年間活動報告書 - 日本プライマリ・ケア連合学会

平成27年度年間活動報告
平成 27 年度
年間活動報告書
今年度の総括
年間活動報告
第 27 回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
日本プライマリ・ケア連合学会
学生・研修医部会
平成27年度年間活動報告
目次
【今年度総括】
支部活動総括(データ一覧)
学生・研修医部会代表
平田まりの
夏期セミナー総括(データ一覧)
夏期セミナー 実行委員長 山本実波
……4
……5
【年間活動報告】
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会
……7
対外活動報告
日本理学療法士学生協会
総会(2015年3月)
……12
日本プライマリ・ケア連合学会
第6回学術大会 インタレストグループ2(2015年6月)
……14
Medical future fes 2015(2015年8月)
……16
Team Medical 2015(2015年 10月)
……23
IFMSA-JAPAN 日本総会 2015(2015 年 11 月)
……28
支部活動報告 支部長・副支部長名簿
……30
今年度の目標と結果・考察
……31
北海道支部 38/東北支部 44/関東支部 52/中部支部 77/関西支部 99/
中国四国支部 106/九州沖縄支部 132
第 27 回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
タイムテーブル
スタッフ名簿
各セッション
初日企画『
「プライマリ・ケア」を探る旅』
特別企画『2025年問題~いま繋ぐ、紡ぐ、続く、そして継ぐ~』
多職種企画『カフェ×双六』
裏裏企画『総合診療医 後期研修プログラム説明会』 振り返り企画
最終日企画『ポスターツアー法』 ポスターセッション
ディナーセッション
懇親会
「終わりに~今後の夏期セミナーに向けて」
2
……157
……234
平成27年度年間活動報告
今年度の総括
今年度の総括
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平成27年度年間活動報告
今年度の総括
【支部活動総括】
日本プライマリ・ケア連合学会
2015 年度学生・研修医部会
自治医科大学医学部医学科 5 年
代表
平田まりの
学生主体のイベントの企画や参加、友との出会いからの学びを継続的に行うことで自らを向
上していけるとの思いから始まった支部活動も今年で 5 年となりました。活動頻度は年度や地
域ごとに差はありますが、通年 20 以上の勉強会を開催し多くの参加者が継続的に学ぶことので
きる機会を提供しています。昨年度より東北支部が設立され 7 支部体制となりました。支部活動
開始当時の主要メンバーから代替わりの時期ということもあり活動が停滞してしまう支部もあ
りましたが、支部メンバーや先生方のご協力もあり、なんとか襷を繋げることができております。
本年度は、「わくわくとつながりを大事にし、よりよい「医療」を提供する仲間を増やす」を
コンセプトに活動してきました。例年以上に支部長会議を開催することで、各支部での企画・運
営の問題を共有して一緒に考えたり、互いの活動から刺激を得たりして各支部の活動を盛り上
げていきました。加えて、今年はプライマリ・ケア関連以外の医学生団体・医療系学生団体・社
会人と協力して企画する機会を多く得ました。企画を通して、参加者・スタッフ内のプライマリ・
ケアの認知度を高め、よりよい医療を協力して提供しようという考えを共有できました。
来年度は、今までの活動の良い部分を継続し、反省点は改善し、様々な人とのつながりを大事
にしながら今年度よりさらに発展するよう活動できるよう精進していきます。今後とも日本プ
ライマリ・ケア連合学会
2015 年度
学生・研修医部会をどうぞよろしくお願い申し上げます。
支部活動データ(報告書より算出)
支部勉強会開催数:22(主催、共催含む)
、総参加者数:663 名
Facebook group®メンバー数(重複しているメンバーも含む)
2015 年 4 月 1 日
2016 年 3 月 31 日
学生・研修医部会
630
772
北海道支部
30
31
東北支部
106
159
関東支部
297
366
中部支部
172
227
関西支部
206
255
中国・四国支部
208
245
九州沖縄支部
7
62
最後になりましたが、年間活動は学生の意欲はもちろんですが多くの先生方の多大なるご協力
があるからこそ行えているものであると常々感じております。この場を借りて日本プライマリ・
ケア連合学会の先生方ならびに、学生・研修医部会の活動をご支援して下さる医学生・若手医師
支援委員会の先生方、実習や勉強会にご協力いただいている先生方に厚く御礼申し上げます。
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平成27年度年間活動報告
今年度の総括
【夏期セミナー総括】
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
実行委員長 富山大学医学部 5 年
山本 実波
日本プライマリ・ケア連合学会学生・研修医部会は、全国各地方での支部活動と学
生・研修医のための家庭医療学夏期セミナーの開催の 2 つを柱に活動を展開していま
す。ここでは、2015 年 8 月 1 日~3 日に開催された第 27 回夏期セミナーについて報
告いたします。
第 27 回目となる今年は、
「~繋ぐ、紡ぐ、続く、継ぐ~ブルーシート(4 糸)での出会い
を」というテーマで開催いたしました。このテーマには、全国の学生・研修医が家庭医
療・総合診療を通して繋がり、自分の想いや夢を紡ぎ、明日からの学びへと続き未来に
継ぐきっかけとなる場にしたい、という運営スタッフの想いを込めました。
今年の企画は、
「プライマリ・ケアを探る旅」と題したプライマリ・ケアの総論を学ぶ
講演、38 のテーマから 5 つを選択する参加型のセッション、第一線で活躍されている家
庭医・総合診療医と熱く語る「Meet the Experts」
、
「2025 年問題」の理解を深め参加者
同士で意見を共有し合うことを目的とした企画、家庭医療・総合診療の後期研修プログ
ラムが多数出展し具体的に自らのキャリアを考える「ポスターセッション」
、学びの定着
度を高め自らの興味を再確認するための「振り返り企画」、参加者や講師と熱く語り尽く
す懇親会、などを行いました。医学生以外の医療系学生や初期研修医の参加者の増加に
伴い、多職種への理解を深める場や初期研修医同士で日頃の悩みを話せる場も積極的に
企画しました。3 日間で家庭医療・総合診療のエッセンスを感じ、地方単位の勉強会で
は得られない情報を得ることで、将来像をより明確にイメージしながら学べる内容とな
るよう企画いたしました。今年も約 220 名の参加者と 200 名を超える講師が集まりまし
た。参加者全員が、必要な気付きと出会いを得ることができたと確信しております。
末筆となりましたが、本セミナーの開催にあたり、多方面の方々より無償のご協力受
け賜りましたこと、誠にありがとうございました。当領域の益々の発展にいくらかの貢
献ができるようにスタッフ一同、今後とも活動を続けて参りますので、変わらぬご支援
の程、よろしくお願い申し上げます。
*** 第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー データ ***
開催日時
2015 年 8 月 1 日(土)~8 月 3 日(月)
開催場所
ニューウェルシティ湯河原(静岡県熱海市)
参加者数
223 名
講師数
不明
セッション数
38 セッション
講演等数
2名
ポスターセッション参加施設数
77 施設
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
年間活動報告
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【日本プライマリ・ケア研究学会
学生・研修医部会】
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修部会(以下学生・研修医部会)は、全国各地の
家庭医療、総合診療、プライマリ・ケア、地域医療に興味をもつ医療系大学生や、その分野の
研修医が集まり 1999 年に発足した。以来、勉強会や懇親会、夏期セミナーを中心に活動してい
る。必要に応じ、日本プライマリ・ケア連合学会の医学生・若手医師支援委員会の指示を仰い
でいる。
■活動理念
2011 年より全国的に支部活動が開始した。下記 4 つの今までの理念を引き継ぎ、本年度は
『わくわくとつながりを大事にし、よりよい「医療」を提供する仲間を増やす』をコンセプト
とし活動した。
○学生の主体的な勉強会の開催
○学ぶ場だけではなく、共に語り合える場の提供
○情報の活発な交換
○各地域でのプライマリ・ケアに興味ある学生とのつながりの拡大
■コンセプト
わくわくとつながりを大事にし、よりよい「医療」を提供する仲間を増やす。
※プライマリ・ケアは疾病構造の変化に対応し、患者によりよい医療を提供できる手段の1つ
である。今後、地域に根差し患者・家族・地域全体を包括的にみれる医者の重要性はますます
高まるだろう。現在では、プライマリ・ケア(家庭医療・総合診療を含む)に興味・関心をも
ち積極的に学ぶ学生が増えてきた(ように感じる)。そういった学生の原動力はなによりもそ
の人自身のわくわくや人とのつながり、よりよい医療を提供していきたいといった思いだと考
えられる。学生・研修医部会はそうした学生をサポートし成長を助けることで、よりよい医療
をより多くの人に届けることを目指して活動していきたい。
■医学生・若手医師支援委員会(敬称略、順不同)
委員長
高柳亮
委員 雨森正記、喜瀬守人、孫大輔、吉本尚、菅家智史
吉田伸、中山明子、宇井睦人、遠井敬大、堀哲也
■活動内容
今年度の 3 つの柱は、①本部活動
②全国支部活動
③学生・研修医のための家庭医療学夏期
セミナーである。以下、各活動内容の概要を記載する。
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
1.本部活動(代表・副代表)
代表・副代表による運営体制強化を目的とした活動を本部活動とする。具体的には、夏期セ
ミナー、支部活動がよりよい運営をできるような仕組みづくり、日本プライマリ・ケア連合学
会
学生・研修医部会をより知ってもらうための広報活動を中心とする。
1-1.平成 27 年度報告書作成(支部活動、夏期セミナー、本部活動)
年度の初めである 4 月発行で家庭医療学夏期セミナーの活動と合わせて冊子を作成する。作
成責任者は代表で、各種支部活動と家庭医療学夏期セミナーを主に報告している。最も公的な
記録である。
1-2.対外活動(発表)
2015 年 3 月
日本理学療法士学生協会
総会
2015 年 6 月
日本プライマリ・ケア連合学会 第 6 回学術大会 インタレストグループ 2
2015 年 8 月
Medical future fes 2015
2015 年 10 月 TeamMedical2015
2015 年 11 月
IFMSA-JAPAN
日本総会 2015
1-3.対外活動(広報)
本年度より副代表(広報)を設立した。「より多くの人にプライマリ・ケアの魅力をしって
もらう」ことを第一目標とし、blog、HP、Facebook、Twitter、ML の広報ツールを用いて広報
を行う。
1-4.内部向け活動
各支部がよりよい企画・運営を行えるように、本年度は以下の検討課題に取り組む。
①学生・研修医部会のあり方:支部活動と家庭医療学夏期セミナーの位置付け・戦略検討
②部会の略称を定める
③学生・研修医部会の会員定義を明確化する
④運営体制の確立:副代表として広報・事務の役職を据えて運営。次年度へつなげる。
⑤活動内容の検討:初期研修医へのアプローチの目的、方法など
2. 全国支部活動
支部は 2011 年より各地方に順次設立され、現在以下の七つの支部が存在する。支部長・副支
部長を中心に各支部独自のプライマリ・ケアに関する勉強会を行っている。現在、代表・支部
長・副支部長は前任者が後任者を任命する形で代替わりが年度ごとに行われている。
北海道
東北:青森、秋田、岩手、山形、宮城、福島
関東:東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城
中部北陸甲信越:長野、山梨、新潟、富山、石川、福井、静岡、愛知、三重
関西:大阪・京都・滋賀・奈良・和歌山・岐阜・兵庫
中国四国:広島、岡山、島根、鳥取、山口、香川、愛媛、高知、徳島
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
九州沖縄:福岡、熊本、佐賀、長崎、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
2-1.支部勉強会
支部活動の中心的な活動である。各支部で自主的に勉強会を企画し、プライマリ・ケアにつ
いて基礎から発展まで学習している。各勉強会には、家庭医として活躍されている先生や家庭
医をめざしている研修医をお呼びしてレクチャーをお願いすることも多く、学生と先生方との
交流の場にもなっている。また昨今では、医学生に限らず医療系学生(特に看護学生が多い)
の参加も見られ他職種連携の重要性を知る場にもなっている。
勉強会の開催手順としては、各支部長を中心に勉強会を企画・運営する学生を集め、そのメ
ンバーで役割をきめて企画・運営を行う。勉強会開催後は、ブログや Facebook での広報を行っ
てきた。
2-2.80 大学行脚プロジェクト
親学会の 80 大学行脚プロジェクトより運営面、資金面などにおいて支部勉強会のサポートを
していただいている。実際には各支部の希望で、80 大学行脚プロジェクトの地域担当の先生と
連絡をとり利用申請を行うといった手順をとっている。行脚の運営システムや必要書類など必
要な情報はすべて日本プライマリ・ケア連合学会のホームページに掲載されている。
2-3.各大学のイベント・勉強会をサポート
支部主催の勉強会以外に、各大学が主催して行うイベント・勉強会を運営・広報面でサポー
トするまた、全国の横のつながりや先生方との縦のつながりを持っていること生かして、人を
つなげる役割も今後重要になってくると推測される。平成 28 年からは、支部の様子に応じて
徐々に各支部長・副支部長と大学の地域医療サークルとつながりを強めていく方針である。
2-4.懇親会
顔の見える支部活動を目指し、情報交換だけでなく、懇親会などを通して夢を語り合う場を
提供している。学生同士では、新入生歓迎会や追いコンなどがあげられる。また、関東や九州
では「Generalist Party」といった先生方と学生の交流会も開催されている。
2-5.若手医師部会との交流
若手医師部会にも支部ごとに担当の医師がいるため、懇親会や勉強会などで連絡を取り合っ
て、気軽に相談できる環境を作るようにしている。現時点では、連絡係代表の富山大学
三浦
太郎先生と支部長会議ごとに議事録を用いて情報共有を行う方針となった。学会の動きと関わ
るので本部(代表・副代表)を中心に情報共有を行い臨機応変に動いていくことが望まれる。
2-6.地域の病院・診療所への見学
(家庭医療学夏期セミナーポスターセッション施設を中心に)施設に声かけし、見学させて
もらい、地域のプライマリ・ケアの現状を知る機会を持っている。関西支部が継続的に行って
いる。
2-7.夏期セミナー(次項)への参加
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー参加者が夏セミ後も継続的に勉強をしたりモ
チベーションを維持したりできるよう平成 27 年度よりつながりを強化。具体的には事前の広報
への協力や「地域交流会」の企画・運営などを行っている。
3. 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
第 27 回:2014 年 9 月~2015 年 8 月、第 28 回:2015 年 9 月~2016 年 9 月
学生研修医部会の最大のイベントで、毎年夏に開催される。夏期セミナー実行委員長と数名の
幹部スタッフを中心に約 1 年をかけて準備して、200 名以上の参加者、それと同数程度の医師
を迎える。各参加者は 2 泊 3 日の合宿で、興味のある 5 つのセッションと 3 つ全体講演会、懇
親会などに参加することができる。学生の学びの場、学生同士や学生と先生との交流の場とな
っている。
4.その他の活動
4-1.多職種企画「Team
Medical2015」
多職種連携を強化する目的で、日本薬学生連盟、看護学生団体 ION、栄養学生団体 N、日本理
学療法学生連盟、日本作業療法学生協会と協力して 10 月に勉強会を行った。団体同士でのつな
がりがあるということで、今後の支部活動においても多職種勉強会をより企画しやすくなって
いる。
4-2.Advanced
Seminar(仮)
運営スタッフのノンテクニカルスキルや家庭医療学の知識を深めることを目的にしたセミナ
ー。三重大学 4 年 藤井健人を中心に企画中であるが、開催の詳細に関しては未定。
4-3.学生ボランティア(現在も行うかどうかは検討中)
2011 年 3 月 11 日に起こった東日本大震災での被災者の支援のため、東日本大震災支援プロ
ジェクト学生部門(PCATS:Primary Care for All Team of Students)が発足し、被災者支援
のための学生ボランティア活動を行った。
■活動の問い合わせ先・広報ツール
・活動の問い合わせ先:[email protected]
・正式な活動報告の場:ブログ http://blog.livedoor.jp/primarycare_student/
・学生・研修医部会 HP
http://family-s.umin.ac.jp/index.html
・活動スケジュール http://family-s.umin.ac.jp/schedule/index.html
・Twitter https://twitter.com/pc_student
・Facebook ページ https://www.facebook.com/primarycare.student
・Facebook Group
→勉強会に関する広報や、支部員同士の交流の場として利用する。
学生研修医部会 fb グループ http://www.facebook.com/groups/301655406563921/
北海道支部 fb グループ https://www.facebook.com/groups/190144034383693/
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
東北支部 fb グループ https://www.facebook.com/groups/1459654377600898/
関東支部 fb グループ http://www.facebook.com/groups/453452678014360/
中部支部 fb グループ http://www.facebook.com/groups/primary.care.chuubu/
関西支部 fb グループ http://www.facebook.com/groups/127670967377639/
中国四国 fb グループ https://www.facebook.com/groups/342703432476292/
九州沖縄支部 fb グループ https://www.facebook.com/groups/290043334486975/
・学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー http://www.jpca-srs.umin.ne.jp/kasemi/
・80 大学行脚プロジェクト
連絡先一覧
https://docs.google.com/document/d/188Ti2hOTnqZYm_k6ZCB65uSngGo4w3nYAvlz313YG_E/edit
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【対外活動報告】
□日本理学療法士学生協会 総会 他職種学生団体プレゼン大会
『プライマリ・ケアとは?
-よい医療を目指して学び仲間と高めあう活動紹介』
自治医科大学医学部 5 年
平田まりの
【目的】
日本理学療法学生協会は年に一回総会を主催している。本年度より他職種学生団体の方に自
らの活動を報告、発表していただこう、というワークショップを企画した。この企画は他職種
団体との繋がりを構築したり、総会に参加した多くの人が新たな価値観に触れたりできること
を目的としている。
プライマリ・ケアは医師のみが担うものではなく、臨床現場において他職種連携は欠かせな
い。理学療法学生に医師やプライマリ・ケアを理解してもらうこと、また学生団体同士のつな
がりを強くすることは将来に必ずつながるだろうと考え、「プライマリ・ケアを理解し」「医
学生を身近に感じてもらう」ことを目的として参加した。
【概要】
日時:2015年3月24日
場所:京都テルサホール
参加者数:他団体企画であったため正確な人数は把握できず
主催:日本理学療法学生協会
発表者:自治医科大学医学部 5 年
平田まりの
【内容】
20 分間のプレゼンテーションを行った。主な内容は①プライマリ・ケアとは何か②学生・研
修医部会の活動③専門性を生かして協働していくという 3 点である。①の部分に関しては、学
会が公式に向けて提示している「ACCCA」や、特徴である「患者中心の医療、幅広い問題への対
応、マネジメント、多職種連携、全人的医療」などといったキーワードを用いて説明した。
【感想】
正直「プライマリ・ケア」を説明することが難しかったが、Dr.コトーや町のかかりつけ医な
ど具体例をだし、質問を投げかけて相互的な場を作ることでプレゼンを楽しんでいただき、少
しでも理解していただくことができたと考える。また、今後つながりをつくり、協力できる関
係性を作っていくために「楽しい」や「面白い」といったポジティブな感情を持ってもらうこ
とができたのは大きな一歩であったように感じる。
また、個人的にも理学療法学生と様々なことを話すことで理学療法の専門性の高さに驚くこ
とも多かった。こちらから発信するだけでなく、理学療法学生からも発信してもらう機会を作
ることで相互理解を深めていきたい。
【反省・今後の展望】
今回、「プライマリ・ケア」を説明するにあたって、あまり多くの先生方や先輩に相談しなか
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
った。そのため、内容に誤りを含んでいる可能性もある。理学療法学生にとっては初めての「プ
ライマリ・ケア」との接点でありその質は十分に保障されるべきであると考えられる。今後は、
発表者自身も成長し、相手にも正確に伝えていくために学生・若手医師支援委員会などを頼りな
がら質の保障をしていくよう働きかけていく必要がある。
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□『日本プライマリ・ケア連合学会
第 6 回学術大会 インタレストグループ 2(公募企画)
地域包括ケアを担うための地域医療教育』
文責:自治医科大学医学部 5 年
平田まりの
【目的】
現在、国は2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の
目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けること
ができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推
進している。このシステムを実効性あるものとするためには、医療者、殊に医師の意識を地域
包括ケアに向けることは極めて重要であろう。一方、全国の医育大学において、この地域包括
ケアを十分に理解し、また教育の中でどれだけ医学生に伝えてきているかは甚だ心許ない現状
がある。
今回、この地域包括ケアを実際に教えていく立場、これを政策化していく国の立場、さらに
現在、医学教育を受け、実際に2025年に現場に立ち、地域包括ケアを実施しなければなら
ない医学生の立場から、それぞれ意見を述べてもらう。これらの議論の中から、地域包括ケア
教育に必要なエッセンスを探りたい。
【概要】
日時:2015年6月14日
場所:つくば国際会議場
8:00~9:00
※学術大会は6月13・14日
第3会場
参加者数:約100名
主催:全国地域医療教育協議会
司会:新潟大学大学院総合地域医療学講座
井口清太郎先生
司会:名古屋大学医学部医学科5年
田中健一
講演:秋田大学大学院医学教育学講座
長谷川仁志先生
講演:宮崎大学医学部地域医療・総合診療し学講座
吉村学先生
講演:自治医科大学医学部医学科5年
平田まりの
【タイムテーブル】
8:00-8:15
講演
長谷川仁志先生より
8:15-8:30
講演
吉村学先生より
8:30-8:45
講演
平田まりのより
8:45-9:00
ディスカッション(フロアの皆様と講演者と)
【内容】
長谷川先生は、「大学」といった立場からご講演いただいた。まず初めに、情報爆発・国際
認証時代に地域包括ケアのニーズに合わせた教育・研修についてお話になられた。総合的診療
能力だけでなく、医師としての職責や、コミュニケーション能力、地域医療の視点などを備え
た理想的な医師育成には低学年からバランスよく教育する必要がある。そのアウトカムを目指
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
して秋田大学では 1 年次より医療面接や OSCE(英語)を行っている。多職種・多施設連携教育
から全学年に向けて教育を行っている。
吉村先生からは、揖斐にいたころの「現場」としての立場からご講演いただいた。置き去り
実習や、多職種スタッフが関わった教育を行っている。実際に地域に伺うことで患者や家族の
生活背景がわかり、また診療所と病院の連携など肌で感じることができる。また、総合的な診
療能力が必要であることも肌で分かりより大学での勉強に精がでているように感じられる。
平田からは学生の立場から発表した。プライマリ・ケアに強く関心を持つ学生を対象にイン
タビューを行い、地域医療実習での学びと「地域包括ケア」のイメージを整理した。「多職種
連携」と「地域のこと」の項目はほとんど全員が学びそれ以外はまばらであった。よりよい学
びを得るためには事前準備、実習中、事後の3相ごとにアプローチしていくことが重要ではな
いか?と述べた。
講演後はフロアの皆様から質問をいただき、講演者が答えた。大学教員の方から「地域医療
実習」の実践での悩みや、自分の大学にどう持ち帰ったらいいか?、地域で学べる体制をつく
るためにどう働きかけたらいいかなど積極的な議論が見られた。
【感想】
まず初めに、現場で実践されている先生方に並び発表させていただく機会を得ることがで
き、今回の企画者の皆様、後ろ立てをして下さった全国地域医療教育協議会の皆様には心より
感謝を申し上げます。先生方のご発表は時代の流れと地域のニーズ、学習者のニーズをうまく
拾い上げカリキュラムや実習に落とし込む視点を学ぶことができとても勉強になりました。私
自身も複数の学生にインタビューをし、意見をまとめるという質的研究の一端を体験すること
ができました。また、インタビューの中で様々な学びを共有していただき、多くの視点を得る
ことができたと思います。ディスカッションにおいても議論の方向性もまとまっており今後に
つながる知を見つけることができたのではないでしょうか。
【反省・今後の展望】
地域医療教育ほど、個々の医師の総合的・圧倒的な臨床能力と人間力育成がより重要である。
日本でも 5 年 10 年前に比べればようやく変ってきたがまだまだ不十分である。今回のような場
を持ちながら、社会のニーズや学生の皆さんの意見を聞き、全体で改革を進めていく必要がある
だろう。学生・研修医部会として、よりよい医師になることを目的に、周りの学生への意識づけ
や、多職種連携を学ぶ機会を増やすこと、自発的な実習を促し現場から学ぶことなど学生側から
もできる範囲で働きかけていきたい。
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□『Medical Future Fes 2015
「体験☆総合診療専門医」』
学生団体によるワークショップ企画
自治医科大学医学部5年
平田まりの
【目的】
Medical Future Fes とは
「医療系学生の交流の場」である。年に一度全国から500人以
上の医療系学生が集い様々な勉強会や講演会に参加し自分の世界を広げている。今回本部会に
も Medical Future Fes より企画依頼がきたため、本部会を知ってもらうこと、プライマリ・ケ
アや総合診療専門医について知っていただくために参加した。
WS 内の目的は新専門医制度に基本領域の一つとして加わり注目を浴び始めた「総合診療専
門医」。「総合診療専門医」に必要な医学的知識および技術の一部を体験し、総合診療専門医
への理解を深め興味をもってもらう人を増やすこととした。
【目標】
・総合診療専門医についてを知ってもらう
(可能なら)総合診療専門医の重要性について説明できるようになってもらう
(可能なら)総合診療専門医の必要性について説明できるようになってもらう
・行動変容・高齢者といった家庭医療メイン2つの領域を体験してもらう
・日本プライマリ・ケア連合学会(学生・研修医部会)を知ってもらう
【概要】
日時:2015年8月22日団体プレゼン10:00~12:00、ワークショップは同
日13:00~15:00
※Medical Future Fes2015 自体は2015年8月22日・23日の二日間
場所:日本医師会館
参加者数:22 名
(内訳:医学生 21 名、その他学生 1 名
参加費:学生 1500 円
)
※Medical Future Fes2015への参加費
主催:医療学生ラウンジ内
Medical Future Fes 実行委員会
協賛企業:
後援:公益社団法人
東京都医師会
講師:川崎市立井田病院
総合診療科・かわさき総合ケアセンター
宇井睦人先生
医療福祉生協連家庭医療学開発センター田中公孝先生
学生スタッフ:自治医科大学5年
自治医科大学2年
筑波大学3年
平田まりの、自治医科大学4年
栃村亮太、自治医科大学2年
牟田博記、横浜市立大学3年
風間菜摘
玄ゆうき、
山田祐揮
※学生団体プレゼンは、上記平田まりのと大阪大学医学部6年の笹本浩平で行った。
【タイムテーブル】
10:00〜12:00 学生団体プレゼン
16
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
12:00〜13:00 スタッフ最終打ち合わせ
13:00~13:10 アイスブレイク
13:10~13:30 イントロダクション「専門医、総合診療専門医、プライマリ・ケア
とは」
13:30~14:00 体験:行動変容
0:00~0:10 【全体】行動変容レクチャー
健康・信念モデル、ステージモデル、重要度自信度モデルについて
0:10~0:15 【グループ】行動変容のケース紹介(禁煙外来
関心期)
タイムスケジュール確認、グループ内の役割分担
0:15~0:25 【グループ】医療面接(実践 10 分)
0:25~0:30 【グループ】振り返り・質疑(レクチャーの復習を兼ねて)
14:00~14:30 体験:高齢者医療
0:00~0:10 【全体】】高齢者医療
田中先生より
CGA,ADL,IADL,DEATH SHAFT,mCGA を中心にレクチャー
0:10~0:15 【グループ】高齢者のケース紹介(虚弱高齢者)5 分
タイムスケジュール確認、グループ内の役割分担
0:15~0:25 【グループ】医療面接:CGA をやってみよう(実践 10 分)
医師役は ADL/IADL を聴取し、余裕がある場合に mCGA を聴取すると説明す
る。
0:25~0:30 【グループ】CGA 講評・質疑 (レクチャーの復習を兼ねて)
14:30~14:50 質疑応答、まとめ
14:50~15:00 集合写真、団体紹介、アンケート記入
【内容】
学生団体プレゼンでは 15 分間のレクチャーを 4 回行った。平田が「家族図の書き方・家族の
診方」「倫理 4 分割」について、笹本より「プレゼンテーションについて」「話し方」といっ
た内容をレクチャーとした。各レクチャーの最後には日本プライマリ・ケア連合学会
学生・
研修医部会の簡単な紹介を行った。最後には質疑応答の時間があり、参加者の質問や希望に応
じて説明を行った。
ワークショップ「体験☆総合診療専門医」の内容について記載する。まず、アイスブレイク
(栃村担当)では無言で誕生日の順(1 月~12 月)に並んでもらい、一通り並び終わったら答
え合わせとして 1 月から順に自分の誕生日を言ってもらった。その後、順番に均等な人数で 5
グループつくりグループごとに席に座ってもらう。
はじめのイントロダクション(平田担当)では、「総合診療専門医」の重要性・必要性を認
識し興味を持ってもらうために、「専門医とは、総合診療専門医の概要、プライマリ・ケアと
は」についてレクチャーを行った。今回は、「体験」してもらうことを主とした。
17
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
その一つである「行動変容」は医師以外の医療職、ひいては対人関係に応用できるスキルで
あり、プライマリ・ケアの中でも重要なスキルの一つである。臨床では特にダイエットや運動
習慣、禁煙、内服厳守などの場面において行動変容の必要性を感じるだろうと考えられたため
選択した。健康・信念モデル、ステージモデル、重要度自信度モデルなど高度変容の概要のレ
クチャーのあとグループごとで医療面接を行った。参加者から医師役 1 名、アドバイザー役 4
名、模擬患者(スタッフ)を決めた。アドバイザーはスタッフが用意したカンニングペーパー
を参照しながらアドバイスをする役割である。それぞれのシナリオを配り、黙読してもらった
後 10 分間医療面接を行う。最後の 5 分間で医療面接を振り返り、質疑応答に移った。
体験の二つ目は高齢者医療をテーマに「CGA」を評価することとした。こちらは日本は高齢化
が進み、今後高齢者に対する医療の重要性はますます高まるだろう。そうした流れを組みつ
つ、子供から老人までと幅広い診療を行う総合診療専門医の特徴を掴んでもらいたいことから
テーマとして選択した。はじめに田中先生より CGA,ADL,IADL,DEATH SHAFT,mCGA を中心にレク
チャーしていただいた。その後、高齢者のケース紹介(虚弱高齢者)し、先程の行動変容と同
様グループで役割を決めていただいた。その後グループごとに 10 分間の医療面接を行った。最
後の 5 分間で医療面接を振り返り、質疑応答に移った。
体験が終ったあと、まとめとして先生方から全体の講評をいただいた。その後参加者からの
質疑に対して先生方にお答えいただいた。そして、集合写真を撮影後、日本プライマリ・ケア
連合学会
学生・研修医部会の団体紹介とアンケートの記入をしていただいて終了となった。
【感想】
低学年や医学部以外の学生もいたが、高学年やスタッフの助けを借りながらロールプレイに
チャレンジし、明日から使える行動変容と高齢者医療のエッセンスを学ぶ有意義な時間となっ
た。行動変容、高齢者医療の医療面接を教えることを通じて、スタッフもテーブルファシリテ
ーション、フロアファシリテーションを中心に運営や家庭医療の知識・技術を学ぶいい機会と
なった。
【反省・今後の展望】
今回は MMF への準備が当日より 1 ヶ月弱からのスタートとなり講師の宇井先生、田中先生に
は多大なるご迷惑をおかけしてしまった。ご多用の中、スケジュールを調整しご協力していた
だいた両先生には感謝の気持ちでいっぱいである。この場を借りて心よりお礼申し上げます。
今後、企画を行う際は最低でも 2 か月以上の期間を開けて講師に依頼し、準備することを徹底
できるよう学生・研修医部会内で周知する。また、先生方に多くご指導していただくことで学
生が「プライマリ・ケアとは何か」を説明することができた。経験のすくない学生が説明する
ことには困難が伴うが、先生方のお力や文献、先行研究を用いれば可能であることがわかっ
た。いろんな人にプライマリ・ケアや家庭医療を知ってもらうためには学生が理解し、人に伝
えていくことが重要である。これを機に先生方の力を借り、学生から積極的に発信していくこ
とも望まれる。
18
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
MMF への参加は 2014 年度に続き 2 回目である。初回では関東支部スタッフを中心に「Cinemeducation」を行った。今回「総合診療専門医」をテーマに扱ったが、予想以上に低学年や医学
生以外の学生が多く参加者にとっては難しい内容となった部分も多かったようだ。また、夏期
セミナー準備期間とかぶることや MMF 運営スタッフ側からの連絡を取ることが困難な時がある
ことなど MMF への参加において課題は多い。「プライマリ・ケア」に強く関心を持っていると
は限らない層に対してレクチャーを行うという貴重な機会ではあるが、今後の参加に関しては
その時のスタッフのキャパシティによって検討するのがよいと考えられた。
【写真】
19
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
1.時間配分について
大変良い←
→努力が必要
評価
5
4
3
2
1 合計
人数
7
13
2
0
0
22
32%
59%
9%
0%
0%
1
%
2.この WS に参加した理由は何ですか
ワークショップの中で最初のプレゼンが印象的だった
医療団体の活動や自分の知りたいことをしりたかった
プライマリ・ケアに興味があったため/学生団体プレゼンをきいておもしろそうだったから
スタッフに誘われたから。
プライマリケアに興味があったから。
薬連のメールで興味を持ったため。
知り合いがいたから、友達に誘われた、プライマリケア・地域医療に興味があった
他の医療系の人と意見交換がしたかった
面白そうだから/行動変容・高齢者医療に興味があったから
総合診療専門医にかねてより興味があったから。実際の先生にお話を伺ってみたかったから。
MFF のスタッフとして
将来について不安になり、何考えるきっかけになるかと思って
プライマリケアに興味があるため
3.イントロダクションの内容について
20
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
大変良い←
→努力が必要
評価
5
4
3
2
1 合計
人数
10
9
2
0
0
21
48%
43%
10%
0%
0%
1
%
4.行動変容の内容について
大変良い←
→努力が必要
評価
5
4
3
2
1 合計
人数
14
8
0
0
0
22
64%
36%
0%
0%
0%
1
%
5.行動変容の難易度について
大変良い←
→努力が必要
評価
5
4
3
2
1 合計
人数
4
13
5
0
0
22
18%
59%
23%
0%
0%
1
%
6.高齢者医療の内容について
大変良い←
→努力が必要
評価
5
4
3
2
1 合計
人数
12
8
2
0
0
22
55%
36%
9%
0%
0%
1
%
7.高齢者医療の難易度について
大変良い←
→努力が必要
評価
5
4
3
2
1 合計
人数
5
15
2
0
0
22
23%
68%
9%
0%
0%
1
%
8.本日の WS の内容量はいかがでしたか
大変良い←
→努力が必要
評価
5
4
3
2
1 合計
人数
9
11
2
0
0
22
41%
50%
9%
0%
0%
1
%
21
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
9.今日の企画に関してよかった点、悪かった点など以下にご自由にお書きください
レクチャーの方法を学んでその後に実際に体験することができ楽しかった。インプット、
アウトプットまでできたので現場でフィードバックできるような内容だった。
自分が苦手意識を持っていた行動変容について先生方の講義を含め学ぶことができ楽しかった
次は二倍の時間でやりたいと思った
普段は実際に現場で働いている方の話を聞くことや、他学科の人と交流する機会がないので
とても勉強になった。
知らないことだらけだったが、スライドや説明など、とてもわかりやすかった。
医師の方のお話も聞くことができ、とても有意義だった。
具体的にどのように何を聞くかを扱っていただいたのでイメージがつきやすく、とても勉強に
なった。座学をしている時間がもう少し短くても良かったように思った。
とても良かったが、強いて言えば医学部向けなところがあるということを先に知りたかった。
実際に面接を見られてよかった
色々な学科の人とあえて良かった
学部・学年・背景知識が異なる大衆を相手にしているので、企画が大変だったと思う
現役医師のレクチャーもあって大変勉強になりました。
看護の考えだけでなく、医学の考え方が聞けて良かった
医療面接をする機会はまだないので、良い勉強になりました
プレゼンなども面白かった。
今日はすてきな企画をありがとうございました。講義で学んだことを実際に練習することがで
きて、非常に勉強になりました。
自ら参加する形であったので、理解しながら体験できました。現場で働く医師の意見を聞けた
ところが良かったです。
ファシリの進行に難あり
医療面接のシミュレーションが大変興味深かった
ロールプレイのシナリオについて、ファシリが医師役を 3,4 年に絞っていたが低学年でもよか
ったのでは?
ディスカッションではもう少し全員で話をしたかった
22
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□『Team
Medical
2015
Vol.1 みんなでつくるチーム医療!』
文責:自治医科大学医学部 5 年 平田まりの
【目的】
多職種の学生と交流する場を設け相互理解を深め、よりよい医療を創る
【企画の経緯】
昨今、チーム医療の必要性が叫ばれ国・地域・臨床で実践が進められている一方で、まだま
だ課題は多く発展途上にある。学部教育も大学間での差があり、教育内容の面からも教育実
践の面からもまだまだ不十分であると感じている学生も多いだろう。
チーム医療では各々の専門性を発揮することはもちろん、チーム医療に関わる職種の役割
や特徴を知らなければ「連携」は困難だ。相互理解を深め、連携をしていくことが現場で患
者さんを第一に考え効率的で良質な医療を行うことにも繋がると考える。
この機会をきっかけに、職種間で相互理解をし、より良い関係を築きたい。
【概要】
日時:2015年10月24日 13:00~17:30
場所:順天堂大学 本郷御茶ノ水キャンパス 10 号館1F
参加者数:37 人
(内訳:医学生 8 名、薬学生 8 名、看護学生 5 名、栄養系学生 5 名、理学療法学生 9 名、作
業療法学生 2 名 )
参加費:100 円(懇親会費:2,500 円)
主催:Team Medical
2015(参加団体は以下の通り)
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会、看護団体 ION、栄養学生団体【N】
日本薬学生連盟、日本作業療法連盟、日本理学療法学生協会、PRSA
【タイムテーブル】
13:00~
開場
13:30~
開会挨拶 (5分間)
13:35~
アイスブレイキング (15分間)
13:50~
プレゼンテーション (10分間×7団体)
15:05~
休憩 (15分間)
15:20~
ディスカッション(2テーマ×40分間)
① チーム医療とは
② 予防・介護にどのように専門性が活かせる・連携が取れるか
17:00~
閉会式
17:30~
片づけ
(30分間):振り返り、アンケート記入、集合写真撮影
23
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【内容】
アイスブレイクとして自己紹介を行った後に学部あるあるを話し合った。漢字変換が自
分の学問で頻出する単語がすぐ出るようになったり、筋肉にやたら目が行くようになった
り学部をこえた共通事項を見つけることができ距離が近まる時間となった。
その次にプレゼンテーションに行った。初めに平田によるチーム医療が必要と言われて
きた背景と、現在行われている取り組みを紹介した。そしてチーム医療を円滑に進めるため
に必要なことは「相互理解」だと伝え、各団体のプレゼンテーションに移った。発表順にそ
の要旨をまとめる。
1.薬剤師:日本薬学生連盟
・将来の日本は財政難の中で少子高齢化が進む。既存の医療の在り方が変わってきている。
・薬剤師は薬の適正使用をつかさどるものとして、医療及び地域社会に貢献する。
・医療職種がケースバイケースで協力しあう体制を作っていく必要がある。
2.医師:JPCA 学生・研修医部会
・わくわくとつながりを大切に!
