メキシコ音楽の祭典

Press Release 12 月
甘美なメロディと躍動するリズム、20 世紀のメキシコ音楽が炸裂する 2 日間!!
指揮者・ソリストすべてメキシコの若手実力派ぞろい!!!
メキシコ音楽の祭典
Mexican Music Festival
■室内楽の夕べ ■オーケストラコンサート
Chamber Music’s Evening
Orchestra Concert
■室内楽の夕べ
2014 年 3 月 28 日(金)19:00
ギター:フアン・カルロス・ラグーナ
メゾソプラノ:ニエベス・ナバーロ
東京オペラシティ リサイタルホール
ヴァイオリン:アドリアン・ユストゥス
ピアノ:ゴンサロ・グティエレス
【ギター】
♪ポンセ:南のソナチネ(1932)
♪チャベス:3 つの小品(1923)※
♪H.バスケス:ソナタ第 2 番(2006)
【ヴァイオリン&ピアノ】
♪ポンセ:ソナタ・ブレーベ(1932)
♪レブエルタス:3 つの小品(1932)
♪ベラスケス:序奏と舞曲(無伴奏) (1981)
♪ポンセ:ガヴォット(1901)
全席自由 ¥4,000
【ピアノ】
♪ポンセ:メキシコのバラード(1915)
♪チャベス:ワルツ・エレジー(1921)※
♪L.Á.バスケス:ピアノのためのエニグマ(1992)
♪アルメンゴール:キューバ組曲第 18 番(1990)※
♪アルメンゴール:キューバ組曲第 10 番《ファンタジー》(1984)※
【メゾソプラノ&ピアノ】
♪ポンセ:しおれた心 / エストレジータ(1912)
♪グリーバー:私の魂 / さようなら / 私に誓って
♪アルメンゴール:ああ愛しい人よ!※ / 優しさ※
あなたを信じています※
■オーケストラ・コンサート
2014 年 3 月 30 日(日)14:00
※日本初演
東京オペラシティ コンサートホール
全席指定 S¥5,000 A¥4,000 B¥3,000
指揮:ホセ・アレアン ヴァイオリン:アドリアン・ユストゥス
東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:ゴンサロ・グティエレス
♪レブエルタス:センセマヤ(1938) ♪ポンセ:ヴァイオリン協奏曲(1943)
♪チャベス:ピアノ協奏曲 (日本初演/1938-40) ♪レブエルタス:マヤ族の夜(1939)
▼掲載時のお問合わせ先▼
東京オペラシティチケットセンター 03-5353-9999 www.operacity.jp
主催:公益財団法人 東京オペラシティ文化財団
協賛:NTT 都市開発株式会社 後援:メキシコ大使館
助成:芸術文化振興基金/公益財団法人 朝日新聞文化財団 協力:アエロメヒコ航空
公演についてのお問い合わせ・資料請求先: 東京オペラシティ文化財団
こ う ろ
興梠徳子(広報) 澤橋 淳(制作) tel:03-5353-0770 fax:03-5353-0771
[email protected] www.operacity.jp 〒163-1403 東京都新宿区西新宿 3-20-2
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メキシコ音楽の祭典 「室内楽の夕べ」3 月 28 日(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
メキシコ音楽の祭典 「オーケストラコンサート」3 月 30 日(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
◆公演について
ポンセ、チャベス、レブエルタス etc、ラテン・アメリカ音楽ファンに人気の高い、
20 世紀メキシコの作曲家とその作品をたっぷり楽しむ貴重な機会!
