2016-Ⅱ 新商品発表展示会 4月19日、20日の2日間、本社自然館において、 「ファナック新商品発表展示会」を開催いたしました。晴天にも恵まれ前年を大きく 上回る7000人を超えるお客様にお越し頂き、活況に満ちた展示会となりました。今回は、昨年より始めた FA・ロボット・ロボマシ ンの商品枠組みを超えた「one FANUC」としての提案を、 「ファナックの IoT」 「稼働率向上」 「簡単スタートアップパッケージ」とい う3つのテーマ展示で発表いたしました。 お客様の工場における「見える化」 「自動化」を推進し、 「止まらない工場」の実現を目指す新しい商品群は、多くの来場者にご注目 頂き、高いご評価を頂戴いたしました。 FIELD system のコーナでは、ロボットだけでなくCNC や周辺機器を含めたシステムの状態監視、故障予知、高効率化を製造現場 (エッジ)で実現するコンセプトが大変好評で、数多くのお客様から「すぐに使いたい」とのお話を頂きました。最先端の分散深層学 習を適用して学習時間を低減したバラ積みロボットのデモも、将来への大きな可能性を示すものとして関心を頂きました。 ロボマシンとロボットの「簡単スタートアップパッケージ」のコーナでは、これまでシステム構築の難しさから自動化を躊躇されてい たお客様から様々なご質問を頂き、 「これなら簡単にロボットを使える」と高いご評価を頂きました。 FAのコーナでは、 高い操作性と新たな機能を装備した iHMI を特設ステージや体験コーナにてご確認頂き、 「まさに現場で欲しかっ た CNC だ」と大変ご満足いただけました。 ロボットのコーナでは、新たに7kg 可搬シリーズが加わった緑の協働ロボット、ファイバレーザとの組合せによるレーザ溶接ロボッ トなどが、多くのお客様に注目を頂きました。 ロボマシンのコーナでは、無駄のない俊敏な動きで更に性能アップしたロボドリル、3材成形を可能にして適用分野を大きく拡大し たロボショット、大型機をラインナップに加えたロボカット、サブナノ加工を実現したロボナノ新機種など、いずれの実演も常時人 だかりが絶えない盛況ぶりでした。 2 サービスのコーナでは、 旧機種のメンテナンス事例や旧機種の稼働率向上に役立つ機能を、実機展示にてご覧頂きました。ファナッ クの「サービス ・ファースト」という考えを現物でお伝えして、全世界で安心してファナック商品をお使い頂けることをご理解いただ きました。 【主な出品商品】 ファナックの IoT への取り組み FA iHMI でさらに使い易さを追求 ・複合旋盤用の対話形プログラミング機能 ・計測器インタフェースユニットと新計測機能 IoT 化を強力に支援(つないで見える化) ・MT-LINKi 30i、0i シリーズの新機能 ・30i /31i /32i-B レベルアップ ・新しいスムーズトレランス機能 Power Motion i-MODEL A 大型サーボモータαiS-B シリーズ モデル B サーボのラインナップ完成 FIELD system ・加工時間予測機能 ・ワイド LCD 対応 PANELi ・IP67対応 I/O ユニット ・高精度プログラム指令 ・新しい加工条件選択機能 ・多軸・高速・高応答な産業機械の同期制御 ・産業機械の電動化・省エネルギー化に貢献 ・高速・高精度・高効率 αi-B シリーズサーボ ・400V 仕様を充実 βi-B シリーズサーボ ・最適制御 スマートマシンコントロール ・最適サーボ選定 サーボサイザー ・高速・高精度ファイバレーザ切断 FF3000i-A ・ファイバレーザ溶接ロボットシステム ・35kg 可搬協働ロボットとハンドガイド CR-35iA、ハンドガイド ・学習ロボットによるサーボガンの振動制御 R-2000iC/270F ・ラインナップ一新 DiS-B、LiS-B、Bi-B シリーズ 多様なアプリケーションに対応するファイバレーザ ロボット ・小型協働ロボット ・知能化アーク溶接システム ・ゲンコツロボットシステム ・ビジュアル円弧トラッキングシステム ・バラ積みロボットと機械学習 ・フルカバーロボットによる食品システム CR-4iA、CR-7iA、CR-7iA/L ARC Mate 100iD M-1iA、M-2iA LR Mate 200iD M-20iA/35M、M-20iB/25 M-25iC/25C ・車体パネルの塗装システム P-250iB ・保守・安全・適用検討機能 ゼロダウンタイム、ROBOGUIDE ・2.3t 大ロボットによる超重量物搬送システム ロボマシンとロボットの簡単スタートアップパッケージ ロボマシンの IoT への取り組み ロボドリルの新シリーズとロボットによる加工セル M-2000iA/2300 ・ROBODRILL-LINKi /ROBOSHOT-LINKi /ROBOCUT-LINKi ・ROBODRILL α -DiB シリーズ + ファナックロボット ・ROBOSHOT α -SiA シリーズ + ファナックロボット ・ROBOCUT α -CiB シリーズ + ファナックロボット ロボショットによる多材成形とロボットによる精密成形セル ロボカットの新シリーズとロボットによる加工セル 使い易さと稼働率を向上させたロボナノのマシニング系新機種 ・ROBONANO α -NMiA 3 2016 年 座談会 4月25日(月)に日頃よりお世話になっております先生方に新商品発表展示会の展示品をご覧いただき、その後座談会を開催いた しました。 ご出席者 東京大学 名誉教授 東京大学 教授 東京工業大学 教授 慶應義塾大学 教授 京都大学 教授 東京電機大学 教授 東京工業大学 教授 神戸大学 教授 東京農工大学 教授 東京大学 教授 早稲田大学 教授 東京大学 教授 東京大学 教授 慶應義塾大学 理工学部長 東京大学 教授 東京大学 教授 樋口 俊郎 先生 堀 洋一 先生 新野 秀憲 先生 青山 英樹 先生 松原 厚 先生 松村 隆 先生 高木 茂孝 先生 白瀬 敬一 先生 笹原 弘之 先生 石川 正俊 先生 菅野 重樹 先生 淺間 一 先生 帯川 利之 先生 青山 藤詞郎 先生 横井 秀俊 先生 國枝 正典 先生 ファナック株式会社 代表取締役社長 製造統括本部長 ロボマシン事業本部長 ロボット事業本部長 研究統括本部長 FA 副事業本部長 ソフトウェア研究所長 サーボ研究所長 レーザ研究所長 ロボット機構開発研究所長 ロボットソフト開発研究所長 ロボドリル研究所長 ロボショット研究所長 ロボカット研究所長 ロボナノ研究部長 技師長 稲葉 善治 山口 賢治 内田 裕之 稲葉 清典 松原 俊介 野田 浩 宮嶋 英博 谷口 満幸 西川 祐司 安部 健一郎 加藤 哲朗 佟 正 髙次 聡 髙山 雄司 洪 榮杓 須藤 雅子 (役職は4月25日当時) 4 社長:本日は大勢の先生方にお集まりいただきましてありが とうございます。新商品発表展示会の見学は短時間でしたが、 先生方にとって一番興味があるところはご覧いただけたかと 思います。それでは、展示内容などについてある程度本音も 交えてご指導いただければと思います。よろしくお願いします。 樋口先生:2〜3年前から展示の方法が変わってきて、今年 はどうなのかなと思い拝見した ところ、レイアウトがガラっと変 わっていました。 また、 緑のロボッ トが多く展示されていました。全 体として感じましたのは、より具 体的なものが多く出てきたこと です。今回は個々に見たときにそ 樋口先生 れらの性能を着実に向上させて いるという、印象を受けました。例えば、私の関係している分 野の一つである超精密加工では、案内に油静圧を使い性能を 大幅に向上させています。地道に各要素技術をしっかりと開 発されています。それと、毎回言われている「安心して使える」 というところがしっかりと表に出てきました。