使用説明書 - Sigma

〒
東京都品川区東品川
天王洲セントラルタワー F
140-0002
2-2-24
4
Tel: (03) 5796-7330 Fax: (03) 5796-7335 e-mail: [email protected]
HIS-SelectⓇ Cobalt Affinity Gel
(HIS-Select
コバルトアフィニティー
コバルトアフィニティーゲル)
製品番号 H8162
保存温度 2~8 °C
TECHNICAL BULLETIN (使用説明書
使用説明書)
使用説明書
製品概要
コバルトアフィニティーゲルは、固定化金属イ
オンアフィニティークロマトグラフィー (IMCA) 用の製品です。
このゲルは、コバルト荷電ビーズアガロース四座配位キレ
ート(非公開、特許取得済み)で、ヒスチジン含有タンパク質
と特異的に結合するようデザインされています。このアフィ
ニティーゲルの マトリックスは、6% アガロースビーズです。
HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは、ヒスチジンタグを
有する組み換えタンパク質に選択的で、その他のタンパク
質には低い非特異的結合を示します。クロマトグラフィー操
作中にイミダゾールを加えることで、選択性を調節できます。
HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは耐久性があり、ヒ
スチジンタグを有する組み換えタンパク質を高い流量で捕
捉できます。ヒスチジンタグを有する組み換えタンパク質は、
非変性条件、変性条件、または穏やかな還元条件を用い
て結合されます。このアフィニティーゲルは、分子量約 30
kDa のヒスチジンタグタンパク質で測定した場合、一般的に
充填ゲル 1 mL あたり 15 mg 以上結合します。
HIS-SelectⓇ
使用前に
使用前に使用説明書の
使用説明書の全体 (特に試薬適合性チャート
試薬適合性チャート) を
お読みになることをお勧
みになることをお勧めします。
めします。
試薬
コバルトアフィニティーゲルはピンク色で、30%
エタノール中で 50% 懸濁液になっています。
HIS-Select
本製品以外にご
本製品以外にご用意
にご用意いただく
用意いただく試薬
いただく試薬および
試薬および器具
および器具
製品番号を適宜付記しております
遠心機
クロマトグラフィーカラムまたは遠心チューブ
バクテリア溶解用試薬
(製品番号 B7435,
)、
(製品番号
)または
(製品番号 C1990)
哺乳類細胞溶解用試薬
、製品番号 C2978
イミダゾール、製品番号
塩化ナトリウム 製品番号
リン酸ナトリウム 製品番号
塩酸グアニジン、製品番号
尿素、製品番号
(Sigma
)
•
•
TM
•
CelLytic B
B7310, C8740 CelLytic B Plus Kit
CB0500
CelLytic Express
•
CelLytic M
•
I 0125
,
S3014
•
,
S0751
•
•
G3272
•
U1250
注意事項と
注意事項と免責事項
本製品は研究用です。医薬品、家庭での使用など試験研
究用以外の用途には使用できません。 危険性と安全な取
り扱いについては安全性データーシート (MSDS) をご覧く
ださい。
抗菌剤 (30% エタノールなど) を含む場合を除き、アフィニ
ティーゲルを規定の時間 (24 時間) 以上バッファー中に放
置しないでください。
注: 金属イオンをキレート化するバッファーや試薬は、ゲル
マトリックスからコバルトを除去する可能性があるため、本
製品では使用しないでください
使用しないでください。強力な還元剤も、コバルト
結合を減少させ、ヒスチジン含有タンパク質の結合を阻害
する可能性があるため、使用を避けてください。 詳細は試
薬適合性チャートをご覧ください。
使用前の
使用前の準備
HIS-Select コバルトアフィニティーゲルは 30% エタノール
中で保存します。エタノール保存液は、使用直前に取り除
いてください。アフィニティーゲルをゆっくりと転倒混和して
再懸濁し、使用する分量を取り出してください。アフィニティ
ーゲルは精製に必要な量のみ取り出してください。その後、
アフィニティーゲルをクロマトグラフィーカラムに移し、標準
的な手法を用いてタンパク質精製を行うか、試験スケール
や大規模の調製にはバッチ方式で操作します。エタノール
保存液が除去されていない場合、バッファー塩の沈殿が起
きることがあります。 一般的に、アフィニティーゲルを 1~2
倍量の脱イオン水でまず洗浄してエタノールを取り除いた
後、3~5 倍量の平衡化バッファーで平衡化します。
ヒスチジン含有タグ融合組み換えタンパク質の精製手順で
使用する、以下のバッファーを調製します。
1. 平衡化バッファーおよび洗浄バッファー: 50 mM リン
酸ナトリウム, pH 8.0, 0.3 M 塩化ナトリウム, 10 mM
イミダゾール
一般的な平衡化バッファーの組成は、50 mM リン酸ナ
トリウム, 1~20 mM イミダゾール, 0.15~0.5 M 塩化
ナトリウム, pH 8.0 です。
2.
