close

Enter

Log in using OpenID

5.3 シミュレーションに用いたモデルの再現性

embedDownload
5.3 シミュレーションに用いたモデルの再現性
5.3
シミュレーションに用いたモデルの再現性
本節では、1980~1999年における気象官署、アメダスの観測値とシミュレーションにおける格子点
値を比較して、東北地方及び各県におけるモデルの再現性を確認する。
5.1.2で述べたとおり、シミュレーション結果を評価する際は、再現性の確認を実施した結果、以下
の①、②について問題がある場合は、評価する領域が狭すぎる、もしくは対象現象の事例が少なすぎ
る等により、気候変動のシグナルを的確に捉えることができない可能性があり、シミュレーション結
果の解釈に注意が必要である。
①周辺やより広域と比較してバイアスの傾向に大きな矛盾がないか
②バイアスの絶対値が周辺やより広域と比較して不自然に大きな値となっていないか
なお、全国的な傾向との整合性を確認するため、地球温暖化予測情報第8巻に掲載されている全国及
び北日本日本海側、北日本太平洋側のバイアス値も併記している。
また、本節におけるバイアスの表記基準は、表5.3-1のとおりである。
表5.3-1 バイアスの表記基準
基準
本稿での表記
系統誤差の地域平均がアメダス
観測値の地点間の標準偏差以上
の場合
「正(負)のバイアスがある」
同未満の場合
「明確なバイアスはない」
「正(負)のバイアスが見られるが、偏差のばらつきも大きい」
5.3.1 気温の再現性
平均気温では、各地域と宮城県を除く各県で、年と春、秋、冬に負のバイアスがあり、冬の負のバ
イアスがやや大きい。宮城県では年と春、秋で明確なバイアスはない一方で夏に正のバイアスがある
が、傾向は他と一致している。全国及び北日本と比較してバイアスの傾向に大きな矛盾は無い。また、
特に不自然に大きなバイアスは見られない。
表5.3-2 東北地方の平均気温の再現性比較(地域気候モデルの値から観測値を引いたもの)
バイアスの地域平均、括弧内は地点間の標準偏差を示す。単位は℃である。正(負)のバイアスがある(バイア
スの絶対値が標準偏差以上)場合、オレンジ色(水色)に塗りつぶしている。
全国
年
-0.97(0.43)
春
-0.80(0.74)
夏
-0.16(0.65)
秋
-0.92(0.46)
冬
-2.00(0.92)
北日本日本海側
-0.85(0.44)
-0.71(0.88)
0.21(0.85)
-0.87(0.61)
-2.02(0.97)
北日本太平洋側
-0.64(0.46)
-0.39(0.85)
0.86(0.89)
-0.61(0.65)
-2.41(1.03)
東北地方
東北日本海側
-1.0(0.6)
-1.0(0.7)
-0.8(0.7)
-0.9(0.7)
0.2(0.7)
-0.1(0.6)
-0.9(0.7)
-1.0(0.8)
-2.6(0.9)
-2.2(0.8)
東北太平洋側
-1.0(0.6)
-0.7(0.7)
0.5(0.7)
-0.9(0.6)
-2.9(0.8)
東北北部
-1.0(0.7)
-0.9(0.7)
0.3(0.8)
-1.0(0.7)
-2.7(0.9)
東北南部
-1.0(0.6)
-0.8(0.7)
0.1(0.6)
-0.9(0.7)
-2.5(0.8)
青森県
-0.8(0.6)
-0.7(0.6)
0.7(0.7)
-1.0(0.7)
-2.4(0.9)
秋田県
-1.0(0.7)
-0.9(0.7)
-0.2(0.5)
-0.9(0.8)
-2.2(0.9)
岩手県
-1.2(0.7)
-1.0(0.8)
0.3(0.8)
-1.0(0.6)
-3.2(0.9)
宮城県
-0.5(0.7)
-0.1(0.7)
0.8(0.5)
-0.4(0.8)
-2.4(1.1)
山形県
-0.8(0.5)
-0.6(0.6)
0.1(0.5)
-0.6(0.5)
-2.1(0.6)
福島県
-1.3(0.7)
-1.1(0.8)
-0.1(0.7)
-1.2(0.7)
-2.8(1.0)
- 214 -
5.3 シミュレーションに用いたモデルの再現性
日最高気温の平均値では、全ての地域と各県で、年と春、秋、冬に負バイアスがあり、冬の負のバ
イアスがやや大きい。全国及び北日本と比較してバイアスの傾向に大きな矛盾は無い。また、特に不
自然に大きなバイアスは見られない。
表5.3-3 東北地方の日最高気温の平均値の再現性比較(地域気候モデルの値から観測値を引いたもの)
