ソリューション概要 インテル® IoT 店舗在庫管理 セールス・インテリジェンス スマート・ビールサーバーで ビール業界のビールを 「最後の一滴」まで収益化 SteadyServ* iKeg* とインテル® IoT ゲートウェイを導入した小売業者は、 ドラフトビールの収益を 90 日で 12% 向上しています。 ¹ iKeg* は、ビールの在庫量、 消費量、販売ペースを ほぼリアルタイムに測定し 各ビールが どれだけ飲まれたか その利益と利益率が いくらであったかを 表示します。 「ビールのインターネット」でビール業界の収益最大化を支援 ドラフトビール(ビール樽の状態で流通し、店頭のビールサーバーで販売されるビール)はバーやレス トランにとって重要な収益源です。小売業者、販売会社、醸造業者は、ビールの売上をビールサーバー 単位で追跡し、在庫管理効率を向上し、収益を最大化する、 より優れた販売手法を必要としています。 ここでは、スマート・テクノロジーを活用した新しい手法によってビジネス価値を向上させた具体例 として、あるイノベーターの事例を取り上げます。SteadyServ Technologies 社は、インテルと協力 して、クラウドベースのドラフトビール販売向けのインサイトシステムを開発し、ビール業界における ドラフトビール管理手法に変革をもたらしました。 SteadyServ* iKeg* システムは、センサーを使用して、ビールサーバー内のビールの量を自動的に 検出します。各ビールサーバーの下に取り付けられたセンサーがインテル® IoT ゲートウェイにデー タを送信し、ゲートウェイはデータをクラウドベースのソフトウェアに転送します。ユーザーは、どのビー ルがよく売れているか、無駄を最小限に抑えて収益を最大化するにはどうすればいいかを簡単に確 認できます。さらに、このシステムではインテルの IoT ソリューションが、エッジデバイスからクラウド までの包括的なセキュリティーを提供し、競争力の基盤となるデータを保護します。 SteadyServ* iKeg* は、収益に大きな影響を与える IoT アプリケーションです。SteadyServ の調査 によると、iKeg* システムの導入後、小売業者は最大 425% の年間投資収益率を実現しています。 ビールのデータがないから、 ムダが発生している ビール業界には大きなビジネスチャンスが訪れています。クラフトビール醸造所の増加により、小売 業者がより多くの選択肢の中からビールの銘柄や提供方法を選べるようになった結果、小売業者の ビールの在庫管理とモニタリングを効率的に行う仕組みへのニーズが高まっているからです。小売 業者はより効率的に収益を上げるため、手元のビールの在庫量を正確に把握しつつ、銘柄をうまく 組み合わせて消費者に提供したいと考えています。実際、ビール樽の多くは、まだ飲めるビールが残っ た状態で販売会社に返却されており、小売業者はこのような無駄が生じる原因を特定して対策を講 じることで、実質的な仕入れコストの削減と収益向上が可能になります。 旧来のビール樽を持ち上げて残量を推定したり、どのビールがよく売れたかという記憶に頼って判断 する方法は、人の感覚や経験に頼り過ぎており、人によってばらつきが生じやすく、正確さにも欠ける ものでした。また、ビール樽を開栓する際には、 「先に仕入れた商品ほど先に売りたい」という心理 が働くことも、問題を複雑にしています。小売業者が収益を確保するためには、いつ、どのビールを発 注するかを、もっと正確な方法で判断する必要があります。 インテル® IoT 店舗在庫管理:セールス・インテリジェンス サプライチェーンのさらに上流では、販売会社が、小売業者の冷却庫にど のビールがどれだけあるか、どのドラフトビールの組み合わせが売上を 伸ばしているかを知りたがっています。また醸造業者は、どのビールの売 れ行きが良く、どのビールの売れ行きが落ちているかを知りたがっています。 しかし、醸造業者や販売会社が利用できるバーやレストランの POS デー タは、約 3 カ月前の古いものがほとんどです。こうした時差がもたらす損 失は大きく、的確な意思決定の妨げとなっています。 センサーがドラフトビールに関するインサイトを提供 SteadyServ Technologies 社は、インテルと協力して、ビールの管理 手法に革命をもたらすクラウドベースの iKeg* システムを開発しました。 SteadyServ は数カ月にわたって各種ビールの重量の計測、容器の種類、 その他の詳細データを収拾した上で、各ビールサーバー内のビールの残 量を検知できるスマートセンサーを開発しました。 