年 報/2014 信州大学医学部外科学教室(外科学第2) Department of Surgery Shinshu University School of Medicine 年 報/2014 信州大学医学部外科学教室(外科学第2) Department of Surgery Shinshu University School of Medicine 信州大学医学部外科学教室(外科学第2) 2014 年年報 巻頭言 就任にあたって 乳腺・内分泌/呼吸器外科部門 伊藤 研一 教授 … 2 My struggle in Matsumoto 心臓血管外科部門 岡田 健次 教授 … 3 診 療 外科学教室(外科学第2)診療体制(外来/病棟/手術) … 7 2014年を振り返って(心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科)… 9 年間手術症例 … 12 関連病院現状 2014年 関連病院の学会認定施設等の状況 … 20 … 39 教 育 2014年度 外科学教室(外科学第2)講義 外科セミナーおよび研究会 … 45 … 46 業績・研究 大学医局 論文・著書/学会発表 関連病院 論文・著書/学会発表 モーニングカンファレンス 学位論文 2014年 … … … … 寄 稿 天野純前教授より -こころの変革と新たな出発- 特 集 ①教授就任記念 心臓血管外科部門 岡田 健次 教授 乳腺・内分泌/呼吸器外科部門 伊藤 研一 教授 ②2014年 当教室が主催した全国学会 乳癌最新情報カンファレンス 医 局 2014年 教室員・職員名簿 医局員紹介 新医局員紹介 新医局員-中島先生、于崎先生 後期研修医-御子柴先生、宮崎先生、中村先生、町田先生 … 138 … 139 教室行事 国際学会体験記-久米田先生、寺田先生、吾妻先生 留学便り-江口先生 医局アルバム2014 … 141 … 142 … 145 … 147 卯月会 卯月会だより … 155 51 62 83 85 … 99 … 103 … 113 … 123 … 127 … 129 第65回卯月会総会 会員近況報告 追悼文 ―『森本雅巳先生』 -足立英二先生、宮川信先生、小池綏男先生 … 156 … 160 … 164 編集後記 … 170 巻頭言 就任にあたって 信州大学医学部外科学第 2 教室 乳腺内分泌・呼吸器外科部門 伊藤 研一 教授 平成 26(2014)年 11 月付で、信州大学外科学第 2 教室、乳腺内分泌・呼吸器外科部門教授を拝命致 しました。浅学菲才の身でありますが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。 乳腺内分泌・呼吸器外科部門は、信州大学医学部附属病院では、乳腺・内分泌外科と呼吸器外科の 2 診療科として、主に乳癌、肺癌、甲状腺癌、縦隔腫瘍など、腫瘍を中心に診療を行う部門になります。 教室開講以来、先輩の諸先生方が積み上げてきた臨床および研究の成果を継承すると同時に、新たな成 果を常に世界に向けて発信できる教室であることを目指し、教室員と一緒に努力して行きたいと思いま す。 平成 16(2004)年に卒後臨床研修制度が大きく変わって以降、全国的に医学部卒で医学研究を行う人 材の減少が危惧されております。一方で、臨床の各分野での専門医制度の整備に伴い、特定の手技(外 科で言えば手術)の施術数、すなわち「Art としての医療」を重視する方向に、日本の医療は向かって いるように感じております。もちろん外科医療においては、「病態を適切に診断して手術適応を判断し、 手術および周術期管理を適切かつ安全に行うことができる技術」、が最も重要です。また、より低侵襲 な手術の開拓も進み、各 subspecialty の分野ごとに高度な技術が要求されるようになってきております。 しかし、その一方で、私が医学部学生であった頃と現在とを比べてみますと、どの分野においても、 「疾 患や病態の科学的な背景」の解明が進み、特に腫瘍の分野では、分子生物学的な研究の成果が臨床応用 され、 「臨床医学を科学(science)として考える」ことが、益々重要になってきていると思います。私 自身は若い時期に基礎医学研究に専念させて頂く機会を頂きましたが、同時期に分子標的薬の臨床応用 が始まってきたこともあり、分子生物学的に腫瘍を眺めることの重要性を実感しながら臨床を行って来 られたことは、とても幸運でありました。 外科医は、メスを持ち続ける間は手技の向上に励み続けるべきであると思いますが、若い時期には特 に、外科技術の取得と医学研究の両立に、誰もが葛藤を抱くと思います。米国では科学研究の経験があ り、その成果の理解のもとに、診療や臨床研究を行うことができる専門医(主に内科系でしょうか)を、 「Physician scientist」、または「Clinician scientist」と呼ぶようですが、外科腫瘍学の分野でも、新しい 治療戦略を考えていく上では、若い時期に医学研究に専念することが大切だと思います。乳腺内分泌・ 呼吸器外科部門のマンパワーは、まだまだ充分ではありませんが、若手が研究に専念できる機会を作り、 病態を科学的かつ多角的に考え、新たな治療戦略を考案して行ける「Academic surgeon」を輩出できる 教室を目指したいと思います。 他方、臨床医学は一人として同じであることはない個々の人を対象とする科学ですので、柔軟な思考 力も必要です。科学的思考に基づいた優れた臨床能力と humanity を兼ね備えた外科医師を育成できる ように、教室全体で取り組みたいと思います。 今回、 外科学第 2 教室が新たな体制となりました。心臓血管外科部門の岡田健次教授はじめ諸先生方、 外科学第 1 教室の宮川眞一教授はじめ諸先生方と協力し、信州大学外科学教室全体で、次世代の外科医 療を牽引する人材を育成すべく努力する所存です。巻頭の場をお借りして抱負を述べさせて頂きました。 今後とも御指導、御鞭撻頂きますよう宜しくお願い申し上げます。 末筆となりましたが、これまでに御指導を頂きました外科学第 2 教室および関連施設の諸先生方、お よび研究の御指導を頂きました先生方に心より御礼申し上げます。 2 巻頭言 My struggle in Matsumoto 信州大学医学部外科学第 2 教室 心臓血管外科部門 岡田 健次 教授 2014 年 11 月に信州大学に赴任しはや 5 ヶ月が過ぎさりました。2015 年 1 月 31 日の就任祝賀会を盛大 に催していただき同門の先生方には大変感謝しております。その間の疾風怒濤の 5 ヶ月間は私にとって 今後忘れられない思い出であり、病院で迷子になりながら(神戸大学と比較するとかなり広い)まさに 右も左もわからないまま時間が過ぎてゆきました。病院から見える雄大なアルプスの景色に圧倒される のもつかの間、異なる環境で仕事をする困難さを痛感しました。しかしながら医局員の皆様の全面的な 協力のもと確実に日々前進しつつあると思います。臨床に関しては、外科医は早起きでなくてはいけま せん。朝 7 時からの回診は寒冷地で特に冬季には継続できるか心配しておりましたが全くの杞憂で、毎 朝 ICU で勢ぞろいしております。私自身の起床時間が若干遅くなっているのが少し気になります。また 3 名程度で構成する診療チームを 3 班作り心臓疾患、血管疾患を一方の疾患のみに偏ることなく患者さん を担当するようにしました。すべての医師には手術と血管内治療に精通していただき、その長所、短所 を理解し術前リスクに応じ患者さんに最高の治療を提供できればとの考えに基づきます。以前クリーブ ランドクリニックの Eric Roselli 先生が来られたときにお聞きしたのですが週の半分は手術に、残りの半 分は血管内治療に従事されているとのことであり、今後の心臓血管外科医に必要な資質であると確信し ましたし、当科はそれができる環境下にあります。メスとガイドワイヤーの両刀使いになっていただき たいと思います。手術においては虚血性、弁膜症、大血管すべての領域を網羅し習熟できるようにした いと思います。また成人先天性心疾患の患者さんの増加が今後予想されることもありますが、先天性心 疾患を学ぶ意義は言うまでもありません。新専門医制度下ではこども病院と連携しトレーニングを受け させていただく予定ですが、ひとりでも多くの先生方に経験していただきたいと思います。臨床におい てもうひとつ重要なのは日々のカンファレンスであります。カンファレンスの内容は術前検討、術後報 告、mortality & morbidity カンファレンス、抄読会、テーマを決め順番にレクチャーを行う勉強会、内 科外科カンファレンスなどがあります。術前検討は特に重要であります。リスク評価を正確に行い適切 な術式を選択し起こりうる合併症を予期しトラブルシューティングの引き出しをひとつでも多く準備し ておく必要があります。まさに strategy です。手術は真剣勝負でありますので手術中に作戦を考えてい るようでは全くの準備不足です。無意識下の瞬間的な判断で手術は成り立っており手を止めてはいけま せん。オーストラリア留学中、私の mentor であった達人 Farnsworth 先生にいつも“keep moving”と 教えられました。また画像の進歩は著しく外科手術成績を向上させた大きな一因であると思います。画 像レポートを読むのではなく自ら画像を奥深く読影できるようにする必要があります。神戸時代には放 射線科医師とのカンファレンスがあり読影能力が向上し何度も助けられた覚えがあります。術後報告に おいては単なる報告ではなく術者の判断が伝わるよう意識しています。mortality & morbidity カンファ レンスにおいて患者さんが不幸にも亡くなられたときには忌憚のない意見を述べ合い時には雰囲気が悪 くなるぐらいの議論を期待しております。morbidity カンファレンスも重要でいわゆる焦げ付いた状態 の患者さんの原因を究明し今後の対策を十分に練る必要があります。ややもすれば morbidity カンファ レンスはなおざりになります。morbidity カンファレンスを有意義な会にするためには日々の学術的研 鑽が重要で現在週 2 回抄読会を行っておりますがまだまだ十分とはいえません。内科外科カンファレン スはきわめて重要であります。手術適応、術式をともに考えることで手術成績が向上することを私自身 経験しましたので今後も力をいれてゆきたいと思います。今後 3 年間の目標は手術件数を増加させ臨床 3 をさらに充実させ人材を発掘することであります。 外科学は実学でありますが、私も基礎的研究を好みその重要性も十分理解しております。筋道立てて logical な発想を行うトレーニングになります。日々の臨床から生じる疑問点、問題点を解決する practical な研究を平行して継続してゆきたいと思いますし競争的資金の獲得は重要であります。研究環境は整っ ておりますのでこちらも十分可能であると思います。 すべてにおいて機会は平等ですが結果は不平等で現実は厳しいのは世の常です。個々が精一杯精進、 切磋琢磨していただきたいと思います。あれもこれもと欲張りでありますが目標を設定した上で日々の 小さな積み重ねをすることが大変重要であると思います。私が信州大学に赴任したのは何かのご縁だと 思います。大きな夢を持ち続け、様々な困難を皆で乗りきれる元気いっぱいの教室にしてゆきたいと思 います。 4 診 療 外科学教室(外科学第2) 診療体制(外来/病棟/手術) … 7 2014年を振り返って (心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科) … 9 年間手術症例 … 12 関連病院現状 … 20 2014年 関連病院の学会認定施設等の状況 … 39 外科Ⅱ診療体制 【外来】 【病棟】 【手術】 心臓血管外科 初診および再診 火・金 術前外来 火・金 呼吸器外科 初診および再診 火・(水)・木 (原則、予約制) 乳腺内分泌外科 初診 甲状腺外来・再診 火・木・金 月・火・水 (原則、予約制) 乳腺外来・再診 化学療法外来 月・火・水・木・金 月・火・水・金 (原則、予約制) (予約制) 心臓血管外科 27 床 呼吸器外科 13 床 乳腺内分泌外科 13 床 総計 53 床 月曜日 計(3.0) 心臓血管 :第 1、3、5 週(1) 第 2、4 週(1.5) 呼吸器 :第 1、3、5 週(1.5) 第 2、4 週(1) 乳腺内分泌:毎週(0.5) 水曜日 計(2.0) (隔週 2.5) 心臓血管 :毎週(1) 呼吸器 :第 1、3、5 週(0.5) 乳腺内分泌:毎週(1) 木曜日 計(4) 心臓血管 :毎週(2) (原則、予約制) 呼吸器 :毎週(1) 乳腺内分泌:毎週(1) 4週間合計(37) 心臓血管 :(17) 呼吸器 :(10) 乳腺内分泌:(10) (注):( )内は手術枠数、1 枠= 8 時間 7 【症例検討会】 教授回診 毎週(火)13:30 - 西 8 階(心臓血管)13:30 - 14:30 東 6 階(呼吸器)→ 東 8 階(乳腺内分泌)14:30 - 15:30 医局症例検討会、抄読会 毎週(火)17:00 - 医局 医局 Morning Conference (乳腺内分泌/呼吸器) 隔週(火)08:00 - 医局 リサーチカンファレンス 毎週(月)07:45 - 伊藤研一教授室 総回診 心臓血管外科検討会 血管症例カンファレンス 毎日 07:00 - 毎日 07:45 - 毎週(月)18:00 - 医局カンファレンスルーム 医局カンファレンスルーム 心臓血管外科リサーチカンファレンス 循環器内科外科検討会 PAD カンファレンス 毎週(土)08:30 - 09:00 毎週(水)18:00 - 毎週(木)18:30 - 医局カンファレンスルーム 西8階カンファレンスルーム ICU カンファレンスルーム 毎週(火)15:00 - 毎週(木)18:00 - 毎週(木)18:30 - 東6階カンファレンスルーム 放射線部外来カンファレンスルーム 放射線部外来カンファレンスルーム 毎週(火)18:00 - 東8階カンファレンスルーム (乳腺内分泌/呼吸器) (乳腺内分泌/呼吸器) (心臓血管外科) (呼吸器外科) 呼吸器外科検討会 呼吸器手術症例検討会 気管支内視鏡検討会 (乳腺内分泌外科) 乳腺内分泌外科検討会 8 2014年を振り返って 臨床グループ 心臓血管外科 2014 年の心臓血管外科における最も大きな出来事は、11 月の岡田健次新教授のご着任でありました。 3月に天野純前教授がご退官され、その前後の1月から 10 月までの間は外科学第 2 講座の教授選期間お よび心臓血管部門の岡田教授をお迎えする準備期間であったため、慌ただしい年でしたが、臨床におい ては教授不在の中、スタッフ一丸となり 10 月まで従来通りの診療活動を行って参りました。 これらの変化の中、2014 年の新規固定の先生は、町田海先生と御子柴透先生でした。また、関連病院 間での人事異動として 7 月に市村創先生が長野日赤病院から大学へ、毛原啓先生が大学から長野日赤病 院へ、藤井大志先生が大学から飯田市立病院へそれぞれ異動となりました。 臨床においては、神戸大学から岡田教授をお迎えし、その着任を待っていたかのように大動脈解離の 緊急手術を中心に手術件数が増加しました。結果として、2014 年の大学の手術症例数は 2013 年よりさ らに増加して 469 例で、心臓胸部大血管が 171 例、大動脈、末梢血管が約 298 例となりました。教授着 任後の 2014 年は 11 - 12 月の 2 ヶ月間のみであったため、岡田教授着任後の活動については、次号の年 報にて岡田教授から詳細にご報告いただけることになろうかと思います。 岡田教授着任後の日々の診療活動における特徴的な一旦をご紹介すると、 「時間を気にせずにカンファ レンスをスタッフ全員で徹底して行うこと」、 「ICU の患者さんはもとより、手術の大小や保存的治療か どうかに関わらず術直後・術直前のすべての患者さん、気になる患者さん全員をスタッフ全員で毎日朝 7時から回診すること」「緊急手術が増加したこと」などが挙げられます。朝の時間はさておき、一見当 たり前のことですが、基軸であるカンファレンスを、緊急手術などの理由付けして簡単に済ませたりす ることはほとんどありません。「小さなことから予定した事、やるといった事は必ずやる。」「緊急はすべ て受けるといったら受け、予定手術も含めやりきる。」という岡田教授の姿勢から、臨床における一本筋 の通った透明性のある分かりやすい方針がスタッフ全員に示され、さらにその影響が研究や教育活動に 波及し始めているように感じられます。カンファレンスの準備も大変ですが、様々な議論を通して「何 だかカンファレンスが楽しい。」と感じているのは私だけではないと思います。 また、人事については 12 月に現在大学との人事異動のある関連病院間会議が行われ、今後の人事異動 については、1 年以内に対応していく方針が岡田教授から示されました。 現在進んでいる低侵襲手術、植込型補助人工心臓の導入、経カテーテル的大動脈弁置換術やステント グラフト治療に代表される血管内治療機器の進歩などに伴う心臓血管外科分野の変化の中、新しい船出 をした信州大学心臓血管外科の今後にご期待いただけましたら幸いです。また、今後ともお力添えのほ ど何卒よろしくお願い申し上げます。 (福井 大祐) 呼吸器外科 2014年の振り返りと2015年の展望 2014 年度は原発性肺癌 100 例とその他を併せほぼ例年並みの手術件数を維持できました。その中でロ ボット支援手術(ダ・ヴィンチ手術)を肺癌に対する葉切除 7 例、胸腺全摘(拡大全摘を含む)6 例の 計 13 例を無事施行することができました。一重に皆様の御支援あってこその結果と改めて御礼申し上げ 9 ます。この年間症例数は呼吸器外科領域では間違いなく日本のトップクラスであり、通算で 20 症例に達 しましたのでこちらも現在トップ 5 あたりに位置しており、高度先進医療も視野に入ってきました。次 年度もこの勢いを継続し更なる発展を遂げたいところですが、これは難しいかもしれません。 ご承知の通り教室が新体制となり、呼吸器外科は早急に世代交代をすべしという方針となりました。 我々旧世代としては、呼吸器外科科長がこの先かなりの期間空席となってしまい、診療科のアイデンテ ィティと訴求力、学会とのパイプも少なからず損なわれることや、新世代にダ・ヴィンチはもとより、 大学にはつきものの高難度手術のノウハウ等を伝えたかったこともあり、ある程度の移行期間をもって しっかりと新世代に引き継ぎをしたい意向でしたが、これは叶いませんでした。特にダ・ヴィンチ手術 は数年かけて準備し、2 度の米国研修まで出かけ人的・時間的・経済的資産を投入し、保険未収載であ るため倫理委員会はもとより、経営者側との折衝を何度も重ね(結果として校費 4,000 万円余りの先行 投資を受けています。)ようやく実現にこぎつけたものです。手術と言うモノはすべからくそうであるこ とは外科医ならば周知の事実と思いますが、当該資格を取ったからと言って即術者としてその術式が満 足に遂行できるわけもなく、まして保険未収載の先進医療ですから某大学の轍を踏まぬように、事を慎 重に進めるべきで先達からの教育期間が必要と考えていましたが、その時間を持つことも叶いませんで した。 現在の症例数とノウハウの蓄積を鑑みるに継続すれば間違いなく 5 年以内には当該領域で日本のリー ダーシップをとれる位置につけていますので、この大きな財産をあっさり放棄してしまうのは実際に汗 を流してきた人間にとっては忸怩たる思いがあります。 しかし、新世代にも呼吸器外科をさらに発展させうる、少なくとも現状より学会内での認知度・発言 力が低下することのないレベルの、新たな臨床・研究テーマの腹案があってこそ急激な世代交代を選択 したと思いますので、これらは杞憂に過ぎないのでしょう。 旧世代の代表である私は大学を辞しますが、同門の先生方におかれましては、任期中は人事等のご要 望に満足にお応えすることも叶わず誠に申し訳ありませんでした。一重に私の力不足故であります。ま た、診療面では長期間にわたり暖かいご支援を賜り心より御礼申し上げます。今後しばらくは新体制と なり何かとバタバタすると存じますが、新世代にも変わらぬ暖かいご指導・ご鞭撻をお願い申し上げま す。 最後に、私も新天地の諏訪赤十字病院でパフォーマンスを落とさぬよう、今後とも呼吸器外科道に邁 進する所存でありますので、こちらにも変わらぬ御支援を賜れれば幸いです。 (吉田 和夫) 乳腺・内分泌外科 【人事一般】2014 年 1 月、乳腺・内分泌外科は、診療科長・伊藤研一、助教・前野一真、金井敏晴、渡 邉隆之、医員・岡田敏宏、花村徹、大場崇旦で、診療および研究を始めました。年が明けてすぐに飯田 市立病院から伊藤勅子先生が大学に戻り、前澤病院から小松哲先生が飯田市立病院に異動しました。ま た、岡田先生が長野赤十字病院の福島優子先生と交替し、福島先生は大学院生として研究を始めるとと もに、前澤病院での勤務を始めております。そして、4 月からは小野真由先生(平成 22 年卒)が新規メ ンバーとして加わりました。また、前年に産休に入っていた家里明日美先生が、春から大学院の研究を 再開しました。その後、長野松代総合病院に出向していた原田道彦先生の開業に伴い、渡邉先生が 7 月 から同病院に出向しております。 【臨床】2014 年の乳腺・内分泌外科の手術総件数は前年より若干増加して 292 件でした。甲状腺癌は例 年とほぼ同数の 71 件でしたが、初発症例の 6 割が甲状腺全摘が必要な症例で、上縦隔郭清も 3 例(初発 2 例、再発 1 例)施行しております。乳癌手術件数は 163 件と前年より増加し、両側症例が 10 例ありま した。乳房温存手術は 45% に行われ、全国平均よりやや少なめですが、これはやや進行した症例も多く 御紹介頂いているという背景や、再建を希望される患者さんが若干増えているという背景もあると考え ます。原発性副甲状腺機能亢進症の手術は 22 件で、1 腺の摘出のみが必要な症例は、外科ローテーター の先生達にその多くを執刀してもらいました。本年も手術枠の調整には前野先生が統括医長業務で忙し 10 い中尽力し、現在の手術枠で最大限可能な手術件数を行っております。癌の診断が確定した後、不安な 気持ちで手術を待っている患者さんの待機時間をできるだけ短くできるように予定を組むため、時々枠 を超過してしまったこともありましたが、麻酔科の先生方と手術室スタッフの皆様の御協力に感謝致し ます。また、センチネルリンパ節や切除断端の術中迅速病理診断も含め、多くの病理組織診断を御施行 頂きました病理診断部門のスタッフの皆様にも心より御礼申し上げます。外来化学療法も院内で最も多 い診療科であり、2014 年は 1,700 件以上の治療を施行しており、外来診療も変わらず多忙を極めており ます。 特筆すべきこととして、これまで薬物療法の開発がなかなか進まなかった甲状腺癌でしたが、 「放射性 ヨウ素治療抵抗性の根治切除不能な分化型甲状腺癌」に対し、ソラフェニブが 2014 年夏に承認され使 用が始まりました。当科は同薬剤の髄様癌や未分化癌への適応拡大に向けた多施設共同国際試験にも参 加させて頂いており、症例を登録しております。2015 年には他の分子標的治療薬の導入も予定されてお り、今後この分野の臨床は大きく変わっていくと予測されます。 【学会活動】国内学会では、日本外科学会、日本乳癌学会、日本臨床腫瘍学会、日本甲状腺外科学会、日 本癌治療学会、日本癌学会、日本臨床外科学会などで演題を発表しました。外科学会学術総会では、 「若 年性甲状腺癌」に関してのパネルディスカッションで、当科で蓄積されてきました臨床データを発表さ せて頂き(伊藤研)、前野先生、渡邉先生がそれぞれ臨床研究、基礎研究の成果を口演で発表しました。 乳癌学会では、4 演題を発表し、ランチョンセミナー(伊藤研)を担当させて頂く機会もありました。 臨床腫瘍学会では大場先生、伊藤勅子先生が口演発表し、甲状腺外科学会学術集会では、本年承認され た分子標的薬に関するシンポジウムで発表(伊藤研)の機会を頂きましたが、さらに「分子標的薬治療 の適応患者選択の指針」を同学会誌に執筆させて頂きました。臨床外科学会学術総会では、金井先生が 「甲状腺癌の周術期管理」のパネルディスカッションで、前野先生が現在信大病院で臨床研究として行 っております「術前化学療法施行後のセンチネルリンパ節生検」に関して、それぞれ発表しました。ま た、社会人大学院生の中村輝郎さんが、日本癌学会で発表しております。 【研究】岡田先生が「甲状腺未分化癌での EpCAM や CD44 発現」の研究成果を PLoS One 誌に発表し、 学位を取得しました。渡邉先生は乳癌の薬剤感受性の基礎研究で興味深い結果を得ており、現在論文投 稿中です。社会人大学院生の中村さんと家里先生が甲状腺未分化癌の発生機序の解明、大場先生が乳癌 の薬剤耐性、福島先生が乳癌と脱メチル化をテーマに、それぞれ研究を始めております。花村君も、乳 癌の内分泌療法耐性に関しての研究を継続しており、この研究で若手対象の科学研究費を取得しており ます。また、臨床研究では、前野先生が「術前化学療法後、臨床的腋窩リンパ節転移陰性乳癌に対する センチネルリンパ節同定」で、大学から研究経費を獲得し、データの集積を継続中です。論文発表では、 家里先生が英文症例報告を、大場先生が甲状腺癌手術と予後を解析したデータを発表しました。 【まとめと展望】乳癌、甲状腺癌ともに、進行症例や再発症例の紹介も多く、平日は臨床に追われる毎日 ですが、診療科全体で常に問題意識を持って当科の臨床成績を国内外に発信して行きたいと思います。 また、甲状腺未分化癌の基礎研究、乳癌薬剤耐性の基礎研究ではそれぞれに非常に興味深い結果が得ら れ始めており、今後の展開が期待されます。難治性の癌、薬剤耐性となった癌に対する新規治療戦略を 構築するためにも、基礎的な医学研究も進めて行きたいと思います。一方、学会発表数に比べ、論文発 表数がなかなか増えないのが当科の問題です。指導する側もきちんと責任を持ち、論文発表を増やした いと思います。 本年も日々の病棟管理を行ってくれた優秀な外科ローテーターの浦下周一先生、小松正樹先生、町田 海先生、寺田志洋先生、中村大輔先生、初期研修医の横沢佳那先生、 矢口貴一郎先生の働きに感謝する とともに、これからも若い先生が、我々と一緒に Surgical oncology を探求してくれることを期待してい ます。 (伊藤 研一) 11 年間手術症例 心臓血管外科 12 13 年間手術症例 呼吸器外科 14 15 年間手術症例 乳腺内分泌外科 16 17 年間手術症例 消化器外科 18 19 関連病院現状 [飯山赤十字病院] 〒 389-2295 長野県飯山市飯山 226-1 TEL:0269-62-4195 〈飯山赤十字病院/外科/在職医師〉 FAX:0269-62-4449 http://www.iiyama.jrc.or.jp/ 氏 名 石坂 克彦 卒業年度 昭和54年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 1989.10 ~ 中村 学 柴田 均 沖田 浩一 昭和58年 昭和61年 平成9年 〃 〃 信州大学第 1 外科 1993.4 ~ 1994.10 ~ 2013.4 ~ 〈飯山赤十字病院/外科/近況報告〉 平成 26 年度は内科医が 1 人減員され、当院の常勤医は 22 人まで減ってしまいました。これ以上常勤 医が減ると、病院の存続が危うくなると危機感を募らせています。 平成 26 年 4 月から急性期 7:1 病棟の基準が厳格化されたことを受け、当院ではこれまで 3 病棟あっ た 7:1 病棟を 2 病棟に減らし、1 病棟を地域包括ケア病棟に機能変更しました。これにより平均在院日 数を減らすことができましたが、診療報酬が減少して赤字巾が大きくなってしまいました。 外科に関しては、昨年と同じ陣容ですが、石坂、中村が還暦を迎え、日当直も息絶え絶えにこなして いる状況です。柴田は医局長に選ばれ、奮闘しています。沖田は相変わらず鏡視下手術を頑張ってくれ ています。当科でも標準的な鏡視下手術ができるようになり、合併症もほとんどなく患者さんに退院し ていただけていることは喜ばしいことだと思っています。しかし、ロートル外科医がますます齢を重ね ている現状ですので、若い外科医の就任は待ったなしの状況です。 非常勤の乳腺・内分泌外来は患者数も多く大変ですが、新教授に就任された伊藤研一先生をはじめ、 遠隔地にもかかわらず時間正確に出勤し、遅くまで診療していただき大変感謝しております。また、当 直のパート医師には、土日祝祭日の救急外来の当直を引き受けていただくことにより当院の少ない医師 の疲弊を防ぐ一助となっていることに、心から謝意を表します。 初期研修に関しては、平成 26 年度も信州大学からの“たすき掛け”研修医は送っていただけませんで したが、地域医療の研修には信州大学から 3 人、伊勢赤十字病院(三重県)から 5 人、松山赤十字病院 (愛媛県)から 1 人を受け入れることができました。平成 29 年度からは後期研修が必修化されますが、 各診療科の後期研修プログラム策定の状況がまだ不透明であり、準備をどうするか気に掛かるところで す。当院では、総合診療専門医の後期研修医を受け入れるプログラムは準備しました。 学生に関しては、信大の「150 通りの選択肢からなる参加型臨床実習」が開始されましたので、当院 にも学生が実習に訪れる見込みがあり、大いに期待しています。 平成 27 年 3 月に北陸新幹線が長野から金沢まで開通し、新幹線飯山駅が開業します。これによって当 地がどうなるかは見通せませんが、東京方面へのアクセスが格段に良くなることは我々医師にとっては ありがたいと思っています。地域が活性化したり、大都市圏から医師が当院に就職したりしてくれるよ うなら理想的なのだが、と夢想しているところです。 20 (石坂 克彦) [厚生連北信総合病院] 〈厚生連北信総合病院/外科/在職医師〉 氏 名 山岸喜代文 藤森 芳郎 篠原 剛 山田 博之 兵庫谷 章 小林 宣隆 木下 亮二 卒業年度 昭和55年 平成元年 平成8年 平成2年 平成11年 平成12年 平成23年 〒 383-8505 長野県中野市西 1-5-63 TEL:0269-22-2151 FAX:0269-22-2426 http://www.hokushin-hosp.jp/ 出身教室 信州大学第 2 外科 〃 名古屋大学 東京医歯腫瘍外科 信州大学第 2 外科 〃 東京医歯胸部外科 勤務期間 2001.10 ~ 1999.5 ~ 2007.4 ~ 2010.7 ~ 2012.7 ~ 2014.11 2014.11 ~ 2013.4 ~ 2014.3 〈厚生連北信総合病院/外科/近況報告〉 新病棟で仕事を始めて、すでに 1 年以上過ぎました。快適な病棟・手術室で仕事ができることに感謝 しています。現在は外来棟の建設が順調に進んでおり、2015 年 8 月中旬には完成する見込みです。しか しその後も救急棟などの現地建て替え工事は続きます。工事関係者や設計士さんなどとのおつきあいも 長くなりました。 この1年、がん診療拠点病院認定に向けて病院スタッフとともにいろいろ改善し申請にこぎつけまし たが、最終的には放射線治療数や化学療法数が少ないとの判定により国レベルで認定を得ることが叶い ませんでした。飯山中野地域の対象人口では、がん診療拠点病院取得は事実上困難であり、無力感だけ が残りました。 日常診療ではこの 1 年間、外科研修をする研修医がほとんどおらず、医科歯科胸部外科の木下先生が 大学に戻られてからは、外科医 4 名フル回転で仕事をこなしておりました。山岸先生にも腹腔鏡手術の 助手に入っていただいたり、呼吸器外科の小林先生にも同門のよしみで消化器外科手術のカメラ持ちに 入っていただいたりしています(新年度からは再び東京医科歯科の医師が復活し、急に負担が少なくな った様に感じています)。 一方で鼠径ヘルニアも小生らが術者になるため、遅れ馳せながら腹腔鏡下手術を導入しました。1時 間ほどの手術の中に、剥離縫合結紮が集約されており意外と楽しんでやっています。 引き続き、乳腺甲状腺・呼吸器外科に関しては、医局からの協力をお願いいたします。なんだかんだ 言っても同門の先生が来てくれると心が和みます。 (藤森 芳郎) 21 [長野市民病院] 〒 381-8551 長野市富竹 1333-1 TEL:026-295-1199 〈長野市民病院/呼吸器外科/在職医師〉 FAX:026-295-1148 http://www.hospital.nagano.nagano.jp/ 氏 名 西村 秀紀 卒業年度 昭和60年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 1995.4 ~ 小沢 恵介 藏井 誠 有村 隆明 平成6年 平成7年 平成12年 旭川医科大学第 1 外科 信州大学第 2 外科 杏林大学呼吸器外科 2010.4 ~ 2014.11 ~ 2008.4 ~ 小林 宣隆 平成12年 信州大学第 2 外科 2013.1 ~ 2014.11 〈長野市民病院/外科/近況報告〉 田圃とリンゴ畑しかない?善光寺平の北辺近くにポツンと建てられてから、開院 20 周年を迎えます。 いまだに周囲の建物は少なく、のどかな田園風景の中で屋上のピンク色の標示は奇抜な感を否めません が、北信地区の拠点病院にまで育ってきました。医師数は、開院当時は 17 人だったのに研修医を含めて 100 を超え、全職員数は 900 弱となり企業ならばもう少しで大企業の仲間入りです。 昨年は、当院で前期研修を修了した中村大輔医師が呼吸器班に、今年は竹腰大也医師が乳腺内分泌班 に進んでくれました。今年から前期研修医の定数が 5 から 8 人に増えるので、今後さらなる外科医の誕 生を後押しできれば幸いです。 [長野赤十字病院] 〒 380-8582 長野県長野市若里 5-22-1 TEL:026-226-4131 FAX:026-228-8439 http://www.nagano-med.jrc.or.jp/ 〈長野赤十字病院/外科/在職医師〉 氏 名 卒業年度 出身教室 袖山 治嗣 小林 理 昭和58年 昭和60年 信州大学第 2 外科 〃 1994.6 ~ 2007.5 ~ 浜 善久 中田 伸司 西尾 秋人 町田 泰一 昭和63年 平成元年 平成5年 平成6年 〃 〃 〃 〃 2010.4 ~ 1998.4 ~ 2002.7 ~ 2002.4 ~ 草間 啓 岡田 敏宏 平成6年 平成15年 信州大学第 1 外科 信州大学 2013.4 ~ 2014.1 ~ 彦坂 吉興 福島 優子 大野 晃一 佐藤 裕里 平成17年 平成17年 平成19年 平成21年 岩手医科大学 信州大学外科 信州大学 琉球大学 2010.8 ~ 2014.3 2011.7 ~ 2014.1 2013.10 ~ 2011.4 ~ 2014.7 久米田浩孝 美並 輝也 平成21年 平成23年 信州大学 〃 2014.10 ~ 2013.4 ~ 22 勤務期間 〈長野赤十字病院/近況報告〉 長野赤十字病院は平成 26 年で創立 110 周年を迎えました。9 月 23 日には信濃毎日新聞に両面見開き で「創立 110 周年記念記事」を掲載しました。年が明けた 1 月 31 日には長野朝日放送で「創立 110 周年 記念番組」が放送されました。「おかげさまで 110 周年」のロゴマークも作成し活用されています。地味 な当院では今までに例がなかったことで、変わりつつある病院の姿勢が表れていると思います。 平成 26 年当院は DPC Ⅱ群病院に認定されました。平成 24 年にⅡ群となれなかった理由は、手術 1 件 当たりの外保連手術指数が低かったことにあり、外科として責任を感じました。外科として病院全体と して外保連手術指数の低い手術を外来に移行し、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術など腹腔鏡手術を積極的 に推し進めました。 平成 26 年度より医療の質を高め病院経営を改善させるため、BSC が導入されました。消化器外科、乳 腺内分泌外科、呼吸器外科など各部署で BSC を作成し、院長ヒアリングを行っています。医業収益は伸 びていますが、同様に医業費用も増加しており、思うような収支となりませんが、消費税が 8%となっ たにもかかわらず 26 年度も黒字で乗り切ることができそうです。 平成 26 年 6 月、第 3 駐車場を立体化しその屋上に県警・防災の大型ヘリコプターも離着陸できるヘリ ポートが完成しました。9 月の御嶽山噴火、11 月の神城断層地震の際には基幹災害拠点病院として役割 を果たしました。週に 1 - 2 件のドクターヘリによる搬送を受け入れています。 当院が当地若里に移転して以来 30 年間変わらぬ味でスパゲッティなどを提供してくれていました「喫 茶 BEN」が惜しまれながら 9 月 30 日に閉店しました。年明けの 3 月、同じ場所にオープンカフェスタ イルの「タリーズコーヒー」が開店し、当院に新しい風を運んできました。 彦坂吉興先生が、当院での 3 年間の外科後期研修を終了し、4 月より佐久総合病院佐久医療センター で肛門外科の研修を開始しました。 平成 21 年に大学卒業後、当院で初期研修、外科の後期研修を行った佐藤(旧姓新城)裕理先生が結婚 して、7 月に当院を退職となりました。当院在籍の 5 年半の間に急性虫垂炎 39 件、ヘルニア 72 件、ラ パ胆 37 件、胃癌 23 件、結腸癌 48、直腸癌 13 件など計 342 件もの手術を執刀してくれました。 平成 26 年 9 月、呼吸器外科に久米田浩孝先生を迎えました。真面目に熱心に臨床に取り組んでくれて います。初期研修医や学生の面倒もよく見てくれて、信州大学の教育の賜物だと感心しています。呼吸 器外科もようやく 2 人体制となり、益々の発展が期待されます。 〈長野赤十字病院/心臓血管外科/在職医師〉 氏 名 西村和典 高野 環 卒業年度 昭和54年 平成3年 出身教室 信州大学第 2 外科 〃 勤務期間 1992.4 ~ 2015.1 ~ 坂口昌幸 平成6年 〃 2009.10 ~ 寺崎貴光 福家 愛 毛原 啓 市村 創 平成9年 平成16年 平成20年 平成21年 〃 〃 〃 〃 2015.1 ~ 2010.10 ~ 2014.7 ~ 2013.7 ~ 2014.7 〈長野赤十字病院/心臓血管外科/近況報告〉 信大からの全面的な Back-up で 2014 年を乗り切りました。心臓手術も減ることなく、水準も維持で きました。信大のスタッフに感謝しています。全体数は静脈瘤 Laser 治療の影響で著しく増えましたが、 内容的には変化がありません。 岡田教授のご高配で高野・寺崎の二人が実質的に暮れから合流し、2015 年の心臓手術は緊急・予定合 わせて 50%増加が期待される状況です。開設以来、最も充実しており、高野先生を中心とする新しい時 代に入ったようです。信大との連携をそのままに、診療が充実していくように、努力を重ねるつもりで す。 23 [東口病院] 〒 390-0921 長野県長野市栗田 356-1 TEL:026-227-0700 〈東口病院/在職医師〉 FAX:026-224-8654 http://higasiguchihp.jimdo.com/ 氏 名 大橋東二郎 卒業年度 昭和43年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 1982.5 ~ 永井 規敬 工藤 道也 昭和43年 昭和60年 東京女子医大 信州大学第 1 外科 1982.5 ~ 2013.5 ~ 〈東口病院/近況報告〉 平成 26 年は教室の大変革の年度でありましたが、教室から変わらずに3診療部門の先生方にお手伝い いただき感謝しております。 長野は北陸新幹線も開通し、北陸への交通が便利になりました。北陸での学会の折など中継点として 役に立つかと思います。 当院は設立 32 年が経過しました。関連した患者さんたちも高齢となり、今後の対応が、地域も含めた 当面の問題であります。病院の機能についても熟考する必要が生じてまいりました。地域の要望にも応 えながら方針をたてていきたいと考えております。 (大橋) [厚生連長野松代総合病院] 〈厚生連長野松代総合病院/外科/在職医師〉 〒 381-1231 長野県長野市松代町松代 183 TEL:026-278-2031 FAX:026-278-9167 http://www.nagano-matsushiro.or.jp/ 氏 名 春日 好雄 熊木 俊成 卒業年度 昭和54年 昭和63年 出身教室 信州大学第 2 外科 信州大学第 1 外科 勤務期間 1997.4 ~ 1995.3 ~ 原田 道彦 平成12年 信州大学第 2 外科 2010.7 ~ 2014.7 渡邉 隆之 小野 真由 浦下 周一 藍澤喜久雄 中田 岳成 平成14年 平成22年 平成23年 昭和54年 平成5年 〃 〃 〃 新潟大学第 1 外科 信州大学第 1 外科 2014.8 ~ 2013.4 ~ 2014.3 2014.4 ~ 2007.4 ~ 2014.6 2012.4 ~ 関野 康 平成13年 〃 2012.4 ~ 〈厚生連長野松代総合病院/外科/近況報告〉 伊藤研一先生が外科2の乳腺内分泌呼吸器外科部門の教授に就任されたことは医局員や OB にとって 本当にうれしい事でした。本家が安泰ということは関連病院の人間にとってどれほど勇気づけられるか 測りしれません。今後も本家を中心に盛り立てて頑張っていきたいと思っています。伊藤研一先生の今 後の発展を心からお祈りします。 ところで当院で4年間乳腺内分泌外科の部長で頑張ってくれた原田先生が開業しました。場所はオリ ンピックスタジアムに近い新興住宅街です。当院にも近いので今後病診連携で密接な連携を期待してい 24 ます。原田先生の健闘を祈念します。 乳腺内分泌外科は原田先生の後任として渡邉隆之先生が赴任してくれました。フットワークが軽く精 力的に、 手術外来検診はもちろん信大の学生、初期臨床研修医の指導もしてもらっています。そして大学 医局から派遣の後期研修医である浦下先生も外来手術そして学生研修医の指導をしてもらっています。 さらに忙しい合間に乳腺甲状腺の論文を書いたり、学会発表も精力的に行なっています。私が臨床以外 の仕事で病院を空けることができるのも渡邉先生、浦下先生のお陰と本当に感謝しています。浦下先生 は4月から信州大学に戻り心臓血管外科の専門研修に入りますが当院での経験を生かして頑張ってほし いと思います。 (春日 好雄) [厚生連篠ノ井総合病院] 〒 388-8004 長野県長野市篠ノ井会 666-1 TEL:026-292-2261 〈厚生連篠ノ井総合病院/心臓血管外科・外科/在職医師〉 氏 名 池野 龍雄 青木 孝學 宮本 英雄 斎藤 拓康 五明 良仁 坂口 博美 秋田 倫幸 後藤 博久 岡田 一郎 有吉 佑 卒業年度 平成2年 昭和63年 昭和58年 平成6年 平成3年 昭和62年 平成9年 平成元年 平成16年 平成24年 出身教室 信州大学第 1 外科 信州大学第 2 外科 〃 信州大学第 1 外科 鳥取大学第 1 外科 名古屋大学第 1 外科 信州大学第 1 外科 信州大学第 2 外科 昭和大学 後期研修医 FAX:026-293-0025 http://shinonoi-ghp.jp/ 勤務期間 2002.4 ~ 2004.7 ~ 2005.7 ~ 2008.4 ~ 2008.9 ~ 2009.10 ~ 2013.4 ~ 2013.9 ~ 2013.11 ~ 2014.4 ~ 〈厚生連篠ノ井総合病院/心臓血管外科・外科/近況報告〉 耐震性の問題から現病院の隣に新病棟を建設していましたが 3 月に完成し、5 月上旬に病棟の大半と 外来が新病棟に移ります。救急部門と周産期部門の充実を謳っており両者に広い空間が割り当てられま した。土地の形状の関係とかで病棟は直角三角形を 2 つ合わせたひし形になりました。東京都あきる野 市に全く瓜二つのひし形病院がありますが、そこに視察に行った情報ではたいへん使いづらいと話して いたようです。さて呼吸器外科は青木先生が一人で頑張っています。後藤先生は総合診療科を担当して います。手術は行っていませんが総合診療科の主要メンバーとして活躍しています。外科は後期研修医 1 人を含め 8 人でやっています。千曲市からの患者が多く、症例は豊富です。手術は時代の流れで、胃、 大腸とも腹腔鏡手術を主流にして行っています。胃の吻合は腹腔内で行っています。鼠径ヘルニア、虫 垂炎も大半を腹腹腔鏡手術で行っています。技術は相当進歩しました。 (宮本 英雄) 25 [佐久市立国保浅間総合病院] 〒 385-8558 長野県佐久市岩村田 1862-1 TEL:0267-67-2295 〈佐久市立国保浅間総合病院/外科/在職医師〉 FAX:0267-67-5923 http://www.asamaghp.jp/ 氏 名 松永 祐治 卒業年度 昭和55年 出身教室 東京医科歯科大学 勤務期間 1984.4 ~ 都井 眞 塩原 栄一 箕輪 隆 昭和57年 昭和59年 昭和59年 群馬大学 信州大学第 2 外科 山形大学第 2 外科 1985.4 ~ 1994.1 ~ 2001.4 ~ 西田 祥二 池田 正規 松本 涼子 平成10年 昭和59年 平成15年 東邦大学外科 〃 京都府立医科大学 2007.1 ~ 2010.10 ~ 2009.4 ~ 吉安 俊介 平成23年 東京大学 2014.4 ~ 〈佐久市立国保浅間総合病院/外科/近況報告〉 吉安先生が後期研修を終了して新たに加わり、より充実した体制となりました。 病院としては手術棟の改築計画が進行中です。今後も地域に根付いた病院を目指して行きたいと考え ています。 [厚生連安曇総合病院] 〈厚生連安曇総合病院/外科/在職医師〉 〒 399-8695 長野県北安曇郡池田町池田 3207-1 TEL:0261-62-3166 FAX:0261-62-2711 http://www.azumi-ghp.jp/ 氏 名 卒業年度 小林 克 花岡 孝臣 昭和49年 平成4年 信州大学第2外科 〃 出身教室 2009.7 ~ 2002.10 ~ 勤務期間 久保 直樹 芳澤 淳一 平成10年 平成13年 信州大学第1外科 〃 2011.4 ~ 2014.4 ~ 〈厚生連安曇総合病院/外科/近況報告〉 2015 年(平成 27 年、皇紀 2675 年、明治 148 年、大正 104 年、昭和 90 年)4 月より、当院名称が、北 アルプス医療センターあづみ病院へ変更となりました。これは、患者さんだけでなく職員までもが南隣 りの日赤病院さんと間違えることが多かったためです。スタッフ一同、病棟改築とともに心を新たにし て、次の時代に相応しい未来を医療を築いてゆきたいと思っております。 