一般用医薬品のインターネット販売に関するガイドライン (安全性確保のための方策) 特定非営利活動法人日本オンラインドラッグ協会 2014年6月 12 日 1 はじめに 一般用医薬品のインターネット販売の安全性を担保するためには、インターネット販 売に関わる薬局又は店舗が取組むべき対策を明確にする必要があります。 薬局・薬店の開設許可等の一般用医薬品の販売関連許可を取得しインターネット販売 を行う薬局及び店舗から構成される団体である特定非営利活動法人日本オンラインドラ ッグ協会は、今回、販売許可を有する薬局及び店舗がインターネット販売を行う場合に 遵守するべきと考えるガイドラインを策定しましたので、ここに公表します。なお、本 内容は、厚生労働省主催の検討会「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」にお いて当団体が提示した業界ルール案(2009 年2月)やIT戦略本部専門調査会報告書 (2011 年3月)の販売ルール案、さらには当団体が参加した「一般用医薬品の販売ルー ル策定作業グループ(2013 年8月) 」での議論を参考に、当該厚生労働省主催検討会等 で関係者からご指摘をいただいた懸念事項等へも具体的な対応が可能となるよう検討い たしました。 2014 年 6 月 12 日に施行される「薬事法の一部を改正する法律(以下、 「新法」)」 、 「薬 事法施行令の一部を改正する政令」及び「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」は、 2006 年以降、当協会が改定を重ねた自主ガイドラインの内容がほぼ反映されたものとな っていますが、一方で、細かい運用部分については解釈の余地もあり、すでに自治体単 位で対応・指導が異なっている部分もみうけられます。本ガイドラインでは、施行通知 の内容ベースに解釈の余地が残る項目について、具体的な運用場面での対応方針をまと めております。 (当協会による注釈については、四角枠で囲って示しております) 施行通知に加えて、より安全な医薬品販売を目指すため、日本オンラインドラッグ協 会が独自に、追加で規定した項目については最終章にて整理しております。 今後も、客観的証拠に基づく科学的視点から一般用医薬品の情報提供のあり方を評価 しつつ、店頭販売又は通信販売を問わず、販売経路全体にわたって薬局又は店舗で最善 の医薬品販売体制を確立するという観点から必要な見直しを行っていくこととします。 2 1 店舗構造・設備・開店時間等の要件 薬局又は店舗は、その店舗構造・設備・開店時間等について次の事項を満たしていなけ ればならないものとします。 (店舗構造) 購入者が容易に出入りできる構造であり、薬局又は店舗であることがその外観から明ら かであること。 ※ ここでいう容易に出入りできる構造であるとは、薬局又は店舗への出入りのた めの手続に十数分もかかるものであってはならないこと。また、薬局又は店舗 である旨がその外観から判別できない薬局又は店舗や、通常人が立ち寄らない ような場所に敢えて開設した薬局又は店舗等、実店舗での対面による販売を明 らかに想定していないような構造は認められないこと。 (設備) テレビ電話等、都道府県知事等又は厚生労働大臣が、インターネット販売の実施方法に 関する適切な監督を行うために必要な設備を備えていること。 ※ 開店時間外にインターネット販売のみを行っている営業時間がある場合に、イ ンターネット販売の実施方法を適切に監督する観点から、テレビ電話のほか、 画像又は映像をパソコン等により都道府県等の求めに応じて直ちに電送できる 設備(都道府県知事等が認めるものに限る。)を整備すること。なお、開店時間 外にインターネット販売のみを行う営業時間がない場合は、この限りでないこ と。 (開店時間) 省令で求められる開店時間の規定を満たすこと ※ 一般用医薬品のインターネット販売を行う場合、その開店時間の1週間の総和 が 30 時間以上であり、そのうち、深夜(午後 10 時から午前5時まで)以外 の開店時間の一週間の総和が 15 時間以上であることを目安とすること。 ※ 第1類医薬品を販売する場合、 「第1類医薬品を販売・授与する開店時間の1週 間の総和」が、 「要指導医薬品又は一般用医薬品を販売・授与する開店時間の1 週間の総和」の2分の1以上であること。 3 2 一般用医薬品の販売、情報提供等 薬局又は店舗は、一般用医薬品の販売・情報提供等について、リスク区分に応じ、別表 の事項を満たしていなければならないものとします。 (一般用医薬品の販売) 薬局又は店舗は、以下に掲げる方法により、一般用医薬品の販売又は授与を行います。 