5620KB - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター

若田宇宙飛行士、国際宇宙ステーションの組立フライトへ搭乗
「地球人の世紀へ」
プレスキット
(STS-92/3Aフライト)
2000 年 9 月 25 日(改訂版)
宇宙開発事業団
2000/09/25 <F改訂>
STS-92 プレスキット正誤表(A 改訂:7/27)
ページ/場所
P1-2
/表 1.1-1
誤記
訂正結果
(情報の更新)
表 1.1-1 を改訂。
打上げ日時を 9/21
から 10/5 へ変更。
P1-12 /図 1.2-4
「プログレス補給船」
「ソユーズ TM 宇宙船(2R)」
P1-18 /9 行目
「偏向グラス」
「偏光グラス」
(情報の更新)
参考-19
表1を改訂
STS-92 プレスキット正誤表(B 改訂:8/7)
ページ/場所
誤記
訂正結果
P1-38 /表 1.3-1
−
出典を明記
参考-19,20
−
表1の注記を追加
STS-92 プレスキット正誤表(C 改訂:8/16)
ページ/場所
P1-11 /1.2.2.3 項
P1-38 /表 1.3-1
P7-7
/図 7-3
誤記
6A フライトで起動予定
(情報の更新)
訂正結果
5A.1 フライトで起動予定
1P 打上げを反映
4 層と 6 層の誤訳を修正
4 層(ポリウレタンでコートされたナイロン)
(その他、補足情報を追記)
6 層(裂け目防止加工されたネオプレー
ンでコートされたナイロン)
参考-54 /STS-106
ページ/場所
P1-2 /表 1.1-1
P1-3 /1.1.3(4)
P1-7 /1.2.2
P1-13,14/ (1)
P1-21,22 /(1)概要
P1-30,31
P1-38 /表 1.3-1
参考-19,20
参考-26
宇宙飛行士名を訂正
リチャード・マストラッチョ
ボリス・モルコフ
リチャード・マストラキオ
ボリス・モロコフ
STS-92 プレスキット正誤表(D 改訂:9/6)
誤記
訂正結果
打上げ時間、着陸日時を改訂
従来の「シャトル飛行規則」 「従来のシャトルのインタフェ
ース要求文書」に修正
−
Z1 トラスと P1 トラスの Z,P の
由来を追記
−
CBM 結合手順を明確化した。
ISS への接近方法を訂正
図 1.2-9 を正しい図面に差替え
図 1.2-16,17 をクリアな図に差替え
(情報の更新)
−
出典を見直し。
表1を Rev.F を基に Update
(情報の更新)
(情報の更新)
(情報の更新)
ISS 組立シーケンス Rev.F に合わせて
「きぼう」の開発スケジュールを更新
2000/09/25 <F改訂>
STS-92 プレスキット正誤表(E改訂:9/18)
ページ/場所
P1-2
/表 1.1-1
誤記
訂正結果
帰還予定日時の午前と午後が 表 1.1-1 を訂正すると共に、最新
反対であった。
の情報に更新。
P1-38
/表 1.3-1
(情報の更新)
STS-106(2A.2b)の打上げを反映
P1-41
/(5)2A.2b
(情報の更新)
STS-106(2A.2b) の ミ ッ シ ョ ン 状
況を反映
P7-4
/表 7-1
参考-42
(情報の更新)
−
2A.2b の EVA 結果を反映
以下の 2 ページの改訂に伴う改訂
日を更新
参考-54/ STS-106
(情報の更新)
STS-106(2A.2b)の打上げを反映
参考-55/参考-6
(情報の更新)
STS-106(2A.2b)の打上げを反映
STS-92 プレスキット正誤表(F改訂:9/25)
ページ/場所
誤記
目次
−
P1-1
(情報の更新)
訂正結果
1.7 章、付録 3,4 を追加
(プログレス補給船による補給フライト 2
回を除く)の部分を「1 回」に修正。
P1-2
/表 1.1-1
(情報の更新、補足)
打上げ時刻を最新の情報に更新。
打上げ時間の決定に関する注記を
追加。
P1-4
/図 1.1-1,2
(情報の更新)
2P の打上げ延期を反映
P1-6
/表 1.2-1
(情報の更新)
新しい Flight Plan の情報にあわ
せてスケジュールを改訂
P1-7
/表 1.2-2
(情報の更新)
Z1 トラスの重量を最終測定値に
更新
P1-35, 36
(情報の更新)
新しい Flight Plan の情報にあわ
せて EVA 作業項目を更新
P1-38 /表 1.3-1
(情報の更新)
2P の打上げ延期を反映
P1-46 /表 1.4-1
(情報の更新)
新しい Flight Plan の情報にあわ
せてスケジュールを改訂
P1-52∼P1-64
(追加)
ページの追加
付録 3
(追加)
ページの追加
各改訂ページ右上には改訂記号(例:<F改訂> )を付けていますので、本文中
ではここで改訂ページを確認できます。
目 次 <F 改訂>
1. STS-92 ミッションの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.1 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.1.1 目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.1.2 打上げ・飛行計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.1.3 STS-92 ミッションの特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.1.4 3A フライト前後の国際宇宙ステーションの形状 ・・・・・・・・・・・
1.2 STS-92 ミッション概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.1 主要ミッションスケジュール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.2 Z1 トラス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.2.1 コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.2.2 S-バンドアンテナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.2.3 Ku-バンドアンテナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.2.4 プラズマ生成ユニット(PCU) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.2.5 電力分配装置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.2.6 機構的構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.3 PMA-3/ スペースラブパレット(SLP) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.4 直流変圧器(DDCU) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.5 船外活動用工具箱(ETSD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.6 二次ミッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.6.1 IMAX3 次元カーゴベイカメラ(ICBC-3D) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.6.2 開発試験ミッション(DTO) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.7 ISS とのランデブー/ドッキング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.8 シャトルのマニピュレータ(RMS)運用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.8.1 シャトル RMS 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.8.2 3A フライトでの RMS 運用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.2.9 船外活動(EVA) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.3 国際宇宙ステーション(ISS)の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.3.1 ISS 計画の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.3.2 ISS の現在までの組み立て状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.3.3 3A フライト後の ISS ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.3.4 若田宇宙飛行士が搭乗するスペースシャトル/ISS を見てみよう ・・・・
1.4 若田宇宙飛行士の軌道上作業概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.4.1 主要任務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.5 STS-92 ミッションに関係するホームページアドレス ・・・・・・・・・・
1.6 シャトルの軌道上作業タイムラインの読み方・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.7 STS-92 ISS 組立ミッション概要(飛行 1 日∼12 日まで)
・・・・
1- 1
1- 1
1- 1
1- 1
1- 3
1- 4
1- 5
1- 6
1- 7
1-10
1-11
1-11
1-11
1-13
1-13
1-16
1-17
1-17
1-18
1-18
1-19
1-21
1-23
1-23
1-30
1-33
1-38
1-38
1-39
1-42
1-43
1-45
1-45
1-47
1-48
1-52
2. スペースシャトルシステムについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 1
2.1
スペースシャトル開発の経緯と全体概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 1
2.2
緊急時の対処、脱出手順概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 4
2.3
スペースシャトルの主要機能の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 5
2.3.1
推進系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 6
2.3.2
操縦関連のシステム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 6
2.3.3
環境制御・生命維持システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 7
2.3.4
電力システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 8
2.3.5 シャトル内での生活等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 8
2.3.6 スペース・ハブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 10
2.3.7 オービタ・ドッキング・システム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 10
2.4
各オービタの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2- 11
3. スペースシャトルの打上げについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 1
3.1
打上げ計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 1
3.1.1 シャトル打上げ概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 1
3.1.2
STS-92 関連 NASA 施設 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 2
3.2
打上げまでの主要イベント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 4
3.3
打上げシーケンス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 4
3.4
射場システム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 7
3.4.1
ケネディ宇宙センター(KSC)の概要・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 7
3.4.2
KSC のシャトル関連主要施設の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3- 8
3.5
打上げ時の気象条件 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3-11
3.6 スペースシャトルの飛行管制について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3-12
3.6.1 ジョンソン宇宙センター(JSC)の概要 ・・・・・・・・・・・・・・ 3-12
3.6.2 飛行のための地上管制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3-13
3.6.3 ミッション・コントロール・センター(MCC)の概要・・・・・ 3-13
4. 着陸について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 1
4.1 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 1
4.2 着陸シーケンス概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 2
4.3 代替着陸地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 3
4.4 緊急着陸地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4- 3
5. 広報イベントについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 1
5.1
打上げ前の広報イベント取材 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 1
5.2
飛行中の広報イベント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 1
5.3
着陸後の広報イベント取材 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5- 2
6.
STS−92クルー(搭乗員)について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 1
6.1
クルーの経歴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 1
6.2
スペースシャトルの宇宙飛行士の種類と役割 ・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 2
6.3 MS 訓練の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 6
6.3.1
NASA MS訓練の全体概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 6
6.3.2
若田宇宙飛行士のMS訓練・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6- 6
6.3.3
STS−92クルーの EVA、RMS 訓練概要 ・・・・・・・・・・・・・ 6- 9
6.4
シャトル内の生活 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6-14
7. 船外活動(EVA)について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 1
7.1
船外活動(EVA)とは ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 1
7.2
シャトルにおける EVA 概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 1
7.3
宇宙服及び関連システム概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 5
7.3.1
EMU(船外活動ユニット)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7- 6
7.3.2
エアロック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7-15
7.3.3
EVA 工具、EVA 支援機器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7-16
7.4
EVA の運用概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7-25
<F改訂>
参考 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 1
1. NASDA 参加の主なシャトルミッション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 2
(1)第一次材料実験(FMPT)「ふわっと’92 」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 2
(2)国際微小重力実験室(IML)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 3
(3)STS-72 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 6
(4)第1次微小重力実験室(MSL-1) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考- 8
(5)マニピュレータ飛行実証試験(MFD) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-10
(6)STS-87 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-12
(7)STS-90(ニューロラブ計画) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-13
(8)STS-95 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-14
(9)STS-99 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-15
(10) STS-92 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-16
2. 国際宇宙ステーション計画と「きぼう」日本実験棟について 参考-17
(1)国際宇宙ステーション計画の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-17
(2)国際宇宙ステーションの運用について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-23
(3)「きぼう」の運用システム(JEM 運用システム)について・・・・ 参考-24
(4)「きぼう」(JEM)開発の経緯 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-26
(5)「きぼう」(JEM)の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-27
(6)第1回 JEM 利用募集の応募結果について ・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-30
3. NASDA 宇宙飛行士の紹介、資質要求、応募条件 ・・・・・・・・・・・ 参考-32
4. 米国・CIS 以外の宇宙飛行士の飛行記録一覧表・・・・・・・・・・・・・ 参考-40
5. スペースシャトルの打上げ実績 (STS-1∼STS-106 まで) ・・・・ 参考-42
6. オービタ毎のミッション回数・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 参考-55
付録
1. スペースシャトル関連略語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 付録 1- 1
2. STS-92 タイムライン略語表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 付録 2- 1
3. ISS 組立シーケンス図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 付録 3- 1
お知らせ
本プレスキットは、NASDA の宇宙ステーションホームページ上でも pdf 形式
のファイルでご覧になれます。また、情報の変更を反映した差し替えページも用
意しています。
http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/3a/pdf_data.html
1.STS−92ミッションの概要
1.1 概要
1.1.1 目的
<F改訂>
スペースシャトル・ディスカバリー号による STS-92 ミッションは、国際
宇宙ステーション(ISS)の組み立てのための飛行であり、3A フライトとも呼
ばれています。(ISS 組立てフェーズの各フライトの名称の設定については、
1−3 ページを参照して下さい。)
STS-92 は、シャトルによる国際宇宙ステーションの組み立てフライトと
しては、5回目。ロシアのロケットによる打上げを含めると7回目となり
ます(プログレス補給船による補給フライト 1 回を除く)。
また、このミッションでは日本の若田宇宙飛行士が2回目のシャトル飛
行を行います。若田宇宙飛行士は、前回搭乗した STS-72 の飛行の時と同様
にシャトルの遠隔マニピュレータシステム(RMS)の操作を担当します。
(若田宇宙飛行士の主要任務の詳細については、1.4 項及び 1.2.8.2項(RMS
作業内容)を参照下さい。)
この飛行では、Z1 トラスというトラス構造物と与圧結合アダプター
(PMA-3)が打ち上げられ、軌道上でシャトル RMS を使用して組み立てられま
す。また組立中には合計 4 回の船外活動(EVA)が行われます。
1.1.2 打上げ・飛行計画
STS-92 の打上げ・飛行計画の概要は表 1.1-1 のとおりです。なお、正式
な打上げ日時は、NASA により打上げ約2週間前に決定され、発表されます。
スペースシャトル・ディスカバリー号は、米国フロリダ州ケネディ宇宙
センター39A 発射台から打ち上げられ、高度約 320km(173 海里)、軌道傾
斜角 51.6 度の軌道に投入される予定です。
ディスカバリー号は、打上げから 3 日後に国際宇宙ステーション(ISS)に
ドッキングし、ISS との結合状態で7日間の飛行を行った後、打上げから約
11日後にケネディ宇宙センターに帰還する予定です。
STS-92 ミッションに関する情報及び、飛行中の情報(飛行中は毎日更新)
につきましては、以下の NASDA のホームページで見ることができます。
http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/3a/index.html
1―1
<F改訂>
表1.1−1 STS−92ミッションの打上げ・飛行計画の概要
2000 年 9 月 22 日現在
項 目
計 画
STSミッション番号 STS−92
オービタ名称
打上げ予定日時
ロンチウィンドウ
(打上げ可能時間帯)
ディスカバリー号(ディスカバリー号としては 28 回目の飛
行)
2000 年 10 月 5 日
10月 6 日
午後 9 時 39 分(米国東部夏時間)
午前 10 時 39 分 (日本時間)
5∼10 分
打上げ場所
フロリダ州 NASA ケネディ宇宙センター(KSC)39A 発射台
飛行期間
約 11 日間
搭乗員数
7 名 (6章を参照下さい)
投入高度 :約 327km(177海里)
軌道高度
ランデブー高度:約 379km(205海里)(TBD)
軌道傾斜角
51.6 度
帰還予定日時
2000 年 10 月 16 日 午後 5 時頃(米国東部夏時間)
10 月 17 日
午前 6 時頃 (日本時間)
主帰還地 :フロリダ州 NASA ケネディ宇宙センター(KSC)
帰還予定場所
代替帰還地:カリフォルニア州
NASAドライデン飛行研究センター(DFRC)
国際宇宙ステーション組立フライト 3A
主要搭載ペイロード
カーゴベイ
(Z1 トラス、PMA-3/SLP、DDCU、EVA 工具箱)
IMAX3 次元カーゴベイカメラ(ICBC-3D)
ミッドデッキ
ISS への補給品
源泉情報: http://www-pao.ksc.nasa.gov/kscpao/schedule/schedule.htm
(公式な打上げ日は、9 月 28 日に実施される FRR(Fright Readiness Review
:飛行準備審査会)
で決定され、発表されます。また、正確な打ち上げ時間は、打上げの数時間前に ISS のレーダ
ー追跡の結果を基に決定されます。)
STS:
Space Transportation System
PMA-3:
Pressurized Mating Adapter-3(
与圧結合アダプタ 3)
SLP:
SpaceLab Pallet(スペースラブ・パレット)
DDCU:
DC-DC Converter Unit(
直流変圧器)
ICBC-3D: IMAX Cargo Bay Camera 3 Dimension
1―2
1.1.3 STS-92 ミッションの特徴等
<D 改訂>
(1)国際宇宙ステーション(ISS)の組立てに日本人宇宙飛行士が初めて参加すると共
に、初めて内部に入室します。
(2)STS-92 は、通算 100 回目の記念すべきシャトルフライトです。
(3)3A フライトが終了すると、ISS に宇宙飛行士が恒久的に滞在する準備が整いま
す。そのためにも本ミッションは重要な飛行となります。
(4)若田宇宙飛行士が操作する RMS を使用しての組立て作業は、従来のシャトルの
インタフェース要求文書では対応できない(新たな手順の開発やコンピュータ
解析等で対応します)ほど精密な操作が要求されています。また、直接目視でき
ない位置に精密に結合させる等の操作も必要とされており、これまでにない難
しい運用となります。
(5)RMS 運用以外にも4回の船外活動が必要であり、クルーの作業時間の余裕も少な
いため、予定どおりに作業が進まない場合は、大幅な計画変更が必要となる厳
しいミッションです。
(6)今回の飛行は、軌道傾斜角が 51.6 度と高いため、日本上空を通過します。条件
が良ければ朝晩に若田宇宙飛行士が乗ったシャトルを見ることができます。ま
た、今回はシャトルだけでなく、ISS との接近や、ISS とドッキングしてさらに
明るくなる姿を見ることができます。
(参考)国際宇宙ステーションの組立フェーズで使われる各フライトの名称
ISS 組立フライトでは、以下のような形でミッション番号が設定されています。
表1.1−2 各ISSフライトで使われる名称の意味
A
アメリカのフライト
R
ロシアのフライト
P
プログレス補給船による補給フライト
J
日本のフライト
E
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のフライト
UF
利用フライト(Utilization Flightの略)
1A/R や 1J/A、2J/A という「/」がついたものは、A/R ならアメリカとロシアのフライ
ト、J/A なら日本とアメリカのフライトという意味になります。つまり日本の曝露部等
が打ち上げられる 2J/A フライトは、日本とアメリカの飛行の2回目という意味です。
STS-92 の場合の 3A フライトは、アメリカの 3 番目の組立フライトという意味です。
ところが、このような番号の付け方は、ISS 計画の初期段階に設定されたものであり、
その後の見直しにより、どんどん変わってしまいました。3A フライトの場合は、その
前に 2A.1、2A.2a、2A.2b という追加の飛行が入り、現在ではアメリカによる6番目の
組立フライトになってしまっています。さらに、先のフライトでは、18A, 19A, 15A
という打上げ順序もあり、大変ややこしい状況になっています。
これらの番号が、修正されないのは、開発や運用設計に携わっている技術者達が混
乱しないように、順番が変わってもどのようなミッションのことかすぐに識別できる
ようにするためです。
1―3
1.1.4
3Aフライト前後の国際宇宙ステーションの形状
<F改訂>
3Aフライト前後の形状の変化を図 1.1-1,1.1-2 に示します。
プログレス補給船(1P)
ズヴェズダ(サービスモジュール)
ザーリャ(FGB)
ユニティ(ノード1)
PMA-1
PMA-2
図1.1−1
3Aフライト開始前の ISS 形状
Z1 トラス
プログレス補給船(2P)
(注:2Pフライトは 3A 直前にドッキング
予定であったが、11 月へ延期され
た)
図1.1−2
PMA-3
3Aフライト終了後の ISS 形状
1―4
1.2 ミッション概要
3Aフライトでは、Z1トラスと、PMA-3という2つの大きなエレメントがISSのユニ
ティ・モジュールに取り付けられます(図1.2-1参照)。また、このフライトでは宇宙飛
行士の恒久滞在に備えた各種機器の輸送が行われることになっています。この中には
搭乗員健康管理システムやISSへの補給品、船外活動用工具等が含まれています。
このフライトでは、合計4回の船外活動(EVA)が行われる予定です。これらのEVA作
業については、1.2.9項を参照して下さい。また、EVAに関する基本的な情報に関して
は、7章を参照して下さい。
図1.2−1
STS-92 のカーゴ搭載状況
1―5
1.2.1
主要ミッションスケジュール
<F改訂>
表 1.2-1 STS-92 主要スケジュール
(STS-92 Flight Plan
飛行日
Final(2000.9.8)より)
主な実施ミッション
1 日目 打上げ/軌道投入、Ku バンドアンテナ展開、ランデブー用軌道制御
2 日目 遠隔マニピュレータシステム(RMS)、カーゴベイ状態、宇宙服(EMU)、エアロッ
ク等の点検作業、ランデブー用軌道制御、 NASDA 広報(PAO)イベント
3 日目 ISS とのランデブー、ISS(PMA-2)とのドッキング、
ISS 内(ユニティ)への入室#1、物資の搬入
4 日目 ISS への Z1 トラス取付け、ISS 内(ユニティ、ザーリャ)への物資の搬入、
Z1 トラス結合部の船内側作業、ISS からの退室
船外活動(EVA)に備えて、オービタ内を 10.2psia(約 2/3 気圧)へ減圧
5 日目 EVA #1
(Sバンドアンテナの移動/取付け、Z1トラスとユニティ間の配線接続、Kuバンドアンテナの取付け
/アンテナブームの展開、ETSD(船外活動用工具箱)の移動/取付け#1 等)
ISS のリブースト(軌道の引き上げ)#1
6 日目 ISS への PMA-3 取付け
EVA #2 (SLP 上の PMA-3 のラッチ解除、PMA-3 とユニティ間の配線接続等)
ISS のリブースト#2
7 日目 EVA #3
(DDCU の取付け、Z1トラス及び PMA-3 とユニティ間の最終配線接続、ETSD(船外活動用
工具箱)の移動/取付け#2、Z1キール・ピンの移動 等)、ISS のリブースト#3
8 日目 EVA #4 (Z 1ケーブル・トレイの展開、Z1 グラップル・フィクスチャの移設等、
ISS 組立作業終了後、EVA 時におけるレスキュー試験(DTO 675,689)を行う)
ISS のリブースト#4
9 日目 オービタ内の気圧を 14.7psia(1 気圧)へ戻す、ISS のリブースト#5
ISS への入室#2/退室、クルー全員による PAO イベント(2 回)
ISS とのドッキング解除準備
10 日目 ISS とのドッキング解除、
クルー全員による PAO イベント、半日の休暇
11 日目 船内の後片づけ、軌道上共同記者会見、Ku バンドアンテナ収納
12 日目 軌道離脱準備、軌道離脱、着陸
注:打上げ日によっては、軌道の条件上、ランデブー/ドッキングが4日目となる
場合があります。その場合、後半の作業予定は変更される可能性があります。
スケジュールは、変更されることもありますので御注意下さい。
1―6
1.2.2
Z1 トラス
<F 改 訂 >
Z1トラス(図1.2-2参照)は、ISSの初期段階の電力を確保するために、4Aフライト
で打ち上げるP6トラス(太陽電池パドルを装備したトラス:図1.2-4参照)を一時的
に設置する際の基礎構造部になるものです。
このP6トラスは、2年程度Z1トラスの上で使用された後、13Aフライトで本来の位置
(左舷トラス)へ移設される予定です。
注:Z1トラスのZは、Zenith(天頂方向)のZ、またP6トラスのPは、Port(左舷)のPに由
来して付けられた名称です。
さらに、Z1トラスには、ISSの姿勢制御装置や通信システムも搭載しており、初期
段階の要となるモジュールであると言えます。
Z1トラスは、シャトルのRMSを使用してユニティ・モジュールの天頂部の共通結合機
構に結合されます。
Z1トラスには、主に以下の装置類が取り付けられています。
・姿勢制御用コントロール・モーメント・ジャイロ:CMG(Control Moment Gyros)
・Sバンド アンテナ・アセンブリ
・Kuバンド アンテナ・アセンブリ
・プラズマ生成ユニット:Plasma Contactor Units(PCU)
・一次、二次電力分配装置(DDCU等)
・機械的構造部
・熱制御システムハードウエア
・船外活動用工具箱(ETSD)
表1.2−2
Z1トラスの主要諸元(シャトルカーゴベイ搭載時)
諸
重量
約8,315kg
大きさ
約4.9m×4.8m×4.2m
材質
アルミニウム2219合金
開発メーカ
ボーイング社
1―7
元
P6トラス(太陽電池
パドル)
設置方向
ザーリャ、ズヴェズダ
を設置している方向
スペースシャトルの
ドッキングポート(PMA-2)
方向
キール・ピン
の移動場所
P6トラス結合機
構(RTAS)
(合計4個)
キール・ピンの固定
部(打上げ時)
Kuバンド送受
信器(SGTRC)
手動結合機構
(MBM)
船外活動用
工具箱
(ETSD)
プラズマ生成ユニット
(PCU)2個
リモート電力制御モジュール
(RPCM)
ロンジロン・
トラニオン・ピン
(シャトルへの固定部)
Z1 ケーブル
電力配線の
パッチ・パネル
トレイ
共通結合機構
(CBM)
図1.2-2(1/2) Z1トラス概観
1-8
P6トラス(太陽電池
パドル)
設置方向
スペースシャトルの
ドッキングポート(PMA-2)
方向
Kuバンドアンテナ
反射鏡(SGANT)
ザーリャ、ズヴェズダ
を設置している方向
Kuバンド送受
信器(SGTRC)
Kuバンド
アンテナブーム
P6トラス結合機構
(合計4個)
キール・ピンの
取付部(打上げ時)
船外活動用
キール・ピンの
移動場所
工具箱(ETSD)
Sバンドアン
テナ打上げ時
の固定場所
ETSD
SバンドACBSPヒートパイプ
コントロール・モーメント・ジャイロ
(CMG)4基
ラジエータ及びOSRプレート
ロンジロン・
トラニオン・ピン
EVA時の移動支援器
具「Pool Handle」
図1.2-2(2/2) Z1トラス概観
1-9
1.2.2.1
CMG(Control Moment Gyros) (ボーイング社開発)
コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)は、大型の宇宙機の姿勢を回転する円盤
(フライホイール)の力を利用して制御する装置です。CMG は人工衛星の姿勢制御に
使用されているリアクション・ホイールよりも大きな角運動量、トルクを発生するこ
とができます。この力の大きさは、フライホイールの角運動量とジンバルの回転速度
の積で決まり、リアクション・ホイールに比べると、数十倍のトルクが得られます。
CMG はこれまでに、アメリカのスカイラブと、ロシアのミールの姿勢制御用として
使用された実績があります。
Z1トラスには4基のCMG(1基の重量、約300kg)(図1.2-2(2/2)参照)が装備されており、
推進剤を使用するスラスターを使わずに、ISSの姿勢制御を行うことができます。こ
のCMGは、CMGの制御を行う機器が収められた米国実験棟デスティニーが打ち上げられ
る5Aフライトで起動されます。
CMG の中では、大型の円盤状のはずみ車 (フライホイール)を一定速度で回転
(6600rpm)させて、大きな角運動量を持たせておき、そのフライホイールを別のモー
タで駆動するジンバルで傾けることにより、地球ゴマのおもちゃで体験できるような
ジャイロ効果による大きな回転力を発生することができます。このようにして、宇宙
ステーションの姿勢を維持したまま、外乱を吸収することができます。
また、ホイールのスピン軸を慣性的に変更することにより、宇宙ステーションの姿
勢を変更することもできます。
宇宙ステーションの姿勢を保持すべき範囲に安定させるためには、最低でも2個の
CMGが稼働し、必要な角運動量を発生している必要があります。このため、CMGが故障
した場合にも軌道上で交換できるように設計されています。
内部ジンバル
フライホイール
(水平状態)
保護カバー
図1.2-3 コントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)の内部構造
1―10
1.2.2.2
Sバンド・アンテナ (ボーイング社開発)
<C改訂>
ISSのシステムを管理するためのテレメトリや、音声データは、通信速度が低速
ではありますが、通信のカバー範囲が広くなるSバンド帯を使用します。
Z1トラスに取り付けて運ばれるSバンド通信システムは、基準信号処理装置、低
利得アンテナ、高利得アンテナ等から構成されます。
3Aフライトで打ち上げるSバンド・アンテナ・アセンブリは、4AフライトでP6(左舷
の6番目の意味)トラスを取り付けた後、船外活動でZ1トラスからP6トラスの先端部
に移設されることになっています。また、Sバンド中継器はP6トラスに取り付けて
打上げられます。(4Aフライトのコンフィギュレーションを図1.2-4に示します。)
このため、このSバンド通信システムは、まだ完全に使える状態にはならないた
め、4Aフライトまでは使用できません。それまでは、2Aフライトでユニティ・モジ
ュールに暫定的に設置した初期段階の通信装置であるECOMMシステム(Sバンド初期
通信システム)が使用されます。
1.2.2.3
Kuバンド・アンテナ (ボーイング社開発)
Kuバンド通信システムは、ISSにおける科学実験データや米国セグメントのTV、ビ
デオデータ等の大容量のデータのダウンリンク(地上への伝送)に使用します。
このシステムも3Aフライトでは起動されず、5A.1フライトで起動される予定です。
このKuバンド通信システムは、静止軌道上のデータ中継衛星(TDRS)を経由して最大で
43Mbpsのデータをダウンリンクできます。
Kuバンドアンテナの反射鏡はブームの先端に取り付けられており、データ中継衛星
(TDRS)から受信する電波を基に自動的にアンテナをTDRS方向へ指向する機能を持っ
ています。
1.2.2.4 プラズマ生成ユニット(PCU:Plasma Contactor Units)
宇宙機が大型になり、複雑になるほど、宇宙環境による電位差で生じる放電(アー
ク)の影響は無視できなくなります。アークの発生により電子機器の回路が破壊され
ることがあるからです。
プラズマ生成ユニット(PCU)は、ISSとその周辺の空間の電位差を放電(アーク)が
生じるレベル(+40V)以下まで下げるために、電子を放出してプラズマフィールドを
生成する装置であり、Z1トラスに2基設置されています。PCUは、ISSに太陽光が当た
っている状態の時に、電子を放出します。もし、PCUがなければ、ISSは、約−150V
にまで帯電してしまいます。これをPCUを使うことで、+40Vにまでうち消します。電
子を放出するために、PCUにはキセノンガスが充填されています。なお、このPCUは、
3Aフライトでは起動されず、4Aフライトで起動される予定です。
1―11
ソユーズTM宇宙船(2R)
Sバンドアンテナ
(Z1トラスからの移設場所)
ズヴェズダ (サービスモジュール )
P6トラス (4Aフライトで取り付け)
(太陽電池パドル展開前)
Z1トラスとP6トラス
の結合部
ザーリャ
1-12
PMA-3
ユニティ
ODS(ドッキングシステム/エアロック)
飛行方向
地球方向
4Aフライト時のISS外観
<A改訂>
図1.2-4
1.2.2.5 電力分配装置 <D改訂>
Z1トラスは、4Aフライトで結合されるP6トラスの太陽電池からの電力を米国実験
棟デスティニーに供給する際に電力配線を経由させるモジュールとなります。この
ため、過大な電力を遮断するためのサーキットブレーカーの役割を持つ
RPCM(Remote Power Controller Module)
や直流変圧器DDCU(1.2.4項を参照)等が取
り付けられています。
1.2.2.6 機械的構造
Z1トラスの代表的な機械的構造としては、共通結合機構(CBM)、手動結合機構(MBM)、
Z1ケーブル・トレイがあります (図1.2-2を参照)。
(1)共通結合機構:CBM (Common Berthing Mechanism)
CBMはロシア以外のISS与圧エレメント間を結合するために共通的に使用される結
合機構であり、「きぼう」日本実験棟でも使われます。CBMには、モーター駆動で結
合を行うアクティブ側(把持ラッチ4個、構造結合用の駆動ボルト16個を有する)と
受動的なパッシブ側があり、気密を保持するために巨大なOリング・シールが取り付
けられています。この両者を軌道上で結合することによって、与圧を保ったまま、宇
宙飛行士がISSの各モジュール間を移動することができるようになります。図1.2-5
にCBMの概観を示します。
Z1トラスとPMA-3側には、パッシブ側の共通結合機構が使われており、ユニティ側
に取り付けられたアクティブ側CBMからの制御で、結合されます。CBMを結合させるに
は、各モジュールをCBMの把持ラッチ部で把持できる距離(十数cm)まで、RMSで精密に
接近させる必要があります。把持ラッチ作業が終了すると、16本のモーター駆動の結
合ボルトを軽く締めて仮結合した状態で、構造部の歪みを防ぐために両CBM(ACBM,
キャプチャーラッチ
(把持ラッチ)
結合ボルト
構造リング
アライメント・ガイド
CBMコントローラー
アライメント・ガイド
(位置決め機構)
ACBM
(アクティブ側の CBM)
PCBM
(パッシブ側の CBM)
図1.2-5 共通結合機構(CBM)
1―13
<D改訂>
PCBM)の温度差が小さくなるのを待ち、その後、結合ボルトをきつく締め付け最終的
な構造結合が実施されます。
CBMには、宇宙での過酷な温度環境や、デブリ(宇宙ゴミ)の衝突等から自らを守
るためにカバーが取り付けられています。
アクティブ側の CBM には、4 個の可動式カバーと、1 個の中央カバーの 2 種類のカ
バーが使われています。可動式カバーは、コマンドにより開閉できるようになってお
り、結合前に「開」状態にされます。中央カバーは、カバーを取り付けたままでの結
合が可能であり、結合完了後に、ハッチを開けて内部からクルーが取り外すことにな
っています。
今回の飛行で行われる、Z1トラスとユニティの結合、PMA-3とユニティの結合は、
軌道上での初めてのCBM結合作業となるため、今後のISS組立フライトの成否に係わる
重要な作業です。
(2)手動結合機構:MBM(Manual Berthing Mechanism)
手動結合機構(図1.2-2(1/2))はZ1トラスの前方にあり、5Aフライトで打ち上げら
れる米国実験棟デスティニーをユニティの前方のCBMに設置する際に、邪魔となる
PMA-2を取り外して、一時的に仮置き(注)するために使われます。
(注)取り外されたPMA-2は、デスティニーとユニティの結合が完了した後、デスティニーの前
方にあるCBMに移設されます。
この手動結合機構は、パッシブ側のCBMを結合できる機械的インタフェースを有し
ていますがアクティブ側のCBMとは異なり、EVAクルーが手動操作で固定する仕組みに
なっており、3AフライトでPMA-3を打ち上げる際に、PMA-3をスペースラブ・パレット
に固定する機構(1.2.3項参照)とよく似たものです。
1―14
(3)Z1ケーブル・トレイ
Z1ケーブル・トレイは、Z1トラスの前方に設置されており、将来、米国実験棟デステ
ィニーに電力、通信、冷却ラインを接続するための橋渡し部分として使われるケーブ
ル受けです。図1.2-6にZ1ケーブル・トレイの概観を示します。
Z1トラスの構体
フレキシブル・
ホース
Z1トレイ
配管
ヒーター
急速着脱機構(QD)取付部
フレキシブル・
ホース
ヒーター
サーモスタット
ヒーター
図1.2-6
Z1ケーブル・トレイ概観
1―15
1.2.3
PMA-3(Pressurized Mating Adapter) /スペースラブパレット(SLP)
与圧結合アダプタ(PMA)-2、3は、シャトルとのドッキングに使用される与圧可能な
円錐形のドッキングモジュールです(図1.2-7参照)。
PMA-3は、ユニティの底面にシャトルRMSを使用して取り付けられ、4A、5Aフライト
でのシャトルのドッキングポートとして使用されます。(図1.2-4参照)
シャトルでの打上げ時にはPMA-3は、シャトルのカーゴベイ内に取り付けられたスペ
ースラブ・パレット(SLP)に固定された状態で打ち上げられます。このSLPは、本ミッシ
ョンでは、PMA-3の輸送時の固定機構として使用するだけであり、そのままの状態で地
球に帰還します。(図1.2-8参照)
SLPはスペースラブ・ミッション(曝露実験機器搭載)用に開発された装置ですが、
スペースラブ・ミッションが終了した後も、機器の運搬用としてシャトルで使われてい
ます。(例えば毛利宇宙飛行士が搭乗したSTS−99のSRTM機器も、SLPに搭載
していました。)
PMA-3の重量は、約1,156kg、SLPの重量は、約1,500kgあります。
PMA
PMA-1
PMA-2
打上げ
STS-88
STS-88
PMA-3
STS-92
表1.2-3 各PMAの概要と用途
用途
ザーリャ(FGB)との結合に使用。(永久結合)
通常使用されるシャトルのドッキングポート。
(以下の PMA-3 を使用する場合を除く)
5Aフライトで、ユニティ(ノード1)から米国実験棟へ移設される。
10Aフライトで、米国実験棟からノード2 へ移設される。
4A、5Aフライトでのシャトルのドッキングポート。
5A.1フライトでユニティの下部から左舷ポートへ移設される。
ノード3 到着後にユニティからノード3 へ移設される予定。
図1.2-7
SLPに搭載された状態のPMA-3
1―16
PMA-3 をSLPに
固定するための
MBM 機構
PMA-3 固定装置
PMA-3
トラニオンピン
(4箇所)
船外活動用
工具箱
(ETSD)
スペースラブパレット(SLP)
(
U字型の構造部分)
シャトルの
機首方向
(
ETSD
クリアランス確認用のカメラ
の設置場所
図1.2-8 シャトル上でのPMA-3固定状況
1.2.4 直流変圧器 DDCU(DC to DC Converter Unit)
STS-92では、2基のDDCUがシャトルの右舷、左舷側壁に固定されて打ち上げられます。
このDDCUは、EVAクルーによってシャトルから取り外されて、Z1トラスの右舷に取り付
けられます。
DDCUは、約 160Vdcで入力した電圧(一次電圧)を約124Vdcの安定した電圧(二次電圧)
に変換する装置です。なお、このDDCUは、4AフライトでP6トラスの太陽電池からの電
力が供給されるまでは起動されません。
1.2.5
船外活動用工具箱 ETSD(EVA Tool Stowage Device)
ETSDは、Z1トラス上に設置されるEVA工具の保管箱であり、 STS-92ではSLPの端に2個
取り付けられて打上げられます(図1.2-8参照)。EVAクルーによってSLPから取り外され
た後、RMSの先端に乗ったEVAクルーによってZ1トラスへ運搬され、設置されます(図
1.2-2(2/2)参照)。
このETSDの中には、ISSで汎用的に使用される各種EVA工具が収納されます。
1―17
1.2.6 二次ミッション
1.2.6.1 IMAX 3次元カーゴベイカメラ(ICBC-3D)
< A改訂 >
(1)宇宙用 IMAX3D カメラ
宇宙用 IMAX3D カメラは、IMAX 社が開発した、通常の映画フィルム(35mm)の 10 倍
の細かさを表現できる大型(70mm)の IMAX フィルムを使用するカラー3D(立体映像)
のモーション・ピクチャー・カメラ( IMAX カメラ)であり、STS-92 で初めて使われま
す。このカメラは、IMAX 社、ロッキード・マーチン社、NASA が共同で開発したもの
であり、1 本のフィルムに左右のレンズの映像を記録し、これを別々の 2 本のフィ
ルムに分離して上映用のフィルムを作成します。この映像を観客は偏光グラスをか
けることにより、立体映像として見ることが出来ます。
この宇宙用 IMAX 3D カメラは、船外用と船内用の 2 台が製造されました。STS-92
では、コマンダー、パイロットと若田宇宙飛行士の3名が宇宙用 IMAX 3D カメラの
操作訓練を受けており、撮影を担当します。
(2)船外用 IMAX 3D カメラ(ICBC-3D)
船外用 IMAX 3D カメラは、3A, 4A, 6A, 7A, 7A.1フライトで搭載され、ISS の初
期段階の組立作業を映像に記録するもので、シャトルに取り付けられたまま、ミッ
ション毎に地上と ISS を往復します。STS-92 で搭載される船外用カメラの本体は、
シャトル・カーゴベイの右舷後方(船外)に設置され、フライトデッキに設置された
PGSC(ラップトップ・コンピュータ)からクルーのリモート操作により、撮影の開始/
停止操作が行われます。フライトデッキには、マイクロフォンと DAT レコーダーが
用意され、撮影期間中の船内クルーの音声を映像と同じフィルムに記録することが
できます。
(3)船内用 IMAX 3D カメラ
船内用 IMAX 3D カメラは、STS-106(2A.2b)で打上げられ、STS-104 (7A)で持ち帰
るまでの期間、ISS 上に保管され、ISS 及びシャトル船内の作業状況を宇宙飛行士が
撮影します(こちらも STS-92 で初めて撮影が行われます)。フィルムはシャトルド
ッキング時に交換され、撮影済みのものは地上に運ばれます。
(4)参考情報
このようにして記録された映像は、2002 年の春頃に、IMAX 3D カメラに対応した
シアターで「SPACE STATION 3D」のタイトルで一般公開される予定です。
日本では、新宿の「東京アイマックス・シアター」と大阪の「サントリーミュー
ジアム[天保山]」が IMAX 3D に対応しています。
IMAX カメラで撮影された宇宙関連の映画は、これまで「 Hail Columbia 」、
「Dream Is Alive」、「Blue Planet 」、「Destiny In Space 」、「 Mission To MIR」
の 5 本が製作されていますが、3D 映像としては今回が初めての撮影になります。
IMAX に関する情報は、IMAX 社のホームページ(http://www.imax.com/)を御参照
下さい。
1―18
1.2.6.2
開発試験ミッション(DTO)
開発試験ミッション(DTO)は、スペースシャトルあるいは、ISS のハードウエア機器や、
システム、及び運用に関する試験、評価、記録等を行い、実際の飛行に使えるよう確認
するためのフライト試験です。
(1)DTO 257 ISS構造力学モデルの検証(Structure Dynamics Model Verification)
シャトルと ISS がドッキングした状態での構造モデルはまだ充分検証されていな
いため、本 DTO の機会を通じて検証を実施するものです。この検証結果は、将来の