26 (花岡 孝臣) [独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター] 〈松本病院〉 〒 399-8701 長野県松本市村井町南 2-20-30 TEL:0263-58-4567 FAX:0263-86-3183 http://mmcmatsu.jp/index.html 〈独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター松本病院/外科/在職医師〉 氏 名 小池祥一郎 卒業年度 昭和60年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 1998.1 ~ 中川 幹 北村 宏 荒井 正幸 平成10年 昭和61年 昭和63年 信州大学第 1 外科 〃 〃 2007.4 ~ 2008.4 ~ 2008.4 ~ 松村 任泰 松下 明正 水野 伸彦 平成20年 平成5年 平成26年 外科後期研修医 信州大学第 1 外科 初期研修医 2010.4 ~ 2013.4 ~ 2014.10 ~ 2015.1 〈独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター松本病院/外科/近況報告〉 「まつもと医療センターはいつになったらいっしょになるの?」 「新病棟はいつ建つの?」 昨年も誰かに会う度に聞かれた質問です。 原稿締め切りぎりぎりの 2015 年 3 月 24 日に 3 回目の入札が行われ、遂にはっきりとお答えすること が可能になりました。やっと、ついに、とうとう落札されました。今後の計画では 2 年後に新病棟が完 成、現在の松本病院の入院患者を移し、さらに半年で旧病棟を解体するとともに、外来および C 病棟の 改築を行います。つまり 2 年半後には、中信松本病院が丸ごと下に降りてきて、一体地で新たなまつも と医療センターが誕生します。 2008 年に両病院が組織統合した後、万年赤字から脱却し、この 3 年は連続黒字を達成しました。経営 と救急に対する職員の意識改革が徐々に浸透しつつある証拠と考えています。2025 年をふまえて、これ からの医療も激動の時代に向かうでしょう。その中でここにまつもと医療センターあり!といえるよう な病院になるよう、知恵を絞っていきたいと思います。皆さんがこれを読まれる頃には、新しい病棟が その姿を現していることでしょう。まだまだやるべきことは多く、前途は多難ですが、ご期待ください。 (小池祥一郎) 27 〈中信松本病院〉 〒 399-0021 長野県松本市寿豊丘 811 TEL:0263-58-3121 FAX:0263-86-3190 http://mmccyuushin.jp/index.html 〈独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター中信松本病院/呼吸器外科/在職医師〉 氏 名 近藤 竜一 卒業年度 平成5年 出身教室 信州大学第2外科 勤務期間 2009.7 ~ 藏井 誠 三浦健太郎 平成7年 平成19年 〃 信州大学外科 2011.3 ~ 2014.11 2012.10 ~ 〈独立行政法人国立病院機構まつもと医療センター中信松本病院/呼吸器外科/近況報告〉 2014 年 11 月に藏井誠先生が転勤され、呼吸器外科は現在 2 人診療体制で行っております。外来日の 制約などありますが、手術につきましては今まで同様の日程を維持しています。今後も引き続き当院へ のご援助よろしくお願いいたします。 (近藤 竜一) [県立木曽病院] 〒 397-8555 長野県木曽郡木曽町福島 6613-4 TEL:0264-22-2703 FAX:0264-22-2538 〈県立木曽病院/外科/在職医師〉 氏 名 卒業年度 久米田茂喜 小出 直彦 河西 秀 小山 佳紀 昭和52年 昭和62年 昭和62年 平成10年 http://www.pref-nagano-hosp.jp/kisohosp/ 出身教室 信州大学第 2 外科 信州大学第 2・1 外科 信州大学第 1 外科 〃 勤務期間 2013.4 ~(非常勤) 2013.1 ~ 2010.4 ~ 2005.5 ~ 〈県立木曽病院/外科/近況報告〉 2014 年の木曽は 2 月の大雪、7 月の大雨、10 月の御嶽山噴火と自然の驚異を強く感じた年でした。特 に御嶽山の噴火の際には信州大学を始め、長野県内各地の病院の DMAT および患者受け入れなどの後 28 方支援を賜り、感謝申し上げます。おかげさまで、搬送された患者さんのみならず当院職員の負担軽減 につながり、長野県の救急や地域医療における連携の意識の高さに感銘いたしました。一般診療にお きましては、高齢者の多い当院では様々な外科診療とその併存症に当たらねばなりません。このため、 clinical surgeon、surgical oncologist のみならず surgical generalist の役割も果たさねばならず、改めて 日々の外科臨床の奥深さを痛感する毎日です。その一方で、当院での治療を希望される患者さんも増加 し、比較的高難度の手術や周術期管理、そして標準的ながん治療を担う必要性が強く感じられます。こ のため学会や研究会へ参加し、そして当院の診療を見つめて幅広く御評価頂くために学会発表および論 文作成の指導と充実した毎日です。このような中で、継続して若手の外科医が居てくれたら、様々なこ とを経験できるのではないかと考える次第です。地域医療のコンセプト、外来やベッドサイドの心構え を学ぶ良いチャンスとなると思います。今後の教室の長野県における外科診療への飛躍的な貢献を期待 したいところです。また信州大学の医学部学生実習や木曽看護学校の授業や実習に際して、指導医のた めの講習や研修会への参加と、日頃の備えを忘れないように心がけています。今年は、信州大学との更 なる診療連携を図り、地域がん診療連携病院の資格を取得するため外科チーム一丸となって木曽病院の 地域がん診療の充実に向けて取り組む所存です。今後とも御支援をよろしくお願いします。 [諏訪赤十字病院] 〈諏訪赤十字病院/外科/在職医師〉 〒 392-8510 長野県諏訪市湖岸通り 5-11-50 TEL:0266-52-6111 FAX:0266-57-6036 http://www.suwa.jrc.or.jp/ 氏 名 代田 廣志 大橋 昌彦 梶川 昌二 島田 宏 矢澤 和虎 野首 元成 卒業年度 昭和48年 昭和53年 昭和55年 平成7年 平成3年 平成16年 出身教室 信州大学第 2 外科 〃 〃 〃 〃 信州大学 勤務期間 1985.8 ~ 2014.3 1989.4 ~ 2002.4 ~ 2002.7 ~ 2003.9 ~ 2014.3 2007.4 ~ 三原 基弘 五味 邦之 平成5年 平成14年 信州大学第 2・1 外科 信州大学外科 2008.8 ~ 2011.4 ~ 池田 義明 阿部 光俊 丸山起誉幸 濱中 一敏 平成18年 平成21年 平成6年 平成9年 金沢医大 信州大学 秋田大学外科 信州大学第 2 外科 2011.4 ~ 2011.4 ~ 2011.5 ~ 2012.4 ~ 小山 洋 菅谷 慎祐 平成11年 平成18年 〃 大阪大学救急部 2012.6 ~ 2013.4 ~ 山本 悠太 平成23年 信州大学第 1 外科 2014.4 ~ 〈諏訪赤十字病院/外科/近況報告〉 2014 年 3 月をもって、代田副院長、矢澤救急部長が退職された。 医師の入れ替わりはあったが、消化器・一般外科、呼吸器外科、乳腺内分泌外科、心臓血管外科の 4 分野での医師の総数は 16 人である。 併し救急救命センターとしての役割もあり、まだまだセンターに専従する医師の増員が追い付かず、 外科医師が業務を兼任する格好で救急外来の役割を大きく担っている。さらに諏訪地域さらには辰野地 域を含めた医療圏での中心的な地域基幹病院として、院内外からの紹介や緊急疾患の手術や治療に取り 29 組んでいるため、いずれの分野も人数的にはまだまだ足りていない感があり、疲弊感は解消されていな い。特に乳腺内分泌分野は大学からの応援も得て何とかやりくりしているが、手術に化学療法にと孤軍 奮闘である。 肝臓、膵臓を除いた消化器や呼吸器領域では内視鏡下手術が標準となっており、その件数も多くなっ てきている。心臓血管外科領域では、ハイブリッドカテ室ができ動脈瘤ステント手術が増えてきている。 そんな忙しいなかでも、多くの症例や経験の積み重ねで得られた知識と研修で、外科専門医や救急専 門医などの資格を取得したり、赤十字の基本業務である災害に対しても必要な DMAT 隊員の資格取得 もされている。専門医の更新や学会発表にも力がそそがれている。 地域基幹病院であり且つ DPC Ⅱ群病院であることより、地域の医療機関から信頼され、貢献する病 院として、さらに医療の質を高める病院の方針に沿い、QI に沿った治療内容の見直しや技術向上にも励 んでいる。 (大橋) 〈諏訪赤十字病院/心臓血管外科/在職医師〉 氏 名 卒業年度 河野 哲也 高橋 耕平 月岡 勝晶 大橋 伸朗 山本 高照 平成4年 平成11年 平成9年 平成17年 平成20年 出身教室 信州大学第2外科 〃 〃 〃 〃 勤務期間 2009.10 ~ 2010.1 ~ 2012.4 ~ 2012.10 ~ 2014.2 2014.3 ~ 〈諏訪赤十字病院/心臓血管外科/近況報告〉 岡田教授、伊藤教授をはじめ、外科 2 医局の先生方にはいつも大変お世話になっております。 昨年も、河野哲也先生のリーダーシップのもと 196 件の心臓血管手術を施行し地域医療に貢献するこ とができました。大学からの支援、ご指導あっての成果と感謝しております。特にステントグラフト、 大血管疾患における福井大祐先生の一方ならぬ、ご指導、ご協力には一同感謝申し上げております。平 成 26 年 3 月にはハイブリッド手術室も完成し、稼働を開始しました。当院への期待は、ますます高まる ことになると思います。まだまだ症例は少ないですが、ひとつひとつ症例を積み重ねたいと思っており ます。 昨年も河野哲也先生には当科を牽引し、我々の指導や、病棟管理、雑務までと広範な面でリーダーシ ップを発揮していただきました。少しでも河野先生の負担を減らしたいと一同思うこの頃です。 また、月岡勝晶先生には救急科の仕事もあり超多忙な中、手術の執刀から学術活動までやっていただ き、頭が下がりっぱなしです。体を壊さないか心配です。 30 山本高照先生は、仕事だけでなく結婚、第一子誕生と順風満帆です。篤実な人柄と仕事ぶりに、スタ ッフの信頼は絶大です。 髙橋耕平先生は昨年も婚活は実を結ばず、次年度は諏訪日赤独身会、会長就任がほぼ確実と言われて います。趣味の歴史研究では、独自の取材ルートから戦後昭和史の大論争に一石を投じる重要な情報を 発掘したと一人悦に入っています。近現代史に興味ある方はご一報ください。 平成 27 年は大学の体制も大きく変化することと思います。変わらぬご指導、ご鞭撻、ご協力を賜れれ ば幸甚です。先生方のますますのご活躍と、ご健勝を祈念申し上げます。 [富士見高原医療福祉センター 富士見高原病院] 〒 399-0214 長野県諏訪郡富士見町落合 11100 TEL:0266-62-3030 〈厚生連富士見高原病院/外科/在職医師〉 氏 名 安達 亙 岸本 恭 塩澤 秀樹 卒業年度 昭和54年 平成5年 平成11年 FAX:0266-62-5188 http://www.fujimihp.com/ 出身教室 信州大学第 2 外科 〃 〃 勤務期間 2002.4 ~ 2001.10 ~ 2004.7 ~ 〈厚生連富士見高原病院/外科/近況報告〉 当院では、2013 年 12 月に新病棟が竣工し、病院のほとんどの入院病床が新病棟に移動しました。2014 年は新病棟での診療が始まった年となりました。新しい入院病棟は明るくきれいであり、以前から気に なっていた悪臭が気になることはほとんどなくなりました。患者さんの療養環境は快適なものとなった と思っております。 病院は 149 床の病院から、2014 年 8 月より神経難病特例病床として 12 床の増床があり、161 床の病院 となりました。外科としてのトピックスは、2014 年に当院では初めて鏡視下のソケイヘルニア手術を行 いました。今後、従来行なっていた手術との比較の中で、患者さんに推奨していきたいと思っておりま す。 2014 年 4 月より、富士見高原医療福祉センター内の老人保健施設「あららぎ」の施設長として天野 純先生が着任しました。また、諏訪市にあります老人保健施設「みづうみ」とみづうみ診療所の施設長 および診療所長として第 2 外科の先輩である代田廣志先生が着任しました。現在、富士見高原医療福祉 センターでは富士見町、原村、伊那市、諏訪市に事業所があり、介護保険領域のベッド数は 400 床を越 えております。富士見高原病院では、ありふれた疾患に対する急性期医療を新しい設備を備えた新しい 病棟で行なっていく方針です。救急患者さんは断ることなく受け入れていく方針を続けていき、介護保 険施設の利用者に対しても敬遠することなく医療を提供する病院を目指していきます。 31 [前澤病院] 〒 399-4114 長野県駒ヶ根市上穂南 11-5 TEL:0265-83-2151 〈前澤病院/外科/在職医師〉 FAX:0265-82-6278 http://maezawa-hosp.or.jp/ 氏 名 前澤 毅 卒業年度 平成2年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 1995.7 ~ 福島 優子 平成16年 〃 2014.1 ~ 〈前澤病院/外科/近況報告〉 はじめに 伊藤研一先生、岡田健次先生、教授就任おめでとうございます。昨年は医局員は当然ですが、OB の 私達も教授選はドキドキして心休まる暇がなかったと、今感じています。第 2 外科の伝統である甲状腺 外科、そして天野前教授から受け継がれた心臓血管外科。新旧が癒合し更に第 2 外科が飛躍される事を 御祈念申し上げます。 平成 26 年は消費税 8%導入という大事件から幕を開けた。消費者物価は上昇し、生活面で苦しいと訴 える民衆が増えた。「おばあちゃん、どうしてこんなになるまで…」と言いたい患者さんが増えた印象は 否めない。8%のツケは自らの健康で払っているようだ。 国民所得に占める社会保障給付費は、大阪万博が開催された昭和 45 年の 5.8%(国民所得額が 61 兆円 でそのうちの 3.5 兆円)から平成 26 年には国民所得額は 370.5 兆円と 6 倍だが給付額は 115.2 兆円にま で膨らみ、実に 31%に増加。そのうち高齢者関係給付費の占める割合は社会補償給付費の 67%、72 兆 円にも達している。多くは年金で約半分の給付額である。医療は、昭和 45 年当時は給付額の 6 割に及ぶ 額を示していたが現在は 3 割と圧縮されており、医療はどれだけ抑圧されているか判るだろう。 平成 29 年4月には確実に消費税は 10%に引き上げられる。これは財政健全化という旗の下、国は地 方と共に平成 32 年度までに基礎的財政を黒字化するという目標がある。また社会保障費が占める割合が 増えている現在、子育て支援、医療および介護などの充実を可能な限り予定通り実施するためには必要 であると厚労省は言っている。 財務省は「病床数の多さという供給が需要を生む」と問題提起している。病床数が多いほど、1 人当 たりの医療費が高いと指摘している。次期医療保険制度改革のなかで、ジェネリック医薬品への移行推 進、大病院受診時には患者負担増の仕組みの導入などを検討しているようである。 お医者さんにかかり易い時代は来ないのか? 当院の近況をお話しよう。26 年 1 月から小松哲先生の異動に伴い福島優子先生が着任された。長野日 赤、浜先生仕込みの睡拳で乳腺手術はアチョチョー。甲状腺に関してはドヒャー、て感じだが症例を重 ねるごとに腕を上げている印象である。マンモトーム生検は率先して行ってくれた。内視鏡補助下甲状 腺手術は眠眠打破を飲用してヤル気満々でカメラ持ちをやってくれた、この時ばかりは睡拳は封印され たが。当院では内分泌疾患に限らず頭から足までを診ることが多い。当初、上部内視鏡検査は不得手と 言われていたが当院大御所の北原検査技師の手ほどきにより年間 400 例近く経験し、「神の手を持つ医 師、福島」と私は絶賛しているが、本人はまだ神には遠い、睡拳の奥義を極めたら、そう呼んでくれと 怒られた。 福島先生のご両親が上伊那郡内で福島病院(現在は医院)を開業されており、開業は大正か昭和初期 と聞いている。本人は働きにくかったかも知れない。しかし、それは宿命であり、また財産である。財 産と思うことが医療への意欲を掻き立ててくれるのである。来年は大学に戻るようだが、宿命を財産と し、宿命を糧にして成長して欲しい。 さて、第 2 外科関連病院の一員として、今年も 150 件の手術数を維持できました。これも第 2 外科の 先生方をはじめ、第 1 外科北沢先生の力添えを頂戴し、成し得たものと感謝申し上げます。小池綏男先 32 生には乳腺および胃検診(内視鏡検査)をして頂き、宮川信飯田市立名誉院長先生には分院の外来を行 って頂いています。当院は若手からベテランの先生までが十分交り合い、地域医療を行っていると感じ ています。先生方これからも宜しくお願い致します。 そして循環器内科、脳神経内科の両教室よりパート医師を派遣して下さり、上伊那の地域医療を支え て頂き深謝申し上げます。 今後、超急性期医療と在宅医療(往診診療)に二分される仕組み作りが構築されるでしょう。その隙 間産業を小中規模病院が賄っていくであろう。 最後に、多くの先生方のご協力、医局からのご支援に対して厚く御礼申し上げるとともに、信州大学 外科学教室の益々の発展を祈念致します。 [町立辰野病院] 〒 399-0496 長野県上伊那郡辰野町大字辰野 1445-5 TEL:0266-41-0238 〈町営辰野総合病院/外科/在職医師〉 氏 名 柘植 善明 卒業年度 昭和59年 FAX:0266-41-5320 http://hosp.town.tatsuno.nagano.jp/ 出身教室 信州大学第 2 外科 〈町営辰野総合病院/外科/近況報告〉 ◎ 2014 年の辰野病院3大ニュース ①旧辰野病院の解体工事 長年お世話になった旧病院ですが、老朽 化のために任務を終え佇んでいました。し かし、いつまでも放置しておくわけにいか ず、3 月から解体工事がはじまり「見守り 桜」に見守られながら無事に解体工事が終 了しました。旧病院に感謝の気持ちを込め て、解体工事を一番の出来事としました。 ②第 2 回辰野病院祭 昨年に引き続いて病院祭を行いました。 さすがに 2 回目ともなると、あまり来てい ただけないのではと懸念しましたが、ふた を開けてみたら、思わぬ盛況ぶりに今年も 「じぇじぇじぇ」となりました。これからも 病院祭を続けていきたいと考えています。 33 勤務期間 1996.4 ~ ③バイキングランチ 病院食というと「はやい」「まずい」「つ めたい」という 3 悪のイメージではないで しょうか。しかし最近では温かく美味しい 料理を提供し、イメージも変わってきてい るところに、今年から「バイキング」形式 のランチをはじめました。 「病院食にバイキ ング」と思われるでしょうが、食事を楽し むというのも大事な治療の一環であり、病 院食も大きく変わってきております。 ◎辰野病院の今年の漢字 今年は消費税が 5%から 8%に変わった ことが、大きな出来事のひとつであり、今 年の漢字は「税」に決定しました。 辰野病院においてこの 1 年を振り返ると 「旧病院の解体工事」が大きな出来事のひと つであります。3 月から解体工事がはじま り、4 月になり旧病院で働いていた頃、ス タッフに春の到来を告げていた「春告げ桜」 が「見守り桜」となり、工事が順調に進み ました。そこでこの「見守り桜」に感謝で す。 また個人的には、4 月の「よっちゃんの 部屋」に宮木公園の「桜」にまつわるSさ んの思い出(噂)を書いたところ、 「噂をす れば影がさす」と言わんばかりに、Sさん の妹さんが「新しい病院を見たくて」とい って病院を訪問してきたのは、大変驚きと 感動を覚え、宮木公園の「桜」にも感謝で す。 以上の出来事より、辰野病院の今年の漢 字は「桜」に決定しました。これからもつ らいこと悲しいことがあっても、 「桜」が見 守ってくれるでしょう。 34 [伊那中央病院] 〒 396-8555 長野県伊那市小四郎久保 1313-1 TEL:0265-72-3121 〈伊那中央病院/外科/在職医師〉 FAX:0265-78-2248 http://www.inahp.jp/ 氏 名 高砂敬一郎 卒業年度 平成5年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 2004.7 ~ 望月 靖弘 竹田 哲 平成8年 平成20年 〃 信州大学外科 2013.3 ~ 2013.11 ~ 〈伊那中央病院/外科/近況報告〉 2014 年は診療体制に変化なく、3 名で呼吸器外科、乳腺内分泌外科の診療を行いました。水曜日の午 後の手術のパートおよび金曜日の外来のパートに際しましては、やりくりが大変な中、大学の呼吸器外 科グループおよび乳腺内分泌外科グループには多大なご協力を頂きまして心より感謝申し上げます。 当院では 2014 年 6 月から、地域医療再生基金を利用して建設されたシミュレーションセンターが稼働 を開始しました。当初よりセンターの運用には頭を悩ませてきましたが、幸い利用率も上々で、上伊那 では初の中高生を対象としたキッズセミナーも 30 名の参加がありました。今後も医療スタッフの質向 上、人員確保につながればと考えております。 (呼吸器外科 髙砂) 2015 年度は、念願の超音波診断装置を購入する予算を頂くことができました。 (乳腺内分泌外科 望月) 35 [飯田市立病院] 〒 395-8502 長野県飯田市八幡町 438 TEL:0265-21-1255 〈飯田市立病院/外科・心臓血管外科/在職医師〉 FAX:0265-21-1266 http://www.imh.jp/ 氏 名 宮川 信 卒業年度 昭和38年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 1987.1 ~ ( 現名誉院長 ) 金子 源吾 神頭 定彦 堀米 直人 昭和52年 昭和57年 昭和57年 〃 〃 〃 1994.6 ~ 1992.4 ~ 1993.1 ~ 新宮 聖士 北原 博人 平栗 学 昭和62年 昭和62年 平成5年 〃 〃 〃 2005.4 ~ 2009.2 ~ 2002.4 ~ 牧内 明子 水上 佳樹 伊藤 勅子 北沢 将人 小松 哲 前田 知香 荻原 裕明 大上 康広 藤井 大志 寺田 志洋 平成7年 平成9年 平成11年 平成13年 平成10年 平成17年 平成13年 平成21年 平成21年 平成23年 〃 山梨大学外科 信州大学外科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 2005.1 ~ 2010.4 ~ 2011.5 ~ 2014.1 2012.4 ~ 2014.3 2014.1 ~ 2008.4 ~ 2014.4 ~ 2013.4 ~ 2014.9 2014.10 ~ 2014.10 ~ 〈飯田市立病院/外科・心臓血管外科/近況報告〉 第 3 次整備計画事業工事の完成を見てもうすぐ 2 年が経とうとしています。2014 年は働きやすい環境 下で落ち着いて診療に取り組めた 1 年でした。救命救急センター・救急 ICU 病棟は既存の ICU と機能 を分担しながら重症症例の対応に当たってくれたので、外科としては両方の施設を有効に使いつつ急患 や緊急手術に対応できました。地方は過疎、高齢化の流れを避けて通ることはかなわず、飯田下伊那地 区でも患者層や疾病に変化が出つつあります。20 年前までは 75 歳以上が超高齢者として扱われ、手術 すら実施しなかったのに、今では 90 歳代でも手術対象となる患者さんが多く見られます。当科でも乳 腺、消化管(特に大腸癌)、ヘルニア、大血管等の手術に 90 歳代の患者さんが名を連ねない週はありま せん。ましてや、穿孔性腹膜炎、解離等々‥選択の余地のない場面もままあります。目の前にある症例 の今をどうするか、重い選択と対応の日々が続いています。 当院のスタッフ人数は昨年と変わらず、一人ひとりの担当する症例数はかなり多くなってきました。 他の地域と比べて飯田下伊那地方は患者さんの流出や流入が少ない地域完結型医療が特徴のようです。 そのため当院は飯田下伊那地方の最後の砦との自覚のもと、若い(自分では若いと思う)先生の日夜の 活躍で医療に当たっています。 36 [市立甲府病院] 〒 400-0832 山梨県甲府市増坪町 366 TEL:055-244-1111 〈市立甲府病院/外科/在職医師〉 FAX:055-220-2650 http://www.city-kofu-hp.jp/ 氏 名 巾 芳昭 卒業年度 昭和61年 出身教室 信州大学第 2 外科 勤務期間 1994.10 ~ 宮澤 正久 千須和寿直 國友 和善 平成2年 平成2年 平成2年 〃 信州大学第 1 外科 山梨大学第 1 外科 1998.4 ~ 2004.4 ~ 2010.4 ~ 角田 元 三井 文彦 小林 洋明 昭和63年 平成9年 平成13年 〃 〃 東京医科大学 2013.4 ~ 2008.6 ~ 2013.4 ~ 樫本健太郎 松岡峻一郎 平成23年 平成23年 後期研修医 信州大学第 2 外科 2013.1 ~ 2013.10 ~ 2014.9 〈市立甲府病院/外科/近況報告〉 今年度はなんとか癌診療連携拠点病院の更新が無事終わりました。人口 19 万の甲府盆地には病院が多 いせいか紹介率が上がらず、地域医療支援病院の認定がとれません。ちなみに一つもない県は全国では 山梨県だけだそうです。逆紹介を推進し 15%ほど増加しましたが紹介率は微増どまりです。10 月からは 地域包括ケアシステムに対応すべく地域連携と各種相談機能を統括した総合相談センターが設立されま す。医者は増員されていますが赤字体質からは抜け出せず、今年も苦しい 1 年となりそうです。 (巾 芳昭) [佐久総合病院佐久医療センター] 〒 385-0051 長野県佐久市中込 3400-28 TEL:0267-62-8181 FAX:0267-88-7354 http://www.sakuhp.or.jp/ja/index.html 〈佐久総合病院/心臓血管外科/在職医師〉 氏 名 竹村 隆広 卒業年度 昭和59年 出身教室 東京女子医科大学 勤務期間 2008.6 ~ 白鳥 一明 津田 泰利 豊田 泰幸 昭和60年 平成8年 平成15年 東京慈恵医科大学 東京女子医科大学 〃 1985.4 ~ 2011.6 ~ 2013.1 ~ 濱 元拓 新津 宏和 中尾 充貴 川合雄二郎 平成17年 平成21年 平成22年 平成23年 2008.7 ~ 2012.4 ~ 2014.4 ~ 2013.4 ~ 東京慈恵医科大学 〈佐久総合病院/心臓血管外科/近況報告〉 佐久総合病院は長年の懸案であった分割再構築により 2014 年 3 月 1 日佐久総合病院佐久医療センター を佐久平駅から 10 分程度の場所に新たに建設し、診療を開始しました。従来の病院は本院として、2015 37 年から病院の建て替えが開始されています。心臓血管外科は主要診療をセンターで行い、一部外来と下 肢静脈瘤治療を本院で行う体制となりました。 医療センターではハイブリッド手術室を整備し、TAVI 実施施設の申請をいたしましたが、認定は 2015 年となり 2014 年中の開始はできませんでした。しかし、従来血管造影室で施行していたステント グラフト治療等はハイブリッド手術室で施行できるようになり、デブランチ、開胸、開腹手術とのハイ ブリッド治療も問題無く施行できるようになりました。 外科治療の内容としては、上記以外は大きな進歩はありませんが、一昨年より導入している 3D 内視 鏡等の使用により、MICS での僧帽弁手術等は完全内視鏡下での手術が定着し、MICS CABG において も内視鏡下での LITA 剥離術がほぼ標準化されたものになっています。 アカデミックな仕事は相変わらず、皆苦手ですが、だいぶ症例も蓄積されてきましたので、やっとあ る程度の数での中期成績等を今後報告していけるものと考えています。 [信州上田医療センター] 〒 386-8610 長野県上田市緑が丘 1-27-21 TEL:0268-22-1890 〈信州上田医療センター/呼吸器外科/在職医師〉 氏 名 齋藤 学 梅咲 徹也 卒業年度 平成8年 平成21年 FAX:0268-24-6603 http://www.nagano-hosp.go.jp/ 出身教室 信州大学第 2 外科 〃 勤務期間 2013.4 ~ 2014.6 ~ 〈信州上田医療センター/呼吸器外科/近況報告〉 伊藤研一先生、岡田健次先生、教授就任おめでとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げま す。 2013 年 4 月より、上田(上小地区)での呼吸器外科新規立ち上げのため、準備を進めてまいりました。 今年度は、4 月より定時の手術枠を頂くことができ、呼吸器外科専門医合同委員会・認定修練施設(関 連)にも認定され、なんとか軌道に乗り始めてきました。また、医局の人手不足のなか、吉田先生はじ め呼吸器グループのご協力により、6 月より梅咲先生に着任していただき、外来数、手術件数とも前年 の倍となりました。 梅咲先生は、休日も朝早くから回診に来て、とても熱心に働いています。さらに、急患が搬送される とすぐに救急外来に駆けつけ、毎週 4 ~ 5 件のドレーン挿入(県内で一番施行している?)や挿管、ICU 管理を積極的に行っていただき大変助けられています。こうした日々の努力もあり、外傷に関しては、 全身管理から挿管の判断まで、一人で対応できるまでに成長しております。また、専門医取得にも意欲 的で、外科専門医(今年合格済み)、呼吸器外科専門医と気管支内視鏡専門医取得に向け、胸腔鏡セミナ ーへの参加や呼吸器内科の気管支鏡検査へもわずかな時間を見つけては、積極的に参加し、非常に頑張 っています。 当院は、他の地域の病院と比べ、人口の割に圧倒的に医師の数が不足しており、内科系と外科系合わ せ約 30 名で上小地区の救急を行っています。特に呼吸器系専門医のいる病院は、当院のみのため、毎週 数件救急外来を受診する気胸や胸部外傷(交通事故、転落)などの救急対応は、非常に厳しい状況にあ ります。さらに今年度は、上田市内はもとより市外(時に群馬)からの紹介が増えており、昨年ため込 んだ早期肺癌症例に加え、来年度からは呼吸器内科医が 3 名に増員となるため、さらなる症例数の増加 が見込まれます。これからも、ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。 38 2014年 関連病院の学会認定施設等の状況 ・ ( )は教室出身者以外。 ・日本外科学会関連は、指定施設および関連施設の指導医のみを記載しました。 ・その他の学会関連は、施設認定の指導医、専門医を記載しました。 ・呼吸器外科専門医合同委員会の基幹施設および関連施設認定では、専門医更新歴を有する評議員を要 するため、評議員を明記しました。 ・下記以外にも関連病院の諸先生方から重要な各学会認定専門医の情報をいただきましたが、膨大な量 となるため割愛させていただきました。今後御意見を伺いつつ更新致したいと存じます。 〈日本外科学会指定施設〉 飯山赤十字病院 指導医:石坂克彦 北信総合病院 指導医:(吉田哲矢)、(山田博之)、(篠原 剛) 長野赤十字病院 指導医:袖山治嗣、(北原修一郎)、浜 善久、 坂口昌幸、柳谷信之、高野 環 長野市民病院 指導医:西村秀紀 長野松代総合病院 指導医:春日好雄、(中田岳成)、(関野 康) 篠ノ井総合病院 指導医:宮本英雄、後藤博久、(他4名) 浅間総合病院 指導医:(池田正視) 松本病院 指導医:小池祥一郎、(北村 宏) 諏訪赤十字病院 指導医:(丸山起誉幸)、濱中一敏、小山 洋 河野哲也 伊那中央病院 指導医:(中山 中) 飯田市立病院 指導医:宮川 信、金子源吾、堀米直人、 新宮聖士、北原博人 県立木曽病院 指導医:小出直彦、(河西 秀) 市立甲府病院 指導医:巾 芳昭、(千須和寿直)、宮澤正久 佐久総合病院 指導医:(石毛広雪)、(竹村隆弘) 信州上田医療センター 指導医:齋藤 学 〈日本外科学会関連施設〉 中信松本病院 指導医:近藤竜一 安曇総合病院 指導医:(久保直樹)、花岡孝臣 前澤病院 指導医:麻沼和彦 富士見高原病院 指導医:安達 亙 東口病院 指導医:(工藤道也) 〈心臓血管外科専門医認定機構基幹修練施設〉 長野赤十字病院 専門医:西村和典、高野 環、坂口昌幸 寺崎貴光 佐久総合病院 専門医:(竹村隆広)、(津田泰利)、(豊田泰幸)、 (濱 元拓) 諏訪赤十字病院 専門医:河野哲也、高橋耕平、月岡勝晶 〈心臓血管外科専門医認定機構関連修練施設〉 飯田市立病院 専門医:北原博人 飯山赤十字病院 専門医:(福島靖典) 39 〈呼吸器外科専門医合同委員会基幹施設〉 長野市民病院 評議員・専門医:西村秀紀 専門医:(小沢恵介)、(有村隆明)、 藏井 誠 中信松本病院 評議員・専門医:近藤竜一 〈呼吸器外科専門医合同委員会関連施設〉 長野赤十字病院 認定登録医:小林 理 篠ノ井総合病院 専門医:青木孝學 安曇総合病院 評議員・専門医:花岡孝臣 諏訪赤十字病院 評議員・専門医:濱中一敏 伊那中央病院 専門医:高砂敬一郎 飯田市立病院 専門医:牧内明子 市立甲府病院 評議員・専門医:宮澤正久 信州上田医療センター 評議員・専門医:齋藤 学 〈日本乳癌学会認定施設〉 長野赤十字病院 専門医:浜 善久 長野市民病院 専門医:西村秀紀、(小沢恵介) 長野松代総合病院 専門医:春日好雄 飯田市立病院 指導医:新宮聖士 専門医:小松 哲 市立甲府病院 専門医:(國友和善) 諏訪赤十字病院 専門医:小山 洋 佐久総合病院 専門医:(石毛広雪) 〈日本甲状腺学会認定専門医施設〉 長野松代総合病院 専門医:春日好雄 長野赤十字病院 専門医:浜 善久 飯田市立病院 専門医:新宮聖士 諏訪赤十字病院 専門医:小山 洋 〈日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設(認定施設)〉 飯山赤十字病院 指導医・専門医:石坂克彦 北信総合病院 指導医・専門医:(山田博之)、(篠原 剛) 長野赤十字病院 指導医・専門医:袖山治嗣 専門医:(中田伸司)、(草間 啓) 長野松代総合病院 指導医 :(中田岳成) 篠ノ井総合病院 指導医 :宮本英雄、(他4名) 浅間総合病院 指導医 :(池田正視) 松本病院 指導医・専門医:小池祥一郎 専門医:(北村 宏)、中川 幹、 松下明正 諏訪赤十字病院 指導医 :(丸山起誉幸) 専門医:五味邦之 飯田市立病院 指導医 :金子源吾、堀米直人 市立甲府病院 指導医・専門医:巾 芳昭、(千須和寿直) 40 安曇総合病院 指導医・専門医:(久保直樹) 専門医:(芳澤淳一)、小林 克 〈日本消化器外科学会専門医制度指定修練施設(関連施設)〉 富士見高原病院 指導医・専門医:安達 亙 県立木曽病院 指導医・専門医:小出直彦、(河西 秀) 信州上田医医療センター 指導医・専門医:(清水文彰) 東口病院 専門医:(永井規敬)、(工藤道也) 〈日本救急医学会救急科専門医指定施設〉 飯田市立病院 救急科専門医:神頭定彦 篠ノ井総合病院 救急科専門医:後藤博久、(関口幸男) 諏訪赤十字病院 救急科専門医:河野哲也、(野首元成)、(菅谷慎祐) 長野赤十字病院 救急科専門医:(山川耕司) 信州上田医療センター 救急科専門医:(酒井圭一)、(清水文彰) 長野赤十字病院 救急科専門医:坂口昌幸 〈日本胸部外科学会指定施設〉 飯山赤十字病院 指導医:(福島靖典)(分野:心臓血管外科) 飯田市立病院 指導医:北原博人(分野:心臓血管外科) 篠ノ井総合病院 指導医:後藤博久(分野:心臓血管外科) 佐久総合病院 指導医:(竹村隆広)(分野:心臓血管外科) 市立甲府病院 指導医:宮澤正久 長野赤十字病院 指導医:高野 環 〈日本循環器学会研修施設〉 篠ノ井総合病院 専門医:(一瀬博之) 信州上田医療センター 専門医:(高橋 済) 佐久総合病院 専門医:(矢崎善一)、(池井 肇)、(堀込実岐) 〈日本集中治療医学会専門医研修認定施設〉 篠ノ井総合病院 専門医:(関口幸男) 諏訪赤十字病院 専門医:河野哲也 〈日本大腸肛門病学会認定研修施設〉 富士見高原病院 指導医:安達 亙 〈日本消化器病学会認定・関連施設〉 長野赤十字病院 専門医:袖山治嗣、(中田伸司)、(西尾秋人)、 (草間 啓) 富士見高原病院 専門医:安達 亙 前澤病院 専門医:前澤 毅 〈日本内分泌・甲状腺外科学会専門医制度認定施設〉 長野赤十字病院 専門医:浜 善久 前澤病院 専門医:前澤 毅 41 〈日本消化器内視鏡学会認定修練施設〉 富士見高原病院 指導医:安達 亙 〈日本呼吸器学会関連施設〉 中信松本病院 専門医:近藤竜一 〈日本呼吸器内視鏡学会関連認定施設〉 信州上田医療センター 専門医:(出浦 弦)、(吾妻俊彦) 〈日本食道学会認定施設〉 諏訪赤十字病院 指導医:丸山起誉幸(評議委員) 42 教 育 2014 年度 外科学教室(外科学第2)講義 … 45 外科セミナーおよび研究会 … 46 2014年度 外科学教室(外科学第2) 講 義 11月14日 〈2年 臨床外科学入門〉 人工血管置換術 和田 有子 先生 11月28日 12月5日 冠動脈バイパス術 肺切除術 高野 環 先生 砥石 政幸 先生 9月16日 9月22日 〈3年ユニット講義 (循環器)〉 開心術・人工臓器 心臓血管外科の歴史 弁膜症・大血管 寺崎 貴光 先生 高野 環 先生 9月30日 10月7日 10月8日 腹部・末梢動脈疾患 末梢静脈疾患 先天性心疾患の外科治療 福井 大祐 先生 和田 有子 先生 後藤 博久 先生 10月20日 虚血性心疾患・心不全・その他 高野 環 先生 11月18日 11月18日 〈3年ユニット講義 (臨床腫瘍学)〉 がんの外科治療 がんの緩和医療 伊藤 研一 先生 浜 善久 先生 1月19日 〈3~4年ユニット講義 (糖尿病・内分泌代謝)〉 内分泌外科:甲状腺、副甲状腺腫瘍の診断と 外科治療、バセドウ病の外科治療 金井 敏晴 先生 2月19日 2月19日 2月19日 〈3~4年ユニット講義 (産婦人科・乳腺)〉 乳腺疾患の診断 前野 一真 先生 乳がんの診断・治療 伊藤 研一 先生 進行・再発乳癌の診断と治療 伊藤 研一 先生 6月4日 6月5日 6月5日 〈4年ユニット講義 (呼吸器)〉 呼吸器系の腫瘍(肺癌③) 呼吸器疾患に対する外科的手技① 呼吸器疾患に対する外科的手技② 吉田 和夫 先生 椎名 隆之 先生 砥石 政幸 先生 〈6年ユニット講義 (臨床決断・社会医学)〉 7月7日 乳腺内分泌外科・呼吸器外科・心臓血管外科 45 金井 敏晴 先生 外科セミナーおよび研究会 第 6 回信州頚部血管治療研究会 日 時:平成 26 年 1 月 24 日(金) 19:15 ~ 21:00 会 場:ホテル国際 21 講 師:福井 大祐 先生 信州大学医学部附属病院 心臓血管外科 ロボット手術講演会 in Matsumoto 日 時:平成 26 年 1 月 31 日(金) 17:30 ~ 19:40 会 場:信州大学医学部附属病院 外来棟 4 階 中会議室 講 師:吉田 和夫 先生 信州大学医学部附属病院 呼吸器外科 第 19 回信州遺伝子診療研究会 日 時:平成 26 年 2 月 14 日(金) 18:30 ~ 20:30 会 場:信州大学医学部 第 1 臨床講堂 座 長:伊藤 研一 先生 信州大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科 第 14 回長野県乳腺手術手技研究会 日 時:平成 26 年 2 月 15 日(土) 17:30 ~ 19:30 会 場:信州大学医学部附属病院 外来棟 4 階 中会議室 座 長:伊藤 研一 先生 信州大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科 第 4 回信州心臓血管外科研究会 日 時:平成 26 年 2 月 28 日(金) 18:30 ~ 20:30 会 場:信州大学医学部附属病院 外来棟 4 階 中会議室 講 師:天野 純 先生 信州大学医学部外科学講座(外科学第2) 第 32 回長野県乳腺診断フォーラム 日 時:平成 26 年 3 月 8 日(土) 15:00 ~ 18:00 会 場:一之瀬脳神経外科病院 厚生棟 4 階ホール 丸子中央病院市民公開講座 日 時:平成 26 年 5 月 31 日(土) 会 場:丸子中央病院講堂 講 師:福井 大祐 先生 信州大学医学部附属病院 心臓血管外科 第 116 回信州外科集談会 日 時:平成 26 年 6 月 1 日(日) 会 場:信州大学医学部附属病院 外来棟 4 階 中会議室 佐久医療センター院内講演会 日 時:平成 26 年 7 月 4 日(金) 会 場:佐久医療センター講堂 講 師:福井 大祐 先生 信州大学医学部附属病院 心臓血管外科 46 第 27 回中部肺癌手術研究会 日 時:平成 26 年 7 月 26 日(土) 15:00 ~ 18:30 会 場:名鉄ニューグランドホテル 7 階 椿の間 座 長:吉田 和夫 先生 信州大学医学部附属病院 呼吸器外科 第 15 回乳癌最新情報カンファランス 日 時:平成 26 年 8 月 8 日(金) 15:45 ~ 17:15 会 場:ホテルブエナビスタ 座 長:伊藤 研一 先生 信州大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科 第 33 回長野県乳腺診断フォーラム 日 時:平成 26 年 8 月 9 日(土) 15:00 ~ 18:00 会 場:ホテルブエナビスタ 2 階 メディアーノ 第 8 回信州医療ワールド夏季セミナー 日 時:平成 26 年 8 月 17 日(日)~ 19 日(火) 会 場:信州大学医学部附属病院 長野県 VATS セミナー 日 時:平成 26 年 9 月 21 日(日) 9:00 ~ 16:00 会 場:コヴィディエンジャパン A.T.C 講 師:吉田 和夫 先生 信州大学医学部附属病院 呼吸器外科 第 13 回末梢血管外科の治療戦略を考える会 日 時:平成 26 年 10 月 4 日(土) 15:00 ~ 18:00 会 場:ハービス ENT オフィスタワー 9 階 会議室 1 講 師:福井 大祐 先生 信州大学医学部附属病院 心臓血管外科 第 2 回医療連携ピンクリボン研究会 日 時:平成 26 年 10 月 17 日(金) 18:50 ~ 20:30 会 場:一之瀬脳神経外科病院 青樹会厚生ホール 座 長:伊藤 研一 先生 信州大学医学部附属病院 乳腺内分泌外科 第 13 回 ACVC セミナー 日 時:平成 26 年 11 月 12 日(水) 19:00 ~ 20:00 会 場:信州大学医学部附属病院 外来棟 4 階 中会議室 講 師:岡田 健次 先生 信州大学医学部附属病院 心臓血管外科 松本ハートチームカンファランス 日 時:平成 26 年 11 月 20 日(木) 19:00 ~ 20:30 会 場:ホテルブエナビスタ 講 師:岡田 健次 先生 信州大学医学部附属病院 心臓血管外科 第 38 回長野県乳腺疾患懇話会 日 時:平成 26 年 11 月 29 日(土) 15:00 ~ 会 場:信州大学医学部附属病院 外来棟 4 階 中会議室 47 第 2 回信州ステントグラフト研究会 日 時:平成 26 年 11 月 29 日(土) 16:00 ~ 会 場:信州大学医学部附属病院 外来棟 4 階 大会議室 信州肺癌セミナー 2014 日 時:平成 26 年 11 月 29 日(土) 16:00 ~ 18:00 会 場:キッセイ文化ホール 3 階 国際会議室 座 長:吉田 和夫 先生 信州大学医学部附属病院 呼吸器外科 48 業績・研究 業績 大学医局 論文・著書 / 学会発表 … 51 関連病院 論文・著書 / 学会発表 … 62 モーニングカンファレンス … 83 学位論文 2014 年 … 85 大学医局 論文・著書 【心臓血管】 1) Yoshida K, Okada K, Miyahara S, Omura S, Inoue T, Minami H, Okita Y. Mitral Valve Replacement versus Annuloplasty for Treating Severe Functional Mitral Regurgitation. Gen Thorac Cardiovasc Surg. 62 (1):38-47, 2014 2) Okada K, Omura A, Kano H, Nakai H, Miyahara S, Minami H, Okita Y. Outcome of Elective Total Aortic Arch Replacement in Patients with Non-Dialysis Dependent Renal Insufficiency Stratified by Estimated Glomerular Filtration Rate. J Thorac Cardiovasc Surg. 147(3):966-972, 2014 3) Bao W, Morimoto K, Hasegawa T, Sasaki N, Yamashita T, Hirata K, Okita Y, Okada K. Orally Administered Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitor (Alogliptin) Prevents Abdominal Aortic Aneurysm Formation through an Antioxidant Effect in Rats. J Vasc Surg. 59(4):1098-1108, 2014 4) Tanaka A, Hasegawa T, Morimoto K, Bao W, Jie Y, Okita Y, Tabata Y, Okada K. Controlled Release of Ascorbic Acid from Gelatin Hydrogel Attenuates Abdominal Aortic Aneurysm Formation in Rat Experimental Abdominal Aortic Aneurysm Model. J Vasc Surg. 60(3):749-758, 2014 5) Omura A, Yamanaka K, Miyahara S, Sakamoto T, Inoue T, Okada K, Okita Y. Early patency rate and fate of reattached intercostal arteries after repair of thoracoabdominal aortic aneurysms. J Thorac Cardiovasc Surg. 147(6):1861-1867, 2014 6) Okada K, Yamanaka K, Sakamoto T, Inoue T, Matsumori M, Kawakami F, Okita Y. In situ total aortic arch replacement for infected distal aortic arch aneurysms with penetrating atherosclerotic ulcer. J Thorac Cardiovasc Surg. 148(5):2096-2100, 2014 7) Okita Y, Yamanaka K, Okada K, Matsumori M, Inoue T, Fukase K, Sakamoto T, Miyahara S, Shirasaka T, Izawa N, Ohara T, Nomura Y, Nakai H, Gotake Y, Kano H. Strategies for the treatment of aorto-oesophageal fistula. Eur J Cardiothorac Surg. 46(5):894-900, 2014 8) Yamanaka K, Omura A, Nomura Y, Miyahara S, Shirasaka T, Sakamoto T, Inoue T, Matsumori M, Minami H, Okada K, Okita Y. Surgical strategy for aorta-related infection. Eur J Cardiothorac Surg. 46(6):974-980, 2014 9) Taniguchi Y, Miyagawa K, Nakayama K, Kinutani H, Shinke T, Okada K, Okita Y, Hirata KI, Emoto N. Balloon pulmonary angioplasty: an additional treatment option to improve the prognosis of patients with chronic thromboembolic pulmonary hypertension. EuroIntervention. 