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No.
165
January 2016
年頭挨拶 理事長、学長、病院長、
氷見市民病院 CEO、病院長
■トピックス
医学部医学科のディプロマポリシー
Longitudinal Integrated Clerkship(LIC )
■学事
新任教授紹介
■学生の頁
平成 27 年度医学部学生と学長との懇談会
■国際交流
学術講演会:Cancer Genomics
第 7 回講演会:医学英語論文書き方の基本
■学術
市民公開セミナー 再生医療がもたらす未来
産学官連携:Matching HUB Kanazawa
■病院
全国初 6 歳以上 10 歳未満児の脳死判定
世界糖尿病デー ブルーライトアップ
第 21 回地域医療懇談会
■金沢医科大学氷見市民病院
富山県原子力防災訓練
■管理・運営
永年勤続表彰
■随想
永年勤続に思う
近くて遠い金沢医科大学
■同窓会・後援会
金沢医科大学北斗会懇親・懇談会
カラー放水で出初め式
序
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
年頭挨拶
夢の実現に向かって
理事長 竹 越
襄
新年あけましておめでとうございます。今年は雪も
かく、多くの分野で行われていることです。医学界に
なく好天に恵まれ良いお正月を迎えられたことと思い
おいても腕のいい外科医などが一般病院から大学の教
ます。さて、今年は申年です。申年は昔から「悪い事が
授に引き抜かれることは珍しくありません。我々も患
去る」とか「病が去る」とか言われて縁起が良いとされ
者さんを呼べるような優秀な良い先生のヘッドハント
ています。また、古くからの処世訓、三猿「見ざる・聞
を考えているところです。
かざる・言わざる」のように、擬人化しなくても自然に
人と重ねて見える猿は、本来器用さと臨機応変の象徴
とも言われております。また山の賢者であり、山神の
使いともいわれたことから知恵と重要な存在感を意味
2. 今年の本学の展望・抱負について
1 )教育・研究面からの展望
これは勝田学長から詳細に話があると思いますので、
する干支でもあります。以上のように大変良い年のよ
法人からは方向性と展望についてのみお話しさせてい
うですので大いに期待したいと思っております。
ただきます。
1. 昨年を振り返って
で、基礎系・臨床系を問わず、きめの細かい教育が必
医科大学は医学教育が最も重要な使命でありますの
さて、昨年は世界的には『イスラム国』のテロリズム
要であります。最終的には医師国家試験がその成果の
が欧米を中心に頻発し、世界中を恐怖に陥れたという
可否に繋がりますので関係諸兄のさらなるご努力が期
大惨事があり国際的な非難を浴びました。国内的には
待されます。近年医学教育の国際化が叫ばれ、国際認
安保関連法案の可決、TPP の大筋合意など政治・経済
証の取得が必要ですので分野別評価基準への対応が迫
にとって重要な問題がありました。医療界においても
られます。臨床実習の充実が第一条件であり、前倒し
大学病院などで医療事故が多発し、医療事故調査制度
を含めた新しい教育方針に関し、広い見地からの検討
がスタートしました。また大手企業の不祥事が相次ぎ、
が必要です。
暗い話題が多い中、大村 智先生、梶田隆章先生のノー
ベル賞受賞の明るいニュースが国民を力づけました。
看護教育に関しましては、平成 27 年度に大学院看護
学研究科が開設されました。目標は「高度看護実践者」
県内においては北陸新幹線の開業が大きな話題であ
と「教育研究者」の育成であります。未だ開設間もない
り、北陸地方、ことに金沢周辺の活性化に大いに貢献
時期ですので教職員の方々には多大なるご苦労をおか
しているようです。今後ともその持続に努力すること
けしていることと思いますが、未来の看護学の発展の
が望まれます。
ためにご努力をお願いしたいと思います。
以上、昨年を振り返り重要事項をかいつまんで述べ
次いで大学の重要な使命の一つである研究について
ましたが、安倍総理の「新三本の矢」すなわち「国民総
ですが、壮大なるアイディアのもとに必要機器を駆使
生産 600 兆円」、
「介護離職 0 」、
「出生率 1.8 」が我々医療
して結果を出していただきたいと思います。研究推進
人にとっても心すべき目標であろうと思います。
にはまず学内外の研究費を獲得することが重要です。
話は変わりますが、元旦の日本経済新聞の第一面に
大学としても文部科学省の補助もあり、基礎研究のた
大きくインドのニケシュ・アローラさんの話が出てい
めの機器を重点的に整備したいと思っております。基
ました。彼は日本のソフトバンクの孫 正義社長に請わ
礎研究に関しては臨床の診断と治療に結びつく研究を
れて 165 億円で副社長に就任したとのことです。米国
お願いしたいものです。
のグーグル社の副社長からの転出です。大変うらやま
本年から再生医療センターが始動しますので基礎・
しい話ですが、このようなヘッドハントは金額はとも
臨床の両面から幅広い研究を期待いたします。幸い文
2
序
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
部科学省からは必要な研究用機器に対する補助金が出
超高齢化社会の到来に備えて対認知症施設が必要です。
ますので、こぞって応募していただきたいと思います。
予想によれば 10 年後には患者数が 1,000 万人に達する
また本学は特定機能病院であり、この指定を維持する
とのことです。認知症は症候群ともいえる疾患群で「ア
ための資格基準として英語論文での業績 70 篇以上が必須
ルツハイマー」、
「レビー小体」、
「動脈硬化」、
「パーキン
です。そのため各医局におかれましては年間最低 2 ∼ 3
ソン」などが含まれますが、大学病院にはそれぞれの専
編の英語論文を仕上げてほしいものです。総説・原著・
門家(高齢医学科、精神神経科、神経内科)がいますの
症例報告などいずれの分野でも認定されます。
で最新診断機器を駆使し適切な診断と治療が行えます。
開設に向けて森本茂人教授を中心として設置委員会が
2 )診療面からの展望
① 診療報酬の改定が決定
発足しており、4 月からオープンする予定です。
その他、喫緊の問題として循環器センターの設置が
2016 年度の診療報酬の改定が決まり、全体で 0.84%
あります。ご承知のごとく小児循環器の内科外科の連
引き下げられることになりました。その内訳は、薬価
携体制による先天性の難治心臓病の手術成功は先日の
を 1.33%引き下げる一方、技術料などの本体部分を 0.49
新聞でも大きく取り上げられていましたが、さらなる
%引き上げるということです。全体での引き下げは、
緊密な診療体制が必要です。さらにこの際、成人循環
2008 年度以来 8 年ぶりとなりますが、2 年前の改定では、
器も充実すべく新センターの設立を考えております。
全体で 0.1%引き上げられましたが、消費税増税分が上
本日の新聞に坂本 滋特任教授(金沢医科大学氷見市民
乗せされておりましたので、実質的には 2 回連続のマイ
病院胸部外科)の大動脈瘤治療の新治療例が大きく載っ
ナスとなります。
ていましたが、本学卒業生の活躍を喜ぶと共に大学の
改定の内容はこれからですが、基本的な考えは、団
塊の世代が全て 75 歳以上となる 2025 年を見据えた対応
となるでしょう。すなわち、医療と介護の一体的な基
為にさらなる貢献をお願いしたいものです。
さらに、スタッフの充実を待って乳腺センターの設
立も予定しております。
盤整備ということです。
⑤ メディカルツーリズム事業に伴うドック受け入れ体
② DPC 制度への的確な対応 制の整備
医療費の包括支払制度である DPC は医療機関の収益
健康管理センターの体制に関しては従来からスタッ
に大きな影響をおよぼしますのでつねにその検証が必要
フ数の不足や各診療科との連携体制のあり方を巡って
です。DPC のデータを分析し診療上の特徴をつかんで
種々問題はありましたが、メディカルツーリズム開始
DPC に対応した運用に変えることにより病院の実績に
に向けてこれらの充実を図らなければなりません。臨
寄与しなければなりません。このため、こうしたデータ
床各科の協力はもちろん、基礎医学の関連する科の公
の分析をもとに診療体制の改善を推進する独立した部
衆衛生や衛生学の先生方のご支援をお願いいたしたい
署の設置が必要と思われます。
と思います。なおツーリズムは現在旅行会社と最後の
詰めに入っており、新年早々具体的プランができ上が
③ 先進医療の推進
ります。
大学病院はその使命として先進医療を実施しなけれ
また、石川県の方針として観光事業に力を入れ 200 億
ばなりません。最近では一般病院でもかなり先進的な
円の基金で助成を行うとの発表がありましたが、大学
医療を実施していますが、大学は更に最新治療を行う
としても是非メディカルツーリズムを柱とした申請を
義務があります。昨年 5 月に手術支援ロボット「ダビン
行いたいと思っております。
チ」の最新型を日本で第一番目に購入しました。現在の
所、泌尿器科の手術のみが保険収載されており既に宮
澤克人教授のもと 10 数例の手術が行われております。
⑥ 金沢医科大学氷見市民病院
開院して 8 年が経過し、まずまずの経営業績ですがさ
早い時期に多方面の手術に適用拡大されるように努力
らなる発展を期してがんセンター・職員宿舎・看護宿
して欲しいものです。
舎・循環器センターなどの設立を考えております。そ
以上が現況ですが、次に将来構想につきお話しした
のためには多額の資金が必要になりますので公設民営
いと思います。
上、氷見市との綿密なる交渉が必要です。
④ 認知症疾患センターなどを含めたセンター化計画
⑦ 能登北部地域医療研究所
まず認知症疾患センターですが、既に始まっている
高齢医学の中橋教授を中心に、地域で活躍する総合医
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の育成や能登北部の地域医療に貢献していただいており
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
願いいたします。
ます。また地域医療の教育の一環として本学の医学部と
以上、年頭にあたって現状の把握と大学の進むべき
看護学部の学生、さらに研修医がお世話になっており今
将来像をお話しいたしましたが、
「夢は見るものではな
後も継続してご指導いただきたいと思っております。当
く、叶えるものである」と申します。是非多くの構想を
研究所の継続に関しては穴水町の援助が不可欠ですので
現実のものにして 7 年後に迫った創立 50 周年を迎えよ
公立穴水総合病院への医師派遣を通して金沢医科大学と
うではありませんか。
密なる連携を続けていただきたいと思っております。
3. 今後のグランドデザイン計画について
① 昨年までは第一次計画の仕上げの時期で医学教育
棟の完成に伴い臨床研修センター、スチューデントド
クター医局、クリニカルシミュレーションセンターな
どが移設して教育施設が本格的に稼働しました。
② 中央診療棟は、この 2 月から建設が始まります。
平成 29 年の春に竣工予定です。薬剤部はじめ医学教育
棟に仮住まいの各部が移転し、病院などとの動線が一
体化しますので患者さんや職員の動きが効率化いたし
ます。
③ 再生医療センターは昨年 12 月に完成し、諸設備を
整え 4 月に稼働する予定です。先ずは堤 幹宏教授が中
心となり肝硬変患者さんの自己骨髄細胞投与療法と末
梢樹状細胞による免疫療法を行う予定です。もちろん、
この施設を利用して各分野の再生医療の発展に寄与し
ていただきたいと願っております。
④ 今後の建設計画は学内駐車場の確保に伴うグラウ
ンドの移転計画、クラブハウスの建設、動物実験棟の
建設、高齢者複合施設(いわゆるサ高住)の建設などを
予定しております。その後、基礎・臨床研究棟、図書
館、本部棟など全学的な解体・新築を計画しておりま
す。予定としては創立 50 周年までには全工程を終え新
しいキャンパスでお祝いしたいものと考えております。
4. 管理運営面について
入学志願者の確保や新しい人事制度の策定があり、
それぞれの部署が中心となり努力しておりますが、今
後ともさらなる広報活動や制度の推進をお願いいたし
ます。
最後に寄付金募集事業の強化についてお話させてい
ただきます。
本学は私立大学でありますので、寄付金の確保は大
学の運営上非常に重要なことです。そこで昨年から寄
付金の募集方法を検討してきました。本学の教職員の
方々はじめ、卒業生を含めた多くの方々から幅広くご
支援いただけるよう、寄付金の額や納入方法を新しく
追加しました。これにより皆さんにあまり負担のかか
らないような形で大学経営にご協力いただけるように
なりました。改めてご案内いたしますのでよろしくお
4
以上、新年にあたってご挨拶を申しあげました。あ
りがとうございました。
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金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
年頭挨拶
魅力ある大学を目指して
学 長 勝 田 省 吾
皆様あけましておめでとうございます。皆様におか
の重い心疾患に対して、小児科と小児心臓外科の先生
れましては新たな気持ちで、新春を迎えられたことと
の高度な診断と手術によって尊い生命が救われました。
思います。新しい年が大学にとっても、また私たちに
また、本学病院に低酸素脳症で入院した男児がご家族
とっても良い年であることを心から願っております。
の尊い善意を受け、臓器移植法に基づく脳死判定と臓
昨年もいろいろなことがありましたが、竹越理事長
器摘出が行われました。東北大学病院や国立成育医療
の下、本学職員が力を合わせて次の 50 周年に向けて一
研究センターなどで移植が行われ、長い間移植を待た
つひとつハードルを乗り越えてきたように思います。
れた患者様の命が救われました。最先端医療を担う大
改めて、皆様に心よりお礼申し上げます。
学病院の社会的使命を果たし、本学病院の名誉を一層
少 し、 昨 年 を 振 り 返 っ て み ま す と、 先 ず 第 109 回
高められた松本病院長をはじめ、病院のスタッフの皆
医師国家試験において新卒者の合格率は過去 2 番目の
様に深い敬意と感謝の意を表します。学生諸君や研修
93.8%、全体で 88.2% でした。看護学部においては、看
医も本学病院を誇りに思ってくれたものと思います。
護師国家試験は 98.5% で残念ながら 5 年連続 100% は達
昨年、学校教育法の一部改正が行われ、4 月 1 日から施
成できませんでしたが、助産師は 5 年連続、保健師は 3
行されました。改正の主な点は、①学長のリーダーシッ
年連続 100% を達成してくれました。医学部志願者も過
プの強化と副学長の権限強化、②教授会の役割の明確
去最高の 3,901 名となりました。これも本学が受験生、
化です。学長は理事長、理事会から委任されている業
ご父兄、社会から支持と信頼を得ている証であり嬉し
務について最終決定権を持ち、教職員に対して指揮命
く思っております。
令権を有することが法的に示されました。また、教授
現在、看護職者に求められる役割も多様化、複雑化
しております。このような変化に対応するために、高
会は教育研究に関する専門性に基づいて、教育研究の
事項を審議する審議機関であることを明確にしました。
度看護専門職者および看護学教育者の育成を目的とし
私自身、新しい学校教育法の下で、まだ手探りの状
た大学院看護学研究科修士課程が昨年 4 月からスター
態で仕事をしておりますが、今、学長として力を入れ
トしました。定員 6 名に対して 7 名が第 1 期生として入
ていることの 1 つが医学部の講座主任の選考でござい
学し、順調に歩み出しました。今後、医学研究科と共
ます。講座主任の選考は本学の将来にとって極めて重
に本学の建学の理念である良き医療人の育成に貢献す
要であり、学校教育法の改正に伴って、講座主任選考
るものと期待しております。
に学長が大きな権限と共に責任も課せられることにな
また、昨年 7 月に本学の学術・研究の進歩・発展に
りました。新しい選考規程によって既に 2 名の講座主
大きな役割を果たしてきました金沢医科大学医学会の
任が決定され、5 名の選考が進行中であります。新しく
40 周年記念式典が行われました。40 周年という節目を
選ばれる講座主任の先生方には教育・研究・診療面で
契機として、金沢医科大学医学会が次の 10 年後の評価
十分に責任を果たされ、本学の発展に大きく貢献され
を十分意識して一段と飛躍するよう努めていかなけれ
ることを心から願っております。
ばなりません。今回、医学会 40 周年を記念して新たに
学長に大きな権限が与えられましたが、これからも
医学会賞が創設されました。近い将来、本学研究者の
皆様と共に目標に向かって力強く歩んで行きたいと考
論文が Nature や Science など世界最高峰の科学雑誌に
えております。
掲載され、研究成果が世界に発信されるものと確信し
ております。
皆様もご存知のように昨年 12 月に本学病院で先天性
さらなる発展に向かって
平成 20 年から全国の医学部の入学定員が増え始め、
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金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
平成 28 年度の入学定員は 9,262 名で、これまでに 1,637
理的・科学的思考能力、5. 知的好奇心と自己開発への
名増えております。さらに、医学部が 1 つ新設される
意欲を身につけるために新しいプログラムがスタート
予定になっております。また、18 歳人口が平成 24 年か
しました。この新しい教育プログラムを含む初年次教
ら 120 万人の状態で横ばいになっておりますが、平成
育が第 2 学年以降の基礎医学、臨床医学そして臨床実
30 年になりますと減り始めるなど私立医科大学を取り
習を学び続ける力の土台となることを期待しておりま
巻く環境はますます厳しくなることが予想されており
す。
ます。
今、医学教育において医療のグローバル化によって
皆様もご存知のように国家試験の合格率をはじめい
教育の質が国際的に問われる時代になり、我が国の医
ろいろな指標によって大学のランク付けが進んでおり
学教育は学習成果基盤型教育と国際基準の 2 つのキー
ます。私立医科大学ではこのランキングによって大学
ワードのもと、大きく変わろうとしています。昨年、
を志望してくる学生の質、数が大きく変わり、最終的
日本医学教育評価機構が設立され、医学教育分野別認
には大学の教育、研究の在り方、将来に大きく影響い
証評価の本格的な審査が始まります。平成 35 年まで
たします。
に我が国 80 大学の医学部全てが受審することになりま
最近、本学のランキングが上がってきておりますが
す。本学も国試対策と連動した学習成果基盤型教育と
今後、私立医科大学 29 校の中で上位グループを目指し
診療参加型臨床実習を中心に医学教育の国際基準を満
てランキングを上げなければなりません。そのために
たすカリキュラムの検討に入っており、平成 30 年度の
は高い国家試験の合格率に加えて、特色ある大学づく
受審を目指しております。これを機会に一層の医学教
りが必要不可欠であります。若い学生諸君が金沢医科
育の質保証、そして医療の質保証に努めていかなけれ
大学で学びたい、そして本学で研究や診療に励みたい
ばなりません。
と思うような魅力ある大学を創らなければなりません。
次に国試対策について述べます。私は過去 5 年間の
そして、卒業生の皆さんが「金沢医科大学で学んで本当
国試成績において、本学にとって新卒の合格率が過去
に良かった」と心から思える大学を目指したいと思って
最高の 95.2% と過去 15 年間で最低の 74% を経験しまし
おります。
た。国家試験の成績は第 6 学年の学生一人ひとりの能
私はこれまで 5 度の年頭挨拶で、本学の最重要課題
力に加えて多くの要素が合わさって変動します。また、
は 6 年間の医学教育の質の保証とその教育の成果とし
国試の成績は気を許すと厳しい結果をもたらします。
ての医師国家試験の合格者数と合格率を毎年高い水
教職員、学生全てが気を引き締めて、弛まぬ努力を続
準に維持することであると申し上げてきました。私は
けなければなりません。これまで、今の 6 年生と教職
このことは今後とも変わらない、変えてはならないと
員一丸となって、ゴールに向かって走ってきましたが、
思っております。もう一つの重要課題は研究の活性化
6 年生は昨日まで年末年始強化合宿を行い、最後の追い
であると考えております。これから教育と研究につい
込みに入っております。国試合格に必要な実力が身に
ての私の思いを少し述べてみたいと思います。
つくことを心から願っております。
医学教育と国試対策
本学の建学の理念である「人間性豊かな良医の育成」
国試の成績が良い年に共通しているのはクラスとし
てまとまりが良く、お互いに協力して教え学び合い、
国試合格に向けて強い団結力があることです。学生同
において重要なことは、明確な教育理念を基にした教
士の支援学習は精神的支えも含めて大きな力となりま
育目標を持つことであります。本学の教育目標は、医
す。クラスのまとまりを良くするためには、できるだ
師となるのに相応しい人間的ならびに学術的、職業的
け低学年の時からクラスをまとめるリーダー達を育て
基盤をつくり、医師国家試験に合格できる学力と臨床
ることもこれからの課題だと思っております。
力を修得することであります。良医の育成と高い国試
合格率を両立させるためには、6 年一貫教育の中で学生
達が各学年で学ぶべきことを確実に修得し、着実に成
長できる教育に努めなければなりません。
私は第 1 学年の初年次教育が 6 年間の学部教育の土台
看護学部の課題
全国的に看護学部の新設が相次いでおり、ここ 2、3
年のうちに北陸 3 県でも 3 校が新設される予定です。今
後ますます学生募集が困難になることが予想されます。
になると考え、これまで一般教育機構の先生方と教育
優秀な学生を安定して確保するため、平成 29 年度入試
の改善・充実に努めてまいりました。そして、今年度
より「指定校推薦入試制度」を導入することにいたしま
から学生達が 1. 豊かな人間性と多様な考え方、2. 主体
したが、これからも計画的に対策を進める必要があり
性と自己管理能力、3. コミュニケーション能力、4. 論
ます。最も重要なことは本学看護学部に魅力があるこ
6
序
とであり、他大学にない強みをいくつか持つことであ
ると考えております。
研究の活性化
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
さて、今年は申年です。干支は 60 年ぶりの丙申(ひ
のえさる)です。丙(ひのえ)の字は形が明らかになって
くる頃という意味があります。申(さる)の字は果実が成
熟していって、固まっていく状態を表しています。従っ
医科大学にとって研究の重要性は言うまでもありませ
て、丙申の今年は頑張ってきた人の努力が形になってい
ん。大学は「知的好奇心で研究する」という姿勢がベー
く年です。皆さん、丙申の今年、本学の教職員一同自
スにあり、多くの教員が特色ある研究に取り組み、大
分の場所に誇りを持ち、教職協働で一生懸命努力して
学全体にアカデミックな雰囲気が漂っていることが大
実りある年にしましょう。
切です。研究は論文の質や数、外部資金の獲得、特許
日々充実した良い仕事は、幸せな家庭があってこそ
などで評価されるのは当然ですが、私は「研究する行為」
できます。また、組織はそこで仕事をする人たちが幸
そのものがとても重要であると思っております。研究
せであるように努めなければなりません。
を通して論理的思考能力や判断力、集中力などが育ま
れ、新しいものを創造する心が生まれます。この資質
は臨床医としても、教育・研究者としても欠くことの
皆様のご健勝とご多幸を心から祈念いたしまして、
年頭の挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。
できない大切なものです。そのような意味で研究の活
性化は良医の育成や本学の将来を担う人材育成のため
にも必要不可欠であります。
竹越理事長に 1 億円用意していただき、平成 24 年 1 月
からスタートした研究推進事業が 3 年間の研究期間を
終え、その成果がまとめられました。本事業によって
これまでに英文論文 46 編が公表され、一定の成果が得
られたものの若手研究者の育成があまり進んでいない
ことが浮き彫りになりました。最近、大学院の学位論
文の半数以上が英文論文であり、嬉しく思っておりま
すが、大学院の今後一層の充実を願っております。また、
各教室の講座主任には、研究指導体制の強化に一層努
力されるようお願いいたします。
研究活性化のもう一つのポイントは総合医学研究所
です。研究の活性化に最も重要なことは優れた研究者
が集まっていることであり、西尾所長を中心に優れた
人材の獲得に努力していただいております。近い将来、
総合医学研究所が本学の研究の中核となり、多くの研
究成果が挙がることを期待しております。
最後に、特定機能病院承認要件の改正への対応につ
いて述べたいと思います。従来の承認要件が改正され、
研究面で英文論文のみが評価されることになり、病院
所属の教員・医師等が筆頭著者として発表した英文論
文の数が年間 70 件以上求められることになりました。
大学病院として特定機能病院の認定を受けることは必
須であり、昨年 5 月より英文論文作成のための対策委
員会を立ち上げ、学長補佐の神田先生に委員長をお願
いし、承認要件を安定的に満たす方策を考えていただ
いております。大学病院には、明日の新しい診断、新
しい治療の創出と人材育成という大切な使命がありま
す。大学全体の質向上にもつながるので、本学の臨床
系と基礎系の先生方には連携・協力し目標を達成でき
るように、ぜひよろしくお願いいたします。
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金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
年頭挨拶
平成 28 年への抱負
病院長 松 本 忠 美
新年あけましておめでとうございます。
が、当院は両方共に 55%∼ 60%くらいを保っており、
今年は雪もなく、おだやかな年末年始となり、雪か
地域開業医や病院の先生方と病病連携や病診連携が良
きもなく皆様には十分休養になったものと思います。
好に保たれていると思います。
さて、平成 27 年を振り返ってみますと、フランスな
病院におきましては、昨年の 4 月より、夜間勤務の
ど世界のあちこちにテロ事件が起こり、また、茨城の
ある職員を週休 2 日(4 週 8 休)にしたところ、看護師を
豪雨災害などがありました。一方良い話では、今年も
83 名採用することができました。今年もすでに 87 名の
2 人の日本の先生(医学・生理学賞の大村 智氏、物理学
看護師の採用が内定しております。今年の 4 月からは、
賞の梶田隆章氏)がノーベル賞を受賞されました。2 年
看護師不足も解消され保険上の特定加算も取れること
連続で複数のノーベル賞受賞者が出たことは、我々日
になるでしょう。
本人としては大変喜ばしいことだと思います。また、
6 月より、手術支援ロボット“ダビンチ”の運用が始
昨年の春には北陸新幹線が開業し、金沢全体が大いに
まり、泌尿器科を中心に手術が行われております。今
活気づきました。東京駅まで 2 時間半で行けるので大
後ますます臨床応用が広がることを期待しております。
変便利になりました。
また、最近注目されている再生医療にも取り組み始め
平成 27 年の金沢医科大学病院を振り返ってみますと
ておりまして、待望の再生医療センターが今年の 3 月
外来診療部門の一部、リハビリテーション部、臨床検
に完成し、病院に併設される予定になっております。
査部、病理部、薬剤部などが医学教育棟で 1 年を過ご
今後、最先端の再生医療の研究が進むものと考えます。
しました。そして、13 階建ての旧入院病棟、旧外来棟
平成 11 年に整形外科の教授になって以来 17 年間私の
が解体されました。今年、この跡地には新しい吹き抜
部屋の壁に次の 5 カ条の診療心得を作って貼り、いつ
け 3 階のエントランスがある中央診療棟が建設されま
も自分自身や医局員へのいましめとしております。
す。この棟の 4 階には 600 人収容できる新しいホールも
造られる予定です。これからは大学の入学式や卒業式
1. 医師であることに誇りを持ちなさい。しかし高慢
になってはならない。
はここで行われることになるでしょう。現在は、仮の
2. 患者を自分の肉親だと思い、大切にしなさい。
場所で外来受付を行っておりますので、少し手狭で患
3. 日頃より、良識ある医療を行いなさい。
者さんにはご不便をおかけしていると思います。なん
4. 優れた臨床医は自分が何を知らないかを知ってい
と外来患者数が減少と思いきや、むしろ喜ばしいこと
に外来患者数が増えております。
医療行政においては、群馬大学や東京女子医科大学
での医療事故などで医療安全に対する意識が高まり、
厚生労働省は、全国 86 大学病院の立ち入り調査を行い
ました。本学病院にも昨年 8 月 19 日に立ち入り調査が
行われ、小生も 4 時間みっちり聞き取り調査を受けま
した。その結果をふまえて、病院内の全ての死亡例を
医療安全部に報告する制度や、都道府県単位の事故調
査制度がスタートしております。
また、特定機能病院(大学病院)においては、紹介率、
逆紹介率ともに 50%以上であることが必要となります
8
る。
5. あなたの診療には、多くの縁の下の力持ちの人た
ちがいる。
これはすべての病院の職員の方々にも参考になると
思います。
今年も一年、皆様方の御協力の程どうかよろしくお
願い申し上げます。
序
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
年頭挨拶
平成 28 年の年頭にあたって
金沢医科大学氷見市民病院 CEO 髙 島 茂 樹
皆さん、あけましておめでとうございます。今年も
よろしくお願いいたします。
今年は、エルニーニョ現象の影響で、厳しい寒波の
びはほとんど期待されないことが明らかになっており、
これまで以上に厳しいことが想定されます。
今年の国の予算は 96 兆 7,218 億円というこれまでに
到来もない、例年になく暖かな恵まれた天気の中で、
ない大きなものになり、その中でも医療の予算は 11 兆
おだやかに正月を迎えられたことと思います。
5,438 億円と、年々増加の一途をたどっています。その
新年を迎えるにあたり、皆さんはそれぞれ今年 1 年
ため、国としては医療費を抑制する政策をとらざるを
にかける希望や願い、また目標を定め、心新たにされ
得ない現状にあり、今盛んに言われている「地域創生」
たことと思います。
の観点からも地域医療はどうあるべきか、また本院の
昨年は、世界的に特に欧米を中心にテロの恐怖にさ
らされた年であり、世界全体が民族問題や宗教問題、
果たす役割は何かをゆっくり考えてみるべき時期に来
ていると考えます。
さらには貧困がクローズアップされた年だったように
ところで、
「2025 年問題」と言われているように 2025
思います。また、我が国では国の大きな政策転換であ
年には団塊の世代の人たちが 75 歳以上の後期高齢者に
る安保関連法案の制定や、鬼怒川の大洪水、大手建設
なります。同時に、これ以降の人口動態を推測してみ
業者の不正などが話題を呼んだ年でした。一方、北陸
ると、高齢者が増加しながら全体の人口は減少すると
や氷見を中心に考えますと、北陸新幹線の開業や能越
されています。
道氷見から七尾間の開通など、
「平成維新」と言われる
このような高齢者社会が到来する中で、本院が提供
ほど交通アクセスが非常に良くなった年でもありまし
する医療はどうあるべきか、また「地域のニーズに合っ
た。このようなことから、今年は穏やかで対立のない
た医療とは何か」、
「医療格差をなくすためどうすれば
平和な年であってほしいと心から願っております。
良いのか」など、真剣に考える必要があります。大学附
ところで病院は、金沢医科大学が指定管理者となっ
属病院として、先進的な急性期医療の提供を軸に、住
て 9 年目を迎えることとなります。この 8 年間で開設当
民の病気に対する予防およびリハビリテーションを用
初の厳しい状況を知っている職員は少なくなっていま
いた早期社会復帰を実践するとともに、氷見という地
すが、これまで右肩上がりに病院の実績が向上し続け
域医療の中で介護と医療を結び付ける地域包括システ
てきたことは、先人を含め皆さんの努力と協力の賜物
ムを確立する必要があります。そのためには病病・病
だと感謝しています。ただ、ここ 2 年近く、右肩上が
診連携だけでなく、全ての地域の医療関係者と緊密な
りが止まり、横ばい状態が続いていることから、現状
連携を図り、情報の共有に心掛けることが極めて重要
を打破するための新たな施策が必要と考えます。また
になると考えます。同時に、かかりつけ医と連携した
運営面では、大学が管理運営を任されてはいますが、
在宅医療に対する配慮も病院として必要であります。
PET-CT や放射線治療装置であるリニアックを備えた
このような観点から、これまで以上に地域医療連携部
がんセンターの開設、また内科外来部門の拡充など積
の役割は非常に大きく、人員配置を含め充実させてい
極的な資本投資を含め、いろいろな点で市の許可を得
く必要があります。
なければならない不自由さがあり、行き詰まりを感じ
させる点も多くなっています。市との交渉とともに、
さらなる支援がこれからの大きな課題と言えます。
病院経営の面では、来年は消費税が 8% から 10% に増
税されること、今年 4 月の診療報酬の改定でもその伸
次に、昨年の年頭でも申し上げましたが、私は「良い
病院」とは
1 ) 患者さんが安心して頼れる病院であること
2 ) 職員にとっても働きやすい、働きがいのあるプラ
イドの持てる病院であること
9
序
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
3 ) 良い地域社会を作ることに貢献できる病院である
こと
この 3 点を考えています。
1 番目の患者さんに安心して頼られるには、医療レベ
ルの向上と同時に職員全員が「減私奉公」の気持ちで、
患者さんにいかに気配りをしながら尽くすことができ
るかどうかにかかっています。
2 番目の職員にとっても良い病院とは、風通しが良く
それぞれの職場の人間関係の中でお互いどれだけ気配
りしながらより良い関係を築き、毎日楽しく働ける病
院であるかであります。
3 番目は患者さんや職員だけでなく、氷見の地域性を
考えた場合、市民講座や健康づくり教室、さらには親
子ふれあいフェスティバルなどを通して、地域全体と
して医療レベルの向上を図り、維持していくことも病
院の役割であると考えます。
最後になりますが、病院を運営する者として今まで
以上に地域医療・介護を密接に結び付けながら地域の
発展を図るとともに、行政と医療関係者が連携してい
けるよう努力したいと考えています。
これからの医療は「病気を治す」だけでなく、患者さ
んをいかに早く「平生の生活に戻す」か、さらにそれを
見届けるまでフォローできるかが極めて重要になるこ
とを言い添えて終わりにします。
今年も皆さんのご支援とご協力をお願いして年頭の
挨拶とします。
10
序
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
年頭挨拶
地域医療の中心的病院であることを目指して
金沢医科大学氷見市民病院病院長 齋 藤 人 志
皆さん、あけましておめでとうございます。今年の
冬は気温が 10 度を超える日が続き、大変過ごしやすい
年末、年始ではなかったでしょうか。その反面、暖冬
だと困ることもあり、氷見のブランドであります寒ブ
リが全くと言っていいほど揚がらず、氷見の漁業協同
組合も困り果てている次第でございます。
頭の挨拶とさせていただきますのでよろしくお願い申
し上げます。
1. 昨年の主な事業概要について
1 )診療体制、医療スタッフに関しては、4 月に研修
医 1 名、看護師 21 名、言語聴覚士 1 名、放射線技師 1 名、
さて皆様方には穏やかな気持ちで新しい年を迎えら
理学療法士 2 名、社会福祉士 1 名、視能訓練士 1 名の合
れたのではないかと思います。
「1 年の計は元旦にあり」
計 27 名が採用されました。また、7 対 1 看護施設基準の
ということで、皆さんにはそれぞれ今年 1 年の計画や目
安定した運用については、平均在院日数 18 日以内およ
標を定められたことと思いますが、当院は金沢医科大
び看護重症度 15% 以上の維持が重要となりますが、これ
学が指定管理者になって今年で 9 年目を迎えます。管
は皆さんの協力により維持しております。回復期リハビ
理運営をするようになってあっという間に 8 年間が経
リテーション病棟の 42 床の体制での維持、入院患者に
過しました。医療の現場では、一昨年の 4 月から消費
退院支援システムの運用、クリニカルパスの見直しと増
税の引き上げ、保険点数の改定、さらに厚労省の政策
加により現在 30 パス運用、病院ホームページの全面リ
で急性期病床の大幅削減を目的に医療保険制度が大き
ニューアル等が挙げられます。
く変わったことにより、一昨年より昨年とますます病
2 )教育研修については、初期臨床研修、昨年研修医
院運営が厳しい状況に追いやられております。と申し
は 2 名です。採用定員は 6 名ですが、2 名で頑張ってお
ましても患者さんには良い医療を提供し、患者さん中
ります。また、基幹型臨床研修病院として地域医療研
心の医療を展開しなければならないことは当然のこと
修医の受入れがあります。現在、新専門医制度の導入
であります。私は病院のスタッフが一丸となって患者
の準備を進めております。臨床実習の受入れについて
さんに優しい病院づくりに励んでくれることを期待し
は、金沢医科大学の医学部 5 年生が 2 ∼ 3 名ずつ当院に
ております。
「患者さんを愛せ」、
「スタッフを愛せ」、
「同
臨床実習のために来ており、これを継続していきます。
僚を愛せ」、
「職場を愛せ」の精神で優しく思いやりのあ
外部施設からの実習の受入れは消防署の救急隊、看護
る気持ちをスタッフ一人ひとりが持ち、なんと言って
実習、リハビリの実習などを受け入れています。
も「患者さんの権利を考慮した患者さん中心の医療を提
供すること」、
「安全で安心なチーム医療を提供できる
ように心がけること」、
「地域医療の中心となること」、
2. 平成 27 年度の診療実績について
今年度の診療実績の目標額は 55 億でしたが、11 月ま
そして「人の気持ちを思いやり全人的医療の提供に心が
での診療実績額は 34 億となっており、今年度はあと 3
けること」、
「職員同士もお互いに思いやる気持ちを忘
カ月残っていますので、目標に近づけるよう各診療科
れずに接することができる病院」などを常に心がけて業
の先生方と職員一丸となり頑張っていこうと思います
務にあたってくださったらとても素晴らしい病院にな
のでご協力の程お願いいたします。年度別患者数と診
るのではないかと思っておりますし、これが私の目指
療実績の推移については、平成 26 年度実績は 52 億であ
しているところの病院像であります。
り、なんとかこれに近づければと思っております。紹
さて、新年にあたり、まず昨年の主な事業内容を振
介と逆紹介の推移については、直近 3 カ月の紹介率が
り返り、さらに今年はどのような方策でいくかという
30%越えとなっていますが、平均では紹介率が 25.7%、
ことについて、皆さんにお話しさせていただき私の年
逆紹介は 11.5%となっています。地域の先生方のご協
11
序
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
力により紹介率が上昇しておりますので、今後はさら
してから始めたいと考えており、医師等の医療従事者
なる紹介率の向上を目指していきたいと思っておりま
の確保も必要であり、今後氷見市と支援体制を協議し
す。
て確立していきたいと思います。
3. 病院の運営および行事について
の建設、放射線治療装置、PET-CT を導入したいと考
病院中期事業計画については付属施設がんセンター
平成 27 年度に実施した主な行事に関しては、2 月 28
えています。同時に内科診察室の待合室、診察室の拡
日に北陸がんプロ市民講座を開講して日本体育大学の
張計画を同時に行いたいと思います。また、駐車場の
具志堅先生による講演がありました。5 月には健康づく
拡張工事、職員宿舎の建設も中期事業計画として考え
