エッセンシャルオイルゲル

原油・石油製品
スケール・スラッジ
石油は、数億年前の生物の死骸が化学変化を起こしてできた化石燃料といわれてい
る。石油の成因については、「有機(生物)起源説」と「無機(無生物)起源説」が
考えられていたが、現在ではほぼ、有機説に統一されており、その中でも「ケロジェ
ン起源説」が有力である。この「ケロジェン起源説」では、生物の死骸が海底や湖底
に堆積し、その大部分が化石化してケロジェンと呼ばれる物質になり、長い間に地熱
と地圧の影響を受けて石油に変化したとされている。できた石油は、地下の圧力で上
へ上へと移動し、油を通さない岩層で遮られた背斜トラップに移動集積して、貯留し
たものが石油鉱床である。石油は、「貯留岩」と呼ばれる砂岩や石灰岩などの孔や隙
間に貯留している。[1]
油田(oil field)とは、地下に多量の石油を埋蔵している地域の事であり、陸上や
海上に点在している。石油を含む地層は数百 km 以上の広範囲に分布している事が多
いため、複数の油井により石油を採取する。BP Statistical Review of World Energy
June 2010 によれば全世界の石油の確認埋蔵量(proved reserves)は 1 兆 3330 億バレル
と推定している。[2]
また、明確な定義はないが、これまでの技術では安価な採取が困難な石油を指して
「非在来型」と総称されることがある。この非在来型石油としては超重質油であるオ
イルシェール、オイルサンド、オリノコタールなどがある。これら超重質油の特長は
油粘土が高く、また、比重が大きい事である。これまで採掘コストが障害となり開発
が進まなかったが、原油価格の高騰で「非在来型石油」が注目されている。これら非
在来型石油の埋蔵量は在来型石油を上回ると試算されている。
オイルシェール(oil shale)は頁岩等に油母(ケロジェン)を多く含む岩石であり、
この油母頁岩を約 500℃程度で乾留する事で、シェール油と可燃性のガスに分解する
ことができる。油母頁岩の採掘と処理には、石油と比較しコストがかかるため、現在
ではブラジル、中国、エストニア、ドイツ及びイスラエルなどで利用されているに過
ぎない。2007 Survey of Energy Resources: World Energy Council によればシェー
ル油の全世界資源量(resources)は約 2 兆 8000 億バレルと推定されている。[3]
オイルサンド(oil sand)とは、地下に堆積している砂の表面に油が付着しているも
のをいう。カナダのオイルサンドの場合、砂の表面に薄い水の膜があり、油はその周
囲を取り巻いている。油は重質で粘性の高いビチューメンである。石油を含んだ油層
が、なんらかの地殻変動で地表近くにもたらされ、地下水との接触あるいは生化学反
応によって軽質分を失ったものと考えられている。オイルサンドは石油価格の高騰に
より、従来の石油の供給を補う為に生産が拡大した。オイルサンドから抽出した油分
は高粘度、高密度、窒素、酸素、硫黄そして重金属を多く含んでおり、抽出、輸送、
そして精製するには従来の石油に較べ高コストである。2007 Survey of Energy
Resources: World Energy Council によればビチュウメンの埋蔵量(reserves)は 2,459
億バレルと推定している。
オリノコタールと呼ばれる超重質油はベネゼエラのオリノコ川付近の地下 350mか
ら 1,000mの深度に存在する油層から採取されている。この超重質油からの合成原油
の生産量は日量 60 万バレル程度と推定されている。2007 Survey of Energy Resources:
World Energy Council によれば世界の埋蔵量(reserves)は 5,983 億バレルと推定してい
る。
1.世界の
世界の原油生産量と
原油生産量と確認埋蔵量(Proved
確認埋蔵量(Proved Reserves)
1-1.世界の原油産地・生産量
BP Statistical Review of World Energy 2010
によれば世界の原油生産量は年々
増加傾向にあり、2009 年においては 3820.5 百万トン(7994.8 万バレル/日に相当)が生
産された。表-1 に世界の地域別原油生産量及び確認埋蔵量を示した。地域別の生産量
は中東地域が 1156.4 百万トン(30.3%)、欧州・ユーラシア地域が 854.8 百万トン(22.4%)、
北米地域が 628.5 百万トン(16.5%)、アフリカ地域が 459.3 百万トン(12.0%)、アジア・オ
セアニア地域が 383.1 百万トン(10.0%)、中南米地域が 338.5 百万トン(8.9%)であり中東
地域における生産量が最も多い。
表-2 に国別の原油生産量及び確認埋蔵量を示した。国別の生産量については 1992
年から 2008 年まではサウジアラビアが第一位の生産量を確保していたが、2009 年に
おいてはサウジアラビアが前年比 10.6%減少したのに対してロシアは民営化された
石油会社は欧米の技術と資金により復興し、その生産量を飛躍的に増加させ、2009
年には前年比 1.5%増加し 494.2 百万トン(12.9%)生産し第一位の生産国となった。以下
サウジアラビアが 459.5 百万トン(12.0%)、アメリカが 325.3 百万トン(8.5%)、イランが
202.4 百万トン(5.3%)、中国が 189.0 百万トン(4.9%)、カナダが 155.7 百万トン(4.1%)、メ
キシコが 147.5 百万トン(3.9%)と続く。東アジア地域における原油生産量については、
中国が圧倒的に多く、次いでインドネシアが 49.0 百万トン(1.3%)、インドが 35.4 百万
トン(0.9%)、マレーシアが 33.2 百万トン(0.9%)、ベトナム 16.8 百万トン(0.4%)、タイが 13.6
百万トン(0.4%)等の生産を行っている。
世界最大の油田はサウジアラビアのガワール油田(Ghawar Field)であり、面積は四
国の面積に匹敵する広さである。本油田は平均日量 500 万バレルという世界最大の生