情報化にも関係 しますけれども、実際にどういう具合に動いているかのモニタ がかなり重要になります。ファナック自身でいろんな技術開発 をされているのは当然ですが、他社の開発したセンサなどを いかに取り込んで連携していくかが今後すごく大切になってく ると思います。また、近年話題になっているドイツのインダス トリー4.0には、何が新しいのか分からない所もありますが、 この展示会では、実際はこういう形になっていくのであろうと 思われるものが提案されています。そういう意味でも今年は 専門の方々だけでなく、広く一般の人々にもファナックが何を しようとしているのか伝える良い展示であったと思います。 社長:ありがとうございます。今回の展示では、我々の基盤 技術である FA を真ん中にし、左右にロボット、ロボマシンと いうレイアウトに致しました。また、ユーザ目線に立って分か りやすく、来場された方が容易に理解できるように配慮し、展 示内容や展示の仕方、そして説明内容と説明員を、かなり努 力をしたつもりでございます。また、FA、ロボット、ロボマシン という商品ごとの新機種、新機能がもちろん大事ですが、そ れを統合した形を「one FANUC」ということで、例えば簡単に ロボットと NC がつながるとか、ロボットとロボマシンが簡単 につながる QSP(クイック・スタートアップ・パッケージ)とい うように、 「one FANUC」の組み合わせが非常に易しくできま すという取り組みを将来の方向性としてお客にご理解いただ きたく、真ん中に展示しました。 IoT 技術を先取りした FIELD system というシステム、これも 「one FANUC」で FA、ロボット、ロボマシン全てが関連します が、ファナックは MES やクラウドの上位のほうは全くやらず に、エッジヘビーということで、工作機械やロボットに特化し た IoT を目指しています。そして、深層学習を付け加え、工場 の加工現場や組立現場という工場のエッジに特化した提案と して、FIELD system を真ん中に展示して強調いたしました。 それから「iHMI」というユーザインタフェースですが、これも今 までとはかなり違った形で展示をしております。このようなと ころが、去年とは違った展示の仕方に映ったと思います。そう いう点でも、 ご指導いただけたらありがたいと思います。次は、 堀先生お願い致します。 堀先生: 私もとても分かりやす くなったと思いました。大学も、 だんだん分かりやすくなってお り、学生にこういうことをやりた ければこういう授業を取りなさ いとか、そういう指南までするよ うになりました。昔の講義は、こ 堀先生 ちらが勝 手にやっていても、ス トーリーを作っていくのは学生の役割だと思っていたのです が、そういうところも手取り足取りになってきました。今は「分 かりやすさ」がポリシーなので、そのようにしていかないとい けないと思います。自動車会社の人も同じようなことを言って おります。そういうトランスペアレンシーも大事だし、悪いこと をしたらすぐに罰せられるようにもなってきたので、何か逆に 少し窮屈な気もしますが、分かりやすくすることが必要と思い ます。私が関係したファナックのサーボ技術は、本当に世界一 のものがありますが、それだけではいけないという時代になっ てきており、ファナックもやわらかくなっていくのかなと思い、 ちょっと残念な気がしますが、多分これでいいのだと思いま す。サーボのところを見ると、エンコーダが非常に良くなって いて、 私はセンサレスをしていましたが、 今はエンコーダを使っ ていくほうが、良さそうな気もしています。それから、ちょっと 意外だったのが、SiC(シリコンカーバイド)もずいぶん使って おられるということです。私もちょうど内閣府の関係でそうい うデバイスにも関わったりしています。実は SiC はロボット関 係ではあまりシェアがなく、電力系統、車や鉄などの分野では 市場があり、特にモータインバータは大きな市場があります。 今日、 「そんなにインセンティブがあるのか」とお聞きしたら、 納得いくような説明をいただきました。多分、こちらも SiC に なっていくのかなと思いました。 社長:確かに今までファナックの場合、閉鎖的というイメー ジもあったかと思いますが、安全性などを考えますと、インタ フェースをオープンにできなかった訳です。今後、安全性を確 保した上でオープン化ということも進めていく必要があると思 われます。ただ、それでもユーザにとってリスクは存在するの で、極力安全重視でいきたいと思っています。 新野先 生: 何事もそうですが、 見せ方が重要であるとつくづく 感じています。私共の精密工学 研究 所は創立76周年の長い歴 史を有する研究所でしたが、精 密工学では外から研究所が何を めざし、どのような研究している 新野先生 のか見えないという学長の指摘 により、この2年間、所長として研究所改革に取り組んできま した。結果として複数の研究所および研究センターを統合し、 「異分野融合による研究成果の社会実装」をミッションとした 学内最大の研究所である未来産業技術研究所に再編しまし た。工作機械産業に若手人材が入らないと指摘されますが、 工作機械の見せ方を考える必要があるのではないかと個人的 に思っています。本日、新商品発表展示会を一巡し、産業界 の要求に対応した様々な取り組みについて従来に増して見せ 方を工夫されていると感じました。また、それぞれの新商品を 拝見してもうひとつ感じたことは、温故知新ということです。 1980年代から90年代に次世代生産システムについて議論さ 5 2016 年 座談会 れましたが、そこでキーテクノロジとされた自己診断や自己修 復について、必要な要素技術が出揃った印象を受けました。 前者については従来のセンサ、アクチュエータ、コントローラ に加えて、新たにビッグデータや人工知能が要素技術として提 供されたわけですから、もはや実現できないわけがありませ ん。ファナックが次に狙っているのは、明らかに後者の自己修 復機能の実現ということではないでしょうか。来年の新商品 発表展示会には具体的な新商品が出てくるのではないかと、 そんな印象を持ちました。今後、生産システム、FA について 活発に議論された頃の文献を参照し、そこから原点に帰って 周辺技術を再検討することによって新たな研究開発課題が見 つかるのではないかと考えています。かなり前から提案されて いるインテリジェント ・スピンドルについて近いうちに具体化 されるであろうし、セルフ・ チューニング技術もパルスコーダ の高分解能化やコントロール技術のインテリジェント化の進 展を勘案すると、完成されても良い頃と思います。そういうこ とで、温故知新という観点から、もう一度研究課題を見直す ことが重要であると感じました。 社長:ありがとうございます。確かに1987年に始まった IMS プロジェクトでほとんどのタネは出ていました。ただ、そのと きにはまだインターネットは存在していませんでしたし、今の ような AI 技術も未熟で、中途半端な形で終わってしまいまし た。現在、それが実現できる技術が育ってきましたから、もう 一回原点に戻ってやり直すと、非常によいものが生産システム でできるのではないかと思い、ファナックとしてもこれから積 極的に提案していきたいと考えます。 青山(英)先生: 昨年の発表会 の時にご説明を頂いた三つの柱 の一つに、 「壊れる前に知らせる」 というのがありましたが、それが 今日の FIELD system の中にい くつか組み込まれていたのが印 象的でした。 青山英樹先生 ファナックは、今までと方向転換 し、どこまでオープンとしていくのか非常に興味のあるところ です。