海事の国際的動向に関する調査研究 =海洋汚染

助成事業
競艇の交付金による日本財団の助成金を受けて作成しました。
平 成 14 年 度
海事の国際的動向に関する調査研究
=海洋汚染防止関係=
事業報告書
平 成 15 年 3 月
社団法人
日本海難防止協会
ま
え
が
き
こ の 報 告 書 は 、 当 協 会 が 日 本 財 団 の 助 成 金 及
び 日 本 海 事 財 団 の 補 助 金 を 受 け 、平 成
14 年 度 に
実 施 し た 「 海 事 の 国 際 的 動 向 に 関 す る 調 査 研 究
( 海 洋 汚 染 防 止 関 係 ) 」 事 業 を 取 り ま と め た も
の で あ る 。
平 成
15 年 3 月
社 団 法 人
日 本 海 難 防 止 協 会
目
次
緒 言
委員会名簿
Ⅰ 研究の概要
1.実施の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2.実施方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
3.実施経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
4.本事業の成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
Ⅱ 研究の内容
1.第47回MEPC(海洋環境保護委員会)報告書(MEPC47/20仮訳) ・・・・
5
2.MEPC47バラスト水作業部会報告書(MEPC48/2仮訳) ・・・・・・・・・・・・・
85
3.第48回MEPC(海洋環境保護委員会)報告書(MEPC48/21仮訳) ・・・・
137
4.船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条約案 ・・・・・・・・・・ 219
(MEPC48/21 ANNEX 2仮訳)
Ⅲ 参考
1. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・REPORT
OF THE MARINE ENVIRONMENT PROTECTION
COMMITTEE ON ITS FORTY-SEVENTH SESSION・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
2. REPORT OF THE BALLAST WATER WORKING
GROUP CONVENED DURING MEPC 47 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105
3. REPORT OF THE MARINE ENVIRONMENT PROTECTION
COMMITTEE ON ITS FORTY-EIGHTH SESSION・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 157
Ⅳ むすび
緒
言
IMO(国際海事機関)が策定した「海洋汚染防止条約(MARPOL73/78 条約)」は、条
約本文、
議定書及び6つの附属書、
すなわち附属書Ⅰ
(油による汚染の防止のための規則)
、
附属書Ⅱ(ばら積みの有害液体物質による汚染の防止のための規則)、附属書Ⅲ(容器へ
の収納の状態で海上において運送される有害物質による汚染の防止のための規則)、附属
書Ⅳ(船舶からの汚水による汚染の防止のための規則)、附属書Ⅴ(船舶からの廃物による
汚染の防止のための規則)及び附属書Ⅵ(船舶からの大気汚染防止のための規則)から構成さ
れている。
すでに、附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ及びⅤは発効に至っている。なお、昨年発効要件が満たされ
た附属書Ⅳは、12 ヵ月後の本年(平成 15 年)9 月に発効を迎える予定で、また、附属書
Ⅵに関しても本年中に発効要件が満たされる見通しであるという。
我が国は、現時点で附属書ⅠからⅤに加入し、国内法である「海洋汚染及び海上災害の
防止に関する法律」を整備・改正するなど積極的対応を進めてきた。
さらに、1990 年代以来継続中である「船舶のバラスト水及び沈殿物の制御管理に関する
国際条約」
に関しても、
バラスト水処理基準の問題など重要な課題が残されているものの、
策定作業は大詰めを迎えている。
本事業では、IMO を中心とする海洋汚染防止に係る国際的動向を的確に把握し、関係す
るこうした条約の国内法への導入及び行政の円滑な運営等に寄与するため、関係当局、関
係民間団体及び学識経験者が一体となって問題点の検討を行い、情報の連絡を密にして
IMO の関係会議に対する国内意見の統一、調整及び対応の強化の一助とするなどの作業を
学識経験者、専門家及び関係団体からなる委員会を設置して進めてきた。
本報告書は、平成 14 年度における海洋汚染防止に関する国際的動向をとりまとめたも
のである。
本報告書の作成に当たり、ご協力をいただいた関係各位に厚く感謝の意を表するとともに、
本報告書が海洋環境保全の一助としてお役に立てば幸いである。
委 員 会 名 簿
(順不同、敬称略、( )内氏名は前任者)
委 員
長
上田 浩一
独立行政法人海上技術安全研究所環境・エネルギー研究領域
海洋汚染防止研究グループ上席研究員
委
員
池田 宗雄
東海大学海洋学部教授
福代 康夫
東京大学アジア生物資源環境研究センター助教授
岡村
敏
元 IMO 海洋環境部次長
増田
恵
社団法人日本船主協会常務理事
工藤 栄介
財団法人シップ・アンド・オーシャン財団常務理事
井崎 宜昭
日本内航海運組合総連合会審議役
中村
財団法人日本海事協会船体部主管
靖
梶田 智之
社団法人日本造船研究協会基準部主任研究員
桐明 公男
社団法人日本造船工業会技術部部長
昆
国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室長
関係官庁
信明
(岡部 直己)
小橋 雅明
国土交通省海事局外交課長
(瀧口 敬二)
松尾 龍介
国土交通省海事局安全基準課長
田中
国土交通省海事局舶用工業課長
圭
岩滝 清治
国土交通省港湾局環境・技術課環境整備計画室長
伊藤 松博
海上保安庁警備救難部環境防災課長
(野中 治彦)
太田
進
環境省地球保全局環境保全対策課長
(鈴木 克徳)
小松 正之
(重
水産庁増殖推進部漁場資源課長
義行)
オブザーバー
徳田
廣
菅原 一美
元東京大学教授
財団法人シップ・アンド・オーシャン財団海洋政策研究所
部長代理
加々美 康彦 財団法人シップ・アンド・オーシャン財団海洋政策研究所
研究員
ご尽力いただいた方々
落合 眞和
社団法人日本船主協会海洋部
高尾 陽介
社団法人日本造船研究協会基準部
松井
社団法人日本造船研究協会基準部
裕
伊藤 真澄
国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室課長補佐
村岡 英一
国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室専門官
中川 直人
国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室海洋第二係長
岡本
国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室海洋係長
晃
(国土交通省海事局安全基準課国際第二係長)
永井 啓文
国土交通省海事局安全基準課国際第二係長
内藤 了ニ
国土交通省港湾局環境・技術課環境整備計画室環境対策係長
風間
悟
国土交通省港湾局環境・技術課環境整備計画室調査係長
大根
潔
海上保安庁警備救難部環境防災課国際海洋汚染対策官
左近 正樹
海上保安庁警備救難部刑事課環境取締係主任
神田 智之
海上保安庁警備救難部環境防災課国際係長
水野
環境省地球環境局環境保全対策課課長補佐
森
理
義信
水産庁増殖推進部漁場資源課課長補佐
梅津 啓史
水産庁増殖推進部漁場資源課廃棄物係長
重冨
国土交通省海事局技術課課長補佐
徹
(国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室課長補佐)
高橋 賢次
国土交通省海事局検査測度課業務第一係長
阿部 真嗣
国土交通省海事局技術課技術第一係長
井山
国土交通省海事局技術課技術第三係長
繁
事務局
津田 眞吾
社団法人日本海難防止協会常務理事
松永 啓典
社団法人日本海難防止協会企画国際部長
菊地 武晃
社団法人日本海難防止協会海洋汚染防止研究部長
若林 邦芳
社団法人日本海難防止協会企画国際室長
笠間 貴弘
社団法人日本海難防止協会企画国際部主任研究員
中川
社団法人日本海難防止協会海洋汚染防止研究部主任研究員
新
和田 雅人
社団法人日本海難防止協会海洋汚染防止研究部主任研究員
吉田 勝美
株式会社水圏科学コンサルタント企画開発室長
Ⅰ
研究の概要
1.実施の目的
海洋環境保全問題は海上交通の国際的性格上、国内だけでは推進できるものではなく、
国際協調が不可欠であることから、常に国際的動向に注目して、これらを斟酌し官民一体
となって対応する必要がある。
現在、IMO においては、現行各規則の解釈と改正に加え、バラスト水管理の法規制化、
船舶のリサイクル問題、船舶からの大気汚染の防止問題、OPRC-HNS 議定書批准のため
の包括的な作業、MARPOL 条約及び関係コードの解釈及び改正、船舶の防汚塗料の使用
による有害影響、特別海域及び特に敏感な海域の指定等、多彩かつ複雑な問題が議論され
ている。これら問題はいずれもその推移によっては、我が国産業界の活動及び政府の施策
に大きく影響することとなる。
以上のことから、我が国として積極的にこれらの検討に参画する必要があるため、これ
ら海洋汚染防止の関連事項を中心に各国の動向を調査し、国内関係者への周知とともに、
当協会ロンドン連絡事務所の協力のもと、IMO 関連会議に調査員を派遣し、これらの会合
における我が国の対応に寄与することを目的として実施した。
1
2.実施方法
本事業の推進に当っては、MEPC及びBLGでの審議議題に関し、会議前後における
詳細な国内検討を必要とする課題について、当該課題の関係者及び関係団体によって構成
される専門委員会、作業部会、通信部会等において集中的な議論及び意見交換を行うこと
とした。
特に本年度については、現在、MEPCにおいて最優先議題の一つとなっているバラス
ト水中の有害水生生物問題を主要検討課題とし、集中的に取り上げることとした。
2
3.実施経過
平成 14 年 4 月 17 日
第一回委員会を開催した。 同委員会では、同委員会では、第 47 回MEPCの結果報告
を行うとともに、バラスト水問題に関する検討課題の整理、同問題に関し第 48 回MEP
Cに向けての関連作業取り組み及びスケジュールについて検討を行った。
9 月 18 日
第二回委員会を開催した。 同委員会では、MEPC47/48 中間期バラスト水作業部会及び
第 48 回MEPCにおけるバラスト水問題に関する我が国の対応方針について最終検討を
行った。
9 月 30 日∼10 月 4 日及び 10 月 7 日∼10 月 11 日
MEPC47/48 中間期バラスト水作業部会及び第 48 回 MEPC に調査員を派遣し、政府代
表を補佐するとともに、担当議題に関しあらかじめ指定された対処方針に従い、我が国意
見の反映に努めた。また、会議全般の情勢を把握し、国際情報及び関係資料の収集を行っ
た。
11 月 18 日
第三回委員会を開催した。 同委員会では、MEPC47/48 中間期バラスト水作業部会及び
第 48 回MEPCの結果報告を行うとともに、バラスト水問題に関する検討課題の整理、
同問題について検討を行った。
平成 15 年 2 月 20 日
第四回委員会を開催した。 同委員会では、MEPC48/49 中間期バラスト水作業部会にお
けるバラスト水問題に関する我が国の対応方針について最終検討を行った。
3 月 3 日∼7 日
第 2 回MEPCに調査員を派遣し、政府代表を補佐するとともに、担当議題に関しあら
かじめ指定された対処方針に従い、我が国意見の反映に努めた。また、会議全般の情勢を
把握し、国際情報及び関係資料の収集を行った。
その他、関係団体、関係官庁及び学識経験者の有志が集まり、年度内に延べ 20 数回に
及ぶ非公式作業部会を開催し、バラスト水問題に関する集中審議を行った。
3
4.本事業の成果
本事業は、海洋汚染防止条約等に関する国際海事機関(IMO)の動向を把握するととも
に、関係当局及び関係団体等で構成する委員会を開催して、国際会議の審議事項の検討を
行い、わが国対処方針の策定及び行政の円滑な運営に寄与した。
また、国際会議(MEPC)に調査員を派遣して政府代表を補佐するとともに、国際会議
の関係資料の収集、翻訳及び解析を行い、これらから得た情報は当局をはじめ、海運業界
等に提供するなど有効な活用を図った。
さらに、関係資料のうち必要な事項については報告書に掲載し、海洋汚染防止のための
参考資料として関係機関をはじめ関係団体等に広く配布し、関係者の海洋環境の保全に貢
献するところ大であった。
4
Ⅱ 研究の内容
1
海洋環境保護委員会
第 47 会期
議題項目 20
MEPC 47/20
2002 年 3 月 18 日
原文:英語
第 47 会期 海洋環境保護委員会報告書(仮訳)
項目
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
序論
バラスト水中の有害水生生物
船舶リサイクリング
船舶からの大気汚染の防止
OPRC 条約、OPRC-HNS 議定書及び関連会議決議の実施
MARPOL 73/78 及び関連コードの解釈及び改正
船舶の防汚塗料使用による有害影響
特別海域及び特に敏感な海域の特定及び保護
受入施設の不備
各小委員会の報告
他の委員会等の作業
MARPOL 73/78 及び関連コードの実施及び施行の促進
RIO+10 の準備
公式安全性評価及び人的要因の将来の役割
1973 年公法議定書関連事項
技術協力計画
委員会ガイドラインの適用
委員会及び下部組織の作業計画
その他の事項
5
付属一覧
付属
付属
1
2
付属
付属
3
4
付属
5
従属 6
付属 7
付属 8
付属 9
付属 10
第 47 会期会合の議題及び文書の一覧表
決議 MEPC.96(47) − MARPOL 73/78 附属書Ⅵ遵守の決定のための
燃料油サンプリング・ガイドライン
状態評価スキームへの改正提案
決議 MEPC.96(47) − Malpelo 島周辺海域の、特別敏感海域として
の特定
決議 MEPC.98(47) − Florida Keys 周辺海域の、特別敏感海域として
の特定
1973 年公法議定書附属書の提案差替え文
各小委員会への指示
MEPC 48、49 及び 50 の議題に含めるべき本質的項目
通信部会及び中間期会合への委託事項
キューバ代表団の声明
1 序論
1.1
1.2
第 47 回海洋環境保護委員会は、Mr. Michael Julian 氏(豪州)を議長とし
て、2002 年 3 月 4∼8 日に、IMO 本部において開催された。
今会期、以下の各国からの代表団が出席した。
アルジェリア
アンチグアバーブーダ
アルゼンチン
豪州
バハマ
バングラデシュ
ベルギー
ブラジル
カナダ
チリ
中国
コロンビア
コートジボアール
キューバ
キプロス
北朝鮮
レバノン
リトアニア
ルクセンブルグ
マレーシア
マルタ
マーシャル諸島
モリタニア
メキシコ
モロッコ
ナミビア
オランダ
ニュージーランド
ナイジェリア
ノルウェー
パナマ
ペルー
6
デンマーク
ドミニカ
エクアドル
エジプト
エストニア
フィンランド
フランス
ドイツ
ガーナ
ギリシャ
グアテマラ
ホンジュラス
アイスランド
インド
インドネシア
イラン
アイルランド
イスラエル
イタリア
ジャマイカ
日本
ラトヴィア
リベリア
フィリピン
ポーランド
ポルトガル
韓国
ルーマニア
ロシア
セントヴィンセントグレナディーン
サウジアラビア
シンガポール
スロヴェニア
南アフリカ
スペイン
スウェーデン
タイ
トリニダードトバゴ
トルコ
ウクライナ
英国
米国
ウルグアイ
バヌアツ
ベネズエラ
以下の IMO 準加盟国からの代表団が出席した。
香港(中国)
以下の国連及び専門機関からの代表団が出席した。
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)
国連環境計画(UNEP)
世界保健機関(WHO)
以下の政府間機関からオブザーバーが出席した。
欧州委員会(EC)
国際油濁補償基金(IOPC FUNDS)
海洋環境保護地域機関(ROPME)
国際海事衛星機構(IMSO)
7
以下の非政府間機関からオブザーバーが出席した。
国際海運集会所(ICS)
国際標準化機構(ISO)
国際海上保険連合(IUMI)
国際自由貿易組合連合(ICFTU)
国際航法会議協会(PIANC)
バルチック国際海運同盟(BIMCO)
国際船級協会連合(IACS)
国際荷役調整協会(ICHCA)
欧州化学製造者連合協議会(CEFIC)
石油会社国際海事評議会(OCIMF)
国際地球の友(FOEI)
国際航法研究協会(IAIN)
国際船長協会連盟(IFSMA)
国際油及びガス生産者協会(OGP)
欧州造船協会(AWES)
国際独立タンカー船主協会(INTERTANKO)
国際タンカー船主汚染防止連合会(ITOPF)
国際自然保護連合(IUCN)
国際ガスタンカー・係留施設管理者協会(SIGTTO)
グリンピース・インターナショナル
国際巡航船協議会(ICCL)
国際ドライバルク貨物船主協会(INTERCARGO)
世界自然保護基金(WWF)
国際石油産業環境保全協会(IPIECA)
The Institute of Marine Engineering、Science and Technology(ImarEST)
国際船舶管理者協会」(ISMA)
国際パーセルタンカー協会(IPTA)
国際航行連盟(ISAF)
The International Marine Contractors Association(IMCA)
世界原子力輸送協会(WNTI)
International Harbour Masters’ Association(IHMA)
英国造船協会(RINA)
8
海上安全委員会(MSC)議長 Mr. T. Allan(英国)、技術協力委員会(TCC)
議長 Capt. M.U. Ahmed(バングラディッシュ)、簡易化委員会(FAL)議長
Mr. L.Barchue, Sr.(リベリア)、船舶設計設備小委員会(DE)議長 Mr. A.
Chrysostomou(キプロス)、ばら積み液体及びガスに関する小委員会(BLG)
議長 Mr. Z. Alam(シンガポール)並びに旗国小委員会(FSI)議長 Mr. K.T.
Lim(韓国)も出席した。
1.3
事務局長は、参加者に歓迎の意を表し、海事安全保障事項に関する IMO
活動について述べた。 昨年 9 月 11 日の米国におけるテロリスト攻撃に鑑み、
第 22 会期総会は、乗客及び乗組員の安全保障並びに船舶の安全への脅威と
なるテロリズム活動を防止するための方策及び手続きの再吟味に関する決
議 A.924(22)を採択した。2 週間前に開催された海事安全保障に関する中間
期 MSC 作業部会の会合においては、今年の後半に MSC 76 と接続して開催
される IMO 海事安全保障会議の準備について、めざましい進捗があった。
1.4
事務局長は、総会が、過去 2 年間の MEPC 業績、特に、MEPC により作
成された、シングルハルタンカーの phase-out 促進に関する改正 MARPOL
第 13G 規則の、また、有害船舶防汚システムの規制に関する国際条約(AFS
条約)の上出来な採択を認識している旨を述べた。MEPC によるこれらの
達成のすべては、IMO の規則策定における役割及びこのような要求への迅
速な対応能力を強調するものである。
1.5
事務局長は、AFS 条約が、TBT 塗料塗装の世界的禁止目標日を 2003 年 1
月 1 日としているので、可及的速やかな当該条約の発効は最も重要な事項
であると述べた。当該条約は、2 月当初から、署名の用意がなされており、
今年の末まで署名のため開放されたままとなる。事務局長は、加盟国政府
に対し、有害防汚塗料の根絶方策を、当該条約規定の予定に沿って実施で
きるように、当該条約批准及び実施のための建設的手段を、最も早い機会
に講ずるよう強調した。
1.6
また、事務局長は、MEPC に対し、総会が、可及的速やかな附属書Ⅵの
発効のため、加盟国政府による批准措置の加速を強調している MARPOL
附属書Ⅵ発効に関する決議 A.929(22)を採択したことを報告した。
1.7
事務局長は、1988 年に最初に問題提起されたバラスト水中の有害水生生
物問題が、今や、海洋健全性への 4 脅威の内の 1 つとして認識されている
と述べた。MEPC は、当該問題の実行かつ許容可能な解決策の探求責任を
負わされている。理事会及び総会の先の会期で、原則として、バラスト水
管理に関する外交会議を 2003 年に開催することを承認している。それゆえ、
2003 年に提案されている外交会議に先立ち問題なく回章に付すことができ
9
るようにするためには、MEPC による条約案作策定には、2 回の会期しか
ないことになる。MEPC は、今会期の間に、条約枠組み及びバラスト水基
準策定を完成させなければならない。
1.8
事務局長は、MEPC が、船舶からの温室効果ガス排出規制のための IMO
戦略を策定することになる旨を銘記した。船舶からの排出寄与率は総体的
に小さいとはいえ、船舶は温室効果ガスを排出しており、また、世界中を
運航しているので、IMO は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の京都議
定書の下に、船舶からの排出を取り扱うよう特に要請されている。将来の
地球気候を保護するために IMO が気候変動に関心を持っており、その責任
の一端を担うという建設的メッセージを世界に発することは、IMO 及び海
運界にとって重要なことである。
1.9
また、事務局長は、MEPC が、船舶リサイクリングに関連する安全及び
環境面への危険性減少における IMO の役割について、さらなる審議を加え
ることになる旨を銘記した。IMO は、船舶設計段階からの検討も含まれる
ことになるリサイクリングの事前段階における準備に、主な関心を持って
いる。事務局長は、船舶リサイクリングに関する IMO ガイドライン策定提
案の審議を含み、MEPC が、効果的かつ効率的にこの問題を処理できるも
のと期待している。
1.10
事務局長は、高粘度油流出対応に関する 3 回目の研究・開発フォーラムが
フランスのブレストにおいて開催されることを助言した。Erika のような
事故は、高粘度油流出への効果的対応技術を議論するこのようなフォーラ
ム開催の緊急性を浮き彫りにしている。事務局長は、このフォーラムへの
協力及び支援に関わった加盟国及び組織に対し、感謝の意を表明した。
1.11
事務局長は、MEPC が、各小委員会の再構築を審議することになる旨を
銘記した。同氏は、当該審議においては、小委員会の構成にばかりでなく、
最も効果的方法による IMO の作業遂行にも焦点を当てなければならない
と述べた。
1.12
当委員会は、各国代表の信任状が正当かつ適正であるという事務局長報
告を銘記した。
1.13
当委員会で採択された本会期の議題は、各議題項目の下で審議された文
書の一覧表と併せて、本報告書の付属 1 に記載されている。
10
2 バラスト水中の有害水生生物
2.1
当委員会は、1990 年以来継続中のバラスト水中の有害水生生物問題に関
する議論、特に、MEPC 46 が、理事会に対し、2002 年内の十分な進捗達成
を条件として、2003 年のバラスト水管理会議を成功裏に終わらせるのに十
分な確信があることを理事会に勧告している旨を想起した。また、当委員
会は、外交会議に先んじて条約文を回章し目標を達成するためには、条約
文の最終化に利用できる MEPC 会期は、本会期を含めて 2 会期のみである
ことを銘記した。
2.2
当委員会は、今会期において、条約文を最終化し、バラスト水管理基準
問題について実のある進捗を得ることが必要となることを銘記した。
MEPC 48 においては、当該基準を最終化する必要があり、また、プレナリ
ーにおいて、条約案を逐条毎に再吟味しなければならないことになる。
MEPC がこれらの課せられた作業を完了できた場合にのみ、2002 年 11 月
の第 89 会期理事会に対し、予定の外交会議開催に向けた十分な進捗が達成
されていることを勧告できるのではないか。
2.3
さらに、当委員会は、MEPC 46 において、多くのバラスト水問題が審議
されたことを銘記した。当委員会の詳細な指示に基づいて、MEPC 46 バラ
スト水作業部会では良好な進展がみられた。当該作業部会は、MEPC が原
則的に承認した以下のような two-tiered アプローチ(MEPC 45/20 第 2.5 項)
に基づく 船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための条約 案の
ための、いくつかの規則を作成した。その内容は、文書(MEPC 47/2)の付属
2 に記載されている。
2.4
.1
tier-1 は、すべての船舶に対し、常時かつ世界中で、一定の基本的バ
ラスト水管理要件を満足するよう要求することになる。
.2
tier-2 は、締約国による、追加方策を必要とするバラスト水規制海域
の指定を可能とすることになる。
さらに、当委員会は、当該作業部会が、その報告書に記載のいくつかの
問題点について詳細に議論したことを銘記した。特に、以下のものが作成
された。
.1
バラスト水交換基準及びバラスト水処理基準(2 選択肢)の両方に関す
る最初の提案
11
.2
MSC/MEPC 共同回章 新船におけるバラスト水及び沈殿物管理選択肢
のための設計提言
MEPC 46 バラスト水作業部会報告書
2.5
当委員会は、MEPC 46 バラスト水作業部会報告書(MEPC 47/2)につい
て、以前の会合で審議された key issues を再吟味し、かつ、解決すべき問題
を特定している作業部会長文書 MEPC 47/2/15 と合わせ審議した。作業部会
長は、当委員会に対し、既に確立された原則及び同氏文書第 2 節に概説の
作業部会作業の方向性を含んだ当該報告書付属 1 に基づいた条約案作成の
継続について、作業部会に指示するよう要請した。
2.6
ブラジル代表団が、目下作成中の条約案及びバラスト水基準の方向性に
ついて、同国の懸念を表明した(MEPC 47/2/9)。同代表団は、まずは、根
本的コンセプト、例えば、 許容バラスト水 の構成要素及びバラスト水の
許容性評価に適用される標準についての合意を提案した。これらのこと及
び他の不確定性が処理されれば、バラスト水処理方法の効果について評価
かつ比較でき、基準についても合意できることになる。また、同代表団は、
この論法を条約案に編入するため、同国文書付属 2 に記載されているよう
な条項の再整理を提案した。
2.7
また、ブラジル代表団は、バラスト水交換については暫定的解決策とし
て、安全かつより効果的なバラスト水処理選択肢の装置製造に焦点をおく
べきという MEPC の結論(MEPC 46/23、第 3.3 項)に異議を唱えた。現在
のところ、バラスト水交換は、海運界にとって唯一の利用可能な管理選択
肢であり、また、暫定方策として分類する科学的根拠もない。条約案にお
いては、バラスト水処理として同等に取り扱い、必要性が生じた段階で再
吟味することが提案された。
2.8
多くの代表団が、ブラジルのアプローチへの支持を表明し、早急に合意
せず、良好にかつ論理的に準備すべきことを主張した。
2.9
しかしながら、他の多くの代表団は、基準作成中の MEPC 文書 47/2 に記
載の条約案への支持を表明し、概念的議論による条約策定の遅延を懸念し
ていた。バラスト水管理における若干の不確実性については、やがては解
決され、条約採択によって当該解決策も促進されるのではないか。これら
の代表団は、採択されるいかなる条約についても、適切に問題点が処理さ
れ、最終的条約受諾の確保のために論理的なものとすべきことに同意した。
12
2.10
米国が、同国見解において、地球規模の環境保護基準は、条約の基本理
念であることを指摘した。作業部会は、このような基準策定に焦点を絞る
べきと強く強調した。
2.11
多くの代表団が、ICS からのオブザーバーが表明した見解を支持した。
同オブザーバーは、さらに進んで基準が策定された場合、基準に付随する
手段、すなわち、誰が、いつ、当該手段を運用することになるのかについ
ても、適切な留意が必要となると述べた。
議長は、以下の事項に要約して銘記した。
2.12
2.13
.1
バラスト水管理条約は、本質的に、加盟国により受け入れられ、発効
し、かつ、バラスト水中有害水生生物の制御に貢献できるものでなけれ
ばならない。
.2
今会期の重要事項として、バラスト水処理基準についての合意及び
MEPC 48 での逐条再吟味の準備のための条約案文の進展がある。
.3
バラスト水交換については、バラスト水中の有害水生生物制御のため
の手段の 1 つであり、 まだ、見限るべきではない 。
.4
文書 MEPC 47/2/9 でブラジルが惹起した点は、ノルウェー文書 MEPC
47/2/8 と共に審議されなければならない。
当委員会は、MEPC 46 バラスト水作業部会報告書について、第 2.11 項
における結論を銘記して、作業部会長提案の作業の方向性に同意し、さら
なる議論のベースとして全般的に承認した。
バラスト水基準通信部会報告書
2.14
バラスト水作業部会の勧告により、MEPC 46 が、中間期における基準事
項のさらなる作成のため、米国先導によるバラスト水基準通信部会を設置
したことが銘記されている。通信部会は、通信部会報告書を、文書 MEPC
47/2/3 として、文書 MEPC/INF.5 に記載の補助資料と共に提出した。
2.15
F. Kenney 氏(米国)は、通信部会報告書の紹介において、通信部会が、
特に、MEPC 46 バラスト水作業部会の作業、2001 年 3 月に IMO で開催さ
れた第 1 回バラスト水処理基準ワークショップの結果、通信部会メンバー
からの実のある input のそれぞれを引き合いに出し、MEPC 46 以降作業を
続行した旨を述べた。同氏は、さらなる作業のため、先の会期における条
13
約案の合併文(MEPC 46/3/2)への改正として定型化された提案及び勧告を
提示した。これらの提案については、MEPC 47/2 付属 1 に記載の当委員会
提出された最新本文と関連づけて説明した。
2.16
当委員会は、米国代表団及びすべての通信部会メンバーが、MEPC 46 以
降バラスト水基準作成に割いてくれた時間及び努力に対し、感謝の意を表
明した。
2.17
当委員会は、バラスト水作業部会長による文書 MEPC 47/2/14 を審議した。
同文書において、同部会長は、バラスト水基準通信部会の勧告について再
吟味している。同氏は、当委員会に対し、特に、通信部会の結果が、MEPC
46 作業部会での合意とずれていることが明白な以下の 3 事項について、指
示を与えるよう要請した。
2.18
.1
いかなるバラスト水交換も、バラスト水処理のための性能基準から分
離すべきという、MEPC 47/2/3 の第 3.1 項におけるバラスト水基準通信部
会の勧告については、既に作業部会で容認されており、現行本文(MEPC
47/2、付属 1、規則 E-1 及び E-2)は、この合意を反映している。当委員
会は、MEPC 47/2 付属 1、規則 E-1 及び E-2 に既に記載されている原文に
基づいて、作業部会作業を進めることに同意するよう要請された。
.2
作業部会は、IMO によるバラスト水処理基準の有効性の最大限[5]
年間隔での見直しで合意し、それに従って、規則 E-2 の一部を起案した
(MEPC 46/23、第 3.13.3 項)。当委員会は、この点に関する通信部会勧告
の観点から(MEPC 47/2/3 の第 3.4 項)、合意された予定表への実行可能
な関わりを銘記しつつ、この件についての議論再実施を作業部会に指示
すべきかどうか決定するよう要請された。
.3
作業部会は、第 15 条案(MEPC 47/2、付属 1)で提案されている、Port
State Control 職員(PSCOs)の役割を検討した。通信部会は、バラスト水
処理システムの試験における PSCOs の職務について合意に至らず、この
件の再吟味を勧告した(MEPC 47/2/3、第 3.6 項)。通信部会内の平均的意
見は、第 15 条案で述べられている措置と一致しているようにみえるので、
当委員会は、この件の再議論を作業部会に指示すべきかどうか決定する
よう要請された。
当委員会は、これらの勧告に同意して、上述各項で述べられている議論
を再度行わないことで合意した。
14
2.19
当委員会は、作業部会においては、検査及び証書に関する規則について
は、2001 年に策定された、船舶についての有害な防汚方法の管理に関する
国際条約と同様な様式で再吟味すべきという日本代表団提案に同意した。
このことは、将来、IMO tacit 改正 の利用を許容することになる。
2.20
当委員会は、この議題の下に提出された他のすべての文書を銘記し、こ
れら及び上述文書を、バラスト水作業部会による詳細な検討のために付託
した。
バラスト水作業部会への指示
2.21
バラスト水作業部会は、第 2.11 項に記載の結論に関連して、以下のこと
を指示された。
.1
作業部会報告書付属 1(MEPC 47/2)に記載の条約案の作成作業継続
.2
バラスト水管理基準の作成継続
.3
.4
C 節 一定の区域における特別要件
ト水管理区域に関連する事項の検討
下の規則に含まれるべきバラス
規則案に引用されるガイドラインの作成継続(MEPC 47/2、第 6 章)
2.22
議長は、GEF/UNDP/IMO GloBallast 計画については、IMO 条約の発効前
に提供された技術協力としては、おそらくは最初のものであることを指摘
して、その重要性に言及した。事前に加盟国に準備してやれば、条約発効
時において、当該国が条約規定を十分に実施できる立場になる。
2.23
MEPC 事 務 官 の 関 水 氏 が 、 当 委 員 会 に 対 し 、 MEPC 46 以 降 に 、
GEF/UNDP/IMO GloBallast 計画の下に、以下の活動が実施されたことを報
告した。
.1
すべての demonstration sites における Port Baseline Surveys が、成功裏に
完了した。
.2
本計画における立法上の再吟味は完了し、世界海事大学(WMU)
(Malmo、スウェーデン)主催による、2001 年 11 月開催の、バラスト水
管理及び制御の法的見地に関する第 1 回国際ワークショップの結果を含
んだ最終報告書が、近々入手可能となる。
15
2.24
.3
各 demonstration site においては、地域協力育成に実のある進展がみら
れた。最も実のある地域協力の業績は、黒海地域に Regional Project Task
Force が設立されたことにある。バラスト水管理及び制御に関する黒海会
議において、沿岸 6 ヶ国は、やがてできる IMO 条約の継ぎ目のない実施
確保に必要な時間枠範囲内での地域行動計画を承認するための、また、
IMO、UNDP 及び GEF による GloBallast 計画継続の保証を強調するため
の決議を採択した。
.4
2002 年 1 月 Goa(インド)での Global Project Task Force Meeting におい
て、6 pilot 国のすべてが、GloBallast 計画の 1 年間延長に強い支持を表明
した。
関水氏は、GloBallast 計画下の 5 つの活動報告書が、バラスト水作業部会
で詳細に検討されることを発表し、来る数ヶ月間の GloBallast 計画の優先
事項には以下のものがあると述べた。
.1
.2
すべての pilot 国における危険性評価の開始
Khark Island demonstration site を通じて達成された経験の、当該地域の
他の国々ROPME(海洋環境保護地域機関)海域における繰り返しに焦
点を合わせた、地域協力の継続
バラスト水作業部会の口頭報告
2.25
当委員会は、バラスト水作業部会議長 Mr. M. Hunter(英国)から、口頭
による報告を受けた。この報告は、今会期中に同作業部会が実施した作業
状況を反映したもので、内容は下記の項に反映されている。
2.26
作業部会は、最優先事項として基準作成を取り扱い、広範囲な議論の後、
下記に記載の多くの根本方針の結論に至った。
2.27
作業部会は、バラスト水交換基準については、1 又は複数の処理基準と
共に、条約案範囲内の一手段とすべきことで合意した。技術開発の観点か
らの IMO への具申に基づいた、バラスト水交換及び処理両基準再吟味のた
めの規定が含まれることになった。
2.28
作業部会は、最終標的となる処理基準を示すことが必須であるものと考
慮したが、これを条約の一部とするか、又は支援決議とするかで意見が分
れた。この見解の相違には 2 つの考察があった。第一に、多くの作業部会
員は、条約内に規定される基準については、早期発効の時間的範囲内で達
16
成可能なものであるべきと考えていた。他の部会員は、当該基準が、価値
のある環境面の利益達成に十分な確信があるのかについて異議を唱えてい
た。作業部会は、100%除去又は不活性化基準のみが、有害水生生物及び病
原体の移動除去に効果的であることを保障できるものと認識している。よ
り少ない percentage に基づいた基準は、定量化不可能な利益しかないこと
になる。作業部会の大部分が、95%削減が、危険性の価値ある削減を達成
でき、かつ、中期的に、実行及び達成可能な解決策となり得るという意見
であった。他の部会員は、科学的に支持できる結論ではないことを懸念し
ていた。
2.29
作業部会は、Tier 2 基準の必要性について意見が分れた。若干名が、しっ
かりした Tier 1 基準は、限定区域における付加的基準の必要性を回避する
ことになるという見解を表明した。選択された基準次第で、単一地球規模
基準、あるいは基準の併記、おそらくは Tier 1、Tier 2 及び最終的目標のた
めに定義された基準が必要となるであろう。
2.30
結果として、作業部会は、さらなる評価のために列挙された基準を確認
し、当委員会に対し、以下のためのバラスト水基準通信部会再設置を勧告
した。
.1
提案基準個々についての、これらの基準を達成するのに用いられるで
あろう様々な科学技術及び他の関連要素、また、実用性、生物学的効果
(含:病原体)、費用対効果及び実際的に実施できる基準の時間枠に特別
に留意した考察を考慮に入れた、詳細な比較評価の実施
.2
条約本文に含むべき基準を MEPC が決定できるようにする勧告を持っ
た報告書の作成
2.31
このような状況において、作業部会は、当委員会に対し、これらの各基
準についての質的条件並びにこれらの試験及び監視要件についての通信部
会への助言を GESAMP に要請するよう勧告した。
2.32
議題 10 の下の議論に関連して、また、通信部会への GESAMP 助言要請
の勧告に関し、オランダが他の代表団の支持を受けて、本要請の可能性に
ついて、特に GESAMP の財源及び作業量に関する懸念を表明した。
2.33
米国代表団の Fred Kenny 氏が、当委員会が通信部会の再設置に同意した
場合の、調整役の続行を申し出た。
17
2.34
科学専門家による小グループが 1 つの付加的基準及び若干数の補助的標
準を作成し、その後の作業部会において再吟味された。
2.35
作業部会は、文書 MEPC 47/2 付属 1 に記載の条約案作成を続行し、今会
期に提出された、必要に応じた新たな文章及び修正が必要となるような当
該条約案に関する具体的コメントを再吟味した。より重要な要素は、一定
の区域における特別要件又は Tier 2 に関する C 節にある。作業部会は、
バラスト水排出制御区域設置のための標準を作成し、当該制御区域内にお
ける船舶のバラスト水排出要件を作成した。この条文については、1 又は
複数のバラスト水処理基準の選択に関する決定がなされるまでは、必然的
に暫定的なものとなる。
2.36
日本代表団は、Tier 2 のため作成された条文は、非現実的なものであるの
で実施できないという見解であり、その立場を留保した。
2.37
作業部会への指示及び IMO 法律事務所の勧告に従って、Tier 2 条文につ
いては、条約案の中又は IMO 承認のどちらかにより指定されるべきという
原則に基づいたものである。多くの代表団がこの原則を用いることに懸念
を表明した。特に米国は、本件及び作業部会作成の Tier 2 条文についての
立場を留保した。
2.38
作業部会は、非常に複雑かつ相互関係のある若干の事項を取扱ったが、
時間的制約により、付託事項(上述第 2.21.4 項参照)で言及されているガ
イドライン作成については続行できなかった。
2.39
また、条約文については、2003 年外交会議に向けた時間的予定に従った
MEPC 48 での条項毎検討に先だって、洗練されるべきと考察された。作業
部会は、以下の付託事項による中間期バラスト水作業部会の設置を勧告す
ることで合意した。
2.40
.1
条約文についての、さらなる洗練及び統合
.2
条約を支えるガイドラインの作成
.3
MEPC 48 への報告書提出
指示に従って、作業部会は、 acceptable ballast water のコンセプトに関
するブラジル提案(MEPC 47/2/9)を含む、他のいくつかの提出書を検討し
た。作業部会は、ブラジルによるこのコンセプトのさらなる推敲を検討し、
この提案で取り上げられている事項の多くが、既に条約文の中で処理され
18
ていること、特に、このコンセプトが基準策定、とりわけ条約の付属 1、A
節に記載の除外規定に関連した危険性評価技術の利用に結びついているこ
とで合意した。
2.41
この件に関し、ブラジルは、バラスト水処理技術ランキング確立におけ
る、Scientific Multi-Criteria Decision Aid Methodologies の利用についての文
書の MEPC 48 への提出を引き受けた。また、ブラジルは、acceptable ballast
water のコンセプトについては作業部会で適切に取り扱われなかったとい
う見解を表明し、その立場を留保した。
2.42
ブラジル代表団は、この口頭報告への意見において、この報告及び作業
部会での作業の進め方については、受け入れることができないと述べた。
2.43
2.44
.1
解決すべき問題を明確にするための基礎としてのブラジル今会期提案
の acceptable ballast water のコンセプトについて、作業部会が適切に取り
扱わなかった。
.2
週始めの結論及び他の代表団による支持にもかかわらず、ブラジルか
らのバラスト水問題に関する様々な提出物について、最初から、また、
作業部会への付託事項において、適切な配慮が払われなかった。
ブラジル代表団は、上述理由により立場を留保したが、同国沿岸域で膨
大な量のバラスト水を受け入れており、条約がブラジルにとって重要であ
るので、本件に関するさらなる MEPC 作業に積極的に貢献するつもりであ
る。
アルゼンチン代表団が、ブラジルの立場への支持を表明した。
2.45
いくつかの代表団が、作業部会が実施した作業について、まだ多くの解
決すべき問題、特に基準問題があること、また、MEPC が 2003 年の検討の
ための条約準備にあらゆる努力をすべきことを認識して、感謝の意を表明
した。
2.46
豪州代表団が、フランスの支持を受けて、バラスト水問題が 10 年以上に
わたって MEPC 作業計画となっているにもかかわらず、当該コンセプト問
題が、今会期に再度取り上げられたことに失望感を表明した。
2.47
オランダ代表団が、ブラジルの acceptable ballast water コンセプトに対
し、実際の適用及び強制化についての疑念を表明した。FOEI からのオブザ
ーバーが、当該コンセプトは、MEPC で受け入れられている(MEPC.67(37))
19
環境保護への予防的措置という根本方針を考慮に入れていないという見解
を表明し、ブラジルに対し、今後の同国提出書に当該根本方針を編入する
よう要請した。
2.48
多くの代表団が、バラスト水基準通信部会の再設置及び中間期バラスト
水作業部会の設置並びに両部会への付託事項に対し、支持を表明した。他
の代表団は、両部会の設置に反対していた。
2.49
また、多くの代表団が、中間期バラスト水作業部会の MEPC 48 直前週の
開催という提言について、通信部会の結果が役立つことになるという理由
で支持した。キプロス代表団が、フランスの支持を受けて、各政府が、こ
れまでに作業部会が請負った作業をチェックし、かつ、影響を及ぼすため、
また、今会期 MEPC に報告書が提出されていないことを理由として、中間
期作業部会については、MEPC 48 以後のみに予定されるべきという見解を
表明した。
2.50
イスラエル代表団が、以前の同国 MEPC 提出書に基づいて、バラスト水
交換については、有害水生生物移動の防止又は軽減に効果的ではないので、
可及的速やかにバラスト水交換に取って代わるバラスト水処理技術を開発
すべきと述べた。
2.51
日本代表団が、バラスト水交換を安全に実施でき、かつ、容認される場
所を、条約案の中で明確化することが非常に重要であると述べた。規則 E-2
の下に策定される基準を満足するバラスト水処理システムの適用までは、
この種の規則なしでは、条約は良好に機能しない。
当委員会のとった措置
2.52
当委員会は、バラスト水基準通信部会の再設置で合意し、米国が当該部
会を先導するという米国の親切な申し出を受け入れた(調整者の詳細につ
いては第 18.25 項参照)。当該通信部会への付託事項については、本報告書
の付属 9 に記載されている。
2.53
また、当委員会は、IMO の費用負担なしでの、IMO 本部における MEPC
48 の直前週に会合する中間期バラスト水作業部会の設置の許可を、理事会
に要請することで合意した。当該作業部会への付託事項については、本報
告書の付属 9 に記載されている。
2.54
当委員会は、バラスト水基準通信部会の作業に寄与するよう GESAMP に
要請するという作業部会の勧告(上述第 2.31 項参照)については、現段階
20
においては却下することで合意した。当委員会は、本報告書第 10 節に反映
されている GESAMP/EHS 作業に優先権を与えるべきと考えた。
新船におけるバラスト水及び沈殿物管理選択肢のための設計提言に関する
MSC/MEPC 回章
2.55
当委員会は、 新船におけるバラスト水及び沈殿物管理選択肢のための
設計提言 に関する MSC/MEPC 回章を審議し、この回章については、バラ
スト水問題に関する将来の方向性について、造船業界に通知かつ奨励する
ことを目指したものであることを銘記した。MEPC 46 からの要請により、
MSC 74 及び DSC 6 がこの回章を再吟味し、本報告書内に反映されている
コメントを提供してくれた。
2.56
当委員会は、バラスト水管理効率を改善するための、スラッジ及び沈殿
物の制御へのタンク洗浄システムの利用に関する英国情報(MEPC 47/2/1)
を銘記した。英国代表団は、当委員会に対し、回章文内に、これらのシス
テムの適用についての適切な指針及び勧告含むよう求めた。また、当委員
会は、英国が示唆している勧告は早すぎるのではないかという懸念を表明
した INTERTANKO からのオブザーバー文書 MEPC 47/2/18 も銘記した。
2.57
当委員会は、バラスト水作業部会に対し、これらの提出書及びプレナリ
ーでなされた他の提議を考慮して、当該回章を再吟味するよう指示した。
2.58
作業部会による再吟味及び修正の後、当委員会は、文書 MEPC 47/WP.14
に記載の 新船におけるバラスト水及び沈殿物管理選択肢のための設計提
言 に関する MSC/MEPC 回章を承認し、MSC/Circ.1021-MEPC/Circ.389 と
して、可及的速やかに配布するよう事務局に指示した。
3
船舶リサイクリング
3.1
当委員会は、MEPC 42 において、現在の船舶リサイクリング実施に伴う
環境及び安全性の無視問題が最初に注目されたことを想起した。さらにま
た、当委員会は、MEPC 44 において、船舶リサイクリングに伴う安全及び
環境上の危険性減少に IMO が役割を持つことで全般的に合意されたこと
も銘記した。MEPC 44 は、この件を徹底的に討論して、この件を MEPC 46
でさらに検討することで合意し、議論促進のため、バングラデシュを先導
国とした通信部会の設置を決定した。
3.2
当委員会は、MEPC 46 において、IMO の今後の役割に関する政策的事項
及びリサイクリングのため引き渡される船舶のための環境基準の必要性に
21
従って、多くの全般的論点が銘記されたことを想起した(MEPC 46/23、第
7.12 項)。
3.3
また、当委員会は、MEPC 46 が、IMO の役割及び MEPC が集中すべき問
題点についての文書を作成するため、バングラデシュを先導国とした船舶
リサイクリング通信部会の再設置で合意したことも想起した。
機関相互の協力
3.4
当委員会は、、国際労働機関(ILO)及び国連環境計画(UNEP)バーゼ
ル条約事務局による、船舶リサイクリングについての進行中の協力に関す
る文書 MEPC 47/3 及び MEPC 47/WP.4 を検討し、以下の事項を銘記した。
.1
第 18 会期バーゼル条約技術作業部会が、同条約の技術ガイドライン案
については、いまだに大きな相違点が存在していることを銘記し、リサ
イクリングヤードに送る前に船舶から危険物質を除去するためのガイド
ライン又は強制要件の作成について、IMO が先導すべきことを提案した。
.2
ILO 事務局が、船舶リサイクリングに関する機関相互技術援助プロジ
ェクト展開のアイデア探求を目指して、IMO 及びバーゼル条約事務局に
接近してきた。IMO 事務局は、当該提案探求について関心のあることを
ILO に表明した。また、ILO に対し、IMO 事務局は、関わりの深度化に
については、まずは、船舶リサイクリングに関する今後の IMO 作業計画
について MEPC で議論し、その結果を待つことになる旨を通知した。
.3
2002 年 1 月の第 19 会期バーゼル条約技術作業部会の間、当該作業部
会は、包括的方法における世界的船舶リサイクリング問題の取り扱いに
おいて、ILO 及び IMO の作業が重要な意味を持つことを再強調し、バー
ゼル条約事務局に対し、この声明を IMO 及び ILO の両者に公式に伝達す
るよう要請した。
.4
MEPC 47/WP.4 に記載されているように、バーゼル条約事務局は、船舶
リサイクリングに関するいくつかの問題についての IMO からの一般的見
解を要請している。当該問題には、船舶が廃棄物となる時点に関する疑
問、旗国及び寄港国の役割、各国際条約間の不一致についての潜在的又
は確認された重複/相違点、陸上又は海上のいずれにおいて明け渡された
か又は穴をあけられた船舶のステータス、また、リサイクリング用船上
廃棄物(貨物廃棄物及び利用できる廃棄物)に適用される規制が含まれ
る。バーゼル条約は 2002 年 2 月IMO宛の書簡で、この情報の説明を求
めている。
22
通信部会報告書
3.5
3.6
3.7
当委員会は、船舶リサイクリング通信部会報告書(MEPC 47/3/3)、特に、
当該通信部会が、IMO 委任事項の範囲内として以下の事項を提議したこと
を銘記した。
.1
船舶リサイクリングに伴う調整事項、また、リサイクリングに影響す
るであろう船舶の設計、建造及び船上におけるリサイクリング準備を含
む運航の間に生ずる監視事項についての総体的負担を負うこと。
.2
すべての 利害関係者 に対し、船舶リサイクリングにおける海洋安
全及び船舶からの汚染防止に関する 利害関係者 責任を確認かつ処理
するよう、奨励かつ促進すること。
.3
当該船舶への他の国際法規制の適用を含め、国際貿易に従事する船舶
のリサイクリングに関する勧告又は規則の導入/改正について、IMO が検
討する範囲を特定すること。
また、当委員会は、当該通信部会が、当委員会による検討のため、以下
の活動方針を勧告したことも銘記した。
.1
MEPC 47 船舶リサイクリング作業部会は、船舶リサイクリングについ
ての国際的アプローチの必要性、並びに政府及び産業界のための指針提
供の必要性に関するバーゼル条約及び ILO との協力の必要性を強調し、
かつ、様々な利害関係者のための活動範囲を示唆した総会決議案作成の
作業を課せられている。
.2
当該総会決議については、当委員会に提出された、産業界の 船舶リ
サイクリング産業界実施コード の中で産業界により達成された作業を
考慮に入れ、かつ、他の利害関係者による同様の声明書作成を奨励する
ものでなければならない。
.3
船舶リサイクリング作業部会は、文書 MEPC 47/3/2 に記載の当該実施
コードに関するコメントの提案を課せられている。
今後の ILO 及びバーゼル条約との協力に関し、当委員会は、当該通信部
会からの以下の勧告を銘記した。
.1
ILO に対し、訓練を含んだ船舶リサイクリング技術プログラムの作成
を奨励すべきこと。
23
.2
ILO に対し、リサイクリング施設のための、国家当局が用いる標準の
作成を奨励すべきこと。
.3
バーゼル条約に対し、船上に存在するであろう、人間の健康又は環境
に対し潜在的に有害な物質の確認を続行するよう奨励すべきこと。
.4
IMO、ILO 及びバーゼル条約は、環境、社会及び経済面の監視を続行
すべきこと。
3.8
当委員会は、インドが提出した文書 MEPC 47/3/1、MEPC 47/3/4 及び
MEPC 47/INF.3 を検討した。MEPC 47/3/1 には、当委員会による国際的に
適用される船舶リサイクリング・ガイドラインの作成検討のための提案が
記載されている。また、船舶リサイクリングに関する IMO の役割及びそ
の実施方法についての意義深い判断に到達することを目的とした、船舶ラ
イフサイクル間の利害関係者の役割及び責任が想起されている。文書
MEPC 47/3/4 には、船舶リサイクリングに関する新 MARPOL 策定のため
のさらなる提案が記載されている。また、MEPC 47/INF.3 は、インドにお
ける、船舶リサイクリング産業のための環境ガイドラインに関する情報を
提供している。
3.9
当委員会は、付属として船舶リサイクリング産業界実施コードを記載し
ている国際海運会議所(ICS)提出文書 MEPC 47/3/2 を銘記した。当該文
書第 7 項及び当該コード第 3.1(ⅴ)項は、関係する組織が、 この産業界コ
ードを是認し、かつ、さらなる作成に寄与することを IMO に奨励する
よう訴えている。
3.10
また、当委員会は、当該通信部会報告書への Greenpeace International の
返答(MEPC 47/3/5)を銘記した。加えて、BIMCO 提出の MEPC 47/INF.4
で提供されている情報も銘記した。pre-MARPOL タンカーphase-out の一部
としてリサイクルされる多数のタンカーについての処理能力の不充分性
への懸念が増加していることに照らして、BIMCO は、世界的リサイクリ
ング能力についての研究を開始し、完成させた。当該研究については、当
等委員会に提出されている。
全般的議論
3.11
委員会は、Capt. Moin Ahmed(バングラデシュ)先導下の通信部会報告
書を好意的に銘記し、船舶リサイクリングにおける IMO の役割に関する通
信部会提案を支持した。
24
3.12
議論の後、リサイクリング着手前の船舶の準備並びにリサイクリング事
項における ILO 及びバーゼル条約への調整役割を含む、船舶リサイクリン
グに関する活動についての重要な役割を IMO が受け持つことで、全般的に
合意された。当委員会は、とりあえずは、総会決議として採択される勧告
ガイドラインについて、IMO が作成することで合意した。とはいえ、当委
員会は、法規制策定問題については異なった見解があり、若干数の代表団
が、IMO は MARPOL 73/78 への新附属書の準備を含む強制要件を目指すべ
きという意見であったことを銘記した。
3.13
当委員会は、文書 MEPC 47/3/2 に記載の当該産業界実施コードについて、
感謝の意をもって銘記し、当該コードを IMO ガイドラインの基本文書とし
て用いることを決定した。
3.14
当委員会は、船舶リサイクリングに関しては、ILO 及びバーゼル条約と
のさらなる協力が必要であることで合意した。この件に関しては、ILO 及
びバーゼル条約において、船舶活動生命の終焉に向かう船舶の定義につい
ての相違が生ずるであろうことが銘記された。リサイクリングのため引き
渡された船舶については、バーゼル条約が当該船舶のそっくりそのままを
廃棄物として定義する傾向がある一方で、IMO においては、若干の汚染物
質を含んだ資源として定義する傾向にある。
作業部会への指示
当委員会は、以下の付託事項をもって作業部会を設置した。
3.15
.1
船舶リサイクリングにおける IMO の役割の範囲を含む、当該役割への
さらなる検討の実施
.2
目標日及び作業/通信部会の利用を含む、MEPC の問題取り扱い作業計
画の策定
ICS 提出の船舶リサイクリング産業界実施コード(MEPC 47/3/2)に基
づいた、旗国責任を含む、技術ガイドライン及び船舶所有者実施コード
作成のための議論の実施
.4
可能な範囲での、船舶リサイクリング総会決議案作成
.3
.5
バーゼル条約法律作業部会が取り上げる問題及び船舶リサイクリング
に関する相互技術支援展開のための提案を含む、バーゼル条約及び ILO
との協力に関する事項についての検討実施
25
3.16
バーゼル条約が惹起した問題(MEPC 47/WP.4)に関し、キプロス代表団
が、これらの問題については今会期に惹起されたものであり、また、当該
文書についても前もって検討する時間がなかったことを理由に、当委員会
の作業部会への指示について、その立場を留保した。しかしながら、当委
員会は、IMO 事務局が、2002 年 5 月開催予定のバーゼル条約会合に間に合
ったバーゼル条約事務局への返答準備を考慮できるように、これらの問題
に関する一般的コメント提出を、作業部会に要請した。
作業部会の結果
3.17
船舶リサイクリング作業部会が、Capt. U. Ahmed(バングラデシュ)議
長の下に、2002 年 3 月 4∼6 日に開催された。作業部会報告書(MEPC/WP.3)
は、以下の点を指摘している。
3.18
当該作業部会は、IMO の役割について、IMO に対し、以下の事項実施を
提議している。
3.19
.1
船舶リサイクリングに伴う調整事項の総体的負担、並びにリサイクリ
ングに影響するであろう船舶の設計、建造及び船上におけるリサイクリ
ング準備を含む運航の間に生ずる監視事項の総体的負担を負うこと。
.2
すべての 利害関係者 に対し、船舶リサイクリングにおける環境上
及び安全上の危険性並びに健康及び福祉への懸念に関する 利害関係者
責任を確認かつ処理するよう、奨励かつ促進すること。
.3
当該船舶への他の国際法規制の適用を含め、国際貿易に従事する船舶
のリサイクリングに関する勧告若しくは規則の導入又は改正について、
IMO が検討する範囲を確認すること。
当該作業部会は、船舶リサイクリング・ガイドライン作成の作業計画に
ついて議論し、MEPC 49 における総会決議案最終化とする暫定作業計画で
合意した。以下の表が、当該作業計画案である。
26
船舶リサイクリング総会決議案及びガイドライン作成作業計画
MEPC 47
総会決議案
ガイドライン
バーゼル条約
/ILO/IMO 協力
通信部会
作業部会
MEPC 48
(2002 年 10 月)
X
X
X
MEPC 49
X
X
要請あれば
X
X
X
X
第 23 回総会
(2003 年 11 月)
採択
採択
X
3.20
当該作業部会は、通信部会報告書(MEPC 47/3/3)及び船舶リサイクリ
ング産業界実施コード(MEPC 47/3/2)に基づいて、船舶リサイクリング
IMO ガイドラインの概要案について深く議論した。作業部会は、時間的制
約により、今会期に当該ガイドラインの最終化ができなかった。それゆえ、
作業部会は、次会期におけるさらなる議論のため、船舶リサイクリング
IMO ガイドラインの第 1 案作成のための、船舶リサイクリング通信部会の
再設置を提議することで合意した。
3.21
当該作業部会は、当該案が将来の段階で改正されること、その内容が
IMO ガイドラインの策定次第であることなどを考慮に入れて、総会決議案
の内容について議論した。
3.22
当該作業部会は、バーゼル条約及び ILO との協力について話し合い、こ
の協力関係を今後とも継続すべきことを勧告した。作業部会は、通信部会
報告書(MEPC 47/3/3)に概説されている当面の責任分担を論理的と考え、
支持すべきものであることで合意した。また、作業部会は、関係組織間の
共同技術協力を促進するという意見について議論した。当該アプローチに
ついては、大体において支持されていた。
3.23
作業部会は、文書 MEPC 47/WP.4 でバーゼル条約が提起した質問に答え
て、以下のコメントを提議した。
船舶が廃棄物となるとき?
船舶でなくなるとき?
船舶が廃棄物となる時点、特に船舶処分を意図した場合の決定に用いられる
標準又は指標は?
.1
MARPOL 73/78 の下に、船舶とは、 海洋環境において運航するすべて
の型式の船舟類をいい、水中翼船、エアクッション船、潜水船、浮遊機
27
器並びに固定若しくは浮いているプラットフォームを含む。 と提議され
ている。
.2
MARPOL は、MARPOL 条約の下に、廃棄物として船舶を分類する定
義を決定するためのいかなる標準も持っていない。また、船舶がもはや
MARPOL の上述定義の規定を満足できない場合を除き、船舶が船舶であ
ることを終える場合を決定するための標準も持っていない。バーゼル条
約は、この定義について、バーゼル条約の下に船舶又は船舶構成要素を
廃棄物とみなせるかどうか、あるいはその時点に関する議論に含み、こ
の件に関する IMO との調整を継続すべきである。
適切な条約/規定の遵守を確保するための責任/義務は、
どの国(旗国、船舶所有国、寄港国等)にあるのか?
.3
船舶の IMO 条約遵守確保に責任を有する国の選択肢に関しては、上述
第 1 項の定義が適用されなくなるまでは、船舶の IMO 条約の遵守確保責
任は、旗国にあることを認識すべきである。
ロンドン条約、UNCLOS、バーゼル条約及び IMO 法規制を含む各国際条約間の、
潜在的もしくは確認された重複、相違又は矛盾点
.4
船舶リサイクリング関連事項の複雑性については、ロンドン条約、
UNCLOS、IMO 法規制、ILO 及びバーゼル条約のような多国間協定個々
の範囲を越えている。個々の多国間協定について、個々の要件の明確化
が必要である。環境及び安全面への危険性並びに環境面の健康及び福祉
への懸念を削減するような方法をもって、これら法規制の事務局及び締
約国並びに利害関係者間の協力への努力を継続することが必須となる。
.5
各条約においては、それぞれの要件を査定し、他との協力における責
任を取り扱うメカニズムを開発することが必要となる。IMO は、船舶の
設計、建造及び維持、また、環境及び安全面への危険性並びに環境面の
健康及び福祉への懸念を削減するような方法による、船舶リサイクリン
グ準備における有害材料使用最少化への努力のため従うべき手続きに関
する IMO 条約のためのガイドラインを作成中である。
解体予定船舶内における貨物及び運航に伴って発生した両廃棄物に
適用される規則は?