溶出バッファー: 50 mM リン酸ナトリウム, pH 8.0, 0.3
M 塩化ナトリウム, 250 mM イミダゾール
一般的な溶出バッファーの組成は、50 mM リン酸ナト
リウム, 100~250 mM イミダゾール, 0.15~0.5 M 塩
化ナトリウム, pH 8.0 です。
保存 安定性
/
HIS-Select
1
コバルトアフィニティーゲルは、適切に保存した
場合 年以上安定です。HIS-Select コバルトアフィニティ
ーゲルは、毎回の使用後に下記の方法で洗浄し、30% エ
タノールなどの抗菌剤を保存バッファーに加えます。
手順
I. 抽出物の
抽出物の調製
ヒスチジンタグ融合組み換えタンパク質は、細胞粗抽出物
または標準的な手法によって部分的に精製したタンパク質
画分から抽出できます。組み換えタンパク質と宿主生物の
性質によって条件が異なるため、タンパク質サンプル調製
手順は研究者が実験的に決定します。
E. coli (大腸菌) 細胞溶解での使用には、1~20 mM イミ
ダゾールを添加した CelLytic B または CelLytic Express
を推奨します。アフィニティーゲルに適用する前に、組み換
えタンパク質サンプルを遠心またはろ過によって洗浄します。
最適な結果を得るため、サンプルバッファーの pH は 7.0~
8.0 とします。非特異的なタンパク質結合を減らすため、平
衡化、サンプルバッファーは、1~20 mM イミダゾールと
0.15~0.5 M 塩化ナトリウムを添加します。その他の使用
可能な試薬については、試薬適合性チャートをご覧ください。
II.
試験スケール
試験スケールでの
スケールでの精製
での精製 (mini-prep)
大規模精製を試みる前に、試験スケールでの実験 (標的タ
ンパク質 1 mg 未満) を行い、標準的な操作条件が対象の
組み換えタンパク質に有効であるかどうかを判断します。
すべての操作は、室温または 2~8 °C で行います。
1. HIS-Select コバルトアフィニティーゲル懸濁液 25~50
µL をマイクロ遠心チューブに加え、5,000 g で 30 秒
間遠心します。
2. 上清を慎重に除去し、捨てます。
3. 平衡化バッファー200 µL を加え、十分混合します。
4. 5,000 g で 30 秒間遠心します。 上清を除去し、捨て
ます。
洗浄した組み換えタンパク質溶液 100 µL を加え、1 分
間ゆっくりと混合します。混合物を手順 4 のように遠心
し、上清を確保します。
6. アフィニティーゲルを 500 µL 以上の洗浄バッファーで
2 回洗浄します。アフィニティーゲルを 10 秒間ゆっくり
と混合し、その後 5,000 g で 30 秒間遠心します。分
析用に洗浄バッファー溶液をひとつにまとめるかまた
は画分に分けて保存します。
7. 標的タンパク質は溶出バッファー50 µL で溶出します。
バッファーをアフィニティーゲルに加え、十分混合しま
す。
8. 5,000 g で 30 秒間遠心します。
9. ステップ 7~8 を繰り返し、より多くのタンパク質を回収
します。タンパク質の多くは最初の 50 µL で溶出します
が、一部の残ったタンパク質は 2 回目の操作で溶出す
る可能性があります。2 回の操作で得られた溶液をひ
とつにまとめるかまたは画分に分けて保存します。
10. すべての溶液を SDS-PAGE で分析し、標的タンパク
質がアフィニティーゲルに結合し、溶出したかどうか確
認します。精製操作中にヒスチジン含有タンパク質が
分離されたことを確認するためには、ウエスタンブロット
も有用です。標的タンパク質がアフィニティーゲルと結
合または溶出されない場合は、トラブルシューティング
ガイドをご覧ください。 変性条件下で試験を繰り返すこ
とが必要な場合があります。
5.
