レポート 2016 年 7 月 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」 プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 執筆者 ピアフランチェスコ・マネンティ (Pierfrancesco Manenti) SCM World 調査担当バイスプレジデント ピアフランチェスコは現在、SCM World でサプライチェーン管理および製品ライフサイクル管理にお ける製造・生産業務と設計に関する調査活動の責任者を務めており、 自動車、機械、航空宇宙、 ファッ ション・アパレル、 消費財(CPG) 、 ハイテクなどを含む製造業に影響を及ぼす重要な課題や傾向に関し、 代表的なグローバルメーカーや専門 IT ベンダーに洞察の提供やコンサルティング、助言などを行って います。 製造業務やサプライチェーン戦略に関する調査、コンサルティング、IT ソリューションの領域で 20 年 以上の業界経験を有し、特に製造業におけるテクノロジーのビジネス価値を専門にしています。SCM World に入社する前は、IDC Manufacturing Insights 社で欧州・中東・アフリカ( EMEA )地域 の責任者として EMEA に関する調査業務を統括し、同社が展開する Operations Technology Strategies アドバイザリーサービスのグローバル責任者も務めました。 また、欧州を拠点とする SCM ソフトウェアベンダーの TXT e-solutions 社にも 13 年間にわたって 在籍し、自動車業界担当マネージャー、製造業界担当のビジネス開発ディレクター、英国業務担当 ディレクターなどの役職を歴任しました。さらに、それ以前にはイタリア国防省で 2 年間勤務した経験 もあります。 イタリアのピサ大学でコンピューターサイエンスの学士号と修士号を取得。現在はミラノとロンドンを 拠点に活動しています。 この文書は、SCM World が実施した 1 次調査の結果をまとめたものです。SCM World の方法論は、事実に基づく客観的な調査を提供し、 刊行時点で利用しうる最善の分析を示しています。特に明記しないかぎり、本刊行物の内容は SCM World が著作権を有し、いかなる形態ま たは手段の如何を問わず、 SCM World から事前に書面で同意を得ることなしに複製、配付、アーカイブ化、送信することを禁じます。 © 2016 SCM World. All rights reserved. 目次 エグゼクティブサマリー 5 はじめに 6 製品の個別化がもたらすビジネスチャンスの開拓 8 製品の個別化に向けた主な戦略 10 ビジネスのデジタル化は必須条件 18 まとめと推奨事項 26 この調査について 28 関連資料 29 4 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 エグゼクティブサマリー 製品をカスタマイズし、顧客 1 人ひとりが求める極めて限定的な このレポートで報告する分析結果は、SCM World が 2016 年に ニーズに応じられるようにすることは、今やどの企業においても将 実施した調査データに基づいています。その中でも、大きな注目 来の競争力を担保するための必須要件となりつつあります。これ に値するポイントとして以下が挙げられます。 は多くの組織にとって、既存のビジネスモデルや業務プロセスの 根本的な見直しを意味するため、実現が極めて困難な課題とい えます。 • 組織の大多数(90%)は、顧客が製品の個別化に一定の価値、 または高い価値を見いだしていると感じています。 このレポートでは、顧客に応じて製品を個別化する重要性につい • とはいえ、調査回答者の 74% は顧客が真に価値を見いだし、 て検討し、その実現に向けて克服しなければならない主な障壁 出費をいとわない対象を明確に理解することは、特に間接的 を明らかにするほか、企業が個別化された製品を適正なコスト な顧客の場合は難しいと感じています。 の範囲内で製造するために積極的に活用している、あるいは試 験運用 / 評価を行っている現在・将来のビジネス戦略について 分析します。また、製品の個別化という戦略に乗り出したいと考 えるビジネスリーダーに向けた推奨事項も示します。 このレポートで明らかになった主な知見は、以下のとおりです。 • 将来にわたって競争力を維持し続けるためには、もはや製品 の個別化が不可欠です。顧客の多くは個別化された製品に • 製品の個別化というイニシアチブに投資する目的の多くは競 争力の強化にあり、組織の約 30% は先行企業になることを目 指しています。 • 製品の個別化をサポートするために最も有効と考えられてい る戦略は製品のプラットフォーム化で (回答者の 42%) 、これ に続くのは製品の最終構成の決定をできるだけ延期するため の柔軟性の確保と組織の統合化です。 価値を見いだしており、 企業は製品のカスタマイズ機能が今後、 ビジネスの差別化要素としてますます重要になっていくことを 理解しています。 • デジタルサプライチェーンとスマートな生産環境が新たな戦 略として注目を集めるようになっており、現時点においてそれ ぞれ組織の 50% と 43% が評価または試験運用に着手してい • その中で現在、大きな課題となっているのがカスタマイズに 要するコストの削減です。企業は製品のプラットフォーム化 戦略や、最終的な製品構成の決定をできるだけ延期(ポスト ポーンメント) するための柔軟性の確保、統合化された組織の ます。 • 現在、28% の組織が個別化された製品のデジタル在庫を構 築する方法として、3D プリンターの試験運用を行っています。 構築を通じて、実現可能なコストでカスタマイズが行える機 能を確立しようとしています。 • このような競争力の向上に大きく貢献するのがデジタル化 です。ビジネスのデジタル化は、 コネクテッドデバイスとスマー トな生産施設によって、製品の個別化を長期的に実現するた めの有効な手段となります。デジタル化は、個別化された製品 の設計、生産、サービス提供を市場の需要と連携しながら加 速させることができます。 2016 年 7 月 5 はじめに 「お客様は、 お好きな色のクルマをご購入いただけます。それが黒 このような顧客の購買行動を急速かつ大きく変革する原動力と であればの話ですが」 。これはヘンリー・フォードが大成功を なっているのは、今日におけるテクノロジーの普及です。人々の日 収めた T 型フォードという自動車について語った有名な言葉です。 常生活のあらゆる領域にテクノロジーが浸透し、それを活用して これは当時の革新原則であった大量生産を象徴しています。ヘン 生活の質を高め、同じ作業を短時間で行えるようにすることも実 リー・フォードは、便利な製品を利用したいと渇望する急成長中 に簡単になっています。豊富な情報と選択肢を活用できるように の大衆市場に向けて、全く同じ T 型を何百万台も生産しました。 なったことで、消費者の購買に関する期待は劇的に変化しており、 というのも、 当時、車の色はそれほど問題ではなかったのです。 高度にパーソナライズされた商品を複数のチャネルを通じて最 短時間で受け取りたいというニーズがますます高まっています。 それから 100 年以上が過ぎた今、BMW が自他共に認める受注 生産(BTO) のリーダーとなっており、 これは顧客が購入するクル マの仕様を自分好みに構成できるだけでなく、2 週間から 6 週間 で納車されるというアプローチです。顧客は 11 の車種、36 のボ 1| 製品の個別化に価値を見いだす顧客 貴社の顧客は製品の個別化に価値を見いだしていますか? ディタイプ、それと同じくらい豊富に用意されたエンジンタイプ、 10 ほぼ無限にあるさまざまなオプションから自由に選択することが 高い価値を見いだしている できます。BMW では最近 BTO の自由度をさらに高めて、自分 仕様のクルマをデザインできるという BMW Individual というプ ログラムも開始しました。 37 53 一定の価値を見いだしている 価値を見いだしていない BMW Individual Collection サービスでは、エクステリア / イン テリアから素材の選択まで、どのような要素についても顧客自身 がデザイナー兼エンジニアとなり、 BMW Individual Manufaktur プログラムのスペシャリストが熟練の技によってそれを現実化し 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、 2016 年 2 月 回答者(総数 154 名) に 対する割合 ます。 今日の企業は、 よりパーソナライズされた製品を求める顧客のニー 状況の変化 ズに大きなプレッシャーを感じています。SCM World の「Value Chain 2020」調査に回答した組織の 90% は、顧客が製品の個 現在の顧客は 10 年前と比べて商品知識がはるかに豊富で、 サー 別化に一定の価値、 または高い価値を見いだしていると感じてい ビスや製品の優れたイノベーションに対する期待も高まっていま ます。また、SCM World の調査レポート 「顧客志向のサプライ す。Amazon、Uber、Instacart などに代表される便利なサービ チェーン:さらなる優位性の拡大を目指すオムニチャネルのリー スを当たり前のように考える顧客は、スマートフォンをタップする 1 ダー企業」 で指摘したように、 「顧客志向とオムニチャネルの実 だけで欲しい商品を何でも購入でき、商品を受け取る日時や場 現を目指すサプライチェーンの変革は、本格的な競争の段階へ 所も自由に指定できるようになっています。それだけに顧客の好 突入しています」 。 みは千差万別で短気にもなりがちで、 どのようなニーズも完璧に 満たしてくれる無限の選択肢を期待し、 しかも比較対象となる標 準的な大量生産品よりも高い価格は受け入れなくなっています。 6 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 企業における対応の現状 ファッションの世界を見ると、買い物客は Nike のトレーニング また、 パーソナライゼーションは産業向け B2B 環境においてもト シューズ、Brooks Brothers のスーツ、Burberry のトレンチコー レンドとなっています。eMachineShop、Local Motors、Fast ト、Longchamp のバッグを独自にデザインできるようになって います。