p
*地理的に見ればベトナムはラオスを挟んで 200 キロと離れていない。その距離の近さ
ゆえに、機転がきき、勤勉かつ忍耐強いベトナム人は脅威と見なされ、イサ-ンの人か
ら一種危険視されるようになったのだろう。もう一つは、1960 年代から 70 年代にかけ
てタイ政府が徹底的に行った反共プロパガンダの影響である。 80p
39. 「南へ行こうタイランド」熊倉省三・新時代社¥1000 '93
犬、幽霊、名前、お手伝いさん、食事、酒、小説「クゥ-・カム」を魚にして蘊蓄を
傾けている。
*タイの犬は「ホンホン」と吠える。16p
*愛称
ボ-:リボン トン:木の幹 オイ:さとうきび
*男の収入の三分法:水に流す(遊ぶ)地に埋める(貯蓄)敵(女房)に渡す 76p
*'30 年代、時の為政者が挨拶言葉がないのは国際的に問題が多いといって「サワディ
-」を創作、熱心に普及させたという。 95p
*ギン カウ マイ? 「一緒に食べないか」は単なる挨拶である。98p
40. 「タイの象」桜田育夫・めこん¥2500 '94
歴史、仏教、象祭、レストラン、公園、国王に関わる象を究明する。
*アジア象は利口でおとなしく、清潔で物覚えがよい。また自分の飼い主を愛し我慢強
く、一度かいだ匂いはいつまでも忘れない。又、用心深くて歩く時はまず足で地面を
探って自分の重い体重を支えられるかどうか確かめてから足を踏み出す。子供を愛し
子供に危害を加えようとする外敵には自分の身を犠牲にしてでも抵抗する。17-8p
*リ-ダ-は、最年長のジャングル生活のベテランで餌のあるところ、水の豊富なとこ
ろ、塩分を含んだ土(ポ-ン)のあるところを良く知っているメス象(メ-ナック)
がなる。群れはリ-ダ-の行くところはどこへでも無条件でついていく。18p
41. 「語りはじめたタイの人びと」サニッスダ-・エ-カチャイ明石書店¥1860 '94
'BEHIND THE SMILE:VOICES OF THAILAND ' by SANITSUDA EKACHAI '90
イサ-ン、南部、北部を歩いてタイの変貌振りを紹介している。ユ-カリ植林に反対
する村人、土地投機をねらう不動産屋と戦う村人、自分の家族を支えるために売春の道
に入る少女、海の資源が枯渇して苦しむ漁民・・・。
42. 「タイ四季暦」熊倉省三・東京書籍¥1600 '94
「雨季」ルドゥ-・フォン 5月中旬から 10 月中旬
「寒季」ルドゥ-・ナオ
10 月中旬から2月中旬
「暑季」ルドゥ-・ロ-ン 2月中旬から5月中旬
三つの季節の中で大地の恵みに彩られた生活エッセイ。
*母親にとって息子を僧にすることは、この上ない「徳」を得ることになるという。
36p
*タイが「微笑の国」と呼ばれるのは、南国の太陽のような陽気な性格、大きな災害の
少ない豊かな自然といった理由だけではない。昔から言葉の通じ合わない人が一緒に
暮らしてきたので、お互いに相手に敵意をもたないことを表現するために、「微笑」
を大切なコミュニケ-ションの手段にしてきた。 69p
*タイの人達は、外出する時は、男であっても女であっても、着ていくものに必ずとい
ってよいほどアイロンをあてる。 113p
43. 「エ-タロ-の海」石橋エ-タロ-・廣済堂出版¥1500 '94
著者の祖父は、明治の画家青木繁。ハナ肇とクレ-ジ-キャッツに参加、1971 年退団
後、料理研究家として再出発。著書に「釣った魚をおいしく食べる」「おしゃれ粥」等