X
X
III.
A.
1.
X
X
大規模精製
すべての操作は、室温または 2~8 °C で行います。
2.
非変性条件:
非変性条件: カラムクロマトグラフィー
適量の HIS-Select コバルトアフィニティーゲルをクロマ
トグラフィーカラムに移します。アフィニティーゲルを 2
倍量の脱イオン水で洗浄し、その後 3 倍量の平衡化バ
ッファーで洗浄します。平衡化バッファーの表面がゲル
ベッドの上部よりも低くならないようにします。抗菌剤を
添加しない場合、アフィニティーゲルを規定の時間 (24
時間) 以上平衡化バッファー中に放置しないでください。
必要なアフィニティーゲル量は、抽出物中の標的ヒスチ
ジン含有タンパク質量によって異なります。標的タンパ
ク質に対するアフィニティーゲルの能力は、精製するタ
ンパク質ごとに決定します。
3.
4.
洗浄した粗抽出物を、2~10 カラム容量/時間の流量で
カラムにロードします。細胞抽出物は作製後直ちにロ
ードし、ローディング時間は 6 時間以下を推奨します。
ローディング時間が長くなりすぎる場合場合、タンパク
質結合をバッチ方式で行うことも可能です (III-B、ステ
ップ 1~8)。バッチロードしたアフィニティーゲルをカラ
ムにセットし、洗浄溶出ステップ 4~5 に従って操作しま
す。
抽出物をすべてロードしたら、カラムを洗浄バッファー
で洗います。洗浄バッファーの流量は、約 10~20 カラ
ム容量/時間とします。カラムから溶出した物質の A
が安定になり、洗浄バッファーに近くなるまでカラム全
体を洗います。
ヒスチジン含有タンパク質は、3~10 カラム容量の溶出
バッファーを用いてカラムから溶出されます。画分を回
収し、標的タンパク質のアッセイを行います。 洗浄バッ
ファーの流量は、2~ 10 カラム容量/時間とします。
280
5.
B.
1.
非変性条件:
非変性条件: バッチ精製法
バッチ精製法
適量のアフィニティーゲル懸濁液を大型の遠心チュー
ブに加えます。混合物を 5,000 g で 2 分間遠心して
アフィニティーゲルを回収し、上清を捨てます。または、
ろ過して上清を取り除きます。
アフィニティーゲルを 10 ゲル容量の平衡化バッファー
に再懸濁します。
混合物を 5,000 g で 2 分間遠心するか、平衡化後に
アフィニティーゲルをろ過して回収します。
上清を除去し、捨てます。
細胞抽出物をアフィニティーゲルに加えます。サンプル
をオービタルシェーカー (約 175 rpm) で 30 分間ゆっく
りと混合します。スターラープレートは使用しないでくだ
さい。スターラーバーはアフィニティーゲルビーズを破
壊する恐れがあります。
混合物を 5,000 g で 2 分間遠心する、またはろ過し
ます。上清を取り出し、SDS-PAGE 用に確保します。
10 倍量の洗浄バッファーをアフィニティーゲルに加えま
す。
アフィニティーゲルを洗浄バッファーに完全に再懸濁し
ます。懸濁液を 5,000 g で 2 分間遠心する、または
ろ過します。
X
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
X
X
X
ステップ 7~8 を繰り返し、アフィニティーゲルを再び洗
浄します。
10. アフィニティーゲルは、溶出液の A が減少しなくなる
までさらに洗浄することが可能です。洗浄液を捨てます。
11. 2 ゲル容量の溶出バッファーを加えます。アフィニティ
ーゲルをオービタルシェーカー (約 175 rpm) で 30 分
間混合します。
12. 混合物を 5,000 g で 2 分間遠心する、またはろ過し
ます。上清を取り出して保存する、またはろ過します。
ヒスチジン含有タンパク質は、この画分に含まれていま
す。
13. より多くのタンパク質を溶出するには、ステップ 11~12
を繰り返します。溶出した画分をひとつにまとめるかま
たは画分に分けて保存します。
9.