産量を 30 年以上続けている油田である。また、クウェートのブルガン油田(Burgan
Field)は確認埋蔵量が約 600 億バレルを持つ、世界第二位の油田である。本油田の生
産量は日量約 180 万バレルと推定されている。ガワール油田と違い、原油が地表に自
噴することから、生産が非常に容易な巨大油田である。
日本における原油の生産量に関しては、経済産業省生産動態によれば表-3 に示した
様に 2009 年には 921,360kl(783,156 トン:1kl を 0.85 トンとして換算)の生産を新潟県、
北海道、秋田県、山形県で行っているにすぎない。[4]
1-2.原油の確認埋蔵量
表-1 及び表-2 に 2009 年における原油の埋蔵量を示す。BP Statistical Review of
World Energy 2010
によれば世界の原油確認埋蔵量(Proved reserves)は 1,817 億
トン(1 兆 3330 億バレル)であり、地域別では中東地域が 1,020 億トン(1 兆 3331 億バレ
ル)(56.6%)、中南米地域が 285 億トン(7,542 億バレル)(14.9%)、欧州・ユーラシア地域が
185 億トン(1,369 億バレル)(10.3%)、アフリカ地域が 169 億トン(1,277 億バレル)(9.6%)、北
米地域が 102 億トン(733 億バレル)(5.5%)、アジア・オセアニア地域が 56 億トン(422 億バレ
ル)(3.2%)である。確認埋蔵量は中東地域が圧倒的に多く、将来にわたり中東地域への
依存が続くと考えられる。
国別ではサウジアラビアが 363 億トン(2,646 億バレル)(19.8%)、ベネゼエラが 248 億ト
ン(1,723 億バレル)(12.9%)、イランが 189 億トン(1,376 億バレル)(10.3%)、イラクが 155 億
トン(1,150 億バレル)(8.6%)、クウェートが 140 億トン(1,015 億バレル)(7.6%)と上位5ヶ国
中4ヶ国を中東地域が占めている。
また、世界全体の原油の可採年数(確認埋蔵量/年間生産量)は約 46 年と推定され
ており、中東地域の可採年数は約 85 年と推定されている。
1-3.超重質油の産出国・生産量と埋蔵量
超重質油と呼ばれるオイルシェール、オイルサンド及びオリノコタールの産地及び
2005 年における、産出国・生産量・埋蔵量をそれぞれ表-4、表-5 および表-6 に示す。
2007 Survey of Energy Resources World Energy Council によればオイルシェールは
表-4 で示す様にアメリカを始めとして、ロシア、コナゴ、ブラジル、イタリア、モロ
ッコ等世界各地に埋蔵されている。全世界では、約 4,086 億トン(2 兆 8 千億バレル)の資
源量(In-place resources)があると言われている。オイルシェールの採掘と処理に関
しては、廃棄物処理、水の大量使用、水質汚染、大気汚染などの環境問題を引き起こ
す可能性があり、オイルシェールの工業的利用は、エストニア、中国及びブラジルで
行われている。その生産量は 2005 年において 68 万 4 千トンにすぎない。
また、オイルサンド(砂に付着したビチューメン)は表-5 に示す様に、カナダ、カザ
フスタン及びロシアを始めとして世界各地に埋蔵されている。全世界では、その資源
量(Original oil in place)は 3 兆 2,723 億バレル、埋蔵量(Reserves)は 2,459 億バレル
であり、国別の埋蔵量はカナダが 1,736 億バレル(71%)、カザフスタンが 420 億バレル(17%)、
ロシアが 283 億バレル(12%)等であり、これ等 3 ヶ国で全体のほぼ 100%を占めている。
生産量については、「破竹の勢いのオイルサンド」石油・天然ガスレビュー独立行政
法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構,2005 年 11 月[5]
によれば 2004 年における
全世界の生産量は日量 109 万バレルであり、カナダが日量 90 万バレルと圧倒的に多い。
オイルサンドからのビチュウメンの採取方法は「石油の過去・現在・未来」石油・天
然ガスレビューVol40,2006 独立行政法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構[6]
によ
れば、比較的浅い鉱床のオイルサンドは表土を取り除いてオイルサンドを採取し、熱
湯によりビチュウメンを分離する露天堀法が採られている。一方 50m以深の場合には、
地下に水蒸気を圧入してビチュウメンを温め、流れやすくなったビチュウメンだけを
吸い上げる方法が採られている。現在の方法では、水や水蒸気を発生させるエネルギ
ー(天然ガス)が多量に必要である。
オリノコタールで代表される超重質油(Extra Heavy Oil)に関しては、表-6 に示す
様に、全世界の資源量(Original oil in place)は 2 兆 4,840 億バレル、埋蔵量(Reserves)
は 598 億バレルと推定している。埋蔵量の 98%をベネゼエラが占めており、「目からう
ろこの重質油」独立行政法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
2008.8.20. [7]によ
れば 2006 年には日量 153 万バレルの生産を行っている。その他中国、アゼルバイジャ
ン、イタリア、イギリス、アメリカ及びエクアドル等で生産を行っている。
2.世界の
世界の原油消費量
表-7 に世界の地域別原油消費量を示した。BP
Statistical Review of World Energy
2010 によれば、2009 年においては全世界の原油消費量は 38 億 82 百万トン(日量 8,408
万バレル)であり、その消費量は徐々に増加している。地域別ではアジア・オセアニア
地域が 12 億 06 百万トン(日量 2,600 万バレル)31.1%と最も多く、次いで北米地域が 10
