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2009/4/11「ギフチョウ観察会」 二班に分かれての観察会。10 時ですで

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2009/4/11「ギフチョウ観察会」
二班に分かれての観察会。10 時ですで
に気温が高く、雑木林組で期待できるの
は産卵メスくらいかとの予測が的中。1
頭のメスが 2 箇所で 7 個ずつ産卵する場
面をみんなで撮影。いずれも周囲の環境
が悪い茂みの中での産卵だがやむを得
ず。他にはトラフシジミとコツバメがや
や高い位置でポーズをとってくれ、最後
に路面上でじっとしているトラフシジ
ミを好き放題撮影。山頂組は桜を吸蜜す
るギフチョウを撮影できたようでまず
まずの観察会でした。
その他の観察種:アゲハチョウ、キアゲハ、モンシロチョウ、キタキチョウ、ツマキチョウ、
テングチョウ、ルリタテハ、ウラギンシジミ、ルリシジミ、ベニシジミ、クロコノマチョウ、
ミヤマセセリ
2009/4/19「志方春のチョウ」
加古川市街と高砂市が望めるヒルトップで 10 時から 11 時までチョウ三昧のひと時を過ご
す。ツマグロヒョウモン♂が 4-5 頭でじゃれあい、キアゲハもときには 3 頭が縦列となって
追飛翔、それをツマグロヒョウモンが追
いかけてみごとな4縦連。そこへミヤマ
モンキチョウかと思ってしまう濃色の
モンキチョウが現れ、ヒオドシチョウも
滑空してゆく。こんな高い場所(といっ
ても標高 132m)にもいるのと驚くミヤ
マセセリも混じり、ルリシジミとコツバ
メが忙しくコバノミツバツツジの蜜を
求めて飛び交う。変わったヒョウモンチ
ョウかと思えばサトキマダラヒカゲ。ア
ゲハとキアゲハの追飛翔に新たにアオ
スジアゲハが参加し、尾根道を蝶道とす
るクロアゲハやカラスアゲハも現れて、
まるでチョウ銀座。例によってアゲハチ
ョウがグリーンネットに惹かれてすり寄ってくるのを今日はビデオ撮影で証拠写真をとる。
ひとまわり小さくてかわいいツマグロヒョウモンが、すでに羽をボロボロにした状態で遊ん
でいるのが痛々しい。
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December 31, 2012
観察種;アゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ、モンシロ
チョウ、モンキチョウ、キタテハ、ヒオドシチョウ、ツマグロヒョウモン、サトキマダラヒ
カゲ、ヒメウラナミジャノメ、ルリシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、コ
ツバメ、ミヤマセセリ、キタキチョウ
2009/4/26「チョウ観察会」
加古川市が年 7 回計画しているという
自然観察会の第 1 回となるチョウ観察会
は、低気圧通過のせいの強風下、気温もあ
がらない状況だったが、何とか 13 種のチ
ョウを観察できた。小さい子供がギフチョ
ウを捕まえてくれて全員で観察できたの
はラッキー。チョウに出会えなかったらが
っかりして帰られることになるのを避け
ようと、高砂の蝶や加古川市志方の蝶記録
を中心に編集した筆者作成の「蝶の記録」
DVD を参加ご家族用に準備して臨んだが、ギフチョウを見られたことなどまずまずの成果で、
DVD は最後の追加お土産とできた。
観察種:ギフチョウ、アゲハチョウ、キアゲハ、カラスアゲハ、モンシロチョウ、モンキ
チョウ、キタキチョウ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラ
ヒカゲ、ミヤマセセリ、コチャバネセセリ
追記:この日、路傍のイヌビワ新芽やサルトリイバラにイシガケチョウの産卵、ルリタテハ
の卵か幼虫発見を期待していたが、いずれも空振りで残念。コナラの新葉にはオトシブミ類
がいて赤紫の金属光沢が美しい種もみられて感激した。
2009/4/28「シルビアシジミ健在」
加古川市志方町のシルビアシジミ発生地 2 箇所を探
索。昨年とは離れた場所にミヤコグサ群落が復活して
いて一安心。その近くで 1♂だけを確認。曇り空で気
温があがらないため少し飛んでは休むという繰り返
しで、撮影にかかるといっそう雲が厚くなって芝生地
路面でじっとしたまま開翅してくれるタイミングは
なし。
その他の確認種:モンシロチョウ、モンキチョウ、ヤマトシジミ、ベニシジミ、ツバメシジ
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December 31, 2012
ミ、ヒメウラナミジャノメ
2009/5/1「もう 5 月」
5 月に入った西畑花畑。アオスジアゲハと
モンシロチョウが花の蜜を求めて活発にぶ。
いつもはクローバーの周辺ばかりを忙しく
飛び交うモンキチョウが今日は珍しくマー
ガレットの花でおとなしく蜜を吸っている。
キタキチョウの越冬母チョウが盛んに産卵
していたヌスビトハギに幼虫がいないかと
探してみるが、一面ハギだらけで見つけら
れず。17 時を過ぎるとベニシジミが少ない
日あたり場で休んでいる。HighVision ビデ
オをテレマクロ機能 ON とするとあっさり
とシャープな映像が撮れる。ヤマトシジミ
も最後の日向ぼっこ。茎がげんなり垂れたヨモギはキクスイカミキリの仕業だ。葉裏に隠れ
ていても触角がはみ出ていてすぐ分かる。フタホシテントウがあちこちでランデブーに余念
がなく、絡んだ状態を縦に眺めると面白い模様となっており、これもテレマクロモードでシ
ャッターをきる。
2009/5/2「ヒメウラナミジャノメ」
加古川市志方町平荘湖の周辺を探索。標高 132mのヒルトップへの登りで越冬ルリタテハ
がサルトリイバラに産卵しそうな場面に出会
うが、驚かせてしまい産卵せずに飛び去る。
山頂部はあいかわらず複数のツマグロヒョウ
モン♂が占有してクマバチやキアゲハたちと
追飛翔を繰り返す。蝶道を形成して何度も現
れるカラスアゲハはすでに羽を傷めている。
アゲハやアオスジアゲハも混じった賑やかな
追飛翔の展開をしばし眺めて急な岩道を降り
ると、麓ではきれいなヒメウラナミジャノメ
が出迎えてくれる。後翅表面に白斑点霜降り
模様がここまでちりばめられた個体はあまり
見たことがない。
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2009/5/3:「ツバメシジミ」
かつて、シルビアシジミの飼育時に野外から採取したミヤコグ
サにツバメシジミが産卵していて、シルビアにしては大きい蛹だ
なと思っていたらツバメ♀が羽化したことがあったが、今回、産
卵直後の卵を持ち帰り、一世代だけ飼育してみることにした。
2009/5/3:「うれしくて」
今日、ヤマトメール便で高橋真弓著「チョウ-富士川から日本
列島へ」という本が届いてうれしくてたまりません。1979 年発行
で、加古川市の図書館で探してもらってもみつからず、県立
図書館からやっと借りることができたのですが、高橋先生が
チョウ研究に携わってきた経緯の詳細に満ち溢れ図書館から
借りたその日のうちに一気に読みきってしまいました。この
ような著書にはめったに巡り合えません。読み進むうちにど
うしても自分の手元におきたくなり、駄目元でインターネッ
ト検索をしたら、何と Amazon で中古本を入手できることが分
かったのです。てっきり絶版だと思っていたその本が本日届
いたという次第。図書館で借りた本にはないカバーもついて
中古とは思えない美本です。(参考までに、Amazon 検索では
まだ中古本が何件か売りに出ていました)
注)高橋先生はキマダラヒカゲがサト、ヤマの独立した2種
に区別できること、ヒメジャノメとリュウキュウヒメジャノメとが単なる亜種という区別で
なく別種であることを粘り強い研究で明らかにされた方で、上記著書はそれらの研究経緯が
先生自らのことばでくわしく語られているものです。
2009/5/3:「ヒメヒカゲ生息調査」
昨年に引き続き、今年もギフチョウ・ネットの
メンバーを中心に、加古川地区のヒメヒカゲ生息
状況調査を実施することで合意。今年は、昨年一
部でトライしたマーキング調査を取り入れ、より
定量的なデータの把握につとめる計画で、警告板
を設置したところでも平気で無視して採集を強行
された昨年の苦い思いを今年は味わわなくてすむ
ことを願う。
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2009/5/3:「ギフチョウ産卵調査」
加古川の里山・ギフチョウ・ネットの恒例行事であるギフチョウ産卵調査を実施。今春は
チョウの観察数が少なく産卵数の激減が懸念されたがそこそこの数が確認できてひと安心。
興味深いのは、ヒメカンアオイが群落となっているところにはほとんど産卵していなくて、
株が適度に離散したような場所の葉っぱへの産卵が多いこと。まるで、母蝶が孵化後の幼虫
にあえて厳しい試練を課しているようにも思える。なかには葉表に産卵しているケースがあ
り、すでに孵化して摂食中の幼虫群もみられた。長時間腰をかがめての卵調査は、秋の二度
にわたる雑木林の間伐や下草狩り
などの生息環境整備作業に負けず
劣らず、腰痛もちの身に楽ではない
が、ギフチョウがいつまでも元気良
く飛び交ってくれることを願う強
い気持ちが活動の支えとなってい
る。
追記:雑木林の近くにあるエノキにテングチョウのものと思える食痕があるので、太くはな
い幹をゆすってみると、期待通りおどろいた幼虫が 1 頭だけ糸を吐いて落下してくる。やが
て、幼虫は(おそらく脚で)糸をたぐって少しずつ上方へと戻ってゆく。落ちてきたとはい
え幼虫はカメラで迫れる高さまでは降りていなく smallblue さんのような撮影記録はできず。
参照:http://blogs.yahoo.co.jp/smallbluekh/49474463.html
2009/5/5:「少し遠出」
好天気の高砂から車で 1 時間半はかかる音水渓谷へミヤマカラスアゲハとウスバシロチョ
ウ、スギタニルリシジミとの出会いを求めて 9 時半スタート。途中山崎 IC 交差点で 30 分の
渋滞にあい現地到着 11 時半。すっかり雲が厚くミヤマカラスは 1♂がツツジの花には見向き
もしなく人家畑地に固執して少し吸水しただけで飛び去り撮影チャンスはなし。ウスバシロ
チョウとスギタニルシシジミはまったく現れず、唯一いいコントラストで菜の花にとまるベ
ニシジミだけが撮影ターゲット。ツマキチョウはひたすら飛び続けスジグロシロチョウはス
レばかり。20 数年ぶりに明神の滝をビデオ撮影して夢前町のシバザクラ見物へと変更。すっ
かり見ごろを過ぎたなか、ミヤマカラスアゲハの傷ん
だ♀が点々と吸蜜して飛ぶ様子を遠くからビデオ記
録するのが精一杯。散策路の低い位置に葉っぱに食痕
が多いエノキがありテングチョウ幼虫がみつかる。小
鳥にやられたのだろうかなぜか 1 頭だけ。いろいろと
場所をかえて撮影できる姿勢がとれないため、持ち帰
って、身近なチョウを知ろう:テングチョウの項に引
用しているユニークな習性を示す写真を置き換えら
れるようチャレンジしてみる。
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2009/5/6:「シルビアシジミ」
曇り勝ちで気温があまりあがらない時間帯にシルビアシジミの発生ポイントを探索。ミヤ
コグサの黄色い花が咲き乱れる草原に踏み込むと、とたんにあちこちからシルビアが飛び出
すが、すぐ近くの草葉などにとまる。なかにはすぐ開翅する個体もいるが 10 時前で多くはじ
っとして動かな
い。どこか黄色い
花にとまる個体
はいないかと粘
るうち、やや気温
があがって蜜を
吸い始める♀を
ファインダーに
捉える。花の奥にある蜜を求めて頭まで突っ込んだ様子がとてもかわいい。おなかにはたく
さん卵を抱えているようで、しっかり多くの卵を産んでほしいものだ。
2009/5/11:「テングチョウ蛹はなぜ腰を曲げる?」
兵庫夢前町から持ち帰ったテングチョウ幼虫がなんとか無事さなぎとなって、期待した葉
っぱと体が平行となるように尾部を曲げる様子を記録できた。それにしても、いったいこの
姿勢にはどういう意味があるのだろうか?
