平成28年度事業計画 1 基本方針 我が国は少子高齢化が進展し、総人口も減少局面を迎え、2060年の高齢化率は4 0%近くなると推計されています。なお、さつま町の高齢化率は平成28年4月1日に は37.8%となり、国の高齢化率を40年近く先行している実態があります。 このようなまちの維持と振興については、的確な状況把握と分析のうえ、実態を基盤 としポジティブに捉えその対策や人的財産としての活用策を講じる必要があります。 全国的にも高年齢者の就労意欲は高く、労働力人口に占める高年齢者の割合や高年齢 者の就業率は上昇しているとともに、高齢期への備えに関する意識調査では65歳を超 えても働きたいとする者が5割を占めています。 人口減少、すなわち労働力人口の減少が見込まれる中、高年齢者が地域の「支え手」 として活躍できる「生涯現役社会」の実現はますます重要となり、高年齢者の就業機会 を確保することが社会の課題となっています。併せて、地域の日常生活に密着した仕事 を提供しているシルバー人材センターの役割に一層の期待が高まっています。 このような社会情勢を如実に表しているのが、国の高齢者雇用対策関連予算で労働保 険特別会計によるシルバー人材センター(以下「センター」という。)補助金の増額です。 対前年度比27年度は23億円、28年度は5億円の増額となっています。 これら国の政策の趣旨と目的及びさつま町の現状を見極めながら、新たな就業確保の ための補助事業の導入を図ることも時代に即したセンター運営につながるため、PDC Aサイクル( Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善) )を活かし た事業展開を積極的に進め、併せて補助金増額による体制の確立に努めます。 また、当センターは、平成27年度に統合10周年記念式典を経て新たなステージに 突入しました。シルバー事業としては概ね良好な実績を残してきましたが、課題や改善 すべき事項もあります。これらを踏まえ、センターの最大の特徴である高年齢者組織で は唯一の生産性のある組織としてその機能と効果を最大限に発揮できるよう全体の共通 目標とします。 したがって、平成28年度はこれまでの10年間の実績を基盤とし初心に立ち返り、 シルバー事業の理念、性格、法的位置付け及び公益法人としての高度な公共的・公益的 性格について関係者一同で確認と確保を図るとともに、次の10周年に向けて更に飛躍 するための重要な年度としなければなりません。 以上を総合的に勘案し、平成28年度の事業計画を策定しました。この計画の実践と 達成に向けて、関係機関との連携の下、会員・役職員一体となった管理運営に努め、町 民に親しまれ地域社会に貢献するセンターとしての事業の展開を図ります。 2 事業実施計画 シルバー人材センター事業 (1)会員の確保と就業機会の拡大の推進 ア 会員の確保 (ア)普及啓発活動を強化し会員の入会促進を図り、祖入会率3%(60歳以上人口 に占める入会率)を目指します。 チラシ・広報紙の全戸及び街頭配布、定例の入会説明会の実施、会員一人一会 員確保運動の継続的展開、作業現場「安全就業中」のぼり旗の建立励行、退会会 員保留活動などの実施 (イ)町及びハローワーク等関係機関との連携と支援確保による普及啓発活動を展開 し、会員の確保を図ります。 町広報紙掲載、公民会文書発送便によるチラシの全戸配布、高齢者等の集まる 行事・会合等での周知啓発、公共施設へのチラシ等配置などの実施 (ウ)県シ連が実施する「高齢者活躍人材育成事業」との連携と活用により、一般町 民も対象とした技能取得講習を開催し、会員の確保を図ります。 (エ)会員の未経験作業講習、会員要望の作業講習及び現状と将来的に必要とする作 業講習等について、一般町民も対象として開催し、会員の確保・スキルアップ・ 就業機会の拡大及び町民への普及啓発につなげる。 草刈り(刈払機操作)講習、室内(特にトイレ等水回り施設)清掃講習、剪定 入門講習など イ 就業機会の拡大 (ア)会員確保の普及啓発活動と並行し、町民、企業及び各種団体等に対し、シルバ ー人材センターの存在と機能を積極的に啓発し、就業機会の拡大を図ります。 (イ)町の施策や雇用・就業ニーズを的確に捉えた訪問(営業)活動を強化し、就業 機会の拡大を図ります。 (ウ)団塊世代やホワイトカラー層の就業ニーズに対応できる新たな就業分野の開拓 と拡大に努めます。 (2)高齢者活用・現役世代雇用サポート事業(補助事業)による会員と就業機会の開拓 人手不足分野・現役世代を支える分野の派遣、請負、職業紹介における業務(発注 者・会員の開拓、仕事のマッチング、発注者・会員との契約・管理、出納・経理等の 業務)に係る会員と就業機会の開拓を推進し、高年齢者の活躍の場を創出します。 (3)地域就業機会創出・拡大事業(補助事業)による新たな就業機会の創造 ア 町及び町商工会と連携して、地域社会経済の維持発展等につながる新たな就業機 会を創造します。 