り教室を開講したこと、8 月には夏休み親子ふれあい医
ております。
療フェスティバルを実施したこと、10 月には地域医療
懇談会を開催したことなどが挙げられます。また、9 月
より氷見病診連携症例カンファレンスを毎月開催する
ことを再開しました。その他新入職員の入職式、新入
職員歓迎会、14 歳の挑戦、富山県原子力防災訓練など
も行いました。
4. 平成 28 年度医療収入実績目標と重点事業
について
1 )平成 28 年度の医療収入実績目標については、55 億
を目標額としました。そのためには各診療科で入院患
5. 病院職員に求める 6 つの意識について
最後に、病院職員に求める 6 つの意識について皆さ
んにお話ししたいと思います。
①経営参加の意識、②患者中心の行動、患者サービ
スの向上、③チームワークの推進・チーム医療の推進、
④自己研鑽の実施、⑤個人情報管理の徹底(患者情報、
職員情報)、⑥職員間の挨拶とマナーの向上です。以上
この 6 つを意識して仕事に専念していただきたいと思
います。チーム医療、チームワークで地域に貢献でき
る明るい病院づくりを目指していきたいと思います。
者を 1 カ月に 2 名増加すること、7 対 1 の施設基準の維
最後に、皆さんの今年 1 年のご健康とご多幸を祈念
持が必要となります。また、平成 28 年度 4 月には診療
して私からの新年の挨拶とさせていただきます。今年
報酬改定があり病院収支がさらに厳しくなる状況が考
もどうぞよろしくお願い申し上げます。
えられ、そのためにも患者数の増加は不可欠でありま
す。また、経費削減の推進としては後発医薬品の採用、
医療材料の見直し、保守契約等の見直しなどが挙げら
れます。
2 )平成 28 年度の重点事業としては、医療収入増加対
策事業の推進として、患者数の増加対策と施設基準の
取得が挙げられます。続いて、診療体制の充実として
産婦人科、救急科、リハビリテーション科の常勤医師
の確保や看護師・薬剤師の医療スタッフ確保並びに医
療機器の整備などが挙げられます。一方、経費削減に
ついては薬剤部を中心に後発医薬品の採用を増やすこ
と、医療機器等の保守契約の内容見直しなどがありま
す。また、臨床研修医の確保と研修プログラムの充実
については、現在の新専門医制度の導入準備をしてい
ますが、かなり厳しい条件となっています。さらに地
域医療連携と地域貢献事業の推進をしたいと考えてお
ります。また、氷見市との交渉になりますが、がんセ
ンター建設の計画、放射線治療機器及び PET-CT を導
入したいと考えております。PET-CT が導入されれば、
がん治療や健康管理センターの予防医学にも役立つと
同時に診療収入も確保できるため推進したいと考えて
おります。また、職員宿舎の建設、医師住宅や看護師
宿舎を整備していきたいとも考えております。産科の
開設については現施設では不十分なため、施設を充実
12
トピックス
Topics
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
医学部医学科のディプロマポリシー(学位授与方針)
アウトカム基盤型の明確な基準の制定を
医学部長 横山 仁
全国の大学医学部では学生の学士課程教育に関して 3 つの基準、すなわち、①入学者受入の方針(アドミッション
ポリシー)、②教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー)、③学位授与の方針(ディプロマポリシー)を明
確に定めておくことが求められています。
本学ではすでにこの 3 つの方針の大要は金沢医科大学概要やホームページで公開していますが、本学医学部での
教育における卒業時のアウトカム(成果)の評価基準をディプロマポリシーとしてその内容を明示することが求めら
れています。これは、国内の全医学部が 2023 年までに受審することになる第三者による「医学教育分野別評価」に
おいて求められているものです。
以上の理由から、本学医学部医学科におけるディプロマポリシーを下記のとおり刷新し、制定いたしました。
関係の教職員および医学部学生におかれては、教育・指導の際の指針となりますので、ご承知おきくださるよう
お願いいたします。
金沢医科大学医学部医学科のディプロマポリシー(学位授与方針) 金沢医科大学医学部医学科では、本学の建学の精神である「良医を育てる」
、
「知識と技術をきわめる」、
「社会に貢
献する」を 3 つの柱として、病だけではなく、病を患う人をみる医師を育成します。
医学部学生は、卒業時に以下を身につけていることを「学士(医学)の学位授与の条件」とします。
Ⅰ . 患者中心・コミュニケーション・チーム医療
1. 患者中心の安全な医療を実践できる。
2. 利他的な態度で、患者を尊重した医療に取り組める。
3. 患者に関わる身体的・精神的・社会的背景や問題を包括的に理解し、コミュニケーションに生かせる。
4. 医療チームの役割を理解し、各チームメンバーを尊重し、コミュニケーションを図れる。
5. プライマリ・ケアと専門医療の役割分担を理解し、適切に該当部門・機関と連携を図れる。
Ⅱ . 医学知識と技術
1. 医学・医療に活用できる幅広い知識を身につける。
2. 基本的診療手技を身につけ、診療できる。
3. 最新の情報を、適切に収集・選択して活用できる。
Ⅲ . 豊かな人間性と倫理観
1. 医師としてのプロフェッショナリズムを自覚し、思いやりをもって責任のある医療を行える。
2. 倫理的問題を理解し、医療人として最善の行動選択ができる。
3. 個人間・性差・家族間・地域間・諸文化圏・国際社会における多様性を理解できる。
Ⅳ . 生涯学習
1. 自己主導型学習能力を身につけ、常に自己の向上を図れる。
Ⅴ . 地域医療・社会貢献
1. 地域医療に参画し、プライマリ・ヘルス・ケアを実践できる。
2. 保健・医療・福祉に関わる社会資源を把握し、活用できる。
3. 医療制度・医療経済に対して問題意識を持ち、考察できる。
Ⅵ . 科学的態度・探究心
1. 科学的理論と方法論を理解できる。
2. 科学的問題に興味を持ち、論理的・批判的に考え、調査や研究に取り組める。
3. 調査や研究の成果を論理的文書として発信できる。
13
トピックス
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
臨床実習の潮流
Topics
Longitudinal Integrated Clerkship(LIC )
地域医療、地方創生を地域基盤型医学教育からアプローチする
医学教育学講師 高村 昭輝
ここ数年、日本各地の大学に寄附講座も含め、地域
医療学講座が数多く設置されるようになった。このこ
と自体は歓迎すべきことだが、
“地域医療ブーム”に乗っ
ただけの“見せかけの”地域医療学講座は、早晩に姿を
消していってしまう恐れがある。教育リソースを確立
し、地域医療重視の動きを一過性のブームで終わらせ
ないためには何が必要か、諸外国の取り組みを紹介し
て考えてみたい。
地域における長期臨床実習(LIC )が世界的潮流に
「患者中心の医療」が叫ばれる今、医学生・研修医
には、知識のみに偏らない、医師としての基本的な臨
床能力を身につけ、社会的責任を果たすことが求めら
れる。それにより広がりつつあるのが、どのような医
師を目指すべきか、到達目標を明確にして評価を行
だけの十分な期間、地域に密着した研修を行う。大学
う ア ウ ト カ ム 基 盤 型 医 学 教 育(OBE: Outcom-Based
病院など 3 次医療機関の研修での課題として、各専門
Education )である 1 )。また、地域医療教育において
部門を短期間でローテーションしながら学ぶことにな
は、3 次医療機関や大規模な 2 次医療機関以外の“プラ
り「患者中心の医療」よりも「疾患中心の医療」になりが
イマリ・ケア”の現場で行われる、地域基盤型医学教
ちであること、また未診断の患者との出会いの少なさ、
育が重視されつつある。そうした医学教育の潮流に
臨床手技を体験できる機会の少なさや多職種・患者と
即し、1970 年代に米国ミネソタ大学で始まったのが、
のコミュニケーションの乏しさ、学生には高度すぎる
Longitudinal Integrated Clerkship(LIC )と呼ばれる
医療内容から参加型になりにくいことなどが指摘され
実習方法である。
てきた。
LIC のキーワードは、包括性と継続性である 2 )。具
体的には、医学生が
また、White らによれば、地域で発生した何らかの
健康問題を持つ人が、最終的に大学病院レベルの病院
1)患者さんのすべての治療経過を通して包括的な医療に参
加すること
2)患者さんにかかわるすべての医療者との関係を継続的に
長期地域臨床実習の概念図
学んでいくこと
継続的に医療者と
学習する環境を
維持している
3)さまざまな専門分野を同時に経験することを通して、基
本的診療能力を身につけていくこと
の 3 要件を教育の大きな柱とし、これらを実現できる
高村昭輝講師
1998 年富山医科薬科大学医学部卒,同年石川勤労者医療協
会城北病院総合内科。2000 年より同病院小児科。2008 年豪州
フリンダース大学教育学修士(臨床医学教育・認知心理学)修
了。2009 年より同大学の Rural Clinical School に教員として
勤務。ラオス,タジキスタンなど発展途上国での JICA 専門
家としての活動を経て,2012 年より三重大学医学部伊賀地域
医療学講座講師。2014 年より現職。
14
包括的に患者の
ケアに継続的に
関わっている
同時に他分野で
主たるコア能力を
経験する
臨床教育の
核
トピックス
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
に受診する割合はわずか約 0.1%に留まると言い 3 )、日
が PRCC を選択するカリキュラムを選ぶようになってい
本からも Fukui らがほぼ同様の数値を報告している 4 )。
る。なおこの功績を評価され、Worley 教授は豪州で初
つまり、健康問題を持つ人の 0.1%しか受診することが
めて、へき地の一総合診療医から国立大学の教授となっ
ない場所での研修よりも、地域の病院で教育するほう
た。
が基本的診療能力をより身につけられると考えられる。
さらに、社会の高齢化が進むなか、複数の疾患を横断
受け入れ側の「負担」から「戦力」へと変わるのはいつか
これらのことから、地域医療教育においては、①多
的に、かつ外来から入院、最期のときまで縦断的に診
くの地域医療機関で、②専門科ローテートではない、複数
続ける継続的な実習の重要性も高まっている。
科同時進行型の、③できるだけ長期間の、地域医療実習
地域の病院で、さまざまな分野を同時並行かつ継続
を行うことが、医学生や研修医の教育上も、また地域
的に学んでいく LIC は、従来の実習の欠点を補い、上
にとっての将来の労働力確保という観点からも、有効
記のようなニーズに応える方法として、1990 年代には
と考えられる。
豪州、カナダ、南アフリカにも波及した 5 )。LIC の実
ただ、こうした長期にわたる地域医療実習を実現
習を経験した学生は、コモンな愁訴・疾患の経験数増や
するうえで、障壁となるのが受け入れる側の負担だろ
基本的な臨床能力の向上はもちろんのこと、患者とのコ
う。現在、日本の医学部では長くても 1 カ月程度の地
ミュニケーションスキルの向上、ケアへの熱意が高まる
域医療実習がほとんどであり、もし時間が確保できた
といった傾向が見られ、学業成績自体も向上するという
としても、1 年間など無理と思うかもしれない。しか
結果が示されており 6 )、現在ではハーバード医学校をは
し、Worley ら 9 )は、5 カ月間の実習で、学生が受け入
じめとし、世界で 50 以上の医学部がカリキュラムとし
れ側の少なくとも財政的に役に立っている=診療に役
て採用している。
立っていることを報告している。例えば、1 カ月の実習
将来のへき地医療の労働力確保にも有効
では負担になるだけでも、5 カ月あるいはそれ以上の期
LIC の教育的効果は前述したとおりだが、それとは
間、実習を継続することで学生が医療機関にとって戦
別に、将来の労働力が増える可能性を示唆した報告が、
力となるまでに成長するターニングポイントが生まれ、
筆者が留学し、その後、教員としても働いていた豪州・
指導者にとって日常診療の助けになる可能性があるの
フリンダース大学から示されている。
だ。現在、日本の各大学が地域での臨床実習を導入し
フ リ ン ダ ー ス 大 で は、1990 年 代 に Parallel Rural
始めている。しかし、その期間は非常に短く、長い大
Community Curriculum(PRCC )が開始された。これ
学でも継続的という観点では 4 週間程度に留まってい
は前述の LIC の一つで、医学生がへき地に 1 年間住み、
る。受け入れ側に対するインセンティブも学生を依頼
総合診療医(GP )のもとで実習を行うカリキュラムで
しにくい一つの要因となっている。インセンティブに
ある。
関しては将来的によい臨床教育環境を提供すれば人材
広大な国土を持つ豪州は、人の少ない内陸部にも農
業、鉱業などの重要な産業があり、それらの産業に従
事する人々の健康問題の解決は、国としての重点課題
確保につながることを理解していただき、未来への投
資と考えていただければよいであろう。
石川県でも南加賀、奥能登の医療人材不足は顕著で
となっている。PRCC は、教育学的アプローチを用いて、
ある。これは石川県だけではなく、日本各地で起こっ
そうした不便な土地で働いてくれる医療者を増やせな
ている問題であり、地域医療を担う人材育成は国家的
いか、という考えの下に生まれた実習方法である。
な課題でもある。大学病院という最新、最先端医療を
この PRCC の導入を推進したのは、もともとへき地
行う地域医療の最後の砦としての機能を考えると、実
の総合診療医で、現在、フリンダース大の医学部長を
践的な学生の参加型実習を行うことは現実的には非常
務める P. Worley 教授である。当時の豪州の医学教育も、
に難しい。ただ、学生は大学病院が担っている役割を
専門科のローテートが主流だったが、まず少数のボラ
しっかりと把握することもまた、重要である。大学病
ンティア医学生からパイロット的に 1 年間の長期地域
院が教育で果たす役割、地域の病院が教育で果たす役
医療実習を導入した。PRCC を履修した学生の学業成
割はどちらが正しい、どちらが間違っている、ではな
績が、大学病院をローテートした学生に比べて勝って
く、まさしく役割が違うということを認識しなくては
いること 7 )、さらに PRCC を修了した学生のその後の
いけないだろう。そういう意味で、現代の日本におけ
進路調査で、へき地で臨床を行っている医師数が増え
る医学教育では地域の病院が果たすべき教育的役割が
ていること 8 )など、実習の成果を根拠として地道に示
まだ欠けていると言える。地域では純粋に医学的なこ
していくことで、徐々に PRCC を浸透させた。
とだけではない、例えば、地域からの医師へのニーズ
結果として現在、豪州の医学部のほとんどでへき地で
であったり、地域で健康保持・予防活動をしているた
の LIC が導入され、フリンダース大でも学生の半分以上
くさんの人たちの動きであったりが学べることも、過
15
トピックス
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
去の研究から示されている 6 )。大学病院での学び、地
ることを求められている。大学病院内での臨床実習は教
域医療機関での学びの両輪が揃うことが学生にとって
員の負担を考えると、これ以上増やすのは非常に困難で
のバラエティーに富んだ学びになると思われる。地域
あろう。であれば教育資源として残っているのでは地域
の住民にとっても医学教育に関わることで自分たちの
の医療機関ということになる。海外のやり方にすべて
思いを医学生に伝えることができるだろう。また、本
従う必要はないが、この潮流をうまく利用して長期的
学の学生は地域医療の担い手である医療機関の子弟が
な地域医療実習を導入できれば、日本の医学教育も一
多いことからも長期の地域基盤型の臨床実習を導入
気に国際標準レベルに到達できる可能性があると考え
し、Hands-on のことを学びたいという学生のニーズ
られる。
に応えるだけではなく、地域のニーズにも応えられ、 〈参考文献〉
日本の医学部のリーダーシップを取れる存在になって
1 )Harden JR, et al. Med Teach. 1999; 21(6 ): 546-52.
ほしいと、地域基盤型医学教育を学んだものとしては
思わざるを得ない。また、医学教育学講座、クリニカ
ルシミュレーションセンターとしては生涯教育という
観点でも地域医療人材を支えていきたいと考えており、
今後は過疎地域で奮闘する医療者の出張教育などの事
業プランも策定している。
現在、米国医師国家試験 USMLE の受験資格に関連し
て医学部の国際認証が議論されており、日本における医
学部の臨床実習の質や期間についても新たな枠組みの策
2 )コロラド大・Consortium of LIC のページ
http://www.ucdenver.edu/academics/colleges/
medicalschool/education/degree_programs/MDProgram/
administration/Documents/Brenda-BucklinNewLIC. pdf
3 )White KL, et al. The ecology of medical care. N Engl J
Med. 1961; 265: 885-92.
4 )Fukui T, et al. JMAJ. 2005; 48(4 ): 163–7.
5 )Ellaway R, et al. Med Teach. 2013; 35(12 ): 989-95.
6 )Walters L, et al. Med Educ. 2012; 46(11 ): 1028-41.
7 )Worley P, et al. BMJ. 2004; 328(7433 ): 207-9.
定が求められている。具体的には学生が積極的に参加で
8 )Worley P. MEDICC Rev. 2008 ; 10(4 ): 30-4.
きる臨床実習がカリキュラム内に取り込まれることが求
9 )Worley PS, et al. Rural Remote Health. 2001; 1(1 ): 83.
められ、また、臨床実習の期間自体も現状よりも長くす
16
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
学 事
医学部
平成 28 年度
推薦入学試験 終わる
◇推薦入学試験(公募制、指定校・指定地域)
校を石川県内全日制の普通科または理数科を有する高
等学校(高等専門学校を含む)37 校に拡大した。
推薦入学試験は平成 27 年 11 月 14 日(土)本学で行わ
公募制募集人員 20 名に対して全国から 136 名の出願
があり、指定校・指定地域募集人員 5 名に対しては 4 名
れた。
医学部の推薦入学試験制度は、目的意識を持ち個性
の出願があった。当日は志願者全員が「基礎学力テス
豊かで優秀な人材を見い出すことを目的として、昭和
ト」・「小論文」・「面接」の各試験に取り組んだ。
61 年度入学試験から実施されている。平成 21 年度から
公募制 21 名、指定校・指定地域 1 名、計 22 名の合格
指定校制(8 校)を、平成 22 年度からは指定地域(氷見
者を 11 月 19 日(木)午後 5 時に本部棟正面玄関ならびに
市)推薦入学試験を導入し、また平成 25 年度から指定
本学ホームページで公表した。
(入学センター)
医学部一般入学試験について :
一般入学試験は、第 1 次試験が平成 28 年 1 月 21 日(木)に本学を含む 7 会場(本学、東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、
福岡)で行われる。第 1 次試験合格者には第 2 次試験として、小論文、面接試験が平成 28 年 2 月 4 日(木)、2 月 5 日(金)
に本学において行われる。詳細については学報第 163 号 3 頁参照。
看護学部
平成 28 年度
編入学試験・推薦入学試験 終わる
◇編入学試験
平成 28 年度編入学試験は平成 27 年 9 月 12 日(土)本
学で行われた。募集人員 10 名に対して 3 名の出願があ
り、当日は欠席者 1 名を除く 2 名が「英文読解」・「小論
文」・「面接」の各試験に取り組んだ。
看護学部の編入学試験は、看護師免許または看護師
国家試験受験資格保有者を対象として、平成 21 年度か
ら実施されている。
合格者は 1 名で、9 月 17 日(木)午後 1 時に本部棟正面
◇推薦入学試験
平成 28 年度推薦入学試験は平成 27 年 11 月 15 日(日)
本学で行われた。
募集人員 20 名に対して 26 名の出願があり、全員が「基
礎学力テスト」・「小論文」・「面接」の各試験に取り組ん
だ。
合格者 18 名を 11 月 20 日(金)午後 1 時に本部棟正面
玄関ならびに本学ホームページで公表した。
(入学センター)
玄関ならびに本学ホームページで公表した。編入学試
験合格者は、3 年次編入となる。
看護学部一般入学試験について :
一般入学試験は平成 28 年 2 月 11 日(木・祝)に本学において行われる。詳細については本学ホームページおよび
学報第 163 号 5 頁参照。
17
学 事
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
新任教授紹介
医学部
石﨑 昌夫 教授
衛生学
平成 28 年 1 月 1 日付で衛生学教授を拝命いたしまし
た。石崎有信初代教授、能川浩二第 2 代教授、山田裕一
第 3 代教授のあとを受けて第 4 代の衛生学教授を務めさ
せていただきます。
私は金沢医科大学を卒業後に内科研修を経て、衛生
学教室に入りました。当時の教室では、能川教授が環
境中 Cd 暴露による健康障害について精力的に研究され
ており、WHO が Work-Related Disease(作業態様、作
業環境、作業条件などが病気発症・増悪に関与する)と
いう概念を提唱した時期であったため、衛生学教室で
も働く人の健康管理・増進に関する分野にも研究を広
げようとしていました。派手さはないがこれから伸び
る分野だと勧められたこともあり、産業医活動を通じ
て、労働環境と健康影響の関係を解明することに可能
性を感じて入局しました。この産業医活動では研究活
動を行うだけでなく、一般的な会社組織を理解し、良
好な対人関係づくりといった社会人としての常識を学
ぶことができたことで、人間的にも成長できたと思い
ます。
また、最近日本でも社会格差と健康格差の関係が注
目されていますが、当時公務員を対象に社会格差と健
康格差のデータを数多く発表していた、英国ロンドン
大学、疫学・公衆衛生学教室で学ばせていただく機会
も得ました。金沢医科大学以外のところでの修学経験
がなかった私にとってとても貴重な経験となりました。
これからも、労働環境(職業性ストレスや職種など)
とその健康影響を中心に研究し、その結果を社会に還
元することを模索し、またその意義を学生にも伝えて
いきたいと思います。
今後とも皆様のご指導を賜りますよう何卒よろしく
お願い申し上げます。
【略歴】
1981 年
1981 年
1986 年
1987 年
1989 年
1993 年
1997 年
3月
6月
3月
4月
7月
12 月
10 月
2001 年 5 月
2016 年 1 月
18
金沢医科大学卒業
金沢医科大学病院研修医
金沢医科大学大学院医学研究科修了
金沢医科大学健康管理科(衛生学併任)助手
金沢医科大学健康管理科(衛生学併任)講師
金沢医科大学健康管理科(衛生学併任)助教授
英国 University College London, Department
of Epidemiology & Public Health 留学
金沢医科大学衛生学(健康管理科併任)助教授
金沢医科大学衛生学教授(講座主任)
学 事
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
平成 26 年度
優良教員表彰
平成 26 年度優良教員表彰式が平成 27 年 12 月 21 日(月)午後 4 時から本部棟会議室 1 において行われた。
優良教員賞の受賞者一人ひとりが勝田省吾学長から表彰状を手渡され、将来本学を担う人材として、さらなる活
躍を期待している旨の激励を受けた。
(医学部庶務課 塚田夏生記)
【医学部優良教員】
赤尾 浩慶
循環器内科学臨床准教授
〈教育活動部門 6 名〉
藤田 秀人
一般・消化器外科学講師
東海林博樹
一般教育機構准教授
竹田 公信
皮膚科学講師
中川 淳
糖尿病・内分泌内科学准教授
森田 展代
泌尿器科学学内講師
本田康二郎
一般教育機構講師
白神 俊祐
脳神経外科学学内講師
島田ひろき
解剖学Ⅰ講師
野口 美樹
一般・消化器外科学学内講師
薗村 貴弘
解剖学Ⅱ講師
橘 宏典
泌尿器科学助教
山谷 秀喜
腎臓内科学学内講師
〈研究活動部門 6 名〉
櫻井 勝
公衆衛生学准教授
西条 旨子
公衆衛生学准教授
利國 信行
肝胆膵内科准教授
中村 正克
消化器内科学講師
谷田 守
生理学Ⅱ講師
山下 昌信
形成外科学講師
【看護学部優良教員】
〈教育活動部門 1 名〉
岩谷久美子
母性看護学・助産学講師 〈研究活動部門 1 名〉
松井 優子
基礎看護学准教授
〈大学管理運営・社会貢献活動部門 1 名〉
浜崎 優子
公衆衛生看護学准教授 〈診療活動部門 8 名〉
木南 伸一
一般・消化器外科学准教授
優良教員表彰式にて
19
学生の頁
平成 27 年度
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
学生表彰
平成 27 年 12 月 11 日(金)本部棟 2 階会議室 1 において、課外活動(期間:平成 26 年 11 月 1 日∼平成 27 年 10 月 31 日)
で優秀な成績をおさめた 7 団体と学生 15 名に対し、勝田省吾学長から表彰状と奨励金が手渡された。
学長からは「今年度も各クラブ、サークルが課外活動において素晴らしい成績をおさめたことや、地域保健など
に貢献したことは大学として大変喜ばしいことである。毎日目標に向かって努力することと、スポーツ等を通して
フェアプレーの精神を学ぶということは非常に重要で、これらの経験は将来きっと役に立つはずである。これから
も勉学とスポーツに励み、知力・体力・人間性を高めていってほしい」との激励の言葉が述べられた。
(教学課 越井貴絵記)
表彰された学生
〈平成 27 年度表彰対象団体及び個人〉 期間:平成 26 年 11 月 1 日∼平成 27 年 10 月 31 日
団体名・学生氏名
大 会 名 等
成 績
テニス部
第 67 回西日本医科学生総合体育大会
(8 月 9 日∼ 14 日:大阪)
女子団体 準優勝
バトミントン部
第 67 回西日本医科学生総合体育大会
(8 月 11 日∼ 14 日:兵庫・大阪)
女子団体 第 3 位
第 19 回北陸 3 県学生ゴルフ選手権競技
(8 月 6 日:石川)
団体 準優勝
北陸中日新聞杯北陸学生ゴルフ選手権秋季大会
(9 月 6 日:石川)
団体 優勝
第 31 回全日本医科歯科学生サーフィン選手権大会
(8 月 8 日∼ 9 日:宮崎)
団体 優勝
ゴルフ部
サーフィン部
第 67 回西日本医科学生総合体育大会
陸上(8 月 18 日∼ 19 日:大阪)
女子トラックの部 第 2 位
石川県障害者スポーツ協会主催
第 30 回アカシアジョギング大会
ボランティア・運営補助(7 月 7 日:石川)
大会運営補助
健康推進委員会(AIR )
ぬいぐるみ病院、しろくま、禁煙隊等
ボランティア活動(年間通:石川)
幼稚園児に手洗い ・ うがいの指導、
小児病棟で家庭教師、小 ・ 中学校
での禁煙教育活動を行った
看護学部ボランティアサークル
Heart of Gratis
内灘町を中心とした地域貢献活動
障がい者、高齢者との様々な交流企画に多数参加
ボランティア活動(年間通:石川)
内灘町大学町会行事の企画運営に
協力、ダウン症の子供と親の会、
視覚障がい者などの料理サロン他
多数の交流企画に参加し、地域貢
献活動を行った
陸上競技部
20
学 事
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
団体名・学生氏名
大 会 名 等
成 績
第 67 回西日本医科学生総合体育大会(陸上)
(8 月 18 日∼ 19 日:大阪)
男子 400m 優勝
第 22 回関西医歯薬科学生対抗陸上競技大会
(9 月 27 日:京都)
男子 400m 優勝
第 46 回北信越学生陸上競技選手権大会
(10 月 24 日:新潟)
男子 400m 第 3 位
第 72 回全日本医歯薬獣医大学対抗陸上競技選手権大会
(8 月 28 日∼ 29 日:富山)
男子 400m ハードル 第 3 位
第 89 回北信越学生陸上競技選手権大会(陸上)
(5 月 16 日∼ 17 日:石川)
女子 400m 第 3 位
女子 400m ハードル 優勝
第 67 回西日本医科学生総合体育大会(陸上)
(8 月 18 日∼ 19 日:大阪)
女子 100m 第 3 位
女子 200m 準優勝
女子 400m 優勝
女子 400m ハードル 優勝
第 72 回全日本医歯薬獣医大学対抗陸上競技選手権大会
(8 月 28 日∼ 29 日:富山)
女子 200m 優勝
女子 400m 優勝
女子 400m ハードル 優勝
第 84 回天皇賜盃日本学生陸上競技対抗選手権
(9 月 10 日∼ 13 日:大阪)
女子 400m ハードル 第 7 位
第 22 回関西医歯薬科学生対抗陸上競技大会
(9 月 27 日:京都)
女子 100m 優勝
女子 200m 準優勝
女子 400m 優勝
第 46 回北信越学生陸上競技選手権大会
(10 月 24 日∼ 25 日:新潟)
女子 400m ハードル 優勝
女子 400m 準優勝
鈴木 崇仁
(医学部第 2 学年)
平成 27 年度春季関西医歯薬学生剣道大会
(6 月 21 日:奈良)
男子個人 準優勝
鈴木 敬子
(医学部第 3 学年)
第 67 回西日本医科学生総合体育大会(剣道)
(8 月 8 日∼ 9 日:大阪)
女子個人 第 3 位
塩谷 郁代
(医学部第 4 学年)
第 67 回西日本医科学生総合体育大会(バドミントン)
(8 月 11 日∼ 14 日:兵庫、大阪)
女子個人 優勝
第 19 回北陸 3 県学生ゴルフ選手権競技
(8 月 6 日:石川)
男子個人 優勝
北陸中日新聞杯北陸学生ゴルフ選手権秋季大会
(9 月 6 日:石川)
男子個人 優勝
第 19 回北陸 3 県学生ゴルフ選手権競技
(8 月 6 日:石川)
男子個人 準優勝
第 19 回北陸 3 県学生ゴルフ選手権競技
(8 月 6 日:石川)
女子個人 準優勝
北陸中日新聞杯北陸学生ゴルフ選手権秋季大会
(9 月 6 日:石川)
女子個人 優勝
山本 紗希
(医学部第 3 学年)
第 19 回北陸 3 県学生ゴルフ選手権競技
(8 月 6 日:石川)
女子個人 優勝
松井 映莉子
(医学部第 2 学年)
第 19 回北陸 3 県学生ゴルフ選手権競技
(8 月 6 日:石川)
女子個人 第 3 位
山田 野々花
(医学部第 2 学年)
北陸中日新聞杯北陸学生ゴルフ選手権秋季大会
(9 月 6 日:石川)
女子個人 準優勝
菅井 洸
(医学部第 6 学年)
第 31 回全日本医科歯科学生サーフィン選手権大会
(8 月 8 日∼ 9 日:宮崎)
A クラス 準優勝
李 政謙
(医学部第 5 学年)
第 31 回全日本医科歯科学生サーフィン選手権大会
(8 月 8 日∼ 9 日:宮崎)
B クラス 優勝
菊地 龍佑
(医学部第 3 学年)
第 31 回全日本医科歯科学生サーフィン選手権大会
(8 月 8 日∼ 9 日:宮崎)
C クラス 第 3 位
碓井 雄大
(医学部第 5 学年)
小野 弘登
(医学部第 4 学年)
島田 瑶子
(医学部第 4 学年)
松本 航一
(医学部第 4 学年)
海江田 貴憲
(医学部第 6 学年)
義山 麻衣
(医学部第 3 学年)
21
学生の頁
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
医学部
平成 27 年度
医学部学生と学長との懇談会
医学部学生と学長との懇談会が、平成 27 年 11 月 2 日
(月)午後 5 時から学生食堂において開催された。懇談会
には、勝田省吾学長をはじめ、横山 仁医学部長、望月
隆教務部長、川原範夫学生部長のほか、役職教員と学
となっているので、活発な意見交換をしてほしい」と挨
年主任 ・ 副主任、学生支援センターから 23 名の教員が
拶した。
出席し、学生は各学年代議員、各サークル代議員など、
約 100 名が参加した。
学生からは、公欠の定義、夏休み期間について、共
用試験(CBT )の実施時期、コンビニの導入や売店の営
この懇談会は、学生と教員が率直な意見を交わし、
業時間の延長、勉強スペースの確保、学食の充実等に
情報を共有しながら信頼関係を築き、大学の発展を共
関する意見が出された。それを受け、大学からは現状
に考えていくことを目的としており、学友会執行委員
と対応について説明があり、対応可能なものから実行
長の上石英希さん(第 4 学年)が司会を務め学生主導で
していくこととなった。
進められた。
引き続いて同会場で学生と教員との懇親会が行われ
懇談会では、勝田学長が「学生からだけではなく、教
た。
(教学課 加藤勝人記)
員からも忌憚のない意見 ・ 要望を出し合う有意義な会
題が記入され、正解のお題が出るたびに、喜んだり悔
看護学部
しがったりと、とても楽しい雰囲気であった。プレゼ
ント交換では、全員が輪になって各自が用意したプレ
平成 27 年度
ゼントを順に回し、ストップの合図があった時のプレ
看護学部学生と教職員との交流会
たけはな
看護学部第 2 学年 竹端
ともゆき
智之
平成 27 年 12 月 15 日(火)午後 6 時 30 分から、看護学
ゼントをもらうというやり方で行った。何が当たるの
かそわそわする様子が見られ、交換が終わると「何もら
った?」などとプレゼントを見せ合う姿が多くみられ
た。食事会では、グループごとに歓談を楽しみながら、
用意されたオードブルとケーキを味わった。
部 3 号棟学生ラウンジにおいてクリスマス会を兼ねた
実習や試験などの関係で、参加者は看護学部全体の 1/3
交流会が開催され、看護学部学生と教職員 90 名が参加
程度であったが、学生間や学生と教職員との交流を深
した。
めるという点では、とても良い機会になったものと考
この会は看護学部の学生主催行事の一つとして毎年
行われており、看護学部生が学年の垣根を越え学生間
の親睦を深めるとともに、教職員
とも交流を深めることを目的とし
ている。
今年は古今東西ビンゴゲーム、
プレゼント交換、食事会を行った。
古今東西ビンゴゲームでは、各グ
ループに分かれ 9 個のマスに冬に
関連するお題を記入してもらい、
司会者が考えたお題に的中するか
を競った。チームごとに様々なお
22
える。今後も様々な行事を通して、学生と教職員との
関係を深め看護学部を盛り上げていきたいと思う。
学 事
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
クラブ
活動
体育系クラブ
サッカー部
じぬし
主 将 地主
りゅうへい
龍 平 (医学部第 3 学年)
サッカー部は現在プレーヤー26 名、マネージャー
とができました。二大会連続優勝とはなりませんで
20 名の計 46 名で活動しています。練習は月曜日、
したが、今シーズンをいい形で締めくくることがで
水曜日、土曜日、日曜日の週 4 日で、週末は公式戦
きました。2016 年の春には関西医科学生サッカー大
あるいは練習試合が主体となっています。練習場所
会、東海医歯薬系春季サッカー大会があり、夏には
は 2015 年から開設した人工芝のグラウンドである内
一年の中で最も大きい大会である西日本医学生総合
灘サッカー競技場を使用しています。内灘サッカー
体育大会があります。西日本医学生総合体育大会優
競技場は現在 J2 のツエーゲン金沢も使用しており、
勝を目指して部員一同引き続き練習に励んでいきま
設備の整った非常に環境のよい場所で僕たちサッカー
す。
部も日々練習に励んでいます。部員の中には大学か
らサッカーを始めた者もいて、初心者から経験者と
今後とも金沢医科大学サッカー部をよろしくお願
いいたします。
様々です。また、学年を問わず和気あいあいとした
環境で誰とでも気さくに話すことができるので、部
の雰囲気も良く居心地のいい場所だと思います。部
活の後は、みんなでご飯を食べに行くこともあり、
部活の時間外でも部員どうしで接することが多く、
非常によい人間関係を築いています。
2015 年 9 月から中心メンバーが新しい代へと替わ
り、新体制で臨んだ最初の大会である北陸 4 校戦で
優勝することができました。また、11 月に開催され
た東海医歯薬系秋季サッカー大会では準優勝するこ
北陸 4 校戦で優勝!(2015 年 9 月 23 日)
23
学生の頁
クラブ
活動
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
文化系クラブ
クラシック音楽部
たけうち
部 長 武内
み
な
美奈 (医学部第 3 学年)
2002 年 4 月にクラシック音楽同好会という名で結
コンサートなどの演奏の機会を通じ、音楽の持つ
成され、2014 年 4 月にクラシック音楽部に名前を変
大きな力に気付かされます。多くの演奏の場で、観
えて、13 年が経ちます。年々、部員が増え、今で
客の方々といっしょに合唱をします。どの年代の方
は 80 名ほどの大きな部活となりました。部活名に
にも楽しんでいただける合唱曲や童謡を選ぶように
“クラシック”とあることで、クラシックを演奏する
しています。合唱をすると会場が大いに盛り上がり
オーケストラを想像されがちですが、クラシックは
ます。楽器演奏でも手拍子をいただいたり、口ずさ
もちろん、J-pop や Jazz、合唱曲、童謡など、ジャ
んでいただくことがあります。このような時には、
ンルを問わず演奏しています。演奏する楽器も様々
聞いてくださるみなさんと演奏しているわたしたち
で、オーケストラでよく見られるバイオリンやフルー
が一緒に音楽を作りあげている感じがします。聞い
ト、トランペット、ピアノ、ホルンなどもあれば、
てくださる方が笑顔になったり、涙を流されたりす
吹奏楽で見られるサックス、クラリネット、さらに
る姿を見ると、音楽の偉大な力を感じます。部活で
はハンドベルやハープもあります。合唱やバンド演
は医学部と看護学部の学生が一緒に活動しており、
奏も行います。小さい頃から音楽に触れてきた人も
全員が医療に携わるための勉強を日々しています。
いれば、大学から始める人もいて、経験値を問わず
コンサートを通じ、医療には日々勉強している知識
みんなで楽しく活動しています。
や技術はもちろん、音楽などの癒しの力も必要であ
当部の年間行事としては、金沢医科大学病院での
ると感じます。このようなことに気付かせてもらえ
「ふれあいタイム」に年 2 回(6 月と 12 月)と内灘祭(学
る大切な機会として、コンサート活動を続けていき
園祭)に出演しています。また、不定期ですが、学校
の記念式典で演奏する機会があります。こうした機
会を与えていただくのは、とても嬉しいことです。
病院新館 1 階エントランスホールで行われた「ふれあいタイム」
24
たいと考えています。
学 事
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
International Exchange
国際交流
バーモント大学からの交換留学報告(期間:2015 年 12 月 1 日〜 2015 年 12 月 9 日)
2015 年 12 月 1 日(火)から 9 日間、協定校の米国バーモント大学医学部生のローラ・グリーシンジャーさんとリ
チャード・スミスさんが、病理学スチューデント・フェローシッププログラムの一環として本学にて研修を行った。
(国際交流センター 赤井卓也記)
Pathology is a“Universal Language”
Richard Smith
(University of Vermont College of Medicine)
The pathology department at UVM has been sending
students to Japan for several years, and entering the program,
I was excited to be able to take this training.