「身近なチョウを知ろう」でテングチョウをとりあ
げたときには自前の写真記録がなくて、幼虫が驚い
て落下する状況も手元の図鑑から写真を転載してし
のいだが、5/10 になんとか撮影できて上記テングチ
ョウの項を改訂した。しかし、糸の部分を映像とし
て記録するのは至難の業で smallblue さんの記録
のようにはうまく撮れていない。
参照: http://blogs.yahoo.co.jp/smallbluekh/49474463.html
2009/5/11:「カワラケツメイ」
4 月の上旬に種を播いたカワラケツメイが高砂
西畑の花畑の一角で順調に生育している。和歌山
の hamabo さん(http://6708.teacup.com/14yan
/bbs?BD=17&CH=5)から種を郵送してもらった
もので、昨年 10 月 29 日にこの花畑に飛来した
ツマグロキチョウが、今年はここで産卵してくれ
ることを期待しての試みである。ツマグロキチョ
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ウは秋になると行動範囲を広げるというが、昨年秋には果たしていったいどこからやってき
てくれたのか。気が早いけれど、6 月以降、ツマグロキチョウが食草をかぎつけるセンサー
機能を存分に発揮してくれることを願っている。
2009/5/17:「ヒメヒカゲ生息調査:お知らせ」
今年のヒメヒカゲ生息調査について、以下の「お知らせ」をご覧下さい。
http://www2.ocn.ne.jp/~tateiwa/osirase-himehikage.htm
今年初めて実施予定のマーキングは、参加できる人数に限りがある中での調査となりますが、
ヒメヒカゲの実態を把握するうえでの重要な調査だと位置づけ、一歩ずつ前進してゆきます。
今年の加古川周辺では、羽にマーキングされたヒメヒカゲが飛び交う状況となるでしょう。
2009/5/18:「ヒメヒカゲ調査:野外蛹の発見」
午後 2 時から自転車を飛ばして調査対象地区を回る。最初の地区ではヒメウラナミジャノ
メと新鮮なホシミスジを見ただけで次の地区に転
戦。すでに自転車が 1 台止めてあり O さんの可能
性があるが見える範囲に人影はない。時刻はすで
に 16 時前。蛹はブッシュ奥にひっそりと蛹化する
にちがいなく発見は至難の業だろうと探索をなか
ば諦め始めたそのとき、ふと足元の草むらに目を
落とすと
草の枯れ
茎にぽつ
んとふくらみが見える。初めて目にする自然蛹はヒ
メヒカゲの蛹にちがいない。継続観察するには家か
ら距離があるが、羽化まで可能な限りフォローして
みたい(目印は設置せず)。
最初の地区でひとり遊んでいたホシミスジは羽化し
てからあまり日が経っていないようだ。
本日観察種:アゲハチョウ、モンキチョウ、ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒケゲ、
アサマイチモンジ、ホシミスジ、ツバメシジミ
2009/5/19:「テングチョウは早起き」
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2009/05/11 に蛹化したテングチョウに羽化間近の兆候が出たのでビデオ撮影の準備を整え、
早起きしたつもりの 5/19:am4:50、テングチョウはすでにしっかり翅を伸ばし終えていた。
「身近なチョ
ウを知ろう」の
アゲハチョウ
項にアゲハチ
ョウとアオス
ジアゲハで羽
化時間が決ま
っているとい
う平賀壮太先生による研究結果を紹介しているが、テングチョウはずいぶんと早起きのチョ
ウであった。2004 年 8 月にホシミスジが早朝 4 時頃羽化した記録を撮っているが、今回は羽
化の瞬間を捉えることができなく残念。
2009/5/20:「ヒメヒカゲ幼虫ではない?」
2009/05/18 観察の幼虫を 5/19 に接写機能のあるビデオ(SONY HDR-UX7)で撮りなお
す。18 日とほぼ同じ場所で、やはり同じポーズでゆっく
りと葉をかじっているようだが、ほとんど動いているよ
うには見えない。しかし、よく観察すると尾部にあるは
ずの二又突起がみられなく、摂食中に図のように極端に
体をひねった姿勢をはたしてチョウの幼虫がとるだろう
か?
5/20:再確認目的で訪れると、違った場所に移動してい
るが摂食体勢はまったく同じでどこか奇異。今一度じっくり幼虫を観察して、やはりヒメヒ
カゲ幼虫ならあるはずの尾端二又突起がないことを確認。どうやらこの幼虫は蛾のなかまだ
と思われ、すぐ近くにもう1頭、こぶりの同じ幼虫を認めた。飼育によって確認すればいい
のだが、エサの食草管理に自信がないのでそのままにして帰る。
2009/5/22:「ヒメヒカゲ蛹の確認」
2009/05/18 にみつけたヒメヒカゲのものと考えられる蛹は、腹部にわずかにくびれがあっ
て白水・原共著の幼虫大図鑑(Ⅰ、p.38)の「殆どくびれ
がない」という記載から同定に不安があり、本日、小雨の
なか蛹の周りの自然環境に変化がおきないようガーデニ
ング用支柱を使って背面からの映像記録をとり、間違いな
くヒメヒカゲの蛹だと確認できた。あとは、自然状態での
羽化の瞬間を記録したいが、このチョウの羽化の時間帯に
関する情報がない。可能な限り観察を続けてみるが、どな
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たかヒメヒカゲの飼育記録とか羽化の時間帯について情報をもっておられたら、ぜひコメン
トをください。
2009/5/22:「ヒメヒカゲ幼虫」
2009/05/18,19 に観察した幼虫がヒメヒカゲではない
と分かってがっかりしていたが、蛹を見つけたすぐ近く
で、正真正銘のヒメヒカゲ幼虫が見つかる。やはり上半
身を奇妙に折り曲げるような姿勢はとらずに、スマート
に食事をしており、尾端の二又突起もしっかり確認でき
る。
2009/5/23:「シルビアはクローバーがお好き?」
野外から、すでに相当の産卵を済ませたと思われるボロのシルビアシジミ♀を持ち帰って
プランターに植栽しているミヤコグサに5個産卵させて室内窓際で飼育経過をみている。適
度に日光にあてるべく窓を開けて風通しもよくしていたら体調 5mmほどに育った幼虫が落
下してきた。紙片を使ってそっとミヤコグサ
に戻したのにすぐに落ちる。実は3月ミヤコ
グサにアリマキが大発生してオルトランを使
って駆逐しており、他の幼虫も孵化後、どこ
に行ったのか食痕が進展しなく気になってい
た矢先。
近所の花公園に植栽している新しいミヤコ
グサを用いて小さなタッパウエアに移して様
子をみていると、このオルトランの影響がな
い新鮮なミヤコグサにくいつかずに歩き回っ
ている。やむなくクローバー(シロツメクサ)を追加してやると、何と、こちらを食い始め
たではないか。オルトランがしみこんだ(?)ミヤコグサがよほどまずくてトラウマとなっ
た可能性がある。
2009/5/23:「ヒメヒカゲ生息調査スタート」
ヒメヒカゲが絶滅危惧種Ⅰ類へとグレイドアップされたことと、昨年の調査で予想以上に
生息範囲が狭くなってきていることへの危機感を増幅された方たちが新たに参加メンバーと
なってくださり、昨年よりもパワーアップしたメンバー構成での 2009 年ヒメヒカゲ生息調査
がスタートした。メンバーが増えて、平日の調査活動もいっそう強化でき、今年からは播磨
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全域で積極的に翅裏へのマーキングを実施するのが特長である。全国的にも貴重なヒメヒカ
ゲの生息環境を保全維持し続けるためにも、播磨地区での採集は厳に謹んでいただきたい。
2009/5/25:「いきぬきの相手はアサマイチモンジ」
ヒメヒカゲ生息調査の休憩中、ホシミスジに混じって精悍なアサマイチモンジが「マーキ
ング調査ご苦労さん」と挨拶にきてくれた。この日は、キタキチョウの新鮮第一化個体もみ
られた。つい一昨日(5/23)にはまだ越冬個体が飛んでい
て驚いたが、いよいよ新
しい世代の登場だ。足元
にはコモウセンゴケが
可憐な花を咲かせてい
るが、この花の自然ある
がままの美しさを絵に
するのはなかなかむず
かしい。
2009/5/26
「ヒメヒカゲ:観察記録2題」
ヒメヒカゲ生息調査のかたわら、自然蛹 2 頭目
を発見した。1 頭目同様草原内の笹竹枯れ茎に下
垂した淡褐色タイプである。緑色タイプは未発見。
5/18 発見の 1 頭目は羽化間近となっており目
が離せない。
5/26、ヒメヒカゲの羽化が日の出時間 4:50
に近いと推定したが、日の出からやや遅れた 5
時半前に現場で目にしたのは、すでにすっかり
翅を伸ばしき
ったきれいな
♀の姿。
野外におけ
る羽化の瞬間
撮影に成功すれば日本で最初の記録になるはず、と
高揚していただけに残念。実は、日の出時間前の現
地到着にこだわらなかったのは、まだ 2 頭目の発見
蛹があるから、との余裕があったから。ところが 、
急ぎ確認した別の場所の 2 頭目の蛹がない。目印をしていなかったとはいえ、発見位
置を忘れるほどぼけてはいない。おかしい!とあたり一帯をくまなく探したが結局、2
頭目の蛹は天敵にやられたのか忽然と消えてしまった。
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2009/5/27:「アオスジアゲハはいつまで仲良し?」
アオスジアゲハの幼虫では、写真のように幼虫が仲良く同じクスノキの葉っぱ上に並ぶ面
白い習性があって、まだ褐色が残る小さい場合に 4 頭がせいぞろいした記録も撮っている。
(参考:June 2, 1979 高砂市西畑で
の記録)
ギフチョウの幼虫がしばらくはき
れいに整列して食草をたべる光景は、
毛むくじゃらの真っ黒な幼虫が群れ
ることで、外敵に警戒させる自然の知
恵だと考えられるが、アオスジアゲハ
のこの習性にはどういう意味がある
のだろうか。ハチなどに攻撃される際、
いっせいにきつい匂いを出すのに複数の方が威力がある? しかし、写真のように成長した
幼虫の多くは単独行動に移行しているわけで・・・うーん、よく分からない。
2009/5/27:「ヒメヒカゲ蛹:どうして緑色なの?」
寄生されていると思われたヒメヒカゲの幼虫が蛹化した。前蛹が枯れ茎に下垂した時点で
てっきり淡褐色の蛹になると思ったのに、緑色のままで変化がない。野外の笹竹(ケネザサ)
枯れ茎に下垂する自然蛹 2 頭はいずれも保護色とみなせる淡褐色だったのに、これは意外な
展開だ。
平賀壮太先生によるアゲ
ハチョウとアオスジアゲハ
の蛹の色に関する研究では、
蛹が付着する材質の色への
保護色というのではなく、ア
ゲハチョウでは材表面が平滑なら緑、ざらついていれば褐
色、アオスジアゲハでは蛹に対する太陽光の[入射光]-([透
過光」+「反射光」)=照度差が 40 ルクス以上だと赤褐色、
それ未満だと緑になることを解明されているが、どうやら
ヒメヒカゲについても何か法則がありそうだ。
2009/5/29:「テングチョウ寄生バエ」
寄生されていたテングチョウ蛹から、ハリバエの一種と
思われる寄生バエが出てきた。テングチョウに対する天敵
の報告例は少ないようなので、ハエの種同定ができたら正
式に公表したい。
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2009/5/30:「ヒメヒカゲ:マーキング調査」
これまで個人単位で行ってきたマーキングを、本
日は昨年との発生個体数変動調査を目的にボランテ
ィアメンバー総出で一斉実施。採集者は裏面の眼状
紋の変化などを好んで乱獲する傾向があるが、筆者
の場合はその眼状紋をマジックで汚すマーキングを
採用している。播磨にきても標本価値のある個体は
いないぞ、と訴えたいわけだ。
こんなことまでしなければ、絶滅危惧種となって
も根こそぎ採りたいという人を排除できないのが情
けない。
2009/5/30:「暑いはずだよ」
ヒメヒカゲのマーキング調査に参加したメンバー
を、まず出迎えてくれたのが早くも黒化したベニシジ
ミ。すでに右前翅端が傷んでいるが、いつまでもカメ
ラ撮影のモデルとして、じっと同じ姿勢でサービスし
てくれた。キタキチョウは前翅黒紋がめいっぱい発達
した夏型も出ており、一気に暑い夏が近づいている証