・医師はコーディネーター
・患者様のためにどんなことでもぶつける。情報を共有していく。
3.看護師:ION
・看護資格は色々なところで活躍!
・色々な職種や患者さんの橋渡し
・全人的な視野と関心を持つ
4.小児リハビリテーション:PRSA
・小児リハビリテーションは子供が運動機能などをうまく習得できるよう援助すること
・子供はまだ機能を獲得していないので「小児ハビリテーション」が正確である。
・産科、NICU と連携。低出生体重児が増えてきているので必要性が増してくるだろう。
5.理学療法士:日本理学療法学生協会
・理学療法士は動作と姿勢の専門家。
・主に病院で働いているが、様々な職場がある。
・今後は少子高齢化社会に対応するべく職種の周知・技術のブラッシュアップをしていく。
6.作業療法:日本作業療法学生連盟
・作業療法は運動療法や環境調整、作業を通じて患者さんの生きがい獲得や社会復帰を支援
することができる。
7.栄養士:栄養学生団体【N】
:
・栄養士と管理栄養士とは
・日本と海外の栄養士の違い
・高齢化・少子化に対して栄養士ができることは・
24
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
プレゼンテーションの後に、10 分の休憩をはさんだ後、5 人グループでワールドカフェ
形式を用いたディスカッションを行った。前半 40 分のテーマは「チーム医療とは」であ
る。チーム医療を円滑に進めるために情報共有を行ったり、各自が専門性を高めていった
りすることが重要だという指摘が多く聞かれた。チーム医療は「ポンデリング医療:多職
種が円の様に連携し患者をもちもちとした温かさで包み込こむことだと」という興味深い
発表もあった。後半 40 分のテーマは「予防・介護にどのように専門性が活かせる・連携
が取れるか」である。栄養や運動を中心に小児・成人・高齢者と幅広く予防的なアプロー
チをしていくことができる、高齢者に対する予防は介護が必要となる人を減らすのではな
いか?、より質の高い予防活動や介護を行っていくためにチーム内の職種でお互いに教育
しあうことが重要だといった多様な発表を聞くことができた。
最後に各自振り返りを行い、アンケートに回答していただき、全体写真をとって本会は終
了となった。
【感想】
本企画は 7 団体共催企画ということで企画段階から勉強会当日まで多様な視点を学ぶこ
とができた。勉強会の参加者も 6 職種が均等でディスカッションではそれぞれの学びを共
有し多くを学べる時間となった。
【反省・今後の展望】
今回は準備期間が短かったこと、複数の団体が共働しており統括者の役割が欠如してい
たことから当日運営の点で準備が不足していることが多くあった。今後は、当日までのスケ
ジュールや事前の準備事項をリストアップして共働しやすい仕組みを作っていくことが重
要である。
今後は継続的に運営できるような仕組みづくりや多職種連携の重要性を発信する活動を
続けていきたい。そのために他団体と情報共有する機会を継続的に持つことが重要である。
また、多くの学生が参加できるように交流会といった企画を取り入れていくことも考える。
さらに、今回は関東地域で開催したが、他地方に支部を持つ学生団体も多い。多職種連携
はまだまだ重要な学習項目であると考えられ、壁の少ない学生時代から他職種と交流を持
つことは将来の協働を円滑にすることだろうと考えられる。したがって、多職種の勉強会を
全国的に強めていきたい。
25
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
26
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【写真】
27
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□『IFMSA-JAPAN 日本総会 2015 外部学生団体プレゼン』
自治医科大学医学部 5 年
平田まりの
【目的】
今年度で 13 回目を迎える、IFMSA-Japan で最も歴史の深い恒例行事であり、全国から医療
系学部の学生をはじめ約 400 人以上の学生が集う。日本総会の目的は、医学・医療だけではな
い一般教養や社会の仕組みなどの幅広い「知識」、自身の判断力を裏付ける様々な「経験」、
そして自身のチャンスや視野を広げるための「人脈」という、良い医療者になるために必要な
ものを提供することだった。この機会に他の学生団体の活動に触れる時間を設け、本部会にも
声がかかった。
「次世代の医療界を担う有能な医療人材の育成」などの、IFMSA-Japan の理念には、本部会
と通じるものがあり、また本部会を知ってもらうためにテーマの「Be the Change」を中心とし
たプレゼンを行う。
【概要】
日時:2015年11月21日
9:00~2015年11月23日12:00
※外部学生団体プレゼンは11月22日8:30~9:30、外部団体ブースは11月22日
終日
場所:幕張国際研修センター
参加者数:自由参加だったため不明
主催:International Federation of Medical Students' Associations-JAPAN(略称:IFMSA)
【内容】
学生団体プレゼンでは、代表の平田まりのが15分間プレゼンを行った。内容は①私自身が
日本プライマリ・ケア連合学会
学生・研修医部会と「どういう関わり方をしてきたのか」②
学生・研修医部会はどういった団体か(目的・活動内容)③今後の学生・研修医部会、今後の
私達という 3 つであった。
その後、22日 1 日にわたって外部団体ブースにて広報を行った。長机二つ分のスペースに
家庭医療関連の書籍や学生・研修医部会の簡単なパンフレットを並べた。ブースに来ていただ
いた参加者には「プライマリ・ケアとは何か」といったところから、参加者の希望に応じて家
庭医療に関する事項をレクチャーした。
【感想】
スタッフ側の都合で、初日の夜の交流企画の時に参加できなかった、人が集まりにくい22
日の1日だけしか参加できなかったことから外部団体ブースにいらした参加者は少なかった。
だが、外部団体プレゼンでは他の団体の学生や IFMSA スタッフなど熱心な学生に広報すること
ができた。また、企画の休憩時間が少ない中ブースを訪れる参加者もおり個別的に熱心な家庭
28
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
医療の説明を行うこともできた。また、外部団体ブースには同じ境遇の他団体の参加者もおり
医学生団体同士の横のつながりができたのはよかったことである。プライマリ・ケア、家庭医
療、夏セミといったキーワードを本部会とつなげて理解していただき、また人を診る手法を学
んでいただくいい機会であった。
【反省・今後の展望】
この会に向けて、学生・研修医部会の概要と、支部活動の概要、直近の支部活動の広報など
を掲載した簡易パンフレットを作成した。また、参加するスタッフでレクチャーできる項目を
持ち寄って、当日の参加者にレクチャーを行った。今回は、そうした準備ができるスタッフだ
ったから運営することができたが、準備の日がないことやレクチャーするに十分な知識をもっ
ていないスタッフもいるだろう。今後は、通年を通じて使えるような広報資材の準備や、スタ
ッフ内の知識・技術向上が望まれる。
【写真】
29
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【支部活動報告】
□支部長・副支部長名簿
氏名
支部
役職
大学
学部学科
学年(2015 年度)
平田まりの 学生研修医部会
代表
自治医科
医学部医学科
5
関口 昌孝 学生研修医部会
広報
東京医科大学 医学部医学科
3
川邉優希
学生研修医部会
内務
草場英太
北海道支部
支部長
西岡 宏泰
東北支部
支部長
中村 翔也
筑波大学
医学群医学類
3
札幌医科大学 医学部医学科
3
医学部医学科
5
東北支部
副支部長 岩手医科大学 医学部医学科
6
五味 香織
東北支部
副支部長
山形大学
医学部医学科
4
吉羽 史織
東北支部
副支部長
秋田大学
医学部医学科
3
長谷川 優
関東支部
支部長
埼玉医科大学 医学部医学科
5
山田 祐揮
関東支部
副支部長 横浜市立大学 医学部医学科
3
梁 祐輔
中部支部
支部長
東北大学
金沢医科大学 医学部医学科
3
藤田保健
内山桂一
中部支部
副支部長
衛生大学
医学部医学科
4
大角倫子
関西支部
支部長
関西医科
医学部医学科
5
関根浩史
関西支部
副支部長
滋賀医科
医学部医学科
3
木安貴大
中国支部
支部長
山口大学
医学部医学科
6
恵美拓也
中国支部
副支部長
山口大学
医学部医学科
3
草本慎一
中国支部
副支部長
広島大学
医学部医学科
3
小林眞子
中国支部
副支部長
山口大学
医学部保健学科
4
田中いつみ
四国支部
支部長
愛媛大学
医学部医学科
4
池田 直子
九州支部
支部長
産業医科大学 医学部医学科
5
山﨑愛子
九州支部
副支部長
長崎大学
30
医学部医学科
6
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□今年度の支部活動の目的、目標、結果・考察
〇学生・研修医部会
本部(代表、副代表)
:平田まりの、川邉優希、関口昌孝
目的:わくわくとつながりを大事にし、よりよい「医療」を提供する仲間を増やす。
目標
結果と考察
夏期セミナー、支部活動がよりよい運営をで
1.夏セミは初学者、ちょっとかじっているも
きるような仕組みづくりを行う。
の問わず家庭医療に興味をもっている学生に
1.支部活動と家庭医療学夏期セミナーの位置
対象をあてて、多くの先生とも交流する場所。
付け・戦略検討
一方、支部活動は夏セミと比べて規模は小さ
2. 部会の略称を定める
いが頻度を多く開催できるので、夏セミで得
3. 学生・研修医部会の会員定義を明確化する
た高いモチベーションを持続させ継続的に学
4.広報・事務を作成し次年度に引き継ぐ
習できる場所、地域の学生が気軽に学習に参
加できる場所である。それぞれの強みを考え
て、関わり方としては、以下を中心とする。
夏セミ:地域交流会を通して夏セミ参加者が
支部活動で関わっていけるようなつながりを
つくる
支部活動:夏セミの広報を勉強会ごとや地方
の大学ごとに行い夏セミ参加者を増やす
なお、適宜、代表と夏期セミナー実行委員長
で話し合うことを勧める。
2.未定。今後の検討事項。
3. 平成 28 年からは、支部の様子に応じ
て徐々に各支部長・副支部長と大学の地
域医療サークルとつながりを強める方針
として、支部長が把握している限りを真
の会員とする。
4.関口、川邉を任命。仕事のリストアップを
行うことができた。今後は代表・副代表の人
員に合わせて仕事の分担をしていくのが最良
と思われる。
支部活動のサポートを行う。
達成。支部長の働きで、各支部 1 回以上の企
各支部 1 回以上の企画開催
画を開催することができた。一方で、企画開
催の回数には幅があり、その要因は①地域性
と②支部の文化によると考える。今後は支部
ごとに開催しやすい雰囲気づくりや仲間づく
りが望まれる。同時に企画形態の工夫が必要
31
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
だろう。
対外活動の仕組みづくりを行う。
1.達成。ただし、実用化は開始したばかりで
1.広報戦略立案・メーリングリスト(Family-
あり課題は残る。今後一つずつ改善していく
ML)の位置付けの明確化
ことが望まれる。
2.諸団体との関係作りを行う。今年度は医学、 2.達成。HP の相互リンク、企画の合同開催に
看護、薬学、作業、理学、栄養を考えている。 より広報や企画を相互に行える関係となっ
た。
〇北海道支部:草場英太
※北海道支部は支部長不在で一時活動停止していた。27 年 10 月頃、草場英太に 28 年度の支部
長の依頼をし承諾していただいた。ここでは、支部活動と直接関係ないが、その趣旨は同様のも
のであるため草場が自主的に行った企画の目標の考察をしていただいた。
目標
結果と考察
平成 27 年 11 月に行われた北海道プライマリ
達成。学生参加者がほぼ倍増した。
ケア・フォーラムの学生企画のリーダーを 27
学生がプライマリ・ケア、総合診療、地域医
年 4-11 月にかけて務めた。その企画の目標
療に従事しておられる医師に何でも直接質問
は、学生参加者を前 2 年より増やすことだ。
できる企画としたこと、2 名の女性医師にお
いでいただいたことが奏功したと捉えてい
る。
〇東北支部:西岡宏泰
目的:
Ⅰ勉強会・セミナーを通じて、学ぶだけでなく、交流を広げ、深めよう
Ⅱ東北地方で、プライマリ・ケア関連ですでに活動している学生や、プライマリ・ケアに興味を
持っている学生全員に連絡できる体制を作ろう
目標
結果と考察
東北支部名簿の人数増員
達成。目標を立てた時点では、名簿の具体的
年度末までに、夏期セミナー時点での東北支
な様式は定まっていなかったが、当面は
部名簿の人数から、セミナー・勉強会へ参加
facebook の東北支部グループを名簿に替わる
者を呼ぶことなどを通して、年度末までに 10%
物として扱い、facebook を告知・連絡の中心
増員する。
的なツールとして使うこととした。なお、東
北支部の一員としての厳密な線引きや資格は
設けず、東北支部の連絡・告知を受け取るこ
とを希望し facebook グループに参加した方
は基本的に全員数に入れた。夏期セミナー時
点ではグループのメンバー数は 124 名、2 月
32
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
29 日現在では 169 名と、目標を超える 36%増
員を達成した。そのうちの 7 割前後は、10/3111/1 に開かれた「総合診療を知るセミナー
秋」を機に加わっており、大規模イベントを
活用することの利点が示された。
一方で、facebook グループのメンバーを確認
することでそれぞれの所属大学等は分かるも
のの、ひとめでどの大学に誰がいるのか把握
することは難しい。今後は、より大学や県ご
との人員・人数が把握しやすいような形に情
報を整理し、連絡に活用する工夫が必要とな
る。
セミナー・勉強会でリピーターにも魅力のあ
達成。「総合診療を知るセミナー
秋」(以下
る企画作り
「あきセミ」)参加者には、過去にも総合診療
セミナー・勉強会では、リピーターにも魅力
系のセミナーを体験した方や他の小児科や臨
のある企画を、学生と先生方の協力で用意す
床推論関係のセミナー参加経験者が多くみら
る。支部長・副支部長以外にも、東北地方の
れた。参加があっただけでなく、アンケート
複数のセミナー・勉強会に参加するリピータ
結果からは、リピーターにとっても「あきセ
ーを 3 名以上作る。
ミ」は一定の満足度を感じてもらうことに成
功したことが分かる。企画内容だけではなく、
東北地方全体から大規模に人数を集めるイベ
ントの開催自体が満足度を高めた傾向もあ
る。ただし、初めて総合診療系のセミナーに
参加した「初学者」と比べると、リピーター
は「その先」を求める傾向があり、単純に満
足度を比較すると「初学者」よりもやや低く
なる。今後、参加者の構成次第では、リピー
ターにターゲットを絞った企画の用意も考慮
に入れると良い。それと同時に、リピーター
は求める物がより多様であり、あまり全体が
そこに引きずられるのは好ましくなく、参加
者の構成に合わせたバランスが重要である。
告知・情報伝達体制構築
達成。
「ここぞという時の秘密兵器」として各
各大学の学年メーリスや LINE を活用して、大
大学の学年メーリス・学年 LINE を活用し、
「総
学事務を通しての告知以外のルートで、医学
合診療を知るセミナー
科学生全員に情報を伝えられる体制を整え
た。
33
秋」の集客につなげ
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
る。
twitter 開始
未達成。twitter アカウントを作り、情報のツ
支部長・副支部長がいる大学(東北大・山形
イートは行う所までは達成。ツイートの回数
大・岩手医科大・秋田大)で、大学ごとのプラ
は少なく、日常的に告知する内容が多くなか
イマリ・ケア関連活動広報のための twitter
った結果、フォロワー獲得の苦労も大きかっ
アカウントを作り、セミナー・勉強会の情報
た。
を気軽にツイートする。twitter を使用して
いる東北支部の学生・先生方や、友人の協力
を得て、情報が人目に触れる機会を増やす
〇関東支部:長谷川優
目的:わ・わ・わ〜家庭医療のハマり場×人とヒトとの化学反応〜
主には家庭医療の周知と場に集まった人たちのしゃべり場となり,化学反応が起こるようなし
かけをしたい
目標
結果と考察
積極的に外に出て関東の大学のつながりを増
やす。
家庭医療に限らず、東洋医学や,医療系以外
の勉強会も含む。数としては,3つくらいま
で。
・連絡網整備:メーリス作成。
達成。各勉強会でメーリスを作成。連絡に使
うだけではなく,今後の勉強会の宣伝にも使
えて有効だった。課題として,管理方法があ
げられ次期支部長と話し合う。
〇中部支部:梁祐輔
目的:活動の継続
目標
結果と考察
積極的に外に出る
主に東海・北陸地方の勉強会・イベントに参
加できた。先生方が開催される勉強会・イベ
ントも多く、それに助けられた。
〇関西支部:大角倫子
目的:活動の継続
目標
結果と考察
2013 年度開始の「実習&振り返り WS で家庭
夏季と春季の 2 回実施することが出来た。ス
34
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
医・総合医・全人的医療のプロフェッショナ
タッフ不足により継続が厳しい状況であった
リズムに出会う!」企画を年 2 回行う。
が、関西圏の先生方のご支援により継続でき
たと思う。近畿地方会で発表する機会を頂き、
スタッフが一人増えたことで春も実施するこ
とが出来た。
〇中国支部:木安貴大(目標)
、恵美拓也(考察)
目的:
(各大学で交流の機会を設けることで)、プライマリ・ケアの認知度を上げると共に、仲間
づくり・情報交換の機会を提供する。
目標
結果と考察
交流の機会の提供:各近隣大学同士でのイベ
中国地方全体での交流会は定期開催化するこ
ントを企画する(現在は Skype での交流を検
とができたが、各近隣大学同士でのイベント
討中)
企画は未だ未達成。各近隣大学同士でのイベ
ントは、物理的距離が大きな障害であるため、
スカイプなどネットを活用し、諸問題に対応
しようと計画中。この計画もまだ中国支部の
一部メンバーでしか話を広げていないため、
すべての中国地方の大学の学生に話を広げて
いくことが必要と考える。定例化した中国地
方の交流会を活用し、スカイプ交流会を実現
させていきたい
仲間作りの機会の提供:イベントではフリー
第3回中国地方プライマリケア交流会で、フ
トークの時間を重視する
リートークの時間を作ってはみたが、時間の
関係上、想定していたものよりも少ないもの
となってしまった。これまでの反省から、フ
リートークは参加者にとって非常に有意義な
ものとなることは間違いない。そのため、今
後も導入していきたいが、そのためにも運営
能力の向上が必須であるのは間違いない。第
3回中国地方プライマリケア交流会では、時
間配分がうまくいかず頓挫してしまった。次
回はこの反省を生かしたい。
プライマリ・ケアの認知度をアップする
1.新しくスタッフとして参加してくれる大学
1.中国地方プライマリ・ケア交流会の広報お
も見つかり、確実に中国地方全体でプライマ
よび参加人数を増やす
リ・ケアの活動は広がっていると実感した。
2.プライマリ・ケアに関する動画を作成する
また、人数が増えるほどできることの範囲も
35
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
広がっていくため、内容も洗練することがで
きるのではないかと思う。いずれにしても、
今の活動が各大学の学生に評価してもらえて
いるのは確かなので、今後もブレることなく
活動していきたい。
2.未達成。内容の検討など実現できるように
努力したい。
〇四国支部:田中いつみ
目的:仲間を見つける
目標
結果と考察
支部のメンバーを増やす
次期副支部長を見つけて、さらに協力者を数
名確保できた。12 月に勉強会を企画したこと
がこの結果に繋がったと思う。やはり人を集
めるには何かしらのイベントを開催すること
が必要だ。
〇九州支部:池田直子
目的:”つながる”
”広がる”
”もっとよくなる”
目標
80 大学行脚@産業医大
結果と考察
開催
達成。
1.家庭医と産業医の分野でご活躍の先生をお
福岡を拠点としている先生方とのつながりを
招きする。
持てるように、との思いから、産業医科大学
2.”家庭医”について知る
と麻生飯塚病院の総合診療医の先生のお力添
3.家庭医と産業医の親和性、共通点、異なる
えで開催が実現した。参加者は、産業医大の
点などについて学ぶ。
学生が多く、家庭医療に初めて触れる方がほ
とんどであった。産業医とは、家庭医とは、
については紹介程度にとどまったため、今後
はそれぞれについてより深めた内容を扱える
といいか。
連絡網の確立:
facebook グループの周知に努め、登録者数も
facebook 登録を促すよう声掛けをつづける。 増えた。メーリングリストの作成は未。
メーリングリストの作成
各大学において窓口となる学生がつながるこ
とで連携が捗ると思われる。
互いの活動を知る:
絶対!とまではいかなかった。
連絡網を確立させて、互いのイベントを広報
行脚のページで報告したものは、そこで満足
36
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
できる場をつくる。
していた。FB ページでは、イベントの広報に
は、よく利用できたが報告は怠っていた。
37
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□北海道支部
『第 3 回 北海道プライマリ・ケアフォーラム、
学生企画「家庭医医療の舞台裏へ 〜若手キャリアプラン」』
札幌医科大学医学部医学科 3 年 草場英太
【目的】
「北海道プライマリ・ケアフォーラム」は 2013 年より始まり、昨年が 3 回目の開催であっ
た。従来の開催では大学生(医学科に限らない)の参加が 10 名程度と極めて少なく、これを
改善することをミッションとして、学生企画チームが立ち上がった。私は支部活動自体のス
タッフではないが、この企画のリーダーであったので、以下に報告する。
【概要】
日時:2015 年 11 月 28 日(土) 13:00-18:00
場所:北海道立道民活動センター(かでる 2.7)
参加者数:19 名(プライマリ・ケアフォーラム全体では 141 名)
(内訳は不明、医学科生 20 名程度、ほか医師、薬剤師、SW、地方自治体関係者等)
参加費:学生・初期研修医は無料、懇親会費 3,000 円
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 北海道ブロック支部
講師:中川久理子先生(寿都町立寿都診療所)、葛西孝健先生(江別市立病院)、後藤郁美
先生(上井草診療所)、高石恵一先生(勤医協中央病院)
【タイムテーブル】
13:40-14:00 共通質問(前半)
14:00-15:00 各先生ごとに参加者が分散してセッション(後半)
【内容】
性別・キャリア・勤務地域がばらけた背景をお持ちの先生それぞれに、まず家庭医療を志し
た理由、現在の勤務状況などについて伺った。(前半)
その後、参加者は前半のお話を聞いて興味を抱いた先生の周囲に集まり、先生ごとに個別の
質疑応答をしたり、先生によっては WS 形式をしたりして、家庭医がどのような医師で、ど
のような興味関心をもって普段活動しているのかを知ってもらう時間とした。後半の中も 2
分割し、2 名の先生とお話できるよう配慮した。(後半)
【感想】
大学医学部は本質的に、専門分化した医療におけるエキスパートの集団である。また体育会
38
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
系の部活動を軸とする医局へのリクルーティングの力が強いため、家庭医療に対し主体的
な関心をもっていない限り、ジェネラリストの医師と接する機会自体が極めて少ない。大学
の病院実習中でも、希望進路について問われ家庭医と答えるとしばしば冷淡な対応に出く
わすそうだ。このような大学の環境の中でも家庭医療に関心を持っている学生の潜在的な
ニーズをきちんと拾い上げていきたいと思った。
【反省・今後の展望】
反省点:
企画を学生向けに練ったこと、告知を強化したこと、交通費補助(開催地は札幌であったの
で旭川医科大学からの参加者に対して)を行ったことなど、前 2 回より相当の進歩があった
と自負している。しかしながら、イベント自体が単発であり、関わっていない学生から見た
ら「意識高い系の人が何かやってる」印象は拭えなかったのではないかと思う。より多くの
学生に参加してもらうために、参加へのハードルを低くする必要がある。具体的な方策につ
いては 28 年度の支部活動で試行錯誤していきたい。
【写真】
写真 1:学生企画に参加いただいた先生、参加者(写真に写りこむ許可を得た方のみ)、スタ
ッフ(緑色のシャツ)
39
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
写真 2:セッション中の写真(後藤先生のテーブル)
【アンケート結果】
40
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
良かった点/改善点コメント:
フリートークで先生と近い距離でお話でき、プライベートなことなど、つっこんだ話もする
機会となりとても良かったです。
先生とお話できる時間を 40 分、40 分の2分割で運営していただきたかったです。 また医
療仲間を連れてきて参加したい企画でした!
特に第2部がよかった。より細かな話ができた。
非常に良かったです。 もう少し共通の質問があってもいいかも。
もっとお話をききたかった。
将来のキャリアプランを考える良い機会になった。
講師の方の個人的なお話が聞けたのがよかった。
聞きたい先生のお話をしっかりと聞けたこと。 スタッフとして参加していたので、他の先
生のお話を聞いてみたかったけど聞けなかったこと。思いの外時間があっという間に過ぎ
たこと。
ステージが違う先生方がいらっしゃって参考になりました。
実行委員振り返りに書いたので、省略します。
いつもと違う講師の先生で面白かった。
色々な話がきけて良かったです。
等のコメントを頂戴した。
1 セッションが 80 分という制約があったため、十分な時間を取れなかった。前後半の時間
配分については、今年はこの時間配分で行ったが、来年度については企画内容も同じになる
か定かではないので、特別に反省はせずに、しっかりと事実関係を引き継ぎたい。
41
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『北海道地域医療ウィンターキャンプ 2016 in 寿都』
札幌医科大学医学部医学科 3 年 草場英太
【目的】
支部 HP
http://jpca-hokkaido.jp/information/北海道地域医療ウインターキャンプ 2016-in 寿都開催
によると、ウインターキャンプのコンセプトは、
「地域医療の第一歩」はその地域で暮らす人々の生活を知り、その想いに触れることです。
この冬、北海道の西端に位置し、風のまちと言われる寿都町での暮らしを一緒に体験してみ
ませんか?きっと新しい発見があなたを待っていることでしょう」とある。
【概要】
日時:2016 年 3 月 4 日(金)~6 日(日)
場所:寿都町立寿都診療所ほか
参加者数:約 20 名
(内訳:学生 9 名、医師 7 名ほか)
参加費:5,000 円(交通費別途支給)
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 北海道ブロック支部
講師:木村眞司先生(松前町立松前病院)、今江章宏先生(寿都町立寿都診療所)ほか、寿
都町役場職員含め多数。
【タイムテーブル】
3 月 4 日 金曜日
12:28
ニセコバスターミナル(岩内)着
14:00~
集合(寿都診療所会議室)
14:30~15:00
支部長あいさつ、オリエンテーション(寿都診療所会議室)
15:00~17:00
診療所・そよかぜ薬局見学
所長よりお話 30 分
支部長よりお話し「北海道の PC にかける思い~学生へのメッセージ~」30 分 担当:中
川
移動&チェックイン
17:00~19:00
温泉、夕食(レストランやまもと:各自注文) 担当:寺門
19:00~20:30
ケアバー(20 歳以上アルコールあり) 担当:田村、西
青年の主張:医者を志した理由、どんな医師を目指すか
42
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
3 月 5 日 土曜日
7:00~ 朝食 担当:寺門
8:30~11:30
オリエンテーション 担当:今江
実習(1 チーム 3-4 人→今回は 2、3、3 人でおこなった)
A:訪問(三橋ミツさん)
担当:今江
B:風の子サークル
担当:西 窓口:田中さん
C:町歩き、若狭屋
担当:寺門
本部:中川、高橋、田村
12:00~13:00
昼食 担当:寺門
13:30~16:30
グループディスカッション、発表準備、温泉 (活性化センター)
16:30~18:30
発表会(実習発表+提言)(活性化センター) 担当:今江
参加者:町長、診療所・そよかぜ薬局スタッフ、風の子サークル
19:00~ケアベキュー 担当:学生実行委員
→学生企画として軽いゲームなどをテーブルごとでしました。20 時のなか締めで一旦終了、
その後飲み会
3 月 6 日 日曜日
7:00~8:00
朝食(活性化センター) 担当:寺門、渡部さん(道の駅)
8:00~10:00
10:00~12:00
カクジュウ佐藤家、鰊御殿見学 担当:佐藤葉澄さん(学芸員)
地域体験:地域の伝統食を堪能~鱈の解体と鱈鍋づくり体験~(ウィ
ズコム)
昼食 担当:山本さんら、地元の方々
12:00~12:30
振り返り、解散
担当:中川
【内容】
タイムテーブルに記したように、フィールドワークなど地域密着型の多彩な内容であった
模様。
【感想】
参加者数名より、とても楽しかったとの感想を得た。私も日程が合えば参加したかった。
【反省・今後の展望】
参加した学生スタッフより、まだ大学のカルチャーに染まっていない 1 年生向けにこのよ
うな趣旨のイベントを行うことはとても良いと思うとの意見を得た。
43
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□東北支部
『総合診療を知るセミナー
秋』
東北支部長
東北大学医学部医学科 5 年
西岡宏泰
【目的】東北地方全体及び周辺地域から、総合診療に興味のある学生・研修医を一堂に集め、
総合診療の概念に触れる機会を作る
【概要】
日時:2015年10月31日 11:30~11月1日12:25
場所:東北大学医学部星陵キャンパス 6 号館
参加者数:学生67名、初期研修医1名、医師35名弱(講師含む)
参加費:無料(懇親会費:学生3,500円 医師7,000円)
主催:文部科学省「未来医療研究人材養成拠点形成事業」 東北大学 コンダクター型総合
診療医養成プログラム
共催:日本プライマリ・ケア連合学会 東北支部
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会
東北支部
講師:
講師名
所属
平 洋先生
はるな生活協同組合 通町診療所
飯島 研史先生
北毛保健生活協同組合 北毛病院
井上 有沙先生
群馬中央医療生活協同組合 前橋協立診療所
比嘉 研先生
群馬中央医療生活協同組合 前橋協立病院
宇敷 萌先生
群馬中央医療生活協同組合 前橋協立病院
中村 大輔先生
利根保健生活協同組合 利根中央病院
長 哲太郎先生
北海道家庭医療学センター 栄町ファミリークリニック
後藤 高明先生
北海道家庭医療学センター 本輪西ファミリークリニック
佐治 朝子先生
北海道家庭医療学センター
榎原 剛先生
北海道家庭医療学センター 本輪西ファミリークリニック
鶴田 真三先生
三重大学医学部附属病院 総合診療科 医局
上垣内 隆文先生
名張市立病院
位田 剣先生
三重大学医学部附属病院
近藤 諭先生
三重大学医学部附属病院 総合診療科 医局
44
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
吉本 清巳先生
奈良県立医科大学総合医療学講座
藤原 靖士先生
南三陸診療所
荻野利紗先生
筑波メディカルセンター病院総合診療科
大澤亮先生
筑波メディカルセンター病院総合診療科
稲葉崇先生
水戸共同病院総合診療科
宮崎賢治先生
水戸共同病院総合診療科
山本由布先生
笠間市立病院
西 智弘先生
川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター
葛西 龍樹先生
福島県立医科大学医学部地域・家庭医療学講座
玉井 照枝先生
東北公済病院
田上 佑輔先生
やまと在宅診療所 登米
深瀬 龍先生
最上町立最上病院
本郷 舞依先生
坂総合病院
齊藤捻哲先生
気仙沼市立元吉病院
【タイムテーブル】
セミナータイムテーブル
10 月 31 日(土)
1:30~12:00
受付
12:10~12:45
開会式
12:45~13:25
特別講演「『プライマリ・ケア』を探る旅」 葛西龍樹先生
13:40~15:20
セッション①病院総合医と診療所の家庭医のアプローチの違い
セッション②ロールプレイで学ぶ『患者中心の医療』第一歩
15:20~15:50
休憩
15:50~17:30
セッション③Inner Consultation から学ぶ自己管理を重視した医療面接技法
セッション④マンガで学ぶ緩和ケア~倫理的問題を考える
17:30~18:00
休憩
18:00~19:00
企画Ⅰ「現場からのプレゼン」
19:40~21:40
現場のジェネラリストと語る懇親会
11 月 1 日(日)
8:00~8:25
受付
8:30~9:50
企画Ⅱ「多職種から考える総合診療」 齊藤捻哲先生
10:00~11:40
セッション⑤もしʺふつうʺの研修医が家庭医療研修をうけたら~もしカテ~
セッション⑥『モヤモヤよ、こんにちは!』多職種で考える臨床倫理
45
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
12:00~12:25
閉会式
セッション①/②、③/④、⑤/⑥については選択。
【内容】
特別講演「
『プライマリ・ケア』を探る旅」
葛西龍樹先生
「総合診療に興味はあるけど、よく分からない」
「総合診療、家庭医療とプライマリ・ケア
の違い」といった学生が持つ疑問への答えを提示しました。セミナーの他のセッションの土
台となるプライマリ・ケアの基本的な概念や重要性を伝えました。
セッション①「病院総合医と診療所の家庭医のアプローチの違い」
吉本 清巳先生、藤原 靖士先生
病院総合医として第一線で働く医師、家庭医として第一線で働く医師の、実際の診療を紹介
しながら、その違いについて解説し、ワークショップを通じてみんなで共有しました。総合
診療マインドは共通でも、ちょっと違う病院総合医と家庭医の実際をわかりやすく解説し
ました。
セッション②「ロールプレイで学ぶ『患者中心の医療』第一歩」
荻野利紗先生、大澤亮先生、稲葉崇先生、宮崎賢治先生、山本由布先生
患者中心の医療の始めの一歩を学びました。ロールプレイを交え、頭と体と心を動かしなが
ら楽しく学んでいきました。
セッション③INNER CONSULTATION から学ぶ自己管理を重視した医療面接技法
榎原剛先生、長哲太郎先生、後藤高明先生、佐治朝子先生
医療面接は、コミュニケーションスキルであり、単純なプロセスから成り立っていることを
示しました。学生の日常の場面と医療面接の似たところを取り上げ、より直感的で自然なコ
ミュニケーションが医療面接に組み込まれる方法を考えていきました。
セッション④マンガで学ぶ緩和ケア~倫理的問題を考える
西智弘先生
実際の緩和ケアの現場では、どんな問題にぶつかっているのか?その中でも「倫理的問題」
に焦点を当てて、マンガを題材にディスカッションを行いました。死ぬこと・生きること、
医療者としてのあり方、患者だけではなく家族の思い、法律の壁・・・などに広く考えを巡ら
せました。
46
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
⑤もし"ふつう"の研修医が家庭医療研修をうけたら~もしカテ~
鶴田真三先生、近藤諭先生、上垣内隆文先生、位田剣先生
家庭医療の後期研修を、グループワークも織り交ぜつつ体験し、家庭医療研修を俯瞰するこ
とを目的にして行いました。家庭医のタマゴがどんなことを学んで、どんなことを大事にし
ているのかを伝えました。
⑥『モヤモヤよ、こんにちは!』多職種で考える臨床倫理~4 分割カンファレンスのススメ
~
平洋先生、飯島研史先生、井上有沙先生、比嘉研先生、宇敷萌先生、中村大輔先生
生活背景も考え方も異なる、さまざまな人の意向が交錯する臨床現場。患者・家族・医療者
が足並みをそろえて治療を進められず"なんとなくモヤモヤする"こともしばしばです。そん
なとき役立つのが、
「臨床倫理」の考え方を、
「臨床倫理 4 分割法」というツールを活用し、
モヤモヤ解消のヒントを学びました。
企画Ⅰ「現場からのプレゼン」
本郷舞依先生、玉井照枝先生、深瀬龍先生、田上佑輔先生
全く異なる専門家から地域医療を立ち上げる道に転じた先生、医師以外の立場から患者・住
民の生活を考えて行動している先生等、様々な形で総合診療やケアに携わる 4 人のプレゼ
ンターが登壇し、現場で感じていること、考えていること、実践していることについて語り
ました。
企画Ⅱ「多職種から考える総合診療」
齊藤捻哲先生
ワークショップ形式で、具体的な患者や問題を題材に、多職種連携について考えました。
【感想】
企画・準備・運営を行った者としての感想を述べます。東北地方で行う総合診療関係のセミ
ナーに 12 大学から 67 名という、前例のない人数の学生が集ったこと自体に大きな意味が
ありました。アンケート結果から、セッションや企画の内容に高い評価が集まるとともに、
セミナーでの他の学生や先生方との出会いや議論が、参加者に大きな印象を残したことが
うかがえます。今回は、セッション数やそのためにお呼びする講師の人数等に関して、大規
模なセミナーを開くことができる下地が整っていたので、その条件を活かせる人数の参加
者に集ってもらえたことが成功につながりました。今後も、好条件がある場合は、それを活
かすための工夫を怠らないことが肝要だと思われます。
また、このセミナーでの総合診療との出会い、学生同士の出会いだけで終わってしまうのは
惜しいように思います。実際には、いくつかの要因から、学生・研修医部会東北支部として
47
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
この年度内に他のセミナーを実施することはできなかったものの、医師や研修医の先生を
中心に企画された勉強会などがそれぞれの県で開かれ、このセミナーをきっかけにそのよ
うな勉強会にも参加するようになった学生もいました。そのような、後に続く流れを今後も
作れるように努力します。
【反省・今後の展望】
経験不足や、この規模の人数の参加に対応しきれなかった点等、セミナーの運営面での具体
的な反省点は多数あります。ただ、上記の感想で述べたように、最大の反省点は、今回のセ
ミナーの後、他の小規模/中規模のセミナー・勉強会を続けて開催できなかったことです。
それぞれの県でセミナー・勉強会を開くためには、現実的にはその大学の学生が中心となっ
て動く必要がありますが、現在東北支部で積極的に活動している学生は部活等他の活動と
の両立の問題があり、今年度は勉強会開催までには至りませんでした。ただし、今回のセミ
ナーの準備に関わった学生や、参加者等、各地に「芽」は植えつけられたので、来年度での
開催に繋げることはできると思われます。
【写真】
48
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
(抜粋)
49
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
50
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
51
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□関東支部
『新入生歓迎会〜「あなた」のジェネラリズムを発掘する!!〜』
埼玉医科大学 5 年
長谷川
優
【目的】
家庭医療に興味はあるけど,どのようなものかはっきりわからない…自分の大学には活発に
活動しているコミュニティがないから学べない…などなど周りの環境が理由で学べない人が多
くいると昨年の新歓企画の際にわかったため,本年度も企画いたしました.初めて家庭医療を
学ぶという人を対象に家庭医療の導入を扱った.
