アメリカ(PDF) - 大阪大学グローバルコラボレーションセンター

2011/4/27
経済学・エコノミストは
国際機関に必要とされているのか?
アメリカ試行プログラム
2011年3月7日(月)~3月11日(木)
日
3月7日(月)
時間
9:15
訪問先
13:15-14:15
国連本部
UNDP
15:00-16:00
10:30-11:45
13:00-14:30
3月8日(火)
15:00
UNA-USA
Ms. Amy E. Ruggiero
(米国国連協会)
国連事務局会議管理局 中野健司事務局次長
Mr. Stephen Jackson
国連政務局(DPA)
日本政府国連代表部
角大使, 金森一等書記官
UNICEF
Ms. Naomi Ichikawa, Ms. Dhwani Patel ,
Mayuko Murasawa)
UNICEF村沢氏他
15:00
国連広報局(DPI)
赤阪清隆広報局長
19:00
国連フォーラム
幹事学生他と意見交換
NY発
東日本大震災発生のため成田から中部空港
に緊急振替え着陸
3月10日(木)
3月11日(金)
行動
16:30-19:30
10:00 - 12:00
12:00-13:00
3月9日(水)
• 今勉強している経済理論と実際に問題になっていることの乖離。
• 経済理論を勉強することに意味があるの?
問題意識 • 国際機関におけるエコノミストの仕事って?
NY着
見学ツアー参加
Mr. Shantanu Mukherjee
15:25
1
国際機関におけるエコノミストの役割
問題の特定・評価手法の開発
・限界費用逓増。
初期は少しの投資で大きな改善が認められるが、
後半になればなるほど、改善に多くの費用がかかる。
・達成度の数値化→問題の特定。
例 MDGs Acceleration Framework (後述)
・トレードオフ、費用便益分析。
例 共有地の悲劇
財政運営のアドバイス
• 理論としての経済学は多くの政策論議の場で用いられている。
• シンプルかつ明快な経済学のアイデアが利用される。
• 経済学はさまざまな分野で必要とされる学問である。
(※1) UNDPに関してはhttp://www.undp.or.jp/aboutundp/を参照。
(※2) MDGsに関してはhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.htmlを参照。
・実証分析やシュミレーションなどは
政策の数値的裏付けとして役にたっている。
例 エンゲル係数
3
2
国際機関におけるエコノミストのキャリア
・シンクタンク
・大学機関
・政府機関
リサーチ専門
理論的見地から政策に裏付け
・MDGsを達成するための財政運営
・政策ターゲット・制度設計を決める上で重要。
・どう費用を捻出するのか
例 生涯賃金仮説
ODA?自己資金?円借款?
家計の貯蓄・投資決定のメカニズム
例 オランダ病
→投資としての教育に関して政策的含蓄
天然資源の輸出によって為替レートが
→政策のターゲティングも変わってくる。
上昇し、国内産業が廃れてしまう経済現象。 (貧困層と富裕層で政策に対する感度が違う。
(※)経済学用語についてはwikipedia等でご確認ください。
結論
• 国連開発計画(UNDP)(※1) 開発政策局
MDGサポートチーム 貧困グループ 政策アドバイザー(ミクロ経済学)
シャンタヌ ムカージェー氏 (エコノミスト) とのディスカッション。
• ミレニアム開発指標(MDGs)(※2) に関する現状と課題。(資料4, 5)
• 質疑応答
• エコノミスト以外の職員(ユニセフ、国連政務局、国連日本代表部など)
エコノミストの役割についてヒアリング。
STEP3
STEP2
STEP1
インターン
政策アドバイザー
リサーチャー
・ 国レベルの仕事をいくつかこなした
あとに、国際機関ではこちらのレベル
に移るように促される。
統計専門官
・ 外部機関から入ることもある。
・若いエコノミストにはとてもいい経験
・まず国際機関には入る時点で激しい競争がある。
・インターンシップに参加していると有利に働くことがある。
キャリアはリニア(直線的)ではない。
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国連開発計画(UNDP)
ミレニアム開発目標(MDGs)
(※2)
資料:達成状況
(※1)
の現状と課題
• MDGsの達成は、直線的でなく、かつ単調ではない。
• MDGsの達成は、国・地域によって差がある。
• 先の経済危機によって、達成度が鈍化している。
FACT
• 限られた資源の中で効率的に資源を分配し、
MDGsを全世界的に達成する必要がある。
POINT
MDGs Acceleration Framework
鈍化の原因を分析し、優先順位をつけ、行動する手法
FUTURE
• 2015年度のMDGsの達成。(次資料参照)
• 多くの教訓を得て、次に活かす必要性。(PostMDGs?)