拠をみた思い。
そのほかの本日観察種:アゲハチョウ、クロアゲハ(?)、モンシロチョウ、モンキチョ
ウ、キタキチョウ(春夏中間型、夏型)、ウラギンスジヒョウモン、アサマイチモンジ(ス
イカズラに初令幼虫も)、サトキマダラヒカゲ、ウラナミジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、
ツバメシジミ♀、リンゴカミキリ
2009/5/31:「ヒメヒカゲはやはり早起き」
2009/06/02 に加古川市立少年自然の家で志方小学校 5 年生 47 名を対象とした出前講座を加
古川の里山・ギフチョウ・ネットのメンバーが担当することになっていて、絶滅危惧種であ
るヒメヒカゲの紹介もする企画となっている。いい機会だから生きた♂♀も見せてやって現地
に戻そうということで、捕獲した2頭を吹流しに入
れて観察していると、朝 5 時にはもう動き回り、本
日は早朝降雨のあとべた曇りのため全く陽射しはな
いのに開翅動作の繰り返しもみられる。霧吹きで水
分を補給してやるとすかさずストローを伸ばし、羽
を開閉させながら長い間吸い続ける。実際に発生現
場で早朝タイムの生態を観察したことはないのだが、
めったに花蜜をもとめる姿をみないことをあわせ考
えると、まちがいなく夜露などを吸っているだろう
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December 31, 2012
し、もしかしたら水気のある湿地帯を訪れたりしているかも知れない。ウスイロヒョウモン
モドキなどで見た、集団で吸水している光景をかってに想像してみると、ちょっと楽しい気
分になる。
ズームアップする間もないわずかのチャンスを撮影したビデオ記録から切り取った上図は、
わかりにくいが路上のササ枯葉に口吻をのばしていた場面で、この前には路面に直接口吻を
伸ばして何かを吸っていた。午後 16 時半頃のことである。
2009/6/1:「イシガケチョウがいた!」
2009/05/30 にマークしたヒメヒカゲが草むらでヒ
ョイヒョイと遊ぶ様子を眺めていたら、眼下湿地帯の
上を大型の白いチョウが横切って飛ぶ。紛れもないイ
シガケチョウだ。4 月 9 日にギフチョウの棲む雑木林
で越冬個体の飛翔をみて、その後の発生を期待してい
たのだが、第一
化がどこか近
くで発生した
らしくうれしくなる。本日は 5/24 にマークした♀が「お
前さんにずいぶん汚されたけど頑張って子孫を残した
よ」とでもいいたげに、ボロボロの姿でじっと休んで
いるのに出会う。
おにぎりの昼食をすませた頃から風が強くなり、そ
の風に流されるように飛んできたウラギンスジヒョウモン♂が珍しく目の前に止まる。いつも
すばやい飛翔姿しか見せてくれない本種の絶好の撮影チャンスを逃さずものにでき、向かい
風の帰路、自転車のペダルは決して軽くはないが満足感はじゅうぶん。
他の観察種:アゲハチョウ、アオスジアゲハ、キタキチョウ(準夏型♂、夏型♀)、モンキチ
ョウ、ヒオドシチョウ、ツマグロヒョウモン♀、アサマイチモンジ(卵、幼虫も)、ヒメウラ
ナミジャノメ、サトキマダラヒケゲ、ツバメシジミ♀、ベニシジミ、コチャバネセセリ
2009/6/2:「小学生の目が輝いて」
ヒメヒカゲの実物を初めて眼にし、霧吹きで
水分を与えるとたちまちストローを伸ばす様子
に志方小学校 5 年生の目が一気に輝く。当初お
となしかった子供たちからどんどん質問が飛び
出て、昼食タイムで打ち切らざるをえなかった
ことが残念なほど。このような機会をもっと増
やして、貴重なチョウ保護の必要性をさらにア
ピールしてゆきたいものだ。
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そのあとヒメヒカゲの生息調査へと移行し、本日最初に出迎
えてくれたのはまばゆい白銀をきらめかせるウラギンシジ
ミのママだった。
昨年この場所ではヒカゲチョウが複数で出迎えてくれて
ヒメヒカゲも確認できたのだが、今回は全く姿をみられず。
2009/6/3:「おぬしミカドアゲハか」
今日 6 月 3 日は朝から小雨。ヒメヒカゲたちも久
しぶりの雨に、きっと乾いたのどをうるおしている
ことだろう。ところで、飼育中のアオスジアゲハが
珍しい体勢で蛹化した。クスノキの葉面で蛹化する
場合、アオスジアゲハは例外なく葉柄側に頭を上向
けとする体勢(ミカドアゲハは逆に頭部下方体勢)を
とることが、生態図鑑に両種の特徴として記載され
ている。今回の例外は飼育下という自然界とは異な
る条件が影響したのかもしれないが、これまで何度も飼育してきた中で初めての例である(月
刊むし、No.466, p.35-36, 2009 に発表)。写真中央下奥には正常な向きの蛹がみえる。左
側の幼虫は一見して蛹化まじかと分かる透き通った黄緑色に変化しているが、別の葉っぱ裏
へと移動して蛹化した。
2009/6/4:「環境保全功労者
兵庫県知事表彰」
加古川の里山・ギフチョウ・ネットのボランティア活動が「環境の日」の 6 月 5 日、表題
の知事表彰を受賞することとなっ
た。ギフチョウの継続発生のため
に年 2 回の雑木林手入れなど環境
保全活動に努め、さらには 2008 年
から絶滅危惧Ⅰ類となったヒメヒ
カゲの保全にも力を入れ始めた一
連の活動が認められたわけで、メ
ンバーの一員として嬉しく、また
誇りにも思う。現在のメンバーは
年々平均年齢が高くなる一方だが、
小学生から高校生まで、次世代を
になう若者たちにもこれら保全活
動への参加を募り、自然環境保護
の大切さを、体験をとおして理解
してもらえるよう啓蒙してゆきたいものだ。
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2009/6/4:「再びウラギンスジヒョウモン」
朝から曇天で、こんな日にヒメヒカゲはどんな活動をしているのか知りたいのと、6 月 2
日生息現地にヒメヒカゲを採る目的でやってきた、どあつかましい男性が再び隙をついて踏
み込んではいないかとの懸念もあり、片道 45 分かけて自転車を踏む。幸い採集者の姿はなく、
申し訳ないけれどマーキングで汚されたヒメヒカゲが、昨日の雨で潤いを得て元気を取り戻
したかのように足元にもやってきてくれる。ルートセンサス調査を始めようと歩き始めた目
の前に、今日もウラギンスジヒョウモン♂があらわれてべったりと羽を広げて静止し、時折当
方の意をくんだかのようにV字姿勢もみせてくれるなど、撮影のためのポーズをとってくれ
る。いつも速い飛翔姿しかみせてくれない準絶滅危惧種のビデオ記録も撮れて満足。
他の目撃種:キタキチョウ、ツマグロヒョウモン♂、ヒメアカタテハ、アサマイチモンジ、サ
トキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、ウラナミジャノメ、ベニシジミ、ツバメシジミ、
コチャバネセセリ
2009/6/6:「ヒメヒカゲ:第 2 回マーキング」
ヒメヒカゲ生息調査の多人数による一斉マーキング2回目を実施。晴れ男が多いのか霧雨
もあった曇天から一気に強い陽射しの好天気へとか
わって、瞬くまに
汗だくとなる。そ
んななか「マーキ
ングお疲れさん」
と慰めてくれる
のが新鮮なヒオ
ドシチョウだ。赤
土の開けた斜面がお気に入りとみえて、一見乾いている
としか見えない肌地にしきりと口吻を伸ばしている。マ
ーキング調査を終えて戻ろうとする道沿いにヒメヒカゲ
の交尾個体がみつかる。路面にいてはあぶないよと近く
の草上に移してやると、一方の後翅裏面にマーキングの
マジック印がくっきりとみえる。せっかくの美肌を汚し
てしまったのに、ちゃんと彼氏ができてよかったよかっ
た。移してやった場所はお気に召さないらしく、ごそご
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そと♀が先導しながら歩いて移動。まもなく撮影のモデルとしても申し分のない安定した足場
を確保してとどまってくれる。彼氏側にマークがあるのかどうかは確認できぬまま。
他の観察種:アゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハ、ウラギンスジヒョウモン、ツマグロヒ
ョウモン♂、ヒメアカタテハ、ウラナミジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、ベニシジミ、ツバ
メシジミ
2009/6/7:「ヒメヒカゲ羽化」
2009/05/22 に野外で寄生されているとみなした幼虫を採取し、どのような天敵が出てくる
のか確認しようと飼育してき
た。ところが蛹化した時点であ
まりにきれいな蛹で体のどこ
にも異常がなく、もしかし
て・・・と観察を続けるうちに
6/5 から羽化の兆候がみられ、
6/6 には翅部分の色が明らか
な茶色に変化した。当初の天敵
種確認という目的が果たせな
いことが分かって少々がっか
りだが、この際なんとしても羽
化の瞬間を記録しようと気持
ちを切り替える。5/18 に野外
で見つけた蛹が 5/26 に羽化し
たときには、その瞬間を撮影記
録できなかったため、本日は早朝4時前から準備おこたりなく早めにビデオを記録モードと
して羽化を待ち、4:18 頃から始まった羽化の様子をしっかり撮影記録できた。本日の高砂
での日の出は 4 時 47 分だが、撮影のために蛍光灯を ON とせざるを得ず、自然光下での羽
化時刻よりいくらか早まった可能性を否定できないが、5/26 の早朝羽化といい、ヒメヒカゲ
はやはり日の出前の時間帯に羽化することが多いのではないかと推察する。蛹の翅部分にヒ
ビが入ってから約 30 秒で全身が抜け出し、はねが完全に伸びるまでには約 10 分を要した。
前蛹は 5/26-27 の一日で羽化までの蛹期間は 11 日。
幼虫から羽化までの一連の学術記録を残すのに、羽化成虫の標本もそろえるのが本筋かも
しれないが、美しい♀がじっくりと羽をのばしてゆく過程を観察したあとで、とてもその胸を
押しつぶす気にはなれず、本日 9:30 現地の草むらに 607 の赤マジックを入れて放してやっ
た。
2009/6/9:「シルビアシジミ羽化」
June 1, 2009 に蛹化したシルビアシジミが羽化した。野外で採取したボロ♀に産卵させた
ミヤコグサに、アリマキ退治目的で使ったオルトラン成分がいくらか残存していたらしく、
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孵化後に少しだけ摂食して死滅したかわいそうな初令幼虫がいて、かろうじて逞しく生き延
びた2頭だけが蛹にまで育ってくれていた。羽化後
は羽を閉じたままで雌雄の判別はできず、本日、発
生地まで行って自然にもどしてやるとすぐにミヤ
コグサの黄色い花に止まってくれ、例によって後翅
を上下に交互に動かす動作を始めた時点でようや
く♀だと分かる。風にゆられるなか、上記挙動をビ
デオと写真に記録できたが、ツバメシジミやゼフィ
ルスのような(触角だとだます)尾状突起も、その
根元に(こちらが頭側だよとあざむく)眼状紋もな
いシジミチョウにみられるこの後翅スリスリ挙動には、いったいどんな意味があるのだろう
か。
ちなみに、この羽化個体は卵期=8 日、幼虫期=24 日、前蛹=1日、蛹期間=9 日で、あ
との蛹も現地草むらにそっと置いてきた。雌雄いずれが羽化するのかの確認はできないがた
いしたことではなく、ミヤコグサが繁るこの土手まわりで存分に飛び遊んでくれればいい。
2009/6/11:「ムラサキツバメ」
借りていた永井隆博士の「この子を残して」を返して、ヒメヒカゲ関連の文献調査をする
ために加古川市立中央図書館まで妻に車で送ってもらい、迎えは1時間後にと約束してドア
をくぐると、なんと 6/09-20 まで書籍整理のために休館だという。仕方なく周辺を散策して
いたらカシ類とクスノキが繁る木立の梢をゼフィルスのごとくに飛ぶ黒っぽいシジミチョウ
が目に入る。時刻は 17:30。ムラサキシジミは確かあのような飛翔はしないはずで、考えら
れるのはムラサキツバメだ。よく見るとしおれかけた花穂をいっぱいつけたマテバシイがあ
る。こんな街中で発生しているのかどうか分からないが、私はムラサキツバメを南国のゼフ
ィルスと勝手に愛称している。梢部分を転飛するシジミチョウを見上げ続ける足元遊歩道上