【概要】
日時:2015 年 5 月 2 日
場所:順天堂大学
13:00〜17:00
8 号館 3 階カンファレンスルーム
参加者数:43 人
(内訳:医学生 40 名、その他学生 3 名
)
参加費:無料(懇親会費:2000 円)
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部
講師: 今回はなし。
【タイムテーブル】
14:00~ 開会
~17:00 閉会
18:00~ ご飯会
【内容】
40 名を超える学生にご参加いただきました.学年は 1〜5 年生までと幅広く,普段なかなか
興味はあるが学ぶに至っていないという人が多かったように思います.本年度副支部長である
横浜市立大学 3 年の山田祐揮くんによるプレゼン形式のレクチャー&WS で大いに盛り上がりま
した.
題材としては,“BPS モデル”と“患者中心の医療”とについてでした.症例をベースに家
庭医の頭の中を垣間見ました.こんな視点で患者さんを診ており,さらにはその背景にある家
族やコミュニティに対してもアプローチするということも紹介しました.家庭医療ではこれが
できる,こんな思いで取り組んでいる先生がいらっしゃる,多くの人の力が合わさって成り立
っている…など,関東支部が普段自身の大学では言えないちょっと恥ずかしいことも言い合え
るコミュニティであるという認識をみなさんにもっていただけました.
ご飯会でも普段の自身の大学での取り組みやカリキュラムなどに花を咲かせながら,交流の
場になったと思います.
【感想】
潜在的にもっているであろうジェネラリズムを想起してもらういい機会になったと思いま
す.おそらく潜在的には持っていても実際はきれいごとで,実践するのは難しいということを
52
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
各大学で言われ続けているため,考えを持ち続けることに自信がなくなっているのが現状で
す.
【反省・今後の展望】
今後このような企画は続けていけばいいなと考えています。関東支部運営内でもしっかりと
そのような認識があるようです.反省としては「新歓」と題しているため,ご飯代などをどう
していくかを考えていく必要があると感じました.各大学によっての「新歓」という言葉に対
する定義が異なっているようです.新規参入大学をもっと増やしていく必要があります.周知
の活動も支部活動の一つと再認識しました.
【写真】
【アンケート結果】回収 26 人(スタッフ 8 名分除く)
□全体を通しての総合評価
平均点
□この企画をどのように知ったか
9.54 点
知人・先輩/学年の宣伝/Facebook ページ
26/5/15
広報の問題点としては新規大学の参入が少なかった点.「知人・先輩」をすべての人が選ん
だため,やはり口コミは非常に重要である.SNS に頼りがちであるが,一番は口コミと考え
る.しかしながらこれ以降の企画で,関東支部全体のメーリングリストを作成したため,そち
らの考察は次回以降の企画に譲ることとする.
会自体の長さも「ちょうどよかった」を選んだ人が 23 名(短かった 1 名,長かった 2 名)で
あるため,この手の内容を扱う際は 4 時間程度が妥当であろうか.集合写真撮影,振り返りの時
間も込みで 4 時間とするのがよい.
53
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『家庭医療×コーチング〜人とヒトとの化学反応〜』
埼玉医科大学 5 年
長谷川
優
【目的】
以前に関東支部でコーチングの勉強会を企画し,再度そういう場を設けてほしい!という学
生のニーズに応えようとしたのが最初のきっかけです.外来診療,病棟の場でもそうですが,
行動変容とは難しいものです(自身の行動を変えることも難しいのですから…).コーチング
というコミュケーションスキルのひとつを学ぶことで,それらを少しでも円滑にできるように
という思いで本企画が開催されました.
【概要】
日時:2015 年 9 月 19 日
場所:東京女子医科大学
14:30〜18:00
524 号室
参加者数:34 人
(内訳:医学生 29 名,その他学生 3 名,医師 1 名,その他社会人 1 名
)
参加費:無料(懇親会費:3500 円)
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部
講師:吉田
有
ビジネスコーチ株式会社
取締役
BCS認定プロフェッショナルビジ
ネスコーチ
【タイムテーブル】
14:30〜15:00
▼良い”わ”を作るための押さえておくべきポイント
15:10〜16:10
▼具体的なコーチングスキル
→”共感・ニュートラル・傾聴・承認・質問・アドバイス”
16:20〜17:40
▼コーチングスキルを使ったコーチングの実践
17:40〜18:00
▼まとめワーク
19:00〜 懇親会
【内容】
コーチングの先生をお招きしての今回の企画でした.「コーチング」という言葉を聞くと,
おそらく野球のコーチや,サッカーのコーチが真っ先に挙がると思われます.本企画ではその
ようなコーチではなく,いわばコミュニケーションスキルのひとつであるコーチングを学ぼう
という企画です.
まずは吉田先生にコーチングとは何かをレクチャー頂きました.入門から丁寧に勉強でき,
あらゆる場面で使える…かも!?という印象を参加者のみなさんがもっていただいたところ
で,実際にコーチングが使える場面を出してみようというワークを行なっていただきました.
医療の現場ではもちろん,友達との会話の中でも使えるという意見もありました.ただ,その
厚かましさには注意したい…との意見もあり,バランスは重要だという認識をみなで持ちまし
た.
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
その後は実際にコーチングスキルをレクチャーいただき,ロールプレイでスキルを使う練習
をしました.
【感想】
コーチングを能動的主体的に用いるものではないのかなあという印象です.積極的に用いる
わけではなく,なにか本当に困っていること,たとえば診療の中で行動変容を促したい…など
がある場合に使用するものかなと感じました.
【反省・今後の展望】
この勉強会で終わりにすることなく,今後も定期的に有志でコーチングスキルを用いたロー
ルプレイできる場を作りたいと思います.継続することでスキルが身になり,質が担保される
と思います.来年度以降の関東支部運営に引き継ぎたいと思います.先生方のお力も必要です
ので,ご支援・ご指導の程宜しくお願い申し上げます.
【写真】
【アンケート結果】回収 8 人
□この勉強会の満足度平均
4.75/5.0 点
□あなたは家庭医療にどのくらいの興味があるか
□今後このような会があったら参加したいか
4.63/5.0 点
100%
今回の勉強会でのアンケート回収率が非常に悪かった.考えられる理由は 2 点.1 つは
Google フォームで行なった点.もう 1 つはアンケートの記入の時間を十分にとれなかった点で
ある.Google フォームで行なうこと自体は今までで初めてであったため,スタッフが慣れてい
ないこともあり,参加者のみなさまに配慮できていなかったのは非常に反省すべきことであ
る.今後 Google フォームなどの紙以外の媒体で行なう場合は配慮が必要である.記入するため
の強制的な時間を作る必要があると考える.
今後このような会があれば参加したいと答えてくださった参加者のみなさまが 100%という
ことで非常に嬉しい結果となった.やはりコミュニケーションスキルで日頃お悩みの方や,コ
ミュニケーションを円滑にはかりたいと感じている人が多くいると見受けられ,非常にニーズ
があると感じた.持続可能な会となるためには,今回ご協力いただきました講師である吉田様
55
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
に今後も何らかの形でご支援・ご指導いただける環境を作り,体系的・継続的に学べる機会を
設けようと考えている.スキルを用いて練習できるような場を提供したい.
56
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『結局,総合診療専門医,って何なの?〜新専門医制度とキャリアパス〜』
埼玉医科大学 5 年
長谷川
優
【目的】
埼玉医科大学の学生の中で“総合診療”とは何だろう?という話をする機会が多くなってき
ました.2017 年度からは新専門医制度も始まるため,より一層総合診療とは何か?というのが
注目されるでしょう.今回のこの企画では 80 大学行脚プロジェクトとタイアップして,埼玉医
科大学卒業生の先生方を中心に,大学教育において先進的に総合診療を教育されている,かつ
新専門医制度を最前線でお考えになっている筑波大学の前野先生にご協力いただき,この企画
が実現しました.
【概要】
日時:2015 年 11 月 14 日
場所:埼玉医科大学
13:30〜17:00
オルコスホール 1 階
参加者数:40 人
(内訳:医学生 26 名,医師 12 名,研修医 2 名
)
参加費:無料(懇親会費:2000 円)
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部
講師:中元 秀友:埼玉医科大学
総合診療内科
教授,埼玉医科大学病院研修管理委員
長
前野 哲博:筑波大学 医学医療系 地域医療教育学
合診療科
附属病院 総合臨床教育センター・総
教授/日本プライマリ・ケア連合学会 副理事長
柴﨑 智美:埼玉医科大学 地域医学・医療センター 准教授
高木 博:筑波大学 総合診療グループ 大和クリニック
大塚 貴博:医療法人麻葉会
明戸大塚医院
副院長(埼玉医大卒業生)
院長(筑波大学
総合診療グループ)
遠井 敬大:日本医療福祉生協連 家庭医療学開発センター(CFMD)/川崎セツルメント診
療所 所長(埼玉医大卒業生)
高橋 聡子:筑波大学 総合診療グループ 後期研修医
橋本 正良:埼玉医科大学
総合診療内科
教授
外来医長
小林 威仁:埼玉医科大学
総合診療内科
講師
病棟医長
共催:埼玉医科大学地域医学・医療センター,埼玉医科大学総合診療内科
協賛:日本プライマリ・ケア連合学会 80 大学行脚プロジェクト
【タイムテーブル】
13:30▼ Opening Remarks
・スケジュール,諸注意の確認
・グループワーク①総合診療のイメージって?
13:50▼ 中元先生講演
埼玉医大総合診療内科の展望
14:40▼ 前野先生講演
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
前半:総合診療とは
グループワーク②総合診療のイメージは変わりましたか??
後半:新専門医制度について(新しい「総合診療専門医」)
16:00▼ シンポジウム「徹底討論!総合診療というキャリアパス」
前半:大塚先生・高木先生・遠井先生のキャリア紹介
後半:質疑応答
17:00
Closing Remarks
▼ 全体質問
▼アンケート・集合写真
17:30
フォンテーヌ(丸木記念館
▼ 懇親会
【内容】
まず第一部では遠井先生,高木先生,大塚先生のキャリアについてお話をいただきました.
三者三様のお話をされるのですが,やはり“総合診療”の醍醐味,本質に関しては変わらない
ことを再認識する内容となりました.シンポジウム形式で御三方に歩んでこられたキャリアに
ついての学生から多くの質問をさせていただきました.
第二部では中元教授より,今まで埼玉医大生にも語られてこなかった先生ご自身の経歴や,
埼玉医大における総合診療内科立ち上げ当時の状況,そしてこれからについてのお話を拝聴い
たしました.3 次医療における総合診療の立ち位置の難しさを説きながら,各方面の専門医に
よって構成される総合診療内科を目指し,一方で,東館オープンに伴い,外来診療にも重きを
置くということをお話しくださいました.
最後に前野先生による,“総合診療とは?〜新専門医制度とキャリアパス〜”の題でご講演
いただき,前野先生のこれまでの取り組み,葛藤・苦悩などお話しいただきました.総合診療
が必要だ,と信じてたいたものの,周りの声や環境によって自身を否定され,総合診療の必要
性と将来性を感じながらも認められない辛さなどをお話しいただき,学生たちも新鮮な気持ち
で拝聴できました.
【感想】
何が大事なのか,何を大事にするかは各々異なるのは当然のことで,しかしそれを思い続
け,形にすることは非常に難しいことであり,ましてや周りから認められるというのはさらに
難しいことなのだ,という結論になりましたが,非常に建設的な議論が最後講師陣と学生間で
できたのは大きな収穫でした.
【反省・今後の展望】
小さな火が大きくなるためには継続性が必要.総合診療は重要である,といった風はまだま
だないにしても,学生の中にあるマインドを大事にするべく,吐き出せる場・安全な場を作っ
ていく必要があると感じています.これは埼玉医大だけではない問題と認識しています.
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【写真】
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
イベント前と後で同様のアンケートを行い、その結果を比較することでイベントの評価を行っ
た。質問は 5 点満点で評価してもらう形式をとった。
①総合診療について
棒グラフについて、左から順に問いは,
・
総合診療に興味・関心はありますか。
・
総合診療専門医に興味はありますか。
・
総合診療は大事だと思いますか。
・
将来総合診療に関わりたいと思いますか。
であり、それぞれ 5 点満点で評価してもらい、その分布を示した。青、赤、緑、紫はそれぞれ
5~2 点と評価した人の人数を示す。1 点、0 点は項目として設けていたが評価した人がいなか
ったため割愛する。
図1.会を開催する前から参加者のみなさまは「総合医療を大事」に思っている人が多い.
これは将来臓器別専門医に進んでも,総合診療の大切さをわかって仕事をする,つまりマイン
ドを理解した上で働くのは非常に患者さんにとっても,医療関係者にとっても大変価値あるこ
とかと感じる.また,そのような意味でも「総合診療に興味がある」と答えた参加者も非常に
多かった.本企画が注目されていたことはみてわかる.
図2.会が終了してからも依然として興味関心があり,2017 年度から始まる「総合診療専門医」
についての興味も高まった.前野先生より,制度の切り口で非常に丁寧にかつ今後の展望をお話
ししてくださった結果だ.総合診療に携わりたいと思った方も微増した.
②将来働きたい場所について
事前アンケート
図3.まだまだどのフィールドで働くかを決めていない人も大勢いるようだが,意外にも「一
般診療所」が多かった.
「僻地・離島」でも「どちらでもない」を選ぶ人が多いものの,働きた
いと思っている人も多いことがわかる.
事後アンケート
図4.会終了後,病院で働きたいと思う人よりも,診療所で働きたいと思う人の方が多くなっ
た.3 人の講師の先生方の活躍されるフィールドが診療所ということもあったのだろうか.イメ
ージしやすいという点で診療所を選んだ方も多かったはずだ.そのような中で病院で働かない
と現段階で選択した人もいるため,影響のある会になったことは言うまでもない.しかしながら
誤解なきように申し上げるならば,大学で家庭医療/総合診療教育を実践しよう(あるいはされ
60
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
ている)前野先生の説明を聞いて感じたことであるので,そこに何かしら感じた参加者のみなさ
まもいたのだろうか.今後さらなる疑問・意見を吸い上げる場を設けたいと考える.
③プライマリケア、家庭医療等についての認知度
事前アンケート
図5.現在日本で総合診療に関する言葉は数多く存在するが,参加者のみなさまの間でもこの
ような言葉をしっかりと把握されている方は非常に少ない印象である.
事後アンケート
図6.これらの言葉について説明する時間をとらなかったにもかかわらず,
「わかる」と答えた
参加者が増えた.前野先生をはじめ,講師のみなさまが言葉を巧みに使い分けていたためと考え
る.筆者個人の意見を書くとするならば,上の言葉は働くフィールドによって少しずつニュアン
スが異なり,一つの言葉に集約するならば“Generalist”であろうか.
④総評
事後アンケート
図7.総評として概ね総合診療について理解が深まり,有意義な企画となったようである.運
営者として大変嬉しい結果である.今後の展望の中にも記載したが,今回で終わらないよう継続
的にやることで一歩先の議論が可能となり,つまり家庭医療/総合診療についてのメリット/デ
メリット,問題点,大学教育…などを議論することで,自身がこれからどのようにしていくかを
考えることができるということである.埼玉医大の理念として,“Your Happiness is Our
Happiness.”があり,したがってそれが最終的には患者さんやそのご家族,地域(コミュニティ)
の幸せのために何ができるかを考えることとなる.日々勉強に精進し,優れた医療人になるべく
今後活動していきたいと考えている学生も多いであろう.
61
平成27年度年間活動報告
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図1
図2
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平成27年度年間活動報告
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図3
図4
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図5
図6
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図7
図8
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平成27年度年間活動報告
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『Generalist Party for the Young 2015(GPY 2015)』
埼玉医科大学 5 年
長谷川
優
【目的】
主に“総合診療”に興味・関心のある学生が,現在 Generalist として活躍している医師との
対話から学び,考え,将来のキャリアについての想いを深めること.
【概要】
日時:2015 年 12 月 5 日
16:30〜19:00
場所:東京 御茶ノ水バル VELDE〜ヴェルデ〜
参加者数:36 人
(内訳:医学生 19 名,医師 15 名,研修医 2 名
)
参加費:医師 6000 円,学生 4000 円
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部,川崎市立井田病院
総合診療科/緩和ケア内科
宇井
陸人
講師:
・孫 大輔 先生(東京大学大学院医学系研究科 医学教育国際研究センター)
・大橋 博樹 先生(多摩ファミリークリニック院長)
・志水 太郎
先生(東京城東病院
総合内科)
・藤谷 直明
先生(宮崎医院 / 大分大学
総合内科・総合診療科)[日本 PC 連合学会
若手医師部会代表]
・田中 公孝
先生(医療福祉生協連家庭医療学開発センター(CFMD))
・遠井 敬大 先生(川崎セツルメント診療所 / CFMD)
・今藤 誠俊
先生(根津診療所 / CFMD)
・五十野 博基 先生(水戸協同病院総合診療科 / 筑波大学総合診療グループ)
・高木 博 先生(大和クリニック / 筑波大学総合診療グループ )
・飯島 達行 先生(川崎市立井田病院
・田中 雅之
先生(東京医療センター
・宇井 睦人 先生(川崎市立井田病院
総合診療科)
総合内科 / 川崎市立井田病院 緩和ケア内科)
総合診療科 / 緩和ケア内科)[医師世話人]
【タイムテーブル】
16:30〜19:00
医師と学生との交流会
【内容】
新専門医制度が 2017 年度より始まり,総合診療に関心を持つ学生や,Generalist を目指す
医学生も少しずつ増えているように感じます.様々な勉強会/イベントを通して学生と医師の距
離は近くなってはいるものの,まだまだ自身のキャリアについて悩む学生は少なくありませ
ん.
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
そこで Generalist のキャリア選択に悩む学生達にとって医師への相談やロールモデルの発掘,
医師においては学生のニーズや現在の卒前教育について理解を深められるという,学生・医師
ともにざっくばらんに対話できる会を企画しました.
家庭医・病院総合医・緩和ケア医・在宅診療医・医学教育など多様多彩な医師の協力のもと,
毎年恒例になりつつある”Generalist Party for the Young ”2015 年版と、PC 連合学会学生
研修医部会関東支部の忘年会を融合させました.
通常の飲み会ではたまたま同じ席になった先生など対話できる人が限られてしまう場合も多
いと思いますが,この企画では学生さんがなるべく多くの Generalist とお話できるように20
〜30分毎に時間を区切って席替えを繰り返しますので,16〜19時の3時間でかなり多く
の先生と対話できるとても実りの多い会となっています!!
【感想】
学生はすべての先生と話せるシステムで,学生の満足度は非常に高かったように思います.
今後どのようにしていこうか悩んでいる学生には参考になる話ばかりで,先生方は家庭医療/総
合診療の道に進みたいと思っていた学生に対しても決してそれを賛成だけするわけではなく,
冷静に話を聞いてくださっておりました.関東の学生・医師のみならず,九州からも駆けつけ
てくださり,より一層幅の広い内容となりました.大変感謝しております.
【反省・今後の展望】
あまりにシステマチックになりすぎたことと,参加した学生がいつものメンバーということ
もあり,今後は新しいメンバーにも参加していただきたく,開催時期なども考慮する必要があ
ります.また,懇親会のみではなく,何か WS やレクチャーを交えたことをしてからの交流でも
よいという意見もありましたので,今後の検討材料といたします.
【写真】
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『家庭医療×東洋医学コラボ企画』
埼玉医科大学 5 年
長谷川
優
【目的】
家庭医療と東洋医学とを学んできた学生が,どこか似ているが異なるのではないか,と思っ
たのがきっかけでした.家庭医療の可能性,東洋医学の可能性をお伝えするには,日頃から両
者のフィールドで診療されている“ヒト”にお伺いするのが早いと思い,家庭医2人,鍼灸師
2人に講師を依頼し,開催に至りました.
【概要】
日時:2016 年 2 月 7 日
11:30〜18:00
場所:東京医科歯科大学
歯学部棟 7 号館 4 階
参加者数:93 人
(内訳:医学生 31 名,鍼灸学生 5 名,その他学生
2 名,医師 4 名,看護師
鍼灸師 41 名,薬剤師 1 名,その他 6 名)
参加費:500 円(懇親会費:1500 円)
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部,九州支部
講師:▼ 今藤 誠俊 先生
・根津診療所
医師
所長
・医療福祉生協連家庭医療学開発センター
・医療生協家庭医療学レジデンシー・東京
・日本医科大学付属病院東洋医学科
▼ 樫尾
明彦 先生
・和田堀診療所
外来担当医
医師
所長
・医療福祉生協連家庭医療学開発センター
・医療生協家庭医療学レジデンシー・東京
▼ 山川 義人 先生
鍼灸師,産業カウンセラー
・首都医校鍼灸学科非常勤講師
・一般社団法人全国統合医療協会経営企画室理事長補佐
・鍼灸 Boulevard 虎ノ門顧問
・鍼灸師の海外進出 facebook コミュニティ「鍼灸×海外」主催
▼ 成田 響太 先生
鍼灸師
・真央クリニック附属鍼灸室
・長湯鍼灸院
室長
院長
・大分大学東洋医学研究会顧問
・大分大学医学部非常勤講師
・琉球大学医学部非常勤講師,産業医科大学東洋医学研究部特別講師,
・友と学ぶ九州東洋医学ネットワーク(通称:TOMO9)
69
3 名,
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【タイムテーブル】
11:30
受付開始
12:00〜12:20(20 分)
オープニング
12:20〜13:50(90 分)
プログラム①
家庭医療と東洋医学
ケースワーク
樫尾先生と今藤先生の自己紹介
1つ
「家庭医が語る!家庭医療×東洋医学〜ケースワーク〜」
13:50〜14:00 (20 分) 休憩
14:10〜15:40 (90 分) プログラム②
成田先生と山川先生の自己紹介
鍼灸体験
「鍼灸師が語る!東洋医学×家庭医療〜体験してみよう〜」
15:40~16:00 (20 分)休憩
16:00〜17:00(60 分)プログラム③
「講師スペシャル対談×座談会」
17:00〜17:30(30 分)エンディング(振り返り)・写真撮影
18:00~20:00(120 分)
懇親会
【内容】
大きく 3 つの構成で行いました.①家庭医による東洋医学の実践例,②鍼灸師による家庭医
療の実践,③講師陣(4 人)によるシンポジウムという構成でした.
まず①では家庭医療の概念をお話しいただき,実際の症例を元に,その症例の問題点を各班
で話し合いました.そこで出た問題点を中心に議論し,家庭医はどのようにアプローチしてい
ったのかを説明していただき,この時点で東洋医学に詳しい方々は,「あれ?家庭医療は東洋
医学に似ている?」と感じた方が多かったようです.そして漢方薬を実際に継続的に用いて,
成功失敗を繰り返しながら診療されたというお話をしていただきました.
②では東洋医学の概念を詳しくお話しされ,言葉の定義から始まりました.これについても
全人的に捉える東洋医学の概念が家庭医療と似ていると感じた方も多かったようです.実際の
診療の風景を動画で紹介していただき,同じ頭痛でも人が変わればアプローチも異なることに
ついてお話しされました.しかしながら西洋医学とは異なり,エビデンスに欠けるといった欠
点も指摘しつつ,これからはエビデンスを構築していく必要があるとお話しされ,一方で職人
技的な部分も大事にしていきたいという先生からのお話でした.
③では様々な質問がなされました.「家庭医療・東洋医学の専門性は何か?」「日頃診療で
の患者さんや職場の方々との距離感のとり方」「なぜその道に進んだか?」などなど 1 時間と
いう時間はあっという間に過ぎました.専門性の話では,家庭医療ではコミュニティをまるご
と診ることや守備範囲の広さ,東洋医学では全人的に診ることや不定愁訴のような西洋医学で
は対処できない事例の際の代替医療としての役割を担うということ.距離感に関しては,電話
やメールのように近代文明に頼るのもいいが,「顔が見える関係」がキーワードでやっていく
とうまくいくことが多いというアドバイスも.
【感想】
70
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
素晴らしい会を開催することができたと思います.将来どこで働くかはわかりませんが,そ
れに備えて様々な武器を持っておくことは非常に重要だと感じましたし,西洋医学と東洋医学
が統合することで解決できる幅が増えるのだと実感できる会となりました.
【反省・今後の展望】
運営的には申し込みの段階で対象と人数を限定しなかったために,少しぼやけた感じは否め
ませんが,人数制限をできるだけせずにコンテンツを提供できるように努めることから始め,
主には人手不足であるので,スタッフに人員を割きたいと思います.今後に関しては今回多く
の方々にご参加いただき東洋医学の輪が広がりましたので,東洋医学を体系的に学べるよう関
東支部で体制を整えたいと考えております.鍼灸師の方々,漢方医の方々のみならず,日頃よ
りツールとして東洋医学を用いている Generalist の先生方にもご協力いただければと考えてお
ります.今後の活動にご注目ください.
【写真】
【アンケート結果】
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年間活動報告
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年間活動報告
全体評価平均が 4.72/5.0 点であったことは評価できる.概ね参加者のみなさまが満足してい
ただける内容となったのだろう.また,我々運営スタッフが伝えたかったことの一つである,
「家庭医療と東洋医学とのコラボは可能か?」という問いに,81%もの人が「5」と記入してく
ださり,スタッフとしても大変満足である.一方で反省点とすれば,対象者層と人数を直前ま
で制限しなかったことで,会場のキャパシティー以上を抱えることとなり,全体的に設備に関
する評価は低いのが見受けられる.また驚くべきことは,家庭医療のイメージが勉強会前/後で
あまり変化していないということである.あくまで相対評価であるため,数字がそれを表して
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
いるとは言い難いが,家庭医療という概念が広く知れ渡っていた,あるいは概念を理解するこ
とができなかったかである.記述式アンケートでは家庭医療の概念を理解できなかったと回答
する方はほぼいらっしゃらなかったため,前者である可能性が非常に高い.日頃より家庭医療
を意識して診療されている鍼灸師の方,ならびに家庭医療を学んでいる学生方は概念としては
持っているのと考察する.
この会を今後も続けて欲しい,といった意見が数多く寄せられた.普段家庭医療に馴染みが無
い方,東洋医学の知識が全く無い方…様々いらっしゃると思うが,この会が持続可能なものと
なっていくために,今回の内容を後世に引き継ぎ,早速第二回を企画したいと思う.取り扱う
トピックも数多く寄せられているため,今後の関東支部・九州支部における“家庭医療×東洋
医学”にご注目ください!
74
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『ファシリテーション勉強会』
埼玉医科大学 5 年
長谷川
優
【目的】
夏期セミナーや勉強会,各種イベントにおいて,ファシリテーターを担ったことがある人が
数多くいます.そのような人たちに共通して,「話をうまく進めることができない」「話をま
とめることができない」などといった失敗エピソードがあり,うまいファシリテーションとは
何だろう?という疑問から発足しました.
【概要】
日時: 2015 年 12 月 29 日
21:15〜23:15
場所: Skype にて行なった.
参加者数:8 人
(内訳:医学生 7 名,医師 1 名)
参加費:無料
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部
講師:田中 公孝
医療福祉生協連家庭医療学開発センター(CFMD)
【内容】
各々のファシリテーション失敗エピソードを話していきました.その中から具体的にどのよ
うにしていけばうまくいけるかといったことを皆で考え,講師・アドバイザーである田中公孝
先生にご指導いただきました.この会の最後にはファシリテーションに困った際の対処法を具
体的に挙げていき,本も紹介し合いながら,関東支部の学生の中で共通認識を構築しました.
1。場
を感じ
2。流
れを設定して
3。問
を決める
概念的ではありますが,様々な失敗エピソードから一般化したものです.次回以降はこれを念
頭に置きながら,Skype でも気軽に行える勉強会として開催していきたいと考えています.
【感想】
参加者で失敗エピソードを話すと意外と自分の中ではすっきりするもので,並べてみると異
なっているようで似ている失敗をしている印象でした.解決法は人によって個性がありますか
ら,これ!といったものを押し付けることはできませんが,今後は各々が感じた中でいい解決
法を模索できればと考えています.
【反省・今後の展望】
顔が見えない分,どんなトーンで話しているかを察しなければなりませんが,またこれもい
い訓練なのかなと感じています.今後も定期的にこのような勉強会を継続して参りたいと思い
ます.展望としては,対面で顔の見える環境でローププレイなどし,練習し,各種勉強会・イ
75
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
ベントで活用できればと思います.もちろん普段の生活の中で使えることができれば素晴らし
いと思います.
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□中部支部
『家庭医療学セミナー in Mie 2015 ~もしカテ~』
三重大学医部科 4 年 藤井健人
【概要】
日時:2015 年 6 月 27 日 12:30~18:30
場所:三重大学医学部新医学棟 3F(旧看護棟)第 3 講義室
参加者数:36 人
(内訳:医学生 33 名、後期研修医 2 名、薬剤師 1 名)
参加費:無料 ※懇親会費 3000 円。
主催:三重大学家庭医療学セミナー学生運営員会
共催:三重大学家庭医療学講座
80 大学行脚プロジェクト
後援:三重大学医学部附属病院臨床研修・キャリア支援センター
NPO 法人 MMC 卒後臨床研修センター
●タイムスケジュール
11:50~12:20 受付
12:30~14:00 セッション①
14:00~14:50 Tea party
14:50~16:20 セッション②
16:40~18:10 セッション③
18:10~18:30 閉会式&写真撮影
19:00~21:00 懇親会
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年間活動報告
●開催セッション
<セッション①>~選択制~
・
「もし、家庭医であるあなたの暮らす地域で災害が起きたら」
講師)橋本修嗣 先生(三重県立一志病院)
近藤諭 先生(三重大学家庭医療学講座)
・
「もし、家庭医療に興味のある医学生・研修医が『新しい創傷治癒』を学んだら」
講師)大屋正樹 先生(名張市立病院)
森洋平 先生(三重大学家庭医療学講座)
<セッション②>~全員参加~
・
「もしも、家庭医療に興味のある医学生・研修医がとことんロールプレイして行動変容
スキルを獲得したら」
講師)森洋平 先生(三重大学家庭医療学講座)
尾崎仁、久保田祥央、鈴木佳孝、田中輔(三重大学医学科 2 年)
<セッション③>~全員参加~
・
「もし家庭医療・総合診療・地域医療に興味があるなら、どこでどんな初期研修が適切
か」
講師)御前秀和 先生(名張市立病院)
原田直樹 先生(名張市立病院)
中川知美 先生(名張市立病院・初期研修医 2 年目)
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年間活動報告
【企画詳細&感想】
■セッション①
●「もし、家庭医であるあなたの暮らす地域で災害が起きたら」
講師)橋本修嗣先生(三重県立一志病院)近藤諭先生(三重大学家庭医療学講座)
Keyword)家庭医療、災害、DMAT など。
セッション紹介文)
地域とともに家庭医が災害へ備えるにはどうすればよいのでしょうか? 災害に関する知
識や、家庭医療に関する知識がなくても大丈夫! 家庭医で、DMAT 隊員でもある橋本修嗣
先生を講師に、 単なるワークショップ・災害訓練にとどまらないイベントを企画してい
ます。 家庭医だからできると地域・災害との関わりについて、仲間たちと一緒に考えて
みませんか?
受講後アンケート) 回答数:14
A)全体的に満足:14 名 B)それなりに満足:0 名 C)不満がある:0 名 D)全体的に不
満:0 名
○意見、感想など(抜粋)
・災害とはどんなものか考えるきっかけとなりました。楽しかったです。(医・2 年)
・実際に自分が家庭医であることを想像しながら皆さんで様々な意見を出し合えたのが
非常に有意義なものでした。(医・5 年)
・災害に対するイメージが変わった(医・3 年)
・救急に興味があったので、その意欲をよりかきたてられました。(医・4 年)
・今までにないアプローチの仕方で非常に楽しかったです。(医・5 年)
・discussion メインでとても面白かったです。(医・5 年)
・本当にためになりました!!貴重な視点をありがとうございます!!(医・5 年)
・災害と家庭医の役割を考える機会を得ることができて良かったです。(後期研修医)
受講後の感想)
<災害医療セッションに参加して: 三重大学医学部医学科2年 鈴木佳孝>
セッション①では私は災害医療を選択しました。
セッションの流れについては、まず橋本先生が自己紹介をし、災害現場で医療資源と医
療ニーズがアンバランスになるということについて講義がありました。次に2つのグルー
プに分かれて災害時に医療資源を減らさない方法についてワークショップをしました。そ
の次にはみんなもよく知る、ちびまる子ちゃんのキャラクターを患者として災害医療にお
いて何ができるのか、医療ニーズをどうやって減らすのかということについてワークショ
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
ップをしました。そして最後に災害医療で大切なこと、家庭医が災害医療にかかわる強み
について講義がありました。
2 つのワークシップについて、他大学の医学生、医療系の学生や先輩、薬剤師など自分
の独特な意見考え方をしっかり持った人が多く、とても面白いものになりました。素早く
司会、書記を決め、滑らかに話し合いを進めるところなどワークショップの内容以外のと
ころでも学ぶところは多かったように思います。自分もしっかり意見を言えて、話し合い
にも参加できたのでよかったです。橋本先生の講義もとても面白く、有意義なものでし
た。特に災害医療の合言葉 CSCATTT、家庭医が災害医療にかかわる強み ACCA+Context と
いう講義の後もしっかり持っていけるものを学べたのがよかったです。形として何を学ん
だのか残せるものは参加者にとって大きなものだと思います。
橋本先生の講義中の様子
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●「もし、家庭医療に興味のある医学生・研修医が『新しい創傷治癒』を学んだら」
講師)大屋正樹先生(名張市立病院)森洋平先生(三重大学家庭医療学講座)
Keyword) Skill、創傷治癒、ワークショップ
セッション紹介文) 家庭医が診る健康トラブルには、内科的な問題だけはなく外科的な
問題も多い。特に、擦過傷や熱傷、動物咬傷などの『創傷』は家庭医の診療所における外
科系疾患における Common complain である。 しかし、医学生の段階において、これらを
系統的かつ実践的に学ぶ機会は乏しいのが現状です。 このワークショップでは、家庭医
療の現場で使用する実際の被覆材や器具を使用して、現場でよく遭遇する創傷治癒の基本
を体得してもらうHands-on形式のワークショップです。 あなたがこれまでやっ
てきた、受けてきたキズの治し方、本当にそれでいいんですか?? その答えがここにあ
る!!
受講後アンケート) 回答数:18
A)全体的に満足:14 名 B)それなりに満足:4 名 C)不満がある:0 名 D)全体的に不
満:0 名
○意見、感想など(抜粋)
・身近なケガについて治療の仕方を学べて即実践できそうでよかった(医・2 年)
・お互いに貼り合って楽しかったです(医・2 年)
・今後も使えそうな治療法を実際に体験できて良かった。(医・1 年)
・ポイントが 2 つ(乾燥ダメ・消毒ダメ)に絞られていてわかりやすかった。(医・5
年)
・知識がなくても十分に楽しめた(医・2 年)
・手技を学ぶことができためになった。(医・4 年)
・テクニック的なことではなく、基本的なコンセプト(ダメなこと)について強調して
もらったので、とても印象に残ってよかった。(医・2 年)
・単に座学にするのではなく、きちんと手技練習があるのがよかった(医・5 年)
・創傷治癒というのはとても身近だけれどもよく知らないことだったので、
いい経験になった。(医・4 年)
・身近な物を使った医療を見せていただき、視野が広がりました(薬・5 年)
・実演/実践/テストがあって「身につける」ことに力が入れてあって、来てよかったな!