このチャンスを Nike では NIKEiD というイニシアチブを Radius などが先行企業として知られ、その業態は従来の製造業 向けサプライヤーよりも e-コマースビジネスに近似しているよう 通じて活用しており、個人顧客がトレーニングシューズの性能と です。たとえば、最後に挙げた Fast Radius ではデジタル製造 スタイルをカスタマイズしてオンラインで購入することができます。 サービスを提供してオンデマンド型のパーツ製造を実現していま また Burberry では、顧客が Burberry Bespoke というオンラ す。完全に自動化された同社の生産施設は 24 時間 365 日稼働 インサービスを通じてスタイル、素材、色、 アクセサリーを選択し、 しており、運用に必要な従業員はわずか 3 人です (8 時間単位の 独自に個別化したトレンチコートを仕上げることができます。 シフトごとに 1 人) 。3D プラスチック / 金属プリンティングテクノ さらに、企業はテクノロジーを活用することで、新たな次元の個 び高速射出成形機能を持った工作機械が 100 台もずらりと並 別化も追求できるようになっています。たとえば、Coca-Cola の ぶ製造施設は、もはや旧時代の面影はなく、1 点もののワンオフ Freestyle という自販機では、消費者が同社ブランドのソーダ パーツにも、何千個単位の大量生産にも対応できる極めて高い ロジーや CNC(コンピューター数値制御) による機械加工およ 製品にさまざまな種類の追加フレーバーを選んでミックスし、独 柔軟性を備えた設備であることを物語っています。顧客は同社 自の飲料を作ることができます。このマシンは IoT(モノのインター の Web サイト上で新しいプリントジョブを作成し、パーツの ネット) に接続され、製品の消費状況に関するリアルタイムな情 CAD 図面をアップロードして素材や色、必要な生産数、生産上 報を同社にもたらしています (21 ページの活用事例を参照) 。ま の優先順位を選択するだけで発注できます。また、UPS との提 たテニスラケットのメーカーである Babolat は、ラケットにセン 携を通じて (16 ページの活用事例を参照)発注したパーツの翌 サーを組み込んでプレーヤーのスイングをモニタリングし、パ 日配送も可能にしています。 フォーマンス改善のアドバイスをするサービスを提供しています。 同様に Under Armour も、心拍数、代謝、姿勢、肺活量などアス リートのパフォーマンスを測定するセンサーが組み込まれたコン プレッションウェア (適切な着圧でさまざまな効果を生む機能性 スポーツウェア) を開発・販売しています。収集されるデータは、 トレーニングコーチがアスリートの過労や怪我を防ぎながら練 習量を調整するのに役立つほか、スタジアムの大型スクリーンで 観客にも見せることで、 これまでにない新たなカスタマーエクスペ リエンスを創出することも可能です。 2016 年 7 月 7 製品の個別化がもたらす ビジネスチャンスの開拓 企業が成功を収めるためには、今後数年間でスピードやパーソ ナライズといった要求に適切な価格設定で対応していかなけれ 2| 将来の競争力を担保するための必須要件 貴社のサプライチェーンを競合他社と比較した場合、 以下の投資に関する戦略をどのように評価しますか? ばなりません。スピードにスピードで対応することは、急速に変化 する予測が困難な需要を満たす上で効果を発揮します。また、 収益を確保しながら製品を個別化できれば、ニッチな市場や多 様な顧客グループがもたらすチャンスの開拓にもつながります。 製品のカスタマイズ / 製品の個別化 14 27 30 29 リソース不足の管理 そのためには、バリューチェーンを構成するすべての企業が個別 化された顧客ニーズにより迅速に対応する方法を、競合他社よ りも先に学ばなければなりません。需要の動向をより深く理解し、 新製品を短期間で市場に投入し、 また「ロットサイズ・オブ・ワン」 生産における収益性の確保が不可欠となります。これはまさに、 全く新しいビジネスモデルの創出といえるものであり、製造に対 する従来のアプローチ (効率的な生産プラントを拠点とする大 量生産) は実際、 こうした市場の変化に対応するための手段とし てはもはや適切とはいえず、企業はますますこの兆候を自覚する 9 26 44 21 顧客セグメンテーション 15 23 41 21 顧客収益性分析 26 20 39 15 シェアリングエコノミーの収益源化 27 42 23 8 ようになっています。 製造企業はパーソナライズされた製品に関する顧客の要件を、 そのまま生産機能へと直結できなくてはなりません。そのために は組織全体の俊敏性を高めるとともに、工場ではリードタイムの 短縮に対応できるよう柔軟性の改善が求められるでしょう。こう した変化が向かう先こそが将来のフルフィルメントに対するアプ サプライチェーン部門の責任ではない 後発企業 早期追随企業 先行企業 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、 2016 年 2 月 回答者(総数 155 名) に 対する割合 ローチであり、そこでは特別にカスタマイズされた革新的な製品 が 1 個からでもオンデマンドに生産でき、顧客に提供されるとい うものです。 製品の個別化を妨げる障壁 組織はこうした課題を真 に受け止めており、製品のカスタマイ Jack Daniel’s は、高度に個別化されたハイエンドな「Single Barrel」ウィスキーを、米国テネシー州リンチバーグの歴史的な ズがもたらす価値だけでなく、 こうした機能が近い将来には競争 の主戦場となることも認識しています。当然、何らかの対策に乗 蒸留所にある小さなワークショップで生産しています。このウィス り出す準備も整えています。 キーは高度にカスタマイズされた消費者体験を創出することを 目的に考案された商品であり、 番号、瓶詰日、貯蔵棚番号を記 「Value Chain 2020」調査に回答した組織では、自社のサプラ 載したネックバンドがボトル 1 本 1 本に付属しています。それだ イチェーン機能を競合他社と比較する中で、投資を計画している けでなく個々のボトルの外観は元になった ごとに変えてあり、 主要な戦略に製品のカスタマイズと製品の個別化を挙げており、 瓶詰め、密封、ラベル貼りもすべて手作業で行われています。こ 投資の理由として回答者のほぼ 30% が製品の個別化で先行企 の製品を生産するために、同社では完全手作業の専用ボトリン 業になりたいためと回答し、この割合はほかのどのような戦略よ グラインを新設する必要がありました。これほど特別なハイエン りも大幅に高くなっています。彼らは製品の個別化こそが、将来 ドな製品であれば、追加コストを投じる価値は十分にあります。 の競争力を担保するための必須要件であると確信しており、 この このような製品を大量生産用の工場で生み出すことはまず不可 点で妥協したくないと考えているのです。 能であり、その一方で同社の主力ウィスキーである OLD NO.7 8 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 (日本での製品名「ジャックダニエル ブラック」) は、標準的で完 業種を問わず、多くの企業が大量市場をターゲットとしたビジネ 全に均一なフレーバーで工場の高速ボトリングラインにより何 スモデルでは、パーソナライズされた品目を求める需要の増大に 百万本も生産されています。 収益を確保しながら対応するのは不可能であることを自覚してい ます。 こうしたカスタマイズされた高価なハイエンド製品と一般市場向 けの安価な大量製品の二極分化はごく当たり前のことであり、企 • 今日のサプライチェーンの大部分は依然として基本的にプッ 業を製品の個別化への対応に向かわせる典型的な課題となって シュ型モデルに基づいていますが、製品を個別化するためには います。製品の個別化を実現する上での最大の障壁は、 ほとんど 完全なプル型モデルでなければなりません。 の場合、既存のサプライチェーンが効率よくそれを処理できてい ないということが挙げられます。だからこそ、Jack Daniel’s でも 個別化された Single Barrel ウィスキーを生産するために、完全 手作業のボトリングラインを新設しなければならなかったのです。 • 生産施設の大半は大量生産向けに設計されており、生産能力 をほぼ 100% 活用できる場合にのみ収益性を確保できると考 えられています。そもそも、製品の個別化を求める顧客の需要 に対応できるかどうかは最初から想定されていません。 調査結果を見ると、製品の個別化を妨げている主な障壁(「ロッ トサイズ・オブ・ワン」で製品を生産する能力と、製品のカスタマ イズに関連するコスト) が明確に絞り込まれています (図 3) 。 • 想定外の需要に対応することは考慮せず、事前に取り決めた 数量の製品を生産するだけの契約となっているサプライヤー と取引する場合、製品の個別化はさらに難しくなります。 3| 製品の個別化を妨げる障壁 したがって、 Jack Daniel’s は製品の個別化の典型的な例とはい 貴社にとって製品の個別化を妨げている主な障壁は何ですか ? えません。個別化に向けた取り組みは限定商品、 ハイエンド製品、 贅沢品だけのものと位置付けるべきではなく、ほとんどのビジネ 「ロットサイズ・オブ・ワン」で製品を生産する能力 21 25 54 スや製品タイプにとって経済的に見合う選択肢でなければなら ないのです。個別化された製品の投入は、販売やマーケティング のプログラムを導入すれば済むものではありません。ビジネスモ カスタマイズのコスト 12 38 50 実現を支援するテクノロジーが存在しない、 または高コストすぎる ヤー管理、 ロジスティクス、製造、提供モデルまで、会社の業務プ ロセスを首尾一貫して変革することが求められます。 21 43 36 デルの根本的な変更という課題であり、製品の設計からサプライ サプライチェーン機能(計画、調達、生産、提供)間のコラボレーション 15 49 36 カスタマイズの設計能力 22 46 32 顧客が製品の個別化に価値を見いだしていない 10 重大な障壁 53 37 軽度の障壁 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、 2016 年 2 月 2016 年 7 月 障壁ではない 回答者(総数 174 名) に 対する割合 9 製品の個別化に向けた主な戦略 製品を個別化するためには、 ビジネスモデルと業務プロセスを根 本的に変革する必要があります。