行政と人権 - 情報文化総合研究所

総務省自治大学校
第1部課程第 125 期
-公共政策各論-
行政と人権
~情報化社会における人権侵害の現状と対処~
2016 年2月 29 日
株式会社 情報文化総合研究所
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目 次
はじめに
1
ネット社会の現状
クイズ
(1)50 年前に描いた未来社会
(2)技術と社会の発展(参考資料1)
(3)たどり着いた現代社会(参考資料2)
(4)警察に寄せられる相談件数(参考資料3)
(5)ネット人権侵害の相談件数(参考資料4)
2
ネット上での人権侵害
講義時間に限りがあるため、☆の項目を取り上げて解説いたします。
(参考資料5)
☆2.1 名誉毀損
☆2.2 侮 辱(参考資料6、7)
2.3 信用毀損
2.4 脅 迫
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☆2.5 さらし(個人情報、プライバシー)(参考資料8)
2.6 ネットいじめ(学校、職場)
2.7 児童ポルノ
2.8 ハラスメント(セクハラ、パワハラ、ソーハラ)
☆2.9 差 別(参考資料9)
3
安心安全のネット社会へ
3.1 ネット時代の法整備
(1)法的整備の現状(参考資料 10)
(2)プロバイダ責任制限法(参考資料 11、14、15)
(3)リベンジポルノ被害防止法(参考資料 12)
(4)サイトの常時監視義務(参考資料 13)
3.2 悪質書き込みへの対処
(1)早期発見
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(2)早期削除(参考資料 16、17)
(3)削除が難航したら(参考資料 18、19)
(4)検索サイト対策
3.3 今後の課題
(1)被害者の救済
(2)法的整備(参考資料 20)
(3)教育・啓発の推進
クイズの答え
さいごに
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参考資料
◆1 社会を発展させた技術
● 医療技術
● 印刷技術
● 輸送技術
● 通信技術
● 放送技術
● エネルギー技術
出典:佐藤佳弘『インターネットと人権侵害』武蔵野大学出版会、2016 年2月
◆2 ネット社会がもたらした問題
1.人権侵害
22.携帯電話・スマホの電磁波
2.個人情報の流出
23.ステルスマーケティング
3.著作権侵害
24.健康への懸念
4.詐欺(架空請求、ワンクリック詐欺など)
25.闇サイトによる犯罪
5.有害・違法サイト(わいせつ、残虐など)
26.デジタル万引き
6.迷惑メール(広告メール、デマメールなど)
27.歩きスマホ
7.コンピュータ・ウイルス
28.スパムアプリ、不正アプリ
8.出会い系サイトによる犯罪
29.クリックジャッキング
9.不正アクセス(LINE 乗っ取りなど)
30.ネット中毒、依存症
10.スマホ中毒、依存症
31.子供の高額料金
11.リベンジポルノ
32.スキミング、カード偽造
12.なりすましメール
33.ネット掲示板の祭り、炎上
13.サクラサイト商法
34.ネット賭博
14.学校裏サイト
35.サイバーねずみ講
15.LINE いじめ
36.デジタルデバイド
16.無料サイトの釣り上げ
37.クローン携帯
17.盗撮
38.スマホの不正入手、犯罪利用
18.肖像権侵害
39.廃棄パソコン、スマホ
19.運転中のメール・通話
40.SNS 疲労
20.携帯電話・スマホの盗み見
41.デジタルリンチ
21.無断充電
42.デジタルタトゥー
出典:佐藤佳弘『インターネットと人権侵害』武蔵野大学出版会、2016 年2月
memo
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参考資料3
出典:警察庁 広報資料
◆4 法務局に寄せられるインターネットに関する人権相談
出典:法務省 資料
◆5 ネット上で行われる人権侵害
● 名誉毀損
● ネットいじめ
● 侮 辱
● 児童ポルノ
● 信用毀損
● ハラスメント
● 脅 迫
● 差 別
● さらし
出典:佐藤佳弘「インターネットと人権」広報やわた8月号、京都府八幡市、2015 年
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◆6 名誉毀損罪と侮辱罪
No
項 目
1
刑 法
2
刑 罰
3
時 効
4
概 要
5
保護対象
名誉毀損罪
刑法第 230 条
侮辱罪
刑法第 231 条
3年以下の懲役もしくは禁錮、 拘留(1日以上 30 日未満)または
または 50 万円以下の罰金
科料(1000 円以上1万円未満)
3年
1年
(1)公然と
(1)公然と
(2)具体的事実を摘示して
(2)事実を摘示しないで
(3)人の名誉を毀損する。
(3)人を軽蔑・侮辱する。
社会的な信用や名誉
社会的な信用や名誉(名誉感情)
出典:佐藤佳弘『情報化社会の歩き方』ミネルヴァ書房、2010 年2月 20 日から作成
【摘示(てきし)】あばくこと。
【拘留】1日以上 30 日未満の範囲で拘置所に収容すること