を、地上 20cmほどの高さで「わたしの飛翔もみてよ」と本物のツバメがみごとな高速滑空
を展開してゆく。図書館休館という予期しなかった困惑も、これら両ツバメがなんとかなぐ
さめてくれた。
2009/6/12:「ヒメヒカゲ終盤か」
5日ぶりにヒメヒカゲの生息調査にでかけた。
かつてマーキングした個体が多いなか、マークの
ない個体はネットインして 612 と日付を記入。そ
のいずれもスレか破損個体となっており終盤の
様相。ここまで新鮮個体がいなくなれば採集者も
こないだろう。
前回、マーキングから 10 日目の破損♀個体を
再捕獲確認しているが、本日、602 というマーク
をした♂個体を再捕獲確認した。♀の場合は子孫
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を残すために少しでも長生きをするものと納得できるが、♂でも 11 日程度は生きていること
が確認できた。
2009/6/12:「アサマイチモンジ」
アサマイチモンジはだらだらと産卵をしているよ
うで、まだ初令の幼虫がみられる。ところがそれを
ねらってだろう、アシナガバチがぬけめなくスイカ
ズラ周辺をうろついている。いくら糞塔でカムフラ
ージュしても匂いかなにかで見つけてしまうのでは
あるまいか。事実、糞塔だけ残って幼虫がみあたら
ない葉っぱがいたるところに見つかる。今目の前に
いる幼虫もいつやられるか分からない。本当は自然
のままに任すべきかも知れないが、つい幼虫のいる枝を手折ってしまう。おせっかいだが飼
育してチョウにしてからここにもどしてやろう。
2009/6/15:「蛹の色はいろいろ」
ヒメヒカゲがケネザサの枯れ茎に下垂したのに緑色を呈したことで、蛹の色はいったいど
ういう要因に支配されて決まるのかに強く興味を
抱いているが、飼育中のアオスジアゲハでもあま
りみかけない黄緑色の蛹となる個体が 2 例でた
(月刊むし、No.466, p.35-36, 2009 に発表)。
いずれも発砲スチロールのふたに帯蛹となったも
ので、平賀先生が緑色と赤褐色の2種類に分かれ
る要因を前蛹まわりの光照度差だと結論付けられ
たことといくらか関係しているようだが、その中
間色とでもいえる黄緑色は、いったいどういう条
件に起因するのか、自然界の不思議はつきることがない。
上図の①と③が筆者にとって珍しい黄緑色タイプで、通常の緑色タイプ②はクスノキの葉
裏に帯蛹となったものの、幼虫の飼育密度が高かったせいで付着している葉っぱを他の幼虫
に食われて帯蛹として葉っぱにとどまれなかった個体を比較のために並べたものである。赤
褐色タイプの蛹にはなかなかお目にかかれない。
2009/6/16:「ヒメヒカゲまさかの再会」
梅雨入りして以降いい天気が続くので、ひとっ走
り自転車を踏んでヒメヒカゲの様子を見に行く。そ
してまさかの感激のご対面。6 月 7 日、飼育蛹の羽化
シーンを記録させてくれた♀を現地に放すとき 607
と赤字マークを入れ眼状紋も赤線でつぶしたのだが、
今日、その♀と再会できたのだ。あんなにきれいだっ
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た羽はもうボロボロ。素敵なイケメンと出会い恋もして、ふっくらとしたおなかにいっぱい
抱いていた卵もかなりの数を産み落としたのだろう、いくらかスレンダーとなっている。で
も、もしかしたらまだ産卵するかもしれなく、その確認目的で生まれ第二故郷の我が家に連
れ帰る。枯れた食草と一緒にタッパウエアに入れ、霧吹きで水分を補給してやると喜んで口
吻をのばすがどこか弱々しく、いつまで生き延びてくれるのか、また果たして最後の産卵を
してもらえるのかどうか、いたわりつつ様子をみたい。
今日は鳥に襲われたのか羽の傷みが痛々しいヒメヒカゲも見た。こちらはギフチョウ・ネ
ットの他のメンバーがマークした個体だ。わずかに残る
前翅外縁沿いの鉛色鱗粉から♀だと思われるが、しっか
り子孫を残す勤めを果たして、余生を楽しんでいるのだ
ろうか。
実は、今日は彼氏のもとへと急ぎ飛ぶと思われる、き
れいなツマグロヒョウモン♀の逞しい飛翔も目撃した。
ヒメヒカゲの飛び遊ぶ草原をあっというまに飛び越え
て、尾根筋の鞍部でテリトリーを張っている♂とのデー
トの待ち時間に遅れ、途中の風景などみむきもせずに山肌にそって一目散に昇ってゆく、こ
んな♀の飛翔を見たのは初めてである。
2009/6/18:「卵を産んだ!」
2009/06/17、ヒメヒカゲが卵を産んでくれてい
た。予想した以上に大きい卵を 4 個、いずれも枯
れた食草に几帳面に産みつけたという印象。少し
黄色味を帯びている。本日 6 月 18 日早朝、写真
撮影をするためタッパウエアをあけたら、いきな
り飛び出す元気がまだ残っていてうれしいが、は
っきり確認できた羽の右側は大破していて裏面
のきれいな模様はほとんど見えないほど。いつまで生きながらえてくれるのか、野外活動を
奪ってしまって申し訳ないが、最後までここで過ごしてもらおう。
2009/6/19:「片方の脚がないなかで」
ヒメヒカゲの母蝶は 6/18 にも2個産卵。なぜ
かいつも体を傾けて静止するのがおかしいなと
思っていたのだが、不覚にも下図のようにポカリ
スエットを飲ませてやった際の姿勢をみて初め
て右側の脚 2 本がないことに気づく。こんな状態
でよくも卵を産み続けてくれたものだ。産んでく
れた卵は大切に育て、何としても来年 5 月には二
世チョウとして、母蝶の真の生まれ故郷に放して
やらねば。
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追記:6/20 現在、羽化からちょうど2週間目。弱々しさは否めないが、不自由な脚のままで
さらに 19 日 2 卵、20 日2卵と産卵を続け、トータル 12 卵となっている。母蝶の子孫を残そ
うというすごい生命力を感じずにはいられない。
2009/6/20:「ヒメヒカゲ自然卵」
ヒメヒカゲの生息調査最終日、インドからのお客さんが見えるということで、例の母蝶が
産んだなかから枯れ草につく2卵を持参。現地で早速それを見てもらっている矢先、T さん
が「あった!」と枯れ草ではなく生きた緑の食草に産
み付けられた自然卵をあっさりと見つけてしまう。こ
の発見でコツをつかんだ T さんは、立て続けに離れた
場所でも見つけ、メンバーのHさんから「T さんの目
には望遠レンズがついているとしか思えん」と。幸い
筆者も T さんが見つけたすぐ近くで初めて自然卵を
見つける。筆者が持ち込んだ卵の値打ちは吹き飛んだ
が、自然卵発見のきっかけを与えたことは間違いない。
下の写真は T さんが一気に 3 卵をみつけた場所の1卵
だが、すぐ見つけられるので探してみてほしい。
次いで、シル
ビアシジミ発
生地の状況確
認に向かい、順
調に第二化の
新鮮個体が飛
び交っている
のを確認。同じ
土手にこれも新鮮なツマグロヒョウモン♀がノアザミの蜜を求めて転飛しており、かろうじて
長居をしてくれている場面を撮影。なかなかきれいだ。
2009/6/24:「アサマイチモンジ羽化」
アサマイチモンジの蛹化、羽化の記録。蛹
は次第に固化するにつれて背部の小紋がみ
ごとな金色の輝きを放つようになる。ツマグ
ロヒョウモンやルリタテハにも見られるこ
の金色はいったいどのような成分から成り
立つのか、沖縄や八重山ではオオゴマダラ、
ヤエヤマイチモンジのように蛹全体が金色
に輝く種類もあり、自然界の不思議は山とあ
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る。
ヒメヒカゲは蛹から体が出るまでにわずか
30 秒だったがアサマイチモンジでは 1 分 30
秒を要した。逆に羽がのびきるまでの時間は
ヒメヒカゲで約 10 分、アサマイチモンジでは
7 分ていどで完結した。チョウの種類によっ
て蛹の大きさから想像する以外の要因があり
そう。なお、ヒメヒカゲ母蝶は 6 月 24 日現在
20 卵を産んでまだ生きていている。羽化から
18 日目だ。
2009/6/26:「アサマイチモンジ:ふるさとへ」
アサマイチモンジの雌雄が続けて(♀は 6/22 朝 8 時半、♂は本日早朝 5 時半に)羽化し
たところで、卵の段階で野外から持ち帰った元の発生
地にもどしに出かける。ふるさとを覚えているとは思
わないが、時刻が朝 9 時半で気温は十分高い時間帯な
のに一気に飛び去ることもなく近くの木の葉上で休憩
してくれる♀の雄姿をじっくりと撮影記録。
ヒメヒカゲの発生地ではただ 1 頭の羽がすれた♀が
弱々しく飛んでいる。苞の鞘が部分的に赤褐色を呈す
ることで同定が容易だとされる食草のヒメカンスゲが、ちょ
うど足元でその鞘を伸ばしているのでこれも撮影記録する
(矢印が赤褐色部)。
右脚を 2 本なくしたままで生き続けたヒメヒカゲ母蝶は
最後の 2 日間でさらに 11 卵も産卵して 6 月 26 日午後3時
頃ポカリスエットを飲む力もなく息絶えた。羽化から 20 日
目、野外から持ち帰って 10 日間、痛々しい姿のまま少しで
も多くの子孫を残そうと頑張り続けた母蝶の生命力は驚異的であり、ただただ感動。
2009/6/29:「ウラナミジャノメ産卵」
生活史に不明な部分
が多いウラナミジャノ
メの生態を少しでも実
感する目的で野外から
ボロ♀を持ち帰り産卵
させているが、6/28 日
にやっと5個産んでく
れた。ヒメヒカゲと異
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なるのはみごとなまでにきれいな青緑という卵の色だ。自然界で緑の植物にこのまま産みつ
けているとしたら見つけるのはかなり難しいだろう。タッパウエア内にヒメヒカゲの食草の
一つであるコイヌノハナヒゲの枯葉を入れておいたのだが2個はその上に、2個は容器底に
卵のままでころがり、1個は側面に産み付けている。枯葉に産んだものも粘着性が弱く、葉
っぱを持ち上げただけで1個は転がり落ちた。これらの少ない知見だけで断定はできないが、
野外ではヒョウモンチョウの仲間にみられるような地面にいきなり産み落とす場合もあるか
もしれない。播磨地区では幼虫の確かな食草すら分かっていないため、今後は試行錯誤で探
っていくしかない。
2009/6/29:「スズメノカタビラに1卵」
ウラナミジャノメ母蝶はポカリスエットを飲んでくれているのにヒメヒカゲとちがって急
に弱った様子で、スズメノカタビラの小株を容器内
に入れて葉っぱに止まらせておいたら 1 個だけ産卵
して息絶えていた。
お腹が柔らかくまだ大きいのでピンセットでゆっ
くり絞ると 5-6 個の卵塊がでてきたがこれらが正常
の受精卵なのかどうかは分からない。そっとスズメ
ノカタビラの葉っぱ上に乗っけて様子をみよう。
2009/7/7:「アサマイチモンジ:ふるさとへ第 2 章」
初令幼虫の段階でアシナガバチ攻撃を回避するた
めに自宅に持ち帰ったアサマイチモンジが、2009 年
7 月 5(♂),6(♂),7 日(♀)と 3 日続けて羽化し
たところで、まとめて元のスイカズラが茂る林縁へ
と戻すために自転車を踏む。7 月 3 日に新たなル
ートで 40 分に更新した所要時間を本日はさらに
35 分に短縮更新して 9:20 現地到着。一時も早
くふるさとで飛ばしてやろうという心意気で行
程のほとんどを最速モードで走った結果だ。ま
ず早く羽化した♂から放すが、いずれもいったん
当方の汗をかいた腕にとまって躊躇の気配をみ
せてから静かに近くのスイカズラなどの葉上に
移動するから嬉しくなる。今朝生まれたばかり
の♀はじゅうぶん羽が固まっていないのかすぐ
に路面に落ちるので、そっと指にとまらせて近
くの葉っぱ上に移してやる。やっと落ち着いて
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くれたかと思うまもなく、放したばかりの♂のうちの 1 頭がいきなり求愛にやってくる。早
く羽化した方でもまだ 3 日目なのに精子は十分受精能があるのだろうか。何度かまわりを飛
んでみせ、やがてお尻をまげて迫り、なんなく交尾成立。雨雲が迫ってきたため 1 時間以上
の観察はあきらめたが、交尾時間はけっこう長いようだ。せっかくだから今朝 4 時過ぎから