億 25 百万トン(日量 2,283 万バレル)26.4%、ヨーロッパ・ユーラシア地域が 9 億 13 百万
トン(日量 1,937 万バレル)23.5%、中東地域が 3 億 36 百万トン(日量 715 万バレル)8.7%、中
南米地域が 2 億 56 百万トン(日量 565 万バレル)6.6%、アフリカ地域が 1 億 44 百万トン(日
量 308 万バレル)3.7%、と続く。約 20 年前の 1990 年と 2009 年の原油消費量を比較す
ると、アジア・オセアニア地域と中東地域の増加が著しい。
表-8 に国別原油消費量を示した。国別の原油消費量の上位6ヶ国はアメリカが日量
1,869 万バレル(21.7%)、中国が日量 863 万バレル(10.4%)、日本が日量 440 万バレル(5.1%)、
インドが日量 318 万バレル(3.8%)、ロシアが日量 270 万バレル(3.2%)、サウジアラビアが
日量 261 万バレル(3.1%)である。中国やインド等の新興国の増加が大きく、また、サウ
ジアラビアについては原油の輸出から自国で原油精製を行い石油製品として輸出す
る比率が増加したためと思われる。2009 年において、日本の消費量は中国の消費量の
約 50%、アメリカの消費量の約 25%にあたる。
原油生産量が消費量より多い自給可能な国は、サウジアラビア、イラン、イラク、
クウェート、UAE、カタールなど中東地域が多い。その他カナダ、メキシコ、ベネゼ
エラ、ロシア、カザフスタン、コロンビア、アルゼンチン、エクアドル、アルジェリ
ア、エジプト及びアジア地域ではマレーシアなども原油の自給が可能な国である。
3.日本の
日本の原油輸入量
表-9 に日本の地域別原油輸入量及び表-10 に国別原油輸入量を示した。経済産業省
生産動態(石油年報 2009)によれば、表-9 及び表-10 に示す様に、日本は 2009 年には
2 億 1,186 万 Kl(1 億 8,180 万トン)日量に換算して約 425 万バレルの原油を 26 ヶ国から輸
入した。地域別では中東地域から 1 億 9,021 万 Kl(89.8%)を輸入しており、日本は原
油を中東地域に依存している。国別ではサウジアラビアから 6,336 万 Kl(29.9%)、UAE
から 4,526 万 Kl(21.4%)、カタールから 2,510 万 Kl(11.8%)、イランから 2,442 万
Kl(11.5%)、クウェートから 1,770 万 Kl(8.4%)を輸入しており上位 5 ヶ国は中東地域
が占めている。次いでロシアから 940 万 Kl(4.4%)を輸入している。
輸入原油の 98%程度が国内の精油所で常圧蒸留、減圧蒸留、脱硫や分解等の工程を
経て各種石油製品が生産される。また、2%程度は火力発電用燃料や石油化学用とし
て利用されている。
4.石油化学製品
石油化学製品とは原油を常圧蒸留装置や減圧蒸留装置などにより、沸点の差を利用
して分留し、その後水素化脱硫、接触改質、流動接触分解、熱分解を行い得た製品の
ことを指し、原油とは区別している。
石油連盟の資料によれば、2010 年 4 月現在日本国内には 44 基の常圧蒸留装置及び
36 基の減圧蒸留装置があり、それぞれ日量 479 万バレルと 177 万バレルの処理能力を有し
ている。[8]
4-1.原油の精製
原油フロー図[9]で示した様に、原油は加熱炉で約 350℃に加熱されて「常圧蒸留装
置」に送られる。この常圧蒸留装置の蒸留塔の高さは約 50m、直径は数mの円柱状の
設備で、多成分の原油を沸点の差を利用して、「オフガス」、「石油ガス留分」、「ガソ
リン・ナフサ留分」、
「灯油留分」、
「軽油留分」及び「残油留分」の各留分に分離する。
残油留分はさらに「減圧蒸留装置」に送られる。減圧蒸留留分は、さらに水素化精製
装置、熱や触媒になどによる分解装置、改質装置などにより脱硫と分解が行われて製
品となる。
4-2.常圧蒸留装置から得られる石油化学製品と主な用途
①オフガス:オフガスの主成分はメタン、エタンであり、精油所の自家燃料として
使用される事が多い。
②石油ガス(LPG)留分:石油ガスは沸点範囲が 35℃以下の留分で、主成分はプロパ
ン、ブタンであり、家庭用 LP ガス、タクシー燃料、石油化学原料として利用さ
れる。
③ナフサ・ガソリン留分:沸点範囲が 35~180℃程度の留分で、ナフサ水素化脱硫
装置及び接触改質装置を経てガソリンやナフサが得られる。ガソリンは乗用車用
燃料、ナフサは石油化学用原料として利用される。
④灯油留分:沸点範囲が 170~250℃程度の留分で、水素化脱硫装置を経てジェット
燃料油、灯油が得られる。ジェット燃料油は航空機の燃料、灯油は家庭用燃料な
どに利用される。
⑤軽油留分:沸点範囲が 240~350℃程度の留分で、水素化脱硫装置を経て軽油が得
られる。軽油はトラック、バスなどの燃料として利用される。
4-3.減圧蒸留装置から得られる石油化学製品と主な用途
①減圧軽油留分:常圧蒸留装置から出る残渣油をさらに減圧蒸留装置で蒸留する事
により、減圧軽油留分が得られる。この減圧軽油を脱硫し、さらに高温、触媒下
で「流動接触分解装置」を用いて分解する事により、プロピレンやガソリン、灯
油、軽油が得られる。
②減圧蒸留残油:減圧蒸留による残渣油はそのままアスファルトとなり道路の舗装
や防水剤などに利用される。また残渣油に軽油を混合して重油が生産される。重
油は船舶用の大型ディーゼルエンジン、大型ボイラー用燃料などに利用される。
潤滑油やパラフィンなども減圧蒸留残渣油から得られる。
③熱分解生成物:減圧蒸留による残渣油を熱分解する事により、ナフサや軽油、灯
油などが得られる。また熱分解残渣としてアスファルトピッチが得られる。アス
ファルトピッチは製鉄用のコークス原料やボイラー用燃料として利用される。
5.日本の
日本の石油化学製品生産・
石油化学製品生産・輸入・
輸入・輸出量
表-11 に 2005 年から 2009 年における日本の石油化学製品の生産量、輸入量及び輸
出量を示した。
2009 年における生産量については、ガソリンが 5,708 万 Kl(約 26%)ついで軽油が
