空調システムの最適化を目的とした統合的設計と運転

H-35
空調システムの最適化を目的とした統合的設計と運転に関する研究
(第 15 報)冷却塔制御方式による省エネルギー
A Study on the Integration Oriented Design and Operation to Optimize of the Air-conditioning
System Performance
Part 15: The Energy Conservation by the Method of Controlling the Cooling Tower
正 会 員
○市川
卓也
(㈱山下設計)
正 会 員
下田
吉之
(大阪大学)
特別会員
松尾
陽
(東京大学)
Takuya ICHIKAWA*1
*1 Yamashita Sekkei Inc.
Yoshiyuki SHIMODA*2
*2 Osaka University
Yoh MATSUO*3
*3 Tokyo University
One of the main purposes of this research is to pursue the possibility of energy conservation by controlling the main
heat source equipments, especially cooling tower. In this report, we will propose the method of controlling the
cooling tower and report the measured data. Also, we will propose review method of how to save the energy
from the site of building and the operating characteristics.
はじめに
本研究の目的のひとつとして、熱源廻りの省エネルギ
ー手法、特に冷却塔の制御による省エネルギーの可能性
追究が挙げられている。既報第 1 報(1)の全体概要に続
き、第 5 報(2)では熱源機の冷却水入口温度をその下限
値で安定させることが省エネルギーのポイントとなるこ
とを示した。また、第 10 報(3)では熱源機の出荷時の設
定および自動制御の竣工図より現状の冷却水・冷却塔廻
りの省エネルギー手法の普及について調査した。
そこで、
本報では冷却塔制御方式の提案とその実測データについ
て報告するとともに、施設の立地や運転特性による省エ
ネルギー化の検討方法を提案する。
とが省エネルギー化につながるものと考える。
ここでは従来の冷却塔制御方式に対し、2 種類の冷却
塔制御方式を提案し、その実測データを報告する。
1.1 従来の冷却塔制御
ここではファン台数制御と冷却水バイパス制御を含ん
だ制御フローを従来の方式として図1に示す。
1.冷却塔制御方式の提案
冷却塔廻りの制御方式について、近年の竣工実績につ
いて制御メーカーにヒアリングを行った(第 10 報(3)
よりデータを追加)
。
その結果から冷却塔ファンの発停制
御と台数制御はほぼ二分しており、熱源機保護のための
冷却水バイパス制御を併設していることが分かる。第 5
報(2)で示した通り、ファン発停制御ではオーバーシュ
ートが発生し、
ファン台数制御ではオフセットが生じる。
そのため熱源機の冷却水入口温度は下限値より上に設定
するか、下限値より上で保持されてしまう。また、バイ
パス制御は冷却塔で下げた冷却水温度をポンプ動力を使
って熱源機出口側と混ぜることとなり、省エネルギーに
ならない。これらの問題点を解消し、冷却水の下限設定
を熱源機の許容下限値になるべく近づけて安定させるこ
空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2010.9.1 〜 3(山口)}
-1559-
リレー回路
MS:モニタスイッチ
TIC:温度指示調節計
MS(x4)
*
TIC
ブロー
TEW1
BFV
*
TIC
BFV
TEW2
冷凍機
*
制御項目
1.冷却塔ファンON/OFF制御
1台目
ON
冷却塔出口温度(TEW1)が設定温度になるよう
に、冷却塔ファンのON/OFF制御(2段)を行う。
△
設定1
2台目
ON
△
設定2
冷却塔
出口温度
2.冷却水バイパス弁制御
冷却水往温度(TEW2)が設定値以下となった場
合、バイパス弁の比例制御を行う。
3.インターロック制御
バイパス側2方弁
開
度
ファン停止時はブロー弁を閉とする。
△ 冷却水温度
SP
図1 従来の冷却塔制御(ファン台数制御+バイパス制御)
1.2 バイパス弁フィードフォワード制御
