知的信号処理手法の画像用雑音除去つイルタへの応用 棟安 実治

知的信号処理手法の画 像用雑音除去 フ ィル タヘ の応 用
棟安 実治
関西大学 シ ステ ム理工学部 電 気電子情報 工学科
あ らま し 本 研 究テ ー マ では ,フ ァジ ィや ニ ュー ラル ネ ッ
トワー ク とい つた知 的手 法 を画像 用雑 音 除 去 フ ィル タヘ
雑 音 とイ ンパ ル ス性 雑 音 の 混合雑 音 に よって 劣化 した画
像 に つ い て 考 え る 雑 音 除 去 の 際 には ,単 に雑 音 を除 去
応 用 す る こ とを検討 して きた 。 これ らの 手 法 は,知 的手
す るだ けでな く,画 像 の重要 な特徴 であ るエ ッジや微 細 な
法 を用 い て 画像 の 局所 的 特徴 を認 識 し,そ の認 識 結 果 に
応 じた処理 を施 す こ とに よつて ,処 理性 能 を向上 させ る
変化 を損 なわ な い こ とも重 要 で あ る.こ の とき, も し画
像 の 局所 的 な構 造 や雑 音 分布 に応 じて フ ィル タ処理 を変
こ とを 目指 した技術 であ る こ こでは,本 研 究 に よつて得
られ た結 果 の ひ とつ と して ,フ ァ ジ ィ クラス タ リン グを
化 させ るこ とがで きれ ば ,良 好 な処理結果 が 期待 で き る
しか し,雑 音 に よ つ て劣 化 した信 号 の 局所 的構 造 を正確
用 い た新 しい適応 型荷 重 平均値 フ ィル タにつ いて 紹介 す
に分類 す る こ とは困難 で あ る。 この よ うな あ い ま い な状
る。 これ は,従 来 の フ ァジィクラス タ リン グを用 いた適応
況 を扱 う際 には フ ァ ジ ィ理 論 に基 づ い た 考 え方 が 有 効 で
型 荷 重 平均 値 フ ィル タに加 え,平 滑化 能 力 を高 め るた め
あ り,フ ィル タ荷重 の推 定 にファジ ィ理論 を用 いた様 々 な
に フ ィル タ窓 を再 帰 窓 に した もの とを併 用 し,処 理 ″
点近
雑音 除去 フ ィル タが提 案 され てい る pl)1lq.
傍 の状 況 に応 じて フ ィル タ出力 を切 り替 え る切 替型適応
荷 重 平均 値 フ ィル タで あ る こ の 手法 は画 像 の 局所 的特
徴 に応 じて雑音 平滑化 と信 号保存 を切 り替 えるた め,エ ッ
ジ を保 存 しなが ら混合雑音 の 除去 を行 うこ とがで きる。
1 は
じめ に
画像 の雑 音 除去 は ,画 像 処理 の 中で も重 要 なテ ー マ の
一 つ で あ る.本 研 究 テ ー マ で は雑
音 除去性 能 が 高 く,画
本稿 で は ,フ ァ ジ ィ クラス タ リン グを用 い た新 しい適
応型 荷 重 平均値 フ ィル タにつ いて 述 べ る.こ の フ ィル タ
は文献 1111を基礎 と してお り,処 理 点 と近傍 点 との差 分
ベ ク トル を特徴 量 と し,フ ァジ ィク ラ ス タ リング を用 い
て代表 ベ ク トル との類似 度 を求 め る 入 力信 号 は代 表 べ
ク トル に対応 した荷 重 ベ ク トル との 荷 重 平均 を求 め , さ
らにそ の値 に対 し,類 似 度 を荷重 と した荷 重 平均 を求 め ,
これ を出力 として い る 本 来 明確 には分 類 しに くい よ う
像 の劣化 が少 な い新 しい雑音除去 フ ィル タについ て,フ ァ
ジ ィや ニ ュー ラル ネ ッ トワー ク といった知的手法 を適 用 し
な入 力 に対 して も画像 の 局所 的情 報 に応 じて適切 な荷 重