シャトルの RCS スラスターの制御アルゴリズムに反映される予定です。
この試験は、シャトルが ISS にドッキングしている状態で、シャトルのスラスタ
ーを使用して ISS の姿勢制御を実施する初期段階の組立飛行(2A,3A,4A,5A,5A.1)で
行われる予定です。本 DTO は、これまでに、STS-88(2A)で実施されています。
(2)DTO 675 船外活動クルーのレスキュー試験(Crew Rescue) (追加予定)
本試験は、ISS上でEVAを行っていたクルーがトラブルを起こした場合に、どうやっ
てそのトラブルを起こしたクルーを救助するか、という方法を検証、評価するもので
す。本試験は、4回目のEVA時に時間の余裕があれば実施される予定になっています。
この際、若田宇宙飛行士は、RMSを操作して、本試験の実施を支援します。
(3)DTO 689 SAFERの実証試験(USA SAFER Flight Demonstration)
(追加予定)
ISS 組立ミッションでは、シャトルが ISS とドッキングした状態で EVA を行うため、
EVA クルーが万が一はじき飛ばされてしまっても急にシャトルで助けに行くことは
出来ません。このため、SAFER と呼ばれるセルフレスキュー用の小型推進パックを宇
宙服に取り付け、リスク回避を行うことにしています(SAFER の詳細は 7-23 ページ
を参照して下さい)。本 DTO はこの SAFER の機能をテストするものであり、これまで
に STS-88(2A)で実施されています。 今回は試験なのでテザー(ひも)を付けた状態
でスラスタの動作確認を行います。本試験は、4回目の EVA 時に時間の余裕があれば
実施される予定になっています。この際、若田宇宙飛行士は、RMS を操作して、本試
験の実施を支援します。
(4)DTO 700-14 1系統での GPS 試験(Single Strings GPS)
DTO700-14 は、シャトルの打上げ、軌道上、再突入、着陸の各フェーズでの GPS
の性能と運用についての検証を行うものです。
DTO700-14 は、STS-79 で初めて飛行した後 、これまでに STS-81, 84, 85, 89, 91,
95, 88, 96, 99, 101で試験が行われています。
本 DTO は開発試験段階であるため、得られたデータはシャトルの航法データとし
て使用することはありません。「1系統での」という名称は、実用ではないため、
冗長系(シャトルに本格的に装備される際には 3 系統となります)を持たないところ
から付けられています。
1―19
(5)DTO 805 横風着陸実証実験(Crosswind Landing Performance
)
本実験の目的は、横風を受ける状態での着陸時の手動操縦能力をテストすること
であり、着陸時に 10∼15 ノット(5.1∼7.7m/sec)の横風が吹くと予測される滑走路
を、できるだけ着陸直前に決定(注)し、クルーの手動操縦により着陸を行います。
なお、横風が吹かない場合には、本実験は実施されません。
本 DTO は、これまでもほとんどのシャトルフライトで DTO の機会とされています
が実際に行う機会は極めてまれであり、STS-99 で久しぶりに実施されました。(最近
では、STS-72, 85, 87, 89, 91, 95, 93, 99等で DTO の機会となっています)
注:KSC の滑走路は1本しか無く、南または北から進入する(15,33 番滑走路と呼ばれていま
す)ケースしか選択できませんが、ドライデン飛行研究センターに降りる場合は滑走路が
複数あるため、滑走路を選ぶことができます。なお、ドライデンへの着陸は近年はほと
んど行われていません。
(6)DTO 847半導体スター・トラッカーのサイズ制約実験
(Solid State Star Tracker Size Limitation
)
スペースシャトルの機首には2基のスター・トラッカーが装備されており、星の
位置をもとに、慣性航法装置で蓄積される誤差を定期的に除去するために使われて
いますが、ISS の位置を捕捉するためにも使われます。本試験は、半導体スター・
トラッカーの性能(光点のサイズや明るさの制約)をこの大きな目標物である ISS
をターゲットとして評価する実験です。
本 DTO は、これまで STS-96,101で実施されています。
1―20
1.2.7
ISS とのランデブー/ドッキング <D改訂>
(1)概要
ISSとのランデブー、ドッキングは飛行3日目(場合によっては4日目)に実施される
予定です。3Aフライトでは、これまでの組立フライトと同様にユニティ・モジュー
ルに取り付けられたPMA-2への結合を行います。
ISS組立のためのシャトルフライトでは、ドッキングのための接近方法は、各ミッ
ションにより異なりますが、3Aフライトではロシア地上局とISSとの通信条件等を
考慮し、ISSの下側(地球側)からシャトルが接近してISSの周りを180度周って反転
し、ISSの上からドッキングのために降下する-R barアプローチ方法を取ります。(図
1.2-9参照)
ISS
図1.2-9a
3AフライトでのシャトルとISSの接近の状況
(ISSの位置を固定した場合のシャトルとの相対位置関係を示した図)
飛行方向
図1.2-9b
3AフライトでのシャトルとISSのドッキング直前の状態(上図⑦に相当)
(下の半円部は地球を示す)
1−21
(2)ランデブー、ドッキング手順 <D改訂>
・シャトルのランデブー・レーダの起動、及びODS(シャトルのドッキングシステム、
図1.2-4を参照)の起動。
・ISS側のドッキング受け入れ準備の完了を確認。
・最終接近フェーズ開始のためのシャトルのスラスター噴射(Tiバーン)を実施。
・ズヴェズダ・モジュール側では、シャトルが安全に接近できるようにするため、
ズヴェズダのスラスター噴射を禁止するモードへ移行。
(ズヴェズダとザーリャ・モジュールの太陽電池パドルは、シャトルのスラスター
噴射によるパドルへの汚染付着と振動の緩和を最小限にするため、シャトルが接
近する直前にパドル角度が変更されます。このため、この間、ISSの発生電力は低
下します。)
・ 至近距離まで近づき、ドッキング可能状態でシャトルのバーニア・ジェットを軽
く噴かして、シャトルのODSとISSのPMA-2(ISSのドッキング機構)を結合する。
この間、若田宇宙飛行士は、ISSまでの距離と接近率を小型のレーザー測距装
置で測定したり、ISSのビデオ撮影を行うなどしてコマンダー/パイロットの操
縦操作を支援します。
・機械的な結合が完了すると、ODSは停止され、ズヴェズダとザーリャモジュール
の太陽電池パドルの太陽追尾を再開する。
(3)制約事項
3A フライトでは、ISS とのドッキング/ドッキング解除時及び、ISS 入室時、EVA
開始前には、ロシアの2つのモジュールを地上から制御(姿勢制御の停止や電源の
投入/停止など)する必要があるため、ロシアの通信可能範囲でこれらの作業を実
施しなければなりません。しかし、旧ソ連時代と比べて規模が縮小された現在のロ
シアの宇宙通信システムでは NASA の通信システムと比べて、コマンドを送信でき
る範囲が非常に狭いので、コマンドの送信等に失敗すると、さらに通信が可能にな
るまで 1 周回の間待たなければならず、運用計画を実行する上で厳しい作業スケジ
ュールとなっています。
図 1.2-10 シャトル(STS-92)と ISS のドッキング状態
1−22
1.2.8
シャトルの遠隔マニピュレータ(RMS)運用
1.2.8.1
シャトル RMS 概要
シャトル RMS(Remote Manipulator System) は、複数の関節を持ち、スペース
シャトルの船内から宇宙飛行士の遠隔操作で動かすことができるロボットアーム
であり、以下の作業を行うことを主な目的としています。
・人工衛星等の放出/回収
・国際宇宙ステーション(ISS)の組立
・船外活動(EVA)の支援(EVA クルーの移動や足場として使用)
・RMS テレビカメラによるペイロードやシャトル外部等の外観点検
図 1.2-10
RMSの先端で作業を行う EVA クルー(STS-57)
図 1.2-11 船内から RMS の操作を行う若田宇宙飛行士(STS-72)
シャトル RMS の主要諸元を表 1.2-4 に示します。
1− 23
表 1.2-4 シャトル RMS の主要諸元(標準ミッション)
項目
主要諸元
・6関節:肩部=ピッチ、ヨー
肘部=ピッチ
関節数
手首=ロール、ピッチ、ヨー
(各関節は、電気モータで駆動)
全長
・約 15 m
直径
・約 38 cm
重量
・約 410 kg (ロボットアームのみ)
最大取扱重量
・ 約 29.4t
最大先端速度
最大回転速度
・ 約 60cm/秒 (何も把持していない状態)
・ 約 6cm/秒 (物体を把持した状態)
・約 4.7 度/秒
・2台:RMS の肘部、手首に各 1 台
テレビカメラ
・4台:シャトルカーゴベイの4角に各1台(注 1)
・ 1台:カーゴベイの床にキール・カメラを設置可能
(必要に応じて設置) (注 1)
・ ペイロードベイ左舷
シャトル取付位置
(RMS の使用要求が無いミッションでは搭載しない)
打上げ/帰還時には 3 基の固定機構で固定する。
アームの構造材料
開発
注 1
・ グラファイト・エポキシ複合材
カナダ MacDonald Dettwiler 社(旧 Spar 社)
5 基製作(うち 1 基はチャレンジャー事故で喪失)
カーゴベイ・カメラ、キール・カメラは、シャトル RMS の構成要素では
ありませんが、RMS 運用時に支援用として使われます。
なお、トラブルにより、シャトル RMS がカーゴベイ内に収納できなくなった
場合、あるいは、RMS で把持したペイロードが、外せなくなった場合には、ペ
イロードベイドアを閉じられないため帰還できなくなります。このため、この
ような事態が生じた場合には、コンティンジェンシーEVA を行って取り外すこ
とになりますが、さらに、万が一のことを考えてシャトルの RMS には、アーム
部を分離して投棄することもできる機構が備えられています。
1− 24
(1)シャトル RMS の構成
シャトルのロボットアームは、シャトルの後方フライトデッキ(図 1.2-12 参照)
に装備されている以下の装置類を搭乗員が使用することにより、操作することができ
ます。
<船内系の主要機器>
(a) RMS 制御パネル
RMS への電源投入/停止、ヒータ制御等を行うパネルであり、A8U パネルと A8L
パネルが主に使われます。(図 1.2-12 参照)
A8U パネルは、ロボットアームの肩部固定器具の解除、ロボットアーム温度デ
ータのモニタ、ロボットアームのブレーキ制御、エンドエフェクタ(把持部)に
よるペイロードの把持ステータスのモニタ等が可能です。
A8L パネルは、ロボットアームを保持している MPM(Manipulator Positioning
Mechanism)の開放、ロボットアームに対する電源の投入/遮断、及びヒータ制
御等に使用されます。
(b) THC(並進用ハンドコントローラ)及び RHC(回転用ハンドコントローラ)
THC 及び RHC ハンドコントローラは、マニュアル操作でロボットアームを駆動
する際に使用されものであり、 THC(Translational Hand Controller
) はロボ
ッ ト ア ー ム を 「 前 後 、 左 右 、 上 下 」 方 向 に 制 御 し 、RHC( Rotational Hand
Controller)は「±ロール、±ピッチ、±ヨー」方向にロボットアームを軸回
りに制御します。この 2 つのハンド・コントローラーを組み合わせて操作するこ
とにより、ロボットアームを動かします。
また、ペイロードをエンド・エフェクタで把持/解放する操作は、搭乗員が RHC
ハンドコントローラの「Capture/Release スイッチ」を用いて実施します。図
1.2-13 に RHC、THC の概観を示します。
(c) CCTV モニター
テレビカメラからの映像を映し出す 9インチのモニターが 2 台装備されてい
ます。1 台のモニター上には 2 台のカメラからのイメージを分割して表示するこ
とも可能です。
(d) CCTV 制御パネル(A7U パネル)
CCTV モニター上に表示するカメライメージの制御、及び CCTV カメラの制御
(パン、チルト、ズーム等)に使用します。
1− 25
頭上窓(左舷にもう 1 つある)
後部右舷窓
THC
CCTV の
制御パネル
A7U
後部左舷窓
CCTV
モニタ
1,2
RHC
パネルA8U
パネルA8L
(ハッチング部が RMS 操作に使用する機器)
図 1.2-12 シャトル RMS の操作卓
上
左
前
右
後
下
並進用ハンドコントローラー(THC) 回転用ハンドコントローラー(RHC)
注: 上下、左右、前後の表示に関して
は、模式的に表現したものであり、実
際はアームの姿勢により異なってきま
図 1.2-13 回転用(RHC)/並進用ハンドコントローラー(THC)
1− 26
<船外系の主要機器>
(a)
ロボットアーム(RMS)
2 つのブーム(腕)と 6 つの関節を持つ、全長約 15m のロボットアームであり、
アーム先端にはエンド・エフェクター(End Effector)と呼ばれるペイロードや
人工衛星等を把持するためのツールを有しています。(図 1.2-15 を参照)
(b)
MPM:Manipulator Positioning Mechanism
(アーム保持機構)
シャトルの打上げ/帰還時に振動等からロボットアームを守るための固定器
具であり、ロボットアームの肘部に 1 箇所、及び手首部に 2 箇所の計 3 箇所で
固定します。
(c)
テレビカメラ/ライト
ロボットアームの駆動、ペイロードの把持/解放、並びにシャトルオービタ
等の外観点検時等に使用するテレビカメラであり、ロボットアーム上には 2 台
(肘部と手首部に各 1 台)のテレビカメラが取り付けられており、手首部には
照明用のライトを 1 台を装備しています。
また、ペイロードベイの 4 角にも各 1 台ずつカメラ(ペイロードベイ・カメラ)
があり、一般的には、これら 6 台のカメラを切り替えながら使用し、ロボット
アームの操作を行います。
1− 27
(2)ロボットアームによる把持方法
シャトルの RMS ではどんなものでも持ち上げられるわけではなく、あらかじめ決
められた把持機構を取り付けたものしか持ち上げたり、移動することはできません。
シャトルの RMS の先端には、エンド・エフェクターと呼ばれる中が空洞になってい
る円筒形をした装置が取り付けられています。このエンド・エフェクターには「スネ
ア」と呼ばれる 3 本のワイヤーが取り付けられています。
一方、持ち上げられるペイロード側には、エンド・エフェクターで把持するための
グラップル・フィクスチャー(Grapple Fixture)と呼ばれる把持機構が取り付けら
れており、そのグラップル・フィクスチャーから突き出たグラップル・シャフトと呼
ばれる棒状の突起物をエンド・エフェクターの3本のスネア・ケーブルを交差させる
ことで中央部にセンタリングして固定し、ペイロードを把持します。
グラップル・フィクスチャの上には、ターゲットが取り付けられており、RMS 先端
に取り付けられた TV カメラでこのターゲットを見ながら、エンド・エフェクターを
グラップル・フィクスチャに精密に接近させることができます。(ターゲット・ロッ
ド先端の白い丸がロッド基部の白い円の真ん中に来るように調整すれば、あとは真
っ直ぐ接近させるだけで把持を開始できます。)
把持のためのターゲット
距離測定と回転ずれを
把握するための基準線
基盤: 直径
約 57cm
ターゲット・ロッド
(長さ 10cm)
ガイド用傾斜部
グラップル・カム・アーム
把持用のシャフト
長さ約 26cm
ガイド用の傾斜
電気コネクタ
(オプション)
図 1.2-14 ペイロード側に設置するグラップル・フィクスチャ(把持/固定部)
(写真は、MacDonald Dettwiler社のホームページより引用)
1− 28
3 本のワイヤケーブル
グラップル・フィクスチャ
エンド・エフェクター
ターゲット
ライト
電気コネクタ
CCTVカメラ
グラップル・
フィクスチャ
エンド・エフェクター(注:透けた状態)
図 1.2-15 RMS 先端部のエンド・エフェクターで
ペイロードのグラップル・フィクスチャを把持する状況
右上の写真は、グラップル・フィクスチャのロッドをエンド・エフェクター内の3本のワイ
ヤで巻き付けて捕まえた状態を示しています。このあと、引き込みを行い固定します。
(写真は、MacDonald Dettwiler社のホームページより引用)
1− 29
1.2.8.2 3A フライトでの RMS 運用
<D改訂>
(1)Z1トラスの取付け
ユニティにZ1トラスを取り付ける前に、まず、ユニティの天頂部(図1.2-16参照)の
結合機構であるCBMを起動し、点検します。正常な起動が確認できれば、シャトルの
RMSを使ってカーゴベイに固定されているZ1トラスのグラップル・フィクスチャを把
持します。次に船内クルーの操作により、Z1トラスをカーゴベイに固定している
PRLA(4本のロンジロン・トラニオンを両舷に固定している機構)とキールピン(カーゴ
ベイの底部に固定されているピン1本)の固定を解除し、RMSでZ1トラスを持ち上げま
す。(注:シャトルに搭載するペイロードには通常5箇所の固定部が必要です。)
Z1トラス結合までのRMS操作は、ユニティ/PMA-2がシャトルの後方フライトデッキ
(AFD)の 窓の 視 野 を 遮 っ て し ま い 、 直 接 目 視 確 認 が で き な い た め 、TVカ メ ラ や
SVS(Space Vision System:P1-32の補足説明を参照下さい)を使用し、モニター画面
を見ながら操作します。
Z1トラスをユニティの天頂部の結合機構(CBM)に接近させて、双方のCBMを把持させ
た後、CBMの16本の駆動ボルトで、Z1トラスとユニティは構造的に結合されます。
ユニティ天頂部
の CBM
①
③
図1.2-16
Z1トラスの取付イメージ
1−30
②
④
<D改訂>
(2)PMA-3の取付け
ユニティにPMA-3を取り付ける前に、ユニティの底部のCBM(図1.2-17参照)を起動し、
点検します。CBMの起動/点検が正常に完了すると、RMSでカーゴベイ内のPMA-3のグ
ラップルフィクスチャを把持します。この状態で、EVAクルーがスペースラブ・パレッ
ト(SLP)上に固定されたPMA-3のボルト結合を解除します。
結合が解除されると、RMSでPMA-3をカーゴベイから慎重に持ち上げ(注)、ユニティ
の底部にCBMを使って結合します。両側のCBMの温度差が小さくなるまでそのまま待機
し、その後、CBMの16本のボルトをきつく締めて気密が保てるように確実に固定しま
す。
(注:PMA-3とSLPの突起部との隙間が狭いため、ゆっくり動作させます。また、EVAク
ルーもこの時にPMA-3の移動状況を確認します。)
ユニティ底部
の CBM
①
②
③
④
図1.2-17
PMA-3の取付
(3)EVA 時の作業支援
EVA 作業時には、EVA クルーの足場を確保する必要があります。しかし、宇宙ステー
ションのように大きな構造物になると足場を確保するための機器の設置だけでも大変
な作業になります。そこで近年、RMS の先端に EVA クルーを乗せて移動させる方法(図
1.2-10 参照)がよく使われるようになりました。これにより EVA 作業が可能な場所を
1−31
な場所を大きく広げることができるようになりました。このような運用時には、EVA
クルーと RMS の操作担当との間で密接な連絡を取り合いながら RMS を動かします。
<補足説明>
・SVS(Space Vision System: 宇宙視覚システム)
SVS は、目標物に取り付けられた SVS ターゲット(通常、黒丸状のマークを使用)
を TV カメラで撮影し、このビデオ映像を画像解析することによって、目標物の位
置、姿勢、移動率を実時間で精密に測定するものです。このシステムは、カナダ
の Neptec 社によって開発されました。
目標物に取り付けられた複数個のドット・パターンが SVSのターゲットとして使
用されます。これらのターゲットの取り付け位置は地上で 3 次元的に精密に測定
されており、この基準データを元にターゲットの動きを測定します。また、TV カ
メラのレンズ特性等も飛行前に把握しておく必要があります。この測定された情
報はモニタ画面にグラフィックスと数値で宇宙飛行士に提供されます。
必要な測定精度を出すためには少なくとも 3 個以上(5 個が望ましい)の SVS
ターゲットが見えている必要があります。また、照明の条件や熱による変形等に
よる誤差も生じますので、これらを最小限に抑える必要があります。
ISS 構成要素の結合は、シャトル RMS や、SSRMS(宇宙ステーション RMS)を使っ
て行いますが、SVS はこれらの結合作業時に、位置決めする時の許容誤差が小さい
構成要素の結合作業時等において不可欠な技術です。
図 1.2-18 ユニティに設置された SVS ターゲット(白地に黒い丸の部分)
1− 32
1.2.9
船外活動(EVA)
3A フライトでは、4名の EVA クルーが 2 人組みで、1日おきに 2 回の EVA(計4
回の EVA)を行います。
1 日おきに EVA を行うのは、シャトルの EVA クルーは、EVA を実施した翌日は EVA
は行えない規定になっているためであり、4 人で 2 交代の体制を組んで作業を実施
します。
なお、以下の 4 回の EVA 作業は、打上げ直前まで手順の見直しが行われるため、
今後も多少変更される可能性があります。
(1)EVA #1 での主要作業
(a)Z1 トラスとユニティ間のアンビリカル配線の接続
Z1 トラスの温度的にクリティカルな機器にヒーター電力等を供給するために、
Z1 トラスとユニティ・モジュール間に合計 10 本のアンビリカル(電力、通信)ケー
ブルを接続します。
(b)S バンドアンテナ(SASA)の取外し、移動、設置
S バンドアンテナを打上げ時に固定されていた位置(図 1.2-2(2/2))からボルト
を外して取り外し、Z1 トラス上の別の場所に移設します。その後、ヒーター電力
を供給するための電力ケーブル 2 本を接続します。
注:この SASA を固定していた場所は、EVA#3 で DDCU を取り付ける場所となります。
(c)Ku バンドアンテナ(SGANT)の取外しとブームへの取付け
Ku バンドアンテナを Z1 トラスに固定している 2 箇所の固定具を緩め、アンテナ
のハンドルをつかんで上方へ引き上げます。その後、Ku バンドアンテナ・ブームに
Ku バンドアンテナを 4 本のボルトで固定します。最後にアンテナとブーム間に電
力ケーブル 2 本を接続します。
(d)Ku バンドアンテナ(SGANT)ブームの展開
打上げ時に Ku バンドアンテナのブームを固定していたボルトを緩め、ハンドル
をつかんでブームを上方へ展開します。
(e)船外活動用工具箱(ETSD)の Z1 トラスへの運搬・取り付け #1
スペースラブ・パレット(SLP)に固定して打ち上げられた ETSD 1個を取り外して、
RMS の先端に乗った EVA クルーが把持したまま Z1 トラスまで運搬し、Z1 トラスに
取り付けます。
ETSD は 2 個ありますが、もう1つの取り付け作業は EVA#3 で実施されます。
1− 33
(2) EVA #2 での主要作業
(a)スペースラブパレット(SLP)からの PMA-3 の取外し
まず、ユニティの底側にある CBM を起動/点検し、CBM の機能が正常であること
を確認します。そして CBM の把持ラッチが正常に展開されたところで、EVA クルー
はエアロックを出て、SLP から PMA-3 を取り外す作業に着手します。
以下の作業は、安全を確保するため、RMS で PMA-3 を把持した状態で行われます。
・PMA-3 の固定ラッチの解除
2 人の EVA クルーは、PMA-3 を固定しているボルト(16 箇所)を対角線上にバラ
ンスを取りながら緩めます。この作業時には、トルクや回転数等があらかじめプ
ログラミングされた電動工具(図 1.2-20 参照)を使用します。このボルトは完全
に緩めた状態でも外れて飛んでいかないような仕組みになっています。
その後、4 個の把持ラッチを完全に開いて PMA-3 の固定を解除します。
・PMA-3 をシャトルの RMS で持ち上げる状況のモニタ
PMA-3 と SLP 間の最も接近した部分の隙間は約 15cm しかないため、RMS で PMA-3
を把持して SLPから取り出す操作を確実に行うためにも EVAクルーは船外でこの
様子をモニタします。
(b)PMA-3 とユニティ間の主系アンビリカル・ケーブルの結合
ユニティモジュールへの PMA-3結合が終了した後、EVA クルーは打上げ時に PMA-3
の外壁に固定されて打ち上げられたアンビリカル・ケーブルを外し、ユニティと
PMA-3 間の主系アンビリカル(配線)計 4 本を接続します。(これらの配線を接続し
た後、PMA-3 のヒーターを起動し、CBM 接合部の温度を 1 晩かけて均一にさせ、最
終的な構造結合(ボルト締め)を行います。)
配線の接続場所
図 1.2-19
PMA-3とユニティ間のアンビリカル結合
1− 34
<F改訂>
(c)Z1/P6 トラス結合機構(RTAS 機構)のロンチロック解除
4A フ ラ イ ト で Z1 ト ラ ス に P6 ト ラ ス を 結 合 す る 際 に 使 用 す る 4 個 の
RTAS(Rocketdyne Truss Attachment System)機構のロンチロック(打上げ時用の
固定具)を解除します。
(3) EVA #3 での主要作業
(a)Z1 トラスへの DDCU 取付け
まず、
Z1 トラスの DDCU (直流変圧器)の取付け場所の断熱カバーを取り外します。
その間に RMS の先端に乗ったもう1人の EVA クルーがシャトルのカーゴベイに固定
された DDCU を取り外し、運搬用のハンドルを取り付けた DDCU をつかんだ状態で Z1
トラス上の設置場所まで運搬し、Z1 トラスへの取付けを行います。そして電力ケー
ブルを接続します。この作業をもう一つの DDCU でも同様の方法で行います。
(b)Z1 トラスとユニティ間のアンビリカルの接続(残り分)
Z1 トラスとユニティ間に電力供給、通信用ケーブル 4 本を接続します。ここでは、
EVA#1 で接続しなかった残りの配線を接続します。この際、2A フライトで接続した
一時的な電力ケーブルを取り外します。
(c)船外活動用工具箱(ETSD)の Z1 トラスへの運搬・取り付け #2
SLP に固定して打ち上げられた ETSD(残りの1個)を取り外して、RMS の先端に
乗った EVA クルーが把持したまま Z1 トラスまで運搬し、
Z1 トラスに取り付けます。
(d)PMA-3 とユニティ間のアンビリカルの接続(残り分)
EVA#2 でユニティと PMA-3 間の主系の配線ケーブルを接続後、ヒーターを起動し
て、CBM 双方の温度を均衡させましたが、ここでは、ユニティと PMA-3 間の従系の
配線ケーブル計 4 本を接続します。
(e)Z1 キール・ピンの移動
ピストル・グリップ・ツール(電動工具:図 1.2-20 参照)を使用して、Z1 キール・
ピン(シャトルのカーゴベイに Z1 トラスを固定する際に使用したピン)を固定し
ていた 2 本のボルトを緩めて、キール・ピンを取り外します。取り外したキール・ピ
ンは、手動結合機構(MBM)を使用する PMA-2 移設時に邪魔にならないように、少
し離れた場所に移設されます。
1−35
(4)EVA #4 での主要作業
<F改訂>
(a)Z1 FRGF の取付け位置変更
4A フライトで P6 トラスを取り付ける際に邪魔になるため FRGF(取り外し可能な
グラップル・フィクスチャ:Z1 トラスを RMS で把持する際に使用します)を取り外し
て、移設します。このボルト 8 本の取り外しには、ピストル・グリップ・ツールを使
用して、固定用のボルトを緩めます。取り外した FRGF は、Z1 トラス天頂部の隙間
へボルトで固定されます。
(b)Z1 ケーブルトレイの展開
この作業は、5A フライト時に米国実験棟デスティニーを起動するのに備えると共
に、PMA-2 を移動する作業(注)に備えて実施されます。打上げ時にトレイを固定し
ていたピン 4 本を外し、トレイを開きます。
(注)デスティニーへ電力を送るための電力ケーブルや冷却用の配管は、このトレイに取り
付けられているコネクターに接続します。
また、PMA-2 移設時には、MBM を仮置き場所として使いますが、トレイが閉じたまま
だと MBM にはアクセスできません。
(c)Z1 トラスの MBM 把持ラッチの動作確認
5A フライトで、PMA-2 を MBM に仮置きする作業に備えて、把持ラッチの動作確認
を行った後、そのまま把持ラッチを開いたままにしておきます。
(d)写真撮影、工具の収納
取り付け後の確認及び、将来のクルーの訓練に使用するため、EVA で取り付けた
機器は全て取り付け状況が判るように写真撮影が行われます。また、次回の 4A フ
ライトでの EVA に備えて、EVA 工具をあらかじめ決められた場所に収納します。
(e)SAFER の機能確認(DTO 689)、レスキュー技術の実証試験(DTO 675)
本 EVA 作業は、ISS の組立には関係ありません。ISS での EVA が増えるにつれて、
作業の危険性も増大するため、SAFER の機能確認と動けなくなった EVA クルーをも
う 1 名の EVA クルーが運搬する方法を実証試験します。1-19 ページの DTO 675, 689
を参照下さい。
1−36
拡大面
仮置き時の固定用
バヨネット・プローブ
英数字表示
ディスプレイ
LEDインジケータ
ON/OFF
スイッチ
モードA/B
切替スイッチ
トルク調整用環
MTL
スピード調整用環
トリガ
バッテリ・カートリッジ
図 1.2-20 ピストル・グリップ・ツール(PGT:電動工具)
1− 37
1.3 国際宇宙ステーション(ISS)の概要 <
<F改訂>
F改訂>
1.3.1 ISS 計画の概要
国際宇宙ステーション計画は、米国、ロシア、日本、カナダ、欧州(ベルギー、デ
ンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、イギリ
ス、スイスおよびスウェーデンの11ヶ国)とブラジル(注:ブラジルは、アメリカ
との2国間協定で参加。多国間協定での参加ではありません。)の計16ヶ国が共同
で開発を行っているもので、米国航空宇宙局(NASA)のスペースシャトルやロシ
アのプロトンロケット等を用いて平均高度約400Kmの地球周回軌道上に恒久的
かつ多目的な有人施設を段階的に構築するものです。
宇宙ステーション計画は、ミールとスペースシャトルのドッキングミッション(フ
ェーズ I 計画)の成果をもとに、開発、組立てを行っており、現在はフェーズ II 計画
に入っています。
ISS 計画の経緯については、参考の 2 章を御参照下さい。また、ISS の全組立てシ
ーケンスについては、参考-19 ページの表 1 を御参照下さい。
表 1.3-1 に現在までの ISS 組立フライトと 5A フライトまでの今後予定を示します。
表1.3-1
打上げ 日
5Aフライトまでの国際宇宙ステーション組立スケジュール
ISS組立シーケンスRev.F対応(2000年9月21日現在)
フライ ト番号
打上げ 機
打上げ 要素
1998.11.20
1A/R
露/プロトン
ザ ーリャ(FGB)(無人打上げ )
1998.12.04
2A
米/STS-88
ユニティ(ノード1)、与圧結合アダ プタ (PMA) -1,2
1999.05.27
2A.1
米/STS-96
ス ペース ハブ・ダ ブル・モジ ュールに よる 補給フライ ト、
EVA ク レーン
2000.05.19
2A.2a
米/STS-101
ス ペース ハブ・ダ ブル・モジ ュールに よる 修理保全フライ ト
2000.07.12
1R
露/プロトン
ズ ヴェ ズ ダ (サ ービス ・モジ ュール)(無人打上げ )
2000.08.06
1P
露/ソ ユーズ
プログ レス M1 補給船(無人打上げ )
2000.09.08
2A.2b
米/STS-106
ス ペース ハブ・ダ ブル・モジ ュールに よる 補給フライ ト
2000.10.05 予定 3A
米/STS-92
Z1 トラス 、PMA-3
2000.10.30 予定 2R
露/ソ ユーズ
ソ ユーズ TM 宇宙船 (
こ こ より 3 人の 飛行士が 常駐)
2000.11.中予定 2P
露/ソ ユーズ
プログ レス M1 補給船(無人打上げ )
2000.11.30 予定 4A
米/STS-97
P6 トラス 、太陽電池パドル、ラジ エ ータ
2000.12 予定
3P
露/ソ ユーズ
プログ レス M1 補給船(無人打上げ )
2001.01.18 予定 5A
米/STS-98
米国実験棟デス ティニー(U.S.LAB)
※参考:NASA ホームページ (http://spaceflight.nasa.gov/station/assembly/flights/chron.html)
プログレス補給船の打上げについては、Florida Today を参考とした。
(http://www.flatoday.com/space/next/sked.htm)
1−38
1.3.2
ISS の現在までの組立て状況
(1)2A(STS-88)
2A(STS-88)では、1A/Rにロシアのプロトンロケットで打ち上げられたザーリャ・モジ
ュールとドッキングして、シャトルで輸送したユニティ・モジュールをザーリャに結合
させました。この飛行では、組立作業のために、計3回のEVA(船外活動)が行われま
した。
図1.3-1
2Aフライト終了後のISS
(2)2A.1(STS-96)
2A.1(STS-96)は ISS への荷物の運搬を行う飛行であり、ドッキング期間中に1回の
EVA が行われました。
・ スペースハブ・ダブル・モジュール
与圧環境下で輸送する補給物資(食料、衣服等も含む)の運搬
・ ICC(Integrated Cargo Carrier)
曝露機器の輸送用キャリア
ICC は、スペースハブ社が開発した、曝露機器の輸送用キャリアであり、シャト
ルカーゴベイ内にスペースハブ・モジュールを取り付ける際の無駄な空間(与圧ト
ンネルの上の空間)を有効活用することができます。
スペースハブ
ダブルモジュール
ICC
図 1.3-2
2A.1のカーゴベイ・イメージ(2A.2a,b も同様)
1−39
図 1.3-3
ICC
・ EVA クレーン
2A.1 では、ロシアとアメリカの2つの EVA クレーンが輸送され、ISS に取り付
けられました。
-STRELA:ロシアの EVA クレーン
(2A.1, 2A.2aで分割して輸送。:2A.1 では、台座、支柱部のみを運搬。)
このクレーンは、機器だけでなく宇宙飛行士を乗せて移動させることも可能で
あり、実際にミールでも使用されました。3.0m から最大 15m まで伸ばすことが
可能です。重量は約 294kg です。
-OTD(ORU Transfer Device): アメリカの EVA クレーン
この米国製のクレーンは、STS-87 で土井宇宙飛行士がテストしたものと同じタ
イプのものです。
(3)2A.2a
2A.2a(STS-101)は、ズヴェズダ・モジュールの打上げ延期を受けて追加された飛行で
す。軌道上を周回しているザーリャ・モジュールはズヴェズダとのドッキング後には、
ほとんどの機器を停止する計画になっていたため、主要機器の寿命は約 500 日で設計
されていました。このため、ズヴェズダのドッキング時までザーリャの寿命を延長さ
せるため、2A.2a でザーリャ内の機器の交換修理を行いました。
STS-101(2A.2a)で搭載された主なペイロードは以下の通りです。また、2A.2a フライ
トでは、1 回の EVA が行われました。
・ スペースハブ・ダブルモジュール
ザーリャの修理のための機器(ザーリャのバッテリや消火器など)や、滞在クル
ーが使用する予定の運動用の機器など約 1.5 トンの補給物資を運搬しました。
・ ICC(Integrated Cargo Carrier)
曝露機器の輸送用キャリア
-STRELA:ロシアの EVA クレーン(2A.2a では伸展式のメインブーム部等を運搬)
2A.1 で運んだパーツと組み合わせて、軌道上で STRELA クレーンを完成させまし
た。
(4)1R ズヴェズダ(サービス・モジュール)
ズヴェズダは、2000年7月にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地からロシアのプロ
トンロケットで打ち上げられました。
打上げ後、ズヴェズダ・モジュールはザーリャ・モジュールと軌道上で無人状態のま
まドッキングします。ズヴェズダの全長は約13.1m、重量は約19.0tであり、ミール
宇宙ステーションの中核のモジュールとほぼ同じ設計のモジュールです。ズヴェズダ
1−40
<E改訂>
宙ステーションの中核のモジュールとほぼ同じ設計のモジュールです。ズヴェズダは、
後方に1つ、前方に3つの合計4箇のドッキング・ポートを持っています。(ミールは、
後方に1つ、前方に5つの合計6箇持っています。)
ズヴェズダには、睡眠用の個室、トイレ、冷蔵冷凍庫を含む調理設備、食事用のテ
ーブル等が装備されています。このため、米国の居住モジュールが打ち上げられるま
での宇宙飛行士の居住区として使われます。
ズヴェズダの詳細につきましては、「ズヴェズダ(サービスモジュール)打上げに関
するプレスキット」がありますので、そちらを御参照下さい。
NASDA の材料曝露実験装置
(軌道上で今後、取付けを予定)
図1.3-4 ズヴェズダ概観図
(5)2A.2b
2A.2b(STS-106)は、ISS への荷物の運搬とズヴェズダ内の機器の起動・点検作業を
行う飛行で、クルーは ISS とのドッキング後にズヴェズダ内へ入り、ズヴェズダを打
上げる際に各機器やパネル等を取り付けていた固定用ボルトの取り外しや、重量削減
のために取り外されていた機器や補給品など約 2.5t をシャトル及び、ズヴェズダの
さらに後ろにドッキングしたプログレス M1 補給船から搬入しました。
STS-106 で搭載される主なペイロードは以下の通りです。また、2A.2b フライトで
は、1 回の EVA が行われました。
・スペースハブ・ダブルモジュール
ISS 滞在クルーのための食料、水、衣服、ズヴェズダとザーリャのバッテリなど
の補給物資を運搬しました。
・ICC(Integrated Cargo Carrier)
曝露機器の輸送用キャリア
1− 41
1.3.3
3A フライト後の ISS
3A フライト終了後には、ソユーズ TM 宇宙船(2R)が打ち上げられ、米国人 1 人と
ロシア人2人の計 3 人(第1次滞在(Expedition 1)クルー)が宇宙ステーションへの
滞在を開始します。これ以降、約 3 ヶ月交代で 3 名が常時軌道上に滞在します。
また、4A フライトでは、アメリカの太陽電池パドルが、また 5A フライトでは米国の
実験モジュール「デスティニー」が打ち上げられ、5A.1 でデスティニーのラックが搬
入されると初期段階の基本機能がほぼそろい、実験運用も開始されます。
第 1 次 ISS 滞在クルーの経歴
William M.(Bill) Shepherd (
ウ イリアム・M・シェパード)
米国海軍大佐。国際宇宙ステーション(ISS)コマンダーを担当。1949 年 7 月テ
ネシー州生まれ。1984 年に NASA の宇宙飛行士に選抜される。今回が4回目の
飛行。シェパードは、最初の飛行クルーに指名されるまでは、1993 年から 1996
年まで国際宇宙ステーション計画の副部長をつとめた。彼のシャトル飛行経
験は、1988 年 12 月の STS-27、1990 年 10 月の STS-41、1992
年 10 月の STS-52 であり、440 時間以上の宇宙滞在を記録している。
Yuri Pavlovich Gidzenko(ユーリー・P・ギドゼンコ)
ロシア空軍副大佐。ソユーズ・コマンダーを担当。
ギドゼンコは、1989 年にロシアの宇宙飛行士の訓練に加わった。彼は 1962
年 3 月にロシアのニコラエフ地域のエラネツキ地方で生まれた。今回は2
回目の飛行となる。ギドゼンコは、1995 年 9 月から 1996 年 2 月までミー
ル宇宙ステーションでユーロ・ミール-95ミッションに参加
し、180 日以上の宇宙滞在を記録している。
Selgei Konstantinovich Krikalev(セルゲイ・K・クリカレフ)
フライト・エンジニアを担当。1985 年にロシアの宇宙飛行士に選抜され
る。クリカレフは、1958 年 8 月にロシアのレニングラード(現在のセント・
ペテルスベルグ)で生まれた。今回で5回目の飛行となる。彼は、1998 年
11 月から 1989 年 4 月まで行われたミール宇宙ステーションでの2回目のソ
ビエト−フランスの科学ミッションにフライトエンジニアとして参加した。
1994 年 2 月の初めてのアメリカとロシアの共同シャトル
飛行となった STS-60 で、クリカレフは初めてシャトルで飛行したロシアの宇
宙飛行士となった。さらに、1998 年 12 月の初めての国際宇宙ステーション組
立ミッションとなった STS-88 で飛行した。1年3ヶ月以上の宇宙滞在を記録
しており、この間、7回の船外活動を経験している。
1−42
1.3.4
若田宇宙飛行士が搭乗するスペースシャトル/ISSを見てみよう
国際宇宙ステーション(ISS)は、すでにミールと同じくらいの明るさ(1∼2 等星)で見
えています。シャトルが組立てのためにドッキングする時には、明るい宇宙機である
両者が合わさって、さらに明るく見えるため、街中でも見ることは可能です。
このような機会を通して、宇宙をより身近なものとして感じてもらうために、NASDA
ではホームページ等を通じて可視情報の提供を行っています。
以下のアドレスに、スペースシャトル及び ISS の探し方、可視情報、ISS の写真撮影
例等を掲載しています。
http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/map/
可視情報としては、DLR(ドイツ航空宇宙センター)が提供する情報等を利用して、星
図上での ISS の移動経路も見ることができます。図 1.3-5 を参照下さい。
1−43
図 1.3-5(1/2) 星図の中に示された ISS の飛行軌跡(例)
図 1.3-5(2/2) 星図の中に示された ISS の飛行軌跡(例)
1−44
1.4 若田宇宙飛行士の軌道上作業概要
1.4.1 主要任務
若田宇宙飛行士の飛行中の主要任務は、以下の通りです。飛行期間中の毎日の作業内
容の詳細については、表 1.4-1 をご参照下さい。
・シャトル・マニピュレータ・アーム(RMS)の操作 (1.2.8.2 項参照)
RMS を操作して、Z1 トラスと PMA-3 をユニティ・モジュールに結合します。
また、EVA クルーが作業を行う際に、RMS の先端に EVA クルーを乗せて作業場所へ移
動させたり、EVA 作業時の足場として使用できるよう RMS を操作します。
さらに、RMS に取り付けられたテレビカメラを利用して、カーゴベイ内の点検や、組立
て後の ISS の状況などの撮影も実施します。
・IMAX 3D カメラの撮影 (1.2.6.1 項参照)
IMAX 3D(船内、船外)カメラを使用し、ISS の組立状況を撮影します。
・ISS への補給品の搬入
シャトルで運搬した補給品を ISS(ユニティ及びザーリャモジュール)内に搬入しま
す。
・打上げ時のシャトルシステム運用
フライトデッキにおいて、コンピュータディスプレイや各機器類をモニタし、打上げ
上昇時のシャトル各システムの状況把握を行うと共に船長、パイロット、ミッションス
ペシャリスト 2 を支援し、必要な指示、操作などを行います。
・軌道上でのシャトルシステム機器等の運用
他のクルーと分担して、シャトルの通信システムや環境制御システム等の各システム
の操作を行います。
・ISS とのランデブー/ドッキング、ドッキング解除時の撮影
シャトルが ISS とランデブー/ドッキングする状態や、ドッキング解除から ISS 離脱
までのカメラ/ビデオ撮影等を担当します。
1−45
<F改訂>
表 1.4-1
若田宇宙飛行士の軌道上作業スケジュール
( STS-92 Flight Plan Final(2000.9.8)より)
飛行日
若田宇宙飛行士が実施する主要作業項目
1 日目 打上げ/軌道投入
ISS とのドッキングシステム(ODS)の準備。
2 日目 遠隔マニュピレータアーム(RMS)の起動/点検、RMS カメラを使用してのカーゴ
ベイ内の点検、宇宙視覚システム(SVS)の準備、点検、 NASDA の広報イベント
3 日目 国際宇宙ステーション(ISS)とのランデブー作業支援、ISS ドッキング時のビデ
オ撮影、ラップトップコンピュータ(EPCS, PGSC)の準備
4 日目 RMS を操作してカーゴベイ内から Z1 トラスを持ち上げ、ISS に取り付ける。
ISS に入室し、シャトルと ISS 間で荷物の搬入を実施。
5 日目 船外活動(EVA)#1 支援
RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。
6 日目 EVA#2 支援
RMS を操作してカーゴベイ内から PMA-3 を持ち上げ、ISS に取り付ける。
RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。
7 日目 EVA#3 支援
RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。
IMAX-3D 船内カメラによる撮影
8 日目 EVA#4 支援
RMS を操作して EVA クルーの足場の確保や移動などを支援する。
9 日目 RMS カメラを使用した組み立て後の ISS の外観撮影。
ザーリャ内への物資の搬入作業、ISS 内の作業状況のビデオ撮影、
クルー全員による広報(PAO)イベント(2 回実施)
10 日目 ISS とのドッキング解除時の作業支援、クルー全員による PAO イベント、
半日の自由時間
11 日目 船室内の後片づけ、軌道上共同記者会見、3 時間程度の自由時間
12 日目 軌道離脱準備、軌道離脱、着陸
作業計画は、実施直前まで変更される事がありますので、御注意下さい。
1−46
1.5 STS-92 ミッションに関係するホームページアドレス
以下に参考となりそうなホームページを御紹介します。
<NASDA のホームページ>
NASDA の ISS 建設状況のホームページ
http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/construct/index.html
NASDA の STS-92 ホームページ
http://jem.tksc.nasda.go.jp/iss/3a/index.html
<シャトル及びSTS-92関連>
NASAのシャトル/ISS ホームページ
http://spaceflight.nasa.gov/index-n.html
カナダのMacDonald Dettwiler社の宇宙用ロボットホームページ
(シャトルのRMSを開発したSpar社を吸収した会社)
http://www.mdrobotics.ca/
IMAX 社ホームページ
http://www.imax.com/
<ISS 関連>
ボーイング社の ISS ホームページ
http://www.boeing.com/defense-space/space/spacestation/index.html
ボーイング社の ISS ミッション情報のページ
http://www.boeing.com/defense-space/space/spacestation/mission_modules/index.html
スペースハブ社
http://www.spacehab.com/
スペースハブ社 SPACEHAB モジュール等の情報
http://www.spacehab.com/products/products_index.htm
(このアドレスから Flight Servicesを選択)
<Press Kit等>
NASA の Press Kit (注:打上げの 2 週間ぐらい前に公開されます)
http://www.shuttlepresskit.com/
DAC#8(最新の ISS の線画、CG 画像が入手できます)
http://seat1.jsc.nasa.gov/semda/doks/dac8.html
1−47
1.6 シャトルの軌道上作業タイムラインの読み方
各宇宙飛行士の軌道上での作業は、NASA が作成するタイムラインによって事前に
決められています。このタイムラインは、打上げ後も毎日、翌日分が変更され、軌道
上クルーや運用者に配布されています。このタイムラインを含むパッケージは、
Execute Packageと呼ばれています。
NASA の PAO(広報室)では、報道関係者に対してもこの Execute Packageを配布して
いますが、専門家しか聞いたことのないような略語や、ワープロ・スペースの都合で
省略されている用語もあるため、この内容を理解するのは非常に難解です。
ここでは、次ページ以降に、一般的な 3 種類のタイムラインの簡単な読み方を示しま
す。
なお、STS−92のタイムラインには、STS−92固有の用語や略語が使われ
ています。これらの略語の読み方については、付録2のSTS−92タイムライン略
語表を参照して下さい。
1−48
1−49
1−50
1−51
<F改訂>
1.7 STS-92
ISS 組立ミッション概要(飛行 1 日∼12 日まで)
表 1.7-1 に STS-92 における 1 日毎の作業概要を示します。
1-52
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(1/13)
FD1(飛行1日目)の作業内容
FD1
FD1 ミッション概要
打ち上げ/軌道投入
Ku バンドアンテナ展開、ランデブー用軌道制御
(1)打上げ (日本時間:10 月 6 日午前 10 時 39 分)
STS-92 ディスカバリ号は、フロリダ州ケネディ宇宙センター(KSC)の 39A 発射台より打
ち上げられる。正確な打上げ時間は、打上げの数時間前に ISS のレーダー追跡を基に決定される。
(2)軌道投入
リフトオフから約2分で固体ロケットブースターを分離し、約 8 分 30 秒後にメインエンジン
を停止する。約 8 分 50 秒後に外部燃料タンクを分離し、打上げから約 40 分後に軌道操作シス
テム(OMS)エンジンを噴射し、オービタは軌道に投入される。
(3)軌道投入後作業
打ち上げ約 45 分後より、軌道投入後作業を行う。軌道投入後作業としては、フライトデッキ
のコンフィギュレーションの変更や与圧スーツから普段着への着替え、スーツの収納などが行
われる。
(4)Ku バンドアンテナ展開
ペイロードベイドアを開き、Ku バンドアンテナを展開・起動する。これにより、テレビ映像
を降ろすことができるようになる。
(5)ランデブー用軌道制御
ISS とのランデブーのため軌道制御を行う。
(以後 FD3のドッキングに向けて数回の軌道制
御を行う。
)
(6)就寝
初日は打上げの約 5 時間後に早めに就寝する。
飛行目(Flight Day)の定義は、クルーが起床した時点から 1 日が始まるため、飛行時間と飛
行日はこの 1 日目の扱いにより、変わってくることに注意。
ハイライト/トピックス
STS-92 は、1982 年 4 月 12 日のコロンビア号(STS-1)による初打ち上げから通算 100 回目の
シャトルフライトになる。この 18 年間に計 645 人の宇宙飛行士を乗せて宇宙飛行を行った。
また、総飛行時間では 2.5 年の宇宙飛行に相当する。
1-53
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(2/13)
FD2(飛行2日目)の作業内容
FD2
FD2 ミッション概要
シャトルのロボットアーム、カーゴベイ状態、宇宙服(EMU)、エアロック等の点検作業、
ランデブー用軌道制御、NASDA 広報イベント
(1)各種点検作業
ISS とのドッキング前に、船外活動で使用するエアロックや宇宙服、あるいはシャトルのロ
ボットアーム(RMS)やカーゴベイ内の状態等の点検・準備を行う。
(2)ランデブー用軌道制御
ISS とのランデブーのため、3 回の軌道制御が行われる。
(3)NASDA 広報イベント (日本時間:10 月 7 日午前 9 時 19 分∼39 分の予定)
予定通り打ち上げられた場合、日本の VIP コールが予定されている。参加者は若田宇宙飛行
士とダフィー船長の 2 名である。
STS-99 で行われた NASDA 広報イベント(VIP コール)
ハイライト/トピックス
打上げ延期が生じた場合は、VIP コールの内容は変更されることがあります。
1-54
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(3/13)
FD3(飛行3日目)の作業内容
FD3
FD3 ミッション概要
ISS とのランデブー、ISS(PMA-2)とのドッキング、
ISS(ユニティ)内への入室#1
(1)ISS とのランデブー
3A フライトでも、これまで(2A∼2A.2b)の組立フライトと同様のドッキングアプローチ、
すなわち-R Bar 接近アプローチ(ISS の下側から接近して半周した後、上側からシャトルが最
終接近する)を行う。
(2)ISS(PMA-2)とのドッキング (日本時間:10 月 8 日午前 5 時 31 分の予定)
ダフィー船長の手動操縦により、ISS の PMA-2 とシャトルのドッキング機構(ODS)とを
結合させる。ODS の中央部にはカメラが取り付けられておりこの映像を見ながらシャトルを
ISS に接近させる。
(3)ISS(ユニティ)内への入室#1 (日本時間:10 月 8 日午前 8 時半頃)
