企業の未来を設計し、 価値を創出するIT部門へ

月刊BSPマガジン
業務運用やITシステム運用を支えている人達を応援する情報誌
業務運用やITシステム運用を支えている人達を応援する情報
6-7
M a g a z i n e
2013
J U N - J U L 201
NOT FOR SALE
企業の未来を設計し、
価値を創出する I T部門へ
~「運用レス2.0」による価値創出サイクルの実現~
導入事例
川澄化学工業株式会社 様
昭和シェルビジネス&ITソリューションズ株式会社 様
進化する!最新データセンター特集
株式会社東計電算 様
製品&サービス採用情報
ANAグループが「LMIS on cloud」を採用
特集
企業の未来を設計し、価値を創出するIT部門へ
~
「運用レス2.0」
による価値創出サイクルの実現~
優先すべきは「利用者に価値を提供するIT」
を用いることで明確になります。縦軸は、IT部門の業務や技術
を、自社内にそれらを長期保有することにより企業価値や事業の
これまで、IT部門は利用者の要求に応じたシステムを開発し運
競争力を高めるものか否かで分類し、横軸は、それらが自社固有
用する役割を担ってきました。一方、近年ではビジネスへの直接
のものか、汎用的なものかで分類します(※図2)。
的な貢献がより強く求められ、業務部門だけでなく、経営層や
マーケティング部門、営業部門などとの接点の拡大や関係強化
■ 図2:IT部門が提供する業務の価値分析例
長期間保有価値
も求められています。業務改善と効率化を目指すIT部門から、利
用者の役に立ち、価値を産むためのITサービス部門への変革が
重要になります。
これまでのシステム化はIT部門が主体でした。ビジネス側(利
企業の競争力や、
社会的貢献価値を高める
用者側)は専門家に任せればよいといった認識が強く、開発側の
視点に偏ったシステム構築が行われることもあったことから、個
別最適化や属人化を生み、結果、コストも高いという弊害が生じ
がちでした。今日、新たなITシステムおよびITサービスにおける
業務プロセス
設計【固有】
【固
システム機能
設計
プログラム
開発/修正
固有的(内部)
PM
業務理解
【無】
システム
エンジニア
インフラ
オペレーション
運用
低
PM
業務理解
【有】
サービス
マネジメント
業務プロセス
設計【汎用】
汎用的(外部)
との期待を強めています。その期待に応えるためにも、ビジネス
戦略
ITアーキテクト
ガバナンス
企画・構想
保守
対応方針
決定
IT業務
革新的技術やそれらの調達に対する、経営層や企画部門、顧客
や取引先企業の期待は大きく、IT活用が事業の拡大に直結する
高
外部サービス、パッケージを活用
し、高品質・低コストを目指す
側のニーズを引出し、自社ビジネスへの理解を深め、ITをサービ
ス化して提供していくことが必要です(※図1)。
企業の事業戦略と照らし合わせ、長期間自社内で保有すること
■ 図1:システム化からサービス化へ
システム化
IT部門が主体
により競争力の源泉となるものや企業価値の増大へ直接的につ
サービス化
ビジネスが主体
ITによる業務改善
IT利用目的
ITによるビジネス拡大
業務分析
アプローチ
イノベーション
IT部門が作る
主導権
顧客・利用者が活用
システム管理
個別最適
管理手法
サービスマネジメント
全体最適
システム運用
IT部門の役割
システム提供
ながるもの、かつその企業固有の要件によるものは自社で保有
します(図2右上)。反対に、汎用的であって外部調達が可能、
かつ当該分野のプロフェッショナルに依頼することでメリットが
得られるものは、外部サービスやパッケージ、ソリューションを活
用します(同、左下)。これは、過剰な自前主義から脱却し、IT投
資の最適な配分を行うことにもつながります(※図3)。
■ 図3:過剰な自前主義を捨て、IT投資を最適化
保有価値の高いものは内部
汎用性の高いものは外部
競争力の源泉、差別化、企業価値
コスト削減、リソース有効活用、共同利用
IT部門の業務の価値分析
これまでIT部門が支えてきた、インフラの維持管理、システム
戦略
ITアーキテクト
の監視、業務運用は、必ずしも付加価値の高い業務とは言えなく
システム機能設計
なっています。クラウドによる外部サービスの普及が、スピーディ
なITサービス利用の開始をますます容易にしているためです。今
までと変わらないバックオフィス業務のシステム化やその維持・
運用だけでは、ITシステム運用部門が、存在意義を出し続けてい
くことは一層難しくなるでしょう。
これからのIT部門の価値を高めていくためには、IT部門が担っ
ていくべき業務や保有すべき技術に関する価値分析を行うこと
が必須です。これらの分析は、2つの評価軸を持つマトリックス
2
BSP Magazine 2013 JUN-JUL
PM
業務理解【有】
業務プロセス
設計【汎用】
サービス
マネジメント
オペレーション
運用
業務プロセス設計
【固有】
保守対応・方針決定
システム開発
システム
運用管理
プログラム
開発/修正
BSPグループはITシステム運用を支えている人達を応援します。
■ 図4:運用レス2.0
企業価値
サービス
提供領域
供
提
ス
供
ビ
提
!
サー
ビス
向上上
!
