病院内コミュニケーションの変革

病院業務変革事例
インテル® Centrino®
モバイル・テクノロジー
インテル® Pentium® プロセッサー
インテル® Xeon® プロセッサー
インテル XScale® テクノロジー
医療分野
VoIP(Voice over Internet Protocol)
病院内コミュニケーションの変革
Taiwan hospital が VoIP 技術を使用して音声通信を改善 。
National Taiwan University Hospital( NTUH )のような現代的な病院は、最も効果的な
医療を提供するために、継続的に作業過程を調査して変更を行う必要がありますが、変更
にかかるコストを抑えなければなりません。質の高い医療を提供するには、臨床医とすばや
く簡単に連絡をとり、シームレスな音声通信チャネルを提供することが不可欠であると認識
し、NTUH はVoIPを試験的に導入して院内での実用性を検討することにしました。
課題
・ コミュニケーションとコラボレーションの促進。臨床医と連絡をとっ
て音声通信を簡単に提供し、
よりすばやくコラボレーションを行う能力
を高めます。
・ コストの削減、投資利益率の向上。投資利益率(ROI)
を向上させて、
通信費を削減します。
・ 臨床医の診療および患者予後の改善 。患者の治療を改善するため
に、働きがいのある労働環境を実現します。
ソリューション
・ VoIP基盤網およびクライアントシステム 要件を満たすために、
インテル® アーキテクチャー・ベース
・サーバー、デスクトップPC、ノー
トPC、携帯端末を導入します。
「 NTUHは患者に最高の医療
・ Intel NetStructure® PBX-IPメディア・ゲートウェイをインストール
サービスを提供することを目
して、IPネットワークと旧式電話システムとの相互接続を提供します。
標としているので、当病院は
・ Interactive Intelligence Inc.® の Customer Interaction Center®
最新の医療設備や医療機
( CIC )をIntel NetStructure® ホスト・メディア・プロセシング・ソ
器を導入したり、開発して
フトウェアとともに、インテル® Xeon® プロセッサー・サーバーで導入
います。」
Feipei Lai 博士
Computer & Networking Center
取締役
副最高責任者
National Taiwan
University Hospital
し、IP通信を処理します。
状況の評価
(入院患者 2 ,000人・ 外来患者
NTUHは台湾で有名な大規模医療センターで、毎日約9 ,000人の患者
7,000人 )の医療ニーズを満たしています。多数の患者にもかかわらず、病院は患者の症例に応じた医療
を提供していると信じています。NTUHは
「 患者中心の医療 」という考え方をサポートすることを目標とし
ており、できる限り臨床看護を行っています。同院では、適切で効果的 、そして思いやりのある文化的相
違に配慮した医療を、誰もが無理なく受けられるよう努力しています。また、すべての点で国内の他の病
院や診療所の模範となることを目指しています。
National Taiwan University Hospital は、
IP テレフォニーを使用して音声通信を改善しているため、
臨床医は最高の医療を提供することができます。
良質で効果的な医療を提供するには、NTUHは継続的に
作業過程を調査して変更を行い、管理や作業の効率を高
める先端技術を採り入れる必要があります。NTUHなどの
多くの病院は、すでに統合 デジタル 病院へ移行していま
すが、インフォメーション・テクノロジー
( IT )を活用し、医
療情報を必要とする医療従事者へ、電子カルテや他の情
報形式をすばやく伝送しています。
ける他のデータ形式と統合できない
・ 手が空いているスタッフが院内にいるかどうか、オンラ
インで検索できない
・ 従来の音声通話ではコストがかかりすぎるため、通話料
金が高い携帯電話には転送できない
・ 呼出し装置の受信可能範囲が狭いだけでなく、呼び出され
た人が電話を掛け返さない場合がある
・ 同報通信 、音声会議 、ボイスメール以外にも、通話機能
このため、NTUHはより良い医療を推進し、
「 患者中心の
医療 」という考え方をサポートするために、科学技術が果
たすことのできる大切な役割を認識しています。臨床医に
の制限がある
・ 旧式の電話の機能では、全 スタッフの複数の電話番号
などが記憶できない
患者の診断や緊急事態に関する瞬時的な情報を正確に伝
えるには、病院内で効率的にコミュニケーションを行うこ