がある。250 回を越える海外旅行の中で最も本物の笑みと心を感じられるタイ。そこで
の釣りと料理、タイ人との触れ合いを書く。
* 辛味で汗をかき、血行を良くし、疲れを早く取り、暑さバテ防止にひと役買うタイ料
理は、決して塩辛くない。・・塩は身体に残る。その' 塩' は血圧を上げ、心臓を衰
弱させ皮膚の衰えを助成する。・・塩味には「ナンプラ-」を少し使う。そして酢と
砂糖をバランス良く使う。・・「甘い」「辛い」「酸っぱい」がタイ料理の基本であ
り、食生活の基準でもある。 32-3p
44. 「手紙一通ぶんの勇気を」鶴文乃・大村書店¥1545 '94 ×
タイ滞在記「暁の寺のある町」を出版してからの身辺雑記。ボランティア「東南アジ
ア滞在経験者の会( グル-プ SEA) 」を発足させたり、小説「長崎の女」を書いたり、
日本語教師になっての体験を綴る。
45.「アジアの路上で溜息ひとつ」前川健一・講談社文庫¥680 '94
タイの定点観測者が 1980 年前後に転々と移動した旅を基にしたエッセイ。
・微笑みの値段
61-80p
・白い花の料理人
81-92p
・異国とトウガラシ
93-114p
*貧乏旅行こそ物事の本質がわかるという考えは、貧乏人ほど心が清く美しいという考
えと同じくらいにバカげている。旅費と旅の質は反比例もしないし正比例もしない。
316p
46.
「歴史の転換を生きて」河部利夫・玉川大学出版部¥2800 ‘95
50 年間、異民族の追体験を通して執筆されたものの集成。
*アイ・ユン( 日本野郎):日本人の蔑称。アイが動物表現の冠頭詞、ユンはジ-プンの最後の
つづりユン。 91p
47. 「父と日本にすてられて」瀬戸正夫・かのう書房¥3500 ‘95
1931 年プ-ケットに生まれ、盤国日本国民学校を卒業、水泳教師や朝日新聞カメラマ ンを経
験した自伝。出生が明らかになり、タイ国籍を取得している。
最近は日本に滞在した時の写真を「現代写真の動向 ANOTHER REALITY」展に発表している。
47. 「ラブ・クライシス」家田荘子・集英社¥360 ‘95
副題: 世紀末人間の危険な欲望。「危険がいっぱい」(‘93 廣済堂出版) を加筆・訂正 したも
の。エイズ、ドラッグ、ゲイ、売春にまつわる人間模様を描く。
 尚盛んな性風俗
107-115p
 東南アジア長期滞在組
135-143p
 無知で一方的な男の性 159-175p
 チェンマイの少女売春婦 177-183p
 アジアのエイズ・ロ-ド 185-203p
48. 「タイ・ギンペット物語」稲垣三千穂・明石書店¥1600 ‘95
副題: スラムからみた微笑の国。
「ジム・トンプソンの家」の裏、運河を越えたところにギンペット(ダイヤモンドの枝 という意味)と
いうスラムがある。イスラム教徒が住んでいる。彼らの祖先は、南ベト ナムにあったチャンパ王国
人で、カンボジアに避難。二百年前、タイ・ビルマ戦争時に タイに味方して戦った為、今の土地
に住むことを許された。
著者は、四年前カンボジア難民救援活動にボランティアとして一年半アランヤプラテ -トに住ん
だことがあり、再びタイを訪れスラム生活を体験する。社会の底辺を、しな やかに見ており、温も
りが伝わってくる。新しい NGO 活動の成果に期待したい。
49. 「タイで暮らした三年間」西戸妙子・近代文藝社¥1500 ‘95
1979-82 年バンコクに赴任した家族が日本に送ったレポ-ト。
50. 「ソムタムの歌」荘司和子・筑摩書房¥1900 ‘96