従来は冷却塔ファンの台数制御と冷却水バイパス制御
を別々の制御装置でコントロールしていた。
これに対し、
両者を同一の DDC にて制御(または通信により一括制
御)し、ファン起動と同時にバイパス弁の比例制御を行
う。最小限のバイパス弁開放によりオーバーシュートを
相殺し、冷却水下限値を下回ることなく運転できる。都
内某大学の事例として図2に制御フロー、図3に実測デ
ータを示す。
中央と通信
DDC:デジタル式調節器
DDC
1.3 ファンインバータ制御
冷却水の冷却塔出口温度低下に対し、ファンの周波数
を下げることにより冷却能力を下げ、設定下限値を下回
らないように制御する。
ファンの急激な起動を避けることができるため、オー
バーシュートは発生しない。静岡県某ホテルの事例とし
て図4に制御フロー、図5に実測データを示す。ここで
は設定値の 22℃に対し、±0.5℃の範囲で制御されてい
る。これは温度センサの精度が±0.3℃であることを考慮
すると、制御性は良好であると判断できる。
SCS:システムコアサーバ
中央と通信
INV
DDC
INV
ブロー
ブロー
t2:冷却塔出口温度
TEW1
SCS
DDC
t1:冷凍機
出口温度
BFV
t3:冷凍機入口温度
BFV
BFV
冷凍機
TEW2
INV
冷凍機
制御項目
1.冷却塔ファンON/OFF制御
1台目
ON
制御項目
1.冷却塔ファンON/OFF制御及びインバータ制御
2台目
ON
△
冷却塔
設定2 出口温度
△
設定1
2.冷却水バイパス弁制御
バイパス側2方弁
冷凍機入口温度(t3)が設定値以下となった場合、
バイパス弁の比例制御を行う。また、冷却塔出口 開
温度低下時は、バイパス弁制御のフィードフォ
度
ワード制御を行う。(バイパス弁を開方向へ補正す
る。)ファンOFF→ON時に冷却水熱源入口温度を
下記フィルタ出力で補正しバイパス弁を制御す
る。
冷却塔出口温度(TEW1)が設定温度になるように、冷却塔ファンのON/OFF制御及び
ファンのインバータ制御を行う。ファンを起動しても冷却塔出口温度が上昇する場合は、
インバータ回転数を上昇させる。但し、冷却塔出口温度は冷凍機保護のため、下限値を
下回らないように制御する。
P
I
出
力
△ 冷凍機
SP 入口温度
0.8
min
0
T 2s
(T 1s +1)(T 2s +1)
△
SP
T 1=10min T 2=5min s :ラプラス演算子
K =3℃ ファン0台→1台
K =2℃ ファン1台→2台
0
10
20
30
40
50
経過時間(min)
開
度
ファンNo.1
冷却水熱源入口温度
冷却水ポンプINV出力
冷凍機出口温度
図4 ファンインバータ制御フロー
ファンNo.2
冷却水冷却塔入口温度
バイパス弁開度
冷却水出口温度設定
冷却水冷却塔入口温度
冷却水冷却塔出口温度
100
30
45
90
28
40
80
35
70
30
60
25
50
20
40
15
30
10
20
5
10
0
0
13
14
15
16
17
△ 冷却水温度
SP
ファン停止時はブロー弁を閉とする。
18
19
バイパス弁開度(%MV),インバータ出力(%)
冷水瞬時熱量(×10USRT)
ファンNo.2運転
冷却水熱源入口温度
24
22
20
18
16
14
12
10
20 時
9
図3 某大学での実測データ(2009 年 5 月 27 日)
空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2010.9.1 〜 3(山口)}
ファンNo.1運転
外気湿球温度
ファンINV出力
26
温度(℃),湿球温度(℃WB)
温度(℃),湿球温度(℃WB)
100 PI出力
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
200
190
180
170
160
150
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
21 時
図5 某ホテルでの実測データ(2009 年 6 月 17 日)
-1560-
ファンインバータ出力(%)
冷却水出口温度設定
外気湿球温度
冷却水冷却塔出口温度
冷水瞬時熱量
12
60
3.インターロック制御
図2 バイパス弁フィードフォワード制御フロー
11
30
バイパス側2方弁
冷却水往温度(TEW2)が設定値以下となった場
合、バイパス弁の比例制御を行う。
0
10
0
100
冷凍機出口温度によりポンプINVの比例制御を行
い、冷却水の変流量制御を行う。
9
0
冷却水温度
2.冷却水バイパス弁制御
-0.8
Δt
3.冷却水ポンプ変流量制御
50
2
1
0
INV出力
K
INV出力(%)
100
100
ファン台数