た手 法 の 開発 を検 討 して きた 特 に,画 像 の雑 音 モデル
と して よ く知 られ たイ ンパ ル ス性 雑 音 )ガ ウ ス性雑 音 お
ングが可能 であ る な お ,フ ァ ジ ィクラ ス タ リングに は代
よび そ の混 合 雑 音 を対象 に ,知 的 手法 を用 い て 画像 の 局
所 的特徴 を認識 し,そ の認 識 結 果 に応 じた処理 を施 す こ
とに よ つて ,処 理 性 能 を向上 させ る こ とを 目指 した 技術
につ い て研 究 して きた こ れ らは処理 量 が 増 大す る もの
の ,こ れ ま で の処 理 技術 と比 較 して ,格 段 の処理性 能 の
向上 が可能 となってい る こ こでは,特 に高精度 な クラス
タ リン グ手法 で あ るフ ァ ジ ィク ラス タ リン グや サ ポー ト
ベ ク ター マ シ ン な どを用 いて ,知 的 ク ラ ス タ リングに基
づくフィルタの開発 [11,レ
1について研究を行った。また
派生的な研究として,知 的処理を用いたモルフォロジフィ
ルタの設計 博1,降
lや荷重メジアンフィル タの設計 bl,動
画像用 フィル タの開発 降l,[1,ハー フ トー ンヘの応用 障l
などもおこなつてきた 本 稿では,紙 面の都合上,こ れ ら
の研 究 の うち, フ ァジィク ラ ス タ リン グを用 い た新 しい
適応 型 荷 重 平均値 フ ィル タにつ いて紹介す る.
こ こで は画 像 に対す る代表 的 な雑 音 で あ る, ガ ウス性
を設 定す るた め ,雑 音 の種 類 に応 じた適 切 な フ ィル タ リ
表 的 な手法 で あ る Fuzzy c―
M eans法 11刻を用 いてい る.
文献 [111のフ ィル タは 高 い構 造保 存性 を有す るが ,イ
ンパ ル ス性 雑 音 を除去 しきれ な い 場 合 が生 じた り,平 滑
化性 能 にやや 乏 しい とい う欠 点 が あ っ た。 この 問題 を克
服す るた め,提 案法 では ,文 献 1111の処理 に加 えて ,フ ィ
ル タ窓 を平滑化 能力 の 高 い再帰 窓 に した もの とを併用 し,
フ ィル タ 出 力 を切 り替 え る切 替型 適応 荷 重 平均値 フ ィル
タを提 案 す る 提 案 フ ィル タは画 像 の 局所 的特 徴 に応 じ
て フ ィル タ出 力 を切 り替 え る の で ,エ ッジ保 存 と平 滑化
を両立 させ るこ とが で きる
2 フ ァジ ィク ラス タ リ ング を用 いた適 応 型荷 重 平 均値
フ ィル タ
こ こで は一 般 的 な 1次 元信 号 に対す る フ ィル タの構 成
につ い て述 べ るが ,簡 単 な写像 に よって画 像 信 号 へ 拡 張
で き る.
2 . 1 フ ァジィクラス タ リング
フ ァジィクラス タ リング とは, デ ー タがあるクラス タ
に属す るか否かを 2 値 論理で表現す る通常のクラス タ リ
ング とは異な り, デ ー タが複数 のク ラス タに属す ること
WM'Wdよ
に
d Mttn mtr
│〒
=ち
″
Xつ
一 ―
一
十
を認め,そ の属する度合をp,11の無限多値論理で表現し
― 】
k :
W品
百 i___士
_
Ⅲ
wMFl
; =
yr
f市品F‐
定式化 した手法 で あ る ま た , こ の値 を帰属度 といい , あ
る ク ラス タ に属す る度 合 が大 きけれ ば 1 に 近 い値 を, 小
TransforrnaⅢ
On― ―
さヤ
すれ ば 0 1 こ近 いl H L を
とる
″
―
―― ・
,メ
'
.