待機して、完璧にビデオ記録がとれた♀の羽化経緯も示しておこう。
この日はジャノメチョウとヒメウラナミジャノメが多く飛び、チャバネセセリがケネザサ
の葉上で風に揺られ、すっかり羽を損傷したウラギンスジヒョウモンが、それでもいつもど
おりの力強い飛翔で目の前を横切っていった。
2009/7/12:「ウスイロヒョウモンモドキ」
第 6 回鉢高原チョウ観察会に
参加。天候が徐々に回復してと
きどき陽射しが出るけれども高
原一帯は風が強く、本命ウスイ
ロヒョウモンモドキが次々と現
れてくれる状況とはならない。
それでも頂上鞍部での昼食後に
人の汗を吸いたいのか愛嬌をふ
りまいてくれる個体が、強風に飛ばされることなく子供の指先にしっかりとどまってくれる
など、一般参加の大人・子供を楽しませてくれた。風が吹き付ける反対側で何頭かがカメラ
のモデルを演じてくれ、地肌がむき出しとなった部分でミ
ネラル分を補給するのだろうかストローを伸ばす個体も観
察できて、まずまずの満足感をえて 13:30 山を下りる。
帰路立ち寄った葛畑地区ではツマグロキチョウと食草カ
ワラケツメイを確認。高砂市に種まきして育っているカワ
ラケツメイにもツマグロキチョウがやってきてくれること
への期待度が高まる。
2009/7/18:「キタキチョウ季節変化」
今年は気を入れてキタキチョウの初夏季節
変化に注意してみた。比較的珍しいとされる前
翅縁の黒鱗粉があまり発達していない初夏中
間型、準中間型の2タイプを確認できたが、幼
虫時代にどういう条件(温度、日照時間など)
で過ごしたのかに依存するのだろう、最も発達
度が低い中間型がよく発達した夏型よりもあ
とで出ていたりして興味深い。May,10 の個体
は昨年秋に発生して越冬したものだ。
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初秋から晩秋にかけては逆に黒鱗粉の出方が少しずつすくなくなってゆくわけで、その変
化にも注意してみよう。
ごく普通種のキタキチョウでも 1 年中観察をすればこのような自然の変化・不思議に出会
うわけで、中学時代理科担当の今は亡き恩師は、本当に大切な「科学する心」を教えて下さ
った。
2009/7/26:「信州のチョウ」
2009/07/20-24、信州のチョウとの出会いを求めてドライブ旅行。初日に麦草峠を越えて踏
み込んだ白駒林道ではヤマキマダラヒカゲとヒオドシチョウを見ただけ。蓼科高原横谷渓谷
ではヒメキマダラセセリとスジボソヤマキチョウが飛び、捕虫アミをもった家族連れに駐車
場でオオムラサキ♂を見たと聞かされる。白樺湖-大門街道経由で東大門林道に入ってアサギ
マダラ、メスグロヒョウモン、ヒメキマダラセセリ、ヘリグロチャバネセセリ、ウラゴマダ
ラシジミ、イカリモンガなどをみる。霧が峰高原にニッコウキスゲがほとんど見られず意外。
車山高原のリフト乗り場周辺で絶滅危惧Ⅱ類指定となってしまったコヒョウモンモドキが複
数頭みられたのが嬉しく、草原の外れで撮影記録する。このあたりの草原でみられると期待
したヒメシジミは 7/22、開田高
原木曽馬乗馬センター周辺の路
傍で出会う。圧倒的に♀が多く
スレばかり。たまにミヤマシジ
ミと見間違う大きさの新鮮♂が
飛び、谷間を形成する斜面下方
に咲くヒメジョオンの蜜を吸う
カラスシジミ、コヒョウモン、
キバネセセリなども見るが撮影
チャンスなし。妻と親類がブル
ーベリ狩りを楽しむ近くに夏型
シータテハの新鮮個体が遊びに
きたという。移動途中にある道
の駅:花街道付知(中津川市)
で 56 年ぶりだという日食を観
測。雲間に明るい部分が出て、
ちょうどそこに欠けた太陽がくっきりと三日月様にみられる。何の苦もなく肉眼でみられた
のはラッキー。7/23 には霧が濃い入笠山でノアザミの蜜を吸うヒメキマダラセセリやギンボ
シヒョウモンと無数のイチモンジセセリを見る。イチモンジセセリはどの個体もやたらと大
きくミヤマセセリと勘違いするほど。クマザサにとまる新鮮クロヒカゲの裏面眼状紋まわり
のブルーが美しい。ゼフィルスのような飛び方をするのはゴイシシジミだ。高遠方面へと下
りかけた路傍に新鮮なエルタテハが舞い降りて、きれいな翅表をめいっぱい広げてみせてく
れる。伊那市長谷地区まで下り妻が運転休憩に選んだ木陰のすぐそばでオオムラサキとコム
ラサキが舞う。入り組んだ木々の間に樹液食堂があってオオミスジもきているのは珍しく、
スズメバチやカナブンと同様常連と思われるカブトムシもきており、伊那谷には自然がいっ
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ぱい残っていることを実感。
最終 7/24 は伊吹山に登る。一番きつい登りルートをたどり始めたとたんにアカタテハが汗
を吸いに妻の周囲にまとわりつき、筆者の手の甲にもとまってくれる。山頂近くにはキアゲ
ハとツマグロヒョウモン♂もいた。素早く飛び交うヒョウモンチョウは主にウラギンヒョウモ
ン。ウラギンスジヒョウモンも混じっていたようだが確認はできず。
2009/8/1:「ヒメウラナミジャノメとウラナミジャノメ」
2009/07/01 にウラナミジャノメとヒメウラナミジャノメの母チョウが同時に産卵して以降、
飼育を継続するなかで、両者の成育スピードの極端な差に驚いている。ヒメウラナミジャノ
メは図示したように 7 月 27 日にはも
う蛹となったのに、ウラナミジャノ
メはササガヤやエノコログサをゆっ
くり食って幼虫の体長はまだ 8mm
程度で令数もよくわからない。ヒメ
ウラナミジャノメは終令幼虫で体長
25mm。約 4 週間でヒメウラナミジ
ャノメの成育度は3倍ほど速い勘定
だ。地域によってはウラナミジャノ
メの第 2 化個体が出るのだが、今回
の飼育では播磨地区でどうなのかを
確認する目的もある。果たしてどう
なることか楽しみだ。
ちなみにウラナミジャノメ幼虫は
右の写真のようにずっと緑色でヒメウラナミジャノメ
のように褐色とはならなく、背面にもヒメウラナミジ
ャノメのような黒斑点がない。両者ともに野外で幼虫
や蛹を発見することは容易ではなく、今回の初めての
飼育で、生態図鑑の記載だけでは分からない細かな習
性などを知ることができ、まさに百聞は一見にしかず。
2009/8/24:「2009 青少年のための科学の祭典」
2009/08/22-23、兵庫県主催のタイトル祭典に、加古川の里山・ギフチョウ・ネットとして
昨年に続き「チョウを通して自然保護の大切さを学ぼう」というキャッチフレーズで 2 回目
の出展をしました。加古川市には絶滅危惧Ⅰ類が 2 種(ヒメヒカゲ、シルビアシジミ)、Ⅱ
類が 3 種(ギフチョウ、ツマグロキチョウ、ウラナミジャノメ)、準絶滅危惧種(ウラギン
スジヒョウモン)と 6 種もの貴重なチョウが生息しており、ギフチョウとヒメヒカゲを対象
とした保護活動の実態を紹介しました。また、身近にいるチョウの標本展示や、昨年同様、
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December 31, 2012
写真アルバム作成用台紙にチョウのはねを貼り付ける「蝶アルバム」作成コーナーを設け、
幼児から中学生まで延べ 200 名ほどの子供
たちが、親子で実際に自らその場で作る楽
しさをぞんぶんに味わってくれて大盛況で
した。八重山産のブルーが濃くて美しいア
オスジアゲハなどの人気が高く、準備した
標本はまたたくまに無くなってゆき、来年
以降への準備がたいへんです。
2009/9/4:「ウラナミジャノメ第二化」
播磨地区のウラナミジャノメに第二化の発生があるのかどうかを知る目的で、卵からの飼
育をしてきたが、7 月 1 日の産卵から 2 か月経った 9 月 1 日時点で、同じ母チョウからの幼
虫の多くが体長 10mm 程度だというのに1頭だけ体長 25mm まで育った幼虫がいて 9 月 3
日に前蛹となり、4 日の早朝には蛹となっていた。これは 9 月中にも第二化として羽化する
のは間違いないと思われ、現地での自然発生も確認する必要がある。
2009/9/10:「ゴマダラチョウ」
2009 年 9 月 5 日、近くに自生しているエノキに下垂するゴマダラチョウの蛹をみつけた。
加古川周辺の身近なチョウとしてまだ標本がない
ので持ち帰り、できれば羽化時のビデオ撮影記録も
しようと鉢植えのエノキに木工ボンドで蛹を固定
して様子をみていたが、昨日は確かにまだ羽化の兆
候がなかったのに、9 月 10 日の今朝、しっかりメス
が羽化していてびっくり。大きなおなかをみると、
とても標本にはできなく自然界へと放してやる。
ところで、白水博士の原色日本蝶類幼虫大図鑑に
は、オオムラサキとの明確な違いだとして、蛹の背
部にトゲがあると写真も示されているが、少なくとも高砂地区でみる蛹にはそのようなトゲ
はない。頭部の 2 本の突起は明らかにオオムラサキに比べて長い。
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December 31, 2012
2009/9/12:「キタキチョウ、シルビアシジミ」
2009/09/11、志方町までキタキチョウの夏秋中間型の発生確認を目的として自転車を踏む。
ルリシジミやツバメシジミがハギの花蜜を吸っており、里山一帯は秋の気配。1 時間ほど田
園地帯をまわって、キタキチョウは夏型から夏秋中間型まで、後翅外縁の黒鱗粉の発達度を
含めて 4 つの季節変化タイプを確認(比較画像は 2009/11/7 にアップ)。今年も、夏型と中
間型が同じ場所で見つかり、両者の違いが何によって起こる
のか興味深い。シルビアシジミの発生地は一面野焼きが行わ
れたばかりで、生育したミヤコグサは水路沿いに残るだけ。
それでも野焼きのあいだ、どこで火勢を避けたのか 5-6 頭の
♂が黒く焼けた地肌上、花蜜ではなくて♀を探すような動きで
飛び回っており、なぜか♂が多い場所から 100m以上はなれ
た焼け跡で、わずかに残る小さなミヤコグサに産卵する2頭
の♀も確認。そのミヤコグサにはモンキチョウの卵も産みつ
けられており、モンキチョウには悪いがその卵をとり除く。
その他の目撃チョウ:アゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ♂、モンシロ
チョウ、モンキチョウ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン♂♀、サトキマダラヒカゲ、ウ
ラギンシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、イチモンジセセリ
2009/9/13:「第二化ウラナミジャノメ」
第二化ウラナミジャノ
メが羽化した。朝 8 時前か
らいつ羽化してもいい状
態となっていながら、9 時
からギフチョウ・ネットの
定例行事である雑木林下
草狩り作業があるため、や
むなくビデオ記録 ON とし
て出かける。所用もすませ
て帰宅した 14 時には羽化
成虫が部屋の窓にとまっ
ていて、ビデオ記録を確認
すると、羽化の瞬間までは
画面中央に捉えられてい
るものの、その後位置をか
えて羽をのばしている。ずっとついていられなかったためにやむをえず。
同じ母蝶が産卵したなかで、1 個体だけが第二化となり、残る全個体が越冬すると思われ、
この差がいったい何によるのか摩訶不思議。あとは、野外でも第二化が発生しているかどう
かを確認したい。
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December 31, 2012
2009/9/19:「初秋のチョウたち」
2009/09/16-18、彼岸花があちこちに彩をそえる季節となり、ウラナミジャノメの野外第二
化個体を求めて 3 日間自転車で走り回るも、まったく姿を見ることはできず。ヒメウラナミ
ジャノメの新鮮個体がみられるのでまだ早いのかも。さらに調査を続ける必要がありそう。
ところどころ稲刈りも始まってい
るが、その稲田そばでヒメジャノメ
を見る。いまどき農薬ゼロという稲
田があるのかどうか知らないが、イ
ネで育った個体にちがいない。土手
の白い花にモンシロチョウが乱舞
し、夏型のキタテハが複数頭混じっ
て蜜を吸っている。もうすでに新鮮
個体はいない。野焼きあとにミヤコ
グサが勢いよく復活していて、シル
