住 居 手 当 一 趣 旨 1 二 支給対象者 1 1 借家・借間 1 2 持 家 3

 住 居 手 当
一 趣 旨
1
二 支給対象者
1
1 借家・借間
1
2 持 家
3
三 支 給 額
3
四 提 出 書 類
5
五 確 認
5
六 住居手当の認定事務の流れ
6
七 住居手当の通知文集
7
1 住居手当の運用について(H9.12.22)
7
2 住居手当の取扱いについて(H8.3.22)
11
3 異動職員の住居手当の取扱いについて(H6.3.1)
12
4 父母又は配偶者の父母から借り受けた住宅に
八
居住する住居手当の取扱いについて
13
質 疑 応 答
第1 居住関係
1 出張等の場合の住居の取扱
2 長期出張の研修地における住居の取扱
3 単身赴任者の留守宅に住居手当を支給する趣旨
4 在外日本人学校勤務者の住居手当について
16
16
17
17
第2 借家・借間に係る手当の支給範囲
1 控除額が設けられている理由
2 別棟住宅の取扱
3 別棟住宅の範囲
4 共有住宅を共有者間で賃借した場合の取扱
17
18
18
19
第3 家賃関係
1 使用料の解釈
2 配偶者等との共有名義で借り受けた住宅の家賃の取扱
19
19
3 兄弟との共同名義で借り受けた住宅の場合
4 店舗付き住宅の家賃相当額の取扱
5 借り受けた住宅に転貸部分がある場合の取扱
6 賄い付き下宿代の「食費等」の範囲
7 ウイークリーマンション入居者の取扱
20
20
20
21
21
第4 自宅に係る手当の支給範囲
1 「所有権を有する住宅」の解釈
2 未登記住宅の所有権の確認方法
3 立証書類が存在しない住宅の取扱
4 「所有権留保住宅」の解釈等
5 「譲渡担保住宅」の解釈等
6 撤去を命じられている住宅の取扱
7 相続した住宅の所有権の確認方法
21
22
23
23
23
24
24
第5 世帯主
1 「世帯主」の定義
2 職員である妻が住宅の所有者である場合の確認方法
3 収入のある者が2人以上いる場合の世帯主の確認方法
4 職員たる「同居配偶者」が世帯主となった場合
25
25
26
26
第6 新築・購入関係
1 「新築がなされた日(建築工事完了日)」の確認方法
2 「購入がなされた日(住宅の引渡しを受けた日)」の確認方法
3 建築工事の完了日の入居の取扱い
4 売買契約による取得住宅が、実態は贈与であった場合の取扱
5 「全部改築」の解釈
6 登記上は「増築」、実態上は「全部改築」という申し立ての取扱
26
27
27
28
28
28
第7 支給の始期及び終期
1 住居手当の支給要件を具備するに至った日
2 異動職員の住居手当の取扱
3 相続した住宅に係る手当の支給方法
4 支給の終期
5 離職・死亡職員の支給の終期
29
29
29
30
30
第8 その他
1 住居手当の月額の変更についての取扱
2 住宅の所在地が書類によって異なる場合
3 住居手当を支給されている職員が異動した場合の届出・認定の必要性
4 住居届の「新築・購入年月日」の記入方法
5 「給与の減額」と住居手当における取扱
30
31
31
31
31
住 居 手 当
一 趣 旨
近年、大都市を中心とした住宅難及び地価、建築費等の著しい高騰から、職員の負担する家賃・
借間代が高額になり職員の生計を相当圧迫するようになったこと、また民間会社等において社宅及
び住居手当等が一般化されていることなどにかんがみ昭和45年8月の人事院勧告に基づき創設され
た生活給的な手当である。
そして、自宅居住者に対しても、住居の維持費その他住居費用を負担している事情を考慮し、昭
和49年に支給範囲の拡大が勧告され、同年の給与法の一部改正によってそれがとり入れられ、今日
に至っています。
二 支給対象者
【熊本県一般職の職員等の給与に関する条例第九条の五】
【熊本県立学校職員の給与に関する条例第十条の四】
【熊本県市町村立学校職員の給与に関する条例第九条の三】
【熊本県職員の住居手当に関する規則】
[1] 借家・借間
①自ら居住するために、②住宅を借り受け、③月額○○円を超える家賃を支
払っている職員に支給される。
1 「自ら居住するため」とは
(1)職員自らが居住し、生活の本拠となっていること。
(2)出張、病気等により一時的に当該住宅に居住しないこととなる場合においても、居住して
いるものとして取り扱う。
(3)単身赴任の場合には、赴任先を生活の本拠とみなす。
(4)原則として、通勤手当上の住居及び住民票上の住宅と一致する。
※ 単身赴任手当受給者の留守家族の居住する借家・借間についても手当支給が該当するように
なった。(H8より)
2
「住宅(借家・借間)」とは
(1)職員の扶養親族(扶養手当上の扶養親族をいう。)が借り受けた住宅を含む。
(2)職員と扶養親族でない配偶者又は一親等の血族又は姻族が共同で借り受けている場合には、
職員が家賃を払っていても、その生計を主として支えている場合のみ該当する。
(3)職員が他の職員又は(2)に掲げる者以外の者と共同名義で住宅を借り受けている場合を
含む。
(4)職員が扶養親族でない父母又は配偶者の扶養親族でない配偶者の父母から当該父母の父母
の所有する別棟住宅を借り受けている場合を含む。
(5)次に掲げる住宅を除く。
①教育委員会が管理する住宅
②地方公務員共済組合から貸与された職員住宅
③職員の扶養親族でない配偶者、父母又は扶養親族でない配偶者の所有する住宅で、これらの
者が居住している住宅
④職員の扶養親族、配偶者の扶養親族又は扶養親族でない配偶者の所有する住宅
3
「月額○○円を超える家賃を支払う」とは
借家・借間に対する手当は、当初から公務員宿舎入居者以外で一定の額を超える家賃を支払って
いる職員に限って対象とするとともに、この一定額は公務員宿舎等入居者の負担している使用料
月額を一つの目安としている。
平成11年度現在の月額○○円とは12,000円である
4 「家 賃」とは
(1)次に掲げるものは家賃に含まない。
①権利金、敷金、礼金、保証金その他これに類するもの
②電気、ガス、水道等の料金
③団地内の児童遊園、外灯その他共同利用施設に係る負担金(共益費)
④店舗付住宅の店舗部分その他これに類するものに係る借料
(2)職員の扶養親族が借り受けている住宅を職員が転貸しを受けている場合当該扶養親族と貸
主との間の契約に係る家賃をもって「家賃」とする。
(3)職員が借り受けた住宅の一部を他の者に転貸ししている場合
職員の居住部分と転貸し部分との割合等を基準として算定した職員の居住部分に係る家賃に
相当する額をもって「家賃」とする。
(4)家賃の額が明確でないときは次の区分による額をもって家賃とすることになっている。
①居住に関する支払額に食費等が含まれているとき
支払額 ×
40
100
に相当する額をもって家賃とみなす
②居住に関する支払額に電気・ガス又は水道の料金が含まれているとき
支払額 ×
90
100
に相当する額をもって家賃とみなす
[2] 持 家
①その所有に関係する住宅に、②居住している職員で、③世帯主である職員に支給される。
1 「その所有に関係する住宅」とは
(1)職員(職員の扶養親族、同居している職員である配偶者又は同居配偶者の扶養親族を含む。
以下「職員等」という。)が所有権を有する住宅
(2)職員等が所有権の移転を一定期間留保する契約により購入した住宅
(3)職員等が譲渡担保のための移転をしている住宅
2 「居住している」とは
借家・借間の「自ら居住するため」を参照
3 「世帯主」とは【住居手当に関する規則第4条】
主としてその収入によって世帯の生計を支えている者をいい、原則として住民票上の世帯主を
いう。
職員又はその扶養親族たる者と職員の配偶者又は一親等の血族もしくは姻族であるものが共有
している住宅に当該職員と当該配偶者等が同居しているときは、これらの同居している者全員で
一つの世帯を構成しているものとする。
(1)夫が住民票上の世帯主である場合
①夫の収入が妻の収入より多少(1割以下)少なくても夫を世帯主とする。
②夫の収入が妻の収入より極端に少ない場合には、収入証明書等により妻をを世帯主とする。
(2)妻が住民票上の世帯主である場合
①妻の収入が夫の収入より多少(1割以下)少なくても妻を世帯主とする。
②妻の収入が夫の収入より極端に少ない場合には、収入証明書等により妻を世帯主とすること
ができる。
(3)夫婦以外の者が住民票上の世帯主である場合
世帯全員の収入証明書等をとり、収入額と社会通念等を勘案した上で世帯主を決定する。
三 支 給 額 【熊本県一般職の職員等の給与に関する条例第九条の五】
【熊本県立学校職員の給与に関する条例第十条の四】
【熊本県市町村立学校職員の給与に関する条例第九条の三】
【熊本県職員の住居手当に関する規則】
1 新 築
(1)通常の「新築以外に、従前の住宅をすべて解体してその材料を用い、同一場所或いは他の
場所に住宅を建築することを含む。
(2)職員の扶養親族等が新築・購入した場合で、当該扶養親族等が死亡したときは、その死亡
年月日をもって「新築」でなくなる。