'4
tr ″ム
Fu77y c‐
mcans
フ ァ ジ ィ ク ラ ス タ リ ン グ に つ い て 簡 単 に説 明 す る
0 を 1 < σ< Z の 整数とし, C = { 9 1 ) 9 2 , …, g z }
は 兄p に お け る Z 個 の 特徴 ベ ク トル とす る 銃 サ は
g た の ブ 番 目 の 特 徴 で あ る とす る 句泳 を g た の ぢ
番 目の ク ラ ス タ にお け る帰 属 度 とす る と, C Z 個
の
= 匂, ( 9)た
切ケ
切, ん
ん≦Z , 1 ≦づ≦σ} に対して, 以下
た〈
,1≦
の 制 限 が 存在 す る。
0 ≦ 匂, た
≦l
f O r , aんl l ぢ
=l br測
た
た
Σ
E晩
(Tんは小 さい定数 )な
1ステ ップ 51 ‖ V′― y‖ <Tん
らば停止 ,そ うでな けれ ば [ステ ップ 31へ 戻 る
フ ィル タの構成 図 を図 1に 示 す 以 降 ,こ の フ ィル タを
FC(Fuzzy Clustering)フイル タ と呼ぶ こ とにす る 被 処
理 信 号 の位 置 を づ
,そ の値 を 釘(ぢ
)と して ,被 処理 信 号 を
Z
Σ 晩> 0 洵
(3)
中心 とす る長 さ 2N+1の
フ ィル タ窓 を考 え,被 処理 点 と
フ ィル タ窓 内 の信 号値 との 差分 の 絶 対値 列 を特 徴 ベ ク ト
て= 1
C の フ ァ ジ ィ クラス タ リング は 目的 関数
一句2
旅
スび, y ) =EΣ
滓し
た
Σ
Eし
“)
た=1々 =1
ヶ
l を 見 つ け る こ とで達
成 され る こ こで , * ‖ は行 列 , ま た はベ ク トル の 要 素
の 2 乗 和 の 平 方根 で あ る. 本 研 究 で は フ ァ ジ ィクラ ス タ
を最 小化 す る U = l t t ぁサl , y = [ υ
リングの代表 的 なア ル ゴ リズム として F u z z y t t M e a n s 法
用 い た. F C M を
以 下 に要約 す る [ 1 刻
Fuzzy c― コ
vleans法
の デ ー タ集 合C={gl)o2,中 ●
'
,92〉
[ステ ツプ 1l Z個
9持 ∈RPが 与 え られ た と仮 定す る 2≦ C≦ Z,拘 ∈ (1
,∞ )を 固定す る 代 表 ベ ク トル y革 [υ
ヶ
lの 初期値 を設 定
す る.
1ステ ップ 21 次 式 を用 い て帰属度 を求 め る
脚
に更 新 す る.
フ ァジ ィク ラ ス タ リン グ を用 い た適 応 型 荷 重 平 均 値
,==1
晩 =
テップ4 1 式 ( 5 ) を
用いて, V = l t r た
け
[ス
1 をV ′= l t rん
lケ
2.2 フ ィル タ構 成
C
(FCM)を
図 1 : F C フ ィル タ の 構 成
知
中
の
…, 冴
ルd=陣 _N,・
N l とする す なわち, 特 徴ベクトル
の要素 ら は次式で表される.
十p ) │
(7)
ら = 打 ( )ぢ一″( あ
ただし, p は あ一N ≦ p ≦ あ十N か つp ≠ 0 である.