10(4):518-525, 2014 10) Miyahara S, Inoue T, Minami H, Okada K, Okita Y. Total arch replacement via antero-lateral thoracotomy with partial sternotomy in patients with a tracheostoma: report of two cases. Surg Today. 44(5):972-975, 2014 51 11) Daly KP, Dearling JL, Seto T, Dunning P, Fahey F, Packard AB, Briscoe DM. Use of [18F]FDG Positron Emission Tomography to Monitor the Development of Cardiac Allograft Rejection. Transplantation. [Epub ahead of print] 12) Seto T, Fukui D, Tanaka H, Komatsu K, Ohtsu Y, Terasaki T, Wada Y, Takano T, Koike S, Amano J. Tracheo-Bronchial Obstruction and Esophageal Perforation after TEVAR for Thoracic Aortic Rupture. Ann Vasc Dis. 7(4):421-425, 2014 13) Seto T, Takano T, Ichimura H, Fujii T, Komatsu K, Ohtsu Y, Terasaki T, Wada Y, Fukui D, Murata S, Amano J. Pericoronary pseudotumor caused by helicobacter cinaedi. Int Heart J. 55(5):463-465, 2014 14) Seto T, Takano T, Komatsu K, Ohtsu Y, Terasaki T, Wada Y, Fukui D, Koike S, Amano J. Delayed esophageal perforation secondary to thoracic aortic aneurysm rupture in a patient with human immunodeficiency virus infection. Ann Vasc Dis. 7(2):191-194, 2014 15) Komatsu K, Takano T, Terasaki T, Wada Y, Seto T, Fukui D, Amano J. Surgical outcomes of acute type A aortic dissection in elderly patients. Ann Thorac Surg. 97(5):1576-1581, 2014 16) Gomibuchi T, Kono T, Takahashi K, Wada Y, Fukui D, Amano J. Hybrid thoracic endovascular aortic repair of ascending aortic pseudoaneurysm. J Vasc Surg. 59(6):1695-1697, 2014 17) 福井大祐、天野 純 腹部大動脈瘤破裂の治療指針 救急集中治療最新ガイドライン 2014 -'15 総合医学社 296-300, 2014 18) 福井大祐 血管外科における controversy: 大動脈瘤 破裂製腹部大動脈瘤に対する EVAR:Pros 第 19 回日本血管外科学会教育セミナーテキスト 日本血管外科学会編 41-46, 2014 19) 駒津和宜、坂口昌幸、三浦健太郎、濱 元拓、田中啓之 術前ショックを呈した腹部大動脈瘤下大静脈穿破の 1 救命例 日本血管外科学会雑誌 23(4):796-799, 2014 20) 田中晴城、高野 環、寺崎貴光、天野 純 心筋梗塞後の左室自由壁破裂についての検討 日本冠疾患学会雑誌 20(2):98-101, 2014 【呼吸器】 1) Yoshida K, Toishi M, Agatsuma H, Kumeda H, Eguchi T, Terada Y, Shiina T. Pulmonary Artery Reconstruction with a Prothetic Conduit in Lung Cancer. Ann Thorac Cardiovasc Sug. 20 (Supplement): 505–508,2014 2) Yano M, Yoshida J, Koike T, Kameyama K, Shimamoto A, Nishio W, Yoshimoto K, Utsumi T, Shiina T, Watanabe A, Yamato Y, Watanabe T, Takahashi Y, Sonobe M, Kuroda H, Oda M, Inoue M, Tanahashi M, Adachi H, Saito M, Hayashi M, Otsuka H, Mizobuchi T, Moriya Y, Takahashi M, Nishikawa S, Matsumura Y, Moriyama S, Nishiyama T, Fujii Y. Survival of 1737 lobectomy-tolerable patients who underwent limited resection for cStage IA nonsmall-cell lung cancer. 52 Eur J Cardiothorac Surg. [Epub ahead of print] 3) Toishi M, Yoshida K, Agatsuma H, Sakaizawa T, Eguchi T, Saito G, Hashizume M, Hamanaka K, Shiina T. Usefulness of vessel-sealing devices for ≦ 7mm diameter vessels: a randomized controlled trial for human thoracoscopic lobectomy in primary lung cancer. Interact Cardiovasc Thorac Surg. 19(3):448-455, 2014 4) Eguchi T, Yoshizawa A, Kawakami S, Kumeda H, Agatsuma H, Umesaki T, Sakaizawa T, Tominaga Y, Toishi M, Shiina T, Yoshida K, Asaka S, Matsushita M, Koizumi T. Tumor Size and Computed Tomography Attenuation of Pulmonary Pure Ground-Glass Nodules Are Useful for Predicting Pathological Invasiveness. PLoS One. 9(5):e97867, 2014 5) Eguchi T, Kondo R, Kawakami S, Matsushita M, Yoshizawa A, Hara D, Matsuoka S, Takeda T, Miura K, Agatsuma H, Sakaizawa T, Tominaga Y, Saito G, Toishi M, Hamanaka K, Hashizume M, Shiina T Amano J, Koizumi T, Yoshida K. Computed tomography attenuation predicts the growth of pure ground-glass nodules. Lung Cancer. 84(3):242-247, 2014 6) Eguchi T, Kadota K, Park BJ, Travis WD, Jones DR, Adusumilli PS. The New IASLC-ATS-ERS Lung Adenocarcinoma Classification: What the Surgeon Should Know. Semin Thorac Cardiovasc Surg. 26(3):210-222, 2014 7) Miura K, Eguchi T, Saito G, Yoshida K. Hilar lymph node metastasis of amelanotic malignant melanoma of unknown origin. Eur J Cardiothorac Surg. 46(5):919-920, 2014 8) Miura K, Kondo R, Kurai M, Isobe K, Ishii K. Recurrence of juxtacortical chondrosarcoma arising on the rib. Gen Thorac Cardiovasc Surg. [Epub ahead of print] 9) 吉田和夫 呼吸器外科の低侵襲手術~胸腔鏡からロボット支援手術まで~ 信州医誌 62(3):147-154, 2014 【乳腺内分泌】 1) Okada T, Nakamura T, Watanabe T, Onoda N, Ashida A, Okuyama R, Ito K. Coexpression of EpCAM, CD44 Variant Isoforms and Claudin-7 in Anaplastic Thyroid Carcinoma. PLoS One. 9(4)e94487, 2014 2) Sugishita Y, Kammori M, Yamada O, Yamazaki K, Ito K, Fukumori T, Yoshikawa K, Yamada T. Biological differential diagnosis of follicular thyroid tumor and Hürthle cell tumor on the basis of telomere length and hTERT expression. Ann Sug Oncol. 21(7):2318-2325, 2014 3) Iesato A, Oba T, Ono M,Hanamura T, Watanabe T, Ito T, Kanai T, Maeno K, Ishizuka K, Kitabatake H, Takeuchi D, Suzuki A, Nakayama J, ITo K. Breast metastases of gastric signet-ring cell carcinoma: a report of two cases and review of the literature. Onco Targets and Therapy. 8:91-97, 2014 4) 大場崇旦、花村 徹、岡田敏宏、渡邉隆之、金井敏晴、前野一真、伊藤研一、天野 純 当科における甲状腺高分化乳頭癌の切除範囲と再発・予後の解析 内分泌甲状腺外会誌 31(3):214-218, 2014 5) 伊藤研一(分担執筆) 各領域専門医にきく乳癌薬物療法ケースファイル 53 Ⅱ進行再発・転移乳癌の薬物療法 C.有害事象と乳癌薬物療法 編集:佐伯俊昭 発行者:南江堂 2014 年 12 月 6) 伊藤研一、清水一雄、吉田 明、鈴木眞一、今井常夫、岡本高宏、原 尚人、筒井英光、杉谷 巌、 杉野公則、絹谷清剛、中駄邦博、東 達也、野口靖志、阿部光一郎、内山眞幸、志賀 哲 放射性ヨウ素治療抵抗性の局所進行性、再発・転移性分化型甲状腺癌に対する分子標的薬治療の適 応患者選択の指針 内分泌甲状腺外会誌 31(4):310-313, 2014 7) 伊藤研一、大場崇旦、家里明日美、岡田敏宏、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一 真、望月靖弘 甲状腺悪性腫瘍による気道狭窄に対し緊急気管切開術を行った症例の検討 癌の臨床 60(1):25-34, 2014 54 大学医局 学会発表 【国際学会】 22nd Annual Meeting of the Asian Society for Cardiovascular and Thoracic Surgery (Istanbul 2014/4/3-6) 1) Terada Y, Eguchi T, Agatsuma H, Kumeda H, Hashizume M, Toishi M, Shiina T, Yoshida K Size and Computed Tomographic Density of Nonsolid Pulmonary Tumors are Useful Predictors of Invasive Adenocarcinoma 2) Kumeda H, Yoshida K, Umesaki T, Agatsuma H, Eguchi T, Hashizume M, Toishi M, Shiina T Pulmonary Artery Reconstruction with a Prosthetic Conduit in Lung Cancer 3) Agatsuma H, Eguchi T, Kumeda H, Umesaki T, Hashizume M, Toishi M, Shiina T, Yoshida K Growth Rate and SUVmax of lung Cancer Aortic symposium 2014 (New York 2014/4/24-25) 1) Okada K, Murakami Y, Youkawa K, Gotake Y, Izawa N, Ohara T, Yamanaka K, Miyahara S, Shirasaka T, Nomura Y, Sakamoto T, Fukase K, Inoue T, Matsumori M, Okita Y Earlier reperfusion of right carotid artery prior to central aortic repair to rescue severe brain ischemia caused by acute type A dissection 2) Okada K, Murakami Y, Youkawa K, Gotake Y, Izawa N, Ohara T, Yamanaka K, Miyahara S, Shirasaka T, Nomura Y, Sakamoto T, Fukase K, Inoue T, Matsumori M, Okita Y Impact of chronic kidney disease on outcomes of total aortic arch replacement in octogenarians and nonagenarians ASCO Annual Meeting 2014 (Chicago 2014/5/30-6/3) Eguchi T, Yoshizawa A, Kawakami S, Umesaki T, Kumeda H, Agatsuma H, Sakaizawa T, Tominaga Y, Toishi M, Hashizume M, Shiina T, Yoshida K, Koizumi T Computed tomographic window setting for predicting invasive adenocarcinomas in pulmonary nonsolid tumors 22st European Conference on General Thoracic Surgery (Copenhagen 2014/6/15-18) Agatsuma H, Yoshida K, Yoshino I, Okumura M, Fujii Y, Higashiyama M, Suzuki K, Tsuchida M, Usuda J, Niwa H Adequacy of Video-Assisted Thoracic Surgery Thymectomy for Oncological Operation: Comparison With the Trans-Sternal Approach World Transplant Congress (San Francisco 2014/7/26-31) Seto T, Tanaka Y, Kamijo S, Fujii T, Kehara H, Yamamoto T, Gomibuchi T, Nakahara K, Komatsu K, Ohtsu Y, Terasaki T, Wada Y, Takano T, Fukui D, Amano J The role of the apoptosis-related inflammasome in cardiac allograft rejection 3 Vascular Tachniques & Technology Thinktank (VAST Meeting) (Albany 2014/9/18-20) Fukui D Our Recent Technical Tactics around EVAR 55 ESVS 2014 (Stockholm 2014/9/23-26) Yu J, Morimoto K, Bao W, Yu Z, Okita Y, Okada K Dipeptidyl Peptidase-4 Inhibitor Alogliptin Prevents Further Dilatation of Abdominal Aortic Aneurysm through Anti-oxidant and Anti-inflammatory Effect in Rats Vascular Interventional Advances(VIVA)2014 (Las Vegas 2014/11/3-7) Fukui D Completed Chimney Technique for Arch TAA –Monitoring Sac Pressure & Embolization for Gutter ELs 【国内学会】 第 44 回日本心臓血管外科学会学術総会 (熊本 2014/2/19-21) 1) 岡田健次、村上 優、陽川孝樹、後竹康子、小原大見、井澤直人、山中勝弘、宮原俊介、白坂知識、 野村佳克、坂本敏仁、深瀬圭吾、井上 武、松森正術、大北 裕 弓部大動脈瘤に対する治療の選択順行性選択的脳灌流法を用いた大動脈弓部全置換術 2) 駒津和宜、小松正樹、田中晴城、市村 創、五味渕俊仁、中原 孝、大橋伸朗、大津義徳、和田有 子、寺崎貴光、瀬戸達一郎、福井大祐、高野 環、岡田健次 高齢者急性 A 型大動脈解離症例の検討 第 31 回信州内分泌談話会 (松本 2014/3/1) 大場崇旦、家里明日美、花村 徹、渡邊隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研一、天野 純、小川輝之、石塚 修、西澤 理、神宮邦彦、上原 剛 前立腺癌治療中に著明な女性化乳房症を呈し、両側皮膚温存乳腺全摘を施行した1例 第 114 回日本外科学会定期学術集会 (京都 2014/4/3-5) 1) 瀬戸達一郎、高野 環、藤井大志、山本高照、五味渕俊仁、中原 孝、駒津 和宜、大津義徳、和田 有子、寺崎貴光、福井大祐、肥田重明、谷口俊一郎、天野 純 移植後拒絶反応における ASC の関与について 2) 江口 隆 長期フォローした GGN の増大速度 -適切なフォローアップ間隔の検証- 3) 伊藤研一、大場崇旦、家里明日美、岡田敏宏、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一 真、天野 純 信州大学医学部附属病院における若年性甲状腺癌の臨床像の解析 4) 渡邉隆之、大場崇旦、家里明日美、花村 徹、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研一 タモキシフェン耐性乳癌細胞株における抗癌剤耐性の解析 5) 前野一真、大場崇旦、家里明日美、岡田敏宏、花村徹、渡邉隆之、金井敏晴、伊藤研一、天野 純 腋窩リンパ節転移陽性乳癌への術前化学療法が奏効した cN0 症例におけるセンチネルリンパ節同定 の検討 第 22 回信州核医学研究会 (松本 2014/5/10) 伊藤研一、小野真由、大場崇旦、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一 真 当院における放射性ヨウ素内用療法の治療成績 第 42 回日本血管外科学会学術総会 (弘前 2014/5/21-23) 1) 岡田健次、加納寛也、村上 優、陽川孝樹、後竹康子、井澤直人、山中勝弘、白坂知識、宮原俊介、 野村佳克、坂本敏仁、深瀬圭吾、井上 武、松森正術、大北 裕 56 脳灌流障害を伴った急性a型大動脈解離に対する術前一時的総頚動脈灌流法の有効性 2) 福井大祐 第 19 回日本血管外科学会教育セミナー 血管外科における controversy: 大動脈瘤 「破裂製腹部大動脈瘤に対する EVAR:Pros」 3) 駒津和宜、高野 環、藤井大志、山本高照、毛原 啓、五味渕俊仁、中原 孝、大津義徳、和田有 子、寺崎貴光、瀬戸達一郎、福井大祐、天野 純 人工弁温存大動脈基部置換術の例 4) 中原 孝、福井大祐、藤井大志、山本高照、毛原 啓、五味渕俊仁、大津義徳、和田有子、 寺崎貴 光、瀬戸達一郎、高野 環、天野 純 内腸骨動脈塞栓を伴う EVAR において臀筋跛行と近赤外分光法を用いた臀筋血流の検討 5) 五味渕俊仁、福井大祐、藤井大志、山本高照、毛原 啓、五味渕俊仁、大津義徳、和田有子、寺崎 貴光、瀬戸達一郎、高野 環、天野 純 EVAR 後のグラフト脚に関係した合併症についての検討 6) 市村 創、福井大祐、藤井大志、山本高照、毛原 啓、五味渕俊仁、大津義徳、和田有子、寺崎貴光、 瀬戸達一郎、高野 環、天野 純 外腸骨動脈の高度屈曲例に対する EVAR の工夫 -経後腹膜アプローチによる屈曲解除- 第 26 回日本内分泌外科学会総会 (名古屋 2014/5/22-23) 1) 前野一真、大場崇旦、家里明日美、岡田敏宏、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、望月靖 弘、伊藤研一 術後早期に浸潤性に局所再発し、食道皮膚瘻および動脈穿破を来した甲状腺低分化癌の1例 2) 大場崇旦、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研一、柴田友 亮、山崎善則 初回手術後 2 年で副甲状腺機能亢進症再発をきたした Hyperparathyroidism-jaw tumor syndrome 第 31 回日本呼吸器外科学会総会 (東京 2014/5/29-30) 1) 吉田和夫、久米田浩孝、梅咲徹也、吾妻寛之、境澤隆夫、江口 隆、冨永義明、橋都正洋、砥石政 幸、椎名隆之、天野 純 完全鏡視下手術のための役割別教育法―スムースな手術参加を目指して 2) 椎名隆之、吉田和夫、梅咲徹也、大上康広、久米田浩孝、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、江口 隆、橋都正洋、砥石政幸 完全鏡視下肺葉切除術における技術認定の是非 3) 梅咲徹也、江口 隆、原 大輔、久米田浩孝、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、砥石政幸、橋都正 洋、椎名隆之、吉田和夫 当科における肺多形癌 12 切除症例の臨床病理学的検討 4) 冨永義明、江口 隆、吾妻寛之、原 大輔、梅咲徹也、大上康広、久米田浩孝、境澤隆夫、砥石政 幸、橋都正洋、椎名隆之、吉田和夫 充実性肺腫瘍の増大速度と SUVmax 値 5) 原 大輔、江口 隆、冨永義明、吾妻寛之、梅咲徹也、大上康広、久米田浩孝、境澤隆夫、砥石政 幸、橋都正洋、椎名隆之、吉田和夫 肺腺癌の増大速度と SUVmax 値 6) 大上康広、吾妻寛之、江口 隆、冨永義明、原 大輔、梅咲徹也、久米田浩孝、境澤隆夫、砥石政 幸、橋都正洋、椎名隆之、吉田和夫 高齢者肺癌の増大速度 7) 竹田 哲、久米田浩孝、梅咲徹也、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、江口 隆、橋都正洋、砥石政 幸、椎名隆之、吉田和夫 シェーグレン症候群に合併した、胸腺悪性リンパ腫の 2 例 57 8) 久米田浩孝、橋都正洋、原 大輔、梅咲徹也、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、江口 隆、砥石政 幸、椎名隆之、吉田和夫 肝膿瘍併発と腫瘍の縮小により鑑別に難渋した肺癌の 1 例 9) 吾妻寛之、江口 隆、冨永義明、原 大輔、大上康広、梅咲徹也、久米田浩孝、境澤隆夫、砥石政 幸、橋都正洋、椎名隆之、吉田和夫 肺癌の組織型別の腫瘍増大速度と SUVmax 第 116 回信州外科集談会 (松本 2014/6/1) 1) 寺田志洋、椎名隆之、久米田浩孝、梅咲徹也、吾妻寛之、境澤隆夫、江口 隆、砥石政幸、吉田和 夫 術前に縮小傾向を示した肺扁平上皮癌の 1 例 2) 大場崇旦、小野真由、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研 一 左乳癌に対する腋窩リンパ節郭清術後に発症した乳糜漏の 1 例 第 165 回日本胸部外科学会関東甲信越地方会 (横浜 2014/6/7) 中村大輔、有村隆明、小林宣隆、小沢恵介、西村秀紀 2 年間で増大を認めた後縦隔腫瘍の 1 例 第 22 回日本乳癌学会学術総会 (大阪 2014/7/2-4) 1) 伊藤研一 当科でのデジタル・ブレスト・トモシンセシスの使用経験 2) 大場崇旦、家里明日美、岡田敏宏、花村 徹、渡邉隆之、金井敏晴、前野一真、伊藤研一 マンモグラフィで所見が認められなかった乳癌症例の臨床病理学的特徴の解析. 3) 花村 徹、丹羽俊文、遠藤 恵、郷野辰幸、樋口 徹、山口ゆり、黒住昌史、武井寛幸、伊藤研一、 林 慎一 ホルモン感受性乳癌における Aromatase 非依存的 Steroid 代謝経路の役割 4) 前野一真、大場崇旦、家里明日美、岡田敏宏、花村 徹、渡邉隆之、金井敏晴、伊藤研一 術前化学療法後乳癌における腋窩リンパ節転移有無の予後因子としての意義;NAC 後 SNB の偽陰 性は許容されうるか? 5) 金井敏晴、小野真由、大場崇旦、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、前野一真、伊藤研 一 当科におけるエリブリンの使用経験 上甲信呼吸器外科懇話会 (群馬 2014/7/5) 吉田和夫、椎名隆之、中村大輔、久米田浩孝、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、砥石政幸 当科におけるロボット支援手術の経験~ VATS to RATS ~ 第 19 回日本冠動脈外科学会学術大会 (東京 2014/07/10-11) 中原 孝、町田 海、御子柴透、田中晴城、市村 創、五味渕俊仁、大橋伸朗、大津義徳、和田有子、 寺崎貴光、瀬戸達一郎、福井大祐、高野 環 12cases of Surgical Repair for Ventricular Septal Perforation Edwards Heart Valve Front Line 2014 (東京 2014/07/12) 岡田健次 出血を伴う広範囲脳梗塞を合併した感染性心内膜炎症例 58 第 24 回甲信心臓血管外科カンファレンス (松本 2014/07/12) 中原 孝、田中晴城、市村 創、五味渕俊仁、大橋伸朗、大津義徳、和田有子、寺崎貴光、瀬戸達 一郎、福井大祐、高野 環 三尖弁閉鎖不全症に対して loop technique 法による三弁形成術を施行した一例 第 12 回日本臨床腫瘍学会学術集会 (福岡 2014/7/17-19) 1) 大場崇旦、小野真由、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研 一 当科における進行再発乳癌に対するフルベストラントの使用成績 2) 伊藤勅子、新宮聖士、平栗 学、金子源吾、伊藤研一 長野県飯田地域における BMI と乳癌発症リスクに関する検討 第 23 回乳癌基礎研究会 (茨城 2014/7/26-27) 1) 花村 徹、丹羽俊文、郷野辰幸、山口ゆり、黒住昌史、武井寛幸、伊藤研一、林 慎一 閉経後ホルモン感受性乳癌における Androgen 代謝による Aromatase 非依存的 ER 活性化機構と新 規治療の可能性 2) 渡邉隆之、小野真由、大場崇旦、家里明日美、福島優子、花村 徹、伊藤勅子、金井敏晴、前野一 真、伊藤研一 タモキシフェン耐性乳癌細胞株における抗癌剤耐性の解析 第 15 回乳癌最新情報カンファランス (松本 2014/8/8-9) 1) 大場崇旦、小野真由、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研 一 左乳癌に対する腋窩リンパ節郭清術後に発症した乳糜漏の 1 例 2) 花村 徹、丹羽俊文、遠藤 恵、郷野辰幸、樋口 徹、山口ゆり、黒住昌史、武井寛幸、伊藤研一、 林 慎一 ホルモン感受性乳癌における Aromatase 非依存的 Steroid 代謝経路の役割 第 52 回日本癌治療学会学術集会 (横浜 2014/8/28-30) 伊藤勅子、大場崇旦、家里明日美、花村 徹、渡辺隆之、金井敏晴、前野一真、伊藤研一 当科における進行再発甲状腺分化癌に対する放射性ヨード内用療法の成績 第 11 回日本乳癌学会中部地方会 (岐阜 2014/9/13-14) 1) 大場崇旦、小野真由、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研 一 左乳癌に対する腋窩リンパ節郭清術後に発症した乳糜漏の 1 例 2) 渡邉隆之、小野真由、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研 一 男性乳房 Paget 病の 1 例 第 73 回日本癌学会学術総会 (横浜 2014/9/25-27) 中村輝郎、上条しのぶ、伊藤研一 甲状腺未分化癌の分子標的開発に向けた EpCAM の機能解析 第 67 回日本胸部外科学会定期学術集会 (福岡 2014/9/30-10/3) 1) 岡田健次、後竹康子、松枝 崇、井澤直人、山中勝弘、宮原俊介、野村佳克、坂本敏仁、森本直人、 井上 武、松森正術、大北 裕 59 糖尿病合併、冠動脈 3 枝病変に対する CABG の近接・遠隔成績の検討 2) 駒津和宜、町田 海、御子柴透、田中晴城、市村 創、五味渕俊仁、中原 孝、大橋伸朗、 大津義徳、 和田有子、寺崎貴光、瀬戸達一郎、福井大祐、高野 環 胸腹部大動脈瘤に対する治療戦略 3) 中原 孝、町田 海、御子柴透、田中晴城、市村 創、五味渕俊仁、中原 孝、大橋伸朗、大津義徳、 和田有子、寺崎貴光、瀬戸達一郎、福井大祐、高野 環 大動脈弁狭窄症に対して生体弁にて大動脈弁置換術術後 PPM の予測因子に対する検討 4) 吾妻寛之、江口 隆、冨永義明、梅咲徹也、久米田浩孝、寺田志洋、中村大輔、境澤隆夫、砥石政 幸、椎名隆之、吉田和夫 肺高悪性度腫瘍の鑑別における腫瘍増大速度と SUVmax 値の有用性 5) 梅咲徹也、江口 隆、冨永義明、吾妻寛之、久米田浩孝、寺田志洋、中村大輔、境澤隆夫、砥石政 幸、椎名隆之、吉田和夫 腫瘍増大速度は肺腺癌の再発予防予測因子である 6) 寺田志洋、江口 隆、中村大輔、梅咲徹也、久米田浩孝、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、砥石政 幸、椎名隆之、吉田和夫 2 年以上の経過観察後に切除した GGN の検討 - CT 所見の推移と組織学的浸潤の評価- 第 4 回呼吸器外科ロボット手術研究会 (福岡 2014/10/2) 吉田和夫、椎名隆之、中村大輔、久米田浩孝、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、砥石政幸 当科におけるロボット支援手術の経験 第 52 回日本人工臓器学会大会 (札幌 2014/10/17-19) 大橋伸朗、高野 環、御子柴透、町田 海、田中晴城、市村 創、五味渕俊仁、中原 孝、駒津和 宜、大津義徳、和田有子、寺崎貴光、瀬戸達一郎、福井大祐 大動脈弁置換術 + 僧帽弁形成術と大動脈弁置換術 + 僧帽弁置換術における手術成績の検討 CCT2014(神戸 2014/10/30-11/1) 福井大祐 Debranching TEVAR の今「Our Chimney Technique for Arch TAA」 第 55 回日本脈管学会総会 (岡山 2014/10/30-11/ 1) 五味渕俊仁、福井大祐、藤井大志、山本高照、市村 創、中原 孝、大津 義徳、和田有子、寺崎貴 光、瀬戸達一郎、高野 環、天野 純 腹部大動脈瘤破裂に対するステントグラフト治療 腹部大動脈破裂に対する EndovascularAortic Repair の検討 第 47 回日本甲状腺外科学会学術集会 (福岡 2014/10/30-31) 1) 伊藤研一、小野真由、大場崇旦、家里明日美、花村 徹、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真 甲状腺外科専門医の観点から考える甲状腺癌薬物療法 2) 大場崇旦、小野真由、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研 一 甲状腺腫瘍との鑑別が困難であった頚部胸腺腫の 1 例 第 24 回日本乳癌検診学会学術集会 (前橋 2014/11/7-8) 小野真由、大場崇旦、家里明日美、福島優子、花村 徹、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研一 当科で手術を施行した検診発見乳癌の生物学的特徴 60 第 166 回胸部外科関東甲信越地方会 (高崎 2014/11/8) 田中晴城、高野 環、町田 海、御子柴透、市村 創、五味渕俊仁、中原 孝、大橋伸朗、駒津和 宜、大津義徳、寺崎貴光、和田有子、瀬戸達一郎、福井大祐 僧帽弁前尖 Cleft による孤立性僧帽弁閉鎖不全症に対し MICS による弁形成術を施行した1例 第 55 回日本肺癌学会総会 (京都 2014/11/14-16) 1) 椎名隆之、寺田志洋、久米田浩孝、梅咲徹也、吾妻寛之、境澤隆夫、江口 隆、砥石政幸、吉田和 夫 小細胞肺癌外科的切除例の臨床的検討 2) 寺田志洋、椎名隆之、吾妻寛之、久米田浩孝、梅咲徹也、境澤隆夫、江口 隆、砥石政幸、吉田和 夫 経過で縮小傾向を示し診断に難渋した肺扁平上皮癌の一切除例 3) 久米田浩孝、吾妻寛之、江口 隆、中村大輔、梅咲徹也、境澤隆夫、冨永義明、砥石政幸、椎名隆 之、吉田和夫 腫瘍末梢に結節状の肺梗塞巣を伴った肺腺癌の 1 切除例 4) 中村大輔、椎名隆之、久米田浩孝、梅咲徹也、吾妻寛之、境澤隆夫、冨永義明、江口 隆、砥石政 幸、吉田和夫 同一肺葉内に腺癌と扁平上皮癌が存在した同時性多発肺癌の 1 切除例 第 76 回日本臨床外科学会学術総会 (郡山 2014/11/20-22) 1) 金井敏晴、小野真由、大場崇旦、家里明日美、福島優子、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、前野一 真、伊藤研一 当科における甲状腺癌手術症例のドレーン管理 2) 前野一真、小野真由、大場崇旦、家里明日美、福島優子、花村 徹、伊藤勅子、金井敏晴、伊藤研 一 術前化学療法(NAC)後乳癌における腋窩リンパ節転移の予後因子としての意義と NAC 後 cN0 例 に対するセンチネルリンパ節生検(SNB)の可能性 第 38 回長野県乳腺疾患懇話会 (松本 2014/11/29) 大場崇旦、小野真由、家里明日美、花村 徹、渡邉隆之、伊藤勅子、金井敏晴、前野一真、伊藤研 一 当科における進行再発乳癌に対するフルベストラントの使用成績 日本臨床腫瘍学会専門医部会北信越地区大会 (金沢 2014/12/6) 伊藤研一 進行甲状腺癌の臨床像 第 28 回日本冠疾患学会学術集会 (東京 2014/12/12-13) 大橋伸朗、高野 環、御子柴透、町田 海、田中晴城、市村 創、五味渕俊仁、中原 孝、駒津和 宜、大津義徳、和田有子、寺崎貴光、瀬戸達一郎、福井大祐 RITA-LAD バイパス術後、MVR 術後の人工弁機能不全に対し re-MVR を施行した一例 61 関連病院 業績 [飯山赤十字病院] [1-学会発表] 1) 石坂克彦、北原修一郎、滝澤康志、池田千鶴子 長野県内の NST 活動の現状 ~信州 NST 研究会によるアンケート調査から~ 第 29 回日本静脈経腸栄養学会学術集会(横浜市、2014 年 2 月 27 日) 2) 滝澤康志、石坂克彦、池田千鶴子、北原修一郎 長野県内の NST 加算取得の現状と信州 NST 研究会の今後の活動 第 29 回日本静脈経腸栄養学会学術集会(横浜市、2014 年 2 月 27 日) 3) 石坂克彦、沖田浩一、柴田 均、中村 学 術後長期間生存している肺小細胞癌の 1 例 第 12 回北信外科研究会(長野市、2014 年 6 月 6 日) 4) 山岸智子、石坂克彦、今別府 徹、大口和哉、岡本 修、齋藤菜穂子、佐々木伸一、鈴木伸明、滝 澤康志、月岡直美、宮沢美津子 栄養療法開始後に低リン血症をきたした一例 第 2 回日本静脈経腸栄養学会関東甲信越支部学術集会(高崎市、2014 年 10 月 19 日) 5) 水野裕紀子、石坂克彦、滝澤康志、西澤さとみ 「もう一度キッチンに立ちたい」と希望され在宅へ帰った症例 第 11 回長野県緩和医療研究会(岡谷市、2014 年 11 月 16 日) 6) 石坂克彦、古川賢一、上條浩司、福島靖典、久岡隆行、富田俊明、金子清俊、中村 学、若宮一宏、 中村正雄 地域包括ケア病棟 ~当院の取り組みと今後の課題~ 第 12 回北信医学会(長野市、2014 年 11 月 22 日) [厚生連北信総合病院] [1-学会発表] 1) 篠原 剛、木下亮二、梅咲徹也、山田博之、藤森芳郎、山岸喜代文 当院における門脈ガス血症症例の検討 第 114 回日本外科学会総会(京都、2014 年 4 月) 2) 藤森芳郎、篠原 剛、山田博之、山岸喜代文 Sunitinib 治療にて 5 年間 PR 継続できている再発 GIST の 1 例-有害事象対応を中心に- 第 52 回日本癌治療学会学術集会(横浜、2014 年 8 月) 3) 藤森芳郎、篠原 剛、山田博之 腹腔鏡下大腸切除術における合併症予防目的の体位固定法対策 第 27 回日本内視鏡外科学会総会(盛岡、2014 年 10 月) 4) 藤森芳郎、篠原 剛、山田博之 頸部リンパ節再発、多発肺転移に対して集学的治療にて臨床的 CR を得た初回手術から 10 年 右 経過した食道癌の 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) 62 [2-論文/著書] 1) 篠原 剛、城下 晃、長岡真理子、中山康詩、山田博之、藤森芳郎、山岸喜代文 ohs'paste、分層植皮および化学療法を用いた集学的治療により良好な病状コントロールを得 M た多発性遠隔転移を伴う局所進行乳癌の 1 例 乳癌の臨床 29:647-653, 2014 [長野市民病院] [1-学会発表] 1) 有村隆明、小林宣隆、小沢恵介、西村秀紀 感染を契機に増大した縦隔成熟奇形種の一例 第 164 回日本胸部外科学会関東甲信越地方会(東京、2014 年 3 月) 2) 有村隆明、小林宣隆、小沢恵介、西村秀紀 高度な不全分葉に対する胸腔鏡下左肺底区域切除術の1例 第 31 回日本呼吸器外科学会(東京、2014 年 5 月) 3) 小林宣隆、有村隆明、小沢恵介、西村秀紀 外傷性胸骨単独骨折の 2 手術例 第 31 回日本呼吸器外科学会(東京、2014 年 5 月) 4) 小林宣隆、有村隆明、小沢恵介、西村秀紀 小細胞肺癌切除例の検討 第 31 回日本呼吸器外科学会(東京、2014 年 5 月) 5) 有村隆明、小林宣隆、小沢恵介、西村秀紀 原発性肺癌手術における開胸時洗浄細胞診の検討 第 31 回日本呼吸器外科学会(東京、2014 年 5 月) 6) 小林宣隆、有村隆明、小沢恵介、西村秀紀 悪性胸膜炎に対するユニタルクの使用経験 第 12 回北信外科研究会(長野、2014 年 6 月) 7) 中村大輔、有村隆明、小林宣隆、小沢恵介、西村秀紀 2年間で増大を認めた後縦隔腫瘍の 1 例 第 165 回日本胸部外科学会関東甲信越地方会(横浜、2014 年 6 月) 8) 小沢恵介、西村秀紀、有村隆明、小林宣隆 センチネルリンパ節生検による郭清省略後腋窩再発の 2 例 第 22 回日本乳癌学会(大阪、2014 年 7 月) 9) 西村秀紀、小沢恵介、有村隆明、小林宣隆 85 歳以上の高齢者乳癌に対する手術療法の検討 第 22 回日本乳癌学会(大阪、2014 年 7 月) 10) 小林宣隆、有村隆明、小沢恵介、西村秀紀 緩徐な発育が確認できた巨大な末梢型定型カルチノイドの 1 例 第 166 回日本胸部外科学会関東甲信越地方会(高崎、2014 年 11 月) 11) 小林宣隆、有村隆明、小沢恵介、西村秀紀 肺癌術後再発後の長期生存群の検討 第 55 回日本肺癌学会(京都、2014 年 11 月) 12) 有村隆明、西村秀紀、小沢恵介、小林宣隆 当院における転移性肺腫瘍切除例の検討 第 55 回日本肺癌学会(京都、2014 年 11 月) 13) 小林宣隆、有村隆明、小沢恵介、西村秀紀 縦隔発生の孤立性線維性腫瘍の 1 例 63 第 55 回日本肺癌学会(京都、2014 年 11 月) 14) 小林宣隆、有村隆明、小沢恵介、西村秀紀 肋骨発生の骨膜性軟骨腫の 1 例 第 76 回日本臨床外科学会(福島、2014 年 11 月) 15) 小沢恵介、西村秀紀、有村隆明、小林宣隆 癌治療におけるリンパ節微小転移の臨床的意義 乳 第 76 回日本臨床外科学会(福島、2014 年 11 月) [2-論文/著書] 1) 有村隆明、境澤隆夫、小林宣隆、小沢恵介、西村秀紀 縦隔に発生した髄外性形質細胞腫の 1 切除例 日呼外会誌 28:626-632, 2014 [長野赤十字病院] [1-学会発表] 1) 大野晃一、岡田敏宏、浜 善久、渡辺正秀 当科で経験した Occult 乳癌 5 症例の検討 第 116 回信州外科集談会、第 1 回日本臨床外科学会長野県支部会(長野、2014 年 6 月) 2) 浜 善久、福島優子、大野晃一、新城裕里、上野真由美、渡辺正秀、横山史朗 当院における OSNA 法によるセンチネルリンパ節生検の検討 第 22 回日本乳癌学会学術総会(大阪、2014 年 7 月) 3) 福島優子、浜 善久、大野晃一、新城裕里、上野真由美、渡辺正秀、横山史朗 当院における乳癌脳転移症例の検討 第 22 回日本乳癌学会学術総会(大阪、2014 年 7 月) 4) 大野晃一、浜 善久、福島優子、横山史朗、新城裕里、渡辺正秀 当院における両側性乳癌の臨床病理学的検討 第 22 回日本乳癌学会学術総会(大阪、2014 年 7 月) 5) 新城裕里、大野晃一、福島優子、浜 善久、上野真由美、横山史朗、渡辺正秀 当科における乳房温存手術・断端陽性例の検討 第 22 回日本乳癌学会学術総会(大阪、2014 年 7 月) 6) 浜 善久、岡田敏宏、大野晃一、渡辺正秀、横山史朗 甲状腺に腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma)の転移が認められた原発不明癌の 1 例 第 47 回日本甲状腺外科学会学術集会(福岡、2014 年 10 月) 7) 岡田敏宏、浜 善久、大野晃一、渡辺正秀、横山史朗 巨大甲状腺腫による気管狭窄を伴った聾唖の 1 例 第 47 回日本甲状腺外科学会学術集会(福岡、2014 年 10 月) 8) 草間 啓、町田泰一、中田伸司 FDG-PET 検査で異常集積を認めた肝血管腫の 1 例 第 26 回肝胆膵外科学会学術集会(和歌山、2014 年 6 月) 9) 草間 啓、中田伸司、袖山治嗣、佐藤裕理、美並輝也、町田泰一、西尾秋人 傷性肝損傷による難治性胆汁漏の 1 例 外 第 76 回日本臨床外科学会総会(福島、2014 年 11 月) [2-論文/著書] 1) Maeda I, Tsuneto S, Miyashita M, Morita T, Umeda M, Motoyama M, Kosako F, Hama Y, Kizawa Y, Sasahara T, Eguchi K 64 rogressive development and enhancement of palliative care services in Japan: Nationwide P surveys of designated cancer care hospitals for three consecutive years. J Pain Symptom Manage. 