ガーナ共和国 短期滞在者用国別情報 本情報は国別生活情報より短期滞在(出張)用の情報を抜粋したものです。 1. ガーナ プロフィール (1)正式名称 (和文) ガーナ共和国 (英文) Republic of Ghana (2)政体 共和制 (3)首都 アクラ (4)面積 23万8537平方km (日本の約3分の2) (5)人口 約2,689万人 (2015年:IMF) (6)民族 アカン族、ガ族、エベ族、ダゴンバ族、マンプルシ族など (7)言語 公用語 :英語 (8)宗教 国民の約半数がキリスト教徒、イスラム教15%、その他伝統的宗教 (9)略史 13世紀から16世紀初期に現在のガーナ主要民族が西方より移住した。15世紀中ごろからポ ルトガルなどのヨーロッパ人が渡来。金や象牙、奴隷などの貿易が行われる。1873年英国 が保護領化し、1957年に英国の自治領として独立した。 (10)在留日本人 約339人 (2016年10月現在) (11)気候 北部の大部分が熱帯サバンナ気候(年間降水量1500mm以下)、西部海岸部から中央部にか けては熱帯雨林気候(同1500mm以上)となる。 雨季と乾季がある。アクラのある南部では5~7月が大雨季、8月が小雨季、9~11月が少雨 季、12~4月が大乾季である。北部では4~10月が雨季となる。1月前後には南北を問わず サハラ砂漠の砂を含んだ風が吹き寄せ、非常にほこりっぽくなる(ハマターンと呼ばれる)。 気候は一年を通じて蒸し暑く、最も涼しいのは8月、最も暑いのは3月である。南部の平均気 温は摂氏25~30度で、日中の湿度は90%前後と、かなり高い。 【参考】 「国別協力情報ファイル」 国際協力機構 「外務省ホームページ-各国・地域情勢-」 外務省 『最新世界各国要覧 10訂版2000』 東京書籍 2.業務のための基礎データ (1)JICA事務所の概要 (ガーナ事務所) 住所 :2nd Floor, The Elizabeth, No. 68A, Senchi Link, Airport Residential Area, Accra, Ghana 郵便物宛先 :JICA GHANA OFFICE, P.O.Box 6402, Accra-North, Ghana 連絡先 : 国番号 :233 地域番号 :30 電話 :+233-30-2760781~2 FAX :+233-30-2760954 執務時間 : 8:30~12:00、13:30~17:00 (土・日休み) 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―1 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency 休日 : 2016年 1月 1日 2 月 11 日 3 月7 日 3 月 25 日 (木) (木) (月) (金) 元旦 建国記念の日 Independence Day 独立記念日* Good Friday 聖金曜日* 3 月 28 日 5月 1日 5 月2 日 5 月3 日 (月) (日) (月) (火) Easter Monday 復活祭* May Day メーデー* May Day 振替休日 憲法記念日 5 月 25 日 (水) African Union Day アフリカ連合の日* 7月 1日 (金) Republic Day 共和国樹立記念日* 7 月6 日 (水) Eid-al-Fitr ラマダン明け休日* 8 月 11 日 (木) 山の日 9 月 12 日 (月) Eid-al-Adha 犠牲祭* 9 月 21 日 10 月 10 日 11 月 23 日 12 月 2 日 (月) (月) (水) (金) Founder’s Day 建国の父の日* 体育の日 勤労感謝の日 Farmer’s Day 農民の日* 12 月 25 日 (日) Christmas Day クリスマス* 12 月 26 日 (月) Boxing Day ボクシングデー 12 月 27 日 (木) Christmas 振替休日 *英語併記はガーナの祝祭日 (2)JICA事務所周辺地図 事務所までの交通 : タクシーの場合は「Airport Residential AreaのWool Worthの向かいでGhana Home Loans近くの 赤い建物(The Elizabeth)」と、行き先を運転手に告げる。事務所は同ビルの1階(受付)及び2階。 (3)日本との時差 サマータイム -9 時間 実施していない。 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―2 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency (4)現地祝祭日 3 月7 日 Independence Day 3 月 25 日 Good Friday 3 月 28 日 Easter Monday 5 月1 日 May Day 5 月 25 日 African Union Day 7 月1 日 Republic Day 7 月6 日 EID-IL-FITR 9 月 12 日 EID-UL-ADHA 9 月 21 日 Founder’s Day 12 月 2 日 Farmer’s Day 12 月 25 日 Christmas Day 12 月 26 日 Boxing Day 官公庁の休日 :上記祝日と土曜日、日曜日 (5)ビジネスアワー 官庁 8:30~12:00、13:00~17:00 (土・日は休み) 銀行 8:30~16:00 商店 8:00~17:00 (日曜の午前または終日は、休みの店が多い) (6)言語 業務 :英語が十分通用する。 