ーを
的ななサ値
続
向
継 続的
業価 値を
継企 業価
で
企
で
時間
「運用レス 2.0」
による
価値創出サイクルの実現
昨年、BSPグループは、これからのIT部門が、ますます厳しく
■ 図5:テクニカルアプローチとマネジメントアプローチ
現在のIT資産化
(システム化)
なる競争環境に対応し、業務の自動化や効率化によって事業に
ビジネス要件の実現
(IT活用)
IT サービスの
価値分析
貢献する部門に変革していくためのコンセプトとして「運用レス」
コンサルティングサービス
運用BPOサービス
を提唱しました。
IT部門が、監視やオペレーションなどのシステムを維持する定
テクニカルアプローチ
マネジメントアプローチ
常的な業務から脱し、事業成長や経営に貢献するサービス部門
ITインフラをサービス化し、
価値創出するソリューション
SMOを構築し、価値創出を目指す
戦略的フレームワーク
へ変革していくための方法論をアプローチ方法やIT部門のある
べき姿として提唱し、IT部門の変革を考えるお客様から多くの反
響をいただきました。
今年、BSPグループは「運用レス2.0」
(※図4)を新たに発表
しました。IT部門が、自社保有しサービス提供していくべき領域
へIT資産をシフトさせ、その提供業務を継続的に拡大していくた
めの組織面、技術面のアプローチ手法を加えて、企業価値の向
上に貢献するためのコンセプトへとアップデートしました。
「運用レス2.0」は、企業価値の継続的な向上に向けて、
マネジ
メントアプローチとテクニカルアプローチの2つのアプローチ方
■ 図6:運用レスの6つの領域と、BSPグループが提供する
ソリューション・サービス群
運用レス領域
ソリューション、サービス
サービス
マネジメント
ASMO、LMIS
BPR
アセスメント、中計策定
クラウド
Be.Cloud、運用基盤
アウトソーシング
運用BPO(計画、移行、保守)
自動化
A-AUTO
Waha! Transformer
人材育成
教育サービス、認定講座
法(※図5)を提唱しています。これまでの主にコスト削減、効率
化による事業貢献だけではなく、提供すべきITサービスの価値
分析を行い、
「持つべきもの」
「利用すべきもの」
「求めるもの」を
明確にし、
「価値創出」のための活動を行います。
「運用レス
2.0」で提唱する6つの領域(※図6)への取り組みに順序性はあ
りません。目標達成度に対する継続的なアセスメント・評価と改
善のPDCAライフサイクルを実施する組織作りと方法論の定着
を行い、ITサービスを提供する最適な技術基盤を開発あるいは
調達することによって、継続的に拡大していく「価値創出」を図り
ます。
BSP Magazine 2013 JUN-JUL
3
「運用レス2.0」のマネジメントアプローチ
~ASMO~
する技術が定着しつつあり、企業内に置く基幹システムと外部に
置くプライベートクラウドサービスを併用するハイブリッドクラウ
ドの形態が普及してきています。
「Be.Cloudサービス」は、複数
「運用レス2.0」において、ITサービスマネジメントの実現は不
のクラウド、自社サイトをまたがって1つのクラウドインフラとし
可欠です。その達成のためには、お客様、利用者、外部との関係
て管理するメタクラウドとして多彩なITサービスメニューを提供
も含めた IT 部門を中心とする常設の組織・機能にあたる SMO
します。
(Service Management Office)の設置が重要となります。
設置・運営にあたっては、ASMO(Advanced Service Man-
■Be.Cloud 運用ポータルサービス
agement Office)フレームワーク(※図7)が有効であり、BSP
お客様は、仮想サーバ、ストレージ、運用管理ツール、管理
グループはそのご提案をしています。
サービス利用申請から調達、設定、さらに利用者単位、グループ
ASMOフレームワークは、SMOを運営するための組織・機能
単位の利用状況や課金管理も専用のポータルで簡単に行うこと
を定義し、役割と責任を明確化します。実際の活動における組織
ができます。また、同じネットワークドメイン内に接続できれば、
間のプロセスの流れや要件の承認、数値指標によるモニタリング
現在利用中の自社内の仮想サーバやクラウドサービスも同様に
も行い、継続的なサービス改善を実現します。SMOの設置にあ
管理することができます(※図8)。
たっては、企業の組織体系のどこに適用するかもあらかじめイ
メージする必要がありますので、IT サービスを利用部門へどのよ
■Be.Cloud ハイブリッドクラウドサービス
うに提供していくのか、その目的も明確にします。ASMOフレー
サーバ、ストレージ、ネットワークなどのITシステムのリソース
ムワークは、これからの IT 部門が IT サービスの提供を通じて、
を複数のクラウド上に調達することが可能で、お客様の要件に応
「価値創出」と「課題解決」を実現し、より高度な役割を担う部
じた業務アプリケーションの分散配置、IaaSに関わるサービスレ
門への変革を可能にします。さらに、見えにくい IT サービスの価
ベルの選択、クラウド上に置く業務アプリケーションと自社内に
値を可視化し、グローバル化に対応し、競争力を向上させ、永続
置く基幹システムに対する一元的な運用管理業務を行うことが
的なコスト削減にもお応えします。
できます。高い信頼性や可用性、セキュリティレベルの確保とと
もに最適なコストでの維持管理にも貢献します(※図9)。
「運用レス2.0」のテクニカルアプローチ
~Be.Cloud ~
■Be.Cloud BPOサービス
Be.Cloudサービスを利用し、お客様のITシステム運用業務そ
「運用レス2.0」を実現するためのテクニカルアプローチとし
のものを請け負う「運用BPOサービス」は、リモート監視や障害
て、BSPグループのITシステム運用のノウハウを組み込み、提供
対応(※一次)、サービスデスク、セキュリティ・監査、運用コンサ
してきた自動化製品群に加えて、新たにITサービスの利用に必要
ルなど、運用管理オペレーションと、ITシステム運用業務を一括
な仮想サーバ、監視や運用管理ミドルウェア、ITサービスマネジ
して支援します(※図10)。
メントツール、仮想サーバの導入やコンフィグレーションツールな
どを全てサービスとして提供する「Be.Cloudサービス」を開始し
BSPグループは、運用レス2.0を実現する2つのアプローチに
