家電製品における操作性向上のための音声案内に関するガイド(2015年3

家電製品における操作性向上のための
音声案内に関するガイド
2015年(平成27年)3月
一般財団法人
家電製品協会
はじめに
わが国においては、65歳以上の方の割合が総人口の30%を超える超高齢社会がやがて現実
のものとなります。又、内閣府では「障害者基本計画(第3次)」が定められ、障がい者に対して
もソフト,ハードの両面にわたる社会のバリアフリー化の推進やアクセシビリティの向上が求め
られています。日常生活で使用される家電製品においても、年齢や障がいの有無にかかわらず、
だれにでも使いやすくわかりやすい製品であることが求められています。
今日の家電製品は多機能化と多様化が進み便利な反面、操作しづらくなっている面もあるなど
使用者の不満もみられます。メーカー各社は独自の工夫を凝らしているものの、表示や用語、音
や光に関する仕様などが業界内で必ずしも標準化されていないことから、使用者が混乱をきたし
ているところも見うけられます。
これらの観点から、家電製品協会(以下、家製協という)では一般のユーザーだけでなく、高
齢者や障がい者の方々にも使いやすい家電製品の提供にむけて、ユニバーサルデザインの視点か
ら調査・研究を進めています。
技術関連委員会ユニバーサルデザイン技術関連WG(以下UD技術関連WGという)では、こ
れまで、視覚・聴覚・触覚面から家電製品の使いやすさの改善に取り組んできました。
・平成10年に触覚面への配慮として
「家電製品における操作性向上のための凸記号表示に関するガイドライン」
・平成13年に聴覚面への配慮として
「家電製品における操作性向上のための報知音に関するガイドライン」
・平成18年に触覚面への配慮として
「家電製品における操作性向上のための点字表示に関するガイドライン」
・平成21年に視覚面への配慮として
「家電製品における操作性向上のための報知光に関するガイド」
を発行して、製造事業者をはじめ広く活用いただいております。
平成22年4月からは、
「家電製品における操作性向上のための音声案内に関する調査研究」を
テーマに活動してきました。平成22年度は、メーカーとしての観点から「家電製品における音
声案内の搭載事例」に関する調査と関連情報の収集、平成23年度は、ユーザーとしての観点か
ら「家電製品の音声案内に関するユーザー(一般消費者、視覚障がい者)の利用状況、評価、不
満・問題点等」についてインターネット調査を実施しました。平成24年度は、深堀り調査とし
てユーザー(一般消費者、高齢者、視覚障がい者)にインタビュー調査を実施し、平成25年度
は、このインタビュー調査内容の詳細分析を行い、その結果を報告書にまとめました。
本ガイドは、これまで行ってきた音声案内に関する調査研究結果を基に、家電製品において音
声案内機能を搭載する場合の基本的な考え方を示したものであります。
家電製品協会賛助会員各社におかれましては、本ガイドを参考として活用されることを期待い
たします。
一般財団法人
家電製品協会
技術関連委員会
ユバーサルデザイン技術関連ワーキンググループ
目次
はじめに
家電製品における操作性向上のための音声案内に関するガイド
1.目的
・・・・・・・・・・・1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.適用範囲
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
3.用語の定義
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
4. 音声案内に関する一般的原則
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
4.1 音声案内を付ける製品機能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
4.2
共通的な配慮項目
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
4.2.1
聞き取りやすさに関して
4.2.2
分かりやすさに関して
4.2.3
操作性に関して
4.2.4
安全面に関して
4.3
高齢者/視覚障害者への配慮
4.3.1
高齢者への配慮
4.3.2
視覚障害者への配慮
5.音声案内の仕様に係わる配慮項目
5.1 聞き取りやすさ
5.2 分かりやすさ
5.3 操作性
補足
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
Ⅰ.各項目の補足説明
Ⅱ.その他
参考資料
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
家電製品における操作性向上のための音声案内に関するガイド
1. 目的
このガイドは,家電製品の操作に対する製品の反応や製品の状態を知らせる「音声案内」に
関し,通常使用される様々な環境で聞き取りやすく,内容を理解しやすくすることで、製品の
操作性向上を図ることを目的としている。
2. 適用範囲
このガイドは,国内向け家電製品のうち,スイッチやボタン操作などに対する反応と製品の
作動・運転状態を知らせる「音声案内」機能を有する家電製品に適用する。
なお、このガイドは,火災警報器など法令などで規制されている音声案内は対象としない。
3. 用語の定義
a)家電製品
一般消費者が使用する家庭用電気・電子機械器具。設備用・業務用・専門家
用など特殊な用途に使用する電気・電子機械器具は除く。
b)操作
使用者が目的を達成するために,家電製品に対して行なう行為。
c)操作性
使用者が家電製品を間違いなく使用するための操作のわかりやすさ、及び操作
のしやすさ。
d)報知音
使用者が家電製品を正しく操作するための情報を伝える目的で製品から発せら
れる音。
e)音声案内
