三菱エンジニアリングプラスチックス 1 ページ 1. はじめに レニー(Reny)は、三菱ガス化学が世界にさきがけて開発したポリアミドMXD6を主成分とするポリアミド樹 脂系成形材料の総称です。 ポリアミドMXD6は、メタキシリレンジアミン(MXDA)とアジピン酸とから得られる結晶性の熱可塑性ポリマ ーであり、ポリアミド6やポリアミド66と比較し、機械的強度や弾性率が高く、吸水性が低いなどの特長を有 しています。特にガラス繊維,無機質フィラーなどで強化することにより、エンジニアリングプラスチックスの 中で最も高い強度,剛性を実現し、様々な分野での需要にお応えしています。 2. ポリアミドMXD6の基本的性質 ポリアミドMXD6は次のような分子鎖中に芳香族環を持つ化学構造をもち、ポリアミド6,ポリアミド66と異 ることがそのひとつの特徴です。 ポリアミドMXD6 H-(NH-CH2 CH2-NHCO-C4H8-CO)n-OH ポリアミド6 H-(NH-C5H10-CO)n-OH ポリアミド66 H-(NH-C6H12-NHCO-C4H8-CO)n-OH ポリアミドMXD6の性質をポリアミド6,ポリアミド66と比較して表1に示します。 表1 ポリアミドMXD6の性質(比較) ■■ S1単位 (工学単位) 比重 条件 ポリアミド6 ポリアミド66 ポリアミドMXD6 20℃ 1.14 1.14 1.21 吸水率 % 20℃水中飽和 11.5 9.9 5.8 吸水率 % 65%RH平衛 6.5 5.7 3.1 荷重たわみ温度 ℃ 1800KPa 57 60 96 融点 ℃ 結晶 225 268 243 ガラス転移点 ℃ 粘弾性法 60 90 102 DSC法 48 50 75 -5 -1 熱膨脹率 10 K 8 10 5.1 引張強度 MPa 61.8 76.5 99.0 伸び % 200 60 2.3 引張弾性率 GPa 2.5 3.1 4.7 曲げ強度 MPa 123 127 157 曲げ弾性率 GPa 衝撃強度 J/m ロックウエル硬度 2.4 2.9 4.4 1/4"Izodノッチ付 59 39 20 Mスケール 85 89 108 3. レニーの特徴 1. 2. 3. 4. 5. 広い温度範囲にわたって、強度及び弾性率が高い。 荷重たわみ温度が高く、熱膨張率は合金と同程度に小さい。 ポリアミド樹脂としては吸水率が低く、吸水による寸法変化と機械的強度低下が小さい。 成形性にすぐれ、成形収縮率、ひけ及びそりが小さく精密成形に適する。 塗装製にすぐれ、特に高温焼付塗装ができる。 三菱エンジニアリングプラスチックス 2 ページ 4. レニーのグレード レニーには現在その用途に応じて次のようなグレードがあります。 表2 レニーグレード一覧表 用途 一般用 グレード 特徴 レニー 1002F 一般射出用 レニー 1012F 高強度・ 高弾圧・高耐熱 レニー 1022F 高強度・ 高弾圧・高耐熱 レニー 1032 高強度・ 高弾圧・高耐熱 レニー 2031 ハイサイクル・表面光沢 レニー 6002 難燃用 低そり用 化学発泡用 高 機 一般用 能 導電・ グ レ 導電・ 難燃用 ー ド 摺動用 メッキ用 UL94V-0(1/16〃) レニー 1511A UL94V-0(1/16〃)高強度・ 高弾性・ 高耐熱 ガラス繊維強化 レニー 1521A UL94V-0(1/16〃)高強度・ 高弾性・ 高耐熱 レニー 2501A UL94V-0(1/16〃) レニー 1722 非強化 高強度・ 高弾性 レニー 2620 ガラス繊維強化 ガラス繊維強化/無機質フィラー強化 レニー 2686 超低そり ガラスビーズ強化 レニー 1802 射出成形用 ガラス繊維強化 レニー 4001 レニー 4011 高強度・ 高弾性 レニー 4501 ガラス繊維強化 ガラス繊維強化 レニー 4511 高強度・ 高弾性 レニー F34 ポリテトラフルオロエチレン配合 レニー F35 特殊ポリオレフィン配合 チタン酸カリ繊維強化 レニー G07 ポリテトラフルオロエチレン配合 ガラス繊維強化 レニー G16 ポリテトラフルオロエチレン配合 炭素繊維強化 レニー W-38 レニー E40、E59 制振グレード レニー 2030、N-252 その他 ガラス繊維強化 ガラス繊維強化 レニー 1313 炭素繊維グレード レニー C31、C32、C33、C36 ポリマーアロイ ガラス繊維強化/無機質フィラー強化 レニー 1501A レニー 6301 塗装用 ガラス繊維強化 非強化 レニー 1301 高衝撃用 備考 ガラス繊維強化/無機質フィラー強化 炭素繊維強化 レニー NX5000シリーズ、レニー NXG5000シリーズ PAMXD6/PPEアロイ レニー SGシリーズ PAMXD6/PPSアロイ レニー PGシリーズ PAMXD6/PPアロイ カストマーグレード各種 三菱エンジニアリングプラスチックス 3 ページ 表3 性能比較 レニーと市販ガラス繊維強化エンジニアリング・プラスチックとの性能比較 樹脂の種類(略称) ガラス繊維含有量(%) 処理状態 物 理 的 性 質 熱 的 性 質 機 械 的 性 質 電 気 的 性 質 試 験 法 A S T M 比重 D792 吸水率(20℃水中24hr) D570 吸水率(65%RH平衡) 荷重たわみ温度(1820KPa) ポリアミドMXD6 ポリアミド6 ポリアミド66 レニー 1002F レニー 1022F 単 位 30 50 乾燥(65%RH) 乾燥(65%RH) ポリエチレン ポリブチレン ポリフェニレン テレフタレート テレフタレート サルファイド PA6G PA66G PETG PBTG PPSG 30 30 30 30 40 乾燥(65% RH) 乾燥(65% RH) 乾燥 乾燥 乾燥 1.45 1.65 1.36 1.38 1.61 1.52 1.64 % 0.20 0.14 1.1 0.8 0.03 0.01 0.01 D570 % 2.0 1.5 2.5 2.2 D648 ℃ 232 234 205 250 240 214 >260 1.5 1.1 2.2 2.5 1.8 2.9 1.8 熱膨張率 D696 10-5cm/cm ℃ − − − 熱伝導率 C177 W/(m k) 0.24 0.55 0.27 0.33 0.22 0.17 成形収縮率 D955 % 0.51 0.40 0.4〜0.8 0.2〜1.0 0.2〜1.0 0.4〜1.1 0.15 HB HB 202(158) 285(215) 163(103) 172(112) 122 127 144 2.0(2.4) 2.1(2.0) 3.3(4.0) 2.0(2.0) 1.5 2.3 1.1 燃焼性 UL94 引張強度 D638 MPa 伸び D638 % 引張弾性率 D638 GPa 11.9(10.6) 20.3(18.0) 9.1(6.7) 10.3(8.8) 9.1 8.6 16.0 曲げ強度 D790 MPa 256(230) 380(272) 237(162) 234(162) 161 195 176 曲げ弾性率 D790 GPa 11.6(9.8) 17.4(13.9) 圧縮強度 D695 MPa 240 256 