PMA-2 を加圧し、点検した後、ISS(ユニティ)内へ入室し、物資の搬入等を行う。
ハイライト/トピックス
軌道位置の関係から、打上げ日(米国時間の 10/5,10/9 等)によっては、ドッキングは、4 日目
となる可能性がある。その場合、ドッキング以降の作業スケジュールは見直されるため、注意
が必要である。
1-55
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(4/13)
FD4(飛行4日目)の作業内容
FD4
FD4 ミッション概要
Z1 トラスの取付け、ISS 内への入室#1(ザーリャまで入室)/退室、
船外活動に備えてオービタ内を 10.2 psia(約 2/3 気圧)へ減圧
(1)Z1 トラスの取付け
RMS を起動する。また、取付け側となるユニティ天頂部の ACBM(アクティブ側の共通結
合機構)を起動し点検する。ACBM のキャプチャー・ラッチは動作確認を行った後、結合に備
えて展開状態にされる。
カーゴベイに固定している Z1 トラスを RMS で把持する。その後、Z1 トラスをシャトルに
固定している機構を解除し、RMS にて Z1 を結合が可能な位置まで移動させる。
Z1 トラスとユニティを CBM(共通結合機構)結合させる。その後、RMS の Z1 トラスの把
持が解除される。
(2)ISS 内への入室#1/退室
FD3 に続いて、ISS 内への物資の搬入作業が行われる。また、Z1 トラス接続部(CBM)の船内
側準備作業などが行われる。
(3)船外活動(EVA)に備えてオービタ内を 10.2 psia(約 2/3 気圧)へ減圧
EVA 前に行われる事前呼吸(プレブリース)時間を短くするため、FD4 の夜からオービタ内の
気圧を約 2/3 気圧に下げて、EVA に備える。
ハイライト/トピックス
Z1 トラスとユニティの結合は、軌道上での初めての CBM(Common Berthing Mechanism)
結合作業となる。CBM は、ロシア以外の与圧された ISS の構成要素同士を結合するために使
用される共通的な結合機構であり、
「きぼう」日本実験棟においても使用される結合機構であ
RMS
る。また、結合のための
操作は、ユニティ/PMA-2 がシャトル後方フライトデッキの窓の
視野を遮ってしまい、直接目視確認ができないため、カメラや SVS(Space Vision System)によ
る TV 画面を見ながらの操作となる。
この作業は、PMA-3 の取り付けと共に今回のミッションでの一番の見所である。
(次ページを参照)
1-56
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(5/13)
FD4(飛行4日目)の作業内容(2/2)
FD4
Z1 トラスの結合運用に関する技術的補足
(1) Low Hover、High Hover
Z1 トラスをロボットアームで持ち上げた後、そのままユニティに結合しない理由としては、
以下のような Low Hover、High Hover と呼ぶ操作が行われているからである。(PMA-3 に
ついても、同様に行われる。)
Low Hover 時には Z1 トラスを少しだけ持ち上げ、Z1 トラスの PCBM(受動側の共通結合
機構)部をカメラで点検し、異常がないかを点検する。
High Hover 時には Z1 トラスの SVS 画像の取り込みを行うという大切な役割がある。
(2)CBM の把持シーケンス
CBMの把持シーケンスとしては、
まず、
RMSで至近距離までCBM結合部を精密に接近
(許容誤差は約2,3cm)
させた後、4 本のキャプチャー・ラッチ機構で両 CBM をゆっくりと接近させて接触させ、16 本の電動ボル
トで構造的にきつく固定していく。
①ロボットアーム(RMS)、SVS を起動・点検する。
②ACBM(能動側の共通結合機構)側の起動・点検。
(CBM コントローラーの機能確認、キャ
プチャー・ラッチの展開、デブリ保護板の開放、駆動ボルトの動作確認等を実施する。
)
③PCBM 側のモジュール(Z1 トラス)を RMS で把持する。
④RMS でシャトルカーゴベイから取り出した Z1 トラスをユニティ側の ACBM のところま
で移動させ、SVS を使って両エレメントの CBM を精密に接近させ、キャプチャー・ラッ
チで把持可能となる範囲まで寄せる
⑤キャプチャー・ラッチで PCBM を ACBM に引き寄せて把持させる
PCBM 側
ACBM 側
把持
解放
キャプチャー・ラッチの動作メカニズム
⑥ボルト把持開始コマンド(ABOLT)を送信(4 本づつボルトを駆動し、約 7kN のトルクをか
ける。)
⑦最低 8 本の駆動ボルトが結合しているのを確認した後、PCBM 側のモジュールを把持して
いた RMS を取り外す。
PMA-3 の場合 12 時間が必要。
)
⑧ACBM と PCBM を熱的に均衡させる (Z1 トラスでは不要。
⑨駆動ボルトの中間トルクシーケンスコマンド(IBOLT)を送信
(16 本のボルトを 4 本づつ駆動、47.82kN までのトルクを 5 段階に分けてかける。)
⑫最終トルク付加コマンド(FBOLT)を送信し、構造結合を完了する
(16 本のボルトを 4 本づつ駆動、84.74∼86.96kN のトルクをかける。)
1-57
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(6/13)
FD5(飛行5日目)の作業内容
FD5
FD5 ミッション概要
1回目の船外活動
ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#1
(1)1回目の船外活動(EVA#1)
(日本時間:10 月 10 日午前 1 時 50 分頃∼約 6 時間 30 分)
・Z1 トラス主系配線接続
ユニティと Z1 トラス間の通信、電力配線を接続する。
・S-Band アンテナ(SASA)の移設
打上げ時に S バンドアンテナを固定していた場所には DDCU(直流変圧器)を設置するた
め、4A フライトまで使用しない S バンドアンテナは、別の仮置き場所へ移設される。
・Z1 トラス従系配線接続
・SGANT(Ku バンドアンテナ)の取り付け、ブームの展開
Ku バンドアンテナの固定場所は、4A フライトで P6 トラスを固定する場所となるため、
このフライトで、組立を行い、展開する必要がある。
・左舷の船外活動用工具箱(ETSD)の取り付け
(2)ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#1
シャトルの RCS スラスタを噴射し、ISS の軌道高度を上げる。3A ミッションでは、計 5 回
のリブーストが予定されている。
ハイライト/トピックス
EVA 時には、若田宇宙飛行士が RMS を操作して 1 名の EVA クルーの足場を確保する。
(残り 3 回の EVA も同様に実施される)
1-58
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(7/13)
FD6(飛行6日目)の作業内容
FD6
FD6 ミッション概要
ISS への PMA-3 の取付け、
2回目の船外活動、
ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#2
(1)ISS への PMA-3 の取付け
若田宇宙飛行士は、RMS を操作し、PMA-3 のカーゴベイからの取り出し、ユニティへの結
合を行う。この作業は、EVA クルーとの協調作業となる。
(2)2回目の船外活動
(日本時間:10 月 11 日午前 1 時 45 分頃∼約 6 時間 30 分)
・SLP(スペースラブパレット)からの PMA-3 取り外し
PMA-3 の取り外し作業は、安全を確保するため、常に RMS で PMA-3 を把持した状態で
行われる。2 人の EVA クルーは PMA-3 を SLP に固定している 16 箇のボルトを対角線上に
バランスを取りながら緩め、最後に 4 箇所の把持用ラッチを開き、RMS での取り出しが可能
なよう準備を行う。RMS で PMA-3 を持ち上げる際とユニティに PMA-3 を結合させる際に
は、クリアランスが非常に厳しいため、EVA クルーの目視による確認が必要となる。
・PMA-3 とユニティ間の配線接続
PMA-3 とユニティ間の、電力配線などを接続する。
(3)ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#2
シャトルの RCS スラスタを噴射して、第 2 回目の軌道高度の引き上げを行う。
ハイライト/トピックス
SLP から PMA-3 を取り出す際のクリアランスが厳しい所では 6 インチ(約 15cm)しかなく、
「24 インチ(約 61cm)以上であること」という通常の設計要求を満たしていない。そのため、
RMS の動作速度を遅くする等の対応が行われる。また、EVA クルーと RMS クルーの協調運用
も重要となる。
1-59
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(8/13)
FD7(飛行7日目)の作業内容
FD7
FD7 ミッション概要
3回目の船外活動、
ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#3
(1)3回目の船外活動 (日本時間:10 月 12 日午前 2 時頃∼約 6 時間 30 分)
3 回目の EVA では、カーゴベイに固定されていた直流変圧器(DDCU)2個を取り外して Z1
トラスへ設置する。また、Z1 トラスとユニティ間の配線(残り分)の接続、船外活動用工具箱
の Z1 トラスへの設置(右舷側)
、PMA-3 とユニティ間の配線(残り分)の接続、Z1 トラスの
キールピンの移設などが行われる。
直流変圧器(DDCU)
船外活動用工具箱(ETSD)
(2)ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#3
シャトルの RCS スラスタを噴射して、第3回目の軌道高度の引き上げを行う。
ハイライト/トピックス
ISS の周回高度ではまだ薄い大気が存在するために、数ヶ月単位で見れば大気抵抗による軌
道の低下は著しい。このため、定期的にシャトルやプログレス補給船のスラスタを噴射して高
度を上げる必要がある。なお、ISS 自身でもリブーストを行うことは可能であるが、補給が来
ない場合に備えて、通常は可能な限り消費を節約している。
1-60
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(9/13)
FD8(飛行8日目)の作業内容
FD8
FD8 ミッション概要
4回目の船外活動、
ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#4
(1)4回目の船外活動 (日本時間:10 月 13 日午前 2 時 05 分頃∼約 6 時間 30 分)
グラップルフィクスチャ等の移設、Z1 トレイの展開、後のミッションでのデスティニー(米
国実験モジュール)の接続に備えた準備作業、写真撮影等を行う。
また、SAFER(Simplified Aid For EVA Rescue) つまり船外活動時のセルフレスキュー推進装
置の実証試験及び船外活動クルーのレスキュー試験を実施する。
SAFER
STS-64 で行われた SAFER の飛行試験(今回は自由飛行は行わない)
(2)ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#4
シャトルの RCS スラスタを噴射して、第4回目の軌道高度の引き上げを行う。
ハイライト/トピックス
シャトルでの EVA 時にはクルーが飛ばされてしまっても、シャトルで助けに行くことは可能
であるが、ISS にシャトルがドッキングしている時にはドッキングの解除等に時間がかかるた
め、簡単に助けに行くことはできない。このため、SAFER が開発され、ISS での EVA 時には
必ず装着することが義務付けられている。しかし、このような開発経緯があるため、トラブル
がない限り通常使われることはない。
1-61
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(10/13)
FD9(飛行9日目)の作業内容
FD9
FD9 ミッション概要
オービタを 14.7 psia(1気圧)へ戻す、ISS への入室#2/退室、
クルー全員による広報イベント(2回実施)
、
ISS とのドッキング解除準備、
ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#5
(1)オービタを 14.7 psia(1気圧)へ戻す
EVA が予定通り終了すると再び船内を 1 気圧へ戻す。
(2)ISS への入室#2(ザーリャまで入室)/退室
ザーリャへの物資の搬入や、次の組立ミッションに備えて ISS 内の整備作業を実施する。
(3)クルー全員による広報イベント(2回実施)
ISS とドッキングしての作業がほぼ一段落
したした時点で、米国の報道機関が実施する
広報イベント(2 回)にクルー全員が参加する。
また、ISS 内でのクルー全員による記念撮影
も行われる。
(4)ISS とのドッキング解除準備
ISS 内のハッチを閉鎖し、ドッキング解除に備える。
(5)ISS のリブースト(軌道高度の引き上げ)#5
シャトルの RCS スラスタを噴射して、第5回目の軌道高度の引き上げを行う。
ハイライト/トピックス
この次に ISS を訪問するのは、10 月 30 日打ち上げ予定の 2R ミッション(ソユーズ TM 宇
宙船)のアメリカ人宇宙飛行士 1 名、ロシア人宇宙飛行士 2 名の計 3 名であり、約 3 ヶ月半 ISS
に滞在する予定である。これ以降、約 3∼4 ヶ月交代で常時 3 名が ISS に滞在する。
1-62
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(11/13)
FD1
FD10(飛行10日目)の作業内容
FD10 ミッション概要
ISS とのドッキング解除、
フライアラウンド運用、
クルー全員による広報イベント、半日の休暇
(1)ISS とのドッキング解除(日本時間:10 月 15 日午前 1 時 40 分頃)
船長の操縦により、ISS からゆっくりとシャトルを離脱させる。
(2)フライアラウンド運用
ISS から分離した後、ISS の周囲を周回しながら、ビデオや写真で 3A フライト終了後の ISS
の外観を記録撮影する。
(3)クルー全員による広報イベント
米国の報道機関が実施する広報イベントであり、クルー全員が参加する。
(4)半日の休暇
ハイライト/トピックス
ISS とのドッキングが FD4 になるなどして、軌道上作業が予定通り終了しなかった場合は,
最悪、ドッキング後の休暇等をつぶして作業を行う可能性もある。軌道上タイムラインにはこ
のようなマージンを考慮し、ある程度余裕のあるスケジュールが組まれている。
1-63
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(12/13)
FD1
FD11(飛行11日目)の作業内容
FD11 ミッション概要
船内の後片づけ、軌道上共同記者会見、
Ku バンドアンテナ収納
(1)船内の後片づけ
帰還に備えて、不用な機器を所定の場所に収納するなど、船内を地球帰還用の設定に変更す
る。
(2)軌道上共同記者会見 (日本時間:10 月 16 日午前 6 時 35 分頃∼約 45 分間)
帰還を前にクルー全員で記者会見を行う。
(3)Ku バンドアンテナ収納
軌道上からの画像のダウリンクは、この時点までである。
ハイライト/トピックス
軌道上記者会見は、45 分間予定されており、米国が 25 分間、日本は 20 分間(他の ISS 参加
国が興味を示さない場合)の割当が与えられる予定である。
1-64
<F改訂
<F改訂>
表1.7−1 STS-92 ISS 組立ミッション概要(13/13)
FD1
FD12(飛行12日目)の作業内容
FD12 ミッション概要
軌道離脱準備、軌道離脱、着陸
(1)軌道離脱準備
帰還に備えて、各クルーは塩の錠剤と飲み物(ジュースやスープ等)を摂取する。これは、軌道
上での体液シフトによる脱水効果を避けるためであり、着陸後の貧血防止に役立つ。また、打
上げ/着陸時に着る与圧服を着用する。軌道離脱の約 2 時間半前にはカーゴベイを閉じる。
(2)軌道離脱
OMS エンジンを飛行方向に逆噴射し、減速することにより、軌道から離脱し、大気圏への降
下を開始する。
(3)着陸 (日本時間:10 月 17 日午前 6 時頃)
天候等によほどの支障がなければ、予定どおりケネディ宇宙センター(KSC)へ帰還する。
KSC 以外の代替着陸時に降りると KSC への輸送コストが余分にかかるので、現在では 1∼2
日の着陸延期を行ってでも KSC に着陸するようである。
ハイライト/トピックス
STS-92 の着陸時間は遅いため、通常は着陸 6 時間後に行われるクルーの記者会見も翌日に行
われる予定である。
1-65
2.スペースシャトルシステムについて
2.1 スペースシャトル開発の経緯と全体概要
NASAはアポロ計画の末期であった、1972年よりスペースシャトルの開発に
取り組み始めました。その結果、NASAにとっては、スペースシャトルの開発
費と運用費をいかに低下させるかが大きな課題となりました。
宇宙輸送システム(STS)の開発費用を抑えると言っても極端に抑えること
は非常に困難と思われましたが、一度開発した物を何回でも使用できれば、一回
の飛行当たりの費用は当然安くなります。そこで、NASAはシャトルは反復使
用が可能だという点を強調して議会の説得に当たりました。しかし、これだけで
は議会を説得できず、具体的なイメージを示しながら、デルタ翼(三角翼)で帰
還時に自由に操縦でき、かつ貨物搭載量がこれまでになく大きいという点を強調
することにより議会を通過させました。
NASAは1970年頃から徐々に構想を固め、民間会社に基本設計を委託しまし
た。そこから受け取った報告書の内容は、ジャンボなみの有翼ロケットに中距離
飛行機なみの軌道船(オービタ)を乗せ、途中で切り離された後の有翼ロケット
も有人で操縦され、地上に帰還するという合理的なものでした。
しかしながら、このシステムの開発費は余りにも高額であったため議会の承認
が得られませんでした。結果として、初段の有人有翼ロケットは放棄せざるをえ
ず、現シャトルの構想に変更し、ようやく1972年に大統領の承認を得ることがで
きました。
1981年4月12日、宇宙輸送システム1号機(STS-1)のコロンビア号は、米国のフ
ロリダ州にあるNASAケネディ宇宙センターより2人の飛行士を乗せ3日間
にわたる第一回目の宇宙飛行を終え、無事カリフォルニア州のドライデン飛行研
究センターに着陸しました。
耐熱タイルが、飛行中に剥がれるなど多少のトラブルは発生しましたが、上記
初飛行を成功させることが出来ました。この成功によって、宇宙飛行は新しい時
代を迎えることになりました。つまり、衛星の回収や修理、複雑で大規模な有人
宇宙実験など今まで不可能と思われていたことが可能となったのです。
なお、1981年の初飛行以来、18年間で90回以上打ち上げられてきたスペースシ
ャトルは、その後少しずつ改良が行われており、毎年、信頼性・安全性の向上、
打上げ・運用費用の削減、機能向上が図られています。
注)STS:Space Transportation System
2−1
スペースシャトルの全体図を図2-1 に示します。また、その形状及び主要諸元
を図2-2 に示します。また、主要諸元を表2-1に示します。
外部燃料タンク(ET)
ETと SRBの
取付部 (片側 2ヶ所 )
固体ロケットモーター(SRB)
図2-1 スペースシャトルの全体図
スペースシャトル・システム
全 長 56.1m
翼 幅 23.8m
外部燃料タンク(ET)
長 さ 47.0m
直 径 8.4m
固体ロケット・ブース(SRB)
長 さ 45.5m
直 径 3.7m
推 力 1,495トン/(1本)
オービタ
長 さ 37.2m
翼 幅 23.8m
着陸時の高さ 17.3m
カーゴベイ長さ 18.3m
主エンジン推力 534トン/(3基合計)
図2-2 スペースシャトルの形状及び主要諸元
2−2
表2−1 スペースシャトルの主要諸元
全長
直径
高さ
重量
オービタ
37.2m
23.8m(翼幅)
17.3m(着陸時)
オービタ重量
(SSME 3基含む、
ペイロードは含まず)
コロンビア 82.2t
ディスカバリー 78.6t
アトランティス
78.3t
エンデバー
78.7t
(98.1月現在)
ET
SRB
47.0m
8.4m
45.5m
3.7m
−
全重量 約750t
(推進剤含む)
推進剤重量 720t
構造重量 29.9t
(注:98年6月から使われる
よ う に な っ た SLWT は 約
3,400kg軽 量 化 さ れ た た め
重量は26.5tである。)
−
−
全重量 約589t/1基
(推進剤含む)
推進剤重量 496t/1基
構造重量 87t/1基
SSME 1基あたり
1,495トン(海面上)/1基
(推力104%時)
178トン(海面上)
221トン(真空中)
その他
カーゴベイ
長さ 約18.3m
直径 約 4.6m
SLWT(Super Light Weight Tank)
コロンビア号だけが重いのは、製造時期が古く、構造材が他のオービタと多少異なるためです。
推力
2−3
シャトル全体
56.1m
23.8m(翼幅)
23.9m(ET+オービタ垂直尾翼上部)
−
打上げ時全重量 約2,038t
(ペイロードを含む)
( 注 : ミ ッ シ ョ ン に よ り 約 2,020 ∼
2,050tと異なる。)
SSME 3基 534t
SRB 2基 2,990t
打上げ時合計
約3,524t
2.2 緊急時の対処、脱出手順概要
オービタの緊急脱出システム、手順としては、以下のようなものがあります。
(ア)射点上で固体ロケットブースタ(SRB)の点火前に緊急事態が発生し
た場合には、アクセスアームがオービタのハッチに再接続され、クルーは
スライドワイヤーでつられた緊急脱出用バスケットにより整備支援塔か
ら脱出することになっています。
(イ)打上げ後にメインエンジン等に不具合が発生し、飛行継続が不可能な場
合は、KSCに戻る(RTLS)、大西洋横断後にスペインまたはアフリ
カの西海岸に着陸(TAL)、地球をほぼ一周して着陸する(AOA)等
のケースが想定されています。
(ウ)飛行中に火災、または空気汚染等が発生した場合は、打上げ/帰還時に
着用する与圧服を着用し、緊急事態がおさまるのを待つことになります。
(エ)大気圏内での滑空中に緊急事態が発生した場合には、ミッドデッキのハ
ッチよりポールを伸展させ、クルーはオービタの主翼に衝突しないようポ
ールにガイドされながら脱出しパラシュートで降下します。脱出時の高度、
速度は、高度9,000m以下、大気速度約555km/h以下となっています。
(オ)緊急着陸等で問題が発生した場合は、クルーはミッドデッキの左舷クル
ーハッチから脱出することになっています。ここが開かない場合は、フラ
イトデッキの天井ハッチからロープを使用して脱出します。
注)RTLS:Return To Launch Site
TAL:Trans Atlantic Landing
AOA:Abort Once Around
2−4
2.3 スペースシャトルの主要機能の概要
スペースシャトルのオービタ(軌道船)の概要を図2−3に示します。
オービターには、与圧された操縦席と居住部、荷物を搭載するペイロードベ
イ、ペイロードを放出したり回収する際に使用するリモート・マニュピレータ・
システム(RMS)、軌道制御を行うためのOMSエンジン、姿勢制御やゆっく
りとした軌道変更を行うためのRCSスラスター、打上げ時のみ使用されるメ
インエンジン(SSME)等が装備されています。
次ページ以降に、シャトルの各機能概要を説明します。
ラダー/スピードブレーキ
ペイロードベイ・ドア
SSME
OMSエンジン
ペイロードベイ
展開式ラジエター・パネル
後方RCS
OMS/RCSポッド
T-0 アンビリカルパネル
ボディフラップ
サイド・ハッチ
エレボン
前方RCS
RMS
ペイロードベイ・ドア・ラッチ部(代表例)
ラジエター展開ラッチ部(代表例)
図2−3 オービタの全体概要
2−5
2.3.1 推進系
スペースシャトルには、打上げ時に使用するSSME、SRBと軌道上で
の軌道変更、軌道離脱に使うOMS、姿勢制御等に使用するRCSエンジン
があります。
表2-2 にスペースシャトルの推進系システムの主要諸元を示します。
表2−2 スペースシャトルの推進系システムの主要諸元
固
体 スペースシャトル 軌 道 操 作 ガスジェット姿勢制御
エンジン(RCS)
推進装置 ロケットブースタ メインエンジン エ ン ジ ン
仕 様
(SRB)
(SSME)
(OMS)
メインスラスタ バーニア
スラスタ
推力(真空中)
(t)
0.3946 0.0113
1,495(海面上)
221(104%)
2.72
比推力(真空中)(s)
289
228
−
452
319
混合比(重量)
−
6
1.65
1.65
燃 焼 圧( k g f / m 2 )
最大64.2
208.8
8.8
−
重量 (t)
燃
推進薬
酸
台
化
約498
約720
10.9
1.097
料 ポリブタジエン・
アルミ粉末
液体水素
モノメチル
ヒドラジン
モノメチル
ヒドラジン
剤
過塩素酸
アンモニウム
液体酸素
四酸化
二窒素
四酸化二窒素
数
2
3
2
前方 14
後方左12
後方右12
2
2
2
注)SRB:Solid Rocket Booster
SSME:Space Shuttle Main Engine
OMS:Orbital Maneuvering System
RCS:Reaction Control System
2.3.2 操縦関連のシステム
オービタの操縦システムは飛行機のように滑空中の操縦も必要なため従
来型ロケットに比べ非常に複雑です。三角翼の後縁に昇降舵と補助翼を兼ね
たエルボンという装置がついていますが、エルボンは外舵エルボンと内舵エ
ルボンに分かれており、飛行機と同じように速度の大きい場合は、内側だけ
が作動し、速度が遅くなると両方が作動します。これは、昇降舵を兼ねてい
るので、上面にも下面にも動きます。(図2−4 オービタ エルボン参照)
飛行機の場合、揚力を増すため主翼のフラップを用いますが、オービタで
は胴体の後縁にあるボディーフラップを用いています。
方向舵(ラダー)は飛行機と同様、尾翼には方向舵が取り付けられていま
す。
一方、打上げ時の制御としては、SSME、SRB共にエンジンの首振り
が可能であり、推力方向制御を行っています。
2−6
軌道上での姿勢制御は、オービタの前方および後方にあるRCSエンジン
を使って変更します。このRCSは、再突入後の大気が薄く舵による空力制
御がきかない間の制御にも使われます。
外部タンクに取り付けられたSRBは、打上げ上昇中の推力の大半を受け
持っていますが、推力方向を変えるため、可動ノズルが採用されています。
SRBを両脇に抱えた外部タンクは、100 トンもあるオービタを背負った
形となっていますが、重心は外部タンクの中心線及び、オービタの中心線の
中間の位置に来ます。
外舵エルボン
内舵エルボン
図2−4 オービタ エルボン
2.3.3 環境制御・生命維持システム
(ア)環境制御・生命維持システムには、以下のような目的があります。
*キャビンエアーの浄化
*新鮮なエアーの追加
*圧力を1気圧に保持
*キャビン内の温/湿度制御
*飲料水や手洗い水の供給
*トイレの作動
*火気の検出・消火
(イ)環境制御・生命維持システム装置は、操縦席の下の階(ミッドデッキ)
に収納されています。
(ウ)2台のファンにより、キャビン内エアーの循環を行い空気を水酸化リチ
ウムを含んだキャニスター(二酸化炭素を除去すると共に、活性炭によ
り臭気も除去する)に送り込みます。飛行中、キャニスターは定期的に
交換する必要があります。
2−7
(エ)飛行中の廃熱の主な処理方法には、以下のような方法を用います。
・船室内及び、ペイロードベイ内の熱は、冷却ループで集められた後、
ペイロードベイドア内側に取り付けられているラジエータ・パネルよ
り放出します。
・ラジエータ・パネルが使用できない時、あるいは排熱量が大きい場合
は、フラッシュ・エバポレータという装置により、環境制御・生命維
持システムから発生した熱を水の気化を利用して除去します。
(オ)ペイロードベイを閉めた状態では、熱制御上の問題により、標準的なミ
ッションでは運用時間は8時間程に限定されます。このため、オービタ
はミッションの種類にかかわらず、軌道上では直ちにペイロードベイド
アを開けることになっています。
2.3.4 電力システム
シャトル内の電力は、ペイロードベイの下に3台搭載されている燃料電池
から全て供給されます。
燃料電池は、酸素と水素を反応させて電力を供給するものであり、28Vの
直流電力を打上げ3分30秒前から着陸後まで供給します。酸素と水素はペイ
ロードベイの下に液体酸素、液体水素として貯蔵されています。
なお、燃料電池内での酸素と水素の反応時には副産物として水が生成され
ますが、これはクルーの飲料用として使用されます。
2.3.5
シャトル内での生活等
(1)シャトル打上げ/帰還時の服装
スペースシャトルの打上げ/帰還時には、宇宙飛行士は、ヘルメットの付
いたオレンジ色(不時着時に遠くから発見しやすくする為)の与圧可能な飛
行服(フライト・スーツ)を着用します。打上げ時には、搭乗員の中で操縦
を担当する船長とパイロットは操縦席に座り、2名のMSはフライドデッキ
の後部に座り、残りのMS及びPSはミッドデッキに取り付けられた折りた
たみ式の座席に座ります。飛行服の着用は打上げ及び帰還時のみで、飛行中
の日常活動、実験等を行う際は、地上にいる場合と同じような服装、例えば
ポロシャツとズボン等を着用します。
(2)飛行中のクルーの活動場所
スペースシャトルのオービタ船内には、宇宙飛行士が作業を行う以下の
2つの部屋があります。
フライト・デッキ:シャトルの操縦席。
シャトルの操縦、宇宙空間での姿勢制御の他、オービタ全体のシステム
コントロールと共に、地上との通信が行われます。また、宇宙及び地球の
観測(写真撮影等)もここから行われます。
ミッド・デッキ:食事、睡眠など宇宙飛行士の日常生活の場所。
料理は引出しテーブルのあるギャリー(調理設備)で加熱したり、水を
加えて簡単に調理して食べます。睡眠をとる場合は、ミッドデッキの右舷
2−8
側壁に取り付けた3段または4段式の睡眠区画及び、壁に取り付けた寝袋を
利用します。ミッド・デッキでは、各種の作業打合せ及び宇宙実験等が行
われます。 オービタのキャビンの構造を図2−5に示します。
(3)シャトル内での作業
毛利、向井宇宙飛行士が飛行したFMPT、IML−2ミッションでは、
2交代で作業を行い、若田、土井宇宙飛行士が飛行したSTS−72,8
7ミッション及び、向井宇宙飛行士の2回目の飛行STS−95ではクル
ーが全員同じ時間帯に仕事をして就寝する、シングル・シフトで生活しま
した。このようにシャトル内での作業体制はミッション要求に応じて設定
されています。
睡眠時間はおよそ8時間で、その前後の2時間半から3時間で食事、オ
ービタの各システムの点検、就寝前のチェックなどを行います。クリティ
カルなイベントがある場合には、1日10時間から10時間半程度の作業時間
をとることもあります。
(4)シャトル内での食事・トイレ
飛行中の食事は、様々なメニューが考えられており、それらの中には、
レトルトやフリーズドライ(凍結乾燥)食品、缶詰、果物等、数多くの種
類が含まれています。選定に当たっては、もちろん宇宙飛行士の好みも考
慮されますが、無重力状態で飛散しないことや、刺激の強い液体等を含ま
ないことが、宇宙食の条件になります。
シャトルのトイレはミッド・デッキの後方にあり、吸引式の便座を備え
ています。扉を閉めることができるので、トイレは睡眠区画(睡眠用の小
さな個室)と共に飛行中の搭乗員にとってシャトル内で完全なプライバシ
ーを保てる唯一の場所となります。
コマンダー席
頭上窓
パイロット席
睡眠場所
ミッドデッキロッカー
緊急脱出スライド
水タンク
フライトデッキ/ミッドデッキ間の階段
エアロック
(現在は装備していない)
図2−5 キャビンの構造
2−9
2.3.6 スペースハブ
スペースハブは、スペースハブ社が商業目的に開発した実験用の与圧モジ
ュールであり、シャトルのミッドデッキ内でミッドデッキ・ロッカーのスペー
スを利用して行われている実験をスペースハブ内で同様に実施することがで
きます。スペースハブには、シングル・モジュールとシングル・モジュールを
2つ連結したダブル・モジュールの2つの形態があります。
スペースハブは、従来使用していたスペースラブに代わり、宇宙実験に使
われるモジュールです。
(注:スペースラブは、STS-90(ニューロラブ)を最後
に使用されなくなりました。)
2.3.7 オービタ・ドッキング・システム
オービタ・ドッキング・システム(ODS)は、国際宇宙ステーション(ISS)との
ドッキング用に開発されたものであり、ミールとの9回のドッキングにも使用
されました。シャトルのミッドデッキからトンネル・アダプターを介してペイ
ロードベイ前方に設置されたODSに入室することができます。ドッキング後は、
このODSを経由してISSとの行き来を行います。
このODSは、ドッキング以外にも船外活動時のエアロックとして使用されて
います。従来のエアロックは、ミッドデッキ内に設置されていましたが、ODS
を装備していないコロンビア号(現在、ODSへの換装等で改修中です)を除く
と、他のシャトルは全て内部エアロックを取り外し、このODSを外部エアロッ
クとして使用しています。
2−10
2.4 各オービタの概要
NASAにより製作された6機のオービタの概要を表2-3に示します。現在稼
働中のオービタは、コロンビア号、ディスカバリ号、アトランティス号、エンデ
バー号の計4機です。
表2−3 各オービタの概要
オービタ名
概 要
オービタ(OV)
番 号
OV-101
エンタープライズ
OV-102
コロンビア
OV-099
チャレンジャー
OV-103
ディスカバリ
OV-104
アトランティス
OV-105
エンデバー
1977年に試験機として製作され、滑空着
陸試験に使用された。1979年にはET, SRB
を取付た状態でKSC射点のインタフェー
ス試験に使用された。また1984年には同
様にバンデンバーグ射点での試験に使
用された。
軌道飛行用ではないため、1985年にスミ
ソニアン博物館に移された。1987年には
着陸時のブレーキネット試験に使用さ
れた。
2番目に製作されたオービタで、1981年
4月12日にSTS−1 *でシャトル初の
軌道飛行を行った。1981年11月12日のS
TS−2 *により2回運用された最初の
宇宙機となった。
もともとは強度試験用に作られたが、改
修を施し運用機となった。1983年4月4
日にSTS−6* ミッションで初飛行。
1986年1月 28日のSTS51−L *のミッ
ション打上げ時に事故(チャレンジャ-事故 )
で喪失。
1984年8月 30日、STS41−D *ミッシ
ョンで初飛行。
1985年10月3日、STS51−J *ミッシ
ョンで初飛行。
チャレンジャーの代替機。1987年8月に
組立が開始された。1992年5月7日にS
TS−49 *ミッションで初飛行。
注)*:各スペースシャトルミッションへ与えられるミッション番号で、これらの
番号と飛行の順番は一致していません。(参考−5のリストを御参照下さい。)
2−11
3.スペースシャトルの打上げについて
3.1 打上げ計画
3.1.1 シャトル打上げ概要
スペースシャトルは、ケネディ宇宙センター(KSC)から打上げられ
ます。通常、発射約8時間前から、スペースシャトルの外部タンク(ET)
への燃料、酸化剤の充填が開始され、発射の約2時間45分前には食事、天
候のブリーフィング、着替え等を終えた搭乗員が搭乗します。打上げのた
めの最終秒読みは発射20分前から開始されます。
発射の6.6 秒前にはメインエンジンが点火され、推力が正常であること
が確認されると、固体ロケットブースタ(SRB)にも点火され、スペー
スシャトルはリフトオフを開始します。リフトオフで、シャトルが発射台
を離れると同時に、シャトルの飛行管制は、KSCからジョンソン宇宙セ
ンター(JSC)に引き渡されます。
当初、垂直に発射されたスペースシャトルは、その後姿勢を変更しなが
ら上昇を続け、固体ロケットブースタ、外部タンクを切り離した後、軌道
修正用エンジンを噴射しながら約40分後に所定の円軌道に投入されます。
図3−1 にミッションの概要を示します。
④軌道投入
⑤軌道上運用
③外部燃料タンク分離
(約8分50秒後)
②固体ロケット
ブースター(SRB)
燃焼修了、分離
約2分後)
(
⑥大気圏再突入
マッハ約25)
SRB主パラシュート
開傘、降下
SRB の回収
整備、修復
①打上げ
SRB海上着水
(約8分後)( 射点より約260km東南)
⑦滑空帰還
射点へ移動
射点
(LC-39)
オービタ整備施設(OPF)
シャトル組立棟(VAB)
着陸用滑走路
SLF)
(
図3−1 シャトルミッションの概要
3−1
⑧着陸
3.1.2 STS−92関連NASA施設
シャトルミッションに関わるNASA施設を図3-2 に示します。また、各
施設の役割を以下に要約します。
(ア)ケネディ宇宙センター(KSC)
・ISSハードウエアの組立・点検・シャトルへの組込み
・スペースシャトルの組立・点検
・シャトルの打上げと着陸
打上げは、ケネディ宇宙センターのシャトル用射点(Pad39)で行
われ、打上げ管制センター(ロンチ・コントロール・センター:LCC)
が各打上げに対し責任をにないます。今回のミッションで使用されるス
ペースシャトルは、同センター内にある滑走路へ着陸する予定です。な
お、シャトルの着陸地としては、この他にカリフォルニア州のドライデ
ン飛行研究センター等があります。
(イ)ジョンソン宇宙センター(JSC)
・クルーの飛行訓練
・クルーの健康管理
・ シャトルの飛行管制
・ ISSプログラムの管理、ISSの開発
シャトルのリフトオフ後、着陸までの飛行コントロールは、ジョンソ
ン宇宙センターのミッション・コントロール・センター(MCC)が船
長、パイロットと交信しながら行います。
(ウ)マーシャル宇宙飛行センター(MSFC)
STS−92ミッションでは特に関連はありません。
(エ)ゴダード宇宙飛行センター(GSFC)
・通信ネットワークの管理
(オ)ホワイトサンズ試験施設(WSTF)
・追跡・データ中継衛星の地上局
・代替着陸地
・緊急着陸地
(カ)ドライデン飛行研究センター(DFRC)
・代替着陸地
・緊急着陸地
3−2
ドライデン飛行研究センター
(DFRC)
ゴダード宇宙飛行管制センター(
GSFC)
ワシントン州
モンタナ州
ノース・ダコダ州
ミネソタ州
メーン州
オレゴン州
ウイスコンシン州
アイダホ州
ワイオミング州
サウス・ダコダ州
ミシガン州
ネバダ州
ネブラスカ州
ユタ州
コロラド州
カリフォルニア州
カンザス州
アリゾナ州
ニュー・メキシコ州
ジェット推進研究所
ロード・アイランド州
ペンシルベニア州
コネチカット州
インジア
オハイオ州
ニュージャージ州
イリノイ州 ナ州
デラウエア州
メリーランド州
イリノイ州
バージニア州
ケンタッキー州
テネシー州
ミシシッピ
州
ノース・カロライナ州
ルイジアナ州
サウス・カロライナ゙州
ジョージア州
フロリダ州
ホワイトサンズ試験施設(WSTF)
ケネディ宇宙センター
(
KSC)
マーシャル宇宙飛行センター(
MSFC)
図3−2 シャトルミッションに関連するNASA施設
3−3
NASA本部
アラバマ州
(JPL)
ジョンソン宇宙センター(JSC)
バーモント州
ニューハンプシャー州
マサチューセッツ州
アイオワ州
オクラホマ州 アーカンソー州
テキサス州
ニューヨーク州
3.2 打上げまでの主要イベント
シャトル・オービタは、KSCへ帰還後、オービタ整備施設(OPF:Orbiter
Processing Facility)で分解点検と整備作業を受け、シャトル組立棟(VAB:
Vehicle Assembly Building)で オービタに固体ロケットブースタと外部燃料タン
クを取り付けます。VABでの組立が終了したシャトルは、通常、打上げの約5週
間前に射点へ移動します。打上げの3∼4週間前にターミナル・カウントダウン・
デモンストレーション・テスト(TCDT)と呼ばれる最終リハーサルが行われ、飛行
クルーは、KSCでシャトルに乗り込み、打上げまでのリハーサルを行います、
このリハーサルでは打上げ直前にトラブルが発生したというシナリオでシャト
ルからの緊急脱出訓練までを行います。
打上げの2週間前に飛行準備確認審査会(FRR)がKSCで開催され、公式打上
げ日が決定されます。打上げ前の主要作業項目を表3−1に示します。
打上げ前時間
3日前
2日前
1日前
打上げ当日
表3−1 打上げ前主要作業項目
主要作業項目
・オービタのフライト・ソフトウエアの点検
・搭乗員の機器の積み込み
・ シャトル・メインエンジンの準備作業
・機体及び設備のクローズアウト
・燃料電池用の液体酸素/液体水素の充填
・オービタのフライト・コントロール・システム、航法及び通信設備の起動
・回転式整備構造物(RSS)の後退
・ 燃料電池の起動
・外部燃料タンクへの推進剤(液体酸素/液体水素)の充填準
備
・推進剤(液体酸素/液体水素)の充填
(以後は、表3−2を参照のこと)
3.3 打上げシーケンス
重量約2,000トンのスペースシャトルは、ペイロード(人工衛星、スペース・ハブ
等)を載せて、スペースシャトルメインエンジン3基および固体ロケットブースタ
2基の合計推力約3,000トンによって、発射台より垂直に打ち上げられます。
スペースシャトル・メインエンジンは、発射6.6 秒前に点火されます。メインエ
ンジンが点火されると同時に、スペースシャトルの巨体はメインエンジンの推進力
によって一瞬反対側にゆらぎますが、6.1 秒後ふたたび垂直の姿勢に戻ります。こ
の瞬間、2本の固体ロケットブースタが点火され、スペースシャトルは発射、上昇
を始めます。固体ロケットブースタの燃焼時間は約2分間であり、高度約45キロメ
ートルで固体ロケットブースタは切り離され、以後スペースシャトルは3基のメイ
ンエンジンの推力のみで上昇を続けます。この時、オービタは外部燃料タンク側を
上にした状態で飛行しています。約8分30秒後に、高度約320 キロメートル(こ
3−4
の高度はミッション毎に異なります)でメインエンジンを停止し(MECO)、約8分50
秒後同高度で外部タンクが切り離され、切り離されたタンクはそのまま放物運動を
続け、洋上へ落下します。オービタはさらに軌道制御用エンジンを1回噴射して、
約42分後に地球周回軌道に入ります。
図3−3 に上昇時のシャトルの概念図を、また表3−2 にシャトル打上げ時の
タイムシーケンス(ノミナル)の例を示します。
OMS 噴射、運用軌道投入
(打上げ後約 42∼45 分、高度
約 320km)
メインエンジン停止
(打上げ後約 8 分 30 秒、高度約 320km)
外部燃料タンク分離
メインエンジン出力抑制(約 7 分 40 秒後)、
Roll to Head-up 実施(約 6 分後)
(打上げ後約 8 分 50 秒、
高度約 320km)
固体ロケットブースタ分離
(打上げ後約 2 分、高度約 45km)
固体ロケットブースタ
(SRB)燃焼停止
上昇
Roll to Head-upは、STS-87から行われるよ
うになった方式であり、約20秒 か け て 180
度のロール回転を行います。 これにより、
データ中継衛星と早期に通信ができるよう
になり、地上局の1つを廃止して、運用経費
を削減することができました。
打上げ、発射台タワー通過
エンジン点火
注:高度は STS-92 の例を示します。(概略値)
正確な高度は打上げ前にご確認下さい。
図3−3 上昇時のシャトル概念図
3−5
表3−2 シャトル打上げ時のタイムシーケンス(1/2)
打上げまでの時間
L−H:M:S
L-78:00:00
(打上げ3日前)
(打上げ2日前)
(約1日前)
L- 8:50:00
L- 8:20:00
L- 5:50:00
L- 3:50:00
L- 3:15:00
L- 2:20:00頃
LLLL-
2:00:00
1:55:00
1:20:00
1:10:00
L- 1:00:00
L- 0:49:00
L- 0:09:00
LLLLLL-
0:07:30
0:05:00
0:03:25頃
0:02:55
0:00:50
0:00:31
L- 0:00:09.70
L- 0:00:06.60
L- 0:00:00
主要イベント
T-43時間。カウントダウン開始
T-27時間ホールド(4時間のホールド)
T-19時間ホールド(4時間or 8時間のホールド)
T-××時間ホールド(ミッションにより異なる。
ISSフライトでは約13時間)
T-6時間ホールド(1or2時間のホールド)終了。カウントダウン再開
外部燃料タンクに推進剤充填開始(約3時間の作業)
T-3時間ホ−ルド開始 (2時間のホールド)
↓
T-3時間ホールド終了、カウントダウン再開
搭乗員がO&Cビルから発射台へ出発
搭乗員がオービタに搭乗開始 (T-2時間25分)
KSCの打上げ管制センター、JSCのミッション管制センターとの
交信チェック
サイドハッチ閉鎖
キャビンの漏洩チェック
地上整備員がホワイトルームより退出
T-20分ホールド開始(10分間のホールド)
↓
T-20分ホールド終了、最終カウントダウン開始
T- 9分ホールド開始(40分間のホールド)
↓ (この間に打上げ管制センター(LCC)内の各担当者がGo/No Goを判断)
T- 9分ホールド終了、カウントダウン再開
(地上の打上げシーケンサーが自動シーケンスを開始)
クルー・アクセスアーム移動
補助動力装置(APU)起動
シャトル・メインエンジン(SSME)のノズルの可動確認
液体酸素タンク加圧開始、外部燃料タンク頂部の酸素ガス・ベントアーム移動
オービタの電源を地上電源から内部電源へ切り替え
地上の打上げシーケンサーからオービタのコンピュータへ
自動シーケンス開始コマンドを送信
シャトル・メインエンジン(SSME)点火準備
メインエンジンのノズル下部の余分な水素ガスを燃焼開始
シャトル・メインエンジン(SSME)点火
(120msec間隔で第1、第2、第3エンジンを点火)
固体ロケットブースタ(SRB)点火、打上げ
注)L−:打上げまでの時間
T :NASAのカウントダウン表示
この表は一例であり各フライトによりイベント時間は多少異なります。
(ISS組立ミッションの様に、ロンチウインドウが狭い場合は、 T-9分ホールドの時間
は通常のミッションのような10分間ではなく、40分間となる。)
ホールド:事前に設定されているカウントダウンの停止のことであり、この間
に不具合等の発生で予定よりも遅れていた作業スケジュールを吸収
する役目等を持っています。
3−6
表3−2 シャトル打上げ時のタイムシーケンス(2/2)
打上げからの時間
L + H:M:S
L+ 0:00:00
L+ 0:00:07
L+ 0:00:10
L+約0:00:20-30
L+約0:01:00
L+約0:02:00
L+約0:04:00
L+約0:06-07:00
L+約0:07:40
L+約0:08:30
L+約0:08:50
L+約0:42:00
L+約1:28:00
L+約1:38:00
主要イベント
固体ロケットブースタ(SRB)点火、打上げ
発射台通過(クリア)
ロール操作開始、同時に機首方向を斜めにするピッチプロファイル開始
メインエンジンの出力を104%から67%に抑制(最大動圧への対処)
メインエンジンの出力を104%に復帰(go throttle up)
固体ロケットブースタ分離(燃焼圧の低下を検知し、自動実行する)
ネガティブ・リターン (KSCへのRTLSアボート(緊急帰還)をクリア)
「Press to MECO」(SSME 1基が故障しても、軌道投入が可能になる)
加速度を3G以下に保つため、メインエンジンの出力を徐々に抑制
メインエンジン停止(MECO)
外部燃料タンク(ET)分離(自動シーケンスで実行)
軌道操作エンジン噴射(OMS-2)
(噴射が終了すると、地球周回軌道への投入が終了する)
ペイロードベイ・ドア オープン
Kuバンドアンテナ展開(ここから映像が送れるようになる)
注)L+:打上げ後の経過時間
この表は一例であり各フライトによりイベント時間は多少異なります。
3.4 射場システム
射場システムは、オービタの地上における組立て・点検、打上げ等を行うための
施設、設備等からなっています。また、生物試料を取り扱うためのハンガーLと呼
ばれる施設もあります。
3.4.1 ケネディ宇宙センター(KSC)の概要
シャトル・オービタのターンアラウンドタイム(着陸から次の打上げまでの準備)
は標準で約3∼4ケ月程度です。オービタ整備棟(OPF)で耐熱タイルのチェック及
び損傷箇所の交換、メインエンジンの交換・整備、ペイロードの取り外しと次回飛
行するペイロードの搭載、各システムの点検・修理等の様々なメンテナンス作業が
行われます。
整備の終わったオービタは、この後、シャトル組立棟(VAB)に運ばれ、スペ
ースシャトル全体としての組立て作業(固体ロケットブースタ、外部燃料タンク、
オービタの結合)が行われます。その後、シャトルは射点に運ばれ、ペイロードの
搭載及び最終整備・点検を受けた後、打ち上げられます。
図3−4にKSCの打上げ施設の配置概要を示します。
3−7
シャトル着陸施設(SLF)
シャトル組立棟
(VAB)
オービター整備施設(OPF)
O&Cビルディング
射点39B
射点39A
打上管制センター
(LCC)
宇宙ステーション
整備施設(SSPF)
図3−4 ケネディ宇宙センター(KSC)施設配置図
3.4.2 KSCのシャトル関連主要施設の概要
表3−3にシャトルに関連するKSCの主要施設の概要を示します。
表3−3 ケネディ宇宙センター(KSC)主要施設の概要
分類
機体整備
/組立
主要設備
オービタ整備施設
(OPF)
シャトル組立棟
(VAB)
打上げ
39番射点
(LC−39)
打上げ管制センター
(LCC)
着陸
シャトル着陸施設
(SLF)
LCC:Launch Control Center
LC−39:Launch Complex-39
設備の機能
オービタの整備・点検
水平状態でのペイロードの搭載
(図3-5参照)
オービタ、外部燃料タンク、固体
ロケットブースタの結合
(図3-6,7参照)
垂直状態でのペイロードの搭載。
最終整備、打上げ(図3-8,9参照)
射場作業管制
打上げ管制
シャトルの着陸
3−8
備考
OPFはシャト
ル用に建設。
VAB,LCC,
LC−39は
アポロ計画時使
用したものを改
修して使用。
図3−5 オービタ整備施設
(OPF)に格納されるシャ
トル・オービタ
図3−6 VAB(シャトル組立棟)
図3−7 VAB内で組み立てられるシャトル
(左図:オービタの吊り上げ、 右図:SRB/ETへのオービタの取り付け)
3−9
移動式発射プラットフォーム
(MLP)
クローラー・トランスポーター
図3−8 クローラー・トランスポーターによる射点への移動
固定型整備構造物
(FSS)
回転式整備構造物
(RSS)
移動式発射プラットフォーム
(MLP)
クローラー・トランスポーター
(移動を終え帰還中)
図3−9 39番射点の概観
3−10
3.5 打上げ時の気象条件
以下に、シャトル打上げ時に適用される気象条件の制約を示します。
(NASA News Release SPACE SHUTTLE WEATHER LAUNCH COMMIT CRITERIA AND KSC END OF MISSION
WEATHER LANDING CRITERIA(2000.1.29
版)より抜粋)
(1)気温
・燃料充填前24時間の平均気温が5℃(41°F)以上であること。
・ 充填後カウントダウンを進めるには、気温が37℃(99°F)以下であること。
・ いかなる場合も気温が0.07℃(35°F)以下の場合は、シャトルは打上げない。
(2)風速
・風速が21.6m/sec(42ノット/h)以上、あるいは、3時間以内に同様な風速が予想され
る場合は、燃料の充填は開始しない。
・打上げ時に射点で許容される最大風速は、15.4m/sec(30ノット)以下であること。
ただし、風向が、100 度から260 度にある場合は、最大許容風速は12.3m/sec(24ノ
ット) 以下であること。
・上層大気に関する最終的な勧告は、JSCからKSCに対して打上げ30分前に行わ
れる。
・上空の風がシャトルの飛行に悪影響を及ぼすという決定がなされてから 30分以内
は、打上げが行われることはない。
(3)降雨
射点またはシャトルの予定飛行経路に降雨がないこと。
(4)稲妻(及び電場)
・稲妻が射点から18.5km(10海里)以内に無いこと。
・稲妻源が、打上げ前30分以内に射点及びシャトルの予定飛行経路より18.5km以内に
存在しないこと。ただし、稲妻源が18.5km離れて遠ざかっている場合は除く。
(5)雲(危険な電場を持っていると考えられる雲の種類)
・シャトルの予定飛行経路の9.3km(5海里)以内に、温度が0°から−20℃で厚さが
1,350m(4,500フィート) 以上の雲が存在しないこと。
・ 飛行経路上に雲頂温度が5℃(41°F)以上の積雲が存在しないこと。
・ 金とこ雲がついた雲を通過する打上げは行わない。もしも、金とこ雲の中か周りの雲で稲
妻が発生した場合は、稲妻が観測されてから30分以内は、18.5km(10海里)以内での打上げ
は行わない。あるいは、稲妻が観測されてから30分から3時間以内は9.2km(5海里)以内での
打上げは行わない。
・その他、雲に関する制約は、数多くあります。(省略)
なお、打上げ時には、緊急着陸地(KSC,DFRC,WSTF,大西洋横断着陸
地)の気象条件が所定の要求を満たしていることも要求されます。
(例として滑走路の横風の制約を以下に示します。)
KSCの滑走路の横風は7.7m/s(15ノット)以下であること。もしシャトル訓練機(STA)で
