常滑市都市計画マスタープラン “なつかしさ”と“新しさ”を感じ、 歩くことを主体に、 生き生きと活動するまち 平 成 2 1 年 2 月 常 滑 市 目 序章 次 都市計画マスタープランの策定に当たって 第1節 都市計画マスタープランの位置付け 1 目的と役割 1 2 策定の趣旨 1 第2節 都市計画マスタープランの構成 第3節 上位計画の整理 1 第4次常滑市総合計画 2 都市計画区域マスタープラン(骨子) 1 2 3 第4節 今後の都市づくりの方向性 1 都市づくりに関する状況の変化 4 2 今後の都市づくりの方向性 4 第1章 第1節 常滑市の現況と課題 現況の把握 1 人口と世帯数 5 2 産業 6 3 都市構造 10 4 自然環境、景観 19 第2節 課題の整理 1 基本的課題の整理 20 2 分野別課題の整理 20 第2章 第1節 全体構想 都市づくりの目標 1 目標年次 23 2 都市づくりの基本理念と目標 23 3 将来人口 25 4 将来都市構造 26 第2節 都市づくりの方針 1 土地利用の方針 31 2 都市施設整備の方針 36 3 市街地整備の方針 46 4 都市防災の方針 47 5 景観形成の方針 48 第3章 地域別構想 第1節 地域区分と地域別構想の構成等 51 第2節 青海地域 53 第3節 鬼崎地域 62 第4節 常滑地域 70 第5節 南陵地域 78 各地域の市民まちづくりアイディア 資 87 料 1 策定体制 101 2 策定経過 105 序章 第1節 都市計画マスタープランの策定に当たって 都市計画マスタープランの位置付け 1 目的と役割 常滑市都市計画マスタープランは、都市計画法において“都市計画に関する基本的な方 針”と規定されているもので、 「都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(以下「都市計 画区域マスタープラン」という。)」(愛知県)や「第 4 次常滑市総合計画」等の上位計画 を踏まえて、都市の将来像や土地利用を明らかにするとともに、各地域のまちづくりの方 針を定めることを目的としており、本市の都市計画に関する総合的な指針としての役割を 果たすものである。 2 策定の趣旨 常滑市において平成 7 年 11 月に策定した都市計画マスタープランの目標年次は平成 17 年であったが、平成 18 年 3 月に第 4 次常滑市総合計画が策定されたことを受けて、新た な都市計画マスタープランを策定した。 都市計画マスタープランの策定に当たっては、都市構造の変化に対応するため平成 18 年に都市計画法が改正されており、こうした法改正の背景・内容を踏まえるとともに、中 部国際空港の立地や高齢化の進行等、本市を取り巻く社会環境変化への対応を考慮したも のである。 第2節 都市計画マスタープランの構成 常滑市都市計画マスタープランは、全体構想と地域別構想で構成している。 全体構想では、将来都市構造等の「都市づくりの目標」及び土地利用、都市施設整備等 に係る「都市づくりの方針」を示している。 地域別構想では、市域を青海地域、鬼崎地域、常滑地域及び南陵地域の 4 地域に区分 し、各地域の「まちづくり目標」、「まちづくり方針」等を示している。 1 第3節 上位計画の整理 1 第4次常滑市総合計画 (1) 目標年度 平成 27 年度 (2) 将来の都市像 世界に開かれた生活文化都市 (3) 基本理念 ・ やさしいまちづくり ・ 活力を生み出すまちづくり ・ 誇りをもてるまちづくり (4) 将来人口 平成 27 年度 6 万 4 千人 (5) 土地利用の構想 土地の利用は、快適な環境の中で豊かに暮らすことのできる基本となるものである。 土地は限られた資源であり、空港立地に関連して整備された土地を始め、まち全体の 土地を有効に活用する。 ・ 住居系地域 公共下水道、生活道路、公園などの整備を進め、より快適な生活環境の形成を目 指す。また、土地区画整理事業により整備された住宅地の利用促進を図る。 ・ 商業系地域 名鉄常滑駅周辺の再整備を進め、地区の拠点性を高めていく。また、新市街地に おいては、周辺環境に配慮しながら商業施設の立地を図る。 ・ 工業系地域 地場産業の振興に努めるとともに、空港に関連した新規産業の立地を促進するな ど、土地の有効利用を図る。 ・ 農業系地域 農業経営の規模拡大を図るなど、優良農地の効率的な利用に努め、農地の保全・ 活用を図る。 ・ 中部臨空都市等臨海地域 中部臨空都市については、企業等の立地を促進し、早期に有効活用されるよう努 める。また、対岸部地域開発用地の南部展開については、土地の需要動向を見なが ら、空港の将来構想に合わせて検討する。 2 2 都市計画区域マスタープラン(骨子) ※都市計画区域マスタープランは平成 22 年度を目途として策定作業中のため、ここでは、平成 20 年 6 月に公表された骨子の概要を一部調整して記載する。 (1) 愛知の新しい都市 ア 基本理念 たくま 優しさと 逞 しさ、ともに備えた都市を目指して -人間・自然・産業が調和し多元的に発展する愛知の都市- イ 都市づくりの基本方向 はぐく ・ 多様な価値観や多文化を受容するコミュニティを 育 む都市 ・ 都市機能が適切に分担・連携された都市 ・ ・ ・ 交流によるダイナミズムを生み出すモビリティの高い都市 高度で幅広い産業の集積が進む都市 都市活動と自然環境が調和した安全で快適な都市 (2) 常滑市を含む新たな都市計画区域(※)における都市計画の目標 ※ 知多地区 5 市 5 町を対象とする区域 ア 都市づくりの基本理念 半島の自然、歴史ある産業文化、国際交流拠点を生かした活力ある都市づくり イ 将来都市像 ・ 国際交流の拠点となる中部国際空港や名古屋港を生かし、広域的な交流が進み、 歴史ある産業と文化が連携したにぎわいある都市 ・ 半島の中央に連なる緑の空間、南部の豊かな自然・景観を生かした、快適で活力 ある暮らしができる都市 ウ 都市計画の目標 ・ 人口動向等を踏まえた住居系市街地の形成 ・ 都市機能の立地・誘導 ・ 広域交通体系及び公共交通網の構築 ・ 産業動向等を踏まえた工業系市街地の形成 ・ 環境負荷が低く、防災性の向上に資する都市の構築 3 第4節 今後の都市づくりの方向性 都市づくりに係る近年の状況変化を踏まえた上で、今後の都市づくりの方向性を整理す る。 1 都市づくりに関する状況の変化 (1) 都市を取り巻く時代潮流の変化 ・ 急速な経済成長社会が終息 ・ 人口減少・超高齢社会の到来 ・ 地球環境問題や安全・安心・いやしのある暮らし等に対する住民意識の高まり ・ 国・地方公共団体の厳しい財政状況 (2) 都市計画法改正(平成 18 年)の背景及び要点 近年のモータリゼーションの進展等を背景とした都市の無秩序な拡散に伴い次の ような問題が発生している。 ・ 中心市街地の社会資本が有効利用されない一方で郊外では新規の公共投資が必要 になっているといった公共投資の非効率性、環境負荷の増大など ・ 高齢者等が公共公益施設に歩いて行くことができないなどの生活利便性の低下 今後、人口減少・超高齢社会が到来する中で、これらの問題について地域の主体的 な判断により的確に対応する必要がある。 こうした状況を踏まえて、次の内容を要点とした都市計画法の改正が行われている。 ・ 大規模集客施設の立地可能な用途地域を商業地域等の 3 地域に限定 ・ 市街化調整区域内での大規模開発行為の許可基準を廃止し、病院、福祉施設等の 公共公益施設を開発許可等の対象に追加 2 今後の都市づくりの方向性 ・ 人口増加に伴い都市の規模や機能が拡大・成長する社会から、生活関連の社会資本 の整備・充実等による生活環境を重視した社会への転換 ・ 都市を構成する多様な都市機能(居住、公共公益、商業等)が適切に配置・集積され、 自動車に過度に依存しない都市構造の再構築 資料参考:社会資本整備審議会答申「新しい時代の都市計画はいかにあるべきか。 」 (平成 18 年 2 月) 4 第1章 第1節 常滑市の現況と課題 現況の把握 1 人口と世帯数 人口について、最近 10 年間の推移を見ると、平成 15 年までは減少していたが、中部 国際空港開港の前年である平成 16 年から増加している。 年齢 3 階層別で見ると、年少人口(0~14 歳)及び生産年齢人口(15~64 歳)は、平成 16 年 まで減少していたが、平成 17 年から増加傾向となっている。老年人口(65 歳~)は増加し ており、高齢化率(人口全体に占める老年人口の割合)も上昇しているが、空港開港後は、 それまでに比べて高齢化率の上昇は緩やかになっている。 世帯数は、増加を続けており、平成 17 年から増加数が大きくなっている。 人口・世帯数の推移 年齢3階層別人口構成比の推移 (人) (世帯) 100% 55,000 25,000 65歳~ 19.3 世帯数 23.2 80% 人口 50,000 20,000 15~64歳 0~14歳 60% 65.9 62.8 14.9 14.0 40% 45,000 15,000 20% 0% 40,000 10,000 平成11 12 13 14 15 16 17 18 19 平成11 20年 12 13 14 15 16 17 18 19 20年 人口・年齢3階層別人口、世帯数の推移 (単位:人口・人、世帯数・世帯) ※ 平成 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 19 年 20 年 人口 50,469 50,183 49,981 49,940 49,923 49,939 51,265 51,764 52,627 53,723 0~14 歳 7,505 7,363 7,244 7,166 7,107 7,037 7,083 7,081 7,205 7,472 15~64 歳 33,215 32,768 32,336 32,028 31,762 31,588 32,481 32,663 32,988 33,596 65 歳~ 9,717 10,052 10,351 10,646 10,904 11,114 11,451 11,770 12,184 12,405 世帯数 15,793 15,843 15,941 16,166 16,333 16,530 18,011 18,694 19,474 20,255 人口は年齢不詳を含むので年齢 3 階層別人口の合計とは一致しない。 資料:あいちの人口。平成 12 年、17 年は国勢調査 (各年 10 月 1 日現在) 5 2 産業 (1) 農業 農業について、農業粗生産価額の推移を見ると、総生産価額、作物・畜産別の生産 価額は、いずれも年ごとで増減はしているが、概ね横ばいの状況である。 農業粗生産価額の推移 (百万円) 6,000 総生産価額 作物 畜産 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 平成9 10 11 12 13 14 15 16 17 18年 (単位:百万円) 平成 9年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 4,931 4,543 4,799 4,696 4,627 4,606 4,600 4,730 4,760 4,640 作物 2,028 2,032 1,975 1,927 1,990 1,920 2,180 2,030 1,900 1,960 畜産 2,903 2,511 2,824 2,769 2,637 2,686 2,420 2,700 2,860 2,680 総生産価額 資料:農林水産統計(各年 12 月 31 日現在) 6 (2) 工業 工業について、製造品出荷額等の推移を見ると、平成 14 年まで減少傾向であった が、平成 15 年以降は増加している。