子供たちとこの国の未来のために、 市民と医師が本気で減塩について考える SALT-CONSCIOUS 減塩サミット in 呉 2012 日 時 平成 24 年 5 月 26 日(土) ・27 日(日) 会 場 大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)/呉阪急ホテル 主 催: 「減塩サミット in 呉 2012」実行委員会 「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in 呉 & in 広島」プロジェクト 共 催:日本高血圧学会/日本高血圧協会/呉市/読売新聞社 後 援:広島県医師会/広島市医師会/呉市医師会/尾道市医師会/広島高血圧研究会 特別協力:月刊くれえばん 特別協賛:呉信用金庫、くれしん経営者協議会 目 次 ご挨拶……………………………………………………………………………… 4 『減塩サミット in 呉 2012』実行委員会委員… ……………………………… 5 演題選考・プログラム作成委員………………………………………………… 6 会場へのアクセス………………………………………………………………… 7 会場案内図………………………………………………………………………… 8 参加者へのご案内………………………………………………………………… 10 イベント…………………………………………………………………………… 13 日程表……………………………………………………………………………… 14 特別演題プログラム……………………………………………………………… 18 一般演題プログラム……………………………………………………………… 28 抄録 海外招聘講演・特別企画 文化講演…………………………………………… 41 シンポジウム…………………………………………………………………… 45 市民セミナー…………………………………………………………………… 61 一般演題………………………………………………………………………… 69 謝辞………………………………………………………………………………… 101 ご挨拶 減塩サミット in 呉 2012 子供たちとこの国の未来のために、 市民と医師が本気で減塩について考える SALT-CONSCIOUS 減塩サミット in 呉 2012 代表 日下医院 日 下 美 穂 世界で初めて、もちろん日本でも初めての「減塩サミット」を 5 月の世界高血圧デー、日本高血圧週間に合 わせて、減塩低カロリーでしかも美味しい料理を提供するレストランが立ち並ぶ呉市で開催させて頂くこと になりました。 塩は生命維持に欠かせない大事な物質ですが、その摂取量は、ほんのわずか 1 日 1g 〜 3g でよいといわれ ています。過剰な塩は健康に害を及ぼします。国民の 4000 万人が罹患する、わが国で一番多い国民病とも いえる高血圧の元凶は塩です。また塩は高血圧ばかりか脳卒中やそれに続く寝たきり、心臓病、癌などの疾 患の原因にもなります。それにもかかわらず、日本は世界で一番の高塩食国で日本人は平均 1 日 11g も摂取 しています。既に減塩を法制化した欧米の減塩先進国もある中、わが国はいまだに減塩後進国なのです。日 本高血圧学会では国民の健康を守るため、食塩摂取量 1 日 6g 未満を推奨しています。減塩は高血圧患者さ んだけのものではなく本当は子供や若い人こそ減塩、つまり適塩に慣れることが将来の日本人の健康につな がるのです。今や、私たちになじみの深い塩について、歴史・文化を良く知り、塩と病気の関係なども正し く学んで、塩と上手に付き合う意識を持つ時期ではないでしょうか。 このサミットは、塩のこと、食塩と疾患、減塩に関する研究発表などの学術的要素と、市民も(児童から 学生も)楽しく学べて知的好奇心を刺激する学習的要素と、実際に見て食べる体験的要素を併せ持つ新しい 感覚の総合イベントです。 まず、塩の奥深い歴史、文化を知って意識すること(SALT-CONSCIOUS)から、健康のための減塩最先 端まで何でもそろう知識の広場を目指しています。参加者は、会期中、会場の複数の場所で行われるシンポ ジウム、セミナー、研究発表、レシピ紹介、屋外の美味しい減塩屋台、料理ショウや、ギャラリーでの減塩 グッズ、減塩支援機器や最新医療機器体験、減塩川柳、減塩こどもポスター、作文展示などを自由に見て回 り参加できます。 このサミットで、医療関係者と市民、若者が垣根を取り払って、本気で一緒に減塩について考え、日本人 が適塩生活を意識するきっかけになることを願っています。 (減塩サミット in 呉 2012 は呉市制 110 周年記念事業に指定されています) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 減塩サミット in 呉 2012 代 表 日下医院院長 日下美穂 副代表 済生会呉病院院長 松浦秀夫 広島大学循環器内科学教授 木原康樹 大島内科循環器内科院長 大島哲也 広島大学原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター教授 東 幸仁 日本高血圧学会減塩委員会委員長 国立循環器病研究センター生活習慣病部門長 河野雄平 -4- 「減塩サミット in 呉 2012」実行委員会委員(敬称略) 代表 日下 美穂 日下医院 院長 副代表 山本 正治 山本内科循環器科 院長 渡辺 光章 済生会広島病院 内科医長 浅野 稔 浅野内科医院 院長 中島 英勝 中島内科クリニック 院長 松浦 秀夫 済生会呉病院 院長 藤原 仁 独立行政法人国立病院機構 大島 哲也 大島内科循環器内科 院長 広島西医療センター 循環器科医長 木原 康樹 広島大学 循環器内科学教授 森島 信行 JA 尾道総合病院 循環器科 主任部長 東 幸仁 広島大学原爆放射線医科学研究所 植田 珪子 瀬田病院 管理栄養士 ゲノム障害医学研究センター教授 植田 裕 鹿島建設㈱中国支店 営業部長 河野 雄平 国立循環器病研究センター 上田 耕士 ㈲瀬戸鉄工 部長 高血圧・腎臓科部長 越智 基浩 広越㈱ 社長 越智 裕子 広越㈱ 田原 栄俊 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 創生医科学専攻病態探究医科学講座教授 委員 河下 寿昭 呉市企画情報課 香川 治子 広島文化学園大学看護学部 特任教授 藤井 秀昭 ふじい内科循環器科 院長 日本高血圧学会減塩委員会から 下原 康彰 下原循環器内科クリニック 院長 委員長 河野 雄平 国立循環器病研究センター 原 豊 原医院 院長 高血圧・腎臓科部長 渡辺 弘司 渡辺小児科循環器科クリニック 院長 副委員長 土橋 卓也 国立病院機構九州医療センター 富永 毅彦 富永内科 院長 高血圧内科医長 豊田 章宏 中国労災病院 リハビリテーション科 委員 松浦 秀夫 済生会呉病院 院長 南 順一 手島医院 院長 委員 三浦 克之 滋賀医科大学社会医学講座 中東 教江 山陽女子短期大学 食物栄養学科准教授 公衆衛生学部門 教授 木戸 幸司 済生会呉病院 内科医長 委員 安東 克之 東京大学分子循環代謝病学講座 砂堀 公二 すなほりレディースクリニック 院長 准教授 木戸 俊久 くれえばん編集長 委員 甲斐 久史 久留米大学医学部 福川恵美子 くれえばん 心臓血管内科 准教授 戸髙 一成 大和ミュージアム館長 委員 川村 実 岩手県立中央病院総合診療科 羽倉 幸子 呉市消費者協議会 診療科長 大澤タカオ 呉市消費者協議会 委員 日下 美穂 日下医院 院長 沖松 勉 花月 協力会員 丸山 智美 金城学院大学 生活環境学部 山谷 公宏 レストラン ニース 食環境栄養学科 教授 藤野 博史 読売新聞社 協力会員 早渕 仁美 県立福岡女子大学人間環境学部 石田 隆史 広島大学循環器内科学 講師 大学院人間環境学研究科 教授 石田 万里 広島大学大学院医歯薬保健学研究院 協力会員 中東 教江 山陽女子短期大学 心臓血管生理医学 講師 食物栄養学科 准教授 石橋 克彦 中電病院 内科 副部長 協力会員 由田 克士 大阪市立大学大学院 今津 道教 医療法人あかね会阿品土屋病院 院長 生活科学研究科 教授 江草 玄士 医療法人 江草玄士クリニック 院長 協力会員 渡辺 尚彦 東京女子医科大学 小園 亮次 小園内科・循環器科 院長 東医療センター内科 講師 落海 健彦 おちうみ内科消化器科 院長 協力会員 河原崎宏雄 聖マリアンナ医科大学大学病院 寺川 宏樹 JR 広島鉄道病院 循環器内科 医長 腎臓・高血圧内科助教 中河 啓悟 中電病院 内科 副部長 協力会員 高木 洋子 国立循環器病研究センター 中﨑 育明 中﨑医院 院長 臨床栄養部栄養管理室室長補佐 長崎孝太郎 医療法人厚生会 長崎病院 院長 協力会員 佐藤 敏子 自治医科大学臨床栄養部 平賀 裕之 本通トータルヘルス内科クリニック 院長 栄養管理室長 松本 公治 済生会広島病院 副院長 -5- 演題選考・プログラム作成委員(五十音順、敬称略) 大島 哲也、日下 美穂、富永 毅彦、東 幸仁、藤井 秀昭、松浦 秀夫 (ワーキンググループから)木戸 幸司 「減塩サミット in 呉 2012」への一般演題応募数は 64 題でした。 今回はすべて、口述発表に採択させて頂きました。 応募者及び、関係諸氏に深謝いたします。 ワーキンググループ(五十音順、敬称略) 岡田 和子、神垣 進、河田 真理、日下 美穂、木戸 幸司、齊藤 幸美、田中 誠、 中川 博実、中野 まり、福川恵美子、藤野 博史、松浦 秀夫(顧問)、森下 益生 -6- 会場へのアクセス 31 呉 そごう P ←至広島 P 至竹原→ JR呉駅 ホンダ プリモ 呉阪急ホテル 入船山記念 館・呉市立 美術館 堺川 二河川 連絡通路 P レクレ ポート ピア呉 487 P ゆめタウン呉 ゆめタウン P P 呉中央桟橋ターミナル 海上自衛隊 呉地方総監 大和ミュージアム 大和ミュージアム (広島県呉市宝町5-20 TEL:0823-25-3017) ・電車をご利用の場合 JR「呉駅」の改札口を出て右側の連絡通路を徒歩約5分 ・船をご利用の場合 「呉中央桟橋」から徒歩約1分 ・タクシーでお越しのお客様 JR「呉駅」から約5分(ただし、呉駅から自由通路経由で徒歩約5分です) 呉阪急ホテル (広島県呉市中央1-1-1 TEL:0823-20-1111) ・電車をご利用の場合 JR「広島駅」から快速電車で約35分,JR「呉駅」から徒歩約1分 ・船をご利用の場合 「呉中央桟橋」から徒歩約10分 お車をご利用の場合 ・山陽自動車道「広島東IC」から広島高速1号線∼2号線∼広島呉道路(クレアライン)経由 約35分 ・ 「広島空港」から約60分 ※駐車場に限りがあるため,車でのご来場はお控えください。 -7- 会場案内図(大和ミュージアム) 減塩サミット 総合受付 第1会場 1F 大和ホール 控室 大和ミュージアム 受付 EV PC受付 大型資料展示室 ※ 大和ひろば ※ 展示室 呉の歴史 ※ カフェ ビーコン 池 藻塩づくり実演 ※常設展につきましては別途観覧料が必要となります。 食事テント 試食・販売テント IHクッキングカー 大和波止場 大和波止場(テン (テント村) ト村) 本部 芝生 呉中央桟橋 減塩屋台 海 4F 第1展示会場 市民ギャラリー -8- 会議室・研修室 会場案内図(呉阪急ホテル) 1F 総合受付 報道受付 エントランス ロビー フロント EV EV エスカレーター 3F 第4会場 安芸A EV EV クローク 第2展示会場 安芸B 美味しい減塩レシピ 紹介コーナー 橘 エスカレーター 4F 皇城AB PCセンター 第2会場 EV EV 主催者・文化講演 控室 深山 第3会場 皇城CD -9- エスカレーター 参加者へのご案内 ◆参加受付 ・大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館) 屋外テント 5 月 26 日(土) 9:00 ~ 18:00 5 月 27 日(日) 9:00 ~ 12:00 ・呉阪急ホテル 1F エントランスロビー 5 月 26 日(土) 9:00 ~ 18:00 5 月 27 日(日) 8:30 ~ 12:00 ◆学会参加費 学会参加当日に受付にてお支払いください。(前納は受け付けておりません。) 1)医師・研究者:5,000 円 2)コメディカル:2,000 円 3)企 業:5,000 円 4)一 般 参 加 者:無料 5)抄 録 集:座長・演者には抄録集を事前送付いたしております。 6)カンフル罪コンサート: 前売券 4,000 円 当日券 4,500 円 〈お問い合せ先〉 「カンフル罪」ホームページ http://www.r-s.co.jp/kanji/kanfuru/ ※参加者には高血圧専門医単位が 2 単位付与されます。 ※26 日の「ランチョンセミナー 1・2」は有料参加者(医師・研究者 / コメディカル / 企業)のみ入場可能 です。一般参加者はご入場いただけません。 27 日の「ランチョンセミナー 3」は無料参加者(一般)もご入場いただけます。 ※26 日のコンサートは前売券(4,000 円)、当日券(4,500 円)をご購入の方のみご入場いただけます。 ◆口演発表についてのご案内 1. 発表時間 発表時間・質疑時間につきましては以下の表をご参照ください。 参加者の皆様に活発な討論をしていただくため、発表時間の厳守をお願いいたします。 演題上にタイマーランプを設置いたします。 青ランプが制限時間 1 分前に黄ランプに変わり、制限時間を超過すると赤ランプが点灯します。 赤ランプになった場合は、速やかにまとめを行って発表を終了させてください。 セッション時間 シンポジウム 1 105 分 シンポジウム 2 110 分 シンポジウム 3 110 分 シンポジウム 4 120 分 市民セミナー 1 75 分 市民セミナー 2 90 分 一般演題(口演) セッションより異なる 発表時間 20 分 15 分 10 分 13 分 10 分 15 分 7分 - 10 - 質疑時間 なし 3分 2分 2分 5分 2分 3分 総合討論 20 分 30 分 20 分 15 分 15 分 なし なし ◆座長・演者受付 ※一般演題の口演時間は発表 7 分、質疑 3 分です。時間を厳守してください。 1. 座長へのご案内 ・ 各セッションの進行は時間厳守にてお願いします。 ・ 座長は担当セッション開始 20 分前までに、「次座長席」にお着きください(※今回、座長受付はござ いません)。進行は、座長に一任しますが、時間厳守にご協力ください。 2. PC によるご発表 ・ ご発表は PC 発表のみとなります。スライドでの発表はできません。 ・ ご発表データにつきましては、Windows MS PowerPoint 2000 ~ 2010 で作成したもの(枚数制 限はありません)を、CD-R または USB フラッシュメモリーにてお持ち込みください。動画を含む 場合、Macintosh のデータについては、PC 本体をお持込みください。 ・ データ、PC 本体の受付は、ご発表会場の PC 受付にてご発表 30 分前までに必ずお済ませください。 ・ 受付にて試写は可能ですが、データの修正はできません。 ・ 総合受付にて参加登録をお済ませでない場合、PC 受付はできません。 ・ データ持込、PC 本体持込のいずれの場合でも、スライド送りの操作は、演台上のマウス、キーボー ドにてご自身で操作していただきます。(レーザーポインタもご用意しております。) ・ データの作成環境については以下ご参照ください。 *アプリケーション(Windows MS PowerPoint 2000 ~ 2010) *フォント(MS ゴシック、MS 明朝、MSP ゴシック・明朝、Arial、Century、Century Gothic、 Times New Roman) *音声出力:不可 *お持ち込みデータは、作成に使用されましたパソコン以外でも必ず動作確認してください。 ・ PC 本体お持ち込みの場合は、以下お気をつけください。 *各 会場前の PC 受付にて、必ず試写をおこなってくだ ディスプレイ接続コネクタ さい。 *会 場 で ご 用 意 す る PC ケ ー ブ ル コ ネ ク タ の 形 状 は、 D-SUB mini 15pin(図参照)です。この出力端子をも つパソコンをご用意いただくか、この形状に変換する コネクタを必要とする場合には必ずご持参ください。 *電源ケーブルはお忘れ無くお持ちください。 - 11 - 会場で用意するケーブル D-SUB mini 15pin (オス) 演者のPC D-SUB mini 15pin (メス) (図) ◆ポスター展示についてのご案内 ポスター展示「美味しい減塩レシピを紹介するコーナー」 日 時:5 月 26 日(土) 10:00 ~ 17:30 5 月 27 日(日) 10:00 ~ 15:00 会 場:呉阪急ホテル 3F 安芸 B 発表者:丸山 智美(金城学院大学 生活環境学部 食環境栄養学科 教授) 竹田 博幸(国立循環器病研究センター 臨床栄養部 栄養管理室 調理師長) 佐藤 敏子(自治医科大学付属病院 臨床栄養部 栄養管理室長) 関根 里恵(東京大学医学部附属病院 栄養管理室) 早渕 仁美(県立福岡女子大学大学院人間環境学研究科 国際文理学部 食・健康学科) 植田 珪子(医療法人社団一信会瀬田病院 栄養科 管理栄養士) 高森 直史(海軍料理研究家 管理栄養士(くれ観光特使)) 1. 発表形式 口頭による発表はございません。 2. 貼付・閲覧・撤去時間 <貼付時間> 5 月 26 日(土) 9:00 ~ 10:00 <閲覧時間> 5 月 26 日(土) 10:00 ~ 17:30 5 月 27 日(日) 10:00 ~ 15:00 <撤去時間> 5 月 27 日(日) 全プログラム終了後 90cm 20cm 施設名 ※事務局にて用意 ・ ポスター会場(呉阪急ホテル 3F 安芸 B)に設置してあるポス ターパネルの施設名をご確認の上、所定の場所にポスターを掲 示してください。(※施設名はサミット事務局で用意します。) ・ ポスター掲示用ピンは、ポスターパネルの前にご用意してあり ます。 ポスター貼付面 190cm ・ パネルの上部(縦 20cm ×横 90cm)にサミット事務局にて施設 名を貼付しておりますので、その下(縦 190cm ×横 90cm)にポ スターを貼付してください。 ・ 全セッション終了後、上記の撤去時間内に速やかにポスターを 撤去してください。撤去されなかったポスターは、会期終了後、 サミット事務局で処分いたしますのでご了承下さい。 ◆スポンサードセミナー 5 月 26 日(土) 〈医療従事者のみ対象〉 ランチョンセミナー 1 13:00 ~ 14:00 第 2 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 AB) ランチョンセミナー 2 13:00 ~ 14:00 第 3 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 CD) 5 月 27 日(日) 〈医療従事者・一般市民対象〉 ランチョンセミナー 3 12:10 ~ 13:10 第 4 会場(呉阪急ホテル 3F 安芸 A) - 12 - 210cm イベント ●知って得する減塩グッズ大集合! 減塩商品の見本市、試飲・試食・試供品提供・販売 (大和ミュージアム 4F 市民ギャラリー・第 1 展示会場、大和波止場・テント村) 呉市、株式会社三宅本店、呉蔵元屋、海人の藻塩・蒲刈物産、株式会社栗本五十市商店、 株式会社カネゴフーズ、株式会社かめびし、株式会社ナリスウィングス B&H、株式会社ますやみそ、 株式会社八百金、田中食品株式会社、アロフト株式会社、有限会社瀬戸鉄工、有限会社石野水産、 宝酒造株式会社、日本水産株式会社、福萬醤油、海のペプチドおいしいだし、オタフクソース株式会社、 塩を減らそうプロジェクト ●さあ、無料体験! 減塩支援健康づくり機器を展示 (大和ミュージアム 4F 市民ギャラリー・第 1 展示会場、呉阪急ホテル 3F 安芸・第 2 展示会場) ウデをまくろうニッポン!(協力:オムロンヘルスケア株式会社)、オムロンコーリン株式会社、 株式会社ユネクス、日本光電工業株式会社、株式会社マッシュルームソフト、株式会社クロスウェル、 株式会社河野エムイー研究所、株式会社 CYBER CROSS JAPAN ●藻塩づくり実演 古代土器製塩藻塩の会 (大和波止場・テント村) ●リラックスタイム 株式会社ヤマト (大和ミュージアム 4F 市民ギャラリー・第 1 展示会場) ●減塩関係出版販売 株式会社井上書店 (呉阪急ホテル 3F 安芸・第 2 展示会場) ●減塩公募作品展 (大和ミュージアム 4F 会議室 研修室・第 1 展示会場) 子供減塩ポスター、市民減塩川柳、子供減塩作文 ●公開減塩クッキング (大和波止場・中国電力 IH クッキングカー「おでかけ住まいる号」) ①管理栄養士による美味しい腎臓食の紹介(鯛めし、カレーピラフなど) 減塩低たんぱくで腎臓を守りましょう 小田内科クリニック・管理栄養士:高橋輝美子氏、重森まり氏 広島女学院大学管理栄養学科:伊藤榮子ゼミ生 5 人 ②料理研究家による美味しい減塩低カロリーのクッキングショー(共催:帝人ファーマ株式会社) 司会:キャロルさん 料理:AGRI の黒田千晴さん ③親子でかんたん減塩クッキング 協力:中国電力株式会社 中国電力株式会社呉営業所ホームコンサルタント ④みそ汁飲み比べ、感覚で覚える! かまぼこ・ウインナーの塩分表示 済生会呉病院・管理栄養士:小浜勝之氏、田中陽子氏 保健師:岡田希世氏 呉市医師会病院管理栄養士:筏真知子氏 ●美味しい減塩低カロリー屋台食べ歩き・12 店参加 (大和波止場) 「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン」 参加店から、下記の各店が出店 けんたくん呉店、多幸膳、超煮干ラーメンくれ星製麺屋、グランカフェ、ルッソダイニング、 カフェリエブル、インド料理マヤ呉店、ヴェール・マラン(クレイトンベイホテル)、 ベッセ・ボアール(呉阪急ホテル)、てっぱん屋台太公望、伊酒屋ヴェッキオ、旬麺晴れる家 - 13 - 日程表(大和ミュージアム) 10:00 10:15 1 日目 5 月 26 日(土) 第 1 会場 第1展示会場 第1展示会場 クッキングカー テント村 1F 大和ホール 4F 市民ギャラリー 4F 会議室・研修室 大和波止場 大和波止場 開会式 10:00 10:00 10:00 みそ汁飲み比べ 10:00 済生会呉病院 田中 陽子 岡田 希世 シンポジウム 1 10:45 塩を知って、意識しよう (SALT CONSCIOUS)、 塩の歴史、文化 S1-1 〜 S1-4 座長:戸高 一成 檜垣 實男 11:00 黒田千晴 クッキング ショー 美味しい減塩 共催:帝人ファーマ㈱ 低カロリー 11:45 屋台の 12:00 食べ歩き 12:30 13:10 13:15 市民セミナー 1 色々な病気にも塩が関与、 各科診療の現場から ~減塩の必要性 CS1-1 〜 CS1-4 座長:渡辺 弘司 原 豊 子供や市民 知って得する 作文 見本市 展示 14:30 市民セミナー 2 14:30 15:00 学ぼう、食塩と 心臓血管病の重大な関係 CS2-1 〜 CS2-5 座長:島本 和明 榎野 新 16:20 海外招聘講演 座長:河野 雄平 演者:Graham MacGregor 17:20 18:00 14:30 黒田千晴 クッキング ショー 共催:帝人ファーマ㈱ 15:45 16:00 18:00 18:00 カンフル罪コンサート ( 有料 ) 18:00〜20:00 - 14 - 販売 済生会呉病院 田中 陽子 岡田 希世 川柳 減塩商品の 試供品提供と 高橋輝美子 ほか みそ汁飲み比べ ポスター 大集合! 減塩低たんぱく 料理教室 13:30 から公募した 減塩グッズ 減塩食品の 試飲・試食・ 日程表(呉阪急ホテル) 1 日目 5 月 26 日(土) 第 2 会場 第 3 会場 第 4 会場 第2展示会場 4F 皇城 AB 4F 皇城 CD 3F 安芸 A 3F 安芸 B 10:00 10:50 10:50 一般演題 食塩の作用と疾患 1〜5 座長:吉栖 正生 今津 通教 シンポジウム 2 減塩 strategy S2-1 〜 S2-4 座長:松浦 秀夫 河野 雄平 11:40 一般演題 食塩摂取の推移と指導、 社会への展開 6 〜 11 座長:田原 栄俊 藤原 仁 12:40 12:40 13:00 13:00 ランチョンセミナー 1 ランチョンセミナー 2 座長:松本 昌泰 演者:木村玄次郎 共催:武田薬品工業㈱ 座長:今井 潤 演者:東 幸仁 共催:ファイザー㈱ 14:00 14:00 14:10 14:10 食塩摂取量推定、 減塩支援機器の活用 12 〜 17 座長:松浦 秀夫 川合 淳 シンポジウム 3 減塩社会活動の試み ~全国の現場から S3-1 〜 S3-7 座長:島田 和幸 富永 毅彦 一般演題 15:10 15:50 美味しい減塩 レシピを紹介 するコーナー 14:10 15:00 一般演題 食塩と味覚、糖尿病 18 〜 21 座長:土橋 卓也/中西 修平 15:50 さあ、無料体験 ! 減塩支援・ 健康づくり機器 を展示 一般演題 減塩意識の現状、調査など 22 〜 26 座長:友弘 康之 山本 正治 一般演題 社会の塩に対する意識と対策 27 〜 31 座長:野間 玄督 森本 忠雄 16:00 17:40 特別企画 文化講演 18:00 食習慣の危機は国の危機 座長:勝谷 友宏 演者:勝谷 誠彦 18:40 - 15 - 日程表(大和ミュージアム) 9:30 10:00 2 日目 5 月 27 日(日) 第 1 会場 第1展示会場 第1展示会場 クッキングカー テント村 1F 大和ホール 4F 市民ギャラリー 4F 会議室・研修室 大和波止場 大和波止場 9:30 減塩寸劇 座長:香川 治子 挨拶:松井 英俊 10:00 10:00 10:00 10:10 みそ汁飲み比べ 呉市医師会病院 筏真知子 済生会呉病院 小浜 勝之 Meet Professor 座談会 世界の英知と高校生の 交流を図る 座長:東 幸仁 石田 万里 美味しい減塩 低カロリー 11:30 屋台の 子供や市民 から公募した 知って得する 12:10 減塩グッズ 見本市 減塩食品の 親子でかんたん 川柳 減塩商品の 13:15 12:00 ポスター 大集合! 13:00 食べ歩き 試飲・試食・ 作文 減塩クッキング 展示 試供品提供と 協力:中国電力㈱ 販売 13:00 サミット宣言 13:15 「塩を減らそう」 14:00 市民公開講座 演者:荒川規矩男 弥冨 秀江 日下 美穂 共催:塩を減らそうプロジェクト 15:00 15:00 15:15 - 16 - みそ汁飲み比べ 呉市医師会病院 筏真知子 済生会呉病院 小浜 勝之 14:30 日程表(呉阪急ホテル) 第 2 会場 第 3 会場 第 4 会場 第2展示会場 4F 皇城 AB 4F 皇城 CD 3F 安芸 A 3F 安芸 B 9:00 9:45 9:50 シンポジウム 4 楽しく美味しく減塩 しよう、呉からの提案 S4-1 〜 S4-7 座長:菊池健次郎 小園 亮次 11:45 2 日目 5 月 27 日(日) 10:40 一般演題 9:00 一般演題 尿中 Na 測定で取り組む 32 〜 36 座長:大島 哲也 松本 公治 一般演題 食塩と腎 37 〜 41… 座長:石橋 克彦 河原崎宏雄 一般演題 症例、個別支援など 48 〜 53 座長:勝然 秀一 木戸 幸司 10:00 10:50 学校と被災地に減塩を 42 〜 47 座長:安東 克之 弓場千麻子 一般演題 10:00 体験型指導、 レストランの協力も 54 〜 58 座長:寺川 宏樹 南 順一 一般演題 家庭で簡単に 減塩できるように 59 〜 64 座長:香川 治子 髙木 洋子 11:40 11:50 美味しい減塩 レシピを紹介 12:10 するコーナー ランチョンセミナー 3 座長:早渕 仁美 演者:石田 眞弓 村上 祥子 共催:味の素㈱ さあ、無料体験 ! 減塩支援・ 健康づくり機器 を展示 13:10 13:30 海上自衛隊呉音楽隊 演奏会 14:30 15:00 - 17 - 特別演題プログラム 開会式 1 日目 5 月 26 日(土) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 10:00~10:15 開会宣言 「減塩サミット in 呉 2012」 代表:日下美穂 歓迎挨拶 呉市長:小村 和年 呉市医師会長:原 豊 広島大学循環器内科学教授:木原 康樹 日本高血圧学会減塩委員会委員長:河野 雄平 海外招聘講演 1 日目 5 月 26 日(土) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 16:20〜17:20 座長:河野 雄平(国立循環器病研究センター 高血圧・腎臓科) Salt reduction - the most cost effective public health strategy for reducing strokes, heart attacks, and heart failure 減塩こそ、脳心血管病撲滅、医療費削減の最安、最強の戦略だ !! Professor of Cardiovascular Medicine Wolfson Institute of Preventive Medicine Graham MacGregor 特別企画 文化講演 1 日目 5 月 26 日(土) 第 2・3 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城) 17:40〜18:40 座長:勝谷 友宏(大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学/勝谷医院) 食習慣の危機は国の危機 コラムニスト 勝谷 誠彦 - 18 - 減塩寸劇 2 日目 5 月 27 日(日) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 9:30〜10:00 座長:香川 治子(広島文化学園大学 看護学部) 挨拶:松井 英俊(広島文化学園大学 看護学部) 脳卒中の予防には、まず減塩から! 