.6
IMO 条約締約国の船舶は、当該条約規定の遵守を要求される。これら
の規則については、船舶の最終航海を含む船舶生涯のすべて面における、
28
船舶運航上及び貨物からの廃棄物に対しても適用される。船舶は、運航
上の廃棄物管理及び残りの廃棄物の適切な受入施設への陸揚げを期待さ
れている。当該船舶は、最終航海において、MARPOL 73/78 で要求され
ている運航上廃棄物管理を実施しなければならない。
3.24
作業部会報告書についての議論の間、イラン代表団が、IMO ガイドライ
ンに、特別海域及び特に敏感な海域内における船舶リサイクリングヤードの
設置に関する章を追加するよう提案した。
3.25
当委員会は、船舶リサイクリング実施コード作成における海運界の
initiative については、少なくとも初期段階においては、本件に関する IMO
提案ガイドラインが当該コードを基礎とするという点で歓迎した。ICS が、
パナマ及びノルウェーの支持を受けて、当該業界コードに従う船舶所有者に
ついては、リサイクリング予定船舶に対し責任ある態度で行動するために可
能なことを実施していることを、すべての加盟国に認めるよう求めた。
3.26
当委員会は、作業部会報告書について、作業部会に謝意を表明し、検討
の後、全般的に承認した。特記事項は以下のとおりである。
.1
船舶リサイクリングにおける IMO の役割に関する作業部会見解を銘
記した。
.2
通信及び作業部会の利用を含む作業計画(上述第 3.19 項)を銘記した。
.3
MEPC 47/WP.13 付属 1 に添付の、船舶リサイクリング IMO ガイドライ
ン概要案を銘記した。
.4
MEPC 47/WP.13 付属 2 に添付の、予備的総会決議案を銘記した。
.5
当該ガイドラインのさらなる作成のための通信部会再設置で合意した。
(調整者の詳細については、第 18.25 項参照)
.6
ILO 及びバーゼル条約との協力継続で合意し、事務局に対し、当該両
機関に共同プロジェクト提案について連絡をとるよう要請した。
.7
バーゼル条約が提起した上述第 3.23 項の質問に対し表明された見解を
銘記した。
.8
次回及び次々回 MEPC 会期に作業部会を再設置することで、原則的に
合意した。
29
3.27
4
また、当委員会は、若干数の代表団からの要請に従って、以下の事項で
合意した。
.1
BLG、DE 及び FSI 小委員会に対し、IMO ガイドライン案の関連する
章への情報提供を要請すること。(MEPC 47/WP.13/Add.1 参照)
.2
BIMCO、INTERCARGO、INTERTANKO、ICS、ITOPF、ITF(国際運
輸労働者連盟)、ECSA(欧州共同体船主協会)及び IACS に対し、船舶
リサイクリング実施産業コードの作成に主導的役割を果たしてくれたこ
とについて、感謝の意を表明すること。
船舶からの大気汚染の防止
事務局による進捗状況報告書
4.1
当委員会は、文書 MEPC 47/4 に記載の、追跡活動に関して事務局が作成
した進捗報告書を検討した。また、MARPOL 73/78 の 1997 年議定書が、世
界商船総トン数の 14.5%を占める 4 ヶ国により批准されたことを銘記した。
4.2
当委員会は、IMO 及び UNFCC 事務局間の協力が継続されたことを銘記
した。また、第 15 回科学及び技術面に係る補助組織(SBSTA)が、UNFCC
事務局と相談の上、IMO に対し、報告及び比較のデータについての質を検
査かつ改善するよう要請したことを銘記した。
4.3
当委員会は、第 22 回総会が、船舶からの大気汚染に関する以下の 2 決議
を採択していることを銘記した。
.1
決議 A.926(22)‐MARPOL 73/78 附属書Ⅵの第 14(3)規則に従って指定
された SOx 制御海域内における、低硫黄燃料油の入手可能性及び利用
.2
決議 A.929(22)‐MARPOL 73/78 附属書Ⅵの発効。これは、可及的速や
かな MARPOL 附属書Ⅵの批准を強調している。
船上使用のため引き渡された燃焼目的燃料油サンプリングのための
ガイドライン
4.4
当委員会は、第 45 回 MEPC が、DE 小委員会に対し、船内使用のため引
き渡された燃焼目的燃料油サンプリングのためのガイドライン案について、
MEPC 45 のメンバーからの提案の検討結果及び当該会期における MEPC コ
メントを考慮に入れて再吟味するよう指示したことを想起した。
30
4.5
当委員会は、DE 44 が、MEPC からの指示に従い当該ガイドライン案を
再吟味し、DE 44 のコメント、特に、ガイドラインの目的明白化の願望及
びサンプリング個所は受入船舶の燃料タンクマニホールドとすべきという
いくつかの代表の見解を考慮に入れたことを銘記した。
4.6
当委員会は、DE 44 が、文書 DE 44/19 付属 6 に記載のガイドライン案を
作成したことを銘記した。
4.7
大量の油を補給する場合の適切な間隔によるサンプル採取を容認するた
め、ガイドライン案第 6 項の現行文言を変更するという日本提案を銘記し
た。
4.8
当委員会は、ガイドライン案について原則的に承認し、大気汚染作業部
会に対し、当該日本提案を検討の上、採決に先だったガイドライン案の最
終再吟味を実施し、ガイドライン採択に関する MEPC 決議を作成するよう
指示した。
4.9
当委員会は、DE 小委員会作業計画から、燃料油サンプリングのためのガ
イドライン作成に関する sub-item を削除することで合意した。
船上 NOx 監視・記録装置ガイドライン
4.10
当委員会は、文書 DE 44/19 第 10.1∼10.15 項に記載の、船上 NOx 監視・
記録装置ガイドライン作成に関する DE 小委員会の進捗状況を銘記した。
4.11
当委員会は、文書 DE 44/19 第 15.1∼15.6 項に記載の、船上焼却炉仕様基
準に関する決議 MEPC.76(40)についての、DE 小委員会による再吟味結果を
銘記した。また、今のところ当該決議改正の必要性がないとはいえ、本事
項を DE 小委員会の継続議題とすべきという DE 小委員会の見解を是認した。
船舶からの温室効果ガス排出
4.12
当委員会は、前会期において、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)京都
議定書の要件実施の促進手段として、船舶からの温室効果ガス排出を制限
又は削減するための船舶温室効果ガス排出基準を作成する価値についての
メンバー提案に、最初の検討が加えられたことを想起した。当委員会は、
議論の後、今会期に作業部会を設置することで合意し、メンバーに対し、
当該作業部会の作業を促進するためのコメントを提出するよう強調した。
31
4.13
当委員会は、船舶からの温室効果ガス排出の制限又は削減に関する今後
の IMO 戦略又は方針の基礎として、船舶温室効果ガス排出基準を作成する
価値に関する MEPC 46 ノルウェー提出文書(MEPC 46/10/1 及び MEPC
46/INF.9)への、さらなる情報を追加している同国提出文書(MEPC 47/4/1)
を検討した。
4.14
ノルウェーは、将来の排出削減への最も現実的アプローチは、エネルギ
ー消費及び輸送作業間の比率として表現されている船舶運航への厳しい影
響を減少させることにあると考慮している。このことについては、船舶か
らの温室効果ガス排出に関する IMO 研究(MEPC 45/8)において、最高の
費用対効果アプローチとして推奨されている。
4.15
ノルウェーは、排出基準の作成にとって重要な以下の 2 必要要素を概説
している。
.1
.2
4.16
4.17
基準の総体的構成
パラメーター選択、計算法及び要因明瞭化のための、理論的モデル及
び統計データの適用
当委員会は、英国提出文書(MEPC 47/4/2)を審議した。当該文書は、ノ
ルウェー提案を支持していて、船舶からの温室効果ガス排出に係る IMO 戦
略又は方針の策定に関するコメントを追加し、IMO による方針履行戦略に
含まれるべき以下の事項を提議している
.1
自主協定の締結
.2
排出基準の開発及び設計;及び信用貿易の実施
英国代表団が、事務局長開会コメントを引用して、IMO は、建設的メッ
セージを世界に向け発信すべきことを強調した。また、IMO 短期戦略は、
船舶の運航、建造及び設計面に関する様々な自主的方策に結末をつける展
望の探求にあるべきことを提議した。英国見解によれば、総会決議で採択
されるべき IMO 戦略については、海運が、世界中で輸送されているすべて
の品物のほぼ 95%を担っており、他の輸送形態と比較すると、環境上より
友好的輸送形態であることを認識したものでなければならない。海運は、
このような費用を負担させられた場合、同等の負担を課せられない輸送形
態との共有市場における競争力を失うことになる。とはいえ、1 つの選択
肢として考慮されず、何の措置もとられなかった場合、船舶からの温室効
果ガス排出は 1∼2%/年は増加しそうな状況下にある。海運にとっては、気
32
候変動と取組む努力に寄与する役割を果たすことが必要となる。
4.18
当委員会は、日本が、過去 3 回の MEPC における提出文書において、日
本のシップ・アンド・オーシャン財団が実施中の、外航船からの温室効果ガ
ス排出に関する調査研究に関する情報を提供していることを銘記した。日
本は、当該提出書 MEPC 47/4/5 において、当該調査研究最終結果の要約を
提供した。
4.19
国際地球の友(FOEI)が、提出文書 MEPC 47/4/3 において、地球温暖化
及び温室効果ガスへの船舶の寄与に関する基礎情報を提供した。当該文書
は、運用及び技術方策として導入される排出削減の緊急措置を呼びかけて
いる。FOEI は、方策決定のベースとしての排出基準策定を探求すべきとい
う提案を支持し、環境指数化及び排出取引を、排出削減に向けた監視向上
のための実行可能なメカニズムとして考慮している。また、当委員会に対
し長短両期間の方策に同意するよう促した。
4.20
当委員会は、全体的見地から、すべての環境問題を検討することが必要
という、いくつかの代表団見解を銘記した。すなわち、バラスト水の外洋
交換によるバラスト水起因の有害影響の削減を望むことは、バラスト水交
換実施による燃料油消費の増加により、温室効果ガス排出削減という IMO
の願望に否定的結果となる。
4.21
温室効果ガス排出削減に関する IMO 戦略については CO2 に絞り、かつ、
海運界の削減分担意向を示威するための手段として、総会決議を通じて採
択するというノルウェー及び英国見解について、いくつかのメンバーから
のを支持があった。削減レベルについては、国際海運のための合意基線に
基づいて設定され、また、可能であれば、新造及び現存の両船に適用され
る排出基準として策定されるべきである。
4.22
他の複数の代表団においては、大気汚染作業部会において 4 つの選択肢
(排出基準、環境指数化、排出取引及び自主運用方策)が詳細に検討され
るまでは、詳細な IMO 戦略の検討は早すぎるという見解であった。
4.23
当委員会は、当該作業部会に対し、温室効果ガス削減に関する作業にお
いて、これらの代表団の提案及びコメントを検討するよう指示することで
合意した。
33
その他の事項
MARPOL 73/78 附属書Ⅵ第 14(1)規則改正提案
4.24
国際地球の友(FOEI)が、その提出文書 MEPC 47/4/4 において、オラン
ダが実施し、文書 MEPC 47/INF.2 で報告されている硫黄分監視に基づいて、
船上使用燃料油内硫黄分の現状に関する情報を提供した。FOEI は、複数の
加盟国の研究に基づいて、MARPOL 73/78 附属書Ⅵ第 14(1)規則を改正し、
現在では技術かつ経済両面の見地から実行可能であるので、燃料油硫黄分
の最大許容含有率を 4.5%から 1.5% m/m にすべきことを勧告した。当委員
会は、FOEI 提案に支持がなかったので、この件をさらに検討する必要がな
いことで合意した。
4.25
米国が、硫黄分含有率の問題については、大気汚染国際会議の会議決議
1 の実施が取り扱われる第 49 回 MEPC における審議事項であることを明言
した。
2000 年における硫黄分監視
4.26
当委員会は、第 43 回 MEPC が、船上使用のため供給された燃料油内の
世界的平均硫黄分含有率の監視ガイドラインに関する決議 MEPC.82(43)を
採択し、オランダ指導の下に、船上使用燃料油内の平均硫黄分含有率のた
めの 3 年ベースで設置する監視プログラムを開始することで合意した旨を
想起した。
4.27
当委員会は、オランダが、文書 MEPC 47/INF.2 で提供した、2000 年にお
ける当該ガイドライン適用結果に関する情報を銘記した。船上使用燃料油
内の平均硫黄分含有率のための 3 年ベースについては、2001 年の監視結果
が調査解析された場合に、MEPC 48 で設置することができる。
原油の海上輸送に影響する物理的挙動(CRUCOGSA)及び関連プロジェクト
4.28
当委員会は、先の MEPC 46 において、INTERTANKO が、原油の海上輸
送に影響する物理的挙動に関する油産業及び海運業による多くの研究に関
する情報提供を引き受けたことを想起し、INTERTANKO 提出文書 MEPC
47/INF.6 で提供されている情報を銘記した。
大気汚染作業部会の設置
4.29
当委員会は、以下の付託事項をもった作業部会の設置で合意した。
34
.1
船舶からの温室効果ガス排出に関する IMO 研究に記載の、温室効果ガ
ス排出削減のための提案についての評価
.2
メンバー提出の情報及び提案についての、照合及び評価
.3
適切な小委員会の関わりの確認
.4
作業計画の作成
.5
温室効果ガス削減のための IMO 戦略枠組みの準備
.6
温室効果ガス排出に関する IMO 戦略作成のための中間期通信部会設
置の必要性についての考慮。また、通信部会設置で合意された場合の、
当該部会への付託事項の作成
.7
MARPOL 73/78 附属書Ⅵへの応諾決定のための燃料油サンプリング・
ガイドライン採択に関する MEPC 決議案の作成
.8
船上使用のため引き渡される燃焼目的の燃料油サンプリング・ガイド
ライン案第 6 項に関する日本提起問題の解決
大気汚染作業部会報告書
4.30
大気汚染作業部会報告書(MEPC 47/WP.7)を受け取って、当委員会は、
下記の措置を講じた。
4.31
当委員会は、国際的燃料に起因する排出の割り当て解明の必要性、並び
に当該燃料からの排出に関する報告データの正確さ、一貫性及び同等性を
促進する必要性に関する UNFCCC(国連気候変動枠組条約)事務局からの
情報を銘記した。
4.32
当委員会は、GHG(温室効果ガス)排出基準及び環境的指標化に関連し
た当該作業部会検討を銘記し、排出基準については、排出方針履行のため、
また、合意された排出輪郭への応諾を評価するための、1 つの潜在的ツー
ルと考えられるという見解を是認した。
4.33
当委員会は、GHG 環境的指標化アプローチの作成と関連して考慮される
べき事項に関する当該作業部会の見解を銘記した。また、文書 MEPC
47/WP.7 の付属 1 に記載の確認事項を、本件に係る今後の作業の基礎として
利用することで合意した。
35
4.34
当委員会は、排出取引及び経済的報酬に関する作業部会検討結果を銘記
し、排出取引及び経済的報酬については、合意された基準に基づくべきこ
と、また、買い手及び売り手関係の成立並びにこのような体系の制御は困
難という見解を是認した。当委員会は、この件に関する今後の検討のため、
当該体系機能方策に関する提出文書を歓迎する。
4.35
当委員会は、速力低減、ウェザー・ルーティング等、運航方策又は要因に
関する作業部会検討結果を銘記し、このような方策については、既に海運
界で広く利用されているという見解を是認した。当委員会は、加盟者に対
し、この分野のさらなる探求を目的として考慮されるべき運航方策又は要
因に関する情報提供を要請した。
4.36
当委員会は、今後検討されるべき長期間方策に関する作業部会見解を銘
記した。また、革新的推進システム、代替エネルギー又は燃料、炭酸ガス
隔離などの将来の科学技術開発が、相対的により大きな GHG 削減の機会を
提供できるという見解を是認した。このような可能性の探求における IMO
の役割を検討すべきである。
4.37
当委員会は、出現してくる科学技術の調査における、起伏ある流れにあ
る炭酸ガス排出については、ライフサイクル分析又は残高の費用対効果分
析を含むあらゆる環境的及び経済的影響について検討すべきという作業部
会見解を銘記した。
4.38
当委員会は、ノルウェー指導(調整者の詳細については、第 18.25 項参
照)による中間期通信部会の設置で合意し、付属 9 に記載の付託事項を承
認した。
4.39
当委員会は、決議 MEPC.96(47)として、付属 2 に記載の MARPOL 73/78
附属書Ⅵへの応諾決定のための燃料油サンプリング・ガイドライン を採択
した。
4.40
当委員会は、当該ガイドライン第 6 項における 燃料引渡し期間中継続
的に取り入れること の解釈を承認し、その解釈を、当該ガイドライン第
6 項への脚注として編入することで合意した。
4.41
当委員会は、総会決議 A.929(22)が、特に、各国政府にできる限り早い機
会の 1997 年議定書受諾を検討するよう強調していることを銘記し、マーシ
ャル諸島が、2002 年 3 月 7 日に、MARPOL 73/78 の 1997 年議定書に加入し
たという同国情報を歓迎した。
36
5
OPRC 条約、OPRC-HNS 議定書及び関連 OPPR 会議決議の実施
5.1
当委員会は、MEPC 46 における OPRC 作業部会報告書(MEPC 47/5)を
検討し、以下の事項を想起した。
.1
MEPC 46 が、 油流出の間又はその後の海産食品安全管理に関する指
針 の文書案を承認し、事務局に対し、IMO 及び FAO(国連食糧農業機
関)共同冊子として印刷に取りかかるよう要求したこと。
.2
MEPC 46 が、事務局に対し、第 3 回 R&D フォーラムへの発展途上国
からの参画を可能とするため、TC Fund(技術協力基金)を利用する可能
性について探求するよう勧告したこと。
.3
MEPC 46 が、加盟国による海洋環境保護の観点からの避難場所を検討
する場合の指針として作成の必要な標準から生ずる問題点一式案に関し
て、OPRC 作業部会が実施した作業について検討したこと。
5.2
当委員会は、2002 年 3 月 11~13 日にフランスの Brest で開催される R&D
フォーラムが、IMO 加盟国、機関及び産業界の支援並びに TC fund 及び寄
付により、発展途上国からの約 35 代表団の参画を保障する財源確保が IMO
として可能となり、申し分なく準備されたことを、満足感をもって銘記し
た。
5.3
当委員会は、新たな Level A モデル訓練コースの開発並びに Level 1、
2、及び 3 OPRC モデルコースの道具の再吟味に関する進行中の作業を銘記
した。
5.4
当委員会は、ISO が提出した 油流出対応に関する用語法最終国際基準
案 についての OPRC 作業部会コメントを銘記した。
OPRC 作業部会の作業計画
5.5
当委員会は、MEPC 47/5 の付属に記載の作業計画提案に関し、外交会議
が、MEPC に対し、OPRC-HNS 議定書の早期実施のため、必要なガイドラ
イン及び作業計画を作成するよう要求したことを想起した。OPRC-HNS 議
定書のための作業計画の概要については、MEPC 45 における OPRC 作業部
会により作成されている。
5.6
MEPC 48 における OPRC-HNS 議定書に関する事項の議論のため、当委員
37
会は、事務局に対し、MEPC 48 での議論のため、OPRC-HNS 議定書の早期
実施のための作業計画の基本的原文を準備するよう要請した。
5.7
また、当委員会は、事務局に対し、今会期議題第 18 項の審議のため、文
書 MEPC 47/5 の付属 4 の改正版を準備するよう要請した。
5.8
議長が、今後の OPRC 作業部会の会合問題について、今後の第 18 項審議
における可能性のある選択肢として、OPRC 作業部会を中間期に開催する
か、あるいは MEPC 前後の中間期に会合し、MEPC 指示の下に活動しかつ
MEPC に報告する OPRC 事項を取り扱う専門家グループを、MEPC の補助
組織として MEPC が設置できることを示唆した。議長は、会期週後半の議
論のため、議長提案への見解を各代表団に求めた。
5.9
当委員会は、議題第 18 項の作業計画についてのさらなる審議を条件とし
て、MEPC 46 における OPRC 作業部会報告書を承認した。
海洋汚染マニュアル第Ⅳ節−油流出対応
5.10
当委員会は、MEPC 46 の OPRC 作業部会が、油汚染マニュアル第Ⅳ節改
正のための通信部会作業の進捗状況、特に、bioremediation、重燃料油/乳状
化油及び原因焼却(in-situ burning)に関する、3 つの章を新たに追加したこ
とを報告している旨を想起した(MEPC 47/5/1 及び MEPC 47/INF.7)。
5.11
また、当委員会は、MEPC 46 が、MEPC 48 での承認及び発刊の審議に先
んじて、MEPC 47 の間に、油汚染マニュアル第Ⅳ節−油流出対応最終案再
吟味のための起案部会を開催することで合意した旨を想起した。
5.12
当委員会は、OPRC 起案部会に対し、発刊についての MEPC 48 での承認
のため、油汚染マニュアル第Ⅳ節の最終改正版の提出を目指した油汚染マ
ニュアル第Ⅳ節本文の最終化を指示した。
決断及び bioremediation 実施のための指針書
5.13
当委員会は、MEPC 46 の OPRC 作業部会報告書において、OPRC 作業部
会が、油汚染マニュアル第Ⅳ節の最終案における bioremediation に関する章
とは別の文書として、bioremediation に関する指針文書案を提出するという
フランスの意向が銘記されていることを想起した。
5.14
当委員会は、フランス提出の bioremediation に関する指針文書案(MEPC
47/5/2 及び MEPC 47/INF.9)を銘記し、OPRC 起案部会に対し、起案の観点
38
から、この bioremediation に関する指針文書案を検討するよう指示した。
海洋環境保護の観点からの避難場所(places of refuge)の規定
5.15
議長が、MEPC 46 における、避難場所問題に関する OPRC 作業部会の実
施作業を想起して、当委員会に対し、この問題が MSC 74、LEG 83(法律
委員会)及び NAV 47(航行安全小委員会)においてさらに検討されたこと
を報告した(MEPC 47/5/3)。また以下の事項についても報告した。
.1
第 74 回 MSC が、IMO の用語法については places of refuge とし、
NAV 小委員会を調整のための小委員会とすることを決定したこと。また、
NAV 47 に対し、(汚染事項に関する)MEPC-OPRC 作業部会、COMSAR
(無線通信・捜索救助小委員会)、DE、SPI(Ship/Port Interface)作業部会
など、作業に関連する他の IMO 機関の確認を含む事項への予備的検討を
加えるよう要求することも決定したこと。
.2
法律委員会(LEG)が、来る 2 年間の LEG 作業計画にこの事項を含む
ことになり、IMO 事務局に対し、公法並びに海難救助、責任及び保険の
ような私法における問題点を含む関連法的問題点を準備するよう要請し
たこと。また、CMI(万国海法会)が、本プロジェクトについて、IMO
事務局と協力することを申し出たこと。
.3
NAV 47 が、MSC 75 及び MEPC 47 での審議のため、Places of Refuge
に関する今後の作業についての付託事項案(MEPC 47/5/3 の付属 1)を準
備しかつ検討したこと。また、Places of Refuge に付随する全般的枠組み
案(MEPC 47/5/3 の付属 2)について再吟味かつ承認し、加盟国政府、政
府間機関及び非政府機関に対し、次回 NAV での検討のためのコメント及
び提案を提出するよう要請したこと。
当委員会は、以下の事項を銘記した。
5.16
.1
文書 MEPC 47/5/4 で詳述の IAPH(国際港湾協会)
決議が、places of refuge
に関する IAPH 方針をも作成するという IAPH 意図の基礎を形成している
こと。
2002 年 5 月のモントリオールでの 2 年に 1 度の IAPH 会合における決
議の採択に従って、法的保護に関する IAPH 委員会に、IMO の法律委員
会での審議への助力のため、本件の法的背景に関する調査及び仕上げ作
業を課すこと。
.3
このような関係において、IMO の法律委員会の会合に提出されること
.2
39
になる文書が準備されつつあること。
OPRC 事項に関する地域協力
5.17
当委員会は、地中海海洋汚染緊急対応地域センター(REMPEC)につい
て、文書 MEPC 47/5/5 で報告されている 2000 年 7 月∼2001 年 12 月の間の
進捗状況報告を銘記した。若干数の地中海諸国が、船舶からの汚染防止及
び緊急時地中海汚染対応協力に関するバルセロナ条約への新議定書の最終
化における IMO 提供からの助力に感謝していた。
5.18
また、当委員会は、暫定的に MEPC 48 に先んじた 2002 年 10 月第 1 週に
予定されている、海洋汚染事故対応協力のための地域協定に関する
IMO/UNEP 共同フォーラムの構成についても銘記した。当該フォーラムに
ついては、経験を情報交換し、MEPC 47/5/6 で指摘されている共通懸念問
題を議論するために、地域センター並びに地域条約及び行動計画の事務局
の代表を会わせることを目的としたものである。
5.19
汚染への準備及び対応のための地域システム策定における IMO の役割
については認識されている。この点で、UNEP 地域海計画の範囲内又は外
側に設立された地域団体作業への、IMO の密接な関わりの必要性が指摘さ
れた。このような協力活動は、当該地域団体作業の調和化に貢献し、関連
国際的合意基準への応諾達成に助力することになる。
5.20
また、当委員会は、地域協力及び IMO/UNEP フォーラムの組織化を促進
する IMO 事務局作業についての、いくつかの代表団からの好意的批評及び
支持を銘記した。当委員会は、事務局に対し、汚染への準備及び対応のた
めの地域システムの策定及び奨励における調整の役割について、続行する
よう要請した。
5.21
事務局は、当委員会に対し、IMO/UNEP フォーラムに関する追加情報を
準備し、当該情報を参加に関心のある代表団への回章に付すことを報告し
た。
起案部会への指示
当委員会は、OPRC 起案部会に対し、以下の作業実施を指示した。
5.22
.1
油汚染マニュアル第Ⅳ節−油流出対応の再吟味
.2
bioremediation に関する指針書案の再吟味
40
OPRC 起案部会報告書
当委員会は、OPRC 起案部会報告書(MEPC 47/WP.9)を受け取って、
5.23
6
.1
起案部会による油汚染マニュアル第Ⅳ節−油流出対応の改正最終化作
業が完了したことを銘記し、事務局に対し、MEPC 48 での承認及び発刊
の検討のため、MEPC 48 に提出する最終改正版文書の作成を要求した。
.2
起案部会による bioremediation に関する指針書案の再吟味作業を銘記
した。
.3
bioremediation に関する指針書案の技術的再吟味に着手するため、
OPRC 作業部会の中間期会合を要求した。当該中間期会合への付託事項
については、付属 9 に記載されている。
MARPOL 73/78 及び関連コードの解釈及び改正
第 13G 規則改正の発効
6.1
当委員会は、2002 年 3 月 1 日までに、加盟国から、第 13G 規則改正に関
する MARPOL 附属書Ⅰの改正についての何の異論も受け取っていないこと
を銘記した。当該改正については、MARPOL 73/78 第 16(2)(9)(ⅱ)条に従っ
て、2002 年 9 月 1 日に効力を生ずることになる。
6.2
米国代表団が、米国は、MARPOL 73/78 附属書Ⅰ第 13G 規則による義務
化については、米国政府による明白な承認が要求されることになる旨を述
べた 2002 年 2 月 8 日付事務局宛書簡を出していることを、当委員会に報告
した。一方では、いかなる米国寄港油タンカーも、1990 年油汚染法(Oil
Pllution Act)を遵守しなければならないことになっている。
6.3
さらにまた、当委員会は、発行 Statements of Compliance についての明細、
当該 statesments の一時停止又は撤回についての詳細、
並びに当該 statesments
が拒否された船舶ついての明細に関連した主官庁提供情報関し、すべての
MARPOL 73/78 締約国への回章に付すことに係る決議 MEPC. 94(46)への付
録の第 14 節に応諾するため、事務局が、締約国がアクセスできる電子デー
タベースの設立に必要な手段を講じていることを銘記した。当該データベ
ースは、2002 年 9 月 1 日から運用されることになっている。
41
状態査定スキーム(CAS)−検査計画モデル
6.4
当委員会は、MEPC 47 において、検査計画モデルが CAS への付録として
作成されることを理解しつつ、MEPC 46 が、決議 MEPC.94(46)により、
MARPOL 附属書Ⅰの改正第 13G 規則下の強制手段としての状態査定スキー
ムを採択したこと(MEPC 46/23、第 2.56 項)を想起した。
6.5
当委員会は、文書 MEPC 47/6/2 に記載の、IACS 及び INTERTANKO 共同
作成の検査計画モデル案について、文書 MEPC 47/6/7 及び MEPC 47/6/10 が
当該検査計画モデル案の若干の個所にさらなる磨きをかけていることを含
め、銘記した。
6.6
さらにまた、当委員会は、協議の後、以前の検査計画モデル案に関する
当該両団体の相違点について、両団体が合意に達したこと(MEPC 47/WP.5)
も銘記した。それゆえ、当該モデル案のための文書 MEPC 47/6/7 及び MEPC
47/6/10 検討の必要性はなくなった。
6.7
IACS が、INTERTANKO との共同提出文書 MEPC 47/6/2 及び MEPC
47/WP.5 の紹介において、INTERTANKO と合意した事項に言及し、検査計
画モデルの第 4.1.b)項の原文における可能性のある矛盾点について指摘し
た。当該モデルでは、脚注において、webs(特設フレーム)の 30%(最低
限)と規定されているが、一方 CAS においては、要件として 30%とのみ記
載されているだけである。さらにまた、IACS は、合意されたいかだ接近詳
細検査の安全性に係る事項に関する第 2.2 項原文の置き換え、MEPC 47/WP.5
において修正されたいくつかの副項の原文、また、船舶の腐食、以前の損
傷等についての来歴に関するデータ提供又は明示すべき当事者の取り扱い、
第 6.3.2 項によるのが好ましいとはいえ 2 つの可能性からの選択が残ってい
る最低限厚み表など、その他の事項に関する合意事項について念入りに作
成していた。
6.8
いくつかの代表団は、提出された検査計画モデル案については、CAS 第
6.2 節 検査計画における書類調査 で指摘されているすべての点を含むよ
う再起案すべきという見解であった。
6.9
検査計画モデルにおける調査されるべき特設フレーム最低限数に係る第
4.1.b)項への脚注に関し、若干数の代表団が、検査されるべき特設フレーム
の数を述べずに、パーセンテージだけを表現している CAS の類似規定に明
白な矛盾があるという懸念を表明した。これらの代表団見解を考慮して、
この矛盾点を適切に処理すべきである。
42
6.10
後続の議論において、2002 年 9 月の CAS 発効に先んじた CAS 修正手続
き面に関する数々の問題が取り上げられた。
6.11
当委員会は、状態査定スキーム(CAS)への付録 3 としての検査計画モ
デルについては、CAS 履行により、一定のタンカーが 2002 年 9 月に最初の
CAS 検査を受検する事実が発生するので、加盟国のために可及的速やかに
発刊すべきことで合意した。検査計画モデルを含むための CAS の公式改正
については、MARPOL 73/78 の第 16 条に従った第 13G 規則改正の発効後に
なされるべきである。
6.12
当委員会は、検査計画モデルについては、MEPC 回章として発刊するこ
とを決定した。
6.13
当委員会は、起案部会を、以下の付託事項で開催することで合意した。
.1
プレナリーでなされた議論及びコメントを考慮した、CAS 検査計画モ
デル及びその他関連情報の普及のための MEPC 回章の作成
.2
将来 CAS 検査計画モデルを CAS の付録とするため、CAS に編入する
のに適切な最初の修正案の作成
6.14
当委員会は、起案部会報告書(MEPC 47/WP.11)を受け取って、検査計画
モデル及び CAS 安全実施指針の覚書(Guidance Note)を含め、当該報告書
を大筋で承認した。また、事務局に対し、第 13G 規則改正の発効時におけ
る当該モデル及び覚書の強制要件としての正式採択までの暫定策として関
連事項を利用できるように、MEPC/Circ.390 として、当該モデル及び覚書を
可及的速やかに発行するよう指示した。
6.15
さらにまた、当委員会は、検査計画モデル及び CAS 安全実施強制要件を
含むための CAS 修正手続きに着手することで合意した。最後に、当委員会
は、事務局に対し、MEPC 48 での採択を目指し、MARPOL 73/78 第 16(2)(a)
条に従って、すべての IMO 加盟国及び締約国に向け、CAS 修正提案を回章
に付すよう要請した。
6.16
また、当委員会は、CAS の正式修正時、検査計画モデル及び CAS 安全実
施強制要件が、それぞれ、CAS の付録 3 及び 4 となることも銘記した。
6.17
CAS 修正提案及び CAS への提案付録 3 及び 4 については、付属 3 に記載
されている。
43
MARPOL 附属書Ⅰ改正第 13G 規則の矛盾のない適用
6.18
当委員会は、IACS が、MARPOL 附属書Ⅰの改正第 13G 規則の適用に関
する 2 つの文書(MEPC 47/6 及び MEPC 47/6/6)を提出していることを銘記
した。
6.19
IACS は、当該両文書の紹介において、IACS が、改正 13G 規則の発効に
先んじた当該規則の価値について討論を意図しているわけではないと述べ
た。しかしながら、いくつものあいまいな表現及び例外的なものが確認さ
れており、解明が求められている。
6.20
当委員会は、IACS が惹起した問題を検討するため、A.P. Burgel 氏(オラ
ンダ)を議長とした非公式グループを召集することで合意した。
6.21
当委員会は、当該非公式グループ報告書を受け取って、グループが以下
の結論に達したことを銘記した(MEPC 47/WP.5 第 3.1∼3.4 項)。
3.1
IACS コメント(MEPC 47/6 第 4 項):
目下起案されている第 13G(3)(b)規則は、第 1(26)規則において定義され
ているように、燃料油、A 重油(heavy diesel oil)又は潤滑油を貨物として
運搬する 20,000 DWT 以上 30,000DWT 未満の新造プロダクト・タンカーに
ついては、SBT/PL(分離バラストタンク/防護的配置)を要求されないカ
テゴリー2に入ることが許容されるものと解釈することができる。
グループ見解
上述解釈は、第 13G 規則の 2001 年改正記案時に思考又は意図したもの
ではない。この新たな規則は、1999 年の第 13G 規則改正に関する決議
MEPC.78(43)(現在は、決議 MEPC.95(46)が取って代わっている。)に照ら
して、読まれるべきである。その序文の第 3 段落で ..... 燃料油、A 重油
又は潤滑油を貨物として運搬する 20,000∼30,000DWT 現存油タンカーに
ついては、原油タンカーの建造要件と同じものとするため ..... と記述さ
れており、後者の決議も前者の規定を編入している。それゆえ、当該プロ
ダクト・タンカーについては、カテゴリー2ではなくカテゴリー1に含ま
れる。当グループは、いかなるカテゴリー2タンカーについても、SBT/PL
を要求されるべきことを確認した。
44
3.2
IACS コメント(MEPC 47/6/6 第 3 項):
カテゴリー1タンカーにおける第 1(26)規則の SBT 要件を満足するため
の貨物タンク改造については、 主要な改造 とは考えないで、カテゴリ
ー2タンカーとして取り扱うことができる。
グループ見解
カテゴリー1タンカーについては、第 1(26)規則に引用される規則の要件、
すなわち、第 13、13B(原油タンカー)、13E 及び 18(4)規則に完全に応諾
した場合にのみに、カテゴリー2タンカーに転換することができる。
3.3
IACS コメント(MEPC 47/6/6 第 4 項):
引渡し日の異なる各タンカーが、同一年に phase-out される第 13G(4)規
則の phase-out スキーム(一例として、1978、1979 及び 1980 年に引き渡さ
れたタンカーの 2006 年 phase-out)は、より後に引き渡されるタンカーが、
より早く引き渡されたタンカーよりも早く phase-out されるという異例を
示している。
グループ見解
MEPC は、第 13G 規則 2001 年改正の起案時に、上述異例を認識してい
たが、新たな第 13G(4)規則に規定の折衷案 phase-out スキームを、論理的
かつ避けがたい結論として受け入れた。
3.4
IACS コメント(MEPC 47/6/6 第 5 項):
第 13G(4)規則の phase-out スケジュールに従って、1973 年よりも早く(一
例として 1971 年)引き渡されたタンカーは、船齢 30 年を超えて運航を続
行することができる。このことは、single hull タンカーの phase-out を促進
するという 2001 年改正の目的に反することになる。
グループ見解
MEPC は、第 13G 規則の 2001 年改正の起案時に、この異例を認識して
いなかった。しかしながら、改正の目的及び意図が single hull タンカーの
phase-out を促進にあると点に留意して、現行第 13G 規則の下に既に
phase-out 日に達しているタンカーについては、当該日を超えた運航を許容
されるべきではない。
45
6.22
さらにまた、当委員会は、上述解明が、主官庁、認可機関及びそれらの
検査官による、2001 年改正の MARPOL 附属書Ⅰ第 13G 規則の均一的様式
履行に役立つことを銘記した。
6.23
当委員会は、当該非公式グループ所見についての全般的議論に続いて、
第 3.2、3.3 及び 3.4 項についての所見を容認した。しかしながら、第 3.1 項
で述べられている了解事項については、さらなる解明が必要であることで
合意し、MEPC 48 での審議のため、さらなるコメント提供を各代表団に要
請した。
キプロス代表団が、非公式グループ所見に対する立場を保留した。
6.24
6.25
当委員会は、改正第 13G 規則の規定適用及び当該規定履行に必要ないか
なる解釈についても主官庁の責任下にあるという、若干数代表団の見解を
銘記した。
MEPC/Circ.97 付属 2 修正提案 − 船上燃料処理の間の油スラッジ形成削減
6.26
当委員会は、本件に関するドイツ文書(MEPC 47/6/1)及びそれに対する
INTERTANKO コメント(MEPC 47/6/8)を銘記した。ドイツが、当該同国
文書を再吟味のため撤回したので、これら両文書を議論する必要性はなく
なった。
原油洗浄の間の発生ガス排出削減に関する改正決議 A.446(XI)の変更提案
6.27
当 委 員 会 は 、 こ の 問 題 に つ い て は 、 OCIMF ( MEPC 47/6/5 ) 及 び
INTERTANKO(MEPC 47/6/9)提出両文書間に相いれない見解があることを
銘記した。OCIMF は、OCIMF 文書の紹介において、以下の主要点を示した。
.1
ダブルハル・タンカーにおいては、貨物タンク内の骨組み及び構造が著
しく簡単なものとなった。一般的に、相対的に平坦な壁のデザインは、
タンク底を除き、付着物及び沈殿物を無視できるところまで減少させる。
.2
タンク内油量のもの見事な減少又はスラッジ制御の手段としての原油
洗浄(COW)は、揮発性有機混合物(VOC)排出を増加させることにな
る。また、ボイラー及び発電機排気からの有毒ガス排出についても懸念
事項である。それゆえ、COW サイクルの削減は、大気汚染削減に寄与
することになる。
46
.3
6.28
6.29
スラッジ制御目的のため、MARPOL 附属書Ⅰ第 13F 規則への応諾船舶
については、COW サイクル削減、また、この趣旨に従ったさらなる改
正の必要な改正決議 A.446(XII)の実行を選択すべきことになる。
INTERTANKO は、INTETANKO 文書 MEPC 47/6/9 の紹介において、OCIMF
提案に対し、特に以下事項をコメントした。
.1
COW サイクルの削減の実行には、多くのダブルハル・タンカーが未装
備のプログラム化された機械を装備しなければならない。
.2
COW の間の VOC 排出に関しては、さらなる調査が必要となる。
INTERTANKO は、この件に関する研究に着手しているが、まだ最終化さ
れていない。
.3
ダブル・ハルタンカーの隔壁は、いかなるスラッジをも除去し得る大き
な平坦表面区画に deep stringer を装備している。
.4
また、貨物タンク内の高架 COW も、コーティングをしていない鋼鉄
部分の腐食からの保護に役立っている。
.5
結果として、この件に関するいかなる最終決定も、事実的観察及び試
験結果に基づいてのみなされるべきである。
当 委 員 会 は 、 全 般 的 議 論 の 後 、 OCIMF 提 案 に 感 謝 す る 一 方 で 、
INTERTANKO 及び関係者に対し、関連研究を続行し、かつ、今後の MEPC
における審議及び適切な措置のため、改正された提案を提出するよう要請
した。
貨物タンク内の水 − 統一解釈 4.1.1 の改善
6.30
6.31
当委員会は、MARPOL 附属書Ⅰ第 13(3)規則の統一解釈 4.1.1 に記載の貨
物タンク内漲水禁止からの除外リストに、2つのケースを追加することを
提案している、INTERTANKO 及び OCIMF の共同提出文書(MEPC 47/6/3)
を銘記した。
.1
いかだを用いた、詳細検査及び/又は鋼材厚さ計測
.2
タンク水圧試験
関連の議論において、多数の代表団が当該提案に同意を表明した一方で、
47
他の複数の代表団が、関連規定に従った措置が不適当と考えられる場合の
条約改正の必要性への配慮を提起した。しかしながら、英国は、船舶が
MARPOL 附属書Ⅰ第 9 及び 15 規則に従って油記録簿に活動を記録する限
り、実施事項が国際要件を満足することになるので、実施事項についての
さらなるの解釈の必要性がないことを指摘した。
6.32
当委員会は、今後の会合において本件を再吟味することで合意し、関係
代表団に対し、MEPC における検討及び適切な措置のため、関連文書及び
研究成果を MEPC に提出するよう要請した。
MARPOL 73/78 附属書Ⅱの規定の統一解釈
6.33
当委員会は、有毒液体物質分類に関する三者間協定についての統一解釈
2A.1.4 及び 2A.1.6 の修正提案を含んだ、米国提出文書 MEPC 47/6/4 を銘記
した。
6.34
米国は、米国提出文書の紹介において、輸送促進のため有毒液体物質分
類に関する協定を求めている他の MARPOL 73/78 の締約国との連絡のため
の年報 MEPC.2 回章の付属 8 において、時々何の情報も得られないないこ
とがあると述べた。このような場合の措置として、現行の統一解釈の表現
への小さな追加が、その趣旨の協定取り決めに役立つことになる。
6.35
いくつかの代表団が米国提案への支持を表明する一方で、他の複数の代
表団は、提案されている制度については、禁止廃棄物質輸送における刑罰
免除及びあいまいさを求める不徳運航者による乱用を招きかねないことに
懸念を表明した。しかしながら、すべての代表団が、MEPC/Circ.265 で要求
されている連絡先情報を提供しなかった政府に対し、連絡先情報提供を奨
励すべきことで合意した。
6.36
当委員会は、本件を BLG 小委員会に付託することを決定し、代表団及び
締約国に対し、BLG での検討のため、文書及び関連研究成果を提出するよ
う要請した。当委員会は、BLG 7 への長文書(6 頁以上)提出締切日が 2002
年 3 月 22 日であることを銘記しつつ、当該締切日を 2002 年 3 月 31 日まで
延期することで合意した。
48
7
船舶の防汚塗料使用による有害影響
7.1
当委員会は、文書 MEPC 47/7/7 で報告されているように、2001 年 10 月 1
∼5 日に IMO で開催された、船舶についての有害防汚方法の管理に関する
国際会議が、船舶の有害防汚システム管理に関する国際条約(AFS 条約)
について、4 つの会議決議を伴って採択し、成功裏に終了したことを銘記
した。
7.2
また、当委員会は、2002 年 2 月 1 日から、当該条約が証明のため開放さ
れることも銘記した。議長は、各代表団に対し、本国政府による可及的速
やかな条約署名への努力を継続するよう促した。
7.3
さらにまた、当委員会は、第 22 回 IMO 総会が、船舶の有害防汚システ
ム管理に関する国際条約の早期かつ効果的適用についての、以下の内容の
決議 A.928(22)を採択したことも銘記した。
7.4
7.5
.1
各国政府に対し、条約第 9 条 第(1)(b)項の規定に従って、自国法の下
に、承認、制限又は禁止された防汚方法に関するいかなる情報も提供す
るよう強く勧告する。
.2
事務局に対し、IMO に伝達されたいかなる情報も、条約第 9 条 第(2)
項の規定のように、適切な手段により、当該情報受領時点で利用可能と
するよう要求する。
当委員会は、文書 MEPC 47/7 の付属 2 に要約されている、条約及び会議
決議により MEPC、IMO 及び事務局長に要求される職務、特に、第 11 条 第
(1)(b)及び(2)項並びに第 1 規則第(4)(a)項の下に IMO に要請される措置を銘
記した。すなわち、決議 2 に従って、当該条約発効前の採択のため、以下
のガイドラインについて緊急に策定する必要があることを銘記した。
.1
船舶防汚システムの簡潔なサンプリングのためのガイドライン
.2
船舶防汚システム検査のためのガイドライン
.3
調査(survey)のためのガイドライン
当委員会は、第 45 回 MEPC が、FSI 小委員会に対し、防汚システム調査
ガイドライン案文の作成を要請し、2002 年 4 月 8∼12 日に開催予定の第 10
回 FSI 小委員会の議題となっていることを想起した。
49
7.6
当委員会は、文書 MEPC 47/7/1 によるイラン及び MEPC 47/INF.16 による
日本からの両情報を銘記した。また、FSI 小委員会に対し、既に課している
防汚システム調査ガイドラインの作成に加えて、イラン及び日本文書で提
供されている情報を用いた、船舶防汚システム簡潔サンプリング及び船舶
防汚システム検査両ガイドライン作成を要請した。当委員会は、FSI 小委員
会に対し、これらのガイドラインについては緊急案件とし、防汚システム
調査ガイドライン作成を優先し、他の 2 つのガイドラインについても 2002
年末までに最終化するよう要請した。
7.7
当委員会は、有機スズをベースとした防汚システムの市場での売買禁止
が、すべての EU 加盟国において 2003 年 1 月 1 日から発効することになる
という、欧州委員会代表提供の情報を銘記した。
8
特別海域及び特に敏感な海域の特定及び保護
背景
当委員会は、第 46 回 MEPC における以下の事項を想起した。
8.1
.1
PSSA(特に敏感な海域)として Florida Keys を指定するという米国提
案に、原則的に同意したこと。
.2
PSSA として Malpelo Island(マルペロ島)を指定するというコロンビ
ア提案に、原則的に同意したこと。
.3
NAV 小委員会に対し、これらの提案の最終承認付与に先んじて考慮す
べき、航海上のいかなる問題点も再吟味するよう指示したこと。
8.2
また、当委員会は、第 46 回 MEPC において、MARPOL 73/78 の下の特別
海域指定及び特に敏感な海域特定の両ガイドラインについての総会決議案
改正文が原則的に承認されており、NAV 小委員会に対し、第 22 回総会での
決議採択のため、当該改正文を再吟味の上、コメントを当該総会に直接提出
するよう指示したことを想起した。
8.3
当委員会は、第 22 回総会が、当該決議案に関連する航海上の問題点はな
い旨の指摘が NAV 小委員会からあったので、以下のような決議 A.927(22)
を 11 月 29 日に採択したことを銘記した。
.1
MARPOL 73/78 の下に特別海域指定ガイドラインを含むこと。
50
.2
新たな特に敏感な海域特定ガイドラインを含むこと。
.3
決議 A.720(17)及び A.885(21)を廃止すること。
8.4
また、当委員会は、IHO(国際水路機関)が、決議 A.927(22) 第 9.1 項に
従って、特に敏感な海域(PSSA)を航海海図上に表記する記号を作成済み
で、PSSA については、その関係国が当該記号をもって航海海図上に表記す
るよう提起していることを銘記した。当委員会は、この情報を決議 A.927(22)
に含むべきことで合意し、事務局に対し、次回改正時には、第 9.1 項の末尾
に星印を加え、関連脚注 IHO 海図詳細 B-437.6 参照 を編入するよう指示し
た。
8.5
当委員会は、IHO の B-437.6 特に敏感な海域(PSSA) については、以
下のように(追加:網かけ、削除:取り消し線)修正すべきという米国見解に
同意した。
a. 通則
特に敏感な海域(PSSA)は、IMO 決議に従って制定された一つの
IMO 指定方策である。IMO 決議 A.927(22)において、次のように定義
されている。
認識されている、生態学的、社会経済的又は科学的重要性、また、
国際海運活動により損傷を受けやすいことを理由として、IMO の行動
を通じた特別な保護を必要とする海域
PSSA には様々な広さがあり、豪州 Great Barrier Reef、キューバ
Sabana-Camaguey 群島、コロンビア Malpelo Island 及び米国 Florida Keys
が含まれる。
PSSA としての特定については、IMO の海洋環境保護委員会(MEPC)
で承認されるが、IMO の関連小委員会又は委員会が関連保護方策を承
認するまでは、最終的決定とはならない。 Great Barrier Reef の場合、
PSSA の海図上への表記自体が保護方策と考えられる。
..........
8.6
当委員会は、事務局に対し、修正のため、上述提言を IHO に通知し、IHO
による適切な措置を要請するよう指示した。
51
Malpelo Island 及び Florida Keys の PSSA 指定
8.7
当委員会は、NAV 小委員会に対し、Malpelo Island 及び Florida Keys の特
に敏感な海域(PSSA)としての指定の最終承認に先だって必要となる、航
海上の問題点報告の MEPC への持ち帰りを指示していたことを想起した。
8.8
当委員会は、MEPC 47/8 で報告されているように、
NAV 小委員会が、Florida
Keys 及び Malpelo Island 周辺海域の PSSA 特定の提案に不可欠要素として提
案された関連方策に同意し、結果として、事務局が、両海域を PSSA として
採択するための 2 つの MEPC 決議案を作成したことを銘記した。
8.9
加えて、当委員会は、NAV 小委員会が、関係国に対し、将来の船舶航路
選定及び報告実施の検討促進を目的として、PSSA 適用に付随する船舶航路
選定及び報告実施のための個々の提案を、NAV 小委員会に直接提出するよ
う要請していることを銘記した。
8.10
結果として、当委員会は、付属 4 及び付属 5 に記載の決議 MEPC.97(47)
及び MEPC.98(47)を採択した。また、事務局に対し、今後の決議 A.927(22)
の付録への 2 つの新 PSSA 追加時には、MEPC 44/7、MEPC 46/6/3(Malpelo
Island)及び MEPC 46/6/2(Florida Keys)に記載の、2 つの PSSA それぞれ
のための関連保護方策を含む関連要約情報を添付するよう指示した。
8.11
関係国は今後の PSSA のための個々の提案を NAV 小委員会に直接提出す
べきという NAV 提案については、第 10 議題の下で検討することで合意さ
れた。
8.12
当委員会は、米国提案に従って、Malpelo Island 及び Florida Keys に関連
する保護方策導入の発効日については、MSC による関連航路選定方策承認
日の 6 ヶ月後となることで合意した。
PSSA 要請意図の事前通知
8.13
当委員会は、デンマーク、ドイツ及びオランダが、決議 A.927(22)に従っ
て、可能であれば MEPC 48 に、当該海域のぜい弱性への船員の意識向上を
主たる目的として、Wadden Sea 及び若干の North Sea 隣接部分を、PSSA と
して指定する共同申請を提出予定であることを銘記した。また、当委員会
は、当該海域のための追加保護方策については、同様の方策が既に実施さ
れているので、当該提案には含まれないことになるとの報告も受けた。
8.14
ペルー代表団が、MEPC 48 で検討されるべきペルー沿岸域のための PSSA
52
要請書を提出していることを報告した。
拡大カリブ海域のための受入施設提供援助の要請
8.15
当委員会は、拡大カリブ海域内における受入施設提供についての、持続
的かつ実行可能な援助を要請するキューバ声明を銘記した。要請により、
当該声明書は付属 10 として添付されている。
PSSA 提案提出のための指針書案
8.16
当委員会は、第 46 回 MEPC の間、加盟国における最も適切な敏感海域保
護方策の決定を援助する適切な文書作成の可能性を探求する第 4 回通信部
会の設置が不可能と決定されたことを想起した。しかしながら、加盟国は、
今後の MEPC での議論のため、当該文書のための提案提出を求められた。
8.17
米国文書(MEPC 47/8/1)の紹介において、同国は、以下の点を指摘した。
.1
簡潔かつ率直な文書が、本件に関する加盟国への、最も有益な指針提
供の方策となる。
当該文書には、次のものが含まれる。
.2
8.18
.2.1
背景となる情報
.2.2
IMO への提案提出に先だった最初の考慮
.2.3
提出物の一部として仕上げるべき様々な要件に関する解釈
当委員会は、この文書(MEPC 47/8/1)について、米国に感謝の意を表明
した。しかしながら、豪州及びキプロスの提案に従って、この指針案を以
下のように変更することで合意された。
.1
付属の第 1.1 項を次の文章に置き換えるべきこと。
2001 年 11 月、国際海事機関(IMO)総会は、特に敏感な海域(PSSA)
指定の申請に含まれるべき詳細要件を明確にした、決議 A.927(22)を採択
した。この決議については、従来の決議 A.720(17)及び A.885(21)に取って
代わるものであり、PSSA 提案の作成時に従うべきものである。この文書
は、決議 A.927(22)の要件を満足するよう加盟国に助力するため、IMO へ
の PSSA 指定提案についての、準備、起案及び提出への指針を提供してい
53
る。この文書は、当該提案の海洋環境保護委員会(MEPC)による査定及
び承認を促進するための事項を明確に述べている。
.2
第 1.3 項の最初の 2 文及び第 3 文の最初の語句(Additionally)につい
ては、削除すべきである。
.3
当委員会は、第 2.2 項における小さなチームの引用に関し惹起された
疑問に答えて、これは、PSSA として指定されるべき海域のための提案作
成を検討する国内専門家グループを意味しているので、当該文書に明確
に述べられるべきことを銘記した。
8.19
当委員会は、事務局に対し、第 48 回 MEPC における承認のため、米国文
書に基づいた MEPC 回章案の作成を指示した。
9
受入施設の不備
9.1
MEPC は、その第 46 会期において、1999 年のための MARPOL 73/78 の下
の強制報告に関する文書 FSI 9/8 に従って、1 旗国のみが受入施設の不備を
通知した旨の報告を受けた。当委員会は、旗国が受入施設の不備申し立て
の義務を持っていて、寄港国については、当該国における受入施設に関す
る当該国の受入施設の変更又は改善を含む情報提供義務を持っていること
を想起した。
9.2
当委員会は、事務局が、3 加盟国(イラン、スウェーデン及び英国)か
ら、2000 年及び 2001 年のための MEPC/Circ.349 に従った、受入施設の不
備申し立てに関する 10 通の報告書を受け取っている旨を銘記した。当該報
告書の 1 つは、Cayman Island に代わって英国が提出したものである。
9.3
また、当委員会は、附属書Ⅱの下の廃棄物に関する不備申し立てについ
ての情報を含んだ 1 通の報告書、附属書Ⅰ廃棄物のための十分な受入施設
不足申し立てに関する 3 通の報告書を銘記した。また、Galway 港における
施設不備申し立て問題が現在解決済みであるというアイルランド報告書と
共に、附属書Ⅴ廃棄物のための十分な受入施設不足申し立てに関する 6 通
の報告書も銘記した。
9.4
さらにまた、当委員会は、文書 MEPC 47/9/1 で BIMCO が提供した情報
を銘記した。また、利用上欠陥があるか又はあまりにも高価な施設である
場合に、十分かつ余裕のある施設を設置するという MARPOL 73/78 締約国
の伝統的義務を確保するいかなる努力をも支援するという、BIMCO の申し
出に謝意を表明した。
54
9.5
議論に続いて、現行の報告メカニズムは、すべての負担を旗国に負わせ
ているという見解が表明された。当委員会は、報告要件については、
MEPC/Circ.349 第 5 項において、受入施設の不備申し立て報告書は旗国及
び寄港国に送付されなければならず、また、旗国による IMO への通知が要
求されているという点で、明確になっていることを銘記した。残りの問題
点は、当該要件をいかにして履行するかにある。当委員会は、FSI 小委員
会が、このような事項を取り扱うのに適切な組織であることで合意した。
しかしながら、当委員会は、明確な指示を FSI 小委員会に与えるため、MEPC
48 において、不適切な受入施設の報告メカニズムの履行にさらなる検討を
加えることで合意した。
9.6
1 代表団が、申し立てられた不備については、いつ不備として確認される
のかという問題点を惹起した。確立された報告メカニズムに従って、旗国
からの報告に続いて、寄港国により検査後に当該確認がなされることが示
唆された。
9.7
また、文書 MEPC 47/9 における、受入施設の不備申し立て受領報告を要
約した表形式の問題点についても惹起された。寄港国の当該不備報告受領
の有無及び寄港国の応答を表示する欄を含むよう示唆された。
9.8
当委員会は、移動式受入施設の MARPOL 73/78 義務を十分に満足してい
るかどうかの寄港国評価について、MEPC/Circ.349 への応答が若干の矛盾
点を示していることを銘記した。当委員会は、事務局に対し、寄港国応答
の照合時、このことを考慮するよう指示した。
9.9
インド代表団が、当委員会に対し、インド政府が、近いうちに MARPOL
73/78 の附属書Ⅲ、Ⅳ及びⅤを批准すること、また、同国港への受入施設提
供計画を作成中である旨を通知した。
9.10
BIMICO 代表が、文書 MEPC 47/9/1 の紹介において、IMO と同様、BIMCO
会員から港受入施設不備の申し立てに関する多くの報告書を BIMCO が受
け取っていることを指摘した。さらに同氏は、船舶の MARPOL 73/78 遵守
能力については、まずは適切な受入施設利用の可能性に依存することを想
起させた。
9.11
FOEI からのオブザーバーが、BIMCO のような船舶所有者組織に対し申
し立てられた港受入施設不備の詳細に関し、さらに進んで報告するよう強
く奨励した。
55
9.12
当委員会は、加盟国、特に寄港国としての MARPOL 73/78 締約国に対し、
適切な受入施設提供に係る当該国々の条約義務を遂行するよう強く奨励し
た。
10
各小委員会の報告
DSC 6 の結果
10.1
当委員会は、第 6 回 DSC(危険物、固体貨物及びコンテナ)小委員会が、
2001 年 7 月 16∼20 日に開催され、当該会期報告書が DSC 6/15 として回章
に付されたことを銘記した。
10.2
当委員会は、DSE 小委員会から要請された以下の措置事項を検討した。
.1
新船におけるバラスト水及び沈殿物管理選択肢のためのデザイン提言
に係る MSC/MEPC 回章案に関する DSC 勧告
.1.1
当委員会は、議題 2 の下に本件を審議し、当委員会の決定は第 2.55
∼2.58 項に反映されている。
.2
SOLAS の下の IMDG コード(国際危険物海上運送規約)強制化
.2.1
当委員会は、第 73 回 MSC において、SOLAS の下の IMDG コード強
制化について原則的に決定されたこと、また、関連 SOLAS 改正発効日
が 2004 年 1 月 1 日となることを銘記した。このような状況において、
当委員会は、当該コード強制化に係る SOLAS 第Ⅵ及びⅦ章の改正案に
ついては、2002 年 5 月の MSC 75 における採択が期待されていること
を銘記した。
.2.2
加えて、当委員会は、DSC 6 が、SOLAS の下の IMDG コード強制化
時における IMDG コードを通じた MARPOL 73/78 附属書Ⅲ履行におい
ては、特別な運用上の問題点がないことで合意している旨を銘記した。
.2.3
当委員会は、SOLAS 第Ⅶ章改正の結果として、MARPOL 73/78 附属
書Ⅲにおいては、第 1 規則脚注の IMDG コード参照の最新化を除き、
いかなる変更の導入も必要ないという DSC 6 見解を是認した。
海洋汚染物質に関する現状についてのコメント
10.3
当委員会は、DSC から当委員会への委ねられた問題点の 2 つが海洋汚染
56
物質に関連しているので、本件に係る文書 MEPC 47/10/3(英国)の審議が
適切ということで合意した。
10.4
英国が、文書(MEPC 47/10/3)の紹介において、当該文書は広範囲の問
題点及び具体的問題点を含んでいることを指摘した。当委員会は、広範囲
な問題点は、以下の 2 つの問題点に分類することができると通知された。
.1
.2
10.5
IBC コード(危険化学薬品ばら積み運送のための船舶の構造及び設備
に関する国際規則)及び MARPOL 73/78 附属書Ⅱに従った製品の再評価
の完遂については、BLG(ばら積み液体及びガスに関する小委員会)及
び GESAMP/EHS(海洋汚染について科学的観点から助言する専門家グル
ープの、船舶運搬の有害物質危険性評価に関する作業部会)の関連作業、
特に GHS(UN Sub-Committee of Experts on the Globally Harmonised System
of Classification and Labelling of Chemicals)との連絡に関する再吟味が必
要となること。
DSC、MARPOL 73/78 附属書Ⅲ及び GHS の間の関係
具体的問題点に関しては、英国は、MARPOL 73/78 附属書Ⅲ、また、IMDG
コードによる当該附属書の履行、また、IMDG コードにおける海洋汚染物質
の定義とは異なった環境的に危険な製品の規準を定義している GHS 役割に
おける、三者間の相互影響に検討を加えることが必要となる旨を指摘した。
英国惹起の点に答えて、以下の点が主要点として挙げられた。
10.6
.1
MEPC は、GHS が IMO の関心事を考慮に入れ、また、IMO が適切に
GHS の進展に対応できることを確保するため、最も効果的な GHS との
連絡のあり方法を示すよう GESAMP/EHS 作業部会に要請することにつ
いて、検討を加えるべきである。
.2
IMO が、第 46 回 MEPC で勧告された 2001 年 GHS 会合への参加ので
きなかったことに懸念が表明され、今後の当該会合への参加は必須事項
であることが強調された。
.3
他の輸送モードによる採用が予期されている、危険品輸送に関する国
連小委員会(United Nations Sub-committee)が作成中のものと調和させる
ため、MARPOL 73/78 附属書Ⅲ下の海洋汚染物質定義のための規準の再
吟味が得策となる。このような関連性は、MARPOL 73/78 附属書Ⅱの下
の製品分類にとっては、ふさわしくない。
57
10.7
.4
GESAMP/EHS が着手している作業の重要性については、MEPC が従来
から強調しているとはいえ、多くの代表団が、GESAMP/EHS 及び事務局
の作業完遂に必要な財源供給については、IMO では不可能ではないかと
いう懸念を表明した。
.5
GESAMP については、後援機関による再吟味が実施されてきており、
重要な職務を果たしているが、その作業方法については最新化の必要が
あるという結果に至っている。
.6
IMO における EHS 作業部会の重要性を認識しつつ、GESAMP を通じ
た IMO への報告関係について再吟味すべきことが銘記された。
議長が、この件に対する過去の IMO 配慮の不十分性が明らかであること
に懸念を表明した。HNS(危険及び有害物質)海上安全輸送は極めて重要
事項であり、今後この分野に、より一層の努力が求められている。この件
に関する皮きりの意見交換を実施して、当委員会は、この件を次会期の議
題に含むべきことで合意し、会員に対し、将来に向けた提案をするよう要
請した。事務局に対し、GESAMP 評価の下に作成されたものを含む関連情
報を MEPC に提供するよう要請した。
NAV 47 の結果
10.8
当委員会は、第 47 回航行安全小委員会(NAV Sub-Comittee)が 2001 年 7
月 2∼6 日に開催され、文書 NAV 47/13 として報告されていることを銘記し
た。MEPC 関連事項については、MEPC 47/10/1 において特定されている。
10.9
NAV 小委員会が MEPC で審議されるべき事項を具体的にリスト化してい
るわけではないが、当委員会において、以下の事項が審議された。
.1
.1.1
.2
.2.1
総会決議 A.720(17)及び A.885(21)の改正案の再吟味
当委員会は、この件については議題 8 の下に審議されたので、さら
なる議論が行われなかったことを銘記した。
航路選定方法についての改善提案情報
当委員会は、NAV 小委員会が、新たな又は改正された航路選定方法
の提案書における多くの欠点及び誤りを特定し、航路選定方法提案の起
案への助力となる情報提供メモ(NAV 47/13 付属 8)を作成したことを
銘記した。当該メモには、MEPC に関連する以下の 2 項が含まれている。
58
.2.2
1
当該提案には、卓越する気象状況及び海潮流並びに氷密集の可能
性のような、環境要素の関する情報を含むべきである。航路選定シ
ステムについては、主水路の一直線性及び位置並びに航路選定シス
テム自体に頻繁な変化が起こり得る、海底の不安定な場所に設置す
べきでない。
2
海洋環境保護を意図した当該提案のため、当該提案においては、
提案航路選定システムにより関係海域海洋環境への汚染の危険性又
は他の損害の防止又は軽減を合理的に期待できるのかどうか、保護
すべき海域の全体サイズ及び関係海域内に設置された環境的敏感海
域に集合番号を与えるかどうか、また、航路選定システムが航海に
利用可能な海域に不合理に制限を加えることなるかどうかについて
記述すべきである。
当委員会は、この情報を銘記した。また、加盟国においては、船舶
航路選定システムに関する今後の提案作成の際に、この情報を考慮す
べきことで合意した。
DE 44 の結果
10.10 当委員会は、第 44 回船舶設計設備小委員会(DE Sub-Commttee)が 2001
年 3 月 5∼9 日に開催され、その報告書が DE 44/19 として回章に付されたこ
とを銘記した。MEPC 関連するものとして特定される事項については、
MEPC 47/10/2 で報告されている。
10.11 当委員会は、MEPC 46 において、キプロスの提言により、DE 44 に関す
る議論については、MEPC 47 に延期することで合意された旨を想起した。
10.12 当委員会は、DE 44 により要請された以下の措置事項を審議した。
.1
sub-standard 油タンカーの排除を目指した方策提案
.1.1
当委員会は、MSC 73(第 73 回海上安全委員会)が、substandard 船舶
の排除を目指した方策を提案していることを想起した。その内の若干
のものが DE 44 において言及された。
.1.2
当委員会は、DE が、この件に関する文書 DE 44/2/2 を検討し、DE 44/19
第 2.7 項に反映されている 8 つの方策を審議に付す提案をしたことを銘
記した。
59
.2
MARPOL 73/78 附属書Ⅵ遵守決定のための燃料油サンプリング・ガイ
ドラインに関する MEPC 回章案
.2.1
当委員会は、この件については、議題 4 の下に議論されたことを想
起し、さらに議論をしなかった。
.3
ビルジ水処理システム全体を含むための、決議 MEPC.60(33)改正範囲
の拡大
.3.1
当委員会は、DE 44 が、ビルジ水処理システム全体を含むため決議
MEPC.60(33)改正範囲を拡大するという日本提案(DE 33/11 付属第 1.5
及び 6.3 項)について検討したことを銘記した。しかしながら、DE 委
員会は、この件については DE への付託事項の範囲外と考慮し、MEPC
に対し、この件に関する指針提供を要請している。
.3.2
当委員会は、日本が、この特殊な問題を取り扱った文書 MEPC 47/10/4
で、決議 MEPC.60(33)改正に関するコメント及び提案を提出したこと
を銘記した。
.3.3
日本は、この提出文書の関連部分の紹介において、次の点を指摘し
た。
.3.4
.4
.1
既存ろ過設備は、海洋への油の不法排出をもたらす運用及び維持
問題を抱えている。
.2
新世代のビルジセパレーターでさえも、機関スペースに溜まった
ビルジ水のすべてを処理できない。
.3
結果として、日本は、機関スペースからの油汚染防止は、ビルジ
セパレーター利用だけの範囲を越えているので、改正決議
MEPC.60(33)に、開発されたメカニズムを含むべきと考慮している。
当委員会は、これらの点を審議して、DE 小委員会に対し、いかなる
改正も新船のみに適用されることを認識して、決議 MEPC.60(33)の適切
な拡大に関する勧告作成を目指し、日本指摘の点について検討するよう
指示した。
新船における、ビルジ水中の油濃度を記録するための記録装置の設置
及び使用を MARPOL 73/78 附属書Ⅰの下に強制化し、記録装置について
は開封できないものとする勧告、また、適切な措置
60
.4.1
当委員会は、この問題が、文書 MEPC 47/10/4 の第 10 項で取り扱わ
れていることを銘記した。また、新船におけるビルジ水中の油濃度を
記録するための記録装置の使用については開封できないものとし、か
つ、強制化することで合意した。結果として、DE 小委員会に対し、こ
のことを考慮するよう指示した。
.5
油含有量決定のための統一基準方法
.5.1
当委員会は、DE 44 が、ほとんどの国々については、適切な国内法に
取り入れられた水中油含有量決定のための試験方法を持っていること
を指摘している旨を銘記した。これら試験方法については、決議
MEPC.60(33)に示されている試験方法から取り入れられているとはい
え、それぞれ異なっているので、試験結果を比較する手段を提供する
単一 ISO 試験を持つことが有益となる。
.5.2
国際標準化機構(ISO)が、同機構文書 MEPC 47/10/5 の紹介におい
て、次の点を指摘した。
.5.3
.1
決議 MEPC.60(33)で目下明示されている四塩化炭素利用に依存す
る油含有量決定のための IR 法については、四塩化炭素が、オゾン層
を破壊する物質に関するモントリオール議定書の下の規制物資とし
て Group Ⅱの Annex B にリストアップされており、もはや容認でき
ない方法になっている。
.2
1 つの代替肢として、ISO 9377-2 は、Gas Chromatography(GC)法
を利用しており、また、若干の国々で沖合での適用のため採用され
ているので、船上ビルジ水監視への適用に適しているのではないか。
当委員会は、これらの点を銘記して、DE 小委員会に次の事項を指示
した。
.1
ISO 9377-2 が、すべての状況を十分かつ広範囲にカバーするもの
であるかどうかの決定
.2
時代遅れのシステム引用の削除検討
.3
2 つの分析方法から得られたデータの比較
.4
検討結果の MEPC への報告
61
.6
.6.1
11
氷で覆われた北極水域航行船のためのガイドラインに関する
MSC/MEPC 回章案
当委員会は、これらのガイドライン作成については、既に MSC が
DE に指示していることを銘記した。DE は、これらのガイドライン作
成において、MEPC に関連する若干の要素を含んでいる。これらの要
素については、MEPC 43 で審議されている。
.6.2
当委員会は、この件に係る進捗状況を銘記した。
.7
油水分離器の最小処理容量問題
.7.1
当委員会は、MEPC 45 において、インドが、個々の船舶に設置され
ることが要求される油ろ過装置容量の選択肢のためのガイドラインが
存在しないので、この点は造船所に委ねられている旨を指摘したこと
を想起した。結果として、インドは、DE 44 での検討のため、MARPOL
73/78 附属書Ⅰ第 16 規則の解釈案作成を要請した。
.7.2
当委員会は、DE が、この問題を検討し、また、水からの油除去関連
の新技術出現を考慮に入れて、油水分離器による最小処理容量問題に
ついては、国内主官庁に委ねることが最良ということで合意した旨を
銘記した。
.7.3
当委員会は、一定の船舶のための最も適切な設備の決定において、
若干の国々がその困難性に直面することを認識して、会員に対し、他
の主官庁を支援するため、油ろ過装置容量選択肢に関する情報文書を
DE に提出するよう要請した。
.8
船上焼却炉基準の詳細に関する決議 MEPC.76(40)
.8.1
当委員会は、この件については、既に議題 4 の下に議論されている
ことを想起した。
他の委員会等の作業
第 86 回理事会の結果
11.1
当委員会は、第 86 回理事会が 2001 年 6 月 18∼22 日に開催され、その決
定事項の要旨が C86/D として発刊され、MEPC 関連事項については文書
MEPC 47/11 に要約されていることを銘記した。
62
11.2
当委員会は、文書 MEPC 47/11 で特定されている事項に基づいて、以下の
事項を銘記した。
.1
2002 年の MEPC による確認を条件として、2003 年のバラスト水管理
に係る 5 日間会議の開催に原則的合意を与えるという理事会への MEPC
勧告について、理事会が、理事会議題 10 の下にさらに審議すべきと銘記
したと。
.2
理事会が、MSC の同意見勧告を条件として、2002 年の ESPH(Working
Group on Evaluation and Pollution Hazards of Chemicals )中間期会合の開催
を承認したこと。
MSC 74 の結果
11.3
当委員会は、第 74 回 MSC が、2001 年 5 月 30 日∼6 月 8 日に開催され、
その報告書が、文書 MSC 74/24 及び MSC 74/24/Add.1 として発行されたこ
とを銘記した。バラスト水、Formal Safety Assessment(FSA)及び人的要因
の役割に関する事項以外の MEPC 関連事項については、文書 MEPC 47/11/1
の下で報告されている。
11.4
当委員会は、国際安全管理コード(ISM Code)に関連して MSC 74 でと
られた措置として、以下の事務局提供情報及び MEPC 47/11/1 における特定
事項を銘記した。
.1
ISM コードの最終的実施日を、2002 年 7 月 1 日とすること。
.2
2001 年 10 月現在、証書の必要性が特定されている船舶 13,000 隻の内、
証書を発行されたものは、約 6,000 隻のみであること。
.3
結果として、海運会社及び船舶の 2002 年 7 月 1 日までの証書所持義務
について、関係者に思い起こさせるため、2002 年 1 月 3 日付けで
MSC/Circ.1020-MEPC/Circ.387 が発行されたこと。
当委員会は、各代表団に対し、最終締切日までに十分な ISM 証書保持を
確保することに全力を注ぐよう要請した。
LEG 83 の結果
11.5
当委員会は、第 83 回法律委員会(LEG 83)が、2001 年 10 月 8∼12 日に
63
開催され、その報告書が文書 LEG 83/14 として発刊されたことを銘記した。
さらに、当委員会は、MEPC 関連事項については、文書 MEPC 47/11/2 にお
ける LEG 作業計画に、難破船撤去条約案の作成及び避難場所問題を含み、
特定されていることも銘記した。
A 22 の結果
11.6
当委員会は、第 22 回総会(A 22)が、2001 年 11 月 19∼30 日に開催され、
その会合の要約が文書 A 22/11 で報告されていて、MEPC 関連事項について
は文書 MEPC 47/11/3 で報告されていることを銘記した。
11.7
当委員会は、MEPC 47/11/3 の第 3 項で示されているように、以下の
MARPOL 73/78 改正が MEPC で採択されたことを総会が銘記した旨を銘記
した。
.1
附属書Ⅰ第 13G 規則
.2
附属書Ⅲの付録
.3
附属書Ⅴ
TCC 49 及び TCC 50 の結果
11.8
12
当委員会は、第 49 回技術協力委員会(TCC 49)が 2000 年 11 月 15∼16
日に、また、その第 50 回委員会が 2001 年 6 月 21 日に開催され、それぞれ
の会合の報告書が、TC 49/11 及び TC 50/11 として別々に回章に付されたこ
とを銘記した。また、当委員会は、MEPC 関連事項については、文書 MEPC
47/11/4 の中で特定されていることも銘記した。
MARPOL 73/78 及び関連コードの実施及び施行の促進
MEPC/Circ.380 の結果
12.1
当委員会は、前回の MEPC が、 MARPOL 附属書Ⅳ締約国の管轄下水域
内での汚水排出及び当該国における利用可能な汚水受入施設に関する当該
国からの IMO への情報 に関する MEPC 回章を承認し、事務局に対し、可
及的速やかに回章に付し、かつ、MARPOL 附属書Ⅳの改正がいつ効力を生
じようとも、その履行促進を目的として、当該回章を通じて収集された情
報を今後の会期に報告するよう要請したことを想起した。
64
12.2
当委員会は、文書 MEPC 47/12 及びその追録で報告されているように、7
つの MARPOL 附属書Ⅳ締約国(アルゼンチン、ブルガリア、エクアドル、
エストニア、ドイツ、リトアニア及びスウェーデン)、3 つの非締約国(豪
州、シンガポール及びバヌアツ)、また、準加盟メンバーの香港(中国)か
らの、MEPC/Circ.380 への返答を銘記した。
12.3
また、当委員会は、ロシアからの MEPC/Circ.380 への返答を銘記した。
当該返答は、ロシアが、同国管轄下水域における船舶からの汚水排出に関
する規則を持っていることを報告し、当該規則を概説し、また、船舶から
の汚水受入施設が同国港にあることを報告している。
12.4
議長が、すべての MEPC/Circ.380 への返答国に対し謝意を表明し、MEPC
48 での審議のため、より多くの国々の MEPC/Circ.380 への返答を要請した。
12.5
MEPC/Circ.380 付録の.3 についての、さらなる明確化を指摘した豪州の要
求に従って、当委員会は、私的契約者による船舶からの汚水受入措置を講
じていて、港内に当該廃棄物を受け入れる固定受入施設を持たない国々に
よる MEPC/Circ.380 付録の.3 への前向な対応を確保するために、当該明確
化が必要となることで合意した。
12.6
当委員会は、船舶からの汚水による汚染防止に関する附属書Ⅳの採択後
ほぼ 29 年を経過して、世界総トン数 46%を占める 85 ヶ国が批准している
事実にもかかわらず、50%総トン数規準を満たしていないため、付属Ⅳが
いまだに発効していないことを想起した。当委員会は、附属書Ⅳによる制
限を緩和し、可及的速やかな発効の機会を増すことを目指した附属書Ⅳ改
正文の MEPC 44 による承認以来、附属書Ⅳを批准した国が 5 ヶ国のみであ
ることを銘記した。また、当委員会は、議長が表明した、若干の国々によ
り特定された批准への障害を除去したが、当該諸国はいまだに附属書Ⅳを
批准していないことへの懸念を銘記した。この点に関して、議長は、まだ
附属書Ⅳを批准していないすべての国々に対し、可及的速やかに批准する
よう強く強調した。
12.7
このような状況において、当委員会は、次会期 MEPC 以前のノルウェー
による批准を目指した、MARPOL 附属書Ⅳ批准の意向に関する同国代表団
提供の情報を銘記した。また、当委員会は、シンガポールが附属書Ⅳの批
准を進めていることも銘記した。
12.8
当委員会は、より多くの国々による MARPOL 附属書Ⅳ批准を奨励するた
め、事務局に対し、改正 MARPOL 附属書Ⅳの利点を各国に書面通知するよ
う要請した。
65
ROPME 海域における海洋環境保護に関する ROPME/MEMAC の活動
12.9
当委員会は、文書 MEPC 47/INF.15 において ROPME/MEMAC(海洋環境
保護地域機関/海洋緊急時相互援助センター)が提供した、ROPME 海域に
おける海洋環境保護に係る ROPME/MEMAC 活動、すなわち、受入施設提
供を含む MARPOL 批准及び履行関連活動、OPRC 行動方針並びに Port State
Control についての活動に関する情報を銘記した。当委員会は、ROPME 海
域のための活動計画が、ROPME 諸国による批准目標日を 2002 年 7 月に設
定しており、当該諸国の内のいくつかは目標日を満足するものと予想され
ていることを銘記した。当委員会は、ROPME/MEMAC の情報提供に謝意を
表明し、他の諸国に対し、当該諸国又は地域における MARPOL 及び関連コ
ードの実施及び施行に関連する活動についての情報提供を要請した。
MARPOL 附属書Ⅴ及び海洋廃棄物(Marine Debris)
12.10 当委員会は、前会期 MEPC の要請に従って、事務局が、2000 年 8 月にハ
ワイで開催された放棄漁具及び大洋環境に関する会議に関する米国提供情
報(MEPC 46/INF.8)について、食糧農業機関(FAO)に注意喚起したこと
を銘記した。
12.11 当委員会は、前会期 MEPC が、加盟国に対し、MARPOL 附属書Ⅴ実施の
ためのガイドラインの至る所、特に第 2.2 項及び 2.2.4 項に指摘されている
加盟国義務の再吟味を要請し、また、進行中の附属書Ⅴ効果査定のため今
後の MEPC にさらなる文書を提出するよう要請したことを想起して、放棄
漁具を含む marine debris を取り扱っているこの件に関し、何の提出もなか
ったことを銘記した。当委員会は、この件を再吟味事項のままとし、今後
の MEPC 議題に残しておくことで合意した。
13
RIO+10 の準備
13.1
当委員会は、MEPC 46 において、持続可能な開発に関する国連委員会
(CSD)に対する IMO の 3 番目の報告書案が議論され、MSC 及び TCC(技
術協力委員会)の検討により若干の修正が必要となることを認識して、原
則的に承認されたことを想起した。
13.2
当委員会は、MSC 74、TCC 50 及び LEG 86 からの検討結果の考慮後に最
終報告書が CSD に提出され、また、CSD が、持続可能な開発に関する世界
首脳会議(WSSD)のための背景情報文書として発刊していることを銘記し
た。
66
13.3
当委員会は、IMO 事務局が、WSSD 第 2 回準備会合(PrepComⅡ)に参
加し、IMO 報告書を提出するという報告を受けた。
さらにまた、当委員会は以下の事項を銘記した。
13.4
14
.1
WSSD が、2002 年 8 月 26 日∼9 月 4 日の間に予定されていること。
.2
国連事務総長の WSSD への報告書案及び PrepComⅡにおける議論に
従って、WSSD は、Agenda 21 の再協定ではなく、Agenda 21 の実施を妨
げる大きな束縛を検討し、貧困根絶、健康、エネルギー、清水、財源、
技術移転及び持続可能な開発のための国際統治システム強化を含む、多
くの優先事項処理ための具体的方策について決定することになる。
.3
多くの国々並びに IMO 及び UNESCO-IOC(国連教育科学文化機関-政
府間海洋学委員会)を含むいくつかの国連機関が、WSSD の焦点事項と
して海洋関連問題を含むべきという見解を表明した。IMO 事務局が、後
に続く会期の準備委員会に参加し、その結果を MEPC に報告する予定で
ある。
公式安全性評価及び人的要因の将来の役割
14.1
当委員会は、前会期において、人的要因及び総合的安全性評価に関する
MSC/MEPC 共同作業部会が 2001 年 5 月の MSC 74 の間に会合し、総会決議
A.900(21)の指図により、人的要因の役割を MEPC の優先議題として継続す
べきことで合意した旨を想起した。
14.2
当委員会は、当該作業部会が、MSC 74 の間に会合し、MSC が、文書 MEPC
47/14 の第 4∼16 項及び MEPC 47/14/1 の第 4∼14 項でそれぞれに報告され
ているような、人的要因及び総合的安全性評価関連措置をとったことを銘
記した。
14.3
当委員会は、人的要因の役割に関する当該共同作業部会報告書(MSC
74/WP.10)を審議した。また、
.1
MSC 74 が、MSC/Circ.1014 として配布した、疲労の緩和及び管理指針
(MSC 74/WP.10 の第 5 項及び付属 1)に関する MSC 回章案を承認した
ことを銘記した。
.2
訓練当直規準小委員会(STW)が検討すべき、必要な疲労関連強制訓
67
練の特定についての今後の当該共同作業部会作業計画への包含を審議す
ることで MSC に同意した。
.3
MSC/Circ.1014 として配布されたニアミス報告に関する MSC 回章案
(MSC 74/WP.10 の第 10 項及び付属 2)について、MSC 74 が承認したこ
とを銘記した。
.4
三者間ベースとして、ILO(国際労働機関)メンバーを今後の当該共同
作業部会に招請するという MSC 74 見解(MSC 74/WP.10 第 12 項)に同
意した。
.5
小委員会による HEAP(人的要因解析手順)利用実例の開発に関連し
て、STW 32 が提唱した HEAP 適用についての見解(STW 32/16 第 13.5
項)を銘記した。
.6
IMO 規則作成プロセスにおける、HEAP 及び公式安全性評価の利用指
針に関する MSC/Circ.1022- MSC/Circ.391 を承認した。
.7
14.4
当委員会は、公式安全性評価に関する当該共同作業部会報告書(MSC
74/WP.19)を審議し、
.1
IMO 規則作成プロセスにおける利用のための、FSA ガイドラインに関
する MSC/Circ.1023- MSC/Circ.392(MSC/WP.19 の第 4 項及び付属)を承
認した。
.2
IMO 規則作成プロセスのための FSA、HEAP、祖父条項等の利用に関
する指針を作成し、必要な措置をとるべきという当該部会見解
(MSC/WP.19 第 7 項)を是認した。
.3
FSA のための訓練パッケージ作成に関する当該部会見解(MSC/WP.19
第 9 及び 10 項)を銘記した。
.4
FSA に関する今後の活動に関する当該部会見解(MSC/WP.19 第 13 及
び 14 項)に同意した。
.5
14.5
当該共同作業部会報告書について、全般的に承認した
当該共同作業部会報告書について、全般的に承認した。
当委員会は、MSC/MEPC 共同作業部会が、MSC 75(2002 年 5 月 15∼24
68
日)の間開催されることを銘記し、加盟国に対し、MSC 代表団の中に海洋
環境保護に関する専門家を加えるよう強調した。
14.6
さらに、当委員会は、FSA ガイドラインについては既に最終化され、両
委員会で承認されているので、MSC 75 における MSC/MEPC 共同作業部会
においては、人的要因関連事項のみが検討されることを銘記した。加盟国
政府及び非政府機関に対し、FSA を必要と考える場合には、FSA を適用す
るよう要請した。
15
1973 年公法議定書関連事項
15.1
当委員会は、MEPC 46 において、事務局が、GESAMP Hazard Profiles は
もちろん、MARPOL 73/78、IBC、IGC、IMDG コード等、他の IMO 法規及
び コ ー ド に よ り 遵 守 か つ 維 持 さ れ て い る リ ス ト に 基 づ い た 1973
Intervention Protocol(1973 年公法議定書)に附属の物質リスト改正案 を
提出したことを想起した。MEPC 46 は、当該リスト維持に付随する問題を
銘記しつつ、MEPC 47 に議論を延長することで合意した。また、事務局に
対し、公法議定書でカバーされているケミカルに関する情報の維持につい
ての最も迅速な手段を確保するため、規準及び法規を誠実に参照した上で、
1973 年公法議定書改正案を作成するよう指示した。
15.2
当委員会は、1973 年公法議定書附属書の改正(replacement)提案(MEPC
47/15、付属 1)及び当該変更文採択に関する MEPC 決議案(MEPC 47/15、
付属 2)の検討を要請された。
15.3
オランダ代表団が、文書 MEPC 47/15 付属 1 に記載の 1973 年公法議定書
附属書の改正提案を支持し、付属 1 第 1.4 項を以下の文章と取り替えるよう
提案した。
type B package 若しくは type C package として又は核分裂性物質として、
あるいは IMDG コードの class 7 の表 10∼14 の規定によりカバーされる特
別の措置の下に輸送される放射性物質
15.4
15.5
当委員会は、当該オランダの修正提案に同意した。
上述の決定をし、かつ、1973 年公法議定書第 1 条第 2(a)項に従った当該
議定書下の物質リストを、また、 油以外の物質による汚染の場合における
公海に関する公法に関連する議定書に付属されるべき物質リストの改正
に関する MEPC 決議案を再吟味して、当委員会は、
69
15.6
.1
1973 年公法議定書下のプロダクト特定における望ましい方策として、
当該附属書の再構成に同意した。
.2
事務局に対し、すべての IMO 加盟国への回章のための改正提案を編入
した、1973 年公法議定書の既存附属書の最終改正版を作成するよう要請
した。
.3
また、事務局に対し、MEPC 48 における 1973 年公法議定書の既存附
属書への改正提案採択に用いるべき修正提案を編入した、当該 MEPC 決
議最終案を作成するよう要請した。
1973 年公法議定書の既存附属書への改正提案の文案については、付属 6
に記載されている。
16
技術協力計画
16.1
この議題の下に、当委員会は、事務局文書 MEPC 47/16 及び MEPC 47/16/1
を事前に受け取っていた。また、当委員会は、他の 3 つの本件関連事務局
文書にも留意した。これらの文書は、今会期議題 5 及び 11 の下に刊行され
ている(MEPC 47/5/5、MEPC 47/5/6 及び MEPC 47/11/4)。