4,342 万 Kl(約 20%)、重油 4,249 万 Kl(約 19%)、ナフサが 2,074 万 Kl(約 9%)、灯
油が 2,029 万 Kl(約 9%)とつづく。
表-12 に主な石油化学製品の上位3ヶ国の輸入量を示す。2009 年において、ガソリ
ンは約 89 万 Kl(韓国から約 76%、シンガポールから約 22%)、ナフサは約 2,375 万
Kl(クウェートから約 15%、UAE から約 14%、サウジアラビアから約 14%)、ジェッ
ト燃料油は約 1,500Kl(台湾から 100%)、灯油は約 35 万 Kl(韓国から約 95%、シンガ
ポールから約 5%)、軽油は約 22 万 Kl(韓国から 100%)、重油は約 246 万 Kl(インド
ネシアから約 58%、シンガポールから約 16%、韓国から約 13%)を輸入している。こ
の様に韓国からの燃料油の輸入が多い。
輸出量については、軽油が約 1,202 万 Kl と最も多く、ついで重油が約 902 万 Kl、
ジェット燃料油が約 827 万 Kl、ガソリンが約 102 万 Kl とつづく。
6.スラッジ及
スラッジ及びスケール
原油は一般的に海底や地下の様々な深さに埋蔵されており、井戸から原油を汲み
出すには最初は自然の圧力により噴出するが、次第に圧力が低下するため、海上の
掘削井戸では海水を、また、陸上の掘削井戸では河川水や地下水を注入し圧力を上
げて原油を汲み上げている。この際、海水や河川水等に含まれる金属イオン成分が
スケールやスラッジの固形成分となる。主に硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸
ストロンチウム、炭酸カルシウム等が掘削井戸や汲み上げ配管の内面に付着する。
精油所においては、連続運転の最大の阻害要因となっているのが精製過程で生じ
るスケール・スラッジなどの汚れに起因する機器・配管等の閉塞、熱交換率の減少
である。[10]これらのスケール・スラッジは常圧蒸留装置、減圧蒸留装置、流動接
触改質装置、残油脱硫装置等に発生する。
スラッジは原油を貯蔵しているとタンク下部に堆積するペースト状の物質である。
軟らかいものは「おかゆ」状の半固体で、固いものは「ピーナツバター」ほどの硬
さである。原油スラッジの構成成分は石油成分、水及び無機固形物である。スラッ
ジはもともと原油中に浮遊していた固形物が沈降・堆積したものではなく、原油中
に溶解していたワックス、アスファルテンが析出してゲル化しスラッジ成分となっ
たものである。[11]
6.1
スラッジの処理
原油貯蔵タンクやタンカーの底部にはスラッジが数メートルにも堆積する事があ
る。原油タンクに堆積した大量のスラッジを、タンク浮屋根上に設置した洗浄機ノ
ズルからの原油の噴射で破砕・溶解させて回収する方法で、原油で原油を洗う事か
ら COW(Crude Oil Washing)と呼ばれている。COW により発生した油分を COW 油と呼
び、COW 油は専用タンクに入れ、原油成分を分離した後に遠心分離等の処理を行い
固形分と油分を回収する。一般的には COW を行った後に温水を噴射してタンク内に
付着した油分を洗い、また固形油を溶解して油分を回収する方法で、この方法を温
水洗浄と呼んでいる。
6.2.スラッジ及びスケールの組成及び放射能濃度
これまでに原油や精油所で発生したスケールやスラッジの組成及び放射能濃度
を調査した文献は多く有る。ここでは3種文献の概要の一部を紹介する。
①Jose Marcus Godoy, Rosana Petinatti da Cruz,
Ra226 and Ra228 in scale and
sludge samples and their correlation with the chemical composition.
Journal of Environmental Radioactivity
70(2003) 199-206.
著者等はブラジルの Compos Basin の海底油田採掘設備から発生するスケール 18
種類、スラッジ 18 種類のサンプルを採取し、その放射能濃度と化学組成について
調査を行った。調査結果の概要は次の様です。
a.スケールの放射能濃度……226Ra と
228
Ra の平均放射能濃度はそれぞれ 106kBq/kg
及び 78kBq/kg であった。
b.スラッジの放射能濃度……226Ra と
228
Ra の放射能濃度はスケールよりも幅が大き
くそれぞれ 0.36~367kBq/kg 及び 0.25~343kBq/kg の範囲であった。
c. ス ケ ー ル の 組 成 … … 硫 酸 バ リ ウ ム (BaSO4):60.8% 、 硫 酸 ス ト ロ ン チ ウ ム
(SrSO4):15.4%、炭酸カルシウム(CaCO3):10.9%、酸化鉄(Fe2O3): 2.4%、シリカ
(SiO2):6.1% 、 ア ル ミ ニ ウ ム シ リ ケ ー ト (Al2(SiO4)3):1.7% 、 ROM(Residual Oil
Matter):2.8%
d.スラッジの組成……硫酸バリウム(BaSO4):13.5%、炭酸カルシウム(CaCO3):20.3%、
炭酸バリウム(BaCO3):15.0%、炭酸ストロンチウム(SrCO3):1.6%、酸化鉄(Fe2O3):
6.9% 、 シ リ カ (SiO2):31.5% 、 ア ル ミ ニ ウ ム シ リ ケ ー ト (Al2(SiO4)3):3.9% 、
ROM(Residual Oil Matter):7.3%
であり、スケールの約 75%がバリウムとストロンチウムの硫酸塩で構成されている、
また、スラッジの構成成分は炭酸塩とシリカを含む複雑な化学組成であると述べて
いる。
②Maria Helena Paranhos Gazineu,
Radioactivity concentration in liquid and
solid phases of scale and sludge generated in the petroleum industry.
Journal of Environmental Radioactivity 80(2005)47-54.