(※1) UNDPに関してはhttp://www.undp.or.jp/aboutundp/を参照。
(※2) MDGsに関してはhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.htmlを参照。
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5
米国国連協会(UNA‐USA)
「第三者」的視点から見た国連
訪問目的:市民社会の視点から、米国と国連
の関係性を考察するため
●米国国連協会は、
● 米国国連協会
(United Nations Association of the United States of America)
は市民社会の視点から、
使命 ――国連財団(※1) の一部門で、米国国民に対し、
国連およびその活動を広報する組織である。
活動 ――啓発的な教育プログラム(模擬国連や
グローバル・クラスルーム(※2))を実施している。
● 国連日本政府代表部(角大使)は
日本政府の外交官の視点から、
(※1) 国連財団(United Nations Foundation)は、国連と他の世界中の組織を結ぶ仲介機関として機能し、
国連の活動を手助けすることを目的としている。http://www.unfoundation.org/about‐unf/を参照。
(※2) グローバル・クラスルームは、地理や世界史の授業の一環として、世界の諸問題について考える
プログラムであり、初等・中等教育に焦点が当てられている。多文化理解が一義的目的であるが、
能力開発としての性格もあり、コミュニケーション能力や批判的思考力を磨くなどの目的も兼ね備
えている。
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成果
国連日本政府代表部(角大使)
米国国民の国連に対する評価は高まってきている(※3)。
(オバマ政権に変わったことも一つの要因)
訪問目的:外交官の視点から、日本政府の国連
政策のあり方を考察するため
課題 ――米国国民の国連の活動に対する認知が、
依然として十分ではないという問題に直面している。
●国連とは?
――大国の行動に正当性を与えるための機関である。
米国国民の国連に関する情報不足という現実!
(※3) 2010年末におこなわれた超党派の調査で、米国国民の60~65パーセントが国連を支持している
という結果が出た。この数字は10年前の調査時よりもずっと向上していた。
●大国とは?
①世界で最高水準の国内総生産
②世界で最高水準の軍事力
③全体的に豊かな国民社会、を保持する国家である。
●冷戦終結以降、中国やインドといった新興国が台頭してきた。
国際社会は構造的に変化してきている!(不均衡化)
中国やインドは大国の本来の三条件を満たしていない。
中国は新興国と大国の立場を巧みに使い分けている(※1)。
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(※1) 中国は世界第二位の経済大国だが、気候変動枠組み条約では新興国としての立場を採る。
国連事務局 政務局(DPA)の使命とは
~紛争の予防・解決、紛争後の平和構築~
●日本はいかにして国際社会と向き合うべきか?
※日本の特徴は、他の大国と比較して、軍事費をほとんど
かけずに経済発展してきたこと。
事務総長
へ政治的
アドバイス
①緊密な日米関係を維持することが重要である。
有事の際には、米国が大きな犠牲を払ってきた!
②ODA(政府開発援助)を安易に削減すべきではない。
世界の安定は日本の国益にかなう!
国連憲章
99条の
具現化
③「人間の安全保障」というイメージを推進すべきである。
強いイメージを持つ国家は、強い影響力を持つ!
日本は、国際社会の一構成員であることを自覚し、
応分の責任を負担するとともに、必要なだけの貢献
をおこなわなければならない!
●日本人の国際社会に対する意識を高めるためにも、
米国国連協会がおこなっている啓発的教育活動が
日本でも参考になるのではないか。
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紛争予防
紛争解決
11
• 事務総長声明の
原稿執筆
• 特使派遣
• 将来起こりうる
問題の予測と対
処(水問題etc.)