と思えました。専門用語についてもう少し補足があるとわかりやすかったです。(医・4
年)
・傷の状態に応じてどんな処置をすればよいのかだいたいわかったが、具体的指導がもう
少し欲しかった(医・5)
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・ケース①‐⑤まで一気に説明があり、頭にうまく入らなかったが、実際に体験ができて
よかった。
(医・1 年)
受講後の感想)
<創傷治癒セッションに参加して: 三重大学医学部医学科2年 尾崎仁>
単なる知識の羅列ではなく、途中で実技が入ったり、あるいは、講義自体にも笑いをと
る箇所があったり、最後まで楽しんで講義を受けられました。また、個人的な話ですが、
体質的にけがをすることが多いので、将来のためだけではなく、現時点で既に実用的な知
識が多かったのもあって、得るところの多い講義でした。講義の内容としては、以前、知
り合いの医師にけがをしても消毒をしてはいけないということは聞いたことがあったので
すが、乾燥もさせてはいけないというのは新しい発見でした。また、ポリウレタンフィル
ムやハイドロコロイドを使った絆創膏は使ったことがありましたが、ポリウレタンフォー
ムやアルギン酸塩被覆材といったものは初めて目にしました。以前傷を負って病院に行っ
たときには、出血や浸出液の多寡などは関係なく、ゲンタシン軟膏とガーゼのみで処置を
されて、血や浸出液の処理に困ったことがあったので、こういった知識は非常にためにな
りました。
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年間活動報告
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■セッション②
「もしも、家庭医療に興味のある医学生・研修医がとことんロールプレイして行動変容ス
キルを獲得したら」
講師)森洋平先生(三重大学家庭医療学講座)尾崎仁、久保田祥央、鈴木佳孝、田中輔
(三重大学医学科 2 年)
Keyword) 行動変容、ロールプレイ
セッション紹介文) 行動変容は、家庭医として働く上で、やればやるほど知れば知るほ
ど「やみつき」になってしまう家庭医にとって重要なスキルの一つです。行動変容の一番
のミソは『主役は患者さん!』という極意です。そこで今回のセッションの主役も参加す
る『あなた!!』です。 本セッションは行動変容の理論もそこそこに、とことんロール
プレイすることで、行動変容を身体で覚えてもらいます。医学部でも他の医療系学部生で
も何年生でも Welcome です。ロールプレイを演じ切る心意気をご持参の上、お越し下さ
い。
受講後アンケート) 回答数:34
A)全体的に満足:16 名 B)それなりに満足:18 名 C)不満がある:0 名 D)全体的に不
満:0 名
○意見、感想など(抜粋)
・自分で経験することで難しさがわかりました。(医・5 年)
・適切な質問、応答が難しいと思った。今後勉強していきたい。(医・1 年)
・参加型でとてもためになった(医・2 年)
・医師の人柄というのは、すごく大切なのだなと思いました。(医・5 年)
・ロールプレイを何回も行うことができ、体験に伴った学習ができた。(医・1 年)
・行動変容は難しいなとは感じましたが、そのエッセンスがある程度つかめたので
よかったです。(医・5 年)
・行動変容について様々なパターンや考え方があることを初めて知りました(医・5 年)
・医師にとって担当した患者は患者たちの中の 1 人だが、患者にとっては医師はほぼ
1 人で、そういったことを考えながら診察できたらなと思った(医・4 年)
・行動変容の基本を学ぶことができてよかったです。ワークショップのファシリテーター
を
学生がしている点も良かったです。(後期研修医)
・もっとたくさんロールプレイしてみたいと感じた。周りからのフィードバックを受ける
機会があり、改善点を知ることができて良かった。(医・5 年)
・患者さんの気持ちを察し、その患者さんの答えを患者さんから引き出すことの大切さを
学びました。(薬・5 年)
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・面白かったが、行動変容は難しいと思った。(医・5 年)
受講後の感想)
<行動変容セッションに参加して:三重大学医学部医学科4年廣田有美>
行動変容のステーションを受けました。医療面接の授業のように同じ症例で、医師役患
者役をするのかと思っていたのですが、4つとも全く患者のステージが違い、一回一回、
医師は患者にどんなことを聞けばいいのか、目標はどこにおけばいいか考えられたのはす
ごくためになりました。
ファシリテーターの方は、2班の様子を見なきゃいけないためすごく大変そうでした
が、うまく進行をやってくれていたと思います。この患者は何期だから、医師側から説得
するのではなく、まず患者の気持ちや理由を聞きましょう、など、そのステージに合わせ
たコメントをしてくれていて、とてもわかりやすかったです。
改善点などもありますが、全体的に家庭医療セミナーでは行動変容のロールプレイはい
つも取り入れてほしいと思いました。症例が全く違うのも一緒なのも難しいのですが、今
回の形式は私個人はとても勉強になって気に入りました。もっといろんな症例バージョン
も受けてみたいと思ったぐらいです。ありがとうございました。
<学生ファシリテーターとして参加して: 三重大学医学部医学科 2 年 久保田祥央>
行動変容は今回のセミナーの中で唯一学生が企画したセッションでした。行動変容過程
における、無関心期、関心期、準備期、維持期の 4 つのステージに焦点を当て、禁煙をテ
ーマにステージごとに医師用と患者用の台本を用意し、ロールプレイを通じて各ステージ
の患者さんへのアプローチの仕方を体験してもらいました。私たち学生スタッフは、ステ
ージごとに担当を振り分けて、そのステージについて勉強したり、実際に体験したりしま
した。しかし、アプローチの仕方を学んでも実際に患者さんを相手に行動変容を促すのは
大変だと感じました。私が担当する無関心期の患者さんには、禁煙には興味あるけど行う
のは難しいということで、どうして禁煙に興味を持ったのかを聞き、その上でどうすれば
禁煙をしようと思えるか尋ねて患者さんの話の中から禁煙へのやる気を高めるようにしま
す。しかし、禁煙をさせようと患者さんの気持ちや話を無視してアドバイスしてしまうこ
とが多かったです。「答えは患者さんの中にある」ことを忘れずに患者さんの話を聞くこ
との大切さを事前学習で感じました。そしてセッションの中でこの事をファシリテーター
として参加者に伝えられるように心がけました。多くの参加者も私と同じように患者さん
の話をあまり聞かず、アドバイスを患者さんにしていました。しかし各ステージを経験す
ることで多くの方が、患者さんがどうして禁煙に興味を持ったのかを聞き出し、患者さん
の話に耳を傾けるように心掛けるようになっていき、企画者側の意図を理解してくれたよ
うに感じました。
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
ファシリテーターとして至らない部分もありましたが、参加者の方々は嫌な顔1つせず
話を聞いてくれてありがたかったです。森先生をはじめ、参加者の方々のご協力のもと良
いセッションになりました。ありがとうございました。
■セッション③
「もし家庭医療・総合診療・地域医療に興味があるなら、どこでどんな初期研修が適切
か」
講師)御前 秀和 先生(名張市立病院総合診療科担当部長/地域医療教育研修センター
長) 原田 直樹 先生(三重大学伊賀地域医療学講座助教/名張市立病院総合診療科) 中
川 知美 先生(三重大学名張市立病院 2 年目初期研修医)
Keyword)キャリアパス、初期研修、地域医療
セッション紹介文) 今後、日本において新たな専門医制度が整備されていく中、医学生の
みなさんにとってどこでどんな初期研修を受けるかは、とても重要な決断だと思います。
初期研修を行う病院でどこが一番!ということはないと思いますが、少しでも自分が納得
して選んだ研修病院で研修したいと思うのは当然のことでしょう。同時に、
「研修は生もの」
であり、自分の研修は提供されるだけではなく、自分自身も自分の研修を作り上げていく当
事者であるという自覚も必要になります。 今回は、長崎で初期研修、家庭医療後期研修を
終了した原田直樹医師、三重大学医学部を卒業し、現在、名張市立病院の 2 年目初期研修医
である中川知美医師にゲストスピーカーとしてそれぞれのキャリアパスについてプレゼン
していただき、質疑応答やグループディスカッションを通して、みなさんの初期研修とその
後のキャリアパスについての質問や不安、希望などについて共有し、少しでも今後の参考に
なればと考えています。
受講後アンケート) 回答数:34
A)全体的に満足:22名 B)それなりに満足:10名 C)不満がある:2名 D)全体的に不
満:0名
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
○意見、感想など(抜粋)
・医師目線からの目指す医療を聞かせていただけてうれしかったです。(薬・5年)
・研修についての考え、悩みを共有できる機会は今までなかったので、
非常に参考になる意見を得られてよかった。(医・5年)
・楽しかった。周りの方がどのような基準で初期研修をしたいか、何を学びたいか、
どのような地域で働きたいかを考えているか分かり、自分のキャリアについて真剣に
見直す良い機会になった。(初期研修医)
・研修先の選び方などを研修医の先生に直接聞けて良かった。(医・2年)
・いろいろな意見を聞くことができてよかったです。(医・2年)
・机の上を超えて、とても有意義な話が聞けてよかったです。(医・2年)
・医師、研修医の方のお話を聞けて、研修についてのイメージが膨らんだ。(医・1年)
・先生方の生の声が聞けて参考になった。(医・5年)
・あまり先輩方の意見を聞く機会がないので、とてもよかったです(医・4 年)
受講後の感想)
<キャリアセッションに参加して:三重大学医学部医学科 2 年田中輔>
自分が 2 年生であることもあり、まだ先のことを考えるのは難しいかなと思っていまし
たが、講演を聞いて、初期研修において何が重要か、どう病院を選べばいいのかなど、経
験も踏まえて聞くことができ、大変有意義な時間となりました。
将来やりたい医療を見据えながら、それに適した医療機関を研修先として選択すること
が重要だ、ということは言葉では理解していたものの、実際どういう点に着目してよいの
かはあまり理解していませんでした。そんななか、今回のセッションでは、講演や SGD に
おいて実際に今研修をしていらっしゃる先生方も交えながらお話ができたので、病院選び
で焦点を置くところや、実際に働いてみた感想が聞けてとてもよかったです。
また、家庭医療学セミナーということもあり、地域医療志向の方も多かったと思われる
が、その一方で竹村教授をはじめ大学病院側の方もおられ、その中で「地域へ出ろ」とい
う強いメッセージがあって、それについて中立な議論が行われていたのが印象的でした。
どちらの立場の意見もぜひ参考にしたいと思います。
最後に、このセッションに自分を含めた低学年が参加することに関してですが、初期研
修について考えることは具体的なビジョンを考える機会にもなるため、有意義な時間にな
ると感じました。病院見学なども、機会があれば積極的にしたいと思います。
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
■その他の企画
●Tea Party
企画内容)
三重県ならではのお菓子をご用意!
セッションでひと段落した後は、たくさんセミナーに来てくださった三重大学家庭医療学
の先生方
そしてセミナーに集まった学生・研修医同士で交流してみましょう!
ルール)
事前に配布した 10 枚の名刺に、自分の所属・名前を
記入してもらい、時間内に名刺交換を行う。
参加後の感想)
・名刺が面白かった。(医・2 年)
・たくさんお話することができました。
先生と話す機会はほとんどないので、
こういう場があって良かったです。(医・2 年)
・学年問わず、交流できる機会があって楽しかった。
(医・2 年)
・様々な地域から来ている学生と知り合えるのが
よかったです。(医・5 年)
・名刺交換はとてもよい交流の機会になった。
(医・5 年)
●懇親会
企画内容)
セミナーの後は、懇親会!
ここでしか聞けない話もあるかも?
先生方と学生と、おいしいものを食べながら、飲みながら、語り合いましょう!!
場所)ジャンガ三四郎
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
費用)3000 円
【セミナーを終えて(三重大学家庭医療学セミナー学生運営委員会代表から)】
家庭医療学セミナーin Mie 2015 を無事に盛会のうちに終えることができました。まず
は、参加してくださった皆様、講師の方々、運営スタッフのみなさま、ありがとうござい
ました。
本セミナーの運営が動き出したのは、2014 年の 10 月も過ぎたころ、三重大学でまた家
庭医療学セミナーを行い、いろんな人に家庭医療というものを楽しく学んでほしいという
想いから始まりました。
運営準備にあたり、家庭医療学講座の森先生、近藤先生からの手厚いサポートがあり、
様々な面で助けていただきました。また、三重大学医学科の 2 年生が 4 名、新たにセミナ
ースタッフとして加わってくれて、新しい考え方を取り入れることができました。今回、
準備にあたり、運営に関することももちろんのこと、スタッフも森先生から行動変容につ
いて非常に詳しく教えていただき、勉強になりました。準備をするだけではなく、自分た
ちの知識も増やしていく、といった今回のような手法は過去の家庭医療学セミナーでは無
かった取り組みだったので、今後も継続していければと思います。
セミナー当日、参加者のみなさまの笑顔や真剣にセッションを受講している様子、また
「参加してよかった!」「さすが、三重だね!たくさん学べました!」といった声を聞く
ことができて、本当にセミナーを企画してよかったなぁ、思いました。
アンケートを拝見させていただくと、まだまだ様々なジャンルのセッションを受講して
みたいという意見が多くありましたので、反映しながら、また来年度以降も継続してセミ
ナーを開催して参加者のみなさまとともに知識を増やしていければ、と思います。
またの機会をお楽しみにしてください!
本当に、ありがとうございました。
三重大学医学部医学科 4 年
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藤井健人
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『第 27 回家庭医療学夏期セミナー 地域交流会:中部支部』
金沢医科大学 医学部3年
梁祐輔
【目的】
夏期セミナーに参加した中部支部地域の皆さんの交流をさらに深める。
中部支部の現状を把握し、今後に活かす。
【概要】
日時: 2015 年 8 月 2 日 16:00~17:00
(第 27 回 学生・研修医のための 家庭医療学夏期セミナー1日目)
場所:ニューウェルシティ湯河原 大観の間
参加者数:40 名
(医学科 30 名、看護学科 1 名・理学療法学科 1 名、医師(初期研修医 5 名・後期
研修医 3 名)
※講師の先生方の見学あり
【詳細】
写真撮影
自己紹介+アイスブレーキング
現状報告
ディスカッション&模造紙作成
テーマ:
「初めての人に家庭医療の魅力を伝えてみよう」
初めての人に、
「家庭医療、何だろう?」と思わせるプレゼンを作成する
発表
投票
アンケートの実施
【内容】
毎年恒例の学生・研修医のための 家庭医療学夏期セミナー。第 27 回では、地域交流会
として、全国の支部のみなさんで交流する時間が設けられました。
中部支部では、家庭医療にはじめて触れる人から講師の先生まで多くのみなさんが参加
しました。グループに別れて、
「初めての人に家庭医療の魅力を伝えてみよう」をテーマ
にプレゼンテーションを作成する中で、参加者自身も家庭医療についてさらに魅力を機会
となりました。
【今後の展望】
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
「中部支部 今後の運営に関するアンケート」を実施し、中部支部のグループそのものの
認知度、夏期セミナーに参加した経緯、参加者の興味のある内容・今後やりたいことにつ
いて伺いました。
なかなか各地域で勉強会を開催するのがむずかしい現状ですが、テーマ設定や内容で大変
有意義な意見を聞かせていただきました。
こうして出来たつながりを活かし、今後もいろいろな活動を展開していきます。
【写真】
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
第 5 回 北陸総合診療ってこんなん会「ご当地勉おいしいとこ取り!」』
南砺市民病院 初期研修医
高瀬 愛
【目的】
例年北陸総合診療懇話会と同時開催している、総合診療ってどんなこと?を学生・研修
医向けに伝えるためのワークショップです。第 5 回は「ご当地勉おいしいとこ取り!」
と題して、北陸各県の学生と若手医師に、それぞれの普段の勉強会や取り組みを模した
プチ・ワークショップを行ってもらいました。実際には富山大学からは「プライマリ・
ケアを学ぼう会」、金沢医科大学からは梁祐輔くん、福井大学からは「ぷちぷら」の3
者がそれぞれ講師となって開催されました。
【概要】
日時:2015年10月3日 9:30~11:30
場所:富山大学付属病院管理棟3階 大会議室
参加者数:19人
(内訳:医学生10、医師9(うち研修医3))
参加費:無料
主催:第5回北陸総合診療こんなん会運営事務局
(金沢医科大学総合内科学講座/富山大学付属病院総合診療部/
福井大学医学部付属病院救急総合診療部・地域プライマリケア講座/南砺市民病
院)
【タイムテーブル】
①アイスブレーキング
②福井大学「出張ぷちぷら」~楽しくてためになる「健康教室」を作ろう!~
③金沢医科大学 梁祐輔「総合診療ってどんなんかい?」
~総合診療・家庭医療・プライマリ・ケアって何だろう。~
④富山大学「やらんまいけ」~かきかえ~
【内容】
・福井大学「出張ぷちぷら」~楽しくてためになる「健康教室」を作ろう!~
ぷちぷらの普段のフィールドである今庄地区を舞台として、「ロコモティブシンドロ
ーム」について住民の参加したくなる、魅力的な健康教室を作るグループワークを行
いました。県境教室のタイトル、告知方法、開催場所、内容などについて具体的に話
し合い、どうしたら住民に健康教室に参加してもらえるか?健康教室での学びを疾病
予防につなげるには?と考えました。
92
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・金沢医科大学 梁祐輔「総合診療ってどんなんかい?」
現在の日本が抱える医療の問題として2025年に向けての課題、同時に複数の健康
問題を抱える患者が多くなることをあげ、その解決のため必要とされる総合診療医・
家庭医とはどのような医療者か、また「プライマリ・ケア」とはどういった医療なの
かという内容を発表していただきました。
・富山大学「やらんまいけ」~かきかえ~
「やらんまいけ」勉強会の特徴である寸劇を使った症例提示を行い、解釈モデルを聴
取することの有効性、かきかえの手法について学びました。解釈モデルを使用しなか
った例、した例でそれぞれ劇を行い、よかった点などをグループディスカッションし
ました。普段の診療で使える「かきかえカード」を配布しました。
【感想】
各大学らしさの出たワークショップで、普段少し遠くて参加できない他県の学生勉強
会を一挙に味わうことのできるお得な会だったと思います。学生同士、他大学の勉強
会に参加しとても刺激になったのではないでしょうか。また、ベテラン医師が講演を
行うという従来の「こんなん会」の内容よりも、学生活動をより活発にでき、普段勉
強会に参加しない学生でも気軽に参加できる会となったと思います。
ほぼ学生のみで作り上げたそれぞれのワークショップですが、それぞれの内容も素晴
らしく、家庭医療の魅力が参加者に伝わる発表でした。
【反省・今後の展望】
金沢医科大学・金沢大学は家庭医療・総合診療を学ぶ学生グループが現在のところな
く、金沢医科大学から1人で発表してくれた梁くんには負担が他の発表者より大きく
なってしまったのではと思います。
来年度の「こんなん会」の内容は未定ですが、より多くの学生に参加してもらえる、
学生活動を活発にできる会を目指そうと思います。
【写真】
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『日本薬学生連盟(APS-Japan)東海総会-あなたの心(ハート)つかみたい-』
藤田保健衛生大学 医学部 4 年 内山桂一
【概要】
日時:2015 年 11 月 28 日・29 日
場所:今池ガスビル 2階 F 会議室
主催:日本薬学生連盟(APS-Japan)
参加目的:多職種連携のセッションにおいて、医学生・看護学生として意見提供を行う
ため
【詳細】
[タイムスケジュール]
<1 日目>
9:30
受付開始
10:00~ 日本薬学生連盟団体紹介
10:10~
アイスブレイク
10:20~
貿易ゲーム
休憩
12:00~
ランチョンセミナー
「医療の現状、そして未来。~そのとき私達は~」(講師:塚本知男先生)
休憩
13:15~
多職種連携 WS
16:30~
クロージング・写真
17:30~
懇親会
<2 日目>
9:30
受付開始
10:00~ 日本薬学生連盟団体紹介
10:10~
12:40~
13:40~
WS(未定、会長コラボ)
休憩(昼 1 時間)
東海支部報告会
(公衆衛生・交換留学・薬学教育・東海支部)
休憩
15:40~
16:30~
次期東海支部長選挙(60 分)
クロージング・写真
94
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
[プライマリ・ケア連合学会
中部支部代表としての参加]
1日目 13:15 より行われた多職種連携 WS に参加し、医師・看護師の職業についてのプレゼ
ンテーションを実施、その後ディスカッションに参加しました。実際あまり話すことのない
大学での教育について、またそれぞれの職種の卒後における働き方がどんなものなのか、相
互理解につながったと考えています。今後はプライマリ・ケア連合学会だけでなく、他の団
体との共同企画も積極的に考えていくのも面白いのではないかと考えています。
【写真】
(他団体のイベントのため、参加者了承を得ていないので、全体写真は割愛しました)
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平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『第 7 回 家庭医療学 学生ワークショップ 』
金沢医科大学 医学部3年
【テーマ】「家庭医療のアプローチを知ろう」〜お母さん、元気ですか?編
【目標】
1
家庭医について理解する
2
全科的診療の意味を理解する
【概要】
日時:2015 年 12 月 5 日 13:00〜16:30
場所:浜松駅前ビル 4 階 B 会議室
参加者数:18 人
参加費:無料(懇親会費:無料)
主催:静岡家庭医養成プログラム
共催:財団法人 家庭医療学研究所
講師:
井上 真智子
浜松医科大学 地域家庭医療学講座 特任教授
指導医・プログラム責任者
山田 智子
静岡家庭医療プログラム レジデント3年目
棚橋 信子
静岡家庭医療プログラム レジデント 2 年目
野村 朋加
静岡家庭医療プログラム レジデント 2 年目
松田 真和
静岡家庭医療プログラム レジデント 2 年目
潘 鎮敬
静岡家庭医療プログラム レジデント 1 年目
堀井 敦史
静岡家庭医療プログラム レジデント 1 年目
96
梁祐輔
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【タイムテーブル】
13:00-13:05 オープニング
13:05-13:15 家庭医とは?(将来の針路)
13:15-13:30 家庭医の一日 show
13:35-13:50 アイスブレーク
13:50-16:00 ワークショップ(臨床推論・BPS モデル・ヘルスメンテナンス他)
16:20-16:25 アンケート記入・感想
16:25-16:30 クロージング
【内容】
今回のワークショップは、静岡家庭医養成プログラムのレジデントと浜松医科大学の学
生と合同で企画。
「お母さん、元気ですか?」をテーマに、中高年齢女性の患者を例とし、臨床推論、B
PSモデル、ヘルスメンテナンスという3つの家庭医療的なアプローチを、グループディ
スカッション、模擬問診を通して体験しました。
ワークショップの終了後は、懇親会。ワークショップだけでは語り切れない家庭医療の
面白さを皆で共有する時間となりました。
【写真】
97
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『中部支部忘年会』
藤田保健衛生大学 医学部 4 年 内山桂一
【概要】
日時:2015 年 12 月 19 日
場所:金沢市内 近江町いちば館 2F 市の蔵
参加人数:12 名
【詳細】
[タイムスケジュール]
18:15-21:15 飲み会
[振り返り]
2015 年の忘年会は、学生だけでなく研修医の先生方から、夏期セミナーに参加された
看護師の方、大学にて教鞭を取られている先生と、参加者に非常にバリエーションが
有る会となりました。同じ学生同士、近況報告をすることはもちろん、実際に医療の
第一線でご活躍される先生方からの貴重なご意見もいただき、素晴らしい会になりま
した。
【写真】
98
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□関西支部
『<FPIG 関西 主催>実習&振り返りワークショップ
「実習で家庭医・総合医・全人的医療のプロフェッショナリズムに出会う!」』
関西医科大学医学部 5 年 大角 倫子
【目的】
①実習に参加した学生がプライマリ・ケアについての理解を深めるとともに、目指すべき
キャリアとして家庭医・総合医を考える機会をつくる
②医師と学生が相互に関わり学びを深めることで継続的な関係をつくる
③実習により得た学びを振り返りワークショップを通じて理解を深めると同時に家庭医
療・総合診療に興味を持つ学生同士の交流を促す
【企画趣旨】
日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関西支部はプライマリ・ケアに関心
を持つ学生を増やし、彼らの学びの場を提供することをミッションとしています。昨年度
も学生がプライマリ・ケアについて理解を深めるための病院/診療所実習企画を実施し、
それには多数の学生が参加しました。今年度も引き続き、学生が病院/診療所で直接「家
庭医・総合医・全人的医療のプロフェッショナリズム」に触れることを中心に据えた企画
を展開します。また、実習期間終了後に振り返りのワークショップを実施することで、学
生が実習を通じて得た学びを他の実習参加者とも共有できる場を設け、プライマリ・ケ
ア、家庭医療、総合医療、全人的医療などに興味のある学生同士の交流を促進します。
企画の目的と期待される効果は以下の通りです。
・ 実習では、学年を問わず、全ての学生が地域の病院/診療所での実習を通して家庭
医・総合医・全人的医療のプロフェッショナリズムに触れられるようにすることで、
参加した学生がプライマリ・ケアについての理解を深めると同時に、目指すべきキャ
リアとして家庭医・総合医・全人的医療を考えることができるような機会を提供しま
す。
・ 実習後の振り返りワークショップでは、学生が実習を通じて得た学びを振り返っ
て他の学生と共有できるような場を設けることで、学生のプライマリ・ケアのさまざ
まな側面に対する理解を深めると同時に、関心を持つ学生同士が交流できるようにし
ます。
・ 医師と学生の出会いの場を設けることで継続的な関係を築き上げるきっかけをつ
くり、関西全体のプライマリ・ケアの活性化に貢献します。
【企画概要】
対象:プライマリ・ケアを実際の医療の現場で体験することで学びたいと考えている医療
系学生
99
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
ご協力をお願いさせていただく先生:
・ 家庭医、総合医としてのご自身の想い、プロフェッショナル観を学生に伝えていただ
ける先生
・ 家庭医、総合医としての理想の実現に継続的に取り組んでおり、「今挑戦しているこ
と」を学生に紹介していただける先生
病院/診療所実習の概要とスケジュール:
1) 内容 学生が実際に地域の病院/診療所で 1〜3 日間の実習を行い、その中で家庭医・総
合医・全人的医療の現場を体験する
2) 実施時期 2 月 22 日(月)〜4 月 8 日(金)の 1〜3 日間(主に春季休暇を利用)
3) 実施場所 関西圏(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山)およびその周辺地域(三
重、岐阜など)を中心とする病院/診療所
4) 参加者 プライマリ・ケアに興味をもち、意欲をもって学習したいと考える医療系学生
【結果】
2015 夏季 ご協力施設数 66 参加学生 13(述べ 25 施設)
2015 春季 ご協力施設数 50
※今回よりの変更点 施設紹介スライド提供して頂いた 実習中の保険について、大学で保
険に入っているかを確認し、入っていない場合は自分で入るか事故があれば自己責任と明
記した
【アンケート結果】
実習先を選んだ理由
①実習内容に興味をもった ②総合診療に興味があった
③自宅から近い ④PR 文で興味を持った
学生の感想
・これから勉強するモチベーションになりそう。
・地域の人々との繋がりの強さを間近で見ることができた。
・低学年だからと 2 日間の実習を希望したが、低学年でもできる実習や低学年だからこそ
見えてくるものもあると感じた。
・家庭医のイメージが初めて具体的に掴めた。家庭医の役割の範囲が思っていた以上に広
いということを実感した。あと、心の問題を抱えた患者さんや不眠に悩む患者さんなどが
地域の中に思っていた以上に多いことを実感した。家族を診ることが家庭医の大切な仕事
だと分かって良かった。
・実習前は見たくないのにと思っていたところが実は総合診療の研修にとって大切なとこ
ろだった。
100
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・医師だけでなく他の職務の仕事内容についても理解を深めることができた。
・地域の特色や、医療連携についてなど多くのことを学べ、視野がすごく広がった。
ご施設の感想
・非常に熱心に見学をいただいたと思います。学生さんに見学にきていただくと、私だけ
でなくスタッフ、患者さんにもよい刺激をいただけることを改め実感することができまし
た。
・最近の医学部の様子などを聞くことができ、こちらも勉強になりました。看護師や理学
療法士も同じように感じています。
・看護学生が、通常の院内研修とは別枠で診療所に来られる機会ははじめてであったた
め、こちらも刺激になったようです.看護師も刺激を受けたようで、率先して指導にあた
ってくれました.学生さん自身が訪問入浴に携わっていることもあり、在宅診療など幅広
い視点を持ちながら現場のノウハウを学んでいただけたように思います.
【感想・反省・今後の展望】
まず、ご協力施設の先生方へ心からの感謝を申し上げます。 参加学生の感想としては、
家庭医と家族・地域との関係性を見ることが出来たという意見が多く、医療機関の感想と
しては学生が実習に行くことで刺激を受けたという意見が多く見られました。企画側とし
て、参加学生からの「多くの学びがあった。参加して良かった。」という感想は何よりの
ご褒美であり、この企画を続けていきたいと強く願っております。 ただ、ご協力施設の
登録数は増えていますが、学生の参加者数は減少傾向であり、せっかく医療機関の方がご
登録頂いても実習参加者のいない場合も多く、スタッフとして心苦しい思いをしておりま
す。現在、スタッフを通じて facebook での告知、大学のメーリスを利用し広報をしてい
ますが、スタッフ減少と共に情報を広げる難しさを実感しています。 スタッフがまず横
のつながりを作ること、積極的に広報すること、また企画の中身にどう興味をもって貰か
を考えることで、学生の参加者を増やす工夫が必要だと考えています。
【写真:報告会】
101
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□関西支部 忘年会&追い出しコンパ
関西医科大学医学部 5 年 大角倫子
【概要】
日時:2015年12月30日
参加者:13 名
(内訳:先生方 6 名、(うち初期研修医 2 名)、学生:6 年 2 人 5 年以下 5 名)
【内容・感想】
FRIG 関西の創設者である先生方、私達へ受け継いでくださった先生、ご支援くださる先生
がお忙しい中集まってくださいました。先生方のご活躍や、FPIG 関西の歴史、おめでたい
話、卒業生の進路・夢、学生の悩み事など、短い時間でしたが大いに盛り上がりました。
6 年生の方を中心に、よくスカイプ会議で家庭医療や興味がある分野について、またワー
クショップ企画についてディスカッションしたものでした。先輩方が卒業されるのは寂し
い限りですがこの繋がりは一生ものです!今後ともどうぞよろしくお願いします。
【写真】
102
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
103
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□日本プライマリ・ケア連合学会 第 29 回近畿地方会 学生セッション
学生のうちから医療の魅力を体感する!
~地域の医療現場を体感、学生の医療施設実習の体験談と学生部会の取り組み~
関西医科大学医学部 5 年
大角倫子
【目的】
学生部会関西支部の取り組みを発表するとともに、実習参加学生の学びを共有する。
【概要】
日時:2015 年 11 月 27 日 10:20~11:20
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 第 29 回近畿地方会 実行委員会
座長:奈良県立医科大学 総合医療学 吉本清己先生
発表 (1)学生支部、実習企画の紹介
(2)中川龍星(滋賀医科大学 3 年) 実習施設:かみいち総合病院
(3)関根浩史(滋賀医科大学 3 年) ファミリークリニックなごみ、
ファミリークリニックあい、西淀病院
(4)大西里奈(奈良医科大学 5 年) 浅井東診療所
(5)大角倫子(関西医科大学 5 年) 実習企画および振り返りワークショップに
ついて
【内容】
最近では、医療系学生が大学や学校を離れて実際に医療現場に赴いて実習が行われるよ
うになってきている。早期に医療現場で実習することはモチベーションの維持や、将来の
キャリアの選択に有効であると考えられる。特にプライマリ・ケアの分野では、大学・学
校、大学病院や大病院では体験できない要素が多くあり、実際の医療現場での実習にこそ
大きな学びがある。しかし、プライマリ・ケアの現場と医療系の教育施設との接点がなか
なかないという現状もある。
今回学生セッションでは実際の医療施設を見学した学生の生の声を発表した。学生が医
療の魅力を肌で感じた生の感想を共有することで現場と医療施設をより親密につなぎ、よ
り良い医療者を育てることに通じるだろう。
【感想】
今回の発表を通じて、参加学生が実習の学びを深められたこと、またご参加の先生方に企画
に興味を持って頂けたことが大変嬉しく感じました。
104
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□日本プライマリ・ケア連合学会 大阪府支部 第 2 回総会 口演発表
「学生支部の取り組み~地域医療体験実習と振り返りワークショップで家庭医
療・総合診療・全人的医療のプロフェッショナリズムに出会う!」
関西医科大学医学部 5 年 大角倫子
【目的】
近畿地方会のプレイバック講演として発表させて頂きました
【概要】
日時:2016年3月13日 14:00~17:00
会場:関西医科大学付属牧方病院 13 階講堂
参加費:医師・歯科医師・薬剤師
3000 円
その他の職種・研修医・学生 1000 円
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 大阪支部
座長:竹中医院 竹中裕昭先生
発表:大角倫子 関西医科大学 5 年
【内容】
医療系学生にとって大学との縁の薄いプライマリ・ケアの現場は興味はあってもアプロ
ーチはしづらく、プライマリ・ケア側からすると、最先端の大学医療に接する学生に何を
見せたらよいのかを戸惑うことが少なくありません。今回、関西での地域医療体験実習を
行った医学生としてその体験と感想を発表する。日頃、現場では意識されない魅力や感動
が発見されることを期待する。
【感想】
何人もの先生から激励のお言葉を頂きました。また、学生部会関西支部の存在もアピール
できたことは良かったと思います。 先生方の講演がとても興味を持つものばかりで、特に
大阪という地元でこのような素晴らしい医療が行われているのだと認識できたので、将来
この地域で働きたいという気持ちが生まれました。学生の参加は少なかったですが、学生も
どんどん参加して欲しいと思いました。
105
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
□中国四国支部
『第3回中国地方プライマリ・ケア交流会@川崎医科大学』
報告者:山口大学医学部医学科2年恵美拓也
【目的】
プライマリ・ケアに関心のある学生も、関心のない学生も一緒にプライマリ・ケア、総合
診療、家庭医療について考え、交流する機会を提供する。
【概要】
日時:11 月 21 日(土)12:30~
場所:川崎医科大学
参加人数:39 人
(医学生:23 人、その他学生:7 人、高校生:2 人、医師:8人)
参加費:500 円(懇親会費:3500 円)
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 中国支部
共催:日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会ジェネラリスト 80 大学行脚プロジ
ェクト 中四国支部代表 松本翔子
日本プライマリ・ケア連合学会中国支部
講師:
<氏名>
<所属>
佐野潔先生
徳洲会地域家庭医療総合センター長、家庭医療プ
ログラムディレクター
原田唯成先生
新生会いしいケア・クリニック
齊藤裕之先生
萩市民病院総合診療科
長谷亮介先生
山口大学大学院医学系研究科環境保健医学分野助
教
大倉佳宏先生
社会医療法人清風会 津山ファミリークリニック
所長
松本翔子先生
出雲市民病院
和田嵩平先生
岡山家庭医療センター家庭医療プログラム専攻医
佐藤陽子先生
社会医療法人清風会 日本原病院 栄養科主任
朴
鳥取大学医学部地域医療学講座助教
大昊先生
【タイムテーブル】
12:00~ 受付
12:30~ アイスブレイキング・開会式など
13:00~13:50 全体講演(50分)
106
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
移動(10分)
14:00~15:10 WS1
セッション①:プライマリ・ケアとは何か(松本翔子先生)
セッション②:老年医学 症例を通して高齢者の見方を学ぶ
(原田唯成先生)
移動(10分)
15:20~16:30 WS2 (70分)
セッション①:地域医療の問題とその解決のアプローチ
(大倉佳宏先生)
セッション②:多職種連携
「家庭医&MBAホルダー×パブリックヘルス実践者」によるクロストーク
多職種連携の先に見えるまちづくりのヒント
(齊藤裕之先生、長谷亮介先生)
移動(10分)
16:40~18:00 ポスターセッション、Meet the Experts(80分)
18:30~ 懇親会
【内容】
▼ 佐野潔先生公演
プライマリ・ケア、地域医療に関する歴史をたくさんの写真を用いて、ご教授してくださ
いました。今後、家庭医、総合診療を目指す人にとって、大切なものを感じさせていただ
きました。
▼ セッション①:プライマリ・ケアとは
患者中心の医療とは何かを、ロールプレイングを通して考えてみました。患者さんが何を
思って診察に来られるのかを、診察をしながら考えるのはとても、難しかったですが、思
いの共有ができた瞬間はこれだ!と体感することができました。
▼セッション②:
「地域医療の問題とその解決おアプローチ〜地域に関わるってどうやる
の?」
こちらのセッションの講師をされたのは岡山家庭医療センター津山ファミリークリニック
所長の大倉佳宏先生。まず、地域医療の未来は明るいか暗いか、グループで話し合いました。
続いて、2025 年問題や少子高齢化が医療需要の減少を惹き起こす、といった少し暗い現実
について紹介していただきました。その上で私たち医療者がどのように地域に関わってい
けるかをお話しされました。大倉先生が実践されているアプローチの具体例も示していた
だき、大きなヒントを得られるようなセッションとなりました。
107
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
▼ セッション①:老年医学 症例を通して高齢者の見方を学ぶ
グループごとに架空の高齢者の情報を作りその人の生活を想像することで、新しい切り口
から老年医学を考える面白いセッションでした。
▼ セッション②:多職種連携
「家庭医&MBA ホルダー×パブリックヘルス実践者」によるクロストーク
多職種連携の先に見えるまちづくりのヒント
地域におけるまちづくりの重要性を再認識し、健康づくりとの良いサイクルに貢献してい
きたいと思いました。
【感想】
佐野潔先生のわかりやすいお話から始まり、ロールプレイングや座談会など、終始、プラ
イマリ・ケア一色の内容となった。また、今年度はいつもとは異なり、医学生以外の学生
(看護、薬学など)も参加してくれたことにより、普段聞けない話の多くを聞くことがで
き、より内容の充実したものとなった。
【反省・今後の展望】
今回の交流会は、参加者としてはもちろん充実したものであったし、運営者としても非常
にありがたい経験を積むことができた。また、これまでスタッフのいなかった大学からス
タッフ参加者も新しく見つかり、来年度以降より内容の充実したものに繋げられるのでは
ないかと思った。第3回は様々な地区で活動されている先生方を呼び、様々な学部の学生
が集まった、多職種連携がメインといってもいいものとなった。来年度は新たなスタッフ
とともに、プライマリ・ケアを根幹とした新たな味のあるセミナーにしたいと思う。
【写真】
セッション②:多職種連携
「家庭医&MBA ホルダー×パブリックヘルス実践者」によるクロストーク
多職種連携の先に見えるまちづくりのヒント
108
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
セッション②:
「地域医療の問題とその解決おアプローチ〜地域に関わるってどうやる
の?」
セッション①:プライマリ・ケアとは
109
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
セッション①:老年医学 症例を通して高齢者の見方を学ぶ
全体写真
110
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
(16人回答)
Q1.あなたの所属する学部・職業を選択してください。
7%
7%
医学
看護学
7%
薬学
13%
医療福祉学
53%
高校生
13%
OT科
Q2.学生の場合は学年を、社会人の方は勤続年数を記入してください。
6%
5年
27%
4年
40%
3年
2年
27%
Q3.どのようにして今回のセミナーを知りましたか。 以下の項目から選択してください。そ
の他の場合はその方法を記入してください。
5%
5%
1,友人の紹介
2,Facebookページ
25%
65%
6,メーリングリスト
去年のスタッフ
111
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
4.今回のセミナーの満足度は5を最高として5段階評価でいくつですか。1~5から選択
してお答えください。
0%
13%
34%
5
4
3
2
53%
Q5.今回のワークショップ全体の長さは、5 を最高として段階評価でいくつですか。 1〜5
から選択してお答えください。
0% 0%
5
20%
4
40%
3
2
40%
1
Q6.あなたの(家庭医療など)についての興味は、この(支部活動)に参加する以前と比較
してどの程度変化しましたか。変化の度合いを、「0」を「変化なし」、「2」を「かなり
興味が増した」、「-2」を「かなり興味を失った」として5段階評価で2~-2から選択
してお答えください。
0% 0%
7%
2
40%
1
0
-1
53%
-2
112
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
Q7.今回のワークショップで最もおもしろかったコンテンツを1つ教えてください。
全体公演
29%
プライマリ・ケアとは
28%
老年医学
7%
36%
ホルダー×パブリックヘル
ス実践者」によるクロス
トーク
Q8.今回参加してくださった理由を教えてください。
楽しそうだから
17%
31%
学べそうだから
10%
雰囲気で
他大学の人と交流した
いから
42%
「全体講演」の 満足度は、5を最高として5段階評価でいくつですか。1~5から選択し
てお答えください。
0% 0%
7%
5
4
40%
53%
3
2
1
113
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
「Meet the expert」 の満足度は、5を最高として5段階評価でいくつですか。1~5から
選択してお答えください。
0% 0%
12%
19%
5
4
3
2
1
69%
セッション1「プライマリ・ケアとは」(松本翔子先生)の満足度は5を最高として5段階
評価でいくつですか。
0%
0%
0%
5
4
42%
3
58%
2
1
セッション1「プライマリ・ケアとは」(松本翔子先生)の良かった点を教えてください。
・ 面白すぎる
・ ロールプレイングが良かったです
・ ロールプレイングで具体的にできたこと。
・ 話を聞いていろいろな視点で考えることができた。
・ 実際、体験できたから。
・ 思いの共有の瞬間を感じることができて良かったです。
・ ロールプレイングを通して、共通の解釈基盤について実感できたこと。
・ ロールプレイングでわかりやすく学べる点
セッション1「プライマリ・ケアとは」(松本翔子先生)の悪かった点を教えてください。
114
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・ 3人組で2回しかロールプレイングできなかった点。
セッション1「老年医学 症例を通して高齢者の見方を学ぶ」(原田唯成先生)の満足度は
5を最高として5段階評価でいくつですか。
0%
5
17%
4
17%
3
50%
2
16%
1
セッション1「老年医学 症例を通して高齢者の見方を学ぶ」(原田唯成先生)の良かった
点を教えてください。
・ 楽しすぎる
・ gw3 が今まで意識したことのない内容だったので勉強になった。
セッション1「老年医学 症例を通して高齢者の見方を学ぶ」(原田唯成先生)の悪かった
点を教えてください。
・ 特になし
セッション2「地域医療の問題とその解決のアプローチ
〜地域に関わるってどうやるの
〜」(大倉佳宏先生)の満足度5を最高として5段階評価でいくつですか。
0% 0%
13%
5
37%
4
3
2
50%
1
115
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
セッション2「地域医療の問題とその解決のアプローチ
〜地域に関わるってどうやるの
〜」(大倉佳宏先生)の良かった点を教えてください。
・ 今後自分自身がどうすればいいか考えることができました。
・ 実際の例がありわかりやすかった。
セッション2「地域医療の問題とその解決のアプローチ
〜地域に関わるってどうやるの
〜」(大倉佳宏先生)の悪かった点を教えてください。
・ 特になし
セッション2「家庭医&MBA
ホルダー×パブリックヘルス実践者」によるクロストーク 多
職種連携の先にみえるまちづくりのヒント(長谷亮佑先生、齊藤裕之先生)の満足度は5を
最高として5段階評価でいくつですか。
0% 0%
22%
5
45%
4
3
2
33%
セッション2「家庭医&MBA
1
ホルダー×パブリックヘルス実践者」によるクロストーク 多
職種連携の先にみえるまちづくりのヒント(長谷亮佑先生、齊藤裕之先生)の良かった点を
教えてください。
・ 楽しすぎる
・ 立場の異なるお二人の意見が伺えて良かったです。
・ とにかく勉強になった
・ 学びやすい雰囲気であった点
セッション2「家庭医&MBA
ホルダー×パブリックヘルス実践者」によるクロストーク 多
職種連携の先にみえるまちづくりのヒント(長谷亮佑先生、齊藤裕之先生)の悪かった点を
教えてください。
・ 最後の質疑応答が難しかった
・ 机を全て撤去した点
116
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
Q9. WS で学んだことを一言でいうならば?