ビアシジミも健在だ。新たな産卵や、
初令幼虫の食痕もみられるが幼虫
はみつけられず。
大豆畑にキタキチョウが乱舞しており、よくみると大豆に混じって一面クサネムが群生し
ている。捕獲確認した 31♂2♀中、黒鱗粉が発達して前翅中央外縁へと黄色がイヌの口のよう
に突き出た夏型が 22♂、黄色部分の突出が弱い準夏型が 10♂、かんぺきな秋型が 1♀(羽化
したばかりで交尾中)、そして前翅黒鱗粉がツマグロキチョウのようになった夏秋中間体が 1
♀という状況で、中間体が極端に少ないのはすこぶる日当たりのいい発生場所となっているせ
いだと思われる。
なお、カワラケツメイがまったく見当たらない平荘湖周辺でツマグロキチョウ 1♂を認めた
ことから、すでに秋の広範囲移動がはじまっているらしく、高砂市西畑の花畑に育ったカワ
ラケツメイにもやってきてくることを期待したい。
その他の観察チョウ:アゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ♀、アオスジア
ゲハ、モンキチョウ(多)、ルリシジミ(♀がハギに産卵)、ツバメシジミ(♂新鮮美麗、♀
がハギに産卵)、ヤマトシジミ、ベニシジミ(黒化)、ウラギンシジミ♀(ハギに産卵)、ア
サマイチモンジ♀、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、ヒカゲチョウ、イチモンジセセリ、
チャバネセセリ、キマダラセセリ
2009/9/21:「ウラナミジャノメ:次の第二化?」
2009/09/21 現在、体長 26mm まで育った 2 個体目の幼虫がいる。このままだと 2 個体目
の第二化発生となりそうだ。右写真で大きく育った幼虫のすぐうしろにいるのが体長 14mm。
その奥にみえる幼虫はいずれも体長 12mm だ。
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卵からの孵化が 7 月 9 日。幼期 75 日目でこれだけのばらつきが見られる。現在食草はエノ
コログサだが、同じ鉢に一緒に植えているササガヤが、いっとき葉っぱに活気がなくなった
時点ですべての幼虫がエノコログサに移ってしまっ
た。最近、ササガヤが柔らくてうまそうな新たな新
葉を出し始めたので、またこちらへと移る幼虫が観
察されるかどうか注目したい。ちなみに、ササガヤ
についた幼虫は茎部分に巧妙にはりついて天敵から
身を
護ろ
うと
しているようだが、この習性を知った観察者に
とっては、もし野外でササガヤについていると
したら、幼虫の発見はさほど難しくはない気が
する。こうした知見を得るためにも飼育は重要
な研究手段だといえる。
2009/9/22:「ウラナミジャノメ野外第二化みられず」
野外でのウラナミジャノメ発生調査にでかける。小雨がぱらつくなか、6 月に第一化の発
生がみられた地域を歩く。まず、後翅左が発育不全のヒメジャノメ奇形個体が現れ、ついで
ヒカゲチョウの新鮮個体をみる。ヒメウラナミジャノメもほぼ新鮮個体で、結局ウラナミジ
ャノメは本日も確認できず。草原や路傍にそれらしき食痕のあるイネ科植物が目につくがバ
ッタの類も多く、ほとんどがバッタによる食痕だと思われ、ウラナミジャノメの幼虫は見つ
からない。ケネザサの葉上にチャバネセセリがとま
り、黄色が鮮やかなオミナエシではモンシロチョウ
が蜜を吸っている。ブッシュから飛び出してきたの
は夏眠あけの傷んだメスグロヒョウモン♂。イタド
リの白い花の周りを敏捷に飛び交うのは、やはり夏
眠あけのウラギンスジヒョウモンだ。ヒラリと飛び
出したキチョウをネットインするとツマグロキチョ
ウの♂で、ここら一帯にもカワラケツメイはなく、
何を求めての飛来なのか。土手一帯に茂るハギには
ルリシジミの♀が多く、盛んに産卵を繰り返してい
る。稲田のあぜ道でキタキチョウを追ってみる。捕
獲した 10♂中、夏型が 1、準夏型が 7、秋型が 2 と
いう比率で、山際のハギ類で発生しているせいか明
らかに夏型が少なくなっている。加古川の市街地に
もどったところで大きなモンキアゲハをみる。アオ
スジアゲハも再び数を増して、街路樹のクスノキま
わりを飛び回っている。9/26-30 までフィールドに出られなく、その間に飼育中のウラナミジ
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ャノメが第二化として発生しないよう願う。
2009/9/25:「初秋のチョウ(2)」
9/26-30 はフィールドにでられないため、秋空の好天気にじっとしていられず、野外でのウ
ラナミジャノメ第二化発生確認を目的として 8 時 50 分からサイクリング:いつもの市街地ル
ートを変更して加古川河川敷を走る。急に陽射しがきつくなったせいか、新鮮なウラギンシ
ジミが葉陰にもぐりこむ
光景にでくわす。その状
態を撮影しようとアング
ルを探るうち、うるさい
なあ、と飛び立って近く
の草葉上で開翅体勢をと
ってくれる。キタキチョ
ウもちらちらと飛び出す
が本日の河川敷は準夏型
ばかり。
ボロのキタテハ夏型とツ
マグロヒョウモン♂が追
飛翔をみせる。ヤナギが
多いところに来るとコム
ラサキが舞う。樹液は出
ていないヤナギの周辺に
5-6 頭が飛び交っている。
ときおりカラスウリの白い花で蜜を吸う。ズームアップでしか撮れない位置に何度か止まる
が、近くにはきてくれない。ヒガンバナの群落にキアゲハが飛来しているが写真撮影のタイ
ミングはなし。人家横の畑地にあるミカンにナガサキアゲハ♀が産卵行動を示しているのでカ
メラを向けると驚かせたのか飛び去ってしまう。卵はどうかと確認すると、なんとでっかい
終令幼虫がいる。10 時 10 分に到着したウラナミジャノメ発生地では今日も第二化発生は認
められず、キタテハの新鮮秋型個体が慰めてくれる。なぜか、この日もツマグロキチョウ♂
がただの1頭だけで草原を探るように飛ぶがあたり一帯にカワラケツメイはない。帰路、林
縁の稲田で飛ぶキタキチョウは3頭ともに夏秋中間型。やはり季節型のタイプは幼虫期の日
照時間などが関与している可能性が高い。南風を正面から
まともに受ける帰路のペダルは重い。土手に群生する小さ
なキツネノマゴにウラナミシジミが吸蜜飛来しているの
を記録。複数のコムラサキがあいかわらず飛び交っている
ヤナギの近くでコミスジが飛ぶがすぐに姿を見失ってし
まい本日の探索活動を終える。
なお、予想通り体長 26mmまで成育していたウラナミ
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ジャノメ幼虫は、2009/09/24:16 時過ぎに前蛹となった。10 月に入れば第二化 2 個体目が
羽化するだろう。野外でも 10 月中旬まで観察を続ける必要がありそうだ。
2009/10/1:「モンキチョウ:黄色い♀」
高砂市西畑の花畑で秋のチョウを楽しんでいると、遠くからモンキチョウの交尾個体がこ
ちらへと向かって飛んできて、目の前のトランペットソウ葉裏にとまる。よくみると両個体
とも黄色だ。モンキチョウの♀に白と黄色の両タイプ
があることは図鑑類の記述で知ってはいたが、すばや
く飛び交う個体のなかに黄色タイプの♀を確認するこ
とは容易ではなく、まず出会うことはないだろうと関
心も薄かったのだが、いままさに目の前にその黄色タ
イプの♀がいるとはなんというラッキー。しっかり撮
影記録をとってからペアリングが解けないよう、そっ
とネットに落とし込んでそのまま持ち帰る。アカツメ
クサに産卵させて、この子孫で♀の白:黄色の比率を
調べてみようとの魂胆だ。加古川土手のアカツメクサは花の時期が終わっているが、新しい
葉をつけた株のビン挿しを入れた吹流しにチョウ2頭を放して産卵を期待する。
この日花畑でみたその他のチョウ:アゲハチョウ、キアゲハ、アオスジアゲハ、モンシロ
チョウ、キタキチョウ(秋型)、ヤマトシジミ(青紋♀2、黒一色♀1、♂多数)、ツバメシ
ジミ(後翅表オレンジ紋なしの♀)、ウラナミシジミ、ベニシジミ(いぜん黒化個体)、ツマ
グロヒョウモン♂(多)、ゴマダラチョウ(3令幼虫2)、イチモンジセセリ、チャバネセセ
リ
2009/10/5:「ヒメヒカゲ幼虫」
6 日から天気がよくないとの予報で、曇り空の下ウ
ラナミジャノメ調査に出向く。9 月 25 日にルリシジ
ミ♀がさかんに産卵をしていたハギの花は満開で、ル
リシジミも♀1頭を見ただけ。おそらく幼虫がたくさ
んいることだろう。ウラナミジャノメ発生区域約 1 時
間の探索で幼虫も第二化個体も発見できなかったが、ヒメヒカゲの幼虫 2 頭を見つけること
ができた。いずれも体長 12mm で、体側の白黄色筋が目
立つことから緑一色のウラナミジャノメ幼虫とは容易に
区別できる。草原にはきれいなリンドウが咲き、イチモ
ンジセセリとチャバネセセリが飛び遊ぶ。あとはヒカゲ
チョウとツマグロヒョウモン♂を見ただけ。帰路道中、
稲田をキタテハ秋型が横切り、準夏型・夏秋中間型・秋
型のキタキチョウ3タイプも見る。9 月 25 日に多数頭の
コムラサキが飛び交っていた河川敷のヤナギ周辺にチョ
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ウの姿はなし。
飼育中ウラナミジャノメの2個体目第二化蛹が少し色づいてきている。
黄色タイプのモンキチョウ♀はアカツメクサに産卵しないため、シロツメクサを加えて様子
をみる。
2009/10/9:「加古川 秋のチョウ」
性懲りもなくウラナミジャノメの野外第二化発生を確認したくてフィールドに出る。リン
ドウしか咲かない草むらで黒化ベニシジミが花粉をなめており、チャバネセセリも頭を突っ
込んで蜜を求めている。一帯の草原を俯瞰しながら歩くと、ところどころでヒメヒカゲの幼
虫が見つかる。写真記録のように硬い葉っぱの縁からゆっくりとかじっているようだ。結局、
今日もウラナミジャノメには出会えず。帰路、例によってキタキチョウの季節型を確認する
と、夏型、準夏型、夏秋中間型、そして秋型とすべてのタイプが混飛していて、加古川河川
敷にも秋型がみられるようになっ
ている。両側をクズのマントがび
っしりと覆う加古川右岸自転車道
沿いにはセイタカアワダチソウが
満開近く、黄色い花にはウラギン
スジヒョウモン♀、キタテハ秋型、
キタキチョウ、ベニシジミなどが
蜜を求めて飛来している。クズの
マント上には白銀を輝かせてウラ
ギンシジミも舞う。稲田あぜみち
をヒメヒカゲも飛んでいる。ヤマ
トシジミも多く、青燐粉が出た♀
も増えてきていることだろうが本
日は無視。河川敷ヤナギ周辺のコ
ムラサキは完全に姿を消している。
なお、モンキチョウの黄色型♀
はまったく産卵することなく絶命したため標本として残した。初めて見る黄色型♀だが、♂と
の明白な区別点がいくらか認められ、標本化できた時点でここに示すつもりだ。ウラナミジ
ャノメ 2 個体目第二化は 10 月 6 日、午前 10 時過ぎに♂が羽化した。他の幼虫は現在体長 15
mmていどで、すべて越冬するのか、それとも成育して次の第二化発生があるのか、観察を
続ける。
2009/10/11:「ヒメヒカゲ幼虫が生きていた」
台風 18 号接近時にもベランダに出したままだったヒメヒカゲ幼虫用に準備していたコイ
ヌノハナヒゲの植栽鉢に水をやるついでに枯れた葉を取り除くなどの手入れをして、台風対
策で移動していた隅っこから、ときどき陽もあたる場所に移動した際、ベランダ床に小さく
細長い黄緑色が目に入る。あれっと思ってよくみると紛れもないヒメヒカゲの幼虫だ。手入
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れ中に食草から落ちたのだろう。そもそも、6 月 7 日に羽化した♀を野外に戻し、6 月 16 日
に羽がボロボロで右脚 2 本を失ったこの♀と再会して家に持ち帰り、実に 30 個以上もの産卵
をしてくれて絶命したのだが、その卵は順調に孵
化したものの、初令幼虫段階で何度か食草上に姿
を見せてくれて以降、夏場から 1 頭もみられなく
なりなぜか全滅したものと思っていたわけで、た
だの 1 頭でも生き延びていてくれていたことが
うれしい。
チョウの幼虫の越冬飼育はオオムラサキとゴ
マダラチョウ以外に経験がないが、だいじに育て
てみたい。2009/10/12:「やどりが」No.221, p.
