環境を活用するための基礎知識習得と LAN 設定を目指した研修

資料:北海道教育大学の提供による研修用教材
LAN 環境を活用するための基礎知識習得と
設定を目指した研修
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LAN 環境を活用するための基礎知識習得と設定を目指した研修
この研修では,校内 LAN 環境を活用するために必要な基礎知識を学び,その上で,実
際にコンピュータを校内 LAN に接続する方法を知ることを目的とします。ここでの,研
修内容は全教員が理解する必要はありませんが,校内 LAN 環境をより活用するためにも
各学校内に 1 名はいくつかの知識をもった先生がいた方が好ましいであろうということで
研修例に加えたものです。
内容は,校内 LAN 環境を知ること,実際にコンピュータを校内 LAN に接続する作業を
すること,基本ソフト(WindowsXP を例として)におけるネットワーク関連の設定をおこな
うことで構成されています。
① 学校における LAN 環境を知る。
本プロジェクトのはじめにの部分に述べているように,情報教育充実のための一つの柱
はコンピュータを使ったネットワークの活用といえます。このプロジェクト報告でこれま
で提案してきた研修も,校内 LAN を使った「インターネット」や「機器や情報の共有
化」の活用を目的として作成しているともいえます。
では,学校における典型的な LAN の様子というのはどのようなものでしょうか。以下
の図はしばしば見受ける校内 LAN の状況です。
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この例では,校内 LAN の構成要素であるコンピュータ室,職員室のネットワークはハ
ブ(集約器)を用いたケーブル接続で構築されています。このようなハブを介した接続で
小規模な LAN を構成することことが現時点での主流といえます。これは,今後ケーブル
利用から無線利用へと変化していくことも考えられます。
今回の研修では,このような接続について学びます。
物理的に,コンピュータを校内 LAN に接続しても,それを LAN に参加させるためのい
くつかの設定項目をコンピュータに指定しなくてはなりません。指定する項目は,大きく
分けて
・
校内 LAN 資源を利用するために必要な項目
・
インターネットを利用するために必要な項目
があります。現在では,Windows, Macintosh, UNIX などの各種基本ソフトのいずれも,
TCP/IP という技術を使って上記 2 つの項目を設定することが通常となっていますので,本
研修においても TCP/IP のみを扱うことにします。
○ 校内 LAN 資源を利用するために必要なこと
職員室を例に取ります。職員室のいくつかのコンピュータがハブを介してお互いに接続
されていると,ファイルの共有やプリンタの共有などができるようになります。このよう
な利用ができるために必要となることを項目として列挙します。
・
コンピュータのホスト名
・
コンピュータの IP アドレス
・
IP アドレスのネットマスク
コンピュータがネットワークに接続する目的の一つは,ネットワーク上の他のコンピュ
ータとつながってファイル共有などを利用することにあります。そのためには,各コンピ
ュータを識別するための名前が必要になります。それが,ホスト名であり,IP アドレスで
す。ホスト名は,利用者からみた識別のための名前であり,IP アドレスはコンピュータ同
士で使われる識別のための名前といえます。通常は,この 2 つの「名前」をコンピュータ
に設定します。この名前は,学校内の他のコンピュータに使っている「名前」とは異なる
名前にします。最後の IP アドレスのネットマスクとは,今回前提としています TCP/IP 技
術での必要な一項目と考えておきましょう。
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ホスト名は,アルファベットを使ったほうが安心のようです。いくつかの基本ソフトでは
日本語を用いることができるようですが,将来インターネットにコンピュータを接続した
りする際には,日本語でホスト名をつけていることで思いもよらない不具合に巻き込まれ
ることがありえます。
IP アドレスは,192.168.1.1 というように 4 つの数字をピリオドで区切って記述します。
各数字は,0 から 255 までしか使うことができません。そのほか,いくつか利用できない
数値がありますので,各学校の校内 LAN を管理している個人または組織に問い合わせた
方がいいでしょう。
○ インターネットを利用するために必要なこと
ここまでの,設定だけでは校内 LAN の利用までしかできません。インターネットなど
学校の外部のネットワーク利用をおこなうために必要となる項目を列挙します。
・
デフォルトゲートウェイ
・
DNS サーバ
・
プロキシサーバ
デフォルトゲートウェイは,職員室 LAN などの小規模なネットワークを外部のネット
ワークに接続するための「出入り口」にあたる場所で,その場所を IP アドレスで記述しま
す。デフォルトゲートウェイの IP アドレスは,各学校の校内 LAN を管理している個人ま
たは組織に問い合わせてください。
DNS サーバは,校内 LAN 以外のホスト名と IP アドレスの対応を提供するサービスのた
めのサーバです。これも,IP アドレスで指定します。DNS サーバは,複数指定することも
できます。また,WWW の利用だけにコンピュータのネットワーク利用を限定していると
きなどは,後述するプロキシサーバを指定することで DNS サーバの指定をコンピュータ
にしないような場合もあります。DNS サーバの IP アドレスは,各学校の校内 LAN を管
理している個人または組織に問い合わせてください。
ネットワークに接続しているコンピュータでの利用が WWW の閲覧だけというように限
定されているときには,プロキシサーバを指定しなくてはならないことがあります。プロ
キシサーバの主な役割は,
(ア) 外部へ接続するときに,LAN の代表として接続することによって,内部のホスト名
などの情報を外部にださないことや,ファイアウォール環境下で WWW の閲覧を可能にす
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る。
(イ) いったん接続し,入手したページの情報などをしばらくの間蓄えておき,再利用を高
速にする。
などがあります。従って,多くの校内 LAN 構築の中でプロキシサーバを利用することが