松井英俊と松井ゼミ生 8 名 戎 利恵、田代 景子 福元 彩乃、清原有里恵 新城 亮太、玉川 千華 平田 好絵、森松夕樺莉 Meet Professor 座談会 2 日目 5 月 27 日(日) 10:10〜12:10 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 世界の英知と高校生の交流を図る 座長:東 幸仁(広島大学原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター) 石田 万里(広島大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管生理医学) 通訳:山口 曜子() MacGregor 教授の講演 (10:10~10:40) 座談会 (10:40~11:10) 参加者:呉市の高校生 休憩 (11:10~11:20) 座談会 (11:20~11:50) 参加者:呉市の高校生 会場からの質問・まとめ (11:50~12:10) - 19 - ランチョンセミナー 1 1 日目 5 月 26 日(土) 〈医療従事者のみ対象〉 第 2 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 AB) 13:00〜14:00 座長:松本 昌泰(広島大学大学院医歯薬学総合研究科 病態探求医科学講座脳神経内科学 教授) 高血圧治療は究極の目標へ ~新しい ARB への期待~ 名古屋市立大学 心臓・腎高血圧内科学 教授 木村玄次郎 共催:武田薬品工業株式会社 ランチョンセミナー 2 1 日目 5 月 26 日(土) 〈医療従事者のみ対象〉 第 3 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 CD) 13:00〜14:00 座長:今井 潤(東北大学大学院 医薬開発構想講座 教授) 食塩と高血圧を再考する 広島大学原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター 教授/広島大学病院 再生医療部 部長 東 幸仁 共催:ファイザー株式会社 ランチョンセミナー 3 〈医療従事者・一般市民対象〉 2 日目 5 月 27 日(日) 第 4 会場(呉阪急ホテル 3F 安芸 A) 12:10〜13:10 「うま味を用いた減塩サポート」 座長:早渕 仁美(福岡女子大学 大学院 教授) うま味を用いた減塩の実施 順天堂大学医学部附属 順天堂越谷病院 課長 石田 眞弓 うま味を生かして、減塩 早・うま・簡単クッキング! 管理栄養士・料理研究家 村上 祥子 共催:味の素株式会社 - 20 - サミット宣言 2 日目 5 月 27 日(日) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 13:00〜13:15 「減塩サミット in 呉 2012」 代 表:日下 美穂 副代表:河野 雄平、松浦 秀夫、大島 哲也、木原 康樹、東 幸仁 子供作文最優秀賞の児童が作文披露 サミット宣言:日本高血圧協会理事長/国際高血圧学会名誉会長 荒川規矩男 子供作文最優秀賞児童 市民公開講座 2 日目 5 月 27 日(日) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 13:15〜15:15 講演 1 (13:15~13:45) 「塩リスクに関する基調講演」 塩を減らそうプロジェクト 代表顧問/ NPO 法人日本高血圧協会 理事長 荒川規矩男 講演 2 (13:45~14:15) 「家庭でできる減塩のコツ」 女子栄養大学 生涯学習講師 弥冨 秀江 講演 3 (14:15~14:45) 「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in 呉& in 広島」の課題と展望 減塩サミット in 呉 2012 代表/日下医院 日下 美穂 トークセッション (14:45~15:15) 共催:塩を減らそうプロジェクト - 21 - シンポジウム 1 1 日目 5 月 26 日(土) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 10:15〜12:00 塩を知って、意識しよう(SALT CONSCIOUS)、塩の歴史、文化 座長:戸髙 一成(呉市海事歴史科学館 大和ミュージアム 館長) 檜垣 實男(愛媛大学大学院 病態情報内科学) 座長の言葉 愛媛大学大学院 病態情報内科学 檜垣 實男 S1-1 塩の歴史~意識の変遷 呉市海事歴史科学館 大和ミュージアム 館長 戸髙 一成 S1-2 色々な塩~藻塩づくり、塩田、歴史と現在 藻塩の会 代表 松浦 宣秀 S1-3 塩と味覚−自然の摂理に従いおいしく減塩 味覚と食嗜好研究所 代表 山口 静子 S1-4 旅の味は塩の味 月刊くれえばん 編集長 木戸 俊久 - 22 - シンポジウム 2 1 日目 5 月 26 日(土) 第 2 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 AB) 10:50〜12:40 減塩 strategy 座長:松浦 秀夫(済生会呉病院 内科) 河野 雄平(国立循環器病研究センター 高血圧・腎臓科) Opening remarks 済生会呉病院 内科 松浦 秀夫 Introduction 日本高血圧学会減塩委員会の活動 国立循環器病研究センター 高血圧・腎臓科 河野 雄平 S2-1 食塩制限の目標と方策 滋賀医科大学 社会医学講座公衆衛生学部門 三浦 克之 S2-2 減塩に関する患者意識調査から見えてくること 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科 石田 隆史 S2-3 食塩摂取量の評価と応用 国立病院機構九州医療センター 高血圧内科 土橋 卓也 S2-4 日本高血圧学会 減塩レシピの活用 山陽女子短期大学 食物栄養学科 中東 教江 Closing remarks 国立循環器病研究センター 高血圧・腎臓科 河野 雄平 - 23 - シンポジウム 3 1 日目 5 月 26 日(土) 第 2 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 AB) 14:10〜16:00 減塩社会活動の試み~全国の現場から 座長:島田 和幸(自治医科大学 循環器内科) 富永 毅彦(富永内科) S3-1 「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in 呉」の成果~呉を中心とし た減塩活動 ふじい内科循環器科 藤井 秀昭 S3-2 伝統的沖縄の味で減塩を~産学官で取り組む 琉球大学大学院医学研究科 循環器・腎臓・神経内科学 大屋 祐輔 S3-3 Recover one's health −ホテルでの減塩メニュー− 和歌山県立医科大学 保健看護学 有田 幹雄 S3-4 新築大学病院の中華レストランに美味しい減塩メニューの試み 三重大学病院 栄養管理部栄養指導管理室 岩田加壽子 S3-5 外食でも糖尿病合併症を防ぎたい! −ホテルレストランでの料理教室と調理師 専門学校へのアプローチ− 遠州病院 内分泌内科 後藤 良重 S3-6 にいがた減塩ルネサンスの取組について ~効果的な減塩運動とは~ 新発田地域振興局健康福祉環境部 地域保健課 課長代理 関 芳美 S3-7 健康寿命の延伸をめざす呉市の取組み 呉市福祉保健部保健所 健康増進課 課長補佐 下田眞由美 - 24 - シンポジウム 4 2 日目 5 月 27 日(日) 第 2 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 AB) 9:45〜11:45 楽しく美味しく減塩しよう、呉からの提案 座長:菊池健次郎(特定医療法人北海道循環器病院 常務理事・循環器内科) 小園 亮次(小園内科・循環器科) S4-1 美味しい減塩食の作り方~減塩のポイント 医療法人社団スマイル広島ベイクリニック 管理栄養士 坂田 良子 S4-2 旬を勉強する~料理人の取り組み、心意気 美味団欒 花月 沖松 勉 S4-3 食の安心、安全、フランス料理で美味しい減塩 クレイトンベイホテル 総料理長 物部 義昭 S4-4 減塩食にあうワインの選び方 株式会社野田商店 野田 和秀 S4-5 元サッカー日本代表、久保竜彦さんにインタビュー 元サッカー日本代表、元サンフレッチェ広島選手 久保 竜彦 S4-6 美しい姿勢で颯爽と歩きましょう モデル 向井 亜紀 S4-7 簡単な運動から、日頃の活動量をあげよう! ~イスに座って簡単運動~ ペアーレれんがどおり 健康運動指導士 渡辺 綾子 - 25 - 市民セミナー 1 1 日目 5 月 26 日(土) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 13:15〜14:30 色々な病気にも塩が関与、各科診療の現場から~減塩の必要性 座長:渡辺 弘司(渡辺小児科循環器科クリニック) 原 豊(原医院) CS1-1 妊娠と食塩 −減塩は必要か?− 広島大学 産婦人科 坂下 知久 CS1-2 塩と胃癌 姫野内科医院 姫野 泰雄 CS1-3 こどもたちの将来のために食育に減塩を 呉市小児科医会 会長 渡辺 弘司 CS1-4 骨粗しょう症と食塩 大本整形外科医院 大本 秀行 - 26 - 市民セミナー 2 1 日目 5 月 26 日(土) 第 1 会場(大和ミュージアム 1F 大和ホール) 14:30〜16:00 学ぼう、食塩と心臓血管病の重大な関係 座長:島本 和明(札幌医科大学 学長) 榎野 新(中国労災病院 循環器内科) CS2-1 食塩と高血圧 大島内科循環器科 大島 哲也 CS2-2 食塩と心臓病 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 循環器内科学 木原 康樹 CS2-3 日本人の脳卒中と塩 労働者健康福祉機構中国労災病院 リハビリテーション科 豊田 章宏 CS2-4 食塩と血管 広島大学原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター 広島大学病院 再生医療部 東 幸仁 CS2-5 家庭血圧測定と塩分診断 東北大学大学院 医薬開発構想講座 今井 潤 - 27 - 一般演題プログラム 1 日目 5 月 26 日(土) 第 3 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 CD) 10:50~11:40 食塩の作用と疾患 座長:吉栖 正生(広島大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管生理医学) 今津 通教(あかね会阿品土谷病院 循環器科) 1 食塩負荷は Dahl 食塩感受性ラットの細胞内貯蔵カルシウム量を増加させる 1 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管生理医学, 2 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学, 済生会呉病院, 4 小園内科・循環器科, 大島内科医院 3 5 1 2 3 4 石田 万里 ,石田 隆史 ,松浦 秀夫 ,小園 亮次 ,大島 哲也 2 5 食塩摂取による自律神経反射 株式会社クロスウェル 藤井 智恵子,永谷 基,黒崎 多計司 3 時間栄養学の視点から考える含塩食物摂取が代謝機能に及ぼす影響 早稲田大学大学院先進理工学研究科 青木 菜摘,今西 拓麻,濵口 雄太郎,平尾 彰子,柴田 重信 4 血漿アルドステロン濃度/レニン活性(PAC/PRA)比の高い本態性高血圧患者は心血管事 故を高率に発症する 広島大学大学院 循環器内科学 木阪 智彦,小園 亮次,野間 玄督,石田 隆史,東 幸仁,山本 秀也,大島 哲也, 木原 康樹 5 Additive Prognostic Value of Sodium Sensitivity and Elevated Plasma Aldosterone to Renin Ration for Cardiovascular Diseases 広島大学大学院 循環器内科学 木阪 智彦,小園 亮次,野間 玄督,石田 隆史,東 幸仁,山本 秀也,大島 哲也, 木原 康樹 11:40〜12:40 食塩摂取の推移と指導、社会への展開 座長:田原 栄俊(広島大学大学院医歯薬保健学研究院 基礎生命科学部門) 藤原 仁(国立病院機構広島西医療センター 循環器科) 6 わが国で最も低食塩摂取の沖縄は今後悪化しうるか ? 1 2 琉球大学大学院医学研究科, 琉球大学保健管理センター 1 等々力 英美 ,崎間 敦 2 - 28 - 7 高血圧患者における食塩摂取量の時代的推移と減塩指導効果 国立病院機構九州医療センター 高血圧内科 鬼木 秀幸,土橋 卓也,清原 嘉奈子 8 本院での減塩指導の現状と今後の課題 1 2 国際医療福祉大学三田病院 栄養室, 国際医療福祉大学三田病院 内科 1 1 2 小林 美樹 ,鈴木 美智江 ,福田 誠一 ,佐藤 敦久 9 2 心臓カテーテル検査入院パスにおける栄養士の関わりと今後の課題 1 独立行政法人国立病院機構広島西医療センター 診療部内科栄養管理室, 2 独立行政法人国立病院機構広島西医療センター 循環器科 1 1 1 1 1 森下 麻衣 ,小倉 千明 ,父川 拓朗 ,槇元 志織 ,髙山 伸之 ,藤原 仁 10 沖縄伝統食による食事介入研究「チャンプルースタディ」における減塩 1 2 琉球大学大学院医学研究科, 東京大学大学院医学系研究科 1 1 等々力 英美 ,大屋 祐輔 ,佐々木 敏 11 2 2 知的資産としての減塩調理ノウハウの事業化を通じた均てん化の推進 1 独立行政法人国立循環器病研究センター 知的資産部, 2 独立行政法人国立循環器病研究センター 臨床栄養部 1 1 1 1 1 2 西 謙一 ,巽 英介 ,赤川 英毅 ,中田 はる佳 ,大屋 知子 ,竹田 博幸 , 2 2 村井 一人 ,中谷 武嗣 ,妙中 義之 1 14:10〜15:10 食塩摂取量推定、減塩支援機器の活用 座長:松浦 秀夫(済生会呉病院 内科) 川合 淳(中央内科クリニック) 12 高血圧教室に減塩指導システムを導入して 済生会呉病院 小浜 勝之 13 塩分自己診断システムを用いた 24 時間塩分排泄量の推定法の確立 1 2 東北大学大学院薬学研究科 医薬開発構想寄附講座, 塩分診断システム開発グループ 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 今井 潤 ,佐藤 倫広 ,菊谷 昌浩 ,八木 直人 ,𡈽橋 卓也 ,荏原 太 ,内場 廉 , 森 壽生 ,山本 晴章 ,加藤 光敏 ,加藤 則子 ,吉田 克己 14 尿中電解質測定による食塩排泄量の経時変化 1 2 済生会呉病院 臨床検査室, 済生会呉病院 内科 1 1 1 1 1 2 1 1 2 河野 雄一 ,福間 絵理佳 ,植木 夏子 ,有谿 俊一 ,永島 和子 ,松浦 秀夫 15 尿中食塩半定量試験紙ウロペーパーソルトの基礎的検討 1 2 済生会呉病院 臨床検査室, 済生会呉病院 内科 1 1 1 有谿 俊一 ,福間 絵理佳 ,植木 夏子 ,河野 雄一 ,永島 和子 ,松浦 秀夫 - 29 - 16 電子式塩分計(減塩モニター)の開発経緯と使用上の注意 1 2 横浜市大大学院医学研究科, 河野エムイー研究所 1 2 1 1 山末 耕太郎 ,河野 英一 ,森川 希 ,杤久保 修 ,水嶋 春朔 17 1 高血圧患者の日常診療における「かんたん減塩チェックシート」による減塩指導 篠田総合病院 循環器科 池田 こずえ 15:10〜15:50 食塩と味覚、糖尿病 座長 土橋 卓也(九州医療センター 高血圧内科) 中西 修平(広島大学病院 内分泌・糖尿病内科) 18 反復一週間減塩法による塩味嗜好の行動変容 東京女子医科大学東医療センター 内科 渡辺 尚彦,三橋 哲也,菊池 朋子,石川 元直,山中 学,大塚 邦明 19 個々の塩味感度・嗜好と 1 日塩分摂取量との関係 1 山陰労災病院 循環器科, 共済会清水病院 栄養管理室, 2 3 鳥取大学大学院医学系研究科 再生医療学 1 1 1 2 2 水田 栄之助 ,太田原 顕 ,遠藤 哲 ,山田 恭子 ,西谷 留美子 ,久留 一郎 20 糖尿病患者の体重及び血糖値に対する短期間の減塩食体験効果 1 近江八幡市立総合医療センター 医療技術部栄養管理科, 2 近江八幡市立総合医療センター 代謝・内分泌内科 1 1 1 1 1 黒川 あかね ,小見山 こず恵 ,鶴田 千佳 ,東森 佳子 ,鹿谷 未香 , 1 1 2 2 辻森 ひろみ ,田中 陽子 ,本田 亘 ,井田 昌吾 ,中村 高秋 21 2 2 型糖尿病に対するインクレチン製剤ビクトーザの有用性と血圧管理に与える影響 広島県済生会呉病院 薬剤室 岡野 太一 - 30 - 3 1 日目 5 月 26 日(土) 第 4 会場(呉阪急ホテル 3F 安芸 A) 14:10〜15:00 減塩意識の現状、調査など 座長:友弘 康之(呉共済病院 循環器内科) 山本 正治(山本内科循環器科) 22 中国労災病院人間ドック受診者の食生活と減塩に関する意識調査 1 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 栄養管理部, 2 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 内科, 3 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 健診部, 4 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 勤労者予防医療センター 1 1 1 2 3 外裏 貴子 ,大野 奈々 ,児玉 由己子 ,榎野 新 ,阿部 和弘 ,髙田 耕基 23 減塩に関する患者意識調査−高血圧患者と非高血圧患者における検討 1 2 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学, 日下医院 1 1 石田 隆史 ,木原 康樹 ,日下 美穂 24 2 なぜ減塩は実践困難なのか?−患者意識のアンケート調査による検討 1 2 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学, 日下医院 1 1 石田 隆史 ,木原 康樹 ,日下 美穂 25 4 2 減塩意識と食塩摂取量の実際 1 日下医院 検査室, 日下医院 看護チーム, 日下医院 事務, 2 4 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 創生医科学専攻探索医科学講座心臓血管生理医学, 5 日下医院 1 3 1 2 2 2 礒崎 志乃 ,加治木 香純 ,箱嶋 久美子 ,作山 加代子 ,尺田 純子 , 2 2 3 3 3 4 小根森 洋子 ,古本 れみ子 ,江川 佳美 ,谷 一子 ,菊川 めぐみ ,石田 万里 , 日下 美穂 26 5 食品に含まれる塩分量をフードモデルと共に展示することにより減塩の意識変化を図った 試み 総合病院庄原赤十字病院 田中 昌子,落合 ひとみ,渡辺 千加子 15:00〜15:50 社会の塩に対する意識と対策 座長:野間 玄督(広島大学原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害病理研究分野) 森本 忠雄(森本医院) 27 減塩食から考える日本の医療と飲食業界の現状と課題 医療法人社団 KNI 北原国際病院 熊﨑 まり子 - 31 - 28 広島(瀬戸内の)の名産ちりめんじゃこの塩分どこまでが体にいいの? 有限会社石野水産 石野 忠勝,石野 智恵 29 塩と生きる ~高校生に減塩は必要か~ 呉市立呉高等学校 木村 優実,茂木 里穂,丸山 祐実 30 病院内中華料理レストランにおける減塩ヘルシーメニューの有用性 ~アンケート調査結果 より~ 1 三重大学医学部附属病院 栄養管理部栄養指導管理室, 2 三重大学医学部附属病院 栄養管理部, 三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学 3 1 1 1 2 原 なぎさ ,岩田 加壽子 ,石留 真寿美 ,竹田 寛 ,伊藤 正明 31 3 減塩調理講習会開催 ~患者の声に応えて~ 国立循環器病研究センター 大川 美子,橋本 亜由子,川島 のぞみ,上ノ町 かおり,高木 洋子,竹田 博幸, 村井 一人,中谷 武嗣 - 32 - 2 日目 5 月 27 日(日) 第 3 会場(呉阪急ホテル 4F 皇城 CD) 9:00〜9:50 尿中Na測定で取り組む 座長:大島 哲也(大島内科循環器内科) 松本 公治(済生会広島病院 循環器内科) 32 外来で尿中ナトリウム排泄量を測るということ 小園内科・循環器科 小園 亮次 33 夜間尿と塩分摂取量簡易測定器による家庭での食塩摂取量自己測定:高血圧者における検討 国立循環器病研究センター 高血圧・腎臓科 河野 雄平,岩嶋 義雄,林 真一郎,吉原 史樹,中村 敏子 34 外来高血圧患者での随時尿から求めた一日推定塩分摂取量を用いての検討 1 2 守山市民病院 内科, 滋賀医科大学 呼吸循環器内科 1 1 1 1 環 愼二 ,平田 邦夫 ,松井 甚弥 ,金盛 俊之 ,堀江 稔 35 2 夜間尿による塩分摂取量の検討 − 24 時間尿法との比較と食生活調査を行って− 和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 古川 佳子,阪中 馨子,福井 留利子,堀江 佳代子,有田 幹雄 36 推定 1 日塩分摂取量の測定及び測定に関する意識調査 1 地方独立行政法人秋田県立病院機構秋田県立脳血管研究センター 臨床検査部, 2 地方独立行政法人秋田県立病院機構秋田県立脳血管研究センター 循環器内科 1 2 高橋 健 ,藤原 理佐子 ,熊谷 富美子 1 9:50〜10:40 食塩と腎 座長:石橋 克彦(中電病院 内科・循環器) 河原崎宏雄(聖マリアンナ医科大学病院 腎臓・高血圧内科) 37 fa 肥満食塩感受性高血圧モデル動物 DahlS.Z-Lepr ラットにおける減塩と食餌量制限の血圧・ 腎機能に対する改善効果 東京大学大学院医学系研究科 腎臓・内分泌内科 安東 克之,藤田 恵,河原崎 千晶,村岡 和彦,藤田 敏郎 38 高血圧を伴う慢性腎臓病患者における減塩指導による効果について 広島市立広島市民病院 栄養室 礒崎 絵吏,西川 陽子,春貝地 明子 - 33 - 39 減塩による尿蛋白減少効果は、その後の腎機能に好影響を及ぼすか? −保存期腎不全教育 入院の結果からの解析− 近江八幡市立総合医療センター 腎臓内科 大谷 麻衣,八田 告,原 将之,上野 里紗,瀬川 裕佳,澤田 克徳,槙 系 40 高血圧および慢性腎臓病患者の 1 日推定食塩摂取量:年齢と body mass index の影響につ いての検討 1 琉球大学大学院医学研究科 循環器・腎臓・神経内科学講座, 琉球大学保健管理センター, 2 3 琉球大学大学院医学研究科 衛生学・公衆衛生学講座, 敬愛会ちばなクリニック 4 1 新垣 友加里 ,崎間 敦 1 1,2 3 1 石田 明夫 ,安 隆則 ,大屋 祐輔 41 1 4 1 ,等々力 英美 ,古波蔵 健太郎 ,仲田 清剛 ,山里 正演 , 1 随時尿による 1 日推定食塩摂取量は収縮期血圧と正相関している:高血圧および慢性腎臓病 外来患者での検討 1 琉球大学保健管理センター, 琉球大学大学院医学研究科 循環器・腎臓・神経内科学講座, 3 2 琉球大学大学院医学研究科 衛生学・公衆衛生学講座, 敬愛会ちばなクリニック 4 崎間 敦 1,2 2 3 2 4 2 ,新垣 友加里 ,等々力 英美 ,古波蔵 健太郎 ,仲田 清剛 ,山里 正演 , 2 2 石田 明夫 ,安 隆則 ,大屋 祐輔 2 10:40〜11:40 学校と被災地に減塩を 座長:安東 克之(東京大学医学部附属病院 腎臓内分泌内科) 弓場千麻子(ゆみば子どもクリニック) 42 幼若期での血圧上昇・腎障害における食塩過剰摂取の役割 1 2 聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科, 東京大学医学部付属病院 腎臓内分泌内科 1 2 2 2 2 河原崎 宏雄 ,安東 克之 ,村岡 和彦 ,河原崎 千晶 ,藤田 恵 ,藤田 敏郎 43 2 子供は減塩を良く理解する 1 2 3 4 日下医院, 日下医院 看護チーム, 日下医院 検査室, 日下医院 事務 1 2 2 2 3 4 2 日下 美穂 ,箱嶋 久美子 ,作山 加代子 ,尺田 純子 ,小根森 洋子 , 2 3 4 古本 れみ子 ,加治木 香純 ,礒崎 志乃 ,江川 佳美 ,谷 一子 ,菊川 めぐみ 44 4 減塩にチャレンジ! 呉市立昭和東小学校 奥田 真美,尾久葉 則子,大倉 将也,大藤 裕太朗,大畠 蓮司,大盛 真弥, 進藤 翼,濵﨑 太翔,荒谷 夏実,大田 怜奈,大畠 真衣,川嵜 乃愛,進藤 怜奈, 森本 愛菜 45 Let's 減塩レシピ集!! 呉市立呉高等学校 秋月 碧海,鴨川 瑞樹,古江 梓 - 34 - 46 チャンプルースタディの研究成果に基づいた学校給食レシピの開発と評価 1 2 3 沖縄県学校栄養士会, 西大学院, 琉球大学大学院医学研究科 1 3 2 1 1 根川 文枝 ,等々力 英美 ,西大 八重子 ,大城 綾乃 ,加賀美 絢子 , 1 1 稲垣 夏子 ,上野 奈緒子 2 1 1 1 1 親泊 まどか ,金城 愛香 ,底田 春奈 ,幸地 麻史子 ,石川 理恵 ,安里 奈都子 , 1 47 美味しい減塩食が意識を変える ~被災地での減塩啓発活動を通して~ 1 2 国立循環器病研究センター 臨床栄養部, 国立循環器病研究センター 生活習慣病部門長 1 1 1 1 1 橋本 亜由子 ,大川 美子 ,川島 のぞみ ,上ノ町 かおり ,高木 洋子 , 1 1 1 竹田 博幸 ,村井 一人 ,中谷 武嗣 ,河野 雄平 - 35 - 2 2 日目 5 月 27 日(日) 第 4 会場(呉阪急ホテル 3F 安芸 A) 9:00〜10:00 症例、個別支援など 座長:勝然 秀一(自衛隊呉病院 内科) 木戸 幸司(済生会呉病院 内科) 48 24 時間蓄尿を導入した減塩指導コース参加による減塩行動が血圧管理に効果的であった一 症例 1 2 自治医科大学附属病院 臨床栄養部, 自治医科大学医学部 内科学講座循環器内科部門 1 1 2 2 佐藤 敏子 ,小野口 敦子 ,中野 真宏 ,星出 聡 ,苅尾 七臣 49 2 減塩を意識づけるために -減塩を意識した患者を通して- 1 2 3 4 日下医院 看護チーム, 日下医院 検査室, 日下医院 事務, 日下医院 1 1 1 1 1 箱嶋 久美子 ,作山 加代子 ,尺田 純子 ,小根森 洋子 ,古本 れみ子 , 2 2 3 3 3 加治木 香純 ,礒崎 志乃 ,江川 佳美 ,谷 一子 ,菊川 めぐみ ,日下 美穂 50 4 透析患者の塩分管理における当院の取り組み 中央内科クリニック 安永 沙也香,黒飛 佳子,川合 淳,川合 徹,草野 由恵 51 クリニックにおける高血圧症患者への減塩指導について 医療法人坂東ハートクリニック 藤原 育代,坂東 正章 52 食塩摂取量簡易測定器を利用した高血圧予防のための個別支援の試み JA 広島総合病院 健康管理センター 野村 恵美,林 直子,長田 恵美子,東 千穂,増本 順子,川村 洋子,久保 知子, 碓井 裕史 53 減塩食導入にて低ナトリウム血症を発症し治療に難渋した高血圧の 1 例 中電病院 内科 中河 啓悟,石橋 克彦,金 宣眞,石飛 朋和,鍋島 由宝,河村 寛 10:00〜10:50 体験型指導、レストランの協力も 座長:寺川 宏樹(JR広島鉄道病院 循環器内科) 南 順一(医療法人順典会 手島医院) 54 ~これであなたも減塩名人 !? ~ 体験型減塩教室の取り組み 1 2 国立病院機構九州医療センター 栄養管理室, 国立病院機構九州医療センター 高血圧内科 1 1 2 2 増田 香織 ,池本 美智子 ,鬼木 秀幸 ,清原 嘉奈子 ,土橋 卓也 - 36 - 2 55 シティーホテルにおける「減塩 2g 弁当」作成の試み ~ホテル内会議およびケータリングで の利用~ 1 篠田総合病院 循環器科, 済生会山形済生病院 栄養部, 篠田総合病院 栄養科, 4 2 ホテルキャッスル 1 3 2 3 4 4 4 池田 こずえ ,岡田 まさえ ,木村 利枝子 ,木村 哲夫 ,伊藤 啓 ,山内 正徳 , 坂入 文人 56 4 脳卒中後遺症者も“食”を楽しむ為に~『健康』で人と人とを繋ぐ『健康の架け橋プロジェク ト』 医療法人社団 KNI 北原国際病院 三浦 祐輔,笠原 稔也,熊崎 まり子,内田 成美 57 安心して、楽しめる食事をめざして 近江八幡のドクターズレストラン 1 2 近江八幡市立総合医療センター, ホテルニューオウミ 1 2 東森 佳子 ,小谷 明宏 ,八田 告 58 1 病院と飲食店が連携した健康食プロジェクト・セミナーの報告 ~「健康」で人と人とを繋ぐ 「健康の架け橋プロジェクト」~ 1 医療法人社団 KNI 北原国際病院 リハビリテーション科, 2 医療法人社団 KNI 北原国際病院 看護科 1 2 1 笠原 稔也 ,熊崎 まり子 ,三浦 祐輔 ,内田 成美 1 10:50〜11:50 家庭で簡単に減塩できるように 座長:香川 治子(広島文化学園大学 看護学科地域看護学) 髙木 洋子(国立循環器病研究センター 臨床栄養部) 59 当院の減塩食について ~家庭で簡単に実践できる減塩料理~ 1 2 呉市医師会病院, 手島医院 1 1 1 1 1 椋田 彩香 ,久保 晶子 ,原 七恵 ,筏 真知子 ,飯藤 茜 ,南 順一 60 2 外来生活習慣病患者への減塩の取組 医療法人社団まついクリニック 橋本 智子,倉田 華菜子,庄司 博美,白戸 真理子,松井 育子,松井 豊 61 減塩が簡単に実行できるパン食を目指して ~朝ごはんから始めるもりもり元気~ 1 2 医療法人社団まついクリニック, dans marché 1 1 1 1 1 1 倉田 華菜子 ,橋本 智子 ,庄司 博美 ,白戸 真理子 ,松井 育子 ,松井 豊 , 中市 浩嗣 62 2 商品名 海のペプチド「おいしいだし」で手軽に減塩しませんか! 簡単‥入れるだけ、便利‥ 和・洋・中 何でも使える万能だし調味料、安心‥100% 天然素材 塩分・糖・脂肪分・旨味 成分を一切加えないすぐれもの 個人 岡崎 和子,堀江 明美 - 37 - 63 美味しい減塩。