こうした変革を実現してこそ、 4| 製品の個別化をサポートする戦略 製品の個別化を促進させるために自社がすでに投資しているか、 あるいは 今後投資する予定である戦略のうち、最も有効と考えているのは何でしょうか ? 「ロットサイズ・オブ・ワン」で製品を生産する能力や、 カスタマイ ズコストの負担と収益性の両立など、製品の個別化に立ちはだ 製品のプラットフォーム化 かる主な障壁を克服できるようになります。これは一朝一夕で実 現できる変化ではなく、 こうした機能の活性化に向けて全社規模 で複数のステップを踏んでいく必要があります。 「Value Chain 2020」調査では、製品の個別化に対するサポー パッケージングの延期 • 製品のプラットフォーム化は、製品の個別化をサポートするた めの戦略として現時点で最も有効と考えられており、すでに積 • 延期(ポストポーンメント)戦略(パッケージングまたは製造 のいずれかを延期) と組織の統合化は、どちらも現在 4 分の 1 を超える回答者が導入しています。さらに、 それより多くの組織 (37% から 43%) がこれらの戦略の導入を計画しており、両者 を合わせると製品の個別化をサポートする戦略として関連性 27 38 43 26 デジタルサプライチェーン 50 22 スマート製造 /Industry 4.0 フォーム化を評価または試験運用中で、この戦略は現在およ び将来に最も有効と考えられるものの 1 つとなっています。 37 製品開発、販売、 サプライチェーンに関する部門の統合 極的に活用しているという回答が最大の割合(42%) を占めて います。これとは別に 29% の組織も現在、製品のプラット 28 組立の延期 トを強化するためにすでに投資している、あるいは今後投資する 予定の各種戦略に関する現状を質問しました (図 4) 。 29 42 43 10 3D プリンティングを通じたデジタル在庫 1 28 現在すでに積極的に活用 選択肢を評価中 / 試験運用中 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、 2016 年 2 月 回答者(総数 153 名) に 対する割合 が高いと考えられていることが分かります。 • デジタルサプライチェーンとスマート製造の 2 つは緊密に結 調査結果を詳細に検討すると、 戦略を 2 段階で導入するアプロー びついている戦略であり、 コネクテッド製品とインテリジェント チによる取り組みの方向性が浮かび上がってきます。企業はまず、 な工場を生み出す取り組みです。しかし、どちらも組織におけ 製品の個別化を導入するための基盤となる機能を確立しなけれ る現在の導入状況を見ると少数派で、それぞれ 50% と 43% ばなりません (プラットフォーム化、最終的な構成決定の延期、 の組織が現時点では評価または試験運用の段階にあります 組織の統合化など) 。次に、この基盤を生かして競争を勝ち抜く 上で役立つ一連の差別化機能を開発しなければなりません (デ (それだけ関心度が高いのは事実です) 。 ジタルサプライチェーン、 スマート製造、 。 3D プリンティングなど) • 3D プリンティングを通じたデジタル在庫の構築は現在の導 入状況を見る限り、いまだ初期段階にあります。とはいえ、 28% が現時点で評価または試験運用の段階にあり、この選 択肢を企業は慎重に検討していることがうかがえます。 • 基盤機能:プラットフォーム化と製品構成の延期は、個別化さ れた製品を生み出すための「物理的」な機能となり、組織の統 合化はそれを支える構造的な変化をもたらします。交換可能 なモジュールを組み合わせるプラットフォームベースの製品は、 製品の最終構成の決定を延期するための柔軟性を確保するこ とによって、極めて特殊な注文内容にも対応できます。縦割り 管理を打破して組織の統合化を実現(製品開発、販売、 サプラ イチェーンの各部門が一体となって機能) することは、設計 製造 - サービスのプロセスを合理化し、製品の個別化と収益 性を両立させるための唯一の方法となります。 10 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 製品のプラットフォーム化 • 差別化機能:デジタルサプライチェーンとスマート製造はデジ タル時代に対応する戦略であり、環境を完全にデジタル化す ることによって製品の個別化に必要な柔軟性、高速性、収益 製品のプラットフォーム化とは、標準モジュールと共通コンポー 性を実現します。デジタルサプライチェーンでは、 コネクテッド ネントに基づいて製品を設計・開発できる機能です。この戦略で 製品と、製品をリモートでモニタリングおよびカスタマイズで は、1 つのプラットフォームと顧客の特定ニーズに対応する交換 きる機能とが組み合わせられ、真の需要を把握するためのカギ 可能なモジュールを組み合わせることにより、製品の複雑さを軽 となる顧客の可視化とも連携します。スマート製造では、俊敏 減しながら個別化を実現できます (図 5) 。 でインテリジェントな工場とサプライチェーンを組み合わせ、 さらに IoT とビッグデータアナリティクスによる最新テクノロ プラットフォームの定義は業種によって異なります。たとえば自 動車業界では、 典型的なプラットフォームといえばシャーシ (車台) ジーを活用します。 であり、これに対して外装色、内装のトリム、ほかの豊富なオプ 以下では、組織が実際に導入している、 あるいは評価中の主な戦 ションなどは最終製品の特徴を決定するコンポーネントです。化 略について詳細に検討します。 学業界の場合は、大量生産品のレシピ (製法) をプラットフォーム と考えることができ、最終的な特殊化学製品を製造するための 添加物がコンポーネントとなります。また大量生産の消費財では、 異なる消費者グループや販売チャネル向けのさまざまな種類の パッケージングをプラットフォームと呼ぶ場合があります。 5| 製品のプラットフォーム化の説明 顧客グループ A 1 つのプラットフォームに 多くのモジュールを 組み合わせて、多品種の 最終製品を大量に作成 顧客グループ B 顧客グループ C モジュール モジュール モジュール モジュール モジュール モジュール 3 N 1 2 4 N プラットフォーム プラットフォーム ごく少数の 標準プラットフォームを開発 最小数の標準コンポーネントを 使用して最小数のモジュールを 作成 顧客グループ N プラットフォーム プラットフォーム モジュール モジュール モジュール モジュール モジュール 1 2 3 4 N 出典: SCM World 2016 年 7 月 11 製品のプラットフォーム化は自動車業界ではごく一般的な取り プラットフォーム化は、サプライチェーンにも大きな影響を及ぼ 組みで、特に欧州では 10 年以上前から車両の大規模なカスタ します。製品のモジュール化を受けて生産プロセスもモジュール マイズ生産がスタンダードとなっています。業界で最も完全なプ 化が進み、またサプライチェーン工程のセグメンテーションが可 ラットフォーム化を実現しているのは、おそらくVolkswagen で 能になるため、企業は各ステップの実行の場所と時間を選択で しょう。同社では製品の特徴を柔軟に設定し、顧客の特定のニー きるようになります。そのため、プラットフォーム化はより効率的 ズに対応できるようになっています。2012 年に MQB(Modularer な製造フットプリント戦略を可能にし、 さまざまなプラットフォー と呼ばれるプラットフォームを導入したことで、 Querbaukasten) ムやモジュール生産における工場の専門分化・分散化が可能に エンジンも交換可能なモジュールとなり、顧客は内燃機関から なります。大規模かつ効率的ではあるが、柔軟性がそれほどでも 電気モーターまで最適なエンジンを選択することも含め、クルマ ないプラントは標準のプラットフォームやモジュールの大量需要 を完全にカスタマイズすることが可能になっています。 に応じるために活用し、その一方で小規模かつ高コストの可能 性はあるものの、柔軟性や需要への対応力に優れたプラントでは このコンセプトは自動車業界以外でも、一般消費財( CPG )か プラットフォームとモジュールの最終組立をオンデマンドで行う らハイテクまで幅広い業種で成功を収めており、 Lego、Unilever、 といったような棲み分けができます。 Samsung、HP、Haier など多くの企業が導入しています。たとえ ば Lego のフィギュアは、胴体、脚、腕、手、頭と髪、 さらに装飾品 中国に本拠を置くHaier(世界最大の家電メーカーの 1 つ) では という交換可能なモジュールの組み合わせであり、各モジュール 現在、家電製品のカスタマイズに意欲的に取り組んでおり、 これ は独立して設計、計画、生産され、最終的な構成段階で初めて組 を実現するためにビジネスモデルの根本的な変革を推進してい み合わされます。これによって同社では、たとえば笑顔の頭部を ます。この戦略は製品のプラットフォーム化と、製品の設計およ 何個作るかなど、最新の小売受注を生産計画に反映することが び製造をシームレスに連携させる能力に基づいています。製品の できます。製品のプラットフォーム化によって、同社では製品開 プラットフォーム化が製品のカスタマイズを可能にする製品設計 発と製造を顧客向けのフルフィルメントから切り離せるようになり、 手法の基盤であるとすれば、 そうした設計を現実化するのがスマー その結果として研究開発と製造コストを大幅に削減し、顧客ニー ト製造です (次ページの活用事例を参照) 。 ズに対応するための柔軟性を向上させています。 12 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 企業による活用事例 製品のプラットフォーム化を通じた Haier のビジネスモデル変革 Haier Group は、中国を拠点に家庭用電子機器と家電製品を 研究開発:製品のプラットフォーム化によってエンジニアは少数 製造販売する多国籍企業です。世界の代表的な家電ブランドと のコンポーネント、モジュール、 プラットフォームに集中すればよ 認知されている同社の全世界の売上高は、2014 年に 321 億ド いため、 イノベーションに取り組みやすくなり、 また開発期間の短 ルに達し、世界での市場シェアは 10% を超えています。 縮にもつながります。 