火山防災教育に用いるビデオクリップ集 Video Clips for Volcanic

火山防災教育に用いるビデオクリップ集
宇井忠英(北海道大学大学院理学研究科)
Video Clips for Volcanic Hazard Educations
Tadahide Ui, Graduate School of Science, Hokkaido University
1.はじめに
学校教育の現場や一般向けの普及啓蒙活
動において、火山噴火やそれに伴う災害を聞
き手に理解して貰うためにはビデオ映像の
活用が有効である。しかし、個々の講義や講
演資料を準備する必要に迫られてから探し
てもなかなか思うような映像は見つからな
い。
今パソコンによるビデオ映像の編集は容
易になった。一方 VHS など映像をアナログ
方式で磁気テープに記録したものは、技術の
進歩と共に過去のものになりつつある。また、
講義や講演に広く使われるようになった
Power Point はビデオクリップをリンクして
静止画像や図表などと共に見せることが出
来る。OHP、カラースライド、ビデオを併用
していた従来とは違った効率がよく、理解し
やすい教材を提示できる。
この研究では我々の周辺で現在手に入る
映像を集めて噴火や災害の映像のデータベ
ースを作ることと、digital 化したビデオクリ
ップ集を作ることを目的とする。
2.データベースへの収録対象
IAVCEI が製作した 2 巻の普及ビデオ、国
内各火山の地元で作られた防災ビデオ、研究
者が撮影したビデオ、そしてテレビのニュー
スや特集番組など、筆者が収集あるいは撮影
した VHS、Hi-8 及び MiniDV テープ約 500 本
の中から抽出する。
ビデオクリップとして Power Point にリン
クして使えそうなものの情報を Excel ファイ
ルに収録する。
3.ビデオクリップ製作に使用する機器とソ
フトウエア
現在筆者の手元にある素材のビデオはア
ナログ方式の VHS, S-VHS, Hi-8 とデジタル
方式の MiniDV の 4 通りである。パソコン上
のソフトでビデオクリップを作るためには
アナログテープを一旦デジタルに変換して
MiniDV に収録するダビング作業が必要であ
る。この作業のためにビデオデッキを 2 台使
用した。使用した Sony WV-D10000 は S-VHS
と digital のダブルデッキ仕様、Sony WV-H2
は VHS と High-8 のダブルデッキ仕様である。
次にビデオデッキとパソコンを IEEE ケー
ブルで接続してビデオ映像をパソコンに取
り込む作業を行う。この作業に使用したパソ
コンは Sony Vaio PCG-Z1/P で 1.3GHz の
processor、768MB の Ram, 60GB の HDD を内
蔵する。ビデオ映像の取り込み作業はパソコ
ンにプリインストールされている DVgate
Motion で行う。このソフトではビデオ映像の
取り込み開始と終了を 1 コマ単位で選ぶこと
が可能である。取り込まれたビデオ映像は avi
形式のファイルとして作成される。Avi ファ
イルは圧縮されていないため、映像の解像度
が良く、更に部分的に切り張りなどの編集が
可能であるが、約 1 分の長さの映像がおおよ
そ 220MB にも達する。Avi ファイルを直接ビ
デオ処理ソフトで読み取ってパソコン画面
上で見る場合はトラブルがない。しかし、
Power Point にリンクして使用するとパソコ
ンでの内部処理が追いつかずコマ落ちする
ことがある。
Power Point でビデオ映像をリンクしてス
ムースに見るためには avi ファイルを mpeg
ファイルに圧縮変換したほうが良い。DVgate
Motion では mpeg ファイルに変換できないの
で、Win CDR 7.0 を用いて変換した。Mpeg
ファイルは圧縮されており、ファイルサイズ
は普通 avi の 1/10 以下である。しかし更なる
編集は出来ない。Mpeg ファイルに変換後は
スムースな動画が見られる反面、圧縮による