8.0(4.2) 8.1(5.1) 8.8 8.7 12.8 126(64.7) 168(115) 120 127 176 剪断強度 D732 MPa 107 121 76.5 84.3 59.8 70.6 衝撃強度lzodノッチ付 D256 J/m 82 111 85 80 41 66 55 衝撃強度lzodノッチなし D256 2 0.60 1.02 1.06 0.89 0.14 0.64 0.24 引張衝撃強度 D1822 2 KJ/m 140 291 120 130 64 138 60 KJ/m − ロックウェル硬度 D785 Mスケール 112 111 93 98 91 94 106 テーパー摩耗(CS17) D1044 mg/1000回 23 16 28 30 33 58 56 16 1.3×10 7.1×1014 16 1.3×10 7.1×1014 16 1.3×10 9.0×1014 15 4.2×10 1.8×1015 15 1.5×10 4.3×1015 16 3.2×10 2.9×1016 4.5×1016 体積/表面固有抵抗 D257 Ù cm/Ù 絶縁破壊電圧(短時間) D149 MV/m 30.4 32.2 24.2 22.6 13.9 21.9 17.7 誘電率106Hz D150 PF/m 32 35 スケール アウト 29 29 31 34 誘電正接106Hz D150 0.010 0.009 スケール アウト 0.015 0.013 0.002 0.001 85 129 92〜148 130〜140 90〜120 120 35 耐アーク性(タングステン電極) D495 sec (この表中の市販樹脂の性能は当社での測定値です) 三菱エンジニアリングプラスチックス 4 ページ 表4(1) 物性一覧 用途 一般用 種類 グレード番号 処理状態 物 理 的 性 質 熱 的 性 質 機 械 的 性 質 ガラス・ ミネラル 非強化 併用強化 ガラス繊維強化 単 位 ガラス・ ミネラル 併用強化 ガラス繊維強化 レニー 1002F レニー 1012F レニー 1022F レニー 1032 レニー 2031 レニー 6002 レニー 1501A レニー 1511A レニー 1521A レニー 2501H レニー 2502A 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 乾燥 1.45 1.54 1.65 1.77 1.62 1.21 1.54 1.65 1.73 1.75 1.64 D792 吸水率(23℃水中24hr) D570 % 0.20 0.18 0.14 0.11 0.32 0.31 0.19 0.15 0.13 0.11 0.18 吸水率(65%RH平衡) D570 % 2.0 1.7 1.5 1.3 1.60 3.00 1.80 1.55 1.30 0.80 1.65 荷重たわみ温度(1820KPa) D648 ℃ 232 233 234 226 220 93 223 224 224 225 222 熱膨張率 D696 10-5K-1 1.5 1.4 1.1 1.7 2.0 7.2 2.0 1.9 1.7 2.0 1.8 熱伝導率 C177 W/(m k) 0.21 0.41 0.55 0.47 0.40 0.38 0.40 0.43 0.53 0.35 0.41 成形収縮率 D955 % 0.51 0.42 0.40 0.38 0.55 1.41 0.57 0.49 0.47 0.42 0.49 燃焼性(1.6mm) UL94 引張強さ D638 MPa 202 (158) 220 (184) 285 (215) 275 (196) 180 (119) 82.9 (74.7) 190 (141) 209 (168) 242 (181) 121 168 (113) 伸び D638 % 2.0 (2.4) 2.0 (2.0) 2.1 (2.0) 1.8 (2.0) 2.0 (2.5) 2.0 (>10) 2.1 (2.0) 1.8 (1.9) 2.1 (1.8) 1.9 1.7 (2.0) 引張弾性率 D638 GPa 11.9 (10.6) 16.2 (14.6) 20.3 (18.0) 23.3 (17.8) 13.1 (8.4) 4.45 (4.05) 11.7 (10.6) 14.9 (13.7) 20.0 (16.7) 10.6 14.4 (11.3) 曲げ強さ D790 MPa 256 (230) 308 (243) 380 (272) 377 (289) 253 (160) 159 (127) 260 (204) 294 (247) 334 (276) 167 242 (179) 曲げ弾性率 D790 GPa 11.6 (9.8) 13.4 (11.0) 17.4 (13.9) 20.9 (17.0) 127 (7.6) 4.54 (3.95) 11.9 (10.3) 15.0 (13.3) 17.8 (16.7) 9.81 15.1 (11.7) 圧縮強さ D695 MPa 240 242 256 227 194 150 236 233 233 176 186 剪断強さ D732 MPa 107 (78.5) 118 121 (92.2) 121 88.3 82.4 101 105 108 78.5 101 (70.6) 衝撃値lzodノッチ付 D256 J/m 82 (76) 90 110 (100) 110 70 19 80 110 120 47 79 (76) 衝撃値lzodノッチなし D256 KJ/m2 600 (500) 670 1000 (810) 960 570 370 440 760 900 270 370 (420) 引張衝撃値 D1822 KJ/m2 140 (111) 167 291 (196) 216 111 63 109 146 187 57 83 112 111 111 108 104 107 111 111 109 104 105 23 29 16 23 39 19 36 38 38 40 35 94HB D785 Mスケール 94HB 94HB 94HB 94HB − 94V-0 94V-0 94V-0 94V-0 94V-0 テーパー摩耗(CS-17) D1044 mg/1000 回 体積/表面抵抗率 D257 Ù cm/Ù 絶縁破壊電圧(短時間) D149 MV/m 30.4 31.3 32.2 23.7 27.7 25.8 31.2 30.0 28.8 27.1 26.5 誘電率10 Hz D150 PF/m 32 35 35 38 36 33 32 34 34 37 36 誘電正接106Hz D150 0.010 0.009 0.009 0.008 0.012 0.009 0.009 0.009 0.008 0.006 0.011 85 103 129 85 90 85 95 124 122 30 40 50 30 0 30 40 50 15 6 耐アーク性(タングステン電極) D495 ガラス繊維含有量(%) 三菱エンジニアリングプラスチックス 難燃用 比重 ロックウェル硬さ 電 気 的 性 質 試 験 法 A S T M sec 1.3×1016 