【科料】1000 円以上 1 万円未満の刑[刑法 17 条]
◆7 名誉毀損の発言と侮辱の発言
出典:IT PRO http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071128/288196/
memo
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出典:法務省「平成26年における「人権侵犯事件」の状況について」
◆9 差別、偏見を受ける人たち
No
対象者
差別、偏見
1
被差別部落
就職
2
外国人
ヘイトスピーチ
3
障害のある人
知的障害
身体障害
4
生活困難者
生活保護
ホームレス
5
女性
非婚
6
病気
HIV 感染者
7
性的指向
同性愛者
8
性同一性障害
恋愛
9
少数民族
アイヌの人々
10
犯罪被害者
うわさ
11
他にも
子ども 高齢者 刑を終えた人
結婚
入居拒否
離婚
不妊
難民
母子家庭
ハンセン病患者
LGBT(注)
結婚
戸籍
プライバシー侵害
(注)女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、
性同一性障害含む性別越境者など(トランスジェンダー、Transgender)
日本では、7.6%(13 人に1人)。(「電通 LGBT 調査 2015」2015 年4月)
出典:佐藤佳弘『インターネットと人権侵害』武蔵野大学出版会、2016 年2月
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◆10 インターネットに対応した法整備
1.違法書き込み
5.有害情報・有害サイト
・プロバイダ責任制限法
・出会い系サイト規制法
・リベンジポルノ被害防止法
・青少年インターネット環境整備法
・刑法(侮辱罪、名誉毀損罪、
信用毀損罪、脅迫罪)
2.消費者保護
6.迷惑メール
・個人情報保護法
・特定商取引法
・電子契約法
・迷惑メール規制法
・預金者保護法
・刑法(ウイルス作成罪)
・ストーカー規制法(執拗なメール)
3.著作物保護
7.不正行為
・著作権法(公衆送信権)
・不正アクセス禁止法
・著作権法(ダウンロード)
・携帯電話不正利用防止法
4.児童の保護
8.乗り物での携帯電話
・児童ポルノ禁止法
・道路交通法(自動車での使用)
・いじめ防止対策推進法
・道路交通規則(自転車での使用)
・航空法(機内での使用)
出典:佐藤佳弘『インターネットと人権侵害』武蔵野大学出版会、2016 年2月
◆11 身元開示に相当する理由
● 損害賠償請求権の行使のため
● 謝罪広告等名誉回復措置の要請のため
● 差止請求権の行使のため
● 発信者に対する削除要請のため
出典:プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会 「プロバイダ責任制限法 発信者情報開示関係ガイドライン」平成 19 年2月
memo
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◆12 リベンジポルノ被害防止法
電子画像が対象
公表罪
公表目的提供罪
2日後に削除
出典:朝日新聞デジタル 2014 年 11 月 18 日 17 時 36 分
◆13 プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン
出典:「プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイド
ライン」プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会、第3版
2011 年9月(補訂 2014 年 12 月)
(備考)プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会(テ
レコムサービス協会、電気通信事業者協会、日本インターネッ
トプロバイダー協会の3団体で構成)
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◆14 侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書(名誉毀損・プライバシー)書式
出典:「プロバイダ責任制限法 名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」(第3版)プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会、
平成 23 年9月(補訂:平成 26 年 12 月)
◆15 書き込み削除について他国の状況
No
国名
関連法律
免責規定
1
米 国
連邦通信法
わいせつ情報等につながらないよう制限しても責任を問われない。
2
ドイツ
テレメディア法
違法情報を知ってから速やかに削除すれば、責任を負わない。
3
英 国
電子商取引施行規則 2002
違法情報を知ってから速やかに削除すれば、責任を負わない。
4
フランス
デジタル経済法
違法情報を知ってから速やかに削除すれば、責任を負わない。