(3)工事完了日をもって新築がなされた日とみなす。
2 購 入
(1)通常の「住宅購入」以外に、交換契約により又は債務の弁済として住宅を取得した場合を
含む。
(2)住宅金融公庫等から他人名義で融資を受けている場合には、事実上職員がその住宅を管理
していても所有権があるとはみなさず公庫等が定めた一定年経過後、職員に名義を変更した
場合のみに名義変更の日をもって購入した日とみなす。
(3)住居の引渡しを受けた日をもって購入がなされた日とみなす。
3 住居手当は、扶養手当と同様給料の支給定日にその月の全額を支給するのが原則とされている
が、職員が月の中途で休職(公務上又は通勤傷病によるものを除く。)、育児休業、専従許可、
停職、復職、非常時払いの時は、扶養手当と同様日割計算によって支給する。
4 手当額(H11.4.1現在)
○家賃(A)≦23,000
借
家賃額からの足きり額
12,000 円
(A)−12,000
全額支給限度額
11,000 円
○23,000<(A)≦55,000
((A)−23,000)/2+11,000
1/2加算額
16,000 円
家
○(A)>55,000
支給限度額
自宅
27,000 円
3,500 円
27,000
(百円未満切り捨て)
※ 単身赴任手当受給者の留守家族の居住する借家・貸間(月額12,000円を超える家賃支払い者に限
る)に対し現行手当額の2分の1の額を支給する。
四 提 出 書 類
1 職員は次の事項が発生したときは、「住居届」に支給要件を証明する書類を添付し、速やかに
提出しなければならない。
(1)新たに住居手当の支給対象者となるとき
(2)転居したとき(住居手当支給月額に変更がないときを含む。)
(3)契約関係の変更のあったとき(契約の更新及び住居手当支給月額に変更がない時を含む)
(4)家賃の改定があったとき(住居手当支給月額に変更がないときを含む。)
(5)住宅の所有関係に変更のあったとき(住居手当支給月額に変更がないときを含む。)
(6)住居手当が支給されなくなるとき
(7)その他住居手当支給要件に変更を生じたとき
※ 住居届の「事実の発生年月日」は
ア 借家等の職員については、「居住」「借り受け」「支払」の3要件をすべて満たすに至
った日をいう。
イ 持ち家の職員については、「所有」「居住」「世帯主」の3要件をすべて満たすに至っ
た日をいう。
2 添 付 書 類
(1)借家・借間の場合
①居住している住宅に係る契約関係を明らかにする書類(例 契約書、領収書等の写し)
②共同借用Aに該当する場合、上記①の他に世帯主であることを証明する書類を必要とする (例 住民票等)
(2)自宅の場合
①新築の場合 ア 居住している住宅が職員の住宅であることを証明する書類(例 建物登記済証、建物登
記簿の謄本、建築請負契約書、建築物の確認通知書、不動産取得税申告書等)
イ 世帯主であることを証明する書類
②購入の場合
ア 居住している住宅が購入された職員の住宅であることを証明する書類(例 建物登記済
証、建物登記簿の謄本、売買契約書、不動産取得税申告書等)
五 確 認
規則第九条により任命権者は、現に住居手当の支給を受けている職員が、一般職員の給与に関す
る条例第9条の5第1項又は県立学校職員の給与に関する条例第10条の4第1項の職員たる要件を
具備しているかどうか、住居手当の月額が適当であるかどうか随時確認するものとする。(平成9
年3月認定権委任により、一部内容に変更有り、平成11年9月10日教人第910号「通勤手当等の
事務取扱について」−「給与のしおり−通勤手当P25に掲載」を参照)
六 住居手当の認定事務の流れ
事実発生
↓
届の作成
↓
出
提 出
↓
受 理
↓
確 認
届出をしなければならない事由が発生。
届
届出者が住居届を記入
届出者が認定権者(実務上は事務職員)へ届と添付書類を提出
認定権者は、必要事項が正しく記入されているか、必要な添付書類が添えられ
ているかを確認のうえ受理
借家・借間
①家賃の金額、支払開始日
の確認
②契約者、契約期間の確認
③入居日の確認
確
認
↓
認定欄の記入
住宅の種類欄(79∼80カラム )
種類に応じてコード番号を記入
自宅の場合は支給・非支給でコードが異なる
家賃の月額欄(81∼86カラム )
借家等で手当の対象となる場合のみ家賃の月額を記入
※共益費、駐車場代、水光熱費、食費などは対象外
住宅の新築・購入年月日欄(87∼93カラム )
自宅で手当の支給対象となる場合のみ記入
支給開始停止等年月日欄(94∼98カラム )
支給開始・停止の年月を記入。空欄は「0」で埋める。
及
び
決
↓
決 裁
定
自宅
①居住の確認
②所有の確認
③世帯主の確認
④新築・購入の確認
校長は、支給要件を具備しているか、支給開始年月日等は適当かを確認のう
え決裁
↓
認定印(公印
の押印
↓
教育事務所への提出
↓
電算入力・支給
↓
給与明細等の確認
学校長の職印を押印
※提出用については、決済印・認定印の
押印は不要
ただし、認定年月日は記入すること
届出が正しく給与に反映されているかの確認
事後の確認
※決定とは・・届出者から提出された住居届をもとに、内容を確認し、住居手当額を決定する作業のこと。
校長の権限で行う。 実務処理は事務担当者が行う。
※受理とは・・届出を有効なものとして受領することをいい、単なる受付とは異なる。
◎届出の内容等に不備がないことを確認のうえ、受理した場合は、住居届に受理年月日を記入する。
※確認とは・・住居届の記入内容に不備はないか、支給要件を満たしているか、添付書類に不備はな
いか等を確認すること。
○ 住居手当の運用について
昭和49年12月23日人委第530号
平成9年12月22日人委第517号
任命権者あて熊本県人事委員会委員長
熊本県一般職の職員の給与に関する条例(昭和26年熊本県条例第2号。以下「一般職員給与条例」
という。)及び熊本県立学校職員の給与に関する条例(昭和29年熊本県条例第19号。以下「県立学校
給与条例」という。)並びに熊本県職員の住居手当に関する規則(昭和49年熊本県人事委員会規則第
29号。以下「規則」という。)の運用について下記のように定めたので、昭和49年4月1日以降の住
居手当については、これによって運用してください。
なお、これに伴い、昭和46年1月27日付人委第679号(住居手当の運用について)は、廃止しま
す。
記
一般職員給与条例第9条の5及び県立学校給与条例第10条の4関係
1 各条(一般職員給与条例第9条の5及び県立学校給与条例第10条の4をいう。以下この通知にお
いて同じ。)第1項第1号又は第2号に規定する住宅は職員が居住している住宅であって、当該職
員の生活の本拠となっているもの、同項第3号の「配偶者が居住するための住宅」は配偶者が居住
している住宅であって、配偶者の生活の本拠となっているものに限るものとする。
2 各条第1項第1条に掲げる職員については、次に掲げるところによる。
一 各条第1項第1条に掲げる職員には、職員の扶養親族たる者が借り受けた住居に居住し、家賃
を支払っている職員を含むものとし、職員が職員又はその扶養親族たる者と次に掲げる者(以下
「配偶者等」という。)とが共同して借り受けている住宅に当該配偶者等と同居し、家賃を支払
っている場合においては、その生計を主として支えている職員に限り同号に掲げる職員に含まれ
るものとする。
ア 職員の配偶者
イ 職員の一親等の血族又は姻族である者
二 一に定める場合を除き、住宅を借り受けた者と共にその借り受けに係る住宅に居住している職
員は、家賃を事実上負担している場合においても、各条の第1項第1号に掲げる職員たる要件を
具備している職員には該当しない。
3 各条に規定する家賃については、次に掲げるところによる。
一
次に掲げるものは、家賃には含まれない。
ア 権利金、敷金、礼金、保証金その他これらに類するもの。
イ
電気、ガス、水道等の料金
ウ
団地内の児童遊園、外灯その他共同利用施設に係る負担金(共益費)
エ
店舗付住宅の店舗部分その他これに類するものに係る借料
二
職員がその借り受けた住宅の一部を他に転貸ししている場合には、自己の居住部分と当該転貸
部分との割合等を基準として算定した場合における自己の居住部分に係る家賃に相当する額を当
該職員の支払っている「家賃の額」として取り扱うものとする。
三
職員の扶養親族たる者が借り受けている住宅を職員に転貸している場合には、当該扶養親族た
る者と貸主との間に契約に係る家賃をもって住居手当の額の算定の基礎とするものとする。
4 各条第1項第2号の「その所有に係る住宅」とは、職員自らが所有権を有する住宅をいう。
5 各条第1項第3号に掲げる職員については、次に掲げるところによる。
一 各条第1項第3号に掲げる配偶者が居住するための住宅を借り受けている職員には、職員の扶
養親族たる者が借り受けた住宅に居住する配偶者がある職員で、その住宅の家賃を支払っている
ものを含むものとし、職員が配偶者の居住する住宅で次に掲げるものに係る家賃を支払っている