1.3×1016 1.3×1016 2.0×1015 1.4×1016 1.2×1015 1.2×1016 1.3×1016 1.3×1016 1.2×1016 1.6×1016 7.1×1014 8.0×1014 9.0×1014 2.3×1014 1.0×1015 8.8×1014 7.5×1014 7.5×1014 7.5×1014 1.3×1015 4.9×1015 60 20 5 ページ 表4(2) 物性一覧(高機能グレード) 用途 高衝撃用 種類 グレード番号 処理状態 物 理 的 性 質 熱 的 性 質 機 械 的 性 質 電 気 的 性 質 試 験 法 A S T M 比重 D792 吸水率(23℃水中24hr) D570 吸収率(65%RH平衝) 非強化 単 位 塗装用 低ソリ用 ガラス・ ガラス繊維 ガラス繊維 ガラス繊維 ガラスビーズ ミネラル 強化 強化 強化 強化 併用強化 導電 一般用 導電 難燃用 摺動用 ガラス繊維強化 ガラス繊維強化 チタン・酸カリウィスガー強化 ガラス繊維 炭素繊維 強化 強化 レニー 6301 レニー 1310 レニー 1313 レニー 1722 レニー 2620 レニー 2686 レニー 4001 レニー 4011 レニー 4501 レニー 4511 レニー F34 レニー F35 レニー W-38 レニー G07 レニー G16 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 乾燥 乾燥 (65%RH) 乾燥 (65%RH) 乾燥 1.17 1.34 1.42 1.61 1.63 1.81 1.55 1.64 1.67 1.76 1.59 1.44 1.62 1.49 1.42 % 0.28 0.21 0.21 0.13 0.14 0.11 0.09 0.09 0.06 0.06 0.24 0.25 0.18 0.18 0.24 D570 % 2.91 1.81 1.66 1.68 1.58 1.0 0.72 0.63 0.72 0.63 1.72 1.77 1.76 荷重たわみ温度(1820KPa) D648 ℃ 89 209 217 225 219 156 215 216 216 213 200 200 213 219 224 熱膨張率 D696 10-5K-1 8.9 2.2 1.8 1.4 2.1 2.3 1.8 2.0 1.7 1.5 1.9 2.2 2.1 2.5 0.6 熱伝導率 C177 W/(m k) 0.34 0.30 0.35 0.34 0.52 0.34 0.93 0.87 1.0 0.97 0.38 0.30 0.49 0.28 0.40 成形収縮率 D955 % 1.50 0.59 0.52 0.48 0.46 0.87 0.38 0.32 0.30 0.35 0.65 0.65 0.51 0.63 0.29 燃焼性(1.6mm) UL94 引張強さ D638 MPa 78.5 (50.0) 126 (74.0) 174 (124) 226 157 (60.3) 68.6 155 (121) 152 (142) 127 (112) 122 (116) 121 117 163 (116) 135 (86.3) 220 伸び D638 % >10 (>10) 2.9 (3.4) 2.7 (2.9) 2.0 1.6 (3.4) 2.8 (7.5) 1.40 (1.63) 0.98 (1.56) 0.90 (1.23) 0.68 (1.09) 1.2 1.3 1.6 (2.1) 2.2 (2.7) 1.5 引張弾性率 D638 GPa 3.7 (3.0) 8.2 (5.4) 13.1 (11.1) 16.7 (170) 15.5 (4.8) 8.2 (6.4) 15.8 (13.1) 17.2 (15.7) 19.5 (14.0) 22.6 (16.3) 11.8 11.2 15.4 (13.2) 8.5 (6.5) 18.4 曲げ強さ D790 MPa 121 (81.4) 181 (122) 244 (165) 311 231 (106) 131 (89.7) 214 (174) 228 (192) 180 (160) 189 (166) 211 174 246 (197) 184 (139) 279 曲げ弾性率 D790 GPa 3.5 (2.77) 7.6 10.0 (8.0) 14.5 15.4 (6.3) 8.7 (6.7) 15.0 (11.5) 17.2 (13.6) 17.2 (13.1) 18.9 (14.7) 11.5 10.4 14.9 (11.8) 7.8 (6.1) 15.9 圧縮強さ D695 MPa 113 124 137 216 193 141 120 (116) 117 (127) 112 (99.0) 123 (126) 196 165 211 171 139 剪断強さ D732 MPa 74.5 62.8 75.5 80.4 (48.1) 71.6 68.6 71.6 62.8 63.7 88.3 75.5 92.2 76.5 94.1 衝撃値lzodノッチ付 D256 J/m 70 150 (130) 160 87 63 (79) 46 (41) 74 (67) 70 (62) 69 (68) 61 (48) 25 23 20 (25) 60 (50) 61 衝撃値lzodノッチなし D256 KJ/m2 790 820 (520) 1100 630 270 (440) 390 (370) 340 (450) 390 (480) 180 (340) 140 (190) 230 150 490 (460) 360 (350) 410 引張衝撃値 D1822 KJ/m2 119 152 232 192 73 52 119 (69.1) 81.8 (108) 70.7 (68.9) 62.9 (59.5) 84.6 55.2 93 117 97 105 97 73 94 100 46.3 38.5 38.2 40.3 18.9 17.4 5 14 14 15 15 HB HB HB HB HB HB ロックウェル硬さ D785 Mスケール 93 76 86 108 101 94 テーパー摩耗(CS-17) D1044 mg/1000回 21 14 15 45 52 40 16 15 16 15 16 15 1.1×10 1.3×1015 4.8×10 3.2×1014 1.4×10 1.3×1015 1.3×10 1.3×10 1.7×1015 1.7×1015 体積/表面抵抗率 D257 Ùcm/Ù 絶縁破壊電圧(短時間) D149 MV/m 24.6 28.0 31.7 32.5 誘電率10 Hz D150 PF/m 28 31 35 35 誘電正接106Hz D150 0.010 0.008 0.014 0.011 95 71 74 40 50 20 6 耐アーク性(タングステン電極) D495 ガラス繊維含有量(%) 三菱エンジニアリングプラスチックス sec 83 30 HB 98 102 45.2 4 5 V-0 95 44.6 4 5 V-0 59.9 4 5 4 HB HB 5.9×10 10 〜10 10 〜10 10 