製品の操作又は状態を音声によって使用者に説明する案内機能およびその音
声。
f)合成音声
文字情報などの入力情報から連続音声を合成する技術によって作成された音
声。自然音声の素材を用いず、法則や規則によって完全に人工的に音声を合
成する方法や、単位ごとに録音した発話素材を利用して合成する方法がある。
1
4. 音声案内に関する一般的原則
4.1 音声案内を付ける製品機能
製品がもつ次の機能には,操作の一助となる内容や視覚的に表示された内容を,使用者が音
声案内によって理解できるようにすることが望ましい。
a)安全面での配慮に関する案内
(安全面の音声案内は最優先に搭載することが望ましい)
b)操作方法や手順の案内
(特に操作に困ったとき、たまに使うときなどに有用な内容)
c)操作の設定内容の案内
(予約の内容など)
d)製品の動作状況や故障の状態の案内
(操作前に製品の状況を知らせる音声案内、動作終了を知らせる音声案内など)
4.2
共通的な配慮項目
4.2.1
聞き取りやすさに関して
a)音量は調整できることが望ましい。
∵周囲音(騒音)/使用環境音の影響があるため
∵聞く距離で聞こえ方に違いがでるため
∵使用者の聴覚特性の違いへの配慮が必要であるため
b)話速は調整できることが望ましい。
∵視覚障害者からは速い話速が望まれる傾向がある一方、高齢者からはゆっくりした話
速を望む意見もあるため
2
4.2.2
分かりやすさに関して
a)選択項目が階層構造である場合には、現在どの階層にいるのか迷うことがないよう配慮す
ることが望ましい。
∵階層構造での操作は、選択先や選択した状態の理解が難しいため、音声案内で操作を
指示する場合は、階層構造をわかりやすく伝える工夫が必要であるため
(例)テレビの設定階層:
「メニュー」
「映像調整」
「音声調整」
「機器設定」
「表示の設定」
「字幕の設定」
「タイトル表示」
・・・
「設置設定」
「チャンネル設定」
「地域設定」
・・・
「システム設定」
・・・
「ネットワーク設定」
・・・
※この例においては、
「地域設定」から「設置設定」へ階層を戻る操作をした場合
に、例えば『機器設定の設置設定』というようにどの階層に戻ってどの項目が
選択されているかを提示することが望ましい。
b)選択項目が階層構造である場合には、階層を深くしないよう、1階層の項目数が多くなら
ないよう配慮することが望ましい。
c)用語は一般的でわかりやすい用語を使用すること。
∵聞きなれない用語などは初めて聞く場合に理解できず、一度では理解できないことが
あるため
d)エラー発生時は、その内容、原因等を音声で案内すること。
∵特に安全に関わるエラーの音声案内は重要であるため
e)音声案内だけでなく、視覚的な表示等も併用することが望ましい。
∵音声案内に加えランプが光るなど、複数の手段で伝える方がわかりやすいため
∵聴覚障害者は,音声案内及び報知音の出力状態を音として確認できないため
f)次のような場合には、音声案内と報知音を併用することが望ましい。
1)情報として重要な場合
2)音声案内がはじまることをあらかじめ伝えたい場合
3)自分で詳細に設定しないといけないような複雑な操作の場合
3
g)全てに音声案内があると煩わしい場合もあるため、音声案内が無くともわかる場合は報知
音のみにするなど(動作完了音など)使い分けることが望ましい。
4.2.3
操作性に関して
a)音声案内の有無を選択できるようにすることが望ましい。
∵操作を覚えた後では、案内は不要となる場合もあるため
b)好きな時に止められる「一時停止機能」、もう一度聞きたい時に聞ける「繰り返し再生
機能」、音声案内を途中で飛ばすことのできる「スキップ機能」等を付けることが望ましい。
∵長い案内の場合、初めの部分を忘れることがあるため
∵慣れてくると音声案内を煩わしく感じることがあるため
4.2.4
安全面に関して
a)安全面で配慮が必要な製品には音声案内機能を搭載することが望ましい。
∵報知音だけだと何の警告かを判断できないことがあるため
∵普段聞き慣れない音の方が気付きやすく注意も向けやすいので、普段とは異なる音声
案内があると、より注意喚起となるため
b)異常時の音声案内は、案内の前に報知音を発すること。
∵音声案内の前に報知音があると注意を引きやすいため
・警告は、操作案内とは区別すべく、通常と異なる注意音を用いるのが良い
c)特に危険を伴う安全面の音声案内は,危険(報知)の原因が存在する間は鳴り終わっては
いけない。但し、緊急の度合い、案内の重要度により適切な繰り返し回数にすべきである。
4.3
高齢者/視覚障害者への配慮
4.3.1
高齢者への配慮
a)視力の衰え等により、小さな文字の読み取りが困難な場合は、文字を読むより音声の方が
理解しやすいので音声で案内することが望ましい。
b)操作確認できることは安心感につながり、誤操作防止にも役立つので、音声で案内するこ
とが望ましい。
c)誤操作などによるエラーを知らせる音声案内は、エラーが解決されるまで連続的に再生さ
れることが望ましい。
4.3.2
視覚障害者への配慮
a)速い話速も設定できることが望ましい。
∵視覚障害者は速い話速を聞き取れる方が多く、多くの情報を短時間で得ることを望ん
でいるため
b)操作部やメニュー項目など表示されている名称を読み上げることが望ましい。
∵循環式(サイクリック式)や階層式(ツリー式)の多機能メニューでは,選択されてい
るメニュー項目が確認できないと視覚障害者にはわかりにくいため
4
c)操作部のスイッチの機能、位置などに係わる説明を音声案内することが望ましい。
d)わからない時にボタンを押せば現在の設定や状況を案内することが望ましい。
e)終了音など、音声案内が無くともわかる場合は報知音のみにすることが望ましい。
∵全てに音声案内があると煩わしい場合があるため
f)操作のフィードバックの案内を行うことが望ましい。
∵視覚障害者は操作が受け付けられたか等を表示では確認できないため
g)アラームの原因を知らせることが望ましい。
