ソーヴィニオン・ブランの香りのするホップ 誌名 日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan ISSN 09147314 著者 蛸井, 潔 巻/号 107巻5号 掲載ページ p. 306-316 発行年月 2012年5月 農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所 Tsukuba Office, Agriculture, Forestry and Fisheries Research Council Secretariat ソーヴイニオン・プランの香りのするホップ ーホップ香気成分の相互作用の解析 ( 1 ) ホップはビールに爽快な苦みと香りを与える。ホップ品種特有の香りと,そこに寄与する化合物の探索に ついて器内外で盛んに取り組まれている。さらに近年は分析技術の発展に伴い微最な香気成分の探索も可能 となった。 本稿では,ホップ品種か.与えるソーヴィニオン・ブラン様香気と,寄与成分である微最化合物について, ワインのチオール研究の第一人者である故富永敬俊博士らと共に筆者らが取り結んだ研究を紹介する。 蛸 井 潔 1 . はじめに 有名なドイツのビール純粋令において「ビールは大 ワイン醸造用のブドウのように品種ごとの「香り j に よってホップを使い分けることは,一部のクラフトピ ール(地ビール)を除いては,あまり行なわれてこな 変(麦芽)とホップと水のみから造らなくてはならな かった。しかし近年,世界のクラフトピールの中では, いj と定められていることからも,ホップという原料 単一のホップの香りに着白したどールが徐々に増えて がビール費支迭において古くから重視されてきたことが きており,それに呼応するように,ホップの育穫にお 侭われる。しかしホップがビール醸造において果た いても,伝統的なアロマホッフ。のスパイシーな香りと している役割は必ずしも広く知られているとはいえな は異なる,さまざまなフルーツを連想させる香りをビ いかもしれない。比較的よく知られた役割としては, ールに付与するホップが育成,品種化されるようにな ビールへの苦味と香りの付与があげられるが,それに ってきている。そのような試みは,特にオセアニアや 加えて苦味成分の抗菌性によるビールの微生物耐久性 米国で活発に行なわれている 2, 3 )。 の向上や,麦汁煮沸時に麦芽由来の過剰なタンパク質 本報では,そのような特徴的なホップの中から,ニ を沈殿させることによるビールの清澄化および混濁耐 ュージーランドの N e l s o nS a u v i nという品種について, 久性の向上,さらにビールの泡の安定化にもホップ 品種特有の香気成分の向定と,複数の香気成分の相互 由来の苦味成分が寄与している1)。こうしてみると, 作用により特徴的な品種香が形成されるメカニズムに まさに,我々が今日飲んでいるビールをビールたらし ついて解析した例を紹介したい。 めている蓑要な原料といえるだろう。 くから,ホップは主にアロマホップとピターホッ 2 . これまでのホップ香気成分研究 プ(近年では苦味のもととなる日酸が多いことから声 ホップはその雌株の墾花に苦味のもととなる樹脂成 日後ホップとも呼ぶ)に分類されてきた。その分類か 分,香りのもととなる精油成分,さらにはボリフェノ 香り」が重視されてきた ら,ホップの品質の中でも f ールなどを豊富に含んで、いる O その精油成分の大部分 ことがわかる。その一方で、,欧州のアロマホップの品 は炭化水素系のテルペン類 ( h u m u l e n e,myrceneな 種間での「香り」の違いはさほど大きなものではなく, ど)だが,これらは揮発性,疎水性が高いためビール TheHopC u l t i v a rC o n t r i b u t i n gt ot h eS a u v i g n o nB l a n c l i k eF l a v o ri nB e e r :A n a l y s i so fSynergyamongHop d e r i v e dF l a v o rCompounds,P a r t1 . K i y o s h iTAKOI (SAPPOROBREWERIESLTD. V a l u eC r e a t i o nDe ρa r t m e n t ) 同 , 3 0 6 醸 協 ( 2 0 1 2 ) 綴造工程の妥汁煮 i J i l l や発酵での損失が大きくビールま ルに付与するホップについては,品種化されてからの での移行さ容は非常に低く 歴史が浅いこともあり,特定のホップ品種に着目して 4 ) ビール中での含最はそれ ぞれの成分の関値を大きく下回っている。そのような 中でも,モノテルペンアルコールの l i n a - 1 0 0 1はどールへの移行率が比較的高く,開館も 1ppb と低いことから,一般にホップ香の指襟とみなさ れている 5 . 6 )。 その寄与成分を探索した研究例はほとんとεなかった。 それらのホップで醸造したビールの香りは,官能評価 では柑橘様, トロピカルフルーツ様などと表現され, 前節で紹介した従来のアロマホップとは明らかに異な しかしビールの複雑なホップ香は る特徴を有している。そのため,これまでのホップ香 l i n a l o o lの香気(すずらん様,ラベンダ一様)だけで 気成分の研究では対象とされてこなかった香気成分の きないということも指摘されている 。また, i ) 寄与が予想された。 ぞのままではビールまで移行しない humuleneなどの そのようなホップの中でもクラフトビールの世界で 系のセスキテルペン類についても,酸化物 知名度が高まってきている品種にニュージーランド ( h u m u l e n ee p o x i d eなど)としてビールに手多f 子しホッ しているとする報告もある針。 (NZ) の N巴l s o nS a u v i nが あ る ( 第 1剖)。これは ∞ 2 0年に品種化された比較的新しい品種だが,自ワイ 古くからのアロマホップで醸造したどールの香りは s p i c y ).ハーブ様 ( h e r b a O . スパイス様 ( ( w o o d y ) 等と表現されているが 9) その寄与 ンのような苦手りをビールに付与するとされている 1 2 . 