〜10 10 〜10 1.8×10 1.8×10 4.8×10 4.0×1014 104〜105 104〜105 104〜105 104〜105 1.5×1014 2.7×1014 3.2×1014 65(GB) 30 40 30 40 9.6×10 2.2×1014 2.0×108 20 20(CF) 6 ページ 表4(3) 物性一覧(高機能グレード) 用途 試 験 法 A S T M 種類 グレード番号 処理状態 物 理 的 性 質 熱 的 性 質 機 械 的 性 質 単 位 比重 D792 吸水率(23℃水中24hr) D570 % 吸水率(65%RH平衡) D570 % 荷重たわみ温度 (1820KPa) D648 ℃ 熱膨張率 D696 10-5K-1 熱伝導率 高剛性・ 炭素繊 制振グレード グレード NXシリーズ ガラス・ ミネラル 炭素繊維 非強化 併用強化 強化 レニー E40 レニー N-252 レニー C36 乾燥 (メッキ後) 乾燥 (65%RH) NX 5001 ガラス繊維強化 NXG 5050 NXG 5030N 乾燥 乾燥 乾燥 乾燥 (65%RH) (65%RH) (65%RH) (65%RH) SGシリーズ PGシリーズ ガラス繊維強化 ガラス繊維強化 SG 1030 SG 1050 PG 1050 PG 2050 乾燥 乾燥 乾燥 乾燥 1.57 1.72 1.33 1.10 1.61 1.38 1.53 1.73 1.59 1.52 0.31 0.24 0.25 0.4 0.17 0.26 0.09 0.06 0.06 0.06 1.44 2.33 1.25 1.38 1.0 160 (230) 224 234 121 220 207 229 233 216 158 2.7 2.0 0.7 9.7 0.6 1.0 1.6 0.9 0.7 C177 W/(m k) 0.41 0.58 0.59 0.29 0.26 成形収縮率 D955 0.92 0.45 0.229 0.50 0.43 0.42 0.36 0.42 燃焼性(1.6mm) UL94 引張強さ D638 MPa 118 (111) 166 (119) 257 (187) 49.0 (47.1) 246 (187) 181 (155) 144 221 206 130 伸び D638 % 1.6 (1.6) 1.0 (1.3) 1.2 (1.8) 82 (100) 1.8 (2.1) 2.5 (2.3) 1.2 1.2 1.6 1.4 引張弾性率 D638 GPa 10.0 (14.0) 25.5 (20.1) 26.6 (21.9) 2.2 (2.1) 18.3 (16.3) 10.8 (10.4) 12.9 21.8 20.1 18.2 曲げ強さ D790 MPa 186 (190) 241 (182) 377 (269) 80.4 (79.4) 330 (250) 246 (214) 185 254 280 186 曲げ弾性率 D790 GPa 9.5 (12.7) 20.6 (15.5) 21.4 (17.2) 2.1 (2.1) 15.6 (12.2) 9.4 (8.9) 11.1 16.3 16.1 13.8 圧縮強さ D695 MPa 182 98.1 214 193 124 剪断強さ D732 MPa 94.1 98.1 117 衝撃値lzodノッチ付 D256 J/m 35 (55) 73 (77) 90 70 衝撃値lzodノッチなし D256 KJ/m 390 (190) 450 (530) D1822 KJ/m2 74 (34) 166 (120) 144 引張衝撃値 電 気 的 性 質 メッキ用 % HB 1.24 HB 47 (54) HB V-0 0.51 V-0 V-0 185 200 (150) 650 >3000 (540) 497 157 (118) 110 98 120 1000 (900) 980 330 420 226 (149) 178 67 62 HB HB ロックウェル硬さ D785 Mスケー ル 101 (99) 101 113 105 98 92 83 テーパー摩耗(CS-17) D1044 mg/1000 回 53 58 14.6 9 14 25 33 体積/表面抵抗率 D257 Ù cm/ Ù 9.4×1015 4.3×104 5.9×1015 1.6×103 1.1×1016 1.2×1017 絶縁破壊電圧(短時間) D149 MV/m 誘電率10 Hz D150 PF/m 誘電正接106Hz D150 6 耐アーク性(タングステン電極) D495 ガラス繊維含有率(%) 三菱エンジニアリングプラスチックス sec 31.4 25 30(CF) 2.1×1016 2.4×1016 4.3×1016 5.6×1016 45 17 15 3.1 3.1 3.9 3.7 0.014 0.005 0.006 0.005 121 103 105 135 136 50 30 50 50 50 30 7 ページ 5 2 長期物性 図 1 曲げ強さ 曲げ弾性率(乾燥試片) 図 2 曲げ強さ 曲げ弾性率(65%RH平衡水分率試片) 三菱エンジニアリングプラスチックス 8 ページ 図 3 曲げ強さの温度依存性 図 4 曲げ弾性率の温度依存性 三菱エンジニアリングプラスチックス 9 ページ 図 5 引張強さの温度依存性 図 6 アイゾット衝撃値(6.4mmノッチ付)の温度依存性 三菱エンジニアリングプラスチックス 10 ページ 図7,8にレニーと他の強化材料の引張クリープ特性と曲げ疲労特性の経時変化を比較して示します。 図 7 引張クリープ 図 8 曲げ疲労S-N曲線(ASTM D671 B法) 三菱エンジニアリングプラスチックス 11 ページ 5 3 耐薬品性 ASTM引張試験片を各種の液体および水溶液中に20℃で7日間浸漬し、重量増加率(%)、および引張強度 低下率(%)を測定し、表5にその結果を示します。なおこのナイロンは35%塩酸,60%硝酸,98%硫酸,80%蟻酸 およびメタクレゾールに可溶です。 表5 耐薬品性 薬剤 レニー1002 PA66G PA6G 水 10%アンモニア水 10%苛性ソーダ水 10%塩酸 10%硝酸 30%硫酸 37%ホルマリン 5%フェノール 酢酸 メタノール n-ブタノール 酢酸エチル アセトン 四塩化炭素 トルエン ガソリン エンジンオイル 高圧絶縁油 トリクレン 0/5 0/5 0/0 0/5 0/5 0/7 0/0 9/39 0/0 1/6 0/2 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 2/6 2/5 0/0 2/20 3/22 7/17 1/6 9/38 2/0 3/30 0/0 0/0 0/0 0/0 0/2 0/0 0/0 0/0 0/0 2/27 2/22 2/13 4/62 4/37 23/65 2/5 16/63 4/9 4/44 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 PETG PBTG 0/2 0/6 -12/100 0/2 0/2 0/0 0/1 0/2 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/1 0/0 0/0 0/0 0/0 0/1 0/5 -1/92 0/4 0/1 0/0 0/0 0/4 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 0/0 重量増加率(%)/引張強さ低下率(%) 三菱エンジニアリングプラスチックス 12 ページ 5 4 耐候性 5 4 1 ウェザーメーター試験 スタンダード・ サンシャイン・ウェザーメーター(45℃,スプレー12分,60分サイクル)による引張試験片の 片面照射結果を図9及び10に示します。 