Coming to this program, I was excited to learn about
medicine in another region of the world, and the similarities
and differences in the system. I was particularly interested in
learning about the Japanese national healthcare system, and
what individuals thought about nationalized coverage. As
someone who still may go into primary care, I was eager to
see how doctors and patients interacted, and what the quality
of the care was like.
This experience was wonderful in many ways. It was
great to see how the pathology department functions, and
although there were some differences. It was great to see just
how much my education at UVM prepared me for pathology
here. Pathology is really a“ universal language ”and
although disease frequencies may differ, or the amount of
specimens may change, lots of fundamentals are essentially
the same.
I had a great time attending Anamizu general hospital.
Going on the home visit was one of the best experiences I
have ever had in my entire medical education. It was amazing
to see what rural Japanese culture was like, and I will never
forget that.
The aging population of Anamizu no doubt was
affecting the cultural landscape. We saw patients who were
研修を終えて。左から、グリーシンジャーさん、勝田学長、スミスさん
on their own, as their children moved into the cities to find
work. It was a humbling experience and I am honored to
have been able to see it first-hand.
I was fascinated to learn about the national health care
system, and the pros and cons of having a state run system.
I was shocked by the efficiency of patient care within the
hospital setting, being able to send a patient to see a specialist
immediately.
It was great speaking with the medical students of
KMU. I learned a great deal about how the medical education
works and how it differs from the United States. It is
amazing to me that students decide to become doctors while
still in high school, as opposed to US students who often
take a great deal of time off before perusing their medical
education. The students were wonderful and I will never
forget their generous hospitality and extraordinary kindness
while I stayed here at KMU.
Entering my fourth year of medical education, we in
the states have to decide our future path towards residency.
I was torn between pathology and primary care coming into
this program, and honestly my experience at Anamizu was
so powerful and rewarding that the scales are tipping back
towards primary care as a profession. That being said, I had
such a wonderful time in the pathology department at KMU,
and could certainly see myself as a pathologist in the future.
The thing I do know is that this program certainly has opened
my mind to the way different cultures practice medicine, and
I will absolutely try to study abroad in the future.
公立穴水総合病院での訪問診療研修
25
学 事
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
国際交流
International Exchange
北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プラン共催
おり、その代表的なもの
国際交流センター学術講演会
が悪性腫瘍に対する分子
Cancer Genomics
これまで原因不明だった
−がん診療における遺伝子診断の
米国の現状について−
標的薬治療であること、
症状が遺伝子情報から病
因が明らかとなり、治療
に結びつくことがあるこ
と、遺伝子検査によって
講師: Debra G.B.Leonard, M.D., Ph.D(米国バーモント
見つかった想定外の遺伝
大学医学部病理学主任教授)
的疾患について告知可能
日時: 2015 年 10 月 22 日(木)午後 5 時 30 分
なものが規定されている
場所: 医学教育棟 6 階大会議室
こと、遺伝子診断は多く バーモント大学 レナード先生
の個人保険でカバーされ
2015 年 10 月 21 日(水)、22 日(木)の両日、本学協定
ていること、遺伝子情報によって社会的に差別されな
校である米国バーモント大学医学部病理学のデボラ・
いように法律があることなど、興味深いトピックが続
レナード主任教授と木田正俊教授が来学した。
いた。講演後、多数の質問があり、それらに丁寧に答
21 日(水)に竹越 襄理事長と勝田省吾学長を表敬訪問
えていただいた。
し、22 日(木)には北陸がんプロ養成プランと共催で国
最後に、毎年、学生・研修医の受け入れで大変お世
際交流センター学術講演会を開催し、レナード先生に
話になっており、今回の訪問にも同行していただいた
「Cancer Genomics 」のタイトルでご講演いただいた。
講演ではバーモント大学の紹介、米国での遺伝子検
木田教授より本学の若者へ熱いメッセージがあり、閉
会となった。
(国際交流センター長 赤井卓也記)
査の現状についてお話があった。遺伝子検査に要するコ
ストは年々下がってきていること、遺伝子情報を診療
に活かすことで、より高度な治療が可能になってきて
役員応接室にて。左から、勝田学長、木田教授ご夫妻、レナード教授、竹越理事長、赤井国際交流センター長、
古本国際交流センター事務課長、前垣内国際交流センター事務員
26
学 事
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
International Exchange
国際交流
大学院医学研究科共通科目「英語論文作成法」
国際交流センター第 7 回講演会
医学英語論文書き方の基本:
アカデミックライティングの基本ルールを理解しよう!
講師: 押味貴之先生(日本大学医学部 医学教育企画・推進室助教)
日時: 平成 27 年 11 月 20 日(金)午後 5 時 30 分
場所: 医学教育棟 4 階 E41 講義室
第 7 回国際交流センター講演会のテーマは、
「医学英語
ということを実感させられるものであった。誤った使
論文書き方の基本」で、前回の講演で非常に好評であっ
い方をすることで、内容以前に Editor にはねられてし
た日本大学医学部の押味貴之先生を再度お招きした。
まう可能性やせっかくの内容までもが疑われてしまう
今年も大学院との共催で、100 名以上の教職員・学
事態にもなりえることなど、非常に勉強になった。
生の参加があり、大盛況であった。最初の 10 分間は昨
金沢医科大学は研究機関、教育機関として今後も絶
年の Revise として医学英語論文の正しい読み方の基本
えず英文業績を求められ、発信していく義務がある。
フォーマットを説明していただいた。このフォーマッ
英語が母国語ではない我々にとってはなかなか前向き
トに沿って読んでいくことで、医学英語論文初心者で
になれないのが実情であるが、このように楽しく学ぶ
も、素直に論文の内容が整理されていくものであり、
機会を通してより多くの英語論文作成に進んで取り組
特に参加した医学部生には役に立つものであった。
み、しっかりと業績を残していくことも教員に求めら
そして、本題である正しい医学英語論文の書き方とし
て、文法的に陥りやすい勘違い、曖昧になっている数字
れる役割であろうと気が引き締まった時間だった。
(国際交流センターアシスタントディレクター・
や単位の読み方や使い方など、改めて質問されると英語
医学教育学 高村昭輝記)
論文を作成した経験がある我々でも基礎ができていない
押味貴之先生
大盛況となった講演会
27
学 事
国際交流
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
International Exchange
華中科技大学同済医学院・金沢医科大学
第 6 回中日学術講演会
2015 年 11 月 13 日(金)午前 9 時より、中国湖北省武
漢市にある華中科技大学同済医学院(Tongji Medical
College of Huazhong University of Science and
Technology )において、第 6 回中日学術講演会が開催さ
れた。
この講演会は、毎年両大学で交互に開催されており、
今年のテーマは、アナフィラキシー、肺高血圧症、川
崎病であった。いずれも血管の収縮・拡張メカニズム
異常が病態と関連しており、最先端の研究から日本と
活発な討論が行われた講演会
病院に地下鉄駅を持つ近代化された巨大病院であった。
中国での発生頻度の違いやその治療法について活発な
本学と同済医学院の姉妹校提携から 30 年となる。講
討論が行われた。武漢市は、人口約 1,000 万人の揚子江
演会に先立ち行われた交流協議では、これまで同済医
に面した交通の要衝である。同済医学院は、中国のトッ
学院から 70 名以上の医師が本学で研究を行っており、
プ 10 大学に入る華中科技大学の医学部である。大学に
今後も交流を継続、発展させていくことが確認された。
近接する関連施設の協和病院を訪問したが、5,600 床を
(国際交流センター 赤井卓也記)
有し(外科病棟は 33 階建て)、1 日の外来患者が 1 万人、
石川県河北地区日中友好協会訪中団に参加
南京医科大学等視察
2015 年 10 月 12 日(月)~16 日(金)の日程で、中農理
博副理事長、古本郁美課長(国際交流センター事務課)
が、石川県立看護大学の先生方 3 名と共に、石川県河
北地区日中友好協会訪中団(総勢 10 名)として、江蘇
省の蘇州市、南京市、塩城市を訪問した。同協会会長
は本学の勝田省吾学長であり、内灘町と蘇州市呉江区
南京医科大学での交流協議
は国際友好都市関係にある。2015 年 6 月に江蘇省より、
施設等を視察した。中国でも日本と同様に高齢化が進み、
河北地区と江蘇省の医療系大学の交流促進についての
高齢者福祉が課題となっている。
「一人っ子政策」の見直
提案があった。今回の訪中団の主な目的は、その協議
しと同時に、高齢者の医療・介護・福祉のビジネスモデ
を行うことであった。
ル確立が急務である。中国政府も民間デベロッパーの後
交流協議の会場となったのは、南京医科大学のゲス
トハウスである。南京医科大学は 1934 年に創立され、
2015 年に 80 周年を迎えた。5 学科を有する総合大学で、
人材育成・教育・社会貢献・研究に大きな成果を上げ、
世界大学ランキングトップ 500 に登録されている。第
一附属病院である江蘇省人民病院は見学する機会がな
かったが、国家重点事業の「生殖医療センター」の視察
を行った。
さらに、蘇州市呉江区、南京市、塩城市の医療・福祉
28
押しを行っており、南京市のモデル施設を多くの関係
者が見学に訪れていた。
5 日間で江蘇省の 3 都市を訪問し、いずれの対外友好
協会からも温かい歓迎を受けた。
(国際交流センター事務課 古本郁美記)
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
学 術
総合医学研究所市民公開セミナー
北國健康生きがい支援事業 平成 27 年度 第 1 回金沢医科大学プログラム
再生医療がもたらす未来
日時: 平成 27 年 10 月 17 日(土) 午後 1 時 30 分〜 4 時 25 分 場所: 北國新聞 20 階ホール
講 演 1 : 再生医療ってな〜に ?
堤 幹宏 特任教授 金沢医科大学病院肝胆膵内科
講 演 2 : ここまで進んだ眼の再生医療
再生医療センター長
久保 江理 特任教授 金沢医科大学眼科学
特別講演: 心臓病への未来医療 −万能細胞を用いた再生術−
白吉 安昭 准教授 鳥取大学大学院医学系研究科機能再生医科学専攻再生医療学分野
平成 27 年度市民公開セミナー(主催:金沢医
科大学総合医学研究所・北國新聞社、後援 : 石
川県医師会・テレビ金沢・エフエム石川)が標
記のとおり開催された。
今回は「再生医療がもたらす未来」をテーマ
として掲げ、3 名の先生に講演をお願いした。
はじめに、
「再生医療ってな~に ? 」と題し
て、本学の堤 幹宏特任教授(再生医療センター
長)が、肝臓・腎臓など体内の臓器が機能障害
に陥った際に、それぞれの組織の中に存在す
特別講演 : 白吉安昭先生
講演 : 堤 幹宏特任教授
講演 : 久保江理特任教授
る「組織幹細胞」を増やしてその機能を肩代わ
りさせる手法が急速に進歩していることを分
かりやすい語り口で解説した。
続いて、
「ここまで進んだ眼の再生医療」と
題して、久保江理特任教授(眼科学)が、視力
低下を生じる様々な病態に即して視機能回復
の治療が進歩している現状を紹介し、具体的
に白内障手術などの際に使用される眼内レン
ズの進歩から黄斑変性症に対する iPS 細胞療
法の実際的手技まで幅広く解説した。
特別講演は、
「心臓病への未来医療-万能細
胞を用いた再生術-」のテーマで、鳥取大学大
北國新聞 20 階ホールで行われた市民公開セミナー
学院の白吉安昭先生が、重症心不全への再生医療、徐
脈性不整脈への再生医療、患者由来 iPS 細胞を用いた
心筋シートを用いた治療の 3 つの柱について分かりや
すく説明した。この 3 氏の講演を通して、再生医療の
解を深めることができた有意義なセミナーであった。
なお、当日は一般市民、学生、医療関係者を合わせ
て 100 名以上の参加があり、盛況であった。
(総合医学研究所 田中惠子記)
現状、近未来への期待、再生医療の限界についても理
29
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
第 45 回
日本腎臓学会西部学術大会
大会長 : 横山 仁教授(腎臓内科学)
会 期 : 平成 27 年 10 月 23 日(金)~ 24 日(土)
会 場 : 金沢歌劇座、石川県社会福祉会館
れた。さらに、特別企画として、教育講演 15 題と、臨
床腎臓学の到達点と未来」と題したシンポジウムや、
「腎
炎・ネフローゼ症候群」、
「移植腎障害機序と診療 : 内科
系医師の役割」、
「慢性腎臓病・腎不全診療」のトピック
スに関するワークショップ 3 企画、男女共同参画委員会
企画、医学・研修医のための教育セミナー、病理企画
「腎病理を日常診療に生かす :IgA 関連腎疾患の病理と臨
床」、ランチョンセミナー10 企画、イブニングセミナー
2 企画と一般演題 374 題(口演 231 題とポスター143 題)
平 成 27 年 10 月 23 日( 金 )~24 日( 土 )に 金 沢 歌 劇 座、
石川県社会福祉会館を会場に、本学横山 仁教授(腎臓
内科学)を大会長として第 45 回日本腎臓学会西部学術
大会が開催された。
今回のメインテーマは「臨床腎臓学の進歩 : 日本から
の発信」であり、学会員、コメディカルならびに初期研
修医、医学生の計 1,200 名が参加した。
本学術大会は昭和 46 年以来、若手の方々が発表・討
議する活気あふれる学会である。今回は、招聘講演と
し て、University Pierre et Marie Curie(Paris 6 )の
Pierre Ronco 教 授 に「New advances in membranous
nephropathy: A paradigm shift in patients care 」と題
して講演していただいた。また、大会長講演は「糸球体
と腎疾患のあらゆる分野についての講演と発表が行わ
れた。
また、この学術大会のもう 1 つのテーマである「金沢
の文化と伝統を楽しむ」では、金沢 21 世紀美術館の解
説と鑑賞ツアーや、しいのき迎賓館 石の広場における
会員懇親会において、石川の伝統芸能(和太鼓と素囃子)
と地元食材を生かしたモダンフレンチによる「金沢のお
もてなし」を楽しんでいただき大盛況であった。
さらに、
「元気で長生き : 腎臓は大切なパートナー」と
題した市民公開講座を 10 月 24 日(土)に石川県社会福
祉会館 4F 大ホールにて開催し、多数の市民が参加した。
好天にも恵まれ、盛会のうちに学会を終了した。
(腎臓内科学 山谷秀喜記)
疾患における臨床腎臓病学の進歩と課題」と題して、日
本における臨床腎臓病学の歩みと未来への展望が話さ
金沢歌劇座会場前にて。左から筆者、井村淳子助教、永原美智代事務員、藤本圭司助教、足立浩樹学内講師、
藤本由貴助教(呼吸器内科学)、林 憲史助教、横山 仁教授
30
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
大学院医学研究セミナー
漢方を科学する – 動物実験から
ヒト疾患への治療まで
神経堤細胞の発生・分化と病気
講 師 榎本秀樹先生(神戸大学大学院医学研究
講 師
日 時
場 所
担 当
井齋偉矢先生(医療法人静仁会静内病院
院長、総合診療科担当)
平成 27 年 10 月 16 日(金)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 4 階 E41 講義室
臨床神経学 松井 真教授
【講師紹介】
科生理学・細胞生物学講座神経分化・再
生分野教授)
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 10 月 22 日(木)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 4 階 E41 講義室
臓器機能再建学 河野美幸教授
【講師紹介】
1975 年北海道大学医学部を卒業後、
1988 年千葉大学医学部卒業、1996
同 大 学 第 一 外 科 に 入 局。1988 年 ~
年同大学大学院修了。1997 年ワシン
1990 年シドニー大学で肝臓移植の臨
ト ン 大 学 医 学 部 病 理 学 教 室 に 留 学。
床に携わる。帰国後、関連病院での
2002 年独立行政法人理化学研究所発
勤務を経て、2007 年より現職。
生・再生科学総合センター神経分化・
【主な研究分野】
再生研究チームチームリーダー。2013
科学的な根拠に基づく漢方処方の確立。
【セミナーの内容】
年より現職。
【主な研究分野】
先ず担当者である松井が、多発性硬化症の動物モデ
ルとされる実験的自己免疫性脳脊髄炎に対して、柴苓
湯を内服させることにより発症を抑制する実験に成功
神経栄養因子の生理機能、腸管神経系の発生、自律
神経系の発生と病理。
【セミナーの内容】
した結果を提示し、複数の生薬からなる漢方薬につい
腸管の運動や分泌・吸収の調節を行う enteric neural
ても動物実験で得た結果をヒトへ応用することが妥当
system(ENS )は、 胎 生 期 に 神 経 堤 由 来 の enteric
かどうか、という難題が講師に投げかけられた。回答
neural crest-derived cells(ENCCs )が腸管に遊走、分
は以下の通りであった。1 )西洋型新薬は一化合物の構
化することで形成される。これまで ENCCs は腸管の
造が明らかであるが、漢方薬は HPLC 分析を用いると
口側から肛門側に腸管にそって移動するとされていた
数十種類以上の化合物の集合体(超多成分系)であり、
(cranio-caudal migration theory )が、榎本教授は特殊
個々の物質は微量であるため薬理学的には薬剤ではな
なレポーターマウスを使用して ENCCs の遊走を経時
い。しかし、明らかに認められる薬効は、古代中国で
的に観察する time-lapse imaging 手法により、一部の
数千年かけて実地で行なわれた第一相・第二相試験の
ENCCs が腸間膜を横断して後腸に達することを示され
結果、急性炎症にも対処できる生薬の精妙な組合わせ
た。セミナーではこの研究の詳細や、ENCCs の分化に
と処理法が確定した結果の産物である。2 )超多成分系
お け る Ret、Phox2B 発 現 の 影 響、Schwann 細 胞 の 分
は免疫賦活や抗炎症、微小循環系に威力を発揮する。3 )
化可塑性など、腸管の発生や神経系について非常に興
その薬効発現は食生活に連関し、雑食であるネズミに
効果があれば、雑食であるヒトにも同様の効果が期待
できる。
味深い知見が紹介された。
【セミナーの成果】
近 年 さ ま ざ ま な 遺 伝 子 改 変 マ ウ ス の 開 発 や、
imaging 手法の進歩により ENCCs の遊走、分化にか
【セミナーの成果】
コペルニクス的転回とは本セミナーに相応しい言葉
かわる因子の研究が急速に進んでおり、この分野の世
である。漢方薬を超多成分系薬剤という見地から西洋
界的な第一人者である榎本教授の講義は、大学院生や
医学の立場で見直すべき時代であると認識した。
研究者にとって極めて有意義であった。
(神経内科学 松井 真記)
(小児外科学 安井良僚記)
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学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
大学院医学研究セミナー
LDL 治療の新展開と HDL 治療の
展望
肝胆道系疾患の病態生理とその
治療戦略
講 師
講 師
池脇克則先生(防衛医科大学校内科学講
座神経・抗加齢血管内科教授)
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 10 月 23 日(金)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 5 階 E51 講義室
総合内科学(生活習慣病学)小林淳二教授
【講師紹介】
1984 年防衛医科大学卒業。1990 年
米国国立衛生研究所(NIH )分子病部
門客員研究員。1996 年東京慈恵会医
科大学青戸病院内科助手、講師。2000
年ハーバード大学公衆衛生院栄養学
部門客員研究員。2001 年東京慈恵会
医科大学循環器内科講師。2005 年同
大学助教授。2008 年防衛医科大学校内科学講座老年内
科教授。2012 年より現職。
【主な研究分野】
リポ蛋白代謝動態の解析、動脈硬化症の診断治療。
【セミナーの内容】
冒頭で、スタチン治療により心血管イベントが 30%
低下したものの残り 70% は未解決であることが紹介さ
れ、今後の動脈硬化性疾患治療の方向性はこの残余リ
スクを解決する点にかかることを示唆された。脂質異
常 症 治 療 ガ イ ド ラ イ ン( 日 本 2012 )、ACC/AHA2013
で脂質異常症治療において、あまりにスタチン一辺倒
になっている事実を紹介された。その後明らかになっ
た、スタチン以外の LDL-C 低下薬(エゼチミブ)によ
る心血管イベント防御のエビデンス、新規 LDL 治療薬
(PCSK9 阻害薬 MTP 阻害薬)の治療効果が紹介された。
これまで善玉コレステロールという位置づけであっ
た HDL-C を増加させる治療の現状と今後の展望、最近
の HDL への介入試験成績が紹介された。今後の治療は
HDL の量から質へパラダイムシフトする可能性が高い
ことに言及され、HDL 機能に着目した治療法の重要性
と将来の展望を述べられた。最後に、自身のこれまで
培ってきた研究を紹介された。
【セミナーの成果】
脂質異常症治療の最新の話題を海外の成績、自身の
成績を踏まえ、明解に、わかり易く紹介いただいた。
更に国内外でも安定同位体を使ったリポ蛋白代謝のト
レーサー研究の第一人者である先生がこれまで培って
こられた研究の流れを参加者にとても分かり易い口調
で解説いただいた。医師、コメディカルにとって、極
めて有意義なセミナーであった。
(総合内科学 小林淳二記)
32
原田憲一先生(金沢大学医薬保健研究域
医学系形態機能病理学教授)
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 10 月 27 日(火)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 4 階 E41 講義室
病態診断医学 野島孝之教授
【講師紹介】
1991 年金沢大学医学部卒業、1996
年同大学大学院病理系修了(中沼安
二 教 授 指 導 )。1994 年 ~ 1995 年 米 国
University of California Davis 校 肝
臓免疫学留学(Gershwin 教授指導)。
その後、金沢大学准教授を経て、2014
年より現職。
【主な研究分野】
肝胆道系疾患(特に原発性胆汁性肝硬変、肝癌)の免
疫病理学・分子病理学的研究。
【セミナーの内容】
原発性胆汁性肝硬変(PBC )は中年女性に好発する
疾患で、肝臓の小葉間胆管が自己免疫機序により徐々
に破壊され、慢性肝内胆汁うっ滞が生じ、最終的に
肝硬変へと進行する。セミナーの前半では、胆道系の
自然免疫の特性を解説され、胆管の感染防御機構と
して胆管上皮や付属腺上皮は lysozyme、lactoferrin、
defensin などの抗菌物質を分泌すること、さらに菌体
成分に対する受容体として TLR の発現がみられること
を解説された。PBC では傷害胆管の周囲に免疫担当細
胞であるリンパ球、形質細胞の浸潤、類上皮肉芽腫が
みられ、TLR2、TLR4 が胆管上皮に発現し、cytokine
や chemokine が分泌され、胆管破壊が進行することも
述べられた。その後、PBC と鑑別の必要な自己免疫性
肝炎、IgG4 硬化性胆管炎との相違について詳細な検討
結果を解説された。セミナー後半では、PBC に対する
抗 Fractalkine 治療について、また、講師等が提唱して
いる PBC の新たな組織学的病期分類と活動度分類を述
べられた。
【セミナーの成果】
長年の研究テーマである肝胆道系疾患、特に PBC の
発症機構と病理診断を中心に講演された。講演後、フ
ロアとの活発な質疑応答、意見交換を持つことができ、
有意義なセミナーであった。(臨床病理学 野島孝之記)
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
大学院医学研究セミナー
霊長類のプリン代謝について
脳腫瘍の最新治療
講 師
講 師
中田光俊先生(金沢大学医薬保健研究域
医学系脳機能制御学教授)
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 10 月 30 日(金)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 6 階大会議室
脳神経治療学 飯塚秀明教授
佐藤啓造先生(昭和大学医学部・法医学
講座教授)
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 10 月 28 日(水)18:00 ~ 19:30
基礎研究棟 2 階会議室
生理機能制御学 芝本利重教授
【講師紹介】
1978 年信州大学医学部卒業。1979
年名古屋大学大学院入学。1983 年同
大学医学部法医学助手。1986 年同大
学講師。1990 年同大学助教授。1993
年より現職。
【主な研究分野】
法医学全般。特に、高速液体クロ
マトグラフィー/ 質量分析法による薬
毒物分析、ヘモグロビン分析、尿班
分析、賠償科学、医事法、医療倫理、医療安全管理、
スポーツ突然死。
【セミナーの内容】
佐藤先生は、ヒト尿班証明法の開発のために多数の
霊長類を含む種々の動物の尿班(尿によるシミ)を解析
してきた。今回、尿酸の解析結果に基づき、動物の寿
命と知性の観点から考察して、尿酸が長寿と知性の発
達に貢献している可能性を説かれた。プリンの代謝に
おいて、ヒトおよび類人猿を除く哺乳類では、尿酸は
尿酸酸化酵素の作用でアラントインまで代謝されるた
め尿酸の血中濃度は低く、尿中排泄も少ない。一方、
ヒトおよび類人猿では尿酸酸化酵素を欠損しているた
め、尿酸の血中濃度は高く、尿中に多量の尿酸が排泄
される。ヒト、各種霊長類、ラット、モルモットの血
中と尿班中の尿酸を測定した結果、ヒトが最も高く、
次に類人猿がヒトの約半分で、旧世界ザル、新世界ザル、
原猿類、ラット、モルモットなどの進化レベルの低い
ものでは低値であった。しかし、新世界ザルの中でフ
サオマキザルがヒトと類人猿の中間の高い値を示した。
動物の寿命は体の大きさに比例するとされ、霊長類以
外の体のサイズに対する寿命を 1 とすると、一般の霊
長類ではおよそ 2、ヒトとフサオマキザルは 3.5 とフサ
オマキザルは長寿である。また、動物分類学的にニホ
ンザルより劣るフサオマキザルが道具を使用したり、
二足歩行をするなど賢いことも知られている。これら
のことから、尿酸が寿命と知性に関係すると推察され
た。尿酸には発癌、炎症、老化に関与する活性酸素に
対するスカベンジャー作用が報告されており、尿酸の
長寿効果の裏づけとなると説明された。
【セミナーの成果】
高尿酸血症は痛風を惹起し、プリン体の摂りすぎは
体に良くないが、プリン体の豊富な食品を程よく摂取
することが長生きと知性の発達につながる可能性を示
された。この仮説の証明には、なお多くの検証が必要
と思われる。講演終了後に参加者との活発な討論が行
われ、大変興味深く、有意義なセミナーであった。
(生理学Ⅱ 芝本利重記)
【講師紹介】
1994 年金沢大学医学部医学科卒業。
1999 年同大学大学院医学系研究科修