日常 :英語が通用する。市場、商店等では現地語が使われることもある。 (7)通貨 通貨 :ガーナセディ(GH¢) 補助通貨 :ガーナペソワ(Gp) ※100Gp=1GH¢ (8)通貨レート 為替レート :1 米ドル= 3.80GH¢(2016 年 10 月現在) 円換算の目安は、1GH¢ が約 25 円。(2016 年 10 月現在) 通貨の種類(2016 年 10 月現在)。 紙幣(GH¢):50、20、10、5、2、1 硬貨(Gp):1(1GH¢)、50、20、10、5、1 (9)関係機関 【在外日本関係機関】 日本大使館 (Embassy of Japan in Ghana) 住所 :Fifth Avenue, West Cantonments Accra, Ghana 郵便物宛先 :P. O. Box 1637, Accra, Ghana 電話 :030-2765060~3 FAX :030-2762553 執務時間 :月~木 8:30~12:30 13:30~18:30、金曜 8:30~12:30、 土・日閉館。 【ガーナの関係官公庁】 Ministry of Local Government and Rural Development Ministry of Fisheries and Aquaculture Development Ministry of Interior Ministry of Foreign Affairs And Regional Integration Ministry of Defence Ministry of Water Resources, Works and Housing Ministry of Transport Ministry of Trade and Industry Ministry of Tourism, Culture and Creative Arts Ministry of Roads and Highways 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―3 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency Ministry of Youth and Sports Ministry of Lands and Natural Resources Ministry of Justice and Attorney General Ministry of Health Ministry of Gender, Children and Social Protection Ministry of Food & Agriculture Ministry of Finance Ministry of Environment, Science, Technology and Innovation Ministry of Energy and Petroleum Ministry of Employment and Labour Relations Ministry of Education Ministry of Communications Ministry of Chieftaincy and Traditional Affairs Ministry of Power (10)有用サイト http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html (外務省「各国・地域情勢」) http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/index.html (外務省「渡航関連情報」) http://www.ghana.gov.gh/ (ガーナ政府の公式ホームページ) http://www.ghanaweb.com/ (生活情報一般) http://www.lonelyplanet.com/destinations/africa/ghana/ (旅行情報) 3 入国・出国情報 (1)入国時 入国カードを記入する。カードは通常、機内で配布されるが、入管審査の入り口にも置いてある。必要事項を記入して 審査窓口に提出する。 日本で取得した査証は、有効期限に関係なく、ガーナ入国審査時に 60 日間(または 30 日間)のみ有効の滞在許可が与 えられるため、それ以上滞在予定の場合は、ガーナ入国後 60 日以内(滞在許可が 30 日の場合は 30 日以内)に期間延 長手続きを行う。一律、短期滞在用査証(有効期限30日または60日)に切り替えられる。従って、それ以上滞在予定の場 合は、別途長期滞在許可証を取得する必要がある。 (2)帰国時 出国審査は入国審査より簡単である。空港に入ってすぐに各航空会社の受付カウンターがある。ここで搭乗手続きを済 ませて出国カードを記入する。 陸路で隣国へ出る場合も、簡単な出国審査と荷物検査だけである。