ました。
より、IT部門による企業価値向上、事業貢献へ役割をはたしてい
パブリッククラウドサービスをプライベートクラウドとして利用
くことを継続的にお手伝いしてまいります。 ■ 図7:SMOを実現するASMOフレームワーク
ビジネス
TM
製品・サービス
¥
ASMOフレームワーク Ver1.0
事業部門
SLA
ITインフラレイヤー
技術
サービスカタログ
¥
ITサービス
ITサービ
ビス
SMO
IT部門
(ITサービスプロバイダ)
OLA/UC
¥
ITサービス資産
人・モノ・金/能力
外部
サービス
¥
¥
アウト
ソーサ
ベンダ
メーカ
オペレーティ
ングモデル
サービス
提供タイプ
モニタリング
&コントロール
間接部門
ビジネス
サービスカタログ
マネジメント
コンサルティングサービス
ITサービスレイヤー
企画、販売、製造、保守
サービス統括
ツール
製品やサービスの
提供によって、お客
様から報酬を得る
統合窓口
ビジネスレイヤー
お客様
アセスメント・価値分析
設計・構築
運営
組織改革
人材育成
ソリューション
※OLA:Operational Level Agreement ※UC:Underpinning Contract
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BSPグループはITシステム運用を支えている人達を応援します。
■ 図8:Be.Cloud 運用ポータルサービス
パブリッククラウドのようにプライベートクラウドを管理できます
・利用者自身により仮想サーバ利用申請から調達が可能です。
・利用者単位・グループ単位の利用実績や課金管理が可能です。
・複数のクラウドの中から必要なサービスを選択可能。お客様利用中の仮想サーバとの併用も可能です。
お客様利用者
Aクラウド
お客様管理者
管理
申請
調達
Windows
Linux
Bクラウド
・利用者からの申請
に応じたVM配布
・VMと同時に
サービス申請
お客様
仮想サーバ
・利用者問い合わせの
チケット管理
・VM利用時間集計、課金管理
・調達可能なVMの
統合監視
■ 図9:Be.Cloud ハイブリッドクラウドサービス
お客様社内と複数のクラウドが接続した構成が可能です
・社内サーバ保守切れのタイミングに合わせてクラウドへの移行(P2V)が可能です。
・マルチクラウド構成で、運用の可用性とセキュリティの向上に貢献します。
・バックアップ、BCP対策のシステム構成にも適用可能です。
お客様社内
VPN
クラウドA
(データ
センター)
お客様
ハード保守切れに合わせて、
社内マシンを順次移行
クラウドB
(パブリック
クラウド)
異なる場所へ
データ保管
■ 図10:Be.Cloud BPOサービス
「運用視点」の機能・サービスまで、一貫して提供します
・インフラ管理を預けながら、監視などの必要な機能を自分で使うことが可能です。
・夜間運用監視、障害一次対応などのオペレーション業務から、ITサービス管理・分析などの専門性の
高い業務まで、幅広いサービスの利用が可能です。
お客様
システム監視機能の
利用が可能
運用センター
監視
ジョブ運用
運用設計
業務タスク
監視・ジョブ設定
ジョブスケジュール
運用監視
BPOで作業負担の軽減
運用の委託
手順1
手順2
手順3
ジョブ運用
障害回復
ITサービス
管理・分析
障害一次対応
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y
導入事例
リーンスタートアップの考え方で
LMIS on cloudをスピード導入
ー医療品製造に関わる構成情報を管理するシステム台帳基盤を構築ー
川澄化学工業株式会社 様 活用事例
製 品
プラスチックの成形加工技術を日本で最初に確立した先駆者として知られる川
澄化学工業株式会社(以下、川澄化学)は、
「からだの血液をきれいにする会社」を
スローガンに、人工腎臓や人工心肺、カテーテルや採血・輸血・輸液システムなど
の医療機器・医薬品の開発を通じて、世界の人々の大切なからだと血液を安全に
守っています。
同社は、散在していた様々な情報の一元管理や、内部統制や医療特有の法令で
企業プロフィール
ある CSV(コンピュータ化システムバリデーション)に準拠するため、BSP の IT
サービスマネジメントのクラウドサービス「LMIS on cloud(エルミス・オン・ク
ラウド)」を採用し、あらゆる医薬品の製造にかかわるシステム企画から廃棄まで
の構成情報やサイクルを管理するシステム台帳の基盤構築を実現しました。
今回、採用に至るまでの背景や決め手になった理由などについて、川澄化学のシ
ステム部 システム企画課 課長 緑川 毅氏にお話を伺いました。
■社名
川澄化学工業株式会社
■創業
1954
(昭和 29)
年 12 月 1 日
■設立
1957
(昭和 32)
年 6 月 26 日
■従業員数
連結 3,154 名、
単体 966 名
■事業内容
医療機器・医薬品の開発・製造・
販売
■URL
http://www.kawasumi.jp/
―川澄化学のシステム部についてお聞かせ
ください。
当社システム部システム企画課は社内全
般のあらゆるITの問い合わせ窓口として、一
般社員・役員を問わず、IT機器の使用方法
から導入などの相談を受けており、これに対
するすみやかな回答や手順書の作成、システ
ムの設計、時にはITを用いた業務の見直しな
どを行っています。
仕事の質に対する考え
―システム部門の課題についてお聞かせく
ださい。
2006年よりIT刷新プロジェクトが実施さ
れ、急激にサービスの量が増加したため、運
用が追い付かなくなるのではという課題が
発生しました。課題への対応として、4つの
活動を実施しました。
①外部ベンダーとの協力体制見直し
②現業務部門への業務移管
③システム部門の業務改善
④部内の組織体制の見直し
これらの活動により、業務はある程度改
善され、システム部門のレベルも上がりまし
たが、経営からは会社全体の業務プロセス
を見直す部門への変革が求められました。
同時に内部統制やCSV(コンピュータ化シス
テムバリデーション)が施行となり、様々な
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BSP Magazine 2013 JUN-JUL
ITに対するルールの厳格化が急務となりまし
た。対応しなければならない業務は大幅に
増加しましたが、人員は補充されない状況