グローバルで事業を展開する Haier は、世界各国の市場に独自 サプライチェーンと製造:モジュールが標準化され、数も減るこ の製品を効率よく投入し、製品の過剰な複雑さを防ぐとともにグ とで、ソーシングの単純化、生産量の増加、サプライチェーン構 ローバルな需要に対応していける能力を開発する必要がありま 造の最適化を通じて、卓越した業務効率(オペレーショナルエク した。航空宇宙・防衛や自動車などほかの業種から学んだ同社は、 セレンス) を達成しやすくなります。 2009 年に製品のプラットフォーム化に向けた取り組みを開始し、 2014 年には完全導入を果たしました。 販売とマーケティング:標準モジュールを組み合わせることによっ て、差別化した製品を生産することができます。これを異なる顧 これにより、Haier は製品を再編成して複雑さを軽減し、現在は 客グループ・市場に手ごろな価格で提供し、販売量、収益、顧客 以前よりも極めて少数のコンポーネントを管理しながら、さらに ロイヤルティを向上させることができます。 標準モジュールも削減しました。しかも、交換可能なモジュール を組み合わせることによって、以前よりもはるかに幅広い完成品 コスト削減の手段として始まった取り組みが、現在ではビジネス を生産できるようになっているのです。 モデルを完全に変革するほどのプログラムへと移行し、 その結果、 Haier ではカスタマイズされた家電製品を提供する機能が確立 プラットフォーム化が特に効果を発揮するのは、冷蔵庫のように されています。 市場間で特徴が大きく異なる製品タイプの管理です。北米の冷 蔵庫は一般にアジアより大型で、北欧では背の高いタイプが主 このプログラムで Haier が成功できた理由には、製品のプラット 流です。プラットフォーム化を通じて Haier は、全市場向けの標 フォーム化戦略だけではなく、製品設計と製造をシームレスに連 準冷蔵庫プラットフォームを設計する一方で、標準モジュールを 携させる能力があります。製品のプラットフォーム化が製品のカ 組み合わせて製品を構成することにより、特定の市場ニーズにも スタマイズを可能にする製品設計手法の基盤であるとすれば、 そ 対応できるようになっています。 うした設計を現実化するのがスマート製造です。Haier の組立ラ インでカスタマイズされた家電製品を効率よく生産できるのは、 製品のプラットフォーム化を導入したことで、Haier は収益性を これらがモジュール化され、製品プラットフォームの構造を反映 高め、コスト削減を実現しました。製品のプラットフォーム化は しているからです。Haier では柔軟な自動化とロボット化によって 単に製品開発の効果的な方法であるだけでなく、複数の業務領 最終組立で使用するモジュールを、わずか 20 秒で別のモジュー 域にメリットをもたらす原則にもなっています。 ルに切り替えることができます。 2016 年 7 月 13 製品の最終構成の決定を延期するための 柔軟性の確保 製品をプラットフォーム化することによって、企業は製品構成の 組織は製品の最終構成の延期を通じて、個別化された製品の生 最終決定を延期(ポストポーンメント) するための柔軟性を確保 を導入できます。メーカーは、 産に 「プッシュ / プル」戦略(図 6) することができます。つまり、製品の需要が確定、 あるいは顧客か プラットフォームと重要なモジュールの内製に集中する一方で、 らの受注が入ってくるまで製品を完成させない手法であり、製品 最終構成はサードパーティーの工場または顧客に近い小売企業 の完成を受注後に延ばすことによって個別受注への迅速な対応 のネットワークによって、 オンデマンドで実施することが可能にな が可能になります。モジュール方式のプラットフォームに多くの ります。最終構成の延期機能と、需要源との近接性を組み合わ 標準コンポーネントを組み合わせてオンデマンドで製品を構築し、 せることにより、顧客に一層近いところでカスタマイズが行えるよ 顧客の特定の要件に基づき必要な機能や特徴を製品に盛り込 うになるのです。 めるからです。 延期戦略を活用することで、GoPro、Coca-Cola、Zara などの 最終構成の決定を受注後に延ばすことが可能ということは、 メー 企業はフルフィルメントに関する顧客のニーズにより正確に対応 カーは完成した製品の在庫を大量に抱え込むリスクを負うこと しながらも、在庫維持コストの削減、最終製品の売れ残りにかか なく、顧客の特定のニーズに極めて俊敏に対応できることを意味 るリベートの回避、不良品や陳腐化のリスクの軽減といったメリッ します。同時に、 プラットフォームと共通コンポーネントはすでに トも実現しています。 生産 / 調達済みで、かつ最終構成の段階ですぐに利用できる状 態となっているため、受注から納入までの期間も短縮できます。 (消費者はサーフィン、 GoPro は幅広い機種のウェアラブルカメラ このモデルでは、 プラットフォームと共通コンポーネントの生産 / ドライブ、 スカイダイビングなどをしながらライブ画像を撮影でき ソーシングにかかるリードタイムは、受注から納入までの時間に る) を製造販売しているメーカーですが、 これまでの中国における 含まれていません。顧客側からすると迅速な納入というメリット 集中管理型の製造拠点に基づくフットプリント戦略から、延期機 があり、メーカー側は最終製品が陳腐化するリスクおよび手元 能を備えた複数のセンター (米国カリフォルニア州、 オランダ、 シン 在庫の維持コストを軽減できるという 2 重のメリットがあります。 ガポール) を活用した分散モデルへの移行を果たしました。大量 6| 延期機能を通じたプッシュ / プル戦略 プッシュ 大量生産 プル プッシュ / プル ポイント 最終構成の延期 製品のプラットフォーム化 出典: SCM World 14 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 生産のカメラ、アクセサリー、パッケージングが中国で独立して 場投入を控えた新製品は多くの場合、製造可能性の低さや適切 計画・製造され、延期センターに出荷されます。 「プロダクトミッ なサプライヤー機能を簡単に見つけられず、結果的に市場投入 クス」に関する意思決定は需要の発生地点に近い地域で行われ、 までの期間とカスタマーエクスペリエンスに深刻な影響を与える 延期センターが最終的な構成とパッケージングを行うことで顧 ことになります。製品の個別化が急務である現在の状況において、 客のフルフィルメントのニーズにより適切に対応しています。 こうした問題は製品のさらなる多様化、市場投入の短期間化、生 産数量の低下などによってさらに深刻化しかねません。 Zara のファストファッション機能を実現している大きな要因は延 期戦略です。同社ではファッションのトレンドを継続的に追跡し、 つまり、完全に統合されていない従来型の組織では製品の個別 新しいアイテムの骨組みとなるデザイン (最終的なデザインでは 化を十分にサポートできないというのが結論です。このチャンス なく、布地や装飾材料一式のようなリードタイムの長い素材。購 をものにするためには、企業は「統合化された組織」の構築が不 入しておいても十分に有効利用できるもの) を生み出すことがで 可欠となります。これを実現すると、組織の販売 / マーケティング、 きます。こうしたベーシックなデザインは、店舗からの情報にした サプライチェーン / 製造、研究開発の 3 つの主要な業務機能は、 がって最終的に仕上げることで最新の需要トレンドを反映させる 調和しながら連携する NPDL プロセスの中で対等のパートナー ことを可能にしていますが、 これは手元で利用できる素材の範囲 として協働するようになります。個別化された製品の設計、生産、 に制限されます。 サービス対応を実現するためには、製品ライフサイクルにおける 目的を継続的に評価・最適化することによって機能する NPDL 製品の最終構成の延期戦略における最も高度な実例はおそらく、 プロセスを確立し、市場、顧客ニーズ、製品テクノロジー、サプラ 3D プリンティングによる最終製品の提供でしょう。UPS では最 近、3D プリンティング製造サービスプロバイダーである Fast Radius と提携し、オンデマンドのダイレクトデジタル製造機能を イチェーン、生産機能の変化に対応していかなければなりません。 したがって、製品の個別化に必要な NPDL プロセスは高度なコ ラボレーション環境を基盤とし、個々の業務機能に十分な可視 自社のグローバルロジスティクス機能と組み合わせて提供する 性を確保しながらそれぞれの意思決定が組織内外の機能に及 ことを発表しました (次ページの活用事例を参照) 。 ぼす影響を的確に把握できることが不可欠となります。 組織の統合化 ほかの多くの CPG メーカーと同じく、Procter & Gamble でも 特定の顧客グループや小売企業の販促キャンペーンに対応する 必要性からパッケージングの個別化を行っており、その結果、 従来型の組織は縦割り管理を前提として機能する傾向がありま SKU(在庫管理単位)数の急激な増加に直面しています。こうし す。これは新製品開発・市場投入(NPDL) プロセスで特に顕著 た個別化要件を確実に満たしながら製造可能性の制約にも対 です。SCM World の調査レポート 「イノベーションの成功率: 応できるようにするため、P&G ではサプライヤーとの間で緊密な 2 収益性設計におけるリーダー企業が成功する理由」 では、組織 コラボレーション型プロセスを導入し、特定の需要に的確に応 が完全に統合されている企業は 3 分の 1 を下回り、その一方で えるパッケージングのアートワークや形状を作成するとともに、 ほぼ 70% は依然として製造、調達、ロジスティクスが部分的に 生産に先立って製造可能性の綿密な精査も行っています。P&G 縦割り管理のままであり、研究開発やエンジニアリング (販売は のデザイナーとサプライヤー側の製造エンジニア間での統合プ 言うまでもなく) との連携も最小限にとどまっているという実態が ロセスを確立することにより、パッケージングデザインの最初期 明らかになりました。 から高度なコラボレーションを実現した結果、同社では実際に 製品を製造するかなり前の段階からデザイン上のミスを特定し、 このレポートによって、コラボレーション不足や縦割り管理の 修正できるようになりました。 結果が、どのように新製品の開発に悪影響を及ぼすかが証明さ れました。現在でも企業の 70% 以上が依然として、サプライ チェーンを新製品の開発・市場投入(NPDL) プロセスにおける 対等のパートナーとは考えていません。