イ さつま町空き家等適正管理業務連携事業を実施し、社会問題化しつつある空き家 等の適正管理を進め、町の空き家対策の下支えと良好な生活環境の保全及び安全安 心のまちづくりの推進に寄与することで、高年齢者の新たな就業機会の創出を図り ます。 ウ 町立小学校統廃合による廃校を空き家等にみなし、当該施設の除草・剪定等の管 理作業を請負い環境保全に努め、地域会員を中心とした就業機会を創出します。 また、定期的な見回り監視と報告業務については、町との協議を進め新たな就業 機会の創出を図ります。 (4)シルバー事業の普及啓発活動の推進 ア シルバー事業が町民の皆さんに正しく認識・理解されるよう、上記(1)の会員 の確保と就業機会の拡大の推進で掲げた普及啓発活動を強力に推進します。 イ シルバー事業について、正しい認識と理解の中で町議会並びに行政支援が受けら れるよう町議会との意見交換会を実施します。 ウ 全国統一の普及啓発促進月間において、地域に貢献するボランティア清掃活動等 を実施し、地域に密着したセンター像を確立します。 エ 統合10周年記念関連事業として、広く町民と交わるグラウンドゴルフ大会を実 施します。 オ 町及び関係機関との連携を密にし、各種会合等を活用したシルバー事業の普及啓 発を図ります。 (5)組織体制の機能充実 ア シルバー事業の基本理念の「自主・自立」を発揮するため、仕事の開拓、受注等 について、会員主体の自主的運営体制の確立に向けて、会員の意識改革と資質向上 に努めます。 イ 会員相互の連帯意識を深め、センターと会員の緊密な連携を図るため、地域班の 自主的活動と機能向上の促進に努めます。また、受注業務を円滑かつ効率的に推進 するため剪定班、公共班など専門的に処理できる職群班体制の充実を図ります。 更に、育児支援及び介護補助分野等の新たな分野に対応するためのサポート班体 制の確立も積極的に取組みます。 ウ 業務受注から完成までにおける事務局と会員との業務分担の在り方について、先 進センターの取組みを参考に研究を進めます。 (6)安全就業の確保 ア 会員の健康維持と安全就業はシルバー事業の根幹であるので、安全適正就業推進 委員会機能を発揮し「年間無事故365日」の達成に努めます。 イ 「安全適正就業推進計画」について、会員への周知を徹底するとともに、安全パ トロールを強化し、事故防止と安全意識の向上を図ります。 ウ 会員の健康管理を組織的に推進するため、町の特定健診及び長寿健診の受診勧奨 に努めます。 (7)適正就業の推進 ア シルバー事業の業務の基本である、臨時的・短期的かつ軽易な業務及び高度な公 共性・公益性を保つため適正な就業の確保に努めます。 イ 請負・委任業務及び派遣事業の見極めを的確に行い適正就業を確保します。 (8)一般労働者派遣事業の拡大推進 ア 鹿児島県シルバー人材センター連合会が実施する一般労働者派遣事業の実施事業 所として、適正就業の確保と高齢者の多様な就業形態に対応する就業機会の確保・ 提供に努めます。 イ 高齢者活用・現役世代雇用サポート事業の積極的な推進に努め、人手不足分野・ 現役世代を支える分野における一般労働者派遣事業の拡大を図ります。 (9)シルバー事業の発展的運営の指針となる中長期計画の策定 ア シルバー事業の更なる発展を期するために、変化する時代を見定め、長期的な視 野に立ち、計画的・実行的・効率的なセンター運営とシルバー事業が展開できるよ う中長期計画を策定します。計画期間は平成29年度から平成33年度までとしま す。 (10)その他 ア 全国シルバー人材センター事業協会、九州ブロックシルバー人材センター連絡協 議会及び鹿児島県シルバー人材センター連合会事業へ参加し、情報収集と研鑽及び 連携を深め、当センターの管理運営に活かします。 イ 会員互助会との連携を図り、会員と役職員が一体となったつながりのあるセンタ ーを目指します。 法 人 管 理 事 業 (1)諸会議の開催 当センターの管理運営及び事業執行に関して重要な案件等を審議・決定するため、 次のとおり会議を開催します。 会 議 名 開催回数 会 議 名 定時総会 年1回 懲戒審査委員会 理 事 会 年5回 理事及び監事候補者選考委員会 開催回数 安全適正就業推進委員会 広報委員会 随時 独自事業推進委員会 地域班会 (2)適正な法人運営と健全財政の確保 ア 公益法人は、運営、事業面すべてにおいて厳格な適正化が要求されており、これ が信頼と信用につながります。よって、シルバー事業の基本理念の下、法令遵守と 高度な公共性・公益性の確保を図り、社会的使命と役割を果たせるよう努めます。 イ センターの財源は、会員会費、事務費及び補助金に限られており、年次的かつ計 画的な予算執行が必要であります。したがって、国・町からの補助金等も含めた中 長期計画を策定し、持続可能で発展的な健全財政の確保に努めます。
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