・
楽しい
・
家庭医熱い!!
・
総合診療とは!
・
家庭医学について
・
おもしろい!!
・
楽しさ
・
福祉の視点以外でもいろいろ考えることができたので良かったと思う。
・
いい刺激になりました。
・
薬剤師も家庭医療に参加できる
・
自分の興味のあることをダイレクトに
・
家庭医療に対する熱意
・
家庭医療ってあったかい!
・
実践の大切さ
・
医療需要とその質の変化
・
家庭医とは何をするのか
Q10.今後こういった支部活動に参加したいと思いますか。
7%
はい
いいえ
93%
○「はい」と答えた理由
・
面白かった
・
良くも悪くもさまざまな考えの人と話せるから
・
総合診療に興味を持てたため
・
大学では学べないから
・
他大学の人たちとの交流、大変価値のあるものだと思います。
・
将来の選択の糧としたいから
・
他の学部と接点がもてるから
・
今後もいろいろ学んでみたいから
117
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・
家庭医療を勉強したい
・
気軽に参加できるものがあってほしいから
・
先生方と出会える
・
普段なかなか学べないことを楽しみながら学べるから
・
参加学生の意識が高いと思います。
・
医療への関心がまし、理解が深まるから
○「いいえ」と答えた理由
・話の内容が難しかった
Q11.今後、こういった勉強会で学んでみたいテーマがあれば記載してください。
・最先端の医療について
Q12.自由記載
感想やお気づきの点など、自由にご記入お願いします。
・楽しかったです。もっと広めていきたい!
・高校生ですので、わからないことが多くありましたが、その中でも確実に、学ばせて頂
いたことや得られたものがありました。これからの進路に役立てていきたいと思います。
ありがとうございました。
◯アンケート考察◯
交流会の全体的な評価としては、一部マイナス評価のものもあったが(老年医学のセッショ
ン)、それ以外はほぼプラス評価であり、満足度は高かったのではないかと思う。今回のア
ンケート結果の特徴的な点として、2点あげたい。
1点目、「Q3.どのようにして今回のセミナーを知りましたか」である。「友人の紹介」
が突出して高く、次点で「Facebook を見た」となっており、広報の手段として、Facebook
が下火になっている現状が浮きぼりになってくる。実際、低学年になるにつれ、Facebook の
普及度は下がっており、ネットに頼るよりも、直接誘う方がより効果的なのがわかる。
友人に紹介をしやすくなるためにも、各大学にそれぞれ1人以上はスタッフが存在してい
る方がより効果的であろう。
今後の広報の手段を考える上で重要なデータとなると考えられる。
2点目はアンケート内容ではなく、アンケートの仕方についてだが、今回は参加者が39名
であったが、アンケート回収数は 16 であり、半分も満たなかった。アンケートの仕方とし
ては Meet the expert 終了後に、短時間であるがアンケート記入時間を設けた。またアン
ケート自体は、google フォームを使い、作成した。途中、アンケートに記入できないとい
う問題点も生じたが、その人には事前にアンケート内容を印刷したものを渡して、記入して
118
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
もらった。しかしながら、結果は半数以下だった。
反省としては、Meet the expert 終了後ということもあり、アンケート記入を急がせてし
まったということがある。セミナー開始前に、アンケート自体も事前に渡し、逐次時間が空
き次第記入してもらう形の方が良いかもしれない。
上記2点が特に気になった点である。各セッション自体は満足度が高く、一部低評価がつい
たものもあるが、低評価理由が記入されていなかったため、理由は不明である。考察として
はセッションの内容が想像のものとは異なっていたために起きた可能性が考えられる。次
回以降、起きないようにするために、今後もセッションはレベルの違うものを複数準備する
こと、セッションの説明をもっとわかりやすくすることの2点が考えられる。
以上
文責 山口大学医学科2年
119
恵美拓也
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『家庭医療ってなんだ?~若手医師に学ぶ、ジェネラリストの未来~』
報告者愛媛大学4年 田中いつみ
【目的】
家庭医療って定義は何?家庭医、病院総合医、プライマリ・ケア医、総合
診療医とか名称はいっぱいあるけどどう違うの?実際どんなことをしている
の?臓器別専門医になるから知らなくてもいいものではないの?といったさま
ざまな疑問を解き、もっと知りたい!もっと考えたい!と思えるキッカケを提
供する。
【概要】
日時:2015 年 12 月 5 日(土)13 時~17 時
場所:愛媛大学医学部キャンパス 基礎第一講義室
参加者数:22人
(内訳:医学生17人、医師4人(うち研修医2人)、看護師1人 )
参加費:無料
主催:日本プライマリ・ケア連合学会学生・研修医部会 四国支部
共催:愛媛大学医学部地域医療学講座
日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト全
国 80 大学行脚プロジェクト
講師:長谷川陽一 愛媛大学医学部地域医療学講座
来住知美 大阪市立総合医療センター
年森慎一 医療法人鉄蕉会亀田ファミリークリニック館山
山内優輔 岡山家庭医療学センター
【タイムテーブル】
13:00-13:55 プロローグ ~家庭医療ってなんだ?
14:00-15:50 家庭医療をやってみよう ~謎解きはランチの後で
16:00-17:00 エピローグ ~ 学び続ける医療者であるために
~アンケート記入、写真撮影~
19:00-21:00 懇親会
【内容】
まず導入として学生 3 人によるオープニングスキットを行いました。家庭医
のアプローチってどんなものだろう、病気ではなく人を診るとはどういうこと
か、という問題提起として実施したところ参加者のみなさんはその場の空気感
に惹き込まれているようでした。次に全体像を掴むための総論を「プロローグ
~家庭医療ってなんだ?」という題で長谷川先生にお話ししていただきまし
た。実際にどこで働いているのか、どういう思いで家庭医を志したのかなどを
講師陣の自己紹介を交えながら扱いました。参加者の中で家庭医の具体的なイ
120
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
メージができたのではないかと思います。第二部では「家庭医療をやってみよ
う~謎解きはランチのあとで」と題して年森先生と山内先生の同級生コンビに
家庭医療の中でも患者中心の医療、CONTEXT、Disease& Illness に焦点をあて
てグループワーク、ロールプレイを行いました。疾患名を与えられただけでは
満足できない患者さんもいる。説明したからといって患者が理解して同意して
いるとは限らない、共通の理解基盤を構築することは難しいということを改め
て感じました。最後に「エピローグ~学び続ける医療者であるために」という
セッションを来住先生にお願いしました。自分の学習スタイルを見つめなおし
たり、家庭医療看護師の井上さんのお話から他職種の方の思いを感じたりした
あとに明日からできることとして家庭医療夏期セミナーなどさまざまな活動を
紹介しました。
【感想】
いままでに勉強会などに参加したことがない学生の方が多く参加してくれ
て、はじめは緊張からか静かだった会場がどんどんにぎやかに、活発なディス
カッションが行われていくように変わっていくのを見て、参加者のなかでもっ
と知りたい!次に何かしたい!といった思いが湧いてきたのではないかと思い
ます。振り返りの大切さ、個人に合わせた学習方法などこれから一人でも行っ
ていけるようなセッションがあったことも次につながる予感がしました。
【反省・今後の展望】
今回は総論的な内容を扱い、参加者の方に家庭医療の導入を提供しましたが
これからは、細々とでも各論的な勉強会を開催していきたいと思います。
【写真】
(オープニングスキット)
121
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
(総論:家庭医療ってなんだ)
(集合写真)
122
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
*難易度*
難しすぎる:0 難しい:1
0
ちょうどよい:15
*理解を深めることができたか*
できた:10 まあまあできた:5
くできなかった:0
*内容満足度*
とても満足:9 満足:7
わからない:1
ふつう:0
不満足:0
簡単:0
簡単すぎる:
できなかった:0
全
全く満足できない:0
*感想(一部抜粋)*
・劇からはじまるところから、すでに惹きつけられていました。先生の紹介
プレゼンがあったのも良かったです。ロールプレイングが楽しかったです。学
校ではやりっぱなしになることが多いです。フィードバックがあってとても良
かったです。家庭医が専門医として捉えられているのにも驚きました。
・勉強していて、または部活をしていて「これって意味あるのかな?将来何が
役に立つかわからないっていうけど、ホントかな?」と不安になることはあっ
たので「いろんな経験をしたらいい」という言葉を聞いて安心しました。とて
も楽しく有意義な時間が過ごせました。有難うございました。先生方、スタッ
フの皆さんお疲れさまでした。
・とても練られた内容で、いろいろなことを深く学ぶことができました。最後
に学生に何ができるかについて紹介していたのがとても良かったです。
123
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『しまなみ海道臨床推論道場』
作成者:上本明日香
(所属:愛媛大学医学部医学科 6 年)
【目的】
中四国を結ぶ「しまなみ海道」を横断しながら、医師の能力のとして必要とされる問診、
身体、診察技術、診断学を学ぶ。また同時に全国の医学生や研修医に向けて、しまなみ
の魅力を発信する。
【概要】
日時:平成 27 年 7 月 19 日(日)〜20 日(月:海の日)
場所:しまなみ海道(真言宗浄土寺、耕三寺博物館、村上水軍博物館)
東道後のそらともり
参加人数:47 人
(内訳:医学生 37 名、医師 10 名うち研修医 3 名)
参加費:8500 円(宿泊なし、食事、会場使用料込み)
16500 円(宿泊、食事、会場使用料込み)
主催:しまなみ海道横断臨床推論カップ実行委員会
愛媛大学大学院 医学系研究科 地域医療学講座
共催:日本プライマリ・ケア連合学会学生部会 四国支部
京都府立医科大学 SMG(student meeting og GIM)
愛媛大学医学部医学教育センター
講師:
WS①佐田 竜一 先生(亀田総合病院 総合内科 部長代理)
講師補佐:矢野 勇大 先生(亀田総合病院)
WS②平島 修 先生(徳洲会 奄美ブロック総合診療研修センター長)
WS③徳田 安春 先生(JCHO 研修センター長・総合診療教育チームリーダー)
【タイムテーブル】
1 日目 平成 27 年 7 月 19 日
9:00
JR 尾道駅周辺に集合(8:50 くらい)、出発(9:00)
9:30〜9:55
開会式+アイスブレーキング
10:00〜12:30 勉強会①(真言宗浄土寺)
(問診クエスト 亀田総合病院 佐田 竜一先生 2.5 時間)
12:40〜13:00 浄土寺観光、バスまで移動・しまなみへ出発
124
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年間活動報告
↓(移動時間 45 分、バス内で昼食)
+時間調整 10 分
13:55〜15:55 勉強会②(耕三寺博物館 )
(フィジカルクラブ 徳洲会奄美ブロック 平島 修先生 2 時間)
16:15〜
出発
↓(移動時間 30 分、参加大学学生 or 研修医による、各大学の取り組み紹介) +時間
調整 10 分
16:55〜17:05 村上水軍博物館到着
記念撮影
17:10〜19:10 勉強会③ 村上水軍博物館
(診断エラー
19:15〜
JCHO 徳田 安春先生)
バスまで移動、出発
19:30〜21:00 喜多すし 宴会
21:30〜
出発
↓(移動時間 1 時間 40 分+時間調整 20 分)
23:30
東道後 そらともり 到着・解散
2 日目(予定)
各自起床、朝食+チェックアウト
10:00〜 そらともり 学生プレゼンのケースカンファレンス+多職種連携 WS
先生+
板金+上本?
12:00〜
ランチを食べながら、先生との交流タイム(事前に質問を募集、回答して頂
く形式)
14:00
解散
【内容】
勉強会①
問診ワークショップ
講師:佐田 竜一 先生(亀田総合病院 総合内科 部長代理)
講師補佐:矢野 勇大 先生(亀田総合病院)
会場:真言宗泉涌寺派大本山
浄土寺
http://www.ermjp.com/j/temple/
125
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【ワークショップ概要】
真言宗浄土寺の道場(約 50 畳)を 8 ブースに区切り、各ブースに模擬患者を配置す
る。ワークショップ参加者は、4 人 1 組のチームとなって、各ブースを巡回し、模擬患
者の診断を考えながら問診をおこなう。全模擬患者の問診が終了した時点で、区切りを
解除し、全体でのまとめをおこなう。
【会場概要】
← 参考)浄土寺敷地内風景
浄土寺に併設された道場
↓(ワークショップ会場)
ワークショップ会
126
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
勉強会②
フィジカルクラブ(身体診察)
講師:平島 修 先生(徳洲会 奄美ブロック総合診療研修センター長)
会場:耕三寺博物館
http://www.kousanji.or.jp
【ワークショップ概要】
耕三寺博物館内のお堂にて、身体診察について学ぶ。参加者はチームごとに分かれ、
可能な範囲で身体診察を実施する。検査に頼らず、身体診察でいかに疾患を拾い上げる
か、その重要性について学ぶ。
【会場概要】
参考)耕三寺敷地内
会場外観および会場内
127
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
勉強会③
診断エラー
講師:徳田 安春 先生(JCHO 研修センター長・総合診療教育チームリーダー)
会場:村上水軍博物館 http://www.city.imabari.ehime.jp/bunka/suigun/
【ワークショップ概要】
勉強会①、②で学んだち知識を生かし、実際に診断するプロセスについて症例を通し
て学ぶ。
診断の過程でどのようにして思考のエラーが生じるか、エラーを防ぐにはどうすれば
良いか学ぶ。
【会場概要】
会場外観
会場内観
128
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年間活動報告
★全員で集合写真を撮影予定★
勉強会④
診断エラー(実践)
前日のワークショップで学んだ診断エラー回避スキルを症例を通して体験する。
自分がどのような思考パターンなのか、自己分析をする。
その他
宴会会場
喜多すし http://tabelog.com/ehime/A3802/A380201/38001030/
店舗外観
店舗からの眺め
宿泊地
東道後のそらともり http://soratomori.com
129
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年間活動報告
【感想】
①運営面に関して
地域振興と医学教育を融合させる、そして勉強会会場を固定せず移動式のワークショップに
するという試みは初めてのことであったため、運営面特にタイムスケジュール面でかなり不安
があった。しかしスタッフや講師の先生方の協力のもと、予定通りにスケジュールを終えるこ
とができ良かった。地域振興のために、今回地域の観光協会に協力を得ることができたが、も
ともとコネクションが無かったとしてもあらゆるネットワーク、つながりを利用してあらゆる
手段を利用すれば、地域の協力が得られることが分かった。自分たちの行動がどのように将来
的な地域振興につながるか、医療の発展につながるかを上手く伝えることができれば、協力が
得られるという印象を受けた。
②ワークショップのプログラムに関して
今回は普段診断学といった分野のワークショップに参加しない学生にも楽しんでもらえる!
という事を強く意識してプログラム構成を練った。よってプログラム構成は基礎から勉強し、
次のワークショップで学んだ事を実践できるという形式をとった。実際参加者アンケートで、
初心者でも楽しめたという声が多かったため、このように診断の一連の流れを段階的に学べる
ワークショップは非常に有用であると考えた。
③全体のまとめ
130
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
ワークショップを楽しんでもらえたら、参加者にとってしまなみ海道は思い出の場所にな
る。思い出の場所になれば、その場所は参加者にとって特別な場所となり、再び訪れたいとい
う気持ちが自然と湧いてくるようであった。この気持ちの変化、思い入れを地域振興に利用す
れば良いのではないかと考えた。
【反省・今後の展望】
開催時期がマッチング直前であり、時期が異なっていれば参加したかったという声が多かっ
た。また気温が高い中、温度調節が難しい場所でフィジカルワークショップを開催することと
なり、参加者の健康面が心配される場面があった。開催時期、会場の環境に関して次回はより
配慮すべきであると感じた。
【写真】
131
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年間活動報告
□九州・沖縄支部
『もっと身近に!ウィメンズヘルス!〜ニャン吉くん、教えてあげるよ!編〜』
長崎大学医学部医学科 6 年
山崎 愛子
【目的】
・1人の女性の人生をモデルとして、ウィメンズヘルス学ぶ
【概要】
日時:2016 年1月 23 日(土)10:00-17:00
場所:長崎大学 坂本キャンパス ポンペ会館1階 セミナー室
参加者数:19 人
(内訳:医学生 12 人、看護学生 2 名、その他学生1人、医療従事者3人、
歯科医師1人)
参加費:無料(懇親会は希望者のみ)
主催:ながさき地域医療人材センター
後援:日本プライマリ・ケア連合学会 80大学行脚プロジェクト
講師:
水谷佳敬(長崎医療センター産婦人科)
金弘子(頴田病院 飯塚・頴田家庭医療プログラム専攻医)
鳥巢裕一(長崎医療センター家庭医療後期研修プログラム専攻医)
神田萌(北海道家庭医療学センター家庭医療後期研修プログラム専攻医)
高原紗綾(大村市民病院)
丸山淳也 (岡山家庭医療センター 奈義ファミリークリニック)
【タイムテーブル】
9:30
開場
10:00-10:15
開会・アイスブレーク
10:15-12:30
step0「女性」を診る
ナプキンワーク
step1妊娠前のケア
12:30-13:15
昼食
13:15-13:30
トークセッション
13:30-15:30
step2 妊娠中のケア
調乳ワーク
step3産後のケア
15:45-16:15
ポストテスト
16:15-16:45
質疑応答
17:00 閉会
132
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【内容】
▼Step0 「女性」を診る
女性患者への医療面接の心構え・コミュニケーションの工夫などは基本的な医療面接
の姿勢とほとんど同じだから、気負わずに!というアドバイスを頂きました。実際に
スモールグループでお互いに医療面接を行ったあと、会場からは「いざ本番になった
時にちゃんと聞けるのか心配」「若者だけれど、プロとして威厳を持って聞くことが
できるのか心配」など声が挙がりました。講師からこのような場で少しずつ練習して
いくことが必要であること、ライフステージを意識した問診を心掛けるなどプラスひ
と工夫を大切にしてほしいということを強調されました。
▼ナプキンワーク
男性はモノ自体・開け方・捨て方すべてが新鮮で、皆真剣な面持ちでした。女性から
も「これで20mlなんだ」「意外とさらさら」という声も挙がりました。タンポンを置
き忘れてsepsic shockになって運ばれてくることもあるということで、医療現場でも
忘れてはいけない知識です。ナプキンの歴史を学んだり、ナプキンの断面を見たりす
るワークも面白いのではないでしょうか。
▼Step1妊娠前のケア
妊娠前のケアは妊娠可能な全ての女性が対象になり、いつでもできる介入です。葉酸
摂取やタバコやアルコールなどが母体・胎児に与える影響に加えて、家族計画や正し
い避妊の知識の必要性を学びました。会場からは本人の生活環境・悩みの有無、産後
の考えなどについても聴取する必要があるという意見も挙がりました。
▼トークセッション
五島で産婦人科医として勤務されていた経験をお話して頂きました。事前に寄せられ
ていた質問に「離島での出産に対する不安」が挙げられており、医療者としてどう接
するか・当事者であった場合はどうするかについて、両方の立場からアドバイスを頂
きました。
▼Step2 妊娠中のケア
話題となっている放射線暴露の話を中心に、薬剤やワクチン接種の内容について話し
て頂きました。妊娠週数によって母体と胎児の状態が違うため、週数に応じたケアを
行うことの重要性を強調されました。妊婦さんへの投薬はどうすればよいか、先生が
実際に現場で調べている方法とツールについても教えて頂きました。
133
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
▼調乳ワーク
調乳は初めてという人がほとんどでした。感染予防のため、温度や時間に注意するこ
とを学んだあと、参加者全員が調乳に挑戦しました。冷やし過ぎるとぬるくて美味し
くなくなり、かといってあまり冷やさないと熱くてやけどしてしまうという具合で、
参加者のほとんどが温度の調整に苦戦していました。自分で調乳したミルクを実際に
飲んでみましたが「まずい」「懐かしい味がする」など感想は人によってまちまちで
した。最後に調乳した人には哺乳瓶から飲んでもらいましたが、吸啜の力が弱くても
意外と出てくるなど哺乳瓶を使った本人にしかわからない体験ができたようです。
▼Step3産後のケア
授乳中の投薬についても、妊娠中の投薬と同様にツールを活用することを学びまし
た。児・母にとっての母乳育児の利点について知り、可能な限り母乳育児をサポート
する必要性や、やむを得ず人工乳になる人への配慮を忘れないことを強調されまし
た。
▼質疑応答
事前に寄せられていた質問に加え、当日の疑問点を書き出してもらい、その中から30
ほどの質問に答えて頂きました。実際に友達からされた相談に対するアドバイスや子
宮頸がんワクチン、インターネットやテレビで流されている情報とのつきあい方につ
いての質問が多く挙がりました。
【感想】
講師の先生には、今日から誰かにアドバイスできるようになることを目標に、優し
い内容で話して頂きました。講師の先生・参加者の男女比はともに1:1、医学生だけで
なく医療関係者も多く参加して頂いたため、想像以上に参加者同士での意見交換も興
味深いものとなったようでした。講師の先生が要点を簡潔にまとめてくださったレジ
ュメが最後に配布され、知識定着の一助になったようです。
134
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【写真】
135
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
①講義全体について
講義内容については、レベル、スピードともにほとんどの人がちょうどいいと感じお
り、よかったと思う。しかし、17%がやや簡単に感じているのも事実なので参加者
のレベルにばらつきがあったのではないかと考える。来年以降、ある程度知識がある
方に向けたイベントも開催するとよいかもしれない。
①講義全体について
講義内容のレベルはいかがでしたか?
全体的な進行スピードはいかがでしたか?
0%
やや簡単
17%
17%
0%
調度いい
100%
100%
調度いい
83%
83%
②各ワークへの興味関心
各ワークについて、講義に参加して興味関心をもったかについてアンケートした。
ナプキン、調乳ともに非常に興味を持った、興味を持ったを合わせるとほとんどの参加
者が講義を通じて興味をもったと答えている。特に男性参加者の方にはなじみのないも
のだったのではないかと思うので興味を持っていただけて良かったと思う。
③各項目について講義を受けて知識は変化したか
調査してすべての項目について、9割以上が講義前より知識が増え、アドバイスできる
ようになったと答えた。
136
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
②各ワークへの興味関心
ナプキンを用いたワークはいかがでしたか?
調乳のワークはいかがでしたか?
非常に興味深かった
ふつう
興味深かった
あまり興味をひかれなかった
③各項目について講義を受けて知識は変化したか
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
女性特有の問診(月経歴など)
月経困難症や避妊、妊娠前のケア
妊娠中の投薬や放射線検査
自信をもってアドバイスできるようになった
ある程度はアドバイスできるようになった
以前よりはアドバイスできるようになった
あまり相談にはのれない
受講前と変わりない
137
授乳中の投薬、産後うつ病
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『産業医×家庭医~地域保健を担うジェネラリスト~』
産業医科大学医学部医学科
池田 直子
【目的】
・地域保健を担う家庭医・産業医の共通点・相違点を知り、そこから見える連携を探
る
・「人を知る」に関連したスキルを学ぶ
・ワークショップを通して「自分を知る」きっかけとする
【概要】
日時:2015 年 11 月 21 日(土)14:00〜18:00
場所:産業医科大学 実務研修センター3階 305 室
参加者数:23 名(内訳:医学生 20 名、看護学生 3 名)
参加費:参加費 無料
(懇親会は別途 3000 円)
主催:日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト 80 大学
行脚プロジェクト
共催:産業医科大学 学生有志
講師:梶木 繁之 先生
(産業医科大学・講師)
一ノ瀬 英史 先生(飯塚病院・総合診療科)
吉田 伸 先生(飯塚病院・総合診療科)
金 弘子 先生 (飯塚病院・家庭医療コース後期研修医)
黒木 弘明 先生
(元西日本産業衛生会・産業医)
【タイムテーブル】
13:30-受付
14:00- 開始
14:00-15:00 パネルディスカッション「産業医って?家庭医って?」
15:10-16:30 ケースワーク「人を知る・人をみる~BPSモデルを使って~
16:40-17:45「 自分を知る~あなたにとってのHAPPYとは~」
18:00終了
【内容】
はじめに、アイスブレイクでは、自己紹介とともに「あなたはどんな医療者になり
たいですか」との問いかけに対し紙に書く作業を行いました。
▼プログラム①ワールドカフェ「産業医って?家庭医って?」
家庭医・産業医それぞれのイメージをワールドカフェ形式で抽出・共有した後、各チ
ームでグルーピング作業を行いました。ここでの目標は「産業医・家庭医について知
138
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
る、共通点・相違点を探る」、参加者から上がったイメージをもとに、実際に家庭
医・産業医のお立場でご活躍の講師の先生方からお話を伺いました。
▼プログラム②ケースワーク「ひとを知る・ひとを診る~BPSモデルを使って~」
Bio Psycho Social モデルを学び、ケースワークを行いました。
58才 男性
主訴「健診異常の指摘」
2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙・・・などの健康問題を抱える工場勤務の中
年男性のストーリーでした。本人は無症状のため未受診、なかなか改善に向かないこ
の方について、どのように「みる」のか。
Bio(生物医学的)
Psycho(心理学的)
Social (社会学的)に分けて、この方をとりまくさまざまな環境や生活背景を引き出
し、その関係性を把握することで”この方にとってのアプローチ法”が見えてきまし
た。一人の人の健康を考える時には、まずは「ひとを知る」ということが大切であ
り、BPSモデルを用いて多元的にアプローチできることを学びました。
▼プログラム③前半ふりかえり・後半講演「自分を知る~あなたにとってのHAPPYとは
~『CDA』」
ふりかえりとは?について紹介後、実際にふりかえりシートを用いて、プログラム①
~②のふりかえりを各自で行いました。その後、黒木弘明先生による講演「CDA」と移
りました。講演の内容を以下にご紹介いたします。
情報をキャッチする時のCDA(黒木先生の造語)
C:comprehend:正確な知識や概念をつかむ
D:digest:塾考して会得する
A:appreciate:正しい判断や評価をする
・「情報とは、あなたの情熱が報われた時なのでは?」
・ 「自分自身の在り方」とは?
”先義後利”という孟子の言葉を例に、義=「自分の在り方」利=「自分(社会)の
幸せ」として、様々な問いかけがありました。毎日の体験の中から、自分(の感じた
こと)を確認すること、自分と向き合うには、というお話の後、take home messageは
「身につけた知識や経験を元に自分と向き合い、感性を育くむ」「自分の在り方を見
つめて、何を目指すのか」で締めくくられ、黒木先生より「毎日が贈り物」という歌
のプレゼントがありました。
会の最後には、もう一度「あなたはどんな医療者になりたいですか」の問いかけを
行い、アイスブレイクで言葉にしたものと違った方も変わらなかった方も、それぞれ
の気づきを持って閉会となりました。
139
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【感想】
プログラムの構成には思考錯誤した。産業医と家庭医の協働企画は初開催であり、
産業医大で行われる行脚プロジェクトとしてはチャレンジングだったが、地域保健を
担うジェネラリストという視点で融合を試みることとなった。参加学生は、低学年か
ら高学年まで幅広く、産業医や家庭医について初めて知る学生も少なくなかったが、
それぞれのイメージを大切にしながら、和気藹々と学び合うことができた。
【反省・今後の展望】
今回は、「家庭医とは」「産業医とは」というレクチャーは含まなかったため、初
めてこのような勉強会に参加した人にとっては、やや捉えにくかったかもしれない。
一方で、これを機に、興味を持った、それぞれについてもっと勉強したいという声も
聞かれたため、次回以降は「家庭医とは」「産業医とは」を中心としたものや、そこ
から共通点・相違点に触れるように発展させていきたい。
【写真】
140
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
グラフ1、2、3は勉強会参加者アンケートの結果をまとめたものである。以下、各
項目について考察する。
1. 満足度
参加者全員が満足度4から5の高得点で、すべての参加者が満足という結果にな
った。内訳を見てみると、グラフ1のように5点をつけたのは全体の17%、4
点をつけたのは全体の83%であることから高得点ではあるが、まだまだ改善の
余地があるといえる。
満足度(五段階評価)
グラフ1
約17%が
満足度5点
約83%が
満足度4点
5点
4点
2. 家庭医学に対する興味の変化
家庭医学に対する興味がどう変化したか5点満点として勉強会前後でアンケート
をとった。結果はグラフ2のように、全体平均は3.2点から4.2点と勉強会
参加により平均1点高くなった。内訳を見てみると、4年生以上の高学年の参加
者では平均0.5点高まったのに対し、1年から3年の低学年では平均点2.0
点上昇し、効果が高かったことが分かる。今回の勉強会は低学年の学生により適
した内容だったのではないかと考えられるので、今後の勉強会については低学年
向け、高学年向けに分けてそれぞれにあった内容のものを提供していくとよいか
と思われる。
141
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
グラフ2
4.5
家庭医学に対する興味(事前・事後)
(5点満点、、平均)
事前
事後
4.0
平均0.5点
UP↑
3.5
3.0
平均2.0点
UP↑
2.5
2.0
1.5
1.0
全体平均3.2点
全体平均4.2点
0.5
0.0
高学年
高学年
低学年
低学年
3. 勉強会を知ったきっかけ
グラフ3は参加者がどのようなきっかけで本勉強会を知ったかを示したものであ
る。これを見ると、参加者全体の67%が知人の紹介で勉強会を知り、さらにそ
の内75%、全体の50%を占める参加者が Facebook を介して参加していること
がわかる。このことから、今後の広報戦略として Facebook などの SNS による宣伝
に注力していくべきであると考えられる。
グラフ3
勉強会を知ったきっかけ
Facebook
50%
学年LINE
33%
知人の紹介
67%
その他
17%
142
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
4. 今後の参加について
今後も本勉強会のようなイベントに参加したいか質問したところ、全員が参加し
たい答えた。その理由については、「楽しみながら得られるものがある」、「楽
しかったから」といった今回の勉強会が満足だったからという意見に加えて「将
来産業医になるにあたり、知れるものは何でも知りたい」、「家庭医についても
っと聞いてみたい」などより深く、詳しい知識をえるために参加したいという方
もいた。本勉強会は、将来の多様な働き方を考えるうえで、入門編にはなったと
考えているが、今後はより高度な内容を盛り込んだ上級編のイベントを開催する
必要があると思う。
回収率:26%(6/23)
143
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『大分家庭医療ワークショップ』
大分大学医学部医学科1年 荒木晶帆
【目的】
・ "家庭医療" "多職種連携"とはどのようなものであるか、症例をもとに体感する。
・ 大学病院や地域の診療所で働く医師、看護師、メディカルソーシャルワーカーな
ど、その道のプロの意見を聞き、ざっくばらんに話しながら家庭医療を楽しく学ぶ。
【概要】
日時:2015年10月17日(土) 13:00~18:00
場所:大分大学医学部 看護科棟 212・221
参加者数:33 人
(内訳:医学生 20 名、医療系学生 3 名、その他 10 名(社会人:鍼灸師や看護師等)
参加費:500 円 (懇親会:別途)
主催:大分大学医学部プライマリ・ケア勉強(OMPS)
共催:日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト 80 大学行脚
プロジェクト
講師:宮崎英士(大分大学医学部附属地域医療学センター 教授)
塩田星児(大分大学医学部附属病院総合内科・総合診療科)
江口 幸士郎(唐津市民病院きたはた)
石井 稔浩(大分大学医学部附属病院総合内科・総合診療科)
赤岩 喬(飯塚・頴田家庭医療プログラム)
平山 匡史(大分大学医学部附属病院家庭医療プログラム)
江口 智子(清風会 岡山家庭医療センター)
堀之内
登(大分大学医学部附属病院家庭医療プログラム)
宇都宮
理恵(大分大学医学部附属病院家庭医療プログラム)
石原 あやか(大分大学医学部附属病院家庭医療プログラム)
岡江 晃児(大分医療センター
ソーシャルワーカー)
伏谷 麻友(清風会 岡山家庭医療センター 家庭医療看護師コース修了
生)
藤谷
直明(大分大学医学部附属病院総合内科・総合診療科)
【タイムテーブル】
12:15~
受付開始
13:00~
オープニング
~13:15
イントロ
13:15~13:30 アイスブレイク
13:30~15:00
ワークショップ①「こんなときどうする?患者さんとのギャップを埋めるに
は」
144
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
15:15~16:45
ワークショップ②「体験!多職種での意思決定!~在宅?病院?あなたのチ
ームはどっちを選ぶ?~」
17:00~17:30 おまけセッション
「聞いてみよう!講師陣の『家庭医らしさ』を実感した一例☆」
~18:00
アウトロ、写真撮影、エンディング
【内容】
ワークショップ① では、患者さんが望む医療と医師の治療方針にギャップが生じた
場合に互いにどう歩み寄るのかをロールプレイを通して学んだ。患者さんと医師の医
学知識量の差を乗り越えて「共通の理解基盤」を作ることの難しさと大切さを感じ
た。
ワークショップ② では、模擬多職種カンファレンスを行い、患者さんにとって在宅
と入院のどちらがよいかを考えた。どのチームも意見がまとまらず、多職種連携の難
しさを体感した。同時に、患者さんの望みや生活について多職種が連携しなければ見
えてこないものが多くあることも分かった。
【感想】
多職種を構成するプロの話を聞くことができ、どんな仕事をしているのか知ること
ができたのがよかった。おまけセッションでは、家庭医の役割について理解を深める
ことができた。
【反省・今後の展望】
全体としては、時間が押したためスケジュールに余裕を作っておけばよかった。
企
画内容は、多職種連携などについて参加者が主体的に体感できるという斬新なもので
あり、とてもよかった。
【写真】
145
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【アンケート結果】
《満足度》
学生(人)
社会人(人)
100 点
5
3
90~99 点
10
2
80~89 点
4
2
70~79 点
0
1
理由
100 点
学生
・よく分かっていなかった家庭医療について症例やグループワークを通して楽しく学ぶこ
とができた。
・様々な職種の方の意見を聞くことができ、共通基盤の重要さを学ぶことができた。
・ロールプレイを通して家庭医と多職種間の連携の大切さを学べ、実際の症例についても知
ることができ、とても充実した内容だった。
・初めての参加でも楽しめた。
・一年中心のスタッフでここまで形にできた!
