AXX 糸 状 菌 由 来 β-N-acetylglucosaminidase 阻 害 物 質 p o c h o n i c i n e の 類 縁 体 の 探 索 と 培 養 生 産 性 向 上 の 検 討 ○仁 戸 田 照 彦 1 , 山 田 あさ美 1 ,豊 岡 実 穂 1 ,臼 木 博 一 2,3 ,奥 田 徹 4 ,神 崎 浩 1 ( 1 岡 山 大 院 ・自 然 科 学 , 2 岡 山 生 物 研 , 3 JSPS-PD, 4 玉 川 大 ・学 術 研 ) 【 目 的 】 糸 状 菌 や昆 虫 のキチン分 解 系 において重 要 な酵 素 の 1 つであるβ - N -acetylglucosaminidase (GlcNAcase)を阻 害 する物 質 は,抗 菌 剤 や害 虫 防 除 剤 への応 用 が期 待 されている。我 々は微 生 物 由 来 の GlcNAcase 阻 害 物 質 の探 索 を行 い,糸 状 菌 Pochonia suchlasporia の培 養 物 中 より新 規 ピロリジジンアルカ ロイドである pochonicine を見 いだし,本 化 合 物 が強 力 な GlcNAcase 阻 害 活 性 を 有 することを明 らかにした。 1 ) 今 回 , P. suchlasporia が pochonicine と同 時 に複 数 の pochonicine 類 縁 体 を生 産 することが示 唆 されたことから,それらの探 索 と構 造 の推 測 を試 みた。また,従 来 pochonicine 生 産 に用 いてきた押 し麦 固 体 培 地 に おいては,pochonicine 類 縁 体 の生 産 性 が低 いことから,固 体 培 地 基 材 の検 討 に よる類 縁 体 の生 産 性 向 上 を試 みた。 【 方 法 と 結 果 】 Pochonicine 生 産 菌 である P. suchlasporia の押 し麦 培 地 培 養 物 の MeOH 抽 出 物 を粗 分 画 ・トリメチルシリル化 したのち,GC-MS 分 析 に供 したと ころ,フラグメンテーションパターンから,3種 の pochonicine 類 縁 体 の存 在 が示 唆 された。フラグメントイオンの m/z 値 から,これらの類 縁 体 には,pochonicine の母 骨 格 であるピロリジジン環 に結 合 する水 酸 基 が水 素 原 子 に置 換 された構 造 を有 するものや,逆 に環 上 の水 素 原 子 が水 酸 基 に置 換 された構 造 を有 するものがある と推 測 された。さらに類 縁 体 の培 養 生 産 性 を向 上 させるため,押 し麦 にかわる培 地 基 材 の検 討 を行 った。Pochonicine と同 様 にピロリジジン環 を有 する化 合 物 を 含 有 することが報 告 されているものなど,10 種 類 の植 物 材 料 を培 地 基 材 として固 体 培 地 を調 製 した。これらの固 体 培 地 で P. suchlasporia を培 養 して得 られた培 養 物 の MeOH 抽 出 液 をハスモンヨトウ蛹 GlcNAcase 阻 害 試 験 と GC-MS 分 析 に供 し,GlcNAcase 阻 害 物 質 生 産 性 と pochonicine およびその類 縁 体 生 産 性 を調 べ た。その結 果 ,押 し麦 にオーツヘイ細 断 物 を添 加 した基 材 の固 体 培 地 を用 いたと きに,高 い GlcNAcase 阻 害 物 質 生 産 性 がみられ,従 来 の押 し麦 固 体 培 地 を用 い た と き と 比 較 し て pochonicine 類 縁 体 の 生 産 性 が 向 上 し た 。 1) Bioorg. Med.Chem ., 17 (20), 7248-7253, (2009) Search for the analogs of ß-N-acetylglucosaminidase inhibitor pochonicine produced by a fungal strain and improvement of their culture productivity Teruhiko Nitoda 1 , Asami Yamada 1 , M iho Toyo-oka 1 , Hirokazu Usuki 2 , 3 , Toru Okuda 4 , Hiroshi Kanzaki 1 ( 1 The Graduate School of Natural Science and Technology, Okayama University, 2 RIBS Okayama, 3 JSPS-PD, 4 Tamagawa University Research Institute)
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