今は FIELD system はコンセプトの段階と思いますが、 これを具体化するときにどのように実施していくのか楽しみに しています。確か今日の新聞に、 「ファナックは欧米と共同で IoT を開発する」という記事があったと思います。 IoT も昨年拝見したときには、これからどうしていくのだろうと いうところでしたが、今日は、かなり具体的なシステムになっ ているのもあり、クラウドとフォグとエッジというところで、ファ ナックの得意とするエッジのところをかなり強烈に進めている と感じました。 話は変わりますが、昨年の12月に台湾の工場を見学しました。 機械が20〜30台並んでおり、その中でファナックのロボドリ ルが2台ぐらいありました。その工場では、朝昼晩に精度を チェックしており、 「ロボドリルは精度が一番狂わない」とおっ しゃっていたのと、加工速度が他より2倍近いということを聞 いて、部品加工で力を発揮するというのを認識しました。 「ロ ボドリルの5軸マシンを部品加工に使って、多軸よりも精度が 良く速い」という言い方をしていました。 話を戻しますが、今日見学させて頂いた具体的な技術で言い ますと、スマートマシンコントロールもいろいろ開発されてい て、非常に一つずつが興味深くありました。サーボ技術はもち 6 ろんファナックの得意は CNC のところだと思いますが、CAM 側の情報の処理方法を工夫しようという展示もいくつかあり、 ぜひそこはもっと進めていただきたいと思います。そこを進め るとなると、今の NC コードでは難しさが出てくると思います ので、できればファナックが ISO 規格的なものを早めに提案 していただいて、 CAM からNC、 サーボまで一貫して一気に持っ ていけるようなデータコードはないかと期待しております。 社長:ありがとうございます。 「壊れない、壊れる前に知らせ る、壊れてもすぐ直せる」という3本柱のうちの「壊れる前に知 らせる」ということで、今回 FIELD system と ZDT という機能 で展示しました。今日いろいろご指摘いただきました方向で 私どもも進んでおりますし、CAD からずっと一貫した形のデー タの流れを FIELD system でも扱っていきたいと考えていま すので、ご指導よろしくお願いします。 松 原 先 生:IoT に関して、今日 はとてもわかりやすい展示でし た。最近、野村総研の IoT の専 門家と、情報学研究科の先生と ワークショップをして、IoT とい うのは神経網で、実は大事なの は AI のほうであると聞き、なる 松原先生 ほ ど と 思 い ま し た。FIELD system はどちらかと言うと IoT の神経網のほうです。そうす ると AI がその上でできるソフトウェアになり、多分差別化に つながっていくと思います。クラウドの世界というのは、完全 にオープンリソースを使っていて、要するに機械でいうと部品 に相当するソフトがただで、いろんな才能の人が入ってくる世 界ですが、そこは安全が保障されないので、FA の世界は違う 作り込みモデルになってくると思います。その場合、サードパー ティのような方々と組んでやるのか、それとも違った才能の人 たちを集めてくるのかなど、今後どうなっていくのかなと思い ます。そういうクラウドの世界の人たちと話していると、皆さ んとても発想が自由で嬉々としてやられており、あのスキーム は結構重要と思います。FA の世界も開発するのが楽しいから やるという、そういうところをうまく貰えないかというイメージ があります。 社長:FIELD system はオープンにして、サードパーティが自 由にコンテンツを入れることができる仕組みになっています。 いろいろな特徴を持った才能のあるシステムインテグレータ の方々が開発したものを、 このFIELD system のプラットフォー ムに自由に乗せて、お客様がお使いいただけるようにするとい うことで、現在、100社ぐらいがパートナとして名乗りを上げて いただいています。こうした各社がどんどんコンテンツを作り 始めると、コンテンツの資産がものすごく膨らんでくると思い ます。そうすると、スマートフォンでいろいろなアプリから一番 気に入ったものをダウンロードするように、工具の寿命管理 や、最適な加工条件のプログラムも、自由に選べる時代になっ てくると思っています。そういう意味では、FIELD system は オープンなアーキテクチャですので、これからどんどん発展し ていくと思います。 松村先生:FIELD system のようにオープン化が進みますと、 その使い方が多岐にわたり、多種多様なアプリケーションが 開発されるものと思います。そのため、アプリケーションユー ザやアプリケーションのシステムインテグレータをサポートす ることが、御社の新たなる役目となり、サポートに対する負荷 が今後かなり大きくなっていくも のと思います。また、このような 先 進的な FIELD system は、大 手企業にとっては魅力的で画期 的なものですから、その導入は 早いと思います。一方、最終的に オープン化が進みますと、大手 松村先生 企業と連携している企業は、そ の情報やアプリケーションを共有しなければいけません。そ のため、中小企業がこれをいかに使いこなすのか、その概念 が広く浸透するところまでどれぐらい時間がかかるのかが、シ ステムの導入効果につながるものと思います。そのような観点 で、中小企業への教育、サポート、さらには展開へのプログラ ムに興味がありました。また、FIELD system の命となる部分 はフォグのレベルだと思います。特に私が非常にいいと思った のが、古い機械にもそれが対応できることです。特に、設備投 資のできない中小企業にとっては朗報です。 コントローラでも、 最新の操作系や、機能アップのためのアプリを使用できるよう になり、そういう意味では中小企業の設備機能アップが考えら れていると思います。私自身は今後 FIELD system が多くの中 小企業にご理解いただければ、日本の製造業の基盤がしっか りできると感じました。 社長:おっしゃる通りだと思います。やはり最初の導入は、い わゆる親会社になると思いますが、Tier 1, Tier 2の分野にど んどん浸透していくと思っています。強力なシステムですと強 力なサーバを置いて FIELD system を動かすということにな ると思いますが、中小のお客様に対しては、FIELD base とい う私どもが供給する比較的小さなハードで、FIELD system を 構築することができるので、導入しやすいと考えております。 浸透するのにどのくらい時間がかかるかということですが、ま さに今年がスタートの元年ではないかと思います。ユーザにた くさん導入していただくとビッグデータになり、さらに機能を 進化させることができます。今考えているのは製造プロセスの 中でどういったデータがどう処理されて、どういうふうに使わ れるかです。また、導入のためのハードルが高価になり過ぎな いように、検討していきたいと考えています。ご指導よろしく お願いいたします。 高木先 生:FIELD system とい うのを私も面白いなと感じまし た。今まで、 ネットワークでロボッ トをつなげて何ができるのかと 思っていましたが、つなげること によってデータの共有や学習速 度が向上するなど、そういうとこ 高木先生 ろに非常に魅力を感じました。 ドイツ版インダストリー4.0ではなく、 日本版インダストリー4.0 という印象も受けました。また、受賞された協働ロボットで 35kg 以上を可搬したいということですが、それはノイズとの 勝負だと思います。今、15bit や16bit 精度の AD コンバータ を使われているということでしたが、市販で32bit の AD コン バータは、もうすでに売っています。