• 選挙実施への
アドバイス
• 国家や地域ごと
の政策提言
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収穫
国連憲章 99条
1.特使派遣
“The Secretary‐General may bring to the attention of the Security Council any matter which in his opinion may threaten the maintenance of international peace and security. ”
〔平和維持に関する任務〕
「事務総長は、国際の平和及び安全の維持を脅
かすと認める事項について、安全保障理事会の
注意を促すことができる。」
(元ナイジェリア大統領・オバサンジョ氏の例)
・2008年ルワンダとコンゴ民主共和国が対立、緊張関係
・DPAは両国の会談を設けて特使に仲介を要請
⇒和解にこぎつける。
ポイント:キーパーソンによる仲介+迅速さ
2.平和構築はtool(選挙etc.)ではなくmoment(長い時間)
・平和構築には長い時間がかかるという認識が必要
⇔その間、誰が資金を工面してくれるのか?
・理想と現実のギャップ
3.“We don’t have a single model.”
・誰も平和構築の答えを知らない。
・主導権は当事国にある、国連はサポートに徹する。
・国家、地域ごとの政策提言・実施が必要
→とても難しいことだが、やりがいのある仕事
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UNICEF(国連児童基金)とは?
全ての子どもたちの権利が守られる世界を
実現するために活動する組織
教育分野で働く人たちは
どんなキャリアパスを
経てきたのか?
【変遷】
【活動分野】
「子どものための機関として」
1946~59年
「開発の10年」
1960~79年
1.
2.
3.
4.
5.
「子どもの“生存”のために」
1980~89年
6.
十分なケアを幼児に
全ての子どもに教育を
エイズと闘う
子どもの保護
子どもにふさわしい
世界を目指して
緊急支援
「“子どもの権利”の実現を」
1990~99年
「子どもたちとミレニアム開発目標」
2000年~
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国連児童基金(UNICEF)とは?
● UNICEFの主な活動分野
● UNICEFの成り立ち
1.十分なケアを乳児に
【予防接種】【栄養】【水と衛生】
1946年12月11日、国連は、第二次世界大戦後の子どもたちへの
人道支援のため、「国際連合国際児童緊急基金」(United Nations
International Children’s Emergency Fund)を設立した。これがUNICEF
である。ちなみにUNICEFの名称は、1953年に現在の「国連児童基金」
(United Nations Children’s Fund)に改名された(略称はUNICEFのまま)。
2. 全ての子どもに教育を
【ジェンダーの平等】【緊急支援時の教育】【健全な発達のためのスポーツ】
3. エイズと闘う
【エイズ対策】
4. 子どもの保護
● UNICEFの活動
これまでUNICEFは、緊急支援をいきわたらせながら、その活動の幅
を開発途上国全体に広げてきた。現在UNICEFは、その国際的権威を
背景に、世界各国・地域の政治的に重要な立場にある人々に子ども
を取り巻く問題の改善のための政策を促し、草の根レベルで活動する
様々な方々と協力し、子どもたちの権利を守るための新たなアイディ
アを具体化している。こうした点においてUNICEFは、他の国際的な組
織、特に子どもたちの問題に取り組む組織には無い、重要な役割を
担っている。
UNICEF(NY本部)でのセッション
【目的】
実際に正規職員として働いている方とインターン経験者から…
 キャリアの積み方、キャリア選択において心がけるべきこと
 国連機関でインターンをするための準備や心構え
を聞くこと
【インタビュイー】
 市川奈緒美さん :緊急計画局所属
 村沢繭子さん :インターン(人事課)  Ms. Dhwani Patel:インターン(JPO Unit)修了
【当日の流れ】
 市川さんの人生のスローガンとライフヒストリー
から見るキャリア選択のポイント
 村沢さん・ Ms. Dhwaniからインターンの経験談とアドバイス
【出生登録】【児童労働】【女性器切除(FGM/C)】
5. 子どもにふさわしい世界を目指して
【政策提言(アドボカシー)】【子どもの参加(パートナーシップ構築)】
6. 緊急支援
