28鹿商観第13号 鹿行広域DMO形成・確立に係る業務委託 仕様書 1 目的 人口減少と地域経済の縮小による地方の弱体化が懸念される中,観光の振興による地 域経済の活性化,活力の維持,向上を通じた地方創生実現への期待が高まっている。 こうした中,観光旅行者の価値観やニーズの多様化,旺盛なインバウンド需要の取り 込み等,社会,市場環境の変化に的確に対応するため,従来の観光関係者のみならず, 地域資源の有効な活用について多様な関係者を巻き込み,合意形成を図るとともに,来 訪者のデータの収集・分析という科学的なアプローチや民間的な手法を導入した戦略を 共有しながら「観光地経営」「地域商社」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役とし ての鹿行版DMOの形成・確立を図る必要がある。 とりわけ,鹿島アントラーズ・水郷あやめ・鹿島臨海工業地帯・全国2位の農産業な ど多彩で魅力ある観光資源が広域に分散し,突出した観光地が存しない鹿行地区におい ては,各地域が効果的に連携した取組が必要とされるところであり,各地域の魅力ある 観光地域づくりを牽引し,それらを組み合わせ,強みを伸長し,弱みを克服するかたち で訴求力のあるプロモーションを展開するうえで,鹿行版DMOの形成・確立が必要で ある。 さらに,観光地としての強みとなりうる地域資源は地域によって異なり,観光振興の 成功の方程式は存していないことから,幅広い関係者が,地域外の人材も巻き込みなが ら,世界に通用する地域独自の観光資源の磨き上げをはじめとした魅力ある観光地域づ くりを,強い覚悟と決意をもって進める必要があり,そのためにもそのプラットフォー ムとなる鹿行版DMOの形成・確立が求められている。 本業務は,鹿行版DMOの形成・確立,極力早期の効果の発現に向けて,当該地区の 観光をめぐる現状と課題について,多面的,専門的に市場の動向や評価等を調査分析す るとともに,市場,顧客目線でのエリア内の観光資源・広域観光ルートの検討創出・二 次交通の調査等の現地調査と分析を行い,同時に受け入れ態勢の強化・域内外への情報 発信などを行うことで,鹿行地区版DMO形成・確立に向けた基本戦略(案)の策定等 を行う。 2 業務の期間 契約締結の日から平成29年3月31日まで 3 業務の内容等 (1) 業務の内容 本業務の内容は次のとおりとする。なお,具体的な業務の実施方法及び本仕様書に 1 記載のない事項については,委託者・受託者が協議の上,決定するものとする。 ア 鹿行地区の観光をめぐる現状と課題等に係る調査・分析 (既存の各種統計や独自調査等の活用等による多面的な情報収集と分析の実施) (ア) 鹿行地区の観光をめぐる外部環境の調査・分析 ①国内外の社会・文化,経済, (観光関連の)技術等の動向に係るマクロ分析 ②国内外の観光,旅行,消費者市場動向,優良競合他地域の動向等のミクロ分析 (イ) 鹿行地区の観光をめぐる内部環境の調査・分析 ①当該地区へ来訪する観光旅行者(含外国人観光客)の実態調査・分析属性,プ ロフィール(発地,性別,年齢層,リピート率,観光消費額,観光目的,周遊 状況等)の地域別分析と観光旅行者の評価の把握等 ②当該地区の観光の認知度,イメージ等の調査・分析 不特定多数の一般消費者の鹿行地区の認知度や,ブランドイメージ等の調査に よる当該地区に係る評価の実態把握等 ③当該地区の観光資源,宿泊施設,利便性(一次・二次交通等)等の特性につい ての総合的な分析 ④当該地区の観光資源のポテンシャル調査・分析 観光の専門家やインバウンドに関しては主要市場(韓国,中国,台湾,タイ, 香港,米国,EU圏)の出身者等,国民特性を十分把握している者による当該 地区内主要観光地域のモニターツアーの実施による新たに観光資源となりうる 資源やコンテンツの発掘,既存観光資源のブラッシュアップの方策の把握等 ※「食」や「特産品」についても観光資源として調査を行うこと。 ※訪日外国人受入環境の現状と課題についても調査を行うこと。 (ウ) 鹿行地区の観光の総合的な分析 (ア),(イ)を踏まえた,当該地区に係る総合的な分析を実施し,可能な限り主 要観光地の強み,弱みの総合的な分析を加味すること(SWOT分析等の手法を 活用) (エ) インバウンド需要獲得に向け,平成 29 年度以降の海外展示会等への出展を見据 えた事前調査の実施 イ 国内及びインバウンドターゲットに合わせたプロモーションの展開 (アの調査・分析を踏まえたターゲットに合わせた効果的なプロモーションの実施) (ア) パンフレットの作成(日本語,英語・中国語対応 各 2 万部) (イ) SNS 等を活用した効果的な情報発信 2 (ウ) 着地型旅行商品掲載サイト等への情報掲載 ウ 自走型DMO形成・確立に向けた鹿行地域のブランド化戦略 (ア) 鹿嶋市観光アドバイザーの指示の下,専門家を招き,以下の事項のワークショ ップを開催する(月1回程度) 。 ①商品造成研修「地域住民を巻き込む商品と造成・提供にかかわる組織づくり」 ②現地研修「長野県飯田市株式会社南信州観光公社視察」 ③日本版DMO人材育成セミナー「地域を巻き込む観光プラットフォームのあり 方-鹿行版DMOを考える-」 ④観光マーケティング研修「ビックデータを活用したリサーチ」 ⑤商品造成研修「ストーリーメイク,着地型旅行商品造成」 ⑥振り返りとまとめ (イ) (ア)のワークショップでの協議を重ね,前述のマーケティング結果を踏まえ た鹿行5市の着地型観光商品を開発し,年度末にモニターツアーを実施する。 エ 多言語ガイド育成 (ア) 育成講座プログラム作成・実施(月1回程度) (イ) 講師の派遣 (ウ) 訪日外国人又は日本滞在中の観光客招聘(15 名程度)によるフォローアップ研 修実施(3 回程度) オ 次年度以降を見据えた事業計画の策定 当該地区のDMO設立を目指すため,平成 30 年度末までの事業計画を策定する。 カ 報告書の作成 本業務内容について,項目ごとに記載する。 (2) 留意事項 本業務については,極力多面的で,多くの各種データ収集,分析により客観性,納 得性の高い調査,分析と基本戦略(案)の策定が必要であること。 本調査業務委託については, 「日本版DMO」形成・確立に係る手引き(第1版)平 成27年11月内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 国土交通省 観光庁記載 事項を参考とし,国における日本版DMOの形成・確立に係る取組と整合のある調査 内容である必要があること (3) 予算限度額 32,300,000円(消費税及び地方消費税を含む) 3
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