280
X
変性条件
IV.
HIS-Select
コバルトアフィニティーゲルは、変性条件でのタ
ンパク質精製に使用できます。 変性条件を使用する必要
がある場合、タンパク質をまず 6 M 塩酸グアニジンまたは
8 M 尿素で溶解します。アフィニティーゲルにアプライする
前に、変性した細胞抽出物の pH が 7.0~8.0 であることを
確認してください。変性バッファーでは、前述と同様の精製
手順を使用できます。注: 尿素含有バッファー
尿素含有バッファーは
バッファーは用時調製
する必要
する必要があります
必要があります。
があります。
尿素変性系の例を以下に示します。
平衡/洗浄バッファー
0.1 M リン酸ナトリウム pH 8.0, 8 M 尿素
溶出バッファー:
0.1 M リン酸ナトリウム pH 4.5~6.0, 8 M 尿素
または
0.1 M リン酸ナトリウム pH 8.0, 8 M 尿素, 250 mM イミダ
ゾール
pH 依存性の溶出では、一部のヒスチジンタグ融合組み換
えタンパク質は pH 5.0~6.0 では溶出しないため、溶出バ
ッファーの pH を変える必要があります。タグ融合組み換え
タンパク質がこの範囲で溶出しなければ、pH を 4.5 に下げ
ます。
還元条件
V.
HIS-Select
コバルトアフィニティーゲルは、穏やかな還元条
件でのタンパク質精製に使用できます。 還元条件を使用す
る必要がある場合、20 mM β-メルカプトエタノール (製品番
号 M7522) または 5 mM ジチオスレイトール (製品番号
D5545)の濃度を超えないようにします。
注: 還元剤の存在下で精製を行う場合、結合能の低下が
見られることがあります。 したがって、還元条件で精製する
ときは、アフィニティーゲルの使用量を増やすことを推奨し
ます。
VI. HIS-Select
コバルトアフィニティーゲルの
コバルトアフィニティーゲルの洗浄
アフィニティーゲルは次回使用時に適切に機能するよう、毎
回の使用後に洗浄します。すべての操作は、室温または 2
~8 °C で行います。
A.一般的な洗浄
1. アフィニティーゲルを 2 カラム容量の脱イオン水で洗浄
します。
2. 5 カラム容量の 6 M 塩酸グアニジン、pH 7.5 で洗浄し
ます。流速は、5 カラム容量/時間以下とします。
3. 2~3 カラム容量の脱イオン水で塩酸グアニジン溶液を
除去します。
4. すぐに使用するときは、アフィニティーゲルを 2~3 カラ
ム容量の平衡化バッファーで再平衡化します。ゲルを
保存するときは、1~2 カラム容量の 30% エタノールで
洗浄し、2~8 °C で保存します。
注: アフィニティーゲルは 0.2 M 酢酸、1~2% SDS または
エタノールでも洗浄できます。エタノール濃度は 100%まで
上げることが可能ですが、エタノール濃度は段階的に徐々
に増やすか減らす必要があります。 アフィニティーゲルの
急速な容量変化を防ぐため、各段階でのエタノール濃度の
上昇は 25% (v/v) 以下とする必要があります(例 25、50、
75、100、75、50、25、0%)。
注: HIS-Select コバルトアフィニティーゲルがピンク色から
茶~灰色になっていると、コバルトが還元されています。還
元されたコバルトは、EDTA では除去できません。新しいゲ
ルを使用する必要があります。
結果
この手順で精製した組み換えタンパク質は、SDS-PAGE で
分析した場合、多くの環境において基本的に単一のバンド
を示します。アフィニティーゲルは、ゲル 1 mL あたり 15
mg 以上のタンパク質と結合します。この能力は、精製する
タグ融合組み換え体の性質やサイズ、精製に使用する条
件に依存します。条件の修正により、結合能だけでなく、最
終生成物の純度も向上します。 その他の推奨条件は、トラ
ブルシューティングガイドをご覧ください。
塩酸グアニジンを含有するサンプルで SDS-PAGE 分析を
行う場合、まずサンプルを TCA 沈殿させる必要があります。
この TCA 手順は、タンパク質サンプルも濃縮します。
100% TCA 溶液 (製品番号 T0699) をタンパク質サンプル
に加え、最終濃度を 10% TCA とします。サンプルを氷上で
15 分間インキュベートし、サンプルを最高速度で 15 分間
遠心します。上清をピペットで慎重に取り除き、ペレットを
SDS-PAGE サンプルバッファーに再懸濁します。
は
及び Sigmaの商標です。
は
及び Sigmaの登録商標です。
は、米国特許第
号で保護されています。
は
の登録商標です。
は
の一部門) の登録商標
です。
IGEPAL は Rhône-Poulenc, LP.の登録商標です。
CelLytic Sigma-AldrichⓇ Biotechnology LP
Aldrich Co.