これが実情であれば、市 2016 年 7 月 15 企業による活用事例 オンデマンド型 3D プリンティングネットワークが 実現する製品の個別化 製品の個別化は市場の需要に対して極めて高い価値をもたらし、 顧客が Fast Radius の Web サイトから 3D プリンティングを発 また顧客は俊敏かつ迅速な提供にも期待していることから、世界 注すると、顧客が求めるスピード、地域、製品品質に基づいて標 中の経営者の多くはオンデマンド生産に大きな関心を寄せてい ます。個別化された製品をオンデマンドで生産できる能力は、製 準グレードの 3D プリンティング機能のネットワーク、あるいは Fast Radius の産業グレード 3D プリンティング施設のどちらか 品の最終構成の延期機能における最も高度な例であり、従来型 に振り向けられ、完成製品は早ければ同日中に出荷されます。 の製造およびサプライチェーン機能ではこれまで実現不可能な ものでした。 このオンデマンド型ネットワークは、 さまざまな異なるタイプの顧 客にメリットをもたらします。 このトレンドを受け、世界最大規模の宅配便会社でサプライ チェーン管理サービスのプロバイダーでもある UPS は 2013 年、 • あまり使われないパーツの在庫を削減したい製造企業 同社の店舗ネットワークを通じて 3D プリンティングを提供する 試験運用プログラムを米国内の 6 都市でスタートさせることを決 • 各受注の生産期間が短く、金型や工具を自社の生産施設向け 断しました。この取り組みは好評を博し、1 年後には試験運用を にそのつど用意するのでは、 コストが高くなりすぎる製造企業 拡大して全米 60 カ所以上の店舗で 3D プリンティング機能を展 開しました。 • カスタム / セミカスタム商品の製造企業および小売企業 全世界をくまなく網羅するロジスティクスネットワークと、分散 • プロトタイプを短期間で届けてもらいたい工業デザイナーや 型の簡易製造機能の組み合わせは相乗効果が高く、同社は現在 エンジニア オンデマンド型ダイレクトデジタル 3D プリンティングサービス プロバイダーの Fast Radius と提携して、産業グレードの 3D プ リンターを導入することにより、サービスを一層強化するための • 現時点では 3D プリンターを利用できないか、資金力が 限られている起業家、新興企業、製造企業 次なるステップに乗り出しています。 このネットワークを効率よく機能させ、顧客がパーツ製造をオン この提携を通じて、UPS が構築する分散オンデマンド製造ネッ デマンドで管理できるようにするために、UPS では SAP とも提 トワークは、同社のグローバルロジスティクスネットワークを全 携してサプライチェーンソフトウェアを統合しています。また 米 60 カ所以上の UPS 店舗で利用できる標準グレードの 3D プ SAP のソフトウェアは、オンデマンド製造発注を生産から配送ま リンター、およびケンタッキー州ルイビルにある Fast Radius の でシームレスにルーティングする目的にも活用されています。さ 産業グレード 3D プリンティング工場とつながるようになります。 らに、顧客が 3D プリンティングと従来の調達 / 製造オプション を利用可能な資金に基づき自動的に定量化・比較するためにも 両社の提携の目的はカスタムパーツの製造と流通であり、この 使用され、 どのようなパーツの発注にも最適なサプライチェーン サービスによってワンオフパーツの作成や何千個もの同一パー パスをリアルタイムで決定できるようにサポートします。 ツの大量生産にも対応できる高い柔軟性が実現します。 16 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 1. 設計:製品の個別化を可能にするには、このステップで交換 7| 設計 - 製造 - サービスのプロセス 可能なモジュールを通じて容易に個別化できる製品プラット 個別化された製品を実現する統合プロセス フォームを設計しなければなりません。個別化された製品の ビジネスケースでは、サプライチェーンと製造の両機能が新 製造 設計 製品の設計に早い段階から関与して積極的に貢献し、製造、 サプライチェーン、サービスに関して想定される問題を周到 に検討できるようにする必要があります。 2. 製造:製造とサプライヤーのどちらを管理するプロセスも、高 度に個別化された製品に対応してニーズを満たせるだけの優 サ ービス 出典: SCM World したがって、製品を個別化する NPDL プロセスは単純な線形で れた柔軟性を備えていなければなりません。サプライヤーとの 契約では、量的な生産能力よりも柔軟性とスピードを重視す る必要があり、また工場には収益性を確保しながらも顧客の 特定のニーズに対応できる柔軟性や俊敏性が求められます。 3. サービス:このプロセスはアフターマーケットサービス、保証 管理、 カスタマーサポート、 使用済み製品の廃棄を含んでおり、 はなく、コラボレーションを前提とした環状のプロセス (図 7) の 個別化された製品でも収益性を確保できるように確立しなけ 中で、各ステップが次のステップに情報を提供して統合するとい ればなりません。これについては、製品の設計・製造方法に関 う形で成り立っています。例えば、製品サービスはライフサイク して多くの見直しが必要となるほか、収益性を高めるために ルの最後のステップではなく、最初のステップでもあります。これ 製品開発の早い段階からアフターマーケットサービスのタイ はつまり、製品のパフォーマンスを改善する方法や次の製品を個 プとコストを考慮に入れるなど、保守サービス戦略の設計が 別化する方法について、 マーケティング担当者やエンジニアに情 不可欠となります。 報をもたらすからです。個別化された製品を実現する NPDL プ ロセスには、3 つの主要なステップがあります。 2016 年 7 月 17 ビジネスのデジタル化は必須条件 本レポートの前半で検討した障壁に加え、製品の個別化が企業 問題は、多くの製造企業が最終顧客に対して直接的に製品を提 にとって課題と感じられる理由の 1 つに、顧客の真のニーズが何 供しているのではなく、サードパーティーを介していることです。 なのかを正確に把握していないことが挙げられます。 「Value 例えば、CPG 企業は小売企業と取引し、小売企業が最終顧客 「顧客が価値を Chain 2020」調査に回答した組織の 90% は、 に商品を販売します。自動車会社はディーラーとの取引を通じて、 見いだし、出費をいとわない対象を明確に理解」することは極め 最終顧客にクルマを販売します。このように、最終顧客が真の価 て価値が高いと考えています。しかし一方で、大多数(74%) はこ 値を見いだし、出費をいとわない対象に関して何の手掛かりもな の情報を手に入れるのは難しいとも感じています (図 8) 。 い製造企業の場合、 どのようにすれば、個別化された製品を最終 顧客に提供することができるでしょうか ? 特に顕著なのは、企業が直接接触する機会のない間接的な顧客 の場合です。調査結果を詳しく見てみると、回答した組織の 最終顧客からより多くの情報を得るために企業が何を計画して 62% 以上が間接的な顧客からはそのようなデータを得られてい いるかについては、図 10 がヒントを与えてくれます。全体から見 ないと答えています。これは直接的な顧客(ここからデータが得 えてくるのはデジタル化の進んだ環境であり、コネクテッド製品 られていないと回答した組織は 21%) の場合と比べて、はるかに が企業に消費や利用状況などの情報を伝え、またサプライ 高い割合となっています (図 9) 。 チェーンや工場でもデジタル化が進むことにより、個別化された 製品やサービスに関する顧客のどのようなニーズにも、より迅速 かつ俊敏に対応できるようになります。 8| 顧客が価値を見いだし、出費をいとわないものに関する 9| 間接的な顧客からのデータは利用できないか価値が低い 明確な理解は難しい 顧客が価値を見いだし、出費を いとわない対象の明確な理解 消費者 / エンドユーザーから 収集した需要データの利用 B2B 顧客から収集した 需要データの利用 直接的な顧客および間接的な顧客から得られるデータの利用のしやすさと 有用性はどの程度ですか ? 55 74 16 ティア 3 以上のサプライヤー 78 3 14 70 8 8 58 13 26 ティア 2 のサプライヤー カスタムオプションの サービスコスト 13 8 ラストワンマイルの 配送サービスコスト 14 18 56 43 23 25 入手が困難 / 価値が低い 65 ティア 1 のサプライヤー 自社の内部業務 直接的な顧客 間接的な顧客 16 6 28 46 74 30 13 43 21 7 24 44 45 34 62 29 9 データを利用できないか、利用できるが価値が低い 入手が容易 / 価値が低い 1 週間以内のデータで価値がある 入手が困難 / 価値が高い リアルタイムのデータで非常に価値がある 入手が容易 / 価値が高い 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、 2016 年 2 月 18 回答者(総数 155 名) に 対する割合 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、 2016 年 2 月 回答者(総数 153 名) に 対する割合 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 より詳しく見ると、調査結果は以下のような知見を示しています。 • スマート製造:組織の 43% は、製品の個別化に適したスマー トな製造方法を求めています。そうした企業は顧客により多く • デジタルサプライチェーン:組織の 50% はコネクテッド製品 の選択肢を提供しようとしていますが、個別化された製品を一 の創出というチャンスを活用して、リモートでのコントロール、 般市場と同じスピードで提供できなければ意味がないことも 更新、サービス提供を実現したいと考えています。コネクテッ 認識しています。多くの企業がインテリジェントかつ俊敏な工 ド製品は、小売企業、ディーラー網、卸売業者を通さずにクラ 場を実現するために、さらに幅広いテクノロジー(特に IoT と イアントのニーズを極めて効果的に製造元へ伝えることができ ビッグデータアナリティクス) を製造現場で活用する計画を進 るため、間接的な顧客の把握に特に役立ちます。例えば、 めています。自動車メーカーである Tesla の米国カリフォルニ Coca-Cola の Freestyle 自販機は IoT を活用しており、消費 ア州フリーモントにある工場は、 この領域での優れた実例を示 者が独自のドリンクをミックスして購入するたびに異なる原料 しています。