48:364-373, 2014 [長野赤十字病院/心臓血管外科] [1-学会発表] 1) 西村和典 他 傷性膝窩動脈閉塞に対する血行再建術 外 第 24 回甲信心臓血管外科カンファランス(2014 年 7 月 12 日) [2-論文/著書] 1) 坂口昌幸 他 他多発性嚢胞腎に合併した Stanford A 大動脈解離の 1 手術例 日本血管外科学会誌 23:75-78, 2014 2) 坂口昌幸 他 Stanford A 型急性大動脈解離を発症した Birt-Hogg-Dube 症候群の 1 例 胸部外科 67:415-418, 2014 [厚生連長野松代総合病院] [1-学会発表] 1) 小野真由、春日好雄、原田道彦、上原 剛 血管系腫瘍様病変を含む骨髄化生を来たした甲状腺腺腫様結節の 1 例 第 31 回信州内分泌談話会(松本市、2014 年 3 月 1 日) 2) 浦下周一、原田道彦、春日好雄、上原 剛 定期健診で発見された stage Ⅰ乳腺紡錘細胞癌の 1 例 第 116 回信州外科集談会、第 1 回日本臨床外科学会長野県支部会(松本市、2014 年 6 月 1 日) 3) 浦下周一、原田道彦、春日好雄、上原 剛 検診で発見された stage Ⅰ乳腺紡錘細胞癌の 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山市、2014 年 11 月 20 日) 4) 和久井里美、松本知佳、山田真弓、箱田真奈、倉石明美、春日好雄 がん術後リンパ浮腫及び機能異常の検討 ―センチネルリンパ節生検群と腋窩リンパ節郭清 乳 群との比較― 第 63 回日本農村医学会総会(つくば市、2014 年 11 月 14 日) [2-論文/著書] 1) 大場崇旦、春日好雄、原田道彦、家里明日美、小野真由、江原孝史 2) Cai 回手術後 16 年目に腋かリンパ節単独再発をきたした乳癌の 1 例 初 臨床外科 69:369-371, 2014 Q, Zhang B, Sung H, Low SK, kasuga Y et al. Genoma-wide association analysis in East Asians identifies breast cancer susceptibility loci at 1q32.1, 5q14.3 and 15q26.1. Nature Genetics 46:886-890, 2014 3) 関野 康、中田岳成、熊木俊成、小野真由、藍澤喜久雄 腹腔鏡下手術の概要および当科での現状 松病医報 26:3-6, 2014 65 [厚生連篠ノ井総合病院] [1-学会発表] 1) 有吉 佑、池野龍雄、岡田一郎、秋田倫幸、斎藤拓康、五明良仁、坂口博美、宮本英雄 当院における胆石イレウスの 3 例 第 116 回信州外科集談会(松本、2014 年 6 月) 2) 岡田一郎、有吉 佑、秋田倫幸、斎藤拓康、五明良仁、池野龍雄、坂口博美、宮本英雄 当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP法)の導入と初期治療成績 第 116 回信州外科集談会(松本、2014 年 6 月) 3) 宮本英雄、斎藤拓康、有吉 佑、岡田一郎、秋田倫幸、五明良仁、池野龍雄、坂口博美、川口研二 虫垂原発腺内分泌細胞癌の 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) 4) 有吉 佑、宮本英雄、岡田一郎、秋田倫幸、斎藤拓康、五明良仁、池野龍雄、坂口博美、児玉 亮、 川口研二 小腸重積を来した好酸球性胃腸炎の 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) 5) 岡田一郎、五明良仁、有吉 佑、秋田倫幸、斎藤拓康、池野龍雄、坂口博美、宮本英雄 部大動脈瘤 Y グラフト置換術にて下腸間膜動脈根部切離施行後の直腸癌に対して腹腔鏡下 腹 直腸前方切除術を施行した1例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) 6) 岡田一郎、有吉 佑、秋田倫幸、斎藤拓康、五明良仁、池野龍雄、坂口博美、宮本英雄 当院における胆嚢癌手術 24 症例の検討 第 12 回日本消化器外科学会大会(神戸、2014 年 10 月) [2-論文/著書] 1) 坂口博美、宮本英雄、大野晃一、斎藤拓康、五明良仁、池野龍雄 カペシタビンによる大腸癌術後補助化学療法中に重症化した dihydropyrimidine dehydrogenase (DPD)欠損症が疑われた 1 例 臨床外科 69:617-620, 2014 2) 矢口貴一郎、五明良仁、斎藤拓康、池野龍雄、坂口博美、宮本英雄 尿膜管由来と思われた境界悪性粘液性嚢胞腺腫の 1 例 日本臨床外科学会雑誌 75:1418-1422, 2014 [佐久市立国保浅間総合病院] [1-学会発表] 1) 池田正視、和田康宏、吉安俊介、西田祥二、大橋佳弘、山形邦嘉、岡田啓二、上田哲郎 噴門部胃癌に対する腹部食道・胃全摘出後のJ型パウチによる生理的機能再建法の術後評価 第 86 回日本胃癌学会総会(横浜、2014 年 3 月) 2) 和田康宏、池田正視、吉安俊介、西田祥二、大橋佳弘、山形邦嘉、岡田啓二、上田哲郎 胃全摘後パウチ間置術における術後パウチの経時的変化に関する検討 第 86 回日本胃癌学会総会(横浜、2014 年 3 月) 3) 吉安俊介、池田正視、和田康宏、松本涼子、西田祥二、塩原栄一、都井眞、松永祐治 切除後の難治性低血糖症候群に対してα―グルコシダーゼ阻害剤が有効であった 2 例 第 86 回日本胃癌学会総会(横浜、2014 年 3 月) 4) 中村二郎、池田正視 胃癌術後に腹部アンギーナから腸管気腫症を併発した 1 例 66 第 86 回日本胃癌学会総会(横浜、2014 年 3 月) 5) 池田正視、和田康宏、吉安俊介、松本涼子、西田祥二、塩原栄一、箕輪 隆、都井 眞、松永祐治、 中島由槻、上田哲郎 胃切除後パウチ間置術に対する 15 年間の術後長期評価 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、2014 年 4 月) 6) 和田康宏、池田正視、吉安俊介、松本涼子、西田祥二、塩原栄一、箕輪 隆、都井 眞、松永祐治、 中島由槻 胃切除後に間置する空腸パウチの経時的変化に関する検討とその安全性 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、2014 年 4 月) 7) M.Ikeda, S. yoshiyasu, T. Ueda Long-term retrospective studies in the pouching operation preserving the angle of His and fornix after distal gastrectomy. 4th World Congress of the International Association of Surgeons, Gastroenterologists and 2 Oncologists(Vienna, Austria, 2014 年 12 月) 8) 中田浩二、池田正視、高橋正純、木南伸一、吉田 昌、上之園芳一、川島吉之、寺島雅典、小寺泰 弘 定型胃切除後の各症状が患者の生活状況および QOL に及ぼす影響について. PGSAS からの知 見. 第 69 回日本消化器外科学会総会(郡山、2014 年 7 月) 9) 和田康宏、池田正視、吉安俊介、松本涼子、西田祥二、塩原栄一、都井 眞、松永祐治、中島由槻 腹部食道非温存胃全摘症例における J 型パウチ間置術の経時的な QOL 評価とその問題点 第 69 回日本消化器外科学会総会(郡山、2014 年 7 月) 10) 吉安俊介、池田正視、和田康宏、松本涼子、西田祥二、塩原栄一、都井 眞、松永祐治、箕輪 隆、 中島由槻 胃切後低血糖症候群に対するα - グルコシダーゼ阻害剤投与の有効性とその腸管に及ぼす影響 第 69 回日本消化器外科学会総会(郡山、2014 年 7 月) 11) 池田正視、和田康宏、吉安俊介、西田祥二、松本涼子、塩原栄一、都井 眞、松永祐治、上田哲郎 胃切除における安全性と QOL 向上を考慮した再建法としてのパウチ間置術 第 69 回日本消化器外科学会総会(郡山、2014 年 7 月) 12) 高橋正純、菅沼雪絵、森 朝子、中川和也、池田正視、上之園芳一、木南伸一、吉田 昌、小寺泰 弘、中田浩二 患者立脚型アウトカム (PGSAS-45) の電子カルテ評価(エクセルソフト)を用いた胃切除後症候 群のチーム医療 第 69 回日本消化器外科学会総会(パネルディスカッション)(郡山、2014 年 7 月) 13) 井尻玲子、高橋正純、森 朝子、菅沼雪絵、池田正視、上之園芳一、木南伸一、吉田 昌、小寺泰 弘、中田浩二 癌胃切除後患者の栄養指導における患者立脚型アウトカム(PGSAS37)の 電子カルテ評価 胃 法の有用性 第 44 回胃外科・術後障害研究会(富士、2014 年 10 月) 14) 高橋正純、滝口伸浩、稲田高男、池田正視、上之園芳一、木南伸一、吉田 昌、中田浩二 機能温存・再建における“do and do not”―噴門側胃切除術と逆流防止の工夫― 第 44 回胃外科・術後障害研究会(富士、2014 年 10 月) 15) 稲田高男、池田正視、吉田 昌、松本英男、高金明典、國崎主税、福島亮治、藪崎 裕、瀬下明良、 中田浩二 PGSAS study よりみた噴門側切除・食道残胃吻合術後の食道逆流 第 44 回胃外科・術後障害研究会(富士、2014 年 10 月) 16) 池田正視、吉安俊介 67 全摘術における機能再建 胃 第 44 回胃外科・術後障害研究会(基調講演)(富士、2014 年 10 月) 17) 三森教雄、池田正視、吉田 昌、白石憲男、柴田 近、寺島雅典、藤田淳也、田邊和照、滝口伸浩、 中田浩二 胃全摘 RouxenY 再建における手術手技が術後患者の QOL に及ぼす影響―PGSAS45 を用い た多施設共同研究の結果から 第 44 回胃外科・術後障害研究会(富士、2014 年 10 月) [2-論文/著書] 1) Nakada K, Ikeda M, Takahashi M, Kinami S, Yoshida M, Uenosono Y, Kawashima Y, Oshio A, Suzukamo Y, Terashima M, Kodera Y. C haracteristics and clinical relevance of postgastrectomy syndrome assessment scale (PGSAS)-45: newly developed integrated questionnaires for assessment of living status and quality of life in postgastrectomy patients. Gastric Cancer. 2014 Feb 11. [Epub ahead of print] 2) Nobuhiro Takiguchi, Masazumi Takahashi, Masami Ikeda, Satoshi Inagawa, Shugo Ueda, Takayuki Nobuoka, Manabu Ota, Yoshiaki Iwasaki, Nobuyuki Uchida, Yasuhiro Kodera, Koji Nakada. Long-term quality-of-life comparison of total gastrectomy and proximal gastrectomy by Postgastrectomy Syndrome Assessment Scale (PGSAS-45): a nationwide multi-institutional study. Gastric Cancer. 2014 May 7. [Epub ahead of print] 3) Inada T, Yoshida M, Ikeda M, Yumiba T, Matsumoto H, Takagane A, Kunisaki C, Fukushima R, Yabusaki H, Nakada K. Evaluation of QOL After Proximal Gastrectomy Using a Newly Developed Assessment Scale (PGSAS-45). World J Surg. 2014 Aug 19. [Epub ahead of print] 4) 中田浩二、池田正視、高橋正純、木南伸一、吉田 昌、上之園芳一、小寺泰弘 胃切除後の QOL 向上のためにー均てん化された胃切除後評価法の必要性と PGSAS 質問票の紹 介― 胃がん perspective 7(4):22-29, 2014 [厚生連安曇総合病院] [1-学会発表] 1) 花岡孝臣 4.末梢小型肺癌に対する外科療法の現状 2014 第 6 回肺がん CT 検診認定医師更新講習会 兼 認定医師新規認定講習会(大阪、2014 年 3 月) 2) 花岡孝臣 開胸時 stage IV- 肺腺癌と判明し R2 切除術後 10 年生存した 1 例 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、2014 年 5 月) 3) 花岡孝臣 「小型肺癌に対する外科治療の現状」と印象深い胸部疾患手術例の供覧 第 3 回大北胸部疾患研究会(大町市、2014 年 11 月) 4) 花岡孝臣、岡田光代、早野敏英 小型肺癌(c-T1a)術後再発例の検討 第 55 回日本肺癌学会総会(京都、2014 年 11 月) 68 5) 久保直樹、花岡孝臣、中山 中 急性虫垂炎で発症した盲腸癌の 1 例 第 50 回日本腹部救急医学会総会(東京、2014 年 3 月) 6) 久保直樹、芳澤淳一、花岡孝臣 初回切除後に肺転移のみを来した sm 直腸癌の1例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山市、2014 年 11 月) 7) 芳澤淳一、久米田浩孝、唐澤文寿、窪田晃治、中山 中 腹腔鏡補助下で直視下胃内手術により胃局所切除を行った胃内発育・露出型脂肪腫の 1 例 第 27 回日本内視鏡外科学会総会(盛岡市、2014 年 10 月) 8) 芳澤淳一、増尾仁志、高須香吏、唐澤文寿、窪田晃治、竹内信道、中山 中 幽門側胃切除 Billroth II 法再建後に発症した逆行性輸出脚腸重積の 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山市、2014 年 11 月) 9) 芳澤淳一 日本内視鏡学会技術認定(胆道)取得まで 第 25 回長野県内視鏡外科研究会(長野市、2014 年 10 月) [2-論文/著書] 1) 花岡孝臣、久保直樹、芳澤淳一、岡田光代、早野敏英、松田繁宏、藤松仁志、王子史恵、小林 克 C T 検診発見精査後に一度非癌病変と判定され、その後の CT 検診で再発見された肺癌切除例 の検討 CT 検診学会誌 21:6-15, 2014 2) Altorki NK, Yip R, Hanaoka T, Bauer T, Aye R, Kohman L, Sheppard B, Thurer R, Andaz S, Smith M, Mayfield W, Grannis F, Korst R, Pass H, Straznicka M, Flores R, Henschke CI; for the I-ELCAP Investigators. Sublobar resection is equivalent to lobectomy for clinical stage 1A lung cancer in solid nodules. J Thorac Cardiovasc Surg. 147:754-64, 2014 3) Xu DM, Yip R, Smith JP, Yankelevitz DF, Henschke CI; I-ELCAP Investigators. Retrospective review of lung cancers diagnosed in annual rounds of CT screening. AJR Am J Roentgenol. 203:965-72, 2014 4) 久保直樹、佐藤敏行、花岡孝臣 特発性血小板減少性紫斑病の脾摘術後に発症した胃癌に対し幽門側胃切除術を施行した 1 例 外科 76:309-313, 2014 5) 久保直樹、芳澤淳一、佐近雅宏 腹腔鏡下胆嚢摘出術後に肝被膜下血腫をきたした 1 例 日本内視鏡外科学会雑誌 19:745-748, 2014 6) 久保直樹 索状物による下行結腸絞扼性イレウスの 1 例 日本腹部救急医学会雑誌 34:95-99, 2014 [独立行政法人まつもと医療センター松本病院] [1-学会発表] 1) 松村任泰、小池祥一郎、中川 幹、松下明正、荒井正幸、北村 宏、中澤 功 緊急手術を行った食道多発壁内転移を有する胃癌の 1 例 第 19 回信州食道胃疾患懇話会(松本、2014 年 6 月 14 日) 2) 小池祥一郎、松村任泰、中川 幹、松下明正、荒井正幸、北村 宏 69 治性食道縦隔瘻に対して胃漿膜筋弁および大網被覆が有効であった 1 例 難 第 68 回日本食道学会学術集会(東京、2014 年 7 月 3-4 日) 3) 北村 宏、小池祥一郎、松村任泰、中川 幹、松下明正、荒井正幸 尾状葉傍下大静脈部の原発性肝癌に対する 1 切除例と術式の考察 第 62 回長野県医学会(長野、2014 年 7 月 13 日) 4) 松下明正、北村 宏、松村任泰、中川 幹、荒井正幸、小池祥一郎、中澤 功 腫瘍内出血を来たし緊急手術を要した巨大な破骨細胞型退形成性膵管癌の 1 例 第 69 回日本消化器外科学科総会(郡山、2014 年 7 月 18 日) 5) 松村任泰、小池祥一郎、中川 幹、松下明正、荒井正幸、北村 宏 セカンドルック手術を考慮した一時的ストーマが有効であった広範囲虚血性小腸炎(NOMI) の1例 第 20 回長野県ストーマリハビリテーション研究会(長野、2014 年 10 月 11 日) 6) 松村任泰、小池祥一郎、中川 幹、松下明正、荒井正幸、北村 宏、中澤 功 2 度の手術で QOL を維持しつつ救命し得た広範囲虚血性腸炎(NOMI)例 第 117 回中信医学会(安曇野、2014 年 10 月 18 日) 7) 水野伸彦、小池祥一郎、中川 幹、松下明正、荒井正幸、北村 宏、中澤 功 多発食道壁内転移を合併した胃癌の 1 治験例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月 20-22 日) 8) 小池祥一郎 急に具合が悪くなったら-救急のお話- 市民公開講座(塩尻、2014 年 6 月 29 日) [2-論文/著書] 1) 飯沼伸佳、松村任泰、中川 幹、荒井正幸、北村 宏、小池祥一郎 大網膿瘍を合併した胃悪性リンパ腫の 1 例 信州医学雑誌 62:179-184, 2014 2) Seto T, Fukui D,Tanaka H, Komatsu K, Ohtsu Y, Terasaki T, Wada Y, Takano T, Koike S, Amano J. Tracheo-Bronchial Obstruction and Esophageal Perforation after TEVAR for Thoracic Aortic Rupture Ann Vasc Dis 7:421-425, 2014 3) Seto T, Takano T, Komatsu K, Ohtsu Y, Terasaki T, Wada Y, Fukui D, Koike S, Amano J. Delayed Esophageal Perforation Secondary to Thoracic Aortic Aneurysm Rupture in a Patient with Human Immunodeficiency Virus Infection Ann Vasc Dis 7:191-194, 2014 [独立行政法人まつもと医療センター中信松本病院] [1-学会発表] 1) 近藤竜一、三浦健太郎、藏井 誠 発性肺癌術後の縦隔リンパ節単独再発に対する治療戦略の検討 原 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、国立京都国際会館、2014 年 4 月 3-5 日) 2) 三浦健太郎、藏井 誠、近藤竜一 Pure GGO 肺癌病期分類で pl1 を T 因子に加えることの妥当性の検討 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、国立京都国際会館、2014 年 4 月 3-5 日) 3) 矢野智紀、横井香平、沼波宏樹、近藤竜一、大出泰久、菅谷将一、成田久仁夫、千原幸司、彦坂 雄、佐々木秀文、森山 悟、奥田勝裕、藤井義敬 70 omplications of bronchial stapling in thoracic surgery: Multiple-institutional review C 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、国立京都国際会館、2014 年 4 月 3-5 日) 4) 藏井 誠、三浦健太郎、近藤竜一、鈴木敏郎、坂口伸樹、早坂宗治 右肺下葉切除後に生じた広範囲な気管支潰瘍に対して有茎肋間筋弁被覆にて治癒し得た 1 例 第 37 回日本呼吸器内視鏡学会(京都、国立京都国際会館、2014 年 4 月 14-15 日) 5) 三浦健太郎、藏井 誠、近藤竜一、鈴木敏郎、坂口伸樹、早坂宗治、笠間美穂 当院における間質性肺炎に合併した気胸の手術例の検討 第 116 回中信医学会(松本、松本医師会館、2014 年 5 月 17 日) 6) 近藤竜一、三浦健太郎、藏井 誠 Flexible scope holder を用いた 2 人で行う完全鏡視下肺葉切除術 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、ホテル日航東京、2014 年 5 月 29-30 日) 7) 藏井 誠、三浦健太郎、近藤竜一 染性肺嚢胞に対する経皮的ドレナージにより切除範囲を縮小できた 1 例 感 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、ホテル日航東京、2014 年 5 月 29-30 日) 8) 三浦健太郎、藏井 誠、近藤竜一 肋軟骨肉腫術後、断端再発に対して胸壁再建を伴う再切除術を行い良好な予後が得られている 1例 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、ホテル日航東京、2014 年 5 月 29-30 日) 9) 矢野智紀、岩田尚、重光希公生、沼波宏樹、近藤竜一、藤永卓司、大出泰久、横井香平、安達勝利、 高尾仁二、有村隆明、深井一郎、菅谷将一、太田伸一郎、徳井俊也、齊藤雄史、成田久仁夫、藤井 義敬 気管支自動縫合の有害事象に関する検討:多施設共同研究 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、ホテル日航東京、2014 年 5 月 29-30 日) 10) 三浦健太郎、藏井 誠、近藤竜一 当科における多発 GGN の治療経験 第 27 回中部肺癌手術研究会(名古屋、名古屋ニューグランド、2014 年 7 月 26 日) 11) 近藤竜一 Stage I 肺癌脈管侵襲陰性例における術後補助療法 ―アンケート集計結果報告― 第 27 回中部肺癌手術研究会(名古屋、名古屋ニューグランド、2014 年 7 月 26 日) 12) 近藤竜一、三浦健太郎、藏井 誠 原発性肺癌術後晩期再発例の臨床病理学的検討 第 67 回日本胸部外科学会定期学術集会(福岡、福岡国際会議場、2014 年 9 月 30 日 -10 月 3 日) 13) 三浦健太郎、藏井 誠、近藤竜一 当科における超高齢者肺癌(85 歳以上)に対する外科的治療の検討 第 56 回日本肺癌学会総会(京都、国立京都国際会館、2014 年 11 月 14-16 日) 14) 近藤竜一、三浦健太郎、藏井 誠 GO を呈する小型肺癌に対する縮小手術時の術中超音波活用 G 第 76 回日本臨床外科学会総会(福島、郡山市民文化センター、2014 年 11 月 20-22 日) [2-論文/著書] 1) Eguchi T, Kondo R, Kawakami S, Matsushita M, Yoshizawa A, Hara D, Matsuoka S, Takeda T, Miura K, Agatsuma H, Sakaizawa T, Tominaga Y, Saito G, Toishi M, Hamanaka K, Hashizume M, Shiina T, Amano J, Koizumi T, Yoshida K. Computed tomography attenuation predicts the growth of pure ground-glass nodules. Lung Cancer. 84(3):242-247, 2014 2) Miura K, Hamanaka K, Kondo R, Kurai M, Isobe K, Ishii K. Recurrence of juxtacortical chondrosarcoma arising on the rib. 71 Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2014 Jun 6 3) Miura K, Kondo R, Kurai M, Hotta J, Suzuki T, Sakaguchi N, Hayasaka M, Ishii K. ombined small cell lung cancer originated from small pure ground-glass nodule – Long-term C observation after computed tomography screening. Cancer Treatment Communication. 2:17-20, 2014 4) Yano M, Yokoi K, Numanami H, Kondo R, Ohde Y, Sugaya M, Narita K, Chihara K, Matsushima Y, Kobayashi R, Hikosaka Y. Complications of bronchial stapling in thoracic surgery. World J Surg. 38(2):341-346, 2014 [県立木曽病院] [1-学会発表] 1) 中川優希、高桑李沙、小林知子、澤田佑佳、池田教子、小山佳紀、小出直彦 長期療養患者に対する半固形化栄養法の実施試験 第 38 回信州 NST 研究会(松本、2014 年 3 月) 2) 鈴木 彰、石曽根聡、杉山 聡、竹内大輔、村中 太、荻原裕明、宮川雄輔、小出直彦、宮川眞一 Stage II・III 胃癌術後再発症例と術後補助化学療法についての検討 第 86 回日本胃癌学会総会(横浜、2014 年 3 月) 3) 北川奈美、小出直彦、小山佳紀、河西 秀、久米田茂喜 食道扁平上皮癌を併存した全身性強皮症の 1 例 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、2014 年 4 月) 4) 竹内大輔、小出直彦、杉山 聡、高須香吏、荻原裕明、鈴木 彰、石曽根聡、村中 太、宮川雄輔、 土屋拓司、宮川眞一 80 歳以上の高齢者胃癌手術症例における術後合併症の特徴 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、2014 年 4 月) 5) 北川奈美、小出直彦、小山佳紀、河西 秀、飯島章博、北原 桂、中村 晃、山崎智生、下条久志、 久米田茂喜 巨大結腸症から穿孔をきたした潰瘍性大腸炎の 1 例 第 54 回日本消化器病学会甲信越支部例会(新潟、2014 年 5 月) 6) 北川奈美、小出直彦、小山佳紀、河西 秀、久米田茂喜 食道癌を併存した全身性強皮症の 1 例 第 19 回信州食道胃疾患懇話会(松本、2014 年 6 月) 7) 鈴木 彰、竹内大輔、杉山 聡、石曽根聡、小出直彦、宮川眞一 pStage II/III 食道扁平上皮癌根治切除術後再発症例の検討 第 68 回日本食道学会学術集会(東京、2014 年 7 月) 8) 小山佳紀、小出直彦、河西 秀、久米田茂喜 C DDP/CPT-11 と S-1 による術後補助化学療法にて無再発生存中の胃大細胞型神経内分泌癌の 1例 第 69 回日本消化器外科学会総会(福島、2014 年 7 月) 9) 北川奈美、小出直彦、小山佳紀、河西 秀、久米田茂喜、竹内和航、倉石康弘、日原 優、丸山真 弘、飯島章博、下条久志 イレウスを契機に発見された腹腔内デスモイドの 1 例 第 117 回中信医学会(安曇野、2014 年 10 月) 10) 北川奈美、小出直彦、小山佳紀、倉石康弘、日原 優、多田治代、丸山真弘、飯島章博、河西 秀、 下条久志、大谷真紀、久米田茂喜 直腸ステントを留置して化学療法を施行した転移性直腸癌の 2 例 72 第 77 回日本消化器内視鏡学会甲信越支部例会(新潟、2014 年 11 月) 11) 日原 優、倉石康弘、多田治代、竹内和航、丸山真弘、飯島章博、北川奈美、小山佳紀、河西 秀、 小出直彦、久米田茂喜 若年男性に発症した腸管気腫症の一例 第 55 回日本消化器病学会甲信越支部例会(新潟、2014 年 11 月) [2-論文/著書] 1) 竹内大輔、小出直彦、鈴木 彰、荻原裕明、石曽根聡、宮川眞一 肛門管癌の鼠径リンパ節転移郭清術の治療成績 日本臨床外科学会雑誌 75:344-52, 2014 2) 鈴木 彰、小出直彦、石曽根聡、和田有子、福井大祐、宮川眞一 急性上腸間膜動脈閉塞症に対する外科治療 日本臨床外科学会雑誌 75:337-43, 2014 3) 竹内大輔、小出直彦、奥村征大、鈴木 彰、宮川眞一 食道胃接合部における表在型バレット腺癌と扁平上皮癌の差異 日本外科系連合学会誌 39:1049-56, 2014 4) Nishikawa A, Kasai H, Koyama Y, Koide N, Iijima A, Shimojo H, Kumeda S. Synchronous ipsilateral carcinoma of the accessory mammary gland and primary lymphoma of the breast with subsequent rectal carcinoma: report of a case. World J Surg Oncol. 12:286, 2014 5) Takeuchi D, Koide N, Komatsu D, Okumura M, Suzuki A, Miyagawa S. Relationships of obesity and diabetes mellitus to other primary cancers in surgically treated gastric cancer patients. Int J Surg. 12(6):587-93, 2014 6) Matsumoto T, Kawakubo M, Akamatsu T, Koide N, Ogiwara N, Kubota S, Sugano M, Kawakami Y, Katsuyama T, Ota H. Helicobacter heilmannii sensu stricto-related gastric ulcers: a case report. World J Gastroenterol. 20(12):3376-82, 2014 7) Iwaya Y, Hasebe O, Koide N, Kitahara K, Suga T, Shinji A, Muraki T, Yokosawa S, Yamada S, Arakura N, Tanaka E, Nakayama J. R educed expression of αGlcNAc in Barrett's oesophagus adjacent to Barrett's adenocarcinoma--a possible biomarker to predict the malignant potential of Barrett's oesophagus. Histopathology. 64(4):536-46, 2014 8) Suzuki A, Koide N, Takeuchi D, Okumura M, Ishizone S, Suga T, Miyagawa S. Prevalence of synchronous colorectal neoplasms in surgically treated gastric cancer patients and significance of screening colonoscopy. Dig Endosc. 26(3):396-402, 2014 [諏訪赤十字病院] [1-学会発表] 1) 池田義明、島田 宏、阿部光俊、菅谷慎祐、野首元成、五味邦之、小山 洋、濱中一敏、丸山起誉 幸、三原基弘、梶川昌二、大橋昌明 胃癌および胃カルチノイド(NET)の同時重複癌の 1 例 第 100 回日本消化器病学会総会(東京、2014 年 4 月) 2) 五味邦之、阿部光俊、菅谷慎祐、池田義明、島田 宏、丸山起誉幸、三原基弘、梶川昌二 肝 転移および腹膜播種を伴った虫垂原発神経内分泌細胞癌に対して CPT-11+CDDP 療法を 73 施行した 1 例 Acase of Neuroendocrine carcinoma ofappendix with liver metastasis and peritoneal disseminations treated by CPT-11+CDDP 第 12 回日本臨床腫瘍学会学術集会(福岡、2014 年 7 月) 3) 菅谷慎祐、三原基弘、山本悠太、阿部光俊、池田義明、野首元成、五味邦之、小山 洋、濱中一敏、 島田 宏、丸山起誉幸、梶川昌二、大橋昌彦、中村智次 若年女性に発症した Abdominal fibromatosis(desmoid-type)の一例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月 20 日) 4) 丸山起誉幸 ほか 食道運動機能異常に対する腹臥位胸部食道筋層切開術 長野県内視鏡外科研究会(長野) 5) 丸山起誉幸、島田 宏、五味邦之、三原基弘 食道運動機能異常に対する腹臥位胸部食道筋層切開術 第 27 回日本内視鏡外科学会総会(盛岡、2014 年 11 月) 6) 丸山起誉幸 上部消化管術後再手術時の栄養瘻造設の有用性 第 29 回日本静脈経腸栄養学会学術集会(横浜、2014 年 2 月 27-28 日) 7) 丸山起誉幸 ほか 結核合併食道癌に対し手術を施行した 1 例 第 68 回日本食道学会学術集会(東京、2014 年 7 月 3-4 日) 8) 濱中一敏、大橋昌彦、阿部光俊、池田義明、五味邦之、小山 洋、島田 宏、丸山起誉幸、三原基 弘、梶川昌二、代田廣志 充実型肺腺癌切除例の臨床病理学的特徴および非腺癌との比較 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、2014 年 4 月 3-5 日) 9) 濱中一敏、大橋昌彦 肺腺扁平上皮癌切除例の臨床病理学的検討~腺癌および扁平上皮癌との比較~ 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、2014 年 5 月 29-30 日) 10) 濱中一敏、曽根原圭、蜂谷 勤 孤立性結節を呈し肺癌との鑑別を要した肺真菌症の 2 例 第 55 回日本肺癌学会学術集会(京都、2014 年 11 月 14-16 日) 11) 菅谷慎祐、三原基弘、山本悠太、阿部光俊、池田義明、野首元成、五味邦之、小山 洋、濱中一敏、 島田 宏、丸山起誉幸、梶川昌二、大橋昌彦、中村智次 若年女性に発症した Abdominal fibromatosis(desmoid-type)の一例 第 116 回信州外科集談会(松本、2014 年 5 月) 12) 阿部光俊、丸山起誉幸、山本悠太、菅谷慎祐、池田義明、野首元成、五味邦之、小山 洋、濱中一 敏、島田 宏、三原基弘、梶川昌二、大橋昌彦 腸管気腫性嚢胞症の症例検討 第 116 回信州外科集談会(松本、2014 年 5 月) 13) 山本悠太、小山 洋、阿部光俊、菅谷慎祐、池田義明、五味邦之、濱中一敏、島田 宏、丸山起誉 幸、三原基弘、梶川昌二、大橋昌彦 右鎖骨下動脈起始異常に伴う非反回下喉頭神経を確認,温存し得た腎癌甲状腺転移の 1 例 第 116 回信州外科集談会(松本、2014 年 5 月) 14) 三原基弘、梶川昌二、阿部光俊、池田義明、菅谷慎祐、野首元成、五味邦之、濱中一敏、島田 宏、 丸山起誉幸、代田廣志 当科における pNET に対する治療経験 第 69 回日本消化器外科学会総会(郡山、2014 年 7 月) 15) 阿部光俊、丸山起誉幸、池田義明、五味邦之、島田 宏、三原基弘、梶川昌二、大橋昌彦、代田廣 志 74 院における腹腔鏡下虫垂切除術の成績 当 第 69 回日本消化器外科学会総会(郡山、2014 年 7 月) 16) 三原基弘、丸山起誉幸、島田 宏、五味邦之、池田義明、阿部光俊、山本悠太、濱中一敏、菅谷慎 祐、野首元成、小山 洋、梶川昌二、大橋昌彦 術前膵嚢胞が疑われ腹腔鏡下手術にて切除した脾嚢胞の 1 例 第 27 回日本内視鏡外科学会総会(盛岡、2014 年 11 月) 17) 横沢佳那、小山 洋 悪性腺筋上皮腫との鑑別を要した乳腺紡錘細胞癌の 1 例 第 22 回日本乳癌学会総会(大阪、2014 年 7 月 10 日) [2-論文/著書] 1) 五味邦之、三原基弘、阿部光俊、池田義明、島田 宏、丸山起誉幸、梶川昌二、代田廣志 害事象なく通常量のイマチニブ投与が長期間可能であり奏功した超高齢者直腸非手術 GIST 有 の1例 癌と化学療法 41:103-106, 2014 2) Kiyotomi Maruyama, Ko Shimada, Kuniyuki Gomi TWO CASES OF SIMULTANEOUS LAPAROSCOPIC SURGERY FOR SYNCHRONOUS GASTRIC AND COLON TUMORS 秋田医学 40:3/4;175-180, 2013 3) 濱中一敏、大橋昌彦 特集 低侵襲手術 呼吸器外科疾患における胸腔鏡下手術の歴史と現状 諏訪赤十字医学雑誌 8:19-23, 2014 [諏訪赤十字病院/心臓血管外科] [1-学会発表] 1) 高橋耕平、河野哲也、大橋伸朗、月岡勝晶、福井大祐 開胸下 Debranch を併用した TEVAR の 2 例 第 8 回信州心血管病セミナー(諏訪市、2014 年 2 月) 2) 高橋耕平、河野哲也、山本高照、月岡勝晶 ハイブリッド治療を施行した胸部および腹部大動脈瘤の一例 第 24 回甲信心臓血管外科カンファランス(安曇野市、2014 年 7 月) 3) 高橋耕平、河野哲也、山本高照、月岡勝晶、福井大祐 多発外傷に伴った大動脈損傷に対して緊急 TEVAR を施行し救命し得た一例 第 2 回信州ステントグラフト研究会(松本市、2014 年 11 月) 4) 月岡勝晶、矢澤和虎、野首元就、菅谷慎佑、宮岡俊輔、酒井隆一 地方市中病院において、小児外傷性心停止で神経学的回復をした一例 第 17 回日本臨床救急医学会総会(栃木県、2014 年 5 月) 5) 月岡勝晶、野首元就、菅谷慎佑、宮岡俊輔、酒井隆一 ドクターカー連携により救命できた、骨盤、下肢外傷による外傷性心肺停止の一例 第 42 回日本救急医学会総会(福岡県、2014 年 10 月) 6) 山本高照、福井大祐、藤井大志、五味渕俊仁、中原 孝、駒津和宜、大津義徳、和田有子、寺崎貴 光、瀬戸達一郎、高野 環、天野 純 腹部大動脈瘤破裂に対する Endovascular Aortic Repair の検討 第 42 回日本血管外科学会学術総会(青森県、2014 年 5 月) 7) 山本高照、高橋耕平、月岡勝晶、河野哲也 心嚢内巨大腫瘤の1手術例 75 第 2 回信州若手循環器カンファレンス(松本市、2014 年 8 月) [2-論文/著書] 1) 高橋耕平、大橋伸朗、河野哲也、月岡勝晶 新しい大動脈治療 当院におけるステントグラフト留置術 諏訪赤十字医学雑誌 8:5-9, 2013 2) Toshihito Gomobuchi, Tetsuya Kono, Kouhei Takahashi, YuKo Wada, Daisuke Fukui, Jun Amano Hybrid thoracic endovascular aortic repair of ascending aortic pseudoaneurysm J Vasc Surg 59:1695-7, 2014 3) Daisuke Sugiyama, Shigeo Ikeno, Tetsuya Tsuchihashi, Shigeru Yokota, Hiroaki Ina, Tetsuya Kono, Kunihiko Tamashita, Mikito Kawamata Pulmonary alveolar hemorrhage from a pulmonary artery false aneurysm after Swan-Ganz catheterization in a thoracic aortic aneurysm patient Korean J Anesthesiol 67:346-9, 2014 [富士見高原医療福祉センター 富士見高原病院] [1-学会発表] 1) 安達 亙、後藤 敏、矢澤正信、井上憲昭 救急患者を断ることなく受け入れる地域中小病院での救急医療の成績 第 65 回長野県医学会(長野市、2014 年 7 月) 2) 小松 修、松下智人、安達 亙 当院における CT colonography の現状 第 65 回南信医学会(諏訪市、2014 年 10 月) 3) 安達 亙、後藤 敏、矢澤正信、井上憲昭 救急患者を断ることなく受け入れる地域中小病院での救急医療の現状と成績 第 63 回日本農村医学会総会(つくば市、2014 年 11 月) 4) 荻原園子、折井みゆき、安達 亙 グリセリン浣腸液の腸管腔外注入により、急性腎不全をきたした嵌頓痔核の 1 症例 第 63 回日本農村医学会総会(つくば市、2014 年 11 月) [2-論文/著書] 1) Komatsu O, Matsushita T, Kishimoto K, Adachi W. Transcatheter arterial embolization for uncontrolled bleeding during endoscopic submucosal dissection of the stomach. Clin J Gastroenterol 7:219-222, 2014 [前澤病院] [1-学会発表] 1) 福島優子、前澤 毅、麻沼和彦、小池綏男 Sister Mary Joseph's nodule を呈した膵癌の一例 第 65 回長野県医学会(長野、7 月) 2) 福島優子、前澤 毅、麻沼和彦、小池綏男、土屋眞一 急速に増大した若年性乳腺線維腺腫の一例 第 22 回日本乳癌学会(大阪、7 月) 76 [2-論文/著書] 1) 麻沼和彦、倉石 章、前澤 毅 気管切開チューブ交換:困難症例に対する金属ゾンデの役割 信州医学雑誌 62(4):245-247, 2014 2) 福島優子、前澤 毅、麻沼和彦、小池綏男 ister Mary Joseph's nodule を呈した膵癌の一例 S 長野県医学会雑誌 44, 2014 [町立辰野病院] [1-学会発表] 1) 柘植善明 18 年前の手術創に生じた大腸皮膚廔の 1 例 第 116 回信州外科集談会(松本、2014 年 6 月) 2) 柘植善明 腸悪性狭窄を伴う治癒切除不能直腸癌においてステント留置が有効であった 1 例 直 第 65 回長野県医学会(長野、2014 年 7 月) [2-論文/著書] (2013 年補追) 1) 柘植善明 卵巣嚢腫が大腿ヘルニア嵌頓を起こした 1 例 長野県医学会雑誌 44:26-27, 2013 [伊那中央病院] [1-学会発表] 1) 望月靖弘 初回化学療法により、緊張性気胸を来した乳癌肺転移の 1 例 第 15 回乳癌最新情報カンファランス(松本、2014 年 8 月) 2) 望月靖弘 初回化学療法後、緊張性気胸を来した乳癌多発肺転移の 1 例 第 11 回日本乳癌学会中部地方会(岐阜、2014 年 9 月) 3) 望月靖弘 甲状腺乳頭癌に合併していた顆粒細胞腫の 1 例 第 47 回日本甲状腺外科学会(福岡、2014 年 10 月) 4) 高砂敬一郎 当科で経験した特発性血気胸の検討 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、2014 年 5 月) 5) 竹田 哲、高砂敬一郎 気管支鏡生検で肺扁平上皮癌の診断であったが、肺小細胞癌と肺扁平上皮癌(Tis)の同時多発 癌であった症例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) [2-論文/著書] 1) 境澤隆夫、江口 隆、高砂敬一郎 結核性膿胸後の発症した胸壁血管肉腫の 1 例 77 日本呼吸器外科学会雑誌 28:898-903, 2014 [飯田市立病院] [1-学会発表] 1) 