SAITEK SST プログラミング ソフトウェア SD6: ユーザー

SAITEK
SST プログラミング ソフトウェア
SD6:
ユーザー ガイド
SST プログラミング ソフトウェア
はじめに
SST (Saitek Smart Technology) プログラミング ソフトウェアにようこそ。このソフトウェアはお使いの Saitek コントローラの優れた機
能を最大限引き出すためのものです。
最近のゲームの多くはコマンドの再マッピング機能を独自に備えてはいますが、SST プログラミング ソフトウェアには以下の利点が
あります :
・シフトボタンやモードスイッチを活用することにより、お使いのコントローラにプログラム可能なコマンド数を大幅に増やすことが
できます。
・お気に入りの PC ゲームに特化したコマンドセットをプロファイルとして作成し、保存することができます (ゲームをプレイする際
に、そのプロファイルを読み込むことにより、そのゲーム用のコマンドを瞬時に適用することができます)。
・キーボードやマウスを使ったコマンドをプログラムすることにより、本来対応していないはずの PC ゲームでもゲームパッドやジョ
イスティックを使ってプレイすることが可能となります。
起動方法
まず、製品に添付の CD-ROM から SST プログラミング ソフトウェアをインストールし、コントローラの USB ケーブルをコンピュー
タの USB ポートに接続してください。
コントローラを初めてコンピュータに接続すると、コントローラのプログラミングに使用するアプリケーションであるプロファイル
エディタが自動的に起動します。
2 回目以降にコントローラを接続した場合は、タスクバーの時計の横に図のようなプロファイル ランチャー アイコンが現れます。
このアイコン (お使いのコントローラに応じて、ジョイスティックやゲームパッド、ホイールのアイコンが表示されます) を右クリッ
クすると、図のようなショートカット メニューが開きます。
コントローラに適用したプロファイルを解除したいときは [プロファイルを解除] を選択してください。
[スタートアップを解除] を選択すると、スタートアップ プロファイルの設定を解除できます (後述)。
プロファイル エディタの画面レイアウトは次ページの図のようになっています。本マニュアルでは X52 Pro フライト コントロール シ
ステムを例に説明していきますが、Saitek コントローラのプログラム方法はすべての機種で共通です (ただし、ボタンやハットスイッ
チ、トリガーなど、プログラムできる機能はそれぞれのコントローラの仕様に応じて異なります)。
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[コントロールパネル] を選ぶと、コントローラのテストやカリブレーションが可能です。
ヒント: プロファイル エディタの起動はスタートメニューから [すべてのプログラム] → [Saitek SD6 Programming Software] →
[Profile Editor] をクリックすることでも可能です。
同時に複数の Saitek コントローラをコンピュータに接続している場合は、各コントローラのアイコンが表示されます。アイコンにカー
ソルを重ねれば、そのアイコンのコントローラを確認することができます。
www.saitek.com を選択すると、Saitek のホームページに接続します。
プロファイル エディタ
1 つのキー ストロークによるコマンド
ほとんどのゲームでは、コマンドの多くをキーボードの 1 つのキー、または複数のキーの組み合わせを使って実行します。プロファイ
ル エディタでは、これらのキー コマンドをコントローラのボタンに割り当てることができます。
キー コマンドを割り当てる
ボタンリストからキー コマンドを割り当てたいコントローラのボタンのフィールド内をクリックしてください。
図は、トリガーのフィールドの空白部分をクリックしたときの状態です。
空白部分をクリックするとカーソルが点滅しますので、割り当てたいキー ストロークを押してください。
たとえば、スペースバーを押して武器を発射するゲームがあるとします。このとき、スペースバーを押すと図のように表示され、トリ
ガーを押して武器を発射できるようになります。
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フィールドの右側にある緑色のチェックマークをクリックすれば、割り当てたキー ストロークを確定できます。キー ストロークを入
力して緑色のチェックマークをクリックすると、そのコマンドにコマンド名を付けることができます。このとき、フィールドは図のよ
うに変ります。
ヒント:
確定したキー ストロークを取り消したいときは、取り消したいキー ストロークのアイコンを右クリックし、ショートカット メニュ
ーから [削除] をクリックしてください。