現在受付中の緊急・復興募金…
【東日本大震災】【中東・北アフリカ】【ハイチ地震復興支援】
【パキスタン緊急】等々
UNICEF日本協会
(http://www.unicef.or.jp/index.html)
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市川さんのライフヒストリー
スローガン
『Challenge』=『挑』
全体像
【最も挑戦した時代】
高校生~大学生~就職(日本とフランス)
【自分と向き合った時代】
米国大学院~インターン~JPO~二度目の就職と転職
【人生のバランスを再考した時代】
バングラデシュ生活~ニューヨーク生活
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市川さんのライフヒストリー①
【最も挑戦した時代】
すべての選択が“挑戦”だった
【自分と向き合った時代】
【人生のバランスを
再考した時代】
 米国の高校に留学
→言語・価値観の違いや多文化
主義に触れる
 日本の大学(比較文化)進学
 日本旅行代理店に就職
→新人研修と職務訓練(取引先へ
の接し方・対人関係の築き方)
を経験
 フランスのソフトウェア会社に
転職(3年間勤務)
→JPO制度での第二外国語習得
のため
市川さんのライフヒストリー③
【挑戦した時代】
市川さんのライフヒストリー②
【挑戦した時代】
【自分と向き合った時代】
 米国の大学院(行政学専攻)入学
 DPKO(平和維持活動局)インターン
徹底的な自己分析で
徹底的に自分と向き合った
 JPO(人事分野)申請⇒不合格
 日本で派遣社員として勤務
 アジア開発銀行研究所に勤務
【人生のバランスを
再考した時代】
 JPO(能力開発分野)再申請⇒合格
→1年目:UNICEF (Planning Section)
2年目以降:バングラデシュで母子
保健に関する統計調査
市川さんのライフヒストリーから学んだこと
 日本の民間企業での新人研修や職務訓練経験の重要性
→即戦力として見られており、研修はほとんどないため。
【自分と向き合った時代】
 仕事・人材のマネージメント(管理)力の重要性
→専門機関で働く=マネージメントの仕事
→専門知識と同等またはそれ以上のマネジメント力が必要。
【人生のバランスを
再考した時代】
人生の優先順位は
その時々と場所(環境)
によって変化するもの
 生活環境の大きな変化
→バングラデシュでの同僚や現地の
人と親密に過ごしていた生活から
一変したことが“人生の優先順位”
を考え直すキッカケとなった。
 柔軟なキャリア選択と自己分析
→その時に置かれている状況や立場、大事にしたいこと、
自分の気持ちを選択の時ごとに見極めることが大切。
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インターンや正規職員応募に当たる
書類作成における技術的なアドバイス
1.
1.
2.
3.
4.
5.
P‐11形式の履歴書に同じ情報を含めたCVを添付する
‐CVは物語り調にすると良い
‐自身の経験に即して複数のCVを準備しておくことも有効
希望職種の業務内容に記載されているキーワードを必ず
盛り込む
アピールする点は学生団体やアルバイトの経験でも構わ
ない(※ただし学生の応募の場合に限る)
語彙・スペル・文法・時制等のミスがないように留意する
面接で答える内容を複数パターン用意する
必ずしも必要でない情報は書ききれなければ無理やり書こ
うとしない
my learning…  キャリア形成の考え方
大切なこと
①広い視野、②広く張り巡らせた興味関心のアンテナ、③柔
軟性、④長期的視点を持つこと
“優先順位”のつけ方
時と場所に合わせて臨機応変に考えていけばいい
 日本の小学校教員と国連職員の関連を考える必要性
 経験と経験を“組み合わせる”
⇒自分にできることと自分にしかできないこと
アカデミック・インパクトとは?
1.
国連
憲章
10.
文化
交流
高等教育機関(主に大学)と国連を結ぶ取り組み
【設立目的】
•
•
国際的目標達成に向けた国連のアイディア不足への補足
世界各地で取り組まれている研究の効率化
参加機関は…
教育を通じて地球規模の課題に取り組む
•
•
『人権・識字能力・持続可能性・紛争解決』の4分野における普遍的
な10原則を少なくとも1つ支持し、促進すること
経済・社会的発展の決議と行動においてリーダーシップをとること
9.
持続
可能な
開発
2.
人権
大学
大学
大学
8.
貧困
削減
国内外を
問わない
大学間の
ネットワーク
大学
大学
大学
3.
教育
機会
提供
4.
高等
教育
高等教育機関
7.
平和
構築
6.
市民
意識
向上
5.