メキシコにおけるクラシック音楽の受容は、16 世紀半ば、スペインの植民地だった頃の教会音楽から始まります。その後 19 世紀後半、
ヨーロッパ留学を終えた作曲家や演奏家が、国内のクラシック音楽普及に力を入れはじめ、20 世紀初頭のメキシコ革命後、作曲家た
ちは民族主義的かつ個性的な作品を次々と生み出し、音楽文化が開花しました。
ポンセ(1882-1948)、レブエルタス(1899-1940)、チャベス(1899-1978)、などはこれらの時代、そしてその後に続く時代を
代表する作曲家たち。それらの代表的な作品の中から、「室内楽」と「オーケストラ作品」を 2 日間にわたってお贈りするのが今回のプロジ
ェクトです。
「室内楽の夕べ(3/28 公演)」では、ギター、ヴァイオリン、ピアノ、歌とバラエティに富んだ編成でお楽しみいただきます。300 作品以
上書いた「近代メキシコ国民楽派の父」と呼ばれるポンセからは、有名な歌曲《エストレジータ》をはじめ、セゴビアのために書かれたギター
曲《南のソナチネ》、ヴァイオリンの小品《ソナタ・ブレーベ》などを取り上げます。ヴァイオリニストでもあったレブエルタスが、自ら演奏するため
に書いた《3 つの小品》、その他、チャベスのギター曲やピアノ曲、グリーバー(1894-1951)、アルメンゴール(1914-2002)、ベラス
ケス(1935-2004)ら、様々な作曲家の珠玉の小品の数々をお届けいたします。
「オーケストラ・コンサート(3/30 公演)」は、レブエルタスの代表作《センセマヤ》で幕を開け、ポンセがヘンリク・シェリングのために書いた
《ヴァイオリン協奏曲》(初演:指揮/チャベス、ヴァイオリン/H.シェリング)と、優れた交響曲作家として知られるカルロス・チャベスの
超難曲《ピアノ協奏曲》(日本初演)という豪華絢爛な 2 つの協奏曲が続きます。そしてクライマックスは 14 名の奏者が熱狂的に叩く
打楽器群と猛々しく咆哮する管楽器群が圧巻のレブエルタス《マヤ族の夜》。野性的なエネルギーが炸裂するこの作品はとりわけラテン・
アメリカ音楽ファンに極めて人気の高い傑作です。指揮者、ソリストすべてメキシコの若き実力派というキャスティングもこのコンサートの魅
力の一つ。
甘美なメロディー、躍動するリズム、メキシコで生まれたクラシック音楽のフルコースを存分にお楽しみください。
◆略年表
●今回取り上げる主な作曲家たち(ポンセ/レブエルタス/チャベス)の略歴は P5 をご参照ください。
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メキシコ音楽の祭典 「室内楽の夕べ」3 月 28 日(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
メキシコ音楽の祭典 「オーケストラコンサート」3 月 30 日(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
◆ホセ・アレアン インタビュー
「メキシコ音楽の祭典―オーケストラ・コンサート」に出演する指揮者のホセ・ア
レアン氏に、今回のオーケストラ・コンサートの魅力について語って頂きました。
彼は、現在、メキシコシティ・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督を務め、メ
キシコ国内で最も活躍している指揮者の一人です。
こんにちは。ホセ・アレアンと申します。今回、メキシコのプログラムを東京で演奏できることを心より喜んでおります。メキシコの作曲家の
様々な側面をお聴かせできる今回のプログラムを、日本の聴衆の皆様が気に入って下さったらなんと素晴らしいことでしょう!
―ポンセ、チャベス、レブエルタスはどんな作曲家ですか?
彼らは 19 世紀後半から 20 世紀へと続く、メキシコのクラシック音楽のレパートリーにおいて大切な 3 本柱です。それぞれに特徴があり、
三者とも全く異なる性格の作品を書いています。
マヌエル・M・ポンセは、19 世紀末に活躍した作曲家なのですが、とても夢想的で、ドイツの後期ロマン派やフランス的な要素も持って
います。彼はフランスに留学し多大な影響を受けました。ドビュッシーやラヴェルのオーケストレーションを理解しているだけでなく、感覚的に
も彼らととても近いと思います。しかし同時に、メキシコの他の作曲家に対しても影響を及ぼすようなメキシコ的なもの、メロディー、ハーモ