13 ) NZではワインの醸造が盛んであり,その代表品種 は白ワインではソーヴイニオン・プラン,赤ワインで 成分は現在でもなお十分に解明されているわけで、はな はピノ・ノワールとされている。 NZにおけるホップ し寄与成分の候補を同定する試みは続けられている。 蔵地ネルソン地区は NZ南島北端部に位霞し,ワイン 近年でも, ドイツのハラタウ地方の H ersbruckerや の名醸地とされるマルボロ地区にほぼ隣接しており, a a z等のスパイス様,樹木様の寄与成分の候 チェコの S ワイン醸造用のブドウの栽培,およびワイン醸造も盛 舗として,いくつかの香気成分が報告されている んである。現地の農家では,時に同じ農場でワイン用 9-1 ) 。 3 . ソーヴィニオン・ブランの香りのするホップ 近年育成されている特徴的なフルーツの香りをどー 第 1図 のブドウとホップを栽培していることもある。 筆者が NZを訪れた際に現地のホップサプライヤー の方から伺った話では. N e l s o nS a u v i nという品種名 収穫前の N e l s o nS a u v i nホップ(写真左)およびネルソン地区の農場(写真右・ブドウ焔にホップ熔の 棚が隣接) 第 1 0 7巻 第 5 号 3 0 7 にはネルソンで育成されたソーヴイニオン・プランの 香りのするホップという意味が込められているとのこ 試験問で明らかな差は認められなかった 1 6 )。 そ こ で 次 に GC-MSの SCANモードで対照と試験 のクロマトグラム安比較してみたところ,対照の とであった。 Saazに は な く , 試 験 の NelsonSauvinに の み 存 夜 し 4 .香気成分の探索 ているピークを 3つ見出した。これらは, GC ふI Sの NelsonSauvinを実際に入手して初めて試験醸造を 行なってみたのは 2 003年のことだ、ったが,仕上がっ ライブラリ検索および標準物質との比較から,いずれ もイソ酪酸の部分の構造の共通する 3つのイソ酪酸エ 惑が感じられた。 たピールの香りは独特のフルーテイ j o b u t y li s o b u t y r a t e,i s o a m y li s o b u t y r a t e, ステル類Cis その香りは,それまでにホップ由来の香りとして経験 2 m e t h y l b u t y li s o b u t y r a t 巴)と同定された(第 3図) ] . j ) 。 してきた様々な香りとは明らかに異なり,確かに白ワ イン様という表現がしっくりくるものであった。 これらは,者干のニュアンスの違いはあるものの, いずれも青りんご様のブルーティな香気を有する化合 そこで,その品穣特有香に寄与する香気成分を探索 物で,試験醸造サンプル潤の比較では試験の方に多く した。対照としてはチェコ産のアロマホップ Saazを 含まれていた。しかし, N elsonSauvinで醸造したど 用い,前品種とも同じ差のホップで香りづけを行なっ ールの独特のフルーティ感はソーヴイニオン・プラン た試験醸造サンプルで比較を行なった 1 4 1 6 )。 まず,既に述べたテルペン系のホップ香気成分を比 較した(第 2図)。その結果,炭化水素系テルペン類 のm y r c e n ε ,humulene, ま た モ ノ テ ル ペ ン ア ル コ ー ルの五 n a l o o ,l c i t r o n e l l o l,g e r a n i o lについては,対照, ワインを連想させるグレープフルーツ様, トロピカル フルーツ様の香りであり,イソ酪費支エステル類の香り のニュアンスとは完全には一致しなかった。 また,これらのイソ酪酸エステル類は,全くの新規 成分ではなく,文献調査では,多くのどターホップや 1 6 . 0 云1 4 . 0 註1 2 . 0 ; ;1 0 . 0 芸 8.0 5 a6 . 0 240 ト 2.0 0 . 0 その他の醸造酒 (麦芽なし) 第 2図 ビール 発泡酒 (麦芽 24%) (麦芽 100%) Saazおよび NelsonSauvin試験醸造サンプル中のテルペン類の比較 1 6 ) (CSA .CzechSaaz: NNS,NelsonSauvin) I s o b u t y li s o b u t y r a t e( I B I B ) IA I B ) I s o a m y li s o b u t y r a t e( 2M e t h y l b u t y li s o b u t y r a t e( 2 M I B ) 嶋 ん 。γ人 行 o 。γ人 y 人 vん O 第 3医 308 NelsonSauvin試験談造サンプルから検出されたイソ諮酸エステル類の構造 1 4 ) 議 協 ( 2 0 1 2 ) ハラタウ産のアロマホップにも含まれている成分だ、っ た 17-20)。実際,ホッフ。の品種間で、比較してみたところ, 味深いものであった。 N e l s o nS a u v i nの試験を進める過程で「ソーヴイニ N e l s o nS a u v i n以外のホップからも見出すことができ オン・プランの香り」という共通点から,この総説の た(第 4図 ) 。 内容が思い出された。そこで,総説で紹介されていた イソ飴酸エステル類は煮沸や発酵で揮散しやすく, いくつかのチオールのうち,グレープフルーツ様の香 ビールの中ではビターホップで強く香りづけを s u l f a n y l h e x a n l o l (3SH 過去の文献では 気を持つ 3 う英国のエールタイプなどを除いては,あまりピ 3 m e r c a p t o h e x a n l o l (3MH) と表記)の標準物質を また,こ 0p p t程度の濃度で通常の 入手し,隣値とされる数 1 れらと myrceneが混在した際に柑橘系の香りが感じ - ),'~ゃからは検出されない成分であり 18.20\ ビールに添加してみたところ,香味のニュアンスが られたとする報告もあった刻。そのため,これらの N e l s o nS a u v i nで穣造したビールに近づくことを官能 N e l s o nS a u v i nの特有香にある程度寄与してい る可詑性はあると推察された。