著者等はブラジル北東部の海底油田採掘設備の水配管及び廃棄物貯蔵区域の廃
棄物貯蔵容器から 12 種のスケールとスラッジを採取した。スケールは配管、フィ
ルター、注入井戸設備、水処理設備の内部に沈着・付着した物であり、その組成は
基本的にはバリウムとストロンチウムの硫酸塩及び炭酸カルシウムから形成され
ている。スラッジは配管の内部、貯蔵タンクの底、分離設備及び注入水を扱う設備
に蓄積する油、沈殿物、腐食生成物である。
スケールとスラッジはソクスレー抽出器で油分を抽出し、抽出する前後のサンプ
ルについて放射能濃度を測定した。調査結果の概要は次の様です。
a. スケール及びスラッジの油分量……スケールの抽出油分量は 4.0~20.7%の範
囲であり、スラッジの抽出油分量は 13.0~53.0%の範囲であった。
b. スケール・スラッジの放射能濃度……油分を抽出する前後の放射能濃度の変化
は
228
226
Ra については 42.7~2110.0kBq/kg から 50.0~3500kBq/kg へと変化した。
Ra については 40.5~1550kBq/kg から 48.6~2195kBq/kg へと変化した。
c. ほとんどの放射性核種はスケール・スラッジの固形分に含まれている事を示唆
している。
③ F.S.Al-Saleh, G.A.Al-Harshan,
Measurements of radiation level in
petroleum products and wastes in Riyadh City Refinery.
Journal of Environmental Radioactivity 99(2008) 1026-1031.
著者等はサウジアラビアのリヤド精油所から採取した石油製品(中間製品も含
む)14 サンプル及び廃棄物(スケール 3 サンプル、スラッジ 10 サンプル)の放射能
濃度等の調査を行った。調査結果の概要は次の様です。
a. 最終製品中の
238
U の濃度はディーゼル油、ジェット燃料油、ガソリン、アス
ファルトについては検出限界値以下であった。水素化脱硫処理をする前のナ
フサ(Sour naphtha)については 238U の濃度は 8.5±0.4 Bq/kg であった。
b. 廃棄物サンプル中で最も高い放射能濃度を示したのは、精油所交換器から採
取したスラッジでありその 238U の濃度は 52.8±1.0 Bq/kg であった。スケール
については 238U の濃度は検出限界値以下であった。
7.参考文献
7.参考文献
[1] 財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター
[2] BP Statistical Review of World Energy June 2010
[3] 2007 Survey of Energy Resources: World Energy Council
[4] 経済産業省生産動態
石油年報 2009
[5]「破竹の勢いのオイルサンド」石油・天然ガスレビュー2005 年 11 月, 独立行
政法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
[6] 「石油の過去・現在・未来」石油・天然ガスレビューVol40,2006, 独立行政
法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
[7] 「目からうろこの重質油」独立行政法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
2008.8.20.
[8] 「今日の石油産業」石油連盟
[9] コスモ石油ホームページ
2010
http://www.cosmo-oil.co.jp/
2010 年 11 月
[10] 「精油所設備の汚れ防止・除去システムの研究開発」石油エネルセンター
1999.
[11] 「原油スラッジの低減化に関する調査」石油/天然ガスレビュー 01.09.
独立行政法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
原 油 フ ロ ー 図
接触改質装 置
常
35~
180℃
生産: 461
輸入:1,184
輸出: 18
オフガス
ナフサ水素化
脱硫装 置
石油ガス留分
回収硫黄は万トンその他は万kl
LPG
~35℃
オフガス
単位:LPG、パラフィン、アスファルト、石油コークス、
ガソリン
圧
ナフサ
ガソリン・ナフ
サ留分
蒸
留
装
置
油
灯油留分
240~
350℃
灯油 ・
軽油水素化脱硫装置
原
170~
250℃
軽油留分
流動接触分解装置
分解油水添脱硫装 置
重質油熱分解装 置
原 油:
単位:万kl
生産: 92
輸入: 21,186
輸出:
0
備蓄: 8,364
重油間接脱硫装置
残油
出典:原油及び石油製品の生産・輸入・輸出数量は経済産業省、生産動
態 石油年報2009
フロー図はコスモ石油ホームページを参考に編集
生産:2,074
輸入:2,375
輸出: 0.23
生産:1,353
輸入: 0.15
輸出: 827
灯
油
生産:2,029
輸入: 37
輸出: 35
軽
油
生産:4,342
輸入: 22
輸出:1,202
重
油
オフガス
減 圧蒸留装 置
~350℃
ジェット燃
料油
生産:5,708
輸入: 89
輸出: 102
潤滑油
生産:4,249
輸入: 246
輸出: 903
生産: 224
輸入: 9
輸出: 67
パラフィン
生産:
輸入:
輸出:
アスファルト
生産: 450
輸入: 10
輸出: 13
8
1
4
石油コークス
生産: 84
輸入:不明
輸出:不明
オフガス
生産: 916
輸入:不明
輸出:不明
回収硫黄
生産: 186
輸入:不明
輸出:
不明
家庭用LPガス・
タクシー燃料
石油化学原料
乗用車燃料
石油化学原料
ジェット機燃料
家庭用燃料
トラック・バス
燃料
船舶・産業用
燃料
自動車・工業・
船舶用機械油
ろうそく、クレヨ
ン、皮膜剤、撥
水・防水剤など
道路舗装材、
燃料
電極、、研削
材原料、セメン
ト原料など
精油所自家燃
料
硫酸原料など
表- 1 世界の
世界の地域別原油生産量と
地域別原油生産量と 確認埋蔵量
1990年
area
Middle East
Europe & Eurasia
North America
Africa
Asia Pacific
S. & Cent. America
Total World
Oil: Production
2009年
Oil: Proved reserves
2009年
2000年
Million tonnes
851.7 1138.1 1156.4
788.3 724.7 854.8
655.6 650.8 628.5
320.9 370.9 459.3
324.9 379.2 383.1
230.3 345.3 338.5
3171.7 3609.0 3820.5
出典:BP Statistical Review of World Energy 2010 Ten
Thousand Share of
barrels
total
daily
2,436
1,770
1,339
970
804
676
7,995
30.3%
22.4%
16.5%
12.0%
10.0%
8.9%
100.0
Hundred Hundred
reserve
Share of
million
million
production
total
ratio
tones
barrels
1020 7,542
185 1,369
102
733
169 1,277
56
422
285 1,989
1817 13,331
56.6
10.3
5.5