このシステムでは、小売業者の従業員は、円形の iKeg* センサーの上に ビール樽を置いた後、iKeg* アプリケーションを開いてビールの照合と記 録を行います。すると iKeg* センサーは、ビールサーバー内のビールの量 を自動的に検知し、この情報をインテル® IoT ゲートウェイに送信します。 ゲートウェイは、小売業者の POS システムに統合されたクラウドベースの 図 1. iKeg* アプリによっ て小売業者は手元の在庫 レベルが一目で確認でき ます。 2 ソフトウェアにデータを転送します。このように、誰でも簡単に使えるアプ リケーションが各ビールサーバーの注ぎ口を監視し、ビールの残量を表 示するので、小売業者はその時点でどのビールをどれだけ提供できるの かを常に把握できます。アプリケーションのレポート機能は、ビールサー バー内のビールの残量をレポートするほか、顧客に対しては鮮度データ も提供し、ビールが賞味期限に近づくと、バーのスタッフにアラートを送 信します。 SteadyServ* iKeg* は、2004 年の発売以来、サンフランシスコの地元の バーからアイルランド最大級のパブに至るまで、米国内外の数百に上る施 設に導入されてきました。しかし、このシステムに注目したのは小売業者 だけではありません。ハイネケンやミラークアーズなどのブランドを扱う 世界最大のビール販売会社である Reyes Beverage Group は、市場シェ アを拡大し、廃棄されるビールを最小限に抑えるために、関連小売業者 に対して店舗に iKeg* を導入する資金を援助しています。 在庫管理の向上がもたらすメリット iKeg* システムは、ビール業界の 3 つの層(小売業者、販売会社、醸造業者) すべてにとって価値のあるデータを生成します。iKeg* は、ビールの在庫量、 消費量、販売ペースをほぼリアルタイムで測定し、ユーザーが各ビールの 利益率と実績(どれだけ飲まれたか)を確認できるようにします。 このデータは収益に大きな影響を与えます。SteadyServ の調査による と、iKeg* の導入から 90 日以内で小売業者のドラフトビールの粗利益は 12% も伸びています。 ¹ また iKeg* システムの導入後、廃棄量の削減と SteadyServ のドラフトビール最適化のためのインサイトにより、小売業 者は最大 425% の年間投資収益率を達成し、売上原価を 5 ~ 7% 削減 することに成功しています。 小売業者の収益の向上 浪費の監視役として機能する iKeg* は、バーやレストランのマネージャー とって、ビールを注ぐ際のミス、盗難、注ぎ口の配管の漏れなどの防止に 役立ちます。定期レポートがビールサーバーごとの売上、利益、廃棄量を 表示するため、マネージャーはビールを注ぐ時点での実際のコストを把 握できます。 小売業者は、発注推奨レポートおよびドラフトビール最適化レポートに より、常に適切なビールを適切な時期に入手し、売上を最大化できます。 SteadyServ は、POS システムから送られてくるトランザクション・データ を集約し、天候やイベントなどの非構造化データと組み合わせて、小売業 者がどのスタイルのビールを提供するべきかについてのインサイトを提 供します。小売業者の側では、モバイルデバイス上でレポートとアラート を受信します。また、SteadyServ の BreweryDB データベースから得ら れる、自店舗のビールに関する豊富な情報に自らアクセスすることもでき ます。 販売会社の競争力の強化 ビール業界の販売会社は激しい競争にさらされており、判断ミスが大幅 なコストアップにつながります。販売会社は、人気ビールの在庫の確保に 苦戦する一方、不人気製品の過剰在庫も抱えがちです。iKeg* システムは、 1 カ月前の売上データではなく、ある地域で現在どのビールとスタイル が最もよく売れているかを販売会社に伝えます。また、iKeg* レポートに よって、特定の小売業者の冷蔵庫に現在どの製品が入っているかを知る こともできます。こうした情報に基づいて、販売会社は、醸造業者からの 購入を最適化し、コストを管理し、どのビールがより高価格で販売できる かを判断できます。 インテル® IoT 店舗在庫管理:セールス・インテリジェンス 3 図 2. 新しいビール樽が開栓されると、デジタルサイネージ上のビールメニューも自動的に更新されます。 