見受けられます。プロキシサーバは,基本ソフトではなく,閲覧ソフトのブラウザに設定
場所があります。指定方法は,IP アドレスかホスト名を用います。プロキシサーバの名前
は,各学校の校内 LAN を管理している個人または組織に問い合わせてください。
○ 各種設定を自動化するシステムDHCP
上記で述べた設定を各利用者に課すことは大変であり,ネットワーク環境が変化したと
きに再度設定しなおさなくてはならないという課題があります。そこで,プロキシサーバ
の指定以外の基本ソフトで設定するほとんどの項目を自動的におこなうシステムが作られ
ています。それは,DHCPサーバによる自動配布とよばれています。
ほとんどの基本ソフトでは,このDHCPサーバによる設定の自動取得をおこなうことが
できますので,校内 LAN 環境でDHCPサーバが稼動している場合は,個々人が上記の
設定をおこなうのではなく,「自動取得」する設定だけをおこないます。
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② ケーブルを使って実際にコンピュータを接続する。
ケーブルを使ってコンピュータを校内 LAN に接続するための接続の形と必要な機器
(コンピュータ,ネットワークインターフェースカード,ケーブル,バブ)などの実際の
配置の状況を見てゆきましょう。
○スター型接続
実際にケーブルを使ってコンピュータを LAN に形を接続する場合,いくつかの方法が
ありますが,現在の小規模なネットワークで主流となっている方法がスター型と呼ばれる
接続方法です。スター型はハブ(集約器)を中央において,このハブから各コンピュータ
へ,ツイストペアケーブル(より線対)で接続し,コンピュータ同士をつないでゆきます。
さらに,ハブ同士を接続することによって多くのコンピュータをつなげることができます。
このように,スター型の接続は拡張を容易に行うことができます。
スター接続の模式図
ハブ同士を接続して拡張した図
○コンピュータとケーブルの接続
コンピュータは,本体とケーブルとの橋渡しをする部分,ネットワークインターフェー
スを介してネットワークケーブルと接続されます。現在,インターフェースはイーサネッ
トという世界標準の規格で決められています。このように規格化されているため,コンピ
ュータやインターフェースカードの製造元や種類に関係なく同等にネットーワークを利用
することができます。最近のコンピュータはネットワークインターフェースが組み込まれ
ているものが多くなってきています。デスクトップ型のコンピュータではこのケーブルの
差込口はコンピュータの後ろ(例1)にあります。ノートパソコンの場合は本体の横に差
込口があります。
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ネットワークインターフェースが装備されていない場合はネットワークインターフェース
のボードを入手し,コンピュータ本体に組み込む必要があります。ノート型のコンピュー
タの場合はPCカードを利用(例2)してイーサネットケーブルの接続をする場合もあり
ます。
例1
デスクトップコンピュータの接続
例2
ノート型コンピュータの接続
○ケーブルとケーブルの間にはハブ
各コンピュータから出たケーブルは,スター型の接続において,ハブという集約器に接
続されます。ハブは,ポートと呼ばれているケーブルを接続する口が複数あります。この
ポートにケーブルを挿すことによって,コンピュータをつなげることができます。
例3
ハブに接続されたケーブル
ハブはコンピュータと接続できるだけではなく,ハブ同士もつなげることができます。
こうすることによって,それぞれのハブにつながっているコンピュータ同士もつながり,
より多くの接続(①での校内 LAN の状況の図)が可能になります。
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③ WindowsXP におけるネットワークの設定例
①において,ケーブルで接続したコンピュータをネットワーク参加させるための必要項
目を解説しました。ここでは,具体的な設定の様子を WindowsXP Professional を例にして
紹介します。
設定する具体的な項目は以下のようにします。
(1)
コンピュータ名:jsshu1
(2)
ワークグループ名:group1
(3)
IP アドレス:192.168.1.2
(4)
ネットマスク:255.255.255.0
(5)
デフォルトゲートウェイ:192.168.1.254
(6)
DNS サーバ:192.168.1.1
(7)
プロキシサーバ:192.168.1.1
ポート:8080
これらの項目を WindowsXP でどのように設定するかを説明します。これらの設定は,
管理者権限をもったユーザになっておこなう必要があります。
1) コントロールパネルのシステムを開きます。
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2) コンピュータ名タブを開き,変更ボタンを押します。開いた画面で,今回実習で使う
コンピュータ名とワークグループ名を入力します。入力後 OK ボタンを押します。
3) 次に,IP アドレス等を設定します。コントロールパネルからネットワーク接続を開き
ます。
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4) ローカルエリア接続で右クリックして,プロパティ画面を表示します。
5) インターネットプロトコル(TCP/IP) のプロパティを開き IP アドレス,ネットマスク,
デフォルトゲートウェイ,DNS サーバを入力します。
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6) 最後に,プロキシサーバを指定します。プロキシサーバは,ブラウザに対して設定を
入力します。この実習では,IE を例として設定法を説明します。IE を起動し,ツール,イ
ンターネットオプション,接続,LAN 設定を開きます。「LAN にプロキシサーバを使用す
る」にチェックを入れ,プロキシサーバ名とポート番号を入れます。
以上のような方法で,コンピュータを LAN に接続し,インターネットが利用できる状
態にすることができます。正常に,利用できるかどうかはブラウザを起動して,情報処理
教育センターの URL http://www.ipec.hokkaido-c.ed.jp/ に接続してみましょう。
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