営業考査室審査済 三木証券株式会社 東京都中央区日本橋1−20−9 TEL03‐3278‐1111 MIKI Monthly Topic ―10月 Blu- ray Disc VS.HD DVD ― 次期 DVD をめぐり、規格戦争が本格的になってきた。ソニー、松下、日立などのブルー レイ ディスク(Blu-ray Disc)陣営と東芝、NEC などの HD DVD 陣営が全面戦争状態にな っている。この規格間には互換性がなく勝者が市場を支配すると考えられるため、共に譲 れない状況だ。 【ブルーレイ ディスク】 ソニー、松下電器産業など 13 社が共同策定した次期 DVD 規格で、ディスクは現行 CD や DVD と同じ円盤形で直径 120mm と同じ大きさである。ブルーレイとは青紫色のレーザ ーのことで、従来の CD や DVD で使用されていた赤色のレーザーよりも波長が短いため、 トラックピッチ(CD や DVD などの円形の表面にある窪みのことで、この窪みにレーザー を当てることで、窪みからのレーザーの反射光の変化でデータを読み取る)を縮小するた め、高密度化ができ 27G バイトの情報量を保存でき(これまでの DVD ディスクは 4.7G バ イト)、例えば BS デジタル放送の 2 時間番組を録画するのには 21.6G バイト必要となるが ブルーレイ ディスクでは十分な余裕があり使い勝手がよい。 このディスクは高速データ転送が可能なためデジタルカメラの映像もそのままの状態で 記録・再生が可能なことや、ビデオカメラの映像の編集などに優れているほか、MD 同様に カートリッジ方式を採用しているためディスクの傷などを防止し、取扱いが容易である。 【HD DVD】 HD DVD は東芝と NEC が中心となって開発を進めた次期 DVD 規格である。ディスク の型や大きさは、 CD や DVD、 ブルーレイ ディスクと同じく直径 120mm の円盤状である。 読み取りにはブルーレイと同様青紫レーザーを使用、読み出しは片面単層 15G バイト、2 層で 30G バイトとなっている。HD DVD の最大の特徴は現在の DVD の規格との互換性が 高いことである。HD DVD は DVD と同じ物理的なディスク構造を採用しており、プレー ヤーメーカーやディスクメーカー、PC メーカーなどは DVD から HD DVD への移行が容 易であるため、製造コストや設備投資などへの負担が少なく済むなどの利点があげられる。 また HD DVD ディスクはまたブルーレイディスクと異なりカートリッジを必要としないた め薄くすみ、軽量薄型ノートパソコンなどへの装備が容易である。映像品質については当 初 H.264 や VC-1 などの圧縮技術を使用しているため、画面解像度がブルーレイ ディスク に比べ落ちるとの指摘もあったが、現在では大きな差はないと見られている。 【ブルーレイ ディスク陣営】 ブルーレイ ディスクは前文の通りソニー、松下など日・米・欧・韓の主なメーカー13 社 が提唱し、策定された。13 社は次の通りである。ソニー(6758) 、デル、日立製作所(6501) 、 LG 電子、松下電器産業(6752) 、ヒューレット・パッカード、パイオニア(6773)ロイヤ ルフィリップス、サムソン電子、シャープ(6753) 、TDK(6762) 、フランストムソン、三 菱電機(6503) 。PC メーカーからアップルコンピューターが陣営に加わった。またハリウ ッド映画からソニー・ピクチャー、ウォルト・ディズニー、20 世紀フォックスがブルーレ イ方式を支持した。当初 HD DVD 陣営であったパラマウントはブルーレイ方式でも映画ソ フトを発売すると発表した。ハリウッド映画会社を陣営に加えればその会社のコンテンツ のソフト化で競争力が増大されるため、両陣営での取り込みが活発になっている。 【HD DVD 陣営】 HD DVD は東芝(6502)と NEC(6701)が当初共同開発を進め、その後三洋電機(6764) が参加した。東芝は家庭用音響・映像機器やノート型 PC に強く、NEC は DVD やデバイ スを得意領域にしており、三洋電機は記録を読み取るピックアップレンズに強みを持って いることから、各社の利害関係は一致している。この HD DVD 陣営にはインテルとマイク ロソフトが支持しているほか、IBM も陣営に入っている。またブルーレイ陣営のフランス トムソンがこちらの陣営にも加わり、HD DVD プレーヤーを発売する予定である。ハリウ ッド映画ではワーナー・ブラザーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ、パラマウントなどが 加わっているがパラマウント社については上記の通りである。 【今後の動向】 次期 DVD 規格の統一に関しては、両者の話し合いが持たれているが大きな進展は見ら れていない。このため東芝は HD DVD プレーヤーを年内中に国内での発売に踏み切る予 定である。 (ソニーは既にブルーレイディスクレコーダーを発売している。)これにより 異なった2つの規格の次期 DVD が市場に出る事により規格戦争は始まる。現時点でどち らの陣営が優位かを判断するのは非常に難しい。かつてのベータマックス VS.VHS の ようにどちらかが駆逐されることが考えられるほか、可能性は低いが機器メーカーの努 力で DVD のように DVD+R/RW、DVD-R/RW の規格の違いにも対応できたように、双 方の規格に対応できる機器の実現も考えられる。そのほか HD DVD 陣営に PC メーカー や PC ソフト、デバイスの会社が多いことで HD DVD が記録媒体に特化することもない とはいえない。いずれにしてもこの数年のうちに答えが出ると考えられる。次期 DVD の 寿命はビデオほど長くないと予想され、このどちらかがこの戦いに勝利しても、企業業 績に与える影響は限定的であると考えられるので、ユーザーに配慮した形での解決方法 が望まれる。 14/October/2005 このレポートは投資の参考となる情報の提供を目的とし、証券の売買勧誘を目的としたも のではありません。投資判断は投資家ご自身でお願いします。
© Copyright 2026 Paperzz