音声およびデータ網をひとつのインフラに統合すると、複数
とが非常に重要です。この目標を達成するために、NTUH
の場所で通信を行う際に発生するコストを抑えることができ
はインテルと連携して新技術を導入し、院内無線 LANを
ます。NTUHからインテルに相談があり、同院の旧式の電話
実装してインテル® Centrino® モバイル・テクノロジー・ベー
システムを変更してコミュニケーション効率を向上させるこ
スのノートPCやタブレット型PCを採用しました。このプロ
とになりました。インテルのチームは、カスタムVoIPソリュー
ジェクトにより、NTUHでは院内のデータフローが改善さ
ションを提供するために、技術ベンダー、現地のシステ
れました。しかし、音声データについては、病院が別問題
ム・インテグレーターおよび同調者と力を合わせました。
として取り組む必要がありました。
NTUHはインテルが提案した設計の導入を決定し、VoIP ソ
リューションの実用性を実証するために、院内の一部門で
勤務中の臨床医や専門スタッフと連絡をとって緊急電話会議
試験を行いました。
を行うことは、シームレスで効果的なコミュニケーションにおい
ては不可欠な要素です。NTUHがこれまで使用していたテレ
同院はVoIPを医療分野に導入した台湾初の病院となりま
フォニー・システムは、旧式の構内交換機( PBX )を使用し
したが、このことは、インテルにとってもアジア太平洋地
て公衆交換電話網(PSTN)に接続されており、
既存のIPネッ
域で初めて VoIPを導入した事例となりました。
トワークには統合されていませんでした。音声電話は、同院
のデータ通信とは別の通信形態で、院内では非常に重要な
ワークフローの一部です。
ソリューションの提供
インテルは、良質で信頼性が高く、コスト効率の良いサービ
スを提供するだけでなく、ますます高まる要件に応えること
この旧式なテクノロジーでは、以下を含むNTUHの院内業
のできる、拡張可能なカスタムVoIPソリューションを提案し
務が多数制限されます:
ました。インテルのチームは各種 パートナーに呼び掛けて、
・ 音声データが、院内データ・
ワークフロー・ネットワークにお
NTUHがカスタマイズされたエンド・ツー・エンドのソリュー
ションを構築できるよう支援しました。パートナーには以下
スポットライト: National Taiwan University
Hospital( NTUH )
・ NTUHは1895年に開院し、現在5 ,300人のスタッ
フが、約2 ,000人の入院患者と7 ,000人の外来患
者を、毎日治療しています。
・ NTUHは台湾の有名な医療センターです。
のような企業が含まれています:オペレーティング・システ
ムおよびソフトウェア開発プラットフォームでは Microsoft*、
Wi-Fi環境ではAruba Wireless Networks、Wi-Fi電話OEM
のBCM Communications/Gemtek、IP-PBXプロバイダーの
Interactive Intelligence Inc.、技術 サポートではPhitech、
ハードウェアサポートでは Dell、PDA/ スマートフォンでは
Dopod、ノート/タブレット型 PCの提供およびサポートでは
Asus Tech。
「VoIPを使用すると、緊
急時によりすばやく効
果的に同僚を探すこと
ができます。
これは最も
大きな特長です。」
Chen Heng-Shuen 医師
家庭医診療科医療情報部
National Taiwan
University Hospital
当 社のチームは、NTUH が 以 前 導 入していたインテル ®
NTUHは新しいVoIPソリューションによって、幅広いコミュニ
Centrino® モバイル・テクノロジー・ベースのノートPCやタブ
ケーション・ニーズに対応した価値を提供する、高度な音
レット型PCを使用して、既存のワイヤレスIPネットワーク・イ
声設備を構築しました。院内IPネットワークにログインされる
ンフラを強化するソリューションを設計しました。
ノートPC、スマートフォン、ソフトフォンなど、VoIP対応デバ
イスの状態がオンラインで検索できます。ユーザーには独自
ソリューションでは、既存の旧式電話ネットワークとIPネット
「電話事業や医療にとど
まらず、すべてのサービ
スは、将来、
ネットワーク
に統合されるでしょう。
」
Feipei Lai 教授
Computer & Networking Center
取締役 副最高責任者
National Taiwan
University Hospital
のVoIPフォン番号または発信者名が割り当てられているた