多くの自動車メーカーと同様に、同社でも最先端 液の消費状況をリアルタイムで把握できます。これはまさに、 のロボット化を導入していますが、Tesla の工場は他社の組立 最終消費者と直接つながって彼らの真のニーズをより的確に ラインとは様子が異なります。柔軟性に優れた同社のロボット 理解できるようにするテクノロジーの活用によって、製品の個 は、シートの据え付けから窓ガラスのはめ込み、ボディーへの 別化に成功している典型的な事例といえます (21 ページの活 シール部品の取り付けまで、組み立てのマルチタスクを行うこ 用事例を参照) 。 とができます。Tesla では生産台数の多さより製品の個別化 を重視しているため、工場のロボットは多様な仕様のクルマの 少量生産というニーズに対応できる俊敏性を備えています。 10|デジタル化されたサプライチェーンの評価 製品の個別化を促進させるために自社がすでに投資しているか、 あるいは 今後投資する予定である戦略のうち、 最も有効と考えているのは何でしょうか ? デジタルサプライチェーン 50 スマート製造 /Industry 4.0 43 製品開発、販売、 サプライチェーンに 関する部門の統合 43 生産プロセスの延期 38 パッケージングの延期 37 製品のプラットフォーム化 29 3D プリンティングを通じた デジタル在庫 28 選択肢を評価中 / 試験運用中 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、 2016 年 2 月 2016 年 7 月 回答者(総数 153 名) に 対する割合 19 デジタルサプライチェーン 物理的なサプライチェーンとは、原材料から製品の使用まで、 「調 欧州を本拠とする大型クレーンのメーカー兼サービスプロバイ 達」 「製造」 「提供」のあらゆる活動の結果であり、 これと全く同様 は、港湾、ロジス ダーである Konecranes(売上高 20 億ユーロ) にデジタルサプライチェーンもまた製造からコネクテッド製品ま ティクス、製造など幅広い用途のビジネス顧客が求める非常に でのコンテンツ、 知的財産 (IP) 、 アプリケーションまたはソフトウェ 特殊なニーズに対応するためにクレーンのカスタマイズを行って アの入手に特化したあらゆる活動の集積結果です。デジタルサ いますが、 それだけではありません。同社が製造しているクレーン プライチェーンはデジタルビジネスと同義ではありません。新し は、クレーン自体の状態を認識できるというコネクテッド資産で いデジタルビジネスのプロセスは、幅広いテクノロジー、 その中で あり、設置されたクレーンの状態と使用状況をリアルタイムデー も特にビッグデータ、IoT、 クラウドを活用するものです。一方、 デ タによって感知し、ビッグデータアナリティクスを活用して予防 ジタルサプライチェーンは、 こうしたテクノロジーの一部に接続す 保全や資産の耐用年数を延ばす戦略など、安全性や生産性に関 ることは確かですが、厳密にはコンテンツや IP、 ソフトウェアをコ するサービスを顧客に提供しています。こうした高度にパーソナ ネクテッド製品に転送する機能として定義されます。 ライズされたサービスを提供するために、Konecranes ではすべ 製品を物理的にではなく、デジタルで出荷する取り組みにおける ジタルスレッドでは、 自社の物理クレーンから収集するリアルタイ ての機能を 1 つのデジタルスレッドで緊密に統合しています。デ パイオニアが Tesla です。インストルメントパネルや巨大なナビ ムデータがすべて保存され、同じクレーンやほかのクレーンのパ ゲーション画面の表示内容、 さらにはエンジン制御のアルゴリズ フォーマンスに関する履歴データと比較されます。 ムなど、常にクラウド経由の「出荷」を通じてアップデートされる ため、オーナーから好評を得ています。このようにクルマを機械 同様に、Dell においても委託製造業者や修理センターをはじめ、 的なテクノロジーとデジタルテクノロジーのハイブリッドとして全 製品そのものなどのさまざまなソースから製品についての情報を くゼロから設計した Tesla では、クルマを個別化するための新機 収集し、ビッグデータアナリティクスによって潜在的な故障を発 能を既存顧客に永続的に販売していくことができます。計器や 生前に予測しています。これにより同社は、高度に個別化された GPS の強化、エンターテインメントシステムなどの情報機能のほ カスタマーサポートサービスを通じて対応を迅速化し、 カスタマー かにも、最高速度やブレーキ性能といった物理的な特性も追加 エクスペリエンスを向上させています。 でき、その可能性は計りしれません。例えていうなら、Tesla はあ る意味で巨大な iPhone を販売しているようなものです。 20 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 企業による活用事例 デマンドドリブンかつリアルタイムな サプライチェーンで、 ドリンクの個別化を実現 Coca-Cola は 2009 年、より幅広い飲料の選択肢を消費者に 提供したいと考え、最初の Freestyle 自販機を導入しました。こ の新世代の飲料自販機では、消費者は 100 種類におよぶ豊富 この自販機から収集されたリアルタイムデータがどのように活用 な選択肢の中から独自のドリンクを作ることができます。消費者 だけでなく、 ブランド別、地域別、 日時別の販売データのレポート はまずベースとなる Coca- Cola ブランドの製品を選び、それに を Coca-Cola と設置先のレストランの両方に定期的に送信し 数多くのフレーバーを混ぜ合わせることで自分だけのドリンクを ます。したがって、 このマシンが実現しつつあるのは自分で個別化 カスタマイズ (個別化) することができます。 した製品を選択する顧客と、補充、在庫、製造のあらゆるニーズ されているかも明らかになってきています。Freestyle 自販機は IoT に接続され、Coca-Cola の IT システムへの自動発注を行う をリアルタイムな需要シグナルによってサプライチェーンに知ら この自販機のブレンド機能を背後で支える革新的なテクノロジー せるという純粋なデマンドドリブンのサプライチェーンモデルです。 の元になっているのは、一般的には医薬品成分の厳密な測定に 使われるマイクロドージングという技術です。この斬新なテクノ 収集されたデータはサプライチェーンを通じて補充の効率性や ロジーに加え、同社は消費者にエンターテインメント性を提供し 有効性を高めるだけでなく、需要の検知情報を Coca-Cola にも ていることも大きな特長であり、 これは Coca-Cola のカスタマー たらすことによって予測精度の向上と新製品の投入など、製品 エクスペリエンスの向上とともに、これから主役となる消費者で ポートフォリオの最適化にも役立っています。 ある 「ミレニアル世代」の期待にもしっかりマッチしています。自 販機の操作もモバイルデバイスのように簡単で、大きなタッチス クリーンでアイコンをタップするだけでよく、消費者の選択をガイ ドする機能も備えています。しかも、消費者独自のカスタムドリン クを作成したら、それをモバイルアプリを使って各自のスマート フォンに保存しておけるため、 どの Freestyle 自販機でも自分だけ のお気に入りのフレーバーを正確に再現できます。 Freestyle 自販機が生み出したビジネスモデルは Coca-Cola に とっては全く新しいものであり、製造現場から複雑さを取り除き、 なおかつ消費者には無限ともいえるほどの選択肢をもたらす画 期的なものです。自販機で個別化されたドリンクがどのようにブ レンドされたとしても同社のボトリングラインには何の影響もなく、 ボトリングライン自体が一切必要なくなります。Coca-Cola で はベースとなる濃縮されたドリンクとフレーバーの標準カートリッ ジを生産するのみで、実際、この新しいビジネスモデルは HP、 Xerox、キヤノンなどの企業が展開するプリンタービジネスともよ く似ています。 2016 年 7 月 21 スマート製造 スマート製造とは、リアルタイムデータとプロセスに関する専門 Tesla、Coca-Cola Enterprises、Harley-Davidson など、多く 知識の統合を通じて、需給をインテリジェントに最適化すること の代表的な製造企業がスマート製造をいち早く導入し、収益性 により、製造とサプライチェーンでリアルタイムの可視性、高速性、 を確保しながら個別化された製品を生産するためには欠かせな 効果的な意思決定を促す機能を実現する考え方です。つまり、 い柔軟性を実現しています。 製造現場およびサプライチェーンの各段階から利用可能な情報 をすべてリアルタイムで収集し可視化して、実用的な洞察を導き Harley-Davidson は米国ペンシルベニア州ヨークの工場を再 出す環境を構築するということです。 構築することでターンアラウンドタイムの短縮を達成しましたが、 それに大きく貢献したのがスマート製造の導入でした。同社では スマート製造ではテクノロジーを活用することでマシン間のコラ 製品のカスタマイズに対する需要が飛躍的に増大している状況 ボレーション、品目フローのリアルタイムの可視化、 ナレッジワー を管理するために、製造プロセスと従業員の意識を根本的に変 カーチームによるプロセス全体の調和・連携を実現することが 革する必要に迫られていました。そこで、従来の大量生産向け組 重要です。より一層のデジタル化が求められている産業界におい 立ラインから脱却して柔軟な「デジタルチェーン」 アプローチを て、IoT はスマート製造の導入に不可欠なテクノロジー環境で 採用し、個別化されたオートバイが生産施設内を自由に流れる あり、 これによって幅広い設備資産を相互に接続して 1 つのネッ 工程を実現しました (次ページの活用事例を参照) 。 トワークを構築することができます。例えば、生産設備から生産 対象のパーツ、 センサー組み込みの自動制御システムからスマー トシェルフまでもがすべて 1 つにつながります。製造企業では所 Coca-Cola Company の西欧における主要ボトラーである Coca-Cola Enterprises(CCE)では、どの工場でも毎分最大 2,000 缶の飲料を充填することができます。