フ ィル タ リン グを行 う前 にパ ラメー タの設 定 が必 要 で
あ る 詳 細 につ い て は 2,3で 論 じる は じめ に ,学 習用
劣化信 号夢Jに対 して式 (7)に よ り特 徴 ベ ク トル の集合 を求
め,こ の集 合 に対 して フ ァ ジ ィ クラス タ リン グを実 行 し,
θ 個 の学習 用劣化信 号 の代表 ベ ク トル の集 合 をあ らか じ
め求 めてお く さ らに , これ らの代 表 ベ ク トル に対応 す
る荷重 ベ ク トル を求 めてお く
について説 明す る ま ず,フ ィ
次に フィル タ リングの手│1員
ル タ窓 内 の入力信 号か ら式 (7)に従 って ,特 徴 ベ ク トル 』
を求 め る 』 と学習用 劣化信 号 の代表 ベ ク トル yを 用 い
て ,次 式 か ら代表 ベ ク トル υんへ の帰属度 竹んを算 出す る
句た =
1 ステップ 3 1 次 式を用いて代表ベ ク トル を計算する.
Z
Σ
泳 ) 砲g ん
(竹
% = ―
)句
Σ ( 包, ん
ん= 1
, 1 ≦ ぢ≦σ
0
2
(8)
釧) 肩
邑( 牌
こ こで , υ んは ん番 目の代 表 ベ ク トル , 向 は 1 よ り大 き
い 実数 で あ る 式 ( 8 ) で求 めた帰 属度 と代 表 ベ ク トル υん
=[ttlttN,…
ルt41片
に対応する荷重ベクト
,ltぱ
]を用いて,
出力値 υ( あ
) を 求 め る す なわ ち,
た
ケ
Σ 切ん
yO=+
Σ 句ん
0
▼ Standard FC Filtcr
た= 1
ただ し, υたは代表 ベ ク トル υんに対応 す る荷重 平均値 フ ィ
ち″ 立 _
ヌ(',ブ
) ●
十つ一―
ィ
た,ブ
トー→Rccursivc FC Filtcr
ノ('十
ノ
rり
◆
秘絆予 (勅
求“
ム
ル タの出力で あ り, 次 式 で表 され る。
″( ' 十
p)
Σ 切艦
けた =
図 2:提 案 フ ィル タの構成
p=一 N
(10)
Σ ギ
式 (14)を式 (12)に代入す る こ とで次式 が 得 られ る
p=一 N
2,3 荷 重 の 学 習
各 ク ラ ス タの 代表 ベ ク トル υ持を決 定 した後 ,各 クラス
タで の荷 重 切たを学習 す る FCフ ィル タの処理 手順 は ,
まず各 クラ ス タヘ の帰属度 竹片を計算 し,次 に,各 クラス
一
=的は
Ю
均
択
据)
号成分 は劣化 して しま う 11剣 こ の よ うに通常窓 を用 い た
フ ィル タ と,再 帰窓 を用 いた フ ィル タは相反す る特性 を有
す る。そ こで ,処 理 点 近傍 の 特徴 を調 べ ,特 徴 に応 じて
フ ィル タ出力 を切 り替 える ことを考 える。提案 フ ィル タの
た もので あ り,以 降 で は RFCフ
ィル タ と呼ぶ .代 表 ベ ク
出力切 り替 えの基準 と しては,エ ッジ部 では構造保 存性
に優れ る通常窓 を用 い た FCフ ィル タの 出力 ,平 坦 部 では
平滑化 に優 れ た RFCフ
ど ∂ υ ∂ υた
p=一 N
とで雑音 平滑化 能 力 が 向上す るが ,エ ッジ部 や 細 か い 信
各 フ ィル タ部 の処理 手順 は 2章 で論 じた通 りで あ る.