の中、私たちは仕事の質を根本的に変えてい
かなければならないと考え始めました。
ITILの活用を検討
―仕事の質を変えるためにどのような活動
をされたかお聞かせください。
私たちは、ITサービスマネジメントにおけ
るベストプラクティスと言われているITILを
活用することで、システム部門の仕事の質を
変えられないかと考えました。ITILの全てを
実施することは時間・工数的に難しいため、
まずはITILの中から自社業務に当てはめや
すい問題管理と構成管理を限定的に適用す
ることにしました。
次に、システム部門でITILを体系的な共通
の認識として浸透させるため、ITILファン
デーション資格を取得させることにしまし
た。この資格取得の相談をきっかけに、BSP
グループとのお付き合いが始まりました。
後々のことを考えて、ツールから人材育成ま
でがサービスとして網羅されているベンダー
は魅力的でしたね。ITILの部内浸透がある
程度高まったところで、次にツールの選定が
始まりました。
BSPグループはITシステム運用を支えている人達を応援します。
「LMIS on cloud」との出会いから
導入まで
― 今 回、BSP の「LMIS on cloud」を採 用
いただいた理由についてお聞かせください。
1つ目は先ほどお話しした通り、ITIL に関
するツールから人材育成までを、BSP グルー
プがサービスとして網羅的に提供している
点。2 つ目として、当社はサーバを可能な限り
外に出して資産を持たないという方針と、自
社にオンプレミス版のサーバを設置した場
合、大規模障害時に重要な情報(構成情報)
を確認できなくなるリスクを回避するため、
クラウド版が必須の条件だったことによりま
す。検討の結果、この 2 つの条件にマッチし
た「LMIS on cloud」を採用することが決ま
りました。
その他採用のポイント
●テンプレートの活用
「LMIS on cloud」は ITIL 準 拠 の管 理 項
目、ワークフロー、レポートを標準搭載して
いるため、基本的には標準の項目を利用す
ることができる
●厳密な要件定義が不要
柔軟にカスタマイズが可能な仕組みとなっ
ており、またエクスポート・インポート機
能も使い勝手が良いため、厳密な要件定義
なしでのリーンスタートアップが可能
リーンスタートアップの考え方で
スピード導入を実現
―スピード導入の考え方についてお聞かせ
ください。
今回は 100%のゴールを決めておらず、
ITIL を活用するというテーマから入って随時
作りこんでいく方針でした。リーンスタート
アップを特に意識した訳ではありませんが、
元々当社は全てのシステム導入において同様
の進め方をしており、6 ~ 7 割の絵が描けた
ら進める方針です。
「LMIS on cloud」も同
様に ITIL を雛形にスパイラルアップで進め
ていくやり方をとっています。デモや試使用
を見て、複雑な要件定義なしでそのまま利用
できそうに感じていたということもあります
が、設計段階で見込んでいたものは多かれ少
なかれ途中で変わるということを何度も経
験していたからでしょう。今回も、既存の構
成情報(OS のスペックなど)を収集するのに
非常に工数がかかりました。実際に使用して
い る PC を チェックして ServicePack の
バージョンを確認したりもしました。システム
部門全メンバーでデータをクレンジングしつ
つ実運用に入りました。通常は事前に準備し
てからだと思いますが、あえて同時並行で進
めました。良くも悪くもはじめから 100%を
求めない、結果は途中からついてくると考え
ていま す。また、
「LMIS on cloud」であ れ
ば、様々な変更に柔軟に対応できると信じて
いたからですね。結果的に、評価から本稼働
までをわずか 4 ヶ月で実現することができ
ました。
「LMIS on cloud」による効果
―「LMIS on cloud」導入による効果につ
いてお聞かせください。
CSV 施行により、システムの企画から廃
棄までのライフサイクル見直しとシステム台
帳の整備が必須となり、監査のたびに台帳
を集めて精査するのは非常に工数がかかる
ため、システマチックに運用する必要があり
ました。
「LMIS on cloud」の導入により、シ
ステムの構成管理や障害情報の管理を実現
できました。また、CSV の管 理 方法が ITIL
に 似 て お り、
「LMIS on cloud」の テ ン プ
レートをほぼそのまま使用することができま
した。
また導入前は、各種あるファイルサーバの
どこに何のデータがあるかが分からず格納
場所やデータの種類も多岐にわたるため、そ
れぞれのデータのありかを知っているのは
担当者だけになってしまい、どのデータが最
新かも分からない状況でしたが、導入後は分
散していた社内 IT 資産情報の正確性・一覧
性が格段に上がり、情報収集を効率化させ
ることができました。その他にも、システム部
員の意識向上や、他部署に対するシステム部
門の業務可視化も実現することができまし
た。
川澄化学工業株式会社
システム部 システム企画課
課長 緑川 毅氏
今後の課題・取り組み
―「LMIS on cloud」に関する今後の課 題
や取り組みについてお聞かせください。
「LMIS on cloud」を使う以前よりは情報
の管理が充実していますが、担当者によって
レベルにばらつきがあるため、データの鮮度
を維持・統一するためにしばらくは管理者
からの指導が必要と感じています。この点で
は BSP からのアドバイスを継続していただ
きたいですね。
「LMIS on cloud」には、ビューやレポート
のカスタマイズをはじめさまざまな機能が
パッケージングされていますが、まだまだ使
い切れていません。現段階では、問題管理と
構成管理しか適用していないので当然です
が、今後は利用者の要望を取り込みながら、
パッケージ機能のフル活用が必要です。その
ために「LMIS on cloud」自体のメンテナン
ス方法なども教授していただき、使い勝手を
向上できればと考えています。
●お客様各社の導入事例をホームページでご紹介しています。 http://www.bsp.jp/products/case/
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昭和シェル石油グループを支える運用基盤
導入事例
「大 規模分散 処 理オプション」の開発 経 緯と