HIS-Select Sigma-Aldrich Biotechnology LP
Aldrich Co.
HIS-Select
6,623,655
TRITON
Union Carbide Corp.
TWEEN
Uniqema (ICI Americas, Inc.
CS,RM,JWM,MAM 10/07-1
試薬適合性チャート
試薬適合性チャート
試薬
イミダゾール
作用
コメント
コバルト荷電アフィニティーゲ カラムクロマトグラフィーの場合、抽出物では 20 mM 以下、タンパク質の非
ルに結合し、ヒスチジンタグ融 特異的結合を阻害する洗浄バッファーを提案します。溶出バッファーでは
合組み換えタンパク質と競合 250 mM 以下を提案します。多くのタンパク質は 100~200 mM という低い
します。
イミダゾール濃度で溶出されます。バッチ方式では、イミダゾール濃度を下
げる、またはイミダゾールを除去する必要があります。
ヒスチジン
コバルト荷電アフィニティーゲ 抽出、平衡化、洗浄、溶出バッファーでは、イミダゾールの代わりに使用で
ルに結合し、ヒスチジンタグ融 きます。溶出バッファーでは 250 mM 以下を提案します。
合タンパク質と競合します。
キレート剤、例 コバルトイオンをアフィニティー コバルトイオンを除去できるため、バッファー成分としては推奨できません。
EDTA、EGTA
ゲルから除去します。
新しい金属イオンで再荷電する前に、アフィニティーゲルから除去する目的
で使用します。
塩酸グアニジン タンパク質の可溶化。
タンパク質の変性とアフィニティーゲルの洗浄に使用します。
尿素
タンパク質の可溶化。
変性条件での精製には 8 M 尿素を使用します。
リン酸ナトリウム 平衡化、洗浄、溶出バッファー アフィニティーゲルでの精製には、50~100 mM のバッファーを推奨しま
で使用し、非特異的結合の阻 す。バッファーの pH は 7~8 とし、pH が高いほど能力も高くなります。
害と溶液の緩衝作用を助けま
す。
塩化ナトリウム イオン相互作用の阻害。 平衡化、洗浄、溶出バッファーで使用し、非特異的タンパク質とアフィニティ
ーゲルとの結合の阻害を助けます。推奨濃度は 0.15~0.5 M ですが、最
大 2 M まで使用できます。
β-メルカプトエタノ ジスルフィド結合形成の阻害 ジスルフィド結合を切断するには、抽出バッファーに最大 20 mM まで加え
ール
に使用する還元剤。
ます。濃度が高ければコバルトイオンが減少し、結合能が低下します。.