了。2002 年米国バロー脳研究所博士研
究員、アメリカ脳腫瘍学会奨励研究員。
2005 年米国トランスレイショナルゲノ
ミクス研究所 Assistant Professor、日
本学術振興会海外特別研究員。2014 年
より現職。
【主な研究分野】
悪性脳腫瘍、主に膠芽腫の先進治療、グリオーマ幹細
胞の浸潤関連分子探索、悪性脳腫瘍のバイオマーカー探
索。
【セミナーの内容】
脳腫瘍の中で最も頻度が高いグリオーマの最新治療に
ついての講演であった。
グリオーマ手術では症状を悪化させることなくできる
限り摘出することが予後延長と関係していることが知ら
れており、講師はニューロナビゲーションを使用し、必
要に応じて覚醒下手術を行っておられるとのことであっ
た。MRI 検査で神経線維の 3 次元イメージを撮影し、そ
れをナビゲーションに取り込み、症状なしに腫瘍摘出を
するように心がけているとの説明であった。
また、覚醒下手術を行うことで麻痺や言語障害を起
こさずに腫瘍摘出を行うことが可能であるとのことで
あった。手術中に患者を覚醒させ、作業記憶、感情理
解などリハビリテーションスタッフがタスクをかけな
がら腫瘍を摘出し、症状が出る部位の腫瘍摘出は控え
るようにするなど、QOL を重視した治療方法を説明
いただいた。この方法により新しい脳の機能もわかっ
てきた。今まで非優位半球の前頭葉は silent area と考
えられていたが、覚醒下手術で腫瘍周辺に電気刺激を
与えることで今まで知られていなかった脳の機能が新
しく発見されている。励起光を当てることで残存腫瘍
を検出することができる 5-ALA を使用して摘出率を上
げ、予後延長にも貢献しているとのお話であった。
脳神経外科スタッフ以外に、麻酔科、リハビリテー
ション部、および臨床検査部の専門家、看護師を含む
多くのスタッフの協力のもとで治療を行っておられた。
【セミナーの成果】
グリオーマに関する最新治療方法を手術、化学療法
を中心にお話しいただいた。今後の治療の参考となる
情報を多く教えていただき、大変有意義なセミナーで
あった。
(脳神経外科学 岡本一也記)
33
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
大学院医学研究セミナー
次世代型の病原真菌研究
–NGS を含めた先端的手法の活用 –
講 師
日 時
場 所
担 当
杉田 隆先生(明治薬科大学微生物学教授)
平成 27 年 11 月 6 日(金)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 4 階 E41 講義室
環境皮膚科学 望月 隆教授
【講師紹介】
GSK3 β阻害によるがん悪性形質
の制御とがん治療法の臨床応用
の試み
講 師
源 利成先生(金沢大学がん進展制御研究
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 11 月 27 日(金)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 4 階 E41 講義室
病理病態学 上田善道教授
所腫瘍制御分野教授)
【講師紹介】
1988 年 明 治 薬 科 大 学 大 学 院 修 了。
1983 年 順 天 堂 大 学 医 学 部 卒 業。
理化学研究所 • 培養生物部を経て、明
1991 年金沢大学がん研究所外科助手。
治薬科大学微生物学研究室。2013 年
1995 年 American Health Foundation,
より現職。
Naylor Dana 疾病予防研究所、1997 年
【主な研究分野】
ニューヨーク市立大学がんセンター留
常 在 微 生 物 叢 の 解 析 と 疾 患 制 御、
病原微生物のゲノム解析と分子系統解析。
【セミナーの内容】
学。1998 年金沢大学がん研究所腫瘍
制御助教授。2001 年より現職。
【主な研究分野】
皮膚表面には多くの微生物が相互に微妙な関係を保
ちつつ存在している。大量、高速、安価な解析を可能
にする次世代シーケンサー(NGS )を利用することで、
大腸がんの Wnt/β- カテニン経路に関する研究。
【セミナーの内容】
Wnt/ β-カ テ ニ ン 系 は 大 腸 癌 発 生 の 主 要 経 路 で あ
これら微生物とヒトの相互関係を解析することが可能
る。その機能分子である glycogen synthase kinase3 β
になってきた。今回は以下のテーマについて技術面を
(GSK3 β)は、従来がん抑制遺伝子と考えられていた
含めて解説が行われた。1 )脂漏性皮膚炎やアトピー性
が、講師は GSK3 βが大腸癌では、アポトーシス抑制、
皮膚炎におけるマラセチアの発症、増悪への関与、2 )
細胞増殖や浸潤能亢進など、がん遺伝子的に機能する
白癬菌群の菌種間の全ゲノム比較による病原性遺伝子
ことを発見された。その経緯を、ヒト検体、大腸癌培
の同定、3 )発症部位での真菌の特定の遺伝子の発現の
養細胞と xenograft での研究データをもとに解説され、
解析法、4 )治療法としての表在微生物叢の移植、育成
GSK3 βのがん細胞特異的代謝との関係も示された。こ
の可能性。この中で脂漏性皮膚炎とマラセチアとの関
れらの成果は、Nature を含め高 impact factor の雑誌に
わりでは、皮疹部位での菌叢解析を行い、優占種であ
掲載されたが、研究の質的評価のもう一つの指標であ
ることが判明したM.restricta において 10 個のリパーゼ
る citation index が低いというデータを重視し、ヒトが
遺伝子を同定し、その発現を皮疹部と無疹部で比較す
ん治療へのトランスレーショナルリサーチに方向転換
ることで発症への関与が明らかになった事例が紹介さ
された経緯とそこで応用した方策に関して解説された。
れた。その他、難培養微生物の分離法に繋がる遺伝子
さらに集学的治療にも関わらず生命予後が不良な膠芽
解析、飛行中の宇宙飛行士の皮膚における微生物叢の
細胞腫に着目し、GSK3 β系の抑制効果が証明されてい
変化などの話題が提供された。
る抗てんかん薬を含めた 4 種類の既存薬のドラッグリ
【セミナーの成果】
ポジショニングにより、短期間で優れた成績が得られ
皮膚の微生物叢解析の第一人者による明快な講義で
あった。NGS を用いた皮膚科と微生物学の共同研究が
可能なテーマが数多く示され、臨床家にも科学的好奇
心が大いにかき立てられたセミナーであった。
(皮膚科学 望月 隆記)
たことが示された。
【セミナーの成果】
GSK3 βに関するがん研究を通じて、研究において最
も重要な研究課題への着眼点や研究の方向転換をいか
に行うかを大学院生や若手研究者に示された大変有意
義なセミナーとなった。
34
(病理学Ⅱ 上田善道記)
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
大学院医学研究セミナー
病理から移植腎臓を考察してみる
心臓・血管をターゲットにする
IgG4 関連疾患
講 師
講 師
石坂信和先生(大阪医科大学内科学講座
内科学Ⅲ・循環器内科教授)
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 12 月 4 日(金)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 4 階 E41 講義室
循環制御学 梶波康二教授
清水 章先生(日本医科大学医学部解析人
体病理学教授)
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 12 月 2 日(水)18:00 ~ 19:30
医学教育棟 4 階 E41 講義室
腎機能治療学 横山 仁教授
【講師紹介】
【講師紹介】
1985 年 金 沢 医 科 大 学 医 学 部 卒
1986 年東京大学医学部卒業後、関
業。1993 年日本医科大学医学博士取
連病院等での研修を経て、1994 年よ
得、同大学病理学第一助手。2003 年
り 同 大 学 第 一 内 科 助 手。1995 年 よ
Harvard Medical School 留学。
り 米 国 Emory 大 学 へ 留 学。 帰 国 後、
帰国後、2005 年同大学病理学第一助
教授、2007 年同准教授を経て、2013
年 6 月より現職。
2000 年同大学循環器内科助手。2005
年同講師を経て、2010 年より現職。
【主な研究分野】
循環器病学、特に新しい疾患概念である IgG4 関連疾
【主な研究分野】
人体病理学、実験病理学、とくに腎臓病を専門とし、
患における心血管病変について、多数の自験例の成績
ヒト病理材料および遺伝子改変動物等を用いた腎炎、
を元に、その病態の解明、診断基準の確立、さらには
移植腎障害などの各種腎臓病の病態解析。
【セミナーの内容】
治療法開発に向けて研究を進めている第一人者である。
【セミナーの内容】
腎移植の歴史と移植腎障害の病態を解説し、1983 年
「心臓・血管をターゲットにする IgG4 関連疾患」と題
までのアザチオプリンとそれ以後のカルシニューリン
した講演では、① IgG 関連疾患とはどのような疾患で
阻害薬投与下での拒絶反応の差異、すなわち、前者の
あるか、②その心血管病変の特徴について、多数の自
時代の細胞性急性拒絶から後者の時代の抗ドナー抗体
験例を紹介しつつ、現状と今後の課題についてわかり
関連慢性拒絶への拒絶病態の変化が提示された。
やすく紹介された。さらに、③冠血行再建が必要な場
これらの背景から、1 )1991 年からの Banff 国際的分
合の治療法選択とその根拠、④緊急性の高い鑑別疾患
類の作成と改訂過程における病理所見評価の変遷、2 )
としての感染性大動脈瘤の重要性についても的確な表
TUNEL 法を用いた細胞性、抗体関連型拒絶および虚
現でわかりやすく述べられた。
血再灌流障害における障害細胞の同定、3 )糸球体係蹄
【セミナーの成果】
内皮細胞障害に基づく慢性移植腎障害におけるⅣ型膠
日常行われている検体検査に見られた「はずれ値」か
原線維α3+4+5 とα2 との産生細胞と形態形成における
ら新しい疾患概念が発見されたこと、循環器内科医と
発生学的背景および上皮細胞の vascular endothelial
しての「気づき」が疾患解釈を前進させる推進力になっ
growth factor 産生の重要性が解説された。
たこと、逆に一つの検査値だけで病態を特定すること
【セミナーの成果】
のリスクなど、大学院生のみならず若手研究者にとっ
移植腎障害について、細胞性および液性拒絶を切り
て貴重な内容を教示していただく機会となった。講演
口に実験および人体病理学を網羅した研究成果が話さ
後は、日常診療における探究心を喚起された参加者と
れ、医学研究の重要性と研究の醍醐味が基礎系のみな
の間で、多数の質疑応答が交わされた。
らず臨床系の大学院生にも理解されたものと考えられ
る。
(循環器内科学 梶波康二記)
(腎臓内科学 横山 仁記)
35
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
大学院医学研究セミナー
NOX1/NADPH オキシダーゼと
メタボリックシンドローム
講 師
矢部千尋先生(京都府立医科大学大学院
日 時
場 所
担 当
平成 27 年 12 月 15 日(火)18:00 ~ 19:30
基礎研究棟 2 階会議室
生体分子解析学 竹内正義教授
医学研究科病態分子薬理学教授)
【講師紹介】
1980 年京都府立医科大学医学部卒
業、同年同大学大学院医学研究科入学。
1981 年同大学薬理学教室助手、1984
年米国国立衛生研究所(NIH )留学。
1988 年国立小児病院小児医療研究セ
ンター研究員、1991 年同センター中
毒副作用研究室室長。1996 年京都府
立医科大学薬理学教室教授。2010 年学長特別補佐、男
女共同参画推進センター長。2003 年より現職。
【主な研究分野】
薬理学、糖尿病学、分子生物学。
【セミナーの内容】
生体内において活性酸素種(reactive oxygen species,
ROS )は単なる好気的代謝の副産物ではなく、種々の
産生源から生成されシグナル分子として機能している。
NADPH オキシダーゼは代表的な ROS 産生酵素であり、
NADPH を補酵素として酸素分子(O2 )よりスーパーオ
キシドアニオン(O2- )を産生する。近年、本酵素のホ
モログが次々と同定されて非食細胞における ROS 産生
への関与が明らかとなり、その役割が注目されている。
この中で NOX1 は恒常的に大腸上皮に高発現している
が、angiotensin(Ang )II、PDGF、リポ多糖などの刺
激により強く誘導される。AngII は慢性腎臓病の発症・
進展に関わることから、演者らは NOX1 由来の ROS が
糖尿病性腎症に関与しているのではないかと考え Nox1
遺伝子欠損マウス(KO )を用いて詳細に検討した結果
が紹介された。さらに、この KO マウスや培養細胞を
用いて NOX1 と非アルコール性脂肪肝炎や肝線維症と
の関連についての知見や、神経系における NOX1 の役
割に関する最新のデータなども紹介され、臨床医や基
礎研究者と活発な討論が展開された。
【セミナーの成果】
メタボリックシンドロームの多様な病態に関わる
NOX1/NADPH オキシダーゼについて最新の知見が紹
介され、基礎系のみならず臨床系の大学院生や教員の
今後の研究の展開に多いに参考になる大変有意義なセ
ミナーであった。
(先端医療研究領域 竹内正義記)
36
北陸がんプロ FD 講演会
北陸がんプロ FD 講演会は、がん医療に携わる教員の
資質向上や能力開発を目的として、最新のがん医療専
門家を招聘し講演会を開催している。
癌の病態解析セミナー
がん個別化治療を推進するクリニカル
シークエンスの現状と課題
講師: 西原広史先生(北海道大学大学院医学研究科探
索病理学講座特任教授)
日時: 平成 27 年 11 月 9 日(月)18:00 ~ 19:30
場所: 医学教育棟 4 階 E41 講義室
【講師紹介】
1995 年 北 海 道 大 学 医 学 部 を 卒 業
後、同大学大学院病理系専攻(長嶋和
郎教授指導)修了。同大学附属病院
病理部医員、分子病理学助手を経て、
2002 年 か ら University of California
San Diego 校にヒト大腸癌における
COX-2 による発癌機序の解明のため留学。2004 年に復
職し、北海道大学探索病理学講座特任准教授。2015 年
1 月より現職。
【講演の内容】
次世代シークエンサーの開発・導入により、がんの
ゲノム医学が飛躍的に発展した。臨床現場では個々の
患者に対して最先端の遺伝子解析機器を用いた遺伝子
解析を行い、診断・治療に必要なデータを抽出するク
リニカルシークエンスが行われている。このクリニカ
ルシークエンスには診療情報と直結した生体試料の確
保と生体試料の高い品質管理が必要である。本講演で
は、北海道大学を中心に、千葉大学、京都大学、岡山
大学などで行われている生体試料管理における現状を
紹介し、診療施設の現場内のバイオバンクに関する課
題、高効率・高品質の検体保管、臨床現場に即した生
体試料の管理と解析に関する諸問題を分かり易く解説
された。
講演後、フロアと活発な質疑応答、意見交換があり、
クリニカルシークエンスを実現するための情報・技術
の共有の問題点、最近の検体管理システムについても
分かり易く説明され、また、将来の方向性についても
言及された。今後の研究の糧となる有意義なセミナー
であった。
(臨床病理学 野島孝之記)
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
北陸認プロ
大学院医学研究セミナー
FD 講演会
北陸認プロ FD 講演会は、認知症対策の担い手として活躍できる人材育成のため、北陸医科系 4 大学の拠点ネッ
トワークを中核に関連医療機関等が連携して、テレビ会議システムを通じて講演会を開催している。
アルツハイマー病の危険因子
認知症の先制医療 : バイオマーカーに
よる診断技術の進歩と予防的介入
講師: 木下彩栄先生(京都大学医学研究科人間健康
講師: 池内 健先生(新潟大学脳研究所附属生命科学
科学系専攻在宅医療看護学分野教授)
リソース研究センターバイオリソース研究部門教授)
日時: 平成 27 年 11 月 16 日(月)18:00 ~ 19:30
日時: 平成 27 年 12 月 7 日(月)18:00 ~ 19:30
場所: 基礎研究棟 3 階大学院セミナー室
場所: 基礎研究棟 3 階大学院セミナー室
【講師紹介】
【講師紹介】
1989 年京都大学医学部卒業後、同
1991 年新潟大学医学部卒業後、神
大学附属病院神経内科に入局。1998
経内科へ入局。臨床研鑽ののち 2000
年同大学学位取得の後、生理学研究
年 医 学 博 士 の 学 位 を 修 得 し、 同 年
所を経て、ハーバード大学へ留学。
シカゴ大学へポスドクとして留学。
2003 年京都大学へ復帰。2005 年より
2003 年新潟大学へ復帰。2011 年より
現職。
現職。
【講演の内容】
【講演の内容】
アルツハイマー病の基本的捉え方から多彩な最新知見
アルツハイマー病(AD )の超早期診断とは、認知症
に至るまで多くの内容が口述された。
「意味記憶よりむ
状が出る前のプレクリニカル段階で、アミロイドベー
しろエピソード記憶の欠落をもってアルツハイマー病を
タ沈着を察知し、やがて症状の現出するに至る時期を
疑う」という言葉に代表される症候論について、PIB ス
確度高く推定することである。そのような超早期診断
キャン(放射性アミロイドマーカー即ちピッツバーグ化
を可能にする潜在力をもつマーカー候補を比較し、そ
合物を用いた PET 画像によるアミロイド局在の可視化)
のマーカーとしての妥当性を検討する試みが紹介され
や脳脊髄液による診断手法について、DIAN(家族性ア
た。脳脊髄液中の総タウ蛋白質は正常から軽度認知障
ルツハイマー病家系に依拠した大規模な追跡研究)によ
害(MCI )への移行に伴い増加する一方、さらに AD と
る病の時系列解明について、圧倒的多数を占める孤発
なっても同レベルであるのに対し、リン酸化タウ蛋白
例を研究するための切り札としての ApoE4 に関する話
質は健常から MCI を経て AD へと推移するとともに単
題について、予防手段としてのエクササイズの有用性
調増加していくことなど、マーカー間の時間的挙動に
についてなど印象深かった。
違いが見られることが解説された。高信頼度マーカー
また、インスリン分解とアミロイド分解は競合する
が脳脊髄液でなく血液にあってほしい。
のでインスリン抵抗性はすなわちアルツハイマー発症
血中デスモステロール(コレステロール前駆体)が AD
危険性であるという指摘や、頭部外傷においてアミロ
で低下する事実は、我々の行っている電気生理学的研究
イドとタウの蓄積の関連性が必ずしも一様でない点な
にとって示唆に富むものだった。アミノ酸や脂質など単
ど、研究面で示唆に富む内容であると受け止めた。ア
一マーカーを複数組み合わせて、これを「マーカー」と
ルツハイマー病モデルマウスを使って病態生理の限定
みなすことでより高い精度を得られる可能性にも言及
ゆえん
された部分だけを解析し、膨大なアルツハイマー研究
があった。食品メーカーが興味を持つ所 以である。疾
文献の一側面とだけ関連付けている今の私にとっては、 病マーカーを確立するうえで再現性・標準化・システ
既知の面でつながりつつ、知らない側面を有機的に織
ム化が大切であることの指摘およびそれを実現するた
り込んでいく上で意義深かった。多彩な聴衆も各様に
めの道具立てなど、国際標準化をめざす試みが話され
アルツハイマー病の危険因子に関し理解を深められた
た。次いで、話題は予防介入におよび、1990 年代のワ
ものと推察する。
(生理学Ⅰ 加藤伸郎記)
クチン療法から最近のガンマセクレターゼ阻害薬開発
までの原因療法衰亡史と、現在期待を集める軽度 AD
用抗体医薬やベータセクレターゼ治験について語られ
た。
(生理学Ⅰ 加藤伸郎記)
37
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
金沢医科大学主催
北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プラン市民公開講座
代替医療への対応 : 信頼できる情報とは
講師: 中山健夫先生(京都大学大学院医学研究科健康
情報学分野教授)
大野 智先生(大阪大学大学院医学系研究科統合
医療学寄附講座准教授)
日時: 平成 27 年 10 月 25 日(日)14:00 ~ 16:00
場所: ホテル金沢
今回のがんプロ市民公開講座では、代替医療を取り
左から、元雄教授、中山健夫教授、大野 智准教授、安本教授
と、情報源としては、国立がん研究センターの「がん情
上げ、その利用に際してどのような情報を得て、いか
報サービス」、厚生労働省「統合医療」情報発信サイト
に判断するかを考える機会とした。司会は本学の安本
(eJIM )などがあることを紹介した。医療・健康に関
和生教授(腫瘍内科学)が務めた。
まず、京都大学大学院医学研究科健康情報学分野の
中山健夫教授が「健康・医療情報のチェックポイント :
入門編」と題して講演した。
「ダイエット薬」や「頭の良
する情報にはあやふやなものが多く、情報の取捨選択、
そのための知恵(情報リテラシー)が必要で、自分の価
値観や好みについて自分自身に問いかけることも重要
であると述べた。
くなる薬」という例を示しながら、正しい情報を得るに
最後に、本学の元雄良治教授(腫瘍内科学)が「漢方
はデータの分母が何かを忘れないこと、また因果関係
は代替医療か : がんの支持療法における保険診療として
の検証と情報の質の評価の重要性を強調した。同じ情
の漢方」と題して、現代のがん医療において、標準的な
報でも価値観や資源によって行動・意思決定が影響さ
治療を完遂させるために、患者をサポートする支持療
れ、最終的に決めるのは自分であることを述べた。
法に医療用漢方製剤が保険診療として用いられている
次に、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附
講座の大野 智准教授が「がんの補完代替療法『ウソ』、
『ホント』:自立した賢い患者を目指して」と題して講演
した。
「ニセ科学」の特徴として、白黒を付ける、脅す、
願いをかなえるという点を指摘した。一方、正しい情
報にはランダム化比較試験などの科学的根拠があるこ
38
ことを、具体的な処方例を呈示しながら解説した。
情報リテラシーを高めるためにも、今回の講座で紹
介されたウェブサイトにぜひアクセスされることをお
勧めしたい。
(腫瘍内科学 元雄良治記)
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
北陸がんプロ金沢医科大学市民公開講座
乳がんの母子間の精神的サポートの
あり方
講師: 宮崎ますみ氏(女優、エッセイスト、サイバー
ヒプノセラピスト ヒプノウーマン代表)
日時: 平成 27 年 8 月 9 日(日)10:00 ~ 12:00
場所: ホテル金沢 4 階
平成 27 年 8 月 9 日(日)、講師に宮崎ますみさんをお
迎えして標記市民公開講座を開催し、
「乳がんの克服~
母と子の絆づくり~」と題した特別講演が行われた。
宮崎ますみ氏
宮崎さんは、女優・エッセイストとしてのみならず、
んの親を持つ子どものためのサポートについて~金沢
乳がんサバイバーとして多くの講演活動を行っている。
医科大学病院での取り組み~」と題する講演も開催さ
講演では、親のがんが発覚した時に、子どもへの提示
れた。
「CLIMB:(Children ’
sLives Include Moments of
を迷うことはあるだろうが、子どもの「整理のつかない
Bravery )」プログラムに基づいて今夏に実施された「キ
気持ちを受け止めてあげる大人がそばにいることが大
ッズ探検隊」の事例報告も行われ、子どもの持っている
切」とご自身の経験も踏まえて強調された。また、子
力を引き出し、親の病気に関連するストレスに対処し
どもには、たとえ幼くとも「親にただならぬことが起
ていくための能力を高めることや、同じような状況に
こった」と察知する力があり、適切な説明を届けないと
ある子どもたちが集まって、一緒に工作をしたり、話
かえって子どもが混乱し不安を抱くことがあるので、
し合ったりしながら、お互いの状況や気持ちを伝えあ
「言葉を添えて安心させること」、
「抱きしめてあげるこ
と」が大切と指摘された。
い、仲間とつながることの重要性が語られた。
(精神神経科学 北本福美記)
同日、本学の久村和穂講師(腫瘍内科学)による「が
平成 27 年度
実験動物慰霊祭
平成 27 年度実験動物慰霊祭が、平成 27 年 10 月 28 日
(水)午後 12 時 30 分から基礎研究棟 2 階会議室において、
勝田省吾学長ほか教職員、学生など約 80 名が参列して
執り行われた。
読経が流れる中、参列者が医学の発展に寄与した実
験動物の御霊に深い感謝の意を捧げた。最後に、動物
実験委員会の石垣靖人委員長から、「 動物による実験
実験動物に哀悼の意を捧げる参列者
は、生命体の基本構造の把握、病気の予防、難病の解明、
治療の開発といった医学の学習、研究、医療の発展に
欠くことのできない重要なもので、人類の福祉に大き
挨拶があり、平成 27 年度実験動物慰霊祭を終了した。
(総合医学研究所共同利用センター 荒井剛志記)
く貢献するものである。その実験動物(本学における過
去 1 年間の実験動物使用数:9,067 匹)に対して、心から
感謝し、今後も動物愛護の精神を常に念頭に、必要最
小限を留意しつつ、日々の学習・研究において研鑽を
重ね、医学・医療の更なる発展に努めていきたい 」 との
39
学 術
産学官連携
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
400 名、2 日目 950 名で、延べ 1,350 名であり、首都圏で
開催される同種のイベントに遜色のない規模であった。
北陸発の産学官金連携マッチングイベント
Matching HUB
Kanazawa 2015 Autumn
開催日: 平成 27 年 11 月 16 日(月)、17 日(火)
場 所: ANA クラウンプラザホテル金沢
本学は今回初めて出展し、研究推進センターの活動内
容を説明するパネルに加え、産学連携による製品化事
例である細胞培養容器 NICO®-1 を紹介するパネルを展
示した。
初日の特別講演では文部科学省の坂本修一課長(産業
連携・地域支援課)から「今求められる大学発イノベー
ション」、法政大学法学部の萩谷順教授から「地域活性
「北陸地域の活性化を目指した新産業創出と人材育
化~日本経済のゆくえ~」と題する講演がなされた。坂
成」および「産学官+金(金融機関)」をテーマとするイ
本課長からは文部科学省の基礎研究に対する支援の取
ベントが上記のとおり開催された。北陸先端科学技術
り組みについての紹介、萩谷教授からは日本経済の発
大学院大学(JAIST )を中心として、北陸地域に関係の
展のためには日本人の働き方が変わらなければならな
ある 5 つの公的機関が共同で主催した。JAIST は同イ
いとの指摘がなされた。その他、10 のテクニカルセッ
ベントを新産業創出のための地域連携のハブ(hub: 結
ション、関係機関によるセミナー等が Matching HUB
節点)にすることを目指しており、イベント名からも
のプログラムとして切れ目なく開催され、いずれも盛
そのことが読み取れる。本イベントの第 1 回目は平成
況であった。JAIST は来年度以降も継続して Matching
27 年 2 月に開催されており、今回は 2 回目の開催であっ
HUB を開催するとしており、今後の発展に注目した
た。出展ブース数は 226(2 日目のみ)、参加者は 1 日目
い。
(研究推進センター 畔原宏明記)
ライセンス・共同研究可能な技術を発明者が発表
医学部合同新技術説明会
日時: 平成 27 年 11 月 20 日(金)10:00~16:00
場所: JST 東京本部別館 1F ホール(東京・市ケ谷)
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST )および本
学を含む医学系 10 大学が共同して上記の「新技術説明
会」を開催した。本学は共同開催校を代表して幹事を担
当した。新技術説明会は大学等から生まれた特許の実
今後の連携組成に期待したい。
とのできるイベントである。JST は大学等の公的研究
携実務者を中心とする自主的な勉強会である「医学部
機関が主体となった研究成果の社会還元活動を積極的
合同情報交換会」を本学主催で開催した。
(国研)日本
に支援するという立場から、発表会場の提供および発
医療研究開発機構(AMED )の天野優子氏(臨床研究・
表者への旅費の補助等を行っている。新技術説明会は
治験基盤事業部 臨床研究課)および神谷直慈氏(知的
平成 16 年から通年行事として開催されており、昨年度
財産部 知的財産コンサルタント)を講師として招き、
用化を目指し、企業に向けて発明者が自ら PR するこ
には 86 回開催され、今年度も同程度の回数の開催が予
定されている。頭記の「医学部合同新技術説明会」はこ
なお、前日 19 日(木)には前記共同開催校の産学連
それぞれから「プロジェクト支援と管理- URA と FA
の両視点からの考察」
(URA は University Research
のうちの 1 回であり、平成 22 年 12 月に初めて開催され
Administrator、FA は Funding Agency 研 究 資 金 配 分
て以来、毎年開催されている。本学は平成 23 年から毎
機関の略)、
「AMED の知的財産支援体制について」と題
年参加し、各回 1 件の新技術を発表している。今回は
する講演をいただいた。引き続き「大学の重要知財をど
本学病院栄養部の中川明彦栄養課長が「寝たきり患者向
う守り、育てるか」、
「各大学のトラブル事例に学ぶ」の
け 3D スキャナを用いた身長測定装置」と題して発表を
2 つのテーマで意見交換を行った。最後に、来年度は
行った。全体で 10 件の新技術発表が行われ、企業等か
滋賀医科大学が本情報交換会を主催することを確認し、
らの参加者は延べ 114 名であった。それぞれの発表後
成功裡に閉会した。 (研究推進センター 畔原宏明記)
には企業等との活発な質疑応答や名刺交換が行われた。
40
学 術
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
2014 年出版 英文論文一覧
記載の順序は、著者名 : 標題、掲載誌名、巻数 : 頁、業績年
Akao H., E.Polisecki, EJ.Schaefer, S.Trompet, M.Robertson,
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以上総数 227 編(学内筆頭者 101 編、学外筆頭者 126 編)
47
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
病 院
全国初
6 歳以上 10 歳未満児の脳死判定
平成 27 年 12 月 17 日(木)金沢医科大学病院において、
臓器移植法に基づき 6 歳以上 10 歳未満の男児が脳死と
判定された。翌 18 日(金)臓器摘出手術が行われ、16 時
から、家族の同意のもと医学教育棟 6 階大会議室にお
いて、報道機関 10 社(テレビ 5 社、新聞社 5 社)を前に
松本忠美病院長、横山 仁臓器移植委員会委員長、犀川
太小児科教授の 3 名が出席して記者会見を行った。会
記者会見する松本病院長(中央)、横山教授(左)、犀川教授(右)
見では、山下和夫病院事務長の司会進行により、松本
忠美病院長から概要の説明、横山委員長および犀川教
が、日本臓器移植ネットワークからの情報では、肺は
授から経過説明などがあった。
東北大学病院の 10 歳代男児に、肝臓は国立成育医療研
今回の脳死判定は、臓器移植法施行後全国で 357 例
究センターの 10 歳未満の女児に、膵臓と片方の腎臓は
目、家族承諾事例は 198 例目となった。平成 22 年施行
藤田保健衛生大学病院の 60 歳代男性に、もう片方の腎
の改正臓器移植法で可能になった 15 歳未満の脳死判