16.2
議長は、この事項の紹介において、2000∼2001 年 ITCP(統合技術協力計
画)に大きく関連している文書を想起した。これらの文書は、MEPC 45 以
来の当該計画実施について報告している。議長は、公式かつ半永久的な記
録として、当該文書が作業評価及び ITCP 長期計画立案ガイドのための手段
について提供していると述べた。さらに、議長は、当委員会に対し、ITCP
の発展に向けた勧告及び指針を提供するよう奨励した。
16.3
当委員会は、ITPC への MEPC の関与を包含した 2004∼2005 年 ITCP につ
いては、2002 年 11 月の第 52 回技術協力委員会(TCC 52)で審議されるこ
とになるという報告を受けた。当委員会は、2004∼2005 年 ITCP への MEPC
の関与の基本となるべき論題の優先度については、最近浮上している多く
の新事実の観点から最新化する必要があることに注目した。これらの中に
は、船舶有害防汚システム管理国際条約の、また、特別海域及び特に敏感
な海域(PSSA)の特定及び保護に関するガイドラインの採択が含まれる。
第 48 回 MEPC において、MEPC 計画に関する専門委員会を持つ必要性も
指摘された。専門委員会の設置は、事務局が作成する論題優先度の改正案
及び 2004∼2005 年 ITCP への MEPC 関与の承認に実現性を与えることにな
る。
70
16.4
当委員会は、TCC 47 が、ITCP(統合技術協力計画)の定期的影響評価演
習(IAE)に用いられる構成、方法論及び財源に関する事務局提案について
吟味かつ承認していることを銘記した。4 年毎に実施される当該演習の目
的は、将来の ITCP を能率的かつ効果的なものとする ITCP 再調整を可能に
させるため、受入諸国に関する ITCP 評価を決定することにある。海洋環境
保護に焦点を合わせた 2004 年に実施の次回 IAE に対し、MEPC 提案をす
るよう勧告された。当該勧告の趣旨は以下のとおりである。
主題となる区域についての IMO の技術的目的への関連性、また、
発展途上国における必要性の優先度
(2) ほとんどすべての発展途上地域への適応性
(3) 総体的 IMO-ITCP における関連プロジェクトの規模及び数の重要性
(1)
さらにまた、当委員会は、受入諸国からの、IMO から受けた技術支援結
果の feedback についての重要性を銘記した。このことは、技術協力の効果
への意義深い貢献要素となる。この件に関し、議長は、加盟国に対し当該
feedback 提供を強調している採択決議 A.873(20)に言及した。
16.5
当委員会は、文書 MEPC 47/16 及び MEPC 47/16/1 を銘記し、MEPC 45 に
おいて、ITCP 活動実施に関する最新報告がなされていることを想起した。
さらに、当委員会は、当該会期以降の主な達成事項に、OPRC 及び MARPOL
を含む海洋環境保護に関するセミナー/ワークショップ/訓練コースにおけ
る職員の訓練、MARPOL 及び OPRC の履行のための戦略的行動計画となる
ような発展途上地域活動を通じた地域協力の助長及び向上、油汚染処理の
ための地域対応計画、並びに港湾運営のための環境管理ガイドラインが含
まれていることを銘記した。
16.6
また、当委員会は、当該セミナー、ワークショップ及び訓練コースの主
目的の 1 つが、関連 IMO 法規の地球規模の受諾及びその効果的履行の達成
にあることを想起した。
16.7
TCD の Senior Deputy-Director が、IMO 法規の地球規模実施における影の
推進力としての ITCP(統合技術協力計画)の役割に関する情報を提供した。
影響評価演習(IAE)の目的を想起して、また、GEF が UNDP、UNEP 及び
世界銀行と協力して資金供給している PEMSEA、GloBallast 及び各プロジ
ェクトのような大計画については、それら自身が評価機能を持っているこ
とに留意して、海洋環境保護の優先度の高い区域に焦点を合わせた次回
IAE に参加するという MEPC 提言を、TCC 審議のため TCC に提出するこ
とに保障が与えられた。(PEMSEA: GEF/UNDP/IMO Regional Programme on
Partnerships in Environmental Management for the Seas of East Asia)
71
TCD としては、これらの努力と重複するつもりはない。さらに、同氏は、
ITCP 引渡し過程の効果改善を前提として、ITCP 実施における事務局をプ
ロジェクトベースから計画ベースのアプローチに移行する旨を述べた。ま
た、同氏は、米国における 2001 年 9 月 11 日のテロ襲撃に言及し、 海洋安
全保障のための適応力構築 に焦点を合わせた計画の開発についての報告
をした。これは、乗客、乗組員及び船舶の安全保障への脅威となるテロ行
為防止の方策及び手順の再吟味を求めている IMO 決議 A.924(22)を遂行す
るものである。この将来の計画の目的は、海上及び港湾区域内の船舶、乗
客及び乗組員並びに港湾及び港湾職員に対するテロ行為を防止かつ鎮圧す
ることについて、政府及び産業界に助力することにある。
16.8
議長は、IMO 作業における技術協力の重要性を想起して、メンバー諸国
に対し、ITCP の開発及び引渡し改善のための勧告及び指針を持って、MEPC
48 に臨むよう強調した。
16.9
多くの代表団が、この議題に関心を抱き、関連文書及び ITCP を通じた
IMO 提供の援助に謝意を表明した。
16.10 さらに、当委員会は、表明された以下のコメント及び見解を銘記した。
.1
シンガポール代表団が、第三国訓練計画に関する IMO/シンガポール
MOU に言及し、IMO-ICTP への支援を継続し、可能な範囲内での助力を
提供するという積極的意向を表明した。
.2
パナマ代表団が、MARPOL 73/78 条約履行のための REMPEITC-Carib
を通じて IMO から受けた支援に対し、賞賛の意を表明した。船舶有害防
汚システム管理国際条約及び PSSA ガイドラインの採択を含む、新たな
発展に結びつく発展途上国への技術援助をも取り扱っている ITCP の必
要性が認識されている。
.3
フィリピン代表団が、IMO 提供の重要な技術支援、具体的には、関連
法令の起案を含む IMO 条約の履行に関し、感謝の意を表明した。この点
については、国家政府における異なったレベルの法律職員のための訓練
計画に焦点を合わせた発展及び履行が示唆された。同国代表団は、PSSA
関連事項についての訓練計画又はワークショップが、同国にとって必要
であることを表明した。
.4
発展途上国におけるバラスト水制御及び管理方策の効果的実施のため
の障害除去に関するプロジェクトについての文書 MEPC 47/16/1 に関連
して、当該プロジェクト諸国については、それら諸国の地域における他
72
の国々にも、当該諸国の経験を分け与えるよう奨励されている。将来の
バラスト水条約が採択されかつ発効した場合の、その履行における技術
支援の必要性が強調された。
16.11 議長が、その要約において、ITCP(統合技術協力計画)の三者間(受領
者/提供者/IMO)の本質を想起し、財源提供者及び受領者に対し、最大限の
プログラムが成功裏に引き渡されるように、費用負担面での貢献により、
IMO 自身の ITCP への関わりに参画するよう強調した。また、議長は、IMO
作業の不可欠な部分である技術協力の重要性についても強調した。さらに、
議長は、ITCP 活動の効果的かつ時宜を得た引渡しに関しては、加盟国、受
益者及び提供者からの十分な支援を必要としているという事実について力
説した。
16.12 当委員会は、以下の措置をとった。
.1
MEPC 45 以来実施されてきた技術協力に関する提供情報を銘記した。
.2
事務局に対し、新たな開発を考慮に入れた論題優先度を最新化し、2004
∼2005 年の総体的 IMO-ITCP への MEPC 貢献を準備するよう指示した。
また、MEPC 48 が、改正論題優先度及び新たな 2004∼2005 年 ITCP への
MEPC 貢献を承認するため、その議題に技術協力(TC)を含むことで合
意した。
.3
次回 IAE(Impact Assessment Exercises)を、海洋環境保護優先性が論
題となる区域に焦点を合わせ、2004 年に実施することを勧告した。
17
委員会ガイドラインの適用
17.1
当委員会は、MEPC 46 において、委員会ガイドライン第 28 及び 29 項の
改正に関連した MSC 73 の決定に同意したことを想起した。
また、MSC が、
当該ガイドラインのために、とりあえずは、これらの修正及び改正につい
て、MSC 報告書(MSC 73/22)付属 33 に記載の追加改正と共に、適切な参
照及び適用のため、委員会報告書に添付することを決定している旨も想起
した。これらについては、改正ガイドラインの新たな一式を正当化するた
め、後日さらなる意義深い改正が承認された段階で、当該ガイドラインに
編入されなければならない。
17.2
議長が、当委員会に対し、今会期のための多くの文書が、締切日当日に
提出されていることを通知した。このことが委員会指針に沿ったものであ
るとはいえ、他の代表団がより多くの時間検討し、かつ、会合時の議論を
73
促進できるようにするため、今後の MEPC については、代表団によるでき
る限り早期の文書提出が強く望まれる次第である。
18
委員会及び下部組織の作業計画
小委員会の再構築
18.1
当委員会は、MEPC 44 が、IMO 事務局組織の見直しがまだ完結していな
いことを銘記した一方で、小委員会の能率及び効果向上を目的として、MSC
及び MEPC 両議長による小委員会機構見直しについて、今後の長期的に検
討するよう提議したことを想起した。この提案は、MSC 73 で注目され、以
下で合意された。
.1
短期的には、MSC/MEPC 両議長は、MEPC 46 及び MSC 74 による審議
のため、小委員会の再構築検討のための付託事項を作成しなければなら
ない。
.2
長期的には、両議長は、MEPC 46 及び MSC 74 における審議結果に基
づいて、第 22 回総会による審議のため、小委員会機構改正を実施し、よ
り良い方向を確認するための作業計画案を作成しなければならない。
18.2
また、当委員会は、前回の MEPC において、発言者の大多数が、MSC 及
び MEPC 両議長提案の付託事項案を支持したことを想起した。
18.3
当委員会は、MEPC 47/18 で報告されている、委員会及び小委員会機構に
関する MSC 74 における審議結果、特に、MSC 及び MEPC 両議長が以下の
ことを請負うという MSC 74 の要請を銘記した。
18.4
.1
第 22 回総会(2001 年 11 月開催)による審議のため、委員会及び小委
員会の機構改正の実施並びにより良い方向性確認のための作業計画案を
含んだ文書を作成すること。
.2
第 22 回総会における承認及びコメントに従って、MSC/MEPC 両議長
に、FAL 委員会議長及び MSC 75(2002 年 5 月開催予定)に関連する各
小委員会議長を加えた会合を準備すること。
.3
MSC 76 及び MEPC 48 による審議のための前述作業計画の履行に関す
る文書を準備すること。
また、当委員会は、文書 MEPC 47/18/2 で報告されている小委員会機構の
74
見直しに関する第 22 回総会の結果、特に以下の事項を銘記した。
18.5
.1
MSC 及び MEPC で同意され、理事会により承認された行動方針を是認
したこと。
.2
可能性のある見直し履行に関する新たな第 3 及び 4 項を含む小委員会
機構見直しのための委託事項について、改正かつ是認したこと。当該改
正委託事項については、MEPC 47/18/2 付属 1 に記載されている。
.3
小委員会機構改正のための作業計画を承認したこと。当該改正作業計
画については、MEPC 47/18/2 付属 2 に記載されている。
.4
MEPC 47/18/2 付属 2 に記載されている、検討のための提案又は提議の
梗概を承認したこと。
さらにまた、当委員会は、MSC/MEPC 両議長による共同文書(MEPC
47/18/4)に記載の、若干数の考え方を提案している情報を銘記した。これ
らの考え方は、可能性のある技術小委員会の再構築及び作業に関するもの
で、必ずしも本文書作者の見解ではない。当委員会は、当該文書 MEPC
47/18/4 で提供されている以下の情報について特に銘記した。
.1
当該文書が、決定手順における最大限可能な関与を助長すると同時に、
加盟国の特権及び権利を考慮した、IMO の能率的かつ効果的作業性向上
の根本方針を先導するよう作成されたこと。
.2
技術小委員会の再構築及び作業の実施においては、技術小委員会機構
改正の検討に限るべきではなく、最大限達成可能な能率性かつ効果性を
伴った IMO 作業を、いかにして実施するのかについての検討も視野に入
れるべきであること。IMO がこれらについて承認した場合、作業の構成
及び方法に関するガイドライン(MSC/Circ.931 及び MEPC/Circ.366)の
変更が必要となる。
.3
若干数の当初の目的を特定し、目下制定されている作業方法を議論し、
かつ、可能性のある小委員会の再指定のための若干数の考え方を議論し
て、結論に至った文書
.4
議論を活発化させるため、MEPC に提出された文書内におけるコメン
トに加えて、理事会及び 2001 年 11 月の総会に提出された文書 A 22/9/1
−A 22/11/1。当委員会については、当時の段階では、当該 MEPC 文書に
記載のコメントのいかなるものついても、是認及び/又は履行を求められ
75
ていたわけではない。
18.6
MSC 議長 T. Allan 氏は、共同文書(MEPC 47/18/4)の紹介において、当
該共同文書に関する提議及び見解については、単に議論の基礎を示したも
のにすぎず、必ずしも同議長からの提案を示したものではないことを強調
した。また、より高い効率性を目指した改善を活動目的とすべきであり、
再構築自体を最初からの究極的目的とすべきでないことも強調した。
18.7
当委員会は、文書 MEPC 47/18/4 の再吟味において、MSC 及び MEPC 両
議長に対し、非常に有益な提出文書であり、かつ、以下の一般的コメント
を提供していることについて、感謝の意を表明した。
18.8
.1
IMO は効率的に作業を遂行しているが、改善の余地もある。その効率
性については、各委員会及び各小委員会の適切な運営を通じ、また、そ
れらのの作業方法により改善されるべきである。
.2
改善された効率性については、すべての加盟国の決定プロセスへのよ
り広範な参画を促進するものであり、必ずしもより迅速な規則策定を伴
うものではない。
.3
最新通信技術が、効率性向上及びすべての加盟国参画のために用いら
れるべきである。
.4
緊急事項と、より緊急性の少ない事項とを区別し、バランスのとれた
アプローチを用いるべきである。
.5
問題点解決のための手段を検討するのに先だって、まずは問題点を明
確化すべきである。
.6
作業方法については、既存の小委員会構成の下に改善可能である。作
業方法改善のプロセスについては、元々の予定に先だって今すぐにでも、
トライアルベース如何を問わず、加速されるべきである。
両議長文書(MEPC 47/18/4)における具体的な点に関し、多くの代表団
がコメントした。議論の間惹起された主な問題点は、以下のとおりである。
.1
多くの代表団が、第 4 項に列挙されている当初の目的、特に、安全及
び環境に責任を果たす独立した委員会の必要性について支持した。
.2
大多数の代表団が、起案部会については、加盟国事項等、若干数の論
76
争の的となる起案作業を解決する必要性がある部会なので、事務局が部
会長を努めるべきではないという見解であった。1 代表団が、並行的技
術事項の場合、事務局による部会長を考慮すべきことを指摘した。
18.9
.3
第 12 項に関しては、いくつかの代表団が、e-mail 及びビデオ会議の利
用の調査について支持した。しかしながら、 談話室(chat rooms) 提案
に関しては、慎重論が表明された。発言した代表団の大半が、現行の作
業及び起案部会数の制限への賛意を表明する一方で、通信部会数につい
ては、当該数に関する事前の検討が必要とはいえ、より柔軟性を与えて
もよいのではないかと述べた。
.4
各小委員会の再指定(第 18 項)に関しては、少数の代表団が、さらな
る検討の必要性に言及した。
若干数の代表団が、現行の小委員会構成に満足している旨を述べたが、
他の複数の代表団は、小委員会数を削減し、また、あるものについては
統合すべきことを提議した。
.5
若干数の代表団が、MEPC については、小委員会再指定よりもむしろ、
小委員会をよりうまく利用すべきことを指摘した。
.6
中間期作業部会を、小委員会と背中合わせで開催するという提案に関
し、多くの代表団が、まるまる 1 週間を当該作業部会における技術的議
論のため付与できるこのアプローチを支持した。
小委員会構成問題に関する議論促進の手続きに関し、大多数の代表団が、
すべての代表団に開放された中間期作業部会については、MSC 及び計画さ
れている両議長会合の後に開催されるべきことを提議した。
18.10 本件に関する意見を交換して、議長は、以下のとおり総括した。
.1
発言した各代表団に対し、MSC 及び MEPC 議長への書面によるコメン
トを提出するよう奨励する。
.2
多くのコメントがなされ、また、中間期作業部会提案に多くの支持が
あったとはいえ、当委員会は、さらなる進展のための手続きに関する決
定をする前に、MSC 75 におけるさらなる議論を待つべきである。
77
損傷タンカー救助の予期される困難性を取扱う MARPOL 附属書Ⅰの改正に
関する新事項のための提案
18.11
当委員会は、損傷タンカーに付随する救助作業の間の汚染危険削減を目
指した、MARPOL 附属書Ⅰに関する以下の改正を検討するため、BLG 小委
員会作業計画に新事項を加えるという英国提案(MEPC 47/18/1)を銘記し
た。
.1
油汚染船内緊急計画の一部としての、陸上ベース・コンピュータ・プロ
グラムの利用。MARPOL 73/78 附属書Ⅰ第 4 章 第 26 規則の第(1)項の最
後に、次の文章を含むよう改正できるのではないか。
5,000 重量トン以上のタンカーは、電算化された陸上ベースの損傷安
定性及び残留構造強度計算プログラムへの、迅速なアクセスを備えなけ
ればならない。
.2
船底損傷の場合に実施する軽貨作業を可能とするためのポンプルーム
への追加保護策の提供を目的として、ポンプルームを二重底化しなけら
ばならない。MARPOL 73/78 附属書Ⅰ第 2 章 第 13F 規則について、第(2)(b)
項の後に、次の文章を含むよう改正できるのではないか。
(c)
第(4)及び(5)項の規定に従わない限り、第(3)(b)項の要件に従っ
て、ポンプルーム内を二重底化しなければならない。
18.12
また、当委員会は、英国文書(MEPC 47/18/1)で提供されている、上述
の 2 つの追加保護策実施による、海事産業の費用並びに付随する立法上及
び行政上の負担に関する情報も銘記した。
18.13
当委員会は、当該英国提案に関する INTERTANKO コメント(MEPC
47/18/3)、特に以下の事項を銘記した。
.1
INTERTANKO は、損傷安定性/残留強度の電算化については、船舶が
座礁又は損傷した場合に、非常に有用であると信じている。また、当該
サービスについては、すべてのタンカー、おそらくはすべての船種に対
する要件とすることが合理的と考慮している。この文書は、当該電算化
を構築かつ維持するための費用を推算している。
.2
INTERTNKO は、第 13F 3(b)規則に従ったポンプルーム内の二重底化に
ついては、あまりにもやっかいな要件であると信じている。また、(立入
78
りに十分な)0.76m の最少クリアランスは、すべてのタンカーにとって
十分であることを提議している。この文書は、激しい座礁損傷において
は、二重底を有するポンプルームであっても、船舶配管損傷の結果、し
ばしば貨物移送のための携帯用ポンプの使用が必要になることを指摘し
ている。また、サルベージ業者及び清掃業者にとっては、必要なポンプ
を標準装備の一部とし、それを提供することが有益となると指摘してい
る。
18.14
当委員会は、英国提案(MEPC 47/18/1)、INTERTANKO コメント(MEPC
47/18/3)、及び MEPC 議長新提案(MEPC 47/WP.1)の予備的評価の審議に
おいて、DE 小委員会作業計画の中に 燃料タンクの防護 に関する事項を
含むよう MEPC 46 で決定されていることに鑑み、主としてポンプルーム防
護に関連するこの作業については、DE 小委員会による先導がより適切であ
ることを銘記した。
18.15
当委員会は、議論に従って、DE 45(2002 年 3 月 18∼22 日に会合)に対
し、議題に、ポンプルーム防護に関する新事項を含み、また、陸上ベース
コンピュータ・プログラムを評価し、これらの作業の最終化目標を 2 回の会
期以内とするよう要請することで合意した。
OPRC 作業部会の作業計画
18.16
議題 5 の下に議論されたように、当委員会は、MEPC 47/WP.10 の付属に
記載の業務を遂行するための、MEPC 48 に先だった中間期 3 日間 OPRC 作
業部会の開催提案を含んでいる、MEPC 47/WP.10 に記載の OPRC 作業部会
の改正業務表に基づいて、OPRC 作業部会の作業計画を議論した。当該中
間期作業部会については、IMO の費用は発生しないが、理事会の承認が必
要である。
18.17 OPRC 作業部会の改正業務表に関する議論において、各代表により、以
下のような異なった意見が表明された。
.1
いくつかの代表団が、MEPC 48 の直前直後の中間期 OPRC 作業部会、
すなわち MEPC に連続した前後に開催すべきという提案を支持した。彼
らのこの提案への見解は、 MSC 及び MEPC の各作業部会については常
に特別性(ad hoc)があり、必要性に応じたものでなければならない。
と解釈できる文書 MEPC 47/18/4 第 11 項、また、中間期作業部会につい
て委員会と背中合わせに開催するべきという提案と矛盾しないというも
のであった。
79
.2
若干数の代表団が、MEPC の作業部会としての OPRC 作業部会の現行
ステータスを維持することに賛成した。
.3
他の複数の代表団は、中間期会合については、特別緊急事項の場合に
のみ開催すべきであり、提案の作業計画には緊急事項性が示されていな
いので、提案の中間期会合を容認すべきでないと述べた。
18.18 当委員会は、広範囲にわたる議論の末、中間期作業部会には、化学物質
汚染マニュアル、バイオレメディエーション(bioremediation)・ガイドライ
ン及び訓練計画についての十分な作業量があることを認識して、以下の了解
事項をもって、2002 年 10 月 3∼4 日に中間期作業部会を開催することで合
意した。
.1
このケースは例外的なものであり、中間期に作業部会開催の先例とな
るべきものではないこと。
.2
中間期会合において、R&D フォーラムへの follow-up を議論すべきで
ないこと。
.3
事務局は、訓練計画のための作業構成で中核となる事項及び完了目標
日を記述した文書を準備すべきこと。
環境問題に関連する小委員会作業計画
18.19 当委員会は、DSC による DSC 作業計画の変更提案を銘記するにあたって、
以下のことで合意した。
.1
.2
次の事項については、完了しているか又はさらなる作業が不必要なの
で、DSC 作業計画から削除すること。
.1
item H.7 -
.2
item L.1 -
IMDG コードを強制化するための、SOLAS 第 6 及び 7
章並びに MARPOL 附属書Ⅲの改正
船内海洋汚染緊急時計画作成ガイドライン
MARPOL 73/78 附属書Ⅲの履行 に関する作業計画 item H.2 の完了
目標日を、2003 年に延期すること。
80
18.20
また、当委員会は、DE 小委員会作業計画における MEPC.60(33)及び
A.586(14)の両決議の改正に関する item の完了目標日を、2003 年に延期す
ることで合意した。
18.21
当委員会は、MSC 74 が、NAV、COMSAR 及び DE 各小委員会作業計画
における 避難場所 に関する最優先事項の完了目標日について、NAV 小
委員会においては 2003 年、また、COMSAR 及び DE 各小委員会において
は 2002 年としたことを銘記した。さらにまた、当委員会は、MSC 74 が、
この件に関する調整小委員会として、NAV 小委員会を選任したことを銘記
し、NAV 47 に対し、 その他の事項 の議題の下に、COMSAR 6 及び DE 45
の暫定議題とされている本件に関し、予備的検討を加えるよう指示した
(MEPC 47/WP.2)。
各小委員会への指示
18.22
関連各小委員会への当委員会指示については、付属 7 に要約されている。
今後 3 会期の MEPC 議題に含まれる本質的事項
18.23
当委員会は、付属 8 に記載の、MEPC 48、49 及び 50 の議題に含まれる
本質的事項を承認した。
MEPC 47 における作業/起案部会
18.24
当委員会は、MEPC 48 において、原則として、以下の作業及び起案部会
を設置することで合意した。
作業部会:
.1
.2
.3
バラスト水中の有害生物
船舶リサイクリング
大気汚染関連事項
起案部会
.1
強制法規制の改正
通信部会
18.25
当委員会は、MEPC 48 に報告されることになる、以下の通信部会を設置
することで合意した。
81
通信部会:
.1
.2
.3
船舶リサイクリング*
バラスト水管理**
船舶からの温室効果ガス***
上述各通信部会への付託事項については、付属 9 に記載されている。
18.26
中間期会合
18.27
当委員会は、理事会での承認を条件に、以下の中間期会合を開催するこ
とで合意した
.1
2002 年 9 月 30 日∼10 月 4 日のバラスト水管理作業部会の中間期会合
.2
2002 年 10 月 3∼4 日の OPRC 作業部会の中間期会合
*
通信部会調整者:
Capt. Moin Ahmad
5 Martley Drive
Ilford, Essex IG2 6SJ
United Kingdom
Tel :
020 8554 0315
Fax :
020 8518 9056
e-meil: moin@bscuk.fsnet.co.uk
**
通信部会調整者:
Cdr. Frederick Kenney
Commandant (G-LMI)
Office of Maritime and International Law
United States Coast Guard (USCG)
200 C Street NW
Washington D.C. 20520
United States of America
Tel :
+1 202 647 4343
Fax :
+1 202 647 4343
e-meil: kenneyfj@state.gov
[email protected]
***
通信部会調整者:
Mr. Sveinung Oftedal
Environmental Adviser
P.O. Box 8123 Dep
N-0032 Oslo
Norway
Tel :
+47 22 45 45 10
Fax :
+47 22 45 47 80
e-meil: sveinung.oftedal@sjofartsdir.dep.no
82
上述会合への付託事項については、付属 9 に記載されている。
18.28
MEPC 48 及び MEPC 49 の日程
18.29
当委員会は、MEPC 48 を 2002 年 10 月 7∼11 日に開催し、MEPC 49 につ
いては、暫定的に 2003 年 6 月 30 日∼7 月 4 日に開催することを銘記した。
19
その他の事項
第 14 回海上及び内水域における危険物質輸送に関する
国際シンポジウム(ISTDG 14)の報告
19.1
当委員会は、南アフリカのヨハネスブルグにおいて 9 月 2∼5 日に開催さ
れた、第 14 回海洋及び内水域における危険物質輸送に関する国際シンポジ
ウムについての MSC 副議長報告書(MEPC 47/19)に関し、同氏が提供し
た情報を銘記した。当該報告書には、危険物質輸送、特にアフリカ大陸に
関する 5 つの決議が含まれている。
顧問ステータスの申請及びガイドラインの見直し−C 86 の結果
19.2
議長は、当委員会に対し、2001 年 6 月の第 86 回理事会が、将来の理事
会における顧問ステータスへの新たな申請審査時に、理事会の特別部会が
フォローすべき手続きを是認する一方で、単数又は複数の組織を通じて、
申請者が顧問ステータスを既に有しているかどうかについて、理事会が確
認すべきという提議を銘記した旨を報告した。
19.3
当委員会は、MEPC 及び MSC の勧告によって、理事会が、以下の組織に
顧問ステータスを許可したことを銘記した。
.1
船舶運航者危険物質協会
(VOHMA:Vessel Operators Hazardous Materials Association, Inc.)
.2
英国造船学会(RINA:Royal Institution of Naval Architects)
北大西洋セミクジラ
19.5
当委員会は、セミクジラが存在し船舶航行量の多い米国東部沖合 2 水域
における、船舶のセミクジラとの衝突の恐れの削減を目指した、西部北大
西洋セミクジラに関する国際捕鯨委員会(International Whaling Commision)
83
決議に関する文書 MEPC 47/INF.8 において、スウェーデンが提供した情報
を銘記した。
19.6
また、当委員会は、鯨の管理及び保護、特に、船舶航行量の多い水域に
おける、西部北大西洋セミクジラの船舶との衝突に関する米国情報につい
ても銘記した。
海上電子ハイウェイ・プロジェクト
19.7
MEPC 46 において、MEPC は、東アジア海域における地域的海上電子ハ
イウェイ(MEH)の開発に関する GEF/世界銀行/IMO プロジェクトの開始
について銘記した。
19.8
当委員会は、MEH プロジェクトが 2002 年 5 月までに完了し、マラッカ・
シンガポール海峡において開発される実物大 MEH プロジェクトに先んじ
た、容易性、期間及び地理学的範囲の観点からサイズ縮小モデルとした実
演段階への移行のためのプロジェクト運営委員会の第 2 回すなわち最終会
合が、2002 年 5 月 1∼3 日にインドネシアのジャカルタで開催されるとい
う、文書 MEPC 47/INF.17 に記載の事務局提供情報を銘記した。
19.9
シンガポールが、当委員会に対し、同国政府は MEH プロジェクトを全
面的に支持し、MEH プロジェクトの履行については、マラッカ・シンガポ
ール海峡沿岸 2 ヶ国と協力して作業してきていることを報告した。
以上
84
MEPC 48/2
2002 年 4 月 16 日
原文:英語
海洋環境保護委員会
第 48 会期
議題項目 2
バラスト水中の有害水生生物
MEPC 47 バラスト水作業部会報告書(仮訳)
要約
要旨:
この報告書は、MEPC 47 期間中に開催されたバラスト水作業
部会における、委員会からの指示及びコメント(MEPC 47/20 第
2.5∼2.21 項)を考慮した、検討及び討議の結果を記載している。
バラスト水作業部会長は、委員会報告書(MEPC 47/20、第 2.25
∼2.41 項)に記載の、現行作業のステータスを反映した口頭報告
を行った。
要請事項:
第9節
関連文書:
MEPC 47/20、MEPC 47/2
1
序論
1.1
バラスト水作業部会は、Mr. Mike Hunter(英国)部会長の下に、2002
年 3 月 4∼8 日の間開催された。
1.2
以下の 39 ヶ国からの代表団が作業部会の会議に参加した。
豪州、バハマ、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、デンマーク、
ドミニカ、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ガーナ、ギリ
シャ、インド、イラン、イスラエル、日本、リベリア、マルタ、マーシャ
ル群島、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ポーランド、
韓国、ルーマニア、ロシア、シンガポール、スロヴェニア、南アフリカ、
スペイン、スウェーデン、トルコ、ウクライナ、英国及び米国
IMO 準加盟国の香港(中国)、WHO 及び欧州委員会からの代表も出席し
た。
以下の非政府間機関からオブザーバーが出席した。
国際海運集会所(ICS)、国際自由貿易組合連合(ICFTU)、国際船級協
会連合(IACS)、欧州化学製造者連合協議会(CEFIC)、石油会社国際海
、国際船長協会連盟(IFSMA)、
事評議会(OCIMF)、国際地球の友(FOEI)
国際独立タンカー船主協会(INTERTANKO)、国際航行連盟(ISAF)、国
際タンカー船主汚染防止連合会(ITOPF)、国際自然保護連合(IUCN)、
世界自然保護基金(WWF)、国際パーセルタンカー協会(IPTA)、
GEF/UNDP/IMO 計画調整組織世界バラスト水管理計画(GloBallast)及
び海洋汚染について科学的観点から助言する専門家グループ(GESAMP)
85
2
プレナリーからの指示
2.1
委員会は以下の事項を考えに入れた。
.1
バラスト水管理に係る条約は、すべての国々で受け入れられる形で関連
事項を扱い、発効し、かつ、バラスト水内の有害水生生物の制御に貢献す
べきものであること。
.2
バラスト水作業部会は、バラスト水処理基準についての合意に向け作業
し、かつ、MEPC48 において逐条吟味できるよう、条約文案を進捗すべ
きこと。
.3
バラスト水交換については、バラスト水内の有害水生生物制御のための
手段の一つであり、 まだ取り消すべきでないこと。
.4
文書 MEPC 47/2/9 でブラジルが提出した論点については、ノルウェー
文書 MEPC 47/2/8 と共に審議すること。
.5
バラスト水作業部会報告書(MEPC 47/2)に記載の原則並びに文書
MEPC 47/2/14 及び MEPC 47/2/15 に記載の検討方針については、作業
部会におけるさらなる作業の基礎とすべきこと。
2.2
上述点に鑑み、バラスト水作業部会は以下の事項を指示された。
.1
既に策定されている方針及び文書 MEPC 47/2/15 第 2 項に記載の検討
方針提案を含め、また、文書 MEPC 47/2/8(ノルウェー)、MEPC 47/2/9
(ブラジル)、MEPC 47/2/12(日本)、MEPC 47/2/15(バラスト水作業
部会長)MEPC 47/2/17(ブラジル)、MEPC 47/2/20(イラン)及び MEPC
47/2/21(ICS)に記載のバラスト水作業部会報告書に対する他のコメン
トを考慮した、バラスト水作業部会報告書(MEPC 47/2)付属 1 に記載
の条約案の作成継続
.2
作業部会報告書に基づいて、また、MEPC 47/2/14(バラスト水作業部
会長)第 2 項に記載の検討方針提案に従って、MEPC 42/2/3(通信部会)
及び MEPC 47/INF.5(通信部会)に記載の提案・提言に関連した、バラ
スト水管理の作成継続
具体的には特に次の事項に関連
.1
規則 B-3、E-1 及び E-2 に関する MEPC 47/2/14 第 2.1 項
.2
規則 E-2 に基づく基準の効果再吟味に関する MEPC 47/2/14 第 2.4 項
.3
規則第 15 条 船舶点検及び違反発見 に関する MEPC 47/2/14 第 2.6
項
86
.3
文書 MEPC 47/2/6(イスラエル)、MEPC 47/2/13(ノルウェー)、MEPC
47/2/14(バラスト水作業部会長)、MEPC 47/2/19(OCIMF)及び MEPC
47/INF.11(ノルウェー)に記載の,作業部会報告書への他のコメントに
加えて、文書 MEPC 47/2/2(日本)、MEPC 47/2/10(ブラジル)及び
MEPC 47/2/18(INTERTANKO)に記載の、バラスト水交換に関するコ
メントを考慮
.4
文書 MEPC 47/2/8(ノルウェー)及び MEPC 47/2/13(ノルウェー)
並びに MEPC に提出された関連文書における提案に基づいた、C 節 一
定区域内の特別要件 における規則に含まれるべきバラスト水管理区域
関連事項の検討
この点において、作業部会は、UNCLOS 第 196 条の目的に合致した、
海洋の自由利用制限に向けた方策を合法化するため、当該区域を条約の
中で指定、あるいは IMO 承認とするのかについての方針の検討続行を示
唆された。
.5
規則案に引用されているガイドライン作成継続(MEPC 47/2、第 6 章)
.6
3
次の事項の考慮
.1
文書 MEPC 47/2/1(英国)、MEPC 47/2/16(韓国)及び MEPC
47/2/18(INTERTANKO)における提案に基づいた、沈殿物除去関連
事項
.2
文書 MEPC 47/2/11(ブラジル)、MEPC 47/INF.12(ブラジル)、
MEPC 47/INF.13(ブラジル)及び MEPC 47/INF.18(日本)におけ
る、R&D 関連情報
.3
文書 MEPC 47/2/4(ウクライナ)、MEPC 47/2/5(事務局)
、MEPC
47/2/7(南アフリカ)
、47/INF.10(事務局)及び 47/INF.14(ブラジ
ル)に記載の、GEF/UNDP/IMO Global Ballast Water Management
Programme の下に進展された活動関連情報
新船におけるバラスト水及び沈殿物管理選択肢のための設計提言に関す
る MEPC/MSC 回章
作業部会は、委員会の要請により、 新船におけるバラスト水及び沈殿
物管理選択肢のための設計提言 に関する MEPC/MSC 回章案について、
英国及び INTERTANKO の提出書並びに米国コメントに照らして、最終的
に吟味した。
作業部会は、わずかな修正を加え、委員会に対し、文書 MEPC 47/WP.14
に記載の当該回章を採択するよう勧告した。1
1
委員会は、本回章を変更なしで採択し、2002 年 3 月 21 日 MEPC/Circ.389 及び MSC/Circ.1021 とし
て配布
87
4
バラスト水管理基準作成作業の継続(付託事項 2.2.2 及び 2.2.3)
4.1
ブラジル代表が、文書 47/2/9 で紹介されている、以下の acceptable
ballast water の概念を提供した。
理想的解決策における acceptable ballast water とは、次の水のこと
である。
.1
.2
海洋環境又は人間の健康への無害性が科学的に立証された水
バラスト水として使用した場合、海洋環境又は人間の健康への有害性を
示せなかった、科学的に有害性を立証できない水
4.2
逆に言えば、同様の地理学的かつ経済状況において使用されるいかなる他
の水より劣ることが明らかな場合には、バラスト水として許容できるものと
考えるべきではない。
バラスト水に適用される制御方策は、 net benefit が達成できない限り、
その不許容レベルを低下させることになる。
4.3
また、ブラジル代表は、文書 MEPC 47/2/9 付属 2 に記載の提案に従って
再構成された、かつ、条約案における acceptable ballast water の concept
の編入を提案した、完全な条約本文案を提出した。
4.4
若干の代表が、ブラジルの concept は実行不可能であるという見解を表明
した。
たとえば、バラスト水処理性能基準もなく、前もってバラスト水の内容が
分らない状態では、揚荷港においてあらゆる船舶に sampling が要求される
ことになる。
また、各港における decision support system の確立が必要となる。
4.5
FOEI からのオブザーバーが、ブラジルの concept は、決議 MEPC.67(37)
で容認された 具体的 IMO 活動に係る予防的措置適用に関するガイドライ
ン を考慮していないという見解を表明した。
4.6
指示に従って、作業部会はブラジル提案の要素を検討した。基準作成がさ
らに進んだ段階で、特に免除規定に関する risk assessment 技術の利用につ
いての文書 MEPC 47/2/8 におけるノルウェー提案(本報告書第 5 章参照)
を検討した。
4.7
作業部会は、後述の勧告結果となった、バラスト水基準通信部会勧告
(MEPC 47/2/3、第 3 章)について、詳細に検討した。
4.8
作業部会は、いかなるバラスト水交換基準も、バラスト水処理のための性
能基準と切り離すべきことを再確認した。
88
4.9
作業部会は、洋上バラスト水交換については、暫定解決策として取り扱わ
ず、また、バラスト水交換基準については、一つ又はそれ以上の処理基準と
並列して、条約案内の tools の一つとすべきことで合意した。2
技術開発を考慮した、IMO への提出をベースとした、バラスト水交換及び
処理両基準の再吟味のための一つの規定が規則 E-6 の中に含まれた。
4.10
日本代表が、バラスト水交換を安全に実施かつ許容できる場所について、
条約案で特定することが非常に重要であると述べた。
この種の規定なしでは、規則 E-2 の下に策定される基準を満足するバラ
スト水処理システムの適用までは、条約がうまく機能しないことになる。
4.11
IACS からのオブザーバーが、バラスト水交換作業実施に係る様々な安
全性について表明し、MSC の留意を促すよう勧告した。
作業部会は、本報告書付属 1 に記載のこの声明を銘記した。
4.12
船上バラスト水処理装置承認のための type-testing に関しては、作業部
会は、testing(たとえば black box)については、バラスト水排出点に関
連すべきこと、また、性能基準を船上バラスト水管理システムに適用する
必要があることで合意した。
4.13
第 14 条の下のバラスト水処理システム testing における Port State
Control Officers(PSCOs)の機能に関して、若干の代表が、検査官は、
船内に有効な証書が存在し、バラスト水管理システムが要求どおりに運用
されており、かつ、乗組員がこれらのシステム運用できることを確かめる
ことのみとするという見解を表明した。
他の代表達が、PSCOs が、適用規定違反の疑いに明確な根拠がある場
合には、バラスト水サンプルの権限を持つことの重要性を強調した。
この件については、今後の検討事項として、括弧付第 14 条(1)(b)として
残すことで合意された。
4.14
科学専門家小グループが、新たな、バラスト水処理システム承認試験及
び supporting 標準を作成した。
作業部会は、本報告書付属 2 に記載のこれらの基準を、今後の検討のた
め残すことで合意した。
4.15
作業部会は、MEPC 48 におけるさらなる検討のため、以下のような 14
バラスト水処理基準を作成した。
2
.1
実行可能な 5 つの percentage 基準 : 除去、殺滅及び不活性化され
るべき生物の percentage 表現
.2
実行可能な 5 つの サイズ基準 :サイズに基づいた生物の除去効果の
表現
これに従い、条約案序文、及び本報告書第 3 章で記述の MSC/MEPC 回章が採択
89
.3
.4
実行可能な 2 つの
生物の不排出許可
ゼロ基準 : バラスト水と共存する明細化された
上述基準の 2 つの実行可能な組み合わせ
これらの基準の本文は、規則 E-2(本報告書付属 3 参照)に記載されて
いる
4.16
作業部会は、最終的基準が、条約案の concise statement から成るべきこ
と、また、詳細については、バラスト水管理コードに記述すべきことを勧
告した。
4.17
作業部会は、これらの基準の討議において、条約の一部とするか又は
supporting 決議とするかについて意見が割れたものの、究極的標的となる
処理基準を示すことが必要不可欠であると考慮した。
二つの考え方が、この見解の違いを起こさせるもとになった。
一つには、作業部会員の多くが、条約の中の基準セットは、早期発効の
時間の物差し範囲内で達成すべきものと考えていた。
他の部会員達は、このような基準が、環境上値打ちのある利益を達成す
るという十分な確信があるのかどうかに疑問を投げかけた。
作業部会は、100%除去又は不活性化基準のみが、有害水生生物及び病原
体の移動をなくすのに効果的であることを保証でき、より小さい
percentages に基づく基準については、数量的に表わせる有益性がないこ
とを認識した。
作業部会員の大多数は、95%削減がやりがいのある危険性削減となり、
中期で(in the medium term)、実行可能かつ達成可能な解決策となると
いう意見であった。
他の作業部会員は、これが科学的に支持できる結論ではないことを懸念
していた。
4.18
基準問題についてのさらなる作業について、作業部会は、MEPC に対し、
バラスト水基準通信部会の再設置を勧告することで合意し、付託事項を作
成した(本報告書第 8 章参照)。
4.19
作業部会における基準についての討議の最後に、ブラジル代表が、
acceptable ballast water の concept が作業部会で適切に扱われなかったと
いう見解を表明し、立場を留保した。
4.20
それにもかかわらず、ブラジルは、バラスト水処理技術の ranking 確立
における科学的種々標準決定援助方法論の利用について、MEPC 48 への文
書提出を引き受けた。
90
5
一定の区域における特別要件の作成(Tier 2;規則の C 節)(付託事項第
2.2.4 項)
5.1
今回は、Tier 2 要件のための提案を詳細に討議する最初の機会であり、作
業部会は、Tier 1 要件との境界は、Tier 1 基準の選択に左右されることを
銘記した。
作業部会は、前回及び今回の MEPC に提出されたいくつかの提案を検討
した。
旗国及び寄港国間のバラスト水管理義務の区分、また、新船及び現存船
に適用すべき Tier 2 要件を含む、いくつかの点が討議された。
また、可能性のあるバラスト水受入施設のための費用問題3が検討された
が、この件については、作業部会への付託事項外であることが認識された。
5.2
作業部会は、Tier 2 基準の必要性で意見が分かれた。若干名は、しっかり
した Tier 1 基準が、定義された区域における追加方策を回避することにな
るという見解を表明した。
当該基準の選択によっては、ただ一つの地球規模基準、又はその代わり
に Tier 1、Tier 2 及び最終的目標基準のために限定されるであろう、一定
範囲の基準が必要となるのではないか。
5.3
作業部会は、以前の米国提出文書(MEPC 45/2/9、第 10 項)を用いて、
バラスト水排出規制区域設置のための手続き に関する規則案 C-1 を作
成した。
また、オランダ及びノルウェー提案について、作業部会は、 排出規制区
域における船舶排出バラスト水のための運用要件 に関する規則案 C-2 を
作成した。
これらの規則の本文については、1 つ又は 2 つ以上のバラスト水処理基準
の選択に関する決定がなされるまでは、必然的に暫定的なものとなる。
5.4
日本代表は、目下作成された Tier 2 のための本文については、実行不可能
かつ非現実的であり、履行することができないという意見であった。
これらの理由により日本代表は立場を留保した。
5.5
米国代表が、環境保護の面から、一般的に適用されるバラスト水排出基準
の合意なしで、Tier 2 の必要性及びいかなる潜在的内容の討議については時
期尚早であるという懸念に言及した。
米国代表は、とりわけて、討議中の現行 concept については、入港条件を
設定する主権国の能力に関する根本的法律事項への疑問をもたらすことに
言及した。
3
これらの費用のすべてを寄港国が負担するべきなのか、受入施設を利用する船舶と分担して負担する
べきなのか、あるいは最終的に顧客が輸送された貨物のためより高い価格を支払わなければならなくな
るのか?
91
5.6
さらに、米国は、Tier 2 の創設が、管轄権事項を含む他の多くの複雑な法
律問題を惹起することに言及した。
これらの問題については、一般的に適用されるバラスト水排出基準の内容
がよく分るようになるまでは、取り扱うことができない。
米国は、日本及び ICS からのオブザーバーが、Tier 2 concept の複雑さに
ついて同様の懸念を表明したという所見であった。
これらの理由により、米国は、Tier 2、とりわけて条約案 C 節に関する立
場を留保した。
5.7
作業部会は、規則 C 節の下に作成された本文を括弧付とすることで合意し、
代表達に対し、さらなるコメントを MEPC 48 に提出するよう奨励した。
6
条約案作成の継続(付託事項第 2.2.1 項)
6.1 作業部会は、文書 MEPC 47/2、付属 1 に記載の本文に基づいて、条約案
作成を継続し、今会期に提出された条約案本文に関するコメントを再吟味し
た。結果として、条約案については、必要に応じて、新たな本文化及び修正
がなされた。
作業部会における再吟味に先んじて、米国先導による drafting group で、
いくつかの本文が準備され、詳細に討議された。
規則 A-4(除外)
6.2
ノルウェー代表が、規則 A-4 について、航海又は具体的航海評価の基づき
許可できる、Tier 1 又は Tier 2 要件からの一般的除外を含むよう修正するこ
とを提案した(MEPC 47/2/8)。
この除外は、危険性評価が IMO 策定のガイドラインに従ってなされ、当
該ガイドラインに従って海洋環境への危険性が低い場合にのみ許可されな
ければならない。
除外航海に従事する船舶であっても、条約遵守のため、バラスト水管理証
書、バラスト水管理計画及びバラスト水記録簿を保持していなければならな
くなる。
航路除外が許可された場合、IMO に通知しなければならず、また、すべて
の除外については、データベース化し開放しなければならない。
6.3
数名の代表が、航路除外の concept、特に危険性評価実施について支持を
表明した。
これらの評価を準備する段階で、隣接国も、適切な場合には密接に協力す
ることが提議された。
他の代表達が、短期間航海等の除外のより多くの根拠を含むことについて
警告を表明した。 航海の長さ については、あまりにも一般的であり、一
つの除外が合意されても、当該除外は case-by-case で実施されるべきである。
6.4
作業部会は、規則 A-4 におけるノルウェー提案に同意したが、この規則に
ついては、将来の検討のため括弧付とした。
92
6.5
国際航行連盟(ISAF)からのオブザーバーが、条約案において、小型船の
ための次の除外を提案した。
全長が 50 米より短く、最大バラスト水容量が 8 トン(metric tones)ま
での船舶については、規則 D-1、第 1 項の規定を遵守しなければならないが、
本附属書遵守からは除外されるべきである。
6.6
作業部会は、将来の検討のため、規則 A-4 の下に、この本文を括弧付で含
むことで合意した。
規則 B-2(バラスト水管理記録簿)
6.7
作業部会は、日本提議の種々の提案を受け入れた(MEPC 47/2/12)。
バラスト水管理記録簿に要求される言語については、汚染防止に関する
IMO 条約におけるスペイン語使用に関する決議 MEPC.87(44)、また、スペ
イン語使用関する MARPOL 73/78、附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ及びⅥの改正案(MEPC
45/20、付属 8)に照らして、再吟味されるべきである。
規則 B-3(船舶のバラスト水管理)
6.8
作業部会は、既存及び新船間の差別を再導入すべきであり、さらなる推敲
のため、規則 B-3 の枠組みを策定すべきであると考慮した。
日本代表が、MEPC 48 に提出のため、この規則(MEPC 47/2/12)の修正
提案の再吟味を引き受けた。
規則 C(一定区域における特別要件)
6.9
作業部会は、本報告書第 5 章に記載の規則 C-Ⅰ及び C-2 の本文を作成し
た。
6.10
ニュージーランド代表が、現行本文規則 C-1、第 2.3 項(効果)への次
の追加を提案した。
あるいはバラスト水排出による有害生物又は病原体による国民一般
の健康、財産及び生態系への危害を防止することにおいて、
6.11
作業部会は、この提案を将来の検討のために残すことで合意した。
規則 D-1(漲水、移動及び排出の実施)
6.12
日本代表が、規則 D-1 については、Tier-1 要件として B 節に移し、か
つ、 予防的措置 の適用に関する決議 A.868(20)に沿って再構成すること
を提案した(MEPC 47/2/13)。
6.13
作業部会は、作成された新たな本文の最良の位置について検討するとい
うことで、原則的にこの提案に同意した。
6.14
潜在的に有害な水生生物の取り入れの回避に関し、GESAMP からのオ
93
ブザーバーが、政府間海洋学委員会(UNESCO-IOC)における植物プラ
ンクトンのブルーム衛星画像からみた経験を引き合いに出した。
規則 E-1(バラスト水交換基準)
6.15
日本代表が、バラスト水交換が実施できる適切な水域の決定についての
規定作成を目標とした、規則 E-1 に係る会期間作業の調整作業を申し出た。
代表達は、Mr. Toru Shigetomi4宛、コメント及び提案を提出するよう
要請された。
新たな統合条約案本文
6.16
作業部会は、船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条
約案の、新たな統合本文を作成した。この本文は、本報告書の付属 3 に記
載されているが、さらなる精錬が必要と考えられている。
それゆえ、作業部会は、会期間バラスト水作業部会の設置を勧告するこ
とで合意した(本報告書第 8 章参照)。
6.17
OCIMF からのオブザーバーが、船舶に対し、国際条約の合意に先んじ
て、勧告されているバラスト水管理基準を適用することを提議した、文書
MEPC 47/2/19 を紹介した。
これらの考えを補強するため、当該オブザーバーは、MEPC 又は外交会
議のどちらかでの採択のための決議案を作成していた。
提案基準については、当該決議案の付属に含まれているが、さらなる作
成が必要となる。
6.18
数名の代表が、OCIMF 提議の concept への支持を表明し、作業部会は、
さらなる検討のため、当該決議案を先送りにした。
当該決議案本文は、本報告書付属 4 に記載されている。
7
条約案に属するガイドライン作成(付託事項 2.2.5 参照)
7.1 時間不足から、作業部会は、いずれは条約に伴うべきガイドラインの作成
を継続できなかった。
その代わりに、作業部会は、作成すべきガイドラインに係る事項を再吟味
し、以下の項で概説されている会期間の時期のための組織化措置で合意した。
7.2 作業部会は、第 14 条(1)(b)に引用されている sampling に関するガイドラ
イン策定の必要性を想起した。
これらのガイドラインは、遵守状況及び危険性評価のチェックに焦点を合
わせたものであり、バラスト水処理設備の型式承認のためのものではない
(MEPC 47/2、第 6.1 及び 6.2 項)。
ドイツが、以前の同国提出文書 MEPC 45/2/7 に基づいた本文案の、MEPC
48 への提出を引き受けた。
4
和訳省略
94
7.3
作業部会は、第 14(2)条に記載の、違反の場合における監督ガイドライン
の必要性を想起した。
作業部会は、この作業を、条約案がさらに進んだ後の段階での策定のため、
旗国小委員会(FSI)に委託した(MEPC 47/2、第 6.3 項)。
当該ガイドラインについては、Port State Control のための手続きに関す
る決議 A.787/19 の再吟味と結びつけて検討できることが提議された。
また、当該再吟味については、脚注に記載の AFS 条約の附属書 4
Anti-fouling systems のための検査及び証明要件 、決議 1 の再検討と結び
つけられるのではないか。
NOx Technical Code5も、この再吟味のための参考資料となるのではない
か。
7.4
作業部会は、規則 B-1 の冒頭に引用されているバラスト水管理ガイドライ
ン策定の必要性を想起した(MEPC 47/2、第 6.4 項)。
INTERTANKO 及び ICS からのオブザーバーが、この目的のため、1997
年に当該両団体が準備したバラスト水管理計画のモデルを再吟味し、その結
果を MEPC 48 に提出することを引き受けた。
7.5
作業部会は、処理システムの承認(型式承認)のためのガイドライン策定
の必要性を検討し、今会期で作成されたバラスト水処理システムの承認試験
のための基準(本報告書付属 2 参照)並びに文書 MEPC 47/INF.5、付属 2、
第 21 頁に記載の英国提案を考慮して、当該ガイドラインを再吟味すること
で合意した。
7.6
作業部会は、ICS が、船舶バラストタンク内の沈殿物制御及び沈殿物除去
ガイドライン案に関し、ICS が作成した最初の提案を想起した。
ICS からのオブザーバーが、MEPC 48 に提出のため、当該ガイドライン
のさらなる作成を引き受けた。
7.7
バラスト水交換ガイドラインについては、決議 A.868(20)がこの件に関す
る十分な指針を与えているので不必要となる(MEPC 47/2 第 6.8 項)という、
MEPC 46 作業部会の合意と異なって、作業部会は、条約案に含まれるバラ
スト水交換基準、場合によってはバラスト水交換作業実施水域の決定(上述
第 6.15 項も参照)をも取り扱うべき、より規範的ガイドラインが必要にな
ると考えた。
7.8
豪州及び英国の代表が、MEPC 48 での検討用に、規則 E-1 の第 4 項及び
新船構造及びデザイン関連ガイドラインの両本文の準備を引き受けた。
7.9
作業部会は、Tier-2 区域設置ガイドライン策定が必要であり、かつ、当該
区域の指定及びガイドライン策定のための提議が、FOEI 提出文書 MEPC
46/3/10 に含まれていると考えた。
5
MARPOL 73/78、
附属書Ⅵに属する舶用ディーゼル機関からの窒素酸化物排出制御に関する Technical
Code
95
7.10
作業部会は、沿岸国考慮のための包括的問題点リスト形式化などの、危
険性評価実施ガイドラインの策定が必要であると考えた。
GloBallast Programme の下に実施されている危険性評価の経験が、本
活動に価値のある input を提供してくれるのではないか。
7.11
CEFIC からのオブザーバーが、バラスト水処理技術における化学物質
の利用に関する指針策定のための scoping 文書準備を申し出た。
7.12
作業部会は、最終的には、IMO 刊行物に先だってひながたを作成して
採択の後、すべてのガイドライン及びバラスト水条約を一つの刊行物とし
て編集することを銘記した。
8
今後の作業計画
8.1
基準事項に関する今後の計画について、作業部会は、MEPC に対し、次
の付託事項によるバラスト水基準通信部会を再設置することを勧告するこ
とで合意した。
.1
各基準達成に用いられる様々な技術、また、実用性、生物学的効果(病
原体を含む。)、費用対効果及び実際的に履行できる基準 timeframes に特
別に留意して、すべての関連要因及び思慮を考慮に入れた、各提案基準に
ついての詳細な比較評価
.2
条約本文に含まれるべき基準について、MEPC が決定可能となるような
勧告を伴った報告書の用意
8.2
この状況下において、作業部会は、MEPC に対し、これらの基準並びに
基準試験及び監視に関する質的見地からの通信部会への助言を、GESAMP
に要請するよう勧告した6。
8.3
MEPC において、この通信部会再設置7で同意された場合には、米国代表
が調整役8を引き受けることを申し出た。
8.4
作業部会は、本報告書付属 3 に記載の、新たな条約統合案を作成したが、
さらなる洗練が必要と考えられている。
作業部会は、MEPC 48 に先んじた中間期作業部会設置を勧告することで
合意した。
6
7
8
MEPC は、作業部会の当該勧告を拒否した。
IMO は、
本報告書に反映されている GESAMP/EHS 作業に優先権を与えるべきと考えたからである。
(MEPC
47/20、第 10 節)
。
MEPC は、中間期通信部会再設置で合意し、その付託事項を変更なしで採用した(MEPC 47/20 第 2.52
項及び
付属 9)
。
Cdr. Fred Kenny、以下連絡先等和訳省略
96
この勧告についての MEPC の合意を条件に9、次の付託事項が提案さた。
.1
条約案本文のさらなる洗練化及び統合化
.2
条約を支えるガイドラインの作成
.3
MEPC への報告書の提出
代表達は、MEPC 48 での審議のため、条約案本文に関する詳細な提案を
提出するよう要請された。
事務局は、MEPC 48 における作業文書として、本文にすべての提案を合
併させることを引き受けた。
8.5
2002–2003 の 2 年間末期前の外交会議に向けた段階的前進を示した
timetable の最新版が、本報告書付属 5 に記載されている。
9
MEPC に要請される措置
MEPC に対し次のことを要請する。
.1
さらなる審議のベースとして、大筋で、本報告書を承認すること。
.2
本報告書付属 3 に記載の条約案を逐条毎に再吟味すること。
* **
9
MEPC は、IMO の費用負担なしでの中間期作業部会設置を理事会に要請することで合意した。MEPC
48 の一週間前に、IMO 本部で開催されるであろう。
当該作業部会への付託事項の第.1 項については、次のように修正された。
MEPC 47 で作成された条約案本文について、通信部会で実施された作業を考慮して、さらに精錬し
かつ統合すること(MEPC 47/20 第 2.53 項及び付属 9)
。
97
付属 1
国際船級協会連合(IACS)によるバラスト水交換についての声明書
(第 4.11 項参照)
1
バラスト水管理計画は、世界の一定の区域を運航する船舶で、船舶所有者
提出のバラスト水交換シーケンスの再吟味経験を積んだ IACS メンバーにつ
いて、すでに要求されている。
これらの再吟味については、縦強度、sloshing、propeller immersion、最
小船首喫水、船橋視界等、多くの規準を考慮してなされたものである。
2
吟味されたケース場合から、バラスト水交換シーケンスのすべての段階に
おける関連規準を満足するシーケンス達成の困難性が明白になった。
バラスト水交換シーケンスの間、一時的に上述規準のいくつかを十分に満
足できない場合がある。
最も頻繁に困難性が生ずる当該規準には、次のものが挙げられる。
.1
.2
.3
船橋視界基準(SOLAS V/22)
propeller immersion
最小船首喫水
3
ほとんどの船舶において、許容できるバラスト水交換シーケンスの選択肢
が限られるので、一時的非遵守発生時シーケンスの考慮を捨て去ることがで
きない場合がしばしば生ずる。
本船船長への警告のため、バラスト水管理計画内に、適切な note として
シーケンスを記載し、実行可能な代替肢として許容されることになる。
当該 note は、本船船長に対し、追加計画立案を要求し、かつ、シーケン
ス使用時の適切な予防措置を必要とする、一時的非遵守の特徴を助言するも
のである。
4
本船船長は、これらのシーケンス実施決定時には、交通量の少ない開放水
域(open water)、かつ、航海当直の増強を考慮する必要がある。
5
MEPC に、目下審議中の条約起案時には、上述事項に留意するよう要請す
る。
***
98
付属 2
バラスト水処理システム承認試験
(第 4.14 項参照)
1
2
実物大試験
(ⅰ)
様々な技術間の効果比較の観点から、バラスト水処理技術の実物大試
験が必要である。
(ⅱ)
水の構成が、適切な濃度及び量の生物培養により得られるべきもので
ある場合、論理的可能性が問題となる。
代替策として、たとえば、全体的に、当該試験に適切な量の中から選
択された、すべての種の多様性を含む、3 つの異なった海域の自然海水使
用による実物大試験を実施することができる。
試験種
(ⅰ)
ただ 1 つの、種の suit は、様々な技術の処理結果評価には適切ではな
い。
種の選択は、試験されるべき処理法に従って調整されるべきである。
(ⅱ)
次の 2 つの試験 sets が要求される
-
(ⅲ)
混合バラスト試験水のための 5-6 代表分類群が提案される。
これらの指標種は、大規模、全世界的、かつ、しっかりした量での培
養が容易でなければならず、また、病原体又は有毒のどちらでもないも
のである。
次のものを含むことができるのではないか。
-
(ⅳ)
陸上試験
船上試験
脊椎動物
無脊椎動物: hard-shelled
soft-shelled
soft-bodied
植物プランクトン
大型藻類
バクテリア/ウィルス
提案された種の代表グループについては、バクテリア、ウィルス及び
大型藻類を含むことの不確実性を除き、合意された。
99
(ⅴ)
次の詳細提供のための技術コードが必要となる。
-
3
指標種
温度、塩分、pH、濁り等、試験水の特色
実験の構成
sampling 技術
許容限界
(ⅰ)
50 ミクロンより大きな生物については、 実質的除去 が必要
(ⅱ)
50 ミクロンより小さな生物については、[x Log reduction]を除外した[[x
個体数/リットル(TBD)]]
(ⅲ)
バクテリア/ウィルス(指標種)については、USCG 実行可能な基準
S3 等、bathing water レベルまで。
[個体の 95%削減/不活性化/殺滅では、さらなる侵入危険性の削減として
容認できないことになるのではないか。
バラスト水内密度が 95%まで削減されたとしても、土着範囲を越えて植
民地を形成できる 2 つの種として、Zebra Mussel(北米に侵入)及び黒海
に侵入した Comb Jelly が挙げられる。
指導的科学者達は、わずか 1,000 個体数の植物プランクトン藻類でも、
自活可能な集団を形成できるものと信じている。
リットルあたり百万というレベルの個体数は、野生の世界では異常な数
ではない(4 log reduction が必要)。]
4
現在の知識の利用
(ⅰ)
(ⅱ)
(ⅲ)
進行中の実物大試験プロジェクト(実験室及び船上)の統合
MEPC 48 への情報提供のためには、中間期活動が必要。
種の適切なリスト(指標種)の定義のための関連活動には、MEPC 48
に 先 ん じ た 、 中 間 期 討 議 グ ル ー プ ( email and/or web assisted )、
workshop 等が含まれる。
中間期に取り扱うべき論題: 実験の構成には以下事項等が含まれる。
-
種の選択
温度
試験されるべき塩分の科学的過程(regime)
***
100
付属 3
船舶のバラスト水及び沈殿物の制御及び管理に関する国際条約案
この条約の締約国は、
船舶からの規制を受けないバラスト水及び沈殿物の排出が、有害水生生物及
び病原体の移動をもたらし、公衆衛生を損ない、かつ、資産及び環境に損害を
与えることを意識し、
それゆえ、有害水生生物及び病原体の移動を防止、軽減かつ除去し、また、公
衆衛生への障害並びに財産及び環境への損害を回避するために、船舶からのバ
ラスト水及び沈殿物の排出を規制かつ管理する必要性に留意し、
1992 年国連環境開発会議(UNCED)が、 機関に対し、バラスト水排出に関
する適切な規則採択の審議を要求したことを想起し、
1982 年の国連海洋法条約(UNCLOS)第 196 条、特に、 いずれの国も、.....
海洋環境の特定の部分に重大かつ有害な変化をもたらすおそれのある意図的又
は偶発的な外来種又は新種の当該部分への侵入を防止し、軽減し及び規制する
ために必要なすべての措置をとる。 の規定を想起し、
生物多様性に関する条約(CBD)の目的並びに船舶バラスト水経由の有害水
生生物及び病原体の移動及び侵入が、生物多様性の保存及び持続可能な利用に
脅威となっていること、また、海洋・沿岸生態系の保存及び持続可能な利用に関
する 1998 年 CBD 締約国会議(COP 5)の決定 IV/5 を想起し、
環境及び開発に係るリオ宣言第 15 原則に述べられていて、1995 年 9 月 15 日
に MEPC で採択の決議 MEPC 67/(37)で引用されている予防的措置に留意し、
1993 年の A.774(18)及び 1993 年の A.868(20)両総会決議を通じて、機関がこ
の有害水生生物及び病原体の移動問題に重要性を置いていることを銘記し、
いくつかの国々において、船舶の当該国入港に伴う有害水生生物及び病原体
侵入の危険性の、防止、減少及び除去の観点から、片務的行動がとられている
こと、また、世界的関心事となっているこの問題が、規則の効果的履行及び統
一的解釈のためのガイドラインを伴った、地球規模で適用される規則に基づい
た行動を要求していることを認識し、
さらに、有害水生生物及び病原体移動の継続的減少及び最終的除去となる、
より安全かつより効果的バラスト水管理選択肢開発の継続が望まれていること
を認識し、
国際条約の策定により、これらの目的が最もよく達成できることを考慮して、
下記のとおり協定した。
101
目的10
第1条
この条約の目的は、ここに掲げる条款に従った、船舶バラスト水及び沈殿物の
制御及び管理を通じ、有害水生生物及び病原体の移動を、防止、減少及び除去
することにある。
第2条
定義
この条約の適用上、別段の明白な規定がない限り、以下のように定義する。
1
2
主管庁 とは、その権限の下で船舶が運航している国の政府をいう。い
ずれかの国を旗国とする船舶に関しては、主管庁は、その国の政府とする。
沿岸国が天然資源の探査及び開発について主権的権利を行使する当該沿岸
国の海岸に接続する海底及びその下層土の、探査及び開発に従事している固
定され又は浮いているプラットフォームに関しては、主管庁は、当該沿岸国
の政府とする。
バラスト水 とは、船舶の、トリム、傾斜、喫水、安定性又は強度を制
御するために、浮遊物質と共に取り入れられた水をいう。
3
バラスト水管理 とは、バラスト水及び沈殿物内の有害水生生物及び病
原体の、殺滅、除去、無害化あるいは取入れ又は排出回避のための、機械的、
物理的、化学的、生物学的プロセスの、単独又は組み合わせのことをいう。
4
総トン数 とは、1969 年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の附属
書Ⅰ又はいかなる後継の条約に記載の、トン数測度に従って計算された総ト
ン数をいう。
5
有害水生生物又は病原体 とは、河口を含む海域又は清水路に侵入した
場合、人間の健康に障害となり、生活源及び水性生物に危害を加え、快適な
生活環境に損害を与え、生物の多様性を阻害し、あるいは当該区域の有効な
利用を妨げる可能性のある水生生物又は病原体をいう。
6
機関
7
事務局長 とは、機関の事務局長をいう。
8
沈殿物 とは、船舶内のバラスト水から沈殿したものをいう。
とは、国際海事機関(IMO)をいう。
9
船舶 とは、潜水艦、floating craft、固定又は浮いているプラットフォ
ーム、浮いている貯蔵ユニット(FSUs)、浮遊製品貯蔵及び揚荷ユニット
(FPSOs)等、海洋環境で運航される、あらゆるタイプのものをいう。
10
第 1 条及び序文 さらに認識し の節(最終節)に、 target standard を編入すべきかどうか、ま
た、機関がそれを望むのかどうかについて、検討すべきである。
102
第3条
一般的な義務及び規定
1
個々の条約締約国は、船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理を通じ、
有害水生生物及び病原体の移動を防止、減少及び除去するため、この条約、
附属書及び付録の規定に十分かつ完全な効力を与える義務を負う。
2
コード、付録及びガイドラインは、この条約に不可欠な部分を形成してい
る。 他に別段の明白な規定がない限り、この条約の引用には、附属書及び付
録の引用も含まれる。
[3
この条約においては、締約国が、国際法に矛盾せず、単独又は共同で、船
舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理を通じ、有害水生生物及び病原体の
移動を防止、減少又は除去することについて、より厳しい方策をとることを
妨げるものと解釈すべきものは何もない。[より厳しい方策を要求する締約
国は、この条約の下の国際バラスト水管理証書を保持している船舶が、より
厳しい方策を満足することを援助するため、適切な受入施設又は他の手段が
提供されるという明確な証拠に基づいて、 機関の承諾を得なければならな
い。]]11
4
締約国は、この条約の効果的な履行、遵守及び施行のための協力に努力し
なければならない。
5
締約国は、船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理を通じ、有害水生生
物及び病原体の移動を防止、減少及び除去するための、バラスト水管理及び
基準の作成の続行を促進する義務を負う。
第4条
1
適用
この条約は、他に別段の明白な規定がない限り、以下の船舶に適用される。
(a) この条約締約国旗を掲げる権利を有する船舶
(b)
2
この条約は、以下のいずれの船舶にも適用されない。
(a)
(b)
11
12
締約国旗を掲げる権利はないが、締約国の権限の下に運航される船舶
バラスト水を運搬するように設計又は建造されていない船舶
もっぱら、一締約国管轄下水域内を運航する船舶
ただし、当該除外が隣接又は他の国々の水産資源への障害又は損害とな
らないこと。12
作成中の Tier-2 要件に鑑みて改正すべき
本文については、関連 UNCLOS 文の確認必要
103
(c)
もっぱら、一締約国管轄下水域内及び公海を運航する船舶。
ただし、当該除外が隣接又は他の国々の水産資源への障害又は損害と
ならないこと。13
3
この条約は、締約国が所有又は運航するいかなる軍艦、補助艦艇、あるい
はさしあたって政府の非営利サービスに従事している他の船舶にも適用され
ない。しかしながら、各締約国は、自国が所有又は運航する当該船舶の運航
又は運航能力を阻害しない適切な方策を採用し、当該船舶が、合理的かつ実
行可能である限り、この条約に矛盾しない方法で行動することを確保しなけ
ればならない。
4
この条約の非締約国の船舶について、締約国は、当該船舶に対し、もうこ
れ以上の有利な措置を与えないことを確保する必要があるならば、条約要件
を適用しなければならない。
第5条
船舶バラスト水及び沈殿物経由、有害水生生物及び病原体移動の制御
各締約国は、当該締約国旗を掲げる権利を有し、かつ、この条約が適用され
る船舶に対し、この条約で明確になっている要件の遵守を要求しなければなら
ず、また、当該船舶の、これらの要件の遵守を確保するための効果的方策を講
じなければならない
第6条
[沈殿物]受入施設
1
各締約国は、バラストタンク清掃又はタンク修理作業を実施する場合、沈
殿物受け入れのための適切な受入施設を持つことを、可及的速やかに確保す
る義務を有する。 当該受入施設は、船舶に不当な遅延を生ずることなく運用
でき、かつ、当該沈殿物の環境的に安全な処分を提供できるものでなければ
ならない。
2
各締約国は、本条第 1 項の下に提供される受入施設が不適切なものである
ことが申し立てられたすべての場合について、他の関係締約国への情報伝達
のため、機関に通報しなければならない。
13
本文については、関連 UNCLOS 文の確認必要
104
第7条
科学的かつ技術的な研究及び監視
1
締約国は、バラスト水管理及び関連基準についての科学的及び技術的研究
を助長かつ促進するため、単独又は共同で適切な方策をとらなければならな
い。 当該研究には、特に、観察、測定、サンプリング、評価及び可能性のあ
る科学技術又は方法論の効果の分析に加え、船舶バラスト水を通じて移送さ
れていることが確認されている生物及び病原体により生じたいかなる悪影響
をも含まなければならない。
2
各締約国は、この条約目的促進のため、以下について要請する他の締約国
における関連情報の入手の可能性を促進しなければならない。
(a)
(b)
バラスト水管理及び関連基準に関して着手している、海洋科学及び技
術プログラム並びに技術方策
監視及び評価プログラムから得られたバラスト水管理の効果検査
第8条
1
14
検査
400 総トン14以上の船舶は、以下に明示する検査に従わなければならない。
(a)
船舶就航前、又はこの条約第 9 及び 10 条の下に要求される証書が初め
て発給される前に実施される最初の検査
この検査は、構造、設備、システム、艤装、配置及び材料が、この条
約適用要件遵守の十分な達成を確保できるものでなければならない。
(b)
主官庁により明示された 5 年を超えない範囲で実施される更新検査
この検査も、構造、設備、システム、艤装、配置及び材料が、この条
約適用要件への十分な遵守達成を確保できるものでなければならない。
(c)
本条第 1(a)項に該当する構造、設備、システム、艤装、配置及び材料
の全般的点検を含む、証書記載日の前後 3 ヶ月以内に実施される各年検
査
この検査は、当該構造等が、本条第 1(a)項に従って維持されており、
かつ、意図された船舶の運航にとって十分なものであり続けることを確
保するためのものである。 当該各年検査は、この条約第 9 又は 10 条の
下に発給される証書に裏書きされなければならない。本項は、最後の検
査以来、附属書の規則 A-3、第 4 項に従って運航された船舶に適用して
はならない。
400 総トンは、SOLAS、MARPOL 並びに MARPOL 73/78 附属書 I 及びⅡへの 1980 年の検査及び証
明調和システム(以下 HSSC )と一致
105
(d)
2
この条約遵守の十分な達成に必要な、構造、設備、システム、艤装、
配置及び材料についての、変更、交換又は重要修理の後に実施されるべ
き、状況に応じた全般的又は部分的な追加検査
当該検査は、船舶がこの条約要件を遵守できるように、このような変
更、交換又は重要修理の効果的実施を確保できるものでなければならな
い。 この検査は、この条約第 9 又は 10 条の下に発給される証書に裏書
きされなければならない。
主官庁は、以下の事項によるこの条約の適用規定遵守確保のため、本条第 1
項の規定に従わない船舶に対し、適切な方策を確立しなければならない。
(a)
この条約の規定執行に関する船舶検査については、主官庁の職員が実施
しなければならない。しかしながら、主官庁は、当該検査については、こ
の目的のため任命された検査官又は主官庁が承認する組織に委託するこ
とができる。
(b)
本項の副項(a)に記載の検査実施のため、検査官を任命又は組織を承認
する主官庁は、いかなる任命検査官又は承認組織に対しても、最小限次の
権限を与えなければならない。
(ⅰ)
(ⅱ)
この条約の規定遵守のための検査を、船舶に要求すること。
この条約締約国である寄港国の関係当局から要求があった場合、検
査及び点検を実施すること。
主官庁は、任命検査官又は承認組織に付与した権限の具体的責任及び条件
を、締約国への回章に付すため、機関に通報しなければならない。この条約
締約国の職員に通告するためである。
(c)
主官庁、任命検査官又は承認組織が、船舶のバラスト水管理について、
本条約第 9 及び 10 条の下に要求される国際バラスト水管理証書の細目と
一致していないと決定した場合、当該検査官又は組織は、当該船舶が応ず
るための改善措置をとることを直ちに確保しなければならない。また、検
査官又は組織は、いかなる関連決定事項についても、適宜主官庁に通告し
なければならない。 要求された改善措置がとられなかった場合、直ちに主
官庁に通報しなければならず、また、主官庁は、必要に応じ、証書の非発
給又は取り消しを確保しなければならない。 当該船舶が他の締約国港にい
る場合、直ちに寄港国の適切な当局に通告しなければならない。 主官庁の
職員、任命検査官又は承認組織が、寄港国の適切な当局に通告した場合、
関係寄港国政府は、当該職員、検査官又は組織に対し、本条約第 14 条に記
載のいかなる措置をも含め、本条の下に彼らの責務を遂行するのに必要な
助力を与えなければならない。
(d)
あらゆる場合において、関係主官庁は、検査の完全性及び能率性を十分
に保証しなければならず、また、この義務を果たすのに必要な措置を確保
する責任を負わなければならない。
106
(e) 船舶における、この条約に従ったバラスト水管理実施能力に、実質的に
影響する事故が発生するか、又は欠点が発見された場合にはいつでも、当
該船舶の所有者、運航者又は責任者は、可及的速やかに、関連証書を発給
する責任のある、本条第 1 項で要求される検査が必要かどうかを決定する
調査を開始すべき主官庁、承認組織又は任命検査官に報告しなければなら
ない。当該船舶が、他の締約国の港にいる場合、当該船舶の所有者、運航
者又は責任者は、寄港国の適切な当局に対し、速やかに報告しなければな
らず、また、任命検査官又は承認組織は、当該報告がなされたことを確認
しなければならない。
第9条
国際バラスト水管理証書の発給又は裏書き
1
主官庁は、400 総トン以上の船舶に対し、本条約第 8 条に従って実施され
た検査が好結果をもって完了した後の、国際バラスト水管理証書の発給を確
保しなければならない。 一締約国の権限の下に発給された証書については、
他の締約国に受け入れられなければならず、また、本条約でカバーされるす
べての目的のために、他の締約国が発給した証書と同じ効力を持つものとみ
なされなくてはならない。
2
証書は、主官庁あるいは主官庁から正式に承認されたいかなる者又は組織
により、発給又は裏書きされなければならない。 当然のことながら、あらゆ
る場合において、主官庁は、証書についての全責任を負う。
第 10 条
他の締約国による、国際バラスト水管理証書の発給又は裏書
1
主官庁の要請があった場合、他の締約国は、この条約に従って船舶を検査
することができ、かつ、この条約の規定が遵守されていることを確信した場
合には、国際バラスト水管理証書を発給するか、又は発給を承認しなければ
ならない。 また、必要に応じ、船内の当該証書を裏書するか、又は裏書を承
認しなければならない。
2
当該証書の写し及び検査報告書の写しは、当該要請主官庁に対し、可及的
速やかに送られなければならない。
3
このようにして発給された証書は、当該主官庁の要請で発給された趣旨の
記述を含まなければならず、また、当該主官庁により発給された証書と同様
の効力を持ち、かつ、同様の承認を得たものとみなされなくてはならない。
4
非締約国旗を掲げる権利を有する船舶に対しては、国際バラスト水管理証
書を発給してはならない。
107
第 11 条
国際バラスト水管理証書の様式
国際バラスト水管理証書の様式は、発給国の公用語で、付録に記載の様式で
作成されなければならない。 当該公用語が英語、仏語又はスペイン語のいずれ
でもない場合、これらの言語による翻訳を含まなければならない。
第 12 条
国際バラスト水管理証書の有効期間及び効力
1
国際バラスト水管理証書は、5 年を超えない範囲で、主官庁が明示する期間
に対し発給されなければならない。
2
第 9 及び 10 条の下に発給される国際バラスト水管理証書は、以下のいかな
る場合にも効力を失わなければならない。
(a) この条約の十分な遵守達成に必要な、構造、設備、システム、艤装、配
置及び材料について、変更、交換又は重要修理がなされたにもかかわらず、
当該証書が、この条約に従って、裏書きされなかった場合
(b) 船籍を転籍した場合
新たな証書は、新たな証書を発給する締約国が、当該船舶について、第
8 条の要件に従っていると十分に満足した場合にのみ発給されなければな
らない。 締約国間における転籍の場合は、船舶の転籍が実施された後 3 ヶ
月以内に要請があった場合に、先の船籍締約国は、可及的速やかに、当該
船舶が転籍前に保持していた国際バラスト水管理証書の写しを、また可能
ならば、関連検査報告書の写しも主官庁に送付しなければならない。
(c) 関連検査が、この条約の第 8 条第 1 項の下に明示されている期間内に完
了しなかった場合
(d)
証書が、この条約の第 8 条第 1 項副項(c)又は(d)に従って裏書されていな
い場合
第 13 条
1
違反
この条約要件へのいかなる違反も禁止されなければならず、また、違反が
行われた場所のいかんを問わず、当該船舶に関係する主官庁の法の下に処罰
できる措置が確立されなければならない。 主官庁は、このような違反の情報
を入手した場合、その件を調査しなければならず、また、摘発違反について、
報告締約国に対し、追加証拠の提供を要求することができる。 当該主官庁が、
当該摘発違反について手続きを進めるのに十分な証拠が入手可能と確信する
場合、当該主官庁の法に従って、可及的速やかに手続きをとらなければなら
ない。 当該主官庁は、とられたいかなる措置についても、速やかに、違反摘
発を報告した締約国にはもちろん、機関にも報告しなければならない。 主官
庁は、当該違反情報を受け取った後 1 年以内にいかなる措置もとらなかった
場合、違反摘発を報告した締約国に対し、その旨を通告しなければならない。
108
2
条約締約国の管轄内においては、いかなる本条約要件への違反も禁止され
なければならず、それゆえ、締約国の法の下に処罰できる措置が確立されな
ければならない。 締約国は、違反発生時にはいつでも、以下のいずれかの
措置をとらなければならない。
(a) 自国法に従い、手続きをとること。
(b) 違反船舶の主官庁に、当該締約国が所有する違反発生の情報及び証拠を
提供すること。
3
本条に従って、一締約国の法により規定された罰則については、この条約
への違反をどこにおいても思い止まらせるのに十分な、厳しいものでなけれ
ばならない。
第 14 条
1
船舶点検及び違反発見
この条約適用船舶は、締約国のいかなる港又は沖合係留施設においても、
締約国により任命又は認可された職員による、当該船舶がこの条約の適用規
定を遵守しているかどうかを決定する目的のための点検に従うものとする。
船舶が、この条約の適用規定に違反していると信ずるに足る明確な根拠がな
い限り、当該検査は、以下の両方又はいずれかのものに限定されなければな
らない。
(a) 船上に有効な証書があることの確認
機関策定のガイドラインに従った、船舶バラスト水の簡潔な sampling。
しかしながら、当該 sampling の実施に必要な時間を、船舶の移動及び出
港を妨げる根拠として用いてはならない。]
[(b)
2
船舶が、この条約の適用規定に違反していると信ずるに足る明確な根拠が
ある場合には、機関策定のガイドラインに従った、徹底した点検を実施する
ことができる。
3
当該船舶において、この条約への違反が発見された場合、検査実施締約国
は、警告、拘留、退去又はその港からの締め出しの措置をとることができる。
船舶がこの条約の規定を遵守していないという理由で、当該船舶に対しこの
ような措置をとる締約国は、当該船舶旗国の主官庁に対し、直ちに報告しな
ければならない。
109
4
締約国は、違反発見及びこの条約の規定執行に協力しなければならない。
また、締約国は、いかなる締約国からの、船舶がこの条約の規定に違反して
運航中又は運航されたという、十分な証拠を伴った調査要請を受けた場合に
も、当該船舶の、当該締約国管轄下の港又は沖合係留施設入港時に、当該船
舶を検査することができる。 当該調査報告書は、この条約の下に適切な措置
がとれるよう、調査要請国及び関係船主官庁の担当当局に送付されなければ
ならない。
第 15 条
船舶の不当な遅延
1
この条約の第 6、13 及び 14 条の下に、船舶に不当な拘留又は遅延を生じ
させないよう、最大限の努力がなされなければならない。
2
この条約第 6、13 及び 14 条の下に、船舶が不当に拘留又は遅延させられ
た場合、当該船舶に対しては、被ったいかなる損失又は損害についても、賠
償を受ける権利が与えられなければならない。
第 16 条
地域協定15
この条約の目的促進のため、一定の地理学的地域において、海洋環境保護に
共通の利害関係を持つ複数の締約国は、特有の地域的特徴を考慮に入れて、船
舶バラスト水を通じた有害水生生物及び病原体移動の防止及び最小化のための
この条約に矛盾せずに、地域協定の締結を含む地域協力を促進すること。締約
国は、異なった協定関係締約国が理解できる(to be followed)調和手続きを開
発するため、当該地域協定への締約国との協力に努めなければならない。
第 17 条
1
情報の連絡
各締約国は、機関に対し、以下のいずれの情報についても報告しなければ
ならず、また、他の締約国が、必要に応じ入手できるようにしておかなけれ
ばならない
(a) この条約履行のための自国法、規則及びガイドラインを含む、バラスト
水管理に関する要件及び手続き
(b) バラスト水及び沈殿物の環境的に安全な処分のための、利用可能な受入
施設及びその位置
(c) 附属書規則 A-3 に明示されている理由のために、この条約の規定の遵守
が不可能な船舶からの情報についての要件
15
出典: 文書 MEPC 43/44
110
2
機関は、現行本条に基づくいかなる連絡事項についても、締約国にその受
領を通告し、また、すべての締約国に対し、本条第 1 項の副項(b)及び(c)に基
づくいかなる機関への連絡事項についても、回章に付さなければならない。
第18条
紛争の解決
締約国は、この条約の解釈又は適用に関する締約国間の紛争を、平和的手段
をもって自力で解決しなければならない。
第 19 条
国際法及び他の協定との関係[必要に応じ文案作成]16
第 20 条
1
署名、批准、受諾、承認及び加盟
この条約は、機関本部において、いかなる国による署名のため、[
]か
]まで開放し、その後もいかなる国の加盟のため開放しておかなけ
ら[
ればならない。
2
各国は、以下のいずれかによりこの条約締約国となることができる。
(a) 批准、受諾又は承認を条件としない署名
(b) 批准、受諾又は承認に続く、批准、受諾又は承認を条件とする署名
(c) 加盟
3
批准、受諾、承認又は加盟については、被寄託者であるべき機関事務局長
に、その旨を文書で寄託することにより有効としなければならない。
第 21 条
1 国 2 制度以上のステータス
1
異なる法制度が適用される複数の領土単位から成る国は、この条約の範囲
内で取り扱われる事項に関して、署名、批准、受諾、承認又は加入時におい
て、この条約が当該国のすべて、又は 1 つ以上の領土単位のみに条約の適用
が及ぶべきかを宣言することができ、また、いかなる時にも、他の宣言の寄
託により前宣言を変更することができる。
16
各協定においては、必要な場合、特有の但し書条項 ( savings clauses ) が一般的であり、条約完成に
近づいた時点で作成される。米国は、この第 19 条へのこのアプローチに賛成している。規則 C-1 第 2.5
項参照。
111
2
いかなる当該宣言も、寄託者に書面で通告し、かつ、この条約が適用され
る単又は複数の領土単位を明確に述べなければならない。前宣言を変更する
場合、条約の適用が更に及ぶ領土単位及び当該適用拡大実施日を明確に述べ
なければならない。
第 22 条
第 23 条
効力発生[後日文案作成]
改正[後日文案作成]
第 24 条
廃棄
1
いかなる締約国も、締約国のための条約発効日から、2 年を経過した後は、
いつでもこの条約を廃棄することができる。
2
廃棄は、被寄託者に書面で通告することにより効力を生ずるものとし、受
領した後 1 年、又は通告書の記載より長い期間後に効力を生ずる。
第 25 条
寄託
1
この条約は、機関事務局長に寄託されなければならない。機関事務局長は、
条約に署名又は加盟したすべての国に対し、この条約認証謄本を送付しなけ
ればならない。
2
この条約の他の箇所で明示されている機能に追加して、機関事務局長は、
以下を実施しなければならない。
(a)
この条約に署名又は加盟したすべての国に対し、次ののものについて通
告すること。
(ⅰ)
(ⅱ)
(ⅲ)
日付を伴った、批准、受諾、承認又は加盟についての、個々の、新
たな署名又は寄託文書
この条約の発効日
当該文書受領日及び廃棄効力発生日を伴った、いかなるこの条約の
廃棄通告文書の寄託
(b) この条約発効後、可及的速やかに、国連憲章第 102 条に従い、登録及び
公布のため、国連事務局に本文を送付すること。
112
第 26 条
言語
この条約は、アラビア語、中国語、英語、仏語、ロシア語及びスペイン語に
よる複本 1 通で制定され、各本文は等しく真正なものとする
以上の証拠として、下名は、各自の政府から正当に委任を受けて、この条約
に署名した。
弐千...年 ...月..