ルぢ
方向ベクト
猛は以下のように与えられる。
Σ ギ
従来 の FCフ ィル タは信 号保存性 に優れ てい るが ,イ ン
パ ル ス性 雑 音 が残 留す る こ とが あ る 再 帰 窓 を用 い る こ
荷重 は フ ィル タ窓 の持 つ 性 質 に対 して最適 化 され て い る
ただ し, α。は あ らか じめ決 定 してお く初期値 で あ る
∂ttl骨∂グ ∂υ
沌∂ttl据
=申
― oの
値 フ ィル タ
トル は同 じものが用 い られ て い る。それ ぞれ の フ ィル タ
依 存す る更新係 数 で , 次 式 に よつて計 算 され る。
∂
3 フ ァジ ィク ラス タ リング を用 いた切替型適応 荷重平均
構造 を図 2に 示す Standard FC Fllterは従 来 の FCフ ィ
レタ窓 を再帰 白
ル タ, Recursive FC Filterは フ ィア
勺窓 に し
0
こ こで , α ( η
) は 学習信 号系列 全体 に対す る走査 回数 れに
∂E
,
疑
け
カ
つ=ギ Oα
仰培い
この規 格 化 に よ り,常 に
つ 常 に 一 定 の 総 和 値 2N
評価 関数 ど の値 を減 少 させ るためには,パ ラメー タ Rtl据
に
ベ
対 して ど が 減少す る方 向 ク トル を計算すれ ば よい こ
の 方 向 ベ ク トル は 一扇 で表 され ,時 点 むにお け る学 習
召
の 更新 式 は以 下の よ うにな る
1
+2N+1
り
t t(lサ
+号
1 ) * = t(tサ
+l1需)
は
は 0 に 置 き換 え, 次 式 で規格 化 を行 う
6
の
2
更 に , 更 新 され た りた( む
+ 1 ) の 要素 の うち負 とな つた もの
は れ
ヽ ︱ヽ句 ノ さ
ど=;し
p=―
成
構
ら
ヽ
力
い
の出力値 9 と 出力値 υの誤差 を小 さくす るよ うに各 クラ
スタの荷重 切たを更新す る.
いま, 学 習用 入出カデ ー タ列 ( ″
_N,… ,何
N , 9 ) が 与え
られた とす る デ ル タル ールの学習は次式 の評価関数 ど
の最小化問題 として定式化 できることがわかっている.
(10
Σ ギ
Ⅳ
中
ど
昨
お
﹂
クによる表現ができるので, デ ル タル ール 1 1 制を用 いて
荷重平均値 フ ィル タの荷重 ωんを学習す ることができる
学習 アル ゴ リズムでは, 与 えられた入 出カデ ー タの所望
地ぼい の
N 湖 1
/rbrヽ\ ω 十
タに用 意 され て い る荷 重 りたを用 い て各 ク ラス タで の 出
力 ヶんを求 め,最 後 に各 クラス タの 出力 yんと帰属度 包んを
用 いて υを算 出す る。 よつて ,FCフ ィル タはネ ッ トワー
=甥 の Glの
中
は
つ
ィル タの 出力 を採 用す る こ とが望
ま しい こ の切 り替 えに方 向性 差分 フ ィル タ (Directional
DifFerence Fllter:DDF)[1引
を用 い る.DDFは
3× 3領 域
に限定 した近 傍 領 域 内 の 局 所情報 か らエ ッジの形 状 を推
定 し,そ の形状 に基 づ いて処 理 点 を推 定す る方法 で あ り,
エ ッジ保存性 に優れ てい る こ の DDFの 出力 を用 い る こ
D′
に対 して の み 行 な う
幼 ω
ヽ、︲︲︲︲′/ .