しかし香りの特徴の 的に確認することができた。 e l s o nS a u v i nの品種特有香のキ一成分 こうして. N 遠いから.最も重要なキ一成分はまだ他に潜んでいる は低関値のチオールであろう, という仮説を立てたも のではないかと考えられた。 のの,その検証のための分析は難しく攻めあぐねてい たところ,縁あって,この話が当の総説を舎かれた富 5 . キー成分はチオール化合物? 永博士のお耳に入り,博士も非常に興味を持たれたこ e l s o nS a u v i nの試験醸造を始めた 2 0 0 3年 我々が N に,日本綾造協会誌にボルドー第 2大学のリサーチエ ンジニアであった富永敬俊博士による総説 f ノンアロ マテック品種ワインの香気成分とその生成機構の現状 J ーボルドーのソーヴィニオン・プランを例として - とから,このテーマについて共同研究で取り組むこと となった。 6 . 新規なチオ…ル化合物の同定 ソーヴィニオン・プラン ワインの特有香のキ一成 がお殺された 21)。そこで解説されていた,低関イ底の 分となるチオールは先に紹介したグレープフルーツ様 チオール化合物がソーヴィニオン・プラン の香気を持つ 3SHやツゲ,エニシダの芽のような香 ワインの しており,また,それらのチオール化合 りの 4 m e t h y l 4 s u l f a n y l p巴n t a n2 o n巴 (4MSP :過去の 物は発酵前の果汁中には遊離の状態では存在せず,発 m e r c a p t o 4 m e t h y l p e n t a n 2 o n e (4MMP) 文献では 4 酵で前駆{本から遊離してソーヴィニオン・プランの品 を形成している, という研究内容は非常に輿 句 と表記)であり 21)仮説の段階では N e l s o nS a u v i nの 分析からもこれらの成分が検出されるのではないかと 80 ~ 0 70 詮6 0 gs o g j 40 0 三 30 3 2 0 ( j ) 1 0 O HHT 第 4図 第 1 0 7巻 CSA HHM HNU NPH NNS ホップ品種間でのイソ酪酸エステル類の比較的 (HHT.H a l l e r t a uT r a d i t i o n ;CSA . CzechS a a z ;HHM.H a l l e r t a uMagnum;HNU.H a l l e r t a uN u g g e t ;NPH .NZP a c i f i c H a l l e r t a u ;NNS.N e l s o nS a u v i n ) 第 5号 3 0 9 予想していた。 0 1 (3S4MP) と同定さ び3 s u l f a n y l 4 m e t h y l p e n t a n1 司 まず,第 4図と同じ 6品種のホップを熱水抽出し れた(第 1表)。これらは過去に文献での報告例がな 抽出液に対しマーキュリー安息香酸を用いてチオール く , CASへの登録もない新規物質であった。標準物 を特奥的に濃絡し GC-FPDにより分析したところ, 質で香りの特徴を確認したところ,両者で若干のニュ 夜には,他の品種にはほと NelsonSauvinの熱水拍出 i アンスの違いはあるものの,いずれもグレープフルー んどない多くのチオールのピークが認められ,匂い唆 ツ様,ルパーブ様の特徴的な香気を有していた。この ぎ GCではソーヴイニオン・プラン的な香気が 5箇所 うち, 3S4MPは GC-FPD上で最も大きなピークとし で見出された(第 l表) 15)。発醇させる前のホップの て検出されていたことから 抽出液から遊離のチオールが見出されたことになるが, v i nの品種特有香のキー成分であろうと考えられた この点は果汁中のチオールが前駆体としてのみ存在し 発酵で遊離してくるワインとは異なっていた O ここで,見出された 5つの化合物について GC-MS これこそが NelsonS a u 。 1 5 ) 先に述べた通り,仮説の段階ではソーヴィニオン・ プラン ワインと同じ 3SHの検出を予想していたが, 結果としては, 3SHと構造および香りの特徴の似通 により MSスペクトルを確認したところ, 3つは既に った新規なチオールを見出すこととなった。まさに ワインで報告されていた既知のチオールだったが,残 「やってみなければわからない j ということで,研究 る 2つの化合物は既知のチオールとは MSスペクトル というものの面白さを実感できる経験であった。 が一致しなかった。このうちの lつが NelsonSauvin 熱水抽出液の GC-FPDチャート上で,最も大きなピ ークであった。 7 . 新規チオールの品種特異性と醸造工程中の挙動 こうして NelsonSauvinの品種特有香の寄与候補成 これら 2つの未知成分について, MSスペクトルか 分が│苛定できたので,次に,この新規成分を含むチオ ら構造を推定し合成した襟準物質と GC上のリテン ール化合物のホップ品種間での比較とどール製造工程 ションインデックス, MSスペクトルを比較した結巣, での挙動について検討してみた 3 s u l f a n y l 4 m e t h y l p e n t y la c e t a t e (3S4MPA), お よ まず,第 4図に示した 6品種のホップの熱水拙出物 第 1表 NelsonSauvinから検出されたチオール類 R IonB P 2 0 " 香りの特徴 化合物名 1 3 8 9 ツゲ,エニシダの芽 ブ守ラックカラント 4-m 巴t h y l 4 もu l f a n y l p e n t a n 2 o n e (4MSP) グレーフ。フ jレーツ ル ノ fーブ 3 s u l f a n y l 4 m e t h y l p e n t y la c e t a t e (3S4MPA) 1 7 0 4 1 7 7 2 1 8 2 2 グレープフルーツ グレープフルーツ ルノすーブ 。 