∵視覚障害者はアラームの原因を表示では確認できないため
5. 音声案内の仕様に係わる配慮項目
5.1
聞き取りやすさ
a)音量は周囲環境の状況に合わせて変更できることが望ましい。
b)声質については、抑揚のある声/明瞭度の高い声となるよう配慮すること。
c)サンプリング周波数※1に関わる出力帯域の上端周波数は、音声の周波数成分をカバーでき
るよう設計することが望ましい。例えばサンプリング周波数は 10kHz 以上とするなど。
d)スピーカーの取り付け位置によっては音がこもるなど聞き取りづらい場合があるため、ス
ピーカーの取り付け位置に配慮することが望ましい。
e)スピーカーの種類によっては音が割れることもあり、最大音量にしても音が割れないよう
設計に配慮することが望ましい。
f)合成音声を用いる場合は、明瞭度のよい音声合成方式を選ぶなど内容を聞き取れるよう配
慮することが望ましい。
∵合成音声は方式によっては聞き取りにくい場合があるため
g)重要度に応じて言い方(緊迫感など)を変えることが望ましい。
・使用者の聴覚特性の違い等を考慮し、聞き取り易さに配慮すべきである
h)一般的な発話速度は,6 モーラ(拍)※2/秒を上回らないことが望ましい。
聞き慣れない言葉を使用する場合は、ゆっくりした話速が望ましい。
※1
サンプリング周波数
「サンプリング」とは、音声等のアナログ信号をデジタル信号に変換するために標本化
(サンプリング)する処理のことであり、「サンプリング周波数」は単位時間あたりに標本を
取る頻度を示す。すなわち1秒間に何回サンプリングを行うかを表す数値となる(単位は
Hz[ヘルツ])。サンプリング回数が多いほど元の波形を維持することができるため、原音に
近い再現性を持つことになる。
※2
モーラ(拍)
音韻論上、一定の時間的長さをもった音の分節単位である。
日本語学などでは「拍」で呼ぶことも多い。日本語の仮名 1 文字が基本的に 1 拍である。
長音・促音・撥音は、独立して 1 拍に数えられるが、拗音などの小書きの仮名はその前の
仮名と一緒になって 1 拍である。
5
5.2
分かりやすさ
a)音声案内の文は長すぎないようにする。全体で 20 モーラ(拍)程度の長さとすることが望
ましい。
b)過剰な情報伝達、情報の重複や同じ案内の繰り返しは避け、最小限の情報とする。
c)案内の句と句の間には、適切に間(空白時間)をもうけることが望ましい。
d)一つの操作に対応する音声案内は,一つまたは二つの文で構成することが望ましい。
e)音声案内の再生時間を短くしたい場合は、話速を速くするよりも、分かりやすく簡潔な
言葉の使用が有用である。
f)類似した発話の表現は避けること。
例)1「イチ」と7「シチ」は混同しやすいので、7「ナナ」と言う。
g)一般化されていない専門用語、外来語や略語は使用しないことが望ましい。
h)丁寧すぎる言葉遣いは使わず、的確かつ簡潔に表現する。
例)選択項目の項目名の読上げで、
「です」「ます」は不要である。
i)音声案内の用語は、取扱説明書の用語及び操作部の表示文字と統一することが望ましい。
j)エラー発生時は、その内容、原因、対処方法について簡潔にわかりやすく案内すべきであ
る。
5.3
操作性
a)操作に対するガイドのタイミングを適切にする。
<操作確認の案内の場合>
・操作に対する音声案内のタイミングが遅いと操作エラーを招く可能性があるため(例
えばもう一度同じ操作をしてしまうなど)、適切なタイミングを考慮する必要がある。
<操作誘導の案内の場合>
・高齢者などでは、操作に迷うなどして単に時間を要している時に次の操作の案内が行
われると、混乱してしまう場合がある。
b)操作が複雑で操作手順を複数行わなければならない場合などにおいては、操作の手順毎に
案内を行うこと。
c)音声案内の優先度が異なる場合は,優先度の高いものから案内を行うことが望ましい。
∵例えば「状況説明」案内後に「操作指示」案内を行う場合においては、緊急時などはま
ず「操作指示」を先に行うことが望ましいため
d)操作の慣れに応じ、話速や案内内容などを変えられるように、又は再生しないようにでき
ることが望ましい。
∵慣れてくると、長く感じる/丁寧すぎると感じる/間も気になることがあるため
e)説明の詳細度をいくつか用意し、使用者が選択できるようにすることが望ましい。
∵丁寧な説明や簡略な説明など説明内容の詳細度切替要望があることに対応するため
特に視覚障害者の場合には、慣れたら簡略な説明を望むことが多い
6
家電製品における操作性向上のための音声案内に関するガイド
補足
Ⅰ.各項目の補足説明
下記はガイド本文について補足説明をしているものである。項目番号は本文の項目番号に対
応し、本文引用部はゴシック体で表記している、
4. 音声案内に関する一般的原則
4.1
音声案内を付ける製品機能
一般者からの意見として、次のような意見もあった。
a)毎日使う機能は簡潔な表現にしてほしい。
b)全ての機能に対しての案内は不要。
c)機器に初めて触れる時と操作を覚えた後では音声案内の必要度が異なるため、慣れると音
声案内は不要と感じる。
4.2
共通的な配慮項目
a)ユーザー調査においては、メーカー間で異なる案内内容等に対して、機能ごとの音・音声
の標準化が必要である、との意見もあった。
【具体例】
・共通して利用する用語は、メーカー共通で統一してほしいとの意見があった。
(同じ意味で
異なる用語を使っている例:給湯器での「たし湯」「さし湯」)
・特に安全に関わる機能については、メーカーを問わず、音声案内を統一してほしいとの意
見があった。
b)音声案内の内容と,視覚的な表示,触覚記号などによる表示,報知音による報知内容など
との間に相違がないようにすることも重要である。
5. 音声案内の仕様に係わる配慮項目
5.1
聞き取りやすさ
ガイドにすべき内容とは異なるが、次のような意見もあった。
a)声質について