安定運用基盤の実現
昭和シェルビジネス&I Tソリューションズ株式会社 様 活用事例
製 品
昭和シェルビジネス &IT ソリューションズ株式会社は、昭和シェル石油グループ
の情報システム会社です。同社は、20 年以上にわたり昭和シェル石油グループに IT
コンサルティング、システム開発および運用サービスを提供しています。また、昭和
シェル石油グループの一員として、昭和シェル石油株式会社および関係会社、在日
シェルグループ各社やビジネスパートナーへの IT サービスも提供しています。お客
様のビジネス戦略やニーズを理解し、ビジネスに近い IT 会社としてお客様の IT 戦
企業プロフィール
略を提案できる組織、人材の育成を目指しています。
今回、昭和シェル石油グループを支える運用基盤へ、A-AUTO の大規模分散処理
■社名
昭和シェルビジネス& I T ソリュー
ションズ株式会社
■設立
2007 年 4 月1日
■事業内容
昭和シェルグループの情報システ
ム会社。
コンサルティング、
システ
ム開発、
インフラストラクチャー構
築、
システム運用等
■URL
http://www.sbis.co.jp/
オプションが採用されるに至った背景やその効果について、昭和シェルビジネス&IT
ソリューションズ株式会社のオペレーショナルサービス部の皆様にお話をお聞きしま
した。
世界に通用する IT テクノロジーと
グローバルで長年培われた運用ノウハウ
-- 貴社の事業内容についてお聞かせください
「昭和シェル石油株式会社を中心に、グルー
プ会社の東亜石油株式会社、昭和四日市石油
株式会社、ソーラパネルの製造・販売のソー
ラフロンティア 株 式 会 社をはじめとするグ
ループ各社のシステム運用を担っています。各
社に向けて IT サービスを提 供し、広くは、開
発から運用まで、お客様が使いやすいアプリ
ケーションやパッケージを選定し、標準的に
使 用してもらうまでの調 整を行っています。
SAP/SAP BI(ERP 統合パッケージ)の導入
支援や、データウエアハウス・分散システムな
どの構築、また、バックオフィスシステムには
SaaS 型の外部サービス提 供なども行い、新
しい技 術を活用したシステム開 発を中心に
行っています。近年は、非常に関心が高まって
いるセキュリティ・コンプライアンスの観点
からの基盤構築から運用まで、システムのラ
イフサイクル全体のサービスを提供していま
す」
(荻原氏)。
IT サービスマネジメントへの取り組み
昭和シェル ビジネス &
I Tソリューションズ株式会社
オペレーショナルサービス部
サービスマネジメントグループ
グループマネージャ
荻原 佳一 氏
8
BSP Magazine 2013 JUN-JUL
「システム運用面では、サーバ、PC、ネット
ワークシステム全 般の予防保守、管 理、稼 動
状態の監視、障害の対応・事前事後対策の検
討、並びにジョブのスケジューリングから管理、
監視、調整などを実 施し、お客 様が常に安定
したシステムを利用できる環境を提供してい
ます。また、ヘルプデスク、サービスデスクとし
ての役割もあります。一般的な OA 操作レベ
ルから業務アプリケーション操作まで対応す
る Q&A や、トラブル発生時の一次受付、二次
窓口との切り分けおよび各種サポート窓口へ
のエスカレーション等を実 施し、One Stop
Help Desk を実現しています。また、IT サー
ビスマネジメントへの取り組みとしても ITIL
をそのまま導入するので は なく、当 社の IT
サービスと関連性の高い問い合わせ管理から
の「問題管理」や「変更管理」に注力してきまし
た。現在は、IT 統制や J-SOX 対応の観点から、
変更管理の完了確認を確実に実 施する管理
体制を強化しています」
(小林氏)。
大規模分散処理オプションの導入背
景とシステム概要
「約 20 年近くにわたり使用してきましたメ
インフレーム版の A-AUTO は、今回の切り替
えで撤廃されました。もともとメインフレーム
撤廃の動きは、以前より計画されており、製造
系 基 幹 業 務の IBM 系ホスト、営業・販 売系
基幹業務の富士通系ホストの撤廃に向けた取
り組みを段 階 的に行ってきました。メインフ
レームをどのように撤廃するかを BSP と一緒
に協議し取り組んでいく中で、移 行方法を 2
通りに絞りました。マネージャー1台に全対象
サーバをリモートとしてぶら下げた形で移行
するか、現行通りの運用を可能にするための
開 発 を 行 う 方 法 で す。も と も と 当 社 は、
A-AUTO の機能をフルに活用していましたし、
アプリケーションの起 動停止だけでなく、先
行・後 続の管理、イベント後の NET/JOB の
起動なども活用していました。これを、作り直
すのは、莫大な時間とコスト、技術も必要にな
BSPグループはITシステム運用を支えている人達を応援します。
■図1:
大規模分散処理オプション開発メリット
■図2:大規模分散処理オプションのシステム構成
新旧の比較は以下の通り。メインフレームからAIXサーバへ移行した。
NET/JOBの構成および使用していた
Script/Batchをそのまま利用可能
ほとんどのマスタを
自動でコンバージョンが可能
旧環境
メインフレーム版
新環境
実行監視
A-SUPERVISION
AIX サーバ
大規模分散処理
オプション
Windows サーバ
for UNIX
for Windows
Web Server
検証期間の大幅短縮により
コストが安価
機能や操作方法が理解しやすく運用
後の操作ミス等のリスクが軽減可能
for UNIX
for Windows
サーバ構成、製品構成の変更が不要
A-Remote
A-Remote
A-Remote
A-Remote
A-Remote
A-Remote
BSPによる継続的な製品サポート
更新された機器
ります。結果としては後者の開発を行う方法を
選択しました」
(荻原氏)。
「メインフレームと同じ運用ができる形を採用
することにしましたが、
運用面で何も変えなくて
よいということがどれだけすごいかと言います
と、
単純に A-AUTO のUNIX 版やWindows 版、
Linux 版へ 移 行することも含め、新しいパッ
ケージへ乗り換えることは、期間的やコスト的
に見て、まったく現実的ではありません。
これに
ついては、社内の開発スタッフと何度も協議を
しました。
具体的な話になりますが、