伊藤勅子、新宮聖士、前田知香、北沢将人、水上佳樹、牧内明子、平栗 学、北原博人、金子源吾 地方医療機関におけるがんの地域連携ならびに高度医療連携の実際と今後の展望 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、2014 年4月) 2) 平栗 学、持塚章芳、大上康広、前田知香、北沢将人、水上佳樹、堀米直人、高橋俊晴、岡庭信司、 中村喜行、尹 漢勝、金子源吾 興味深い臨床経過を示した膵管内乳頭粘液性腫瘍 (IPMN) 由来浸潤癌の 1 例 第 54 回消化器病学会甲信越地方会(新潟、2014 年 5 月) 3) 伊藤勅子、新宮聖士 甲状腺良性結節経過観察中に甲状腺癌と診断された症例の検討 第 26 回日本内分泌外科学会総会(名古屋、2014 年 5 月) 4) 杉本啓子、北沢将人、新宮聖士 最期まで治療に希望を持ち続ける癌患者とその思いを気遣う高齢の両親を支援することで終末 期の自宅療養を実現できた一例 第 19 回日本緩和医療学会学術大会(神戸、2014 年 6 月) 5) 新宮聖士、伊藤勅子、牧内明子、堀米直人、金子源吾 エリブリンの直後治療の有効性に関する検討 第 22 回日本乳癌学会学術総会(大阪、2014 年 7 月) 6) 伊藤勅子、新宮聖士 当院における subtype 別の術前化学療法の効果と予後の検討 第 22 回日本乳癌学会学術総会(大阪、2014 年 7 月) 7) 平澤路世、小池香代、吉澤京子、伊藤勅子、新宮聖士 患者と医療者が共有する乳がんパンフレットの検討 第 22 回日本乳癌学会学術総会(大阪、2014 年 7 月) 8) 伊藤勅子、新宮聖士、平栗 学、金子源吾、伊藤研一 飯田地域における BMI と乳癌発症リスクに関する検討 第 12 回日本臨床腫瘍学会学術集会(福岡、2014 年 7 月) 9) 新宮聖士、伊藤勅子、金子源吾 長期ゾレドロン酸投与からデノスマブ投与へ切り替えた乳癌多発骨転移例の検討 第 52 回日本癌治療学会学術集会(横浜、2014 年 8 月) 10) 堀米直人、岡庭信司、中村喜行 胆嚢摘出時における胆管損傷症例の検討 第 50 回日本胆道学会学術集会(東京、2014 年 9 月) 11) 新宮聖士、小松 哲、佐々木康綱 薬剤性肺障害の発症が診断の契機となった HER2 陽性乳癌肺転移・癌性リンパ管症の 1 例 第 38 回長野県乳腺疾患懇話会(松本、2014 年 11 月) 12) 前田知香、大上康弘、荻原裕明、小松 哲、水上佳樹、牧内明子、平栗 学、新宮聖士、堀米直人、 金子源吾 当院で最近経験した外傷性横隔膜ヘルニアの 2 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) 13) 山本悠太、服部 亮、大上康広、前田知香、荻原裕明、水上佳樹、平栗 学、堀米直人、金子源吾 CT で切り餅を回腸末端に同定し保存的治療により軽快した餅による食餌性イレウスの 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) 78 14) 細田清孝、平栗 学、大上康広、前田知香、荻原裕明、北沢将人、小松 哲、水上佳樹、牧内明子、 新宮聖士、堀米直人、金子源吾 カテーテル動脈塞栓術、膵体尾部脾合併切除術により救命し得た Hemosuccus pancreaticus 経 による出血性ショックの 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) 15) 河野真奈花、平栗 学、大上康広、前田知佳、荻原裕明、小松 哲、水上佳樹、牧内明子、新宮聖 士、堀米直人、金子源吾、伊藤信夫 胃明細胞癌の 1 例 第 76 回日本臨床外科学会総会(郡山、2014 年 11 月) [2-論文/著書] 1) 牧内明子、前田知香、金子源吾、伊藤信夫 後早期に局所再発・多発全身転移を来した胸腺悪性孤立性線維性腫瘍の1例 術 日本呼吸器外科学会雑誌 27(7):888-893, 2013 2) 北原博人、内野 学、岩澤 健 著明な有窓化を伴った大動脈四尖弁の1例 心臓 46(8):1090-1093, 2014 [市立甲府病院] [1-学会発表] 1) 宮澤正久 早期肺がんに対する外科治療 市立甲府病院 第 51 回地域医療連携勉強会(甲府、2014 年 1 月) 2) 千須和寿直 肝転移を伴った直腸癌に術前化学療法を施行した 1 例 大腸がん化学療法カンファレンス in 山梨(甲府、2014 年 1 月) 3) 松岡峻一郎、宮澤正久、樫本健太郎、小林洋明、三井文彦、角田 元、國友和善、千須和寿直、巾 芳昭、成松 巌 Nuss 手術後バー留置中に発症した両側同時性自然気胸の 1 例 第 40 回山梨総合医学会(山梨、2014 年 3 月) 4) 小林洋明、角田 元、松岡峻一郎、樫本健太郎、三井文彦、國友和善、宮澤正久、千須和寿直、巾 芳昭 科における腹腔鏡下ヘルニア根治術(TAPP)の短期手術成績 当 第 40 回山梨総合医学会(山梨、2014 年 3 月) 5) 角田 元、千須和寿直、松岡峻一郎、小林洋明、巾 芳昭、宮澤正久、國友和善、三井文彦、樫本 健太郎 自己拡張型金属ステント(Self-Expanding Metallic Stent:SEMS)留置後に待機手術をした大 腸癌の 1 例 第 40 回山梨総合医学会(山梨、2014 年 3 月) 6) 角田 元、千須和寿直、巾 芳昭、宮澤正久、國友和善、三井文彦、小林洋明、樫本健太郎、松岡 峻一郎 腹腔鏡下盲腸部分切除術を施行した虫垂粘液嚢胞腺癌の一例 第 40 回山梨総合医学会(山梨、2014 年 3 月) 7) 宮澤正久、松岡峻一郎、樫本健太郎、小林洋明、三井文彦、角田 元、國友和善、千須和寿直、巾 芳昭 高齢者肺癌手術例における術後早期呼吸機能の推移 ―若年者との比較― 79 第 114 回日本外科学会定期学術集会(京都、2014 年 4 月) 8) 宮澤正久、松岡峻一郎、樫本健太郎、小林洋明、三井文彦、角田 元、國友和善、千須和寿直、巾 芳昭 高齢者(80 歳以上)肺癌手術例の検討―術後合併症と予後について― 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、2014 年 5 月) 9) 松岡峻一郎、宮澤正久、樫本健太郎、小林洋明、三井文彦、角田 元、國友和善、千須和寿直、巾 芳昭 EGFR-TKI 奏効進行肺癌に対する外科治療 第 31 回日本呼吸器外科学会総会(東京、2014 年 5 月) 10) 松岡峻一郎、宮澤正久 Nuss 手術後バー留置中に発症した両側同時性自然気胸の 1 例 第 5 回上甲信越呼吸器外科懇談会(群馬、2014 年 7 月) 11) 樫本健太郎、小林洋明、松岡峻一郎、三井文彦、角田 元、國友和善、千須和寿直、宮澤正久、巾 芳昭 腹部腫瘤を契機に発見された、胃壁内転移を伴う早期胃癌の 1 例 第 69 回日本消化器外科学会総会(郡山、2014 年 7 月) 12) 千須和寿直 腹腔鏡下直腸切除術 第 3 回山梨腹腔鏡下手術勉強会(甲府、2014 年 9 月) 13) 角田 元、千須和寿直、巾 芳昭、宮澤正久、國友和善、三井文彦、小林洋明、樫本健太郎、松岡 峻一郎 腹腔鏡下盲腸部分切除術を施行した虫垂粘液嚢胞腺癌の一例 第 27 回日本内視鏡外科学会総会(盛岡、2014 年 10 月) 14) 松岡峻一郎、千須和寿直、樫本健太郎、小林洋明、三井文彦、角田 元、國友和善、宮澤正久、巾 芳昭 腹腔鏡下手術を施行した中腸軸捻転を伴う成人腸回転異常症の1例 第 27 回日本内視鏡外科学会総会(盛岡、2014 年 10 月) 15) 宮澤正久、松岡峻一郎、樫本健太郎、小林洋明、三井文彦、角田 元、國友和善、千須和寿直、巾 芳昭 原発性肺癌切除例における他臓器重複癌症例の検討 第 55 回日本肺癌学会学術集会(京都、2014 年 11 月) 16) 松岡峻一郎、宮澤正久、樫本健太郎、小林洋明、三井文彦、角田 元、國友和善、千須和寿直、巾 芳昭 軟骨腫の1例 肺 第 55 回日本肺癌学会学術集会(京都、2014 年 11 月) [佐久総合病院佐久医療センター] [1-学会発表] 1) 新津宏和、川合雄二郎、成瀬 瞳、濱 元拓、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明、竹村隆広 ABG における内視鏡下大伏在静脈採取の初期および中期成績の検討 C 第 44 回日本心臓血管外科学会学術総会(熊本、2014 年 2 月) 2) 白鳥一明、竹村隆広、津田泰利、豊田泰幸、濱 元拓、成瀬 瞳、新津宏和 心臓大血管手術術後胆嚢炎に関する検討 第 44 回日本心臓血管外科学会学術総会(熊本、2014 年 2 月) 3) 豊田泰幸、川合雄二郎、新津宏和、成瀬 瞳、濱 元拓、津田泰利、白鳥一明、竹村隆広 ヘパリン抵抗性にて開心術中止を余儀なくされた VSD の一例 80 第 141 回日本胸部外科学会関東甲信越地方会(東京、2014 年 3 月) 4) 能見英智、濱 元拓、川合雄二郎、新津宏和、成瀬 瞳、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明、竹村隆 広 鎖骨下動脈を Inflow とした MICS-CABG を施行した一例 左 第 141 回日本胸部外科学会関東甲信越地方会(東京、2014 年 3 月) 5) 新津宏和、川合雄二郎、成瀬 瞳、濱 元拓、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明、竹村隆広 ステントグラフト内挿術(EVAR)後の脚閉塞 4 例の経験 第 42 回日本血管外科学会学術総会(青森、2014 年 5 月) 6) 竹村隆広、川合雄二郎、成瀬 瞳、新津宏和、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明 TEVAR 後遠隔期追加治療を要した症例の検討 第 42 回日本血管外科学会学術総会(青森、2014 年 5 月) 7) 津田泰利、川合雄二郎、新津宏和、成瀬 瞳、濱 元拓、豊田泰幸、白鳥一明、竹村隆広 モグラフトを用いた大動脈弁位感染性心内膜炎に対する大動脈基部置換術の検討 ホ 第 42 回日本血管外科学会学術総会(青森、2014 年 5 月) 8) 竹村隆広、小金澤昌嗣、増野麻美、野水伸也、依田尚美、中島浩美 心臓血管外科周術期地域連携医療の質向上をめざして 第 16 回日本医療マネジメント学会学術総会(岡山、2014 年 6 月) 9) 新津宏和、川合雄二郎、濱 元拓、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明、竹村隆広 当院における内視鏡下大伏在静脈採取の初期・中期成績の検討 第 19 回日本冠動脈外科学会学術大会(東京、2014 年 7 月) 10) 竹村隆広、川合雄二郎、成瀬 瞳、新津宏和、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明 急性冠症候群に対する緊急 CABG の成績と適応の検討 第 19 回日本冠動脈外科学会学術大会(東京、2014 年 7 月) 11) 津田泰利、川合雄二郎、新津宏和、豊田泰幸、白鳥一明、竹村隆広 Skeletonization 法で採取した胃大網動脈をもちいた冠動脈バイパス手術の術後早 - 中期期成績 に関する検討 第 19 回日本冠動脈外科学会学術大会(東京、2014 年 7 月) 12) 津田泰利、川合雄二郎、新津宏和、豊田泰幸、白鳥一明、竹村隆広 病棟専任の医師事務作業補助者と薬剤師の導入による医師の病棟業務軽減化の取り組み 第 67 回日本胸部外科学会定期学術集会(福岡、2014 年 10 月) 13) 新津宏和、川合雄二郎、濱 元拓、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明、竹村隆広 当院における植込み型補助人工心臓の臨床経験 第 52 回日本人工臓器学会大会(札幌、2014 年 11 月) 14) 津田泰利、川合雄二郎、新津宏和、豊田泰幸、白鳥一明、竹村隆広 術前より PCPS による補助循環を要した開心術 5 症例の検討 第 52 回日本人工臓器学会大会(札幌、2014 年 11 月) 15) 豊田泰幸、竹村隆広、白鳥一明、津田泰利、新津宏和、河合俊輔、川合雄二郎 冠動脈病変を合併した AS に対する AVR,CABG 同時施行手術成績の検討 第 28 回冠疾患学会学術集会(東京、2014 年 12 月) 16) 川合雄二郎、新津宏和、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明、竹村隆広 当院における維持透析患者に対する CABG の検討 第 28 回冠疾患学会学術集会(東京、2014 年 12 月) 17) 竹村隆広、川合雄二郎、新津宏和、豊田泰幸、津田泰利、白鳥一明 MICS CABG の経験と拡大への課題 第 28 回冠疾患学会学術集会(東京、2014 年 12 月) 18) Takahiro T, Yujirou K, Hirokazu N, Gentaku H, Yasuyuki T, Yasutoshi T, Kazuaki S The Freestyle stentless bioprosthesis: echocardiographic performance over 10 years. 81 2st Annuak Meeting of the Asian Society for Cardiovascular and thoracic Surgery (Istanbul, 2 2014/4/3-6) 19) Takahiro T, Yujirou K, Hirokazu N, Gentaku H, Yasuyuki T, Yasutoshi T, Kazuaki S 3D endoscopic harvesting of internal thoracic artery using harmonic scarpel. 2014 Internatinal Society for Minimally Invasive Cardiothoracic Surgery Annual Meeting (Boston, 2014/5/28-31) [信州上田医療センター] [1-学会発表] 1) 梅咲徹也、江口 隆、冨永義明、吾妻寛之、久米田浩孝、寺田志洋、中村大輔、境澤隆夫、砥石政 幸、椎名隆之、吉田和夫 腫瘍増大速度は肺腺癌の再発予測因子である 第 67 回日本胸部外科学会(福岡、2014 年 9 月) 82 Morning Conference 1/ 14 第 317 回 中原 孝 内腸骨動脈塞栓と伴う EVAR において臀筋跛行と近赤外分光法を用いた臀筋血流の検討 1/ 28 第 318 回 境澤 隆夫 発癌および癌の進展過程における ASC の関与 ~特に IQGAP1 との相互作用について~ 2/ 25 第 319 回 中村 輝郎 甲状腺未分化癌の分子標的開発に向けた EpCAM の機能解析 4/ 15 第 320 回 和田 有子 虚血性心血管疾患の嫌気的環境を標的とした嫌気性菌ベクター ~ B.Longum 菌を DDS として用いた疾患部位選択的な新規虚血性疾患治療薬の開発研究~ 5/ 20 第 321 回 福島 優子 乳癌におけるエピジェネティックな修飾の一つである脱メチル化の意義 6/3 第 322 回 五味渕 俊仁 心移植拒絶反応と OGG1 6/ 17 第 323 回 家里 明日美 甲状腺未分化癌の発症機序の解明をめざして 7/1 第 324 回 張 萌 CPFE(Combined pulmonary fibrosis and Emphysema)and Lung Cancer 7/ 15 第 325 回 大橋 伸朗 Mini-circuit 人工心肺中における血小板機能 ~従来型人工心肺との比較検討~ 7/ 29 第 326 回 砥石 政幸 7 ㎜以下の脈管に対する vessel-sealing device の有効性 原発性肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除術におけるランダム化比較試験 9/ 15 第 327 回 境澤 隆夫 発癌および癌の進展過程に対する ASC の影響 9/ 29 第 328 回 大場 崇旦 タモキシフェン耐性乳癌細胞株における 5-FU に対する感受性変化の機序の解析 10 / 14 第 329 回 中村 輝郎 甲状腺未分化癌の分子標的開発に向けた EpCAM の機能解析 83 10 / 27 第 330 回 中原 孝 内腸骨動脈塞栓と伴う EVAR において臀筋跛行と近赤外分光法を用いた臀筋血流の検討 11 / 11 第 331 回 吾妻 寛之 EGFR 遺伝子変異を有する根治切除術後再発非小細胞肺癌を対象としたアファチニブの認容 性と有効性の検討 ~ Phase Ⅱ study ~ 12 /9 第 332 回 福島 優子 DNA 脱メチル化経路における中間代謝物である 5-hmC 発現の乳癌における意義 84 学位論文 2014年 ◆ 1 ◆ Coexpression of EpCAM, CD44 variant isoforms and claudin-7 in anaplastic thyroid carcinoma (甲状腺未分化癌において EpCAM、CD44 variant isoforms と claudin-7 は共発現する) 岡田 敏宏 公表紙:PLoS One; 9(4), 2014 ◆ 2 ◆ Platelet Function during Cardiopulmonary Bypass using Multiple Electrode Aggregometry: Comparison of Centrifugal and Roller Pumps (Multiple Electrode Aggregometry を用いた人工心肺中の血小板機能の検討:遠心ポンプとローラーポ ンプの比較) 毛原 啓 公表紙:Artificial Organs; 38(11) 924-930, 2014 ◆ 3 ◆ Surgical Outcomes of Acute type A Aortic Dissection in Elderly Patients (高齢者急性 A 型大動脈解離の手術成績) 公表紙:The Annals of Thoracic Surgery; 97(5) 1576-1581, 2014 駒津 和宜 ◆ 4 ◆ Clinical Results and Pump Analysis of the Gyro Pump for Long-term Extracorporeal Life Support (ジャイロポンプを用いた長期体外循環の臨床成績とポンプの解析) 公表紙:Artificial Organs; 37(9) 810-815, 2013 寺崎 貴光 85 ◆ 5 ◆ Usefulness of vessel-sealing devices for ≤7 mm diameter vessels: a randomized controlled trial for human thoracoscopic lobectomy in primary lung cancer. (7 ㎜以下の脈管に対する vessel-sealing device の有用性:原発性肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除術にお けるランダム化比較試験) 公表紙:Interactive Cardiovascular and Thoracic Surgery; 19(3) 448-455, 2014 砥石 政幸 ◆ 6 ◆ Association of nuclear YB-1 localization with lung resistance-related protein and epidermal growth factor receptor expression in lung cancer (肺癌における YB-1 の核内局在と LRP、EGFR の発現との関連) 公表紙:Clinical Lung Cancer; 13(5) 375-384, 2012 86 兵庫谷 章 【論文の要旨】 Coexpression of EpCAM, CD44 variant isoforms and claudin-7 in anaplastic thyroid carcinoma (甲状腺未分化癌において EpCAM、CD44 variant isoforms と claudin-7 は共発現する) 岡田 敏宏 【はじめに】 甲状腺未分化癌は極めて悪性度が高い腫瘍であるが、その高い悪性度の要因や、未分化癌が分化癌か ら生じてくる未分化転化の機序は、未だ解明されていない。今回我々は、様々な悪性腫瘍で悪性度との 相関が認められ、癌幹細胞のマーカーの一つとも考えられている EpCAM とその関連因子である CD44 variant isoforms および claudin-7 に着目し、ALDH1 酵素活性との比較も加え解析した。 【方法】 甲状腺乳頭癌細胞株 TPC1、濾胞癌細胞株 FTC133、未分化癌細胞株の FRO、ACT-1 について、細 胞表面マーカーである CD44 の standard form(CD44s)および variant isoform(CD44v3、CD44v6)、 EpCAM の発現、および ALDH1 酵素活性を、FACS と蛍光免疫染色で解析した。また、これらの因子 と claudin-7 の mRNA 発現を定量的 RT-PCR 法で解析し、さらに、臨床甲状腺癌組織の免疫組織染色で 発現を解析した。 【結果】 ⑴ EpCAM と CD44s, CD44v3, CD44v6 の発現の比較:EpCAM は未分化癌細胞株で高発現を認め、分化 癌細胞株では発現が認められないか、極めて低い発現が認められた。CD44s は分化癌細胞株で高発現 を認めたが、未分化癌細胞株ではその発現は低かった。一方、CD44 の variant isoform では、未分化 癌細胞株で variant 3 および 6 の発現を認めたが、分化癌細胞株では発現を認めなかった。 ⑵ EpCAM と CD44s の発現の比較:FACS 解析では、未分化癌細胞株では EpCAM の高発現と CD44s の低発現を認め、両者の発現には逆相関が認められた。蛍光二重染色の観察では、CD44s の発現は分 化癌細胞株で高く、未分化癌細胞株では低発現を示し、一方 EpCAM の発現は、分化癌細胞株では認 められず、未分化癌細胞株の CD44s が低発現の細胞でのみその発現が認められた。 ⑶ EpCAM, claudin-7 の mRNA および蛋白の発現の比較:EpCAM およびこれと直接結合することによ り Wnt シグナル伝達に関与する claudin-7 の発現を、RT-PCR 法およびウェスタンブロット法で解析 した。未分化癌細胞株では、EpCAM、claudin-7 のいずれも、分化癌細胞株に比し有意な発現の増加 を認めた。 ⑷ A LDH1 酵素活性と mRNA 発現解析の比較:分化癌細胞株では ALDH1 酵素活性を有する細胞は認 められず、未分化癌細胞株では、高い ALDH1 酵素活性を有する細胞を多く認めた。また、未分化癌 細胞株では、ALDH1 mRNA の有意な発現増加を認めた。 ⑸ A LDH1 酵素活性と CD44s の発現の比較:FACS 解析では、ALDH1 酵素活性と CD44s の発現には 逆相関を認め、蛍光二重染色での観察では、CD44s 高発現の細胞は ALDH1 酵素活性が低く、逆に ALDH1 酵素活性が高い細胞では CD44s の発現が低いことが観察された。未分化癌細胞株では ALDH1 酵素活性は高く、CD44s は低発現を示した。 ⑹ ALDH1 酵素活性と EpCAM の発現の比較:未分化癌細胞株では、ALDH1 酵素活性、EpCAM 発現 ともに高く、ALDH1 酵素活性と EpCAM には強い正の相関が認められた。蛍光二重染色では、未分 化癌細胞株にのみ ALDH1 酵素活性、EpCAM 発現共に高い細胞が認められ、ALDH1 酵素活性が高 い細胞での EpCAM の共発現が観察された。 ⑺甲状腺癌臨床検体の免疫染色での解析:未分化癌では、EpCAM の核での発現が分化癌より有意に多 87 く認められ、未分化癌で CD44s の発現が低く、CD44v6 の発現が高い傾向が認められた。また、未分 化癌では CD44s 低発現かつ CD44v6 高発現を示す症例が認められたが、分化癌では認められなかっ た。 【考察】 EpCAM、CD44 variant isoforms、claudin-7 が複合体を形成して腫瘍の悪性度や増殖を促進している可 能性が他癌で報告されているが、今回の我々の解析でも、甲状腺未分化癌細胞株で、EpCAM と claudin-7 の高発現、CD44s の発現低下と variant forms の発現増加や高い ALDH1 酵素活性が認められ、臨床検 体でも EpCAM や CD44v6 では同様の傾向が認められ、甲状腺未分化癌では EpCAM とその関連因子や 高い ALDH1 酵素活性が、この癌の高い悪性度に関与している可能性が推測され、これらの因子が新規 治療戦略開発に繋がる可能性が考えられる。 88 Platelet Function during Cardiopulmonary Bypass using Multiple Electrode Aggregometry: Comparison of Centrifugal and Roller Pumps (Multiple Electrode Aggregometry を用いた人工心肺中の血小板機能の検討:遠心ポンプとローラーポン プの比較) 毛原 啓 【背景】 体外循環において遠心ポンプはローラーポンプと比べ血球成分の破壊が少ないと言われているが、血 小板機能について検討した報告は少ない。Multiple electrode aggregometry(MEA)は全血での血小板 凝集能検査で、人工心肺下での血小板機能の検討に用いられてきている。今回我々はブタを用いて、遠 心ポンプとローラーポンプの 2 群間で体外循環における血小板機能を MEA により検討した。 【方法】 生後約 2 か月、体重約 50 ㎏の White-Landrace×Duroc ブタ 5 匹に遠心ポンプ(CP group)、5 匹 にローラーポンプ(RP group)を送血ポンプとした人工心肺を装着した。遠心ポンプには Gyro pump (Medtronic Japan) 、ローラーポンプは Heart Assist System(泉工医科工業)、人工肺は Affinity (Medtronic Japan)を使用した。人工心肺は流量 2l/min で 3 時間駆動し、人工心肺終了後 1 時間で実験 終了とした。MEA、ヘモグロビン(Hb)、血小板数(PLT)は胸骨切開前、ヘパリン注入後、人工心肺 開始 30 分後、人工心肺終了時、プロタミン注入後、人工心肺終了 1 時間後に測定した。フィブリノーゲ ン(Fib) 、血小板因子 4(PF4)、beta-thromboglobin (beta-TG) は胸骨切開前と人工心肺終了 1 時間後に Ⓡ 測定した。血小板機能測定には Multiplate (Dynabyte, Germany)を用い、血小板凝集の試薬にアデノ シン二リン酸(ADP test)、アラキドン酸(ASPI test)、Thrombin receptor activation protein(TRAP test)を使用した。 【結果】 ADP test では、人工心肺開始 30 分後で CP group 55.4 ± 9.6 U(p=0.019), RP group 53.8±17.8 U (p=0.007) と両群共に最も低下し、その後人工心肺時間の長さと共に低下し続けることはなかった。ASPI test も同様に人工心肺 30 分後で CP group 53.6 ±10.8 U(p=0.012)、RP group 56.8 ± 20.9 U(p=0.016) と最も低値となった。TRAP test も ASP test, ASPI test と同様な時間経過であったが変化は有意ではな かった。3 種類の試薬の全測定ポイントにおいて両群間で有意差を認めなかった。PLT は実験を通じて 両群間で有意差を認めなかった。 Fib、PF4、B-TG は人工心肺前後で有意差なく、また両群間において も有意差は認めなかった。Hb は両群で人工心肺終了時から胸骨切開前と比較して有意に低値となった。 【考察】 血小板アゴニストとして ADP、アラキドン酸、TRAP を用いたが、活性化にプロテアーゼを介さない ADP、アラキドン酸とプロテアーゼを介する TRAP に分けられる。今回、プロテーゼを介さない ADP test, ASPI test で有意差を認めており、この経路が人工心肺中の血小板凝集能低下に関係している可能 性がある。 両群において人工心肺開始後 30 分で血小板凝集能は最も低値となり、その後は改善傾向であった。こ れより、人工心肺中の血小板凝集能の低下はポンプ開始直後の血液の希釈や異物面との接触が主要な要 因であると考えられる。今回同時に施行した Hb の推移では同測定ポイントで有意な低下はなく、また Hb と MEA の結果に関連性は見いだせなかった。以上より、人工心肺中の血小板凝集能低下には血液希 釈よりも異物面との接触が大きく関与していると考えられ、遠心ポンプと人工心肺チューブの原材料で あるポリカーボネイト、ポリビニルクロライドが血液との接触により血小板を活性化することが報告さ 89 れている。 血小板凝集能に遠心ポンプとローラーポンプで有意差を認めなかった。従来の両ポンプ間の血小板機 能の検討はその多くが CABG 症例であり、他の要素(血液リザーバーや吸引回路)の影響を無視するこ とはできない。本症例はブタを用い、送血ポンプ以外の要素はできる限り排除した。現在ヨーロッパで は高価な遠心ポンプの使用は 10% のみと言われており、我々の結果もこれを支持する。 【結語】 MEA を用いた血小板機能測定では遠心ポンプとローラーポンプ間で有意差を認めなかった。また、人 工心肺開始 30 分後で最も低下し、人工心肺時間とともに低下し続けることはなかった。人工心肺中の血 小板機能低下は送血ポンプの種類に関係なく、人工心肺開始直後の異物面との接触の影響が大きいと考 えられた。 90 Surgical Outcomes of Acute type A Aortic Dissection in Elderly Patients (高齢者急性 A 型大動脈解離の手術成績) 駒津 和宜 【背景と目的】 急性 A 型大動脈解離(aTAAD)に対する手術では高齢は risk factor の一つと考えられ、70 歳以上の aTAAD 手術での死亡率は 16.1-37.5%と報告されている。高齢者 aTAAD に対する手術戦略は議論のあ るところだが、Hemiarch 置換術(HAR)、部分弓部置換術(PAR)、全弓部置換術(TAR)のいずれか が術者によって選択される。2004 年以降、当院では 70 歳以上の高齢者 aTAAD 症例に対しては entry 切除を目的として可能な限り HAR や PAR を選択し低侵襲化を図った。今回、この戦略に則って治療し た高齢者 aTAAD 症例の手術成績について検討した。 【対象と方法】 2004 年 1 月~ 2012 年 4 月に当院で手術を施行した aTAAD 症例 156 例のうち 70 歳以上の 59 例を対象 として、HAR+PAR 群と TAR 群で患者背景、手術手技、早期・中期成績を比較検討した。また、follow up CT で弓部~下行大動脈の解離残存の有無・最大径の変化についても検討した。手術は、血栓閉塞型 で偽腔の厚さ 10 ㎜以下の症例を除き、全例で緊急手術を行い、高齢者 aTAAD 症例では entry 切除を最 重視し、上行大動脈または弓部小弯に entry を確認した場合もしくは観察可能範囲に entry を認めなか った場合には HAR を、小弯以外の弓部に entry を確認した場合に PAR を、左鎖骨下動脈付近に entry を確認した場合には TAR を各々選択した。 【結果】 2 群間で性別・年齢など患者背景に有意差は認められなかった。手術手技は HAR47 例、PAR4 例、 TAR8 例で、全体での entry 切除率は 94.9%、14 例で併施手術を要した。手術時間に関しては、手術時 間は両群間に有意差を認めなかったが体外循環時間および脳分離体外循環時間において HAR+PAR 群 で有意に短かった。早期成績は、両群合わせて 4 例の在院死亡があり、いずれも解離による冠動脈潅流 不全に伴う急性心筋梗塞から低拍出量症候群に至ったことが原因であった。在院日数は HAR+PAR 群 37.0 ± 17.9 日、TAR 群 68.4 ± 37.4 日で、両群間に有意差は認めなかったが HAR+PAR 群で短い傾向に あった。Figure1 に全生存曲線および大動脈関連イベント回避曲線を示した。Follow up CT28 例中で 18 例で解離が残存しており、18 例中 10 例で偽腔開存していた。最大径は、残存群は 2.5±1.1 年で+ 2.83± 4.58 ㎜、非残存群は 2.2 ± 0.8 年で+ 1.00±1.25 ㎜で、両群間に有意差は認めなかった。 【考察】 高齢者 aTAAD 症例の手術成績は 2002 年に 43%、2010 年に 38.2% と報告されており、これらと比較 して当院の成績は良好であった。70 歳以上の症例においては平均余命を考慮すると弓部の残存解離が予 後に影響する可能性は低いと考え、我々は entry 切除に主眼を置いた治療戦略で積極的に HAR または PAR を選択している。早期死亡に関する有意差はなかったが体外循環時間と脳分離体外循環時間は有意 に HAR+PAR 群で短く、在院期間も短い傾向にあった。今回の検討で、術中脳梗塞発症率が 25.4%であ り諸家の報告 6.7-22.7%より高かったが、2010 年以降、脳分離体外循環流量を送血圧 30mmHg 以上、両 側前頭葉の経皮的酸素飽和度 40%以上を指標に 20ml/kg/ 分まで増量することにより 2010 年以降の脳 梗塞発症率は 4.8%と改善し、近年の報告 8.9-9.8%よりも良い成績であった。また、手術時間、心停止時 間、循環停止時間が術中脳梗塞の risk factor であると報告されている。今回の検討で、脳梗塞の有無で の 2 群比較を行うと、手術時間と心停止時間が脳梗塞発症群で有意に長く、これらの報告と合致する結 果となった。 91 術後 12 ヶ月以上の経過で CT follow した 28 例の検討では平均 2.4 年の経過中に下行大動脈が 2.2 ㎜増 大しており、諸家の報告と同程度の変化であった。残存解離の有無による 2 群間比較では瘤の増大に有 意差を認めなかった。Entry 残存、偽腔開存、幅広な偽腔が瘤化に影響し遠隔期生存率を低下させると 報告されており、Entry を切除し偽腔を縮小化することが重要と考えられた。 本検討では再手術率 2.3%、再手術 5 年回避率 96.36%であり、初回手術時平均年齢 77 歳と日本人平均 余命を考慮すると満足のいく結果であり、70 歳以上の症例に HAR・PAR を施行することは合理的と考 えられた。 【結語】 高齢者 aTAAD に対する我々の手術戦略は死亡率が低く良好な成績であった。entry 切除に主眼を置 いた手術戦略で、再手術や大動脈関連死の危険性を増すことなく死亡率を低減することができた。 92 Clinical Results and Pump Analysis of the Gyro Pump for Long-term Extracorporeal Life Support (ジャイロポンプを用いた長期体外循環の臨床成績とポンプの解析) 寺崎 貴光 【目的】 Gyro pump は通常の開心術で、主に 6 時間以下の使用を目的として市販されている遠心ポンプである が、抗血栓性にすぐれ長期間使用に適した構造上の特徴を有しており、当科では Gyro Pump を用いた 回路で長期心肺補助を行っている。 今回、Gyro pump により 4 日以上の長期心肺補助を行った症例について、その臨床成績と使用したポ ンプの解析を行い、Gyro pump の長期使用の可能性について検討を行った。 【対象と方法】 Gyro pump はインペラーをポリカーボネイトの外殻で覆い、ポンプ内に Double pivot bearing system を有することで完全なシールレス構造をとっている。インペラーには上下に vane を作成することで血 流の停滞を防ぎ、結果として抗血栓性に優れた形態を有している遠心ポンプである。 2008 年 4 月から 2012 年 3 月の間、Gyro pump を長期補助として使用した 7 症例 15 回路を対象とし、 レトロスペクティブに早期成績と回路状況、補助期間の血液検査結果を検討した。長期心肺補助導入と なった原因は、開心術後の低心拍出量症候群 4 例、急性心筋梗塞 2 例、心筋炎 1 例であった。6 症例は左 心補助として、1 症例は LVAD 装着時の右心補助として用いた。また、すべての回路は使用後に観察・ 検査を行い、内 6 回路は走査電子顕微鏡で軸と軸受け部分の観察を行った。なお、補助期間中の ACT は 180 秒以上を目標とし、人工肺出口の動脈血酸素分圧は 200mmHg を維持するよう調節した。回路交 換の理由は人工肺の酸素化不良、ポンプの異音、回路内の血栓形成とした。 【結果】 7 症例すべて心肺補助導入時は人工呼吸管理を要する状態であった。2 例は心停止を契機に、残りの 5 例はショック状態での導入であったが、全症例で心肺補助開始後に速やかにショックを脱した。2 症例 は心肺補助を離脱し退院、右心補助を行った 1 例は拍動型心室補助装置に切り替えて生存したが、残り の 4 症例は心肺補助から離脱できず死亡し、死亡率は 57.1%であった。回路交換期間は平均 10.5±7.2 日、 平均補助期間は 22.6 ± 16.4 日であった。回路交換は症例 1 で 4 回、症例 2、4、6、7 で 1 回の計 8 回で、 交換理由は酸素化能低下 5 回路、その他は人工肺の血栓、追加手術、感染であった。ACT は平均 188 秒 で、回転数は 2262 ± 604 回 / 分、流量は 2.4±0.6 L/ 分であった。AST、LDH は重症な患者背景を反映 して導入時は高値であったが心肺補助開始後はいずれも速やかに低下し、開始 4 日後には概ね AST < 100IU、LDH < 1000IU 以下に維持可能であった。AST, LHD の値と補助期間には相関関係は認められ 2 2 なかった(AST R =0.043, LHD R =0.12)。使用後の観察で 2 つのポンプの軸周辺に血栓形成を認めた。 うち一方は ACT 低値(141 ± 23 秒)、もう一方は低回転(1143±173 回 / 分)であった。電子顕微鏡で の 6 ポンプの解析では、軸受け部の摩耗は上部で 0.02 ± 0.03 ㎜、下部では 0.00 ± 0.00 ㎜であった。軸 2 受け部の摩耗と補助期間の相関は認めなかった( R =0.005)。 【考察】 心肺補助はショックに陥ったのち速やかに導入したにもかかわらず mortality は 57.1%と高かった。文 献上も mortality は 54-66%と高く、長期心肺補助が必要となる症例の救命は依然困難な状況にある。し かしながら Gyro pump の平均補助期間は 10 日を超え、他の遠心ポンプを使用した場合の平均期間(2.2 - 3.8 日)の報告を上回る結果であった。この検討から Gyro pump による長期心肺補助の有用性が示唆 されたと考える。 93 AST、LDH 値は補助開始後 4 日には低下し、補助期間中やや高値にとどまったが補助期間と値の相関 は認めなかった。15 回路中 2 回路で LDH のみ再上昇を認めたが、AST 値は全症例で再上昇を認めず、 LDH 再上昇の原因は個々の症例の重症度によるものと判断した。このことから Gyro pump の血球障害 性の低さが伺えた。 使用後ポンプの解析で血栓を 2 つのポンプで認めたが、軸上部に認めたポンプでは出血コントロール のためヘパリン投与が不十分で ACT 値が低かったことが、また下部の軸周辺に血栓を認めたポンプで は低回転であったことが原因と考えられた。走査電子顕微鏡を用いた検討で上部軸受けに 0.02 ± 0.03 ㎜ の摩耗を認めた。摩耗の程度は大動物を用いた 14 - 33 日間の長期補助の報告と同程度で、このポンプ の長期臨床使用の可能性が示唆された。 【結語】 低心拍出症候群に至った症例の救命は依然困難ではあるが、Gyro pump による心肺補助は、適切な抗 凝固療法下で長期補助可能な device であると考える。 94 Usefulness of vessel-sealing devices for ≤7 mm diameter vessels: a randomized controlled trial for human thoracoscopic lobectomy in primary lung cancer. (7mm 以下の脈管に対する vessel-sealing device の有用性:原発性肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除術にお けるランダム化比較試験) 砥石 政幸 【背景と目的】 近年、肺葉切除術のアプローチとして胸腔鏡下手術が普及したが、小さな操作孔を介して行う結紮は 容易ではない。術者に多大なストレスを与え、場合によっては不完全な結紮、不適切な電気メス使用、 牽引による損傷を招き、出血やリンパ瘻を生じる。Vessel Sealing Device(VSD)は既に様々な手術で 使用されている。胸腔鏡下手術においても結紮の回数を減少させ、細径の血管、リンパ管のより確実な 処理を可能にさせる Device であるが、ヒトの胸腔鏡下肺葉切除術において、それを立証した報告は少 ない。今回我々はより安全で簡便で経済的な胸腔鏡下肺葉切除術の確立を目指し、VSD の有用性の検討 を行った。 【対象と方法】 2011 年 4 月から 2013 年 3 月まで、当科で原発性肺癌に対する胸腔鏡下肺葉切除術及び 2 群リンパ節 郭清を予定された患者を対象に、VSD 使用群(EnSeal 群、LigaSure 群、Harmonic 群)と VSD 非使用 群(control group:結紮と従来の電気メス使用のみ)に、単純無作為に割り付けを行い解析した。主要 評価項目は VSD または結紮で処理した肺動脈断端の破綻圧(切除標本を用いて測定)、手術時間、術中 出血量、自動縫合器の使用回数、術中の術者ストレス(Visual Analog Scale にて評価)、術後ドレーン 排液量、術後ドレーン留置期間である。各 VSD 使用群間での比較も行った。 【結果】 VSD 使用群 44 例(EnSeal 群 17 例、LigaSure 群 15 例、Harmonic 群 12 例)、VSD 非使用群 14 例が 解析対象となった。各群の症例背景に有意差は認めなかった。肺動脈切除断端破綻圧は、VSD 処理断端 309 ± 193 mmHg に対して結紮処理断端は 1142 ± 486 mmHg で、結紮処理断端の破綻圧が有意に高か った(p < 0.0001)。また 5 mm 未満の VSD 処理断端の破綻圧(351 ± 187 mmHg)は、5 mm 以上の それ(254 ± 191 mmHg)に対して有意に高かった(p = 0.0421)。しかし、いずれの群、及びいずれの 血管径における破綻圧も、生理的肺動脈圧に十分に耐えうる強度を有していた。臨床データの比較では VSD 使用群は有意に術中出血量を減少させ(122 ± 98 ml 対 217 ± 157ml、p = 0.0241)、術者ストレス を軽減し(47 ± 20 対 69 ± 16、p=0.0002)、術後ドレーン排液量を減少させ(437±213ml 対 613±320ml、 p=0.0358) 、術後ドレーン留置期間を短縮した(4.1 ± 2.0 日対 5.7 ± 3.1 日、p = 0.0449)。手術時間と自 動縫合器の使用回数に有意差は認めなかった。各 VSD 使用群間の比較では、全ての項目で有意差を認 めなかった。本試験に enrollment した患者に重篤な周術期合併症、手術関連死亡はなかった。 【結語】 原発性肺癌に対する 2 群リンパ節郭清を伴う胸腔鏡下肺葉切除術において、VSD は安全で簡便に使用 でき有用である。各 VSD 間で臨床上の優劣は認めず、その選択は術者の使用感を優先し、よりストレ スなく手術を行うことが重要であると考えられた。 95 Association of nuclear YB-1 localization with lung resistance-related protein and epidermal growth factor receptor expression in lung cancer (肺癌における YB-1 の核内局在と LRP、EGFR の発現との関連) 兵庫谷 章 【背景】 YB-1 は、癌細胞における細胞増殖、DNA 複製、薬剤耐性などに重要な役割を果たす転写因子で、抗 がん剤、紫外線などのストレスに反応して活性化されることが知られている。LRP は doxorubicin 耐性 の肺癌の cell line で発現の亢進が発見された蛋白で、細胞内の標的より薬剤を運び出すことにより、薬 剤耐性機構に寄与すると考えられている。LRP は乳癌、卵巣癌で予後不良因子であることが報告されて いる。EGFR は細胞膜に存在する糖蛋白で、epidermal growth facter などの特異的なリガンドと結合す ることにより活性化され、腫瘍細胞の増殖を亢進し、アポトーシス、血管新生、浸潤を抑制すると言わ れている。また、EGFR の過剰発現は、非小細胞肺癌の予後不良因子であることが報告されている。最 近大腸癌で、YB-1 が LRP の発現を上昇させることが報告された。また、乳癌において、YB-1 の欠損が EGFR の発現を抑制することが報告された。本研究の目的は、原発性肺癌において、YB-1 が LRP 及び EGFR の発現と相関するか、さらに YB-1 の核内局在、LRP、EGFR の発現が肺癌の予後と関連するか どうかを解明することである。 【対象と方法】 信州大学病院にて 2000 年から 2001 年に手術を行った非小細胞肺癌症例 105 例を対象とした。YB-1 の 核内発現および LRP、EGFR の発現は免疫組織化学にて解析した。