能力
開発
国連
7
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【普遍的な10原則】
アカデミック・インパクト
アカデミック・インパクトは、以下の10原則を支持し促進させるという
コミットメントによって成り立っている。
【プログラムの枠組み】
① 国連憲章の原則を推進し、実現する。
② 探求、意見、演説の自由を認める。
③ 性別、人権、宗教、民族を問わず、全ての人に教育の機会を提供する。
④ 高等教育に必要とされるスキル、知識を習得する機会を全ての人に提供
する。
⑤ 世界各国の高等教育制度において、能力を育成する。
⑥ 人々の国際市民としての意識を高める。
⑦ 平和、紛争解決を促す。
⑧ 貧困問題に取り組む。
⑨ 持続可能性を推進する。
⑩ 異文化間の対話や相互理解を促進し、不寛容を取り除く。
アカデミック・インパクトは、全ての教育機関、研究機関を対象として展開
されている。このプログラムの枠組みは、以下の通りである。
・ 世界各国の高等教育機関同士の連携、また、教育機関と国連と
の連携を促す。
・ ミレニアム開発目標を始めとする、国連に委託された業務・活動
に、教育機関がコミットできる仕組みを提供する。
・ 国連に委託された業務・活動に関する意見や提案の連絡窓口の
役割を担う。
・ 国連に委託された業務・活動に関するプログラム、プロジェクト、
イニシアチブに対する教育機関の直接的関与を促す。
国連広報局(http://www.unic.or.jp/ai/)より抜粋(最終閲覧日:2011年3月23日)。
29
30
日本国内での実践例
アカデミック・インパクト参加の利点
 九州大学
国内外の大学間におけるネットワークの構築
そのネットワークを活用して…
• 国際社会に対してどんなことに貢献できるかを広く提示する
ことができる
• 国内外の大学から研究に関する助言を享受できる
• 近隣の大学と共同して国際会議を開催しやすくなる
⇒世界中の大学から学生が結集
• 国連の機関、国連機関で働く人も国際会議に参加する可能
性が高まる
 グラミン・クリエイティブ・ラボ(GCL)を設置
 中央大学
 高度な水環境・水処理技術者の育成
 ファカルティ・リンケージ・プログラム(FLP)等での教育プログラムを拡充(2011
年度~)
 早稲田大学
 グローバル・オナーズカレッジ
 関西学院大学
 キャリアフォーラム「国際機関で働く」実施
 国連学生ボランティア,国連人口基金(UNFPA)インターンシップ派遣
 難民を対象とする 推薦入学制度 等々
8
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● 九州大学の取り組み
● 中央大学の取り組み
【グラミン・クリエイティブ・ラボ@九州大学の概要】
九州大学は2007年にグラミン・コミュニケーションズと交流協定を締結し、
その後、バングラデシュでグラミン銀行が行うマイクロクレジットの電子化事
業を行っている。この事業は、九州大学オリジナルのICカードの技術を用い
て、電子通帳、電子通貨、電子カルテなどの多機能型のICカードを日本企業
と共同開発し、グラミン・ファミリーと協力してバングラデシュでその実証事業
を行うというものである。この事業は、大学が持つ科学技術を発展途上国の
ニーズに応じてカスタマイズし、活用していくという好例である。
このような発展途上国のニーズをもとに、九州大学の研究成果のスタマイズと普
及を通して世界貢献を行うだけでなく、次世代の社会の仕組みを考え、担う人材の教
育を進めている。その中核となるのが、グラミン・クリエイティブ・ラボ@九州大学
(GCL@九州大学)である。九州大学は2009年にグラミン・ファミリーと、GCL@九州
大学、グラミン・テクノロジー・ラボ(GTL)設立の覚書を交換し、2010年3月にGCL@
九大が設立された。グラミン・クリエイティブ・ラボ(GCL)とは、ユヌス教授とドイツの
Circ Responsibilityの代表を務めるハンス・ライツ氏により設立されたユヌス教授の
ソーシャル・ビジネスのコンセプトを世界中に広め、その実現を支援する企業である。
【2010年度の取り組み】
持続可能社会のための高度な水環境・水処理技術者の育成
(理工学部・理工学研究科を中心とした取り組み)
「各国の歴史・文化・風土を尊重する国際的な視野を持ち、技術にも行
政にも通じた水環境・水処理技術者」を育成するための教育プログラムを
開始する。そのために、中国・清華大学、韓国・延世大学など、アジアと