醸造業者への市場データの提供 醸造業者は、iKeg* レポートを利用して、飲食店内の売上に関する正確な データを適切なタイミングで入手することで、各ビールの生産量、原料の購 入量、 マーケティング予算の最適な割当額について的確な意思決定ができ ます。醸造業者は、どの販売会社の在庫水準が低いかを理解したり、どの 小売業者や地域内の売上が伸び悩んでいるかを把握することができます。 ビール醸造業者と販売会社は、iKeg* レポートを利用して予測的に行動す ることで、小売業者の売上最適化を支援することも可能になります。 デジタルサイネージに動的なメニューを表示 多くの 小 売 業 者 は、ビール の 品 揃 えを週ごとに 入 れ 替 えています。 SteadyServ は、レストランやバーのビールサーバーの内容を簡単に表示 できる顧客向けデジタルサイネージも発売しています。これらのデジタル 方式のビールメニューは、SteadyServ の BreweryDB データベース、小 売業者の POS システム、小売業者の iKeg* システムに接続されています。 新しいビール樽が開栓されるたびに、 このドラフトビール・メニューの表示 内容は動的に更新されます。これは、現時点でどのビールをどれだけ提供 できるかをリアルタイムに顧客やスタッフに伝えるのに、最も簡単な方法 であると言えます。 SteadyServ* iKeg* とインテル ® IoT ゲートウェイ SteadyServ では、iKeg* システムの開発にあたり、IoT 全体のエッジにあ たるセンサーやデバイスからクラウドまで、インテルの高性能な IoT テクノ ロジーを利用してすべてをカバーしています。SteadyServ のようなイノ ベーターは、インテルのオープンなプラットフォームを利用することで、デ バイスの接続と管理、クラウドとの間の安全なデータのやり取り、分析に よるビジネス価値の向上に専念できます。 SteadyServ* iKeg* システムは、以下の要素で構成されます。 • 円形の iKeg* 重量センサー • 各注ぎ口配管に個別の RFID センサータグ • iKeg* センサーから送られるデータの集約、フィルタリング、暗号化を実 行し、データをクラウドに送信する、インテル® IoT ゲートウェイ • iKeg* センサーからゲートウェイへのワイヤレス通信機能 • センサーデータと外部データを組み合わせて、インターネット・ポータ ルとモバイル・アプリケーション(Android™ および iOS* で利用可能) を介してユーザーにレポートを提供する、SteadyServ* クラウド・イン フラストラクチャー インテル® IoT ゲートウェイは、SteadyServ の iKeg* 情報の入口と出口 として機能します。このゲートウェイは、常にデータストリームを送信す るのではなく、イベントが発生したとき (例えば、ビール樽の重量が変化 したとき)にのみデータを送信します。これによって帯域幅が解放され、 SteadyServ はゲートウェイ 1 台当たりのセンサーの数を 2 倍に増やすこ とができます。 インテルの IoT ソリューションは、ハードウェア支援型のセキュリティー 機能を備え、ソフトウェアとの統合によって最高クラスの保護を提供し ます。情報は、インテル® Xeon Phi™ コプロセッサーと Cloudera* デー タ管理ソフトウェアを導入したデータセンターでホスティングされます。 SteadyServ の顧客が、自分たちの競争力の基盤となる貴重なデータを 保護するには、 こうしたトップクラスのセキュリティーとデータ管理機能は 不可欠です。 SteadyServ* iKeg* のソリューション・アーキテクチャー SteadyServ* クラウド・ インフラストラクチャー POS 外部からの ビッグデータの 供給 分析レイヤー インテル® IoT ゲートウェイ 図 3. SteadyServ* iKeg* センサーは、ビールサーバー内のビールの量を自動的に検知します。データはインテル® IoT ゲートウェイに転送され、インテル® IoT ゲートウェイ は情報をクラウドベースのソフトウェアに転送します。 インテル® IoT ゲートウェイ インテル® IoT ゲートウェイは接続機能の提供のみならず、デー タ生成ソース(iKeg* センサーなど)とクラウド間のデータルー ター / フィルターとしても機能します。この機器は、データのセキュ リティー強化、実践的なインサイトの加速、そして(さらに重要な) コストの削減を実現します。インテル® IoT ゲートウェイを導入し た企業は、運用上重要なデータのみを安全にクラウドに転送す ることができ、データ送信とクラウドストレージのコストを削減で きます。 