醤油・みそを活用した食のススメ。 福萬醤油 代表 大浜 大地 64 美味しい減塩を可能にする調理の工夫と新規減塩調味料 1 福岡女子大学大学院人間環境学研究科 栄養健康科学専攻, 2 福岡女子大学人間環境学部 栄養健康科学科 1 1 2 2 1 船元 智子 ,高橋 彩夏 ,石川 温子 ,内薗 洋子 ,松永 泰子 ,早渕 仁美 - 38 - 1 海外招聘講演 特別企画 文化講演 抄 録 海外招聘講演 Salt reduction - the most cost effective public health strategy for reducing strokes, heart attacks, and heart failure 減塩こそ、脳心血管病撲滅、医療費削減の最安、最強の戦略だ !! Professor of Cardiovascular Medicine Wolfson Institute of Preventive Medicine Graham MacGregor A reduction from the current high level of salt intake of 9-12g per day in most countries in the world, to the recommended level of less than 5-6g per day has been shown to lower blood pressure which will cause major reductions in the number of strokes, heart attacks and heart failure, and may have other beneficial effects on health. Cost effective analyses have repeatedly predicted that salt reduction is more, or at the very least, just as cost effective as tobacco control in reducing cardiovascular disease – the leading cause of death and disability worldwide. Direct evidence now comes from the UK, where an effective policy to reduce salt resulted in an adult reduction of salt intake of 9.5g to 8.6g within three years of the start of this programme, with further reductions now being made. It was calculated that the salt reduction programme cost approximately £5 million per year, and has already resulted in health care saving costs of £1.5billion per year. A ratio of £1 spent for £300 saved. There is no other public health policy that has been shown to be so cost-effective. The WHO has recommended salt reduction as one of the top three priority actions to tackle the global noncommunicable disease crisis. All countries need to adopt a coherent and workable strategy to reduce salt intake in their whole population. This can be done by a combined policy of a)getting the food industry to slowly decrease the huge and unnecessary amounts of salt that they add to foods, b)making the public much more aware of the harmful effects of salt on health, c)using less in their own cooking, and at the table, by public health campaign. A reduction in salt intake, therefore, across the whole population will result in major improvements in public health and will have large economic benefits for all countries around the world. - 41 - 特別企画 文化講演 食習慣の危機は国の危機 コラムニスト 勝谷 誠彦 1960 年 兵庫県生まれ 私立灘高校を経て早稲田大学第一文学部文芸専攻卒 1985 年 文藝春秋社入社、記者として活動 綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人などの国内の事件やフィリピン内乱、若王子事件、カンボジア内戦、 湾岸戦争などの国際報道を手がける 1996 年 退社 その後、コラムニストや写真家として活躍。食や旅のエッセイで広く知られる。 現在「SPA!」の巻頭コラムを始め、雑誌に多数連載を持ち、TV 番組では「スッキリ !!」 (日本テレビ)、 「たかじんのそこまで言って委員会」( よみうりテレビ)などのレギュラーコメンテーター。 「たけしの TV タックル」 (テレビ朝日)、「あさパラ !」 (よみうりテレビ)などの準レギュラー出演。 『ディアスポラ』( 文藝春秋 )『平壌で朝食を。』( 光文社 ) などの小説のほか、評論「坂の上のバカ」 (扶桑社)、 対談「日本人の『正義』の話をしよう」 (アスコム)等、著書多数。 365 日無休で朝 10 時までに 400 字詰め原稿用紙で 12 枚以上を送る有料配信メール『勝谷誠彦の××な 日々。』http://katsuyamasahiko.jp/ は多くの熱狂的読者を持つ。 - 42 - シンポジウム 抄 録 S1-1 塩の歴史~意識の変遷 呉市海事歴史科学館 大和ミュージアム 館長 戸髙 一成 塩は人間にとって欠かすことの出来ない食品でありながら、一面採りすぎによる健康障害を引き起こす側面も持って いる。塩断ち、敵に塩を贈る、などの言葉の背景には、塩の重要さが現れていると言える。 また、日本における塩は、汐、潮とも深い係わりを持ち、海洋交易、海洋文化と切り離せない。特に瀬戸内海を廻る 海洋文化圏に於いて、日本人は古来良質の塩を生んできたが、今後、塩とどのように関わってゆく事が望ましいことな のか、考えてゆくことが必要と思われる。 S1-2 色々な塩~藻塩づくり、塩田、歴史と現在 藻塩の会 代表 松浦 宣秀 すべての生き物は海で誕生した。数十億年かけて様々な進化をし、やがて陸地に上がったものもある。それまでは海 中で必要なものを摂取していたが、陸に上がったものは別の方法でそれらを摂取しなくてはならなくなった。その中で 重要なものの一つに塩がある。塩がないところは動物の内臓や植物、地中や海などから得なくてはならない。日本周辺 の海水は塩分が平均三 % しか含まれておらず、あと九七 % は水などである。海水を各地に運ぶとほとんど水を運ぶよう なものなので、様々な方法で塩だけにして運ぶ工夫がなされた。一九八二年海浜で古墳時代の製塩土器片を採集した。 遺跡の発掘を通して不明になっていた古代製塩法を学問的に解明するため研究を開始した。遺跡から出土し分析したも の、万葉集の「朝凪に玉藻かりつつ夕凪に藻塩焼きつつ」を参考に行った。その結果、色々な塩づくりの中の一つの方法 として藻を利用して水分を蒸発させて濃い海水をつくり、煮つめて藻塩をつくったことが解明された。現在各地で発掘 されたものからこの方法を裏付けるものが出土してきている。 藻塩は藻のうま味が溶け込んだ茶色いものである。 その後、砂の熱を利用した塩田などになり様々な方法で塩づくりが行われだした。現在はイオン交換という方法でつ くられている。 - 45 - S1-3 塩と味覚−自然の摂理に従いおいしく減塩 味覚と食嗜好研究所 代表 山口 静子 味は食物の選択摂取を大きく支配している。味の基本は甘、塩、酸、苦、うま味で、それぞれ糖質、ミネラル特に食塩、 有機酸ないし果物の未熟さや腐敗、有害物質、蛋白質の存在を示唆するシグナルとされている。食品には基本味以外に も微妙で曖昧な味の無数の成分が含まれ、こくやボディを与えている。油脂もなめらかな食感やこくを与える。食品は 組み合わせたり各種調味料やだし、油脂などを加えることでおいしさを高めて食される。特に塩の影響は大きいが減塩 のためにはおいしさや栄養バランスを損なわないことが重要である。近年、糖や脂肪の摂取量の増加や野菜摂取量不足 も問題になっている。塩が用いられるのは、主に主食と共に供される肉、魚、野菜料理の場合である。塩味はうま味や だしと密接な関係があり、どちらも甘い菓子やデザートには用いられない。甘味は塩味やうま味を弱める。うま味には 特異的な相乗作用があり、肉や魚にはイノシン酸、野菜にはグルタミン酸が多く含まれるので、著しくうま味が増強さ れるために両者を同時に摂取することを促す。塩味とうま味の間には相補的な関係があり、うま味を増すことによって 塩の濃度は少なくとも 3 割減ずることができる。野菜では甘いもの、肉では脂っこいものを好む人の方がうま味の感受 性が低かった。蛋白質のシグナルであるうま味を大切にすることは味覚の感受性を高めることでおいしく栄養バランス のとれた減塩に繋がるはずである。 S1-4 旅の味は塩の味 月刊くれえばん 編集長 木戸 俊久 旅の魅力の第一は、旅先のうまいもんに出会うことである。 私は酒好きなので、どうしても夜は“地産地消”の酒と肴のある居酒屋を捜すことになる。そうしてたどりついた居酒 屋がいい店だったなら、その旅先の町自体がいい町に見えてくるものだ。 私は日本全国 47 都道府県の県庁所在地の殆どの地で飲んだことがあるが、各々歴史に育まれてきた文化が色濃く残る コトやモノ。そして言葉や食にあきることはない。 旅先が初めての地だったなら、まずは市場と昔の盛り場だった場所に行く。食文化と“昭和”の匂いを残す場に身を置 くと、その地の概要が少し見えてくるものである。 市場では必ず旬のものを捜す。出始めの“走り”、最盛期の“盛り”、そろそろ終わりの“名残り”を見究める。そして、 居酒屋で旬のメニューを頼むのである。“盛り”の食材は安く、栄養価も高く、“走り”の 3 〜 5 倍といわれている。 沖縄から北海道まで日本列島は、気候の温暖差があるように、旬の食材も千差万別だ。そこでおもしろいのは料理の 塩加減、塩の使い方も様々なのである。ここに、塩分濃度の異なる吸い物で実験したデータがある。京都は 130 分の 1、 大阪は 140 分の 1、東京は 150 分の 1。京都が一番濃い味で東京が薄味という結果だった。 “味が濃いけど箸がすすむ。薄味だけどコクがあっておいしい”という料理人の技は、塩を通して、その料理人の人柄 まで垣間見ることが出来る。 “塩”を知ること、意識することの話です。 - 46 - Introduction 日本高血圧学会減塩委員会の活動 国立循環器病研究センター 高血圧・腎臓科 河野 雄平 食塩の摂り過ぎは血圧を上げて脳卒中や心臓病の危険性を高めるが、食塩は血圧への影響以上に心臓や血管に害を及 ぼすと考えられる。したがって、食塩制限は高血圧や多くの循環器病の予防と治療に非常に重要となる。1 日の食塩摂 取量については、高血圧者は 6g 未満、健康な人では男性で 9g 未満、女性では 7.5g 未満が勧められている。しかし、日 本人の食塩摂取量は減少傾向にあるが平均 10g 以上と多く、高血圧者も大部分は 6g 未満が達成できていない。 高血圧の予防や治療のための食塩制限を啓発、推進するため、日本高血圧学会は 2005 年に減塩ワーキンググループ (WG)を組織した。減塩 WG は、食品中の食塩表示の申し入れや、食塩制限と摂取量評価の報告書、減塩食レシピの発行、 などの成果を上げている。2010 年に減塩 WG は改組され、減塩部会として新たな活動を始めた。また 2011 年には減塩 委員会となり、さらに活動を強化することになった。減塩委員会は、高血圧学会の委員の他に栄養関係の協力会員を加 え、幅広い活動を展開している。主な活動は、①政府や産業界へのはたらきかけによる食塩摂取減少、②集団としての 高血圧者や市民へのはたらきかけによる食塩摂取減少、③高血圧者個人や家族などへのはたらきかけによる食塩摂取減 少、④減塩委員会や減塩に関する広報活動、である。ホームページを開設しており、近く減塩委員会報告と減塩食レシ ピ改訂版を発行する。日本高血圧学会減塩委員会は、今後も高血圧の患者さんのために、また国民全体の健康のために、 減塩を通じて貢献していきたい。 S2-1 食塩制限の目標と方策 滋賀医科大学 社会医学講座公衆衛生学部門 三浦 克之 DASH-Sodium 試験などのエビデンスから、2005 年米国 IOM は食事摂取基準として成人におけるナトリウム摂取 の目安量を 1500mg、耐用上限量を 2300mg とし、米国食事ガイドラインではナトリウム摂取目標値を一般成人では 2300mg 未満、ハイリスク者では 1500mg 未満に設定した。2003 年、WHO/FAO のレポートでは、血圧低下のために は食塩摂取量を 5g 未満にすべきとした。一方、わが国の一般国民を対象とした食事摂取基準(2010 年版)では、成人に おいて今後 5 年間に達成したい目標量として男性 9.0g/ 日未満、女性 7.5g/ 日未満を設定し、それ以前の目標値より引 き下げた。日本高血圧学会ガイドライン 2004 年版および 2009 年版では目標値を 6g/ 日未満に設定した。個人が効果的 に食塩摂取量を減らすためには、高塩食品の摂取を減らすとともに、調味料などを低塩のものに置き換える必要がある。 また、食習慣の修正を指導・支援する場合、日常生活における行動変容を得るための行動科学的な手法も必要である。 高血圧者だけでなく正常血圧者を含めた国民全体を対象としたポピュレーション戦略も重要である。具体的には、マス メディアによる普及啓発、食品製造業者よる加工食品の減塩、給食・外食産業における調理の減塩などが含まれる。食 品栄養表示を通した戦略も重要であり、日本高血圧学会は消費者庁に対して食塩相当量表示義務化の要望を行った。 - 47 - S2-2 減塩に関する患者意識調査から見えてくること 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科 石田 隆史 食塩摂取量の制限、すなわち減塩が最も有効な非薬物療法の一つであることは国際的にもコンセンサスが得られてお り、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインにおいても食塩 1 日 6g 未満の減塩が推奨されている。しかしながら実際 には、我が国民の 1 日塩分摂取量は約 11g であり、目標とは大きな隔たりがある。今回我々は減塩の実践が進まない原 因を探るため、広島県内の開業医、病院勤務医の協力を得て減塩に関する患者の意識調査を約 2000 人を対象としてア ンケート形式にて行った。 まず高血圧の予防・治療において減塩が有効であることは高血圧患者の 99% 以上の人が知っていた。次に、減塩の実 践状況に関して質問したところ、高血圧患者においては 35% が「減塩を実践している」、54% が「減塩を実践しているつ もりだが自信がない」、11% が「減塩を実践していない」と答えた。「実践しているつもりだが自信がない」あるいは「実 践していない」と答えた人に対してその理由を尋ねたところ、「自分がどの程度塩分を摂取しているのかわからない」と 答えた人が最も多く、他に「家族と食事を合わせようとすると減塩が困難」、 「減塩食はおいしくない」などの回答が多かっ た。 さらにどのようにすれば減塩が実践可能になるか尋ねたところ、「模範になるような食事を実際に食べてみる」と答え たひとが最も多く、次いで「パンフレットなどで具体的なレシピを知る」、「外食、コンビニの弁当などの食塩含有量を 表示してもらう」 「食品の塩分をナトリウムではなく、食塩相当で表示してもらう」の順に回答が多かった。 今回のアンケート調査から、高血圧患者の多くが減塩に取り組んでいるがその達成度には自信がない人が多いことが 明らかになった。さらに減塩をより確実に実践するにあたり種々の課題と手がかりが得られた。すなわち、まず患者自 身がどの程度塩分を摂取しているのか把握することや、模範になるような食事を試食してみることなどが重要であるこ とが示唆された。発表当日は、減塩に対する認識と実際の食塩摂取量や血圧コントロール状況との関連に関しても検討し、 述べる予定である。 S2-3 食塩摂取量の評価と応用 国立病院機構九州医療センター 高血圧内科 土橋 卓也 食塩の過剰摂取は高血圧のみならず、脳卒中や腎障害、胃がんなど様々な疾患のリスクとなることから、減塩は国民 全体で取り組む必要がある。高血圧に対する生活習慣修正の中でも減塩が重要であることは、広く認識されているが、 主観的減塩の意識は必ずしも実際の減塩につながっていないことから、減塩指導に際しては、個人の食塩摂取量を評価 することが不可欠である。 食塩摂取量の評価は、食事内容からの評価と尿中ナトリウム(Na)排泄の評価に大別されるが、各評価法には、利点 と欠点があり、信頼性と簡便性を兼ね備えた方法はないことから、対象者や実施施設の環境に応じた評価法を選択する ことが推奨される。高血圧専門施設においては、24 時間蓄尿による Na 排泄量の測定、または栄養士による食事内容の 調査を行うことが望ましい。一方、一般医療施設においては、起床後第 2 尿あるいは随時尿を用いて Na、クレアチニン (Cr)を測定し、24 時間 Cr 排泄量推定式を含む計算式を用いて、24 時間 Na 排泄量の推定値を算出することが勧められる。 随時尿中 Na/Cr 比を用いてグラム Cr あたりの Na 排泄量により推定する方法は信頼性に劣るがもっとも簡便である。夜 間尿から計算式を内蔵した電子式食塩センサーにより 1 日食塩排泄量を推定する方法は、信頼性はやや低いが患者自身 で簡便に測定できることから、日々の食塩摂取量のモニタリングと減塩に対する意識の強化に有用である。これらの方 法を用いて、食塩摂取量(排泄量)を評価し、6g(Na 100mmol)/ 日未満を目指した減塩指導を行うことが推奨される。 - 48 - S2-4 日本高血圧学会 減塩レシピの活用 山陽女子短期大学 中東 教江 減塩レシピ集の第 2 弾を今年発行した。前回は一日 3 食の一週間分の食事だったが、今回は弁当のレシピも入れた。 1 日の栄養量の設定は、エネルギー 1800 ~ 1900kcal、たんぱく質 60 ~ 70g 脂質 40 ~ 50g(エネルギーの 20 ~ 25%)、食塩相当量 6g 未満。弁当は、1 食エネルギー 600 ~ 700kcal、たんぱく質 20 ~ 30g、脂質 15g、食塩相当量 2g とした。この栄養量は日本人の食事摂取基準によるところの男性は 70 歳以上の身体活動が低い人、女性は 50 ~ 69 歳位の身体活動が普通の人に匹敵する。活用する人の身体活動レベルに合わせて、プラスまたはマイナスをして使って いただきたい。 塩味の調理においておいしく食べられる濃度は、漬物などの特に塩辛いものを除けばほとんどの料理は 0.5 ~ 2.0% の 範囲である。これは甘味に比べて適応濃度の範囲が非常に狭いことが特徴であり、減塩調理の難しさである。これらの 濃度は調理の方法や調味料の使い方、あるいは調理の工夫でさらに低下させることができる。また調味は塩味だけでなく、 甘味、酸味、辛味、旨味を混合することにより相互の味が関連しあって調和のとれた味を出すので、塩味を減らすため には他の調味料との配合も減塩調味のポイントである。また、調味料を計量すること、鮮度のよい材料、出しや香りの 利用などは減塩料理において必要なことである。 - 49 - S3-1 「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in 呉」の成果~呉を中心とした減塩活動 ふじい内科循環器科 藤井 秀昭 2008 年 1 月から呉循環器病研究会、日本高血圧学会、日本高血圧協会、呉地域のタウン誌「月刊くれえばん」、栄養 士らと協力して、飲食店を巻き込んだ減塩活動に取り組んだ。呉市内の飲食店においしい減塩・低カロリーメニューを作っ てもらう企画「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in 呉」で、飲食店に示した基準は(1)1 食 400 〜 600 カ ロリー、(2)塩分は 2 〜 3 グラム、(3)野菜、海藻、キノコを豊富に、(4)脂肪は少なく、(5)地産地消、などである。 調理人のレシピをもとに栄養士が塩分やカロリーを計算し、基準に合わせた料理とした。呉市の高級料理店から始まり、 インド料理店からお好み焼き店やラーメン店まで広がり、広島市や尾道市、大竹市でも取り組みが始まってきている。 これらの減塩活動やその成果についてについて報告する。 S3-2 伝統的沖縄の味で減塩を~産学官で取り組む 琉球大学医学部 大屋 祐輔、等々力 英美 近年は、ややあぶなくなっているものの、沖縄は長寿として有名である。その原因の一つに、心血管病、とくに脳卒 中による死亡が少ないことがあった。心血管病と関連して、食事について考えてみると、沖縄の伝統的食事は、塩分摂 取量が少ないこと、緑黄色野菜や大豆・いもの摂取が多いなどの特徴がある。各種栄養調査では、沖縄の塩分摂取量は 男女とも全国平均に比べ 1-2g/ 日少ない。我々は、このような伝統的な沖縄の食事が、健康指標の改善に有効であるの か、を検討するために、介入試験を行ってきた。これまで、沖縄の若年女性、沖縄在住の男女アメリカ人、首都圏在住 の中年男女に対して、無作為割り付けの食事介入試験を行っている。沖縄野菜の宅配や沖縄伝統食を現代風にアレンジ した弁当の宅配は、従来食のグループに比較して、尿中塩分排泄量、体重、血圧などが改善した。これらの結果を社会 に還元するために、現在、沖縄の中年男女に対して、農業、流通、マスコミ、大学、医療などとコラボレーションを行い、 野菜摂取を進める社会運動(購入への割引、レシピ - の配布、野菜や健康に関する情報提供、コンビニでの野菜が豊富な 弁当の販売など)が、減塩に繋がるか、また、健康指標に影響を与えるかを検討している。継続的な食習慣の改善には、 個人の努力でなく、社会全体での取り組みが必要である。我々のこのような取り組みが、社会に広がり、沖縄の長寿回 復のきっかけになることを期待し、活動している。 - 50 - S3-3 Recover one's health −ホテルでの減塩メニュー− 和歌山県立医科大学 有田 幹雄 高血圧は世界中でも、日本国内でも最も多い病気で、国民(成人)の約 1/3(約 4 千万人)が罹患し、予備軍まで含める と約 1/2 が危険水域にある生活習慣病である。ところが、高血圧はほとんどが無症状であるために軽視されがちである。 高血圧では心臓病や脳卒中などの心血管病の罹患が 3 倍以上多いことが証明されている。アメリカでは毎年 10 万人の死 亡が過剰な食塩摂取と関連するとされるが、降圧目標の達成率は 28% と少ない。 我々は過剰な塩分を摂っているが、その自覚が少ないのは、塩分摂取の約 75% は購入している食品の中に含まれてい るためであると考えられる。アメリカでは、食塩に税金をかけ、食品産業と協同して減塩に取り組めば約 14 兆円の医療 費が削減できるとの報告も見られる。日本人の 1 日の食塩摂取量を 12g から 6g へ減らすために、美味しく頂いてヘルシー なグルメダイエットを平成 21 年 11 月より公立学校共済組合ホテルアバローム紀の国と協同で開発してきた。減塩食の 試食会や高血圧のセミナー&ディナー開催、料理長による減塩レシピの紹介などの取り組みを行ってきた。中部・関西 地区公立学校共済組合のホテルへの減塩食の普及や和歌山県下の教職員を対象とした健康セミナー、学校給食部会への 提案など減塩食の普及活動の成果で現在まで約 6000 食の減塩食が提供されている。今後、この取組を県下に展開して 教職員の健康の維持増進を図り、また子供たちの食育にも活かして生活習慣病を予防し、危険な心血管病を減少させて いきたいと考えている。 S3-4 新築大学病院の中華レストランに美味しい減塩メニューの試み 三重大学病院 栄養管理部栄養指導管理室 岩田 加壽子 三重大学の栄養指導件数は月平均 700 件を超え、オーダーメイドの栄養指導を行い、また院外での栄養指導として、 2004 年より産学官連携で疾患別のツアーを企画運営している。しかし、栄養指導を充実していく一方で、受講の帰途 に患者が院内の食堂ショーケースの前で佇み、メニュー選択に困惑している姿を目の当たりにしていた。2012 年 1 月、 新病棟に中華レストランが参入し、これを期に減塩でヘルシーなメニューを導入する事となった。今までの日替弁当は エネルギー 1000 ~ 1100kcal、 蛋白質 8 ~ 10% E. (20 ~ 25g) 、 脂質 28 ~ 30% E. (31 ~ 34g) 、 塩分 3.0 ~ 5.0g であった。 そこで、プロジェクトチームを立ち上げ、シェフ・管理栄養士・病院スタッフ等がメニュー構成、調理方法について協議し、 中華料理の特性を生かしながら減塩でも美味しい組み合わせと、低カロリーでも満足感が得られるように、試作と試食 を繰り返し、エネルギー 500kcal、蛋白質 16 ~ 20% E.(20 ~ 25g)、脂質 25% E.(13 ~ 14g)、塩分 2.0g の、 「ヘルシー 弁当」を作成した。また、食品成分表を用いた栄養価計算では算定上誤差を生じやすい吸油量や吸塩量、同じレシピの 栄養量の再現性の確認のために、食品カロリー測定器(カロリーアンサー)を用いている。ヘルシー弁当導入後に行った 満足度等に関するアンケート調査結果では概ね好評意見が多く、病院でのヘルシー弁当提供は患者や職員に求められて いた。また、新商品として「南瓜饅頭(減塩パン)」を開発し、ヘルシー弁当の好評メニューとなっている。さらに、テイ クアウト商品として準備を進めている。 - 51 - S3-5 外食でも糖尿病合併症を防ぎたい! −ホテルレストランでの料理教室と調理師専門学校へのアプローチ− 遠州病院 内分泌内科 後藤 良重 (はじめに)糖尿病、境界方糖尿病患者が外食をする頻度は高い。糖尿病早期からの合併症である心、血管障害の大きな リスクは、低塩低カロリー食で改善が見込めるものである。 (目的)安心して選べる外食メニューを増やし、病状を悪化させること無く外食を楽しめる環境を整える。 (方法)①レストランと当院栄養科共同で 500Cal、塩分 2g 以下のメニューを作り、糖尿病料理教室として食事会をする。 ②①で作られたメニューを一般にも提供する。③調理師が低塩低カロリーメニューに関心を持てる様に調理師専門学校 の教育強化を働きかける。 (結果)① -1. 平成 21 年からホテルコンコルドのフレンチレストランで 500Cal ランチを作り、毎年糖尿病料理教室とし て食事会を開催した。① -2. シェフに低塩、低脂肪、低糖の方法を考え、実施していただけた。②低カロリーメニュー は同ホテルの他のレストランでも創作され、常時一般にも提供されている。③ -1. 東海調理師専門学校で、オプション 授業であった糖尿病食の実習が必須授業となった。③ -2. 学生実習レストランのテーマの一つに低カロリー、低塩メ ニューが取り入れられた。 (考察)未だ低塩低カロリーは、外食の調理に普及していないが、実際にレストラン調理師が病院栄養士とともにメニュー を作り、患者に提供することで、その必要性や利点が理解された。調理師学校での教育も進めていただき、低塩低カロリー メニューを提供できるレストランが増える様に働きかけて行きたい。 S3-6 にいがた減塩ルネサンスの取組について ~効果的な減塩運動とは~ 新発田地域振興局健康福祉環境部 地域保健課 課長代理 関 芳美 新潟県では、全国比で死亡率の高い脳卒中や胃がんを減らすため、食塩摂取量 1g の減少などを目標に、『にいがた減塩 ルネサンス運動』を展開している。「減塩=おいしくない」というイメージを払拭するため、企業等、多様な担い手によ る戦略をたてている。 ①にいがた減塩ルネサンス料理コンクール:中食・外食提供企業が、手軽に取り組める減塩メニューの普及・啓発を目 的に、平成 21、22 年度に料理コンクールを開催した。入賞作品を掲載したレシピブックは新聞記事にも取り上げられ、 多くの問い合わせを頂いた。また、HP やメルマガ配信による情報発信にも努めている。 ②職場における減塩ルネサンス支援事業:平成 21、22 年度は、事業所の健康管理部門と給食部門とが連携し、従業員 に減塩教育を行うと同時に、減塩メニューを提供するモデル事業を行った。県内企業が開発した減塩できる醤油差しを 食堂に設置し、メニュー以外での減塩を支援する取組も行った。平成 23 年度からは配達弁当業者に対し、健康管理に繋 がる弁当の開発支援を行っている。 ③県内外への波及:県内では、一連の取組が減塩商品関連企業の売り上げ増加に繋がると共に、「にいがた減塩ルネサン ス料理コンクール」受賞作品の一部が商品化されるなど、県が先頭となり、産業分野と連携した先駆的事例として全国 的に注目され、メディアにも多数取り上げられている。 ④今後の展開:この県民運動は、「おいしく、気軽に、健康に」、「にいがたの食材・調味料の利用」、「飲食店・スーパー 等との連携・協働」という特徴を活かし、県民が取り組みやすい目標を掲げ、平成 21 ~ 24 年度をステップ 1、平成 25 ~ 30 年度をステップ 2 として、段階的に取り組むこととしている。