9.6
3.2
14.9
100
84.8
21.2
15
36
14.4
80.6
45.7
表-2 国別原油生産量及び確認埋蔵量
Oil: Production
2000年
2009年
Million tonnes
Ten
Thousand
barrels
daily
1990年
country
Total World
Oil: Proved reserves
2009年
Share of
total
Hundred Hundred
million
million
tones
barrels
3171.7
3609.0
3820.5
7,995
100.0%
1817
Russian Federation
515.9
323.3
494.2
1,003
12.9%
102
Saudi Arabia
342.6
456.3
459.5
971
12.0%
363
US
416.6
352.6
325.3
720
8.5%
34
13,331
reserve
Share of
production
total
ratio
100
45.7
742
5.6
20.3
2,646
19.8
74.6
284
2.1
10.8
Iran
162.8
191.3
202.4
422
5.3%
189
1,376
10.3
89.4
China
138.3
162.6
189.0
379
4.9%
20
148
1.1
10.7
Canada
92.6
126.9
155.7
321
4.1%
52
332
2.5
28.3
Mexico
146.3
171.2
147.5
298
3.9%
16
117
0.9
10.8
Venezuela
117.8
167.3
124.8
244
3.3%
248
1,723
12.9
>100
Iraq
105.3
128.8
121.8
248
3.2%
155
1,150
8.6
>100
46.8
109.1
121.3
248
3.2%
140
1,015
7.6
>100
107.5
119.3
120.6
260
3.2%
130
978
7.3
>100
Norway
82.1
160.2
108.3
234
2.8%
9
71
0.5
8.3
Brazil
32.3
63.2
100.4
203
2.6%
18
129
1
17.4
Nigeria
91.6
105.4
99.1
206
2.6%
50
372
2.8
49.5
Angola
23.4
36.9
87.4
178
2.3%
18
135
1
20.7
Kazakhstan
25.8
35.3
78.0
168
2.0%
53
398
3
64.9
Algeria
57.5
66.8
77.6
181
2.0%
15
122
0.9
18.5
Libya
67.2
69.5
77.1
165
2.0%
58
443
3.3
73.4
United Kingdom
91.6
126.2
68.0
145
1.8%
4
31
0.2
5.8
Kuwait
United Arab Emirates
Qatar
21.1
36.1
57.9
134
1.5%
28
268
2
54.7
Azerbaijan
12.5
14.1
50.6
103
1.3%
10
70
0.5
18.6
Indonesia
74.4
71.5
49.0
102
1.3%
6
44
0.3
11.8
Oman
34.2
46.4
38.5
81
1.0%
8
56
0.4
18.9
India
34.2
34.2
35.4
75
0.9%
8
58
0.4
21.1
Egypt
45.5
38.8
35.3
74
0.9%
6
44
0.3
16.2
22.3
25.4
29.9
14.9
28.8
20.2
2.7
8.0
8.7
2.5
5.9
13.5
5.7
7.3
7.8
6.4
4.7
2.8
8.1
4.5
3171.7
35.3
40.4
33.7
20.9
8.6
35.3
27.3
16.2
4.5
13.1
21.3
7.0
17.7
16.4
7.2
9.4
6.8
4.9
4.6
7.5
6.3
3.7
3609.0
34.1
33.8
33.2
25.2
24.1
23.6
18.7
16.8
15.2
14.1
14.0
13.6
12.9
11.4
10.2
8.2
6.8
6.4
6.2
4.6
4.5
4.5
4.1
3820.5
69
68
74
50
49
56
38
35
31
27
30
33
26
23
21
17
15
15
12
9
11
9
9
7,995
0.9%
0.9%
0.9%
0.7%
0.6%
0.6%
0.5%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
2
3
7
9
9
5
3
9
2
3
3
1
1
5
1
1
1
2
1
1
1
1
1
1817
14
25
55
65
67
42
25
45
17
19
27
5
9
37
6
11
8
11
9
9
6
5
6
13,331
0.1
0.2
0.4
0.5
0.5
0.3
0.2
0.3
0.1
0.1
0.2
0.05<
0.1
0.3
0.05<
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.05<
0.05<
0.05<
100
5.4
10.2
20.4
36.1
37.5
20.7
18.2
35.7
15.2
19.4
24.5
3.8
9.5
44.1
8
17.6
15.1
21.1
20.9
27.2
15.2
14.2
18.4
45.7
Colombia
Argentina
Malaysia
Ecuador
Sudan
Australia
Syria
Vietnam
Equatorial Guinea
Rep. of Congo (Brazzaville)
Yemen
Thailand
Denmark
Gabon
Turkmenistan
Brunei
Trinidad & Tobago
Peru
Chad
Italy
Uzbekistan
Romania
Tunisia
Total World
出典:BP Statistical Review of World Energy 2010 表-3 日本の県別原油生産量
単位
2005年
合 計
917,725
新潟県
475,594
北海道
248,946
kl
秋田県
180,593
山形県
10,041
福島県
2,551
合 計
780,066
新潟県
404,255
北海道
211,604
トン
秋田県
153,504
山形県
8,535
福島県
2,168
2006年
897,238
464,388
251,029
170,695
9,466
1,660
762,652
394,730
213,375
145,091
8,046
1,411
出典:経済産業省生産動態 石油年報2009
2007年
960,522
521,950
260,519
167,798
9,502
753
816,444
443,658
221,441
142,628
8,077
640
2008年
985,680
548,649
262,012
165,591
9,428
0
837,828
466,352
222,710
140,752
8,014
0
2009年
921,360
488,507
269,765
154,701
8,387
0
783,156
415,231
229,300
131,496
7,129
0
表-4 シェール油の国別資源量と生産量
In-plce oil
resources
country
Total World
USA
Russian
Congo(Democratic Rep.)