.日に、ロンドンにおいて作成された。
***
113
MEPC 47/2
付属 1
附属書
有害水生生物及び病原体の移動を、防止、減少及び除去するための
バラスト水及び沈殿物の制御及び管理規則
A節
一般規定
規則 A-1
1
定義
新船 とは、次の船舶のいずれかのものをいう。
(a)
[X]後に、建造契約が結ばれる船舶
(b) 建造契約がない場合には、[X+6 箇月]後に、キールが据え付けられた船
舶又はこれと同様の建造段階にある船舶
(c) [X+4 箇年]後に、引き渡しが行われる船舶
(d)
主要な改造が行われる船舶であって、次の条件のいずれかを満たすもの
(ⅰ)
(ⅱ)
もの
(ⅲ)
[X]後に、改造契約が結ばれるもの
改造契約がない場合には、[X+6 箇月]後に、改造工事が開始される
[X+4 箇年]後に、工事が完了するもの
2
現存船
3
主要な改造 とは、現存船の次のいずれかの改造をいう。
とは、新船でない船舶をいう。
(a) 船舶の寸法又は積載容量を、実質的に変更する改造
(b) 船舶の種類を変更する改造
(c)
その目的が、船舶の耐用年数の実質的延長であると、主官庁が認める改造
(d)
現存船には適用されず、新船に適用される現行条約の関連規定に従うこと
になる船舶の改造
[4
バラスト水排出規制区域
及び
114
バラスト水漲水規制区域
とは、海
洋学的及び生態学的条件並びに船舶交通の特性に関して、技術的理由が認
識されているため、バラスト水を通じた有害水生生物及び病原体の国際的
移動により生ずる、公衆衛生への障害並びに財産及び環境への損害の防止
のため、特別の強制方策の採用が要求される海域をいう。 バラスト水排
出規制区域 及び バラスト水漲水規制区域 には、この附属書の規則C-1
及びC-2列挙のものが含むものとする。]17
規則 A-2
一般適用
他に別段の規定がない限り、バラスト水管理については、この附属書に従っ
て実施しなければならない。
規則 A-3
除外
以下のいずれの場合にも、本附属書の要件を適用してはならない。
1
[緊急状況下における]18 船舶安全及び海上人命救助確保のために必要な、
バラスト水及び沈殿物の取入れ又は排出
2
船舶及びその設備の損傷により生じた、偶発的なバラスト水及び沈殿物の
排出
(a)
損傷発生又は排出発見前後に、損害又は排出を防止又は最小化するため
の、あらゆる合理的予防措置手段がとられたことを条件とする。
(b)
船舶所有者、会社又は責任士官が、故意又は無謀に損傷を引き起こした
場合を除く。
3
船舶からの汚染事故の回避又は最小化を意図した、バラスト水及び沈殿物
の取入れ又は排出
4
船内のバラスト水及び沈殿物のすべてを取り入れた場所と同じ場所19にお
ける、当該船舶からの、取入れ場所で取込んだバラスト水及び沈殿物の排出。
ただし、他の場所からのバラスト水及び沈殿物と混合していないことを条件
とする。
これらの日本提案定義(MEPC 47/2/12)については、C 節(Tier 2)の規則のさらなる作成に鑑み再
吟味されるべき
18
MEPC 48 での検討事項
19
同じ場所 の語句については、さらなる詳述が必要となるのではないか。
デンマークは、 within the same hydrographical regime を提案
17
115
規則 A-4
免除
[1
寄港国は、バラスト水が当該国管轄下水域に排出されるいかなる単一航
海又は航路に関して、規則 B-3、第 2 項の要件から船舶を免除することがで
きる。いかなる当該免除も、機関が策定すべきガイドラインに従って、海洋
環境への評価海洋環境への危険性が評価され、かつ、当該ガイドラインに従
って危険性が低い場合に是認することができる。当該免除については、バラ
スト水管理記録簿に記録されなければならない。
]
[2
全長が 50 米未満で、最大バラスト水容量 8 トン(metric tones)以下の
船舶については、規則 D-1、第 1 項の規定を遵守しなければならないが、
この附属書の規定の遵守からは免除されものとする。]20
B節
船舶のための管理及び規制要件
規則 B-1
バラスト水管理計画
各船舶は、主官庁が承認したバラスト水管理計画を、船内に所持かつ履行し
なければならない。 バラスト水管理計画は、機関が策定かつ採択したバラスト
水管理計画ガイドラインに基づいたものでなければならない。バラスト水管理
計画は、個々の船舶について具体的なものであり、また、少なくとも、以下の
各要件を満足しなければならない。
1
この条約が要求するバラスト水管理作業に関連して、船舶及び乗組員の安全
対策を詳述すること。
2
この条約で明らかにされている、バラスト水管理要件及び補足バラスト水管
理実施の履行のためにとるべき措置について、詳細に記述すること。
3
沈殿物処分手順について詳述すること。
(a) 海上
(b) 寄港国要件に従った港内又は dry-dock
4
[5
船上バラスト水管理作業を実施する水域の沿岸又は寄港国の当局と、当該
作業について調整する手続きを含むこと。
当該計画の適切な履行を確保する船上責任士官を任命すること。]
6
この条約の下に規定される船舶のための報告要件を含むこと。
20
国際航行連盟(ISAF)がさらなる審議事項として提案(本報告書第 6.5 項参照)
116
[7 乗組員の日常語で記載すること。 [記載文が英語、仏語又はスペイン語で
ない場合、これらの言語の 1 つによる翻訳文を含むこと。]
規則 B-2
バラスト水管理記録簿
1
各船舶は、船内に、バラスト水管理記録簿21を所持しなければならない。当
該記録簿には、少なくとも、付録Ⅱに明記の情報を記載しなければならない。
2
記録簿への記入については、最後の記入がなされた後、少なくとも 2 年間
船内に保持し、その後少なくとも 3 年間は、会社のコントロール下におかな
ければならない。 乗組員の日常語で記入しなければならない。22
3
この附属書の規則A-3に規定が適用されるバラスト水排出が生じた場合、あ
るいは当該規則により除外されない他の例外的バラスト水排出が生じた場合、
当該排出の状況及びその理由について、バラスト水管理記録簿に記述しなけ
ればならない。
4
当該記録簿については、曳航下の無人船舶の場合を除き、すべての正当な
検査に容易に応じられるような場所に保管し、かつ、船内に保持しなければ
ならない。
5
バラスト水管理関連各作業については、完了各作業のすべてをバラスト水
管理記録簿に記入し、遅滞なく当該記録簿への記録を完全なものとしなけれ
ばならない。完了各作業については、一人又は複数の当該運用関連責任士官
が署名しなければならず、また、当該船舶の船長は、終わった頁毎に署名し
なければならない。バラスト水管理記録簿には、乗組員の日常語に加えて、
英語、仏語又はスペイン語で記入しなければならない23。
6
条約締約国政府の権限を持つ当局は、この条約が適用されるいかなる船舶
について、当該船舶が当該締約国内にある港又は沖合ターミナルにいる間に、
船内のバラスト水管理記録簿を検査し、当該記録簿記入事項のコピーをとり、
かつ、本船船長に対し、当該記入事項の正しいコピーであることの証明を要
求することができる。バラスト水管理記録簿記入内容の正当なコピーとして
本船船長により証明されているいかなるコピーも、司法訴訟手続きにおける
記入内容の事実証明として、取り扱われるものとする。この規則第 4 項の下
による、権限を持つ当局によるバラスト水管理記録簿の検査及び証明付コピ
ーの取得については、船舶に不当な遅延を生ずることなしに、できる限り速
やかに遂行されなければならない。
21
書面記録の代替肢としての電子式記録システムの利用についての検討必要
乗組員 に代えて、 士官及び乗組員 とすべきかどうかの検討必要
23
この項については、汚染防止に関する IMO 条約におけるスペイン語使用についての決議
MEPC.87(44)並びに MARPOL 73/78 の附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ及びⅥにおけるスペイン語使用に関する改正
起案についての MEPC 45/20 の付属 8 と矛盾しない、さらなる起案が必要
22
117
規則 B-3
1
船舶のバラスト水管理
この条約において別段の規定がない限り、船舶は、以下のバラスト水管理
を実施しなければならない。
.1
新造船においては、[さらなる作成の必要なバラスト水交換及び処理の
基準を取り扱う E 節]の基準以上
.2
現存船においては、[さらに作成されるべきバラスト水交換及び処理の
基準を取り扱う E 節]の基準以上
2
船舶は、[安全性、安定性問題等さらなる作成要]の場合、第 1 項を遵守す
る必要はない。
3
船舶は、第 2 項に述べられている理由で、第 1 項を遵守できない場合、当
該理由をバラスト水管理記録簿に記入しなければならない。
規則 B-4
船舶の沈殿物管理
1
すべての船舶は、バラスト水を運搬するよう指定された区域から、バラス
ト水管理計画の規定に従って、沈殿物を除去又は処分しなければならない。
2
新船については、機関が策定するガイドラインに基づいて、沈殿物の取入
れ及び好ましくない策略を最小化し、沈殿物除去を助長し、かつ、沈殿物の
除去及びサンプリングができるアクセスを提供するように、設計かつ建造し
なければならない。 現存船については、実行可能な限り、この規定を遵守し
なければならない。
規則 B-5
士官及び乗組員の義務
バラスト水管理に従事する士官及び乗組員は、[当人が乗船する]24 船舶固有の
バラスト水管理の実施における当人の義務を熟知しなければならず、かつ、義
務に応じて [当人が乗船する] 船舶のバラスト水管理計画を熟知しなければな
らない。
24
この語句の位置については、この場所又はこの文の最後
118
[C 節
規則 C-Ⅰ
1
一定の区域における特別要件
バラスト水排出規制区域設置の手続き
機関への申請
バラスト水排出規制区域を設置しようとする締約国は、機関に申請書を
.1
提出しなければならない。当該申請書には、当該区域設置の理由と共に、当該
区域の地理学的境界を含んだ計画を記述しなければならない。
.2
また、当該申請書には、当該区域内でバラスト水を排出しようとする船
舶が、規則 C-2 に列記の船舶代替肢要件に一致して従うべき手続きに関す
る情報も含まなければならない。
.3
締約国は、当該区域内に受入又は処理施設を提供できるのか、あるいは
提供する予定があるのかについて、また、当該施設利用手続きの詳細につ
いて、明示しなければならない。
2
バラスト水排出規制区域設置の申請についての機関内の決定
.1
25
バラスト水排出規制区域設置のための締約国からの申請書は、[機関が
(MAEPOL 又は SOLAS の既存規定に基づいて文章作成作成)するのに
先立ち、少なくとも[……]ヶ月前に]、加盟国に回章しなければならない。
.2
悪影響の防止:
他の締約国による当該バラスト水排出規制区域の設置が、自国管轄下水
域に悪影響を及ぼすと信ずる場合、当該国は、解決を目指し、当該締約国
との協議を要求することができ、また、機関による当該バラスト水排出規
制区域の設置申請の検討[……]ヶ月以前に、機関に対し通知しなければなら
ない。
.3
効果:
バラスト水排出規制区域の設置のため、締約国は、科学的研究又は危険
性評価に基づいて、当該区域への適用要件が、有害水生生物又は病原体の
移動の防止又は最小化[、あるいはバラスト水排出に伴う有害水生生物又
は病原体による公衆衛生、財産及び生態系への傷害防止25]に有効となるこ
とを、合理的に確信しなければならない。
.4
監視:
バラスト水排出規制区域を設置する締約国は、有害水生生物又は病原体
の移動の防止又は最小化の有効性を決定するため当該区域の監視実施に努
力を払わなければ[ならない(should)(shall)]。また、監視結果を、他の締
約国への回章のため、機関に提供しなければならない。
さらなる検討ためニュージーランドが提案(本報告書第 6.10 項参照)
119
.5
国際法との関係:
すべての、設置バラスト水排出規制区域及び当該区域内における遵守強
制措置については、国連海洋法条約(UNCLOS)の関連部分を含む国際法
と矛盾してはならない。バラスト水排出規制区域の設置は、国際法又は国
際航海及び群島シーレーンに利用される海峡の法制度に基づく政府の権利
及び義務を侵害してはならない。[第 2.3 及び 19 条参照]26
規則 C-2
バラスト水排出規制区域内でのバラスト水排出船舶運用要件
規則 C-1 の規準に従ってバラスト水排出規制区域を設置した締約国は、当該
区域内でバラスト水を排出する船舶に対し、本船船長の判断による以下の一つ
の遵守を要求することができる。
.1
バラスト水受入又は処理施設を提供しない港:
(a)
[規則 E-2][又は他の基準]における基準を遵守したバラスト水を漲水
した船舶への要件は、次のとおりである。
(ⅰ)
沈殿物が[実質的に洗浄されている]タンク内への、当該バラスト
水漲水を確保すること。
(ⅱ)
バラスト水排出規制区域内では、当該バラスト水のみを排出するこ
と。
(b)
(c)
規則 E-2 に従ったバラスト水処理遂行のための要件
規則 C-1 によるバラスト水排出制御水域の申請書において明示されて
いる区域内でのバラスト水交換遂行のための要件。現存船については、あ
たかも新船の如く取り扱う。
この項の遵守が要求される船舶で、規則 A-3 又は B-3-3 に規定の理由によ
り、この項遵守が不可能な船舶については、[当該締約国の承認に従って]適
切な積荷に最小限必要なバラスト水排出が、許可されなければならない。ま
た、その理由について、バラスト水管理記録簿に記載しなければならない。
.2
バラスト水受入又は処理施設を提供する港:
(a)
有害水生生物及び病原体移動の危険性減少のために当該締約国が要求
する他の基準を満足できない場合における、港内提供バラスト水受入又は
処理施設に、もっぱらバラスト水を排出する船舶への要件
この項に従って、バラスト水受入又は処理施設の利用を要求する締約国は、
当該情報を IMO に報告しなければならない。]
26
この規定の必要性については、第 19 条に照らしてさらに検討されるべき
120
D 節27
規則 D-1
補足バラスト水管理実施
取入れ、移動及び排出の実施
1
バラスト水を運搬するすべての船舶は、潜在的に有害な水生生物及び病原
体の、取入れ、移動及び排出の回避に、あらゆる努力を払わなければならな
い。また、当該生物を含んでいるであろう沈殿物についても同様である。
2
船舶は、潜在的に有害な水生生物及び病原体並びに当該生物を含んでいる
であろう沈殿物の、取入れ、移動及び排出の回避に努める場合は、機関が策
定する勧告に基づいた補足バラスト水管理の適用に、あらゆる努力を払わな
ければならない。
E 節 バラスト水管理基準
規則 E-1
バラスト水交換基準28
1
バラスト水管理計画には、各タンクのバラスト水量の 95%以上を交換する
ために必要な手順を詳述しなければならない。
2
当該方法の理論的又は実践的な立証については、[機関によって承認された]
[コードの付属に記載された] 容認された方法の一つに従わなければならない。
3
現存船は、各タンク容量の 3 倍量のポンピングにより、フロースルー法か
又は希釈置換法の要件を満たすことを考慮することができる。 [上述第 1 項に
記載の量的交換性能の算定が、バラスト水管理計画に記載されていることを
条件とする。]
4
新船は以下の要件に従って設計かつ建造されなければならない。29
27
日本提案(MEPC 47/2/12)に照らして再吟味すべき。本報告書第 6.12 及び 6.13 項参照
この基準を E 節に含めるか、又はバラスト水管理コードに移動するのかについての検討必要
MEPC 47/2 第 4.3 項参照
豪州及び英国が、MEPC 48 に提出するため作成する予定。本報告書第 7.8 項参照
28
29
121
[規則 E-2
バラスト水処理規準30
バラスト水処理システムは、以下の規準の一つを満足しなければならない。
百分率基準
Option 1(出典:2001 年 Globallast ワークショップで作成)
新バラスト水処理技術の承認/容認要件
.1
標準となる生物学的、物理学的及び化学的取入れ条件の定義一式(付録
Y に明示)による取入れに対応した、船外排出バラスト水内の 5 代表的分
類グループ個々からの代表種(付録 X に明示)の、少なくとも 95%除去、
殺滅又は不活性化の達成
.2
病原体、渦鞭毛藻シスト及び関連類似生物の、殺滅又は不活性化に関す
る報告資料
Option 2 (出典:MEPC 47/2、Regulation E-2。この Option は、上述 option
1 で述べられている GloBallast 基準を追跡したもの)
新バラスト水処理技術の承認/容認要件
.1
標準となる生物学的、物理学的及び化学的漲水条件の基準の定義一式[要
作成]による取入れに対応した、船外排出バラスト水内の 5 代表的分類グ
ループ個々からの代表種[要作成]の、少なくとも[95%]の除去、殺滅
又は(不活性化)(無害化)の達成
.2
病原体、渦鞭毛藻シスト及び関連類似生物の、殺滅又は(不活性化)(無
害化)に関する報告資料
Option 3(出典:US Federal Register ANPRM(Advance Notice of Proposed
Rulemaking)実行可能な基準 S1 − 2001 年に作成の GloBallast
Proposal A が根拠)
1
30
脊椎動物、非脊椎動物(hard-shelled、soft-shelled、soft-bodied)、植物プ
ランクトン、大型藻類の 6 代表的分類グループ個々からの代表種の、少なく
とも 95%除去、殺滅又は不活性化の達成。このレベルは、標準となる生物学
的、物理学的及び化学的取入れ条件により、漲水バラスト水について測定さ
れることになる。
最終的基準を E 節に含めるか、又はバラスト水管理コードに移動するのかについての検討必要。
MEPC 47/2 第 4.6 項参照
122
2
各代表種について、これらの条件は次のとおりである。
.1
利用可能な文献から得られる、世界中で最高と期待される生物天然濃縮
.2
塩分、濁り、温度、pH、分解酸素、粒子状有機物質及び溶解有機物質に
ついての数値範囲
Option 4(出典:US Federal Register ANPRM、実行可能な基準 S3)
1
沿岸性の、全生活段階(卵、幼生、青少年及び成体)を包括した、終生、
一時性及び底性の動物プランクトンの 99%除去
2
全生活段階の、植物プランクトン並びに大型藻類及び水生被子植物の零余
子(むかご)を包括した、すべての光合成生物(photosynthetic organisms)の
95%除去
処理水における、腸内球菌 35/100ml 以下、大腸菌 126/100ml 以下
3
Option 5(出典:MEPC 47/INF.5、付属 2、第 2 項‐米国)31
一定の期日までに、すべての船舶に要求される暫定基準
6 代表的分類グループ個々からの代表種の[x 生存生物/ml](要決定)以下の
量の排出: 脊椎動物、非脊椎動物(hard-shelled、soft-shelled、soft-bodied)、
植物プランクトン、大型藻類。
バクテリアについては、腸内球菌 35/100ml 以下、大腸菌 126/100ml 以下
サイズ基準
Option 6(出典: 2001 年 GloBallast ワークショップにおいて作成)
新バラスト水処理技術の承認/容認要件
.1
すべての生物について、100%近くの除去、殺滅又は不活性化の達成
.1
(2003/2005 年?)までは、100 ミクロンより大きいサイズ
.2
(2007/2010 年?)までは、50 ミクロンより大きいサイズ
.2 (???年までは)一定の国が特別に懸念する 10 ミクロンより大きいサイズの生
物について、100%近くの除去、殺滅又は不活性化の達成
31
この option は、option 11 とリンク
123
Option 7(出典:MEPC 47/2、規則 E-2、option 2)
サイズ分類より大きな、すべての生物の[100%]除去/殺滅/不活性化
新バラスト水処理技術の承認/容認要件
.1
.2
すべての生物について、100%近くの除去、殺滅又は不活性化の達成
.1
[年月日?]までは、100 ミクロンより大きいサイズ
.2
[年月日?]までは、50 ミクロンより大きいサイズ
特別に懸念される 10 ミクロンより大きいサイズの生物について、[100%近
くの]除去、殺滅又は不活性化の達成。[年月日?]
Option 8(出典:US Federal Register ANPRM、実行可能な基準 S2)
100 ミクロンより大きいサイズのすべての生物の除去、殺滅又は不活性化
Option 9(出典:US Federal Register ANPRM、実行可能な基準 S4)
50 ミクロンより大きいサイズの生物の非排出、及び contact recreation のための
連邦標準を満足する処理(目下、海水については腸内球菌 35/100ml、また、清
水については大腸菌 126/100ml)
Option 10(出典:MEPC 47 作業部会の指示による小科学者グループが作成)32
バラスト水交換以外のバラスト水処理基準
1
5∼6 代表的分類群の、試験バラスト水への混入が要求される。これらの指
標種は、全世界に分布し、強健で、かつ、病原性又は有毒性のものでないこと。
また、次のものを含むことができるのではないか。
脊椎動物、非脊椎動物(hard-shelled、soft-shelled、soft-bodied)、植物プラ
ンクン、大型藻類、バクテリア/ウィルス
2
次の詳細を提供するための技術コードが必要となる。
.1
.2
.3
.4
32
指標種及びそれらの凝縮
温度、塩分、pH、濁り等、試験水の特性
実験構成
サンプリング技術
本報告書の、第 4.14 項及び付属 2 も参照
124
3
許容限界
.1
50 ミクロンより大きい生物については 実質的除去 が必要
.2
50 ミクロンより小さい生物[[x 個体数/㍑(TBD)]]、[x Log reduction]は
除外
.3
バクテリア/ウィルス(指標種)については、たとえば、米国 Coast Guard
実行可能な基準 S3 等の、bathing water 基準に基づくレベル
ゼロ基準
Option 11(出典:MEPC 47/INF.5、付属 2、第 2a 項‐米国)33
一定の年月日までに、すべての船舶に要求されるべき暫定基準をもった生存
生物の非排出
バクテリア/ウィルス以外の、生存生物(含:沿岸性の、全生活段階を包括す
る、終生、一時性及び底性の動物プランクトン、浮遊生物(necton)、植物プラ
ンクトン並びに大型藻類及び水生被子植物の零余子(むかご))の非排出
バクテリアについては、腸内球菌 35/100ml 以下、大腸菌 126/100ml 以下
Option 12(出典:MEPC 47 におけるイスラエル提案)
一定の年月日までに、すべての船舶に要求される暫定基準による生存生物の
非排出
結合選択肢
Option 13(出典:MEPC 47/2、規則 E-2)
Options 2 及び 7 の結合
Option 14(出典:MEPC 47/INF.5、付属 1、付録 2、第 1c 項‐ブラジル)
バラスト水処理基準は、バラスト水の 95%除去と同一又は同価値でなければ
ならない。
33
この option は、上述 option 5 とリンク
125
規則 E-4
バラスト水処理システムのための付加規準
本条約応諾のために用いられるバラスト水処理システムについては、以下のと
おりでなければならない。
.1
船舶及び乗組員にとって、安全であること。
.2
環境上容認、すなわち、当該解決策より大きな環境影響を生じないこと。
.3
実行可能、すなわち、船舶のデザイン及び運航と調和していること。
.4
cost effective、すなわち、経済的であること。
.5
バラスト水内有害水生生物の除去、殺滅又は不活性化に関し、生物学的
に効果的であること。
[規則 E-5
既存設備
[規則 E-2 のバラスト水管理基準]34は、この条約発効前に、主官庁により承
認され、かつ、バラスト水管理のための新技術の試験及び評価の目的のため初
期に設置されたバラスト水管理システムを[半永久的(permanently)]に設置
している船舶には適用してはならない。当該技術には、この条約発効前に、IMO
により承認又は勧告されたものを含むことができる。]35
規則 E-6
IMO による基準見直し
Article 1 に規定の本条約の目的を満足するため、IMO は、IMO への提出に
基づき必要と考えられる場合には、バラスト水管理基準の効果の見直しを実施
しなければならない。
当該見直しは、それらの効果のための要件を増強する観点から、使用されて
いるシステムの効果及び技術的進歩を評価することになる。
以上
***
34
35
規則 E-2 の結果に照らして再吟味すべき
本報告書の第 6.17 及び 6.18 項並びに付属 4 に反映されている、MEPC 決議案又は外交会議のための
OCIMF 提案参照
126
MEPC 48/2
付属 3
附録Ⅰ
国際バラスト水管理証書の様式
国際バラスト水管理証書
(公認封印)
(締約国)
船舶のバラスト水の規制及び管理に関する国際条約(以下、条約という。)
の規定に基づき発給された
の政府の権限の下に
......................
..............
(締約国名)
......................
..............
(権限を与えられた者又は組織)により
以前に証書が発給されている場合、この証書が当該旧証書に取って代わる。
船舶の詳細 1
船名............................
.................................
船舶番号又は信号符字.............................................
船籍港...........................................................
総トン数.........................................................
...........................
IMO 番号 2............................
バラスト水管理の詳細
用いられるバラスト水管理のタイプ.................................
設置日............................
...............................
製造業者名.......................................................
この証書は、以下のことを証明する。
1
本船が、条約第 9 条に従って検査されたこと。
2
当該検査が、船上バラスト水管理の条約附属書遵守を示していること。
.........................................
.................において発給
(証書発給場所)
.....................
..........
...............................
(発給日)
(正式に権限を与えられた証書発給者の署名)
(必要に応じて、当局の封印又はスタンプ)
1
2
代替案として、船舶の詳細を水平の箱に入れる。
決議 A 600(15)‐IMO 船舶認定番号計画に従って、この情報を任意に含むことができる。
127
検査の裏書き
ここに、条約第 9 条第 1 項に従って要求される検査において、本船が、条約
の関連規定を遵守しているものと認める。
バラスト水管理の詳細
用いられるバラスト水管理のタイプ..................................
設置日............................................................
製造名業者名......................................................
署名: ....
..........................
(権限を与えられた職員の署名)
場所: ..............................
..........................
日付: ....
(必要に応じて、当局の封印又はスタンプ)
第 X 条、第 X(X)項に従って要求される検査
バラスト水管理の詳細
用いられるバラスト水管理のタイプ.......................................
設置日..................................
...............................
製造業者名.............................................................
署名: ....
..........................
(権限を与えられた職員の署名)
場所: ....
..........................
日付: ....
..........................
***
128
MEPC 48/2
付属3
付録Ⅱ
バラスト水記録簿の様式
船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理国際条約
船名
_________
所有者
_________
総トン数 _________
船籍
_________
船上バラスト水管理計画は __
バラスト水タンクを示す図表:
1.
IMO 番号 _____________
船種
_____________
呼出符号 _____________
全バラスト水容量 _________
期間: ____から ____
まで
序論
船舶のバラスト水の制御及び管理国際条約の附属書規則 B-1 に従って、個々
のバラスト水作業についての記録を保持すること。これには、洋上及び受入施
設への排出が含まれる。
2.
バラスト水及びバラスト水管理
バラスト水とは、船舶の、トリム、傾斜、喫水、安定性又は強度を制御する
ために、浮遊物質と共に取り入れられた水のことである。バラスト水の管理に
ついては、承認されたバラスト水管理計画に従ったものであること。
バラスト水管理記録簿への記入
3.1
次の個々の場合に、バラスト水管理記録簿に記入すること。
(a)
バラスト水漲水時
(ⅰ) 漲水日、時間及び位置(港又は緯度/経度)、港外の場合その水深
(ⅱ) 漲水推定量(m3)
(ⅲ) 作業責任士官の署名
(b)
バラスト水排出
(ⅰ) 排出日、時間及び位置(港又は緯度/経度)
(ⅱ) 排出推定量(m3)+ 残存量(m3)
(ⅲ) 排出に先立ち、バラスト水管理計画が履行されたかどうか。
(ⅳ) 作業責任士官の署名
129
(c)
受入施設へのバラスト水排出
(ⅰ) 漲水日、時間及び位置36
(ⅱ) 排出日、時間及び位置
(ⅲ) 港又は施設
(ⅳ) 排出推定量(m3)
(ⅴ) 排出に先立ち、認証バラスト水管理計画が履行されたかどうか。
(ⅵ) 作業責任士官の署名
(d)
バラスト水の偶発的又は例外的排出
(ⅰ) 発生日時
(ⅱ) 発生時における港又は船舶位置
(ⅲ) 推定バラスト排出量
(ⅳ) 排出、漏出又は紛失の状況、発生理由及び一般的所見
(ⅴ) 排出に先立ち、認証バラスト水管理計画が履行されたかどうか。
(ⅵ) 作業責任士官の署名
3.2
受領書
本船の船長、所有者又は他の責任者は、港湾受入施設の運営者から、受
領書又は排出されたバラスト水推定量を明示した証明書を獲得すること。
当該受領書又は証明書については、バラスト水管理記録簿と共に、2 年間船
内に保持すること。
3.3
バラスト水量
船上バラスト水量については、m3 で推定すること。バラスト水管理記録
簿は、多くのバラスト水推定量への言及が含まれる。 バラスト推定量の正
確さについては、解釈に任せることが認識されている
36
この記入については、上述第 3.1(a)(ⅰ)項の複写
130
MEPC 48/2
付属 3
バラスト水作業の記録
記録簿コード及び項目番号
(A) バラスト漲水
1. 時間
2. 漲水場所: 港又は緯度/経度 + 港外の場合その水深
3. タンク/船艙の確認
4. 漲水量(単位=m3)
(B)
バラスト排出
1. バラスト水管理計画が履行された。
.1 処理方法
.2 処理バラスト水量
2. バラスト水交換を伴ったバラスト水管理の場合
.1 方法:空/再漲水又はフロースルー
.2 交換バラスト水の%又は関連フロースルー量
.3 交換位置(緯度/経度)
3. 排出タンク/船艙の確認
4. 時間
5. 排出位置: 港又は緯度/経度
6. 排出量(単位=m3)+ 残存量
7. バラスト水管理計画不履行の理由
(C)
認証陸上バラスト水受入施設へのバラスト排出*
1. 時間
2. 受入施設の場所
3. 施設への推定排出量
(D)
バラスト水の偶発的又は他の例外的排出
1.
2.
3.
4.
5.
(E)
発生日時
発生時の船舶の場所又は位置
推定排出量
排出に先立って、バラスト水計画が履行されたか?
排出、漏出又は紛失の状況、発生理由及び一般的所見
追加運用手順及び一般的所見
131
事例
船名:
M/V Eversail
公式番号: XXXXX
日付
コード
1/15/00
C
1/18/00
B
項目
1
2
3
1
1.1
1.2
3
4
5
6
作業記録/責任士官の署名
1845
ロスアンジェルス港
J. Smith
1,000m3
Yes
分離及び紫外線
1,100m3
フォアピーク、アフターピーク及び 5P ウィング
1125
ニューオーリンズ港
1,200m3
K. Long
バラスト水管理記録簿ページ見本
船名: _________________
日付
船長著名
コード
IMO 番号.:______________
項目
作業記録/責任士官の著名
___________________________
***
132
日付 ___________________
付属 4
OCIMF 提案の決議案(第 6.17 及び 6.18 項参照)
序論
OCIMF は、文書 47/2/19 で提出した OCIMF 提案及びその後の作業部会の関
与に言及している。OCIMF 提案は、国際条約の合意に先んじてバラスト水管理
基準勧告を船舶に適用することを提議している、これらの考え方を構築して、
MEPC 又は外交会議のどちらかによる採択のため、下記のごとき第一段階の決
議案が作成された。今後、関連基準を記載したこの決議への附属書を作成すべ
きである。
海洋環境保護委員会は、
船舶からの規制を受けないバラスト水及び沈殿物の排出が、有害水生生物及
び病原体の移動をもたらし、公衆衛生を損ない、かつ、資産及び環境に損害を
与えることを意識し、
A.774(18)及び A.868(20)両総会決議を通じて、機関がこの有害水生生物及び
病原体の移動問題に重要性を置いていることを銘記し、
いくつかの国々において、船舶の当該国入港に伴う有害水生生物及び病原体
侵入の危険性の、防止、減少及び最小化の観点から、片務的行動がとられてい
ること、また、他の国々においても、提案されている国際条約の規定の合意に
先だって、同様な措置を検討するであろうことを認識し、
最も高度な利用可能な科学技術に向かって流れていて、世界的関心事となっ
ている、機関勧告バラスト水管理基準の、船舶による早急な採用が、有害水生
生物及び病原体の導入危険の早期防止、減少及び最小化促進の助力となること
を認識し、
機関勧告のいかなるバラスト水管理基準も、国々における、自国管轄下水域
についての法令の起案において用いられる適切なガイドラインとなることを認
識し、
既存の技術が、国際条約内で提案されているバラスト水管理基準の遵守に必
要な技術よりも低効果であろうこと、また、事前勧告基準を満足するのに要求
される投資が、よりやっかいな国際条約におけるバラスト水管理基準の導入に
より、ひどい害を受けるであろうことを認識し、
133
1
主官庁が、船舶所有者に対し、この決議の附属書に記載の最低限要件を満
足するバラスト水管理システムを設置又は利用することにより、有害水生生
物及び病原体の導入危険を、防止、減少及び最小化するすべての適切な措置
をとるよう奨励することを勧告する。
2
提案されている船舶のバラスト水及び沈殿物の制御及び管理に関する国
際条約の採択に先立ち、添付附属書に記載の最低限基準を遵守したバラスト
水管理システムを運用しているか、あるいは調査及び評価のために主官庁承
認システムを運用している船舶については、[5]年を超えない範囲で、条約
により定められたよりやっかいな基準遵守の必要がないことに合意する。
***
附属書(さらなる作成必要)
機関勧告の最低限基準は以下のとおりである。
1
現存船:
バラスト水交換を用いる場合には、 3 倍量フロースルー
2
新船:
バラスト水交換を用いる場合には、 95%量的交換
3
バラスト水処理システム利用のすべての船舶については、次のいずれか
(a)
(b)
[70]ミクロンより大きなすべての生物の完全除去
船外排出バラスト水内における取入れサンプル[要決定]に関連した指
標種の、[85%]除去/殺滅/不活性化
***
134
MEPC 48/2
付属 5
2002 年∼2003 年 2 年間末以前の
バラスト水管理に関する外交会議に向けた計画
提案日程
年
2002 年
3∼6 月
会合
成果
バラスト水基 1
2
準通信部会
MEPC 48 への報告書
中間期バラスト水作業部会への報告書
2002 年
中間期バラス MEPC 48 への報告書
9 月 30 日∼10 月 ト水作業部会
4日
2002 年
10 月 7∼11 日
MEPC 48
1
2
3
4
5
2003 年 6/7 月
MEPC 49
条約案の精錬を含む、関連事項のさらなる審
議
条約案に関する受領コメントの審議
条約案審議(逐条毎)
バラスト水管理基準案最終化
理事会への外交会議に関する助言
外交会議に関する理事会による承認を条
件に、条約案文の回章
[2003 年 10 月] 外交会議
135 (136、欠)
MEPC 48/21
2002 年 10 月 24 日
原文: 英語
海洋環境保護委員会
第 48 会期
議題項目 21
第 48 会期 海洋環境保護委員会の報告書(仮訳)
目
項
次
目
1.導入
2.バラスト水中の有害水生生物
3.船舶のリサイクリング
4.船舶からの大気汚染の防止
5.強制方策改正の検討及び採択
6.OPRC 条約及び OPRC-HNS 議定書の実施並びに関連 OPRC 条約決議の作成
7.特別海域及び特に敏感な海域の特定及び保護
8.受入施設の不備
9.各小委員会の報告
10.他の委員会等の作業
11.条約の現状
12.MARPOL 73/78 及び関連規則の実施と執行の促進
13.技術協力計画
14.MARPOL 73/78 及び関連規則の解釈及び改正
15.船舶の防汚塗料使用による有害影響
16.公式安全性評価及び人的要因の将来の役割
17.委員会ガイドラインの適用
18.委員会及び下部組織の作業計画
19.2003 年議長及び副議長の選出
20.その他の事項
137
付属書一覧
付属書 1
文書リストを含む第 48 回会議の議題
付属書 2
船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約案
付属書 3
決議 MEPC99.(48)‐状態評価スキームに関する改正
付属書 4
決議 MEPC100.(48)‐1973 年の油以外の物質による汚染の場合の公海における仲裁に関
連する議定書の附属する物質のリストの改正
付属書 5
決議 MEPC101.(48)‐Wadden 海の、特別敏感海域としての確認
付属書 6
MARPOL 73/78 付属書Ⅰの改正提案
付属書 7
IBC コードによる製品の輸送要件の指定基準
付属書 8
決議 MEPC102(48)‐船舶の防汚システムの検査及び証書の指針
付属書 9
FSI/BLG 小委員会の作業計画及びそれらの来る会議のための暫定議題
付属書 10 DSC、NAV、DE、SLF、STW 各小委員会の環境問題に関連する作業計画の項目
付属書 11 OPRC 条約及び OPRC‐HNS 議定書の作業計画案
付属書 12 MEPC 49、50 及び 51 の議題に含めるべき本質的項目
付属書 13 通信部会への委託事項とバラスト水作業部会の期中会議
付属書 14 トルコ及びキプロス代表団による声明
1 導入
1.1
第 48 回海洋汚染防止委員会は、M.. Julian 氏(オーストラリア)を議長として、2002 年 10
月 7 日から 11 日にかけて IMO 本部で開催された。
1.2
今会期、次の各国からの代表が出席した。
アルジェリア
中国
アンゴラ
コロンビア
アンチグアバーブーダ
コスタリカ
アルゼンチン
クロアチア
豪州
キューバ
バハマ
キプロス
バングラデシュ
北朝鮮
バルバドス
デンマーク
ベルギー
ドミニカ
ボリビア
エクアドル
ブラジル
エジプト
ブルガリア
エストニア
カナダ
フィンランド
チリ
フランス
138
ガボン
スペイン
ドイツ
スウェーデン
ギリシャ
シリア
ホンジュラス
タイ
インド
トリニダッド・トバコ
インドネシア
チュニジア
アイルランド
トルコ
イスラエル
ウクライナ
イタリア
英国
ジャマイカ
米国
日本
ウルグアイ
クウェート
バヌアツ
ラトビア
ベネズエラ
リベリア
リトアニア
ルクセンブルク
マレーシア
マルタ
マーシャル諸島
メキシコ
ナミビア
オランダ
ニュージーランド
ノルウェー
パナマ
ペルー
フィリピン
ポーランド
ポルトガル
韓国
ルーマニア
ロシア
セントビンセントグレナディーン
サウジアラビア
シンガポール
南アフリカ
139
次 の IMO 準 加 盟 国 か ら 代 表 が 出 席 し た 。
香港(中国)
次の国連及び専門機関から代表が出席した。
国 連 環 境 計 画 ( UNEP)
国 際 労 働 機 関 ( ILO)
次 の 政 府 間 機 関 か ら オ ブ ザ ー バ ー が 出 席 し た。
欧 州 委 員 会 ( EC)
国 際 油 濁 補 償 基 金 ( IOPC FUNDS)
バ ル ト 海 海 洋 環 境 保 護 委 員 会 ( ヘ ルシ ン キ 委 員 会 )
湾 岸 海 洋 環 境 保 護 機 構 ( ROPME)
東 南 ア フ リ カ 港 湾 管 理 協 会 ( PMAESA)
国 際 海 事 衛 星 機 構 ( IMSO)
ま た 次 の 非 政 府 機 関 か ら オ ブ ザ ー バ ー が 出 席し た 。
国 際 海 運 集 会 所 ( ICS)
国 際 標 準 化 機 構 ( ISO)
国 際 海 上 保 険 連 合 ( IUMI)
国 際 自 由 労 働 組 合 連 合 ( ICFTU)
国 際 航 法 協 会 ( PIANC)
バ ル チ ッ ク 国 際 海 運 同 盟 ( BIMCO)
国 際 船 級 協 会 連 合 (IACS)
欧 州 化 学 製 造 者 連 合 協 議 会 ( CEFIC)
石 油 会 社 国 際 海 事 評 議 会 ( OCIMF)
国 際 水 先 人 協 会 ( IMPA)
国 際 地 球 の 友 ( FOEI)
国 際 航 法 研 究 協 会 ( IAIN)
国 際 海 洋 産 業 協 会 ( ICOMIA)
国 際 船 長 協 会 連 盟 ( IFSMA)
国 際 油 及 び ガ ス 生 産 者 協 会 ( OGP)
西 欧 州 造 船 工 業 会 ( AWES)
国 際 独 立 タ ン カ ー 船 主 協 会 ( INTERTANKO)
国 際 タ ン カ ー 船 主 汚 染 防 止 連 合 会 ( ITOPF)
自 然 及 び 天 然 資 源 保 護 国 際 連 合 ( IUCN)
国 際 ガ ス タ ン カ ー ・係 留 施 設 管 理 者 協 会 ( SIGTTO)
国 際 道 路 輸 送 連 合 ( IRU)
グ リ ー ン ピ ー ス ・ イ ン タ ー ナ シ ョ ナル
140
国 際 巡 航 船 協 議 会 ( ICCL)
国 際 乾 貨 物 船 主 協 会 ( INTERCARGO)
世 界 自 然 保 護 基 金 ( WWF)
欧 州 内 燃 機 関 製 造 者 協 会 ( EUROMOT)
国 際 石 油 産 業 環 境 保 全 協 会 ( IPIECA)
The Institute of Marine Engineering, Science and Technology( IMarEST)
国 際 パ ー セ ル タ ン カ ー 協 会 ( IPTA)
国 際 航 行 連 盟 ( ISAF)
The International Marine Contractors Association( IMCA)
世 界 原 子 力 輸 送 協 会 ( WNTI)
International Harbour Master ’s Association(IHMA)
英 国 造 船 協 会 (RINA)
1.3
海 上 安 全 委 員 会 (MSC)議 長 Mr.T.Allan(英 国)、技 術 協 力 委 員 会 (TCC)議 長 Capt.
M.U.Ahmed( バ ン グ ラ デ シ ュ ) 、 船 舶 設 計 設 備 小 委 員 会 (DE) 議 長
Mr.A.Chrysostomou(キ プ ロ ス )、 ば ら 積 み 液 体 及 び ガ ス に 関 す る 小 委 員 会 (BLG)議 長
Mr.Z.Alam(シ ン ガ ポ ー ル )並 び に 防 火 小 委 員 会 (FP)議 長 Mr.K.Yoshida(日 本 )も 出 席 し
た。
事務局長開催の挨拶
1.4
事 務 局 長 は 、 参 加 者 に 歓 迎 の 意 を 表 明 し 、 そ して 10 日 前 セ ネ ガ ル に お い て 多
く の 命 と と も に 沈 ん だ フ ェ リ ー Joola 号 の 不 幸 な 出 来事 の ニ ュ ー ス に つ い て 言 及 し た 。
事務局長は、この災害からの不可避の教訓とは安全に考慮することが最優先事項であ
る こ と 、客 船 の 定 員 オ ー バ ー は 禁 止 す べ き で あ る と述 べ た 。い か な る 目 的 の 航 海 で も 、
そ の 途 中 で 遭 遇 す る 天 候 状 態 を 常 に 重 く 考 慮 に 入 れ るべ き で あ る と 加 え た 。
1.5
事 務 局 長 は セ ネ ガ ル 政 府 と 政 府 を 通 じ てこ の 海 上 に お け る 悲 劇 の 犠 牲 者 の 家 族
と 友 人 に 個 人 と し て 又 IMO の 総 意 と し て 哀 悼 の 意 を 伝 え た 。 事 務 局 長 は 、 セ ネ ガ ル
政 府 へ の IMO 援 助 を 提 議 し 、 承 認 さ れ た 。 事 務局 長 は 、 こ の 事 故 の 調 査 報 告 書 を 早
期 完 結 さ せ る こ と に よ り 、遅 滞 な く 、得 ら れ た 教 訓 に 対 し 行 動 が 取 れ る こ と を 期 待 し 、
IMO の 技 術 計 画 を 通 じ て 機 関 の コ ン サ ル タ ン ト が セ ネ ガ ル に 助 力 す る こ と を 希 望 し
た。
1.6
事 務 局 長 は 、 海 洋 環 境 の 深 刻 な 汚 染 と いう 結 末 と な ら な い こ と を 願 い 、 フ ラ ン
ス の タ ン カ ー LIMBURG 号 を 巻 き 込 ん だ 事 故 に 関 連し て 、 必 要 な ら 形 を 変 え た IMO
の助力がイエメン政府に対し提議できるだろうと述べた。事務局長は、フランス及び
イ エ メ ン 政 府 と は 連 絡 を と り 、 ど ん な 援 助 に も 答 え る準 備 が 出 来 て い る と 述 べ た 。
141
1.7
事 務 局 長 は 、 当 委 員 会 に 対 し 、 Agenda 21 の 経 過 及 び 業 績 を 見 直 す た め 、 一 ケ
月 前 に 南 ア フ リ カ の ヨ ハ ネ ス ブ ル グ で 開 か れ た World Summit on Sustainable
Development (WSSD)の 成 果 を 報 告 し た 。事 務 局 長 は 、MEPC の 過 去 1 0 年 以 上 に 亘
る 努 力 が 顕 著 で あ り 、 こ れ が 船 舶 か ら の 汚 染 防 止 を 扱 う IMO で の 広 く 影 響 力 の あ る
多面的合意という結果となったことを銘記した。
1.8
IMO 規 則 の 実 行 を 促 進 さ せ る た め 、WSSD が 加 盟 国 と IMO に 対 し 要 請 し た こ
と に 関 し て 、 事 務 局 長 は 、 加 盟 国 政 府 に 対 し MARPOL 付 属 書 Ⅵ の 批 准 措 置 を 加 速 す
る よ う 促 し た 決 議 A929(22)を 想 起 し た 。 こ の 付 属書 は 世 界 の 船 腹 総 量 の 25% 相 当 を
保 持 す る 、 バ ハ マ 、 リ ベ リ ア 、 マ ー シ ャ ル 諸 島 、 ノ ルウ ェ ー 、 シ ン ガ ポ ー ル 及 び ス ウ
ェーデンが批准している。事務局長は更に多くの国が先例に従い、施行のための条件
が早く合致することを希望した。
1.9
有 機 錫 化 合 物 を 含 ん だ 塗 料 の 使 用 を 世 界 的 に 禁 止 す る 、そ の 実 施 目 標 日 を 2003
年 1 月 1 日 と 定 め た 2001 年 有 害 船 舶 防 汚 シ ス テ ムの 規 制 に 関 す る 国 際 条 約 に 関 し て 、
事 務 局 長 は 、 当 該 条 約 は 可 及 的 速 や か に 施 行 す べき で あ る と 述 べ 、 全 加 盟 国 政 府 に 対
して最も早い機会に条約を批准すれば、有害防汚塗料の根絶の方策が予定どおり実施
できると促した。
1.10
MARPOL 付 属 書 Ⅵ の 長 年 に わ た る 係 争 点 に 関 し て 、 事 務 局 長 は 、 最 近 ノ ル ウ
ェ ー が 規 則 の 受 諾 を 委 託 し た こ と か ら 、2003 年 9 月 27 日 に 付 属 書 Ⅵ 施 行 さ れ る だ ろ
うと委員会に報告した。事務局長は当委員会に対し、施行への確かな道筋を作った
MEPC44 に よ る 付 属 書 の 修 正 を 委 託 し た 。
1.11
事 務 局 長 は 、2003 年 に バ ラ ス ト 水 管 理 に 関 す る外 交 会 議 を 開 催 す る こ と に つ い
て は 、MEPC 48 の 進 展 具 合 に よ る が 、原 則 的 に 理 事 会 が 承 認 し 、し た が っ て 、MEPC
では、条約案進展具合を評価し、特に、この会議を来年開くべきかどうかを最終的に
決めるため、バラスト水管理の基準規定についての評価を慎重にやる必要があると述
べた。事務局長は、有害種の侵入の危険を最小化するための確固たる枠組の条約が
IMO で 設 立 さ れ な け れ ば な ら な い と 述 べ た 。こ れを 成 し 遂 げ る 方 策 は 現 実 的 で 、か つ 、
最近の技術とその使用で実施可能なものでなければならない。
1.12
事 務 局 長 は 、1997MARPOL 会 議 の 決 議 8 が IMO に 船 舶 か ら の 二 酸 化 炭 素 排 出
に 関 す る 調 査 を 要 請 し 、 MEPC が 船 舶 か ら の 温 室効 果 ガ ス 排 出 規 制 に 関 す る IMO の
戦 術 を 検 討 す る よ う 要 請 さ れ た こ と を 想 起 し た 。 事 務局 長 は 、 こ れ は 複 雑 な 係 争 点 で
あ り 、 も し 長 期 の 目 標 を 達 成 す る に は 、 す べ て の 協 力的 な 努 力 を 必 要 と す る と 銘 記 し
た 。 温 室 効 果 ガ ス 問 題 を 取 り 扱 う こ と に つ い て の IMO の 公 約 を 示 唆 し て 、 も し 総 会
決議案が作成されると役に立つであろうと述べた。
142
1.13
事 務 局 長 は 、 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ は 当 委員 会 に と っ て 、 船 の 解 体 と リ サ イ ク リ
ングに付随した安全環境リスクの低下と言う点で、もう一つの重大な問題であると銘
記 し た 。 船 舶 の リ サ イ ク リ ン グ に 関 す る IMO の 提 案 し た 指 針 は 、 来 年 の 総 会 で 採 択
さ れ る た め に は 、 包 括 的 指 針 と す る べ く 、 す べて の 情 報 と 貢 献 を 考 慮 に 入 れ る べ き で
ある。
1.14
ま た 、事 務 局 長 は 、第 88 回 会 議 で 議 会 が 提 案さ れ た IMO モ デ ル 監 査 ス キ ー ム
の コ ン セ プ ト を 原 則 的 に 承 認 し 、 MSC、 MEPC 及び TCC に 対 し 、 前 も っ て 検 討 す る
よ う 要 請 し た こ と を 銘 記 し た 。こ の 問 題 に 関 す る MEPC48 の 結 果 は 、今 年 11 月 の 次
会期の理事会に寄与することになる。
1.15
事 務 局 長 は 、 当 委 員 会 に 対 し 、 GESAMP (海 洋汚 染 に つ い て 科 学 的 観 点 か ら 助
言 す る 専 門 家 グ ル ー プ )の 活 動 役 割 と 、 特 に EHS 作 業部 会 の GESAMP 危 険 評 価 手 順
に よ る 海 上 ば ら 積 危 険 製 品 の 再 評 価 活 動 の 役 割 を 銘 記す る よ う 求 め た 。 事 務 局 長 は 、
独 立 し た 評 価 チ ー ム が 、 GESAMP は 継 続 す べ き で あ る が 、 そ の 構 造 、 作 業 手 順 と 成
果 物 は 大 き く 変 更 し な け れ ば な ら な い と 強 く 要 請 し た こ と を 報 告 し た 。 GESAMP の
主 要 支 持 者 で あ る IMO に と っ て は 、 こ れ が 予 算 の 意 味 合 い を も つ こ と か ら 、 こ の 件
に関する議会への当委員会からの助言が高く求められている。
1.16
事 務 局 長 は 、MEPC 48 で の 他 の 重 要 な 問 題 に つい 銘 記 し た 。こ れ に は MARPOL
13G 規 則 に 従 っ た 状 態 査 定 ス キ ー ム (CAS)へ の 改 正 の 採 択 及 び 1973 調 停 議 定 書 下 の
有 害 物 質 リ ス ト 、 MARPOL 付 属 書 Ⅱ 分 類 ス キ ー ム、 重 質 油 流 出 対 応 に 関 す る 第 3 回
R&D フ ォ ー ラ ム の 成 功 裏 に 終 わ っ た そ の 結 果 と 勧 告、OPRC-HNS 議 定 書 の 履 行 に 関
す る 作 業 計 画 、新 し い 特 に 敏 感 な 海 域 の 指 定 に 関 す る提 案 、技 術 協 力 計 画 、AFS 条 約
の 施 行 指 針 、 2004 年 ∼ 2005 年 の 2 年 間 で の 長 期作 業 プ ラ ン の た め の M E P C 作 業 計
画が含まれている。
信任状
1.17
当委員会は、各国代表の信任状が正当かつ適正であるという事務局長報告を銘
記した。
議題の採択
1.18
当 委 員 会 で 採 択 さ れ た 本 会 議 の 議 題 は 、 各 議題 項 目 の 下 で 審 議 さ れ た 文 書 の 一
覧表と併せて、本報告書の付属 1 に記載されている。
143
2
バラスト水中の有害水生生物
序論
2.1
当 委 員 会 は 、1990 年 以 来 バ ラ ス ト 水 中 の 有 害 水 生 有 機 体 を 討 議 し た こ と を 想 起
し 、 そ し て 、 WSSD が バ ラ ス ト 水 管 理 条 約 を 完 成さ せ る よ う IMO に 強 く 促 し て い た
こ と を 銘 記 し た 。 ま た 、 当 委 員 会 は 、 理 事 会 が 、 原 則と し て 、 MEPC 48 の 進 展 次 第
で 2003 年 の バ ラ ス ト 水 管 理 に 関 す る 外 交 会 議 を 召 集す る こ と を 承 認 し た こ と を 想 起
した。当委員会は、今会議において、バラスト水管理基準を完成させるか、または処
理 方 法 の 選 択 肢 を 管 理 可 能 な 数 ま で 減 ら し 、 外 交会 議 に 回 章 さ れ る 前 に 、 条 約 案 を 逐
条 毎 に 見 直 す こ と が 必 要 と な る こ と を 銘 記 し た 。 当 委員 会 が こ れ ら の 課 題 だ け で も 達
成 で き た な ら ば 、 2002 年 11 月 に 第 89 会 期 理 事 会に 対 し 、 2003 年 10 月 予 定 の 外 交
議 会 開 催 に 向 け た 十 分 な 準 備 が 達 成 さ れ て い るこ と を 勧 告 で き る 。
2.2
更 に 、当 委 員 会 は 、MEPC 47 勧 告 に お い て 、第 88 会 期 理 事 会 で 、今 会 議 の 前
の 週 に バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 の 中 間 期 会 合 の 開 催 が 承 認さ れ た こ と と 、IMO に 費 用 は か
からないことを銘記した。
2.3
更 に 、 当 委 員 会 は 、 第 2 段 階 の 研 究 方 法 を 採 択す る こ と で 、 こ の 件 に 関 す る 最
近 の 3 回 の 会 議 で か な り の 進 展 が あ っ た こ と を 銘 記し た 。 こ の 作 業 の 結 果 は MEPC
48/2 作 業 部 会 報 告 に 反 映 さ れ て い る 。
2.4
MEPC 47 は 、 バ ラ ス ト 水 交 換 (BWE)は バ ラス ト 水 中 の 有 害 水 生 有 機 体 管 理 方
法の一つであり、ある条件が合致するならば使用し適用すべきであることに同意した
(MEPC 47/20,第 2.12.3 項 )。 そ こ で 残 っ た 主 な 点 は 、 効 果 的 な バ ラ ス ト 水 処 理 方 法 の
開 発 で あ り 、続 い て こ の 基 準 方 法 の 確 立 で あ る 。基 準 に つ い て の 最 初 の 提 案 は 、2001
年 3 月 開 催 の GloBallast 作 業 部 会 の 結 果 を も と に MEPC 46 に お い て 作 成 さ れ た 。米
国 先 導 に よ る バ ラ ス ト 水 基 準 に 関 す る 通 信 部 会 が 、2 段 階 方 法 で の こ の 問 題 に つ い て
か な り の 作 業 を 実 施 し 、 結 論 と し て 、 MEPC 47 期 中の バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 に よ っ て
明 確 化 さ れ た 14 の 可 能 性 の あ る 基 準 の 比 較 評 価 が 作 成 さ れ た 。 こ の 報 告 書
(MEPC48/2/1)は 今 会 議 の 重 要 な イ ン プ ッ ト で ある 。
2.5
言
MEPC 47 は 、 新 船 に お け る バ ラ ス ト 水 及 び 沈 殿 物 管 理 選 択 肢 の た め の 設 計 提
に 関 す る MEPC/MSC 共 同 回 章 を 完 成 し た (MEPC/Circ.389-MSC/Circ.1020)。こ
れ は 2002 年 に 発 行 さ れ た も の で 、 新 船 に お け る バ ラス ト 水 管 理 に 船 の 設 計 が 如 何 に
寄 与 で き る か に つ い て 海 運 業 界 に 指 針 を 与 え ると い う 考 え に 基 づ い て い る 。
144
バラスト水作業部会の中間期会合の報告
2.6
バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 長 Mr.Mike Hunter(英 国)は 、2002 年 9 月 30 日 か ら 10 月
4 日 に 召 集 さ れ 、34 の 加 盟 国 政 府 と 12 の 政 府 間 機 関/非 政 府 間 機 関 の 代 表 団 が 出 席 し
た 、 期 中 作 業 部 会 の 報 告 書 を 説 明 し た (MEPC 48/WP.2 and Add.1)。 期 中 作 業 部 会 は
以下のことを請け負った。
.1
バ ラ ス ト 水 基 準 通 信 部 会 に よ っ て 実 施 さ れた 作 業 を 考 慮 し 、 MEPC 47 で
作成された条約案の洗練と統合
2.7
.2
条約を支える指針の作成
.3
今 会 議 へ の 報 告 書 提 出 (MEPC 47/20,paragraph2.39)
中 間 期 作 業 部 会 の 議 長 は 、 報 告 書 (MEPC 48/WP.2 and Add.1)を 発 表 し 、 以 下
の指示をした。
.1
作 業 部 会 は 、 条 約 案 の 中 の 本 質 的 要 素 に多 大 な 留 意 を 払 っ た 。
.2
ブ ラ ジ ル に よ る い く つ か の 提 案 に つい て 議 論 し た 結 果 、特 に 、”acceptable
ballast water” の コ ン セ プ ト に 関 す る 本 文を 第 5 条 (bis)に 含 め る 。
.3
バラスト水処理基準の問題は、著しい進展を成し遂げている。短期基準に
2 つ と 長 期 基 準 に 1 つ の 選 択 肢 が 作 成 さ れ 、バ イ オ 効 力 の 言 葉 で 表 現 さ れ 、
そ し て MEPC 47 で 作 成 さ れ た 14 の オ プ シ ョ ン を 置 き 換 え た 。な お こ れ ら
の基準に含めるべき価値について審議中である。
.4
検 査 と 証 書 に 関 す る 第 8 条 か ら 第 12 条 は 、 日 本 の 提 案 (MEPC 48/2/16)に
沿 っ て 実 質 上 書 き 直 さ れ 、 IMO Harmonized Survey and Certification
System と 一 致 す る こ と と な り 、 こ れ 以 上 従 う べ き 改 正 方 法 の 選 択 は な い
ように、規則 F 節におさめられた。
.5
Tier2 要 件( 本 規 則 C 節 )は ま だ 承 認 さ れて な い が 、MEPC 48/2/8 の 米 国
に よ る 提 案 と 同 様 に 、 追 加 の 本 文 が MEPC 48/2 附 属 書 3 に あ る 現 在 の 本
文と一緒にされ作成された。
.6
第 14 条 と 第 14 条 (bis)の 新 し い 本 文 が、検 査 と 違 反 探 知 の 問 題 を 分 け て 作
成された。
145
中 間 期 作 業 部 会 は 当 委 員 会 に よ る 更 な る 検 討 の ため 、 こ れ ら の 本 文 を 作 成 し 条 項 と 規
則の編集上の徹底的な見直しを行なった。
2.8
当 委 員 会 は 、 MEPC 47 会 期 中 に 召 集 し た バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 の 報 告 書 (MEPC
48/2) を 概 ね 承 認 し 、 ま た 、 さ ら な る 討 議 の た た き 台 と し て 期 中 作 業 部 会 の 報 告 書
(MEPC 48/WP.2 and Add.1)の 受 理 に 同 意 し た 。 ま たこ れ ら 報 告 書 中 明 ら か に さ れ た
多数の問題は当委員会によって解決することを銘記した。
条約案の主要な未解決問題の検討
2.9
ブラジルによる仲介に従って、当委員会はこの段階では、条約を逐条毎の見直
しを履行することよりも主要な未解決の問題で合意に達することが良いことに同意し
た。作業部会長は、さらなる作業のため当委員会の決定が必要な範囲について明らか
に す る こ と を 課 せ ら れ た 。当 委 員 会 は 、以 下 の 第 2.10∼ 2.26 項 に あ る よ う に 、作 業 部
会に対しさらなる指示を与える考えで条約案にある 5 点の主要の課題を検討した。
第 1 条 目的
2.10
当委員会は、期中作業部会によって作成された、条約の目的について二つ代案
を銘記した。総会での討議において、これら目的を第1条に残すか序論に移すかどう
か に 関 し て 、 合 意 に 至 ら な か っ た 。 そ こ で 、 作 業部 会 は 目 的 を 序 論 に 統 一 し 、 条 約 の
目的又は目的に導く論理的なシーケンスを提供できるように整理し直す指示をした。
当 委 員 会 は 、改 正 序 文 と 第 1 条 の 条 文 は 今 後 の 検 討と し て 置 い て お く こ と に 合 意 し た 。
定義
2.11
当 委 員 会 の 討 議 の 中 で 、 ”国 際 航 海 ”の 定 義 を 第 2 条 に 含 め る と 言 う 米 国 の 提 案
は合意に達しなかった。概念の異なる解釈が、寄港国政府による不平等な扱いとなっ
た 例 が 提 出 さ れ た 。 当 作 業 部 会 は こ の 定 義 の 必 要性 に つ い て 、 す な わ ち 、 こ れ が 今 後
に 条 文 に 使 用 さ れ る と す る と 、第 4 条 2(b)に 関 連 す る条 文 の 見 直 し が 必 要 と な る の で
はないか、について検討するよう指示された。
第3条
2.12
一般的義務
当委員会は現に括弧内の条文を条約の序文に編入することに同意した。
146
第5条
2.13
有害水生有機体移動の制御
当作業部会は、更なる条文の見直しと、ブラジルによって提案された追加のパ
ラ グ ラ フ の 検 討 、 バ ラ ス ト 水 管 理 の 基 準 と 効 果 の 監 視 シ ス テ ム の 追 加 (MEPC
48/2/3,annex,pages 12and13)を 指 示 さ れ た
第 5 条 (bis) 受 入 可 能 バ ラ ス ト 水
2.14
数 カ 国 の 代 表 団 が 、条 約 の 条 文 と は 別 の 、
「受 入 可 能 バ ラ ス ト 水 」の 概 念 を 条 約
の他の条項に入れると言うブラジル提案を支持した。彼らの見解は、リスク評価と規
則 A-4(1)の 免 除 規 定 が 関 連 し て い る と す れ ば 、有 効な 概 念 と な り う る に あ る 。他 の 代
表団はこの必要はなく、他の条項との矛盾を感ずると述べた。
2.15
当委員会は、受入可能バラスト水の概念は、今後の検討のため、条文案に含め
る べ き で あ る こ と に 同 意 し た 。 作 業 部 会 は 、 そ の 結 果、 そ の 概 念 ま た は そ の 要 素 が 規
則 A-4(1)及 び 第 15 条 (国 際 法 及 び 他 の 協 定 と の 関 係)の 序 文 、定 義 、免 除 に ど う 係 わ っ
て い る か に つ い て の 検 討 を 指 示 さ れ た 。 テ ス ト と サ ンプ リ ン グ の 要 件 も 、 同 様 に し か
るべく検討されるべきである。
第 14 条
2.16
(検 査 )
第 14 条 bis( 違 反 発 見 )
当 委 員 会 は 、 ”検 査 ”と
違反探知
の分離は有用であることに同意した。証書
に網羅されなければならない問題には、サンプリングの役割を含め、作成される基準
に 照 ら し て 明 確 な 指 示 が 与 え ら れ る べ き で あ る (以 降 の 第 2.18 か ら 2.21 項 参 照 )。
規則 C 節
2.17
tier-2 必 要 条 件
当 委 員 会 は 、 C 節 の 現 行 の 条 文 (MEPC 48/2)は 、 米 国 提 案 ( MEPC 48/2/8)も
含 め て ,作 業 部 会 が 作 成 し た 新 し い 条 文 (MEPC 48/WP.2,annex,page8)と 一 緒 に 検 討 さ
れるべきというバラスト水作業部会の勧告を認め、かつ、作業部会に対しその新しい
条 文 の 作 成 を 継 続 す る よ う に 指 示 し た 。 作 業 部 会 は また 以 下 に つ い て コ メ ン ト し た 。
.1
文 書 MEPC 48/WP.2 第 2.24 項 に ある こ の 件 に 関 す る キ プ ロ ス に よ り 提 起
さ れ た 、 寄 港 国 政 府 が IMO に 提 供 す べ き 情 報 の 指 針 の 作 成 に 関 す る 、 基
準と概念を提出する。
.2
包 括 的 な 基 準 (MEPC 48/2/3,article7) 確 立 と 第 3 条 3 項 及 び 規 則 A-1(5)
と の 関 連 に つ い て 、 ブ ラ ジ ル に よ る 提 案の 検 討 を 行 な う 。
147
規則 E 節
2.18
基準見直し手順
当 委 員 会 は 、MEPC 47 で 作 成 さ れ た 、バ ラス ト 水 処 理 基 準 の た め の 14 オ プ シ
ョ ン が 、2 つ の 短 期 基 準 (規 則 E-2)と 、生 物 学 上 の 効 力の 立 場 か ら 表 現 さ れ た 1 つ の 長
期 基 準 (規 則 E-3)に 、 期 中 作 業 部 会 に よ り 減 殺 さ れ た こ と を 歓 迎 し た 。 こ れ ら の オ プ
シ ョ ン は 維 持 さ れ 、作 業 部 会 は 規 則 E-2 中 2 番 目 の オ プ シ ョ ン の た め の 最 初 の 数 値 を
作 成 す べ き で あ る こ と が 同 意 さ れ た 。当 委 員 会 は 規 則 E-3 に 対 応 す る 数 値 は 、後 日 作
成 さ れ 、 こ の 問 題 に 関 す る 提 案 が MEPC 49 に 提 出 さ れ る べ き こ と を 銘 記 し た 。
2.19
数 カ 国 の 代 表 団 は 、 こ の 長 期 基 準 は 、 外 交会 議 に よ る 決 議 の 形 で 採 択 す べ き と
の見解を表明し、他の代表団は、この基準は条約の一部であると感じていた。
2.20
当 作 業 部 会 長 は 、 こ の 基 準 は バ ラ ス ト 水 処理 装 置 の 型 式 承 認 テ ス ト の 点 で 、 形
成 さ れ て い る の で 、 バ ラ ス ト 水 排 出 の 評 価 を する 時 に 寄 港 国 の 関 心 を 引 か な い と の 見
解を述べた。この件に対処し、条約批准の進行の遅れを避けるため、型式承認された
テ ス ト 基 準 は 、MARPOL 73/78 付 属 書 Ⅵ の 構 成 を 適 当に 利 用 し 実 際 の 排 出 の 基 準 と の
互 換 性 が あ る べ き こ と が 同 意 さ れ た 。 検 査 と サ ンプ リ ン グ の 方 法 が こ の 整 理 方 法 の 指
示する方向で作成されるべきと合意された。
2.21
当 委 員 会 は 、船 舶 の 建 造 日 に つ い て は 規 則 A-1 に 含 ま れ る べ き で あ り 、現 在 の
祖父条項はこの件に関しては見直されるべきことに同意した。
規則 E 節
2.22
バラスト水交換区域
当 委 員 会 は 、 バ ラ ス ト 水 の 交 換 が 何 処 で 行 な われ る と 安 全 か を 明 確 に す る た め
の 日 本 提 案 ( MEPC 48/2/21) に 包 含 さ れ て い る 、 こ れ に 関 す る 自 国 の 海 域 を 保 護 し
よ う と す る 沿 岸 国 の 利 点 と 本 船 上 の 実 際 的 で 実 行可 能 な 解 決 の た め の 規 制 の 間 に 、 あ
る調整がこの規則に設けられるべきことを検討した。作業部会はキプロスの次の点に
関 す る 示 唆 に 照 準 を 当 て 、 日 本 の 提 案 に つ い て もっ と 拡 大 す る こ と を 指 示 さ れ た 。
.1
船 舶 の 向 か っ て い る 加 盟 国 の 海 域 で のバ ラ ス ト 水 交 換 の 実 施 (BWE)
.2
沿 岸 国 の 排 他 的 経 済 水 域 で の BWE の許 可
.3
もし認められるならば、どのように適用すべきかに関する指針
148
規 則 B-1
2.23
LACS 提 案 の 再 吟 味
IACS の オ ブ ザ ー バ ー の BWE に 付 随 し て 起 こ り 得 る 安 全 問 題 に つ い て 、 当 委
員 会 は 注 目 し た 。 す な わ ち 、 船 橋 視 界 、 プ ロ ペ ラ 没 水、 そ し て 船 首 最 小 喫 水 。 許 容 可
能 BWE シ − ケ ン ス の 選 択 は 限 定 さ れ て お り 、 BWE は 常 に 適 用 さ れ る も の で は な い 。
船長に対する警告として、この制限がバラスト水管理計画に記述されるべきであり、
そ う す る こ と に よ り 、 各 航 海 に お け る BWE の シ ー ケ ン ス が 、 必 要 な 事 前 注 意 と と も
に 計 画 さ れ る こ と と な る 。( MEPC 48/2/7)
2.24
こ れ ら の 状 況 は SOLAS 下 の 安 全 規 則 に 沿 っ てな く 、 海 上 安 全 委 員 会 (MSC)に
よって対応されるべきであることが示された。作業部会は、この提案の、さらなる詳
細について見直し当委員会に対し行動方針の助言を指示した。
条約案を支えるガイドラインの作成
2.25
当委員会は、期中作業部会が時間の制約のため、条約案を支持する指針を検討
す る こ と が で き な か っ た こ と を 銘 記 し た (MEPC 48/WP.2,paragraph3)。 作 業 部 会 は 、
指 針 が 作 成 さ れ る 場 合 に 出 て く る す べ て の 問 題 の 目 録を 作 成 し 、 優 先 順 位 に 従 っ て 、
外 交 会 議 以 前 の 完 成 と そ の 当 日 の 発 表 を 考 慮 す るよ う 指 示 さ れ た 。
2.26
最 後 に 、 当 作 業 部 会 は 、 週 後 半 の 当 委 員 会 で 見 直 し の た め に MEPC
48/WP.2/Add.1 を ベ ー ス に 条 約 案 の 全 文 を 作 成 す る よ う 指 示 さ れ た 。
バラスト水作業部会の口頭報告
2.27
当 委 員 会 は 、バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 (BWWG)長 Mr.M.Hunter(英 国 )か ら 、口 頭 に
よ る 報 告 を 受 け た 。 こ の 報 告 は 、 今 会 議 中 に 同 作業 部 会 が 実 施 し た 作 業 状 況 を 反 映 し
たもので、内容は下記の項に反映されている。
2.28
当 作 業 部 会 の 議 長 は 、 改 定 さ れ た 条 約 案 の 条 文(MEPC48/WP.15)を 紹 介 し 、 次
のように述べた。
.1
最 初 の 数 値 は 規 則 E 項 2(短 期 基 準 )の 2 番 目 の オ プ シ ョ ン に 含 ま れ て い る 。
作 業 部 会 は 、基 準 に 含 ま れ る 最 終 数 値 は 、こ の 集 約 さ れ た 要 素 に は な い が 、
確 固 た る 科 学 的 根 拠 を 持 つ べ き で あり 、し た が っ て こ の 件 に つ い て MEPC
49 に 提 出 し て 欲 し い と 考 え を 述 べ た 。以 下 の 要 素 が 短 期 基 準 と し て 検 討 さ
れるべきである。
149
.2
.1
そ れ は BWE の 代 わ り に な る も の とし て 、 提 案 さ れ る べ き で あ る 。
.2