ですからビット数を増や すだけでしたら簡単に増やせますが、多分ノイズとの戦いにな るのではないかと思います。まず、雑音のシミュレーション技 術ですが、30cm ぐらいのボードと IC のパッケージングによ る寄生の素子、あと IC のパッケージングの中身の IC、それこ そ最小寸法ですと数十ナノメートルというところまで、それら 全体をひっくるめたシミュレーション技術というのが進んでお り、マクロからミクロなところまでいろいろ見られるようになっ ています。そうするとノイズも可視化して見ることができ、アー スの取り方でもノイズの表れ方が全然違ってくることがわかり ます。そういうことを可視化できることが、ノイズ対策には第 一だと思います。どこからノイズが来るのか、何が原因なのか ということを把握するのがまずは重要だと思います。他の方法 としては多重化です。信号を一経路ではなくて多重化する方法 を既に取られていると思いますが、多重化の方法自体も少し 工夫するともう少し性能が上がるのではないかと、私の研究 経験からそう思います。最後に、低い周波数でしたら、ノイズ のキャンセルというのを考えてはいかがかと思います。BOSE のヘッドホンは飛行機などで採用されていますが、十分周波 数が低ければ機能するのではと思います。 社長:ありがとうございます。おっしゃる通りで、私どもはま ずは 需 要が大きい4kg、7kg の開 発を先に進 めましたが、 70kg、80kg、または120kg というニーズがあるのは重々承知 しております。ただし、ハードルも高くなり、ご指摘の通りノイ ズとの戦いになっていくだろうと思います。一段落つきました ら、大型のほうにも挑戦したいと考えておりますので、ご指導 をよろしくお願いします。 白瀬先生:昨年も見せていただ きまして、先ほど話題になった三 つの柱がかなり深まったという 印 象 でした。ま た、新 商 品 の FIELD system では御社の CNC やロボットが一気にオープンに なった印象です。今日は詳しい 白瀬先生 お話を聞くチャンスがなかった のですが、デジタル サーボアダ プタを用いれ ば 欧 州製 の EtherCAT などの外部ネットワークからサーボアンプに直接指 令ができるということで、ソフトだけではなくてハードも含めて オープン化へ舵を切られた印象を受けます。今日は他社のソ フトと連携するところは拝見できなかったのですが、今年は IMTS も、JIMTOF も開催されますので、そこで他社のソフト とどんな連携をされるのかを期待したいと思います。サーボ ビューワや、サーボガイドでサーボ情報が取れるようになって きたのですが、まだまだフィードバック制御で使えるリアルタ イム性が保証されていません。一般的なユーザはそこまで望 まないかもしれませんが、ヘビーユーザに対してはサーボ情報 やセンサ信号がフィードバック制御に利用できるように取り組 んでいただきたいと思います。それから、ハードとソフトの連 携ということになりますとよく分からないのですが、ネットワー クに階層がありますと上位のソフトに下位のハードの情報をリ アルタイムにフィードバックすることが難しいと思います。ス マートなマシンというイメージをもっと突き進めていくと、ソフ トとハードをリアルタイムに接続するような、そういうインタ フェースが別に必要なのかと思います。例えば今はセンサ信号 をディープラーニングで処理するだけですが、もっと知的な処 理をしようとしますと、シミュレーション結果とセンサ情報を リアルタイムにつき合わせて、スマートな判断や診断をすると いう必要性が高まります。そうした時に階層化されたネット ワークでソフトがつながっているというだけではなく、現場の 生データをソフトでもっと活用したいというニーズが出てくると 7 2016 年 座談会 非常に感じます。それから、インダストリー4.0は20年前のアイ デアと同じというお話がありますが、そうしたアイデアの中で まだまだ取り扱われてないのは、スキルだとかノウハウです。 実は我々もそれをどう扱えばいいのかで 苦 労しています。 ディープラーニングは、 「信号の意味は分からないけれども処 理して何かを教示できるようにする」ということですが、スキル だとかノウハウになってくると、どういう情報を集めてどういう 解 析や処 理をすれば良いのかが分かりません。世間では ディープラーニングをやると囲碁でも名人に勝てるというの で、全ての問題が解決できるようなイメージで捉えられていま すが、今の枠組みではスキルやノウハウの学習が上手くいかな いのでは?というのが心配ごとです。スキルやノウハウの学習 のために、どういう情報を集めてどういう解析や処理をすれば 良いかを考えるのは我々の研究ですが、これからのオープン 化がどういうふうに進んでいくのか、オープン化が我々の研究 とどのように関わってくるのかというところを期待しながら見さ せていただきたいと思います。 社長:ありがとうございます。おっしゃる通りで、 ディープラー ニングで全てできるとは限らないですが、非常にポテンシャル が高い技術だと考えています。 今は機械のセンサからのフィー ドバックを学習のタネに使って開発を進めておりますが、将来 は聴覚センサ、臭覚センサやビジョンを使いながら、熟練作 業者のスキルをディープラーニングにより実現するアプローチ も考えられると思います。今後のテーマで、ぜひ挑戦していき たいと考えています。いろいろなポテンシャルがある技術です が、まず、目の前で解決できるところから地道にやっていくだ けでも、IMTS ではいろんなテーマを提案できるのではない かと期待しています。それから FIELD system はオープンだと 言いましたが、そのコンテンツをサードパーティに作っていた だくことや、競合の製品とも結合することを考えています。即 ち、ファナックの制御装置だけで構成されている工場という のは少なく、新旧やいろんなメーカが混在する工場が普通で すので、そうした工場においても、お役に立つシステムにこれ から育てていきたいと考えています。その点でもご指導よろし くお願いします。 笹原先生:今日は初めて参加さ せていただきましたが、やはり FIELD system で の クラウドや IoT を駆使した最新の取り組み をはじめとして、非常に興 味を 持って拝見しました。そのあたり は他の先 生方が既にご指 摘に 笹原先生 なっていますので、少し違う観点 として加工の複合化にも興味を持ちました。6kW までの大出 力のファイバレーザを開発され、精細な薄板の切断と溶接の デモをしていました。かなりピッチの小さい加工ができて素晴 らしいと思いましたが、パンフレットを拝見すると他の機械と の複合化ということも考えていらっしゃるとのことでした。御 社の場合、レーザだけでなくCNC、ロボット、ロボマシンを自 社でお持ちであるという他にない強みがありますので、レーザ を複合化した新しい複合加工機といったものが期待できると 思います。例えば、切断するだけでなく、加飾や表面の焼き入 れ加工、あるいはレーザを使って粉末金属をデポジションす る Additive Manufacturing というような使い方も当然あるわ けです。基本的には機械加工は除去加工をメインとして行わ 8 れるわけですが、表面強化や機能表面の形成による高付加価 値 化 の 方 向 性、あ る い は 付 加 加 工 と し て Additive Manufacturing が発展していく方向性にファナック技術を融 合していくと今までにない新しい装置が出てくるのではと期待 しながら拝見いたしました。 社長:ありがとうございます。