図 9 引張強さ 図 10 伸び 三菱エンジニアリングプラスチックス 13 ページ 5 4 2 屋外曝露試験 屋外曝露による曲げ強さ,曲げ弾性率,アイゾット衝撃値及び吸水率などの2年間にわたる経時変化を図 11〜14に示します。 (曝露条件:場所 神奈川県平塚市当社研究所建屋屋上 期間 昭和54年12月〜56年12月) 図 11 屋外曝露による曲げ強さ変化 図 12 屋外曝露による曲げ弾性率変化 三菱エンジニアリングプラスチックス 14 ページ 図 13 屋外曝露によるアイゾット衝撃値の変化 図 14 屋外曝露による吸収率の変化 三菱エンジニアリングプラスチックス 15 ページ 5 5 吸水性 5 5 1 吸水率 非強化以外のガラス繊維又はガラス繊維と無機質フィラー強化グレードレニーの大気中(20℃,65%RH) 平衡吸水率は、ポリアミド6,ポリアミド66のガラス繊維強化成形材料より低く0.6〜1.9%であります。図-15 に相対湿度と平衡水分率との関係を示します。 図 15 相対湿度と平衡水分率(金型温度130℃) 三菱エンジニアリングプラスチックス 16 ページ 5 5 2 吸水速度 吸水速度は成形品の形状(表面積と体積),湿度,温度などにより異なります。図16に20℃水中での成形 品形状の違いによる吸水速度を、また図17には100℃沸とう水中での吸水速度を示します。 図 16 20℃水中浸漬による吸水率変化 図 17 100℃沸とう水中浸漬による吸水率変化 三菱エンジニアリングプラスチックス 17 ページ 5 5 3 吸水による寸法変化 吸水による寸法変化は、ガラス繊維の添加により小さくなりますが、成形品形状によるガラス繊維の配向 により異方性が生じます。図18に20℃水中浸漬中の3.2mm厚,102ö円板の流れ方向と直角方向の寸法経 時変化を、図19に同条件下の127mm長さ,12.7mm巾,6.4mm厚、短冊片の各方向の寸法経時変化を示し ます。 図 18 20℃水中浸漬中の厚さ3.2mm 102ö円板の寸法経時変化 図 19 ASTM D790 曲げ試験片の寸法経時変化 三菱エンジニアリングプラスチックス 18 ページ 5 5 4 吸水による機械的強度の低下 一般にポリアミドは吸水による寸法変化の他に、機械的強度及び弾性率が大きく低下します。レニーの 優れた吸水特性は吸水による強度,弾性率の低下が小さいことにも現れます。20℃水中浸漬中の曲げ強 さの経時変化を図20に、曲げ弾性率の経時変化を図21に示します。 図 20 20℃水中浸漬中の曲げ強度経時変化 図 21 20℃水中浸漬中の曲げ弾性率経時変化 三菱エンジニアリングプラスチックス 19 ページ 5 6 塗装性 レニー用塗料としては、二液タイプのアクリルウレタン系塗料が最も優れた密着性を示します。その他、ウレタン系,アミノアルキッド系塗料も使用できます。レニーは、耐熱性,耐薬品性に優 れているうえ、熱膨張率が比較的金属に類似しているため、金属部品と一体化して組み込んだ後180℃,30分程度の高温焼き付け塗装もできます。 安定した密着性を得るため、塗装の前処理としてイソプロピルアルコールやエトキシエタノールなどで成形品表面を拭くことをお薦めします。また、塗装改良グレード(例 レニー1722,2714)も 用意してありますのでお問い合わせ下さい。 表6に成形品の前処理、および下塗り塗装を省略して行なった市販塗料の塗装結果を示します。 表6 市販塗料の塗装結果 No. 塗料の種類 硬化条件 膜厚 光沢 鉛筆 デュポン衝撃 粘度 レニー FC#4(秒)温度(℃) 時間(分) グレードNo. (ìm) (%) 硬度 300g(cm) 主成分 商品名 製造元 1 ウレタン レタンPG-60No.101 メタリックベース細目 関西ペイント 13 70 2 同上 ポリタン#1000 白 大日本塗料 12 常温 マイテイラック300 ホワイト 日本ペイント 11 80 17 80 3 アクリルウレタン クロムメッキ用R-221 日本ビーケミカル Mシルバー 密着性 クロスカット 耐水性・クロスカット 40℃温水10日 1022 1722 2714 50〜53 78.2 〃 78.6 〃 77.5 2H 〃 〃 50 50 40 70/100〜100/100 100/100 100/100 45/100〜90/100 100/100 100/100 1022 1722 2714 65〜68 94.5 〃 95.9 〃 93.2 H 〃 〃 50 50 40 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 30 1022 1722 2714 67〜76 96.8 〃 97.8 〃 97.2 F 〃 〃 50 50 40 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 30 1022 1722 2714 67〜72 66.2 〃 70.3 〃 75.8 F 〃 〃 50 50 40 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 1022 1722 2714 14.4 35〜43 15.1 15.5 3H 3H 3H 50 50 40 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 30 4 同上 5 同上 サンドラックPA 半ツヤ用黒 オリジン電気 17 常温 6 同上 オリジプレートZ 黒 オリジン電気 13 80 30 1022 1722 2714 88.0 57〜61 87.8 87.4 H H H 50 50 30 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 7 アミノアルキッド デリコン #700白 大日本塗料 13 140 20 1722 2714 20〜21 89.5 90.0 F F 50 30 100/100 100/100 100/100 100/100 8 同上 アミラック 白 関西ペイント 40 140 30 1022 1722 2714 84.2 25〜30 87.6 86.5 3H 2H 2H 50 50 40 97/100〜100/100 100/100 100/100 95/100〜98/100 100/100 100/100 三菱エンジニアリングプラスチックス 20 ページ 5 7 低そり性 ガラス繊維強化材料の肉薄成形品は、ゲートに対する流れ方向及びこれに対する直角方向の成形収 縮率の違いによりそりが発生します。