神奈川県立川崎図書館の「旬」な情報をお届けします SiL Science & industry information Library 知る No.28 科学と産業の 情報ライブラリーニュース 2012 夏>秋 「収蔵センター」って、どんなところ? 蔵書検索の画面や検索結果のレシート の配架場所に、 「収蔵センター」 「収蔵 C」 と表示される本や雑誌があります。収蔵セ ンターって、どんなところか、そこにある 本や雑誌を利用するにはどうするのかを 今回はご紹介します。 収蔵センターとは、県立川崎図書館内で はなく、旧県立野庩高校(横浜市港南区) の一部を書庨として利用しているデポジ ットライブラリー(保存図書館)です。 △教室内はすべて書架です。 企業の資料室などから寄贈を受けた科 学技術系の外国語雑誌や、当館の書庨に入 収蔵センターは直接の利用はできませ りきらなくなった図書・雑誌などを移し、 ん。県立川崎図書館と週に3、4回、宅 保存しています。 配便でやりとりをしています。したがっ て資料を利用するには事前にお申し込み が必要です。時間に余裕をもってお申し 込みください。とくに土・日・月曜をは さむと時間がかかります。ご注意くださ い。 【収蔵センターを訪れた職員の感想】 洋雑誌の量が圧倒的です。ただし、利用 しやすく並べているわけではありません。 資料の整理や管理をしているスタッフは、 あちらの部屋、こちらの部屋と、何か所も △収蔵センター内の写真。廊下の両側の教室が 書庨になっています。 探さなければならないので大変です。エレ ベータもないのでけっこう重労働です。 丹沢は昔、火山島だった…展示&講演会開催 ミニ展示「南の海で生まれた丹沢・伊豆の化石展―丹沢は昔 南の海の火山島だった」 では、丹沢の海抜 1300 メートル地点で見つかったオウム貝化石など、約 50 点の化 石・岩石などを展示します ●7 月 13 日から 10 月 10 日の開館時間、2階展示コーナーにて開催。 また、8 月 5 日(日)14 時から、神奈川地学会会長・門田真人氏による 講演会「南の海で生まれた丹沢・伊豆の化石」を開催します。 会場:県立川崎図書館2階ホール 定員:50 名(無料/応募者多数の場合は抽選) 申込みはホームページ・FAX・往復葉書にて 7 月 25 日までに。 詳細についてはお問い合わせください。 夏のサイエンスカフェでは糖尿病研究の成果を すっかりおなじみのイベントとなった大人気のサイエンスカフェ。 31 回目のテーマは「糖尿病になりやすい体質ってなんだろう?―オーダーメイド医 療実現を目指した糖尿病研究―」です。 ゲスト(講師)は、理研横浜研究所ゲノム医科学研究センターの今村美菜子さん。 これまでの研究成果から、新たな糖尿病予防・治療法の開発について、わかりやすく 説明していただきます。 遺伝子や糖尿病に詳しくなくても大丈夫。ぜひお申込みください。 日時:8 月26日(日)14 時から 16 時 (前半は講義、後半は質疑や討論の予定です) 会場:県立川崎図書館2階ホール 定員:40 名(無料/応募者多数の場合は抽選) 申込みはホームページ・FAX・往復葉書にて 8 月 16 日までに。 詳細についてはお問い合わせください。 ※サイエンスカフェは人気が高いので抽選になることが予想されます。 神奈川県では、未来を担う子どもたちに、科学の 楽しさを知り、親しんでもらうため、夏休み期間中 に県内の科学館、大学、研究機関、企業等が開催す る子ども向け科学関連のイベント情報を、「かなが わサイエンスサマー」として紹介しています。 県立川崎図書館では、科学工作「コマとヨーヨーを作ろう!」 (8月4日) 、夏休み科学映画会 (8月7日、8日、10日)などを行います。詳しくは当館または下記ホームページをご覧く ださい。●かながわサイエンスサマーのホームページ:http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f7414/ 県立川崎図書館が受け入れた新着資料から、 気になる本や雑誌記事を紹介していきます。 本と雑誌で発見! 【図書】 『研究者がおしえる動物飼育』全3巻 日本比較生理生化学会編集(共立出版 2012 年) 〈480.76/54/1〉 飼育といっても「かわいい!」ではなく、専門的な飼育法の本です。 第1巻では、ゾウリムシ、ヒドラ、貝、エビなどを扱っています。目 次を見ると、カブトガニ・フナムシ・ミジンコ…と、研究者以外はな かなか飼育しない動物が多数。入手方法、機器や温度など、飼育環境 も詳細に出ています。まえがきによると「プロの研究者たちが生命を いかに大切にしているか実感できるはずだ」とあります。