5
日 本
プロバイダ責任制限法
6
韓 国
権利侵害情報だと信じたことに相当の理由があれば、削除しても
損害賠償責任を負わない。
情報通信網利用促進及び
個人の権利侵害があった場合、要請があれば速やかに削除しな
情報利用等に関する法律
ければならない。
出典:読売新聞 2008 年3月7日(総務省調べ)
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◆16 ネット書き込みの関係者
⑥転載先の運営会社
⑤管理人
サイトの持ち主
・まとめサイト
・速報サイトなど
③掲示板、ブログ、SNS の運営会社
・2ちゃんねる・LINE 株式会社
・アメーバブログ
・DeNA(モバゲー)など
当該のネット掲
示板、ブログ、
ホームページ
④インターネット接続事業者(プロバイダ、ISP)
OCN、DION、So-net、BIGLOBE、nifty、ODN、ぷらら、
Panasonic hi-ho など
②管理人
掲示板、ブロ
グの持ち主
①発信者
書き込んだ本人
出典:佐藤佳弘『インターネットと人権侵害』武蔵野大学出版会、2016 年2月
◆17 早期削除(プロバイダ責任制限法があっても、 削除や 発信者特定は容易ではない。)
(1)ネット人権侵害の専門家によるサポート
-ネットの専門知識が必要。弁護士も同様。
(2)人権擁護機関、専門機関と連携
-法務局、違法・有害情報相談センター(総務省支援事業)など
(3)削除が難航したら
-人権擁護機関、裁判所、刑事告訴、民事訴訟
◆18 削除が難航したら
<1>人権擁護機関
<2>裁判所
法務省の人権擁護機関(全国の法務局・地方法務局)
裁判所の仮処分決定書を、プロバイダや掲示板管理
からプロバイダ等に対して削除を要請する。
者に提示し、削除を要請する。
法による救済
<1>刑事告訴
・名誉毀損や侮辱は、親告罪である。
(告訴なければ処罰なし)
・罰金は被害者に渡されない。
・プライバシー侵害罪はない。
<2>民事訴訟
・被害者が立証責任を負う。
・裁判費用は 100 万円程度かかる。
・慰謝料支払いに強制力がない。
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◆19 親告罪に該当する犯罪
● 事実が公になると被害者に不利益が生じるおそれのある犯罪
・単独犯による強制わいせつ罪、強姦罪(準強姦罪含む)
(ただし2人以上で共同する集団強姦罪などについては非親告罪である。)
・未成年者略取・誘拐罪、わいせつ目的・結婚目的略取・誘拐罪等
・名誉毀損罪・侮辱罪
・公表罪、公表目的提供罪(リベンジポルノ被害防止法)
・信書開封罪・秘密漏示罪
・ストーカー規制法違反の罪(ただし、ストーカー行為についての犯罪のみ。
禁止命令などに違反した場合は告訴は不要)
● 被害が比較的軽微な犯罪
・過失傷害罪
・私用文書等毀棄罪・器物損壊罪・信書隠匿罪
● 親族間の問題のため介入に抑制的であるべき犯罪
・親族間の窃盗罪・不動産侵奪罪
・親族間の詐欺罪・恐喝罪等
・親族間の横領罪
● そのほか行政目的など
・著作権侵害による著作権法違反の罪 (注)
・各種税法違反の罪(告発)
(注)著作権侵害は、非親告罪化が検討されている。
出典:Wikipedia を元に加筆・修正
◆参考 諸外国のヘイトスピーチへの対応
No
1
国 名
イギリス
規制状況
公共秩序法によって、人種的嫌悪を扇動した者は、最高7年の懲役刑
ヘイトスピーチを処罰する州法により対応が異なる。例えば、イリノイ州の集団誹謗法における、「人
2
アメリカ
種・肌の色・信条、若しくは宗教を理由として、特定の市民に関する堕落・犯罪・不純若しくは道徳の
欠如を描く、或いは特定の市民を侮辱・嘲笑、若しくは中傷にさらす」表現行為を処罰する規定は合
憲とされた。逆に、セントポール市条例は「過度に広範な規制を定める」として違憲とされた。
3
カナダ
4
フランス
「肌の色・人種・宗教・民族的出自・性的指向によって区別される集団」に対する嫌悪を扇動した者
は、最低2年・最高 14 年の懲役刑
人種差別規制法が 1972 年に制定された。その他の法を含め「出自あるいはエスニック集団・ネーシ
ョン・人種・宗教への所属」を理由として、個人または集団に対して、中傷、名誉毀損、差別、憎悪、
暴力を煽ることを禁止している。
5
ドイツ
「治安を妨害するような言論の濫用」を厳しく規制している。
6
スイス
1994 年に人種差別を禁止する刑法改正を行った。
7
ハンガリー
刑法 269 条で国籍、民族、人種を理由とした憎悪の助長が禁止されている。
8
ロシア
1993 年、憲法で差別的表現を認めないと明記した。
9
その他
オランダ、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、インド、タイ、シンガポー
ル、オーストラリア、ブラジルなどで、ヘイトスピーチを禁止する法律が存在する。
出典:ヘイトスピーチについて、東京都人権部、2014 年3月 27 日に筆者加筆
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◆20 未解決の法的課題