内訳を見ると、窯業・土石製品は、平成 11 年ま で全体の 5 割以上を占めていたが、近年では 3 割程度となっている。一方で、家具・ 装備品や輸送機器の割合が増加している。 製造品出荷額等の推移 (億円) 2,500 製造品出荷額等 窯業・土石製品 2,000 家具・装備品 輸送機器 その他 1,500 1,000 500 0 平成9 10 11 12 13 14 15 16 17 18年 (単位:億円) 平成 9年 10 年 11 年 12 年 13 年 14 年 15 年 16 年 17 年 18 年 2,123 1,851 1,755 1,624 1,716 1,591 1,676 1,800 1,871 1,986 窯業・土石製品 1,180 980 948 794 785 703 677 684 673 685 家具・装備品 259 211 212 218 268 271 300 337 384 441 輸送機器 256 275 257 255 254 238 319 366 366 375 その他 428 385 338 357 409 379 380 413 448 485 製造品出荷額等 資料:工業統計調査(各年 12 月 31 日現在) 7 また、平成 18 年の人口一人当たり製造品出荷額等について、知多地区市町を比較 すると、常滑市は、知多 5 市の中で最も低くなっている。 人口一人当たり製造品出荷額等の知多地区市町比較 (万円/人) 1,600 1,295 1,159 1,200 1,010 953 800 579 400 419 382 192 178 95 0 常滑市 ※ 半田市 東海市 大府市 知多市 阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町 平成 18 年の工業統計調査における各市町の製造品出荷額等を、平成 19 年 1 月 1 日現在の各 市町人口で除したもの 資料:工業統計調査(平成 18 年 12 月 31 日調査)、あいちの人口(平成 19 年 1 月 1 日現在) 8 (3) 商業 商業について年間商品販売額(卸売と小売の合計)の推移を見ると、平成 16 年までは 減少傾向であったが、平成 19 年は増加している。 年間商品販売額の推移 (百万円) 80,000 69,944 71,110 72,762 65,651 58,277 60,000 55,523 40,000 20,000 0 平成6 9 11 14 16 19年 資料:商業統計調査(各年 6 月 1 日現在。平成 6 年は 7 月 1 日現在。平成 19 年は速報値) 平成 19 年の商業統計調査(速報値)から算出した小売吸引力指数は 0.7 で、知多地区 市町の中では中位に位置しているが、1.0 を下回っており、購買が周辺市町に流出し ている状況である。 小売吸引力指数(※)の知多地区市町比較 1.50 1.31 1.16 1.00 1.10 0.91 0.89 0.70 0.58 0.54 0.58 0.64 0.50 0.00 常滑市 ※ 半田市 東海市 大府市 知多市 阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町 平成 19 年の商業統計調査における県平均の人口一人当たり小売販売額に対する、各市町の人 口一人当たり小売販売額の比率。1.0 を超えると「他の市町から購買が流入している」ことに なり、1.0 を下回ると「他の市町に購買が流出している」ことになる。 資料:商業統計調査(平成 19 年 6 月 1 日調査。速報値)、あいちの人口(平成 19 年 6 月 1 日現在) 9 3 都市構造 (1) 都市基盤施設 ア 都市計画道路 平成 20 年 5 月末現在で、都市計画道路は 23 路線が計画決定されており、総延長は 73,810m となっている。 完成供用(※)している区間の合計延長は 38,344m(19 路線)となっており、そのうち 知多横断道路、浜田線等の 6 路線が全線完了している。 完成供用区間の合計延長に暫定供用(※)区間の合計延長 8,870m(4 路線)を加えると 47,214m であり、延長整備率は約 64%となっている。 ※完成供用:道路用地が計画幅員のとおり確保されており、計画のとおり完成し、一般の通行の 用に供している都市計画道路 ※暫定供用:道路用地が計画幅員のとおり確保されているが、計画のとおり完成せず、一般の通 行の用に供している都市計画道路(車線数が計画に満たないもの、立体交差計画の ものを平面交差で供用したもの) ※概成供用:完成供用及び暫定供用以外の区間のうち、路線として都市計画道路と同程度の機能 を果たし得る現道(おおむね計画幅員の2/3以上又は4車線以上の幅員を有する道 路)を有する区間で、その現道に対応する都市計画道路 10 都市計画道路整備状況図 資料:土木課(平成 20 年 5 月 31 日現在) 11 イ 生活道路 市街地においては、基盤整備された土地区画整理事業地区や中部臨空都市等の地区 以外で、幅員 4m 未満の狭あい道路が多く見られる。 幅員 4m未満の狭あい道路状況図 資料:都市計画基本図(平成 17 年度作成)図上計測 12 ウ 都市計画公園等 都市計画公園については、街区公園 14 か所、近隣公園 3 か所、総合公園 2 か所、 運動公園 1 か所及び都市計画墓園 1 か所が計画決定されており、おおむね整備済みで ある。 これらの都市計画施設に市が管理する公園・緑地を加えた都市公園の面積は、平成 19 年度末で約 52ha となっている。人口一人当たりの面積は約 9.8 ㎡となり、これは 都市公園の標準面積 10 ㎡/人と同程度で、量的には一定の整備水準にあるが、配置に 偏りが見られる。 13 都市計画公園等整備状況図 資料:計画建築課(平成 21 年 1 月 1 日現在) 14 (2) 市街化概況 ア 人口と人口密度 市街化区域内の人口は、平成 12 年まで減少傾向にあったが、平成 17 年は増加に転 じている。 市街化区域の人口密度は約 24 人/ha と低くなっているが、道路・公園、空港用地等 の区域を除いた可住地の人口密度は約 41 人/ha となっている。平成 17 年時点では、 市街化区域内で土地区画整理事業が事業中であったが、今後の宅地利用の進捗により 人口密度は上昇すると思われる。 市街化区域面積・人口密度の推移 (ha) (人/ha) 2,000 80 面積 1,600 1,620 人口密度 1,200 1,101 800 39.4 60 1,122 1,101 1,140 40 36.3 35.5 34.0 20 24.4 400 0 0 昭和60年 平成2年 7 12 17年 資料:都市計画基礎調査 市街化区域人口の推移 市街化区域内人口(人) 昭和 60 年 平成 2 年 7年 12 年 17 年 43,400 39,947 39,782 38,706 39,452 資料:都市計画基礎調査(各年 10 月 1 日現在) 市街化区域内の可住地面積と人口密度 平成 7 年 12 年 17 年 市街化区域内可住地面積(ha) 793 793 973 人口密度(人/ha) 50.2 49.1 40.5 資料:都市計画基礎調査 15 人口密度図 資料:平成 17 年度都市計画基礎調査 16 イ 土地利用 商業系用途地域が指定されている大野町等の鉄道駅周辺や本町地区については、商 業機能の集積が低下し、住宅地としての利用が進んでいる。一方、幹線道路沿道では、 近年、商業施設の立地が進んでいる。 常滑駅、多屋駅周辺の工業地域や準工業地域では、工場跡地等に集合住宅の立地が 見られるなど、住宅地としての利用が進んでいる状況にある。 土地利用割合状況図 資料:平成 19 年度都市計画基礎調査 17 集合住宅(10 戸以上)立地状況図 資料:計画建築課(平成 19 年 6 月末現在) 18 4 自然環境、景観 本市の自然環境については、伊勢湾に面した海岸があり、自生するハマヒルガオなどの 海浜植物の群生が見られる海岸もある。近年では、こうした自然環境を生かして、中部臨 空都市の空港対岸部に、新たな水辺空間である人工海浜や、海の眺望を楽しむことができ る緑地が整備されている。 また、本市の東部には丘陵地が広がっており、土地改良事業や宅地開発事業が進められ た中にあっても、緑豊かな森林が残されている。 景観については、上記の自然環境に関する景観のほか、常滑焼の歴史や文化が息づいて いる「やきもの散歩道」において独特な歴史的景観が形成されており、多くの観光客が訪 れている。 19 第2節 課題の整理 1 基本的課題の整理 (1) 現況から見た都市の特性 第 1 節で把握した本市の現況に基づき、次のとおり都市の特性を整理する。 ・ 空港立地に伴い人口・世帯数が増加しており、今後も中部臨空都市空港対岸部地 域等への企業立地に伴い増加傾向は続くものと考えられる。 ・ 生産年齢人口(15~64 歳)の転入に伴い高齢化率の上昇は緩やかになっているが、 高齢化率は 23.2%(平成 20 年 10 月 1 日現在)と高く、また、高齢者数は今後も増 加が続くものと考えられる。 ・ 工業について、製造品出荷額等は近隣市に比べて低くなっているが、窯業・土石 製品以外の産業分野で増加している。商業についても、年間商品販売額は増加の 兆しが見られ、今後、一定の産業機能立地は見込むことができると考えられる。 (2) 基本的課題 上記の都市の特性を踏まえ、次のような都市づくり上の基本的課題を設定する。 『空港立地のインパクトや本市固有の資源・魅力等を十分に活用しながら、 定住人口の増加や多様な都市機能の集積につながるような都市づくり』を 進める必要がある。 2 分野別課題の整理 第 1 節で把握した本市の現況に基づき、土地利用、都市施設等の分野ごとの特性を整理 し、これらを踏まえた各々の都市づくり上の課題を抽出する。 分野 土地利用 特性 ・既成市街地では、狭あいな生活道路が多い 状況の中で、住宅地化が進み、近年では集 合住宅の立地も見られる。 ・鉄道駅周辺等の商業系地域では、住宅地化 が進んでいる。 ・市街地の幹線道路沿道では、商業施設の立 地が進んでいる。 ・工場の廃止等に伴い、工業系地域での住宅 地化が見られる。 20 課題 ・定住人口増加に向けた良好な居 住環境の創出 ・中部臨空都市への大規模商業施 設の立地予定を踏まえた鉄道駅 周辺や幹線道路沿道における商 業機能の役割分担の明確化及び 土地利用転換の誘導 ・工業系地域の周辺環境や産業動 向を踏まえた適切な土地利用転 換の誘導及び工場立地の促進 ・準工業地域の土地利用の方向性 の明確化 分野 都市施設 (道路、公園等) 自然環境 景観 特性 課題 ・古くからの市街地には狭あい道路が多く ・都市計画道路、生活道路の整備・ 見られる。また、都市計画道路には未整備 改善 区間がある。 ・都市計画道路の見直し検討 ・都市計画公園等の配置に偏りが見られる。 ・生活圏を意識した身近な公園・広 場の確保 ・伊勢湾に面した海岸には親水機能が整備 ・海辺の有効活用 されている。 ・市街化調整区域の約半分が農用地区域と ・森林や優良農地の維持・保全 なっている。 ・市域東部には緑豊かな森林が残されてい る。 ・やきもの散歩道地区では独特な歴史的景 ・本市固有のまちなみ景観の保全・ 観が形成されている。 活用 21 第2章 第1節 全体構想 都市づくりの目標 1 目標年次 おおむね 10 年後を目標とすることとし、上位計画の一つとして愛知県が定める新たな 都市計画区域マスタープランの目標年次に合わせ、平成 32 年とする。 2 都市づくりの基本理念と目標 (1) 都市づくりの基本理念 序章及び第 1 章を踏まえて、次のとおり都市づくりの基本理念を定める。 “なつかしさ”と“新しさ”を感じ、 歩くことを主体に、生き生きと活動するまち ■ 基本理念の展開イメージ 古きよさ、 なつかしさ、 落ち着きを 感じられる まち 歩くことを主体とした 暮らしやすいまち 広がる海や空を眺めながら 人や企業が生き生きと 活動するまち 市民・企業・行政の 協働まちづくり 23 新しい機能や 人が集積し、 世界に開かれた まち (2) 都市づくりの目標 前述の基本理念に基づき都市づくりを進める上での目標を次のとおり定める。 ■ コンパクトにまとまった生活圏が分担・連携する都市 市民の豊かな暮らしを支える都市機能が集積した拠点の形成や地域の中心地等に おいて日常的な生活利便施設等が立地した地区の形成を図り、これらが公共交通や徒 歩、自転車など様々な交通手段により役割分担・連携することで、暮らしやすさが確 保された都市を目指す。 ~都市拠点、地域生活支援地区の形成~ ■ 人と人との交流や産業文化・歴史・自然とのふれあいが生まれる都市 中部国際空港や中部臨空都市等の新たな観光資源と既存の焼き物産業資源との連 携を強化し、来訪者と市民との交流を促進するとともに、来訪者が本市固有の資源に ふれあう場を形成することにより、にぎわいと活気のある都市を目指す。 ~観光・交流拠点の形成~ ■ 地域の魅力やポテンシャルを活用した多様な都市機能が集積する都市 国際空港の玄関口としての役割、広域交通体系の結節点機能、焼き物産業と一体と なった個性豊かなまちなみ、広がる海への眺望等本市の有する様々な魅力やポテンシ ャルを活用して、産業機能、居住機能、観光交流機能等多様な都市機能が集積した都 市を目指す。 ~多様な都市機能の集積~ 24 3 将来人口 第 4 次常滑市総合計画では、中部国際空港や中部臨空都市に係る開発付加人口を加味し たコーホート要因法により、平成 27 年度の将来人口を 6 万 4 千人としている。 本都市計画マスタープランの目標年次である平成 32 年の将来人口については、中部国 際空港開港後の開発付加人口に係る実績値を反映した上で総合計画と同様の方法により 推計し、6 万 7 千人と想定する。 人口の推移と将来推計 (人) 80,000 70,000 67,000 60,000 51,784 50,854 50,183 7 12 51,265 50,000 40,000 平成2年 17 32年(推計) 資料:国勢調査(各年 10 月 1 日現在。平成 32 年は推計値) 年齢3階層別人口構成比の将来予測 100% 22.4 24.8 80% 60% 63.7 60.9 13.9 14.3 平成17年 平成32年(推計) 40% 65歳~ 15~64歳 0~14歳 20% 0% 資料:国勢調査(各年 10 月 1 日現在。平成 32 年は推計値) 25 4 将来都市構造 前述の「都市づくりの基本理念と目標」を実現するための指針として、次のとおり将来 都市構造を示す。 (1) 現在の市街化区域における各土地利用ゾーンの在り方 ア 既成市街地ゾーン 土地区画整理事業による面的な整備のなされていない古くからの市街地では、地区 の特性に応じた土地利用を進めながら、道路や公園等の生活基盤施設の整備・改善、 低未利用地の活用等を進めることにより、良好な居住環境の形成を目指す。なお、伊 勢湾に面する市街地の中でも海への眺望に優れる新浜町周辺や苅屋・大谷の市街地に おいては、こうした眺望等を生かしながら快適に暮らすことができるような「海を意 識した魅力ある居住エリア」の形成を目指す。 また、まとまった低未利用地の見られる新田地区においては、今後の住宅・宅地の 需給バランス等の状況によっては、良好な市街地の形成手法を検討する。 さらに、焼き物産業関連施設と住宅等が共存する「地場産業エリア」においては、 焼き物産業の活性化と良好な居住環境の創出を図り、暮らしやすく働きやすい職住近 接エリアの維持を目指す。 イ 計画的市街地ゾーン 土地区画整理事業により計画的に整備され住居系土地利用が主体となっている市 街地については、現在の土地利用及び居住環境を維持する。また、基盤整備が完了し 宅地化が進行している市街地については、着実な人口定着を図るとともに、良好な居 住環境の確保を目指す。 ウ 中部臨空都市・空港ゾーン ※空港ゾーンは、市街化調整区域を一部含む。 中部臨空都市については、広くから来訪者を引き付ける集客力の高い商業施設や物 流等の企業を誘致するとともに、空港関連従業者等の居住機能を整備するなど、機能 的で質の高い都市空間を有する市街地の形成を図る。また、空港対岸部の臨海部につ いては、整備された海浜緑地等を活用し、マリンレジャーや散策の場として多くの人 を引き付けるような「憩いとにぎわいの海辺エリア」の形成を目指す。 空港については、現在の土地利用等を維持する。 26 (2) 現在の市街化調整区域における各土地利用ゾーンの在り方 ア 集落地ゾーン はぐく 市街化調整区域に点在する古くからの集落地については、豊かなコミュニティを 育 み、快適な生活環境を創出することにより、これまで暮らしてきた人が今後も快適に 暮らし続けることができる居住の場に加え、周辺の農地や森林等の保全に向けた様々 な役割を担う場として維持・保全を目指す。 イ 農地ゾーン 市街化区域と森林ゾーンに挟まれ、大きく南北方向に広がる農地ゾーンについては、 その維持・保全を図ることにより、農業振興や都市生活を支える良好な自然環境の形 成、都市防災性の向上等を目指す。 ウ 森林ゾーン 本市東部の南北に連なる丘陵地等に広がる森林については、緑豊かな自然環境が残 され、本市の骨格的な緑地となっており、その保全を図ることにより、良好な自然環 境の確保及び特色のある景観の維持を目指す。 エ 検討市街地ゾーン 中部臨空都市や空港での今後の従業者数増加に伴う就業人口増と住宅・宅地供給の 需給バランスの状況やゆとり居住を始めとする多様な居住ニーズに応じて、新たな市 街地ゾーンを検討することとし、市街化調整区域での無秩序な開発を抑制するため、 既存ストック(※)の有効活用の観点で、西ノ口駅東側地区を計画的市街地ゾーンの検 討候補地とする。 ※既存ストック:道路、上下水道、鉄道等の都市基盤施設や、公共公益施設、生活利便施設等で 既に整備されているものを言う。 (3) 拠点等の形成 ア 都市拠点 常滑駅については、交通結節点としての機能を高め、駅周辺地区については、市民 の豊かな暮らしを支えるとともに、空港ややきもの散歩道等への来訪者にも利用され るような商業・業務機能や宿泊機能等の立地を促進し、交通利便性が高く複合的な都 市機能が集積した都市拠点の形成を目指す。 27 イ 観光・交流拠点 中部臨空都市及び空港については、集客力の高い商業施設を始め広域的な都市機能 が集積した国際的な観光・交流拠点の形成を目指す。また、やきもの散歩道周辺やI NAXライブミュージアム周辺については、これらの拠点との連携を図りながら、よ り多くの観光客を引き付けるような、伝統や文化に触れることができる魅力ある観光 機能や商業機能が集積した拠点の形成を目指す。 さらに、大野町駅周辺については、古くからのまちなみ景観の活用により、多くの 観光客を呼び込めるような拠点の形成を目指し、坂井・小鈴谷地区の小脇公園から坂 井海水浴場等の周辺についても、これらの観光資源を生かした拠点の形成を目指す。 ウ 工業・物流拠点 現在、中部国際空港における 2 本目の滑走路や地域高規格道路となる西知多道路の 整備について検討が進められており、今後、こうしたプロジェクトのインパクトを最 大限生かしながら新たな産業機能の立地を誘導し、従業人口や交流人口の増加を図る ことは、本市の都市活力・財政基盤の一層の強化につながるものと考えられる。 こうしたことから、広域交通網へのアクセス利便性向上に伴う工場等の用地需要に 対応するため、既存の工業団地に加え、苅屋地区及び知多横断道路常滑Ⅰ.C 周辺地区 において、工業系土地利用(工場、物流・業務施設等)を主体とした新たな工業・物流拠 点の形成を目指す。また、久米工業団地及び久米南部工業団地については、既存スト ックを有効活用しながら周辺地区への拡大を図り、工業・物流拠点の機能強化を目指 す。 エ 地域生活支援地区 今後の都市づくりにおいては、生活利便性の確保や環境負荷の低減といった観点か ら、市民の生活を支える各種機能が適切に集積された都市構造を再構築することが求 められている。特に、超高齢社会においては、公共交通での利用が可能な地区など高 齢者を始め多様な世代の人々がアクセスしやすい位置に、日常生活に必要な施設が立 地することで、過度に自動車交通に依存せず、歩くことを主体とした生活圏を構築す ることが重要となる。 そこで、常滑駅周辺の都市拠点との役割分担や連携を図りながら、鉄道駅や路線バ スの停留所周辺でアクセスしやすく、かつ、既に生活利便施設の立地が見られる地区 を中心として地域生活支援地区の形成を目指す。 28 将来都市構造図 29 第2節 都市づくりの方針 前述の「将来都市構造」を実現するため、都市計画に関する分野別の方針を定める。 1 土地利用の方針 以下に示す土地利用方針は、現在の土地利用状況を把握した上で、今後の土地利用の在 り方や規制・誘導の方向等について整理したものである。 なお、市街化区域の用途地域については、今後、必要に応じて、この方針に基づき見直 しに関する検討を行う。 (1) 現在の市街化区域に関する土地利用方針 ア 住居系土地利用地区 ○住宅地 住宅地としての利用が中心となっている地区であり、今後も良好な居住環境を保全 しながら現在の土地利用を維持することを基本とするが、生活利便施設等の立地を許 容することで暮らしやすい生活環境の確保に努める。このうち、土地区画整理事業の 施行地区内における 1 階又は 2 階建ての戸建て住宅を主体とする地区については、現 在の良好な居住環境を保全することとし、今後も低層住宅を主体とした土地利用を維 持する。 また、西ノ口駅、蒲池駅及び榎戸駅に近接する市道大野蒲池線・県道大府常滑線の 沿道については、地域生活支援地区の形成に向け、住宅地としての土地利用を基本と しながら、歩くことを主体に暮らせるコンパクトにまとまった生活圏を構築するため、 公益施設を始め日常的な生活利便施設等の立地を誘導する。 なお、低未利用地が多く見られる新田地区については、今後の住宅・宅地の需給バ ランス等の状況によっては、良好な市街地の形成手法について検討を進める。 ○沿道住宅地 多車線道路である(都)知多西部線、(都)浜田線及び(都)北条向山線の沿道で背後が主 に住宅地の地区については、沿道にふさわしい商業業務施設等の立地により利便性の 向上を図りながら、居住環境と調和した土地利用を維持・誘導する。 イ 商業系土地利用地区 ○商業業務地 都市拠点の形成を目指す常滑駅周辺地区等では、国際空港の立地都市の玄関口にふ さわしい市街地とするため、市民のみならず来訪者も利便性を享受できるような商 業・業務、娯楽、福祉、宿泊施設等の多様な都市機能が複合的に立地する土地利用を 誘導する。 31 ○住商混合地 大野町駅の西側地区や本町・市場町等では、地域生活支援地区の形成に向け、自動 車交通に過度に依存することなく、徒歩や自転車、あるいは、公共交通機関の利用に より、暮らしやすい日常生活圏を構築するため、商業施設等生活利便施設を主体とし た土地利用を維持・誘導する。 ○沿道商業業務地 主要幹線道路である(都)知多西部線の沿道については、自動車による広域からのア クセスが便利で沿道型商業施設等の立地優位性が高いことから、これらの商業施設等 の立地を主体とした土地利用を維持・誘導する。 なお、沿道への施設立地に際しては、道路の交通処理機能に支障を来さないよう留 意する。 ウ 工業系土地利用地区 ○住工混合地 やきもの散歩道の周辺地区については、焼き物産業関連施設と住宅が共存し、両者 が織り成す特色あるまちなみ景観が形成されており、焼き物産業の活性化と良好な居 住環境の創出を図るなど、暮らしやすく働きやすい住工混合型の土地利用を維持する。 その他の住工混合地についても、現状において住工が共存していると考えられるこ とから、住工混合型の土地利用を維持することとするが、今後の土地利用動向を見な がら長期的な視点で土地利用の在り方について検討する。 ○工業・物流用地 工場等の立地が大半を占める地区であり、今後も住宅等の立地を極力抑制しながら、 現在の良好な操業環境を保全するため、工場や物流施設等を主体とした土地利用を維 持する。 エ その他 ○土地利用検討地区 鯉江本町内の大規模工場の敷地が大半を占める地区については、今後の土地利用動 向等を見ながら具体的な土地利用の方向について検討する。 32 土地利用計画図[市街化区域] 33 (2) 現在の市街化調整区域に関する土地利用方針 ○集落地 市街化調整区域に点在する古くからの集落地については、周囲の農地や緑地の保全 を図る上で重要な役割を担うことから、豊かなコミュニティ及び快適な生活環境の創 出を図ることとし、現在の土地利用を維持する。 ○農地 大きく南北方向に広がる農地等は、本市の都市構造上の大きな特徴であり、防災上 及び自然環境の観点からも重要な役割を担っている。 そこで、面的にまとまった優良な農地については、基本的にその維持・保全を図る とともに、その他の農地についても、農業振興や防災面で重要な役割を担うものにつ いては、無秩序な開発の抑制に努める。 ○森林 本市東部の丘陵地等に広がる森林については、広域的には名古屋東部丘陵からつな がる緑の流れを構成しており、本市の骨格となる緑地を形成しているものであり、自 然環境の保全及び特色のある景観資源の保全の観点から、現在の土地利用を維持する。 ○工業・物流用地 市街化調整区域の既存工業団地については、当該機能の維持・増進に向け、現在の 土地利用を維持する。 苅屋地区及び知多横断道路常滑Ⅰ.C 周辺地区については、新たな工業・物流拠点の 形成を目指す地区として、また、久米工業団地及び久米南部工業団地周辺地区につい ては、工業・物流拠点の機能拡大を目指す地区として、地権者の土地活用意向や工場 等の立地動向を踏まえながら農地保全面との調整を行い、計画的に土地利用や地区計 画制度を活用するなどの規制・誘導に関する検討を進める。 また、既存ストックの有効活用が可能な一部の土地については、周辺の市街化を促 進させることがないように留意するとともに地域の環境保全に配慮しながら、工業系 の土地利用を進める。 ○土地利用検討地区 西ノ口駅東側の地区については、今後の住宅・宅地供給の需給バランスの状況やゆ とり居住を始めとする多様な居住ニーズに応じて、新たな定住人口の受け皿となる具 体的な土地利用及びその規制・誘導に向けた方策を検討する。 多屋土地区画整理事業施行地区の東側におけるおおむね常滑公園以南の(都)知多西 部線沿道については、位置的に開発ポテンシャルが高い地区であり、今後、虫食い的 な無秩序開発が進まないよう、農地保全を基本とする中で、地権者の土地活用意向や 施設の立地需要等を踏まえながら、計画的に土地利用及びその規制・誘導に向けた方 策を検討する。 34 土地利用計画図[市街化調整区域] 35 2 都市施設整備の方針 (1) 都市交通施設 ア 基本方針 拠点等における機能集積や拠点間での機能分担・連携を促進するため、広域交通体 系へのアクセス利便性の向上や拠点間の連携強化を目指した道路網の形成を図る。 公共交通については、各拠点等や生活圏の分担・連携を支えるネットワークの充実 を図る。 イ 道路配置の基本的考え方 [都市道路] ○自動車専用道路 自動車のみの通行の用に供される道路で、比較的移動距離の長い交通を大量に高速 で処理するため、出入り制限を行い、高い設計速度で計画される道路であり、本市で は知多半島道路と中部国際空港を結ぶ地域高規格道路であるセントレアライン(知多 横断道路・中部国際空港連絡道路)が配置されている。 ○主要幹線道路 本市の骨格を形成するとともに、地域高規格道路である知多横断道路へのアクセス 利便性の向上及び本市と周辺都市を結ぶ自動車交通や通過交通を円滑に処理できる よう配置する。 ○都市幹線道路 市街地における標準的な網間隔(おおむね 2km)を踏まえ、主要幹線道路網を補 完し、市内における南北・東西方向の自動車交通を円滑に処理できるよう配置する。 [地区道路] ○地区幹線道路 市街地における標準的な網間隔(おおむね 1km)を踏まえ、地区の骨格を形成す るとともに、鉄道駅へのアクセス利便性や沿道等の土地利用との整合性に留意し、地 区内における自動車交通を円滑に処理できるよう、また、安全・快適な歩行者・自転 車空間を確保できるよう配置する。 ○補助幹線道路 市街地における標準的な網間隔(おおむね 500m)や、生活道路の交通を集め地区 幹線道路へ連結するという本道路の機能を踏まえ、自動車交通の円滑な処理のみなら ず、地区内における主たる歩行者・自転車動線となるよう配置する。 36 ウ 道路配置及び整備方針 [都市道路] ○自動車専用道路 セントレアライン(知多横断道路・中部国際空港連絡道路)については、今後の適 切な維持・管理に向けた関係機関への協議・協力を行う。また、地域高規格道路であ る西知多道路については、本市域への影響が大きいと思われることから、関係機関に 対して、ルート・構造等について要望するとともに、早期整備に向けた働きかけを行 う。 ○主要幹線道路 (都)知多西部線及び(都)常滑半田線を主要幹線道路と位置付け、暫定・概成供用区 間又は整備中区間の整備促進に向けた関係機関への協議・協力を行う。 ○都市幹線道路 (都)榎戸大高線(知多横断道路以南)を始め以下に示す都市計画道路を都市幹線道 路と位置付け、暫定・概成供用区間の整備促進、未整備区間の整備・改善に向けた関 係機関への協議・協力を行う。 ・(都)浜田線 ・(都)北条向山線 ・(都)大野久米線 ・(都)岡田蒲池線 ・(都)古場武豊線 ・(都)東海知多線 [地区道路] ○地区幹線道路 (都)榎戸大高線(知多横断道路以北)を始め以下に示す都市計画道路を地区幹線道 路と位置付け、暫定・概成供用区間の整備促進、未整備区間の整備・改善に向けた関 係機関への協議・協力を行う。 なお、(都)榎戸大高線(知多横断道路以北)及び(都)海岸線(知多横断道路以北) については、地域に密着した生活道路としての利用が想定されるため、当該区間を地 区幹線道路と位置付ける。 ・(都)海岸線(知多横断道路以北) ・(都)青海山線 ・(都)鬼崎港線 ・(都)瀬木線 ・(都)樽水線 37 ○補助幹線道路 前述以外の都市計画道路については、補助幹線道路と位置付け、暫定・概成供用区 間及び未整備区間の整備を促進する。 [区画道路等] ○生活道路 土地区画整理事業施行地区を除いた既成市街地内で多く見られる幅員4m未満の 生活道路については、地域との連携を図りながら、沿道建築物の建替え等に合わせて 拡幅整備を促進する。 エ 都市計画道路の見直し 上記の都市道路及び地区道路の未整備区間のうち、今後、社会状況等の変化から都 市計画の見直しが想定される路線・区間については、既存ストックである現道等を活 用したネットワーク形成を視野に入れながら、交通処理機能、防災機能、まちづくり の連携等の視点から都市計画道路の妥当性を確認し、必要に応じて見直しを検討する。 オ 公共交通等の整備方針 ○鉄道・バス 名鉄常滑線については、鉄道事業者と協力して、その利用促進を検討する。 バス路線については、超高齢社会に対応してコンパクトにまとまった生活圏を構築 するためには、北部の市街化調整区域内の集落地や南部の市街地など鉄道駅や公共公 益施設等へのアクセス利便性が劣る地域において、交通弱者の生活交通を確保するこ とが一層重要になってくると考えられる。そこで、鉄道、路線バスなどの公共交通機 関の連絡強化やバス路線のサービス水準の維持について働きかけるとともに、高齢者 の利便性向上などを目的とした新たな交通サービスの調査・検討を進める。 ○公共交通結節点 市民が快適に移動できる交通環境を創出することにより鉄道・バスの利用促進を図 るため、常滑駅東駅前広場の整備を推進するとともに、鉄道事業者と連携しながら他 の鉄道駅前での交通広場や駐車場・駐輪場の確保について検討する。 38 都市交通施設の整備方針図 ※破線は、今後の整備予定区間・路線を示す。 39 (2) 公園・緑地等 ア 基本方針 都市生活における潤いや憩いの場を確保するとともに、防災機能を強化するため、 公園・緑地を適切に配置する。また、本市固有の自然資源である海辺を活用し、レク リエーション機能の整備を図る。 さらに、地区の特性に合わせた緑化を推進するとともに、貴重な森林や市街地内緑 地の保全を図る。 イ 公園・緑地等の整備方針 都市基幹公園(桧原公園、常滑公園及び大曽公園)については、現在機能の維持・ 更新及び利用増進を図るとともに、常滑公園の未整備箇所の整備を推進する。 住区基幹公園については、現在整備中の街区公園・近隣公園の整備を推進する。ま た、市街地内における既存の都市計画公園、緑地、児童遊園、ちびっ子広場及び多目 的グラウンド等の配置状況や都市公園の標準的な誘致距離等を踏まえ、公園・緑地が 不足している市街地を中心に、市民緑地制度、借地公園制度の活用などにより、公園・ 緑地の確保を図る。 大野海水浴場、坂井海水浴場及び海浜緑地(りんくう町)については、本市の特徴・ 魅力である“海”を積極的にレクリエーション機能として活用し、気軽に海と親しむ ことができるような憩いとにぎわいの場の形成を図る。 ウ 緑化の方針 市街地内の住宅地や市街化調整区域に点在する集落地等においては、敷地内緑化を 促進することにより、ゆとりと潤いある良好な居住環境を創出する。また、幹線道路 等における街路樹の植栽により、緑豊かな道路空間の形成を図る。 