第2巻(昆 虫、クモなど) 、第3巻(ウニ、ナマコ、脊索動物など)も所蔵。 【図書】 『知っておきたい屋上緑化のQ&A:新版』 都市緑化機構 特殊緑化共同研究会著(鹿島出版会 2012 年) 〈518.85/97/2012〉 環境意識の高まりや省エネルギーから関心が高まっている屋上緑化。 県立川崎図書館でもしばしば問い合わせを受けています。本書の特徴は Q&Aの項目立てでわかりやすいこと。例えば「屋上緑化には階下への 騒音低減効果を期待できるか」 「立体駐車場の上を緑化することはでき るか」 「屋上緑化での鳥害の防止対策は」などが具体的に説明されてい ます。屋上緑化を考えている方、関心のある方が、最初に手にするのに 適した一冊だと思います。 【雑誌】 『化学と教育』 (Vol.60 No.6) 2012 年 6 月号〈Z430/K2〉 今号の特集は「凍る化学と凍らない化学」 。 「宇宙で作る氷の結晶」 「人 工降雪、降雨」 「生物における耐凍戦略の秘密兵器」など、あらゆる場所 や用途で使われている凍る技術を、数多く取り上げています。もちろん 夏らしく「食品の凍る化学と凍らない化学」も掲載。身近なアイスクリ ームや冷凍食品の冷凍技術も、気象学、冶金学、生物学など、広範囲な 学問が融合して実現していると結んでいます。 【雑誌】 『日経アーキテクチュア』 (第 978 号/2012 年 6 月 25 日号) 〈Z520/N〉 特集は「住宅やビルが発電所になる日」 。清水建設の新本社ビルでは将 来の太陽パネルの交換を見据え、室内側からも交換作業ができる工夫を しています。また、住宅の屋根と一体化し、見た目もすっきりさせる工 法が最近の新築物件では主流になっているそうです。ほかにも最新の普 及の状況、全量買い取り制度の導入や、トラブル防止策など、幅広く説 明されています。事例として神奈川県が施工会社を仲介する「かながわ ソーラーバンクシステム」も紹介しています。 夏の上映会、秋の上映会 小学生から楽しめる「夏休み科学映画 会」を今年も開催します。8 月 7 日(火) は、花火の映画、8 月 8 日(水)は昆虫 の映画、8月 10 日(金)は気象予報士 や建築家など職業の映画です。時間は 10 時 30 分から 11 時 30 分までです。 また、県立川崎図書館では、日本の近 代化に大きな足跡を残した実業家たち にスポットをあて、 「日本の近代化を支 えた実業家たち」と題するビデオの上映 会を9月以降、連続でおこないます。 第1回目は、9月29日(土) 「岩崎 弥太郎・弥之助」 「渋沢栄一」 「長瀬富郎」 「鈴木三郎助」の4点。第2回目は、 11 月 17 日(土) 「鮎川義介」 「豊田喜一郎」 「小林一三」「堤康次郎」。いずれも午前中 10 時 30 分からと午後 13 時 30 分から、 の一日2回上映、約 60 分間の放映を予定 しています。第3回目以降もお楽しみに。 ◎ いずれも会場は川崎図書館2階ホール、 事前の申し込みは丌要、無料です。お気軽 にご参加ください。 ●詳細やお申し込み方法、内容に関してなどは、下記にお問い合わせください。 ●これ以外のイベントについては、ホームページなどに逐次、掲載いたします。 神奈川県立川崎図書館 〒210-0011 川崎市川崎区富士見 2-1-4 TEL:044-233-4537 FAX:044-210-1146 http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/index.html ノーベル賞やフィールズ賞など超有名な賞以外にも、科学の賞はたくさんあります。 今回から丌定期にさまざまな科学賞を紹介していきます。 第1回目にご紹介するのは、 ◎◎◎「猿橋賞」◎◎◎ 地球科学者の猿橋勝子氏(1920-2007)によって創立されました。 「女性科学者に 明るい未来をの会」から、自然科学の分野で顕著な業績を収めた女性科学者(推薦締切 日で 50 歳未満)に賞状と副賞 30 万円が贈られます。毎年 5 月頃の発表です。 第 32 回(2012 年)の受賞研究は、阿部彩子氏(東京大学大気海洋研究所准教授) による「過去から将来の気候と氷床の変動メカニズムの研究」 。阿部氏は当館所蔵の『岩 波講座地球惑星科学 11 気候変動論』 (岩波書店)を分担執筆しています。また「天気」 (日本気象学会)をはじめ多くの学術雑誌にも文献が掲載されています。 ◆猿橋賞のホームページ:http://www.saruhashi.net/index.html
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