エタノール
抗菌剤。
結合、洗浄、溶出、保存バッファーには最大 30%のエタノールが含まれま
タンパク質間の疎水性相互作 す。 注: エタノールは一部のバッファー塩の沈殿を生じさせます。使用前に
用も除去します。
バッファーを調製し、塩の沈殿を確認します。
グリセロール タンパク質の安定化を助けま 結合、洗浄、溶出、保存バッファーには最大 50%までグリセロールを含む
す。
ことができます。
ジスルフィド結合形成を阻害 ジスルフィド結合を破壊するには、抽出バッファーに最大 5 mM まで加えま
DTE、DTT
し、コバルトイオンを減少させ す。DTT を使用する場合、結合能の低下が見られることがあります。
ます。
非イオン性界面 タンパク質とアフィニティーゲ 最大 2%まで使用できます。
活性剤
ルとの非特異的結合の阻害を
(Triton ,
助けます。
®
®
Tween ,
®
Igepal CA 630)
グリシン
アフィニティーゲルと弱く結合 推奨されません。ヒスチジンまたはイミダゾールを代わりに使用してくださ
し、ヒスチジン含有タンパク質 い。
と弱く競合します。
トラブルシューティングガイド
問題
原因
対策
ヒスチジンタグ融合 結合条件が正しくない。 サンプルや平衡化バッファーの pH と組成を確認してください。
組み換えタンパク質
キレート剤や還元剤が抽出バッファーに含まれていないことを確認して
がアフィニティーゲル
ください。
と結合しない。
組み換えタンパク質が存 抽出物のウエスタンブロットを行い、組み換えタンパク質が存在するこ
在しない。
とを確認してください。
ヒスチジンタグがタンパク 変性条件でアフィニティー精製を実行してください。
質構造に埋もれている。
細胞が抽出されない。 標的タンパク質が細胞抽出物中に存在することを確認してください。
溶出バッファーの導 洗浄条件が厳しすぎる。 イミダゾール濃度を下げ、pH が 7~8 であることを確認してください。
入前に洗浄バッファ ヒスチジンタグがタンパク 洗浄条件が厳しすぎないことを確認してください。
ーにタンパク質が溶 質構造に埋もれている。 変性条件でアフィニティー精製を実行してください。
出される。
精製中にタンパク質 温度が低すぎる。
室温でカラムを流してください。
が沈殿する。
タンパク質が凝集してい 5~10% グリセロール、0.1% Triton X-100 または Tween 20 などの
る。
安定剤を加えます。塩化ナトリウム濃度を最大 2 M まで上げます。メ
ルカプトエタノールなどの還元剤を最大 20 mM まで加えます。
カラムの圧力に問題 抽出物に不溶物質が含 カラムにロードする前に、タンパク質抽出物に不溶物質が含まれては
がある。
まれる。
なりません。遠心または 0.45 µm 膜を用いたフィルターろ過によって、
不溶物質を除去する必要があります。
アフィニティーゲルの 抽出物にさらされてい 精製中に、多くのタンパク質抽出物はローディング操作中のアフィニテ
色が変化する。 る。
ィーゲルを変色させる傾向があります。洗浄または溶出操作後に、元
の色に戻ります。
再荷電の必要がありま アフィニティーゲルを多数回使用、洗浄したため、コバルトでアフィニテ
す。
ィーゲルを再荷電する必要があります。
実行中に変色し、終了時 バッファーや抽出物には、強力な酸化剤や還元剤を使用しないでくだ
まで戻らない。
さい。 還元されたコバルトイオンは、アフィニティーマトリックスから除去
できません。 新しいアフィニティーゲルを使用してください。
ヒスチジンタグ融合 溶出条件が穏やか過ぎ イミダゾールの量を増やしてください。
組み換えタンパク質 る。
pH 溶出での変性精製では、pH が十分低く、タグ組み換えタンパク質
がアフィニティーゲル
の溶出が可能であることを確認してください。溶出バッファーを pH 4.5
から溶出されない。
に調節してください。
高いタンパク質濃度を避けるため、バッチ精製を行ってください。
ヒスチジンタグ組み 結合洗浄条件をより厳し 抽出物や洗浄バッファー中のイミダゾールの量を最大 20 mM まで増
換えタンパク質と同 いものにしてください。 やします。
時に、非特異的タン 標的タンパク質がプロテ プロテアーゼインヒビターカクテル (製品番号 P8849)を加えてくださ
パク質が溶出され アーゼによって分解され い。
る。
る。
物質がジスルフィド結合 メルカプトエタノールなどの還元剤を最大 20 mM まで加えてください。
で結合されている。
Sigma ブランド製品は Sigma-Aldrich, Inc.を通じて販売されています。
は同社製品がこの文書およびその他の Sigma-Aldrich 発行文書に含まれる情報に合致していることを保証します。お客様の個別の
用途と製品の適合性についてはお客様にてご判断ください。収載の品目、製品情報、価格などは予告なく変更される場合がございます。納品伝票または
同梱の内容明細書の裏面をご覧ください。
Sigma-Aldrich, Inc.