冷却塔出口温度(t2)が設定温度になるように、冷
却塔ファンのON/OFF制御(2段)を行う。
熱源種別
冷温水発生機/ターボ冷凍機
熱源運転時間
12 時間(8∼20 時)、平日(月∼金)261 日
/ 24 時間、365 日
地域別
札幌/仙台/東京(名古屋/大阪/福岡)/那覇
負荷率
1.0(定格) / 0. 8/ 0.6
冷却水温度下限
20℃(冷温水発生機)、15℃(ターボ冷凍機)
/26℃(20℃に対し、オーバーシュート分を上げた設
定として仮定)
入口温度(負荷率1.0)
出口温度(負荷率1.0)
COP(負荷率1.0)
2.1 外気湿球温度の出現頻度
図6に東京における外気湿球温度の出現頻度を熱源運
転時間別(12 時間/24 時間)で示す。累積出現頻度を
見ると、12 時間(平日 261 日(月∼金)8∼20 時:年間
3,132 時間)と 24 時間(365 日 24 時間:年間 8,760 時
間)では傾向に大きな違いはないことが分かる。これは
他の地域についても同様な結果であった。
また、各地域の月別平均外気湿球温度は図7のように
なる。これを見ると、東京・名古屋・大阪・福岡につい
ては、
冬期においては若干の差異が見受けられるものの、
大きな違いがないことが分かる。
出現時間[h/年]
12h
12h累積
80%
700
70%
600
60%
500
50%
400
40%
300
30%
200
20%
100
10%
0
-1
1
3
5
7
9
11 13 15 17 19 21
外気湿球温度[℃WB](表示の前後1℃の集計)
23
25
冷却水温度[℃]
20
1.4
15
1.3
負荷率=1.0
②外気湿球温度=9.4℃WB
-4
-2
0
15
10
6月
7月
8月
9月
10月
8 10 12 14 16 18
③COP=7.56
外気湿球温度[℃WB]
20
22
24
26
28
1.0
8.0
7.5
7.0
20
6.0
①下限設定(15℃)
15
10
負荷率=1.0
0.8
5 ②外気湿球温度
=1.6℃WB
5.5
5.0
0.6
5.0
7.9
4.5
ターボ冷凍機
0
4.0
-4
-2
0
2
4
6
8 10 12 14 16
外気湿球温度[℃WB]
18
20
22
24
26
28
図8 外気湿球温度と冷却水温度、熱源単体 COP の相関
項目
福岡
名古屋
仙台
-10
5月
1.1
冷温水発生機
6.5
負荷率
5
4月
14.4
<冷温水発生機>
20
3月
6
12.0
1.2
25
0.6
0.8
1.0
項目 負荷率
0.6
COP
0.8
1.0
<ターボ冷凍機>
2月
4
0.6
7.16
6.49
冷却塔
出口
温度
1月
2
30
項目
-5
0.8
表2 湿球温度と冷却塔出口温度、冷凍機単体 COP の相関式
25
平均湿球温度[℃WB]
1.5
①下限設定(20℃)
35
30
那覇
大阪
東京
札幌
1.6
1.54
27
図6 東京における外気湿球温度の出現頻度
0
1.53
25
0
40
0%
-3
1.7
5
90%
800
35
10
累積出現頻度[%]
24h
24h累積
900
1.8
③COP=1.50
100%
入口温度(負荷率0.6)
出口温度(負荷率0.6)
COP(負荷率0.6)
40
30
冷却水温度[℃]
1,000
入口温度(負荷率0.8)
出口温度(負荷率0.8)
COP(負荷率0.8)
COP[−]
表1 検討項目
2.2 外気湿球温度と熱源機 COP の相関関数
外気湿球温度により冷却水の冷却塔出口温度が決まる。
「冷却塔出口温度=冷凍機入口温度」とすると、熱源機
単体 COP が決まる。
外気湿球温度による冷却水温度と熱源機単体 COP の
相関グラフ(図8、第 5 報(2))を読み解くと、例えば冷
温水発生機で負荷率 1.0(定格)では、①冷却水入口温
度下限値を 20℃とすると、②外気湿球温度 9.4℃WB ま
では最大限冷却水を冷却でき、③そのときの熱源機単体
COP は 1.50 となる。同様に、負荷率 0.8 のときは COP
=1.53、負荷率 0.6 のときは COP=1.54 となる。
これらの熱源機負荷率ごとの線形について、冷却塔出
口温度及び熱源機単体 COP は外気湿球温度の二次関数
でほぼ近似している。熱源種別・負荷率の各条件におけ
る冷却水温度および熱源単体 COP の算出近似式を表2
に示す。
COP[−]
2.設定条件別熱源 COP
前項での冷却塔廻りの制御は、理論上は省エネルギー
になることを示したが、実際の施設の設計・運用におい
ては、施設の冷熱需要・稼動時間・立地条件によってそ
の効果は異なり、一概に全ての施設において省エネルギ
ー効果が発揮されるものとは限らない。そこで、表1の