X
り り は
め J J 伍
な 十 十 分
︲ ︲
角︱ ︱
u
一
D
下 館
燕
次
差 一
以 る D に
け 次
ヽ
(24)
2 回 目の フ ィル タ リン グでは D D F は 劣化 画素 を用 い る
9
、 ︲ ︲︲ ︲ ︲︲ ′
十
刊
十 十
仏
拘
何
K
こ とが な い ので , エ ッジ の方 向 の推 定精 度 の 向上 が 期待
され る。
ノ
一
” ?ソ ″
十
刊
一2
″
l
〓
サ, 一
1 +
1 ︱ 十 1
C
拘
r
l
l
一
X
夕
一
い
い
︻
十
・
︻
﹁
﹁
一
十 十 サ 一
● 0 し ︱
何
r
′
,ブ
グ( ぢ
)=妥 (拘
) ◆ η: D ′
(句
)
D の あ る要素 D ∽ ) が 最小 である とき, フ ィル タ出力
,ブ
ヶ( あ
) は 対応す る X の 要素 X ( 角) で ある す なわち,
,ブ
υ( づ
) = X ( 句 ) ◆ 角: D 1 7 2 )
(20)
である 最 後に, 処 理点における劣化画像 の画素をフィル
タ出力に置 き換 える.
″( ' , J ) = ヶ
( ' ,)ブ
, ,
,
均 1 1 一一
1 ,
平 十 十 ブ 一 き
と
の ︱ ︱ 仏 ︱
向性 差分 フ ィル タ
鉾 る ,
向 弾 軍 郊 a
方 免 比 比 P あ ち
小 挽 後 挽 挽 で わ
最 ′
/1︲︲︱\、 小 な
次 D で
3.1 方
=
タ
フ ィル タ荷 重 の 学 習 は , 切 り替 え られ た 方 の F C フ ィル タ
・ィ ル 各 / 1 1 ヽ
出 力, ヶs ↓
】は F C フ ィ
ィル タ の 出 力 で あ る な お ,
出 体
r
,
一
F
D
D
υ
兄
ケ
DDFの
ル タ の 出力 , 7 兄 e c は R F C フ
<一
を用 い る。た だ し, ヶD D F は
F
D
D e
竹フ 5
一
切
胡 釘
ダ ケ
k
鋭 脇
r
ヽ
〓
ブ
ケ
悔競
切 り替 えの基 準 は,
加闘往レ
ノ列加 降降眸降
す
2
。
, フ .
る
ず
鶴櫛 ,乃る
的
あ
い
だ
基準 として D D F の 出力 に近 い方 の 出力 を採 用す る。出力
ま 画 行 と の め
化 を る 目 求
とで エ ッジの方 向 を推 定す る。す なわ ち出力切 り替 えの
(21)
D D F で は最小画素値差分 を持 つ 方向を局所領域 内の
エ ッジ方 向 とみな し, そ の両端画素 の平均値 を処理点画
素にあてはめる ことで , エ ッジ部や細部 の保存 と雑音除
去を両立 させて い る さ らに処理点を更新す る再帰的処
理 によつて, 以 降 の処理 にお ける雑音画素 の影響 を減 ら
している な お , D D F は イ ンパルス性雑音 のみが重畳 し
ている劣化画像に対 して提案 されてい る
3 . 2 フ ィルタ リングの手順
D D F は 再帰的処理 を行な うが, 1 回 のフ ィル タ リング
では D D F の フ ィル タ窓に劣化信号が含 まれているため,
D D F が エ ッジの方向を間違 える場合 がある. こ れを回避
す るために本論文ではフィル タ リングを 2 回 行 な う。以
下にそ の手順 を示す。
4 適 用例
提案 した手法 の 有効性 を検 証 す るた めに実 際 の 画 像 に
適 用す る 評 価基 準 として は次式 の M S E ( 平 均 二 乗誤 差 )
を用 いた
MSE=務
当 主( 抑, ブ
) 何│ , ブ
)}2
=lJ‐ 1
を
(25)
ここで,ヶ(づ
,ブ
,」
),筋(ぢ
)は それぞれ復元画像 ,原 画像 を示す
