配線抵抗を 一気に下げる、電源・アナログ・RFも流流す

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2016年年11⽉月号
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“基板レス”で機器設計を変⾰革 第2部:要素技術
配線抵抗を⼀一気に下げる、電源・アナログ・RFも流流す
宇野 ⿇麻由⼦子 2016/10/19 00:00 2/4ページ
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出典:⽇日経エレクトロニクス、2016年年11⽉月号、pp.70-‐‑‒72(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異異なる場合があります)
グラビアオフセット印刷で厚塗り
8μm厚の配線をグラビアオフセット印刷機で曲⾯面に印刷したのは、⼭山形⼤大学 有
機エレクトロニクス研究センター センター⻑⾧長 卓越研究教授の時任静⼠士⽒氏だ(図
2)。通常のグラビアオフセット印刷では、位置ずれなどを避けるため、いったん
インクを転写するブランケットに2mm程度度と薄く硬いシリコーンゴムを⽤用いる。
時任⽒氏は、曲⾯面への転写を実現するために、スポンジ状で柔軟性の⾼高い15mm厚の
ポリジメチルシロキサン系シリコーンゴムを採⽤用した。この素材は重量量⽐比で約
112%のインクを吸着するため、版の⽳穴を深くしてインク量量を多くし、押し付け深
さを⼤大きくすることで厚い配線を実現できた。
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図2 グラビアオフセット印刷で厚配線を実現
厚さ8μm程度度の配線を作れるソフトブランケットグラビア印刷装置(a、b)。
⼭山形⼤大学 有機エレクトロニクス研究センター⻑⾧長・卓越研究教授の時任静⼠士⽒氏が
開発した。曲⾯面基板へ印刷するために、インクを吸着する「ブランケット」と
呼ばれる部分に厚く軟らかな「ソフトブランケット」を採⽤用したところ、イン
クの吸着性が⾼高まり、深い版⽳穴のインクを吸着して厚く印刷することが可能と
なったという(c)。(写真、グラフ、図:⼭山形⼤大学 時任⽒氏)
[画像のクリックで拡⼤大表⽰示]
また同⽒氏は、開発した6軸多関節ロボットアームから任意の⽅方向にインクを吐出
できる3Dインクジェット印刷機について、印刷の繰り返しによる厚配線化を試み
た。50回の印刷で断⾯面積0.038mm2の配線を形成し、5Aの電流流を30分流流す試験を
昨
⾏行行っている注2)。
注2)50回の印刷により、配線の厚みは約68μmになった。
既存のフレキシブル基板に使われるCu箔配線と同等の「低抵抗グレード」を
2017年年2⽉月までに実⽤用化する─。こう宣⾔言するのは、プリンテッドエレクトロニク
ス技術開発のベンチャー企業であるAgICだ。こちらも重ね塗りで厚配線を実現す
る。PETフィルムのインク弾きを抑制する物理理化学的な前処理理や、インクの⾦金金属含
有率率率の向上、Ag結晶膜を作るための熱プロファイルの⼯工夫などの⼿手法を組み合わ
せた。PETフィルムと相性の良良いインクを使えるように、インクジェットプリンタ
ーも内製している。
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