臓は岡崎市民病院の 50 歳代女性に無事移植されたとの
定は全国で 10 例目で石川県内では 1 例目となり、また
ことである。
6 歳以上 10 歳未満では全国で初めての脳死判定であっ
なお、記者会見の最後に松本病院長から「病院として
た。本学病院では平成 22 年 1 月に 1 例目(40 代女性)、
まずご家族に敬意を表します。ご家族に寄り添いながら、
平成 26 年 11 月に 2 例目(70 代男性)が行われ、今回が 3
できるだけ対応させていただいた。命のバトンがうまく
例目となる。
リレーされ、多くの方が救われることを切に願っている。
男児は、11 月に本学病院に緊急搬送後「低酸素性脳
症」と診断された。その後、ご家族から臓器提供の申し
そのことがご両親の心の支えになっていくと考えてい
る」と、心を込めた挨拶があった。
出があり、約 1 カ月間に計 4 回、移植コーディネーター
日本臓器移植ネットワークをはじめ、臓器移植委員
からの説明を受け、臓器摘出に最終同意をされた。ご
会、脳死判定委員会、小児科、ハートセンター、コー
家族には、臓器提供が必要なのに移植手術を受けられ
ディネーター、担当事務、そして関連部署の皆さんの
ず亡くなった知人がおり「助からないのならどこかで生
ご尽力により、大学病院の社会的使命を果たせたこと
きていてほしい」と決断されたとのことである。
をあらためて感謝いたします。
摘出手術は、12 月 18 日(金)9 時 50 分から始まり 14
時頃に終了した。心臓と小腸は医学的理由で断念した
48
(病院事務部 山下和夫記)
病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
第 21 回
当院の救急医療センター
地域医療懇談会
年齢別・時間別受診患者
の現状と取り組みとして
数と、入院患者の疾患別
日時: 平成 27 年 11 月 28 日(土)午後 6 時 30 分
割合を紹介した。また、
場所: ホテル日航金沢 4 階
救急救命士による処置の
拡大とメディカルコント
石川県内および富山県高岡医療圏の開業医の先生方
ロール体制、胸痛ホット
との連携を深めることを目的に、今年で 21 回目となる
ラインへのつながりにつ
地域医療懇談会が開催された。
いても紹介された。
当日は、県内から県歯科医師会をはじめ 66 名、富
第 2 部は内灘町消防本
特別講演の和藤幸弘教授
山県から 5 名が出席された。本学から病院長、副院長、
部庶務課課長消防司令の
各診療科長・医局長、また招待者として竹越 襄理事長、
高道三春氏、河北郡市医師会会長(由雄クリニック院長)
勝田省吾学長、中農理博副理事長、木村晴夫常務理事
の由雄裕之先生、本学和藤教授(救命救急科)により「開
ほか 78 名が出席した。
業医、救急隊、当院との連携」と題して、
「アナフィラ
会議は本学役員紹介の後、古家大祐副院長を座長に
キシー」を症例としてパネルディスカッションによる討
松本忠美病院長が挨拶および本学病院の現状報告を行っ
議が行われた。119 番に電話が入ったところからすで
た。引き続き、事前に実施していたアンケートでの要
に救急活動は始まっており、依頼者のファーストコー
望事項について回答が行われ、今年度新たに就任した
ルから的確に情報を収集し、救急隊や搬送先へ伝達さ
新任教授 5 名が紹介された。
れている。また、指令員による救急隊への情報提供は
第 1 部は和藤幸弘教授(救命救急科)による特別講演
速やかな活動方針の決定、使用資器材の準備ができる
「石川県における当院の救急医療の現況について」が行
ことに繋がり、医師への情報提供は病院側の受け入れ
われた。石川県の救急医療の現況について紹介した後、
準備と治療に繋がり連携の状況が把握できた。開業医、
救急隊、病院がそれぞれ的確な状況判断と情報収集・
提供をすることでお互いの役割を遂行し救命に繋がる
とし、今後の連携強化を図っていきたいなどそれぞれ
の立場で意見が述べられた。
懇親会は竹越理事長の開式の挨拶の後、勝田学長の
発声で乾杯が行われた。意見交換や交流など、終始和
やかな雰囲気で歓談が行われた。親睦も深まった中、
三輪高喜副院長の閉会の挨拶および四方裕夫副院長の
万歳三唱で盛会裡に終了した。
(地域医療連携事務課 太田昌代記)
懇談会の様子
第6回
院の地区別紹介患者数・逆紹介患者数について報告し
金沢医科大学病院
た。紹介・逆紹介ともに約 2,500 件あり、そのお礼と今
学術交流会 in 能登
後の更なる協力を依頼した。続いて、本学病院の取り
日時: 平成 27 年 10 月 17 日(土)午後 6 時
教授)が座長を務め、特別講演では珠洲市総合病院内
場所: キャッスル真名井
科医長の小泉順二先生が、
「能登の先端で思うこと~糖
組みと病院本館解体工事の進捗状況について報告した。
第 1 部の講演会は、古家大祐副院長(内分泌・代謝科
尿病診療と連携~病診連携を超えて」と題して講演され
第 6 回金沢医科大学病院学術交流会 in 能登が能登北
部・七尾市医師会共催で開催され、68 名(院外 40 名・
院内 28 名)が参加した。初めに、松本忠美病院長が本
た。先生が珠洲に来て感じていることとして、①高齢
者が多い、②高齢者で働いている人が多い、③肺炎・
心不全で寝たきり患者に糖尿病疾患が多い、④成人の
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病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
血糖コントロール不良者が多い、⑤祭りでの“よばれ”
が多く食事療法や運動療法に対する認識が薄いという
ことを指摘した。過疎化が進み 1 人暮らしの高齢者に
は、糖尿病治療の目標とする合併症の発症・進展阻止
の指導よりもまずは、生活機能の維持が重要である。
それには医師をはじめ他職種にわたる人々、医療と行
政、地域を越えた連携が不可欠で、症状がないときか
らの生活習慣の見直しが必要であると講演された。
次に、金沢医科大学病院の取り組みとして、渡邉 真
医師(循環器内科)が「公立穴水総合病院循環器内科医
としての役割」として、①慢性虚血性心疾患の早期発
福島教授の「症例検討会」
見、早期 2 次予防介入により心臓死を減らす、②急性
正院長(小西内科医院)より開会の挨拶、七尾市市医師
冠症候群およびその他致死的心血管疾患の迅速な診断
会副会長の奥村義治院長(おくむら内科胃腸科医院)の
および対応(緊急搬送含む)をあげた。続いて、本学福
乾杯で、和やかに懇親会が行われた。
島俊洋特任教授(血液・リウマチ膠原病科)が「症例検
最後に四方裕夫副院長(血管外科臨床教授)が、この
討会」として 1 年間に紹介のあった患者の分析報告があ
ような会を通して一層の連携を深めていきたいと閉会
り、今後も科員一同、迅速な受け入れ・診断に取り組
の挨拶を行い、懇親会は盛会裡に終了した。
(地域医療連携事務課 川辺真由美記)
んで行きたいと報告された。
第 2 部の懇親会では、能登北部医師会会長の小西堅
《本学スタッフ新刊著書》
後山尚久 編集
漢方診療
クリ二カルクエスチョン 50
第 1 章は漢方全般、第 2 章は漢方処方、第 3 章は漢方
診療に関する CQ、第 4 章は「患者からの答えにくい
質問にどう答えるか」という構成である。特に最後
分担執筆:元雄良治(Q2 漢
方 と 中 国 医 学 の 違 い、Q12
保 険 診 療 に つ い て、Q40 が
ん医療と漢方)
診断と治療社
B5 判、160 頁
定価(本体 4,200 円 + 税)
2015 年 10 月 20 日発行
ISBN978-4-7878-2219-2
の章では、たとえば「漢方薬は食前に服用するよう
に医師から言われましたが、ついつい忘れてしまう
のですがと言われたら」という CQ48 がある。その答
えは、
「漢方薬の服用は空腹時が基本ですが、漠然と
食前とせず、時間を指定したり、食事の準備を始め
るときに、などの具体的な指示がお勧めです」とい
うスタイルで記載されている(一部を抜粋改変)。そ
してそのあとには、服薬時間に関する古典での記載、
食前の方が薬効成分の吸収がよいことを薬理学的に
詳しく解説されている。最後には「その日の薬はそ
クリニカルクエスチョン(CQ )は診療ガイドライ
の日に飲み切ることを最優先して下さい」と具体的
ンなどでよく使われる用語であるが、臨床上の質問
な助言が書かれている。
(疑問)のことである。本書は漢方医学に関する 50 の
質問(CQ )にエキスパートが答えるという形式で、
50
外来診察室において日常診療に役立てていただき
たい 1 冊である。
(腫瘍内科学 元雄良治記)
病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
「看護倫理」宿泊研修
日時: 平成 27 年 10 月 16 日(金)午前 8 時 30 分~ 17 日(土)
正午
場所: いこいの村能登半島
3 年次看護師対象の宿泊研修が、いこいの村能登半島
にて開催され、57 名が参加した。
研修テーマは、平成 26 年度に引き続き「看護倫理」
であった。宿泊研修の狙いは、時間を掛け、思考を深める、
およびリフレッシュであり、
「看護者は、倫理的問題に
気づく力を高めることが重要」との才田悦子看護部長の
挨拶に始まった。中井有里精神看護専門看護師から「医
療現場における倫理的課題について」
、続いて生野 圭精
神科認定看護師から「身体抑制について」の講義を受け
た。日常業務の倫理的問題を話し合うゲームでは、研修
生から、日々の臨床現場でのジレンマなどが多く発表
された。午後からは、4 事例の倫理的問題について、11
グループに分かれ検討した。内容は、様々な臨床の場
面で身体抑制を行った事例を中心に、どのような倫理
的行動が望ましいのかなど、理論に基づき分析し、看
護展開を行った。その後、検討内容を模造紙にまとめ、
グループ発表
し、活発な意見交換が行われた。また、講師から検討
内容について講評を受け、研修生からは、「倫理的思考
が身についた」、「病棟で倫理カンファレンスをしたい」
などの感想が寄せられた。本研修の学びから、倫理的
感受性の向上により一層の倫理的行動を期待したい。
さらに、グループワーク後に、懇親会として、研修
生やオブザーバーが一堂に会して、バーベキューを行
い、さらなる親睦を深め楽しい時間を共有できた。
(看護部 北川奈美江記)
展示して 1 日目を終了した。2 日目は、検討内容を発表
平成 27 年度
範疇に属する」と定義している。
褥瘡対策講習会
集会が開催されてから 2002 年の褥瘡対策未実施減算、
医療関連機器圧迫創傷に関する動向
講 習 会 で は、 ま ず 1999 年 第 1 回 日 本 褥 瘡 学 会 学 術
2006 年の褥瘡ハイリスク患者ケア加算にともなう日本
褥瘡学会の動向について述べられた。その中で、従来
の褥瘡とは発生要因の違う MDRPU であることに注目
講師: 須釜淳子先生(金沢大学医薬保健研究域保健学
系教授)
されることとなった経緯を説明された。
次に、2013 年実態調査結果として、調査施設におけ
日時: 平成 27 年 10 月 29 日(木)午後 5 時 30 分
る有病率、褥瘡のうち MDRPU の占める割合、発生部
場所: 医学教育棟 5 階 E51 講義室
位と深さ、発生に関連した機器について報告された。
MDRPU の発生要因概念図では、機器要因・個体要因・
この講習会は褥瘡ハイリスク患者ケアの施設基準を
ケア要因・複合要因について説明があり、予防対策で
満たすために必要である。今回は医師 6 名、看護師・
は、それぞれの発生要因への対策を行うことによって
看護補助員 114 名、コメディカル他 26 名の計 146 名が
発生率を減少させることができると具体的な例をあげ
参加した。
て述べられ、興味深い内容であった。
今回のテーマである医療関連機器圧迫創傷 medical
device-related pressure ulcer(MDRPU )を、日本褥瘡
今回参加できなかった職員のためにビデオ・オン・
デマンド配信を行っている。
(看護部 香谷 泉記)
学会では、
「医療関連機器による圧迫で生じる皮膚ない
し下床の組織損傷であり、厳密には従来の褥瘡すなわ
ち自重関連褥瘡(self load-related pressure ulcer )と区
別されるが、共に圧迫創傷であり広い意味では褥瘡の
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病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
のと緩和ケア研究会
第 7 回学術講演会
日時: 平成 27 年 9 月 26 日(土)午後 4 時
場所: 和倉温泉「のと楽」
今回で 7 回目となった「のと緩和ケア研究会学術講演
会」が和倉温泉にて行われ、第 1 部では、平成 26 年度の
沖縄視察研修について、研修に参加した当研究会の有
志 5 名の中から、本学の久村和穂講師(腫瘍内科学)と
恵寿総合病院臨床心理士の金城 聡氏が代表して視察内
容を報告した。
パネルディスカッション
第 2 部は「能登でがんになっても安心に暮らしていくに
はどうしたらいいか」をテーマにパネルディスカッショ
視点を提供することにより、テーマが抽象的なものに
ンが行われた。町立富来病院内科医長の野口晃氏を座
終わることなく、地域の患者やそれに関わる医療者が
長に、パネリストは羽咋市松沼医院院長の松沼恭一氏、
実際に抱える問題について、リアルに考える貴重な機
本学我妻孝則看護師、珠洲市総合病院看護師の仁尾悦
会になった。
子氏、町立富来病院薬剤師の仙崎好彦氏、石川県健康
質疑応答では、本研究会の常連医師や看護師だけで
福祉部健康推進課長の相川広一氏の 5 名であった。各
なく、訪問看護師や薬局薬剤師など地域の臨床現場の
パネリストの専門的背景や日々の活動は多岐にわたっ
最前線で働く医療者からも積極的な質問や意見が出さ
ており、発表は、互いにテーマが重なることのない興
れたことが今までにない成果であった。
(麻酔科 小川真生記)
味深いものであった。各々の発表が多角的で重層的な
平成 27 年度
第 2 回安全管理体制確保のための職員研修会
院内医療事故調査制度について
講師: 小坂健夫教授(医療安全部部長)
中川 淳准教授(医療安全管理室室長)
日時: 平成 27 年 10 月 20 日(火)午後 5 時 30 分
場所: 医学教育棟 5 階 E51 講義室、4 階 E41 講義室
小坂健夫医療安全部長
中川 淳医療安全管理室長
病院全職員を対象とした、今年度、2 回目の安全管理
体制確保のための研修会が開催された。今回は、10 月
初めに小坂健夫医療安全部長が、医療事故調査制度
1 日から施行された「医療事故調査制度」について、そ
がスタートした背景と制度の目的について、航空機事
の導入経緯と本学病院の対応について講演が行われた。
故の事例を参考に、運輸安全委員会と医療安全委員会
当日は、医師、看護師、薬剤師、技師、事務職員お
を対比させながら、医療事故報告制度発足の経緯につ
よびテナント関係者が、各講義室での受講とイントラ
いてわかりやすく解説した。また、調査制度概要のモ
ネットライブ放送での視聴を併せて 712 名が出席した。
デルとなった名古屋大学病院の医療事故調査委員会が
講演に先立ち、松本忠美病院長が開会の挨拶で、イン
行った調査手順と、標準的な対応方法について紹介し
シデント報告を含めた医療安全対策の知識を深めてほ
た。
しいと依頼した。引き続き、前野聡子医療安全管理室
次に中川 淳医療安全管理室長が、医療法の条文に沿
課長が座長を務め講師 2 名を紹介し講演会が開始され
いながら、医療事故の定義、遺族への説明、調査方法、
た。
調査結果報告等について説明した。さらに、実際に患
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病 院
者が亡くなったと想定し、当院の具体的な対応につい
て Q&A 形式で詳細な説明を行った。中川室長は最後に、
「隠さない」、
「逃げない」、
「ごまかさない」を基本姿勢と
して医療事故調査制度に対応していただきたいと要望
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
され、講演会が終了した。
なお、当日出席できなかった職員を対象として、3 回
のビデオ上映会とビデオ・オン・デマンド視聴、DVD
の貸出しを予定している。
(医療安全課 岡山 均記)
胸痛ホットライン研究会主催
狭心症公開カテーテル治療セミナー
日時: 平成 27 年 10 月 23 日(金)午後 6 時
場所: 病院新館 12 階会議室
一般の方々に狭心症のカテーテル治療を実際にみて
いただくことで、動脈硬化性疾患やカテーテル治療へ
の理解が得られることを主旨に、狭心症の公開カテー
会場の北山道彦臨床教授とカテーテル室で治療中の術
テル治療セミナーを企画し、本学病院に通院する患者
者が回答、治療経過のすべてを時間軸通りに公開した。
さんや近隣の一般の方々を対象にセミナーを開催した。
セミナー開催後の参加者の反響は予想以上に大きく、
消防隊員 13 名を含む 143 名が参加した。
動脈硬化性疾患やカテーテル治療に関する一般の方々
本山敦士助教(循環器内科学)による動脈硬化性疾患
についてのわかりやすい説明を冒頭に行ったのちに、
カテーテル治療の実際をセミナー会場のふたつのスク
リーンに映し出して参加者に供覧した。
の啓発に貢献し、かつ、当科の治療姿勢の公明性を伝
えられる良い機会になったことを実感した。
なお、当セミナー開催に関わる費用は県からの高度・
専門医療人材養成支援事業費補助金でまかない、実際
当科カテーテル室で実際に行われている狭心症患者
に治療を行った患者さまには個人情報の非公開を前提
さんの治療風景やカテーテル室のモニターに映し出さ
に当セミナーの本旨に賛同してもらい協力していただ
れる透視・造影像をセミナー会場にオンタイムで配信
いた。同患者さんには深く感謝している。
した。参加者からの活発な質疑に対しては、セミナー
(心血管カテーテル治療科 土谷武嗣記)
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病 院
第 92 回がん診療連携拠点病院研修会
治療における QOL に貢献する
形成外科医の必要性
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
腔ができやすく、照射後は組織可動性不良となるため
死腔が生じやすい。そのため、感染兆候にかかわらず
術後 4 ~ 8 日で一部開創し、術後 1 週間で CT を撮影し
膿瘍形成の有無を確認する重要性を示した。
講演の後半では QOL に大きく関わる構音、咀嚼、嚥
講師: 木股敬裕先生(岡山大学形成外科学講座教授)
下機能や顔面の整容性の改善の観点で、長期的な形態・
日時: 平成 27 年 10 月 2 日(金)午後 6 時
機能の温存と晩期合併症の発症を防ぐ工夫を一次再建
場所: 病院新館 12 階特別会議室
で行う必要があると説明した。また、再建手術で経験
する筋萎縮は移植部位に間隙を生じるため、今後は萎
今回の研修会では岡山大学形成外科学講座の木股敬
縮しない脂肪移植が重要になることを示唆した。形成
裕教授に講演していただいた。木股先生が以前勤務さ
外科領域における最近のトピックスとして、遅発性合
れていた国立がんセンターでは、広範囲切除後再建の
併症の一つである下腿のリンパ浮腫における血管柄付
約 9 割を頭頸部癌が占めており、講演の前半では術後
きリンパ節移植術の治療効果についても説明した。
の瘻孔形成と感染を併発したトラブルへの対応を中心
このたびの講演では、本学病院における手術部位感
に説明した。局所合併症にまつわる因果関係について
染(Surgical Site Infection )の予防対策に大変有用な
着目した結果、密な縫合と術前に行われた放射線治療
内容であり、頭頸部がん治療における QOL に貢献する
の晩期障害が血流障害を生じ組織壊死と創傷治癒の遅
形成外科医の必要性を再認識した。
延につながることを示した。さらに照射後再発症例に
(頭頸部外科学 下出祐造記)
対する救済手術後において膿瘍形成を生じた場合には、
疼痛は認めるものの発赤、腫脹、熱感や WBC・CRP
上昇などの炎症反応が欠如する特徴を認めることを強
調した。また頭頸部領域では下顎骨や鎖骨の裏面に死
のと血液疾患地域包括ケア研究会
市民公開講座
「多発性骨髄腫」
トによる顎骨壊死の病因、予防、治療について講演した。
山野朋江主任看護師(本学病院 5 階西病棟)は「多発性
骨髄腫患者さんへの看護」の演題で感染症や骨折のリス
クとその予防を中心に説明され、退院支援などを通し
て院外の様々な職種の方々と協力して患者さんの生活
講師: 福島俊洋特任教授(血液免疫内科学)
日時: 平成 27 年 11 月 1 日(日)午後 1 時~ 4 時
会場: 七尾サンライフプラザ視聴覚室
や治療の支援を実践していることも話された。
「多発性骨髄腫の患者さんが安心して日常生活を送る
ために」と題したパネルディスカッションでは、講演し
た 3 人に当院の山口加代子主任薬剤師(薬剤部)、中木
本市民公開講座は平成 27 年度石川県高度・専門医療
哲也主任(リハビリテーションセンター)、猪口一也管
人材養成支援事業のひとつとして、同事業からの補助
理栄養士(栄養部)が加わり、参加者からの質問に分か
金を受け開催した。
りやすく丁寧に回答した。
第 1 部の講演では、最初に金沢大学血液内科助教、
患者さんとそのご家族、様々な職種の医療従事者な
高松博幸先生が「骨髄腫ってどんな病気?」と題し、貧
ど、60 名近くの方々が参加された。今回の市民公開講
血や腎障害、骨折など多発性骨髄腫で見られる症状に
座を機に、それぞれの立場でこれまで以上に前向きに
ついて話された。また、ボルテゾミブ、サリドマイド、
病気に向き合っていくことが期待される。
レナリドミドなど複数の新規薬剤が登場して著しく向
上している治療成績や、高松先生ご自身の研究成果と
治癒の可能性について講演した。
続いて石橋浩晃准教授(本学顎口腔外科学)は「多発性
骨髄腫と口腔ケア」の講演で口腔ケアの必要性、多発性
骨髄腫治療において不可欠の薬剤であるビスホスホネー
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(血液免疫内科学 福島俊洋記)
病 院
手術支援ロボット
「ダビンチ」に関する講演会
ロボット支援手術の現状と問題点
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
ビンチの運用体制を整備したとして国内的にも著名な
方である。講演の中で先生はダビンチを用いた手術は、
欧米では今、手術適用が拡大し続けているが、日本で
は前立腺全摘除術のみが保険適用で、その他の手術は
先進医療もしくは自由診療によって手術が実施されて
おり、採算性という面では非常に不利である。しかし、
講師: 北野博也先生(鳥取大学理事・副学長)
非常に低侵襲であること、腹腔鏡や内視鏡に比べて非
日時: 平成 27 年 11 月 13 日(金)午後 4 時
常にきれいな 3D 画像を見ながら手術ができること、専
場所: 医学教育棟 6 階大会議室
用鉗子を用いることで人間の手の動きよりも微細な動
作が可能であることなどのメリットがあることから、
本研修会は、平成 27 年 5 月に導入し、10 月から稼働
を開始した手術支援ロボット「ダビンチ」について、本
学病院職員が理解を深め、運用体制整備の一助とする
ことを目的として開催された。
今後はロボットを用いた手術が日本でも拡大していく
との展望を述べた。
なお、平成 27 年からはインテュイティブ・サージカ
ル社が保有するダビンチに関する特許が順次切れるこ
講師の北野博也先生は、鳥取大学医学部附属病院で
とから、今後は、本邦を含め世界規模でダビンチに類
ダビンチの運用を開始するにあたり、院内の倫理審査・
する手術支援ロボットの開発・販売が見込まれ、より
手術審査体制の構築やダビンチを核とした低侵襲セン
安価に手術支援ロボット手術を実施できる可能性を述
ターの設立を主導し、部署横断的かつ多職種によるダ
べ、講演を終えた。
(病院管理課 表 治久記)
平成 27 年度石川県高度専門医療人材養成支援事業
第 4 回「ほっこり能登プロジェクト」
市民公開講座
主催: 能登緩和ケア研究会
講師: 中村悦子先生(一般社団法人みんなの健康サロン
みなぎ
海凪代表)
日時: 平成 27 年 11 月 15 日(日)午前 10 時~ 12 時
場所: 輪島市文化会館
第二部では、一般社団法人みんなの健康サロン海凪
の代表で「みんなの保健室わじま」、
「キャンナスわじ
金沢医科大学病院緩和ケアチームは、能登地区にあ
ま」や「地域栄養ケア」などの活動をされている中村悦
る 15 の病・医院と協力して「のと緩和ケア研究会」を立
子先生の「老いても病んでもこの町で生ききる ! 」と題
ち上げ、地域連携に向けた活動を行っている。本研究
した特別講演があった。中村先生は輪島のショッピン
会活動は「ほっこり能登プロジェクト」と銘打ち、石川
グセンター「ファミィ」内に、高齢者や障害者、体調に
県の補助金を受けながら、能登地区の病・医院の医療
不安を感じる人などが相談・交流できる「みんなの保健
者と顔の見える連携作りをするとともに、がんと診断
室わじま」を開設された。そこでは、健全な食生活を支
された住民の生活の質を向上させ、併せて緩和ケアの
援するための情報提供や看護師による訪問ボランティ
知識普及を目的に活動している。本プロジェクトの一
ア窓口、さらに、がん患者やその家族らが語らえるが
環として、平成 26 年度の七尾市での開催に続き、2 回
んサロンなどが行われている。
目の市民公開講座を平成 27 年 11 月 15 日(日)に輪島市
で開催した。
第一部では、本研究会世話人やボランティアが「より
豊かな人生に向けた緩和ケアのすすめ」の寸劇を行い、
医療用麻薬への誤解を解いたり、緩和ケアの正しい知
識を紹介したりした。
講演終了後には、市民公開講座に参加された市民だ
けでなく、医療者からも多くの質問や激励の言葉が先
生に贈られた。
本研究会は、緩和ケアの普及啓発のため、今後も継
続して市民公開講座の開催を検討していきたい。
(看護部 我妻孝則記)
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病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
国立がん研究センター・金沢医科大学病院共催
ご当地カフェ in 石川
日時: 平成 27 年 10 月 17 日(土)午後 1 時 30 分~ 4 時 30 分
場所: 金沢都ホテル
国立がん研究センターがん対策情報センターがんサ
バイバーシップ支援研究部が全国の医療機関との共催
で行う「がんになったあとの暮らしについて学ぶ・語る
イベント~ご当地カフェ in 石川」が開催された。
本イベントのテーマは「がん治療と仕事の両立」であ
り、患者・家族、医療関係者、企業関係者等の約 70 名
が参加した。
カフェ形式で行われた講演会
いて報告した。
また、㈱ニチイ学館金沢支店の山本郁美氏は、がん
に罹患した従業員への支援の取り組みについて、シー
国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文
アンドティー北陸㈱の洲崎寛之氏は実際に本学病院で
彦センター長からの歓迎の挨拶の後、同がんサバイバー
治療を受けながら仕事を継続してきた体験について発
シップ支援研究部の高橋 都部長より「がんになっても
表した。
働きたい ! 両立のために自分・企業・医療者ができるこ
最後のカフェタイムでは、様々な立場の参加者が小
と」、本学の元雄良治教授(腫瘍内科学)より「がん医療
グループに分かれてお茶を飲みながら、がん患者が仕
の進歩と就労支援」と題する講演があった。続くシンポ
事を続けていく為にどうしたらよいのかをざっくばら
ジウムでは、石川県健康福祉部健康推進課の相川広一
んに語り合った。事後アンケートでは回答者全員が本
課長が行政の取り組みについて、社会保険労務士の千
イベントを有意義だったと評価し再度の開催を期待す
歩理恵氏が地元企業におけるがん患者の就労実態につ
るなどの感想が寄せられた。(腫瘍内科学 久村和穂記)
読響ハートフルコンサート
日時: 平成 27 年 10 月 23 日(金)午後 5 時
場所: 病院新館 1 階エントランスホール
公益財団法人読売日本交響楽団のメンバーによる
弦楽四重奏「読響ハートフルコンサート」が 10 月 23 日
(金)、本学病院 1 階エントランスホールで開催された。
このコンサートは、
「がん患者やその家族への支援」
を事業の中心に据えている公益財団法人正力厚生会(東
コンサートはバイオリン、ビオラ、チェロによる弦
京)が、がん患者さんの生活の質向上の一環として、当
楽四重奏で、曲目はいずれも良く知られた親しみやす
院のようながん診療連携拠点病院で毎月のように開催
いものばかりであったため、聴衆はどの楽曲にも楽し
しているものである。当院での開催は今回が初めてで、
そうに聴き入っていた。また、最後にアンコール曲と
当日はがん患者さんのみならず、入院患者さん・ご家
して唱歌「ふるさと」が用意されていた。団員からの要
族・職員など約 150 名が会場まで足を運んだ。
望で聴衆も演奏に合わせて歌詞を口ずさんだが、演奏
開演に先立ち、緩和ケア委員会委員長の土田英昭教
授から挨拶があり、引き続き、濱 大輔ソーシャルワー
終了時には感動の余り、涙を流す患者さんも見受けら
れた。
カー(地域医療連携事務課)から、がん患者さんの支援
本事業を通して、当院が行っているがん患者さんへ
に向けたがん相談支援センターでの専門相談、がん患
の手厚いサポートを広報できたことや、多くの患者さ
者さん同士の語らいの場であるサロン「やわらぎ」の設
んの心を癒すことができたことから、今後もこのよう
置、社会保険労務士による就労相談事業など当院の取
な患者サービス向上につながる事業を継続していけれ
り組みが紹介された。
ばよいと考えている。
56
(病院管理課 竹中愛美記)
病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
世界糖尿病デー World Diabetes Day
ブルーライトアップ
期間: 平成 27 年 11 月 14 日(土)~ 21 日(土)
場所: 臨床研究棟
「11 月 14 日」は 2006 年に国連総会議で採択された「世
界糖尿病デー」である。糖尿病はその蔓延が今や全世界
的脅威となっており、それを認知し、世界各地で糖尿
病の予防、治療、療養を喚起する啓発運動の推進を呼
びかけている。そのイベントの一つとして、世界の著
病院新館 1 階で行われた点灯式
“pandemic ”という表現さえ用いている。
名な建造物をブルーにライトアップする活動が定着し
このような流れの中、今年から、本学でも北陸新幹
てきている。ちなみに 11 月 14 日はインスリンの発見者
線の車窓からも見えるように、臨床研究棟がブルーに
であるカナダ人医師バンティング(Frederick Banting,
ライトアップされた(巻末にカラー写真)。ライトアッ
Nov 14, 1891 – Feb 21, 1941 )の誕生日であり、ブルー
プの期間は、11 月 14 日から一週間であったが、地域住
は国連旗と同じ「空(そら)」を表している。
民や周囲の方々からも好評であり、次年度からはこの
周知の通り、糖尿病は人工透析や失明、心筋梗塞
キャンペーンを 1 カ月とし、
「糖尿病月間」の催しとする
や脳卒中のみならず、癌や認知症の合併などにおける
予定である。現在はまだこのブルーライトアップの意
重大なリスク因子となる。現在、我が国の糖尿病お
義を理解されている人は少ないかも知れないが、これ
よびそれを強く疑われる人口は 2,050 万人と推定され
から毎年行うことによって、患者さんやご家族、地域
ており、実に全国民の 6 人に 1 人にあたる。これを予
住民の方々への糖尿病に対する理解を深め、糖尿病の
防し、早期に発見・治療をすることは、増え続ける医
予防、治療、療養を喚起するようこの企画が定着する
療費削減のためにも世界的に急務となっている。国
ことを願っている。
際糖尿病連合では、糖尿病の流行を、伝染病で用いる
(糖尿病・内分泌内科学 小西一典記)
ホスピタル・クラウンが
小児病棟にやって来た!