種別ごとに効果を検討し、今回提案した冷却塔廻りの制
御の導入の有効性について目安を示す必要がある。
11月
図7 各地域の月別平均外気湿球温度
空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2010.9.1 〜 3(山口)}
12月
負荷率
0.6
冷却塔
出口
0.8
温度
1.0
項目 負荷率
0.6
COP
0.8
1.0
-1561-
近 似 式
湿球温度(tw)より冷却塔出口温度を求める
0.0015 tw2 + 0.7135 tw + 9.4420
0.0030 tw2 + 0.6077 tw + 12.269
0.0045 tw2 + 0.5082 tw + 14.829
湿球温度(tw)より冷凍機単体COPを求める
-0.000010 tw2 + -0.0124 tw + 1.7160
-0.000020 tw2 + -0.0102 tw + 1.6523
-0.000040 tw2 + -0.0083 tw + 1.5789
冷却水下限値となる湿球温度
20℃
26℃
14.4 ℃WB
22.2 ℃WB
12.0 ℃WB
20.5 ℃WB
9.4 ℃WB
18.8 ℃WB
20℃時のCOP 26℃時のCOP
1.54
1.44
1.53
1.43
1.50
1.41
近 似 式
湿球温度(tw)より冷却塔出口温度を求める
0.0023 tw2 + 0.6872 tw + 9.4295
0.0034 tw2 + 0.6002 tw + 11.912
0.0045 tw2 + 0.5162 tw + 14.155
湿球温度(tw)より冷凍機単体COPを求める
-0.000070 tw2 + -0.0734 tw + 7.0702
-0.000300 tw2 + -0.0688 tw + 7.5138
-0.000500 tw2 + -0.0616 tw + 7.6641
冷却水下限値となる湿球温度
20℃
26℃
7.9 ℃WB
22.4 ℃WB
5.0 ℃WB
21.0 ℃WB
1.6 ℃WB
19.6 ℃WB
20℃時のCOP 26℃時のCOP
6.49
5.39
7.16
5.94
7.56
6.26
表3に各地域の月別外気湿球温度平均値を示す。
表2の近似式と表3の湿球温度を用いて地域別、運転
時間別、負荷率別の、各月の平均外気湿球温度における
熱源機単体 COP を整理することができる。東京での計
算例を表4に示す。
表3 各地域の月別外気湿球温度平均値(運転時間別)
地域
稼動時間
12h
24h
12h
仙台
24h
12h
東京
24h
12h
名古屋
24h
12h
大阪
24h
12h
福岡
24h
12h
那覇
24h
札幌
1月
-3.43
-4.55
0.42
-0.52
3.02
2.14
3.02
2.56
3.71
3.06
5.30
4.25
14.12
14.19
2月
-3.19
-4.26
1.20
-0.17
3.22
2.13
2.81
1.83
4.23
3.04
3.86
3.74
14.26
13.68
3月
-1.32
-1.59
3.15
2.28
5.46
5.03
5.98
5.51
7.78
6.14
8.16
7.09
16.98
16.10
4月
6.02
4.16
7.60
7.12
10.77
10.34
12.30
10.82
11.28
10.76
11.95
11.49
19.50
19.23
5月
9.49
8.75
12.96
12.12
15.31
14.89
15.91
15.36
16.17
15.57
15.72
15.20
21.04
20.64
6月
14.37
13.20
16.49
16.16
19.00
18.45
19.83
19.38
19.70
19.49
20.68
20.11
25.33
24.67
7月
18.23
17.63
20.65
19.93
23.00
22.40
23.61
23.03
23.10
22.82
23.89
23.45
26.26
26.02
8月
19.06
18.21
21.40
21.07
23.28
23.04
23.37
23.07
23.92
23.25
24.58
24.02
26.02
25.83
9月
15.45
14.76
18.65
18.26
21.08
21.13
20.46
20.01
21.99
21.00
20.24
20.33
24.07
23.85
10月
9.18
9.26
13.04
12.09
16.16
14.93
16.29
15.16
15.96
14.97
16.71
15.51
21.55
21.30
11月
2.65
2.34
7.81
7.05
9.72
9.24
9.72
8.74
10.51