・一般者からは、女性の声の方が安心する、聞きやすいとの理由より、女声が好ましいと
の意見が多かった。
・視覚障害者は、女声、男声どちらに対しても肯定的であった。
b)重要度に応じて言い方を変えることについて
・一般者からは、甲高い声は好ましくないとの意見もあった。
・声質の選択機能までは必要ないとの意見もあった。
c)長さやタイミングへの配慮について
特に高齢者については、操作が追いつかずに後追いの言葉になるとわからなくなること
があることより、操作時間も加味した長さやタイミングへの配慮が必要である。
7
5.2 分かりやすさ
h)丁寧すぎる言葉遣いは使わず、的確かつ簡潔に表現する
特に視覚障害者からは、
「です」「さん」など丁寧な言葉づかいは不要との意見があった。
例)
「音量大です」の「です」は不要
電話帳の読上げで「田中さん」の「さん」は不要
j)エラー発生時は、その内容、原因、対処方法について簡潔にわかりやすく案内すべきであ
る。
相反する意見として、特に視覚障害の中の弱視者や一般者からは、
「エラー番号のみでよい」
や「詳細すぎる案内は不要である」との意見もあった。
5.3 操作性
報知音に比べて音声案内はどの製品か識別しやすいので有用である、との意見もあった。
Ⅱ.その他
音声案内に関係する内容として、次のような意見もあった。
a)音声案内は、上位モデルのみではなく普及モデルにも搭載してほしい。〔視覚障害者〕
b)音声案内搭載機種一覧表や音声や音に関する工夫一覧などを、メーカー側で用意してほし
い。できれば購入前に知りたい。〔視覚障害者〕
c)視覚障害者はいろいろな生活音を頼りにしているので、それらが聞こえなくならないよう、
必要な音声案内のみにして欲しい。
〔視覚障害者〕
以上
8
参考資料
■参考資料1:家電製品協会
ユニバーサルデザイン技術関連WG
「家電製品における操作性向上のための音声案内に関する実態調査」報告書
(2011 年(平成 23 年)3 月発行)
■参考資料2:家電製品協会
ユニバーサルデザイン技術関連WG
「家電製品における音声案内に関する実態調査」報告書
(2012 年(平成 24 年)2 月発行)
■参考資料3:家電製品協会
ユニバーサルデザイン技術関連WG
「家電製品における音声案内に関する実態調査」分析報告書
(2014 年(平成 26 年)4 月発行)
■参考資料4:公益財団法人
共用品推進機構/独立行政法人
産業技術総合研究所発行
平成 24 年度 経済産業省委託 戦略的国際標準化加速事業
「アクセシブルデザイン及びその適合性評価に関する国際標準化」成果報告書
上記参考資料のうち、特に本ガイドに関係する参考資料2「家電製品における音声案内に関す
る実態調査」報告書と参考資料4「共用品推進機構
る。
9
調査研究成果報告書」の抜粋を次に掲載す
Ⅰ.ユニバーサルデザイン技術関連WG
2012年(平成24年)2月発行
「家電製品における音声案内に関する実態調査」報告書
よりの抜粋
3.調査結果
3.1
家電製品における音声案内の現状
3.1.1
音声案内の実態
●自宅での家電製品保有率(Q1)
・自宅での家電製品の保有率は、【一般消費者】【視覚障がい者】ともに「テレビ」「電子
レンジ・オーブンレンジ」「洗濯機・洗濯乾燥機」「炊飯器」「エアコン」「クリーナー
(掃除機)」
「電話機」が 7 割を超えており、上位である。
【一般消費者】 (n=720)
※一般消費者の保有率の降順ソート
0%
96.3
96.3
95.6
94.2
90.8
88.9
83.2
テレビ
電子レンジ・オーブンレンジ
洗濯機・洗濯乾燥機
炊飯器
エアコン
クリーナー(掃除機)
電話機(固定電話機)
ガスコンロ
ファクシミリ(FAX)
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
火災報知器
給湯器リモコン
ファンヒーター
テレビドアホン
IHクッキングヒーター
シーリングライト
ICレコーダー
マッサージチェア
【視覚障がい者】 (n=89)
70%
69.4
62.1
61.9
60.7
51.5
44.3
41.1
28.2
25.3
16.5
14.3
0%
70%
93.3
93.3
87.6
89.9
85.4
テレビ
電子レンジ・オーブンレンジ
洗濯機・洗濯乾燥機
炊飯器
エアコン
クリーナー(掃除機)
電話機(固定電話機)
ガスコンロ
ファクシミリ(FAX)
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
火災報知器
給湯器リモコン
ファンヒーター
テレビドアホン
IHクッキングヒーター
シーリングライト
ICレコーダー
マッサージチェア
76.4
85.4
64.0
57.3
57.3
55.1
48.3
61.8
41.6
38.2
36.0
34.8
28.1
10
●音声案内の使用率(Q2)※
・音声案内の使用率は、
【一般消費者】で「給湯器リモコン」が 8 割超で最も高く、次い
で「ファクシミリ(FAX)」、「電話機(携帯電話は除く固定電話機)」が上位である。
・【視覚障がい者】では、上記の 3 製品に加えて、「IH クッキングヒーター」など、ほと
んどの製品で【一般消費者】より音声案内の使用率が高い。
※今回の調査での「音声案内の使用率」は、各製品保有者ベースであり、音声案内の搭載機器保有者ベースではない。そ
のため、各製品の音声案内搭載率によって、使用率が影響されている可能性も高い。
【一般消費者】
現使用
※各製品保有者ベース
n=
使用経験
0%
給湯器リモコ ン
371
フ ァク シミリ(F A X)
447
電話機(固定電話機)
599
IHクッキングヒーター
203
50%
100%
2.7
83.6
8.9
51.2
59.1
5.4
23.6
31.5
2.7
21.5
88.1
66.4
8.7
42.1
[参考]
音声案内
搭載
認知率
火災報知器
437
マッサージチェア
103
13.6
37.1