日時: 平成 27 年 12 月 15 日(火)午後 2 時
場所: 新館 4 階東小児病棟・新館 12 階大会議室
平成 27 年 12 月 15 日(火)の午後 2 時、新館 4 階東小児
病棟にホスピタル・クラウンがやってきた。特定非営
利活動法人日本ホスピタル・クラウン協会に所属する 3
名のクラウンが病院を訪問して、患児達にパフォーマ
ンスを見せてくれた。当日は小児病棟のクリスマス会
ホスピタルクラウンの訪問に大喜びの子どもたち
も同時に開催されていて、新館 12 階大会議室でのクリ
ホスピタル・クラウンの訪問は今回が初めてではな
スマス会に突如クラウンが登場。数々のパフォーマン
く、平成 22 年 10 月 21 日に北陸初の病院訪問として本
スに子供たちは大喜び。病室を離れられない子供たち
学病院で行われた。その後、平成 26 年 2 月 25 日、平成
には各病室を回ってベッドサイドでのショーを見せて
27 年 10 月 8 日につづき、今回 4 回目の訪問となった。
くれた。一本の長い風船があっという間にプードル犬
小児医療に求められる特有の要素は「遊びを通したホス
になったり、くまさんになったりする魔法に目がくぎ
ピタリティ」である。これからも定期的な訪問によるホ
づけになった。目を丸くする子供たちの姿に、家族も
スピタリティの充実を図っていきたいと思う。
医療スタッフも一緒に癒された。
(小児科 犀川 太記)
57
病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
第 23 回 金沢医科大学病院ワークショップ
と全体発表が行われた。
午前 11 時、開会にあたり松本忠美病院長から挨拶が
より良い職場づくりにむけて
なされた。引き続き、森本茂人合同教育研修委員会委
日時: 平成 27 年 11 月 27 日(金)午前 11 時
オリエンテーションを行い、
「隣の人の自己紹介」をア
場所: ホテル金沢
イスブレークとし、参加者の表情も幾分和やかな雰囲
員長が、ワークショップの目的及び進め方についての
気となった。
午後 1 時、ワールドカフェ形式を取り入れた意見出
〈プログラム〉
10:40 記念写真撮影
11:00 開会挨拶
しが行われ、参加者はジャズの音色が心地よく流れる
森本茂人合同教育研修委員会委員長
11:05 病院長挨拶
松本忠美病院長
11:10 アイスブレイキング グループ作業「隣の人の自己紹介」
森本茂人委員長
13:00 グループ討議「より良い職場づくりに向けて」
株式会社マイナビ講師:大浦久司氏
17:00 グループ発表・全体討議
17:50 講評
会場で、リラックスした雰囲気の中、各々の考えや意
見を出し合った。
午後 5 時、全体発表が行われ、各グループに与えら
れた課題について、それぞれが解決策を発表した。
グループ発表終了後、松本忠美病院長から、全体の
講評が行われ、
「病院ワークショップを機に、病院が抱
える問題を考え、共有意識を持ってもらうことが非常
松本忠美病院長
18:00 懇親会
に重要であり、病院ワークショップの一つの目標は達
成できた」と述べられた。その後、懇親会が行われ午後
7 時 30 分に全日程を終了した。
合同教育研修委員会が主催する金沢医科大学病院ワー
クショップが、ホテル金沢にて開催された。
なお、参加者から、
「リラックスした雰囲気の中で課
題に取組めたので、意見が出しやすかった」、
「他職種
今回は「より良い職場づくりにむけて」をテーマとし
の方と意見交換ができて、自分の考え方が変わった気
て、参加メンバーは医師 4 名、看護師 18 名、コメディ
がする」
、
「他職種の意見が聞けてよかったと思う。今
カル 9 名、事務職員 3 名の計 34 名で、ワールドカフェ
後は他職種のことも考え仕事し、連携を図っていきた
形式での意見出し並びに課題解決へ向けての話し合い
い」等の感想が寄せられた。(病院職員課 葛城顕証記)
ワークショップ参加者
58
病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
臨床研修医のための
CPC
Clinico-pathological Conference
第 69 回臨床病理検討会(CPC )が医学教育棟 4 階臨床研修センターカンファレンスルームにおいて行われた。
第 69 回 CPC 平成 27 年 11 月 18 日(水) 17:30
【症例 1 】
かし、責任病変にはステント留置が困難であり、良好
薬剤性肝障害の合併が問題となった胆道癌の 1 例
司 会
臨床指導
臨床担当
画像指導
画像担当
病理指導
病理担当
課題担当
尾﨑一晶
中村彰伸
川嶋 笑
髙橋知子
鎌井順二
相川あかね
木田麻理奈
川上 理
(肝胆膵内科臨床准教授)
(肝胆膵内科医員)
(臨床研修センター研修医)
(放射線医学学内講師)
(臨床研修センター研修医)
(病理学Ⅰ助教)
(臨床研修センター研修医)
(臨床研修センター研修医)
(症例の概要)
80 歳代男性。食欲不振、黄疸を自覚したため、近医
を受診し、乳頭部癌に伴う閉塞性黄疸が疑われた。本
学病院に紹介され、ENBD チューブを留置し、ビリル
ビンの減少を認めたが、数日後再上昇した。薬剤性胆汁
うつ滞型肝障害と考え、薬剤を中止するもビリルビン値
な血行再建はできないまま手術終了となった。その後
も心原性ショックの状態が続いていたため、ドパミン、
ドブタミン、ノルアドレナリンを併用しながら経過観
察を行ったが、不整脈が出現し、永眠された。病理側
から、出血を伴った広範な急性心筋梗塞の像が提示さ
れた。
(臨床病理学 黒瀬 望記)
〈予 告〉
第 70 回 臨床研修医のための CPC
日 時 : 平成 28 年 1 月 20 日(水)
17 時 30 分から
場 所 : 医学教育棟 4 階臨床研修センター
カンファレンスルーム
が改善しなかった。約 2 カ月後、炎症反応の上昇、発
熱を認めた。カテーテル感染が考えられ、抗生剤を投
研修医には出席が義務づけられていますが、そ
与するも改善なく、永眠された。剖検にて、胆汁うつ
れ以外の先生方、学生にも広く開かれていますの
滞性の肝障害、敗血症性ショックにて死亡したと考え
で、ふるってご出席ください。
られた。総合討論では、薬剤性肝障害の関与の有無に
ついて議論がなされた。
【症例 2 】 心電図異常を指摘され、2 日の経過で心原性ショ
ック、不整脈により死亡した 1 例
司 会
臨床指導
臨床担当
画像指導
画像担当
病理指導
病理担当
課題担当
尾﨑一晶
澤口 潤
久保絵里香
髙橋知子
國正 茜
佐藤勝明
熊野 奨
鞠子千安紀
(肝胆膵内科臨床准教授)
(循環器内科医員)
(臨床研修センター研修医)
(放射線医学学内講師)
(臨床研修センター研修医) (病理学Ⅱ准教授)
(臨床研修センター研修医)
(臨床研修センター研修医)
(症例の概要)
80 歳代女性。夕食後、胸痛、嘔吐、冷感が出現した
ため、近医を受診した。急性冠症候群が疑われ、緊急
冠動脈造影検査と経皮的冠動脈形成術を施行した。し
59
病 院
研修医の頁
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
医学部第 3・4・5 学年生対象 各診療科合同説明会及び交流会
日時: 平成 27 年 10 月 1 日(木)午後 6 時~ 8 時 30 分
場所: 病院新館 12 階大会議室・特別会議室
医学部第 3・4・5 学年生を対象とした各診療科合同
説明会が開催された。この説明会は研修医の確保を目
的に行われており、今年度は第 3 学年生も対象とする
ことで、より低学年から本学病院に関心を持ってもら
うためのものである。今回は 33 の診療科が参加し、教
医師から熱心に話を聞く医学部生
学課(大学院担当)、臨床研修センター研修医および水
月会を加え 36 のブースを設置した。当日は約 50 名の学
生が参加し、森本茂人臨床研修管理委員長の開会挨拶
の後、約 1 時間半におよぶ各診療科等による熱心な説
明が行われた。
引き続き、午後 7 時 30 分からレストラン「ロンシャン」
において、立食形式の交流会が行われた。約 130 名が
参加し、臨床研修センターの宮澤克人部長の挨拶、飯
沼由嗣副部長の乾杯の挨拶の後、学生と各診療科参加
者および研修医が和やかに懇談し交流を深めた。
(臨床研修センター事務課 中川喜雄記)
院内レストラン「ロンシャン」での交流会
平成 27 年度
本院マッチング学生との交流会
(卒試および国試突破を祈念する会)
日時: 平成 27 年 10 月 27 日(火)午後 6 時 30 分
場所: ホテル金沢 16 階
平成 27 年度の本学病院マッチング ※ 学生と研修医、
臨床研修管理委員および、各診療科指導医等約 85 名が
参加し交流会が開催された。
ホテル金沢で行われた交流会
この会は本院マッチング学生と率直な意見交換をし
名による挨拶でも、頑張ろうとする意欲が窺え、マッ
ていただくと共に、各診療科による勉学の支援など卒
チング学生の卒試および国試突破を祈念する会が有意
業試験(判定)および医師国家試験に向けた指導、支援
義なものとなった。
の協力を行うという目的で開催されている。
(臨床研修センター事務課 中川喜雄記)
1 年次サブリーダーの鞠子千安紀研修医の司会で松
本忠美病院長の開会挨拶に続き、勝田省吾学長の乾杯
の発声後、交流会は終始和やかな雰囲気で進められた。
また、各診療科の先生方の体験談や激励に加え、研修
医代表の 2 年次望月翔太研修医からの激励を受けて、
マッチング学生代表の野村和利さん、福 淳史さんの 2
60
※ マッチングとは、医師免許を取得して臨床研修を受け
ようとする者(研修希望者)と、臨床研修を行う病院(研修
病院)の研修プログラムとを、それぞれの希望を踏まえて、
コンピュータにより組み合わせを決定し、研修病院を決定
するシステムのことです。詳しくは医師臨床マッチング協
議会のサイトをご覧ください。
金沢医科大学氷見市民病院
病 院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
平成 27 年度
健康づくり教室修了式
日時: 平成 27 年 11 月 21 日(土)午後 2 時
場所: 氷見市民病院 6 階多目的ホール
平成 27 年度健康づくり教室の修了式が、受講生や
病院職員など計 75 名が参加して開催された。
修了式前の最終講座では、齋藤淳史講師(腎臓内科)が
「症状の出にくい腎臓病~あなたの腎臓は大丈夫?~」と
題して、腎臓の構造や働き、そして慢性腎臓病(CKD ) 齋藤病院長から修了証と記念品の授与
の早期発見や発症後の治療や食事療法について、イラ
ストや写真を使いわかりやすく解説された。また、腎
分自身や家族の健康管理について勉強してもらうこと
臓の病気を多くの方に理解してもらい、透析患者が増
で、病気についての知識が増えて、健康寿命も延びる
えないように日々の服薬管理や食事管理の注意点を説
ことと思います。毎日の生活がより健康で快適に送れ
明した。
るよう役立ててください」と挨拶があった。
また講座終了後、平成 27 年度の修了式が行われ、
受講した方からは「毎年参加しています。病気につ
全講座 6 回のうち 4 回以上受講した参加者 65 名に齋藤
いていろいろ勉強することで、自分の病気を意識して
人志病院長から修了証と記念品が贈られた。なお、今
生活するようになりました。来年も楽しみにしていま
年の健康づくり教室には、富山県内はもとより石川県
す」との感想が聞かれた。
羽咋市からも参加があり、延べ 437 名が受講した。
齋藤病院長からは「来年も引き続き、予防や病気に
ついての教室を開催します。多くの方が受講され、自
来年は、さらに多くの方に参加していただけるよう
充実した企画で開催する予定である。
(氷見市民病院総務課 雨池ゆかり記)
平成 27 年度
富山県原子力防災訓練
日時: 平成 27 年 11 月 23 日(月)午後 1 時
場所: 氷見市民病院救急処置室前室
平成 27 年度富山県原子力防災訓練が、富山県、氷
見市、射水市の主催で実施された。当院は、被ばく医
療措置訓練および安定ヨウ素剤の配布訓練に参加し
た。
この防災訓練は、石川県内で震度 6 強の地震が発生
被ばく患者の搬送訓練
し、志賀原子力発電所 2 号機において、原子炉が自動
停止し、放射性物質が放出されることを想定して行わ
難する際、一時集合場所に指定された灘浦小学校へ配
れた。当院の医師、看護師、放射線技師、薬剤師、事
布するヨウ素剤の調剤を行った。
務員の 10 名が参加し、患者受入れおよび 3 才未満の乳
当院は、富山県が平成 25 年度より実施している本
幼児用液状ヨウ素剤の調剤訓練を行った。今回の訓練
訓練に 3 度目の参加であり、災害発生時に富山県、氷
では、避難中に発生した 2 名の負傷者の受入れおよび
見市、氷見市消防本部、富山県立中央病院等の関係機
富山県立中央病院への転院搬送と、氷見市の住民が避
関との連携を確認する良い機会となった。
(氷見市民病院総務課 宮井公一記)
61
金沢医科大学氷見市民病院
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
平成 27 年度
施。過程を通じ職員の意識の変化が感じられることが
第 2 回医療安全研修会
報告された。
第 4 題:「MRI 室における事故防止啓発活動」向義
博放射線技師(中央放射線部)。MRI 検査患者さんへ
日時: 平成 27 年 11 月 26 日(木)午後 5 時 30 分
の説明文書にイラストを挿入しわかりやすくしたこ
場所: 氷見市民病院 6 階多目的ホール
と、待合に大きくパネル掲示することで、患者さん自
ら質問されることもあり撮影トラブル防止に効果をあ
平成 27 年度第 2 回医療安全研修会が開催され、218
名の参加があった。
げていることが報告された。
第 5 題:「配膳車・下膳車運用の見直し」川口千恵マ
この研修会は毎年 1 回開催しており、今回は医療安
ネージャー(シダックス)。院内ハザードマップを作成
全についての各部署の取り組み成果などについて、過
し、予め危険箇所を意識することで行動がより慎重に
去 1 年間に医療安全委員会で報告された中から、以下
なり事故防止に役立っていること、朝礼時に「基本姿
の 5 題の報告が行われた。
勢」等の唱和を行うことで職員の意識向上と一体感の
第 1 題:「小児の酸素吸入について」長井富美子看護
醸成に役立っていることが報告された。
師(4 階西病棟)。小児疾患の勉強会や、酸素テントの
各発表者からのそれぞれの発表内容や、その取り組
講習会開催など、スキルアップを行ったことが報告さ
みや効果などが具体的でわかりやすく、発表後の質疑
れた。
応答が活発に行われた。参加者からは普段接すること
第 2 題:「鎮静剤使用に関しての取り組み」宮下美紀
の少ない他部署の実状や努力・工夫を身近に感じたと
子看護師(内視鏡センター)。鎮静剤使用時の注意事
の感想が多く寄せられたことや、今後の自部署での業
項を理解していただくことの重要さ、その理解のため
務の参考になった、励みになった等、
「患者安全の意
の工夫が報告された。
第 3 題:「転院時における患者情報の共有」森本さや
か事務員(地域医療連携部)。他院から転院の患者情
報の確実な引継ぎと情報共有のための運用を検討、実
62
識の向上」につながる非常に有意な研修会であった。
(氷見市民病院総務課医療安全対策担当 風端英樹記)
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
管理・運営
平成 27 年度 医学教育等関係業務功労者
と、表彰状の授与と記念品が贈呈された。引き続き、
文部科学大臣表彰
述べられた。
小原 明全国医学部長病院長会議会長から来賓の祝辞が
この表彰は、国公私立大学における医学または歯学
日時: 平成 27 年 12 月 2 日(水)
に関する教育、研究もしくは患者診療等に関わる補助
場所: 文部科学省 3 階講堂
的業務に関し、顕著な功労のあった人に対して与えら
れるもので、今年度は全国で 107 名が対象となった。
平成 27 年度医学教育等関係業務功労者に対する、文
木村看護補助員は、昭和 62 年 3 月に看護部の看護補
部科学大臣表彰が行われ、本学からは、木村美佐枝さん
助員として入職され、その後 28 年にわたり、外来部門
(看護部看護補助員)が表彰を受けた。
での勤務を中心に精励され現在に至っている。
表彰式では、義家弘介文部科学副大臣から祝辞のあ
文部科学大臣表彰を受けて
(病院職員課 中川邦子記)
看護部看護補助員 木村
美佐枝 このたびは、文部科学大臣表彰をいただき心より感謝申し上げ
ます。これはひとえに上司や同僚に恵まれ、そして家族の協力が
あったからだと思っています。
私は昭和 62年金沢医科大学病院の看護部に入職し、看護補助員
として放射線部に配属になり現在に至っています。当初は聞きな
れない医療専門用語や、初めて目にする医療器具、血液や消毒液
のにおい、患者さんの顔を見ると萎縮してしまう自分に、勤まる
のだろうかと不安の日々でした。しかし上司や同僚、診療放射線
技師、周囲の方々から声かけや励まし、指導をしてもらい今日ま
で業務を続けてくることができました。また看護補助員を対象と
した医療安全対策、感染対策の研修会、接遇マナーの講習会など
を通して知識をもらい少しずつ自信となりました。
今後は、この賞に恥じないよう責任と自覚を持ち、人と人との
関わりを大切に先輩が自分にしてくれたように、私も微力ながら
後輩の指導を行い、患者さんに少しでも安心で安全な看護ができ
るよう、日々精進していきたいと思います。
63
管理・運営
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
平成 27 年度石川県私立学校教職員
励のことばをいただいた。
閉式後、谷本知事と本学や他大学の受賞者で和やか
教育功労者知事表彰
な雰囲気の中、記念写真撮影が行われた。本学におけ
日時: 平成 27 年 12 月 8 日(火)午前 10 時 30 分
野島孝之 瀬上夏樹 上田善道 岩淵邦芳
る対象者は次のとおり。
(敬称略)
場所: 石川県庁行政庁舎
正木康史 長内和弘 西澤 誠 島田ひろき
平成 27 年度石川県私立学校教職員教育功労者の知事
辻本幹夫 長岡あゆみ 以上 10 名
(人事課 原 章文記)
表彰式が、平成 27 年 12 月 8 日(火)午
前 10 時 30 分から石川県庁行政庁舎 4
階特別会議室において行われた。
この表彰は、県内の私立学校の設置
者や役員、教職員のうち、振興・発展
に長年貢献し他の模範となる人に贈ら
れるもので、今年度は 59 名が表彰さ
れ、本学からの対象者は 10 名であっ
た。
表彰式では、谷本正憲石川県知事か
ら受賞者代表の聖ヨゼフ幼稚園の甚田
知恵子教諭に表彰状と記念品が贈呈さ
れ、
「学都石川の基本を支えているの
は私学の皆さん。独自性に磨きをかけ
て魅力ある場所であってほしい」と激
谷本正憲石川県知事と記念撮影
《本学スタッフ新刊著書》
沢辺元司、長坂徹郎 編集
スタンダード
病理学【第 4 版】
場で応用するには、しっかりとした基礎の構築が必
須である。本書は、医療系 4 年制大学での教育を目
分 担 執 筆: 上 田 善 道(IX. 運
動器疾患 A. 骨・軟骨)モノク
ロ・カラー図譜
的に、1998 年に発刊された定評のある病理学の教科
文光堂
B5 判、並製、543 頁
定価(本体 7,200 円 + 税)
2015 年 12 月 17 日発行
ISBN978-4-8306-0477-5
C3047
病的変化をまとめ、各論では、疾患の臨床症状、臨
書である。総論では、臓器・組織の正常構造、正常
機能に触れつつ、医療技術系の学生に必須の生体の
床検査所見も盛り込み、基礎と臨床の橋渡しとなる
教科書を目指している。
さらに、学生の興味を喚起するようにトピックを
コラムとして多く取り込むとともに、学生には難解
なミクロ画像から臨床画像との関連性の理解を目指
今日の医学の進歩は目覚ましい。医療技術者に要
しマクロ画像重視へ転換し、出版社のホームページ
求される知識量は膨大で、さらに増え続けている。
を通じカラー表示図・写真の Web 配信が第 4 版の改
医療技術者が、新しい技術を習得し、実際の医療現
訂から導入された。
64
(病理学 II 上田善道記)
管理・運営
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
〔勤続 35 年表彰対象者(敬称略)〕
平成 27 年度
永年勤続表彰
平成 27 年度本学教職員の永年勤続表彰式が平成 27 年
11 月 9 日(月)午後 3 時から、病院新館 12 階大会議室に
おいて行われた。今年度は、勤続 35 年対象者が 39 名、
勤続 20 年対象者が 28 名であった。
表彰式では、竹越理事長から永年勤続者代表の齋藤
齋藤 人志
山本 健司
柴山 卓也
井上真奈美
大倉 聡美
世戸 弘美
掛下 一雄
殿田伸一郎
中村 千春
高山 恵子
利波 久雄
宮本 文夫
林 秀樹
上出比呂美
下川 雅世
田中 佳
河原美智代
森本 政幸
土居岸幸利
前畑 勝次
及川陽三郎
久保 恭介
坂元 仁志
木村由紀江
岡山外富美
中嶋 秀夫
山本 千勢
竹原 照明
境田 優子
黒田さつき
上端 雅則
杉原 一良
後藤 知子
森田 寿恵
田畑 紀子
島野 喜友
東 達夫
宮川 直子
金丸 幸栄
人志氷見市民病院長(勤続 35 年)に表彰状と記念品が贈
呈された。続いて理事長から本学の歴史を振り返りな
がら、長きにわたり本学の発展に寄与されたことに対
するねぎらいとお祝いのことばがあり、表彰対象者を
代表して、齋藤人志氷見市民病院長が謝辞を述べ、勤続
35 年対象者が入職した頃は大学病院が開院 5 周年を迎え
た年であり、勤続 20 年対象者が入職した頃は、大学病
院が開院 20 周年を迎えた年であったことを振り返った。
表彰式終了後、和やかな雰囲気の中、出席者全員で
記念撮影が行われた。
〔勤続 20 年表彰対象者(敬称略)〕
勝田 省吾
岩淵 邦芳
近沢 逸平
西村 憲司
中町とし美
石本 慶子
西田 和代
野島 孝之
森山 学
羽山 智之
山瀬 真琴
船田 明子
杉林美和子
山内 郁子
瀬上 夏樹
西澤 誠
藤井 俊樹
桶谷 純子
田中 幸恵
浅井 紫
紅谷由利子
上田 善道
島田ひろき
小畑 貴司
坪野 寿恵
竹澤 志
出村加緒理
古井るり子
(70 頁∼ 77 頁に関連記事)
(人事課 原 章文記)
勤続 35 年対象者
勤続 20 年対象者
65
管理・運営
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
第 2 回 SD 研修会
講師: 米澤愼二氏(追手門学院大学理事長・学長室審議役)
日時: 平成 27 年 10 月 23 日(金)午後 1 時 30 分
場所: 医学教育棟 6 階大会議室
若 手 事 務 系 職 員 を 対 象 と し た 第 2 回 SD 研 修 会
(SD:Staff Development )が、10 月 23 日(金)、医学教
育棟 6 階大会議室において開催された。
講師には、第 1 回に引き続き、追手門学院大学理事
グループディスカッション
長・学長室審議役の米澤愼二氏を迎え、
「高めよう!職
員力−なぜあなたは医科大学の職員として働いている
力(批判力)が高い状態であるとのことであった。受講
のか−」と題して研修会が行われた。
者からは、フォロワーシップという言葉を初めて聞き、
研修に先立ち、講演が行われ、事務系職員の能力開
発の重要性が増していることや追手門学院大学での教
職協働等の取り組みの紹介がなされた。
研修会は、フォロワーシップに焦点を当てて行われ
た。フォロワーシップとは、組織の目標を達成するた
めにリーダーの指導力や判断力を部下(フォロワー)自
良い学びになった、是非自己の業務に役立てようと思
うとの感想が多く寄せられた。
最後は、
「なぜあなたは大学職員になりましたか」の
テーマでワークが行われ、受講者は、自己の内面と向
き合い、有益な振り返りの機会となったようであった。
新人事制度プラン検討チームでは、今後も継続して、
らが補完し、組織における成果の最大化を図ることで
職員一人ひとりが力を発揮できる人事制度の構築に取
あり、言い換えれば、貢献する力(貢献力)と批判する
り組んでいく計画である。(業務推進室 福井加奈子記)
ハラスメント研修
講師: 今岡まゆみ氏(株式会社インソース)
日時: 平成 27 年 11 月 18 日(水)・19 日(木)
場所: 医学教育棟 6 階大会議室
セクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)および
パワーハラスメント(以下、パワハラ)の両方がもたら
す職場への悪影響を理解し、ハラスメントへの対応を
学ぶため、事務職の主任以上を対象としたハラスメン
ト研修を実施した。本学では、事務職を対象にした初
質問に答える今岡先生(右上)
めての本格的なハラスメントの研修となり、121 名が参
関心にならず行為者に注意を促し、被害者に相談窓口
加した。
への相談を勧めることなどが大切であると学んだ。
近年、ハラスメントへの社会の関心は高まっており、
また、パワハラ(権力を使ったいやがらせや暴言)に
他人への容姿に関する発言、サービス残業の強要など
ついては、①上司は部下に対して叱責を行う時は、人
もハラスメントと認識されている。
格の否定までは行わない、②必要以上に大きな声を出
講習会では、どのような行為や発言がハラスメント
したり、威圧的な態度で同じ内容の叱責を繰り返さな
に該当するのか、講師が具体例を交えて説明した後、
い、③自身の叱責に好き嫌いや、憂さ晴らしなどの個
受講者同士でハラスメント防止のためにできる取り組
人的な感情が優先されていないか、自らを省みる。ま
みについて議論が交わされた。
た叱責や指導を行う場合は、相手の立場をふまえ 1 対 1
セクハラ(言葉や言動による性的いやがらせ)につい
で行うことが望ましいことなどを学んだ。
ては、①相手の気持ちや立場を尊重して、自分の言動
今回は事務職のみで実施したが、非常に有意義な研
に十分注意する、②セクハラを受けたら、上下関係や
修であったので、次年度以降は全職種対象のハラスメ
人間関係を考慮して、嫌悪感を抱きながらも我慢した
ント防止の講演会なども検討していきたい。
りせず相談をする、③セクハラを見かけたときは、無
66
(人事課 原 章文記)
管理・運営
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
金沢医科大学グランドデザイン第 1 次 5 カ年計画
病院本館解体工事の
進捗状況
約 40 年が経ち、その役目を果たした。地下 1 階、地上
13 階、塔屋 3 階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造(一部
鉄骨造)の建物は、およそ 1 年をかけて、延約 15,000
人におよぶ作業員の手によって取り壊された。
平成 26 年 7 月 7 日に着手した病院本館解体工事は、平
病院本館は、昭和 56 年の建築基準法改正に伴い見直
成 27 年 12 月初旬に建物下にあった杭の引抜きを終え、
された新耐震基準 ※ に合致しない建物となっていた。
ついに取壊し作業が完了した。
また、診療報酬の改定による施設基準の改正、医学教
昭和 47 年 5 月から昭和 49 年 3 月にかけて建設工事が
行われた病院本館は、内灘町のランドマークとなって
育における診療参加型臨床実習への対応、その他にも
災害時など地域にとって非常に重要な施設となるため、
構内でも病院の増改築を先行して行ってきた。
平成元年より検討が始まった「病院増改築計画」お
よび平成 22 年に構想を発表した「金沢医科大学グラン
ドデザイン第 1 次 5 カ年計画」は、今後、中央診療棟の
建設工事へと進み、完結することとなる。その中央診
療棟の竣工は、平成 29 年の春頃を予定している。
(施設課 中川陽介記)
※ 昭和 53 年に起きた宮城県沖地震を契機に見直されたも
の。旧耐震基準では、中規模地震を想定した構造計算を行い、
大規模地震に対してほとんど損傷が生じるおそれのないこ
とを確認していた。新耐震基準では、大規模地震を想定し
た構造計算を義務付け、稀に起こる大規模地震に対しても
倒壊、崩壊するおそれのないことを確認することになった。
解体工事を終えた病院本館跡地(2015.12.22 )
再生医療センター建設工事の
進捗状況
平成 27 年 7 月 2 日(木)に執り行われた安全祈願祭か
ら約半年が経ち、再生医療センターが間もなく完成す
る。
11 月中旬、外部を覆っていた足場を撤去し、建物の
外観が見えるようになった。現在は工事も終盤にさし
かかり、建物の中には多くの建設資材が運び込まれ、
職方さんが所狭しと仕上げ作業をしている。建物が完
成すると、研究機器などが納入され、施設としての妥
当性の確認(バリデーション)等が行われる。そして平
完成間近の再生医療センター(2015.12.22 )
成 28 年春の稼働に向けて、準備を進めていくこととな
る。
がる。
鉄骨造、地上 2 階建て、延床面積約 600 ㎡の再生医療
将来、この再生医療センターが患者さんに、安全か
センターへは、病院新館 1 階図書コーナー横の階段の
つ有効な再生医療を提供できる日が来ることに期待が
踊り場から連絡廊下を経由して出入りすることとなる。
かけられている。
(施設課 中川陽介記)
連絡廊下を渡ると、再生医療センターの 2 階へとつな
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管理・運営
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
互 助 会
秋のバス旅行
◇ 新幹線で行く東京ディズニーリゾート
日 程 :平成 27 年 11 月 22 日(日)∼ 11 月 23 日(月)
参加者 :44 名
地域医療連携事務課 岡部 貴代子
「今の気分は ? 」
「ワクワク、ドキドキ」、
「新幹線は ? 」
「かがやきー」
、
「今日行くのは ? 」
「東京ディズニーラン
ド」、
「東京ディズニーシー」などと、母と娘 1 と娘 2 は、
女子旅行を前に、はしゃいでいた。
シンデレラ城前にて
北陸新幹線(初体験)に乗って、夢と魔法の国「東京
ディズニーランド」へ。舞浜駅はたくさんの人で、ディ
「ワンス・アポン・ア・タイム」ナイトショー(夜のシ
ズニーランドは入場制限中。旗を持った添乗員さんの
ンデレラ城にプロジェクションマッピング)を 3 人で見
諸注意を聞いていざ突撃。つい最近までポワンとして
ながら、おとぎの国のあまりに美しいその光景に大感
いた長女(小学校教師)が「はい、行くよ。この列に並
激。
「幸せだな。こんな時間が持てて」。
んで!」
「はい、後ろ付いて来て!」
「ファストパス取っ
娘の成長に驚き、小さい頃と変わらない性格に苦笑
てくるからね、10 分後に集合」など、いつからこの子は
し、楽しい時間を思い出と重ね合わせて「新幹線で行く
仕切り屋さんになったの?と思えるほど。次女はとい
東京ディズニーリゾート」は最高に素敵な旅でした。母
えば、旅行会社に勤めているのに、姉の号令に大人し
は、この旅行で自撮りがうまくなりました。
く従っている…、と思ったら、スプラッシュマウンテ
ンに乗る行列から逃げ出してどこかへ行ってしまった。
(前回はビッグサンダーマウンテンの列から逃亡)。
68
管理・運営
第 35 回
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
病院長賞、優秀賞の入賞者に表彰状と記念品が贈呈さ
文 化祭
れ、土田壮一文化実行委員会委員長からの講評が行わ
れた。
(人事課 上田眞奈美記)
入賞者の皆さんは次のとおり。
互助会第 35 回文化祭が、病院新館 1 階エントランス
ホールにおいて 11 月 25 日(水)から 12 月 1 日(火)まで
開催された。
今年も昨年と同様に展示スペースを縮小したことで 1
人 1 作品に限定し作品を募集した。会場となったエント
ランスホールには、職員 34 名から写真 9 点、書 6 点、絵
2 点、生け花 4 点、手芸 1 点の計 22 点が出展された。出
品数は少数ながら、レベルの高い作品が出展され、期
理事長賞
学長賞
病院長賞
優秀賞
優秀賞
優秀賞
優秀賞
山田見幸(看護部)
書「白雲」
中谷 渉(出版メディア業務課)写真「幻日環」
米谷真紀子(調理課)
手芸「ショール」
大島恵子(臨床検査技術部門)
写真
東 達夫(診療放射線技術部門)
絵
濵本容子(総務課)
書
宮嶋 梓(看護部)
生花
間中、患者さんや来院者の方の目を楽しませてくれた。
12 月 1 日(火)には表彰式が行われ、理事長賞、学長賞、
学長賞:中谷 渉さん「幻日環」
理事長賞:山田見幸さん「白雲」
病院長賞:米谷真紀子さん「ショール」
理事長賞受賞の山田見幸さん
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金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
報告・随想
随 想
永年勤続に思う
勤続 35 年
35 年勤続に思う
勤続 35 周年に感謝
放射線医学教授 利波
久雄
金沢医科大学氷見市民病院事務部部長 上端
私 は 昭 和 53 年 に 信 州 大 学 医 学
このたびは、永年勤続 35 年の表
部を卒業し、直ちに研修医として
彰をいただき、誠にありがとうご
金沢医科大学放射線医学教室に入
ざいます。1980 年(昭和 55 年)4 月
局しました。研修 2 年目に関連病
に入職させていただき、皆様方の
院に出向しましたので、本年が勤
おかげで、この日を迎えられたこ
続 35 年ということになります。私
とに深く感謝申し上げます。
が入局した昭和 53 年は金沢医科大
雅則
私が小学生の頃、自宅から西の
学の第 1 期生が卒業した年であり、
方向を見ますと、内灘町の高台に
多くの卒業生が母校に残り金沢医科大学が大いに活気
次々と大きなビルが建てられ、その変わりゆく様子に
づいた年でした。当時の金沢医科大学は指導者層も新
皆が驚いていたことを思い出します。その場所が自分
進気鋭の方が多く、講座や診療科間の垣根も低く自由
の勤務先になるとは、当時考えもしませんでしたが、
闊達な雰囲気に溢れていました。大学を卒業後、今日
今の自分や家族がこうしていられるのも金沢医科大学
まで終始一貫して金沢医科大学において診療と研究に
が建てられたおかげだと、あらためて感謝しておりま
携わることができたのも、こうした優れた指導者や刺
す。
激を与えてくれる同僚に恵まれたお陰であると心から
感謝しています。
現在、氷見市民病院に配属になり 5 年目を迎え、本学
の同期の皆とはあまり顔を合わせる機会が少なくなって
臨床系教授の責務として診療と研究が大切であるこ
いたところ、先日、永年勤続表彰式に出席させていた
とは言うまでもありませんが、最も力を注がなければ
だき、久々に顔を合わせた同期もいて、入職当時を思
いけないことは、診断や治療法の決定に際し他の診療
い出しました。私を筆頭に容姿は変わったものの、話せ
科から信頼され、助言を求められるような放射線科医
ば昔となんにも変わっていない同期でした。残念なこと
を育成することであると考えています。残された時間
は大切な同期の一人が 9 年前に他界したことです。責任
は少なくなってきましたが、私をここまで育ててくだ
感の強い、仕事熱心でまじめな男で、酒が入ると陽気に
さった金沢医科大学に少しでも恩返しができるよう、
なり楽しい本当に良い男でした。最後は私と同じ課だっ
引き続いて努力していきたいと考えています。今後と
たこともあり、一緒にこの日を迎えられなかったことが
もご指導、ご鞭撻をいただきますようお願いいたしま
本当に残念でなりません。きっと今もあの世から同期
す。
の皆を見守ってくれていることと思います。私は、あ
と 4 年ほどで定年退職を迎えることになりますが、残
された時間を、感謝を込めて誠心誠意務めていきたい
と考えておりますので、引き続き、ご指導ご鞭撻の程、
よろしくお願い申し上げます。
70
報告・随想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
勤続 35 年を振り返って
療材料の保険請求管理、諸法係や交通事故係などを担
当しました。余談ですが、当時はバブル景気全盛の頃、
経営管理室教育研究事業支援担当部長 山本
健司
懐具合は決して良くも無いのに、週末ともなれば同僚
たちと片町界隈を賑やかに飲み歩いた愉しい時代でし
このたびの 35 年永年勤続表彰、
た。
平成 8 年には再び学事部に異動となり、大学院・学
誠にありがとうございます。
私は、昭和 55 年 6 月に電子計算
術交流課では科学研究費補助金などの研究助成業務を
課に配属されたのを皮切りに、昭
担当しました。平成 14 年からは入学センターで入試業
和 58 年から学生課(現在の教学課)
務に携わり高校訪問などで全国各地を奔走し、微力な
で学生部担当職員として学生の厚
がら受験生増加に貢献させていただきました。平成 20
生補導に携わり、平成 19 年に病院
年には四半世紀ぶりに教学課学生部担当(旧学生課)に
長室、臨床研修センター勤務を経
返り咲き、様々なトラブル対応に追われながら学生達
て、平成 22 年からは経営管理室で、教育研究事業支援
と楽しく交流させていただき、現在は大学院医学研究
に関する業務として「教育・学術振興基金の募集推進」
科を担当しています。
や「北辰同窓会、金沢医大後援会橘会、北斗会、後援協
たくさんの方に支えられた 35 年間でした。良き先輩、
力会」等の校友会に関する業務を担当し、現在に至って
同僚、後輩に恵まれたことを感謝するとともに、これ
おります。
からも金沢医科大学のさらなる発展に尽くしたいと心
「光陰矢のごとし」と申しますが、金沢医科大学に入
新たに思う次第です。
職してもう 35 年が経過したのかと自分でも驚いていま
す。入職した当初は、ミスも多く、与えられた仕事も
満足にこなせず上司の足を引っ張っていた私を、業務
の説明はもとより挨拶の基本や言葉遣いに至るまで、
勤続 35 年に思うこと
丁寧に根気よくご指導していただいた良き先輩方と同
臨床試験治験センター副部長 田畑
僚たちのおかげで現在の私があると思っています。本
紀子
当に金沢医科大学に育てていただいたという感謝の気
持ちでいっぱいです。現在、金沢医科大学は創立 50 周
このたび、勤続 35 年の表彰をい
年に向けて目覚ましい発展を遂げています。今後は、
ただき、感謝の一言に尽きます。
その一翼を少しでも担うことができるよう、さらに精
ありがとうございます。もう 35 年、
進を重ね業務に邁進したいと思います。
やっと 35 年と両方の気持ちが交差
今日までこの大学に勤務できましたことを、お世話
になった皆様に深く感謝申し上げます。
します。1980 年に薬剤部に入職し、
毎日コマネズミのようにくるくる
調剤室を走り回っていたのを思い
出します。私が小学 2 年から志し
た病院薬剤師の仕事って何?と疑問を抱かざるを得ま
勤続 35 年を振り返る
せんでした。そんな忙しい日々でしたが、先輩に“患者
さん一人ひとりの顔を思い浮かべる気持ちで調剤して
学事部大学院医学研究科担当副部長 杉原
一良
ほしい”と言われ、調剤が単なる流れ作業ではないこと
を思い知らされたのを、昨日のことのように思い出さ
このたびは、永年勤続 35 年の表
彰をいただき誠に有難うございま
す。
れます。
その後、オーダリング、錠剤分包機、アンプルピッ
カー等が導入され、単純作業は機械化、合理化されま
私 の 社 会 人 生 活 は、 昭 和 55 年
した。そして病院薬剤師業務は TDM(薬物治療モニタ
4 月学事部学生課からスタートし
リング)業務、病棟業務へと本来の薬の専門家として活
ました。いきなり成績不振学生の
躍できる時代となりました。私自身は 2000 年から治験
引越しの手伝いに行くよう命じら
コーディネーターとして新薬の開発にも携わることが
れ、驚いたことが始まりです。昭
でき、視野も拡がり、大変感謝しております。また女
和 59 年には財務部用度課に異動し、平成元年となり病
性が働く職場環境も激変しました。私たちの時代は産
院事務部医事課では用度課での経験を生かし薬品や医
前産後休暇がそれぞれ 6 週間(計約 3 カ月)で、すぐに
71
報告・随想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
仕事復帰しなければなりませんでした。また子どもが
35 年勤続に思う
理由の休みは取りづらく、ほとんど家族任せで、家族
がいなければ仕事が続けられない状況でした。今は育
総合医学研究所共同利用センター主任 竹原
照明
児休暇、学童保育など、子育てに配慮された環境が整
いつつあります。今後も後輩たちの良い職場環境を確
保し、人材育成に力を注いでいきたいと思っています。
最後に 35 年間、私と関わった全ての方々に心から感
謝致します。
私は、昭和 48 年 4 月に本学の第
一解剖学教室の植木春三先生のも
とに入局することになりました。
当時入居予定の臨床研究棟はま
だ建設中だったため、金沢大学第
一解剖学の本陣良平先生(本学解剖
学第一教室非常勤講師)の教室で組
35 年勤続に思う 医療技術部臨床検査部門技師長 田中
織実習のための光学顕微鏡の試料
作製や電子顕微鏡の超薄切片などの習得に励んでいま
佳
した。その間、月に 1 度本学に給料を受け取りに来て
いましたが、当時大学前の道路はなく、じゃり道の曲
35 年前の入職当時、私は 21 才の
新米検査技師でした。先輩から「今
日 1 日のあなたの仕事の予定は ? 」
がりくねった道沿いにあった養鶏小屋を見ながら通っ
たことを懐かしく思います。
その後、電子顕微鏡の管理を命ぜられ、茨城県の日
と 聞 か れ て「 わ か り ま せ ん 」と 答
立那珂工場で 1 カ月間の研修を終えて、講座専属の電
え、
「将来どの分野の検査がやりた
子顕微鏡の保守管理を主とした業務に就くことになり
い か ? 」と 聞 か れ て「 ど こ で も OK
ました。その後大学を一時退職し、再度第一解剖学に
です」と元気に答えるような、今か
入局し、その数年後には共同研究室の電子顕微鏡部門
ら思うと、能力はないけど希望だ
に配属となりましたが、平成元年総合医学研究所が設
けがある若者だったように思います。あれから 35 年、
立され、基礎医科学研究部門の一員として電顕業務に
勤務し続けて表彰していただいたということは、やは
携わって現在に至っております。
り人に恵まれたこと、組織に恵まれたこと、体力に恵
まれたことなどのお陰だろうと思います。
これまで公私共に、ご指導やお力添えいただきました
皆様に深く感謝致しております。そして時代とともに所
これまで、臨床化学検査をはじめ、HLA 検査や検査
内機器もデジタル化し、エネルギー棟、アナトミーセン
システム開発、精度管理業務、血液検査、一般検査と
ター、病院新館、医学教育棟など、次々と増改築が進
いくつかの検査部門の仕事をさせていただきました。
む本学の更なる飛躍を願っております。
それぞれ奥が深くてその都度のめり込んで、一生懸命
働いて日常業務の傍らいくつかの論文まで書かせてい
ただいたことは、ご指導いただいた上司や諸先輩方の
お陰と深く感謝しております。中でも当院で検討を進
35 年間勤めさせていただいて
めた新たな尿沈渣の円柱(フィブリン円柱)が標準検査
看護部看護師主任(別館 5 階) 境田
法に掲載されたことは大変うれしい限りですが、正直、
優子
背中を押してくださった方々なしでは日の目を見なかっ
たろうと思います。今度は自分が誰かの背中を押す番
このたびは、永年勤続 35 年の表
のようです。残された時間、何ができるかわかりませ
彰をいただき、誠にありがとうご
んが、金沢医科大学病院に微力ながら恩返しができれ
ざいます。
ばと考えています。永年勤続表彰をいただき誠にあり
がとうございました。
私は昭和 55 年に当時の本館 7 階
B 脳神経外科病棟に配属されまし
た。術前、術後の急性期から家庭
復帰できるまでの看護が主な仕事
でした。夜間の救急患者も多いた
め、一時も休まることがなく走り回っていました。こ
の緊張感がいつまで続くのか、体力はもつだろうか、
当初はそんな気持ちでした。その頃、医師による勉強
72
報告・随想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