場合においては、その生計を主として支えている職員に限り同号に掲げる職員に含まれるものと
する。
ア 職員又はその扶養親族たる者と職員の一親等の血族又は姻族である者とが共同して借り受け、
当該一親等の血族又は姻族である者が居住している住宅
イ 職員又はその扶養親族たる者と職員の扶養親族でない配偶者とが共同して借り受けている住
宅
二 一に定める場合を除き、住宅を借り受けた者と共にその借り受けに係る住宅に居住する配偶者
がある職員は、家賃を事実上負担している場合においても、各条の第1項第3号に掲げる職員た
る要件を具備している職員には該当しない。
規則第2条関係
1 第1号の「人事委員会が定めるもの」は、特別の法律により設立された法人のうち、当該法人に
使用される者が、当該法律の規定により国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)第7条
の2の規定の適用について同条第1項に規定する公庫等職員とみなされる場合の法人とする。
2 第2号の「人事委員会がこれに準ずると認める住宅」は、次に掲げる住宅とする。
一 配偶者、父母又は配偶者の父母で、職員の扶養親族たる者以外のものが規則第3条第1号に規
定する契約により購入した住宅又はこれらの者が譲渡担保の目的で債権者にその所有権の一時的
な移転(以下「譲渡担保のための移転」という。)をしている住宅で、これらの者が居住してい
る住宅。
二 規則第3条関係の2の二に掲げる住宅又は同条関係の2の四に掲げる住宅
規則第3条関係
1 第1号及び第2号の「購入」には、交換契約により、又は債務の弁済として住宅を取得した場合
を含むものとする。
2 第3号の「委員会が定める住宅」は、次に掲げる住宅とする。
一 職員が譲渡担保のための移転をしている住宅。
二 職員の扶養親族たる者が譲渡担保のための移転をしている住宅
三 世帯主である職員と同居しているその配偶者(職員である者に限る。以下「同居配偶者」とい
う。)が、所有する住宅、規則第3条第1号に規定する契約により購入した住宅又は譲渡担保の
ための移転をしている住宅。
四 同居配偶者の扶養親族たる者に係る三に定める住宅
規則第4条関係
「人事委員会がこれに準ずると認める住宅」とは、次に掲げる住宅とする。
一 職員又はその扶養親族たる者と職員の配偶者又は1親等の血族若しくは姻族である者(以下 「配偶者等」という。)とが規則第3条第1号に規定する契約により共同して購入した住宅。
二 職員又はその扶養親族たる者と配偶者等とが共有していた住宅で職員又はその扶養親族たる者
と配偶者等とが譲渡担保のための移転をしている住宅。
規則第4条の3関係
1 「満18才に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子が居住するための住宅」は、当該子
が居住している住宅であって、当該子の生活の本拠となっているものに限るものとする。
2 この条に規定する職員には、職員の扶養親族たる者が借り受けた住宅に居住する熊本県職員の単
身赴任手当に関する規則(平成2年熊本県人事委員会規則第2号)第5条第2項第3号に規定する
満18才に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子(以下「単身赴任手当の支給要件に係る
子」という。)がある職員で、その住宅の家賃を支払っているものを含むものとし、当該子が職員
又はその扶養親族たる者と職員の一親等の血族又は姻族である者とが共同して借り受けている住宅
に当該一親等の血族又は姻族である者と同居し、職員がその家賃を支払っている場合においては、
その生計を主として支えている職員に限りこの条に規定する職員に含まれるものとする。
3 2に定める場合を除き、住宅を借り受けた者と共にその借受けに係る住宅に居住する単身赴任手
当の支給要件に係る子がある職員は、家賃を事実上負担している場合においても、この条に規定す
る職員たる要件を具備している職員には該当しない。
4 この条に規定する家賃は、一般職員給与条例第9条の5及び県立学校給与条例第10条の4関係の
3に定めるところと同様とする。
5 単身赴任手当の支給要件に係る子が居住する住宅のうち、次に掲げる住宅で、学生寮等単身赴任
手当の支給要件に係る子が職員と同居して生活を営むための住宅でないと明らかに認められる住宅
以外のもの(熊本県宿舎管理規則(昭和44年熊本県規則第22号)の規定による有料宿舎並びに規則
第4条の2に規定する職員宿舎及び住宅を除く。)は、この条の「人事委員会の定める住宅」とし
て取り扱うものとする。ただし、単身赴任手当の支給要件に係る子が2人以上ある場合において、
そのうちのいずれかの子が公署を異にする異動又は在勤する公署の移転(国家公務員等であった者
又は給与に関する他の条例の規定の適用を受けていた者から引き続き給料表の適用を受ける職員と
なった者にあっては、当該適用。以下同じ。)の直前の住居であった住宅に居住しているときは、
この限りではない。
一 公署を異にする異動又は在勤する公署の移転の直前の住居であった住宅から単身赴任手当の支
給要件に係る子が転居した場合における転居後の住宅(更に転居した場合における転居後の住宅
を含む。二において同じ。)
二 熊本県職員の単身赴任手当に関する規則第5条第2項第4号に規定する別居の直後の配偶者等
の住居である住宅。
三 その他一及び二に相当すると認められる住宅
規則第5条関係
1 住居届の様式は、各条第1項第1号又は第2号に掲げる職員については、別紙第1のとおりとし、
同項第3号に掲げる職員については、別紙第2のとおりとする。
2 第1項の「当該要件を具備していることを証明する書類」とは、次に掲げる職員の区分に応じて、
それぞれ次に掲げる書類又はこれらの書類の写しとする。
一 各条第1項第1号又は第3号に掲げる職員
契約書(契約者が作成されていない場合には、契約に関する当該住宅の貸主の証明書)、領収書
等当該住宅に係る契約関係を明らかにする書類。
二 各条第1項第2号に掲げる職員
住宅の譲渡等の契約書、建物登記簿の謄本等居住している住宅が同項に規定するものであること
を証明することのできる書類及び職員が世帯主であることを証明することのできる書類。 3 第1項の「職員の居住する住宅、家賃の額、住宅の所有関係等」とは、住居届に記入することと
されている事項をいう。
4 住居届は、職員が併任されている場合には、本務公署に届け出るものとする。
規則第6条関係
1 住居手当認定簿の様式は、各条第1項第1号又は第2号に掲げる職員については、別紙第1のと
おりとし、同項第3号に掲げる職員については、別紙第2のとおりとする。
2 住居手当を受けている職員が任命権者を異にして異動した場合には、異動前の任命権者は当該職
員に係る住居手当認定簿を当該職員から既に提出された住居届及び証明書類と共に異動後の任命権
者に送付するものとする。
3 任命権者は、職員の単身赴任手当の支給要件に係る子に係る住宅が規則第4条の3関係の5に該
当すると認めるに当たっては、あらかじめ人事委員会に協議するものとする。
規則第7条関係
家賃の額が明確でない場合における家賃の額に相当する額は、次に掲げる場合の区分に応じて、そ
れぞれ次に定めるとおりとする。
(1)居住に関する支払額に食費等が含まれている場合 その支払額の100分の40に相当する
額
(2)居住に関する支払額に電気、ガス又は水道の料金が含まれている場合その支払額の100分
の90に相当する額
規則第8条関係
1 第1項の「一般職員給与条例第9条の5第1項又は県立学校給与条例第10条の4第1項の職員た
る要件を具備するに至った日」とは、その要件のすべてを満たすに至った最初 の日をいう。
2 第1項の「届出を受理した日」の取扱いについては、扶養手当における取扱いの例による。 ・別紙住居届(住居実態調査票)及び住居手当認定簿の様式を次のように改める。
(平成10年2月2日から施行)
・別紙を次のように改め、別紙第1とし、別紙第1の次に次の別紙第2を加える。
(平成10年2月2日から施行)
「別紙第1」………住居届(住居実態調査票)及び住居手当認定簿
「別紙第2」………単身赴任手当受給者に係る配偶者の住居届(住居実態調査票及び住居手当認
定簿)
○ 住居手当の取扱について
平成6年3月31日教人第2222号
平成8年3月22日教人第2073号
各教育事務所長・各県立学校長あて熊本県教育長
住居手当の支給事務については、給与関係条例、人事委員会規則等の他に、平成6年4月1日から
下記により取り扱い願います。
なお、これに伴い、昭和50年2月8日付け教職第1527号(住居手当の取扱いについて)は廃止しま
す。
また、教育事務所については、市町村教育委員会を通じて管内の小中学校長(八代養護学校長を含
む。)に対し通知願います。
1 世帯主の認定基準について
(1)次に掲げる者を世帯主として取り扱う。
ア 住民票上の世帯主である者