スマートな技術で収益を向上 ビール業界は、革新的な SteadyServ* iKeg* システムとインテル® IoT ゲートウェイを使用して、世界各地のバーやレストランから、適切なタイミン グで効率的にデータを収集し、集約することが可能になりました。iKeg* の登場によって、ビール樽を揺すって在庫を推定していた手作業の時代は 終わり、高度な分析と先進的なインテリジェンスの時代が訪れたのです。 IoT の詳細情報 インテルの IoT テクノロジーの詳細については、http://www.intel.co.jp/ iot/ を参照してください。インテル® IoT ゲートウェイの詳細については、 http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/embedded/solutions/ iot-gateway/overview.html を参照してください。SteadyServ* iKeg* の詳 細については、http://www.steadyser v.com/categor y/ikeg/ (英語)を参照してください。 ¹ 90 日試用版から得られた SteadyServ の顧客データ (2015 年 8 月~ 10 月) 。 インテル® テクノロジーの機能と利点はシステム構成によって異なり、対応するハードウェアやソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。実際の性能はシステム構成によって異な ります。絶対的なセキュリティーを提供できるコンピューター・システムはありません。詳細については、各システムメーカーまたは販売店にお問い合わせいただくか、http://www.intel.co.jp/ を参照して ください。 性能に関するテストに使用されるソフトウェアとワークロードは、性能がインテル® マイクロプロセッサー用に最適化されていることがあります。SYSmark* や MobileMark* などの性能テストは、特定のコン ピューター・システム、コンポーネント、ソフトウェア、操作、機能に基づいて行ったものです。結果はこれらの要因によって異なります。製品の購入を検討される場合は、他の製品と組み合わせた場合の本 製品の性能など、ほかの情報や性能テストも参考にして、パフォーマンスを総合的に評価することをお勧めします。詳細については、http://www.intel.com/performance/(英語)を参照してください。 インテルは、本資料で参照しているサードパーティーのベンチマーク・データまたは Web サイトの設計や実装について管理や監査を行っていません。本資料で参照している Web サイトまたは類似の性能ベン チマーク・データが報告されているほかの Web サイトも参照して、本資料で参照しているベンチマーク・データが購入可能なシステムの性能を正確に表しているかを確認されるようお勧めします。 この文書および情報は、インテルのお客様向けの参考情報として記載されているものであり、現状のまま提供され、明示されているか否かにかかわらず、いかなる保証もいたしません。ここにいう保証には、 商品適格性、特定目的への適合性、知的財産権の非侵害性への保証を含みますが、 これらに限定されるものではありません。本資料は、本資料に記述、表示、または記載されたいかなる知的財産権のライ センスも許諾するものではありません。インテル製品は、医療、救命、延命措置、重要な制御または安全システム、核施設などの目的に使用することを前提としたものではありません。 Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Xeon Phi は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation の商標です。 Android は Google Inc. の登録商標または商標です。 * その他の社名、製品名などは、一般に各社の表示、商標または登録商標です。 インテル株式会社 〒 100-0005 東京都千代田区丸の内 3-1-1 http://www.intel.co.jp/ ©2016 Intel Corporation. 2016 年 8 月 無断での引用、転載を禁じます。 333445-001JA JPN/1608/PDF/SE/OSC/GK
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