確かにファイバレーザは今おっ しゃられたようないろんな用途が考えられまして、切断や溶接 だけでなく、高周波誘導によるフレームハ-ドニングによる表 面改質に対して非常に柔軟性があるわけです。そういう点で 異形状の部分や工作機械のベッドのガイド面の表面硬化の分 野に応用できますし、部品の表面改質でも大きなポテンシャ ルを持っていると期待しております。また、板金の切断と溶接、 車体の溶接や、インラインでのオプションホール加工もでき ますから、従来のようにプレス金型で打ち分けることも必要な くなり、この分野でも大きな可能性を持っていると思います。 石川先生:FIELD system にて、 「融合」と「統合」と「複合」という 言葉が出ていますが、 「複合」は ただくっ付けただけで、 「統合」、 「融合」とは言葉の意味が少し違 うので、そこは正確に説明したほ うがいいです。 「統合」というの 石川先生 は一つのルールがあって、その ルールの中に全てを合わせていくというもので、例えば A の システムと B のシステムを一緒にして一つの目的を持ったシス テムにするのはだいたい「システム統合」って言います。一方、 「融合」というのは、特にルールはなく、場だけ与えた時につ ながることによる新しいシナジー効果が出て、新しい価値が 出てくる場合を言います。例えば「核融合」というのは「融合」 で、 「核統合」とは言いません。それから「両眼融合」というの も、右目と左目から一つの新しいものが見えてくる、あれも「融 合」です。FIELD system をよく見ると、 「統合」の部分と「融合」 の部分の両方があると思います。ここを、言葉を間違えずに やったほうがいいし、それをきちんとやると、多くの人の理解 が増すと思います。 「システム融合」と言うとピンと来る人は少 ないけど、 「システム統合」と言えばピンと来る。それから A の機能と B の機能を融合して新たな機能を出すという場合は 「融合」で、A の機能と B の機能を統合して新たな機能を出す というと、当たり前なことをやったと思われます。 FIELD system は両方期待しています。特に統合というのは慣 れていますけど、融合を少し生み出すような仕組みだと感じま すので、そこをうまく出していくといいと思います。FIELD system でのロボットの話をすると、時間軸側はとにかく速く しましょうの一言で終わるとして、あとは空間軸です。上層で いかに人工知能を入れても入力情報が足りないと何も動かな いので、情報を取るほうのセンサをもう少し密度を高くすると いうことと、あるいは種類を増やすということです。先ほど社 長もおっしゃったように、他のセンサも全部入れていく、コス トを上げないで入れていくというのをやり、それでその後に人 工知能的な処理をやるともっと効果が出てくると思います。今 日拝見したセンサはかなりいいセンサがいっぱい出てきまし たが、もっと未来は増えると思っています。視覚や三次元セン サはもちろんのこと、例えば近接覚や聴覚のセンサなどもど んどん使用し、前から申し上げている時間軸の高密度化と空 間軸の高密度化を両方やると、IoT も生きてくると思います。 社長:ありがとうございます。確かに「統合」と「融合」という のは、私どもも注意しないといけないですね。やっぱりフュー ジョンということで、そういった新しい形をぜひ作っていきた いと考えています。コストをなるべくかけないで、いろいろな センサからいろいろな情報を取得して、それでこれからアク ティブな適応性能、こういった形の機能を開発していきます と、まさにフュージョンと言いますか、融合になると思います。 石川先生:はい、そうです。新たな機能が出てくるというのが 理想的です。 社長:そうですね。よろしくお願いいたします。 菅野先生:私は人間共存ロボッ トを専門にしていますので、毎年 緑のロボットが気になりますが、 種類が増えてきて、非常に嬉しく 思っています。また、ビッグサイ トでロボット展がありましたけれ ども、他の企業に比べて、ファ 菅野先生 ナックの協働ロボットは先に進 んでおり、ますますそれが盛んになるといいと思います。最近、 協働という言葉がいろいろなところで使われるようになって、 ロボットと人間の関係もいろいろな新しいプロジェクトが始 まっています。私も NEDO や企業との連携の相談をするとき に、人間とロボットとの関係がどうなるのかということが話題 になりますが、安全性など最小限のレベルからまだあまり先 に進んでいないという気がしています。人間とロボットが接触 する、ぶつかるということは起こってはいけないという考え方 が、 かなりまだ強くあるように思います。 私の研究室ではロボッ トが動いてぶつかってもいいだろうという前提で研究を進め ていますが、かなり拒否反応を示されることもあります。そう いう意味では人間とロボットが接触し単に停まるだけではなく て、その先どう動くのかというところまで踏み込んで、緑のロ ボットが進んでほしいと思います。医療や福祉の分野では人 間と協働するロボットについていろいろ言われますけれども、 人間協働ロボットが広がるのは、産業界、工場からだと私は 思っています。そういう意味では、ファナックが安全に停まれ る緑のロボットで完成とするのではなくて、もっと先に動き続 けるとか、人と接触しながらもそのまま動いていく、極端に言 えば、ぶつかってもそのまま動き続けて大丈夫、何かそういう 踏み込んだ形で工場の現場で示していただけると、この分野 にものすごく大きな影響を与えるように思います。ぜひ、その ような技術開発を強く進めていただければと思います。 社長:ありがとうございます。なかなか難しいテーマと思い ます。確かに作業者が作業しながら他の作業者に接触しても、 あまり問題にならないのですが、ロボットの場合、どうしても それが危険だと捉えられてしまいます。多少ロボットと接触し ても危なくないという、事実の積み重ねが進んでくれば、まわ りの方々の考えも変わってくるのではと思いますが、そうなる ためには、本質的に安全なロボットにしなければいけないと いうことで、まだまだやることはたくさんあります。ご指導をよ ろしくお願いいたします。 淺間先生:今日は新しいファナックの流れというものを感じ ました。一つは緑のロボットと白いロボットです。人との協働 では、菅野先生がおっしゃった方向にかなり足を踏み出して いるという印象を持ち、深層学習や AI といった技術を、機械 の制御や保守などの使えるところで使っていこうという点に新 し さ を 感 じ まし た。最 後 に、 FIELD system の ネットワー ク オープン化という話は、ファナッ クの中では新しいチャレンジだ と感じました。日本はロボットに 関しては今追い風の状況で、こ れからも様々な投資がされてい 淺間先生 くと思います。特に本日拝見して、 産業ロボットにもまだ伸び代があるはずで、そこでどのように ビジネスを展開していくか、あるいはサービスと製造業の接 点という点で、サービスへの展開という点に非常に興味を持ち ました。 私の感想を申し上げますと、一つ目は、人との協働の中で、い かに生産を安全かつ効率的にやるかという話の一方で、人間に とっての負荷を減らすという話が出てくると思います。ロボット と人がどう動くかを同時にシミュレーションできるという話が できつつあるのかなと思いました。負荷というのは二つあり、 一つはフィジカルな負荷です。例えば、介護では腰を曲げる作 業は一切禁止の方向に動いております。腰痛を生み、離職率が 高くなることにつながるからです。働きやすい労働現場にする のに、そういうものが役に立ってきます。もう一つはメンタルな 負荷を減らすことです。建機メーカでも研究が進んでいて、長 時間使用しているときに、最後は疲れるかどうかの評価がきい てきます。