第1類医薬品 第 2 類及び第 3 類医薬品 その薬局/店舗において医薬品の販 その薬局/店舗において医薬品の販 売・授与に従事する薬剤師に販売・ 売・授与に従事する薬剤師又は登録 授与させなければならない 販売者に、販売・授与させなければ ならない (ア) 新法第 36 条の 10 第1項の規定 による情報の提供を受けた者が当 該情報の提供の内容を理解したこ ― と及び質問がないことを確認した 後に、販売・授与させること。 (イ) 第1類医薬品を購入し、又は譲り受 第2類医薬品又は第3類医薬品を けようとする者から相談があった 購入し、又は譲り受けようとする者 場合には、新法第 36 条の 10 第5 から相談があった場合には、新法第 項の規定による情報の提供を行っ 36 条の 10 第5項の規定による情 た後に、その第1類医薬品を販売・ 報の提供を行った後に、その第2類 授与させること。 医薬品又は第3類医薬品を販売・授 与させること。 (ウ) 第1類医薬品を販売・授与した薬剤 第2類医薬品又は第3類医薬品を 師の氏名、当該薬局又は店舗の名称 販売・授与した薬剤師又は登録販売 及び当該薬局又は店舗の電話番号 者の氏名、当該薬局又は店舗の名称 その他連絡先を、その第1類医薬品 及び当該薬局又は店舗の電話番号 を購入し、又は譲り受けようとする その他連絡先を、その第2類医薬品 者に伝えさせること。 又は第3類医薬品を購入し、又は譲 り受けようとする者に伝えさせる こと。 ただし 登録販売者又は一般従事者は、第1 一般従事者は、第2類医薬品又は第 類医薬品の代金の精算等、必ずしも 3類医薬品の代金の精算等、必ずし 薬剤師が行う必要のない業務に限 も薬剤師又は登録販売者が行う必 り行うことが可能 要のない業務に限り行うことが可 能 4 (販売した薬剤師等の情報を伝達する方法) 薬局又は店舗は、医薬品を販売・授与した薬剤師又は登録販売者の氏名、当該薬局 又は店舗の名称及び当該薬局又は店舗の電話番号その他連絡先を購入者へ伝達する ことが義務付けられています。その専門家の氏名は管理者ではなく、その医薬品を 販売又は授与した専門家の名前を伝達することとします。伝達の方法・タイミング については、出荷完了メールに記載・配送時に必要情報を記載した書面を同梱等す るなど、購入者にわかりやすい方法をとることとします。 (一般用医薬品の情報提供等) 薬局又は店舗は、一般用医薬品の適正な使用のため、医薬品を販売・授与する場合に は、必要な情報の提供を、次のアからカまでに掲げる方法により、その薬局又は店舗に おいて医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に行わせます。 第 1 類医薬品 第 2 類医薬品 第 3 類医薬品 義務※ 努力義務 望ましい ア 当該薬局又は店舗内の情報の提供を行う場所において行わせること。 イ 当該医薬品の用法、用量、使用上の注意、当該医薬品と併用を避けるべき医薬品 その他の当該医薬品の適正な使用のため必要な情報を、当該医薬品を購入し、若 しくは譲り受けようとする者又は当該医薬品を使用しようとする者の状況に応 じて個別に提供させること。 ウ 当該医薬品の副作用その他の事由によるものと疑われる症状が発生した場合の 対応について説明させること。 エ 情報の提供を受けた者が当該情報の提供の内容を理解したこと及び質問の有無 について確認させること。 オ 必要に応じて、医師又は歯科医師の診断を受けることを勧めさせること。 カ 当該情報の提供を行った薬剤師又は登録販売者の氏名を伝えさせること なお、医薬品の適正な使用のため、その薬局又は店舗において医薬品の販売・授 与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要に応じて、他の医薬品の使用を勧め させることが望ましい。 ※ 第1類医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者から説明を要しない旨の意思の表明 があった場合であっても、その薬局又は店舗において医薬品の販売・授与に従事する薬 剤師が、第1類医薬品が適正に使用されると認められると判断した場合でなければ、必 要な情報の提供を当該薬剤師に行わせなければならない。 ※ イについて、インターネット販売を行う場合に、当該第1類医薬品を購入し、若しくは 譲り受けようとする者からの連絡に対して、電子メール等を自動で返信したり、一律に 一斉送信したりすることのみをもって行うことは、当該第1類医薬品を購入し、若しく 5 は譲り受けようとする者又は当該第1類医薬品を使用しようとする者の状況に応じた個 別の情報提供とは認められない。 (第 1 類医薬品販売の購入者の理解確認の催促) 薬局又は店舗は、第 1 類医薬品販売において、情報の提供を受けた者が当該情報の 提供の内容を理解したこと及び質問の有無について確認することが義務付けられて いますが、長期にわたり購入者から確認した旨の連絡がなかった場合に、催促の連 絡をすることは差し支えないものとします。なお、その催促は薬剤師以外の一般従 事者でも行えることとします。ただし、確認までの期限を決めて、確認の連絡がな かった場合は購入者が理解したとみなすことは認められないこととします。 (情報提供の項目) 次のアからカまでに掲げる事項の情報の提供を行います。 第 1 類医薬品 ※ 書面 ・義務 第 2 類医薬品 第 3 類医薬品 努力義務 望ましい ア 当該医薬品の名称 イ 当該医薬品の有効成分の名称及びその分量 ウ 当該医薬品の用法及び用量 エ 当該医薬品の効能又は効果 オ 当該医薬品に係る使用上の注意のうち、保健衛生上の危害の発生を防止するた めに必要な事項 カ その他当該医薬品を販売・授与する薬剤師がその適正な使用のために必要と判 断する事項 ※ 当該事項が電磁的記録に記録されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙 面又は出力装置の映像面に表示する方法により表示したものを用いることも認められる。 (情報提供に当たって情報収集・確認する事項) 薬局又は店舗は、必要な情報の提供を行わせるに当たっては、当該情報の提供を行う薬 剤師又は登録販売者に、当該医薬品の特性等を踏まえ、あらかじめ、購入者から、次の アからサまでに掲げる事項を確認させます。 第 1 類医薬品 第 2 類医薬品 第 3 類医薬品 義務※ 努力義務 望ましい ア 年齢 イ 他の薬剤又は医薬品の使用の状況 6 ウ 性別 エ 症状 オ エの症状に関して医師又は歯科医師の診断を受けたか否かの別及び診断を受け たことがある場合にはその診断の内容 カ 現にかかっている他の疾病がある場合は、その病名 キ 妊娠しているか否かの別及び妊娠中である場合は妊娠週数 ク 授乳しているか否かの別 ケ 当該医薬品に係る購入、譲受け又は使用の経験の有無 コ 調剤された薬剤又は医薬品の副作用その他の事由によると疑われる疾病にかか ったことがあるか否かの別並びにかかったことがある場合はその症状、その時 期、当該薬剤又は医薬品の名称、有効成分、服用した量及び服用の状況 サ その他新法第 36 条の 10 の規定による情報の提供を行うために確認が必要な 事項 ※ 例えば、これらの事項に該当しないことを一括して当該第1類医薬品を購入し、又は譲 り受けようとする者に確認させることは認められないこと。 ※ サの確認に当たり、インターネットを用いる場合には、当該第1類医薬品を購入し、又 は譲り受けようとする者が懸念している点等の情報が幅広く得られるよう、当該購入者 等が自由に記載できる欄を設けるなどの対応を行うこと。 (指定第 2 類医薬品の注意喚起) 薬局又は店舗は、指定第2類医薬品を販売・授与する場合は、当該指定第2類医薬品を 購入し、又は譲り受けようとする者が「当該指定第 2 類医薬品の禁忌を確認すること及 び当該指定第 2 類医薬品の使用について薬剤師又は登録販売者に相談することを勧める 旨」を確実に認識できるようにするために必要な措置を講じなければならなりません。 例えば、指定第2類医薬品の添付文書中の「使用上の注意」のうち、 「してはいけない こと」に関する情報について、ポップ表示(インターネットを用いる場合においてはポ ップアップ表示等)等の掲示物や口頭等により、当該医薬品を購入し、又は譲り受けよ うとする者に対して注意を促す措置を講じることが考えられます。 (注意喚起の方法について) 薬局又は店舗は、指定第2類医薬品の添付文書中の「使用上の注意」のうち、 「しては いけないこと」に関する情報について、ポップ表示(インターネットを用いる場合に おいてはポップアップ表示等)等の掲示物や口頭等により、当該医薬品を購入し、又 は譲り受けようとする者に対して注意を促す措置を講じることが義務付けられていま すが、ポップアップ表示に限らず、注意喚起のためのページを挟むことや、赤枠で表 記するなど、購入者の注意を引く工夫を凝らすこととします。 