1 5 ) 3s u l f a n y l p e n t a n 1 o 1 ( 3 S P ) 司 3 s u l f a n y l 4 m e t h y l p e nt a n 1 o 1 (3S4MP) 1 5 ) 構造 、('yCH3 SH O ん SH γ O ハγヘ¥ 4 Sト ん出 SH 1 8 5 7 グレープフルーツ 3 s u l f a n y l h e x a n 1 o 1 ( 3 S H ) 、~ゾ SH " B P 2 0カラムでの分析から計算したリテンションインデックス 310 醸 協 ( 2 0 1 2 ) 次に,ホップの抽出温度を 5 ,2 5,5 0,90tの 4水 を用い,第 l表に示した 5つ の チ オ ー ル (3S4MP, 3S4MPA,4MSP,3SH,3 s u l f a n y l p e n t a n l o l( 3 S P ) ) 準で比較してみたところ, 3S4MPの抽出量は温度の にクいて定量を行ない比較した。前節の GC-FPDの 上昇に従って増加した(第 6国) 15)。ホップは麦 J 十を 結果の説明でも述べた通り,比較した品種の中では, 煮沸する工程で投入されるが,その高温の条件は e l s o nS a u v i n 他の品穫中のチオールはごく少なく, N 3S4MPの麦汁への移行には有利に働くと考えられる O だけが顕著な量のチオールを含んで、いた(第 5国) 15)。 さらに,実際に発酵を行なった試験醸造サンプルで 比較してみた(比較に用いたサンプルは第 2簡に同 した品種の中の一つ NZP a c i f i cH a l l e r t a u (この ∞ は 2 8年に P a c i f i c aに変更されいる)は N e l - じ)。その結果, 3S4MPだけでなく 3S4MPAも検出 s o nS a u v i nと同じ NZの品種だが,同じ NZの品種と された(第 7罰)。これは発酵によるエステル化で e l s o nS a u v i nに特異的に含まれ 比べてもチオールは N 3S4MPから生成しているものと推察された ていた。 試験環境の制約から発酵に伴うチオールの変動を詳細 1 5 )。また 成分間の比較では,新規チオールの一つである に検討することはできなかったが,一連の試験醸造サ 3 S 生MPの含量が最も多く,その酢酸エステルである ンプル中の 3S4MP含量をホップ使用景あたりに換算 3S4MPAはさほど多くはなかった。また, 3SHもあ して前述の 9 0tでの抽出量と比較してみるとおよそ 5 まり含まれておらず,むしろ 4MSPの含量が 3S4MP 倍程度に棺当しており, 3S4MPは発酵工程でも増加 に次いで、高かった。 しているのではないかと推察された問。 1000 0. 0. ロ4MSP 臼 3S4MPA 図 3SP 図 3S4MP .3SH 800 的 600 0 . c ω 400 ω 。200 > 日 露 O HHT CSA HHM HNU ホップ品種間でのチオール類の比較 第 5図 NPH NNS 1 5 ) (4MSP,4 m e t h y l 4 s u l f a n y l p e n t a n 2 o n e ; s u l f a n y l 4 m e t h y l p e n t y la c e t a t e ; 3S4MPA,3 3SP,3 s u l f a n y l p e n t a n l o l ; 3S4MP,3 s u l f a n y l 4m e t h y l p e n t a n l o l ; , H3 s u l f a n y l h e x a n l o U 3S 司 nunununu nunununU RunuRunu 44541 円 o一£ ω一 ( E a ) ω一 一 古 一 n J ι O﹀ 500 O 5C 0 第 6図 第 1 0 7巻 第 5号 25C 0 500C 900C N e l s o nS a u v i nのホップ抽出温度とチオール抽出量の比較 15) 3 1 1 160 : ; : ; - 140 s120 ! ! 2 100 宣 80 ~ 苦 40 ~ 20 60 O その他の醸造酒 (麦芽なし) ビーjレ 発泡酒 (麦芽 24%) (麦芽 100%) 第 7図 S aazおよび N e l s o nS a u v i n試験醸造サンプル中のチオール類の比較 1 5 ) 第 7図のデータのうち,麦芽 100%のビールと麦芽 その結果, 3S4MPについてはモデル液中で 4 0p p t, の少ない発泡酒,麦芽を使用していないその他の醸造 0p p tと 3SH (10%エタノール溶液中 ピール中でも 7 酒の隠の比較では, 3SHと 3SPの含量に対しては, で6 0ppeU) とほぼ同等の低い閥値が確認された。一 N e l s o nS a u v i nと S a a zの品種間差よりむしろ麦芽使 方,エステル体の 3S4MPAの推定関値はモデル液で 用の有無の影響の方が大きいように見受けられた。な 1 2 0p p t, ビール中で 1 6 0p p tと , 3S4MPよりやや高 お,過去にも 3SHがホップと麦芽の双方に由来して めであった。また,イソ酪酸エステル類の 2MIBはモ いる可能性が指摘された例はある デル液中で 5 7ppb,ビール中で 7 8ppbと,エステル 。 2 2 ) 以上克てきたように, 5つ の チ オ ー ル の 中 で も としては低めではあるが,チオールと比べると遥かに 高い鴎債を示した 3S4MPと 3S4MPAが N e l s o nS a u v i nを用いて醸造し 。 1 6 ) N e l s o nS a u v i nを 用 い た 試 験 醸 造 サ ン プ ル 中 の た発酵液に特異的な化合物であることが確認された。 3S4MP,3S4MP, A 2MIBの含量は第 2表に示したが, 8 . チオールを轄とした香りの相互作用 3S4MPは試験醸造サンプル中に 1 2 0p p t程度と関値 f 規チオールの官能特性について確認してみ 次に,事r , A 2MIBに を超える含量が含まれていたが, 3S4MP た。比較に際しては,チオールと比べると品種特異性 ついては試験醸造サンフ。ルの含量は間値を大きく下回 e l s o nS a u v i nで香り付けしたビール は低いものの, N るものであった。 ,G C-O等の分析で食品,飲料中から 従来, GC-MS 中から検出されたイソ滋酸エステル類の中で,代表と m e t h y l b u t y li s o b u t y r a t e して最も含量の多かった 2 (2MIB) も同時に比較してみることとした 検出された多数の香気成分からキーとなる成分を絞り 。 込んで、いくようなケースでは,個々の成分の含量が関 1 6 ) まず¥ ビールを模した 5%エタノール溶液(炭酸ガ 億を超えているか否かが選抜指標とされてきた。しか ス含有)を用いたモデル系と,市販のビールに各化合 し今回のケースでは, 3S4MP,3S4MP, A 2MIBは 物の標準物質を添加し,関イ直の推定を行なってみた。 N e l s o nS a u v i nの試験醸造サンプルに特異的に含まれ 第 2表 3S4MP,3S4MPおよび 2MIBの関値と試験醸造サンプル中での含量 1 6 ) 推定関値 化合物 3S4MP 香りの特徴 ビール b 試験醸造サンプル中の濃度 ( p p t ) グレープフルーツ 4 0 7 0 3S4MPA ( p p t ) グレーブフルーツ 1 2 0 1 6 0 9 3 1 3 8 2 5 5 7 7 8 2 . 3 5. 4 2MIB ( p p b ) '1寄りんご,沓 "5 9 6v / vヱタノール溶液(炭酸ガス含有), 3 1 2 モデル i 夜a b 。 日本の市販ビール 醸 協 ( 2 0 1 2 ) その結果(第 8図 ) , 3S4MP単独で、は f グリーン J おり分析の函で既に選抜してきた成分であることか ら これらが品設特有香に寄与している可能性を考え, f スモーキー」などの特徴が突出した印象であるが, r 3S4MPAや 2MIBとの共存では f フ ラ ワ リ -J フル について中食言すを千子なった。 j l jできる官能検査 の有無を比較的簡易に判 j ーティ j といった特徴が強まり, 3成分が共存した場 して~~、下のような方法を用いた。即ち,相互作用の 合に香気特徴の変化は最も大きくなった。この結果か キーとなる(他の香気成分の香気を強め得る)成分を ら,これらの 3成分はいずれも NelsonS auvinの品種 し 官 能 検 査 の 3点試験法のすべてのサンブ 特有香の形成に寄与しているものと推察された 乍同じ濃度で添加しておく。この 3点試験法の試験 サンブルには別の香気成分を関億を下回る波度(たと 。 1 6 ) チオールの香気相互作用についてはワイン分野では 既に報告があり,例えば構造の近いチオール同士, えば,試験競造サンフ。ル中で、の実際の含量)で添加す 3SP,3SHと 3 s u l f a n y l h e p t a n l o l (これらは直鎖で る。ー殺に, 1 1 & l1iII以下の含量での 3点試験法では試験 ー 竹ンブP)しは有意に識別されないため,この試験で有意 香気のエンハンス効果が確認されているお)。しかし されれば,共通して存在するキ一成分と 今回のケースではキ一成分の 3S4MPはチオールでは の穏互作用で試験サンプル中の香気がエンハンスされ ない 2MIBの香気にもエンハンス効果を示した O この OHと 凶SHの配置は共通で、鎖長のみ異なる)の問で ことから, 3S4MPがさらに他の香気成分に対しでも とみなすことができる。 は,最も関{痘が低く NelsonS auvinに特異的な オールである 3S4MPを キ 一 成 分 と 仮 定 し 他 の 2 エンハンス効果を及ぼしうるのではないかと考え,一 例として, 3S4MPと l i n a l o o l等のモノテルペンアルコ ールとの相互作用を検討してみた 成分との相互作用を検討してみた。 3S4MPAおよび 。 1 6 ) おlIBは試験醸造サンプル中の含量に相当する濃度に 第 3表と同様に,ベースに関値濃度の 3S4MPを含 しすべてのサンプルに閥値の濃度の 3S4MPを む 3点試験法で, l i n a l o o . lc i t r o n e l l o . l geraniolに対 し 3点試験法に供した。その結果(第 3表 ) , いずれも有意に識別されたことから,関値以下の i n a l o o l,c i t r o n e l l o . l する相互作用の有無を検討した。 l g e r a n i o lの鴎値はあらかじめ同じパネル集団で推定し 0 3点試験法に供した濃度は c i t r o ておいた(第 4閤 ) 3S 必 lPAおよび 2MIBがキ一成分 3S4MPとの共存下 ンハンスされ, 可能性が示唆された ている 7 トータルの香気に影響し n e l l o l,g e r a n i o lは NelsonS a u v i n試験醸造サンプル中 の含量(第 2図)が閥値を下回っていたため,その濃 。 1 6 ) そこで次に,これらの 3成分を試験醸造サンプル中 度とし l i n a l o o lについては,試験綾造サンプル中の の渋皮で、組み合わせたモデル液で,成分間の相互作用 含量が閥値を超えており,その濃度では単独でも有意 による香気プロファイルへの影響を検討してみた。具 に識別されると予想されたため,関値の濃度で試験を 体的には,成分の組み合わせを変えたモデル液につい i n a l o o l,g e r a n i o lについては有 行なった。その結果, l Jr グリーン Jr スパイ 意に識別され, 3S4MPによるエンハンス効果が確認 シ-j f スモーキ Jの 5つの香気特徴について官能 r された(第 5表) 16)。第 2図に示した通り, これらの て「フラワリー J フルーティ コアを取り,その平均を比較した 第 3表 試験溶液 対照溶液 正解者/会パネル ρ 3S4MP ( 4 0p p t ) 8 / 1 0 0 . 0 1 3 S 4 l v l P( 4 0p p t ) 7 / 1 0 0 . 0 5 3 S 4 l v l P( 4 0p p t ) 7 / 1 0 0 . 