自家用車等で出国する場合は、車両の International Certificate、International Motortrafic for Motor Vehicles(国際通行証)、車両保険の加入が必要である。 フライトのチェックインは、原則として出発の2時間前までに行う。ただし、出発便が重なって空港の混雑が見込まれる 場合は、3時間前になることがある。夜間出発の場合、アーリーチェックインが可能な場合がある。 日本もしくは現地で航空券を購入した場合、料金に空港使用税が含まれているので、支払う必要はない。 再入国の予定がある場合は、旅券の再入国許可印、期限や回数が有効であることを確認する。黄熱病予防接種証明書 (イエローカード)は出国時にも必要である。 (3)出迎え 一般の出迎えは空港建物内に入れないため、出口で待機する。 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―4 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency (4)市内への移動 空港建物の出口付近でタクシーを拾うことができる。市街地までは15分程度、料金は15~25ガーナセディ程度。 Golden Tulip Hotel、Novotelなど大手ホテルに宿泊する場合は、送迎サービスを利用できる(要事前予約)。 4 通信 (1)携帯電話 MTN、Vodafone、Tigo、Expresso、Airte、Glol等がサービスを提供している。プリペイドカード方式と料金受取人払い がある。 料金受取人払いの場合、電話会社への登録料や基本料金が必要である。通話料金は、15-20ペセワス/分程度である (国内携帯電話間の場合)。 プリペイドカードの場合、旅券の写しを携帯電話会社に持参し、登録する必要がある。 携帯電話から国際電話を掛ける ことも可能である。日常の生活においては、携帯電話で十分に間に合う。 (2)ファクシミリ ファクシミリ付き電話を家庭で使用でき、アクラ市内でも購入できる。ホテルにもファクシミリのサービスがあるが、料金 は高い。インターネットカフェ(コピー、ファクシミリがある)から発信することも可能である。 (3)郵便 戸別配達制度はない。P.O. Box(私書箱)に配達されるため、宛先に自宅の住所を記載しても届かない。配属先のP.O. Box宛にするとよい。しかし、大きな荷物や小包に関しては、指定された郵便局にとりに行かなければならない。 市内の各郵便局から国際郵便を出すことができる。日本へは1~2週間かかる。日本からは航空郵便を利用できるが、 7~10日を要する。船便では3カ月以上、時には6カ月以上かかることもある。また、テマ港で盗難に遭う恐れもあるので 注意が必要である。 航空郵便による小包も郵便局留めとなる。必ず P.O. Box 宛に送る必要がある。 (4)国際宅配サービス EMS(国際スピード郵便)、FedEx、DHL、UPSなどが利用できる(詳細は国別生活情報イエローページを参照)。送付 先にもよるが、概して速くて確実。持ち込みだけでなく、電話で依頼すると集荷も可能である。 (5)インターネット 高速回線(ブロードバンド)を提供している、K-Net、Surfline、MTN、Vodafone、Busy Internet等のプロバイダーが数社 ある(詳細は国別生活情報イエローページを参照)。また、各携帯電話会社もUSB接続のインターネットサービスを提供し ている。月額使用料は、サービス内容によって異なる。 5 気候、服装 熱帯気候なので基本的には夏物でよい。6~8月の夜間は意外に涼しく、冷房過多のレストランも多いため、長袖の衣 類も若干必要である。防蚊対策として、スラックスや長袖シャツは有効である。 既製服の大半は輸入品。生地が豊富に売られているので、オーダーメードでシャツやドレスを作ることも可能である。 6 衛生状況、健康管理 国別医療情報を参照。 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―5 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency 7 交通機関 (1) タクシー アクラ市内ならば、何処でも捕まえることができる。メーター制ではないため、乗車前に値段を交渉する必要がある。事 前に交渉していない場合、高額の料金を要求されることがある。また、外国人に対しては、高額の料金を要求することが ある。 JICA事務所からOSU地区まで、15~20セディ程度。乗り合いタクシーもあるが、安全上の観点から避けた方がよい。 (2) バス トロトロと呼ばれる私営の乗り合いバスが一般的である。停留所(街中のいたるところにあるが、特に目印がない所も ある)毎に停車する。料金は区間により異なるが、1セディ~と、タクシーよりも格段に安い。ただし、車中でのスリ犯罪等 も多いので、利用の際には注意が必要である。地理に慣れないうちは、利用しない方がよい。 STCと呼ばれる都市間長距離バスも運行している。 (3) 飛行機 Starbow、AWA等,が運行している。運行区間は、アクラ-タマレ、クマシ、タコラディ。料金やスケジュールは、利用の都 度確認した方がよい。 ・Starbow:030-2770581/030-2760244 ・AWA :030-2764288/024-2438888 (4) 鉄道 テマ~アクラ~ンサワンの3都市に開通しているが、本数は少なく時間もかかるため、外国人はほとんど利用していな い。 (5) 自家用車を利用する場合 自動車は右側通行である。他のアフリカ諸国と比して運転マナーはよいといわれるものの、スピード違反、無理な追い 越しや反対車線への侵入等もある。日本と同じ感覚で運転すると重大な事故に遭う可能性が高い。また、整備不良車、故 障車も多いので注意が必要。 日頃温和なガーナ人も運転時には豹変することが多い。一般的にせっかちで運転は荒いので、日本人は戸惑うことが 多い。幹線から一本枝道に入れば、路面の陥没、路肩不良がある。 外国人の場合は、ガーナ人の運転手を傭上することを勧める。ガーナの運転スタイル、道路事情にも慣れており、また、 事故処理などにも長けている。 アクラ市内では、追突事故や接触事故が多い。また、アクラ近郊や幹線道路では正面衝突が多いので注意を要する。 (6) レンタカーを利用する場合 ホテルには各種レンタカー会社のカウンターがある。料金は、車種や使用地(アクラ市内と市外)で異なる。概ね50-200 ドル/日程度(運転手日当込/燃料費別)である。運転手の日当や燃料代も払う必要がある。 8 宿泊 ホテルのランクはさまざまであり、台所付きの部屋があるホテルもある。国別生活情報イエローページを参照のこと。 9 電気事情 (1)電圧 240V、50Hzである。電圧変動が激しく、また予告なしの停電が多い。日本とは電圧が異なるため、日本から持参した 電気製品を使用する場合、変圧器が必要である。 パソコンなどの精密機器、テレビ、エアコン、冷蔵庫などには電圧安定器(stabilizer)を接続することが望ましい。 (2)コンセント、モジュラージャックの形 住宅ではイギリス式の3ピン型(BF)が一般的で、ピンの形状は角型または丸型である。販売している商品のなかには、 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―6 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency 丸型(ピンの形状)で2ピン型(C)もあるため、購入の際には確認が必要である。丸型(ピンの形状)で2ピン型のコネクタ ーも購入可能。 (3)家電製品 <現地で購入可能な商品> テレビ、ビデオ、DVD、ステレオ、ラジオ、エアコン、スタンドランプ、扇風機など、生活一般に必要なものは入手可能で ある。 DVDの場合には、Region Codeに注意する。 <日本から持参したほうがよいもの> コンピューター関連のもの(日本語OS、ソフトなど)は購入出来ないため、持参するほうがよい。 10 食事 (1)一般事情 中国料理、インド料理、イタリア料理、韓国料理、フランス料理、タイ料理などのレストランがある。最近のアクラは治安 が悪化しており、夜間の犯罪には留意が必要であり、夕食後なども油断せず、店先の道路での長いお別れの挨拶は避 け、店を出たらすぐに車に乗り込むようにする。 (2)飲食店 詳細は国別生活情報イエローページを参照。 11 安全対策 ※生命・財産に直結すること でもあり、治安・安全情報に 関しては、各自の責任にお いて最新かつ正確な情報を 入手してください。 11‐1 暴動、クーデターなど (1)一般事情 1980 年代に軍事クーデターがあったが、限られた場所(Burma Camp、GBC など)で軍部の 衝突があっただけで、一般市民の暴動はなかった。 2000年、2004年、2008年の大統領選挙も平和裏に終了しており、政治的な対立は認められな い。 北部州グシェグ郡においては、2008年に同じ部族内で二つのグループが首長地位 (Chieftaincy)を巡って争い、各グループが支持政党でも対立し、一方の首長候補が殺害される など治安が悪化した。また、アッパーイースト州ボウク市においては、ボウク地域に在住する Kusasi族とManpurusi族の間の土地問題を主とした部族対立の背景があり、2007年以降何度か 銃撃戦が発生した。国境に近い地域でもあり、現在でも国内の他の地域より銃を使用した犯罪が 相対的に多い地域である。これらの地域は、2016年時点では比較的沈静化しているものの、警 察・軍によるパトロールが重点実施されており、政治的イベントなどをきっかけに治安が悪化す る懸念を引き続き有している。以上から、JICA関係者の渡航措置として、北部州グシェグ郡およ びアッパーイースト州ボウク市については渡航禁止、北部州イェンディ市には、事前にJICAガー ナ事務所に渡航可否確認を行うこととしている。2015年には、ナノンバノース郡ビンビラ市にて 首長に関わるトラブルを理由とし、家が数件焼かれるといった事件も発生しており、渡航可能地 域の見直しを進めている。 その他一般治安情勢としては、現在のところ、大きな紛争や暴動が発生する可能性は低い。し かし、軽犯罪(スリや空き巣)、武装強盗、殺人事件は継続的に発生している。 ガーナは、他のアフリカ諸国と比較して、安全な国といわれるが、日本よりははるかに危険度 は高いこと、また日本人はどうしても目だってしまうという状況を十分に認識し、常に「自分の身 は自分で守る」というリスク回避の意識を持つことが重要である。