テレビドアホン
296
15.2 2.4
テレビ
693 5.6 6.1
21.9
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
446 5.4 4.0
15.5
炊飯器
678 7.2 2.1
13.4
洗濯機・洗濯乾燥機
688 6.7 2.3
13.1
ICレコーダー
119 5.0 3.4
13.4
7.8
26.2
23.0
ファンヒーター
319 5.6 2.2
11.9
電子レンジ・オーブンレンジ
693 4.6 3.0
11.7
エアコン
654 4.0 2.6
10.6
シーリングライト
182 3.8 0.5
4.4
ガスコンロ
500 2.4 0.8
5.2
クリーナー(掃除機)
640 1.6 1.1
4.7
【視覚障がい者】
現使用
※各製品保有者ベース
n=
使用経験
0%
50%
14.0
69.8
[参考]
音声案内
搭載
100% 認知率
給湯器リモ コ ン
43
フ ァク シ ミリ(F A X)
51
電話機(固定電話機)
76
55.3
11.8
72.4
IH ク ッキ ングヒー ター
34
55.9
11.8
76.5
火災報知器
49
34.7
マッサージチェア
25
32.0
テ レビドアホン
37
テレビ
83
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
51
炊飯器
80
洗濯機・洗濯乾燥機
78
ICレコ ー ダー
31
ファンヒーター
55
電子レンジ・オーブンレンジ
83
エアコン
76
シーリングライト
32
5.9
66.7
16.3
52.0
10.8
45.9
8.4
23.8
62.2
51.8
15.7
19.6
76.5
63.3
12.0
32.5
88.4
47.1
10.0
41.3
5.1
37.2
26.9
12.9
38.7
64.5
14.5
45.5
27.7
8.4
41.0
28.9
7.9
6.3
50.0
23.6
34.4
44.7
ガスコンロ
57 12.3 10.5
35.1
クリーナー(掃除機)
68 10.3 11.8
32.4
11
[参考]音声案内の使用率(Q2)
音声案内搭載認知者ベース
【一般消費者】
※各製品保有者 かつ
音声案内搭載認知者ベース
現使用
n=
給湯器リモコン
0%
50%
297
電話機(固定電話機)
354
IHクッキングヒーター
27
テレビドアホン
68
75.0
17.2
7.4
58.0
152
29.6
66.2
10.3
27.6
25.7
34.8
26.1
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
69
炊飯器
91
洗濯機・洗濯乾燥機
90
ICレコーダー
16
ファンヒーター
38
電子レンジ・オーブンレンジ
81
39.5
エアコン
69
37.7
53.8
15.4
51.1
17.8
37.5
25.0
37.5
18.4
25.9
24.6
87.5
8
12.5
46.2
ガスコンロ
26
クリーナー(掃除機)
30
15.4
23.3
33.3
【視覚障がい者】
現使用
n=
使用経験
0%
給湯器リモコン
38
ファクシミリ(FAX)
39
電話機(固定電話機)
55
IHクッキングヒーター
26
火災報知器
31
マッサージチェア
13
テレビドアホン
23
テレビ
43
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
24
炊飯器
33
洗濯機・洗濯乾燥機
29
ICレコーダー
14.7
51.9
マッサージチェア
シーリングライト
13.5
77.1
162
テレビ
3.1
71.2
64
火災報知器
100%
94.8
327
ファクシミリ(FAX)
※各製品保有者 かつ
音声案内搭載認知者ベース
使用経験
50%
78.9
25
電子レンジ・オーブンレンジ
34
エアコン
34
シーリングライト
16
ガスコンロ
20
クリーナー(掃除機)
22
15.8
87.2
7.7
76.4
16.4
73.1
15.4
54.8
25.8
23.1
61.5
73.9
17.4
62.8
16.3
41.7
33.3
57.6
24.2
72.4
13.8
60.0
20
ファンヒーター
100%
20.0
52.0
32.0
67.6
20.6
64.7
17.6
12.5
68.8
35.0
30.0
31.8
36.4
12
●音声案内の使用開始時期(Q3)
・ 音声案内の使用開始時期としては、【一般消費者】【視覚障がい者】いずれも「ファク
シミリ(FAX)」
「電話機(携帯電話は除く固定電話機)」
「給湯器リモコン」が「3 年以
上」前からの使用者が多く、早い段階で音声案内が普及していたことがうかがえる。
【一般消費者】
0%
n=
20%
テレビ
81
14.8
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
42
14.3
269 7.4 6.7
304 7.2 4.9
10
10.0
テレビドアホン
52
9.6
エアコン
43
ファンヒーター
25
電子レンジ・オーブンレンジ
53
クリーナー(掃除機)
洗濯機・洗濯乾燥機
17 5.9
62 12.9
炊飯器
63
IHクッキングヒーター
59
給湯器リモ コ ン
シーリングライト
マッサージチェア
【視覚障がい者】
※音声案内「現使用」+「使用経験者」
ベース
34.0
35.3
17.7
33.9
25.4
20.3
30.5
21.3
57.5
3.4
37.5
9.1
50.0
20.8
21.7
6ヶ月未満
6ヶ月~
1年未満
18.2
27.4
20%
1年~
3年未満
40%
23.5
23.6
60%
34
18
フ ァク シ ミリ(F A X)
37
13.5
18.9
電話機(固定電話機)