画像 の 階調数 は全 て 256,画 像 の大 き さは全 て W× W=
256× 256画 素 で あ る。 また ,FCMに
お け るパ ラメー タ
や荷 重 学習 時 の 更新係 数 は実験 的 に求 め ,最 良 で あ っ た
=1.5,Tん =0.1,α 。=10 4を 用 い
値 r=」 =8,陶
た 荷 重 の学習 回数 は画像全 体 に対 して 30回 行 つた ま
た,ク ラス タ数 σ は,σ =σ 。=120と した フ ィル タ窓
には十字窓 を用 いた 比 較対象 の フ ィル タ と して,3フ ィ
ルタ 11倒と,高 島らが提案 したファジー制御則を用いた
エ ッジ保存型非線形 フィルタ 11倒(以上,全 て 3× 3窓 )
を用いて処理を行った結果も併せて示す こ れ らのフィル
タの調整可能なパ ラメータについては,提 案手法 と同様に
分散 400の ガ ウス性雑 音 と発 生率 10%の イ ンパ ル ス性雑
音 か らな る混合雑 音 に対 して最適 にな るよ うに調整 した
まず雑 音 強度 に対す る除 去性 能 を検討 す るた め に ,イ
ンパ ル ス性雑 音 とガ ウス性 雑 音 の 混合雑 音 に よる劣化 画
Lennゴ )
表 1:混 合 雑音 に よる劣化 画像 の 処理 結 果 (“
発生率 降l
MSE
20
分散
300
手法
処理 前
1218
2133
3068
3979
提案手法
81.25
92.05
1001
1119
87.16
98.22
1076
1240
1049
1329
1719
2373
9573
1084
1204
138.5
8609
101.5
1154
137.0
1276
2185
3114
4046
9423
9922
1152
1285
1006
107.6
1257
139.8
134.4
155.5
2058
280.1
113.2
123.6
142.8
1598
RFCフ
FCフ
レタ
ィア
レタ
ィメ
εフ ィ ル タ
文献 [ 1 倒
処理前
提案手法
400
RFCフ
FCフ
ィル タ
ィル タ
3 フ ィル タ
文献 11倒
500
103.2
1170
137.6
1575
処理 前
1406
2279
3194
4105
提案手法
110.5
1241
1347
1521
118.4
132.3
145.4
164.7
1694
205.3
252.8
3393
1319
1477
1616
189.1
1228
1410
161.0
1910
RFCフ
FCフ
ィル タ
ィル タ
3 フ ィル タ
文献 11倒
“
'に して シ ュ レー シ ョンを っ
ミ
像 Lennざ
対
行 た そ の結
果 を表 1に 示す。 この表 よ り,提 案手法 は従 来 の FCフ ィ
図 3:“Lennプ の 劣化 画像
図 4 : 提 案 フ ィル タに よるa r L 理
結果
5 ま とめ
ル タ よ りも大 き く MSEを 低 下 させ ていて ,比 較 フ ィル タ
よ りも MSEは 小 さい ま た,分 散 400の ガ ウス性雑音 と
知 的信 号処理 手法 の 画像 用雑
本稿 で は , 研 究 テ ー マ 「
ヘ
フ
ル
の
タ
音除去 ィ
応用J の 一 部 と して , フ ァジ ィクラ ス
発 生率 10%の イ ンパ ル ス性雑 音 か らな る混合雑 音 に よる
“
劣化 画像 Lennゴ を図 3に 示す.こ の劣化 画像 を提案 手
タ リング を用 い た切 替型適応 荷 重 平均 値 フ ィル タに よ る
雑 音 除去 につ い て述 べ た こ の フ ィル タは互 い に 異 な る
法 に よつて処理 した結 果 を図 4に 示 す .