No
対
象
課題例
1
ネット監視
プロバイダ、サイト管理者、掲示板管理者に監視義務なし
2
個人情報
・一般私人は個人情報保護法の対象外
・政治活動は個人情報保護法の対象外
・情報の窃盗に刑罰なし
3
プライバシー
4
盗 聴
5
違法書き込み
被害の申告がなければ刑罰なし
【親告罪】名誉毀損罪、侮辱罪、著作権法違反など
6
児童買春
無料通話アプリでの児童と異性交際や性行為を求める書き込みは、処罰の対象外
(出会い系サイト規制法)
7
ストーカー
・SNS(facebook、LINE、mixi など)での執拗なメッセージは、 ストーカー行為
の対象外(ストーカー規制法)
・恋愛感情が伴っていなければ規制の対象外(ストーカー規制法)(注)
8
人権侵害
流布、拡散した情報を削除する強制力なし
9
児童ポルノ
・漫画、アニメは規制の対象外(児童ポルノ禁止法)
・婚姻できる児童年齢
10
ネットショッピング
プライバシー侵害に刑罰なし
(リベンジポルノには罰則あり。リベンジポルノ被害防止法)
盗聴に刑罰なし(盗聴器を仕掛ける行為に違法性はない。ただし、通話を盗聴す
ると電気通信事業法第4条違反)
クーリングオフの対象外
(対象となるのは、訪問販売、電話勧誘販売など)
(注)・ストーカー規制法改正(2013 年 10 月施行):執拗なメールを「つきまとい行為」に追加
・千葉県は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(2013 年 10 月)で SNS によるメッセージも規制の対象にした。
・神奈川県は「SNS でのしつこいメッセージ」「恋愛感情に関わらず」を迷惑防止条例で禁止(2013 年7月)
出典:佐藤佳弘『インターネットと人権侵害』武蔵野大学出版会、2016 年1月
平成 27 年度啓発活動重点目標・調査救済制度周知ポスター
出典:法務省人権擁護局
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講師プロフィール
佐藤 佳弘(SATO,
Yoshihiro)
東北大学を卒業後、富士通(株)に入社。その後、東京都立高等学校教諭、
(株)NTT データを経て、現在は(株)情報文化総合研究所 代表取締役所長、
武蔵野大学 教授、総務省 自治大学校 講師。
ほかに、西東京市 情報政策専門員、東村山市 情報公開運営審議会 会長、
東久留米市 個人情報保護審査会 会長、京都府・市町村インターネットによる
人権侵害対策研究会 アドバイザー、東京都人権施策推進指針に関する有識
者懇談会 委員、NPO 法人 市民と電子自治体ネットワーク 理事、大阪経済法
科大学 アジア太平洋研究センター 客員研究員。(すべて現職)
専門は、社会情報学。1999 年4月に学術博士(東京大学)を取得。
主な著書-ネット社会の理解に役立ちます。参考にどうぞ。
武蔵野大学出版会
2,000 円+税
武蔵野大学出版会
1,250 円+税
源
1,238 円+税
源
1,238 円+税
ミネルヴァ書房
2,800 円+税
-公共政策各論-
行政と人権~情報化社会における人権侵害の現状と対処~
2016年2月29日 第1版
株式会社 情報文化総合研究所
代表取締役 佐藤 佳弘
223-0058 神奈川県横浜市港北区新吉田東 5-52-14
e-mail: [email protected]
Tel: 045-544-2189 Fax: 045-544-2134
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クイズ-人権侵害
○
No
か
×
で答えましょう。
問 題
答え
1
ネット掲示板やブログでの悪口は、名誉毀損罪になることがある。
2
人をバカにする発言は、罰金や拘留(注1)になることがある。
3
メールでの暴言は、名誉毀損罪や侮辱罪にならない。
4
一般私人がネット掲示板に無断で個人情報を掲載しても刑罰はない。
5
刑法にプライバシー侵害罪はない。
6
被害者から削除申請があった場合、プロバイダは悪質書き込みを削除するこ
とが義務付けられている。
7
元カレが私とのキス写真を無断で投稿した。これは違法だ。
8
こっそり録音したホテルでの声もリベンジポルノ被害防止法の対象である。
9
リベンジポルノの削除を申請すれば、受理された日に速やかに削除される。
10 プロバイダ等(注2)には書き込みを常時監視する義務はない。
11 誹謗中傷があったら、その掲示板で即座に反論、抗議すべきである。
12 ネット上の人権侵害は民事であるため、法務局から削除要請はできない。
13 人権侵害の悪質書き込みは、被害者からの申告がなくても処罰できる。
14 悪質書き込みを削除すれば検索サイトには表示されない。
15 韓国ではネット掲示板を利用する度に本人確認が必要である。
【注1】拘留(こうりゅう):1日以上 30 日未満の範囲で拘置所に収容すること。
【注2】プロバイダ等:プロバイダ、サーバの管理・運営者、ネット掲示板の管理者。
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