ニー、リズム、そして言葉との関係を初めて作品内に取りこみました。つまり、ポンセには 19 世紀を振り返るヨーロッパ的な面と新しいメキ
シコ的な面という 2 つの面を持っていることが分かります。これはメキシコ国民楽派の芽生えということができると思います。
20 世紀半ば、チャベスとレブエルタスが登場します。2 人ともメキシコ国民楽派と呼べますが、作風は正反対の極を示しています。メキ
シコでは、革命後(1920 年代)の政治変革の際、文化の重要性が強調されました。それは国家としてのアイデンティティを確立する
必要があったためです。政治論争だけでなく、芸術、文化においても論争が起こりました。特に、文学、美術、そして音楽において。それ
らはメスティソ(混血)のメキシコと呼ぶことができるかもしれません。インディヘナ(メキシコ土着的なもの)とスペイン(ヨーロッパ的なも
の)が対立としてではなく、調和・融合を生み出したのです。征服という行為は、ただの暴力行為として見られるだけでなく、新しい文化
を生み出す行為であると見られるようになっていきました。新しいメキシコ民族の芸術・文化の誕生です。このことは大変重要なことでした。
なぜなら、メスティソとしての音楽の創造が始まったのですから。
チャベスは知的な人物でした。思想家であり、外国の社会的な出来事にも関心がありました。ストラヴィンスキー、コープランド、ガーシ
ュインの友人であり、指揮者のクーセヴィツキーなどの著名人との友好関係から、アメリカに長年住むことになります。しかし、彼の表現する
音楽はメキシコ的なものです。メキシコの民謡などを実際に再現しようとしたのではなく、それらを取り込んで自らの音楽を表現していま
す。
レブエルタスの作品を特徴づけるものは、アイロニー、風刺など、非常に真面目な笑いであり、嘲笑的な気質です。また、彼は、過去の
音楽だけでなく、村から聞こえてくる様々な音楽を自分の作品に取り込もうと試みています。民俗楽団のマリアッチや吹奏楽など、村や道
端で演奏されていた音楽を取り入れることで、複数のリズムが同時に刻まれる複雑なリズムになります。これはストラヴィンスキーの影響だ
と思います。楽器についてもメキシコの伝統的な音楽によく使用されるトランペットを自分の作品にも多用することでメキシコ的な響きとな
っています。
これら三人の人物、ポンセ、レブエルタス、チャベスは、19 世紀終わりから 20 世紀前半にかけてのメキシコの魂を表現した見事な
「壁画」※を表していると思います。
※メキシコ壁画運動は 1920 年代から 1930 年代にかけて起こった絵画運動です。革命の意義やメキシコ人としてのアイデンティティーを民衆に伝えること
が目的であり、そのため誰でもいつでも見ることのできる壁画が主な媒体に選ばれました。主な作家にディエゴ・リベラ(1886-1957)、ダビッド・アルファロ・
シケイロス(1896-1974)、ホセ・クレメンテ・オロスコ(1883-1949)らがいます。
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メキシコ音楽の祭典 「室内楽の夕べ」3 月 28 日(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
メキシコ音楽の祭典 「オーケストラコンサート」3 月 30 日(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
―今回演奏する曲(3/30 「オーケストラコンサート」)はそれぞれどのような作品ですか?
まず、レブエルタスとストラヴィンスキーの関係について。
ストラヴィンスキーの《春の祭典》は 1913 年初演ですが、この曲がメキシコで初演されたのはずっと後のことです。レブエルタスは《春の祭
典》を聴いて、音楽において新しい時代が始まったことに気づきました。そしてレブエルタスは自身の音楽語法において、メキシコのリズムを
効果的に使うことを決心しました。
とりわけ彼が作曲した《センセマヤ》は、メキシコ特有のリズムがとても強烈に打ち出された作品です。反復を土台にするところは、ラヴェ
ルの《ボレロ》に通じるアイデアです。最初はとても小さな音量から次第に大きく、内容も濃く密度を高め、リズムを繰り返すたびに音楽が
少しずつ変化していき、最後は巨大な機械へと変貌していきます。旋律はメキシコ固有のインディヘナの言語の抑揚を保ちながら、ストラ