[すべて削除] をクリックすると、そのフィールドのすべてのキー ストロークを取り消すことができます。
この設定では、トリガーを押すと、キーボードのスペースバーを押したときと同じコマンドが実行されます。そして、このコマンドに
[Fire] というコマンド名を付けたとします。
このコマンド名を変更したいときは、[Fire] の部分にカーソルを重ねて左クリックしてください。すると、図のようにハイライト表示
されます。
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この状態で好きなコマンド名を入力してください。図の例では [Fire Weapon] に名前変更しています。
新しいコマンド名を入力したなら Enter キーを押してください。すると、図のように新しいコマンド名が確定されます。
これで、1 つめのコマンドのプログラム完了です。
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複数のキー ストローク/コンボ キーによるコマンド
コマンドとしてプログラムできるのは1つのキーだけではありません。複数のキー ストロークやコンボ キーを1つのコマンドとして
割り当てることも可能です (Ctrl + F キーなど)。その方法は1つのキー ストロークによるコマンドの設定時と同じです。コマンドに割
り当てたいキー群を入力してください。
図は Ctrl + F キーを割り当てた状態です。
このとき、Ctrl キーと F キーが同時に押されたものと設定したい場合は、マウスを右クリックし、ショートカット メニューから [時間
のクアンタイズ] をクリックして 0.000 に設定してください。
ヒント:
プロファイル エディタは入力されたキーを正確に検出し、記録します。したがって、Ctrl キーを押してから 5 秒後に F キーを押した場
合は「Ctrl キーの 5 秒後に F キーを押す」というコマンドが設定されることになります。
コンテキスト センシティブ プログラミング メニュー
ボタンのフィールドを右クリックすると、図のようなショートカット メニューが開きます。このメニューには以下のメニュー項目が
用意されています。
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ラッチ: コマンドに設定したキープレスをリピートします。
シフトボタンとして設定したボタンに [ラッチ] を選択した場合、キーボードのロック キーとして機能するため、一度押すとロックし、
もう一度押すとロックを解除できるようになります (後述)。
ヒント: [ラッチ] を選択するときは、コマンドが自動的に (つまり、あなたが手動で停止しない限り) リピートされてもかまわないボタ
ンのみにしてください。
未プログラム: ボタンに設定したコマンドを削除し、そのボタンを通常のゲーム コントローラ ボタンとして使用します。
フォールバック: 初期設定 (このメニュー項目を選択している場合) では、基本モードやシフトモードでボタンにプログラムしたコマ
ンドは自動的に他のモードやシフトモードに流用されます。しかし、他のモードをプログラムする際、各ボタンに違うコマンドを設定
したいと思うこともあるはずです。
その場合は、図のように、他のモードのボタン フィールドにキー ストロークを入力してください。
ヒント:
ボタンは個別のキープレスまたは未プログラム、あるいは、他のモードまたはシフトモードに持ち越されるキープレス (フォールバッ
ク) として設定できます。
初期設定では、他のモードやシフトモードにはモード 1 の設定が持ち越されますが、それ以外のモードやシフトモードの設定を持ち越
させることも可能です (後述)。
キープレスの新規設定: キー ストロークを入力して新たなコマンドとして設定することができます。
マクロの新規設定: マクロを設定するときに選択します (後述)。
詳細コマンドの新規設定: リピート機能などの詳細コマンドを設定するときに選択します (後述)。
未使用コマンドの削除: コントローラの各ボタンにコマンドをプログラムするときは、思考錯誤を重ねながらつい不要なコマンドを設
定しがちなものです。このメニュー項目を選択すると、使用されていないコマンドを自動的に検出し、その一覧を表示しますので、本
当に不要なものを削除することができます。ただし、削除できるコマンドは自分が設定したものに限られます。
ヒント:
メニュー項目の下には、既に設定したコマンド名が一覧されています。これらは他のボタンをプログラムする際に流用することがで
きます。また、個別にあるいは一括削除することも可能です。
マクロ
これまでの説明で基本的なプログラム方法はご理解頂けたと思います。そこで、今度は別のタイプのキー コマンド、すなわち、マク
ロのプログラム方法を説明しましょう。マクロとは、1 つのボタンを押しただけで実行される連続するキー ストロークのことです。こ