・講師がすごい。
社会人
・実際のカンファを体験したり、ロールプレイでコミュニケーションの難しさを体験できた
りして勉強になった。
・多職種の話が面白かった。
・多くの学びがあった。
・この会の重要性を感じた。
・これからも続けてほしい。
90 点台
・勉強のモチベーションが上がった。
・新しい学びがあり、自分の行動が変わったと思う。
・家庭医療において具体的に何をやっているかが見えた。
・多職種カンファで其々の職業の仕事について学ぶことができた。
・いろんな方に会えて経験になった。
146
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・多職種連携で薬剤師の必要性を知りたかった。
・家庭医らしさを感じ取れなかったが、医師としてのコミュニケーションに大切なものが何
となく分かった。
・症例の工夫がすごかった。
・活発な対話ができた。
・医師患者のロールプレイ、多職種ロールプレイが非常に面白かった。
・自分のロールプレイ内容に不満。(-10 点)
・ほかのテーブルの方とあまり話せなかったのが残念。
・
「家庭医って何?」という疑問に一つ答えてもらった気がする。
・運営スタッフも企画に集中できる運営が理想的。会に参加せずに作るビデオは必要?
・雰囲気作りなどチームとしてまとまっていくことの難しさ、コミュニケーションの大切
さ、自分が気づくことのできていない視点を感じることができた。
・話し合いにもう少し時間をかけてもよいと思う。
・学生ファシリテーターにセッションの事前情報があると主体的にファシリテーターを務
めてもらえたかもしれない。
80 点台
・多職種のロールプレイがすごく面白く、勉強になった。
・初めての対験だった。勉強になった。
・医師、患者、SW など視点を変えることで全く景色が違うことを実感できた。
・もう少し発言できるようになりたい。(-20 点)
・今までよく知らなかった職種のことや患者さんと医師の合意の大切さを学ぶことができ
て良かった。
・患者さんのために色んな職種の人が関わっていくことの大切さを学ぶことができた。
・職種ごととカンファにあと 10 分ずつほしかった。
70 点台
・素晴らしい学びの場だった。
・自分が医療者ではないため専門用語などに苦労した。低学年には共通する課題なのでは?
《学んだこと・感じたこと》
WS①
147
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・医師と患者さん其々の思惑のずれがなぜ生じるのかについて具体的に理解できた。
・患者さんの意見を尊重することも患者さんとの意思疎通も大切だと思った。
・相手を尊重することを重視できればいいと思う。
・患者さんをどのように誘導すれば口を開いてくれるかということの重要性。
・傾聴、共感することの難しさ。分かっていても難しかった。
・医学知識が身についた分、医学的なことが先行してしまって患者さんに寄り添う姿勢が減
ってしまっていた自分に気づくことができたのがよかった。
・診察の中、そして出会った中でどれだけのことを聞けるかが大事。
・患者さんから引き出すことをいかに共有するか。
・医師の言葉や気持ちと患者さんの言葉や気持ちにはがギャップがあり、その距離を縮める
ことの難しさを知った。
・合意形成に向けて客観視(医師)と主観視(患者)のすり合わせを意識できたことがよかっ
た。
・共通基盤の視点作りは必要だと感じた。
・患者さんと医師が考えていることをお互い話すことが大切であると感じた。
・患者さんの感情、期待、解釈、影響を知るために密なコミュニケーションが必要だと感じ
た。
・患者さんが持つ背景を深く考えられる医師になることが大事であると感じた。
・その人の「幸せ」は何かと問い続けられるよう心掛けたい。
・患者さんの視点になって考えることの大切さを学んだ。
・患者さんと医師の知識量の差を考慮して丁寧に説明し、患者さん本人がどうしたいのかを
きちんと聞くことが大切であると感じた。
・医療者ばかりの研修にどう患者さん目線を入れるかについて発展途上の感がする。
・模擬患者としてロールプレイをしたときに思った以上に不安が強いのだと気づいた。
・患者役をやった時に医師に説得され、自分の思いがなかなか聞いてもらえない気持ち悪さ
を感じた。
・医師と患者さんとのギャップについて考える機会が少ないため有意義だった。
・医師と患者さんの両方の立場を体験でき、貴重だった。
・言語的に医師 3 年目の先生がギャップを説明したのがスゴイ。
・低学年には難しいところもあったため、共感や「かきかえ」をもっと意識させてもよかっ
た。
・低学年でも相槌を打つことができていたのがよかった。
WS②
・医師の言葉で決まることが多々あるため発言しづらかった。しかし、場をまとめるのも周
りの空気を和ませるのも医師にできるのだと思った。
148
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・空間作りの難しさ。
・多職種がうまく連携することの重要性と難しさ。
・患者さんの前で話せることなどを事前に打ち合わせておくことが必要。
・多職種カンファにおける患者さんの意思の重要性
・他職種に関する知識の重要性。
・患者さんの思いを汲み取りながらそれが実現可能か話し合う大切さを感じた。
・チームがまとまっていくその前座からが大切だと思った。雰囲気や関係が大事だと思う。
・自分が患者さんや今後の在宅生活との関わりが深い場合、実際のカンファではもっとガツ
ガツ(もしかしたら嫌がられたり怖がられたりするくらい)解釈モデルや希望を聞き出した
だろう。それがありなのか確かめてみればよかった。
・ロールプレイがうまくいったと思う。参加者のレベルの高さを感じた。
・チームワーク、仲良くやること。⇒共有につながる。
・色々な職種が集まるとすごい。
・多方面のプロフェッショナルに意見を聞かなければ最もよい方法を考えることはできな
いと感じた。
・一人では何も実現できない。
・色んな医療職の役割と実際にどんなことをやっているかが分かり、非常に良かった。
・SW の役割を学ぶことができてよかった。
・SW の役割を再認識できた。
・薬剤師についての視点も知りたかった。
・介護認定を受けている/受けさせるべきケースでは、ケアマネやヘルパーステーションな
どとも連携するのが必要だと思った。
・模擬カンファレンスの基本設定がよく練られていた。
・カンファレンスの様子を知ることができた。
・医師がリーダーシップを発揮するケースもやってみたい。
・プロとしての診断、治療、リーダーシップは意志として他の職種に負けたくないと思った
・緩和ケアは患者さんの夢を叶える場所。
・患者さんと共に終末の姿を想像すること。
・藤谷先生のまとめ方や説明の仕方はみんなをふふっと笑わせてくれるため、ターミナルと
いう大切な思い症例でもいいまとまり方がされていたように思う。
おまけセッション
・家庭医について大まかな考えだったが、より知識が増えたため良かった。
・家庭医の雰囲気が分かった。
・家庭医療への興味が深まった。
・実際の症例とその経過を知ることができ、家庭医を身近に感じられた。
149
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
・家庭医の仕事の幅広さ。
・家庭医の役割を少し理解できたと思う。
・家庭医医療の面白さ。
・医学以外の面を忘れないこと。
・医師としての人とのかかわり方を振り返る体験があって素敵だと思った。そのことに気付
いて振り返ることのできる人も素敵だと思う。
・色んな症例や患者さんに出会い、先生方は成長されていくのだなと思った。
・患者さんに寄り添う先生方のような医師がいてくださり、心強いと思った。
・具体的な症例。
・生の現場の現状を知ることができてよかった。
・医師の大変さがよく理解できた。
・様々な症例をベースに経験を話してくださり、モチベーションが上がった。
・症例が面白かった。
・其々の先生にメッセージがあり、面白かった。
・低学年の学生もいる中、誤解を与えかねる発達障害容疑の言及に対して医療と患者の共通
理解形成で最も大変な心の問題が詳しく聞けなかったのが心残り。
・きちんとポートフォリオ作りを監督してもらえる場所が全国にあるのかなと考えていた。
《改善点》
・WS①の B で入院させる、させないの重篤度が分かりにくかった。
・時間の余裕を作っておくべきだった。←資料を配り始めるのが遅かったため、開始時刻が
遅れた。
・構成として後半が少々長めだと思う。
・(ビデオ作りも含めて)本当に必要な運営とは?
・事前広報では何をするのかよく分からなかった。
《その他、意見・要望》
・在宅医療の重要性と施設について。
・障碍者に対して。
・市役所の人のお話し。
・ケアマネと MSW のお話も聞きたかった。
・患者当事者の生の声を入れてほしい。
・今回はガンだったが、もう少し軽い症例であれば鍼灸なども入りやすいと思う。
・カンファレンスをもう一回したい。
・またやってほしい。
・警戒していたほどには非医療者に対する排他性が見られなくてよかった。
150
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
《実行委員から》
・いつ、何をするかという行動計画を日々更新していく必要があった。
・ (交渉により、予定していたルートよりも近いルートに変更できたためよかったものの)
工事の関係で予定していた会場までのルートが使えなくなった。工事の状況を把握してお
くべきだった。
・会場までの誘導人の立ち位置をきちんと決めていなかった。日向にずっと立つのはきつい
ため、交代制にすべきだった。
・Gmail に来ていた、当日欠席の連絡に気が付くのが遅れた。当日の出欠席を確認するため
に Gmail をチェックする係を作っておくべきだった。
・時間のゆとりを作りたかった。午前中から始めてもいいという参加者の声もあった。
・開始ぎりぎりに来る参加者が多かった。開始時刻前に入場完了時刻を設けてもよいかもし
れない。
・ワークショップ①②とおまけセッションの繋がりが薄かったため、おまけセッションの前
で一度切り替えできるとよかった。
・ビデオ制作係とカメラ係が一緒だったためきつかった。実行委員の人数が今回のように少
ないときビデオ制作は不要かもしれない。
・懇親会では、予約した人と先に行って予約の確認をする人が異なっていたため円滑に予約
確認ができなかった。
151
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『第2回 「総合診療専門医のことびんちょ~さびら!
-総合診療医のキャリアプラン-」』
琉球大学医学部医学科 5 年
小倉 直子
【目的】
・ 総合診療医のキャリアプランを学ぶ
・ 多職種連携が重要なプライマリケアにおいて、鍼灸師の先生の立場から総合診療と
多職種連携についてお話を聞く。
【概要】
日時:2015 年 10 月 17 日(土)13:30~18:30
場所:琉球大学医学部基礎講義棟 104 教室
参加者数:34 名(内訳:医学生 30 名、医療系学生 2 名、鍼灸師 2 名)
参加費:無料 (懇親会費: 3000 円程度)
主催:琉球大学医学部医学科 5 年次有志
共催:日本プライマリ・ケア連合学会 若手医師部会 ジェネラリスト80大学行脚プ
ロジェクト
講師:武村克哉 先生(琉球大学地域医療部)
黒田格 先生(県立中部病院)
杉田周一 先生(沖縄県立宮古病院 )
成田響太
先生(長湯鍼灸院、真央クリニック)
【タイムテーブル】
<第一部>
13:30-13:35
開会
13:35-14:20
講演:「総合診療と多職種連携」
講師:成田響太 先生(長湯鍼灸院、真央クリニック)
14:30-15:35
講演:「総合診療医と大学病院」&ワークショップ
講師:武村克哉 先生(琉球大学地域医療部)
15:45-16:20
講演:「総合診療医を目指す~後期研修医の立場から~」
講師:黒田格
16:30-17:15
先生(県立中部病院)
講演:「総合診療医と離島」
講師:杉田周一 先生
17:15-17:30 写真撮影・閉会式
<第二部>
17:40-18:25
19:00-
鍼灸体験:成田響太先生
懇親会@桜梅桃李
152
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【内容】
テーマは総合診療医のキャリアと他職種連携。
医師、鍼灸師、学生が一緒になって理想の医師とは何か、について考えたことは、
私たち学生にとって、医者を目指そうと決意した初心と今の医療に求められているも
のは何かを見つめなおすきっかけになった。また幅広い知識と視野を求められる総合
医ならではのエピソードもたくさん聞けた。
他職種連携のお話では医療が医師だけでは決して成り立たないことに改めて気づかさ
れ、医療の現場での相互理解の重要性を学んだ。
さらに今回は鍼灸師の皆さんも参加
してくださり、医学生に向けて鍼灸体験をしていただいた。
普段学校では触れることのできない貴重な機会となった。
【感想】
こういった他職種連携を知る機会が、貴重な経験ではなく、もっと当たり前のことに
なればいいな、と感じました。
【写真】
153
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
『【Generalist Party for the Young in 九州 2016】
〜Generalistに関心のある学生&医師の交流会〜』
産業医科大学医学部医学科
池田 直子
【目的】主に“総合診療”に興味・関心のある学生が,現在Generalistとして活躍し
ている医師との対話から学び,考える。
【概要】
日時:2016年3月5日(土)16:30〜18:30
場所:コンパルホール 305会議室
(所在地:〒870-0021大分県大分市府内町1丁目5番38号 )
参加者数:28名(内訳:医師13名、医学生14名、ソーシャルワーカー1名)
参加費:500円 (懇親会は別途3000円)
主催:プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会
九州支部
大分大学プライマリ・ケア勉強会(通称:OMPS)
講師:
吉村 学 先生 ( 宮崎大学医学部付属病院 地域医療・総合診療医学講座教授)
中桶 了太 先生 (長崎大学病院へき地病院再生支援・教育機構)
中村 太一 先生 (鹿児島生協病院)
坂西 雄太 先生 (佐賀大学医学部 地域医療支援学講座 総合内科部門 )
江口 幸士郎 先生
金 弘子先生
(今立内科クリニック きずなクリニック)
(飯塚・頴田家庭医療プログラム )
佐藤 日香梨 先生
(飯塚頴田家庭医療プログラム)
香田 将英 先生(熊本大学医学部附属病院)
緑 春奈 先生(千鳥橋病院)
竹内 宏樹 先生(千鳥橋病院)
藤谷 直明 先生 (宮崎医院/大分大学医学部附属病院総合内科・総合診療科)
【タイムテーブル】
16:30-開会
16:45-17:30吉村 学 先生 ご講演「拝啓 〜医学生の君へ〜」
17:40-18:40 Meet the Generalist
〜講師と学生によるざっくばらんな交流会〜
(1セッション20分を計3セッション)
154
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【内容】
▼ 吉村 学 先生 ご講演「拝啓
〜医学生の君へ〜」
序盤は、吉村先生のこれまでの歩みを、「拝啓〜15の君へ〜」の歌に乗せて写
真とともにご紹介くださり、在宅看取りのお話や先生がこれまで辿ってこられた地
域医療のありのままをお聞かせくださった。また、卒前の教育の動向やアメリカの
医学教育の流れ、家庭医療サークル(Family Medicine Interest Group:FMIG)のこと
など様々な話題の提供もあった。最後は、拝啓、医学生の君へと題して、「学び続
ける気持ちと能力と、謙虚な気持ちがあれば、変身し続けられる医師になる」と激
励くださったほか、「地域医療の秘訣はハッピーワイフ、ハッピーハズバンド、ハ
ッピーライフ」と締めくくられた。
▼ Meet the Generalist
様々な分野でご活躍の”Generalist”と“Meet”することで、Generalistのキャ
リア選択に悩む学生の医師への相談やロールモデルの発掘、医師においては学生の
ニーズや現在の卒前教育について理解を深められるなどを目的に、学生・医師とも
にざっくばらんに対話した。なるべく多くのGeneralistとお話できるよう1セッショ
ン20分として、3セッション行った。
【反省・今後の展望】
講師依頼が遅れたこと、イベントアナウンスが1ヶ月を切っていたことなどが反省
点としてあがった。参加学生がやや少なめであり、次回は是非九州各県から参加者が
集うことを期待して、開催場所や開催時期についても検討していく。九州山口セミナ
ーの開催が2016年6月25-26日に決まり、このつながりが、さらなる九州支部の発展の
一助になることを祈念して、閉会となった。
155
平成27年度年間活動報告
年間活動報告
【写真】
156
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【第 27 回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー】
【第 27 回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー】
157
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□タイムテーブル
8 月 1 日(土)~1 日目~
11:00~12:00 受付
12:00~13:10 開会式
初日企画『 「プライマリ・ケア」を探る旅』
講師 葛西 龍樹 先生
公立大学法人 福島県立医科大学 医学部
地域・家庭医療学講座主任教授
13:30~15:30 セッション①
15:30~15:40 ふりかえり
16:05~17:45 セッション②
18:00~19:40 夕食・入浴・休憩
19:50~20:05 今日のふりかえり
20:10~21:40 Meet The Experts
21:50~25:00 懇親会(24:00 中締め)
8 月 3 日(土)~2 日目~
7:00~8:40 朝食
9:00~10:40 セッション③
10:40~10:50 ふりかえり
11:00~13:20 ポスターセッション・昼食・多職種企画
13:40~15:20 セッション④
15:20~15:30 ふりかえり
16:00~17:00 地域交流会
17:00~17:10 今日のふりかえり
17:30~19:00 特別企画『 2025 年問題へ~いま繋ぐ、紡ぐ、続く、そして継ぐ~』
講師 丸山 泉 先生
医療法人社団 豊泉会 丸山病院
19:00~20:50 夕食・入浴・休憩
21:00~24:00 懇親会(23:00 中締め)
8 月 4 日(日)~3 日目~
7:00~8:40 朝食
9:00~10:40 セッション⑤
10:40~10:50 まとめセッション
11:10~13:00 最終日企画・閉会式
158
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□スタッフ名簿
氏名
相澤広太郎
青山祐希
池田直子
植田寛生
鵜篭ゆきこ
内山桂一
宇野拳太
恵美拓也
大角倫子
加藤さやか
川尻紗弓
川邉優希
木村紀志
木安貴大
草本慎一
熊井戸悠喬
香田将英
五嶋嶺
小林眞子
五味香織
笹本浩平
篠塚仁貴
鈴木理香
関口昌孝
関根浩史
関谷智
田中いつみ
田邊桃佳
長木綾子
富田晃史
中村翔也
西岡宏泰
西田康朗
長谷川優
濱﨑政宏
平田まりの
深沢聖
藤井健人
町田尚哉
馬渕真依
溝越けやき
牟田博記
山﨑愛子
山田悟史
山田祐揮
山本実波
吉羽史織
梁祐輔
大学/勤務先
横浜市立大学
東京医科歯科大学
産業医科大学
富山大学
東京女子医科大学
藤田保健衛生大学
福井大学
山口大学
関西医科大学
京都府立医科大学
富山大学
筑波大学
水戸協同病院
山口大学
広島大学
埼玉医科大学
熊本大学付属病院
富山大学付属病院
山口大学
山形大学
京都府立医科大学
千葉大学
浜松医科大学
東京医科大学
滋賀医科大学
埼玉医科大学
愛媛大学
横浜市立大学
広島大学
旭川医科大学
岩手医科大学
東北大学
広島大学
埼玉医科大学
自治医科大学
自治医科大学
横浜市立大学
三重大学
山形大学
神戸大学
東京女子医科大学
筑波大学
長崎大学
自治医科大学
横浜市立大学
富山大学
秋田大学
金沢医科大学
学科 学年 性別
医
3
男
医
4
女
医
5
女
医
4
男
看護 4
女
医
4
男
医
4
男
医
3
男
医
5
女
医
6
女
医
5
女
医
3
女
医師 1
男
医
6
男
医
3
男
医
4
男
医師 2
男
医師 1
男
保健 4
女
医
4
女
医
6
男
医
5
男
医
5
女
医
3
男
医
3
男
医
2
男
医
4
女
医
3
女
医
5
女
医
6
男
医
6
男
医
5
男
医
5
男
医
5
男
医
5
男
医
5
女
医
4
女
医
4
男
医
3
男
医
5
女
医
2
女
医
3
男
医
6
女
医
6
男
医
3
男
医
5
女
医
3
女
医
3
男
159
役職
事務局 名簿・受付部門
事務局 ポスター部門
地域交流会・九州支部長
当日スタッフ
広報局、企画局PS裏企画部門
企画局振り返り部門、Meetサブ
企画局Meet部門
地域交流会・中国副支部長
地域交流会・関西支部長
事務局託児所部門
事務局しおり部門、ポロシャツ部門
会計局局長
事務局ハード部門サポート
地域交流会・中国支部長
地域交流会・中国副支部長
企画局総合司会
アドバイザー
アドバイザー
地域交流会・中国副支部長
地域交流会・東北副支部長
企画局開会式・懇親会・閉会式部門
事務局局長
セッション局スタッフ
地域交流会、学生研修医部会広報担当
地域交流会・関西副支部長
企画局PS部門
企画局特別企画、初日講演、総合司会
内務局局長
企画局Meet部門
当日スタッフ
地域交流会・東北副支部長
地域交流会・東北支部長
事務局ハード部門
企画局PS部門代表、地域交流会・関東支部長
広報局スタッフ
企画局初日講演、特別企画、地域交流会
セッション局スタッフ
企画局局長
広報局局長
セッション局局長
セッション局スタッフ
事務局ハード部門代表
地域交流会・九州副支部長
広報局スタッフ、アドバイザー
セッション局スタッフ、広報局HP
第27回夏期セミナー実行委員長
セッション局スタッフ
事務局しおり部門、地域交流会・中国支部長
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□各セッション
『病院総合医と診療所の家庭医のアプローチの違い』
代表講師:吉本清己先生(奈良県立医科大学)
日時
:8月1日 14:00~15:40
参加人数:30名
旭川医科大学大学 医学部 6年 富田晃史
【概要】
総合診療医と言っても、病院を中心に働く病院総合医と、診療所を中心に働く家庭医と
は、セッティングの違いによって、そのアプローチの仕方は違ってきます。患者層、疾
患の頻度、可能な検査、患者との距離感、一人の患者に使える時間など、様々な要素が
アプローチの違いに影響してきます。今回は、病院総合医として第一線で働く医師、家
庭医として第一線で働く医師の、実際の診療を紹介してもらいながら、その違いについ
て解説し、ワークショップを通じてみんなで共有します。交流を通じて、患者・家族中
心の志向を忘れない総合診療マインドは強く共感しながら、互いのアプローチの違いを
意識し、いつも新しい気付き、刺激を感じています。 総合診療マインドは共通でも、ち
ょっと違う病院総合医と家庭医の実際をわかりやすく解説します。
【感想】
似ているようで違う病院総合医と診療所の家庭医。その違いを分かりやすく考えさせてい
ただきました。
160
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『地域志向の健康マーケティング 〜なぜ患者は家庭医を訪れるのか?〜』
代表講師:加藤光樹(まどかファミリークリニック)
日時
:8月1日 13:50~15:30
参加人数:28名
横浜市立大学 医学部 3年 田邊桃佳
【概要】
家庭医はどのような活動を通して地域を健康にするのか?家庭医が患者に、地域に
影響を及ぼすには、患者や地域から「選ばれる」ようにならなければならない。そのた
めに、家庭医はどのように行動したらよいのか?このセッションで、地域を健康にする
ために家庭医の考え方、家庭医の診療方法、活動などについて、レクチャーやディスカ
ッションを通して理解が深まった。また、「医師が何ができるか」という医療提供者側
の視点から、「診療所として何ができるのか」、「どうやって患者価値を創造するか」
という住民側の視点への転換についても学ぶことができた。
【感想】
医学部の講義で「マーケティング」を学習することはなく、受講者の多くはマーケティン
グに興味があるが難しそうと感じていた。しかし、医療提供者の視点および住民側の視点で
「マーケティング」の手法を意識してディスカッションを行うことで、地域を健康にする手
法として「マーケティング」が大変有効であるということを実感できた。加えて、医師が地
域住民と関わりながら医療や街に対する生の要望を受けとめたり、地域住民の買い物に付き
添うことで街の不便な点を理解したりという事例も伺った。医療 は院内のみで行われるもの
ではなく、地域にも目を向けていくことで、よりよいアプローチができるということを学ぶ
ことができた。
【共同講師】
・大杉泰弘 (藤田保健衛生大学 総合診療・家庭医療プログラム)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『ムチャブリとごちゃまぜで最後に学ぶ家庭医療の原理 ACCCC』
代表講師:吉村学先生(宮崎大学医学部地域医療・総合診療学講座)
日時
:8月1日 13:50~15:30
参加人数:17名
浜松医科大学医学部医学科 5年 鈴木理香
【概要】
「家庭医療の5つの原則(ACCCC)を実際の経験を通じて理解する」を学習目標とした。
1.Access to Care,2.Continuity to Care,3.Comprehensive to Care,
4.Coordination to Care,5.Contextual care,のうち1,2,3のそれぞれについて、
2グループに分かれ、参加者自身が今まで(外来・往診・老健・入院や診察・見学において)
関わった患者を思い浮かべながら議論を行った。
1.では保健医療サービス利用のアクセスの障害の分類として「経済的な障害」
「地理
的な障害」等の8つの障害を想定し、それらに該当する患者を選んでお互いに模造紙に
絵を描きながら紹介し合った。2.では、外来や他の場面でのケアの継続性について実
際の患者を思い浮かべながら思うところを模造紙に絵を描きながら紹介し合った。3.
では地域で包括的なケアを行うために必要な9つの能力のうちどれが最も重要だと感じ
たか、またなぜそうだと感じたかを話し合った。
3つとも、講師2名によるファシリテーションのもとワークを行った。
【感想】
自分の経験した患者さんを基に家庭医療の原理 ACCCC について考えるというのは、とて
も新鮮な体験でありました。
話の中で吉村先生より「患者さんを見る視点として400倍レンズ(疾患の診断と治療)
、
40倍レンズ(体全体のこと、高齢者総合評価等)、4倍(家族、地域、ACCCC)の三つを
使い分けること」というお話がありました。先生のセッションに参加し、患者さんを見つめ
る「低倍率のレンズ」の視点を持てたことは、今後の患者さんへの関わりかたに生きてくる
と思います。患者さんから学ぶことを常に忘れず、実習や研修に臨みたいと思います。
【共同講師】
・飛松正樹(宮崎大学医学部地域医療・総合診療学講座)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『疾患のステージ別
り添おう〜』
ジェネラリストのアプローチ〜患者さんの病の経過に寄
代表講師:小澤廣記(諏訪中央病院)
日時
:8月1日 13:50~15:30
参加人数:27名
京都府立医科大学 医学部 6年 加藤さやか
【概要】
医療には患者さんの疾患の時期に応じて様々な役割があります。急性期では病気の診
断や治療、慢性期ではリハビリテーションや在宅診療などです。それぞれの役割の専門
性を高めていくと、例えば同じ医師の中でも救急医・病棟内科医・リハビリテーション
医・在宅医と、色々な職種が存在します。一方、ここ長野県の諏訪中央病院では、一人
の医師が救急外来から急性期病棟・リハビリテーション病棟、そして在宅診療部と様々
な場所に身を置くことで、一人の患者さんが回復していく道のりを主治医として支えて
いきます。このセッションではそんな諏訪中央病院の診療を擬似体験してもらおうと思
います。患者さんが病気で倒れたところから家庭・地域に復帰するまでには様々な診療
上の課題が生じます。診断をつけるだけで終わりではなく、疾患のステージが急性期か
ら慢性期・維持期と代わっていく中でのアプローチ・スキルをこっそりお見せします。
【感想】
本セッションは、急性期から慢性期、維持期と移り変わる一人の患者さんのケースシナリ
オに沿って、グループで対話とワークを行いながら時間の流れを擬似体験していく形式で進
行されました。鑑別診断、多職種連携カンファレンス、患者さんへの声かけ等、患者さんに
提供するケアが時間と共に変化することを学びました。各グループ(5〜6人)に2人ずつ
ファシリテーションの先生がついて下さったため、低学年であっても実際の現場を具体的に
想像しながら学ぶことが出来たようでした。諏訪の美しい四季の風景写真と小澤先生の熱い
メッセージが織り込まれたプレゼンテーションが大変魅力的で、医療者が患者さんの経過に
よって柔軟に寄り添う大切さを知る機会となりました。
163
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・奥 知久(諏訪中央病院)
・吉田 のり子(諏訪中央病院)
・小澤 労(諏訪中央病院)
・今村 裕亮(諏訪中央病院)
・水間 悟氏(諏訪中央病院)
・山口 裕起子(諏訪中央病院)
・胡田 健一郎(諏訪中央病院)
・藤川 祐恭(諏訪中央病院)
・遠藤 貴士(石巻市立病院開成仮診療所)
・金子 一明(諏訪中央病院)
・光田 栄子(諏訪中央病院)
・渡辺 史子(富山大学医学部 富山プライマリ・ケア講座)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『「家族の木」を見よう!~ケースで学ぶ「家族志向のケア」~』
代表講師:丸山淳也 先生(岡山家庭医療センター)
日時
:8月1日 13:50~15:30
参加人数:17名
横浜市立大学 医学部 4年 深沢聖
【概要】
初めて家族志向のケアに触れるという参加者が主な対象で、模擬症例を用いてロール
プレイを交えながら、家族志向のケアにおける基本原則や、家族を評価するツール、そ
してその実践について学んだ。5,6名のグループに分かれ、まず具体的な症例を用い
て家族図の作成を行った。その後、グループ内で医師、患者、家族役に分かれて家族カ
ンファレンスのロールプレイを行った。
【感想】
自己紹介は家族になりきって自分を紹介するというもので、誰もがバックグラウンドに家
族の存在があることが実感でき斬新かつ印象的だった。
その後のロールプレイでは患者役を担当したが、医師に促されると家庭内でストレスを抱
えていることが話しやすくなった。また、家族の思いを聞くことですれ違いが解消され目か
らウロコだった。患者にとって、言葉にならない声、日頃感じつつも口に出すほどでもない
と我慢している不満を汲み取ることができる医師の存在がどれほど心強いかが実感した。患
者のみならず家族に視野を広げることの大切さを学ぶことができたと思う。
今回学んだことを今後に生かしていきたい。
【共同講師】
・松下 明 先生(岡山家庭医療センター)
・中村 奈保子 先生(岡山家庭医療センター)
・辻川衆宏 先生(岡山家庭医療センター)
・山内優輔 先生(岡山家庭医療センター)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『今日だけあなたもドクターコトー!? 離島医と学ぶ離島 1 人診療所』
代表講師:金子 惇(家庭医療学リサーチフェロー/東京慈恵医科大学「地域医療・プライマ
リケア医学」博士課程)
日時
:8月1日 13:50~15:30
参加人数:30名
山口大学 医学部 6年 木安 貴大
【概要】
離島医療には、医療者や医療資源に制限があり、あらゆる健康問題に対応しなければ
ならないという特徴があります。本セッションは、そうした離島医療での問題解決を学
ぶだけでなく、そこでどのような医療が出来るのかイメージすることが目的でした。興
味はあってもなかなか実際には見に行けない離島医療の「現場」を、夏期セミナーで疑
似体験しました。
「島から出たくない」と訴える急変患者さん、飲酒して何度も夜中に救
急受診するプロブレムケースなど実際のケースを用い、離島医療の経験があるファシリ
テーターの方と一緒にグループでディスカッションをしました。島で出来ること・出来
ないことだけでなく、島だからこそ出来ることは何かについて、皆で一緒に話し合いを
しました。
「何にもないにはすべてがある。すべてがあるには、何もない」
(by 名郷直樹先生)
【感想】
本セッションでは、詳しい情報の含まれた実際のケースで問題解決を図ること、離島医療
経験のあるファシリテーターの先生方から適宜アドバイスを頂くことなどを通し、まるで自
分達が離島医療の現場にいるかのような具体的なイメージをすることが出来ました。各グル
ープには様々な学年の参加者がおり、ディスカッションを通して様々な考え方に触れること
が出来ました。単に医学的な問題点だけでなく、
「ドクターヘリで運ばれると皆に知られるか
ら困る」など、患者の価値観や社会的な因子が大きく医療に影響することを学ぶことが出来
ました。
「自分の医療レベルが、その島の医療レベルを決めてしまう」という言葉に、離島医
療の大変さと共に、やりがいを感じることが出来ました。
166
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・本村 和久(沖縄県中部病院総合内科)
・新屋 洋平(沖縄県中部病院)
・藤原 昌平(手稲渓仁会家庭医療クリニック)
・内藤 祥(慶応義塾大学大学院)
・横山 世理奈(大阪大学大学院医学系研究科 老年・腎臓内科学 大学院博士課程)
・長嶺 由依子(千葉大学予防医療センター 特認研究員)
・高橋 賢亮(河北総合病院救急部)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『診療所の医療を体験してみよう 診療所あるある』
代表講師:高橋
日時
毅(公益社団法人 地域医療振興協会
今泉記念館ゆきあかり診療所)
:8月1日 14:00~15:40
参加人数:21名
埼玉医科大学 医学部 2年 関谷 智
【概要】
セッション前の事前アンケートで、診療所を漢字一文字で表すと何になるかという問
いが与えられて参加者が自分の考えた答えを同じテーブルの参加者に発表した。つづい
てメインの講義が行われ、先生が事例とともに投げかけた問いに対して参加者が意見交
換をするというスタイルを基調としていた。先生が投げかけた問いは大きく3つあり以
下の通りである。①来院を拒否する膀胱癌の高齢女性を無理やり来院させるべきか。②
心肺停止状態の患者はいかなる状況であっても心肺蘇生や救急車要請をすべきか。③大
学生の合宿地で急性アルコール中毒の搬送患者数を減らすために近隣の病院としてでき
ること何か。ひととおり参加者間での意見交換が行われた後でプレゼンを担当された先
生が、実際に自分がその状況に遭遇した時にはどのような事を考え、どのように行動し
たのかというお話をそれぞれの問いごとに頂いた。
【感想】
診療所の医療について学べるという事で応募したが、セッション内ではそれほど診療所に
おける特異的な側面については直接触れられる機会はあまりなかった。ただし、セッション
は上記の様なワークをこなしていく中で自然に診療所の提供できる医療の特異性が浮き上が
ってくるという構成になっており、
『診療所の素敵な点』を自力で見つける事ができただけに
より一層、印象に残る学びになったのではないかと思う。また、全国の様々なバックグラウ
ンドを抱えた参加者と同じ問題に対する意見交換を行うことが出来たため自分にはない意見
も多く吸収できた他、適度な緊張感をもって様々な選択肢を比較検討できたように感じる。
私はまだまだ基礎医学を学ばなくてはならない身ではあるが、大学では決して味わえないよ
うな貴重な学びをできたのではないかと感じている。
168
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・児玉 崇志(公益社団法人 地域医療振興協会地域医療のススメ 専攻医)
・田中 豪人(公益社団法人 地域医療振興協会 シティ・タワー診療所)
・調 拓治(公益社団法人
地域医療振興協会 奈良市立月ヶ瀬診療所)
・太田 浩(川崎市立多摩病院)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『「家庭医を魅了する患者背景の多様性」
~これが楽しめればもうアナタは家庭医!!~』
代表講師:森屋 淳子(医療福祉生協連家庭医療学開発センター 久地診療所)
日時
:8月1日 15:00~16:40
参加人数:26名
秋田大学 医学部 3年 吉羽史織
【概要】
患者さんの所見に対して「あれ?」と思ったとき、医療者としての視点からではなく、
一人一人の患者さんの多様な背景を診ていく必要があります。たとえば、ある日の乳児
健診で「あれ?お子さんの体重の増え方,イマイチですね…?」というとき、患者さん
のその次の一言はどのようなものでしょうか。実は、地域によって、患者さんによって、
全く異なるものになるのです。このセッションでは、
「都市部の家庭医療」と一言でくく
れない、そして、大学では絶対に教えてくれない、家庭医療の多様性について、ワーク
ショップ形式で学びました。生活保護世帯が多く多国籍化が進む南部と、首都のベッド
タウンとして富裕層が増える北部を併せ持つ地域の診療所を舞台に、先生方のロールプ
レイを見て問題点、解決策を話し合いました。
【感想】
今回のセッションでは、同じ「検診の時に思うように体重が増えていない」という乳児二
人の家庭状況として、アレルギーを過剰に心配するあまりお米と母乳くらいしか子供に与え
られない、という母親と、お金がないし料理もできず、離乳食もよくわからないからカップ
ラーメンなどを与えています、という母親が登場しました。家庭医というといろんな生活環
境にある人たちを診なければならないという漠然としたイメージを持ちますが、同じ症状で
もここまで背景に多様性がありうるのだということを初めて具体的に知ることができまし
た。そしてこのような多様性は経済格差が大きく、富裕層から貧困層までが暮らす都会にお
いて特に注意しなければならないのではないかと感じました。
170
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・勝又 聡彦(あさお診療所)
・天野 静(川崎セツルメント診療所)
・西村 真紀(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/あさお診療所)
・岡崎 寛子(久地診療所)
・清田実穂(あさお診療所)
・竹内美音子(あさお診療所)
・里井義尚(久地診療所)
171
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『~カトレア外来塾式
人生シュミレーションゲーム
~どうする?結婚、子育て、キャリアのこと』
代表講師:鈴木 佳奈(家族支援協会/4UrSMILE代表)
日時
:8月1日 16:05~17:45
参加人数:27名
筑波大学 医学類 3年 川邉優希
【概要】
働きながら子育てもできますか?結婚や出産はどんなタイミングがいいですか?大学
院や留学もしてみたいけど…子どもが居てもできますか?奥さんも医師だったらどうや
って支えていったら良いですか?キャリアについてお話をすると、こんな疑問をよく耳
にします。 カトレア外来塾は、休職経験のある医師のピアグループです。月 1 回勉強会
を開催したり、振り返りを行ったりしながらキャリアについても一緒に考え、互いに学
ぶ場になっています。男性も女性も自分の人生の岐路に立ち決断しなくてはいけない場
面は必ずあります。あなたが決断したその後の生活はどんな風になるでしょう?セッシ
ョンではモデルケースを例にシュミレーションをしたり、どうやって決断をしていけば
良いか、一緒に考えてみたいと思います。キャリアについての知識や理論だけでなく、
実際にいろいろな生き方や選択をしながら様々な経験した人たちが集まる私たちだから
こそ話せる、カトレア外来塾式キャリアの歩き方を紹介します。人生経験がどのように
【感想】
家庭医療にも活かされるのか、そんなことにも触れる予定です。どうぞ気軽に参加して
ください。
172
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・櫻井 奈緒(王子生協病院)
・増山 由紀(承井共同診療所/カトレア外来塾)
・河合 由紀(コンフォガーデンクリニック)
・野島 未穂(赤羽東診療所)
・竹内 美音(あさお診療所)
・森屋 淳子(久知診療所)
・渡辺 裕子(大田西ノ内病院)
・天野 静(川崎セツルメント診療所)
・岡崎 寛子(久知診療所)
・高畑 信子(共同ふじさきクリニック)
173
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『Inner Consultation から学ぶ自己管理を重視した医療面接技法』
代表講師:長 哲太郎(北海道家庭医療学センター
日時
栄町ファミリークリニック)
:8月1日 16:05~17:45
参加人数:24名
横浜市立大学 医学部 3年 山田祐揮
【概要】
皆さんは、人と対話をする時に、感情が揺らいだり、うわの空だったりという経験はあ
りませんか?それは、もちろん医療従事者が患者さんと話をする医療面接の場面でも起
こります。例えばストレスにさらされる場面、自分の陰性感情が出てきそうな場面に、
私たち医療従事者はどうやって対応して行けばいいのでしょうか?その困難な状況で、
医療従事者自身のストレスをマネジメントし、患者さんに関わることができる医療面接
の方法が inner consultation です。1980 年代にイギリスで発案された医療面接技法で
すが、日本でも 2014 年に翻訳、紹介され反響を呼んでいます。今回のワークショップ
では、
「Inner Consultation から学ぶ自己管理を重視した医療面接技法」と題して、監訳
者である草場とともに、普段の生活や医療面接で使えるコミュニケーション方法をお伝
えしたいと思います。
【感想】
大学教育においても医療面接の教育を受ける機会はあるが、
「何を言えば・すればよいか」と
いった、いわば To Do の内容がほとんどである。しかし診療を行う医師は医師たる以前に一
個の人間であり、
「感情」があり、それは診察室の内外で様々に揺れ動き、その影響が大きい
であろうことは容易に想像がつく。とはいえ、面接を行う医師の「心の内面」にスポットを
当てた教育を受けられる機会にはほとんど出会えない。そんな中で本セッションは、そうし
た「心の内面」と向き合いつつ医療面接を考え学ぶことのできる非常に貴重な機会であった。
ここで学んだ知識はぜひとも、今後医療面接を見学した際、あるいは将来的に自分が医療面
接を行う際に立ち返って、振り返りに活用したい。
174
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・後藤 高明(北海道家庭医療学センター 本輪西ファミリークリニック)
・佐野 瑛子(北海道家庭医療学センター 江別市民病院)
・榎原 剛(北海道家庭医療学センター 本輪西ファミリークリニック)
・草場 鉄周(北海道家庭医療学センター 本輪西ファミリークリニック)
175
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『ジェネラル寄りなひよこ集合!(若手医師部会企画:初期研修医限定セッショ
ン)』
代表講師:三浦 太郎(富山大学 富山プライマリ・ケア講座)
日時
:8月1日 16:05〜17:45
参加人数:18人
富山大学附属病院 初期研修医 1年目 五嶋 嶺
【概要】
ジェネラルに興味のある初期研修医が集い、初期研修医ならではの学びと交流を深め
られます。研修医になってみて考えたり感じたりすることは、学生時代とはまた違って
きます。
研修生活のこと、ローテーションでの学び方、キャリア・進路の悩み、勉強の仕方な
ど、ちょっと上のお兄さんお姉さんと一緒に喋りあってみませんか?