0 5 2 l v l I B( 5p p b ) 3 S 4 l v l P( 4 0p p t ) 十 1 6 ) 3S4MPA ( 2 0p p t ) 3S4MP ( 4 0p p t ) 十 成分は試験醸造サンプルの対照,試験問でほとんど合 3S4MPと 3S4MP,2MIBとの香気エンハンス効果の検討 3S4MP ( 4 0p p t ) 十 。 1 6 ) 3 S 4 l v l PA (20p p t ) +2 l v l I B( 5p p b ) 第 1 0 7巻 第 5 号 3 1 3 キ ス モ フルーティ スモーキー フルーティ スパイシ"-一一一一一一-"グリーン 3S4MP( 1 2 0p p t ) + 3 S 4 M P A( 2 0p p t ) キ ス モ フルーティ フルーティ スモーキー グリーン 3S4MP( 1 2 0p p t ) + 2 M I B( 5p p b ) 3 S 4 M P( 1 2 0p p t ) p b ) + 3 S 4 M P A( 2 0p p t ) + 2 M I B(5p モデル液による 3S4MP,3S4MP A . 2MIBの香気プロファイル変化 1 6 ) 第 8図 第 4表 モノテルペンアルコール類の関値と試験醸造サンプル中での含量 1 6 ) 推定開催 化合物 L i n a l o o l ( p p b ) p p b ) C i t r o n e l l o l ( G e r a n i o l 夜a モデル i 香りの特徴 ( p p b ) 試験醸造サンプル中の濃度 1 0 1 3 3 5 レモン,ライム 9 8 4 5 6 6 5 6 ラ ノf a5 9 6v / vエタノール溶液(炭酸ガス含有), 第 5表 ビール b ラベンダー b 日本の市販ピール 3S4MPと l i n a l o o l,g e r a n i o ,l c i t r o n e l l o lとの香気エンハンス効果の検討 1 6 ) 試験溶液 3S4MP ( 4 0p p t ) 正!持者/全パネル ρ 3S4MP ( 4 0p p t ) 8 / 1 3 0 . 0 5 3S4MP ( 4 0p p t ) 6 / 1 3 3S4MP ( 4 0p p t ) 9 / 1 3 対照 i 容液 +l i n 註1 0 0 1( 3p p b ) 3S4MP ( 4 0p p t ) +c i t r o n e l l o l( 5p p b ) 3S4MP ( 4 0p p t ) 0 . 0 1 +g e r a n i o l( 5p p b ) 長差のなかった香気成分であるが, 3S4MPの存在下 ではそのような香気成分も全体の香気に寄与している 可能性があると思われる。 9 . ホップ崩来のチオール研究の現状 ビールの分野における低鶴値のチオールに関する研 以上の結果より, NelsonS auvinより新規に同定さ 究として古くから行なわれてきたものとしては「日光 れたチオール 3S4MPは,そのものの特有の香気に加 臭」というオフフレーパーに関する研究が代表例とし え,さまざまな香気成分のエンハンサーとしても機能 てあげられる 2 4 2 6 )。これは,壌ビールに光があたっ elsonSauvinの品種特有香を することで¥複合的に N た際に生じる特有の臭いで¥低濃度では独特の焦臭で 形成しているのではないかと推察された。 あるが,行き過ぎると鼻を差すような強烈な臭いとな る。英語ではスカンクの臭い ( skunky) と表現され 314 醸 協 ( 2 0 1 2 ) るほど.好ましくない臭いと認識されている。 その本体は 3 m e t h y l 2 b u t e n e 1 t h i o l (3MBT) と s o h u いうチオール化合物であり, ビールの苦味成分 i ホップ品干重の中でも A p o l l o . Simco 巴など. C a s c a d e の 5倍以上の 4MSPを含む品種も見出されている 2 2 . 3 3 1。 e l s o nS a u v i nを含む 5 また,つい最近の例では. N m u l o n eの側鎖が紫外線で解裂しイソプレニル基の構 つの品種の比較分析を行なった結果. Tomahawkと 造をもって遊離しそれにビール中に微量存在する硫 いう品種が 3S4MPを含むチオールを多く含んでいた 化水去が反応して生成することが分かつている。開催 という報告もなされている(その比較データにおいて はi p p t穏度と極めて低く e l s o nS a u v i nの主要なチオールは 3S4MPであ も. N 2 6 1 短時間の爆光でも悶{直 以上の是がどール中に生成してしまうことから,光は ることが確認されている)制。まだチオールの分析に どールにとっては大敵とされている。 供された品種は少ないが,今後研究が進むにつれ,世 近年の研究では,この 3MBTが必ずしも埋製品の 界のホップ品種のチオールのプロファイルと,そのビ けでなく.仕込時の麦汁煮沸工程 271や,酵母 ール香気への影響が徐々に明らかになっていくであろ ; 京が不足した発泡 j 匿の発酵工程 281等でも生成 の栄主主1 することが明らかとなってきており,古くから知られ た成分、で、はあるものの, ピールの品質管理にとっては つ 。 1 0 . おわりに 依然として重要な成分と認識されている。香気成分で 序論でも述べた通り.クラフトビールの世界的なブ はない押!?長物質を前駆体とするという生成機構がユニ ームを背景に,独特のフルーティ感をビールに付与す るホップの脊種はこれからも続いていくと思われる。 ークなチオールである。 3MBT}j, 外のチオール化合物の研究がビール分野 今回紹介したいくつかのチオール化合物は,そのよう 2 0 0 0年代に入 なホップの育種の指標や,それらのホップで醸造した ってからで,これはやはりワイン分野でのチオール研 どールの品質評価の観点から,今後さらに重要性が増 究の発達に触発されたものと推察される。実際,ほと していくものと思われる O で活発に行なわれるようになったのは んとの研究は富永博士のマーキュリ一安息香酸による チオール精製法 2 9 1 もしくはその改良法を分析に用 いており。ソ…ヴィニオン・プラン ワインの特有香 成分である 3SHや 4MSPをビールやホップ中から t 策 索することをターゲットとしている。 