れを先程トリガーに割り当てた複数のキー ストロークから成るコマンドと同じものだと誤解してはいけません。両者の性質はまった
く違うのです。
トリガーに割り当てた複数のキー ストロークから成るコマンドを最後まで実行するには、その間、トリガーをずっと押し続けていな
ければなりません。しかし、同じキー群をマクロとして割り当てれば、トリガーを 1 回押しただけで、割り当てたキー ストロークを
自動的に最後まで実行させることができるのです。
ヒント:
マクロとして設定したコマンドを実行途中で中止するには、コントローラの別のボタンを押すしかありません。しかし、トリガーに設
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定したような複数のキー ストロークから成るコマンドであれば、実行途中にトリガーを放すだけでコマンドを中止できます。こうし
た特徴を理解して両タイプのコマンドを設定しておけば、プレイ中の状況変化にも機敏に対応できるようになります。
マクロの設定方法は通常のキー ストローク設定とほとんど変わりません。違う点は、マクロを設定したいコントローラのボタンのフ
ィールド内を左クリックではなく右クリックし、ショートカット メニューから [マクロの新規設定] を選択することです。すると、通
常のキー ストローク設定と同じように、カーソルが点滅します。
マクロを設定するには、そのコマンドを実行するために押さなければいけないキー ストロークを順番に正確に押していってください。
キーを押すと、そのアイコンがシェード表示されます。これは、そのキーが通常のキー ストロークとしてではなく、マクロとして設
定されていることを表しています。
マクロとして設定したいすべてのキー ストロークを入力したなら、緑色のチェックマークをクリックしてください。これにより、割
り当てたマクロを確定できます。そして、通常のキー ストローク設定と同じように、マクロ コマンドにコマンド名を付けて Enter キ
ーを押してください。
ヒント:
通常のキー ストローク設定と同じように、マクロを設定する際もプロファイル エディタは入力されたキーを正確に検出し、記録しま
す。それぞれのキーを押す間隔を調整する方法については後述します。
詳細コマンド
今度は、ボタンのフィールドを右クリックすると表示されるショートカット メニューから [詳細コマンドの新規設定] をクリックして
ください。図のようなウィンドウが開くはずです。
ウィンドウの各フィールドは、このボタンの状態を表しています。たとえば、[プレス] フィールドに割り当てたキー ストロークは、
このボタンを押したときに実行されます。
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同様に、[リピート] フィールドに割り当てたキー ストロークも、このボタンを押している間繰り返し実行されます。
しかし、[リリース] フィールドに設定したコマンドは、このボタンを放したときに実行されます。したがって、このフィールドに複数
のキー ストロークを割り当てた場合はマクロとして機能することになり、ボタンを押し続ける必要はありません。
図のように、今までの例とは異なり、詳細コマンドを設定する場合、フィールドには各キー ストロークのアイコンが 2 個ずつ表示さ
れます。
これは、キーボードのキーを押すという動作は実際には 2 つの信号、すなわち、キーを押すというプレス コマンドとキーを放すとい
うリリース コマンドから成り立っているからです。図の例では、S キーを 0.156 秒、D キーを 0.124 秒 (1.996-2.120) それぞれ押してい
ることになります。
通常のキー ストロークの設定時とは異なり、各アイコンの下の数字は 1 つめのキーを押したときからの時間 (秒) を示しています。
これにより、たとえば、コントローラのボタンを押すとミサイルを発射し、その後、カメラがミサイル視点に切り替わり、さらに 4.5
秒後には目標視点に自動的に切り替わり、ボタンを放した時点でコクピット視点に戻る、といったコマンドをプログラムすることも可
能となるわけです。
これはほんの一例ですが、詳細コマンドを活用することにより、操作性を大幅に向上できることがご理解頂けるでしょう。
ヒント:
各フィールドの右上にある [マクロ] ボックスにチェックマークを入れることにより、そのフィールドのコマンドをマクロとして設定
することが可能です。
ヒント:
キー ストロークの時間を変更することは可能です。変更したいキー ストロークのアイコンを左クリックして選択し、右クリックし
て [Set Delay (ディレイの設定)] を選択してください。そして、そのキー ストロークを実行したい正確な時間を入力してください。な
お、入力する時間は、1 つめのキー ストロークを押したときからの時間 (秒) となります。
シフトモード