今年度は、平成 23 年度に実施した県民健康・栄養 実態調査結果を用いて、取り組みの中間評価を行う。また、新規に塩分摂取量の「見える化」モデル事業を行い、科学的 根拠に基づく先駆的な減塩指導プログラムを検討し、県内外へ発信していく。 - 52 - S3-7 健康寿命の延伸をめざす呉市の取組み 呉市福祉保健部保健所 健康増進課 課長補佐 下田 眞由美 呉市では,住民参加をキーワードに,市民が生涯にわたって主体的に取組む健康づくりを社会・行政が支援し,健康 寿命を伸ばしていこうとする 21 世紀における健康づくり運動を行う指針として,平成 20 年 3 月に「健康くれ 21 計画(後 期計画)」を策定しています。 この計画は,市民の健康に関する意識を高め,安全な環境の中で楽しく笑顔で過ごせ,人と人との豊かなつながりを 大切にするまちづくりを目的に,市民,関係団体,行政がそれぞれ担う役割を考えながら「笑顔いっぱい健康づくり」を キャッチフレーズに取り組んでいます。 また,第 4 次呉市長期総合計画においても,市民の健康寿命の延伸に向け,運動習慣や生活習慣の見直し,運動環境 の整備など地域ぐるみでの健康づくり活動の支援に取組むことを掲げ,関係団体との連携・協働により,運動習慣の定着, 食育の推進など,地域に根ざした健康づくりを推進しています。 具体的には「食育の推進」では,1 日のスタートである朝食に視点を置き,幼いころから規則正しい食習慣を身につけ るよう「朝ごはん食べようキャンペーン」を展開しています。また,「主食・主菜・副菜をとりんさい」を合言葉に「呉市 版食事バランスガイド」を活用し,日々の食生活の中で自ら栄養バランスのとれた食事の選択ができるよう啓発してい ます。 「運動習慣の定着」では,市民が普段の生活の中で健康づくりのための運動に取り組むことができるよう,地域の身近 な公園へ健康遊具の設置やウオーキングコースの整備などに取り組んでいます。 - 53 - S4-1 美味しい減塩食の作り方~減塩のポイント 医療法人社団スマイル広島ベイクリニック 管理栄養士 坂田 良子 心血管病の原因となる高血圧はいろいろな生活習慣の歪みで生じますが,そのうちの最も重要なものの一つに食塩過 剰摂取があります。平成 22 年度の厚生労働省による国民健康・栄養調査結果では食塩摂取量の平均は、男性で 11.4g、 女性で 9.8g です。年代別では 60 ~ 69 歳の男性で 12.0g、女性で 10.6g と各年代に比べ最も多く摂っています。私たち の身体は 1 日当たり 3 〜 4g の食塩で健康的に生活できます。天然の食品のほとんどにナトリウムは含まれていて 1 日に 摂るナトリウムの総量は、1 〜 2g の食塩に相当します。つまり食塩や食塩を含んだ調味料、加工食品を全くとらなくても、 すでに 1 〜 2g 相当の食塩を摂っていることになります。日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン 2009」が提唱する食 塩制限は 6g 未満です。食塩摂取量を 1 日 6g 未満にするということは調味料や加工食品から摂る食塩量を 1 日に 5 ~ 4g 以下にすることになります、つまり普通の食事の塩分を半分に減らすということです。非常に厳しく感じますが、食事 の仕方や調理法をちょっと工夫すれば減塩はけっして難しくはありません。まず、調味料の食塩、醤油だけでなく、加 工食品に含まれる塩分にも気をつけなるべく塩分を控えます。ヒトの舌における食塩センサーは、慣れが比較的早期に 起こり、食塩制限食に耐えられるようになってきます。料理全体を減塩して薄味にすると味気ないものになってします ので、おいしく食べる工夫を紹介します。 S4-2 旬を勉強する~料理人の取り組み、心意気 美味団欒 花月 沖松 勉 花月は、豊かな瀬戸内海の幸を美味しい和食として提供する割烹です。2008 年 2 月、町のレストランや飲食店で美味 しい減塩低カロリーランチを提供する「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in 呉」プロジェクト開始当初か ら参加しています。お客様は、年配の方も多く、また店の歴史とともに若かったお客さまも年を重ねられて、高血圧や 糖尿病そしてメタボリックシンドロームのために食事に気をつけなければならない方が増えてきました。そんなお客様 から、「塩分を減らして」 [カロリーを減らして]との要望も聞くようになりました。料理人としては腕を振るわないわけ にはいきません。 料理人は塩が命ともいいますが、塩を減らして、しかもカロリーを減らしても美味しく良い味を出すためには、上手 に出汁を利かせることです。この考えが、通称「呉の魔法の塩(和風)」と呼ばれている配合調味料が生まれた原案にもな りました。また、旬の食材を吟味して生かすことが料理人の最大の武器であると思っています。医食同源、伝統の和食 を守りながら、一方、お客様の身体の事情にも配慮して優しいお料理でも答えられる、サミット当日はそのようなお話 をしたいと思います。 - 54 - S4-3 食の安心、安全、フランス料理で美味しい減塩 クレイトンベイホテル 総料理長 物部 義昭 日本は世界で一番の塩を食べる国で平均 1 日 11g を摂取しているが、1 日 1 ~ 3g でよいといわれており、日本高血圧 学会では食塩摂取量 1 日 6g 未満を推奨しています。塩の取りすぎは健康に害を及ぼします。私たち料理人はお客様に美 味しく満足いただける安心、安全な料理を作ることために塩には特に気を使い、自然で身体にやさしいミネラルを豊富 に含んだ良質な塩を選んでいます。 お客様とお付き合いしていますと、お客様の年齢が上がると共に全体的な味付けが少しずつ薄味になっていますが、 塩の成分にもカリウム、マグネシウムを含むなどそれぞれの特徴もあり、良質な塩の必要性を実感します。 当ホテルでは 3 種類の塩<アンデスソルトロゼ・姫ひじき塩・食塩>を使い分けています。 アンデスソルトロゼ 肉料理 姫ひじき塩 魚料理、スープ、ソース 食塩 野菜などをゆでる 減塩をしても美味しい料理を作るために、良質な天然塩を使い、さらに食材や調理方法によって減塩するポイント 5 箇条を組み合わせて作っています。つまり、塩以外の食材や香辛料などを代用して、塩に負けないうま味を十分に味わ えるように工夫するのです。 減塩ポイント 5 箇条 1. 2. 3. 4. 5. だしの旨みをベースにする(かつお節、干し椎茸、鶏手羽、昆布) ピリッとした辛味で塩分をカットする(胡椒、マスタード、ゆず胡椒、辛子) すっぱい酸味を利用する(バルサミコ、かんきつ類、乳酸菌、酢) 香りのものを利用する(ハーブ類、しょうが、にんにく、胡麻) 食品の塩分を活用する(ツナ、チーズ、ハム) そのようなことにこだわって、当ホテルは、「こだわりのヘルシーグルメダイエットレストラン in 呉」プロジェクトに 2008 年の初期からのメンバーとし参加して◇こだわりのヘルーシーグルメランチを提供しています。 ※ 8 品目でカロリーは 600kcal 以内、塩分 3g 以内のフルコース料理です。 ヘルシー野菜ジュース、前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート、パン、コーヒー 一品一品の効能表示や自然で身体にやさしい調味料、多種類の食材で栄養バランスに拘った安心、安全なコース料理 です。今回はその中からレシピの一つを紹介します。 生活習慣病を予防、改善するには、適度な運動とストレスを溜めない事。そして、食事の減塩、低カロリーで野菜たっ ぷりのヘルシーメニューにして、太らないようにすることです。そのためにはまず塩に気をつけて、食事をもう一度考 えていただきたいと思います。 - 55 - S4-4 減塩食にあうワインの選び方 株式会社野田商店 野田 和秀 減塩食にあうワインというテーマでお話をさせていただきますが、残念ながらこのワインならどんな減塩食にも完全 にあうというワインがございません。 また減塩食はおなじ料理を作る際の塩分を控え、別の部分をひきたたせるといった別のレシピという言い方もできる と思います。 減塩食という言葉にあまりとらわれることなく、自由な気持ちで料理とワインとのマリアージュを楽しむコツを紹介 しながら、減塩食とあわせるコツを紹介します。 ①似た性格のものをあわせる ②お互いに補いあう性格のものをあわせる S4-5 元サッカー日本代表、久保竜彦さんにインタビュー 元サッカー日本代表、元サンフレッチェ広島選手 久保 竜彦 福岡県出身。広島市在住。元プロサッカー選手。 サンフレッチェ広島に 8 年間、横浜 F マリノスにも在籍し、サッカー日本代表として活躍した。 1999 年、2003 年 J リーグ優秀選手賞 2003 年 J リーグベストイレブン 2003 年 日本年間最優秀選手賞 2003 年 東アジアサッカー選手権得点王 久保氏に、サッカーのこと、広島への思い、運動中のこだわり、秘訣を塩のとりかたなども交えて色々インタビューします。 - 56 - S4-6 美しい姿勢で颯爽と歩きましょう モデル 向井 亜紀 モデルの第一歩は颯爽と歩くことから。 でも、正しく歩くということはモデルだけではなく皆さんの健康にも第一歩。 皆さんが普段無意識に行っている“歩く”という動作を、意識をして歩いてみましょう。 全身の筋肉を意識しながら、正しい姿勢で立つこと歩くことにより、すっきり美脚も手に入ります。 また、こどものころ軽い腎臓病になった経験から、病院で減塩を勧められ今も続けています。後で分かったことですが、 医師によると、減塩も、むくみがちな女性の足をすっきりさせる良い方法だとか。健康のためにしていた減塩が実は美 容にも良かったようです。 さて、今回は、皆さんと一緒に簡単なウォーキングレッスンをしてみましょう。 無理なく美しく歩くことで、あなたも健康美脚を手に入れて下さい。 S4-7 簡単な運動から、日頃の活動量をあげよう! ~イスに座って簡単運動~ ペアーレれんがどおり 健康運動指導士 渡辺 綾子 血圧の高い人は、日頃の活動量が少ない人が多いと言われています。 ウォーキングのような有酸素運動が生活習慣病予防に適した運動なのですが、膝や腰を痛めている方も多く、なかなか ウォーキングが続かないというのが現状です。その多くが下肢の筋力低下が原因と考えられます。 そこで、簡単な筋肉運動を行うことにより筋力低下を防ぎ、膝痛・腰痛の軽減と共に日頃の活動量を増やせれば・・と思っ ています。 今回ご紹介する運動は椅子に座って行うもので、バスや診察の待ち時間などを利用するなど、簡単にできる運動です。 - 57 - 市民セミナー 抄 録 CS1-1 妊娠と食塩 −減塩は必要か?− 広島大学 産婦人科 坂下 知久 妊娠と塩分摂取の関係では、妊娠高血圧症候群(以前は妊娠中毒症)の予防と治療に関して、古くからさまざまな議論 が行われてきた。妊娠高血圧症候群は妊娠 20 週以降に高血圧や蛋白尿を認める疾患であるが、その病態は血管内皮障害 を介した血液濃縮と血管トーヌス(血管の緊張性)の亢進による高血圧と、腎障害、血液凝固異常である。ひとたび重症 型が発症すると、治療は困難で母児共に危険な状態となり早産を余儀なくされ、場合によっては母児に深刻な結果をも たらす。そのため、治療よりも予防が重要である。1980 年代には、慢性高血圧の治療に準じて厳しい塩分制限が推奨 されていたが、その後の研究で極端な塩分制限は、血液濃縮(循環血液量の減少)が増悪し、病態を悪化させることが明 らかになって来た。このため、塩分制限に否定的な意見も多くみられ、アメリカ産婦人科学会では妊娠高血圧症候群に 対して塩分制限の記載はない。しかし、アメリカ人の平均的な塩分摂取量は 8g/ 日であるが、日本人は 12-13g/ 日であ ることに注意が必要である。現在、日本産科婦人科学会では妊娠高血圧症候群の予防目的には 10g/ 日、治療には 7-8g/ 日の塩分摂取制限が推奨されている。特に、加工食品の利用や、外食の機会が多い女性では、平均的な塩分摂取量を大 きく上回っている可能性が高く、妊娠中の塩分制限を含む栄養管理が必要であると思われる。 CS1-2 塩と胃癌 姫野内科医院 姫野 泰雄 塩分の過剰摂取は高血圧、脳血管障害、心臓病、CKD だけでなく、胃癌に対してもリスク要因となる。胃癌は H.pylori 感染粘膜から発生し、H.pylori 除菌により胃発癌は抑制されることが明らかとなった。H.pylori 感染スナネズミの研究 では、食塩濃度に依存し胃癌発生率が上昇した。胃癌は南九州、特に沖縄で低いのに対し、秋田、山形、新潟等の東北 地方の日本海沿岸に多く発生し、塩分摂取量、特に高塩分食品の摂取量の高低と相関する傾向がある。また、福岡県久 山町での研究では、食塩 10g/ 日以上の高食塩摂取は胃癌発生の危険因子となる。高い塩分濃度は胃粘膜を保護する粘 液層を破壊して胃液による粘膜細胞の障害を助長し炎症を惹起することにより、他の発癌物質に対する感受性を増強さ せる可能性がある。 胃癌罹患率は世界的に減少しているが、電気冷蔵庫の普及により、塩蔵食品に代わり新鮮な野菜や果物を多く摂れる ようになったためと考えられる。 胃癌を予防するには、減塩に努め、ビタミン C、ビタミン E、カロテノイドなどの抗酸化作用を持つ果物や野菜をしっ かり摂ることが勧められる。 - 61 - CS1-3 こどもたちの将来のために食育に減塩を 1 2 3 呉市小児科医会 会長、 呉市医師会 小児生活習慣病 委員長、 呉市医師会 検査センター 技師長 1 2 3 渡辺 弘司 、高橋 寛次 、満留ひとみ 食塩過剰摂取が血圧上昇と密接な関連があることは、INTERSALT 研究などの観察研究から明らかにされてきていま す。また、減塩による降圧効果も欧米の大規模研究により証明されています。このようなことから、日本においても減 塩が推奨されています。食育基本法で示されているように、食事に関する習慣は小児期に形成されます。それゆえ、小 児期における味覚の形成、食塩摂取に対する関心を持たせることは将来の食塩摂取量に大きく影響すると考えられます。 成人においては、「日本人の食事摂取基準 2010 年度版」において、男性 9.0g/ 日、女性 7.5g/ 日と記載されていますが、 小児における推奨値は記載がありません。さらに、2013 年度から実施する「国民健康づくり運動(第 2 次健康日本 21)」 の新規目標には、現状の摂取量 10.7g/ 日から 8g/ 日に引き下げられています。 現在の学校給食における食塩量は、2.5g/ 回となるように指導されていますが、実際には、3.0g/ 回前後の食塩が含ま れています。そこで、我々は、小学校の男子 569 名、女子 515 名に給食に対する塩辛さアンケートを実施しました。小 学 2, 4, 5, 6 年生の男子の 2 割、女子のほぼ全学年の 1 割が「味が薄い」と回答しました。さらに、我々は、実際の食塩摂 取量と塩辛さの感じ方の関係を調べるため、小学 2, 4, 6 年生の尿中 Na,K, クレアチニンを測定し、両者の関係を検討し ました。 CS1-4 骨粗しょう症と食塩 大本整形外科医院 大本 秀行 WHO(世界保健機関)の定義では、“骨粗鬆は低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し骨折 の危険性が増大する疾患である”とされている。要するに全身的に骨折のリスクが増えた病的な状態である。 わが国における 40 歳以上の骨粗しょう症患者数は 1280 万人と推計される。背骨などの脊椎の圧迫骨折は 70 歳前半 で 25%、80 歳以上では 43% となっている。骨折発生数を大たい骨近位部で見ると 2007 年に 14 万 8100 人(男性 3 万 1300 人、女性 11 万 6800 人)であり、女性は男性の 3 ~ 4 倍の発生率となっている。また同骨折の発生率は東日本より 西日本で多く、直接日常生活動作の低下をきたし寝たきりになり生命予後を悪化させることが多い。 中年期以降、骨は加齢とともに骨密度は低下し骨質は劣化し骨の強さは低くなる。特に女性では閉経以後数年間で骨 密度が急速に低下する。そのほか遺伝的素因、それまでの栄養状態、運動、生活習慣などにより骨の強さが高度に低く なった状態が通常の骨粗しょう症(原発性)である。この危険因子として特に重要なのは、大たい骨近位部骨折の家族歴、 4cm 以上の身長低下、喫煙と過度の飲酒などである。ほかに女性、高齢、低骨密度と既存骨折があり、カルシウム摂取不足、 低体重などもあげられる。 今回は骨粗しょう症を防ぐ日常生活での注意と食事と運動等を中心に述べ塩との関係についても言及したい。 - 62 - CS2-1 食塩と高血圧 大島内科循環器科 大島 哲也 食塩により血圧がどの様に変化するかを研究するため、高血圧患者を入院とし 1 日食塩摂取量 10g(常塩食)、3g(減 塩食)、20g(増塩食)を一週間ずつ摂取せしめた。減塩食期から増塩食期への血圧上昇を“食塩感受性”と定義した。 食塩感受性が大きくなるのは、1)血漿レニン活性が低いこと、2)高血圧の家族歴が強いこと、3)高齢者 であった。 これらの高血圧患者には厳重な減塩指導が必要である。 CS2-2 食塩と心臓病 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 循環器内科学 木原 康樹 われわれのはるか祖先は海から陸へ生存の領域を拡大した。海中で進化を遂げてきた祖先が陸上で生命力を維持する ための難関は、当たり前の話ではあるが、海(=塩分の含まれた水)の喪失であった。そこで祖先は体液として、体内に 海を模倣した環境を形成した。しかしながら、陸上において体液の維持(=失われた塩分の摂取)は極めて困難な課題で あった。従って、いかに体液を漏らさないか、怪我をしても出血を少なくし血圧を保つことができるか、出産しても直 ちに止血できるか、などの働きが生命を絶やさないために求められた。この役割をわれわれが知らないところで担って くれているのが、レニン・アンジオテンシン系と呼ばれるホルモンシステムである。祖先の塩分絶対不足状態は数十億 年に亘って続いたのであるが、それがほんのここ 50 年間で大転換に遭遇している。われわれの生活環境が豊かになり、 欲しいものを欲しいだけ口にできるようになったのは、生命の長い歴史の中では、瞬く間よりもはるかに短い。レニン・ アンジオテンシン系は食塩過剰というこれまで経験のない世界に接して、生命維持に不可欠なシステムから炎症や酸化 ストレスを産生するよこしまな対応をはじめてしまった。それが心臓や血管を攻撃しているので、われわれの体が傷ん でいます。悪いのはレニン・アンジオテンシン系でしょうか?それとも私たちの生活の有様でしょうか?皆さんとゆっ くり考えてみたいと思います。 - 63 - CS2-3 日本人の脳卒中と塩 労働者健康福祉機構中国労災病院 リハビリテーション科 豊田 章宏 脳卒中には、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳内に出血する脳出血、脳動脈にできた瘤が破裂して脳表面に出血するくも 膜下出血の大きく分けて 3 つのタイプがあります。 わが国において脳卒中は 1951 年から約 30 年間にわたって死因の第 1 位を占めていましたが、1970 年代からは着実 に減少し、その内訳も大きく変化したとされています。かつては 7 割以上を占めた脳出血は 1960 年代以降急速に減少し、 逆に今では脳梗塞が主体となっており、くも膜下出血は大きな変化を認めていないというものです。そして、この要因 として食生活が動物性脂肪の多い欧米型になったことや自動車などの普及による運動不足、さらに高血圧治療が普及し たことが挙げられてきました。 しかし、実際に日常診療を行っていて脳卒中が激減しているという印象はありません。先に述べた脳卒中の内訳も実 は国の死亡統計から算出されたものであり、実際の脳卒中患者数を調べたものではないのです。そこで過去 25 年間の 全国労災病院で加療された脳卒中患者データ約 76,000 件を分析してみると、脳卒中患者数は今なお減少していないこ とが判りました。くも膜下出血はほぼ横ばいでしたが、減ったとされている脳出血は実は微増が続いており、脳梗塞は 2000 年代以降に急激に増加していました。 日本人の脳卒中の変遷について検証するとともに、「塩」との関係も含めてどう対処すればいいかを皆様と一緒に考え たいと思います。 CS2-4 食塩と血管 広島大学原爆放射線医科学研究所 ゲノム障害医学研究センター/広島大学病院 再生医療部 東 幸仁 国勢調査に基づいた厚生労働省の統計によると、日本人の平均寿命は世界一です。健康寿命(健康に日常生活ができ る)でも、男性が 71.9 歳、女性が 77.2 歳と世界一です。健康寿命を長くすることは、古来より洋の東西を問わず、人類 の究極の目的の一つです。寿命を損なう要因は多々ありますが、一つの大きな要因は循環器疾患の罹患による健康寿命 の短縮、死亡です。わが国の主要死因別死亡率の年次推移をみても心疾患や脳血管疾患などを合わせた循環器疾患によ る死亡は、癌と並んで死因のトップです。これまでの多くの研究より、循環器疾患を引き起こす第一段階は血管障害(血 管内皮機能障害)によるものです。塩分の過剰摂取もまた血管障害に働いている大きな要因のひとつです。従って、減 塩を適切に行うことは、血管障害を抑制して、心筋梗塞や脳卒中の発症を予防することが期待されます。血管を守るた めにも、障害された血管を改善するためにも減塩は非常に重要です。 - 64 - CS2-5 家庭血圧測定と塩分診断 東北大学大学院 医薬開発構想講座 今井 潤 今日、家庭血圧測定は高血圧診療における、標準的な方法に成長したといっても過言ではありません。家庭血圧が従 来の診察室血圧より情報量が多く、正確で安定した情報であることは疑いありません。また、時間との関係の血圧情報 が容易に得られることが、本法の特徴です。世界の多くのガイドラインは、家庭血圧の臨床的意義を高く評価し、日常 診療の方法としてこれを用いることを奨めています。 日本高血圧学会の「家庭血圧測定の指針」で強調されていることは、家庭血圧測定が、高血圧患者さんのみでなく、国 民全般の健康意識の向上と慢性疾患管理の手段として極めて大切であることです。高血圧は生活習慣病の代表的なもの で、自ら家庭血圧を測定することで、早期に高血圧を発見します。同時に高血圧の適切な管理に極めて有用です。生活 習慣病の自己管理に家庭血圧測定は極めて有用ですが、同時に生活習慣の是正も極めて大切です。中でも、食塩制限や 肥満の予防のための栄養コントロールが最も身近な生活習慣の改善に繋がります。この時、自らがどれだけの食塩を摂 取しているかを知ることが大切です。どの食品にどれだけの食塩が含まれているかを知ることが、食塩制限のスタート と言えます。カロリーを始めとする栄養摂取に関しても全く同様なことが言えます。本セミナーでは、家庭血圧測定の 効用、塩分、栄養の自己診断についてお話ししたいと考えております。 - 65 - 一般演題 抄 録 1 食塩負荷は Dahl 食塩感受性ラットの細胞内貯蔵カルシウム量を増加させる 1 2 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 心臓血管生理医学, 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学, 4 5 済生会呉病院, 小園内科・循環器科, 大島内科医院 1 2 3 4 5 石田 万里 ,石田 隆史 ,松浦 秀夫 ,小園 亮次 ,大島 哲也 3 【目的】食塩の過剰摂取は血圧を上昇させる最も大きな要因の一つとして周知されている。細胞内のカルシウムは、様々 な刺激により活性化される細胞内シグナルのセカンドメッセンジャーとして血管のトーヌスを調節している。本研究で は動物モデルを用いて、食塩感受性高血圧における食塩負荷の細胞内カルシウム動態に対する影響を検討した。 【方法】モデル動物として、Dahl 食塩感受性(DS)ラットおよび Dahl 食塩非感受性(DR)ラットを用い、0.3% の低 NaCl 食あるいは 8% の高 NaCl 食を 4 週間投与した。血小板内遊離カルシウム濃度は fura-2 を用いて測定した。 【結果】4 週間の食塩負荷により、DS ラットの血圧は他の群に比べ有意に上昇した。高 NaCl 食下の DS ラットの細胞内 遊離カルシウム濃度は、低 NaCl 食下の DS ラットに比し有意に低値であった。この現象は DR ラットにおいては認めら れなかった。DS ラットにおいて、高 NaCl 食負荷は細胞内貯蔵カルシウム量を増加させ、細胞内カルシウム貯蔵部位か らのトロンビンによるカルシウム放出を増大させた。DR ラットの細胞内貯蔵部位のカルシウム動態は食塩負荷により 影響を受けなかった。 【結論】食塩感受性高血圧において、食塩負荷は細胞内貯蔵カルシウム量の増加と刺激によるそこからのカルシウム放出 の増大を介して血圧を上昇させている可能性が示唆された。 2 食塩摂取による自律神経反射 株式会社クロスウェル 藤井 智恵子,永谷 基,黒崎 多計司 食塩は自律神経にどのような影響を与えるか。 連続リアルタイム自律神経測定装置・Reflex 名人・クロスウェル社製で塩分を摂取(舐める)したときの自律神経反射を 測定しました。 安静座位で食塩(NaCl 98g/100g)をごく少量を舐めるという実験です。 被験者全員において、副交感神経指標 -CCV(HF)は変わらず、血圧血管運動神経指標 -CCV(LF)が上昇、双方の比で ある交感神経指標 -LF/HF は上昇するという結果が秒単位で見られました。 CCV(LF)、LF/HF の上昇幅には個人差がありました。 秒単位で LF 成分が変化したのは、食塩を舐めたことにより何らかの自律神経反射が生じると考えられます。 砂糖で同様の実験をしたところ、秒単位の自律神経反射は生じませんでした。舐めるという行為は、自律神経の嚥下中 枢に働きかけないという結果が得られました。 わさびで同様の実験したところ、秒単位の自律神経反射は生じませんでした。辛味・味覚刺激での自律神経反射はない という結果でした。 カレー粉で同様の実験をしたところ、副交感神経指標 -CCV(HF)が上昇し、血圧血管運動神経指標 -CCV(LF)も上昇し、 自律神経総活動指標 CVRR が上昇するという結果が秒単位で見られました。これは、カレー粉の成分・カプサイシンが 体温調節中枢に働いた結果だと思われます。 食塩を舐めて血圧血管運動神経指標 -CCV(LF)が上昇するのは、塩感受性細胞のバソプレッシン・ホルモン分泌という 脳下垂体ホルモン調節中枢の働きであると推測されます。 この反射は、ナトリウム蓄積による体液量調節中枢、循環調節中枢の働きによる食塩感受性とは区別されるものと思わ れます。 - 69 - 3 時間栄養学の視点から考える含塩食物摂取が代謝機能に及ぼす影響 早稲田大学大学院先進理工学研究科 青木 菜摘,今西 拓麻,濵口 雄太郎,平尾 彰子,柴田 重信 【背景】生活習慣の乱れによって引き起こされる生活習慣病は、日本人の死因の 3 分の 2 を占めている。その中でも、肥満、 糖尿病、高血圧、高脂血症は死の四重奏と呼ばれ、糖尿病患者の約半数が高血圧を併発し、高血圧患者は、糖尿病にな りやすい傾向にあるなど相互の疾患に関連性が示唆されてきている。一方、体内時計は、食の嗜好性や種々の栄養素の 代謝に関わっていることが知られている。そこで、本研究では、生活習慣病の危険因子として考えられている食塩摂取 に関して、嗜好性と含塩食物の代謝を体内時計の観点から体内時計正常マウスと体内時計異常のマウスを用いて調べた。 【方法】体内時計正常マウスと体内時計異常マウスを用いて、ホームケージに普通食と NaCl を含む高塩分食を摂食でき るようにし、嗜好性を観察する。さらに、代謝ケージを用いて、高塩分食を与え、体重や摂食量、尿量、ナトリウムイ オンやカリウムイオンの排泄量を計測し、高塩分食摂取による代謝への影響について調べた。体内時計異常マウスとして、 哺乳動物の時計遺伝子 Clock の変異マウスを用いる。Clock 変異マウスは、行動リズムに異常が生じ、活動量が減少し、 日周の摂食リズムが減弱し肥満になりやすいことが知られている。 【結果及び考察】本研究により、高塩分食を摂取することは、摂食量が増えるにもかかわらず、体重増加率が低い傾向に あることがわかった。また、この現象は、含有物の NaCl の濃度に比例して現れることがわかった。さらに、Clock 変 異マウスは、ワイルドタイプと比較し摂食量が多いにもかかわらず、体重増加率が低い傾向にあることがわかり、排泄 量が減少することからも高塩分食を摂取することにより他の栄養物の吸収・代謝・排泄に異常をもたらしたと推察された。 本研究は、生活習慣病と食塩摂取の関連性の解明の一つになると期待される。 4 血漿アルドステロン濃度/レニン活性(PAC/PRA)比の高い本態性高血圧患者は心血管事故を高率に発症する 広島大学大学院 循環器内科学 木阪 智彦,小園 亮次,野間 玄督,石田 隆史,東 幸仁,山本 秀也,大島 哲也,木原 康樹 【目的】本態性高血圧を有する患者は高い心血管事故発症リスク状態にあるがどのような患者が特にそのリスクが高いか については不明である。高血圧に伴う臓器障害に影響する血漿アルドステロン(PAC)濃度と心血管事故およびそれによ る死亡との関連につき長期にわたり検討した。 【方法】広島大学病院へ 1985-1992 年に入院し 18 ± 5.6 年間の追跡を行いえた 76 人の本態性高血圧患者を対象とした。 入院時に血漿レニン活性(PRA)と PAC 濃度を測定し、PAC/PRA 比の中央値(64)で低値群(n = 41)と高値群(n = 35)の 2 群に分け心血管事故および心血管事故による死亡の発生率を比較検討した。 【結果】高値群と低値群の群間で年齢、性別、血圧および冠危険因子に有意差はなかった。心血管事故は低値群より高値 群で高率に発症し(低値群対高値群;年 100 人当り 2.0 対 3.5)、心血管事故に伴う死亡も高率であった(同 0.9 対 1.4)。 Kaplan-Meier 曲線での比較でも低値群より高値群で有意心血管事故が発生した(Log Rank 検定 p = 0.014)。 【総括】本態性高血圧患者において PAC/PRA 比の高値は心血管事故の発生を有意に増加させる。 - 70 - 5 Additive Prognostic Value of Sodium Sensitivity and Elevated Plasma Aldosterone to Renin Ration for Cardiovascular Diseases 広島大学大学院 循環器内科学 木阪 智彦,小園 亮次,野間 玄督,石田 隆史,東 幸仁,山本 秀也,大島 哲也,木原 康樹 Background: We recently found that increased plasma aldosterone/renin ratio (ARR) is associated with future cardiovascular (CV) events. We investigated the interrelationship between salt sensitivity of blood pressure (SS) and ARR in Japanese patients with essential hypertension (EH). Methods: Study design is a retrospective cohort study. The cohort consist of 96 EH patients whose ARR and SS were determined in a hospitalized condition. SS was defined as elevation of mean blood pressure >10 mmHg after switching dietary NaCl from 3g to 20g/day for 1 week. Patients were divided into 4 groups by fifty-percentile (ARR=55) and the presence of SS. The incidence of CV events were observed for 14 years in average. Results: The numbers of patients classified as high ARR/SS (n=17), high ARR/non-SS (n=31), low ARR/ SS (n=18), and low ARR/non-SS (n=30), respectively. The mean ARR values were significantly higher in SS than in non-SS patients (109±16 vs. 77 ± 19, p<0.05). The morbidity of fatal and non-fatal CV events were high in a order of high ARR/SS, high ARR/non-SS, low ARR/SS, and low ARR/non-SS. Conclusions: SS and high ARR are additive risk factor for CV disease. 6 わが国で最も低食塩摂取の沖縄は今後悪化しうるか ? 1 2 琉球大学大学院医学研究科, 琉球大学保健管理センター 1 2 等々力 英美 ,崎間 敦 背景 沖縄は、わが国の中でも最も低い食塩摂取レベルにあることは、食事調査(国民健康・栄養調査)や疫学調査(24 時間蓄尿、 JPHC study)などから明らかになっている。また、食事パターンの解析からも、漬物、干物類などの高塩分食品の摂取 頻度が低い。近年、沖縄の若年群の高脂血症、糖尿病、肥満の頻度はわが国の中でも最も高い水準にあり、沖縄の若年 者の食塩摂取の動向を把握することを目的とした。 方法 平成 17 年国民健康・栄養調査および、平成 18 年沖縄県県民健康・栄養調査の食塩および摂取エネルギーにおける年齢 階級別データを基に解析を行った。 結果 20-29 歳から 70 歳以上の年齢階級別の食塩摂取の推移をみると、男女総数で 20 歳台→ 70 歳以上で、9.1 → 8.7(沖縄)、 10.4 → 11.5g/ 日(全国)、男性で 9.8 → 9.6(沖縄)、11.4 → 12.1g/ 日(全国)、女性で 8.5 → 8.1(沖縄)、9.3 → 11g/ 日(全 国)であった。沖縄は加齢とともに食塩摂取は減少するが、全国は上昇する。一方、摂取エネルギー 1000kcal あたりに 補正した食塩摂取量は、男女総数で 20 歳台→ 70 歳以上で、5.0 → 5.5(沖縄)、5.4 → 6.5g/ 日(全国)、男性で 4.6 → 5.3(沖 縄)、5.1 → 6.2g/ 日(全国)、女性で 5.3 → 5.7(沖縄)、5.5 → 6.7g/ 日(全国)であった。沖縄と全国の差をみると、若年 者群に行くにしたがって、全国との差は縮小しており、その傾向は若年者群ほど大きい。 結論 沖縄の塩分摂取増加の傾向は進行し、全国並みの摂取水準に近づきつつある。低塩摂取の食事パターンは失われてきて おり、今後、減塩の取り組みを、地域全体に拡大強化する必要があると考えられる。 - 71 - 7 高血圧患者における食塩摂取量の時代的推移と減塩指導効果 国立病院機構九州医療センター 高血圧内科 鬼木 秀幸,土橋 卓也,清原 嘉奈子 【目的】食塩制限は高血圧に対する生活習慣の修正の基本であり、日本高血圧学会のガイドラインでは減塩の目標値を 6g/ 日未満と提唱している。減塩指導に際しては食塩摂取量の評価を行うことが重要であり、当院では 1998 年より 24 時間蓄尿を用いて食塩排泄量を測定し減塩指導を行ってきた。今回、1998 年から 2011 年まで当院に通院されている高 血圧患者における食塩摂取量の時代的推移および減塩指導の効果を検討した。 【方法】対象は国立病院機構九州医療センター高血圧外来で分割採尿器ユリンメート P を用いた 24 時間家庭蓄尿を行った 1671 名(追跡開始時平均年齢 57.6 歳)。1 人平均 3.7 回、のべ 6137 回の 24 時間蓄尿を対象として食塩排泄量と血圧の 時代的推移を評価した。 【成績】24 時間家庭蓄尿による食塩排泄量の評価を開始した 1998 年における平均値は 9.8g/ 日であり収縮期血圧 143mmHg であったが、2011 年には食塩排泄量は 8.6g/ 日まで低下し、収縮期血圧も 129mmHg まで低下した。食塩 排泄量 6g 未満の達成率は 1998 年は 12.6% であったが、2011 年には 20.8% まで上昇した。食塩排泄量は年齢と弱い相 関(r = -0.11,p < 0.01)を、また体重と正の相関(r = 0.33,p < 0.01)を認めた。 男女別の検討では男性(のべ 2759 回)の食塩排泄量は 10.0 ± 4.0g/ 日、女性(のべ 3378 回)は 8.2 ± 3.2g/ 日であり、 6g/ 日未満への達成率は男性で 13.2%、女性で 25.7% と女性の方が減塩がよくできる傾向にあった。 【結論】24 時間蓄尿を用いて食塩摂取量を繰り返し測定し、減塩指導を行うことは高血圧患者の減塩と血圧管理に有効で あるが、減塩 6g/ 日未満の達成率を上げるためにはさらなる工夫が必要と思われる。 8 本院での減塩指導の現状と今後の課題 1 2 国際医療福祉大学三田病院 栄養室, 国際医療福祉大学三田病院 内科 1 1 2 2 小林 美樹 ,鈴木 美智江 ,福田 誠一 ,佐藤 敦久 【目的】当院では腎臓・高血圧内科、糖尿病・内分泌内科の専門外来があり患者数は多く、減塩は重要な指導項目である。 外来受診時や入院時などにできるだけ減塩を中心とした栄養指導を受けてもらっている。そこで今回当院での減塩指導 の状況と今後の課題についてまとめてみた。 【実態】 (1)基礎疾患は高血圧症、慢性腎臓病、2 型糖尿病であり、これらの疾患をすべて合併し治療を受けている患者 も多い。(2)指導は 2 名の管理栄養士が担当し月曜日から金曜日までは 1 枠 30 分で計 9 枠、土曜日は 3 〜 5 枠の指導時 間を取っている。(3)減塩指導は塩分 6g/ 日とし食品構成表と減塩のポイントの資料を用いて指導している。(4)管理栄 養士が定期的な受診が必要と判断した際は、その旨主治医に連絡しくり返し指導を行う。外来受診時の指導では同時に 採血、検尿等を行い減塩効果の教育をする。(5)医師自身にも減塩の重要性を意識させるため塩分 9g(厚労省による日 本人の食事摂取基準に基づき)の検食を依頼し印象を記載してもらっている。 【結果】現在減塩指導を受診したすべての患者を対象にアンケートをお願いしており、さらに詳細な実態を調査中である。 現時点で簡単にまとめると、(1)減塩 6g の指導に関して実際にできると答える患者は極めて稀であり、ほとんどの患者 は減塩の大切さはわかるが達成は不可能と感じている。(2)減塩に興味を示し自身から減塩指導の再診を希望する患者 は少ない。しかし減量指導を合わせて行っている患者では継続的な受診が多い。(3)1 枠 30 分で十分な減塩指導は難し い印象があるがどの程度の指導時間が適切かは不明である。(4)医師の検食記録では男性医師で「味付けが薄い」という 記載が多い傾向にある。 【結論】6g の減塩指導の重要性は伝わるが実現はかなり困難のようである。患者が長期にわたり興味を持って減塩を継続 できる指導内容の検討が必要であると思われた。 - 72 - 9 心臓カテーテル検査入院パスにおける栄養士の関わりと今後の課題 1 独立行政法人国立病院機構広島西医療センター 診療部内科栄養管理室, 独立行政法人国立病院機構広島西医療センター 循環器科 1 1 1 1 1 2 森下 麻衣 ,小倉 千明 ,父川 拓朗 ,槇元 志織 ,髙山 伸之 ,藤原 仁 2 【背景・目的】塩分の過剰摂取は心臓病や脳卒中を引き起こす原因とされており、日本を含め世界的に減塩が奨励されて いる。当院では心臓カテーテル検査入院パス患者に対し、減塩指導を中心とした栄養指導を実施している。そこで今回 は心臓カテーテル検査入院パスを通して見えてきた栄養士の関わりと今後の課題について報告する。 【対象】2011 年 1 月~ 2012 年 1 月の心臓カテーテル検査入院パスにおいて栄養指導を行った患者。 【結果】2011 年 1 月~ 2012 年 1 月に当院で心臓カテーテル検査を行った症例は 180 件。その中で心臓カテーテル検査入 院パスにおいて栄養指導を行った症例は 62 件(男性 48 名、女性 14 名、年齢 72.8 ± 10.2 歳)であった。対象 62 名の在 院日数は 2 ~ 3 日 35 名、4 ~ 7 日 11 名、8 ~ 13 日 9 名、14 日以上 7 名であった。 【考察】今回の結果より、心臓カテーテル検査入院パス患者には男性が多く、年齢も高齢であることがみえてきた。実際 の栄養指導の際、「病院食を食べて自分が味付けの濃い食事を食べていたことがわかった。」等、減塩に対する「気付き」 が生まれると同時に「減塩の大切さはわかっているけれど、なかなか出来ない。やり方がわからない。」とういう声も少 なくなかった。 心臓カテーテル検査入院パスの在院日数は 2 ~ 3 日間の短期入院である場合が多く、入院中に栄養士が患者と関わるこ とのできる時間は少ない。この限られた時間の中で患者に生まれた減塩に対する「気付き」を退院後の食事療法に繋げら れる栄養指導を行っていかなければならないということが課題としてあげられる。 今後はアンケート等を行い、患者の知りたい情報が充実した資料・媒体を作成し、短期間の入院にも対応した効率的か つ個人に対応した栄養指導ができるよう努めていきたい。 10 沖縄伝統食による食事介入研究「チャンプルースタディ」における減塩 1 2 琉球大学大学院医学研究科, 東京大学大学院医学系研究科 1 1 2 等々力 英美 ,大屋 祐輔 ,佐々木 敏 チャンプルースタディ(ChS)は高血圧および動脈硬化性疾患リスク要因への一次予防の試みとして,2007 年から 5 年 間にわたる一連の研究であり,約 1,000 名の 40-60 歳日本人と米国人住民を対象に,沖縄野菜が豊富に使用された沖縄 伝統食の食事パターンによる介入研究が試みられている。ChS3 では,沖縄在住の健康な米国人男女 138 名を介入群と 対照群に無作為割付し,クロスオーバーで 4 週間介入し,介入群は沖縄食の現代版チルド食 32 食,対照群は通常食とし た。尿中 Na 排泄量は介入群で Na 0.94g/ 日低下,対照群 0.04g/ 日増加,SBP/DBP 低下は介入群 2.6/2.1mmHg,対 照群 0.2/0.3mmHg,体重減少は介入群 0.9kg,対照群 0.1kg であった。同一の介入方法で横浜在住の日本人男女 282 名を対象とした ChS4 では,尿中 Na 排泄量は介入群 0.9g/ 日低下,対照群 0.03g/ 日増加,SBP/DBP 低下は介入群 4.4/2.5mmHg,対照群 2.5/1.1mmHg,体重減少は介入群 0.3kg,対照群 0.1kg であった。1 週間当たり 8 食分(1 週間 の食事の 38%)という部分的な食事介入であったにもかかわらず,一定の降圧効果が得られた。沖縄の伝統食は,野菜,K, ビタミン C などの摂取量は多く,エネルギーおよび Na 摂取量が少ない点など DASH 食の栄養組成に近い。ChS は,沖 縄野菜を主体とした伝統的食事パターンによる食事摂取による効果のみならず,野菜中心の食事をとるということで健 康意識が向上し,行動変容と高血圧予防につながると考えている。野菜中心の食事は,結果的に K や抗酸化栄養素摂取 量が増加させるだけではなく,低エネルギー摂取,低脂肪摂取の食習慣へとつながり,加えて沖縄伝統食は,‘だし’が 豊富に使用されているので塩分を低めに抑えることができる。ChS は研究が進展するにつれて食行動変容の方法の開発 に視点が移っている。最終的にポピュレーションアプローチによるデータの蓄積と,地域全体の継続的連携が必要である。 - 73 - 11 知的資産としての減塩調理ノウハウの事業化を通じた均てん化の推進 1 2 独立行政法人国立循環器病研究センター 知的資産部, 独立行政法人国立循環器病研究センター 臨床栄養部 1 1 1 1 1 2 2 2 西 謙一 ,巽 英介 ,赤川 英毅 ,中田 はる佳 ,大屋 知子 ,竹田 博幸 ,村井 一人 ,中谷 武嗣 , 1 妙中 義之 【諸言】国立循環器病研究センターは 30 余年の実績に基づく卓越した知的資産があり、その活用推進を目的に知的資産 部が設置されている。知的資産の 1 つに臨床栄養部が培ってきた調理ノウハウがあり、減塩食は患者から好評を得ている。 一方、循環器疾患の療養や予防を目的として減塩の指導や啓発活動が行われているがその実践は必ずしも容易ではない。 我々はこの点に着目し減塩調理法の普及を通じた循環器疾患の制圧を目指して事業化を試みた。 【方法】はじめに、臨床栄養部に蓄積されたノウハウと患者ニーズを調査・把握し、情報を整理した。つぎに、その情報 に基づいて複数の事業計画を策定し、各事業に適した企業に対して事業化に向けた提案を行って、連携体制下に事業を 推進した。 【結果】当センターの調理ノウハウは京料理を手本とした素材の味を活かす調理法で、栄養価や原価による食材の制限が ある中で 1 食 2 グラム未満の塩分で仕上げていた。退院後も食べたいという患者ニーズが多いことも確認できた。 そこで自炊支援のための料理教室、および自炊困難者のための配食事業の 2 事業を構想し地元企業と連携して事業展開 を進めた。また、全国的普及を図る有力なアプローチとしてデジタルレシピ事業を構想し、やはり企業との連携下で事 業化を進めている。これまでに 4 回開催した料理教室は毎回満員であった。配食事業は試験配食を完了し、今春には 1 日 1,000 食の配食体制が構築完了予定である。一方デジタルレシピは 180 のメニューを収載し 2 月より販売開始した。 【考察】当センターの減塩食は入院患者にのみ提供してきた。以前は体制面も含め事業化に取組むことは困難であったが 独立行政法人化に伴って独自の活動を積極的に展開できる環境となり、このような事業化を通じた減塩食の普及を進め ることが可能となった。今後も民間サービスと連携した調理ノウハウの均てん化を進め循環器疾患の制圧に貢献を果た したいと考える。 12 高血圧教室に減塩指導システムを導入して 済生会呉病院 小浜 勝之 1.目的 日本高血圧学会では食塩摂取量を 1 日 6g 未満の目標を掲げている。当院でも高血圧患者の減塩を目的とした栄養教育を 医師と栄養士が外来患者を対象に高血圧教室を行っている。平成 23 年 12 月よりドクター今井の塩分・栄養診断ソフト(以 下減塩指導システム)を導入した。そこで、外来で行っている 24 時間蓄尿(ユリンメート)と、減塩指導システムによる 食塩摂取量の整合性を調べると伴に今後の課題について検討する。 2.方法 減塩指導システムを導入後に高血圧教室に参加した患者を対象に、24 時間蓄尿時の食塩量と、減塩指導システムを用い た食事の聞き取りにおける食塩量の評価を行った。 3.結果 導入後の指導件数 9 件(男性 6 名、女性 3 名)平均年齢 71.7 才、栄養指導参加は本人のみ 6 件、調理者同伴 3 件による 24 時間蓄尿の平均食塩量 8.5g、減塩指導システ平均食塩量 7.7g と近値となった。 4.考察・結論 減塩指導システムと 24 時間蓄尿の食塩量との比較ができることから減塩を強く意識付けできる。献立が写真で表示され るためエネルギー量、塩分量を視覚で確認でき食塩や栄養の過剰摂取を予防できると考えた。減塩クイズなどもあり脳 のクールダウンもできた。今後は血液検査の変化や患者へのアンケートを行いより有用な利用を考えていきたい。 - 74 - 13 塩分自己診断システムを用いた 24 時間塩分排泄量の推定法の確立 1 2 東北大学大学院薬学研究科 医薬開発構想寄附講座, 塩分診断システム開発グループ 1 1 1 2 2 2 2 2 2 今井 潤 ,佐藤 倫広 ,菊谷 昌浩 ,八木 直人 ,𡈽橋 卓也 ,荏原 太 ,内場 廉 ,森 壽生 ,山本 晴章 , 2 2 2 加藤 光敏 ,加藤 則子 ,吉田 克己 【背景・目的】我々は、タッチパネル式パソコン上で食事内容を選択し、塩分摂取量を算出する塩分自己診断システムを 開発している。本研究では、塩分診断システムに入力される情報を基に、24h 塩分排泄量の推定式を求めた。 【方法】外来高血圧患者 23 名(平均年齢 66.2 歳、男性 15 名)に 24h 蓄尿を行った。尿検体の提出日に塩分自己診断シス テムを施行した。本システムは、24h 蓄尿実施日の食事内容を入力し、それから日本食品標準成分表 2010 に基づいて 塩分摂取量(推定粗塩分摂取量)を自動算出するものである。また、本システムは年齢(歳)、身長(cm)、体重(kg)、労 働量(3 カテゴリー)、塩分嗜好(4 カテゴリー)、および醤油使用量(5 カテゴリー)、ソース使用量(4 カテゴリー)も追 加入力される。推定粗塩分摂取量および上記の問診項目を説明変数としたステップワイズ重回帰分析を用い、24h 塩分 排泄量の推定式を構築した(採択基準:P < 0.05)。 【結果】24h 蓄尿での塩分排泄量は平均 10.9g/ 日、塩分診断システムによる推定粗塩分摂取量は平均 9.5g/ 日であり、両 者間の相関係数は 0.43(P = 0.04)であった。ステップワイズ重回帰分析の結果、24h 塩分排泄量に関連する因子として、 推定粗塩分摂取量、労働量、およびソース使用量が選択された(all P ≦ 0.02)。これらの変数を用いて推定した 24h 塩 分排泄量と 24h 塩分排泄量(実測値)との相関は 0.70(P = 0.0002)であった。)。 【結論】求められた推定式を塩分診断システムに組み込むことで、24h 塩分排泄量を推定可能なシステムとなることが期 待される。今後、対象者を追加したうえで性別による層別解析等を行い、推定式の精度を更に高めていく予定である。 14 尿中電解質測定による食塩排泄量の経時変化 1 2 済生会呉病院 臨床検査室, 済生会呉病院 内科 1 1 1 1 1 2 河野 雄一 ,福間 絵理佳 ,植木 夏子 ,有谿 俊一 ,永島 和子 ,松浦 秀夫 【はじめに】平成 21 年国民健康・栄養調査の結果では日本人成人の食塩摂取量は 10.7g/ 日(男性 11.6g/ 日、女性 9.9g/ 日) であり、高血圧診断ガイドライン 2009 の 1 日 6g 未満より過剰である。当院では減塩の動機づけに、外来患者において 畜尿中の電解質を測定し、 患者個人の食塩排泄量の数値を求めている。今回、 長期間における食塩排泄量の変化を検討した。 【方法】調査期間:2005 年 1 月から 2012 年 1 月まで。対象患者:当院高血圧外来を受診している 190 名(男性 77 名、女 性 113 名)。平均年齢:61.7 歳。尿中食塩排泄量の測定法:尿の一部を分割蓄尿できる小型の採尿器(ユリンメート)を 用い 24 時間蓄尿を行い、Na 排泄量(mEq/ 日)を測定した。蓄尿が正確に行われたか評価するため、同時にクレアチニ ン(g/ 日)排泄量を測定し 2.0g/ 日以上 0.5g/ 日未満は蓄尿不正確とした。食塩 1g は Na 17mEq/l に相当するので、1 日 Na 排泄量 /17 で算出した。対象者に検査データから求めた食塩排泄量を用いて、減塩指導を行い、以後 3 ~ 6 ヵ月間 隔で繰り返し測定した。 【結果】検査回数別の食塩排泄量の平均値を以下に示す。 食塩排泄量平均値(全体) 1 回目 9.2 ± 3.7g/ 日(n=163) 2 回目 8.3 ± 3.2g/ 日(n=141) 3 回目 8.3 ± 2.9g/ 日(n=122) 4 回目 8.5 ± 3.1g/ 日(n=100) 5 回目 8.6 ± 3.0g/ 日(n=88) 6 回目 8.2 ± 2.7g/ 日(n=71) 7 回目 8.0 ± 2.5g/ 日(n=65) 8-10 回目 8.1 ± 3.4g/ 日(n=118) 11-17 回目 8.0 ± 2.9g/ 日(n=40) 1 回目の食塩摂取量の平均値は 9.2 ± 3.7g/ 日、2 回目は 8.3 ± 3.2g/ 日となり減少した。3 回目以降は 8.0 ~ 8.6g/ 日の 間であった。 【考察】蓄尿容器を用いることで、外来患者の 1 日 Na 排泄量による、各個人の食塩排泄量のデータを外来診察時に提示 することは、減塩実践の達成や目標値を示すことができる。しかし、目標値の 1 日 6g 未満の達成と減塩を継続するには さらなる努力が必要と考えられた。 - 75 - 15 尿中食塩半定量試験紙ウロペーパーソルトの基礎的検討 1 2 済生会呉病院 臨床検査室, 済生会呉病院 内科 1 1 1 1 1 2 有谿 俊一 ,福間 絵理佳 ,植木 夏子 ,河野 雄一 ,永島 和子 ,松浦 秀夫 【はじめに】現在、日本人の食塩摂取量は 1 日平均で 11 ~ 12g くらいと言われている。日本高血圧学会の定めた高血圧 患者の目標は 1 日 6g 未満となっている。当院では週 2 回、減塩指導として高血圧外来を標榜している。減塩指導には、 ユリンメートで蓄尿し電極法にて、1 日の食塩摂取量を求め指導している。電極法は機器を必要としているため、容易 に食塩摂取量を算出することができない。そこで、私達は尿中食塩半定量試験紙であるウロペーパーソルトの基礎的検 討を行ったので報告する。 【対象と方法】1. 直線性、2. 同時再現性、3. 日差再現性、4. 電極法(Na・Cl)との相関、5. 共存物質の影響の 5 項目に ついて検討を行った。4 の相関には当院の高血圧外来を受診した男女 68 名を対象とした。 【結果】直線性は試験紙の 14g/L まで直線性を認めた。同時再現性は 2 名の技師で 7 回連続測定を行った。試験紙判定 が半定量法の 2g/L 間隔のため、CV は 15.0% と 15.6% と大きかったが平均は 7.1 と 6.9、標準偏差は 1.1 で満足できる 結果であった。日差再現性は 6 日間連続測定し、変動はなかった。電極法 Na と CL との相関はそれぞれ y=0.72x+2.2、 r=0.82 と y=0.77x+1.8、r=0.81 で良好であった。電極法と試験紙の平均には両者とも有意差がなかった。共存物質の 影響は、アスコルビン酸とアルドメッドの影響を検討した。その結果、アスコルビン酸は 100mg/dl からは試験紙が黒 変し始め、250mg/dl では強く黒変した。アルドメッドは 100mg/dl から褐色に変化し始め、150mg/dl では茶色となっ た。 【結語】直線性、同時、日差再現性、電極法との相関は満足できる結果を得た。しかしアスコルビン酸とアルドメッドに ついては薬物濃度により偽低値となるため、注意が必要である。本試験法は基本性能において電極法とほぼ良好な結果 が得られ、日常検査に有用であると考えられた。 16 電子式塩分計(減塩モニター)の開発経緯と使用上の注意 1 2 横浜市大大学院医学研究科, 河野エムイー研究所 1 2 1 1 1 山末 耕太郎 ,河野 英一 ,森川 希 ,杤久保 修 ,水嶋 春朔 減塩の重要性は知られているが、大部分の人は、どの程度塩分を摂っているかがわかっていない。塩分摂取は日々の 食事で変動するので、家庭で日々その量がわかることが望ましい。摂取した塩分の大部分は尿に排泄される。(平均約 90%)我々は夜間尿を全量採尿し、その塩分濃度と尿量を自動的に測定し、夜間尿と 24 時間尿の統計的データから換算 し、24 時間の塩分排泄量を 10 数秒間で表示できる装置を開発し[1]、2006 年から河野エムイー研究所で通信販売され ている。日本高血圧学会減塩グループから家庭で測定できうるものとして、推奨していただいたこともあり、各地で実 証実験が行われ、高血圧患者からは減塩がうまく行き、降圧に役立った。前日の食事の影響がわかり、食事の反省に役立っ たなどの声が多くよせられている。 装置的には当初より、ロバスト性、耐水性などが改善された。仕様としては当初は研究用に限定し、1 日の塩分排泄量 として表示していたが、4 年前からその値を 0.9 で割り、推定摂取量が表示されるようにしている。使用上の注意点とし ては以下の点があげられる。 1. 1 日の尿の内、夜間尿の比率が平均より多い人は表示としては高めにでること。 2. カリウムの摂取量が標準より高い人は実際の食塩摂取量よりは高めにでる。 3. 夜間尿 8 時間分を基準に 24 時間の量を統計式で計算しているので、それより短い人は低めにでる。 以上の理由で本測定器で測定した塩分量と 24 時間尿で測定したものとの相関係数は 0.7 レベルで十分ではないが、各個 人ごとの 24 時間尿との相関係数は 0.85 レベルで,各個人の日々の管理には十分使用できると思われる。 [1]Yamasue K, Tochikubo O, Kohno E, et al: Self-monitoring of home blood pressure with estimation of daily salt intake using a new electrical device. J Hum Hypertens 2006. - 76 - 17 高血圧患者の日常診療における「かんたん減塩チェックシート」による減塩指導 篠田総合病院 循環器科 池田 こずえ 【目的】高血圧患者の治療において、減塩は重要であるが、日常臨床では実践はなかなか困難であるとされている。減塩 レシピもあるが、レシピ通りに作成するのを日常生活で継続することは困難であり、とくに患者自身が調理を行わない 場合はさらに実践困難であることが多い。演者が日常臨床で用いている「かんたん減塩チェックシート」による減塩指導 は、特別なレシピは用いず、食卓で使用する調味料や、食塩を多く含む食品をへらすだけの簡単な方法ではあるが、患 者自身で容易に実践可能であるため紹介する。 【方法】高血圧患者を対象に、初診時、および治療中に降圧が不十分な時に、「かんたん減塩チェックシート」を用いて日 常の食事での食塩摂取状況を聞き取り調査した。「かんたん減塩チェックシート」は、味噌汁を 1 日何杯のむか、おひた しに醤油をかけるか、漬物を 1 日何食食べるか、梅干を 1 日何個食べるか、麺類を 1 週間に何食食べるか、麺のスープ はどのくらい飲むかの項目がある。聞き取り調査の結果を踏まえて、基本的には、味噌汁の具はたべてもいいが汁は飲 まない、おひたしには醤油をかけない、漬物は食べない、梅干は食べない、麺のスープを飲まない様に指導した。1 日 の食塩摂取の目標値 6g と現在の推定摂取量を説明し、減塩すべき量と減らす食品等を明示した。指導は外来担当医師が 診察時に行い、約 5 分で聞き取り調査と指導を行い、以降の診療時に血圧測定とともに減塩の遵守状況を約 1-2 分で聞 き取り指導した。 【結果】減塩指導と降圧薬投与により血圧は良好にコントロールされ、この減塩指導を行った患者群では JSH2009 の降 圧目標到達率は 85.3% で、指導導入前の 44.6% から向上した。 【考案】 「かんたん減塩チェックシート」による減塩指導は、調理内容への介入ではないため、実行が容易であり、特に男 性での実践が良好であった。高血圧症以外に心不全、腎疾患でも有効であると考えられる。 18 反復一週間減塩法による塩味嗜好の行動変容 東京女子医科大学東医療センター 内科 渡辺 尚彦,三橋 哲也,菊池 朋子,石川 元直,山中 学,大塚 邦明 【背景】減塩は血圧を低下させ、心血管イベントの長期リスクを減少させる。2009 年の日本高血圧学会指針は、高血圧 患者の一日塩分摂取量を 6g 未満にすべきとしているが、実際に 1 日 6g の減塩指導は必ずしも容易ではない。 【目的】東京女子大東医療センター及び関連医療施設で実際に行っている、高血圧患者に対する減塩療法を紹介し、最近 導入した塩分摂取量検査一週間前から徹底的に減塩する反復一週間減塩法をその効果について報告すること。 【対象と方法】対象:東京女子医大東医療センター及び関連施設通院中の高血圧患者を対象にした。方法:1 ~ 2 ヶ月毎 に 24 時間蓄尿し、尿中のナトリウム排泄量を測定し、1 日の塩分摂取量を算定した。減塩指導:普段の食生活中の塩分 摂取量を測定し、どれくらいか確認させ、毎回の結果を塩分摂取量表に記入し、目標塩分摂取量を 6g とし、具体的減塩 方法を説明し、塩分含有量記載のパンフレットを渡し、減塩目安にさせた。