10.23
10.83
10.36
19.04
18.55
12月
-1.82
-2.48
2.14
1.87
4.90
5.15
4.90
4.11
6.37
5.89
7.56
6.80
15.76
15.46
表4 運転時間別、負荷率別、月別熱源機単体 COP(東京)
機種 下限値 負荷率
12h
20℃
冷
温
水
発
生
機
26℃
24h
20℃
26℃
12h
15℃
ー
タ
ボ
冷
凍
機
26℃
24h
15℃
26℃
表5
平均WB
0.6
0.8
1.0
0.6
0.8
1.0
平均WB
0.6
0.8
1.0
0.6
0.8
1.0
平均WB
0.6
0.8
1.0
0.6
0.8
1.0
平均WB
0.6
0.8
1.0
0.6
0.8
1.0
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
3.02 3.22 5.46 10.77 15.31 19.00 23.00
1.54 1.54 1.54 1.54 1.52 1.48 1.43
1.53 1.53 1.53 1.53 1.49 1.45 1.41
1.50 1.50 1.50 1.48 1.44 1.41 1.37
1.44 1.44 1.44 1.44 1.44 1.44 1.43
1.43 1.43 1.43 1.43 1.43 1.43 1.41
1.41 1.41 1.41 1.41 1.41 1.41 1.37
2.14 2.13 5.03 10.34 14.89 18.45 22.40
1.54 1.54 1.54 1.54 1.53 1.48 1.43
1.53 1.53 1.53 1.53 1.50 1.46 1.41
1.50 1.50 1.50 1.49 1.45 1.41 1.37
1.44 1.44 1.44 1.44 1.44 1.44 1.43
1.43 1.43 1.43 1.43 1.43 1.43 1.41
1.41 1.41 1.41 1.41 1.41 1.41 1.37
3.02 3.22 5.46 10.77 15.31 19.00 23.00
6.49 6.49 6.49 6.27 5.93 5.65 5.34
7.16 7.16 7.13 6.74 6.39 6.10 5.77
7.47 7.46 7.31 6.94 6.60 6.31 5.98
5.39 5.39 5.39 5.39 5.39 5.39 5.34
5.94 5.94 5.94 5.94 5.94 5.94 5.77
6.26 6.26 6.26 6.26 6.26 6.26 5.98
2.14 2.13 5.03 10.34 14.89 18.45 22.40
6.49 6.49 6.49 6.30 5.96 5.69 5.39
7.16 7.16 7.16 6.77 6.42 6.14 5.82
7.53 7.53 7.34 6.97 6.64 6.36 6.03
5.39 5.39 5.39 5.39 5.39 5.39 5.39
5.94 5.94 5.94 5.94 5.94 5.94 5.82
6.26 6.26 6.26 6.26 6.26 6.26 6.03
網掛け部分は冷却水温度が下限設定値となる部分
8月
23.28
1.42
1.40
1.36
1.42
1.40
1.36
23.04
1.43
1.41
1.37
1.43
1.41
1.37
23.28
5.32
5.75
5.96
5.32
5.75
5.96
23.04
5.34
5.77
5.98
5.34
5.77
5.98
9月
21.08
1.45
1.43
1.39
1.44
1.43
1.39
21.13
1.45
1.43
1.39
1.44
1.43
1.39
21.08
5.49
5.93
6.14
5.39
5.93
6.14
21.13
5.49
5.93
6.14
5.39
5.93
6.14
10月 11月 12月
16.16 9.72 4.90
1.51 1.54 1.54
1.48 1.53 1.53
1.43 1.49 1.50
1.44 1.44 1.44
1.43 1.43 1.43
1.41 1.41 1.41
14.93 9.24 5.15
1.53 1.54 1.54
1.50 1.53 1.53
1.45 1.50 1.50
1.44 1.44 1.44
1.43 1.43 1.43
1.41 1.41 1.41
16.16 9.72 4.90
5.87 6.35 6.49
6.32 6.82 7.16
6.54 7.02 7.35
5.39 5.39 5.39
5.94 5.94 5.94
6.26 6.26 6.26
14.93 9.24 5.15