しかし、異なる消費 有する物理資産のそれぞれにデジタル ID を付与することで、各 者グループのニーズに応じたいと考える小売企業が自社製品の トメーター、 さらにはトラックやタンクローリーから倉庫のスマー 資産の正確な位置と状態をリアルタイムで把握できるようになり 差別化を求めていたために、 この 20 年間で SKU の数は 10 倍へ ます。 と膨れ上がりました。さらに、それ以上に CCE の工場に重大な 従来のオートメーションとは異なりユビキタスな標準である IoT パレットサイズの多様化です。そのため同社では、パッケージン は、生産施設内のみにとどまらず、 サプライチェーン全体にわたっ グ / パレタイザー分野の柔軟性を高める投資が必要となりました。 て資産の可視化が可能になります。そのため、製造とサプライ チェーンをリアルタイムで首尾一貫して可視化し、世界中のどこ CCE では、大量ボトリングラインと最新の自動再パッケージン グラインの間に 「プッシュ / プル」型のデカップリングポイントを にある物理資産でもリモートコントロールできるようになります。 導入しました。ここではボトリングラインから出てきた標準パレッ これこそがまさに、収益を確保しながら製品の個別化を実現する トを必要に応じて自動で開梱し、適切な製品を適切な数量で組 ために必要な環境であり、 「ロットサイズ・オブ・ワン」生産など、 み合わせてカスタムパレットを再梱包することで顧客からの個別 影響を及ぼしていたのが延々と増え続けるコンテナ、梱包サイズ、 個別化された製品を求める顧客から急ぎの発注が生じた場合 化された発注に対応することができます。その結果として CCE でも、迅速に再プログラムが可能なサプライチェーンと製造施設 では、小売企業からの個別化された発注にも業務コストを抑え です。 て迅速に対応できるようになりました。 22 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 企業による活用事例 コネクテッド工場環境で俊敏性を高める Harley-Davidson 2008 年に世界経済が停滞したときには、Harley-Davidson も 売上の 40% を失い、またオートバイの主力工場で年間生産量 の 60% 以上を担っていた York Vehicle Operations 施設を停 止する危機に直面しました。 • 生産計画:デジタルチェーンと可視性の向上によって、計画サ イクルは 21 日間の固定期間から 6 時間という水準にまで短縮 されました。これによって手元在庫が飛躍的に改善されただけ でなく (従来の 8 ∼ 10 日間分から現在ではわずかに 3 時間分) 、 柔軟性も大きく改善され、リアルタイムの再スケジューリング このヨーク工場 (ペンシルベニア州) は、ヘンリー・フォードの大 機能も加わって、顧客からの追加発注にも問題なく対応でき 量生産原則に基づいて設計された施設で、顧客のフルフィルメン るようになりました。 トニーズを満たすための効率性や柔軟性は備えていませんでした。 オートバイの各モデルは専用のラインで組み立てられ、工程のフ ローは物理的なスペースと建物の形状によって大きな制約を受 • 人員の削減とスキルの向上:生まれ変わった工場の従業員数 は、従来の半分ほどになりました。これは可視性の向上、オー け、大きめのロット単位で見込生産されるオートバイは数量とモ トメーション、アウトソーシングを強化し、季節変動に応じて デルミックスのどちらに関しても、個別化されたモデルを求める 柔軟な労働力を活用するようになった結果です。同時に、従業 顧客ニーズに対応しきれないことも少なくありませんでした。 員の貢献意識も高まり、スキルを発揮してデジタル工場を管 理できるようになっています。 そこで同社は、ヨーク工場を顧客の需要を軸とした俊敏で即応 性の高い生産施設とするために、抜本的な変革に乗り出すこと Harley-Davidson がヨーク工場で断行した変革は、製造業務 になりました。導入された主な活動には、以下のようなものがあ の可視化を飛躍的に高めることで新次元の俊敏性と即応性を ります。 実現し、顧客ニーズへの対応を可能にした優れた実例の 1 つと いえます。この変革の結果、コストは 7% 削減され、生産性は • 単一のデジタルチェーン:Harley-Davidson は、あらかじめ 2.4% 向上し、純利益は 19% も増加しました。 設定された工程どおりにオートバイが移動していく複数の物 理的な組立ラインを廃止して、複数モデルに対応した単一の デジタルチェーンに移行しました。ここではオートバイが計画 ニーズ、 ソフトウェア、 オートメーションによって稼働する AGV (自動搬送機) に載せられて移動します。 • 製造現場の可視化:工場の環境は無線ネットワークを通じて 接続されています。すべての生産ステップが追跡され、 リアルタ イムのパフォーマンス管理システムに取り込まれた情報は、工 場内の至るところに配置されたデジタル看板や大型スクリーン で確認できるほか、PC のデスクトップやモバイルデバイスから も利用可能です。工場の管理担当は製造現場のパフォーマン スを把握した上で、十分な情報に基づいてリアルタイムな意思 決定を行えます。また、製造フロアの随所にカメラが設置され ているため、 マネージャーは生産プロセスのどの段階もリモー トで監視することができます。 2016 年 7 月 23 3D プリンティング 3D プリンティングは多くの産業部門で長い間、迅速なプロトタ しい形のキャンディーを作ることによる商品の個別化、生産方法 イピングのツールとして利用されてきました。このテクノロジーは の開発、配送方法の発見に活用したいと考えています。 現在、新しい重要なイノベーションの段階を迎えています。という のも 3D プリンターは標準樹脂から産業用樹脂、 さらには粉末金 これと同様に、 イタリアンフードの多国籍企業で世界を代表する 属や産業用合金まで幅広い材料を利用できるようになったから パスタメーカーの Barilla(米国での市場シェアは 25%) では、カ です。そのため、多くの製造企業、特に従来の工業生産とは無縁 スタムデザインした形状のパスタを高速に作成できる 3D プリン であった企業が、このテクノロジーに大きな関心を寄せるように ティングテクノロジーの開発に乗り出しています。その潜在的な なっています。 用途の 1 つとして考えられているのは、顧客が自分でデザインし たパスタの形状データを USB メモリーに保存してレストランに 3D プリンティングによって産業界では、製品の個別化を求める 持ち込めるようにすることです。このプロジェクトの重要なポイン 顧客需要への対応をはじめ、製造プロセスのシンプル化、サプラ トはスピードで、15 ∼ 20 個のパスタを 2 分未満でプリントでき イチェーンの大幅な短縮化、さらには永久的に完成品の在庫レ るようにすることを目指しています。 ベルを再設定できるようにもなります。 「Value Chain 2020」調査に回答した組織の 28% が、個別化 北米最大の高級チョコレートメーカーで、 チョコレート、 スイーツ、 された製品の「デジタル在庫」を構築する方法として、3D プリン スナック菓子のグローバルリーダーの Hershey Company は、 ティングの評価または試験運用を行っています。これは未だに企 3D プリンターのメーカーの 3DSystems と提携して菓子類など の食べられる食品を製造できる 3D プリンティングテクノロジー を開発しました。同社は現在、消費者が iPad で 3D グラフィック 業の過半数にも達していませんが、注目に値する数字です。とい うのも、多くの組織が個別化された製品を社内生産する機能を 重要とは考えていないということを表しているからです。実際のと スのライブラリーを操作し、自分好みのデザインのチョコレート ころ、多くの企業が少なくとも製品の個別化に向けた最初期の取 を 3D でプリントできるサービスを一部の小売店舗で提供してい り組みにおいて、少量・多品種の生産に委託製造業者の利用を ます。Hershey では 3D プリンティングがもたらすチャンスを、新 計画しています。 11|製品の個別化の障壁を緩和する 3D プリンティング 貴社にとって製品の個別化を妨げている主な障壁は何ですか ? 「ロットサイズ・オブ・ワン」で 製品を生産する能力 カスタマイズのコスト 実現を支援するテクノロジーが存在しない、 または高コストすぎる サプライチェーン機能 (計画、調達、生産、提供)間の コラボレーション カスタマイズの設計能力 顧客が製品の個別化に価値を 見いだしていない 50 55 44 52 26 40 29 37 33 31 10 10 3D プリンティングを現時点で評価または試験運用中 3D プリンティングの計画はない 出典:SCM World「Value Chain 2020」調査、2016 年 2 月 24 回答者(総数 153 名) に対する割合 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 このレポートでは、UPS が Fast Radius と提携してオンデマンド 型の 3D プリンティングサービスを提供している事例を紹介しま した。これは、 サービス業が個別化された製品を生産する製造企 業のサポートに動き出した画期的な実例です。そして現在、 これ こそが製品を個別化したいと考える組織が進むべき方向性であ ると考えられます。 調査結果を詳細に検討すると、3D プリンティングを現時点で評 価または試験運用中であると回答した 28% の企業と、それ以外 の企業との間には、製品の個別化戦略を妨げている障壁の認識 に関して特に興味深い相違が見られます (図 11) 。 「実現を支援 するテクノロジーが存在しない、 または高コストすぎる」 と考える 割合は、現時点で 3D プリンティングの計画がない企業の方が 大幅に高くなっています (40% 対 26%) 。この結果は、製品の個 別化のサポートに関して 3D プリンティングがもたらしうるチャン スの理解が、組織の間でいまだ十分には進んでいないことを示唆 しています。 「サプライチェーン機能(計画、調達、生産、提供)間のコラボレー ション」を主な障壁と考える割合についても、3D プリンティング の計画がない企業では相違が目立ちます (37% 対 29%) 。同時 に、3D プリンティングを現時点で評価または試験運用中の企業 は、 それ以外の企業と比較して、 自社の 「 『ロットサイズ・オブ・ワン』 で製品を生産する能力」をそれなりに評価しており ( 50% 対 、 「カスタマイズのコスト」 をそれほど負担とは感じていません 55%) (44% 対 52%) 。 