バイアスの地域平均、括弧内は地点間の標準偏差を示す。単位は℃である。正(負)のバイアスがある(バイア
スの絶対値が標準偏差以上)場合、オレンジ色(水色)に塗りつぶしている。
年
春
夏
秋
冬
全国
-1.97(0.47)
-1.76(0.79)
-1.25(0.75)
-1.99(0.46)
-2.87(0.97)
北日本日本海側
北日本太平洋側
-1.66(0.51)
-1.50(0.53)
-1.50(1.03)
-1.28(0.97)
-0.80(0.96)
-0.01(1.08)
-1.91(0.67)
-1.67(0.60)
-2.45(1.01)
-3.03(0.97)
東北地方
-1.5(0.8)
-1.5(0.9)
-0.5(1.0)
-1.7(0.8)
-2.7(0.9)
東北日本海側
-1.6(0.9)
-1.5(0.9)
-0.9(1.0)
-1.8(0.9)
-2.3(0.9)
東北太平洋側
東北北部
-1.5(0.7)
-1.6(0.8)
-1.4(0.8)
-1.6(0.8)
-0.1(0.9)
-0.4(1.0)
-1.7(0.6)
-1.8(0.7)
-3.1(0.8)
-2.8(0.9)
東北南部
-1.5(0.8)
-1.4(0.9)
-0.6(1.0)
-1.6(0.8)
-2.7(1.0)
青森県
-1.2(0.7)
-1.1(0.7)
0.3(0.9)
-1.6(0.7)
-2.4(0.8)
秋田県
岩手県
-1.7(0.7)
-1.9(0.8)
-1.6(0.8)
-1.9(0.9)
-1.0(0.8)
-0.4(1.0)
-1.9(0.8)
-2.0(0.7)
-2.3(0.8)
-3.4(0.8)
宮城県
-0.9(0.5)
-0.7(0.6)
0.3(0.5)
-1.0(0.6)
-2.5(1.0)
山形県
-1.2(0.6)
-1.2(0.7)
-0.7(0.8)
-1.3(0.7)
-1.9(0.8)
福島県
-2.0(0.9)
-1.9(1.0)
-1.0(1.2)
-2.0(0.9)
-3.2(1.0)
日最低気温の平均値では、各地域と各県で概ね夏に正バイアスがあり、冬に負のバイアスがある。
この傾向は全国及び北日本と比較してバイアスの傾向に大きな矛盾は無い。また、特に不自然に大き
なバイアスは見られない。
表5.3-4 東北地方の日最低気温の平均値の再現性比較(地域気候モデルの値から観測値を引いたもの)
バイアスの地域平均、括弧内は地点間の標準偏差を示す。単位は℃である。正(負)のバイアスがある(バイア
スの絶対値が標準偏差以上)場合、オレンジ色(水色)に塗りつぶしている。
全国
年
-0.32(0.41)
春
-0.19(0.74)
夏
0.36(0.64)
秋
-0.28(0.57)
冬
-1.17(0.89)
北日本日本海側
-0.20(0.39)
-0.10(0.79)
0.67(0.84)
-0.09(0.66)
-1.27(0.98)
北日本太平洋側
0.05(0.42)
0.31(0.79)
1.18(0.81)
0.26(0.78)
-1.55(1.12)
東北地方
東北日本海側
-0.2(0.9)
-0.3(0.7)
0.2(0.9)
0.1(0.8)
0.8(0.7)
0.6(0.5)
0.1(0.9)
0.0(0.8)
-2.2(1.3)
-1.9(1.0)
東北太平洋側
-0.1(1.0)
0.4(1.0)
1.0(0.8)
0.2(1.0)
-2.4(1.5)
東北北部
-0.2(0.9)
0.3(0.9)
0.9(0.7)
0.2(0.9)
-2.2(1.4)
東北南部
-0.3(0.8)
0.2(0.9)
0.7(0.6)
-0.1(0.9)
-2.1(1.2)
青森県
-0.2(0.7)
0.2(0.7)
1.1(0.6)
0.0(0.8)
-2.1(1.1)
秋田県
-0.1(0.8)
0.4(0.7)
0.7(0.5)
0.3(0.9)
-1.9(1.1)
岩手県
-0.2(1.1)
0.3(1.1)
1.0(0.9)
0.3(1.0)
-2.6(1.7)
宮城県
0.1(1.0)
0.7(1.0)
1.2(0.8)
0.4(1.1)
-2.0(1.4)
山形県
-0.2(0.7)
0.2(0.8)
0.8(0.5)
0.1(0.6)
-2.1(1.0)
福島県
-0.4(1.0)
0.0(1.0)
0.5(0.6)
-0.3(1.0)
-1.9(1.5)
- 215 -
5.3 シミュレーションに用いたモデルの再現性
5.3.2 雨の再現性
年降水量では、東北太平洋側とその各県で正のバイアスがある。季節別に見ると、春は東北太平洋