性 質 を持 つ F C フ ィル タ出力 を画像 の 局所 的構 造 に応 じ
て使 い わ け る こ とで, 雑 音 平 滑化 をエ ッジ保 存 を両立 さ
次 に,画 像 の性 質 に よる ロバ ス ト性 を検証す るた めに,
“
Lennず で 学習 した代表 ベ ク トル とフィル タ荷 重 を用 い
せ る こ とが で き る 最 後 に い くつ か の処 理 例 を通 して 本
て ,“Bridge"に対 して シ ミュ レー シ ョンを行 った 結 果 を
論 文 で提 案 した手 法 の有効性 につ いて検 証 した
他 の手法 での処理結 果 も先程 と同様 に併 せ て
Bridge"
示 す こ れ らの表 か ら,細 部 の 多 い 画像 で あ る “
参考 文献
表 2に 示す
の処理 結 果 は文献 11倒の フ ィル タを除い て概 ね従 来 手法
よ りも良 好 な結果 とな った,
以 上 の 結 果 よ り,提 案 手 法 を用 い て エ ッジ を保 存 しつ
つ ,イ ンパ ル ス性 雑 音 や ガ ウス性 雑音 を除去 で き る こ と
が示 され た.提 案 手 法 と比較 対象 と した フ ィル タ と比較
す る と,本 手法 の方 が 良好 な結果 を得 てい る 以 上 か ら,
1 1 1 今井 雄 大 , 棟 安 実治 , " フ ァ ジ ィ クラ ス タ リン グを
用 いた切 替型適応荷重平均値 フ ィル タ, " 第 2 2 回 デ ィ
ジタル 信 号処理 シ ンポ ジ ウム , A 2 2 ( i n p r e S S )
レl A R t t i k i , J M a t s u s h i t a , T I m a i a n d M M u n e y a s u ,
"A Technique for S/1ixed Noise ReductiOn Based on
'PrOc.2005 1nternational
Supportヽ lector〕
げ
Iachineず
本 手 法 は信 号 の 分類 が正 しく機 能 して い て ,更 に雑 音 強
度 に対 す る ロバ ス ト性 に関 して も優 れ て い る こ とを示 し
え
orkshop on Nonlinear Signal and lmage Process―
ヽ
ヽ
て い る。
ing,Sapporo,Japan)M軒
18-20,pp 280-284(2005)
ウr
Bridgぎ )
表 2:混 合雑 音 に よる劣 化 画像 の処理結 果 (“
300
処理 前
1228
2186
3091
4038
提 案 手法
264.0
2846
3029
3304
261.8
281.8
3026
331.6
RFCフ
ィル タ
ィル タ
'PrOc.2005 1nternational Workshop
for Step Edgesず
on Nonlinear Signal and lmage PrOcessing, Sap―
poro,」apan,M軒
18-20,pp 551 554(2005)
2611
302.1
3501
444.4
349.4
3707
4005
4428
228.8
2620
2989
3535
処理 前
1301
2219
3172
4143
提案 手法
2780
3014
326.3
3487
279_2
3020
328.6
3484
2888
3860
400.3
486.3
3644
3895
423.9
459.9
棟 安 実治 , 小 田哲也 , 雛 元孝 夫 , " フ ァジー クラ ス タ
2479
287.9
336.9
3910
リング を用 いた適応 型荷 重 平均値 フ ィル タ, " 信 学技
処理前
1406
2338
3299
4173
報 ,CAS2000-22,pp 17-24,2000
提案手法
3034
3222
352.4
3748
3035
3231
3546
3800
333.7
375.6
4509
5385
364.4
4128
4519
4599
2869
3269
3865
4487
3 フ ィル タ
文献 1 1 0 1
RFCフ
FCフ
ィル タ
ィル タ
o フ ィル タ
文献 1 1 倒
500
"Adaptive Error DirFllsion Usillg Fuzzy Reasoning
20
手法
FCフ
400
(2006).
□ M.A/1uneyasu)Y Nakata,T Oda and T Hinanloto,
10
分散
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発生率 1%1
MSE
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RFCフ
FCフ
ィル タ
ィル タ
εフ ィル タ
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1 1 倒高島広憲 ,田 口亮 ,村田 裕
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ァジー制御 則 を用 いたエ
ッジ保存型非線形 フ ィル タの提 案 ,"信 学論 (A),J77A,No6)pp 827-836,Jun 1994
Li》【
in ヽ
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うPrOc 2006
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