2-7, 2009 に「ヒメヒカゲの観察記録」投稿論文掲載。
2009/10/15:「自然界で生き抜くこととは」
2009/10/12 に野外でヒカゲスゲにつくヒメヒカゲ幼虫をみつけ、適当な場所だったことか
ら初めて目印をして野外での動向を継続観察することにした。ところが、2 日後の 10/14 に
再び訪れたときには、そこにヒメヒカゲの幼
虫は見出せなかった。比較的よく茂った大き
めのヒカゲスゲ株であり、蛹化時でないかぎ
りすぐに食草から離れるとは考えにくく、天
敵にやられてしまったのだろうか。あたりに
はトカゲ、カマキリ、クモ族、ハチ族(スズ
メバチ、アシナガバチ、ジガバチなどをよく
みる)、あるいはムカデなど天敵だらけで、
筆者の目につきやすかっただけに、自然界の
天敵にはもっとたやすく見つかったと推定で
きる。こうしたリスクを乗り越えた幼虫だけが来年 5-6 月に成チョウとして飛び交うわけで、
自然界で生き抜くことがいかに大変なことかを痛感したしだい。
10/12,14 の観察種:アゲハチョウ、モンシロチョウ、モンキチョウ、キタキチョウ(準夏
型、中間型、秋型)、ツマグロキチョウ、ヒメアカタテハ、ルリタテハ、キタテハ、ツマグ
ロヒョウモン、メスグロヒョウモン♀、アサマイチモンジ、ヒメジャノメ、ウラギンシジミ、
ウラナミシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、チャバネセセリ
ヒメアカタテハはきれいな翅表をみせながら自転車走行と 100mほど併飛翔してくれ、西
表島でアオタテハモドキ♂がブルー光沢を輝かせて併飛翔してくれたことを思い出す。モンシ
ロチョウも自転車にまとわりつくようにしばらく抜きつぬかれつ状態で付き合ってくれたの
はどういう意図だったのか。土手沿いを飛ぶツマグロヒョウモンの♀が青空に映えて実に美し
い。
2009/10/17:「ヒメヒカゲ幼虫」
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2009/10/16、あいかわらずウラナミジャノメ観察目的でフィールドに出る。ウラナミジャ
ノメ幼虫がみつかった植物がカヤツリグサ科であったという文献記載を参考に視点をかえて
探したが、幼虫も第二化個体
もみられず。その過程で何度
かヒメヒカゲ幼虫が目に入
る。ほとんどが、大きな株で
あってもただ1頭だけとい
うケースで、本日、2頭がや
や近い位置にいるのを初め
てみたが、稀なケースのよう。
ヒオドシチョウやクジャク
チョウが幼虫時代に群生す
るせいで天敵による寄生確
率が高いと考えられている
が、ヒメヒカゲの場合そうい
う点では理にかなっている。
14 日に再発見できなくて
天敵にやられたかもしれな
いと思った場所を再確認す
ると 12 日と同じ位置に無事な姿をみせていて、どこかに身を隠していたのだとわかる。1 時
間ほど経過して再びのぞくと、またしてもどこにも見当たらない現象が再現。今度ばかりは
枯れ草が堆積する根元まで掘り起こしてみると、ひっそりと潜む緑の幼虫を発見できた。飼
育個体ではここまで姿をくらますことがないのに、自然界では食事を終えたあとは、このよ
うにしっかり身を隠して安全を確保しているようだ。
2009/10/26:「Halloween にトラフシジミ」
2009/10/25、Halloween 行事でいろ
いろに仮装した子供たちが近所の家を
まわってお菓子をうれしそうにもらう
様子をビデオ記録していたら、ムラサ
キシジミかと思える小型のシジミチョ
ウがチラチラと飛び出してきて、すぐ
近くの木の葉上にとまる。急ぎ確認す
ると、なんとトラフシジミで裏模様は
夏型。ビデオカメラの液晶画面にとら
えながら確認するということをしてい
ればよかったのだが、カメラをむけるまもなく風に乗って飛び去ってしまい、映像記録をと
れなかったのが残念。白水:標準図鑑には 8-9 月に第三化が発生する場合があるとの記載が
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あるが、10 月後半の時期に、夏型が見られたのは珍しいと思われる。
2009/11/1:「ゴマダラチョウ第4化」
テニスコートそばのエノキにつくゴマダラチョウの 2,3 令幼虫をスズメに食われないうち
に、と持ち帰って飼育をしているなかで、1 頭だけ成育の早い個体がいてどうなることかと
見まっていたがとうとう蛹化してしまった。
蛹化後に相当からだをねじって脱皮殻を振り
落とそうとしていたがかなわず、あきらめた
かと思っていたら、翌日、30cm ほど下の床
上に墜落してしまっていた。やはり、その後
も抜け殻を振り落とそうと動き回ったと思わ
れ、抜け殻は葉っぱに残って自身が墜落した
という、まぬけな蛹とあいなった。墜落時の
衝撃のせいだと思われる若干の黒いあざがあ
るが、無事第 4 化として羽化してほしい。
2009/11/1:「高砂:秋のチョウ」
近所の花畑が近隣では唯一のチョウの遊び場となっており、今年も秋の風来坊キタテハが
やってきてくれて、ランタナ、コスモス、そし
て写真のような名前のわからない白い花と、存
分に蜜を求めて長居してくれる。
カワラケツメイはたくさんの種をつけて 1 年
草として最後の段階にあるようだが、今年はツ
マグロキチョウの訪問は実現しなかったよう
だ。それでも、11 月 1 日には元気よく飛ぶアオ
スジアゲハが現れ、ランタナにはまだ黒化型の
ベニシジミが見られる。ヤマトシジミの♂がや
たら多く、青鱗の発達した美麗♀の新鮮個体も
いるが撮影対象となる場面はつくってくれない。モンシロチョウの♂3 頭がじゃれあうように
高く飛び、モンキチョウも花畑の上を縫うように飛ぶ。コスモスにはツマグロヒョウモンや
ヒメアカタテハがやってくるが今年は個体数が少ない。ていねいすぎる草刈であたりのヨモ
ギが刈り取られ、多数の幼虫が犠牲になったと思われる。わずか 3 日ほど訪問しなかっただ
けで、ゴマダラチョウの幼虫が2頭いて野外経過観察を続けていたエノキが根こそぎ切り取
られていたのには愕然としてしまう。
2009/11/7:「モンキチョウ:黄色♀」
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前に交尾中のところをみつけた黄色♀が、産卵することなく絶命したため標本としてあった
のを、乾燥期に入ってきたところで展翅板からはずし、ここにその写真を示す。♂と比べて大
型で、後翅のオレンジ紋が大きく、後翅の
黒紋も♂より濃いという特徴がみられる。
写真でわかるようにこの♀は右前翅に部分
的羽化不全が起きているが、今後、黄色い
モンキチョウでオレンジ紋が大きい個体
に注意してみたい。
2009/11/7:「キタキチョウ:季節変異」
11 月に入ってからキタキチョウの観察機会をえていないが、おそらくほとんどが秋型に移
行しているのではないだろうか。今回、9 月から 10 月にかけての季節変異を整理してみた。
A)が夏型で前翅の黄色部分が子犬の横
顔とみなせる。B)は筆者が準夏型と呼ぶ
個体で、黄色部分が広くなってもはや犬
の顔にはみえない。C)-F)が夏秋中間型で
前翅外縁黒鱗粉がツマグロキチョウのよ
うな形となる。同じタイプが 5-6 月にも
出て春夏中間型とされるが、秋ほどには
発生頻度が高くない。今回、E),F)のよう
な前翅外縁が直線的となる個体がみられ
たが、このような翅形は珍しい。幼虫時
の成育環境が影響しているため、秋型 G)
が 9 月にでている一方で中間型 D)が 10
月になってもみられるとか、A),B),C),G)
の4タイプが同一地域で同日に観察できたケースもあり、キタキチョウの季節変異に関する
興味は尽きない。
2009/11/8:「フィールド晩秋」
和歌山の I さんから「チョウがいなくなり
いよいよストーブリーグ」というメールが届
く季節となったようだが、11 月 7 日、久し
ぶりに加古川志方町ヒメヒカゲ発生地を 2 時
間ほど散策する。時刻が 2:45-4:30 と遅か
ったせいか、数少ないキタキチョウ、モンキ
チョウ、モンシロチョウ、ウラナミシジミ、
ヤマトシジミをみるだけで、10 月に多数頭のルリシジミ♀が産卵を繰り返していたハギも花
はまったくなくなり、幼虫たちはもうどこかで蛹となっているのだろうか。ヒメヒカゲの幼
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虫も潜伏時間帯となっているのか継続観察をしている場所に幼虫が見当たらない。粘り強く
観察を続け、6 月に 3 個の卵が見つ
かった 1 株のコイヌノハナヒゲで
ようやく枯れ草に黄緑色が目立つ
形で静止する幼虫を発見。
アサマイチモンジが楽しげに飛
び交っていたスイカズラを調べる
と、1 頭だけ初令幼虫がみつかる。
10 月まで♀が活動していた証だ。しかし、スイカズラ周辺には寄生蜂の一種が待機しており、
この幼虫が無事来春にチョウとなって飛べるかどうかはわからない。
2009/11/8:「ゴマダラチョウ第4化」
日曜の朝ということでいつもより遅い6時半、目覚めるとゴマダラチョウ第 4 化が無事羽
化していた。第 3 化の羽化のときと同様、前日に羽化の兆候を示す蛹の色変化はほとんどな
く、ゴマダラチョウのすばやい羽化には驚かされる。
蛹化後に幼虫時代の抜け殻を尾端部から振り落とそ
うとして、うっかり自身が墜落するという不運にあい
一部に黒いアザをつくった蛹だったが、その影響はな
く完全体のチョウとなってくれた。同時期に飼育を始
めた他の幼虫は4令のままで、このまま越冬するだろ
う。ウラナミジャノメでもみられた、一部の個体だけ
が特別はやく成育してしまう原因はいったい何だろう
か。
2009/11/13:「フィールド晩秋-2」
雨の翌日、好天気に誘われて久しぶりにヒメヒカゲ
幼虫の観察に出かける。強い北風が真正面から吹きつ
