ルディ・シルバ - Rudis Sylva

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ルディ・シルバ
「ハーモニー・オシレータ」
ハーモニー・オシレータ
ロマン・ジレ(Roman Gillet)が、ひとつのキャリバーを元に編み出した、連結した2つのテンプがただ 1 つのエスケープメ
ントで動くこのシステムは、パフォーマンスを追及する時計製造業界を必ず満足させるに違いありません。
革新的な技術を採用しているこの時計は、従来のトゥールビヨンよりもより高精度の調整能力を備えています。これは、
特に、どのような姿勢でもヒゲゼンマイが不均斉に広がるしくみによるもの。バランスの取れた構造ということで「ハーモニ
ー・オシレータ(Oscillateur Harmonieux)」という名前がつけられています。2 つの歯形テンプを用いた世界初の発
明により、振動を受けるとすぐにレゾナンスする機構になっています。トゥールビヨンは、洗練されスタイリッシュな装飾が施
されたキャリッジの中で動きます。
この特許技術を生み出したのは、ルディ・シルバブランドのグランド・コンプリケーション専門の時計職人であるミカ・リサネ
ン(Mika Rissanen)。技術的な特徴は次の通りです。
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歯状の2つのテンプが連結。これにより同じ振幅が生まれます。左右対称2つのヒゲゼンマイのエネルギーの
向きが常に互いに反対方向になることで、直立姿勢でも瞬時に平均的修正が行なわれ、重力の影響をな
くすことができます。
周波数:21'600 回/時 (3Hz)
キャリッジは 60 秒で 360 度回転
キャリッジ径:17.40 mm
フラットで左右対称のヒゲゼンマイ 2 つ
特別仕様の形と材質の歯形テンプ2
90 度に取り付けられたアンクル
手巻きメカニズム
パワーリザーブ:約 50 時間
「ハーモニー・オシレータ」はトゥールビヨンとも、またカルーセルとも異なりますが、下記の通りいくつかの共通点があります。
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各メカニズムは回転するキャリッジに組みこまれており、60 秒で1回転します。
各メカニズムにはそれぞれエスケープメントがついています
重力によって生じるテンプの等時性の乱れを補正することで精度を高める仕組みになっています。
では、トゥールビヨンやカルーセルとハーモニー・オシレータの大きな違いは何なのでしょうか?
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3つのシステムはいずれもテンプ一式を有しています。トゥールビヨンは、テンプの軸はトゥールビヨンのキャリッジ
機軸と同一線上にあります。またカルーセルは、テンプの軸は中心から外れています。この2つのシステムは直
立姿勢(重力による)での誤差を補正するすために、1分間(1回転)を必要とします。
一方ハーモニー・オシレータは、テンプ2つの連結とヒゲゼンマイの不均斉な動きにより直立姿勢でも瞬時に時
間を修正します。同じような位置では、いかに安定した状態でもトゥールビヨンは修正に1分間を要します。
要するに、ハーモニー・オシレータは、従来のトゥールビヨンやカルーゼルと比べ、はるかに優れた精度を誇る構造なので
す。このメカニズムにより、調整という意味における完璧さをいつも身に着けていることができるのです。
ムーブメントの仕上げ
ひとつひとつのエレメントは、豊かなイマジネーションから生まれ、職人の技により加工・装飾が施されています。全てのパ
ーツはルディ・シルバのために特別に作られた製品です。面取りや線引きもすべて手作業によるものです。面取り職人
養成のための職業訓練はなく、この手仕事は職人の技ひとつにかかっています。手作業による面取りかどうかは、角の
周囲の美しさを見れば一目瞭然。このように精巧な仕上げはどのような機械を用いても不可能です。この仕上げは、
パーツの表面と側面の角張りを取り、そこに 45 度の斜面を作りって磨く作業。「機械から取り出した」ばかりのパーツに
はバリがあり、美しさを損ねるばかりではなくムーブメントの正常機能にも影響を与えるため、この作業は大切なステップ
です。磨き上げの作業は腐食を防ぐ効果もあります。仕上げ作業は細かく丹念に行なわれ、ここで究極の美が実現し
ます。
調速キャリッジのブリッジは、革新的でかつ非常に複雑な方法で装飾が施されています。このパーツに黒で45度の角