側を中心に多くの地域と県で正のバイアスがある。夏は東北日本海側を中心に負のバイアスが見られ、
秋は東北日本海側を中心に負のバイアスが見られ、東北太平洋側を中心に正のバイアスが見られる。
冬は殆どの地域で正のバイアスが見られる。全国及び北日本と比較してバイアスの傾向に大きな矛盾
は無い。また、不自然に大きなバイアスは見られない。
表5.3-5 東北地方の降水量の再現性比較(地域気候モデルの値から観測値を引いたもの)
バイアスの地域平均、括弧内は地点間の標準偏差を示す。単位は㎜である。正(負)のバイアスがある(バイア
スの絶対値が標準偏差以上)場合、水色(オレンジ色)に塗りつぶしている。
年
春
夏
秋
冬
全国
-14.5(279.0)
4.7(72.9)
-50.4(146.7)
-21.9( 64.1)
61.9(76.3)
北日本日本海側
北日本太平洋側
-70.1(193.9)
28.3(43.0)
-63.0( 46.5)
-55.9( 41.5)
31.3(89.6)
137.6(146.9)
47.6(34.5)
-42.6( 53.5)
27.5( 41.6)
115.7( 42.4)
東北地方
182.3(289.6)
58.6(52.2)
-74.3( 83.6)
18.1( 90.1)
151.9(117.9)
東北日本海側
57.2(345.1)
48.4(63.4)
-96.9( 95.2)
-30.1(101.5)
105.0(146.8)
東北太平洋側
東北北部
265.5(173.5)
66.2(36.8)
-52.9( 65.1)
59.5( 47.1)
179.5( 65.0)
118.3(266.4)
49.3(51.2)
-70.8( 80.6)
1.1( 75.5)
112.7(104.1)
東北南部
259.4(308.6)
69.1(52.4)
-78.8( 87.5)
38.4(103.7)
199.4(128.4)
青森県
132.6(222.5)
52.6(32.9)
-38.3( 91.7)
-3.8( 64.5)
96.4( 70.3)
秋田県
岩手県
-143.3(229.7)
0.8(47.7)
-113.9( 79.2)
-75.5( 60.4)
25.6(107.3)
295.4(200.1)
82.9(46.0)
-60.5( 60.1)
62.8( 47.1)
189.7( 75.3)
宮城県
277.8(153.7)
58.7(28.3)
-53.9( 69.0)
63.3( 39.5)
200.3( 47.0)
山形県
10.7(343.4)
65.1(52.2)
-112.2( 85.6)
-53.2(116.9)
105.3(138.5)
福島県
361.8(239.9)
75.0(59.7)
-66.3( 86.8)
84.0( 54.7)
246.2(123.5)
5.3.3 雪の再現性
降雪量では、宮城県を除いて全般に年、各月で負のバイアスが見られる。東北太平洋側では年、12
月、3月はバイアスがなく、岩手県、宮城県でも同様の傾向が見られ、特に宮城県の12月には正のバイ
アスがあり、全国及び北日本と比較して矛盾する。宮城県の12月は降雪の頻度が少ないことにより十
分な事例数がない可能性があり、シミュレーション結果を参照する際は注意が必要である。
- 216 -
5.3 シミュレーションに用いたモデルの再現性
表5.3-6 東北地方の降雪量の再現性比較(地域気候モデルの値から観測値を引いたもの)
バイアスの地域平均、括弧内は地点間の標準偏差を示す。単位は㎝である。正(負)のバイアスがある(バイア
スの絶対値が標準偏差以上)場合、水色(オレンジ色)に塗りつぶしている。
全国
北日本日本海側
北日本太平洋側
年
12月
1月
2月
3月
-386.97(244.15)
-65.97(65.12)
-130.40(68.99)
-116.92(52.04)
-62.83(41.58)
-535.09(202.63) -106.77(65.15)
-173.58(51.45)
-144.06(38.17)
-85.91(33.11)
-266.67(182.37)
-46.62(44.54)
-93.27(50.72)
-80.45(38.62)
-50.72(33.56)
東北地方
-383.1(204.6)
-55.9(45.3)
-147.3(73.0)
-130.8(57.4)
-60.6(39.2)
東北日本海側
-461.9(160.0)