Brazil
Italy
Morocco
Jordan
Australia
Estonia
China
Canada
Uzbekistan
Turkmenistan
France
Belarus
Thailand
Sweden
Egypt
Ukraine
Israel
United Kingdom
Kazakhstan
Myanmar
Germany
Turkey
Luxenbourg
Argentina
Armenia
Mongolia
Spain
South Africa
Bulgaria
Hungary
Poland
million barrels
2,826,103
2,085,228
247,883
100,000
82,000
73,000
53,381
34,172
31,729
16,286
16,000
15,241
8,386
7,687
7,000
6,988
6,400
6,114
5,700
4,193
4,000
3,500
2,837
2,000
2,000
1,985
675
400
305
294
280
130
125
56
48
In-plce oil resources
million tonnes
408,602
301,566
35,470
14,310
11,734
10,446
8,167
5,242
4,531
2,494
2,290
2,192
1,200
1,100
1,002
1,000
916
875
816
600
550
501
400
286
286
284
97
57
44
42
40
19
18
8
7
Production in
2005
%
100
74
9
4
3
3
2
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
出典:2007 Survey of Energy Resources: World Energy Council
thousand
tonnes(oil)
684
159
345
180
表-5 オイルサンド(ビチュウメン)の国別資源量、埋蔵量と生産量
Deposits
Original oil
Reserves
in place
number
million barrels
million barrels
Cumulative
production
%
million barrels
Total World
Canada
586
227
3,272,352
2,397,064
245,914
173,605
100
71
5,037
4,975
Kazakhstan
Russian
52
39
420,690
346,754
42,009
28,367
17
12
14
Nigeria
1
38,324
Angola
3
4,648
Indonesia
1
4,456
Madagascar
1
2,211
Italy
14
2,100
Congo(Democratic Rep.)
1
300
Congo(Brazzaville)
1
63
Georgia
1
31
China
4
1,593
Trinidad & Tobago
14
628
USA
201
53,479
Azerbaijan
3
<1
Switzerland
1
10
Kyrgystan
7
Tajikistan
4
Uzbekistan
8
Syria
1
Tonga
1
出典:2007 Survey of Energy Resources: World Energy
574
465
422
221
210
30
6
3
1
<1
Council
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
24
24
表-6 超重質油(Extra Heavy Oil)の国別資源量、埋蔵量及び生産量
Deposits Original oil
Cumulative
Reserves
in place
production
%
(number) million barrels million barrels
million barrels
Total World
166
2,484,025
59,834
100
16,385
Venezuela
33
2,445,679
58,555
98
14,001
China
12
8,877
750
1
137
Azerbaijan
1
8,841
125
0
759
Italy
31
2,693
90
0
179
United Kingdom
2
11,850
76
0
1,009
Egypt
1
500
50
0
Cuba
1
477
48
0
Ecuador
3
919
42
0
50
Albania
2
373
34
0
3
Colombia
2
380
30
0
8
USA
54
2,635
19
0
216
Peru
2
250
7
0
18
Russian
6
177
6
0
Mexico
2
60
1
0
5
Israel
2
2
<1
0
Trinidad & Tobago
2
300
0
Poland
2
12
0
Canada
4
0
Uzbekistan
1
0
Germany
1
0
Iran
1
0
出典:2007 Survey of Energy Resources: World Energy Council
表-7 地域別原油消費量
Oil: Consumption
2009年
2000年
2009年比
area
10Thousan
率
Million tonnes
d barrels
daily
Asia Pacific
663.1
990.7
1206.2
2,600
31.1%
North America
929.4
1071.4
1025.5
2,283
26.4%
Europe & Eurasia
1126.8
929.4
913.9
1,937
23.5%
Middle East
168.9
230.2
336.3
715
8.7%
S. & Cent. America
167.5
222.9
256.0
565
6.6%
Africa
95.1
117.6
144.2
308
3.7%
Total World
3150.9
3562.1
3882.1
8,408
100
出典:BP Statistical Review of World Energy 2010
1990年
2009/
1990
1.8
1.1
0.8
2.0
1.5
1.5
1.2
表-8 国別原油消費量
Oil: Consumption
2009年
2000年
2009年比
country
10Thousan
率
Million tonnes
d barrels
daily
US
781.8
897.6
842.9
1,869
21.7%
China
112.8
223.6
404.6
863
10.4%
Japan
247.7
255.5
197.6
440
5.1%
India
57.9
106.1
148.5
318
3.8%
Russian Federation
249.7
123.5
124.9
270
3.2%
Saudi Arabia
54.8
73.4
121.8
261
3.1%
Germany
127.3
129.8
113.9
242
2.9%
South Korea
49.5
103.2
104.3
233
2.7%
Brazil
64.3
91.6
104.3
240
2.7%
Canada
79.8
88.1
97.0
220
2.5%
France
89.4
94.9
87.5
183
2.3%
Mexico
67.7
85.7
85.6
194
2.2%
Iran
47.1
62.5
83.6
174
2.2%
Italy
93.6
93.5
75.1
158
1.9%
United Kingdom
82.9
78.6
74.4
161
1.9%
Spain
48.7
70.0
72.9
149
1.9%
Indonesia
33.3
53.9
62.0
134
1.6%
Singapore
23.3
33.5
52.1
100
1.3%
Netherlands
35.9
42.7
49.4
105
1.3%
Taiwan
28.2
49.1
46.6
101
1.2%
Thailand
19.6
36.7
44.2
98
1.1%
Australia
31.6
37.7
42.7
94
1.1%
Total World
3150.9
3562.1
3882.1
8,408
100
出典:BP Statistical Review of World Energy 2010 1990年