また、ガーナ国の警察の人員 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―7 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency 数や捜査技術も限られているため、一旦犯罪に遭遇してしまうと、犯人の逮捕や被害内容の弁 済は極めて困難であることをあらかじめ理解しておく必要がある。 (2)対処法 日本大使館や所属先の緊急連絡網を常時携帯し、常に連絡が取れるようにしておくこと。人込 みや集会場に近づかない、移動には可能な限り車輌を使用する、夜間の1人歩きは絶対に行わ ない、日中も極力徒歩移動は避ける等、基本的な防犯対策を怠らないこと。また、自宅には、鉄 格子や有刺鉄線を設置し、賊の侵入を防ぐ措置を講じること。 常に緊張感を持ち、緊急事態が発生した際の対処方法は常時考えておく必要がある。ヨーロッ パまでの運賃分の現金米ドルを常時用意しておく、車両や発電機の燃料を常時満タンにしておく 等の対策が考えられる。 11‐2 強盗、盗難 (1)一般的治安状況 明るく温和な国民性ではあるが、凶悪な犯罪も定常的に発生している。 マーケットやバス停留所でのスリ、バイクを使った引ったくり等も増えている。泥棒は多く、留守 中や夜間に侵入する場合が多い。集合住宅の上階でも被害の例はあるため、油断は禁物であ る。拳銃やナタ等で武装している場合もある。 四六時中身の危険を感じることはないが、基本的な防犯対策を怠らず、常に注意を払うことが 重要である。 (2)住宅の防犯対策 セルフディフェンス意識(自分と家族の安全は自分で守る)を持つこと、慣れを戒めることが安 全対策の基本である。具体的には次のとおりである。 ・自己の地位や財力を誇示したり、隣人の恨みや憎しみを買ったりしない。 ・警備員を雇う。ただし個人雇いではなく、実績のある警備会社と契約し、警備員を配置させる ことを勧める。警備員の勤務態度等には常時留意し、居眠りや不審な行為等問題が認められれ ばすぐに替えさせる必要がある。 ・戸締まりに留意し、貴重品のある部屋には鍵をかけること。 ・出入口や窓に鉄格子があること、高い塀に有刺鉄線か高圧電線が張ってあることなども住宅 選択時の条件に入れること。 (3)市中での防犯対策 以下の点に留意すること。 ・ マーケットなど人の多い地域に出かける際には、所持品に十分に注意すること。特にスリが 多いため、鞄の口は必ず閉める。 ・ 大金を持ち歩かない。特に、銀行から大金を引き下ろしたあと、後ろをつけられて襲われる ケースが増えているので、1人で銀行に行かない、寄り道をしない、などの注意が必要である。 ・人前に大金を晒さない。日本人とってはたいした金額ではなくても、現地の人にとっては大金 である。 (4)注意すべき場所、危険地域 ・カネシマーケット 、マコラマーケット ・アメリカおよび英国の関連施設 ・イスラム教徒居住地 (5)被害時の心得 「生命第一」を肝に銘じること。物より命を守ることが肝心であり、無抵抗に徹して身の安全を図 ること。被害に遭ったら、まず所属先に連絡すること。 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―8 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency 11-3 火災、風水害、地震 (1)一般的災害発生状況 住宅地での火災はあまり聞かれない。これは家屋が石や土で造られていることと、住宅が密 集していないので大火に至らないためだと思われる。 雨季には時折集中豪雨があり、橋や家が流されたり死亡者が出たりする。 数十年前に大地震があり、周期から見て大地震の起こる可能性があるといわれている。 (2)防災対策 家屋やビルに消防設備はほとんどない。住宅では台所のガス、タバコ火などに気をつけること。 また、ブレーカーが設置されていることと家主が火災保険に入っていることを、契約時に確かめ たほうがよい。 停電が多いため、懐中電灯は必需品(スーパーで購入可能)。また、緊急時に備えミネラルウ オーター数本と非常食(欧米のビスケット類がある)を数食分、また、断水への備えも兼ねてバケ ツ2、3杯の水を常に用意しておくと心強い。 住宅の建設現場を見る限り、鉄骨を十分に使っているとは考えにくい。ブロックのみを使用した 建築物は地震の際に崩壊する危険性が高い。日ごろから避難方法を考えておく必要がある。 (3)被災時の心得 緊急連絡網を使って連絡と報告を行い、緊急避難場所(大使館と大使公邸)を活用する。 11-4 緊急連絡先電話番号 ・日本大使館 :030-2765060~3 ・警察 :191(緊急18555-MTN、Vodafoneのみ)。 アクラ警察本部 (Headquarters) :030-2228112/2773900 エアポート警察署 (Airport Branch) :030-2777592 カントンメンツ警察署 (Cantonments Branch) :030-2777391 ・消防 :192 ・救急:193 12 その他 12-1 禁止されている言動(タブー) 左手は不浄の手とされている。物品の受け渡しや握手は右手で行う。 短期滞在者用国別情報/ガーナ共和国―9 All Rights Reserved, Copyright(c) 2016 Japan International Cooperation Agency
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