反復一週間減塩は、減塩困難例に対しては 毎回行う塩分摂取量検査 1 週間前から、減塩を強化させ指導する方法である。全員の減塩結果を表にして配り、減塩成 功時は、「合格」とし、表に○をつけ褒め、失敗時は、その原因を考えさせ、塩分増加理由を表に記入し、次回から検査 前一週間の食事内容を具体的に記載させた。気をつけるよう指導した。 【結果】1)減塩をすると味が薄くて美味しくないが、繰り返すうちに、検査の後は塩分が増加し、食べているものが塩辛 く感じるようになった。2)減塩の繰り返しで、食塩に対する嗜好が変容した。 3)外食を塩辛く感じるようになった。4)血圧の同時記録により減塩時に血圧低下例があった。 【結語】減塩は食生活の嗜好や行動様式を変容させた。 - 77 - 19 個々の塩味感度・嗜好と 1 日塩分摂取量との関係 1 2 3 山陰労災病院 循環器科, 共済会清水病院 栄養管理室, 鳥取大学大学院医学系研究科 再生医療学 1 1 1 2 2 3 水田 栄之助 ,太田原 顕 ,遠藤 哲 ,山田 恭子 ,西谷 留美子 ,久留 一郎 【背景・目的】個々の味覚は 1 日食事内容および高血圧・肥満などの各生活習慣病発症と関係があると考えられる。特に 塩味については 1 日塩分摂取量や高血圧と関係があると考えられる。そこで我々は個々の塩味感度・嗜好と 1 日塩分摂 取量・高血圧との関係について検討した。 【対象・方法】対象は鳥取県内在住の健康診断受診者ならびに内科外来通院患者 118 名。同日内に空腹時採血、採尿、身 体測定を行い、さらに味覚嗜好アンケート、味覚感度検査(ろ紙ディスク法)を行った。さらに栄養士により検査前日の 食事内容について聞き取り調査(24 時間思い出し法)を行った。1 日塩分摂取量推定に関しては早朝随時尿から高血圧診 療ガイドライン 2009 記載の Tanaka らの方法を使用した。有意水準は p < 0.05 とした。 【結果】5% 食塩水で塩味がわからなかった群を塩味感度低下群とした場合、塩味感度低下群は正常群に対して有意に 1 日 塩分摂取量が 10g を超えていた(p = 0.033)。また前向き研究として 8 ヶ月間期間をあけて味覚感度検査を再度行った ところ(n = 48)、塩味感度が改善していなかった群では 1 日塩分摂取量が有意に増加していたのに対して(1 日食塩摂取 量 1 回目 7.875 ± 0.327g,2 回目 9.010 ± 0.374g,p = 0.0117)、塩味感度が改善していた群では 1 日塩分摂取量に有 意な変化は認められなかった(1 日食塩摂取量 1 回目 8.296 ± 0.566g,2 回目 9.448 ± 0.679g)。 【考察】本研究結果より舌塩味感度低下は食塩摂取増加の危険因子であると考えられた。また塩味感度が改善すると 1 日 食塩摂取量は有意に増加しなかったという結果から、個々の塩味感度を調べることは減塩対策に非常に有益であると考 えられた。 20 糖尿病患者の体重及び血糖値に対する短期間の減塩食体験効果 1 2 近江八幡市立総合医療センター 医療技術部栄養管理科, 近江八幡市立総合医療センター 代謝・内分泌内科 1 1 1 1 1 1 1 黒川 あかね ,小見山 こず恵 ,鶴田 千佳 ,東森 佳子 ,鹿谷 未香 ,辻森 ひろみ ,田中 陽子 , 2 2 2 本田 亘 ,井田 昌吾 ,中村 高秋 【目的】平成 19 年に行った当院の研究より肥満を伴う 2 型糖尿病患者は食塩感知機能が低下しており、このことが過食を 伴う肥満症の進展と耐糖能悪化の一因となりうることが示唆された。この事実を受けて糖尿病患者に対して減塩指導を 行うことは有益か否かを検討する目的で入院糖尿病患者に対して減塩食(塩分 6g 未満 / 日)を平均 7 日間処方し、その前 後で塩分味覚機能がどの様に変化し体重・血糖コントロールにどの様に影響を及ぼしたか観察した。 【方法】研究デザインは非ランダム化比較試験。糖尿病教育パスで入院した 2 型糖尿病患者 39 名に対して入院時及び退 院時食塩味覚閾値判定試験紙を用いて味覚試験を行い、味覚低下や味覚異常の変化を評価した。さらに減塩・食生活に 関するアンケート調査を実施し、入院中に集団栄養食事指導と個別栄養食事指導をそれぞれ 1 回ずつ行うことで食生活 の問題点を評価した。退院 6 ヶ月後の外来診察時の体重、血糖値およびアンケートを再度施行し入院時と比較検討した。 また、同じく糖尿病教育パスで入院した 31 名を非介入群として味覚調査、アンケート調査、減塩指導は行わずに介入群 と比較検討した。 【結果】1 週間減塩食を体験することで、90% の患者が検知(味を感じる) ・認知(塩味と識別できる)閾値とも改善した。 介入群・非介入群とも退院 6 ヶ月後 HbA1c は同じ程度に低下した。介入群は BMI に変化がなかったが、非介入群は退 院 6 ヶ月後、BMI が上昇していた。 【結論】減塩指導を行うことは血圧をコントロールするのみならず血糖値・BMI をコントロールしていくうえでも意義が あることが確認された。減塩食を体験し薄味に慣れることは味覚改善の一助となり食意識を高めることにつながると考 えられた。 - 78 - 21 2 型糖尿病に対するインクレチン製剤ビクトーザの有用性と血圧管理に与える影響 広島県済生会呉病院 薬剤室 岡野 太一 【目的】血糖管理におけるインクレチン製剤の有用性は多く報告されているが、その多様な薬理作用は解明されていない 点も多い。今回、インクレチン製剤の血圧管理に与える影響について検討した。 【方法】2 型糖尿病 11 例にインクレチン製剤ビクトーザを 1 日 1 回投与した。0.3mg から投与を開始し、患者に合わせて 適宜用量調節した。3 ヶ月後の HbA1c、体重、血圧等を評価する。 【結果】評価項目は改善傾向であるが、詳細についてはサミットにて報告する。 【総括】ビクトーザは血糖依存的にインスリン分泌を促進するが、その他にも胃内容物排出遅延効果や中枢への食欲抑制 効果が認められている。更に、ビクトーザは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制する効果が確認されており、血圧を低 下させるという報告もある。今後、減塩との関係性について更なる検討が必要である。 22 中国労災病院人間ドック受診者の食生活と減塩に関する意識調査 1 2 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 栄養管理部, 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 内科, 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 健診部, 4 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 勤労者予防医療センター 1 1 1 2 3 4 外裏 貴子 ,大野 奈々 ,児玉 由己子 ,榎野 新 ,阿部 和弘 ,髙田 耕基 3 平成 22 年国民栄養調査によると、日本人の食塩摂取量は、男性 11.4g、女性では 9.8g に減少しているものの、食塩摂 取目標量(日本人の食事摂取基準(2010 年版))成人男性 9.0g 未満、成人女性 7.5g 未満には達していない。 中国労災病院栄養管理部では、生活習慣病の発症予防・重症化予防対策として減塩に積極的に取り組んでいる。 今回我々は、今後の当院での減塩食事指導に活用するため、減塩に関する行動と意識についての調査を行った。方法は、 当院の人間ドック受診者を対象として、無記名の自記式アンケート調査とした。 このアンケートの解析を通じて、減塩に対する最近の意識を理解し、減塩指導に生かす方法について検討を行う。 - 79 - 23 減塩に関する患者意識調査−高血圧患者と非高血圧患者における検討 1 2 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学, 日下医院 1 1 2 石田 隆史 ,木原 康樹 ,日下 美穂 高血圧の治療において食塩摂取量の制限、すなわち減塩は最も重要な非薬物療法の一つであるが、我が国においては 十分に実践されているとは言い難い。そこで我々は、広島県内の開業医、病院勤務医に協力を得て減塩に対する患者の 意識をアンケート調査にて行った。対象は高血圧患者 491 人、非高血圧患者 348 人の合計 839 人であった。 まず高血圧の予防と治療における減塩の有効性について質問した。ほとんどの患者は「減塩の有効性」を知っていたが、 高血圧患者においてはわずか 0.4% しか知らない人がいなかったのに対し、非高血圧患者においては 6% が知らず、その 認識に差が見られた。次にその内訳を訊いたところ、高血圧患者においては「減塩の有効性を聞いてはいたが、さほど 重要だとは思わない」と答えた人と、「降圧薬を飲んでいれば減塩は必要ない」と答えた人がほぼ同数であった。非高血 圧患者においては単純に減塩の有効性を知らない人がほぼ 2/3 を占めた。 次に減塩の実践状況に関して質問した。高血圧患者においては 35% が「減塩を実践している」、54% が「減塩を実践し ているつもりだが自信がない」、11% が「減塩を実践していない」と答えた。これに対し、非高血圧患者においてはそれ ぞれ 20%、33%、47% と、減塩を実践している割合が低かった。減塩を実践していると答えた高血圧患者のうち 61% が減塩により血圧が下がったと答えた。 今回のアンケート調査から、1)高血圧患者と非高血圧患者で減塩に対する意識に差があること、2)減塩を実践できて いるか否か自信がない高血圧患者が多いことが明らかになった。現在も調査は続けられており、発表当日はより大規模で、 詳細な報告をする予定である。 24 なぜ減塩は実践困難なのか?−患者意識のアンケート調査による検討 1 2 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 循環器内科学, 日下医院 1 1 2 石田 隆史 ,木原 康樹 ,日下 美穂 高血圧の治療において減塩は最も重要な非薬物療法の一つであることは国民の多くによって周知されているが、我が 国においては十分に実践されているとは言い難く、我々は依然食塩摂取量が世界でも最も多い国民の部類に入る。そこ で我々は、広島県内の開業医、病院勤務医に協力を得て減塩に対する患者の意識をアンケート調査にて行った。対象は 高血圧患者 491 人、非高血圧患者 348 人の合計 839 人であった。 減塩の実践状況に関して質問したところ、30% が「減塩を実践している」、45% が「減塩を実践しているつもりだが自 信がない」、25% が「減塩を実践していない」と答えた。 「減塩を実践しているつもりだが自信がない」あるいは「減塩を実践していない」と答えた人に対してその理由を尋ねた ところ、「自分がどの程度塩分を摂取しているのかわからない」と答えた人が最も多く、他に「家族と食事を合わせよう とすると減塩が困難」、「減塩が重要であることは解っているが、具体的にどうすればよいかわからない」、「減塩食はお いしくない」などの回答が多かった。 さらにどのようにすれば減塩が実践可能になるか尋ねたところ、「模範になるような食事を実際に食べてみる」と答え たひとが最も多く、次いで「パンフレットなどで具体的なレシピを知る」、「外食、コンビニの弁当などの食塩含有量を 表示してもらう」 「食品の塩分をナトリウムではなく、食塩相当で表示してもらう」の順に回答が多かった。 今回のアンケート調査から、1)まず自分がどの程度塩分を摂取しているのか把握することが肝要であること、2)模範 になるような食事を実際に食べてみることが減塩を実践するための手がかりになりうること、などが示唆された。 - 80 - 25 減塩意識と食塩摂取量の実際 1 2 3 日下医院 検査室, 日下医院 看護チーム, 日下医院 事務, 5 広島大学大学院医歯薬学総合研究科 創生医科学専攻探索医科学講座心臓血管生理医学, 日下医院 1 1 2 2 2 2 2 礒崎 志乃 ,加治木 香純 ,箱嶋 久美子 ,作山 加代子 ,尺田 純子 ,小根森 洋子 ,古本 れみ子 , 3 3 3 4 5 江川 佳美 ,谷 一子 ,菊川 めぐみ ,石田 万里 ,日下 美穂 4 [背景と目的]減塩を進めるに当たり減塩意識を高めることが重要であるが、具体的に自分がどのくらい塩分を摂取して いるかが分からないと実現困難である。そこで個人の減塩の意識と実際の摂取量の関係を調べるため、尿中の Na 排泄 量から食塩の 1 日摂取量を推定した。 [方法]減塩サミットに向けて、減塩サミット実行委員会のメンバーを中心に減塩意識調査のアンケートを実施中である。 アンケートで、A. 減塩を実践している、B. 実践しているつもりだが自信がない、C. 実践していない、の問いに答えた 自験例で、比較的手軽な方法、つまり、夜間尿全量採取し、その塩分濃度と尿量を自動的に測定し 1 日塩分摂取量(排泄 量)を計算できる電子式塩分計(減塩モニター)を用いて 1 日塩分摂取量を推定した。 [結果]測定継続中の中間データであるが、2012/02/23 時点で A. 23 人、推定 1 日食塩摂取量平均 9.5g、B. 13 人、8.7g、 C. 10 人、12.0g であった。A と B が減塩を意識している群とすれば、していない C よりは減塩できている傾向にある。 しかし A. 実践していると答えた中で、6 人が日本人平均 11g を超えていた。その全てが 70 歳以上の高齢男子であった。 このことからも、減塩しているという自覚と実際の摂取量は必ずしも一致しない。また、減塩していると自覚している が実は高塩食の人では、以前は、更に多くの食塩を摂取していた可能性もある。 引き続きデータを増やしサミット当日に発表する予定である。 [結論]減塩意識と食塩摂取量は必ずしも一致しないが、経過を追って 1 日食塩摂取推定量を測定し、個人が自分の数値 を知ることで減塩意識はより高まると考えられる。 26 食品に含まれる塩分量をフードモデルと共に展示することにより減塩の意識変化を図った試み 総合病院庄原赤十字病院 田中 昌子,落合 ひとみ,渡辺 千加子 1.背景・目的 庄原市は広島県北部に位置し、人口約 4 万人弱・高齢化率 37% である。平成 23 年度庄原市は高血圧対策に取り組み 始めた。当院は、市で唯一の総合病院であり、高血圧、心・血管障害の予防として減塩食の指導を行っている。土地柄、 冬場は雪が降り寒い期間が長いため、塩を用いた保存食(春は山菜、夏は野菜、秋はきのこ、冬は野菜)を各家庭で作る 風習があり、身体を温める為に鍋物・汁物が献立には欠かせない。また高齢者の一人暮らしが多く、手軽にできる即席 味噌汁やカップ麺を利用することも増えている。塩分摂取過多になりやすい生活習慣が根付いている。生活療養相談を 行う中でも、減塩食について指導を行ってきたが生活習慣の改善につながる事例は少ない。 2.実施及び結果 一般的な即席で食べられる食品に含まれている塩分、糖分、カロリーが一目で分かるようにフードモデルを作成した。 塩分については、含まれている塩分量を容器に入れてモデルと対比して内科外来待合に設置し、糖尿病教室や個人指導 の時に活用した。その結果、患者・家族・面会者が立ち止まって見ている姿や、診察待ちの時間に塩分について話して いる姿が見受けられた。診察時にも「こんなに塩分が入っているとは思わなかった。控えないといけない」と言う言葉が 聴かれた。フードモデルと食塩の展示により、患者の塩分摂取への関心が高まっていると感じたため、塩分摂取に対す る意識の変化についてアンケートを用いて調査した。 3.今後の課題 塩分を利用した保存食(塩漬けや漬物など)の摂取量や方法について具体的な行動に移せる指導に取り組んで行きたい。 高齢者や単身赴任者などが実践しやすい指導方法を考えて行きたい。実生活に即したフードモデルの展示。減塩食の具 体的な方法の提示。 - 81 - 27 減塩食から考える日本の医療と飲食業界の現状と課題 医療法人社団 KNI 北原国際病院 熊﨑 まり子 はじめに 脳卒中で入院する患者の多くは高血圧症を指摘されている場合が多い。退院指導として塩分制限付きとなる患者に対し て、現状では減塩食を食べることのできる飲食店は少ない。今回、「健康の架け橋プロジェクト」の企画・運営に参加し、 セミナーとワークショップを行った。その結果、飲食店の現状や今後の発展性について学びを得たためここに報告する。 対象 飲食店関係者・経営者(健康食に対して興味を持っている、まちおこしを考える飲食店経営者および経営者) 方法 1、今回のプロジェクトに賛同した飲食店と協力し減塩食レシピの開発(管理栄養士監修) 2、セミナーの開催(Ⅰ管理栄養士と看護師から講義、Ⅱ減塩食の試食。Ⅲワークショップ、Ⅳアンケート調査) 結果と考察 飲食業界においても「健康」や「健康食」に対して関心は高く、需要は高いことが確認できた。飲食店は顧客の好みを満た すことを主眼に置き、栄養・健康を中心に考えたメニューではない。その為に、減塩食メニューを考案することが難しく、 商品化できない現状を知った。今回協力して開発したレシピについても他メニューと工程が全く異なる事や使う材料の 問題などで、すぐに商品化とは至らず課題が残っている。今後も病院と飲食店が協力をして、健康・予防への啓蒙活動 としてセミナーやイベントの継続をして、コーディネートをしていく必要はあると思われる。飲食店も「教育・予防」の 考え方から、自らが健康を発信する立場になるという発想の転換が必要なのではないだろうか。 28 広島(瀬戸内の)の名産ちりめんじゃこの塩分どこまでが体にいいの? 有限会社石野水産 石野 忠勝,石野 智恵 呉で作られている名産の塩乾物のちりめんじゃこ。 この塩分は体に悪いのでしょうか? 昔から食べられていますし、健康食品とも言われています。 どのくらいの塩分までがいいのか?またどのように食べるのがいいのでしょうか? ちりめんじゃこの生産者です、減塩、減塩といわれ確かに減塩にしているのですが、それでも水洗いして食べるなどと いう方がいて旨みもなくなってしまうのではないかと不安です。 適正な数値が分かればそれをめざすこともできます。 伝統の名産品を伝えていくためにも適正数値が知りたいです。 - 82 - 29 塩と生きる ~高校生に減塩は必要か~ 呉市立呉高等学校 木村 優実,茂木 里穂,丸山 祐実 私たち高校生に減塩は必要なのか?そんな疑問からスタートした調査です。 呉市立呉高等学校の生徒を中心にアンケートを採り,その結果を基に高校生の減塩について考えることにしました。 30 病院内中華料理レストランにおける減塩ヘルシーメニューの有用性 ~アンケート調査結果より~ 1 2 三重大学医学部附属病院 栄養管理部栄養指導管理室, 三重大学医学部附属病院 栄養管理部, 三重大学大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学 1 1 1 2 3 原 なぎさ ,岩田 加壽子 ,石留 真寿美 ,竹田 寛 ,伊藤 正明 3 【目的】高血圧治療ガイドラインでは、高血圧患者の塩分摂取量は 6g/ 日未満が推奨されており、減塩は高血圧の治療や 予防に有用であるだけでなく、心血管イベントの予防効果が期待できるとされている。しかし、外食において減塩を達 成することは容易ではない現状がある。そこで、病院再開発プロジェクト中華料理レストランにおいて、普段減塩をし ている患者の負担の軽減と、減塩への意欲を高めることを目的に減塩ヘルシーメニューを取り入れる事となった。今回、 減塩ヘルシーメニューの有用性について検討するためにアンケート調査を行った。 【内容】減塩ヘルシーメニュー(エネルギー 500kcal、蛋白質 16 ~ 20% E.(20 ~ 25g)、脂質エネルギー比 25%E.(13 ~ 14g)、塩分 2.0g)を喫食した患者に対して、アンケート調査を行った。調査項目は、減塩ヘルシーメニューの美味しさ、 ボリュームについて、価格の適正さ、満足度、減塩ヘルシーメニューを利用して食事観は変化したかどうか、病院レス トランの利便性、減塩ヘルシーメニューを取り入れることをどう思うか等、とした。 【アンケート成績】アンケート結果は、概ね好評意見が得られ、減塩ヘルシーメニューは患者や職員に好評に受け止めら れた。 【結語】病院内中華料理レストランにおいて減塩ヘルシーメニューに対するニーズは高く、患者の減塩に対する意欲を上 げるきかっけとなった。今後もメニューの幅を広げ、普段食事療法を頑張っている患者が、安心して食べられる「美味 しい治療食」を広めていきたい。 - 83 - 31 減塩調理講習会開催 ~患者の声に応えて~ 国立循環器病研究センター 大川 美子,橋本 亜由子,川島 のぞみ,上ノ町 かおり,高木 洋子,竹田 博幸,村井 一人,中谷 武嗣 循環器病疾患を有する場合の塩分摂取量の目標が“1 日 6g 未満”ということを理解している患者は多くいるがほとんど 実践できていない現状がある。減塩食には『まずい』 『薄味で物足りない』といったイメージがありなかなか減塩を実践す るに至らないようである。そのようなマイナスイメージが多いなかで、国立循環器病研究センターの減塩食は患者から『減 塩食なのに味がしっかりついていて美味しい』と大変好評である。 『調理方法を教えて欲しい』と言われることも多くあり、 平成 22 年 9 月から患者が退院後も自宅で無理なく減塩食を調理し摂取できるよう支援活動の一環として栄養士・調理師 が協力し調理講習会を開催している。 患者や患者家族を対象として現在までに 4 回開催し、実施スケジュールは調理師による調理説明→調理実習→試食→ 栄養士の講話・意見交換などである。参加者からは『減塩食作りに行き詰まっていたので実習での調理方法が参考になっ た』 『良いヒントを得られた』など、実践しやすい調理法を勉強できたと好評を得ている。また『薄味で食べなければと思 うが濃く調理してしまう。気をつけなければと勉強になった』との意見もあり減塩を意識するきっかけにもなっている。 講習会後に行ったアンケートでは 94% の方が調理講習会に参加する前と比較して日常の塩分摂取量が『減っていると思 う』と回答。72% の方が講習会で習った料理を『自宅で実践した』と回答している。 栄養指導で得た知識に加えて栄養士や調理師の指導をうけながら減塩食を実際に調理してみることで調理方法やポイ ントを明確に理解することができ、実践に結びつけやすくなっているといえる。今後も患者の減塩食に対する意識改革・ 行動変容を促し家庭でも無理なく減塩食の調理ができるよう、継続して支援していきたいと考えている。 32 外来で尿中ナトリウム排泄量を測るということ 小園内科・循環器科 小園 亮次 当院は、内科・循環器科を標榜する開業医である。平成 22 年初めから約 300 名の外来患者さんに尿中ナトリウム排泄 量を測定したので、その臨床的な有用性について総括した以下の点を検討した。 1.尿検査に対する認容性 2.検査による減塩行動の変化 3.尿中ナトリウム排泄量と疾患との関連 4.尿中ナトリウム排泄量と他の検査データとの関連 5.尿中ナトリウム排泄量と降圧治療の関連 6.その他 - 84 - 33 夜間尿と塩分摂取量簡易測定器による家庭での食塩摂取量自己測定:高血圧者における検討 国立循環器病研究センター 高血圧・腎臓科 河野 雄平,岩嶋 義雄,林 真一郎,吉原 史樹,中村 敏子 【目的】高血圧の管理において食塩制限は極めて重要であるが、わが国における食塩摂取量は依然として多く、高血圧者 の多くはガイドラインで推奨される 6g/ 日未満を遵守できていない。高血圧者への個別的な減塩指導においては、各個 人の食塩摂取量の把握が重要と考えられる。本研究は、高血圧者を対象に、夜間尿と塩分摂取量簡易測定器による家庭 での食塩摂取量自己測定の実用性を評価することを目的とした。 【方法】治療中の高血圧者約 200 名について、外来および家庭血圧と 24 時間蓄尿による食塩摂取量を調べた。このうち 40 名(平均年齢 67 才、1 日食塩摂取量 10g 以上 20 名、6g 以上 10g 未満 10 名、6g 未満 10 名)を対象として、塩分摂取 量簡易測定器「減塩モニタ(河野 ME 研究所)」を貸与し、8 時間分の夜間尿による家庭での自己測定を指導した。自己測 定は 1 か月間、できるだけ毎日行うよう依頼した。また、食塩摂取量の目標は 6g/ 日未満であることを教育した。 【結果】対象者の外来血圧は平均 129/76mmHg、家庭血圧は朝 132/79mmHg、夜 127/75mmHg であった。24 時間尿 による食塩摂取量は 9.9 ± 5.5g/ 日であった。家庭での食塩摂取量自己測定は、90% の症例が指導通りに 1 か月間実施 できた。自己測定による推定食塩摂取量は、初めの 1 週間は平均 9.8g であり、24 時間尿による食塩摂取量と同等であっ た。自己測定による推定食塩摂取量の平均値は、第 2 週は 9.6g、第 3 週は 9.5g、第 4 週は 9.8g で、期間中に有意の変化 はみられなかった。 【結論】夜間尿と塩分摂取量簡易測定器を用いての家庭での自己測定による食塩摂取量の評価は、十分に実行可能であり、 この方法による推定食塩摂取量は 24 時間尿による摂取量と同等であった。しかし、家庭での食塩摂取量自己測定による 減塩効果は有意ではなかった。 34 外来高血圧患者での随時尿から求めた一日推定塩分摂取量を用いての検討 1 2 守山市民病院 内科, 滋賀医科大学 呼吸循環器内科 1 1 1 1 2 環 愼二 ,平田 邦夫 ,松井 甚弥 ,金盛 俊之 ,堀江 稔 【背景】高血圧治療ガイドライン(JSH2009)において生活習慣の修正の食塩摂取は一日に 6g 未満を推奨されている。し かしながら日本人の一日塩分摂取平均は 10.9g/ 日といわれている。日常生活で塩分制限をすることは非常に難しい。 【方法と対象】対象は平成 22 年 1 月から平成 23 年 6 月までの間に当科で投薬治療中の 398 人の高血圧患者。外来におい て随時尿を用いて一日塩分摂取量を推定する。推定一日塩分摂取量と血圧等との関係を検討する。さらにご本人に一日 の推定塩分摂取量を示し減塩についてのパンフレットを用いて塩分制限について指導する。指導後に再度一日の推定塩 分摂取量を測定する。 【結果】対象 398 人の一日推定塩分摂取量の平均は 9.6 ± 2.8g/ 日であった。26 人(6.5%)のみが JSH2009 の目標値で ある一日推定塩分摂取量が 6g 未満であった。年齢、外来収縮期血圧、外来拡張期血圧、自宅起床時収縮期血圧、自宅起 床時拡張期血圧は一日推定塩分摂取量と関連は認めなかった。BMI は一日推定塩分摂取量と関連を認めた(p = 0.004, r = 0.146)。398 人の中で 93 人において、1 回目の一日塩分摂取量を推定した後に塩分制限の指導を受けて、2 回目 の一日塩分摂取量を推定できた。この 93 人の 1 回目の一日塩分摂取量の推定は 10.1 ± 2.9g/ 日であったが 2 回目の一 日塩分摂取量推定は 9.4 ± 2.7g/ 日であった。1 回目に比べて 2 回目の一日塩分摂取量推定は有意に減少していた(p = 0.030)。 【総括】投薬加療中の高血圧患者 398 人において一日推定塩分摂取量は年齢、血圧値等とは関連しなかったが BMI が関連 していた。繰り返し塩分制限を指導することが塩分制限になっていた。外来において患者個人の一日塩分摂取量を推定 して塩分制限を指導することは有用であると思われた。 - 85 - 35 夜間尿による塩分摂取量の検討 − 24 時間尿法との比較と食生活調査を行って− 和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 古川 佳子,阪中 馨子,福井 留利子,堀江 佳代子,有田 幹雄 【目的】夜間尿法(簡易モニター)による塩分摂取量と 24 時間尿と比較検討し、また、塩分摂取量の現状を把握し、塩分 摂取量が多い者と少ない者の食生活を比較検討した。 【対象と方法】本態性高血圧患者 79 名を対象とし、夜間尿による塩分摂取量を測定した。このうち 11 名に、同日の 24 時間尿法と夜間尿法による塩分摂取量を測定し、比較検討した。また、夜間尿法による塩分摂取量の低い者と高い者 10 名に食生活について面接した。 【結果】79 名の対象者全体の塩分摂取量の平均値は 9.7 ± 2.6g/ 日、男性 10.4 ± 2.3g/ 日、女性 9.1 ± 2.7g/ 日であった。 24 時間尿法と夜間尿法との比較では、r = 0.64(p < 0.05)で相関を認めた。4.0g 以上の差を認めたのが 3 例あり、最大 差は 6.5g であった。塩分摂取量が 6g/ 日未満の者(以下 L 群)は 4 名 /79 名であり、すべてが女性、無職、調理を担って いた。一方、塩分摂取量 12g/ 日以上の者 6 名を高塩分摂取群(以下 H 群)とした。L 群は、減塩に対する強い動機づけを 有しており、塩や醤油の調味料の使用量が極力少ないというだけではなく、さまざまな減塩に繋がる工夫をとり、それ が習慣化し、家族もその味付けに満足していた。具体的な工夫としては、調味料を測って使用、炒めものをするときは 味付けしないで甘酢をかける、カツオとこぶの出汁をとって酷をだすなどであった。一方、H 群は、減塩しようという 思いがなく味付けが濃いと自覚している、薄い味付けと自覚しているものの減塩方法が誤っている、醤油やソースを料 理にかける習慣がある、外食習慣があるなどの特徴があり、L 群との相違が見られた。 【結論】以上より、24 時間尿と夜間尿による塩分摂取量の結果に相関が認められた。しかし、大きな差の見られた例もあ り、その特徴を詳細に把握する必要があると考えられた。L 群と H 群との食生活には明らかな相違が見られ、簡易に測 定できる減塩モニターの活用は減塩指導の一助となると考えられた。 36 推定 1 日塩分摂取量の測定及び測定に関する意識調査 1 地方独立行政法人秋田県立病院機構秋田県立脳血管研究センター 臨床検査部, 地方独立行政法人秋田県立病院機構秋田県立脳血管研究センター 循環器内科 1 2 1 高橋 健 ,藤原 理佐子 ,熊谷 富美子 2 【目的】高血圧への塩分の関与、減塩の必要性は以前より指摘、指導されているが、実際どの程度の塩分を摂取している のか、把握されているのは少ないとみられる。