ヴィンスキーの《春の祭典》のような大地の力強さを伴っています。
次のポンセの《ヴァイオリン協奏曲》は全く対照的な作品です。先ほど申し上げたようにヨーロッパ的な要素を持つメキシコのロマン派とも
呼べます。ヴァイオリンを声楽的な楽器と捉え、旋律を極めてよく歌わせています。19 世紀のスタイルという意味では伝統的ですが、声楽
的な旋律を含めたその音楽語法はメキシコ的です。
それに対するのが、チャベスの《ピアノ協奏曲》です。とても革新的な作品で、ピアニストやオーケストラに反人間的とも言える凄まじい技
術と体力を要求します。ヴィルトゥオジティを要求する上、ソリストが途中で休むことが許されません。すべての瞬間に置いて全力疾走をつ
づけなくてはならない「ツール・ド・フランス」のような作品です(笑)。このような作品はラテン・アメリカのクラシック音楽のレパートリーの中
でも極めて希少です。チャベスは、19 世紀までのクラシック音楽で使い古された変奏を含む反復という形式や対比を一切排し、ひたすら
前へ前へと推進力を持って休むことなく曲が進めることで新しい世界を拓こうと考えたのです。1950 年代頃までのストラヴィンスキーの作
品同様、私はこの協奏曲は新古典主義の作品と呼びたいです。
レブエルタスは小品をいくつも作曲しましたが、《マヤ族の夜》は大作です。メキシコの国民楽派の作曲家は、ほとんどが「アステカ文明」
をテーマとして取り上げましたが、この作品は「マヤ文明」をテーマにした数少ない作品です。マヤが実際どうであったかは、まだまだ研究が
十分ではありませんが、遠い過去をテーマとし、レブエルタスの湧き出す想像力によって、とても詩的で旋法的なフレーズを創作し、マヤ族
の音響世界を現代に蘇らせました。
これらのメキシコ音楽によって私たちの国「メキシコ」を知って、どうか楽しんでください。
(2013 年 11 月 メキシコ・シティにて 聞き手・山田将生)
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メキシコ音楽の祭典 「室内楽の夕べ」3 月 28 日(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
メキシコ音楽の祭典 「オーケストラコンサート」3 月 30 日(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
◆今回取り上げる主な作曲家たち~ポンセ、レブエルタス、チャベスの略歴
マヌエル・M・ポンセ (1882-1948)
メキシコ国民楽派の父。1901 年メキシコ国立音楽院へ入学後、イタリアのロッシーニ音楽院、ドイツのシュテルン
音楽院にに留学。帰国後、メキシコ国立音楽院ピアノ科教授に就任。1917 年にはメキシコ国立交響楽団の指
揮者に就任。1925 年 2 度目の留学としてパリ・エコール・ノルマル音楽院にてポール・デュカスに師事。雑誌 「音
楽文化」を創刊し、数多くの記事、随筆を執筆。1933 年メキシコ国立音楽院院長、のちに科学芸術国家賞、
メキシコ現代歌曲創造者の称号を授与される。世界的に広く演奏された最初のメキシコ人作曲家。ギター作品
は彼の仕事の重要な部分を占める。ピアノ、室内楽、交響楽に数多くの作品を残す。
シルベストレ・レブエルタス(1899-1940)
メキシコ国立音楽院、シカゴ音楽大学で音楽教育で学ぶ。ヴァイオリンをホセ・ロカブルナに、作曲をラファエル・J・テ
ジョに師事。その後テキサス州サン・アントニオの聖エドワード大学で学んだ後シカゴへ移る。1924 年、1925 年に
はメキシコにてカルロス・チャベスと最初の現代音楽の演奏会を企画し、聴衆に大きな衝撃を与えた。1929 年~
1936 年チャベスの要請によりメキシコ国立交響楽団の副指揮者に就任、同時期に作曲家としてのキャリアを開
始する。彼の作品はメキシコの交響詩というジャンルに貢献し、その作品は独創的で新鮮な技法であった。また映
画音楽も作曲している。
カルロス・チャベス(1899-1978)
5 曲のバレエ音楽、7 曲の交響曲、4 曲の協奏曲、カンタータとオペラが 1 曲ずつ、複数の室内楽、歌曲、器楽
曲を作曲した多作家。また、2 冊の著作があり、そのうちの「新音楽へ」は、新しい音楽を理解するための指標的
な書籍となった。作曲は独学。青年時代はメキシコ革命末期と重なり、国民楽派として生きた。1926 年からニュ