SST プログラミング ソフトウェアに対応するほとんどの Saitek コントローラはシフトモードを搭載しています。 シフトモードを活用
することにより、コントローラのそれぞれのボタンに複数のコマンドをプログラムすることが可能となります。つまり、キーボードの
ピリオド キーを Shift キーと一緒に押すと>を入力できるように、コントローラの各ボタンに 2 つめのコマンドを設定することができ
るわけです。
お使いのコントローラが複数のシフトモードを搭載している場合、プロファイル エディタには複数の列が表示されます。
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ヒント:
モードスイッチを搭載しているコントローラの場合 (X45、X52、X52 Pro、アビエイター、プロ ゲーマー コマンド ユニット、ゲーム
パッド)、プロファイル エディタでは各モードをシフトモードとして認識します。
各列には、シフトモードを使用した際の各ボタンのコマンドを設定できます。図の例では、トリガーをモード 1 では [Fire Weapon (武
器の発射)]として、そして、モード 2 では [Landing Gear (降着装置)] として設定しています。
シフトモードを切り替えるには、モードスイッチを使うか、あらかじめシフトモード切り替えボタンとして設定したシフトボタンを使
用します。どちらの方法を使うかは、お使いのコントローラで異なります。
X52 Pro の場合、第一シフトモードであるモード 2 は、コントローラのモードスイッチをモード 2 に設定することにより、切り替わり
ます。
新たな SST プログラミング ソフトウェアでは、シフトモードを新たに作成することが可能となりました。これを行うには、まず、一
番右側の列にある [シフトモードの作成] オプションをクリックし、新しいシフトモードに名前を付けてください。図の例では、[Mode
4] という名前を付けています。これにより、モード 4 用の新しい列が作成されます。この新しいモードを実際に使うには、このモード
に切り替えるボタンを指定する必要があります。[シフトボタンの設定] オプションの左のフィールドをクリックすると、ショートカッ
ト メニューが開き、コントローラの設定可能なボタンを一覧しますので、シフトボタンとして使いたいボタンを選択してください。
図の例では、シフトボタンとして [Fire C] を指定しています。
ヒント:
シフトボタンとして指定したボタンには通常のコマンドを設定することはできなくなります。これは、各シフトモードでのボタン機能
の衝突を避けるための措置です。
さらに、もうひとつの新たな機能として、シフトモードに切り替えた際に実行されるキー ストロークを設定することも可能となりま
した。たとえば、フライト シミュレーションの場合、コンバット シナリオ (空対空戦闘や空対地戦闘など) をキーボードのそれぞれ
異なるキーを押すことによって作動し、そして、そのシナリオをシフトモードに関連付け、そのシフトモードのボタン機能をプログラ
ムすることができます。
キー ストロークをプログラムするには、[シフト コマンドの追加] オプションの左列を左クリックしてください。コマンドの名前を付
けたら、名前の下のフィールドをクリックし、キー ストロークを入力してください。そして、最後に、緑色のチェックマークをクリ
ックしてください。
この時点で、このシフトモードを持ち越すシフトモードを選択することも可能です。シフトモード名の下のフィールドを選択し、ショ
ートカット メニューからシフトモードを指定してください。
シフトモードを削除したいときは、シフトモード名の右にある×マークをクリックしてください。コントローラに初期設定されている
シフトモードの削除も可能です。
シフトモードの名前を変更したいときは、列の上部にあるシフトモード名をクリックし、新しい名前を入力してください。
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ヒント:
各シフトモードのボタン機能を変更することは可能ですが、一部のボタンは全シフトモードで共通にしておくことをお勧めします。他
のシフトモードに持ち越されたコマンドは、他のコマンドをプログラムしない限り、初期設定として使用されます。
PoV (視点操作用) ハットスイッチのプログラム
SST プログラミング ソフトウェアに対応しているコントローラのほとんどは視点操作用のハットスイッチを搭載しています。ジョイ
スティックやゲームパッドのハットスイッチは主にフライト シミュレーションや FPS (ファースト パーソン シューティング) ゲーム
での視点操作に使用するものですが、もちろん好きな機能をプログラムしてもかまいません。プログラムせずに初期設定のまま使う場
合、ハットスイッチは視点操作用コントロールまたは 4 方向ボタンとして機能します。