レニーのガラス繊維強化グレードは、他の一般のガラス繊維強化 成形材料と比較してそりの発生が少ない。中でもレニー2620,2714,2502はさらに成形収縮率の異方性 を改良したもので、無機質フィラーのみを配合したPA66M40と同等もしくはそれ以下のきわめてそりの発 生の少ないグレードであります。 表7に4"ö,厚さ1/16"円板のそり量を測定した結果を示します。 表7 項目 成形金型温度(℃) そり量(mm) 材 料 75 130 レニー1002 レニー1012 レニー1022 レニー2031 レニー2620 レニー2714 レニー2502 0.49 0.61 0.33 0.60 0.18 0.17 0.17 3.98 4.48 3.74 5.18 0.31 0.27 0.26 PA66 G30% PA66 M40% PET G30% PBT G30% PBT低そりグレード PC G30% PPS G40% 5.65 0.16 2.30 8.17 3.11 0.18 0.16 8.31 − 5.75 − − 0.82※ 2.60 ※但し金型温度120℃ 三菱エンジニアリングプラスチックス そり量=最大高さ−試片厚さ 21 ページ 6. レニーのUL認定 レニー1002,1012,1022,1501,1502,1511,1521,2501,および2502はUL規格1410 PhaseⅡ規制(1977 年7月1日施行)にもとづく、米国Underwriters Laboratories Inc. の認定を取得しております。表9にULにより 認定された難燃特性,電気特性およびその他一般物性を示します。 また、レニー1022,1501のUL温度インデックスを表8に示します。 表8 レニー1022,1501のUL温度インデックス認定値 グレード 色 レニー1022+ 全色 レニー1501 全色 注) サフィックス+ :F,H ほか 三菱エンジニアリングプラスチックス 厚み(mm) 1.57 3.17 1.57 3.17 燃焼性 UL94 HB HB V-1 V-0 UL温度インデックス(℃) 電気特性 引張衝撃 引張強度 130 130 130 130 105 105 105 105 105 120 105 120 22 ページ 表9 UL認定レニー難燃グレードの性能 UL 746 最 UL 746 UL 746 UL 746 ASTM D495 ASTM D149 ASTM D257 ASTM D642 高電流アーク 少 ホット 大電圧 アーク IEC122 体積抵抗率 耐アーク性 絶縁破壊強さ 荷重たわみ温度 UL94 発火(回) グレード番号 肉 色 ワイヤー アーク トラッキング 耐トラッキング トラック/発火 455kPa/1820kPa 燃焼性 normal/moist normal/moist 厚 トラック/発火 発火 速度 CTI(V) -cm (秒) (℃) (V/mil) (M ) Ù 1.6mm 6.4mm (mm) (秒) (秒) (in/分) O S A S A S レニー 1501 レニー 1502 レニー 1511 レニー 1521 レニー 2501 レニー 2502 1.6 全 94V-1 200+ 200+ 200+ 249 85/85 3/120+ 5.4 727+/723+ 3.2 全 94V-0 90 200+ 200+ 300+ 85/85 1/120+ 5.3 419+/415+ 6.4 全 94V-0 100 200+ 200+ 300+ 85/85 2/120+ 5.3 1.6 全 94V-1 200+ 200+ 200+ 300+ 85/85 2/120+ 6.0 715+/754+ 3.2 全 94V-1 160 200+ 200+ 300+ 85/85 2/120+ 6.8 403+/404+ 6.4 全 94V-0 152 200+ 200+ 300+ 85/85 1/120+ 5.8 200+ 200+ 300+ 95/95 4/120+ 5.2 733+/726+ 3.2 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 300+ 95/95 3/120+ 6.5 409+/407+ 6.4 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 300+ 95/95 2/120+ 6.0 1.6 全 94V-1 200+ 200+ 200+ 300+ 124/124 3/120+ 3.8 693+/684+ 3.2 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 300+ 124/124 3/120+ 5.5 412+/412+ 6.4 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 300+ 124/124 2/120+ 6.1 UL 1410 Phase Ⅱ 要求値 − − 1.6 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 300+ 122/122 2/120+ 6.0 692+/698+ 3.2 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 300+ 122/122 1/120+ 6.2 404+/397+ 6.4 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 300+ 122/122 4/120+ 6.3 1.6 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 120+ 104/104 NI 7.0 3.2 全 94V-0 200+ 200+ 200+ 120+ 104/104 NI 7.0 − − − − − − − − 1.6 全 94HB 200+ 200+ 200+ 100 85/85 NI 2.5 3.2 全 94HB 200+ 200+ 200+ 120+ 85/85 NI 2.5 − − 6.4 − レニー 1022 (一般グレード) − 1.6 全 94V-1 200+ 6.4 − レニー 1002 (一般グレード) − − − − − − − − 739+/735+ 2.76×10 / 3.38×108 380 − 2.84×10 / 6.27×108 − 420 − 420 2.51×108/ 142.0×108 − 510 − 2.26×10 / 4.10×108 − 500 − 6.00×10 / 5.72×109 715+/733+ 3.2 全 94HB 200+ 200+ 200+ 300+ 129/129 6/120+ 3.3 411+/409+ 6.4 全 94HB 200+ 200+ 200+ 300+ 129/129 6/120+ 2.9 94V-0 ≧15 ≧15 ≧15 ≧10 94V-1 ≧30 ≧30 ≧30 ≧15 94V-2 ≧30 ≧30 ≧30 ≧30 