会や先輩看護師たちのご指導、上司の叱咤激励を受け
解剖の取り組みが始まった。中部地区では愛知県がモ
ながら、徐々に看護する喜びと仕事への達成感を持つ
デル事業に指定され、北陸唯一の解剖立会医として参
ことができ、もっと勉強し、良い看護をしたいという
画している。
「自分の知識と経験を生かして医療不信を
仕事への情熱が深まっていきました。
なくしたい。専門的な立場から正確な死因の究明と診
30 歳代に入り、臨床実習指導者として看護学生と一
緒に、患者にとって何が一番大切かを看護理論や看護
過程を通し、事例を要約していくなかで、看護する上
で思考過程は重要であることを学びました。
40 歳代で主任となり、スタッフを管理するというこ
とはどういうことか、組織の一員として利益を上げる
ためにはどうしたらよいか、一看護師でありながら本
学病院の職員である意識とプライドが芽生えていたよ
療内容を評価するこの制度は、北陸地区にも剖検セン
ターとして必要である」と話す。医学の発展のため、死
亡後に病気の実態や治療効果を検証する剖検を行う割
合は金沢医科大学が全国一だ。
「患者やご家族と担当医
の日ごろの信頼関係があるから、亡くなった直後の遺
族に剖検をお願いできる」。
(2005 年 11 月 18 日から 12 月 29 日、北國新聞朝刊に
連載された「学術の森・金沢医科大学編」より)
うな気がします。その後、救急医療センターへ、そし
最後に、このような活動の場を与えていただいた金
て今年の春には、集中治療センターから別館 5 階に異
沢医科大学に感謝し、金沢医科大学の病理学がさらに
動し、現在奮闘しています。
発展するよう、微力ながら努力していきたいと考えて
医師からは「おばさん」と呼ばれ、若いスタッフと会
話をすれば“昭和”が丸出しの私ですが、ここまで看護
います。関係各位の皆さまには、今後ともご支援、ご
鞭撻をいただきますようお願い申し上げます。
師を続けられたのも職場の皆様のご指導と支えがあっ
たからだと思います。35 周年を節目として、引き続き
与えられた役割を精一杯努めていきたいと思いますの
で、今後とも皆様のご指導ご鞭撻をお願いいたします。
勤続 20 年で改めて思う医科の中の歯科
顎口腔外科学教授 瀬上
夏樹
20 年前の本学着任時、石川を訪
勤続 20 年
れるのは面接以来 2 回目でした。当
地に全く無縁で、無名私立歯科大
永年勤続の節目にあたって
臨床病理学教授 野島
学を卒業後、川崎医大、京大と医
学部口腔外科で我武者羅に研鑽し、
孝之
永年勤続の表彰をいただき、あ
当時豪州に留学中の身でありまし
た。外地で阪神淡路大震災、地下
鉄サリン事件など母国の混乱した
りがとうございます。平成 6 年 9 月
報道を聞く最中、講座主任としての大役をご指示いた
に着任し、あっという間に 21 年が
だいたものです。
経ち、時の流れの速さに驚いてい
ます。
そもそも本学は医科歯科構想が頓挫し、歯学研究所
から口腔科学講座として歯科口腔外科、矯正歯科が副
辞令交付時に当時の理事長先生
部門で併設されましたが、互いの連携がなく混沌とし
から、
「金は自分で稼ぐのだ」と言
ており、これを解決することも小生の命題とされまし
われ、私学に来たのだと身を引き
た。歯科口腔科(標榜科目)
、口腔科学講座、そして大
締めたことが思い出されます。
学院:顎口腔機能病態学の名称で組織改革がなされま
病理学を専門としていますが、全国規模でやっと動
した。前任の初代、故塩田 覚教授は温厚な研究肌の大
き出した医療社会の出来事は、平成 27 年 10 月から医療
先輩で、着任時からその後に急死されるまで、さまざ
事故調査制度が施行されたことです。ちょうど 10 年前、
まなご指導をいただきました。以来、医科における歯
北國新聞に学術の森・金沢医科大学編が企画され、私
科部門として、その存在意義を模索する苦悩の時期で
の記事が掲載されました。内容の一部を紹介します。
もありました。着任時の教室員は一般歯科中心の診療
に留まり、外来スタッフはいわゆる歯科の介助業務、
医療事故の再発防止と医療の質の向上を目指して、厚
外来には血圧計すらなく専門性は皆無でした。言わば
生労働省主導で平成 17 年 9 月に第三者機関による病理
孤立無援の状況から始まった改革が、理事長、学長、
73
報告・随想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
病院長はじめ皆様の温かいご理解、ご支援を得て、少
思い出される 20 年前の患者さん
しずつ先端医療を促進し、開業歯科医院との確執を解
生化学 I 教授 岩淵
消して連携を醸成し、さらに教室員の努力により、欧
文 80 編の論文掲載を成し遂げました。20 年で当科を世
間並みの歯科口腔外科レベルにすることができたこと
私は、留学を終えて帰国する際
が唯一の感慨であります。最後に、今後の本学、当教
に、当時の血液免疫内科学教授の
室の活躍と発展を望むばかりであります。
滝口智夫先生のご高配で血液免疫
邦芳
内科に赴任しました。
当時の患者さんで、大変印象に
残っている方があります。40 代の
勤続 20 年に思う
急性骨髄性白血病の患者さんです
が、化学療法では寛解が得られま
病理学 II 教授 上田
善道
せんでした。HLA の一致したドナーが見つからず、い
たしかたなく、当時としては新しい方法であった末梢
平成 6 年 7 月に病理学教授として
血造血幹細胞移植法を選択しました。この方法は、ド
就任した勝田省吾現学長から要請
ナーが HLA 不一致の場合でも、拒絶反応が比較的軽度
を受け、同年 11 月に助教授として
ですむと考えられていました。しかし当時の方法では、
本学に赴任しました。卒後 5 年目か
造血幹細胞採取の過程で、かなりの数のドナーリンパ
らの 4 年間は、母校金沢大学大学院
球が混入することは避けられませんでした。激しい拒
に在籍した以外は、天理よろづ相
絶反応も覚悟しながら、HLA 不一致の弟さんから採取
談所病院でのジュニア・シニアレ
した造血幹細胞を移植しました。驚いたことに数週間
ジデント(臨床と病理診断学研修)、
後には、患者さんの白血病細胞は完全に消えていまし
米国ペンシルベニアでの臨床研修、独国ミュンスター
た。混入していたドナーリンパ球が、白血病細胞を完
でのポスドク、そして第一線病院での病理医としての
全に殺したのです。ドナーリンパ球の数が、たまたま
勤務など、卒業後は大学医局に入りキャリアを積むの
適度であったためか、幸い拒絶反応も軽度で済みまし
が当然の時代には例外の、
「一匹狼」コースを歩んでい
た。この患者さんは無事退院されましたが、残念なが
ました。
ら 3 年後に感染症で亡くなられました。しかしその間、
本学に赴任して初めて経験した講義や実習での学生
白血病の再発はありませんでした。リンパ球が非自己
との新鮮な触れ合い、学内外の熱心な医学生とのカリ
を攻撃する能力のすさまじさを教えて下さった患者さ
キュラム外での症例検討、臨床講座からの多くの大学
んでした。
院生の研究指導を通じて、教育の重要性と楽しさを体
私はその後、本学の生化学 I 教室に移籍しましたが、
感しました。ちょうど、本邦における医学教育の転換
血液免疫内科時代を思うとき、造血幹細胞採取を一緒
期とも重なり、小田島元理事長の提唱した「寺子屋式学
に行った先生方とともに、必ずお顔が浮かんでくる思
習」、problem-based learning(PBL )、さらに最近では、
い出深い患者さんです。
team-based learning(TBL )などの新たな教育技法の導
入やカリキュラム改革に深く関わる機会を得ました。こ
れも、直属の上司であった勝田現学長をはじめ、竹越襄
理事長、歴代教務部長や事務の方々の力添えがあったか
らと感謝しています。
医学の目覚しい進歩の中で、学生に、如何に興味を
持って効果的に医学を修得してもらうか、さらに、将
来の医療環境の激変にも負けないレジリエンス「折れな
い力」を養うかを模索しながら、今後も本学の医学教育
に貢献したいと思います。
二十年畏るべし
金沢医科大学氷見市民病院臨床教授 森山
学
「十年偉大なり、二十年畏るべし、三十年歴史に、
五十年で神となる」と言う諺があります。何事も一つの
ことに対して真摯に継続して従事し懸命に取り組んで
いると、20 年で畏れられるほどになると言われている
ようです。早いもので私も大学に勤務して 20 年経過し
たようです。私自身は、もちろん畏れられるどころか
偉大さの片鱗も見てとれない状況です。大学に勤務す
74
報告・随想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
る医師として臨床・研究・教育に
れなりの実績もあげられるようになりました。これら
従事させていただく中、研究活動
全てが周りで支えていただいた先生方、事務の方々の
に多くのエフォートを置くことに
おかげと感謝しております。今後もこれまでの数多く
寛容に見守っていただけたことが
の恩を返すべく、教育、研究に尽力したいと存じます。
永年勤続に大きく寄与しているも
のと心より感謝しております。
もう一つ、20 年にまつわる一文
で「木を植えるのに最も良い時期は
20 年前であった。次に良い時期は今である」というの
20 年勤続に思う
皮膚科学講師 藤井
もあります。20 年たってもあまり大学に貢献できず足
俊樹
跡も残せていない私にとって木を植える時期はまさに
今で、この先少しでも「十年偉大なり」に近づけるよう
努力していきたいと考えています。
このたびは勤続 20 年表彰をいた
だき、誠にありがとうございます。
このような素晴らしい環境の中で大学勤務を続ける
私は本学の卒業生ですので、学
ことができたのは、ご指導いただいた恩師の先生方、
生生活の 6 年と合わせて 26 年と人
諸先輩方また同僚、後輩、大学スタッフの方々と家族
生の半分以上をお世話になってい
のおかげと心から感謝の意を表します。今後ともさら
ます。広島県の出身ですので、26
なるご指導、ご鞭撻のほどお願い申しあげます。
年前に受験のため内灘を訪れたと
きには、寒さと天気の悪さに驚い
たことを今でも覚えております。もちろんその時には
今日まで本学に残っていることは考えもおよびません
勤続 20 年を振り返って
でした。
卒業後、すぐに皮膚科学教室に入局しました。その
解剖学 I 講師 島田
ひろき
後、石崎 宏教授、柳原 誠教授、そして現在の望月 隆
教授のご指導のもと皮膚科学を学ばせていただきまし
このたびは永年勤続 20 年を表彰
いただき誠に有り難うございます。
た。医局は非常に雰囲気がよく、気持ちよく仕事をさ
せていただいております。
私は農学の大学院を昭和 63 年に
私が入局した頃は、特に皮膚疾患は疾患の原因やメ
卒業後、食品会社に研究職として
カニズムがよくわかっていないものが大多数であった
就職し、1 カ月の新人研修が終わる
と思います。エビデンスやガイドラインといったもの
とすぐに会社の命により本学解剖
もまだ一般的で無く、先輩の話や文献を検索し治療法
学Ⅰ講座に出向しました。始めは 3
を模索したものです。しかし、20 年の間に皮膚科学も
カ月の予定だったのですが、1 年、
大きく変わりました。入局当時おこなっていた治療の
2 年と延期され、途中会社に戻ったりした後、当時の教
いくつかはすでに行われなくなっています。一方で遺
授に誘われて平成 7 年に本講座に就職致しました。
伝子変異をみたり、分子標的薬のような薬剤が使用で
大学時代、出向中とも生化学や細胞生物学の研究を
きたり、あたらしい事が次々出てきております。
しており、解剖学には接したことがありませんでした。
医療を取り巻く環境も様変わりしております。これ
入局の年の夏休みに他大学の解剖研修に 1 週間参加し、
から先は、もっと速いスピードで医学や医療が変化し
その秋に学生達と同時に解剖学実習をさせていただき
ていくと予想されます。そのスピードに負けないよう
ました。翌年からは学生実習の指導をすることになり
今後も精進していきたいと思います。
ました。最初の頃は実習の前の晩に実習内容とそれに
関連した解剖学の範囲を頭にぎゅうぎゅうに詰め込み、
最後になりましたが、本日まで支えていただきまし
た医局員、病院スタッフに感謝申し上げます。
当日何とか指導していたことを懐かしく思います。そ
の後 10 年程でようやく自信をもって指導できるように
なりました(まだまだ学ぶべきことはありますが)。
また、研究面では癌転移や末梢神経再生における細
胞外基質の役割、農薬の薬効や胎児脳の発生・成長に
おける酸素・活性酸素の機序等を行い、医学分野でそ
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報告・随想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
これまでの 20 年、これから…
分けし、メインフレームに直結した
専用端末で処方や処置のコードを
心臓血管外科学学内講師 小畑
貴司
入力しました。教育係だった素谷
さんは、勢いばかりで何もできな
このたびは永年勤続 20 年の表彰
い新人に根気よく仕事を教えてく
をいただき、誠にありがとうござ
ださいました。数年前に急逝され、
います。
直接お礼を言えないのが残念でな
平成元年に金沢医科大学医学部
りません。
に入学しまして、阪神淡路大震災
その後、システム開発課、教学課、入学センターに
や地下鉄サリン事件のあった激動
配属され、現在は教育研究事業支援課に勤務していま
の平成 7 年に当時の胸部心臓血管
す。こうして今まで勤めてこられたのは、諸先輩方や、
外科学に入局しました。専攻を血
各部署でお世話になった上司・同僚の皆様のおかげで
管外科に定めて、松原純一先生を筆頭に諸先生方から
あり、深く感謝申し上げます。
この 20 年の間に勤務環境は少しずつ進化していきま
様々な叱咤激励をいただきました。
この 20 年の間に血管外科は飛躍的に進歩を遂げまし
した。入職時、事務室に 1 台しかなかったパソコンが 1
た。閉塞性動脈硬化症に対する治療はバイパス術だけ
人 1 台となり、まだ物珍しかったインターネット、イン
でなくカテーテルを用いた治療、大動脈瘤に対する治
トラネットおよびこれらを利用するシステムが、今や
療はステントグラフトを用いた血管内治療、下肢静脈
業務に必須のツールとなりました。私自身、外見も内
瘤に対する治療はストリッピング術から血管内焼灼術
面もそれなりに変化しました。この変化が進化であっ
へと低侵襲的治療が行われるようになりました。私自
たと思えるよう、この先の 20 年も職務に励みたいと思
身も教室の先生方や病院スタッフに支えていただきな
います。
がら、本学病院でのステントグラフト内挿術(2001 年)
や下肢静脈瘤血管内焼灼術(2004 年)の導入という機会
を与えていただいたことは、生涯忘れ得ぬことです。
さて、外科医にとって Bible ともいえる「ブラック・
勤続 20 年の歩みとこれから
ジャック」という漫画がありますが、主人公が恩師から
出版メディア業務課課長代理 山瀬
「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんておこ
真琴
がましい…」と諭されるシーンがあります。いろんな治
療ができるようになったと傲慢にならず、謙虚に命と
向き合っていこうと思います。
このたびは、勤続 20 年の表彰を
いただき、誠にありがとうござい
最後になりましたが、金沢医科大学での勤務 20 年間
と学習 26 年間について、皆様方に感謝申し上げます。
ました。
私が金沢医科大学に入職した平
成 7 年は、年明けの阪神淡路大震
災や地下鉄サリン関連の事件等が
マスコミを賑わせた激動の年でし
た。そんな中で U ターン就職を希
20 年勤続に思う
望しながら、なかなか決まらずにあせっていたところ、
教育研究事業支援課課長代理 西村
憲司
医科大学への就職が決まり、
「ホッとした喜び」を覚え
たことを記憶しています。
このたびは、勤続 20 年を表彰していただきありがと
うございます。
最初に配属されたのが教学課の教務係でした。当時
は教学システムをダウンサイジングして新システムに
私が入職した平成 7 年は後に就職氷河期と呼ばれる
移行しようとしていた最中で、課全体が活気に満ちて
時期だそうで、なかなか就職が決まらず焦っていた中、
いました。周囲の先輩方に、教学のイロハを教わりな
採用通知をいただき大変喜んだことを覚えています。
がら、学生さんの窓口業務の対応に始まり、数多の教
最初の配属先は医事保険課でした。当時はまだオー
務行事に関する山のような決裁の処理や教学システム
ダリングシステムが導入されておらず、入院係として処
の処理の勉強など、日々遅くまで大学に残り、悪戦苦
方箋等のデータ入力とレセプト作成が主な業務であり、
闘していました。業務経験の未熟さから、システム上
日々、気 送子(エアシューター)で届く伝票を科別に仕
の大事なマスターテーブルを誤って削除してしまい、
き そ う し
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報告・随想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
周囲の方々に迷惑をかけ、申し訳ない思いをしたこと
看護師として、時には人生の先輩として、知識や技術、
もありました。
接遇や倫理感を伝え、患者さんを中心としたチーム医
入職してからは、教学課→総務課→医事課→情報管理
療を目標にがんばっています。体は衰えてきています
課と変わりました。情報管理課では、情報系大学の出身
が、自分の生活と仕事との折り合いをつけながら、こ
ではない私は、また一から勉強の身でしたが、直属の上
れからも看護師を続けていきたいと思います。
司や周りの先輩方の温かい指導のおかげで、何とか無事
に業務に従事することができました。この情報管理課で
携わった業務の中で印象深い出来事の一つは、大学ホー
ムぺージの「ライブ・VOD 」サイトのリニューアル業務
勤続 20 年を振り返って
に携わった時です。この時ばかりは、関連書籍を一か
看護部看護師(新館 10 階東) 紅谷
ら読み漁って独学し、試行錯誤を繰り返しながら現在
までの Web サイトの様式までに持っていけたことは、
由利子
このたびは永年勤続 20 年の表彰
自分自身の糧となったように思います。
また、これまで情報管理課がメインの業務でしたが、
今年の 10 月から出版メディア業務課がメインに変わ
をいただき誠にありがとうござい
ます。
り、現在に至っています。ここまで健康で頑張ってこ
今振り返ってみると子育てと共に
られたのも、職場の方々や家族のおかげであることを
駆け足で過ごしてきた 20 数年だっ
感謝し、日々の職務に頑張っていきたいと思います。
たなと思います。5 年目で母親とな
り、仕事との両立が始まりました。
復帰先は外来で、スタッフには自
分と同じように家庭をもった方が多く、公私共に支え
20 年勤続に思う
てもらえたおかげで今の自分があるといっても過言で
はありません。子供が小さい頃はフルタイムの勤務に
看護部主任(集中治療センター) 中町
とし美
家事・子供の行事と忙しく、泣きながら食事の用意を
していたことは今では懐かしい思い出です。そんな毎
こ の た び は 20 年 表 彰 を い た だ
き、誠にありがとうございます。
私 は、 昭 和 60 年 4 月 に 入 職 し、
日の中、仕事を続けることができたのは、周りのスタ
ッフに恵まれていたんだと思い、この場を借りてお礼
を申し上げたいと思います。
11 階 A 病 棟( 消 化 器 内 科・ 血 液 免
2 人目出産後の復帰時、研究に取り組ませてくれた
疫内科・麻酔科)の混合病棟に配
主任、スタッフみんなを家族のように可愛がりホーム
属されました。病床数は 52 床で、
パーティーを開いてくれた当時の主任、時には厳しく
2 人夜勤。深夜勤務での検査も多
感じ涙したこともありましたが、そのおかげで今があ
く、今でも夢に見るくらい多忙で
るんだと感じています。子供の病気の時はお互い様と
した。内科病棟で採血検査も多かったのですが、そこ
いって勤務を配慮し合うスタッフの方々。今も大好き
での採血と静脈路確保のスキルを得ることができたこ
な仲間です。3 人目を出産後病棟復帰となり、10 年以
とは、今でも強みのひとつになっています。その後、
上のブランクにカルチャーショック状態でしたが、優
私は家の事情や切迫流産などで 2 回退職をしています。
しく迎え入れてくれた現在の病棟スタッフに本当に感
平成 6 年 8 月の 3 回目の入職から 20 年経ち、本館 13 階、
謝しています。私も、これから先結婚し、人生の岐路
NICU、救急外来、集中治療センター、外来、救急医
に立つであろう若手看護師さんにとって、そんな存在
療センターといろいろな部署を経験させてもらい、救
に近づけるよう日々精進し頑張りたいと思っています。
急認定看護師の研修にも行かせてもらいました。その
間に、人にはそれぞれの価値観・人生観があること、
倫理観やクレーム対応など、本当に多くのことを、経
験を通して学ぶことができました。たくさんの人との
出会いも、私の宝物になっています。今は、救急医療
センターで働き、研修医の先生方とも一緒に仕事をさ
せていただいています。若い人たちの仕事に対する一
生懸命さに刺激を受け、昔の自分を思い出しながら、
77
報告・随想
随 想
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
近くて遠い金沢医科大学
金沢医科大学名誉教授 廣瀬
源二郎
大学を退職してはや 10 年が過ぎ去ったところで、金
沢医科大学報に原稿を依頼された。ここで久しぶりに
大学のことを考えてみよう。
内灘に住み大学への距離は車で数分、歩いて 25 分と
極めて近い。しかしこの 10 年間に大学を訪れたのは年
に数回、図書館に文献を求めて通っただけであろう。
その都度時間があれば、国試の後で合格率が良かった
年には理事長、学長を表敬訪問したり、旧知の事務職
員と簡単な挨拶を交わすぐらいの大学との接触である。
私の勤める浅ノ川総合病院には管理型研修制度、い
わゆるたすき掛け研修制度があり、毎年、金沢大学と
金沢医科大学から数人の研修医が当院での研修を目指
して来ている。昨年は杏林大学卒業生が 1 人管理型研
南ドイツ ハイデルベルク城を背景に(2015 年夏休み)
修医となっているが、金沢医科大学からの管理型研修
経系の common diseases に対する診断・治療を含めた
医はおらず、たすき掛け研修医 6 名が 1 年間の研修に来
実地臨床を教えるのは慣れたものとは言え、その準備
ていた。研修 1 年目と 2 年目の研修医が混ざって来てお
は大変である。講義内容は年間を通して新しいデータ
り、内科系研修科の一つとして神経内科研修を希望し
を補遺しており、研修医諸君には最も新しい情報を提
て、当科で 2 カ月間の研修を受けていた研修医が 6 人で
供して勉強してもらっている。このたすき掛け研修が
あった。当科では私以外に 2 人の専門医がそれぞれの
どの程度金沢医科大学初期研修制度に役立っているか
研修医とコンビで働くシステムになっており、数人の
定かでないが、少しは役立っていてほしい。その内に
患者を受け持ち毎日忙しく働いている。著名なフラン
大学に問い合わせてみようと思っている。
ス神経学者シャルコーの『火曜日講義』にならい、以前
週 3 日の外来診察に加えて研修医教育、週 2 回の患
医科大でもやっていたように、火曜日講義を朝 2 時間
者回診をこなしている昨今であるが、
“Time spent for
行うのが私の研修医に対する仕事である。最近ではカ
teaching is never lost ”の精神は未だ持ち続けている
ラーで印刷したレジメを配り勉強してもらうことにし
元教授の近況報告である。
ている。2 カ月間で 8 ∼ 9 回の講義で神経診断学から神
補遺:
随想が短く画像がないとの編集室からのご意見で、
画像・近況報告を補いましょう。
前から国際学会出張は多くあったが、学会出席のみ
で周辺の観光をしていなかった。退職後はそれを補う
ため、毎年 10 日間以内の夏休みをとり、夫婦で主に欧
州旅行を企てている。2015 年は 5 月の連休にボルドー
から南フランス、北スペインのサン・セバスチャンへ
と美食旅行をして、さらに夏休みには南ドイツを旅し
てみた。ここ数年は自分で企画する個人旅行を止めて、
希望に近い団体旅行を探してのんびりした旅を楽しんで
いる。荷物運搬の労も要らず、見知らぬ人との交流がで
き結構楽しい時間が過ごせることがわかり、はまってい
る昨今である。ただ最近の欧州での幾つかのテロ騒ぎ
で今後は国内旅行に限るべきか目下思案中である。無
事平穏な日々を送れることのみを願うのは老人の心境
南ドイツ ローテンブルクにて(2015 年夏休み)
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なのであろう。
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
資 料
理事会
第 233 回 平成 27 年 11 月 30 日(月)
議案
1 学校法人金沢医科大学職員就業規則の一部改正について
2 学校法人金沢医科大学職員給与規則の一部改正について
規程の改正・制定・廃止
金沢医科大学病院医員規程
学校法人金沢医科大学職員就業規則
学校法人金沢医科大学パートタイマー就業規程
学校法人金沢医科大学契約職員就業規程
学校法人金沢医科大学嘱託職員就業規程
学校法人金沢医科大学嘱託教員就業規程
学校法人金沢医科大学職員給与規則
学校法人金沢医科大学個人情報保護に関する規程
金沢医科大学レジデントハウス管理規程
学校法人金沢医科大学個人番号及び特定個人情報の取扱いに関する規程
事務職の標準職務遂行能力に関する内規
医学部教授会
第 979 回 平成 27 年 10 月 8 日(木)
審議事項
1 第 977 回及び第 978 回議事録確認について
2 平成 28 年度特別推薦入学試験(AO 入試)第 1 次選考合格者
について
3 平成 27 年度学年末教務日程(案)について
4 その他
〈報告事項〉
1 第 6 学年第 1 回標準試験結果について
2 第 1 学年強化教育について
3 その他
第 980 回 平成 27 年 10 月 22 日(木)
審議事項
1 第 979 回議事録確認について
2 平成 28 年度特別推薦入学試験(AO 入試)第 2 次選考合格者
について
3 その他
〈報告事項〉
1 各種人事案件について
(1 )教員採用について
(2 )研究医採用について
(3 )研究員採用について
(4 )昇任について
(5 )辞職について
(6 )非常勤講師委嘱について
(7 )非常勤講師派遣について
2 「機器管理運営委員会 第 5 回技術セミナー」開催について
3 バーモント大学交換留学生の受入について
4 第 7 回国際交流センター講演会および大学院「英語論文作
成法」講義の開催について
5 第 6 回日中学術講演会の開催について
6 その他
第 981 回 平成 27 年 11 月 12 日(木)
審議事項
1 第 980 回議事録確認について
2 平成 28 年度カリキュラム方針について
3 平成 28 年度第 3・5・6 学年標準試験実施要領(案)について
(H27.9.1
(H27.12.1
(H27.12.1
(H27.12.1
(H27.12.1
(H27.12.1
(H27.12.1
(H27.12.1
(H28.1.1
(H27.12.1
(H27.12.1
改正)
改正)
改正)
改正)
改正)
改正)
改正)
改正)
改正)
制定)
制定)
4 平成 28 年度第 5・6 学年臨床実習実施要領(案)について
5 平成 27 年度学生アンケートについて
6 いしかわシティカレッジ特別聴講学生の受入れについて
7 その他
〈報告事項〉
1 各種人事案件について
(1 )教員採用について
(2 )辞職について
2 平成 28 年度推薦入学試験出願状況等について
3 平成 28 年度教育・実習用機器の要望調査について
4 学生へのインフルエンザ対策について
5 診断セットの購入について
6 その他
第 982 回 平成 27 年 11 月 19 日(木)
審議事項
1 平成 28 年度公募制及び指定校・指定地域推薦入学試験合
格者について
2 平成 28 年度金沢医科大学医学部特別奨学金貸与者について
3 その他
〈報告事項〉
1 その他
その他
1 呼吸器外科学教授候補者選考に係る公開面接について
第 983 回 平成 27 年 11 月 26 日(木)
審議事項
1 平成 27 年度卒業判定委員について
2 平成 27 年度学生表彰について
3 その他
〈報告事項〉
1 各種人事案件について
(1 )辞職について
(2 )客員教授委嘱について
(3 )非常勤講師委嘱について
2 平成 27 年度姉妹校プロジェクト研究員の受入について
3 平成 27 年度外国人短期研究員の受入について
4 その他
第 984 回 平成 27 年 12 月 10 日(木)
審議事項
1 第 981 回、第 982 回及び第 983 回議事録確認について
79
資 料
2 衛生学教授候補者について
3 呼吸器外科学教授候補者について
4 金沢医科大学アウトカム(案)について
5 平成 27 年度第 4 学年共用試験 OSCE 実施要領(案)について
6 その他
〈報告事項〉
1 各種人事案件について
(1 )准教授について
(2 )教員採用について
2 短期研究員の受入について
3 平成 28 年度公募制及び指定校・指定地域推薦入学手続き
について
4 平成 28 年度一般入学試験実施に係る協力依頼について
5 第 6 学年第 2 回標準試験結果について
6 年末年始強化合宿の実施について
7 平成 27 年度第 4 学年「症候学」、
「臨床演習」、
「診断学」授業
計画について
8 医学部臨床講座定員の見直しについて
9 平成 26 年度優良教員の表彰について
10 その他
看護学部教授会
第 170 回 平成 27 年 10 月 19 日(月)
審議事項
1 前回(第 168・169 回)議事録確認について
2 2016 年度学年暦(案)について 3 華中科技大学同済医学院の姉妹校プロジェクトについて
4 その他
〈報告事項〉
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 国家試験対策委員会からの報告
5 看護学部教員評価委員会からの報告
6 研究活性化委員会からの報告
7 FD 委員会からの報告
8 平成 28 年度編入学試験(3 年次編入)結果について
9 平成 28 年度看護学部奨学生選考委員会の委員について
10 その他
第 171 回 平成 27 年 10 月 26 日(月)
審議事項
1 平成 27 年度前期授業科目等の単位認定について
2 その他
第 172 回 平成 27 年 11 月 16 日(月)
審議事項
1 前回(第 170・171 回)議事録確認について
2 その他
〈報告事項〉
1 休学について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 国家試験対策委員会からの報告
5 FD 委員会からの報告
6 研究活性化委員会からの報告
7 平成 27 年度看護学教育ワークショップ参加報告
8 平成 28 年度推薦入学試験実施状況等について
9 その他
第 173 回 平成 27 年 11 月 20 日(金)
審議事項
1 平成 28 年度看護学部推薦入学試験合格者の判定について
2 平成 27 年度学生表彰について
3 その他
第 174 回 平成 27 年 12 月 14 日(月)
審議事項
1 前回(第 172・173 回)議事録確認について
2 平成 28 年度編入学生既修得単位認定項目等について
80
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
3 編入学制度廃止に伴う看護学部入学定員について
4 その他
〈報告事項〉
1 人事関係について
2 教務委員会からの報告
3 看護学部学生部連絡会からの報告
4 国家試験対策委員会からの報告
5 FD 委員会からの報告
6 平成 28 年度推薦入学試験結果について
7 平成 28 年度一般入学試験実施に係る監督員及び面接委員
の協力について
8 その他
大学院医学研究科教授会
第 457 回 平成 27 年 11 月 12 日(木)
審議事項
1 前回(第 456 回)の議事録確認について
2 平成 28 年度大学院医学研究科第 1 次募集選抜試験の合格
者について
3 平成 28 年度大学院医学研究科選抜試験(中国姉妹校留学
生)の合格者について
4 第 43 回論文博士外国語試験の合格者について
5 平成 28 年度大学院医学研究科第 2 次募集選抜試験の日程
等について
6 その他
〈報告事項〉
1 在学期間延長願提出学生について
2 大学院共通科目 「 英語論文作成法 」 及び国際交流センター
講演会の開催について
3 その他
第 458 回 平成 27 年 12 月 10 日(木)
審議事項
1 前回(第 457 回)の議事録確認について
2 専修生の入学について
3 学位論文本審査委員の選出について
甲第 468 号 柴田健雄 生殖周産期医学
甲第 469 号 松井佑樹 腎機能治療学
甲第 470 号 本野 望 先進呼吸器外科学
4 その他
〈報告事項〉
1 4 年次大学院生の学位論文本審査申請について
2 その他
大学院看護学研究科教授会
第 8 回 平成 27 年 10 月 19 日(月)
審議事項
1 前 2 回(第 6・7 回)議事録の確認について
2 「金沢医科大学大学院科目等履修生規程」の一部改正につ
いて
3 第 1 学年次前期の成績通知について
4 研究テーマ(仮)及び研究副指導教員について
5 その他
〈報告事項〉
1 平成 28 年度大学院看護学研究科入学予定者について
2 その他
第 9 回 平成 27 年 11 月 16 日(月)
審議事項
1 前回(第 8 回)議事録の確認について
2 前期の単位認定について
3 研究計画書公開審査会について
4 平成 28 年度授業時間割の作成について
5 平成 28 年度教育要項の作成について
〈報告事項〉
1 看護学部 3 年次生への大学院の説明について
資 料
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
2 その他
第 10 回 平成 27 年 12 月 14 日(月)
審議事項
1 前回(第 9 回)議事録の確認について
2 「金沢医科大学大学院ティーチング・アシスタントに関す
る規程」の一部改正及び「看護学研究科 TA 業務取扱要項」
について
3 平成 28 年度大学院看護学研究科学年暦について
4 平成 28 年度大学院看護学研究科科目等履修生募集要項に
ついて
5 その他
〈報告事項〉
1 その他
総合医学研究所教授会
第 309 回 平成 27 年 10 月 15 日(木)
審議事項
1 前回(第 308 回)議事録確認について
2 その他
〈報告事項〉
1 平成 28 年度市民公開セミナーの開催案について
2 施設・機器使用許可申請について
3 平成 27 年度市民公開セミナーについて
4 平成 27 年度実験動物慰霊祭について
5 その他
第 310 回 平成 27 年 11 月 19 日(木)
審議事項
1 前回(第 309 回)議事録確認について
2 その他
〈報告事項〉
1 平成 27 年度研究セミナー開催案について
2 平成 27 年度上半期予算執行状況について
3 平成 27 年度市民公開セミナーについて
4 平成 27 年度実験動物慰霊祭について
5 施設・機器使用許可申請について
6 放射性同位元素等に係る立入検査について
7 その他
第 311 回 平成 27 年 12 月 17 日(木)
審議事項
1 前回(第 310 回)議事録確認について
2 その他
〈報告事項〉
1 平成 28 年度予算申請(案)について
2 教員人事について
3 教員採用(研究員、特定教員・ポスドク等)について
4 客員教授、非常勤講師、協力研究員等について
5 学外研修について
6 施設・機器使用許可申請について
7 その他
《本学スタッフ新刊著書》
小野孝彦 編集
使ってみよう漢方薬
急性期・入院・外来診療で使える定番処方と
エビデンス
れた書である。
救急・小児から始まり、各臓器・各分野別に、実
際の現場の状況と、具体的な処方例が見やすく記載
されている。西洋医学のアプローチだけでは決め手
がない状況の中で漢方薬を使えば症状が治まること
を述べ、各科でよく遭遇する症状に対する定番の処
分担執筆:元雄良治(第Ⅲ章、
11.がん医療と漢方)
文光堂
B5 判、186 頁
定価(本体 4,500 円 + 税)
2015 年 7 月 15 日発行
ISBN978-4-8306-8159-2 C3047
方例についてエビデンスや作用機序とともに解説し
ている。これまでの漢方の対象は外来での慢性疾患
患者がほとんどであったが、近年は入院中の患者に漢
方を使う若手医師が増えているので、本書はそのよう
なこれから漢方を積極的に使おうという医師の参考に
なるであろう。コラムとして漢方にまつわるトピック
スが「ミニレクチャー」として、また、ちょっとした
コツが「メモ」として随所に散りばめられている。さ
本書は若手医師の日常診療のためのムック
(Mook )シリーズの第 19 弾で、漢方医学の知識がな
くても、臨床現場で漢方処方ができるように編集さ
らに、より深く学びたい人のために、26 の参考図書
が巻末に掲載されている。
(腫瘍内科学 元雄良治記)
81
資 料
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
金沢医科大学 2015 年
VOD アーカイブズ
講演会・セミナー・勉強会の動画記録
金沢医科大学イントラネットでいつでも視聴が可能です
本学では、出版メディア業務課で撮影した講演会、セミナー、勉強会等で、演者の許可を得られたビデオ動画を
編集し、ストックしている。それらの番組を情報管理課と協働して、学内サーバーに置き、ビデオ・オン・デマン
ド(VOD )形式で、いつでも視聴できるようにしている。著作権の配慮から、配信はイントラネットのみで行われ
ており、学外からは視聴できない。
番組は 2006 年から現在に至るまで 300 本以上が蓄積されており、大いに利用していただきたい。2006 年から 2014
年までの番組タイトル一覧は、本学報 157 号(2014 年 1 月)
、161 号(2015 年 1 月)に掲載されており、2015 年に追加
された番組タイトルは下記のとおりである(※撮影が出版メディア業務課以外のものも含む)。
視聴方法は本学のホームページから、
「学生・教職員・研修医」→「ライブ・VOD 」と順に選択し、カテゴリ別の選
択や開催日付別のタイトル一覧を利用して、視聴したいものを選んでクリックすると自動的に視聴ソフト(Windows
Media Player または VLC Media player )が起動し番組がスタートする。
(出版メディア業務課 山瀬真琴、野原一弥記)
VOD 番組タイトル一覧 (2015 年 1 月〜 12 月)
講演名 / 演題名(演者名等・敬称略)
開催期日
視聴時間
◯平成 27 年 年頭挨拶
(竹越 襄理事長、勝田省吾学長、松本忠美病院長)
2015.01.05
68 分 31 秒
◯第 1 回再生医療研究会
幹細胞と再生医学(吉川正英)
2015.01.16
※配信終了
◯平成 26 年度退職記念講演
カルジオウイルスの持続感染機構(大原義朗)
排卵機構の解明にいそしんで – 成果と今後への展望 –(牧野田 知)
2015.01.24
42 分 12 秒
〃
47 分 50 秒
◯第 8 回大学院医学研究科教育懇談会
医学英語への興味を学会・論文活動に生かす(伊達 勲)
2015.02.06
83 分 04 秒
◯安全管理体制確保のための職員研修会
・平成 26 年度第 2 回 輸血用血液製剤の安全な取り扱いについて(加藤 道)
2015.02.17
60 分 55 秒
2015.06.09
78 分 29 秒
2015.10.20
64 分 30 秒
2015.02.27
54 分 28 秒
2015.05.26
67 分 59 秒
◯金沢医科大学 第 38 回卒業証書・学位記授与式
2015.03.07
81 分 37 秒
◯患者の権利・臨床倫理・個人情報保護等に関する職員研修会
患者の権利・臨床倫理、個人情報保護∼気取らない大学病院∼(堀 有行)
「患者の権利」・「臨床倫理」、
「個人情報保護」
( 〃 )
2015.03.10
37 分 15 秒
2015.12.02
30 分 08 秒
◯金沢ニュートリションセミナー
「周術期栄養管理のエビデンス」
(谷口英喜)
2015.03.13
75 分 42 秒
◯平成 26 年度接遇セミナー
笑いの現場から学ぶ ! 最強医療コミュニケーション「なんでやねん力」
(WMcommons
「W マコト」中山 真、中原 誠)
2015.03.20
68 分 58 秒
・平成 27 年度第 1 回 病院安全管理の視点からみた抗がん薬曝露対策(杉浦伸一)
・平成 27 年度第 2 回 院内医療事故調査制度について(小坂健夫、中川 淳)
◯院内感染防止に関する教育講演会
・平成 26 年度第 3 回 災害時の感染症対策(高橋 孝)
・平成 27 年度第 1 回 1. 当院における感染対策の課題と対応策(飯沼由嗣)
2. ノロウイルスアウトブレイク対応について(野田洋子)
83
資 料
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
講演名 / 演題名(演者名等・敬称略)
開催期日
視聴時間
◯第 6 回治験・臨床研究の倫理に関する教育研修会
臨床研究の質の管理∼ Risk Based Monitoring とは∼(松嶋由紀子)
2015.03.27
83 分 25 秒
◯研究倫理等説明会
研究不正防止関連ガイドラインに対応する規程の一部改正について(加藤伸郎)
2015.03.30
24 分 53 秒
◯金沢医科大学 第 44 回入学宣誓式
2015.04.07
42 分 30 秒
◯第 1 学年「医療プロフェッショナリズム入門」
・これから医学を学ぶ皆さんへ(勝田省吾)
2015.04.15
51 分 48 秒
〃
41 分 30 秒
2015.06.10
55 分 04 秒
2015.08.26
38 分 31 秒
2015.09.30
42 分 30 秒
2015.05.25
55 分 43 秒
〃
68 分 54 秒
◯臨床研究セミナー
臨床試験におけるデータ管理の重要性∼総合倫理指針で求められるモニタリングとは ? ∼
(笠井祥子)
2015.06.12
62 分 05 秒
◯第 17 回 KMU 研究推進セミナー
ゲノム編集技術の基本原理とその可能性(山本 卓)
2015.06.12
82 分 59 秒
◯第 58 回教育懇談会、平成 27 年度第 5 回大学院医学研究セミナー
プロフェッショナリズム教育(朝比奈真由美)
2015.06.12
87 分 59 秒
◯平成 27 年度放射線業務従事者教育訓練
医療における放射線防護(小林育夫)
2015.06.18
62 分 26 秒
◯金沢医科大学医学会 40 周年記念式典
外科学の新しい価値の創造(澤 芳樹)
2015.07.18
84 分 54 秒
(71 分 36 秒)
◯平成 27 年度第 1 回保険講習会
平成 28 年度診療報酬改定における DPC の動向及び機能評価係数Ⅱの分析と今後の
取り組みについて(石富 充)
2015.07.23
※配信終了
2015.09.15
38 分 11 秒
〃
24 分 03 秒
◯平成 27 年度医学部編入学生入学宣誓式
2015.09.25
13 分 34 秒
◯第 43 回金沢医科大学解剖体合同追悼慰霊祭
2015.10.10
18 分 36 秒
◯国際交流センター学術講演会
Cancer Genomics(デボラ・レナード)
2015.10.22
85 分 09 秒
◯平成 27 年度褥瘡対策講習会
医療関連機器圧迫創傷について(須釜淳子)
2015.10.29
59 分 33 秒
2015.11.10
40 分 12 秒
〃
31 分 30 秒
◯大学院医学研究科 共通科目「英語論文作成法」
、国際交流センター第 7 回講演会
医学英語論文書き方の基本:アカデミックライティングの基本ルールを理解しよう!