世界の持続可能性に必要不可欠な水環境・水処理技術に力を入れてい
る先進的大学と協力し、産業界・行政機関とも連携して教育プログラムを
開発する。また、「水」をキーワードに、国際的な有識者が集まる国際シン
ポジウムを開催し、持続可能社会、環境、開発などについての研究交流、
教育交流を行う。
九州大学グラミン・クリエイティブ・ラボ(http://gcl.kyushu-u.ac.jp/index.html)
(最終閲覧日:2011年3月23日)を参照。
33
【2011年度以降の取り組み】
アカデミック・インパクト・イニシアチブで示された10の課題に、順次取り組
み、国際貢献を積み重ねている。総合政策学部・総合政策研究科を中心とし
たChallengers‘ Programを拡充し、「世界各国の高等教育制度において、能
力を育成する」(原則5)、「教育を通して、人々に地球市民としての意識を高
める」(原則6)、「教育を通して、異文化間の対話や相互理解を促進し、不寛
容を取り除く」(原則10)などに取り組んでいる。
また、中央大学の特徴である、学部間にまたがる教育プログラム(ファカル
ティ・リンケージ・プログラムFLP)などでの教育プログラムを拡充し、「教育を
通じて、平和・紛争解決を促す」(原則7)、「教育を通じて、貧困問題に取り組
む」(原則8)、「教育を通じて、持続可能性を推進する」(原則9)などにも取り
組んでいる。
中央大学(http://www.chuo‐u.ac.jp/chuo‐u/unai/index_j.html)
(最終閲覧日:2011年3月23日)を参照。
34
●早稲田大学の取り組み
【グローバルオナーズカレッジ】
社会に貢献できる未来のリーダーの育成を目指す。
国際化への取り組みの一つとして、「グローバルオナーズカレッジ」を3年
前から世界でトップクラスの大学7校(コロンビア大学、イェール大学、 ハー
ヴァード大学、ワシントン大学、北京大学、高麗大学、シンガポール国立大
学)と共同で開発を進めています。本プログラムは、現代社会が抱える地球
規模 の課題(グローバル・イシュー)について、様々な学問分野から、学際
的に分析し、問題の所在と解決の糸口を探ることに特徴を置いており、通常
の講義授業等より深く論理的・批判的思考力を鍛える。2009年7月27日~8月
21日まで実施された夏季プログラムでは、“Sustainability”(環境と持続可能性)を
テーマに選び、上記7大学及び早稲田大学から、環境、化学、歴史文学、海洋生物
学、経営、国際協力などの分野で世界第一線で活躍する合計8名の教員と、各大学
から厳選された学生計26名が参加し、早稲田キャンパスで2週間、神奈川県の湘南
国際村センターで1週間にわたり研究とディスカッションを行った。海外からの参加学
生たちは、帰国後も引き続き本学のオンラインコースシステムであるCourse N@viを
活用し、相互にリサーチ、ディスカッション、レポート執筆を行い、8月21日に学生達
による研究成果報告書が提出された。
早稲田大学(http://www.waseda.jp/jp/education/approach/case_02.html)
(最終閲覧日:2011年3月23日)を参照。
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● 関西学院大学での取り組み
【キャリアフォーラム「国際機関で働く」】
将来、国際協力、開発援助の分野での活躍を志す人を対象に実施。国連
をはじめとする国際協力機関等で活躍中の方々による講演・パネルディス
カッション、さらに参加者との双方向のワークショップを通じ、国際協力という
仕事の未来像、求められる人材像等を考える。
≪主なプログラム(2010年の例)≫
・ 基調講演 村田俊一・国連開発計画(UNDP)駐日代表
・ パネルディスカッション「国際協力という仕事の将来像 ~国連ミレニアム
開発目標のいまと未来」
パネリスト:村田俊一・UNDP駐日代表、片山信彦・ワールド・ビジョン・ジャ
パン常務理事・事務局長、鈴木規子・国際協力機構(JICA)広報室長、西野
桂子・ジーエルエム・インスティチュート(GLMi)代表理事。
・ 外務省国際機関人事センターによる国際公務員採用システム紹介
・ ワークショップ(機関ごとの説明会)
国連開発計画(UNDP)、国連ボランティア計画(UNV)、外務省国際機関人
事センター、独立行政法人国際協力機構(JICA)、世界銀行(WB)、アジア
開発銀行(ADB)など。(順不同)
【国連学生ボランティア】
“Mastery for Service”の精神につながる数多くの国際社会貢献事業を実