タイの生活習慣及びタイ語についての、面白くてためになる情報を盛り込んでいる。タイ語通訳
や教師経験を通して普通の人々の表情を書いており、前作「マイペンライ」より充実している。
51. 「アジア熱き希望の大地」八木沢克昌・悠々社¥1600 ‘96
著者は曹洞宗国際ボランティア会(SVA) バンコク・アジア地域事務所長。SVA との 15 年にわ
たる活動報告。
52. 「アジア・共生・NGO 」曹洞宗国際ボランティア会・明石書店¥2700 ‘96
SVA(曹洞宗国際ボランティア会) 発足 15 周年にあたり、これまでの経過と活動を報告してい
る。
*タイに内在する南北問題 111-216p
難民キャンプ周辺から NGO 活動を開始する。スリン県バ-ンサワイ村で農民文庫、チェンカ
-ンで移動図書館活動、クロントイで住民図書館、子どもの家、研修センタ-。 パヤオ県でソ
ブカ-ム村モン族保育園と実現していく。
53. 「転生の大地」瀧井宏臣・八月書館¥1751 ‘96
著者は放送記者を辞めて、二年 NGO で井戸を掘りながら国際協力活動に携わる。タイ北部の
山岳地帯で少数民族の支援活動をしている三人の日本人を取材する。「21 世紀農場」を運営
する’ 肥後の侍’ 谷口巳三郎、彼の紹介でリス生徒寮を運営する中野穂積、 寄生虫防止の
ため 1200 の便所をつくり HWP(山の女性の研修と開発プロジェクト) を創設した豊田武雄。
54. 「トムヤム生活・タイの壺」山田均・トラベル・ジャーナル ¥1600 ‘96
著者は仏教学専攻後、在タイ 10 年経験。ユニ-クなタイ語会話も出版している。床屋や病院、
ホテル、本屋、喫茶店といった場所から乗り物事情、そして結婚式、デ-ト、 受験、お化け、
果ては蚊、犬、猫、虫に到る迄とりあげている。タイ式に肩肘はらずに 書いていて読みやすい。
55. 「タイ・うごめく〔人〕景」北村元・現代書館 ¥2300 ‘96
著者は’89-‘93 年テレビ朝日バンコク支局長。任期中、マラッカ海峡でのタンカ-衝 突取
材で命拾いする。都市化による家族制度の崩壊、美人コンテスト事情、日本漫画人 気の理
由、僧侶のスキャンダル、ラウダ航空機事故、車泥棒、カンボジア地雷被害者へ の義足開発、
ラオス、売春、エイズ問題を取材。激変する社会の動きに現れた「人」景 を書いている。
56. 「タイの田舎から日本が見える」山下怱一・農山漁村文化協会¥1600 ‘96
「タマネギ畑で涙して」の著者が六年前と同じコ-スを辿り、何がどう変わりどう変わらなかった
のか、それは何故なのかを報告する。チェンマイ近郊サンパ-トン郡のタ マネギ畑は、ラムヤ
イ( 竜眼) との複合栽培や水稲と果樹を中心とした複合農業に変わ りつつある。通訳で同行
していたフリ-ジャ-ナリスト岡本和之氏は途中巨大工業団地 ランプ-ンの労働災害法廷
闘争を支援する。ステビア栽培の村フェイゲオでは、森林破 壊→砂糖きび→キャッサバ→ユ
-カリという土地利用の弊害を断つべく森林保護運動を 推進している。フリ-ライタ-斉藤百
合子さんとはラヨ-ン県の産業廃棄物処理場を訪 ね日本で経験している姿を見る。
*’81 年度出稼ぎ収入の使い道の六割は寺院に寄進、次に銀行預金、負債の返済となっ
ている。 81p
*貯蔵タマネギは収穫直前にホルモン剤をかけて発芽を抑制する。 112p
57. 「幻想の王国タイ」金子由芳・南雲堂¥1500 ‘96
女性バンコク駐在員のビジネスレポ-ト。政治、タイ向け直接投資、財閥、外国人と の関わり、