家庭医療に初めて触れる人のために家庭医療の基本のキを学べるコーナーも用意しま
した。様々な場で頑張る同世代研修医と、お互いに刺激し合いながらみんなで繋がり、
楽しめるセッションです。
【感想】
普段総合診療を志す同世代と接することが少ない初期研修医にとって、総合診療に関する
キャリアや進路について話す機会は貴重であり、とても濃密な時間を過ごすことができた。
また、後期研修〜10年目くらいまでの「ちょっと上の先輩」がいたことで、普段抱える
モヤモヤが解消され、新たなヒントや気づきを得ることができ、今後の研修生活に向けて大
きな活力を得ることができた。
懇親会に向けて初期研修医同士の親睦も深められており、大変成果のあったセッションに
なったと思う。
176
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・藤谷 直明(大分大学 総合診療部)
・清水 洋介(佐久総合病院)
・小澤 廣記(諏訪中央病院)
・横山 加奈子(京都民医連中央病院)
・名越 康晴(北海道家庭医療学センター 栄町ファミリークリニック)
・村山 愛(君津中央病院大佐和分院 内科)
・島 直子(家庭医療学開発センターレジデンシー東京)
・松井 善典(浅井東診療所/関西家庭医療学センター)
・金 弘子(飯塚病院/頴田病院)
・河合 皓太(上平診療所)
177
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『僕らの「2025 年は」どうなっている!?
〜』
〜10 年後の未来を一緒に考えよう
代表講師:津田 修治(静岡家庭医養成プログラム/菊川市家庭医療センター)
日時
:8月1日 16:15~17:55
参加人数:22名
埼玉医科大学 医学部 4年 熊井戸 悠喬
【概要】
家庭医療を勉強しに夏期セミナーに参加したけども、実際に10年後はどんな進路を辿
っているのだろう?卒後10年目の元夏期セミナースタッフが再び集まり、それぞれの
10年をふり返りながら、参加者の10年後を考えていく。
【感想】
学生時代に家庭医療学に興味を持ちながらも、説明をしてくださった3人の先生方がそれ
ぞれ別の道を歩できた今までのキャリアを赤裸々にしていただいた。テーマとして「今から
10年後の自分」という遠いようで近い未来の自分の将来について、いかに考えていなかっ
たのか、考えが甘かったのか痛感した。セッションを通し自身が悩み通し、その先に行き着
いた一つの考えを自信持って働かれている先生方を見た。自分の将来について考えるいい刺
激を受け、有意義な時間が過ごせた。
178
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・加藤 光樹(まどかファミリークリニック)
・高木 暢 (多摩ファミリークリニック)
・中山 明子(音羽病院/大津ファミリークリニック)
・濱井 彩乃(医療法人鉄蕉会 亀田ファミリークリニック館山/森の里病院)
・本木 隆規 (東京慈恵会科大学 小児科学講座)
・林 幹雄 (筑波メディカルセンター病院 )
・綿貫 聡(東京都立多摩総合医療センター/救急・総合医療センター)
・宮地
由佳(京都大学医学教育推進センター)
・村田
乃理子
179
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『ロールプレイで学ぶ、「患者中心の医療」第一歩』
代表講師:山本由布先生(笠間市立病院/筑波大学総合診療グループ )
日時
:8月1日 16:15~17:55
参加人数:28名
東北大学 医学部 5年 西岡宏泰
【概要】
医師側が「うまく説明できた!」と思ったのに、患者が納得していなかったり、医学的に
は意味のない点に強くこだわったりする、噛み合わなさに気付いた時に、
「患者中心の医療」
を用いて解決しうる。
「患者中心の医療」とは、概念の問題ではなく、医師側と患者側の理解をつなぐ、教育
により修得が可能な医療技法。以下のように進む
①患者個人の理解→②患者背景の理解→③共通基盤を見出す
→④患者-医師関係の強化(患者-医師関係は全ての要素の下支え)
患者個人の理解・患者背景の理解に有用な方法が「かきかえ」
「か」感情 「き」期待 「か」解釈 「え」影響
を問診で聞き出す。
以上のことを、医師・患者それぞれの立場でのロールプレイとレクチャーで学ぶ
【感想】
シナリオの設定がよく練られているためか、ロールプレイをしていて、自然に、レクチャ
ーで講義されたポイントを実感することができた。患者が問われなければ言語化はしないが、
医師側が思いもしなかった不満や思いを抱えているケースがあるというのが印象的だった。
また、「患者中心の医療」が概念の問題ではなく、教育により修得可能な技法だという点は、
ちょっとした衝撃だった。学びを今後に活かし、また機会があれば周りに伝えていきたい。
180
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・稲葉崇(筑波大学総合診療グループ)
・上田篤志(筑波大学附属病院)
・海老原稔(筑波大学附属病院 総合診療科)
・大澤さやか(筑波大学総合診療グループ/筑波メディカルセンター病院 総合診療科)
・大澤亮(筑波大学附属病院総合診療グループ/利根町国保診療所)
・荻野利紗(筑波大学附属病院 総合診療科)
・久野遥加(筑波メディカルセンター病院 総合診療科)
・宮崎賢治(筑波大学附属病院)
・吉本尚(筑波大学医学医療系 地域医療教育学/筑波大学附属病院 総合診療科)
181
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『EBMer は医療情報をどう使うか?』
代表講師:南郷 栄秀(東京北医療センター 総合診療科)
日時
:8 月 1 日 16:05~17:45
参加人数:26 名
金沢医科大学 医学部 3年 梁祐輔
【概要】
巷には様々な医療情報があふれています.そして,話題に登れば翌日には何かが品切れ
になるような世の中です.しかし,その中には額面通りに受け取れないものもたくさん
あります.製薬会社は営利企業であるがゆえ,治療効果をより良く見せて売上を上げよ
うとする戦略があります.真実でない情報を鵜呑みにして診療にあたった場合,患者さ
んに不利益を与えてしまう可能性があります.私たちはプロフェッショナルとして,そ
ういった過ちを避けるべきです. このセッションでは,EBM の達人たちである EBMer
たちが医療情報を見ているポイントについて解説し,グループワークを通じて医療情報
の見方とその使い方についてディスカッションをします.ワークショップ終了後には,
あなたも EBMer になって医療情報を正しく評価して,患者さんに質の高い医療を提供
するための能力が身に付いていることでしょう.
【感想】
普段何気なく得ている情報も、EBMer の視点から見る事のできるようになるワークシ
ョップだった。
グループワークを通して、医療情報の使い方が具体的に分かるようになった。
【共同講師】
・岡田 悟(東京北医療センター 総合診療科)
182
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『知ってみよう臨床研究。感じてみようその魅力!』
代表講師:一瀬 直日 (日本プライマリ・ケア連合学会 研究支援委員会/赤穂市民病院 )
日時
:8月1日 16:05~17:45
参加人数:23名
山形大学 医学部 3年 町田 尚哉
【概要】
臨床研究って何か知っていますか?試験管を持って薬品を混ぜたり、遺伝子組み換えを
することをイメージいますか?いえいえ、実験室での基礎医学研究と異なり、人を対象
として臨床の現場で行われる研究のことです。ですから、患者さんたちの実際の診療に
直結するものとなります。このセッションでは、?臨床研究とは何か具体例を挙げられる
ようになる ?臨床研究が日常臨床に非常に役立つことを理解することを目標とします。
あなたもきっと医療の現場に入ったとき、
「わたしも臨床研究をやりたい!」という気持
ちになることでしょう。そしてこの次は是非、本学会の臨床研究道場に参加して臨床研
究のはじめ方を学びましょう。
【感想】
普段の大学の講義では触れる機会の少ないであろう臨床研究に関してのセッションであっ
た。開始前は胸を膨らませていたが、実際に受けてみると臨床研究について深く踏み込むわ
けでもなく、家庭医療における臨床研究の歴史や変遷と簡単な概要についての講義であった。
グループ分けをしたが、グループワークがないのも残念に感じる。
次回、同様のテーマに関するセッションが開かれるようであれば、具体的な臨床研究の始め
方や進め方、グループで協力していく内容を加えてほしいと感じた。
183
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・野口 善令 (名古屋第二赤十字病院)
・杉岡 隆 (佐賀大学医学部地域医療支援学講座)
・大野 毎子
(唐津市民病院きたはた)
184
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『コーチングができる医療者へ!~一歩先をいくコミュニケーションへのサマ
ーセッション~』
代表講師:名倉 功二(関東労災病院 救急総合診療科)
日時
:8月1日 16:15~17:55
参加人数:38名
愛媛大学 医学部 4年 田中いつみ
【概要】
最近になって医療に取り入れられている「コーチング」は部下・後輩に対する目標達成・
問題解決・技能向上の促進やキャリアサポート、チーム力の向上、組織に対する活性化
や成果達成、
患者さんに対する行動変容などのサポート、さらには自己実現といった様々
な場面で、効果的なツールと言われています。今回、医療者でもあり、コーチでもある
4人の講師が、参加者がコーチングを体験し、自己や他者とのコミュニケーションで効
果的といわれるコーチングの本質を理解し、実践的に習得できるよう”コーチ”します。
みなさんは、この時間の中で、コーチングの基本的な概念やスキル、意義などを楽しく
学ぶことができるでしょう。
【感想】
「ティーチング」と「コーチング」、それぞれが一体何かを言語化することでそれぞれを
認識しなおすことができました。コーチングにおける質問、承認のスキルなど意識していな
かった事象について意識することができ、明日から後輩や友達、家族などに対してすぐ活か
したいと思います。
【共同講師】
・田口智博(三重大学医学部附属病院 総合診療科)
・中村琢弥(滋賀家庭医療学センター 弓削メディカルクリニック)
・田原正夫(尼崎医療生協
ナニワ診療所/医療福祉生協連
家庭医療学開発センターレジデンシー・近畿)
185
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『「モヤモヤよ、こんにちは!」
多職種で考える臨床倫理
~4 分割カンファレンスのススメ~』
代表講師:高柳亮(群馬家庭医療学センター 前橋協立診療所)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:22名
自治医科大学 医学部 5年 平田まりの
【概要】
臨床現場では生活背景も考え方も異なる様々な人の意向が交錯している。患者・家族・医
療者が足並みをそろえて治療を行うために、モヤモヤをともなう倫理的問題と向き合わなけ
ればいけないことも少なくない。今回はモヤモヤする症例に対して臨床倫理 4 分割法を用い
た模擬カンファレンスを参加者同士で行った。
【内容】
「モヤモヤ」は「倫理的課題」であることが多いと明確化した後、臨床倫理とは「価値観
の違いから生じる課題、それぞれの場で納得できる道を探ること」と定義を明確にした。
その後、倫理的問題に向き合う時に使える「臨床倫理 4 分割法」をアンパンマンの事例に基
づいてわかりやすく説明された。日常の人間関係などで思い当るところもあるからか皆「な
るほど~」と納得した表情をしていた。その後、模擬カンファレンスを行った。グループご
とに行い、医学的適応、患者の意向、周囲の状況を整理し患者の QOL が高まる最善の方法を
探った。背景まで考えて探るととても頭を使うが具体的に整理されることでより議論が盛り
上がった様子であった。
186
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・三浦 章寛(黒沢病院)
・鈴木 諭(利根保健生活協同組合利根中央病院総合診療科)
・平 洋(群馬家庭医療学センター 通町診療所)
・井上 有沙(群馬家庭医療学センター 前橋協立診療所)
・比嘉 研(群馬家庭医療学センター 前橋協立病院)
・宇敷 萌(群馬家庭医療学センター 前橋協立病院)
・松尾 良子(群馬家庭医療学センター 高崎中央病院
・川口 篤也(勤医協中央病院 総合診療センター)
187
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『行動変容へのアプローチ ~行動科学に基づく医療面接の実践~』
代表講師:宮田 潤 (福井大学医学部附属病院/公立丹南病院 内科)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:19名
京都府立医科大学 医学部 6年 笹本 浩平
【概要】
医療者として人々と関わる中で、禁煙指導や食事指導などを行う機会は多いかと思い
ます。将来的に家庭医療に従事しようと思う人はもちろんのこと、他の診療科であって
も、健康教育に携わる機会はたくさんあるはずです。しかしながら、そういった際の手
法論を学ぶ機会は、あまりないのが現状です。
このセッションの目標は、予防医学的な介入が必要な患者さんへのアプローチ方法を
学び、実践できるようになって頂くことです。実際にシナリオを用い、様々なスキルを
無理なく習得できるよう、グループごとに何度かロールプレイングを行って頂きます。
一緒に繰り返し練習しながら、行動科学のエッセンスを楽しく学んでいきます。
【感想】
学年・所属また将来の医療者として必要になってくる「行動変容」に対するコミュニケー
ション能力や話のもっていき方などを実戦形式で学べるセッションで、とても有意義な時間
を過ごすことができました。セッションの時間が1時間半であることが短く感じるくらい、
ロールプレイに集中でき、また、それに対するフォローアップの説明もとても的確な内容で、
低学年の参加者さんにもわかりやすい内容でした。ここで学んだ患者さんとのコミュニケー
ションの方法や行動変容へのアプローチを医療面接・診療技術の一つとして用い、問題点を
かかえる患者さんの状態を患者さんの目線で改善できるよう、活かしていきたいと思います。
188
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・井階 友貴 (福井大学地域プライマリケア講座/高浜町和田診療所)
・楠川 加津子 (福井大学医学部附属病院 研修医)
・黒田 有紀子 (福井大学医学部附属病院)
・児玉 麻衣子 (福井大学医学部附属病院 腫瘍病態治療学講座・緩和ケアチーム)
・此下 尚寛 (南越前町国民健康保険 今庄診療所)
・佐々木 隆徳 (みちのく総合診療医学センター 坂総合病院)
・澤田 裕介 (高浜町和田診療所)
・鈴木 友輔 (国立病院機構 あわら診療所)
・成瀬 佳子 (若狭高浜病院/福井大学総合診療部)
・許 智栄 (福井大学医学部附属病院)
189
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『最期まで診るってどういうこと?~家庭医がつなぐ終末期ケア~』
代表講師:堀 哲也(北海道家庭医療学センター)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:30名
愛媛大学 医学部 4年 田中 いつみ
【概要】
筑波大学総合診療グループと北海道家庭医療学センターのコラボレーション企画第2
弾! 昨年好評だった「病診連携」に引き続き、今年は「終末期ケア」を取り上げる。 終
末期の緩和ケア=末期ガンの痛みの治療、というイメージはないだろうか?終末期ケア
や緩和ケアは「癌」だけでなく、認知症、心不全、COPD といった慢性疾患のケアも含
まれる。 今回のセッションでは、癌や慢性疾患をもつ患者さんや家族との関わり方につ
いてもみなさんと考えていきたい。セッションの中では実際の家庭医のアプローチを再
現する。
【感想】
緩和ケアというこれからの日本とは切っても切れないテーマに対して、ロールプレイやグ
ループディスカッションという方法で取り組んだ。先生が実際に出される事例がとても自分
にとって新しいものだった。そのひとつが「お年寄りが買い物に行けなくて困っているのは
物資が手に入らなくて困っているのではなくて買い物という過程を楽しめないことに困って
いる」というのは新たな見方だった。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)というも
のについてもグループワークを通じてその重要性を感じることができた。
190
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・大塚 貴博(明戸大塚病院/筑波大学附属病院総合診療グループ)
・永藤 瑞穂(筑波大学附属病院総合診療科)
・川島 夏希(筑波メディカルセンター病院 緩和医療科)
・東端 孝博(筑波大学附属病院)
・坂入 慧一郎(筑波大学附属病院)
・佐治 朝子(北海道家庭医療学センター)
・神田 萌(北海道家庭医療学センター)
191
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『看護理論を知って家庭医療を考えてみよう
ナースの頭の中を大解明!』
代表講師:石井 絵里 (岡山家庭医療センター)
今藤 潤子 (訪問看護ステーションあゆみ)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:25名
東京女子医科大学 看護学部 4年 鵜篭 ゆきこ
【概要】
家庭医療の中で「医師と看護師はどんな風に連携していくのだろう」「家庭医療の
中での看護師の役割って何?」そんな風に思ったことはありませんか? 前半は世界中
の看護師のバイブル的存在であるヘンダーソンの理論について学びます。ヘンダーソン
の理論は人間の基本的欲求を14項目に分けてみています。また、この基本的欲求は看
護の基本となるものでもあります。後半は国民的家族の事例を使って関連図で看護問題
を抽出し、ヘンダーソンの理論を用いて皆で看護計画を立てて行きます。一連の看護過
程から人を看るとはどんなことかを学んでいきます。また、家庭医に必要なこころや家
族ごとケアする技も知ることができます。 皆さんと楽しく自由に考えたり、演じたり
してもらいます。現場の看護師にもどんどん質問して下さい。皆さんの自由な発想と感
性をお待ちしています!職種を超えて、一緒に家庭医療について考えてみませんか?
【感想】
セッション前半では家庭医療の基本概念である家族志向を絡め,プライマリケアを担う
診療所看護師の役割や患者-家族へのアプローチ方法など,大学では学ぶことのできない看護
活動の形をレクチャーして頂き,新しい刺激をたくさん頂きました。また,後半では代表的
な看護理論であり,人間の基本的なニードについて提唱したヴァージニア・ヘンダーソン氏
の考え方を基に,事例に沿って各グループで意見交換しながら関連図の作成や看護計画を体
験しました。特に患者の症状を14項目のニーズに振り分けるグループワークや関連図の作
成では,例えば「夜間頻尿」ひとつでも‘排泄’だけでなく転倒の危険性やそれによって睡
眠の質が低下することで‘危険を避ける’
‘睡眠と休息をとる’といったニーズにも影響する
など「1 つの症状でも患者さんの生活には様々な場面に影響する」ことを皆で再確認しなが
ら,患者・家族のために必要となる観察,関わり方,視点について改めて話し合い,看護師
の専門性だけでなく,医療者としてより良いアプローチの方法についても皆で楽しく深めて
いくことができました。
192
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『学生でもできる!カオスな患者を紐解くい・ろ・は。』
代表講師:吉田 秀(医療生協家庭医療学レジデンシー東京/北足立生協診療所)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:33名
筑波大学 医学類 3年 川邉優希
【概要】
「この患者さん見ておいてね☆」と病棟や外来で言われたらどうしますか??症状か
ら疑う病気、その治療法をまとめるだけでは問題を解決できないことも多々あるのが医
療の世界。いや、医療の世界だけではなく定石が通じないなんてのは日常でもよくある
ことですよね。このセッションでは、
「病気は重症度だけじゃない!?、なんでこんなにこ
の人大変なことになっているの??」なんていうシンプルに事が片付かない時に、状況を
どう捉え、どう対応していくかを一緒に考えてお伝えしていきます。家庭医療学分野で
「複雑性」と言われる概念を知っていますか?厄介なものには厄介なものを紐解くため
のメソッドが存在します。東京近郊の診療所を中心に診療を行っている家庭医が得意と
するこのメソッドを、ロールプレイやディスカッションを通して体現して頂きます。ワ
ークショップ終了後には、日常にまで応用できる複雑事例の対応法がきっと見えてくる
はず!
【共同講師】
・上野 晶香(医療生協家庭医療学開発センター東京/生協浮間診療所)
・勝又 聡彦(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/あさお診療所)
・野村 あか(医療生協家庭医療学開発センター東京/生協浮間診療所)
・森屋 淳子(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/久地診療所)
・重島 祐介(医療生協家庭医療学開発センター東京/生協浮間診療所)
・増山 由紀(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/医療生協さいたま 大井協同診
療所)
・田中 公孝(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/北足立生協診療所)
・樫尾 明彦(和田堀診療所)
・山田 登紀(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/北足立生協診療所)
・岡崎 寛子(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/久地診療所)
193
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『学生でもできる!カオスな患者を紐解くい・ろ・は。』
代表講師:吉田 秀(医療生協家庭医療学レジデンシー東京/北足立生協診療所)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:33名
筑波大学 医学類 3年 川邉優希
【概要】
「この患者さん見ておいてね☆」と病棟や外来で言われたらどうしますか??症状か
ら疑う病気、その治療法をまとめるだけでは問題を解決できないことも多々あるのが医
療の世界。いや、医療の世界だけではなく定石が通じないなんてのは日常でもよくある
ことですよね。このセッションでは、
「病気は重症度だけじゃない!?、なんでこんなにこ
の人大変なことになっているの??」なんていうシンプルに事が片付かない時に、状況を
どう捉え、どう対応していくかを一緒に考えてお伝えしていきます。家庭医療学分野で
「複雑性」と言われる概念を知っていますか?厄介なものには厄介なものを紐解くため
のメソッドが存在します。東京近郊の診療所を中心に診療を行っている家庭医が得意と
するこのメソッドを、ロールプレイやディスカッションを通して体現して頂きます。ワ
ークショップ終了後には、日常にまで応用できる複雑事例の対応法がきっと見えてくる
はず!
【共同講師】
・上野 晶香(医療生協家庭医療学開発センター東京/生協浮間診療所)
・勝又 聡彦(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/あさお診療所)
・野村 あか(医療生協家庭医療学開発センター東京/生協浮間診療所)
・森屋 淳子(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/久地診療所)
・重島 祐介(医療生協家庭医療学開発センター東京/生協浮間診療所)
・増山 由紀(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/医療生協さいたま 大井協同診
療所)
・田中 公孝(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/北足立生協診療所)
・樫尾 明彦(和田堀診療所)
・山田 登紀(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/北足立生協診療所)
・岡崎 寛子(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/久地診療所)
194
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『明日から使える!症例プレゼンとカルテの書き方』
代表講師:岩本修一(広島大学 総合診療科)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:30名
藤田保健衛生大学 医学部
4年 内山桂一
【概要】
「症例プレゼンやカルテ記載がニガテ」
「カンファがストレス」という方に最適です。 症
例プレゼンテーションの上手さやカルテの書き方は臨床能力に相関するといわれます。し
かし、患者と真摯に向き合い、丁寧に診療をしているのに、カンファレンスでうまく伝え
られない、カルテがうまく書けないという経験がある方もいるのではないでしょうか?
せっかくいい診療をしていても、プレゼンやカルテ記載で評価されないのはもったいない
ことです。このセッションでは、症例プレゼンテーションとカルテの書き方についてのレ
クチャーとワークを行います。やり方を少し変えれば明日からきっとイケてるプレゼンが
できるはず。
【感想】
ポリクリに向けてカルテの書き方の基本を学ぼうと思い参加しました。丁寧に、書くべきこ
とを教えていただき、大変勉強になりました。
【共同講師】
・岩本修一(広島大学病院総合内科・総合診療科)
・小林知貴(広島大学病院総合内科・総合診療科)
・横林
賢一(広島大学病院総合内科・総合診療科)
・菊地 由花(広島大学病院総合内科・総合診療科)
・木村 一紀(広島大学病院総合内科・総合診療科)
・河原 章浩(広島安佐市民病院/広島大学)
195
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『本当に明日からできる地域診断』
代表講師:森 敬良(医療生協家庭医療学開発センター(CFMD)尼崎医療生協 本田診療所)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:23名
金沢医科大学 医学部 3年 梁祐輔
【概要】
家庭医にとって、人を家族や地域というコンテクストの中でとらえ、人間として包括的
に理解しケアすることは重要であると言われています。 今回は地域に的をしぼって具
体的な方法を練習するセッションです。アンダーソンらが提唱する「Community as
partner モデル」を用いた実例を紹介し、実際に参加者の地域をそれぞれで診断をして
みます。学生生活や日常診療をしながらでも簡単に取り組めることが目標です。
【感想】
患者さんが置かれた環境・地域のことを気にかける事で、より深く患者さんを診るこ
とが出来るという事が実感できた。
ワークショップの中で、ある地域を事例にグループごと実際に地域診断を体験する中
で、地域を診る視点を養うことが出来たと思う。
196
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・稲岡 雄太(医療生協家庭医療学開発センター(CFMD)尼崎医療生協 本田診療所)
・藤井 高雄(医療生協家庭医療学開発センター(CFMD)たじま医療生協
ろっぽう
診療所)
・石井 大介(医療生協家庭医療学開発センター(CFMD)かわち野生活協同組合 は
なぞの生協診療所)
・今藤 誠俊(医療生協家庭医療学開発センター(CFMD)東京保健生活協同組合 根
津診療所)
・三宅 麻由(医療生協家庭医療学開発センター(CFMD)尼崎医療生協病院)
・田原 正夫(おくだ在宅クリニック/尼崎医療生活協同ナニワ診療所/金井病院)
197
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『家庭医療の現場で活かす“即効”漢方』
代表講師:松岡 角英(南浜診療所/ふさのくに家庭医療センター)
日時
:8月2日 9:00~10:40
参加人数:22名
横浜市立大学 医学部3年
相澤広太郎
【概要】
家庭医には、共通の悩みがあります。それは「患者中心の医療」を実践しようと、患
者さんの訴えをまじめに聞こうとすればするほど、ますます西洋医学だけでは解決でき
ない問題が多いことに気づいてしまうことです。そんなときに東洋医学を活用すると解
決できる訴えも多いのが事実です。
このセッションでは家庭医療の現場で遭遇する最もコモンな疾患である「かぜ」の“即
効”漢方治療について、西洋医学では対症療法しかない一方、漢方はどのように活かせ
ば有効であるか具体例を用いて解説します。そして舌診や脈診、漢方薬の実飲といった
実習も交えながら学んでいきます。漢方初学者にとっては「かぜ」という平易な内容な
ので理解しやすく、漢方を深く学ぶきっかけとなるでしょう。
【感想】
課外活動として医療施設での外来見学を重ねていく中で、医師の先生方は西洋医学と東洋
医学を組み合わせて処方されており、医療において漢方の重要性は高まっていると実感して
いました。そのため前々から漢方に興味がある自分としては、このセッションは五感を総動
員した内容であり非常に充実した内容であったと思います。今回の講師である松岡先生は家
庭医療専門医と漢方専門医の両資格を有する全国でも珍しい方で、西洋医学と東洋医学の両
面を兼ね備えた二刀流家庭医という概念も提唱されております。この家庭医が育成されれば
治療の上に予防の観点も加わり強みになりますが、一方で適切かつ広範な知識が要求されま
す。セッションを通じて漢方の性状というミクロと、理想的家庭医療の再考というマクロの
両面を知ることができました。
を
【共同講師】
・渡邉 祐登(ふさのくに家庭医療センター)
・篠塚 愛未(ふさのくに家庭医療センター)
198
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『マンガで学ぶ緩和ケア〜倫理的問題を考える』
代表講師:西 智弘(川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター)
日時
:8月2日 13:40~15:20
参加人数:30名
山形大学 医学部 3年 町田 尚哉
【概要】
家庭医療を専攻していくなかで、緩和ケアの学習はとても重要です。 でも、学生時代
は中々緩和ケアに触れる機会は少ないのでは? 実際の緩和ケアの現場では、どんな問
題にぶつかっているのか?今回はその中でも「倫理的問題」に焦点を当てて、マンガを
題材にディスカッションを行います。死ぬこと・生きること、医療者としてのあり方、
患者だけではなく家族の思い、法律の壁・・・。ここでの学びが、将来あなたたちが現場に
立ったときの思慮を深めることに寄与できれば幸いです。
【感想】
この三日間において最もおもしろく、考えさせられたセッションであると断言できる。
セッションの内容としては、トロッコ問題を皮切りに著作権フリーとなった「ブラック
ジャックによろしく」を用いて、倫理的問題について考えるものであった。倫理的問題
について考えるということはいろいろな場所で行なわれるが、本セッションが他と異な
るのは、倫理問題に対する自分の意見をより深く突き詰めて、どうしてそう考えたかを
幾度となく問い続ける点にあると思う。ただなんとなくではなく、どうしてそう考えた
か、線引きはどこか、などを浮き彫りにしていくことは倫理問題以外でも有効であろう。
最後に「宿題」をだし、添削・返信をしてくれるのもとても嬉しく感じた。
199
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『診断!からの~?整形疾患コモンディジーズ
ークリニカルコースからテーピングまでー』
代表講師:松島 和樹(飯塚病院・頴田病院)
日時
:8月2日 13:40~15:20
参加人数:32名
福井大学 医学部 4年 宇野拳太
【概要】
家庭医は、プライマリ・ケアの場面でたびたび遭遇する整形疾患を正しく診断するだけ
でなく、その後のフォローもしていくことが必要である。そのよりよいケアのためには、
各疾患のクリニカルコースを理解し、非薬物治療をうまく使っていくことが重要である。
このセッションでは、整形疾患のコモンディジーズについて、診断、クリニカルコース、
リハビリテーションや装具・テーピングといった非薬物療法を実際に体験しながら学ん
でいく。
【感想】
わたしはこのセッションをポリクリが始まる前に一度実践的な現場のケアを体験してみたい
と思いとった。その希望通りどの先生方も実際に自分自身の身体を用いて解剖学的な位置や
病気の症状をわかりやすく教えてくださったので普段の学習とはまた違った視点から病気へ
の対処法を学べた。また参加者同士でもペアを作ることで初学者の人へのフォローを先生だ
けでなく参加者行っていた。理学療法士の方による現場で用いているテーピング法の実践は
とても分かりやすかった。そのあと実際に参加者同士で足首の固定を行った時間はこの夏セ
ミのどのセッションよりも盛り上がっていたと思う。来年も開催されたとしたらぜひとも再
度参加させていただきたいと思うようなすばらしいセッションだった。
200
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・松島 和樹先生 (飯塚病院・頴田病院)
・吉田 伸先生
(飯塚病院・頴田病院)
・金 弘子先生
(飯塚病院・頴田病院)
・相良 春樹先生 (飯塚病院・頴田病院)
・長末 隆弘先生 (飯塚病院・頴田病院)
・佐藤 日香梨先生(飯塚病院・頴田病院)
・新道 悠先生
(飯塚病院・頴田病院 家庭医療プログラム)
・赤岩 喬先生
(飯塚病院・頴田病院 家庭医療プログラム)
・西園 久慧先生 (飯塚病院・頴田病院)
・足立 雅俊先生 (医療法人 博愛会 頴田病院)
201
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『いざ LDR へ!家庭医が行う分娩介助』
代表講師:堀江 典克先生(静岡家庭医養成プログラム(SFM))
日時
:8月2日 14:00~15:40
参加人数:20名
旭川医科大学大学 医学部 6年 富田晃史
【概要】
分娩介助法には正面介助法と側面介助法の二つがあります。この二つの介助法の特徴
と違いを理解し、実際にマネキンを使って実習を行います。また、妊婦さんへの上手な
声かけのしかた、努責のかけさせ方、分娩中のちょっとしたマイナートラブルの対処法
などを学んでいきます。
【感想】
アンケートより一部抜粋します。
・実習の時間が長く、丁寧に教えてもらった
・実技を学べて非常に良い経験でした。
・実際に正面/側面介助を体験できた
・学生からは非常にニーズがあると思います。ぜひ続けてほしいです。
・全然知らない事だったので、すごく面白かったです。
・このような体験型のセッションが増えてほしい
202
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『レゴで創る被災地医療の未来』
代表講師:田中 淳一(東北大学病院 総合地域医療教育支援部)
日時
:8月2日 13:40~15:20
参加人数:19名
埼玉医科大学 医学部 4年 熊井戸 悠喬
【概要】
東日本大震災後から4年、現在の被災地における新しい地域医療の動きを興っていま
す。気仙沼市立本吉病院など講師陣の経験を伝える。その中で被災地が抱える医療崩壊・
少子高齢化・過疎化の問題などをレゴブロックを通して、被災地の現状と課題を共有し、
その解決策を考える。
【感想】
セッション内ではまず被災地の現状のレクチャーをしてくださった。その現状を元にレゴ
ブロックを通して、自分の考えが与えられた材料の中で最大限に再現したことで、各々が考
える自分なりの解決策を作成できた。また他人がレゴブロックで作成した解決策をみて、他
の人の意見が明確に理解しやすくなった。被災地におけるニーズが時期を追う毎に刻々と変
化していること再確認でき勉強になった。
【共同講師】
・ 田中
淳一(東北大学病院
総合地域医療教育支援部)
・ 齊藤
稔哲(気仙沼市立本吉病院)
・ 黒木
史仁(坂総合病院/古川民主病院)
203
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『日本でどんな家庭医が育っているの?
~第 4 回!家庭医療専門医試験を体験する』
代表講師:中村 琢弥(弓削メディカルクリニック 滋賀家庭医療学センター)
日時:8月2日 14:00 ~ 15:40 (100分)
参加人数:30名
自治医科大学医学部 6年 山田悟史
【概要】
日本では、2008 年から家庭医療専門医が誕生しています。本セッションでは、日頃、
家庭医療専攻医がどのような研修を行っているのかを学び、実際の専門医試験を体験し
ます。家庭医療専門医試験は MEQ(筆記試験)、CSA 試験(臨床実技試験)、ポートフ
ォリオの提出からなりますが、本セッションでは、CSA 試験の一部を WS 形式で体験し
ます。
【感想】
セッションは家庭医療専門医がどのような研修を行っているのか、専門医試験の概要はど
のようなものかのミニレクチャーの後、メインとなる Clinical Skills Assessment の模擬試
験に移りました。CSA 試験は、CGA、ヘルスプロモーション、救急の 3 ブースがあり、5 名
1 チームで各ブースをチーム全員で挑みました。各ブースでは実戦形式で問診を行い、適宜
講師の助言を受けながら試験を進めていきました。1 年~研修医まで幅広い参加者がいまし
たが、低学年は実際の臨床の様子を想像し、高学年・研修医は力試しを行う機会となり、そ
れぞれの学年に応じた学びがあった様子でした。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・佐々木 隆徳(みちのく総合診療医学センター 坂総合病院)
・今藤 誠俊(医療福祉生協連家庭医療学開発センター 根津診療所)
・宇井 睦人(川崎市立井田病院)
・清田 実穂(医療福祉生協連家庭医療学開発センター あさお診療所)
・田原 正夫(おくだ在宅クリニック/尼崎医療生活協同ナニワ診療所/金井病院)
・近藤 諭(三重大学医学部 総合診療科)
・秋山 瞳(佐賀県医療生協 神野診療所)
他数名
205
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『「連携」で見える家庭医療の魅力~介護・福祉が苦手なあなた!このセッショ
ンで虜になります~』
代表講師:土田 知也(川崎市立多摩病院)
日時
:8月2日 13:40~15:20
参加人数:34名
横浜市立大学 医学部 3年 山田祐揮
【概要】
高齢者は入院治療後、そのまま自宅に帰れるとは限りません。歩行や排泄、認知症の
悪化など、様々な問題が発生します。また、介護力や経済状況、家族関係なども重要で
す。その解決には、医師や看護師、ソーシャルワーカーやケアマネなど、各職種でやる
べきことがたくさんあります。 そして、何よりもそれらの連携が重要になってきます。
この WS では「連携」をテーマに病院総合医と家庭医の連携や多職種の連携など、生の
現場を紹介し、チームで患者さんの生活や幸せを考える体験をしてもらいます。理屈や
理論は極力お話ししません!そして、今の医療になにが必要か一緒に考えましょう。家
庭医の魅力は、連携でさらに深まるのです。高齢者は病気を治療するだけでは幸せには
なれません。治療の先まで見据えた対応をすることが、これからの医療には必要です。
「連携」の実際と面白さをみなさんにお伝えします!
