第2学年2組 技術・家庭科学習指導案 1,分野 家庭分野「家族と家庭生活」B(1)(2)(3)(5) 2,題材 子どもの成長 −遊びを通して幼児とふれあおう− 3,題材設定の理由 新教育課程において家庭科の教育改善の視点のひとつとして,男女共同参画社会の推進,少子 化への対応があげらる。特に中学校技術・家庭科においては,選択領域であった「保育」の学習 を 「家族と家庭生活」の分野に入れ込み,生徒が幼児とのかかわりを通して,家族や周囲の人々 と の人間関係の大切さや家庭生活を営む意義を見いだすことをねらいとしており,幼稚園・保育 所 等での体験活動を重視している。 そこで生徒に6歳以下の弟妹についてアンケートを行った結果,6歳以下の弟妹は 18%であ り,生徒たちは,幼児と直接触れ合う機会が少ないのが現状である。また,幼稚園・保育所へア ン ケートを行った結果も,「園児は生徒との触れ合いをとてもよろこんでいる」と答えた園が多 か った。これらの意見からも,少子化に対応した教育のひとつとして,幼児と触れ合う体験が大 切 であると考える。幼児と触れ合う体験学習を多く取り入れ,幼児とのかかわりの中から,家族 や 家庭の基本的な機能や重要性を理解させたいと考え,ここでは,自分の幼児期を振り返りなが ら 幼児と触れ合う体験学習を行い,幼児の喜ぶおもちゃを製作し,製作したおもちゃを通しなが ら 一緒に遊ぶことにより,幼児とのかかわり方を工夫させる体験学習を取り入れた学習を考えた。 ま た,幼稚園・保育所等の幼児と触れ合う体験学習を多く設定することにより,幼児に対する興 味・ 関心を深め,生徒がより主体的な学習を進めることができると考え,本題材を設定した。 4,指導目標 (1)自分の成長と家族や家庭生活とのかかわりについて考えさせる。 (2)幼児の遊びの意義について考え,幼児の観察や遊び道具の製作ができるようさせる。 (3)幼児の心身の発達の特徴を知り,子どもが育つ環境としての家族の役割について考えさせ る。 5,指導計画 (1) 題材の指導計画(25時間) ① 自分の成長を振り返ろう 1時間 ・自分を見つめ自分史を作ろう (1) ② 遊びを通して幼児と触れ合おう 17 時間 ・コンピュータで幼稚園・保育所,幼児について知ろう (2) 本時 ・幼稚園・保育所を訪問して幼児と触れ合おう (2) ・観察したことを発表しよう (1) ・幼児の心身の発達の特徴と,幼児と遊びについて知ろう (2) ・ 幼児の喜ぶおもちゃを作ろう (6) 製作計画 1 製作 4 製作発表と課題をもとう 1 ・幼稚園・保育所を訪問して製作したおもちゃで遊ぼう (2) ・発表会 (2) ③ 家庭や家族の役割について考えよう 7時間 ・幼児と家族のかかわりを考えよう (2) ・家庭や家族の機能の変化を知ろう (1) ・自分と家族のかかわりを振り返ろう (1) ・家族の一員としてできることを考えよう (1) ・自分史をまとめよう (2) 6,生徒の実態 男子21名,女子19名,計40名の明るく,素直さの感じられるクラスである。特殊教育学 級に在籍している生徒が1名おり,技術・家庭科の授業は一緒に受けている。兄弟姉妹に幼児が いる生徒は少なく,幼児とふれあう経験が少ない生徒が多い。しかし,幼児とふれあう体験を希 望する生徒は多く,幼稚園に訪問することを楽しみにしている。また,手作りおもちゃで遊んだ 経験より,市販のおもちゃで遊んだ経験のほうが多い。日常生活のなかでもの作りの経験も少な い生徒が多いので,手作りおもちゃでもの作りの楽しさも経験させたい。コンピュータの基本的 な操作は小学校の総合的な学習で学習している。中学校においては,情報モラルやインターネッ トを利用した調べ学習,プレゼンテーションの学習を技術・家庭科の授業や,総合的な学習で行 い,ほとんどの生徒がコンピュータを使用できる。 7,本時の学習 (1)題 材 (2)場 所 (3)本時の目標 計画を立てる 。 幼稚園・保育所,幼児について知ろう 情報教育室 コンピュータを利用して幼児の特徴や幼稚園・保育所について知り,訪問 (4)展開 学 習 活 動 支援・指導上の留意点 評価の観点・資料等 導 1本時の目標を確認する。 ・コンピュータを使い乳幼児の生活や幼 ・コンピュータ 入 稚園・保育所について知ることに興味 ・ワークシート をもたせる。 2コンピュータを利用する ・使用上の注意事項を確認する。 上での約束を確認する。 ・ワークシートの利用方法を確認する。 ・コンピュータを起動させ 3コンピュータを起動させ ることができたか。 る。 4ソフトの基本操作を知 ・ソフトの起動状況を確認する。 ・ソフト 展 り,ソフトを起動させる ・ソフトウエアの使い方を確認する。 ・ワークシート 。 ・トップページの画面から,各自の興味 開 5トップページを表示しソ に応じて,どのコースから学習しても フトウエアの使い方をク よいことを確認する。 リックし確認する。 ・乳児期・幼児期の特徴を知ることが, ・乳児期・幼児期の特徴が ア 乳幼児の特徴コース 幼稚園・保育所訪問に必要なことに気 理解できたか。 ・からだの発育,運動機能 ・成長のあしあとのページ づかせる。 を表示し,各自の興味に ・からだの発育,運動機能・こころの発 ・こころの発達について理 応じて進みワークシート 達は,幼稚園・保育所で幼児の観察の 解できたか。 にまとめる。 ポイントになることに気づかせる。 ・幼児の生活習慣の特徴に ・社会的生活習慣は,家族だけでなく幼 ついて理解できたか。 稚園・保育所等で身につけていくこと ・ 幼児の遊びの特徴につ いて理解できたか。 を理解させる。 ・自分の幼児期に遊んだおもちゃを思い ・おもちゃと遊びの特徴に 出しながら,おもちゃと遊びの特徴に ついて理解できたか。 ついて理解させる。 ・自分の幼児期を思い出し幼児と家族の ・幼児と家族のかかわりに ついて理解できたか。 かかわりの大切さに気づかせる。 ・幼稚園・保育所の簡単な違いについて ・幼稚園・保育所の違いに イ 幼稚園・保育所コース 理解させ,自分の訪問する所の特徴に ついて理解できたか。 ・幼稚園・保育所の1日の ・幼稚園・保育所について ついて気づかせる。 のページをを表示し,各 ・幼稚園・保育所のWebページにリン ク 生活について理解できた 自の興味に応じて進みワ し1日の生活になど,詳しい情報が 得 か。 ・Webページから,情報を ークシートにまとめる。 られることに気づかせる。 ・幼稚園・保育所から実際に寄せられた 得ることができたか。 6幼稚園・保育所を訪問計 要望や注意点であることを補足する。 ・幼稚園・保育所の訪問の 画をワークシートに立て ・コンピュータのソフトで必要な部分を 際の注意点について理解 することができたか。 る。 確認させたり,印刷させる。 ・往復の安全面について確認させる。 ・訪問計画を立てることが できたか。 ・往復の安全面について確 認できたか。 ・コンピュータの終了状況を確認する。 ・コンピュータを閉じるこ とができたか。 7コンピュータを閉じる。 ま 8 本時の反省をする ・次時の学習の説明をする。 と ・ふりかえりカードに記入 め し,学習の反省を行う。 ・ふりかえりカード ・必要な情報を確認できた か。 ・訪問に興味を持つことが できたか。 コンピュータを活用した学習について 体験学習を多く行うためにコンピュータを活用した教材は,限られた時間を有効に使い学習を進 めることができるだけでなく,「幼稚園・保育所等の体験学習の際には,乳幼児の発達段階や訪問 時 の注意事項等について理解してきて欲しい」という幼稚園・保育所等の要望を生徒に具体的に知 ら せることもできると考えコンピュータソフトの開発も行った。 幼稚園・保育所の要望より第1回目の幼児と触れ合う体験学習の事前学習では,コンピュータソ フトを活用して幼稚園・保育所,幼児について学習する計画を立てた。コンピュータソフトを利用 し た学習は,生徒一人一人の興味や関心に応じて学習を進めることができ,さらにインターネット を 利用して幼稚園や保育所の Web ページを見ることにより、身近な園や所の情報を知ることもで き, 幼稚園・保育所等で体験活動を行う際の事前学習に,より有効に活用できると考える。 おもちゃの製作について また,生徒が幼児の時に遊んだおもちゃについてアンケートを行ってみると,ほとんどの生徒が 市販のおもちゃで遊んでいた。現代の幼児を取り巻く大人たちの生活は多忙であり,おもちゃを買 い 与えることが多いのではないかと考えられる。そこで,おもちゃの製作を通して幼児について理 解 を深めるだけでなく,幼児と家族のふれあいについても考えさせたい。おもちゃの製作にあたり 自 然の素材や,身近な材料を活用する際,日本の昔からの伝承遊びを参考し,アメリカの自然の素 材 を生かしたぬいぐるみを製作し,環境にやさしいおもちゃ作りも考えるなかで,消費者教育や環 境 教育についても考えさせたい。 第1回目の体験学習で,幼児と触れ合う中で対象児を決定し,対象児にあったおもちゃを製作し, そのおもちゃを使って幼児をどのように遊ばせるかを課題とし,第2回目の体験学習では製作した おもちゃで幼児と一緒に遊ぶことにより,生徒に自分自身の課題を解決させたいと考えた。
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