YB-1 メッセンジャー RNA のノック ダウンには 2 種類の SiRNA を用い、肺癌細胞株 A549 と Calu-3 についてウエスタンブロッティングに てそれぞれの発現を検討した。 【結果】 YB-1 の核内発現は LRP、EGFR の発現陽性と良く相関した(P < .001)。YB-1 の核内発現と LRP、 EGFR の発現陽性は、非小細胞肺癌患者において独立した予後不良因子であった(P < .001)。さらに、 YB-1 の核内発現と LRP の発現が共に陽性の腫瘍をもつ患者は、それらが共に陰性の患者に比べ、著し く予後不良であった(P < .001)。加えて、YB-1 の核内発現と EGFR の発現が共に陽性の腫瘍をもつ患者 も、それらが共に陰性の患者に比べ、著しく予後不良であった(P < .001)。非小細胞肺癌の細胞株 A549 と Calu-3 を用いた in vitro での解析では、siRNA による YB-1 の発現低下は、EGFR の発現を大幅に減 少させた。一方で、siRNA による YB-1 の発現低下は、A549 において LRP の発現を著明に減少させた が、Calu-3 においては、僅かな減少を引き起こしたのみであった。 【結論】 我々の研究は、非小細胞肺癌において、YB-1 の核内局在は、LRP と EGFR の発現と関連すること、 さらに YB-1 の核内局在と LRP、EGFR の発現が、非小細胞肺癌の予後因子として意義があることを示 した。 96 寄 稿 -こころの変革と新たな出発- 富士見高原医療福祉センター 天野 純 先生 … 99 -こころの変革と新たな出発- 富士見高原医療福祉センター 天野 純 先生 伊藤研一教授、岡田健次教授、ご就任まことにおめでとうございます。ご就任後、両教授のご講演を 拝聴して、そのお人柄だけでなく研究業績や臨床実績、さらに将来ビジョンが、私が退職時に到達した レベルをはるかに凌いでおられることに敬服いたしました。外科の教授選としては異常に高いインパク トファクターの方々から選ばれたことから、今後の研究、臨床、教室づくりを楽しみにいたしておりま す。また、両教授のご就任によって、外科再編成の最終目標である診療科に対応した講座・教室の実現 に向けて、大きな一歩が踏み出されたものと心よりお慶び申し上げます。これも一重に、宮川眞一教授 をはじめ、池田修一医学部長ならびに教授会メンバー諸氏のご理解と大英断によるものと感謝申し上げ ます。 現在臨床教室で取組むべき最優先事項の一つとして、平成 29 年度からはじまる「新専門医制度」が あげられます。そのため、全国的に医学部の講座・教室再編の動きが活発化し、福島県立医大では、講 座を臓器別に細分化し、内科学部門を 5 講座から 8 講座に、外科学部門を 3 講座から 5 講座に増やして 「新専門医制度」の下でさまざまな専門医の育成に対応できる体制を作り、平成 28 年の「ふくしま国際 医療科学センター」の完成に合わせて同大学の魅力を高める新体制をスタートさせる予定です。今後、 平成 14 年の研修医制度改革時と同様に全国的に医学部・附属病院の時代に即した改革が進むものと予 測され、若手医師にとって魅力ある信州大学医学部・附属病院として時代と県民・国民のニーズに合っ た「新専門医制度」に対応できる強力な外科学教室を構築していただきたいと思います。大学から離れ て地域の病院にいると、大学が最後の砦と称される理由がよく分かります。患者さんは、一流~超一流 の外科医に手術を受けたいと願っており、そのために信州大学の外科再編成の最終目標は間違っていな いと信じており、さらに一歩進めて呼吸器外科学教室の早期実現に努力していただきたいと期待してお ります。 最近、上杉治憲(鷹山)に興味を覚え、時代背景や同時代に生きた人々について学んでいます。藩を 幕府に返上しなければならないほど財政がひっ迫した米沢藩・上杉家の養子に 10 歳で迎えられ、17 歳 で第 9 代藩主に就き、江戸時代という幕藩体制や身分制度による厳しい制約がある上、反改革派の圧倒 的な抵抗にもかかわらず、米沢藩中興の祖に至ったその考え方、生き方と実行力に感動しました。上杉 鷹山は、人のこころを変えることがすべての礎であることを示しています。有名な「為せば成る 為さ ねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」の歌と、JFK も感動したといわれる「伝国の辞」 を、新しい教室ご発展のためにエールとしてお送りします。 一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候 一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれ無く候 一、国家人民の為に立たる君にて君の為に立たる国家人民にはこれ無く候 99 特 集 ①教授就任記念 私の略歴と今後の抱負 心臓血管外科部門 岡田 健次 教授 … 103 私のこれまでの歩みと乳腺内分泌・呼吸器外科部門の展望 乳腺・内分泌/呼吸器外科部門 伊藤 研一 教授 … 113 ②2014年 当教室が主催した全国学会 乳癌最新情報カンファレンス … 123 ①教授就任記念 私の略歴と今後の抱負 心臓血管外科部門 岡田 健次 教授 天野 純先生の後任で、外科学教室、心臓血管 外科部門を昨年の平成 26 年 11 月より担当させて いただいております岡田健次です。私の略歴と今 後の抱負についてお話させていただきます。 【スライド2】 私は昭和 63 年神戸大学卒業後、神戸大学旧第2 外科教室に入局いたしました。当時教授は中村和 夫先生で颯爽と手術される姿にあこがれ外科医に なりました。また先生の学生講義は科学的かつ明 快で、特に外科学総論での外科侵襲と体液バラン スの講義は印象に残っております。 【スライド3】 一般外科の研修を終え、平成2年から兵庫県立 姫路循環器病センターで心臓血管外科の研修させ ていただきました。 スライド1 研修 3 年目でありましたが心臓手術を当時の小 川恭一部長の直接指導のもと執刀させていただき ました。その時のすばらしい初期体験により心臓 血管外科へ進む決心をしました。同時に心臓手術 の心筋保護に関する臨床研究にも参加させていた だき初めての原著論文作製し臨床研究の楽しさも 知りました。 【スライド4】 平成 3 年に神戸大学、外科学講座大学院に入学 しました。研究テーマは心移植時の長時間心保存 に関するもので、論理的な思考を鍛え英語論文を 完成させたいと考えました。図に示しますような 低圧持続灌流装置を作製し酸素化した保存液を持 続灌流することで 24 時間保存が可能なことを証 明し学位を取得いたしました。このような灌流装 スライド2 スライド4 103 スライド3 置はあまり実用性がないと指摘されましたが昨年 シドニー訪問した際に実際臨床利用されているこ とを知りましたが大変嬉しく思いました。 告し、アメリカ心臓病学会で Young Investigator Award を受賞いたしました。 【スライド5】 研究に興味ありましたので、学位取得後平成 7 年、香川大学第二生理学教室助手として研究を継 続させていただきました。 当時の教授は細見弘先生で学生が多く集まる大 変活気に満ち溢れた教室でした。私はその研究環 境のもと移植心の冠動脈硬化症の進展にエンドセ リンが関与し、その拮抗薬 Bosentan が有効である ことを Circulation に報告させていただきました。 臨床医になっても research mind を持ち続けろと いう細見先生のメッセージは忘れられません。 【スライド6】 その後も研究を継続したい、留学もしたいとい う希望があり平成 9 年ニューヨークにあるコロン ビア大学へ研究留学することになりました。当時 お世話になったボスは David Pinsky 先生で現在 ミシガン大学循環器内科の教授をされておりま す。私はマウスの肺虚血再灌流モデルをつくるこ と、その時に産生される IL-10 の役割についてノ ックアウトマウスを使用し研究しました。その結 果気管上皮細胞での IL-10 発現亢進は、線溶系異 常、フィブリン蓄積を是正する方向に働き肺障 害、死亡率を軽減することを J. Biol Chem に報 【スライド7】 研究に対する興味は尽きなかったのですが、手 術のできる外科医であることももうひとつの大き な目標でもありましたので、1から鍛えなおす場 を求めシドニー St Vincent’s Hospital へ臨床留学 いたしました。そこで手術指導していただいたの はオーストラリア随一の心臓外科医である Alan Farnsworth 先生で非常に繊細で流れるような技 術を教えていただきました。シドニーでの 1 年半 とういう短期間で 570 例のさまざまの手術を経験 させていただき、心臓血管外科の面白みを再認識 させてくれました。 【スライド8】 その後平成 13 年に帰国し母校の神戸大学で大 北裕教授に師事し最近までに約 900 例の執刀機会 をいただきました。待機手術症例における死亡率 は 0.8%、冠動脈バイパス手術における動脈グラフ ト開存率は 97%と良好でした。 【スライド9】 神戸大学での最近の研究の実践について述べさ せていただきます。 スライド5 スライド6 スライド7 スライド8 スライド9 スライド 10 104 【スライド 10】 臨床と並行しここに示す1)高度脳虚血後、脳 灌流障害軽減に関する研究、2)胸腹部大動脈瘤 手術時の脊髄障害予防に関する研究、3)小口径 人工血管開発に関する研究、4)冠動脈バイパス 時の静脈グラフト劣化予防に関する研究、5)動 脈瘤モデル作製、薬物的治療法に関する研究、6) 心移植に関する研究、7)ブタ腸管虚血再灌流時 における腸型脂肪酸蛋白を用いた腸管粘膜障害の 予測の7つの研究課題で学位指導をおこなってま いりました。学位指導は 12 名、特に7)の研究は 臨床工学士の大学院生であり、合計 17 本の論文を 完成させました。 【スライド 11】 その一部をご紹介いたします。冠動脈バイパス 術に使用される静脈グラフトは遠隔期に劣化し狭 窄、閉塞するのですが、この劣化を何とか抑制で きないのかと考え研究をおこないました。実験モ デルでの静脈グラフトもこのように拡張し内膜肥 厚をきたし劣化するのですが、Basic Fibroblast Growth Factor(bFGF)含浸徐放性ゲルシート を実験モデルの静脈グラフト周囲に巻くことで静 脈劣化は抑制されあたかも動脈化することを証明 し、静脈グラフトのさらなる有効利用の可能性を 示しました。 【スライド 12】 正常動脈径の 1.5 倍に達した拡大を動脈瘤と定 義しますが、すべての動脈瘤が治療対象ではなく、 腹部大動脈瘤の場合最大短径が 45 mmに達する と手術や、ステントグラフトによる治療対象とな ります。治療域に達しない動脈瘤はその後経過観 察されるわけですが確実に拡大してゆきます。そ ういった動脈瘤に対する薬物治療は可能であるか ということで、まずエラスターゼと塩化カルシウ ムを用いたラット動脈瘤モデルを作成し 【スライド 13】 free radical scavenger であるエダラボンを投 与することで、Dihydroethidium 染色などで示す 酸化ストレス強度が用量依存性に減弱し瘤形成が 抑制されること、すなわち酸化ストレスが瘤形成 に重要な役割を果たすことを示しました。その後 VitC の徐放、DPP-4 阻害薬の経口投与が有用であ ることを示しました。 【スライド 14】 胸腹部大動脈瘤手術時の重大な合併症に脊髄障 害、すなわち対麻痺があります。対麻痺予防に関 する研究を紹介します。 【スライド 15】 前脊髄動脈に血液を供給する血管は椎骨動脈、 肋間動脈、腰動脈、内腸骨動脈などが存在します スライド 11 スライド 12 スライド 14 スライド 15 105 スライド 13 が、その中でもっと重要である血管はプルシアの 病理学者である Adamkiewicz 先生が発見され命 名された Adamkiewicz 動脈であります。図に示 しますようにヘアピンカーブを描き前脊髄動脈に 合流します。左側に多い傾向があります。 【スライド 16】 顕微鏡的には図に示しますように脊髄には側副 血行路が豊富であることが Griepp 先生らのグル ープにより報告されております。 【スライド 17】 そのため胸腹部大動脈瘤手術時に Adamkiewicz 動脈が遮断されると脊髄に虚血を生じるわけです が、虚血を軽減するためには側副血行路からの血 流を増加させる必要があります。そのひとつに全 身血圧の上昇が有用であることが臨床的に知られ ておりますが、実際どのように脊髄に虚血をきた し、さらに血圧上昇がどのように脊髄血流を増加 させるのか証明した研究論文は稀です。そこで日 本家兎脊髄虚血モデルを使用し直接脊髄血流を測 定しましたところ左図に示しますように血流遮断 直後よりあっという間に血流は低下します。虚血 中に全身血圧を上昇させてゆくと右図に示します ように脊髄血流は全身血圧応じて上昇し正の相関 関係を示すことを証明しました。 【スライド 18】 組織学的検討を行いましたが右端が血圧を上昇 させなかったコントロール群ですが前角細胞は崩 壊しアポトーシスの所見を認めます。また中央の 写真は血圧を低下させるとさらにそれが悪化する わけですが、全身血圧を上昇させることで前角細 胞は維持され脊髄虚血が軽減されたことがわかり ます。下段はその半定量化データを示したもので す。 【スライド 19】 神戸大学での臨床の経験では従来手術、すなわ ち anatomical correction をいかに上手におこなっ ても患者さんを救えないことを経験しました。 「今日の禁忌は明日の適応 !」といわれることも あり、先ほどの例でも示しましたように、従来手 術 + αにより壁を打ち破る breakthrough を目指 す研究が必要であります。 【スライド 20】 そのひとつに、急性A型大動脈解離における脳 灌流障害の問題があります。 【スライド 21】 大動脈解離の危険な合併症に、解離腔の圧迫に よる分枝閉塞、臓器灌流障害があります。図のよ うに頚動脈に発症した場合には脳虚血は高度に進 行します。その後に大動脈手術を行い通常血流で スライド 16 スライド 17 スライド 18 スライド 19 スライド 20 スライド 21 106 頚動脈を再建した場合高度脳浮腫が引き起こされ 救命困難であるという外科治療の限界にぶつかり ました。 【スライド 22】 その壁を打ち破るために高度脳浮腫を抑制する ことが重要であると考えました。犬全脳虚血実験 モデルを作成し、高度脳虚血を解除する場合、頚 動脈血流を正常の 40%程度の低流量にコントロ ールすることが右図に示しますように脳浮腫を有 意に軽減し、脳波回復を促進することに大変有効 であることを証明しました。 【スライド 23】 そこで倫理委員会に申請後、急性A型大動脈 解離による総頚動脈閉塞のため昏睡状態にある 患者さんに対し、速やかに救急外来で直接頸動 脈に低流量で灌流しその後大動脈治療を行い 2 名を救命し社会復帰されるという大変貴重な breakthrough 経験をさせていただきました。 ドですが、アメリカのかの有名な心臓外科医で ある J. Kirklin 先生も“The Greatest Risk Is Not Taking One”すなわち「リスクをひとつもとらな いことが最大のリスクである」の言葉には大変大 きな重みがあるように思います。 【スライド 26】 研究に関する今後の展望ですが、我々の外科学 は実学でもありますので臨床に直結する patientoriented research が望ましいと考えております。 また臨床研究においては信州大学関連病院で多施 設前向き研究を推進し、EBM に役立つ研究を行 いたいと思います。チーム医療は強調されますが、 チームサイエンスも重要と思います。 【スライド 27】 最近の臨床の実践について主要術式に関して紹 介いたします。 【スライド 24】 その術前早期灌流方法の模式図ですが、大腿動 脈から脱血し、ローラーポンプ、熱交換機を介し 右総頚動脈真腔内に送血します。 【スライド 25】 これは神戸大学大北教授よりいただいたスライ スライド 22 スライド 23 スライド 24 スライド 25 スライド 26 スライド 27 107 【スライド 28】 心臓手術の代表である冠動脈バイパス術ですが 約 80%をオフポンプで行ってきました。3 枝病変 のみの検討では末梢吻合数は平均 3.7 本で内胸動 脈開存率は 97% でした。その結果 30 日死亡は緊急 も含め 1.9% で待機手術では死亡率 0% でした。遠 隔成績は 5 年生存率は 81% と良好でありました。 【スライド 29】 感染性心内膜炎は弁膜を破壊し心不全を引き起 こすのみならず、疣贅による塞栓症を発症します。 特に脳の場合には脳梗塞を引き起こし、ヘパリン を使用した人工心肺下の手術は脳出血の危険性を 高め手術時期の決定には慎重を要します。ガイド ラインでは数週間の経過観察後に心臓手術を行う ことが推奨されております。 【スライド 30】 しかしながら心不全、敗血症の悪化ため手術を 数週間も待てる症例は少なく緊急手術が必要に なります。そこで人工心肺時のヘパリン量をメ シル酸ナファモスタット(NM)を併用すること で 1/4 量に減量し新たな脳出血を引き起こすこと なく安全に手術可能でありました。その際の人工 心肺回路構成を示します。NM 投与方法としまし て、初回ヘパリンを通常の 1/4 量の 50 単位 /kg を IV し ,ACT 250 秒を目標とします。人工心肺側 には充填液としてメシル酸ナファモスタットを5 mg 投与します。次に人工心肺確立後ですが、開 始直後よりスライドに示す通り静脈リザーバー側 に NM1.5mg/kg/h で開始し ACT により増減さ せ、カルディオトミーリザーバーには固定持続量 で NM0.5mg/kg/h を投与します。カルディオトミ ーリザーバーへの NM 投与は吸引血が一番活性化 されているためリザーバーの目詰まりに予防とし 使用します。NM を持続で流すことでリザーバー 内凝固のリスクを軽減しています。 【スライド 31】 実際の 1 例を示しますが人工心肺中の ACT は 問題なくコントロールされております。 【スライド 32】 僧帽弁位の感染性心内膜炎に関しては若年女性 では形成術が必要で、スライドに示す症例は 19 歳 女性が脳梗塞で発症し来院しました。疣贅が大き く再度塞栓症を発症する危険性があるため緊急手 術を行いました。出血予防のためにメシル酸ナフ ァモスタット併用しヘパリン減量下に人工心肺を 施行し、僧帽弁の大きな疣贅は摘出し欠損部を自 己心膜パッチで形成しました。術前昏睡状態にあ りましたが術後 7 年の現在歩行可能で僧帽弁の逆 流も制御されております。 【スライド 33】 手術内容に関しては安全かつ遠隔期を意識した スライド 28 スライド 29 スライド 30 スライド 31 スライド 32 スライド 33 108 高い精度の手術を施行する必要があります。低侵 襲性の追求は心臓血管外科領域においても重要で あり、冠動脈バイパス術においては人工心肺を使 用しないオフポンプバイパス術、弁膜症であれば 治療効果を損なわない限り小開胸による低侵襲手 術を施行したいと思います。 町圭蔵先生の教えに「学会発表は線香花火のよう にすぐ消えてしまうが、すばらしい英語論文は銅 像のようにいつまでも光り輝くものである。」とあ ります。やはり自分の関わった手術に関してはデ ータを解析し論文報告する必要があると思います しいつまでも輝き続けると思います。 【スライド 34】 現在までの臨床の実践で一番印象的でありまし たのは大動脈弓部瘤に対する大動脈弓部全置換術 であります。本術式は頚動脈分枝再建、慎重な脳 保護を必要とすることから従来難易度の高い手術 でありましたが、近年術式を標準化させることで 成績を著しく向上させることができました。 【スライド 37】 ただ論文作成には紆余曲折をともない一筋縄に はいきません。スライドに示すような文言は私も 数限りなくいただきました。そのときには査読内 容をじっくり読む気にはなれません。 【スライド 35】 2006 年以降術式、術中管理は標準化し手術件数 は年々増加しそれに伴い死亡率、合併症は減少し 待機手術においては死亡率 1%台と世界をリード する良好な結果を得ることができました。その標 準化された術式と成績を心臓血管外科領域では最 高峰の J Thorac Cardiovasc Surg に論文発表いた しました。 【スライド 36】 話は少しそれますが九州大学消化器・総合外科 から寄贈していただいた bed side memo の最後 に歴代教授の教えが書かれています。その中で杉 【スライド 38】 ただそこで挫折してしまうと今までの努力が 水の泡になってしまいますし、その後何もおこ りません。野球と同じでバッターボックスに立 たないとヒットもホームランも起こりえません。 “Success is the ability to go from one failure to another with no loss of enthusiasm.”「成功とは、 失敗から失敗へと情熱を失わずに進む能力であ る。」は心に響く言葉です。 【スライド 39】 私の経験でも左に示す雑誌に投稿したのですが 新しいデータは全くないとけんもほろろに reject されたのですが、査読内容を吟味し修正し右に示 す雑誌に投稿することでその査読内容は一変し スライド 34 スライド 35 スライド 36 スライド 37 スライド 38 スライド 39 109 accept されました。さらにその手術図は表紙に採 用されました。バッターボックスに立てば何かが 起こります。 【スライド 40】 このような論文作成の一連の作業はきわめて有 益であると思います。なぜなら手術成績を解析す ることでその後の成績向上につながること、術式 は標準化され手術精度は安定し若手医師への技術 指導効果は向上します。また peer review に対し ひとつずつ丁寧に回答することで、論理的な説明 能力を向上させてくれます。これは臨床でのコミ ュニケーションスキルの向上につながると思いま す。またその文献が引用されることでチーム全体 がその治療法に対する自信を持てるようになるな どの相乗効果をうみだします。私の学生時代に当 時の内科教授の先生は「論文は研究者の魂の叫び だ」と述べられました。その言葉の重みがようや く理解できるようになったと思います。 【スライド 41】 今後の臨床の展望ですが、まず for the patients です。そのためにはまず手術件数を増加させるこ とが特に重要であると思います。神戸大学でも経 験しましたが手術件数の増加は術式を標準化させ 合併症を軽減させます。同時に十分なディスカッ ションを行い術前治療戦略を共有することは必須 であります。また手術件数の増加はより多くの若 手医師の専門医資格維持に重要で個々の患者さん のみならず地域医療の安定化をもたらします。た だ手術件数には限りがありますので 1 例の経験を 大切にし、それにより得られた知見、反省点を最 大多数で共有できる環境を同時につくることも重 要です。 【スライド 42】 また緊急手術に 24 時間対応可能なフットワー クのよいチームを作りあげたいと思います。その ためにはまず私自身が率先して対応しゆく必要が あると思います。 【スライド 43】 その件に関しては、神戸大学では no refusal policy を基本とし、私の執刀した手術の 45.2%が 緊急手術でありその対応は十分可能で自信があり ます。信州大学にはドクターヘリがあると聞いて おりますが、時間との戦いになる心臓大血管手術 の成績を向上させてくれるのではないかと楽しみ にしております。 【スライド 44】 高齢者手術においてはその合併症回避が極めて 重要であり、ステントグラフト等の低侵襲治療は 時に有効であります。術前の正確なリスク評価、 適応を決定しよりよい高齢者治療法を追求してゆ きたいと思います。 スライド 40 スライド 41 スライド 42 スライド 43 スライド 44 スライド 45 110 【スライド 45】 先進医療の導入も重要です。低侵襲治療のひと つである経カテーテル的大動脈弁置換術や、近年 増加する末期的重症心不全に対する植込み型心補 助装置を導入してゆきたいと思います。 医師教育ですが外科的技術の art、リサーチマイ ンドに代表される science を高めそれらテクニカ ルスキルを継承してゆくことは重要であります が、一方ノンテクニカルスキルであるコミュニケ ーション、チームワーク、リーダーシップ、状況 認識、意思決定能力向上も重要で私自身が十分認 識し指導してゆくことを教育目標に掲げたいと思 います。この両者を持ち合わせた外科医がいわゆ る academic surgeon であると思います。 【スライド 46】 さらに重要の案件として 2017 年度より開始さ れる新専門医制度への対応であります。専門医の 安定供給は地域医療の安定のために極めて重要で 基幹施設の設定など大学の役割は極めて重要であ ります。 【スライド 50】 専門医取得・維持を目的としたトレーニングシ ステムの構築は必須であります。また私の経験上 回診、手術での直接指導は有効であります。学会 発表、論文作成、競争的資金獲得などの Academic activity の積極的なサポート体制も重要でありま す。 【スライド 47】 我々の場合外科専門医、心臓血管外科専門を取 得する必要があり初期研修終了後最短 5 年、卒後 7 年で可能であります。それを常に可能にする効 率のよいシステムを構築する必要があります。 【スライド 51】 学生教育ですが医師としての人格形成が目標で あると思います。チーム医療への積極的な参加を 促し、医学知識の習得とともにコミュニケーショ ンスキルをはじめとするノンテクニカルスキル向 上が重要であります。可能な限り緊急手術などに も参加し教科書にはない実際の現場医師の責任 感、決断力を学んでいただきたいと思います。 【スライド 48】 そのためには外科学領域全体、ここに示す心臓 血管外科領域も網羅できるような病院群の形成が 必要で、最短卒後 7 年で専門医取得可能なプログ ラムの作成が必要でじっくり検討してゆきたいと 思います。 【スライド 49】 最後に教育についてのべさせていただきます。 スライド 46 スライド 47 スライド 48 スライド 49 スライド 50 スライド 51 111 【スライド 52】 重要なことは私が香川大学生理学教室で体験し たように学生との距離を縮めることが重要だと思 います。具体的には学生ための回診は特に重要で あると思います。ともに患者さんに接しテクニカ ル、ノンテクニカルスキルを指導するのには最適 です。NEJM など一流雑誌の抄読会を学生と一緒 に行ったり、海外からの医学生を受け入れ一緒に 実習していただくことは国際感覚を養うために役 立ちそういった機会を最大限に利用したいと思い ます。 生教育は極めて重要。頭でイメージしたことを自 分の手で達成する満足感に満ち溢れた外科学のお もしろさ、意義深さを伝えてゆき探究心旺盛な学 生を発掘する。 【スライド 55】 私の大好きな音楽家は Queen でそのなかでも “Don't Stop Me Now”が大好きです。前進あるの みです。 【スライド 56】 ご清聴ありがとうございました。この信州大学 で精一杯仕事ができることを楽しみにしておりま す。 【スライド 53】 最後に診療・教育・研究のすべての実践におい て私はチームワーク、すなわちチーム医療、チー ムサイエンスを大切にしてゆきたいと思います。 【スライド 54】 抱負のまとめですが、1)信州大学心臓血管外 科グループの協力体制を強化し、長野県の循環器 外科医療を安定させ、一人でも多くの患者さんの 幸福を目指す。2)更なる診療レベルの向上を目 指し先進医療に積極的に取り組み、世界に情報を 発信する。3)臨床応用にたどりつく基礎研究を ひとつ成し遂げたい。4)人材の育成を本気で考 える。医局員のテクニカルスキル(知識、技術) のみならずコミュニケーションスキルをはじめと するノンテクニカルスキル向上を目指す。5)学 スライド 52 スライド 53 スライド 55 スライド 56 112 スライド 54 私のこれまでの歩みと乳腺内分泌・呼吸器外科部門の展望 乳腺内分泌・呼吸器外科部門 伊藤 研一 教授 【スライド1】 皆様こんにちは。この度、信州大学外科学第2教 室、乳腺内分泌・呼吸器外科部門教授を拝命致し ました伊藤研一と申します。本日はこのような機 会を頂きましたことに心より御礼申し上げます。 浅学菲才の身でありますが、本日は私のこれまで の歩みと乳腺内分泌・呼吸器外科部門の展望とい う題でお話しさせて頂きます。 【スライド2】 私の略歴ですが、長野県の伊那市の出身です。 伊那北高校を卒業後、昭和 63 年に金沢大学を卒業 し、飯田太教授が主宰されておりました信州大学 外科学第 2 に入局しました。4 年半の外科全般の 研修後、九州に国内留学の機会を頂き、桑野信彦 教授に御指導頂き、血管新生機構の基礎研究を行 いました。学位取得後、天野純教授の御指導のも と、診療に従事し、平成 10 年からカナダのクイ ーンズ大学がん研究所に留学し、抗癌剤耐性機構 の研究を行いました。帰国後は、信大病院で乳腺 内分泌外科に従事し、藤森実先生のあと、平成 20 年から診療科長を務めております。 【スライド3】 それでは先ず、私の専門領域である乳腺内分泌 外科での診療の実践と今後の乳腺内分泌・呼吸器 外科部門展望をお話しします。 【スライド4】 これは、過去 13 年間に私が信大病院で術者また は指導的助手として行った手術です。甲状腺癌、 乳癌、バセドウ病や副甲状腺機能亢進症を中心に、 1,131 例の手術を行っており、これら以外に県内の 関連病院で甲状腺癌 105 例、乳癌 101 例の手術を 行いました。 【スライド5】 赤字でお示ししますような、縦隔郭清が必要な 甲状腺癌や甲状腺癌再発症例、皮膚温存乳腺全摘、 合併症を有するバセドウ病、悪性腫瘍による気道 狭窄に対する緊急気管切開術などは、大学病院で の対応が必要と判断され御紹介頂いたものです。 【スライド6】 2001 年からの信大乳腺内分泌外科の手術実績 をお示しします。現在、乳腺内分泌外科全体では スライド1 スライド2 スライド3 スライド4 スライド5 スライド6 113 年間約 300 件の手術を施行していますが、乳癌、 甲状腺癌ともに手術件数は増加しており、特に乳 癌は 2001 年 55 件であったのが、2012 年は 164 件、 昨年は 154 件と約 3 倍に増加しております。 【スライド7】 甲状腺癌と乳癌が我々の診療しております代表 的な疾患ですが、それではまず、甲状腺癌の診療 についてお示します。甲状腺腫瘍の外科治療は教 室開講以来の歴史があり、全国の大学病院の中で も症例数は多い方に入ります。これは当科の過去 30 年間、1,313 例の年齢と組織型の分布です。本 日は代表的な癌である乳頭癌、これは外科的切除 が重要です、それと、頻度は少ないが極めて悪性 度が高い未分化癌に対する取り組みを御紹介しま す。福島原発事故以降、若年者の甲状腺癌発症の リスクが議論されておりますが、もともと乳頭癌 の若年症例は珍しくなく、29 歳以下が 9.4% 認め られております。 【スライド8】 しかし、乳頭癌の若年症例では、時に進行症例 が経験されます。これは 22 歳女性の例ですが、こ の症例では、胸骨を縦切開し、甲状腺全摘、両側 頸部リンパ節および縦隔リンパ節郭清を行いまし た。広範なリンパ節転移が認められましたが、術 後に放射性ヨウ素治療を行い、約 4 年経過した現 在、元気にされております。 【スライド9】 この症例は 14 歳男児の乳頭癌症例ですが、両側 頸部に広範なリンパ節転移が認められましたが、 両側反回神経や副甲状腺の温存に務めながら手術 を行い QOL を落とす事無く日常生活に戻ってお ります。このように外科的切除の効果が期待でき る甲状腺分化癌に対しましては、積極的に時には 拡大手術にも取り組んでまいりました。 【スライド 10】 一方、甲状腺未分化癌は急速に増大する悪性度 の高い癌で、いまだに確立した治療がありませ ん。これは緊急気管切開を施行した症例です。増 大する腫瘍により呼吸困難を生じ緊急入院されま した。腫瘍による窒息が心配されるオンコロジー エマージェンシーの状態であり、気管切開を行い、 放射線照射と化学療法を開始し、一旦腫瘍の縮小 が得られましたが再増大し、6 ヶ月後に永眠され ております。 【スライド 11】 このような悪性度の高い未分化癌に対し、我々 は積極的に集学的治療を試みてきました。お示 ししますのは過去 25 年間の当科の未分化癌の治 療成績です。平均生存期間は 241 日、2 年生存率 は 2.5% と不良ですが、外科的切除と放射線照射、 化学療法を施行した症例では、生命予後が有意に 延長することを示すことができ論文発表致しまし スライド7 スライド8 スライド9 スライド 10 スライド 11 スライド 12 114 た。この論文は米国甲状腺学会のガイドラインに 引用して頂くことができ、このような臨床研究を 通じて、私は現在、学会の甲状腺腫瘍診療ガイド ライン作成委員を務めております。 【スライド 12】 しかし、集学的治療がある程度予後を延長する とはいえ、この症例のように、手術可能と判断し、 準緊急的に甲状腺全摘と頸部郭清を行い、放射線 照射を開始したにも関わらず、あっという間に遠 隔転移が出現し、術後 1 ヶ月半で永眠されてしま った症例もあり、新規治療戦略の開発が必要と考 えられます。 【スライド 13】 全国的にも未分化癌の治療成績は同様な状況で あるため、 新規治療の開発を目指して 2001 年に本 邦で甲状腺未分化癌コンソーシアムが設立されま した。 私もそこに参加し、甲状腺癌では本邦で初めて となる多施設共同臨床試験 weekly paclitaxel に よる前向き試験を計画し、2012 年 4 月から症例登 録が開始されました。 【スライド 14】 この試験は順調に症例登録が進み、本年の 3 月 で予定の症例数に達し、大阪市大の小野田尚佳先 生が今後結果を発表予定です。 【スライド 15】 一方、これまで有効な薬剤の開発が進んでいな かった進行再発甲状腺癌に対しても、近年分子標 的薬の開発が進み、放射性ヨウ素治療抵抗性の分 化癌に対し、本年 6 月からソラフェニブが保険収 載されました。私はこれに際し、外科系学会の薬 物療法推進委員会の委員として副作用の多い分子 標的薬の適正な使用に向けた活動に取り組んでお り、これは今月内分泌甲状腺外科学会誌に掲載さ れたものですが、放射性ヨウ素治療抵抗性の分化 癌に対する分子標的薬治療の適応患者選択の指針 作成を行いました。 【スライド 16】 次に、もうひとつの代表的疾患である乳癌の診 療について御紹介します。乳癌は本邦の女性の罹 患率1位の癌で、今後も増加が予測されます。手 術に際しては、根治性と整容性の両立が求められ ております。一方で、薬物療法は多様化と個別化 が進んでおります。本日は早期癌に対する治療の 工夫を御紹介します。 【スライド 17】 これは乳癌の MRI 所見ですが、このように広 範な乳管内への癌の進展を伴う症例では、早期癌 であっても乳房を温存する手術が困難です。そこ で、整容性を維持するために皮膚を残して乳腺の みを摘出する皮膚温存乳腺全摘術を、このような スライド 13 スライド 14 スライド 16 スライド 17 115 スライド 15 症例では行ってまいりました。 い、患者の QOL の改善を得ております。 【スライド 18】 具体的には、内視鏡補助下に皮膚を残して小さ な切開創から乳腺を全摘した後、形成外科的にイ ンプラントで再建をして頂くという方法で、乳房 の外観を損なわずに乳腺を摘出することができま す。この方法に関して論文を作成し、最初ヨーロ ッパの専門誌に投稿しましたところ、早期癌の手 術に、このような手間とコストをかけて行う必要 があるのか? と、とりあってもらえませんでし たが、オセアニアの雑誌に投稿しましたところ採 用されました。 【スライド 21】 呼吸器外科と連携した外科治療の例をもう1例 御紹介します。この症例は頸部から中縦隔におよ ぶ巨大な脂肪肉腫の症例です。 【スライド 22】 この症例では、乳腺内分泌外科で頸部操作を行 い、呼吸器外科で胸腔内操作を行うことで、13cm 大の腫瘍を低侵襲で摘出しております。これらお 示したような症例は稀少腫瘍ではありますが、大 学病院での我々の強みが発揮できる外科的分野だ と考えます。 【スライド 19】 そして、発表できた後には、米国の商業ベース の医学ニュースではありますが、このように論文 の内容を配信してもらうことができました。どの ような形でも世界に情報を発信することの重要性 を感じた次第です。 【スライド 20】 また、他の診療科と連携しての進行した症例や 稀少腫瘍の手術にも取り組んでまいりました。そ の例を提示します。この症例では、悪性葉状腫瘍 が左胸壁に再発し感染も合併したため、患者の QOL を著しく損なっておりました。呼吸器外科、 形成外科と協力し、広範胸壁切除と胸壁再建を行 【スライド 23】 お示ししますのはがん対策情報センターが発表 している本年の本邦の男女合計のがん統計予測で す。肺癌が約 13 万人、乳癌が 86,000 人、甲状腺 癌 16,000 人と推測しています。これを見ましても 乳腺内分泌・呼吸器外科部門は、罹患数の多い悪 性腫瘍を専門とする今後もニーズの高い分野であ り、治療戦略の開発が今後も必要な分野であると 考えられます。 【スライド 24】 教室の呼吸器外科では年間約 100 例の肺癌の手 術を行っており、その多くを胸腔鏡下で行ってい スライド 18 スライド 19 スライド 20 スライド 21 スライド 22 スライド 23 116 ることが特筆すべき点ですが、今後、長野県にお きましても、肺癌の治療のニーズはさらに高くな るものと予想されます。 剤耐性機構、甲状腺未分化癌の発症機序の解明を 目指した研究などに取りくんでまいりました。い くつかを御紹介させて頂きます。 【スライド 25】 乳腺内分泌・呼吸器外科の診療の展望ですが、 低侵襲手術に取り組むと同時に、一方で大学病院 でなければできない複数の診療科の協力が必要な 拡大手術や稀少疾患の外科治療にも積極的に取り 組みたいと思います。呼吸器外科では既にロボッ ト手術を開始して先進医療取得を目指しておりま すが、甲状腺腫瘍の手術でも内視鏡手術の保険収 載に向けた動きがあり、我々も取り組まなければ いけないと考えております。また、癌の治療では 臨床と平行して基礎研究の充実も図りながら、個 別化治療を推進したいと考えます。そして、二つ の診療部門が、地域での高度医療を推進し、世界 トップレベルの臨床研究を発信し、外科医療の進 歩に貢献できるように切磋琢磨していきたいと思 います。 【スライド 28】 卒後 5 年目に、当時の飯田教授と菅谷昭助教授 に御紹介頂き、九州大学の桑野信彦教授の生化学 教室で2年間研究する機会を頂きました。1989 年 に血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が発見されて おり、私が研究を始めた 1992 年頃は腫瘍血管新生 が注目され始めた頃でありました。私は、培養血 管内皮細胞を用いて、管腔構造を作らせる腫瘍血 管新生モデルを作成し、血管新生過程での遺伝子 発現解析や血管新生を阻害剤のスクリーニングを 行いましたが、当時は血管新生機構が癌の治療に 臨床応用されることには半信半疑でした。 【スライド 26】 次に、これまで私が行ってまいりました研究と 今後の展望をお話しします。 【スライド 27】 私は、臨床での課題の克服を目指した基礎的研 究の推進を念頭におき、腫瘍血管新生機構、抗癌 【スライド 29】 教室に戻った後は、現在長野日赤にいる中田伸 司先生と大腸癌臨床検体での血管新生関連因子の 発現を解析し、大腸癌で VEGF、ウロキナーゼ (u-PA)発現と脈管侵襲に相関が認められること を報告しました。まだ当時はベバシズマブが臨床 応用されておりませんでしたが、2004 年には抗 VEGF モノクローナル抗体ベバシズマブが臨床に 登場し、現在では乳癌に対しても用いられており ます。研究対象であった分子が創薬の標的となり、 臨床応用されたことは驚きであり、基礎と臨床の スライド 24 スライド 25 スライド 26 スライド 27 スライド 28 スライド 29 117 密接なつながりを実感した研究でした。 遺伝子に変異を導入してアミノ酸を置換し、変異 タンパクを作成してその機能を解析するという研 究を日夜行いました。 【スライド 30】 その後、私が継続して行っているのが抗癌剤耐 性機構の研究です。乳癌は一般的に化学療法剤感 受性が比較的高いのですが、強力な化学療法を行 っても再発は頻繁に経験され、その背景には抗癌 剤耐性機構があります。抗癌剤耐性機構を克服で きれば治癒が得られる患者が増加する可能性が考 えられますので、抗癌剤を排出する膜輸送タンパ ク質 Multidrug resistance protein 1 (MRP1) に興 味を抱き、MRP1 をクローニングしたカナダの Susan Cole 教授にポスドクの申し込みを行い、研 究させて頂く機会を得ることができました。 【スライド 31】 1998 年にカナダのオンタリオ州のキングスト ンにあるクイーンズ大学のがん研究所に留学し、 約 3 年間研究に専念させて頂きました。 【スライド 32】 留学中の研究の内容を御紹介します。Multidrug resistance protein 1 (MRP1) は、抗癌剤を ATP 依 存性に細胞の中から外へ排出するポンプのような 役割をする膜タンパクで、耐性獲得に関与します。 この機能を阻害できれば MRP1 による耐性を克 服できる可能性が期待できます。そこで、MRP1 が 働くうえで重要な部分を見つけるために、MRP1 【スライド 33】 MRP の機能に重要と予想される部位に遺伝子 変異を導入しても、なかなかパッした結果が出な かったのですが、ある時、意図した部分とは異な る部分、このトリプトファン 1246 ですが、ここ に偶発的に入った変異が、MRP1 の抗癌剤排出機 能を大きく阻害することがわかりました。ここに お示ししますのは、ヒトの MRP ファミリーとマ ウスやラットの MRP1 のアミノ酸配列ですが、さ らに興味深いことには、たまたま変異が導入され たトリプトファン 1246 が、種を超えてほとんど の MRP ファミリーに共通しているアミノ酸であ りました。そこで、Dubin-Johnson 症候群の原因 遺伝子でもあります MRP2 の対応するアミノ酸 を置換してみると、やはり薬剤の排出機能が阻害 されることがわかり、これらの結果を Journal of Biological Chemistry に発表することができまし た。 この変異を見つけた経験はとても exciting なも のであり、予測しないことが興味深い結果をもた らすことがある基礎研究の面白さを実感する出来 事でありました。残念ながら、今までのところこ の MRP が創薬の標的になってはおりませんが、 留学で科学研究の考え方、global な普遍性を勉強 スライド 30 スライド 31 スライド 32 スライド 33 スライド 34 スライド 35 118 することができました。 学会から Breaking news として配信されておりま す。 【スライド 34】 御指導頂きました Susan Cole 先生の所へは、前 野一真先生も研究する機会を頂きましたが、今回 も私の教授就任に際しては、このようなありがた いお祝いのメッセージを頂いております。 【スライド 35】 2001 年に帰国後も、抗癌剤耐性機構の解明を目 指し、ここにお示ししますような研究を大学院生 達と行ってまいりました。本日は、④の転写因子 Y-box binding protein-1 (YB-1) の研究を御紹介し ます。 【スライド 37】 また、エストロゲン受容体陽性の乳癌では、化 学療法だけでなく内分泌療法も重要な治療薬にな るのですが、これは、伊藤勅子先生が中心になっ て行った研究ですが、YB-1 が内分泌療法剤の感受 性にも関与することを報告しました。 【スライド 38】 その後、肺非小細胞癌でも YB-1 が肺癌におい て重要な分子である EGFR などの発現に関与し、 予後の指標になることを呼吸器外科の兵庫谷章先 生が報告し、YB-1 が様々な癌で耐性や感受性のバ イオマーカーとなる可能性を考え、研究を継続し ています。 【スライド 36】 YB-1 は、様々なストレスに応答して抗癌剤耐 性や DNA 修復に関わる転写調節因子です。それ まで、癌細胞が抗癌剤パクリタキセルに耐性を獲 【スライド 39】 得する際の、YB-1 の働きは未知だったのですが、 それでは次に、甲状腺未分化癌の発症機序解明 私達は乳癌細胞にパクリタキセルを投与すると、 を目指した研究を御紹介します。 YB-1 を介した多剤耐性遺伝子 MDR1 発現の上昇 が起こり耐性が獲得されることを、in vitro と臨 【スライド 40】 床組織で示し、タキサン系薬剤に対する耐性獲得 これは 69 歳の女性の頸部所見です。手術不能局 に、YB-1 が関与することを初めて示すことがで 所進行甲状腺乳頭癌で、初診時からいずれ未分化 きました。この研究は、藤田知之先生が中心にな 転化することが心配されましたが、やはり転化を って産業医大の河野公俊先生、和泉弘人先生と共 起こし、腫瘍死されました。このように甲状腺分 同で行ったものですが、この結果は、アメリカ癌 化癌の未分化転化は以前から良く知られた現象で スライド 36 スライド 37 スライド 39 スライド 40 119 スライド 38 すが、そのメカニズムはまだ未知のままです。 の分子生物学的アプローチには普遍性があります ので、天野前教授の御指導のもと、専門外の分野 ではありますが、移植再生医療の研究にも取り組 みました。これは山浦一宏先生、牧内明子先生が 取り組んだ研究ですが、肝細胞増殖因子(HGF) の臓器保護効果を動物実験で示しました。そして、 山浦先生の研究結果から、米国で HGF の移植臓 器の線維化抑制剤としての特許を取得しておりま す。専門分野ではありませんが、現在私が関与し ている唯一の特許となっております。 【スライド 41】 そこで我々は、未分化転化のメカニズムを解明 すべく、少しずつ解析を行っております。これは 望月靖弘先生が行った研究ですが、GalNAc-T3 と呼ばれる糖転移酵素やサイログロブリンの発現 が、未分化転化に伴い低下しています。