画像の劣化が出てくる。また、Power Point
にリンクした mpeg ファイルはパソコンのモ
ニターと外部モニターとなる液晶プロジェ
クター上の映像との双方に映し出すことが
出来ないという難点がある。
4.ビデオクリップ集の製作
出 来 上 が っ た ビ デ オ ク リ ッ プ を Power
Point にリンクしてビデオクリップ集を作っ
た。講義や講演に組み込んで使うことを想定
すると一つのビデオクリップの長さは 10 秒
あまりから1分程度までであろう。現在まで
に 25 シーンのビデオクリップを作成した。
これらの mpeg ファイルの総量は約 140Mb で
ある。仮に長さ 1 分のファイルを揃えたとし
て 1 枚のCDには約 70 ファイルしか収録で
きないこととなる。これでは素材集としては
不十分なので最終的には 1 枚の 4.7GB の
DVD-R に収録できる量を上限として作業を
進めている。完成版するビデオクリップ集は
mpeg ファイル、全てのファイルを紹介する
Power Point、そして Excel によるファイルリ
ストで構成する。作った DVD を広く配布し
たり、研究班のホームページ上に公開するこ
とは著作権に触れるので行わず、公開は
Excel ファイルに限ることとする。表1には
現在作成済みのビデオクリップを示した。
表1
ビデオクリップリスト
火山名
ファイル名
Kilauea
Hawaiian
Strombpoli
Strombolian
Palictin
雲仙普賢岳
雲仙普賢岳
不明
Vulcanian
920225
Pelean
火砕流 IAVCEI
有珠山
火砕サージ(伊達)
Galungung
Plinian
姶良カルデラ
Rhyolitic flood
Surtsey
伊豆東部火山群
Surtseyan
30 手石海丘
Kilauea
有珠山 2000.4.9
北海道駒ケ岳
有珠山 2000.3.31
Pillow
Phreatic exp
001028Komagatake
000331Usu
セントヘレンズ火山 1980 年噴
火
sector collapse
有珠山
Pinatubo
Mount St.Helens
火山性津波
91 ピナツボ泥流
泥流 IAVCEI
雲仙普賢岳
95 雲仙泥流
有珠山
不明
噴石(有珠山)
火山灰 IAVCEI
有珠山
地殻変動
有珠山
空振
土石流映像ダイジェス
ト
雲仙・桜島・滑川
出典
活火山〔噴火・溶岩・火砕
流〕
活火山〔噴火・溶岩・火砕
流〕
活火山〔噴火・溶岩・火砕
流〕
宇井忠英撮影
宇井忠英撮影
火山災害を知る
有珠山は生きている(伊達
市防災センター)
活火山〔噴火・溶岩・火砕
流〕
南九州巨大噴火(NHK 教育
TV)
燃える大地アイスランド
(NHKTV)
NHK TV ニュース
Fire under the Sea: The
Origin of Pillow Lava
宇井忠英撮影
北海道開発局
勝然和三氏撮影
Mount St.Helens-The
Turmoil of Creation
continues
有珠山とともに 火山との共
生をめざして
JICA
火山災害を知る
アジア・太平洋火山・土石流
会議
有珠山とともに 火山との共
生をめざして
火山災害を知る
有珠山とともに 火山との共
生をめざして
有珠山とともに 火山との共
生をめざして
国土交通省河川局
長さ(kb,秒)
2440kb, 14 秒
2311kb, 13 秒
2454kb、14 秒
5402kb, 31 秒
6469kb、37 秒
4694kb, 27 秒
4530kb, 26 秒
2756kb, 16 秒
6233kb, 36 秒
1510kb, 8 秒
2311kb, 13 秒
2965kb, 17 秒
2284kb, 13 秒
6264kb, 36 秒
5028kb, 29 秒
1884kb, 10 秒
5761kb, 33 秒
14437kb, 84 秒
9834kb, 57 秒
2048kb,12 秒
16748kb, 39 秒
10697kb, 62 秒
10070kb, 58 秒
4115kb, 23 秒
14437kb, 84 秒