5.96 6.39 6.49
6.42 6.85 7.15
6.63 7.05 7.33
5.39 5.39 5.39
5.94 5.94 5.94
6.26 6.26 6.26
3.月別熱源機単体 COP 表の使用例
前項で求めた表4を利用して熱源機単体 COP を簡易
に検討した例を表5に示す。施設の冷熱源台数と月別の
冷熱負荷率を設定することにより、熱源機単体 COP と
冷水・冷却水流量を算出している。この結果に熱源の入
力エネルギー・ポンプ動力等を加えれば、熱源システム
の年間消費エネルギーが求められる。冷却水温度下限値
の設定を変えることにより、1.で提案した冷却水を下
限値に近づける制御を採用した場合の効果が推定できる。
まとめ
冷却水温度を熱源機の許容下限値に近づけるための冷
却塔廻りの制御方法を提案した。この制御方法を導入す
ることによる効果を簡易に算出する方法も示した。ただ
し、施設の立地や運用特性によってはその効果が小さい
ことも十分にあり得るため、採用に当っての設計者の検
討と判断が必要になる。
【謝辞】本発表は、空気調和・衛生工学会「空調システムの統
合的設計と運転に関する研究委員会」成果報告に基づくものあ
る。本研究の社会的必要性に着目して、研究委託を頂いた関西
電力株式会社殿、東京ガス株式会社殿に感謝の意を表する。ま
た、実測データを提供頂いた大学・ホテルの関係者、データ取
得にご協力頂いた株式会社山武の担当者に感謝の意を表する。
参考文 献
1) 田中・松尾・坂本・下田 他:空調システムの最適化を目的とした統合的設
計と運転に関する研究(第1 報)研究の目的と構成
平成19 年度空気調和・衛生工学会学術講演論文集,2007.9
2) 市川・中島・下田・松尾:空調システムの最適化を目的とした統合的設計
と運転に関する研究(第 5 報)熱源システムの設定変更による省エネ
ルギー効果 平成20 年度空気調和・衛生工学会学術講演論文集,
2008.8
3) 市川・中島・下田・松尾:空調システムの最適化を目的とした統合的設計
と運転に関する研究(第10 報)熱源廻りの省エネルギー手法に関する
実態調査 平成20 年度空気調和・衛生工学会学術講演論文集,2009.9
月別熱源機単体 COP 表(表3)の使用例
熱源機台数
設定負荷率
運転台数
運転台数比率
単体負荷率
単体COP
冷水流量比率
冷却水流量比率
<求め方>
熱源機台数
設定負荷率
運転台数
運転台数比率
単体負荷率
単体COP
冷水流量比率
冷却水流量比率
4台
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月 下限値
0.10
0.10
0.12
0.17
0.33
0.54
0.72
0.77
0.55
0.28
0.12
0.10
1台
1台
1台
1台
2台
3台
3台
4台
3台
2台
1台
1台
0.25
0.25
0.25
0.25
0.50
0.75
0.75
1.00
0.75
0.50
0.25
0.25
0.40
0.40
0.48
0.68
0.66
0.72
0.96
0.77
0.73
0.56
0.48
0.40
1.54
1.54
1.54
1.53
1.51
1.46
1.37
1.41
1.44
1.51
1.54
1.54
0.50
0.50
0.50
0.68
0.66
0.72
0.96
0.77
0.73
0.56
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
0.50
0.68
0.66
0.72
0.96
0.77
0.73
0.56
0.50
0.50
0.50
地域:東京
稼動:12h
下限値:20℃
熱源:冷温水発生機
熱源機の分割台数を設定する。
COP
負荷率=0.72 → COP=1.46
月別冷熱負荷率を設定する。
1.48
負荷を賄うための運転台数を設定する。
1.45
運転台数の比率(1/運転台数)を求める。
1.41
熱源機単体の負荷率(設定負荷率/運転台数比率)を求める。
負荷率
運転時間別、負荷率別のCOP表より月別のCOPを求める。
0.6
0.8
1.0
負荷率0.6以下は0.6の数値を使用。
単体COPの求め方(6月の例)
その他は0.8、1.0での値で直線補完する。(右図参照)
冷水流量の下限値を定め、単体負荷率と比較して多い方を冷水の流量比率とする。
冷却水流量の下限値を定め、単体負荷率と比較して多い方を冷却水の流量比率とする。
空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2010.9.1 〜 3(山口)}
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