3D プリンティングテクノロジーは生産時間の高速化や素材の 表面 / 質感処理の高度化に向けて今も進化し続けているため、 製品を個別化する組織を支援する手段として、今後ますます重 要な役割を担うようになると予想されます。とはいえ今のところ、 その可能性についての理解度は組織によってさまざまです。その 可能性を真に理解したとしても、多くの組織はまず、個別化され た製品の 3D プリンティングをオンデマンド型のダイレクトデジ タル製造サービスプロバイダーにアウトソーシングする機会を検 討することになるでしょう。 2016 年 7 月 25 まとめと推奨事項 ヘンリー・フォードの大量生産原則が金科玉条であった日々は 製品の個別化によって先行企業になることを望んでいる企業の 遠い過去となりました。とはいえ多くの組織は、今もこうした原則 ために、以下の推奨事項をご提案します。 にがんじがらめになっており、製品の個別化がもたらすチャンス の開拓を妨げる多くの障壁に苦しんでいます。それでも、市場が 変化していること、顧客が個別化された製品に価値を見いだすよ • 市場が変化していることを認識する。多くの組織は製品の個 別化に関して、市場からのプレッシャーを感じ取っています。と うになってきていることは、 あらゆる業種の組織が認識しています。 はいえ、ほとんどの場合、特に間接的な顧客を相手にしている この変化は極めて急激かつ普遍的に起こっているため、製造業 業種では最終顧客が何に価値を見いだし、出費をいとわない においては迅速な対応が求められます。実際、多くの組織が製品 かは必ずしも明確ではありません。そこで、 間接的な顧客のニー の個別化を 「競争力を担保するための必達要件」 と見ており、 「先 ズを詳細に分析し、個別化による訴求効果が最も高い領域を 行企業」になることを強く望んでいます。 理解する必要があります。これにより、創造力を自由に膨らま すことができ、現在の製品ポートフォリオの制約からも解消さ こうした目標を達成するために製造企業では多くの変革戦略の れます。 実施に向けた準備を進めており、 このような戦略は最終的に全く 新たなビジネスモデルへと脱却することで、収益性を確保しなが らも製品を個別化できる態勢の確立につながります。製品を個 • 製品ポートフォリオを見直す。顧客が価値を見いだし、出費 をいとわない対象を把握できたら、既存の製品ポートフォリオ 別化するためには、製品プラットフォーム、製品の最終構成を延 の徹底的な分析を行い、製品の個別化に関する市場の要件に 期するための柔軟性の確保、組織の統合化を要素とする基盤戦 マッチしているかどうかを判断します。ここでは製品のプラット 略が必要です。このような戦略は、製品を個別化するための物理 フォーム化、製品の最終構成を延期するための柔軟性の確保、 的な機能を整えます。とはいえ、競争に打ち勝つためにはこれら 組織の統合化の 3 大機能に対するアプローチの現状を詳細 を土台にして、 さらに多くの機能を構築しなければなりません。製 に検討します。これによって製品の個別化要件への対応に関し、 品の設計、生産、 サービスに用いる方法は完全にデジタル化する 現時点で確保できている柔軟性のレベルを明確に把握するこ 必要があります。コネクテッド製品はすべてデジタルで提供、 モニ とができます。これらの戦略の導入レベルが十分ではない場 タリング、更新、修復されます。また、消費と使用の状況のモニタ 合には、現在の機能を拡張しなければなりません。つまり、縦 リングによってサプライチェーンの即応性はさらに高まります。 割り管理を打破し、プロセスと機能を統合する取り組みが必 最後に、製品は俊敏でインテリジェントな工場で製造することに 要になります。 なりますが、 これについては少なくとも当初の段階ではオンデマン ド型のダイレクトデジタル製造サービスプロバイダーにアウトソー シングする場合が多いかもしれません。 26 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 • つながる製品。現在のポートフォリオが抱えるギャップを特定 したら、最初に試してみたいと思うテクノロジーを利用して、新 製品の検討と既存製品の再検討を開始します。製品を個別 化するための最も手っ取り早く、低コストな方法(それと同時 に製品の使用状況をモニタリングする最良の方法) は、必要な 情報を収集できて最終顧客ともつながることができるコネクテッ ド製品を開発して活用することです。この取り組みでは「物理 的な」製品の個別化だけを考えるのではなく、製品を取り巻く サービスの個別化も考えることが重要です。 • リスクを踏まえ、自己を再創造する。ほとんどの場合、個別化 された製品を投入するためには、自社にとって全く新しいビジ ネスモデルが必要になります。現在のビジネスを危険にさらす ことを避けたいのであれば、個別化された製品の設計、製造、 サービスを担当する子会社 / 部門を新設するという選択肢も あります。この方法であれば、製品の個別化戦略の成功に欠か せない変更を、組織やビジネスモデルに導入しやすくなります。 • 組織をスマート化する。製品の個別化戦略の導入は、単なる 新しい販売 / マーケティングイニシアチブの導入と比べて、は るかに難しい取り組みです。製品の個別化によって純利益に 大きな好影響を及ぼすチャンスを活用するためには、製品の 設計からサプライチェーン、製造、サプライヤー管理に至るま で、業務プロセスの再設計が必要となります。どの業務プロセ スも製品の個別化を念頭に置いて再設計し、首尾一貫したコ ラボレーション型のプロセスに結びつけなければなりません。 2016 年 7 月 27 この調査について 2016 年 2 月、オンライン調査への招待状を、SCM World の会 員企業と、サプライチェーンや他の部門で世界的に活動する実 務担当者に向けて幅広く送付しました。調査期間中、合計 155 件の有効な回答が寄せられました。 調査対象者の主な構成は次のとおりです (数字はいずれも回答 者数に対する百分率) 業種 工業 16 消費財(CPG) 13 ハイテク 12 業務部門 サプライチェーン 49 全般管理 10 購買 / 調達 9 業務運用 / オペレーション 8 ロジスティクス / 輸送・流通 7 製造 / 生産 5 販売 / マーケティング / ビジネス開発 4 IT/IS/ テクノロジー 3 その他 5 企業規模 10 億ドル未満 医療・製薬 9 食品・飲料 8 小売 6 公益事業・エネルギー 5 プロフェッショナル サービス 5 製紙・梱包 11 10 億∼ 50 億ドル 21 50 億∼ 100 億ドル 30 11 250 億ドル超 非公開 15 12 100 億∼ 250 億ドル 職位 15 3 SVP/EVP/ 取締役 7 VP/ ディレクター マネージャー / 責任者 自動車 3 メディア・通信 3 ロジスティクス・流通 3 化学 3 学術 3 ソフトウェア 2 農業・鉱業 2 その他 6 28 44 34 その他 地域 1 ヨーロッパ、中東、 アフリカ アジア、 オーストラリア 南北アメリカ 44 46 上記以外 9 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 関連資料 1 顧客志向のサプライチェーン:さらなる優位性の拡大を目指すオムニチャネルのリーダー企業、 SCM World、2016 年 4 月 2 Innovation Success Rate: Why Leaders in Design for Profitability Do Better (邦題:イノベーションの成功率:収益性設計におけるリーダー企業が成功する理由) 、SCM World、2015 年 4 月 2016 年 7 月 29 SCM World について クロスインダストリーの学習コミュニティ SCM World は、世界で最も影響力があるサプライチェーン分野の実務担当者が構成・運営する、 です。サプライチェーンの将来の形成に向け、上級経営幹部がベストプラクティスに関する洞察を共有できるようにご支援しています。 SCM World コミュニティに会員として登録すると、サプライチェーンにおけるイノベーションの促進に焦点を合わせた、予見性の高い画 期的な調査・研究をご利用いただけます。SCM World が取り組む課題は、世界を代表するサプライチェーンのリーダー企業と世界有 数のビジネススクールの代表者で構成される諮問委員会が策定します。また、専門研究者からなる独自のチームも編成し、サプライ チェーン業界に影響する重要なトレンドに関する的確な洞察も提供しています。 SCM World では、食品の流通、医療の提供、環境サステナビリティといった世界の重要課題に変化をもたらしたいと真剣に考えており、 こうした課題に対し企業がサプライチェーンを通じて対処できるように支援することが、私たちの使命です。 SCM World は、会員限定の交流、実務担当者が監修するコンテンツ、予見性の高い調査・研究を組み合わせ、サプライチェーンに関す る外部からの有意義な視点を提供します。SCM World のコミュニティには、Unilever、Amazon、Nike、Caterpillar、Cisco、Chevron、 Dell、Nestlé、General Mills など、多くの超一流企業が会員として名を連ねています。 調査・研究プログラムの詳細については、以下にお問い合わせください。 ベス・モーガン (Beth Morgan) コンテンツオペレーションズ担当バイスプレジデント [email protected] 2 London Bridge, London SE1 9RA, United Kingdom 51 Melcher Street, Boston, MA 02210, USA +44 (0) 20 3747 6200 +1 617 520 4940 scmworld.com 30 ビジネスの差別化をもたらす「製品の個別化戦略」プラットフォーム化を通じた長期的な競争力の強化 2016 年 7 月 31 2015 ∼ 2016 年のレポート 2015 年 8 月 2015 年 9 月 2015 年 10 月 2015 年 11 月 2015 年 11 月 2015 年 11 月 2015 年 12 月 2016 年 1 月 2016 年 1 月 2016 年 2 月 2016 年 3 月 2016 年 4 月 2016 年 4 月 2016 年 5 月 2016 年 5 月 2016 年 6 月
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