94HB ≧60 ≧60 ≧60 ≧30 − >175/>175 0.0 202+/202+ 0.0 0.0 202+/202+ 0.0 0.0 200+/202+ 0.0 0.0 200+/197.5+ 0.0 0.0 204+/204+ 0.0 0.0 280+ 280+ − − 2.9 0.0 500 9 − 6/120+ 201+/201+ 500 500+ 129/129 0.0 510 8 − 260 0.0 510 − 200+ 204+/204+ 420 500+ 200+ 0.0 380 8 1.15×1010/ 1.25×1010 705+/704+ 0.0 380 − − 204+/204+ 380 8 − 94HB 200+ 三菱エンジニアリングプラスチックス 380 − − 24Hr 168Hr 380 − − 1.6 全 120秒以上 発火せず 2.94×108/ 133.0×108 寸法安定性 変化率 (%) − 8 3.39×10 / 68.8×108 570 − 570 − 570 >50/>10 ≧100 455kPa>90 ≦2.0 ≦2.0 最高使用温度+10 23 ページ 図 22 レニー 1501の機械特性の耐熱劣化 三菱エンジニアリングプラスチックス 図 23 レニー 2501の機械特性の耐熱劣化 24 ページ 7. レニーの成形 7 1 予備乾燥 あらたに開封したペレットを成形する場合は、とくに乾燥する必要はありません。開封したペレットをその まま放置しますと吸湿が進み乾燥する必要が生じます。吸湿したペレットを再乾燥するには、例えば熱風 乾燥機で80℃で12時間程度の乾燥を行なって下さい。除湿付き乾燥機の使用はとくに乾燥効率を高め ますのでおすすめします。90℃以上での乾燥は酸化着色の原因となるおそれがありますのでご注意下さ い。 7 2 成形条件 ナイロンMXD6は結晶性の高分子材料であり比較的明瞭な、243℃の融点をもっているとともに溶融粘 度が低く、温度の影響を受け易いので成形にあたっては正確な温度条件の設定が必要です。成形機の シリンダー及びノズルの温度と樹脂温度との差は、成形機の種類によって異なり、又適切な射出圧力は 成形品形状及びゲート構造により影響を受け易いことはよく知られています。 金型の温度は結晶化度に影響をおよぼし、特に薄肉成形品を低い金型温度で成形しますと急冷により 結晶化度の低いものとなります。成形品の結晶化度は機械的強度に対しては、ほとんど影響をおよぼし ませんが熱変形温度に影響し、低い熱変形温度の成形品となります。これらの対策としては120〜150℃ の金型温度で成形するか、又は低い金型温度で成形した成形品を130℃で30分程度加熱処理し結晶化 度を高めることができます。 成形品の表面光沢は金型温度で影響を受け、高い金型温度(120〜150℃)で成形することにより表面光 沢のある成形品が得られます。 表9にレニーの適正な成形条件の範囲を示します。 表9 レニーの適正な成形条件の範囲 ブレード番号 金型温度 (℃) 樹脂温度 (℃) 射出圧力 (kg/cm2) 成形サイクル(sec.) 射出時間 冷却時間 成形サイクル レニー 1002 レニー 1012 レニー 1022 レニー 9040 レニー 2031 レニー 9115 レニー 9130 60〜150 60〜150 60〜150 60〜140 60〜150 60〜140 60〜140 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 350〜1500 400〜1500 400〜1500 400〜1500 500〜1500 400〜1500 400〜1500 5 5 5 5 5 5 5 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 レニー 1501 レニー 1502 レニー 1511 レニー 1521 レニー 2501 レニー 2502 60〜150 60〜150 60〜150 60〜150 60〜150 60〜150 245〜270 245〜270 245〜270 245〜270 245〜270 245〜270 400〜1500 400〜1500 400〜1500 500〜1500 400〜1500 400〜1500 5 5 5 5 5 5 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 レニー 1313 レニー 1722 レニー 2620 レニー 2714 60〜140 60〜150 60〜150 60〜150 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 400〜1500 500〜1500 500〜1500 400〜1500 5 5 5 5 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 レニー 6002 レニー 6301 60〜140 60〜140 245〜260 245〜260 200〜1000 300〜1000 10 10 20〜30 20〜30 35〜45 35〜45 三菱エンジニアリングプラスチックス 25 ページ 7 3 流動性 スパイラルフロー金型を用いて測定したスパイラル流動長について温度依存性を図24に圧力依存性を図 25に示します。 図 24 スパイラルフロー温度依存性 図 25 スパイラルフロー圧力依存性 三菱エンジニアリングプラスチックス 26 ページ 7. レニーの成形 7 1 予備乾燥 あらたに開封したペレットを成形する場合は、とくに乾燥する必要はありません。開封したペレットをその まま放置しますと吸湿が進み乾燥する必要が生じます。吸湿したペレットを再乾燥するには、例えば熱風 乾燥機で80℃で12時間程度の乾燥を行なって下さい。除湿付き乾燥機の使用はとくに乾燥効率を高めま すのでおすすめします。90℃以上での乾燥は酸化着色の原因となるおそれがありますのでご注意下さい。 7 2 成形条件 ナイロンMXD6は結晶性の高分子材料であり比較的明瞭な、243℃の融点をもっているとともに溶融粘度 が低く、温度の影響を受け易いので成形にあたっては正確な温度条件の設定が必要です。成形機のシリ ンダー及びノズルの温度と樹脂温度との差は、成形機の種類によって異なり、又適切な射出圧力は成形 品形状及びゲート構造により影響を受け易いことはよく知られています。 金型の温度は結晶化度に影響をおよぼし、特に薄肉成形品を低い金型温度で成形しますと急冷により 結晶化度の低いものとなります。成形品の結晶化度は機械的強度に対しては、ほとんど影響をおよぼしま せんが熱変形温度に影響し、低い熱変形温度の成形品となります。これらの対策としては120〜150℃の 金型温度で成形するか、又は低い金型温度で成形した成形品を130℃で30分程度加熱処理し結晶化度を 高めることができます。 成形品の表面光沢は金型温度で影響を受け、高い金型温度(120〜150℃)で成形することにより表面光 沢のある成形品が得られます。 表9にレニーの適正な成形条件の範囲を示します。 