気象観測飛行をした宇宙飛行士が進入を試みて、着陸条件に問題なしと判断した場合は、こ
の制限は8.7m/s(17ノット)に緩和されます。大西洋横断着陸地等の滑走路における夜間の
横風は6.2m/s(12ノット)に制限されています。
また、固体ロケットブースタ(SRB)回収域の気象条件として、SRB回収域(KSC
から約260km離れた大西洋)で風速13.4m/sec(26ノット)以内(高波が2.4mを越えないこ
と)であることがNASAにより制約条件として示されています。
3−11
3.6 スペースシャトルの飛行管制について
3.6.1 ジョンソン宇宙センター(JSC)の概要
ジョンソン宇宙センターは、1961年9月にテキサス州ヒューストンに設立されました。
主要業務としては、
・有人宇宙飛行用宇宙船・関連系の設計・開発・試験
・宇宙飛行士の選抜・訓練
・有人ミッションの企画・実施
・宇宙医学・工学と科学実験装置開発
・スペースシャトル計画のプログラム管理とオービタの開発
・宇宙ステーション開発及び計画全体の管理
・ スペースシャトルと宇宙ステーション計画のインタフェース責任
が行われています。
名称 :Lyndon B. Johnson Space Center
所在地:Houston Texas 77058
以下に、JSC内の地図を図3−10に示します。
図3−10 ジョンソン宇宙センター(JSC)内の地図
3−12
3.6.2 飛行のための地上管制
スペースシャトルの運用は、ジョンソン宇宙センター(JSC)内のミッションコ
ントロールセンター(MCC)から静止軌道上のデータ中継衛星を介して行われます。
地上管制の主な役割は、軌道上のスペースシャトルの飛行を支援することです。特
に姿勢に対する制御等は、シャトルの搭載コンピュータ・システムにはプログラムさ
れていないので、地上で考慮しなければなりません。
3.6.3 ミッション・コントロール・センター(MCC)の概要
ジョンソン宇宙センター(JSC)内にあるMCCは、1965年のジェミニ計画以来
米国の有人宇宙機の管制を全て行ってきました。MCCは、JSC内のビルディング
30に設置されており、飛行中のシャトルの状態を24時間体制でモニターしてシャトル
クルーを支援しています。シャトルの打上げ直後から着陸までの全期間に渡り、MC
Cはシャトルに対する通信及び支援活動の中心となります。なお、1995年からシャト
ルの運用は宇宙ステーションの管制のために作られた新しいMCC (ビルディング
30S)に移行しています。
A.主要業務
飛行管制チームの業務としては、飛行活動の追跡、主要マヌーバ、予定変更、予
期しないイベントへの備え等があります。以下に各担当の主要な業務を示します。
(ア)フライトディレクター(FD):シャトルミッション全体に対して責任を持つ。
(イ)キャプコム(CAPCOM):運用管制チームと宇宙飛行士間の交信の中継点とし
て機能する。
(ウ)フライトダイナミクス・オフィサー(FDO):マヌーバ(軌道変更、姿勢制御)
を計画したり、誘導担当者(ガイダンスオフィサー)と協力して、軌跡をモ
ニターする。
(エ)ガイダンスオフィサー(GDO):シャトル搭載の航法及び誘導コンピュータの
ソフトウェアをモニターする。
(オ)データ処理システムエンジニア:各種データ処理システムの状況を評価する。
(カ)フライトサージャン(宇宙航空専門医):クルー活動、クルーの健康状態等
をモニターする。
(キ)ブースターシステムエンジニア:メインエンジン、固体ロケットブースタ、
外部タンク等についてのモニター及び評価を実施する。
(ク)推進系エンジニア:ガスジェット姿勢制御システム及び軌道操作エンジン等
についてのモニター及び評価を実施する。
(ケ)誘導、航法及び制御エンジニア(GNC):シャトル全体の誘導、航法及び制御
系システムをモニターする。
(コ)電気、環境及び消耗品システムエンジニア(EECOM):シャトルの燃料電池用
の低温タンクの温度、キャビン冷却系、キャビン圧力、オービタ内照明等を
モニターする。
(サ)計装及び通信システムエンジニア(INCO):飛行中の通信及び計装システム
を計画し、モニターする。
(シ)地上管制(GC):地上の管制システムの運用を管理する。
(ス)飛行活動オフィサー(FAO):クルー活動、各種手順書及びスケジュールを計
画し、クルーを支援する。
3−13
(セ)保全、機構系、アーム及びクルーシステムエンジニア(MMACS):ロボットア
ーム、オービタの機械システム等の運用をモニターする。
(ソ) 広報担当オフィサー(PAO):広報活動をリアルタイムでサポートする。
上記(ア)∼(ソ)の担当は、各1名です。
(交代勤務によるメンバー数は除く)
ただし、その後方で技術的な支援を行う多数の要員がいます。
B.通信
シャトルとの通信及び追跡は、追跡・データ中継衛星システムを用いて行われます。
このシステムは、3機の静止衛星からなっており、1機は予備です。地上局は、ニュ
ーメキシコ州のホワイトサンズにあります。
NASA通信網(NASCOM)によってホワイトサンズ局をはじめとする追跡局
とMCCを結んでいます。
万が一、JSC/MCCが完全に機能不全に陥った場合に備えて最低限のバックア
ップ設備がホワイトサンズ試験施設(WSTF)にも備え付けられています。
図3−11にデータ通信の概要を示します。また、図3−12にMCC内部の写真
を示します。
DOMSAT
(米国内用通信衛星)
TDRS
(追跡・データ中継衛星)
飛行中のシャトル
TDRS地上局
(ホワイトサンズ)
JSC地上局
・データの中継
ミッション管制センター
(MCC)
・シャトルの飛行管制
ジョンソン宇宙センター
(JSC)
図3−11 シャトルと地上との間のデータ通信の概要
3−14
図3−12 ミッション・コントロール・センター(MCC)内部
3−15
4.着陸について
4.1 概要
地球への帰還は、まずペイロードベイのドアを閉じることから始まります。
次に姿勢を変え、オービタ後部を進行方向へ向けます。この姿勢で軌道制御
用エンジンを作動(軌道傾斜角が28度程度と小さい場合は、アフリカ東海岸
沖からオーストラリア西海岸の上空で実施)させることにより、オービタは
減速され、地球周回軌道から大気圏突入のための楕円軌道に突入します。
エンジンの作動が終了すると、オービタは再び機首を進行方向に向け、ハ
ワイ上空近辺で大気圏突入に備えます。この時、オービタは仰角(水平面に
対する機軸の傾きの角度)40度になるように機首を引きおこします。これは、
大気抵抗により十分減速できるようにすると同時に、オービタが加熱され過
ぎないようにするためです。この時の高度は約120 キロメートル、速度は秒
速7.6 キロメートル、着陸地点から約8千キロメートル離れています。
高度が約53キロメートル、速度が秒速4キロメートルまで減速してきた時、
ここまで仰角40度を保って降下してきたオービタは、これより後次第に仰角
を減少させ、高度23キロメートル、速度が秒速0.76キロメートルに達した時
には、仰角は約10度にまで下がっています。
以後、普通のグライダーと同様に大気中を滑空しながら着陸地点に接近し
ていきます。こうして、大気圏に突入してから約40分後、スペースシャトル
の地球への帰還は終了します。(着陸時のタイヤ接地速度は約350km/h )
オービタは、フライト開始当初は、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基
地(内のNASAドライデン飛行研究センター(DFRC))に着陸することが多かっ
たのですが、最近ではケネディ宇宙センター(KSC)への着陸が普通になっ
ています。これは、KSC以外に着陸すると、着陸後のKSCまでの輸送費
用(ボーイング747の上に積んで空輸します)がかかるためであり、現在では、
1日延期してでも可能な限りKSCへ着陸するようです。
4−1
4.2 着陸シーケンス概要
図4−1に軌道離脱より着陸までのオービタの概念図を、また、表4−1
に、オービタの帰還時のタイムシーケンスを示します。
表4−1 オービタ帰還時のタイムシーケンス
帰還/着陸までの時間
主要イベント
R- H:M:S
R- 05:30:00
軌道離脱準備開始
R- 03:40:00
ペイロードベイドアを閉じる
R- 02:00:00
打上げ/帰還用スーツを着用
コマンダー/パイロットは席に戻る
R- 01:45:00
地上から軌道離脱開始を指示
軌道離脱のための姿勢制御開始
R- 01:20:00
MS/PSは自分の席へつく
R- 01:00:00
軌道離脱噴射(デオービット・バーン)
噴射終了後、大気圏突入に備えて、オービタを姿勢制御
R- 00:32:00
大気圏突入開始(高度約122km) マッハ約25
R- 00:17:00
第1回ロール反転(減速のためのエネルギー調整)
R- 00:07:00
最終エネルギー調整(TAEM) マッハ約2.5
R- 00:02:00
自動着陸誘導開始
R- 00:00:00
着陸
注)R−:着陸までの時間
この表は一例であり各フライトによりイベント時間は多少異なりま
す。
4−2
①着陸 60分前。軌道離脱噴射。時速約 26,496km。
②着陸 25分前。高度 80.5km。時速約 26,576km。
③着陸20分前。最大加熱。高度70km。時速約24,200km。
④着陸 12分前。高度 55km。時速 13,317km。
⑤着陸5.5分前。ターミナル・エリア・エネルギー・
コントロール。高度 25,338m。時速 2,735km。
⑥着陸 86秒前。マイクロ波による着陸
誘導開始。 高度 4,074m。時速約 682km。
⑦着陸32秒前。機首引き起こし開始。
高度 526m。時速 576km。
⑧着陸17秒前。機首引き起こし終了。
高度 41m。時速 496km。
⑨着陸14秒前。車輪出し。
高度 27m。時速 430km。
⑩着地。
時速346km。
注:②∼④の間では、以前はブラックアウト (オービタと大気との摩擦による高温でオー
ビタ周囲の大気が電離し、これにより形成されたプラズマでオービタが包まれて電波
がさえぎられ、10数分間通信が途絶える現象。)が生じていましたが、現在ではシャト
ルの上部に取り付けたSバンドアンテナとデータ中継衛星を介した通信により、ブラッ
クアウトの影響をほとんど受けなくなっています。
(しかし、軌道傾斜角が高いミッシ
ョンの場合には一部発生します。)
図4−1 軌道離脱制御から着陸までのイベント
4.3 代替着陸地
天候その他の理由により、KSCに着陸できない場合は、代替着陸地としてカリ
フォルニア州のドライデン飛行研究センターあるいはニューメキシコ州のホワイ
トサンズ試験施設(WSTF)が指定されています。
4.4 緊急着陸地
緊急着陸地としては、ニューメキシコ州のホワイトサンズ試験施設(WSTF)、
スペインのモロン空軍基地、ガンビアのバンジュル基地、セネガルのダカール空港、
グアムのアンダーセン空軍基地、その他多数があります。
4−3
5.広報イベントについて
5.1
打上げ前の広報イベント取材
打上げ当日に向け、NASAがケネディ宇宙センター(KSC)で行う主要イベン
トの例(ミッションによっては、異なる場合もあります)は、以下のとおりです。
・打上げ3、4日前:打上げ前広報イベント開始日。シャトル搭乗員はJSCエリ
ントン飛行場を出発し、NASAのT−38ジェット訓練機でKSCシャトル着陸
用滑走路に到着します。JSC出発、KSC到着とも撮影可能です。また、KS
Cでは、打上げ前ブリーフィングが行われます。
・打上げ2日前:打上げ前ブリーフィングとオリエンテーションツアー(予定)が
あります。
・打上げ1日前:打上げ前ブリーフィングおよびNASA打上げ前記者会見が、ニ
ューススタジオにてあります。この日はまたリモートカメラの設置日でもありま
す。RSS(Rotating Service Structure) ロールバック等の撮影も可能です。
・打上げ当日:整備点検棟(O&Cビル)で、シャトル搭乗員の射点への移動のた
めのバスへの乗り込みを撮影可能(場所が狭いため人数制限あり)。打上げは、プ
レス・スタンドかその前の広場およびバナナ・クリーク、VIP席横から撮影する
ことになります。打上げ後約1時間後、ニューススタジオでNASAによる打上
げ後記者会見があます。
5.2
飛行中の広報イベント
(1)NASDA広報イベント (飛行2日目)
NASDAが企画する広報イベントで、ダフィー船長と若田宇宙飛行士
が参加します。イベントの詳細は現在調整中です。
(2)日本人/外国人記者との軌道上共同記者会見 (飛行11日目)
本記者会見に対してはNASA本部、KSC、JSCのいずれかのNAS
Aニューススタジオから交信可能ですが、日本語による記者会見部分はJS
Cのニューススタジオから実施して頂く予定です。米国人クルーに対しての
日本語の質問は若田MSが英訳してクルーに伝えることになります。
(3)その他の広報イベント
・若田宇宙飛行士が参加する米国PAOイベント (飛行9、10日目)
米国の報道機関との交信の中に若田宇宙飛行士も参加します。日本から
の参加はできません。
5−1
5.3
着陸後の広報イベント取材
着陸後に、NASAがケネディ宇宙センター(KSC)及びジョンソン宇宙セン
ター(JSC)で行う主要イベントは、以下のとおりです。
・ 着陸後5∼6時間:KSCにて、NASAにより着陸後の記者会見が行われ
ます。この時の参加クルーはコマンダーの判断で選ばれます。
・着陸当日、または翌日 :クルーがKSCからヒューストンのエリントン空
軍基地に帰還し、クルー全員が参加する帰還セレモニーが行われます。
5−2
6.STS−92クルー(搭乗員)について
6.1
クルーの経歴
コマンダー(船長)
Brian Duffy (ブライアン・ダフィー)
NASA宇宙飛行士/米国空軍大佐
生年月日/出生地:1953年6月20日、
マサチューセッツ州のボストン生まれ。47歳。
教育 :米空軍アカデミーより数学分野の
学士号取得。
南カルフォルニア大より科学修士号取得。
NASAでの経験:1985年にNASAの宇宙飛行士候補生として選ばれ、1年の
訓練を経てパイロットとしてスペースシャトルに搭乗する資格を取得。シャト
ルの手順書、コンピュータソフトウエアの開発等の作業を担当した他、軌道上
との通信担当であるCAPCOM、アシスタントディレクター等を担当。
1992年4月のSTS-45及び1993年7月のSTS-57にパイロットとして搭乗。1996年1
月に若田宇宙飛行士が搭乗したSTS-72でコマンダーとして搭乗。
過去の搭乗ミッション:STS-42、STS-57、STS-72。
(2000年6月末現在)
パイロット(操縦士)
Pamela Ann Melroy(パメラ・アン・メルロイ)
NASA宇宙飛行士/米国空軍中佐
生年月日/出生地:1961年9月17日、カリフォルニア州
パロ・アルト生まれ。38歳。
教育 :ウエルスリーより物理/天文分野の学士号取得。
マサチューセッツ工科大学より地球/惑星分野の
修士号取得。
NASAでの経験:1994年12月に宇宙飛行士候補生として選ばれ、約1年間の訓
練の後、パイロット宇宙飛行士としてスペースシャトル搭乗資格を認定され
る。打上げ、着陸時の宇宙飛行士支援などの業務を担当。
過去の搭乗ミッション:今回が初飛行となる。
(2000年5月現在)
6−1
ミッション・スペシャリスト1(MS1)
Leroy Chiao (リロイ・チャオ)
NASA宇宙飛行士
生年月日/出生地:1960年8月28日、ウイスコンシン州
ミルウオーキー生まれ。 39歳。
教育 :カリフォルニア大学バークレー校で化学工学の学
士号を取得。カリフォルニア大学サンタバーバラ校より化
学工学博士号を取得。
NASAでの経験:1990年1月に宇宙飛行士候補生として選ばれ、約 1年半の訓練
の後、ミッションスペシャリストとして認定される。スペースシャトルの飛行
ソフトウエアの検証等を担当。1994年7月のSTS-65で向井宇宙飛行士と共に搭
乗、1996年1月のSTS-72で若田宇宙飛行士と共に飛行を行った。
過去の搭乗ミッション:STS-65, 72
(2000年5月現在)
ミッション・スペシャリスト2(MS2)
William S. ”Bill” McArthur, Jr.(ウイリアム(ビル)・マ
ッカーサー)
NASA宇宙飛行士/米国陸軍大佐
生年月日/出生地:1951年7月26日、ノースカロライナ州
ローリンバーグ生まれ。 48歳。
教育 : 米国陸軍アカデミーで応用化学/工学分野の学士を取
得。ジョージア工科大学で航空工学の修士号を取得。
NASAでの経験: 1987年からジョンソン宇宙センターでシャトルのインテグレーシ
ョンテスト等を担当。
1990年1月にNASAの宇宙飛行士候補生に選ばれる。その後約1年半の訓練を経て、
ミッションスペシャリストとしてスペースシャトルの搭乗資格を認定される 。
シャトルの固体ロケットブースタに関する問題や、打上げ/着陸運用などの業務を担
当。1993年10月のSTS-58でシャトル初飛行。
過去の搭乗ミッション:STS-58, STS-74。
(2000年5月現在)
6−2
ミッション・スペシャリスト3(MS3)
Peter J.K. ”Jeff” Wisoff(ピーター(ジェフ)・ワイゾフ)
NASA宇宙飛行士
生年月日/出生地:1958年8月16日、バージニア州
ノーフォーク生まれ。 41歳。
教育 :バージニア大学で科学学士を取得。
スタンフォード大学で応用物理の修士号、博士号を取得。
NASAでの経験 :1990年1月にNASAの宇宙飛行士に選
抜され、約1年半の訓練を経て、ミッションスペシャリストとして認定された 。
CAPCOM、フライトソフトウエアの検証、EVA機器の評価などの業務に従事。1993年の
STS-57で初飛行した。
過去の搭乗ミッション:STS-57, STS-68, STS-81
(2000年5月現在)
ミッション・スペシャリスト4(MS4)
Michael E.Lopez-Alegria
(マイケル・ロペズ−アレグリア)
NASA宇宙飛行士/米国海軍中佐
生年月日/出生地:1958年5月30日、
スペインのマドリッド生まれ。 42歳。
教育 :バージニア大学で科学学士を取得。
スタンフォード大学で応用物理の修士号、博士号を取得。
NASAでの経験 :1992年3月にNASAの宇宙飛行士に選抜され、 約1年間の
訓練を経て、ミッションスペシャリストとして認定された 。シャトルオービタ、
メインエンジン、固体ロケットブースター、外部燃料タンクのプロジェクトの技術
窓口などの業務に従事。1995年のSTS-73で初飛行した。
過去の搭乗ミッション:STS-73
(2000年6月現在)
6−3
ミッション・スペシャリスト5(MS5)
若田 光一
NASDA 宇宙環境利用推進部 宇宙飛行士
生年月日/出生地:1963年8月1日
埼玉県大宮市生まれ。
36歳。
教育:1987年3月、九州大学工学部航空工学科卒業。
1989年3月、同大学大学院工学研究科
応用力学専攻修士課程修了。
経歴:
1989年4月、日本航空(株)入社。整備訓練部配属。
同年7月、成田整備工場点検整備部に所属。
1991年7月には、技術部システム技術室機体技術グループに転属し、機体構造
技術を担当する。
1992年4月28日、宇宙ステーション/「きぼう」日本実験棟の組立・運用に備
え、宇宙開発事業団が募集していたミッションスペシャリスト(MS)候補に
選ばれる。
同年6月1日、宇宙開発事業団より職員として採用される。
同年7月4日、米国航空宇宙局(NASA)が実施するMS・パイロット候補者訓練
用の第14期宇宙飛行士候補者養成コース参加のため渡米。
同年8月上記訓練コースに参加。一年間の訓練を経た後、
1993年の8月3日、NASAよりMSとして認定された。
その後ミッションに任命されるのを待つ間、スペースシャトルの各サブシス
テム訓練、T-38ジェット機訓練を継続すると共にさらに高度な内容を含むシ
ステム運用訓練(飛行模擬訓練/船外活動訓練/ロボットアーム訓練)等に従
事し、1994年12月にNASAよりSTS-72のMSに任命されSTS-72に搭乗した。
過去の搭乗ミッション:STS-72
(2000年5月現在)
6−4
6.2 スペースシャトルの宇宙飛行士の種類と役割
宇宙飛行士の軌道上における任務は、各宇宙飛行士の役割により分類されていま
す。今回のスペースシャトルの運用は、コマンダー、パイロット、搭乗運用技術者
の宇宙飛行士たちにより実施されます。
・コマンダー(CDR:Commander ):
シャトル搭乗中の機体、乗員、ミッションの成功及び安全に関する最終責任を
有する。また、スペースシャトルの操縦を行う。
・パイロット(PLT:Pilot ):
スペースシャトルの操縦支援を行うと共にシャトルシステムの管理及び運用
を行う。
・搭乗運用技術者(MS:Mission Specialist):
シャトルのシステム運用を行い機内作業の調整を行うと共に、マニピュレータ
操作、船外活動を行う。また割り合てられた実験運用も実施する。
・搭乗科学技術者(PS:Payload Specialist):
自然科学または生命科学、あるいはシャトルに搭載する実験装置の操作運用に
精通した技術者であり、シャトル内の実験装置の操作、実験データの収集、解析、
記録等を行う。 (注:STS-92ではPSは搭乗しません)
6−5
6.3 MS訓練の内容
6.3.1 NASA
MS訓練の全体概要
ミッション・スペシャリスト(MS)の訓練は、以下に示す①∼③の流れで行われま
す。宇宙飛行士候補者(英語ではAstronaut Candidateと呼ばれ、NASAではASCANの
略称が使われています)は、まず基礎訓練を受けて、MS認定を受ける必要があり
ます。
①基礎訓練(MS候補者)
体力トレーニング、T−38ジェット機飛行訓練(講義、実飛行訓練、及び緊急
時対応訓練としての生理(低圧)訓練、サバイバル訓練、パラセイリング訓練を
含む)、一般教養訓練、スペースシャトルに関する訓練(基本訓練、基本運用手
順訓練、システム訓練、個別システム訓練)、スキューバ訓練、KC−135ジェッ
ト機の弾道飛行による無重量体感訓練及び、開発/運用実務訓練等を行います。
宇宙飛行士候補者は、約 1年から2年間行われるこの基礎訓練を終了した後、MS
としての認定を受けます。
②システム運用訓練/リフレッシャー訓練(ミッション任命待機者)
システム運用訓練では、基礎訓練コースで培った知識・技能の維持・向上を図り
つつ、水槽内での船外活動(EVA)訓練、及びシミュレータを用いたスペースシ
ャトル飛行模擬訓練を行います。リフレッシャー訓練には、上記の知識・技能の
維持・向上訓練が含まれます。
③ミッション固有訓練(ミッション任命後のシャトル搭乗待機者)
ミッション訓練には、リフレッシャー訓練の他、ミッション固有の訓練として各
ペイロードに関する講義、操作・運用訓練及び割当ミッションの飛行タイムライ
ンを模擬した飛行模擬総合訓練(JIS: Joint Integrated Simulation)
等が含まれ
ます。
なお、ミッション終了後は、次のミッション割当までリフレッシャー訓練を行い
ます。
6.3.2 若田宇宙飛行士のMS訓練
若田宇宙飛行士は、1992年8月からのNASAミッション・スペシャリスト
(M
S)基礎訓練コースに参加し、 1993年8月までの1年間、ヨーロッパ宇宙機関 (ESA)
からの2名及び、カナダ宇宙機関(CSA)からの2名を含む計23名の宇宙飛行士と共に
宇宙飛行士基礎訓練に参加しました。
基礎訓練では、まず最初の1週間で、訓練の本拠地となるジョンソン宇宙センタ
ー(テキサス州ヒューストン)の見学、オリエンテーションが行われました。
6−6
引き続き第2週目からはT−38ジェット練習機を用いた飛行訓練が行われ、こ
の訓練では、T−38ジェット機への搭乗フライトの他に、T−38ジェット機シ
ステムの講義や、地上および海上でのサバイバル訓練、パラセイル訓練等も行われ
ました。
また、それと並行して、スペースシャトル搭乗員として必要とされるスペースシ
ャトルの各サブシステム(航法システム、推進系システム、環境制御・生命維持シ
ステム等)の講義及び、各種シミュレータを用いた実習が行われました。
この他に、外部からの取材、記者会見等への対応方法も教えるメディア訓練やN
ASAの各フィールドセンター(ケネディ宇宙センター、ジェット推進研究所など)
の視察、スキューバ/水泳訓練なども行われました。
以上の基礎訓練(宇宙飛行士候補者期間)を修了し、1993年8月にMSとして認
定されました。
その後、ミッションに任命されるのを待つ間、スペースシャトルの各サブシステ
ム訓練、T−38ジェット機の訓練を継続すると共に、さらに高度な内容を含む以
下のシステム運用訓練を行いました。
①飛行模擬訓練
この訓練は、シャトルのコクピットを模擬したシミュレータ(SMS:シャト
ル・ミッション・シミュレータ)に複数名の宇宙飛行士と共に搭乗し、実際のシ
ャトルの打上げフェーズまたは帰還フェーズを模擬したシーケンスに従って、
全システムの一連の操作手順や緊急手順等を収得する総合運用訓練です。
②船外活動訓練
船外活動(EVA )用の宇宙服を模擬した水中用宇宙服を着用して水槽の中に
入り、シャトルの荷物室(カーゴベイ)等を模擬したモックアップ(実物大模
型)を用いて通常時及び緊急時の操作等の訓練を行います。
③マニピュレータ訓練
シャトルのマニピュレータシステムを模擬したシミュレータ等を用いた訓練
を行います。
ミッションが割り当てられた後は、以下のような訓練が行われています。
・ シャトル各部の操作訓練
・ シャトル脱出訓練
・ マニピュレータを使用したISS組立訓練
・ 船外活動訓練の支援
・ T-38ジェット機による飛行訓練
・ 打上げ/再突入/着陸シミュレーション
・ 統合シミュレーション(JIS) 6−7
統合シミュレーション(JIS) は、軌道投入後の各種作業、ISSとのランデブー、
ドッキング作業及びISSの組立て運用、ドッキングを解除してから帰還までを手
順の流れに沿ってシミュレーションし、飛行クルーとJSCの管制要員との間の連
携等を確認します。
・クルー使用機器インタフェース試験(CEIT) クルー使用機器インタフェース試験(CEIT)は、クルー全員がKSCに集
まり、軌道上で実際に使用する機器を実際に手に取って確かめる機会になります。
・最終カウントダウン・デモンストレーション試験(TCDT)
最終カウントダウン・デモンストレーション試験(TCDT)は、クルー全員
がKSCの射点上で打上げ時に着用するLESスーツを着用し、実際にシャトル
に搭乗して打上げまでのカウントダウンを模擬します。打上げ直前にトラブルが
発生し、シャトルからの緊急避難を行うというシナリオで終了します。
6−8
6.3.3 STS−92クルーのEVA、RMS訓練概要
STS-92クルーの訓練の中から、ここでは代表的なロボットアーム(RMS)の操作訓練
と船外活動(EVA)訓練の概要を紹介します。
(1)ロボットアーム(RMS)訓練
RMS運用に関する訓練は、ジョンソン宇宙センターの以下の施設を使って実施され
ています。
(a)SES(Shuttle Engineering Simulator) シャトル技術シミュレータ
・設置場所:JSC Building 16
・忠実度:最も忠実度の高いシミュレータであり、RMSの動き等は検証済みの数学
モデルを使用し、忠実に再現しています。窓の外の眺めもコンピュータ・
グラフィックス(CG)で再現されます。
・訓練内容/特徴
ランデブー時のシャトルの操縦、RMSを使った ペイロードの放出/回収運用、ドッ
キング訓練などに使われます。
図6−1 SESでの訓練風景(STS-86)
(http://www.phoenix.net/ shuttle/trng.htmより)
6−9
(b)MDF(Manipulator Development Facility) ロボットアーム開発施設
・設置場所:JSC Building 9
・訓練内容/特徴
・ペイロード・ベイと後方飛行デッキ(AFD)の実物大モックアップと RMS設備
から構成されています。
・本設備は、RMS操作手順の開発及びハードウエア、ソフトウエアシステムの
開発、検証に使われています。(SESに比べると忠実度は低くなります)
・RMS訓練としては、油圧駆動のRMS(約226kgの重量の物まで持ち上げること
が可能です)を用いて、ペイロードに見立てたバルーン(布製の風船)を運搬し
たり、放出する操作を訓練します。
(実際のRMSはモーター駆動ですが、重力
環境下では力が出ないので油圧を使用しています。)
・RMS CCTV訓練(TVカメラの操作訓練)もここで実施します。
図6−2
MDF概観
(C)Integrated EVA/RMS Virtual Reality Simulation Trainer:バーチャル訓練設備
(SAFER Virtual Reality Laboratoryまたは、Virtual
Reality (VR) Labとも呼ばれます)
・ 設置場所:JSC
・訓練内容/特徴
バーチャルリアリティ(仮想現実)技術を応用した訓練設備であり、HMD(Helmet
Mounted Display)、及びセンサーを取り付けた特殊なグローブを使用し、同時に2
名が訓練可能です。
SAFERの訓練、RMSを使用してのEVAクルーとの協調作業訓練、EVAクルーに
よる大型物体のハンドリング・シミュレーション等に使用します。 (STS-61ミッシ
ョンから使用を開始しました。)
6−10
コンピュータで生成したCG画像の忠実度は非常に高く、シャトルカーゴベイ及び
宇宙ステーションの各エレメントを忠実に再現しています。
図6−3 バーチャル・ラボでの訓練風景(STS-88クルー)
(d)P2T2(Prototype Part Task Trainer) パートタスク・トレーナー
・設置場所:JSC Building 45
・訓練内容/特徴
・ ハンドコントローラーとパネルのみを使用したRMS訓練に使用します。
(大型の訓練設備を使う前に、基本的な操作を習熟するために使用します。)
・設定を変えることにより、RMS訓練とランデブー訓練にも使用可能です。
(e)SMS(Shuttle Mission Simulator)
・設置場所:
JSC Building 5
・忠実度:忠実度は高く、シミュレーションには数学モデルが使用されています。
・訓練内容/特徴
・ SMSには、可動式のMB(モーション・ベース)と固定式のFB(フィックスド・ベー
ス)シミュレータの2つがあります。
・ 可動式のSMS-MB(モーション・ベース)は、打上げ、着陸時の訓練に使用されま
す。打上げ時の訓練には操縦席を垂直状態に立て、打上げ時の振動や滑空着陸
時の姿勢などを忠実に再現します。
・ SMS-FBでは、RMSを操作した際の窓の外の眺めなどのCG画像も生成できます。
6−11
RMS訓練に使用されるのは、このうち、フィックスド・ベースの方であり、この
シミュレータは、RMS訓練以外にも軌道上での訓練(ランデブー、ドッキング、ペ
イロード運用等のタイムライン訓練)等にも使用されています。ここでのRMS訓練
に関しては、全てのクルーメンバーが参加できるので、作業の連携訓練や、不具合
対応訓練等に使われます。また、MCC(ミッション管制センター)と接続しての統
合訓練もここで行われます。
図6−4
SMSの後方フライトデッキ(AFD)のRMS操作パネル
6−12
(2)船外活動(EVA)訓練
(a)NBL(Neutral Buoyancy Laboratory:無重量環境訓練設備)
・設置場所:JSC北西に約4∼5km離れた場所に設置(エリントン基地に隣接した場所)
・特徴等
NBLは宇宙ステーション用に新設された大型のプールであり、無重量環境を
模擬したEVA訓練やEVA手順の開発に使われています。(STS-82からNBLが使
われるようになりました。)長さは61.5m, 幅31.0m, 深さは12.1mあります。
NBLには、油圧式のRMSも装備されており、RMSとの連携訓練も可能です。
図6−5
NBL
(b)Integrated EVA/RMS Virtual Reality Simulation Trainer :バーチャル訓練設備
(SAFER Virtual Reality Laboratoryまたは、Virtual
Reality (VR) Labとも呼ばれる)
(1)の (c)項のRMS訓練で記述したように、この設備はRMS訓練とEVA訓練の両方
に使用されます。
6−13
6.4 シャトル内の生活
(1)シャトル打上げ・着陸時の服装
スペースシャトルの打上げ・着陸時には、搭乗する宇宙飛行士は、ヘルメットの
付いたオレンジ色(不時着時に遠くから発見しやすくするため)の与圧飛行服(フ
ライトスーツ)を着用します。打上げ時には、操縦を担当する船長とパイロットは
操縦席に座り、若田MSともう1名のMSはミッドデッキに座り、その他2名のM
Sはフライトデッキの後部に座る予定です。なお、着陸時には若田MSは、フライ
トデッキの後部に座り、船長とパイロットの作業を支援します。与圧飛行服の着用
は打上げ及び、着陸時のみであり、飛行中の日常活動、実験等を行う際は、地上に
いる場合と同じような服装、たとえば柔軟性のあるポロシャツとズボン等を着用し
ます。
(2)飛行中のクルーの活動場所
スペースシャトルのオービタは、宇宙飛行士が活動する2ヶ所の与圧空間から構
成されています。
フライト・デッキ:シャトルの操縦席になります。シャトルの操縦、姿勢制御の
操作の他、ロボットアームの操作やオービタ全体のシステム制御等が行われます。
また、宇宙及び地球の観測もここから行われます。
ミッド・デッキ:食事、睡眠など宇宙飛行士の日常生活の場所になります。食事
及び食事の準備は引き出しテーブルのついたギャリーで行い、睡眠は壁に取り付け
られた寝袋または、睡眠用の個室を使います。ミッドデッキでは、各種の作業打ち
合わせ及びミッドデッキ実験が行われます。
(3)シャトル内での作業
STS−92ミッションでは、最近の土井宇宙飛行士、向井宇宙飛行士のミッシ
ョンと同様に、クルー全員が同じ時間帯に仕事をし、就寝するシングルシフトで生
活します。
睡眠時間はおよそ8時間であり、その前後2時間半から3時間で食事、オービタ
の各システムの点検、就寝前のチェックなどを行います。
(4)シャトル内での食事・トイレ
飛行中のスペースシャトルの食事としては様々なメニューが考えられており、そ
れらの中にはレトルトやフリーズドドライ(凍結乾燥)食品、缶詰、果物等、数多
くの種類が含まれており、飛行前に試食して、希望を聞きながら各搭乗員のメニュ
ーを決めています。宇宙食の選定に当たっては、もちろん宇宙飛行士の好みも考慮
6−14
されますが、無重量状態で飛散しないことや、刺激の強い液体等を含まないことが
宇宙食の条件になります。
シャトルのトイレは、ミッド・デッキの後方にあり、吸引式の便座を備えていま
す。扉を閉めることができるので、トイレはスリープ・ステーション(睡眠用の小
さな個室)と共に飛行中の搭乗員にとってシャトル内で完全なプライバシーを保て
る唯一の場所となります。
6−15
7.船外活動(EVA)について
7.1
船外活動(EVA)とは
宇宙飛行士がエアロック(宇宙空間への出入り口として使う気圧調整用の部屋)
を通って宇宙船の外に出て作業する場合には、真空や高温、低温といった宇宙空間の
過酷な環境から宇宙飛行士を守るために、宇宙服を着用しなければなりません。この
宇宙服のことをNASAでは船外活動ユニット(EMU:Extravehicular Mobility
Unit)と呼んでいます。この宇宙服には小型の生命維持装置が取り付けられており、
作業しやすいようにいろいろな工夫がされています。
この船外活動ユニットは、宇宙飛行士に安全な呼吸環境を提供すると共に、体温を
保持したり、有害な紫外線、宇宙線や微小な宇宙塵から体を守ってくれます。
宇宙飛行士が宇宙船の外で行う、科学機器の操作や、サンプルの収集、写真撮影、
装置や構造物の組立て、故障したり機能の低下した人工衛星の修理などの作業のこと
を、船外活動(EVA:Extravehicular Activity) と呼んでいます。世界で初めて
のEVAは、1965年3月18日に旧ソ連のヴオスホート2号でレオノフ飛行士によって
行われました。一方、米国初のEVAは1965年6月3日、ジェミニ4号のエドワード・
ホワイト飛行士によって行われました。
7.2
シャトルにおけるEVA概要
ジェミニ計画、アポロ計画、スカイラブ計画でEVA技術を蓄積してきたNASA
は、スペースシャトル計画のEVAにより、宇宙空間での組立技術、人工衛星の捕獲・
修理・補給・再放出など、船外での実用的な作業能力を有していることを示しました。
スペースシャトル計画以前の宇宙服と比較したときのシャトル計画の宇宙服の特徴
は以下のとおりです。
(1)機動性の向上と各部のモジュール化を目指して新規の宇宙服を設計。
(2)携帯型生命維持システムを採用。
(3)有人飛行ユニット(MMU)やセルフレスキュー用推進装置(SAFER)
を使用することによりオービタから離れて飛行することを可能とした。
表7-1 にスペースシャトル計画のEVAの概要を示します。
7−1
表7-1 スペースシャトル計画のEVAの概要 (1/3)
ミッション
1
STS-06
2
STS-41B
10)
(SM 6)
(SM
3
4
STS-41C
(SM 11)
5
EVAクルー
実施年月日
継続時間
1983.04.07
3H54m
ストーリー・マスグレイブ
ドナルド・ピーターソン
シャトル宇宙服等の機能試験
1984.02.07
5H35m
ブルース・マッカンドレス
ロバート・スチュワート
1984.02.09
6H02m
ブルース・マッカンドレス
ロバート・スチュワート
MMUの機能テスト
STS-41Cでの衛星修理に備え
た手順確認試験
1984.04.08
2H59m
ジョージ・ネルソン
J.van ホフテン
1984.04.11
7H07m
ジョージ・ネルソン
J.van ホフテン
6
STS-41G
13)
(SM
1884.10.11
3H29m
キャサリン・サリバン
D.リーツマ
7
STS-51A
(SM 14)
1984.11.12
6H13m
J.アレン
備考
M M U を 使 用 し て のSMM 衛
星の捕獲、修理
EVAによる軌道上での燃料補
給テスト( 米 国 女 性 に よ る 初 の
EVA)
MMUを 使 用 し て の ウ エ ス タ
ー衛星、パラパ衛星の回収
D.ガードナー
1984.11.14
6H01m
J.アレン
D.ガードナー
(SM
1985.04.16
3H10m
ジェフリー・ホフマン
S.グリッグス
(SM 20)
1885.08.31
7H20m
J.van ホフテン
W.フィッシャー
1985.09.01
4H31m
J.van ホフテン
W.フィッシャー
1985.11.29
5H34m
シャーウッド・スプリング
ジェリー・ロス
1985.12.01
6H46m
シャーウッド・スプリング
ジェリー・ロス
1991.04.07
4H31m
ジェリー・ロス
ジェローム・アプト
GRO衛 星 の 高 利 得 ア ン テ ナ 展 開
のためのUnscheduled EVA
1991.04.08
5H58m
ジェリー・ロス
ジェローム・アプト
宇 宙 ス テ ー シ ョ ン 用 のCETA カ ー ト の
機能試験(EDFE)
1992.05.10
3H43m
ピエール・ソーイト
リチャード・ヒーブ
インテルサット6F-3衛星の捕
獲(失敗)
17
1992.05.11
5H30m
ピエール・ソーイト
リチャード・ヒーブ
インテルサット6F-3衛星の捕
獲(失敗)
18
1992.05.13
8H29m
ピエール・ソーイト
リチャード・ヒーブ
インテルサット6 F-3衛星の捕獲、固
体ロケットモータの取付。
(史 上 初 の 3人 が か り で の
EVA)
過去最長のEVA
宇宙ステーション組立のためのEVA
試験(ASEM)
8
9
STS-51D
16)
10
STS-51I
11
12
STS-61B
23)
13
14
STS-37
(SM39)
15
16
STS-49
(SM47)
(SM
トーマス・エイカーズ
19
1992.05.14
7H45m
キャサリン・ソーントン
トーマス・エイカーズ
MMU:Manned Maneuvering Unit(有人飛行ユニット)
SM:Shuttle Mission(通番フライト番号)
7−2
Syncom衛星放出時の
Unscheduled EVA(修 理 は 失
敗)
Syncom衛星の修理
EASE/ACCESS大 型 ト ラ ス 構 造
物の組立試験
表7-1 スペースシャトル計画のEVAの概要(2/3)
ミッション
実施年月日
継続時間
EVAクルー
20
STS-54
(SM53)
1993.01.17
4H32m
グレゴリー・ハーバー
マリオ・ランコ
21
STS-57
(SM56)
1993.06.25
5H50m
ディビッド・ロウ
ピーター・ワイゾフ
STS-51
(SM57)
1993.09.17
STS-61
(SM59)
1993.12.05
24
宇宙ステーションに備えた EVA
運用手順の評価。地上での訓練
とEVAの差の比較。
ESAの ユ ー レ カ 衛 星 回 収 時 の
Unscheduled EVA。
HSTの修理試験、及び宇宙ステー
ション用のEVA試験。
ジェームス・ニューマン
HSTの修理試験、及び宇宙ステー
ション用のEVA試験
7H54m
ストーリー・マスグレイブ
ジェフリー・ホフマン
HST(ハッブル宇宙望遠鏡)の
修理ミッション。
1993.12.06
6H35m
トーマス・エイカーズ
キャサリン・ソーントン
25
1993.12.07
6H47m
ストーリー・マスグレイブ
ジェフリー・ホフマン
26
1993.12.08
6H50m
トーマス・エイカーズ
キャサリン・ソーントン
27
1993.12.09
7H21m
ストーリー・マスグレイブ
ジェフリー・ホフマン
22
23
7H05m
備考
カール・ウォルツ
1フ ラ イ ト で の 計5 回 の EVA は
過去最高。
28
STS-64
(SM64)
1994.09.16
6H51m
マーク・リー
カール・ミード
SAFERの機能確認試験 (SAFER
を使用しての自由飛行実施)
29
STS-63
(SM67)
1995.02.09
6H39m
バーナード・ハリス
マイケル・フォール
30
STS-69
(SM71)
1995.09.16
6H45m
ジェームス・ボス
マイケル・ガーンハート
31
STS-72
(SM74)
1996.01.14
6H09m
リロイ・チャオ
ダニエル・バリー
1996.01.16
6H53m
リロイ・チャオ
ウインストン・スコット
EDFT-01(低 温 環 境 下 で の 宇 宙
服の機能試験 /大型物体のハンドリ
ング試験)
EDFT-02(ヒータ付き宇宙服の機能
試 験 )/宇 宙 ス テ ー シ ョ ン 用 の
EVA機器の試験
EDFT-03(ヒ ー タ ー つ き 宇 宙 服
の機能試験 #2)/宇宙ステーショ
ン用のEVA機器の試験)
32
33
STS-76
(SM76)
1996.03.26
6H02m
リンダ・ゴドウィン
マイケル・クリフォード
EDFT-04(ミールでシャトルクルーが初め
てEVAを実施)。SAFERを装着。
34
STS-82
(SM82)
1997.02.13
6H42m
マーク・リー
HSTの2回目の修理ミッション
35
スチーブン・スミス
1997.02.14
7H28m
ジョセフ・タナー
グレゴリー・ハーバー
36
1997.02.15
7H11m
マーク・リー
スチーブン・スミス
37
1997.02.16
6H34m
ジョセフ・タナー
グレゴリー・ハーバー
38
1997.02.17
5H17m
マーク・リー
スチーブン・スミス
7−3
<E改訂>
表7-1 スペースシャトル計画のEVAの概要(3/3)
EVAクルー
備考
39
STS-86
1997.10.01
5H01m
スコット・パラジンスキー
ウラジミール・チトフ
(ロシア人)
40
STS-87
1997.11.24
7H43m
1997.12.03
5H00m
ウインストン・スコット
土井 隆雄
ウインストン・スコット
土井 隆雄
1998.12.07
7H21m
43
1998.12.09
7H02m
44
1998.12.12
6H59m
初めてシャトルで外国人(ロシア人)がEVAを
実施。ミールとドッキングした状態で
のEVA。EDFT-06。
SAFERの試験。
EDFT-05。
スパルタン衛星の手づかみでの回収
に成功。(日本人初のEVA)
小型TVカメラ衛星SPRINTの飛行試
験。
国際宇宙ステーション(ISS)の組立、
2Aフライト。
SAFERを実用で装備。
ジェリー・ロスは、通算7回のEVAで、合計
44H09mの EVA 作 業 を 記 録 ( 史 上 最
長)。
ミッション
41
42
STS-88
実施年月日
継続時間
ジェリー・ロス
ジム・ニューマン
ジェリー・ロス
ジム・ニューマン
ジェリー・ロス
ジム・ニューマン
45
STS-96
1999.05.29
∼05.30
7H55m
タマラ・ジャーニガン
ダン・バリー
ISS組立、2A.1フライト。
46
STS-103
1999.12.22
8H15m
スティーブン・スミス
HST(ハッブル宇宙望遠鏡)の3回目
の修理ミッション。
47
1999.12.23
8H10m
48
1999.12.24
8H08m
ジョン・グランスフェルド
マイケル・フォール
クラウデ・ニコリエール
スティーブン・スミス
ジョン・グランスフェルド
49
STS-101
2000.05.21
∼05.32
6H44m
ジェフリー・ウイリアムズ
それぞれ、史上2,3,4番目に長いEVA
となった。
クラウデ・ニコリエールは、
ESA宇宙飛行士初の
EVAを実施(外国人として3人目)
ISS組立、2A.2aフライト。
50
STS-106
2000.09.10
∼09.11
6H14m
ジェームス・ヴォス
エド・ルー
ISS組立、2A.2bフライト。
ユーリー・マレンチェンコ
(ロシア人)
リロイ・チャオ
ISS組立、3Aフライト。
51
STS-92
2000.10予定
ウイリアム・マッカーサー
52
ピーター・ワイゾフ
ロペズ-アレグリア
53
リロイ・チャオ
54
ウイリアム・マッカーサー
ピーター・ワイゾフ
ロペズ-アレグリア
注:STS-XXで示されるミッション名は、フライトの順番とは異なる場合がある。
SM:Shuttle Mission(通番フライト番号)
SAFER:Simplified Aid for EVA Rescue(セルフレスキュー用推進装置)
EDFT : EVA Development Flight Test (国際宇宙ステーション用のEVA開発飛行試験)
7−4
7.3 宇宙服及び関連システム概要
EVAを実施するためのシステムは、次の3つの要素から構成されます。
①船外活動ユニット(EMU: Extravehicular Mobility Unit)
② エアロック
③ EVA工具、EVA支援機器
これらはさらに幾つかの要素から構成されます。EVAを実施するために必要なシ
ステム全体の構成概要を図7-1に示します。
EVAを実施するためのシステム
船外活動ユニット (EMU)
エアロック
ハッチ
生命維持システム (LSS)
制御パネル
主 生 命 維 持 シ ス テ ム
(PLSS)
EMU支援設備
水酸化リチウムカートリッ
ジ
バッテリー
エアロック
アンビリカル(SCU)
表示制御モジュール
(DCM)
エアロック
アダプタプレート
二 次 酸 素 パ ッ ク
(SOP)
下部胴体収納
バッグ
宇宙服アセンブリ (SSA)
上部胴体(HUT)/腕部
下部胴体(LTA)
ヘルメット
集尿具
グローブ
(フ ー ド ス テ ィ ッ
ク)
ドリンクバッグ
通信用ヘッドセット
冷却下着
心電計キット
EMUライト
図7-1 EVAを実施するためのシステム全体の構成概要
7−5
EVA工具
EVA支援機器
7.3.1 EMU(船外活動ユニット)
EMUは宇宙飛行士を宇宙環境から保護するとともに宇宙飛行士の生命を維持
して、船外活動を行うための装置です。 EMUは大きく2つの部分から構成され
ます。
① 宇宙服アセンブリ(SSA:Space Suite Assembly)
② 生命維持システム(LSS:Life Support System )
EMUは計画上、約7時間のEVAが可能です。ただし、酸素の消費量には個
人差があるため、実際にはもう少し長時間の作業が行われることがあります。
EMUの構造を図7-2 に示します。
図7-2
EMUの構造
(出典: National Space Transportation Reference. Volume 1 Systems and Facilities
)
7−6
(1)宇宙服アセンブリ(SSA:Space Suite Assembly) <C改訂>
宇宙服アセンブリは、搭乗員の胴体、四肢、頭部を包み込む人間の形をした圧
力容器で構成され、重さは約120Kgです。又、サイズは各パーツ毎にとりそろえ
られているので、その組合せにより大体の人のサイズに合うようになっています。
宇宙服(EMU)は、この宇宙服アセンブリに、生命維持装置を装着して使用
します。
宇宙服は、温度の維持や圧力の確保、微小隕石からの保護等のいろいろな役目
を持つ14層(冷却下着(図7-6参照)の3層を含む)の生地で構成されています。
(出典資料によっては、アルミ蒸着マイラーの層が7層ではなく5層となっていま
すが、1998年の最新の資料では7層に増えています。
)
2 層:冷却下着表層
(ナイロン/スパンディック
)
1 層:冷却下着(ナイロンの織物)
14 層:耐熱、微小隕石保護カバー
(最外層:ゴアテックスとノーメックス。裏地は
ケブラー)
3 層:冷却下着
冷却水チューブ
7∼13 層:耐熱、微小隕石保護層
(多層断熱材(計 7 層):アルミ蒸着マイラー)
4 層:気密維持層
(ポリウレタンでコートされたナイロン)
5 層:気密維持層を
拘束する層(ダクロン)
6 層:耐熱、微小隕石保護層
(裂け目防止加工されたネオプレーン
でコートされたナイロン)
図7-3 宇宙服を構成する14層(素材には商標名を使用)
① 上部胴体(HUT:Hard Upper Torso)/腕部
上部胴体は宇宙服の上半身であり、次の4つの要素から構成されます。
・胴体部分
・腰部リング
・首リング
・保護服(TMG:Thermal Micrometeoroid Garment
)
胴の部分は硬いグラスファイバー製でできており、この上から全体を保護服で
覆うことにより厳しい外部環境から保護するようになっています。 この胴の部
分に両腕、背中の主生命維持システム(PLSS)
、胸の部分の表示制御モジュ
ール(DCM)が取り付けられており、着用時にヘルメット、下半身、グローブ、
ミニワークステーションなどを取り付けて使用します。
7−7
② 下部胴体(LTA:Lower Torso Assembly)
宇宙服の下半分で、腰部、大腿部、膝部、ブーツ等から構成されます。
この下部胴体の最上部の腰部リングが、宇宙服を装着するときの接合部となり
ます。
③ グローブ
グローブは、手を保護するとともに指先を動かして、ある程度の細かい作業が
できるように作られています。 指先は力を感じやすいようにシリコンゴムででき
ています。
表面が非常に高温あるいは低温のものを取り扱う場合はオプションとして耐熱
ミトンを使うことが出来ます。
なお、1987年のSTS-82から使用されるようになった新しい宇宙服は、国際宇宙
ステーション用に改良されたものであり、低温環境にも耐えられるように指先に
ヒーターがつけられています。
図7-4 グローブの外観
(出典:EVA SUITS AND LIFE SUPRORT SYSTEMS G.LUTZ 1/10/91)
7−8
④ ヘルメット
ヘルメットはEVA中のクルーの頭部を熱的環境や衝撃等から保護します。内
側には与圧を確保するための耐圧性のプラスチックの容器があり、その上にカバ
ーや太陽からの強烈な日ざしを緩和するために金でコーティングしたバイザーや
可動式の3枚(正面と両横)の日除けが装備されています。
作業用の照明として使われるEMUライトは、このヘルメットの上に取り付け
られます。
可動式の日除け
(閉じた状態 )
金でコーティングし
たバイザー
日除け(正面)の開閉ノブ
パージバルブ
図7-5 ヘルメットの外観
(出典:EMU Systems Training work book
( EMU SYS 2102))
⑤ 通信用ヘッドセット(Comm Cap)
マイクロフォン、イヤフォン、電子回路などを組み込んだ柔らかい布製の帽子
で頭にかぶって使用します。マイクロホンとイヤフォンは、2個ずつあり、同時に
故障しないよう別系統となっています。この帽子はNASAでは、スヌーピーキ
ャップと通称されています。 (図7-2参照)
7−9
⑥ 冷却下着
冷却下着は宇宙服を着用する前に着る柔軟性のあるスーツ
で、次のものから構成されます。
・スーツ
・冷却水パイプ
・酸素還流パイプ
この冷却下着は、素肌に着用して冷却水により体表から余分
な体温を取り去るとともに、宇宙服の末端から換気ガスを生命
維持装置に還流させるパイプを支えています。 また、心電計
信号調整器や放射線被曝量を管理するための線量計を収める
ポケットが取り付けられています。
図7-6 冷却下着
⑦ 集尿具
使い捨ての大人用サイズの紙おむつ MAG(Maximum Absorption Garment)
を 冷却
服の下に着用します。
⑧ 心電計キット(Biomed kit)
EVA中のクルーの心電図データを地上でモニターするために、クルーにとり
つける電極、コード、信号調整器その他の小物から構成されています。
⑨ 飲料水バッグ(Drink Bag )
21液料オンス(621.6cc )の飲料水を入れるバッグであり、宇宙服胴体内側の
ヘルメットのネックリングのすぐ下側に取り付けます。
⑩ フードスティック
包装ごと食べられる棒状に加工したフルーツ。布製の袋に入れて飲料水バック
にマジックテープでとりつけます。(注:現在では宇宙飛行士からの要望がないため
準備はされていません。現在はEVA前に食事をとることがすすめられています。)
⑪ EMUライト
ヘルメットにとりつけて使用するライトで、内蔵バッテリで4灯のランプを点灯
できます。照射角度の調整が可能であり、バッテリは軌道上で交換可能です。 7−10
(2)生命維持システム(LSS:Life Support System)