経済発展の表裏、若者を中心とする社会意識について鮮度の良い情報を伝えている。
58. 「愛しのパクチ-」森下ヒバリ・ビレッジプレス¥1339 ‘96
タイに暮らし旅する間に出会った食べ物や人々を屋台風に料理して書いている。ペッ ブリ-
に住むホォ-クデュオグル-プ・キタンチャリ-と付き合い、チャオプラヤ-河 を船旅してノン
タブリ市場に行く。バンコクでは現代画家ワサンのア-トギャラリ-開 設祝宴、イサ-ンでは
ガピ-村や音楽パブ経営者ブンミ-を訪ね、南タイ・ソンクラ- では断食中の村で家庭料理
ゲ-ンルアンにありつく。
59. 「タイの屋台の物語」熊倉省三・BNN ¥1500 ‘96
屋台で知り合った人達から聞いた話をまとめたもの。旅行者はお客様扱いされていく 内に
祭り上げられ、奢り高ぶり、あげくに相手の国を自国と比較して揶揄、中傷してし まう。著者は
前作と比べてタイ談も向上し蟻のように動き回り、タイ人の素顔を描いて いる。
* コン・チャ-ト・ニヨム:自分の国のことしか頭にない、偏狭な人のこと。バンコクのプ-ル付
きの邸宅から運転手付きの高級車で地方の工場迄通勤している日本人で、カレンダ-に
印をつけながら帰国の日を待ちわび日本料理しか食べずゴルフ三昧の人のことを言う。
141p
* プ-アンマライ:リング状の花飾りで、仏壇に飾ったり交通安全のお守りに車のバックミラ-
にかけたりする。ドックマリと呼ばれるジャスミンの花など生花を使っているので夜の内に花
飾りにして朝売ることが多い。 177p
60. 「亜細亜をパソる」小須田康人・アスペクト¥1200 ‘96 ×
GE91,G24 国
パソコン雑誌「EYE COM 」に連載したもの。俳優によるノ-トパソコン抱えての七カ国電脳ス
ポット訪問記。
* 世界一の大渋滞都市:バンコク 141-148p
* 中華街万歳
149-153p
* 我田引水タイ人気質
154-162p
パンティ-プラザ、ナコンカセ-ム(泥棒市場) の隣のファミコン SHOP を訪ねる。
61. 「アジア極楽旅行」下川裕治・徳間文庫¥620 ‘96
「アジアの旅の十二カ条」「アジアと日本の新しい関係」「日本とかかわるアジア人 物語」「激揺
するアジア」というテ-マで体験に基づく話を次々と紡いでいく。
* アジアでは全ての動力車がタクシ-である。61-69p
* アジアの米は変貌自在であることを知れ 118-127p
* タイスキを考案したのはレストラン「コカ」のオ-ナ-。145p
* エイズ青年の帰国 197-206p
62. 「アジアの旅人」下川裕治・講談社文庫¥619 ‘97
20年にわたる貧乏旅行から掴んだ虫瞰図。著者の息づかいが伝わってくる。
* 私だけ快適で、もう満足?!
40-52p
バンコク渋滞サバイバル五カ条
①バスが進まなくなったら、迷わずに降りて歩け
②月曜日と金曜日は外出するな
③夕方渋滞時は、どのバスにでも乗れ
④バスに乗る前にはトイレへ行く
⑤
待ち合わせは必ずどちらかのホテルか家、ホテルでする
* ” 民主主義” と中間層
98-128p
* 親水の人々
170-183p
* バンコクのニワトリ
231-244p
* 子連れバンコク留学の日々
245-258p
63. 「タイ王国の光と影」金子民雄・北宋社¥1800 ‘97 ×
チェンセン、スコ-タイ、カンペンペット、バンチェンの遺跡を巡るエッセイ。他に黄金の三角
地帯やアユタヤ等について書いているが、身辺雑記程度で面白くない。