施している。その一つが、国連学生ボランティアである。国連では、正規職
員以外に多くのボランティアが働いているが、この派遣・調整を行う唯一の
機関が国連ボランティア計画(UNV)である。関学は、UNVと提携し、2004 年
度から学生をボランティアとして途上国に派遣している。こうした提携協定を
UNVと結んだ大学は関学がアジアで初めて、世界では3番目である。
≪途上国での情報技術普及をはじめ、教育、環境問題などにも従事する≫
UNVの活動はPKO(国連平和維持活動)をはじめ、農業、教育、医療など
100種類以上にわたる。関学生はこの中で、2000年に始まった国連のミレニ
アム事業のひとつUNITeS(国連情報技術サービス)の活動に参加してきた。
現在関学では、途上国が抱える重要問題に取り組むために、教育、環境、
健康などにもボランティア活動の幅を広げ、学生を国連学生ボランティアとし
て派遣している。
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38
大阪大学の特性を生かした
アカデミック・インパクトへの参加
【国連人口基金(UNFPA)インターンシップ】
2004年、総合政策学部が学部開設10周年記念事業として国連人口基金
(UNFPA)事務局長のトラヤ・アーメド・オベイド氏を招いて講演会を開催した。
この際のオベイド氏の寄附をもとに、UNFPA東京事務所での関学生のイン
ターンシップ実施に関わる経費を用途としたオベイド基金が創設された。
【難民を対象とする推薦入学制度】
関学は、国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所と協定を締結し、「難民
を対象とする推薦入学制度」を日本で初めて設置した。2007年4月より毎年、
難民を正規学生として受け入れている。経済的な事情などで大学に進学す
ることが困難な状況にある難民に対して、高等教育の機会を提供している。
学費は全額免除とするほか、生活費に充てるために奨学金も支給している。
学内では、国際協力に取り組む学生団体などが中心となり、難民問題につ
いて理解を深めるための写真展や映画上映会を開催している。難民学生が
自らの体験について語る講演会を実施するなど、一般の学生にとっても難民
問題をはじめ、国際問題に目を向けるよい機会となっている。
関西学院大学(http://www.kwansei.ac.jp/c_ciec/c_ciec_003682.html
http://www.kwansei.ac.jp/university/university_003693.html)
(最終閲覧日:2011年3月23日)を参照。
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特性のひとつ…
日本最大の総合大学
理
医
経済
(旧帝大で唯一“外国語学部”を設置)
歯
法
知の結集
薬
人間
科学
工
基礎
工学
語学
文
→あらゆる分野の
プロフェッショナルが集結
⇒知の結集を活用した
地球規模の課題の解決に
向けたプロジェクト実施
例:タンザニアでのHIV/AIDS対策プロジェクト
→語学:スワヒリ語専攻/医療:医学・薬学
文化:人科/システム作り:工・基礎工、法
経済効果分析:経済
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2011/4/27
自分に合っているかどうかを判断できる
• 戦力として働かせてもらえる=実践の場
ネットワークをつくることができる
※詳細は配布資料『虎の巻』参照
• 上司に自分をどう売り込むことができるかを極める。
• 関係者のみ知りうる貴重な情報を得ることができる。
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インターン
(NY本部向け/大学院に在籍)
キーワードを盛り込む
履歴書
応募多数の場合キーワード検索にかけられる。
Job descriptionや希望部署をよく調べてキーワードを探す、又はそのまま使う。
言語
スキル
 英語 (フランス語)
文章力
 理由
①スペル・文法ミスは禁物
②職場では文書のやりとり(簡潔+正確)
 文章力を鍛えるには?
まずは日本語で要約の練習
論理性
経験
キャリアプランニング
人生の目標をスロー
ガンで表してみる。
(挑戦、大志・・・など)
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