LSSは、宇宙服の内部気圧と温度をコントロールし、呼吸用の酸素や電力を
供給する他、通信機能を提供するシステムであり、宇宙服の背中に取り付けられ
ています。万一故障などで酸素が供給できなくなった場合に備えて、バックアッ
プ用の酸素タンクも装備してあります。宇宙服内は、約0.3気圧(4.3psia)の純酸
素で満たされており、その環境をLSSが維持します。生命維持システムは主に
以下の機器から構成されます。
・主生命維持システム(PLSS:Primary Life Support System)
・水酸化リチウム(LiOH)カートリッジ
・バッテリー
・表示制御モジュール(DCM:Display and Control Module)
・二次酸素パック(SOP:Secondary Oxygen Pack )
① 主生命維持システム(PLSS)
PLSSは、シャトルの宇宙服を外部に依存することなく、独立して使用でき
るように各種機能を詰め込んだ物であり、内部気圧と温度のコントロール、呼吸
用の酸素や電力を供給しています。宇宙服内の空気は、PLSS内の水酸化リチウム
カートリッジで余分な水分、二酸化炭素、その他の有害物質等を取り除いて再循
環されています。
また、外部との音声通信や心電図データ、酸素消費量等を知
らせるための通信装置、宇宙服にトラブルが発生した時の警告警報機能を有して
います。
アンテナ
通信装置
警告警報システム
水酸化リチウム
カートリッジ
サブリメータ
(冷却器)
循 環 フ ァ ン
/ポンプ/モータ
バッテリー
冷却水タンク
主酸素タンク
酸素レギュレータ
図7-7 PLSSの構成
7−11
② 水酸化リチウム(LiOH)カートリッジ
水酸化リチウムカートリッジは水酸化リチウム、活性炭、微粒子フィルター
の3層から成り、呼吸用酸素の浄化のために次の機能を果たします。
・微量成分(有害ガス)の吸着
・二酸化炭素の吸着
・固体の微粒子や水酸化リチウムの塵の拡散防止
活性炭層で有害な微量成分ガスを吸着し、水酸化リチウム層で二酸化炭素を吸
着し、微粒子フィルターでその他の微粒子を捕らえて宇宙服内に拡散するのを防
止します。これらは、PLSSの背中に取り付けて使用し、軌道上(シャトル内)
で交換可能です。
③ バッテリー
宇宙服のバッテリーには、銀亜鉛電池(26.6 A/H:重量4.3kg)を使用しており、
EMUの全ての電気機器の電源となります。通常のEVA作業(6−8時間程度)
を行うには問題のない容量です。PLSSの背中に装着して使用し、軌道上で交
換できます。また、軌道上でPLSSに装着したまま充電することができます。
7−12
④ 表示制御モジュール(DCM:Display and Control Module)
表示制御モジュールは、宇宙服の胸部に装着されており、宇宙服の状態の表示
と各機器の調節を行うためのものです。通信機器、温度調節、換気、電源、宇宙
服内の気圧等の制御が可能なほか、警告警報システム(CWS)も装備していま
す。
またエアロック内にいる間は、宇宙服で消費する酸素、電力、冷却水は節約の
ため、エアロック経由で供給されますが、そのためのエアロックアンビリカル
(SCU:Service and Cooling Umbilical)もこのDCMの前部に取り付けら
れます。 図7-8に表示制御モジュールの外観を示します。
図7-8 表示制御モジュール(DCM)の外観
(出典:EVA SUITS AND LIFE SUPRORT SYSTEMS G.LUTZ 1/10/91)
7−13
⑤ 二次酸素パック(SOP:Secondary Oxygen Pack )
SOPはPLSSが故障したり、PLSSの酸素が枯渇するといった緊急時に、
自動的に切替わり、最低30分間、生命維持装置のバックアップとして酸素を供給
します。SOPは、PLSSの下部に装着され、軌道上では再充填することはで
きません。 図7-9 に二次酸素パックの構造を示します。
図7-9 二次酸素パック(SOP)の構造
(出典:National Space Transportation Reference. Volume 1 Systems and Facilities
)
(3)スペースシャトルのEMU装備状況
スペースシャトルの各フライトごとに、EVAを実施するためのEMUの装備
は若干異なりますが、表7-2 に示すようにEMUはシャトルのエアロック内に搭
載されています。
表7-2 スペースシャトルのEMU搭載状況
搭載するEMUの台数
・EVAが予定されていない飛行では2着搭載
・EVAが計画されている飛行では3着目をスペアとして搭載
・ 2交代での EVA(計4名のEVAクルー)が計画されている場
合
は4着搭載
EVA用サポート物資の準 2人のクルーによるEVA3回分
備状況
(内訳:2回の計画または計画外EVAと1回の非常時EVA)
(2着搭載の場合)
7−14
7.3.2 エアロック
エアロックは、EVAの際に宇宙船から出入りするための設備です。エアロック
を使うことにより、宇宙服を着たクルーは船室全体の気圧を下げることなく宇宙船
に出入りすることができます。EVA開始前の宇宙服の装着や各種準備作業、EV
A終了後の宇宙服の消耗品再充填などの後始末もエアロックで行われます。
また打ち上げおよび帰還時の宇宙服の保管場所としても使用され、3セットまで
の宇宙服を収容することができます。
シャトルのエアロックは、以前はミッドデッキ内に設置されていましたが、オー
ビタの改修時に順次旧型のエアロックは取り外され、現在では、カーゴベイに設置
されたISSとのドッキングシステム(ODS)をエアロックとして使用しています。
図7-10 エアロック(ODS)の取付場所
ISS とのドッキング機構
エアロックハッチ
オービタ船内との
接続部
図7-11 エアロック(ODS)の概観(ISSミッション時)
7−15
7.3.3 EVA工具、EVA支援機器
EVAを行う際には、クルーの安全な移動を支援する機器、厚いグローブをはめ
て作業するための特殊な工具類が使われます。ここではその代表的な機器を示しま
す。なお、EVA工具は、国際宇宙ステーションの組立作業に備えて、現在も新た
な工具の開発や改良が行われており、その種類は増えています。
(1)移動支援機器、足場等の固定機器
①セイフティ・テザー
セイフティ・テザーは、クルーをスライドワイヤー(図7-13,14 参照)に繋ぎ止
めておくための伸縮式のケーブルであり、エアロックを出る前に腰のテザーに取り
つけ、EVA実施中はそのままの状態で作業を行います。 構成は次のとおりです。
・リールケース
・Dリング
・ロック/アンロックセレクタレバー
・35または55フィート(約10.6mまたは約16.7m)のケーブル
使用の際にはリールケースについているDリングに腰のテザーを取りつけます。
一方、反対側のEVAフックをスライドワイヤー側に取り付けます。
セレクタ(選択)レバーをアンロック位置にするとケーブルは自動的に巻き取ら
れてゆるみが除かれます。ロック位置にするとケーブルの巻き取りはされなくなり
ます。ロック/アンロックのどちらの位置でもケーブルを引くとケーブルを引き出
すことができます。
リールケース
D リング
延長ストラップ
ケーブル
ロック/アンロック選択レバー
EVA フック
図7-12 セイフティ・テザーの外観
(出典:EVA Contingency Operations Training Workbookcont OPS 2102)
7−16
②スライドワイヤー
スライドワイヤーはオービタのカーゴベイの両外側に取りつけられているワイ
ヤー(国際宇宙ステーション(ISS)でも、類似の機器がISS外壁に取り付けられて使
用される予定です)であり、EVA中の飛行士が誤ってシャトルから飛ばされない
よう安全を確保するために使われます。各ワイヤーには2つのスライダーがついて
おり、ここにセイフティテザーの端のフックを取りつけます。スライドワイヤーと
セイフティテザーを組み合わせて使うことにより、クルーはシャトルのカーゴベイ
全体の範囲にアクセスすることができます。
図7-13 スライドワイヤーとセイフティテザーを組み合わせた使用状況
(出典:EVA SUITS AND LIFE SUPRORT SYSTEMS G.LUTZ 1/10/91)
図7-14 シャトルのスライドワイヤー
7−17
③ハンドレール
クルーが移動する時につかむ手すりのことで、シャトルでは、カーゴベイの両側
や前方と後方の隔壁に取り付けられています。
また、ISSでも、固定式ハンドレール、軌道上取付型ハンドレールが使用されて
おり、新しいEVA工具との併用により、身体の固定や、小型の機器の固定等にも使
われます。
④テザー
EVA作業時に機器を一時的に繋ぎ止めておくためのベルト状のひもで、手首テ
ザーはEVA機器を使用中や移動中に失わないために利用し、腰部テザー(図7-13
参照)はEVA中のクルーを宇宙船に繋ぎ止めておく(セーフティテザーにつなぐ)
ために使用したり、他のクルーを繋いでおくために使います。 手首テザーや腰部
テザー以外にも、様々な長さや機能を持つテザーが準備されています。
⑤ポータブル・フット・レストレイント(PFR:Portable Foot Restraint)
PFRはEVA作業時のEVAクルーの足を固定するための足場として使用さ
れます。 PFRを固定するソケットに差し込むことでいろいろな場所に足場を移
動することができます。(⑥、⑦も参照のこと)
⑥PFR取り付け装置(PAD:PFR Attachment Device)
PADは、シャトルのロボットアーム(RMS)の先端にPFRを取り付け、移
動可能な足場とするために使われます。足場の位置は、RMSの先端に乗ったEV
Aクルーが、船内のRMSを操作するクルーに音声で移動を指示することで行いま
す。PADを使うことにより、PFRを固定するソケットの取付場所を気にするこ
となく、作業の自由度を広げることが出来ます。
PFR
PAD
RMS アーム先端部
PFRソケット
PAD
図7-15 PFR及びPAD
7−18
図7-16 RMS先端にPADを取り付けているEVAクルー
⑦関節付きポータブル・フット・レストレイント
(APFR:Articulating Portable Foot Restraint
)
APFRは、PFRに可動式の関節部を付けたものであり、APFRの上に足を
固定した宇宙飛行士自らが、ヨー方向、ロール方向の2軸の角度を調整レバーで変
更することができます。これにより、作業時の無理な姿勢を減らして、作業がしや
すくなります。
ロール軸制御
レバー
かかと固定部
ブーツ
・プレート
ヨー関節
(背面に隠れている)
ヨー軸制御
レバー
ロール関節
負荷調整用リミッター
ピッチ関節
固定ノブ
ピッチ関節
APFR 取付部(WIF)
図7-17 APFR(Articulating PFR)
(出典:EVA checklist STS-88(JSC-48024-88))
7−19
⑧宇宙飛行士身体固定用テザー(BRT:Body Restraint Tether)
BRTは、EVAの際に宇宙服側にBRTの一端をとりつけ、他端をハンドレー
ルに固定することにより、両手を自由に作業に使えるようにするための工具であり、
ISSの組立に備えて開発された新型の機器です。
ハンドレールだけでなく、機器をBRTで把持することもでき、クルーの両手を
自由にした状態で機器をBRTで把持したまま移動することもできます。なお、B
RTの中央部は柔軟に曲げられるフレキシブル構造になっています。
BRTの評価試験は、土井宇宙飛行士がEVAを実施したSTS-87等で実施されま
した。
把持部
(エンド
エフェクタ)
ロックボタン
フレキシブル部
フレキシブル部の
堅さを調整す
る締め付け部
宇宙服への取付部
図7-18 BRT(Body Restraint Tether)
(出典:EVA checklist STS-87(JSC-48024-87))
7−20
(2)宇宙服の装備品及び、EVA工具
①ミニ・ワークステーション(MWS)
ミニ・ワークステーションは、宇宙服の胸に2個のピップピンで取り付けて使用
します。ここに、EVA工具を保持させたり、作業場所で伸縮式のテザーによって
自分の身体やEVA工具を繋ぎ止めたりするのに使用されます。
図7-19 ミニ・ワークステーション(MWS)の外観
(出典:EVA Contingency Operations Training WorkbookRev.A cont OPS 2102)
② EVAカフ・チェックリスト
EVA作業の手順や宇宙服の不具合対応などを記したチェックリスト(簡単な手
順書)であり、宇宙服の袖口(カフ)にはめて作業します。
③ 手首ミラー
宇宙服の手首に伸縮性のベルトでとりつけ、胸に装着している表示制御モジュー
ルの表示等をこのミラーに反射させて読みとるために使用します。(ヘルメット装
着時には自分の胸部は見えないため。)
7−21
④ ピストル型パワー・ツール(PGT:Pistol Grip Tool)
PGTは、バッテリ駆動方式の電動工具であり、ネジ/ボルトの締め付け、ゆる
め作業に使用できます。PGTは、作業で使うためのトルクや回転数を何通りも設
定できるようになっています。
PGTは、STS−82(ハッブル宇宙望遠鏡の2回目の修理ミッション)から
使われるようになりました。また、土井宇宙飛行士がSTS−87で使用した後、
STS−88以降のISS組立ミッションでは主たる作業用工具として使用され
います。
拡大面
仮置き時の固定用
バヨネット・プローブ
英数字表示
ディスプレイ
LEDインジケータ
ON/OFF
スイッチ
モードA/B
切替スイッチ
トルク調整用環
MTL
スピード調整用環
トリガ
バッテリ・カートリッジ
図7-20 PGT(Pistol Grip Tool)
7−22
⑤ EVA時のセルフレスキュー用推進装置
SAFER(Simplified Aid For EVA Rescue)
SAFERは、EVA中の宇宙飛行士が誤って宇宙空間に放り出されたりした場合に自ら
飛行して宇宙船に帰還できるようにするために宇宙服の背中のバックパック下部
に取り付ける小型の推進装置であり、セルフレスキューを目的としたものです。
SAFERは、初期のシャトル飛行段階に使用された有人飛行ユニットMMU(Manned
Maneuvering Unit)の小型版であり、機能はMMUとほぼ同等ですが、推進剤タン
クの容量を減らしたり一部の機器を省略する等により小型化されました。一番の違
いは使用目的であり、MMUがEVA中の自由飛行を目的としたのに対し、SAFERはセル
フレスキュー用であり、宇宙ステーション組立時のEVAでは宇宙服に必ず装着する
事にはなっていますが、非常時以外は使用されません。SAFERは、NASAジョンソン
宇宙センター内で設計、開発されました。
表7-3 SAFERとMMUのサイズの比較
SAFER
MMU
縦 (cm) 35
127
横 (cm) 66
84
奥行(cm) 25
68
重量(kg) 38
152
推進能力
3m/秒
20m/秒
(ΔV)
従来のように、シャトルでEVAを行う場合は、飛ばされたEVAクルーをシャトルで
追跡して救助することができますが、シャトルが宇宙ステーションとドッキングし
ていたり、シャトルがいないときに宇宙ステーション上でEVAを実施しているよう
な場合には簡単には救助することが出来なくなります。このような場合に備えて宇
宙ステーションでEVAを行うクルーはSAFERを必ず装着することになっています。
SAFERはクルーが一人で着脱でき、コントローラーの収納部から取り出したハン
ドコントローラを宇宙服の胸の表示制御モジュール(DCM)部に装着することにより、
片手で6自由度の制御を行うことができます。
SAFERは、13分間窒素ガスのスラスター(24基装備)を噴射することができ、元の
場所に帰還したり、EVAクルーの姿勢を安定状態に戻すことができます。
SAFERは1994年9月のSTS-64で初めて試験飛行を行い、EVA中の自由飛行テストに
成功しました。その後、STS-76、STS-86で機能確認試験が行われた後、 ISSの第1
7−23
回組立フライトであるSTS-88から実用装備されるようになりました。
収納状態
ハンドコントローラー
の保管場所
ハンドコントローラーを
装着した状態
図7-21 SAFERの外観 (STS-76)
図7-22 ハンドコントローラの概観
⑥ その他のEVA工具
これまでに示したのは、ほんの一部のEVA工具であり、その他各種工具が用意されて
います。
OTD(Orbital Transfer Device)
: STS-87で土井宇宙飛行士が試験を行ったEVAクレーン
CETAカート:ISSのトラス上を移動するための手動式カート
PWP(Portable Work Platform)
: 作業用の足場と固定台
EVA工具箱、35mmカメラ(ニコンF5)、ハンマー、ハサミ、ラチェットレンチ、
トラッシュ・バッグ、Dハンドル、トルク・マルチプライヤー(TM)等
7−24
7.4 EVAの運用概要
EVAは単に宇宙服を装着して船外に出て仕事をして戻ってくるといった簡単
なものではなく、船外に出るには実際には、何時間もかけて周到な準備(プレブリ
ーズ等の実施)をする必要があります。作業を終わって船内で通常の状態に戻るた
めにも定められた手順を経なければなりません。
EVAの準備から実施そして後始末までには、図7-23のような作業が行われます。
<EVA時間の定義>
EVA時間は、宇宙服がシャトルからの供給電力から宇宙服の内蔵バッテリに
切り替えられた時点から開始され、エアロックの再圧を開始するまでの時間と
なります。
<補足説明>プレブリーズ(Prebreathe)
宇宙服を着用した状態で精密な作業をするには、宇宙服内の圧力を下げて、宇宙
服が膨れ上がるのを防止する必要があります。そこで、現在のNASAの宇宙服は
約1/3気圧の圧力で作業を行うよう設計しています。しかし、圧力を下げると、
シャトルの船内圧力から宇宙服着用時の圧力へ低下させる時に減圧症を生じる可
能性が発生します。
我々が通常呼吸する大気の中には窒素が含まれていますが、圧力を急激に低下さ
せると、この体内にとけ込んでいた窒素が血液中に微少な泡となって生じ、細い血
管を詰まらせるベンズと呼ばれる減圧症の一症状を引き起こします。
プレブリーズは、この減圧症を防ぐために実施される手順であり、EVAの実施
までに体内にとけ込んた窒素成分を体外へ追い出すものです。
現在主として使用されている手順は、以下のようなものです。
・マスクを装着して100%の酸素を約60分呼吸した後、シャトルの船内気圧を1
気圧(14.7psia)から約0.7気圧 (10.2psia)に下げ、12時間以上その状
態に保ちます。(船内)
・宇宙服内の窒素を追い出し、100%の酸素を40∼75分間呼吸した後、宇
宙服を約1/3気圧(4.3psia)に減圧し、EVA作業を開始します。(エアロ
ック)
7−25
気圧 時間 場所
プレブリース
14.7psia
(1気圧)
マスクを装着して
100%の 酸 素 を 60分 間
呼吸
12∼24時間
船内
設備の準備
宇宙服の装着前点検
準備段階
宇宙服装着準備
10.2psia
(0.7気圧)
約1時間
宇宙服装着
宇宙服装着後のチェック
パージ 8∼12分
プレブリース 100% 酸 素
を
45∼75分間呼吸*
宇宙服からの窒素の追い出
し(パージ)とプレブリース
エアロック
エアロックの減圧準備
約5分
エアロックの減圧
実施段階
EVA 実施
4. 3psia
(1/3気圧)
エアロックの再加圧
約6時間∼7時間
船外
約5分
エアロック
EMUの脱着
後作業段
約1時間
EMUのメンテナンスと再充
填
14.7psia
(1気圧)
船内
帰還準備作業
*:10.2psiaで過ごした時間が
24時間の場合:45分
12時間の場合:75分が必要
psia : pounds per square inch absolute
図7-23 EVAの開始から終了までの概要
7−26
参 考
1.NASDA参加の主なシャトルミッション
(1)第一次材料実験(FMPT)「ふわっと’92」
(2)国際微小重力実験室(IML)
(3)STS-72
(4)第1次微小重力実験室(MSL-1)
(5)マニピュレータ飛行実証試験(MFD)
(6)STS-87
(7)STS-90(ニューロラブ計画)
(8)STS-95
(9)STS-99
(10)STS-92
2.国際宇宙ステーション計画と「きぼう」日本実験棟について
(1)国際宇宙ステーション計画の経緯
(2)国際宇宙ステーションの運用について
(3)「きぼう」の運用システム(JEM運用システム)について
(4)「きぼう」(JEM)開発の経緯
(5)「きぼう」(JEM)の概要
(6)第1回JEM利用募集の応募結果について
3.NASDA宇宙飛行士の紹介、資質要求、応募条件
4.米国・CIS以外の宇宙飛行士の飛行記録一覧表
5.スペースシャトルの打上げ実績(STS-1∼STS-101まで)
6.オービタ毎のミッション回数
−参考-1−
参考-1 NASDA参加の主なシャトルミッション
ここに示した以外にもNASDAはSTS-79, 84, 89, 91で宇宙放射線計測に参加し
ま し た 。 ( NASDAが 参 加 し た シ ャ ト ル ミ ッ シ ョ ン の 詳 細 に つ い て は 、
http://jem.tksc.nasda.go.jp/shuttle/
index.htmlをご参照下さい。)
(1)第一次材料実験(FMPT)「ふわっと’92」
(First Material Processing Test)
(ア)STS−47(SL−J)の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1992年9月12日
着陸日: 9月20日
(b)ミッション期間
8日間
(c)シャトル・オービタ
エンデバー(OV-105 /2回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約300km (円軌道)・57度
(f)搭乗員:計7名
コマンダー:ロボート・L・ギブソン(NASA)
パイロット:カーティス・L・ブラウン(NASA)
MS:マーク・C・リー(兼シャトル搭載システムコマンダー)
(NASA)
ジェローム・アプト( NASA)
N・ジャン・デイビス(NASA)
SMS:メイ・C・ジェミソン(NASA)
PS:毛利 衛 (NASDA)
(g)着陸地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(イ)ミッション概要
スペースシャトルに日本人搭乗科学者(PS)1名が搭乗し、宇宙空間の特性を利
用した材料実験等を行った。
(a)参加国
日本・米国
(b)実験装置数
21(すべて日本側提供装置)
(c)実験テーマ数
43(日本34・米国7・日米共同2)
−参考-2−
(2)国際微小重力実験室(IML)
(International Microgravity Laboratory)
目的
米国航空宇宙局(NASA)が推進する国際微小重力実験室(IML)計画は、
スペースシャトル/スペースラブを用いた微小重力実験を国際協力により実施す
るものであり、これに搭載する実験装置を提供して参加することにより、宇宙環境
利用の促進及び国際協力の推進等を図る。
・打上げ経費/NASAが負担
・搭載実験装置/NASAが選定
・装置利用の権利/実験装置提供国とNASAが共有。
・実験テーマ/装置利用権利の割合に応じて、NASAと装置提供機関がそれぞ
れ自国の実験テーマを選定。
・実験の成果/実験後1年間は、実験テーマを提案した研究者たちが当該実験デ
ータを独占使用する権利を有する。
その後は公開の義務あり。
・PSの選定/実験研究者作業グループ(IWG)の推薦を受け、それを尊重し
ながら最終的にNASAが選定。
(ア)第一次国際微小重力実験室(IML−1)
(a)参加経緯
昭和63年5月に締結したNASAとNASDAとの間の書簡契約に従い、NA
SDAは以下の搭載実験装置を提供。
・有機結晶成長装置(OCGP)
・宇宙放射線モニタリング装置(RMCD)
(b)STS−42(IML−1)の概要
(i)打上げ日/着陸日
打上げ: 1992年1月22日午前09時53分(米国太平洋標準時刻)
着陸: 1月30日午前08時07分(米国太平洋標準時刻)
(ii)ミッション期間
8日間
(iii)シャトル・オービタ
ディスカバリー(OV-103 /14回目の飛行)
(iv)コンフィギュレーション
スペースラブ・ロング・モジュール
+ゲッタウェイ・スペシャル(GAS)ブリッジ
(v)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(vi)軌道高度・傾斜角
約300km (円軌道)・57度
(vii)搭乗員:計7名
コマンダー:ロナルド・J・グレーグ(NASA)
パイロット:ステファン・S・オズワルド(NASA)
MS:ノーマン・E・サガード
−参考-3−
(兼シャトル搭載システムコマンダー/NASA)
ウイリアム・F・レディ(NASA)
ディビット・C・ヒルマーズ(NASA)
PS:ロバータ・L・ボンダー(CSA:カナダ宇宙機関/カナダ人)
ウルフ・D・メルボルト (ESA:欧州宇宙機関/ドイツ人)
(viii)着陸地
米国カリフォルニア州NASAドライデン飛行研究センター
(b)ミッション概要
(i)参加国数
14
(ii)実験装置数
16(うち日本提供装置2)
(iii)実験テーマ数
42(うち日本提供テーマ2)
(c)契約者及び製作分担
・OCGP……日本電気(株)、石川島播磨重工業(株)
・RMCD……三菱重工業(株)
(イ)第二次国際微小重力実験室(IML−2)
(a)STS−65(IML−2)の概要
(i)打上げ日/着陸日
打上げ: 1994年7月8日午後12時43分(米国東部夏時間)
着陸: 7月23日午前06時38分(米国東部夏時間)
(ii)ミッション期間
14日17時間55分
(iii)シャトル・オービタ
コロンビア(OV-102 /17回目の飛行)
(iv)コンフィギュレーション
スペースラブ・ロング・モジール
+ゲッタウェイ・スペシャル(GAS)ブリッジ
(v)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(vi)軌道高度・傾斜角
約300km (円軌道)・28.5度
(vii)搭乗員:計7名
コマンダー:ロバート・D・カバナ(NASA)
パイロット:ジェームズ・D・ハンセンJr.(NASA)
MS:リチャード・J・ヒーブ
(兼シャトル搭載システム・コマンダ/NASA)
カール・E・ウオルツ(NASA)
ドナルド・A・トーマス(NASA)
リロイ・チャオ(NASA)
PS:向井千秋(NASDA)
(viii)着陸地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
−参考-4−
(b)ミッション概要
(i)実験テーマ
NASDA提供搭載実験装置での実験テーマ16(内日本は12テーマ)
(ii)NASDA提供搭載実験装置
・ライフサイエンス系…水棲生物飼育装置、放射線モニター装置、
細胞培養キット、電気泳動装置
・材料系等…高温加熱電気炉、制振実験装置
(c)契約者及び製作分担
・ライフサイエンス系…三菱重工業(株)
・高温加圧電気炉…石川島播磨重工業(株)
・制振実験装置…日本電気(株)、富士通(株)
−参考-5−
(3)STS−72
(ア)STS−72の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1996年1月11日 18時41分(JST)
着陸日: 1月20日 16時42分(JST)
(b)ミッション期間
8日22時間01分
(c)シャトル・オービタ
エンデバー(OV-105/ 10回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約300km (円軌道)・ 28.5度
(f)搭乗員:計6名
コマンダー:ブライアン・ダフィー(NASA)
パイロット:ブレント・W・ジェットJr.(NASA)
MS:リロイ・チャオ(NASA)
ダニエル・T・バリー(NASA)
ウインストン・E・スコット(NASA)
若田 光一(NASDA)
(g)着陸地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(イ)ミッション概要
(a)宇宙実験観測フリーフライヤー(SFU)の回収 (飛行3日目)
1995年3月にH-Ⅱロケットにより打ち上げられ、実験が終了して待機していた
日本の衛星SFUを若田宇宙飛行士がシャトルの RMSを操作して軌道上で回収
しました。
回収前の準備段階で、SFUの2枚の太陽電池パドルを折り畳みましたが、
最後の固定(ラッチ)を確認する信号が得られなかったため、NASAと宇宙科学
研究所の判断で太陽電池パドルを切り離して投棄しました。この後、若田宇宙
飛行士がRMSを使用して回収を行いました。
(b)OAST-FLYERの放出・回収 (飛行4,6日目)
NASAのフリーフライヤー (OAST-FLYER)を若田宇宙飛行士がシャトルのRMSを
使用して飛行4日目に放出し、軌道上で約46時間実験を実施したOAST-FLYERは、
再度RMSを使ってシャトルに回収(飛行6日目)されました。
(c)SSBU/A-05を用いた他の人工衛星に搭載したオゾン層観測機器の校正データの
取得。
(d)EVA Development Flight Test(EDFT)-3(飛行5,7日目)
宇宙ステーション組立および保守に必要な船外活動(EVA)機器、支援機器の機
能性能および技術手法等の軌道上検証試験のためのEVAを2回実施しました。
この際、若田宇宙飛行士は、シャトルのRMSを操作して、EVAクルーの足場を
確保する等、船内からEVAクルーの作業を支援しました。
−参考-6−
●EVA #1 (リロイ・チャオMS、ダニエル・バリーMS) 6時間9分
ポータブル・ワークステーション・プラットフォーム(PWP)(作業用の足場、
作業台、工具の固定に使える装置)の評価試験、ISSで使われる予定のリジ
ッド・アンビリカル(流体配管及び電気配線を収めるトレイ)の試験等を行い
ました。
この時のEVAクルーの足場の支援等に使われたRMS操作は若田MSと
パイロットのジェット氏が担当しました。
●EVA #2 (リロイ・チャオMS、ウインストン・スコットMS)6時間53分
ISSで使われる予定のユーティリティ・ボックス(流体及び電気配線の接続
箱)、軌道上取り付け型のスライドワイヤー、耐寒性を向上させた改良型宇
宙服の2回目の試験、手首に付けて使用する小型コンピュータ(EVA手順書
の表示に使う)等の評価試験を行いました。
この時のEVAクルーの足場の支援等に使われたRMS操作はパイロッ
トのジェット氏が担当し、若田MSはその支援を行いました。
(ウ)その他のSTS−72における若田宇宙飛行士の活動状況
(a)打上げ上昇時運用
シャトル打上げ上昇時にフライトデッキ(操縦室)後方の席から計器類のモニ
タを実施し、状況の把握を行うと共に必要な操作、指示を行いました。
(d)人工衛星とランデブーする際のシャトル操作支援
SFU及びOAST-FLYER回収のためのランデブー時に衛星までの距離と接近率を
測定し、シャトルの接近操作を支援しました。
(e)SFUのシステム操作
SFU回収時にSFUの太陽指向姿勢から地球指向姿勢への姿勢変更コマンド
の送信を行う等、SFUシステムの操作及びモニタを行いました。
(f)二次ペイロードの操作
タンパク質結晶実験装置(PCG-STES)に関する実験操作等を行いました。
(g)医学データの取得
宇宙飛行の人体への影響を調べるための医学データ取得(シャトルで飛行する
クルーは全員このような医学データを取得します)を行いました。
(h)その他
飛行8日目の自由時間を利用してダニエル・バリーMSを相手に囲碁を行いまし
た。またコーヒーを墨代わりに使って宇宙での習字を行ないました。
−参考-7−
(4)第1次微小重力実験室(MSL−1)
(First Microgravity Science Laboratory)
目的
NASAスペースシャトル/スペースラブミッションに参加し、実験テーマの実
施、及び宇宙ステーションの利用運用技術の開発等を実施する。
(ア)STS−83(MSL−1)の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1997年4月4日(EST)
帰還日: 4月8日(EDT)
(b)ミッション期間
3日 23時間(シャトルの燃料電池の不具合により、早期に帰還した。)
(c)シャトル・オービタ
コロンビア(OV-102 /22回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州 NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約296km・28.45度
(f)搭乗員:計7名
コマンダー:ジェイムス・D.ハルセルJr.(NASA)
パイロット:スーザン・L.スティル(NASA)
MS/PC:ジャニス・ボス(NASA)
PC(ペイロード・コマンダー)
MS:マイケル・L.ガーンハート(NASA)
ドナルド・A.トーマス(NASA)
PS:ロジャー・K.クラウチ(NASA)
グレゴリー・T.リンテリス(NASA)
(g)着陸地
米国フロリダ州 NASAケネディ宇宙センター
(イ)STS−94(MSL−1R)の概要
注:STS-83は、シャトルの燃料電池の不具合により、予定を変更して早期に
帰還をしたため、同一クルーで再飛行を行った。
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1997年7月 1日(EDT)
帰還日: 7月17日(EDT)
(b)ミッション期間
15日 16時間
(c)シャトル・オービタ
コロンビア(OV-102 /23回目の飛行)
(ウ)ミッション概要
(a)参加機関
−参考-8−
NASA、NASDA、ESA、DARA、DLR
(b)搭載装置
NASA 8装置、NASDA 1装置、ESA 1装置、DARA 1装置、
DLR 1装置
(c)NASDA搭載装置
大型灼熱炉(LIF)
(エ)契約者及び分担
大型灼熱炉の製作…石川島播磨重工業(株)
運用計画立案…有人宇宙システム(株)
実験計画立案…宇宙環境利用推進センター
地上支援システムの製作…日本電気(株)
(オ)MSL−1 NASDAの実験テーマ数
6
−参考-9−
(5)マニピュレーター飛行実証試験(MFD)
マニピュレーター飛行実証試験(MFD: Manipulator Flight Demonstration)
は、
国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟(JEM: Japanese Experiment Module)
の打上げに先き立ち、その構成要素のうち重要でかつ技術的に高度な要素の一つで
ある精密作業用ロボットアーム(「きぼう」ロボットアーム(JEMRMS:JEM Remote
Manipulator System)の子アーム)の飛行実証試験を行いました。この試験に供され
たMFDロボットアームは、日本初の宇宙ロボットアームとなりました。
船内保管室
ロボットアーム
船内実験室
船外パレット
船外実験プラットフォーム
図1 「きぼう」の概要
図2 JEMRMSの概要図
−参考-10−
「きぼう」は、米国、日本、カナダ、欧州諸国とロシアの計16ヶ国が共同で進め
ている国際宇宙ステーション計画のなかで、日本が開発する有人宇宙活動施設であり、
日本初の「軌道上研究所」として位置付けられています。その構成は図1のように、
「船内実験室」、
「船外実験プラットフォーム」の2つの実験スペース、それぞれに付
属する「補給部(船内保管室、船外プラットフォーム)」、そして「ロボットアーム(J
EMRMS)」の4システムから構成されます。中でも、
「きぼう」の船外実験プラッ
トフォームは、常時宇宙に開かれた利用空間であり、「きぼう」の特徴と言えるもの
で、日本の独自性のある活動に有効に利用されるとともに、国際協力の場としても利
用されることが期待されています。「きぼう」船外実験プラットフォームでの有人宇
宙施設におけるロボットアームの地上遠隔操作の導入は、搭乗員の作業負荷軽減等、
有人宇宙施設運用の効率化が期待できます。その予備的実験として、GC(ロボット
アーム地上遠隔操作)実験では、シャトルと地上の間の通信システムを介して、地上
からのファイル転送によるMFDロボットアームの遠隔操作実験を行いました。
(ア)STS−85の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1997年8月 7日午前10時41分(EDT)
帰還日: 8月19日午前 7時08分(EDT)
(b)ミッション期間
11日 20時間
(c)シャトル・オービタ
ディスカバリ(OV-103 /23回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州 NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約296km・57度
(f)搭乗員:計6名
コマンダー:カーチス・L.ブラウン(NASA)
パイロット:ケント・ロミンガー(NASA)
MS:N.ジャン・ディビス(NASA)
ロバート・L.カービームJr.(NASA)
スティーブン・K.ロビンソン(NASA)
PS:ビオニ・V.トゥリグヴェイソン(CSA:カナダ人)
(d)着陸地
米国フロリダ州 NASAケネディ宇宙センター
(イ)ミッション概要
STS-85における主要ペイロード
(a)CRISTA-SPAS-02(Cryogenic Infrared Spectrometers and Telescopes for the
Atomosphere-SPAS-02)
(b)第2次国際極超紫外線観測装置(IEH-02)
(c)MFD(Manipulator Flight Demonstration)
(d)TAS-01(Technology Application and Science-01)
−参考-11−
(6)STS−87
(ア)STS−87の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1997年11月19日 14時46分(EST)
帰還日: 12月 5日 7時20分(EST)
(b)ミッション期間
15日16時間34分
(c)シャトル・オービタ
コロンビア(OV-102 /24回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約280km (円軌道)・ 28.45度
(f)搭乗員:計6名
コマンダー:ケビン・R・クレーゲル(NASA)
パイロット:スティーブン・W・リンゼイ(NASA)
MS:カルパナ・チャウラ(NASA)
ウインストン・E・スコット(NASA)
土井 隆雄(NASDA)
PS:レオニト・カデニューク(ウクライナの宇宙飛行士)
(g)着陸地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(イ)ミッション概要
(a)第4次米国微小重力実験ペイロード(USMP-4)
ペイロードベイ内に搭載したUSMP-4ペイロードで材料実験を実施。
(b)太陽物理観測衛星スパルタン201-04
シャトルから放出後、太陽観測を行う予定であったが、起動、放出に失敗し、
科学観測ができないまま漂流し、11/24の船外活動(EVA)で土井MS、スコットMS
により回収されました。
(c)第5次EVA開発飛行試験(EVA Development Flight Test-5(EDFT-5)
)
宇宙ステーション組立および保守に必要な船外活動機器、支援機器の機能性
能および技術手法等の軌道上検証試験を実施しました。 この試験でNASDAの土
井MSは日本人として初めて船外活動を実施しました。
11/24 第1回EVA 予定外の作業であったスパルタン衛星の回収を行った後、
EVAクレーンの評価試験等を実施しました。(作業時間7時間43分)
12/ 3 第2回EVA 2回目のEVAクレーンの評価試験及び、AERCam/Sprintと
呼ばれる球形のリモートコントロール・カメラの試験等を実施
しました。(作業時間5時間0分)
(第2回EVAは、当初予定されていませんでしたが、評価試験の進
捗を考慮し、追加されました。)
−参考-12−
(7)STS−90(ニューロラブ計画)
(ア)STS−90(ニューロラブ・ミッション)の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1998年4月17日 午後 2時19分(EDT)
帰還日: 5月 3日 午前10時10分(EDT)
(b)ミッション期間
15日21時間50分
(c)シャトル・オービタ
コロンビア(OV-102 /25回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約280km (円軌道)・ 39度
(f)搭乗員:計6名
コマンダー
:リチャード・A.シーアフォス(NASA)
パイロット
:スコット・D.アルトマン(NASA)
MS:キャサリン・ケイ・ハイア(NASA)
:リチャード・M.リネハン(NASA)
:ダフィド・ライ・ウィリアムス(NASA)
PS:ジェイ・C.バッキー(NASA)
:ジェイムズ・A.パウェルツィク(NASA)
(バックアップPS:飛行中は地上から搭乗員を支援)
アレクサンダー・デュンラップ(NASA)
向井 千秋(NASDA)
(g)着陸地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(イ)ミッション概要
ニューロラブ計画は、1990年にブッシュ大統領の定めた「脳研究10年計
画」に基づき、NASAが米国立衛生研究所(NIH)と協力して計画したもの
で、スペースシャトル/スペースラブを利用して宇宙環境における神経科学分野
の実験を行うことを目的としました。
本計画は世界各国に装置提供を求めるとともに実験テーマを募集、選定し、国
際協力により実施したものです。
宇宙開発事業団は、本計画に実験装置(海水型水棲動物実験装置)を提供する
とともに、研究者の支援を行いました。
ニューロラブは、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、日本などの6ヵ国が参加し、
微小重力環境下での水棲動物実験、神経系の発達実験、自律神経実験など8領域
32テーマの実験を実施しました。これらの実験には、各国で開発された実験装
置が使用されました。
日本の実験テーマには、1名が代表研究者として、4名が米国代表研究者の共
同研究者として参加しました。
−参考-13−
(8)STS−95
(ア)STS−95の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 1998年10月29日 午後 2時19分(EST)
帰還日: 11月 7日 午後12時04分(EST)
(b)ミッション期間
8日21時間44分
(c)シャトル・オービタ
ディスカバリー(OV-103 /25回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約555km ・ 28.45度
(f)搭乗員:計7名
コマンダー
:カーティス・ブラウン(NASA)
パイロット
:スティーブン・リンズィー(NASA)
MS:ステーブン・ロビンソン(NASA)
:スコット・パラジンスキー(NASA)
:ペドロ・デユケィ(ESA)
PS:向井 千秋(NASDA)
:ジョン・グレン(米国上院議員)
(g)着陸地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(イ) ミッション概要
(a)スペースハブ・モジュール
NASA, ESA, CSA, NASDAが実験に参加
NASDAは、STS-90に続いて海水型水棲動物実験装置(VFEU/NDAS)を搭載し、ガマア
ンコウを使用した宇宙酔いの研究を実施しました。
また、有機結晶成長装置を搭載して実験した他、植物の成長観察、細胞培養実験
等を実施しました。
(b)ハッブル宇宙望遠鏡軌道上システム試験(HOST)
(c)太陽物理観測衛星スパルタン201-5
(d)第3次国際極超紫外線観測装置(IEH-03)
−参考-14−
(9)STS−99
(ア)STS−99の概要
(a)打上げ日/着陸日
打上げ日: 2000年02月11日 午後12時44分(EST)
帰還日: 02月22日 午後 6時23分(EST)
(b)ミッション期間
11日5時間39分
(c)シャトル・オービタ
エンデバー(OV-105 /14回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(e)軌道高度・傾斜角
約233km ・ 57.0度
(f)搭乗員:計6名
コマンダー :ケビン・クレーゲル(NASA)
パイロット :ドミニク・P・ゴーリィ(NASA)
MS :ゲルハルト・ティエル(ESA)
:ジャネット・リン・カヴァンディ(NASA)
:ジャニス・ヴォス(NASA)
:毛利 衛(NASDA)
(g)着陸地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(イ) ミッション概要
(a)SRTM(シャトル・レーダー・トポグラフィー・ミッション)
長さ60mのマストを伸展して、CバンドとXバンドの合成開口レーダーによる地球
観測を実施しました。このミッションでは、10日間で両極を除いた地球の陸地の約
80%の範囲をレーダー観測し、高解像度のデジタル3次元地図を作成するためのデー
タを取得しました。
(b)EartkKAM
アメリカ、ドイツ、日本の75校以上の中学校が参加し、シャトルに搭載したデジ
タルカメラをリモートコントロールで動かすことにより、2,715枚の地表の写真を撮
影しました。
−参考-15−
(10)STS−92
(ア)STS−92(3A)の概要
STS−92は、シャトルによる国際宇宙ステーション(ISS)の5回目の組立
フライトであり、3Aフライトとも呼ばれます。この飛行ではNASDAの若田
MSがシャトルのロボットアームを操作して、ISSの組立を行います。
(a)打上げ予定日
2000年 秋
(b)ミッション期間
約11日間
(c)シャトル・オービタ
ディスカバリー(OV-103 /27回目の飛行)
(d)打上げ場所
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(e)搭乗員
コマンダー:ブライアン・ダフィー(NASA)
パイロット:パメラ・アン・メルロイ(NASA)
MS:リロイ・チャオ(NASA)
ウイリアム・マッカーサー(NASA)
ピーター(ジェフ)・ワイゾフ(NASA)
マイケル・ロペズ−アレグリア(NASA)
若田 光一(NASDA)
(f)着陸予定地
米国フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
(イ)ミッション概要
(a) 宇宙ステーションの以下の構成要素を輸送し、組み立てます。
・ Z1トラス(姿勢制御用のCMG(Control Moment Gyros)や KuバンドとSバンド
の通信アンテナ等を装備しています。)
・ PMA−3(与圧結合アダプター3)
このミッションでは、組立のために4回の船外活動を予定しています。
本ミッションが終了すると、ロシアのソユーズ宇宙船が打上げられ、以後3名の
宇宙飛行士が滞在するようになります。
−参考-16−
参考−2 国際宇宙ステーション計画と
「きぼう」日本実験棟について
(1)国際宇宙ステーション計画の経緯
国際宇宙ステーション計画は、米国、ロシア、日本、カナダ、欧州(ベルギー、
デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、イ
ギリス、スイスおよびスウェーデンの11ヶ国)とブラジル(注:ブラジルは、アメ
リカとの2国間協定で参加。多国間協定での参加では無い。) の計16ヶ国が共同で開
発を行うもので、米国航空宇宙局(NASA)のスペースシャトル等を用いて平均
高度約400Kmの地球周回軌道上に恒久的かつ多目的な有人施設を段階的に構
築し、同ステーションに次の機能を持たせるものです。
(1)地球軌道上の実験室(広範な分野の科学実験、材料実験、ライフサイエンス実
験等の研究)
(2)製造施設(高純度結晶、半導体等の新材料の製造)
(3)長期観測施設(地球及び天体の観測)
(4)組立て施設(アンテナ等の大型構造物の組立て)
1984年1月、米国のレーガン大統領(当時)は年頭の一般教書で「10年以
内に国際協力により宇宙ステーションの建設を行う」ことを発表し、同年6月のロ
ンドンサミットにてレーガン大統領(当時)は日本、欧州、カナダに宇宙ステーシ
ョン計画への参加を招請しました。翌1985年の4月から6月にかけて、各国は
同計画の予備設計段階への参加を決定し、85年から86年の2年間に渡って作業
を実施しました。宇宙ステーションは、レーガン大統領(当時)により、1988
年7月にフリーダムと命名されたため、米国では宇宙ステーションフリーダム計画
(Space Station Freedom Program =SSFP
)と呼ばれていました。
1988年9月には宇宙ステーションの開発、運用及び利用の枠組みとして、米
国、日本、欧州諸国、カナダにより政府間協定(IGA)が署名され、翌年の6月
にはIGAは日本の国会で承認されました。これをうけて、宇宙開発事業団として
も日本実験モジュール(Japanese ExperimentModule=JEM)(現在は、「きぼう」日
本実験棟に名称を変更しています)の開発に取り組み始めました。それ以後、米国
の財政事情等により幾度かの見直しを経験しましたが、クリントン政権発足後の1
993年2月には米国の政策変更により大幅な再設計が論議され、それまでの計画
が縮小されると同時に、同年には計画にロシアも参加することが決まり、計画の名
称も「国際宇宙ステーション計画(International Space Station Program
)」に変
更されました。
打上げ開始は、毎年のように延期されていましたが、1998年11月から構成
要素の打上げがようやく開始されました。
しかし、ロシアが提供するサービスモジュール(ミールと同様の姿勢制御、軌道
制御、居住機能を有する初期段階のクルーの居住に必須のモジュール)の製作の遅
れ(ロシアの財政難)が原因で、組立スケジュールはさらに遅れていました。現時
点での組立スケジュールを表1に示します。
−参考-17−
国際宇宙ステーション計画は、以下の3段階に分けて進められています。
第1期(Phase Ⅰ) :シャトル/ミールミッション
(1995∼1998) 宇宙ステーション建設に向けたリスク低減を目的とする段階。
・ロシア宇宙飛行士のシャトル搭乗
・ミールへの9回のシャトル飛行(ドッキング)
・米国宇宙飛行士のミール滞在
第2期(Phase Ⅱ)
:国際宇宙ステーション初期組立(米国及びロシア、カナダ)
(1998∼2001)
・ロシア要素組立
・米国要素組立
第3期(Phase Ⅲ)
:国際宇宙ステーション組立
(2001∼
) (日本、欧州も組立に参加)
−参考-18−
表1 国際宇宙ステーション組立スケジュール(2000年8月Rev.F)
<D改訂>
D改訂>
(出典:http://spaceflight.nasa.gov/station/assembly/flights/chron.html)
打上げ 日
フライ ト番号
1
2
3
4
5
1998.11.20
1998.12.04
1999.05.27
2000.05.19
2000.07.12
1A/R
2A
2A.1
2A.2a
1R
基本機能モジ ュール(FGB) 愛称「ザ ーリャ(日の 出)」
ノード1「ユニティ(統一)」+与圧結合アダ プタ (PMA)1,2
補給艤装フライ ト(SPACEHABモジ
ュール)
修理保全フライ ト(SPACEHABモジ
ュール)
サ ービス 棟(SM) 「ズ ヴェ ズ ダ (星)」
打上げ 要素
6
7
8
9
10
11
12
13
14
2000.09.08
2000.10.05
2000.10.30
2000.11.30
2001.01.18
2001.02.15
2001.03
2001.04.19
2001.05.17
2A.2b
3A
2R
4A
5A
5A.1
4R
6A
7A
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
2001.06.21
2001.10.04
2002.01
2002.02
2002.05
2002.06
2002.10
2002.10
2002.12
2003.02
2003.04
2003.06
2003.08
2003.08
2003.10
2003.11
2004.02
2004.04
2004.05
2004.06
2004.09
2004.10
2005.01
7A.1
UF-1
8A
UF-2
9A
ULF1
11A
9A.1
12A
12A.1
13A
13A.1
3R
5R
UF-4
10A
1J/A
ATV
1J
10A.1
UF-3
1E
2J/A
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
2005.02
TBD
2005.05
2005.06
2005.07
2005.08
2005.09
2005.10
2005.12
2006.01
2006.03
2006.03
2006.04
UF-5
9R
14A
UF-6
20A
8R
16A
17A
18A
19A
15A
10R
UF-7
補給艤装フライ ト(SPACEHABモジ
ュール)
Z1トラス 、PMA-3 (若田MS
(若田MS搭乗)
MS搭乗)
ソ ユーズ TM (第1次滞在ク ルー) (こ こ より 搭乗員3名が 常時滞在)
P6トラス (太陽電池パネル、ラジ エ ータ )
米国実験棟(U.S.LAB) 「デス ティニー(運命)」
補給艤装フライ ト(多目的補給モジ
ュール(MPLM)「レオ ナルド」)
ドッキ ング 室1 (DC-1)
カ ナダ 製マニピュレータ (SSRMS)、MPLM「ラファ エ ロ」、UHFアンテナ