7 (相談があった場合の対応) 薬局又は店舗は、一般用医薬品の適正な使用のため、その薬局又は店舗において当該一 般用医薬品を購入しようとする者又は購入された当該一般用医薬品を使用する者から相 談があった場合には、次のアからカまでに掲げるところにより、その薬局又は店舗にお いて医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に、必要な情報を提供させな ければなりません。 ア 第1類医薬品の情報の提供については、その薬局において医薬品の販売・授 与に従事する薬剤師に行わせること。 イ 第2類医薬品又は第3類医薬品の情報の提供については、その薬局において 医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者に行わせること。 ウ 当該一般用医薬品の使用に当たり保健衛生上の危害の発生を防止するために 必要な事項について説明を行わせること。 エ 当該一般用医薬品の用法、用量、使用上の注意その他の当該医薬品の適正な 使用のために必要な情報を、その薬局において当該一般用医薬品を購入し、 若しくは譲り受けようとする者又はその薬局において当該一般用医薬品を購 入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によって購入され、若しく は譲り受けられた当該一般用医薬品を使用する者の状況に応じて個別に提供 させること。 オ 必要に応じて、当該一般用医薬品を使用しようとする者が医師又は歯科医師 の診断を受けることを勧めさせること。 カ ※ 当該情報の提供を行った薬剤師又は登録販売者の氏名を伝えさせること。 薬局開設者又は店舗販売者は、一般用医薬品のインターネット販売を行う場合において は、当該一般用医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は当該一般用医薬品を 購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によって購入され、若しくは譲り受け られた当該一般用医薬品を使用する者が⑦の情報の提供を対面又は電話により行うこと を希望する場合は、その薬局において医薬品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売 者に、対面又は電話により、当該情報の提供を行わせなければならない。 3 店舗・サイト上の掲示 (店舗及びサイトにおける掲示) 薬局又は店舗は、以下の事項を薬局又は店舗の見やすい場所に掲示板・印刷物等により 掲示しなければならないものとします。以下事項は、インターネット販売を行うサイト にも同様に掲示しなければならないものとします。 8 ① 薬局又は店舗の管理及び運営に関する事項 ア 許可の区分の別(薬局又は店舗販売業である旨) イ 薬局開設者又は店舗販売業者の氏名又は名称その他の薬局開設又は店舗販売業 の許可証の記載事項 ウ 薬局の管理者又は店舗管理者の氏名 エ 当該薬局又は店舗に勤務する薬剤師又は登録販売者の別、その氏名及び担当業 務 オ 取り扱う要指導医薬品及び一般用医薬品の区分 カ 当該薬局又は店舗に勤務する者の名札等による区別に関する説明 キ 営業時間、営業時間外で相談できる時間及び営業時間外で医薬品の購入又は譲 受けの申込みを受理する時間 ク 相談時及び緊急時の電話番号その他連絡先 ※ エの当該薬局又は店舗に勤務する薬剤師又は登録販売者については、その営業 時間において、現に勤務している者がわかるように表示するよう努めること。 ※ キの営業時間については、要指導医薬品若しくは一般用医薬品を販売・授与す る営業時間又は要指導医薬品若しくは第1類医薬品を販売・授与する営業時間 が、薬局又は店舗全体の営業時間と異なる場合には、その旨がわかるように表 示すること。 ② 要指導医薬品及び一般用医薬品の販売に関する制度に関する事項 ア 要指導医薬品、第1類医薬品、第2類医薬品及び第3類医薬品の定義並びにこ れらに関する解説 イ 要指導医薬品、第1類医薬品、第2類医薬品及び第3類医薬品の表示に関する 解説 ウ 要指導医薬品、第1類医薬品、第2類医薬品及び第3類医薬品の情報の提供及 び指導に関する解説 エ 要指導医薬品の陳列等に関する解説 オ 指定第2類医薬品の陳列(インターネット販売を行うことについて広告をする 場合は、当該広告における表示。キにおいて同じ。 )等に関する解説 カ 指定第2類医薬品を購入し、又は譲り受けようとする場合は、当該指定第2類 医薬品の禁忌を確認すること及び当該指定第2類医薬品の使用について薬剤師 又は登録販売者に相談することを勧める旨 キ 一般用医薬品の陳列に関する解説 ク 医薬品による健康被害の救済に関する制度に関する解説 ケ 個人情報の適正な取扱いを確保するための措置 コ 苦情相談窓口等その他必要な事項 9 ※ コのその他必要な事項とは、苦情相談窓口(業界団体や、医薬品販売業の許認 可権限を有している都道府県等に設置されるもの)に関する事項等であること。 (サイトにおける掲示) 薬局又は店舗は、インターネット販売を行うことについて広告をする場合、以下の事項 をサイトに掲示しなければならないものとします。 ① 薬局又は店舗の主要な外観の写真 ② 一般用医薬品の陳列の状況を示す写真 ③ 現在勤務している薬剤師又は登録販売者の別及びその氏名 ④ 開店時間とインターネット販売を行う時間が異なる場合は、その開店時間及び特 インターネット販売を行う時間 ⑤ インターネット販売を行う薬局製造販売医薬品又は一般用医薬品の使用期限 ※ 電話での販売のみを行い、特定販売を行うことについて広告をしない場合は、 「店舗 及びサイトにおける掲示」又は「サイトにおける掲示」③から⑤までの事項につい ては、その薬局において一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬であ るものを除く。)の購入者からの求めに応じて、電話により口頭で伝達すること。 (薬剤師又は登録販売者の氏名の掲示方法) 薬局又は店舗は、現在勤務している薬剤師又は登録販売者の別及びその氏名をサイ トに掲示しなければなりませんが、勤務シフト表等を表示する方法によることでも 差し支えないものとします。 (使用期限の表示方法) 薬局又は店舗は、表示された使用の期限を超過した医薬品を、正当な理由なく、販 売してはならないものとします。その使用期限については、全ての品目の使用期限 を表示する方法に限らず、使用期限までの期間が最短の品目の使用期限を表示し一 括で伝えるなど、購入者にわかりやすく伝えることとします。 4 医薬品販売の記録保存 薬局又は店舗は、医薬品を販売した際に購入者の連絡先を書面・電磁的書面等に記載し、 保存するよう努めなければならないものとします。 (医薬品に関する記録保存) 10 薬局又は店舗は、医薬品を販売した際に以下の事項を書面・電磁的記録等に記載し、2 年間保存します。 第 1 類医薬品 第 2 類医薬品 第 3 類医薬品 義務 義務※ 義務※ ア 品名 イ 数量 ウ 販売・授与の日時 エ 販売・授与した薬剤師又は登録販売者の氏名並びに情報の提供を行った薬剤師又 は登録販売者の氏名 オ 医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、情報の提供の内容を理解したこ との確認の結果 (第 2 類・第 3 類医薬品に関する記録保存の義務化) ※ 一般用医薬品を販売した際に、品名 ・数量 ・販売日時・販売した薬剤師の氏名等の 事項を書面・電磁的書面等に記載し 2 年間保存することについて、法令では、第 1 類 医薬品は義務、第 2 類・第 3 類医薬品は、努力義務となっていますが、当協会では、 第 2 類・第 3 類医薬品についても義務とします。 特に指定第 2 類医薬品には、濫用のおそれのある医薬品も含まれており、その販売 記録の保存が重要となります。 5 濫用等のおそれのある医薬品の販売等 薬局又は店舗は、濫用等のおそれのある医薬品を販売する際は、その薬局において医薬 品の販売・授与に従事する薬剤師又は登録販売者が、適正な使用のために必要と認めら れる数量に限り、次の事項を確認して、販売しなければならないものとします。 ア 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が若年者(高校生、中学生等) である場合は、当該者の氏名及び年齢 イ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者及び当該医薬品を使用しようと する者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び 当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入又は譲受けの状況 ウ 当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、適正な使用のために必要と 認められる数量を超えて当該医薬品を購入し、又は譲り受けようとする場合は、 その理由(原則として一人一包装単位(一箱、一瓶等) ) エ その他当該医薬品の適正な使用を目的とする購入・譲受けであることを確認する 11 ために必要な事項 (濫用等のおそれのある医薬品の販売時の年齢確認) 薬局又は店舗は、濫用等のおそれのある医薬品の若年者(高校生、中学生等)へ販 売する際は、購入者の氏名及び年齢を確認して販売しなければならないものとしま す。