ま た 、 条 約 が 施 行 さ れ る と き に は 完 成し て い る べ き で あ る 。
.3
基 準 の 有 効 性 に 関 し て い く ら か の 信 頼性 が 必 要 で あ る 。
.4
長 期 基 準 に 向 か っ て 技 術 的 な 方 法 をリ ー ド す べ き で あ る 。
病 原 体 に 関 す る 水 質 基 準 の 設 立 は 重 要 な 要 素 で あ り 、 WHO が 病 原 体 に 関
す る バ ラ ス ト 水 基 準 の た め の 作 業 に 従 事し て い た 。
.3
バ ラ ス ト 水 処 理 装 置 (型 式 試 験 )と バ ラ ス ト 水 の 実 排 水 に 関 す る 基 準 は 同 じ
ものでなくてはならない。
.4
船 舶 の 建 造 日 は 規 則 A-1 に 記 載 さ れ て い る 、し か し な が ら 、技 術 の 特 性 が
判 明 し た 場 合 、 基 準 の 適 用 と 祖 父 条 項 が必 要 と な る で あ ろ う 。
.5
今 後 の 見 直 し を 考 慮 し 、 条 約 案 (第 一 条 )の 目 的 を 統 一 し 改 訂 序 文 に 入 れ る
ため3オプションが作成された。
.6
提 案 さ れ た “国 際 航 海 ”の 定 義 は 、第 4 条 2(適 用 )の 変 更 か ら み て 、今 で は 不
必要となった。
.7
第 3 条 1(一 般 的 義 務 )括 弧 内 の 条 文 に 関し て は 合 意 に 居 た ら な か っ た 。 そ
して今後の見直しが要求された。
.8
第 5 条 (移 動 等 の 制 限 ・・・)は ブ ラ ジ ル 提 案(MEPC 48/2/3)に 照 ら し て 見 直 さ
れ 、 第 7 条 1(科 学 的 且 つ 技 術 的 な 研 究 及 び 監 視 )に 改 正 さ れ た 。
.9
C 節 (一 定 区 域 に お け る 特 別 要 件 )の ため の 条 文 の 代 替 案 が 作 成 さ れ 、 ま た
さ ら な る 見 直 し の た め 、 問 題 を 明 ら か に す る た め の ”編 入 予 定 欄 ”を 条 文 に
挿 入 し た 。最 終 の 決 定 が 現 状 の 3 つ の 代 替案 (上 記 2.17 項 参 照 )か ら な さ れ
るとき、D 節の規則はもはや必要なくなるだろう。
.10 第 19 条 (国 際 規 則 と 他 の 覚 書 と の 関 係 )に 関 す る ブ ラ ジ ル 提 案 は 承 諾 さ れ
条文に挿入された。
.11 第 14 条 と 第 14 条 bis が 更 に 展 開 さ れ 、 追 加 第 14 条 ter(拘 留 又 は そ の 他
の 活 動 の 通 知 )と な っ た 。
.12 今 後 の 見 直 し の た め に 4 つ の オ プ シ ョ ン の あ る 船 舶 の 運 送 に 関 す る 、規 則
150
B-3 に 新 し い 条 項 が 作 成 さ れ た 。 こ れ ら の オ プ シ ョ ン 又 は 組 み 合 わ せ に 関
し 、 提 案 が MEPC 49 に 寄 せ ら れ る べ き で あ る 。
.13 IACS の 提 案 (MEPC 48/2/7)の 見 直 し は 、 結 果 と し て 今 後 の 見 直 し の た め 、
規 則 B-1-1 の 追 加 条 項 に な り 、 海 上安 全 委 員 会 (MSC)が コ メ ン ト を 求 め ら
れた。
2.29
条 約 案 を 支 援 す る ガ イ ド ラ イ ン の 作 成 に 関 し て、 当 作 業 部 会 長 は 、 ガ イ ド ラ イ
ン の 優 先 順 位 に 関 し て 、 以 下 の 問 題 点 を 明 確 に した 。
.1
船 舶 の 設 計 、 建 造 及 び 運 航 の た め の ガ イド ラ イ ン は 指 針 が 船 会 社 及 び 船 員
に 向 け ら れ る も の で あ る 。 こ れ ら の ガ イド ラ イ ン の 概 要 と 内 容 は 入 手 可 能
で あ り 、国 際 海 運 会 議 所 (ICS)が 今 後 の 討 議 の た め の た た き 台 作 成 を 請 け 負
っ た (最 優 先 )。
.2
バ ラ ス ト 水 処 理 シ ス テ ム の 承 認 に 関 す るガ イ ド ラ イ ン (型 式 試 験 )
.3
規 則 の B-3-1bis と C 節 の 下 に 追 加 手 段 を 講 じ る 場 合 の 沿 岸 国 支 援 の ガ イ
ドライン
.4
寄港国政府による、船上のバラスト水サンプリング及び検査のガイドライ
ン
2.30
当 作 業 部 会 の 議 長 は 、次 の ス テ ッ プ と し て 、当 委 員 会 が 、加 盟 国 政 府 に 対 し て 、
条 約 案 に あ る さ ま ざ ま な オ プ シ ョ ン 、特 に 規 則 E-2 の 基 準 に 関 し て 、確 た る 情 報 と 意
見 を 提 出 す る よ う 要 請 す る こ と を 勧 告 し た 。 ま た 作 業部 会 は 、 現 行 条 文 に 関 す る 徹 底
的な法的な見直しを推奨した。
2.31
当 委 員 会 は 、 中 間 期 会 合 と 今 会 期 中 の 作 業部 会 の 成 し た め ざ ま し い 進 展 に 対 し
謝 意 を 表 し 、 外 交 会 議 の 招 集 に 関 す る 理 事 会 へ の 助 言事 項 に 集 中 す る こ と と し た 。
2.32
米国代表団は次の見解を述べた「
。 条 約 案 の 改 正文 は し っ か り し た 枠 組 み を 提 供
し て い る が 、 こ の 中 身 に つ い て は も っ と 議 論 す る 時 間が 必 要 で あ る 。 MEPC 49 が こ
の 条 約 案 を 詳 細 に 見 直 す こ と を 提 案 す る 。」 と して 次 の 示 唆 を し た 。
.1
第 2 回 の 中 間 期 バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 を 、詳 細 な 委 任 事 項 に 組 ま れ て い る 特
別 の 任 務 を 遂 行 し 、か つ 、MEPC 49 に報 告 す る た め に 、2003 年 春 に IMO
本部で召集するべきである。
151
.2
MEPC 49(2003 年 7 月 14 日 ∼ 18 日 )の バ ラ ス ト 水 問 題 に 関 す る 提 出 案 の 期
限 は 、 2003 年 5 月 の 適 当 な 日 ま で 緩 和 す べ き で あ る 。
.3
MEPC 49 は 、 外 交 会 議 で の 検 討 と 採 択へ の た め の 基 本 文 書 と し て の 回 章
を 目 的 と し て 、 条 約 案 の 見 直 し と 承 認 を すべ き で あ る 。
.4
外 交 会 議 は 、基 本 会 議 文 書 が 6 ヶ 月 前 の 通 知 期 間 と な っ て い る の で 、こ れ
に 合 わ せ 、 2003 年 10 月 に 代 え て 2004 年 始 め に 開 催 さ れ る べ き で あ る 。
この予定変更は、外交会議を延期するというよりも、条文案作成計画の技
術的調整のためであるとすべきである。
2.33
ブラジル代表団は、条約案の進展に謝意を表し、中間期にバラスト水作業部会
を 再 招 集 す る 提 案 を 支 持 し た 。そ し て 更 に 、当 作業 部 会 へ 詳 細 な 委 任 事 項 を 提 案 し た 。
同代表団は、当委員会が条約案に関する政策問題の討議に着手する時が来たと表明し
た。
2.34
数 カ 国 の 代 表 団 が 、 中 間 期 バ ラ ス ト 水 作業 部 会 の 再 召 集 と 外 交 会 議 を 2004 年
始めに予定変更する提案を支持した。
2.35
イタリア代表団は、条約案は未だ開発途上にある処理技術を当てにしたもので
あ り 、 ゆ え に 、 条 約 の 見 直 し 条 項 は 、 こ の 技 術 の 発 展を 鼓 舞 し 最 新 の も の と し て お く
た め に 肝 要 で あ る と に 留 意 を 促 し た 。 同 代 表 団 は 、 科 学 的 /技 術 的 な 部 会 を 設 立 し て 、
新技術の有効性を監視し、最終的にはバラスト水中の有害水生生物の移動を排除する
ことを目的とし、確実な技術基準についての忠告をさせるべきであると提案した。
MEPC 自 身 は 、 こ の 事 項 に 関 す る 重 要 な 役 割 を 演じ 続 け る べ き で あ る 。
2.36
日本代表団は当委員会に対し、限られた貨物又は貨物のない航海の場合にはバ
ラストを積載する必要がない新しい船の設計の開発を目的とする計画が進行中である
と 報 告 し た 。 こ の よ う な 設 計 は 、 バ ラ ス ト 水 を 介 し た非 原 産 種 の 移 動 に よ り 起 き る 問
題 を 解 決 す る で あ ろ う 。当 代 表 団 は 、こ の 計 画 の 更 な る 情 報 を 提 供 す る 提 案 書 作 成 し 、
MEPC 49 に 提 出 す る と し た 。
当委員会のとった措置
2.37
当委員会は、作業部会による条約案の進展を銘記し、以下理事会に要請するこ
とで合意した。
152
.1
2004 年 始 め に バ ラ ス ト 水 管 理 に つ い て の 外 交 会 議 を 招 集 す る こ と を 承 認
した。
.2
条 約 案 を 外 交 会 議 へ 回 章 で き る よ うに 、MEPC 49 で 検 討 か つ 承 認 す る た
め に 、2003 年 春 に 第 2 回 中 間 期 バ ラス ト 水 作 業 部 会 を IMO の 費 用 負 担 な
しで開催することを承認する。
2.38
当 委 員 会 は 事 務 局 に 対 し 、 バ ラ ス ト 水 作業 部 会 の 第 2 回 期 中 会 議 で 、 委 託 事 項
に関するブラジル及び米国の提案を併せるよう指示した。会議の招待状には、参画し
て い る 代 表 団 か ら の 条 約 案 全 て に 亘 る 専 門 意 見 を 期 待す る こ と を 明 記 す べ き で あ る 。
中 間 期 会 合 へ の 委 託 事 項 に つ い て は 、 付 属 書 13 に記 載 さ れ て い る 。
2.39
船 舶 バ ラ ス ト 水 及 び 沈 殿 物 の 制 御 及 び 管 理 の ため の 国 際 条 約 案 の 改 正 案 と 新 番
号 が 、MEPC 48 会 期 中 に バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 で 作 成 さ れ 、附 属 書 族 13 に 添 付 さ れ て
いる。
3
3.1
船舶のリサイクリング
当 委 員 会 に お い て 、こ の 項 目 は 当 初 1998 年の MEPC 42 に 於 い て 注 目 を さ れ た
こ と を 想 起 し た 。 こ の 話 題 に つ い て 提 起 す る こ と を 考 慮 し た が 、 MEPC 44 に 於 い て
IMO が 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ に 関 連 す る 環 境 及 び 安 全 上 の 危 険 削 減 に 関 す る 役 割 を 有
す る こ と で 合 意 に 至 っ た こ と が わ か っ た 。 MEPC 44 で は 本 件 に 関 す る 徹 底 的 な 議 論
を 行 っ た 後 で 、 本 件 は MEPC 46 で 更 に 検 討 し その 議 論 を 促 進 す る た め に 通 信 部 会 を
設立することを決めた。
3.2
当 委 員 会 で は 更 に 次 の こ と を 想 起 し た 。 MEPC 46 は か な り の 議 論 の あ と 、
MEPC 47 の 作 業 部 会 に お い て 徹 底 し た 審 議 を すべ く 資 料 作 成 の た め 、 バ ン グ ラ デ シ
ュ を 先 導 国 と す る 船 舶 の リ サ イ ク ル に 関 す る 通 信部 会 を 再 構 築 す る こ と を 決 め た 。
3.3
更 に 当 委 員 会 は 、 MEPC 47 が 一 連 の 産 業指 標 ( MEPC 47/3/2) と 同 様 に 、 通
信 部 会 の 報 告 書 ( MEPC 47/3/3) や 総 会 で 提 起 さ れ た 問 題 を 検 討 し て 次 の こ と を 承 認
したことを想起した。
.1
委 員 会 は Captain Moin Ahmed(バ ング ラ デ シ ュ )の リ ー ダ シ ッ プ の も と で
作 成 さ れ た 報 告 書 に 感 謝 し 、部 会 の 進 め る船 舶 の リ サ イ ク ル に 関 す る IMO
の役割を指示した。
.2
IMO は 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ に お い て 重 要な 役 割 が あ り 、そ れ は リ サ イ ク リ
ン グ を 始 め る 前 に 船 舶 を 準 備 す る こ と 、そ し て こ の 件 に 関 す る ILO と バ ー
153
ゼル条約との調整役をはたすことが合意されている。また当委員会は、
IMO は 当 面 、議 会 決 議 と し て 採 用 さ れ る べ く 勧 告 案 を 早 期 に 作 成 す る こ と
も 承 認 し て い る が 、 法 的 に 折 衷 案 を 作 成し て い い の か と 云 う 点 に 関 し て は
異 論 も あ り 、あ る 代 表 団 の 中 に は IMO は MARPOL 73/78 へ の 新 し い 付 属
書 の 準 備 も 含 め 強 制 事 項 に の み 目 的 を 絞る べ き と の 意 見 が あ る こ と も 承 知
している。
.3
委 員 会 は 文 書 MEPC 47/3/2 に あ る 「 産 業実 践 規 則 」 に も 注 目 し て お り 、
こ れ を IMO 指 針 の 基 本 書 類 と し て 使 用す る こ と と し た 。
3.4
MEPC 47 で は 概 要( MEPC 47/20,paragraph3.26)に あ る 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ
の 作 業 部 会 の 報 告 ( MEPC47/WP.13) を 承 認 し 、特 に 次 の 点 で の 合 意 に 至 っ た 。
.1
指 標 を 更 に 発 展 さ せ る た め に 通 信 部 会 を再 度 構 築 す る 。
.2
ILO 及 び バ ー ゼ ル 条 約 両 組 織 と 引 き 続 き協 力 す る こ と に 同 意 し 、事 務 局 に
対 し て 共 同 計 画 の 提 案 に つ い て 、 こ の 両 組織 へ の 交 渉 を 要 請 し た 。
.3
MEPC 48 及 び MEPC 49 に お い て 、作 業 部 会 を 再 び 設 立 す る こ と に 原 則 同
意した。
.4
BLG、DE 及 び FSI 各 小 委 員 会 に 対 し 、IMO ガ イ ド ラ イ ン 案 の 関 連 あ る 章
に 挿 入 を 要 請 す る こ と に 同 意 し た 。( MEPC 47/WP.13/Add.1)
通信部会の報告
3.5
当 委 員 会 は 通 信 部 会 が 完 了 さ せ た 作 業 を 要 約 し た 報 告 (MEPC 48/3)、 中 で も 特
に 付 属 書 2 に 述 べ て い る 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ に 関す る IMO ガ イ ド ラ イ ン を 更 に 進 め
る 提 案 に つ い て 銘 記 し た 。 当 委 員 会 は こ の 報 告書 に 対 す る コ メ ン ト 、 更 に は 次 の 点 に
ついての対応を求められた。
3.6
.1
通 信 部 会 に 参 加 し た 人 か ら の 情 報 や 意 見を 銘 記 す る 。
.2
報告書の付属2にある情報や意見をもとに今後の進め方を考える。
.3
報 告 書 が 委 託 事 項 を 満 た し て い る こ と を認 め る 。
当 委 員 会 は MEPC 文 書 48/3/1 と MEPC 48/3/2 の 内 容 を 銘 記 し た 。特 に 、当 委
員会は次の点について銘記した。
.1
文 書 MEPC 48/3/1、旗 国 の 役 割 に つい て の 情 報 と 、若 し あ る と す れ ば 船 が
最 終 の 船 主 に よ っ て 解 体 の た め リ サイ ク ル ヤ ー ド に 送 ら れ た 場 合 の 船 主 の
変 更 と 海 事 先 取 特 権 の 処 理 が 容 易 に 出 来る よ う に す る た め の 建 設 的 な 役 割
154
を果たすことについての情報を含んでいる。
.2
船舶リサイクリングに関する国際的なガイドラインの議論をする場合、次
の点について考慮する必要がある。
2.1
リサイクルされた船舶の最終船主から買い手に所有権を変更する手
続き
2.2
解体のため、売りに出された船舶の登録免除の手続き
2.3
最 終 船 主 に 対 し 、船 舶 を 解 体 の た め 売 り に 出 す 前 に 先 取 特 権 に つ い て
説明させるための手続き
.3
イ ン ド に よ り 用 意 さ れ た 文 書 MEPC 48/3/2 に は 、 船 舶 の リ サ イ ク リ ン グ
通 信 部 会 の 調 整 役 が MEPC 48 に 提 出 し た報 告 書 に 関 す る 一 般 コ メ ン ト が
含まれている。
3.7
ま た 当 委 員 会 は 文 書 MEPC 48/3/3 に つい て 次 の こ と を 銘 記 し た 。 こ れ に は 、
船 舶 リ サ イ ク リ ン グ 通 信 部 会 の 報 告 書 へ の グ リ ー ン ピ ー ス ・イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル の 意
見 が 紹 介 さ れ て い る 。グ リ ー ン ピ ー ス ・イ ン タ ー ナシ ョ ナ ル は バ ー ゼ ル 条 約 の 精 神 を 尊
重する意味からも、船舶の「ゆりかごから墓場まで」のリサイクル活動に対する世界
的 な 強 制 制 度 が 必 要 と 考 え て い る 。 や ら な け れば な ら な い の は 、 船 が 輸 出 さ れ る の に
先立ち、危険物ではないクリーンなものにすべきと確信している。これらの活動の包
括 規 制 が 行 わ れ る ま で は IMO ガ イ ド ラ イ ン が 船 舶 リ サ イ ク ル 市 場 で の 唯 一 採 り 得 る
暫定方法として重要であると考えている。
3.8
当 委 員 会 は 更 に 文 書 MEPC 48/INF2 (OECD)と MEPC 48/INF11 (グ リ ー ン ピ
ー ス ・イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル )で 提 供 さ れ た 情 報 も 銘 記し た 。
総会討議
3.9
通信部会の報告書及びこれに関連文書を検討し、当委員会は、
.1
船 舶 リ サ イ ク リ ン グ に 関 す る 通 信 部 会 の報 告 書 に あ る 情 報 に つ い て 、 有 り
難く銘記した。
.2
通信部会の報告書の付属2に提起された点を銘記し、作業部会にこれらの
点を考慮するよう指示した。
.3
文 書 MEPC 48/3/1 に あ る イ ン ド よ り 提 起さ れ た 点 を 銘 記 し 、 作 業 部 会 に
155
対 し 旗 国 と 船 主 の 役 割 に つ い て 更 に 検 討す る よ う に 要 望 す る と と も に 、 こ
れ に 関 連 す る 法 律 問 題 に つ い て 法 委員 会 に も お 願 い し た 。
.4
文 書 MEPC 48/3/2 及 び MEPC 48/3/3 に お い て 、イ ン ド 及 び グ リ ー ン ピ ー
ス・インターナショナルから提起された種々の点を銘記した。
.5
作 業 部 会 が 本 文 を 改 善 し も っ と 活 用 で きる も の に し 、 使 用 さ れ る 用 語 の 強
化 を 確 固 た る も に す べ き で あ る が 、 現 時点 で は 引 き 続 き 勧 告 的 ガ イ ド ラ イ
ン 案 を 発 展 す べ き で あ る こ と を 銘 記 し た。
.6
最終航海で安全が損なわれないよう、安全面に相応の考慮が払われなけれ
ばならないことを銘記した。
.7
作 業 部 会 に 対 し 、 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ ヤー ド の 場 所 選 定 の 調 査 、 ま た 、 こ
の行
ためが委員会の権限を逸脱しないかどうかの検討を依頼することに
同意した。
.8
ILO と バ ー ゼ ル 条 約 の 事 務 局 と 、引 き 続 き 密 接 な 協 力 関 係 を も た な け れ ば
ならないことを銘記した。
.9
ひどい状態で計画的に放棄された船舶とこれら船舶の保険の関係を調査す
るよう作業部会に要請した。
.10 旗 国 と 寄 港 国 の 役 割 を 含 め 、 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ に 係 わ る 人 の 役 割 を 明 確
にするよう作業部会に対し要請した。
他の関連文書
3.10
当 委 員 会 は 、 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ に つ い て は DE、 FSI 及 び BLG 各 小 委 員 会
の 議 事 に 加 え る こ と を 、 先 の 会 議 に お い て 決 め たこ と を 想 起 し た 。 文 書 MEPC 48/9、
MEPC 48/9/1 及 び MEPC 48/9/2 に 反 映 さ れ て い る 各 小 委 員 会 の 報 告 書 に は 、 船 舶 リ
サイクリングに関する 3 つの小委員会の検討結果が述べられている。
3.11
当 委 員 会 は 、 DE 45(MEPC 48/9)が 指 針案 を 検 討 す る 際 に 特 に 「装 置 」に つ い て
こ れ が 議 論 に 加 え ら れ る べ き と 合 意 し た こ と を 銘 記 し た 。ま た DE 45 が 議 論 で き な か
っ た の で 、 次 回 DE に 文 章 を 提 出 す る よ う 要 請 し た こ と を 銘 記 し た 。
3.12
当 委 員 会 は 、FSI 10 (MEPC48/9/1))が FSI 10 に 出 席 し た 代 表 の ほ と ん ど が 会
156
議 に 先 立 ち 詳 細 な 点 の 議 論 を す る た め の 準 備 時 間 が 無 か っ た こ と 認 め 、 こ の 件 は FSI
11 に お い て も っ と 検 討 す る こ と に 同 意 し た こ と 、更 に メ ン バ ー と 他 の 国 際 機 関 に 対 し 、
船 舶 リ サ イ ク リ ン グ MEPC 通 信 部 会 に 参 加 し 、 コ メ ン ト や 提 案 を FS 11 に 提 出 す る
よう要望したことを銘記した。
3.13
ま た 委 員 会 は 、BLG7 が 船 リ サ イ ク リ ン グ で の安 全 に 関 す る 事 項 に つ い て 議 論
す る 時 間 が 無 か っ た が 次 の 3 点 に つ き 同 意 し たこ と を 銘 記 し た 。
.1
貨物の残さと船自体に係わる物質についてはガイドライン案では別項目と
して策定すべきである。
.2
船 舶 リ サ イ ク リ ン グ と い う 点 か ら 、 危 険物 質 と 職 業 上 の 健 康 と 環 境 を 犯 す
危 険 物 質 と は 判 別 し な け れ ば な ら ない 。ま た 、 こ の 方 法 は ガ イ ド ラ イ ン 案
の関連条項に入れなければならない
.3
こ の 問 題 の 緊 急 性 と 時 間 的 制 約 及 び MCPC で の 承 認 と い う こ と を 考 え る
と 、「 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ に 関 す る 事 項 」 の 各 条 項 は 、 BLG 8 の 作 業 計 画
と暫定協議事項に入れるべきである。そして作業を迅速に行うため、次回
の 会 議 で 作 業 部 会 を 設 立 す べ き で ある 。
作業部会への指示
3.14
パナマ国代表団の要望に答えて、当委員会は強制用件を検討する前に、自主的
ガイドラインへの取り組みが行われるべきとの考え方を確認した。
3.15
当委員会は船舶リサイクリングに関する次の委託事項のため作業部会を再設立
することをに同意した。
.1
MEPC 47 で 展 開 し て き た 案 を 基 に 、 船 舶リ サ イ ク リ ン グ に 関 す る 議 会 決
議を引き続き発展させる。
.2
船 舶 リ サ イ ク リ ン グ IMO ガ イ ド ラ イン 案 を 、 そ れ ら の 文 書 の 中 で 何 が 重
要 な の か を 考 慮 し 引 き 続 き 発 展 さ せる 。特 に プ レ ナ リ ー に お い て 提 起 さ れ
た次の点を考慮にいれる。
.1 最 終 航 海 で の 、 バ ラ ス ト 水 の 使 用状 況 を 含 め た 安 全 確 保 の 問 題
.2 リ サ イ ク ル ヤ ー ド の 場 所 選 定 の 規 準を 策 定 す る か ど う か 。
.3 ガ イ ド ラ イ ン 案 に あ る 専 門 用 語 の 整 理 と 洗 練
157
.4 船 舶 が そ の 役 目 が を 終 え る ま で の 船 主 責 任 を 、い か に リ サ イ ク ル ヤ ー ド
での引き継ぎまで持たせるか。
.5 寄 港 旗 国 責 任 の 明 確 化
.6 ひ ど い 状 態 で 計 画 的 に 放 棄 さ れ た 船 舶 と そ の 保 険 と の 問 題
.7 専 門 術 語 の 一 体 化 を 図 る た め 、ILO/バ ーゼ ル 条 約 両 事 務 局 と の 密 接 な 連
絡の保持
.3
DE、BLG 及 び FSI 各 小 委 員 会 の 業 務 も含 め 通 信 部 会 報 告 書 の 付 属 2 に あ
る 業 務 一 覧 表 の 見 直 し 。 ま た 、 今 後 MEPC 活 動 へ の 助 言 提 供 。
作業部会の成果
3.16
船 舶 リ サ イ ク リ ン グ 作 業 部 会 は Captain Moin U.AhmedAhmed (バ ン グ ラ デ シ
ュ )の 議 長 の も と 2002 年 10 月 7 日 か ら 9 日 ま で 会 合を も っ た 。 当 委 員 会 は 作 業 部 会
の 報 告 書( MEPC 48/WP12 及 び MEPC 48/WP12/Add.1)を 受 領 、当 該 作 業 部 会 作 業
の進展を銘記し、以下の処置をとった。
3.17
当 委 員 会 は 、作 業 部 会 が 、総 会 で の コ メ ン ト や 文 書 MEPC 48/3/1、MEPC 48/3/2
及 び MEPC 48/3/3 を 検 討 し 、通 信 部 会 の 報 告 書 の 下 に 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ IMO ガ イ
ド ラ イ ン 案 の 改 正 文 を 更 に 発 展 さ せ た こ と を 銘 記 し た。 ガ イ ド ラ イ ン 案 の 新 し い 改 正
文 は MEPC 48/WP.12/Add.1 .に 記 載 さ れ て い る 。
3.18
バ ハ マ 国 代 表 団 は 、 ガ イ ド ラ イ ン の 中 で 提 案 さ れ た Green Passport の 改 善 と
将 来 の 実 施 に つ い て 、 造 船 国 家 の 役 目 を は っ き りさ せ る よ う 提 案 し た 。 当 委 員 会 は 、
通 信 部 会 に 対 し 、造 船 国 家 の 役 目 に つ い て も 明 確 に す る よ う 指 示 す る こ と で 合 意 し た 。
3.19
キ プ ロ ス 国 代 表 団 は 、 旗 国 の 定 義 に つ い て 更に 議 論 す べ き で あ る と 提 案 し た 。
こ の 中 で 、IMO で は 通 常「 Administration」の 言 葉 が 旗 国 の 政 府 を 表 す の に 使 わ れ て
お り 、 し た が っ て 、「 Administration」 が 旗 国 に 代 わ る よ う ガ イ ド ラ イ ン に 示 す べ き
であると提案している。当委員会は通信部会に対し更に検討するようにお願いした。
DE, BLG 及 び FSI の 特 別 任 務
3.20
MEPC 49 に お い て 指 針 を 完 成 さ せ る た めに 、 当 委 員 会 は 、 各 関 連 小 委 員 会 の
さらなる努力が必要であることを認め、次の指示を出すことに同意した。
DE 小 委 員 会:通 信 部 会 報 告 書 の 付 録 6 及 び 7 に 示 さ れ て い る も の の 中 か ら 船
内 に あ る と 思 わ れ る 物 の リ スト を 作 成 す る 。 こ れ ら の も の に は 、
158
船 舶 の 構 造 を 成 す 固 有 の もの 、船 用 品 、予 備 品 又 は 貨 物 の 残 さ を
含む通常の船の運航によって生じるものも含まれる。
BLG 小 委 員 会 : DE 小 委 員 会 か ら の 意 見 を も考 慮 し て 、 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ
通信部会からの報告書の付録 6 及び 7 に示されているものの中
か ら 、船 内 に あ る と 思 わ れる 危 険 物 と な り 得 る 物 の リ ス ト を 作 成
す る 。こ れ ら の 物 に は 船 舶 の 構 造 を 成 す 固 有 の も の 、船 用 品 、予
備品又は貨物の残さを含む通常の船の運航によって生じるもの
も含まれる。
FSI 小 委 員 会 : 船 舶 の 最 終 航 海 問 題 や 船 のポ ー ト ・ス テ ー ト コ ン ト ロ ー ル ( ガ
イ ド ラ イ ン 案 5.2.1 章 )を 研 究す る た め に 、今 後 何 が 必 要 か 調 査
する。
最終航海の安全性
3.21
当 委 員 会 は 、 作 業 部 会 が 、 ガ イ ド ラ イ ン 案 の 4.4 章 に 、 最 終 航 海 の 安 全 問 題 と
バラスト水運搬について包含されることに同意した旨を銘記した。当委員会はバラス
ト 水 の 運 搬 及 び 排 出 は IMO 条 約 に 従 っ て 処 理 さ れな け れ ば な ら な い こ と で 合 意 し た 。
リサイクリングヤードの場所選定
3.22
当 委 員 会 は 作 業 部 会 が リ サ イ ク リ ン グ ・ヤ ー ド の 選 定 基 準 に つ い て 議 論 す る こ
と を 銘 記 し た 。そ し て 船 舶 の リ サ イ ク リ ン グ ・ヤ ード の 地 理 的 な 場 所 の 選 定 に 入 る こ と
は IMO の 権 限 外 で あ る こ と で 合 意 し た 。
船舶の移送に関する法律問題
3.23
当 委 員 会 は 、 作 業 部 会 が イ ン ド か ら の 提 案 (MEPC 48/3/1)と 総 会 で の コ メ ン ト
を 考 慮 し 、 船 舶 の 一 生 の 間 に お け る 所 有 権 の 移 行問 題 、 特 に そ の 最 終 時 に 関 し て 手 短
に 議 論 し た こ と を 銘 記 し た 。当 委 員 会 は 、こ の 件 は技 術 の 問 題 で は な い し 、法 律 面 か ら
考えると、ここで徹底的に議論する立場にもないことに同意した。当委員会は、通信
部 会 が こ の 件 を 更 に 検 討 し 、 法 律 面 か ら は っ きり さ せ る こ と に 同 意 し た 。
受入施設
3.24
当 委 員 会 は 、作 業 部 会 が 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ・ヤ ー ド の 近 く に 受 入 施 設 が 必 要 か
を 議 論 し た 際 、MARPOL で は 、船 舶 リ サ イ ク リン グ ・ヤ ー ド が 船 舶 で 発 生 し た ゴ ミ の
159
適 当 な 受 入 施 設 ま で 持 つ こ と は 要 求 し て い な いこ と に 気 づ い た こ と を 銘 記 し た 。 当 委
員 会 は 作 業 部 会 が 、 港 、タ ー ミ ナ ル 等 で は 、 MARPOL 73/78 で 既 に そ の 設 置 が 要 求 さ
れ て い る の で 、リ サ イ ク リ ン グ ・ヤ ー ド も こ れ を 準 備す べ き で あ る と 合 意 し た こ と を 銘
記 し た 。 シ ン ガ ポ ー ル 国 か ら の 代 表 団 は 、 委 員会 に 対 し 、 自 国 で は 国 内 法 に て リ サ イ
ク リ ン グ ・ヤ ー ド は タ ー ミ ナ ル と 同 一 と み な さ れ 、受 入 施 設 を 要 求 さ れ て い る 。し た が
っ て 、 MARPOL の 改 正 は 必 要 な く 、 統 一 の 解 釈 さ え あ れ ば 十 分 で あ る こ と を 提 案 し
た 。 当 委 員 会 は 、 政 府 メ ン バ ー に こ の 件 に 関 す る コ メン ト を 求 め る こ と に 同 意 し た
中間期通信部会
3.25
当委員会は作業部会が次の委員会において、船舶リサイクリングに関する中間
期の通信部会と作業部会を設立する提案に同意した。
3.26
当委員会は船舶リサイクリングに関し、通信部会に提案された委託事項につい
て同意した。
船舶の放棄
3.27
コロンビア国の代表団から提起された、ひどい状態で放棄された船舶とさんご
礁などある海岸線がこのために被害を蒙ったことの関連について、作業部会長は委員
会 に 対 し 、 こ の 問 題 を 議 論 し た が 船 舶 リ サ イ ク リン グ と は 結 び つ か な い と 思 う と 報 告
した。
3.28
当委員会は、コロンビア国に対しこの問題は次の会議に更なる議論が必要な課
題であるとして、文書で提案することを要請した。
4
船舶からの大気汚染の防止
MARPOL 附 属 書 Ⅵ の 施 行
4.1
当 委 員 会 は 、 大 気 汚 染 会 議 が 1997 年 議 定 書 の 見 直 し に 関 す る 会 議 の 決 議 1 に
基 づ き 、 2002 年 12 月 31 日 ま で に こ の 議 定 書 の 施 行 の 条 件 が 整 わ な い 場 合 、 そ の 後
の 最 初 の MEPC に 対 し 、火 急 の 事 と し て 議 定 書 の施 行 に 何 が 障 害 と な る の か 、そ の 障
害を緩和するに必要な方策は何かを検討してもらうとしたことを想起した。
4.2
ま た 、 当 委 員 会 は 、 総 会 が 最 近 の 会 議 に おい て MARPOL 73/78 の 附 属 書 Ⅵ の
施 行 に 係 わ る 決 議 A.929(22)に 基 づ き 、 加 盟 国 政 府に 対 し 、 出 来 る だ け 早 く 附 属 書 Ⅵ
の批准を促したことを想起した。
160
4.3
当 委 員 会 は こ の 件 の 重 要 性 を 繰 り 返 し 、加 盟 国 政 府 に 対 し 、遅 く と も MEPC 49
より前には附属書Ⅵの施行条件に合致させる必要な措置を講ずるよう促した。
事務局による中間報告
4.4
当 委 員 会 は 文 書 MEPC 48/4 に 述 べ ら れ て い る 追 跡 調 査 に 関 す る 事 務 局 が 用 意
し た 中 間 報 告 書 を 検 討 し 、MARPOL 73/78 の 1997 年 議 定 書 が 、MEPC 48 の 開 催 時 に
は 6 ケ国( バ ハ マ 、リ ベ リ ア 、マ ー シ ャ ル 群 島 、ノ ルウ ェ ー 、シ ン ガ ポ ー ル 、ス ウ ェ ー デ ン )
で 批 准 さ れ て お り 、 こ れ は 世 界 の ト ン 数 の 約 25 パ ー セ ン ト に 相 当 す る こ と を 銘 記 し
た。
4.5
当 委 員 会 は 、 MARPOL 73/78 の 1997 年 議定 書 の 批 准 が そ の 最 終 段 階 に 入 っ
て お り 、 今 年 末 ま で に 数 カ 国 、 ま た 2003 年 前半 期 に は そ の 残 り が 附 属 書 Ⅵ を 批 准 す
る こ と に な る と い う ベ ル ギ ー 、キ プ ロ ス 、デ ン マ ー ク 、フ ィ ン ラ ン ド 、ド イ ツ 、ギ リ シ
ャ 、ル ク セ ン ブ ル グ 、オ ラ ン ダ 、パ ナ マ 、そ し て ス ペイ ン の 声 明 を 歓 迎 し た 。英 国 も 、
国 内 の 進 み 具 合 が 順 調 で あ る こ と を 示 唆 し た 。 こ の こ と は 、 附 属 書 は 2003 年 半 ば に
は 発 効 条 件 も 整 い 、 2004 年 の 半 ば に は 実 際 に 施 行さ れ る こ と を 裏 付 け て い る 。
UNFCCC と の 情 報 交 換
4.6
当 委 員 会 は 、 IMO/UNFCCC 両 事 務 局 間 の 協 力 が 継 続 し て い る こ と 、 ま た 、
SBSTA が 第 16 回 の 会 議 に お い て 、UNFCCC の 事 務 局 に も 意 見 を 聞 き 、IMO に 対 し 、
1996 年 10 月 24 日 付 文 書 FCCC/SBSTA/1996/9/Add.2 に あ る SBSTA に よ り 明 ら か
になった温室効果ガス排出の割当量に関する8項の選択肢をもとに、各国の船舶燃料
からの排出ガスに関する、報告資料の正確さ、比較性、そして排出割当量、規制の検
査 と 改 善 を 実 施 す る 機 会 を 設 け る 依 頼 を 想 起 し たこ と を 銘 記 し た 。
4.7
当 委 員 会 は 、IMO に 対 し 2003 年 6 月 2∼ 13 日 ド イ ツ の ボ ン に お い て 開 催 予 定
の SBSTA の 第 18 回 会 議 に お け る 、IMO に 温 室効 果 ガ ス の 排 出 に 関 す る IMO の 活 動
報告が依頼されていることを銘記した。
船 舶 に 積 載 す る NOx.監 視 /記 録 装 置 の た め の 指 針
4.8
当 委 員 会 は 文 書 DE 45/27 の 第 4.1~4 .9 項に 提 示 さ れ て い る 船 舶 に 積 載 す る
NOx 監 視 /記 録 装 置 の た め の ガ イ ド ラ イ ン を 発 展 さ せ る こ と に つ い て 、 DE 小 委 員 会
が促進させていることを銘記した。
161
2001 年 の 硫 黄 監 視
4.9
当 委 員 会 は 、MEPC 43 が 船 舶 に 供 給 さ れた 燃 料油 の 硫 黄 含 有 量 の 世 界 平 均 を 監
視 す る た め の ガ イ ド ラ イ ン に 関 す る 決 議 MEPC.82(43)を 採 択 し た こ と を 想 起 し 、オ ラ
ン ダ の 指 導 の 下 、船 舶 で 使 用 さ れ た 燃 料 の 平 均硫 黄 含 有 量 を 3 年 間 隔 で 監 視 す る プ ロ
グラムを開始することに同意した。
4.10
当 委 員 会 は 、オ ラ ン ダ か ら の 情 報 で( MEPC 48/INF.4)、ガ イ ド ラ イ ン の 2001
年 の 適 用 に つ い て 、1999 年 、2000 年 、及 び 2001 年 3 年 間 の 硫 黄 含 有 量 の 平 均 は 2.7 パ
ーセントであったことを銘記した
4.11
当 委 員 会 は ガ イ ド ラ イ ン の 第 4 項 に 従 っ て 、燃 料 油 平 均 硫 黄 含 有 量 を 2.7 パ ー
セ ン ト と し 、ガ イ ド ラ イ ン の 第 5 項 に 関 連 の 参 考値 も 2.7 パ ー セ ン ト と す る こ と に 同
意した
4.12
当 委 員 会 は 現 監 視 プ ロ ジ ェ ク ト の 資 金 は 2003 年 末 で な く な る こ と を 銘 記 し 、
次 回 MEPC に お い て 2003 年 以 降 も 監 視 プ ロ ジ ェ ク ト を 継 続 し て い く た め の 必 要 資 金
について考慮することに同意した。当委員会は監視計画にある見本の地理学的広範囲
の 情 報 依 頼 に つ い て も 銘 記 し た 。オ ラ ン ダ は 、で きる 範 囲 で の 、情 報 提 供 に 同 意 し た 。
船舶からの温室効果ガスの排出
4.13
当 委 員 会 は 、 MEPC 47 が 船 舶 か ら の 温 室 効 果 ガ ス の 排 出 に つ い て 、 こ れ を 制
限 も し く は 減 少 さ せ る た め 、 UNFCCC に 対 し 京 都 議 定 書 の 必 要 要 件 の 実 施 を 促 進 さ
せ る 方 法 の 一 つ と し て 排 出 基 準 を 設 け る メ リ ッ ト に つい て メ ン バ ー が 提 示 し た も の に 、
初めて考慮したことを想起した。
4.14
当 委 員 会 は 、 MEPC 47 が 、 温 室 効 果 ガ ス の排 出 に 関 連 す る メ ン バ ー の 提 示 し
た 数 あ る 項 目 を 考 慮 し 、作 業 部 会 を 立 上 げ 、詳 細 に つい て 代 表 者 か ら の 書 状 /コ メ ン ト
を検討しながらこの問題に対処していくことに合意した旨を想起した。この作業部会
か ら の 報 告 を 受 け て 、 MEPC 47 は 文 書 MEPC 47/20 の 第 4.31~4.37 項 に 提 示 さ れ た
措置をとった。
4.15
当 委 員 会 は 、MEPC 47 が 、ノ ル ウ ェ ー の 主 導 の 下 に 中 間 期 通 信 部 会 を 設 立 し 、
文 書 MEPC 47/20 の 付 属 9 に 提 示 さ れ た 部 会 へ の 委 託事 項 を 承 認 し た こ と を 想 起 し た 。
4.16
当 委 員 会 は 、 通 信 部 会 の 調 整 役 で あ る ノ ルウ ェ ー の Sveinung Oftedal 氏 提 出
情報を銘記し、通信部会の船舶からの温室効果ガスの排出に関する報告
162
( MEPC48/4/1) を 大 筋 で 承 認 し た 。
4.17
当 委 員 会 は 通 信 部 会 の 報 告 を 検 討 し 、 代 表者 の 次 の コ メ ン ト を 銘 記 し た
.1
意 見 を 出 し た す べ て の 代 表 者 は 中 間期 通 信 部 会 の 行 っ た 活 動 に 感 謝 し 、 通
信 部 会 の 報 告 書 の 附 属 書 1 に 添 付 さ れた IMO 総 会 決 議 案 の 本 文 を 原 則 的
に支持した。
.2
日 本 代 表 団 は 、IMO の 温 室 効 果 ガ ス の 排 出に 関 す る 方 針 は す べ て の 国 を 対
象 と す べ き で あ り 、IMO は 他 の 国 連機 関 や 国 際 組 織 と 積 極 的 に 協 調 し て い
く べ き と 述 べ た 。SBSTA 18 に 関 し て は 、IMO は 国 際 航 海 に 従 事 す る 船 舶
か ら の 温 室 効 果 ガ ス の 排 出 に 関 し て IMO の 行 っ て い る す べ て の 活 動 に つ
い て 包 括 的 報 告 を す べ き と の 日 本 の 見 解で あ っ た 。
.3
英国代表団は、温室効果ガス問題を促進するに必要な初期活動計画は文書
MEPC 48/4/1 の 付 属 2 の 第 20 頁 に あ る よ う に 構 成 で き る と 示 唆 し た 。
4.18
当 委 員 会 は 通 信 部 会 報 告 書 の 付 属 1 に ある 総 会 の 決 議 案 を 検 討 し 、 代 表 者 に よ
る次のコメントを銘記した。
.1
当 委 員 会 は 、総 会 決 議 案 が 、温 室 効 果 ガ ス排 出 に 関 す る IMO の 方 針 を 進 め
る に あ た り 良 い 根 拠 を 供 し て い る こと に 同 意 し た 。
.2
総 会 決 議 案 に 関 し て 、中 国 の 代 表 団 は 次 の よ う に 述 べ た 。IMO が 国 際 航 海
に従事する船舶からの温室効果ガスの排出について検討しているのは
UNFCCC 加 盟 国 会 議 で の 要 請 で あ る 。京 都 議 定 書 の 第 2 条 第 2 項 に よ る
と 、 附 属 書 I の UNFCCC 加 盟 国 す な わ ち 先 進 国 は 、 国 際 航 海 に 従 事 す る
船舶からの温室効果ガスの排出を減少化かつ制限することについて全面的
に従う義務があると考えられる。したがって、中国代表団は、船舶からの
ガ ス 排 出 に 関 す る IMO 方 針 と 実 践 に 関 連 す る 総 会 の 決 議 案 に つ い て は 、
船 舶 か ら の 排 出 ガ ス の 制 限 又 は 減 少 が 、も っ ぱ ら こ の 附 属 書 I の UNFCCC
加 盟 国 に 課 せ ら れ る こ と を 明 確 に して お く べ き で あ る と 確 信 し て い る 。 発
展 途 上 国 は 船 舶 か ら の 温 室 効 果 ガ ス の 排 出に 関 し て の 制 限 又 は 減 少 化 の 義
務はない。この考えは他の複数の代表団にも支持された。
4.19
当委員会は、大気汚染作業部会に対し、複数代表団によるコメントを考慮し、
総会決議案を見直すよう指示することで合意した。
163
その他
4.20
当 委 員 会 は 、 船 舶 で 使 用 さ れ た 重 油 に 添 加物 を 入 れ る こ と で エ ン ジ ン の 煤 の 排
出 量 が 減 少 す る と い う 、 ア テ ネ 国 立 技 術 大 学 機 械工 学 科 で 行 わ れ た 調 査 結 果 に 基 づ い
た ギ リ シ ャ 提 供 情 報 ( MEPC 48/INF.8) を 銘 記 し た 。
大気汚染に関する作業部会の設立
4.21
当 委 員 会 は 先 の 委 員 会 の 決 定 に 従 い 、大 気汚 染 関 連 事 項 作 業 部 会 を 、岡 村 敏 氏
( 日 本 ) を 議 長 と し て 再 設 立 し た 。 ま た 次 の 委 託作 業 事 項 に 同 意 し た 。
.1
総会で出されたコメントを考慮し、中間期通信部会の報告と総会決議案に
ついて検討する。
.2
国際航海に従事する船舶に対し販売された燃料油を基に、排出割当量を検
討 し 、 UNFCCC に 依 頼 さ れ た 、 報 告 資 料 の 正 確 さ 及 び 比 較 性 に つ い て 調
査できる機会を探る。
.3
次の項目を含め、国際航海に従事する船舶に対し、温室効果ガス排出指標
作 成 の た め の 作 業 計 画 及 び 期 間 枠 を 作 成す る
.4
−
基 礎 技 術 position の 確 立
−
排出基線の確立
−
排出基準の作成
−
温室効果ガス排出減少方法の作成
大 気 汚 染 会 議 の 決 議 書 1 を 考 慮 し 、 そ の 施 行 条 件 を 含 め た 1997 議 定 書 の
見 直 し を 実 施 し 、MARPOL 73/78 附 属 書 VI 批 准 へ の 障 害 事 項 の 調 査 の 必
要性についての勧告を作成する。
.5
必要に応じた中間期通信部会の再招集を含め、当委員会からの他の要請事
項を検討する。
作業部会の結果
4.22
作 業 部 会 報 告 書( MEPC 48/WP.10)を 受 領 し 、当 委 員 会 は 次 の 措 置 を 講 じ た 。
4.23
当 委 員 会 は 、報 告 書 の 第 5 項 に 記 録 さ れ て い る 総 会 決 議 案 に 関 す る 作 業 部 会 の
検 討 の 結 果 、特 に 国 際 航 海 従 事 船 舶 か ら の 温 室 効 果 ガ ス 排 出 調 整 と い う 、今 後 の IMO
164
の 措 置 に つ い て の 提 案 を 銘 記 し た 。 し か し な がら 、 当 委 員 会 は 、 総 会 決 議 案 に つ い て
の さ ら な る 行 動 を と る 前 に 、 中 国 に よ り 提 起 さ れた 、 京 都 議 定 書 第 2.2 条 に 関 す る 温
室効果ガス排出方針を、まず解決すべきことで合意した。
4.24
当 委 員 会 は 、総 会 決 議 案( MEPC 48/WP.10、付 属 1)の 作 成 が 顕 著 に 進 ん で い
る こ と を 銘 記 し 、加 盟 国 に 対 し 総 会 決 議 案 を MEPC 49 で 完 了 さ せ る べ く 、中 国 か ら
提 起 さ れ た 問 題 に つ い て の コ メ ン ト を 次 の MEPC に 提 出 す る よ う 要 請 し た 。
4.25
当 委 員 会 は 、 作 業 部 会 の 勧 告 に つ い て は 、 現 時点 で は 、 国 際 航 海 に 従 事 す る 船
舶に販売された燃料油を基とした排出ガスの割り当てには言及しないことを銘記した。
こ の 件 に 関 し 、 オ ラ ン ダ は 燃 料 油 の 販 売 量 の みを 基 と す る 割 り 当 て に つ い て の 今 後 の
決 定 に 関 し て は 、 態 度 を 留 保 せ ざ る を 得 な い と 述 べ た。
4.26
当 委 員 会 は 、IMO 温 室 効 果 ガ ス 指 標 シ ステ ム を 考 慮 す る と 、京 都 議 定 書 の 附 属
書 A に あ る 全 6 種 の 温 室 効 果 ガ ス も 対 象 と せ ざ る を 得 な い と い う 、作 業 部 会 の 見 解 を
銘 記 し た 。し か し な が ら 、主 な 温 室 効 果 ガ ス と して の CO2 に つ い て は 、そ の ボ リ ュ ー
ムからして、最初に検討しなければならない。
4.27
当 委 員 会 は 、 IMO/UNFCCC 両 事 務 局 間 の 密 接 な る 協 調 に つ い て の UNFCCC
か ら の 呼 び か け を 銘 記 し 、 事 務 局 に 対 し 、 大 気汚 染 作 業 部 会 の 専 門 家 の 参 加 す る 、 両
事務局間の非公式会合を持つよう指示した。
4.28
当 委 員 会 は 、 数 あ る 加 盟 国 の 陳 述 か ら す る と 、 MARPOL 73/78 附 属 書 VI の 批
准 に か な り の 進 展 が 見 ら れ る こ と を 銘 記 し た 。当 委 員 会 は 、1997 年 の 大 気 汚 染 会 議 の
決 議 書 1 が 、当 委 員 会 に 対 し 、何 が 附 属 書 発 効 の 障 害と な っ て い る の か を 明 ら か に す
る こ と を 要 請 し て い る こ と を 想 起 し 、 も し そ の 発 効 条 件 が 2002 年 12 月 31 日 ま で に
合 致 し な け れ ば 、 MEPC 49 で そ の 状 況 を 再 考 す るこ と に 同 意 し た 。
4.29
当 委 員 会 は 、温 室 効 果 ガ ス 問 題 を 促 進 す る 作 業計 画( MEPC 48/WP.10、付 属 3)
を、原則的に承認した。
4.30
当 委 員 会 は 、 温 室 効 果 ガ ス の 制 限 又 は 減 少化 に つ い て の IMO 戦 略 を 発 展 さ せ
る た め に 、 MEPC 49 の 間 中 に 大 気 汚 染 作 業 部 会 を 再 設 立 す る こ と に 同 意 し た 。
4.31
当 委 員 会 は 、 ノ ル ウ ェ ー の 指 導 の 下 に 中 間期 通 信 部 会 を 設 立 す る こ と に 同 意 し
( 第 18.18 項 参 照 )、 付 属 13 に あ る 委 託 事 項 を 承 認 し た 。
165
5
強制方策改正の検討及び採択
状態評価スキームの改正
5.1
当 委 員 会 は 、 MEPC 47 が 、 MARPOL 73/78、 附 属 書 I、 改 正 規 則 第 13G の 強
制 要 件 で あ る 状 態 評 価 ス キ ー ム の 改 正 案 を 検 討 か つ 承 認 し ( MEPC 47/20、 第 6.14∼
6.17 及 び 付 属 3)、 そ の 本 文 が 文 書 MEPC 48/5 に示 さ れ て い る こ と を 想 起 し た 。
5.2
当 委 員 会 は 、 当 該 改 正 案 が MARPOL 73/78 第 16(2)(a)条 に 従 い 、2002 年 3 月
20 日 付 回 章 2371 号 と し て 、 IMO 事 務 局 長 に より 回 章 さ れ て い る こ と を 銘 記 し た 。
5.3
ま た 、 当 委 員 会 は 、 当 該 改 正 案 が MARPOL 73/78 第 16(2)(c)条 に 従 い 、 IMO
メ ン バ ー で あ る か な い か に か か わ ら ず 、 MARPOL 73/78 加 盟 国 が 参 加 で き る 形 で 、
MEPC で 審 議 さ れ る こ と も 銘 記 し た 。
5.4
当 委 員 会 は 、附 属 書 I の 改 正 規 則 13G と 関 連し た 状 態 評 価 ス キ ー ム 要 件 が 2002
年 9 月 1 日 付 発 効 し た こ と を 想 起 し た 。 MARPOL 73/78 加 盟 国 へ の 電 子 デ ー タ ベ ー
ス の ア ク セ ス も 同 日 付 開 始 さ れ た 。( 第 12.2.1 及 び 12.2.2 項 参 照 )
1973 年 公 法 議 定 書 に よ る 物 質 リ ス ト の 改 正
5.5
当 委 員 会 は 、 MEPC 47 が 、 1973 年 公 法 議 定 書 ( MEPC 47/20 第 15.5 条 及 び
付 属 6) に よ る 物 質 リ ス ト の 改 正 案 を 検 討 か つ 承 認 こ と を 想 起 し た 。 そ の 本 文 は 文 書
MEPC 48/5/1 に 示 さ れ て い る 。
5.6
当 委 員 会 は 改 正 案 が 2002 年 3 月 20 日 付回 章 第 2372 号 に よ り 、1973 年 公 法 議
定 書 の 第 Ⅲ 条 第 2 項 に 従 っ て IMO 事 務 局 長 に より 回 章 さ れ た こ と を 銘 記 し た 。
5.7
ま た 、当 委 員 会 は 、1973 年 仲 公 法 議 定 書 の第 Ⅲ 条 に 従 っ て 、改 正 案 が 、IMO メ
ン バ ー で あ る か な い か に か か わ ら ず 、 1973 年 公 法 議 定 書 加 盟 国 が 参 加 で き る 形 で 、
MEPC に よ っ て 審 議 さ れ る こ と を 銘 記 し た 。
起案部会への委託事項
5.8
当委員会は次の委託事項をもって起案部会を設立することで合意した。
.1
プレナリーで出されたコメントを考慮し、状態評価スキームの改正案
( MEPC 48/5) と 1973 年 公 法 議 定 書 に よる 物 質 リ ス ト ( MEPC 48/5/1)
166
の見直しを行なう。
.2
1973 年 公 法 議 定 書 に よ る 状 態 評 価 ス キ ー ム 物 質 リ ス ト 最 終 改 正 本 文 及 び
付 随 す る MEPC 決 議 の 作 成 を 行 な う 。
.3
当委員会による改正事項の採択のため、プレナリー検討用報告書を提出す
る。
5.9
起 案 部 会 報 告 書 ( MEPC 48/WP.5) を 受 領 し 、 当 委 員 会 は 状 態 評 価 ス キ ー ム へ
の 改 正 を 、決 議 MEPC.99(48)に よ り 採 択 し た 。状 態 評 価 ス キ ー ム( CAS)に 関 す る 決
議書と改正本文は付属 3 に記載されている。
5.10
当 委 員 会 は 、決 議 MEPC.100(48)に よ り 、1973 年 公 法 議 定 書 に よ る 物 質 リ ス ト
の 改 正 を 採 択 し た 。1973 年 公 法 議 定 書 に よ る 物 質 リ スト へ の 決 議 書 と 改 正 本 文 は 付 属
4 に記載されている。
5.11
当委員会は、事務局に対し、改正正式文の作成の間、採択された改正文中に予
期 せ ぬ 誤 り が あ っ た 場 合 、 適 切 な 修 正 を し 、 適 宜 MEPC に 連 絡 す る 権 限 を 与 え た 。
5.12
当委員会は、モデル検査計画及び状態評価スキームに関する検査の安全実施指
針 に 関 す る MEPC/Circ.390 に つ い て は 、 当 該 改 正の 発 効 ま で 継 続 す る こ と が MEPC
47 で 承 認 さ れ た こ と を 銘 記 し て 、 2004 年 3 月 1 日 を も っ て MEPC/Circ.390 を 無 効
と す る こ と に 同 意 し た 。し か し な が ら 、当 委 員 会 は 、MEPC/Circ.390 の 付 属 3 に 含 ま
れ て い る CAS ス ケ ジ ュ ー ル が 、各 船 舶 の CAS の ため の 検 査 計 画 に 添 付 さ れ る べ き こ
とで合意した。
6
6.1
OPRC 条 約 及 び OPRC-HNS 議 定 書 の 実 施 並 び に 関 連 OPPR 条 約 決 議 の 作 成
当 委 員 会 は 、MEPC 47 が 、OPRC 作 業 部 会 の 中 間 期 会 合 を 開 く こ と で 合 意 し 、
当該会合への委託事項を承認したことを想起した。
6.2
第 88 回 IMO 理 事 会 は 、MEPC 48 に 先 立 つ 2002 年 10 月 3 日 (木 )、4 日 (金 )に 、
OPRC 作 業 部 会 の 中 間 期 会 合 の 招 集 を 行 な う と い う MEPC 47 の 提 案 を 了 承 し た ( C
88/D 第 7.2(ⅱ )項 )。 当 該 中 間 期 会 合 の 報 告 は 、 MEPC 48/WP.1 に 示 さ れ て い る 。
油汚染マニュアル:第Ⅳ節−油流出対応
6.3
当 委 員 会 は 、 文 書 MEPC 48/6
油 汚 染 マ ニュ ア ル 1988 年 版 最 終 改 正 案 : 油 流
167
出対応についての第Ⅳ節
を 事 務 局 が 完 成 し 、 MEPC 47 で の OPRC 起 案 部 会 に よ る
技術上の改正と編集上の変更が包含されている旨の報告を受けた。
6.4
議長は、当委員会に対し、最終的に改正された第Ⅳ節は多くの人達による 3 年
あまりの熱心な作業により完成した最高のものであることを報告し、通信部会を指導
し た ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド 及 び オ ラ ン ダ 、ま た 、OPRC 作 業 部 会 及 び 起 案 部 会 の メ ン バ ー
に 謝 意 を 表 し た 。特 に ITOPF( 国 際 タ ン カ ー 船 主汚 染 防 止 連 合 会 )に 対 し て は 、通 信
部会及び最終編集段階への関与と貢献について謝意を表した。
6.5
当 委 員 会 は 、MEPC 48/6 に 付 属 さ れ て い る
ついての第Ⅳ節
6.6
油 汚 染 マ ニ ュ ア ル:油 流 出 対 応 に
の最終改正版を承認した。
また、当委員会は、油汚染マニュアル最終改正版の刊行を承認し、事務局にそ
の印刷を要請した。
OPRC-HNS 議 定 書 の 早 期 発 効 ・実 施 の た め の 作 業 計 画
6.7
事 務 局 は 、MEPC 47 の 要 請 に よ り 、MEPC 45 で の OPRC 作 業 部 会 に よ り 作 成
さ れ た 計 画 概 要 に 基 づ き 、OPRC-HNS 議 定 書 の 早 期 発 効 ・実 施 の た め の 作 業 計 画 案 を
作 成 し た ( MEPC 48/6/1)。
6.8
い く つ か の 代 表 団 が 、OPRC‐ HNS 議 定書 の 早 期 実 施 の た め の 作 業 計 画 案 に 関
し、若干の重要点について具体的にコメントした。それらは以下のとおりである。
.1
情 報 サ ー ビ ス に 関 す る 第 一 段 階 と し て 、CEFIC( 欧 州 化 学 品 製 造 者 連 盟 協
議 会 )と ITOPF は 、情 報 の 調 整 と 蓄 積 に つ い て 、特 に OPRC-HNS 議 定 書
の 実 施 に つ い て の IMO の 重 要 な 役 割 を確 認 し た 。 CEFIC は 、 MARPOL
73/78 附 属 書 Ⅱ の 面 か ら 、情 報 作 成 へ の 援 助 提 供 面 で IMO と 協 力 す る つ も
り で あ る と 述 べ た 。ま た 、ITOPF は 、情 報 収 集 及 び 協 力 の た め の 枠 組 み を
設 け る た め 、 中 心 と な る 専 門 家 に よる 会 合 を 構 成 す る こ と の メ リ ッ ト を 認
識している。
.2
ITOPF は 、 第 4.2 項 に 関 し 、 OPRC-HNS 議 定 書 実 施 の た め の 協 力 活 動 と
情 報 蓄 積 に つ い て は 、IMO が 最 適 で あ る こ と を 示 唆 し た 。議 長 は 、事 務 局
に 対 し 、IMO に 提 供 さ れ る 情 報 調 整 の ため の 枠 組 み 設 立 を 検 討 す る よ う 要
請した。
.3
当 委 員 会 は 、第 5.1 項 に 関 し 、事 務 局 の サ ポ ー ト は 、具 体 的 IMO 組 織 又 は
168
技術作業部会のような会合については可能であるが、このような組織で議
論 す る こ と に な る 、HNS 流 出 事 故 対応 に つい て の 技 術 文 書 を 作 成 す る に は 、
さ ら な る 供 給 源 及 び 専 門 知 識 が 必 要 で ある と の 報 告 を 受 け た
6.9
い く つ か の 代 表 団 か ら の 作 業 計 画 に 関 す る コ メン ト を 受 領 し て 、 当 委 員 会 は 、
.1
作 業 計 画 案 の 第 4.2 項 に 反 映 さ れ て い る よ う に 、 OPRC 条 約 で 採 用 さ れ た
の と 同 じ 戦 略 を 、 OPRC-HNS 議 定 書 に つ い て も 採 用 す べ き で あ る こ と に
同意した。
.2
作 業 計 画 案 第 4.15~4.16 項 に あ る 、第 1 段 階 か ら 第 4 段 階 に 示 さ れ た 要 素
に同意した。
.3
作 業 計 画 案 の 第 4.16 項 と 第 4.17 項 に 記 載 の 、将 来 の R& D フ ォ ー ラ ム の
必 要 性 に 同 意 す る が 、 こ の フ ォ ー ラ ム を開 く 時 期 は 見 直 さ れ な け れ ば な ら
な い 。ま た 、第 4.17 項 に つ い て は 、事 務局 に 対 し HNS 基 準 の 作 成 に つ い
て ISO と 連 絡 す る よ う 要 請 し た 。
.4
OPRC 作 業 部 会 の 将 来 の 構 成 に 関 す る 議 題 18 の 議 論 に よ っ て 確 認 す る こ
と を 条 件 と し て 、 作 業 計 画 案 の 第 5.1 及 び 5.4 項 の 下 の 情 報 を 銘 記 し た 。
.5
MEPC 48/6/1 に 記 載 の OPRC-HNS 議 定 書 の 早 期 発 効 ・実 施 の た め の 作 業
計 画 を 原 則 的 に 承 認 し た 。 こ の 件 は 議 題 18 の 下 に 検 討 さ れ る (第 18.14 項
参照)
2002 年 3 月 11∼ 13 日 の フ ラ ン ス の ブ レ ス ト に おけ る 重 質 油 流 出 対 応 に 関 す る
第 3 回 研 究 ・開 発 フ ォ ー ラ ム の 報 告
6.10
当 委 員 会 は 重 質 高 油 流 出 の 対 応 に 関 す る 第 3 回 研 究 ・開 発 フ ォ ー ラ ム が 、 2002
年 3 月 11∼ 13 日 、 フ ラ ン ス の ブ レ ス ト で 成 功裏 に 開 催 さ れ 、 こ の フ ォ ー ラ ム の 結 果
が MEPC 48/6/2 に 記 載 さ れ て い る こ と を 銘 記 し た 。 こ の 全 文 は 、 MEPC 48/INF.10
に添付されている。
6.11
ま た 、 当 委 員 会 は 、 重 油 汚 染 対 応 の た め の 技 術の 運 用 的 開 発 に 焦 点 を 当 て た 、
達 成 可 能 な 勧 告 を 示 す こ と が 、当 該 フ ォ ー ラ ム の 目 的 の 1 つ で あ っ た と い う 報 告 を 受
け た 。MEPC 48/INF.10 に 記 載 の フ ォ ー ラ ム で 採 択 さ れ た 勧 告 は 、4 つ 分 野 に 分 か れ
ている。
169
6.12
.1
情報の普及
.2
研 究 ・開 発
.3
基準化
.4
国際協力
当委員会は、フォーラムが大成功であったと報告を受け、議長はフォーラムを
主 導 し た MSC 議 長 Tom Allan 氏 に 謝 意 を 表 し た 。
6.13
多くの代表団が、フォーラム組織化への支援をしてくれたフランス及びその他
の ス ポ ン サ ー に 謝 意 を 表 し た 。 シ ン ガ ポ ー ル の 代 表 は 、 発 展 途 上 国 か ら の 37 代 表 者
の 参 加 を 引 用 し 、先 進 国 と 発 展 途 上 国 間 の 友 好 を 賞 賛し 、ま た 、こ の 件 に 関 す る IMO
の 努 力 を 称 え た 。 シ ン ガ ポ ー ル と キ プ ロ ス の 代 表団 は 、 将 来 、 こ の 種 フ ォ ー ラ ム の 議
長 を 含 む 重 要 ポ ス ト の 選 抜 に は 、 発 展 途 上 国 か らの 専 門 家 も 含 め る べ き と い う 願 望 を
表明した。
6.14
ま た 、 キ プ ロ ス の 代 表 団 は 、 当 該 勧 告 、 特 に 第 16.4 項 ( MEPC 48/6/2) に つ
いて検討し、法律委員会が、この件を取扱い、難破船除去に関する条約案を作成すべ
きであると述べた。この点に関し、事務局は、勧告が古い難破船からの油汚染の脅威
について取扱うことを指摘した。
6.15
フ ラ ン ス 代 表 団 は 、IMO が 要 望 を 入 れ て フ ォ ー ラ ム の 主 催 を 引 き 受 け て く れ た
こ と に 感 謝 し 、 検 討 の た め MEPC 49 に 提 出 さ れる R&D フ ォ ー ラ ム の 勧 告 実 施 の た
め の 行 動 計 画 を 作 成 す る と い う 議 長 案 へ の 支 持 を 表 明し た 。
6.16
OPRC の 関 心 事 と 目 標 と な っ た フ ォ ー ラ ム 勧 告を 促 進 さ せ よ う と の 議 論 に 従 っ
て、当委員会は、
.1
報告書を銘記し、かつ
.2
事 務 局 に 対 し 、 MEPC 49 の 検 討 課 題 と し て フ ォ ー ラ ム 勧 告 促 進 の た め の
行動計画を作成するよう要請した。
中 間 期 MEPC-OPRC 作 業 部 会 の 報 告
6.17
当 委 員 会 は 、2002 年 10 月 3∼ 4 日 に 開 催 さ れ た 中 間 期 会 合 の 結 果 を 要 約 し た 、
中 間 期 MEPC-OPRC 作 業 部 会 報 告 書 ( MEPC 48/WP.1) を 検 討 し た 。
6.18
中 間 期 会 合 の 議 長 Terry Melhuish 氏( カ ナ ダ )に よ り 紹 介 さ れ た 報 告 書 に は 、
MEPC 47 で の 委 員 会 報 告 書 ( MEPC 47/20、付 属 9)に 示 さ れ て い る よ う に 、次 の 事
170
項についての措置が含まれている。
.1
bioremediation の た め の ガ イ ド ラ イン 作 成
.2
化 学 物 質 汚 染 マ ニ ュ ア ル の 作 成 − 第 2 節 :海 上 に 流 出 し た 容 器 入 物 質 の 捜
索と回収
6.19
.3
新 た な OPRC 基 本 コ ー ス 資 料 の 最 終化
.4
OPRC レ ベ ル 1、 2 及 び 3 の モ デ ル コ ー ス 資 料 の 見 直 し
OPRC の モ デ ル 訓 練 コ ー ス を 実 現 す る た め に 認 定 又 は 承 認 さ れ た 訓 練 機 関 の リ
ス ト の 公 表 に 関 し て 、 IPIECA( 国 際 石 油 産 業 環 境保 全 協 会 ) は 、 こ の リ ス ト を IMO
の ウ ェ ブ ・サ イ ト に 載 せ る べ き で あ る と 示 唆 し た 。適 当 な 認 定 ガ イ ド ラ イ ン は 未 だ 出 来
て い な い の で 、議 長 は 、メ ン バ ー の 政 府 と 組 織 に 対 し 、OPRC モ デ ル 訓 練 の た め の 一
連 の 認 定 さ れ た 訓 練 組 織 と 専 門 家 の 名 簿 を 作 成 の 第 一歩 と し て 承 認 さ れ た 訓 練 組 織 の
リストを事務局宛て提出するよう要請した。
6.20
中 間 期 OPRC 作 業 部 会 の 報 告 を 検 討 し 、 当 委 員 会 は 、
.1
bioremediation に 関 す る 指 針 書 案 の 本 文 を 最 終 化 す る た め に 行 わ れ た 作
業 を 銘 記 し 、 事 務 局 に 対 し 、 フ ラ ン ス 及び カ ナ ダ と 協 力 し て 、 議 題 18 で
の 議 論 に 沿 っ た 確 認 に 従 っ て 、将 来 の MEPC で の 承 認 の た め の 改 正 案 を 提
出するよう要請した。
.2
化 学 物 質 汚 染 マ ニ ュ ア ル − 第 2 節 :海 上 に 流 出 し た 容 器 入 り 物 質 の 捜 索
と回収
.3
を改正するという中間期会合勧告を銘記した
付 属 13 に あ る 化 学 物 質 汚 染 マ ニ ュ ア ル の 第 2 節 ( 海 上 に 流 出 し た 容 器 入
り 物 質 の 捜 索 と 回 収 )の 、各 章 の 改 正 ・最 新化 の た め の 通 信 部 会 の 委 託 事 項
を 原 則 的 に 承 認 し 、議 題 18( 18.18 項 )の 下 に さ ら な る 議 論 を す る た め の
通信部会の設立に言及した。
.4
OPRC レ ベ ル 1、 2 及 び 3 の モ デ ル 訓 練 コ ー ス 資 料 の 見 直 し に 関 す る 中 間
期 会 合 勧 告 と 、OPRC モ デ ル 訓 練 コ ー ス「 管 理 者 と 運 用 者 の た め の 基 本 レ
ベル」案の最終化提案を銘記した。
.5
メンバー国政府に対し以下の事項を勧告した。
‐
IMO OPRC モ デ ル 訓 練 コ ー ス の 内 容 に 合 致 し て お り 、か つ 、こ の 訓 練
コースを実施するのに適切な経験を有する要員を確保していることを
171
保 障 す る た め 、OPRC モ デ ル 訓 練 コ ー ス の 提 供 者 を 公 式 に 承 認 又 は 認
定すること。
‐
IMO 事 務 局 に 対 し 、国 内 で 承 認又 は認 定 を 受 け た 訓 練 機 関 と 専 門 家 の
名前及び連絡方法、また、その後の変更について通知すること。これ
に よ り 、事 務 局 は 、統 合 技 術 協力 計 画( ITCP)の 一 部 と し て 、特 に 発
展 途 上 国 に お け る IMO の 訓 練 コ ース 実 施 時 の 協 力 者 に つ い て 、 常 に
最 新 版 の 専 門 家 名 簿 を 持 つ こ と が でき る 。
.6
メ ン バ ー 国 政 府 や 各 機 関 か ら の 提 出 に 基づ い て 、 訓 練 機 関 と 専 門 家 の 認 定
又 は 承 認 の た め の 適 正 な ガ イ ド ラ イン 及び 規 準 が 作 成 さ れ る こ と に 同 意 し
た。
.7
中 間 期 会 合 の 報 告 を 銘 記 し 、 今 会 期 の 議 題 18 の 下 に 、 更 に 検 討 を 要 す る
未解決問題があることを条件に、中間期会合勧告を了承した
海 洋 汚 染 事 故 対 応 に 協 力 す る た め の 地 域 協 定 に 関 す る IMO/UNEP フ ォ ー ラ ム の 結 果
6.21
当 委 員 会 は 、 IMO に お い て 、 IMO/UNEP 共 同フ ォ ー ラ ム が 、 2002 年 9 月 30
日 か ら 10 月 2 日 ま で の 間 開 催 さ れ た と い う 報 告 を 受 け た 。 フ ォ ー ラ ム は 、 地 域 セ ン
ター及び地域条約と行動計画の事務局の代表が一同に揃い、お互いの経験を交換し、
共 通 話 題 の 議 論 を 行 っ た 。 特 に 海 上 汚 染 対 応 で の 協 力に 関 す る 問 題 に つ い て の 議 論 が
あ っ た 。 フ ォ ー ラ ム の 結 果 は MEPC 48/WP.6 に 記 載 さ れ て い る 。
6.22
当 委 員 会 は 、 文 書 MEPC 48/WP.6
IMO/UNEP フ ォ ー ラ ム の 結 果
海上汚染事故対応での地域協力に関する
を 受 領 し た 。 こ れ に は 、 2002 年 9 月 30 日 ∼ 10 月 2
日 に 開 催 さ れ た IMO/UNEP フ ォ ー ラ ム の 結 果 が 要 約さ れ て い た 。 当 該 文 書 へ の 付 録
には、このフォーラムの結論と勧告が載っている。
6.23
シンガポールの代表団が、これら事項の地域間協力を更に進めるために、この
よ う な フ ォ ー ラ ム 開 催 に 関 心 を 示 し た 。ま た 、将 来 の この よ う な 地 域 フ ォ ー ラ ム に は 、
政府からの代表の出席を許可する意思を表明した。この件に関し、事務局は、将来の
フ ォ ー ラ ム に お い て は 、 発 展 途 上 国 か ら の 代 表者 の 出 席 に 対 し 、 技 術 協 力 基 金 を 通 じ
た 財 政 支 援 の 可 能 性 を 探 求 す る こ と に な る と 指 摘 し た。
6.24
議長は、航空探査や衛星発見遂行といった、地域レベルでの共通関心事項を取
り 扱 う こ の よ う な フ ォ ー ラ ム を 開 催 す る に は 、地 域協 力 で 重 要 で あ る こ と を 強 調 し た 。
議 長 は 、 将 来 の フ ォ ー ラ ム に 政 府 が 出 席 す る 必 要性 を 認 識 し 、 代 表 団 に 対 し 、 当 該 報