ハットスイッチも通常のボタンと同じようにプログラム可能です。プログラムしたいハットスイッチのフィールドにマウスのカーソル
を重ねてください。すると、その右上に矢印アイコンが現れますので、それをクリックしてください。図のようなショートカット メ
ニューが開きます。
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ボタンと同様、ハットスイッチは [割り当て無し] と [フォールバック] として設定することができます。また、プログラム可能な方向
ボタン (4 方向または 8 方向) あるいはマウス エミュレーションとして設定することも可能です。
[ボタン] オプションを選択した場合は、各方向のフィールドが新たに表示されますので、ハットスイッチをそれぞれの方向に動かした
際のコマンドを設定してください (その方法は通常のボタン設定とまったく同じです)。
[マウス] オプションを選択した場合は、図のような [感度] スライダー バーが現れます。
中央のスライダー バーでは、ハットスイッチを操作した際のマウス カーソルの XY 軸両方の動きの速さを調整できます。あるいは、
X 軸と Y 軸を個別に調整することも可能です。それぞれのスライダー バーを遅くしたいときは左に、速くしたいときは右に設定して
ください。
軸 (ロータリー、サムホイールなど) のプログラム
コントローラのプログラム可能なコントロールは他にもあります。軸と呼ばれる可動部位です。これらにはラダーやツイスト、スロッ
トルやロータリー コントロールが該当します。
ボタンやハットスイッチと同様、これらの軸にもキー コマンドを設定することが可能です。しかし、一般的に、コントローラの軸は
キー コマンドをプログラムせずに初期設定の軸のまま使用することをお勧めします。しかし、もちろん、コントローラにまったく対
応していないゲームも存在します。そのような本来ならコントローラを使えないゲームでも、スティックにキー コマンドを設定する
ことにより、コントローラを使ったプレイが可能となります。
軸にキー コマンドを割り当てるには、まず、軸にバンドを設定しなければなりません。軸のフィールドを右クリックし (あるいは、フ
ィールドの右にある小さな矢印アイコンをクリックし)、ショートカット メニューから [バンド] をクリックしてください。
すると、カーソルが上下の矢印が交差した横棒に変わるはずです。しかし、今はまだ何もクリックしないでください。これから軸の可
動範囲に境界線を設定してバンドに分け、それぞれのバンドにキー コマンドを割り当てていく必要があるからです。この例では、A
キーを使ってロータリーを 1 方向に動かし、B キーを使って逆方向に動かす、というシンプルなコマンドを設定することにします。
まず、軸の可動範囲をバンドに分ける作業から始めましょう。バンドを分割する境界線として設定したい位置をマウスのカーソル (上
下の矢印が交差した横棒) でクリックしてください。
図は、軸の可動範囲の 70%の位置に境界線を設定した状態です。
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1 本目の境界線を設定したなら、続いて 2 本目の境界線を設定します。そして、今度は真ん中のアイコンをクリックしてください。こ
れにより、2 本の境界線で分割された 3 つのバンドが均等 (約 33%ずつ) に割り付けられます。
[OK] をクリックすると、それぞれのバンドにキー ストロークやマクロ、詳細コマンドを自由に割り当てることができるようになりま
す (設定方法は他のボタンと共通です)。
図は、それぞれのバンドに A キーと B キーを設定した状態です。
さて、これまでの説明で、軸の動きが 2 方向しかないのに、何故、3 つのバンドに分けるのか疑問に思った方もいるでしょう。その理
由は、軸が休む範囲 (すなわち、何もコマンドを出さない範囲) を設定する必要があるからです。図でも中央のバンド (33-66%の部分)
にはキー ストロークを割り当てていないことに注目してください。お使いのコントローラの機種やプログラムする軸の種類に関係な
く、軸が休む範囲を中央のバンドとして設定し、そのバンドにはコマンドを割り当てないようにしてください (これを一般的にデッド
ゾーンと呼んでいます)。なお、バンドの数はいくつ設定してもかまいませんが、多すぎると混乱を招く結果となります。
方向軸
新たな機能として、軸の動く方向別に異なるキープレスを設定することも可能となっています。これを行うには、まず、前述のように
軸を選んで [方向軸] を選択してください。これにより、軸の各移動方向に対してキー ストロークを設定できるようになります。[感
度] スライダー バーを動かせば、軸の特定の稼動域に対するキープレスの実行頻度を調整できます。
マウスのエミュレーション
コントローラの軸にマウスの動きをエミュレートすることも可能です。ボタンリストから軸のフィールドを右クリックすると、図のよ