イ 住民票上の世帯主ではないが、次のいずれかに該当する場合で、実質的に世帯の生計を支え
ている者
(ア)住民票上の世帯主を扶養親族としている場合。
(イ)職員の収入が住民票上の世帯主を上回る場合。
(職員の収入が住民票上の世帯主の収入を下回る場合であっても、その収入の差が1割
以内であるときは、職員を世帯主とすることができる。)
なお、収入の比較によって世帯主を認定することが適当でないと明らかに認められる
特別の事情があるときは、それぞれの家計の実態、住居費用の負担の実態等に即して判
断するものとする。
(2)世帯主であることを証明することのできる書類は次の書類とする。
(1)のア及びイの(ア)の場合…住民票の写
(1)のイの(イ)の場合 ………・住民票の写、住民票の世帯主及び職員の所得証明書 (これにより難い場合は他に収入を証するもの)
2 住居届の記入上の注意について
(1)記入にあたっては、住居届の裏面の「記入上の注意」事項をよく読んでから記入すること。
(2)「借家」及び「自宅」欄は、手当の支給対象となる者のみ記入すること。
(3)「自宅」の世帯主氏名欄には、住民票上の世帯主を記入し、届出職員との続柄及び収入額 (又は扶養手当認定済)を( )書記入すること。
3 添付書類について
「電子計算システムによる給与事務の手引」を参照すること。
※単身赴任者の住居手当について特例的な扱いを行ってきましたが、平成8年3月31日をもって廃
止されました。平成8年3月31日現在この特例により住居手当を受けている職員は、経過措置とし
て、次の異動又は特例の支給要件を欠くまでの間、引き続き特例を適用し支給されます。
○異動職員等の住居手当の取扱について
昭和58年3月1日教義第1613号
平成6年3月1日教人第2215号
各教育事務所長・各県立学校長あて熊本県教育長
このことについて、職員が学校を異にして異動した場合等の取扱いを下記のとおり定めたので通知
します。
なお、教育事務所長(県立学校長)にあっては、このことを貴管内職員(所属職員)に周知徹底さ
れるとともに今後の事務処理については遺漏のないよう措置願います。
記
1 職員が学校を異にして異動した場合において、赴任すべき期間内に熊本県立学校職員の給与に関
する条例第10条の4の第1項の職員たる要件を具備するとき(異動発令日以前に住宅を借り受け、
又は所有している場合に限る。)は、当該異動発令日を熊本県職員の住居手当に関する規則第8条
第1項に規定する「県立学校給与条例第10条の4第1項の職員たる要件を具備するに至った日」及
び同項ただし書きに規定する「事実の生じた日」として取り扱うものとする。
2 新たに職員として採用された場合においても、当該採用の日を1に準じて取り扱うものとする。
3 この取扱は、昭和58年4月1日から適用する。
○ 父母又は配偶者の父母から借り受けた住宅に居住する
住居手当の取扱について
(小豆郡「給与のしおり」より)
1 同居している父母又は義父母が所有する住宅を借り受けた場合については、規則2条第2項の
規定により、住居手当支給の適用除外職員に該当するため認定することができない。
一方同居していない場合については条例規則には特に規定はないが、人事院関東事務局長の照
会に対し人事院給与第三課長が回答した行政実例(昭和50年)によれば、
(1)父母又は義父母が所有している住宅を借り受けるということは、社会通念上正当な契約関
係であるとは認められない。
(2)父母又は義父母といえども、職員によってはその関係において緊密度に差があるため、正
式に契約を結び、確実にそれが履行されているという事実が確認できる場合で、別棟の住宅
を借り受けている場合には手当を支給できる。
従って、現在認定されているケースについては上記(2)に該当するものとして取り扱わ
れているはずである。
2 問題点
父母又は義父母が所有する住宅を借り受けている職員には、原則的には住居手当を支給するこ
とはできないが、特別な事情がある場合に限り、特例として支給するものである。
この場合の認定にあたっては、①別棟の住宅であること、②正式な契約書を交わしていること、
③家賃の支払いの事実を示す証拠書類があることの3つの要件が満たされていなければならない。
しかしながら、このうち②及び③については、相手方が父母等でなくても添付を義務づけられて
いるものであり、事実上別棟住宅であれば認定しているのが現状である。
従って、このような場合、果して父母等の契約関係が正当なものでありそれが確実に履行され
ているか、また、職員と父母の関係が賃貸借関係を結んで家賃を支払うほどドライなものかどう
かという点について非常に疑問がある。特に、昨日まで家賃を支払っていた住宅が父親の死亡に
より自己の所有になるというような例が多くなれば、第三者からこのような住居手当の認定その
ものが本当に妥当であったのかどうか、虚偽の申告に基づいて不正に手当を受給しているのでは
ないかという疑いを受けるということになりかねない。
(1)同一敷地内の別棟住宅について
同じ敷地内に父母又は義父母の住宅と職員の住宅が建てられている場合には、別棟であるとい
っても、社会通念上は実質同居である。屋根のある外廊下でつながっていたり、電気、水道、ガ
ス等の設備が別になっていないような場合は別棟とはいい難い。また、父母等と職員の緊密度と
いう視点からみても、このような賃貸借が社会通念上認められるものかどうか甚だ疑わしい。
(2)家賃支払の事実確認について
父母又は義父母との賃貸借契約が確実に履行されていることの証拠書類として、現在では認定
時に領収書の写しなどで確認している。しかし、ほとんどが手書きであり、客観性に欠ける。 また、認定時だけでなく恒常的に確認する必要がある。
(3)住宅の所有関係の把握について
父母又は義父母との関係は相続人と被相続人との関係でもある。また、生前贈与という可能性
もあり、貸借している住宅が職員やその配偶者の所有になることも考えられ、常に所有関係を確
認しておく必要がある。
(4)住居届の続柄欄に申告がない場合
住居届の続柄欄に「父」「義父」などの記載がなく、職員と貸し主の姓が異なっている場合は、
契約書と家賃の領収書が添付されていれば、通常の賃貸借として認定を行っている。従って認定
後において貸し主との血縁関係が判明したような場合には、事実関係を十分確認の上適正な措置
をとる必要がある。
3 今後の取り扱い
父母又は義父母が所有する住宅を借り受けている職員に対しては、まずは社会通念上認められ
ないということを指導徹底すべきである。やむを得ず認定する場合についても、そのような契約
関係が客観的にみて妥当なものであるかどうか、本人から事情を聴取するなど認定権者において
十分調査した上で慎重に検討するものとする。
(1)同敷地内の別棟住宅について
一般的にいって同居であり、社会通念上認められない。従って、認定にあたっては特に慎重
を要する。
①隣接して居住しながら住宅を借り受けて家賃を支払わなければならない理由について、本人か
ら事情を聴取するなど、認定権者において十分調査の上把握しておくものとする。
②平面図、写真等により、別棟であることを確認する。
(2)家賃支払いの事実確認について
①家賃支払いを客観的に証明するものとして、手書きの領収書では不可とし、貸し主名義の預金
口座に確かに振り込まれていることを証する書類等を提出する。
②父母等との賃貸借契約について、客観的にみて特に疑いの余地のある場合には、①による確認
を加え、支払った家賃が貸し主の収入として申告されていることを確定申告書の写し等により確
認する。
③家賃支払いの事実確認は、認定時だけでなく毎年1回過去1年分について行う。
(3)住宅の所有関係の把握について
住宅の所有関係を明らかにするため、認定時に当該住宅の登記簿謄本を提出するものとし、
毎年一定の時期に当該住宅の所有関係に変更があったかどうか職員に確認する等、認定権者に
おいて常に把握しておくものとする。
(4)証拠書類の確認について
支給要件が消滅するまでの間は、認定権者において関係書類を保管しておくものとし、認定
権者を異にして異動した場合においては、関係書類が散逸することのないよう新認定権者へ引
継を行う。
(5)証拠書類の保管について
住居届の記載がなく、認定後において貸し主との血縁関係が判明した場合には、その時点で
事実関係を十分確認し、認定時に遡って支給停止にするなど厳正な措置をとるものとする。
4 校長は、随時職員の住宅状況を確認し、住居届の提出が必要であるときは当該職員にその旨を
通知し、また住居手当支給月額に疑義のあるときには、速やかに関係教育事務所に連絡する。
住 居 手 当
質 疑 応 答
第1 居住関係
1 出張等の場合の住居の取扱
【問】借家あるいは自宅に居住し、住居手当を支給されている職員が、次に掲げる場合に該当して
一時的に当該住宅に居住しないこととなる場合においても、その職員の生活の本拠は当該住宅
として取り扱い、引き続き住居手当を支給してよいか。
(1)出張(研修を含む)の場合