ーヨークに在住、コープランドと親交を深める。1928 年メキシコ国立交響楽団の指揮者、メキシコ国立音楽院の
院長に就任。1947 年国立芸術院の院長に就任。チャベスの先住民文化についての調査研究は、土着民族の
舞踊の要素など、先例のない成果を 20 世紀のメキシコ音楽にもたらした。
◆出演者プロフィール
ホセ・アレアン(指揮)
José Areán, conductor
■3/30 オーケストラコンサート 出演
1966 年メキシコシティ生まれ。現在、最も活躍しているメキシコ人指揮者の一人で、活動範囲は、オペラ、バレエ、管弦楽、映画
音楽、音楽制作、アートマネジメントなど多岐にわたる。6 歳から音楽の勉強をはじめ、メキシコ国立音楽学校でピアノとコントラバ
スを専攻。その後、ウィーン音楽院で指揮を学び、1995 年に卒業。テノール歌手、ロランド・ヴィラゾンがメキシコ国立歌劇場でデ
ビューしたオペラや、カルロス・チャベスの唯一のオペラ『訪問者』など、数々のオペラ公演で成功、世界初演も積極的に行っている。
また、ラモン・ヴァルガス、フランシスコ・アライサ、フィリップ・クィント、サラ・チャン、ジオラ・ファイドマン、パブロ・シーグレルら国際的なソリ
ストと共演、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、フランス、チェコ、オランダ、ルーマニア、スイスのオーケストラを指揮した。 2005 年
にミネリア交響楽団の指揮者に、2013 年 1 月よりメキシコシティ・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督に就任。また、ラテンアメリ
カの最も重要な舞台芸術祭であるメキシコ国際芸術祭の理事(2002~2007 年は芸術監督)、メキシコ国立歌劇場の芸術総監督の経験もあり、
毎週、クラシック音楽のテレビ番組の司会も務めている。
ファン・カルロス・ラグーナ(ギター)
Juan Carlos Laguna, guitar
■3/28 室内楽の夕べ 出演
1962 年メキシコシティ生まれ。巧みなテクニックと豊かな音楽性を持つメキシコで最も重要なギタリストの一人。メキシコ国立自治
大学でギターを学び、卒業時に「ガビノ・バレダ賞」、「メキシコ最優秀賞」を受賞。マヌエル・バルエコ、佐藤紀雄、イヴァン・リホス、ロ
バート・ガスリー、ヘスス・オルテガ、デイヴィッド・スタロビンなどのクラスに参加。また彼は FONCA(文化芸術のための国立基金)
から奨学金を受け、ニューヨークのマンハッタン音楽院で学んだ。1991 年に東京国際ギターコンクールで優勝、プエルトリコの国際
ギターコンクールやパラチョ・ギターコンクールでも優勝。メキシコ国立自治大学フィルハーモニー管弦楽団、カルロス・チャベス交響楽
団、カイロ交響楽団、ロンドン交響楽団、ベルリン・シンフォニエッタ等と共演、世界中の主要ホールで演奏している。
現在は、メキシコ国立自治大学の教授であり、王立音楽大学(ロンドン)、南メソジスト大学(ダラス)、テューレーン大学(ニ
ューオリンズ)、コスタリカ音楽大学などのマスタークラスでも教えている。また、ハバナ国際ギターコンクール、M.ポンセ国際ギターコンクール、アメリカギタ
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メキシコ音楽の祭典 「室内楽の夕べ」3 月 28 日(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
メキシコ音楽の祭典 「オーケストラコンサート」3 月 30 日(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
ー財団のコンクールの審査員としても招待されている。1997 年、メキシコ国立自治大学から、芸術的創造と文化発展を目的とした若い研究者のため
の国立大学賞を受賞。近年では、吉松隆、イアン・クローズ、アルトゥーロ・マルケス、エベルト・ヴァスケスといった著名な作曲家が彼に曲を捧げている。
また、後進の指導も行い、若い優秀なギタリストを世に送り出している。
アドリアン・ユストゥス(ヴァイオリン)
Adrián Justus, violin
■3/28 室内楽の夕べ ■3/30 オーケストラコンサート 出演