64. 「いくたびか、アジアの街を通りすぎ」前川健一・講談社文庫¥705 +税 1997
高校時代に石毛直道「食生活を探検する」の影響を受けた著者が、その後の路上観察学の
ノウハウを披露。あとがきをアジア文庫店主大野信一氏が書いていて楽しい。
* 花火おじさん
26-29p
* カネの話① 百万円男
97-98p
④
ATM カ-ド
103-105p
* レイバンの鷹
108-122p
* 旅の小道具①カギ
186-188p
②石ケン箱
188-190p
③
耳かき
190-192p
* ことば⑩ タイ語
295p
* あの日も、歩いていた-タイ日記抄
308-330p
* バンコクを定点観測地にした理由
347-348p
①回数が多く、基礎知識に差があった。
②タイ語が難しい。
③冨田竹二郎編「タイ日辞典」が出版された。
65. 「マンゴ-が空から降ってくる」水野潮 AREE BOOKS 270BAHT ‘97
タイ北部チェンライ農村の見聞録。同名の本が加筆されて、めこん社から翌年発行され
ている。
66. 「トムヤム生活・タイの鍵」山田均・トラベルジャ-ナル¥1600+税 1997
沖縄在住のタイ語講師がバンコク事情を縦横に語る。
* 潮州出身のテ-チュ-ピェンは先輩の引きで「メ-コ-ン」製造を始め、市場を独占 す
るに至る。 30p
* お粥: カオ・トムは炊いたお米を水に入れて煮たもの。 44p チョ-クはドロドロになるまで煮
込んだもの。
* タイ人の遺跡は、スコ-タイやアユタヤ-に残るように仏塔でも堀でも洗練された軽 い感
じをもっている。仏像でもスコ-タイ仏はきわめて優美だし、アユタヤ-からラタナコ-シン
朝の作品は絢爛な魅力があるが共通してもつのは都会的な洗練である。 一方、ピマ-
イやパノムルンなどカンボジア人の遺跡は、周囲の自然に対抗して人間が石で作り上げた
小宇宙といった感じで、壮大さと厳しさを備えている。天に突き出した塔と、それを何重に
も取り囲むラテライト石の壁はまさに人口美の追究であり神々を祭る要塞のようでもある。
80p
67. 「タイ・自由と情熱の仏教徒たち」山田均・三修社¥2800+税 1997
タイ語、タイ仏教の核心・森の僧アーチャーン・マンとその時代、天上の都・バンコク
の建設、タイ近代教育の夜明けなど薀蓄を傾けたタイ現代文化読本。
67. 「やっぱりタイは熱かった」江本正記・ダイヤモンド¥1400+税 1997 〇
若手ライタ-を連れてタイ国境を列車、バス、ソンテオを乗り継いで行く。一般常識の枠外で
生活してる人が多いせいか、ガイドブックにはない臭いと熱さが伝わってきて読みでがある。
* 南タイ・ベトン市に住む李さん:タイの永住権は認められているものの、市民権を得るために
は今後 10 年にわたって無事故・無違反で過ごさなければならないそうだ。34p
* 一言でドラッグといっても大麻、ハッシッシといったナチュラル系とシャブ、コカインなどのケ
ミカル系とでは明らかに人体におよぼす影響は異なる。私見だが、大麻、ハッシッシのナ
チュラル系は、ホスピスなどで有効利用できるはずである。 82p
* タイでは、嫁入りするときにアヒルを持参するという古い習慣がある。亭主が浮気をすると、
その一物を切り取り、アヒルに食わせるためだ。
91p
* 土地価格①ヤワラ 一平方メ-トル 100 万バ-ツ
②シ-ロム
60 万バ-ツ
③ソイ・アソ-ク
50 万バ-ツ
④スクンビット
40 万バ-ツ
198p
68.