(2)公務のため船舶に乗り組んだ場合
(3)病気療養のため病院、療養所等に入院した場合又は転地療養の場合
《答》当該住宅について、職員が居住し得る状態が引き続く限りにおいて貴見のとおり支給して差
し支えない。
2 長期出張の研修地における住居の取扱
【問】長期研修中の職員が、研修期間中家族を公務員宿舎に残し、職員は研修地で借間に仮住まい
することとなった場合、住居手当を支給できるか。また、公務員宿舎を引き払い、研修地の借
間に家族と共に居住する場合はどうか。
《答》設問の前段については、職員の生活の本拠地は公務員宿舎であると認められるので住居手当
は支給できないが、後段については、研修出張旅費として宿泊日相当分の支給を受けていない
場合には、研修先の住居に生活の本拠地を移したと認められるので、住居手当を支給して差し
支えない。
3 単身赴任者の留守宅に住居手当を支給する趣旨
【問】単身赴任手当受給職員で配偶者等が居住する借家・借間の家賃を職員が支払っている場合に
住居手当を支給することとしている趣旨は何か。
《答》住居手当については、従来は職員本人が居住していることが支給要件とされていた、単身赴
任した職員の留守家族が借家・借間に居住している場合の家賃支出による経済的負担は、自宅
等に居住する留守家族を持つ単身赴任者に比べてかなり大きいものであることから、民間にお
いても単身赴任者の留守家族の居住する借家・借間に住居手当を支給するところが多くなって
いる状況を考慮し、その経済的負担を軽減するために、単身赴任手当受給職員の配偶者等が居
住する借家・借間の家賃を職員が支払っている場合には、当該借家・借間につき、職員が居住
する借家・借間に係る算定方法による住居手当額の二分の一に相当する額の住居手当を支給す
ることとしているものである。
4 在外日本人学校勤務者の住居手当について
【問】在外日本人学校に3年間勤務することとなった職員については、引き続き住居手当を支給し
て差し支えないか。
《答》職員が自宅に居住しなくなる場合の「自宅」の解釈については、次による。
(1)出張等で一時的に居住しなくなる場合については、その住宅に居住し得る状態が引き続く
限り、生活の本拠は当該住宅となる。
(2)長期研修等により居住しなくなる場合については、家族を自宅に残しているときは生活の
本拠地は自宅であるが、家族と共に移転したときには移転先を生活の本拠とする。
(3)転勤のため居住しなくなる場合については、転勤先で居住する住宅が生活の本拠である。
設問の海外派遣については、派遣期間が3年間であり、実態として(3)に近いものであると
考えられる。従って、生活の本拠地は派遣先であり、派遣前に居住していた住宅に係る住居手当
は支給することはできない。また、海外では、通常、官公舎等を提供され、仮にアパートを借り
ても、その経費は別途見てくれるようであり、派遣先の借家に対しても住居手当を支給する必要
はない。
第2 借家・借間に係る手当の支給範囲
1 控除額が設けられている理由
【問】借家・借間居住者に対する住居手当は、12,000円を超える家賃等を支払っている職員に限っ
て支給することとしているが、その理由は何か。
《答》公務員における住居手当は、民間における同種手当の支給状況を考慮しつつ、公務員宿舎に
入居している職員とそうでない職員との均衡を基礎として考えられている。そのため、公務員
宿舎入居者には住居手当を支給しないこととする一方、公務員宿舎の平均使用料の月額を一つ
のめどとし、一定額以上の家賃等を負担している職員に限り手当を支給することとしているも
のである。この一定額がいわゆる基礎控除額と称せられるもので、現在は12,000円とされてお
り、この額以下の家賃等を支払っている職員については手当支給の対象外としている。
2 別棟住宅の取扱
【問】借家・借間居住の場合の「適用除外職員」については住居手当に関する規則第2条及び平成
7年人委第618号(住居手当の運用について)規則2条関係に定められているが、職員が次
に掲げるものから「別棟」の住宅を借り受けた場合の取扱は、必ずしも明らかでないが、どの
ように取り扱ったらよいか。
(1)職員の扶養親族
(2)職員たる配偶者の扶養親族
(3)配偶者(扶養親族とはなっていない。)
(4)父母(扶養親族とはなっていない。)
(5)配偶者の父母(職員たる配偶者の扶養親族とはなっていない。)
《答》職員と(1)から(5)までの者との間における賃貸借関係は、社会通念上認めることは適
当でない。しかしながら、職員と(1)から(5)までのそれぞれの者との関係には、緊密度
に差が認められるので、職員が(4)及び(5)に掲げるものから別棟の住宅を借り受けてい
る場合は、その事実を十分確認できるときに限って、適用職員として取り扱って差し支えない。
3 別棟住宅の範囲
【問】父親(扶養親族ではない。)がアパート経営を目的として建築し、所有している住宅の一部
を借り受けて居住しているような場合で、父親の居住している部分とは隔壁によって仕切られ、
炊事場も別個であり出入り口も別々であるような場合は、いわゆる「別棟住宅」として取り扱
ってよいか。
《答》例えば、マンションの一室のように、借り受けて居住している部分が独立して家屋の用途に
供されるようなもので、建物の区分所有等に関する法律に基づく登記がなされるような構造の
場合には、「別棟」の住宅を借り受けた場合と同様に取り扱って差し支えない。
なお、この場合においても賃貸借関係及び家賃の支払いの事実を十分確認する必要がある。
4 共有住宅を共有者間で賃借した場合の取扱
【問】職員Aと職員の兄Bの共有に係る住宅にAとAの家族だけが居住しており、AがBの所有分
をBから賃貸借しているとして、契約書・領収書を添付して住居届を提出してきたが、この場
合においては、住居手当上どのように考えるのか。
《答》共有住宅については、所有の権利は持ち分割合に係わらず当該住宅のすべてに及ぶので、当
該住宅は自宅として認定するものとする。(給与に関する条例第九条の五該当)
第3 家賃関係
1 使用料の解釈
【問】給与に関する条例第九条の五の一「使用料」とは、どのようなものを指すのか。
《答》住宅を借り受ける場合に支払われる単価は、一般には、「家賃」という用語が用いられてい
るが、公的な機関等が住宅を貸し付ける場合は入居許可を与え、その対価について「使用料」
という用語を用いておりそのような貸借関係にある場合の住宅の使用料(割増し使用料を含む。
)を指すものである。
したがって、応接セット、寝具、電話設備等のような家具調度品等の使用料をいうものでは
ない。
2 配偶者等との共有名義で借り受けた住宅の家賃の取扱
【問】配偶者と共同名義で借り受けた住宅に居住し、平成7年人委第618号(住居手当の運用に
ついて)給与に関する条例第九条の五関係の2により「その生計を支えている職員」として借
家・借間に係る住居手当を支給されている場合のその「家賃の月額」は当該住宅に係る家賃の
月額の全額としてよいか。
《答》配偶者等と共同名義で借り受けた住宅に当該配偶者等と同居している場合は、これを一世帯
であるものとし、当該世帯において主としてその生計を支えているものに限って住居手当を支
給する。この場合における手当額の算定となる「家賃の月額」は、実際の家賃負担の程度にか
かわらず当該住宅に係る家賃の月額の全額となる。
3 兄弟との共同名義で借り受けた住宅の場合
【問】職員が、職員又はその扶養親族たる者と、平成7年人委第618号(住居手当の運用につい
て)給与に関する条例第九条の五関係の2に規定する「配偶者等」以外の者とが共同して住宅
を借り受けて居住している場合(例えば、兄弟同士の共同名義借り受け住宅)においては、当
該職員が世帯主であるかどうかにかかわらず、住居手当の支給対象としてよいか。
《答》貴見のとおり取り扱って差し支えない。
なお、具体的認定に当たっては、賃貸借契約書の借主が連名の場合であっても、実際には契約
者と同居人の氏名を併記したに過ぎない場合が見受けられるので、その点をも含めて貸主に問
い合わせる等、慎重に事実の確認を行われたい。
4 店舗付き住宅の家賃相当額の取扱
【問】店舗付住宅の場合の家賃相当額は、全体の賃料を店舗部分と居住部分の面積であん分した場
合の居住部分の額としてよいか。
《答》店舗部分に賃料には営業権的なものが含まれているので、単なる面積比例によりあん分する
のは適当でない。
したがって、店舗付住宅を借り受けてこれに居住している職員から住居届けの提出があった
場合には、単に賃貸借契約書のみならず家主の店舗部分に係る賃料の証明書又は居住部分に係
る資料の証明書等の提出を求めて居住部分に係る賃料の額を確認した上で認定するものとする。
5 借り受けた住宅に転貸部分がある場合の取扱
【問】平成7年人委第618号(住居手当の運用について)給与に関する条例第九条の五関係の3
の二に「借り受けた住宅の一部を他に転貸ししている場合」の趣旨を説明されたい。
《答》職員の借り受けに係る住宅の一部を他に転貸ししている場合には職員が貸主から借り受けた