40 都市公園等の整備方針図 ※誘致圏は、 「都市公園法運用指針」におけ る誘致距離標準(参考値)より作図。 41 エ 緑の保全方針 市街地内における社寺林等の身近な緑地空間や、市街化調整区域における里山空間 等の保全を図る。 本市東部の丘陵地に広がる森林は本市の骨格的な緑地であり、また、この森林から 奥栄町や泉町付近の市街地に連なる崖地に見られる緑地は景観資源ともなっており、 これらの森林・緑地の保全を図る。 42 緑の保全方針図 43 (3) 下水道 ア 基本方針 快適な生活環境を確保するとともに、河川や海の水質保全及び浸水の防除を図るこ とにより自然環境を保全し安全な都市を実現するため、公共下水道の整備推進及び農 業集落排水処理施設の適正な維持管理を図る。 イ 下水道の整備方針 公共下水道施設については、公共下水道基本計画に基づき、他事業との整合を図り ながら汚水・雨水幹線の整備を推進するとともに、認可区域内の支線管渠の整備を進 める。認可区域外の雨水施設については、必要に応じ老朽化等に伴う施設の維持補修 に努める。 また、常滑北部、多屋南部、榎戸雨水ポンプ場については、施設の耐震化等を図る ため、更新化を進める。 なお、現在、国・県等において検討が進められている流域別下水道整備総合計画の 見直しを受け、今後、本市においても公共下水道基本計画の見直しを行う。 (4) 供給処理施設等 供給処理施設等(※)については、今後、広域における検討状況等を踏まえながら、 必要に応じて新たな施設設置等の検討を行う。 ※供給処理施設等:都市計画法第 11 条に掲げる都市施設のうち、火葬場、ごみ焼却場、汚物処理 場などの施設を言う。 44 公共下水道整備方針図 45 3 市街地整備の方針 ア 基本方針 都市の魅力や安全性・快適性を高めるとともに、様々な都市機能が適切に配置され 土地の有効利用が促進されるよう、市街地の整備を図る。 イ 市街地整備の方針 ○既成市街地ゾーン 市街化区域における古くからの市街地については、居住環境の向上を図るため、地 区内に多く見られる幅員4m未満の狭あい道路の改善を進めるとともに、ポケットパ ークや排水施設等の整備を順次進める。なお、生活道路と焼き物産業関連施設が一体 となって特色あるまちなみ景観を形成しているやきもの散歩道周辺等については、地 域住民の理解と協力の下、景観保全面も考慮しながら計画的な市街地整備を進める。 鯉江本町内の大規模工場の敷地が大半を占める地区については、今後の土地利用動 向等を見ながら具体的な市街地の整備方策を検討する。 ○計画的市街地ゾーン 土地区画整理事業等により計画的な整備が行われた地区については、現在の市街地 形態を維持しながら一層良好な居住環境の創出を図るため、地区計画制度等の活用に より敷地内緑化や外構緑化等を進めるなど、緑豊かな市街地空間の形成に向けた方策 について検討する。 現在、施行中の土地区画整理事業地区については、円滑に事業を促進し、早期の完 了を図る。 ○低未利用地の整備 低未利用地の多く見られる新田地区については、今後の住宅・宅地の需給バランス 等の状況によっては、良好な市街地の形成手法について検討を進める。 46 4 都市防災の方針 ア 基本方針 市民が安全・安心に暮らすことができる都市の実現に向け、既成市街地の整備改善 を図るなど、災害に強い都市づくりを進める。 イ 都市防災の方針 本市のみならず周辺都市を含めた防災機能の向上に資する幹線道路網体系の構築 に向け、緊急時に必要な救援・復旧活動機能を担う輸送道路の整備を促進するため、 関係機関への協議・協力を行う。 本市の既成市街地内では、道路が狭いため消防活動が困難な地区も見られ、避難 路・避難場所となる街路・公園の不足もあって、災害時に被害が拡大することが懸念 される。そこで、こうした地区については、狭あい道路の改善を進めながら、地区内 の低未利用地を有効活用することにより、防災機能を有する生活道路や公園等を整備 する。 また、多くの人が集まり、中高層建物を主体とした土地利用が想定される常滑駅周 辺や焼き物産業関連施設と住宅が混在する地区等については、火災の危険を防除する 建物への建替えを促進する。 さらに、水害防止のため、保水機能を有する山林やため池の保全を図るとともに、 河川については、県による矢田川、前山川の河底浚渫・改修、市による大落川等普通 しゅんせつ ひ こ う 河川の老朽護岸改修を進める。また、海岸については、樋門、陸閘の点検調査を行い 必要に応じて改修を進めるとともに、鬼崎漁港海岸、西之口海岸、坂井海岸等の老朽 護岸の改修整備を促進する。 47 5 景観形成の方針 ア 基本方針 拠点等各地区の魅力を高め、交流やふれあいを促進するため、土地利用に応じた市 街地景観の保全・形成を図るとともに、やきもの散歩道に代表される歴史・産業景観や、 本市固有の海や緑といった自然景観の保全・活用を図る。 イ 各土地利用に応じた市街地景観の保全・形成の方針 ○緑豊かな住宅地景観づくり 市街化区域における古くからの市街地については、狭あい道路の改善に合わせた沿 道緑化の促進や低未利用地の活用等により、緑豊かな住宅地景観の形成を図る。 また、土地区画整理事業等により計画的な整備が行われた地区については、地区計 画制度等の活用により、敷地内緑化や道路空間の緑化を進めるなど、新しい景観形成 の方策について検討する。 ○常滑らしさを感じられる商業地景観づくり 都市拠点を目指す常滑駅周辺の商業業務地については、焼き物等の素材を取り入れ た公共施設整備等により、本市の玄関口にふさわしい市街地景観の形成を図る。 また、大野町駅周辺については、古くからのまちなみ景観を保全・活用することに より、魅力ある景観づくりを進める。 ○周辺環境に配慮した工業地景観づくり 既存の工業団地等については敷地内緑化を促進し、新たな工業団地等については敷 地内緑化のほか、建物の形態意匠に関する規制・誘導策を検討するなど、周辺の環境 に配慮した工業地景観の形成を図る。 ○中部臨空都市での豊かな都市景観づくり 中部臨空都市については、様々な自然環境や人工景観を生かした土地利用や施設整 備を促進するとともに、企業立地に当たっては、中部臨空都市まちづくりガイドライ ン(平成 19 年 7 月改訂、愛知県企業庁)を適正に運用することにより、豊かな都市景 観の形成を図る。 ウ 焼き物のまちにふさわしい景観の保全・再生の方針 焼き物産業関連施設と周辺地区が一体となり特色のある歴史・産業景観を有してい るやきもの散歩道周辺地区については、今後、景観法に基づく景観計画を策定し、地 域の理解と協力を得ながら、焼き物のまちにふさわしい景観の保全・再生に向けた取 組を進める。 48 エ 海や緑を眺めることができる眺望景観等の保全の方針 ○海を眺め身近に感じられる海辺景観の保全 伊勢湾の眺望に優れるりんくう町や末広町・新浜町周辺の沿岸部、また、市街地内 の丘陵地や高台において海を眺めることができる眺望点の保全に努めるとともに、眺 望を楽しむことができるような施設整備について検討する。 大野海水浴場、坂井海水浴場及び海浜緑地(りんくう町)については、市民や来訪者 が海に親しめる憩いとにぎわいの場となっており、こうした海を眺め、また、身近に 感じることができる海辺景観の保全に努める。 ○緑豊かな丘を眺めることができる景観の保全 市街地から眺めることができる本市東部丘陵地の森林については、緑のスカイライ ンとして保全を図るとともに、空港へのアクセス道路の沿道については、こうした景 観を阻害するような屋外広告物の設置を規制するため、関係条例等の適正な運用を図 る。 オ 景観法の推進の方針 本市は、やきもの散歩道地区の景観保全を図ることを目的として、平成 20 年に、 景観法に基づく景観行政団体になった。 今後、やきもの散歩道地区に関する景観保全策を進めるとともに、その他の地区で の景観に関する取組についても、地区の状況に応じて検討する。 やきもの散歩道 大野海水浴場 丘陵地のスカイライン 49 第3章 第1節 地域別構想 地域区分と地域別構想の構成等 1 地域区分 地域別構想における地域区分は、本市における一般的な地域区分である 4 つの中学校区 とした。 地域区分及び地域名称は、下図のとおりである。 地域区分図 51 2 地域別構想の目的と構成 (1) 目的 地域別構想は、全体構想との整合を図りながら、各地域の現状や問題・課題、魅力 等からまちづくり目標を設定し、それを実現するためのまちづくりの方針を具体的に 定めたものである。 なお、本構想は、市民で構成する地域別ワークショップで得られた意見等を反映し てとりまとめたものである。 (2) 構成 地域別構想は、4 地域とも以下の構成としている。 1 データ等からみた地域の現状 2 全体構想の位置付け 3 地域別ワークショップでの市民意見 都市計画基礎調査結果のデータ等から地域の現状を把握し、 また、全体構想での当該地区の位置付け、地域別ワークショッ プで出された市民意見を基に各地域の問題・課題、魅力等を整 理している。 4 地域のまちづくり目標 各地域の現状や問題・課題、魅力等を踏まえ、全体構想との 整合性に留意し、各地域の目指すべきまちづくりの目標を定め ている。 5 地域のまちづくり方針 各地域のまちづくり目標を実現するためのまちづくりの方 針を定めている。 52 第2節 1 青海地域 データ等から見た地域の現状 ■4 地域の中で市街化区域の占める割合が最も小さい地域であり、地域全体での人口 集積は低いが、市街化区域の人口密度は約 55 人/ha と 4 地域の中で最も高い。地域 内では、青海町の住宅団地での人口密度が特に高くなっている。 ■大野町駅周辺の古くからの市街地では、狭あい道路が多く見られる。土地・建物利 用については、住居系利用が中心で、大野町駅周辺では一部商業施設等の立地も見 られる。 (1) 面積、人口 市街化区域 平成 12 年 17 年 地域全体 20 年 平成 12 年 17 年 20 年 面積 78ha 78ha 78ha 1,715ha 1,715ha 1,715ha 人口 4,346 人 4,256 人 4,304 人 9,927 人 9,788 人 9,767 人 55.7 人/ha 54.6 人/ha 55.2 人/ha 5.8 人/ha 5.7 人/ha 5.7 人/ha 人口密度 ※面積及び人口は、平成 13 年度及び平成 18 年度都市計画基礎調査結果による。基礎調査の小ゾー ンが 2 地域にわたる場合は、過半を占める地域に当該ゾーン全体を含めている。 ※平成 20 年は住民基本台帳による人口で外国人を含む(4 月 1 日現在) ※(参考)平成 17 年度の可住地面積は 55ha で、可住地人口密度は 77.4人/ha 53 市街化区域内人口密度図 資料:平成 17 年度都市計画基礎調査 54 (2) 生活道路、土地利用 市街化区域内狭あい道路状況図 資料:都市計画基本図(平成 17 年度作成)図上計測 55 市街化区域内建物用途別現況図 資料:平成 18 年度都市計画基礎調査 56 2 全体構想の位置付け(拠点等の形成) 将来都市構造図 [観光・交流拠点] 大野町駅周辺においては、古くからのまちなみ景観の活用により、多くの観光客を呼 び込めるような拠点の形成を目指す。 [工業・物流拠点] 広域交通網へのアクセス利便性向上に伴う工場等の用地需要に対応するため、久米工 業団地及び久米南部工業団地周辺地区については、既存ストックを有効活用しながら周 辺地区への拡大を図り、工業・物流拠点の機能強化を目指す。 [地域生活支援地区] 常滑駅周辺の都市拠点との役割分担や連携を図りながら、公共交通機関でのアクセス がしやすく、かつ、既に生活利便施設の立地が見られる大野町周辺を中心として地域生 活支援地区の形成を目指す。 57 3 地域別ワークショップでの市民意見 (1) 問題・課題 ○土地利用 ・大野町駅周辺の空地の有効活用、周辺の整備 ・大野町駅前に商店が少ない ・大野町には魅力的な所が多くあるが駐車場が少ない ○交通 ・大野町駅に特急電車が止らない ・大野町駅東側に改札口がない ・大野町駅前にバスが入れない ○都市基盤施設(道路、公園等) ・大野町駅東側に直結する道路やロータリーがない ・小倉から矢田川をわたって大野町駅東口を結ぶ道がない ・大野町駅に通じる道路が狭い ・市街化調整区域の集落の道路が狭い ・前山ダム近くの道路の整備 ■大野町駅周辺の道路・駅前ロータリー等基盤施設の不足 ■日常的な商業施設が不足する一方で空地が見られる 58 (2) 魅力等 ○土地利用 ・観光客が集まるセラモール ○都市基盤施設(道路、公園等) ・鈴鹿の山と伊勢の海とセントレアが見える城山公園の展望台。ライトアップ ・家族等で楽しめる前山ダム公園 ・農道沿いの桜並木、秋の彼岸花 ・かぶと虫公園(農村公園) ○自然環境 ・池、山林等の豊かな自然や水田 ・世界最古の大野海水浴場 ○その他 ・大野町にある多くの社寺 ・伝統のある山車と巻わら舟 □観光客が集まる施設 □魅力的な公園 □特色のある社寺、海水浴場、祭礼等の資源 59 4 地域のまちづくり目標 ~誰もが快適に暮らすことのできる便利で魅力あるまち~ 本地域は、西部に市街化区域である大野町、小倉町及び青海町が位置しており、東部 に市街化調整区域である三和地区の既存集落地や農地等が広がっている。 大野町には本地区の玄関口となる大野町駅があり、駅周辺においては歴史的・文化的 資源が多く存在しており、本地域の中心地区としての性格が強い。しかし、道路が狭く 駐車場が少ないことや、地域内から駅までの利便性が低いこと、また、有効な土地利用 がなされていないなどの問題が生じている。 そこで、本地域においては既存集落地等から大野町駅までの交通利便性の向上や、駅 周辺におけるにぎわいの創出などにより、誰もが快適に暮らすことのできる便利で魅力 あるまちを目指す。 5 地域のまちづくり方針 ※:市民まちづくりアイディアを反映した取組 ○交通利便性の向上 ・市有地等を活用した大野町駅周辺の交通環境の改善及び集落地から大野町駅までの交 通利便性向上策について検討を進める。(※) ・古くからの市街地で見られる幅員 4m未満の生活道路については、地域との連携を図 りながら、沿道建築物の建替え等に合せて改善を進める。 ○にぎわいの創出 ・大野町駅周辺においては、既存ストックを生かしながら、日常的な商業施設等を主体 とした土地利用を維持・誘導する。(※) ・特色と魅力のある観光・交流拠点の形成に向け、大野海水浴場の活用や歴史的・文化 的資源である社寺等を歩いて巡ることができる歩行者軸のネットワーク形成などを 検討する。(※) ・久米工業団地及び久米南部工業団地の周辺地区については、工業・物流拠点の機能強 化を目指し、具体的な土地利用及びその規制誘導に向けた方策を検討する。 ・久米字西仲根地区では、周辺の農業環境の保全に配慮しながら、工場等の企業誘致を 図る。 ・公園等が不足する市街地を中心に、身近に利用できる公園緑地等の確保を図る。 ○快適な暮らしを支える施設整備 しゅんせつ ・災害の防止等に向け、矢田川、前山川の河底浚渫 ・改修及び小倉排水機場の整備を促 進する。 60 第3節 1 鬼崎地域 データ等から見た地域の現状 ■地域の過半を市街化区域が占めており、地域全体の人口密度は 4 地域の中で最も高 い。一方、市街化区域の人口密度は既成市街地の基準である 40 人/ha を下回ってい るが、現在、土地区画整理事業施行中の地区が2地区あり、今後、人口定着が進む ものと考えられる。 ■古くからの市街地では、狭あい道路が多く見られる。土地・建物利用については、 住居系利用が中心となっているが、県道大府常滑線沿道等では一部商業施設等の立 地も見られ、近年では、(都)知多西部線沿道に商業施設の立地が進んでいる。 (1) 面積、人口 市街化区域 平成 12 年 17 年 地域全体 20 年 平成 12 年 17 年 20 年 面積 340ha 377ha 377ha 549ha 549ha 549ha 人口 12,264 人 13,018 人 14,742 人 13,223 人 13,770 人 15,534 人 36.1 人/ha 34.5 人/ha 39.1 人/ha 24.1 人/ha 25.1 人/ha 28.3 人/ha 人口密度 ※面積及び人口は、平成 13 年度及び平成 18 年度都市計画基礎調査結果による。基礎調査の小ゾー ンが 2 地域にわたる場合は、過半を占める地域に当該ゾーン全体を含めている。 ※平成 20 年は住民基本台帳による人口で外国人を含む(4 月 1 日現在) ※(参考)平成 17 年度の可住地面積は 271ha で、可住地人口密度は 48.0 人/ha 62 市街化区域内人口密度図 資料:平成 17 年度都市計画基礎調査 63 (2) 生活道路、土地利用 市街化区域内狭あい道路状況図 資料:都市計画基本図(平成 17 年度作成)図上計測 64 市街化区域内建物用途別現況図 資料:平成 18 年度都市計画基礎調査 65 2 全体構想の位置付け(拠点等の形成) 将来都市構造図 [工業・物流拠点] 広域交通網へのアクセス利便性向上に伴う工場等の用地需要に対応するため、知多横 断道路常滑I.C周辺地区において、工業系土地利用(工場、物流・業務施設等)を主体 とした工業・物流拠点の形成を目指す。 [地域生活支援地区] 常滑駅周辺の都市拠点との役割分担や連携を図りながら、公共交通機関でのアクセス がしやすく、かつ、既に生活利便施設の立地が見られる西之口地区、蒲池地区及び榎戸 地区を中心として地域生活支援地区の形成を目指す。 66 3 地域別ワークショップでの市民意見 (1) 問題・課題 ○土地利用 ・商店が少なく、歩いて行ける距離に買物のできる所が少ない ・(都)知多西部線から東が市街化調整区域で都市的活用が難しい ○交通 ・空港への道路が整備されたが事故が心配 ・電車の停車が少ない ○都市基盤施設(道路、公園等) ・古くからの市街地の道路が狭い ・一部地域では、公共下水道や都市ガスが未整備 ・古くからの市街地には公園が少なく、公園にはトイレ等の施設が不十分 ■身近な商業施設が少ない ■道路沿道が活用されていない ■古くからの市街地では道路が狭く公園が少ない (2) 魅力等 ○交通 ・鉄道駅が新しくなり便利 ○自然環境、景観 ・伊勢湾やセントレアを望む海と美しい砂浜 ・歴史がある松並木 ・盛んなのり養殖 ○その他 ・住民のまとまりが良い ・祭礼を始めとした伝統的行事や地区行事が盛ん □美しい海岸・砂浜、松並木 □コミュニティと祭礼・地区行事 67 4 地域のまちづくり目標 ~人と自然、人と人とがふれあい、新たな魅力を感じるまち~ 本地域の大半は市街化区域となっており、西部では名鉄常滑線の各駅周辺及び並走す る県道大府常滑線沿道で古くからの市街地が形成され、伝統行事が盛んでコミュニティ が維持されている。また、美しい海岸、砂浜、松並木といった貴重な自然資源を有して いるが、一方で、幹線道路の未整備、狭あいな生活道路、身近な公園の不足といった都 市基盤施設の充実が課題となっている。 東部では(都)知多西部線が整備され、沿道では大規模商業施設が立地するとともに、 土地区画整理事業による住宅地供給が行われ、新しいまちづくりが進んでいる。 そこで、本地域の西部では、美しい海岸線や松並木の保全・活用、地域生活支援地区 への生活利便施設の立地誘導などにより、人と自然とのふれあいや人と人との交流を育 むまちを目指し、東部では、広域交通網へのアクセス利便性を生かした工業・物流拠点 の形成や商業施設、公園を核とした新たな魅力あるまちを目指す。 5 地域のまちづくり方針 ※:市民まちづくりアイディアを反映した取組 ○ふれあい、交流の促進 ・西ノ口駅、蒲池駅及び榎戸駅に近接する市道大野蒲池線・県道大府常滑線の沿道にお いては、日常的な生活利便施設の立地を促進する。(※) ・多屋海岸を始め美しい海岸線や松並木を生かした散歩道づくりの検討を進める。 (※) ・新田地区については、今後の住宅・宅地の需給バランス等の状況によっては、良好な 市街地の形成手法について検討を進める。 ・公園等が不足する市街地を中心に、身近に利用できる公園緑地等の確保を図る。 ○新たな魅力づくり ・知多横断道路常滑I.C周辺地区については、「工業・物流拠点」の形成を目指し、具 体的な土地利用及びその規制誘導に向けた方策を検討する。 ・土地区画整理事業により整備される公園の活用方策について検討する。(※) ○生活関連施設の充実 ・市道多屋線(名鉄常滑線~(都)常東線)の整備を進める。 ・災害の防止等に向け、鬼崎漁港海岸や西之口海岸における海岸保全施設の整備を促進 する。 ・古くからの市街地で見られる幅員 4m未満の生活道路については、地域との連携を図 りながら、沿道建築物の建替え等に合せて改善を進める。 68 第4節 1 常滑地域 データ等から見た地域の現状 ■地域全体の人口集積は 4 地域の中で最も高いが、市街化区域の人口密度は既成市街 地の基準である 40 人/ha を下回っている。また、古くからの市街地では、人口集積 が低い地区も見られるが、現在、常滑駅周辺及び常滑ニュータウン地区(常滑西・ 東地区)で土地区画整理事業が施行中であり、今後、人口定着が進むものと考えら れる。 ■古くからの市街地では、狭あい道路が多く見られる。土地・建物利用については、 住居系利用が中心であるが、常滑駅周辺や(都)知多西部線沿道等では商業施設の立 地が見られ、やきもの散歩道周辺等では、焼き物産業関連施設と住宅の混合型の土 地利用が見られる。 (1) 面積、人口 市街化区域 平成 12 年 17 年 地域全体 20 年 平成 12 年 17 年 20 年 面積 513ha 955ha 955ha 912ha 1,591ha 1,591ha 人口 14,484 人 15,032 人 16,197 人 15,383 人 16,193 人 16,869 人 28.2 人/ha 15.7 人/ha 17.0 人/ha 16.9 人/ha 10.2 人/ha 10.6 人/ha 人口密度 ※面積及び人口は、平成 13 年度及び平成 18 年度都市計画基礎調査結果による。基礎調査の小ゾー ンが2地域にわたる場合は、過半を占める地域に当該ゾーン全体を含めている。 ※平成 20 年は住民基本台帳による人口で外国人を含む(4 月 1 日現在) ※(参考)平成 17 年度の可住地面積は 501ha で、可住地人口密度は 30.0 人/ha 70 市街化区域内人口密度図 資料:平成 17 年度都市計画基礎調査 (2) 生活道路、土地利用 市街化区域内狭あい道路状況図 資料:都市計画基本図(平成 17 年度作成)図上計測 71 市街化区域内建物用途別現況図 資料:平成 18 年度都市計画基礎調査 72 2 全体構想の位置付け(拠点等の形成) 将来都市構造図 [都市拠点] 常滑駅については、交通結節点としての機能を高め、駅周辺地区については、市民の 豊かな暮らしを支えるとともに、空港ややきもの散歩道等への来訪者にも利用されるよ うな商業・業務機能や宿泊機能等の立地を促進し、交通利便性が高く複合的な都市機能 が集積した都市拠点の形成を目指す。 [観光・交流拠点] 中部臨空都市及び空港については、集客力の高い商業施設を始め広域的な都市機能が 集積した国際的な観光・交流拠点の形成を目指す。また、やきもの散歩道周辺やINA Xライブミュージアム周辺については、これらの拠点との連携を図りながら、より多く の観光客を引き付けるような、伝統や文化に触れることができる魅力ある観光機能や商 業機能が集積した拠点の形成を目指す。 [工業・物流拠点] 現在、中部国際空港における 2 本目滑走路整備の検討が進められており、空港地区に ついては、こうしたプロジェクトのインパクトを最大限生かしながら、新たな産業機能 の立地誘導を進め、拠点機能の充実を目指す。 73 [地域生活支援地区] 常滑駅周辺の都市拠点との役割分担や連携を図りながら、公共交通機関でのアクセス がしやすく、かつ、既に生活利便施設の立地が見られるとこなめ中央商店街周辺地区を 中心として地域生活支援地区の形成を目指す。 3 地域別ワークショップでの市民意見 (1) 問題・課題 ○土地利用 ・歩いて行ける店舗が少なく、商店街の機能が低下している ・ワンルーム中心のマンションが増えている ○交通 ・鉄道が常滑駅以南の既成市街地にはない ・バスの便数が少ない ○都市基盤施設(道路、公園等) ・やきもの散歩道や古くからの市街地の道路が狭い ・市街地では公園・緑が少ない ■身近な商業施設が少ない ■やきもの散歩道を始め道路が狭い地区が多い ■市街地に公園・緑が少ない 74 (2) 魅力等 ○土地利用 ・中部臨空都市への企業立地に期待 ○交通 ・空港アクセス整備に伴い電車・車による名古屋方面への利便性が向上 ○景観 ・歴史のある建物 ・やきもの散歩道のまちなみ景観が魅力的で観光名所 ・焼き物への愛着 ○自然環境 ・山林、農地、海といった自然 ○その他 ・にぎやかな春の山車祭り ・空港立地に伴い市の知名度が向上 □やきもの散歩道の景観・観光 □豊かなコミュニティ 75 4 地域のまちづくり目標 ~常滑の玄関にふさわしい魅力を伝えるまち~ 本地域の中央から西部は市街化区域となっており、そのほぼ中央に位置する常滑駅周 辺には、商業・業務機能や宿泊機能が集積している。その東側のやきもの散歩道周辺で は、レンガ造りの煙突を始め、土管や焼酎瓶を積み上げた擁壁や細い路地も景観を構成 する要素となって独特な歴史的景観が形成されている。また、やきもの散歩道の南側に はとこなめ中央商店街(本町商店街)が位置している。 一方、東部の市街化調整区域には森林が広がっており、奥栄町等の崖地には、これら の森林から市街地内へ連なるように残された緑地が見られ、特色のある市街地景観を形 成している。 そこで、本地域では、市街地内に見られる既存の都市機能集積や特色のある景観資 源・自然資源等を生かしながら、本市の玄関口にふさわしい魅力づくりを進めるととも に、誰もが豊かに暮らせるまちを目指す。 5 地域のまちづくり方針 ※:市民まちづくりアイディアを反映した取組 ○市の玄関口にふさわしい魅力づくり ・常滑駅周辺については、市民のみならず来訪者も利便性を享受できるような商業・業 務、娯楽、福祉、宿泊施設等の多様な都市機能が複合的に立地する土地利用を誘導す る。(※) ・やきもの散歩道周辺等については、地域住民の理解と協力の下、景観保全面も考慮し ながら計画的な市街地整備を進める。(※) ・観光地としての魅力向上を目指し、都市拠点(常滑駅周辺)、やきもの散歩道、本町 商店街及びINAXライブミュージアムの連携強化に関する方策を検討する。(※) ・やきもの散歩道周辺地区での駐車場の確保を図る。(※) ・りんくう町における海浜緑地等では、気軽に海と親しむことができるような「憩いと にぎわいの海辺エリア」の形成を図る。 ・旧常滑高等学校の土地・施設の有効利用について検討を進める。 ○豊かに暮らせるまちづくり ・とこなめ中央商店街周辺については、既存ストックを生かしながら、日常的な商業施 設等生活利便施設の立地を主体とした土地利用を維持・誘導する。(※) ・公園等が不足する市街地を中心に、身近に利用できる公園緑地等の確保を図る。 ・古くからの市街地で見られる幅員 4m未満の生活道路については、地域との連携を図 りながら、沿道建築物の建替え等に合せて改善を進める。 ・災害の防止等に向け、大落川の整備(老朽護岸改修)を進める。 76 第5節 1 南陵地域 データ等から見た地域の現状 ■市街化区域の占める割合が小さく、地域全体での人口集積は低い。また、市街化区 域の人口密度も既成市街地の基準である 40 人/ha を下回っており、特に地域南部で は人口密度の低い地区が多く見られる。 ■古くからの市街地では、狭あい道路が多く見られる。土地・建物利用については、 住居系利用が中心となっている。 (1) 面積、人口 市街化区域 平成 12 年 17 年 地域全体 20 年 平成 12 年 17 年 20 年 面積 209ha 209ha 209ha 1,707ha 1,707ha 1,707ha 人口 7,612 人 7,146 人 7,740 人 11,650 人 11,514 人 11,772 人 36.4 人/ha 34.2 人/ha 37.0 人/ha 6.8 人/ha 6.7 人/ha 6.9 人/ha 人口密度 ※面積及び人口は、平成 13 年度及び平成 18 年度都市計画基礎調査結果による。基礎調査の小ゾー ンが 2 地域にわたる場合は、過半を占める地域に当該ゾーン全体を含めている。 ※平成 20 年は住民基本台帳による人口で外国人を含む(4 月 1 日現在) ※(参考)平成 17 年度の可住地面積は 147ha で、可住地人口密度は 48.6 人/ha 78 市街化区域内人口密度図 資料:平成 17 年度都市計画基礎調査 79 (2) 生活道路、土地利用 市街化区域内狭あい道路状況図 資料:都市計画基本図(平成 17 年度作成)図上計測 80 市街化区域内建物用途別現況図 資料:平成 18 年度都市計画基礎調査 81 2 全体構想の位置付け(拠点等の形成) 将来都市構造図 [観光・交流拠点] 農業体験や朝市等が行われている小脇公園や坂井海水浴場の周辺については、これら の資源の魅力を生かした観光・交流拠点の形成を目指す。 [工業・物流拠点] 広域交通網へのアクセス利便性向上に伴う工場等の用地需要に対応するため、苅屋地 区において、工業系土地利用(工場、物流・業務施設等)を主体とした新たな工業・物 流拠点の形成を目指す。 [地域生活支援地区] 常滑駅周辺の都市拠点との役割分担や連携を図りながら、公共交通機関でのアクセス がしやすく、かつ、既に生活利便施設の立地が見られる樽水地区、古場・苅屋地区、大 谷地区及び坂井地区を中心として地域生活支援地区の形成を目指す。 82 3 地域別ワークショップでの市民意見 (1) 問題・課題 ○土地利用 ・大企業が少なく、働く場所が不足 ・日常生活に必要な店が少ない ・土地改良事業が終了したが、今後の農業経営が課題 ○交通 ・バスの便数が少ない ○都市基盤施設(道路、公園等) ・道路が狭い。通学路の歩道が狭い ・小脇公園用地の有効利用 ・公園の利用者が減少 ■企業が少ない ■歩いて行ける店がない ■道路が狭い。公共交通が不十分 (2) 魅力等 ○都市基盤施設(道路、公園等) ・小脇公園の展望台と景色 ○景観 ・小鈴谷、坂井海岸からセントレア、鈴鹿山脈、夕陽等の眺望 ○自然環境 ・自然環境に恵まれ、農業・漁業が盛ん ○その他 ・坂井海水浴場、小脇公園、盛田味の館等の観光資源 □豊かな自然環境と観光資源 83 4 地域のまちづくり目標 ~地域資源と産業立地を生かし、活力に満ちた交流のまち~ 本地域では、漁村集落を中心とした市街地が海沿いに形成されているが、これらの市 街地は一部を除き、古くからの地区であり、住環境の改善が課題となっている。また、 本地域には鉄道がなく、公共交通については、バス運行の充実が課題となっている。 一方、本地域には小脇公園や本宮山など伊勢湾を望む眺望点があり、潮干狩り・海水 浴場等の海浜レクリエーションが楽しめることに加え、盛田味の館、多賀神社などの観 光資源が点在しており、地域で採れた農海産物などの朝市も開かれている。さらに、一 部自然海岸が残り、ハマヒルガオなどの海浜植物が見られる所もあり、伝統のある酒蔵 も立地するなど、様々な地域固有の資源が存在している。また、内陸部においては大谷 工業団地に加え、新たな活力源となる工業・物流拠点の形成が検討されている。 そこで、本地域では、小脇公園、坂井海水浴場、盛田味の館を主体とする観光・交流 拠点を形成するとともに、各種資源を結ぶ歩行者軸の構築により、本地域ならではの自 然や景観資源、更には新たな工業・物流拠点を生かして、活力に満ちた交流のまちを目 指す。 5 地域のまちづくり方針 ※:市民まちづくりアイディアを反映した取組 ○地域資源を生かしたまちづくり ・坂井海水浴場周辺における環境整備を促進し、気軽に海と親しむことができるような 憩いとにぎわいの場の形成を図る。(※) ・観光・交流拠点の形成を促進するため、点在する資源を結ぶ歩行者・自転車軸の形成 について検討する。(※) ○産業立地による活力に満ちたまちづくり ・苅屋地区については、 「工業・物流拠点」の形成を目指し、地区計画制度を活用するな どの具体的な土地利用及びその規制誘導に向けた方策を検討する。 ○生活関連施設の充実 ・バス路線のサービス水準の維持について働きかけるとともに、高齢者の利便性向上な どを目的とした新たな交通サービスの調査・検討を進める。 ・樽水地区、古場・苅屋地区については日常的な商業施設等の立地を誘導し、大谷地区、 坂井地区については生活利便施設の立地を促進し、地域生活支援地区の形成を図る。 ・公園等が不足する市街地を中心に、身近に利用できる公園緑地等の確保を図る。 ・古くからの市街地で見られる幅員 4m未満の生活道路については、地域との連携を図 りながら、沿道建築物の建替え等に合せて改善を進める。 ・災害の防止等に向け、大谷川の老朽護岸改修を進めるとともに、坂井海岸における海 岸保全施設の整備を促進する。 84 各地域の市民まちづくりアイディア 全体構想及び地域別構想には、地域別ワークショップで得られた意見の 一部を反映しているが、この「市民まちづくりアイディア」は、それ以外の 意見についてもできるだけ反映することを基本としてまとめたものであ り、今後、まちづくりを進める際の参考資料として活用されることを期待 して作成したものである。 87 地域別ワークショップの開催経緯 【第1回】 1 開催日時 平成20年2月20日(水) 午後7時00分から午後9時00分まで 2 開催場所 中央公民館2階 3 出席者数 30 名 4 テーマ 視聴覚室 ~各地域の問題や魅力を引き出そう!~ 【第2回】 1 開催日時 平成20年3月25日(火) 午後7時00分から午後9時00分まで 2 開催場所 中央公民館2階 3 出席者数 23 名 4 テーマ 会議室 ~各地区のまちづくり方針を考えよう!