今回、高血圧にて外来通院加療をされている方を対象に、1 回尿量から 前日 1 日摂取塩分を推定測定できる機種にて塩分摂取量測定を実行、塩分量の把握と共に実行頂いた意識調査を施行し た。 【結果】外来患者 4 人を対象に行った。男性 2 名、女性 2 名、平均年齢 65 ± 5 歳、1 ヶ月~ 4 ヶ月間施行した。最少は 5.3g/ 日、最多は 15.8g/ 日であった。塩分摂取の行動と数値はほぼ関連があり、摂らないように気をつけて食事をすると塩分 量は減る傾向にあった。行動は、主に外食時、醤油、味噌汁に関してであり、醤油を摂らない場合 10g 以下が多く、ま た鍋物で塩分量が増える結果であった。また、各個人の中で著明な数値の変動は少ない印象であった。10g 以上は 4 人 のうち 3 人あり、1 月内での割合は 2.26 ~ 96.8%、また 6g 以下は 4 人のうち 2 人あり、1 月内での割合は 3.2 〜 3.85% であり、6g 以下に抑える割合が低かった。 意識調査に関しては、出来るときに測定してほしいとお願いしたが、ほぼ毎日ご施行いただいていた。1 日塩分摂取量 の目安は全員把握しており、塩分摂取への興味や意識は高く、再度やってみたいとの感想があった。 【結論】塩分摂取抑制には数値の把握、更に具体的な食事の塩分含有量や摂取方法の情報提供や、精神的努力が必要であ ると考えられる。自分がどれだけ塩分を摂取しているか、具体的数値を示す機会は今回が初めてで、塩分量を認識する こと、行動と塩分摂取量の関連を実感していただくこと、更に継続することで塩分をどれだけどのように摂るか、とい う事への意識向上に役立つと考えられる。 - 86 - 37 fa 肥満食塩感受性高血圧モデル動物 DahlS.Z-Lepr ラットにおける減塩と食餌量制限の血圧・腎機能に対す る改善効果 東京大学大学院医学系研究科 腎臓・内分泌内科 安東 克之,藤田 恵,河原崎 千晶,村岡 和彦,藤田 敏郎 【背景】食塩過剰摂取ならびに肥満は高血圧の原因となるだけでなく、それに伴う腎障害の進行も促進する。最近、食 塩感受性高血圧モデル Dahl 食塩感受性(DS)ラットと肥満モデルで Zucker 肥満(ZO)ラットをかけ合わせた DahlS. fa Z-Lepr (DS 肥満)ラットが開発され、正常食塩食下においても若年時より肥満、高血圧、腎障害をきたすモデルとし て注目されている。そこで、本研究ではこの DS 肥満ラットに対する幼若期からの食塩摂取、カロリー摂取の影響につ いて検討した。 【方法・結果】6 週齢の DS 肥満ラットに対して正常(0.5%)食塩および低(0.05%)食塩食を自由摂取ならびに 60% の食 餌量制限にて与え、対照として正常食塩食・自由摂取の DS ラットと ZO ラットを置き、4 週間の飼育にて比較検討した。 DS 肥満ラットは ZO ラットと同程度の肥満や糖代謝異常を呈したが、脂質代謝異常に関しては ZO ラットよりも顕著で あった。DS 肥満ラットは DS ラットと異なり、正常食塩食下でも高血圧、腎障害を示した。DS 肥満ラットに対する食 塩制限は血清脂質改善、軽度降圧、尿蛋白の部分的改善を認めた。食餌量制限は体重を正常化し、血圧・脂質代謝は正 常化したものの、尿蛋白改善効果は部分的であった。しかし、食塩制限と食餌量制限を合わせて行うと、尿蛋白は完全 に正常化した。なお、DS 肥満ラットでは血漿レニン活性(PRA)は抑制されるものの血漿アルドステロン濃度(PAC)の 低下を認めず、PAC/PRA 比の増加を認めたことから、抗アルドステロン薬の影響を見たが、抗アルドステロン薬は DS 肥満ラットの尿蛋白を部分的に改善し、その程度は食塩制限と同程度であった。 【結論】DS 肥満ラットの幼若期からの高血圧や腎障害の進展には肥満に加えて腎 Na 排泄能の顕著な低下が関与してお り、この機序としてアルドステロン産生増加が考えられた。 38 高血圧を伴う慢性腎臓病患者における減塩指導による効果について 広島市立広島市民病院 栄養室 礒崎 絵吏,西川 陽子,春貝地 明子 【目的】慢性腎臓病患者に対して、血圧コントロールは慢性腎臓病の逆行と心血管疾患の発症進行の抑制に重要とされて いる。そこで慢性腎臓病患者に対して減塩を中心とした栄養指導を実施することにより、栄養指導開始前と開始後の血 圧コントロールの変化を検討した。 【方法】慢性腎臓病で通院している患者を対象に食事摂取状況の調査を実施した。同時に患者へ減塩を含む食事療法につ いて指導を行った。栄養指導を継続し、塩分摂取状況を含む食事内容の聞き取りを行った。血圧、検査値等の変化につ いて栄養指導前と比較検討した。 【結果】栄養指導時に聞き取りを行った食事内容から、実際に塩分の高い食事をしていること、患者自身が塩分を過剰に 摂取していることに気づいていないことが判明した。 また食品の選び方や調味料の塩分や調理の仕方についても知識を得ることができ、塩分摂取量は栄養指導前と比較して 減少した。栄養指導を継続することで患者自身の食事療法に対する意識を高めることにも繋がり、血圧、検査値良好で 推移している。 【結論】減塩を含めた栄養指導を継続することにより、血圧のコントロールのみならず、高血圧を伴う慢性腎臓病患者に 対して良好な食事療法を行うことができた。 引き続き減塩指導を通して、患者の食事療法に対する意識を高めるように働きかけていきたい。 - 87 - 39 減塩による尿蛋白減少効果は、その後の腎機能に好影響を及ぼすか? −保存期腎不全教育入院の結果から の解析− 近江八幡市立総合医療センター 腎臓内科 大谷 麻衣,八田 告,原 将之,上野 里紗,瀬川 裕佳,澤田 克徳,槙 系 【目的】保存期腎不全患者において減塩による蛋白尿減少効果が、その後の腎機能に及ぼす影響を検討する。 【方法】解析対象は 2006 年 10 月~ 2011 年 11 月の間に保存期腎不全教育入院を経験した 656 名のうち、12 カ月後まで 塩分摂取量測定ができた 64 名。 入院前と入院中の塩分摂取量の減少に対して尿蛋白量の減少がみられる群、尿蛋白量の減少がみられない群の 2 群に分 類しそれぞれ糸球体内圧依存型、糸球体内圧非依存型として腎予後の差を検証した。腎予後の指標としては入院時から 入院 6 か月後の eGFR の推移を用いた。 【結果】解析集団の平均年齢は 66.2 ± 1.0 歳 糸球体内圧依存型では入院時の eGFR 25.9 ± 2.95ml/min/1.73 ㎡であっ た。一方糸球体内圧非依存型では入院時の eGFR 36.6 ± 3.06ml/min/1.73 ㎡であった。蛋白尿の多くない糸球体内圧 非依存型では蛋白尿の多い糸球体内圧依存型と比較して入院時の eGFR は高い傾向にあったが、糸球体内圧依存型に関 しては尿蛋白の改善に応じて eGFR の上昇が得られたことにより入院 6 か月後の eGFR に関しては 2 群間で有意差を認 めなかった。 【考察】尿蛋白は単独の腎機能増悪因子であり、減塩による尿蛋白減少は非常に重要である。 保存期腎不全患者において教育入院の前後で塩分摂取量の減少に応じて尿蛋白量の減少がみられた糸球体内圧依存型に 関しては腎予後を改善する可能性が示唆された。 40 高血圧および慢性腎臓病患者の 1 日推定食塩摂取量:年齢と body mass index の影響についての検討 1 2 琉球大学大学院医学研究科 循環器・腎臓・神経内科学講座, 琉球大学保健管理センター, 4 琉球大学大学院医学研究科 衛生学・公衆衛生学講座, 敬愛会ちばなクリニック 1 1,2 3 1 4 1 1 1 新垣 友加里 ,崎間 敦 ,等々力 英美 ,古波蔵 健太郎 ,仲田 清剛 ,山里 正演 ,石田 明夫 ,安 隆則 , 1 大屋 祐輔 3 【目的】高血圧に対する生活習慣の修正のなかでも減塩と減量は重要な項目である。今回、高血圧および慢性腎臓病患者 を対象に、随時尿から 1 日推定食塩摂取量(以下、推定食塩摂取量)を算出し、年齢及び body mass index(BMI)の影 響について検討した。 【方法】2009 年 1 月から 2011 年 4 月の期間に随時尿中 Na および Cre が測定された高血圧腎臓内科へ通院中の患者 985 症例を解析対象とした。高血圧治療ガイドライン 2009(JSH2009)の「随時尿での Na、Cre 測定と Na/Cre 比による推 定式」を用いて、推定食塩摂取量を算出した。患者を年齢により若年・壮年群、高齢群に分け、推定食塩摂取量を比較した。 【成績】対象患者の年齢、性別、診察室血圧、BMI、推定食塩摂取量は、それぞれ、59.5 ± 17.9 歳、女性 53.3%、127 ± 19/74 ± 12mmHg、25.1 ± 4.3kg/m2、8.3 ± 2.3g/ 日であった。若年・壮年群(n = 537)と高齢群(n = 448)の推 定食塩摂取量は、それぞれ 8.6 ± 2.4g/ 日、8.0 ± 2.2g/ 日であり、若年・壮年群の推定塩分摂取量は高齢群よりも有意 に高値であった。一方、BMI に群間差はなかった。また、両群とも推定食塩摂取量と BMI は正相関(若年・壮年群:r = 0.09, p = 0.0001,高齢群:r = 0.14,p < 0.0001)を示した。性別、年齢、収縮期血圧で補正した重回帰分析では、BMI が 有意な正の規定因子(若年・壮年群:β= 0.09,p = 0.0007,高齢群:β= 0.14,p < 0.0001)として検出された。 【結論】若年・壮年群は高齢群に比較して推定食塩摂取量が高値であり、年齢によらず、BMI は推定食塩摂取量と正相関 をもつことが示された。これより、若年期からの減塩および肥満対策の必要性が示された。 - 88 - 41 随時尿による 1 日推定食塩摂取量は収縮期血圧と正相関している:高血圧および慢性腎臓病外来患者での検討 1 2 琉球大学保健管理センター, 琉球大学大学院医学研究科 循環器・腎臓・神経内科学講座, 4 琉球大学大学院医学研究科 衛生学・公衆衛生学講座, 敬愛会ちばなクリニック 1,2 2 3 2 4 2 2 2 崎間 敦 ,新垣 友加里 ,等々力 英美 ,古波蔵 健太郎 ,仲田 清剛 ,山里 正演 ,石田 明夫 ,安 隆則 , 2 大屋 祐輔 3 【目的】高血圧治療ガイドライン 2009(JSH2009)は、食塩摂取量の評価法のひとつに随時尿法を提示している。しかし、 随時尿法を用いた 1 日推定食塩摂取量(以下、推定食塩摂取量)と血圧の関係についての報告は限られる。今回、高血圧 および慢性腎臓病患者を対象に、随時尿法による推定食塩摂取量と血圧の関連性について検討した。 【方法】2009 年 1 月から 2011 年 4 月の期間に随時尿中 Na および Cre が測定された高血圧腎臓内科へ通院中の患者 985 症例を解析対象とした。JSH2009 に示されている「随時尿での Na、Cre 測定と Na/Cre 比による推定式」を用いて、推 定食塩摂取量を算出した。複数回測定された場合は、初回測定値を用いた。患者を若年・壮年群と高齢群に群分けし、 推定食塩摂取量と血圧の関連について比較した。 【成績】高齢群(n = 448,女性 56.3%,年齢 74.8 ± 6.2 歳)に比較して、若年・壮年群(n = 537,女性 50.8%,年齢 46.7 ± 13.9 歳)の診察室収縮期血圧(SBP)は有意に低く(124 ± 20 vs. 132 ± 17mmHg,p < 0.0001)、推定食塩摂 取量は有意に高値であった(8.6 ± 2.4 vs. 8.0 ± 2.2g/ 日,p < 0.0001)。また、両群とも推定食塩摂取量と SBP は正 相関しており(若年・壮年群:r = 0.12,p < 0.01,高齢群:r = 0.11,p < 0.05)、SBP を目的変数とした重回帰分析 (補正因子:性、年齢、body mass index)でも、推定食塩摂取量が正の規定因子(若年・壮年群:β= 0.67,p < 0.05, 高齢群:β= 0.82,p < 0.05)として検出された。 【結論】推定食塩摂取量と SBP は有意に正相関していた。随時尿法は簡便で繰り返し実施できるので、日常診療の減塩指 導におけるツールに成り得る。 42 幼若期での血圧上昇・腎障害における食塩過剰摂取の役割 1 2 聖マリアンナ医科大学病院 腎臓高血圧内科, 東京大学医学部付属病院 腎臓内分泌内科 1 2 2 2 2 2 河原崎 宏雄 ,安東 克之 ,村岡 和彦 ,河原崎 千晶 ,藤田 恵 ,藤田 敏郎 背景・目的:多くの先進国では年齢に伴う血圧の上昇が認められるが、逆に食塩摂取の少ない地域では年齢に伴う血圧 の上昇が認められない。これは高食塩環境下で育ったひとのほうが、高血圧を発症することが伺える。これを受けて、 特に幼若期における食塩負荷がその後の高血圧発症のリスクになることに注目して研究を始めた。幼若期の食塩負荷が 血圧と腎障害に与える影響およびそのメカニズムについて動物実験で検証した。 方法:3(幼若)および 10 週齢(成人)の遺伝的高血圧発症ラット(Dahl 食塩感受性ラット)、食塩負荷の影響が出やす いように片腎摘術を施行した正常ラット(Sprague-Dawley ラット)に高食塩(8%NaCl)を 4 週間負荷し、正常食塩 (0.5%NaCl)を負荷したラットと血圧、蛋白尿、腎の組織学的変化を比較した。さらに、3 週齢の高食塩負荷ラット、そ れぞれに対するミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬エプレレノン(Ep;混餌)、抗酸化薬テンポール(Temp;飲水中) の効果を検討した。なお、ラットの 3 週齢はヒトの幼児期、10 週齢は青年期に相当する。 結果:3 週齢ラットへの食塩負荷は、有意の血圧上昇と蛋白尿増加を認め、腎臓における炎症・酸化ストレス因子の発 現亢進を生じたが、10 週齢ではこれらの反応が減弱していた。3 週齢の食塩負荷ラットにおけるこれらの異常を Ep、 Temp は改善した。また、3 週齢 Dahl 食塩感受性ラットではヒドララジンによる降圧は腎障害を軽度改善するにとどまっ た。 まとめ:幼若ラットにおいては、成人ラットに比べて食塩負荷に基づく血圧上昇や腎障害の進行が著明で、腎の炎症亢 進を伴っていた。幼若期の血圧上昇や腎障害は血圧とは独立して、食塩過剰摂取を介した MR 亢進状態が深く関与して いると考えられた。幼少時からの減塩および食育は重要であると思われる。 - 89 - 43 子供は減塩を良く理解する 1 2 3 4 日下医院, 日下医院 看護チーム, 日下医院 検査室, 日下医院 事務 1 2 2 2 2 2 3 日下 美穂 ,箱嶋 久美子 ,作山 加代子 ,尺田 純子 ,小根森 洋子 ,古本 れみ子 ,加治木 香純 , 3 4 4 4 礒崎 志乃 ,江川 佳美 ,谷 一子 ,菊川 めぐみ [背景と目的]わが国で一番多い疾患は高血圧。その主な原因である食塩の摂取量は世界でも最も多い。親から子へと続 く高塩食の食習慣を変えない限り、日本の子供たちのほとんどは高血圧などの生活習慣病予備軍である。それにも関わ らずわが国の食育に、まだ減塩はあまり取り入れられていない。必要なのは、幼児期、児童期からの生活習慣、特に食習慣、 減塩の教育である。 [方法]子供や若い母親世代に塩を意識し、減塩に関心を促す一歩として、校医を担当している呉市立昭和東小学校の 5, 6 年生の子供たちと父兄、教職員の方々に「減塩について考えよう」と講演する機会を得た。また、「減塩サミット in 呉」 を開催するに当たり、呉市の協力のもと、呉市教育委員会を通して、学校に対して子供たちによる減塩のポスターや作 文の創作を呼びかけた。更に、呉市立の高校に減塩に関する研究や料理創作を呼びかけた。 [結果]小学生に対する講演では、保健の教諭や教職員の熱心な取り組みもあって、子供に減塩が分かるのかとの心配を よそに、想像以上に関心が高く、一生懸命知識を吸収しようとするきらきらした瞳の輝きと活発な質問や感想に手ごた えを感じた。その後、減塩料理を作る授業にもつながった。減塩ポスターや作文創作に応諾した学校でも、まず、保健 教諭などが減塩授業をして子供たちの理解を深めている。高校生の研究や料理も始まった。 [考察]子供達には想像以上の理解力、新しいことへの好奇心、関心があり、この若い時期に減塩(適塩)を含め食習慣の 教育を行うことが、将来の高血圧などから引き起こされる心血管病予防への最短の近道であると感じた。また、児童、 生徒を教育することで、周囲の大人、特に若い母親世代の理解も増し、家庭食の減塩化も期待できる。学校医の仕事は 健診よりも予防教育に力点を移すべき時期かも知れない。今後、減塩(適塩)の食育の普及が望まれる。 44 減塩にチャレンジ! 呉市立昭和東小学校 奥田 真美,尾久葉 則子,大倉 将也,大藤 裕太朗,大畠 蓮司,大盛 真弥,進藤 翼,濵﨑 太翔, 荒谷 夏実,大田 怜奈,大畠 真衣,川嵜 乃愛,進藤 怜奈,森本 愛菜 減塩への取組にあたっては,まず保健の授業において,児童に生活習慣病について指導を行った。食塩の過剰摂取が さまざまな病気を引き起こすことを理解させるとともに,身近な食品に含まれている食塩を計量し 1 日の摂取目安と比 較させることで,自分自身の食生活を振り返らせた。 また教育講演会では,地域の方や保護者と一緒に学校医の先生から食塩の過剰摂取による体への影響についての話を 聴き,それをもとに,自分たちはどのように取り組んでいけばよいかを考えさせ,記録をとりながら実践させた。 さらに親子料理教室では,減塩に良いオリジナルのみそ汁を考えさせ,学校栄養士とも連携を図りながら,具材や調 味料を工夫したみそ汁を作った。 そして,これらの取組を通して考えたことや感じたことを作文やポスターに表現したり,研究したことをまとめて他 学年児童に啓発させたりした。 この間,家庭との連携を図り,減塩についてさまざまな工夫や協力が得られた。これらの取組を通じて子どもたちの 減塩への意識がどのように変化したかを,尿検査結果とともに考察した。 - 90 - 45 Let's 減塩レシピ集!! 呉市立呉高等学校 秋月 碧海,鴨川 瑞樹,古江 梓 私たちは高校生の減塩への取り組みとして,1 週間分の減塩レシピを考えました。 現在の食塩摂取量を調べたところ,男性の平均摂取量は約 12g,女性では約 10g ということが分かりました。そこで 私たちは厚生労働省の目標とする 1 日の摂取量が男性 9g,女性 7.5g 未満を元に一日三食,一週間分の高校生向けのレ シピを考え,実践してみました。 46 チャンプルースタディの研究成果に基づいた学校給食レシピの開発と評価 1 2 3 沖縄県学校栄養士会, 西大学院, 琉球大学大学院医学研究科 1 3 2 1 1 1 1 根川 文枝 ,等々力 英美 ,西大 八重子 ,大城 綾乃 ,加賀美 絢子 ,親泊 まどか ,金城 愛香 , 1 1 1 1 1 2 底田 春奈 ,幸地 麻史子 ,石川 理恵 ,安里 奈都子 ,稲垣 夏子 ,上野 奈緒子 目的 チャンプルースタディは、沖縄野菜が主な食材となっている伝統的な沖縄食を基にして、現代的なレシピを開発 しそれを対象者に食べてもらい、その健康への影響を評価するという食事介入研究である。これまでの 5 年間の研究に おいて、高血圧・肥満リスクの低減の科学的エビデンスが得られている。近年、小児肥満や小児生活習慣病が問題となっ ているが、その予防のための学校給食レシピ開発とその科学的検証はほとんど行われていないのが現状である。今回は、 チャンプルースタディの結果をベースにした減塩と摂取エネルギー低減(野菜摂取量の増加)に着目した学校給食レシピ の開発とその評価を行った。 方法 沖縄県内の小中学校の学校給食現場の管理栄養士がチャンプルースタディの結果に基づいて減塩と摂取エネル ギー低減(野菜摂取量の増加)を行った学校給食レシピを作成(32 レシピ)し、実際にそのレシピによる試食の評価を、 一般人を対象に行った。また、32 レシピの中から、特に、8 つのレシピを選択し、児童と両親等が試食し、評価を行った。 対象者は沖縄県南部地域に居住する 10 家族(子供 17 名、親 10 名)および一般人 21 名であった。児童は 6-12 歳、親は 30-40 歳台、一般人は 20-60 歳台であった。レシピは、学校給食摂取基準に従って作成された。対象者へ塩分、甘み、酸味、 旨味について自記式官能試験調査票を配布し記入を依頼した。低学年児童に対しては親または管理栄養士が聞き取りを した。 結果 1)今回のレシピと学校給食摂取基準との比較を行うと、1 食あたりの野菜合計量は 2.2 倍多く(220g)、食塩摂取 量は 20% 減(2.4g)、摂取熱量(700kcal)は同一水準であった。 2)野菜が好きな大人は 80%、子供は 50% であった。 3)通常の学校給食で今回のレシピで殆ど食べるが、大人が 90%、子供が 70% であった。 結論 減塩かつ、野菜が通常の基準よりも多い学校給食レシピであっても、学童において受容しうる可能性が得られた。 - 91 - 47 美味しい減塩食が意識を変える ~被災地での減塩啓発活動を通して~ 1 2 国立循環器病研究センター 臨床栄養部, 国立循環器病研究センター 生活習慣病部門長 1 1 1 1 1 1 1 橋本 亜由子 ,大川 美子 ,川島 のぞみ ,上ノ町 かおり ,高木 洋子 ,竹田 博幸 ,村井 一人 , 1 2 中谷 武嗣 ,河野 雄平 【目的】東北地方は塩分の摂取量が比較的多く、脳卒中を始めとする循環器疾患のリスクが高い地方であることが知られ ている。さらに、昨年の 3 月 11 日東日本大震災発生以降、被災地においては保存食を中心とした塩分の多く含まれる食 事を余儀なくされ、生活不活発状態も続いている事から、今後の東北地方における循環器疾患の罹患率の増加が懸念さ れている。また、当センターから被災地へ調査チームが赴いた際、循環器疾患予防の観点から、減塩を中心とした啓発 活動の必要性が認識されたこともあり、減塩を中心とした啓発活動を現地で行うこととなった。 【取り組み・結果】減塩を中心とした啓発活動の必要性から、今日まで二度にわたり当センターの多職種からなるチーム が岩手県栄養士会、医師会と共に現地での啓発活動を行った。一般的に減塩食は味が薄く美味しくないというイメージ だが、当センターで提供しているエネルギー 500 ~ 600kcal、塩分 2g 未満の減塩食は患者や医療スタッフから評判が 良い。そこで、美味しい減塩食を活動の媒体に出来ないかと考え、当センターの減塩食の試食や、調理師長による調理 工夫に関する調理講話を行った。試食後のアンケートには「減塩なのに美味しい」 「食材本来の味わいを味わえた」 「いか に普段濃い味を食べているか思いしらされた」 「実践したい」という意見があり、減塩食へのイメージや取り組みへの意 欲に変化がみられた。この度の減塩啓発活動を通して、「減塩でもおいしい」ことを身近に感じてもらえ、減塩への関心 が高まったと思われる。 【今後の展望】岩手における減塩啓発活動は参加者から好評であり、今後の継続的な開催を希望する声もある。「減塩は 美味しくない」というイメージの改善とそこから実際の行動へとつなげるためには長期的な働きかけが必要である。当 センターの減塩食のノウハウをもとに今後も、様々な形で活動を行っていく予定である。 48 24 時間蓄尿を導入した減塩指導コース参加による減塩行動が血圧管理に効果的であった一症例 1 2 自治医科大学附属病院 臨床栄養部, 自治医科大学医学部 内科学講座循環器内科部門 1 1 2 2 2 佐藤 敏子 ,小野口 敦子 ,中野 真宏 ,星出 聡 ,苅尾 七臣 【目的】当院では高血圧専門外来において管理栄養士による減塩指導コース(5 回シリーズ)を開設している。24 時間蓄尿 により推定食塩摂取量を確認、食塩摂取評価票及び食物頻度調査(FFQ)による食塩過剰摂取の要因に対する減塩方法を 指導、併せて現在のライフスタイルを尊重しながら減塩を習慣化していただくことを目的としている。 今回、食塩摂取量が 10g/ 日以上でありながら、調理方法や味付けの工夫により減塩行動が習慣化し、結果として血圧 管理に有効であった症例について報告する。 【症例】70 歳女性、本態性高血圧 2005 年ころより健診にて高血圧(収縮期血圧 140mmHg)を指摘された。2007 年 9 月に家庭血圧測定にて収縮期血圧 195mmHg であり、救急外来を受診しカプトプリルを処方された。その後、自宅にて血圧を測定しているもの平均収縮 期血圧が 150mmHg あり、循環器内科を受診した。カルシウム拮抗薬、ARB にて治療継続されてきたが、生活習慣を見 直す目的で減塩指導コース受講となった。 開 始 時 の BMI 23kg/m2、LDL-C 143mg/dl、24 時 間 自 由 行 動 下 血 圧 測 定(ABPM)に よ る 24 時 間 平 均 血 圧: 133/79mmHg 脈拍 68bpm,24 時間蓄尿による食塩推定摂取量は 10.6g/ 日、過剰摂取要因は味噌汁、調理上の食塩(夕 食副食 6 品以上)であり、副食の調理法・味付け方法を中心に指導を開始した。減塩用調味料の使用は否定的であったた め、ご本人の実施できる調理法や味付け方法を推進した。知識及び減塩料理に対する意欲も高まり、積極的な減塩行動 が維持され、家庭血圧も良好であった。 減塩指導コース終了後、24 時間蓄尿による推定食塩摂取量は 4.8g/ 日。 ABPM による 24 時間血圧平均:122/71mmHg 脈拍 67bpm 【考察】長期にわたり 1 日 3 食とも手作りの食習慣を実行されており、1 日で 5g 以上の減塩を実践するためには、蓄尿か ら摂取食塩量を認識、ライフスタイルを尊重し実践可能な栄養指導プランが効果的であったと考えている。 - 92 - 49 減塩を意識づけるために -減塩を意識した患者を通して- 1 2 3 4 日下医院 看護チーム, 日下医院 検査室, 日下医院 事務, 日下医院 1 1 1 1 1 2 2 箱嶋 久美子 ,作山 加代子 ,尺田 純子 ,小根森 洋子 ,古本 れみ子 ,加治木 香純 ,礒崎 志乃 , 3 3 3 4 江川 佳美 ,谷 一子 ,菊川 めぐみ ,日下 美穂 [背景]減塩が必要であることは知っていても、具体的な方法がわからないことが多い。また、社会も容易に減塩できる 環境ではない。 [症例]患者:O.K. 62 歳 女性、高血圧。初診時:血圧 157/94mmHg,体重 58kg ブロプレス 4mg 内服。 高血圧を「薬に頼らないで、食事で改善したいが具体的な改善方法はわからない」と受診。患者に対して、一般的な食事 指導と共に具体的に美味しい減塩・低カロリー食を町のレストランで体験するように指導した。呉市の周辺では、呉循 環器病研究会、広島大学循環器内科同門会と日本高血圧学会が推奨する 60 店の「こだわりのヘルシーグルメ Diet レスト ラン in 呉& in 広島」があり、塩分 2 ~ 3g,カロリー 400 ~ 600kcal の減塩・低カロリー食を提供している。これを実際 に食べてもらい、まずは、減塩食の味を知って手本にし、自宅でも減塩を試みるよう指導した。この日から患者は、減 塩を意識し始め、醤油は塩分 50% 減のものを使用したり、食塩は半分の量にするなど食生活を変えていった。また、実 際に「こだわりのヘルシーグルメ Diet レストラン」の減塩食を食べ家庭食に取り入れた。また、ウォーキングも、受診前 は週 3 回だったが週 6 回に増やし、30 分以上にするなど生活習慣の改善も積極的に行った。 [指導の結果]減塩を意識し、具体的にレストランで体験し、それをもとに減塩をしたことで 12 ヶ月で、157/94mmHg だった血圧は 113/78mmHg まで下がり、体重は 58kg から 56kg と 2kg 減量できた。そのため、投与していたオルメテッ クは 20mg から 10mg へ減量できた。患者は、減塩をすることで日々に経過が良くなるため、今では「食べることが楽しい」 と語っている。それは、結果が数値として目に見えてわかるからだと考える。患者が減塩を意識し、それに応えて社会 も減塩しやすい環境づくりをすることが今後も求められる。 50 透析患者の塩分管理における当院の取り組み 中央内科クリニック 安永 沙也香,黒飛 佳子,川合 淳,川合 徹,草野 由恵 透析患者の過剰な体重増加は、心臓や血管に大きな負担をかけ、生命予後を左右する。安全で安楽な透析を長続きさ せるためにも、体重管理は重要である。当院では、体重増加の原因となる塩分コントロールが最大の課題であると考え、 定期の栄養指導、ベッドサイド指導時において減塩についての指導を行なっている。今回はその指導内容について報告 する。 1. 塩分と水分の関係について説明する 「 体重を抑えるのに、なぜ塩分制限が必要なのか 」 と疑問を感じている人が多い。そういった患者さんに対し、塩分と 水分の関係について説明する。 2. 食事記録と会話から塩分摂取量を算出し、減塩アドバイスをする 3 日間の食事記録と患者さんとの会話から、塩分摂取量を算出する。料理をする人には、計量スプーンや香辛料等の 使用を勧め、外食の多い人には外食時の減塩ポイントを説明する。共通して、1 日における塩分の目安量や調味料に含 まれる塩分量、塩分を多く含む食品や料理を確認し、必要に応じて減塩商品を紹介する。 3. 減塩レシピの作成 月に 1 度、1 食塩分 2g 以下のレシピを作成し、自由に持ち帰れるようにしている。始めはメインの紹介のみであったが、 患者さんから「この料理に何を組み合わせたら良いか分からない」という意見をいただき、現在は 1 食分でレシピを作成 している。「作ってみた。おいしかったよ。」 「毎回持って帰って参考にしている。」とコメントをいただくこともあり、患 者さんと栄養士との貴重なコミュニケーションツールの 1 つともなっている。 食事管理が患者さんのストレスとならないよう十分配慮し、患者さん個々に応じた実現可能な減塩法を共に考え、提 案できる、そんな栄養士を目指して、これからも透析患者の体重管理に努めていきたい。 - 93 - 51 クリニックにおける高血圧症患者への減塩指導について 医療法人坂東ハートクリニック 藤原 育代,坂東 正章 背景:クリニックで減塩指導を行う場合、患者の食事から塩分摂取量の把握は、聞き取り調査で推定する方法をとって いる。実際家庭で摂取する塩分量の認識度は低く過小評価されている。今回塩分摂取量簡易測定器を活用することによ り認識度を高め、減塩管理を効果的にし、実践努力をアップすることができると考えた。 