172
告書を読み、かつ、報告書フォーラム勧告に照らし個々の要件を評価するよう奨励し
た。
6.25
IMO/UNEP フ ォ ー ラ ム 結 果 報 告 書 を 検 討 し 、 当 委 員 会 は 、
.1
IMO/UNEP フ ォ ー ラ ム の 結 果 、 特 に MEPC 48/WP.6 に 記 載 の 結 論 と 勧 告
を 銘 記 し 、 事 務 局 に 対 し 、 勧 告 に 効 果 を持 た せ る の に 適 当 な 措 置 を 講 ず る
よう要請した。
.2
準 備 、 特 に 対 応 、 か つ 、 一 般 的 に は 海 洋環 境 保 護 に お け る 地 域 協 力 を 進 め
るために、可能な場合にはいつでも、当該フォーラムを開催するよう奨励
した。
2003 年 国 際 油 流 出 会 議
6.26
当 委 員 会 は 、 2003 年 国 際 油 流 出 議 を 、 2003 年 の 4 月 6 日 か ら 10 日 ま で カ ナ
ダ の British Columbia の バ ン ク ー バ ー で 開 催 す る と い う 米 国 提 供 情 報 ( MEPC
48/INF.12)を 銘 記 し た 。会 議 に 関 す る さ ら な る 情 報は オ ン ラ イ ン www.iosc.org で 得
られる。
6.27
当委員会は、当該会議の準備の一部として、
Global Challenges to
Preparedness and Response Regions に 関 す る ワ ー ク シ ョ ッ プ を 、IMO 主 催 で 2003
年 11 月 12 日 か ら 14 日 ま で 開 催 す る こ と を 銘 記 し 、 メ ン バ ー 国 や 機 関 に 参 加 を 奨 励
した。
6.28
第 3 回 R&D フ ォ ー ラ ム 勧 告( MEPC 48/6/1、第 16.3 項 )及 び OPRC-HNS 議
定 書 実 施 に 関 す る 作 業 計 画 ( MEPC 48/6/2、 付 属 第 4.17 項 ) に つ い て は 、双 方 と も に
HNS や 油 へ の 装 置 と 技 術 の 相 互 対 応 基 準 の 設 定 と ISO と の 連 携 の 必 要 性 を 示 し て お
り 、 米 国 の 代 表 は 、 当 委 員 会 に 対 し 、 海 洋 環 境 に 関 す る ISO 作 業 部 会 長 と し て ISO
へ の 提 案 を す る こ と を 報 告 し 、ISO メ ン バ ー 国 か ら の こ の 基 準 作 成 に 協 力 す る 有 志 者
の参加を依頼した。
6.29
議 長 は 、 当 委 員 会 に 次 の 報 告 を 行 っ た 。「 海 洋 工 学 、 科 学 及 び 技 術 研 究 所
( IMarEST) の 所 長 が 、 2002 年 10 月 8 日 の 所 長の 日 に
HNS 議 定 書 、 海 上 事 故 −
今 や 時 は 刻 ま れ て い る 。 と 題 し た 演 説 を 行 っ た 。IMarEST は 次 回 MEPC で HNS 事
故 に 関 す る 情 報 を 提 出 す る つ も り で あ る 。」ま た 、議 長 は 、メ ン バ ー 国 政 府 に 対 し 、重
大 な HNS 流 出 事 故 が 起 こ る 前 に 最 適 な 対 応 の 配 備 が 世 界 ベ ー ス で 可 能 と な る よ う 、
出 来 る だ け 早 く OPRC-HNS 議 定 書 の 批 准 を 行 な うよ う 促 し た 。
173
7
特別海域及び特に敏感な海域の特定及び保護
PSSA 提 案 提 出 の た め の 指 針 文 書 案
7.1
当 委 員 会 は 、 MEPC 45 に お い て 、 特 に 敏 感な 海 域 の 特 定 と 指 定 に 関 す る ガ イ
ド ラ イ ン を 作 成 す る 場 合 、 保 護 さ れ る べ き と 海 域 に どの よ う な 体 制 で 対 処 す る の が い
い の か と 云 っ た 指 針 が 、 ガ イ ド ラ イ ン へ の 追 録文 書 に 含 ま れ る べ き で あ る と 合 意 さ れ
たことを想起した。
7.2
ま た 、当 委 員 会 は 、米 国 が 加 盟 国 政 府 に 提 供し た 指 針( MEPC 47/8/1)を MEPC
47 が 検 討 し 、 原 則 的 に こ れ を 支 持 す る と し た こ と を 想 起 し た 。 但 し 、 M EPC47 は こ
の 指 針 に は あ る 程 度 の 修 正 が 必 要 で あ る こ と で 合 意 し 、事 務 局 に 対 し 、今 会 期 MEPC
に お い て 米 国 案 が 承 認 さ れ る と し て 、 MEPC 回 章案 を 作 成 す る よ う 指 示 し た 。
7.3
当 委 員 会 は 、 事 務 局 が 、 MEPC 回 章 案 「 IMO に 対 す る PSSA 提 案 に 関 す る 指
針 文 書 」( MEPC 48/7/1) を 、 MEPC 47 で 指 示 さ れ た よ う に ( MEPC 47/20、 第 8.18
項)変更したことを銘記し、提案に挿入されなければならない枠組の文書に付属させ
ることは有用となることに同意した。当委員会は、事務局に対し、付属の本文に
Florida Key の PSSA 提 案 ( MEPC 46/6/2) 時 の 表 題と 見 出 し を 使 っ て 付 属 の 本 文 を
作 成 す る よ う 要 請 し た 。 こ の Florida Key の PSSA に つ い て は 、 MEPC 46 で 、 メ ン
バ ー 国 政 府 が PSSA 提 案 を す る 場 合 は モ デ ル と して 使 う こ と に 同 意 さ れ た も の で あ る 。
原文の引用は可能である。
7.4
MEPC 回 章 案( MEPC 48/7/1)を 検 討 し て 、当 委 員 会 は 、事 務 局 に よ っ て 作 成
さ れ る 付 属 を 、 指 針 書 と 共 に MEPC/Circ.398 と して 発 行 す る こ と に 同 意 し た 。
PSSA と 特 別 海 域 の 提 案 を 見 直 す た め の 非 公 式 部 会 の 設 立
7.5
当 委 員 会 は PSSA と 特 別 海 域 の 提 案 が 、 PSSA の 特 定 と 指 定 及 び 特 別 海 域 の 指
定 (A.927(22)決 議 )に 関 す る ガ イ ド ラ イ ン 要 件 に 合 致 し て い る こ と を 保 障 す る た め 、
PSSA と 特 定 海 域 の 提 案 見 直 し の た め の 仕 組 み が 必 要で あ る こ と を 銘 記 し た 。
7.6
当 委 員 会 は 、 当 委 員 会 に 対 す る 新 PSSA 提 案 が ま す ま す 増 加 す る こ と 、 ま た 、
MEPC 会 会 期 中 に 許 可 さ れ る 作 業 部 会 の 数 が 制 限さ れ て い る こ と か ら 、新 PSSA 又 は
特 定 海 域 の 提 案 が 出 さ れ る 度 に 、MEPC 作 業 部 会 を 設 立 す る の は 現 実 的 で は な い と 認
識した。
174
7.7
当 委 員 会 は 、 Paul Nelson 氏 ( 豪 州 ) 議 長 の 下 に 、 以 下 の 見 直 し を 行 な う た め
の 非 公 式 部 会 設 立 と い う MEPC 議 長 提 案 に 同 意 し た 。
.1
特 に 敏 感 な 海 域 の 特 定 と 指 示 の ガ イド ラ イ ン 要 件 ( 決 議 A.927(22)の 付 属
2) に 合 致 す る か ど う か 決 め る た め 、 Paracas National Reserve 海 域 と
Wadden Sea を PSSA と し て 指 定 す る と い う 提 案( MEPC 48/7 及 び MEPC
48/7/2) を 見 直 す こ と 。
.2
MARPOL 73/78 下 の 特 別 海 域 の 指 定 に 関 す る ガ イ ド ラ イ ン 要 件 ( 決 議
A.927(22)の 付 属 1)に 合 致 す る か ど う か 決 め る た め 、 Gulf area を 拡 大 し
て MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅴ の 特 定 海 域 に す る と い う 提 案 (MEPC 48/7/3 及
び MEPC 48/7/3/Corr.1)を 見 直 す こ と 。
.3
その結果をプレナリーへ書面報告すること。
非公式作業部会の報告
7.8
当 委 員 会 は 、 部 会 か ら の 報 告 ( MEPC 48/WP.14) を 受 け 、 以 下 を 銘 記 し た 。
.1
当 作 業 部 会 は 、 決 議 A.927(22)に 提 示 さ れ た す べ て の 基 準 を カ バ ー し て い
る PSSA に 関 す る 46 の 質 問 と 特 別 海 域 に 関 す る 18 の 質 問 の 入 っ た チ ェ ッ
クリストに照らし各提案を調べた。
.2
当作業部会はデンマーク、ドイツ及びオランダから共同提出された
Waddan
Sea を PSSA と し て 指 定 す る件 ( MEPC 48/7/2) を 見 直 し 、 提
出 さ れ た の も は 適 用 基 準 を 網 羅 し てお り 、 情 報 は 基 準 の 要 求 を 満 た し て い
る こ と で 合 意 し た 。 当 作 業 部 会 は IMO 方 策 に こ の 海 域 を 保 護 す る こ と が
入 っ て い る こ と 、 ま た 、 他 の 委 員 会 又 は小 委 員 会 に 照 会 さ れ る よ う な 方 策
は 無 い こ と か ら 、MEPC が PSSA と し て 指 定 す る 手 段 を と る よ う 勧 告 し た 。
.3
当 作 業 部 会 は ペ ル ー か ら の Paracas National Reserve の PSSA 指 定 の 提
案 ( MEPC 48/7) に つ い て 見 直 し を 行 い 、す べ て の 環 境 規 準 が 満 足 さ れ て
い る こ と で 合 意 し た 。 若 干 の 標 準 、 特 に交 通 量 と 危 険 物 に 関 す る 作 業 部 会
の 懸 念 に 応 じ て 、 ペ ル ー は 追 加 情 報 を 提 出し た ( MEPC 48/WP.14)。 当 作
業 部 会 は 、 こ の 情 報 が 関 連 標 準 を 満 足 し てい る も の と 判 断 し た 。
.4
当作業部会は、ペルーの提出した関連保護方策、所謂、回避海域と
出
非排
海 域 を 検 討 し 、回 避 海 域 に つ い て は、NAV 小 委 員 会 に 見 直 し を 委 託 す
175
べ き こ と を 勧 告 し た 。船 舶 か ら の い か な る も の の 排 出 を 禁 止 す る 非 排 出
海 域 に 関 し て 、 当 作 業 部 会 は 、 今 会期 委 員 会 で こ の よ う な 海 域 を 承 認 す る
には、提出された資料では不十分であると決定した。
.5
し た が っ て 、 当 作 業 部 会 は 、 指 針 に 沿 い 、 当 委 員 会 が Paracas National
Reserve PSSA に つ い て 原 則 的 承 認 す るよ う 勧 告 し 、 ま た 、 ペ ル ー が 別 途
提 出 し た 回 避 海 域 の 提 案 に つ い て は 、NAV 小 委 員 会 の 検 討 を 待 つ よ う を 勧
告した。
.6
当作業部会は、オマーンが
Gulf area
を 拡 大 し MARPOL 73/78 の 附 属
書 I 及 び V の 特 別 海 域 と す る 提 案 を 銘 記し た 。オ マ ー ン の 代 表 団 は 、こ の
MARPOL 73/78 改 正 提 案 に つ い て の 追 加情 報 と 海 図 を MEPC 48/WP.14 に
付 属 3 と し て 添 付 し 、 ま た 、 口 頭 で 作 業部 会 に 情 報 提 供 し た 。
.7
当 作 業 部 会 は 、 MARPOL 73/78 に 従 っ て 運 航 さ れ て い る 船 舶 か ら の 廃 棄
物 の 排 出 が 特 に 脅 威 で あ る と す る に は 、さ ら な る 情 報 が 必 要 で あ る こ と に
同 意 し た 。 し た が っ て 、 当 作 業 部 会 は 、こ の 提 起 は 附 属 書 I の 特 別 海 域 の
要 件 は 満 た す が 、 MARPOL 73/78 附 属書 V は 満 た さ な い と 判 断 し た 。 そ
こで当作業部会は、アラビア海のオマーン海域については、その提出文書
と 文 書 MEPC 48/WP.14 の 付 属 3 に 定 義 さ れ て い る よ う に 、 MARPOL
73/78 附 属 書 I の 特 定 海 域 と し て 指 定 す べき こ と を 勧 告 し た 。 ま た 、 当 該
特 別 海 域 は 、 Arabian Sea
所謂
Gulf area
の内にあり
Gulf area
の外にあるので、
特 別 海 域 と は 別 個 で ある こ と も 勧 告 し た 。
非公式作業部会の報告
7.9
非 公 式 作 業 部 会 の 報 告 ( MEPC 48/WP.14)を 検 討 し て 、当 委 員 会 は 、
.1
付 属 5 に 添 付 の 決 議 MEPC.101(48)の 採 択を 通 じ て 、Wadden Sea を PSSA
として指定した。
.2
Paracas National Reserve 内 の 回 避 海 域 の 提 案 に つ い て は 、 NAV 小 委 員
会に検討を委託する。
.3
Paracas National Reserve を PSSA と して 指 定 す る こ と を 原 則 的 承 認 し 、
回避海域の提案についてはNAV小委員会の検討を待つ。
.4
MARPOL 附 属 書 I の 改 正 提 案 に つ い て は、 付 属 6 に 記 載 さ れ て い る よ う
176
に MARPOL 附 属 書 I に お い て ア ラビ ア 海 の オ マ ー ン 海 域 を 特 別 海 域 と し
て 指 定 す る こ と を 承 認 し 、 事 務 局 長 に 対し 、 MEPC 49 で の 採 択 の た め 、
改正提案書を回章するよう要請した。
8
8.1
受入施設の不備
MEPC 47 に お け る 、 港 で の 受 入 施 設 利用 の可 能 性 と 船 舶 が 経 験 し た 受 入 施 設
の不備に関しての報告要件を改善することについての最初の考検討がなされた。当委
員 会 は 、 FSI 小 委 員 会 が こ の 件 に 関 し て 対 応 す る 最 適組 織 で あ る こ と で 合 意 し た 。 ま
た 、 FSI 小 委 員 会 に 対 し 明 確 な 指 示 を 与 え る た め 、 今 会 期 で 報 告 の 仕 組 み 改 善 問 題 を
さらに検討することでも合意した。
8.2
当 委 員 会 は 、MARPOL 73/78 第 11(1)(d)条 に よ っ て 、全 加 盟 国 が 自 国 の 港 に お
け る 受 入 施 設 リ ス ト に つ い て IMO に 連 絡 す るよ う を 要 求 さ れ て い る こ と 、 ま た 、 事
務 局 の 受 け 取 っ た 情 報 は 2 通 の MEPC 回 章 ( 油 性 廃 棄 物 の た め の MEPC.3/Circ.3、
NLS に 残 滓 の た め の MEPC.4/Circ.4 ) と し て 回 章 さ れ て い る こ と を 想 起 し た 。
MARPOL 73/78 は 、 1983 年 10 月 2 日 に 発 効 し てお り 、 全 121 加 盟 国 の う ち 、 58 ヶ
国 が MEPC.3/Circ.3 情 報 を 、 ま た 、 36 ヶ 国 が MEPC.4/Circ.4 情 報 を 提 出 し て い る 。
8.3
また、当委員会は、条約適用効果の評価かつ統計を可能とするの意図又は目的
を も っ て 、 MARPOL 73/78 第 8、 11 及 び 12 条 、附 属 書 I 第 12 規 則 、 附 属 書 Ⅱ 第 7
規 則 並 び に 附 属 書 V 第 7 規 則 で 要 求 さ れ て い る 廃 棄物 受 入 施 設 の 使 用 /不 使 用 に 関 す
る MEPC/Circ.318
MARPOL 73/78 の 強 制 報 告 シ ス テ ム の 書 式
が 、IMO と の 連 絡
促 進 の た め MEPC 38 で 採 択 さ れ た こ と を 想 起 し た 。同 回 章 が 、流 出 /排 出 違 反 、そ の
処理法、旗国による不備申告及び寄港国による流出対応に関する情報を探求している
ことも想起した。
8.4
MEPC 47 は 、 2000 年 と 2001 年 に 事 務 局 が 受 領 し た 、 MEPC/Circ.349
港湾
受 入 施 設 不 備 申 告 の た め の 統 一 書 式 に 従 っ て 受 入 施 設 不 備 報 告 は 、3 メ ン バ ー 国( イ
ラ ン 、 ス ウ ェ ー デ ン 及 び 英 国 ) か ら の わ ず か 10 件の み で あ っ た こ と を 銘 記 し た 。 英
国 か ら 提 出 さ れ た 報 告 の 一 つ は 、 ケ イ マ ン 諸 島 の 代 理と し て の も の で あ っ た 。
8.5
当 委 員 会 は 、 受 入 施 設 不 備 申 告 の 現 状 に つい て 、 次 の よ う に 報 告 さ れ て い る 。
.1
現 在 の MEPC/Circ.318 の 書 式 は
での採択時には
user-friendly
1行
記 入 だ け で 、 1996 年 MEPC 38
とみなされていたが、ほとんど回収され
ていない。
177
.2
MEPC/Circ.349 に つ い て の 回 収 も 、こ の 回 章 が 様 々 な タ イ プ の 受 入 施 設 を
包 含 し て い る に も か か わ ら ず 非 常 に 少 な かっ た 。
8.6
こ の ゆ え に 、 議 長 は 、 2000 年 8 月 13 日 に 採 択さ れ た 決 議 MEPC.83(44)、 港
湾廃棄物受入施設の適切性確保のためのガイドライン
は、各国が自国港について次
の 3 事 項 に お け る 港 湾 受 入 施 設 の 適 切 性 確 保 の ため 、ガ イ ド ラ イ ン に 添 付 し た 評 価 様
式 を 使 用 す る よ う 各 国 に 奨 励 す る こ と を 意 図 し たも の で あ る こ と に 、 当 委 員 会 の 留 意
を促した。
8.7
.1
自 国 港 に あ る 廃 棄 物 受 入 施 設 の 定 期的 評 価 を 実 施 す る 。
.2
受 入 施 設 の ど ん な 不 備 も 含 め 、 こ の 評 価 結 果 を IMO に 報 告 す る 。
.3
不 備 処 理 に 必 要 な 技 術 協 力 に つ い て 、IMO に 助 言 す る 。
若干の加盟国が自国の受入施設の利用可能性について報告している一方で、ほ
ん の 数 カ 国 の み が 様 々 な 報 告 シ ス テ ム ( す な わ ち MEPC/Circ.349 及 び
MEPC/Circ.318)で 、不 備 申 し 立 て の 報 告 を しい る 。寄 港 国 に よ る 廃 棄 物 受 入 施 設 の
評価に関する報告はない。
8.8
こ の 件 の 見 直 し を 行 な っ て 、 議 長 が 、 MARPOL 73/78 に 規 定 の 廃 棄 物 受 入 施
設 の 報 告 に 関 す る 様 々 な の 報 告 要 件 を 作 り 上 げ たこ と が 、い く つ か の MEPC 回 章 に よ
る異なった報告様式の混じりあいを生じ、結果として、報告要件の意図又は目的が失
われたり誤解されたりといった大変な混乱事態と招いてしまったことを指摘した。
8.9
議 長 は 、 廃 棄 物 受 入 施 設 に つ い て の 報 告 の 全 般 的 目 的 が 、 MARPOL 73/78 に
定 義 さ れ て い る よ う に 、 廃 棄 物 の 不 法 排 出 /投 棄 を 最 小 化 /防 止 す る た め に 、 海 運 界 へ
の施設の利便性及び船舶の利用性の促進を奨励することにあると強調した。
8.10
議 長 は 、 FSI 小 委 員 会 が 次 の 作 業 を す べ き で あ る と 示 唆 し た 。
.1
MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅰ 、Ⅱ 及 び Ⅴ 並 び に港 湾 廃 棄 物 受 入 施 設 の 適 切 性 を
確 保 す る ガ イ ド ラ イ ン に 規 定 の 、報 告 の利 便 性 、利 用 性 及 び 目 的 を 含 め た 、
廃 棄 物 受 入 施 設 報 告 要 件 の 包 括 的 見 直 し を実 施 す る 。
.2
法 制 /ガ イ ド ラ イ ン に お け る 混 乱 /衝 突 /不 明 の 分 野 を 特 定 す る た め の 見 直 し
を 実 施 し て 、 必 要 で あ れ ば 、 報 告 要 件 を明 確 に す る た め に 必 要 な 変 更 を 勧
告する。
.3
様 々 な MEPC 回 章 で カ バ ー さ れ て い る 現 存 の 報 告 様 式 を 見 直 し 、
178
MARPOL 73/78 と ガ イ ド ラ イ ン の 原 稿 要 件 に 沿 っ た 、よ り 簡 単 な 報 告 書 式
を作る。
.4
廃 棄 物 受 入 施 設 の 報 告 要 件 に 関 し 、 関 係当 局 や メ ン バ ー 国 と の 対 話 を 促 進
する方法を提案する。
8.11
続いてあった議論の中で、英国の代表団は、当委員会に対し、受入施設不備の
報 告 を 提 出 し た が 、 自 国 の 施 設 の 評 価 は 提 出 し てな い と 報 告 し 、 ま た 、 議 長 が 提 起 し
た活動については、最良の道であり、本心から賛成できる方法であると考慮している
ことも報告した。ブラジルの代表団は同様に議長の提起を支持した。
8.12
当 委 員 会 は 、 FSI 小 委 員 会 に 対 し 、 MARPOL 73/78 の 強 制 報 告 に 関 す る 既 存
の 作 業 計 画 に よ り 、 上 述 第 8.10 項 で 具 体 化 さ れて い る 作 業 を 行 な う よ う 指 示 し た 。
9
各小委員会の報告
9.1
DE 45 の 結 果
9.1.1
当 委 員 会 は 、 DE 小 委 員 会 の 第 45 回 会 合 が 、 2002 年 3 月 18∼ 22 日 の 間 開 催
さ れ 、5 つ の 争 点 が 、当 委 員 会 の 関 心 事 と し て 明 ら かに さ れ た こ と を 銘 記 し た (MEPC
48/9)。関 心 を 呼 ん だ こ の 問 題 に 関 す る 当 委 員 会 の議 論 と 決 定 事 項 は 、以 下 に 報 告 さ れ
ている。
9.1.2
当 委 員 会 は 、決 議 A.586(14)の 付 属 の 改 正 に あ た っ た 当 小 委 員 会 の 進 展 状 況 を
銘 記 し 、改 正 さ れ た 油タ ンカー に対 する 油排出 監視・管理 シス テム のガ イドラ イン と仕
様 の 改 正 版 が 、決 議 A.886(21)に お け る 総 会 の 承 認に 従 っ た MEPC 決 議 と し て 採 択 さ
れるべきであることに同意した。
9.1.3
当 委 員 会 は 、全 ビ ル ジ 水 処 理 シ ス テ ム( WBTS)の コ ン セ プ ト は 、こ の シ ス テ
ム を 含 め る た め に 決 議 MEPC.60(33) に 関 す る 作 業 を 拡 大 す る よ り も 、 回 章
MEPC/Circ.235 の 将 来 の 改 正 事 項 に 入 れ る べ き で あ る と し た 小 委 員 会 勧 告 を 是 認 し
た 。 し か し な が ら 、 こ の 「 全 」 (whole)の 語 は これ も 「 統 合 」 (integrated)と 置 換 え る
こ と に 同 意 し た 。 し た が っ て 、 WBTS
IBTS" と 変 更 さ れ る こ と に な る 。 こ れ
は
に 関 連 し て 、 当 委 員 会 は 、 日 本 が 全 体 論 的 な やり 方 で ビ ル ジ 水 処 理 方 法 を 研 究 し て お
り 、 DE 46 に そ の 結 果 を 提 出 す る 旨 を 銘 記 し た 。
9.1.4
of
当 委 員 会 は 、決 議 MEPC.60(33)の 改 正 に 、ISO 基 準 9377-2
hydrocarbon
oil
index − Method
using
179
solvent
Determination
extraction
and
gas
chromatography ( 炭 化 水 素 系 油 指 標 の 確 定 − 溶 剤 抽 出 と ガ ス 色 素 分 析 を 使 う 方 法 )
を 加 え る べ き と い う 当 小 委 員 会 勧 告 を 銘 記 し 、 MEPC 47 に お い て 、 ほ と ん ど の 国 が
水中の油分量を決めるための検査方法を国内法として既に取り入れていることが報告
されたことを想起した。また、結果については、様々な異なる方法で得られたもので
あることも指摘されていた。
9.1.5
ま た 、 ISO が 、 当 委 員 会 に 対 し 、 決 議 MEPC.60(33)に あ る IR 方 法 は 、 オ ゾ
ン層破 壊す 物質 に関 す るモン トリ オー ル議 定 書の下 の規 制物 質 に 係 わ る こ と か ら 、 も
は や 受 入 れ ら れ な い こ と 、 そ し て ISO 9377-2 は そ の 代 替 と し て
Gas Liquid
Chromatography( GLC) ( 液 化 ガ ス 色 素 分 析 ) を提 供 し て い る 旨 を 報 告 し た こ と も
想起された。
9.1.6
結 果 と し て 、 決 議 MEPC.60(33)に 引 用 さ れ て い る 原 稿 の シ ス テ ム は 取 り 替 え
と な り 、 世 界 的 に 同 一 の 結 果 を 出 し て い る ISO 9377-2 の シ ス テ ム が 採 用 さ れ る こ と
が 合 意 さ れ た 。 し た が っ て 、 当 委 員 会 は 、 DE 46 に 対 し ISO 9377-2 を 改 正 決 議
MEPC.60(33)に 編 入 す る よ う 指 示 し た 。
9.1.7
当 委 員 会 は 、 MSC の 統 一 意 見 を 条 件 に 、 氷 結 し た 北 極 海 に お け る 船 舶 の 運 航
に 関 す る ガ イ ド ラ イ ン 案 に つ い て の MSC/MEPC 回 章を 承 認 し た 。
9.1.8
当 委 員 会 は 船 舶 の リ サ イ ク リ ン グ ・ガ イド ラ イ ン 案 に つ い て の 当 小 委 員 会 の 結
果を銘記した。
9.2
9.2.1
NAV 48 の 結 果
当 委 員 会 は 、 第 48 回 NAV 小 委 員 会 が 2002 年 7 月 8∼ 12 日 の 間 開 催 さ れ た
こ と を 銘 記 し 、 当 委 員 会 が Places of Refuge (避難 場所 ) (MEPC 48/9/5)に つ い て 議
論するよう要請されていることを銘記した
9.2.2
当 委 員 会 は 、援 助 を 必 要 と す る 船 舶 の 避 難場 所 ガ イ ド ラ イ ン に つ い て の 総 会 決
議 案 、 及 び 海 洋 援 助 サ ー ビ ス 関 す る 総 会 決 議 案 が 、NAV 48/19 の 付 属 12 及 び 13 に
示 さ れ て い る こ と 、 ま た 、 こ れ ら の 総 会 決 議 は 、 船 舶が 困 難 な 状 態 に あ り 、 人 命 の 安
全 の 恐 れ は な い が 、 海 洋 汚 染 の 危 険 の 可 能 性 が ある 場 合 の 取 り 得 る べ き 行 動 に つ い て
の指針であることを銘記した。
9.2.3
NAV 48 が 、MSC に 対 し 、NAV 49 で の 最 終 化 を 条 件 に 、採 択 の た め 第 23 回
総 会 に こ れ ら の 決 議 の 提 出 を 認 め る よ う 要 請 し てい る こ と を 銘 記 し て 、 こ れ ら の 決 議
の内容がしっかりしたものであることに同意した。しかしながら、これらの決議は汚
180
染 防 止 の 観 点 に 限 っ て い る の で 、 序 文 に は MEPC が こ れ を 検 討 し た と い う 事 実 が 反
映されるべきであると合意された。
9.2.4
加 え て 、MEPC 46 が 、海 洋 環 境 の 保 護 の 見 地 か ら 避 難 水 域 /安 全 場 所 の 問 題 に
関 し 行 な っ た OPRC 作 業 部 会 の 作 業 を 検 討 し 、こ れ を MSC の 検 討 課 題 と す る こ と に
同 意 し た こ と を 想 起 し た 。海 洋 環 境 対 応 の 観 点 か ら 避 難 水 域 /完 全 場 所 を 考 慮 時 の 、メ
ンバー国への指針となる標準の作成が必要となる、提案された問題一式については
MEPC 46/23 の 付 属 4 に 記 載 さ れ て い る 。
9.2.5
と は い え 、決 議 案 自 体 が 環 境 の 観 点 か ら 重 要と 考 え ら れ る 要 素 を 反 映 し て い る
かどうかを、当委員会が見直すべきことで合意された。結果として、非公式起案部会
が 、 こ の 決 議 案 を 見 直 し 、 承 認 の た め こ の 本 文 が 総 会に 提 出 さ れ る 前 に 、 NAV 49 に
コメントするよう指示された。
9.2.6
非 公 式 起 案 部 会 の 報 告 ( MEPC 48/WP.13)を 検 討 し 、 当 委 員 会 は 以 下 に つ い
て同意した。
.1
NAV 48/19 の 付 属 12 に お け る 6 番 目序 文 項 を 、
[ 第 76 会 期 及 び 77 会 期 ] MSC[ 並び に 第 49 回 NAV 小 委 員 会 ] で な
された勧告を考慮して、 から、
[ 第 76 会 期 及 び 77 会 期 ]MSC 並 び に[ 第 48 回 ]MEPC で な さ れ た 勧
告を考慮して、 に変更する。
.2
NAV 48/49 の 付 属 12 序 文 の 3 番 目 の勧 告 を 、
MSC に 対 し 、 ガ イ ド ラ イ ン 見 直 し を維 持 し 、 必 要 に 応 じ て 改 正 す る よ
う要請し、 から
MSC 及 び MEPC に 対 し 、ガ イ ド ラ イ ン 見 直 し を 維 持 し 、必 要 に 応 じ て
改正するよう要請し、 に変更する。
.3
MEPC 48/WP.13 に 記 載 の NAV 48/19 の 付 属 12 へ の 若 干 の 編 集 上 の 修 正
を 、 NAV 49 に お い て 、 総 会 提 出 最終 案 作 成 の 段 階 で 行 な う こ と 。
9.2.7
ま た 、当 委 員 会 は 、非 公 式 起 案 部 会 が 、環 境 の 観 点 か ら 検 討 さ れ る べ き の 何 点
かを明らかにしたことを銘記した
181
9.3
9.3.1
FSI 10 の 結 果
当 委 員 会 は 、 第 10 回 FSI 小 委 員 会 が 2002 年 4 月 8∼ 12 日 の 間 開 催 さ れ 、
MSC と MEPC で 検 討 す べ き 13 項 目 の 問 題 が 特 定 さ れ 、 ま た 、 MEPC の み で 検 討 す
べ き さ ら な る 5 項 目 の 問 題 が 特 定 さ れ た こ と( MEPC 48/9/1)を 銘 記 し た 。こ の 問 題
に関する注目すべき当委員会の議論と結論を以下に示した。
9.3.2
当 委 員 会 は 、 CSR( 継 続 一 覧 記 録 ) に 関 す る 議 論 と 、 海 上 安 全 か ら 見 た CSR
に 関 す る 議 論 の 結 果 を 、適 切 な 検 討 と 行 動 の た め MSC 75 に 委 託 し た こ と を 銘 記 し た 。
9.3.3
こ れ に 関 し て 、 FSI 10 に お い て 、 常 時 船 舶 の 経 歴 の 安 全 チ ェ ッ ク が 出 来 る よ
う な 、船 上 に 備 え 付 け る CSR を 開 発 す る た め の 提 案が な さ れ た こ と を 銘 記 し た 。MSC
75 は 、SOLAS 第 Ⅹ Ⅱ 章 に あ る CSR 要 件 の 導 入 に 原 則 同 意 し (MSC 75/24 第 17.56 項 )、
MSC 76 に お い て さ ら に 議 論 す る こ と に 同 意 し た 。
9.3.4
当 委 員 会 は 、 ISM コ ー ド の 中 で 観 察 さ れ た 重 大 な 不 適 合 の 処 置 に 関 す る
MSC/MEPC 回 章 案 の 承 認 を 要 請 さ れ て い る こ と を 銘 記 し た 。
9.3.5
重 大 な 不 適 合 を 解 決 し 、 か つ 、 取 り 消 さ れた ISM 証 書 の 再 発 行 の た め の 監 査
実 施 の た め の 時 間 的 余 裕 が な い こ と を 含 め 、 現 行案 の 使 用 語 句 に 不 明 な 部 分 が あ る こ
とから、ガイドライン改正が提案されていることが銘記された。結果として、この件
に 関 す る MSC/ MEPC 回 章 案 が 起 案 さ れ 、 MSC 75 で 承 認 さ れ た 。
9.3.6
ま た 、 本 件 は 、 MSC 75 の 結 果 ( MEPC 48/10/3) に 関 連 す る 議 題 10 で も さ
ら に 検 討 さ れ て い る (第 10.3.6∼ 10.3.9 項 参 照 )。
9.3.7
当 委 員 会 は 、 主 官 庁 に よ る ISM コ ー ド の 実 施 改 正 ガ イ ド ラ イ ン に 関 す る 当 小
委員会勧告を是認した。
9.3.8
当 委 員 会 は 、旗 国 に よ る IMO 規 則 の 効 率的 か つ 調 和 し た 履 行 促 進 す る こ と に
お い て 、旗 国 Performance の 自 己 評 価 の 解 析 が 重 要 で あ る こ と に 同 意 し 、こ の 件 に 関
す る 当 小 委 員 会 の 努 力 を 銘 記 し た 。 し か し な がら 、 い く つ か の 国 の 代 表 団 か ら 、 こ の
活 動 の 目 的 に つ い て 懸 念 が 表 明 さ れ た 。そ の 結 果 、当 委 員 会 は 、FSI が SAFs の デ ー
タ ベ ー ス に 付 随 す る 問 題 と 目 的 を 明 確 に し 、 performance 解 析 に 情 報 を ど の よ う に 用
い る こ と が で き る の か を 特 定 す べ き こ と で 合 意 し た 。 当 小 委 員 会 が SAFs の 適 切 な 解
析を行なわなかったことに対し、不満足の意が表明された。
9.3.9
ポ ー ト ・ス テ ー ト ・コ ン ト ロ ー ル ( PSC) 当 局 に よ る 拘 留 の 通 知 問 題 を 検 討 す
182
る 一 方 で ( 文 書 FSI 10/17 の 第 7.4∼ 7.7 項 )、 当 委 員 会 は 、 若 干 数 の 代 表 団 に よ り 、
旗国の旗を掲揚した船舶が拘留されたことを、寄港国が旗国に通知しなかったケース
が 無 視 で き な い 数 あ る こ と へ の 懸 念 が 再 表 明 さ れて い る こ と を 銘 記 し た 。 ま た 、 拘 留
通知連絡が時期を逸したものであったため、適切な措置と調査ができないことへ懸念
も 再 表 明 さ れ て い る こ と を 銘 記 し た 。 こ れ に 関 連 し て、 当 委 員 会 は 旗 国 と 拘 留 船 舶 の
船 主 に と っ て 、当 該 船 舶 運 航 者 の 質 を 反 映 し た 、ゆ ゆし き 結 果 で あ る こ と を 認 識 し た 。
9.3.10 こ れ に 関 連 し て 、旗 国 と 寄 港 国 そ れ ぞ れ の責 任 に つ い て 議 論 を 行 い 、当 委 員 会
は 、 寄 港 国 か ら 拘 留 通 知 が な い と い う 旗 国 コ メン ト を 記 録 し か つ 反 映 さ せ る と い う 当
小 委 員 会 の 決 定 に 同 意 し 、こ の よ う な 情 報 は 関 連回 章 FSI.2 で 入 手 可 能 で あ る こ と を
銘記した。
9.3.11 当 委 員 会 は 、寄 港 国 が 既 存 要 件 に 従 い 直 ち に旗 国 に 拘 留 通 知 を し な か っ た 場 合
に は 、 拘 留 の 記 録 は 削 除 さ れ る べ き と い う 提 案 を 検 討し た 。 こ の 提 案 は 若 干 の メ ン バ
ー に 支 持 さ れ た が 、 当 委 員 会 で は 承 認 さ れ な か った 。
9.3.12 当 委 員 会 は 、年 間 拘 留 リ ス ト 又 は 旗 国 対 応コ メ ン ト の ど ち ら か を 載 せ た FSI.2
回 章 の 電 子 版 が 、 イ ン タ ー ネ ッ ト の IMO 公 開 ウ ェ ブ サ イ ト に 定 期 的 に 最 新 化 さ れ て
い る こ と を 銘 記 し 、こ れ ら の リ ス ト に は 、船 舶 の 拘 留に 関 す る 実 情 と 、旗 国 /寄 港 国 間
の情報交換状況が反映されるべきことに同意した。
9.3.13 こ れ に 関 連 し て 、当 委 員 会 は 、タ イ ム リ ー な 拘 留 通 知 が な い 場 合 の 詳 細 な 旗 国
コ メ ン ト 作 成 の 困 難 性 を 認 識 す る 一 方 で 、IMO に 報 告さ れ た す べ て の 拘 留 事 実 に つ い
て 関 連 リ ス ト に 保 管 し て お き 、 寄 港 国 の 拘 留 通 知 が なか っ た こ と を 述 べ た 旗 国 コ メ ン
トが記録され、そのコメントに
旗国コメント受領
の略語
FSCR
を付記するこ
とを許可し、それによって旗国の未解決状況はキャンセルされることに同意した。
9.3.14 ま た 、 当 委 員 会 は 、 MSC/Circ.1019− MEPC.6/Circ.7 の 付 属 1 に 最 近 含 ま れ
た 関 連 情 報 の 抽 出 、 ま た 、 連 絡 先 情 報 を 提 供 し てな い メ ン バ ー 国 も 含 め た す べ て の メ
ン バ ー 国 に 具 体 的 な リ ス ト 発 行 に つ い て 事 務 局 に 指 示す る こ と に お い て 、PSC 拘 留 通
知 の 専 属 連 絡 先 を 明 確 に す る こ と が 旗 国 に と っ て 必 要で あ る こ と を よ り 強 く 強 調 す る
と い う 当 小 委 員 会 の 決 定 に 同 意 し た 。 寄 港 国 は 、 自 国管 理 官 に 対 し 、 速 や か に 最 新 連
絡先リストを回章すべきである。
9.3.15 当 委 員 会 は 、 PSC 拘 留 に 関 す る 報 告 の 評 価 と 解 析 の た め 、 統 計 を 利 用 す る と
いう小委員会の考えを銘記した。
9.3.16 当 委 員 会 は 、 MSC の 同 意 を 条 件 に 、 海 難事 故 調 査 お け る 協 議 及 び 協 力 の た め
183
の 効 果 的 枠 組 み 構 築 か つ 維 持 す る こ と に つ い て 、 旗 国及 び 他 の に 真 に 関 心 の あ る 国 々
を 援 助 す る た め の 暫 定 ガ イ ド ラ イ ン に 関 す る MSC/MEPC 回 章 案 を 承 認 し た 。 当 委 員
会は、承認に際し、この回章が、海難事故の調査を行なう場合、旗国にとって従うべ
き有益なガイドラインを提供することで合意した。
9.3.17 当 委 員 会 は 、MSC の 同 意 を 条 件 に 、IMO ウ ェ ブ サ イ ト に 事 故 情 報 を 載 せ る と
いう、当小委員会からの事務局への指示を是認し、この情報がすべての利害関係者に
有 用 な も の と な る こ と で 合 意 し た 。し か し な がら 、こ の 情 報 は そ の 本 文 が FSI 小 委 員
会 で 承 認 さ れ る ま で は 発 表 し な い こ と で 合 意 さ れた 。
9.3.18 当 委 員 会 は 、海 難 の 統 計 と 調 査 に 関 す る 作 業方 法 の 見 直 し に 関 す る 当 小 委 員 会
の 議 論 の 結 果 を 銘 記 し た 。 こ れ に 関 し て 、 英 国代 表 団 は 、 今 後 の MEPC と FSI 小 委
員会での検討のための文書提出を引き受けた。
9.3.19 当 委 員 会 は 、 決 議 A.744(18)の 見 直 し に 関す る 小 委 員 会 の 活 動 状 況 、 DE 小 委
員 会 へ の 結 果 の 委 託 、 ま た 、 さ ら な る 検 討 の 必 要性 に 応 じ た STW 小 委 員 会 へ の 委 託
を銘記した。
9.3.20 当 委 員 会 は 、証 書 の 基 準 と な る 検 査 終 了 日に 関 す る IMO 諸 規 則 の 改 正 と 、関
連改正手続開始の提案を検討した。
9.3.21 こ れ に 関 連 し て 、当 委 員 会 は 、FSI 10 が 次 の こと で 合 意 し た こ と を 銘 記 し た 。
「 MSC/Circ.1012-MEPC/Circ.384 の 規 定 の 結 果 と して 、 HSSC の 下 に 発 行 さ れ た 証
明 書 は 、 こ の 証 書 の 根 拠 と な る 検 査 完 了 日 :日 /月 /年
の文言をもって裏書されるべき
で 、 1988 SOLAS 議 定 書 、 MARPOL 及 び 1988 年 LL 議 定 書 の 証 書 様 式 は 、 こ れ ら
の 文 言 を 編 入 す る た め 改 正 さ れ る べ き で あ る 。当 該文 言 は 、 This certificate is valid
until...
で 始 ま る 項 に 続 い て 挿 入 す る こ と が で き る 。」ま た 、当 小 委 員 会 は 、MSC と
MEPC に 対 し 、 関 連 改 正 手 続 き 開 始 の た め の 改 正提 案 を 委 託 す る こ と で 合 意 し た 。
9.3.22 当 委 員 会 は 、提 案 文 言 に つ い て は 、BLG 小 委 員 会 に お い て 、MARPOL 73/78 附
属 書 Ⅰ 及 び Ⅱ の 本 文 の 改 正 時 に 検 討 す べ き こ とで 合 意し た 。
9.3.23 当 委 員 会 は 、 CSD 7 へ の 追 跡 調 査 と し て 、旗 国 が 国 際 標 準 を 満 足 し て い る こ
と を 確 保 す る た め の 方 策 策 定 に 関 し 、当 小 委 員 会 が実 施 し た 活 動 を 是 認 し た 。そ の 際 、
当 委 員 会 は 、 提 案 さ れ た 活 動 状 況 が 、 旗 国 に よる IMO 規 則 の 履 行 を 促 進 す る も の で
あることで合意した。
9.3.24 当 委 員 会 は 、 当 小 委 員 会 の 提 案 改 正 作 業 計 画 と 、 FSI 11 の 暫 定 議 題 に つ い て
184
は 、 議 題 18 で 検 討 す る こ と に 同 意 し た 。
9.3.25 当 委 員 会 は 、当 小 委 員 会 で は 、ほ と ん ど の代 表 団 に つ い て 、詳 細 な 議 論 に 踏 み
込むのに十分な時間がなかったことから、船舶リサイクリング関連事項については簡
単にしか検討できなかったことを銘記した。
9.3.26 当 委 員 会 は 、 MARPOL 73/78 の 下 の 強 制 報 告 に 関 す る 当 小 委 員 会 の 結 果 を 銘
記し、
議 題 12 の 下 に さ ら に こ の 問 題 を 議 論 し た 。
9.3.27 当 委 員 会 が 、 そ の 見 直 し の 期 限 が 2004 年ま で と な っ て い る 、 検査 / 証明調 和
シ ス テ ム の 下 の 検 査 ガ イ ド ラ イ ン ( Survey Guidelines under the Harmonized
System of Survey and Certification ) を 扱 っ た 決 議 A.746(18) の 第 10 章 ( IOPP)
及 び 第 11 章 ( HLS) に 特 別 に 留 意 す べ き と した 当 小委 員 会 の 意 見 を 審 議 し た 。 当 委
員 会 は 、FSI が 、当 委 員 会 の 見 直 し 前 に 改 正 本 文 を 作 成す る べ き で あ る と 考 慮 し た が 、
MARPOL 附 属 書 Ⅰ 及 び Ⅱ の 現 行 見 直 し 状 況 か ら し て 、 新 附 属 書 が 採 択 さ れ た 後 に 当
該作業を実施することに同意した。
9.3.28 当 委 員 会 は 、小 委 員 会 の 作 成 し た 船 舶 防 汚 シ ス テ ム の 検 査 と 証 明 に 関 す る ガ イ
ド ラ イ ン 案 を 銘 記 し て 、 議 題 15 の 下 に 、 こ の 問 題 を さ ら に 検 討 す る こ と と し た 。
9.3.29 当 委 員 会 は 、 IACS 文 書 FSI 10/13/1 の 第 6.1 項 で 惹 起 さ れ た 問 題 、 す な わ
ち
殺生物剤として働く有機化合物
に非殺生物剤化合物を入れるか入れないかにつ
い て は 、 MEPC で 審 議 す べ き と い う 小 委 員 会 勧告 を 銘 記 し 、 こ の 問 題 を 議 題 15 の 下
で検討することに同意した。
9.4
9.4.1
決 議 A.847(20)の 包 括 的 見 直 し
当 委 員 会 は 、 CSD 7 か ら の 要 請 を 基 づ いて MSC 75 が FSI 小 委 員 会 に 対 し 、
次の事項を指示したことを銘記した。
.1
す べ て の 旗 国 の 船 舶 に つ い て 国 際 規 則・基 準 を 満 足 で き る よ う に 、 旗 国 の
加 盟 し て い る IMO 及 び 他 の 関 連 条 約 に、旗 国 が 十 分 か つ 完 全 に 影 響 を 及
ぼすことを確保するような方策を作成
.2
こ の よ う な 方 策 が と る べ き 形 式 、ま た 、こ の 形 式 が 適 用 IMO 規 則 に い か
に関係するかの検討
185
9.4.2
当 委 員 会 は 、FSI 10 で 行 な わ れ た 、MEPC 48/9/3 に 反 映 さ れ て い る こ の 問 題
に関する議論を銘記した。
9.4.3
デ ン マ ー ク が 、文 書 MEPC 48/9/3 を 紹 介 す るに 際 し 、他 の 5 提 出 国 を 代 表 し
て 、当 委 員 会 に 対 し 、four-point 計 画 が い か に CSD 7 の 要 求 に 合 致 し て い る か を 承 認
するよう求めた。
9.4.4
当 委 員 会 は 、 MEPC 48/9/3 で 提 案 さ れ た 計 画 に 一 般 的 に 同 意 し た 。 し か し な
が ら 、 若 干 数 の 代 表 団 が 、「 旗 国 の こ と を 強 調 し 過ぎ で は な い か 。」、 ま た 「 メ ン バ ー
国 に よ る IMO 規 則 遵 守 援 助 ガ イ ド ラ イ ン
の ごと く 主 題 と 参 照 を 一 般 的 に す る こ と
に よ り 幾 分 弱 ま っ て し ま う の で は な い か 。」と いう 見 解 を 表 明 し た 。こ の 結 果 、こ の 提
案 提 出 各 国 政 府 は 、こ の 問 題 に つ い て FSI 小 委員 会 の 検 討 に 付 す た め 彼 等 の 包 括 的 書
類 の 提 出 時 に 、 彼 等 の 見 解 考 慮 す る よ う 求 め られ た 。
9.5
9.5.1
BLG 7 の 結 果
当 委 員 会 は 、 第 7 回 BLG 小 委 員 会 が 、 2002 年 6 月 24∼ 28 日 の 間 開 催 さ れ 、
8 つの問題が当委員会の注目すべき点として明らかになったことを銘記した
( MEPC48/9/2)。注 目 さ れ た 問 題 に 関 す る 当 委員 会 の 議 論 と 決 定 は 以 下 の と お り で あ
る。
9.5.2
当 委 員 会 は 、 船 舶 リ サ イ ク リ ン グ 関 連 事 項の 結 果 に つ い て は 、 議 題 3 の 下 に
検討されたことを銘記した。
9.5.3
当 委 員 会 は 、 IBC コ ー ド に 従 っ た 物 質 の 運 送 要 件 を 指 定 す る た め の 規 準 を 検
討 し 、 ま た 、 ESPH 作 業 部 会 が こ の 基 準 を 有 意 義 、 透 明 か つ 簡 単 な も の に し な が ら 、
GHS シ ス テ ム に お け る 進 展 を 考 慮 し て 、こ の よ う な 改 正 規 準 を 作 成 し て き て い る こ と
を 想 起 し た 。 合 意 時 に 、 船 舶 の 分 類 ( Ship Typing) ご と の 汚 染 基 準 が 加 え ら れ る べ
き こ と を 認 識 し て 、当 委 員 会 は 、附 属 書 7 と し て 添 付 の IBC コ ー ド 従 っ た 物 質 の 運 送
要 件 を 指 定 す る す る た め の 規 準 を 、 MSC の 同 意 を条 件 と し て 承 認 す る こ と と し た 。
9.5.4
加 え て 、 当 委 員 会 は 、 MSC の 同 意 を 条 件 と し て 、 運 送 要 件 の 指 定 の た め の 基
準 が MARPOL 73/78 の 改 正 附 属 書 Ⅱ の 発 効 と 同 時 発 効 す べ き に 同 意 し た 。
9.5.5
当 委 員 会 は 、 提 案 さ れ た 3 分 類 及 び 5 分 類シ ス テ ム の 下 に 汚 染 分 類 の 指 定 の
た め の 規 準 を 検 討 し 、ま た 、BLG が 、改 正 GESAMP 危 険 物 評 価 シ ス テ ム に 基 づ い た
汚 染 分 類 を 定 義 す る た め の 5 分類 及 び 3 分 類 シ ステ ム を 開 発 し て き て い る こ と を 想 起
した。
186
9.5.6
当 委 員 会 は 、両 シ ス テ ム 間 の 選 択 を 要 求 さ れ て い な い こ と を 認 識 し て 、両 シ ス
テ ム の た め に 作 成 さ れ た 規 準 は 、 採 択 シ ス テ ム の 選 択の 決 定 が で き る よ う な 、 信 頼 で
きるものであることに同意した。
9.5.7
当 委 員 会 は 、最 も 適 切 な シ ス テ ム の 採 択 に は依 然 と し て 意 見 が 分 れ て い る こ と
を 認 識 し つ つ 、当 小 委 員 会 が ま と め た 3 分 類 及 び 5 分 類 両 シ ス テ ム 案 に つ い て 、賛 否
両論を検討した。
9.5.8
し か し な が ら 、 MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅱの 改 正 が 延 期 さ れ た 2003 年 の 目 標
日までに完了する場合には、改正附属書Ⅱ本文の最終案が当小委員会で作成され、
MEPC に 承 認 の た め 上 程 さ れ る よ う に 、決 定 さ れな け れ ば な ら な い こ と が 認 識 さ れ て
いる。
9.5.9
こ れ に 関 連 し て 、 当 委 員 会 は 、 文 書 MEPC 48/9/4 の 一 部 が 、 汚 染 分 類 シ ス テ
ムに関する問題にを取り扱っていることを銘記した。
9.5.10 文 書 MEPC 48/9/4 の 照 会 に お い て 、 日 本代 表 団 は 、 異 化 の 理 由 か ら 、 3 分 類
システムに強く反対し、5 分類システムを支持していた。
.1
3 分 類 シ ス テ ム は 、い か な る 排 出 要 件 も適 用 さ れ な い 水 の よ う な 海 洋 環 境
に無害とみなされている付録Ⅲ物質を入れてない。
.2
現 在 D 分 類 又 は 付 録 Ⅲ に あ る 一 定 の 物 質が Y 分 類 物 質 に な っ て し ま い 、
植 物 油 の よ う な 製 品 の 一 般 貨 物 船 の 深 水槽 で の 輸 送 を 妨 げ る こ と に な る 。
.3
特別海域要件を不要とする 3 分類システムは、既存排出規準の下方修正
となる。
.4
最 新 の GESAMP
Hazard
Profile に基 づ い て 提 案 さ れ た 新 5 分類 シス
テム は 海 洋 環 境 の さ ら に 保 護 す る こ と にな る 。
9.5.11 日 本 を 支 持 し て 、 い く つ か の 代 表 団 が 3 分類 システ ム は 経 済 的 に 密 接 深 刻 な
関係があるという懸念を表明した。特に次の点について主張された。
.1
植物油の貿易に重大な阻害となる。
.2
3 分類シ ステ ム 案 で 最 下 位 分 類 の 排 出 規 準 が 、船 舶 の 国 内 輸 送 を 難 し く す
187
る。
.3
す べ て の 製 品 、3 分 類 システ ム の 最 下 位 分 類 に あ る も の で も 、ケ ミ カ ル タ
ン カ ー で の 輸 送 を 要 求 さ れ る こ と に な る。
9.5.12 し か し な が ら 、い く つ か の 代 表 団 は 、3 分類 システ ム を 以 下 の 点 で 強 く 支 持 し
た。
.1
現 行 附 属 書 Ⅱ は 70 年 代 の 前 半 に 作 成 さ れ た も の で あ り 、 経 験 か ら し て 、
関連するすべてのものについて非常に複雑となる。
.2
GHS に 沿 っ て 作 成 さ れ た こ の 再 分 類 は、附 属 書 Ⅱ を 科 学 ・技 術 知 識 の 現 状
に 沿 っ た も の と す る の に unique な 機 会を 与 え て い る 。
.3
附 属 書 Ⅱ の 簡 素 化 は 、 関 連 す る す べ て の産 業 か ら の 要 請 で あ る 。
.4
現行 5 分類 シス テム が 維 持 さ れ る と して も 、 分 類 を 実 質 的 に 変 え る こ と
は 現行 5 分 類 と 新 5 分 類 シ ス テ ム の 間 に さ ら な る 混 乱 を 起 す こ と と な る 。
.5
3 分類システムが最下位分類にある化学物質の他の船舶による輸送を禁
止 す る こ と は な い 。す な わ ち 、こ れら の 物 質 が ケ ミ カ ル タ ン カ ー に 限 ら れ
ることにはならない。
.6
3 分類シ ステ ム に あ る 、新 造 船 に 対 し提 案 さ れ た 浚 え 規 制 は 、合 理 的 か つ
実行可能である。また、現存への遡及改造要件はないことになる。
.7
5 分類シ ステ ム と 違 っ て 、3 分類 シス テ ム は 、無 制 限 量 の 化 学 物 質 の 海 洋
環境への適法排出を防止する。
.8
離 岸 距 離 に 関 す る 国 内 輸 送 へ の 懸 念 に 対 し て は 、 ESPH 作 業 部 会 で 、 既
に折衷案が作成されている
.9 3 分類 と 5 分 類 シ ス テ ム の 結 果 と し て 生ず る 植 物 油 の 分 類 を ど う す る か は 、
GESAMP
Hazard
Profiles を 完 成 さ せ る に 必 要 な デ ー タ が 不 足 し て い
るため判明していない
.10 全 体 的 に 3 分類 シス テム は 、 発 効日 か ら海 洋 環 境 の よ り 良 い 保 護 を 提 供
する。
188
9.5.13 当 議 論 の 間 、 パ ナ マ が 、 植 物 油 の 貿 易 を 行 な っ て い る 平 和 な 小 島 諸 国 に 関 連
し て く る で あ ろ う こ の 問 題 は 、 沖 合 支 援 船 の ため に 作 成 さ れ た 規 則 に 似 た 特 例 を 許 可
することにより解決できるのではないかと提起した。
9.5.14 当 委 員 会 は 、BIMCO、CEFIC 等 他 の 産 業団 体 等 の 支 援 を 受 け 、IPTA に よ り
実 施 さ れ た 、国 際 航 海 従 事 ケ ミ カ ル /製 品 タ ン カ ー 隊 の 1/3 以 上 に つ い て の 調 査 結 果 を
銘記した。調査結果は以下のとおり。
.1
タ イ プ 2 の 船 舶 /タ ン カ ー で 、 貨 物 容 積 の 74% が 輸 送 可 能 で あ る 。
.2
2007 年 ま で に 多 く の 新 造 船 が 参 入 し てく る が 、 そ の ほ と ん ど は タ イ プ 2
船舶である。
.3
10 の 大手運 送業 者 が 、総 製 品 量 の 40% 以 上 を 運 ん で い る が 、そ れ ら の す
べ て は タ イ プ 3 船 舶 の み を 必 要 と して い る 。
9.5.15 典 型 的 な ケ ミ カ ル /製 品 タ ン カ ー 船 隊 に つ い て の 意 義 深 い 横 断 的 な 代 表 的 統 計
に 基 づ い て 、 い く つ か の 代 表 団 が 、 建 造 中 の 新 造船 が 、 す べ て の 輸 送 製 品 を 輸 送 す る
のに十分以上の能力を持つようになることが示されているが、既存船でも十分輸送可
能 で あ る の で 、 国 際 貿 易 を 阻 害 す る こ と に は な らな い と い う 見 解 を 表 明 し た 。
9.5.16 日 本 が 、世 界 中 に は 、IPTA 統 計 で は カ バー さ れ て い な い 多 数 の ケ ミ カ ル タ ン
カーが運航されていることを指摘した。
9.5.17 こ の 問 題 に 関 し す る 意 見 が 二 分 さ れ て い るこ と を 認 識 し て 、パ ナ マ が 、3 分類
システ ム で の 最 下 位 分 類 の 排 出 要 件 を 、 離 岸 12 海 里 排 出 要 件 を 削 除 す る こ と に よ り
緩和するという妥協案を提案した。
こ の 妥 協案 の 提 案 に お い て 、 パ ナ マ は 、 国 内 貿
易 関 連 す る 潜 在 的 問 題 点 も 解 決 さ れ る の で は な いか と 指 摘 し た 。 当 委 員 会 は 、 こ の 妥
協 案 を MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅱ の 改 正 汚 染 分 類 シ ス テ ム の た め の 基 礎 と し て 生 か す
べきであると考慮した。
9.5.18 文 書 MEPC 48/8/4 第 2 部 の 紹 介 に お い て 、日 本 は 、新 Ship Typing 規 準 に つ
いては、多くの製品の格上げに繋がり、また、科学的標準に基づくこのような格上げ
は 、 貿 易 に 付 随 す る 実 際 的 問 題 を 考 慮 し て い な いと い う 懸 念 を 表 明 し た
9.5.19 Ship Type 規 準 の 潜 在 的 格 上 げ へ の 懸 念 を認 識 す る 一 方 で 、当 委 員 会 は 、現 行
規 準 な し で も 、GESAMP/ EHS に よ り 評 価 さ れた 新 試験 デ ー タ に よ る 格 上 げ が あ リ 得
189
る こ と を 意 識 し て い る 。さ ら に 、GHS シ ス テ ム の採 択 に よ り cut-off pont の 変 更 が あ
るので、格上げが避けられないことを銘記した。
9.5.20 汚 染 分 類 シ ス テ ム の 定 義 の た め の 規 準 が 、Ship Type の た め の 規 準 と 関 連 す る
こ と を 認 識 し て 、 当 委 員 会 は 、 Ship Typing 規 準 に つい て の 決 定 に つ い て は 、 汚 染 分
類 シ ス テ ム 問 題 が 解 決 さ れ る ま で 延 期 す る こ と に 同 意し た 。
9.5.21 こ れ ら の 議 論 に 続 い て 、非 公 式 部 会 に 対 し 、Ship Typing 問 題 及 び パ ナ マ 提 案
の妥協案に基づいた合意が得られるかどうかを検討するよう指示された。
9.5.22 当 該 非 公 式 部 会 を 主 導 し た Z. Alam 氏 ( シ ン ガ ポ ー ル ) が 、 以 下 の 口 頭 報 告
を行なった。
.1
15 カ 国 を 代 表 す る 28 人 と 、 5 人 の オ ブ ザ ー バ ー が 会 議 に 出 席 し た 。
.2
当 部 会 は 、ま ず 、3 分 類シス テム の 最 下位 分 類 関 連 排 出 要 件 を 緩 和 す る た
め 、パ ナ マ よ り 提 案 さ れ た 折 衷 案 を 基 に 、3 分類 と 5 分 類シス テム に 妥 協
点 が あ る の か 検 討 す る よ う 指 示 さ れ た 。 さ ら に 、 当 部 会 は 、 Ship Types
の 定 義 の た め の 規 準 の 、 海 運 界 へ の 影 響を 検 討 す る よ う 指 示 さ れ た 。
.3
あ い に く 、当 部 会 は 、Ship Typing 規 準を 議 論 す る 時 間 が な く 、汚 染 分 類
規準についての妥協を見出せなかった。
.4
4 分類シ ステ ム を 基 と し た 日 本 提 案 折 衷 案 に つ い て は 、い く つ か の 代 表 団
が 、環 境 に 危 険 と み な さ れ る 物 質 ま で が 不 十 分 な 規 則 で 制 御 さ れ て し ま う
として、合意には至らなかった。
.5
加 え て 、プ レ ナ リ ー で 表 明 さ れ た 野 菜 産 利 害 関 係 者 の 懸 念 事 項 が 部 会 に お
い て も 繰 り 返 さ れ た が 、議 論 の 後 、こ の 件 に は 、当 初 心 配 さ れ た 懸 念 の 根
拠は、おそらくは、ないだろうと示唆された。
.6
問 題 の 解 決 の 折 衷 案 を 見 出 せ な か っ た が 、当 部 会 の リ ー ダ ー は 、そ れ ぞ れ
の シ ス テ ム を 支 持 す る 側 の 問 題 点 に つ い て の 理 解 を 助 け る の に 、こ の 部 会
が 十 分 役 に 立 っ た と い う 意 見 を 表 明 し た。
9.5.23 当 部 会 が こ の 問 題 に つ い て 一 致 で き な か っ た こ と を 銘 記 し て 、 当 委 員 会 は 、
BLG 及 び そ の ESPH 作 業 部 会 に 対 し 、3 分 類 と 5 分類 システ ム の 、以 下 に つ い て の 影
響を調査するよう指示した
190
.1
植物油業界
.2
国内輸送に従事する船舶
.3
MARPOL 73/78 改 正 附 属 書 Ⅱ の 検 討時 に 考 慮 で き る よ う に 、MEPC へ の
調査結果の報告
9.5.24 加 え て 、 事 務 局 は 、 ESPH 8 及 び BLG 8 で の 見 直 し の た め 、 3 分類 と 5 分 類
両 シ ス テ ム の た め の MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅱ の 存 続本 文 作 成 を 指 示 さ れ た 。 そ う す
れ ば 両 本 文 と も 、2003 年 の 完 了 期 限 ま で に 完 成 す る こ と が で き 、承 認 の た め MEPC 49
に提出できる。
9.5.25 BLG と ESPH が こ の 件 に 取 り 組 み 易 く する た め に 、国 内 貿 易 と 植 物 油 貿 易 に
関 心 の あ る 加 盟 国 は 、 BLG と ESPH へ の 適 切 な 情 報を 提 出 出 来 る よ う 関 連 業 界 と の
連絡をとるよう要請された。
9.5.26 当 委 員 会 は 、 日 本 が MEPC49 に 対 し 、 4 分類 折 衷 案 の 調 整 案 を 正 式 に 提 案 す
ることを銘記した。この提案にはケミカルタンカー輸送にこのシステムが与える影響
について適切な情報が含まれる。
9.5.27 当 委 員 会 は 、 当 小 委 員 会 の 改 訂 作 業 計 画 提 案 と 、 議 題 18 に あ る BLG 8 の た
めの暫定議題を銘記した。
9.5.28 当 委 員 会 は 、議 題 18 で 検 討 さ れ て い る ESPH 作 業 部 会 の 2003 年 中 間 期 会 合
開 催 の 要 請 を 銘 記 し た ( 第 18.5 項 参 照 )。
9.5.29 上 記 決 定 に 従 っ て 、 当 委 員 会 は 、 当 小 委 員 会 の 報 告 を 総 体 的 に 承 認 し た 。
10
10.1
他の委員会等の作業
FAL29( 簡 易 化 委 員 会 ) と SPI( ship/port Interface) 作 業 部 会 の 結 果
10.1.1 当 委 員 会 は MEPC 48/10,MEPC 48/10/Add.1 で 報 告 し た よ う に 、 第 29 回 簡
易 化 委 員 会 が 2002 年 1 月 7 日 ∼ 11 日 開 催 さ れた こ と 、同 時 に SPI 作 業 部 会 も 開 か れ
た こ と を 銘 記 し た 。当 委 員 会 の 注 目 し た 問 題 の 議 論と 決 定 事 項 は 以 下 の と お り で あ る 。
10.1.2 当 委 員 会 は 船 舶 の 証 書 を 整 合 す る 作 業 を 継 続 す る か ど う か を 検 討 し 、 MEPC
46 が 単 一 よ り も 4 つ の 証 書 作 成 を FAL が 行 な う 事を 認 め た こ と を 想 起 し た 。
191
10.1.3 し か し な が ら 、通 信 部 会 が 複 合 証 書 は 明 ら かに 実 用 上 の メ リ ッ ト が あ る が 複 雑
さ と 実 用 に 難 し さ が で て く る の で は と い う こ と に 納 得し て い な い こ と を 銘 記 し た 。
10.1.4 当 委 員 会 は MSC 75 が 、 将 来 証 書 の 統 合 を可 能 に す る 適 切 な 形 式 フ ォ ー ム が
作成されればこの問題は再度でてくることを認識し当面は継続しないことに同意した
こ と を 銘 記 し た 。 結 果 、 当 委 員 会 は MSC75 の 判 断 に 意 見 一 致 を み た 。
10.1.5 当 委 員 会 は FAL 委 員 会 の 作 業 上 の 立 場 と そ の 活 動 、 SPI 作 業 部 会 の 作 業 方 法
そ し て MSC 63、MEPC 35、FAL 23 で 承 認 さ れ た SPI の 作 業 部 会 の 委 任 事 項 を 銘 記
した。
10.1.6 当 委 員 会 は SPI 作 業 部 会 が 主 体 と し て 存 在し て い た こ と を 認 め 、 FAL が 、 若
し 当 部 会 が 存 続 す る な ら ば MSC と MEPC と も 委 任 事 項 の 再 現 に は 立 会 い 、委 任 事 項
に あ る す べ て の 問 題 を 討 議 し 、 必 要 で あ れ ば 当 委員 会 に 付 議 を 推 奨 す る た め 召 集 さ れ
るべきと承認したことを銘記した。
10.1.7 当 委 員 会 は 、 こ の 件 が MSC 75 で 議 論 さ れ た 時 、 か な り の 代 表 団 が SPI 作 業
部 会 の 作 業 計 画 は 他 と 同 基 準 、 も し く は 他 の 作 業部 会 に 従 う べ き 、 つ ま り 主 な 委 員 会
に提出され、そこで承認されるとの見解を表明したことを銘記した。
10.1.8 当 委 員 会 は 又 、こ の 件 は 当 委 員 会 の 議 長 と 小 委 員 会 の 議 長 の 会 議 で も 議 論 さ れ 、
現 状 況 と 委 任 事 項 は 明 確 で な い の で 更 に 明 確 な もの が 必 要 と 認 め た こ と を 銘 記 し た 。
こ の 会 議 で は 委 任 事 項 の 変 更 は 、特 に 2002 年 12 月に 開 催 さ れ る 海 上 保 安 会 議 の 結 論
を 踏 ま え 、 船 陸 境 界 面 で の 海 上 保 安 問 題 を 含 ん でな け れ ば な ら な い こ と を 銘 記 し た 。
10.1.9 こ れ ら の 点 を 考 慮 し 、当 委 員 会 は SPI 作 業部 会 の 作 業 計 画 は 通 常 ど お り MSC
と MEPC で 承 認 さ れ る こ と に 同 意 し 、 MSC 76 が 当 部 会 へ の 改 訂 委 任 事 項 ( MSC
76/22/2) を 含 め SPI 作 業 部 会 の 作 業 を 検 討 す るこ と を 銘 記 し た 。
10.1.10 当 委 員 会 は タ グ ボ ー ト 使 用 問 題 に 関 す る FAL 委 員 会 の 活 動 を 銘 記 し 、MEPC
46 に 於 い て 、 FAL の 「 Tug use in ports -a Practical Guide」 と 題 す る 出 版 物 は タ グ
ボ ー ト 使 用 に 関 し 有 用 で 適 切 な 評 価 方 法 で あ る の で 概 要 も 必 要 は な い と す る FAL の
見 解 が 合 意 さ れ た こ と を 想 起 し た 。 加 え て 、 MEPC 46 が FAL の 、 加 盟 国 と 関 係 国 際
機 関 が こ の 出 版 物 に あ る タ グ ボ ー ト の 使 用 の 評 価方 法 や 他 の 助 言 を 利 用 す る よ う に 勧
告 し た こ と に 同 意 し 、更 に 、ど の 評 価 に も 入 っ てい る 主 要 素 を 強 調 す る 回 報 は SPI 作
業 部 会 で 作 成 さ れ る べ き で あ る と 同 意 し た こ と を 想 起し た 。
192
10.1.11 当 委 員 会 は MSC 75 が SPI 作 業 部 会 に 対 し 共 同 回 報 の 内 容 と そ の 位 置 付 け を
再考するよう要請したことを銘記した。
10.1.12 こ れ ら の 点 を 考 慮 に 入 れ 、 当 委 員 会 は MSC 75 の 見 解 に 同 意 し た 。
10.2
LEG 84 の 結 果
10.2.1 当 委 員 会 は MEPC 48/10/2 で 報 告 し た よ う に 法 委 員 会 の 第 84 回 会 議 が 2002
年 4 月 22 日 ∼ 26 日 開 催 さ れ た こ と を 銘 記 し 、 更 に 難 破 船 に 関 す る 条 約 案 が 法 委 員 会
の後援により作成されていることを銘記した。
10.2.2 Places of Refuge( 避 難 場 所 ) に 関 し て 、 当 委 員 会 は こ の 問 題 は 議 事 項 目 9 に
て扱われることを銘記した。
10.3
MSC 75 の 結 果
10.3.1 当 委 員 会 は MEPC 48/10/3 で 報 告 さ れ た よ う に 、海 上 安 全 小 委 員 会 の 第 75 回
会 議 を 2002 年 5 月 15 日 ∼ 24 日 開 催 し た こ と を 銘 記 し た 。
10.3.2 当 委 員 会 は MEPC 48/10/3 で 明 ら か に さ れ た ほ ト ン ど の 問 題 は 関 連 が あ り 、
他 の 議 事 項 目 で 述 べ ら れ て い る こ と を 銘 記 し た 。 し かし 、 他 の 議 事 項 目 に な い 二 つ の
問 題 に 関 す る 当 委 員 会 の 議 論 と 結 論 は 下 記 の とお り で あ る 。
10.3.3 当 委 員 会 は MSC 75 が Florida
Keys と Malpelo 島 PSSAs の 保 護 性 策 と 関
連するが航行分離方式以外に通行路方式を採択したことを銘記した。
10.3.4 こ れ に 関 連 し て 、当 委 員 会 は こ れ ら の 海 域 は PSSAs と し て 指 定 さ れ る べ き こ
と に 同 意 し 、NAV に 対 し 関 心 を 呼 ぶ か も し れ な い ど ん な 航 海 に 関 す る 問 題 に つ い て 報
告 す る よ う 指 示 し て い た こ と を 想 起 し た 。 何 も 報 告 が な か っ た の で 、 Malpelo 島 と
Florida
Keys に 関 連 す る 保 護 政 策 導 入 の 効 果的 日 時 は MSC が 関 連 の 通 行 路 方 式 を
承 認 し た 後 6 ケ月 と な る こ と が 合 意 さ れ た 。
10.3.5 当 委 員 会 は 結 果 、 航 行 分 離 方 式 以 外 に 上 述し た 通 行 路 方 式 が 2002 年 12 月 1
日零時より実施されることとなったことを銘記した。
10.3.6 当 委 員 会 は 判 明 し た ISM コ ー ド の 重 大 な 不 適 合 に 関 す る 対 策 に つ い て の
MSC/MEPC 案 を 承 認 す る よ う 要 請 さ れ て い る こ と を銘 記 し た 。
193
10.3.7 こ れ に 関 連 し て 、現 指 針 は 当 初 得 ら れ た 経 験に 照 ら し て 修 正 さ れ る と の 了 解 の
も と 作 成 さ れ た こ と を 銘 記 し た 。更 に 、こ れ ら 指 針 案 は 更 な る 修 正 の た め MSC 75 に
提 出 さ れ て い た こ と 、MSC に よ り 承 認 さ れ た 最 終本 文 は MEPC48/10/3 の 附 属 書 に あ
ることが銘記された。
10.3.8 当 委 員 会 は こ の 問 題 に 関 す る 判 断 を す る 前に 、 文 書 MEPC 48/10/8 を 検 討 し
た 。 こ の 文 書 を 提 出 す る に あ た り IACS は 下 記 に つ い て 指 摘 し た 。
.1
処 理 案 の 第 5 項 は 、ISM コ ー ド の 第 13.5.1 項 が 若 し DOC が 取 り 上 げ ら