あるひとつ
の大きな処理があったとします。この処理を変
更するだけで何百本というジョブネットを再構
築しなくてはいけません。また、コマンドやシェ
ルなどもほとんど変わってしまいます。再構築
後のテストを考慮すると、1 回や 2 回のテスト
では確認が取れません。ジョブネットを作り直
すよりも A-AUTO のオプションを開発して導
入したほうが、はるかにリスク面もコスト面も低
くなります。BSP からもこのオプション開発に
関して対応できると返答をもらいました」
(角
氏)。
開発・導入プロジェクト中の課題
「大規模分散処理オプションの導入にあたり、
A-AUTO for UNIX/Win のバージョンが 7.1
になりますので、バージョンアップ検証が大量
に発生した点は苦労しました。また、メインフ
レームを残した状態との並行運用期間があっ
たことや、切り替え側のリハーサルを 3 回行い、
2 回目で一部の運用中の業務システムに影響
のある障害が発生するトラブルもありプロジェ
クトとしては、完璧とは言えなかったと思いま
す。しかし、本番環境の最終移行を前に、切替
え時に発生する問題点の事前確認と対策を徹
底的に行いましたので、予め準備することがで
き、本番切替え時のダウンタイムも、当初の予
想と比較して短縮することができました。2012
年 11 月に移行が完了した後、小さな技術的な
問題はありましたが、これも移行後起こりうる
と両社間で想定していたものでしたし、十分な
BSP のサポート対応もありましたので、安定運
用が継続されています」
(荻原氏)。
昭和シェル ビジネス &
I Tソリューションズ株式会社
オペレーショナルサービス部
部長 小林 秀男氏
導入効果と今後の展開
「メインフレーム撤廃により運用コスト削減
を達成できました。また、利用面でも Web 経
由でのアクセスが可能となったので、複数の担
当者による参照・確認の作業が容易になりま
した。結果、視覚的に登録・実行状況が確認で
きるようになりましたので作業漏れやミスの削
減にもつながっています。また、ユーザ ID によ
る操作ログの管理・参照が可能になったこと
も大きな改善点です。
基幹システム環境の再構築を 2012 年 5 月
から 2013 年 7 月で計画しています。仮想化
環境の推進や、現在の複数の OS 環境を基幹
系は Windows/Linux 中心に統一していきま
すし、A-AUTO の 環 境 も Windows または、
Linux 版へ統一・移行をしていきます。コスト
の削減と全体最適に向けてさらなる BSP から
の提案を期待しています」
(荻原氏)
。
●お客様各社の導入事例をホームページでご紹介しています。 http://www.bsp.jp/products/case/
同社・同部
角 啓祐 氏
同社・同部
伊藤 徹 氏
BSP Magazine 2013 JUN-JUL
9
進化する!最新データセンター特集(第12回)
お客様との信頼関係を第一に、Face to Faceの運用で
情報システムを企業活動に活かす!
株式会社東計電算 様
http://www.toukei.co.jp/
20年以上にわたり、BSPの帳票管理ツールをご採用頂いている株式会社東計電算様。最先端のインフラと設備を搭載した
データセンター環境をお客様に提供するセンターサービスをはじめ、お客様のプラットフォーム環境、ネットワーク環境、
セキュリティ環境など、お客様の要望に応じた多彩なサービスと高品質・高信頼の運用を提供しています。
情報技術を企業活動に活かす仲介役
しました。お 客 様
の大 切な情 報 資
株式会社東計電算
(代表取締役社長執行
産をお 預 かりし、
役員 甲田英毅/本社 神奈川県川崎市)
は、
運用する事業者に
1970 年の創業以来、先進の情報技術を企
とって、免 震 構 造
業活動に活かす仲介役として、
お客様への多
や自家発電を整備
彩なご要望に対応するさまざまなサービスメ
し、提 供 するのは
ニューを用意し、
業種別情報システムによる
当たり前のことで
ソリューションの提供、
ネットワークシステム
す。
当社は、
お客様
の開発、
情報処理のアウトソーシングの 3 分
毎に違う要望に応え、
大切な企業の情報をあ
野を中心に、
お客様のビジネスをサポートし
らゆる条件でも守るために、
設備やシステム
れたサービスのみを提供するのではなく、
異
ています。
を含めた運用を心掛けています。
実際、
当社
なる要望があれば、
出来る限り対応すること
「当社は、
情報処理のアウトソーシングサー
のセンターをご利用いただく前には、
コンサ
を基本にしています。
お客様と当社との間に
ビスへのニーズにいち早く対応するため、
ルテーションの時間を多くいただいていま
線を引かず、運用をカスタマイズすることで
2001 年 1月に第一データセンターを開設、
す。
また、運用開始後は、現場の運用担当者
対応しています」
(武藤氏)
。
オープンから大型の汎用機まで、
受託型の運
がお客様へ定期的にレポートを行い、
要望を
「お客様への定期訪問と報告業務は、
現場
要望があります。当社は、平準化・体系化さ
用を中心に提供しています。
また、
2012 年 5
吸い上げ、
不測の事態に備えた体制などを話
で運用しているメンバーが行います。
お客様
月に、
第二データセンターを開設、
なるべくお
し合い、
日々の運用改善につなげています」
のリアルな要望や改善点を直接聞き、
業務に
客様がデータセンターへ出入りをすることな
取り込むことで、
他社よりも早い改善や対応
(中島氏)
。
く、
リモートでの自動運用を提供しています。
クラウドや SaaS 型サービスの提供も第二
ができます」
(中島氏)
。
お客様と一緒に運用をカスタマイズ
する
完全な切り分けをしているわけではありませ
同社が提供するシステムの設計・導入・
お客様との信頼関係と実績から生ま
れるソリューション群
ん、いずれもお客 様の様々な要望に応える
保守・運用までのトータルサポートは、
お客
同社は、
業種別にソリューションを展開、
優
データセンターが中心になります。
もちろん、
サービスを提供しています」
(武藤氏)
。
災害や地震、テロなどの万一の事故
発生に強いセンター
同社のデータセンターサービスは、
震度 7
相当の地震から建物を守る免震構造 建 築
や、
自家発電機、
CVCF による電源設備、
超高
感度煙検知設備による火災対策や漏水検知