けるため行きは市街地を抜けて走る。途中、平荘湖の
ひだまりでひっそりと飛ぶキタキチョウ秋型に会う。
10 時半現地着。出迎えはやはり 1 頭だけのウラナミ
シジミ♂。強い風に逆らいながらススキの花穂に足場を求めている。コイヌノハナヒゲにつく
ヒメヒカゲ幼虫は体色がいっそう黄色味を帯びて、い
よいよ越冬態勢に入るのだろうか。静止する場所も枯
れ草となった地表から 5cm ていどの根元近くだ。
ついでにウラナミジャノメの幼虫も探すがまった
く見つからない。その過程で、ケネザサの茂みでひっ
そりと静止するキタテハを認める。この日は日差しが
戻ったとはいえ風が強く気温も上がらないため、休眠
状態にみえる。このまま越冬するとは思えないが、案
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外このような環境で冬を過ごすのかも知れない。
帰路は加古川右岸自転車道。北風を背中に受けてきわめて走行は楽だ。クローバーの上を
モンキチョウが飛んでいるが、ただの 1 頭だけですっかり晩秋の気配。コムラサキが遊んで
いたヤナギはほとんど葉が落ちており、短時間だけ幹周りを探索したが幼虫は見つからず。
2009/11/14:「晩秋花畑のチョウ」
みごとな青空が広がる好天気となったので、近くの花畑にまだチョウがいるのかと行って
みる。多いのはヤマトシジミで、
いろんな花蜜を求めて雌雄が入
り乱れて飛び交っている。メスは
すべて青鱗粉がよく発達した美
麗タイプなので、新鮮個体にしぼ
ってカメラで追うと、11 時すぎ
という時間帯でも頻繁に開翅姿
勢をとって楽しませてくれる。
次に多いのがモンシロチョウ
で清楚な白が青空に映えるとけ
っこう絵になる。珍しく現れたウ
ラギンシジミは、これから冬を越
そうというのにはねがかなり傷
んでいるのが哀れだ。ぐんと数の減ったベニシジミもすっかりきれいな紅色に戻っている。
黄色が濃いキチョウが小川沿いを飛ぶのでツマグロキチョウかも、と追いかけるとキタキチ
ョウの夏秋中間型だ。ツマグロヒョウモンもコスモスの花周辺を飛ぶ。きれいな♀が現れたの
で、花畑の世話にやってきているMさんに教えてあげると「すごくきれい」と喜んでくれる。
ヨモギがすっかり刈り取られた草原でひっそりと日向ぼっこをするのはヒメアカタテハだが、
今年は数が激減したように思われる。昨秋多かったウラナミシジミは、ヤマトシジミの群れ
にちょっかいを出した 1♂を見ただけで、あとはチャバネセセリがこれも1頭だけ、ウラギン
シジミがV字開翅状態のまま長くいすわる近くで羽を休めていた。
2009/11/19:「寒風下モンシロチョウ」
寒い北風がふきつける 16 時過ぎの花畑に出向き、
ひっそりと休ん
でいるはずのチ
ョウを探してみ
た。約 40 分ねば
って、花畑にあ
るいろんな植物のすきま奥にまで目をこらし、やっと見
つけたのがウインターコスモスの葉茎に静止するモン
シロチョウのメス 1 頭だけ。ときには花茎ともに大きく
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揺さぶられるが、ただしがみつくだけという姿勢で 10℃を下回る外気温の下このまま夜を過
ごすのだろう。
昨年秋の夕暮れには、適度に茂った草むらのあちこちに、ねぐらを決めたヤマトシジミや
ベニシジミ、ウラナミシジミ、キタキチョウ、モンキチョウなどの自然の営みを観察できて
楽しかったが、今年は花のない草むらがすっかり刈り込まれて、チョウが夜を迎える自然の
姿をみることができない。どうしてここまで草を刈りとってしまう必要があるのかなあ。
2009/11/24:「クロコノマチョウ出現」
2009/11/21、16 時過ぎにテニスを終えて帰宅した玄関先で、なんとクロコノマチョウがち
ょこんと静止した状態で出迎えてくれてびっくり。カメラを持ち出すには玄関のドアを開け
ねばならず、そうしたらどこかへと飛び去るかもしれな
い。やむなく、そっと近づき両手で挟み込むようにして、
幸い少しも傷つけることなく捕まえることができた。近
くに森や林という環境はなく、林床でみかける場合も、
少し飛んではすぐにとまるという習性があって、クロコ
ノマチョウが遠距離を飛ぶような種との認識はない。い
ったいどこで発生した個体なのだろうか。市街地での珍
しい飛来記録として貴重であり、このまま放しても周辺
で無事越冬できるかどうか分からないので、とりあえずはスポーツドリンクを添えた吹流し
に入れて観察をすることとした。
お腹が小さいが♀らしい。性別を確認して吹流しにもどすと、一瞬、そのまま羽を閉じたま
ま横倒しとなって死んだふりをし、やがて勢いよく飛び始める。アサギマダラなどがよくや
る擬死態勢をとったわけで、おもしろい習性だ。
2009/12/1:「晩秋の和歌山に遠征」
晩秋和歌山のチョウとの出会いを求めて
ドライブ旅行を楽しむ。串本町の海岸沿い
に咲くツワブキの黄色い花をサツマシジミ
が訪れ、ヤクシマルリシジミの飛び古した
メスがテリハノイバラの周りを飛ぶ。道路
沿いのツワブキ葉上ではムラサキシジミが
陽光に翅表のきれいなムラサキを輝かせて
おり、見る角度によって微妙に色彩が変わ
る。
日の入りタイムが近づく漁港近くの浜辺
では、残照をめいっぱい浴びるヒメアカタ
テハが、打ち寄せる波音も楽しんでいるか
のよう。
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観光名所だという一枚岩(高さ 100m、幅 500m:国の天然記念物)を見に行こうと古座
川沿いに 38 号線をさかのぼる途上、兵庫豊岡で放鳥
されたコウノトリが古座川に飛来していて、大勢のカ
メラマンが道路脇にたむろしているのに出くわす。鮎
を捕らえる際に大きくはばたく瞬間を狙っているらし
い。500mm望遠カメラをもつのはプロだろうか。筆
者もビデオカメラに三脚をセットして予期せぬ撮影成
果を得て大満足。目的の一枚岩の大きさは想像以上で、
数少ない紅葉と一枚岩の巨容とが古座川に映しこまれ
た情景が絵になる。4 月にはこの岩壁に山陰が犬の形
に投影されることでも有名らしい。
2009/12/5:「ヒメヒカゲ幼虫」
2009/12/04、M 氏とヒメヒカゲの野外幼虫観察に出かける。前日の雨で草原の枯れたスゲ
類が湿っぽくみえ、そろそろ幼虫も越冬態勢に入っているかも、と継続観察ポイントを調べ
る。そこには幅広のまだ緑色が残るスゲがあって、
すぐに1頭の幼虫がみつかる。越冬時は褐色とな
るのかどうか分からないが体色はまだ黄色だ。
もう一箇所のコイヌノハナヒゲにつく幼虫は、
どこかへ移動したのかと思ってしまうほどにな
かなか発見できない。それでもゆっくりと根元を
ほぐすように調べると、体を丸めるように縮めた
やはり黄色い幼虫が頭を上にしてじっとしてい
るのが見つかる。コイヌノハナヒゲにはもう緑色
がなく全体が枯れ草状態で、このまま越冬となるのだろうか。今後とも体色の変化を追って
みたい。
2009/12/16:「ヒメヒカゲ発生地の環境整備」
2009/12/13(日)9 時から 11 時過ぎまで、加
古川の里山ギフチョウ・ネット会員を中心とした
表題ボランティア活動に参加。地元の工業高校生
も担任女先生とともに協力してくれるからあり
がたい。山肌に防火目的で植栽されたヤマモモの
木を適当に枝打ちをして斜面草地に明るさをと
りもどす作業で、枯れた松の木やツゲなどの不要
常緑樹も伐採する。ノコギリを使った連続作業は、
みるみるうちに背中に汗が吹き出るけっこうき
つい作業だが、一帯に明るさが広がるという成果
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がすぐさま目にみえるのが励みとなる。後半は長尺剪定バサミ
を使って草地にはびこるシダやケネザサの刈り取りもする。そ
の過程でM氏が越冬態勢に入っていたキタテハを思いもかけ
ずに起こしてしまうというハプニングもあって、カメラをもっ
たメンバーが羽がボロボロとなったキタテハの記録撮影にか
けつける。参考までにM氏撮影の記録を掲載させていただく。
当日、神戸新聞からも取材にみえており 12/15(火)朝刊に
ボランティア活動の記事が掲載された。
2009/12/21:「寒波に耐え切れず」
昨日まで、落ち葉を敷き詰めた吹流しを窓際室内につるしたなかで、ときどき霧吹きで水
分を与え、時には驚いて吹流し内で羽ばたいていたクロコノマチョウが連日の寒波に耐え切
れずに絶命した。いつもは吹流し生地につかまる姿勢だったのが写真に示す姿勢でじっとし
ており、水分補給に落ち葉の上に降りてくれたのかと思っ
たのだが、残念ながら息絶えていた。ここ数日の早朝室内
気温は 4-6℃。野外では零下となった日もあり、冬を成虫
で過ごすチョウたちはいったいどんな環境で寒さをしのぐ
のだろうか。高砂市内へと迷い込んできたクロコノマチョ
ウを、なんとか越冬させてやりたかったのだが、気温だけ
ではなく適度の湿度調整ができなかったのかもしれない。
2009/12/31 「ゴマダラチョウ幼虫」
今日、大晦日の朝は寒風ふきすさぶ真冬という感じだが、ベランダに出している鉢植えの
エノキ葉っぱに緑色のゴマダラチョウ幼虫 1 頭が残っている。ちなみに外気温は 3℃。12 月
半ばまで室内窓際に置いてあったため、野外ではとっくにエ
ノキの葉は落ちているのに、いつまでも緑の葉のままで幼虫
も褐変化が遅かった。ベランダに移して以降の幼虫は気温の
低下につれて次々と褐色に変化して根元に敷き詰めた落ち葉
のなかへともぐっていったのに、この 1 頭だけが葉上に残っ
たままだ。葉っぱのつけ根は吐糸でしっかりと固定されてい
て、しばらく室内に置いたために幼虫も冬越しのことを全く
想定していなかったと思われ、どうやらこの最後の幼虫はこ
のまま新年を迎えそうだ。
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