2009/
1990
1.1
3.6
0.8
2.6
0.5
2.2
0.9
2.1
1.6
1.2
1.0
1.3
1.8
0.8
0.9
1.5
1.9
2.2
1.4
1.7
2.2
1.4
1.2
表-9 地域別原油輸入量
area
2005年
2006年
Middle East
22,126
21,678
Europe & Eurasia
174
180
Southeast Asia
1,110
1,070
Africa
815
1,064
Oceania
203
205
East Asia
91
102
North America
0
4
Total
24,519
24,303
出典:経済産業省生産動態(石油年報2009)
2007年
20,704
892
1,130
852
233
26
0
23,837
2008年
21,140
817
1,271
716
309
61
0
24,314
単位:万KL
2009年 2009年比率
19,021
89.8
980
4.6
646
3.1
313
1.5
193
0.9
33
0.2
0
0.0
21,186
100.0
表-10 国別原油輸入量
country
2005年
2006年
Total
24,519
24,314
Saudi Arabia
7,122
7,291
United Arab Emirates
6,001
6,167
Qatar
2,356
2,491
Iran
3,373
2,804
Kuwait
1,843
1,725
Russian Federation
174
180
Oman
713
368
Neutral Zone
464
537
Indonesia
705
688
Iraq
138
243
Sudan
461
628
Australia
203
194
Vietnam
161
175
Yemen
116
52
Malaysia
95
121
Nigeria
276
147
Azerbaijan
0
0
China
91
102
Brunei
143
82
Algeria
0
8
Norway
0
0
Papua New Guinea
0
11
Philippines
0
0
Angola
14
184
Republic of Korea
0
0
Gabon
0
15
出典:経済産業省生産動態(石油年報2009)
2007年
23,882
6,415
5,854
2,475
2,898
1,723
839
510
490
720
246
597
233
205
88
111
50
53
26
90
0
0
0
0
44
0
25
2008年
24,321
6,759
5,800
3,631
2,877
1,852
817
512
389
777
250
575
284
356
70
76
15
0
61
49
16
0
25
0
3
0
62
単位:万KL
2009年 2009年比率
21,186
100.0
6,336
29.9
4,526
21.4
2,510
11.8
2,442
11.5
1,770
8.4
940
4.4
572
2.7
425
2.0
395
1.9
364
1.7
266
1.3
183
0.86
150
0.71
76
0.36
76
0.36
32
0.15
30
0.14
30
0.14
19
0.09
10
0.05
10
0.05
10
0.05
5
0.03
5
0.02
3
0.01
1
0.00
表-11 石油化学製品の生産量・輸入量・輸出量
石油製品名 単位
区 分
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
生産量
486
480
475
463
461
万トン
LPG
輸入量
1,341
1,419
1,344
1,385
1,184
輸出量
0
7
11
14
18
生産量
5,852
5,788
5,840
5,686
5,708
万Kl
ガソリン
輸入量
245
230
98
57
89
輸出量
43
29
43
76
102
生産量
2,159
2,164
2,263
2,175
2,074
万Kl
ナフサ
輸入量
2,856
2,836
2,745
2,444
2,375
輸出量
1
0
3
4
0
生産量
1,112
1,215
1,472
1,656
1,353
ジェット燃料油 万Kl
輸入量
34
27
8
0
0
輸出量
667
700
910
1,077
827
生産量
2,816
2,667
2,302
2,059
2,029
万Kl
灯 油
輸入量
98
117
34
27
37
輸出量
36
35
73
53
35
生産量
4,002
3,996
4,306
4,641
4,342
万Kl
軽 油
輸入量
47
32
32
23
22
輸出量
373
415
797
1,249
1,202
生産量
6,374
5,931
5,395
5,097
4,249
万Kl
重 油
輸入量
386
394
381
548
246
輸出量
975
991
936
939
902
生産量
264
266
256
264
224
万Kl
潤滑油
輸入量
6
8
8
8
9
輸出量
55
57
62
63
67
生産量
11
10
11
9
8
万トン
パラフィン
輸入量
1
1
1
1
1
輸出量
6
5
6
5
4
生産量
549
541
520
479
450
アスファルト 万トン
輸入量
0
2
6
9
10
輸出量
40
33
19
17
13
オイルコークス 万トン
生産量
80
87
80
96
84
回収いおう
万トン
生産量
197
195
197
203
186
石油ガス
万Kl
生産量
1,004
984
988
911
916
出典:経済産業省生産動態 石油年報2009
表-12 12 主な石油化学製品国別輸入量
製品名
単位
国 名
2005年
2007年
2008年
2009年
合 計
2,451,944
975,252
573,345
888,230
韓国
514,934
424,351
552,839
678,383
ガソリン
Kl
シンガポール 1,490,969
463,807
20,325
195,952
中国
13,548
合 計
28,564,782 27,453,090 24,435,591 23,754,683
クエート
3,521,580 3,880,673 3,766,953 3,639,015
ナフサ
Kl
UAE
4,373,816 3,294,603 3,058,553 3,360,382
サウジアラビア 4,535,199 3,918,198 2,611,937 3,358,029
合 計
344,531
78,644
1,500
ジェット
台湾
65,111
46,975
1,500
Kl
燃料油
韓国
248,541
12,782
シンガポール
30,879
14,987
合 計
978,425
339,827
267,126
370,964
韓国
892,839
270,146
266,830
353,836
灯 油
Kl
シンガポール
17,116
16,559
16,979
マレーシア
452
296
149
合 計
470,585
324,604
231,964
222,539
軽 油
Kl
韓国
454,551
324,604
231,932
222,531
マレーシア
3
32
8
合 計
3,863,258 3,811,246 5,484,720 2,464,370
インドネシア
2,776,596 2,528,371 2,379,791 1,419,905
重 油
Kl
シンガポール
29,161
162,130
512,879
394,240
韓国
921,998
619,640
622,925
311,333
合 計
13,414,066 13,439,087 13,850,183 11,839,175
サウジアラビア 5,067,057 4,868,316 4,298,160 2,913,331
LPG
トン
カタール
1,134,384 1,973,841 2,729,194 2,670,196
UAE
3,229,849 3,190,375 2,965,606 2,457,827
出典:経済産業省生産動態 石油年報2009
2009年国
別輸入比
100.0
76.4
22.1
1.5
100.0
15.3
14.1
14.1
100.0
100.0
0.0
0.0
100.0
95.4
4.6
0.0
100.0
100.0
0.0
100.0
57.6
16.0
12.6
100.0
24.6
22.6
20.8