そのような近年のホップ由来チオール化合物の研究 例としては,まず,アメリカのホップ品種 C ascad 巴 からの 4MSPの検出が報告された また,これまでのところ,ホップ中のチオールの前 駆体や生成機構の解明はあまり進んでおらず,チオー j レの多寡がホップ品稜関で板端に異なる原田もわかつ てはいなし、。今後の解明が期待されるところである O 1 1 . 語辞 本研究の共同研究者であり.研究遂行中,多岐に渡 Cascadeはフ るご指導ご鞭援をいただいた故富永敬俊博士.ならび )~ーティな香りをビールに付与できることからクラフ に博士のご逝去後,研究完遂にご協力いただ、いた富永 1 0 . 3 0 10 トビールでは定番的に使用されている品種で,以前か ariεDegueil博士, 良子氏。ボルドー第一大学の M らその品稜特有香にはテルペンアルコールの l i n a l o o . l BernardBennetau教授,ボルドー第二大学の C e c i l e g e r a n i o l等の寄与が提唱されていたが 31¥ 現在ではそ Thibon博士. D e n i sD u b o u r d i e u教授に感謝します。 れらに加え,この 4MSPも寄与しているのではない かと推察されているお)。 る分析,官能検査でご協力いただいた多くの共同研究 ホップ品種間の比較では,アメリカのホップ品種が 欧州の品穣に比べチオール化合物の合最が高い傾向が されているが 1 0初¥欧州のホップ栽培でよく用 いられているボルドー液(チオールと親和性の高い硫 段銅を含む)がホップ中のチオールのうち特に 4MSP を減少させる可能性も指摘されている 3 3 1。 し か し 栽培条件以上に品稜関での違いは大きく。アメリカの 0 7巻 第 5 i 号 第 1 また,サッポロビール(株)において本研究に関わ 者の方々にも改めて感謝いたします。 〈サッポロビール(株)新価値開発部〉 参考文献 1 ) ビール溜造組合国際技術委員会編.ビールの基 本技術(三版改訂) ( 2 0 1 0 ) 2 ) NewZealandHopsL i m i t e d ; (http://www. 3 1 5 n z h o p s . c o . n z / ) 3 ) USAH o p s ;( h t t p : / / w w w . u s a h o p s . o r g / ) 4 ) 日本醸造協会編 醸造物の成分 ( 19 9 9 ) 5 ) T .K i s h i m o t o .A .W anikawa.N .Kagami,K .K a w a t s u r a :f .Agric.FoodChem.,53,4701-4707 ( 2 0 0 5 ) 6 ) H .T .F r i t s c h,P .S c h i e b e r l e :f .Agric. Food Chem.,53,7 5 4 4 7 5 5 1( 2 0 0 5 ) .P e a c o c k :MBAA T e c h .Q u a r t .,47,2 9 3 2 7 ) V .E ( 2 0 1 0 ) 8 ) K .C .Lam,R .T .F o s t e rI I,M.L .D e i n z e r :f . A g r i c .FoodChem.,34,7 6 3 7 7 0( 19 8 6 ) 9 ) G .T .E y r e s,P .] .M a r r i o t t,].P .D u f o u r :f .Agr i c .FoodC h e m . .55,6 2 5 2 6 2 6 1( 2 0 0 7 ) .K i s h i m o t o,A .W a n i l 王a wa,K .Kono,K .S h i b a 1 0 ) T t a : ] .A g r i c .FoodChem.,54 ,8 8 5 5 8 8 6 1( 2 0 0 6 ) 1 1 ) 特許第 4 7 8 1 4 5 0号 ( 2 0 1 1 ) .R .G r a v e s,M.B .B r i e r,G .S .Chandra,P .A 1 2 ) 1 A l s p a c h :P r o c e e d i n g s0 /t h e2 7 t hC o n v e n t i o n 0 /t h el n s t i t u t eandG u i l d0 /Brewing ,A s i aPa 7 2 2( 2 0 0 2 ) (CD-RO 抗) c i f i cS e c t i o n,1 1 3 ) R .A .B e a t s o n,K .A.A n s e l . lL .T .G raham:New Z e a l a n dJ o u r n a l0 /CrotandH o r t i c u l t u r a lS c i 1,3 0 3 3 0 9( 2 0 0 3 ) e n c e,3 .T a k o i,T .Tominaga,M.D e g u e i . lD .S a k a t a, 1 4 ) K T .K u r i h a r a,S .S h i n k a r u k,T .Nakamura,K Maeda,H .Akiyama,] .W atar . iB .B e n n e t a u,D . D u b o u r d i e u :P r o c e e d i n g s0 /t h e3 1 s tEωゆ e a n Breweries Convention Congress,2 4 1 2 5 1 ( 2 0 0 7 ) (CD ぷ OM) 1 5 ) K .T a k o i,M.D e g u e i . lS .S h i n k a r u k,C .Thibon, K .Maeda,K .I t o,B .Bennetau,D .D u b o u r d i e u, T .T o m i n a g a :f .Agric.FoodChem.,57,24932 5 0 2( 2 0 0 9 ) 1 6 ) K .T a k o i,M.D e g u e i . lS .S h i n k a r u k,C .T h i b o n, ぐ r .K u r i h a r a,K .Toyoshima,K .I to,B .B e n n e t a u,D .D u b o u r d i e u,T .T o m i n a g a :B r e w i n g S c i . Mo n a t s s ch r . Brauωi s s .,62 ( Ju l y /August), 1 0 8 1 1 8( 2 0 0 9 ) .P e r p e t e,L .M e l o t t e,S .D u p i r e,S .C o l l i n :f . 