対象:当院受診の高血圧症患者で医師により減塩指導が必要と認めた患者。 方法:塩分摂取量の測定は、夜間尿(7 から 8 時間)を容器に入れ持参して頂いた。指導時に説明し、数回採取、採取日 の起床時の血圧と共に評価した。 結果:塩分摂取量の値は、自己評価より高く認識との違いを明確化できた。高血圧管理の塩分目標量 6g 未満を達成出来 た患者は、明らかに血圧の低下を認めた。 一例を挙げる。64 歳、女性、初回受診時 178/110mmHg,CCB で治療開始、食事相談で食事評価をした。測定値を確 認しながら減塩を実践継続した。(指導後の摂取塩分量 5.5g,7.2g,6,2g)4 ヶ月経過し血圧も下がり休薬出来ている。 気温の上昇が見られる頃に来院中止できる予定でいる。高齢者の場合も、長い食習慣があり厳しい塩分制限は難しかっ たが平均 8 〜 9g(約 2g の低下)を示した。機器の利用により塩分摂取量の評価が明確になり実践努力がアップした。こ のことにより血圧も明らかに低下し、減薬、投薬が不要になった患者も増えてきた。 結語:今まで指導での塩分摂取量の評価は、聞き取りで推定していた。高齢者は、記憶も明確でなく推定の値しか取れ なかった。しかしこの機器を利用することにより患者自身による評価を可能にし、実践努力への行動変容がみられた。 自己の塩分摂取量を知ることは、実践努力のアップに繋がることと血圧低下を認識させる手段として効果的であると考 える。 52 食塩摂取量簡易測定器を利用した高血圧予防のための個別支援の試み JA 広島総合病院 健康管理センター 野村 恵美,林 直子,長田 恵美子,東 千穂,増本 順子,川村 洋子,久保 知子,碓井 裕史 【目的】食塩の過剰摂取と高血圧の関係はよく知られており、高血圧予防に減塩が推奨されている。そこで、摂取した食 塩量を尿で簡単に推定できる機器を用いて、高血圧予防のための個別支援を試みた。 【対象と方法】広島県西部地域の職域健診の血圧測定で、正常高値血圧、Ⅰ度高血圧、収縮期高血圧と判定された 50 名 に対し、高血圧予防の講演をおこなった。その中で、食塩摂取量、家庭血圧を測定して高血圧の予防・改善を希望する 者 20 名に、それぞれ 1 ヶ月、2 ヶ月間測定してもらった。また、期間中、減塩のポイントを記載したリーフレットを作 成し送付した(集団支援)。測定終了後、個別指導を希望した 5 名は、集団支援中に測定した食塩摂取量などをもとに保 健師による個別面接を実施し、アンケートを行った(個別支援)。これらの人には食塩摂取量、家庭血圧をさらに 1 ヶ月 間測定してもらった。食塩摂取量は、夜間尿を電子式食塩センサー(減塩モニタ)で測定して推定した。家庭血圧は市販 の血圧計を提供して各自で測定してもらった。 【結果】個別支援を希望した 5 名のデータを検討した。 アンケートでは減塩の取り組みの動機として「減塩モニタを使用したこと」と全員が回答した。個別指導により 「 薄味に 気を付けるようになった 」、「 野菜を多く摂取するようになった 」、「 運動をするようになった 」、「 調味料を減塩調味料 に変えた 」 と答えており具体的な行動変容がみられた。また、食塩摂取量は個別指導をした 5 名中 3 名に低下がみられた。 【結語】食塩摂取量自己測定は、フィードバック効果により、減塩に対する意識の向上、減塩を始める動機付けとなった。 さらに個別支援として、個々の生活に応じた指導を行うことで減塩行動につなげることができ、食塩摂取量の低下がみ られた。 - 94 - 53 減塩食導入にて低ナトリウム血症を発症し治療に難渋した高血圧の 1 例 中電病院 内科 中河 啓悟,石橋 克彦,金 宣眞,石飛 朋和,鍋島 由宝,河村 寛 減塩食導入は高血圧診療において効果的かつ安全に施行可能であることから第一選択的に導入すべき治療方法である。 しかしながら今回我々は減塩治療導入にて低ナトリウム血症を来たし治療に難渋した症例を経験したので報告する。 症例は 77 歳女性。ARB、サイアザイド、Ca 拮抗薬、αブロッカーの 4 剤併用にて投与されるも治療抵抗性の高血圧 となったことから精査加療を希望され当院受診された。受診時血圧 160/80mmHg,血清クレアチニン値 1.24mg/dL、 2 eGFR 32.7mL/min/1.73m と CKD stage III の腎機能低下を認めた。二次性高血圧の除外診断のため Ca 拮抗薬以外を 中断し減塩 6g 食を開始したところ、血清 Na 濃度が 122mEq/L まで低下し、やむなく血清 Na 濃度を 130mEq/L 以上を 維持するように塩分摂取量を 9g → 11g と漸増した。画像診断にて副腎腫瘍は認めなかったがフロセミド負荷試験にて 負荷 2 時間後のレニン活性 0.7ng/ml/hr、およびカプトプリル負荷試験にて負荷 90 分後の血漿アルドステロン濃度 / レ ニン活性が 206 であったことから原発性アルドステロン症の暫定診断に至った。また尿中ナトリウム排泄量、バソプレ シン血中濃度等の結果より、腎機能低下の存在のため確実な診断には至らなかったものの SIADH 合併の可能性が示唆さ れた。 1 日塩分摂取量を Na 濃度が維持できるように 11g に維持しつつ Ca 拮抗薬にスピロノラクトンを追加投与することで 血圧をコントロールすることが可能となった。 54 ~これであなたも減塩名人 !? ~ 体験型減塩教室の取り組み 1 2 国立病院機構九州医療センター 栄養管理室, 国立病院機構九州医療センター 高血圧内科 1 1 2 2 2 増田 香織 ,池本 美智子 ,鬼木 秀幸 ,清原 嘉奈子 ,土橋 卓也 当院では高血圧内科と栄養管理室との共催で年 10 回ほど高血圧教室(集団指導)を開催しており、うち 1 回は「実践編」 と称した患者参加型の教室を取り入れている。講義による知識の習得だけでは減塩の実践方法が理解できない者も少な くないと思われることから、具体的な減塩方法を体験することが重要と考えている。そこで今回、体験型減塩教室の取 り組みについて報告する。 平成 23 年 12 月に行った教室に参加した者は 29 名(男性 10 名、女性 19 名)で、年齢層は 60 代以上の者が多かった。内 容としては、汁物の飲み比べ(減塩タイプのものを選ぶコーナー)、2 択クイズ(食塩量が少ない料理を選ぶコーナー)、 食塩含有量の確認(陳列した食品の食塩量を確認するコーナー)、栄養成分表示の理解(Na 表示から食塩量を換算するコー ナー)、塩ひとつまみの計量(自分の塩ひとつまみが何グラムか確認するコーナー)などのコーナーを設け、参加者が各 コーナーを回りながら回答、体験する方式とした。汁物の飲み比べでは減塩味噌汁の正答率 72%、減塩すまし汁の正答 率 80% と比較的高い正答率であった。一方、食塩量が少ない献立を選ぶ 2 択クイズでは「和風おろしハンバーグ vs デミ グラスソースハンバーグ」、「肉野菜炒めにかけるもの:焼肉のたれ vs 酢醤油」、「しゃぶしゃぶ(ごまだれ)vs 水炊き(酢 醤油)」などで間違いが多く、調味料で減塩の工夫をすることについての理解度が不十分であった。 参加者からは「調味料の使用量を減らすだけでなく、だし汁のうま味を活かした調味の大切さを実感した」などの意見が 聞かれ、講義形式の教室と異なり、患者同士が意見交換しながら参加できる活気ある教室となった。体験型減塩教室の 開催は参加者の食事療法に対する動機づけやその維持に有効な可能性がある。今後も日常生活で利用可能な減塩方法を 提案し、患者個人の生活スタイルに即した減塩手法が習得できるよう取り組んでいきたい。 - 95 - 55 シティーホテルにおける「減塩 2g 弁当」作成の試み ~ホテル内会議およびケータリングでの利用~ 1 2 3 4 篠田総合病院 循環器科, 済生会山形済生病院 栄養部, 篠田総合病院 栄養科, ホテルキャッスル 1 2 3 4 4 4 4 池田 こずえ ,岡田 まさえ ,木村 利枝子 ,木村 哲夫 ,伊藤 啓 ,山内 正徳 ,坂入 文人 【目的】高血圧治療ガイドラインにおいては高血圧患者の 1 日あたりの食塩摂取量は 6g 未満となっているが、日常生活、 特に外食においては 1 食あたりの食塩量が 5g を越すことも稀ではない。今回、われわれは、シティーホテルでの会議用、 およびケータリングに用いられる「ごちそう弁当」を食塩 2g 以内、約 600Kcal で作成し、医療関係者等で利用した。 【方法】1 食あたり食塩 2g、熱量が約 600Kcal の「減塩 2g 弁当」の構想を医師が発案し、具体的なメニュー作成を山形市 のホテルキャッスルが行った。栄養量の計算は病院の管理栄養士が行った。2010 年度は和食・中華・洋食 I・洋食 II の 4 種、 2011 年度は和食・中華・洋食の 3 種の弁当を作成した。価格は 2310 円で、ホテルキャッスルの特注弁当として、ホテ ル内の会議、山形市内へのケータリング、およびテイクアウト(使い捨て容器 315 円加算)で利用された。 【結果】開発した医師・栄養士の事前試食で、減塩としたためむしろ素材自体の味が味わうことができる美味しい弁当で あることが確認できた。「『減塩でも美味しい』ではなく、『減塩だから美味しい』へ」をキャッチフレーズにして、「減塩 2g 弁当」の公式試食会を、2010 年度に 4 回、2011 年度に 2 回、医療関係者を対象に開催した。その他に、製薬会社主 催講演会、製薬会社主催の医療関係者向け勉強会、製薬会社社員向け勉強会、医師同士の会合などに、43 回利用された。 利用者からは、減塩でも美味しくできることがわかった、日常の調理にも工夫を取り入れたい、患者さんへの減塩指導 に自信が持てた等の感想がえられた。 【考案】今後も季節に応じたメニューの更新を行い、またホテルレストランで常時提供できるメニューの開発へつなげて いきたい。 56 脳卒中後遺症者も“食”を楽しむ為に~『健康』で人と人とを繋ぐ『健康の架け橋プロジェクト』 医療法人社団 KNI 北原国際病院 三浦 祐輔,笠原 稔也,熊崎 まり子,内田 成美 【はじめに】予防の観点から当院が中心となって「健康のまち八王子」をテーマに、八王子を健康でつなぐ『健康の架け橋 プロジェクト』を立ち上げた。『予防の意識改革』 『八王子まちおこし』をおこなうことを目的としたプロジェクトで、そ の第一歩として『食』に注目し、今回飲食店と病院が協力して、2 月 15 日に健康食(減塩、減 kcal)セミナーを開催した。 健康食セミナー参加者は 17 名、内 3 名は脳卒中後遺症者。今回脳卒中後遺症者が健康食セミナーに参加した現状につい て報告する。 【症例紹介】75 歳、男性、1997 年に左被殻の脳梗塞を発症。高脂血症、糖尿病(HbA1C6.5)、高血圧の指摘を受けている。 パナルジンを内服。日常生活機能評価(以下 ADL)、家屋内 ADL は自立。屋内は独歩自立、屋外の移動は T-cane 使用に て自立。 【セミナーの様子】今回提供した健康食は見た目、薄味などの健康食のイメージを払拭できたと好印象の意見が多かった。 しかし、店内の通路の狭さやテーブルが高く食器に手が届かないや食器の形状、素材によっては食べ物が滑ってしまい フォークやスプーンが必要であったなど脳卒中後遺症者には環境的な問題が浮き彫りとなった。 【考察】健常者だけでなく、脳卒中後遺症者も健康食への関心、需要が高いことを知ることができた。脳卒中後遺症者も 健康食に興味を持てるように、環境を設定する必要がある。外食は脳卒中後遺症者にとって外出のきっかけとなり、ま た見た目からも食事を楽しむことで感情に働きかけることができると考える。 【まとめ】脳卒中後遺症者は高血圧などの既往を患っており、塩分制限などの食事制限、食事の管理が必要である。その 為にも飲食店と協力して、脳卒中後遺症者も安心して、安全に、楽しく食事をする環境を提供していく必要がある。健 常者も、障がい者も同じ空間を共有していく世の中を広めていきたい。 - 96 - 57 安心して、楽しめる食事をめざして 近江八幡のドクターズレストラン 1 2 近江八幡市立総合医療センター, ホテルニューオウミ 1 2 1 東森 佳子 ,小谷 明宏 ,八田 告 【背景】当医療センターは滋賀県の琵琶湖に面した、近江八幡市に、東近江医療圏の中核病院として機能する急性期病院 である。平成 18 年から腎センター長の腎臓専門医、八田告部長の指導のもと、チーム医療により CKD の診断や治療が、 延 700 余名に対して行われている。また毎年八田医師を中心に行われている一般市民対象の講座は、今年度は 400 名の 参加者に、医師・看護師・管理栄養士の講演が行われ、減塩の大切さをアピールしている。しかし、この地域でも、外 食では塩分管理が不安で、その機会を敬遠しあきらめるなど患者や家族の現状がある。 【目的】季節感や地元の食材をいかして、『ご家族と一緒に安心して楽しめる食事』を提供しよう。 【方法】日本人の栄養摂取量(2010 年版)や CKD のガイドラインをふまえながら、ホテルニューオウミの和食レストラン 料理長小谷明宏氏の献立を、彼の日本料理と地元の食材へのこだわりを重視して、塩分やエネルギー・タンパク質量な どの栄養素を中心に調整を行った。2009 年秋から『おいしい塩分 3g 500kcal』の日本料理は、四季に合わせて味や盛り 付けにこだわった、ホテルの空間で家族と一緒に安心して楽しめるランチとディナーとして完成している。 【結果と考察】食事療法に取り組む患者や家族に『特別な日の食事』として安心と楽しみを提供している。また、メディア に公開されたことから、診療所の患者会のイベントやコメディカルの勉強会にも利用された。これらをきっかけに、塩 分管理への関心は家庭の食事から外食まで高まっていると考えている。 58 病院と飲食店が連携した健康食プロジェクト・セミナーの報告 ~「健康」で人と人とを繋ぐ「健康の架け橋プ ロジェクト」~ 1 2 医療法人社団 KNI 北原国際病院 リハビリテーション科, 医療法人社団 KNI 北原国際病院 看護科 1 2 1 1 笠原 稔也 ,熊崎 まり子 ,三浦 祐輔 ,内田 成美 【はじめに】医療が進歩し続ける中、生活習慣病をもとにした疾患は増えてきている。日本では国民皆保険に守られてい ることもあり、予防の概念が弱い。そこで健康を学び、意識できる環境を作ることで、市民の予防に対する意識を向上 できると考え「健康の架け橋プロジェクト」を立ち上げた。今回はその第一歩として、健康食(減塩、減 kcal)の試食を 含めたセミナーを実施したので、プロジェクトとともに報告する。 【健康の架け橋プロジェクト概要】病院と飲食店が連携して健康食を考案し、「健美食(美しく、美味しい健康食)」として 病院が認定して、飲食店で食べることができるようにする。また、健美食を食べるだけでなく、健康・予防を学べる場 をつくり、意識づけとそれをサポートする環境をつくり、市を巻き込んで、まちおこしをはかることを目的としている。 【健康食セミナー内容】全 2 回実施し、第 1 回:飲食店関係者 11 名、第 2 回:健康に興味のある市民 17 名が参加した。 内容は 1. 講義(理学療法士、管理栄養士、看護師)、2. 健美食の試食、3. ワークショップを行った。健美食の条件は 1 食あたり 1. 700kcal 程度、2. 塩分 3g 程度、3. トランス脂肪酸を含む油を使用しない、4. 野菜を 100g 以上使用すると した。 【結果】セミナーは健康食への意識付けと需要を確認する目的で行った。アンケート結果より健康食の需要は飲食店・市 民ともに高く(100%)、プロジェクトも多くの賛同を得た(96%)。また味が薄い、美味しくないという健康食のイメー ジを払拭して「健美食」を広めることができた。 【今後の展望】健美食を食べることのできる飲食店の店舗数を増やし、ネットワーク上で管理するシステムを作る。また 健美食セミナーやグランプリイベントを開催して、健美食を広め、健康・予防への意識化を市が一つとなって行い、ま ちおこしとして継続できるシステムへ構築していく。 - 97 - 59 当院の減塩食について ~家庭で簡単に実践できる減塩料理~ 1 2 呉市医師会病院, 手島医院 1 1 1 1 1 2 椋田 彩香 ,久保 晶子 ,原 七恵 ,筏 真知子 ,飯藤 茜 ,南 順一 高血圧症、心疾患、腎疾患などの基礎疾患を持つ人にとって、食塩の過剰摂取は疾患増悪につながる危険因子である。また、 がんにおいても食塩は胃がんのリスクを増加させると言われている。 国は、高血圧ならびにがんとナトリウム(食塩)摂取との関連を検討した疫学研究、最近の日本人におけるナトリウム(食 塩)摂取量の推移、欧米を中心とした諸外国における食塩摂取制限目標値などを参考にして、1 日に食塩摂取量を男性 9g 未満、女性 7.5g 未満にすることを目標としている。 また、日本高血圧学会の指針では 1 日 6g 未満を推奨している。 ところが、今日の日本人の平均塩分摂取量は 1 日当たり 10.7g である。 その約半分である 6g 未満にするにはかなり困難を伴うと思われる。 当院の塩分制限を必要とする治療食は 1 日 6g 未満、5g 以下、3g 以下と、3 段階に分けて献立が作成される。今回は高 血圧予防の観点から、1 日 6g 未満の減塩食を、おいしく食べられる料理にする工夫やコツを知っていただき、家庭でも 簡単にできるメニューを紹介したい。 60 外来生活習慣病患者への減塩の取組 医療法人社団まついクリニック 橋本 智子,倉田 華菜子,庄司 博美,白戸 真理子,松井 育子,松井 豊 目的)生活習慣病治療は食事栄養指導を中核と位置づけ、高血圧症の予備群に対しても診察時には医師・看護師・管理 栄養士の指導を実施する。また、減塩を中心に効果が得られるよう料理教室なども率先して取り組んでいる。高血圧治 療ガイドライン 2009 の食塩制限の目標は 6g/ 日未満であるが、その達成率は減塩を意識している患者の 2 割程度と言 われている。そこで患者の随時尿から食塩摂取量を評価し、有効な栄養指導の取り組み方を検討したので報告する。 方法)外来患者に随時尿での Na,Cr 測定と Na/Cr 比から塩分摂取量評価を用いて指導した。 結果)指導と塩分摂取量評価を継続的に実施することで、食塩摂取量が低くなる傾向が得られたが、摂取量が 6g 未満を キープできる患者は少なかった。また、塩分摂取量が変わらない患者や摂取量の変化が大きい患者も存在した。 考察)随時尿から塩分摂取量を測定し、指導に用いたことで、指導者側には指導効果が、患者側には減塩に取組んだ結 果が目に見えて分かり、患者の行動変容のきっかけや継続する活力になったと考えられる。しかし、栄養指導の介入に も関わらず行動変容段階の準備期から実行期へ移せず、塩分摂取量の変わらない患者や、6g 未満を継続できる患者も少 なかった点から、さらに一歩踏み込んだ新たな指導方法の確立が必要であると考えられた。 結語)随時尿からの塩分摂取量評価は行動変容の第一歩に有効である。 - 98 - 61 減塩が簡単に実行できるパン食を目指して ~朝ごはんから始めるもりもり元気~ 1 2 医療法人社団まついクリニック, dans marché 1 1 1 1 1 1 2 倉田 華菜子 ,橋本 智子 ,庄司 博美 ,白戸 真理子 ,松井 育子 ,松井 豊 ,中市 浩嗣 目的)朝食の実態把握をするため朝ごはんアンケートを当院で実施した結果、パン食の比率が約 6 割と多くを占めた。こ れよりパン食がより身近であることが分かった。またパンのみで食べられている傾向がありバランスも危惧された。今 後、メタボリック症候群の予防・治療において、栄養教育の際に減塩をベースに朝食のバランスに注目する必要があった。 そこで当院ではパン製造販売業者の協力を得て、目に見えぬ塩を減らした新たなパンを考案したので報告する。 方法)明石・神戸、大阪間に 12 店舗を構えるパン製造販売業者と共に、1. 極力塩分をカットすること。精製塩よりもビ タミンやミネラルが多い天然塩を使用すること、2. 美味しいことの 2 点に注目し考案した。また低 GI の食材やカリウム、 食物繊維が豊富に含まれる食材にも注目した。 結果)試作 1)白パン、胚芽パンを作製した。白パンでは塩分をカバーするため、甘めのパンに出来上がった。試作 2)え びパン、かつおパン、いりこパンを作製した。試作 3)玄米食パンと十二穀食パンを作製した。 考察)当院の食事療法は「家族みんなでもりもり元気に食べられる減塩食」を基本とし、個別栄養指導以外にも料理教室 をはじめとする栄養教育を実施している。加工食品であるパンには目には見えぬ塩分が含まれ、食パン 6 枚切り 1 枚で 0.8g に相当する。パンはバター、スープ類、塩蔵肉、チーズ、サラダ(ドレッシング含む)等、塩分の高い食材や料理と 共に食べる事が多い主食である。塩分の高い食材や料理をただ「控える」、「残す」といった従来の指導だけではなく、主 食であるパンの塩分を実際に減らしたことで、主菜、副菜の食材や調理の選択の幅も広がった。その為、減塩食実行へ の負担が軽減され、塩分 6g/ 日が可能になると考えられる。 結語)目に見えぬ塩をパンから減らすことで、食事全体の食塩量、すなわち目に見える塩に切り替えた事で、減塩への 行動変容に強く働きかけると期待される。 62 商品名 海のペプチド「おいしいだし」で手軽に減塩しませんか! 簡単‥入れるだけ、便利‥和・洋・中 何 でも使える万能だし調味料、安心‥100% 天然素材 塩分・糖・脂肪分・旨味成分を一切加えないすぐれもの 個人 岡崎 和子,堀江 明美 【原点】 「万物全天寿帰海 一尾の魚を丸ごと無駄なく自然な方法で」をモットーに試行錯誤し、40 年の歳月をかけて開発。 【製法】原料のイワシ、カツオ、昆布と無臭にんにくを「真空」 「圧力」 「ろ過」の自然に学ぶ独自の方法で粉末化したもの。 【特徴】 ・たん白質が低分子(ペプチド)化されているので、赤ちゃんや高齢者、アレルギーの人も安全で安心して使えま す。・自然なおいしさは毎日食べても飽きることがありません。・低脂肪のため長期間常温保存が可能。・災害時の備蓄食 (栄養スープとして)になります。 【愛用者の感想】 ・ 「おいしいだし」を少し多めに使うことによって砂糖、塩、醤油、みりんなどの調味料の使用が大幅に 減少した。・家族の不人気だった味噌汁をこの「おいしいだし」で作ったら 2 歳の息子が一口汲う毎に“オイチー”を連発、 毎日作るようになった。・煮物はだしを取るのが面倒 ・・・ と敬遠していたが「おいしいだし」で手早く、おいしく作れるの で油を使った料理が減って和食が増えダイエットになった。・ 「おいしいだし」を使った薄味の料理に慣れると濃い味の外 食をしなくなった。 【私からの提案】今度、日本食がユネスコの無形文化遺産に登録申請されることをご存知でしょうか、和食は発酵とだし の文化だといわれています。天然醸造の調味料と天然素材のだしの旨味で旬の食材の味を引き出し調和させた汁物(吸物) 煮物が和食の原点です。皆さん昔から代々受け継がれてきた、おふくろの味『味噌汁』をいつの間にか忘れかけていませ んか、長崎の被爆医師、秋月辰一郎先生も 20 年間味噌の研究を続けてこられた広島大学名誉教授、渡辺敦光先生も日本 人の健康の源は味噌汁だと結論づけておられます。365 日毎日食べても飽きない(日本人の DNA に深く刻み込まれてい る)我家のおいしい味噌汁で健康家族を目指しませんか。 - 99 - 63 美味しい減塩。醤油・みそを活用した食のススメ。 福萬醤油 代表 大浜 大地 福岡市天神でしょうゆティスティングバー『福萬醤油』を運営しています。 醤油は大豆、小麦を塩で保存、しょうゆ麹菌が 6 ヶ月以上の醸造過程を経てアミノ酸とアルコールに分解する日本の発 酵調味料です。生産地域の違いとしては北へ行けば塩っぱくなり、南へ行けば甘くなると云う風土を持っています。 昨今は減塩しょうゆなどが販売されていますが、濃い口しょうゆ 100ml 当たりの塩分濃度は全国平均で約 18% です。つ まり 100ml で 18 グラムの塩分を持っています。 市販流通している 1 リットルの醤油で換算すると 180g の塩になります。 多量の塩分を含んだ醤油を減塩におすすめする理由は『食をすすめる香り』、『天然アミノ酸摂取』にあります。 福萬醤油では、商標登録商品である『スプレー醤油 塩分 17%』をおススメしています。 ワンプッシュ 0.03ml 〜 0.01ml という少量で使用できるスプレー型の醤油です。 しょうゆはワインや日本酒などと同じ発酵食品であり、共通して得る成果物は『香り』です。 ワインは 1 本に香り成分が約 70 種類。醤油のそれは 300 種類を超える香りが記録されています。 つまり、塩味だけではなく香りで食をすすめる調味料なのです。 また、世界初となる塩分 0% 仕込み醤油『ソイゼロ』の販売を昨年から始めました。 医療業務用として十数年活用していた塩分フリー醤油をスプレー型にて提供しています。 小麦や大豆に含まれるミネラル分を含めると 100ml 当たりの塩分濃度は 0.3% 以下です。 このしょうゆ発酵調味料は、通常の濃い口醤油に比べ 1.5 倍多く天然アミノ酸を含有しています。 そのまま召し上がると少し苦く感じるほど旨味が強いお醤油です。 焼き物や椀物に活用いただくと、醤油の香り、旨味だけが加わります。 64 美味しい減塩を可能にする調理の工夫と新規減塩調味料 1 2 福岡女子大学大学院人間環境学研究科 栄養健康科学専攻, 福岡女子大学人間環境学部 栄養健康科学科 1 1 2 2 1 1 船元 智子 ,高橋 彩夏 ,石川 温子 ,内薗 洋子 ,松永 泰子 ,早渕 仁美 高血圧治療ガイドライン(JSH2009)では、高血圧患者の減塩目標値が 1 日 6g 未満となっているが、日本人の食塩摂 取量は 1 日あたり平均 11g 前後であり、高血圧であっても十分な食塩制限ができていないと考えられる。 そこで、日本高血圧学会減塩ワーキンググループが作成した 「 高血圧患者さんのための減塩食レシピ 」(小冊子)を用 いて、1 日の食塩摂取量を 6g に抑えるための調理の工夫について、献立構成・調理法・食材・栄養面から分析した。また、 減塩食レシピ中の調味料を、新規減塩調味料(NaCl の一部を KCl で代替し、極微量のポリグルタミン酸で味を調整した、 味噌 ・ 醤油 ・ 塩・コンソメ ・ 中華風スープの素等)に換えて美味しい料理になるか、そのための使用量と調整法を検討し てレシピを作成、元レシピ栄養価と比較した。 減塩食レシピの献立構成は、主食と主菜各 1 品、副菜 2 品(具沢山汁物を含む)で、1 日(3 食分合計)1,750 ~ 1,900kcal になっていた。調理には、素材の味やだしの旨味、酢の酸味を活かす工夫、焼き物の下味には香辛料を効かせ焦げ風味 を加えるなど、食塩(ナトリウム)の使用が最小限に抑えられており、野菜・海藻・茸の使用でカリウム量が多くなって いた。 また、減塩食レシピの調味料を新規減塩調味料に換えて、同等またはより美味しい味にするには、新規調味料を同量(味 噌のみ 7 割)用いればよいことを確認した。新規調味料に換えたレシピの 1 日当たり食塩相当量は、6.18 ± 0.44 → 4.61 ± 0.72g で約 25% 減に、カリウム量は 2,999 ± 172 → 3,947 ± 217mg に増えることがわかった。 調理の工夫と新規減塩調味料の活用によって、美味しさを損なうことなく、1 日の食塩摂取量を 5g 以下に抑えること の可能性を明らかにした。 - 100 - 謝 辞 減塩サミット in 呉 2012 を開催するにあたり、多くの企業の方々にご支援をいただきました。 ありがとうございました。深謝申し上げます。 減塩サミット in 呉 2012 代表 日下 美穂 協賛企業・団体 児玉クリニック アステラス製薬株式会社 株式会社小松薬局 アストラゼネカ株式会社 塩野義製薬株式会社 アロフト株式会社 有限会社瀬戸鉄工 有限会社石野水産 ゼリア新薬工業株式会社 株式会社井上書店 医療法人千寿会平林内科医院 胡井油業 第一三共株式会社 MSD 株式会社 大日本住友製薬株式会社 株式会社エムケイ興産 大鵬薬品工業株式会社 オタフクソース株式会社 株式会社第一ホテル九州 呉阪急ホテル事業所 オムロンコーリン株式会社 高尾神社 小野薬品工業株式会社 宝酒造株式会社 海人の藻塩・蒲刈物産 田中食品株式会社 株式会社カネゴフーズ 田辺三菱製薬株式会社 株式会社かめびし 株式会社ツムラ 株式会社河野エムイー研究所 株式会社天満屋 協和発酵キリン株式会社 株式会社ナリスウィングス B&H 日下医院 日本水産株式会社 日下耳鼻咽喉科医院 日本光電工業株式会社 株式会社栗本五十市商店 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 クレイトン ベイ ホテル ノバルティス ファーマ株式会社 呉蔵元屋 株式会社博報社 呉森沢ホテル株式会社 医療法人飛翔会松田脳神経外科 株式会社クロスウェル ファイザー株式会社 有限会社コアフュール宮西 フジパール - 101 - フクダ電子広島販売株式会社 株式会社小松薬局 フクダライフテック中国株式会社 サノフィ・アベンティス株式会社 福萬醤油 株式会社三和化学研究所 株式会社ますやみそ 塩野義製薬株式会社 株式会社マックス会計 第一三共株式会社 株式会社マッシュルームソフト 大正富山医薬品株式会社 株式会社三宅本店 大鵬薬品工業株式会社 株式会社ムラカミ 田辺三菱製薬株式会社 医療法人社団 森本医院 中外製薬株式会社 株式会社八百金 帝人ファーマ株式会社 焼山部会(医師会) 鳥居薬品株式会社 株式会社ヤマト 日本新薬株式会社 株式会社ユネクス ノバルティス ファーマ株式会社 ラウンジひらた ノボ ノルディスクファーマ株式会社 ワタセ企画有限会社 バイエル薬品株式会社 久光製薬株式会社 広告 旭化成ファーマ株式会社 アステラス製薬株式会社 アストラゼネカ株式会社 ファイザー株式会社 Meiji Seika ファルマ株式会社 株式会社もみじ銀行 株式会社ユネクス エーザイ株式会社 MSD 株式会社 共催セミナー 小野薬品工業株式会社 味の素株式会社 科研製薬株式会社 塩を減らそうプロジェクト キッセイ薬品工業株式会社 武田薬品工業株式会社 杏林製薬株式会社 帝人ファーマ株式会社 グラクソ・スミスクライン株式会社 ファイザー株式会社 興和創薬株式会社 (2012 年 5 月 7 日現在、五十音順、敬称略) - 102 -
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