エ アロック 、高圧ガ ス タ ンク
フェ ーズ II 完了 (注)
補給艤装フライ ト MPLM 「ドナテロ」
MPLM(実験ラック )、バッテリ、予備品保管パレット
S0(中央)トラス 、モビル・
トランス ポータ ー(MT)
MPLM(実験ラック )、モバイ ル・
ベース ・
シ ス テム(MBS)
S1(右舷)トラス 、CETA(乗員・
機器移動補助)カ ートA
利用及び 補給フライ ト <Rev.Fで 追加>
P1(左舷)トラス 、CETAカ ートB
ロシ ア科学電力プラットフォ ーム(SPP)+太陽電池アレイ4枚
P3/P4トラス (太陽電池パネル、バッテリ)
P5トラス 、補給品
S3/S4トラス (太陽電池パネル、バッテリ)
補給フライ ト <Rev.Fで 追加>
汎用ドッキ ング ・モジ ュール(UDM)
ドッキ ング 室2(DC-2)
カ ナダ 双腕型精密マニュピ
レータ(SPDM)、曝露ペイ ロード輸送パレット
ノード2(NODE 2)
「きぼう」船内保管室(ELM-PS)
「きぼう」船内保管室(ELM-PS)、SPP太陽電池パネル
(ELM-PS)
ESAの 輸送機(Automated Transfer Vehicle)
「きぼう」船内実験室(PM)
「きぼう」船内実験室(PM)、
(PM)、「きぼう」ロボットアーム(JEMRMS)
「きぼう」ロボットアーム(JEMRMS)
米国の 推進モジ ュール
MPLM(生命科学グ ローブボック ス 等)、曝露ペイ ロード輸送パレット
欧州実験棟(COF)
「きぼう」実験プラットフォーム(EF)
「きぼう」実験プラットフォーム(EF),「きぼう」船外パレッ
(EF) 「きぼう」船外パレット
「きぼう」船外パレット(ELM-ES),
(ELM-ES)
バッテリ、キ ューポラ
MPLM(実験ラック )、曝露ペイ ロード輸送パレット
ドッキ ング 及び 保管モジ ュール(DSM)
SPP太陽電池パネル、ズ ヴェ ズ ダ 用デブリシ ールド
MPLM(実験ラック )、バッテリ
ノード3(NODE 3) (生命維持シ ス テムラック 含む )
ロシ ア研究モジ ュール1
米国居住棟(U.S HAB)
MPLM、デス ティニー用ラック
搭乗員緊急帰還機(CRV)
MPLM (搭乗員7名が 常時滞在可能とな る )
S6トラス (太陽電池パネル、バッテリ)
ロシ ア研究モジ ュール2
生命科学実験施設(セントリフュージ
生命科学実験施設(セントリフュージ:
(セントリフュージ:CAM)
CAM)
−参考-19−
<D改訂>
D改訂>
(注)表中の フライ ト番号の 意味は 以下の 通り で す 。
A:アメリカ の フライ ト、 R:ロシ アの フライ ト、 J:日本関連の フライ ト、 E:ESA関連の フライ ト、
UF:利用フライ ト
ル・
ミ
ール・
プ
ログ
ラムの こ と で あ り 、98年6月の 9回目の ミ
ッショ
ンで あ る STS-91を最
フェ ーズ I計画は 、シャト
後に 完了し まし た 。
本表に は 、プログ レス 補給船、ソ ユーズ 宇宙船、HTV(H-II Transfer Vehicle)、ATVの フライ トは 基
本的に 含め て い ませ ん。
表2
国際宇宙ステーションの主要諸元
項 目
全長
高さ
重量
電力
与圧部全容積
与圧部
実験棟数
曝露搭載物
取り付け場所
常時滞在可能
搭乗員数
軌道
輸送手段
通信手段
諸 元 等
約108m(幅:トラスの軸方向)×約80m(進行方向)
約44m
約454.0トン
ロシア分を除く総発電電力 75kw(平均)
実験ユーザーの要求電力(日米欧加) 平均30kw以上
1140m3
6実験棟(2003年末時点)
内訳:米国2(U.S. Lab、セントリフュージ)、
日本1(「きぼう」船内実験室)、
欧州1(COF)、
ロシア2(研究モジュール1,2)
トラス上 4箇所、
「きぼう」船外実験プラットフォーム10箇所
組立完了時7名(組立期間中は3名)
高度330km∼480km (平均運用高度407km)
軌道傾斜角51.6度 円軌道
スペースシャトル(米国)
、ソユーズ、プロトン(ロシア)
補給飛行用としてH-IIA(日本)、アリアン5(欧州)も使用予定。
米国の追跡・データ中継衛星(TDRS)システム、及びロシアのデータ
中継衛星を使用。
その他、日本、欧州のデータ中継衛星システムを使用予定。
注:全長、重量データは、2000年7月にNASAが公開したズヴェズダのプレスキットから引用。
−参考-20−
表3 参加機関とその提供する主要要素
参加機関
NASA
(米国)
RSA
(ロシア)
ESA
(欧州)
NASDA
(日本)
CSA
(カナダ)
主要提供要素
提 供 要 素 概 要
FGB
国際宇宙ステーション(ISS)で最初に打ち上げられる要素で、米国で調達し、ロシアの
( 愛 称 :Zarya: 日 の メーカーで製造され、1998年11月20日にロシアのプロトンロケットで打ち上げられた。
出)
姿勢・軌道制御、通信、発電、熱環境制御等の機能を持つ。
U.S.Laboratory
米国の実験棟で宇宙実験用システムの他、ステーション主機能をコントロールするシステム
Module(U.S.Lab)
を搭載するU.S.Lab はライフサポート、電力コントロール、通信、熱環境制御、搭
( 愛 称 :Destiny: 運 乗員管理等の機能を持つ。
命)
ノード1
1998年12月4日に打上げられ、Zaryaとドッキングした最初の米国モジュール。ノードには、6
(愛称:Unity:統一)
個の結合ポートを持っており、今後打ち上げられるモジュールの結合部となる。
バス系
太陽電池パドル、放熱板、トラス等の各要素
Habitation
搭乗員の居住棟で、食事や睡眠、健康管理等をサポートする生活環境システムを搭載する。
Module(U.S.Hab)
サービスモジュール ロシアが最初に打ち上げるモジュールで、電力供給、推進系、環境制御機能など軌道上で独
(SM)
立運用するために必要なすべてのシステムと搭乗員が生活するための機能、宇宙実験用のシ
(愛称:Zvezda)
ステム等を搭載する。
ソユーズ
搭乗員輸送機で、地上とステーションの間の搭乗員の輸送および緊急帰還に使用される。
バス系
太陽電池パドル
COF(旧APM)
欧州の実験棟で、材料、流体物理、生物医学、理工学の各分野で基礎的、応用的研究を行う。
JEM
(愛称:きぼう)
宇宙ステーション・
リモート・
マニピュレーター・
システム(SSRMS)
日本の実験棟である「きぼう」は、船内実験室、船外実験プラットフォーム、船内保管室、
船外パレット、ロボットアームから構成され、材料、ライフサイエンス、理工学等の実験と
地球観測、天体観測を行う。
トラス構造物を動くモービル・トランスポーター(米国が開発)に設置される長さ17mのロ
ボットアームであり、宇宙ステーションの組立、保全に使用される。
SSRMSには、同じくカナダ製である特殊双腕型マニピュレータ(SPDM)を取り付けて精密作業を
行うことができる。
−参考-21−
米国居住モジュール
太陽電池パドル
放熱用ラジエータ
科学電力プラットフォーム<ロシア >
SSRMS( マニピユレータ )
セントリフュージ
(生 命 科 学 実 験 施 設)
プ ロ グ レ ス 補 給 船 <ロシア >
ズヴェズダ
(サービスモジュール)
<ロシア>
「 き ぼ う 」 船 外 実 験 プラットフォーム
「きぼう」船内実験室
トラス
緊急帰還用小型シャトル
飛行方向
ノード2
地球方向
推進モジュール
(新 規 追 加 )
デスティニー
(米 国 実 験 モ ジ ュ ー ル )
欧州実験モジュール
図3 国際宇宙ステーション構成図(組立完成時)
−参考-22−
(2)国際宇宙ステーションの運用について
宇宙ステーションは、各国際パートナーが開発した構成部分の集合体であり、各
パートナーはそれぞれの構成要素に対する運用利用要求を提出し、それを調整する
ことにより宇宙ステーション全体の運用が決定されます。
また、宇宙ステーションは、米国のスペースシャトル、ロシアのプロトン及びソ
ユーズロケットにより段階的に組み立てられ、緊急帰還機能が整い次第、常時有人
の体制となります。
宇宙ステーションのシステムおよび搭載実験装置の運用は、搭乗員による運用と
地上からの計画コマンドおよび実時間コマンドによる制御の2つの形態があります。
これは、実験装置数が多く、搭乗する宇宙飛行士の作業量だけでは運用が成り立た
ないからです。
宇宙ステーション運用期間は長期にわたり、この間に多数の実験が行われます。
定期的に実験内容が変更され、軌道上コンフィギュレーションが変更になります。
この変更にあたっては、地上で事前に検証されます。実験装置と実験試料について
は軌道上交換が必要となります。また、システムについても長期にわたる宇宙ステ
ーション運用期間中の機能・性能を維持するため、部品の交換を行う必要がありま
す。このため、スペースシャトル等を使用して定期的に宇宙ステーションへの補給
作業が実施されます。
宇宙ステーションの地上支援運用のうち、システム運用については米国ジョンソ
ン宇宙センターの宇宙ステーション管制センター(SSCC)を中心に、各国際パ
ートナーの運用センターによる各国担当エレメントの運用を統合しながら実施され
ます。また、実験運用は、米国に設置されるペイロード運用統合センター(POI
C)および各国の利用者支援センターの支援を受け実施されます。日本の実験運用
およびシステム運用支援は、茨城県つくば市の筑波宇宙センター内に設置される宇
宙ステーション総合センター(SSIPC)で実施されます。
なお、SSIPセンターの構成及び機能は、以下の通りです。
●宇宙実験棟(SEL: Space Experiment Laboratory )
宇宙ステーション利用者支援の中核として、1992年に完成したのがSEL
です。そこでは、宇宙実験に共通する技術開発、実験計画作成等に係る利用者へ
の支援、宇宙実験の準備、実験解析等の支援を行います。
●宇宙ステーション試験棟(SST: Space Station Test Building )
打上げ前に「きぼう」各部を組み合わせて行う全体システム試験、ロボットア
ームの機能試験およびペイロードの適合性試験、軌道上運用技術支援、宇宙飛行
士の運用訓練等を行うため、1993年に完成しました。
●無重力環境試験棟(WET: Weightless Environment Test Building )
無重力環境下での「きぼう」の開発試験、保全、ラック交換等のための手順書
作成および搭乗員の基礎訓練を行うため、1994年に完成しました。
●宇宙飛行士養成棟(ATF: Astronaut Training Facility )
宇宙ステーション搭乗員の選抜、養成訓練、健康管理、宇宙医学研究および有
人技術開発を行うため、1995年に完成しました。
●宇宙ステーション運用棟(SSOF: Space Station Operations Facility )
軌道上の「きぼう」システムの運用管制及び、
「きぼう」で実施する実験運用の
管制を行うと共に、NASAの宇宙ステーション管制センター(SSCC)とペ
−参考-23−
イロード運用統合センター(POIC)を支援するための施設で、1996年に
完成しました。
(3)「きぼう」の運用システム(JEM運用システム)について
SSIPCにおいて「きぼう」システムのシステム運用支援および日本の実験装
置の地上運用を担当する設備がJEM運用システムです。以下にシステムの構成を
説明します。また、図4に運用システム構成概念図を示します。
①長中期計画立案
宇宙ステーションを円滑に運用するため、数年前から国際パートナー間の利用・
運用計画の調整を行います。これに必要な日本の長中期の利用・運用計画を立案す
る機能を有します。
②運用管制システム
「きぼう」の軌道上運用を、監視・制御するため、軌道上データの受信・解析・
保存機能、「きぼう」システムと日本の実験を実行するための実施計画立案機能お
よび実験運用を地上から実時間運用する機能を有します。
③運用技術支援システム
「きぼう」の軌道上運用の支援のため、軌道上ソフトウェアおよび手順書の維持
改修機能、実験装置等の「きぼう」への搭載に必要な解析機能を有します。設備と
して、軌道上ソフトウェアを地上で検証するためのシミュレータ、擬似無重力下で
軌道上手順を確認するための無重量環境試験用モックアップ等があります。
④搭乗員運用訓練システム
宇宙ステーションに搭乗する宇宙飛行士が、軌道上において「きぼう」に関する
作業を効率的かつ安全に実施できるように、地上において事前にその作業について
訓練することを目的としています。
「きぼう」システム、
「きぼう」ロボツトアーム、
ワークステーション等の模擬訓練設備があります。
⑤射場運用システム(KSC)
ケネディ宇宙センターにおいて「きぼう」システム、日本実験装置等の最終イン
タフェース確認、スペースシャトルへの搭載作業等が実施されます。これらの作業
に必要な地上支援機器等の設備を準備します。
⑥保全・補給システム
長期にわたる運用期間中の「きぼう」のシステム機能を維持するための搭載機器
の寿命管理、また、システム交換部品や実験装置および実験試料の軌道上補給計画
立案機能等を有しています。
以上のJEM運用システムは、1993年11月に国際パートナーの参加を得て、
JEM運用システム審査会における審査が終了しました。1994年のNASAの
計画見直しに伴なう運用概念の変更を反映して設計が行われ、現在は、運用管制、
搭乗員運用訓練等の各個別システムの開発、試験が段階的に進められています。
−参考-24−
図4 JEM運用システム構成概念図
−参考-25−
(4)「きぼう」(JEM)開発の経緯
<D改訂>
日本は、宇宙ステーション計画には、独自に開発した実験室「きぼう」で参加
しています。以下は開発の経緯です。
① 1985年から2年間実施した予備設計で、JEMの基本構成、基本的な機
能性能要求が設定され、本格的開発の準備を整えました。
② 本格的開発として1990年1月から開発された基本設計は、1992年7
月の基本設計審査(PDR)で完了し、JEMの基本仕様を確認しました。こ
れと並行し実施された開発基礎試験では、JEMの環境制御系や通信制御系等
の要素技術の確立や、耐宇宙環境用の部品の開発を行いました。
③ 1992年3月から着手した詳細設計は、1998年2月にJEM詳細設計
審査その2(JEM−CDR#2)を実施して、最終仕様を確定し、維持設計
に着手しました。
④ エンジニアリングモデル(EM)は製作を終了し、筑波宇宙センター内の宇
宙ステーション試験で、1998年9月まで全体システム試験が実施されまし
た。
⑤ 実際に飛行するプロトフライトモデル(PFM)の開発も進んでおり、船内
保管室(ELM-PS)は組立を終え、2000年5月に宇宙ステーション試験棟に輸
送されました。
⑥ 2001年5月には各PFMがすべて筑波宇宙センターに揃い、全体システ
ム試験を開始する予定です。
スケジュール
1985∼1988年 1990∼1993年
予備設計
開発基礎試験
1992∼1998年
エンジニアリングモデル(EM)
の製作/試験
1994∼2004年
フライトモデル(PFM)の製作/試験
2004年∼
運 用
▲最初の「きぼう」
構成要素の打上げ
−参考-26−
(5)「きぼう」(JEM)の概要
「きぼう」は船内実験室、船外実験プラットフォーム、船内保管室、船外パレット
及びロボットアームから構成されます(参考-10ページの図1参照)。これらは軌道
上で宇宙ステーション用ロボットアーム(SSRMS)を用いて組み立てられ、船
内実験室はステーション本体に結合されます。従って、
「きぼう」の内部で作業する
搭乗員は宇宙ステーション本体と同様に宇宙服を着用することなく船内実験室と船
内保管室を行き来することができます。また、船内実験室には船外実験プラットフ
ォームの実験を支援するロボットアームと、船外実験プラットフォームの実験試料
等を出し入れするエアロックが取り付けられています。
(a)船内実験室(与圧部)(PM)
船内実験室は与圧環境下で搭乗員が活動できるように空気成分、湿度、空気
循環制御を行うと共に、
「きぼう」全体の熱制御、電力供給、通信などの管理・
制御を行うためのサブシステム機器を内部に配置しています。左右壁面には実
験を行うため10個の実験ラック、搭乗員が操作するロボットアーム操作卓を
配置しています。また、船外実験プラットフォームが取り付けられる側の後端
には窓が設けられています。
(b)船外実験プラットフォーム(曝露部)(EF)
船外実験プラットフォームは曝露環境下での実験をする部分で、箱型の構造
本体に装置交換機構を通じて実験用のペイロードを最大10個まで取り付けら
れます。構体の内部には電力供給、通信制御、排熱用の機器を装備しています。
また、船外実験プラットフォーム上の機器を移動する主要作業はロボットア
ームを用いて実施するために、ロボットアーム操作を考慮した機器の配置及び
インタフェースが設定されています。
(c)船内保管室(補給部与圧区)(ELM-PS)
船内保管室は「きぼう」運用に必要なシステム機器や補給品を搭載し、
「きぼ
う」構成要素の中で一番最初に打ち上げられるモジュールです。シャトルで打
ち上げられた後、米国のノード2に仮置きされ、船内実験室の到着を待ちます。
船内実験室到着後に、ノード2から船内実験室の上に移動され、軌道上の保管
庫として使われる予定です。
(d)船外パレット(補給部曝露区)(ELM-ES)
船外パレットは、船外実験プラットフォームの実験装置の輸送に用いられま
す。軌道上では、船外実験プラットフォームの先端に取り付けられます。
(e)ロボットアーム(JEMRMS)
ロボットアームは親アームとその先端に取り付けられる子アームから構成さ
れます。親アームは全長約10mでその先端は宇宙ステーション用RMSと共
通の先端把持部を持ち、通常は船外実験プラットフォーム用ペイロードの取り
付けや交換に使用されます。子アームは実験用試料の交換、構造物組立実験の
支援、船外実験プラットフォームのサブシステムの保全交換などの細かい動作
や器用さを要求する作業に使用されます。
−参考-27−
表3 「きぼう」の主要諸元
船内実験室
形
式
直径(m)
長さ(m)
空虚重量(t)
搭載ラック数
または
ペイロード数
電 力
通信制御
環境制御
搭乗員数
寿 命
補給部
船内保管室
円筒型
円筒型
船外
パレット
フレーム型
4.4 (外径)
4.2 (内径)
11.2
4.4 (外径)
4.2 (内径)
4.2
幅4.9
高さ1.8
3.6
船外実験
プラット
フォーム
箱型
幅5.0
高さ4.0
5.6
ロボットアーム
親子方式
6自由度アーム
(親アーム長さ)9.9
(子アーム長さ)1.7
1.6
親アーム取扱い重量
最大7t
子アーム 最大300kg
15.9
4.2
1.1
4.0
実験室用
ペイロード
ペイロード
ラック総数23
ラック 8
3個
10個
(実験ラック
10ラックを含
む)
最大25kw、120V直流
32ビット計算機システム、高速データ伝送(Max 95Mbps)
宇宙ステーション本体からの空気の供給を受けて、空気環境および温度
制御を行う
通常2名、時間制限付きで最大4名(居住施設は米国モジュールに依存)
10年以上
JEMの愛称とロゴマーク
宇宙開発事業団では、国際宇宙ステーション(ISS)の日本の実験棟「JEM」の愛称を1998
年11月より1999年2月末まで一般より募集し、多くの応募を頂きました。この愛称決定
を受けて、JEMのロゴマークも決定いたしました。
1. 愛称 「きぼう」
(英文での説明には「KIBO」とする)
応募総数: 20,227点
(内訳)葉書16,554点、ホームページ3,673点内、「きぼう」と応募された
数: 132点(漢字、カタカナ、ローマ字等を含む)
選定理由(選考委員会):
新しい世紀を迎えるにあたって、人類は共に協力しあって、地球の未来の
ために、様々な分野で知恵を出し合い、技術を研いて行かなければならず、
ISSはその象徴といえます。JEMでこれから得られる成果は、必ずや未来の
人類社会に偉大な貢献をしてくれるはずです。JEMは、未来への望みと期待
を担う、人類共通の貴重な研究と実験の場であることから、人類と地球の
未来を担う「きぼう」の場なのです。もちろん、日本の宇宙開発がさらに
発展するための「きぼう」の出発点でもあります。このような議論から、
JEMに最もふさわしい愛称として「きぼう」を選定しました。
−参考-28−
2.ロゴマークについて
ロゴマーク:
JEMが切り拓く、未来への希望を、紙ひこうきが飛翔する姿で表現しました。
赤い円は、地球・太陽・日の丸であり、バックのブルーは青空とその先に
広がる無限の宇宙を表しています。
制作者:
大貫 卓也(おおぬき たくや: アートディレクター)
−参考-29−
(6)第1回JEM利用募集の応募結果について
第1回宇宙ステーション取付型実験モジュール(JEM)利用テーマの募集は、
1992年10月に「第1回JEM利用募集案内」を発表し、同年12月28日に
募集を締め切りました。その結果、大学、国立研究所、民間企業等からの提案者数
は157名で、総数208テーマの応募がありました。
応募された利用テーマについては、1993年1月から、宇宙開発委員会宇宙ス
テーション部会において、科学技術上の有意義性等の評価及び搭載性等の技術評価
を実施、合計50の一次選定テーマを選定し、それらは同年8月4日に宇宙開発委
員会に報告され了承されました。一次選定された50テーマの内訳は、材料分野
29テーマとライフサイエンス分野21テーマです。これらの利用テーマの実施に
は、共通実験装置として以下の装置を用いる予定となっています。また、今後とも
JEM利用テーマの募集は定期的に実施される予定です。
●材料分野
温度勾配炉:加熱室と冷却器を有し、試料の一方凝固・結晶成長に必要な温度制御
が行える真空加熱炉
帯域炉:試料金属の溶融部分を移動するフローティングゾーン法により、単結晶の
製造実験や材料の加熱実験を行うことができる装置
溶液成長実験装置:常温付近の溶液から結晶を育成し、結晶成長時の結晶表面、環
境相の温度分布や濃度分布等を微視的観察する装置
流体物理実験装置:二つのディスク間に液体ブリッジを形成し、流体物理の基本的
な実験を行い観察する装置
●ライフサイエンス分野
細胞培養装置:宇宙環境で種々の細胞または微生物の培養環境を提供、維持するた
めの装置
タンパク質結晶成長装置:宇宙環境で種々のタンパク質や酵素などの生体高分子溶
液から大型良質結晶を得るための装置
クリーンベンチ:顕微鏡を用いた観察、マニピュレーション、細胞融合実験などを
行うことができる無菌で閉鎖された作業空間を提供する装置
−参考-30−
第1回JEM利用募集の応募結果
応募者所属機関等
(利用要求取りまとめ機関)
大学等
(文部省宇宙科学研究所)
国立試験研究機関、特殊法人等
(所 管 省 庁)
民
間
((財)宇宙環境利用推進センター)
そ の 他 (個人)
合
計
合
その他の分野
(理 工 学 、 天 文 観 テー
測等を含む)
マ数
0
109
ライフサイエ
ンス分野
32(30)*
9(8)
6(6)*
47
37
35(24)*
13(13)*
1(1)
49
49
2(2)
135 (98)
1(1)
66(54)
0
7(7)
3
208
3
157
43(32)
第1回JEM利用募集に対する応募テーマ総数は208テーマ、提案者総数は157名でした。
分類は、原則として応募者記載の分類に基づきます。なお、同一応募テーマが2分野にまたがるものは、
内容から1分野に整理しました。
( )内は応募者数。 ( )*については、同一応募者が2分野に1件以上の応募がありました。
代表研究者機関別一次選定テーマ数
所 属 機 関
材料分野 ライフサイエンス分野
大学
13(8)
12(2)
国立試験研究機関
8(2)
3
特殊法人等
民間
7(3)
6
その他(個人)
1
0
合 計
29(13)
21(2)
( )内は統合された後のテーマ数
合 計
25(10)
11(2)
13(3)
1
50(15)
共通実験装置別一次選定テーマ数
共通実験装置名
(材料分野)
温度勾配炉
帯域炉
流体物理実験装置
溶液成長実験装置
テーマ数
9
5(9)
6(1)
9(3)
合 計
29(13)
( )内は統合された後のテーマ数
計
材料分野
(液体、燃焼等
を含む)
66(42)
共通実験装置名
(ライフサイエンス分野)
蛋白質結晶成長装置
細胞培養装置
細胞培養装置
+
クリーンベンチ
合
計
−参考-31−
テーマ数
6
1
14(2)
21(2)
人
数
74
参考−3 NASDA宇宙飛行士の紹介、資質要求、応募条件
宇宙開発事業団 宇宙飛行士
宇宙開発事業団(NASDA)は、スペースシャトルや宇宙ステーション等での有
人による各種の宇宙環境利用に対応するため、日本人宇宙飛行士として、1985年
に毛利 衛、向井 千秋、土井 隆雄の3名を、1992年に若田 光一、1996年に
野口 聡一を採用しました。また、1999年に古川 聡、星出 彰彦、
角
野 直子の3名を採用し、現在、宇宙飛行士候補者として訓練中です。 現時点で、事
業団には計8人の宇宙飛行士がおり、宇宙環境利用システム本部 宇宙環境利用推進
部に所属しています。
NASDAの宇宙飛行士の紹介
毛利 衛(もうり まもる)
1948年1月29日、北海道余市郡余市町生まれ。1985年11月に宇宙開発
事業団入社。ふわっと’92 の愛称で知られる第1次材料実験/スペースラブJの
ペイロード・スペシャリスト(PS:搭乗科学技術者)として1990年4月に選抜
される。NASAにて訓練後の1992年9月12日、スペースシャトル・エンデバ
ー号(STS-47)に搭乗、アメリカ人クルーと協力して日本側34、米国側7、日米共同
実験2の計43にも及ぶ宇宙実験を実施し、9月20日無事帰還。その後、1996
年8月よりNASAにて1996年NASAミッションスペシャリスト(MS:搭乗
運用技術者)基礎訓練コースに参加し、98年春にMSに認定された。2000年2
月にSTS−99で2回目の飛行を行った。
−参考-32−
向井
千秋(むかい ちあき)
1952年5月6日、群馬県館林市生まれ。1985年11月に宇宙開発事業団入
社。1990年4月、第1次材料実験/スペースラブJのバックアップPSに選定さ
れ、ミッション中はNASAのマーシャル宇宙飛行センターにて管制業務を施行。1
994年7月8日∼23日、第2次国際微小重力実験室(IML−2)(STS-65)のP
Sとしてスペースシャトル・コロンビア号に搭乗し、ライフサイエンス、材料科学等
に関する宇宙実験を実施した。1998年4月のニューロラブ計画(STS-90)ではバッ
クアップPSとして支援した。1998年10月のSTS−95ではジョン・グレン
宇宙飛行士と共にPSとして搭乗した。
土井
隆雄(どい たかお)
1954年9月18日、東京都南多摩郡生まれ。1985年11月に宇宙開発事
業団入社。第1次材料実験/スペースラブJのバックアップPSとして、ミッショ
ン中は向井搭乗部員と共に地上より管制業務を施行。1995年3月よりNASA
のMS基礎訓練コースに参加し、翌年5月にNASAよりMSとして認定される。
1997年11月に打上げられたスペースシャトル・コロンビア号(STS−87
ミッション)にMSとして搭乗し、日本人宇宙飛行士としては初めての船外活動を
行った。
−参考-33−
若田
光一(わかた こういち)
1963年8月1日、埼玉県大宮市生まれ。JEM(国際宇宙ステーションの日
本の実験棟)の組立・運用に備え宇宙開発事業団が募集したMS候補者として19
92年6月に事業団に入社し、8月よりNASAのMS基礎訓練コースに参加。1
996年1月11日∼20日、STS−72ミッションに搭乗し、シャトルのマニ
ピュレーターを操作してSFU(1995年3月にH−Ⅱロケットで打ち上げられ
た宇宙実験・観測フリーフライヤー)の回収等の任務にあたった。現在は、国際宇
宙ステーション組立てミッションである、2000年9月打上げ予定のSTS−9
2の搭乗に向け、引き続きNASAにて訓練中。
野口
聡一(のぐち そういち)
1965年4月15日神奈川県横浜市生まれ。1984年3月神奈川県立茅ヶ崎
北陵高等学校卒業。1989年3月東京大学工学部航空学科卒業。1991年3月
同大学航空学専攻修士課程修了。1991年4月、石川島播磨重工業(株)に入社、
航空宇宙事業本部技術開発事業部研究開発部空力グループに所属の後、国際宇宙ス
テーションの組立・運用に参加するミッションスペシャリスト(MS:搭乗運用技
術者)候補者として1996年6月に宇宙開発事業団に入社。1996年8月より
米国航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センター等でMS基礎訓練コースに参
加し、98年春にMSとしての認定を取得した。現在、ミッション割当を待ちなが
ら引き続きNASAで訓練中。
−参考-34−
NASDAの宇宙飛行士候補者
古川 聡 (ふるかわ さとし)
生年月日:昭和39年4月4日(36歳)
出身地 :神奈川県横浜市
家 族 :妻、長女、長男
趣 味 :ドライブ、音楽鑑賞、野球、ボウリング、算数
学 歴 :平成元年3月
東京大学医学部医学科卒業
職 歴 :
東京大学医学部付属病院 第1外科医員から
宇宙飛行士候補者として選抜され、宇宙開発事業団へ入社
星出 彰彦 (ほしで あきひこ)
生年月日:昭和43年12月28日(31歳)
出身地 :東京都世田谷区
家 族 :独身
趣 味 :ラグビー、水泳、旅行、スキー、
ドライブ、飛行機操縦
学 歴
:平成4年3月 慶応義塾大学理工学部
機械工学科卒業
平成9年12月 UNIVERSITY OF HOUSTON CULLEN COLLEGE OF ENGINEERING
航空宇宙工学 修士課程修了
職 歴 :
平成4年4月に宇宙開発事業団へ入社
平成9年4月∼宇宙開発事業団 宇宙環境利用システム本部
宇宙環境利用推進部 有人宇宙活動推進室
角野 直子 (すみの なおこ)
生年月日 :昭和45年12月27日(29歳)
出身地
:千葉県松戸市
家 族
:独身
趣 味
:琴、書道、ダイビング、テニス、ジャズダンス
学 歴 :平成5年3月 東京大学工学部航空学科卒業
平成8年3月 東京大学大学院工学系研究科
航空宇宙工学専攻 修士課程修了
職 歴
平成8年4月
宇宙開発事業団へ入社
平成10年6月 宇宙環境利用システム本部 宇宙環境利用システム本部
セントリフュージ・プロジェクトチーム
−参考-35−
宇宙飛行士の資質要求
宇宙飛行士は、宇宙環境での生活や業務、そのための訓練に対応するためさまざま
な資質が要求されます。事業団の宇宙飛行士候補者選抜では、宇宙飛行士の資質要求
を踏まえた上で総合評価が行われます。主な選抜項目は、書類審査・英語試験(ヒア
リング、筆記、英会話面接)・一般教養/基礎的専門試験(筆記)・専門面接・心理
検査・医学検査・生理適正検査/NASA医学検査などです。
私達は地上の重力環境で育ちその環境に適応しているため、宇宙空間で生活するた
めには無重力および閉鎖など特殊な環境へ心身とも適応することが必要です。このよ
うな理由から、宇宙飛行士になるためにはまず健康であることが要求されます。また、
文化の異なる各国の宇宙飛行士達との訓練、宇宙での生活および共同作業を行うため、
協調性や的確な情報伝達能力などが求められます。
養成訓練には、宇宙飛行士候補者の基礎訓練として、宇宙科学全般の座学・語学訓
練・環境適応訓練・宇宙システムやその運用の概要などの訓練が含まれますが、基礎
訓練履修後には、さらに軌道上作業と任務の遂行に必要な上級訓練が続きます。
宇宙開発事業団の宇宙飛行士は、宇宙開発事業団職員として一般業務・開発業務お
よび宇宙飛行士としての訓練活動、宇宙飛行活動などを円滑に実施することのできる
資質(英語、科学知識、技術など)と、健康な心身および他国の宇宙飛行士たちとの
共同作業や共同生活など国際的環境への適応性などが要求されます。
1992年9月に実施された第一次材料実験(FMPT:ふわっと’92)の際に
は毛利宇宙飛行士が、1994年7月に実施された第2次国際微小重力実験室(IM
L−2)では向井宇宙飛行士が、1996年1月に実施されたSFU回収では若田宇
宙飛行士が、1997年11月のSTS−87では土井宇宙飛行士が、1998年1
0月のSTS−95では向井飛行士(2回目の飛行)がそれぞれスペースシャトルに
搭乗し、各種の宇宙実験を行いました。
−参考-36−
宇宙飛行士候補者の応募条件
宇宙開発事業団では、 1995年9月の第1回目の宇宙飛行士候補者の募集に続いて、
1998年2月に第2回目の募集を行いました。以下に第2回目の募集要項を示します。
宇宙飛行士募集の詳細あるいは、その後の選考状況ついては、以下のホームページを御
参照下さい。
http://jem.tksc.nasda.go.jp/JEM/Jem-j/astroselect/index.html
国際宇宙ステーション搭乗
宇宙飛行士候補者 募集要項
平成10年2月
宇宙開発事業団
1.はじめに
宇宙開発事業団では、平成15年頃から本格的な軌道上運用が開始される国際宇宙ステー
ション(ISS:International Space Station
)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者* を
募集します。
今回募集する宇宙飛行士候補者は、宇宙飛行士として認定された後、長期間(3∼6ヶ月程
度)ISSに滞在し、日本の実験棟(JEM:Japanese Experiment Module
)を含むISSの
操作・保守及び様々な分野の利用ミッションを担当する予定です。
*)40歳程度までを想定。
2.採用人員
宇宙飛行士候補者 2名程度
3.職務内容
(1) 宇宙飛行士候補者は、採用後、筑波宇宙センターを中心に実施される1年半程度の基
礎訓練を受け、宇宙飛行士に必要となる科学・技術の知識、語学、ISS/JEMシス
テムの概要等について学びます。
基礎訓練を修了すると、これらの訓練結果を評価の上、ISS搭乗宇宙飛行士として
認定されます。
その後、約1年間のアドバンスト訓練に参加し、各参加機関にてISSの各システム
及びその操作技術等について学びます。
アドバンスト訓練修了後、搭乗するミッションが決定すると、そのミッションを遂行
するためのISS操作手順、実験操作手順等の訓練を1年半程度行います。
これらの訓練を修了した後、3∼6ヶ月程度の期間、ISSに滞在することとなりま
す。
(2) 上記の訓練及び搭乗業務以外に、宇宙環境利用分野の専門的研究活動や搭載実験装置
の開発等、様々な研究/開発業務に従事するとともに、宇宙開発に関わる普及啓発活動
等にも参加することとなります。
(3) 宇宙飛行士の訓練には、飛行機操縦訓練、ジェット機による弾道飛行や潜水による無
重力体感訓練、サバイバル訓練等身体的にも厳しい訓練が含まれています。また、実際
の宇宙飛行では、特殊な環境下(無重力、宇宙放射線、浮遊物体の衝突等)に滞在する
こととなります。
4.応募条件
(1) 日本国籍を有すること。
(2) 大学(自然科学系*)卒業以上であること。
*)理学部、工学部、医学部、歯学部、薬学部、農学部等
(3) 自然科学系の研究、設計、開発等に3年以上の実務経験を有すること。
−参考-37−
(平成10年4月30日現在。なお、修士号取得者は1年、博士号取得者は3年の実務経
とみなします。
)
(4) 宇宙飛行士としての訓練活動、幅広い分野の宇宙飛行活動等に円滑かつ柔軟に対応す
ることのできる能力
(科学知識、技術等)を有すること。
(5) 国際的な宇宙飛行士チームの一員として円滑な意思の疎通が図れるよう、英語が堪能
であること。
(6) 宇宙飛行士としての訓練活動、長期宇宙滞在等に適応することのできる医学的、心理
学的特性を有すること。
A 医学的特性
身長 : 149cm以上193cm以下
血圧 : 最高血圧140mmHg以下かつ最低血圧90mmHg以下
視力 : 両眼とも裸眼視力0.1以上かつ矯正視力1.0以上
色神 : 正常
聴力 : 正常
その他: 心身ともに健康であり、宇宙飛行士としての業務に支障のないこと。
B 心理学的特性
協調性、適応性、情緒安定性、意志力等国際的なチームの一員として長期間宇宙飛
行士業務に従事できる心理学的特性を有すること。
(7) 日本人の宇宙飛行士としてふさわしい教養を有すること。
(8) 10年以上宇宙開発事業団に勤務が可能であり、かつ、海外での勤務が長期間可能で
あること。
(9) 所属機関(又は、それに代わる機関)の推薦が得られること。
5.選抜方法
下記のとおりの選抜を行います。
各選抜は、各選抜試験の結果及び年齢、経験等を総合的に評価することにより行います。
書 類
選 抜
(英語検定
を含む)
第一次
選抜
第二次
選抜
第三次
選抜
実施内容
応募書類による審査
英語検定 * (筆記試験,
ヒヤリング試験)
実施場所
一次医学検査
一般教養試験(筆記試験)
基礎的専門試験(筆記試験)
心理適性検査
二次医学検査
面接試験
(心理、英語、専門、一般)
長期滞在適性検査
面接試験(総合)
実施年月日
札幌、東京、名古屋、 第1回:平成10年4月18日(土)
大阪、広島、福岡
第2回:平成10年5月23日(土)
のいずれか1ヶ所
のいずれか1回を受験
で受験
平成10年7月4日(土)
筑 波
及び 7月5日(日)
筑波宇宙センタ ー
平成10年
筑波宇宙センター
宇宙開発事業団
本社
8月下旬∼9月上旬頃(約1週間)
平成10年11月∼12月頃
(約2週間)
平成11年1月頃(1日)
*)英語検定については、応募書類提出者を対象に、上記実施場所のいずれか一ヶ所で、 第
1回又は 第2回のいずれかの日程で受験していただきます。
ただし、明らかに応募条件に該当しない方は、英語検定を受験できない場合があります。
また、海外在住の応募者のうち、本人の現在の英語能力を証明できる書類(以下「英
語能力証明書類」という。6.(1)⑦項参照。
)を応募書類と同時に提出できる方について
−参考-38−
は、提出された英語能力証明書類 により書類選抜を行うこととし、4月及び5月の英
語検定は免除とします。
ただし、4月及び5月の英語検定を免除された海外在住者のうち、書類選抜に合格さ
れた方については、第一次選抜時に、一次医学検査等と併せて英語検定を受験していた
だきます。
(詳細については「宇宙飛行士募集係」まで問い合わせて下さい。
)
各選抜の詳細については、選抜対象者に通知します。
最終選抜結果の発表は平成11年1月頃を予定しています。
6.応募手続
(1) 応募書類
① 宇宙飛行士候補者志願書
② 経歴書
③ 健康診断書
④ 健康状況調査書
⑤ 大学卒業証明書
⑥ 修士または博士の学位を証明する書類のいずれか一つ(学位証明書等)〔修士また
は博士の学位を有する者のみ〕
⑦ 英語能力証明書類(TOEFLスコアレポート、TOEICスコアレポート、実用
英語技能検定合格証書、国際連合公用語英語検定合格証のいずれかのコピー1部)
〔海外在住者のうち、当該書類を提出できる者のみ(
「5.選抜方法」の注書き参
照)
〕
上記①∼④の応募書類用紙は次の方法で請求して下さい。
返信先住所、氏名、年齢、職業、電話番号、今回の募集を知ったきっかけを記入し
た官製はがき又はファクシミリにて下記(4) の「宇宙飛行士募集係」へ請求するか、
または、宇宙飛行士募集ホームページ(下記(4)参照。
)の応募書類請求用フォームに
必要事項を入力の上、送信してください。
折り返し、応募書類用紙を送付します。
(2) 応募書類の提出方法
同封の封筒を用い、応募書類一式を書留(簡易書留は不可)にて「宇宙飛行士募集
係」へ郵送してください。
(3) 受付期間
平成10年2月 9日(月)から
平成10年4月30日(木)まで(当日必着)
(4) 応募書類用紙請求及び応募書類郵送先
〒305−8799 筑波学園郵便局留 宇宙開発事業団 筑波宇宙センター内 宇
宙飛行士募集係
TEL 0298−54−3998,3999
FAX 0298−51−1223
(5) その他
第二次選抜の合格者には推薦書用紙を送付しますので、第三次選抜前までに推薦書を
「宇宙飛行士募集係」へ提出していただきます。
7.処 遇
(省略)
8.その他
(省略)
−参考-39−
参考-4 (1/2) 米国・ロシア(旧ソ連)以外の宇宙飛行士の飛行記録一覧表
*印は女性宇宙飛行士を示す。
輸 送 系
打
年
宇宙飛行士
国 籍
輸
チェコ
V.レメク
M.ジェルマンシェフ ポーランド
スキ
東ドイツ
S.イェーン
ソユーズ28
ソユーズ30
1978. 3. 2
025
ソユーズTM11
ソユーズTM12
1990.12. 2
026
秋山豊寛
ヘレン・シャーマン*
日本
1978. 6.27
ソユーズ31
1978. 8.26
027
T.アウバキロフ
ソユーズTM13
1991.10. 2
1979. 4.10
028
ハンガリー
ソユーズ33
ソユーズ36
1980. 5.25
029
カナダ
ソユーズTM13
STS-42
1992. 1.22
P.トアン
ベトナム
ソユーズ37
1980. 7.23
030
ドイツ
ソユーズTM14
1992. 3.17
007
A.メンデス
キューバ
ソユーズ38
1980. 9.18
031
ベルギー
STS-45
1992. 3.24
008
J.グラグチャ
モンゴル
ソユーズ39
1981. 3.22
032
F.フィーボック
ロバータ・
ボンダー*
クラウス・デートリッ
ヒフレード
ダーク D.フリモー
ト
ミシェル・トグニーニ
カザフスタ
ン
オーストリア
G.イワノフ
B.ファルカス
ブルガリア
005
006
フランス
1992. 7.27
1999. 7.23
009
D.プルナリウ
ルーマニア
ソユーズ40
1981. 5.14
033
クロード・
ニコリエール
ス イ ス
/ESA
010
J.クレチアン
フランス
1982. 6.24
1988.11.26
1997. 9.25
034
フランコ・マレーバ
イタリア
011
ウルフ・メルボルト
ドイツ
1983.11.28
1992. 1.22
1994.10. 3
035
毛利 衛
日本
STS-47
STS-99
1992. 9.12
2000. 2.11
012
R.シャルマ
インド
1984. 4. 3
036
S.マクリーン
カナダ
STS-52
1992.10.22
013
M.ガルネ
カナダ
1984.10. 5
1996. 5.19
2000.11予
037
U.ウオーター
ドイツ
STS-55
1993. 4.26
014
P.スカリーパワー
L.バンデンバー
グ
パトリック・
ボードリー
サルタン・
アル-サウド
オーストラリア
1984.10. 5
オランダ
ソユーズT-6
ソユーズTM7
STS-86
STS-9
STS-42
ソ ユ ー ス ゙
TM20
ソユーズ
T-11
STS41-G
STS-77
STS-97
STS41-G
STS51-B
ソユーズTM15
STS-93
STS-46
STS-61
STS-75
STS-103
STS-46
1985. 4.29
038
039
フランス
STS51-G
1985. 6.17
040
ドイツ
H.シャゲル
ジャン・ピェール・ フランス
ハグネア
日本
向井千秋*
サウジアラビア
STS51-G
1985. 6.17
041
ジャン・フランソワ・ フ ラ ン ス
/ESA
クレルボィ
宇宙飛行士
001
002
003
004
015
016
017
国
籍
2000年4月10日現在
番
号
番
号
上
月
げ
日
英国
018
E.メッサーシュミット ドイツ
STS61-A
1985.10.30
042
トーマス・ライテル
019
R.ファーラー
ドイツ
STS61-A
1985.10.30
043
020
オランダ
STS61-A
1985.10.30
044
021
ウーボ・
オッケルズ
R.ベラ
クリス・
ハドフィールド
日本
若田光一
メキシコ
STS61-B
1985.11.26
045
マウリツィオ・ケリ
022
M.ファリス
シリア
ソユーズTM3
1987. 7.22
046
023
A.アレクサンドロフ ブルガリア
ソユーズTM5
1988. 6. 7
047
024
A.モフマンド
ソユーズTM6
1988. 8.29
048
ウンベルト・
グイドーニ
ジャン・ジャック・ フランス
ファビエ
ロバート・サースク カナダ
アフガニスタン
ト ゙ イ ツ
/ESA
カナダ
イ タ リ ア
/ESA
イタリア
送
系
STS-55
ソユーズTM17
ソユーズTM29
STS-65
STS-95
STS-66
STS-84
STS-103
ソユーズTM22
STS-74
STS-100
STS-72
STS-92
STS-75
打
年
−参考-40−
げ
日
1991. 5.18
1991.10. 2
1992. 7.31
1993.12. 2
1996. 2.22
1999.12.19
1992. 7.31
1993. 4.26
1993. 7. 1
1999. 2.19
1994. 7. 8
1998.10.29
1994.11. 3
1997. 5.15
1999.12.19
1995. 9. 3
1995.11.11
2001. 4予
1995. 1.11
2000.9予
1996. 2.22
STS-75
STS-102
STS-78
1996. 6.20
STS-78
1996. 6.20
1996. 2.22
2001. 2予
参考-4(2/2) 米国・ロシア(旧ソ連)以外の宇宙飛行士の飛行記録一覧表
*印は女性宇宙飛行士を示す。
上
月
2000年2月25日現在
番
号
宇宙飛行士
国 籍
輸 送 系
049
クラウディ・デェー
*
ラインホルト・
ユワルト
B.トゥリグヴェイ
ソン
土井 隆雄
フランス
カナダ
ソ ユ ー ス ゙ 1996. 8.17
TM24
ソ ユ ー ス ゙ 1997. 2.11
TM25
1997. 8. 7
STS-85
日本
STS-87
レオニト・
カデニューク
L.アイハート
ウクライナ
STS-87
フランス
ソ ユ ー ス ゙ 1998. 1.29
TM27
1998. 4.17
STS-90
050
051
052
053
054
055
ドイツ
056
ディブ・
カナダ
ウイリアムズ
ペドロ・デュケィ スペイン
057
イワン・ベラ
ソロバキア
058
ジュリー・
ペイエット*
ゲルハルト・
ティエル
カナダ
059
ドイツ
/ESA
STS-95
打
年
上
月
げ
日
番
号
1997.11.1
9
1997.11.1
9
1998.10.2
9
1999. 2.19
ソユーズ
TM29
1999. 5.27
STS-96
STS-99
2000. 2.11
−参考-41−
宇宙飛行士
国 籍
輸
送
系
打
年
上
月
げ
日
参考−5 スペースシャトルの打上げ実績 <E改訂>
ミッション
(号数)
STS-1
(1)
打上げ
年 月 日
1981. 4.12
着 陸
年 月 日
1981. 4 .14
STS-2
(2)
1981.11.12
1981.11.14
STS-3
(3)
1982. 3.22
1982. 3.30
STS-4
(4)
1982. 6.27
1982. 7. 4
STS-5
(5)
1982.11.11
1982.11.16
STS-6
(6)
1983. 4. 4
1983. 4. 9
STS-7
(7)
1983. 6.18
1983. 6.24
STS-8
(8)
1983. 8.30
1983. 9. 5
STS-9
(9)
1983.11.28
1983.12. 8
STS41-B
(10)
1984. 2. 3
1984. 2.11
STS41-C
(11)
1984. 4. 6
1984. 4.13
STS41-D
(12)
1984. 8.30
1984. 9. 5
宇宙飛行士
コロンビア
2000年9月18日現在
(1/14)
飛行時間
備
考
(日/時:分)
02/06:21
シャトル初飛行。
(試験飛行)
02/06:13
ロボットアームのテスト等
(試験飛行)
08/00:05
(試験飛行)
コロンビア
07/01:10
コロンビア
05/02:14
チャレンジャー
05/00:23
チャレンジャー
06/02:24
チャレンジャー
06/01:07
コロンビア
10/07:47
チャレンジャー
07/23:17
チャレンジャー
06/23:40
ディスカバリー
06/00:56
オービタ名
ジョン・ヤング(C)
ロバート・クリッペン(P)
J.エングル(C)
リチャード・トルーリー(P)
ジャック・ラウスマ(C)
ゴードン・フラートン(P)
トーマス・マッティングリー(C)
H.ハーツフィールド(P)
バンス・ブランド(C)
R.オーバーマイヤ(P)
J.アレン (MS)
W.レノア (MS)
ポール・ワイツ(C)
カロル・ボブコ(P)
ドナルド・ピーターソン (MS)
ストーリー・マスグレイブ (MS)
ロバート・クリッペン(C)
フレデリック・ホーク(P)
ジョン・フエビアン (MS)
サリー・ライド * (MS)
ノーマン・サガード (MS)
リチャード・トルーリー(C)
ダニエル・ブランデンスタイン
(P)
デール・ガードナー (MS)
ギオン・ブルフォード (MS)
ウイリアム・ソーントン (MS)
ジョン・ヤング(C)
ブルースター・ショウ Jr.(P)
オーエン・ギャリオット (MS)
R.パーカー (MS)
B.リヒテンベルク (PS)
ウルフ・メルボルト (PS)
コロンビア
バンス・ブランド(C)
ロバート・ギブソン(P)
ブルース・マッカンドレス (MS)
ロナルド・マクネア(MS)
ロバート・スチュワート (MS)
ロバート・クリッペン(C)
フランシス・スコビー(P)
ジョージ・ネルソン (MS)
J.ホフテン (MS)
T.ハート (MS)
H.ハーツフィールド(C)
マイケル・コーツ(P)
ジュディス・レズニク* (MS)
スティーブン・ホーレイ (MS)
リチャード・ミュレイン(MS)
C.ウォーカー (PS)
−参考-42−
コロンビア
初の軍事ミッション。
(試験飛行)
初の実用飛行。
人工衛星SBS-3とアニクC3を打上げ。
チャレンジャー号初飛行。
TDRS-A(追跡データ中継
衛星)。
シャトル初のEVA。
米国初の女性宇宙飛行
士(サリー・ライド)
。
アニクC-2/パラパB-1衛星
を打上げ。SPAS衛星を
放出/回収。
初の夜間打上げ/夜間
着陸。
人工雪実験 ( 朝 日 新 聞
社後援)。
初のスペースラブミッション。
SEPAC(日 本 の オ ー ロ ラ 実
験)を実施。
初のペイロードスペシャリス
ト。メルボルトは、初の欧州
宇宙飛行士。
ヤングは宇宙飛行回数最
多記録(6回)。
ウエスター6/パラパB-2衛星
を打上げ。
命綱無しでの宇宙遊泳
に初成功。
KSCに初着陸。
初の軌道上衛星修理
(SMM衛星)。
LDEF(長期曝露衛星)の
放出(1990年1月打上げ
のSTS-32で回収)。
ディスカバリー初飛行。
OSAT-1太陽電池パドル
展開実験。
3衛星を放出。
初の民間ペイロードスペシャ
リスト (ウオーカー)。
ミッション
(号数)
打上げ
年 月 日
着
陸
年 月 日
STS41-G
(13)
1984.10.5
1984.10.13
STS51-A
(14)
1984.11.8
1984.11.16
STS51-C
(15)
1985.1.24
1985.1.27
STS51-D
(16)
1985.4.12
1985.4.19
STS51-B
(17)
1985.4.29
1985.5.6
STS51-G
(18)
1985.6.17
1985.6.24
STS51-F
(19)
1985.7.29
1985.8.6
宇宙飛行士
オービタ名
ロバート・クリッペン(C)
チャレンジャー
J.マクブライト(P)
キャサリン・サリバン*(MS)
サリー・ライド*(MS)
D.リーツマ(MS)
M.ガルノ(PS)
P.スカリパワー (PS)
フレデリック・ホーク(C)
ディスカバリー
デビッド・ウォーカー(P)
アンナ・フィッシャー*(MS)
D.ガードナー(MS)
J.アレン (MS)
トーマス・マッティングリー(C) ディスカバリー
ローレン・シュライバー(P)
エリソン・オニヅカ(MS)
ジェームズ・バクリ(MS)
ゲーリー・ペイトン (PS)
カロル・ボブコ(C)
ディスカバリー
ドナルド・ウィリアムズ(P)
マーガレット・セドン*(MS)
ジェフリー・ホフマン(MS)
S.グリッグス(MS)
C.ウォーカー(PS)
ジェーク・ガーン (PS)
R.オーバーマイヤ(C)
チャレンジャー
フレデリック・グレゴリー(P)
D.リンド(MS)
ノーマン・サガード (MS)
ウイリアム・ソーントン(MS)
L.バンデンベルグ(PS)
T.ウォン (PS)
ダニエル・ブランデンスタイン(C) ディスカバリー
ジョン・クレイトン(P)
スチーブン・ナゲル(MS)
J.ファビアン(MS)
シャノン・ルーシッド*(MS)
パトリック・ボードリー (PS)
S.サルタン(PS)
ゴードン・フラートン(C)
チャレンジャー
R.ブリッジス(P)
A.イングランド(MS)
K.ヘナイズ(MS)
ストーリー・マスグレイブ(MS)
L.アクトン(PS)
J.バルト (PS)
−参考-43−
飛行時間
(日/時:分)
08/05:23
07/23:45
03/01:33
(2/14)
備
考
ERBS(地球熱放射測定
衛星)放出。
SIR-B(合成開口レーダー)
米国女性初の宇宙遊泳
(サリバン)。
ガルノは、カナダ初の宇宙
飛行士。
2衛星を放出した後、別
の衛星(パラパB-2 / ウエ
スターVI)を回収し、地球
へ持ち帰った。(初の衛
星回収。)
軍事ミッション。
オニズカ氏は日系3世。
ペイトンはDoDのPS。
06/23:56
放出された2機の衛星
のうち、シンコムIV-3は静
止軌道投入に失敗。
ガーン米上院議員搭乗。
07/00:08
スペースラブ3号。
07/01:38
衛星3個を打上げ。
SPAS衛星を放出/回収。
サウジアラビアのサルタン王子
とフランス人のボードリーが
PSとして搭乗。
07/22:45
スペースラブ2号。
(3/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS51-I
(20)
1985.8.27
STS51-J
(21)
1985.10.3
STS61-A
(22)
1985.10.30
STS61-B
(23)
1985.11.27
STS61-C
(24)