ワークをつなぐIntel NetStructure® PBX-IPメディア・ゲート
め、VoIP電話機器がオンの状態でシステムにログインしてい
ウェイを導入しましたが、NTUHが投資した旧式PBXシステ
る限り、ユーザーの使用機種にかかわらず追跡することが
ムを保持しています。これにより、計画性の高い段階的な移
できます。つまり、臨床医が院内のどこにいても、ページン
行が可能となり、過去に投資した旧式PBX機器が手放せな
グ 装置を取り替えても、簡単にすばやく連絡をとることがで
い企業にも、スマート・ソリューションを提供します。ゲート
きます。
ウェイを採用することにより、2つのネットワーク間でシームレ
スに通話が行えます。
看護師は、ハンズフリー機能を使用して他の診療科と連
絡をとることができますので、手がふさがっていることが
ソリューションを実現したのは、主にIntel NetStructure® ホ
多い看護師にとっては、とても便利です。オンライン連絡
スト・メディア・プロセシング・ソフトウェアです。これは、特
先リストや、使いやすいソフトフォンのインターフェイスに
殊 ハードウェアを必要とせず、インテル® アーキテクチャー・
より、医師は同僚から簡単にすばやく必要な支援を受けた
ベースの汎用 サーバーにインストールすることができ、音
り、
緊急手術や医療緊急事態に関する緊急会議さえも行う
声や映像を処理する良質で拡張可能なメディアを、 標準
ことができます。手術室では、医師が室外の専門医と連絡
ベースのプラットフォームに構築することができます。NTUH
をとるために、ハンズフリー・ワイヤレスVoIPをノートPCで
VoIPシステムですべての音声通話データを処理するため
使用しています。
に、Intel NetStructure® ホスト・メディア・プロセシング・ソ
フトウェアが、Interactive Intelligence Inc.* の Customer
より効率的に音声通信を行うために、以下のようなシステム
Interaction Center*( CIC )とともに、インテル® Xeon® プロ
機能が搭載されています:
セッサー・サーバーにインストールされました。ソリューション
・ ソフトフォンをノートPCで使用している医師から、看護師の
のコールクライアント側で、NTUHは各種 VoIP 電話を院内
Wi-FiフォンやPDAスマートフォン、または旧式のPSTNフォ
の100人のユーザーに配備しました。この中には以下の5
ンへ、そして看護師からも医師のソフトフォンへ連絡をと
つの部門が含まれます: 救急 、小児科インターン、検査 、
り、シームレスに音声通話を行うことができます。
ホームクリニックおよびIT。これらのVoIP電話には、インテル
Pentium® 4 プロセッサー・ベースのデスクトップPCにインス
トールされたソフトフォン、インテル® Centrino® モバイル・
・ ソフトフォンのビジュアル・インターフェイスを使用すると、
同報通信 、音声会議 、着信転送 、ボイスメールや他の機
能が、従来の PSTNフォンよりずっと簡単に使用できます。
テクノロジー・ ベースのノートPCやタブレット型 PC、インテ
・ 例えば、自動着信転送機能を使用すると、医師にかかって
ル XScale® テクノロジー搭載のPDA/スマートフォン、そし
きた電話を特定の看護師へ転送したときに、取り込み中
て、USBフォンおよび Wi-Fiフォンが含まれます。ユーザーは
で電話に出られない場合は別の看護師へ転送することが
これらのデバイスにマイク付きヘッドホンをつないで、ハンズ
できます。
フリー・ワイヤレスVoIP通信を行うことができます。
主要技術
• Intel NetStructure® PBX-IPメディア・ゲートウェイ
により、旧式PBXテレフォニー・システムと IPネット
ワークとの相互接続が実現します。
不可欠な対応
• インテルはカスタムVoIPソリューションをNTUHに提案
し、
同調者に呼び掛けて開発に貢献しました。現在は、
NTUHが実装したソリューションを管理しています。
• カスタムVoIPソリューションを実現したのは、主に
• NTUHは、VoIP統合を簡素化してビジネス・コミュニ
Intel NetStructure® ホスト・メディア・プロセシング・
ケーションや協調機能をサポートする、標準 ベース
ソフトウェアであり、良質の音声や映像が処理でき
のプラットフォームやアプリケーションを、手ごろな価
るソフトウェア・ベースの代替製品を、手ごろな価格
で提供します。
格で入手しました。
• インテルのプラットフォームや技術は、NTUHのよう
• インテル® アーキテクチャー・ベース・サーバー、デス