-66.7(42.1)
-177.0(58.7)
-157.2(43.5)
-75.5(34.1)
東北太平洋側
東北北部
-195.7(203.8)
-29.8(45.9)
-84.2(66.0)
-77.7(49.3)
-31.7(35.0)
-345.0(211.2)
-59.6(44.5)
-133.7(69.1)
-116.2(53.8)
-50.2(34.8)
東北南部
-450.3(196.6)
-53.5(46.7)
-170.5(76.7)
-154.5(57.6)
-76.9(41.7)
青森県
-414.9(230.1)
-80.8(57.8)
-146.9(80.4)
-129.3(63.1)
-64.9(30.6)
秋田県
岩手県
-384.8(122.9)
-60.0(19.9)
-154.9(43.4)
-133.2(31.6)
-54.7(28.6)
-218.8(220.0)
-38.4(45.3)
-94.4(70.4)
-84.3(55.1)
-34.1(41.4)
宮城県
-8.4(108.6)
19.4(17.5)
-33.9(47.8)
-40.8(42.4)
-0.8(14.1)
山形県
-566.4(137.3)
-76.0(49.6)
-214.4(57.4)
-180.5(38.6)
-90.0(37.7)
福島県
-461.2(135.0)
-49.4(17.9)
-162.6(41.8)
-162.3(39.9)
-89.0(32.5)
最深積雪では、地域毎では年・各月とも明確なバイアスはないが、県別では岩手県と福島県を除き、
負や正のバイアスがあり、絶対値も東北の各地域や全国及び北日本と比べて不自然に大きい。最深積
雪の県単位の評価は着目する範囲が狭すぎる可能性があり、参考値として扱うこととし、5.2.2では
年・月別の変化量の大小や統計的な有意性の評価は行わない。
表5.3-7 東北地方の最深積雪の再現性比較(地域気候モデルの値から観測値を引いたもの)
バイアスの地域平均、括弧内は地点間の標準偏差を示す。単位は㎝である。正(負)のバイアスがある(バイア
スの絶対値が標準偏差以上)場合、水色(オレンジ色)に塗りつぶしている。
1月
2月
3月
全国
-13.63(44.23)
年
0.46(20.88)
12月
-9.70(33.02)
-14.32(39.37)
-3.17(41.97)
北日本日本海側
-25.99(40.22)
4.80(24.95)
-18.95(34.96)
-26.32(38.60)
-14.82(41.95)
北日本太平洋側
5.18(30.27)
8.15(13.18)
2.85(21.93)
1.56(26.45)
9.01(25.79)
東北地方
-19.1(41.4)
1.8(18.0)
-13.1(32.7)
-22.0(40.3)
-8.5(40.1)
東北日本海側
-27.7(41.8)
0.3(19.7)
-19.7(34.0)
-30.9(41.7)
-14.9(43.6)
東北太平洋側
6.4(35.6)
8.0(14.8)
4.8(27.9)
0.7(34.1)
9.5(31.3)
東北北部
東北南部
-20.9(35.1)
-2.2(14.3)
-15.1(28.4)
-24.1(35.6)
-11.8(31.9)
-19.9(48.7)
5.9(20.7)
-13.0(37.8)
-22.4(46.1)
-6.9(48.7)
青森県
-38.2(34.9)
-13.7(17.2)
-30.8(34.6)
-45.6(45.2)
-35.7(36.4)
秋田県
-29.7(15.9)
-2.1( 7.3)
-20.7(12.2)
-30.9(13.8)
-17.4(15.1)
岩手県
宮城県
6.9(34.7)
7.8(10.3)
4.5(26.4)
1.0(31.3)
12.6(28.5)
42.6( 7.4)
23.7( 1.3)
29.3( 9.2)
37.3(5.0)
43.5( 8.3)
山形県
-42.9(32.6)
-2.7(10.4)
-31.4(27.2)
-45.2(32.5)
-29.8(30.3)
福島県
-12.0(50.0)
11.4(23.7)
- 2.9(34.6)
-13.1(42.5)
5.3(48.9)
- 217 -
Author
Document
Category
Uncategorized
Views
1
File Size
126 KB
Tags
1/--pages
Report inappropriate content