鈴木宏正先生が代表されている SIP のデライトデザ インでも、製品の価値を、性能だけではなくデライト性で評価 することをやられています。ロボットで自動化というよりも、人 との協働システムとして考えたときに、人間の負荷を減らし快 適性を上げるという点でまだやれる余地があると感じました。 二つ目は、FIELD system の話です。インダストリー4.0のコン セプトに対抗して、ボトムアップでやるという新しいチャレン ジに非常に感銘を受けました。ネットワークオープン化には、 二つの方向性があると思っております。一つはシステム化です。 2年前のロボット大賞で、医薬品の物流を全部ロボットでやる というシステムが優秀賞を取りました。一部ではなく物流とい うシステム全体を見直すことにより実現したという点が評価さ れたのですが、FIELD system の概念を使えば簡単にできる 話ではないかと私は思います。システム化という点で、FIELD system のアプリケーションが期待されていると思っています。 もう一つの方向性は、メンテナンスです。PSS(プロダクトサー ビスシステム)というのがサービスの分野で主流になっていま す。これは、製品を売るだけでなく製品が使われていく中で、 劣化や故障が起こるという中で、メンテナンスも含めて、ビジ ネスにしていこうというものです。FIELD system を使えば、 ユーザが使用している状況でのビジネスができます。また、故 障データにディープラーニングを入れていくことで、さらに信 頼性の高いものづくりに繋がっていくと思います。 社長:ありがとうございます。これからこの可能性に向けて 発展させていきたいと思っております。今後、産業用ロボット が、ロボットと一緒に作業したいと人間の作業者に思われるよ うに進化すれば、人間にとって働き易い職場が実現されること になりますので、そのお手伝いをしたく思います。私どもの工 場の中の緑のロボット第1号は、女性の作業者との職場です。 19kg の部品の力仕事は緑のロボットがやり、スキルのいる組 付けの仕事を女性の作業者が緑のロボットを従えてやるとい う非常に面白い協働作業です。人間とロボットがお互いに喜び 9 2016 年 座談会 ながら作業できる環境を実現できるように、ロボットもさらに 賢く、器用になっていかなければならないと考えております。 淺間先生:そういうふうに考えると、介護の現場でもファナッ クのロボットが使える可能性が出てきたと思います。日本はロ ボット大国と言われていますが、介護の現場では日本はかな り遅れており、人間と協働できる、人間が重いものを持たな いでよい機器が求められております。ここに緑の協働ロボット が出ていくチャンスがあるのではと思っております。 社長:どうもありがとうございます。 社長:それでは第3セッションとして、ロボマシンの分野で帯川 先生、青山藤詞郎先生、横井先生、國枝先生にお願い致します。 帯川先生:本日は新しいロボド リルを見せて頂きまして、非常に 感銘を受けました。 鋳物が変わっ たということで、ロボドリルは次 の展開に向けて骨格を変えたの ではないかと思っております。機 内の干渉を減らし、ツールチェン 帯川先生 ジャにサーボ機能を付けて、運 動を滑らかにすることで、非切削時間を大幅に短縮できるとい うことです。新しい時代を期する機械になったと思いました。 また、主軸のロードメータは非常に面白く感じました。短時間 なら、定格の600%強も許容できるような高い短時間定格出 力で、加工の適用範囲拡大が期待できます。また、回転数や 連続加工時間に応じてロードメータの表示色が変わっていく 点は斬新で非常に確認しやすいです。これが新しい工作機械 の使い方なのだと感心しました。 要求としては、CAM から実際の NC コードを作り出すプロセ スにおいて、自動的にツールパス、あるいは加工状況の設定 ができるようになると、ユーザにとって安心感があって非常に よいと思います。あとは、その他のハード的なところも含めて、 かなり高機能な機械に仕上がってきていると感じております。 FIELD system の話に関しては、オープンアーキテクチャとい うことで、どういう国でよく使われるのかという点に興味があ ります。日本人は、ソフトウェアに関しては新しいものを作り 出していく意欲が世界的に見ると、少し低いというところがあ りますので、日本以外の国でファナックのアプリがよく使わ れ、新しい提案が出てくるのかなと思います。それは困ったこ とではなく、新しい工作機械やシステムの使い方というもの は、どの国から提案されても構わないものであると思います。 新しい工作機械システムの使い方はより加速する方向に来て いるのではないかと感じました。 社長:ありがとうございます。ロードメータを見ながら人間が 調整する際に、スピンドルの負荷が連続定格というのは実際 の加工工程ではありません。スマートロードメータにより、実 際の加工工程では小さなスピンドルモータで十分高い切削 条件を設定できるという点で、大変お役に立つと思います。そ れを自動でということになりますと、まさに FIELD system の 世界です。人間がオーバライドで調整して、ここまでなら追い 込めるといったことが、AI により自動でできる機能が実現さ れると期待しております。また、 それに挑戦するサードパーティ が出てくることも期待しております。このサードパーティに関し ましては、当初は日本が主体になると思いますが、アメリカ、 ヨーロッパにおいても、その土地の伝統に合ったコンテンツ を開発していただけるのではと思っております。また、サーボ 10 タレットに関してですが、従 来機 のロボドリルはコストパ フォーマンスの観点から主軸のスピンドルモータで駆動して いました。タレットの動きは極限まで滑らかで高速だったので すが、さらに一段上の性能を目指すために、新機種ではサー ボモータを採用致しました。今後、さらに性能を上げていくよ うに精進してまいりたいと思っております。 青山(藤)先生:主にロボナノを 見学させて頂きました。油静圧 ガイドを導入されたことは、英断 だったと思います。昔から取り組 んでいたことをさらに研ぎ澄まし て、理論に沿って作り込むという 際に、ものづくり技術の高度化 青山藤詞郎先生 により、さらに良いものができて いるのではないかと思いました。加工の段取り時間が短くなっ てきたような印象も受けました。段取りでロボットを置いてナ ノ加工してしまうという、すごい時代がやってくるのではない かと思いました。 先ほど、FIELD system という話がありました。過去に IMS プ ロジェクトで、ファナックと共同開発をしていた時のことを思 い出しました。最後につまずいたのは、今回の FIELD system で言えばエッジのところです。理想的なものを実現できないよ うな性能でした。 今日、FIELD system のお話をうかがうと、現場でどう使われ るのか、非常に分かりやすくできているシステムだと思いまし た。これを実現するのには、もちろん IoT の技術やセンサ技 術も重要ですが、エッジのところがしっかりしていなければな りません。ロボナノに限らず、エッジのところの性能をガッチリ と考えていくことが大切であると思いました。 今回の展示会では、その内容がだいぶ変わったなという印象 を受けました。いろいろなものとつなごうとしている感覚を持 ちました。例えば、深層学習のところに情報科学の分野をとり 入れるということで、文理融合とまではいきませんが、新しい 方向に進んできているという印象を受けました。 クラウドのところは視野にないという話がありましたが、日本 国内あるいは世界で、自社の機械でどのような生産がされて おり、何か問題が生じたときにどのように対応しているのかと いうことを把握し、自社の経営に生かすということは戦略とし て考えておられると思います。