1 7 ) P Am.S o c .Breu 人 C h e m . .56,1 0 4 1 0 8( 1 9 9 8 ) .Murakami,E .C h i c o y e,H .G o l d s t e i n :f .Am. 1 8 ) A S o c .B r e w .Chem.,45,1 9 2 3( 19 8 7 ) 1 9 ) A .A .Murakami.S .Rader,E .C h i c o y e,H .G o l d - 3 1 6 s t e i n : ] . Am. S o c . Breu 人 C hem.,47,3 5 4 2 ( 1 9 8 9 ) .S e a t o n,M.Moir,A .S ugget :P r o c e e d i n g s 2 0 ) ] .C i ft h e17th C O l l v e n t i oJl 0 /t h el n s t i t u t e0 / Breωi n g ,A u s t r a l i aandNewZ e a l a n dS e c t i oJ/, 1 1 7 1 2 4( 19 8 2 ) 21 ) 富永敬俊,デゥニ・デユブルデユー・日穣協 1 l t,9 8 .( 9 ) ,6 2 8 6 3 7( 2 0 0 3 ) .K i s h i m o t o,M.Morimoto,M.K o b a y a s h i,N . 2 2 ) T .W a n i k a w a : ] .Am.S o c .B r e w .Chem., Yako,A 66,1 9 2 1 9 6( 2 0 0 8 ) .S a r r a z i n,S .Shinkaruk .T .Tominaga,B 2 3 ) E B e n n e t a u,E .F r e r o t,D .D u b o u r d i e u :f .Agric FoodChem.,55,1 4 3 7 1 4 4 4( 2 0 0 7 ) .Kuroiwa,N .H a s h i m o t o :P r o c . Am. S o c . 2 4 ) Y B r e w .C h e m . .1 6 2 1 6 5( 1 9 6 1 ) .Kuroiwa,N .Hashimoto,H .Hashimoto,E . 2 5 ) Y K o k u b o .K .Nakagawa:P r o c .Am. S o c . Breω Chem.,1 8 1 1 9 3( 19 6 3 ) r w i n,L .B o r d e l e a u,R .L .B a r k e r :f .Am. 2 6 ) A.].I S o c .Breω.C h e m . .5 1,1 3( 1 9 9 3 ) .O g a n e .S .Yamauchi,A .U ehara,T .Ima . iY 2 7 ) O Ogawa:Proceedings0 /the31stEurotean Breweries Convention Congress, 680-686 ( 2 0 0 7 ) (CD-ROM) 2 8 ) M.K o b a y a s h i,A .I i d a,N .Kagam . iK .Kawatura: P r o c e e d i n g s0 /t h e3 0 t hEuroteanB r e w e r i e s C o n v e n t i o nC o n g r e s s,3 3 3 3 3 9( 2 0 0 5 ) (CDROM) 2 9 ) T .Tominaga,M.L .Murat,D .D u b o u r d i e u :f . A g r i c .FoodChem.,4 6 . 1 0 4 4 1 0 4 8( 19 9 8 ) t e i n h a u s,W.W i l h e l m,P .S c h i e b e r l e :E u r . 3 0 ) M.S F o o d .R e s . Techno , . l 226, 4 5 5 5( 2 0 0 7 ) 31 ) V .E .P e a c o ck .M.L .D巴i n z e r,S .T .L i k e n s,G . B .Nickerson, L .A .M c G i l l :] .A g r i c . Food .,2 9,1 2 6 5 1 2 6 9( 19 8 1 ) Che刀Z t e i n h a u s .P .S c h i e b e r l e :P r o c e e d i J Z g s0 /t h e 3 2 ) M.S 3 1 s tEuroteanB r e w e r i e sC o n v e n t i o nC O J Z g r e s s . 1 0 0 4 1 0 1 1( 2 0 0 7 ) (CD-ROM) 3 3 ) T .K i s h i m o t o,M.K o b a y a s h i,N .Yako,A .I id a, A .W a n i k a w a : ] .A g r i c .FoodC h e m . .56,1 0 5 1 1 0 5 7( 2 0 0 8 ) .N i z e t,S .C o l l i n :] .A g r i c . Food 3 4 ) ] . Gros,S C h e m . .59,8 8 5 3 8 8 6 5( 2 0 1 1 ) 。 目 四 醸 協 ( 2 0 1 2 )
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