その①~ 【第3回】 1 開催日時 平成20年5月20日(火) 午後7時00分から午後9時00分まで 2 開催場所 常滑市役所2階 3 出席者数 20 名 4 テーマ 大会議室 ~各地区のまちづくり方針を考えよう!その②~ 【第4回】 1 開催日時 平成20年6月19日(木) 午後7時00分から午後9時00分まで 2 開催場所 常滑市役所2階 3 出席者数 25 名 4 テーマ 大会議室 ~各地域のまちづくり方針のとりまとめ~ 89 青海地域 市民まちづくりアイディア 大野町駅周辺のまちづくりメニュー ◆大野町駅周辺における交通結節点機能の強化・充実 (施策の例) ・東口・西口における交通広場等の確保 ・駅へのアクセス路線の確保 ・駅周辺での駐車場・駐輪場の確保 ・駅東口と小倉町を結ぶ橋の設置 など ◆大野町駅西口周辺での商業機能やまちなか居住機能の立地誘導 (施策の例) ・日常生活に必要な食料品を扱う店舗の立地誘導 ・集合住宅の立地誘導 など ◆大野町駅周辺に多く見られる社寺や歴史的な風情を感じられるまちなみ等を歩いて巡るこ とができる歩行者軸のネットワーク形成 ◆大野海水浴場や大野漁港をつなぐ海辺の散歩道づくりや大野漁港の活用 (施策の例) ・海釣り公園としての活用 など ◆新たな観光資源の創出として、近代建築物の活用 (施策の例) ・大野鍛冶などの歴史や文化を伝える資料館・展示館として活用 ◆大野町駅と三和地区を結ぶ新たな交通サービスの調査・検討 90 など 鬼崎地域 市民まちづくりアイディア 鬼崎地域のまちづくりメニュー ~既存ストックの活用と新しいまちの拠点づくり~ ◆歩いて暮らせるまちの形成に向け、既存の公益施設(鬼崎北小学校、鬼崎公民館、鬼崎南小 学校)周辺における生活利便施設の立地誘導 (施策の例) ・スーパー、医療施設、子育て支援施設の立地誘導 など ◆美しい海岸線や松並木を生かした散歩道づくり (施策の例) ・堤防の活用。空地や社寺を活用した住民の憩いの場づくり など ◆土地区画整理事業で整備、計画されている公園を活用した新しいまちづくりの検討 (施策の例) ・住民のみならず近接する商業施設の買い物客も利用できるような公園づくり ・子どもや高齢者を中心とした安全で魅力ある公園づくり 92 など 常滑地域 市民まちづくりアイディア やきもの散歩道周辺のまちづくりメニュー ◆常滑駅周辺における本市の顔・玄関口にふさわしい都市機能及びとこなめ中央商店街(本町 商店街)周辺における生活支援機能の立地誘導 (施策の例) ・商業施設や宿泊施設、住宅や駐車場の立地誘導 ・高齢者向け施設や飲食店の立地誘導、歩行者中心のインフラ整備 など ◆都市拠点(常滑駅周辺)~やきもの散歩道~とこなめ中央商店街(本町商店街)~INAX ライブミュージアムの連携強化 (施策の例) ・道路修景による安全・安心な歩行者空間の確保 ・サイン(案内板)の充実 ・とことこバスの利活用 ・花のある道づくり など ◆やきもの散歩道(Aコース)周辺へより多くの来訪者を引き付けられるようなアクセス性の 向上 (施策の例) ・当該地区と常滑駅や中部臨空都市とを結ぶ無料バスの運行 ・周辺部での駐車場の確保 など ◆やきもの散歩道(Aコース)周辺において、今の雰囲気を残しながら、「地域住民の生活」 と「観光」が両立するまちづくりの検討 94 南陵地域 市民まちづくりアイディア 南陵地域のまちづくりメニュー ~伊勢湾を眺める海沿いの散歩道づくり~ ◆坂井・小鈴谷地区における伊勢湾への眺めの良さを生かした観光・交流拠点機能の充実 (施策の例) ・小脇公園、潮干狩り・坂井海水浴場(海浜レクリエーション施設)、盛田味の館を観光・交流拠 点形成に向けた3点セットとして位置付け、連携強化を図る など ◆多賀神社に隣接する(都)知多西部線沿いに、地域で採れた農海産物などを主体とした物販・飲食 店「多賀の里」が立地しており、多賀神社と一体となった新たな観光・交流施設として位置付け、 地産地消をテーマとした特色ある拠点形成の検討 ◆小脇公園等を中心とする観光・交流拠点と、市街地内に点在する趣のある建物(盛田家の本邸、 酒蔵など)やハマヒルガオ等が見られる海岸沿いの堤防などを結ぶ歩行者・自転車軸の形成 96 資 料 99 資 1 料 策定体制 (1) 体制図 決定・公表 意見 パブリックコメント 意見 参画 意見 都市計画審議会 市 市 長 検討組織 策定委員会 参 画 委 員 会 民 関係部課長 会議(庁内) 作業部会(庁内) 提案 組織 地域別ワークショップ 101 市 議 会 (2) 策定委員会 常滑市都市計画マスタープラン策定委員会設置要領 (設置) 第1条 市の都市計画に関する基本的な方針を定める常滑市都市計画マスタープランの 策定に伴い、必要な事項を調査及び審議するため、常滑市都市計画マスタープラン策定 委員会(以下「委員会」という。 )を設置する。 (組織) 第2条 委員会は、別表第1に定める委員で組織し、委員は市長が任命する。 2 委員長が必要と認める事項について調査検討するため、委員会に作業部会を設置し、 別表第2に定める部会員で組織する。 (委員長) 第3条 委員会に委員長を置き、委員の互選により定める。 2 委員長は、委員会を代表し、会務を総理する。 3 委員長に事故あるとき又は欠けたときは、あらかじめ委員長が指名する委員がその職 務を代理する。 (委員の任期) 第4条 委員の任期は、常滑市都市計画マスタープランの策定が完了するまでとする。 (会議) 第5条 委員会の会議は、必要に応じて委員長が招集し、委員長が議長となる。 2 委員長は、必要があると認めるときは、委員以外の者を会議へ出席させることができ る。 (作業部会) 第6条 作業部会に部会長を置き、部会員の互選により定める。 2 作業部会の会議は、必要に応じて部会長が招集し、部会長が議長となる。 (事務局) 第7条 委員会の事務を処理するため、事務局を建設部計画建築課に置く。 (雑則) 第8条 この要領に定めるもののほか、委員会に関し必要な事項は、委員長が別に定める。 附 則 この要領は、平成19年6月13日から施行する。 附 則 この要領は、平成20年4月24日から施行する。 102 ※( )は前任者・前職 別表第1(第 2 条関係) 区 委 分 員 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 策 定 委 員 会 氏 名 所 属 等 瀬口 哲夫 名古屋市立大学大学院教授 ※委員長 角野 濱照 市民 藤井 美香 〃 山中 和子 〃 宇納 保夫 愛知県建設部都市計画課長 (須 山 明 廣) 近藤 治幸 愛知県知多建設事務所総務課主幹 (竹 内 廣 治) (愛知県知多建設事務所建設第一課長) 赤井 義明 企画部企画課長 (伊 藤 宣 之) 籾山 敏宏 環境経済部商工観光課長 (梅 原 啓 三) (環境経済部次長兼務商工観光課長) 齋田 義孝 環境経済部農業水産課長 (千 賀 収 司) 杉江 常博 建設部次長兼務土木課長 (片 岡 覚) 中野 博行 建設部市街地整備課長 (杉 江 常 博) (建設部次長兼務市街地整備課長) 藤井 文彦 水道部下水道課長 別表第2(第 2 条関係) 区 委 分 員 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 事務局 〃 〃 〃 作 氏 名 安 藤 哲 成 浜 島 靖 榊 原 進 齋田 充弘 (高 沢 義 晴) 関 公 司 (石 井 隆 光) 相 武 宏 英 山 崎 巌 生 (柴 垣 道 拓) 加 藤 福 敏 浅井 厚視 鯉江 浩二 (中 野 敬 一) 石井 隆光 (城 ヶ 崎 兼 美) 竹内 裕人 業 会 所 属 等 交通防災課主任 企画課主任主査 商工観光課副主幹 農業水産課主査 (農業水産課主事) 企業立地推進室主査 (空港都市推進室長補佐) 土木課主任主査 市街地整備課副主幹 (市街地整備課技師) 下水道課長補佐 ※部会長 建設部付課長 計画建築課長(主幹) (計画建築課長) 計画建築課長補佐 (計画建築課副主幹) 計画建築課主査(主任) 103 部 (3) 地域別ワークショップ部員名簿 青海地域 氏 森 田 喜 田 新 美 竹 内 都 築 高 井 辻 野 名 勝 彦 正 巳 秀 夫 司 昭 夫 民 子 朝 子 区名 大野 大野 大野 小倉 久米 宮山 前山 鬼崎地域 氏 名 井 上 富 郎 伊藤 由美子 鯉 江 朝 香 藤 井 良 秀 飯 島 幸 治 豊 田 鴻 二 山 下 史 郎 斎 田 好 雄 区名 多屋 多屋 多屋 多屋 蒲池 西之口 西之口 榎戸 常滑地域 氏 名 肥田 季美絵 福田 多津美 肥 田 裕 士 片 山 福 利 杉 江 幸 夫 中 村 勤 赤 井 英 二 水 野 福 三 区名 奥条 保示 市場 保示 山方 奥条 瀬木 北条 南陵地域 氏 名 中 野 元 博 永 田 重 穂 澤 田 吉 成 岩 川 浩 司 大 岩 繁 鈴 木 信 広 山 本 清 美 山本 喜三治 区名 樽水 阿野 古場 桧原 大谷 小鈴谷 広目 坂井 (4) 庁内関係部課長会議委員名簿 区 分 氏 名 覚 所 属 等 座 長 片 岡 建設部長 委 員 足 立 克 彦 参事 〃 村 田 博 総務部長 〃 西 見 寿 雄 企画部長 〃 新 美 峰 和 環境経済部長 〃 中 村 光 明 水道部長 〃 中 野 敬 一 総務部交通防災課長 〃 赤 井 義 明 企画部企画課長 〃 籾 山 敏 宏 環境経済部商工観光課長 〃 斎 田 義 孝 環境経済部農業水産課長 〃 岸 田 嘉 成 環境経済部企業立地推進室長 〃 杉 江 常 博 建設部次長兼務土木課長 〃 中 野 博 行 建設部市街地整備課長 〃 藤 井 文 彦 水道部下水道課長 104 2 策定経過 年 策定作業の 流れ 平成 19 年 ワークショップ 第 1 回(9 月 26 日) ・土地利用等の現況 地域別構想 案( の)検討 全体構想 案( の)検討 平成 20 年 地域別 策定委員会 第 2 回(2 月 29 日) ・全体構想(案) その他 11 月 21 日 都市計画審議会 ・土地利用等の現況 第 1 回(2 月 20 日) ・地域の魅力と問題 第 2 回(3 月 25 日) ・地域のまちづくり方針 第 3 回(5 月 23 日) ・全体構想(案) 第 3 回(5 月 20 日) ・まちづくりアイディア 第 4 回(6 月 19 日) ・まちづくり構想図 第 4 回(7 月 31 日) ・地域別構想(案) 検討及び意見調整 都市計画マスタープラン 案( の) 10 月 14 日 都市計画審議会 ・都市計画マスタープラ ン(案) 10 月 22 日 市議会協議会 ・都市計画マスタープラ ン(案) 部課長会議(3 回)、作業部会(8 回)を開催 平成 21 年 2月 決定・公表 105 10 月 23 日~11 月 25 日 パブリックコメント 平成 21 年 2 月 発行 常滑市 事務局:建設部計画建築課 〒479-8610 愛知県常滑市新開町 4-1 TEL:0569-35-5111 FAX:0569-35-5642 E-mail:[email protected] URL:http://www.city.tokoname.aichi.jp/
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