れ た 場 合 、 自 動 的 に SMC も 取 り 上 げ られ る こ と を 要 求 し て い る こ と で 、
SMS に 影 響 し な い 重 大 な 不 適 合 が あ る の で 、 会 社 が DOC を 撤 収 し て し
まったという仮想の状況を示している。
.2
IACS は 、管 理 シ ス テ ム は 会 社 と 船 舶 に適 用 し こ の 二 つ を 分 離 す る こ と は
で き な い の で 重 大 な 不 適 合 の た め に SMS に 影 響 が 及 ば ず に DOC の み が
取り上げられることは出来ないことをしめした。
.3
更 に 、処 理 案 の 第 5 項 は 、船 舶 が SMC の 返 還 を 要 求 す る 場 合 で も 、そ の
検証の範囲はまず初期のまたは追加の検証といった包括的なものである
必要はないことを指示している。
.4
MEPC 48/10/8 の 第 6 項 に あ る IACS の 文 言 は 、 SMC を 復 活 さ せ る に 必
要な検証の範囲が初期の検証と同じものであることを提案している。
10.3.9 こ れ ら の 点 を 銘 記 し て 、 当 委 員 会 は 、 重 大 な 不 適 合 が 船 の 責 任 は な い ま ま 、
DOC の 撤 収 と い う 結 果 と な っ た 状 況 の 報 告 を 受 け た。第 5 項 の 最 後 の 文 章 は 削 除 す る
提 案 が な さ れ た 。 当 委 員 会 は 原 則 的 に 共 同 回 章 を 承 認 し MSC が 上 記 を 考 慮 し 回 報 文
を作成するよう依頼した。
10.4
第 88 回 理 事 会 の 結 果
10.4.1 当 委 員 会 は MEPC 48/10/4 で 報 告 さ れ て い る よ う に Council の 第 88 回 会 議 が
2002 年 6 月 10 日 ∼ 14 日 に 開 催 さ れ 、そ の 結 果 の要 点 は C 88/D と し て 発 行 さ れ た こ
と を 銘 記 し た 。 当 委 員 会 の 注 目 を 引 き 、 議 論 さ れそ の 結 果 は 下 記 の と お り で あ る 。
10.4.2 当 委 員 会 は 理 事 会 が 注 目 を 引 い て い た MEPC 47 か ら 広 が っ た 問 題 を 検 討 し 、
MEPC 48 の 前 に 、バ ラ ス ト 水 作 業 部 会 と OPRC 作 業部 会 の 中 間 期 会 合 の 開 催 を 承 認
したことを銘記した。
194
10.4.3 当 委 員 会 は 委 員 会 が 小 委 員 会 の 構 成 見 直 し に 関 し そ の 進 展 具 合 を 見 直 し た こ
と 、 こ の 問 題 は 更 に 議 事 18 に て 検 討 さ れ る こ とを 銘 記 し た 。
10.4.4 当 委 員 会 は 理 事 会 が IMO の 戦 略 計 画 案作 成 の た め の 臨 時 作 業 部 会 を 設 立 し 、
第 88 回 理 事 会 に 報 告 さ せ る こ と を 銘 記 し た 。 こ れ に 関 連 し て 、 MSC と MEPC は 次
の要請を受けている。
.1
文 書 C88/13/3,C88/13/4 と 受 領 し た 提 出 物 を 考 慮 に 入 れ 、 IMO の 基 準 検
査 ス キ ー ム( 任 意 に 実 施 さ れ る も の )の 詳 細 を 如 何 に 作 成 す る か 検 討 す る 。
.2
安 全 と そ の ス キ ー ム で 処 理 す る べ き 環 境的 に 問 題 あ る 海 域 の 助 言
.3
MEPC 49 で の 問 題 を 更 に 検 討 し 、 第 22 回 期 特 別 理 事 会 に 提 出 す る 報 告
書の作成
10.4.5 当 委 員 会 は こ の 問 題 に 関 す る 次 の 3 件 、 MEPC 48/10/5(15 ケ 国 ) 、 MEPC
48/10/6(Belize)と MEPC 48/10/7(India)が 提 出 さ れ た こ と を 銘 記 し た 。
10.4.6 MEPC 48/10/5 を 紹 介 す る に 際 し て 、 英 国は 次 の 点 を 指 摘 し た 。
.1
基準検査スキームの 6 項目の目的が述べられており降り、これは加盟国
に よ る IMO 条 約 の 実 施 を 促 し 、 得 ら れた 教 訓 に つ い て IMO に フ ィ ー ド
バックすることを描いている。
.2
このスキームは国際的に認められた規則の正当な実施と施行に焦点を当
て る べ き で あ り 、 MEPC は MARPOL に あ る 責 任 事 項 が 包 含 さ れ る べ き
こ と に つ い て の 助 言 を 求 め ら れ て いる
.3
ス キ ー ム の 作 成 に 5 原 則 が 提 案 さ れて い る 。
.4
作 業 が 必 要 と さ れ る 6 項 目 が 明 ら かに さ れ て い る 。
.5
当 ス キ ー ム に は IMO に 負 担 を か け な い方 法 で 資 金 が 提 供 さ れ な け れ ば な
らない。
.6
このような検査スキームを如何に進めていくかの実例が提出された附属
書Ⅰに入っている。
195
10.4.7 MEPC 48/10/6 を 紹 介 す る に 際 し 、 Belize は 次 の 指 摘 を 行 な っ た 。
.1
色 々 な 理 由 で 、 I M O 検 査 ス キ ー ム に は明 確 な 必 要 性 が あ る 。
.2
こ の よ う な ス キ ー ム は 既 に わ か っ てい る 欠 陥 を 明 確 に し 、修 正 す る 点 に 焦
点を当てるべきである。
.3
結 果 、焦 点 を 当 て ら れ た 取 り 組 み の 概 略が 有 利 さ を 指 示 す る 提 案 と な っ て
示されている。
10.4.8 MEPC 48/10/7 を 紹 介 す る に 際 し 、 イ ンド は 次 の 指 摘 を お こ な っ た
.1
外 部 検 査 員 に よ っ て 行 な わ れ る 検 査 ス キー ム は ど れ も 、既 に 効 果 あ る 自 己
評 価 検 査 処 理 を 保 持 す る 加 盟 国 の みに 有 用 で あ る 。
.2
外 部 検 査 ス キ ー ム を 紹 介 す る よ り も 、加 盟国 が 自 己 評 価 シ ス テ ム を 高 度 化
する補助が望ましい。
.3
基 準 国 家 自 己 評 価 ス キ ー ム は す べ て の 加 盟 国 で 利 用 さ れ る で あ ろ う し 、外
部の専門家を利用することにより高度化されるがその資金は当加盟国の
負担である。
10.4.9 当 委 員 会 は 、イ ン ド が 加 盟 国 に よ る 自 己 評 価 シ ス テ ム の 促 進 を 提 案 し て い る が
当 3 件 の 提 出 案 は 「 検 査 ス キ ー ム 」 の 考 え を 支 持 し てい る こ と を 銘 記 し た 。
10.4.10 当 委 員 会 は ど ん な 取 り 組 み が さ れ よ う と も IMO に 対 し 負 担 を か け な い こ と に
同意した。
10.4.11 こ れ ら の 公 式 提 出 案 件 に 加 え 、 当 委 員 会 は デ ン マ ー ク に よ り 組 織 さ れ た 品 質
海 運 会 議 ( a Quality Shipping Conference) の 結 果 に 関 す る 情 報 ( MSC 76/15/1) す
な わ ち 「 旗 国 が IMO の モ デ ル 検 査 ス キ ー ム を 支 持 す べ し 」 を 銘 記 し た 。
10.4.12 バ ハ マ は 更 な る 旗 国 の 検 査 ス キ ー ム の 必 要性 に つ い て 疑 問 を 呈 し 、 基 準 検 査
スキームが作成されたら起きてくるかも知れない次のような問題の例を明らかにし
た。
.1
先 進 国 か ら の 検 査 員 の 適 正 均 衡 を 計 る こと を 確 実 に す る た め に は 、 どの
196
ような選択をすべきか。
.2
不 統 一 な 取 り 組 み と な ら な い よ う に す る た め 、 も と よ り あ る 言 語 問 題を
如何に解決するか。
.3
特に先進国からの検査員の訓練について, スキームとして資金の調達は
如何にするか。
10.4.13 提 案 さ れ た 3 件 を 検 討 し て 、 当 委 員 会 は他 の 2 件 (MEPC 48/10/6、 MEPC
48/10/7)に つ い て も 調 査 す べ き 点 が あ る の と 、 バ ハ マ の 発 言 し た 関 心 事 も 考 慮 に 入 れ
る べ き で あ る こ と を 認 識 し た 上 で 、 MEPC 48/10/5 の 提 案 を 優 先 さ せ る こ と を 表 明 し
た。
10.4.14 当 委 員 会 は MSC 77 の 期 間 中 、 MSC/MEPC/TCC の 合 同 作 業 部 会 を 開 催 す る
と い う 提 案 を 支 持 す る こ と に 同 意 し 、MEPC 代 表団 に 対 し 合 同 作 業 部 会 に 参 加 し 、基
準 検 査 ス キ ー ム に 関 す る 議 論 の 際 MARPOL 関 連 の 問 題 を 提 出 し 、 部 会 を 助 け る よ う
要請した。
10.5
MEPC 期 間 中 提 起 さ れ た 問 題 に 関 す る GESAMP/EHS 作 業 部 会 の 反 応
10.5.1 当 委 員 会 は MEPC 48/10/1 に 報 告 さ れて い る よ う に 、 GESAMP/EHS 作 業 部
会 の 第 38 会 期 が 2002 年 4 月 22 日 ∼ 26 日 に 開 催さ れ MEPC 47 か ら の 質 問 に 対 し 次
の検討がなされたことを銘記した。
10.5.2 当 委 員 会 は MEPC 47 が 、期 間 中 MARPOL73/78
附属書Ⅲにある海洋汚染を
定 義 付 け る 基 準 は 見 直 さ れ る べ き で あ る と い う 事 実 認 識 を 含 め た GESAMP/EHS 作 業
部 会 の 今 後 の 役 割 に つ い て の 議 論 を 持 っ た こ と を 想 起し た 。 こ の 件 の 方 向 性 は 議 事 項
目 18 で 討 議 さ れ る こ と が 同 意 さ れ た 。
10.5.3 そ し て 、 当 委 員 会 に よ っ て 付 託 さ れ た こ の問 題 に 対 し GESAMP/EHS 作 業 部
会は、
.1
将来の役割の可能性について提案した。
.2
継 続 的 に GHS の 発 展 性 を 見 直 し 、 何 処に 関 連 が あ る の か 、 何 時 (化 学 )物
質評価基準を作成するのかを検討することを指示した。
.3
一 括 で 運 送 さ れ る 物 質 す べ て を 再 評価 す る の は 実 際 的 で は な い が 、自 己 分
197
類システムの基で意見の相違が起これば独立の勧告機関として行動でき
ることを示唆した。
.4
IMO の 要 請 が あ れ ば 、 海 洋 環 境 に あ っ て 、 単 に 物 質 の 影 響 に 言 及 す る よ
りももっと複雑と認められているバラスト水の処理に使用されている有
毒化学物質の本質的な危険性について勧告が出来ると示唆した。
10.5.4 こ れ ら の 点 を 銘 記 し て 、 当 委 員 会 は 事 務局 に 対 し 委 員 会 で 検 討 で き る よ う に 、
GESAMP/EHS 作 業 部 会 の 今 後 の 可 能 性 あ る 作 業 に 関 し て 、 明 確 な 活 動 点 を 明 ら か に
し て MEPC 49 に 提 出 す る よ う 指 示 し た 。
10.6
GESAMP の 独 自 で 徹 底 的 な 評 価 : 評 価 チ ー ム の 報 告
10.6.1 当 委 員 会 は MEPC 45 に お い て 、 CSD の勧 告 に 基 き GESAMP の 8 後 援 組 織
の 相 互 事 務 局 が GESAMP の 徹 底 的 な 独 自 の 評 価 を 行 な う こ と に 同 意 し た こ と を 想 起
した。
10.6.2 の こ の 評 価 報 告 ( MEPC 48/INF.7) に 加 え て 、 当 委 員 会 は 又 、 後 援 会 が こ の
報 告 書 の 中 に あ る 勧 告 を 基 に 、 MEPC 49 に 報 告 す るよ う に な っ て い る 戦 術 計 画 の 作
成をあるコンサルタントに委託していたことを銘記した。
10.6.3 更 に 、当 委 員 会 は GESAMP に 行 な わ れ て い る 作 業 、特 に IBC コ ー ド ゙に 関 す
る 物 質 の 評 価 が 重 要 で あ る と 認 め た EHS 部 会 の 作 業の 必 要 性 を 支 持 し た 。
10.6.4 事 務 局 は 後 援 会 の FESAMP へ の 貢 献 度 と GESAMP の 見 直 し の 進 み 具 合 に
関 す る 情 報 を MEPC 49 へ 戻 す よ う 指 示 さ れ た 。
10.6.5 当 委 員 会 は GESAMP が 海 洋 環 境 保 護 問 題 に 関 す る 独 自 の 科 学 的 勧 告 を 提 供
で き る 価 値 を 強 調 し 事 務 局 に 対 し GESAMP の 役 割 と 機 能 を 支 持 す よ う 激 励 し た
11
11.1
条約の状況
当 委 員 会 は 海 洋 環 境 保 護 に 関 す る IMO 条 約 や 他 の 規 則 の 現 状 、特 に MARPOL
73/78 の 状 況 と 文 書 MEPC 48/11 に あ る 種 々 の 改 訂 の 状 況 に つ い て 次 の よ う に 明 記 し
た。
.1
附 属 書 I は 2002 年 9 月 1 日 現 在 の 海 洋環 境 保 護 に 関 す る IMO 条 約 と 他 の
規則の現状を示している。
198
.2
附 属 書 Ⅱ は 2002 年 9 月 1 日 現 在 の MARPOL の 現 状 を 示 し て い る 。
.3
附 属 書 Ⅲ は 2002 年 9 月 1 日 現 在 の MARPOL 73/78 に 関 す る 改 訂 の 現 状 を
示している。
11.2
当 委 員 会 は ノ ル ウ ェ ー の 批 准 に よ り MARPOL 附 属 書 IV の 効 力 発 生 条 件 を 満 た
し 当 附 属 書 が 2003 年 9 月 27 日 に 効 力 を 発 す るこ と を 明 記 し た 。 当 議 長 は MARPOL
附 属 書 Ⅳ の 施 行 条 件 を 満 た す の に 長 い 期 間 を 要 し 、88 ケ国 が 批 准 、 承 認 す る の に 2 9
年かかったことを想起した。
11.3
当 委 員 会 は 決 議 書 MEPC.88(44)の 実 行 さ れ て い る 第 1 項 で 、 当 事 務 局 長 が 、
MARPOL 73/78 第 16 条 に 従 っ て 当 附 属 書 の 施 行に 関 し て 、現 在 の 附 属 書 Ⅳ の 施 行 条
件が採択の見通しと合った後、改正附属書Ⅳの本文を回章するよう要請されたことを
想 起 し た 。 MEPC 49 は 2003 年 7 月 に 条 件 を 満 た す予 定 な の で 、 当 委 員 会 は 改 正 附
属 書 Ⅳ の 採 択 の 最 も 早 い 時 期 は 2004 年 3 月 開 催 予 定 の MEPC50 に な る と 認 識 し た 。
11.4
当 委 員 会 は 決 議 書 MEPC.88(44) が 附 属書 の 加 盟 国 に 対 し 附 属 書 が 効 力 を 発 し
た後に改正附属書Ⅳを実行するよう勧告していることを想起した。日本代表は、日本
の 法 務 担 当 が 現 在 の 附 属 書 Ⅳ の 効 力 発 生 後 直 ち に 改 正附 属 書 Ⅳ を 実 施 す る こ と に 疑 問
を 呈 し て お り 、 他 国 政 府 及 び IMO 事 務 局 の 法 務担 当 の 見 解 を 質 し た 。 当 委 員 会 は こ
の問題を次回会合で議論することに同意した。
12
12.1
MARPOL 73/78 及 び 関 連 規 則 の 実 施 と 執 行 の促 進
MARPOL 73/78 の 報 告 要 件
12.1.1 MEPC48/12 を 検 討 し 、 当 委 員 会 は MARPOL 73/78 に 基 づ く 強 制 報 告 に つ い
て 応 答 の な い こ と に つ い て FSI が 失 望 し て い る こと を 明 記 す る と と も に 、こ の 問 題 を
如 何 に 進 め て い く べ き か の 忠 告 を 求 め ら れ て いる こ と を 明 記 し た 。
12.1.2 こ れ に 関 連 し て 、当 委 員 会 は 、ド イ ツ が FSI 10 に お い て 、ド イ ツ は MARPOL
の 強 制 報 告 規 定 に 従 っ て い る わ ず か 数 カ 国 の うち の 一 国 で あ り 、 た と え 重 大 な 且 つ 明
らかな条約違反であっても、その回答率は満足できないと指摘した旨明記した。
12.1.3 当 委 員 会 は 、MEPC 48/12 で 報 告 さ れ て い る よ う に 、応 答 が な い と す る 申 し 立
て は 1996 年 以 来 の 蓄 積 さ れ た 資 料 の 一 般 解 析 に よ り 確 認 さ れ た こ と を 明 記 し た 。
12.1.4 こ の 問 題 を 検 討 し た 結 果 、当 委 員 会 は 、こ れま で 加 盟 国 に 対 し 義 務 を 果 た す よ
う単に催促したが右はうまくいかなかったことを認めた。
199
12.1.5 こ の 状 況 を 改 善 す る た め 、 MEPC と して 加 盟 国 に 対 し 本 件 に 注 目 す る よ う 促
進するため、加盟国政府が油、ケミカル、ゴミ等の流出に対する調査と監督制度につ
いての情報を共有することで、実際に発生した事故について定期的に報告することを
思い出させるきっかけになるという点で合意した。
12.1.6 加 え て 、若 し 加 盟 国 が 外 交 ル ー ト を 通 す より 直 接 に IMO に 報 告 す れ ば 状 況 は
更によくなることに同意した。同時に、加盟国は状況を改善する更なる提案を
MEPC49 に 提 出 す る よ う 要 請 さ れ た 。
12.2
状況評価スキームの電子データベースの構築
12.2.1 当 委 員 会 は MEPC 48/12/1 で 報 告 さ れ た よ う に 、CAS の 第 14.2 項 に 基 づ き 次
の よ う な 情 報 を 含 む 電 子 デ ー タ ベ ー ス が 設 立 さ れた こ と を 明 記 し た 。
.1
検 査 の 結 果 が 良 好 な タ ン カ ー の 履 行証 明 の 詳 細
.2
発 効 さ れ た 履 行 証 明 が 停 止 又 は 取 り 消さ れ た 場 合 の 詳 細
.3
整合証明の発行を拒否された船舶の詳細とその理由
12.2.2 加 え て 、 こ の デ ー タ ベ ー ス が 2002 年 9 月 1 日 に 実 施 と な っ た こ と 、 2002 年
7 月 2 日 の MEPC/Cir.395 に よ り CAS に 要 請 さ れ た 情 報 を 提 出 す る 場 合 、 す べ て の
加 盟 国 は そ の 実 行 方 法 と 政 府 が 使 用 す る 書 式 に つい て 周 知 さ れ た こ と を 明 記 し た 。 事
務局は各国に対しデータベースにアクセスするパスワードとユーザーネームを知らせ
る書簡を送った。
12.3
MEPC/CIRC.380 の 結 果:管 轄 海 域 で の 汚 水 の 排 出 規 則 と 利 用 可 能 な 受 入 れ 施
設 に 関 す る MARPOL 附 属 書 IV の 締 約 国 か ら IMO へ の 情 報
12.3.1 当 委 員 会 は MEPC 47 に お い て 、自 国 の 管 轄 海 域 に お け る 船 舶 か ら の 汚 水 の 排
出 に 関 す る 規 則 及 び MARPOL 附 属 書 Ⅳ に 関 連 し た 港 に 於 け る 汚 水 の 受 入 れ 施 設 の 詳
細 に 関 す る MEPC/Circ.380 に つ い て 、8 締 約 国 と 3 非 締 約 国 、1 提 携 国 が 回 答 し て い
たことを明記した。
12.3.2 当 委 員 会 は 、 更 に 同 回 章 に 回 答 し て い た 3 締 約 国 (ス リ ナ ム 、 ウ ク ラ イ ナ 、 英
国 )か ら の 報 告 の 要 約 MEPC 48/12/2 の 情 報 を 明 記し た
12.3.3 こ れ に 関 連 し て 、当 委 員 会 は ノ ル ウ ェ ー が最 近 MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅳ を 批
准 し た と の 報 告 を 受 け た 。こ の 附 属 書 を 批 准 し た 国 の 数 が 88 ケ国 と な り 、右 は 世 界 の
200
商 船 総 ト ン 数 の 50% を 越 え た こ と か ら 、MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅳ が 2003 年 9 月 27
日に効力を発するとの報告を受けた。
12.4
CAS 情 報 の EQUASIS へ の 連 携
12.4.1 当 委 員 会 は 、 CAS デ ー タ ベ ー ス に あ る 情 報 は EQUASIS を 通 じ 自 由 に 利 用 可
能 と な る よ う 要 請 す る 5 カ 国 共 同 文 書 MEPC 48/12/3 を 明 記 し た 。
12.4.2 シ ン ガ ポ ー ル は 他 の 4 カ国 を 代 表 し MEPC 48/12/3 を 紹 介 、そ の 際 、次 の 点 を
指摘した
.1
EQUASIS は イ ン タ ー ネ ッ ト 経 由 で 自 由 に 得 ら れ る 世 界 の 商 船 隊 の 安 全
情報に係る電子データベースである
.2
CAS デ ー タ ベ ー ス に あ る デ ー タ は EQUASIS の 利 用 者 に は 興 味 の あ る も
の で あ り 、PSC を 通 じ て の 効 果 的 な 実 施と 監 督 、複 数 の 船 舶 検 査 の 減 少 、
及 び サ ブ ス タ ン ダ ー ド 船 の 除 去 の ため 有 効 で あ る 。
.3
よ っ て 、当 委 員 会 は CAS デ ー タ ベ ース に あ る デ ー タ を EQUASIS シ ス テ
ムでも利用可能となるよう認めるよう要請されている。
12.4.3 こ の 提 案 を 検 討 し て 、 当 委 員 会 は 、 CAS 第 14.2 項 に 基 づ き 、 MARPOL 加 盟
国 の み が こ の CAS の デ ー タ ベ ー ス に ア ク セ ス 権 を 持 つ で あ ろ う と 想 起 し た 。
12.4.4 議 論 の 後 、発 行 さ れ た SOC の 詳 細 に 関 す る情 報 は 、SOC の 停 止 、取 り 消 し 及
び 拒 否 の 場 合 を 除 き EQUASIS で 利 用 で き る こ とに 同 意 し た 。加 え て 、SOC が 発 行 さ
れ 、そ の 後 取 り 消 し が あ っ た 場 合 は こ れ に 関 連 す る 情 報 は EQUASIS シ ス テ ム か ら 取
り消されるべきであることに同意した。
12.5
旗国コメントの発行
12.5.1
フ ラ ン ス は 他 の 4 カ国 を 代 表 し MEPC 48/12/4 を 紹 介 、 そ の 際 、 次 の 点 を 指
摘した。
.1
EQUASIS で 利 用 で き る ポ ー ト ス テ ー ト コ ン ト ロ ー ル の 情 報 は 船 舶 に つ
いて一方的な意見を与えている。
.2
最 近 の 出 来 事 か ら 、情 報 の 透 明 性 が 必 要で あ る と 認 識 で あ り 、右 は 情 報 を
も っ と 広 く 利 用 出 来 る よ う に す る こ と で 達 成 可 能 で あ り 、そ れ は IMO に
201
おくられる情報の信頼性を改善する。
.3
結 果 と し て 、当 委 員 会 は 、旗 国 の コ メン ト を イ ン タ ー ネ ッ ト 、具 体 的 に は
EQUASIS を 通 じ 自 由 に ア ク セ ス で き る よ う 要 請 さ れ て い る 。
12.5.2 本 件 要 望 を 検 討 し た 結 果 、 当 委 員 会 は この 情 報 は EQUASIS で 利 用 で き る こ
とに同意した。
12.6
ROPME 海 域 に お け る 海 洋 環 境 保 護 に 関 す る ROPME/MEMAC の 活 動
12.6.1 委 員 会 は ROPME 海 域 に お け る 海 洋 環 境 保護 に 関 す る ROPME/MEMAC の 活
動 に つ い て 下 記 事 項 を 含 め 報 告 し た MEPC 48/INF.5 の 情 報 を 明 記 し た 。
.1
関 係 国 の す べ て が MARPOL を 2002 年の 終 わ り ま で に 批 准 す る こ と に 期
待 す る と の 第 三 回 地 域 運 営 委 員 会 の 結 果報 告
.2
受入施設の現状に対する指摘
.3
GLOBALLAST に よ る バ ラ ス ト 水 管 理 計 画 に 関 す る 地 域 活 動 の 発 展 、
MARPOL73/78 の 地 域 ワ ー ク シ ョ ップ 、OPRC の 訓 練 コ ー ス 及 び PSC ワ
ークショップの報告
12.6.2 当 委 員 会 は ROPME/MEMAC に 対 し こ の 情 報 の 謝 意 を 表 し 、 こ の 地 域 で の 今
後の進展についての報告に期待を表明した。
12.7
船上での燃料処理中のオイルスラッジの残鐸油組成分の減少化
12.7.1 当 委 員 会 は ド イ ツ に 対 し 、船 上 で の 燃 料 処 理 の 過 程 に お い て 、残 鐸 油 組 成 分 を
減 少 さ せ る 均 質 化 技 術 に 係 る 情 報 MEPC 48/INF.13 を 提 出 し た こ と に 謝 意 を 表 し た 。
12.7.2 こ の 文 書 に あ る 情 報 か ら 、超 音 波 均 質 化 シ ス テ ム は 未 だ 開 発 中 で あ り の 、そ の
機 械 シ ス テ ム の 詳 細 情 報 の み が 提 供 さ れ て い るこ と が 認 識 さ れ た 。
12.7.3 当 委 員 会 は 、こ の 技 術 に よ り ス ラ ッ ジ を 更に 効 率 的 に 燃 や す こ と が で き 、ス ラ
ッ ジ 陸 上 受 入 施 設 の 必 要 性 を 低 減 す る こ と が 出 来 る と明 記 し た 。
202
13
13.1
技術協力計画
こ の 議 事 項 目 の も と で 当 委 員 会 は 文 書 MEPC 48/13、改 正 主 題 優 先 事 項 を 前 に
置 い た 。 当 委 員 会 の 注 目 を ひ い た の は こ の 項 目 に 関 す る 他 の 文 書 で 、 会 議 の 議 題 20
で 取 り 上 げ ら れ て い る も の で あ る 。こ れ は ジ ャ マ イ カが 、2002 年 5 月 20 日 ∼ 24 日 ジ
ャマイカで開催した広域カリブ地域の港における海洋汚染防止と環境管理に関する
IMO/UNEP ワ ー ク シ ョ ッ プ が 決 議 し た 勧 告 に つい て の 文 書 MEPC 48/20 で あ る 。
13.2
海 洋 環 境 局 長 は 当 委 員 会 に 対 し 、2002 年 7 月 3 日 ∼ 5 日 IMO 本 部 で 開 催 さ れ
た PSC 事 務 局 と 情 報 セ ン タ ー の 責 任 者 の た め の 第 2 回 ワ ー ク シ ョ ッ プ の 主 決 定 事 項
と 勧 告 に つ い て 報 告 し た 。当 委 員 会 は 、文 書 MSC 76/14/2 に あ る こ の 決 定 事 項 と 勧 告
の 要 約 は MSC, TCC と FSI 小 委 員 会 で 詳 細 に 検 討 さ れ る こ と を 明 記 し た 。
13.3
こ の 項 目 を 紹 介 す る に 際 し 、当 議 長 は 、主 題の 優 先 項 目 の 最 新 化 を 買 い よ う 環
境 保 護 の サ ブ プ ロ グ ラ ム と し た 状 況 を 想 起 し た 。 同 議長 は 、 当 委 員 会 が 、 通 常 は 奇 数
時 の 会 議 と な る 隔 年 の 会 議 で の み 技 術 協 力 が 議 題 と な る こ と を 想 起 し た 。 第 47 回
MEPC で は 、主 題 優 先 事 項 の 最 新 案 の 承 認 と 2004/2005 年 の 当 委 員 会 の ITCP へ の 寄
与 に つ い て 承 認 す る た め 第 48 回 会 議 計 画 に TC を 含 む 決 定 が な さ れ た 。 こ れ ら は
2004/2005 年 の 全 ITCP の 海 洋 環 境 保 護 に 関 連 す る 案 件 の 準 備 の た め の 基 礎 と な る 。
13.4
汚 染 対 応 技 術 協 力 小 委 員 会 の 上 級 副 局 長 は文 書 MEPC 48/13 を 紹 介 し た 。 こ
の 紹 介 の 中 で 、 新 し い 主 題 優 先 事 項 の 中 で 、2002/2003 年 版 と 比 較 し て 新 し く 変 わ っ
た 点 を 選 別 し た 。 こ れ ら は 主 と し て 、 空 気 汚 染 、 船 舶の リ サ イ ク リ ン グ 、 有 害 防 汚 シ
ステムの規制に関する国際条約の採択、特別海域及び特に敏感な海域の判別と保護に
関する指針、バラスト水の規制と管理方法に関するものである。更に変わった点は主
題 優 先 事 項 の 数 に あ り 、2002/2003 年 の サ ブ プ ロ グ ラ ム で は 4 で あ っ た も の が 6 と な
っ た こ と が 明 記 さ れ た 。 更 に 議 長 は 、 更 に 中 期目 標 又 は 主 題 優 先 事 項 を 達 成 す る た め
の 戦 略 は 、四 つ の 主 部 門 を 基 礎 と し て い る 。つ まり (1)船 舶 か ら の 汚 染 の 防 止 (2)海 洋 汚
染 の 準 備 、対 応 、協 力 (3)船 舶 バ ラ ス ト 水 及 び 堆 積物 中 の 有 害 水 生 有 機 物 と 病 原 菌 の 移
動 防 止 (4)海 上 投 棄 物 に よ る 汚 染 の 防 止 で あ る 。最 後 の 部 門( 4 )に つ い て 、当 委 員 会
は 技 術 協 力 及 び 援 助 プ ロ グ ラ ム に 係 る ロ ン ド ン 条 約 を IMO‐ ITCP に 統 一 す る 問 題 は
未 だ 検 討 段 階 に あ り 、 故 に LC 提 案 は 問 題 が 解 決 す るま で は 括 弧 内 に 置 い て お く 必 要
があると決定された。
13.5
最 後 に 、当 委 員 会 は サ ブ プ ロ グ ラ ム に ある す べ て の 活 動 が 必 ず し も 2004/2005
年 の 2 年 間 に 実 行 さ れ な い で あ ろ う と 明 記 し た 。こ れ は そ れ ぞ れ の 国 や 地 域 で の 優 先
順位と必要性を考慮に入れ調整が図られるため、その資金の利用可能性による。
2004/2005 年 の 全 ITCP は MEPC を 含 め た 技 術委 員 会 で の 検 討 に 基 づ き 技 術 協 力 局 で
203
準 備 さ れ 、 検 討 と 承 認 の た め TCC に 提 出 さ れ る 。
13.6
TCD の 議 長 は 当 委 員 会 に 対 し 、 2002 年 6 月 に 開 催 さ れ た 第 51 回 TC 委 員 会
の 結 果 に つ い て 報 告 し た 。 こ れ は 文 書 TC 51/11 に 含 ま れ 議 会 文 書 C 89/7(a)と 文 書
MSC76/2/1 に 要 約 さ れ て い る 。当 議 長 は 特 に 2001 年 の ITCP の す ば ら し い 業 績 に 注
目 し た 。 こ の 中 に は 、 145 以 上 の 助 言 任 務 、 7 組 の初 期 、 次 期 の 法 律 の 準 備 を 含 み 、
116 の 国 、地 域 そ し て 世 界 レ ベ ル で 講 座 、セ ミ ナ ー ,研 究 会 が 開 催 さ れ 、こ れ ら の 活 動
は 3000 強 の 人 々 の 訓 練 を す る こ と と な っ た 。 資 金 提 供 者 か ら の 資 金 の 配 分 率 及 び 利
用 の 向 上 に 関 し て 、 議 長 は 事 務 局 長 が 当 ITCP の 資 金 配 分 と 全 体 の 管 理 を 改 善 す る た
め 、 技 術 協 力 局 の リ ー ダ シ ッ プ 、 計 画 力 、 監 督 ・ 監 視力 を 高 め る こ と に よ り 変 更 管 理
計画の一部として行動を採ったことを明記した。
13.7
実 行 に 関 し て 、TCD の 議 長 は TC 委 員 会 が、IMO の 地 域 組 織 、国 政 府 、研 究
所 間 の 地 域 協 力 ス キ ー ム 、 提 携 業 務 を 通 し て ITCP の 実 行 の 集 中 化 排 除 を 支 持 し た こ
と 、計 画 の 実 行 は 先 進 国 次 第 で あ る こ と を 思 い 出 す こ と が 有 用 で あ る こ と を 明 記 し た 。
13.8
MEPC 48/13 に 関 し て 当 委 員 会 は 、 TCC が 2 年 に 一 度 ITCP を 承 認 す る 役 割
が あ る こ と を 明 記 し た 。ITCP は 、MSC,MEPC、法 委員 会 に よ り 設 立 さ れ た 主 題 優 先
事 項 、 受 益 者 で あ る 後 進 国 に よ り 設 立 さ れ 地 域機 関 の 行 動 計 画 と 戦 術 を 通 し て 結 び つ
け ら れ た 地 域 優 先 事 項 、及 び ド ナ ー 国 の 優 先 事 項 と い う 3 つ の 入 力 を 基 本 と し て 構 成
されている。
13.9
当 委 員 会 は 、統 一 さ れ た 最 終 計 画 が 、当 計画 の 有 効 性 に 関 す る 評 価 結 果 と 受 益
国からの反響を含むそれらの優先事項を考慮した上で検討されたとの報告を受けた。
こ れ に つ い て 、TCC の 役 割 を 理 解 し 、容 易 に 達 成 で きる 主 要 な プ ロ グ ラ ム か ら 開 発 す
る と 合 意 さ れ た こ と 、 及 び 地 域 的 な 優 先 順 位 と ニーズを 考 慮 し た 上 で 、 文 書 TC 48/13
附 属 書 の 4 節 で い う 2004/2005 年 の 計 画 進 展 の ため 提 案 さ れ て い る 貢 献 は 、計 画 を 策
定する上で考慮されるべき旨指摘された。
13.10
TCD の 議 長 は 、事 務 局 長 が OPRC に 関 連 し た プ ロ ジ ェ ク ト の 実 施 に 際 し 石 油
業 者 と の 間 の 積 極 的 な 協 力 を 含 む 世 界 規 模 の イ ニシ ア テ ィ ブ を 数 年 前 実 施 し た こ と 、
及 び IPIECA が 本 件 に つ い て IMO の 主 要 な パートナーで あ っ た こ と を 想 起 し た 。 更 に 、
事 務 局 長 が 、 海 運 産 業 と の コ ス ト 分 担 計 画 を 促 進 す るた め 当 初 予 定 の な か っ た 技 術 協
力 資 金 と し て 50 万 米 ドルを 指 定 す る イ ニ シ ア テ ィ ブ を 理 事 会 が 承 認 し た こ と に つ い て 、
委員会に注目を促した。
13.11
TCD の 議 長 は 、 技 術 協 力 プ ロ グ ラ ム の 実 施に 際 し 専 門 性 を 継 続 し て 追 及 し て
い る IMO に 対 し 、 締 約 国 が ,IMO コ ン サ ル タ ン ト /専 門 家 と し て 活 動 し な が ら 、 IMO
204
を支援することを要請した。
13.12
当 委 員 会 は 更 に 次 の コ メ ン ト と 見 解 を 表 明し た こ と を 明 記 し た 。
.1
海 洋 汚 染 の 対 応 準 備 と 協 力 に 関 す る ア ジア 太 平 洋 域 の 地 域 計 画 2 に 関 し て 、
オーストラリアとニュージーランドは太平洋諸島の国がこの計画に入って
い な い と に 懸 念 を 表 明 し た 。IMO が この 地 域 の 技 術 協 力 活 動 を 実 施 に 際 し
SPREP と 良 い 協 力 関 係 に あ る の で 、本 件 は 引 き 続 き ITCP に 包 含 さ れ る こ
と が 確 認 さ れ た 。 当 代 表 団 は 更 に 、 OPRC-HNS 関 連 事 項 の ワ ー ク シ ョ ッ
プ 開 催 の た め IMO が 支 援 す る こ と を 要 請す る と と も に 、 対 応 と 準 備 に 関
す る IMO の ワ ー ク シ ョ ッ プ へ の 支 援 を惜 し ま な い 旨 表 明 し た 。
.2
エ ク ア ド ル の 代 表 団 は 、技 術 協 力 に 関 す る IMO の 作 業 に 謝 意 を 表 明 し た 。
こ れ に 関 し て 、 代 表 団 は IMO の 財 源 で、 エ ク ア ド ル の 緊 急 時 計 画 と 、 本
件 に 係 る 今 後 の 協 力 の 必 要 性 を 評 価 す る計 画 に つ い て 言 及 し た 。
.3
バ ル バ ド ス の 代 表 団 は 、 カ リ ブ 海 で の IMO に よ る 技 術 援 助 と 作 業 の 重 要
性 を 指 摘 し 、 こ の 地 域 で の IMO 海 事顧 問 と し て の 役 割 を 賞 賛 し た 。 代 表
団 は 更 に 地 域 国 が 引 き 続 き 海 事 顧 問 の サ ービ ス が 得 ら れ る よ う ITCP の 割
り 当 て が あ る こ と を 期 待 す る 旨 表 明 し た。
.4
黒 海 と カ ス ピ 海 域 に お け る IMO の 技 術協 力 活 動 に 関 し て 、 ロ シ ア 連 邦 代
表 団 は 、地 域 OPRC モ デ ル 訓 練 コ ース の 組 織 化 を 含 め 、海 洋 汚 染 準 備 、対
応の分野での助力に謝意を表した。これに関して、ノボシビルスクでの
OPRC 訓 練 コ ー ス 運 営 に お け る 協 力 に 言 及 し 、 ITCP 実 施 の た め の こ の よ
うな支援を喜んで継続する旨表明した。
.5
ITOPF は 、ITCP の 実 施 、 特 に 、開 発途 上 国 の 海 洋 汚 染 準 備 ・対 応 能 力 の
向 上 の た め の IMO/Industry Global Initiative の 枠 組 み の 中 で の 実 施 を 含
め 、 IMO の 作 業 を 支 援 す る こ と へ に コ ミッ ト を 強 調 し た 。
.6
フ ィ リ ピ ン の 代 表 団 は 、IMO の よ く 準 備 さ れ た 文 書 を 賞 賛 し 、改 正 主 題 優
先 事 項 の 支 持 を 表 明 し た 。更 に 、IMO が 技 術 協 力 活 動 を 行 な う に 際 し 、規
則 を 解 釈 し 法 制 化 す る こ と も 含 め 、IMO 条 約 の 批 准 に 関 し 確 実 に フ ォ ロ ー
アップするべく専門家のプール化を図るため、国会若しくは議会の専門家
グループを特命する必要性を強調した。
13.13
当 委 員 会 は 2002 年 7 月 3 日 ∼ 5 日 IMO 本 部 で 開 催 さ れ た PSC 事 務 局 と 情 報
205
センターの主要職員のための第2回研究会に関する報告を明記するとともに、
.1
改 正 主 題 優 先 事 項 と 当 委 員 会 の 2004-2005 年 の 全 IMO ITCP へ の 分 担 金
を承認した。
.2
事 務 局 に 対 し 、技 術 協 力 局 が 用 意 し TCC で の 検 討 と 承 認 の た め 提 出 さ れ
る 全 て の 2004-2005・ITCP に 組 み 込 む ため 、今 回 改 正 さ れ た 主 要 優 先 課
題 と 、 委 員 会 の 全 て の 2004-2005 IMO・ ITCP を 最 終 的 に ま と め る こ と
を指示した。
14
14.1
MARPOL73/78 及 び 関 連 規 則 の 解 釈 及 び 改 正
当委員会は、オーストラリアが「貨物スラッジの処理記録」に関する文書
MEPC48/14/1 を 取 り 下 げ た こ と を 明 記 し た 。
MARPOL
14.2
附 属 書 Ⅲ の 海 洋 汚 染 物 資 の 今 後 の 規 則に 関 す る 展 望
当 委 員 会 は 、 MEPC 47 に 於 い て 英 国 が 、GESAMP(MEPC 47/10/3)の 役 割 に
焦 点 を 当 て な が ら 、 海 洋 汚 染 物 質 に 関 す る 最 近 の 状 況に つ い て の コ メ ン ト を 想 起 し 、
MEPC 48 で こ の 件 を 議 題 と し 加 盟 国 に 前 向 き な 提 案を 求 め た こ と に MEPC 47 が 同
意 し た こ と を 想 起 し た 。ま た MEPC47 は 、事 務局 に 対 し GESAMP 評 価 に 基 づ く 進 展
を 含 む 関 連 情 報 の MEPC 48 へ の 提 出 を 要 請 し た (MEPC 47/20 第 10.7 項 )。 当 委 員
会 は こ の こ の 要 請 に 対 応 し た 文 書 MEPC 48/10/1 の 4 節「 包 装 さ れ た 物 を 海 洋 汚 染 物
質として定義するための基準の考察」を明記した。
14.3
当 委 員 会 は DSC 小 委 員 会 が 現 在 MARPOL 附 属 書 Ⅲ の 履 行 に 関 連 す る 案 件 に
取 り 組 ん で い る こ と を 想 起 し た 。 当 委 員 会 は DSC 7( 2002 年 9 月 23 日 ∼ 27 日 ) に
お い て 、数 カ 国 の 代 表 団 は 、DSC 小 委 員 会 が 海 洋汚 染 物 を 定 義 す る た め の 基 準 と そ れ
に 関 連 し た MRRPOL 附 属 書 Ⅲ の 改 正 に つ い て 検 討 す る 権 限 が 与 え ら れ る こ と が 重 要
である旨合意した。
14.4
当 委 員 会 は 、ド イ ツ が 文 書 MEPC48/14 で、現 在 の MARPOL 附 属 書 Ⅲ の 付 録
に あ る 環 境 的 危 険 物 質 の 基 準 は 改 訂 GESAMP 評 価方 法 と 合 っ て い な い と 強 調 し た こ
とを明記した。同様に、それらの基準は新しい危険物質を含んでいない。
14.5
ド イ ツ に よ れ ば 、 MARPOL 附 属 書 Ⅲ の 対 象 と な る 化 学 品 に 関 す る 新 た な 科
学・技術的分類のガイドラインに対応するため、次の3つの選択肢がある。
206
.1
OECD が 開 発 し 、 危 険 物 の 輸 送 に 関 す る 国 連 小 委 員 会 が 暫 定 的 に 採 択 し
た基準の採択
14.6
.2
改 正 GESAMP Hazards Profile を も と に し た 基 準 の 再 定 義
.3
上記定義のコンビネーション
ド イ ツ は 、各 方 法 は 長 所 、短 所 が あ り 、IMO、海 上 を 輸 送 さ れ る 化 学 物 質 に よ
り脅かされる海洋汚染の危険の定義を決定する責任ある組織として、世界的な調和を
念 頭 に お き 本 件 を 検 討 す べ き 旨 強 調 し た 。DSC 小 委員 会 は 、現 在 の 海 洋 環 境 保 護 の 水
準 を 維 持 す る た め 、 MARPOL 附 属 書 Ⅲ の 技 術 的 、 実 行 可 能 な 改 正 を 行 な う 任 務 が あ
たえられるべきである。
14.7
当 委 員 会 は 、DSC 小 委 員 会 に 対 し 、梱 包 さ れ た 海 洋 汚 染 物 質 の 定 義 の た め の 基
準 と そ れ に 伴 う MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅲ の 改 正 の 検 討 を 要 請 す る こ と を 同 意 し 、 そ
の 作 業 計 画 に し か る べ き 改 訂 を 行 な う こ と に 同 意 し た( 第 18.3.1 項 参 照 )。
MARPOL73/78 附 属 書 I の 改 正 規 則 13G の 適 用 に関 す る コ メ ン ト
14.8
当 委 員 会 は IACS が MEPC 47 に お い て 、 載 荷重 量 で 2 万 ト ン 以 上 3 万 ト ン 未
満 の 燃 料 油 、 重 質 デ ィ ー ゼ ル 油 も し く は 潤 滑 油 を 貨 物と し て 運 送 し て い る シ ン グ ル ハ
ル の 油 タ ン カ ー に 対 す る 改 正 規 則 13G の fhase-out ス ケ ジ ュ ー ル の 適 用 に つ い て の 提
案 ( MEPC47/6) を 想 起 し た 。
14.9
MEPC 47 は 、特 に「 カ テ ゴ リ ー 2 に 属 す る タ ンカ ー は SBT/PL を 装 備 し な け れ
ば な ら な い 」と い う( MEPC 47/20 第 6.21 項 )結 論に 達 し た 本 件 を 検 討 す る た め 、非
公 式 の 起 案 部 会 を 招 集 し た 。 し か し な が ら 当 委員 会 は 、本 件 は 更 な る 明 確 化 が 必 要 で
あ り 、 MEPC48 で 検 討 す べ く 更 な る コ メ ン ト を 要 請 し た 。
14.10 文 書 MEPC 48/14/2 を 紹 介 す る に 際 し 、 ロ シ ア 連 邦 は 改 正 規 則 13G 第 (4)項 に
定 め る カ テ ゴ リ ー 2 の fhase-out ス ケ ジ ュ ー ル に 含ま れ る オ イ ル タ ン カ ー で 、1982 年
6 月 1 日 も し く は そ れ 以 前 に 引 き 渡 さ れ た も のは 、規 則 1(27)に よ る と 現 存 タ ン カ ー に
分 類 さ れ る 故 カ テ ゴ リ ー 1 に 移 す べ き で あ り 、附 属 書 I の 規 則 1(26)で 決 め ら れ た 新 造
船 の SBT 要 求 に は 合 わ な い と 指 摘 し た 。
14.11 当 委 員 会 は 、1982 年 6 月 1 日 か そ れ 以 前 に引 き 渡 さ れ た た め カ テ ゴ リ ー 2 に 該
当 す る オ イ ル タ ン カ ー の 中 に は 、任 意 に SBT/PL を装 備 し た シ ン グ ル ハ ル の 油 タ ン カ
ーが相当数あるということを明記した。
14.12 改 正 規 則 13G の 採 択 ま で の 議 論 に お い て 、載 貨重 量 ト ン が 2 万 ト ン 以 上 3 万 ト
207
ン以下の貨物として原油、燃料油、重質ディーゼル油、潤滑油を貨物として運ぶ油タ
ン カ ー と 、同 じ ト ン 数 の 幅 で 白 物 油( ク リ ー ン /オ イル )を 運 ぶ タ ン カ ー と は 区 別 さ れ
ていた。
14.13 当 委 員 会 は 、ロ シ ア 連 邦 に よ り 提 起 さ れ た 問 題は 規 則 13G の 準 備 の 段 階 で 充 分
討 議 さ れ た こ と を 想 起 し 、 こ の ロ シ ア 連 邦 の 提 案 に はこ れ 以 上 の 行 動 は 取 ら な い こ と
に同意した。
15
15.1
船舶の防汚塗料使用による有害影響
当 委 員 会 は 、 2001 年 の 船 舶 の 有 害 防 汚 シ ス テ ム 管 理 に 関 す る 国 際 条 約 ( AFS
条 約 ) が 、 25 カ 国 以 上 の 国 で あ っ て 、 そ の 商 船船 腹 量 の 合 計 総 ト ン 数 が 、 世 界 の 商
船 船 腹 量 の 25 パ ー セ ン ト 以 上 と な る 国 が 批 准 、 受 諾又 は 承 認 を 条 件 と す る こ と な く
署 名 す る か 、も し く は 批 准 、受 諾 又 は 加 入 に 必 要 な 手 段 を 寄 託 し た 日 か ら 12 ケ月 後 に
発効されることを銘記した。当議長は、各国代表団に対し、本国政府による可及的速
やかな条約署名への努力を継続するよう促した。
15.2
ま た 、 当 委 員 会 は AFS 条 約 の 附 属 書 第 11 条 (1)(b)及 び (2)項 並 び に 第 1 規 則
(4)(a)項 に つ い て 、 IMO の 下 記 の ガ イ ド ラ イ ン を 策 定す る こ と を 銘 記 し た 。
15.3
.1
船 舶 防 汚 シ ス テ ム の 簡 潔 な サ ン プ リ ング の た め の ガ イ ド ラ イ ン
.2
船 舶 防 汚 シ ス テ ム 検 査 の た め の ガ イド ラ イ ン
.3
調 査 ( survey) の た め の ガ イ ド ラ イン
さ ら に ま た 、 当 委 員 会 は 、 AFS 条 約 会 議 決 議 2 に 従 っ て IMO に 対 し 、 条 約 を
全 世 界 で 同 時 に 履 行 さ せ た い と の 観 点 か ら 、 緊 急案 件 の 上 記 ガ イ ド ラ イ ン の 策 定 を 、
AFS 条 約 の 発 効 前 に 採 択 さ れ る よ う 急 が せ て い るこ と を 銘 記 し た 。
15.4
当 委 員 会 は 、 MEPC 45 が FSI 小 委 員 会 に 対 し 、 船 舶 防 汚 シ ス テ ム の 調 査 と 証
書 の ガ イ ド ラ イ ン の 案 文 を 作 成 す る よ う 要 請 し たこ と 、及 び 第 47 回 MEPC が FSI に
対 し 船 舶 防 汚 シ ス テ ム 簡 潔 サ ン プ リ ン グ 及 び 船 舶防 汚 シ ス テ ム 検 査 の 両 ガ イ ド ラ イ ン
案作成を要請したことを想起した。
船舶防汚システムの検査と証書のガイドライン案
15.5
当 委 員 会 は FSI 10( 2000 年 4 月 8 日 ∼ 12 日 )が 防 汚 シ ス テ ム の 検 査 と 証 書 の
ガ イ ド ラ イ ン 案 を 作 成 し た こ と を 銘 記 し た 。( MEPC 48/15 附 属 書 )
208
15.6
当 委 員 会 は 防 汚 シ ス テ ム の 検 査 と 証 書 に 関 す るガ イ ド ラ イ ン の 案 文 を 、 当 該 案
文 に 関 す る 文 書 MEPC 48/15/1、 48/15/4、 48/15/5 に あ る 種 々 の コ メ ン ト 及 び 総 会 で
の コ メ ン ト を 考 慮 に 入 れ 、 以 下 の 付 託 事 項 を もっ て 起 案 部 会 を 設 置 す る こ と に 同 意 し
た。
.1
文 書 MEPC 48/15/1、 48/15/4、 48/15/5 そ れ ぞ れ に あ る 、 ノ ル ウ ェ ー 、 米
国 、AWES か ら の 提 案 を 考 慮 に 入 れ 、船 舶防 汚 シ ス テ ム の 検 査 と 証 書 の ガ
イ ド ラ イ ン 案 ( 以 下 ガ イ ド ラ イ ン ) を 再 検討 す る こ と 。
.2
防 汚 シ ス テ ム の サ ン プ リ ン グ は 常 に 実 行の 必 要 は な い が 、 全 て の ケ ー ス に
お い て 、 現 場 で の 検 査 が 実 行 さ れ る べ き事 を 反 映 す る 適 当 な 文 章 を 挿 入 す
ること。
.3
MSDS が 世 界 中 で 使 用 さ れ て な い こ と を考 慮 に 入 れ る 適 当 な 文 章 の 場 所 を
確保すること。
.4
ガイドライン案の構成、及び使用している用語の変更の必要性を検討する
こと。
.5
ガ イ ド ラ イ ン は 一 定 の 再 吟 味 が 必 要 な こと を 反 映 す る 適 当 な 文 章 を ガ イ ド
ライン案の序文に挿入すること。
防汚システム中の有機スズの存在とスズの許容量を検査する 2 段階検査方式
15.7
当 委 員 会 は 、日 本 と ド イ ツ 両 国 が 前 回 の MEPC 会 議 に 、船 舶 が 適 用 し て い る 防
汚 シ ス テ ム に 、殺 傷 剤 の 効 力 を 有 す る 有 機 ス ズ 化 合 物 が 、存 在 す る か ど う か の 2 段 階
検 査 方 式 を 提 案 し た こ と を 想 起 し た 。第 1 段 階 は 防 汚シ ス テ ム 中 の ス ズ の 量 を 計 測 す
る 簡 単 な 現 場 検 査 で 、 も し こ の 量 が 一 定 の 最 低基 準 量 以 上 で あ る 場 合 、 分 析 室 試 験 に
お け る 防 汚 シ ス テ ム 中 の 有 機 ス ズ 化 合 物 の 鑑 定及 び 検 量 す る こ と か ら な る 第 2 段 階 が
行われることとなる。
15.8
当 委 員 会 は 、 FSI 10 が AFS 条 約 の 附 属 書 I で 禁 止 さ れ て い る
作用する有機スズ化合物
殺傷剤として
に 非 殺 傷 化 合 物( 例 え ば mono and dibutyl tins)が 含 ま れ
る か 否 か に つ い て IACS( FSI 10/13/1) が 提 起 し た 問 題 を 検 討 し 、 こ の 問 題 は 前 会 期
の 当 委 員 会 で 詳 し く 討 議 さ れ て お り 、MEPC で 討 議 す る の が よ り 適 当 で あ る と 合 意 し
たことを銘記した。
15.9
当 委 員 会 は 文 書 MEPC 48/15/3( 日 本 )、MEPC 48/15/5( 米 国 ),MEPC 48/15/
209
( CEFIC) の 関 連 部 分 を 検 討 し 、 以 下 の 事 項 を 銘 記 し た 。
.1
AFS 条 約 は 、殺 傷 剤 と し て 作 用 す るい か な る 有 機 ス ズ 化 合 物 の 使 用 は 禁 止
し て い る 。 ジ ブ チ ル ス ズ の よ う な 、 化 学触 媒 と し て 作 用 す る 有 機 ス ズ は 、
殺 傷 剤 と し て 使 用 さ れ な い 限 り は 禁 止 を まぬ が れ る こ と 。
.2
殺 傷 剤 と し て 作 用 す る 有 機 ス ズ 化 合物 と触 媒 と し て 作 用 す る 有 機 ス ズ 化 合
物 と は 、 乾 燥 し た ペ イ ン ト 塗 膜 に ある 有 機 ス ズ 化 合 物 の 化 学 物 性 と 量 に お
いてお互い区別されている、例えば。
.2.1
殺 傷 剤 と し て 作 用 す る 有 機 ス ズ 化 合物 は triganotin 化 合 物 (TBT 等 )
で 、乾 燥 し た ペ イ ン ト 塗 膜( ス ズ と し て 測 定 )に 一 般 的 に 最 高 50,000mg/kg
存在する。
.2.2
触 媒 と し て 作 用 す る 有 機 ス ズ 化 合 物 は mono, dibutyl も し く は
dioctyl 等 の ス ズ 化 合 物 と い っ た 、 炭 化 ス ズ の 電 子 共 有 結 合 に よ り ス ズ と
直 接 接 合 さ れ た 1 又 は 2 の ア ル キ ル 族 を 運 ぶ 物 質 で あ る 。乾 燥 ペ イ ン ト 皮
膜 に は 2500mg/kg 以 下 の レ ベ ル で 存 在す る こ と ( ス ズ と し て 測 定 )。
.2.3
2 段 階 ア プ ロ ー チ で は 、AFS 条 約 に 従 っ て 作 ら れ た 製 品 に 僅 少 の ス
ズ不純物があり、触媒として作用する有機スズ化合物の使用は、ごく微量
で あ る こ と を 考 慮 に 入 れ る 必 要 が ある こ と 。
15.10 当 委 員 会 は 、 有 機 ス ズ 化 合 物 が こ れ 以 下 で は 殺 傷 効 果 が な い と い う 、 有 機 ス ズ
化合物の最低基準を設定することは有効であることに留意すると同時に、起案部会に
対し、船舶防汚システムの検査と証書のガイドライン案には、乾燥したペイント皮膜
に 2500mg/kg 以 下 の レ ベ ル の ス ズ が 検 知 さ れ た 船 舶 防 汚 シ ス テ ム は 、当 該 レ ベ ル で ス
ズ は 殺 傷 剤 と し て よ り は 、 む し ろ 触 媒 と し て 作 用 す ると 斟 酌 で き る の で 、 規 制 を 免 除
す る こ と を 強 調 す る 適 当 な 文 案 を さ ら に 加 え るよ う 指 示 し た 。
殺 傷 剤 の 組 成 の 一 覧 を 作 成 す る が 、有 機 ス ズ 化 合物 /ト リ ブ チ ル ス ズ は 除 外 す る と 明 確
に述べないことは許容されるかどうか
15.11 当 委 員 会 は 、FSI 10 で IACS に よ り 提 起 さ れ た 問 題 (FSI 10/13/1)、殺 傷 剤 の 組
成 の 一 覧 を 作 成 す る が 、有 機 ス ズ 化 合 物 /ト リ ブ チ ル ス ズ は 除 外 す る と 明 確 に 述 べ な い
ことは許容されるかどうか検討し、防汚システムに関するペイントメーカーの活動を
規 制 す る こ と は 、 IMO の 権 限 外 で あ る と 合 意 し たこ と を 銘 記 し た 。
15.12 当 委 員 会 は 、文 書 MEPC 48/15/2(CEFIC),MEPC 48/15/5(米 国 )の 関 連 部 分 を 検
討し、以下事項を銘記した。
210
.1
製 品 の 信 頼 性 の あ る 情 報 は 防 汚 シ ステ ム 容 器 に 見 る こ と が で き る こ と 。
.2
造船所で供給される、一連の規則に従って作られたペイントの、あらゆる
缶 の ラ ベ ル に 次 の 語 句 、 IMO AFS 条 約適 合
及び化学物質安全データシ
ー ト ( MSDS) に 記 載 の 同 様 の 記 事 を 含め る CEFIC の 提 案 。
.3
MSDS に 関 す る 申 告 と 情 報 が あ れ ば 、あ らゆ る 防 汚 製 品 の 適 用 期 間 中 の 適
合 検 査 、サ ン プ リ ン グ 及 び /又 は 、分 析 の 必 要 性 を 無 効 に す る だ ろ う 。造 船
所 に あ る ペ イ ン ト の サ ン プ リ ン グ 及 び /又 は 分 析 は 臨 時 の 検 査 の み を 留 保
すればよいこと。
15.13 上 記 を 銘 記 し て 、当 委 員 会 は 、起 案 部 会 に 対 し 、ペ イ ン ト メ ー カ ー が AFS 条 約
に 準 拠 す る 製 品 と し て MSDS に 申 告 し て い る こと に 関 し 、製 品 容 器 に 文 章 を 挿 入 す る
ことを推奨する適当な文書を防汚システムの検査と証書のガイドライン案にさらに加
え る よ う 要 請 す る こ と に 合 意 し た 。、
起案部会への指示
15.14 起 案 部 会 は 次 の 指 示 を 受 け た
.1
船 舶 防 汚 シ ス テ ム の 検 査 と 証 書 の 改 正 ガ イ ド ラ イ ン 案 文 を 、代 表 団 の コ メ
ントと当委員会の決定を考慮に入れて作成すること。
.2
船 舶 防 汚 シ ス テ ム の 検 査 と 証 書 の 改 正 ガ イ ド ラ イ ン 案 文 を 、 MEPC 決 議
と し て 採 択 の た め プ レ ナ リ ー へ 提 出 す るこ と 。
防汚システムの簡潔なサンプリングのためのガイドライン及び船舶防汚システムの
検査のためのガイドライン
15.15 当 委 員 会 は 、 FSI 10 が 文 書 MEPC 48/15 第 3 項 で 述 べ て い る よ う に 、 防 汚 シ
ス テ ム の 簡 潔 な サ ン プ リ ン グ の た め の ガ イ ド ラ イン 案 に 関 す る 問 題 を 、 包 括 的 に 検 討
したことを銘記した。
15.16 当 委 員 会 は 、FSI 11 が 防 汚 シ ス テ ム の 簡 潔 な サ ン プ リ ン グ の た め の ガ イ ド ラ イ
ン案と船舶防汚システムの検査のためのガイドライン案の作成を検討することと、代
表団は、小委員会での当該ガイドライン作成を促進するよう、文書の提出を求められ
たことを銘記した。
211
ASF 回 章
15.17 当 委 員 会 は 、 AFS 条 約 の 第 9 条 (1)(b)項 が 、 各 代 表 団 に 対 し 、 自 国 法 の 下 に 、
承 認 、 制 限 又 は 禁 止 さ れ た 防 汚 シ ス テ ム に 関 す るい か な る 情 報 も IMO に 対 し 毎 年 通
知する義務を負う
と述べていることを銘記した。
15.18 さ ら に 当 委 員 会 は 、事 務 局 長 が ,英 国 内 で の 認 可さ れ た 防 汚 シ ス テ ム 製 品 に 関 す
る 情 報 が 掲 載 さ れ て い る 、英 国 の ウ エ ブ ・サ イ ト ア ドレ ス を 提 供 し た 文 書 、AFS 回 章
1 を回章に付したことを銘記した。
15.19 当 議 長 は 、 加 盟 国 政 府 に 対 し こ の ウ エ ブ ・サ イ ト を 閲 覧 し 、 AFS 条 約 の 第 9 条
(1)(b)項 に 従 い 情 報 を 提 供 す る よ う 奨 励 し た
起案部会の報告
15.20
当 委 員 会 は 、起 案 部 会 の 結 果 を 銘 記 し た 起 案 部 会 の 報 告 書 (MEPC 48/WP.9)を
検 討 し 、 そ し て 付 属 書 8 に 添 付 さ れ て い る の 通 り 、 決 議 MEPC.102(48)を も っ て 船 舶
防汚システムの検査と証書のガイドラインを採択し
16
16.1
公式安全性評価及び人的要因の将来の役割
当 委 員 会 は 、 時 間 不 足 の た め 、 こ の 事 項 の 議 論を MEPC 49 に 延 期 す る こ と で
合意した。
17
17.1
委員会ガイドラインの適用
当 委 員 会 は 、 時 間 不 足 の た め 、 こ の 議 題 の 議 論を MEPC 49 に 延 期 す る こ と で
合意した。
18
委員会及び下部組織の作業計画
FSI 及 び BLG 小 委 員 会 の 作 業 計 画 及 び 暫 定 的 議 題
18.1
当 委 員 会 は 、 MSC75 の 決 定 (MEPC 48/18)を 銘 記 し て 、 付 属 9 に 記 載 の 、 FSI
及 び BLG 小 委 員 会 の 作 業 計 画 及 び 暫 定 的 議 題 を 承 認し た 。
18.2
当 委 員 会 は 、 MEPC 47/20 第 6.36 項 を 想 起 し て 、 BLG 小 委 員 会 に 対 し 、 有 害
液 体 物 質 の 分 類 に つ い て の 三 者 間 協 定 に 関 す る MEPC 決 議 の 作 成 を 指 示 し た 。こ の 決
212
議 の 意 図 は 、三 者 間 協 定 を 受 入 れ た も の と 考 え られ る べ き 、最 新 の 連 絡 先 詳 細 を IMO
に 連 絡 し て い な い こ れ ら の 連 絡 ポ イ ン ト を 明 確化 す るこ と に あ る 。 一 方 で 、 他 の 連 絡
ポ イ ン ト に つ い て は 、 今 ま で ど お り 、NLS( 有 害液 体 物 質 )の 分 類 に 関 す る 三 者 間 協
定 に 関 連 し た MARPOL 附 属 書 Ⅱ 第 3(4)規 則 の 統 一 解 釈 2A.1.4 及 び 〝 A.1.6 に 従 わ な
ければならない。
DSC、 NAV、 DE、 SLF 及 び STW 小 委 員 会 の 作 業 計 画
18.3
当 委 員 会 は 、 DSC、NAV、 DE、 SLF 及 び STW 小 委 員 会 の 作 業 計 画 に お け る 、
海 洋 環 境 関 連 事 項 に 関 す る MEPC 48/18/1 に 記 載 の 情 報 及 び MSC 75 の 決 定 を 銘 記 し
て、以下で合意した。
.1
DSC 小 委 員 会 の 作 業 計 画 事 項 を 、 MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅲ の 履 行 か ら 、
MARPOL 73/78 附 属 書 Ⅲ の 見 直 し
.2
DE 小 委 員 会 作 業 計 画 事 項
に 改 正 ( 第 14.7 項 参 照 )。
タンカーのポンプ室の防護及び海難救助作業
用 陸 上 ベ ー ス ・コ ン ピ ュ ー タ ・プ ロ グ ラ ム
の優先事項化、また、この事項
の DE 46 で の 議 題 化 。
18.4
当 委 員 会 は 、 付 属 10 に 記 載 の 、 改 正 さ れ た DSC、 NAV、 DE、 SLF 及 び STW
小委員会の海洋環境関連事項を承認した。
中 間 期 ESPH 作 業 部 会
18.5
当 委 員 会 は 、MSC の 同 意 見 勧 告 を 条 件 と して 、2003 年 内 の ESPH 作 業 部 会 中
間期会合開催の承認を理事会に要請することで合意した。
OPRC 条 約 作 業 実 施 の た め の 将 来 の MEPC 企 画
18.6
当 委 員 会 は 、OPRC 条 約 第 12 及 び 10 条 並び に OPRC-HNS 議 定 書 の そ れ ぞ れ
が 、IMO に 対 し 、こ れ ら の 法 規 制 に 関 す る い く つか の 職 務 及 び 活 動 を 実 施 す る よ う 指
名 し て い る こ と を 想 起 し た 。 OPRC-HNS 会 議 の 決 議 6 は 、 IMO に 対 し 、 OPRC 条 約
第 12 及 び 10 条 並 び に OPRC-HNS 議 定 書 の それ ぞ れ の 履 行 に つ い て の 進 捗 状 況 を 、
具 体 的 組 織 の 枠 組 み の 範 囲 で 、定 期 的 に 見 直 す こと を 要 請 し て い る 。OPRC 条 約 の 下
に IMO が 要 求 さ れ た 職 務 に つ い て は 、 今 日 ま で 、 そ の 大 部 分 が OPRC 作 業 部 会 を 通
じて実施されてきた。
213
18.7
当 委 員 会 は 、 MEPC 会 期 中 に 設 置 可 能 な 作 業 部 会 数 の 制 限 及 び MEPC 作 業 量
を 考 慮 し て 、将 来 の OPRC 条 約 及 び OPRC-HNS 議 定書 の 作 業 を ど の よ う に 実 施 す る
の か に つ い て 、 合 意 す る 必 要 性 が あ る こ と を 認 識 し た 。 議 長 間 会 合 に お い て 、 OPRC
条 約 及 び OPRC-HNS 議 定 書 の 作 業 に 関 連 し た 新 た な手 は ず の 必 要 性 を こ と 更 強 調 し
て、恒常的作業部会の設置を回避すべきことで合意に達した。
18.8
当 委 員 会 は 、 過 去 に 、 最 近 で は MEPC 47 に おい て 、 OPRC 作 業 部 会 の 運 命 が
議論されていることを想起した。
18.9
議 長 は 、 MEPC 48 の 前 に 中 間 期 OPRC 作 業 部 会 を 開 催 す る と い う MEPC 47
に お け る 議 長 提 案 の 審 議 に お い て 、 以 下 の 見 解 が 表 明さ れ た こ と を 想 起 し た 。
.1
い く つ か の 代 表 団 が 、 MEPC 48 の 前 に 、 ま た 、 将 来 に お い て は MEPC の
前 後 に 、中 間 期 OPRC 作 業 部 会 を 開 催 す べ き と い う 提 案 を 支 持 し た 。彼 等
の 見 解 は 、こ の 提 案 が 、 MSC 及 び MEPC に お け る 作 業 部 会 は 、常 時 、特
別 な( ad hoc)性 格 を 持 ち 、要 求 に 応 じ たも の で あ る べ き と 読 め る MEPC
47/18/4 の 第 11 項 、ま た 、MEPC と 背 中合 わ せ に 中 間 期 に 開 催 す べ き と い
う 提 案 と 矛 盾 し な い と 考 え ら れ る とい う も の で あ っ た 。
.2
若 干 数 の 代 表 団 は 、MEPC の 作 業 部 会 と して の OPRC 作 業 部 会 の 現 行 ス テ
ータスを維持することに賛成していた。
.3
他の複数の代表団が、中間期会合をついては、超緊急事項のためのみに開
催 す べ き で あ る 。提 案 の 作 業 計 画 は あ ま り 緊 急 事 項 と は 考 え ら れ な い の で 、
提 案 の 中 間 期 会 合 を 認 め る べ き で な い と述 べ た 。
18.10 当 委 員 会 は 、 MEPC 47 が こ れ ら の 見 解 を 聞 い て 、 中 間 期 の 作 業 部 会 を 慣 例 と
し な い こ と を 了 解 事 項 と し て 、 MEPC48 の 前 の 中 間期 OPRC 作 業 部 会 開 催 で 合 意 し
たことを想起した。
18.11 当 委 員 会 は 、豪 州 、カ ナ ダ 、ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド及 び ITOPF に よ る 文 書( MEPC
48/18/4)で 提 供 さ れ て い る 情 報 、特 に 、ロ ン ド ン 条 約 科 学 部 会 を モ デ ル と し た 、OPRC
条 約 及 び OPRC-HNS 議 定 書 技 術 部 会 の 設 置 を 当 委 員 会 で 審 議 す る と い う 提 案 を 銘 記
した。
18.12 当 委 員 会 は 、 MEPC48/18/4 に 記 載 の 提 案 を審 議 し て 、 MEPC に 先 立 つ 1 週 間
以 内 に 会 合 し 、そ の 後 に 続 く MEPC 会 期 に 報 告 す る 、MEPC の 補 助 組 織 と な る OPRC
条 約 及 び OPRC-HNS 議 定 書 技 術 部 会 を 設 置 す るこ と で 合 意 し た 。
214
18.13 当 委 員 会 は 、豪 州 に 対 し 、当 該 部 会 へ の 付 託 事 項 を 提 出 す る よ う 要 請 し 、ま た 、
事 務 局 に 対 し 、 MEPC 49 へ の 資 金 供 給 を 含 む いか な る 付 加 情 報 も 提 供 す る よ う 要 請
した。
OPRC 条 約 及 び OPRC-HNS 議 定 書 の 作 業 計 画
18.14 当 委 員 会 は 、 MEPC 48/WP.11 に つ い て 審 議し 、 MEPC49 に お い て 、 提 案 の 予
定 表 が 関 連 事 項 と 共 に 審 議 さ れ る こ と を 銘 記 す る 一 方で 、 原 則 的 に 、 付 属 11 に 記 載
の OPRC 条 約 及 び OPRC-HNS 議 定 書 の 作 業 計 画 提 案 を 承 認 し た 。
現 行 MEPC 作 業 計 画 及 び 長 期 計 画
18.15 当 委 員 会 は 、現 行 MEPC 作 業 計 画 及 び 提 案 さ れ て い る 2010 年 ま で の 長 期 作 業
計 画 ( MEPC 48/18/3) を 銘 記 し て 、 加 盟 国 等 に 対 し 、 IMO 長 期 計 画 に 含 ま れ る よ う
に 最 終 化 し 、 次 回 総 会 へ の 提 出 す る た め 、 MEPC 49 へ の コ メ ン ト 提 出 を 要 請 し た 。
次回以後 3 回の会期の議題に含まれるべき本質的事項
18.16 当 委 員 会 は 、 付 属 12 に 記 載 の 、 MEPC 49、50 及 び 51 の 議 題 に 含 ま れ る べ き
本質的事項を承認した。
MEPC49 に お け る 作 業 /起 案 部 会
18.17 当 委 員 会 は 、 MEPC 49 に い て は 、 原 則 と し て 、 以 下 の 作 業 部 会 及 び 起 案 部 会
を設置することで合意した。
.1
船舶リサイクリング作業部会
.2
大気汚染関連事項作業部会
.3
バラスト水管理作業部会
.4
MAPOL 附 属 書 Ⅰ 改 正 起 案 部 会
通信部会
18.18 当 委 員 会 は 、 MEPC 49 に 報 告 義 務 の あ る 以 下の 通 信 部 会 の 設 置 で 合 意 し た 。
215
.1
船舶リサイクリング通信部会*
.2
大 気 汚 染 関 連 事 項 通 信 部 会 **.
.3
科 学 物 質 汚 染 マ ニ ュ ア ル − 第 2 節 : 海 上遺 失 容 器 収 納 物 質 の 捜 索 及 び 回
収 の 見 直 し 通 信 部 会 ***
18.19 上 述 通 信 部 会 へ の 付 託 事 項 に つ い て は 、 付 属 13 に 記 載 さ れ て い る 。
中間期会合
18.20 当 委 員 会 は 、理 事 会 の 承 認 を 条 件 と し て 、バ ラス ト 水 作 業 部 会 の 第 2 回 中 間 期
会 合 を 2003 年 の 春 に 開 催 す る こ と で 合 意 し た 。 当 該会 合 へ の 付 託 事 項 に つ い て は 、
付 属 13 に 記 載 さ れ て い る 。
通信部会調査者
*
Capt. Moin Ahmed
5 Martley Drive
Ilford, Essex IG2 6SJ
United Kingdom
Tel:
020 8554 0315
Fax:
020 8518 9056
e-mail: [email protected]
**
Mr. Kjell Olav Skjolsvik
Research Manager−Energy & Environment
MARINTEK
P.O. Box 4125 Valentinlyst
NO-7450 Trondheim
Norway
Tel:
+47 7359 5722
Fax:
+47 7359 5776
E-mail: [email protected]
***
Mr. Kevin Colcomb
Senior Scientist
Counter Pollution and Response
Maritime & Coastguard Agency
Spring Place
105 Commercial Road
Southampton
SO15 1EG
U.K.