センサーによる漏水対策、
光アクセスシステ
ムによる落雷対策など万全の安全対策と、
緊
急時の徹底した運用体制に高い支持を得て
います。
「東日本大震災直後に、
電力会社からの電
力供給が一時的にストップ、
自家発電機によ
る約8時間の運用を実際に行っています。
そ
の後の電力復旧後の移行も含め、
少しのトラ
ブルもなくお客様のシステム稼働をサポート
10
株式会社東計電算
ネットワークマネジメント部 営業課
課長 中島 利彦 氏
株式会社東計電算
ネットワークマネジメント部
部長 武藤 隆司 氏
BSP Magazine 2013 JUN-JUL
様との時間を大事にし、
業務・業種に必要な
れた各業種業態別のチーム・スタッフを要し
専門知識を熟知したスタッフにより実現して
ています。
お客様との長く強いリレーションに
います。
裏付けされたソリューション群は、業界屈指
「それぞれのお客様に、
それぞれの異なる
と言えるのではないでしょうか。
●東計電算の提供するソリューション群
物流業
アパレル業向けクラウド物流システム
医療/医薬品向けクラウド物流システム
海外物流向けクラウド物流システム
小売業向けクラウド物流システム
通販業向けクラウド物流システム
製造業
自動車部品業向けERPシステム
汎用生産管理システム
鋼材流通業向け販売管理システム
キャンペーン管理
住宅管理業務
賃貸管理システム
マンション管理システム
水道事業料金徴収システム
食品卸業
食品製造業向け販売管理システム
食品卸売業向け販売管理システム
生鮮卸売業向け販売管理
弁当業向け販売管理
小売業
レイバースケジュールシステム
ETCコーポレートカード請求発行シス
テム
外食産業
外食業向EDIシステム
外食業向勤怠管理システム
会計・人事・総務
オーダー型管理会計システム
オーダー型給与計算システム
建設・住宅業
リフォーム業向け情報統合システム
建設業向け原価管理システム
建設機械レンタル業向け業務システム
放送局、テレビ局
コンテンツ生成・送出システム
ECサイト・通信販売
ECサイト管理システム
出荷支援システム
ビルメンテナンス業
ビルメンテナンス業向販売管理
健康保険組合管理
健康保険組合向け基幹システム
大学統合業務
大学統合業務システム
入試業務アウトソーシング
BI
(ビジネスインテリジェンス)
データ分析ツール
セキュリティ対策ソフトウェア
BSPグループはITシステム運用を支えている人達を応援します。
製品&サービス
採用情報
「LMIS on cloud」が、ANAグループ全業務システムを対象とした
ITIL運用管理システムと運用支援ツールに採用されました
BSPのITサービスマネジメントを実現するクラウド型サービス
機能強化を実現しています。
「LMIS on cloud(エルミス・オン・クラウド)」が、ANAグループ
3.圧倒的な実績に基づく信頼性
の全業務システムを対象とした、ITIL運用管理システムと運用支
「LMIS on cloud」は、全世界10万社以上の利用実績を持つ
援ツールの統合管理基盤として採用されました。
クラウド型サービス基盤上で稼働しており、可用性、安定性に
今回の「LMIS on cloud」採用における主な選定ポイントは、
関して既に高い信頼を得ています。
以下の通りです。
4.
コストパフォーマンスの高さ
クラウドサービスとしての運用コスト削減効果のほか、標準機
1.ITサービスマネジメントに必要なITIL準拠の管理機能を網羅
能の幅広さ、初期開発期間の短さ、導入後の変更やメンテナン
BSPの30年におよぶITサービス運用のノウハウを網羅した
スの容易さ、継続的な機能強化により、長期にわたり圧倒的な
ITIL準拠の運用管理機能を標準で装備しています。
コストパフォーマンスが実現されます。
2.短期のカスタマイズ開発と継続的なバージョンアップを両立
させるコンフィグレーション機能を実装
部門、業務に依存する個別の管理項目やワークフローの設定と
●
本採用に関する詳細は、BSP ホームページをご覧ください。
http://www.bsp.jp/press/
変更を標準機能として可能にし、短期の初期構築と継続的な
システム管理者の会
システム管理者未来会議 ~ハートをわしづかみにするIT『サービス』へ!
第 7 回 システム管理者感謝の日イベント、今年は 7 月 17 日(水)開催!
今年のテーマは『サービス』
ITのクラウド化がすすむ今、ITは今までの業務効率化のための
ツールから、人や組織の目的を達成するための手段へと役割が変
化し、利用者やビジネスの視点でITを捉える必要性が高まってき
ています。
三越を経て米ディズニー大学で学んだ、大人の寺子屋『縁かい
な』主宰、上田 比呂志 氏の講演を通じて、徹底したユーザ視点で
サービス品質を向上させ続けてきたディズニーの中に、ユーザの
ハートをわしづかみにするIT『サービス』のヒントを探ります。
基調講演
上田 比呂志(うえだ・ひろし)氏
株式会社三越を経て、超難関の
ディズニー大学(ディズニーフェロ
ーシッププログラム)に合格し、
渡米。実家の老舗料亭で「心」を
習い、三越で「スキル」を極め、デ
ィズニーで「仕組み」を知る。その
経験を経て、人と組織の育て方、
感性の磨き方を伝えている。
イベント開催概要
日 時
2013年7月17日(水) 開場13:00/開演 14:00
会 場
浅草橋ヒューリックホール
参加費
無料(要会員登録と事前申込)
定 員
400名
Beaconユーザ会
お申込 み方法 や詳 細はポータルサイトをご覧ください
http://www.sysadmingroup.jp/
★Facebookでも受付中です。
「システム管理者の会」で検索!
平成25年度の活動開始!東日本ITフォーラムも開催決定!
Beacon ユーザ会の主な活動の一つである「研究会活動」は、
Beacon ユーザ会
今年も東京・名古屋・大阪・福岡で全体会が開催され、いよい
の全ての活動はユー
よ 1 年間の活動が始動しました。
ザ会会員様であれば
また、7 月 10 日(水)には東日本 IT フォーラムが開催されま
どなたでもご参加い
す。
「『IT 断食』のすすめ」の著者の山本孝昭氏をお迎えし、現在
た だけますので、皆
の IT 偏重社会の弊害や、IT を上手に活用する方法を模索する意
様の積極的なご参加
味での IT 断食について、参加者同士のディスカッションを交え
をお待ちしておりま
て考察します。詳しくはホームページをご覧ください。
す!
