情報と人間 Nr. 13

情報と人間
Nr. 13
小堀
「情報技術と社会」
1.科学・技術と社会
人類の歴史上,科学や技術は人間や社会に大きな影響を与えてきた.
(例:核兵器,環境汚染,遺伝子操作…)
情報技術も例外でない.
(例:印刷技術,放送,コンピュータ,インターネット)
→情報技術が社会に与える影響を理解しておく必要がある.
→そのためには情報技術そのものの理解も必要.
2.情報技術の変化とその影響
1960 年代~1970 年代
巨大データベース,大規模計算
→権力の集中,プライバシー保護の問題
1980 年代
コンピュータの小型化,コンピュータ産業の誕生
→ソフトウェアの所有権の問題
→人工知能やロボットの社会への影響の問題
1990 年代以降
インターネットの普及
→プライバシーの問題,所有権の問題の拡大
インターネット技術による変化
ホストコンピュータによる管理から
ネットワーク中心の世界へ
4つの変化
場所の制約からの解放
時間の制約からの解放
経路の制約からの解放
輸送コストがほぼゼロ
→地理的要素に依存しないコミュニケーション
既存の社会構造への影響
税制や法への影響
経済への影響
情報検閲の問題
宗教や文化への影響
技術領域を越えた問題が発生
→新たな社会規範(法,倫理)の形成が必要
聡
3.情報技術に固有な問題
無形性と複製可能性
→所有概念や権利概念への影響
グローバル性と匿名性
→プライバシーやセキュリティの問題
所有概念や権利概念への影響
コンピュータプログラムの著作権
→プログラムの定義が必要(著作権法)
ディジタルコンテンツの著作権
→電子媒体の所有は保有の概念があいまい
プライバシーやセキュリティの問題
プライバシーの問題
→個人情報の保護の問題
→個人情報保護法
セキュリティの問題
→機密性,完全性,使用可能性
→不正アクセス防止法
→セキュリティ確保のための技術
例:個人認証技術,暗号化技術,公開鍵暗号方式,電子署名
4.情報技術と社会との関係
民主主義の基盤となるか?
「情報は力なり」か?
弱者に力を与えるか?
セキュリティとプライバシーが相反する場合
ディジタルデバイド(情報格差)の問題
情報倫理の問題
情報リテラシーの問題
→ネット検索,ワードやエクセルがリテラシーではない