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うなショートカット メニューが開きます。
[マウス X 軸] オプションをクリックするとマウスの左右の動きを、[マウス Y 軸] オプションをクリックするとマウスの前後の動きを
それぞれエミュレートすることができます。どちらかのオプションをクリックすると [感度] スライダー バーが現れます。マウス カ
ーソルの動きを遅くしたいときはスライダー バーを左に、速くしたいときは右に設定してください。
ヒント: X52 や X52 Pro などの一部のコントローラはマウスをエミュレートしたコントロール軸を搭載しています。これらのコントロー
ラをお使いの場合、他のコントロール軸をマウス エミュレーションとして設定するには、まず、マウス エミュレーションとして初期
設定されているコントロール軸 (マウス X 軸とマウス Y 軸) を [割り当て無し] にする必要があります。
プロファイルの保存
必要なすべてのコマンドを設定したものをプロファイルとして保存しておけば、いつでも利用できます。プロファイルを保存するには、
まず、プロファイル エディタの上部にある [保存] アイコンをクリックして [保存] を選択してください。
すると、文書ファイルを保存するときと同じように、プロファイルを保存する場所とプロファイル名を指定するように指示されます。
このとき、保存する場所は変更せず、表示された初期設定のディレクトリに保存するようにしてください。プロファイル名は好きな名
前をつけてかまいませんが、わかりやすいようにゲーム名と一致させることをお勧めします。保存場所とプロファイル名を指定したな
ら [保存] をクリックしてください。これでプロファイルの保存は完了です。
プロファイルの適用
プロファイルを適用するには、タスクバーに表示されているコントローラのアイコンを右クリックしてください。開いたショートカッ
ト メニューの上部に作成して保存したプロファイル名が表示されているはずです。
ショートカット メニューからプロファイル名をクリックすると、コントローラのアイコンに緑の四角形が表示されるはずです。これ
は、そのプロファイルが読み込まれ、コントローラに適用されたことを表しています。
コントローラに適用したプロファイルはいつでも解除できます。タスクバーのコントローラのアイコンを右クリックし、ショートカッ
ト メニューから [プロファイルを解除] をクリックしてください。プロファイルが適用されていない状態のとき、緑色の四角形は表示
されません。
また、お気に入りのプロファイルを Windows の起動時に自動的にコントローラに読み込まれるスタートアップ プロファイルとして設
定することも可能です。タスクバーに表示されているコントローラのアイコンを右クリックし、ショートカット メニューからプロフ
ァイル名を選択し、そのプロファイル名を右クリックしてショートカット メニューから [スタートアップ プロファイルとして設定]
を選択してください。[スタートアップを解除] を選択すると、スタートアップ プロファイルの設定を解除できます。
プロファイルのテスト
コントローラにプロファイルを適用したなら、その動作をテストすることができます。テストにはワードパッドを使うのが最適です。
コントローラの各ボタンを押し、それぞれに割り当てたキー ストロークが入力されれば、正しくプログラムされていると判断できま
す。ただし、入力を確認できるのは、テキストエディタが認識するキー ストロークのみ (文字、数字、句読点など)となります。フ
ァンクション キー (F1 や F2 など) や Shift キー、Alt キー、Ctrl キーなどを割り当てたボタンを押しても、そのコマンドの動作はワー
ドパッドには反映されません。
プロファイルの印刷
コントローラにプログラムしたコマンドをすべて覚えておくというのも大変です。特に、シフトモードを活用すると、コマンドはかな
りの数になるでしょう。そのため、プロファイル エディタではコントローラのボタンやハットスイッチ、軸などに割り当てたコマン
ドの一覧を印刷することが可能となっています。ただし、この機能を活用するには、コマンドに自分で名前を付けておく必要がありま
す (方法については、前述の「1 つのキー ストロークによるコマンド」の項をご覧ください)。
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プロファイルを印刷するには、プロファイルを読み込んでから プロファイル エディタの上部にある [印刷] アイコンをクリックして
ください。
Saitek
SST プログラミング ソフトウェア
SD6: ベータ版
www.saitek.com
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