「世界ウルルン滞在記」光文社¥1200+税 1998
出会う、泊まる、見る、体験の語尾をとった「ウルルン」のテレビ番組番外記。
* タイのサルに出会った: 岩崎ひろみ 17-28p
* タイの舟そばに出会った: 原千晶 197-208p
69. 「食べて歩いてやっと旅人らしく」奥田継夫・三一書房¥2400+税 1998 ×
著者は 1934 年生まれ、27 歳から喫茶店を経営しつつ作家になり、50 歳から海外旅行
をはじめる。タイ以外の記録に中年の感性が出ている。
* タイ 18-29p
70. 「タイ式」矢崎葉子・太田出版¥1600+税 1998
プ-ケット・ホテルで働く人達5人の物語。日本語ガイドになったルアン、日本人女性ユリコ
さんと結婚、エビ事業を始め失敗するロン、チェンライからきたウェイタ-の カイ、ホテルを渡り
歩いているシェフのシット。
* プ-ケット:語源はマレ- 語「ブキット( 丘) 」から。19 世紀、スズ鉱山に中国人が出稼ぎにやっ
てきて街に中国ポルトガル 折衷の建物を残している。20 世紀になるとゴム栽培で栄えたが
今や観光業が TOP になっている。プ-ケット 初の リゾ-トホテルは’72 年「プ-ケットアイランドリゾト」。
27-8p
71. 「怪しいアジアの怪しい人々」クーロン黒沢・KK ベストセラ-ズ ¥495 +税 1998
72. 「アジアの旅 20 カ国ガイド」下川裕治・広済堂出版¥1600+税 1998
信越放送ラジオ番組でアジアについて語り下ろしたもの。
* タイ
149-174p
73.「アジアの居場所」下川裕治・主婦の友社¥1400+ 税 1998
テ-マ別の回顧エッセイ。学生時代、イデオロギ-闘争に嫌気をさしバンコクに行き
新聞社を退職してアジアを彷徨する。
74. 「メコンにまかせ」森本喜久男・第一書林¥2000+税 1998
1979.11.25 プラティープさんが著者の主宰する京友禅工房を訪ねてくる。以後、交流がはじ
まり、海外ボランティアをむすぶ会を結成。難民キャンプで織物に出会い、スリンの村に手織物プ
ロジェクトを立ち上げる。
75. 「アジアの友人」下川裕治・講談社文庫¥619 ‘99
「アジア」と題しているが、本書もタイ人との関わりが中心。20年にわたる体験の中からのエピソ
-ド集。
* アジアの二重価格は正しい!?
14-28p
* カオサンの金さん、銀さん
99-101p
* 向こう側の人生-中野坂上からバンコクへ
138-166p
* 不法滞在者レックの帰国
167-188p
* 仁和(ヒロカズ)とミカの結婚物語
189-208p
* メ-サ-イ川を渡るおばさん
214-216p
* バンコク、オレンジ色の街灯
223-226p
* カオサンのニュ-・バックパッカ-世代
249-266p
76. 「アジア・旅の五十音」前川健一・講談社文庫¥724 ’99
旅の記憶の端切れをアイウエオ順にまとめたもの。魚のアラ煮の味が楽しめる。
* 旅に出て 10 日ほどすると、爪を切る。一ヶ月たつと、石けんが薄くなる。二ヶ月たつと、シャ
ンプーと歯みがきがそろそろなくなってくる。三ヶ月たつと、Tシャツのえりがすり切れ、穴があき、
縫い目がほつれているのに気がつく。四ヶ月たつと、新しい日記帳を買いに行く。五ヶ月たつ
と、義理で出す絵ハガキは書かなくなる。六ヶ月たつと、日本のことなどどうでもよくなる。七ヶ
月たつと、旅に飽きてくる。一年近くたつと、バッグもサンダルも、持ち物すべてにガタが来る。
178p
77. 「婿殿のチェンマイ日記・死ぬなら今」坂田米夫・四谷ラウンド¥1400 ’99
タイ人女性と結婚、チェンマイで暮らすことになった顛末記。葬式、結婚式、新居探しの様子
がわかる。
78. 「笑うアジア」下川裕治編・双葉社¥1400+税 1999
雑誌「格安航空券&ツアーガイド」に寄稿しているライター達がアジアの魅力を綴る。
* サル騒動で女消えサル :岡崎大五
31-45p
* 女ふたり、アッシーにリベンジ :宮田あやめ 131-144p