当該住宅に係る家賃の額に基づいて住居手当が支給されるものではなく、職員の居住に係る家
賃の額に基づいて支給されるものである旨の定めである。
したがって、職員は、自ら居住している部分の住宅に係る家賃の額を届け出るとともに、そ
の額が適正なものであることを示す資料を提出しなければならない。一方、各庁の長(その委
任を受けたものを含む。)は、当該職員の届出に係る住宅の家賃の額を認定するに当たって、
面積(職員及びその家族の居住室と転貸しした室との面積割合(廊下、台所等共同部分を除く。
)日当り、利用価値等を勘案してほぼ妥当な額であると認められる場合は認定することができ
る。
転貸とは、契約により貸主が借主に特定の部屋を独占的に利用させる関係であり、借主が部
屋を占有し、これを支配する関係をいい、無償であっても転貸しということはあり得る。
6 賄い付き下宿代の「食費等」の範囲
【問】平成7年人委第618号(住居手当の運用について)規則第7条関係の「食費等」の「等」
には食費のほかに、電気、ガス、水道等の料金が含まれるか。
《答》含まれるものと解する。
なお、規則7条の規定は、その契約内容が部屋の賃貸と食費等の提供との混合契約となって
いる場合において、その内訳が明確でない場合の家賃の算出の基準を定めたものである。した
がって、当該規定を適用して「家賃の額」を算出するに当たっては、食事の回数(一食、二食
等)又は光熱水費等の使用状況が人によって相違する場合であっても、その額が不明の時は一
律に当該規定を適用して算出することとなる。
7 ウイークリーマンション入居者の取扱
【問】職員が自宅の改築等により、2週間程度ウイークリーマンションに入居した場合、住居手当
を支給してよいか。
《答》ウイークリーマンションの入居者は、一般的には短期の滞在者であり、生活の本拠地である
とは言いがたいが、①賃貸借契約を結んでおり、②相当長期(一箇月以上)にわたり入居する
ことが明らかで、③当該マンションが職員の生活の本拠地として認められる場合は住居手当の
認定をして差し支えない。したがって、設問の場合のような一時的な滞在の場合には住居手当
の支給対象とはならない。
なお、契約上一箇月単位の家賃額が決められてなく、一週間単位の家賃額のみ決まっている
場合についてはその額の七分の三十の額を一箇月の家賃額とする。
第4
自宅に係る手当の支給範囲
1 「所有権を有する住宅」の解釈
【問】平成7年人委第618号(住居手当の運用について)条例第9条の5関係の4において 「『その所有に係る住宅』とは、職員自らが所有権を有する住宅をいう」こととされているが、
これについて具体的に説明されたい。なお、当該住宅の所有権について「登記」されているこ
とが要件となるか。
《答》「所有権を有する住宅」とは,民法上の「所有権」を有する住宅をいい、民法第249条以
下に定められた「共有」に係る住宅についても当然所有権を有する住宅に含まれる。
また、一棟の建物が構造上区分された数個の部分で独立して住居としての用途に供すること
ができる「マンションの一室」等いわゆる「区分所有住宅」の場合も、建物の区分所有等に関
する法律(昭和37年法律第69号)により、所有権があるものとされているので「所有権を有す
る住宅」に含まれる。
なお、不動産(住宅、土地等)に係る物権の対抗要件としては、民法第177条において 「登記」を行うことが規定されているが、住居手当支給上においては、その所有権が登記され
ていればなお明確ではあるけれども、特定の場合(一棟であった住宅を区分所有の住宅とする
場合、単独所有を共同所有にする場合等)を除いては「登記されていること」を絶対的要件と
してはおらず、所有権の登記が職員の名義等でなされていない場合であっても、その者に民法
上所有権が存在していることが公的書類等によって明確に確認できる場合には、手当の支給対
象となる。
2 末登記住宅の所有権の確認方法
【問】住宅の所有権を確認するには、それが登記されている場合には登記済証又は登記簿謄本によ
って確認できるが、登記されていない住宅にあっては,どのように確認するのか。
《答》住宅の所有関係については、登記済証又は登記簿謄本のほか当該住宅の新築、購入等の取得
原因によって次例に示すような書類(写しを含む。)の存在によって認定できるものと考えて
おり、これらの資料のうち必要なものに基づいて確認するものとする。
また、そのほか固定資産税補充台帳登録証明書及び不動産取得税・相続税・贈与税等の納付
証明書も参考となる。
【例】
取
得
原
新 築
因
確 認 書 類 ( こ れ ら の 写 し を 含 む )
・住宅建築工事請負契約書
・建築工事完了届
・建築工事確認申請書及び同許可書
・検査済証
・固定資産所有証明書
・家屋所在証明書 等
購 入
・住宅の譲渡(交換)契約書
・住宅引渡証
(交換を含む)
・売主が発行する「住宅譲渡証明書」
・「代金完済」等購入を確認することのできる書類
相 続
等
・被相続人の死亡を確認できる書類(死亡診断書等)
・遺言書(自筆証書、秘密証書等)
・相続関係を証明することのできる書類
・遺産分割協議書
・遺産の分割に関する審判書
・被相続人の住宅の所有権を立証する書類(登記簿謄本、登記済証等)
等
贈 与
・贈与されたことを確認できる書類(贈与契約書等)
(遺贈を含む)
・住宅の引渡しを受けたことを確認できる書類(住宅引渡証等)
・遺贈されたことを確認できる書類(遺言書、遺産の分割に関する審判
書)等
3
立証書類が存在しない住宅の取扱い
【問】「登記なし、税(固定資産税・不動産取得税)支払わず、建築・購入・相続・贈与等の取得
原因不明」等立証書類のないものについて、職員が「自宅である」と申し立ててきたが、自宅
として認定できるか。
《答》所有関係について証明し得ない住宅については、自宅として認定できないものと解する。
4 「所有権留保住宅」の解釈等
【問】規則第3条第1号「所有権の移転を一定期間留保する契約により購入した住宅」とは、具体
的にはどのような住宅を指すのか。また、どういう理由で「準ずる住宅」としているか。
《答》
(1)いわゆる「所有権留保住宅」とは、住宅を割賦により購入する場合において、割賦代金を
完済するときまで当該住宅の所有権を売主に留保され、代金の完済時に所有権の移転登記を
行うという契約を結んで、引渡しを受けた住宅をいうものであり、具体的には都道府県の住
宅供給公社等の分譲住宅のうち、このような契約を結んで引渡しを受けた住宅がこれに当た
るものである。
なお、当該「所有権留保住宅」についての確認は、譲渡契約書等により行うこととなるが、
登記簿において職員名義の所有権移転の「仮登記」がなされている場合にあっては、当該契
約がより確実なものと認めることができる。
(2)「所有権留保契約」は民法上の担保物権ではないが、私人間における代金債権の弁済を確
保するための担保物権としての機能を営むものときれており、法律的形式的所有権は売主に
あるが、購入時に住宅の引渡しが行われ、また、代金の完済時には登記の名義上においても
買主が所有者として記載されることとなっていることから、経済的実質的所有者は買主であ
るとの実態に着目して、このような契約により購入された住宅を「準ずる住宅」として認め
ることとしたものである。
5 「譲渡担保住宅」の解釈等
【問】平成7年人委第618号(住宅手当の運用について)規則第3条関係の2の一に定める「職
員が譲渡担保のための移転をしている住宅」とは、具体的にはどのような住宅をいうか。また、
当該住宅を「準ずる住宅」として認めている理由はなにか。
《答》
(1)いわゆる「譲渡担保住宅」とは一職員が金銭消費貸借等の債務を負っている場合において、
債務弁済をする場合の担保の方法として、職員が所有する住宅の所有権を債権者に債務の弁
済時まで一時的に移転させておくという、いわゆる「譲渡担保契約」を結び、登記上におい
てその関係を明らかにして当該住宅の所有権を債権者に移転している住宅をいうものである。
したがって、「譲渡担保住宅」であるかどうかの確認を行う場合は、当該契約書は勿論のこ
と、登記上における登記原因が「譲渡担保」となっているかどうかを必ず確認しなければな
らない。
(2)「譲渡担保契約」は、民法に定める「抵当権」のような担保物権とは異なり、登記上は債
権者が所有権を取得していることが明記されるという、債権者にとってより確実な担保物権
としての機能を営むものであるが、担保提供者(債務者)は、通常、担保とされた住宅を処
分、毀損、滅失しない限りにおいて占有(使用・収益)し得るわけであり、また該債務を弁
済した際には、「譲渡担保契約解除による担保物返還」による所有権の移転登記を行い、再
び自己の所有名義とすることとなっているので、経済的実質的所有者は債務者であるとの実
態に着目し、このような場合には当該契約に係る住宅を「準ずる住宅」として認めることと
しているものである。
6 撤去を命じられている住宅の取扱い
