ブールの歴史 19世紀前半、急速にブール遊びの人気が高まり、19世紀後半、リヨンで大流行し、「ブールリヨネーゼ」と呼ばれます。 1894年 リヨンで初の千人以上が参加する三日間の大会が開催。 1906年 初のリーグ戦、「ブールリヨネーゼ」が開催。 1910年 プロヴァンス地方でプロヴァンサルゲームが誕生。ラ・シオッタではペタンクという名でしたしまれます。当時その競技は三歩助走し、 ボールを投げていました が、一人のゲーム愛好家、ジュール・ル・ノワールがリュウマチを患い、思うようにゲームができなくなり、見か ねた友人達が三歩助走せず、足をそろえ、(プ ロヴァンサル語で(ペッド・タンコス)、フランス語で(ピエ・タンケ))狭いスペースで ゲームをするようにしました。後に、このスタイルはマルセイユを始 め、全プロヴァンス地方へと広まります。 1957年 6カ国(フランス、ベルギー、モロッコ、モナコ、スイス、チュニジア)が参加する世界大会がベルギーのスパで開催。 1958年3月8日 F.I.P.J.P.を6カ国とスペインで創設。ブール遊びの歴史をたどるには、ブールが見つかりそうな場所に近づくことです。 ブールの歴史 1) 木製ブールから釘を打ちこんだブールへブールの歴史は、その時代の製造法に関係します。 19世紀中頃まで黄楊、ぶな、楡の木でできたブールが使用され、手製の釘が打ち込まれたブールが徐々に現れ ます。 しかし、このブールには欠点も多く、硬い地面や、小石の上で使用するとすぐ変形しました。 1872年から釘は工場で製造され、磨耗が減り、使用感もよくなります。最初、頭部が丸く、大きな釘がブールに打ち込まれ、重く、大きな ブール(直径100mm∼150mm、重さ1,500グラムでした。)となりましたが、後ほど頭部の平らな釘が使用されます。専門職人が 現 れ、多種類の釘(鉄、銅、真鍮製)を使用し、ブールに多種の模様をいれました。後にブールの直径は70∼90mmとなり、プロヴァンサル ゲームやペタン ク用のブールとなります。 2) 釘の種類と製造方法 釘の種類に応じて打ち方が違います。 ー 当初、釘を適当にあちこちに打っていました。 ー 頭部が大きく四角形の釘(鉄、真鍮製)で模様ができるようになります。 ー 鉄、真鍮、銅製の頭部が平丸の釘で、模様を作るのは難しいため、釘の頭部を 鱗のように少しずつ重ねて、 イニシャルや文字を作ります。魚型やハート型、いかり型も作れるようになります。 ー 頭部が半円形の釘は大きく、釘を緻密に打つことが難しいので、釘を小さくし、複雑な模様が作れるように なります。 ー 頭部が円筒形の釘は複雑な模様向けです。(星型、文字、イニシャル等) ー 特に頭部が六角型の釘は複雑な模様に適し、釘で木が見えないようにブール表面を全て覆います。 Tourneur (トウーナー) 釘付きブール工場 ヴェルドン左岸にあるヴァール県北部に位置するエギンヌは製造業の中心都市でした。 この地方一帯黄楊の木に恵まれ、19世紀後半、木を削る多数の職人により、製造業が発 達しました。 この地方は家庭用品を製造していましたが、1872年からは釘付きブールも製造し始めま した。 ブール製造のために、黄楊の根子が必要です。丈夫な黄楊が育つには、太陽が必要なた め、森でなく、丘にあるものを使用します。これでブールを製造し、エギンヌは有名に なりました。 Clouteuse (クルターズ) 職人は適切な黄楊の木を探し、ポケットナイフで枝をそぎ、ピッチというつるはしで根子 を引き抜きます。村まで運ぶため根子をその場で掃除し、軽くします。工場で根子を糸鋸 で削り、ボールの形にし、仕上げに釘を打ちこめるように、旋盤で形を整えます。 釘の打ち込みは女性の専門職でした。この仕事に必要な物は、金 、まな板、 それに鉄のリングです。これは、ボールを固定するために、まな板の上に置かれます。釘 の打ち込み方は2種類です。 −重ね打ち 頭部が平丸の鉄、真鍮、銅製の釘だけ使用し、釘を螺旋状に打ち込んでいきます。2番目の釘は1番目の釘の 頭部に半分かかるようにし、次々に木製ブールに打 ち込んでいきます。最後の釘は1番目の釘に合わせます。 鱗状に重ね打つことで、ブール表面は滑らかに仕上がり、元となる木製ブールを完全に覆います。ブー ルの直 径(70∼110mm)を小さくするにも大変役立ち、ペタンクとプロヴァンサルゲームに使用されました。 しかしながら、簡単なイニシャル、文字、マークといった模様しかできません。 −並列打ち 直径(90∼110mm)が特に大きいブールに使用される方法です。木製ブール上に、模様を下書きし、その 模様に添って釘を打ち込んでいきます。釘の頭部 は四角形、平丸、円筒状、六角形とあります。この釘は 鉄、真鍮、銅製です。釘の打ち込みは同種の頭部の釘を使用しますが、違う材質の釘を使用することで、 洗練された模様を作ることができます。 3) 木製ブールの終焉 1923年、ヴァンソン・ミルとポール・クルチュールは鋳鉄製のボール工場を始め、木製ブールの時代は終わります。 わずか70年の命で、木製ブールは1940年頃にすたれました。 1930年から、今のブールの基礎となる、半球を溶接して作った鋼鉄製ブールが生産されます。 エギンヌの木製ブール工場は1933年に閉鎖されました。 4) 博物館 釘を打った木製ブールは、個人コレクターの家や、博物館で閲覧できます。現在、中央山岳地帯にあるサン・ ボネ・ル・シャトーや、エギンヌの旋盤工博物館、南仏のヴァロリス博物館に展示されています。
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