その確認方法は、購入者に生年月日や年齢を申告させるなど、各店で工夫を凝 らすこととします。 (その他の濫用防止策) 薬局又は店舗は、濫用等のおそれのある医薬品に関する上記の取組みに加え、医薬 品そのもの濫用を防止するため、医薬品に応じて販売個数を制限したり、インター ネットのトレーサビリティを活用して、薬剤師又は登録販売者が購入履歴から販売 状況をモニターし、不適正な使用のおそれがある購入者を確認した場合は注意を促 す等の取り組みを行います。 6 その他の事項 (名称) 薬局又は店舗の名称については、許可証に記載している薬局又は店舗の正式な名称を表 示することとします。ただし、その略称や、インターネットモール事業者の名称をそれ に併記することは差し支えないこととします。 (略称等の表示方法) 薬局又は店舗の名称については、購入者がどこの店舗から購入したのかがわかるよ うに、ホームページ上でわかりやすく表示されている必要があるため、薬局等の正 式な名称の文字の大きさは、略称等よりも大きいか、又は同じである必要がありま す。 (ロゴマーク等の表示方法) 店舗の正式な名称や略称のほかに、それが店舗名であるとの誤解を購入者に与えな いような「ロゴマーク」や「シンボルマーク」を表示併記することは差し支えませ んが、薬局・薬店の正式名称が「ロゴマーク」等に紛れることなく見やすいように 表示することとします。 12 (連絡先の表示方法) 薬局又は店舗の相談時及び緊急時の電話番号その他連絡先については、購入者が一般用 医薬品の製造販売業者の相談窓口等へ誤って連絡することがないよう、当該薬局又は店 舗の連絡先を分かりやすく表示しなければならないものとします。 (厚生労働省のホームページからのリンク) 薬局又は店舗は、そのホームページから、厚生労働省のホームページのうち、主たるホ ームページアドレスの一覧を掲示しているページへのリンクを張ることが望ましいこと とします。 (使用期限を経過した医薬品の販売の禁止) 薬局又は店舗は、表示された使用の期限を超過した医薬品を、正当な理由なく、販売し てはならないものとします。 (競売の禁止) 薬局又は店舗は、インターネットオークション等、医薬品を競売に付してはならないこ ととします。 (口コミの禁止) 薬局又は店舗は、医薬品の使用が不適正なものとなる恐れがあるため、医薬品を使用し た者による意見(いわゆる「口コミ」等)を表示してはならないものとします。 (レコメンドの禁止) 薬局又は店舗は、ホームページの利用の履歴等の医薬品の購入に関する情報に基づき、 自動的に特定の医薬品を勧誘すること(いわゆる「レコメンド」 )はしてはならないもの とします。 (薬局に貯蔵・陳列している医薬品販売の義務) 薬局又は店舗は、当該薬局に貯蔵・陳列している一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品 (毒薬及び劇薬であるものを除く。 )を販売・授与しなければならないこととします。 13 (薬局又は店舗に貯蔵・陳列している医薬品販売の義務) 医薬品を貯蔵・陳列している場所と医薬品を販売する場所、及び専門家が情報提 供を行う場所は一致している必要があります。 よって、薬局又は店舗に貯蔵・陳列している医薬品とは、薬局又は店舗に在庫し ている医薬品を指し、製薬会社等から購入者に直送されることや、系列他店から購 入者に配送されることは認められないこととします。 ただし、購入者から注文を受けた後に、製薬会社等から薬局又は店舗に当該医薬 品が卸され、その後購入者に配送されることは認められることとします。 (医薬品区分の表示方法) 薬局又は店舗は、第1類医薬品、第2類医薬品、指定第2類医薬品、第3類医薬品及び 薬局製造販売医薬品の区分ごとに表示することとします。 ※ ただし、インターネットを利用する場合は、そのホームページで区分ごとに表示す る措置を確保した上であれば、検索結果等においてまで区分ごとに表示する必要は ないが、検索結果等として表示された医薬品の区分が明確に分かるよう表示させる こと。 (閲覧にパスワードが必要なホームページの義務) 薬局又は店舗は、そのホームページを閲覧するために、パスワード等が必要な場合には、 所管する都道府県等及び厚生労働省がホームページを閲覧することができるよう、当該 パスワード等を、許可申請や変更届出の際に、所管する都道府県等へ届け出ることとし ます。 (ホームページの内容に関する管理者の責任) 薬局又は店舗はそのホームページの内容、構成等は、当該広告を行う薬局又は店舗の管 理者の管理業務であることとします。 (広告文責) 薬局又は店舗のウェブサイト上に掲載される内容は、当該薬局又は店舗の薬剤師 又は登録販売者が事前に確認したうえで文責者の氏名及び資格の種類を明記するも のとし、必要に応じてその他に注意を要すべき事項等を追記することとします。 (医薬品の貯蔵、陳列、搬送等に関する管理者の責任) 薬局又は店舗はその 医薬品の貯蔵、陳列、搬送等については、当該医薬品を販売・授与 14 する薬局又は店舗の管理者の管理業務であることとします。 (医薬品の搬送方法) 薬局又は店舗は、インターネットで販売した商品を自ら又は配送業者に委託して 搬送する場合、梱包や配送温度等、その医薬品の品質を維持するために必要な対応 を行うものとします。 (個人情報の適切な取り扱い) 薬局または店舗は、販売記録等の個人情報については、個人情報の保護に関する法律(平 成 15 年法律第 57 号)及び「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱い のためのガイドライン」(平成 16 年 12 月 24 日付け医政発第 1224001 号・薬食発 第 1224002 号・老発第 1224002 号厚生労働省医政局長・医薬食品局長・老健局長通 知別添)に従い、適切に取り扱うこととします。 (変更届について) 薬局又は店舗は、インターネット販売の実施の有無、及び薬局開設時に申請した内容を 変更しようとするときは、あらかじめ、所定の届書を、その薬局又は店舗の所在地の都 道府県知事等に提出しなければならないこととします。 (手順書への記載) 薬局又は店舗は、医薬品の貯蔵、陳列、搬送等の手順についても、新体制省令1第1条第 2項第3号に規定する業務に関する手順書に記載することとします。 (研修) 薬局又は店舗は、医薬品の販売業務に係る適正な管理を確保するため、指針の策定、従 事者に対する研修の実施(インターネット販売に関する研修を含む)その他必要な措置 が講じる必要があります。 (インターネットモール事業者の協力) 26 年厚生労働省令第8号。 )による改正 後の薬局並びに店舗販売業及び配置販売業の業務を行う体制を定める省令(昭和 39 年厚生 省令第3号。) 1「薬事法施行規則等の一部を改正する省令」 (平成 15 薬局または店舗を出店させているインターネットモール事業者は、新法の規定に違反す るおそれのある事業者による医薬品のインターネット販売や、同法及び麻薬及び向精神 薬取締法(昭和 28 年法律第 14 号)等の規定に違反した、又は違反するおそれのある 医薬品がインターネット上で販売・授与されないよう、国及び都道府県等とも連携して、 必要な取組を行うことが望ましいこととします。 16 7 JODA 独自の規定 設立時より、消費者がインターネットを利用して安心・安全・便利に医薬品を購入でき る環境を整備・維持し、広く公益の増進を目指してきた当協会として、施行通知にさら に加えて注意すべき事項を以下に追加しております。 (未承認医薬品販売の禁止) 薬局又は店舗は、未承認医薬品の広告・販売は行いません。 (副作用情報の活用) 薬局又は店舗は、副作用情報の分析及び有効活用を行う体制の充実に貢献するため、副作用 関連情報の積極的な把握及び収集に努めるとともに、厚生労働省、地方公共団体関係部局及 び医薬品医療機器総合機構へ副作用関連情報を積極的に報告するよう努めることとします。 (トレーサビリティの活用) 薬局又は店舗は、安全な医薬品流通体制の整備に寄与するため、特に医療医薬品から一般用 医薬品へスイッチされてまもない医薬品の製造販売後調査等に協力すべく、インターネット のトレーサビリティを活用し、販売後の副作用情報等の収集・提供に努めることとします。 (通報窓口の設置) 薬局又は店舗は、ホームページ上で、全国の各自治体における一般用医薬品販売制度に係る 苦情・相談窓口や当協会が設置する不適切販売通報窓口へのリンクを貼る、自ら通報窓口を 設置する等、一般用医薬品の不適切な販売にかかる苦情相談や通報を受け付ける体制の整備 に努めることとします。 (一般用医薬品の適正な使用のための啓蒙活動) 薬局又は店舗は、一般用医薬品の適正な使用のための啓蒙活動に協力するため、厚生労働省 の「おくすりe情報」のウェブサイトへリンクをはる、メルマガにより購入者への必要な情 報提供を行う等の措置を講ずるよう努めることとします。 17
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