1986.1.12
STS51-L
(25)
1986.1.28
STS-26
(26)
1988.9.29
J.エングル(C)
ディスカバリー
リチャード・コーベイ(P)
J.ホフテン(MS)
ジョン・ラウンジ(MS)
W.フィッシャー (MS)
1985.10.7 カロル・ボブコ(C)
アトランティス
ロナルド・グレイブ(P)
R.スチュワート(MS)
D.ヒルマーズ(MS)
W.ペイルス (PS)
1985.11.6 H.ハーツフィールド(C)
チャレンジャー
スチーブン・ナゲル(P)
ボニー・ダンバー*(MS)
ジェームズ・バクリ(MS)
ギオン・ブルフォード(MS)
E.メッサシュミット(PS)
R.ファーラー(PS)
ウーボ・オッケルズ (PS)
1985.12.3 ブルースター・ショウ,Jr.(C) アトランティス
ブライアン・オコナー(P)
シャーウッド・スプリング(MS)
メリー・クリーブ* (MS)
ジェリー・ロス(MS)
R.ベラ(PS)
C.ウォーカー (PS)
1986.1.18 ロバート・ギブソン(C)
コロンビア
チャールズ・ボールデン(P)
フランクリン・チャン・ディアス(MS)
スティーブン・ホーレイ(MS)
ジョージ・ネルソン(MS)
R.センカー(PS)
ビル・ネルソン (PS)
−
フランシス・スコビー(C)
チャレンジャー
マイケル・スミス(P)
ジュディス・レズニク*(MS)
ロナルド・マクネア(MS)
エリソン・オニヅカ(MS)
G.ジャービス(PS)
クリスタ・マコーリフ* (教師)
1988.10.3 フレデリック・ホーク(C)
ディスカバリー
リチャード・コーベイ(P)
ジョン・ラウンジ(MS)
ジョージ・ネルソン(MS)
デービッド・ヒルマーズ (MS)
1985.9.3
−参考-44−
07/02:18
衛星3個を打上げ。
シンコムIV-3衛星の軌道上
修理。
04/01:44
アトランティス初飛行。
第2回軍事ミッション。
2機の軍事通信衛星
DSCSIIIを軌道投入。
07/00:44
スペースラブD-1
(ドイツ主導のスペースラブ
利用微小重力実験)。
西ドイツ人PS 2名、
オランダ人 PS 1名。
06/21:05
衛星3個を放出。
船外活動による大型トラ
スの組立実験。
メキシコ人 PS 1名。
06/02:04
サトコムK-1衛星を放出。
ネルソン米国下院議員搭
乗。
00/00:01
打上げ後73秒で爆発。
搭乗員7名死亡。
チャレンジャー号10回目の飛
行。
マコーリフは、教師として初
めて搭乗(オブザーバー)。
04/01:00
2年8ヶ月ぶりの飛行再
開。この間、シャトルは400
箇所以上を改修。
データ中継衛星TDRS-C
放出。
(4/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS-27
(27)
1988.12.2
1988.12.6
STS-29
(28)
1989.3.13
1989.3.18
STS-30
(29)
1989.5.4
1989.5.8
STS-28
(30)
1989.8.8
1989.8.13
STS-34
(31)
1989.10.18
1989.10.23
STS-33
(32)
1989.11.22
1989.11.27
STS-32
(33)
1990.1.9
1990.1.19
STS-36
(34)
1990.2.28
1990.3.4
STS-31
(35)
1990.4.24
1990.4.29
STS-41
(36)
1990.10.6
1990.10.10
ロバート・ギブソン(C)
G.ガードナー(P)
リチャード・ミュレイン(MS)
ジェリー・ロス(MS)
ウイリアム・シェパード (MS)
マイケル・コーツ(C)
ジョン・ブラハ(P)
ジェームズ・バジアン (MS)
ジェームズ・バクリ(MS)
ロバート・スプリンガー(MS)
デビッド・ウォーカー(C)
ロナルド・グレイブ(P)
ノーマン・サガード (MS)
メリー・クリーブ* (MS)
マーク・リー(MS)
ブルースター・ショウ,Jr.(C)
リチャード・リチャーズ(P)
D.リーツマ(MS)
J.アダムソン(MS)
M.ブラウン(MS)
アトランティス
04/09:06
第3回軍事ミッション。
ディスカバリー 04/23:39
データ中継衛星TDRS-D放
出。
宇宙ステーション用ヒートパイ
プ・ラジエータ実験。
アトランティス
04/00:58
金星探査機「マゼラン」放
出。
コロンビア
05/01:00
第4回軍事ミッション。
04/23:41
木星探査機「ガリレオ」放
出。
05/00:07
第5回軍事ミッション。
10/21:01
LDEFの回収
(1984年4月打上げの
STS-41Cで放出したも
の)。
04/10:18
第6回軍事ミッション。
AFP-731(偵察及び電子
情報収集衛星)放出。
05/01:16
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)
放出(重量11t)。
過去最高の軌道高度
534kmを記録。
リチャード・リチャーズ(C) ディスカバリー 04/02:10
ロバート・カバナ(P)
ブルース・メルニック(MS)
ウイリアム・シェパード(MS)
トーマス・エイカーズ(MS)
太陽極軌道探査機「ユリ
シーズ」放出。
ドナルド・ウィリアムズ(C) アトランティス
マイケル・マッカリー(P)
フランクリン・チャン・ディアス
(MS)
シャノン・ルーシッド*(MS)
エレン・ベーカー*(MS)
フレデリック・グレゴリー(C) ディスカバリー
ジョン・ブラハ(P)
ストーリー・マスグレイブ(MS)
M.カーター(MS)
キャサリン・ソーントン*(MS)
ダニエル・ブランデンスタイン
コロンビア
(C)
ジェームズ・ウェザービー(P)
ボニー・ダンバー*(MS)
マーシャ・アイビンズ*(MS)
ディビッド・ロウ(MS)
ジョン・クレイトン(C)
アトランティス
ジョン・キャスパー(P)
リチャード・ミュレイン(MS)
デービッド・ヒルマーズ(MS)
ピエール・ソーイト(MS)
ローレン・シュライパー(C)
ディスカバリー
チャールズ・ボールデン(P)
スティーブン・ホーレイ(MS)
ブルース・マッカンドレス(MS)
キャサリン・サリバン*(MS)
−参考-45−
(5/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS-38
(37)
1990.11.15
1990.11.20
STS-35
(38)
1990.12.2
1990.12.11
STS-37
(39)
1991.4.5
1991.4.11
STS-39
(40)
1991.4.28
1991.5.6
STS-40
(41)
1991.6.5
1991.6.14
STS-43
(42)
1991.8.2
1991.8.11
STS-48
(43)
1991.9.12
1991.9.18
STS-44
(44)
1991.11.24
1991.12.1
リチャード・コーベイ(C)
フランク・カルバートソン(P)
チャールズ・ジェマー(MS)
カール・ミード(MS)
R.スプリンガー(MS)
バンス・ブランド(C)
G.ガードナー(P)
ジェフリー・ホフマン(MS)
ジョン・ラウンジ(MS)
R.パーカー(MS)
T.デュランス(PS)
R.パライズ(PS)
スチーブン・ナゲル(C)
K.キャメロン(P)
リンダ・ゴドウィン*(MS)
ジェリー・ロス(MS)
ジェローム・アプト(MS)
アトランティス
04/21:54
第7回軍事ミッション。
コロンビア
08/23:05
ASTRO-1:天文観測ミッショ
ン。紫外線及びX線望遠
鏡で天体を観測
アトランティス
05/23:33
GRO(コンプトン・ガンマ線天
体観測衛星)放出。
船外活動(EVA)で宇宙ス
テーション用のCETAカートの試
験を実施。
08/07:22
軍事ミッション。
IBSS(SDI用赤外線背景
特徴探査装置)等を搭
載。
09/02:14
SLS-1(スペースラブによる
生命科学ミッション):宇宙
酔い、人体の微小重力
環境への適応実験等の
ため生物試料としてネ
ズミ29匹、クラゲ2,478尾
を搭載。
データ中継衛星TDRS-E放
出。
マイケル・コーツ(C)
ディスカバリー
L.ハモンド(P)
グレゴリー・ハーバー(MS)
ドナルド・マックモネーグル(MS)
ギオン・ブルフォード(MS)
C.レーシービーチ(MS)
リチャード・ヒーブ(MS)
ブライアン・オコナー(C)
コロンビア
シドニー・グチェレス(P)
マーガレット・セドン*(PC)
ジェームズ・バジアン(MS)
タマラ・ジャーニガン*(MS)
F.ガフニイ(PS)
ミリー・フルフォード*(PS)
ジョン・ブラハ(C)
アトランティス
M.ベーカー(P)
シャノン・ルーシッド*(MS)
ディビッド・ロウ(MS)
J.アダムソン(MS)
ジョン・クレイトン(C)
ディスカバリー
K.ライトラー(P)
チャールズ・ジェマー(MS)
ジェームズ・バクリ(MS)
M.ブラウン(MS)
フレデリック・グレゴリー(C) アトランティス
T.ヘンリクス(P)
ジェームス・ヴォス(MS)
ストーリー・マスグレイブ(MS)
マリオ・ランコ(MS)
T.ヘネン(PS)
−参考-46−
08/21:21
05/08:28
UARS(高層大気研究
衛星)放出。
06/22:51
軍事ミッション。
DSP(ミサイル早期警戒衛
星)放出。
7回目の夜間打ち上げ。
(6/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS-42
(45)
1992.1.22
1992.1.30
STS-45
(46)
1992.3.24
1992.4.2
STS-49
(47)
1992.5.7
1992.5.16
STS-50
(48)
1992.6.25
1992.7.9
STS-46
(49)
1992.7.31
1992.8.8
STS-47
(50)
1992.9.12
1992.9.20
STS-52
(51)
1992.10.22
1992.11.1
ロナルド・グレイブ(C)
ディスカバリー 08/01:15
S.オズワルド(P)
ノーマン・サガード (MS)
デービッド・ヒルマーズ(MS)
ウイリアム・レディ(MS)
ロバータ・ボンダー*(PS)
ウルフ・メルボルト(PS)
チャールズ・ボールデン(C) アトランティス
08/22:09
ブライアン・ダフィー(P)
キャサリン・サリバン*(PC)
D.リーツマ(MS)
マイケル・フォール(MS)
D.フリモート(PS)
B.リヒテンバーグ(PS)
ダニエル・ブランデンスタイン(C) エンデバー
08/21:18
K.チルトン(P)
ピエール・ソーイト(MS)
キャサリン・ソーントン*(MS)
リチャード・ヒーブ(MS)
トーマス・エイカーズ(MS)
ブルース・メルニック(MS)
リチャード・リチャーズ(C)
コロンビア
K.バウアーソックス(P)
ボニー・ダンバー*(PC)
エレン・ベーカー*(MS)
カール・ミード(MS)
L.デルカス(PS)
J.トリン(PS)
ローレン・シュライバー(C)
アトランティス
アンドリュー・アレン(P)
ジェフリー・ホフマン(PC)
フランクリン・チャン・ディアス(MS)
クラウデ・ニコリエール(MS)
マーシャ・アイビンズ*(MS)
F.マレーバ (PS)
ロバート・ギブソン(C)
エンデバー
カーティス・ブラウン(P)
マーク・リー(MS)
ジェローム・アプト(MS)
N.ジャン・デービス*(MS)
メイ・ジェミソン*(MS)
毛利 衛(PS)
ジェームズ・ウェザービー(C) コロンビア
M.ベーカー(P)
C.レーシービーチ(MS)
ウイリアム・シェパード(MS)
タマラ・ジャーニガン*(MS)
S.マクリーン(PS)
−参考-47−
13/19:31
07/23:15
07/22:30
09/20:56
IML-1(第一次国際微小重
力実験室):スペースラブによ
る材料、生命科学関係ミッシ
ョン。日本は宇宙放射線モニタ
リング装置、有機結晶成長装
置を提供して参加。
ATLAS-1:太陽エネルギーが地
球大気に与える影響を観
測。
日本のSEPAC(人工オーロラ・宇
宙プラズマの研究)実験を実
施。
エンデバー初飛行。
インテルサット6F-3衛星の回収、
修理、軌道再投入を実施。
(史上初の3人同時のEVA
により手づかみで衛星回
収)
宇宙ステーション建設のための
技術試験用EVA実施。
USML-1(米国微小重力実験
室):
材料実験、流体物理、燃焼
実験、バイオ等31の実験を実
施。
TSS-1:NASA/イタリア宇宙機関
共同開発。20kmの伝導性テ
ザーの先につけた衛星を展
開する予定だったが、失敗
し、回収。
EURECA(欧州回収型無人フリ
ーフライヤ)を放出。(実験終了
後STS-57で回収)。
ニコリエールはESAの飛行士。
FMPT(ふわっと`92):スペー
スラブによる材料、生命科学
関係の43テーマの実験を実施
(うち日本34テーマ)
初の日本人、黒人女性、
夫婦での搭乗(リー、ディビ
ス)。
USMP-1(米国微小重力実
験)。
LAGEOS-2(レーザー測地衛星、
NASA/イタリア宇宙機関)を放
出。
(7/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS-53
(52)
1992.12.2
1992.12.9
STS-54
(53)
1993.1.13
1993.1.19
STS-56
(54)
1993.4.8
1993.4.17
STS-55
(55)
1993.4.26
1993.5.6
STS-57
(56)
1993.6.21
1993.7.1
STS-51
(57)
1993.9.12
1993.9.22
STS-58
(58)
1993.10.18
1993.11.1
STS-61
(59)
1993.12.2
1993.12.13
デビッド・ウォーカー(C)
ロバート・カバナ(P)
ギオン・ブルフォード(MS)
ジェームス・ヴォス(MS)
マイケル・R・クリフォード(MS)
ジョン・キャスパー(C)
ドナルド・マックモネーグル(P)
マリオ・ランコ(MS)
グレゴリー・ハーバー(MS)
スーザン・ヘルムズ*(MS)
K.キャメロン(C)
S.オズワルド(P)
マイク・フォール(MS)
K.コックレル(MS)
エレン・オチョア*(MS)
スチーブン・ナゲル(C)
T.ヘンリックス(P)
ジェリー・ロス(PC)
C.プリコート(MS)
バーナード・ハリス(MS)
U.ウォーター(PS)
H.シャゲル(PS)
ロナルド・グレイブ(C)
ブライアン・ダフィー(P)
ディビッド・ロウ(PC)
ナンシー・シャーロック*(MS)
ピーター・ワイゾフ(MS)
ジャニス・ヴォス*(MS)
フランク・カルバートソン(C)
ウイリアム・レディ(P)
ジェームス・ニューマン(MS)
ダニエル・バーシュ(MS)
カール・ウォルツ(MS)
ジョン・ブラハ(C)
リック・シーアフォス(P)
マーガレット・セドン*(PC)
ウイリアム・マッカーサー(MS)
デビッド・ウルフ(MS)
シャノン・ルーシッド*(MS)
マーチン・フェットマン(PS)
R.コーベイ(C)
K.バウアーソックス(P)
ストーリー・マスグレイブ(PC)
キャサリン・ソーントン*(MS)
クラウデ・ニコリエール(MS)
ジェフリー・ホフマン(MS)
トーマス・エイカーズ(MS)
−参考-48−
ディスカバリー 07/07:19
第10回軍事ミッション(専用
としては最後)。
DoD-1。
エンデバー
データ中継衛星TDRS-F放
出。
宇宙ステーション建設に備え
た船外活動試験実施。
05/23:38
ディスカバリー 09/06:08
ATLAS-2。
太陽観測衛星スパルタン
201-01。
コロンビア
09/23:40
エンデバー
09/23:45
スペースラブD-2:生命科
学、材料実験、ロボット
工学、地球観測等の88
件の実験を実施。
ウォーターとシャゲルは
DARA(ドイツ宇宙機関)選
抜の宇宙飛行士。
EURECA-1の回収。
SPACEHAB(商業宇宙実
験室)初号機。
HST修理ミッションの事前訓
練としてのEVAを実施。
ディスカバリー 09/20:11
コロンビア
14/00:13
エンデバー
10/19:59
ACTS(次世代通信技術
衛星)放出。
ORFEUS-SPAS衛星実験。
HST修理ミッションの準備段
階としてのEVAを実施。
SLS-2。
過去最長の14日間の飛
行を記録。
HSTの修理ミッション#1。
一回のシャトル・ミッションとし
ては最多の5回のEVAを
実施。ソーントンは女性とし
て最多の延べ3回のEVA
を実施。
(8/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS-60
(60)
1994.2.3
1994.2.11
STS-62
(61)
1994.3.4
1994.3.18
STS-59
(62)
1994.4.9
1994.4.20
STS-65
(63)
1994.7.8
1994.7.23
STS-64
(64)
1994.9.9
STS-68
(65)
1994.9.30
STS-66
(66)
1994.11.3
STS-63
(67)
1995.2.3
C.ボールデン(C)
ディスカバリー 08/07:09
K.ライトラー,Jr.(P)
N.ジャン・デービス*(MS)
R.セガ(MS)
フランクリン・チャン・ディアス(MS)
セルゲイ・クリカレフ(MS ロシア)
ジョン・キャスパー(C)
コロンビア
13/23:16
アンドリュー・アレン(P)
ピエール・ソーイト(MS)
チャールズ・ジェマー(MS)
マーシャ・アイビンズ*(MS)
シドニー・グチェレス(C)
エンデバー
11/05:49
K.チルトン (P)
リンダ・ゴドウィン*(PC)
ジェローム・アプト(MS)
マイケル・R・クリフォード(MS)
T.ジョーンズ(MS)
ロバート・カバナ(C)
コロンビア
ジェームス・ハルセル(P)
リチャード・ヒーブ(PC)
カール・ウォルツ(MS)
リロイ・チャオ(MS)
ドナルド・トーマス(MS)
向井 千秋*(PS NASDA)
1994.9.20
R.リチャーズ(C)
ディスカバリー
J.ハーモンド,Jr.(P)
ジェリー・リネンジャー(MS)
スーザン・ヘルムズ*(MS)
カール・ミード(MS)
マーク・リー(MS)
1994.10.11 M.ベーカー(C)
エンデバー
テレンス・ウイルカット(P)
T.ジョーンズ(PC)
ダニエル・バーシュ(MS)
ピーター・ワイゾフ(MS)
スチーブン・スミス(MS)
1994.11.14 ドナルド・マックモネーグル(C) アトランティス
カーティス・ブラウン(P)
エレン・オチョア*(PC)
ジョセフ・タナー(MS)
ジーンフランコイス・クレルボイ
(MS ESA)
スコット・パラジンスキー(MS)
1995.2.11
J.ウェザビー(C)
ディスカバリー
アイリーン・コリンズ*(P)
バーナード・ハリス(MS)
マイケル・フォール(MS)
ジャニス・ヴォス*(MS)
ウラジミール・チトフ(MS ロシア)
−参考-49−
SPACEHAB-2。
WSF(航跡を利用した
超々高真空実験装置)
は放出失敗。
クリカレフは、シャトル初のロシア
人宇宙飛行士。
USMP-2。
SRL-1(シャトル搭載型合成
開口レーダ)。
14/17:55
IML-2。
向井PSが日本人女性と
して初めて飛行。
10/22:50
LITE-1(ライダ:能動型光
学地球観測装置)。
スパルタン201-2。
SAFERの試験(10年ぶり
の命綱無しの船外活動
飛行)
SRL-2(シャトル搭載型合成
開口レーダ)。
11/05:46
10/22:35
ATLAS-3。
CRISTA-SPAS(大気観測
用低温赤外線分光器・
望遠鏡)。
クレルボイはESAの宇宙飛
行士。
08/06:28
SPACEHAB-3。
スパルタン204。
アイリーン・コリンズは、初の女
性パイロット。
2月6日 ミールとランデブー
し、11mまで接近。
宇宙服の低温環境試
験。
ミッション
(号数)
打上げ
年 月 日
着
陸
年 月 日
1995.3.18
宇宙飛行士
オービタ名
S.オズワルド(C)
エンデバー
W.グレゴリー(P)
タマラ・ジャーニガン*(PC)
ジョン・グランスフェルド(MS)
ウエンディー・ローレンス*(MS)
S.ダーランス(PS)
R.パライズ(PS)
飛行時間
(日/時:分)
16/15:09
STS-67
(68)
1995.3.2
STS-71
(69)
1995.6.27 1995.7.7
STS-70
(70)
1995.7.13
1995.7.22
STS-69
(71)
1995.9.7
1995.9.18 デビッド・ウォーカー(C)
K.コックレル(P)
ジェームス・ヴォス(PC)
ジェームス・ニューマン(MS)
マイケル・ガーンハート(MS)
STS-73
(72)
1995.10.20
1995.11.5
K.バウアーソックス(C)
コロンビア
ケント・ロミンガー(P)
キャサリン・ソーントン*(PC)
C.コールマン*(MS)
M.ロペズ-アレグリア(MS)
F.レスリー(PS)
A.サコー(PS)
15/21:52
STS-74
(73)
1995.11.12
1995.11.20
アトランティス
K.キャメロン(C)
ジェームス・ハルセル,Jr.(P)
C.ハドフィールド(MS CSA)
ジェリー・ロス(MS)
ウイリアム・マッカーサー(MS)
08/04:31
STS-72
(74)
1996.1.11
1996.1.20
ブライアン・ダフィー(C)
エンデバー
ブレント・ジェット(P)
リロイ・チャオ(MS)
ダニエル・バリー(MS)
ウィンストン・スコット(MS)
若田 光一(MS NASDA)
08/22:01
ロバート・ギブソン(C)
アトランティス
09/19:23
C.プリコート(P)
エレン・ベーカー*(MS)
グレゴリー・ハーバー(MS)
ボニー・ダンバー*(MS)
打ち上げのみ
A.ソロビヨフ (RSA)
N.ブダリン (RSA)
帰還のみ
V.ディジョロフ (RSA)
G.ストレカロフ (RSA)
ノーマン・サガード (NASA)
T.ヘンリックス(C)
ディスカバリー 08/22:20
ケビン・クレーゲル(P)
ドナルド・トーマス(MS)
ナンシー・カリー*(MS)
メアリー・エレン・ウエーバー
(9/14)
備
考
ASTRO-2。
ミールと初めてドッキング。
ミールと6月29日にドッキン
グし、7月4日に分離。
米ロ共同科学研究実
施。
ロシア人2名、アメリカ人1名の
ミール滞在クルーを乗せて帰
還。
ソロビヨフとブダリンはソユー
ズ宇宙船で帰還。
データ中継衛星TDRS-G
放出。
*(MS)
−参考-50−
エンデバー
10/20:29
WSF-2。
スパルタン201-03。
IEH-1(国際超紫外線観
測装置)。
EVA開発飛行試験
(EDFT-2)を実施。
USML-2
(米国のスペースラブ実
験)
S/MM-2(シャトル/ミールドッキン
グミッション#2)。
ミールへドッキング・モジュール
と太陽電池パドルを輸
送。
ハドフィールドは、カナダの宇
宙飛行士。
日本のSFU(宇宙実験・
観測フリーフライヤー)を回収。
OAST-FLYER(SPARTAN衛
星を用いたNASAのフリーフ
ライヤ)の放出、回収。
2回のEVA(EDFT-3)試験
を実施。
(10/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS-75
(75)
1996.2.22
1996.3.9
STS-76
(76)
1996.3.22
1996.3.31
STS-77
(77)
1996.5.19
1996.5.29
STS-78
(78)
1996.6.20
1996.7.7
アンドリュー・アレン(C)
コロンビア
スコット・ホロウイッツ(P)
フランクリン・チャン・ディアス(PC)
M.ケリ(MS ESA)
ジェフリー・ホフマン(MS)
クラウデ・ニコリエール(MS ESA)
ウンベルト・グイドーニ
(PS イタリア)
K.チルトン(C)
アトランティス
リック・シーアフォス(P)
R.セガ(MS)
マイケル・R・クリフォード(MS)
リンダ・ゴドウィン*(MS)
打上げのみ
シャノン・ルーシッド*(MS)
ジョン・キャスパー(C)
エンデバー
カーティス・ブラウン(P)
アンドリュー・トーマス (MS)
ダニエル・バーシュ(MS)
マリオ・ランコ(MS)
M.ガルノ(MS CSA)
15/17:40
TSS-1R(テザー衛星システム)
実験、テザーが切れたため
ミッション達成できず。
USMP-3(米国微小重力実
験)。
ケリとニコエールはESA、グイド
ーニはASIの宇宙飛行士。
09/05:16
S/MM-3(ミールに3/24ドッキン
グ、3/28分離)。
シャノン・ルーシッドはそのまま
ミールに滞在し、STS-79で
帰還。
EVA(EDFT-4)試験をミール
外部で実施。
SPACEHAB-4。
スパルタン-207/IAE(膨張式
アンテナ展開実験)。
T.ヘンリックス(C)
ケビン・クレーゲル(P)
スーザン・ヘルムズ*(MS)
リック・リネハン(MS)
C.ブレディ(MS)
J.ファビエ(PS フランス)
R.サースク(PS CSA)
ウイリアム・レディ(C)
テレンス・ウイルカット(P)
トム・エイカーズ(MS)
ジェローム・アプト(MS)
カール・ウォルツ(MS)
打上げのみ
ジョン・ブラハ(MS)
帰還のみ
シャノン・ルーシッド*
16/21:49
コロンビア
ガルノはカナダの宇宙飛行
士。
LMS(生命科学・微小重力
宇宙実験室:スペースラブ)。
飛行時間の記録を更新。
ファビエはフランス、サースクはカナ
ダの宇宙飛行士。
アトランティス
STS-79
(79)
1996.9.16
1996.9.26
STS-80
(80)
1996.11.19
1996.12.7 K.コックレル(C)
コロンビア
ケント・ロミンガー(P)
タマラ・ジャーニガン*(MS)
T.ジョーンズ(MS)
ストーリー・マスグレイブ(MS)
−参考-51−
10/00:40
10/03:19
S/MM-4(ミールに9/18ドッキン
グ、9/23分離)。
ブラハはルシッドに代わって
ミールに滞在し、STS-81で
帰還。
ルシッドは、女性及び、米
国の宇宙滞在最長記録
(188日)を達成。
NASDAのRRMD搭載。
17/15:53
(スペースシャトル
最長飛行記
録)
ORFEUS-SPAS-2(遠・極紫
外線宇宙観測)。
WSF-3。
エアロック・ハッチの不具合によ
りEVAを中止(シャトル史上
初)。
マスグレイブは、宇宙飛行最
高齢(61歳)、また、ジョ
ン・ヤングと並んで宇宙飛
行回数最多を記録(6
回)。
(11/14)
ミッション
打上げ
着
陸
宇宙飛行士
オービタ名
飛行時間
備
考
(号数)
年 月 日 年 月 日
(日/時:分)
STS-81
(81)
1997.1.12
STS-82
(82)
1997.2.11
STS-83
(83)
1997.4.4
STS-84
(84)
1997.5.15
STS-94
(85)
1997.7.1
STS-85
(86)
1997.8.7
M.ベーカー(C)
アトランティス
ブレント・ジェット(P)
ジョン・グランスフェルド(MS)
マーシャ・アイビンズ*(MS)
ピーター・ワイゾフ(MS)
打上げのみ
ジェリー・リネンジャー(MS)
帰還のみ
ジョン・ブラハ
1997.2.21 K.バウアーソックス(C)
ディスカバリー
スコット・ホロウイッツ(P)
マーク・リー(MS)
スティーブン・ホーレイ(MS)
グレゴリー・ハーバー(MS)
スチーブン・スミス(MS)
ジョセフ・タナー(MS)
1997.4.8 ジェームス・ハルセル,Jr.(C) コロンビア
スーザン・スティル*(P)
ジャニス・ヴォス*(PC)
マイケル・ガーンハート(MS)
ドナルド・トーマス(MS)
R.クラウチ(PS)
G.リンテリス(PS)
1997.5.24 C.プリコート(C)
アトランティス
アイリーン・コリンズ*(P)
カルロス・ノリエガ(MS)
エドワード・ルー(MS)
ジーンフランコイス・クレルボイ
(ESA MS)
エレーナ・コンダコーワ*(MSロシア)
打上げのみ
マイケル・フォール(MS)
帰還のみ
ジェリー・リネンジャー(MS)
1997.7.17 ジェームス・ハルセル(C)
コロンビア
スーザン・スティル*(P)
ジャニス・ヴォス*(PC)
マイケル・ガーンハート(MS)
ドナルド・トーマス (MS)
R.クラウチ(PS)
G.リンテリス(PS)
1997.8.19 カーティス・ブラウン(C)
ディスカバリー
ケント・ロミンガー(P)
N.ジャン・デービス*(MS)
ロバート・カービーム(MS)
スティーブン・ロビンソン(MS)
ビオニ・ツゥリグベイソン(PS)
1997.1.22
−参考-52−
10/04:56
S/MM-5(ミールに1/14ドッキ
ング、1/19分離)。
リネンジャはミールに滞在し、
STS-84で帰還。
09/23:38
ハッブル宇宙望遠鏡の2回
目のサービス・ミッション。
5回のEVAを実施。
03/23:13
燃料電池の不具合によ
り、予定より12日早く
帰還。
MSL-1(第1次微小重力
科学実験室)実験を一
部実施。NASDAの実験は
25テーマ中6テーマのみ実施。
S/MM-6(ミールに5/16ドッキ
ング、5/21分離)。
09/05:20
NASDAの宇宙放射線環
境計測(RRMD)及び、蛋
白質結晶実験を実施。
15/16:46
MSL-1R(第1次微小重力
科学実験室)実験を実
施。(STS-83の再フライト)
11/20:28
NASDAのマニピュレータ飛行
実証試験(MFD)を実施。
CRISTA-SPAS-2。
ツゥリグベイソンはカナダの宇
宙飛行士。
ミッション
(号数)
STS-86
(87)
STS-87
(88)
STS-89
(89)
STS-90
(90)
STS-91
(91)
STS-95
(92)
打上げ
年 月 日
着
陸
年 月 日
宇宙飛行士
オービタ名
J.D.ウェザービー(C)
アトランティス
M.J.ブルームフィールド(P)
ウラジミール・チトフ(MS ロシア)
スコット・パラジンスキー(MS)
J.M.クレテイエン(MS)
ウエンディー・ローレンス*(MS)
打上げのみ
デビッド・ウルフ(MS)
帰還のみ
マイケル・フォール(MS)
1997.11.19
1997.12.5
ケビン・クレーゲル(C)
コロンビア
スティーブン・リンジー(P)
カルパナ・チャウラ*(MS)
ウィンストン・スコット(MS)
土井 隆雄(MS NASDA)
レオニト・カデニューク
(ウクライナPS)
1998.1.22 1998.1.31 テレンス・ウイルカット(C)
エンデバー
ジョー・エドワートズ Jr. (P)
ジェームズ・レイリー (MS)
マイケル・アンダーソン (MS)
ボニー・ダンバー*(MS)
S.S. シャリポブ (MSロシア)
打上げのみ
アンドリュー・トーマス (MS)
帰還のみ
デビッド・ウルフ(MS)
1998.4.17 1998.5.3 リック・シーアフォス (C)
コロンビア
スコット・アルトマン (P)
リック・リネハン (MS)
ディブ・ウィリアムズ
(MS CSA)
ケイ・ハイア* (MS)
ジェィ・バッキー (PS)
ジム・パウェルツィク (PS)
1998.6.2
1998.6.12 C.J. プリコート (C)
ディスカバリー
ドミニク・L・P・ゴーリィ(P)
ウエンディー・ローレンス* (MS)
フランクリン・チャン・ディアス(MS)
ジャネット・カヴァンディ* (MS)
ウラジミール・リューミン
(MS ロシア)
帰還のみ
アンドリュー・トーマス (MS)
1998.10.29 1998.11.7 カーティス・ブラウン(C)
ディスカバリー
スティーブン・リンジー(P)
スティーブン・ロビンソン (MS)
スコット・パラジンスキー (MS)
ペドロ・デュケィ (MS ESA)
向井 千秋*(PS NASDA)
ジョン・グレン (PS)
1997.9.25
1997.10.6
−参考-53−
飛行時間
(日/時:分)
10/19:21
(12/14)
備
考
S/MM-7(ミールに9/27ドッキ
ング、10/3分離)。
ウォルフはミールにそのまま
滞在し、STS-89で帰還。
15/16:34
8/19:48
15/21:50
ロシア人宇宙飛行士チトフが
シャトル搭乗の外国人とし
て初めてEVA(EDFT-6)
を実施。
USMP-4。
スパルタン201-04。
土井MSが日本人初の船
外活動(EVA)(EDFT-5)
を実施。
カデニュークはウクライナの宇宙
飛行士。
S/MM-8(ミールに1/24ドッキ
ング、1/29分離)。
最後のスペースラブ・ミッション
(ニューロラブ)。
NASDAのVFEU(がまあん
こうによる宇宙酔い実
験)搭載。
9/19:54
S/MM-9(シャトルとミールの最
後のドッキング・ミッション)。
AMS-1。
NASDAのRRMD搭載。
8/21:44
SPACEHAB-SM。
スパルタン201-05。
HOST。 IEH-3。
ジョン・グレンは史上最高
齢の宇宙飛行士(77
歳)。
向井宇宙飛行士2回目
の
飛行
ミッション
(号数)
STS-88
(93)
打上げ
年 月 日
1998.12. 4
着
陸
年 月 日
オービタ名
1998.12.15 ロバート・カバナ (C)
エンデバー
フレデリック・スターコフ (P)
ナンシー・カリー* (MS)
ジェリー・ロス (MS)
ジェームス・ニューマン (MS)
セルゲイ・クリカレフ (MS ロシア)
STS-96
(94)
1999. 5.27
1999. 6. 6
STS-93
(95)
1999.7.23
1999. 7.27
STS-103 1999.12.19 1999.12.27
(96)
STS-99
(97)
宇宙飛行士
2000. 2.11 2000.2.22
STS-101 2000. 5.19 2000. 5.29
(98)
STS-106 2000. 9. 8 2000. 9.20
(99)
予定
ケント・ロミンガー(C)
リック・ハズバンド(P)
タマラ・ジャーニガン*(MS)
エレン・オチョア*(MS)
ダニエル・バリー(MS)
ジュリー・ペイエット(MS)
バレリー・トカレフ (MS ロシア)
アイリーン・コリンズ*(C)
ジェフリー・アッシュビー(P)
スティーブン・ホーレイ(MS)
キャサリン・コールマン*(MS)
ミシェル・トグニーニ(MS フランス)
カーティス・ブラウン (C)
スコット・キリー (P)
スティーブン・スミス (MS)
マイケル・フォール (MS)
ジョン・グランスフェルド (MS)
クラウデ・ニコリエール (MS ESA)
ジーンフランコイス・クレルボイ
(MS ESA)
ケビン・クレーゲル (C)
ドミニク・L・P・ゴーリィ (P)
ゲルハルト・ティエレ (MS)
ジャネット・カヴァンディ* (MS)
ジャニス・ヴォス* (MS)
毛利 衛 (MS NASDA)
ジェームス・ハルセル (C)
スコット・ホロウイッツ (P)
メアリー・エレン・ウエーバー *(MS)
ジェフリー・ウイリアムズ(MS)
ジェームス・ヴォス(MS)
スーザン・ヘルムズ*(MS)
ユーリ・ウサチェフ(ロシアMS)
テレンス・ウイルカット (C)
スコット・アルトマン (P)
ダニエル・バーバンク(MS)
エドワード・ルー (MS)
リチャード・マストラキオ(MS)
ユーリー・マレンチェンコ (ロシアMS)
ボリス・モロコフ (ロシアMS)
−参考-54−
(13/14)<E改訂>
飛行時間
備
考
(日/時:分)
11/19:18
シャトルによる初の国際宇
宙ステーションの建設(2A)フ
ライト。
ユニティ(ノード1)を打上げ。
ディスカバリー 9/19:13
国際宇宙ステーションの補給
飛行(2A.1)。
コロンビア
AXAF(チャンドラーX線望遠
鏡)を放出。
アイリーン・コリンズは、女性初
の船長。
4/23:
ディスカバリー 7/23:10
ハッブル宇宙望遠鏡の3回
目のサービスミッション
エンデバー
11/05:39
SRTM
EarthKAM
毛利MS 2回目の飛行。
アトランティス
9/20:10
国際宇宙ステーションの補給
飛行(2A.2a)。
シャトル操縦席の表示機器
類カラー液晶に変え新型化
した。
アトランティス
11/
国際宇宙ステーションの補給
飛行(2A.2b)。
ミッション
(号数)
打上げ
年 月 日
STS-92
(100)
2000.10. 05
予定
着
陸
年 月 日
宇宙飛行士
オービタ名
ブライアン・ダフィー (C)
ディスカバリー
パメラ・アン・メルロイ (P)
リロイ・チャオ (MS)
ウイリアム・マッカーサ (MS)
ピーター・ワイゾフ (MS)
マイケル・ロペズ-アレグリア
(MS)
若田 光一 (MS NASDA)
(14/14)<E改訂>
飛行時間
備
考
(日/時:分)
シャトルによる国際宇宙ステー
ションの建設(3A)フライ
ト。
Z1トラス、PMA-3を打上
げ。
若田宇宙飛行士搭乗。
注)・*マークは、女性を示す。
・C: Commander(船長)、P: Pilot(パイロット)、PC: Payload Commander、
MS: Mission Specialist、PS: Payload Specialist
出典: NASA Kennedy Space Center Space Shuttle Status Report、
Space Shuttle Press Kit、
Reporter’s Space Flight Note Pad (Boeing社作成) Feb.,2000、
http://www-pao.ksc.nasa.gov/kscpao/chron/chrontoc.htm 等
参考−6 オービタ毎のミッション回数
オービタ(OV)番号
オービタ名
OV−102
コロンビア
OV− 99
チャレンジャー
初飛行
1981年04月12日
1983年04月04日
ミッション回数
26
10
(チャレンジャー事故により喪失)
OV−103
ディスカバリー
1984年08月30日
27
OV−104
アトランティス
1985年10月03日
22
OV−105
エンデバー
1992年05月07日
14
2000年9月18日現在
−参考-55−
付録1
スペースシャトル関連略語集
付録1−1
AAEU
Aquatic Animal Experiment Unit
水 棲 生 物 飼 育 装 置 (IML-2)
ACBM
Active Common Berthing Mechanism
ア ク テ ィ ブ 側 の CBM
ACCESS Assembly Concept for Construction of
トラス構造物の組立実験
Erectable Space Structures
ACTS
Advanced Communications Technology Satellite (STS-51)
ACUC
Animal Care and Usage Committee
AFD
Aft Flight Deck
後方フライト・デッキ
AMS-1
Alpha Magnetic Spectrometer-1
(STS-91)
AOA
Abort Once Around 一周回後飛行中断
AODA
Attitude & Orbit Determination Avionics 姿勢及び軌道決定電子機器
APFR
Articulating Portable Foot Restraint 関節付きポータブル・フット・レストレイント
APM
Attached Pressurized Module
(ESA の COF の 旧 名 )
APU
Auxiliary Power Unit
補助動力装置
ARC
Ames Research Center
NASA エ イ ム ズ 研 究 セ ン タ ー
ARS
Air Revitalization System 空気再生システム
ASCAN Astronaut Candidate
ア ス カ ン (宇 宙 飛 行 士 候 補 生 )
ASEM
Assembly of Station by EVA Method Exercise
(STS-49)
ASI
Agenia Spatiale Italiano
イタリア宇宙機関
ATLAS
Atmospheric Laboratory for Applications and Science ア ト ラ ス ・ ミ ッ シ ョ
ン
ATO
Abort To Orbit 軌道投入中断
AXAF
Advanced X-Ray Astrophysics Facility チャンドラーX 線観測衛星
BIA
BRT
BTV
Bus Interface Adapter Body Restraint Tether
Biospecimen Transport Van
バス・インタフェース・アダプター
宇宙飛行士身体固定用テザー
生 物 試 料 輸 送 車 両 (KSC)
CAM
Centrifuge Accommodations Module
(ISS)セ ン ト リ フ ュ ー ジ 施 設
CAPCOM Capsule Communicator
キャプコム
CAT
Canister Attachment Truss
キャニスタ取付トラス
CBM
Common Berthing Mechanism
(ISS の )共 通 結 合 機 構
CCD
Charge Coupled Device
電荷結合素子
CCTV
Closed Circuit Television
閉回路テレビ
CDR
Critical Design Review
詳細設計審査
CDR
Commander
コマンダー
CDT
Central Daylight Time
米国中部夏時間
CEIT
Crew Equipment Interface Test
クルー使用機器インタフェース試験
CETA
Crew and Equipment Translation Aid
(ISS)乗 員 機 器 移 動 補 助 (カート)
CFRP
Carbon Fiber Reinforced Plastic 炭 素 繊 維 強 化 プ ラ ス チ ッ ク
CG
Computer Graphics
コンピュータグラフィックス
CI
Co Investigator
共同研究者
CIS
Commonwealth of Independent States
独立国家共同体
CMD
Command
コマンド
CMG
Control Moment Gyro
コントロール・モーメント・ジャイロ
CNES
Centre Natinal d'Etudes Spatiales
仏国立宇宙研究センター
COAS
Crewman Optical Alignment Sight 搭 乗 員 光 学 ア ラ イ メ ン ト ・ サ イ ト
C/O
Check Out
チェックアウト
COF
Columbus Orbital Facility
コ ロ ン バ ス 実 験 棟 (ESA)
CPU
Central Processing Unit
中央処理装置
CRISTA-SPAS
Cryogenic Infrared Spectrometers and Telescopes
for the Atmosphere - Shuttle Pallet Satellite
(STS-66,85)
CRL
Communications Research Laboratory
通信総合研究所
付録1−2
CRV
CSA
CSR
Crew Return Vehicle
Canadian Space Agency
Customer Support Room
CST
CSVS
CTV
CVDA
C/W
CWS
Central Standard Time
Canadian Space Vision System Crew Transport Vehicle
Commercial Vapor Diffusion Apparatus Caution and Warning Caution and Warning System (ISS)搭 乗 員 帰 還 機
カナダ宇宙機関
カスタマー・サポート・ルーム
(JSC MCC 内 )
米国中部標準時
カナダのスペース・ビジョン・システム
宇 宙 飛 行 士 輸 送 用 車 両 (KSC)
商用蒸気拡散装置
警告・警報
警告・警報システム
DAP
Digital Auto Pilot デ ジ タ ル ・ オ ー ト ・ パ イ ロ ッ ト
DARA
Deutschen Agentur fur Raumfahrtangelegenheiten GmbH ト ゙ イ ツ 宇 宙 機 関
( 注 : DARA(ト ゙ イ ツ 宇 宙 機 関)は 、 97 年 末 に DLR(ト ゙ イ ツ 航 空 宇 宙 セ ン タ ー)へ 統 合 さ れ ま し た )
DAT
Digital Audio Tape
デジタル・オーディオ・テープ
DCM
Docking Compartment Module
(ISS)ドッキング区画モジュール
DCM
Display and Control Module
(EMU)表 示 制 御 モ ジ ュ ー ル
DDCU
DC-DC Converter Unit
直流変圧器
DFRC
Dryden Flight Research Center
ドライデン飛行研究センター
DLR
German Aerospace Reserch Establishment
ドイツ航空宇宙センター
(Deutsche Forschungstalt fur Luft-und R)
DoD
Department of Defense
国防省
DSM
Docking and Stowage Module
(ISS)ドッキング及び保管モジュール
DSO
Detailed Supplementary Objectives
健康管理技術開発
及び教育目的のミッション
DSP
Defense Support Program
(STS-44)
DTO
Detailed Test Objectives
開発試験ミッション
EarthKAM
Earth knowledge Acquired by Middle school students
EASE
Experimental Assembly of Structures in EVA
トラス構造物の組立実験
ECG
Electrocardiogram
心電図
ECLSS
Environmental Control and Life Support System
環境制御・生命維持システム
EDFE
EVA Development Flight Experiment
EVA 開 発 飛 行 実 験 (STS-37)
EDFT
EVA Development Flight Test
EVA 開 発 飛 行 試 験
EDO
Extended Duration Orbiter 飛行期間延長オービター
EDT
Eastern Daylight Time
米国東部夏時間
EDW
Edwards Air Force Base
エドワーズ空軍基地
EE
End Effector エ ン ド ・ エ フ ェ ク タ ー
EECOM Electrical, Environmental, Consumables Engineer
電気、環境及び消耗
品
システム・エンジニア
EF
Exposed Facility
「 き ぼ う 」 船 外 実 験 プラットフォーム
(旧 : JEM 曝 露 部 )
EGSE
Electrical Ground Support Equipment 地 上 支 援 機 器
ELM-ES Experiment Logistics Module-Exposed Section
「きぼう」船外パレット
(旧 : JEM 補 給 部 曝 露 区 )
ELM-PS Experiment Logistics Module-Pressurized Section
「きぼう」船内保管
室
(旧 : JEM 補 給 部 与 圧 区 )
EM
Engineering Model
エンジニアリング・モデル
EMG
Electromyography
筋電図
EMU
Extravehicular Mobility Unit
船 外 活 動 ユ ニ ッ ト (宇 宙 服 )
付録1−3
EORC
Earth Observation Research Center
EPS
ERBS
ERS
ESA
ESC
Electrical Power System Earth Radiation Budget Satellite
Earth Remote Sensing Satellite
European Space Agency
Electric Still Camera
EST
ET
ETSD
Eastern Standard Time
External Tank
船外活動用工具箱
EURECA European Retrieval Carrier EUV
Extreme Ultraviolet
EVA
Extravehicular Activity
FAO
FCS
FD
FD
FDO
FES
FGB
FM
FMPT
FOR
FRD
FRGF
地球観測データ解析研究センター
(NASDA)
電力系
(STS-41B)
(ESA の )地 球 観 測 衛 星
欧州宇宙機関
電子スチルカメラ
(デ ジ タ ル カ メ ラ )
米国東部標準時
外部燃料タンク
EVA Tool Stowage Device
ユ ー レ カ (STS-46)
極超紫外線
船外活動
Flight Activity Officer
Flight Control System Flight Day Flight Director
Flight Dynamics Officer
Flash Evaporator System
Functional Cargo Block
Frequency Modulation
First Material Processing Test
Flight Operations Review
Flight Requirements Document Flight Releasable grapple Fixture
FRR
FSE
FSS
飛行活動オフィサー
飛行制御システム
飛行日
フライト・ディレクター
フライト・ダイナミクス・オフィサー
フラッシュ・エバポレータ・システム
制 御 モ ジ ュ ー ル (Zarya)
周波数変調
第一次材料実験
飛行運用審査会
飛行要求書
軌道上で取り外しが可能な
グラップル・フィクスチャ
Flight Readiness Review 飛 行 準 備 審 査 会
Flight Support Equipment 打 上 げ 支 援 装 置
Fixed Service Structure 固 定 型 サ ー ビ ス 構 造 物
GAS
GC
GC
GDO
GF
GIRA
Get-Away Special
Ground Control Ground Commanding
Guidance Officer
Grapple Fixture Galley Iodine Removal Assembly
GLO
GMT
GN2
GNC
GN&C
GPC
GPWS
GPS
GRO
GSE
GSFC
Shuttle Glow Experiments Greenwich Mean Time
gaseous nitrogen
Guidance Navigation and Control
Guidance Navigation and Control
General Purpose Computer Ground Proximity Warning System Global Positioning System
Gamma Ray Observatory
Ground Support Equipment
Goddard Space Flight Center
付録1−4
ゲッタウエイ・スペシャル
地上管制
ロ ホ ゙ ッ ト ア ー ム 地 上 遠 隔 操 作(MFD)
ガイダンス・オフィサー
グラップル・フィクスチャー
ギャレィ内の飲料水からの
ヨウ素除去装置
シャトル発光現象観察実験
ク ゙ リ ニ ッ シ ゙ 標 準 時( 世 界 標 準 時 )
窒素ガス
誘導、航法及び制御
誘導、航法及び制御
(シャトルの )汎 用 計 算 機
(航 空 機 の )対 地 接 近 警 報 シ ス テ ム
全地球的位置決めシステム
ガ ン マ 線 観 測 衛 星 (STS-37)
地上支援機器
ゴダード宇宙飛行センター
HC
Hand Controller
ハンド・コントローラ
HDTV
High Definition Television
高精細度テレビジョン
HEDS
Human Exploration and Development of Space Enterprise
有人宇宙開発と宇宙探検
HH
Hitchhiker
ヒッチハイカ
HH
Horizontal transmit, Horizontal receive
水平偏波で送受信
HMD
Helmet Mounted Display
ヘルメット装備型ディスプレイ
HOST
Hubble Space Telescope
ハッブル宇宙望遠鏡
Orbital Systems Test Platform
軌道上システム試験機器
HRM
High Rate Multiplexer 高 速 マ ル チ プ レ ク サ
HST
Hubble Space Telescope
ハッブル宇宙望遠鏡
HTD
HEDS Technology Demonstration
有人宇宙開発と宇宙探検
のための技術実証試験
HUT
Hard Upper Torso
(EMU)上 部 胴 体
IBSS
ICBC-3D
ICC
IEH
IFM
IGA
IML-2
IMU
INCO
INS
IRU
ISS
ISSP
IVA
IVHM
IWG
Infrared Background Signature Survey (STS-39)
IMAX Cargo Bay Camera 3 Dimension
IMAX3 次元カーゴベイ・カメラ
Inboard Corner Reflector
船内側コーナー・リフレクタ
International Extreme Ultraviolet Hitchhiker
国際極超紫外線観測装置
In-Flight Maintenance
軌道上修理
Inter-Governmental Agreement
政府間協定
International Microgravity Laboratory