【問】住宅を取得した最初の時点から当該住宅について正当な権利を有しない場合(裁判所の判決
(命令)により撤去を命じられている場合等)には、登記の有無に関係なく、住居手当の支給対
象としなくてよいか。
《答》貴見のとおりである。
なお、「土地所有と住宅との関係」「住宅の所有関係」等について、裁判所で争われている
場合においては、当該事件が裁判所に係属する間はなお引き続き手当は支給できるが、当該事
件に対する裁判所の判決(命令)により、職員に住宅の所有権がないことが明らかとなった場
合、あるいは当該住宅の撤去を命じられた場合等においては、その判決(命令)が確定した日
の属する月の翌月(その日が初日であるときは、その日の属する月)以降当該住宅に対する住
居手当は支給しないこととなる。
7
相続した住宅の所有権の確認方法
【問】登記上の所有権の名義が亡父のものとなっている住宅に居住している場合においては、当該
住宅を相続した事実等についてどのように確認するか。
《答》当該住宅について、遺産分割の協議がなされ当該職員の所有となったものにあっては「遺産
分割協議書」、「遺産の分割に関する審判書」により、被相続人の遺言により当該職員が所有
権を得た場合にあっては「遺言書」(民法第967条以下に定める自筆証書、公正証書又は秘
密証書及び民法第976条以下に定める家庭裁判所の確認を受けた「証人が筆記した遺言書」
等をいう。)によって、その相続の事実及び内容を確認するものとする。
なお、遺産の相続について、遺言書での指定もなく、また、遺産分割もなされていない場合
においては、父親名義であることを登記済証又は登記簿謄本によって確認した上で、相続関係
を立証する書類等に基づき民法上の相続人たり得るかどうか、また固定資産税の納付について
当該住宅の所有者として課税台帳(又は課税補充台帳)に登載され納税しているかどうか(固
定資産税課税台帳登録証明書等)を調べ、確認した上で認定されたい。
[参考] 被相続人が死亡した場合においては、死亡した瞬間から相続が開始し(民法第882条)、被
相続人に帰属していた不動産物権等の権利・義務は相続人(子・配偶者等)に移転、継承され、
登記の有無などにかかわらず当然にその効力を生ずるものとされている。また、相続人が複数あ
るときは、相続財産はその共有に属する(民法898条)こととなり、遺産分割(民法第906条
以下)等をしない限り共有状態が継続するものである。
第5 世帯主
1 「世帯主」の定義
【問】世帯主の定義について規則第4条前段において「主としてその収入によって世帯の生計を支
えている職員」と定義されているが、これは、住民票上の世帯主と必ずしも一致しない場合が
あるものと考えてよいか。
《答》住居手当においては、その世帯における主たる生計維持者が、住居費用についても主たる負
担者であるとの判断に立ち、その世帯の構成員のうちで最も収入が多く、世帯において、中心
となって生計を支えている者を世帯主と認めることとしたもので、住民票における世帯主とは
必ずしも一致しない場合もあり得る。
この場合における「世帯」とは,規則第4条後段に規定する場合を除き、居住と生計を共に
している者の社会生活上の単位をいうものとし、一般的には住民票に記載された一つの構成体
を指す。
2
職員である妻が住宅の所有者である場合の世帯主の認定方法
【問】妻である職員が住宅の所有者となっているが、民間会社に勤務している夫と収入がほぼ同程
度である場合には、世帯主については、どのような考え方によって決定したらよいか。
《答》収入がほぼ同程度の場合においては、住民票上の世帯主は誰か、扶養親族はどのように認定
されているか、当該世帯における家計の状況はどうか等の事情を勘案して世帯主を決定する。
したがって、設問の場合において、住民票上の世帯主が夫になっており、実質的に夫がその
世帯の中心となっているような場合には、社会通念上も夫が世帯主と考えられるものであり、
当該職員たる妻を世帯主として認定することは適当でない。
3
収入のある者が2人以上いる場合の世帯主の認定方法
【問】職員と配偶者、父母及び弟とが居住している住宅が、当該職員の所有する住宅(共有に係る
住宅ではない。)である場合における「世帯主」の認定及び手当の支給は、どのように行った
らよいか。なお、父及び弟は収入があり、職員の扶養親族とはなっていない。
《答》住民票において、当該住宅に居住している者のすべてが一つの世帯を構成しているものとし
て記載されている場合には、原則として住民票上の世帯主を「世帯主」として認定するが、そ
れにより難い事情がある場合は、収入のある各人の収入の多寡、家計の状況等の事情及び住民
票記載の世帯主を参考としながら、住居手当支給上の「世帯主」を決定するものとし、当該職
員がその世帯主に該当する場合には、住居手当の支給対象となる。
住民票において、「職員と職員の配偶者」の世帯と「父母及び弟」の世帯の二つの世帯が記
載され、かつ、実態的にも別世帯であると確認できる場合においては、職員を「世帯主」とし
て認定して差し支えない。
4 職員たる「同居配偶者」が世帯主となった場合
【問】夫婦とも職員であって、世帯主たる夫と住宅の所有者たる妻が同居し、住居手当は夫に支給
されていたが、その夫が転勤に伴って単身赴任し、転勤先において別の住宅に住むようになっ
た場合、残った妻に手当を支給してよいか。
《答》夫が単身赴任した場合においては、妻と夫が「別世帯」となり、残った妻が当該世帯におい
て「主としてその生計を維持している者」(世帯主)となっている場合にあっては、一般職員
給与条例第9条の5及び県立学校給与条例第10条の4関係の要件(所有、居住、世帯主)を具
備しているものと認められるので、住居手当の支給対象となる。
ただし、この場合に残った妻が当該世帯において主としてその生計を維持しているかどうか
の事実の認定に当たっては、慎重に取り扱うよう留意することが適当である。
第6
新築・購入関係
1 「新築がなされた日(建築工事完了日)」の確認方法
【問】「新築がなされた日」については、「建築工事の完了した日」とされているが、どのような
書類によって確認するか。
《答》「建築工事の完了した日」は、原則として当該住宅の主要構造部分はもちろん、当該住宅に
係る電気、ガス、上下水道等居住のための附属設備工事も含め、すべての工事が完了し入居し
得る状態となった日であり、住宅を新築した者(建築主)は、工事が完了した場合、次に掲げ
るような書類をもって市町村等への届出・申告・登記の義務を課せられているので、これらの
書類の写し等によって確認することとし、これらの書類に記載されている工事完了日又は新築
日をもって、「建築工事の完了した日」とするものとする。
(1)「建築工事完了届」(建築基準法第7条第1項)
(2)「不動産取得申告書」(地方税法第73条の18第1項)
(3)「建物の表示(保存)登記(登記済証が交付される。)」(不動産登記法第93条第1項
等)
また、前述の書類がない場合にあっては、固定資産税家屋課税台帳(又は家屋課税補充台帳
)登録証明書に記載されている住宅の新築日又は建築工事を請け負った建築工事会社等が発
行した証明書による建築工事完了日によって認定するものとする。
2
「購入がなされた日(住宅の引渡しを受けた日)」の確認方法
【問】「住宅の引渡しを受けた日」の確認に当たっては、売主から買主(職員)へ実際に引き渡さ
れた日を確認することは困難である(立証書類がない。)場合が多いので、住宅売買(譲渡)
契約書に「住宅の引渡し日」が特約されている場合や住宅の引渡しに当たって「住宅引渡し証
」が売主から発行交付されている場合には、それらの記載年月日又は発行年月日をもって、住
宅の引渡しを受けた日としてよいか。
《答》貴見のとおり取り扱って差し支えない。
なお、これらの書類によっても確認できない場合においては、所有権の移転登記がなされて
いる場合にあっては当該登記における登記原因となった「購入年月日」、登記がなされていな
い場合にあっては当該購入に係る「契約年月日」をもって、「住宅の引渡しを受けた日」とす
ることが適当である。
また、売主が当該住宅を引渡ししたことについて証明書類等を発出して証明している場合に
は、当該書類で証明された日付によって確認して差し支えない。
3 建築工事完了日の入居の取扱い
【問】建築工事完了日前に入居している場合の手当の支給はどうなるか。
《答》新築住宅については、新築された日(建築工事完了日)から手当を支給することとされてい
るので、建築工事完了日前に入居したとしても手当は支給されない。
4 売買契約による取得住宅が、実態は贈与であった場合の取扱い
【問】住宅を職員が「売買」により取得したということで,「売買契約書」を住居届に添付してき
たが、実は当該住宅は税務署において贈与分があったとして贈与税が課税されたものであるこ
とが判明した。この場合においては当該住宅の取得は購入又は贈与のいずれとなるか。
《答》売買に当たり,著しく低い価格で財産(この場合は住宅)の譲渡を受けた場合で、相続税法