乳頭癌か ら未分化癌への転化の過程で癌細胞のバイオロジ ーが変わってきていることが観察されます。 【スライド 42】 そこで、未分化癌のバイオロジーをより詳細に 解析すべく、培養細胞を用いて近年注目されてお ります癌幹細胞との関連から解析を行い、未分化 癌では ALDH1、EpCAM や CD44 などの癌幹細 胞マーカーの発現が高いことを観察し、岡田敏宏 先生が最近報告しました。 【スライド 43】 最近では、未分化癌で切除できた症例の検体の 乳頭癌成分と未分化癌成分から mRNA を抽出し、 その遺伝子発現を直接比較することで、未分化転 化の鍵となる分子の探索を始めており、教室の大 学院生が取り組んでおります。 【スライド 44】 また、生体で起こっている現象を解析するため 【スライド 45】 教室での研究の展望を示します。私は教室全体 で、腫瘍の新しい治療戦略の創造を目指したいと 思います。今後、乳癌、肺癌、甲状腺癌で個別化 治療を推進するためには、そのバイオロジーや抗 癌剤耐性の研究は重要だと考えます。手術で組織 が得られるという外科の強みを活かし、これらの 研究を学内、学外と協力して展開し、Translational research を推進したいと思います。抗癌剤耐性や 未分化転化に関しては、在任期間中に臨床応用に 結びつけられる成果が得られるように努力したい と思います。 【スライド 46】 最後に今後の教室運営の展望をお話しします。 私は次世代を担う Academic surgeon の育成を目 指したいと思います。 スライド 41 スライド 42 スライド 43 スライド 44 スライド 45 スライド 46 120 【スライド 47】 そのためには、まず、人材を増やすことが必要 です。具体的には、信州大学では、既に外科学第 1と第2が協力して研修を行っておりますが、さ らに関連病院とも連携して、豊富な症例経験と地 域医療への貢献ができる魅力ある研修プログラム を構築し、 若い医師の獲得に努めたいと考えます。 また、専門分野の修練においては、国内他施設で の研修も奨励し、常に診療のレベルアップを図り たいと考えます。 また、平行して大学院教育の充実を図りたいと 考えます。私は、卒後約 40 年あるキャリアの中 で、若い時期の数年間を基礎医学研究に集中する ことは、未来の外科医療を考えるために重要だと 考えます。学内、学外と協力して大学院教育を推 進し、研究マインドを持った外科医師を育成でき れば、このような外科医師が地域に高度医療を提 供し、新しい外科医療を開拓し、次世代の指導者、 国際的医学研究者に育っていくと考えます。 【スライド 48】 その一方で、医学は一人として同じではないヒ トを対象とする科学でありますから、柔軟な思考 が必要だと考えます。これは天野前教授もおっし ゃっていたことですが、優れた臨床能力だけでな く、 科学的思考とヒューマニティーを兼ね備えた、 バランスがとれ柔軟な思考もできる、Academic surgeon の育成を目指したいと思います。 【スライド 49】 もう四半世紀以上前のことになりますが、私は 学生時代にバレーボールを一所懸命やっておりま した。私はセッターをやっており、こんな感じで プレーしておりました。 【スライド 50】 当時の目標は、 「西日本医科学生大会優勝」とい うシンプルなものでした。西医体はレベルの高い 大会ではありませんが、優勝を目指すとなるとそ れなりに大変で、どうしたら優勝できるか、とい うことを日夜考えておりましたが、目標に向かっ て私が行うことは、 「戦術の立案と良いトスをあげ る」ことでした。お示ししますのは、私がレギュ ラーとしてトスを上げた大会での成績ですが、幸 い最後に優勝することができました。 【スライド 51】 お示ししますのは、関連病院へ出向中の先生も 含めた平成7年以降入局の乳腺内分泌外科と呼吸 器外科の在局の先生達です。私はこれからの教室 の運営では、 「乳癌、肺癌、甲状腺癌の領域で、世 界に情報を発信する教室になる」、ということを目 標にしたいと思います。乳腺内分泌外科では、平 成 20 年以降に加わってくれたメンバーが少なく、 とにかく人材を確保して行くことが必要です。呼 吸器外科では若い先生達が多いです。両方の分野 で若い世代が臨床研究、基礎研究に邁進できる環 スライド 47 スライド 48 スライド 50 スライド 51 121 スライド 49 【スライド 54】 最後に、私がこのような機会を頂くことができ たのは、飯田教授、天野教授、菅谷昭先生、小林 信や先生、春日好雄先生はじめ、外科学第 2 およ び関連施設の多くの先生方の御指導あってのこと と思います。市立甲府病院では志半ばでお亡くな りになった加藤邦隆先生にも非常にお世話になり ました。また、一緒に研究、臨床に取り組んでく れた後輩の先生達の頑張りなしには研究も進みま せんでした。ここに改めて皆様に御礼申し上げま すと同時に、今後も御指導、御鞭撻賜りますよう お願い申し上げます。これで私の講演を終わらせ て頂きます。ご御清聴ありがとうございました。 境を整えることが私の責務であり、それが教室と 信大医学部の activity を高めることにつながって いくと思います。外科医として自身が先頭に立つ ことはもちろんですが、戦略を考え次世代を担う 先生達に思い切りたたいてもらえるような良いト スを上げ続けて行けるように努力したいと思いま す。 【スライド 52】 3 月には北陸長野新幹線が開通します。これを 機会に医療人の流れが変わることも心配されます が、私はこれを機会に人材を集め、信州大学医学 部および地域医療に貢献し、世界に情報を発信で きる教室を作って行きたいと思います。 【スライド 53】 今年の 8 月には小規模な学会ではありますが、 私が当番世話人でこのような会を松本市で開催さ せて頂く機会がありました。私はこれまでに述べ させて頂きましたことを私の使命「Mission」と考 え、情熱「Passion」をもってあたりたいと思いま す。そして教室と信州大学、そして地域医療や癌 の医療に少しでも貢献「Contribution」できるよ うに精一杯努める所存です。今回教授職を拝命致 しましたが、宮川眞一教授、岡田健次教授と協力 して信州大学外科全体を発展させて行きたいと思 います。 スライド 52 スライド 53 122 スライド 54 ②2014年 当教室が主催した全国学会 第15回乳癌最新情報カンファランスを主催して 伊藤 研一 教授 2014 年 8 月 8 〜 9 日に、松本市のホテルブエナビスタを会場に、第 15 回乳癌最新情報カンファラン スを主催させて頂きました。このカンファランスは、一つの会場で乳癌の診療に関するトピックを勉強 するセミナー形式の会で、毎年夏休みの時期に行われているものです。今回のカンファランスには、医 師、コメディカル併せて約 100 名に御参加頂き、画像診断、外科治療、薬物療法に加え、今後重要にな っていくと予想されます遺伝と乳癌の関連についても、熱心なディスカッションが交わされました。 イブニングセミナーでは、本学の先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所の谷口俊一郎教授に、 「ビフィズス菌を利用した制がん分子の iDPS(in situ Delivery and Production System)開発」につい て御講演頂き(司会:藤森実先生)、現在乳癌で行われている薬物療法とは異なる発想からのがんに対す る治療戦略の御提示が、大変新鮮であったという感想を参加された皆様から頂きました。 また、夜の懇親会では、地元酒造会社の梅酒を御賞味頂きましたところ、大変好評でありました。カ ンファランスの開催に際し、松本市からも文化財や博物館への無料入場券を頂き御支援頂きました。大 型台風が近づいていたため、カンファランス終了後すぐにお帰りになった方が多く、松本の観光を十分 に楽しんで頂けなかったことは残念でありましたが、カンファランスは無事に終了することができまし た。 本稿をお借りしてカンファランスの開催にあたり御援助、御協力を頂きました皆様に、スタッフ一同 心より御礼を申し上げます。 123 医局 2014年 教室員・職員名簿 …127 医局員紹介 …129 新医局員紹介 新医局員 中島先生 …138 于先生 …138 後期研修医 御子柴先生 …139 宮崎先生 …139 中村先生 …140 町田先生 …140 教室行事 …141 国際学会体験記 久米田先生 …142 寺田先生 …143 吾妻先生 …144 留学便り 江口先生 …145 医局アルバム2014 …147 2014年 教室員・職員 名簿 教 授 天野 純(~ 2014.3.31) 岡田 健次(2014.11.1 ~) 伊藤 研一(2014.11.1 ~) 准 教 授 伊藤 研一(~ 2014.10.31) 吉田 和夫 講 師 高野 環 福井 大祐 瀬戸達一郎 助 教 椎名 隆之 砥石 政幸 前野 一真 大津 義徳 江口 隆(~ 2014.5.31) 伊藤 勅子(2014.1.18 ~) 花村 徹(2014.8.1 ~) 吾妻 寛之(2014.8.1 ~ 11.30) 寺崎 貴光(集中治療部) 橋都 正洋(~ 2014.3.31) 和田 有子 金井 敏晴 駒津 和宜 渡邉 隆之(2014.4.1 ~ 7.31) 兵庫谷 章(2014.12.1 ~) 臨床教授 春日 好雄(長野松代総合病院) 西村 和典(長野赤十字病院) 西村 秀紀(長野市民病院) 竹村 隆広(佐久総合病院) 宮澤 正久(市立甲府病院) 原田 順和(長野県立こども病院) 新宮 聖士(飯田市立病院) 浜 善久 (長野赤十字病院) 河野 哲也(諏訪赤十字病院) 臨床准教授 近藤 竜一(まつもと医療センター中信松本病院) 高砂敬一郎(伊那中央病院) 小山 洋(諏訪赤十字病院) 非常勤講師 浦山 弘明(中村病院) 藤森 実(東京医科大学茨城医療センター) 後藤 博久(篠ノ井総合病院) 近藤 竜一(まつもと医療センター中信松本病院) 医 員 渡邉 隆之 2014.1.18 ~ 3.31 岡田 敏宏 ~ 2014.1.17 吾妻 寛之 ~ 2014.7.31,12.1 ~ 花村 徹 ~ 2014.7.31 境澤 隆夫 家里明日美 山本 高照 ~ 2014.2.28 五味渕俊仁 毛原 啓 ~ 2014.7.17 中原 孝 梅咲 徹也 ~ 2014.5.31 久米田浩孝 ~ 2014.10.17 田中 晴城 2014.4.1 ~ 大場 崇旦 藤井 大志 ~ 2014.6.30 小野 真由 2014.4.1 ~ 127 大橋 伸朗 2014.3.1 ~ 大上 康広 2014.10.1 ~ 市村 創 2014.7.18 ~ 橋都 正洋 2014.4.1 ~ 4.30 後期研修医 浦下 周一 ~ 2014.3.31 松岡峻一郎 2014.10.1 ~ 中村 大輔 2014.4.1 ~ 原 大輔 ~ 2014.3.31 小松 正樹 2014.4.1 ~ 町田 海 2014.4.1 ~ 御子柴 透 2014.4.1 ~ 寺田 志洋 2014.1.1 ~ 2014.9.30 初期研修医 内村 真介 2014.4.1 ~ 6.27 横沢 佳那 2014.6.30 ~ 8.15 島田 奈緒 2014.7.28 ~ 9.26 矢口貴一郎 2014.8.18 ~ 9.26 宮嶋 宏樹 2014.9.29 ~ 11.7 大学院生(博士課程) 駒津 和宜 岡田 敏宏 福家 愛 村山 幸一 渡邉 隆之 村松 沙織 毛原 啓 大橋 伸朗 中原 孝 家里明日美 大場 崇旦 山本 高照 冨永 義明 道永 祐希 張 萌 中村 輝郎 境澤 隆夫 五味渕俊仁 小野 真由 大学院生(修士課程) 永田富士子 留学〈海外〉 江口 隆(Memorial Sloan Kettering Cancer Center) 教室事務 竹内 紗希 峯村 美帆 実験助手 上条しのぶ 田中 夕祈 病棟クラーク 長岩 成代 丸山 浩恵 古畑 慶子 〈2014 年度医局役員〉 統括医長 前野 一真 教 育 大津 義徳 人 事 金井 敏晴 会 計 伊藤 勅子 128 医局員紹介 心臓血管外科 岡田 健次 教授(H27 入局:S63 卒) 就任当初より、多くの緊急手術をこなし、昼夜問わず、どんなに大変でも、全くいつもと変わらない、 優しい笑顔で「おはよう!」と返してくれる、皆が認める体力 No 1!! 臨床はもちろん研究にも熱い 探究心で、これから若手心臓血管外科医師は皆先生について行きます。現在、単身赴任中。電子レンジ がもっぱらのお友達とか(笑) 。野球部経験があるとのことで、今後の医局対抗にも期待しています。 福井 大祐 准教授(H3 入局) 2015 年から准教授就任。血管内治療では、信州大学の名前を広め、国内でも有数の施設に押し上げて 下さった Dr. D Fukui。ルックスの良さとその立ち振る舞いに、ファンも多いに違いない。 高野 環 講師(H3 入局) 昔から変わらないのはその豪快さと廊下でまずは全部脱いでから着替える習慣(笑)。「あっ」…「お っ、悪い悪い」と言いながら、パンツと靴下で。それを忠実に受け継いだのが、五味渕先生……。ダ メだろ~それは(笑) 河野 哲也(H4 入局) 諏訪赤十字病院勤務。言わずと知れたナイスガイ。看護師さんにはもちろん老若男女問わず人気。後 輩の指導には時に厳しく、でも愛情にあふれており、帰ってくると皆一回り大きく成長しているその 指導の秘密は……。 坂口 昌幸(H6 入局) 心臓血管外科独身貴族①。千曲市の名家出身だが、その背景を感じさせない親しみやすさ。釣りが趣 味で、そのスケールたるや毎年カナダでサーモン…………だそうだ。ICU に連日泊まりこんでいる姿 をよく見かけ、常に患者を大切にしている背中を皆みてきている。 瀬戸達一郎 講師(H7 入局) 臨床はもちろん、研究その他、どんな時でも嫌な顔ひとつせずに相談にのってくれる優しい頼れる兄 貴。時に、コメントは辛口。入局当初から、その姿、その胸板は変わらず、常に鍛えているのか?い 129 つまでも少年のような笑顔……と思っていたが、今は目尻の皺が魅力的。 寺崎 貴光(H9 入局) 長野赤十字病院勤務。手術手技に関しては、一番のこだわりを持って、何でも丁寧にこなすスーパー Dr。もちろん、後輩からの信頼は厚く、無口ながら、ポソっと言うひとことが重い。 和田 有子 講師(H9 入局) 2015 年、女性初の統括医長に就任予定。昔は、ロッカーに下着が干されていることもあったが、さす がに今は自宅に干している(笑)。科研費を取らせたら外科2No 1!! 。頭脳明晰、容姿端(嘆?)麗 (齢?) 、公明正大。いつか、信州大学を世界の Shin-shu University にしてくれるに違いない。 大津 義徳(H10 入局) 外科 2 の電機屋さん。お困りのことがございましたらいつでもご連絡下さい…。ほぼ即解決 !! …ま ぁ~たまに手技に不安もあるが(笑)。 高橋 耕平(H11 入局) 諏訪赤十字病院勤務。心臓血管外科独身貴族②。炊事に掃除、洗濯何でもござれ。誰にでも本当に優 しい……が、心臓血管外科一の倹約家で、それが仇になっているのか? 駒津 和宜(H14 入局) チーム A の若頭。時に厳しく、そして時に厳しく…そしてやっぱり厳しい(!?)。その強い眼光の奥の 優しい愛に気付く若頭補佐、若中たちもまた、愛で返してくれること間違いなし。 福家 愛(H18 入局) 長野赤十字病院勤務。小柄な身体のどこにそんな power が隠れているのか、子育てと女性血管外科医 として奮闘中。いるだけで…和むわぁ~。学位取得も目前。 五味渕俊仁(H21 入局) 大学院生。科研費 300 万円 Get!! 素晴らしい!フットワークも軽く、外科 2 宴会部長としてこれからも 期待の星。外科 2 の廊下を歩く時は着替えている彼が素っ裸になっていないことを確認すべし。 毛原 啓(H22 入局) 長野赤十字病院勤務。番犬として(愛称“イヌ”)活躍中。元バスケットボール国体選手キャプテンを 勤めあげる異例の存在。誰もが彼をいわゆる“天才”と言う。医療の世界でもキャプテンになって欲 しいと期待。 山本 高照(H22 入局) ややや……山本です !! 優しくて、何を頼んでも決して断らない。オッ、オッ…オギャー……一児のパ パにもなりました。 大橋 伸朗(H23 入局) 心臓血管外科独身貴族③。色白で性格は温和で……こう見えて武闘家なんです。極真空手の達人。あ なたを守りますとも。 中原 孝(H23 入局) 外科 2 イチのミステリアス男子。冷静沈着、頭脳明晰。こだわるとこにはこだわって、歩くスピード は常に変わらず。モテ男。 130 市村 創(H25 入局) 女子力 No1 男子。スイーツや美味しいパンのお店によく駆けつけている。サックスを吹くなど多才な 趣味もあり、その集中力を仕事に生かす。朝が弱くて、寝坊がたまにキズ。 藤井 大志(H25 入局) 飯田市立病院勤務。ICU 宿泊率 No 1!とにかく家に帰らない。彼の撮影するポータブル写真は技師 さんより上か? 田中 晴城(H26 入局) 韓流スターばりのイケメンの容姿だが、“アホ”でかわいいと大事にされている。 小松 正樹(H25 入局) 心臓血管外科イチこだわり No1。必要なものは何でもポケットに入っているドラえもん的存在。どんな に忙しく大変な日常でもコツコツ、コツコツよく勉強している姿を、みな一度は目撃しているだろう。 浦下 周一(H25 入局) 松代総合病院研修中。心臓血管外科に向けられたその熱い瞳が印象的。九州男児。その口から発せら れる様々な言葉には、毒もあればアメもあり、絶妙な言葉の選択に圧巻。熱い気持ちで、心臓血管外 科医としての一歩を歩き出す。 乳腺内分泌外科 伊藤 研一 教授(S63 入局) 「この人が教授でなければ、誰がなるっ !!」。時に、高度なダジャレと、すましてするオ○○(無味無 臭)はみんなを不安にさせますがそこはご愛嬌。すべての患者を把握し、いつでも電話が繋がり、いつ でも相談にのってくれます。臨床、研究に情熱を傾け、世間一般の話題にも好奇心旺盛。講演会や学 会活動に飛び回り、手術、学会発表のチェック、論文チェックと何でもこなして下さる超人、鉄人! その背中を見て皆が育ち、そしてついて行きます。 望月 靖弘(H8 入局) 伊那中央病院勤務中。最近話題にしなくなった独身貴族①。先生の骨は私たちで拾います!どんな患 者さんにも優しく傾聴してくれます。そのため、時々びっくりするような経過の患者さんのパスがき 131 ます。今は一人医長。一人焼肉の時は呼んで下さい。 藤田 知之(H9 入局) 東京医科大学茨城医療センター乳腺科部長。臨床、研究と熱く、責任感が強いので、本来ならば信州 で私たちを引っ張って欲しかったけど…。これからの日本の乳腺診療で活躍すること間違いなし。か わいい 3 人娘の優しいパパは、今から娘の相手が心配……と。 前野 一真(H9 入局) この人なくしてグループは回らない。2014 年統括医長。超マイペース B 型①。ひとつのことに集中し ちゃうのでついついお弁当箱が広げっ放しだよ。愛すべき兄貴 !! 怒られた時は後にもう 1 回電話がか かってくるので要注意!要警戒! 金井 敏晴(H10 入局) マダムキラーその①。言わずと知れたイケメン医師。オペ室の小窓はいつも人だかり。手術の腕はピ カ一で、先輩、後輩からも頼られる存在。妻と 3 人の息子をこよなく愛し、非の付け所のなし!だが、 相当、面倒くさがりがたまに傷。もっと欲があれば(研一先生談)……マイペース B 型② 小松 哲(H11 入局) 飯田市立病院勤務。誰とでも分け隔てなく、豪快に笑い、付き合ってくれます。でも意外と繊細。実 は…研究も結構好きですよね…。 小山 洋(H11 入局) 諏訪赤十字病院勤務。マダムキラーその②。優しい笑顔とその性格は老若男女問わずファンが多い。 いよいよ 2015 年 6 月……クリニック開院 !! 原田 道彦(H12 入局) 2014 年秋……。長野に堂々クリニックオープン。長年の夢を叶えたね。エアロビ、日焼け(日サロ ??) と一時は職を変えるのか…と不安ではあったが、ホッとしている。大変だと思いますが頑張って下さ い。 伊藤 勅子(H12 入局) 筆者。もはや話題にも登らない、登らせない独身貴族②。大丈夫、この仲間が、万一の時は Informed Consent を聞いてくれる、骨を拾ってくれると誓った。“金は決して裏切らない”と以前はよく働いた が、大事なものはそんなものじゃない…と最近気付く。 渡邉 隆之(H14 入局) グループいや外科 2 のムードメーカー No1!! いるだけで場が明るくなります。見た目とは裏腹にビッ クリするほど慎重派。グループの兄や姉、弟、妹はみな君を温かくいつも見守っている。もうじき学 位取得予定。 花村 徹(H15 入局) 最近、ほんとにお父さんに似てきたのでは?グループ一の研究好き。もちろん実力も伴いコンスタン トに論文を仕上げる優秀な……男。時々「花村アホだなぁ~」と言われるのは何故???(笑) 岡田 敏宏(H15 入局) 長野赤十字病院勤務。皮膚科の奥様と 2 人のお子さんの優しいパパ。患者さんにも優しく接している 姿勢は見習いたいです。見た目通り、穏やかで穏やかで……のんびりしています(笑)。たまには慌て 132 てよ(笑) 。 村松 沙織(H15 入局) 栗田病院勤務。2 人のお子様を育てながら、検診等で活躍中。豪快に見えるけど、繊細でちょっと乙 女。 福島 優子(H19 入局) 大学院生。外科1の弟さんと意外と似ている。ご両親は呼吸器内科と Dr 一家。カラオケでジャニー ズを踊らせたら、右に出るものはいない。朝がやや苦手。実験もして、学位取得に向けて邁進中。 家里明日美(H22 入局) 大学院 3 年生。現在、2人目出産後産休中。年子の2人を相手に子育て奮闘中。臨床・研究ともに馬 力ある仕事っぷりに圧巻。女性としても外科医としても私たちのお手本です。 大場 崇旦(H23 入局) 大学院 3 年生。頭脳明晰、集中力抜群 !! 仕事も早く丁寧で、そのチャーミングな容姿からは想像でき ない男らしさ(!?)あり。しいて言えば、酒飲み過ぎだろ~ 小野 真由(H24 入局) 見た目、行動ともにあっさり、さっぱりだけど、時折見せる女性らしい行動にハッとさせられます。 臨床、文句なし。今後待っている研究にも期待できます。心強い女医さん。 中島 弘樹(H26 入局) 乳癌、甲状腺癌を求めて仲間入りしてくださいました。性格も行動も見た目もすべてにおいて穏やか な「優しい先生」とは彼のような人だと思う。もちろん、2 児の優しい父。病理については癌研で鍛 えた目で常に厳しく指導してくれます。バシバシお願いします。 呼吸器外科 吉田 和夫 准教授(H2 入局) 呼吸器外科の BOSS。長野県胸部外科ダ・ヴィンチ手術の第一人者。最近はメディアへの露出も増加 133 しており、信州大学の名を全国、いや世界へ轟かすべく日夜尽力。手術における可能性をどこまでも 探究するその背中を、皆がみつめています!その探究心はとどまるところを知らず、登山に、自転車、 狩猟に…その背中ももちろん、皆で生暖かくみつめておりますとも。ええ。 藏井 誠(H7 入局) 究極の「自由人」と人は言う…。 好くも悪くも入局当初から、変わらないですね…(笑)。蔵井先生…若い !! 牧内 明子(H7 入局) 飯田市立病院勤務。コブクロをこよなく愛し、いつもクールで、仕事を淡々とこなす。何でも優しく 教えてくれて頼りにしてます。毎日ビール 500mL 缶 2 本って本当ですか? 椎名 隆之(H8 入局) 「呼吸器外科の外交官」長年の大学勤務の経験から、県内のあらゆる関連病院・院内のあらゆる部署に 顔が利く。交渉事は、俺に任せておけ!臨床では多彩な知識と豊富な経験の引き出しから出てくる、 高い技術で若手を助ける頼れる存在。難渋症例は、俺に任せておけ!独自のルートで入手してくる謎 の情報網も、近年ますます輝き、スキャンダルに対する嗅覚は他の追随を許さない。色恋沙汰のもつ れも、俺に任せておけ !? 砥石 政幸(H9 入局) 外科学第 2 前教授の退官式典などの催しが多く、ここ数年ではトップクラスの多忙な 1 年であった 2013 年度の統括医長として勤め上げたその姿は、まさに縁の下の力持ちと呼ぶに相応しい。現在、臨 床中心の生活へと復帰し、今度は手術の現場でも縁の下で中堅・若手を支えている。「男気」とは彼の 代名詞。 濱中 一敏(H9 入局) 諏訪赤十字病院勤務。外科 2 のプリンス。冷静沈着、眉目秀麗、頭脳明晰、にっこり笑顔が一番の麻 酔。いつまでも変わらないそのお姿……。時折、虎視眈々と何かを狙っているようにも見えますが、 その先には何が…。 齋藤 学(H11 入局) 上田医療センター勤務。呼吸器外科診療の立ち上げに貢献。スポーツ万能、判断力抜群、ややいつも 辛口だが、頼れる兄貴。 兵庫谷 章(H11 入局) 飄々として、慌てているところを見たことがない。マイペースに仕事をコツコツとこなす。どんなに長 いオペだって、大変なオペだって、嫌な顔ひとつせずに、しっかりやってくれる。そんな兵庫谷兄貴… 頼りにしてまっす。 小林 宣隆(H12 入局) Dr 一族になりつつある、小林家。ややいろんな面で不器用なところがあるけれど、とても穏やかな優 しい外科医。かつての研究はとにかくコツコツやり、impact factor 8 の雑誌にきっちり載せてきたの はほんとにすごかった。 江口 隆(H13 入局) ニューヨーク、Memorial Sloan Kettering Cancer Center(MSKCC)留学中。先輩、後輩からの絶大 なる信頼と、臨床・研究、教育に対する熱い想い。帰国後、必ずや皆を引っ張っていく存在になるで 134 あろう。真面目だが、宴会隊長をやらせてもこれまたピカ一! 冨永 義明(H14 入局) とある大学で飛び交った実際の会話。「今日、冨永どこ行ったのー?」「(少年)刑務所 !!」……コワモ テの冨永先生だとこの話、シャレになりませんから。 山田 響子(H14 入局) まつもと医療センター松本病院勤務。2 児の母。仕事も育児もバリッとこなすかっこいい女医。もう 少し、お子さんの手が離れたら、また是非、外科医として復帰して下さい。 吾妻 寛之(H15 入局) 上級医から要求される高難度の症例に数多く挑戦する傍ら、後輩たちから相談される数多くの症例に 立ち向かう、呼吸器外科の緩衝剤。椎間板のごとく中間職をこなす彼がヘルニアになってしまう前に、 一刻も早く成長するのだ若手諸君! 境澤 隆夫(H15 入局) 大学院生。もの静かで穏やかで・・コツコツ、バリバリ研究に勤しむ毎日。きっといい結果に繋がる に違いない。…と夜遅くまで研究しているかと思えば、 「子供のお迎えが…」「朝、ゴミ出さないと…」 と、ナイスパパな一面も。 三浦健太郎(H21 入局) 中信松本病院勤務中。呼吸器外科の 4 年におよぶ新入り不在を打破した功績をもつ、若手筆頭。臨床 に論文に、やる気十分。 「外科 2 野球部出身枠」その①。医局対抗野球ではキャプテンを務める。近 年、野球部出身が増えてきて、優勝の二文字もすぐそこだ! 竹田 哲(H22 入局) 諏訪日赤病院勤務中。優しい物腰といつも明るい笑顔は患者さんやスタッフからも大人気。 「外科 2 野 球部出身枠」その②。優勝を目指す!学生時代の自慢の俊足は、現在の巨躯をもってして再現される のか !? 乞うご期待。 梅咲 徹也(H23 入局) 信州上田医療センター勤務中。誠実、実直な性格が表れた診療スタイルは、誰もが信頼をおく。「外科 2 野球部出身枠」その③。強打者梅咲、打席でも臨床でも研究でも、大きな花火をあげることを期待。 久米田浩孝(H23 入局) 長野赤十字病院勤務中。外科 2 の有名なサラブレッドとして周囲の期待はいやでも集まるが、ものと もせず飄々と仕事をこなす。細く光るその眼は、酒が入るとわずかに大きく開かれるとか(笑)。 松岡峻一郎(H25 入局) 外科 2 一、二を争う大きな身体とその性格から、いつも周りにはたくさんの人が集まってくるムード メーカー。趣味は筋トレ。実は、仕事でも遊びでも、びっくりするほど、生真面目。これからますま すいろんな場面でその活躍が期待される。 原 大輔(H25 入局) 外科 2 の行事全般、宴会その他、仕事以外なら何でもござれ。よく笑神様が降りてくるらしい。たま に、職業選択を誤ったのではないか…と思ってしまう。いるだけで、ついつい声をかけたくなる存在 感だが……外科の症例は足りましたか? 135 大上 康広(H26 入局) 自転車で日本一周したその武勇伝は、もはや誰もが知るところ。そのバイタリティを余すことなく活 かし、日々の診療に邁進。いつの日か、自転車でなく彼の研究成果が日本中を一周、いや何周もする だろう!登録手続きのミスさえしなければ、ね。 医局事務/医療クラーク/実験助手 竹内 紗希 秘書さん①。外科 2 事務一の若手だが、テキパキ仕事をこなしてくれる弟思いの優しいお姉さん。貴 女方なくしては、外科 2 は成り立ちません! ありがとうございます。 峯村 美帆 秘書さん②。頼んだ仕事は「あっ!」と言う間に片付けてくれる、これまたスーパー秘書さん。ダメ な医局員ばかりですが、太平洋よりも広~い、日本海よりも広~い心で、温かく見守って下さい。こ れからもどうぞ宜しくお願いします。 上条しのぶ 実験助手さん。10 年もの間、たくさんの医局員の学位取得に多大な貢献をしてくれている。この人な くして、実験は進まず。でも…学内異動へ。また新たな環境で頑張って下さい。ありがとうございま した。 田中 夕祈 実験助手さん。朝早くから医局のお掃除をしてくれている姿を見かけます。動物がとっても好きで、 主にネズミちゃんを得意とした心臓血管外科の先生たちの実験のお手伝いをしてくれています。これ からの若い先生たちの学位取得、医局内の研究に向けて、力を貸して下さい。 長岩 成代 心臓血管外科医療クラークさん①。長く外科 2 の多くのスタッフを見て来て下さっている優しいお母 さん的存在。生活の知恵など何でも教えてくれる。愚痴も聞いてくれる。もちろん仕事はバリバリ。 無理しないで下さいね。 古畑 慶子 心臓血管外科医療クラークさん②。心外外来患者すべてを把握する brain。彼女なくしてはもはや心 136 外チーム、一歩も前に進めず(笑)。もっと大事にしますよ。 丸山 浩恵 乳腺内分泌/呼吸器外科医療クラークさん。嫌な顔一つせず、診断書や面倒な登録をコツコツやって くれる。学会で必要な資料はこの人に !! いつもありがとございます。 于 潔 実験助手。日本で、医師免許取得に向けて頑張っているアクティビティの高さをみんなで見習いたい と思う。いつも笑顔で、実験のことは何でも引き受けてくれます。勉強も大変だと思いますが、実験、 宜しくお願いします。 137 新医局員紹介 〈新医局員〉 中島 弘樹 昭和 47 年 8 月 30 日 誕生 平成 9 年 群馬大学医学部卒業 平成 27 年 4 月 信州大学医学部第 2 外科入局 育ち:南佐久郡南牧村野辺山 高校:長野県立須坂高等学校 今まで長く群馬県内で外科医として働いてきましたが、須坂市に実家があり長男でもあるため、群馬 大学大学院医学系研究科病理診断学(小山徹也教授)にて学位がとれ大学院を卒業できたことを契機に、 長野に戻って参りました。今まで群馬で勉強してきました一般外科診療と、癌研有明病院乳腺科で勉強 させていただいた乳腺専門診療を今後も生かしていきたいと思い、このたび信州大学医学部第 2 外科乳 腺内分泌外科グループにお世話になることになりました。恩師からいただいた「萬事不能外乎理 而醫 之於理為尤切」(景岳全書 張景岳)を胸に、信州の医療を一つ一つ学んでいきたいと思います。よろし くお願いいたします。 于 潔 出身:中国河北省 2008 年 天津医科大学卒業 平成 27 年 4 月 信州大学第 2 外科入局 長い間日本に住んでいますが、まだ分からないことが多いです。医学についても、日本についても、 まだまだ勉強するべきことがたくさんあります。何から何まで未熟者ですから、皆様のご指導お願いい たします。 138 〈後期研修医〉 御子柴 透 朝6時から採血して、カルテを打ちながら飲む缶コーヒー 130 円 着るたびに気を引き締める“Cardiovascular”と肩に入った白衣 22,000 円 大橋先生と病棟の看護師さんで行った楽しい飲み会の代金 3,000 円 届いた夜はドキドキが止まらなかった サージカルルーペ 250,000 円 外科(2)で学んだこと priceless お金を出しただけでは学べない価値がある 学べるものは、外科学(2)で(笑) 1 年間ホントに充実した日々を送れたのは、不出来な僕にあきらめずに指導してくださったすべての 上級医のおかげです。 1年間 MGH *で研修させていただき少しは使える医師になって帰ってきます。 *…MGH:マサチューセッツ総合病院ではなく、松代総合病院です これからもご指導、ご鞭撻よろしくお願いします。 宮崎 暁 外科 ローテーター 馬鹿であり続けたい 「馬鹿は外科に入るしかない!」の言葉を真に受け外科に入り、実際は相当な頭脳を要求され自分の頭 の悪さに日々悩まされ続けている宮崎です。馬鹿じゃなきゃこんなハードな科を選ばない、などと言う 人も居ますが、食事も食べずに手術だけに熱中し、あっという間に過ぎていく時間を楽しむことは外科 のみに与えられた特権であり、ある意味「馬鹿」になれる科なのかもしれません。まだまだ未熟者です が諸先輩方に少しでも近づけるよう、勉強の日々です。 さて、外科に入ってまだ1年少しですが、学んだことが3つあります。 まず、観察力の大切さです。手術をするということは、患者さんに大きな侵襲を与えるということで あり、その責任は重大です。術後の合併症も早い段階で対応することでその被害を最小限に食い止める ことができるため、術前から常に目を光らせ、術後起きた些細な変化に気がつくことが予後に直結する と知りました。 139 次に、小さいことからコツコツとやることの大切さです。医者は先輩の教えなしには成長しえないこ とは周知のとおりかと思います。先輩の「やってみろ」の一言なしには何もできません。そんな中、少 しでも先輩の目に止めてもらえるよう、出来ることは小さいことからコツコツとやることを学びました。 そうして1つずつ引き出しを増やしていき、いずれ「やってみろ」と言える日を目指し頑張りたいです。 最後に、長い手術の後、帰室して一段落してからみんなで食べる CoCo 壱番屋のカレーのうまさです。 ふだんは何の変哲もない、むしろ味の割に値段が高いとすら感じるココ壱のカレーが、高級フランス料 理にすら負けない程のごちそうに化けるのです。こんな安上がりに贅沢な気分に浸ることができる外科 はなんとすばらしいのでしょう! というわけで、これからも、患者さんが元気に帰れるよう、自分がステップアップできるよう、そし て何より美味しいカレーを食べられるよう、生ける限り日々努力する外科医でありたいと思う次第です。 中村 大輔 抱負です。宜しくお願いします。 2014 年 4 月より信州大学外科学講座外科学第 2 に入局しました中村大輔と申します。大学時代の 6 年 間は秋田で過ごし、出身県である長野へ戻ってきました。以前から外科をやりたいと思いながら座学、 実習、そして初期臨床研修を経験し、この度入局させて頂き、日々研修を積んでいく所存です。様々な 科の先生に御指導いただき、充実した日々ですが、まだまだ自分の未熟さを痛感するばかりです。今後、 このご恩に値するように精進していきたいと思いますので、今後も御指導御鞭撻のほどよろしくお願い します。 町田 海 (昭和 60 年 10 月 16 日生) 平成 24 年 信州大学医学部卒業 平成 25 年 信州大学医学部附属病院 初期研修 平成 26 年 長野県立須坂病院 初期研修 平成 27 年 信州大学医学部第 2 外科入局 第 2 外科の先生方との出会いはポリクリの時でした。学生の目から見ても毎日忙しそうに働いている にも関わらず、いつも楽しそうに目が輝いている先生方は、当時怠惰な生活を送っていた私には強い記 憶として残りました。循環器か消化器に興味はあったものの、初期研修 2 年目の終りギリギリまで悩ん でいた自分を後押ししたのは、第 2 外科の雰囲気の良さだったと思います。まだまだ医師としても、人 としても未熟さを痛感する毎日ですが、日々精進していきたいと思っています。御指導御鞭撻の程よろ しくお願い致します。 140 教室行事 1月 7日 医局新年会 18日・19日 大学入試センター試験 2月 4日 拡大医局会 8日・9日 医局スキー旅行(湯田中温泉) 14日 卯月会役員会 25日・26日 入試前期日程 3月 4日 卯月会会計監査 12日・13日 入試後期日程 12日 天野純教授最終講義 18日 医師国家試験発表 25日 信州大学卒業式・学位記授与式 4月 4日 入学式 19日 第65回卯月会総会 天野純教授退任記念祝賀会(ホテルブエナビスタ) 22日 花見会(まきば山荘) 5月 2日 卯月会臨時役員会 12日 学生グループ別懇談会 6月 1日 第116回信州外科集談会 6日 卯月会役員会 7日・8日 医局旅行(群馬) 14日 外科2セミナー 8月 17日~ 19日 第8回信州医療ワールド夏季セミナー 10月 23日 学生グループ別懇談会 11月 21日 卯月会役員会 29日 第38回長野県乳腺疾患懇話会 29日 第2回信州ステントグラフト研究会 12月 20日 信州大学外科同門会総会 20日 信州大学外科合同忘年会 26日 三診療科合同忘年会(目の湯旅館) 141 国際学会体験記 久米田 浩孝 (ASCVTS 2014 in Istanbul) 呼吸器外科の久米田浩孝と申します。2014 年 4 月 2 ~ 7 日にかけて、トルコ、イスタンブールで開催 された第 22 回 ASCVTS(The Asian Society for Cardiovascular and Thoracic Surgery)にて発表させ ていただきました。今回私は「Pulmonary Artery Reconstruction With A Prosthetic Conduit In Lung Cancer」という演題にて、吉田先生がまとめていらっしゃった人工血管による肺動脈置換により肺全摘 を回避しえた 2 例についてポスター発表させていただきました。1 例は肺動脈損傷による大量出血後、人 工血管置換し救命できた症例、もう 1 例は肺動脈浸潤のため切除再建した症例です。2 例とも手術・術 後管理に関わらせていただいた症例でした。初めての国際学会発表であり、トルコ旅行も初めてでした ので緊張と不安でいっぱいでしたが、英語の堪能な吉田先生と、トルコ旅行経験のある吾妻先生と寺田 先生の心強い 3 人も一緒であり、非常に楽しく有意義な学会旅行となりました。 学会会場では日本人も多くみられました。ポスター発表の決められた討論時間はありませんでしたが、 ポスターを張り、他の発表を見てみますと、それぞれのお国柄を表すような、個性的なポスターだらけ でした。やはり一番見やすくわかりやすいのは日本のポスターでした。口演をみますと、非常に活発に 討論されている先生方が数人おられ、圧倒されました。インドと中国の先生方のようでしたが、訛った 英語でもかまわず討論され、白熱していました。ただただ圧倒された学会発表でした。 学会発表が目的とはいえ、アジア最西端のトルコまで来ましたので、4 人の激論のすえ観光も堪能す る方針といたしました。若干余裕のある日程でしたので、世界遺産であるパムッカレをはじめ、イスタ ンブール内の世界遺産めぐりを堪能しました。また食事は肉に詳しい吉田先生が先頭きって店と交渉し ていただき、世界三大料理の一つのトルコ料理を食べまくりました。肉、肉、肉、サバ、肉といったほ ぼ毎日肉メインの食事でしたがとても美味しかったです。 初の海外学会発表はなんとか無事に終え、帰国することができました。このような発表機会を頂き、 本当にありがとうございます。発表に関し、御指導していただいた吉田先生、江口先生をはじめ、お世 話になりました先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。英語力の無さを痛感した学会でしたが、今 後も国際学会に発表できるように精進いたしますので、ご指導の程宜しくお願い致します。 世界遺産パムッカレ(奥は吉田先生) 142 寺田 志洋 ASCVTS 2014 に参加して 外科後期研修医の寺田志洋と申します。私は外科学第2教室研修中の 2014 年 4 月 3 〜 6 日にかけて吉田 先生、吾妻先生、久米田先生と共にトルコ(イスタンブール)の ASCVTS に参加させて頂きましたので ご報告させて頂きます。演題は『SIZE AND COMPUTED TOMOGRAPHIC DENSITY OF NONSOLID PULMONARY TUMORS ARE USEFUL PREDICTORS OF INVASIVE ADENOCARCINOMA』で、 ポスター発表でした。 初日はイスタンブール観光に出かけました。トプカプ宮殿などの歴史的建造物やバザールを見学しト ルコの文化に触れ、合間でさばサンド、ケバブを堪能しました。 2日目には航空機で世界遺産であるパムッカレ観光に行きました。パムッカレは石灰華からできた大 きな段丘であり、純白の棚田のようなその壮大な絶景に圧倒されました。 いよいよ3日目には学会場である ISTANBUL CONVENTION & EXHIBITION CENTER に行きま した。自分のポスターを張り、少し遠くから自分のポスターの周りをウロウロしてみましたが、残念な がら見に来てくれる聴衆はほとんどいませんでした。また、拝聴したオーラルのセッションではアジア だけでなくヨーロッパやアメリカからの発表もありましたが、アジアからの発表では結核やアスペルギ ルスなど感染症がらみの演題が多く、アジア諸国においては感染症が未だに重要な課題であるというこ とを認識しました。そしてディスカッションの際に欧米人同士が英語で激しく言い合っているのを聞き、 内容を理解するだけの知識と英語力を身につけなければと強く思いました。 結局、初めての国際学会は自分の演題に関しては特に質疑応答することなく終わってしまいました。 また機会があれば、次回はぜひオーラルでチャレンジしてみたいと思います。 最後になりますが、この様な貴重な機会を与えて下さった外科学第2教室の先生方に深く感謝申し上 げます。今後ともご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。 143 吾妻 寛之 海外学会参加記 平成 15 年入局の呼吸器外科 吾妻寛之です。今年も欧州胸部外科学会(23rd European Conference on General Thoracic Surgery)へ参加してきましたのでご報告いたします。昨年はポスター発表というこ ともあり一人での参加でしたが、今年は吉田准教授とご一緒にデンマークのコペンハーゲンにいってき ました。 今年のテーマは、胸腺研究会のデータベース事業より信大に割り当てられた「胸腔鏡下胸腺手術」で した。椎名先生が中心になり症例登録が行われ、信大は全国で 5 番目の症例登録数となりました。その 結果、信大にデータベースからの発表を割り当てられることとなりました。このような大きなテーマを 僕に任せて頂いた吉田先生には大変感謝しております。しかし私の力不足は甚だしく、吉田先生にはデ ンマーク入りしてからも毎晩深夜 2 時頃まで発表スライド、原稿の修正にお付き合い頂き何とか発表を 行ってきました。 今回の学会には、阪大の奥村教授など呼吸器外科のビッグネームの方々が多数参加しておられました。 普段では接する機会もないような偉い先生方ですが、吉田先生のおかげでご一緒にお話しさせていただ く機会も得られとても有意義な学会参加でした。 コペンハーゲンは小さな街で、1 日あればほぼ観光スポットを制覇できるような所でした。街の中に 運河もあり、 西洋らしい石畳の町並みでとてもきれいなところでした。デンマークは白夜の国でもあり、 僕らの行った 6 月でも 22 時頃ではまだ夕方くらいの明るさでした。夕食を食べながら暗くなり始めたこ ろにホテルに帰ると、大抵 24 時近くなっているという夜更かし生活パターンでした。おかげで時差ボケ もあまりありませんでした。 アンデルセンの生まれた国であり、有名な人魚姫の像も見に行ってきました。海岸に打ち捨てられた ような哀愁の漂う石像でしたが、観光バスもくるような一大観光スポットのようでした。個人的には世 界三大がっかりスポットのうちマーライオン、人魚姫を見ることができましたので、残るベルギーの小 便小僧にむけて虎視眈々と機会を狙っていきたいと思っています。 最後になりますが、このような貴重な発表の機会を頂きましたことを呼吸器外科グループの先生方を はじめ諸先生方にはあらためてお礼を申し上げます。 22 時でもまだこんなに明るい 海岸にぽつんと佇む人魚姫。周りには何も無し…。 運河沿いにレストランが並ぶ、オシャレなスポット 144 留学便り 江口 隆 2014 年 6 月より、米国ニューヨークの Memorial Sloan-Kettering Cancer Center(MSKCC)に留学 させていただいております。 私は 2001 年に入局し、2006 年に呼吸器外科に固定しました。大学、伊那中央病院での勤務を経て、 2012 年に大学に戻るまでは、先輩方の後を追って一番下の立場で働いておりました。しかし、後輩の指 導も行わねばならない立場となり、自分にその資格があるのか?という問い掛けと、自分自身の今後の 可能性、将来像を考えた時、「海外で修行する必要がある」との思いに至りました。「修行」することの 具体的な目標は、1)肺癌を中心とした癌研究を自ら主導できる実力を身につけること、2)国際学会な どで討論できる力をつけること、3)新たな手技など手術を中心とした外科臨床を学ぶことでした。そ して、これを成し遂げるために、「世界一の施設に留学しよう!」と考えていました。 しかし、留学先を探すにも、何から手をつけて良いか全くわからず、途方にくれていました。そんな 中、小型肺腺癌の画像診断と病理浸潤の関連の研究において協力をしていただいた臨床検査部の吉澤 明彦先生が MSKCC に留学されていたと知るに至りました。MSKCC と言えば、MD Anderson、DanaFarber などと並ぶ米国の最も有名な癌センターのひとつであり、それを知った瞬間に、自分の実力も顧 みず、 「これはきっとチャンスだ。何とか MSKCC に留学したい!」と考えたのでした。すぐさま留学の 実現を目指して、そのために何が必要かを整理し、肺癌関連の原著論文作成や、遅れに遅れた学位取得、 世界肺癌学会での発表など、目標に向かって準備を始めました。2013 年 6 月にシカゴで行われた ASCO での発表後、ニューヨークまで足をのばして MSKCC を訪問し(周りをウロウロしただけ)、実現でき るかどうか全くわからないものの、 「1 年後にはここに来てやる!」と決意していました。そして、吉澤 先生に自分の希望を打ち明けたのが 2013 年 9 月、履歴書とカバーレターを用意して臨んだ翌月の世界 肺癌学会にて現在の私の指導者である Dr. Adusumilli に直接吉澤先生から紹介していただく機会を得て (いろいろと手を考えたものの、結局アポなし)、翌日には内諾をいただくことができました。