Canon DIGIC

2006-08-16
Canon DIGIC
キャノンで独自開発して内部で使っているチップなため,細かい情報はあまり出回っていない.
デジタルビデオ用の「DIGIC DV」とデジタルカメラ用の「DIGIC」があるが,別々に開発されている.
汎用のプロセッサはなくて,映像専用の LSI.
Canon DIGIC
DIGIC 以前は単に「映像エンジン」と呼ばれていた(?).デジタルカメラに必用な機能を全てワン
チップ化している.
DIGIC II のパッケージは 4 種類あるが中身はすべて共通.
チップ呼称
時期
映像エンジン
1999~
主な搭載機種
PowerShot S10
DIGIC
2002 秋~
PowerShot A95, IXYDIGITAL シリーズ
DIGIC II
2004-04~
EOS-1D Mark II
DIGIC の機能
機能
DIGIC II
メカトロ制御,CMOS 制御,AE/AF/AWB,現像処理,
画像処理,JPEG 圧縮・伸張,メモリカード制御,表示,
USB 通信
DIGIC →DIGIC II での変更点
・DDR SDRAM を採用
・カメラ制御 IC と動画 IC の機能を統合
・新映像エンジン
・省スペースとパフォーマンスの向上
・高速化
演算能力を向上
起動時間,連写速度,撮影間隔,再生速度…
Canon DIGIC DV
DIGIC DV は Canon が開発しているデジタルビデオカメラ用映像エンジン.
呼称は「DIC」,「MACS」,「DIGIC DV」,「DIGIC DV II」と変化してきた.
処理可能な画素数が向上している.
チップ呼称
DIC
時期
主な搭載機種
1997-09~
MV1
MACS
2003-09~
IXY DV M, DM-FV300
DIGIC DV
2003-09~
FV400 KIT,DC40
DIGIC DV II
2005-11~
XL H1
MACS→DIGIC DV での変更点
動画・静止画に信号処理を分割
状況に最適な映像処理を瞬時に実行
430 万画素 CCD 対応(2005 年 08 月)
DIGIC DV→DIGIC DV II での変更点
色再現処理精度を約 2 倍に
ハイビジョン映像を高速に処理することを可能にした
167 万画素 3CCD に対応
DIGIC DV の構成
SDRAM
DIGIC DV
メモリ・コントローラ
CCD
オーディオ
入出力
カメラ
信号処理
解像度変換
ビデオ IF
オーディオ
JPEG
CPU バス
システム・コントローラ
カード IF
ビデオ
入出力
SD メモリー
カード
・考察
Canon の DIGIC・DIGIC DV については,Canon が自社で使うために独自開発したチップである
ためか,有用な情報が少ない.搭載しているカメラの機能から DIGIC の機能を推測することはで
きそう.解説は多いが具体的なアーキテクチャに触れているものは殆ど無かった.
プロダクトラインとしてまとめるためには,もっと詳細な調査が必要.
論理構造には適用できるかもしれないが,開発時構造にも果たして適用できるか.
Canon の DIGIC の場合,広範囲に渡って変更があるような気がする(高速化など).
また,それまで IC の外にあったものを中に入れるなどは,前のバージョンの開発時からの技術の
進歩によるところが大きい.
PHILIPS DTV
PNX853x は,HDTV 放送の受信のために必要となる機能を 1 チップ化したシステム LSI.
250MHz の MIPS が載っている.
PNX853x というシリーズになっているが,PNX8535 と PNX8536 の2製品がある.
TV520/20(PNX8535)
主な機能(青文字は PNX8536 との差異)
・最適化されたシリコンフロントエンド
- シリコンチューナー フロントエンドオプション?
- TDA10060 VSB/QAM チャンネルデコーダ
・ATSC,NTSC 放送の受信
・試験済みのミドルウェアとアプリケーションソフトウェアを含む
- デジタルとアナログ両方のチャンネルを最適に
- 統一の GUI とデジタルでアナログで最適化された映像セッティング
・16 の異なる映像改善機能
- 次世代のエッジ依存非インターレース化
- 3D comb(3次元くし型フィルタ?)と自動 2D/3D 切り替え
- 進んだノイズ抑制と鮮鋭化
- MPEG の誤差の抑制
- 3種類のエッジ依存非インターレース化処理
・統合された,HDMI 受信,ソース選択,A/D 変換
- 1080i 以上の入力解像度に対応
・LVDS 出力,WXGA 表示(1366x768)の HD 解像度に対応
TV520/30(PNX8536)
主な機能
・最適化されたシリコンフロントエンド
- シリコンチューナー フロントエンドオプション?
- TDA10060 VSB/QAM チャンネルデコーダ
・ATSC,NTSC 放送の受信
・試験済みのミドルウェアとアプリケーションソフトウェアを含む
- デジタルとアナログ両方のチャンネルを最適に
- 統一の GUI とデジタルでアナログで最適化された映像セッティング
・10-bit ビデオ処理
・16 の異なる映像改善機能
- 次世代のエッジ依存非インターレース化
- 3D comb(3次元くし型フィルタ?)と自動 2D/3D 切り替え
- 鮮鋭化のための SD コンテンツの雑音の抑制
- MPEG の誤差の抑制
- 4種類のエッジ依存非インターレース化処理
・自動映像制御
・統合された,HDMI 受信,ソース選択,A/D 変換
- 1080i 以上の入力解像度に対応
・LVDS 出力,WXGA 表示(1366x768)の HD 解像度に対応
[EOF]