表9 レニーの適正な成形条件の範囲 ブレード番号 金型温度 (℃) 樹脂温度 (℃) 射出圧力 (kg/cm2) 成形サイクル(sec.) 射出時間 冷却時間 成形サイクル レニー 1002 レニー 1012 レニー 1022 レニー 9040 レニー 2031 レニー 9115 レニー 9130 60〜150 60〜150 60〜150 60〜140 60〜150 60〜140 60〜140 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 350〜1500 400〜1500 400〜1500 400〜1500 500〜1500 400〜1500 400〜1500 5 5 5 5 5 5 5 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 レニー 1501 レニー 1502 レニー 1511 レニー 1521 レニー 2501 レニー 2502 60〜150 60〜150 60〜150 60〜150 60〜150 60〜150 245〜270 245〜270 245〜270 245〜270 245〜270 245〜270 400〜1500 400〜1500 400〜1500 500〜1500 400〜1500 400〜1500 5 5 5 5 5 5 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 レニー 1313 レニー 1722 レニー 2620 レニー 2714 60〜140 60〜150 60〜150 60〜150 245〜280 245〜280 245〜280 245〜280 400〜1500 500〜1500 500〜1500 400〜1500 5 5 5 5 15〜20 15〜20 15〜20 15〜20 25〜35 25〜35 25〜35 25〜35 レニー 6002 レニー 6301 60〜140 60〜140 245〜260 245〜260 200〜1000 300〜1000 10 10 20〜30 20〜30 35〜45 35〜45 三菱エンジニアリングプラスチックス 27 ページ 7 3 流動性 スパイラルフロー金型を用いて測定したスパイラル流動長について温度依存性を図24に圧力依存性を図 25に示します。 図 24 スパイラルフロー温度依存性 図 25 スパイラルフロー圧力依存性 三菱エンジニアリングプラスチックス 28 ページ 7 4 成形収縮率と寸法安定性 レニーの成形収縮率は、非強化グレードを除くといずれも0.3〜0.7%程度であり、一般のガラス繊維強化 熱可塑性樹脂と比較して小さい。成形収縮率は成形条件及び金型温度によって異るとともに、成形品形 状、ゲート構造などの違いにより異方性が生じることはよく知られています。 金型の設計にあたっては、成形品の図面寸法に対して、成形収縮率の他に、熱処理による寸法変化と成 形品の使用条件下での吸湿による寸法変化等、あわせて考慮する必要があります。この関係を次式で示 します。 S=S0+△S1+△S2-△S3 S : キャビティの寸法 S0 : 成形品の図面寸法 △S1 : 成形収縮による寸法変化 △S2 : 熱処理による寸法変化 △S3 : 吸湿により膨脹する寸法変化 熱処理による寸法変化及び吸湿による寸法変化は成形収縮率と同様に、成形条件たとえば、加熱シリン ダー温度、射出圧力及び金型温度により、又成形品形状やゲート構造などによっても影響を受けます。厳 密な寸法精度を要求される成形品を作る場合には、あらかじめある程度の収縮率をみこんで金型を試作 し、実際に成形を行なってみて、その結果により所要寸法の成形品が得られるように金型を修正するよう お奨めします。金型寸法を算出するための目安として表11に成形収縮率△S1と加熱収縮率△S2を、表12 に65%RH平衡吸水率での寸法増加率△S3を示します。 表10 成形収縮率△S1と加熱収縮率△S2 金型温度(℃) 75 収縮方向 流れ方向 収縮率(%) 材料名 流れ直角方向 流れ方向 流れ直角方向 成形後 加熱後 成形後 加熱後 成形後 加熱後 成形後 加熱後 射出圧 シリンダー 温度(℃) (kg/cm2ゲージ) レニー1002 レニー1022 レニー1501 レニー2031 レニー2620 レニー1313 PA6G30 PA66G30 PETG30 PBTG30 130 245 245 245 245 250 245 230 270 265 230 130℃ ・ 4Hr 34 45 38 56 46 50 40 50 40 40 0.52 0.38 0.49 0.68 0.56 0.45 0.59 0.78 0.87 0.92 0.11 0.07 0.07 0.10 0.07 -0.03 0.13 0.09 0.16 0.07 130℃ ・ 4Hr 0.55 0.39 0.49 0.58 0.54 0.48 0.59 0.79 0.82 1.00 0.08 0.06 0.06 0.07 0.06 -0.06 0.13 0.08 0.11 0.06 130℃ ・4Hr 0.49 0.37 0.41 0.63 0.57 0.37 0.77 0.85 0.60 0.95 0.02 0.01 0.02 0.03 0.01 -0.07 0.05 0.05 0.04 0.03 130℃ ・4Hr 0.60 0.44 0.48 0.62 0.60 0.46 0.76 0.89 0.80 1.06 0.04 0.02 0.03 0.03 0.01 -0.09 0.09 0.04 0.03 0.02 成形機 : 東芝IS75PNⅡ 成形品 : 2"ö×1/8"厚円板(サイドゲート) 表11 65%RH平衡水分率における寸法増加率△S3 金型温度(℃) 項目 材料名 レニー 1002 レニー 1022 レニー 1501 レニー 2502 レニー 2031 レニー 2714 レニー 1313 レニー 6002 PA 6G 30 PA 66G 30 75 130 寸法増加率(%) 平衡水分率 (%) 流れ方向 1.76 1.59 1.54 1.73 1.57 1.64 1.62 2.91 2.58 2.20 0.14 0.08 0.08 0.12 0.15 0.12 0.24 0.40 0.18 0.21 直角方向 平衡水分率 (%) 0.15 0.20 0.15 0.17 0.33 0.17 0.18 0.41 0.31 0.37 1.87 1.53 1.53 1.75 1.60 1.65 1.66 3.00 2.50 2.20 寸法増加率(%) 流れ方向 0.14 0.13 0.12 0.14 0.12 0.14 0.17 0.54 0.18 0.22 成形品:4"ö×1/8"厚円板(サイドゲート) さらにレニーに関してのご質問及び、詳しい情報等のご希望がござい ましたらレニー担当者までご連絡下さいますようお願い申し上げます。 三菱エンジニアリングプラスチックス 直角方向 0.21 0.27 0.23 0.20 0.21 0.18 0.16 0.59 0.34 0.40
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