51
11.8
21.6
ICレコーダー
テレビドアホン
16
21 4.8
エアコン
28
ファンヒーター
21
23.8
電子レンジ・オーブンレンジ
30
23.3
クリーナー(掃除機)
15
洗濯機・洗濯乾燥機
25
24.0
炊飯器
27
22.2
IHクッキングヒーター
23
21.7
38.9
80%
33.3
12.5
32.1
14.3
42.9
28.6
40.0
23.3
46.7
20.0
20.0
44.0
33.3
シーリングライト
13
マッサージチェア
11
36.4
火災報知器
25
36.0
16.7
13
7.7
36.1
38.5
23.1
13.0
38.5
33.3
30.8
54.5
28.0
13.3
11.1
26.1
30.8
23.1
36
4.8
13.3
12.0
33.3
39.1
13
18.8
23.8
32.1
ガスコンロ
2.7
33.3
42.9
20.0
5.6
40.5
43.8
21.4
11.8
22.2
24.3
28.6
100%
23.5
33.3
25.0
6.6
覚えて
いない
3年以上
41.2
テレビ
1.7
18.8
37.5
ブルーレイレコーダー/DVDレコーダー
7.9
32.2
37.5
12.5
給湯器リモ コ ン
11.3
30.2
37.5
13.6
7.5
11.8
17.6
24.2
9.5
7.0
16.0
24.0
22.6
29.4
13.9
20.9
24.0
27.0
3.8
37.2
17.0
0%
n=
10.0
48.1
28.0
9.1
10.0
11.8
60.0
26.9
18.9
106
7.4
11.9
53.2
18.6
12.5
22
火災報知器
18.5
21.4
20.0
15.3
100%
54.3
11.5
16.3
8
45.7
22.7
8.0
80%
40.5
21.7
16 6.3
320 9.7 8.1
ガスコンロ
60%
13.6
電話機(固定電話機)
覚えて
いない
3年以上
40%
11.9
フ ァク シ ミリ(F A X)
ICレコーダー
1年~
3年未満
6ヶ月~
1年未満
6ヶ月未満
※音声案内「現使用」+「使用経験者」
ベース
7.7
9.1
32.0
4.0
●使っている音声案内(Q4)
/
搭載して欲しい音声案内(Q14)
使っている音声案内、搭載して欲しい音声案内は、以下のような特徴がみられる。
▼【一般消費者】が使っている音声案内
異常、エラーを知らせる音声案内
「IH クッキングヒーター」
「火災報知器」のように、≪火災・やけど などのリスクのある
製品≫が高い
操作手順を知らせる音声案内
リビングでは「テレビ」
「ブルーレイレコーダー/DVD レコーダー」
「ファクシミリ(FAX)」
やキッチンでは「電子レンジ・オーブンレンジ」「IH クッキングヒーター」など、≪日常
的に利用される製品≫が高い。
操作確認を知らせる音声案内
「ファクシミリ(FAX)」「電話機」
「炊飯器」のほか、「エアコン」「IH クッキングヒータ
ー」「給湯器リモコン」といった製品が高い
操作結果、進行状況を知らせる音声案内
「ファクシミリ(FAX)」
「電子レンジ・オーブンレンジ」
「洗濯機・洗濯乾燥機」
「炊飯器」
「IH クッキングヒーター」「給湯器リモコン」といった≪操作して、動作開始から終了ま
でに時間のかかる製品≫が高い。
▼【一般消費者】が搭載して欲しい音声案内
異常、エラーを知らせる音声案内
「ガスコンロ」
「火災報知器」といった≪火災予防などの安全性向上が求められる製品≫に
てニーズがある。
その他
使っている音声案内と比較すると、全般的にスコアが低く「特にない」との回答が目立つ。
【一般消費者】
▼使って いる音声案内
※音声案内「現使用」+
「使用経験者」ベース
操作結果、
表示を読
異常、エラー 操作手順 操作確認
その他の
進行状況
み上げてく
を知らせる を知らせる を知らせる
内容
を知らせる
れる機能
音声案内 音声案内 音声案内
音声案内
9.9
61.7
35.8
22.2
21.0
13.6
19.0
73.8
31.0
26.2
19.0
4.8
26.8
46.1
45.4
49.8
30.9
5.2
17.8
39.5
42.1
38.2
30.6
16.4
網掛けは、スコア40%以上
テレビ
ブルーレイ/DVDレコーダー
ファクシミリ(FAX)
電話機(固定電話機)
ICレコーダー
テレビドアホン
エアコン
ファンヒーター
電子レンジ・オーブンレンジ
クリーナー(掃除機)
洗濯機・洗濯乾燥機
炊飯器
IHクッキングヒーター
ガスコンロ
給湯器リモコン
シーリングライト
マッサージチェア
火災報知器
n=
81
42
269
304
10
▼搭載して欲しい音声案内
30.0
23.1
23.3
50.0
21.2
30.2
50.0
28.8
58.1
20.0
28.8
34.9
0.0
9.6
20.9
0.0
34.6
7.0
40.0
28.3
24.0
50.9
32.0
26.4
32.0
43.4
8.0
11.3
12.0
11.3
58.8
35.5
27.0
52.5
29.4
38.7
27.0
50.8
17.6
35.5
46.0
55.9
29.4
45.2
55.6
55.9
0.0
11.3
12.7
22.0
11.8
43.8
21.6
31.3
23.1
43.8
59.7
31.3
80.6
6.3
17.2
6.3
1.9
8
22
25.0
25.0
37.5
62.5
25.0
25.0
4.5
63.6
45.5
36.4
9.1
106
78.3
6.6
15.1
10.4
4.7
0.0
3.8
52
43
25
53
17
62
63
59
16
320
8.1
4.8
1.7
14
操作結果、
操作確認
進行状況 その他の
特にない
を知らせる を知らせる を知らせる
を知らせる 内容
音声案内 音声案内 音声案内