●
詳しくは、
「Beacon ユーザ会ホームページ」をご覧ください。
http://www.beaconuser.jp/
BSP Magazine 2013 JUN-JUL
11
リレーコラム
富士山の世界遺産化が象徴する
の世界遺産化が象徴する「日本のソフトパワー」 勝又壽良
Vol.28
経済学博士の勝又氏が、富士山の世界遺産登録にみた日本のソフトパワーへの期待を語ります。
世界遺産登録にみた日本のソフトパワーへの期待を語ります。
世界遺産(文化遺産)として富士山の登
ちらつかせる国よりも、文化・科学などソ
録が確実になった。しかも、自然遺産では
フトパワーの高さが注目されるのは当然で
なく文化遺産である。日本のソフトパワー
ある。そうした面で、ハイレベルの国と交
「アベノミクス」に対する世界の評価は
の強さを象徴するような話だ。日本の宗教
流を深めた方がプラスになる。各国がこう
すっかり定着してきた。米国の経済通信社
や芸 術への影 響が格別に大きい富士山
判断し始めているのだ。
「ブルームバーグ」
(5月18日付)は、世界
が、自然遺産ではなく文化遺産として認め
話題は変わるが、日本料理は今や世界
の株式専門家906人のアンケート調査を
られることは、日本人として一入
(ひとしお)
一の評価を受けている。ヘルシーだけが
発表している。アベノミクスがもたらす日
喜びを感じるのである。
理由でない。繊細な日本文化への興味が、
本の投資環境への影響について、
「楽観的
私は富士山の麓である御殿場の生まれ
世界的に広がっているからである。素材を
にみている」との回答は5月の調査で全体
である。子供の頃から「霊峰富士」と教え
生かした薄い味付け。きれいな料理の盛り
の66%に達した。1月時点の調査の54%
られてきた。偶然、世界遺産に内定する前
つけと陶器への総合評価でもある。日本
から12%ポイントも増えているのだ。
日に家族と御殿場へドライブした。私の卒
料理そのものが、器とともに日本文化を象
「日本が今後1年間、世界で最高の投資
業した小学校へも足を延ばしたが、富士山
徴している。富士山が世界遺産に登録され
機会を提供する2つの市場の1つ(注:もう
を背負った形の校舎の佇まいに家族は大
る背景には、こうした日本文化と富士山の
一つは米国)になる」と回答者の33%が
満足であった。ささやかな私の自慢であ
持つ神々しさが見事に重なり合っている結
予想している。この割合は1月の21%から
る。
果であろう。富士山を、文化遺産として捉
12%ポイントも拡大した。09年のこの調
えるべき理由がこれである。
査開始以来で初めて、日本への期待が中
カネで買えないソフトパワー
世界の投資家が日本株を注目
国を上回った点も特筆すべきことである。
一国の総合評価では最近、経済力や軍
日本の技術開発力は健在
事力といった「ハードパワー」でなく、文化
日本経済は目下、アベノミクスで盛り上
日本経済は目下、
まった背景には、日本がTPP(環太平洋
や芸術・科学などの「ソフトパワー」の持
がっている。久々に訪れた「青空」である
経済連携協定)参加交渉を決意したこと
つ影響力が注目されている。日本は人口減
が、成長産業育成への確かな足取りを固
も影響しているはずだ。TPPについて国
少過程に入っていることもあり、将来の成
めておかなければ、再び元の木阿弥になり
内で賛否両論があるものの、世論調査で
長性に疑問符が付けられてきた。科学の
かねない。幸い日本産業は、生活に密着し
は賛成が反対を上回っている。
「失われた
力によって、この労働力減少をどのように
た分野で世界的な競争力を持っている。省
20年」の汚名返上には、痛みを伴う改革
して挽回するかが問われている。
エネ・環境・医療・都市インフラなど、すべ
は避けて通れないのである。
「衰頽日本」
英経済誌『エコノミスト』
(4月27日号)
てが「ソフトパワー」の分野である。21世
であってはなるまい。
は、
「ソフトパワーはカネでは買えない」と
紀の世界が直面する産業分野では、日本
いう論文を掲載した。言わんとしていると
がフロントランナーである。日本の技術な
ころは、他国への貢献が「ソフトパワー」に
くして、世界の21世紀を語れないほどの羽
よると主張していることだ。決して軍事力
振りである。
ではないとも言っている。
たまたま5月2日の『日本経済新聞』で
20世紀までの国際感覚では、軍事力が
は、朝刊が「iPS細胞での創薬事業」を、
他国からの侵略を防ぐ意味から高い役割
夕刊が「走行中の車などに無線充電する」
を持ってきた。だが、21世紀に入って情勢
という革命的な技術革新を報じている。医
は大きく変わっている。軍事力よりも文化
療と環境に関わる二大分野であるが、いず
力(ソフトパワー)の水準如何が、他国か
れもチームを組んだ研究開発の成果であ
らの評価で重要な尺度とされ始めた。グ
る。日本の省エネ・環境・医療・都市イン
ローバル化経済の下で、各国が密接な相
フラに関わる「ソフトパワー」研究は全開
互関係を持つ段階になると、物騒な兵器を
している。
中国への期待よりも日本への期待が高
勝又 壽良(かつまた ひさよし)
企業文化研究所理事長・経済学博士(中央大学)
。
1961 年 3 月、横浜市立大学商学部卒業と同時に、東洋経済
新報社編集局入社。
『週刊東洋経済』編集長、論説委員、
取締役
編集局長、
主幹を経て、東海大学教養学部教授就任。同学部長
を経て 2006 年 3 月定年退職。著書は、
『日本企業の破壊的創
造』、
『戦後 50 年の日本経済』
、
『大企業体制の興亡』
(単著)な
ど。近刊の共著では、
『企業文化力と経営新時代』と『日本株
大復活』
(共に 2010 年 3 月、
同友館から同時出版)
。
ITシステム運用を支えている人達を応援します
コンサルから人材教育までITシステム運用をサポート
株式会社ビーエスピー
株 式 会 社 ビ ー エ ス ピ ー ソ リ ュ ー ションズ
中国での開発・販売を強化
備実必(上海)軟件科技有限公司
※ 本誌掲載の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
※ 掲載されている内容については、改善などのため予告なく変更する場合がありますので、ご了承ください。
発行/株式会社ビーエスピー 〒108-6029 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟 TEL 03-5463-6383 FAX 03-5463-6392
C
BSP Inc . 2013.6
M G -1 3 0 6 -2 0 0 0 -1