【感想】
昨今多職種連携の必要性や重要性が叫ばれている中で、医療系学生がこうしたトピックに
触れ、関心を持つことは少なくありません。しかし、大学でこうした知識を学べる機会は非
常に限られており、そもそもどの職種がどんな業務や役割を担っているのかを知らなければ
イメージも出来ず、学びの端緒も得られず、といった八方ふさがりになりかねません。そう
いった状況下で、本WSは寸劇を含めたケースワークを通じて各職種の役割を知ることが出
来、加えて高齢者医療において重要度の非常に高い CGA についても学ぶことが出来ました。
こうした多職種連携や高齢者医療などのトピックに興味関心のある医療系学生、特に低学年
の学生には是非とも受けて欲しいWSと感じました。
【共同講師】
・堀越 健(多摩ファミリークリニック)
・酒井 翼(川崎市立多摩病院)
・照屋 陽子(川崎市立多摩病院)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『研修医になったときに困らない診断推論カンファレンス』
代表講師:野口 善令(名古屋第二赤十字病院)
日時
:8月2日 13:40~15:20
参加人数:38名
京都府立医科大学 医学部 6年 加藤さやか
【概要】
研修医になると多くの病態、多くの疾患に遭遇し、頭を悩ませ、体を酷使して患者さん
のために、なんとか診断をつけ治療をしようと試みると思います。一人で悩むことも
多々ありますが、どこかで解決法を見つけなくてはいけません。今回は、このカンファ
レンスを通して、研修医になったときに困らない診断推論カンファレンスを行います。
名古屋第二赤十字病院で毎週、研修医向けに行っている ER・GIM カンファレンスにひと
工夫加えて、じっくりと症例を吟味して、病気や疾患の理解を深めるカンファレンスを
行います。難しい症例に当たったときなどの解決方法をみんなで考え、共有することが
目標です。
【感想】
6〜7人のグループで作業を行いました。先生の提示されたケースシナリオに基づいてプロ
ブレムリストや鑑別疾患リストを作成し、疾患を中心にマインドマップを描くなどして診断
推論のプロセスを学びました。まだ臨床を学んでいない低学年には難しい場面が多々あり、
高学年・研修医の参加者からも「診断をつけるためには幅広い知識を身につけなければなら
ないと実感し、刺激になった」との感想が多く寄せられていました。セッションの最後に先
生がおっしゃった、
「正しい診断をつけることが目的ではなく、正しいプロセスで診断推論を
進めることが大切」という言葉が印象的でした。研修医になり、難しい症例をチームで検討
する機会を得た時は、このセッションで学んだ方法をぜひ利用しようと思います。
【共同講師】
・ 横江 正道(名古屋第二赤十字病院)
・ 吉美 祐輔(名古屋第二赤十字病院)
・ 末松 篤樹(名古屋第二赤十字病院総合内科)
・ 岡田 裕美子(名古屋第二赤十字病院)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『匠リターンズ』~お家の生活ビフォー・アフター(仮)
代表講師:濱口 政也(耳原総合病院)
日時
:8月3日 9:00~10:40
参加人数:21名
埼玉医科大学 医学部 4年 熊井戸 悠喬
【概要】
今年もやります。その名も匠リターンズ。皆さんは患者さんをお家で診るという経験
をしたことがありますか?患者さんの暮らしを支えている人たちのことをご存知でしょ
うか?病棟や外来での診療と違い、往診では患者さんを生活の中で支える視点がとても
大切で、それが往診の醍醐味です。このセッションでは、大学では教わる機会の少ない
在宅医療について、ある患者さんの事例を取り上げ、数々の難題に立ち向かってもらい
ます。解決の道具を手に入れながら、みんなで知恵を出し合って患者さんのよりよい暮
らしを実現してあげましょう。 あなたも、患者さんのお家の生活リフォームの’匠’に
なってみませんか?
【感想】
在宅医療における患者さんにとって住みやすい家づくりについて、実例を元に考えた。
参加者それぞれの視点や意見が違い、ディスカッションの際は大変勉強になった。ある物が
何故その場に置いてあるのか、いろいろなことに理由があり簡単に動きやすいスペースを確
保するために物を動かせないことを知った。まず患者さんの背景を知り、その上で生活しや
すい家へと変えていく。そして患者さんを取り巻く地域の人と交流をしながら、
「家」につい
て考える姿に驚かされた。
普段、大学では学ぶ機会の少ない在宅医療について考えられ有意義な時間が過ごせた。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・石井 大介(はなぞの生協診療所)
・鈴木 昇平(西淀病院)
・蓮間 英希(西淀病院)
・大谷 紗代(大阪家庭医療センター/耳原総合病院)
・吉倉 正(西淀病院医局事務課)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『もし家庭医療に心療内科的アプローチを取り入れたら』
代表講師:酒井清裕(近畿大学心療内科)
日時
:8月3日 9:00~10:40
参加人数:41名
東京女子医科大学 医学部2年 溝越けやき
【概要】
『心身医学』という言葉をご存知ですか? 患者さんを身体の面だけでなく、心理的・
社会的側面なども含めて幅広く考慮し、個々人に合った総合的な疾病予防や診断・治療
を行う医学、それが『心身医学』です。 家庭医療の目指す『全人的医療』となんとなく
似ていると思いませんか?そしてこの『心身医学』を実践しているのが我々心療内科で
す。 その心療内科を広く知ってもらいたいという気持ちで今回のセッションを企画し
ました。 ここでは家庭医療にも通じる生物・心理・社会モデルの利用法、様々なコミュ
ニケーションスキルを用いたより良い医師-患者関係の構築の仕方などについて、我々
が日々どのような臨床をしているのかを交えながら、一緒に学びたいと考えています。
【内容】
心身症は心理社会的因子が密接に関与すること、心療内科と精神科の違いなど、心療内科
の基本的なことを学び、心療内科的アプローチについて実際の症例提示を用いて病態仮説構
築とそれを患者と共有し治療を行うこと考えた。また、心療内科医に求められるものとして
コミュニケーションスキルを挙げており、その中で沈黙を尊重するというものが印象に残っ
た。心療内科を受診する人の多くは他の病院で原因不明と診断されていることから、病状へ
の不安や医学への不信感も強い。そのわだかまりを取り除くことも全人的医療に大事なスキ
ルであると思った。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『CGA 的プロブレムリストをつくってみよう』
代表講師:西村 正大 (公益社団法人地域医療振興協会 市立奈良病院 総合診療科)
日時
:8月3日 9:00~10:40
参加人数:16名
筑波大学 医学類 3年 川邉優希
【概要】
CGA という言葉を知っていますか?Comprehensive Geriatric Assessment(CGA:
包括的高齢者評価)とは,疾患の評価に加え,日常生活機能評価として,ADL,IADL,
認知能,気分・情緒・幸福度,社会的要素・家庭環境などを確立した一定の評価手技に
則って測定・評価する,という老年医学の根幹的な考え方です.今回,老年医学を現場
に活かす方法として CGA 的なプロブレムリストの活用を提案したいと思います.現在
~2025 年以後に直面する未曾有の超高齢社会の最前線に立つであろう皆さんにとって,
CGA 的視点は必ず役に立ちます.家庭医を目指す方も,病院総合医を目指す方も,専門
医を目指す方も,皆,必見のセッションです.ぜひご参加下さい。
【感想】
このセッションでは家庭医療の原則の ACCCC について、実際にディスカッションしな
がらそれぞれを深めていく作業を行いました。高学年(5.6 年)研修医対象のセッション
であり臨床の場を経験したことのある者ばかりだったので、現場を意識しながらディスカ
ッションをすることができ、将来働きだしたときにどこに目を付ければいいのかが分かり
ました。原則とはいえ実臨床の世界ではすべての項目についてかなり意識しないと見落と
しが生じる領域なのだろうなとも実感しました。これから臨床の世界に出る人間としてと
ても為になるセッションでした。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・櫻井 奈緒(王子生協病院)
・増山 由紀(承井共同診療所/カトレア外来塾)
・河合 由紀(コンフォガーデンクリニック)
・野島 未穂(赤羽東診療所)
・竹内 美音(あさお診療所)
・森屋 淳子(久知診療所)
・渡辺 裕子(大田西ノ内病院)
・天野 静(川崎セツルメント診療所)
・岡崎 寛子(久知診療所)
・高畑 信子(共同ふじさきクリニック)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『もし“ふつう”の研修医が家庭医療研修を受けたら~もしカテ~』
講師:鶴田真三(三重県立一志病院)
日時:8月3日(月)9:00~10:40
参加人数:17名
千葉大学医学部5年 篠塚仁貴
【概要】
“ふつう”の研修医が、たった 3 年間で「家庭医です」と胸を張って言える。そんな家
庭医療の研修って、一体どんなもの?このセッションは、家庭医療の後期研修のはじま
りの 1 年間を、グループワークも織り交ぜつつ体験し、家庭医療研修を俯瞰することを
目的にしています。医学生・初期研修医だけでなく、他職種の学生たちにも、家庭医の
タマゴがどんなことを学んで、どんなことを大事にしているのかを知ってほしいと、私
たちスタッフは考えています。どんな無理難題(?)が待ち受けているのか。家庭医の先
輩達のように、自分も成長できるのか。家庭医療の研修を受けるまで(初期研修・学生生
活)、どんなことを身につけておけばいいのか。看護師・薬剤師・ケアマネージャーなど
など、他職種とともに悩みつつ成長する家庭医の姿とは?その答えを、研修中の若手家
庭医~研修後の家庭医による幅広い層のスタッフと一緒に見つけてみませんか?
【感想】
家庭医療研修について事例を通して体験しつつ、患者中心の医療や振り返りの手法に
ついて学ぶことが出来る内容となっていました。有効な治療法がない場合や患者さんと
の擦れ違いが生じた場合のアプローチについて考え、難しくはありましたが充実した深
みのあるワークショップだったと感じます。とはいえハードルが高いモノでもなく、研
修をする中で身に着けていくもの、というようなどちらかというと身近なイメージを持
つことが出来たのは良い収穫だったと思います。
このセッションでは某有名映画をモチーフにした演出がなされ、とてもユーモアのある
セッションでした。楽しみながら主体的に学ぶ姿勢の大事さを感じることが出来たよう
に思います。セッションを出してくださった先生方に深く感謝いたします。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【共同講師】
・近藤諭(三重大学医学部附属病院 総合診療科)
・橋本修嗣(三重県立一志病院)
・矢部千鶴(三重家庭医療センター 一志、/三重県立一志病院 家庭医療科)
・宮崎景(みえ医療福祉生活協同組合高茶屋診療所/ 三重家庭医療センター
・岩佐紘(亀山市立医療センター)
・成島仁人(津ファミリークリニック)
・松田沙緒里(三重大学医学部附属病院)
・市川周平(三重大学大学院医学系研究科 地域医療学講座)
・原田直樹(名張市立病院)
・上垣内隆文(名張市立病院)
・位田剣(三重大学医学部附属病院 総合診療科)
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高茶屋)
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『医師のための会計学』
代表講師:井出 広幸(医療法人社団奏愛会 信愛クリニック)
日時
:8月3日 9:00~10:40
参加人数:27名
横浜市立大学 医学部 3年 相澤広太郎
【概要】
開業医だけでなく勤務医にも必要な会計知識のエッセンスを伝えます。自分の夢を会
計的にデザインするとは? 人間でいえば血液データに相当する会計データを、どう読
めば現状がわかるのか? 医療従事者にとって必要な知識のみを伝達します。医療系学
生、初期・後期研修医といった早期のうちに自分の夢を実現する為の会計学を教わり、
再考するまたとない機会です。
【感想】
医学科 3 年という学年ながら医療会計に関する知識に乏しい状況のため、このセッション
を受講しました。開業医は将来の重要な選択肢でしたが、他の参加者の方々も同様な思いで
ありつつその経緯は多岐にわたり興味深かったです。今回の講師である井出先生は開業医で
あり開業を志す医師の方々を支援する活動もされています。講義内容は全学年でも理解しや
すい会計基本概念であり、会計学を学ぶきっかけになると思います。先生が終始おっしゃっ
ていたことは将来の Exit を見つめつつ、今をどう見つめるかという視点が大事だということ
です。勉強や仕事といった目前のことを淡々とこなす日々に忙殺される中で、つい忘れてし
まいがちなこの視点は会計以外にも汎用可能でしょう。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『つくば式 診断学』
代表講師:斎藤剛(筑波大学附属病院)高橋聡子(筑波大学附属病院)
日時
:8月3日 09:00~10:40
参加人数:22名
藤田保健衛生大学 医学部
4年 内山桂一
【概要】
今年もやります!診断学。鑑別診断の挙げ方、考え方は経験していけばわかるもの?筑波
大学総合診療グループが、鑑別診断のノウハウをみなさんに伝授します!診断学は大学の講
義では何となく教わっていたとしても、実際の臨床現場の設定で実践していかなければ身に
付きません。そして鑑別診断は、患者さんからの問診や身体所見で、リアルタイムに動いて
いきます。鑑別診断の考え方がわかれば、きっと明日からの外来実習や病棟研修が楽しくな
ること間違いなし!
【感想】
診断学に興味があり参加しました。着眼点などを丁寧に教えていただき、大変勉強
になりました。
【共同講師】
・斉藤
剛(筑波大学附属病院)
・高橋
聡子(筑波大学付属病院)
・一ノ瀬
・高橋
大地(筑波大学付属病院/水戸協同病院)
弘樹(筑波大学総合診療グループ)
・任 明夏(水戸協同病院)
・任 瑞(水戸協同病院)
・五十野
桃子(筑波大学附属病院総合診療科 /水戸協同病院総合診療科)
・三好
ゆかり(水戸協同病院)
・大貫
結華(水戸協同病院)
・小林
裕幸(水戸協同病院
総合診療科)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
『英語、海外が気になるあなたのためのキャリア』
代表講師:佐野潔 (徳洲会地域家庭医療総合センター)
日時
:8月3日 9:00~10:40
参加人数:37名
横浜市立大学 医学部 3年 田邊桃佳
【概要】
本セッションは 3 人の講師それぞれのプレゼンテーション、そして質問というかたち
で行われた。まず米国で家庭医療を専門とする Francia が米国の家庭医療の特徴を説明
してくださった。続いてカナダの医学生 Sophie がカナダの医学部の様子を紹介してく
ださった。それに補足しながら、海外での家庭医療経験が豊富な佐野先生が日米の家庭
医療を基本的なところから解説してくださった。質問を紙に書いてもらい集めたが、大
変多くの質問が挙げられた。
【感想】
海外での家庭医療について興味を持っていても、身近に海外の家庭医療を専門とする方が
なかなか見当たらないのが日本の現状だろう。本セッションで、カナダの医学生、米国の家
庭医療を専門とする医師、そして海外での家庭医療経験が豊富な医師という全く異なる背景
の 3 人の講師の方々の丁寧な説明のおかげで、少しハードルが高く感じられる海外の家庭医
療が初学者でも身近に感じられ、また理解が深まったかと思う。
【共同講師】
・Francia Campo (徳洲会地域家庭医療総合センター)
・Sophie Gao(McGill University Medical School)
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□初日企画『「プライマリ・ケア」を探る旅』
代表講師:葛西龍樹(福島県立医科大学 地域・家庭医療学講座主任教授)
日時
:8月1日 12:30~13:00
参加人数:200名
自治医科大学 医学部 5年 平田まりの
【概要】
「プライマリ・ケア」の基本的な概念や重要性について、4ステップ(患者のアクセスから
考える、地域全体をケアする、多職種とのハブ機能を持つ、チーム医療で行う)で理解した。
またプライマリ・ケアの奥深さについて、能動的に学ぶ姿勢の重要性についてもご指摘いた
だいた。最後の 10 分間に参加者が 2 人 1 組となりで「プライマリ・ケアが整備されると日
本の医療はどうなるか」といったテーマでディスカッションを行った。
【感想】
「旅をするなら」から始まったスパイスの効いた葛西先生のご講演。時折の冗談を交
えながら、プライマリ・ケアを 4 ステップで理解しようと提示された。わかりやすい図
を基にその特徴を説明された。臨床現場において目の前の患者さんに加えその家族、地
域の診療に加わることもでき、臨床以外にも教育、研究、行政にも関わることのできる
「プライマリ・ケア」の奥深さを知ることができた。参加者も集中をとぎらせることな
く話に引き込まれ多くの気づきを得たようだった。
20 分間のご講演の後は、参加者同士のディスカッションを行った。2 人 1 組を作り、
「プライマリ・ケアが整備されると日本の医療はどうなるか」といったテーマを話し合
っていただいた。ディスカッションが始まると会場は一気にみんなの話し声に包まれた。
「プライマリ・ケア」の概念に改めて立ち戻って議論を整理する組や、
「疾患だけでなく
人を診る医療がすすみ多くの患者さんが満足できる医療になりそうだ」とプライマリ・
ケアの良さを指摘する組など多くの議論が展開された。
本企画は「プライマリ・ケア」の概念をつかみその後のセッションの学びを深くする
ことを目的としていたが、ディスカッションの盛り上がりをみるかぎり達成できたよう
に感じられた。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□特別企画『2025年問題へ~いま繋ぐ、紡ぐ、続く、そして継ぐ~』
代表講師:丸山 泉先生
(日本プライマリ・ケア連合学会理事長、医療法人社団豊泉会丸山病院)
日時
:8月2日 17:30~19:00
参加人数:300名
愛媛大学 医学部 4年 田中 いつみ
【特別企画概要】
2025年問題について私たちはどれだけ現実的に考えてきただろうか。喫緊の課題
とされているこの課題に対しての理解を深めるため、家庭医療に力を入れて取り組んで
おられる丸山先生より講演いただいた。
その後、2つのテーマについてグループディスカッションをした。
テーマ①持続可能な小児科医療をこれからの社会変化に対してどう対応していけるか?
テーマ②財源不足の中で、医療側としてやるべきことはないのか?
各テーマで2グループずつが発表し、丸山先生、大島先生、南郷先生、中山先生から
フィードバックを受けた。
【感想】
2025年問題というものを、ワードとしては聞いたことがあった人も初めて聞いた人も、
一緒に取り組めるようなテーマでディスカッションをすることで、自分たちが10年後その
問題に取り組んでいく当事者としての意識を持つとてもいい機会になったと思う。
どのグループでも活発に意見が飛び交っていて、発表の際は自分達のグループで出な
かったアイデアがたくさん出てきて、意見を共有し合う場としてもいいものになった。
いつもはなかなか揃うことのない先生方から同時にフィードバックが得られたこともな
かなかないいい機会だった。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□多職種企画『カフェ×双六』
担当:鵜篭ゆきこ(東京女子医科 4 年)浅井香澄(青森県立保健 4 年)関谷智(埼玉
医科 1 年)
日時:8月2日 11:20~13:00
参加人数:約50~60名
東京女子医科大学 看護学部 4年 報告者氏名 鵜篭 ゆきこ
【多職種企画概要】
夏期セミナーは年々規模の拡大とともに、参加者も医学生以外の医療系学生が多く参加す
るようになり、参加者層の多様化を見せている。しかし、2日目に行われるポスターセッ
ション(PS)企画は主に医学生・研修医向けの後期研修施設紹介であり、医学生以外の医
療系学生にとって必ずしも満足度が高いとは言えない状況にある。このため第 26 回で
は、PS 裏企画と称して医学生以外の医療系学生を対象に他職種企画を開催した。第 26
回での企画が好評であることを受けて、第27回夏期セミナーにおいても以下変更点を追
加し企画に至った。
▼第26回からの変更点
・参加対象者変:コメディカル→夏期セミナー参加者全員
・名称:医療系学生企画→多職種企画
※第26回では医学生以外の医療系学生としていたが、それにより益々、医学生と医学生
以外の医療系学生の間に壁が生じたように思われる。また、参加したかったのに医学生の
ため参加できなかった人がいたことから、第27回では対象者を夏期セミナー参加者全員
へ,名称を『多職種企画』へ改めた。
【企画内容詳細】
▼スケジュールと参加者配置
・1 グループ 4~5 人とし、グループは A・B・C の3 つ設ける。
・以下のタイムスケジュールでグループ別に双六を行った。
グループ A 11:25~ / 12:00~
グループ B 11:35~ / 12:10~
グループ C 11:45~ / 12:20~
▼双六ルール
・1 ゲーム、目安は 30分~35分
・双六シート(附録 1 参照)を用いて、双六ゲームを行った。
・基本ルールは通常の双六と同じく、サイコロを振って出た目だけ進み、ゴールした人
が勝ち。マスは、3つ(赤・緑・青)に分かれており、それぞれのマスに止まった場合、
問題カード(赤:医療知識に関する問題カード。緑:イベントカード。青:コミュニュケ
ーション&他職種カード)を 1枚引き、カードに書いてあるお題に挑戦する。達成でき
ればそれぞれの色に応じた効果が受けられる(赤色:任意のプレイヤーをカードに書いて
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
あるだけ戻す。緑色:マスに記載の条件に従う。青色:カードに書いてある数だけ進む)
移動後はマスの影響を受けない。なお、未達成の場合はそのマスに留まる。STOP マスで
は、必ず止まってお題に従うものとする。
【感想】
双六形式でクイズに答えながら多職種で交流する場を企画しました。当日は予想を上回り,
前半・後半合わせて凡そ50名以上の学生が来場し,人数の集中した島ではグループ戦の形
式で対応する形となりました。終始盛り上がりを見せ,
「面白かった!」
「またやりたい!」
という声をたくさん戴き,設立時の目的であった医療系学生に対する満足度向上において
も貢献する事ができたのではないかと思います。また,今年は特に「交流を通して多職種間
の理解を深める」ことを目標とし、クイズ内容を医・薬・看など様々な職種から取り上げる
など工夫をして参りましたが、一方で,双六のグループ編成においては職種(人数)に偏りが
出るなど「多職種」の交流としては配慮しきれない場面もありました。偏りが出てしまうこ
と自体は元々の夏期セミナー参加者の職種の割合により避けられない点もありますが,今
後「多職種間の理解を深める」上では,極力偏りなく交流できるように準備段階から当日の
動きまで更に配慮していく必要性も感じました。
これら改善点や参加者の声を踏まえつつ,よりよい企画目指して来年,再来年へと繋げて
参りたいと思います。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□裏裏企画『総合診療医
日時
後期研修プログラム説明会』
:8 月 2 日 11:30〜12:00
富山大学附属病院 初期研修医 1 年目 五嶋 嶺
【企画概要】
日本プライマリ・ケア連合学会副理事の草場 鉄周 先生を講師としてお招きし、総
合診療専門医制度にまつわるこれからの流れと展望について、分かりやすくお話してい
ただきます!
【詳細】
「新専門医制度とは何なのか」「総合診療専門医制度とはどのようなものなのか」
「これから総合診療専門医はどうなっていくのか」の3点にフォーカスを当てて、スラ
イドを用いて説明していただいた。
【感想】
企画の詳細な内容、方法などを記載してください
企画が決まったのが本番直前だったため、あまり宣伝などを行えなかったが、80 名を
超える参加者に来ていただけた。高学年や初期研修医が多く、直近の将来への関心の高
さが伺えた。講演の後の質問も大変盛り上がり、解散になった後も個別に質問をする参
加者が多数いたのがとても印象的だった。
個人的には「医師のための制度から、国民のための制度へ」という言葉や、
「公の文章
に『総合診療』という言葉が盛り込まれてきている重要性」といった話がとても興味深
かったが、参加者の中にはそもそも新専門医制度について知る機会がない方が多数おり、
これからも同様の企画を行うべきだと強く実感した。
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□振り返り企画
日時:8 月 1 日 19:50~20:00
日時:8 月 2 日 17:00~17:10
日時:8 月 3 日 11:10~12:10(最終日企画)
藤田保健衛生大学 医学部 4年 内山桂一
【概要】
今年度の振り返り企画では、
①目標を立てる
②自分で反省すること(自己フィードバック)
③他の人から意見をもらうこと(他者フィードバック)
の3点のうち、今回は他者フィードバックを重視した。各日の振り返りにおいては、振り返り
時に他の人からフィードバックをシールに記入してもらい、本人に渡す形式で他者フィードバ
ックを実施した。また、各セッションの振り返りにおいては、短い時間内でできるだけ足跡を
残せるように、キーワードを記入する欄を追加した。
【感想】
実施する中で、振り返りをする能力・また振り返りに対する積極性に対する大きな差
があった。フィードバックシールによる振り返りはその各人で差がある積極性を均一に
すると同時に、他の人の振り返りを参考にすることができた点において価値があったと
思われる。一方で、フィードバックシールにどのような内容を書くべきか悩み、時間が
かかってしまう姿が散見された。気軽に書けば良いということをもっと強調すべきだっ
たのではないかと思う。
224
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□最終日企画『ポスターツアー法』
日時
:8月3日 11:10~12:10
藤田保健衛生大学 医学部 4年 内山桂一
【最終日企画概要】
最終日企画はポスターツアー法を用いて3日間の振り返りを実施した。ポスターツ
アー法はポスター作成し、その後参加者のグループを組み替えて作成したポスター
を周回し、自分の作成したポスターの前で他の参加者に説明する形式を取った。
【詳細】
実施手順は以下のとおり行った。
(グループ組み換えの略図は次頁を参照)
1. 最終日企画開始前までに、夏期セミナー全体の Summarize に記入する
2. 各チームでアイスブレークの後に課題を設定する。
3. それぞれの経験をディスカッションし、自分の前後の発表者が発表した時には、
アドバイスを書いたシールを記入して発表者に渡す
4. ディスカッションと平行してポスターを作成する。(25分間)
5. 違うチームにいる同じ数字の人たちと新しいツアーグループをつくり、それぞれのポスター
を周回する(各3分×ポスター5枚分=15分)
6. ツアーチームが自分のポスターにきたら違うチームに対して説明を行う
7. 時間を区切ってポスターへ移動、説明を繰り返す。
8. 最後に、5 枚目のポスターの前で、気付きの欄の記入と決意表明を行う(10分)
【感想】
グループの組み換え、ポスター周回時に混乱することが予測されたが、ファシリテータ
ーが担当の班の動きを着実に把握してくださったお陰で、スムーズに進行することがで
きたと思う。作成されたポスターはどれも参加者の個性が現れており、スタッフが終わ
った後に見返してみると非常に面白いものばかりであった。参加者のやる気はもちろ
ん、的確なファシリテートがあったからこそだと感じた。
225
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
※グループ組み換え方法の略図
①
②
③
A
B
C
<模造紙作成>
<ポスターツアー>
226
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□ポスターセッション
掲示期間:2015 年 8 月 1 日〜8 月 3 日
開催期間:2015 年 8 月 2 日(日)
施設数 :75(プログラム数:77)
場所
:大観の間(一番大きい会場)
。施設ごとの詳しい掲示場所は次ページ以降に記載。
埼玉医科大学医学部医学科 5 年 長谷川 優
【概要】
新しい専門医制度が間もなく始まります.そのような中で家庭医/総合医の関心が高まっ
ている現代で,学生のどこでどのような研修をすればよいのか?といった素朴な疑問を解
消できる企画となっています.主に後期研修プログラムについてのご紹介をいただいてお
ります.
【詳細】
今年は過去最大級の 77 のプログラムにご応募いただき,おかげさまで大盛況となっ
た.そのため大観全体を使用することとなり,昨年設置したドリンクコーナーを設置しな
かった.例年のように特にポスターセッションについての説明はしなかったが,直前の時
間に各セッション担当の方にあらかじめ用意していた原稿を読んでアナウンスしていただ
き,ポスターセッション周知に努めた.夏期セミナースタッフが例年にも増して,積極的
に参加者の誘導をしてくれ,ポスターセッションは例年にない程の盛り上がりを見せた.
【感想】
低学年にはなかなか将来を見据えて自分のキャリアを考える,というのは難しかったか
もしれないが,いいきっかけになってくれればと思う.ポスターセッションを通じて,先
生方や施設の方々との“つながり”ができれば幸いで,今後の自分のキャリアに直結する
企画なのではないかと考える.これも全てはポスターセッションに参加応募してくださっ
た先生方,施設の方々のおかげです.この場を借りて御礼申し上げるとともに,今後とも
夏期セミナーポスターセッションを何卒宜しくお願い申し上げます.
【ポスターセッション施設一覧】
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
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平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
【会場配置図】
2 7 th 夏期セミ ナー PS
77
59
58
60
ホワイ ト ボード
22台
不足し た場合には
ド ア を 塞ぐ ボード
を 移動式パーテ ー
シ ョ ン に置き 換え
る。
大観パテ ―シ ョ ン
20枚
38
39
51
22
52
50
40
25
53
49
18
36
41
26
63
64
74
54
27
48
42
35
65
67
68
72
28
17
30
16
29
66
73
19
37
24
62
75
20
21
23
61
76
ス
テ
ー
ジ
57
55
47
43
34
56
46
44
33
31
32
69
15
71
14
45
移動パテ ―シ ョ ン
7枚
11
70
その他、
壁に1 1 枚
8
7
6
5
4
230
9
3
2
12
13
10
1
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□ディナーセッション
代表講師:鵜飼万実子(亀田ファミリークリニック館山)
・小澤廣記(諏訪中央病院)
・河合
皓太(上平診療所)
・草野超夫(京都家庭医療学センター)・里井義尚(川崎医療生協 久地
診療所)
・島直子(家庭医療学開発センターレジデンシー東京)
・清水洋介(佐久総合病院)
・
名越康晴(北海道家庭医療学センター)
・三浦太郎(富山大学富山プライマリ・ケア講座)
・
村山愛(君津中央病院)
・横山加奈子(京都民医連中央病院)
日時
:8 月 1 日 18:30〜19:30
参加人数:20 名
富山大学附属病院 初期研修医 1 年目 五嶋 嶺
【概要】
夏期セミナーは全国各地から多くの初期研修医も集まる年1回の大イベントです。プ
ライマリ・ケアに興味があって参加した人、自施設の WS の関係で参加した人、学生の
頃からセミナーに参加していた人など、参加への思いは様々かと思います。
しかし、
この湯河原という場所に一同に集まるのは何かの縁!せっかくの機会なので、
夕食の時間に初期研修医の皆様に集まっていただき、互いに語り合ってもらって、「つ
ながり」を作るきっかけにしてもらえたら、と考えています。
【内容】
初期研修医 2〜3 人と後期研修医 1〜2 人が同じテーブルを囲み、美味しい夕食を食べなが
ら初期研修での悩みや相談事について、他の初期研修医はどうか、先輩後期研修医はどうだ
ったかなどを和やかなムードでわいわい話した。
やはりキャリアについての話はどこのテーブルでも出ており、その他同期には相談しづら
い病院での悩みについての話も多かった印象だった。普段抱えているもやもやを話せて、し
かもフィードバックをもらえたことで客観的に捉えることができ、とても充実した時間だっ
た。
231
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□『地域交流会』
日時
:8月2日 16:00~17:00
参加人数:支部ごとに10-20名
山口大学 医学部 6年 報告者氏名 木安 貴大
【地域交流会概要】
夏期セミナーでは数年前から、支部活動を知ってもらうことを主な目的として「支部報
告会」を行って来た。今年度はより参加者との交流に重点を置き、①各地域で一緒に学
ぶ仲間作り、②出来た繋がりを支部活動に繋げ盛り上げること、の 2 点を目的とし「地
域交流会」として実施した。各支部で行われた内容は以下の通り。①北海道/東北支部:
自分が参加したい企画案について話し合うワーク、②関東支部:家庭医療を学ぶには、
新専門医制度とは、等のテーマでワールドカフェ、③中部支部:飲み会で自分の魅了を
伝えるには、についてディスカッション、④関西支部:興味があることは、やってみた
い企画は、等のテーマでディスカッション、⑤中国・四国支部:将来の生活、10 年後の
医師像についてワールドカフェ、⑥九州・沖縄支部:私の未来予想図、今出来ること・
したいこと等について話し合うワーク。
【感想】
昨年度までの「支部報告会」は目的・内容が各支部の自主性に任されていた。今年度は
事前に話し合い、目的を統一させることで質の担保につなげる事が出来た。一方で内容
は支部単位とすることで、各支部の事情に沿ったものにすることが出来た。後日行われ
た支部報告会の振り返りでは「お互いを知るワークを用意したことで、参加者が繋がる
ことが出来た」
、「話し合いを通じて新たな企画案が生まれた」といった感想が聞かれ、
ある程度目的を達成することが出来たと感じた。一方で「懇親会後にも交流の機会が欲
しかった」
、「ワークのテーマが曖昧だったため、初めは話が広がらなかった」など反省
点も聞かれた。来年度はこれらの反省を活かし、より良い地域交流会にしていきたい。
232
平成27年度 年間活動報告
第27回学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
□懇親会
日時:8月1日 22:00~25:00、8月2日 21:00~24:00
京都府立医科大学 医学部 6年 笹本 浩平
【概要】
夏期セミナーのもう一つの顔といえば「懇親会」です。
「家庭医は 夜、つくられる」という格言があるように、自由で楽しい雰囲気での会話からは
斬新なアイデアや議論が出てくるのだと考えられます。これを体現するべく存在するのが、
夏期セミナーの懇親会です。
全国から集まった皆さんが一堂に会する 夏期セミナーの懇親会には、素晴らしい出会い
とコミュニケーションがあります。趣味の話から、将来の夢や、日本の医療のゆくえ、家庭
医について…普段は少し話しにくいことも、飲んでしまえば 語り合える!参加者のみなさ
んや講師の先生方とまったりゆったり、そして激アツの飲み語りの時間にしましょう!
第 27 回は特別企画として、参加者さんが各地の名産を持ち合う「全国名産自慢大会」も
連日開催します。
【感想】
家庭医療学夏期セミナーの名物ともいうべき「懇親会」は全国から先生方も含め多数の参
加者が一堂に会する場であり、新しい出会いがあり、たくさんの方とお話をすることができ、
アイデアのシェアなどとても有意義な時間を過ごすことができました。また、今年企画した
「全国名産自慢大会」として募集をさせていただいたところ、病院関係者の皆様、医師の先
生方をはじめ、学生さんからもたくさんの名産品が集まりました。ありがとうございました。
全国の名産を知り、語り合うことで、地域やその周辺の医療について知ったり学び合ったり
するきっかけの一助になればと思い企画した「全国名産自慢大会」は企画サイドとして大成
功であったと考えています。次回もより良い形式で引き継がれていただければ嬉しいです。
233
平成27年度年間活動報告
「終わりに~今後の夏期セミナーに向けて」
日本プライマリ・ケア連合学会
医学生・若手医師支援委員会委員長
筑波大学医学医療系 地域医療教育学 吉本
尚
群馬家庭医療学センター センター長 高柳 亮
夏期セミナーに初めて参加したときは衝撃を受けました。自分の大学にも家庭医療・総合診療
というものに興味を持っている人がいましたが、こんなにも多くの仲間が全国にいることに驚き、
それ以来「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー」に参加することが定例行事となりま
した。一般参加者、学生スタッフ、初期研修医スタッフ、講師、学会運営側と様々な形で関わり
続けてきましたが、いつも参加者および運営スタッフからやる気と元気をもらっています。
区切りの良い平成元年から開催され続けてきた本会のこれまでの歴史を尊重しながら、スタッ
フの皆さんのチャレンジ精神・新しい時代感覚を大切に、夏期セミナーの盛会および全国の学
生・研修医のジェネラリストに関わる学習・キャリア支援のために今後も努力していきたいと考
えています。
本会は本当に多くの方々に尽力・支援いただき成り立っていることを感じます。理事長、副理
事長、学会役員を始め、日本プライマリ・ケア連合学会全体として、学生・研修医部会の活動、
夏期セミナーの開催に関して多大なサポートをいただいています。講師の皆様には各地での自主
的な勉強会等も含め、魅力的な講演、セッションを提供いただいています。運営上、残念ながら
セッション数を絞らざるを得ませんでしたが、第 27 回の夏期セミナーには公募セッションに 50
以上もの立候補があり、講師の皆様の教育に関する強い熱意を改めて実感しました。
自分自身の学業、部活、学生会などで多忙な中、学生・研修医部会の学生・研修医スタッフが
自主的に運営を行っていることは特筆すべき特徴です。全国のスタッフと様々な工夫を用いてチ
ームで運営を行うノウハウは、今後医療者として仕事をしていく中で確実に役立つと実感してい
ます。参加希望者の皆様にも毎年大きな期待と関心を持っていただけていることをうれしく思い
ます。
平成 26 年度の本会において参加者が急性アルコール中毒を生じ、入院するという事態が発生
しました。学生が多く集まる本会において、初めてアルコール関連問題が生じたことを重く受け
止め、今年度からこれまで行っていたアルコール関連問題対策の周知徹底強化、および新たに未
成年者の同定、懇親会に提供するアルコール濃度・量のコントロールなどを行っております。参
加者、スタッフ、講師におかれましては窮屈さを感じるかもしれませんが、本会の継続のために
ご理解・ご協力いただけましたら幸いです。
多くの方々のご尽力、ご支援に対して、この場をお借りして改めて感謝の言葉を捧げたいと思
います。ぜひ、今後とも変わらぬご支援をいただけますと幸いです。
234
平成27 年度
年
間
活
動
報
告
書
平成28 年 11 月21 日 発行
編
集 日本プライマリ・ケア連合学会
学生・研修医部会、医学生・若手医師支援委員会
平田
発
ま い の 、吉本 尚、高柳 亮
行 日本プライマリ・ケア連合学会