音声案内
17.6
13.6
9.9
7.2
1.7
67.2
20.7
20.7
12.4
13.2
1.4
59.0
29.0
22.2
17.9
19.0
2.2
49.2
22.8
16.7
14.4
14.0
2.6
55.1
12.6
9.9
5.1
5.0
0.1
76.3
20.1
6.7
8.2
6.8
1.8
69.2
29.7
6.7
12.5
14.0
2.4
53.8
※全体
異常、エラー 操作手順
ベース
n=
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
720
37.8
32.1
21.4
34.2
23.6
35.4
44.9
38.1
10.1
15.7
57.1
6.5
16.7
3.6
14.6
9.0
10.8
5.4
14.0
3.5
15.7
9.7
8.8
12.4
4.2
12.8
11.8
10.7
7.4
18.6
4.2
10.7
13.1
9.0
15.4
6.5
19.4
21.3
10.8
8.3
29.9
3.6
11.1
11.3
1.4
1.7
1.4
1.4
1.0
1.8
1.5
2.2
0.7
1.1
3.1
53.9
49.6
69.6
46.0
56.4
55.4
48.1
40.1
83.3
65.8
33.3
▼【視覚障がい者】が使っている音声案内
異常、エラーを知らせる音声案内
「テレビ」「電子レンジ・オーブンレンジ」「給湯器リモコン」が高い。
操作手順を知らせる音声案内
「テレビ」「ファクシミリ(FAX)」
「電話機」「電子レンジ・オーブンレンジ」が高い。
操作確認を知らせる音声案内
「テレビ」「ファクシミリ(FAX)」
「電話機」「給湯器リモコン」が高い。
操作結果、進行状況を知らせる音声案内
「ファクシミリ(FAX)」「給湯器リモコン」が高い。
表示を読み上げてくれる機能
「テレビ」が高い。
▼【視覚障がい者】が搭載して欲しい音声案内
異常、エラーを知らせる音声案内
【一般消費者】と同様に「ファンヒーター」「ガスコンロ」「火災報知器」といった≪異常
発生時に火災・やけど などのリスクのある製品≫が高い。
その他
総じて、【一般消費者】よりも搭載して欲しいとのスコアが高い。
【視覚障がい者】
※音声案内「現使用」+
「使用経験者」ベース
網掛けは、スコア40%以上
テレビ
▼使って いる音声案内
▼搭載して欲しい音声案内
異常、エ
操作手順 操作確認
ラーを知ら
を知らせる を知らせる
せる音声
音声案内 音声案内
案内
n=
34
41.2
44.1
47.1
操作結果、
表示を読
その他の
進行状況
み上げてく
内容
を知らせる
れる機能
音声案内
35.3
41.2
2.9
ブルーレイ/DVDレコーダー
18
38.9
55.6
61.1
55.6
33.3
5.6
ファクシミリ(FAX)
電話機(固定電話機)
ICレコーダー
テレビドアホン
エアコン
37
51
35.1
31.4
54.1
41.2
40.5
43.1
40.5
37.3
27.0
29.4
10.8
7.8
16
25.0
62.5
56.3
56.3
31.3
0.0
21
23.8
38.1
47.6
42.9
28.6
9.5
28
39.3
42.9
50.0
28.6
14.3
0.0
ファンヒーター
電子レンジ・オーブンレンジ
クリーナー(掃除機)
洗濯機・洗濯乾燥機
炊飯器
IHクッキングヒーター
ガスコンロ
給湯器リモコン
シーリングライト
マッサージチェア
火災報知器
21
66.7
42.9
47.6
28.6
38.1
30
53.3
40.0
36.7
30.0
20.0
4.8
0.0
15
73.3
46.7
20.0
13.3
6.7
0.0
25
56.0
32.0
36.0
36.0
16.0
0.0
27
44.4
48.1
33.3
25.9
18.5
3.7
23
60.9
39.1
26.1
39.1
26.1
4.3
13
69.2
53.8
30.8
30.8
23.1
36
41.7
27.8
47.2
50.0
19.4
0.0
2.8
13
53.8
30.8
53.8
30.8
23.1
0.0
11
45.5
36.4
36.4
18.2
18.2
0.0
25
56.0
24.0
32.0
16.0
12.0
0.0
15
操作結果、
操作確認
進行状況 その他の
特にない
を知らせる を知らせる を知らせる
を知らせる 内容
音声案内 音声案内 音声案内
音声案内
20.2
23.6
25.8
22.5
3.4
31.5
20.2
27.0
20.2
24.7
6.7
34.8
30.3
31.5
21.3
33.7
4.5
30.3
29.2
25.8
18.0
22.5
5.6
30.3
21.3
20.2
13.5
14.6
6.7
44.9
23.6
15.7
18.0
23.6
9.0
40.4
31.5
34.8
25.8
33.7
6.7
19.1
※全体
異常、エラー 操作手順
ベース
n=
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
89
43.8
31.5
29.2
36.0
27.0
36.0
43.8
37.1
22.5
28.1
49.4
19.1
31.5
18.0
28.1
34.8
28.1
23.6
27.0
11.2
25.8
16.9
19.1
27.0
13.5
21.3
27.0
22.5
23.6
24.7
13.5
12.4
22.5
21.3
36.0
18.0
24.7
30.3
25.8
22.5
27.0
15.7
22.5
21.3
7.9
1.1
5.6
6.7
4.5
3.4
3.4
3.4
4.5
5.6
4.5
22.5
20.2
37.1
24.7
25.8
27.0
25.8
24.7
44.9
31.5
21.3
4.