そこで得たデータを、社会的に 役に立つのか、自社の経営に対してメリットがあるのか、ユー ザに対してデメリットがあるのかという判断に利用されたほう が良いと思います。 社長:ありがとうございます。特にロボナノに関しまして、油 静圧ガイドのご指導をいただきありがとうございます。FIELD system の件ですが、私どもが手掛けるのはエッジ中心です。 今回アライアンスを組んでいる、ロックウェルオートメーショ ン、シスコシステムズが MES より上のクラウド系を得意として いるので、私どもは直接その部分にタッチしません。 ただし、その情報を使ってお客様にサービスをする機能は、 既に ZDT(ゼロダウンタイム)で、ラインストップを未然に防 止している実績がございます。また、工場間をまたぐオペレー ションに関しては、クラウドを介してデータを処理します。し かし、大手ユーザは、工場の MES などのシステムが、既に構 築されております。私どもは、その下にフォグという形で現場 の部分を担当し、上位のシステムと簡単に融合できるようにし ています。その上のシステムがインダストリー4.0や ISE であっ ても、エッジを担当する FIELD system が問題なく機能発揮 できることを目指しております。 また、ロボナノもファナックの商品ですから、壊れない、壊れ る前に知らせる、壊れてもすぐ直せる、これを目指して頑張っ てまいりますので、ご指導よろしくお願いいたします。 横 井 先 生: まず最初に、ファ ナックのロボショット出荷台数 が5万台達成という話は凄いで すね。本当におめでとうございま す。私はオートショットの頃から 存じ上げていますので、もう隔世 の感があります。きょう最初に会 横井先生 場に入って驚いたのは、このサン プル、3材成形品ですね。いよいよファナックもここまでやら れるようになった、というのが正直な感想です。ファナックは、 成形機の要素技術を完全に完成されて、非常に優れた単体成 形機をずっと作ってこられました。近年、材料の複合化や型内 一体成形の潮流もあったのですが、ファナックはロボットが成 形機を作っていますので、こうした細かな要望に対してはなか なか対応が困難かと思っていました。しかし、最近は余力が できたようで、いろんなニーズにも細かく対応できる体制が 整ったものと思います。また、ロボショットとロボットを組み合 わせる簡単パッケージは、多分、ユーザの個別な要望に対して、 パッケージ化して迅速に対応できるようにしたものと思いま す。今回の2色成形でも、成形機に対して縦からと横からの両 方の射出ユニットの組み合わせがありました。しかもシリコン 成形もできるとのことです。シリコン成形は2種類(ほんとは4 種類なのですが)の材料を使いますので、そういう意味では 非常に複雑なロットをそれぞれユニット化して、素早く組み合 わせて対応できるようにしたものとなっていました。さらに、 小型協働ロボットでは、台車で移動して位置がちょっとずれて もカメラで位置を自動補正する機能を備えており、ユーザに 対する使いやすさを徹底的に配慮した開発をしているようで す。ファナックは変わってきたというのが最初の感想です。 FIELD system についての話としては、実は射出成形機はサー ボモータ直結で加工が行われているわけではなく、加工対象 とモータとの間にスクリュや金型があって、実際に金型の中で 起こっていることはよく分かりません。そこで、いろんなセン サメーカとコラボしながら、どういう信号のときに何が起こっ ているかを極めていかないと、エッジのほうではなかなかすぐ には FIELD system に乗りにくいかもしれません。ただしサー ボモータで実際に計測できる範囲のもの、例えば逆流メータ を作って、チェック弁から逆流するものをサーボモータで測れ るものをファナックが初めて出しましたよね。それと同じよう に、サーボモータが持っているセンサとしての力を、ファナッ クは自在に使えるレベルにあるので、それを使うと今まで気 が付いてない信号が何を表しているのか、もう少し一対一で 徹底的に解明すると、ブラックボックスの成形機の中身が分 かるようになるのではと期待します。そちらの方のつなげる努 力を是非徹底的にされたらと、期待しています。 あと今回の展示で少し「おや?」と思ったのは、先ほどコア技 術は出さないという話があったのですが、例えばスクリュの心 臓部にあたる部分、成形に直結するようなコア技術をファナッ クは取り組まれているはずです。今回、 コア技術は出さず、ユー ザとのインタフェースの技術を集中して展示されているという 気がしました。とは言うものの実際に重要なもの、最後の差 別化は心臓部なので、われわれのようなものつくり関係者は、 やはり加工技術そのものの発展を支えていく必要があります。 それの差別化で物事が進んでいきますので、コア技術につい てもさらに進めてもらいたいと思います。最近、炭素繊維とか ガラス繊維とか、繊維の投入方式にはさまざまなものが提案 されていますが、ファナックはそういう技術についても絶対取 り組んでいると思います。繊維が折れないようにどうやって成 形するかという基本的なところも含めて、まだまだやらなけれ ばいけないことがたくさんあると思います。そのあたりを徹底 的に解明していただきたいと思います。我々もやっています が、手強くなかなか難しい課題です。 國 枝 先 生: 先 週、電気 加工の 国際会議があり、その際、アー ヘン工科大学のクロッケ教授も 来場され、ディジタイズドマニュ ファクチャリングやネットワーク プロダクションの話をして頂き、 今までのモデルの中ではエッジ 國枝先生 というかブロックがブラックボッ クスですまされていましたが、今後のモデリングでは、それぞ れのブロックが益々進化していけるという話を聞きました。そ の中には物理や化学もあり、各々のブロックがどんどん発展し ていくとのことです。私が学生の時、ブロックというのはブラッ クボックスで、エスタブリッシュされたもので、私がやってい る放電加工などの各工程は既に済まされたことで、やることは もうないようにモデル化され、非常に残念に思いました。しか し、クロッケ教授の話を聞いて、それぞれのブロックでまだま だやることがいくつもあることが分かりました。学会でもシ ミュレーションの発表が随分増えてきました。しばらく疎かに されていた基礎研究も結構増えてきたように思いますし、そ ういう点では嬉しく思いました。今日も展示会場を拝見して、 「エッジヘビー」という言葉が書いてあり、髙山さんにどういう 意味かをお聞きしたら、 「エッジを重視する」という意味だと 説明頂いたので、御社も加工現象を基本から理解しようとし ていると思いました。放電加工の分野では、放電現象の定説 はありますが、それが結構間違っています。一生懸命に間違っ ていると発表しているつもりでも、なかなか常識というのは覆 されず、皆さん、間違った定説で結果を全部説明してしまいま す。そこで、そのような常識や定説を覆すような基礎研究も大 切にして頂ければ、またブレークスルーに繋がるのではと思 います。 社長:國枝先生にはワイヤカット(ロボカット)のご指導を頂 いていますが、ワイヤカットの挙動は複雑で分からないこと が多い為、これからもご指導頂きたいと思います。ディープ ラーニングの手法が今後この分野の解明にもかなり役に立つ 手法ではと思えてきています。ワイヤカットであるロボカット はパラメータが非常に多く、制御理論を体系化し難い機械で すが、機械学習の技術も応用し、理論的にしっかりと制御す る技術を開発していきたいと考えています。 