(押味貴之)
2015.11.20
98 分 37 秒
◯平成 27 年度第 2 回院内感染防止に関する教育講演会
1. 流行性角結膜炎(EKC )について(柴田奈央子、薄田大輔)
2. 流行性感染症の防止対策について(上野佳子)
2015.12.16
52 分 09 秒
・Where there is a will, there is a way. ∼意志あるところに道は開ける∼(我那覇せら)
・名医よりも良医を…!(吉田勝明)
・日本の医療と医師会(近藤邦夫)
・氷見の赤ひげ物語(神田享勉)
◯平成 27 年度組換え DNA 実験・動物実験実施者等の教育訓練
1. 組換え DNA 実験における法令や規程等について(石垣靖人)
2.(1 )動物実験に係る関連法規及び動物福祉について(田崎隆史)
(2 )動物実験施設の利用について( 〃 )
◯平成 28 年度科学研究費助成事業−科研費−公募要領等説明会
1. 公募要領等の説明(林 結布、西道昌貴)
2. 科研費獲得のための戦略−申請書(計画調書)の書き方−(倉田康孝)
◯教育学術情報管理システム(KRIMS )操作説明会
業績データの登録方法について(事務担当者向け)
(三谷靖之)
業績データの登録方法について(研究者向け)
(井上僚平)
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金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
同窓会・後援会
平成 27 年度
金沢医科大学
北斗会懇親・懇談会
会員が参加した。最初に 、 飛田 明会長から開会の挨拶
があり、竹越 襄理事長が来賓を代表して挨拶した。そ
の後、勝田学長の乾杯の発声で懇親の宴が始まった。
歓談の後、本年度の勤続 35 年表彰対象者 39 名のうち 17
名の方に飛田会長から記念品が贈呈され、招待者を代
表して医療技術部の田中 佳技師長が謝辞を述べた。
恒例のお楽しみ抽選会では、1 等スープメーカー(1
平成 27 年度金沢医科大学北斗会懇親・懇談会が平成
名)、2 等 IH 卓上コンロ(3 名)、3 等ティファールポット
27 年 11 月 20 日(金)午後 6 時から、金沢市内の「ANA ク
(5 名)、4 等体組成計(7 名)、5 等ヒーター(7 名)、6 等マ
ラウンプラザホテル金沢」にて開催された。
今回は、懇親・懇談会に先立ち、隣接するヴィサー
ッサージ器(10 名)、7 等ストッキング・靴下(16 名)、8
等お菓子詰合せ(14 名)、大和賞お菓子詰合せ(1 名)、
ジュビル 11 階にて講演会が開催され、約 150 名の会員
ホテル賞食事券 5,000 円分(3 名)を抽選した。司会者か
が参加した。講演会では、勝田省吾学長が「金沢医科大
ら当選者の氏名が読み上げられ、約 70 名の当選者から
学の学部教育」と題し、医学部の国試対策の現状や看護
は歓声が、選に漏れた方からは溜息が発せられ、大い
学部の更なる充実について講演した。つづいて、中農
に盛り上がった。
理博副理事長が「金沢医科大学の近況」と題し、第 1 次 5
つかの間の 2 時間が過ぎ、当選に漏れた会員にも参
カ年計画の進捗状況と第 2 次 5 カ年計画の概要について
加賞が配られ、散会となった。
講演した。参加者は金沢医科大学の教育や将来構想等
(教育研究事業支援課 森川仁八記)
について興味深く聞いた。
午後 7 時 20 分から「ANA クラウンプラザホテル金沢」
に会場を移し、懇親・懇談会が開催され、約 220 名の
講演会
永年勤続対象者を代表して謝辞を述べる田中技師長
お楽しみ抽選会。飛田会長(左)から当選者に景品が手渡される
懇親会
85
教室紹介
生理学Ⅰ
Physiology Ⅰ
前列左から、内海 修助教、加藤伸郎教授、小野宗範講師、田嶋信義助教、後列左から、村本進司技術員、
山田清美研究補助員、劉 暁艶研究員、鄒 敬宇大学院生
教室史は 1973 年 4 月大山 浩教授が聴覚系研究を行っ
2015 年 7 月着任の小野宗範講師は光遺伝学など最新テ
たことに始まる。1992 年 10 月から小野田法彦教授が嗅
クノロジーを使った聴覚系研究を志向しており、図ら
覚系の研究を推進した。2006 年 4 月より加藤伸郎教授
ずも教室創世期の聴覚研究を復活させつつある。
がアルツハイマー病とうつ病のモデルマウスを使って
今までに活躍した中国人留学生は 10 名を超え、帰国
病態生理解明と治療法開発に取り組む。加藤教授の学
後に、あるいは教授昇進、あるいは自前実験室スタート、
位 論 文(Exp Brain Res, 1983; J Comp Neurol, 1984 )
あるいは米国再留学など、聞くもまた喜ばしい。
は視覚中枢の線維連絡に係り、教室研究史を聴覚・嗅
覚から視覚へ受け継いだ側面もある。教育では生理学
のうち脳神経感覚、腎尿路、消化の 3 分野を受け持ち、
実習では臨床連関がイメージできるよう、伝導速度測
定・皮膚感覚受容野マッピング・クレアチニンクリア
ランス算出を実施している。これらは試験のヤマでも
ある。本年から PBL に替えて新種の能動学習を始めた。
研 究 で は、 電 気(ECT )・ 磁 気(rTMS )
・光刺激の
いずれもが、うつ病とアルツハイマー病モデルマウス
の両方に症状軽減をもたらすという一見奇想天外な結
果を報告してきたが、電気生理学的には不思議に整合
している。この整合性を解くカギはカリウムイオンチ
ャネルの一つである BK チャネルにあるとの確信の下、
過去 10 数年このチャネルの解析を続けてきた田嶋信義
助教(2013 年着任)が培養細胞を使った実験を続けてい
る。
また、光刺激の低侵襲性を臨床に生かすべく、刺激
装置作製を担当するメーカーの参画を得て、加藤教授
と内海 修助教(2014 年着任)が中心となってモデルマ
ウスで詰めの行動解析を続けている(外国特許出願中)。
86
(生理学Ⅰ 加藤伸郎記)
【教室紹介】
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
生理学Ⅱ
Physiology Ⅱ
前列左から、倉田康孝特任教授、芝本利重教授、谷田 守講師。後列左から宋 洁短期研究員、道上紀子事務員、
張 涛大学院生、王 墨飛特定講師、九田裕一大学院生兼助教
2001 年 5 月に芝本利重教授が金沢医科大学第二生理
倉田特任教授は心筋細胞電気現象の数理モデル化と
学教室の講座主任に就任して 14 年が経ち、あと 2 年で
コンピュータ・シミュレーション技術を駆使してモデ
退職となります。現在、教室には芝本教授のほか、心
ル細胞の非線形力学的構造解析を行っており、洞結節
臓電気生理を専門とする倉田康孝特任教授、自律神経
自動能や心室筋異常自動能の発生機序、バイオペース
を専門とする谷田 守講師、昨年大学院を 3 年で修了し
メーカー細胞作成・機能強化方法などを究明して、Am
た中国医科大学からの留学生である王 墨飛特定講師、
J Physiol や Biophys J に論文発表しています。また、
社会人大学院生でもある九田裕一助教と教室秘書の道
鳥取大学大学院再生医療学講座と共同で、
「胚性幹細胞
上紀子事務員がスタッフとして、さらに留学生として
由来心筋細胞の電気生理学的特性の実験的解析と数理
中国医科大学からの張 涛大学院生と姉妹校短期留学生
モデル化によるバイオペースメーカーの開発」、
「イオ
として日中友好病院からの宋 洁先生が在籍していま
ンチャネル蛋白発現制御機構の解明とその不整脈治療
す。
への応用」などの研究を積極的に進めています。
研究面は、芝本教授が主としてアナフィラキシーショッ
谷田講師は in vivo でのラットおよびマウスの自律神
クの血行動態的な機序解明を目指し、肺循環、肝循
経活動測定と分子生物学的手法を駆使してメタボリッ
環、冠循環、骨格筋循環、腎循環をはじめとした全身
クシンドロームに関する自律神経研究を行っています。
の末梢循環の調節に注目して動物実験を行っていま
最近では、摂食や血糖調節における自律神経の仕組
す。ラットやマウスなどのアナフィラキシーモデル
みについて脳・視床下部での分子経路を明らかにして、
を in vivo で覚醒下と麻酔下で確立するとともに、ex
Diabetes などに論文発表をしています。さらに芝本教
vivo の摘出灌流標本でも確立して実験を進めています。
授の循環生理の実験にも協力してラットおよびマウス
anaphylaxis あるいは anaphylactic のタイトルを冠す
を用いた研究を積極的に進めており、Am J Physiol や
る欧文論文を現在までに 39 編発表してきています。ア
Plos One に論文発表するなど成果が出始めています。
ナフィラキシーショックは、突然の発症と血圧回復の
生理学教育は、医学部と看護学部で心臓血管系、呼
緊急性が求められる病態で、ヒトでの血行動態的な研
吸器系、内分泌生殖器系の講義と実習を行っています。
究には限界があり、どうしても動物を使用したモデル
2016 年 8 月には第 26 回日本病態生理学会大会を、新設
実験が重要になっています。今後、血行動態的な機序
された医学教育棟で開催することになっております。
の体系的な説明ができるよう、さらに研究を進めたい
(生理学Ⅱ 芝本利重記)
と考えています。
87
【教室紹介】
腎臓内科学
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
Nephrology
腎臓内科学医局スタッフ一同。前列左から 4 人目が横山 仁教授
金沢医科大学腎臓内科学教室は、1974 年 4 月に故 篠
の意義について研究を進めている。血液浄化療法の分
田 晤教授を初代講座主任として開講した。同年 9 月に
野では、長期透析に伴う二次性副甲状腺機能亢進症の
血液浄化センターを開設、1975 年 3 月には本学病院泌
診断と治療指針の作成、敗血症での有効な血液浄化療
尿器科と連携して石川県初の腎移植を行い、1982 年 10
法の検討などを行っている。また、肝胆膵内科とは透
月から北陸初の腹膜透析を開始した。1994 年 10 月に石
析患者のC型肝炎ウイルス除去療法と抗ウイルス薬の
川 勲教授が二代目の講座主任になると血液浄化療法と
臨床的検討を、神経内科とは自己免疫性神経疾患に対
腎移植はさらに充実し、多嚢胞化萎縮腎・腎癌ならび
する血液浄化療法を共同で研究している。腎移植の分
に運動後急性腎不全の発見を機にその機序を解明する
野では、アディポサイトカインと non-classical HLA 分
研究を多く残した。現在は 2006 年 4 月に三代目の講座
子の意義、間質線維化の機序について調べている。こ
主任として着任した横山 仁教授のもとで 18 名の医局員
れらの研究成果は診断精度の向上や予後の予測と改善
が、臨床、研究、教育に取り組んでいる。
など、実際の臨床の場で役立つものであり、国内外の
臨床は腎疾患を中心に、全身を診る内科的視点に立っ
て診療に臨んでいる。病棟に隣接する血液浄化セン
ターには多人数用・個人用透析装置、血漿交換装置、
LDL・免疫吸着装置を備えており、すべての血液浄化
学会で発表し医学雑誌への投稿を積極的に行っている。
教育は、医学生に対して系統講義、PBL(Problem-
Based Learning )、CCS(Clinical Clerkship )な ど を
担っている。初期研修では、臨床研修指導医を 6 名揃え、
療法に対応している。腎移植に関しては泌尿器科と連
医師的思考と技能はもちろんのこと、患者本位の診療
携して 2015 年 10 月までに計 309 例を行い、良好な成績
が行える医師としての心がけも教えている。入局後の
をおさめている。これらは大学病院として高度医療を
後期研修では、腎臓内科医へと育成する過程で積極的
実践するものであるが、地域医療支援としては常勤医
に資格(認定医・専門医)を取得させている。
を 3 つの地域の中核病院へ、非常勤医師を県内外(石川
最後になるが、去る 2015 年 10 月 23 日、24 日に第 45
県・富山県・福井県・新潟県・山形県)の病院・医院へ
回日本腎臓学会西部学術大会をこの金沢の地で開始し
派遣している。
たことを報告しておく。この大会はとても盛大なもの
研究は糸球体疾患、血液浄化療法、腎移植の 3 つを
となり、大会長を務めた横山 仁教授のもと医局員の結
テーマとしている。糸球体疾患の分野では、膜性腎症
束が強まり、臨床・研究へのモチベーションを上げる
とループス腎炎の疫学調査、膜性腎症の病理学的特徴
良い機会となった。今後は学内外との交流をより深め、
の検討、急速進行性糸球体腎炎の HLA 遺伝子型解析、
ネフローゼ症候群における可溶性ウロキナーゼ受容体
88
研鑽を積み、今以上に社会に貢献できる教室となるよ
うに努める所存である。
(腎臓内科学 山谷秀喜記)
【教室紹介】
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
糖尿病・内分泌内科学
Diabetology and Endocrinology
糖尿病・内分泌内科学医局スタッフ一同。後列左から、7 人目が古家大祐教授
当教室は、1972 年の金沢医科大学創設にともなって
医療の実践を指導しており、医局員は内科認定医資格
1974 年に開設され(当時の名称は内分泌内科学)、1981
を得たのち、糖尿病専門医、高血圧専門医、内分泌専
年森本真平教授が初代講座主任に着任した。その後、
門医、総合内科専門医などの資格を得ている。高度な
1996 年に内田健三教授、2005 年に古家大祐教授が就任
医療を提供する一方、診療姿勢は「患者と共に歩む」を
し現在に至っている。この間に教室の名称は、内分泌
モットーとしており、個々の社会・家庭の生活環境を
代謝制御学を経て、現在の糖尿病・内分泌内科学と変
理解したテーラーメイド医療を実践している。
更された。現在の医局員は、古家教授以下、准教授 4 名、
基礎研究では、糖尿病性腎症発症の分子機構の解明
講師 2 名、助教 1 名、大学院生 5 名のほか、1 名が氷見
とその進展防止、老化の進展の分子機構の解明とその
市民病院に赴任している。さらに海外(中国・韓国・
防止、インクレチン作用における神経性機構の役割の
インド)からの留学生 5 名が研究に励んでいる。女性医
解明とその糖尿病治療への応用をテーマに精力的な研
局員は現在 3 名であるが、過去にも多く在籍しており、
究活動を行っている。大学院生は、これらの研究の成
結婚後にも臨床および研究活動が継続できる環境を教
果を国内外での学会発表と欧米雑誌での論文発表を行
室として提供している。
い、学位を取得している。当教室は、海外から多くの
臨床活動においては、近年、世界共通の健康問題と
留学生を受け入れている一方、学位を得た医局員で海
してますます重視される糖尿病をはじめ、脂質異常症、
外への留学を希望する者に対しては積極的にサポート
高血圧症の生活習慣病、甲状腺疾患、副腎疾患、下垂
しており、現在、1 名が米国テキサス大学へ研究留学し
体疾患などの内分泌疾患を主な診療対象としている。
ている。その結果、現在の在籍者のうち教授を含め 5
糖尿病診療では、糖尿病性腎症と血管障害の発症予防
名が米国へ留学した経験を有している。こうした豊富
および進展防止に力を注ぎ、脂質・高血圧を含めた集
な研究成果により、学内の教室では有数の研究費を獲
約的治療を行い、金沢市以北の病診連携の拠点診療科
得し、活発な活動を維持している。
として高い評価を得ていることである。さらに、先進
このように当教室は、臨床と基礎の両面に力を注ぎ、
的な治療介入による臨床研究にも力を入れ、新たなエ
基礎研究を臨床へ連動させ、疾病の治療へつなげるこ
ビデンスの確立に努めている。内分泌疾患診療で特筆
とを目標に活動を続けている。基礎研究への取り組み
すべき点は、下垂体疾患について脳神経外科と連携し、
は、病気の発症、進展機序といった疾患の深層への視
北陸地区の中心的施設として高い信頼を得ていること
点を育て、優秀な臨床医を育成することにつながると
である。臨床研修では、診療技術ばかりでなくチーム
確信する。
(糖尿病・内分泌内科学 西澤 誠記)
89
募 金
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
金沢医科大学学術振興基金募集について
金沢医科大学学術振興基金募集趣意書
本学は、日本海側では初めての私立医科大学として、昭和 47 年に設立され、倫理に徹した人間性豊かな良医
を育成すること、医学の深奥をきわめ優れた医療技術を開拓すること、人類社会の医療と福祉に貢献することを
建学の精神として掲げて着実に歩み続けてまいりました。
大学、特に医科大学は国の内外を問わず日進月歩の医学・医療をリードする大切な役割を担っていることは皆
様充分にご承知のことであります。本学でも最高の教育・研究設備に加えて、先進医療機器の充実に意を尽くす
とともに、基礎・臨床医学講座並びに総合医学研究所の各部門において、医学の進歩に貢献できる人材の育成と
研究の推進に日夜努力いたしております。
教育面では、教育スタッフとしてすぐれた人材を配置し、学生の教育に専念しており、昭和 53 年に第 1 回の卒
業生が誕生して以来、数多くの医師を世に送り出し、それぞれ国内国外の医学・医療の最先端で活躍しております。
研究面では、平成元年に従来の人類遺伝学研究所、熱帯医学研究所及び共同研究室を母体とし、難病治療など
医療の先端的な分野の開拓を目的とした総合医学研究所を設置し、臓器置換・難治疾患・癌・人類遺伝学・熱帯
医学・基礎医学・共同研究の各部門を中心にプロジェクト研究の推進を図っております。また、国際舞台におい
ても躍進を続けており、欧米の一流大学や研究所との研究員の交流、海外からの研究員・留学生の受け入れなど
を通じて国際レベルの学術環境の整備にも意を尽くしております。
診療面では、金沢医科大学病院は日本海側随一の規模を誇るまでに成長し、最新の医療機器を整備し、医学教
育のみならず、文字どおり地域医療の基幹病院として順調に発展し、地域社会の要請に応えるべく最新レベルの
医療サービスを提供することにも十分な配慮をしてまいりました。
また、国際医療協力隊の派遣、世界各地域の種々の難病に対する国際医療協力に早くから取り組み、わが国の
医科大学の中ではトップクラスの実績を持っております。
この中でも特に医学教育面では、一年に一人あたり平均 1,700 万円以上の経費が掛かり 6 年で約一億円の財源
が必要です。学納金、国庫補助金、病院の医療収入のみでは教育の充実は困難で、広く本学職員、卒業生、学生
のご父兄はじめ、民間企業、篤志家の皆さんのご厚志をお願いいたしております。ことに近年、国庫補助金と病
院の収入が激減し経営が困難でありますので、文部科学省の認可を得て学術振興資金の募集を行っているのであ
ります。
どうか皆様方には本趣旨にご理解とご賛同を頂き、ご協力頂ければ幸甚に存じます。
学校法人金沢医科大学 理事長 竹 越 襄
募集要項 学術振興基金は次の要領で広く一般の方々からご協力をお願いしております。
1. 目 的: 金沢医科大学の教育・研究の振興と医療の
充実のため活用させていただきます。
2. 目標額: 10 億円
3. 募集先: 在学生、同窓生及びその父兄、教職員、一
般有志者並びに医学研究機関及び医療関係
企業・団体等
4. 学術振興基金へのご寄付は、「特定公益増進法人寄付
金(個人のご寄付)」及び「受配者指定寄付金(法人
のご寄付)」による所得税、法人税の優遇措置を受け
ることが出来ます。
5. 応募方法: 寄付申込書等を本学教育研究事業支援課
あてにご請求ください。折り返し、手続方法、税務
に関することなどについてご説明いたします。
TEL 076-286-2211 内線 2720 ~ 2724
FAX 076-286-8214
金沢医科大学学術振興基金寄付者ご芳名(平成 26 年 12 月〜平成 27 年 11 月分、敬称略)
90
髙島 茂樹(石川県)
卜部 幸子(広島県)
田村 幸子(石川県)
能 田 一 枝( 石 川 県 )
秋山 典子(石川県)
荻野 耕平(茨城県)
上田 敏明(島根県)
小 山 仁( 静 岡 県 )
髙野 淳(石川県)
遠武 孝悦(東京都)
藤井美穂子(岐阜県)
溝 口 晶 仁( 香 川 県 )
林 暁(神奈川県)
川上 究(福井県)
西前 忠英(大阪府)
鈴 木 比 佐( 大 阪 府 )
奥田 隆彦(大阪府)
医療法人仁医会㈶ 釜石のぞみ病院(岩手県)
医療法人社団藤聖会八尾総合病院(富山県)
医療法人東瞭会(群馬県)
㈲ アカシア商会(石川県)
ケー・エム・ユーインターナショナル㈱(石川県)
テルモ㈱ 金沢支店(石川県)
医療法人社団山田産婦人科(兵庫県)
冨士観光㈱(石川県)
㈲ 八田物産(石川県)
㈱アクト(石川県)
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
総 目 次
年頭挨拶 理事長 ……………………………………… 2
学長 ………………………………………… 5
病院長 ……………………………………… 8
金沢医科大学氷見市民病院 CEO ………… 9
金沢医科大学氷見市民病院病院長 ……… 11
■トピックス
医学部医学科のディプロマポリシー(学位授与方針)… 13
Longitudinal Integrated Clerkship(LIC ) ………… 14
■学事
医学部平成 28 年度推薦入学試験終わる ……………… 17
看護学部平成 28 年度編入学試験・推薦入学試験終わる 17
新任教授紹介(石﨑) …………………………………… 18
平成 26 年度優良教員表彰 ……………………………… 19
□学生の頁
平成 27 年度学生表彰 …………………………………… 20
平成 27 年度医学部学生と学長との懇談会 …………… 22
平成 27 年度看護学部学生と教職員との交流会 ……… 22
クラブ紹介(サッカー部・クラシック音楽部) ……… 23
■国際交流
バーモント大学からの交換留学報告 ………………… 25
国際交流センター学術講演会:Cancer Genomics … 26
大学院医学研究科共通科目「英語論文作成法」・国際交流
センター第 7 回講演会:医学英語論文の書き方の基本 27
華中科技大学同済医学院・金沢医科大学
第 6 回中日学術講演会 ……………………………… 28
石川県河北地区日中友好協会訪中団に参加
南京医科大学等視察 ………………………………… 28
■学術
総合医学研究所市民公開セミナー:
再生医療がもたらす未来 …………………………… 29
第 45 回日本腎臓学会西部学術大会 …………………… 30
大学院医学研究セミナー ……………………………… 31
北陸がんプロ FD 講演会 ……………………………… 36
北陸認プロ FD 講演会 ………………………………… 37
北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プラン市民公開講座 38
北陸がんプロ金沢医科大学市民公開講座 ………………… 39
平成 27 年度実験動物慰霊祭 …………………………… 39
Matching HUB Kanazawa 2015 Autumn …………… 40
医学部合同新技術説明会 ……………………………… 40
2014 年出版 英文論文一覧 ……………………………… 41
■病院
全国初 6 歳以上 10 歳未満児の脳死判定 ……………… 48
第 21 回地域医療懇談会 ………………………………… 49
第 6 回金沢医科大学病院学術交流会 in 能登 ………… 49
「看護倫理」宿泊研修 …………………………………… 51
平成 27 年度褥瘡対策講習会 …………………………… 51
のと緩和ケア研究会第 7 回学術講演会 ……………… 52
平成 27 年度第 2 回安全管理体制確保のための職員研修会 52
胸痛ホットライン研究会主催
狭心症公開カテーテル治療セミナー ………………… 53
第 92 回がん診療連携拠点病院研修会 ………………… 54
のと血液疾患地域包括ケア研究会市民公開講座 …… 54
手術支援ロボット「ダビンチ」に関する講演会 ……… 55
平成 27 年度石川県高度専門医療人材養成支援事業
第 4 回「ほっこり能登プロジェクト」市民公開講座… 55
国立がん研究センター・金沢医科大学病院共催
ご当地カフェin 石川 ………………………………… 56
読響ハートフルコンサート……………………………… 56
世界糖尿病デー World Diabetes Day
ブルーライトアップ ………………………………… 57
ホスピタル・クラウンが小児病棟にやって来た!…… 57
第 23 回金沢医科大学病院ワークショップ …………… 58
□研修医の頁
臨床研修医のための CPC ……………………………… 59
医学部第 3・4・5 学年生対象
各診療科合同説明会及び交流会……………………… 60
平成 27 年度本院マッチング学生との交流会 ………… 60
■金沢医科大学氷見市民病院
平成 27 年度健康づくり教室修了式 …………………… 61
平成 27 年度富山県原子力防災訓練 …………………… 61
平成 27 年度第 2 回医療安全研修会 …………………… 62
■管理・運営
平成 27 年度医学教育等関係業務功労者
文部科学大臣表彰 …………………………………… 63
平成 27 年度石川県私立学校教職員
教育功労者知事表彰 ………………………………… 64
平成 27 年度永年勤続表彰 ……………………………… 65
第 2 回 SD 研修会 ………………………………………… 66
ハラスメント研修 ……………………………………… 66
病院本館解体工事の進捗状況…………………………… 67
再生医療センター建設工事の進捗状況 ……………… 67
互助会:秋のバス旅行 ………………………………… 68
:第 35 回文化祭 ………………………………… 69
■報告・随想
永年勤続に思う ………………………………………… 70
近くて遠い金沢医科大学(廣瀬) ……………………… 78
■資料
理事会 …………………………………………………… 79
規程の改正・制定・廃止 ……………………………… 79
医学部教授会、看護学部教授会、大学院医学研究科教授会、
大学院看護学研究科教授会、総合医学研究所教授会 79
人事 ……………………………………………………… 82
金沢医科大学 2015 年 VOD アーカイブズ ……………… 83
■同窓会・後援会
平成 27 年度金沢医科大学北斗会懇親・懇談会 ……… 85
■教室紹介
生理学Ⅰ ………………………………………………… 86
生理学Ⅱ ………………………………………………… 87
腎臓内科学 ……………………………………………… 88
糖尿病・内分泌内科学 ………………………………… 89
■本学出版局・本学スタッフの新刊著書
漢方診療クリニカルクエスチョン 50(元雄) ………… 50
スタンダード病理学【第 4 版】
(上田) ………………… 64
使ってみよう漢方薬(元雄) …………………………… 81
□金沢医科大学学術振興基金寄付者ご芳名 ………… 90
金沢医科大学報ホームページ http://www.kanazawa-med.ac.jp/ ~press/gakuho/
91
金沢医科大学報 第 165 号/2016.1
キャンパスのブルーライトアップ
世界糖尿病デーにあわせブルーライトアップされた臨床研究棟 . 河北潟才田大橋から(2015.11.16, 18:00 ) (57 頁に関連記事)
撮影:杉田 順一(出版メディア業務課)
表紙写真
中谷 渉
カラー放水で出初め式
年明けの 1 月 4 日、大学横の河北潟放水路で、河北郡
市消防団の出初め式が行われ、内灘町、津幡町、かほ
く市の 23 分団 70 名が参加した。
下帯姿の団員がまといを振り、ずらりと並んだ 23 台
のポンプ車から一斉に放水がはじまると、空に七色の
水柱の虹がかかった。
出初め式放水同士光り合ふ 工藤千代治
金沢医科大学報 第 165 号
発行日 平成 28 年 1 月 15 日
発行者 学校法人金沢医科大学理事長 竹 越 襄
監 修 山下 公一
編 集 金沢医科大学概要・学報編集委員会
委員長
八田稔久
副委員長
原 亮
元雄良治
委 員
川﨑康弘
米倉秀人
岩淵邦芳
本間 智
甲野裕之
坂井恵子
竹内正義
倉田康孝
橋本光正
本田康二郎 島崎猛夫
丹羽 修
中村真寿美 坂野邦雄
上端雅則
上田正博
坂元仁志
坂田慎一
西島大輔
坂口友紀子
津田志朗
前垣内紀三子
事務局
中川美枝子 中嶋秀夫
山瀬真琴
辻本幹夫
齊藤久美子
発行所
金沢医科大学出版局
〒 920-0293 石川県河北郡内灘町大学1-1
TEL 076-218-8069 FAX 076-286-0224
E-mail:[email protected]
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印刷 能登印刷株式会社