第2次国際微小重力実験室
Inertial Measurement Unit
慣性計測装置
Instrumentation and Communication Officer
計装及び通信システム・エンジニア
Inertial Navigation System
慣性誘導システム
Inertial Reference Unit 慣 性 ジ ャ イ ロ
International Space Station
国際宇宙ステーション
International Space Station Program
国際宇宙ステーション・プログラム
Intra-Vehicular Activity
船内活動
Integrated Vehicle Health Monitoring
シャトルの統合モニタリング
Investigator Working Group
実験研究者作業グループ
JEM
JEMRMS
JERS-1
JIS
JPL
JSC
JST
Japanese Experiment Module
JEM Remote Manipulator System
Japanese Earth Resources Satellite -1 Joint Integrated Simulation
Jet Propulsion Laboratory
Johnson Space Center
Japanese Standard Time
「きぼう」日本実験棟
「きぼう」ロボットアーム
地 球 資 源 衛 星 1 号 (NASDA)
ジョイント統合シミュレーション
ジェット推進研究所
ジョンソン宇宙センター
日本標準時
KSC
Kennedy Space Center
ケネディ宇宙センター
LAGEOS-2
(STS-52)
LC-39
Launch Complex-39
LCC
Launch Control Center LDEF
Long Duration Exposure Facility
LDR
Logistics Double Module
LED
Light Emitting Diode
LES
Launch and Entry Suit
LIF
Large Isothermal Furnace
付録1−5
Laser
Geodynamic
Satellite
39 番 射 点
打 上 げ 管 制 セ ン タ ー (KSC)
(STS41-C)
スペースハブ補給用ダブルモジュール
発光ダイオード
スペースシャトル打 上 げ /帰 還 用 スーツ
大型均熱炉
LiOH
LITE-1
LMS
Lithium Hydroxyde
Lidar In-Space Technology Experiment-1
Life and Microgravity Spacelab
LSLE
LSS
LTA
Life Sciences Laboratory Equipment
Life Support System
Lower Torso Assembly
水酸化リチウム
(STS-64)
生命及び微小重力スペースラブ
(STS-78)
生命科学研究機器
(EMU)生 命 維 持 シ ス テ ム
(EMU)下 部 胴 体
MAG
Maximum Absorption Garment
(EMU 用 )紙 お む つ
MBM
Manual Berthing Mechanism
手動結合機構
MBS
Mobile Remote Servicer(MRS) Base System モービル・ベース・システム
MCC
Mission Control Center
ミッション・コントロール・センター(JSC)
MDF
Manipulator Development Facility
ロボットアーム開発施設
MDM
Multiplexers/Demultiplexers
マルチプレクサー/デマルチプレクサー
MECO
Main Engine Cutoff メイン・エンジン停止
MEDS
Multifunction Electronic Display System 多 機 能 電 子 表 示 シ ス テ ム
MET
Mission Elapsed Time
ミッション経過時間
MFD
Manipulator Flight Demonstration
マニピュレーター飛行実証試験
MGBX
Microgravity Globebox 微小重力グローブボックス
MLE
Middeck Locker Equivalent
ミッドデッキ・ロッカー等量
MLI
Mluti-Layer Insulator 多層断熱材
MLP
Mobile Launcher Platform 移動式発射プラットフォーム
MMACS Maintenance, Mechanical, Arm, and Crew System
メインテナンス、機構系、
アーム及び
クルーシステム・エンジニア
MMH
Monomethyl Hydrazine モノメチル・ヒドラジン
MM/OD Micro-Meteoroid and Orbital Debris 軌道上デブリ
MMU
Manned Maneuvering Unit
有人飛行ユニット
MPESS Multi-purpose Experiment Support Structure
多目的実験支持構造体
MPLM
Multi-purpose Logistics Module
(ISS)多 目 的 補 給 モ ジ ュ ー ル
MPM
Manipulator Positioning Mechanism
アーム保持機構
MRI
Magnetic Resonance Imaging
核磁気共鳴画像
MRSE
Microwave Remote Sensing Experiment
MS
Mission Specialist
ミッション・スペシャリスト
MSBLS Microwave Scan Beam Landing System マイクロ波スキャンビーム着陸システム
MSD
Medical Science Division
医療科学部門
MSFC
Marshall Space Flight Center
マーシャル宇宙飛行センター
MSL-1
Microgravity Science Laboratory-1
第1次微小重力実験室
MT
Mobile Transporter
(ISS)移 動 運 搬 装 置
MVAK
Module Vertical Access Kit
垂直状態のスペースハブ内
へのレイトアクセス用クレーン
MWS
Mini-Workstation
ミニ・ワークステーション
NASA
NASCOM
NASDA
NBL
NDAS
NIA
NIH
NIH-C
National Aeronautics and
アメリカ航空宇宙局
Space Administration
NASA Communications Network
NASA 通 信 ネ ッ ト ワ ー ク
National Space Development Agency of Japan
宇宙開発事業団
Neutral Buoyancy Laboratory
(JSC)無 重 量 環 境 訓 練 施 設
Neural Data Acquisition System 神経活動電位計測装置
National Institutes of Aging
National Institutes of Health 米国立衛生研究所
National Institutes of Health
米国立衛生研究所の
Cell Culture Module(CCM)
細胞培養モジュール
付録1−6
NIMA
NM
NOR
National Imagery and Mapping Agency nautical miles Northrup Lakebed Landing Site
OAST-Flyer
Office of Aeronautics and Space Technology
O&C
Operations and Checkout O&CB
Operations and Checkout Building
OCA
Orbiter Communications Adapter
OCC
Organic Crystal growth Chamber
OCF
Organic Crystal growth Facility
OCGP
Organic Crystal growth with G-jitter
Preventive Measurement
ODS
Orbiter Docking System
OFK
Official Flight Kit
OMDP
Orbiter Maintenance Down Period OMS
Orbiter Maneuvering System OPF
Orbiter Processing Facility
国家画像地理局
海里
ノ ー ス ロ ッ フ ゚ 塩 湖 着 陸 場(WSSH 内 )
OAST フ ラ イ ヤ ー
運 用 及 び チ ェ ッ ク ア ウ ト(KSC)
運 用 及 び チ ェ ッ ク ア ウ ト ・ ヒ ゙ ル(KSC)
オービタ通信アダプター
有機結晶成長実験装置
有 機 結 晶 成 長 装 置 (FMPT)
有 機 結 晶 成 長 装 置 (IML-1)
オービタ・ドッキング・システム
公式飛行記念品
オービタの改修期間
軌道操縦システム
( あ る い は 、 軌 道 変 換 システム)
オービタ整備施設
(あるいは、オービタ整備棟)
オービタ・パッチ・パネル
OPP
Orbiter Patch Panel ORFEUS-SPAS
Orbiting, Retrievable Far and
Extreme Ultraviolet Spectrometer-SPAS
(STS-51,80)
ORU
Orbital Replacement Unit 軌道上交換ユニット
OSAT
Office of Aeronautics and Space Technology
OSVS
Orbiter Space Vision System
オービタ・スペース・ビジョン・システム
OSVU
Orbiter Space Vision Unit オービタ・スペース・ビジョン・ユニット
OTA
Optical Target Assembly 光学目標装置
OTD
ORU Transfer Device
EVA ク レ ー ン
P2T2
Prototype Part Task Trainer
パートタスク・トレーナー
PAD
PFR Attachment Device
PFR 取 り 付 け 装 置
PAO
Public Affair Office 広 報 (広 報 イ ヘ ゙ ン ト)
PAO
Public Affair Officer 広報担当オフィサー
PC
Payload Commander
ペイロード・コマンダー
PCBM
Passive CBM
パ ッ シ ブ 側 と な る CBM
PCG
Protein Crystal Growth
タンパク質結晶成長実験
PCG-STES
Protein Crystal Growth - Single Locker
Thermal Enclosure System
PCU
Plasma Contactor Units
プラズマ生成ユニット
PDI
Payload Data Interrogator
ペイロード・データ・インテロゲータ
PDR
Preliminary Design Review
基本設計審査
PDRS
Payload Deployment and Retrieval System ペイロード放出、回収システム
PDSU
Power Distributing and Switching Unit
電力分配及び切替ユニット
PFM
Proto-Flight Model
プロト・フライト・モデル
PFR
Portable Foot Restraint ポータブル・フット・レストレイント
PGF
Plant Growth Facility
植物栽培装置
PGSC
Payload General Support Computer
ペイロード用汎用コンピューター
PGSC/BIA
PGSC/Bus Interface Adapter
PGT
Pistol Grip Tool
ピストル型パワー・ツール
(EVA 用 電 動 工 具 )
付録1−7
PHRR
PI
P/L
PLSS
PLT
PM
PM
Payload High Rate Recorder
Principal Investigator
Payload
Primary Life Support System
Pilot
Phase Modulation
Pressurized Module
PMA
POCC
POIC
PPK
PRLA
PS
psia
PWP
Pressurized Mating Adapter
Payload Operations Control Center
Payload Operations Integration Center
Personal Preference Kits
Payload Retention Latch Actuators Payload Specialist
pound per square inch absolute
Portable Work Platform
SRTM 観 測 テ ゙ ー タ 記 録 用 レ コ ー タ ゙
代表研究者
ペイロード
(EMU)主 生 命 維 持 シ ス テ ム
パイロット
位相変調
「きぼう」船内与圧室
(旧 : JEM 与 圧 部 )
与圧結合アダプター
ペイロード運用管制センター
ペイロード運用統合センター
個人優先飛行記念品
ペイロード保持固定アクチュエータ
ペイロード・スペシャリスト
1 平 方 イ ン チ あ た り の 圧 力(単 位 )
小型作業プラットフォーム
QD
Quick Disconnect
急速着脱機構
RAM
Random Access Memory
RBEV
RCRS
RCS
RDA
REM
RF
RIC
RHC
RMCD
RME
RMS
RPCM
RSA
Robotics Birds Eye View
ロボットアーム用バードアイビュー
Regenerable Carbon Dioxide Removable System
再生式二酸化炭素除去システム
Reaction Control System 姿勢制御システム
Radar Data Analyzer
レーダー・データ分析器
Release/Engage Mechanism
開 放 / 保 持 機 構 (Spartan)
Radio Frequency
電波
Recorder Interface Controller レコーダ・インターフェース制御装置
Rotational Hand Controller 回転用ハンドコントローラー
Radiation Monitoring Container Device
宇宙放射線モニタリング装置
Risk Mitigation Experiments
リスク軽減実験
Remote Manipulator System
リモート・マニピュレ-タ・システム
Remote Power Controller Module
リモート電力制御モジュール
Russian Space Agency
ロシア航空宇宙局(Rosaviakosmos)
RSAD
RSS
RTAS
RTLS
RMS Situational Awareness Display
Rotating Service Structure
Rocketdyne Truss Attachment System
Return to Launch Site SAFER
Simplified Aid For EVA Rescue
SAIL
Shuttle Avionics Integration Laboratory
SAMS
Space Acceleration Measurement System
SAR
Synthetic Aperture Radar
SAREX-II Shuttle Amateur Radio Experiment-II
SASA
S-band Antenna Structural Assembly
SCU
Service and Cooling Umbilical
SDI
Strategic Defense Initiative
SEPAC
Space Experiment Particle Accelerator
SES
Shuttle Engineering Simulator
付録1−8
RMS 位 置 認 識 用 テ ゙ ィ ス フ ゚ レ イ
回転式整備構造物
ロケットダイン社のトラス結合機構
射場への帰還
EVA 時 の セ ル フ レ ス キ ュ ー 推 進 装 置
シャトル・アビオニクス統 合 施 設
宇宙加速度計測システム
合成開口レーダー
シャトル・アマチュア無線実験
S バンド・アンテナ構造部
エアロック・アンビリカル
戦略防衛構想
シャトル技術シミュレータ
SEU
Single Event Upset
シングル・イベント・アップセット
SFU
Space Flyer Unit
宇宙実験観測フリーフライヤー
SGANT Space-to-Ground Antenna Kuバ ン ド ア ン テ ナ
SGTRC
Space to Ground Transmit/Receive Controller
Ku バ ン ド 送 受 信 器
SHUCS Spacehab Universal Communications System
スペースハブ多用途通信システム
SIB
Signal Isolation Box
信号分離ボックス
SIGI
Space Integrated GPS/Inertial Navigation System
宇 宙 用 統 合 GPS/INS
SIMPLEX Shuttle Ionospheric Modification
シ ャ ト ル の OMS 噴 射
with Pulsed Local Exhaust
による電離層の調査
SIR
Spaceborne Imaging Radar
シャトル搭載レーダー(SAR)
SLF
Shuttle Landing Facility
シャトル着陸施設
SL-J
Spacelab-J
スペースラブ J
SLP
SpaceLab Pallet
スペースラブ・パレット
SLS
Spacelab Life Sciences
(STS-40)
SLWT
Super Light Weight Tank
超軽量外部燃料タンク
SM
Single Module
スペースハブ・シングルモジュール
SM
Service Module
(ISS)サ ー ビ ス ・ モ ジ ュ ー ル
SM
Shuttle Mission
シャトルミッション(通 算 飛 行 番 号 )
S/MM
Shuttle/Mir Mission
シャトル・ミール・ミッション
SMM
Solar Maximum Mission
太陽極大期観測ミッション衛星
SMS
Shuttle Mission Simulator
シャトル・ミッション・シミュレータ
SMS-FB Shuttle Mission Simulator - Fixed Base
可動式シャトル・ミッション・シミュレータ
SMS-MB Shuttle Mission Simulator - Motion Base
固定式シャトル・ミッション・シミュレータ
SMS
Science Mission Specialist
サイエンス・ミッション・スペシャリスト
SOHO
Solar and Heliospheric Observatory SOHO 衛 星
SOP
Secondary Oxygen Pack
二次酸素パック
SPACEHAB-SM
SPACEHAB-Single Module
スペースハブ・シングルモジュール
SPARTAN 太陽物理観測衛星スパルタン
SPAS
Shuttle Pallet Satellite シ ャ ト ル ・ パ レ ッ ト 衛 星
SPDM
Special Purpose Dexterous Manipulator
(ISS)特 殊 用 途 用
双腕型マニピュレータ
SPP
Science Power Platform
(ISS)科 学 ・ 電 力 フ ゚ ラ ッ ト フ ォ ー ム
SPPF
SPACEHAB Payload Processing Facility ス ペ ー ス ハ ブ 社 の
ペイロード・インテグレーション地上施設
SRB
Solid Rocket Booster
固体補助ロケットブースタ
SRTM
Shuttle Radar Topography Mission シャトル・レーダー・トポグラフィーミッション
SRL
Space Radar Laboratory
(STS-59,68)
SSA
Space Suite Assembly
宇宙服アセンブリ
SSBUV/A Shuttle Solar Backscatter Ultraviolet/A
SSC
Space to Space Comm SSCC
Space Station Control Center
宇宙ステーション管制センタ
SSFP
Space Station Freedom Program
宇宙ステーション・フリーダム・プログラム
SSIPC
Space Station Integration and Promotion Center 宇 宙 ス テ ー シ ョ ン 総 合 セ ン タ ー(TKSC)
SSME
Space Shuttle Main Engine スペースシャトル・メイン・エンジン
SSP
Standard Switch Panel 標準スイッチパネル
SSRMS
Space Station Remote Manipulator System
宇宙ステーション・マニピュレータ・システム
SSV
Sequential Still Video
静止画ビデオ映像
STA
Star Tracker Assembly 星センサー
STDN
Space Flight Tracking and Data Network
宇宙飛行用追跡及び
データ・ネットワーク
STL
Space Tissue Loss 宇 宙 で の 組 織 減 少 (実 験 )
STS
Space Transportation System
宇 宙 輸 送 シ ス テ ム(スペース・シャトル)
付録1−9
SVS
Space Vision System TACAN
TAEM
TAGS
TAL
TAS-1
TBD
TCDT
TEPC
THC
TKSC
TM
TMG
TPS
TRAC
TSS
TSS-1
TVC
Tactical Air Navigation
戦術航法装置
Terminal Area Energy Management 最終エネルギー調整
Text and Graphics System
テキスト及びグラフィックス・システム
Trans-Atlantic Abort Landing
大西洋横断飛行中断着陸
Technology Application and Science-1
(STS-85)
To Be Determined
未定
Terminal Count down Demonstration Test 最終カウントダウン
・デモンストレーション試験
Transmission Control Protocol/Internet Protocol
Telemetry Data Processing Unit
テレメトリデータ処理ユニット
Tracking and Data Relay Satellite
追跡・データ中継衛星
Technology Experiments
Advancing Mission in Space
(STS-77)
Tissue Equivalent Proportional Counter
Translational Hand Controller 並進用ハンドコントローラー
Tsukuba Space Center
筑波宇宙センター
Torque Multiplier
トルク・マルチプライヤー
Thermal Micrometeoroid Garment
(EMU)保 護 服
Thermal Protection System
熱防護システム
Targeting and Reflective Alignment Concept
Truss Support Structure
トラス支持構造
Tethered Satellite System-1
テ ザ ー 衛 星 (STS-46,75)
Thrust Vector Control
推力方向制御
UARS
UCD
UCSD
UDM
UF
UHF
USML
Upper Atmosphere Research Satellite
Urine Collection Device
University of California at San Diego Universal Docking Module
Utilization Flight
Ultra High Frequency
United States Microgravity Laboratory
上層大気観測衛星
採尿具
カリフォルニア大学サンディエゴ校
(ISS)汎用ドッキング・モジュール
(ISS の )利 用 フ ラ イ ト
極超短波
米国微小重力実験研究室
(STS-
53,73)
USMP
United States Microgravity Payload
米国微小重力実験ペイロード
VAB
VFEU
VFEU
Vehicle Assembly Building
Vestibular Function Experiment Unit
Vestibular Function Experiment Unit
シャトル組立棟
前 庭 機 能 実 験 装 置 (FMPT)
海水型前庭機能実験装置
(STS-90,95)
海水型水棲動物実験装置
(STS-90,95 で の 総 称 )
ビデオ誘導センサ
垂直偏波で送信、
水平偏波で受信
重要人物
バーニア・スラスター
垂直偏波で送受信
TCP/IP
TDPU
TDRS
TEAMS
VFEU/NDAS
VGS
VH
Video Guidance Sensor
Vertical transmit, Horizontal receive VIP
VRCS
VV
Very Important Person
Vernier Reaction Control System
Vertical transmit ,Vertical receive 付 録 1 − 10
スペース・ビジョン・システム
WBSAAMD
Wide Band Stand Alone
広帯域加速度計
Acceleration Measurement Device
WCS
WIF
WSB
WSF
WSSH
WSTF
Waste Collection System
Worksite Interface
Water Spray Boiler
Wake Shield Facility
White Sands Space Harbor
White Sands Test Facility
ウオーター・スプレー・ボイラ(水 蒸 発 器 )
(STS-60,69,80)
ホワイトサンズ宇宙基地
ホワイトサンズ試験施設
X-SAR
X-band Synthetic Aperture Radar X バンド合成開口レーダー
廃棄物収集システム
付 録 1 − 11
付録 2
STS−92タイムライン略語表
本資料は、STS-92 Flight Plan(2000.5.16 Basic 版)の代表的な略語、及
び若田宇宙飛行士が実施する作業に関する略語について、まとめたもので
す。
<注意>
本資料は、NASDA 独自に調査、整理した資料であるため、不明な部分
も残っています。不明な個所には「?」あるいは(不明)と記述していま
す。これら部分は今後、継続調査を行う予定です。
付録2−1
タイムライン上の略語
名称
10.2 DPRS
10.2 psi(pound square inch) depress
14.7 ORB RPRS
14.7 psi orbiter repress
実施する作業
船内を10.2psi(約2/3気圧)まで減圧する
船内を14.7psi(約1気圧)まで与圧する
A/L PREP
APCU ACT
ASCENT
Attitude
Airlock preparation
APCU(Assembly Power Converter Unit) activation
Ascent
Attitude
エアロックの準備
APCU(シャトルからISSへの電力供給用コンバータ)の起動
上昇
(スペースシャトルの)姿勢
BRAKE
Brake
RMSをブレーキモードへ投入
CABIN STOW
CDR
CIDS RELOCATE
CLEAN UP
CONNECT PMA3 UMB
CONNECT PRIME UMB
CONNECT Z1-NODE
UMB
CREW CONF
CREW PHOTO
Cabin stow
Commander
CIDS(Circuit Isolation Devices) relocation
Clean up
Connect PMA(Pressurized Mating Adapter)3 umbilical
Connect primary umbilical
帰還前に行うキャビン内の収納、片づけ
船長
CIDSの移動
片づけ
PMA-3のアンビリカル(配線)の接続
主系の配線接続
Connect Z1-Node 1 umbilical
Z1トラスとユニティ(ノード1)間の配線の接続
Crew news conference
Crew photography
軌道上記者会見
クルーの写真撮影
D/O PREP BRIEF
DAY/NIGHT
DDCU 3B INSTALL
DDCU Z14B INSTALL
DDCU HTR ACT
DEORBIT PREP
DOCK ATT
DPRS
Deorbit preparation briefing
Day/Night
DDCU(DC-DC Converter Unit)-HP Z1 3B installation
DDCU Z1 4B installation
DDCU heater activation
Deorbit preparation
Docking attitude
Depressurization
軌道離脱準備確認
昼/夜
Z1トラスへのDDCU(直流変圧器) 3Bの設置
Z1トラスへのDDCU 4Bの設置
DDCUヒーターの起動
軌道離脱準備
ドッキング姿勢
(船外活動のための)減圧
EGRS
EMU C/O
EMU PURGE P/B
EPCS S/U
ERG S/U
Egress
EMU(Extravehicular Mobility Unit) check out
EMU purge pre-breath
EPCS(Early Portable Computer System) Set up
Ergometer setup
EMU SWAP & RESIZE
EMU swap and resize
ERG STOW
ETSD
Ergometer stow
ETSD(EVA Tool Stowage Device)
船外へ出る、または、ISSからの退室
EMU(宇宙服)の点検
EMU(宇宙服)を着用してのプレブリース(事前呼吸)、パージ
EPCS(初期段階のISS用ラップトップパソコン)の準備作業
エルゴメーター(自転車こぎ機)のセット
翌日のEVA作業者のために宇宙服を調節する
(宇宙服4着を使うのではなく、2着を交互に着用する)
エルゴメーター(自転車こぎ機)の収納
ETSD(EVA工具保管箱)関連作業
1
タイムライン上の略語
EVA PREP
EXERCISE
FCS C/O
FD
FGB SCRUB DEACT
FLYAROUND
名称
EVA(Extravehicular Activity) preparation
Exercise
FCS(Flight Control System) check out
Flight Day
FGB scrub deactivation
Fly-around
実施する作業
EVA(船外活動)準備
運動
飛行制御システムの点検
飛行日
FGB内の空気攪拌(換気)の停止
フライアラウンド(ISSの周りを周回しながら写真撮影等を実施する運用)
GIRA INSTALL
GMT
GROUND
GIRA(Galley Iodine Removal Assembly) Install
Greenwich Mean Time
Ground operation
GIRA(飲料水からのヨウ素(殺菌用に使用)除去装置)の取付
グリニッジ標準時(世界標準時)
地上運用
H/O
High
Hand over
High hover
引き継ぎ
高い位置へ持ち上げる
ICBC3D
INGRS
INSTL
ISS RNDZ
IAPFR(Interoperable Articulating Portable Foot Restraints)
Relocate
IMAX Cargo Bay Camera 3Dimension
Ingress
Install
ISS(International Space Station) rendezvous
IMAX 3次元カーゴベイカメラ
船内へ入る、または、ISSへの入室
取り付ける
ISS(国際宇宙ステーション)とのランデブー
KU DPY
Ku-band antenna deploy
シャトルのKuバンドアンテナ展開
L-1 COMM CHK
LIMP
LOW HOVER
L-1 day communication check
Limp
Low hover
着陸1日前の通信チェック
RMSをLimp(「ぐにゃぐにゃ」の意味)モードへ投入
低い位置に持ち上げる
MCIU FLTR
MEAL
MET
MNVR TO RTL POSN
MS
MCIU(Manipulator Control Interface Unit) filter
Meal
Mission Elapsed Time
Manuver to RTL(Ready to Latch) position
Mission Specialist
MCIUフィルターの掃除? or 交換?
食事
ミッション経過時間
ラッチ(結合)準備位置への移動
ミッション・スペシャリスト
N1 PWRDN
N1 RECOV
NC1, NC2, NC3, NC4
NH
NODE XFER OPS
NODE1 SCRUB
Node 1 power down
Node 1 recovery
Phasing maneuver 1,2,3,4
Nominal Height/adjustment maneuver
Node transfer operations
Node 1 scrub
ノード1内の電力供給の一部停止
ノード1内の停止させた機器への電源再投入
ISSとのランデブーのための軌道制御(位相の制御)
ISSとのランデブーのための軌道制御(高度の調整制御)
ノードへの物資搬入作業
ノード1内の換気(空気循環)
IAPFR RELOCATE
ロシアの宇宙服と互換性のあるAPFR(関節機能付き足場)の移動
2
タイムライン上の略語
OCA STOW
OCAC FILTER CHECK
ODS PREP FOR INGRS
ODS S/U
OFF DUTY
OIU C/O
ORBIT
OSVS C/O
OSVS DN
OSVS PWR UP
OSVS SETUP
名称
OCA(Orbiter Communications Adapter) stow
OCAC filter check
ODS(Orbiter Docking System) preparation for ingress
ODS set up
Off duty
OIU(Orbiter Interface Unit) check out
Orbit
OSVS(Orbiter Space Vision System) check out
OSVS down
OSVS power up
OSVS set up
実施する作業
OCA(PGSCと地上間のファイル転送用アダプター)の収納
OCAC(?)フィルタの点検
ISS入室のためのODS(ドッキング装置)内での準備
ODSの準備
休暇
OIU(オービタ・インタフェース装置)の点検
軌道
OSVS(オービタ・スペース・ビジョン・システム)の点検
OSVSの停止
OSVSの起動
OSVS装置の準備
P/TV 21 OPS ISS
Photo/TV 21 ISS(International Space Station) Operations
写真/TV撮影 21 「ISS内での運用状況撮影」
P/TV09 SETUP OSVS
P/TV20 SETUP
P/TV25 UNDOCK
Photo/TV 09 setup OSVS
Photo/TV 20 set up
Photo/TV 25 undocking
写真/TV撮影 09 「OSVS撮影」の準備
写真/TV撮影 20 「ISSとのランデブー/ドッキング」の準備
写真/TV撮影 25 「ISSとのドッキング解除」
PAD(PFR(Portable Foot Restraint) Attachment Device) clean
up
PAD SETUP
PAD setup
PAO
PAO(Public Affair Office) event
PAO OPPTY
PAO opportunity
PFC
Private Family Conference
PGSC SETUP
PGSC(Payload and General Support Computer) setup
PGSC S/U RMS
PGSC(Payload and General Support Computer) setup for RMS
PHOTO CL OUT
Photo Closeout
PLT
Pilot
PMA2 INGRS
PMA(Pressurized Mating Adapter)2 ingress
PMA3 CBM MATE
PMA3 CBM(Common Berthing Mechanism) mate
PMA3 GRAPLE
PMA3 grapple
PMA3 INSTAL
PMA3 installation
PMA3 RLSE FROM SLP PMA3 release from SLP(SPACELAB Pallet)
PMA3 RMS/CBM OPS PMA3 RMS/CBM operations
PMA3 UNBRTH
PMA3 unberth
POST EVA W H2O
Post EVA with? H2O
POST INSERTION
Post insertion
POST SLEEP
Post sleep
PAD CLEAN UP
PAD(RMSの先端に付けるEVAクルーの足場)の取り外し、収納
PADの取り出し、RMSへの固定
広報イベント
広報イベントの予定枠
家族との交信
ラップトップコンピュータ(PGSC)のセット
RMS用のラップトップコンピュータ(PGSC)の準備
作業終了後の写真撮影
パイロット
PMA2への入室
PMA3のCBM(共通結合機構)結合
(RMSで)PMA3を把持する
PMA3の取付
PMA3をカーゴベイ内のSLP(スペースラブパレット)から取り外す
RMSを使用して行うPMA3のCBM(共通結合機構)結合作業
PMA3の固定解除
EVA後作業 宇宙服への水の充填
軌道投入後作業
起床後作業(洗面、朝食、作業確認等)
3
タイムライン上の略語
PRE INSTAL
PRE SLEEP
PREP
PREP TRAY
PREP Z1 TO LAB UMB
名称
pre install
Pre sleep
Preparation
Z1 Tray preoaration
Preparation Z1 to U.S.Lab umbilical
実施する作業
PMA-3の取付け前作業
睡眠前作業(夕食、地上との交信、自由時間等)
準備
Z1トラスのトレイ展開後の(以後の組立フライトに備えた)作業
Z1トラスと米国実験棟(デスティニー)間の配線接続の準備
R GROUND SITES
RAD STOW
RBAR
RELOCATE Z1 KEEL PIN
Russian ground sites
Radiator stow
Radius Vector
Relocate Z1 keel pin
RMS(Remote Manipulator System) ACBM(Active Common
Berthing Mechanism) inspection
RMS check out
RMS heater
RMS initialization
RMS photo documentation
RMS payload-bay survey
RMS power down
ロシアの地上局
シャトルのラジエターパネル収納
半径方向のベクトルを意味するランデブー方式の実施
Z1トラスのキール・ピンの移設
RMS(遠隔マニピュレータシステム)カメラを使用してのACBM(共通結合機構のアクティブ側)
の点検
RMS(遠隔マニピュレータシステム)の点検
RMSヒーターの投入
RMSの初期化
RMSを使用してのISSの撮影
RMSカメラを使用してのカーゴベイ内の外観点検
RMSの停止
RMSの起動
RMSの先端にEVAクルーの足場を固定していたのを、もう1人のEVAクルーと交代させ
ランデブー
RPCM(リモート電力制御モジュール)関連作業
エアロック内の再圧
RTAS(ロケットダイン社のトラス結合システム)の把持部の動作確認
RUS GSTD(REGUL)
RMS power up
RMS swap
Rendezvous
RPCM(Remote Power Controller Module)
Repress
RTAS(Rocketdyne Truss Attachment System) claw cycle
RTAS(Rocketdyne Truss Attachment System) Lunch Lock
Release
Russian GSTD? (REGUL)
SAA
SAFER C/O
South Atlantic Anomaly
SAFER(Simplified Aid For EVA Rescue) check out
SA FTHR
Solar array feathering
SASA RELOCATE
SGANT BOOM DPLY
SGANT DISH INSTALL
SLEEP
SM FREE
SUN TRACK
SASA(S-band Antenna Structural Assembly) relocation
SGANT(Space-to-Ground Antenna) boom deploy
SGANT dish installation
Sleep
SM(Service Module) free
Sun track
RMS ACBM INSPECT
RMS C/O
RMS HTR
RMS INIT
RMS PHOTOS
RMS PLB SURVEY
RMS PWRDN
RMS PWRUP
RMS SWAP
RNDZ
RPCM
RPRS
RTAS CLAW CYCLE
RTAS LL RELEASE
RTAS(ロケットダイン社のトラス結合システム)のロンチロックの解放
ロシア地上局(Regulはテレメトリ、コマンド中継のための通信システム)
南大西洋異常域
SAFER(EVA時のセルフレスキュー用推進装置)の点検
(ドッキング前に行われる)太陽電池パドルの角度変更(太陽電池へ汚染ガスが付着するのを
抑えるために実施)
Z1トラス上のSバンドアンテナの取付場所変更(移設)
Z1トラスのKuバンドアンテナブーム展開
Z1トラスのKuバンドアンテナ反射鏡をブームに固定する
睡眠
サービスモジュールの慣性飛行(スラスタ使用禁止状態)
太陽追尾
4
タイムライン上の略語
名称
SWIS
SWIS(Shuttle-based Wireless Instrumentation System)
SWIS ACT
SWIS activation
実施する作業
SWIS(シャトルカーゴベイ内のワイヤレスデータ取得装置)運用
SWISの起動
TDRS E
TDRS W
Ti
TIG
TRANSFER OPS
Tracking & Data Relay Satellite East
Tracking & Data Relay Satellite West
Terminal phase initiation
Time of ignition
Transfer operations
追跡・データ中継衛星(アメリカの東側をカバー)
追跡・データ中継衛星(アメリカの西側をカバー)
(ランデブーの)最終フェーズ開始(のための軌道制御)
軌道変更の噴射を実施する時間
ISSとシャトルとの間での物資の移送作業
UNBRTH
UNDOCK
UNDOCK TAGUP
UNGPL
Unbearthing
Undocking
Undock tag up
Ungrapple
分離
ドッキング解除
ドッキング解除の準備確認のための打ち合わせ
RMSによる把持の解除
VTR S/U
VTR PLYBK
VTR PLYBK(RMS)
VTR Set Up
VTR playback
VTR playback(RMS)
VTR装置の準備
VTRのプレイバック
VTRのプレイバック(RMSカメラの映像再生)
WARM
Warm
ISSの保温のためのヒーター運用
XFER OPS
Transfer operations
ISSとシャトルとの間での物資の移送作業
Z1 FRGF
Z1 GRAPL
Z1 INSTL
Z1 TRAY DEPLOY
Z1 UMB CONNET
Z1 UNBRTH
Z1 Truss FRGF(Flight Releasable Grapple Fixture)
Z1 Truss grapple
Z1 Truss install
Z1 Tray deploy
Z1 umbilical connect
Z1 Truss unberthing
Z1トラスのFRGF(グラップルフィクスチャ)の移設作業
(RMSでの)Z1トラスの把持
ユニティモジュールへのZ1トラスの取付け
Z1トレイの展開
Z1トレイのアンビリカル(配線)接続
Z1トラスのシャトルカーゴベイ内からの取り外し
5
<F改訂>
付録 3
ISS 組立シーケンス図
本資料は、ISS の組立シーケンスを NASA が作成した最新の図面を基に紹
介するものです。
注:7A, UF-1 フライトまでは、最新の ISS 組立シーケンス Rev.F(2000 年
9 月発表)とほぼ同様の Rev.E, DCN-4(2000 年 5 月版)を使用していますが、
それ以降の図面は、まだ NASA が未発表であるため、1999 年 6 月に発表さ
れた Rev.E の時点の図を使用しています。このため、8A フライト以降は参
考情報として扱って下さい。
ISS 組立シーケンス Rev.F については、参考-19 ページを参照して下さい。
付録 3−1
ザ ーリャ(FGB)
(1A/Rフライ ト)
OTD(アメリカ の ク レーン)
付録3−2
ユニティ(
NODE1)
(2Aフライ ト)
PMA-1
Strelaク レーン
(ロシア:2A.1で は 台座の み運搬)
PMA-2
<F
F改訂>
改訂
図1.7-1 2A.1終了後 (1999年6月)
ザ ーリャ(FGB)
(1A/Rフライ ト)
Strelaク レーン(ロシア:2A.1+2A.2aで 運搬)
付録3−3
OTD(アメリカ の ク レーン:2A.1で 運搬)
ユニティ(
NODE1)
(2Aフライ ト)
PMA-1
PMA-2
ECOMMアンテナ
<F
F改訂>
改訂
図1.7-2 2A.2a終了後 (2000年6月)
ズ ヴェ ズ ダ (サ ービス モジ ュール)
付録3−4
<F
F改訂>
改訂
図1.7-3 1R (2000年7月末)
プログ レス M1(1P)
付録3−5
<F
F改訂>
改訂
図1.7-4 1P (2000年8月9日)
付録3−6
プログ レス M1(2P)
(2000年9月→11月中旬へ 打ち 上げ は 延期され た )
<F
F改訂>
改訂
図1.7-5 2P
付録3−7
Z1トラス
PMA-3
2P(プ
ログ
レス補給船)
注:打上げ は 11月へ 延期さ れ た
た め 、3Aフライ ト時に は 無い 。
<F
F改訂>
改訂
図1.7-6 3Aフライ ト終了後 (2000年10月)
ソ ユーズ TM (2R)
付録3−8
<F
F改訂>
改訂
図1.7-7 2R(ク ルー常駐開始) (2000年11月)
ソ ユーズ TM宇宙船
(2Rで ドッキ ング )
Sバンドアンテナ
(Z1トラス か らの 移設場所)
ズ ヴェ ズ ダ
(サービ
スモジ
ュール)
P6トラス (4Aフライトで 取り 付け )
(太陽電池パドル展開前)
Z1トラスとP6トラス
の結合部
ザ
ーリャ
付録3−9
Z1トラス
PMA-3
ユニティ
太陽電池パドル
展開後
ODS(ト
゙
ッキング
システム/エアロック)
飛行方向
地球方向
<F
F改訂>
改訂
図1.7-8 4Aフライ ト(2000年12月)
付録3−10
<F
F改訂>
改訂
図1.7-9 4Aフライ ト後 (2000年12月)
MBM(手動結合機構)
PMA-2
PMA-2の 移動
(ユニティ→MBM)
MBMへ 仮置き す る
PMA-3
付録3−11
5Aフライト組立開始
米国実験棟デ
スティ
ニー
の 取り 付け
PMA-2の 移動
スティ
ニー)
(MBM→デ
図1.7-10
5Aフライ トで の ISSコ ンフィギ ュレーシ ョンの 変化 (2001年1月)
<F
F改訂>
改訂
5Aフライト終了後
付録3−12
初期ラジ エ ータ
(EETCS) 2枚展開
<F
F改訂>
改訂
図1.7-11 5Aフライ ト終了後 (2001年1月)
付録3−13
ズ ヴェ ズ ダ の 後方か ら移動
(4Pの ドッキ ング に 備え る た め )
<F
F改訂>
改訂
図1.7-12 5Aと4Pの 間(ソ ユーズ (2R)の 移動) (2001年1月末)
プログ レス 補給船(4P)
付録3−14
DC1(Docking Compartment 1)
<F
F改訂>
改訂
図1.7-13 4R (2001年2月→Rev.Fで 3月へ 延期)
付録3−15
MPLM用の 空き
CBMを確保す る た
め 、PMA-3を移動。
MPLM(多目的補給モジ ュール)
MPLM(多目的補給モジ ュール)
<F
F改訂>
改訂
図1.7-14 5A.1 (2001年2月)
帰還時は シ ャトルで 回収
プログ レス 補給船
(4P分離後に 5Pが ドッキ ング )
付録3−16
ソ ユーズ TM宇宙船
<F
F改訂>
改訂
図1.7-15 5P(5A.1終了後) (2001年4月)
SLP(
SSRMSの 輸送用キャリア、
帰還時に 回収)
付録3−17
SSRMS
多目的補給モジ ュール)
MPLM(
(シ ャトル帰還時に は 持ち 帰る )
UHFアンテナ
<F
F改訂>
改訂
図1.7-16 6A (2001年4月)
付録3−18
LCA(Lab Cradle Assmbly)
S0トラス の 取り 付け 部。 5A.1で 取り 付け 。
<F
F改訂>
改訂
図1.7-17 6A終了後 (2001年4月末)
付録3−19
ソ ユーズ TM宇宙船(2S)
ソ ユーズ TM宇宙船(2R(1S))
2Sドッキ ング 後、約1週間で 分離す る 。
<F
F改訂>
改訂
図1.7-18 2Sフライ ト (2001年4月末)
付録3−20
エ アロック
エ アロック 外周に 設置す る
高圧ガ ス タ ンク (酸素、窒素)
<F
F改訂>
改訂
図1.7-19 7Aフライ ト (2001年5月)
付録3−21
<F
F改訂>
改訂
図1.7-20 7A終了(フェ ーズ II完了) (2001年5月)
S0トラス
付録3−22
<F
F改訂>
改訂
図1.7-21 8Aフライ ト (2001年10月頃→Rev.F で は 2002年1月へ 延期)
ERA(ESAが ロシ ア用に 開発し た RMS)
SPP(科学電力プラットフォ ーム)
P3/P4トラス
(12Aフライ トで 打上げ )
9A.1で 打上げ
こ の 後ろ に P6トラス
を移動す る 。
移動準備お よび バ
ランス 確保の た め
に 片翼を収納し た
状態の P6トラス
付録3−23
P1トラス
ラジ エ ータ (ETCS) 12Aで 部分展開
(11Aフライ トで 打上げ )
S1トラス (9Aフライ トで 打上げ )
<F
F改訂>
改訂
図1.7-22 12A.1フライ ト (2002年10月頃→Rev.F で は 2003年2月へ 延期)
移動後の P6トラス
UDM(Universal Docking Module)
(3Rで 打上げ )
付録3−24
ノード2
S3/S4トラス (13Aで 打上げ )
<F
F改訂>
改訂
図1.7-23 10Aフライ ト (2003年2月頃→Rev.F で は 2003年11月へ 延期)
付録3−25
き ぼ う船内保管室
(ELM-PS)
(ノード2上へ の 仮置き 状態)
米国推進モジ ュール(USPM)
(現在、設計を見直し 中で 、形状も 変わ り ました )
(Rev.Fで は 打ち 上げ は 1J以降と な っ て い ます )
<F
F改訂>
改訂
図1.7-24 1J/Aフライ ト終了後(2004年2月)
付録3−26
き ぼ う船内
保管室
き ぼ う実験室
<F
F改訂>
改訂
図1.7-25 1Jフライ ト後(2004年5月)
完全に 展開さ れ た 状態の ETCSラジ エ ータ
付録3−27
船外実験プラットフォ ーム(EF)
及び 船外パレット(ELM-ES)
曝露ペイ ロード(Express Palletで 輸送)
(UF-3,4で 輸送)
<F
F改訂>
改訂
図1.7-26 2J/Aフライ ト(2005年1月)
付録3−28
CAM(セ ントリフュージ ・
モジ ュール)
COF(ESAの コ ロンバス 実験モジ ュール)
(1Eで 打上げ )
CRV(ク ルー帰還船)
18Aで 打上げ
S6トラス (15Aで 打上げ )
(Rev.Fで は 、最終フライ トの 2006年4月へ 延期さ れ て い ます )
<F
F改訂>
改訂
図1.7-27 UF-7(CAM)
サ ービス モジ ュールの デブリ・
ウ イ ング
(14Aで 打ち 上げ )
付録3−29
U.S.Hab
(米国居住モジ
ュール)
ノード3(20Aで 打上げ )
(Rev.Fで は 16Aは 、2005年9月に 。組立完了は 2006年4月へ 変更)
<F
F改訂>
改訂
図1.7-28 16A(組立完了)
宇宙開発事業団
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2000.07.28