4.1
まとめ
現状把握
今回の、調査対象者(音声案内の利用経験がある一般消費者、視覚障がい者)と対象製品(1
8製品)におけるアンケート調査の結果から、以下の内容が確認された。
①音声案内の使用率
音声案内の使用率は、【一般消費者】
【視覚障がい者】ともに、「給湯器リモコン」「ファクシミ
リ(FAX)」、
「電話機(携帯電話は除く固定電話機)」が上位であり、いずれも「現使用」
「使用経
験」を合わせると5割を超え、特に「給湯器リモコン」については8割を超えている。これら上
位3製品は、音声案内の使用開始時期が「3年以上」前からの使用者が多く、早い段階で音声案内
が普及し、広く使用されていることがうかがえる。
また【視覚障がい者】の音声案内の使用率は、
【一般消費者】と比較するとほとんどの製品で高
いことも確認された。
【視覚障がい者】は、
「現使用」
「使用経験」を合わせるとほとんどの製品で
3割を超えているが、【一般消費者】では、上位3製品以外は全て3割未満となっている。
②音声案内の使用状況と搭載要望
使っている音声案内は、
【一般消費者】【視覚障がい者】ともに、製品特性により製品ごとに異
なっている。「異常、エラーを知らせる音声案内」は、火災・やけどなどのリスクのある製品が高
い傾向にあり、例えば【一般消費者】では「IH クッキングヒーター」、「火災報知器」が、【視覚障
がい者】では「電子レンジ」、「給湯器リモコン」などが比較的に高かった。その他、「操作手順を知
らせる音声案内」、「操作確認を知らせる音声案内」、「操作結果、進行状況を知らせる音声案内」に
ついては、製品ごとに異なる傾向が強いが、機能が多機能化、高度化している製品を中心に高い
傾向にある。
また、音声案内の搭載要望は、
【一般消費者】
【視覚障がい者】ともに、
「ファンヒーター」
「ガス
コンロ」
「火災報知器」など、異常発生時に火災、やけどなどのリスクのある製品が高い。その他、
【視覚障がい者】は総じて、【一般消費者】よりも搭載して欲しいとのスコアが高い。
③総合満足度
音声案内の項目別評価(音量、スピード、声質、タイミング、案内文の長さ、わかりやすさ)と
しての総合満足度は、【一般消費者】
【視覚障がい者】ともにすべての製品で約6~9割前後が満
足していると回答している。しかし一方で、
【一般消費者】と【視覚障がい者】を比較すると、
【視
覚障がい者】で総じて満足が低く、不満が高くなりがちな様子がうかがえる。項目では「音声の
声質」にその傾向が表れている。
④音声案内の必要性
日常生活全般での音声案内については、
「必要だと思う」
「やや必要だと思う」をあわせると【一
般消費者】で79%、
【視覚障がい者】で88%に達しており、社会的にも広く≪音声案内の必要
16
性≫が認識されている。しかしながら「必要だと思う(TOP1)」と回答した割合を比較すると
【視覚障がい者】の51%に対して【一般消費者】では24%にとどまっており、その必要性の
認識には若干の温度差がうかがえる。日常生活での音声案内が「必要だと思う理由」としては、
「操作がわかりやすい」
「説明書を読まなくて済む」など≪利便性≫や「操作ミスの防止」「危険
回避ができる」など≪安全性≫に加えて、視覚障がい者やお年寄りに対する≪バリアフリーやノ
ーマライゼーション≫の視点での回答も多数挙がっている。一方で音声案内が「必要だと思わな
い理由」としては、
「音声がうるさい、過度である」
「ガイダンスがなくても分かる」
「説明書を読
めば分かる」といった回答が見られる。
4.2
課題整理
今回の調査で「音声案内」がユニバーサルデザインを追求していく上で、有効な手段の一つで
あることが確認できた。また、調査の結果を踏まえ、音声案内の「煩わしさ」などの「低い満足
度」を改善することが重要であると考えて課題を以下のようにまとめた。
①「ファンヒーター」「ガスコンロ」
「火災報知器」「IH クッキングヒーター」など、異常発生時
に火災、やけどなどのリスクのある製品を選定し、音声案内搭載の必要性を検討すること。
②【視覚障がい者】と【一般消費者】の評価の総合満足度の違いや「表示と音声案内の関係」を分
析・調査し、
【視覚障がい者】に対する音声案内の課題を抽出し改善案を検討すること。
③「音声がうるさい、過度である」という回答に対して「適正な音量や快適な音声の声質の傾向」
を把握すること。
④「ガイダンスがなくても分かる」
「説明書を読めば分かる」など煩わしさの回答に対して「適正
な話速やタイミング、文章の長さなど」を把握すること。
また、さらなる≪利便性≫向上や≪安全性≫確保を目的に、最低限満たすべきガイダンス内容・
音声の基準や音声案内を搭載する際の注意点や配慮項目等を抽出するためには、引き続き次のよ
うな詳細調査や検討が必要であると考える。
① 音声案内を搭載している製品の「音声案内の内容」「音量」「音質」の評価。
② ユーザーに対して実際の使用状態での具体的ニーズや改善要望などの調査。
③ 声質、話速、文章の長さ、音量、表現(アクセント、使用語句)、タイミングなどの調査。
④ 使用者に対する音声案内ON、OFF設定やカスタマイズ化への対応の可能性などの検討。
17
Ⅱ.公益財団法人
平成 24 年度
共用品推進機構/独立行政法人
経済産業省委託
産業技術総合研究所発行
戦略的国際標準化加速事業
「アクセシブルデザイン及びその適合性評価に関する国際標準化」成果報告書よりの抜粋
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作成者名簿
技術関連委員会
ユニバーサルデザイン技術関連WG
(順不同、敬称略)
主
査
桑野
裕康
副主査
澤田
久美子
委
佃
五月
シャープ(株)
中山
真穂
(株)東芝
石橋
厚
(株)日立製作所
田中
博文
日立アプライアンス(株)
山崎
友賀
三菱電機(株)
山崎
正人
(株)コロナ
羽東
公一
ダイキン工業(株)
上野
浩次
ダイキン工業(株)
杉山
美穂
キヤノン(株)
野村
俊行
(一般社団法人)日本ガス石油機器工業会
近藤
秀介
(一般社団法人)日本ガス石油機器工業会
中野
美隆
(一般社団法人)日本電機工業会
石井
博之
(一般社団法人)電子情報技術産業協会
箱崎
吟子
(一般社団法人)電子情報技術産業協会
員
事務局
パナソニック(株)
三菱電機(株)
薬師寺
康博
(一般財団法人)家電製品協会
中津川
達雄
(一般財団法人)家電製品協会
長岡
正伸
(一般財団法人)家電製品協会
平成26年度
家電製品における操作性向上のための
音声案内に関するガイド
2015年(平成27年)3月
発行者
一般財団法人
家電製品協会
〒100-0013
東京都千代田区霞ヶ関3丁目7番1号 霞ヶ関東急ビル
電話(03)6741-5602
FAX (03)3595-0761
URL:http//www.aeha.or.jp
編
集
技術関連委員会
ユニバーサルデザイン技術関連WG
※無断転用をお断りします