な顧客が総合的なエンド・ツー・エンドのソリューショ
クトップ PCおよびノートPCは、高性能クライアント
ンを構築できるよう、世界中のアライアンス・パート
および基盤システムであり、NTUHのカスタムVoIP
ナーのネットワークによって補完されました。
ソリューションを構成する重要な要素です。
試験導入では、VoIPへの移行によって生産性が向上し、コミュニケーションが柔軟に行わ
れることで医療プロセスが加速されることが確認されました。主なメリットは以下のとおり
です:
・ 生産性の向上。VoIPによって、
プレゼンス表示やインスタント・メッセージングからアドホッ
投資利益率
・ Intel NetStructure® PBX-IPメディア・ゲート
ウェイにより、NTUHが投資した旧式なPBX シ
クマルチ会議まで、これまでにないレベルの瞬時のチームワークが可能となります。また、
ステムは、新しいVoIPネットワークと接続され
臨床医や情報の追跡に費やす時間が削減され、ユーザーが行った通信が管理できるシ
て保持されます。このことにより、NTUHは既
ングル・インターフェイスが提供されます。
・ より良い患者 サービス。患者データ、サポート・アプリケーション、そしてより効率的で
統一的な、急速に自動化されたサービスを改善することで、臨床医の労働環境が整い、
患者の治療に従事する時間が多くなります。
存の旧式な電話を活用し、IPおよびPSTNネッ
トワーク間で、シームレスにコミュニケーショ
ンを行うことができます。
・ NTUHは、既存の無線LANとインテル® アーキ
・ フレキシブルな機動性 。VoWLAN( 無線VoIP )
を使用すると、無線対応の病院内であれ
テクチャー・ベースのサーバー、デスクトップ
ばほとんどどこでも、携帯電話 サービスよりも良質なコミュニケーションをシームレスに行
PC、ノートPCやタブレット型PCを使用すること
うことができます。
で、VoIPソリューションを導入するコストを削
減することができます。
また、VoIPを統合することで、サービスコストが安くなり経費が削減できます。特に長距離
電話や音声会議電話などでは、VoIP電話のコストは格段に安くなります。
・ 医療従事者間でより効率的なコミュニケー
ションを実現することで、NTUHは医師や看護
師により良い労働環境を提供し、詳細な情報
NTUHは試験導入の結果に満足していますが、インテルのコンポーネントを導入することで、
を得た上で意思決定を行い、患者の治療を
コミュニケーションをシームレスに行うことができ、エンド・ツー・エンドのVoIPソリューション
改善しています。
のメリットを実感することができます。病院では、将来 、IPビデオメッセージングと会議開催
を統合し、システムを拡張してコスト効率よく受信可能範囲を広げることを計画しています。
ビジネス・ソリューションについてさらに詳しい情報は、下記 サイトにてご覧いただけます。
http://www.intel.co.jp/jp/solutions/
ソリューション・インテグレーター
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*インテル 、Intel ロゴ 、インテル 。さあ、その先へ。Intel. さあ、その先へ。ロゴ 、Xeon、Xeon inside、Pentium、Pentium Inside、Centrino、Centrino ロゴおよび Intel
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*この文書は情報提供のみを目的としています。インテルは本書において、明示または黙示を問わずいかなる保証も行いません。
*ワイヤレス接続およびいくつかの機能を使用するには、別途ソフトウェアやサービス、外付けハードウェアなどの購入が必要な場合があります。公衆無線 LAN のアク
セスポイント数には限りがあり、ワイヤレス機能は国によって異なる場合があります。また、ホットスポットによっては、Linuxベースのインテル® Centrino® モバイルテク
ノロジー搭載システムをサポートしない場合もあります。システムの性能は MobileMark* 2002で測定しています。システムの性能 、バッテリー持続時間 、ワイヤレス
性能と機能はご利用のハードウェアやソフトウェアの設定により異なります。詳細情報は、http://www.intel.com/products/centrino/more_infoをご覧ください。
*その他の会社名 、商品名は一般に各社の登録商標か商標です。
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