吉澤先生 への心からの感謝と、本当に運が良かったなという思いと同時に、私自身の強い思いがなければ決して 成されなかったことも間違いなく、チャンスをつかむというのはこういうことだったのかと、生きる上 で一つ大事な発見もさせていただきました。 そして、2014 年 6 月より、MSKCC 胸部外科リサーチフェローとしての留学生活が始まりました。ボ スの Dr. Adusumilli はインド出身の胸部外科医で、免疫治療(T-cell 治療)が専門で、臨床と平行して 基礎研究を行うラボを持っています。私は基礎研究のラボには属さず、病理医とともに臨床病理学的研 究を担当しています。研究内容としては、第一にラボでの免疫治療に関する基礎研究の臨床病理学的な 裏付けをとる研究が上げられます。具体的には、肺癌、悪性中皮腫における免疫マーカーの発現と予後 の相関を調査し、ラボでの基礎研究とのコラボレーションを行うことです。またそれとは別に、肺腺癌 の形態学的亜分類と予後あるいは画像所見との相関や、外部研究機関と協力して microRNA や新たな細 胞増殖遺伝子の mRNA 発現など、肺癌のバイオマーカー研究も行っています。 ボスは非常に多忙で、365 日仕事をしています。朝は 6 時半にはオフィスに来ています。また、非常 に慎重で、信用されない限りなかなか仕事をいただくことができません。研究に関する知識もコミュニ ケーションする能力もない私がまず行ったことは、できるだけボスよりも早く職場に到着し、土日も働 くことでした。そして頼まれた仕事は全力で返すことを繰り返し、次第に少しずつ仕事を与えていただ けるようになりました。現在は病期 II,III 期の肺腺癌に関する補助療法の効果と腫瘍微小環境の関連の 解明という大きなテーマに向かって動き始めたところです。今のところはデータ収集(ひたすらカルテ から臨床データを収集するのは大変な作業で、症例数が多いので時間がものすごくかかります)、標本整 145 理(プレパラート、パラフィンブロックの整理)などが主な仕事で、いわゆる基礎研究からはかなりか け離れた仕事をしています。また、先輩たちが作り上げた膨大なデータベースの管理も任せていただい ております。加えて、大変光栄なことに肺腺癌の新分類に関するレビューを執筆させていただくチャン スもいただき、大変充実した日々です。 また、研究と並んで臨床も学びたいという夢を果たすため、最近 USMLE の勉強を始めました。これ はかなり苦痛ですが、徐々に学生時代を思い出し、若返ったような気がして少しだけ「調子に乗って」 きました。そして、大学院生の時に伊藤研一先生より分子生物学の基礎を学んだ後に「見える世界が変 わった」と思ったのを思い出し、この受験勉強は医学を基礎から勉強し直す大きなチャンスであると信 じています。 異国の地にありながら、これまでの人生で最も多忙で、最もチャレンジングな毎日を過ごすことがで きるのは、それをサポートしてくれる家族があってのことです。なかなかゆっくりと出かける時間もな く、こんな私を許してくれる家族に心から感謝しております。妻は子供を学校に送り出した後に語学学 校に通い、家でも一生懸命勉強しています。家事・育児との両立は本当にすばらしいと感動しています。 4 歳の娘は既に英語を話しており、そして既に日本語が怪しくなってきており、その上達・順応の早さ に驚愕させられます。2 人ともニューヨークを愛している様子です。 3 歳になった息子は発達障害があり、日本でもリハビリを行っていました。ニューヨークは小児の発 達障害に対するケアの面で非常に手厚いサポート制度があります。しかしながら、実際に事務方で働い ている人たちは気分が乗らないと仕事をしてくれず、また、取り返しがつかないような非常に重要なこ とであっても、平気ですっとばしてくれます。親として情けない思いをする毎日でしたが、最近になっ て電話での督促などにも慣れてきて、ようやく「素晴らしい制度」を活用しつつあります。日本にいる 時は全て妻に任せていたことを反省するとともに、家族の大切さに改めて気づくことが出来たことは、 私の人生にとって本当に重要で、大変幸せなことだと思っています。 最後になりましたが、激励と暖かな応援をしてくださっている伊藤研一教授、吉田和夫科長をはじめ、 外科 2 の皆さん、研究助手・事務の方々、OB の先生方、そして留学支援をはじめ休職中の私に様々な サポートをしてくださっている信州大学医学部に心より感謝させていただくとともに、将来皆様に恩返 しが出来るように、更なる努力をしたいと決意を新たにしております。 2015 年 3 月 10 日 Research fellow Department of Thoracic Surgery Memorial Sloan Kettering Cancer Center 146 医局アルバム 2014 ▪スキー旅行 147 医局アルバム 2014 ▪天野先生退任記念 148 医局アルバム 2014 ▪お花見 ▪ウェットラボ 149 医局アルバム 2014 ▪医局旅行 150 医局アルバム 2014 ▪忘年会 151 医局アルバム 2014 ▪教授就任祝賀会 152 卯月会 卯月会だより …155 第 65 回卯月会総会 …156 会員近況報告 …160 追悼文 足立 英二 先生 …164 宮川 信 先生 …165 小池 綏男 先生 …166 卯月会だより 会長 宮川 信 最早、真夏のような天候で辟易していますが、皆様ご健勝のこととお慶び申し上げます。 外科学講座(外科学第2)教授、天野純先生の最終講義が、平成 26 年 3 月 14 日、信州大学医学部附 属病院外来棟 4 階大会議室で、 「私が学んだこと―外科医を愉しむ―」という題で講義されました。天野 純教授の外科学という教授の人生観がにじみ出たお話でした。 平成 26 年 4 月 19 日(土)、午後 2 時よりブエナビスタにて第 65 回卯月会総会が開催されました。今 回は天野純教授退任記念式典および祝賀会との併催とさせていただきました故、例年より時間を短縮し 30 分で総会を進行終了いたしました。総会へは計 86 名の会員が出席され、その様子をご報告いたしま す。 ・砥石政幸前統括医長の開会の辞で始まり、宮崎忠昭前会長の挨拶の後、清水忠博先生より、議長 に小林信や先生をご推薦いただき、議事進行を務めていただきました。 ・昨年の総会以後ご逝去された岩崎 哲先生、杉山正憲先生、黒田秀雄先生のご冥福を祈り一同黙 祷を行いました。 ・庶務報告ならびに会計報告があり、いずれも承認されました(資料参照)。 ・人事異動の報告とともに、卯月会会員の異動に関し医局で可能な限り把握するよう従来通り努め ますが、引き続き情報があれば随時医局へご連絡いただきたい旨をお願い致しました。ご協力の ほど何卒よろしくお願い致します。 ・新入局者および学位取得者の紹介を行いました。なお今回は該当する先生方の報告のみとさせて いただきました。 ・今年は役員改選の年で、新会長に私、宮川が、副会長に川村信之先生、小林信や先生、幹事に袖 山治嗣先生、前会長の宮崎忠昭先生には顧問に新しくご就任いただき、承認されました。なお、 在局幹事は医局人事の改選に伴い砥石先生にかわり前野先生が就任されました。 ・卯月会会長および顧問として長年卯月会を支えていただきました牧内正夫先生が本年度より顧問 を退任されることとなりました。ご報告とともに、牧内先生よりご挨拶をいただきました。 ・信州外科集談会 6 月 1 日(日) 信州大学にて開催されました(当番は外科1)。 総会は予定通り 14 時 30 分に終了し、ブエナビスタ 3 階へ場所を移し、天野純教授退任記念式典が行 われ、出席者一同で写真撮影を行った後、17 時より退任記念祝賀会が実行委員長の伊藤研一准教授の挨 拶により開催されました。祝賀会は総勢 208 名の出席者で盛大かつ華やかに行われました。 来年の第 66 回卯月会総会は、平成 27 年 4 月 11 日(土)、ホテルブエナビスタで開催される予定です。 例年第 3 土曜日に開催しておりますが、来年は日本外科学会学術集会の開催時期と重なるため、第 2 土 曜日に変更しておりますので、ご注意をお願いします。大勢の先生方のご参加をお待ちしております。 155 第 65 回 卯月会総会次第 平成 26 年 4 月 19 日(土)/於:ブエナビスタ Ⅰ 役員会 13:30 ~ 14:00 レガロ(2F) Ⅱ 総会 14:00 ~ 14:30 メディアーノ(2F) 1.開会の辞 砥石前統括医長 2.会長挨拶 宮崎忠昭 会長 3.議長選出 4.物故者報告 砥石前統括医長 5.物故者への黙祷 宮崎忠昭 会長 6.役員改選 7.会計報告 砥石前統括医長 8.庶務報告 砥石前統括医長 ・人事異動 ・新入局者紹介 梅咲徹也先生、大上康広先生、久米田浩孝先生、 浦下周一先生、小松正樹先生、原 大輔先生、松岡峻一郎先生 9.学位取得者紹介 砥石前統括医長 望月靖弘先生、岸本 恭先生、江口 隆先生 10.その他 砥石前統括医長 ・第 116 回信州外科集談会兼第 1 回日本臨床外科学会長野県支部会 日程:平成 26 年 6 月 1 日(日曜日)会場:信州大学医学部附属病院 ・次回卯月会は平成 27 年 4 月 11 日(土)に開催予定 11. 閉会の辞 砥石前統括医長 ※本年は天野教授退任記念行事併催のため卯月会としての写真撮影・懇親会はございません。 156 資料1 卯月会役員 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 平成 25 年 平成 26 年 長 宮崎 忠昭 宮崎 忠昭 宮崎 忠昭 宮崎 忠昭 宮川 信 副 会 長 野村 節夫 宮川 信 野村 節夫 宮川 信 野村 節夫 宮川 信 野村 節夫 宮川 信 川村 信之 小林 信や 幹 事 関 龍幸 石坂 克彦 梶川 昌二 関 龍幸 石坂 克彦 梶川 昌二 関 龍幸 石坂 克彦 梶川 昌二 関 龍幸 石坂 克彦 梶川 昌二 石坂 克彦 梶川 昌二 袖山 治嗣 監 事 渡辺 豊昭 清水 忠博 渡辺 豊昭 清水 忠博 渡辺 豊昭 清水 忠博 渡辺 豊昭 清水 忠博 渡辺 豊昭 清水 忠博 顧 問 天野 純 天野 純 天野 純 天野 純 天野 純 牧内 正夫 五十嵐修三 牧内 正夫 五十嵐修三 牧内 正夫 五十嵐修三 牧内 正夫 五十嵐修三 五十嵐修三 宮崎 忠昭 高野 環 前野 一真 小山 洋 望月 靖弘 寺崎 貴光 砥石 政幸 瀬戸達一郎 砥石 政幸 寺崎 貴光 砥石 政幸 橋都 正洋 大津 義徳 前野 一真 金井 敏晴 伊藤 勅子 会 幹 事 (医局) 157 資料2-1 平成25年卯月会会計報告 〈予算〉 〈決算〉 【収 入】 科 目 前 年 度 繰 越 金 平成 25 年度会費 合 計 金 額 1,562,084 685,000 2,247,084 【収 入】 備 考 科 目 前 年 度 繰 越 金 会 費 利 息 総 会 残 金 合 計 【支 出】 科 目 弔 信 議 簿 作 念 品 備 小 計 次 年 度 繰 越 合 計 慶 通 会 雑 名 記 予 費 費 費 費 成 代 費 金 金 額 120,000 50,000 200,000 10,000 60,000 200,000 640,000 1,607,084 2,247,084 金 額 1,562,084 845,000 233 51,925 2,459,242 備 考 【支 出】 備 考 科 目 弔 信 議 簿 作 念 品 数 備 小 計 次 年 度 繰 越 合 計 慶 通 会 名 記 手 予 費 費 費 成 代 料 費 金 金 額 96,500 29,700 268,279 32,484 49,930 4,515 481,408 1,977,834 2,459,242 備 考 資料2-2 平成25年 会計監査報告書 平成26年卯月会会計予算案 〈予算〉 【収 入】 科 目 前 年 繰 越 金 平成 26 年度会費 合 計 金 額 1,977,834 670,000 2,647,834 備 考 【支 出】 科 目 弔 信 議 簿 作 念 品 備 小 計 次 年 繰 越 合 計 慶 通 会 雑 名 記 予 158 費 費 費 費 成 代 費 金 金 額 120,000 50,000 300,000 10,000 50,000 60,000 200,000 790,000 1,857,834 2,647,834 備 考 資料3 【物故者報告】 平成25年4月21日~平成26年4月19日 岩崎 哲 先生 平成25年 7月24日 御逝去 杉山 正憲 先生 平成25年 8月19日 御逝去 黒田 秀雄 先生 平成26年 1月27日 御逝去 【人事異動】 平成25年4月21日~平成26年4月19日 (池田 忍 先生 平成24年6月 池田医院閉院) 足立 英二 先生 平成25年7月 足立外科胃腸科医院閉院 柘植 善明 先生 平成25年7月 町立辰野病院副院長就任 後藤 博久 先生 平成25年10月 長野赤十字病院退職 篠ノ井総合病院着任 森本 雅己 先生 平成26年3月 森本医院閉院 小林 信や 先生 平成26年3月 東長野病院退職 代田 廣志 先生 平成26年3月 諏訪赤十字病院退職 天野 純 先生 平成26年3月 外科学教室(外科学第2)退職 矢澤 和虎 先生 平成26年4月 諏訪赤十字病院退職 開業 159 卯 月 会 会 員 近 況 報 告 平成 26 年4月 柳沢 資高(昭和 25 年) 体調に合はせて日々ボツボツと働いておりま 一番のりした E. ヒラリ氏と松本で握手。 す。 小生今年は満 88 才米寿になりますが、今のと ころ息子等や周囲の誰も之を祝ってくれる気配 五十嵐修三(昭和 35 年) 天野教授、19 年間の長い期間第 2 外科の発展 に御尽力いただきありがとうございました。 がないのに、日本医師会がこの頃桐箱入りの直 径 10cm 余の銀盃にて祝ってくれました。大変 有難いことでした。 その間、松医会長、卯月会長をつとめ、81 才 つい になり、終の趣味にトランペットを吹いていま す。 当日は不調がありますので欠席します。 盛会を祈ります。 仲間と麻雀、囲碁、家内とゴルフをしていま す。 矢嶋 國孝(昭和 30 年) 病身(施設入所中)の家内の看護・介護に振 りまわされ、独居老人の索漠たる日々ですが… そのうちに元気になれるような気もしていま す。 大久保貞夫(昭和 35 年) 我が医の故郷医局を離れて 40 年以上たちま した。この所ご無沙汰ばかりで申し訳ございま せん。週 3 ~ 4 日不定期に診療し、月 4 ~ 8 回 ゴルフを行っております。心身とも衰えて参り ましたが。 牧内 正夫(昭和 31 年) 今年は 7 回目の年男。老馬に鞭うっても、勢 よく跳ねたり走ったりできなくなりました。医 師会の住民健診を週に 2 ~ 3 回手伝っていま す。ゴルフも月 1 回位は出られるようがんばり ます。 澤田 久雄(昭和 33 年) いろいろ不自由なところが多くなりました。 大塚満洲雄(昭和 35 年) 医療に携わって 55 年、勤務医をつづけてきま したので生涯現役とはいかず、今年 3 月をもっ て現役を引退します。 これからは天命に従って前向きに生きていく つもりでいます。 医学に対する好奇心は維持していきたいと思 います。 池田 恭(昭和 34 年) 現役で診療を行っております。 並みです。 本間 勇卿(昭和 34 年) 50 年前(1963)低体温法にて開心術を行って 以来月日のたったとは感慨無量 石田 康雄(昭和 36 年) 岐阜の片田舎にある陶器の里でのお年寄りの 内海 温(昭和 35 年) Prof. の最終講義ブンデルバール ! クマモト大の脇坂 Prof. は最后に「僕は退官 后あのマッターホルンを 10 回登る」と宣云し、 僕スイスでその同伴者・中村さんに會って遂に 見事登頂されたときき、僕もかつてエベレスト 160 小林 璿(昭和 35 年) 健康相談係も 13 年目となり、その仕事に何時 ピリオドを打つかボチボチ考える頃となりまし た。一応元気に過しております。 野村 節夫(昭和 36 年) いよいよ老躯に鞭打って、県下の血液事業の 続きを週 3 日ほど果たしておりますが、楽しみ な山登りの足の衰えに頭を悩ませる昨今です。 佐藤 卓彌(昭和 36 年) 天野教授の数々の御業績にお祝いを申し上げ ます。 ます。 私事の方は、傘寿を過ぎてなおやぶ医者を続 けております。頭部以外はなお健康を保ってい 土屋 隆(昭和 40 年) もう少し現役で働かなければなりません。 ます。 渡辺 豊昭(昭和 40 年) 3 年前脊柱管狭窄症の手術をうけました。し びれはなくなりましたが腰痛が残っておりま 宮崎 忠昭(昭和 37 年) 天野先生長い間本当に有難うございました。 これからもお元気でご活躍下さい。 す。その他は元気、多少の手術をこなしていま す。そろそろ監事をやめさせて下さい。 廣瀬 義明(昭和 37 年) 冠動脈に計 7 本のステントが入っています が、お陰様で元気に診療を続けております。 井之川孝一(昭和 41 年) 先日、信大病院にて天野教授の最終講義を拝 聴した。在職 18 年余、立派にその職責を全うさ 村松 昭(昭和 38 年) はからずも、明治 27 年来の大雪災害にみま われ、大変な不便、苦労を経験しました。体調 まずまずにて雪かきの雑事なども克服しました が、さすがに想いは、老いと、いたわり優先の 毎日です。仕事も趣味もマイペース、変化はあ りません。いつまでもロマンチストの信念は持 ち続けたいものです。さて、今年のピアノ発表 曲はチャップリンの“ライムライト”です。 足立 英二(昭和 39 年) 平成 25 年 7 月に老令の為閉院し隠居いたし ましたが、元気です。御盛会をお祈りしていま す。 れ、その歩みを回顧する人生のお話に感動させ られました。大変ご苦労様でした。 一方、自分の人生を振り返り、19 年も医局生 活を過ごした自分は何を残したろうか ? 恥ずか しながら何もない。人生の節目の迎え方につい て改めて考えなおさせられた。先生はひげと頭 は年相応でもまだ若い。今後の益々のご活躍と ご多幸を祈ります。 関 龍幸(昭和 41 年) 昨年より体調悪くいまだ変りません。失礼な がら欠席致します。 小野 泰生(昭和 42 年) 救急救命はもう出来ませんが、一般診療は続 けています。 池田 忍(昭和 39 年) 高齢となり歩くことが困難となった為診療所 も閉院し、現在は年金生活をしています。 川村 信之(昭和 42 年) ご返事遅れて申し訳ありませんでした。今度、 小池 綏男(昭和 40 年) 私用にて欠席させていただきます。続く人の 会長より副会長に推せんされました。僭越では ありますが、お引き受けすることになりました のでよろしくお願いいたします。 ない道を寂しく歩いています。 佐藤 赳夫(昭和 40 年) 菅谷 昭(昭和 46 年) 式典準備等々、大変ご苦労様です。公務につ 何とか現役で仕事しています。皆様に宜しく。 き、欠席します。ご盛会を祈念しております。 張 洛禹(昭和 40 年) もの忘れスクリーニングテストを受けるよう に囲りからすすめられています。 Mund と Stethoskop だけで日常診療を行って 池田 裕(昭和 46 年) 天野教授、御苦労様でした。今後もよろしく お願い申し上げます。元気にしております。よ ろしく。 161 小宮山清洋(昭和 47 年) 何とか元気で細々診療いたしております。ご 盛会をお祈り申し上げます。 小林 信や(昭和 48 年) 恩のある天野先生の御退任であり本当に残念で す。御盛会を心からお祈り申し上げます。 神頭 定彦(昭和 57 年) 救命救急センター新棟が昨年 5 月に完成し、 この 3 月で定年退職となります。本拠地を自 宅のある松本に移します。東長野病院の外来を 手伝いながら余暇を楽しみたいと思います。 ハード面は整ってきましたが、相変わらずの医 師不足で運営に四苦八苦しています。 天野先生には当院として大変な恩義があり、 あらためて御礼申し上げます。その節は大変お 代田 廣志(昭和 48 年) 本年 3 月 31 日、諏訪赤十字病院を退職しまし た。 世話になりありがとうございました。 袖山 治嗣(昭和 58 年) 長野赤十字病院も外科医が増えず大変です。 藤田ひろ子(昭和 49 年) 同年齢の天野教授が退官を迎えられるのは感 無量です。 お疲れさまでした。 自分なりに、65 年間、思考力の減退を除いて、 大きな故障もなく仕事が出来たことを感謝して ます。 金子 源吾(昭和 52 年) 誠に残念ではありますが 4 月 19 日(土)当 日日本医療機能評価機構の初任時研修の予定と 重なりどうしても失礼しなくてはならなくなり ました。評価調査者(サーベイヤー)の応募の 時にこの研修に参加することが条件になってお り、休むことができません。あしからずご了承 下さい。皆様によろしくお伝え下さい。 久米田茂喜(昭和 52 年) 木曽病院、安曇病院、仁愛病院、柏原クリニ ックでフリーターとして手術しています。国保 の指導監査と審査もあって、趣味に時間がさけ ません。 宮本 英雄(昭和 58 年) 篠ノ井総合病院で変わりなくやっています。 外来は週 4 日、手術は週 2 - 3 回のペースです。 花崎 和弘(昭和 59 年) 四国肝不全研究会の当番世話人・代表世話人 のため欠席させていただきます。 天野先生本当にありがとうございました。 西村 秀紀(昭和 60 年) 手技、薬剤、治療法のみならず医療従事者の 環境もハード、ソフト全ての面で刻々と変わり 行く昨今です。取り残されぬよう抗っています が、体のあちこちが応えるようになりました。 小出 直彦(昭和 62 年) 木曽病院にて早 1 年が過ぎました。天野先生 には 96 年からお世話になりました。ありがとう ございました。 藤森 芳郎(平成元年) 新病棟が一部完成し、新しい快適な手術室で 横澤 保(昭和 52 年) こちらは元気でやっております。 こりずに連絡よろしくお願いします。 手術ができる様になりました。一方外科医は古 くなる一方です。 羽生田正行(昭和 56 年) 愛知医科大学病院が新しくなり 5 月 9 日に開 宮澤 正久(平成 2 年) 若い Dr. に刺激を受けながら何とかやってい ます。 院します。式典が催される 4 月 19 日の午後に 患者移送のリハーサルが予定されており、残念 ながら出席(式典に)できなくなりました。御 長谷川 朗(平成 3 年) 著変なくすごしております。 162 矢澤 和虎(平成 3 年) 天野教授には大変お世話になりました。長い 間御苦労様でした。 私事で恐縮ですが、今春開業することになり ました。名前は「やざわ虎クリニック」です。 御指導・御鞭撻の程よろしくお願いします。 小松 大介(平成 11 年) 朝 6 時から研修医になりたての際、天野先生 より白衣のボタンを留める等々心構えについて ご講義いただいたのが昨日のことのように思い 出されます。外来業務で欠席させていただきま すが、ご盛会をお祈り申しあげます。ご指導あ りがとうございました。 小山 洋(平成 11 年) 諏訪にて日々精進しております。 あとがき 今年も 50 名という大勢の先生方から近況報 告をいただきました。有難うございました。そ れぞれの先生の勤務や生活、健康状態の一端が うかがえ、これを読むのを楽しみにしている方 が多いようです。一言でも結構ですから近況を お書き添えください。 なお、出来る限り本文に忠実にプリントしま したが、ミスがありましたらご容赦ください。 163 追悼文 ◆ 故 森本 雅巳 先生─ ────────────────────────────────── 追悼の辞 足立 英二 森本雅巳君、君に初めて会ったのは、昭和 32 年の桜の花咲く春爛漫の文理(旧制松本高校)の講堂で した。君は東京の名門日比谷高校、宮川君は富士高校、私は麻布高校で、みんな都落ち組だと笑いあっ たものです。 君は真面目で勤勉で信州の自然を愛し、部活はバスケット、冬はよくスキーに行っていました。授業 をさぼりがちな私は君のきれいな字で要領良く書かれたノートを写させてもらったものです。学生生活 の後半は、君と宮川君と私は、下宿先が袋町の犬塚荘で一緒でした。その 3 人が偶然かどうか、そろっ て卒業後丸田外科へ入局することになったのです。同時に池田君、米倉君も加わり、丸田先生の最後の 弟子(学位をいただいた)となり、末っ子のせいか先生には可愛がられ、あまり叱られたこともありま せんでした。先輩には九龍会、七賢人など各学年で別称があり、我々 5 名は東京オリンピックの年でも ありましたので、五輪会と名乗っていました。 森本、池田両君と私は本間先生、沖山先生等の「実験的消化性潰瘍の発生」を研究するグループに入 れていただくことになりました。犬に「Mann-Williamson の潰瘍」が発生する手術を施した実験犬に対 する膵液、胆汁等の影響をしらべるのです。このグループは犬組合と呼ばれ、いつも着衣に犬のノミが たかっているので、他の教室員からは一緒に入浴するのを嫌がられる存在でした。何十匹もの犬の世話 は新人の仕事ですが、この重労働を率先して真面目にやったのが森本君でした。私の学位論文の半分は 君のお蔭だと思っております。 当時は心臓外科の黎明期で、信大でも Herz をやろうとの丸田先生のお考えで、志田講師を長として、 犬組合がその研究をするように命じられました。その理由の一つは心臓手術の実験には犬を使用するの で、その扱いに慣れている犬組合員が向いているだろうとの事でした。志田先生、本間先生ほか数名の 先輩方は岩手医大の瀬田教授、新津助教授のもと、超低体温麻酔下での開心術を研鑽されました。森本 君と私は実家が東京というので、東京女子医大の榊原外科で人工心肺の勉強に行きました。ここから信 大の心臓外科が始まったのです。 その間、森本君の実家を訪問しましたが麻布の一等地にある「麻布自動車」という自動車整備工場で した。私はびっくりして、こんなに素晴しい家があるなら、東京へ帰った方が良いのではと言ったもの です。それでも君は帰らず大学に残り、松本を終の栖と決め、心臓外科の基礎を作り、その後の発展に 尽力されました。助教授で退職し、その後開業され、いろいろ御苦労されたことと拝察しています。君 は常に人の為に尽くしました。同級会、同窓会、医師会、ロータリー・クラブなどの世話役や役員を長 年つとめてくれたのも、君の人柄、人徳によるものと思います。 昨年 9 月、小池君より突然電話があり、君が重症で入院中とのこと。さっそくお見舞に馳けつけまし たが、すでに意識もはっきりせず、激痛に苦しんでいる様子でした。私は呆然として、なぜこんな状態 にまでなってしまったのか理解出来ず、今でも残念でなりません。松高寮歌の「春寂寥」の感がしてな りません。長年の友情を心より感謝いたします。御冥福をお祈りします。さようなら、また会う日まで。 散る桜残る桜も散る桜 (良寛) 164 ◆ 故 森本 雅巳 先生─ ────────────────────────────────── 森本雅巳君を偲んで 飯田市立病院 名誉院長 宮川 信 森本雅巳君が平成 26 年 10 月 7 日にご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。 告別式の私の弔辞をもって森本君を偲ばせていただきます。 弔 辞 森本雅巳はもういない。 同友生、友人、親友の俺たちをおいて、どうして、どうしてそんなに忙いで逝ってしまったのだ。 東京出身の君は、麹町中学校、日比谷高等学校、そして信州大学医学部とエリートコースを歩んでき た。俺も東京の私立、中・高一貫校だったので、何となく気があったのだろう。 君はバスケットボール部、俺は野球部であり、君は勉学とバスケットを、一生懸命に励んだ。俺は野 球と酒と遊びに狂った。もちろん講義はほとんど出なかった。 いわゆる、君は真面目で、俺は不良であった。そんな不良の俺を避けずに、いろいろと付き合ってく れた。君はもちろん、試験は 1 回で合格し、俺は落ちた。そしてビーコン(再試験)で、君のノートを 借りて、かろうじて合格した。そのような俺は君や友人の力でやっと卒業できた。 そして信州大学医学部大学院、第 2 外科学教室に、仲の良い 5 人で入学(入局)した。君は犬の実験 グループ、俺は病理学・解剖学の方で学位を取得した。それぞれ医局で、研究、指導、診療に励んだ。 その間、2 人とも留学し、俺が助教授になり、そして、飯田市立病院へ出向した。その後、君が助教授 になった。その時、俺は本当にうれしかった。しばらくして、君は開業した。 君はいつも同級会の幹事で、同級会の企画をやってくれた。感謝している。 俺は約 2 年前、秋田県で雪のため転倒し、脊椎、第Ⅺ胸椎を骨折し、同級会に出席できなかった。す ると電話で出席するのか、しないのか連絡ぐらいよこせ!と叱られてばかりであった。昨年(平成 26 年)の 3 月、森本医院を閉院するとのハガキが届いた。歳をとったせいで患者を診るのがいやになった のかなと漠然と思っていた。 しかし、9 月末に、外科学第2、前野統括医長から電話で、森本先生が入院している、あまり良くな いようだ、との知らせがあり、俺は驚き、あわてて信大附属病院の病室へ行った。そのとき君は意識も あり、俺と話すことがうれしそうだった。 なつかしい昔話から、最近の話しまで、30 分ほど話し合った。 俺は君と会えて思い残すことはない。本当に痛みと苦しみで、こらえきれなかったことだろう。 俺の顔を見て、やっと安心したのだろう。よく頑張った。本当によく頑張った。 もうすべてを忘れて、やすらかに眠ってくれ。 合 掌 平成 26 年 10 月 9 日 (松医会報、99:18, 2014.) 165 ◆ 故 森本 雅巳 先生─ ────────────────────────────────── 森本雅巳君との交わり -出会いから別れまで- 小池 綏男 平成 26 年 10 月 7 日の朝、奥さんから「主人が危篤だと病院から知らせがありました。今、向かって います」と電話があった。急いで信大附属病院に駆け付ける。8 時 30 分頃に病室に入ると、看護婦さん たちがエンゼルケアーを始めようとしていた。 『間に合わなかった!一昨日、見舞った時は、まだ大丈夫だと思ったのに…』 上半身を斜めにされた森本(いつも呼んでいるように呼ばせてもらうよ)を見た時に「こんなに苦し んで死ぬなんて、医者になった甲斐がなかったよ…」と訴えているように感じられた。その苦しそうな 表情が、はっきりと脳裏に焼き付いて離れない。もしかしたら亡くなる前に漏らした「今までに書き溜 めたものを纏めて本にしたかったなー…もう少し生きれると思ったのに…」との思いも込められていた ような気もする。 それにしても緩和治療が進歩した今日、人々が一番恐れている痛みと戦いながら旅立たなければなら なかったのだ。終末は病室に近づくと呻き声が漏れていた。可愛そうだったが、大学を去って 30 年以上 にもなる老兵には、大学の中に頼める“つて”がなくなってしまって、どうすることも出来なかった。 無力さを感じ、母校が遠い存在になってしまったことを痛感した。 昭和 32 年 4 月に信州大学に入学したが、医進時代は森本はマージャン・パチンコなどの賭け事はせず に静かに音楽を聞いているような“真面目な学生”であったと記憶しているが、東京の真ん中で育った 割には、都会的なスマートさを持ち併せていなくて、どこかに朴訥さが感じられた。親が尾道の出だっ たためかもしれない。 専門過程に進むと森本はバスケット部に入った。俺は野球部に入ったが、医進時代に覚えたマージャ ンに明け暮れた生活を送っていて留年してしまったので、袋町(現:城東)にあった犬塚荘に下宿して いた足立(甲府市在住)や宮川(飯田市在住)の所に遊びに行った時に顔を会わせることがあったくら いで、一緒に飲んだり遊んだ覚えがない。 森本、池田(広島県福山市在住)と野球部出身の足立、宮川、米倉(神奈川県鶴町在住)の 5 人が1 年先に入局していた丸田外科に俺も入局した。その時森本はトランク(トランク一つの荷物で短期間、 関連病院に出稼ぎに行くこと)に出ており、俺も半年程するとトランクに出たので同じ釜の飯を食う機 会が無かった。 つばくろだけ 3 年ほどして、2 人が同時に医局にいた時に、燕岳(2,763m)に登ることになったが、その理由は思い 出せない。もしかしたら、俺が医進 1 年の時に足立(かつて早稲田大の山岳部員だった経歴がある)と 一緒に槍ヶ岳の肩の小屋で 40 日ほどアルバイトをして山の経験があったためかも知れない。いつか森本 にそのことを聞いて確かめたいと思っていたが、叶わなくなってしまった。 当時の医局生活は貧しかったので簡単に車を持てるような時代ではなかった。だから大糸線で有明駅 えんざんそう まで行って、そこからバスで中房温泉まで行ったと思う。燕山荘に泊って燕岳に登り、同じ道を戻るの は芸が無いと考えて中房温泉ではなくて高瀬ダムの方に下りて葛温泉で疲れを落とすことにした。燕岳 から北燕岳の方に下って行くと信州大学の校章にもなっているコマクサ(その後、時々山に登ったが、 こんなに多くの花が咲いているのを見たことがない)が咲いていた。2 人で感激したよなー。誰にも会 わずに東沢乗越を過ぎてから餓鬼岳(2,647m)の方に行く道から離れて東沢を高瀬川の方に下りだした。 そのうちに獣道になり、やがて沢が崩れた所に出ると道がなくなってしまった。勇気を出して飛び越え て渡った沢の薄褐色に露出した土の色だけが記憶に残っているが、森本は覚えているかい。沢に沿って 166 下って行くと無事に高瀬川の川辺に出ることが出来た。 その後は、森本と山に登る機会はなかったし、俺も鎌田中学の登山に随行して燕岳に登ったくらいで 山に登る暇がなかった。 森本、足立と池田は犬組合(犬を実験台にして人工的に胃潰瘍を作る実験を行って博士号を取得して いたグループである。低体温下の心臓手術にも取り組んでいた)に属して研究に明け暮れ、宮川と米倉 は甲状腺でラジオアイソトープを使って実験をしていた。 「外科医は指を大切にしなければならない職業だから車夫馬丁がするようなことをしてはまかりなら ん」との恩師丸田公雄先生のご意向で、ゴルフは御法度であった。 その頃、森本は結婚することになり、結婚式の司会を俺に頼んできた。仲人をされた丸田先生も俺の 司会ではと心配でならなかったと思う。その後、森本は 3 人の子供さんに恵まれ、さらにお孫さんの顔 も見る事ができたのだから良かったことにして貰うよ。 丸田先生の在職中から始めていた千葉大学綿貫外科(第 1 外科)との野球交流戦にゴルフの交流戦も 加えたらと千葉大から提案されたのを契機にゴルフが解禁された。野球は丸田杯、ゴルフは綿貫杯を争 奪することになった。既に腕をあげていた足立の指導で俺も宮川とゴルフを始めた。丸田先生も退職さ れてから健康維持の為にゴルフを始められた。その頃から森本も始めたがスコアーはともかくとして長 いパットを良く入れるので、先生が感服していたことを思い出す。俺に言わせれば、森本はスコアーを 気にしないで、ホールに向かって強気に打つので長いパットが入るのだと思っていたが…僻みかもしれ ない。 大学院生だった 5 人は丸田先生の指導を受けて入局後 5 年で学位を取得した。昭和 45 年、インターン 制度を廃止して実施されることになった報告医制度反対に端を発した学園紛争の最中に、丸田先生は最 終講義を行わないで退官された。それに併せて足立、池田と米倉は大学を離れて一般病院に赴任してい った。 教授不在の期間を過ぎて、降旗力男助教授が 2 代目の教授に昇任された。しばらくして第 1 外科から 外科学の2つの講座を併合して1つにしようとの申し出があった。それに応えるための第 1 段階として 第 2 外科の診療・研究体制を3部門に分けることになった。胸部(心臓・肺)、一般 A(消化器、乳腺) と一般 B(甲状腺、副甲状腺)グループである。森本は胸部のナンバー 2、宮川は一般 B のナンバー 2 になり、俺は一般 A のナンバー 4 だった。森本と宮川は臨床と研究に忙しくなったが、俺は与えられた 乳腺疾患の診療や消化器(胃と大腸)の検査をやっていれば良かったのでゴルフの腕を上げていた。 降旗教授が病院長の時に、長野県が大学病院の南の土地に“長野県がん検診・救急センター”を設立 する話が持ち上がった。降旗先生は俺をそこに赴任させるように取り計らってくださった。 降旗先生が突然、亡くなられて 3 代目の飯田教授が就任されてから俺は長野県がん検診・救急センタ ーに赴任したが、宮川は助教授に昇進し、4 年程で飯田市立病院の院長に就任した。そこで森本が助教 授になり、教室のナンバー 2、および胸部のナンバー 1 として随分苦労されたと思うが、その頃弱音は 聞かなかった。 胸部外科を担う後輩が育ってきた平成 5 年 3 月に、自らの意思で医局を止めてしまった。熟慮した末 のことであったと思ったが、詳しい経緯は聞かなかった。これからどうするのか心配していると 1 年程 フリーランス医師の生活を送ってから院長が亡くなって閉じていた医院を借りて“求心堂・森本医院” を開いた。保証人を頼まれたので書類にサインしたが、その決断にはびっくりしたよ。その時教授から 「助教授の身でありながら開業するとは何事だ。俺の顔に泥を塗ったな」となじられたそうだ。「就職先 を世話してくれなかったから仕方なかったのに…」とこぼしていた。 その医院は広い道から入り組んだ細い道を入った場所にあったので患者さんが集まるか心配したが、 森本の人徳から地域の人々の信頼を得て順調に患者さんが増えたようだった。その間に俺は公務員生活 を終えてフリーランス医師になった。 開業医として実績を重ねた森本は、松本医師会の副会長を務め、長年に亙って同級生の世話役として 松医会(医学部同窓会)の運営に携わってきたことから会長に選ばれた。そして松医会の財政基盤の充 実化に踏み出した。その頃は、ほとんど俺と交流する機会はなかったが、それ程世渡りが上手で無いと 思っていた森本がよくやるよと感心していた。責任感が強かったのだ。 167 平成 25 年 12 月 28 日に、突然、電話があって「膀胱癌で根治手術になりそうなので 1 月 17 日から休 院して 3 月に閉院することにしたよ」と言われた。「開業を止めて老健かどこかに勤めた方が楽だよ」と 答えておいた。俺はこの時点では膀胱癌はそれほど進行が早くない癌だと思っていたし、勤務医を辞め て開業していた足立と池田も元気なうちにと、この年に閉院したからである。 しばらくして「借りていた医院は息子さんが戻ってきて継いでくれることになったよ。職員も設備も 引き継いでくれるって…松医会の方も勝山君(4 年後輩、元信大附属病院長)が会長を引き受けてくれ ることになったので治療に専念できるよ」と肩の荷を下ろしたような口調で連絡してきた。 その後、すぐに手術をしないで抗がん剤でたたいてから手術をすることになったので入院したと知ら された。平成 26 年 2 月末に信大病院に見舞いに行くと「抗がん剤治療が終わったら家に帰って医院の引 き渡しをして、4 月からは若い院長の後見役としてしばらく面倒を見ることになったよ」と言った。 抗がん剤治療が終わって手術をすることになったと知らせがあったので 6 月 14 日に見舞いに行く。 「抗がん剤は余り効いていないようだよ」とぼそっと言った。 6 月 24 日に手術が行われた。何本かの管を体から出した姿はあまり人には見られたくないだろうと推 測したので、 元気を回復したと思われる 7 月 6 日に見舞いに行った。手術の状況を話してくれたが 30 分 ほど話すと疲れたようだった。10 日ほどして見舞いに行くと具合が良さそうだった。 俺は車で四国 88 ヶ所巡りをしていたが、7 月 21 日に無事に終わったことを高野山奥之院に報告に行 ったので森本が元気になるように拝んできた。 しばらくして退院したので術後の経過は良かったと思っていると 9 月 3 日に電話があった。直腸に狭 窄があるので人工肛門を造ることになったとのことである。2 日後に見舞うと「転移による直腸狭窄だ って…」と言った。腹痛が頻繁に起こるので、何も食べる気になれないらしく、だいぶ痩せていた。「早 く人工肛門を作ってもらった方が良いよ」と助言する。 9 月 10 日、人工肛門ではなくて 2.3cm のステントを入れたとのことだったが、裏急後重は治らないよ うだった。その時、明日東京から姉と妹が来るから来てくれと言われたので病院に行くとベッドサイド に長男を含む親族 5 人が待っていた。森本は、苦しそうではあったが、はっきりと「葬儀のことは小池 さん ば まち せんしょうじ に頼むから…菩提寺は尾道市山波町にある浄土宗の専晶寺だよ。檀家の総代をしている従兄弟に納骨は そっちにするように頼んであるから…」と頼んできた。自分の死後のことまで気を回していたのだ。親 族からも「よろしく」と懇願されてしまった。まだ葬儀の話は早いとは思ったが、森本の状態から判断 して「後のことは引き受けるから安心しろよ」と言った。 それまで医局の同級生には知らせていなかったが、足立だけに容体を知らせた。9 月 20 日に足立が来 たので一緒に見舞う。3 人で昔の話をしている時は、多少痛みが和らいだようだった。泌尿器科の医師 が様子を見に来て廊下に出た時に、後を追いかけて痛みだけはとってくれる様に頼むと緩和ケアーの医 師に相談すると言われた。 『痛みだけはとってやって欲しいよ』 9 月 26 日に訪れるとかなり弱っていた。10 月 5 日に同級生の 4 人に森本の容体を知らせたが、まだ、 しばらくは大丈夫だと思っていた。 10 月 7 日、8 時過ぎに、急変したと連絡があったのである。その日、森本の遺体はみすず野法祥苑に 運ばれ、通夜は、翌日宮渕の松本法祥苑で行われることになった。 通夜に出るために松本法祥苑に行く。親族や同級生などが 30 人程集まって 7 時から通夜が行われた。 納棺の時の森本の顔は、いつもの顔に戻っていたので安心したよ。医師になって 50 余年を病気と闘って いる人たちと歩んだ道を振り返って悟りを開いたのだろう。 姪御さんに棺の中に入れたいので何か一言書いてほしいと頼まれたが、すぐには書けなかった。翌日、 早朝に起きて拙い筆で般若心経を書き、森本と登った思い出の燕岳の絵葉書を添えて松本法祥苑に届け て棺にいれてもらったよ。何時か燕岳に登った時の話などしよう。 松本葬祭センターに行くと松本法祥苑を出た霊柩車が到着し、11 時頃から火葬が始まった。待ってい る間に子供さんやお孫さんたちの様子を見て安心したよ。 骨揚げをして別れを告げた。俺は午後からの告別式には仕事の都合で参列出来なかったが、ご家族の 168 悲しみは計り知れないものであっただろう。 10 月 10 日、足立を松本駅で迎えて初めてマンションを訪れたよ。霊前に線香を供えてから奥さんと 森本の姉妹との 5 人で森本の思い出話をしたよ。聞こえただろう?仲の良い兄弟姉妹だったんだね。49 日が済んだら森本が望んだ尾道の菩提寺に納骨すると聞いた。 浄土宗(法然が開いた宗派で、南無阿弥陀仏と唱えるだけで極楽浄土に往生出来ると説いた)のお寺 に埋葬されるのに真言宗(即身成仏を目的とする宗派で、空海が唐から日本に伝え広めた)の高野山に お願いしてしまったので御利益がなかったのかなー。 11 月 24 日に、49 日忌を済ませたと奥さんと姉妹の 3 人がわが家にやって来た。お骨はもう少し奥さ んの側に置いて供養するそうだ。 平成 27 年 2 月 21 日に尾道のお墓に納骨を済ませたと伺った。松本の空を飛び回ってからご先祖様が いる故郷に戻ったのだね。保証人の契約書は処分したからね。 長い間、良き友でいてくれてありがとう。感謝するよ。 ひとまず、さようなら。 “南無阿弥陀仏” 169 編集後記 新体制外科学第 2 教室の幕開け― 入局して 15 年。初めて年報編集に携わることになって気付いたこと……。 『こんなに立派な年報なのに、ちゃんと読んだことがない。』 情熱ある新しい教授 2 名をお迎えし、若い医局員も年々少しずつではあるが、増えつ つある。今回の年報 2014 では、関連病院にいらっしゃる先生にも医局の様子や若い先 生たちを紹介したく、勝手な企画を入れてみた。 改めて 3 診療科の医局員をひとりずつ見つめてみると、隣の仲間を意外と知らないこ とに気付く。グループが異なればなかなかその人の“人となり”を知る機会はないの で、いろんな人に聞いてみることにした。『その人のいいところを挙げて下さい…。』 …すると、言葉に詰まる人が本当に多かった。哀しいかな…、『人のいいところ』を 認めて、評価することは意外と難しい。あるいは、近過ぎて、 『いいところ』を『言葉』 にすることができないのだろう。残念なのは…『嫌なところならあるけどな。』 『ダメな ところばかり目に付く。』という返答が多かったこと。 誰にでも、いいところもあれば悪いところもある。でも、いいところはつまりは“自 分が”『好きなところ』であり、悪いところは“自分が”『嫌いなところ』なのである。 これを機会に目先を変えて、自分を振り返ることもできるだろう。自分がみんなのいい ところに目を向けてきたかどうか。異論もあると思うが、医局員ひとりひとりの顔を思 い浮かべて、自分なりのその人の『紹介』をしてみるといいのではないか。 そして、是非、“やさしい”『言葉』にしてみよう。 きっと、この医局の『仲間』がとても『愛おしい』存在になるに違いない。…そんな ことを想う企画になり、自分のための企画になってしまった。 『忙しい』毎日を送っている諸君。忙しくて心を亡くすべからず。 『忙しい』毎日を送っている諸君。自分の心を亡くしたことを忘れるべからず。 毎年のことではありますが、年報作成にあたり、非常に多くの先輩方、同僚、研修医 の先生方、そして医局秘書さんにご協力いただきましたことをここに厚く御礼申し上げ ます。 また明日から始まる、常に新しい外科学第 2 教室をこれからも宜しくお願い申し上げ ます。 2014 年度 外科学第 2 教室 年報作成担当 伊藤勅子 170 年 報/ 2014 信州大学医学部外科学教室(外科学第2) 発 行 日:平成 27 年7月 31 日 編集・発行:信州大学医学部外科学教室(外科学第2) 〒 390-8621 松本市旭 3-1-1 印 刷:株式会社プラルト 〒 399-0033 松本市大字笹賀 5985 TEL 0263-28-8000 Find Opportunity in Change MOSAIC CG FUTURE PROFILE 3D CONTOUR 3D bioprosthesis semi-rigid annuloplasty ring and band rigid annuloplasty ring rigid annuloplasty ring 販売名:モザイク生体弁 販売名:CGフューチャー 販売名:Profile 3Dリング 販売名:Contour 3Dリング 医療機器承認番号:21100BZY00508000 医療機器承認番号:22400BZX00060000 医療機器承認番号:22400BZX00065000 医療機器承認番号:22500BZX00428000 Structural Heart & Endovascular事業部 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