ブラウザを快適に操作するツールの開発 Development of a tool operating the browser comfortably 1DS04179M 阪上 翔伍 SAKAGAMI Shogo 1. 研究背景 重要なことは、本ツールは翻訳ツールであるが、実際に 普段、インターネットを利用する際に、ブラウザが使い にくい、またはこんな機能があればいいのに、と感じる人 は外部の翻訳ページを利用している点である。そのため、 様々な言語の翻訳が可能である。 は多いと思う。私は Web サイト上の知らない英単語や文章、 または海外サイトにアクセスするたび、手元の辞書で意味 を調べたり、翻訳サイトを利用するのは面倒であると感じ 4. 本ツールの特徴 本ツールを作成するに当たって力を入れた点や、考えた ている。そこでこうした不満、問題を解決するために、選 点を記す。 択した文章や単語を、すばやく翻訳する拡張ツールを提案 (1)ポップアップウィンドウ する。 本ツールのメインとなる部分である。 ウィンドウを見や すくするため、ある程度の大きさを確保した。またブラウ 2. システムの提案 提案システムでは利用するブラウザには Mozilla Firefox を想定している。 (1)英語を日本語に訳する機能 本ツールのメインとなる機能である。翻訳したい英文や 英単語を選択し、右クリックメニューから「翻訳」という 項目をクリックすることですばやく日本語へ翻訳するこ ザの表示を妨げないよう、ウィンドウは半透明にした。 (2)ポップアップウィンドウの大きさ 本ツールでは翻訳結果の表示されたポップアップウィ ンドウの大きさを任意に変更できる。そのため、ブラウザ に表示された情報の表示を妨げないようにできる。 (3)ポップアップウィンドウの位置 本ツールのポップアップウィンドウの位置は、 ウィンド とができる(図1) 。 ウ上部のバーをドラッグすることで任意に変えることが (2)日本語を英語に訳する機能 できるため、 自分の見やすい位置に置くことが可能である。 これは和文を英文に翻訳する機能である。上記の機能と 同じく、右クリックメニューから「翻訳」できる。 また、 ウィンドウを消した場合、 その位置を記憶するため、 次回以降、翻訳した際にはその位置に出現する。 本システムでは、選択した文章が日本語、英語というこ とは自動識別し、翻訳するようにしている。 5. まとめ 本ツールを利用すれば、知らない、忘れてしまったとい う英文や英単語の意味を簡単に知ることができる。その結 果、 今まで敬遠しがちであった海外サイトなども気軽に利 用できるようになる。また、日本語を英語に翻訳できるの で、英語で論文やレポートを書く場合、日本語の英訳が少 し気になった場合にも活用できる。 本ツールは単に翻訳をするというツールだが、 利用者の 工夫によっては様々な用途に、 簡単に幅広く用いることが 図1:システム動作例 可能である。 日頃、 ブラウザを頻繁に利用する者にとって、 あって損はない機能と思う。 3. システム構成 本ツールはブラウザMozilla Firefox用の拡張機能とし 参考文献 て実現している。プログラムは XUL によって記述し、XPI (1)Mozilla Firefox 形式で配布する。そして機能は JavaScript によって作成 http://www.mozilla-japan.org/ している。システムの流れは次のとおりである。 (2)拡張ツール作成する際に利用したサイト ① ユーザが翻訳したい文章を選択する。 http://developer.mozilla.org/ja/docs/Building_an_Ex ② 選択された文章を JavaScript が取得、翻訳ページ tension に POST メッセージを送信する。 ③ 外部の翻訳サイトを利用して翻訳する。 ④ 翻訳結果の HTML を受信し、 JavaScript で解析する。 ⑤ 翻訳文を抜き出し、ポップアップで表示する。
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