度に面取り加工が施されているのがすぐにおわかりいただけます。ルディ・シルバブランドの誇る、完璧な仕事へのこだわ
りの明らかな証といえます。
グランドデート/時針と分針
グランドデートは斬新な構造になっています。全て当社内で開発・作製されており、将来的には半永久カレンダー機能
が可能となります。
手彫りギョーシェが施された文字盤に、もみの木の形をした金の針が時間と分を表示します。針の動きは、バレルと同
軸です。この構造は新しいものではありませんが、ハーモニー・オシレータのキャリッジに十分なスペースを得るためには必
要不可欠の選択でした。
手彫りのギョーシェ模様
時間と分を表示する文字盤とオシレータの下にあるプレートは、ジョージ・ブロッドベックがそのセンレジエ
(Saignelégier)のアトリエで施した手彫りのギョーシェ模様が飾られています。上部の文字盤はだんだんと小さくなる
台形のギョーシェ彫りが繊細に施されています。これは、文字盤を線状に動かし回転させて作業することにより彫りを入
れる装飾方法です。レギュレーターの下にあるプレートには「パリの釘」と呼ばれる非常に細かい手彫りギョーシェ模様が
施され、調整機能の素晴しいメカニズムを露にしています。
エナメルの日時計
金、もしくはプラチナの裏面には、エナメル工芸と手彫りを駆使した日時計の飾りがあります。これは、それ以前はルデ
ィ・シルバと呼ばれていたボワ(Bois)村のロゼ(Rosée)農場の壁面に実際に取りつけてあった日時計を再現したもの
です。この建物は当時の農民時計師の生きた時代を今に伝える美しく歴史的価値のある財産。1750 年に創られた
日時計は 1940 年代にチューリッヒ連邦理工科学校による調査の対象にもなっています。
エングレービング
ルディ・シルバのある山岳地帯では、メダルや切手、紙幣、版画、図案の複製、宝飾品、そして時計製造など、19 世
紀に様々なエングレービング関連の職種が発達していました。
2 世紀が経過し、機械、化学加工、レーザーを用いたエングレービングの産業技術の発展に伴い、彫り師の仕事は一
変しました。今日では、卓越した高級時計職人の作品のみが「匠の技」と呼ぶにふさわしいでしょう。
ラ・ショー=ド=フォン(La Chaux-de-fonds)のシルバン・ベテックス(Sylvain Bettex)とベルトラン・デジョルジ
(Bertrand Degiorgi)は、時計の裏側に大変美しい調べを奏でました。文字の魂を吹き込む正確な面取りが加え
られたビュラン彫りが施され、精緻で完璧なシメトリーを成し、バリの全くない美しく磨かれた断面。徹底的なこだわりを
持つお客様にもきっとご満足いただけると思います。
ビュラン彫りによるこの成形は、いわゆる「ハンドメード」と銘打った機械製作の品とは一線を画すだけではありません。ス
イス・ジュラ地方の才能あふれる職人の手により作られたノーブルな時計なのです。
エナメル工芸
静かなバリエール(Barrières)という田舎町。まるで時間が止まってしまったかのような工房で、ソフィー・カタンモラル
(Sophie Cattin Morales)はひっそりとエナメルを施します。彼女は、1750 年に作られた「Ultima Forsan(「こ
とによると最後の時間かもしれぬ」)」の言葉が銘打たれた日時計がある村、ロゼ・ドゥス(Rosées-Dessous)村の農
場で幼少時代を過ごしました。ですから、ルディ・シルバの時計の裏にこのフレスコを複製するにあたり、彼女の才能に
頼ったことは当然のことでした。
ソフィ-はいにしえの農民時計師のごとく、窓の横板にひじをつき、自然の光を浴びながらエナメルを手がけます。古来か
らの技法そのままに、めのうのすり鉢でエナメルの破片をすりつぶしながら自分の望む大きさの粒にしてゆきます。そして
不純物を取り除いた後、エナメルがけに取りかかります。エナメルは、金の地板のシャンルベに刷毛を使って施されます。
その後乾かし、約 840 度の炉で焼成します。次に半月状のエナメルを平面になるまで削り落とし、グラサージュと呼ば
れる最後の工程に移るため再度炉に入れます。エナメルの表面がこうしてガラス化し輝いたところで、最後に磨き仕上
げます。エナメルの色は永遠に褪せることなく、また光で変質することも決してありません。これが、エナメル工芸の持つ
特別な力なのです。
ルディ・シルバの誇るハーモニー・オシレータは、スイス・ジュラの山岳地方の時計製造業やその職人の持つ最高級技術
を証明する数限りない証拠のひとつにしかすぎません。「世界の時計製造業界」から高い評価を受けることは明らかで
す。
価格
ピンクゴールドモデル及びホワイトゴールドモデル:280,000 スイスフラン