それでは、これで終了致したく思います。本日はありがとうご ざいました。 11 ファナックの工場紹介 ロボット工場 ロボット工場では、ロボットの組立・試験を行っており、毎月5,000台のロボットを製造する能力があります。 ファナックでは、ロボットで使用する主要な部品の殆どを社内で製造しています。CNC 工場、サーボ工場で製造された CNC、サー ボモータ、サーボアンプ、板金工場で製造されたキャビネット、機械加工工場で加工されたロボット機構部の部品、これらをロボッ ト工場に集約し、組み立てています。主要部品の内製化により、高い品質と信頼性を実現しています。 また、ロボット工場は、ロボットがロボットを組み立てる自動化工場です。 万能知能ロボット R-2000i シリーズの自動組立システムでは、多数の組立セルでロボットの各ユニットを組み立て、それらのユニッ トを組み合わせて上側アーム、下側アームを組み立て、最後にそれらを結合してロボットを完成させます。ファナック製のビジョン センサ iRVision と力センサをフル活用し、作業者が目で見て、手の感覚で行っていた組立作業を、ロボットで実現しています。 J1軸ユニット組立セル J3軸ユニット組立セル 上側アーム組立セル 最終組立セル 12 手首ユニット組立セル 下側アーム組立セル 上側アームと下側アームの結合 FG 会議(FANUC Global Conference) 3月16日から3月18日の3日間、全世界のファナックグループ社員の代表が一堂に会し、今後の商品開発と販売戦略を話し合う FG 会議(FANUC Global Conference)が今年も開催されました。 昨年に引き続き、 「one FANUC」 、 「サービス・ファースト」、 「壊れない、 壊れる前に知らせる、壊れてもすぐ直せる」の3つのスローガンを掲 げ、活発な議論が行われました。 今年は、4月に発表した FIELD system を始め、深層学習や研究所 拡張など、 「世界のモノづくりの現場を革新」を標榜し、その決意を 新たにする会となりました。 全ての会議が終了した後には、社長主催のパーティが 開催され、参加者全員が一層親睦を深めました。 13 The FT ArcelorMittal BOLDNESS IN BUSINESS AWARDS Drivers of Change Award 受賞 ファナックは、このたびフィナンシャル・タイムズ社、アルセロール・ミタル社から、2015年「The FT ArcelorMittal BOLDNESS IN BUSINESS AWARDS 」の「Drivers of Change Award」を受賞しました。 「BOLDNESS IN BUSINESS AWARDS」は、ビジョンとリーダー シップを持って勇気と想像力のある決断を行いリスクをとる 会社に対する賞です。中でも「Drivers of Change Award」は、 会社や産業そのものを変えることを恐れない変革者に贈られ る賞とされています。 Drivers of Change Award 表彰状 受賞トロフィー 今回8回目となる「Drivers of Change Award」は、過去にアッ プル社、アマゾン社なども受賞しています。2016年 3月17日、 ロンドンの王立英国建築家協会で開催された授賞式におい て、稲葉社長の代理として出席した権田副社長に記念のトロ フィーと表彰状が贈られました。 左から、Lionel Barber フィナンシャル・タイムズ編集長 権田副社長 Lakshmi N. Mittal アルセロール・ミタル会長兼 CEO 壬生工場 竣工披露式 去る6月1日、ファナックの FA 事業にとって、本社工場に次ぐ第 2の拠点となる壬生工場の竣工披露式が行われました。 式典には、来賓として福田富一 栃木県知事様や小菅一弥 壬 生町長様をはじめ、関係者の皆さまのご臨席を賜り、地元 ・ 栃 木県の銘酒で鏡開きを行いました。 鏡開き 電子工場 壬生工場概要 壬生工場 全景 14 工 場 名 : 電子工場、サーボモータ工場、成形工場、出荷センタ 延床面積 : 約25.4万㎡ 入社式 4月1日に入社式が行われ、221名の新入社員が新たにファナックの一員となりました。 稲葉社長(現会長) の激励の挨拶に対して、新入社員一同決意を新たにしました。 社長(現会長)挨拶(抜粋) 新入社員の皆さん、入社おめでとうございます ファナックは創業以来、製造業の自動化 ・ロボット化に特化した企業活動を進めて 来ました。ファナックはこの分野で世界のトップ企業であり、これからもこのポジショ ンを維持していくことが最重要と考えています。 ところで、皆さんは輝かしい未来を夢見て入社されたことと思いますが、現在、世 界経済は不況に入ろうとしています。つまり、嵐の中で船出をすることになり、数年 間はこの不況が続くことを覚悟する必要があります。 しかし、見方を変えれば、皆さんは幸運ともいえます。 不況のなかで企業存続のためにすべきことを肌で感じることができ、この経験は将 来必ず役に立つからです。また、企業の存続には挑戦が必要で、ファナックでは全 部署で挑戦的な戦略を実行し、不況への準備を進めています。 皆さんが何処に配属されても、やるべき仕事は山ほど待っています。 さあ、ファナックの未来を明るくするのは皆さんです。ファナックは、これまで過去を 振り返らず前に進んで来ました。前進あるのみです。 今日からは皆さんと共に、「Move on! Never Stop!」の精神で力強く前に進んで行 きたいと思います。 それでは、皆さんがそれぞれの配属先でチャレンジを続け、大きく成長し、大活躍 されることを期待して、私の挨拶と致します。 入社式で挨拶をする稲葉社長(現会長) 新入社員一同 社員の子が「私とみんてつ」小学生新聞コンクール 最優秀作品賞受賞 ファナック FA 事業本部レーザ研究所レーザ加工・ ターボブ ロワ開発部 森部長の次男・森 響くんが、小学生新聞コン クールで最優秀作品賞 ( 文部科学大臣賞 ) を受賞しました。 響くんは、小学校4年生の時から同コンクールの優秀賞を2年 連続で受賞していましたが、小学生最後の挑戦で、6,084作品 の中から見事に最優秀作品賞に選ば れました。 この記事のために、響くんは富士急行線沿線の駅に足を運ん で駅員や乗客、観光業者や通訳ボランティアなどにインタ ビューを重ね、新聞記者も感心する立派な記事を書き上げま した。編集後記では「大人になったら電車に関わる仕事をして いたい」と夢を語っています。 受賞コンクール 主 催 一般社団法人 日本民営鉄道協会 名 称 第9回「私とみんてつ」 小学生新聞コンクール 作品タイトル 「富士山に一番近い鉄道 右:森 響くん 左:受賞作品 富士急こども新聞 涙の最終回特別記念号 テーマ『これからの富士急行線』 」 ファナックの四季 ■ササバギンラン ■ヒメシャガ ■ツマトリソウ 純白の花を咲かせ真直ぐに伸びるその姿は、静かな 爽やかな初夏の木陰に咲き競っていたのは、淡紫色の 小さな花が清楚で可憐なツマトリソウ。 森の中でも存在感を放ちます。 模様が美しいヒメシャガでした。 こちらを無邪気に見上げていました。 (5月20日撮影 迎賓館周辺にて) (5月20日撮影 迎賓館周辺にて) (5月20日撮影 第1切削加工工場周辺にて) 15 FANUCニュース 2016年 -Ⅱ 〒401-0597 山梨県南都留郡忍野村 http://www.fanuc.co.jp/ 電 話 0555-84-5555 (代表) FAX 0555-84-5512 (代表) 発行責任者 広報部次長 行貞 直樹 ©FANUC CORPORATION August. 23, 2016 Printed in Japan
© Copyright 2024 Paperzz