第7条により贈与税の課税対象とされたものについては、当該住宅は「贈与」により取得した
ものとして取り扱うものとする。
5
「全部改築」の解釈
【問】「新築」には、「再築・移築」の場合が含まれるものとされているが、いわゆる「全部改築
」の場合も含まれるか。
《答》「新築」とは、更地(既存の建築物をすべて除却した土地を含む。)に全く新しい住宅を建
築することをいうものであるが、住宅が改築された場合において、その改築の規模・構造が全
く新築と同程度であると認められる「全部改築された住宅」(次の(1)から(4)までに掲
げるすべての要件を満たしているものに限る。)については、「新築された住宅」に含める趣
旨であり、全部改築のうち疑問のある部分について例示的に定めたものである。
(1)改築計画の当初から当該住宅のすべての部分について建て直す予定となっているものであ
る。
(2)土台石はともかく、柱、屋根、壁等既存の建物のすべてを除却すること、又はこれらのす
べてが滅失してしまったものであること。
(3)原則として、全部改築のために当該住宅からの転居が必要とされる程度のものであること。
(4)上記(1)から(3)について、設計図、見積書、請負建築契約書、建築確認申請書及び
同許可書、建築工事完了届、建築工事完了審査証(検査済証)及び住民票等の客観的な書類
で明確に確認され得るものであること。
なお、登記上においては全部改築の場合、「新築」として登記されるのが適例となってい
るので,登記上の「登記原因」の記載についても十分留意して認定されたい。
6 登記上は「増築」、実態上は「全部改築」という申立ての取扱い
【問】登記簿上「増築」として登記したが、実態的には当該住宅を「全部改築」したものであると
職員が申し立てている場合においてはどのように取り扱うか。
《答》「全部改築」の場合には、登記上においてその登記原因が「新築」とされることが通例とな
っているので、登記簿上「増築」とされている住宅については、全部改築されたものとして取
り扱うことは適当でない。なお、建築確認申請書、建築確認許可証、住宅建築(改築)請負契
約書、設計図、見積書、当該「改築」工事を請け負った建築工事会社等が「全部改築」である
ことが確認できる場合には、「新築」として取り扱って差し支えない。
第7
支給の始期及び終期
1 住居手当の支給要件を具備するに至った日
【問】住居手当の支給要件を具備するに至った日とは、借家・借間の住居手当に該当する職員につ
いては「借り受け」、「支払い」、「居住」の3要件のすべてを、自宅の住居手当に該当する
職員については「所有」、「居住」、「世帯主」の3要件すべてを満たすに至った最初の日を
いうものと考えてよいか。
《答》貴見のとおりである。
2
異動職員の住居手当の取扱い
【問】住宅Aに居住していた職員が、官署を異にして異動し、異動後の官署に勤務するため月の初
日に月額1万2千円を超える家賃で住宅Bを借り受けていた場合、又は当該赴任地に自宅を所
有しており居住し得る状態にある場合において、月の初日までに住宅Aを引き払い、赴任期間
中に住宅B又は自宅に入居したときは,職員が月の初日において赴任のため旅行中等で当該住
宅B又は自宅に居住していなくても,住居手当は赴任地におけるそれらの住宅に係るものをそ
の月から支給してよいか。
《答》届出が事実の生じた日(月の初日)から15日以内になされている場合は、貴見のとおり取り
扱って差し支えない。
3
相続した住宅に係る手当の支給方法
【問】次に掲げるような場合は,いつから支給し,又は支給を打ち切ったらよいか。
(1)職員が亡父の所有住宅を相続し(職員、母、弟3人の相続人が共有)、住居手当の認定を
受け2,800円支給されていたが、後に相続人間で「遺産の分割協議」を行った結果、当
該住宅は母のみが単独相続(単独所有)することとなった場合。 なお、母は職員の扶養親族とはなってはいない。
(2)職員の子(以下「A」という。)が7年9月27日に死亡し、Aが所有していた住宅につい
て、Aの配偶者及びAの子が7年12月2日に相続放棄したことによって職員が相続した場合。
なお、当該住宅には、職員、職員の配偶者、Aの配偶者及びAの子が、居住し、職員が世
帯主となっている。
(3)職員が、亡父の所有住宅を相続し(相続人は1人であり、職員の単独相続となっている。
)、住居手当を2,800円支給されていたが、亡父に負債があったため遺産についての
争いが生じ、その結果、裁判所の判決により当該住宅の所有権が他人のものとなった場合。
《答》
1(1)については、「遺産の分割協議」の成立日、(3)については「裁判所の判決が確定し
た日」要件を欠いたものとして取り扱う。
2(2)については、「Aの配偶者及びAの子」が相続放棄した日から要件を具備したものとし
て取り扱う。
4
支給の終期
【問】公団住宅に居住し、住居手当の支給を受けていた職員が、4月1日から国家公務員有料宿舎
を貸与され使用料を支払うこととなったが、家族の都合で4月10日に住居を移転した。
なお、公団住宅の4月分家賃については、10日分を日割計算で支払っている。この場合の住
居手当支給の要件を欠くに至った日は、国家公務員有料宿舎を貸与され使用 料を支払うことと
なった4月1日として、4月分の住居手当は支給できないものとして取り扱うのか、あるいは
公団住宅を退去した4月10日として4月分の住居手当は支給できるものとして取り扱うのか。
《答》当該職員の住居手当支給の要件を欠くに至った日は、公団住宅を退去した4月10日として取
り扱い、4月分の住居手当まで支給できる。
5
離職・死亡職員の支給の終期
【問】住居手当の支給を受けている職員が離職し、又は死亡した場合における住居手当の支給の終
期はいつか。
《答》住居手当の支給を受けている職員が離職し、又は死亡した場合には、当該条例の職員たる要
件を欠くことになるので、規則第8条第1項本文の規定により、離職し、又は死亡した日の属
する月(その日が月の初日であるときは、その日の属する月の前月)まで支給される。
第8
その他
1
住居手当の月額の変更についての取扱い
【問】規則第8条第2項の住居手当の月額を変更すべき事由とは、家賃の変更のみならず住宅の変
更(借家と自宅の変更も含む。)の場合も含まれるか。
《答》その転居が引き続いている場合に限り貴見のとおりと解する。したがって、転居した日から
15日を経過した後に届出がなされた場合において、その改定が増額改定である場合にあっては
届出を受理した日の属する月の翌月(その日が月の初日であるときは、その日の属する月)か
ら手当額を増額し、減額改定である場合にあっては、転居した日の属する月(その日が月の初
日であるときは、その日の属する月)から手当額を減額することとなる。
2 住宅の所在地が書類によって異なる場合
【問】「所有住宅に居住」していることの確認の際に、登記済証(権利証)又は登記簿謄本に記載
された住宅の所在地と、住民票における住所又は通勤手当支給上の住居の所在地とが異なる場
合が見受けられるが、どのような確認が必要か。
《答》異なる理由をよく調べて明確にし、例えば、「住居表示の変更」等があったことによって異
なるなどの場合においては、当該市区町村役場において発行する「住居表示の変更に関する証
明書」「住居表示の付番・変更・廃止通知書」等客観的に相違の事実、その経緯を証明するに
足る書類を職員に提出させ、あるいは担当者が市区町村役場等に照会して確認することとする。
3
住居手当を支給されている職員が異動した場合の届出・認定の必要性
【問】職員が各庁の長を異にして異動した場合には平成7年人委第618号(住居手当の運用につ
いて)規則第9条関係の2により、異動前の各庁の長は職員から新たに住居届等の提出がなく
とも、従前の認定事項を確認の上、住居手当を支給してよいか。
《答》異動に伴い住居、家賃の額等に変更がない限り、貴見のとおり取り扱って差し支えない。
4
住居届の「新築・購入年月日」の記入方法
【問】住居届の自宅欄の「住宅の新築又は購入がなされた日」の記入については、取得理由が「新
築した」又は「購入した」(全部改築、交換契約等の場合を含む。)場合においては、すべて
記入しなければならないか。
《答》原則として取得理由が新築・購入に該当する場合は、すべて記入することが必要である。 しかしながら、年又は年月のみわかる場合にあっては、わかる範囲において記入するものとし、
年月日が全く不明の場合においては記入を要しないものとする。
5
「給与の減額」と住居手当における取扱い
【問】扶養手当等については,給実甲第28号(一般職の職員の給与等に関する法律の運用方針)に
「職員の給与が第15条の規定その他法令の規定により減額される場合においても減額されない
ものとする。」旨の規定があるにもかかわらず、住居手当についてはこれに相当する規定がな
いが、その取扱いはどのようになるのか。
《答》住居手当についても、給与法第15条及び第19条の規定からして減額されない。