1970 年メキシコシティ生まれ。幼少より音楽的環境に恵まれた家庭に育ち 11 歳でアカデミア・ユリコ・クロヌマに入り、黒沼ユリ子
に師事。1985 年「日本メキシコ友好コンサート」で初訪日。この時日本で受けた温かい拍手で音楽が持つ不思議な力を実体験
し、将来への道を心に決めたという。メキシコの全国ヴァイオリン・コンクール優勝、オーケストラとの共演デビューをしてからロチェスター
大学イーストマン音楽院に入り、ツヴィ・ザイトリン教授に師事。特別奨学金を受け栄誉賞付で学位を取得。その後、マンハッタン
音楽院でピンカス・ズーカーマンのもとでも研鑽を積んだ。国際ヘンリック・シェリング・コンクールで金賞、メキシコのモーツァルト・メダル
受章、ニューヨークの国際アーティスト・コンペティション賞なども受賞。カーネギーホール、ウィグモアホール、バービカン・センター、サン
トリーホール、テルアヴィヴのアート・ミュージアム、メキシコの国立芸術宮殿、プラハ城のスペイン宮殿など国際舞台に立ち、各地で
好評を得る。ロンドンのフィルハーモニア管弦楽団とシベリウスの協奏曲、メキシコのケレタロ・フィルハーモニーとエンリッケスの協奏曲第 1 番、アメリカの現
代室内楽アルバム『タペストリー』などがすでにリリースされていたが、日本で行われた 2011 年リサイタルからのライブ『ラ・カンパネラ』と 2012 年リサイタル
からのライブ『パガニーニ・24 のカプリス』も絶賛され、好評発売中。楽器は 1744 年製グァルネリ・デル・ジェス”Lord Coke”を使用。
ニエベス・ナバーロ(メゾ・ソプラノ)
Nieves Navarro, mezzo-soprano
■3/28 室内楽の夕べ 出演
ベラクルス出身。1999 年、パリにおいてルック・レモンの新作オペラ『マリンバ・デ・エクシロ』(指揮:ディディエル・ベネッティ)でオペ
ラデビュー。2000 年、フランスのブザンソン芸術祭、メキシコ市セントロイストリコ芸術祭に出演。2003 年、メキシコ国立芸術院
65 周年記念ガラコンサートのソリスト(指揮:アルフレード・シリピーニ)、2004 年、セルヴァンティーノ国際芸術祭でソロデビュー
(指揮:エンリケ・パトロン・デ・ルエダ)、2008 年、セルヴァンティーノ国際芸術祭においてメキシコ国立オペラの『マノン・レスコー』、
カルロス・チャベス交響楽団の『カヴァレリア・ルスティカーナ』において主役、サントゥッツァ役で出演。またメキシコシティにて山田将生
と日本歌曲の連続演奏会を行った。2010 年、メキシコ国際音楽祭にてガブリエラ・オルティスの新作オペラ『ウニカメンテ・ベルダ』の
主演、メキシコ赤十字 100 周年記念演奏会においてエンリケ・バリオス指揮/カルロス・チャベス交響楽団と共演。国立芸術院演
奏会にてサン=サーンスの《クリスマス・オラトリオ》のソリスト。2011 年、メキシコ国立オペラのマヌエル・デ・ファリャ『はかなき人生』、メキシコ国際芸術祭
のドヴォルザーク『ルサルカ』に出演。日本では東京のメキシコ大使公邸での演奏会や河口湖オルゴールの森美術館にてクリスマスコンサートに出演。
2012 年、メキシコ国立オペラのブリテン『ベニスに死す』、メキシコ国際芸術祭の R.シュトラウス『影のない女』に出演。現在、メキシコ国立歌劇場の合
唱団団員。
ゴンサロ・グティエレス(ピアノ)
Gonzalo Gutiérrez, piano
■3/28 室内楽の夕べ ■3/30 オーケストラコンサート 出演
1972 年メキシコシティ生まれ。メキシコやヨーロッパの 20 世紀作品に精通しているピアニスト、ネストール・カスタネーダに師事する
ためメキシコ国立自治大学に入学。その後、バルトークの弟子の一人、イシュトヴァン・ナーダスに、後にスペイン・バルセロナで、ルド
ヴィカ・モスカに師事した。メキシコに戻り、フランコ・ドナトーニの《フランソワーズ変奏曲》をメキシコ初演、レオナルド・コラルのピアノ協
奏曲をロサス音楽院の室内オーケストラと世界初演を行う。オリン・ジョリストリ音楽学校で教鞭をとるかたわら、メキシコの作曲家、
マルセラ・ロドリゲスの《ピアノ協奏曲第 1 番》をメキシコシティフィルハーモニー管弦楽団と共演。また、メキシコ国立交響楽団とメキ
シコ国立歌劇場管弦楽団の客演ピアニスト兼チェンバリストとして活躍。室内楽の分野では、メキシコ人フルート奏者のアナ・スハ
イラとフランスのベルフォールで行われた FIMU フェスティバルで演奏。メキシコ国内の主要ホールで数多くのオペラ歌手のリサイタルの伴奏をつとめ、メキシ