* 徒歩五十日目のダニ :サカタルージ
145-163p
* 屋台で待ちぼうけ :下川裕治
227-239p
79. 「ドリアンの木の下で」水野潮・AREE BOOKS 265BHATS ’99
80. 「婿殿のチェンマイ日記・タイ人になろう」坂田米夫・四谷ラウンド¥1400 ’00
「気が短くて見栄っぱり、オッチョコチョイでお調子ものだが人は善い。遊び好きで軽率なよう
に見えて、意外に礼儀正しい」北タイ人は、江戸っ子気質と似ている。本書はタイ女性とのチェ
ンマイ生活の他、役所とのやりとりを報告している。「日本人はタイ人のように幸せになれるか、
日本にいながらにタイ人になれるのか」というテーマについて考えさせられる。
*チェンマイの都市化と共に外食のメニューが家庭にも入るようになり、短時間で調理できる
油を使ったメニューに偏りがちだ。
77p
*タイの美人コンテストは、お金持ちの第二夫人をめざす女たちの、リクルート活動の場でもあ
り、誰が優勝するかを賭ける賭博の対象でもある。 166p
81. 「旅の虫眼鏡」伊藤博幸・旅行人¥1400+税 2000
アジアやアフリカの動物園や路上で出会った動植物について語ったエッセイ集。タイで
は、ジャックフルーツ、パクチー、パイナップル、ドリアン、パパイヤ、マンゴー、チョンプー、
ササゲ、クウシンサイ、ソム、マンゴスチン、ランブータン、バジルといった植物、果物から
マレーグマ、犬、河馬、鰐、燕、南京虫、蛇、蝿、ロブスター、蝸牛といった動物を取り上
げている。
82. 「タイのこと、私のこと」藤吉久美子・求龍堂¥1500+税 2000 ×
女優のタイ旅行記、チェンマイに旅し、バンコクで家庭料理を味わう。
83. 「アジアでくつろぐ」長崎快宏・PHP 研究所¥476+税 2000
寛ぐ手立てを伝授。
・ バンコクでお手軽エステに挑戦
21-29p
・ タイの古式マッサージ
30-40p
・ アジアリゾートのくつろぎ度を採点する:タイ編 109-111p
・ タイの鉄道旅行を愉しむ
121-140p
84. 「一人旅ドキドキ・アジア」長崎快宏・三笠書房¥495+税 2001
一人旅の体験談と技を披露。
・ バンコクー予算と時間と好みでいろいろ試せるワンダーランド 69-71p
・ スパイスが病みつきになる不思議な味「タイ料理」
125-126p
・ ボクを熱くさせた「タイシルクのシャツ」
152-157p
・ タイの王宮周辺で声をかけてくるガイドは絶対信じるな!
200-201p
・ バンコクでアドベンチャースタイルを揃える
240-242p
85. 「よくばりアジア行っていい場所ダメな場所」長崎快宏・祥伝社\552+税 2001×
体験話も同じパターンになると、飽きてくる。
* タイ編
15-34p
* 思い出の街角:タイ編
180-182p
86. 「アジアン・リゾートに快楽中毒」島村麻里・講談社\1400 ’01 ×
タイを中心にリゾート地で快楽追求するエッセイ。間違いが散見されるのは、中毒症状の一端
なのだろうか。
87. 「だましだまされ生きるのさ」岡崎大五・角川書店\1400’01
明星コンサルティングというバンコク法律事務所に月給 5000 バーツで働いた時の顛末記。役
所でエリートと面会する方法、駐在員夫人との付き合い、無料雑誌「スマイルタイ」作り、そして
事務所の閉鎖と続く中で人間模様を面白く書いている。
88.「アジアの真心」游人舎編・小学館¥476+税 2001
アジアの人々との出会いについて 15 人が、「地獄で仏」「遼東の豕(イノコ){ひとりよが
り}」「水魚の交わり」「情けは人のためならず」といった面から書いている。
* タイーパタヤの夜
加藤直
86-99p
* タイー旅人の心意気
山本真梨子
158-177p デング熱にかかった時の顛末
89. 「どこまでもアジアパー伝」西原理恵子、鴨志田穣・講談社¥1400’01
小説現代に連載されたもの。漫画とエッセイによるアジア珍見聞記。
・ スペシャルテクニシャン