Tel:
+44 ( 0) 2380 329 411
Fax:
+44 ( 0) 2380 329 485
e-mail: Kevin [email protected]
216
MEPC 49 及 び MEPC 50 の 日 程
18.21 当 委 員 会 は 、MEPC 49 が 、2003 年 7 月 14∼ 18 日 に 開 催 さ れ 、MEPC 50 に つ
い て は 、 暫 定 的 に 2004 年 3 月 に 予 定 さ れ て い るこ と を 銘 記 し た 。
2004∼ 2005 年 の MEPC 及 び そ の 下 部 組 織 の 、 会 合 週 の 活 動 、 優 先 度 及 び 計 画
18.22
当 委 員 会 は 、MEPC 48/WP.4 の 審 議 に お い て 、2004∼ 2005 年 2 年 間 に 予 定 さ
れ て い る MEPC 及 び 小 委 員 会 の 活 動 及 び 優 先 度 に 関 す る 情 報 を 銘 記 し て 、 2004∼
2005 年 2 年 間 の 事 務 局 長 の 関 連 予 算 提 案 に 含 め る た め 、 MEPC 及 び そ の 下 部 組 織 の
25.5 会 合 週 間 の 提 案 に つ い て 、MSC 76 に よ る 同 意 決 定 を 条 件 と し て 承 認 し た 。当 委
員 会 と し て は 、上 述 会 合 週 要 求 に つ い て は 、IMO 技 術組 織 の 効 率 及 び 効 果 を 維 持 す る
ための最低限度の要求を示しているものと考慮している。
19
19.1
2003 年 議 長 及 び 副 議 長 の 選 出
当 委 員 会 は 、 議 長 ポ ス ト に 、 現 在 DE 小 委員 会 の 議 長 A.Chrysostomou 氏 ( キ
プ ロ ス )及 び 現 在 BLG 小 委 員 会 の 副 議 長 S. Oftedal(ノ ル ウ ェ ー )氏 の 2 人 の 候 補 者 が
い る こ と を 銘 記 し て 、手 続 き 規 定 の 第 31 規 定 に 従 っ て 、無 記 名 投 票 に よ り 2003 年 議
長を選出することで合意した。
19.2
無 記 名 投 票 の 結 果 、当 委 員 会 は 、2003 年 の 議 長と し て A.Chrysostomou 氏( キ
プ ロ ス )を 選 出 し 、ま た 、発 声 投 票 に よ り 、副 議長 と し て G.Fernandes 氏 (パ ナ マ )を
再選出した。
19.3
当委員会は、付属 4 に記載のトルコ及びキプロス代表の声明を銘記した。
19.4
当 委 員 会 は 、辞 任 す る 議 長 M. Julian(豪 )に対 し 、同 氏 の 議 長 と し て の 5 年 間 の
MEPC 作 業 へ の 傑 出 し た 指 導 力 及 び 貢 献 に 、 深 い感 謝 の 意 を 表 明 し た 。
20
その他の事項
顧問ステータスの申請
20.1
当 委 員 会 は 、 第 88 会 期 理 事 会 に お い て 、 International Marine Transit
Association/Interferry か ら の 、MEPC 委 員 会 及 び MSC へ の 助 言 の た め の 顧 問 ス テ ー
タ ス 申 請 に 言 及 し た こ と を 銘 記 し た ( MEPC 48/20/1)。
217
20.2
当 委 員 会 は 、国 際 非 政 府 組 織 と の 関 係 に 関 す る 規 則 に 従 っ て こ の 申 請 を 検 討 し 、
プ レ ナ リ ー に 報 告 す る た め の 、 MEPC 副 議 長 の G. Fernandez 氏 ( パ ナ マ ) を 議 長 と
した顧問ステータス非公式グループを設置した。
20.3
当 委 員 会 は 、 当 該 顧 問 ス テ ー タ ス 起 案 非 公 式 グ ル ー プ の 報 告 書 (MEPC
48/WP.7)を 受 け 取 っ て 、 IMTA-Interferry へ の 暫 定 的 顧 問 ス テ ー タ ス 付 与 を 理 事 会 推
薦するという、当該グループ勧告を是認した。
国際油流出会議
20.4
当 委 員 会 は 、 国 際 油 流 出 会 議 に 関 す る MEPC 48/INF.12(米 国 )を 銘 記 し た 。
持 続 可 能 な 開 発 に 関 す る 世 界 サ ミ ッ ト へ の 、 IMO 基 本 的 寄 与 の た め の パ ン フ レ ッ ト
20.5
当 委 員 会 は 、2002 年 8 月 26 日 ∼ 9 月 4 日 にヨ ハ ネ ス ブ ル グ で 開 催 の WSSD に
お い て 配 布 さ れ た 、 UNCED へ の IMO 基 本 的 寄 与 に 関 す る
船舶及び海−不可欠な
持 続 可 能 な 開 発 と い う 標 題 の パ ン フ レ ッ ト 発 行 を含 む MEPC48/INF.18 を 銘 記 し た 。
20.6
ま た 、 当 委 員 会 は 、 第 89 会 期 理 事 会 で の 審 議 の た め 、 WSSD の 結 果 が 理 事 会
に 報 告 さ れ た (C89/23(c)/Add.1)こ と も 銘 記 し た 。
MEPC 48 に 提 出 さ れ た 他 の 文 書
20.7
当 委 員 会 は 、 時 間 不 足 の た め 、 MEPC 48/20、 MEPC 48/20/2、 MEPC 48/INF.
9 及 び MEPC 48/INF.17 に 関 す る 審 議 を 、 次 会期 ま で 延 期 し た 。
***
218
船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条約案
(原文書:MEPC 48/21 付属 2)
この条約の締約国は、
1982 年の国連海洋法条約(UNCLOS)第 196 条が、 いずれの国も、自国の
管轄又は管理の下における技術の利用に起因する海洋環境の汚染及び海洋環境
の特定の部分に重大かつ有害な変化をもたらすおそれのある外来種又は新種の
当該部分への導入(意図的であるか否を問わない。
)を防止し、軽減し及び規制
するために必要なすべての措置をとる。 と規定していることを想起し、
生物多様性に関する条約(CBD)の目的、また、海洋及び沿岸生態系の保存
及び持続可能な利用に関する 1998 年 CBD 締約国会議(COP 5)の決定 IV/5
と同様、船舶バラスト水経由の有害水生生物及び病原体の移動及び侵入が生物
多様性の保存及び持続可能な利用に脅威となっていることを銘記し、
1992 年国連環境開発会議(UNCED)が、 機関に対し、バラスト水排出に
関する適切な規則採択の審議を要求したことを銘記し、
環境及び開発に係るリオ宣言第 15 原則に述べられていて、1995 年 9 月 15
日に MEPC で採択の決議 MEPC 67/(37)で引用されている予防的措置に留意し、
2002 年の持続可能な開発に関する世界サミットが、その実施計画第 33(b)項
において、バラスト水内の侵略異国種を取り扱う方策の開発を加速するため、
あらゆるレベルでの措置を求めていることに留意し、
IMO が、1993 年の A.774(18)及び 1997 年の A.868(20)両総会決議の採択を通
じて、この有害水生生物及び病原体の移動問題に重要性を置いていることを認
識し、
船舶からのバラスト水及び沈殿物の無制御排出が、有害水生生物及び病原体
の移動をもたらし、公衆衛生への危害並びに財産及び環境への損傷の原因とな
っていることを意識し、
いくつかの国々において、船舶の当該国入港に伴う有害水生生物及び病原体
侵入の危険性の防止、最小化及び最終的除去の観点から、片務的措置がとられ
ていること、また、世界的関心事となっているこの問題が、規則の効果的履行
と統一的解釈のためのガイドラインを伴った、地球規模で適用される規則に基
づいた措置を要求していることを認識し、
有害水生生物及び病原体移動の継続的な防止及び最小化並びに最終的除去と
なる、より安全かつ効果的バラスト水管理選択肢開発の継続を強く望み、1
1
本項については、第 3 条脚注の 2 番目の選択肢によって序文に移動させる場合の推薦位置
219
[選択肢 1:
環境又は人間健康への有害影響を回避するため、船舶からのバラスト水及び
沈殿物の排出を制御かつ管理する必要性、すなわち、有害水生生物及び病原体
移動の防止及び減少並びに最終的除去のための措置、また、公衆衛生への危害
並びに財産及び環境への損傷の回避のための措置を要求するようになることに
留意し、
選択肢 2:
船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理を通じて、有害水生生物及び病原
体移動により発生する環境及び人間健康への危険性について、当該制御による
可能性のある側面影響を含み最小化すること、また、危険性を除去できるよう
な知識及び技術の開発について奨励かつ利用することを決意し、
選択肢 3:
船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理を通じて、有害水生生物及び病原
体移動により発生する環境及び人間健康への危険性について、防止、最小化及
び最終的除去することに加え、当該制御による好ましくない側面影響を回避し、
関連知識及び技術の開発について奨励することを決意して、]
下記のとおり協定した。
第1条
目的
[この条約の目的は、ここに掲げる条款に従った船舶バラスト水及び沈殿物の
制御及び管理を通じて、有害水生生物及び病原体移動により発生する環境及び
人間健康への危険性について、当該制御による可能性のある側面影響を含み最
小化すること、また、危険性を除去できるような知識及び技術の開発について
奨励かつ利用することにある。]
[この条約の目的は、ここに掲げる条款に従った船舶バラスト水及び沈殿物の
制御及び管理を通じて、有害水生生物及び病原体移動により発生する環境及び
人間健康への危険性について、防止、最小化及び最終的除去することに加え、
当該制御による好ましくない側面影響を回避し、関連知識及び技術の開発につ
いて奨励することにある。]
220
第2条
定義
この条約の適用上、別段の明白な規定がない限り、以下のように定義する。
1
2
主管庁 とは、その権限の下で船舶が運航している国の政府をいう。い
ずれかの国を旗国とする船舶に関しては、主管庁は、その国の政府とする。
沿岸国が天然資源の探査及び開発について主権的権利を行使する当該沿岸
国の海岸に接続する海底及びその下層土の、探査及び開発に従事している固
定され又は浮いているプラットフォームに関しては、主管庁は、当該沿岸国
の政府とする。
バラスト水 とは、船舶の、トリム、傾斜、喫水、安定性又は強度を制
御するために、浮遊物質と共に取り入れられた水をいう。
3
バラスト水管理 とは、バラスト水及び沈殿物内の有害水生生物及び病
原体の、殺滅、除去、無害化あるいは取入れ又は排出回避のための、機械的、
物理的、化学的及び生物学的プロセスの、単独又は組み合わせのことをいう。
4
総トン数 とは、1969 年の船舶のトン数の測度に関する国際条約の附属
書Ⅰ又はいかなる後継の条約に記載の、トン数測度に従って計算された総ト
ン数をいう。
5
有害水生生物及び病原体 とは、河口を含む海域又は清水路に侵入した
場合、人間の健康に障害となり、生活源及び水性生物に危害を加え、快適な
生活環境に損害を与え、生物の多様性を阻害し、あるいは当該区域の有効な
利用を妨げる可能性のある水生生物又は病原体をいう。
6
機関
7
事務局長 とは、機関の事務局長をいう。
8
沈殿物 とは、船舶内のバラスト水から沈殿したものをいう。
とは、国際海事機関(IMO)をいう。
9
船舶 とは、潜水艦、floating craft、固定又は浮いているプラットフォ
ーム、浮いている貯蔵ユニット(FSUs)、浮遊製品貯蔵及び揚荷ユニット
(FPSOs)等、海洋環境で運航される、あらゆるタイプのものをいう。
10
条約 とは、船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条
約をいう。
11
委員会
とは、IMO の海洋環境保護委員会をいう。
221
第3条
一般的義務
1
船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理を通じ、[環境又は人間健康へ
の有害影響を回避するため必要となる措置、すなわち]有害水生生物及び病
原体の移動を防止、最小化及び最終的除去するため、個々の条約締約国は、
この条約、附属書及びその付録の規定に十分かつ完全な効力を与える義務を
負う。2
2
附属書及び付録は、この条約に不可欠な部分を形成している。 他に別段の
明白な規定がない限り、この条約の引用には、附属書及び付録の引用も含ま
れる。
[3
この条約においては、締約国が、国際法に矛盾せず、単独又は共同で、船
舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理を通じ、有害水生生物及び病原体の
移動を防止、減少又は除去することについて、より厳しい方策をとることを
妨げるものと解釈すべきものは何もない。[より厳しい方策を要求する締約
国は、この条約の下の国際バラスト水管理証書を保持している船舶が、より
厳しい方策を満足することを援助するため、適切な受入施設又は他の手段が
提供されるという明確な証拠に基づいて、機関の承諾を得なければならな
い。]]3
4
締約国は、この条約の効果的な履行、遵守及び施行のための協力に努力し
なければならない。
5
締約国は、船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理を通じ、[環境又は人
間健康への有害影響を回避するため必要となる措置、すなわち]有害水生生
物及び病原体の移動を防止、減少及び最終的除去するための、バラスト水管
理及び基準の作成の続行を促進する義務を負う。
第4条
1
適用
この条約はにおいて他に別段の明白な規定がない限り、この条約は、以下の
船舶に適用される。
(a) 締約国旗を掲げる権利を有する船舶
(b)
2
3
締約国旗を掲げる権利はないが、締約国の権限の下に運航される船舶
この文章修正のため、以下の選択肢が特定されている。
1.
序文において選択肢 2 又は 3 が採用された場合には序論に編入される[]内文章についての決
定をして、この案文を残す。
2.
第 1 条が案文のまま残る場合には、 個々の条約締約国は、 より前の文章すべて削除し、 本条
約第 1 条の目的を達成するため、 と置換える。
3.
第 1 条が序文に移動した場合には、 個々の条約締約国は、 より前の文章すべて削除し、序文
選択肢 2 又は 3 から必要かつ適切な文言を選び、挿入する。
作成中の Tier-2 要件に鑑みて改正すべき
222
2
この条約は、以下のいずれかの船舶にも適用されない。
(a)
バラスト水を運搬するように設計又は建造されていない船舶。
(b)
もっぱら、一締約国管轄下水域内を運航する当該締約国の船舶。
ただし、当該除外が隣接又は他の国々の水産資源への障害又は損害とな
らないこと。4
(c)
当該除外のための(沿岸)締約国の公認に従って、もっぱら、当該締
約国管轄下水域内を運航する他の締約国の船舶。
ただし、当該除外が隣接又は他の国々の水産資源への障害又は損害と
ならないこと。5 当該公認を認めないいかなる締約国も、関係船舶の
主官庁に対し、当該船舶にこの条約が適用されることを通知しなければ
ならない。
(d)
副項(c)に従って除外が許可されない船舶を除いて、もっぱら一締
約国管轄下水域内及び公海を運航する船舶。
ただし、当該除外が隣接又は他の国々の水産資源への障害又は損害と
ならないこと。6
3
この条約は、締約国が所有もしくは運航するいかなる軍艦、補助艦艇、又
はさしあたって政府の非営利サービスに従事している他の船舶にも適用され
ない。しかしながら、各締約国は、自国が所有又は運航する当該船舶の運航
又は運航能力を阻害しない適切な方策を採用し、当該船舶が、合理的かつ実
行可能である限り、この条約に矛盾しない方法で行動することを確保しなけ
ればならない。
4
締約国は、この条約の非締約国の船舶に対し、より有利な措置を与えない
ことを確保する必要があるならば、当該船舶に対し、条約要件を適用しなけ
ればならない。
第5条
船舶バラスト水及び沈殿物を通じた、有害水生生物及び病原体移動の
制御
各締約国は、第 4(1)条に該当する当該締約国の船舶個々に対し、附属書内の
基準及び要件を含みこの条約において明確になっている要件の遵守を要求しな
ければならない。また、これらの要件の当該船舶による遵守確保のための効果
的方策を講じなければならない。
4
5
本文については、関連 UNCLOS 文の確認必要
本文については、関連 UNCLOS 文の確認必要
223
[第 5 条(bis)
受入可能バラスト水
1
受入可能バラスト水とは、この条約の規定に従って排出された場合、適合
性、実用性、危険性評価、(病原体を含む)生物学的効果、適切な費用対効
果、実質的解決履行の時間枠及び副産物の環境影響の見地に応じて、受入環
境及び人間健康への傷害危険を最小化するバラスト水のことである。
2
受入可能バラスト水が満足すべき標準のための詳細な要件は、附属書に含
まれている。]
第6条
沈殿物受入施設
1
各締約国は、バラストタンク清掃又はタンク修理作業を実施する場合、沈
殿物受入のための適切な受入施設を持つことを、可及的速やかに確保する義
務を有する。 当該受入施設は、船舶に不当な遅延を生ずることなく運用でき、
また、当該沈殿物の環境的に安全な処分を提供できるものでなければならな
い。
2
各締約国は、本条第 1 項の下に提供される受入施設が不適切なものである
ことが申し立てられたすべての場合について、他の関係締約国への情報伝達
のため、機関に通報しなければならない。
第7条
1
2
締約国は、
[(a)
締約国内管轄範囲内において、記録の維持及び危険性評価の開発を含
む、バラスト水管理への応諾及びその効果について、[監視システムを
構築][監視に努力]しなければならない。]
(b)
単独又は共同で、バラスト水管理及び関連基準についての科学的及び
技術的研究を助長かつ促進することに努力しなければならない。 当該
研究には、特に、観察、測定、サンプリング、評価、及び可能性のある
科学技術又は方法論の効果の分析に加え、船舶バラスト水を通じて移送
されていることが確認されている生物及び病原体により生じたいかな
る悪影響をも含まなければならない。
各締約国は、この条約目的促進のため、以下についての関連情報入手を要
請する他の締約国に対し、入手できるように努めなければならない。
(a)
6
科学的かつ技術的な研究及び監視
バラスト水管理及び関連基準に関して着手している、科学及び技術プ
ログラム並びに技術方策
本文については、関連 UNCLOS 文の確認必要
224
(b)
第8条
1
監視及び評価プログラムから得られたバラスト水管理の効果
検査及び証明
締約国は、第 1(1)条及び検査及び証明を条件とする当該締約国の船舶につ
いては、附属書内の規則に従って検査かつ証明されることを確保しなければ
ならない。
この条約附属書の C 節に従って追加方策を実施する締約国は、その他の
[2
締約国に対し、船舶の追加検査及び証明を要求することができない。また、
当該船舶の主官庁についても、その他の締約国が課す追加検査及び証明の
義務を負わされることもない。このような付加方策の立証は、当該追加方
策を実施する締約国の責任となる。]
第9条
違反
1
この条約要件へのいかなる違反も禁止されなければならず、また、違反が
行われた場所のいかんを問わず、当該船舶に関係する主官庁の法の下に処罰
できる措置が確立されなければならない。 主官庁は、このような違反の情報
を入手した場合、その件を調査しなければならず、また、摘発違反について、
報告締約国に対し、追加証拠の提供を要求することができる。 当該主官庁が、
当該摘発違反について手続きを進めるのに十分な証拠が入手可能と確信する
場合、当該主官庁の法に従って、可及的速やかに手続きをとらなければなら
ない。 当該主官庁は、とられたいかなる措置についても、速やかに、違反摘
発を報告した締約国にはもちろん、機関にも報告しなければならない。 主官
庁は、当該違反情報を受け取った後 1 年以内にいかなる措置もとらなかった
場合、違反摘発を報告した締約国に対し、その旨を通告しなければならない。
2
条約締約国の管轄内においては、いかなる本条約要件への違反も禁止され
なければならず、それゆえ、締約国の法の下に処罰できる措置が確立されな
ければならない。 締約国は、違反発生時にはいつでも、以下のいずれかの
措置をとらなければならない。
(a) 自国法に従い、手続きをとること。
(b) 違反船舶の主官庁に、当該締約国が所有する違反発生の情報及び証拠を
提供すること。
3
本条に従って、一締約国の法により規定された罰則については、この条約
への違反をどこにおいても思い止まらせるのに十分な、厳しいものでなけれ
ばならない。
225
[第 10 条
1
この条約適用船舶は、その他の締約国のいかなる港又は沖合係留施設にお
いても、当該締約国から正式に権限を与えられた職員による点検に従うもの
とする。 当該点検については、以下のものに限られる。
(a)
(b)
(c)
2
有効ならば受入れなければならない有効な証書が、船内にあることの
確認;[及び又は、
バラスト水管理記録簿の点検、及び又は
機関策定のガイドラインに従った船舶バラスト水の簡潔な sampling。
しかしながら、当該 sampling の実施に必要な時間を、船舶の[運航、]
移動及び出港を妨げる根拠として用いてはならない。]
当該船舶が有効な証書を所持していないか、又は以下のいずれかについて、
信ずるに足る明確な根拠がある場合には、より詳細な点検を実施することが
できる。
この詳細点検には、バラスト水管理記録簿の点検及び機関策定のガイドラ
インに従った船舶バラスト水の簡潔な sampling が含まれるが、これらに限定
されるわけではない。しかしながら、当該 sampling の実施に必要な時間を、
船舶の[運航、]移動及び出港を妨げる根拠として用いてはならない。]
(a)
(b)
3
船舶の点検
当該船舶及びその設備が、当該証書の明細に実質的に一致していない。
船長又は乗組員バラスト水管理に関する船上手順について熟知してい
ない。
この条款に従って実施された点検によりこの条約の規定に応諾していない
ことが明白となった船舶については、点検実施締約国は、当該船舶が環境危
害への不合理な脅威なしで海洋に進むことが可能となるまで、航海させない
ことを確保するような措置を講じなければならない。しかしながら、当該締
約国は、当該船舶に対し、最も近い利用可能な修理場に向かう目的で港又は
沖合ターミナルを離れる許可を与えることができる。
226
第 10 条(bis)
違反発見及び船舶管制
1
各締約国は、違反の発見及びこの条約規定の執行に協力しなければならな
い。
2
船舶において、この条約に違反したことが発見された場合、当該船舶が旗
国とする締約国、あるいは当該船舶が運航している港又は沖合ターミナルの
属する締約国は、第 9 条に記述の処罰又は第 10 条に記述の措置に加えて、当
該船舶について、環境又は人間健康への危害の不合理な脅威がなくなるまで、
警告、拘留はその締め出しの措置をとることができる。しかしながら、当該
締約国は、当該船舶に対し、最も近い利用可能な修理場又は受入施設に向か
う目的で、港又は沖合ターミナルを離れる許可を与えることができる。
[3
4
そ の 他 の 港 又 は 沖 合 タ ー ミ ナ ル か ら 受 け 取 っ た 結 果 を 含 め 、[ 第
10(1)(c)/10(2)条]に記述の sampling 結果が、該当船舶について、環境へ
の不合理な脅威となっていることを示している場合、当該船舶が運航して
いる水域の締約国は、当該脅威が除去されるまで当該船舶からのバラスト
水排出を禁止することができる。]
また、締約国は、いかなる締約国からの、船舶がこの条約の規定に違反し
て運航中又は運航されたという、十分な証拠を伴った調査要請を受けた場合
にも、当該船舶の当該締約国管轄下の港又は沖合ターミナル入港時に、当該
船舶を検査することができる。 当該調査報告書は、適切な措置がとれるよう、
調査要請国及び関係船主官庁の担当当局に送付されなければならない。
第 10 条(ter)
拘留又は他の措置の通知
1
第 10 条又は 10(bis)条に従って実施された点検においてこの条約違反が示
された場合、該当船長に通知されなければならず、また、違反の証拠があれ
ばその証拠を含み、主官庁に転送されなければならない。
2
第 10(3)条又は 10(bis)(2)若しくは[(3)]条に従ってとられたいかなる措置に
ついても、当該措置の実施職員は、措置が必要となることに関するあらゆる
事実について、直ちに、書面で、船舶の旗国である締約国の領事又は外交代
表者に、それが不可能な場合には、該当船舶の主官庁に報告しなければなら
ない。加えて、証明書発行に責任を有する認可された組織にも通知されなけ
ればならない。
3
第 10(3)条又は 10(bis)(2)条に明示の措置をとることが不可能な場合、又は
当該船舶が次寄港港に向かうことが容認された場合には、関連寄港国当局は、
当該船舶の次寄港港に加えて第 2 項に記載の締約国に、当該船舶に関連する
すべての情報を通知しなければならない。]
227
第 11 条
船舶の不当な遅延
1
この条約の第 9、[10 及び 10(bis)]条の下に、船舶に不当な拘留又は遅延
を生じさせないよう、最大限の努力がなされなければならない。
2
この条約の第 9、[10 及び 10(bis)]条の下に、船舶が不当に拘留又は遅延
させられた場合、当該船舶に対しては、被ったいかなる損失又は損害につい
ても、賠償を受ける権利が与えられなければならない。
第 12 条
地域協力
この条約の目的促進のため、一定の地理学的地域において、海洋環境保護に
共通の利害関係を持つ複数の締約国は、特有の地域的特徴を考慮に入れて、船
舶バラスト水を通じた有害水生生物及び病原体移動の防止及び最小化のための
この条約に矛盾せずに、地域協定の締結を含む地域協力を促進することに努力
しなければならない。締約国は、異なった協定関係締約国が理解できる(to be
followed)調和手続きを開発するため、当該地域協定への締約国との協力に努め
なければならない。
第 13 条
1
情報の連絡
各締約国は、機関に対し、以下のいずれの情報についても報告しなければ
ならず、また、他の締約国が、必要に応じ入手できるようにしておかなけれ
ばならない
(a) この条約履行のための自国法、規則及びガイドラインを含む、バラスト
水管理に関する要件及び手続き
(b) バラスト水及び沈殿物の環境的に安全な処分のための、利用可能な受入
施設及びその位置
(c) 附属書規則 A-3 に明示されている理由のために、この条約の規定の遵守
が不可能な船舶からの情報についての要件
2
IMO は、現行本条に基づくいかなる連絡事項についても、締約国にその受
領を通告し、また、すべての締約国に対し、本条第 1 項の副項(b)及び(c)に基
づくいかなる機関への連絡事項についても、回章に付さなければならない。
第 14 条
紛争の解決
締約国は、この条約の解釈又は適用に関する締約国間の紛争については、交
渉、照会、和解、仲裁、司法解決、地域機関又は協定への訴え、あるいは他の
平和的手段について、自力で選択し解決しなければならない。
228
第 15 条
国際法及び他の協定との関係
この条約において、国連海洋法条約に反映されている慣習的国際法の下のい
かなる国の権利及び義務を侵害するものは何もない。
第 16 条
1
署名、批准、受諾、承認及び加盟
この条約は、機関本部において、いかなる国による署名のため、[
]か
]まで開放し、その後もいかなる国の加盟のため開放しておかなけ
ら[
ればならない。
2
各国は、以下のいずれかによりこの条約締約国となることができる。
(a) 批准、受諾又は承認を条件としない署名
(b) 批准、受諾又は承認に続く、批准、受諾又は承認を条件とする署名
(c) 加盟
3
批准、受諾、承認又は加盟については、IMO 事務局長にその旨を文書で寄
託することにより有効としなければならない。
第 17 条
1 国複数制度のステータス
1
異なる法制度が適用される複数の領土単位から成る国は、この条約の範囲
内で取り扱われる事項に関して、署名、批准、受諾、承認又は加入時におい
て、この条約が当該国のすべて、又は 1 つ以上の領土単位のみに条約の適用
が及ぶべきかを宣言することができ、また、いかなる時にも、他の宣言の寄
託により前宣言を変更することができる。
2
いかなる当該宣言も、寄託者に書面で通告し、かつ、この条約が適用され
る単又は複数の領土単位を明確に述べなければならない。前宣言を変更する
場合、条約の適用が更に及ぶ領土単位及び当該適用拡大実施日を明確に述べ
なければならない。
第 18 条
効力発生
[後日文案作成、提案は受け取っているが未検討]
第 19 条
改正
[後日文案作成、提案は受け取っているが未検討]
229
第 20 条
廃棄
1
いかなる締約国も、締約国のための条約発効日から、2 年を経過した後は、
いつでもこの条約を廃棄することができる。
2
廃棄は、被寄託者に書面で通告することにより効力を生ずるものとし、受
領した後 1 年、又は通告書の記載より長い期間後に効力を生ずる。
第 21 条
寄託
1
この条約は、機関事務局長に寄託されなければならない。機関事務局長は、
条約に署名又は加盟したすべての国に対し、この条約認証謄本を送付しなけ
ればならない。
2
この条約の他の箇所で明示されている機能に追加して、機関事務局長は、
以下を実施しなければならない。
(a)
この条約に署名又は加盟したすべての国に対し、次ののものについて通
告すること。
(ⅰ)
(ⅱ)
(ⅲ)
日付を伴った、批准、受諾、承認又は加盟についての、個々の、新
たな署名又は寄託文書
この条約の発効日
当該文書受領日及び廃棄効力発生日を伴った、いかなるこの条約の
廃棄通告文書の寄託
(b) この条約発効後、可及的速やかに、国連憲章第 102 条に従い、登録及び
公布のため、国連事務局に本文を送付すること。
第 26 条
言語
この条約は、アラビア語、中国語、英語、仏語、ロシア語及びスペイン語に
よる複本 1 通で制定され、各本文は等しく真正なものとする
***
230
附属書
有害水生生物及び病原体の移動を、防止、減少及び除去するための
バラスト水及び沈殿物の制御及び管理規則
A節
一般規定
規則 A-1
[1
定義
新船
とは、以下の条件のどれか 1 つを満足する船舶をいう。
.1
[2015 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 5 年]7[のいずれかの、
より後の日]に、建造契約が結ばれる船舶
.2
建造契約がない場合には、[2015 年 7 月 1 日以降]又は[この条約発効
後 5 年 6 ヶ月]8[のいずれかの、より後の日]に、キールが据え付けら
れた船舶又はこれと同様の建造段階にある船舶
.3
[2018 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 8 年][のいずれかの、
より後の日]に、引き渡しが行われる船舶
.4
主要な改造が行われる船舶であって、次の条件のいずれかを満たすもの
(a) [2015 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 5 年][のいずれかの、
より後の日]に、改造契約が結ばれるもの
(b)
改造契約がない場合には、[2015 年 7 月 1 日以降]又は[この条約発
効後 5 年 6 ヶ月][のいずれかの、より後の日]に、改造工事が開始さ
れるもの
(c) [2018 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 8 年][のいずれかの、
より後の日]に、工事が完了するもの
2
中間船舶
舶をいう9。
.1
7
8
9
とは、新船以外の船舶で、以下のいずれかの条件を満たす船
[2005 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 1 年]のいずれかの、
より後の日に、建造契約が結ばれるもの
若干数の代表団は、
(AFS 条約のように)固定日が望ましいという見解であった。
発効後 5 年 E-6 でもくろまれているプロセス再吟味に、十分な余裕を与えるため選択された。
MARPOL 附属書Ⅰと同様の規定(契約とキール据付の間は 6 ヶ月、契約と引渡しの間は 3 年)
船種又は世代による船舶の特定あるいはこの定義に適切な他の手段について、要検討
231
.2
建造契約がない場合には、[2005 年 7 月 1 日以降]又は[この条約発効
後 1 年 6 ヶ月]のいずれかの、より後の日に、キールが据え付けられたか
又はこれと同様の建造段階にあるもの
.3
[2008 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 4 年]のいずれかの、
より後の日に、引き渡しが行われるもの
.4
主要な改造が行われる船舶であって、次の条件のいずれかを満たすもの
(a) [2005 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 1 年][のいずれかの、
より後の日]に、改造契約が結ばれるもの
(b)
改造契約がない場合には、[2005 年 7 月 1 日以降]又は[この条約発
効後 1 年 6 ヶ月][のいずれかの、より後の日]に、改造工事が開始され
るもの
(c) [2008 年 1 月 1 日以降]又は[この条約発効後 4 年][のいずれかの、
より後の日]に、工事が完了するもの]
3
現存船 とは、新船又は中間船舶でない船舶をいう。
4
主要な改造 とは、現存船の次のいずれかの改造をいう。
.1
船舶の寸法又は積載容量を、実質的に変更する改造
.2
船舶の種類を変更する改造
.3
その目的が、船舶の耐用年数の実質的延長であると、主官庁が認める
改造
[.4
現存船には適用されず、新船に適用される現行条約の関連規定に従う
ことになる船舶の改造]
[5
6
10
バラスト水排出規制区域 及び バラスト水漲水規制区域 とは、海
洋学的及び生態学的条件並びに船舶交通の特性に関して、技術的理由が認
識されているため、バラスト水を通じた有害水生生物及び病原体の国際的
移動により生ずる、公衆衛生への障害並びに財産及び環境への損害の防止
のため、特別の強制方策の採用が要求される海域をいう。 バラスト水排
出規制区域 及び バラスト水漲水規制区域 には、この附属書の規則C-1
及びC-2に列挙のものを含むものとする。
]
検査基準日 とは、国際バラスト水管理証書の有効期間満了日に対応す
る各年の月日をいう。10
この定義は、規則 F-1 の中間/年次検査の結果に基づいて変更される可能性あり。
232
7
証書 とは、国際バラスト水管理証書をいう。
規則 A-2
一般適用
他に別段の規定がない限り、バラスト水管理については、この附属書に従っ
て実施しなければならない。
規則 A-3
除外
以下のいずれの場合にも、規則 B-3 の要件又は C 節に従って一締約国が採用
したいかなる付加方策を適用してはならない。
1
緊急状況下における船舶安全及び海上人命救助確保のために必要な、バラ
スト水及び沈殿物の取入れ又は排出
2
船舶及びその設備の損傷により生じた、偶発的なバラスト水及び沈殿物の
排出
(a)
損傷発生又は排出発見前後に、損害又は排出を防止又は最小化するため
の、あらゆる合理的予防措置手段がとられたことを条件とする。
(b)
船舶所有者、会社又は責任士官が、故意又は無謀に損傷を引き起こした
場合を除く。
3
船舶からの汚染事故の回避又は最小化を意図した、バラスト水及び沈殿物
の取入れ又は排出
4
船内のバラスト水及び沈殿物のすべてを取り入れた場所と同じ場所11にお
ける、当該船舶からの、取入れ場所で取込んだバラスト水及び沈殿物の排出。
ただし、他の場所からのバラスト水及び沈殿物と混合していないことを条件
とする。
規則 A-4
[1
11
免除
寄港国は、バラスト水が当該国管轄下水域に排出されるいかなる単一航
海又は航路に関して、規則 B-3 第 2 項の要件から船舶を免除することができ
る。いかなる当該免除も、IMO が策定するガイドラインに従って、海洋環
境への評価海洋環境への危険性が評価され、当該ガイドラインに従って危険
性が低い場合にのみ、是認することができる。当該免除については、バラス
ト水管理記録簿に記録されなければならない。
]
同じ場所 の語句については、さらなる詳述が必要となるのではないか。
デンマークは、 within the same hydrographical regime を提案
233
長さ 50 米未満で、最大バラスト水容量 8 トン(metric tones)の非営利
船舶の、この附属書への同等の応諾については、IMO が策定するガイドラ
インに従って決定されなければならない。]12
[2
B節
船舶のための管理及び規制要件
規則 B-1
バラスト水管理計画
各船舶は、主官庁が承認したバラスト水管理計画を、船内に所持かつ履行し
なければならない。 バラスト水管理計画は、機関が策定かつ採択したバラスト
水管理計画ガイドラインに基づいたものでなければならない。バラスト水管理
計画は、個々の船舶について具体的なものであり、また、少なくとも以下の各
要件を満足しなければならない。
1
この条約が要求するバラスト水管理作業に関連して、船舶及び乗組員の安全
対策を詳述すること。[この規定については、復原性、縦強度、sloshing、プ
ロペラ没水、最小船首喫水及び船橋視界等、多くの要件を考慮にいれなければ
ならない。13]
2
この条約で明らかにされている、バラスト水管理要件及び補足バラスト水管
理実施の履行のためにとるべき措置について、詳細に記述すること。
3
沈殿物の処分についての手順について詳述すること。
(a) 海上
(b) 寄港国要件に従った港内又は dry-dock
4
船上バラスト水管理作業を実施する水域の沿岸又は寄港国の当局と、当該
作業について調整する手続きを含むこと。
[5
6
7
12
13
当該計画の適切な履行を確保する船上責任士官を任命すること。]
この条約の下に規定される船舶のための報告要件を含むこと。
乗組員の日常語で記載すること。 [記載文が英語、仏語又はスペイン語で
ない場合、これらの言語の 1 つによる翻訳文を含むこと。]
国際航行連盟(ISAF)がさらなる審議事項として提案
IACS は、IACS 文書 MEPC 48/2/7 におけるこの件の関連事項を喚起した。
この件は、MSC 及び MEPC との協議に従って最吟味されるべきである。
234
規則 B-2
バラスト水管理記録簿
1
各船舶は、船内に、バラスト水管理記録簿14を所持しなければならない。当
該記録簿には、少なくとも、付録Ⅱに明記の情報を記載しなければならない。
2
記録簿への記入については、最後の記入がなされた後、少なくとも 2 年間
船内に保持し、その後少なくとも 3 年間は、会社の管理下におかなければな
らない。 乗組員の日常語で記入しなければならない。15
3
この附属書の規則A-3に規定が適用されるバラスト水排出が生じた場合、あ
るいは当該規則により除外されない他の例外的バラスト水排出が生じた場合、
当該排出の状況及びその理由について、バラスト水管理記録簿に記述しなけ
ればならない。
4
当該記録簿については、曳航下の無人船舶の場合を除き、すべての正当な
検査に容易に応じられるような場所に保管し、かつ、船内に保持しなければ
ならない。
5
バラスト水管理関連各作業については、完了各作業のすべてをバラスト水
管理記録簿に記入し、遅滞なく当該記録簿への記録を完全なものとしなけれ
ばならない。完了各作業については、一人又は複数の当該運用関連責任士官
が署名しなければならず、また、当該船舶の船長は、終った頁毎に署名しな
ければならない。バラスト水管理記録簿には、乗組員の日常語に加えて、英
語、仏語又はスペイン語で記入しなければならない16。
6
条約締約国政府の権限を持つ当局は、この条約が適用されるいかなる船舶
について、当該船舶が当該締約国内にある港又は沖合ターミナルにいる間に、
船内のバラスト水管理記録簿を点検し、当該記録簿記入事項のコピーをとり、
かつ、本船船長に対し、当該記入事項の正しいコピーであることの証明を要
求することができる。バラスト水管理記録簿記入内容の正当なコピーとして
本船船長により証明されているいかなるコピーも、司法訴訟手続きにおける
記入内容の事実証明として、取り扱われるものとする。この規則第 4 項の下
による、権限を持つ当局によるバラスト水管理記録簿の点検及び証明付コピ
ーの取得については、船舶に不当な遅延を生ずることなしに、できる限り速
やかに遂行されなければならない。
規則 B-3
1
14
15
16
船舶のバラスト水管理
この条約において別段の規定がない限り、船舶は、以下のバラスト水管理
を実施しなければならない。
書面記録の代替肢としての電子式記録システムの利用についての検討必要
乗組員 に代えて、 士官及び乗組員 とすべきかどうかの検討必要
この項については、汚染防止に関する IMO 条約におけるスペイン語使用についての決議
MEPC.87(44)並びに MARPOL 73/78 の附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅳ及びⅥにおけるスペイン語使用に関する改
正起案についての MEPC 45/20 の付属 8 と矛盾しない、さらなる起案が必要
235
.1
現存船については、次のいずれかを満足又は超えること。
(a)
各バラストタンク 3 倍量での pumping through
(b)
規則 E-1 に記載の基準
(c)
規則 E-2 に記載の基準
(d)
規則 E-3 に記載の基準
.2
.3
.4
2
17
18
中間船舶については、次のいずれかを満足又は超えること。
(a)
規則 E-1 に記載の基準
(b)
規則 E-2 に記載の基準
(c)
規則 E-3 に記載の基準
新造船については、規則 E-3 に記載の基準を満足又は超えること
副項 B-3-1-1(a)を除き、この項の要件を満足するため用いられる設備又
はシステムについては、主官庁の承認を受けたデザインでなければならな
い。また、当該設備又はシステムを通過後海洋に排出されるいかなるバラ
スト水も、E 節の適切な基準を満足することを確保できるものでなければ
ならない。主官庁は、当該設備及びシステムの検討においては、IMO が勧
告するいかなる明細をも考慮しなければならない。
規則 B-3-1-1(a)若しくは(b)又は B-3-1-2(a)(すなわちバラスト水交換)に
従ってバラスト水交換を実施するか、あるいは規則 E-2 又は E-3 の基準を満
足するバラスト水交換を用いる船舶は、以下を遵守しななければならない。
.1
可能な場合には常時、IMO 策定のガイドラインを考慮して、最も近い陸
地17から 200 海里以上離れてバラスト水交換を実施すること。
.2
最も近い陸地から 200 海里以上離れたバラスト水交換実施が不可能な船
舶の場合には、第.1 項に記載のガイドラインを考慮して、また、最も近い
陸地からできる限り離れて、また、すべての場合において、[最も近い陸地
から[x][12][50]海里以上離れて][及び/又は][沿岸国決定の距離以上で]
[IMO 認定の特別海域外で]バラスト水交換を実施すること。[沿岸国決
定のいかなるバラスト水排出回避海域においても、バラスト水交換を実施
してはならない。当該排出回避海域については、IMO 策定のガイドライン
を考慮しなければならず、また、IMO 及び隣接諸国に対し、適切に当該海
域設定を通知しなければならない。]18
最も近い陸地 の内容については、MARPOL 73/78 第 1(9)規則と類似したものと考えること。
括弧内選択肢については、組み合わせについても考慮可能
短期間航海問題については、これら選択肢の最終選択時に考慮すべき。
236
.3
第 2.1 又は 2.2 項に記載の距離又は場所でのバラスト水交換実施が不可
能な船舶の場合には、寄港国は、当該船舶に対し、第 2.1 項に記載のガイ
ドラインを考慮して、第 2.2 項で規定されていない寄港国管轄下の指定区
域での、バラスト水交換実施を許可することができる。ただし、隣接又は
他の国々の[水産]資源を傷つけないことが、寄港国許可の条件となる。
[3
船舶に対し、この規則第 1 項の個々の要件に応諾するため、予定航路か
らの離路又は航海の遅延を要求してはならない。
4
船舶は、[安全性、復原性問題等さらなる作成要]の場合、
[第 1 項]を遵
守する必要はない。
5
船舶は、第 4 項に述べられている理由で、第 1 項を遵守できない場合、当
該理由をバラスト水管理記録簿に記入しなければならない。
規則 B-4
船舶の沈殿物管理
1
すべての船舶は、バラスト水を運搬するよう指定された区域から、バラス
ト水管理計画の規定に従って、沈殿物を除去又は処分しなければならない。
2
新船については、機関が策定するガイドラインに基づいて、沈殿物の取入
れ及び好ましくない策略を最小化し、沈殿物除去を助長し、かつ、沈殿物の
除去及びサンプリングができるアクセスを提供するように、設計かつ建造し
なければならない。 現存船については、実行可能な限り、この規定を遵守し
なければならない。
規則 B-5
士官及び乗組員の義務
バラスト水管理に従事する士官及び乗組員は、[当人が乗船する]19 船舶固有の
バラスト水管理の実施における当人の義務を熟知しなければならず、かつ、義
務に応じて [当人が乗船する] 船舶のバラスト水管理計画を熟知しなければな
らない。
19
この語句の位置については、この場所又はこの文の最後
237
C節
一定の区域における特別要件20
[選択肢 1
規則 C-Ⅰ
1
IMO への申請
.1
バラスト水排出規制区域を設置しようとする締約国は、IMO に申請書を
提出しなければならない。当該申請書には、当該区域設置の理由と共に、
当該区域の地理学的境界を含んだ計画を記述しなければならない。
.2
また、当該申請書には、当該区域内でバラスト水を排出しようとする船
舶が、規則 C-2 に列記の船舶代替肢要件に一致して従うべき手続きに関す
る情報も含まなければならない。
.3
締約国は、当該区域内に受入又は処理施設を提供できるのか、あるいは
提供する予定があるのかについて、また、当該施設利用手続きの詳細につ
いて、明示しなければならない。
バラスト水排出規制区域設置の申請についての IMO 内の決定
2
.1
20
21
バラスト水排出規制区域設置の手続き
バラスト水排出規制区域設置のための締約国からの申請書は、
[IMO が
(MAEPOL 又は SOLAS の既存規定に基づいて文章作成作成)するのに
先立ち、少なくとも[……]ヶ月前に]、加盟国に回章しなければならない。
.2
悪影響の防止:
他の締約国による当該バラスト水排出規制区域の設置が、自国管轄下水
域に悪影響を及ぼすと信ずる場合、当該国は、解決を目指し、当該締約国
との協議を要求することができ、また、IMO による当該バラスト水排出規
制区域の設置申請の検討[……]ヶ月前に、IMO に対し通知しなければなら
ない。
.3
効果:
バラスト水排出規制区域の設置のため、締約国は、科学的研究又は危険
性評価に基づいて、当該区域への適用要件が、有害水生生物又は病原体の
移動の防止又は最小化[、あるいはバラスト水排出に伴う有害水生生物又
は病原体による公衆衛生、財産及び生態系への傷害防止21]に有効となるこ
とを、合理的に確信しなければならない。
この節の 2 つの選択肢については、MEPC 48/2/8 での米国提案に沿って再吟味しなければならない。
さらなる検討ためニュージーランドが提案
238
.4
監視:
バラスト水排出規制区域を設置する締約国は、有害水生生物又は病原体
の移動の防止又は最小化の有効性を決定するため当該区域の監視実施に努
力を払わなければ[ならない(should)(shall)]。また、監視結果を、他の締
約国への回章のため、IMO に提供しなければならない。
.5
国際法との関係:
すべての、設置バラスト水排出規制区域及び当該区域内における遵守強
制措置については、国連海洋法条約(UNCLOS)の関連部分を含む国際法
と矛盾してはならない。バラスト水排出規制区域の設置は、国際法又は国
際航海及び群島シーレーンに利用される海峡の法制度に基づく政府の権利
及び義務を侵害してはならない。[第 3.3 及び 15 条参照]22
規則 C-2
バラスト水排出規制区域内でのバラスト水排出船舶の運用要件
規則 C-1 の規準に従ってバラスト水排出規制区域を設置した締約国は、当該
区域内でバラスト水を排出する船舶に対し、本船船長の判断による以下の一つ
の遵守を要求することができる。
.1
バラスト水受入又は処理施設を提供しない港:
(a)
[規則 E-2][又は他の基準]の基準を遵守したバラスト水を漲水した船
舶への要件は、次のとおりである。
(ⅰ)
沈殿物が[実質的に洗浄されている]タンク内への、当該バラスト
水漲水を確保すること。また、
(ⅱ)
バラスト水排出規制区域内では、当該バラスト水のみを排出するこ
と。
(b)
(c)
規則 E-2 に従ったバラスト水処理遂行のための要件
規則 C-1 によるバラスト水排出制御水域の申請書において明示されて
いる区域内でのバラスト水交換遂行のための要件。現存船については、あ
たかも新船の如く取り扱う。
この項の遵守が要求される船舶で、規則 A-3 又は B-3-3 に規定の理由によ
り、この項遵守が不可能な船舶については、[当該締約国の承認に従って]適
切な積荷に最小限必要なバラスト水排出が、許可されなければならない。ま
た、その理由について、バラスト水管理記録簿に記載しなければならない。
22
この規定の必要性については、第 15 条に照らしてさらに検討されるべき。
追加方策の実施から生ずるいかなる義務についての旗国責任対寄港国責任の混乱をいかにして回避す
るのかについても、さらなる検討が加えられるべき。
239
.2
バラスト水受入又は処理施設を提供する港:
(a)
有害水生生物及び病原体移動の危険性減少のために当該締約国が要求
する他の基準を満足できない場合における、港内提供バラスト水受入又は
処理施設に、もっぱらバラスト水を排出する船舶への要件
この項に従って、バラスト水受入又は処理施設の利用を要求する締約国は、
当該情報を IMO に報告しなければならない。]
[選択肢 2
規則 C-123
追加方策
1
一締約国が、単独又は他の締約国と共同で、それらの管轄下水域内への、
船舶のバラスト水及び沈殿物を通じた有害水生生物及び病原体の移動を防止、
減少又は除去のため、B 節における方策に追加した方策が必要と決定した場
合、当該単独又は複数の締約国は、船舶に対し、明示された基準又は要件を、
満足又は超えた入港条件を要求することができる。
2
締約国は、規則 C-1 の下の基準又は要件の制定に先立ち、当該基準又は要
件による影響を受けるであろう隣接又は近くの国々と協議しなければならな
い。
3
この条の第 1 項に従って追加方策の導入を意図する一又は複数の締約国は、
当該方策実施予定日の少なくとも[x 期間]前に、IMO に対し、それら国々
の追加方策制定の意図について伝達しなければならない。
4
.1
当該伝達については、IMO 策定のガイドラインに記載の標準と当該方
策の一貫性を確認している付録Ⅲに規定の情報を含まなければならない。
.2
当該方策については、第 4.1 項の標準と矛盾している場合、実施して
はならない。
一又は複数の締約国は、当該追加方策の導入においては、船舶への負担軽
減のため、実行可能な限り、すべての適切なサービスを、[実行(have in
place)][提供]しなければならない。
5
一又は複数の締約国により採用されたいかなる追加方策も、船舶の安全性
及 び 安 定 性 に 危 害 を 加 え る も の で あ っ て は な ら な い 。[ SOLAS 及 び
MARPOL との関連編入予定欄]
23
規則 A-1 第 4 項は、削除すべき。
240
6
追加方策を導入する一又は複数の締約国は、一定期間又は適切な具体的状
況下において、これらの方策を差し控えることができる。
[7
責任負担コンセプト編入予定欄]
[8
C 節方策の優先権編入予定欄]
規則 C-2
1
一定区域内バラスト水漲水及び関連旗国方策に関する警告
締約国は、既知の事情(conditions)により、バラスト水を漲水又は取入れ
てはならない当該締約国の管轄下海域について、[実行可能な限り]船員に対
し、通知[に努力]しなければならない。当該締約国は、このような通知の中
に、当該海域の正確な緯度経度を、また、可能ならば、代替バラスト水漲水海
域の位置も含まなければならない。警告は、以下の海域について発することが
できる。
.1
.2
.3
バラスト水漲水又は排出に関連するような、有害水生生物及び病原体の
突発、横行又は増加(有毒藻類ブルーム等)が知られている海域
汚水排出口付近海域
tidal flushing が乏しいか又は潮流がより汚れていることが知られてい
る時間の海域
2
第 1 項の規定に従った船員への海域通知に加えて、
一又は複数の締約国は、
IMO に対し、第 1 項で特定の海域及びこのような警告の有効期間の見込みに
ついて通知しなければならない。IMO への通知には、当該海域の正確な緯度
経度を、また、可能ならば、代替バラスト水漲水海域の位置も含まなければな
らない。当該締約国は、船員及び IMO に対し、発せられた警告が無効となる
時期についても通知しなければならない。
3
締約国は、自国旗を掲げる権利を有し、かつ、この条約が適用される船舶
に対し、実行可能な限り、IMO が策定する勧告の適切な実施促進を含め、潜
在的に有害な水生生物及び病原体並びに当該生物を含んでいるであろう沈殿
物の、取入れ、移動及び排出を回避するよう奨励しなければならない。
規則 C-3
情報の伝達
IMO は、この節の規則 C-1 及び C-2 の下に伝達された情報について、適切な
手段を通じて利用可能なものとしなければならない。]
241
D節
補足バラスト水管理実施
規則 D-1
取入れ、移動及び排出の実施
1
バラスト水を運搬するすべての船舶は、潜在的に有害な水生生物及び病原
体の、取入れ、移動及び排出の回避に、あらゆる努力を払わなければならな
い。また、当該生物を含んでいるであろう沈殿物についても同様である。
2
船舶は、潜在的に有害な水生生物及び病原体並びに当該生物を含んでいる
であろう沈殿物の、取入れ、移動及び排出の回避に努める場合は、IMO が策
定する勧告に基づいた補足バラスト水管理の適用に、あらゆる努力を払わな
ければならない。
E節
バラスト水管理基準
規則 E-1
バラスト水交換基準24
1
この条約に従ってバラスト水交換を行う船舶は、バラスト水量の 95%交換
効率をもって実施しなければならない。
2
船舶が paragraph における基準を満足していることを立証するのに用いら
れる方法は、[この附属書に含まれる][コードの中の] [機関によって承認され
た]、容認方法の 1 つでなければならない。
3
新船は、以下の要件(要列挙)25に従って設計かつ建造されなければならな
い。
規則 E-2
短期間バラスト水管理基準
選択肢 1:
1 この条約に従ってバラスト水管理を実施する船舶は、定義された生物分類
群一式の、少なくとも[95]%の除去、無害化又は不活性化を達成しなけれ
ばならない。
選択肢 2:
2 この条約に従ってバラスト水管理を実施する船舶は、サイズ[100]ミクロンよ
り大きな生存可能生物については検出可能な量を排出せず、また、[100]ミク
ロンより小さなものについては[1 リットル当たり 25 生存可能個体数の動物プラン
クトン、1 ミリリットル当たり 200 生存可能細胞数26]以下で排出しなければなら
ない。
24
25
26
この基準を E 節に含めるか、又はバラスト水管理コードに移動するのかについての検討必要
これらの要件に関する豪州及び英国(MEPC 48/2/2)提出提案については、まだ検討が必要
これらの数値については仮置きで、再吟味が必要
242
規則 E-3
長期間バラスト水管理基準
この条約に従ってバラスト水管理を実施する船舶は、サイズ[y]ミクロンより大
きな生存可能生物については検出可能な量を排出せず、また、その他の生物に
ついては濃度[z]より高濃度で排出してはならない。
規則 E-4
バラスト水処理システムのための付加規準
この条約応諾のために用いられるバラスト水処理システムについては、以下
のとおりでなければならない。
.1
船舶及び乗組員にとって、安全であること。
.2
環境上容認可能、すなわち、当該解決策より大きな環境影響を生じない
こと。
.3
実行可能、すなわち、船舶のデザイン及び運航と調和していること。
.4
cost effective、すなわち、経済的であること。
.5
バラスト水内の有害水生生物及び病原体の除去さもなければ不活性化に
関し、生物学上効果的であること。
[規則 E-5
既存設備
[規則 E-2 のバラスト水管理基準]27は、この条約発効前に、主官庁により承
認され、かつ、バラスト水管理のための新技術の試験及び評価の目的のため初
期に設置されたバラスト水管理システムを[半永久的(permanently)]に設置
している船舶には適用してはならない。当該技術には、この条約発効前に、IMO
により承認又は勧告されたものを含むことができる。]28
規則 E-6
[1
27
28
IMO による基準見直し
第 1 条に規定のこの条約の目的を満足するため、IMO は、規則 E-3 に記載
の基準達成に利用可能な適切な科学技術かどうかを見直し、最低限決定しな
ければならない。当該見直しは、この附属書適用範囲に関する決定への支援、
現存又は中間船舶のための要件の高度化、あるいは他の適用可能なパラメー
タなど、この附属書で取扱われているバラスト水管理のいかなる面について
も、適切に追加検討することができる。]
規則 E-2 の結果に照らして再吟味すべき
MEPC 48/2、MEPC 48/2/19、及び MEPC 48/WP.2 第 4.5 項に反映されている、MEPC 決議案又は
外交会議のための OCIMF 提案参照
243
[2
第 1 項に記載の見直しについては、定期的に実施しなければならない。少
なくとも、新船の規則 E-3 への応諾が求められることになる最も早い日の 2
年以上前に、以下の目的で、1 回の見直しを実施しなければならない。
(a)
達成性、費用対効果、賞味の環境利益、技術的可能性及び新船への規
則 E-3 発効日に関する決定への裏付け
(b)
小島途上国の開発要求への社会経済的効果の評価
(c)
(見直し後に含まれるべき他の事項)]
[3
MEPC は、第 1 及び 2 項に記載の見直し実施のため、単数又は複数の部会
を設けることができる。MEPC は、設置部会で取扱われる構成、付託事項及
び特定の問題点について決定しなければならない。当該部会は、MEPC での
審議のため、この附属書の改正提案を作成かつ勧告することができる。]
4
この規則に記載の見直しに基づいて、締約国がこの附属書改正の採択を決
定した場合、当該改正については、この条約第[19]条に含まれる手続きに従
って、採択かつ発効しなければならない。
F節
バラスト水管理のための検査及び証書
規則 F-1
1
検査
[固定又は浮遊プラットフォーム、FSUs 及び FPSOs を除き]この条約が
適用される 400 総トン以上の船舶は、以下に明示の検査に従わなければなら
ない。
.1
船舶就航前に、又はこの附属書規則 F-2 及び F-3 の下に要求される証
書が初めて発給される前に実施される最初の検査。
この検査は、構造、設備、システム、艤装、配置及び材料が、この条
約の適用要件遵守を十分に達成することを確保するようなものでなけれ
ばならない。
.2
この附属書規則 F-5(2)、F-5(5)、F-5(6)又は F-5(7)が適用される場合を
除き、5 年を超えない範囲で実施される、主官庁明示の更新検査。
この検査は、構造、設備、システム、艤装、配置及び材料が、この条
約の適用要件遵守を十分に達成することを確保するようなものでなけれ
ばならない。
244
[.3
[この規則第 1.4 項に明示の年次検査の 1 つに代わるべきものとし
て、]証書における、第 2 回目又は第 3 回目の検査基準日の前後 3 ヶ月
以内実施される中間検査。
中間検査は、バラスト水管理のための設備及び付帯設備がこの附属書
の適用される要件に十分応諾し、かつ、作動良好であることを確保する
ものでなければならない。当該中間検査は、この附属書規則 F-2 又は
F-3 の下に発給される証書に裏書されなければならない。]29
[.4
この規則第 1.1 項に該当する構造、設備、システム、艤装、配置及び
材料の全般的点検を含み、これらが、この規則第 9 項に従って維持され
ており、かつ、意図された船舶の運航にとって十分なものであり続ける
ことを確保するための、証書の検査基準の前後 3 ヶ月以内に実施される
年次検査。
当該各年検査は、この附属書の規則 F-2 又は F-3 の下に発給される証
書に裏書されなければならない。]30
.5
この条約遵守の十分な達成に必要な、構造、設備、システム、艤装、
配置及び材料についての、変更、交換又は重要修理の後に実施されるべ
き、状況に応じた全般的又は部分的な追加検査
当該検査は、このような変更、交換又は重要修理の効果的実施を確保
でき、船舶がこの条約要件を遵守できるようにするものでなければなら
ない。[この検査は、この附属書の規則 F-2 又は F-3 の下に発給される
証書に裏書されなければならない。]
2
主官庁は、よるこの条約の適用規定遵守確保のため、この規則第 1 項の規
定に従わない船舶に対し、適切な方策を確立しなければならない。
3
この条約の規定執行を目的とする船舶検査については、主官庁の職員が実
施しなければならない。しかしながら、主官庁は、当該検査については、こ
の目的のため任命された検査官又は主官庁が承認する組織に委託すること
ができる。
4
この規則第 3 項に記載の検査実施のため、検査官を任命又は組織を承認す
る主官庁は、当該任命検査官又は承認組織に対して、最小限、以下の権限を
与えなければならない。
29
30
.1
船舶に対し、彼等がこの条約の規定を遵守するための検査を要求するこ
と。
.2
締約国である寄港国の関係当局から要求があった場合、検査及び点検を
実施すること。
さらなる検討については、
(文書 MEPC 48/WP.2 第 2.10 項参照)
さらなる検討については、
(文書 MEPC 48/WP.2 第 2.10 項参照)
245
5
主官庁は、締約国職員への情報のため締約国に回章できるように、任命検
査官又は承認組織に付与した権限の具体的責任及び条件を、IMO に通報しな
ければならない。
6
主官庁、任命検査官又は承認組織が、船舶のバラスト水管理がこの附属書
の規則 F-2 又は F-3 の下に要求される証書の細目と一致していないか、ある
いは当該船舶が海洋環境への不当な危害脅威を形成せずに航行するのに適し
ていないと決定した場合、当該検査官又は組織は、当該船舶が応ずるための
改善措置を直ちに確保しなければならない。検査官又は組織に直ちに通告さ
れなければならず、また、通知を受けた検査官又は組織は、証書の非発給又
は取り消しを確保しなければならない。当該船舶が別の締約国港にいる場合、
直ちに寄港国の適切な当局に通告されなければならない。主官庁の職員、任
命検査官又は承認組織が、寄港国の適切な当局に通告した場合、関係寄港国
政府は、当該職員、検査官又は組織に対し、この条約第 10 条に記載のいかな
る措置をも含め、この規則の下に、彼らの責務を遂行するのに必要な助力を
与えなければならない。
7
船舶における、この条約に従ったバラスト水管理実施能力について、実質
的に影響する事故が発生するか又は欠点が発見された場合にはいつでも、当
該船舶の所有者、運航者又は責任者は、可及的速やかに、関連証書を発給す
る責任のある、この規則第 1 項で要求される検査の必要性を決定する調査を
開始すべき主官庁、承認組織又は任命検査官に報告しなければならない。
当該船舶が、他の締約国の港にいる場合、当該船舶の所有者、運航者又は責
任者は、寄港国の適切な当局に対し、速やかに報告しなければならず、また、
任命検査官又は承認組織は、当該報告がなされたことを確認しなければなら
ない。
8
あらゆる場合において、関係主官庁は、検査の完全性及び能率性を十分に
保証しなければならず、また、この義務を果たすのに必要な措置を確保する
責任を負わなければならない。
9
船舶及びその設備の状態については、当該船舶が、すべて点で、海洋環境
への不当な危害脅威を形成しない航行への適合性続行を確保できるように、
この条約の規定との一致性を維持しなければならない。
10
この規則第 1 項の下のいかなる船舶検査が完了した後、当該検査に包含さ
れている、構造、設備、艤装、配置又は材料については、[当該設備又は艤
装についての直接の交換を除き、]主官庁の認可なしで変更してはならない。
246
規則 F-2
国際バラスト水管理証書の発給又は裏書き
1
主官庁は、この附属書の規則 F-1 適用船舶に対する、規則 F-1 に従って実
施された検査が好結果をもって完了した後の国際バラスト水管理証書発給を
確保しなければならない。 一締約国の権限の下に発給された証書については、
他の締約国に受け入れられなければならず、また、本条約でカバーされるす
べての目的のために、他の締約国が発給した証書と同じ効力を持つものとみ
なされなくてはならない。
2
証書は、主官庁あるいは主官庁から正式に承認されたいかなる者又は組織
により、発給又は裏書きされなければならない。 当然のことながら、あらゆ
る場合において、主官庁は証書についての全責任を負う。
規則 F-3
他の締約国による、国際バラスト水管理証書の発給又は裏書
1
主官庁の要請があった場合、その他の締約国は、この条約に従って船舶を
検査することができる。この条約の規定が遵守されていることを確信した場
合には、証書を発給するか又は発給を承認しなければならず、また、必要に
応じ、船内の当該証書を裏書するか、又は裏書を承認しなければならない。
2
当該証書の写し及び検査報告書の写しは、当該要請主官庁に対し、可及的
速やかに送付されなければならない。
3
このようにして発給された証書は、当該主官庁の要請で発給された趣旨の
記述を含まなければならず、また、当該主官庁により発給された証書と同様
の効力を持ち、かつ、同様の承認を得たものとみなされなくてはならない。
4
非締約国旗を掲げる権利を有する船舶に対しては、証書を発給してはなら
ない。
規則 F-4
国際バラスト水管理証書の様式
当該証書の様式は、発給国の公用語で、付録に記載の様式で作成されなけれ
ばならない。当該公用語が英語、仏語又はスペイン語のいずれでもない場合、
これらの言語による翻訳を含まなければならない。
規則 F-4
1
国際バラスト水管理証書の有効期間及び効力
証書は、5 年を超えない範囲で、主官庁が明示する期間に対し、発給され
なければならない。
247
2
更新検査:
.1
この規則第 1 項の要件にかかわらず、更新検査が既存証書の終了日以前
の 3 ヶ月以内に完了した場合、新証書については、更新検査完了日から、
既存証書終了日から 5 年を超えない日まで、有効としなければならない。
.2
更新検査が既存証書の終了日以降に完了した場合、新証書については、
更新検査完了日から、既存証書終了日から 5 年を超えない日まで、有効と
しなければならない。
.3
更新検査が既存証書の終了日の 3 ヶ月以上前に完了した場合、新証書に
ついては、更新検査完了日から、当該更新検査完了日から 5 年を超えない
日まで、有効としなければならない。
3
証書が 5 年未満の期間に対して発給された場合、主官庁は、当該証書有効
日を、この規則第 1 項に明示の最長期間まで延長することができる。
ただし、
証書が 5 年間に対し発給される場合に適用されるこの附属書の規則 F-1-1.3
に関する検査が、適切に実施されたことを条件とする。
4
更新検査を完了したが、既存証書終了日前に、新証書を発給又は船内に所
持できない場合、主官庁に承認された者又は組織は、既存証書に裏書するこ
とができる。当該裏書証書は、既存証書終了日から 5 ヶ月を超えない延長期
間に対し、有効なものとして受け入れられなければならない。
5
船舶が、証書終了時に、検査予定港にいない場合、主官庁は、当該証書の
有効期間を延長することができる。しかしながら、当該延長については、当
該船舶の当該検査予定港に向けた航海成就のためのみに許可されなければ
ならない。また、当該延長の適切かつ合理性が明確な場合に限られる。3 ヶ
月を超えた期間の証書の延長はない。また、当該延長が許可された船舶は、
検査予定港への入港時に、新証書を所持せず出港するための当該延長効力の
資格を失わなければならない。当該更新検査完了時の新証書については、当
該延長許可以前の既存証書の終了日から 5 年を超えない日まで有効としなけ
ればならない。
248
6
この規則の上述規定の下に延長が許可されない短期間航海に従事する船
舶に対し発給される証書については、主官庁は、当該証書に記載の終了日か
ら 1 ヶ月までを、猶予期間として延長することができる。当該更新検査完了
時の新証書については、当該延長許可以前の既存証書の終了日から 5 年を超
えない日まで有効としなければならない。
7
主官庁が決定する特別な状況下においては、新証書の有効日については、
この規則第 2.2、5 又は 6 項が要求している既存証書の終了日からの日付と
する必要はない。これらの特別な状況下においては、新証書については、更
新検査完了日から 5 年を超えない日まで有効でなければならない。
8
この附属書の規則 F-1 で明示の期間より前に、年次検査が完了した場合、
.1
証書に記載の検査基準日については、当該検査完了日から 3 ヶ月以内の
日付にするよう、裏書により変更されなければならない。
.2
この附属書の規則 F-1 で要求されている後続の年次又は中間検査につい
ては、新たな検査基準日をもって、規則 F-1 に規定の間隔で完了しなけれ
ばならない。
.3
証書終了日については、1 回又は複数回の年次検査が、この附属書の規
則 F-1 で規定されている検査間の最長間隔を超過しないように適切に実施
されることを条件に、変更しないままとすることができる。
9
この附属書の規則 F-2 又は F-3 の下に発給される証書は、以下のいかなる
場合にも効力を失わなければならない。
.1
この条約の十分な遵守達成に必要な、構造、設備、システム、艤装、配
置及び材料について、変更、交換又は重要修理がなされたにもかかわらず、
当該証書が、この附属書に従って裏書されなかった場合
.2
船籍を転籍した場合。
新たな証書は、新たな証書を発給する締約国が、当該船舶について、こ
の附属書の規則 F-1 の要件に従っていると十分に満足した場合にのみ発給
されなければならない。 締約国間における転籍の場合は、船舶の転籍が実
施された後 3 ヶ月以内に要請があった場合に、先の船籍締約国は、可及的
速やかに、当該船舶が転籍前に保持していた証書の写しを、また可能なら
ば、関連検査報告書の写しについても、主官庁に送付しなければならない。
249
.3
.4
3
関連検査が、この附属書の規則 F-1-1 の下に明示されている期間内に完
了しなかった場合
証書が、この附属書の規則 F-1-1 に従って裏書されていない場合
当該船舶において、この条約への違反が発見された場合、検査実施締約国
は、警告、拘留、退去又はその港からの締め出しの措置をとることができる。
船舶がこの条約の規定を遵守していないという理由で、当該船舶に対しこの
ような措置をとる締約国は、当該船舶旗国の主官庁に対し、直ちに報告しな
ければならない。
以上
***
250
附録Ⅰ
国際バラスト水管理証書の様式
国際バラスト水管理証書
(公認封印)
(締約国)
船舶のバラスト水の規制及び管理に関する国際条約(以下、条約という。)
の規定に基づき発給された
の政府の権限の下に
......................
..............
(締約国名)
......................
.....
.........
(権限を与えられた者又は組織)により
以前に証書が発給されている場合、この証書が当該旧証書に取って代わる。
船舶の詳細 1
船名............................
.................................
船舶番号又は信号符字.............................................
船籍港...........................................................
総トン数............................
.............................
2
...........................
IMO 番号 ............................
バラスト水管理の詳細
用いられるバラスト水管理のタイプ.................................
設置日............................
...............................
製造業者名.......................................................
この証書は、以下のことを証明する。
1
本船が、条約第 9 条に従って検査されたこと。
2
当該検査が、船上バラスト水管理の条約附属書遵守を示していること。
.........................................
.................において発給
(証書発給場所)
.....................
..........
...............................
(発給日)
(正式に権限を与えられた証書発給者の署名)
(必要に応じて、当局の封印又はスタンプ)
1
2
代替案として、船舶の詳細を水平の箱に入れる。
決議 A 600(15)‐IMO 船舶認定番号計画に従って、この情報を任意に含むことができる。
251
検査の裏書き
ここに、条約第 9 条第 1 項に従って要求される検査において、本船が、条約
の関連規定を遵守しているものと認める。
バラスト水管理の詳細
用いられるバラスト水管理のタイプ..................................
設置日............................................................
製造名業者名......................................................
署名: ....
..........................
(権限を与えられた職員の署名)
場所: ..............................
..........................
日付: ....
(必要に応じて、当局の封印又はスタンプ)
第 X 条、第 X(X)項に従って要求される検査
バラスト水管理の詳細
用いられるバラスト水管理のタイプ.......................................
設置日..................................
...............................
製造業者名.............................................................
署名: ....
..........................
(権限を与えられた職員の署名)
場所: ....
..........................
日付: ....
..........................
252
付録Ⅱ
バラスト水記録簿の様式
船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理国際条約
船名
_________
所有者
_________
総トン数 _________
船籍
_________
船上バラスト水管理計画は __
バラスト水タンクを示す図表:
1.
IMO 番号 _____________
船種
_____________
呼出符号 _____________
全バラスト水容量 _________
期間: ____から ____
まで
序論
船舶のバラスト水の制御及び管理国際条約の附属書規則 B-1 に従って、個々
のバラスト水作業についての記録を保持すること。これには、洋上及び受入施
設への排出が含まれる。
2.
バラスト水及びバラスト水管理
バラスト水とは、船舶の、トリム、傾斜、喫水、安定性又は強度を制御する
ために、浮遊物質と共に取り入れられた水のことである。バラスト水の管理に
ついては、承認されたバラスト水管理計画に従ったものであること。
バラスト水管理記録簿への記入
3.1
次の個々の場合に、バラスト水管理記録簿に記入すること。
(a)
バラスト水漲水時
(ⅰ) 漲水日、時間及び位置(港又は緯度/経度)、港外の場合その水深
(ⅱ) 漲水推定量(m3)
(ⅲ) 作業責任士官の署名
(b)
バラスト水排出
(ⅰ) 排出日、時間及び位置(港又は緯度/経度)
(ⅱ) 排出推定量(m3)+ 残存量(m3)
(ⅲ) 排出に先立ち、バラスト水管理計画が履行されたかどうか。
(ⅳ) 作業責任士官の署名
253
(c)
受入施設へのバラスト水排出
(ⅰ) 漲水日、時間及び位置31
(ⅱ) 排出日、時間及び位置
(ⅲ) 港又は施設
(ⅳ) 排出推定量(m3)
(ⅴ) 排出に先立ち、認証バラスト水管理計画が履行されたかどうか。
(ⅵ) 作業責任士官の署名
(d)
バラスト水の偶発的又は例外的排出
(ⅰ) 発生日時
(ⅱ) 発生時における港又は船舶位置
(ⅲ) 推定バラスト排出量
(ⅳ) 排出、漏出又は紛失の状況、発生理由及び一般的所見
(ⅴ) 排出に先立ち、認証バラスト水管理計画が履行されたかどうか。
(ⅵ) 作業責任士官の署名
3.2
受領書
本船の船長、所有者又は他の責任者は、港湾受入施設の運営者から、受
領書又は排出されたバラスト水推定量を明示した証明書を獲得すること。
当該受領書又は証明書については、バラスト水管理記録簿と共に、2 年間船
内に保持すること。
3.3
バラスト水量
船上バラスト水量については、m3 で推定すること。バラスト水管理記録
簿は、多くのバラスト水推定量への言及が含まれる。 バラスト推定量の正
確さについては、解釈に任せることが認識されている
31
この記入については、上述第 3.1(a)(ⅰ)項の複写
254
バラスト水作業の記録
記録簿コード及び項目番号
(A) バラスト漲水
1. 時間
2. 漲水場所: 港又は緯度/経度 + 港外の場合その水深
3. タンク/船艙の確認
4. 漲水量(単位=m3)
(B)
バラスト排出
1. バラスト水管理計画が履行された。
.1 処理方法
.2 処理バラスト水量
2. バラスト水交換を伴ったバラスト水管理の場合
.1 方法:空/再漲水又はフロースルー
.2 交換バラスト水の%又は関連フロースルー量
.3 交換位置(緯度/経度)
3. 排出タンク/船艙の確認
4. 時間
5. 排出位置: 港又は緯度/経度
6. 排出量(単位=m3)+ 残存量
7. バラスト水管理計画不履行の理由
(C)
認証陸上バラスト水受入施設へのバラスト排出*
1. 時間
2. 受入施設の場所
3. 施設への推定排出量
(D)
バラスト水の偶発的又は他の例外的排出
1.
2.
3.
4.
5.
(E)
発生日時
発生時の船舶の場所又は位置
推定排出量
排出に先立って、バラスト水計画が履行されたか?
排出、漏出又は紛失の状況、発生理由及び一般的所見
追加運用手順及び一般的所見
255
事例
船名:
M/V Eversail
公式番号: XXXXX
日付
コード
1/15/00
C
1/18/00
B
項目
1
2
3
1
1.1
1.2
3
4
5
6
作業記録/責任士官の署名
1845
ロスアンジェルス港
J. Smith
1,000m3
Yes
分離及び紫外線
1,100m3
フォアピーク、アフターピーク及び 5P ウィング
1125
ニューオーリンズ港
1,200m3
K. Long
バラスト水管理記録簿ページ見本
船名: _________________
日付
コード
IMO 番号.:______________
項目
作業記録/責任士官の著名
***
256
Ⅲ
参
考
(104、欠)
Ⅳ
む
す
び
む す び
近年、IMO(国際海事機関)で審議が行われている新条約・規則の策定や既存規則の改正作業等、
海洋汚染防止に係る国際的動向はめまぐるしく変化している。
長年にわたり未発効の状態が続いていた「海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)」の附属書Ⅳ
は、本年(平成15年)9月に発効を迎える予定である。また、附属書Ⅵについても本年中に発効要
件が満たされる見通しであるという。
「船舶のバラスト水及び沈殿物の制御管理に関する国際条約」も、バラスト水処理基準の問題
など重要な課題が残されているものの、その策定作業は大詰めを迎えている。
トリブチル・スズ等を含む有機スズ系船舶用塗料(TBT舶用塗料)等の使用を規制するための新
条約「船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際条約」も、2002年10月、すでに採択さ
れた。
「OPRC条約」に関しては、2000年3月に「HNS議定書」が採択され、従来、油の海上流出事故へ
の準備及び対応を内容としていた同条約は、ばら積み輸送される有害・危険物(HNS)の流出事故
も対象とすることとなった。
船舶のリサイクルによる環境影響及び船舶からの温室効果排出防止の問題も本格的な検討が進
められている。
さらに、1999年12月のフランス沖でのエリカ号、2002年11月のスペイン沖のプレスティージュ
号等、重大油流出事故の発生は後をたたず、新たな規則の導入や既存規則の改正等の引き金とな
っている。
このような状況下、IMOでの審議は今後さらに加速され、かつ、多岐にわたることが容易に予想
され、それに伴い本事業の重要性が増すものと思料される。