コ国立自治大学のメキシコ音楽祭では実験的なプロジェクト「ウエイ・メカトル」で指揮をした。2012 年 9 月には、ホセ・アレアンの指揮/メキシコシティ
フィルハーモニー管弦楽団で、カルロス・チャベスのピアノ協奏曲を演奏し成功を収めた。
東京フィルハーモニー交響楽団 Tokyo Philharmonic Orchestra
■3/30 オーケストラコンサート 出演
1911 年創立。2011 年に日本のオーケストラとして最初の 100 周年を迎える。約 160 名のメンバーをもち、シンフォニーオーケストラと劇場オーケスト
ラの両機能を併せもつ日本を代表するオーケストラ。「定期演奏会」や「午後のコンサート」、「こども音・楽・館」などの自主公演の他、新国立劇場のレ
ギュラーオーケストラとしてオペラ・バレエ演奏、NHK における『名曲アルバム』や 2012 年大河ドラマ『平清盛』の劇中音楽、FM『ブラボー!オーケスト
ラ』の他、さらに『題名のない音楽会』などにより全国の音楽ファンに親しまれる存在として、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開し、クラシ
ック音楽の広い普及に努めている。
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メキシコ音楽の祭典 「室内楽の夕べ」3 月 28 日(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
メキシコ音楽の祭典 「オーケストラコンサート」3 月 30 日(日)14:00 東京オペラシティ コンサートホール
◆関連 CD 情報
■3/28 室内楽の夕べ
【ギター】
●ポンセ:南のソナチネ
ユッカ・サヴィヨキ(G) BIS BIS255
ティモ・コルホネン(G) ONDINE ODE770
イリーナ・クリコヴァ(G) NAXOS 8572390
福田進一(G) マイスター・ミュージック MM1200
アンドレアス・セゴビア(G) MEMBRAN 232939 ※1949 年 MONO。4 枚組
●チャベス:3 つの小品
ジョン・シュナイダー(G) CAMBRIA CMB8853 ※チャベス:室内楽作品集 VOL.4 収録
【ピアノ】
●ポンセ:メキシコのバラード
グスターボ・リベロ・ウェーベル(Pf) QUINDECIM(メキシコ)GRW1
※1992 年録音。メキシコのピアノ曲集 VOL.1 収録
●アルメンゴール:キューバ組曲第 10 番『ファンタジー』
グスターボ・リベロ・ウェーベル(Pf) QUINDECIM(メキシコ) GRW1
※1992 年録音。メキシコのピアノ曲集 VOL.1 収録
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■3/30 オーケストラコンサート
●レブエルタス:センセマヤ
グスターボ・ドゥダメル&シモン・ボリバル・ユース管 (センセマヤ収録) ユニバーサル UCCG50056 ※『フィエスタ!』収録
●ポンセ:ヴァイオリン協奏曲
ヘンリク・シェリング(Vn)エンリケ・バティス&ロイヤル・フィル メキシコ州立響自主制作 EB32
ミランダ・カックソン(Vn)ポール・フリーマン&チェコ・ナショナル響 CENTAUR CRC2513
※併録:コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲
●チャベス:ピアノ協奏曲
ホルへ・フェデリコ・オソリオ(P)カルロス・ミゲル・プリーエト&メキシコ国立響 CEDILLE RECORDS CDR90000140
●レブエルタス:マヤ族の夜
エサ=ペッカ・サロネン&ロサンゼルス・フィル (2 曲とも収録) SONY SRCR2399
グスターボ・ドゥダメル&シモン・ボリバル・ユース管 (マヤ族収録) ユニバーサル UCCG1506 ※併録:『春の祭典』
エンリケ・バリオス&アグアスカリエンテス響(メキシコ) (2 曲とも収録) NAXOS 8555917
エンリケ・バティス&メキシコ・シティ・フィル、ロイヤル・フィル、メキシコ州立響(2 曲とも収録)
メキシコ州立響自主制作 75243518149
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