15-39p
・ バンコクの詐欺師
41-64p
・ 謎の両刀じいさん
65-102p
90. 「煮え煮えアジアパー伝」西原理恵子、鴨志田穣・講談社¥1600’02
体験記の続編。
* タイの掟
247-271p
タイ女性にとって本番は結婚を意味する。
91. 「バンコク楽宮ホテル残照」谷恒生・小学館¥1200+税 2002
20 年前に書いた小説の舞台を再訪する。
92. 「アジアのツボ・東南アジア」柳沢有紀夫編・スリーエーネットワーク\1500’02
タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシアのツボを挨拶、飲み方、料理、レストラ
ン、屋台、お世辞、タブーの切り口から案内する。
・ タイ:梅本昌男
93. 「タイ遊学王情報館」高橋由紀雄・ゑゐ文社¥1400+税 2003
タイにハマッテ 14 年、40 回以上訪ねた経験からのエッセイ。タイならではのハプニン
グが書かれている。ヤワラート路上で爪楊枝を捨てた件で警官に連行され「路上でのゴミ
捨て禁止。罰金、外国人二千バーツ、タイ人二百バーツ」に基づき罰金を請求されたが、
千バーツで放免される。ソンクラーンの水かけ合戦で、両手を上げて参戦の意志がないと
必要以上にかけない。東大農学部修士のカラオケマネジャーによると、毎月警察に七千
バーツ上納金を払っている。これでは飲み代が高くなる。
94. 「アジア[裏]旅行」平間康人・彩国社¥1200+税 2003
20 回以上アジアに通い続けた中で経験した話。タイに関連する中からピックアップ。
 拳銃を突き付ける悪徳警官
18-22p
 サムイの海で死にかける
57-58p
 クロロホルム強盗にやられる
59-62p
 タイの狂犬
96-97p
 サムイ島の逆バンジー
110-113p
 二階の店には要注意
146-148p
 警察へのワイロは七万円
165-166p
 泥棒バス・灼熱バス
172-174p
95. 「メーサイ夜話」熊澤文夫・国書刊行会¥1800+税 2003
昆虫生態学を専攻した著者のタイ人事情エッセイ。一年九ヶ月滞在したメーサイでの
人付き合いからタンブンやマイペンライについて考察したり、置屋事情を伝える。
96. 「モンスーンの花嫁」向山昌子・PHP研究所¥1400’03
タイ、インド、パキスタン、トルコ、マレーシアを旅しながら普通の人の暮らし、考えを披露する。
・ 島は今日も晴れ
6-14p
・ 市場の教室
15-20p
・ 子育て地蔵
113-123p
・ タイのお櫃
168-172p
97. 「メコン発アジアの新時代」薄木秀夫・凱風社¥1800+税 2004
著者は毎日新聞元バンコク支局長。メコン川流域を中心に取材したもの。
*
*
*
*
*
民族と文化の交差点:タイ北部
16-31p
ゴールデン・トライアングル:タイ最北部 32-62p
「イサン」は語る:タイ東北部
87-103p
戦争の記憶:タイ
207-218p
アジアの心
220-238p
98. 「最後のアジアパー伝」西原理恵子、鴨志田穣・講談社¥1600’04 ×
* タイ篇
15-100p
99. 「アジア帰りに沖縄ぶらり」下川祐治・双葉社¥1600+税 2005
タイの達人が沖縄にはまっていく。肩の力をぬいた文体でタイと沖縄を案内する。
100. 「タイは今日も海色」文・坂本京子、絵・佐藤右志・出版芸術社¥1600+税 2005
バンコクからパタヤに行く途中にあるシーラチャー生活事情。海沿いののんびりした暮らしを紹
介している。
101. 「タイの骨」宮本雄一郎・ゑゐ文社¥1400+税 2006
チェンマイとトンブリーの大学日本語講師体験談。生徒は必要な単位がとれればいいので、
大半がやる気なく、学校生活を楽しむ。
102. 「女はタイで美人になる」大野優凛子・アーカイブス¥1200+税 2008
著者は神戸女子大卒後、12年 OL 生活を経て作家になる。仕事や家事で疲れ、ボロボロに
なった女性にタイ行きを勧める。